专利摘要:

公开号:WO1990011258A1
申请号:PCT/JP1990/000355
申请日:1990-03-16
公开日:1990-10-04
发明作者:Koji Mitsuo;Mitsuko Mitsuo;Hiroshi Mitsuo
申请人:Koji Mitsuo;Mitsuko Mitsuo;Hiroshi Mitsuo;
IPC主号:C04B41-00
专利说明:
[0001] 明 細 書
[0002] 水硬性物質と水硬性物質の製造法、 養生法、 養生室、 及び塗料
[0003] 技術分野
[0004] この発明は、 水と白華成分のコ ン トロールにより、 水硬性物質 のクラッ ク防止、 難吸水性化またははつ水性化、 高強度化、 或い は表面や型枠接面に光沢を出すことや白華抑制等が可能な、 水硬 性物質と水硬性物質の製造法、 養生法、 養生室、 及び塗料に関す る。
[0005] なお本特許明細書および請求項に使用される以下の語句は、 以 下の意味を有する。
[0006] 水硬性物質とは、 生モルタル、 生コ ンク リー ト等のセメ ン ト系 未硬化物と、 これらが硬化したモルタルゃコンク リート等の硬化 物、 或いはポゾラ ンセメ ン ト反応ゃ珪灰反応等、 水の存在下で反 応して硬化するものの未硬化物と硬化物を総称する。
[0007] 白華成分とは、 セメ ン トに水を加えたとき生成される水酸化力 ルシゥムを主体とする水溶性塩類のことを言う。
[0008] 不足水とは、 水硬性物質が充分に水和反応または水熱反応する ために必要な不足する水のことを言う。
[0009] 反応剤とは、 白華成分と反応する練込型の薬剤や、 合成樹脂系 ェマルジョ ン等に加える添加型薬剤のことを言う。
[0010] 反応液とは、 白華成分と反応する含浸型溶液のことを言う。
[0011] には水や湯を加えても崩れない程度に固まつた半硬化も含 まれる。
[0012] 養生とは、 気乾養生や蒸気養生を始めと して全ての方式の水硬 性物質の養生のこ とを言う。
[0013] 水の気化蒸発を押えて養生するとは、 密閉養生、 水や湯を入れ た密閉室での養生、 密閉室に蒸気を送っての蒸気養生、 高圧養生、 オートク レープ養生等、 水の気化蒸発を押えて行う養生のこ とを 言い、 湿度 1 0 0 %が好ま しいが、 水の気化蒸発を効果的に押え ることができれば、 密閉度は多少不完全であつてもよい。
[0014] 石灰系水溶液とは、 セメ ン トゃモルタル等の水硬性物質、 消石 灰、 生石灰、 または空気中にさ ら した生石灰等に水を加えてでき る水酸化カルシゥムまたは.これを主体とする水溶液のことを言う。
[0015] 水硬性物質が水や湯で崩れなく なつたらできるだけ速やかにと は、 水硬性物質が崩れなく なる時間は養生温度等で異なるので時 間を限定できないが、 水の気化蒸発によって水硬性物質内の水が 空気と置換されてできる水隙が、 より浅く また小さ く少ないうち に、 また水隙孔内壁に生成される炭酸カルシゥムの量がより少な いうちのことを言い、 具体的には温度が 1 0度程度の養生の時は 略 2 0時間内位、 2 0度程度の養生の時は略 1 5時間内位、 4 5 度程度の養生の時は略 8時間内位、 5 5度程度の温度の時は略 6 時間内位が望ま しく、 温度が高く なる程時間を短縮できる。 しか し養生時の湿度等の関係もあり、 必ずしも上記時間に限定されな い o
[0016] 除湿器とは、 市販の除湿器、 乾燥器、 蒸気を降温させて液化さ せるヒートポンプや冷却器、 養生室内の蒸気を外部に排出するフ アン、 養生室を解放する自動開閉戸等養生室の蒸気を液化させ、 或いは蒸気の液化や放出により湿度を降下させる機器類のことを 総称する。
[0017] 背景技術
[0018] セメ ン ト系も含めた水硬性物質の養生法と して、 気乾養生、 撒 水養生、 水和反応熱利用養生、 湿潤養生、 水中養生、 蒸気養生、 及びオートク レーブ養生が知られている。 水硬性物質の硬化時に おける収縮を小さ くするため膨賬剤を使用することが知られてい る。 また非吸水性硬化物と して、 はつ水剤を塗布したり はつ水剤 を線込んだ硬化物が知られている。 また種々の練込み型白華抑制 剤や合成樹脂系塗料が市販されている。
[0019] 水硬性物質の養生において用いられる気乾養生においては水和 反応が少ししか進まぬうちに水が蒸発する。 従って多く の水隙が できて吸水性が大になるば.かりか、 蒸発時セメ ン ト粒子間に凝集 力が作用し収縮してクラ ッ クの原因となる。 更に生成される白華 成分が水の気化蒸発に伴って表面に移行すると炭酸ガスと反応し て 1次白華となる。 またセメ ン ト粒子や骨材の周囲に乾燥固着し たものは雨水等を吸って乾燥する時、 水の気化蒸発に伴って表面 に移行し、 炭酸ガスと反応して 2次白華となる。
[0020] 水中養生の場合は、 乾燥した硬化物を水中養生するから、 既に 吸水性が大であるばかりか、 白華成分が溶出して外部に逃げ、 逃 げ跡に空隙が形成されることと、 炭酸ガスと反応すれば炭酸カル シゥムとなつて強度増加に寄与する白華成分が外部に逃げること で、 更に吸水性が大になり強度も低下する。 また水中には白華成 分が溶出しているから、 その烬取出して乾燥させると表面に白華 成分が付着し 2次白華が発生する。 しかし水隙や上記空隙の存在 で多数の間隙を形成して発生し、 水隙や空隙を充満させることが できず難吸水性化や高強度化には役に立たない。
[0021] 水を張った密閉養生室内での湿潤養生においては、 養生室内が 露点に達すると、 セメ ン ト系の水の気化蒸発が防止されるものの、 温度が低いときは養生室内の空気中の水量が少なく、 不足水の捕 給を行い難いばかりか、 水和反応熱等でセメ ン ト系の温度が室内 空間の温度より高く なると、 室内の温度が露点になつているにも かかわらずセメ ンン ト系の水が気化蒸発して水隙ができ、 強度が 低下する。 また湯を入れる等して室内温度が高いと結露水がセメ ン ト系に付着して内部白華成分が表面に移行し 1次白華が発生す る o
[0022] 蒸気養生は、 脱型強度を早く 出すために行われるものであり、 6 0度以上かつ略 5 0 0度時程度養生される場合が多い。 しかし 従来法では、 養生前の水の気化蒸発に加え、 養生室の密閉度不足 から湿度 1 0 0 %における養生が実際的には不可能に近い。 更に 水和反応熱や金属製型枠の蓄熱作用等で室内温度より水硬性物質 の温度の方が高く なるので、 湿度 1 0 0 %の密閉室で蒸気養生し ても水硬性物質の周囲は飽和状態が破られて水硬性物質の水が気 化蒸発する。 かかる水の蒸発により空気が置換され侵入して無数 の水隙を作り、 水隙内壁には空気中の炭酸ガスと白華成分が反応 して琼らに或いは多数の間隙を形成しつつ炭酸カルシウムが生成 される。 かく して、 炭酸カルシウムの存在と熱によるセメ ン トゲ ルの锆晶化で、 加えた熱エネルギーに比し初期強度がさ程伸びず、 後期強度も伸びない。 また吸水性も大である。
[0023] A L Cのオー トク レ一ブ養生は、 一般的には空気やガスの膨脹 によるクラックを防止するため 2 ~ 2 4時間程度の待時間後養生 される。 従ってこの間に水が気化蒸発して水隙ができ吸水性が大 である。 セメ ン ト系のオートク レ一ブ養生は蒸気養生を施して脱 型後ォートク レーブ養生される場合が多く、 上記したように養生 前や養生中に水が気化蒸発して水隙ができるので、 期待通りの強 度が出ず吸水性が大である。 また養生中に白華が発生しやすい。 断熱養生室内における水和反応熱を利用した養生法も知られて いる。 反応熱により室内温度を 5 0度程度迄上昇させ脱型を早め ることができるが、 成型した翌日脱型する等温度が高いとき こ養 生室を解放して脱型すると、 湯気と共に白華成分が表面に移行し て白華が発生する。
[0024] 撒水養生は、 脱型後のス ト ツ クヤー ド等における水硬性物質の 養生に使用され、 既に多数の水隙が生じているばかりか形式的に 撒水しており、 水がかからないところや乾燥したところでは水硬 性物質自体の水が気化蒸発してさ程効果がない。
[0025] 硬化した水硬性物質にはつ水剤 (白華成分と反応してはつ水性 を呈するものも含む。 ) を.塗設するとはつ水性化することも公知 である。 しかし、 上記水硬性物質の表面には塗料を塗ることがで きない。 しかも疎水性のため経時的に剥離して効果が無く なる。 また、 はつ水剤を練込んだ水硬性物質は強度が低下する。
[0026] 膨脹剤を使用するとコス ト高となる。 また多量の水隙もでき、 使用法にも線度を要求される。
[0027] 白華の発生は気象や製造法等多々の条件に左右されて適切な抑 制法がない。 練込型白華抑制剤を使用する場合も条件の相違によ り白華が発生する。 また従来のェマルジヨ ン系塗料をセメ ン ト系 に塗ると、 塗料中の水がセメ ン ト系に浸透し、 白華成分が溶出移 行して白華が発生し鲜明な色を出し難い。
[0028] この発明は、 上記問題点を解消する水硬性物質と水硬性物質の 製造法、 養生法、 養生室、 及び塗料を提供するこ とを目的と して いる。
[0029] 発明の開示
[0030] 消石灰、 生石灰、 及びセメ ン トに水を加えた時の、 飽和水溶液 になる迄の状態を観察したところ、 最初は容出量少なく、 5〜 6 時間程度してから飽和状態になり、 表面に多孔質の炭酸カルシゥ ム薄層ができ、 空間を残し容器に蓋をして密閉した時には孔が極 めて小さいち密な炭酸カルシウム薄層ができるこ とを確認した。 またセメ ン トペース トを厚さ 5 mmに成型すると、 夏では 2〜 3時 間程度で、 冬だと 4 ~ 8時間程度で、 水の気化蒸発により収縮し てクラックが発生することを確認した。 この発明は、 水硬性物質 の初期の水の気化蒸発による水隙と、 その時の水の白華成分濃度 が、 白華発生と強度及び吸水性に深く係わっていることに気付い て成されたものである。
[0031] 即ち、 夏や高温養生では白華成分の溶出が少ないうちに多量の 水が気化蒸発するから、 径大かつ多数の水隙ができ、 低強度かつ 吸水性である。 また白華成分の表面への移行が少ないので 1次白 華が発生せず、 水隙孔内壁には炭酸カルシウムが琼らに或いは多 数の間隙をおいて付着し、 或程度強度増加に寄与する。
[0032] —方、 冬または低温養生では水の気化蒸発速度が遅く、 水は白 華成分の飽和水溶液となり、 朝夕の温度変化や風等により急激に 水が気化蒸発すると、 内部の白華成分が表面に移行し炭酸ガスと 反応して 1次白華が発生する。 尚水の気化蒸発が遅いので高温時 に比し、 セメ ン トゲル (以下単に 「ゲル」 と略称する。 ) の生成 が順調に行われ、 水隙は高温時に比し径小で少なく高強度化し、 水隙孔内壁には炭酸カルシウムが夏や高温時に比し密に付着して、 吸水性が小になる。
[0033] 発明者の長期に亘る実験により、 以上のことが確認された。 この発明は以上の知見に基づき提供されるものである。
[0034] (1) この発明の水硬性物質の製造法は、 水に代えて水酸化カルシ ゥム水溶液またはこれを主体とする白華成分溶出液等の石灰系 水溶液を使用し、 或いは更に白華成分と反応する反応剤を加え て未硬化水硬性物質を作り、 成型して養生を施し硬化させるこ とを特徴とする (以下 「石灰系水利用法」 と略称する。 ) 。
[0035] 石灰系水利用法は、 水に代えて石灰系水溶液 (出来得る限り 飽和水溶液が望ま しい。 消石灰ゃセメ ン ト等に水を加え、 表面 に炭酸ガスと反応してできる多孔質薄膜が形成される位の水溶 液 P H 1 2程度が効果的である。 ) を使用して水硬性物質を作 るから、 セメ ン ト自体のアルカ リ分が温存される。 石灰系水溶 液は水に比し、 水の気化蒸発速度が遅いから、 その間にゲルの 生成が進行する。 水を使用して作った水硬性物質に比し気乾養 生の場合は強度が大である。 水硬性物質の養生時解放されてい た部分は或程度低吸水性.化する。 型枠接面は水の気化蒸発が更 に遅いのでゲルの生成が良好に行われる。 水隙が少なく、 或程 度難吸水性化する。 これは表面に間隙の少ない炭酸カルシゥム の被膜層が形成されることによるものとみられる。 そして保水 性が生じ更にゲルが生成して強度が増加する。
[0036] 尚水の気化蒸発を押えて養生すると、 更に水隙が少なく なり、 形成される炭酸カルシウムの層も間隙が少なく なつて、 更に難 吸水性化かつ高強度化する。
[0037] また石灰系水溶液に反応剤を加えて水硬性物質を作ると、 気 乾養生でも型枠接面が難吸水性化し、 後記表 1 に見られるよう に添加剤を使用しないものに比し高強度である。 これは反応剤 と石灰系水溶液が遅効的に反応して反応物が微細骨材化し水隙 を少なくすることによるものと考えられる。
[0038] また反応剤として、 ステア リ ン酸カ リ ゥム水溶液のように白 華成分と反応してステア リ ン酸カルシウムのようなはつ水性物 質を生成する物質を使用すると、 水硬性物質ははつ水性化する c 石灰系水利用法は、 水硬性物質を難吸水性化、 はつ水性化、 或いは低吸水性化させることができる。 特に気乾養生のみが一 般に行われている現場工事に好適であり、 これにより優れた性 質の水硬性物質の構築物を得ることができる。 また、 水硬性物 質の加圧脱水時等に発生するへ ドロを利用して石灰系水溶液を 作ることができるので、 経済的であるばかりか、 公害を防止し て公害防止費用を削減することができる。
[0039] (2) この発明の 1つの水硬性物質の養生法は、 反応剤を加えるか 加えることなく作つた硬化した水硬性物質、 または請求項 1記 載の硬化した水硬性物質に、 空気または炭酸ガスの雰囲気下で、 白華成分と反応する反応液、 石灰系水溶液、 及び反応剤を加え た合成樹脂系ェマルジョ ンのうちの 1または 2以上を、 液が表 面に溜らず内部の白華成分が表面に移行しない程度に含浸また は圧入して含浸させることを 1または複数回行い、 これにより、 水硬性物質に混練時巻込まれた空気中の炭酸ガス、 水の気化蒸 発により置換される炭酸ガスや空気中の炭酸ガス、 反応剤、 或 いは反応液と、 水硬性物質内部の白華成分及びまたは含浸させ た石灰系水溶液とを反応させ、 或いは更に表面に樹脂被膜層を 形成して、 2次白華の抑制、 難吸水性及びまたははつ水性化、 或いは高強度化させること (以下 「含浸法」 と略称する。 ) を 特徴とする。
[0040] 含浸法は、 硬化した水硬性物質に、 反応液、 石灰系水溶液、 及び反応剤を加えた合成樹脂系ェマルジヨ ンのうちの 1 または 2以上を、 液が表面に溜らず水硬性物質内部の白華成分が表面 に移行しない程度に含浸させるから、 含浸された液は毛細管現 象により更に水硬性物質内の深部に拡散し、 液中の水は不足水 の補給に利用されて高強度化に寄与する。
[0041] 尚、 石灰系水溶液を含浸させる場合は、 水を含浸させる場合 に比し水の気化蒸発速度が遅く なる。 従ってゲルの生成が進行 するので、 水硬性物質は高強度化する。 更に水の気化蒸発に伴 つて間隙が比較的に少ない炭酸カルシウム層が水隙内壁に生成 され、 水隙が小さ く なつて吸水性が小になる。 反応液を含浸させる場合は、 反応液と水硬性物質内部の白華 成分が水硬性物質内で反応し、 これにより白華成分が消費され る。 従って水の気化蒸発に伴い白華成分が表面に移行すること を抑制することができる。 しかも反応物が水隙を小さ くするの で吸水性を小にし、 2次白華を抑制することができる。
[0042] 反応剤を加えた合成樹脂系ェマルジョ ンを含浸させる場合に は、 反応剤が水硬性物質内部の白華成分と反応して白華成分が 消費される。 かつ合成樹脂系が造膜すると水硬性物質は水を通 し難く なり、 かく して 2次白華の発生を極めて効果的に抑制す ることができる。
[0043] 尚反応剤または反応液にステアリ ン酸カ リ ゥム水溶液等の白 華成分と反応してはつ水性物質が生成されるものを使用する場 合は、 水硬性物質ははつ水性を呈する。 反応液、 石灰系水溶液、 及び反応剤を加えた合成樹脂系ェマルジヨ ンのうちの 1または 2以上を含浸させると、 上記した作用の複合された作用が行わ れる。
[0044] また上記した液を高圧下で含浸させると、 液は更に水硬性物 • 質の深部迄含浸するので深部まで 2次白華を抑制することにな る。 かく して、 常圧では雨水等が浸透しない部分迄白華を抑制 することができることになる。
[0045] (3) この発明の水硬性 質のもう 1つの養生法は、 反応剤を加え るか加えることなく作った硬化または未硬化の水硬性物質、 ま たは請求項 1記載の硬化または未硬化の水硬性物質を、 空気ま たは炭酸ガスの雰囲気下で、 (a) 内部の白華成分が表面に移行 しないように水の気化蒸発を押えつつ高圧養生を行うか、 ) 結露水が白華を発生させないように湿度 1 0 0 %と 1 0 0 %以 下を交互に切り替えつつ常圧養生または上記高圧養生を行うか、 (c) または非通気断熱性材料で作られた密閉室内で水和反応熱 を利用しつつ高温養生し、 水硬性物質の温度が常温または常温 近くに下降してから密閉室を解放することにより、 水の気化蒸 発による白華成分の表面への移行を押え水和反応を促進させて、 1次白華及びまたは 2次白華を抑制したり、 高強度化させるこ とを特徵とする養生法 (以下 「気化防止法」 と略称する。 ) に よってもよい。
[0046] 気化防止法は、 高圧養生、 湿度 1 0 0 %と 1 0 0 %以下を交 互に切替えつつ行う養生、 あるいは密閉室での養生等、 水の気 化蒸発を押えて養生するから、 内部の白華成分の表面への移行 が無いか極めて少なく、 1次白華及びまたは 2次白華を抑制す ることができる。
[0047] 尚水和反応熱を利用した密閉室での養生は、 高温時養生室を 解放すると、 水の急激な気化蒸発により 1次白華が発生するこ とが知られている。 しかし、 水硬性物質の温度が常温または常 温近くに下降してから密閉室を解放すると、 水の気化蒸発速度 が遅くなっており、 白華成分が表面に移行せず 1次白華が発生 しない。 気化防止法は、 1次白華および 2次白華を抑制し、 あ るいは、 材質を高強度にすることに役立つ。
[0048] (4) この発明のもう 1つの水硬性物質の養生法は、 成型後の未硬 化水硬性物質を、 密閉養生や蒸気養生等により水硬性物質自体 の水の気化蒸発を押さえながら養生するか、 または気乾養生を 行い、 水硬性物質が水や湯で崩れなくなつたらできるだけ速や ^水硬性物質の上に不足水を溜めるか、 水硬性物質に間欠的 または連続的に不足水を補給するか、 または水や湯等の中に漬 けて、 水隙孔内に給水し表面水により水硬性物質自体の水の気 化蒸発を押さえながら養生し、 或いは更に引続き不足水を捕給 することなく密閉養生や蒸気養生等により水硬性物質自体の水 の気化蒸発を押さえながら養生することによりなされる (以下 「早期養生法」 と略称する。 ) 。
[0049] 早期養生法は、 未硬化水硬性物質が水や湯で崩れなく なった らできるだけ速やかに不足水を補給して既にできた水隙孔内に 給水し、 かつ水硬性物質自体の水の気化蒸発を押さえながら養 生するから、 ゲルの生成が多量行われ、 既にできた水隙孔内に も生成ゲルが伸びて水隙孔が径小となるからか、 気乾養生した ものに比し、 高強度かつ低吸水性化し、 水の気化蒸発を押さえ ながらの養生中僅かづつ水が気化蒸発しても、 水隙孔内壁には よりち密な炭酸カルシゥムの層ができるので難吸水性化する。 尚不足水の補給前に水硬性物質自体の水の気化蒸発を押さえて 養生したものは、 さ らに高強度かつ難吸水性化し、 クラ ッ クの 発生も少ない。 またその後で引続き不足水を補給することなく 水硬性物質自体の水の気化蒸発を押さえて養生すると、 その間 にもゲルが生成され、 さ らに高強度かつ難吸水性化する。
[0050] また不足水と して石灰系水溶液を補給する時は、 水隙孔内壁 にできる炭酸カルシウムをよりち密にすることができ、 反応液 を補給する時は白華成分と反応液及びまたは炭酸ガスが反応し て、 反応物が水隙をより径小にし、 反応液がステアリ ン酸カ リ ゥム水溶液等のような白華成分と反応してはつ水性物質をつく るもの (以下 「はつ水性付与物質」 という。 ) である時は、 水 硬性物質は更にはつ水性化する。
[0051] (5) この発明のもう 1つの水硬性物質の養生法は、 反応剤を加え るか加えることなく作った硬化した水硬性物質、 または請求項 1記載の硬化した水硬性物質を、 密閉養生、 水や湯を入れた密 閉室での養生、 密閉室に蒸気を送っての蒸気養生、 高圧養生、 オー トク レーブ養生等水硬性物質の水の気化蒸発を押さえて養 生するに当りその養生前または養生中に、 水、 湯、 反応液、 合 成樹脂系ェマルジョ ン、 反応剤を加えた合成樹脂系ェマルジョ ン、 または石灰系水溶液を、 水漬けや連続的または間欠的な加 湿器や噴霧器による吹付け等を利用して、 不足水または白華成 分溶出液と して水硬性物質に補給し養生することを、 成型後及 びまたは脱型後行ない、 高強度化、 難吸水性化、 或いは白華抑 制等を行なう ことを特徵とする養生法によってもよい (以下 「液補給法」 と略称する。 ) 。
[0052] 液補給法は、 水硬性物質の水の気化蒸発を押さえて養生する に当り、 その養生前または養生中に、 水、 湯、 反応液、 合成樹 脂系ェマルジヨ ン、 反応剤を加えた合成樹脂系ェマルジョ ン、 または石灰系水溶液を、 不足水または白華成分溶出液と して捕 給し養生するから、 養生する水硬性物質に水の気化蒸発による 水隙ができていても、 水や湯を含浸させ水の気化蒸発を押さえ て養生する時は、 水隙内にゲルが生成されて水隙が小さ く なり 高強度化する。 この動作を緣返すと、 水隙内にゲルが生成され て水隙は更に小さ く なり、 養生室から取出して水が気化蒸発す るときは水隙内に炭酸カルシウムが生成されて、 ついにははつ 水性と見間違える程に難吸水性化する。
[0053] 尚水や湯を連続的に捕給して水硬性物質の表面を常時濡れた 状態で、 水の気化蒸発を押さえながら養生すると、 水硬性物質 内の水は気化蒸発しないから、 ゲルは順調に生成される。 従つ て水隙は極めて小さ く なり、 難吸水性化しかつ高強度化する。 また水硬性物質に間欠的に水や湯を補給しながら水の気化蒸 発を押さえて養生すると、 水や湯を補給してから水の気化蒸発 を押さえて養生する前記養生を繰返すことになり、 水や湯を、 水や湯が表面に溜ま らず内部の白華成分が表面に移行しない程 度に補給すれば、 高強度および難吸水性化のみならず白華の抑 制も行なう ことができる。
[0054] 水や湯に代えて反応液を補給するときは、 ゲルの生成と共に 反応液が内部の白華成分と反応して更に水隙を小さ く し、 表面 に反応液が溜ま らず内部の白華成分が表面に移行しない程度に 反応液を補耠するときは、 白華抑制も行なう ことができる。 尚 反応液にステア リ ン酸カ リ ゥム水溶液等を使用するとはつ水性 になる。
[0055] また水や湯に代えて合成樹脂系ェマルジヨ ンを補給するとき は、 ェマルジヨ ン中の水はゲルの生成に使用され、 表面には合 成樹脂系膜が形成されて水を通さなく なる。
[0056] 水や湯に代えて反応剤を加えた合成樹脂系ェマルジヨ ンを使 用するときは、 上記した反応液を使用した場合と合成樹脂系ェ マルジョ ンを使用した場合の両方の作用が行われる。
[0057] また水や湯に代えて石灰系水溶液を使用する場合は、 ゲルの 生成に加えて水の気化蒸発時間隙の少ない炭酸カルシウムの層 が水隙内壁に形成され難吸水性化する。
[0058] 即ち液補铪法は、 水硬性物質を高強度化し、 はつ水性及びま たは難吸水性化させることができ、 かつ 2次白華の抑制も行な う ことができる。
[0059] (6) この発明のもう 1つの水硬性物質の養生法は、 成型後の未硬 化水硬性物質を、 白華成分の炭酸ガスとの反応及びまたはゲル の結晶化が進まないように、 水の気化蒸発を押さえつつ及びま たは略 5 0度以下の温度で養生し、 脱型後蒸気養生して高強度 化させる ことを特徴とする養生方法 (以下 「脱型後養生法」 と 略称する。 ) であってもよい。 脱型後養生法は、 成型後の未硬化水硬性物質を水の気化蒸発 を押さえたり及びまたは略 5 0度以下の温度で養生し、 更に脱 型後蒸気養生するものである。 成型後の養生ではゲルが未だ結 晶化しておらず、 水隙内壁には炭酸カルシウムが疎らに付着し ているかまたは水隙が少ない。 脱型後好ま しく は水和反応熱量 が少なく なつてから蒸気養生すると、 水硬性物質の水の気化蒸 発少なく、 ゲルが順調に.生成して高強度を得る。 この方法は、 高強度の水硬性物質を得るのに適する。
[0060] (7) 前記(5) の液捕給法により養生を施された水硬性物質は、 炭 酸カルシウム、 ステアリ ン酸カルシウム、 または珪酸カルシゥ ム等のカルシウム塩を主体とする成分よりなる、 水隙が塞がれ ているかまたは水隙が極めて少ないか小さいち密な難吸水性及 びまたははつ水性層が、 一体的に外層に形成されていることを 特徵とする (以下 「難吸水性硬化物」 と略称する。 ) 。
[0061] 難吸水性硬化物は、 カルシウム塩を主体とする、 水隙が塞が れているかまたは水隙が極めて少ないか小さいち密な難吸水性 及びまたははつ水性層が、 水硬性物質の外層に一体的に形成さ れている。 従って生成ゲルと合いまつて難吸水性及びまたはは つ水性を呈し、 はつ水性を有しない難吸水性のものは塗料を施 すことができて 2重に水硬性物質を保護することもできる。 雨 水や海水等が浸透し難いので内部のアル力 リ分の溶出が防止さ れ、 鉄筋の腐蝕をも防止することができて耐久性に優れている。 またはつ水性を呈するものは、 硬化した水硬性物質にシリ コ ンゃステアリ ン酸カ リ ゥム水溶液等を含浸させて気乾養生し、 はつ水性化させた硬化物に比し、 水隙が塞がれているかまたは 水隙が極めて少ないか小さいち密な層を形成している。 従って ステアリ ン酸カルシウム等のはつ水性物質とゲルとの結合も強 固で、 持続性に優れている。 この難吸水性硬化物は、 内部のァ ルカ リ分を温存して鉄筋を腐蝕させることなく耐久性に優れて いる。
[0062] (8) 第 1の養生室は、 天井加熱器或いは更に壁加熱器を備えたこ とを特徵とする (以下 「結露防止養生室」 と略称する。 ) 。
[0063] 結露防止養生室は、 養生室に天井加熱器或いは更に壁加熱器 を設けたものである。 天井下部或いは更に壁内側に室内温度よ り高い温度の高温層を構成することができる。 室内に水や湯を 入れておいたり蒸気を送って湿度が 1 0 0 %になっても、 上記 高温層の存在で天井や壁に結露せず、 結露に伴う蒸気の減少で 生じる水硬性物質の水の気化蒸発を防止でき良好な養生を行う ことができる。
[0064] 尚上記養生室を使用した水の気化蒸発を押さえて行う水硬性 物質の養生は、 水硬性物質の表面や空気中で結露した水が水硬 性物質に水を捕給することにもなるので、 液捕給法に含まれる。 この養生室は、 上記 (3)、 (4) 、 (5) および(6) に述べた養生 法の実施に適している。
[0065] 結露防止養生室は、 水硬性物質の水の気化蒸発少なく結露水 の滴下を防止して良好な養生を行う ことができる。
[0066] (9) もう 1つの養生室は、 発熱源を設けた水槽等の蒸気発生装置 と、 該蒸気発生装置の水または湯及びまたは室内空間の温度を 検出する温度検出器と、 所望の温度を設定する温度設定器と、 上記温度検出器で検出された検出温度と設定温度を基にして温 度を所望の温度に制御する温度制御器を備えた温度管理装置と、 加湿器、 撒水器、 噴霧器、 除湿器、 天井加熱器、 及び壁加熱器 のうち 1 または 2以上を具備し、 或いは更に湿度管理装置と圧 力管理装置を備えたこ とを特徵とする (以下 「温度管理養生室」 と略称する。 ) 。
[0067] 温度管理養生室は、 蒸気発生装置と温度管理装置に加え、 加 湿器、 撒水器、 噴霧器、 除湿器、 天井加熱器、 及び壁加熱器の うち 1または 2以上を具備したもので、 水槽に水を入れておく だけでも湿度が 1 0 0 %になるが、 温度を制御することで所望 の温度で湿度 1 0 0 %の養生を行う ことができ、 加湿器、 撒水 器、 噴霧器、 または除湿器による蒸気の液化で、 不足水の補給 を行う ことができる。 また除湿器で湿度 1 0 0 %と 1 0 0 %以 下の交互の養生も可能であり、 天井加熱器或いは更に壁加熱器 は、 天井或いは更に壁の結露を防止し間接的に水硬性物質の水 の気化蒸発を抑制することができる。 また更に湿度管理装置と 圧力管理装置を設けると湿度と圧力をコン トロールしての養生 も可能である。
[0068] 温度管理養生室は、 各種の養生法を、 自動的に制御して行う ことができる。 従って、 小型のものとして製造する場合は、 各 種養生方法における各位の養生条件の効果をテス トする試験養 生室と しても有用である。
[0069] (10) またもう 1つの養生室は、 ポンプを設けた管で水漬槽と他の 水漬槽または給水槽を連結し、 水や湯等を交互に入替えられる ように構成したことを特徴とする、 水硬性物質の養生室であつ てもよい (以下 「水槽型養生室」 と略称する。 ) 。
[0070] 水槽型養生室は、 水硬性物質を移動させることなく水硬性物 質に水や反応液等を補給できるばかりかその後の湿度 1 0 0 % での養生や湿度 1 0 0 %と 1 0 0 %以下での交互の養生をも容 易に行う ことができて、 難吸水性化、 高強度化等に利用するこ とができる。
[0071] (11) 上記により得られた硬化水硬性物質の表面を処理する ものに 適した塗料と して、 反応型塗料をここに提供する。
[0072] この発明の塗料は、 セメ ン ト系スラ リー及びまたは合成樹脂 系ェマルジョ ンに反応剤或いは更に着色料を加えたことを特徵 とする (以下 「反応型塗料」 と略称する。 ) 。
[0073] 反応型塗料は、 セメ ン ト系スラ リ一及びまたは合成樹脂系ェ マルジョ ンに反応剤或いは更に着色料を加えたもので、 セメ ン ト系スラ リ一に反応剤を加えたものは、 反応剤が白華成分と反 応して炭酸ガスとの反応少なく、 このため白華が発生し難い。 また合成樹脂系ェマルジョ ンに反応剤を加えたものは、 被塗設 物が水硬性物質の場合、 反応剤が水硬性物質に浸透し白華成分 と反応して白華が発生し難い。
[0074] (12) またこの発明の塗料は、 水洗いして白華成分を溶出させたセ メ ン トか、 砂糖水または酸と反応させて水洗いしたセメ ン ト等、 白華成分が少なく なるか無くなったセメ ン トを使用してペース トを作り、 これに着色料或いは更に反応剤や合成樹脂系ェマル ジョ ンを加えた塗料であってもよい (以下 「スラ リ一型塗料」 と略称する。 ) 。
[0075] スラ リ 一型塗料は、 白華成分を溶出除去及びまたは酸等と反 応させたセメ ン トを使用するから、 白華が発生し難い。
[0076] また、 反応型塗料またはスラ リー型塗料共に反応剤に減水剤 を使用すると、 高強度塗膜を形成することができる。
[0077] 図面の簡単な説明
[0078] 第 1図は、 ヒユーム管の養生法 1例を説明するための概略断面 図、 第 2図は、 水硬性物質の養生法 1例を説明するための概略断 面図、 第 3図及び第 4図は、 養生室 2例の概略断面図、 第 5図は、 養生室 1部の断面図、 第 6図は、 養生室 1例の概略平面図、 第 7 図及び第 8図は、 養生法 2例を説明するための概略平面図、 第 9 図は、 養生室 1例の説明図、 第 1 0図及び第 1 1図は、 制御系統 2例の説明図である。
[0079] 1、 8、 9…型枠 2、 1 0、 1 1、 12、 27…水硬性物質 3、 4…密閉蓋 1 3、 1 8、 24. 25. 24 A、 25 A、 28…養生室
[0080] 発明を実施するための好ま しい形態
[0081] 以下の実施例では、 特記.しない限りセメ ン トにはポルトラン ド セメ ン トを使用した。 また部数は重量部を示す。 尚蒸気養生は、 非通気断熱性材料で作られた密閉型養生室内に湯を入れておきそ の湯気で、 また湿潤養生は湯に代えて水を入れておき、 共に水硬 性物質を湯や水に漬けないようにして養生した。
[0082] 実施例 1 (請求項 4 · 5)
[0083] セメ ン ト 400部 ·砂 1200部 · 水 250部を混練した生モ ルタルで 5 cm X 5 cm X 5 cmのテス ト ピースを作り、 27〜3 0度 の温度で気乾養生したものの 1週圧縮強度は 1 63 teZccK 12 〜14度の温度で気乾養生したものの 1週圧縮強度は 1 80 kgZ 、 成型直後密閉型養生室内で 35度の雰囲気温度で蒸気養生を 行い 6時間後に脱型し、 直ちに 37度の湯に 1 0分間漬けて不足 水を補給し、 取出して濡れた烬再度密閉型養生室内に入れ、 1時 間毎に 37度の湯を噴霧して不足水を捕給しながら 35度の雰囲 気温度で 38時間蒸気養生し、 次に 1 7〜2 0度の温度で気乾養 生したものの 1週圧縮強度は 289 kg/cnf, 蒸気養生後商品名サ ランラ ップ (プラスチック シー ト) で包み 1 7〜 20度の温度で 養生したものの 1週圧縮強度は 30 SkgZcnfであり、 強度の高い もの程難吸水性化した。
[0084] 実施例 2 (請求項目 4 · 5)
[0085] セメ ン ト 400部 ·砂 120 0部 · 水 20 0部 · 減水剤 (株式 会社花王製マイティ 1 5 0 ) 4部を混練した生モルタルで 5 αη Χ 5 cm X 5 cmのテス ト ピースを作り、 2 7〜 3 0度の温度で気乾養 生したものの 1週圧縮強度は、 2 0 5 kgZcn?、 1 2 ~ 1 4度の温 度で気乾養生したものの 1週圧縮強度は 2 2 1 kg/cnf, 成型直後 密閉型養生室内で 3 5度の雰囲気温度で蒸気養生を行い 6時間後 に脱型し、 直ちに 3 7度の湯に 1 0分間漬けて不足水を補給し、 取出して濡れた烬再度密閉型養生室内に入れ、 1時間毎に 3 7度 の湯を噴霧して不足水を捕給しながら 3 5度の雰囲気温度で 3 8 時間蒸気養生し、 次に 1 7〜 2 0度の温度で気乾養生したものの 1週圧縮強度は 3 2 3 kg/crf, 蒸気養生後サランラップで包み 1 7〜 2 0度の温度で養生したものの 1週圧縮強度は 3 4 1 teXcn であり、 強度の高いもの程難吸水性化した。
[0086] 実施例 3 (請求項 2 * 5 )
[0087] セメ ン ト ; 砂 = 1 : 2の生モルタルをプレス脱水して生瓦を作 り、 気乾養生したものの 2週曲げ強度は 1 2 3. 2 kg/cnf, 2 曰 間気乾養生した後、 水に 2時間漬けて取出し引続き濡れた烬密閉 型養生室に入れて湿潤養生を行う ことを 1 日 3回行い、 これを 8 曰間続けた後気乾養生したものの 2週曲げ強度は 1 5 7 kg/cnf, 水に代え反応液に漬けて養生したものの 2週曲げ強度は 1 6 5.
[0088] であり、 強度が高いもの程難吸水性化した。
[0089] 実施例 4 ( 1 - 5 - 7)
[0090] セメ ン ト 4 0 0部 · 砂 1 2 0 0部 · 石灰水 2 5 0部を混練した 生モルタルで 5 cm X 5 cm X 5 cmのテス ト ピースを作り、 2 7〜 3 0度の温度で気乾養生したものの 2週圧縮強度は 1 9 8 kgZaif、 成型直後密閉型養生室に入れて湿潤養生し、 翌日取出して脱型し、 1時間水に漬けて取出し引続き濡れた烬密閉型養生室に入れて湿 潤養生を行う ことを 1 日 3回行い、 これを 8 日間続け、 その後気 乾養生したものの 2週圧縮強度は 2 5 7 kg Zcrfであり難吸水性で あった。
[0091] 実施例 5 (請求項 4 · 5 · 7 )
[0092] 水 1 0 0部に減水剤 1部と起泡剤 1部を加えて起泡液を作って おき、 該起泡液 3 4部とセメ ン ト 1 0 0部を混練してペーストを 作り、 これに同一起泡液で作った泡 1 3部を加え混練して含泡べ ース トとなし、 5 cm X 5 cm X 5 cmのテス ト ピースに成型直後密閉 型養生室に入れて 3 5度の温度で蒸気養生を行い、 6時間後脱型 して 4 0度の湯に 1時間漬け、 その後オー トクレーブ養生したも のの圧縮強度は 5 6 kg / d (比重 0 . 6 9 ) であった。
[0093] またセメ ン トと消石灰及び珪砂微粉の適量に水とアルミ粉を加 えて発泡させ、 密閉型養生室に入れて 6時間湿潤養生を行い、 3 0分間 3 5度の湯に漬け、 再度湿潤養生を 3 0分毎に湯を噴霧し て 6時間養生し、 その後オートクレーブ養生したものは、 従来の A L Cに比し難吸水性であった。 尚生石灰または消石灰と珪砂徼 粉をアルミ粉で発泡させたものも上記養生で難吸水性化する。 難 吸水性化やはつ水性化はオートクレープ養生前、 中、 または後に、 反応液を含浸させても可能であり、 遅効性反応液例えば濃度の低 ぃシリ力系と石灰系水溶液を含浸させ、 水の気化蒸発を押えて養 生し反応させて、 気泡膜中の気孔、 空隙、 水隙等を小さくするこ とによっても可能である。
[0094] 実施例 6 (請求項 3 )
[0095] セメ ン ト : 砂 = 1 : 3水セメ ン ト比 6 5 %の生モルタルを室内 圧力 8気圧の養生室で 2 0時間高圧養生したものは、 表面に 1次 白華が発生せず、 脱型後 6 0度の湯を入れた密閉型養生室で、 モ ルタル表面に液が溜らないように、 湿度 1 0 0 %と 1 0 0 %以下 を交互にして蒸気養生を 2 4時間行い、 次に気乾養生したものの 6 日圧縮強度は 2 3 2 kgノ であり、 2次白華も抑制された。 実施例 7 (請求項 2 )
[0096] セメ ン ト 1 0 0部、 砂 2 0 0部、 反応剤 1部、 水 5 9部を混練 したものに成型後気乾養生、 または水を入れた密閉型養生室内に おける湿潤養生を施し、 脱型して 7 日後石灰系水溶液に 1時間漬 けて含浸させ次いで空気に触れさせて炭酸ガスと反応させること を 3回繰返したものは、 共に難吸水性であった。
[0097] 実施例 8 (請求項 5、 7 , 1 1 )
[0098] セメ ン ト 1 0 0部、 紅殻 1 0部、 及び反応剤を 1 %加えた水 3 8部を混線してプラスチック板上で板状に成型し、 成型直後 3 5 度で 1 6時間、 湯を入れた密閉型養生室での蒸気養生をしたもの は表面に光沢を生じた。
[0099] 脱型直後 2 4時間水に漬けて取出したものは表面に溶出物が付 着したが容易に拭取るこ とができ、 水漬と溶出物除去及び乾燥を 緣返すと、 徐々に色が濃く なりはつ水性すら示すようになった。 尚上記蒸気養生を 6時間施したもの及び成型後 3 0度で気乾養 生したものは共に底面に光沢を生じ、 脱型後不足水を捕給するか または必要に応じ不足水を捕給しながら密閉型養生室内で湿潤養 生を施して低収縮高強度の硬化物を得た。 上記混練物を未硬化水 硬性物質に塗料として積層した物も同様である。
[0100] 実施例 9 (請求項 5 )
[0101] セメ ン ト : シャモッ ト = 1 : 2、 水セメ ン ト比 6 0 %の生モル タルを、 混練直後プレス脱水して板伏に成型し、 成型直後乾燥炉 で乾燥させゆう掛けして 9 0 0 - 1 2 0 0度で焼き、 徐冷した後 湯を入れた密閉型養生室内での湿潤養生を行い、 脱型後に不足水 を補給してかまたは不足水を補給しながら湿潤養生して、 施ゆう された低吸水性高強度の硬化物を得た。 実施例 1 0 (請求項 1 1 )
[0102] セメ ント 1 0 0部、 砂 2 0 0部、 反応剤 1部、 水 5 9部を混練 して板状に成型し、 硬化後脱型して、 合成樹脂系ェマルジヨ ンに 反応剤 1 %と適量の顔料を加えた塗料を吹付けて積層し、 表面に 白華が発生していない塗設物を得た。 '
[0103] 実施例 1 1 (請求項 2 · 3 )
[0104] セメ ン ト 1 0 0部、 紅攀 1 0部、 及び反応剤を 1 %加えた水 3 8部を混線したペース卜と、 セメ ン ト 1 0 0部、 紅殻 1 0部、 水 6 5部を混練したペース トを作り、 1次白華抑制を目的とした湿 潤養生と蒸気養生を施し、 脱型後夫々表面に液が溜らない程度に 反応液に 1 0分間漬けて取出し、 1日間気乾養生するかまたは 5 気圧で 1 0時間高圧養生した後、 2 時間水に漬けて取出したが、 2次白華が見られなかった。 尚反応液に代え表面に水が溜らない ように水に 1 0分間漬けて取出し、 5気圧で養生したものも同様 に 2次白華が発生せず、 同様にして水を含浸させ表面を拭取って 気乾養生することを 3回行ったものは、 2次白華が極めて少なか つた。
[0105] 実施例 1 2 (請求項 1 )
[0106] セメ ン ト :砂 = 1 : 3、 石灰水セメ ン ト比 7 0 %の生モルタル を、 離型剤として油を塗った型枠に打設し、 気乾養生して翌日脱 型したものは、 型枠接面が難吸水性化し露出面も低吸水性化した。 この硬化物を石灰水に 2時間漬けて取出したものは、 型枠接面及 び露出面共に更に難吸水性化した。 水に 3時間漬けて取出したも のも同様である。 また熱湯を入れた密閉型養生室で成型後と脱型 後蒸気養生したものは、 石灰水や水に漬ける迄もなく難吸水性化 し? o
[0107] 実施例 1 3 (請求項 6 ) セメ ン ト : 砂 = 1 : 3、 水セメ ン ト比 5 5 % (セメ ン ト量の 1 %の反応剤を添加した水を使用) の生モルタルに成型後直ちに高 強度を目的と した湿潤養生を 2 4時間行い、 脱型後高強度を目的 と した加湿器による養生を 2 日間行い、 その後気乾養生したもの の 8 日圧縮強度は 2 6 3 kg / cnfであり難吸水性であつナ
[0108] 実施例 1 4 (請求項 6 )
[0109] 実施例 1 3の生モルタルを成型後密閉型養生室に入れて湿潤養 生を 8時間行い、 次に加湿器による養生を 1 6時間行って脱型し、 脱型後加湿器による養生を 2 4時間行って取出したモルタルの 7 日圧縮強度は 2 7 1 kg Z cn であつた。 - 実施例 1 5 (請求項 5、 7 )
[0110] 実施例 1 3における生モルタルに 2 4時間湿潤養生を施し、 脱 型後水に 1時間漬けて 2 3時間湿潤養生を施し、 更にステアリ ン 酸力 リ ウムの 3 %水溶液に 1時間漬けて 2 3時間湿潤養生を施し たものは、 はつ水性を示した。 ステアリ ン酸カ リ ウムに代えてス テアリ ン酸ナ ト リ ウムの 3 %水溶液、 シ リ コ ンの 3 %水溶液 (実 施例では信越化学工業株式会社製ポロン Cを使用) を使用したも のも同様にはつ水性を示し、 ァク リル系合成樹脂ェマルジョ ン稀 釈液を代用したものは造膜して非透水性となり、 マイクロシリカ とシリ カゾルを代用したものは夫々難吸水性化した。 ステアリ ン 酸系を使用したものはステアリ ン酸カルシウムの、 またシリ カ系 のものは珪酸塩の生成等により、 しかも樹脂系も含め水の気化蒸 発を押えての養生で水分は水和反応に使用され、 表面からの水の 気化蒸発が少ないため水隙及び気孔少なく、 上記反応が水和反応 と同時に進行するので難吸水性化し或いははつ水性を呈する。 尚 上記した理由に加えて、 はつ水剤が封じ込められる状態になるの で、 はつ水性を呈するものは気乾養生したものに比しはつ水性が 永銃する。 尚ステアリ ン酸系等の不足水の含浸は圧入が望ま しい。 実施例 1 6 (請求項 3 )
[0111] 適量の顔料を加えたカラ一生モルタルをプラスチック製型枠に 打設してパイブレーショ ンを加え、 これに顔料を加えない生モル タルを積層し、 再度バイブレーショ ンを加えて一体的に成型した 後ベニヤ板の受板上に載せ、 回りを木枠で囲んだものを積重ね、 シー トを被せて養生を行い翌日脱型したが、 脱型面から湯気が立 上り白華が発生した。 尚脱型時のシー ト内の温度は上部 5 0度下 部 4 0度程度であった。 これをその翌日脱型したものは白華が生 じなかった。 この時のシー ト内の温度は外気温と略同等の 2 8度 である。
[0112] 実施例 1 7 (請求項 5、 6 )
[0113] 実施例 1 3の生モルタルに成型後 3 5度の温度で 6時間蒸気養 生を施し、 脱型後 3 0分間 3 8度の湯に漬け引続き 3 5度の温度 で 3 8時間蒸気養生したものの 6 日圧縮強度は 2 7 7 kg / ggであ つた。 成型後略 6 0度程度以上の温度で蒸気養生すると、 水硬性 物質の方が雰囲気温度より高く なり、 水の気化蒸発に伴って炭酸 カルシムが生成され或いはセメ ン トゲルが結晶化して、 脱型後再 度蒸気養生しても強度が増加しないが、 3 0度〜 5 0度程度の温 度で蒸気養生したり水の気化蒸発を押えて湿潤養生すると、 空気 の置換少なく炭酸カルシウムの生成も僅かで、 このため脱型後蒸 気養生しても水硬性物質の温度が雰囲気温度より余り高く ならず、 水の気化蒸発少なく セメ ン トゲルが生成され、 強度が増加するも のと考えられる。 尚脱型後湯に漬けたのは、 成型後の養生中の水 の気化蒸発による不足水を補給するためであり、 高温養生しなけ れば、 気乾養生後脱型して蒸気養生しても効果がある。
[0114] 実施例 1 8 (請求項 4 ) セメ ン ト : 砂 = 1 : 3、 水セメ ン ト比 6 2 %の生モルタルに、 成型して 8時間後から 3 5度の湯を 1 0分間隔で噴霧して表面を 絶えず濡ら しながら 4 0時間養生したものの 7 日圧縮強度は 2 5 2 kg/cnfであつた。
[0115] 実施例 1 9 (請求項 1 2 )
[0116] セメ ン ト 1 0 0部に 3 0 0 0部の水を加え、 撹はんした後セメ ン トを沈遐させて白華成分溶出液を捨てる作業を 6時間続けて水 洗いした後、 減水剤 1部と適量の顔料を加えてスラ リーとなし、 成型直後の厚型スレー 卜生瓦に塗布して養生したものは白華が発 生しなかった。 尚上記した白華成分を除去したセメ ン トに代え、 砂糖水処理したり酸処理したものを水洗いして使用することがで き、 合成樹脂ェマルジョ ンを加えて使用しても白華が発生しない。 次表 1はこの発明の効果を更に明確にするために行つた実施例 の試験データーを示す。 尚、 N oは実施例 N o、 C : Sはセメ ン ト : 砂、 W Z Cは水 (石灰水) セメ ン ト比、 養生欄の湿潤は、 水 を入れた密閉型養生室での湿潤養生を 4 日間行い (脱型後高強度 を目的と して 1 曰 2回 1時間水硬性物質を水漬) 後は気乾養生し た。 圧縮強度は kg Zcnf、 材令は日を示す。 表から見られるように 気乾養生したものに比し湿溜養生したものは同一供試体でありな がら比重が大でありかつ圧縮強度も大である。 尚熱エネルギーは 使用しなかった。
[0117] τ 添加剤 C:S ¥/C 圧縮強度 材令 ·舌
[0118] 里 ¾χ 7Κ Si
[0119] ZUA 無し 1:3 50X 163.74 1 0 1.
[0120] 20B 234.04 1 0 2.00 湿潤 低吸水性 Λ 反応剤 1:3 41¾ 195.44 8 丄, sy
[0121] 21B 329.72 8 2.03 湿潤 難吸水性
[0122] 22A 無し 1:3 .52¾ 111.75 8 1.89 気乾 難吸水性
[0123] 22B . 195.33 8 1.97 難吸水性
[0124] (水に代えて石灰水を使用)
[0125] 23A 反応剤 1:3 45¾ 215.20 8 1.96 気乾 難吸水性
[0126] 23B 232.15 8 2.01 湿潤 難吸水性
[0127] (水に代えて石灰水を使用)
[0128] 24A 起泡剤 1:0 32.17 1 7 0.82 気乾 低吸水性
[0129] 24B 40.77 1 7 0.84 難吸水性 水に代えて石灰水を使用したものは 8日強度 11 1. 75kgと 初期強度が低いが、 1 5日強度は 198 kgと略 2倍弱に強度が伸 び、 最も難吸水性であり、 高アルカ リで耐久性に優れるという特 性を有している。 尚石灰水に反応剤を加えて水硬性物質を作ると、 気乾養生しても難吸水であり強度も大である。 また種々の実験か ら 1週圧縮強度では気乾養生に比し蒸気養生が約 21 %、 水中養 生が約 37%強度増加したが、 成型後水を入れた密閉型養生室で 湿潤養生を施し、 脱型後高強度を目的と して不足水を補給して湿 潤養生を 3日間施したもの、 即ち湿潤養生を 4日間施したものは、 1 0日圧縮強度では 42 %の強度増加を示した。 水中養生に比し 強度増加が大であることは、 白華成分が水に溶出して失われない ことに加え、 白華成分が炭酸ガスと反応して生成される炭酸カル シゥムが強度増加に寄与しているからと考えられる。 また反応剤 に減水型反応剤を使用して湿潤養生を行ったものは、 セメ ン ト と 骨材の配合比が同一でありながら、 同一スランプでは実に 1 0 1 %強度増加した。 これは減水効果と養生効果の相乗効果による。 尚高強度を目的とする時は養生中に白華成分が溶出しない範囲 での、 白華抑制を目的とする時は白華成分が表面に移行しない範 囲での、 不足水の繰返しの補給が望ま しく、 難吸水性化を目的と する時はより充分な不足水の捕給が望ま しい。
[0130] 以下具体的養生例を図により説明する。 第 1図はヒューム管の 養生法 1例を示し、 1 は型枠、 2は型枠 1内に成型された水硬性 物質、 3及び 4は型枠 1の両側にパッキング等を介しボルト等で 取付けられた密閉蓋、 5は密閉蓋 4に設けられたバルブ 6付き加 圧管であり、 遠心力成型後密閉蓋 4 と 5を取付け、 密閉蓋 4に設 けられた加圧管 5からコンプレッサーを利用する等して空気を圧 入し、 中空部 7を高圧にし水硬性物質からの水の気化を押えて養 生するところを示す。 外部から加熱したり加熱空気を圧入する等 して高温高圧養生してもよいこは言う迄もない。 また水硬性物質 が水や湯で崩れない程度に硬化したら、 更に加湿器やボイラー等 の蒸気を圧送したり水または湯を噴霧する等して不足水を捕袷し 養生してもよい (請求項 3、 5 ) 。
[0131] 第 2図は底型枠 8 と側型枠 9で構成される型枠内に、 中空部 (空間) 7を残して水硬性物質 1 0を打設し、 バルブ 6付き加圧 管 5を設けた密閉蓋 4を取付け、 加圧管 5から空気を圧入し中空 部 7を高圧にし水硬性物質の水の気化蒸発を押えて養生する所を 示し、 高温高圧養生更には不足水を捕給して養生してもよい (請 求項 3、 5 ) 。
[0132] 水硬性物質を、 型枠内に空間を設けて打設し密閉蓋で密閉する か、 地面上等に打設しその上に空間を設けて非通気性材料等を設 けて密閉し、 間欠的または連続的に不足水を補給し、 水硬性物質 の水の気化蒸発を押えて養生したり、 高圧で、 或いは更に不足水 を間欠的または連続的に補給して養生すると、 高強度及びまたは 難吸水性化した水硬性物質を得る (請求項 3、 5 ) 。
[0133] また型枠内側に吸水材層を設けておき、 上記養生を施すか、 ま たは水または湯を加えて上記吸水材層に吸水または吸湯させると 共に、 上部に溜めた水または湯或いは蓋で水硬性物質を密閉して 養生することを、 1または複数回行って養生してもよい (請求項 5 ) o
[0134] また水硬性物質に必要に応じて吸水材層を介するか介すること なく不足水を補耠しシ一ト等で密閉養生してもよい (請求項 5 ) 。
[0135] 以上の水硬性物質には反応剤を加えるか加えることなく作った 水硬性物質や石灰系水利用法記載の水硬性物質を使用することが でき、 露出面の密閉は樹脂を塗設し密閉してもよく、 不足水の補 耠は型枠を緩め間隙を作って水等を捕給してもよい。
[0136] 第 3図は水硬性物質の養生法 1例を示し、 1 1は養生中の水硬 性物質、 1 2は養生後の水硬性物質であり、 1 3は移動方向に伸 縮自在かつ非通気性または非通気断熱性材で覆われた密閉式養生 室で、 第 5図に示されるように、 養生室は、 レール 1 4上を車 2 3で走行自在に構成されたパイプ骨組 1 5とその外側に取付けら れ下端を水 1 6中に没した非通気性または非通気断熱性シート 1 7で構成され、 その左右には開閉自在なシャ ッ ター等の開閉具が 設けられ、 養生室の伸縮時や移動時開閉具を開き、 養生時開閉具 を閉じて養生する。
[0137] 上記養生室は第 4図に示されるように非伸縮移動型養生室 1 8 であってもよく、 ス トックヤードの広さや脱型後の養生日数を考 慮して適宜選択できる。 尚養生室内には第 5図に示されるように コンクリート槽 1 9内に水を入れてあり、 水硬性物質が濡れない ように、 また歩行に便利なように、 砂や砂利等 2 0が入れられて いる。 適当な量の砂や砂利は水の気化蒸発面積を増やすこともで き、 砂や砂利に代え繊維や多孔質材等の吸湿材を入れてもよい。 上記養生室は液補給法や脱型後養生法等に利用できる (請求項 5、 6 ) o
[0138] 第 6図は、 養生室 2 1の出入口に湿度調整室 2 2を設けて養生 するところを示し、 養生室 2 1の床には水または湯が入れられて おり、 必要に応じ蒸気及びまたは加熱空気を送る等して養生室を 高湿或いは更に高温に維持している。
[0139] 湿度調整室 2 2 と養生室 2 1及び外部との間には夫々開閉具が 設けられており、 水硬性物質や人等の養生室への出入は湿度調整 室を介して行う。 即ち水硬性物質を養生室に入れるときは、 水硬 性物質を湿度調整室に先ず搬入し、 湿度調整室の湿度及び温度を 養生室の湿度及び温度と略同一に調整してから養生室に搬入する。 水硬性物質を養生室から搬出する場合は上記方法と逆の方法で 搬出する。 人の出入も同様であり、 液捕給法や脱型後養生法等に '利用できる (請求項 5、 6 ) 。
[0140] 第 7図は、 非通気性または非通気断熱性材料で覆われ、 両側に 開閉具 Aを備えた密閉式養生室 2 4 と 2 5を示し、 2 6は軌道、 2 7は軌道上を走行自在な搬送具上の水硬性物質であり、 水硬性 物質 2 7 は例えば 1 0分間の間に作られたプロッ クとか 1ラ ック 毎の瓦のように単位毎に養生室に搬入または搬出され、 その都度 開閉具 Aを開く が、 搬入と搬出がない時は開閉具 Aは閉じられて おり、 養生室 2 4、 2 5内はその床に設けられた水や湯の気化蒸 発により常時高湿に保持されている。 尚養生室 2 4で養生された 水硬性物質は脱型場 Bで脱型され養生室 2 5内に搬送されて養生 される。 尚養生は成型後または脱型後の養生のみでもよい。
[0141] また第 8図に示されるように成型後の養生室 2 4 Aを循環式に 形成し、 脱型場 Bに隣接して脱型後の養生室 2 5 Aを設けてもよ く、 各養生室の前後に湿度調整室を設けてもよい。 また脱型場に は水や反応液の補耠装置を設けてもよい。 気化防止法、 液補給法、 脱型後養生法等に利用できる (3、 5、 6 ) 。
[0142] 第 9図は実験用養生室 1例を示し、 2 8は非通気断熱性材料 2 9で覆われた養生室、 3 0はその底部に設けられた水槽であり、 水槽 3 0の中には、 その中の水に没するようにヒーターが設けら れ蒸気発生装置を構成している。 3 1は養生室 2 8内に設けられ た多数の孔を有する棚 (水硬性物質載置台) 、 3 2は養生室 2 8 の上部に設けられたファンであり、 養生室 2 8内の空気を撹はん 或いは循環させて養生室内の温度と湿度を均一にする。 3 3は排 気管 3 4に弁 3 5を設けて構成された除湿器であり、 排気管 3 4 にファンまたはコンプレッサーを設け、 排気を急速に行わせて湿 度や圧力を降下させたり、 外気を導入して圧力を高くすることが でき、 この場合は除湿、 圧力変化、 及び温度降下を兼用する兼用 器として利用することができる。 3 6は養生室 2 8に隣接して設 けられた計器室である。
[0143] 第 1 0図は上記養生室の温度制御系統図 1例を示し、 3 7は養 生室 2 8内にセッ トされた温度検出器、 3 8は温度検出器 3 7で 検出された温度を表示する温度表示器、 3 9は所望の温度を設定 する温度設定器、 4 0は蒸気発生装置、 4 1は温度検出器 3 7で 検出された温度と温度設定器 3 9に設定された設定温度を比較し、 温度を所望の温度に調整する温度制御器、 4 2は温度制御器 4 1 に時間を指示する時間制御装置である。
[0144] 養生室 2 8内の水槽 3 0に水を入れ、 棚 3 1に水硬性物質を載 せ開閉扉を閉じて密閉し、 温度設定器 3 9に所望の温度を、 時間 制御装置 4 2に所望の養生時間を設定する。 温度制御器 4 1は温 度検出器 3 7から送られた検出温度と温度設定器 3 9に設定され た設定温度を比較するが、 通常設定温度は常温より高く設定され るから検出温度は設定温度より低く、 温度制御器 4 1は蒸気発生 装置 4 0に信号を送ってこれを作動させ、 検出温度が設定温度に 等しく なつたら作動を停止させる。 蒸気発生装置 4 0の作動が停 止すると温度は降下し始めるが、 温度を維持するには、 例えば 1 度降温すると温度制御器 4 1が蒸気発生装置 4 0に信号を送って 作動させ、 設定温度に達したら作動を停止させる。 この作動を繰 返すと設定温度とこれより 1度低い温度の範囲で、 降温と昇温を 繰返しながら温度を略一定の温度に維持する。 常温に戻すには蒸 気発生装置 4 0を停止させておく。
[0145] 上記養生法は、 養生室内に水を入れておいて密閉すると、 水の 気化蒸発により温度に関わりなく養生室内の湿度が 1 0 0 %にな ることと、 温度が高い程室内空間の水分の量が大になることを利 用したもので、 温度を選択することにより、 室内空間の水分量を 所望量にして養生することができる。 尚昇温を蒸気発生装置 4 0 の作動で行い、 降温を作動停止で行うので、 設定温度と設定時間 を微細化すれば、 所望の温度勾 Eで養生することができる。
[0146] 第 1 1図は、 上記系統図に湿度制御系統と圧力制御系統を付加 した温度制御系統図他例を示し、 4 3は養生室 2 8内にセッ トさ れた湿度検出器、 4 4は湿度検出器 4 3で検出された湿度を表示 する湿度表示器、 4 5は所望の湿度を設定する湿度設定器、 4 6 は養生室 2 8内にセッ トされた圧力検出器、 4 7は圧力検出器 4 6で検出された圧力を表示する圧力表示器、 4 8は所望の圧力を 設定する圧力設定器、 4 9 は養生室 2 8の湿度を降下させる除湿 器、 5 0は温度検出器 3 7、 湿度検出器 4 3、 及び圧力検出器 4 6の夫々検出値と、 温度設定器 3 9、 湿度設定器 4 5、 及び圧力 設定器 4 8の夫々の設定値とを比較し、 蒸気発生装置 4 0、 除湿 器 4 9に夫々信号を送って作動させ、 温度、 湿度及び圧力を夫々 所望値に調整する温度湿度圧力制御器である。 尚除湿器 4 9は養 生室 2 8に連通する排気管に弁を設けたもので、 弁の開閉により、 養生室内の圧力と温度及び湿度を変化させることができる。
[0147] 上記した系統図の装置での温度湿度及び圧力の調整は、 制御器 5 0の信号で蒸気発生装潭 4 0の作動と停止を行わせたり、 除湿 器 4 9の開閉を行わせることにより調整することができ、 前記し た温度調整の動作に準じて調整することができる。 尚除湿器 4 9 にコンプレッサーを取付けて養生室内を加圧してよいことは言う までもなく、 除湿器 4 9にヒートポンプや冷却器を使用して液化 させることにより除湿してもよい。 また温度検出器は水槽中の水 温及びまたは室内空間の気温を検出するものであってもよい。 ま た湿度検出器、 湿度表示器、 及び湿度設定器或いは更に圧力検出 器、 圧力表示器、 及び圧力設定器は必ずしも必要ではなく、 除湿 器の排気管の弁の開閉を一定時間毎に行うだけで湿度 1 0 0 %と 1 0 0 %以下の養生を行うことができ、 弁を設けた排気管とヒ一 トポンプまたは冷却器を併用すると、 過度の圧力上昇を防止する こともできる。
[0148] 以上述べた養生室には、 除湿器に代えて加湿器、 撒水器、 噴霧 器、 除湿器、 後記する天井加熱器、 及び壁加熱器のうちの 1また は 2以上を設けることができ、 前記した多々の養生法を自動的に 行うことが可能である。 尚実際の養生室には一定時間毎に開閉す る自動開閉戸等を使用することができる。 尚上記養生室で温度、 湿度、 及び圧力の各検出器と、 設定器及び制御器は、 夫々温度、 湿度、 圧力の管理装置を構成している (請求項 9 ) 。
[0149] 上記温度管理養生室は、 前記した走行型及びまたは伸縮型の密 閉式養生室を兼用してもよく、 この場合は蒸気発生装置や水硬性 物質載置台は必ずしも移動させる必要がない。 第 6図〜第 8図の 養生室も上記温度管理養生室であってもよい (請求項 9 ) 。
[0150] また天井加熱器或いは更に壁加熱器を単なる密閉式蒸気養生室 に設けることができる。 これらは、 天'井または壁自体が加熱源で あってもよく、 天井等に加熱源を取付けたものであってもよい。 また板状やシー ト状のものが好ま しい。 天井或いは更に壁に沿い 室内に高温層ができ、 蒸気の結露を防止し水硬性物質の水の気化 蒸発を間接的に防止する (請求項 8 ) 。
[0151] またポンプを設けた管で水漬槽と他の水漬槽または給水槽を連 結し、 水を交互に入替えられるようにして水漬槽内の水硬性物質 を養生してもよい。 水漬槽内に水硬性物質を入れておき、 水を入 れて含浸させ、 水を排出して開閉戸を閉じ水の気化蒸発を押えて 養生することができる。 尚開閉戸の開閉等により湿度 1 0 0 %と 1 0 0 %以下の交互の養生も可能である (請求項 1 0 ) 。
[0152] また天井部に無端帯を設けた養生室内で、 無端帯に結露した水 を養生室の側壁部で絞り ロールで除去したり、 養生室外で風乾等 により除去しながら蒸気養生してもよい。 天井の結露水が滴下し て水硬性物質を汚損するようなことがなく、 無端帯の 1部に開口 部を設けておく と、 無端帯の回転により一定時間毎に養生室は開 口し、 湿度 1 0 0 %と 1 0 0 %以下の交互の養生を行う ことがで き、 気化防止法、 液捕給法、 脱型後養生法等に利用できる (請求 項 4、 5、 6 ) 。
[0153] 以上実施多例につき説明したが、 この発明は以下の実施態様を とることができる。
[0154] (1) 養生される水硬性物質は、 反応剤を加えるか加えることなく 作った水硬性物質または石灰系水利用法記載の水硬性物質であ つてもよい。
[0155] (2) 養生は、 空気中または燃焼ガス等炭酸ガスの雰囲気下で、 常 圧、 高圧或いはォー トク レーブ養生してもよく、 実施例におけ る湿潤養生と蒸気養生は他の水の気化蒸発を押えた養生でもよ い。
[0156] (3) ヒューム管等の筒伏物成型後、 合成樹脂系ェマルジョ ンを内 側面に塗設造膜させて 1次養生を行い、 脱型後不足水を補給し て湿潤養生や蒸気養生を施したり、 外側に樹脂を塗設して密閉 養生してもよい。
[0157] (4) 原料はセメ ン ト (高炉セメ ン ト等市販の各種セメ ン トを含む) 系に限定されず、 反応は単なる水和反応のみに限定されない。 例えばポルトラン ドセメ ン トに珪砂微粉等と水を加え或いは更 に起泡剤や発泡剤を使用して含泡または発泡させたものを、 ォ 一トク レーブ養生してもよい。 また石灰とポゾラン或いは更に セメ ン トを主原料にしてもよく、 従来の A L Cのようにアルミ 二ゥム粉等を発泡剤として使用し発泡させてもよい。 尚発泡剤 で発泡させるとき反応剤を加えて発泡させてもよく、 反応型起 泡剤、 起泡剤と反応剤、 または起泡剤と発泡剤を併用して含泡 させてもよい。 A L Cも含め一般のセメ ン ト系をオー トク レー ブ養生するときは、 養生前、 中、 または後に、 気化防止法や液 補給法等を施してォ一 トク レーブ養生することができる。 珪酸 カルシウム板を製造するときも同様である。
[0158] (5) 反応剤及び反応液には、 マンガン酸、 過マンガン酸、 オルト 憐酸、 メ タ燐酸、 次燐酸、 亜燐酸、 珪酸、 流酸、 硝酸、 塩酸、 カルボン酸類 (タルトロン酸、 リ ンゴ酸、 酒石酸、 グルコン酸、 グロン酸、 クェン酸、 ァスコルビン酸等) 等の酸類や、 重曹、 アンモニア水、 水ガラス等のアルカ リ類、 また市販されている ものとしては触媒化成工業 (株) 製の商品名カタロイ ド等のシ リ 力ゾル、 花王 (株) 製の商品名マイティ一 1 5 0 (ナフタ リ ンスルホン酸 · ホルマリ ン高縮合塩) 、 マイティ一 2 0 0 0、 或いは山陽国策パルプ (株) 製の商品名サンフロー M A (リ グ ニン系) 等の減水剤、 信越化学工業' (株) 製の商品名メ トロ一 ズ、 ハイメ トローズ等の増粘剤、 各種のシリ コンやマイク ロシ リカ、 各種 A E剤や流 ®化剤、 白華抑制剤、 膨脹剤、 界面活性 剤、 起泡剤、 ステアリ ン酸カ リ ゥム等のはつ水性付与物質、 或 いはこれらの混合物等、 水の存在下でセメ ン トまたはその生成 物と反応するものならどれでも使用することができ、 複数剤が 反応して水隙を少なくするものであってもよい。 実施例の反応 剤と反応液には、 特記しない限り減水剤、 酸及びまたはアル力 リ、 減水剤に酸及びまたはアルカ リを加えたもの、 または界面 活性剤等の夫々適量を使用したが、 反応剤と反応液はこれに限 定されるものではなく、 反応剤と反応液には、 具体的には例え ば以下のようなものを使用することができる。
[0159] (A) 流酸や塩酸或いは硝酸等の強酸類は、 1 / 1 0 0万〜 1ノ 1 0 0 0万程度の稀釈液を使用することができる。
[0160] (B) タルトロン酸、 リ ンゴ酸、 酒石酸、 グルコン酸、 グロン酸, クェン酸、 ァスコルビン酸等のカルボン酸類は、 1 Z 2 0 0
[0161] 〜 1 Z 5 0万程度の稀釈液または溶解液を使用することがで さる。
[0162] (C) 重曹、 アンモニア水、 水ガラス等のアルカ リ類は、 1 1 0 0〜 1 / 2 0万程度の稀釈液または溶解液を使用すること ができる。
[0163] (D) シリ カゾル、 シリ コ ン、 マイクロシリ カ等のシリ カ類、 メ トローズ等の増粘剤、 減水剤、 はつ水性付与物質、 その他 A E剤や流動化剤或いは界面活性剤等は、 3〜 1 / 1 0 0程度 の稀釈液を使用することができる。
[0164] (E) 上記薬剤の 2種以上を混合したものを使用することができ る。
[0165] 尚反応剤として使用する場合の使用量は、 使用セメ ン ト量に 対し 0 . 3〜 1 0 0 %程度の添加が好ま しく、 反応液と して使 用する場合はそのまま使用することができる。
[0166] (6) 石灰系水利用法で消石灰、 生石灰、 或いはセメ ン トに水を加 えて石灰系水溶液を作り、 この水溶液で水硬性物質を作るとき、 白華成分が或程度溶出したセメ ン ト等を一緒に使用してもよい。 セメ ン トはまだ水硬性を有する場合が多く、 消石灰等はォー ト ク レーブ養生するときシリ力系が含まれていれば有用である。 また型枠内に水硬性物質を打設し、 上部露出面に石灰系水溶 液を吹付けること等により含浸させ、 密閉養生して難吸水性化 させ、 更に脱型後脱型面に水等の不足水や石灰系水溶液を含浸 させ、 密閉養生して難吸水性化させることができ、 石灰系水利 用法で作られた水硬性物質を打設するとこれらの作業を簡易化 することも可能である。
[0167] (7) 水、 反応液、 合成樹脂ェマルジヨ ン或いは石灰系水溶液等を 水硬性物質に含浸させるときは圧入することができ、 これに引 続く水の気化蒸発を押えての養生も、 高圧養生、 オー トク レー ブ養生等を施すと、 気孔、 水隙、 空隙等が少なく なつたり小さ く なり難吸水性化或いは高強度化に有効である。
[0168] (8) 水硬性物質はモルタルに限定されない、 コンク リー トでもモ ルタルと同傾向の効果を得た。
[0169] (9) 不足水の補給は水硬性物質の温度と略同温の水または湯が好 ましい。 密閉室の水槽内に湯を入れて養生する場合は、 湯をポ ンプアツプして水硬性物質に噴霧し補給することができる。
[0170] また室外のボイラ一等で作った湯を水硬性物質に噴霧して供 給してもよい。 湯は室内を湿度 1 0 0 %にし、 かつ水硬性物質 に熱エネルギーを供給する。
[0171] (10) 型枠内に打設する等した未硬化水硬性物質の露出した部分を、 商品名サラ ンラ ップ等の薄いブラスチック シー トで密閉し、 気 乾養生或いは水の気化蒸発を押えての養生を施してもよい。 1 次白華が発生しない。 また不足水を含浸させた硬化した水硬性 物質を上記シー 卜で密閉し、 水の気化蒸発を押えて養生しても よい。 シー トの密着性が良く高強度を得る。
[0172] (11) 石灰系水利用法に高炉セメ ン トを使用すると、 水さいの水和 反応が刺激されて気乾養生でも初期に高強度を得る。
[0173] 尚消石灰や生石灰を混合してもよい。 また消石灰や生石灰と 水さいを、 水と混合して養生し硬化させてもよい。
[0174] (12) 1次白華の抑制及び高強度を得るには、 未硬化水硬性物質を 成型後出来るだけ速やかに養生室に搬入することが好ま しい。 また湿度が 1 0 0 %であつても 3 0度〜 5 0度程度の温度での 養生が望ま しい。 次に湿度 1 0 0 %と 1 0 0 %以下を交互にし て養生すると 2次白華をも抑制することができる。
[0175] (13) 実施例 9では骨材にシャモッ ト以外の耐火性骨材例えば火山 灰等を使用することができ、 成型はプレス脱水成型に限定され ない。 また乾燥時水和反応の進行が少なければ 1 2 0 0度以下 の温度例えば 9 0 0度程度の温度で焼いてもよく 、 水和反応が 進んでおれば 1 2 0 0度以上例えば 1 4 5 0度で焼いてもよい。 (14) 1実施例に使用した物または方法が他の実施例に適切であれ ば、 これを他の実施例に使用し利用し若しく は応用することが できる。 発明の効果
[0176] この発明は、 水と白華成分を調整することにより、 結果的には、 白華成分と、 炭酸ガス或いは反応剤や反応液との反応を調整して 高強度化等を実現するものであり、 石灰系水利用法は、 水硬性物 質を難吸水性化、 はつ水性化、 或いは 吸水性化させることがで き、 特に気乾養生しか行われていない現場工事に好適である。 盒 浸法は、 簡単な方法で 2次白華を抑制することができ、 難吸水性 化及びまたははつ水性化や高強度化にも利用することができる。 気化防止法は、 1、 2次白華を抑制したり、 高強度化させること ができ、 早期養生法は、 水硬性物質を高強度化や低吸水性化する。 液補給法は、 水硬性物質を高強度化、 はつ水性及びまたは難吸水 性化させることができ、 かつ 2次白華の抑制も行う ことができる。 脱型後養生法は、 今迄の蒸気養生に比し高強度を得ることができ、 難吸水性硬化物は、 内部のアルカ リ分を温存して鉄筋を腐蝕させ ることなく耐久性に優れている。 結露防止養生室は、 水硬性物暂 の水の気化蒸発少なく結露水の滴下を防止して良好な養生を行う ことができ、 温度管理養生室は、 多々の養生法を、 自動的に制御 して行う ことができる。 水槽型養生室は、 水硬性物質を移動させ ることなく水等の補給と水の気化蒸発を押えた養生を行う ことが でき、 反応型塗料は、 水硬性物質に塗設しても白華が発生せず、 スラ リ一型塗料は最もローコス 卜塗料として利用することができ る。
[0177] この発明は、 以上のような効果を有し、 2次製品のみならず道 路、 ダム (水硬性物質に多数の透孔を設け外側に吸水材層を設け た管を S管しておき、 不足水を補給して密閉養生する。 また石灰 水系利用法でコンク リー トを作る。 ) 、 建築物、 橋梁等の各種コ ンク リ ー 卜構築物、 プールや貯水槽、 或いは塗りモルタル (塗設 後シー ト等で覆い養生し、 必要に応じて不足水を捕給して養生す る。 また石灰系水利用法モルタルを塗設する。 ) 等現場工事の水 硬性物質にも利用でき、 原子炉廃棄物の埋設コンク リ ー トや原子 炉構築物の製造にも利用できる。 また非はつ水性型難吸水性硬化 物は、 塗料を施すことができて水硬性物質を 2重に保護したり着 色することもでき、 含浸法や液補給法は古いコンク リー トやモル タルの補修工法に利用できるばかりか、 遅効性反応液複数剤を含 浸させると、 煉瓦等の焼物類やその他の吸水性物質の難吸水性化 にも利用することができる。 尚遅効性反応液複数剤を混合して含 浸させ遅効的反応によって難吸水性化させる場合は、 必ずしも水 の気化蒸発を押えて養生する必要はない。 表面や型枠接面に光沢 を有する水硬性物質は、 油の含浸及びまたは反応液の含浸を施す こと等により白華を抑制することもでき、 ェマルジヨ ンを加えた 水系塗料は金属防锖塗料にも利用できる等多々の効果を有する。
权利要求:
Claims

請 求 の 範 囲
. 水に代えて水酸化カルシウム水溶液またはこれを主体とする 白華成分溶出液等の石灰系水溶液を使用し、 或いは更に白華成 分と反応する反応剤を加えて未硬化水硬性物質を作り、 成型し て養生を施し硬化させることを特徵とする、 水硬性物質の製造 法。
. 反応剤を加えるか加えることなく作った硬化した水硬性物質、 または請求項 1記載の硬化した水硬性物質に、 空気または炭酸 ガスの常圧または高圧の雰囲気下で、 白華成分と反応する反応 液、 石灰系水溶液、 及び反応剤を加えた合成樹脂系ェマルジョ ンのうちの 1 または 2以上を、 液が表面に溜らず内部の白華成 分が表面に移行しない程度に含浸または圧入して含浸させるこ とを 1または複数回行い、 これにより、 水硬性物質内に混練時 巻込まれた空気中の炭酸ガス、 水の気化蒸発により置換される 炭酸ガスや空気中の炭酸ガス、 反応剤、 或いは反応液と、 水硬 性物質内部の白華成分及びまたは含浸させた石灰系水溶液とを 反応させ、 或いは更に表面に樹脂被膜層を形成して、 2次白華 の抑制、 難吸水性化及びまたははつ水性化、 或いは高強度化さ せることを特徵とする、 水硬性物質の養生法。
3 . 反応剤を加えるか加えることなく作った硬化または未硬化の 水硬性物質、 または請求項 1記載の硬化または未硬化の水硬性 物質を、 空気または炭酸ガスの雰囲気下で、 (a) 内部の白華成 分が表面に移行しないように水の気化蒸発を押えつつ高圧養生 を行うか、 ) 結露水が白華を発生させないように湿度 1 0 0 %と 1 0 0 %以下を交互に切り替えつつ常圧養生または上記高 圧養生を行うか、 (c) または非通気断熱性材料で作られた密閉 室内で水和反応熱を利用しつつ高涅養生し、 水硬性物質の温度 が常温または常温近く に下降してから密閉室を解放することに より、 水の気化蒸発による白華成分の表面への移行を押え水和 反応を促進させて、 1次白華及びまたは 2次白華を抑制したり、 高強度化させることを特徴とする、 水硬性物質の養生法。
4 . 成型後の未硬化水硬性物質を、 密 養生や蒸気養生等により 水硬性物質自体の水の気化蒸発を押さえながら養生するかまた は気乾養生を行い、 水硬性物質が水や湯で崩れなく なつたらで きるだけ速やかに水硬性物質の上に不足水を溜めるか、 水硬性 物質に間欠的または連続的に不足水を補給するか、 または水や 湯等の中に漬けて水隙孔内に給水し、 表面水により水硬性物質 自体の水の気化蒸発を押さえながら養生し、 或いは更に引続き 不足水を捕給することなく密閉養生や蒸気養生等により水硬性 物質自体の水の気化蒸発を押さえながら養生することを特徵と する、 水硬性物質の養生法。
5 . 反応剤を加えるか加えることなく作った硬化した水硬性物質、 または請求項 1記載の硬化した水硬性物質を、 密閉養生、 水や 湯を入れた密閉室での養生、 密閉室に蒸気を送っての蒸気養生、 高圧養生、 オートク レープ養生等、 水硬性物質の水の気化蒸発 を押えて養生するに当りその養生前または養生中に、 水、 湯、 反応液、 合成樹脂系ェマルジヨ ン、 反応剤を加えた合成樹脂系 ェマルジヨ ン、 または石灰系水溶液を、 水漬けや連銃的または 間欠的な加湿器や噴霧器による吹付け等を利用して、 不足水ま たは白華成分溶出液と して水硬性物質に補給し養生することを、 成型後及びまたは脱型後行い、 高強度化、 難吸水性化、 或いは 白華抑制等を行う ことを特徴とする、 水硬性物質の養生法。 6 . 成型後の未硬化水硬性物質を、 白華成分の炭酸ガスとの反応 及びまたはセメ ン トゲルの結晶化が進まないように、 水の気化 蒸発を押えつつ及びまたは略 5 0度以下の温度で養生し、 脱型 後蒸気養生して高強度化させることを特徵とする、 水硬性物質 の養生法。
7 . 炭酸カルシウム、 ステアリ ン酸カルシウム、 または珪酸カル シゥム等のカルシウム塩を主体とする成分よりなる、 水隙が塞 がれているかまたは水隙が極めて少ないか小さいち密な難吸水 性及びまたははつ水性層が、 一体的に外層に形成されているこ とを特徵とする、 硬化した水硬性物質。
8 . 天井加熱器或いは更に壁加熱器を備えたことを特徴とする、 水硬性物質の養生室。
9 . 発熱源を設けた水槽等の蒸気発生装置と、 該蒸気発生装置の 水または湯及びまたは室内空間の温度を検出する温度検出器と、 所望の温度を設定する温度設定器と、 上記温度検出器で検出さ れた検出温度と設定温度を基にして温度を所望の温度に制御す る温度制御器を備えた温度管理装置と、 加湿器、 撒水器、 噴霧 器、 除湿器、 天井加熱器、 及び壁加熱器のうちの 1 または 2以 上を具備し、 或いは更に湿度管理装置と圧力管理装置を備えた ことを特徵とする、 水硬性物質の養生室。
10. ポンプを設けた管で水漬槽と他の水漬槽または給水槽を連結 し、 水や湯等を交互に入替えられるように構成したことを特徴 とする、 水硬性物質の養生室。
11. セメ ン ト系スラ リー及びまたは合成樹脂系ェマルジョ ンに、 反応剤或いは更に着色料を加えたことを特徴とする塗料。
12. 水洗いして白華成分を溶出させたセメ ン トか、 砂糖水または 酸と反応させて水洗いしたセメ ン ト等、 白華成分が少なく なる か無く なつたセメ ン トを使用してペース トを作り、 これに着色 料或いは更に反応剤や合成樹脂系ェマルジョ ンを加えたことを 特徵とする塗料,
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同族专利:
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引用文献:
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