专利摘要:

公开号:WO1992005865A1
申请号:PCT/JP1991/001311
申请日:1991-09-30
公开日:1992-04-16
发明作者:Yasutoshi Shimizu;Kenichi Shimodera
申请人:Toto Ltd.;
IPC主号:B01D71-00
专利说明:
[0001] 明 細 書 瀘 過 膜 (技術分野)
[0002] 本発明は、 原液を瀘過処理する場合に用いる瀘過膜に 関し、 更に詳しく は粒子成分と高分子成分 (例えば生体 高分子) とを含む微生物の培養液などから高分子成分の みを高効率で回収することができる濾過膜に関する。
[0003] (背景技術)
[0004] 近時、 多孔性膜を用いた分離技術が多く の分野で実用 化されている。 例えば逆浸透法による溶媒とイオンの分 離、 限外瀘過法による溶媒と溶質の分離、 精密瀘過法に よる溶媒中の粒子成分の分離などが実用化されている。
[0005] このような分離技術に用いられる膜素材と しては、 例 えば酢酸セルロース、 ポ リ アク リ ロニ 卜 リ ル、 ポ リア ミ ド、 ポ リ スルフォ ン、 ポリエチレンのような有機化合物 や、 酸化アルミニウム、 酸化ジルコニウム、 酸化ゲイ素 などの無機化合物が知られている。 有機化合物を素材と した膜は、 蒸発法、 コアセルべーシヨ ン法、 延伸法など の方法によって製造できる。 また、 無機化合物を素材と した膜は、 無機化合物粒子を焼結する方法、 分相現象を 利用した方法などによって製造できる。
[0006] ところで、 微生物による発酵培養液からタンパク質な どの高分子成分を多孔性膜を利用して瀘過回収すること が一般に行われている。 微生物の発酵作用によってタン パク質などを生産させ、 その培養物から目的高分子を回 収する場合、 培養物からそのままもしく は菌体を破砕し そこから目的高分子を瀘過回収することが行われている。 回収の方法としては、 粉枠培養物を多孔性膜面に対し て平行に流す方法 (クロスフロー瀘過法) が好ま しく採 用されている。 多孔性膜の細孔径を適宜選択すると、 目 的高分子成分は膜を透過できるが、 それ以外の菌体また はその粉砕物など (以下場合によって 「粒子成分」 とい う場合がある) は多孔性膜を透過できないようにするこ とができる。 これによつて目的高分子成分のみを単離す る ことができるのである。
[0007] 高分子成分は溶媒とともに多孔性膜を透過するもので あることから、 このような瀘過における多孔性膜として は、 高い溶媒透過性を有するものが一般に有利であると されてきた。 特に、 有機化合物からなる膜は、 その多孔 度を大きくすることができるため、 高い溶媒透過性を付 与することができるので有利とされてきた。 有機化合物 からなる膜では、 単位時間、 単位面積あたりの溶媒の膜 透過量である、 純水透過流束 ( P W F ) を大きくするこ とができるのである。 こ こで、 この溶媒透過性は、 膜の 透過抵抗 R mと しても評価するこ とができる。 この R m は次の式 ( 1 ) で定義されるものである。 R m = (厶 P Z 7 ) ♦ ( 1 ZPWF ) ( 1 )
[0008] (式中、 Δ Ρは瀘過圧力、 77は溶媒の粘度、 PWF は溶媒 の膜透過流束値である)
[0009] 従来用いられて来た膜の透過抵抗 R mはほぼ
[0010] 1 X 1 0 Um_1以下であつた。
[0011] —方、 無機化合物からなる膜においても、 例えは特公 昭 58— 4864 6号公報、 特表昭 6 1 - 50022 1 号公報に記載の膜のように、 粒子径の異なる粒子を積層 して膜の溶媒透過性が大き く (膜の透過抵抗が小さ く ) なるようにされている。
[0012] しかしながら、 上記従来の膜によって目的高分子を単 離しようとすると、 次のような問題点があった。 すなわ ち、 上記従来の膜であると、 瀘過の進行にと もなって膜 を透過できなかった成分 (主に粒子成分) が膜面に蓄積 し、 層を形成してしま う。 この層は比較的密であり、 場 合によって目的高分子の通過を阻害し、 目的高分子の効 率のよい瀘過を妨げてしま うのである。
[0013] この蓄積層の形成を防ぐため、 被処理液を高速で流す 方法も考えられる。 しかし、 この方法では液中成分に大 きな剪断力が加わり、 目的高分子の変性を招く をおそれ があり好ま しく ない。
[0014] よって、 目的高分子と粒子成分とが混在した系から、 高分子成分のみを効率よく 回収するための多孔性膜の実 現が望まれていたといえる。 (発明の概要)
[0015] 従って本発明は、 目的高分子と粒子成分とを含む液中 から高分子成分のみを効率よく 回収することができる瀘 過膜を提供することを目的としている。
[0016] 本発明による瀘過膜は、 平均钿孔径が 1 0 n m以上 1 0 m以下の細孔または分画分子量が 1 X 1 0 4 以上 1 X 1 0 8 以下で表される細孔を有し、 透過抵抗が 5 X 1 0 U m— 1以上 1 X 1 0 1 5 m— 1以下であることを特徴と するもの、 である。
[0017] (図面の簡単な説明)
[0018] 第 1図は、 本発明による瀘過膜によって微生物の培養 物を瀘過した透過液と、 瀘過前の培養物のゲルク口マ ト グラムであり、
[0019] 第 2図は、 本発明による瀘過膜によって微生物の菌体 破砕物のモデル液を瀘過し 瀘過液と、 瀘過前のモデル 液のグロマ トグラムであり、 そ して
[0020] 第 3図は、 従来の濾過膜によって微生物の培養物を瀘 過した透過液と、 瀘過前の培養物のゲルクロマ トグラム である。 '
[0021] (発明の具体的説明)
[0022] 瀘過膜
[0023] 本発明による瀘過膜は、 平均細孔径が 1 0 n m以上 1 0 m以下の細孔を有するものであり、 好ま しく は 1 〇 n m以上 1 m以下の細孔を有するものである。 こ の細孔径は基本的には、 被瀘過液中の透過させたい成分 の大きさと、 透過させたく ない成分の大きさの間に設定 されればよい。 例えば、 微生物の大きさは 1 / 1 0 ^ m 〜 1 0 m程度の大きさであり、 また粉砕培養物中の粒 子成分の大きさは一般に 1 ◦ n m以上である。 一方、 微 生物によつて産生される高分子成分は一般に分子量が 1 0 3 〜 1 0 " 程度、 大きさが数〜数十 n m程度である。 従って、 平均細孔径が前記範囲にある細孔を有する瀘過 膜によれば、 微生物の培養物または粉砕培養物から微生 物が生産した目的高分子化合物を透過回収するこ とがで きる D
[0024] また、 瀘過膜の細孔は、 分画分子量によって定義され てもよい。 この場合も瀘過膜を透過させたい成分の分子 量と透過させたく ない成分の分子量の間に分画分子量が 設定されればよい。 前記例によれば高分子成分は分子量 が 1 0 3 〜 1 0 5 程度である。 従って、 瀘過膜が分画分 子量 1 X 1 0 4 以上 1 X 1 0 8 以下で表される細孔、 好 ま しく は 1 X 1 0 5 以上 1 X 1 0 8 以下の細孔、 を有し ていれば微生物の培養物または粉砕培養物から微生物が 生産した目的高分子化合物を透過回収することができる。
[0025] さらに本発明による瀘過膜は、 その透過抵抗が 5 X
[0026] 1 〇 nm— 1以上 1 X 1 0 ^m—1以下、 より好ま しく は 6 X 1 0 11 m一1以上 1 X 1 0 14m— 1以下、 に設定されてな るものである。 膜における透過抵抗は、 前記した式 ( 1 ) によって定義される。 従って、 溶液の溶媒ごとにその透 過抵抗は相違するものであり、 透過抵抗の値は被瀘過液 の溶媒の種類を考慮して設定される。 例えば、 微生物の 培養物を被瀘過液として選択した時には、 培養物は一般 的に水溶液であるから、 純水を用いた場合の透過抵抗が 前記範囲にあるよう膜を構成する。
[0027] 透過抵抗が 5 X 1 0 U m _ 1未満であると、 いわゆる粒 子成分の蓄積層が膜表面に形成されてしまい好ま しく な い。 また、 透過抵抗が 1 X 1 0 1 5 m _ 1を超えると、 粒子 成分の蓄積層の形成はみられないが、 膜透過流束が小さ く なり瀘過膜として実用上機能しなく なってしまうので 好ま しく ない。
[0028] 粒子成分の蓄積層の形成が抑制される機序は明らかで はないが、 透過抵抗が大きいと、 粒子成分を膜面方向へ 移動させる力が粒子成分を膜面から離そうとする力 (被 瀘過液の流れによって粒子を膜面からかきとろうとする 力) に対して相対的に弱く なり、 その結果、 粒子成分が 膜面に蓄積しなく なるものと思われる。
[0029] 本発明による瀘過膜は、 無機材料、 有機材料のいずれ からなるものであってもよい。 無機材料からなる場合、 好ま しい無機化合物と しては酸化アルミ二ゥム、 酸化ジ ルコニゥム、 酸化ゲイ素、 酸化スズ、 酸化チタ ン、 炭化 ゲイ素、 窒化ゲイ素、 粘土鉱物などが挙げられる。 また、 有機材料からなる場合、 好ま しい有機化合物と しては酢 酸セルロース、 ニ ト ロセノレロース、 ポ リ アク リ ロニ ト リ ル、 ポ リ ア ミ ド、 ポ リ スルフ ォ ン、 ポ リ エチレン、 ポ リ プロ ピレン、 ポ リエーテルスルホンなどが挙げられる。 本発明による濾過膜は前記した無機材料または有機材 料の単一の層からなるものであってもよ く 、 また細孔径 や空隙率の異なる層が積層されてなるものであってもよ い。 複数の層からなる膜である場合、 膜全体と して前記 したような平均細孔径または分画分子量 よび透過抵抗 を有するよう構成されていればよいことはいうまでもな い。 積層構造の瀘過膜は、 例えば、 瀘過膜に強度を持た せるために膜厚を厚くすると瀘過抵抗が大きく なり過ぎ てしまう場合に、 瀘過に関わる層 (以下 「活性層」 とい う場合がある) を薄く して、 細孔径の大きな層と組み合 わせて強度を持たせることができるので有利である。
[0030] さ らに本発明による瀘過膜は、 無機材料と有機材料と の複合体から構成されるものであってもよい。 例えば、 無機材料からなる瀘過膜の表面に有機化合物からなる薄 膜を形成したものが挙げられる。 このような構成の瀘過 膜は、 無機膜が有する高強度、 耐環境性、 耐熱性などの 特性と、 有機膜が有する微細なふるい分け機能とを合せ 持ったものとなる。 有機膜には微細なふるい分け機能を 持たせることが可能である一方、 無機膜に比較して強度、 耐環境性、 耐熱性に劣る面がある。 しかし、 無機材料表 面に導入された有機薄膜層にあってはその強度、 耐環境 性、 耐熱性が向上するすることから、 前記のような複合 体と構成するのが有利である。
[0031] 本発明の好ま しい 様によれば、 瀘過膜の細孔表面に 対する被瀘過液の接触角が 6 0度以下とされる。 披瀘過 液の瀘過膜に対する接触角が 6 0度以下であると、 瀘過 膜への被瀘過成分の吸着が抑えられる。 瀘過膜の細孔に 吸着したタンパク質などの高分子化合物は瀘過膜の透過 性を損なう ことがあるので、 この吸着を抑制することに よってより効率のよぃ瀘過が可能となる。
[0032] また、 本発明の別の好ま しい態様によれば、 瀘過膜の 細孔表面にスルホ基を存在させる。 瀘過膜の表面にスル ホ基が存在すると、 前記した接触角の場合と同様に、 瀘 過膜への被瀘過成分の吸着が抑えられ、 目的成分を効率 よ く 回収するこ とができる。
[0033] さ らに本発明の別の好ま しい態様によれば、 瀘過膜の 表面のゼータ電位を被瀘過液に対して零または負の値で , あるように構成される。 この場合も、 前記と同様に瀘過 膜への被瀘過成分の吸着が抑えられ、 目的成分を効率よ く 回収することができる。
[0034] 瀘過膜による瀘過
[0035] 本発明による瀘過膜は、 被瀘過液および瀘過方法に適 した合目的的な形状および形態で使用される。 例えば、 ク ロスフロー瀘過法を採用する場合、 中空円筒形状に瀘 過膜を成形し、 利用するのが好ま しい。 瀘過の条件もそ の瀘過方法を勘案して適宜決定されてよいが、 例えばク ロスフロー瀘過法による場合、 瀘過圧力が 0 . 5〜 2 kgf/cm 2 、 膜面の流速が 1 〜 5 m/s 程度とされるのが好 ま しい。
[0036] 本発明による瀘過膜による瀘過の対象は特に限定され ないが、 微生物の発酵培養物から目的とする夕 ンパク質 などの高分子化合物を回収するような場合など、 従来の 瀘過膜では膜表面に蓄積層が形成されてしま うような瀘 過操作に好ま しく用いられる。
[0037] なお、 膜を透過した透過液は場合によって目的とする 成分以外の物質も含有している。 従ってより精製された 目的成分を得たい場合には、 例えばク ロマ トグラフィ ー、 その他の常法の精製手段によって精製すればよい。
[0038] 瀘過膜の製造
[0039] 本発明による瀘過膜は、 細孔の大きさおよび透過抵抗 が所定の範囲に設定される以外は、 既に公知の方法およ びそれに類似する方法によって製造することができる。 本発明による瀘過膜の好ま しい製造例を以下に説明する。 無機材料からなる場合、 無機化合物の粒子をバイ ンダ —とともに成形後、 焼成することによって多孔質を得て、 これを瀘過膜とすることができる。 細孔径または分画分 子量は、 出発材料である無機化合物の粒子の大きさを適 宜選択するこ とで決定することができる。 また、 透過抵 抗は膜の細孔径の 2乗に反比例し、 膜厚に比例し、 膜の 多孔度 (空隙率) に反比例する。 従って、 この三つのパ ラメータ一を制御する-ことで所望の透過抵抗の膜が得ら れる。 具体的な製造は例えば、 特願平 2 - 4 1 8 0 1 8 号明細書、 特開平 2— 1 2 6 9 2 4号公報などに記載の 方法に従って行う ことができる。
[0040] また、 有機材料からなる場合、 従来の多孔質膜の製造 法に準じた方法によつて製造することができる。 有機材 料からなる場合も、 その透過抵抗は膜の細孔径の 2乗に 反比例し、 膜厚に比例し、 膜の多孔度 (空隙率) に反比 例することから、 細孔径、 膜厚、 膜の多孔度を適宜選択 することによつて所望の透過抵抗の値を有した瀘過膜を 得ることができる。 具体的な製造は、 例えば特開平 3— 6 8 4 1 0号公報、 特開平 3 - 1 4 3 5 3 5号公報など に記載の方法に従つて行う ことができる。
[0041] また、 無機材料と有機材料の複合構造からなる膜は、 例えば、 無機材料からなる瀘過膜の表面に有機化合物か らなる層を、 シラ ンカ ツプリ ング剤を用いた表面改質な どの方法で形成することによって得ることができる。
[0042] 被瀘過液の瀘過膜に対す'る接触角は、 例えば、 水酸基、 スルホ基、 力ルボキシル基などの親水性の官能基を表面 に導入することによって低角度化することができ、 また アルキル基、 フッ素基などの疎水性官能基を表面に導入 することによって高角度化することができる。 無機膜へ の各種官能基の導入は、 例えば清水らの文献 (窯業協会 誌、 95, 1067 (1987))に記載の方法に従って行う ことがで きる。 また、 塩酸、 硝酸、 硫酸などの強酸で膜を洗浄す ることによつても接触角を低角度化することができる。 また、 瀘過膜の細孔表面へのスルホ基の導入、 および、 被瀘過液に対する瀘過膜表面のゼ一夕電位の制御は、 前 記した清水らの文献に加え、 同じく清水らによる文献 (Journal of Chemical Engineering of Japan, 22, 635 (1989))に記載の方法に従つて行う ことができる。
[0043] [実施例]
[0044] 実施例 A 1
[0045] (瀘過膜の製造)
[0046] 平均細孔径が 0. 2 m、 膜の透過抵抗が 1 X 1 012 m_1である環状内圧型アルミ ナ瀘過膜 (内径 7 mni、 外形 1 0 mm、 長さ 2 0 0 mm) を次のよう に して製造した。
[0047] まず、 平均粒子径 3 0 mの α —アルミ ナ粒子 9 2重 量部とバイ ンダ一と してのメ チルセルロース 8重量部と を水を加えて混練し、 これを管状に押し出し成形し、 乾 燥した後 1 7 5 ◦ °Cで焼成した。 こう して得られた多孔 質体の管内に、 粒径◦. 5 mの α—アルミ ナ粒子 9 5 重量部とメチルセルロース 5重量部と水とからなるスラ リュを流し、 スラ リ ー中の水分を多孔質体に吸水させて、 多孔質体表面に微粒子層を形成し、 ス リ ップキャスティ ング法で活性層を製膜した。 吸水時間は 5分間と した。 その後乾燥し、 続いてこれを 1 2 0 0 °Cで焼成し、 アル ミ ナ瀘過膜を得た。
[0048] (齒過能力の評価)
[0049] 上で得た膜の瀘過能力を次のように評価した。
[0050] 被瀘過液である発酵液としては、 Miyazakiらの報告 (Agric. Biol . Chem.. 52. 625 (1988) ) に基づき、 β 一ガラク ト シタ一ゼを体外に分泌する Baci 1 lus inaeera ns I F O 3 94 0株を培養したものを用意した。
[0051] 瀘過は、 膜面流速 1. 0 m ♦ s _1、 瀘過圧力 5 0 kPa のクロスフロー条件下で行った。 透過液中の 3—ガラク ト シターゼは、 ゲルクロマ トグラフによって分析した。 その結果は第 1図に示される通りである。 また、 発酵液 をそのままゲルクロマ トグラフによって分析した。 その 結果も第 1図に示される通りである。
[0052] このゲルクロマ トグラフは、 ;3—ガラク ト シターゼの 保持時間が 8分となるように条件設定されている。 透過 液と発酵液とを比較すると、 保持時間 8分のピーク比は 0. 7 5であり、 従って、 /3—ガラク ト シターゼの回収 率は 7 5 %であることがわかる。
[0053] また、 光散乱光度計分析によると透過液中に粒子成分 が存在しないことを確認した。 従って、 透過液中に粒子 成分の漏出はなかったといえる。
[0054] さらに、 瀘過膜表面の蓄積層の有無を次のように Lて 推定した。 まず、 瀘過前および終了後の膜透過流束値を 測定した。 その値をそれぞれ PWF および J とする。 さ ら に瀘過終了後の瀘過膜をスポンジで洗つた後の膜の膜透 過流束値 PWF'を、 3 ◦ C、 圧力 5 ◦ kPa で測定した。 そ れらの値は次の通りである。
[0055] PWF = 5. 3 1 m 3 • m -2 d -1
[0056] 1 = 4. 1 1' m 3 • m - 2 d - 1
[0057] PVF ' = 4. 1 5 m 3 ♦ m -2 d -1 こ こで、 膜の透過抵抗を R m、 膜の目詰ま りによる透過 抵抗増加を R P、 蓄積層の抵抗を R c と したときに、 次 の関係が成立する。
[0058] 1 = ( Δ Pノ ) · R m
[0059] 1 / J - (厶 · (R m + R p + R c ) 1 / PVF ' = (厶 Ρ Ζ τ ) ♦ (R m + R p )
[0060] 以上より、 R m、 R pおよび R cの値を求めるとその 値は次の通りである。
[0061] R m X 1 0 -11 tm ―一1) 1 0. 0
[0062] R P X 1 0 -11 (m 2. 8
[0063] R c X 1 0 -11 (m一1) 0. 1
[0064] 以上より、 本実施例においては、 瀘過膜表面に蓄積層 はほとんど形成されていないことがわかる。
[0065] 実施例 A 2
[0066] 膜の透過抵抗が 6 X 1 0 Hm—1のアルミ ナ非対称膜を、 スラ リ ーの吸水時間を 3分と した以外は、 実施例 A 1 と 同様にして製造した。 こ う して得た膜を用いて実施例 A 1 と同様にして微生物の発酵液を瀘過した。 発酵液と膜透過液のゲルクロマ トグラムを行った。 透 過液と発酵液とのピーク比から求めた ^—ガラク トシ夕 一ゼの回収率は 68 %であった。
[0067] また、 実施例 A 1 と同様に、 R m、 R pおよび R cを 求めたところ、 その値は次の通りであった。
[0068] R m x 1 0 -11 (m一1) 6. 0
[0069] R p X 1 0 -11 Cm一1) 1. 2
[0070] R c X 1 0 - 11 (m -1) 0. 2
[0071] 以上より、 本実施例においては、 瀘過膜表面に蓄積層 はほとんど形成されていないことがわかる。
[0072] 実施例 A 3
[0073] (瀘過膜の製造)
[0074] 平均細孔径が 1 0 n m、 膜の透過抵抗が 1 1 X 1 ◦ 11 m_1である瀘過膜を次のようにして製造した。 まず、 実 施例 A 1で得た多孔質体の管を用意し、 この管内に平均 粒子径 2 O n mの α —アルミ ナ粒子 9 5重量部とメ チル セルロース 5重量部とからなるスラ リ ーを流した。 吸水 時間は 1分間とした。 その後、 乾燥して 1 0 0 0 °Cで焼 成し、 瀘過膜を得た。
[0075] (瀘過能力の評価)
[0076] 上で得た膜による、 細胞破砕物からの目的物質の-濾過 を次のように 亍つた。
[0077] 被瀘過液は次のように調製した。 まず、 Esherichia coliを完全培地において培養し、 その後菌体を遠心分離 によって集菌し、 生理食塩水で洗浄した後、 生理食塩水 に再分散させた。 この分散液をフ レンチプレス破砕し、 牛血清アルブミ ンを添加したモデル液を調製した。
[0078] 瀘過は、 膜面流速 1. 0 111 * 8 _1、 瀘過圧カ 5 01^3 のク ロスフロー条件下で行った。 透過液中の牛血清アル ブミ ンは、. ゲルク ロマ トグラフによって分析した。 その 結果は第 2図に示される通りである。 また、 モデル液を そのままゲルク ロマ 卜グラフによって分析した。 その結 果も第 2図に示される通りである。
[0079] 二のゲルク ロマ ト グラフは、 牛血清アルブミ ンの保持 時間が 7. 2分となるように条件設定されている。 透過 液とモデル液とを比較すると、 牛血清アルブミ ンの回収 率は 7 2 %であった。
[0080] 実施例 B 1
[0081] (瀘過膜の製造)
[0082] 平均細孔径が 0. 2 ^ m、 膜の透過抵抗が 6 X 1 011 m"1. 純水の接触角が 3 0度である環状内圧型アルミ ナ 瀘過膜 (内径 7 ram、 外形 1 0 mm、 長さ 2 0 0 mm) を次の ように して製造した。
[0083] 実施例 A 2で得た瀘過膜を ト リ メ チルク ロロ シラ ン 5 重量部を含む トルエン溶液中で 2 ◦時間環流した。 トル ェンで洗浄した後乾燥し、 さ らに 6 0 0 °Cで焼成して、 表面にシ リ カの単分子層が形成された瀘過膜を得た。 (瀘過能力の評価) 上で得た膜の瀘過能力を実施例 A 1 と同様にして評価 した。
[0084] ゲルク ロマ トクグラムの結果、 3—ガラク ロ シ夕一ゼ の回収率は 8 5 %であった。 また、 光散乱光度計分析に よると透過液中に粒子成分が存在しないことを確認した。
[0085] さらに、 実施例 A 1 と同様にして R m、 R pおよび R cを求めた。 それらの値は次に示される通りである。
[0086] R m X 1 0— 11 (m_1) 6. 〇
[0087] R p x 1 0— 11 Cm"1) 0. 8
[0088] R c x 1 0 ~U Cm-1) 0. 1
[0089] R が小さいことから、 粒子成分の蓄積層の形成はほ どんど形成されていないと推定される。 また、 R cの値 も小さいことから、 瀘過膜への吸着なども低く抑えられ ているものと考えられる。
[0090] 実施例 B 2 - (瀘過膜の製造)
[0091] 平均細孔径が 1 0 n m、 膜の透過抵抗が
[0092] 1 1 X 1 0 Um_1、 純水の接触角が 42度である非対称 構造ジルコ二ァ瀘過膜を、 α アルミ ナに代えて平均粒 子径 20 n mのジルコニァ粒子を用いた以外は実施例 A 3と同様にして製造した。
[0093] (瀘過能力の評価)
[0094] 上で得た膜の瀘過能力を実施例 A 3と同様にして評価 した。 その結果、 モデル液中から牛血清アルブミ ンを 7 2 % の効率で回収できることがわかった。
[0095] 実施例 C 1
[0096] (瀘過膜の製造)
[0097] 平均細孔怪が 0. 2 // m、 膜の透過抵抗が
[0098] 6 X 1 011m"1 その表面にスルホ基が導入された環状 内圧型アルミ ナ瀘過膜を次のようにして製造した。
[0099] 実施例 A 1で製造した環状内圧型アルミ ナ瀘過膜の細 孔表面にスルホ基を 4分子 Z n m 2 で導入した。 スルホ 基の導入は、 アルミ ナ瀘過膜をジメチルフヱニルクロ口 シラ ンの トルエン溶液中で 5時間環流し、 アルミ ナ表面 の水酸基をフユニル基に置換した後、 4. 5規定の硫酸 で 2時間処理してフヱニル基をスルホ化した。
[0100] (瀘過能力の評価)
[0101] 上で得た膜の瀘過能力を実施例 A 1 と同様にして評価 し Ί ·— o
[0102] ゲルク ロマ ト ク グラ ムの結果、 S —ガラ 'ク ロ シタ一ゼ の回収率は 9 であった。 また、 光散乱光度計分析に よると透過液中に粒子成分が存在しないことを確認した。
[0103] さ らに、 実施例 A 1 と同様にして R m、 R pおよび R cを求めた。 それらの値は次に示される通りである。
[0104] R m X - 11
[0105] 1 0 (m -1) 6. 0
[0106] R - 11
[0107] P X 1 0 (m—丄) 0.
[0108] - 11
[0109] R c X 1 0 Cm"1) 0. 1 R pが小さいことから、 粒子成分の蓄積層の形成はほ どんど形成されていないと推定される。 また、 R cの値 も小さいことから、 瀘過膜への吸着なども低く抑えられ ているものと考えられる。
[0110] 実施例 C 2
[0111] 平均細孔径が 1 0 n m、 膜の透過抵抗が 1 1 X 1 0 1 1 m _ 1である瀘過膜を、 実施例 A 3で製造した瀘過膜に実 施例 C 1 と同様にしてスルホ基を導入するこ とによって 得た。
[0112] この瀘過膜の瀘過性能を実施例 A 3と同様にして評価 した。 その結果、 モデル液中から牛血清アルブミ ンを 8 5 %の効率で回収できることがわかつた。
[0113] 実施例 D 1
[0114] (瀘過膜の製造)
[0115] 平均細孔径が 0 . 2 m、 膜の透過抵抗が 6 X 1 0 1 1 m "1 , 実施例 A 1で用意した発酵液に対するゼータ電位 がー 1 O mVである環状内圧型アルミ ナ瀘過膜を、 実施例 A 1で製造した環状内圧型アルミ ナ瀘過膜を、 9 CTCの 5 N硫酸に 1時間浸漬することによって得た。
[0116] (瀘過能力の評価)
[0117] 上で得た膜の瀘過能力を実施例 A 1 と同様にして評価 し 7·— o
[0118] ゲルクロマ トクグラムの結果、 —ガラクロシタ一ゼ の回収率は 8 5 %であった。 また、 光散乱光度計分析に よると透過液中に粒子成分が存在しないこ とを確認した。 さ らに、 実施例 A 1 と同様にして Rm、 R pおよび
[0119] R cを求めた。 それらの値は次に示される通りである。
[0120] R m X 1 0 _11 Cm"1) 6. 0
[0121] R p X 1 0— 11 (m一1)' 0. 8
[0122] R c X 1 0 "Π (m_1) 0. 1
[0123] R pが小さいことから、 粒子成分の蓄積層の形成はほ どんど形成されていないと推定される。 また、 R cの値 も小さいこ とから、 瀘過膜への吸着なども低く 抑えられ ている ものと考え られる。
[0124] 実施例 D 2
[0125] 平均細孔径が 1 O n m、 膜の透過抵抗が 1 1 X
[0126] 1 0 nm_i 実施例 A 1で用意した発酵液に対するゼー 夕電位が 0 mVである瀘過膜を、 実施例 A で製造した瀘 過膜の表面を次のよ う に処理する こ とによって調製した。 実施例 A 1で得た瀘過膜を、 ジメ チルフエニルク ロロ シラ ンの トルエン溶液中で 5時間環流し、 アル ミ ナ表面 の水酸基をフユニル基に置換した後、 1規定の硫酸に 1 0分間浸漬しフュニル基を部分的にスルホ化し、 瀘過 膜を得た。
[0127] この瀘過膜の瀘過性能を実施例 A 3と同様に して評価 した。 その結果、 モデル液中から牛血清アルブミ ンを 7 5 %の効率で回収できる こ とがわかつた。
[0128] 比較例 1 瀘過膜と して市販のアルミ ナ非対称膜 (東芝セラ ミ ツ ク社製、 アルミ ナ精密瀘過膜 T— 0. 2 M、 平均钿孔径 0. 2 ^ m、 膜の透過抵抗 1 X 1 0 111_1、 純水の接触 角 3 0度、 表面官能基は水酸基などでスルホ基はない、 実施例 A 1で用意した発酵液に対するゼ一夕電位が OmV である) を用いた以外は、 実施例 A 1 と同様にして /3— ガラク トシターゼの分離を行った。
[0129] 発酵液と膜透過液のゲルクロマ トグラムを行った。 そ の結果は、 第 3図に示される通りである。 透過液と発酵 液とのピーク比から求めた —ガラク ト シターゼの回収 率は 2 0 %であった。
[0130] また、 実施例 A 1 と同様に、 R m、 R pおよび R cを 求めたところ、 その値は次の通りであった。
[0131] R m X 1 〇 -11 (m -1) 1. 0
[0132] R P X 1 0 -11 (m 0. 8
[0133] R c X 1 0 -11 (m -1) 4. 2
[0134] 以上より、 この瀘過膜においては、 瀘過膜表面に蓄積 層が形成されてしまっていることがわかる。
[0135] 比較例 2
[0136] 瀘過膜と して市販の限外瀘過膜 (三井石油化学株式会 社製、 P Cカセッ ト、 分画分子量 5万) を用いた以外は、 実施例 A 3と同様にして牛血清アルブミ ンの分離を行つ た。 その結果、. 透過液中の牛血清アルブミ ンの回収率は 1 0 %以下であつた。
权利要求:
Claims 請 求 の 範 囲
1. 平均細孔径が 1 0 n m以上 1 0 m以下の細孔 または分画分子量が 1 X 1 04 以上 1 X 1 0 ° 以下で表 される細孔を有し、 透過抵抗が 5 X 1 0 Urn— 1以上 1 X 1 015m_1以下であることを特徴とする、 瀘過膜。
2. 被瀘過液の膜への接触角が 6 0度以下である、 請求項 1記載の瀘過膜。
3. 膜表面にスルホ基を有する、 請求項 1記載の瀘 過膜。
4. 被瀘過液に対する膜のゼ一夕電位が零または負 の値である、 請求項 1記載の瀘過膜。
5. 無機材料からなる、 請求項 1〜4のいずれか一 項記載の濾過膜。
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同族专利:
公开号 | 公开日
CA2069758A1|1992-03-29|
EP0503087A1|1992-09-16|
AU8618991A|1992-04-28|
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EP0503087A4|1992-10-28|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
1992-04-16| AK| Designated states|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): AU CA JP US |
1992-04-16| AL| Designated countries for regional patents|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): AT BE CH DE DK ES FR GB GR IT LU NL SE |
1992-05-27| WWE| Wipo information: entry into national phase|Ref document number: 2069758 Country of ref document: CA Ref document number: 1991916947 Country of ref document: EP |
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优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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