专利摘要:

公开号:WO1990011686A1
申请号:PCT/JP1990/000469
申请日:1990-04-06
公开日:1990-10-18
发明作者:Chiaki Ohama;Keisuke Kato
申请人:Minato Company, Ltd.;
IPC主号:A61L2-00
专利说明:
[0001] 明 細 書
[0002] イソチォシアン酸エステルの蒸気発生剤、 イソチオシァ ン酸エステルの蒸気を用いる殺菌処理方法及びその装置 技術分野
[0003] 本発明は、 イソチォシアン酸エステルの蒸気発生剤、 ィゾチ オシアン酸エステルの蒸気を用いる殺菌処理方法及ぴィソチォ シアン酸エステルを用いて殺菌処理を行うための装置に関する ものである。
[0004] 技術背景
[0005] 各種食品、 レンズ等のガラス製品、 皮ブーツ、 皮ジャンパー、 毛皮コート等の皮革製品、 デンプン系又はセル α—ス系の塗料 や糊等の製品においては、 カビの発生が見られ、 それによつて 髙品価値が著しく損おれたり、 あるいは廃棄処理の必要にせま られる。
[0006] また、 カビの発生はないにしても、 有害微生物の増繁殖によ つて、 同様に高品の価値が著しく損われたり、 あるいは廃棄処 理の必要にせまられる。 例えば、 食品等においては、 細菌の増 繁殖による発酵や食品中毒の問題が生じる。
[0007] 従来、 物品に対するカビの発生を防止するために、 物品を脱 酸素剤とともに包装材料により密封包装し、 包装物内部の酸素 濃度を^以下に保持することが知られている。 この方法におい ては、 好気性菌であるカビの発生はこれを効果的に防止するこ とができるものの、 食中毒や発酵を生じる嫌気性菌等の増繁殖 の防止には有効な手段とはなリ得ない。
[0008] また、 カビの発生及び一般細菌の増繁殖防止のために、 物品 をエタノール発生剤とともに包装材料により密封包装し、 包装 物内部にエタノール蒸気を充満させることも知られている。 し かし、 この方法では、 使用するエタノールが高価であるととも に、 比較的多量で用いないと満足し得る効果が得られない。 さらに、 従来多くの防力ビ剤ゃ抗菌剤が知られているが、 こ れらの化学薬剤の殆んどは人体に対して毒性を有するものであ ることから、 その使用にはきびしい制約を受けるという問題がある。 従来、 微生物作用 (antimicrobial action)を有 る天 物 は数多く知られており、 特に、 おさびはすぐれた殺菌作用を有 することが知られている。 また、 わさびの主成分であるイソチ オシアン酸エステル(以下、 単に IS0TCとも略記する)を用いて 食品の殺菌処理を行うことも知られている。 例えば、 特開昭 57 -99182号公報には、 IS0TCを油に溶解した溶液を乳化剤の存在 下で水中に轧化分散させた水性エマルジョン組成物が記載され ている。 この水性ェマルジヨン組成物は、 食品を殺菌するため に、 食品中に混入して使用される。 しかし、 食品に対してこの ような水性ェマルジョンを添加することは、 食品の風味を損う とともに、 IS0TCは食品中では分解しやすいものであるため、 好ましいことではない。 また、 特開昭 58-63348号公報には、 IS 0TCを約 5重量 の割合で吸着させた孔径が 5~10Aの合成ゼオラ ィ トを青果物とともに包装容器内に封入することにより青果物 を保存する方法が記載されている。 ここで用いる IS0TCを吸着 したゼォライ トは、 大気中では有効量の IS0TCの蒸気を放散し ないもので、 相対湿度が 90$以上の高湿度下において、 空気中 の水分を吸着し、 それと同時にゼォライ トが吸着していた IS0T Cを蒸気として放散させるものである。 しかし、 この公知の方 法においては、 ISOTCの吸着剤として用いる細孔径が 5~10Aの 合成ゼォライ トは非常に髙価であり、 しかも、 その ISOTCの吸 着量は約 5重量 ί¾という非常に低いという問題点を含む。 また、 この公知の ISOTCを吸着した合成ゼォライ トは、 高湿度下でな いと ISOTCの蒸気を発生しないという欠点もある。 従って、 こ のような ISOTCを吸着させた合成ゼォライ トは、 一般的な ISOTC の蒸気発生剤としは有効に利用することができない。
[0009] 以上のように、 従来、 わさびの主成分である ISOTCを用いる 殺菌処理技術もいくつか知られているが、 実用的観点からはい ずれも満足し得るものではなかつた。
[0010] 本発明の主な目的は、 わさびの主成分である IS0TCを用いて、 取扱いの容易な IS0TCの蒸気発生剤及びこれを含む各種製品を 提供することにある。
[0011] 本発明の他の目的は、 ISOTCの蒸気を用いて、 各種物品を殺 菌処理する方法を提供することにある。
[0012] 本発明のさらに他の目的は、 IS0TCを用いて殺菌処理を行う ための装置を提供することにある。
[0013] 本発明者らは、 前記目的を達成するために種々研究を重ねた 結果、 IS0TCが油性液体であることに着目し、 これを 30°Cにお ける蒸気圧が 2mmHg以下の油性液体に溶解させるとともに、 そ の溶液中の IS0TCの濃度をコントロールすることにより、 IS0TC の蒸気の発生量を有利にかつ微妙にコントロールし得ることを 見出すとともに、 この溶液から放散した ISOTCの蒸気を各種物 品に接触させることにより、 各種物品の効果的殺菌処理を作業 環境の格別の悪化を生じることなく、 有利に実施し得ることを 見出した。
[0014] また、 本発明者らは、 前記 IS0TC溶液を多孔性の吸着剤に含 浸させることにより、 IS0TCの蒸気発生量がコントロールされ た取扱いの容易な IS0TCの蒸気発生剤が得られることを見出し た。
[0015] さらに、 本発明者らは、 前記 IS0TC溶液をゲル状物質に内包 させたリ、 カプセル化物とすることによつても、 IS0TCの蒸気 発生量がコントロールされた取扱いの容易な IS0TCの蒸気発生 剤が得られることを見出した。
[0016] さらにまた、 本発明者らは、 前記の如き IS0TCの蒸気発生剤 を用いることによリ、 殺菌作用を有する各種製品が得られるこ とを見出した。
[0017] さらにまた、 本発明者らは、 IS0TCの蒸気は、 ポリエチレン フィルムやポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルム に対して高いガス透過性を有することを見出すとともに、 この ようなプラスチックフィルムで密封包装した物品を IS0TCの蒸 気と接触させることにより、 その物品を効果的に殺菌処理し得 ることを見出した。
[0018] 発明の開示
[0019] 本発明によれば、 30 における蒸気圧が 2nmHg以下の油性液 体中に IS0TCが 0.01~50重量 の濃度で溶解している溶液又は該 溶液を含有する固体状物質から IS0TCの蒸気を発生させ、 該蒸 気を物品に接触させることを特徴とする物品の殺菌処理方法が 提供される な 本発明によれば、 前記 IS0TC溶液を多孔性物質に含浸させた I S0TCの蒸気発生剤が提供される。
[0020] 本発明によれば、 前記 IS0TC溶液の力プセル化物からなる ISO TCの蒸気発生剤が提供される。
[0021] 本発明によれば、 前記 IS0TC溶液をゲル状物質に含有させて なる IS0TCの蒸気発生剤が提供される。
[0022] 本発明によれば、 前記した IS0TCの蒸気発生剤を含有する殺 菌作用を有する各種製品が提供される。
[0023] 本発明によれば、 IS0TCの蒸気透過性材料で包装した物品を IS0TCの蒸気と接触させることを特徴とする物品の殺菌処理方 法が提供される。
[0024] 本発明によれば、 殺菌処理室内に IS0TCを蒸気状又は液滴微 粒子状で導入して該殺菌処理室内に IS0TCの蒸気を含む雰囲気 を形成する工程と、 該殺菌処理室内に物品を装入する工程と、 該殺菌処理室内において該 IS0TCの蒸気を含む雰囲気ガスとを 接触させて殺菌処理する工程と、 該殺菌処理後、 殺菌処理室内 の雰囲気ガスを排出する工程と、 該排出されたガスからそれに 含まれる IS0TCの蒸気を除去する工程を含むことを特徴とする 物品の殺菌処理方法が提供される。
[0025] 本発明によれば、 IS0TCの蒸気を処理室内に導入するための 導入管と処理室内の雰囲気ガスを排出するための排出管を備え た殺菌処理室と、 該導入管と接続する IS0TCを収容する貯蔵容 器と、 該排出管に接続する IS0TCの蒸気除去装置を備えたこと を特徴とする物品の殺菌処理装置が提供される。
[0026] 本発明でいう殺菌作用とは、 抗微生物作用(antimicrobial action)を意味するもので、 殺菌作用(germicidal action)自体 の他、 静菌作用(germistatic action)をも包含するものである。 また、 菌(germ)には、 細菌(bacteria)、 カビ菌(fungi)、 胞子 (spore)、 藻(alga)及びその他の有害微生物が包含される。
[0027] 本発明の IS0TCの蒸気発生剤は、 それから発生する IS0TCの蒸 気の強い殺菌作用を利用して、 食品分野の他、 有害微生物の増 繁殖が問題となっている各種の分野に適用される。 例えば、 食 品に対するカビの発生の防止の他、 ガラスやコンクリート壁面 等の各種固体表面に増繁殖するカビの発生を防止するために用 いられ、 さらに、 食品の腐敗や発酵を防止し、 鮮度の劣化を防 止するために用いられる。 さらに、 扦ゃ皮脂のバクテリア分解 を防止することによって、 腋臭、 扦臭、 足臭等の体臭を消臭な いし防臭するために用いられ、 また力ビ菌を殺菌抑制する効果 によつて水虫、 タムシなどカビによる皮ふ病の治療にも用いら れる。
[0028] 本明細書において言う物品とは、 前記したように、 食品をは じめとした有害微生物の増繁殖が問題となる各種の製品を包含 するものである。
[0029] 本発明におけるィソチオシアン酸エステル(IS0TC)としては、 ィソチオシアン酸の脂肪族系及び芳香族系の各種エステルが用 いられるが、 好ましくは、 イソチォシアン酸ァリルエステル(C H2 =CHCH2 NCS)や、 イソチォシアン酸アルキルエステル(RNCS、 R : アルキル基)が用いられる。 本発明においては、 力ラシ油をそ のまま用いることができる。
[0030] 次に、 本発明を詳述する。 (1) ISOTCの油性液体溶液の調製
[0031] 本発明による IS0TCの蒸気を放散する溶液は、 油性液体中に I S0TCを溶解させた溶液からなる。 油性液体としては、 温度 30°C の蒸気圧(飽和蒸気圧)が 2mmHg以下、 好ましくは ImmHg以下のも のが用いられる。 このような蒸気圧の低い油性液体に IS0TCを 溶解させた溶液では、 IS0TCの蒸発が著しく抑制されるととも に、 その溶液から放散される蒸気は油性液体の蒸気を殆んど含 まず、 IS0TCの蒸気から実質的に構成されるので、 その蒸気を 物品に接触させても、 油性液体の蒸気による トラブルは生じな い。 一般には、 沸点 180 以上、 好ましくは 200°C以上、 さらに 好ましくは 220°C以上の油性液体が有利に使用される。 油性液 体としては、 例えば、 オリブ油、 ゴマ油、 サフラワー油、 大豆 油、 ヅバキ油、 トウモロコシ油、 ナタネ油、 ヒマシ油、 ヒマヮ リ油、 綿実油、 落花生油、 カカオ脂、 パーム油、 チヨウジ油、 ヤシ油、 牛脂、 魚油、 硬化油、 タートル油、 卵黄油等の油脂類; 液状ラノリン等のロウ類;流動パラフィン、 流動ポリィソブチ レン、 スクラワン等の炭化水素油;ォレイン酸、 リノール酸、 リシノール酸等の髙級脂肪酸油;ォクチルアルコール、 ォレイ ルアルコール等の高級アルコール;ポリェチレングリコール、 ポリプロピレングリコール、 グリセリン等の多価アルコール; 酢酸リノリン、 ラウリン酸へキシル等のエステル油等が挙げら れる。 本発明で用いる油性液体は、 無臭ないし無臭に近いもの の使用が好ましい。
[0032] 油性液体に対する IS0TCの溶解量は、 IS0TCの油性液体溶液中、 0.01~50重量 、 好ましくは 0.卜 40重量《である。 ISOTCは、 少量でも強い刺激臭を与え、 取扱いの困難なもの であるが、 前記のような油性液体溶液とすることにより、 IS0T cの蒸発を効果的に抑制し、 取扱いの容易なものとすることが できる。 このような ISOTC溶液は、 それ自体で ISOTC蒸気発生剤 として使用することができる。
[0033] ISOTCを油性液体に溶解する場合、 必要に応じて各種の補助 成分を添加溶解させることができる。 このような補助成分とし ては、 界面活性剤、 高分子物質、 常温で固体状を示す高級アル コール、 高級脂肪酸、 脂肪酸エステルもしくは油脂、 着色剤、 粘度調節剤、 酸化防止剤等を挙げることができる。 また、 補助 成分として エタノールやプロピルアルコール等の低級アルコ —ルや、 アセトン、 メチルェチルケトン、 エーテル、 酢酸ェチ ル、 へキサン等の低沸点溶媒を少量添加して、 油性液体からの
[0034] ISOTCの蒸発量をコントロールすることもできる。
[0035] 本発明による ISOTCを含む油性液体は、 ISOTCを含有する種子 又は細胞をそのまま又は粉砕した状態で油性液体中に分散させ ることによって得ることができる。 油状液体に対する種子又は 細胞の分散量は、 油性液体中、 卜 80重量 %'、 好ましくは 10~60重 量《である。 このような IS0TCを含む油性液体は、 その種子又は 細胞を含む状態で使用することができる。
[0036] (2) 固体状又はゲル状 IS0TCの蒸気発生剤の調製及びその IS0TC 蒸気発生剤を含む各種製品
[0037] IS0TCの蒸気発生剤は、 前記の IS0TCの油性液体溶液(以下、 単に IST0C溶液とも言う)を多孔性物質に含浸保持させることに よって得ることができる。 IS0TCをそれ自体で多孔性物賓に含 浸保持させると、 ISOTCの蒸発速度が速いために、 IS0TCを多孔 性物質に含浸させる際に多量の IS0TCの蒸気が生成し、 その ISO TCの蒸気による作業環境の悪化が起るとともに、 多孔性物質に 含浸保持させた ISOTCの蒸散性も未だ大きく、 多孔性物質に長 期間にわたって安定に保持させることが困難になる。 本発明に よれば、 このような困難は、 ISOTCを前記した油性液体に溶解 した溶液として多孔性物質に含浸保持させることによって克服 される。 また、 ISOTCは水分と容易に反応し、 貯蔵安定性に劣 るものであるが、 前記した油性液体の溶液とすることで、 この 問題も解決される。
[0038] 多孔性物質としては、 吸着剤や充填材等として一般に使用さ れているものを用いることができる。 このようなものとしては、 ケィゾゥ土、 黄土、 粘土、 タルク、 ゼォライ ト、 ァタパルジャ イ ト、 セピオライ 卜等の粘土又は粘土鉱物の他、 活性炭、 シリ 力、 シリカゲル、 アルミナ、 マグネシア、 シリカアルミナ、 シ リカマグネシア、 合成アルミ ノシリケ一ト等が挙げられる。 こ れらの多孔性物賓としては、 粉末状の他、 ペレッ ト状、 球状、 円柱状、 円筒状等の種々の形状のものを用いることができる。 また、 これらの多孔性物貧としては、 水分の十分除去された焼 成物質や乾燥物であることが望ましい。
[0039] 多孔性物質に対して溶液を含浸保持させるには、 IS0TC溶液 を多孔性物貧に添加混合する方法や、 IS0TC溶液を多孔性物質 にスプレーする方法、 ISOTC溶液中に多孔性物質を浸漬する方 法等がある。 多孔性物質に対する ISOTC溶液の含浸保持割合は、 その多孔性物質の飽和吸収量以下、 通常、 多孔性物質 100重量 部に対し、 1~100重量部の割合であるが、 その好ましい含有量 は、 IS0TC溶液の種類や多孔性物質の種類に応じて適宜決める。 本発明においては、 IS0TC溶液を含浸保持させた多孔性物質 が粉末状の場合は、 これを慣用の成形法により成形し、 タブレ ッ ト状、 球状、 円柱状、 ペレッ ト状等の各種形状の成形品とす ることもできる。 この場合の成形法としては、 打錠成形法、 押 出成形法等が用いられる。 この成形を行う場合、 成形助剤が用 いられるが、 このような成形助剤としては、 カルボキシメチル セルロース、 ポリビニルアルコール、 アルギン酸ソ一ダ等の有 機系バインダーや、 ベントナイ ト、 カオリン、 アルミナヒ ドロ ゲル、 ケィ酸ヒドロゲル等の無機系バインダーが挙げられる。 さらに、 成形助剤として、 各種短織維、 例えば、 石こうゥイス 力一等を用いることができる。 さらに、 これらの IS0TC溶液を 含む多孔性物質は、 その IS0TC蒸散性をコントロールする目的 で、 その多孔性物質の表面を、 IS0TCの蒸気を透過させる樹脂 でコ一ティングすることもできる。 このようなコーティングに より、 多孔性物質からの IS0TCの蒸散をさらに抑制することが できる。
[0040] 本発明による他の IS0TCの蒸気発生剤は、 前記 IS0TC溶液を力 プセル化することによって得ることができる。 この場合のカプ セル化法としては、 従来公知の各種の方法が用いられる。 例え ば、 2流体ノズルの外側ノズルから高分子溶液及び内側ノズル から IS0TC溶液を同時に水性媒体中に噴出する方法や、 界面重 合法等がある。 また、 IS0TC溶液又は IS0TC溶液を含浸させた粉 末状多孔性物質を、 常温で固体状を示し、 融点が 100°C以下、 好ましくは 40~60DCの範囲にある熱可融性物質の融液に添加混 合した後、 冷却固化し、 粉砕することによってカプセル化物と することができる。 この場合、 熱可融性物質としては、 高級ァ ルコール又はそのエステル、 高級脂肪酸又はそのエステル、 油 脂、 各種ワックス類等が挙げられる。 さらに、 常温又は 100°C 以下の温度で液状を示す硬化性樹脂組成物(エポキシ樹脂組成 物、 不飽和ポリエステル樹脂組成物等)の溶融液中に、 IS0TC溶 液又は IS0TC溶液を含浸させた粉末状多孔性物質を添加混合し た後、 冷却固化し、 粉砕することによってカプセル化物とする こともできる。 さらに、 シクロデキストリン、 尿素等の包接化 合物形成剤と IS0TC溶液とを反応させて包接化合物状のカプセ ル化物とすることもできる。
[0041] 本発明において、 前記した IS0TC溶液、 IS0TC溶液を多孔性物 貧に含浸保持させたもの、 IS0TC溶液を含有する多孔性物質の 成形品及び IS0TC溶液のカプセル化物は、 包装材料で密封包装 して使用に供することができる。 包装材料としては、 その少な く とも一部が IS0TCの蒸気に対して透過性を有するものが用い られる。 このような包装材料としては、 ポリプロピレン、 ポリ ェチレン、 ェチレン /酢酸ビニル共重合体等の IS0TCの蒸気に対 して透過性を有するプラスチックで形成されたフィルム、 シー ト、 容器等が挙げられる。 IS0TCの蒸気を透過させないような プラスチックから形成された包装材料であっても、 これにレー ザ一光線等によリ微細孔を穿設することによって IS0TCの蒸気 を透過させる包装材料として用いることができる。 その他、 紙、 不織布あるいはそれらの紙ゃ不織布の表面を加工したもの、 あ るいは ISOTCの蒸気に対して透過性を有するプラスチックフィ ルムをラミネートした紙、 不織布、 布状物等が用いられる。 本発明によるさらに他の ISOTCの蒸気発生剤は、 前記 ISOTC溶 液をゲル状物質に含有させることによって得ることができる。
[0042] ゲル状物翁としては、 従来公知の各種のものが使用される。 このようなものとしては、 寒天、 カラギ一ナン、 ゼラチン、 力 ルボキシメチルセルロース、 糊、 アルギン酸、 ポリビニルアル コール、 デキストリン等が挙げられる。 ISOTC溶液をゲル状物 質に含有させる方法としては、 あらかじめ生成したゲル状物質 に: TS0TC溶液を混合分散させる方法の他、 ゲル状物質の製造時、 特にゲル状物質を製造するための原料に ISOTC溶液を添加する 方法等がある。 ゲル状物質中の ISOTCの含有量は、 通常 0.05~20 重量 、 好ましくは 0.5~10重量 である。 ISOTCの具体的含有量 は、 ゲル状物質の使用目的に応じて適当に定める。 ISOTC溶液 をゲル状物質に含有させる場合、 ISOTC溶液をあらかじめマイ ク口カプセル化物として使用することができる。
[0043] 本発明による前記のゲル状 ISOTCの蒸気発生剤は、 通常、 こ れを撥水'撥油加工した紙の袋や、 プラスチックフィルムの袋 や容器に充填包装して使用される。 この場合、 プラスチックフ イルムの袋や容器としては、 ISOTCの蒸気を透過させ得るもの が用いられる。
[0044] 本発明によれば、 前記した ISOTCの蒸気発生剤を用いること によって、 殺菌作用を有する各種製品を得ることができる。 こ のような製品として、 例えば、 従来公知の接着剤組成物、 塗料 組成物及びインク組成物等のコーティング組成物に対し、 その 配合成分として、 前記した ISOTC溶液、 ISOTC溶液を含浸保持し た粉末状多孔性物質又は IS0TC溶液の力プセル化物を添加した ものが提供される。 これらの組成物は液状又はフィルム状であ ることができる。 これらのものは、 殺菌作用を有するコーティ ング組成物として、 食品、 包装材料、 建築材料等の種々の分野 に利用される。
[0045] また、 本発明によれば、 前記した ISOTCを含むコーティング 組成物を、 紙、 不織布、 プラスチックフィルム等のシート状物 (フィルムを含む)に塗布したシート状物が提供される。 この場 合、 塗布面はシ一ト状物の片面又は両面に存在させることがで きる他、 複数枚のシート状物の積層面に存在させることもでき る。 このようなシート状物は、 殺菌作用を有するシ一卜状物と して、 食品、 包装材料、 建築材料等の各種の分野において利用 される。
[0046] さらに、 本発明によれば、 前記した ISOTC溶液を含浸保持さ せた粉末状の多孔性物質を接着剤とともに木材粉末や木材チッ プ等の繊維質に混合し、 板状に成形することにより、 殺菌作用 を有するボード(ハードボード、 セミハードボード、 インシュ レ一シヨンボード、 パ一ティクルボード等)を得ることができ る。 また、 前記 ISOTC溶液含有粉末状多孔性物質を、 パルプ粉 末や木材粉末等の粉末とともに焼石コゥと混合し、 板状に成形 することにより、 殺菌作用を有する石コゥボードを得ることが できる。 さらに、 ISOTC溶液を含浸保持させた粉末状多孔性物 質を常温又は低温硬化性の樹脂組成物、 例えば、 エポキシ樹脂 組成物や、 不飽和ポリエステル樹脂組成物に添加混合し、 板状 に成形硬化することによリ、 殺菌作用を有するプラスチックボ —ドを得ることもできる。 これらのものは、 殺菌性、 防カビ性 ボード(板状物)として建材の分野に応用することができる。 さらにまた、 本発明によれば、 IS0TC又は IS0TC溶液を濂度 0.01~5重量 の割合でエタノール中に溶解させてなるスプレー 溶液が提供される。 この場合、 エタノールは含水エタノールで あることができ、 その含水エタノール中の含水量は 50重量 以 下である。 エタノールは、 それ自体で強い殺菌性や防力ビ性を 有することから、 その使用は非常に好ましいものである。 IS0T cを前記した難揮発性油性液体溶液としてエタノール中に分散 させる時には、 スプレー溶液を対象物にスプレーして付着させ た時に、 その付着溶液からの IS0TCの蒸発量をコントロールす ることができる。 また、 IS0TCを油性液体溶液としてエタノ一 ルに溶解させる時には、 エタノールが含水アルコールであって も貯蔵安定性のよいスプレー溶液を得ることができる。 本発明 のスプレー溶液には、 必要に応じ、 界面活性剤、 高分子物質、 粘度調節剤、 酸化防止剤、 微粉末状吸着剤粒子等の補助成分を 添加することができる。
[0047] 本発明のスプレー溶液は、 適当なスプレー装置に入れ、 その ノズルから液滴粒子を噴出するようにして使用される。 本発明 において用いる好ましいスプレー装置は、 噴射剤を用いるエア ゾ一ル型のものである。 即ち、 本発明のスプレー溶液を用いて エアゾール型噴射装置を得るには、 噴射ノズルを備えた密閉性 容器にスプレー溶液を入れた後、 噴射剤を圧入すればよい。 噴 射剤としては従来公知のもの、 例えば、 液化炭化水素ガス、 例 えば、 プロノ、。ン、 n-ブタン、 イソブタン、 n-ペンタン、 イソぺ ンタン又はそれらの混合物が用いられる。 一般には、 液化石油 ガス又は液化天然ガスが好ましく用いられる。 また、 フロロジ クロルメタン等のフロンガスを用いることができる。
[0048] 本発明による IS0TCを 30°Cにおける蒸気圧が 2mmHg以下の油性 液体に溶解させた溶液は、 IS0TCの蒸散性が著しく抑制された ものであることから、 非常に取扱いの容易なものである。 しか も、 この IS0TC溶液においては、 IS0TCを長期間にわたって徐々 に蒸散させることができるので、 IS0TCの蒸気発生効果の持続 性の点でも非常にすぐれている。 従って、 このような溶液は、 それ自体で IS0TCの蒸気発生剤として使用し得る他、 それから 蒸散される IS0TCの蒸気の殺菌性に基づいて、 殺菌剤、 防カビ 剤、 鮮度保持剤、 脱臭剤等として各種の分野に利用することが でき、 さらに、 殺菌作用を有する機能性材料として各種の分野 に利用することができる。
[0049] また、 前記 IS0TC溶液を含浸保持させた多孔性物赏ゃ前記 ISO TC溶液のカプセル化物においては、 IS0TCの蒸散性はさらに抑 制されたもので、 IS0TCを徐放する固形状薬剤として、 食品、 包装材料、 建築材料等の各種の分野において利用することがで さる。
[0050] さらに、 前記 IS0TC溶液、 この IS0TC溶液を含浸保持させた多 孔性物質又は IS0TC溶液のカプセル化物を配合したコ一ティン グ組成物は、 殺菌作用を有する機能性組成物として各種の分野 に利用され、 その塗布物からは IS0TCの蒸気が徐々に放出され、 所望の殺菌効果を得ることができる。 さらにまた、 前記コーティング組成物を適用したシート状物 は、 そのシート状物から ISOTCが徐々に蒸散され、 殺菌性、 防 カビ性、 群度保持性、 脱臭性を有する機能性シート状物として、 食品、 包装材料、 印刷材料、 建築材料等の各種の分野において 利用される。
[0051] 本究明による ISOTC溶液を含有するゲル状物質は、 ISOTCの蒸 発性が著しく抑制され、 長期間にわたってこれを徐々に放出す るので、 その殺菌効果の持続性の点において非常にすぐれてお リ、 食品分野等において有利に利用される。
[0052] 本発明による ISOTCを含むスプレー溶液は、 これを対象物に 液镩粒子として噴霧させることによって使用される。 この場合、
[0053] ISOTCは、 低濃度の溶液状態で噴霧されるので、 ISOTCによる強 い刺激臭は抑制され、 周囲環境を特に悪化させるようなことは ない。 また、 ISOTCは、 対象物に対して液状で接触することか ら、 蒸気状で接触させる場合に比べて、 非常に速効的である。 このようなスプレー溶液は、 ISOTCの持つ殺菌性、 防カビ性、 消臭性を利用して食品分野をはじめとして、 有害微生物の増繁 殖が問題となる各種分野及び悪臭が問題となる各種分野におい て広く利用される。 また、 ISOTCは、 自癬菌に対して抗菌作用 を有するが、 このような作用を利用して、 本発明のスプレー溶 液は、 皮膚病の治療(例えば、 水虫治療)等の目的に使用するこ とができる。
[0054] (3) 殺菌処理方法及び装置
[0055] 本発明による物品の殺菌処理方法は、 物品を ISOTCの蒸気と 接触させる工程を含む。 物品と接触させる ISOTCの蒸気の全ガ ス中濃度は 5ppm (v/v)以上、 そのガス中の飽和濂度以下である が、 通常、 20~5000ppm、 好ましくは 50~1000ppmであり、 物品に 応じて適当に決めればよい。 接触時間は、 ガス中の IS0TCの濃 度にもよるが、 IS0TCの蒸気濃度が 20ρρη以上の条件で、 0. 60 分、 好ましくは 0.5~30分であり、 対象物品に応じて適当に決め ればよい。
[0056] 本発明において、 IS0TCの蒸気と接触させる物品は、 ポリエ チレンや、 ポリプロピレン、 エチレン/酢酸ビニル共重合体等 のプラスチック包装材料で包装されていてもよい。 本発明者ら の研究によれば、 IS0TCの蒸気は、 前記した如きプラスチック 製包装材料に対して高いガス透過性を有することを見出すとと もに、 このような包装材料で包装した物品は、 殺菌処理後、 有 害菌による二次汚染を受けることがなく、 その包装状体を維持 する限り、 物品を有害菌の影響から効果的に保護し得ることを 見出した。
[0057] 包装された物品と接触させる IS0TCの蒸気のガス中濃度は、 未包装の物品を処理する場合の濃度よリも高くすることが好ま しく、 通常、 100~5000ρρπιである。
[0058] 物品を包装するための包装材料は広く解釈され、 フィルムや シート状物の他、 各種形状の容器が包含される。 本発明におけ る好ましい物品の包装方法を示すと、 例えば、 袋状物の内部に 物品を収容させ包装する方法、 トレ一等の開口容器に物品を入 れ、 その開口部をフィルムにより密封する方法、 物品を トレー 等の開口容器に入れ、 その全体をフイルム包装する方法、 物品 を箱体に入れ、 その全体をフィルム包装する方法、 液状物品を 78 プラスチッグ容器に入れ、 盖をして密封する方法等が挙げられ る。
[0059] なお、 本発明における物品の包装とは、 物品を有害微生物に よる二次汚染から防止し得る程度の包装形態を含むものであつ て、 包装内部の物品を外気から完全に遮断するような完全密封 のみを意味するものではない。
[0060] 物品の包装に用いる包装材料は、 その少なくとも一部が IS0T cの蒸気に対して透過性を有するものである。 このような包装 材料としては、 ポリプロピレン、 ポリエチレン、 エチレン/酢 酸ビニル共重合体、 エチレン/プロピレン共重合体等の IS0TCの 蒸気に対して透過性を有するプラスチックで形成されたフィル ム、 シート、 容器等が挙げられる。 IS0TCの蒸気を透過させな いような材料(アルミホイルやナイロン等)から形成された包装 材料であっても、 これにレーザー光線等によリ微細孔を穿設す ることによって IS0TCの蒸気を透過させる包装材料として用い ることができる。 物品の包装に用いる包装材料としては、 その 他、 紙、 不織布あるいはそれらの紙ゃ不織布の表面を加工した もの、 あるいは IS0TCの蒸気に対して透過性を有するプラスチ ックフィルムをラミネートした紙、 不織布、 布状物等が挙げら れる。
[0061] 本発明による殺菌処理を行うには、 未包装の物品又は包装さ れた物品を IS0TCの蒸気を含むガスと接触させる。 このための 方法としては、 包装物を気密室に入れ、 この気密室に IS0TCを 蒸気として導入するか又は液状で噴霧する方法がある他、 あら かじめ IS0TCの蒸気を存在させた気密室内に包装物を入れ、 一 定時間経過後、 これを取出す方法等がある。 簡易な方法として は、 大型のプラスチック袋に物品を入れ、 さらにその袋の内部 に ISOTCを液体噴霧するかあるいは ISOTCの蒸気発生剤を投入す る方法等がある。
[0062] ISOTCの蒸気を発生させるためには、 ISOTC自体の他、 前記で 示した如き ISOTC溶液又は ISOTC溶液を含有する各種固体状物質 を用いることができる。 ISOTC溶液やそれを含む固体状物質か らは、 ISOTCの蒸気がコントロールされた量で徐々に放出され る。
[0063] 包装された物品を前記のようにして IS0TCの蒸気と接触させ て処理すると、 包装内部へ IS0TCの蒸気が侵入するが、 この侵 入した IS0TCの蒸気は、 殺菌処理終了後には、 逆に包装材料を 透過し、 徐々に外部へ放散する。 物品に対する殺菌効果の点か らは、 包装内部における ISOTCの蒸気の濃度は高く、 かつその 存在時間はできるだけ長い方が好ましい。 一般的には、 包装内 部において、 IS0TCの蒸気を、 lOppm以上の濂度で、 10分以上存 在させることが好ましい。 また、 包装内部における ISOTCの蒸 気瀵度は、 IS0TCの蒸気が外部へ徐々に放散されることから、 時間の経過とともにしだいに低下して行くが、 このような IS0T C蒸気の濃度の低下は、 包装内部にあらかじめ吸着剤を同封す ることによってコントロールすることができる。 すなわち、 吸 着剤をあらかじめ包装物内へ封入しておく時には、 包装された 物品を IS0TCの蒸気と接触させる処理において、 この吸着剤が I S0TCの蒸気を吸着保持し、 そして、 その処理後には、 その吸着 した IS0TCの蒸気を放出し、 包装物内部における IS0TCの蒸気濃 度及びその蒸気濃度の保持時間をコント口ールすることができ る。 包装内に IS0TCの蒸気が長期間にわたって包装内に存在す ることは、 その蒸気が物品中に過度に移行し、 物品の性状を損 う等の問題を生じるので好ましくない。 一般的には包装材料の 種類や吸着剤の量等を選んで、 48時間以内に IS0TCの蒸気濃度 が lOppm以下になるように設計するのが好ましい。
[0064] 未包装の物品は、 これを殺菌処理後、 包装材料で包装するこ とによって、 有害菌による二次汚染から防止することができる。 処理後の物品に IS0TCの蒸気が過度に移行し、 それよリ物品の 性状が損われるおそれがある時には、 物品を吸着剤ととともに 包装し、 適菊の IS0TCの蒸気をその吸着剤に吸着させるのが好 ましい。 吸着剤としては、 前記した如き各種の多孔性物質を用 いることができる。
[0065] 前記のよう:にして得られた殺菌処理を受けた物品の包装物は、 包装物内部の IS0TCの蒸気が時間の経過とともに徐々に外部へ 放散され、 包装物が流通販売される間にほとんどなくなること から、 包装物を開封した時に、 IS0TCの強い刺激臭を感じるよ うなことはない。
[0066] 本発明によれば、 密閉空間内に IS0TCの蒸気を含むガスを混 入させることにより、 密閉空間内に存在する有害菌を死滅させ、 密閉空間及びその空間内に存在する物品の殺菌処理を行うこと ができる。 ここで言う密閉空間とは、 その空間内の雰囲気ガス (空気)が自由に外部へ流通しない空間を意味するものである。 このような空間には、 例えば、 工場や倉庫等の各種建物内の空 間、 病院の部屋、 貨物船の船倉、 魚船の魚槽、 フード又はシー ト等で形成した空間、 各種コンテナ一等が挙げられる。
[0067] 本発明による物品の好ましい殺菌処理方法によれば、 殺菌処 理室内に IS0TCを蒸気状又は液滴微粒子状で導入して該殺菌処 理室内に IS0TCの蒸気を含む雰囲気を形成する工程と、 殺菌処 理室内に物品を装入する工程と、 該殺菌処理室内において該物 品と該 IS0TCの蒸気を含む雰囲気ガスとを接触させて殺菌処理 する工程と、 該殺菌処理後、 殺菌処理室内の雰囲気ガスを排出 する工程と、 該排出されたガスからそれに含まれる IS0TCの蒸 気を除去する工程を含むことを特徴とする物品の殺菌処理方法 が提供される。
[0068] また、 本発明によれば、 IS0TCを処理室内に導入するための 導入管と処理室内の雰囲気ガスを排出するための排出管を備え た殺菌処理室と、 該導入管と接続する IS0TCを収容する貯蔵容 器と、 該排出管に接続する IS0TCの蒸気除去装置を備えたこと を特徴とする物品の殺菌処理装置が提供される。
[0069] 以下、 この殺菌処理方法及び装置について詳述する。
[0070] この方法及び装置においては、 殺菌処理室(本明細書では単 に処理室ともいう)を用いる。 この殺菌処理室は、 その内部に 所要の物品を装入し得る空間部を有するとともに、 内部ガスが 外部へ流出しないように密閉性のものであればよい。 この殺菌 処理室には、 IS0TCを蒸気状又は液滴微粒子状で導入するため 導入管と、 処理室内の雰囲気ガスを外部へ排出するための排出 管を各付設する。
[0071] また、 処理室の構造は、 物品の殺菌処理を連続方式により行 うか又はバッチ方式によリ行うかによって適当な構造とする。 連続方式によリ行う場合には、 処理室には物品の入口部と出口 部を設けるとともに、 入口部と出口部との間を循環走行するコ ンベアを設ける。 この場合、 入口部及び出口部は、 処理室内の 雰囲気ガスが外部へ流出するのを防止するために、 密閉性構造 とし、 入口部においては物品が入る時及び出口部においては物 品が出る時のみに開口する構造のものとする。 このような密閉 性構造の入口部及び出口部は従来公知の手段によって構成する ことができる。 例えば、 処理室内の入口部及び出口部を合成ゴ ムシ一トゃプラスチックシート等からなるカーテンを用いて仕 切ることにより密閉性構造とすることができる。 一方、 物品の 殺菌処理をバッチ方式で行う場合には、 処理室には、 物品を間 欠的に出し入れする密閉性の扉を付設する。
[0072] また、 処理室の IS0TC導入管には、 IS0TCを蒸気状、 液状又は 固体に含浸させた状態で収容する貯蔵容器を、 必要に応じ、 混 合器や加熱器等を介して接続させ、 ここから殺菌処理に必要な IS0TCを液滴微粒状又は蒸気状で供給する。
[0073] 本発明の物品の殺菌処理方法は、 前記した殺菌処理室に対し、 物品を装入する工程(A)と、 IS0TCを蒸気状又は液滴微粒子状で 導入して処理室に IS0TCの蒸気を含む雰囲気を形成する工程(B) を含む。 殺菌処理を連続方式で行う時には、 処理室内に IS0TC を導入するヱ程(A)を先に行い、 次に物品を処理室内に導入す る工程(B)を行う。 一方、 殺菌処理をバッチ方式により行う時 には、 物品を処理室に装入する工程(B)を先に行い、 次いで ISO TCを導入する工程(A)を行う。
[0074] IS0TCは、 処理室に対して、 その導入管を介して貯蔵容器か ら ISOTCを蒸気状又は液滴微粒子状で導入する。 蒸気状で導入 する場合は、 ISOTCをあらかじめ気化して ISOTCを含むガスを形 成する。 一方、 液滴微細状で導入する場合は、 ISOTCを混合ノ ズルを介してガスとともに処理室内に噴出させる。 前記ガスと しては、 空気の他、 窒素ガス、 炭酸ガス等が挙げられる。
[0075] ISOTCを気化させ、 ISOTCの蒸気を含むガスを形成する方法と しては、 液状の ISOTC又はその溶液を加熱して形成した蒸気を ガスと混合する方法、 ISOTCの蒸気発生剤から ISOTCの蒸気を発 生させ、 これをガスと混合する方法、 ISOTCの液中にガスを通 過させ、 ガス中に ISOTCの蒸気を同伴させる方法等がある。 ガ ス中に含まれる ISOTCの蒸気濃度は、 5pPm以上であり、 その上 限値はガス中の飽和蒸気圧に対応する量であリ、 一般には 10~ 5000ppmである。 ェゼクタ一を用いてガス中に ISOTC又はその溶 液を吸引混合させる時には、 ISOTCの蒸気と液滴微粒子を含む ガスが得られ、 このガスを処理室に導入することも有効な方法 である。
[0076] 前記物品の殺菌処理方法は、 処理室内において、 物品と IS0T cの蒸気を含む雰囲気ガスとを接触させる工程(C)を含む。 この 場合、 処理温度は、 物品の種類にもよるが、 一般的には、 0~10 Ot:、 通常、 20~60°Cであるが、 生鮮食品の場合には、 常温ある いは 0~15°C程度の低温が採用される。 処理圧力は特に制限され ず、 減圧ないし加圧,が採用されるが、 好ましくは常圧ないし減 圧である。 殺菌処理を連続方式で行う場合には、 処理室の入口 及び出口部の開閉に際しての雰囲気ガスの外部への流出を防止 するために、 特に水柱で- 5mm~-50mm程度の減圧を採用するのが 好ましい。 処理室内の雰囲気ガスは、 IS0TCの蒸気が全体的に 均一になるように、 雰囲気ガスを処理室の 1つの個所よリ抜出 し、 これを他の傭所に導入するによって、 あるいはファンを設 置し、 これを回転させること等によって、 処理室内の雰囲気ガ スを均一に撹拌するのが好ましい。
[0077] 前記殺菌処理方法は、 処理室における物品の殺菌処理が終了 した後に、 処理室内の雰囲気ガスを排出する工程(D)と、 排出 したガスからそれに含まれる IS0TCの蒸気を除去する工程(E)を 含む。 処理室からの雰囲気ガスの排出は吸引ポンプにょリ行う ことができ、 排出されたガスからの IS0TCの蒸気の除去は、 冷 却器や、 吸着塔等の装置を用いて行うことができる。 冷却器と しては、 ガスの温度を処理室の温度以下、 特に 0°C付近の温度 までに冷却し得る構造のものであれば任意のものが用いられる c 吸着塔としては、 活性炭や、 セピオライト、 シリカ、 アルミナ 等のガス吸着剤を充填したものが用いられる。 ガス中からの IS 0TCの蒸気を完全に除去するために、 冷却器と吸着塔を結合さ せることは有効な方法である。
[0078] 図面の箇単な説明
[0079] 第 1図は物品の殺菌処理の実施説明図を示す。 第 2図は物品の 殺菌処理を実施するための装置系統図を示す。 第 3図は、 密閉 空間を殺菌処理するための実施説明図を示す。
[0080] 発明を実施するための最良の形態
[0081] 第 1図において、 1 ,4はブロワ一、 2は IS0TC蒸気発生室、 3は 殺菌処理室、 5は IS0TCの蒸気吸着装置を示す。 IS0TC蒸気発生 室 2は、 その内部に IS0TCを収容する構造のものである。 この場 合、 ISOTCは、 溶液状又はゲル状で存在させることができるし、 また、 多孔性物質に含浸させた状態で存在させることもできる。
[0082] ISOTCの蒸気を発生し得るものであれば、 その形態は特に制約 されない。
[0083] ISOTCの蒸気吸着装置 5は、 その内部に吸着剤を有するもので、 導入されたガスからそれに含まれる IS0TCの蒸気を吸着除去す るものである。 吸着剤としては、 一般には、 活性炭ゃセピオラ イ ト、 ケイソゥ土、 アルミナ、 シリカ、 シリカゲル、 シリカ · アルミナ、 マグネシア、 ゼォライ ト等が用いられるが、 ISOTC の蒸気に吸着作用を有するものであればどのようなものでも使 用可能である。
[0084] 物品の殺菌処理を行うには、 ブロワ一 1を作動させ、 ガスを ライン 6を介して蒸気発生室 2を流通させ、 ISOTCの蒸気を含ん だガスをライン 10を通して抜出すとともに、 このガスを物品の 収容されている殺菌処理室 3内に導入する。 ISOTCの蒸気を搬送 するためのガスとしては、 通常、 空気が用いられるが、 窒素ガ スゃ炭酸ガスであってもよい。 IS0TC蒸気発生室 2から排出され るガスは、 その一部をライン 11、 バルブ 12を通してライン 9に 再循環させることにょリ、 ライン 10を通るガス中の IS0TCの蒸 気濃度を調節することができる。
[0085] 殺菌処理室 3内のガス中に所要濃度の IS0TCの蒸気が混入した 時に、 ブロワ一 1を停止するとともに、 バルブ 13を閉じて殺菌 処理室内を密閉状態に保持する。 この状態を一定時間保持して、 物品への IS0TCの吸着処理を行う。 殺菌処理室 3内には、 ファン を付設して、 室内の空気を流動させて、 IS0TCの蒸気の室内に おける拡散を促進させるのが好ましい。 殺菌処理室内の IS0TG の蒸気濂度は、 容積基準で、 5~5000Ppra (v/v)、 好ましくは 10~ 2000ppm (v/v)である。 処理時間は、 物品の十分な殺菌効果が得 られる時間でぁリ、 物品の種類及び殺菌処理室内の IS0TCの蒸 気濃度により変化し、 一義的には決められないが、 一般には、 卜 60分、 好ましくは 5~20分という短い時間で十分である。
[0086] 殺菌処理の終了後は、 バルブ 15を開くとともに、 ブロワ一 4 を作動させ、 殺菌処理室内のガスを吸着装置 5を介してライン 2 2より大気へ排出する。 この場合、 処理室内が減圧化されるの を回避するために、 殺菌処理室には別途バルブを付設し、 この バルブを大気に開放するのがよい。 吸着装置 5では、 その中に 含まれる吸着剤の作用によリガス中に含まれる IS0TCの蒸気が 吸着除去きれる。 この吸着装置におけるガスの接触時間は、 そ の吸着除去が十分に達成される時間であればよく、 その接触時 間は、 ライン 18を通って吸着装置 5から抜出されるガスの一部 をライン 19及びバルブ 20を通ってライン 17に再循環させること により調節することができる。 殺菌処理室 3や吸着装置 5は、 こ れに加熱機構や冷却機構を付設し、 その温度をコントロールす ることができる。 また、 吸着装置において、 その吸着剤が飽和 吸着に達した時には、 これにスチーム等の加熱媒体を流通させ て再生することができる。
[0087] 本発明において、 殺菌処理室内のガス中への IS0TCの混入は、 前記した蒸気発生室において気化した IS0TCの混入によらず、 I S0TCを液状又は溶液状で直接ガス中にスプレーし、 ガス中で気 化させることによって行うこともできる。 また、 IS0TCのガス 中からの分離除去は、 吸着剤によらず、 固体状ァミン等の IS0T Cに対して化学反応性を有する物質を用いて化学反応的に行う こともできる。
[0088] 殺菌処理室 3としては、 密閉性構造のものであれば任意のも 5 のが用いられる。 また殺菌処理室 3に対しては、 IS0TCの蒸気を 含むガスは、 前記のように間欠的に導入せずに、 連繞的に導入 し、 そしてライン 14を介して連続的に抜出すこともできる。 こ の場合、 ライン 14から抜出されたガスは、 その一部を流量バル ブを介して処理室 3に再循環させることもできる。
[0089] T O 殺菌処理室 3内における物品の殺菌処理は、 連続方式又はバ ツチ方式で行うことができる。 連続方式で行う場合には、 物品 を殺菌処理室 3内を一定速度で通過させればよい。
[0090] 第 2図において、 1は殺菌処理室、 2は IS0TC蒸気発生室、 3は ブロワ一、 4はガス分配器、 5は IS0TC吸着装置を示す。
[0091] 1 5 殺菌処理室 1と IS0TC蒸気発生室 2との間は、 開閉バルブ 7を有 する配管 6で連結され、 殺菌処理室 1とブロワ一 3との間は開閉 バルブ 12を有する配管 11で連結されている。 ブロワ一 3とガス 分配器 4との間は、 開閉バルブ 15を有する配管 14で連結されて いる。
[0092] 20 なお、 ガス分配器としては、 例えば、 両端封止した大口径の パイプに、 ガス導入管とガス排出管を付設した如き構造のもの (へッダーパイプ)等を用いることができる。
[0093] ガス分配器 4と IS0TC吸着装置 5との間は開閉バルブ 17を有す る配管 16で連結されている。 ガス分配器 4と IS0TC蒸気発生室 2
[0094] 25 との間は開閉バルブ 19を有する配管 18で連結されている。 ガス 分配器 4と殺菌処理室 1との間は、 開閉バルブ 21を有する配管 20 で連結されている。 さらに、 ブロワ一の下流側と上流側との間 には、 ガス流量コントロールバルブ 25を有する配管 24で連結さ れ、 プロヮー 3によるガス移送量をコントロールできるように なっている。
[0095] なお、 各開閉バルブの操作は、 制御盤により、 電気的に操作 し得るようになつている。
[0096] 前記装置を用いて物品の殺菌処理を行うには、 先ず、 殺菌処 理室 1の開閉扉 10を開き、 その内部に所要の物品を入れ、 扉 10 を密閉する。 次に、 バルブ 9、 バルブ 17、 バルブ 21を閉じ、 バ ルブ 7、 バルブ 12、 バルブ 15、 バルブ 19を開いた状態にして、 ブロワ一 3を作動させる。 このブロワ一 3の作動により、 殺菌処 理室 1内の雰囲気ガス(空気)が流動化され、 ブロワ一 3、 ガス分 配器 4、 IS0TC蒸気発生室 2及び殺菌処理室 1で形成される循環系 を連続的に循環する。 このガス循環によって、 IS0TC蒸気発生 室 2で気化した IS0TCの蒸気が循環ガスに同伴されて殺菌処理室 1に導入され、 時間の経過とともに、 殺菌処理室内の IS0TCの蒸 気瀵度が上昇する。 この IS0TCの蒸気濃度が所定値に達した時 に、 バルブ 21を開くとともに、 バルブ 7及びバルブ 19を閉じ、 所定濃度の IS0TCの蒸気を含むガスを IS0TC蒸気発生室を通さな いで循環させる。 ガス中の IS0TCの蒸気濃度の検知は、 殺菌処 理室 1又は配管 11に瀵度計を付設して行うことができる。 この 場合、 濃度計としては、 ガスクロマトグラフィー型や、 電気伝 導度測定型等の従来公知の方式のものを用いることができる。 次に、 所定時間経過後、 バルブ 17を開くとともに、 バルブ 9 を開き、 一方、 バルブ 19、 バルブ 21を閉じる。 このバルブ開閉 操作はタイマーによリ自動的に行うことが可能である。 これに より、 パージガスが配管 8から殺菌処理室 1内に導入される。 ノヽ ° ージガスとしては、 空気を使用し得るが、 除菌空気や窒素ガス の使用が好ましい。 このパージガスは、 殺菌処理室 1内を通つ た後、 配管 11から抜出され、 ブロワ一 3、 ガス分配器 4を通り、 IS0TC吸着装置 5に導入され、 ここでガス中に含まれていた IS0T Cの蒸気が吸着除去される。 IS0TCの蒸気が除去処理されたガス は排ガスとして配管 30により抜出され、 大気へ放出される。 排 ガス中の IS0TCの蒸気の濃度が所定値まで低下した時に、 プロ ヮ一 3を停止させ、 扉 10を開いて内部の殺菌処理済みの物品を 取り出す。 このようにして、 殺菌処理操作が終了する。 前記の 操作を繰返し行うことにより、 物品の殺菌処理をさらに継続す ることができる。
[0097] 第 2図においては、 バッチ方式の処理装置を示したが、 殺菌 処理室として、 連続的に物品を出し入れし得る構造のものを用 いることにより、 連続方式の処理装置として適用することがで きる。 この場合の基本操作は前記と同様であるが、 殺菌処理室 には一定漉度の IS0TCの蒸気を含むガスを連続して供給する必 要がある。 このためには、 ガス分配器 4と殺菌処理室 1との間を 第 2図に示すようにガス流量コントロール機能を有する開閉バ ルブ 21を有する配管 20で連結し、 ガス分配器 4に導入された空 気の一部をこの配管を通して殺菌処理室に導入するとともに、 この配管 20を通るガス流量と、 配管 18を通るガス流量との割合 をコントロールすればよい。 前記のような殺菌処理によれば、 食品をはじめとした各種の 物品を安価でしかも安全かつ効率よく殺菌処理することができ る。 この場合、 処理室における IS0TCの蒸気を含むガスは、 殺 菌処理終了後、 パージガスとともに IS0TC吸着装置に送られ、 ここで IS0TCが吸着除去された後大気へ放出されることから、 作業時にその強い刺激臭を感じるようなことはなく、 作業環境 の悪化が防止される。
[0098] 第 3図において、 1は IS0TC蒸気発生室、 2は密閉空間、 3は ISO TCの蒸気吸着装置、 4, 5はブロワ一を示す。
[0099] IS0TC蒸気発生室 1は、 加熱機構及び冷却機構を備え、 その内 部には IS0TCを収容する構造のものである。 この場合、 IS0TCは、 液状又は溶液状あるいはゲル状で存在させることができるし、 また、 多孔性物質に含浸させた状態で存在させることもできる。
[0100] IS0TCの蒸気吸着装置 3は、 その内部に吸着剤を有するもので、 導入されたガスからそれに含まれる IS0TCの蒸気を吸着除去す るものである。 吸着剤としては IS0TCの蒸気に吸着作用を有す るものであれば.どのようなものでも使用可能である。
[0101] 密閉空間 2を殺菌処理するには、 ブロワ一 4を作動させ、 空気 をライン 6を介して IS0TC蒸気発生室 1を流通させ、 IS0TCの蒸気 を含んだガスをライン 8を通して密閉空間 2に導入する。 密閉空 間 2における IS0TCの蒸気漉度が所定値に達した時に、 バルブ 7 を閉じ、 バルブ 10を用いて密閉空間中のガスを一定時間循璟さ せ、 密閉空間の殺菌処理を行う。
[0102] 次に、 この殺菌処理終了後、 ブロワ一 4を停止し、 バルブ 10 を閉じるとともに、 バルブ 15及びバルブ 12を開くとともに、 ブ ロワ一 13を作動させる。 これにより、 パージガスがライン 14よ り密閉空間 2に入り、 ライン 11を通って IS0TCの蒸気を含むガス が抜出される。 このガスは IS0TCの蒸気吸着装置 3に入り、 ここ でその中に含まれている IS0TCの蒸気が吸着除去され、 IS0TCの 蒸気を含まないガスがライン 16を通って抜出される。 このよう にして、 密閉空間は殺菌されるとともに、 その殺菌処理で用い た IS0TCの蒸気が密閉空間から除去されるので、 その密閉空間 には IS0TCの蒸気による刺激臭は生じない。
[0103] なお、 前記パージガスとしては、 空気を用いることができる が、 除菌空気や、 窒素ガスを用いるのが好ましい。
[0104] 本発明において、 IS0TC蒸気発生室 1、 ブロワ一 4,5及ぴ IS0TC の蒸気吸着装置は、 密閉空間の大きさに応じて、 その一部又は 全部を密閉空間体に設置するのが好ましいが、 密閉空間が小さ い場合には、 外部に設置する。
[0105] 密閉空間内の IS0TCの蒸気濃度は 5~2000ppm、 好ましくは 10~
[0106] 500Ppmであリ、 IS0TC蒸気の密閉空間における存在時間は 1分 ~1 2時間程度であり、 このような条件の採用により、 密閉空間内 の有害微生物をほぼ完全に殺菌することができる。
[0107] 前記方法によれば、 密閉空間内の空気及び密閉空間内に位置 する機械装置等の物品表面をも効果的に殺菌することができる, しかも、 IS0TCは金属腐食性を有しないので、 金属を腐食させ るようなこともない。 また、 密閉空間内に極く微量の IS0TCの 蒸気が残存しても、 人体に対して特に悪影響を及ぼすようなこ とあない。
[0108] 次に本発明を実施例により説明するが、 本発明はこれらの実 施例によって制限されたものではない。 なお、 以下において示 す部及ぴ《はいずれも特記しない限り重量基準である。
[0109] 実施例 1
[0110] ィソチォ アン酸ァリルエステルを油性液体としての食用油 (大豆油)に溶解して IS0TC溶液を得た。
[0111] 次に、 この溶液について、 そのイソチォシアン酸ァリルエス テルの経過時間に対する蒸散度合いを官能により試験した。 こ の場合の試験は、 IS0TC溶液 5gをシャーレ(寸法:直径 75mm、 高 さ 20mm)に入れ、 常温においてそのシヤーレから蒸発する臭い の強さを以下に示す評価基準で判定した。 その結果を表- 1に示 す。
[0112] ©…刺激臭が目にしみる
[0113] O…辛子臭がする
[0114] 厶…かすかに辛子臭がする X…臭わない
[0115] なお、 比較のために、 前記と同一寸法のシャーレにイソチォ シアン酸ァリル 0. 05gを入れ、 同様に試験を行ったところ、 目 にしみる刺激臭が 30分間にわたって生じ、 1時間目では全く臭 わなくなつた。
[0116] 表一 1 溶液中のイソチォシァ 経 過 時 間 (日) ン酸ァリルの濃度(%) 3 0分 1 5 1 0 1 5 2 0
[0117] Q . 5 O Δ Δ Δ Δ X
[0118] 1 ' O o 厶 厶 厶 厶
[0119] 5 © © O O 〇 Δ
[0120] 1 Q ◎ O O O 〇
[0121] 20 © ◎ © O O 〇
[0122] 30 © 0 O 実施例 2
[0123] イソチォシアン酸ァリルを種々の濂度でコーンオイルに溶解 し、 この ISOTC溶液約 9gを直径 85mm (底面積 56.7crf)、 高さ 15mm のシャーレに入れ、 このシヤーレを 30°Cの密閉系の恒温槽(容 稜 88β)に入れてイソチォシアン酸ァリルの蒸発量の経時変化を 調べた。 その結果を表- 2に示す。 表- 2に示されたイソチオシァ ン酸ァリルの蒸発量は、 測定開始時にシャーレ中に存在する溶 液 100重量部に対するイソチォシアン酸ァリルの蒸発重量部で ある。
[0124] 表一 2
[0125] 実施例 3
[0126] イソチォシアン酸ァリルを濂度 50 でコーンオイルに溶解し た IS0TC溶液 40部を、 焼成ケイソゥ土の粒状物(直径:約 lmm、 長 さ:約 3.5mm) 100部に含浸させて、 IS0TCの蒸気発生剤を作り、 これを用いて実施例 2と同様にして IS0TCの蒸気量の経時変化を 調べた。 その結果を表- 3に示す。 表- 3に示された蒸発量は、 測 定開始時にシャーレ一中に存在する IS0TCの蒸気発生剤 100重量 部に対するイソチォシアン酸ァリルの蒸発重量部である。
[0127] 表一 3 実施例 4
[0128] イソチォシアン酸ァリルを 50(v/v) 、 20(v/v)%, 10(v/v) 及 び 5(v/V)$の瀵度でコーンオイルに溶解して溶液を作り、 この 溶液から発生する蒸気を試験対象の力ビ菌に密閉空間内(室温) で暴露させた後、 28°Cで 3日間インキュべ一ションしてカビの 繁殖状況を調べた。 結果を表- 4に示す。
[0129] 試験対象かび菌は、 JIS Z 2911-1981Γかび抵抗性試験方法」 で指定された菌株;ぺニシリウム フニクロスム(Penicillium F uniculosum Thorn IFO 6345、 青力ビ属)(表一 41こお ヽて菌種 Aと して示す)、 ケドミゥム グロボスム(Chaetomiun globosum Kun ze ex Fries IFO 6347、 ケトミゥム属)(表- 4において菌種 Bと して示す)、 グラドスポリゥム クラドスポリオイデス(Cladosp orium cladosporiolides (Fresenius de vries IFO D348 (FERM S-8;IAH F517)、 クロ力ワカビ属)(表- 4において菌種 Cとして示 す)の 3種の真菌類である。
[0130] なお、 前記の 3種のカビ菌は、 いずれも、 50(v/v)$の IS0TC溶 液からの蒸気で 15分間、 5(v/v)$の IS0TC溶液からの蒸気で 120 分間の暴露で完全に死滅していた。 表一 4
[0131]
[0132] 実施例 5
[0133] 約 3£容器の一方に魚の干物(アジ)を入れ、 他の一方は魚の干 物(アジ)の他にイソチォシアン酸ァリルの 1《大豆油溶液 lOccを 容器に入れ、 開放のまま収納し、 それぞれフタをする。 室温で 時間の経過と共に時々干物を外にとり出してその臭気を調べた t その結果、 ィソチオシアン酸ァリル溶液とともに収納した干物 は、 6日目でも干物独特の生ぐささが保持され、 干物の鮮度は 良好であつたが、 一方、 干物のみを収納したものでは、 腐敗臭 が感じられ、 その鮮度は劣っていた。
[0134] 実施例 6
[0135] 実施例 5において、 干物の代りに切もちを用いた以外は同様 にして試験を行った。 その結果、 切もちのみを収納したもので は、 3日目でカビが発生したが、 イソチォシアン酸ァリル溶液 とともに収納したものでは 1力月目でもカビの発生は見られな かった。 実施例 7
[0136] 辛子種子 30重 fi部を食用油(大豆油) 70重量部に添加混合した, この作業は、 辛子種子が殆んどィソチオシアン酸エステルの剌 激臭を生じないことから、 作業環境の悪化を生じることなく容 易に実施することができた。
[0137] 次に、 この IS0TC溶液について、 そのイソチォシアン酸ァリ ルエステルの経過時間に対する揮散度合いを官能により試験し た。 この場合の試験は、 IS0TC溶液 20gをシャーレ(寸法:直径 70 mm、 高さ 15mia)に入れ、 常温においてそのシャーレから揮散す る臭いの強さを以下に示す評価基準で判定した。 その結果を表 -5に示す。
[0138] ◎…刺激臭が目にしみる
[0139] O…辛子臭がする
[0140] △…かすかに辛子臭がする
[0141] X…臭わない
[0142] 表一 5
[0143] なお、 比較のために、 前記と同一寸法のシャーレにイソチォ シアン酸ァリル 0.05gを入れ、 同様に試験を行ったところ、 目 にしみる刺激臭が 30分間にわたって生じ、 1時間後には全く臭 わなくなつた。
[0144] 実施例 8 ィソチオシアン酸ァリルエステルを市販の食用油(大豆油)に 溶解し、 濃度 10$の溶液を得た。 この IS0TC溶液 10部を、 カラ ギ一ナン 5 と、 水 95《とから得られたカラギーナンゲル 100部に 均一に混合分散させてィゾチオシアン酸ァリルエステルを含む ゲル状物を得た。
[0145] 次に、 このゲル状物については、 そのイソチ才シアン酸ァリ ルエステルの経過時間に対する揮散度合いを官能によリ試験し た。 この場合の試験は、 ゲル状物質 5gをシャーレ(寸法:直径 75 mm、 高さ 20mm)に入れ、 常温においてそのシャーレから揮発す る臭いの強さを以下に示す評価基準で判定した。 その結果を表 -6に示す。
[0146] ◎…刺激臭が目にしみる
[0147] O…辛子臭がする ' 厶…かすかに辛子臭がする
[0148] X…臭わない
[0149] なお、 比較のために、 前記と同一寸法のシャーレにイソチォ シアン酸ァリル 0.05gを入れ、 同様に試験を行ったところ、 目 にしみる刺激臭が 30分間にわたって生じ、 1時間目では全く臭 わなくなった。
[0150] 表一 6 試料 溶液中のイソチオシァ 経 過 時 間 (日)
[0151] No. ン酸ァリルの濃度(%) 60分 2 3 5 10 14 20
[0152] 1 1 O O Δ 厶 X X X
[0153] 2 2 O O O 厶 厶 厶 X
[0154] 3 3 © 〇 O O o Δ 厶
[0155] 4 5 ◎ O 0 O o O o
[0156] 5 10 ◎ 〇 O 〇 o O O 実施例 9
[0157] 実施例 8の試料 Nd4のゲル状物質の lOgをビーカに入れ、 これ を市販の密封性透明プラスチック容器(寸法:縦 150DIDI、 横 200mm、 高さ 150MI)に入れ、 さらに市販切もち 1個を入れた後、 蓋をし て密封し、 常温に放置した。
[0158] また、 比較のために、 ゲル状物質を用いない以外は前記と同 様にして実験を行った。
[0159] 前記切もちの保存試験の結果、 本発明のゲル状物貧を用いな い比較試験では保存後 3日目でカビの発生が見られたが、 本発 明のゲル状物質を用いた試験では 30日間の保存でももちの表面 にはカビの発生は認められなかった。 このことから、 本発明の ゲル状物質は、 すぐれた防力ビ性を有することがわかるととも に、 すぐれた殺菌性を有し、 さらにすぐれた鮮度保持性を有し ていることがわかる。
[0160] 実施例 1 0
[0161] 実施例 9において、 切もちに代えて食パンを用いた以外は同 様にして実験を行った。 その結果、 本発明のゲル状物質を用い ない比較試験では保存後 3日目で力ビの発生が見られたのに対 し、 本発明のゲル状物質を用いた試験では 30日間の保存でも力 ビの発生は見られなかった。
[0162] 実施例 1 1
[0163] (1) 試料の作成
[0164] 食パンを厚さ lcmに切り、 A,B ,Cの 3組の試料を作った。
[0165] A組: 100 厚のポリエチレン袋 3枚に 1枚づっ食パンを入れ て熱融着で封入したもの。 B組: 100 厚みのポリエチレン袋 3枚に 1枚づっ食パンを入 れる。 その各々に、 大豆油 20ccにィゾチオシアン酸ァリル 10 を混合した IS0TC溶液を厚み 30 のポリエチレンに封入した袋 を入れて熱融着により密封する。
[0166] C組: 100/im厚みのポリエチレン袋 3枚に 1枚づっ食パンを入 れて脱気、 熱融着で封入する。 この 3枚の袋を内容積約 2βの密 閉容器中に入れる。 この密閉容器内には約 5ccのィゾチオシァ ン酸ァリルを 25 で保持してあり、 揮発したイソチォシアン酸 ァリルで充満出来る様にしてある。 食パンの封入された袋は夫 々この中で 1時間保持する。
[0167] (2) 実験結果
[0168] 前記 A,B,Cの組の袋のそれぞれ 3個、 合 9個を室温で放置し、 包装された食パンに異状が発生するか否か観察した。 その結果 を表- 7に示す。
[0169] 表一つ
[0170]
[0171] (注) 一 :カビ発生なし
[0172] + : 1 2個の力ビ発生
[0173] 廿:3~4個の力ビ発生
[0174] w : 5個以上のカビ又は直径 lcm以上の円形状のカビの 広がりが発生 実施例 1 2
[0175] 99$エタノールに対し、 ィソチオシアン酸ァリルエステルを 0.5重量 の割合で溶解してスプレー溶液を得た。
[0176] 次に、 この溶液 300gを内容積 500mfiのエアゾール缶に充填し、 さらに噴射剤(液化ブタン)を 80g充填して噴射装置を得た。 こ のようにして得た噴射装置から溶液を噴射したところ、 溶液は 霧状の粒子となってきれいに噴霧されることが確認された。 ま た、 この噴霧に際して、 イソチォシアン酸ァリルエステルによ る強い刺激臭は著しく抑制され、 周囲環境を特に悪化させるも のでない.ことが確認された。
[0177] 次に、 前記噴射装置を用い、 切もちの入っている密封性容器 内に、 溶液を噴射し、 蓋を閉じたところ、 1力月間にわたって も、 カビの発生は何ら見られなかった。 比較のために行った溶 液を噴射しない実験では 3日目で切もちの表面にはすでに力ビ の発生が見られた。
[0178] 実施例 1 3
[0179] ィソチオシアン酸ァリルエステルの 1重量《エタノール溶液 10 0重量部に対して、 大豆油 100重量部を添加混合してスプレー溶 液を得た。 この溶液を実施例 12と同様にしてエアゾール缶に充 填し、 さらに噴射剤を充填して噴射装置を得た。 このようにし て得た噴射装置を用いて溶液を噴射したところ、 溶液は良好に 噴射し得ることが確認された。 また、 この噴射に際しては、 ィ ソチオシアン酸ァリルエステルによる刺激臭は、 実施例 12の場 合に比べてさらに抑制されたものであった。
[0180] 実施例 1 4
[0181] 内部に乾燥室を有するとともに、 壁部に排気口と外気導入口 を有し、 さらに密閉性扉を有するバッチ方式の市販の小型減圧 乾燥装置を用意し、 この装置の排気口に活性炭を充填した吸着 剤を介して真空ポンプを接続するとともに、 その外気導入口に、 内部にイソチォシアン酸ァリルを含浸させたセピオライト粉体 (IS0TCの蒸気発生剤)を充填し、 容器壁部にガス排出管を有す る IS0TC貯蔵容器のその排気管を 3方開閉バルブを介して接続し て本発明の殺菌処理装置を作製した。
[0182] 次に、 この装置の扉を開き、 切もちをポリエチレンの袋で密 封包装したものを内部に収容させた後、 扉を密閉し、 前記 3方 バルブを開にして、 IS0TC貯蔵容器内の IS0TCの蒸気を装置の乾 燥室内に拡散導入させた。 この状態で 24時間放置した後、 真空 ポンプを駆動させるとともに、 3方開閉バルブの IS0TC貯蔵容器 側を閉にし、 外気側を開にして、 乾燥室内の雰囲気ガスを、 そ の中に含まれる IS0TCの蒸気を吸着塔で除去しながら排出した 後、 真空ポンプを停止した。
[0183] 次に、 乾燥室の扉をあけ、 包装切もちを取出し、 これをその まま大気中に放置した。
[0184] 一方、 比較のために、 切もちを同様にしてポリエチレンの袋 に密封包装し、 殺菌処理を施さないまま大気中に放置した。 比較用の切もちは、 放置後 3日目でカビの発生が見られたの に対し、 本発明で殺菌処理した切もちは、 1か月間の放置でも カビの発生は何ら認められなかった。
权利要求:
Claims 請求の範囲
(1) ィソチオシアン酸エステルが における蒸気圧が 2mniHg 以下の油性液体に濃度 0.01~50重量 の割合で溶解している溶液 を多孔性物貧に含浸保持させてなるイソチォシアン酸エステル の蒸気発生剤。
(2) ィソチオシアン酸エステルが 30 における蒸気圧が 2mmHg 以下の油性液体に濃度 0.01~50重量 ¾の割合で溶解している溶液 を含む粉末状多孔性物質の成形品からなるイソチォシアン酸ェ ステルの蒸気発生剤。
(3) イソチォシアン酸エステルが 30。Cにおける蒸気圧が 2inmHg 以下の油性液体に濃度 0.01~50重量 ¾の割合で溶解している溶液 を芯材としたカプセル化物からなるイソチォシアン酸エステル の蒸気発生剤。
(4) イソチォシアン酸エステルが 30°Cにおける蒸気圧が 2mmHg 以下の油性液体に濃度 0. 01~50重量 の割合で溶解している溶液 をゲル状物貧に含有させてなるイソチォシアン酸エステルの蒸 気発生剤。
(5) ィソチオシアン酸エステルが 30°Cにおける蒸発圧が 2mmHg 以下の油性液体に濃度 0. 01~50重量 の割合で溶解している溶液 又は該溶液を含有するイソチォシアン酸エステルの蒸気発生剤 を含むコーティング組成物。
(6) 該コーティング組成物が接着剤組成物、 塗料組成物又はィ ンク組成物である請求の範囲(5)の組成物。
(7) 請求の範囲(5)のコーティング組成物を塗布してなるシ一 ト状物。 ** 3
(8) 請求の範囲(1)のイソチォシアン酸エステルの蒸気発生剤 を含む板状体。
(9)ィゾチオシアン酸エステルを濃度 0· 01~5重量 の割合でエタ ノールに溶解させてなるスプレー溶液。
(10) 該溶液が油性液体を含む請求の範囲(9)のスプレー溶液。
(11) 請求の範囲(9)又は(10)のスプレー溶液を噴射剤とともに 噴射ノズルを備えた密閉性容器に加圧封入してなる噴射装置。
(12) ィソチオシアン酸エステルが 30。Cにおける蒸気圧が 2mniHg 以下の油性液体に濃度 0.01~50重量 の割合で溶解している溶液 又はこの溶液を含有するイソチォシアン酸エステルの蒸気発生 剤から発生される蒸気を物品に接触させることを特徴とする物 品の殺菌処理方法。
(13) ィゾチオシアン酸エステルの蒸気に対して透過性を有す る包装材料であらかじめ包装した物品を、 ィソチオシアン酸ェ ステルの蒸気を含むガスと接触させることを特徴とする物品の 殺菌処理方法。
(14) 殺菌処理室内にイソチォシアン酸エステルを蒸気状又は 液滴微粒子状で導入して該殺菌処理室内にイソチォシアン酸ェ ステルの蒸気を含む雰囲気を形成する工程と、 殺菌処理室内に 物品を装入する工程と、 該殺菌処理室内において該物品と該ィ ソチオシアン酸エステルの蒸気を含む雰囲気ガスとを接触させ て殺菌処理する工程と、 該殺菌処理後、 殺菌処理室内の雰囲気 ガスを排出する工程と、 該排出されたガスからそれに含まれる ィソチオシアン酸エステルの蒸気を除去する工程を含むことを 特徴とする物品の殺菌処理方法。
(15) 該物品が、 イソチォシアン酸エステルの蒸気に対して透 過性を有する包装材料であらかじめ包装されたものである請求 の範囲(14)の方法。
(16) ィソチオシアン酸エステルを処理室内に導入するための 導入管と処理室内の雰囲気ガスを排出するための排出管を備え た殺菌処理室と、 該導入管と接続するイソチォシアン酸エステ ルを収容する貯蔵容器と、 該排出管に接続するイソチォシアン 酸エステルの蒸気除去装置を備えたことを特徴とする物品の殺 菌処理装置。
(17) 殺菌処理室と, 該殺菌処理室と開閉バルブを介して連結 するイソチォシアン酸エステルの蒸気発生室と、 該殺菌処理室 と開閉バルブを介して連結するブロワ一と、 該ブロワ一と開閉 バルブを介して連結するガス分配器と、 該ガス分配器と開閉バ ルブを介して連結するイソチォシアン酸エステルの蒸気吸着装 置と、 該ガス分配器と該イソチオシアン酸エステルの蒸気発生 室とを連結する開閉バルブを付設した配管と、 該ブロワ一の上 流側と該ィソチオシアン酸エステルの蒸気発生室とを連結する 開閉バルブを付設した配管と、 該殺菌処理室に連結された開閉 バルブを付設したパージガス導入管を有することを特徵とする 物品の殺菌 理装置。
(18) 密閉空間内に、 イソチォシアン酸エステルを含むガスを 混入させて該密閉空間を殺菌処理した後、 該密閉空間内のガス をイソチォシアン酸エステルの蒸気除去装置を流通させて、 該 密閉空間からイソチォシアン酸エステルを除去する密閉空間の 殺菌方法。
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