界面活性剤をベースとしたモノリシックカラム、該モノリシックカラムを製造する方法、および該モノリシックカラムを使用する方法
专利摘要:
界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムの製造方法が提供される。この方法は、少なくとも1種の界面活性剤モノマーと、少なくとも1種の架橋剤と、少なくとも1種の開始剤と、少なくとも1種のポロゲンとを含む混合物を提供する工程、およびその混合物を重合させて界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムを形成する工程を含む。本開示はまた、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラム、分子の分離方法、および界面活性剤モノマーの製造方法も提供する。 公开号:JP2011516862A 申请号:JP2011503070 申请日:2009-03-30 公开日:2011-05-26 发明作者:グ,コンイン;シャムシ,シャハブ,アーメド;ヘ,ジュン 申请人:ジョージア ステート ユニバーシティ リサーチ ファウンデーション,インコーポレイテッド; IPC主号:G01N30-88
专利说明:
[0001] 連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載 本発明は、アメリカ国立衛生研究所から付与された助成金番号1R01−GM−062314のもとで米国政府の支援を得て行われた。米国政府は本発明に一定の権利を有する。] [0002] 発明の分野 本発明は一般に、クロマトグラフィー用のポリマーモノリシックカラムに関する。] 背景技術 [0003] 発明の背景 粒子ベース充填クロマトグラフィーカラムの最近の使用は、スラリーに溶かした粒子を管に充填し、その後、充填管の両端のフリットをか焼して充填層を管中に保持することを含む。この手順は、科学というよりは技術であり、管に充填しフリットをか焼するためには熟練者が必要とされる。したがって、手作業で充填する粒子ベースクロマトグラフィーカラムは、個人差による重大な再現性の問題がある。] [0004] 加えて、キャピラリー電気クロマトグラフィー(CEC)で用いる粒子ベース充填カラムは、製造に時間がかかり、壊れやすく、泡が形成される傾向がある。泡が形成されると、保持時間およびピーク面積の再現性がなくなり、それゆえに粒子ベース充填カラムは、実世界の試料の分析に使用するには実用的でないものとなっている。] [0005] ポリマーモノリシック固定相は、伝統的な微粒子吸着剤の代替手段となり、試料分析に一定の利点をもたらす。従来の充填粒子固定相とは対照的に、モノリシック分離媒体は、多孔質構造を有する連続した硬質の棒状ポリマー(polymeric rod)からできている。粒子内空隙容量がないため、物質移動および分離効率が改善され、質の高い高速分離が可能になる。] [0006] ほぼ10年の間、従来の充填カラムCECの代替手段としてのモノリシックカラムを使用したCECが、研究分野として成長してきた。CEC用のモノリシックカラムの主な利点として次のような点がある:カラム調製の手順が複雑でなく、カラムの細孔構造が柔軟に調整され、フリットの必要性がなくなっており、カラム中の様々な官能性モノマーが選択的分離用として入手可能であり、さらに操作時の泡形成がなくなるかまたは減少している。それゆえに、モノリシックカラム技術の使用が増大してきており、新規の固定相およびカラム調製メカニズムが研究されつつある。さらに、多数の新規かつ魅力的な用途が、モノリシックカラム技術の使用から恩恵を受けることのできる生物学的分析、環境分析、および製剤分析において開発されてきた。] [0007] CECに用いられる固定相は、分析物との望ましい相互作用をもたらす部位と電気浸透流(EOF)を発生させる部位を提供するという二重の役割を果たす。例えば、CECに使用されるメタクリレートベースモノリスの調製では、官能性モノマーの使用に加えて、帯電(charge-bearing)モノマー(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸など)が、安定したEOFをもたらすために使用されることが多い。帯電可能な(chargeable)、それゆえにCECに適したモノリシックカラムが必要とされている。さらに、電気浸透流が向上したモノリシッククロマトグラフィーカラムが必要とされている。] [0008] 従来の通常スケールの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に優るキャピラリーHPLCの利点も、認められてきた。そうした利点として、クロマトグラフィーの分解度(resolution)の増大、試料の消費の低減、興味を引く極めて少ない化合物を分析および分離できること、溶媒消費の低減およびエレクトロスプレー質量分析法との便利なオンライン接続がある。] [0009] 1つまたは複数の前述の欠陥を低減または防止する、CECおよびHPLCなどのクロマトグラフィー用の更なるモノリシックカラムを提供することが望ましいであろう。] 課題を解決するための手段 [0010] 本開示は、界面活性剤をベースとした(surfactant-based)モノリシックカラムの製造方法を提供する。本方法は、少なくとも1種の界面活性剤モノマーと、少なくとも1種の架橋剤と、少なくとも1種の開始剤と、少なくとも1種のポロゲン(porogen)とを含む混合物を提供する工程、およびその混合物を重合させて界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムを形成する工程を含む。] [0011] 本開示はまた、界面活性剤をベースとしたポリマーモノリスを含む界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムを提供する。] [0012] 本開示はさらに、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムを提供する工程、分子と移動相との混合物を提供する工程、および混合物を界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムに通す工程を含む、分子の分離方法を提供する。] [0013] 本開示はさらに、11−アクリルアミドウンデカン酸ポリマーの製造方法であって、その方法が、6〜20個の炭素の鎖長および末尾基(tail group)を有するカルボン酸(ここで、末尾基がNH2またはOHを含む)を提供する工程;カルボン酸を塩化アクリロイルと反応させて第1生成物を形成する工程;第1生成物を1−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオンと反応させて第2生成物を形成する工程;および第2生成物をアミノ酸と反応させてアミノ酸官能基を含む界面活性剤モノマーを形成する工程を含む、11−アクリルアミドウンデカン酸ポリマーの製造方法を提供する。] [0014] 本発明の他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明、図面および請求項から明らかであろう。] [0015] 本開示の多くの態様は、以下の図を参照することにより、よりよく理解することができる。図の更なる説明については、本文および実施例を参照されたい。] 図面の簡単な説明 [0016] 本発明の2つの実施態様(実施例1に記載したカラム7およびカラム1)におけるチオ尿素とアルキルベンゼン(A1、B1)ならびにチオ尿素とアルキルフェニルケトン(A2、B2)の分離に関する、電気クロマトグラムを示す。 本発明の実施態様におけるアルキルベンゼン分離の性能に関する回帰係数プロットを示す。 本発明の実施態様におけるアルキルフェニルケトン分離の性能に関する回帰係数プロットを示す。 本発明の実施態様による重合混合物中の成分のの関数として濃度の関数としてアルキルベンゼンの平均効率(Navg)、平均分解度(Rs(avg))および合計分析時間(Rt)に関して得られた等値線図(contour plot)を示す。 本発明の3つの実施態様の細孔径分布を示す図表である。 本発明の3つの実施態様で測定された移動相の流量に対する測定された圧力低下を示す図表である。 本発明の実施態様の移動相における、アセトニトリルの%(v/v)に対するアルキルベンゼンおよびアルキルフェニルケトンの対数保持係数(log k’)のプロットを示す。 本発明の1つの実施態様における、チオ尿素、アルキルベンゼンおよびアルキルフェニルケトンについての見掛けの移動相流速の関数として平均段高さ(average plate height)を示すVan Deemterプロットである。 本発明の実施態様において得られたN−メチルカルバミン酸類(NMC)殺虫剤のCEC分離のプロットである。 本発明の2つの実施態様のタンパク質分離のクロマトグラムを示す。 本発明の実施態様でのタンパク質分離性能の回帰係数プロットである。 本発明の実施態様でのタンパク質分離性能の回帰係数プロットである。 本発明の実施態様でのタンパク質分離性能の回帰係数プロットである。 (A〜C)等値線図であり、本発明の実施態様による重合混合物中の成分の濃度の関数としてタンパク質の平均効率(Navg)、平均分解度(Rs(avg))および合計分析時間(Rt)について得られたものである。 本発明の3つの実施態様(実施例2に記載したカラム7、10/OH−l、およびOF−1)の細孔径分布を示す図表である。 本発明の2つの実施態様を用いたタンパク質分離のクロマトグラムである。 本発明の3つの実施態様の細孔径分布を示す図表である。 本発明の3つの実施態様(実施例2で記載したカラム7、10/OH−1、およびOF−1)での、測定された移動相流量に対する測定された圧力低下を示す図表である。 本発明の2つの実施態様に従った、移動相の流速の関数としてタンパク質の平均段高さを示すVan Deemterプロットを示す(a:OH−1; b:OF−1)。] [0017] 好ましい実施形態の詳細な説明 上に要約されているように、本開示は、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムの製造方法、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラム、複数種の分子の分離方法、および界面活性剤モノマーの製造方法を包含する。本明細書で使用される「モノリス」および「モノリシック」という用語は、連続した相互連絡細孔構造(個々の粒子の集合とは区別される)を有する多孔質の三次元材料を包含する。本明細書で使用される「カラム」という用語は、円柱形状、円板形状、小片形状、細長い形状(例えば、多角形断面を有する毛細管形状)などの形状、あるいは移動相がカラムの少なくとも一部を通り抜けるのに適した任意の他の形状を有する、任意の三次元材料を指す。特に記載のない限り、%単位はすべて%(重量/重量)である。] [0018] 特定の実施態様では、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムは重合可能な界面活性剤モノマーから作られ、重合可能な界面活性剤モノマーは、少なくとも1種の架橋剤、少なくとも1種の開始剤、および少なくとも1種のポロゲンと一緒に、管またはカラム中で直接に重合される。] [0019] 1つの実施態様では、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムの製造方法は、(a)炭素長が約6〜約20の範囲である炭化水素鎖を有する界面活性剤モノマーの溶液を提供する工程、(b)少なくとも1種の架橋剤、少なくとも1種の開始剤、および少なくとも1種のポロゲンを入れる工程、および(c)原料(すなわち、重合混合物)を管またはカラム中で重合させて一体化させる工程を含む。] [0020] 界面活性剤モノマーの実施態様は、界面活性剤の性質を有する。ある特定の実施態様では、界面活性剤モノマーは、官能基化された頭部基(カルボン酸(−COOH)、アミノ酸基、スルホネート、サルフェート、アンモニウム、またはホスホニウムなど)と共役末尾基(アクリルアミドまたはアクリレートなど)とを有する、長さが約6〜約20個の炭素の炭素鎖を含む。1つの実施態様では、界面活性剤モノマーは6〜18個の炭素の鎖を含む。実施態様によっては、モノマーの鎖長は6より短くてもよいが、精製が難しくなりうる。他の実施態様では、重合可能な界面活性剤モノマーの鎖長は20より長くてもよいが、モノマーの溶解度が減少しうる。界面活性剤モノマー、つまり帯電基を有する疎水性の長い炭化水素モノマーを使用することにより、別個の帯電分子(すなわち、荷電分子(charging molecule)または帯電可能分子)を重合混合物に加える必要がない。したがって、界面活性剤モノマーの特定の実施態様は、そのようモノマーから作られたポリマーのクロマトグラフィー保持能(chromatographic retention)は疎水性部分(例えば、長い炭素鎖)によってもたらされ、EOFは帯電分子によって提供されるので、「混合モード」と見なされる。] [0021] 本開示の実施態様に用いられる好適な界面活性剤モノマーとしては、11−アクリルアミドウンデカン酸(AAUA)、6−アクリルアミド−ヘキサン酸、7−アクリルアミド−ヘプタン酸、17−アクリルアミド−ヘプタデカン酸、18−アクリルアミド−オクタデカン酸、19−アクリルアミド−ノナデカン酸、20−アクリルアミド−エイコサン酸、またはこれらの組み合わせがあるが、それらに限定されない。1つの実施態様では、界面活性剤モノマーはキラルモノマーである。特定の実施態様では、界面活性剤モノマーは、約0.5%(w/w)〜約7%(w/w)の範囲の量で重合混合物中に存在する。] [0022] 少なくとも1種の架橋剤として、使用するモノマーを架橋させるのに有効な任意の好適な架橋剤(市販の架橋剤を含む)を挙げることができる。好適な架橋剤の例として、エチレンジメタクリレート(EDMA)、ペンタエリトリトールジアクリレートモノステアレート(PEDAS)、ジビニルベンゼン、ピペラジンジアクリルアミド(PDA)、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−ジアリル−L−酒石酸ジアミド、N,N’−ジアリル−酒石酸ジアミドまたはこれらの組み合わせがあるが、それらに限定されない。実施態様によっては、架橋剤は市販の架橋剤であってよい。特定の実施態様では、架橋剤は、約18.5%(w/w)〜約21.3%(w/w)の範囲の量で重合混合物中に存在する。] [0023] 少なくとも1種の開始剤としては、選択された重合可能な界面活性剤モノマーの重合を開始させるのに有効な周知の開始剤を挙げることができる。好適な開始剤の例としては、アゾイソブチロニトリル(AIBまたはAIBN)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)/テトラメチレンジアミン(TEMED)、またはこれらの組み合わせがあるが、それらに限定されない。実施態様によっては、開始剤は市販の開始剤であってよい。ほかの実施態様では、紫外線(530nm)および60C0のγ放射線源を用いた光重合を使用して、重合を開始させることもできる。特定の実施態様では、開始剤は、約0.1%(w/w)〜約1%(w/w)の範囲の量で重合混合物中に存在する。] [0024] 少なくとも1種のポロゲンは、モノリスの重合において細孔構造の調節(例えば、細孔径の制御)に使用することもできる。好適なポロゲンとしては、1−プロパノール、1,4−ブタンジオール、水、アセトニトリル、メタノール、ドデカノール、デカノール、シクロヘキサノール、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミドまたはこれらの組み合わせがあるが、それらに限定されない。] [0025] ポロゲンの濃度および比率を変更して、所望の細孔構造になるようにすることができる。特定の実施態様では、ポロゲンは、水(約2%(w/w)〜約12%(w/w)の範囲の量で重合混合物中に存在する)、1,4−ブタンジオール(約0%(w/w)〜約12%(w/w)の範囲の量で重合混合物中に存在する)、および1−プロパノール(約60%(w/w)〜約74%(w/w)の範囲の量で重合混合物中に存在する)を含みうる。] [0026] 他の実施態様では、界面活性剤モノマーは、少なくとも1種の架橋剤、少なくとも1種の開始剤、および少なくとも1種のポロゲンを用いて、コポリマーモノマーと共重合させることができる。本開示の実施態様に用いるのに好適なコポリマーモノマーとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリセリル、ブチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、またはこれらの組み合わせがあるが、それらに限定されない。] [0027] モノリスの形成方法の1つの実施態様では、モノマーおよび他の成分を市販の毛細管またはカラム中でインサイチューで重合させる。管およびインサイチューの原料は、重合が起こっている間、重合温度に維持される。実施態様によっては、重合温度は室温より高い。他の実施態様では、重合温度は約45℃〜約70℃の範囲である。さらに別の実施態様では、重合温度は約60℃である。重合温度は、重合および架橋が完了するかまたはほぼ完了するのに十分なほど長く維持される。したがって、特定の実施態様では、重合温度は約10時間より長く維持される。他の実施態様では、重合温度は15時間より長く維持される。さらに別の実施態様では、重合温度は約20時間維持される。] [0028] ある特定の実施態様では、重合は、ビニル化(すなわち、シラン化処理)された毛細管で実施することができる。例えば、毛細管は、更なる重合を行うためのビニル基を提供するため、毛細管中で界面活性剤モノマーを重合させる前に、メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピルでビニル化することができる。メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピルはヒドロキシル基を含むので、それはシラン上のアルコキシ基を攻撃し、それに置き代わり、−Si−O−Si−共有結合を形成することになる(すなわち、シラン化処理)。] [0029] 1つの実施態様では、重合可能な界面活性剤モノマーはAAUAであり、これは、スキーム1に示されているように、水性エタノールおよび水酸化ナトリウム(NaOH)緩衝液の存在下で11−アミノウンデカン酸および塩化アクリロイルから合成される。示されているように、合成されたAAUAモノマーは、疎水性相互作用を示す長さがC11の炭化水素鎖、アクリルアミド末端の重合可能な基、およびEOFを生み出す帯電可能部位となるカルボキシル基を有する。この種のモノリスは、官能性モノマーのほかにイオン化性モノマーも導入するということが必要ではなくなるので、有利である。同じくスキーム1に示されているように、EDMAを架橋剤として入れ、AIBNを開始剤として使用する。重合ポリマーの細孔構造は、一体化段階の間に、1−プロパノール、1,4−ブタンジオール、および水を含むポロゲンを添加することによって制御される。] [0030] スキーム1から分かるように、約20時間にわたって60℃という高温に維持することにより、モノマーおよび他の成分は一体化して多孔質ポリマーになる。その結果、架橋した界面活性剤をベースとしたポリマー(すなわち、ポリ(AAUA−co−EDMA))が製造される。スキーム1に示されている反応の実施態様で用いられる重合混合物の成分の濃度範囲を表1に示す。] [0031] ] [0032] 界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムの製造方法の別の実施態様は、スキーム2A〜Bから分かるように、アミノ酸官能基を含むモノマーを用いて合成される。この実施態様では、多孔質ポリマーは、OH末尾を有する6〜20個の炭素のカルボン酸から出発して適切な離脱基を有するモノマーの溶液を合成し、スキーム2A〜B(スキーム中、TEAはトリエチルアミンであり、DCCはジシクロヘキシルカルボジイミドである)に見られる反応によって、それを塩化アクリロイルと反応させてから、l−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオンと反応させることにより、製造できる。本方法はさらに、任意のアミノ酸(R)から選択される官能基をテトラヒドロフラン(THF)と水との緩衝溶液に入れて所望の選択特性を有する界面活性剤モノマーを作り出し、架橋剤、EDMA、および開始剤(AIBN)を入れ、一体化段階の間に、溶液中に存在するポロゲン(1−プロパノール、1,4−ブタンジオール、および水など)の濃度を変えることによって多孔質材料の細孔構造を変え、長時間にわたって高温にすることによって成分材料を一体化して重合モノリスカラムにすることを含む。] [0033] 特定の理論に縛られるわけではないが、得られるモノリシックカラムの細孔径および選択性は、少なくとも1種の架橋剤、少なくとも1種の開始剤、および少なくとも1種のポロゲンの濃度および種類(identities)、ならびに界面活性剤モノマーの濃度および鎖長を変えることによって制御できると考えられる。特定の実施態様では、得られるクロマトグラフィー界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムのクロマトグラフィー選択性は、所望の選択性をもたらすのに適した特定のアミノ酸官能基を導入することによって制御できる。] [0034] スキーム3A〜Bに示されている本発明の別の実施態様により、得られるクロマトグラフィー界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムのクロマトグラフィー選択性の制御が可能になる。このモノリスは、(a)NH2末尾を有する6〜20個の炭素のカルボン酸から出発して適切な離脱基を有するモノマーの溶液を合成し、スキーム3A〜B(ここで、TEAはトリエチルアミンであり、EtOHはエタノールであり、NaOHは水酸化ナトリウムであり、DCCはジシクロヘキシルカルボジイミドである)に見られる反応によって、それを塩化アクリロイルと反応させてから、1−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオンと反応させ、(b)スキーム2中のアミノ酸(R)などのアミノ酸から選択される官能基を、テトラヒドロフラン(THF)と水との緩衝溶液に入れて特定の選択特性を有する界面活性剤モノマーを作り出し;(c)架橋剤(EDMAなど)および少なくとも1種の開始剤(AIBNなど)を入れ;(d)ポロゲン(l−プロパノール、1,4−ブタンジオール、水など)の濃度を変えることによって多孔質材料の細孔構造を変え;さらに(e)ある期間にわたって高温にすることにより成分材料を一体化して重合モノリスカラムにすることによって製造される。] [0035] したがって、説明した方法で作られる界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムの実施態様は、界面活性剤をベースとしたポリマーを含む。] [0036] 本発明の実施態様に従って製造されるモノリシックカラムは、さまざまな分析分離に使用できる。実施態様によっては、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムは分離装置の一部である。例えば、本発明によるカラムは、HPLC法(ナノHPLCおよびマイクロHPLCを含む)、CEC、ガスクロマトグラフィー(GC)、及び/または超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)に使用できる。1つの実施態様では、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムは、CECで用いるための陰イオン界面活性剤をベースとしたモノリシック固定相を含む。] [0037] 本発明の実施態様に従って界面活性剤モノマーから作られるカラムは、小分子と生体分子の分析分離に特に好適であろう。本発明の実施態様によるモノリシックカラムは、モノマーの界面活性剤特性のゆえに、ナノHPLC、マイクロHPLC、およびCECに特に適している。そのようなモノリス材料は、例えば、分取HPLCカラムおよび固相抽出ディスク(生体試料から正電荷を帯びた薬物を分離するのに用いられる)での使用に好適であろう。] [0038] C6以上の鎖長の界面活性剤モノマーから製造される本発明によるモノリシックカラムは、電気浸透流の向上を示す。] [0039] 特定の実施態様では、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムは、約60%〜約90%の範囲の全孔隙率を有する。他の実施態様では、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムは、約10−14m2〜約10−12m2の範囲の比透過性を有する。さらに別の実施態様では、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムは、約1000mm3/g〜約3000mm3/gの累積細孔容積を有する。さらに別の実施態様では、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムは、約0.1μm〜約10μmの範囲の平均細孔径を有する。別の実施態様では、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムは、約0.2g/m3〜約1.0g/m3の範囲のバルク密度を有する。他の実施態様では、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムは、約10m2/gより大きい表面積を有する。] [0040] 本開示はさらに、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムを提供する工程、複数種の分子の混合物および移動相を提供する工程、および混合物を界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムに通す工程を含む、複数種の分子を互いに分離する方法を含む。] [0041] 1つの実施態様では、この方法は、本明細書に記載したモノリシックカラムの実施態様を用いて小さな極性分子を分離することを含む。本開示はまた、本明細書に記載したモノリシックカラムの実施態様を用いて小さな無極性分子を分離する方法を含む。本開示はまた、本明細書に記載したモノリシックカラムの実施態様を用いて、大きな生体分子(タンパク質、タンパク質消化物、およびポリペプチドなど)を分離する方法を含む。] [0042] 分離方法の実施態様では、移動相(アセトニトリル(ACN)、メタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフランなど)および様々な種類の緩衝液(酢酸緩衝液、酢酸アンモニウム緩衝液、トリス緩衝液、ホウ酸塩緩衝液(borate buffer)、またはそれらの組み合わせなど)を使用する。1つの実施態様では、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムは、平均分解度が約1.0〜約2.0である。別の実施態様では、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムは、分析時間が約30分未満である。さらに別の実施態様では、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムは、平均効率が約104〜106の範囲である。] [0043] 特定の理論に縛られるわけではないが、有機ポリマーモノリスの特性の調節の際に考慮されるのは、重合混合物の組成へのその特性の依存であるという点が注目される。カラム性能はモノリシック材料の形態に左右されるので、そのような考慮事項が考慮される。ポリマーモノリシックカラムでは、カラムの性能に影響を及ぼすのは、微小球(microglobule)の平均径と細孔径との組み合わせである。したがって、重合混合物の組成により、モノリスの細孔構造が制御される。それゆえに、重合混合物の成分比を変化させると、種々の特性(すなわち、物理的性質および化学的性質)を有するモノリシックカラムが生み出され、それによって種々の保持性能がもたらされる。] [0044] ここでもまた理論には縛られるわけではないが、EOF速度(ueof)は式Iを用いて計算できる: (式中、Leffは毛細管の有効長さであり、t0はEOFマーカー(EOF marker)の移動時間である。)] [0045] 毛細管中で製造されるモノリスの実施態様の孔隙率は、フロー法で測定および検査することができる。例えば、移動相の線速度は、不活性トレーサー(チオ尿素)で測定することができ、容積流量も測定することができる。その後、周知の空の管の寸法を用いて、全孔隙率εTを式IIによって計算できる: 式中、εTは全孔隙率であり、V(mL/分)は移動相の容積流量、r(cm)は空のカラムの内部半径であり、c(cm/分)は移動相の線速度(保持されない化合物であるチオ尿素によって求めた)である。様々な流量で得られた孔隙率の平均値は、モノリスの全孔隙率と見なすことができる。] [0046] 多孔質媒体の透過性は、圧力低下を生じさせることによって生み出される流体伝達能力の尺度である。溶媒粘度およびカラム孔隙率と結びついているDarcyの法則により、比透過性K0の定義が導かれ、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムの実施態様の比透過性は、式IIIを用いて計算できる: 式中、u(m/s)は溶離剤の線速度であり、η(Pa・s)は溶離剤の動的粘度であり、Lは有効カラム長(m)であり、Δpは圧力低下(Pa)である。] [0047] 別の態様を以下に実施例で示すが、それは、本開示の範囲に制限を加えるものとは決して解釈されるべきではない。それどころか、その中の説明を読んだ後、本開示の範囲および添付の特許請求の範囲から逸脱しない範囲で当業者に思い浮かびうる、それらの実施例の他の様々な態様、変更形態、および同等形態を用いることができることをはっきり理解すべきである。] [0048] 以下の実施例は、CECおよびHPLC用に調製および使用される界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムの実施態様について説明している。界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムは、次の目的で使用した:(a)実施例1においては、CECによる小さな無極性分子(例えば、アルキルベンゼンおよびアルキルフェニルケトン)および小さな極性分子(例えば、極性殺虫剤)の分離、(b)実施例2においては、マイクロHPLCによる大きな分子(例えば、タンパク質およびタンパク質消化物)の分離(これは、勾配溶出が必要であり、アイソクラチックCECまたはミセル動電クロマトグラフィー(MEKC)で分解するのが難しい);および(c)強力な発色団が欠如している化合物の検出能の向上。選択性および感受性の向上した形で分子および構造に関する情報得るために、CEC−MSおよび大気圧光イオン化を殺虫剤の分離に使用した。] [0049] 界面活性剤をベースとしたモノリスの物理特性およびクロマトグラフィー特性の実験計画およびモデリングも、重合混合物の組成物に関して、これらの実施例で行った。モノリシックカラムの実験計画は、一度に1つの因子を変化させ、残りのものを一定に保つようにして行われることが多い(すなわち、一変量アプローチを使用)。残念ながら、複数因子の相互作用が関係している場合、一変量アプローチはうまくゆかない。したがって、一変量アプローチは大域解析を保証するものとはならない。多変量実験計画は有用な道具であり、これは、モノリシックカラム調製における実験因子を特定するのにより効率的な方法である。] [0050] 重合混合物中のモノマー、架橋剤およびポロゲンの各濃度は、モノリスのクロマトグラフィー性能(例えば、分解度、効率および分析時間)に影響を及ぼすものであるが、それらはD最適実験計画によって体系的に評価された。その後、重合モデルの妥当性を予測条件での実験によって確認した。モノリスの物理的性質(形態、孔隙率、透過性、および機械的安定性など)も様々な分析技術を用いて評価した。] [0051] 実施例1:CECおよびCEC−MSでの溶質のアルキルベンゼン/アルキルフェニルケトン 薬品および標準品。界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムを作り出すのに用いた試薬には、EDMA、1−プロパノール、AIBN、および11−アミノウンデカン酸(すべて、Aldrich(Milwaukee,WI,USA)からのもの);γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、塩化アクリロイルおよびN−メチルカルバミン酸(NMC)標準品、アルキルベンゼン(AB。メチル基〜ブチル基の範囲の側鎖を有するもの)およびアルキルフェニルケトン(APK。メチル基〜オクチル基の範囲の側鎖を有するもの)(これらはすべてSigma(St.Louis,MO,USA)からのものである)が含まれていた。1,4−ブタンジオールおよびメタクリル酸ブチルはFluka(Buchs,Switzerland)から購入した。] [0052] EDMAを除いて、試薬はすべて受け取ったままの状態で使用した。EDMAは、使用前に以下の手順によって真空下で蒸留によって精製した: 50mLのEDMAを最初に、30mLの真空漏斗を用いて2cmのAl2O3層によって濾過した。その後、濾過したEDMAを真空下で蒸留した。蒸留が始まったとき、装置を通ってきたEDMAの最初の数滴は捨てた。元の丸底フラスコ中に残る未蒸留のEDMAがおよそ5mLだけになるまで、蒸留が行われるようにした。] [0053] 11−アクリルアミドウンデカン酸(AAUA)の合成。AAUAの合成は、スキーム1に示すようにして実施した。最初に、エタノール水溶液(250mlの無水エタノール/35mlの蒸留水)を用いて10gの11−アミノウンデカン酸を溶かした。この溶液に6gのNaOHをゆっくり加えて、透明な溶液を得た。次に、6mlの塩化アクリロイルを滴加し、反応混合物は、磁気撹拌子(magnetic stir bar)を用いて約7の速度において10℃のすぐ下でおよそ3時間攪拌し、その後濾過した。濾過液を1M塩酸で酸性にし、3回脱イオン化した水で洗浄した。濾過液中に形成された白色の沈殿物を濾過で回収した。粗生成物を水性エタノールから再結晶させ、濾過し、凍結乾燥で乾燥させた。AAUAの純度を、エレクトロスプレイイオン化質量分析(ESI−MS)、H1NMRおよび元素分析で調べた。] [0054] モノリシックカラムの調製。固定相の調製では、メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピルによって毛細管の内壁をビニル化した。その後、AAUA、EDMA、1−プロパノール、1,4−ブタンジオール、水、およびAIBNを、超音波によって混合して均一な溶液にし、窒素で10分間洗浄した。長さが45cmのシラン化処理毛細管に、35cmの長さまで重合混合物を満たし、ゴムの隔壁で密閉し、次いでガスクロマトグラフィー(GC)オーブン中に入れて20時間にわたり60℃で重合させた。重合の反応スキームをスキーム1に示す。実験計画の各カラムは、2つずつ作成した。混合物が重合した後、HPLCポンプを用いてモノリシックカラムをメタノールで12時間洗浄して、未反応のモノマーおよびポロゲンを除去した。加熱電線ストリッパー(thermal wire stripper)を用いて、ポリマー床の横にオンカラム検出窓(on-column detection window)を作った。最後に、カラムを切断して45cm(有効長さは30cm)にした。] [0055] 形態。細孔径および表面積の測定。モノリスの顕微鏡的形態は、Hitachi X-650(Hitachi,Japan)SEM装置(7.5kVおよびフィラメント電流40mA)を用いて、走査型電子顕微鏡で評価した。モノリシックカラム試料を割って、2mmの長さに切断し、両面カーボンテープを使用してアルミニウムスタブ上に配置した。その後、帯電を防止するために、SPI Sputter(SPI Supplies Division of Structure Probe,West Chester,PA,USA)(1分間、30mA)を用いて、それらを金/パラジウム合金によるスパッタコーティングを行った。] [0056] 細孔径分布データは、AutoPore IV 9500水銀圧入ポロシメトリー(MIP,Micromeritics Instrument Corporation,GA,USA)によって得た。表面積データは、Micromeritics TriStar 3000(Micromeritics Instrument Corporation,GA,USA)で実施した窒素吸着測定によって得た。細孔径分布および表面積を測定するための試験体を、同じ重合条件下で同じ混合物を用いて同時にガラスバイアル中で調製した。重合が完了したなら、モノリスのソックスレー抽出をメタノールで24時間実施した。70℃で24時間、真空下でモノリスを乾燥させた後、窒素吸着および水銀圧入ポロシメトリーの実験を行った。] [0057] CECの器械。電気クロマトグラフィーの実験はすべて、オートサンプラー、ダイオードアレー検出器、0〜30kVの高圧電源ならびにシステム制御およびデータ取得用のChemstationソフトウェア(V9.0)を備えた、Agilent CEシステム(Agilent Technologies,Palo Alto,CA)を用いて実施した。モノリシックカラムの洗浄および種々の移動相による平衡化には、Series IIIHPLCポンプ(Lab Alliance,State College,PA,USA)を使用した。溶融シリカ毛細管(OD375μm、ID 100μm)は、Polymicro Technologies Inc.(Phoenix,AZ,USA)から入手した。] [0058] CECの条件。CECに用いた分離電圧は+25kVであり、分離の間、12バールの圧力を両端に加えた。移動相は、60%(v/v)のACNと40%(v/v)の5mmol/Lリン酸緩衝液(pH=7.0)とから構成されていた。使用する前に、移動相を0.2μmの膜に通して濾過した。試料を+5kVで3秒間注入し、カラム温度を25℃に維持した。UV検出波長は214nmに設定した。] [0059] 計算。分解度(Rs)および効率(N)は、chemstationソフトウェア(Agilent Technologies,Palo Alto CA)で計算した。式Iを用いてEOF速度(ueof)を計算した。] [0060] 毛細管中に調製したモノリスの孔隙率はフロー法で調べた。簡単に言うと、移動相の線速度は、不活性トレーサー(チオ尿素)で測定し、容積流量も測定した。その後、知られている空の管の寸法を用いて、式IIで全孔隙率εTを計算した。種々の流量で得られた孔隙率の平均値をモノリスの全孔隙率と見なした。透過性は、式IIIを用いて計算した。] [0061] 実験計画。Design−Expert(バージョン7.0.3,Stat-Ease,Inc.Minneapolis,MN)を用いて、データ処理(統計計算)のための実験計画を作り出し、等値線図を作り出した。実験計画変数は次の5つの因子を含む。A:架橋剤の濃度(EDMAの%)、B:モノマーの濃度(AAUAの%)、C:1−プロパノールの濃度(1−プロパノールの%)、D:1,4−ブタンジオールの濃度(1,4−ブタンジオールの%)およびE:水の濃度(水の%)。] [0062] 重合混合物中のAAUAの%、EDMAの%、1−プロパノールの%、1,4−ブタンジオールの%および水の%は、予備試験に基づいて設定した。重合混合物中のEDMAの%は、18.5%〜21.3%の範囲に設定した。EDMAの%が18.5%未満であるとき、生み出されるモノリスは機械的安定性が小さくなることが見出された。その一方で、EDMAの%が21.3%より大きいと、モノリスの透過性効果が小さくなった。AAUAの%が7.0%より大きいと、不均一な重合混合物になった。それゆえに、上限としてAAUAの%として7.0%を設定した。AAUAの%が1.8%未満である場合、モノリシックカラムはCEC分離での性能が低下すること示した。1−プロパノールの%の範囲は60.0%〜74.0%であった。1,4−ブタンジオールの場合、12.0%より高いと、不均一なモノリスマトリックスとなった。それゆえに、1,4−ブタンジオールの%は0%〜12%に設定した。水分に関しては、水の%が2.0%より低いと、CEC分離での分解度が低下した。しかし、水の%が12.0%より高いと、不均一な重合混合物となった。5つの成分の総濃度は99.5%に維持し、開始剤(AIBN)を0.5%に固定した。因子の上限および下限を表1に要約してある。] [0063] こうした限度により、直交性が得られない不規則な実験領域が生み出された。この実施例では、重合混合物の組成物をそうした制限条件に従わせ、この論理的根拠に基づいて上述の実験計画を用いた。なぜなら、それは、因子の幾つかを制限範囲で変化させることしかできない実験にとって適切だったからである。] [0064] 2つのレベルで5つの設計変数を詳しく調べた。その結果、25の実験から構成される最終実験行列が得られた。分子量の小さい溶質の2種類の同族列(5種類のABおよび7種類のAPK)をモデル試験分析物として用いた。これら2種類の同族列分析物の平均分解度(Rs(avg))、分析時間(Rt。ABおよびAPKの最後の同族体の保持時間として測定)および平均効率(Navg)を、応答として使用した。実際の実験から得られたデータをすべてDesign-Expertソフトウェアに入力した。その後、データを、F−検定および不適合度検定に基づいて選択した線形モデルにあてはめた。観察された影響は、分散分析(ANOVA)を用いて検定した。界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムの特性に影響を与える因子間の相互作用を示すため、二次元等値線図をソフトウェアで作成した。最後に、Design-Expertソフトウェアで利用可能なDerringerのディザイラビリティ関数のオプションを用いて、すべての変数の組み合わせの特に望ましい実施態様を見つけた。] [0065] 結果および考察。簡単に言えば、実験計画は、電気クロマトグラフィーのパラメーターが、重合混合物中のAAUAモノマーおよび水ポロゲンの濃度に強く依存することを示している。効率、分解度、および保持時間に関して、予測値と実験値との間の相対標準偏差(RSD)の差がそれぞれ6%、8%および13%であったことは、提案されたアプローチが実際的であることを確証した。モノリシックカラム3を用いて、5種類のABをおよそ15分間で完全に分離することができ、6種類のAPKを19分たたない間に分離することができた。クロマトグラフィーの結果は、モノリシックカラムの特に望ましい実施態様によって、アルキルベンゼン(AB)およびアルキルフェニルケトン(APK)の同族体の分離を108,000段数/mまでの効率で行うことができたことを示す。したがって、このタイプの混合モード界面活性剤(帯電可能部位と疎水性部位の両方を含む)をCEC固定相として使用できることが示された。] [0066] 電気クロマトグラフィー特性への重合混合物の組成の影響。表2は、25の実験の実験計画および応答を示す。] [0067] ] [0068] Rs(avg)の範囲は、ABの場合0〜2.6であり、APKの場合0〜3.5であるが、Navgは、ABの場合3,000〜108,000の範囲であり、APKの場合3,200〜98,100の範囲であった。加えて、Rtは、ABおよびAPKのそれぞれについて、それぞれ1.0分および0.8分という短いものと、18.8分および22.6分という長いものがあった。図1は、実験計画の実験で得られた、ABおよびAPKの同族列についての代表的な電気クロマトグラムうちの3つ[すなわち、それぞれカラム(すなわち、実験)1、カラム3およびカラム7(表2を参照)]を示す。要約すると、条件は以下のとおりであった:移動相、5mMリン酸緩衝液中に60%(v/v)ACN(pH7.0);印加電圧+25kV;検出、214nm;試料濃度、0.8mg/ml;動電注入(electrokinetic injection)、5kV、3秒間;AB(A)の場合:ピーク1、チオ尿素;ピーク2、ベンゼン;ピーク3、トルエン;ピーク4、エチルベンゼン;ピーク5、プロピルベンゼン;ピーク6、ブチルベンゼン;APK(B)の場合:ピーク1、チオ尿素;ピーク2、アセトフェノン;ピーク3、プロピオフェノン;ピーク4、ブチロフェノン;ピーク5、バレロフェノン;ピーク6、ヘプタノフェノン;ピーク7、オクタノフェノン。] 図1 [0069] カラム7は、同族ABまたはAPKの分離がほとんどまったく行われなかったので、全実験の中であまり望ましくない結果の1つに相当する。しかし、カラム3およびカラム1は、同族試験混合物の同じ2つの種類に関してより、望ましい分離の1つを示した。この傾向は、重合混合物の組成が、得られたモノリスのクロマトグラフィー性能に影響を及ぼすことを示していた。] [0070] 応答パラメーターのそれぞれについてモデルを開発した。得られたモデルは、因子係数を直接比較することによって各因子の相対的影響を特定するのに役立つ数学的方程式だった。線形回帰モデルでは、あてはめた式は以下の形であった。 y=β0+β1A+β2B+β3C+β4D+β5E 式IV 式中、yは予測応答であり;β0は切片であり;β1、β2、β3、β4、β5はそれぞれ、5つの因子(A、B、C、D、およびE)の係数である。正の相互作用係数は、対応する因子が応答に正比例することを示した。一方、負の相互作用係数は、因子が応答と逆比例する、すなわち、因子が大きくなるほど、応答が小さくなることを意味した。] [0071] 計算された経験的モデルはANOVAで評価したが、モデルの有効性はモデルの不適合度を検定することによって確かめた。全モデルのANOVAデータ(平方和、平均平方、F値、およびProb>F値を含む)を表3に列挙する。Navgの場合、最大応答と最小応答との比が10より大きかったので(ABの場合は36、APKの場合は49)、ANOVAを有効にするために変換が必要であった。この例では、底が10のLogがソフトウェアで推奨されていた。それぞれの応答(すなわち、Rs(avg)、RtおよびLog10Navg)について、モデルおよび残留誤差の平方和を最初に計算した。次に、平方和を自由度で除算することによって平均平方を得た。加えて、2つの試料の分散を比較するのに用いられたF値は、モデルの平均平方を残差平均平方で除算することによって計算した。Prob>Fは、F値に関連した確率値である。一般に、0.05未満のProb>F値を有する項は、顕著な影響と見なされるであろうが、0.10より大きいProb>F値は一般に有意ではないと見なされた。さらに、剰余の一部である不適合度値も、モデルの有効性を評価するために報告した。] [0072] 表3に列挙してあるデータは、ABおよびAPKの応答(Rs(avg)、RtおよびLog10Navg)のモデルはすべて注目すべきである(Prob>F値が0.05未満である)ことを明らかにした。加えて、不適合度値は有意ではないという点が注目されたが、これは全モデルがぴったりあてはまることを明らかにしている。例えば、ABのRs(avg)は、「不適合のF値」が7.15であることを示したが、これは不適合度が純粋な誤差に対して有意ではないことを暗示した。この大きさの「不適合のF値」がノイズのせいで起こる確率は6.6%あった。有意でない不適合度は、モデルがぴったりあてはまることを意味する。] [0073] ] [0074] モデルの適合性をさらに調査するために、モデルのR2(重相関係数)、調節R2、予測R2および十分な精度値も評価し、表4に示した。] [0075] ] [0076] [0001]良好な統計モデルであるためには、R2値が1.0に近く、調節R2と予測R2との差が0.2よりも小さくなっているべきである。全モデルについて、それら3つの値がすべて許容範囲内に入っていた。表4は「十分な精度値」も列挙している。この値は、信号対ノイズ比の指標であり、値が4より大きい場合、モデルがぴったりあてはまることを示唆する。モデルの「十分な精度値」は11〜16の範囲であった。これは、設計空間を移動するのにモデルを使用できることを示した。] [0077] [0002]図2および3は、AB(Al〜Cl)およびAPK(A2〜C2)の3つの応答の回帰係数プロットを示す。A1:平均分解度(Rs(avg)); B1:平均段数(Navg); Cl:分析時間(Rt); A2:平均分解度(Rs(avg)); B2:平均段数(Navg); C2:分析時間(Rt)。95%信頼区間は、係数の上のエラーバーとして表した。係数がその区間よりも小さかった場合、それは係数がゼロと著しく違わないことを示していた。その結果、対応する因子は有意ではないと見なされた。] 図2 [0078] [0003]AB(A1)およびAPK(A2)の両方のRs(avg)の回帰係数を評価した。少なくとも2つの変数(B:AAUAの%、E:水の%)が、ABとAPKの両方のRs(avg)値に影響を及ぼした。バーの絶対高さから判断すると、AAUAの%がRs(avg)に対して最も影響を及ぼすと思われた。これは、AAUAの%が増大すると、固定相の相互作用部位が増えることになり、したがって分析物の分解度が高くなることを示唆した。しかし、架橋剤EDMAの濃度は、95%係数が係数区間よりも小さかったので、分解度に著しい影響を及ぼさなかった。したがって、調査範囲においてはEDMAの架橋能力に大きな変化はなかった。水の%は、影響を及ぼし、両方の種類の分析物のRs(avg)に正比例することが見出された。その一方で、1−プロパノールの%は、分解度に対して反比例の影響をもたらす。ポロゲン組成物のこの傾向は、水の濃度が高くなり、1−プロパノールの濃度が低くなると、重合溶液の極性が大きくなることを示していた。したがって、重合溶液中での相分離の開始がもっと早く起こり、形成されるクラスターが小さくなり、マクロ細孔も小さくなることになった。それゆえに、表面積が大きくなり、分解度が高くなった。] [0079] [0004]図2および3のBlおよびB2はそれぞれ、ABおよびAPKの応答パラメーターRtに関連したモデル係数をそれぞれ示す。明らかに、AAUAの%および水の%は両方ともRtに対して正比例的に影響を及ぼした。理論に縛られるわけではないが、AAUAの%を増大させることにより、モノリスの表面にC11炭化水素鎖の大きな集団が存在することになると考えられる。それゆえに、分析物と固定相との間の疎水性相互作用が強力になり、クロマトグラフィー保持能が強くなるであろう。前述のように、水の%が増大するにつれ、重合溶液の極性は大きくなり、マクロ細孔は小さくなるであろう。それゆえに、存在する細孔が小さくなることにより、溶離剤の流れが減少し、その結果として分析速度も減少するであろう。] 図2 [0080] [0005]Rs(avg)およびRt加えて、ABおよびAPKのLog10Navgも調査した。図2および3のC1およびC2にそれぞれ示されているように、5つの因子はすべて分離効率に対して正比例的に影響を及ぼす。しかし、Log10Navgは、モノマーAAUAおよびポロゲン(水および1,4−ブタンジオール)の濃度が増大するにつれて、もっと増大した。しかし、水の%は、1,4−ブタンジオールの%よりもLog10Navgに対してもっと大きな影響を及ぼした。理論に縛られるわけではないが、Navgは保持時間およびピーク幅に左右される。保持時間の増大およびピーク幅の減少により、理論段数が増大することになる。前述のように、AAUAの%および水の%はRtに対して正比例的に影響を及ぼすので、これら2つの因子はLog10Navgにも影響を及ぼすことは道理にあったことであった。1,4−ブタンジオールの%が増大するにつれて、重合溶液の極性が大きくなる。その結果として、重合混合物の可溶性は減少し、それによって相分離が早められる。このようにして、より小さいクラスターが得られる。それゆえに、1,4−ブタンジオールの%は、分離効率に対して正比例的に影響を及ぼした。] 図2 [0081] 計算されたモデルに基づく等値線図は、予測応答についての直接的な情報を提供する。これは、考慮される応答の同じ予測値を持つ等値線(等応答線(isoresponse lines)とも呼ばれる)が因子についての洞察を与えるからである。上に示し論じたように、ABとAPKは共に似たような傾向を示すので、ABだけの二次元(2−D)プロットを示す。図4(A〜C)はそれぞれ、Rs(avg)、RtおよびLog10Navgの2−D等値線図を示す。それぞれの応答について、より大きな影響を及ぼす3つの因子を、X1軸、X2軸およびX3軸に設定し、他の2つの因子は固定した。Rs(avg)の場合、AAUAの%、水の%および1−プロパノールの%が、より大きな影響を及ぼす3つの因子なので、B、EおよびCで示された角のこれら3つの因子を3つのX軸として設定したが、他の2つの因子(EDMAの%および1−プロパノールの%)は固定した。一方、RtおよびLog10Navgの場合、AAUAの%、水の%および1,4−ブタンジオールの%を3つのX軸として設定した。図のそれぞれの角は、各因子の上限を表すポイントに相当し、角の反対側の辺は対応する因子の下限を表す。例えば、図4(A)では、Bで示されている角は、AAUAの%に関して定義された上限を表し、このポイントから離れると、AAUAの%は減少する。因子の制約(表1に示されている)は図の領域を画定した。これにより、混合物設計によって扱われない幾つかの複雑な領域がもたらされる。2−D等値線図から、水の%の増大につれ、1−プロパノールの%の減少、AAUAの%の増大、分解度の増大をもたらすことができることが示された。加えて、AAUAの%および水の%が増大し、1,4−ブタンジオールの%が減少するにつれて、RtおよびLog10Navgも増大することになる。] 図4 [0082] Rs(avg)およびNavgが最高であり、Rtが最も短い、ABおよびAPKの分離用の重合混合物の組成。図4に示す等値線図からは、Rs(avg)およびNavgを最高にするために必要な重合条件は、Rtを最も短くするのに必要な値と相いれないように見える。この問題に対処する1つの方法は、Derringerのディザイラビリティ関数D(X)を適用することであった。この関数により、式Vに示される形のすべての変換応答の相乗平均が計算される。 式中、diは、注目している応答(この実施例では、ABおよびAPKのRs(avg)、RtおよびNavg)であり、nは混合物設計中の応答の数(この実施例では、6個)である。Dは、0(最も望ましくない)〜1(最も望ましい)の範囲のディザイラビリティ(desirability)である。Design Expertソフトウェアを使用して、与えられた判定基準に基づいて、Rs(avg)またはNavgとABおよびAPKのRtとの間の釣り合いを取ることが可能であった。] 図4 [0083] 目標の特性は、種々の応答の重みを与えることによって変えることができる。ディザイラビリティ目標関数D(X)では、他の応答を基準にして、各応答に相対的な重みを割り当てることができる。重み値(ri)は、最小の重み(値1)からもっと大きい重み(値5)まで様々である。様々な重みの度合いを種々の応答に割り当てる場合、目標関数は式VIで示される:] [0084] すべての応答に重みを等しく付けると、同時目標関数(simultaneous objective function)はディザイラビリティの標準形に縮小する。] [0085] この実施例では、応答に関して種々の重みを設定した。例えば、分析時間と分解度または効率との兼ね合いを最適化するために、表5から分かるように、Rtについては重み値3を設定したが、Rs(arv)およびNavgについては重み値が5であった。求められた要求は、以下の溶液によって満たした:18.5%のEDMA、7.0%のAAUA、60.0%の1−プロパノール、2.0%の1,4−ブタンジオールおよび12%の水(これは、カラム3に相当した)。] [0086] ] [0087] この実験計画アプローチの実行可能性を評価するために、予測値(モデルからのもの)と実験値との差を、特に望ましいカラム(カラム3など)で比較した。結果を表6に列挙してある。表6は、ABおよびAPKのRs(avg)がそれぞれ2.6および3.3であることを示しており、それらは、予測値とは8%および3%異なっていた。Rtはそれぞれ15.4分間および18.9分間であり、それらは予測値とは16%および13%異なっていた。効率値も予測値と非常に近かった(RSD6%)。実験値と予測値との間の差はすべて許容範囲内であるので、この混合物の実験計画およびモデリングは有効でありうまくゆくことが証明された。] [0088] ] [0089] モノリシックカラムの形態。モノリスの形態は、ポリマーモノリシックカラムの分離能力に影響を及ぼす因子の1つである。高い効率を得るためには、ポリマー床の均一性および剛性が必要である。SEM顕微鏡写真によると、カラム1およびカラム3で形成されたポリ(AAUA−co−EDMA)モノリスの形態は非常に似ていたが、カラム7とはかなり異なっていた。カラム7は、溶出が非常に速い(1.9分以内)が、分解が行われず、最大のクラスターおよび大きな貫通細孔(through-pores)を有していた。一方、カラム1は密度の高い微小球およびいっそう小さな貫通細孔を含んでおり、その結果として表面積が大きくなっていた。カラム3は、さらに少し密度が高い形態の、しっかり結合した微小球から構成されていた。顕微鏡写真によると、モノマーAAUAのパーセンテージを高くし、それと共にポロゲン中の水の含有量を比較的高くすると、小さな微小球を有する密度の高いモノリスの形成に有利に働くように思われた。それゆえに、モノマーおよびポロゲン溶媒の両方の組成は、ポリ(AAUA−EDMA)モノリスの形態を制御するのに架橋剤の%よりもさらに効果があると思われた。] [0090] モノリシックカラムの孔隙率。モノリシックカラムを特徴付ける点で主な問題の1つとなるのは、孔隙率データの一貫性である。この問題を扱うために、調製したモノリスの孔隙率は水銀圧入ポロシメトリー(MIP)で調べた。水銀圧入ポロシメトリーは、液流条件での湿潤方法と対照をなす乾燥方法である。最初に、毛細管中で調製したモノリスの孔隙率をフロー法で調べた。移動相の線速度は、不活性デッドボリュームトレーサー(inert dead volume tracer)(チオ尿素)で測定し、容積流量も測定した。次に、知られている空の管の寸法を用いて、式IIで全孔隙率εTを計算した。表7に示すように、調べたモノリス(1、3および7)の全孔隙率はそれぞれ、66.5%、74.5%および90.6%であった。] [0091] ] [0092] モノリシックカラムを調製したとき、ガラスバイアル中で同じ条件下において同じ混合物を用いて同時重合も行った。窒素吸着およびMIPの実験を実施して、乾燥状態のバルクモノリスの細孔径分布、表面積および全孔隙率を試験した。MIPで試験したεT値の傾向(表7に示されている)は以下の順序で増大している:モノリス1<モノリス3<モノリス7(これは、フロー法と十分に相関していた)。しかし、MIPで求めたεT値は、フロー法で計算された値よりも少しだけ小さくなっていた。前者の方法で得られたこうした低い値は、試料の状態(湿潤と乾燥)の相違が原因である可能性がある。加えて、重合容器の違い(フロー法の試料は毛細管カラム中で重合させたが、MIPの試料はガラスバイアル中で重合させた)が、εTに影響を与えた可能性もある。] [0093] 図5は、3種類のモノリシックカラム(カラム1は分解度の高いカラムであり、カラム3、カラム7は、分解度の低いカラムである)の細孔径分布を示している。3種類の代表的なモノリスの細孔径分布は、図5において1つの鋭い最大を示している。各分析物を、0.05mg/mLの濃度(35%ACN/H2Oで調製)で注入した。示されているように、モノリス1およびモノリス3の固有の細孔径は、モノリス7(10μm)と比べてかなり小さかった(それぞれ0.3μmおよび1〜2μm)。細孔径分布に加えて、モノリスの幾つかの他のパラメーター(累積細孔容積(V)、平均細孔直径(d)、バルク密度(ρ)および表面積(r)など)も求めた。それらを表8に要約してある。予想されるように、ポリ(AAUA−co−EDMA)のカラム1およびカラム3は、同じようなdおよびrを示した。例えば、CECの分解度および保持が最低となっているモノリシックカラム7と比べて、これら2つのモノリシックカラムの細孔直径はかなり小さく、表面積はかなり大きくなっていた。さらに、カラム1で得られた最低のV値およびρ値は、MIP方法およびフロー法の両方を用いて得られた最低のεT値と十分に一致していた。] 図5 [0094] ] [0095] 透過性および機械的安定性。様々な流量でのカラムにおける圧力低下を測定するのにACNを使用したが、これは、カラムの機械的安定性および透過性を表すのにも使用できた。3種類のモノリシックカラム(1、3および7)では、比透過性K0はそれぞれ1.11×10−14m2、2.88×10−14m2および2.23×10−12m2であった(表8)。モノリシックカラムは、予想外に高い透過性値を有しており、その値は3μm粒子充填毛細管カラムより少なくとも2桁大きい。この透過性は、主にモノリスの大きな全孔隙率によるものであり、これにより、液体は低圧下においてカラム中を流れることが可能になる。モノリシックカラム1、3および7に関して、加えた圧力に対してACNの容積流量をプロットしたものを図6に示す。各測定カラムに関して、溶媒の流量に対する逆圧の依存性は、直線であり、相関係数Rが0.999よりも良い。このことは、モノリスの透過性および機械的安定性が両方とも良好であることを示した。] 図6 [0096] モノリシックカラムの電気クロマトグラフィーの保持能および効率に対するアセトニトリルの影響。同族のABおよびAPKを用いて、カラム3に関して電気クロマトグラフィーの保持および効率を試験した。ABおよびAPK同族体のクロマトグラフィー保持能力に対するACNの濃度の影響を、50〜80%(v/v)の範囲で調べた。移動相中のACNの濃度(v/v)に対するABおよびAPKのlog k’の線形従属性プロットを図7に示す。AAUA−EDMAモノリシックカラム3により広範囲のACN組成で逆相分離メカニズムが提供されることが、十分な直線性により確証された。予想されるように、アセトニトリルの濃度が等しい場合、もっと極性のあるAPK同族体は対応するABよりも下にとどまる。それにも関わらず、両方の同族系列で、移動相中に70%(v/v)のアセトニトリル組成の場合に、分析時間に対して分解度および効率の折り合いが最善のものとなることが見出された。] 図7 [0097] 3つのモノリシックカラムのピーク効率も評価した。異なる電圧下での分離性能を調査するために、印加電圧を2〜30kVまで変化させて、段高さを移動相の線速度に対して測定した。図8にある調査したカラムについてのVanDeemterプロットは、同族ABおよびAPKならびにチオ尿素の平均段高さが、カラム3のEOFおよび印加電圧に依存することを示している。段高さはABおよびAPK同族系列からとった平均である。チオ尿素の場合、印加電圧が増大するにつれて、線形流量(linear flow rate)が増大し、段高さが最初に鋭く減少している。しかし、15kVより高い電圧では、段高さはほぼ一定に保たれた。予想されるように、ABおよびAPKの場合、同じ電圧では、効率がチオ尿素より少し低かった。高流速でABおよびAPKに関して得られたVan Deemter曲線の双曲線形状および最低のHは、他のタイプのモノリシック相の文献で報告されたものと似ていた。平均すると、実験の速度範囲では、ABおよびAPKについての段高さはそれぞれおよそ39μmおよび27μmであった。] 図8 [0098] 再現性。カラム製造の再現性は、(a)バッチ内(カラム間)および(b)バッチ間(バッチとバッチの間)で評価した。モノリシックカラムの3つの別個のバッチを調製し、合計9個のカラムとなるよう、それぞれのバッチについて3つのカラムを作成した。3つのバッチそれぞれについて重合混合物を調製した。ABおよびAPKの保持時間は、製造方法の再現性を評価するために選択した。表9に示されているデータから、保持時間のRSD値が3%未満であることが分かる。保持時間のバッチ内精度は0.98〜2.14の範囲であったが、保持時間のバッチ間精度(3つのバッチの平均として計算)は0.79〜2.75の範囲であった。これらのデータは、モノリスの調製が再現性のあるものであったことを示唆している。] [0099] ] [0100] 図9は、モノリシックカラム3で得られたN−メチルカルバミン酸類(NMC)殺虫剤のCEC−MSを示す。条件:モノリシックカラム、全長60cm(有効長40cm)×l00μmID;移動相、5mM酢酸アンモニウム、pH6.5(35%(v/v)ACNで);印加電圧、+30kV; 12バールの入口圧力;動電注入、+10kV(5秒間)。APPIパラメーター:SIMモード;フラグメント電圧(fragment voltage)、60v;噴霧器の圧力、5psi;乾燥ガス流量、2L/分;乾燥ガス温度、100℃;蒸発器の温度250℃;毛細管電圧、2500v。被覆液(Sheath liquid)、5mM酢酸アンモニウム、2%(v/v)アセトン−50/50(v/v)MeOH/H2O; 被覆液の流量20μL/分。分析物:1、オキサミ(oxamy); 2、メトミル; 3、アルジカルブ; 4、プリミカルブ(primicarb); 5、プロポクスル; 6、ベンジオカルブ; 7、イソプロカルブ; 8、カルバリル; 9、メチオカルブ。] 図9 [0101] 結論。界面活性剤をベースとしたポリ(AAUA−co−EDMA)モノリスは、(AAUAモノマーを合成した後)1段階重合で調製した。重合混合物の評価(架橋剤、モノマーおよびポロゲンの濃度)は、混合物の実験計画を用いて行った。モノリス形成に一番影響を及ぼす調査された2つの因子は、モノマー(AAUA)および水の濃度である。ディザイラビリティ関数から予測された重合条件を試験した。実験データは、予測結果と非常にぴったり一致、ないし最高に一致していた。結果は、この実験計画方法が望ましい重合条件を得るための非常に見込みのあるアプローチであり、モノリシック固定相をうまく形成させることができることを示していた。加えて、カラムは、典型的なポリマーベースモノリス形態、優れた透過性および良好な機械的安定性をもたらした。さらに、カラム製造のバッチ間およびバッチ内再現性は、実用上十分なものだった。] [0102] 実施例2:HPLCの場合のタンパク質溶質 薬品および標準品。実施例1で用いた界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムの実施態様の形成用の材料および方法を、実施例2でも使用した。加えて、リボヌクレアーゼA、シトクロムcおよびミオグロビンをSigma(St. Louis, MO, USA)から購入し、受け取った状態のまま使用した。] [0103] キャピラリーHPLCの器械。HPLCクロマトグラフィーの実験を、Data Module UV−可視検出装置(波長の連続調節可能)およびChrom Perfect(登録商標)(バージョン5.1,Justice Laboratory Software,New Jersey)ソフトウェアを備えたUltra−Plus & Ultra−Plus II Micro LCシステム(Micro−Tech Scientific,Sunnyvale,CA,USA)で実施した。モノリシックカラムの洗浄および平衡化に、Series III HPLCポンプ(Lab Alliance,State College,PA,USA)を用いた。] [0104] HPLCクロマトグラフィー条件。キャピラリーHPLCでのタンパク質分離に勾配溶出を用いた。移動相Aは98%のACNと0.1%のTFAを含んでおり、移動相Bは2%のACNと0.1%のTFAを含んでいた。直線勾配プログラムは、0分で16%のA、0.5分で40%のAであった。紫外線(UV)検出を214nmで実施した。] [0105] タンパク質のトリプシン消化物。ミオグロビンを50mM重炭酸アンモニウム中に溶かして、濃度を1mg/mLにした。トリプシンを基質と酵素との比が100:1となるように添加し、その後、溶液を一晩37℃で保温した。その後、消化物を真空乾燥し、水で戻したが、分析前に更なる清浄化工程は行わなかった。] [0106] 計算。分解度(Rs)および効率(N)は、Chrom Perfect(登録商標)ソフトウェアで計算した。] [0107] 実験計画。Design-Expert(バージョン7.0.3,Stat−Ease.Inc.Minneapolis,MN)を用いて、D最適実験計画と等値線図を作り出し、データ処理(統計計算)を行った。実験計画変数には、実施例1の実験計画と同じ5つの因子(同じ上限と下限を持つ)が含まれる。3種類のタンパク質(リボヌクレアーゼA、シトクロムcおよびミオグロビン)をモデル試験分析物として使用した。平均分解度(RS(avg))、分析時間(Rt。最後のタンパク質であるミオグロビンの保持時間として測定)および平均効率(Navg)を応答として使用した。実際の実験から得られたデータはすべて、Design-Expertソフトウェアに入力した。そのデータを、F−検定および不適合度検定に基づいて選択された線形モデルにあてはめた。ANOVAを用いて、観察された影響の有意性検定を行った。ソフトウェアによって2−D等値線図を作成して、因子間の相互作用を示した。最後に、Design-Expertソフトウェアで利用可能なディザイラビリティ関数を用いて、すべての変数の組み合わせの特に望ましい実施態様を見つけた。] [0108] 結果および考察。表10は、25の実験の実験計画および応答を示す。] [0109] ] [0110] Rs(avg)の範囲は0.9〜12.8であることが見出されたが、Navgは1600〜502,000の範囲であった。さらに、Rtはたった1.9分のものと、36.0分という長いものがあった。図10は、実験計画の実験から得られた、タンパク質に関する代表的なクロマトグラムのうちの2つ(すなわちカラム3およびカラム7)をそれぞれ示している。条件:移動相A、0.01%TFA/ACN、移動相B、2%ACN、0.01%TFA/水; 直線勾配プログラム、0分で16%のA、0.5分で40%のA;注入サイズ、0.6s;合計流量、100μL/分; 検出、214nm。ピーク1、リボヌクレアーゼA; ピーク2、シトクロムc;ピーク3、ミオグロビン。各分析物は、0.3mg/mL(水中)の濃度のものを注入した。カラム7(a)は、全実験の中で最速分離の1つに相当した。しかし、カラム3(b)は、3種類のタンパク質に関して分解度が最高である分離の1つであることを示した。この傾向は、重合混合物の組成が、得られたモノリスのクロマトグラフィー性能に影響することを示した。] 図10 [0111] 混合物の二次モデルを、応答パラメーターのそれぞれについて開発した。得られたモデルは、因子係数を直接比較することによって因子の相対的影響を特定するのに役立つ数学的方程式だった。混合物の二次モデルでは、あてはめた式は次の形である。 y=β0+β1A+β2B+β3C+β4D+β5E+β12AB+β13AC+β14AD+β15AE+β23BC+β24BD+β25BE+β34CD+β35CE+β45DE 式VII 式中、yは予測応答である。β0は切片である。一次混合物モデル係数βn(n=l、2、3、4、5)は、純粋成分から応答を予測する入力因子(A、B、C、DおよびE)の係数である。β12、β13、β14....は、2つの因子の相互作用(AB、AC、AD...)の係数であり、これは応答に対するそれらの相互作用の影響を記述する。正の相互作用係数は、対応する因子が応答に正比例することを示す。一方、負の相互作用係数は、因子が応答と逆比例する、すなわち、因子が大きくなるほど、応答が小さくなることを意味する。Navgの場合、最大応答と最小応答との比である314が、10より非常に大きいため、ANOVAを有効なものとするために変換が必要であったことを述べておかなければならない。この実施例では、底が10のLogがソフトウェアで推奨されていた。言い換えれば、Log10Navgのモデルを得た。] [0112] 計算された経験的モデルはANOVAで評価したが、モデルの有効性はモデルの不適合度を検定することによって確かめた。全モデルのANOVAデータ(平方和、平均平方、F値およびProb>F値、R2、調節R2、予測R2、十分な精度値R2を含む)を表11に列挙する。それぞれの応答(すなわち、Rs(avg)、RtおよびLog10Navg)について、モデルおよび残留誤差の平方和を最初に計算した。次に、平方和を自由度で除算することによって平均平方を得た。加えて、2つの試料の分散を比較するのに用いられたF値は、モデルの平均平方を残差平均平方で除算することによって計算した。Prob>Fは、F値に関連した確率値である。一般に、0.05未満のProb>F値を有する項は、顕著な影響と見なされるであろうが、0.10より大きいProb>F値は一般に有意ではないと見なされる。さらに、剰余の一部である不適合度値も、モデルの有効性を評価するために報告する。] [0113] ] [0114] 表11に列挙されているデータは、タンパク質の応答(Rs(avg)、RtおよびLog10Navg)のモデルが0.05未満のProb>F値を有することを明らかにした。加えて、不適合度値は有意ではなく(0.1より大きいProb>F値を有する)、このことは、全モデルが十分にあてはまることを明らかにしていることに留意されたい。例えばRs(avg)に関して言えば、「不適合度のF値」が5.75E−2であることは、不適合度が純粋な誤差に対して有意ではないことを暗に示した。この大きさの「不適合度のF値」がノイズのせいで起こる確率は5.23%であった。有意でない不適合度は、モデルがぴったりあてはまることを意味した。] [0115] モデルの適合性をさらに調査するために、モデルのR2(重相関係数)、調節R2、予測R2および十分な精度値(Adeq−R2)を評価した(表11)。良好な統計モデルであるためには、R2値が1.0に近く、調節R2と予測R2との差が0.2より小さくなっているべきである。全モデルについて、それら3つの値がすべて許容範囲内に入っていた。表11は、Adeq−R2も列挙している。この値は、信号対ノイズ比の指標であり、値が4より大きい場合、モデルがぴったりあてはまることを示唆する。モデルのadeq−R2はそれぞれ18、18および13であった。これは、設計空間を移動するのにモデルを使用できることを示した。] [0116] 図11A〜Cは、3つの応答(Rs(avg)、RtおよびLog10Navgであり、この順序)の回帰係数プロットを示す。95%信頼区間は、係数の上のエラーバーとして表してある。係数がその区間よりも小さかった場合、それは係数がゼロと著しく違わないことを示した。その結果、対応する因子は有意ではないと見なされた。二次項目の係数は、化学記号がないため、続く節では説明しない。] 図11A 図11B 図11C 図12 図13 図14 図15 図16 図17 [0117] 回帰係数プロットから、因子D(1,4−ブタンジオールの%)およびE(水の%)は、応答Rs(avg)、RtおよびNavgに対して正比例的に影響を及ぼすことが分かった。これは、1,4−ブタンジオールの%および水の%の増大によって重合過程時に相分離の開始が早められ、形成されるクラスターが小さくなり、マクロ細孔も小さくなったという事実が原因でありうる。それゆえに、表面積が大きくなり、その結果、分解度が高くなった。加えて、保持時間はマクロ細孔のサイズに大きく左右されるという理論によれば、1,4−ブタンジオールの%が大きくなり、さらに水の%が大きくなると、マクロ細孔径のいっそう小さいモノリシックカラムが作られることになる。それによって、溶離剤の流れる速度が影響を受け、それゆえに分析速度も影響を受ける。さらに、予想されるように、クラスターが小さくなり、表面積が大きくなり、マクロ細孔が小さくなるにつれ、分離効率が高くなるであろう。] [0118] 図11A〜Cを詳しく調べると、1次項に加えて、2つの交差項(CEおよびDE)がRs(avg)およびRtに対して顕著に影響すること、4つの交差項(AC、AD、AEおよびDE)がNavgに対して顕著に影響することが明らかになった。こうした交差項の影響は、単一項が重要でないとしても、それらが他の項と組み合わさると、顕著な影響を与えることを示す。例えば、因子C(1−プロパノールの%)は、Rs(avg)またはRtにとって重要ではないが、E項(水の%)と組み合わさると、協力項として影響を与える。同様に、A項(EDMAの%)は、単一因子としてはNavgにとって重要ではないが、因子C、DまたはEと組み合わさると、影響を与える。] 図11A 図11B 図11C 図12 図13 図14 図15 図16 図17 [0119] 図12A〜Cはそれぞれ、Rs(avg)、RtおよびLog10Navgの2−D等値線図を示す。それぞれの応答では、応答に対していっそう大きな影響を与えるこれら3つの因子はX1軸、X2軸およびX3軸に設定され、残りの2つの因子は固定された。この実施例では、AAUAの%、1,4−ブタンジオールの%および水の%はRs(avg)およびRtに対していっそう大きな影響を与えるので、B、EおよびCで示されている角のこれら3つの因子は3つのX軸に設定され、他の2つの因子(EDMAの%および1−プロパノールの%)は固定された。しかし、Log10Navgについては、AAUAの%、1,4−ブタンジオールの%および水の%をX1軸、X2軸およびX3軸に設定した。プロットのそれぞれの角は、各因子の上限を表すポイントに相当し、角の反対側の辺は対応因子の下限を表す。例えば、図12Aでは、Bで示されている角は、AAUAの%に関して定められた上限を表し、このポイントから離れると、AAUAの%は減少する。因子の制約(表1に示されている)は図の領域を画定した。これにより、混合物設計によって扱われない幾つかの複雑な領域がもたらされる。2−D等値線図(図12A〜Cに示す)から、水の%の増大、1−プロパノールの%の減少、およびAAUAの%の増大に伴って分解度が高くなり、保持時間が長くなりうることが分かる。加えて、水の%の増大、および1,4−ブタンジオールの%の減少に伴って、Log10Navgが減少することになる。] 図12A [0120] タンパク質分離用の重合混合物。図12A〜Cに示されている等値線図から、Rs(avg)およびNavgを向上させるのに必要な重合条件は、高速タンパク質分離および高分解度分離のためにRtを向上させるのに必要な値と対立すると思われる。この問題に対処する1つの方法は、Derringerのディザイラビリティ関数D(X)を使用することである。] [0121] この実施例では、応答について様々な重みを設定した。高速分離溶液では、分析時間と分解度との兼ね合いを最適化するために、表12に示すように、Rtの最小化のために重み値5を設定したが、Rs(avg)については重み値を1にした。] [0122] ] [0123] 求められた要求は、以下の溶液によって満たされた:20.3%のEDMA、7.0%のAAUA、68.3%の1−プロパノール、0%の1,4−ブタンジオールおよび3.9%の水。高分解度分離溶液では、効率と分解度との間の折り合いをつけるために、Navgの最大化のために重み値3を設定し、Rs(avg)については重み値を5にした。求められた要求は、以下の溶液によって満たされた:18.5%のEDMA、7.0%のAAUA、60.0%の1−プロパノール、2.0%の1,4−ブタンジオールおよび12%の水。] [0124] 溶液モノリシックカラムを使用したタンパク質分離のクロマトグラムを図13に示す。クロマトグラムから判断すると、3種類のタンパク質は高速分離カラム(OF−1)では平均分解度5.0で2.5分間のうちに分離することができたが、一方、同じ分析物が、高分解度カラム(OH−1)では12.8という高い分解度で、かつ502,000という高い効率で32分間のうちに分離できた。] 図13 [0125] この実験計画アプローチの実現可能性を評価するために、予測値(モデルからのもの)と実験値(溶液カラムによる)との差を比較した。結果は、図13中の挿入表として示してある。高速分離カラムの場合、Rs(avg)およびRtはそれぞれ5.0および2.5分(5.7%および4.2%だけ予測値と異なる)であることが見出された。高分解度分離カラムの場合、Rs(avg)およびNavgはそれぞれ12.8および502,000(1.6%および0.2%だけ予測値と異なる)である。効率値も予測値と近かった。実験値と予測値との間の差はすべて許容範囲内であるので、この混合物実験計画およびモデリングは有効でありうまくいくことが証明された。] 図13 [0126] 加えて、ミオグロビンのトリプシン消化物を用いてμ−HPLCにおける高分解度カラムの性能をさらに評価した。高速分離カラムOF−1(図14(a))と比べて、高分解度カラムOH−1(図14(b))は、ミオグロビンのトリプシン消化物の13個のピークをうまく分離することができた。条件:移動相A、0.01%TFA/ACN、移動相B、2%ACN、0.01%TFA/水; 直線勾配プログラム、0分で16%のA、10分で20%のA、15分で50%のA、20分で80%のA;注入サイズ、0.6s;合計流量、100μL/分; 検出、214nm。試料は、水中に1.0mg/mLのミオグロビンのトリプシン消化物。] 図14 [0127] モノリシックカラムの形態。カラム7およびOF−1中で形成されたポリ(AAUA−co−EDMA)モノリスの形態は非常に似ていたが、カラム10とはかなり異なっていた。カラム7は、溶出が非常に速く(1.9分以内)、最大のクラスターおよび最大の貫通細孔を有していた。高速分離モノリス(カラムOF−1)は、少しだけもっと密度の高い形態でしっかり結合した微小球で構成されていた。その一方で、カラム10(高分解度カラム)は、より高い密度の微小球およびより小さい貫通細孔を含み、結果として表面積が大きくなっていた。2つのモノリスを比較すると、OH−1は、もっと小さいクラスターおよびビーズから構成されていたが、一方、カラムOF−1は、もっと密度の低いクラスターおよびもっと大きな貫通細孔を含んでおり、このため、高い透過性および対流物質移動が可能になった。] [0128] モノリシックカラムの孔隙率。孔隙率データの一貫性は、実施例1に記載した方法を用いて評価した。表13に示すように、調べたモノリス7、10(OH−1)およびOF−1の全孔隙率はそれぞれ86%、72%および79%であった。] [0129] ] [0130] MIPで試験されたεT値の傾向(表13に示されている)は以下の順序で増大している:モノリス10(OH−1)<モノリスOF−1<モノリス7(これは、フロー法と十分に相関していた)。しかし、MIPで求められたεT値は、フロー法で計算された値よりも少しだけ小さくなっていた。前者の方法で得られたこうした低い値は、試料の状態(湿潤と乾燥)の相違が原因である可能性がある。加えて、重合容器(フロー法の試料は毛細管カラム中で重合させたが、MIPの試料はガラスバイアル中で重合させた)が、εTに影響を与えた可能性もある。] [0131] 3つの代表的なモノリスの細孔径分布は、図15において鋭い最大を示している。示されているように、モノリス10の固有の細孔径は、モノリス7(約10μm)およびカラムOF−1(約8μm)と比べてサイズが小さくなっていた(1〜2μm)。細孔径分布に加えて、モノリスの他の幾つかのパラメーター(累積細孔容積(K)、平均細孔直径(d)、バルク密度(p)および表面積(r)など)も求めた。それらを表13に要約してある。予想されるように、ポリ(AAUA−co−EDMA)のカラム7およびカラムOF−1は、似たようなdおよびrを示した。例えば、タンパク質の分解度および保持能が最高となっているモノリシックカラム10と比べて、これら2つのモノリシックカラムの細孔直径は、かなり大きくなっており、表面積がかなり小さくなっていた。さらに、カラム10で得られた最低のV値およびρ値は、MIP方法およびフロー法の両方を用いて得られた最低のεT値と十分に一致していた。] 図15 [0132] 透過性および機械的安定性。様々な流量でのカラムにおける圧力低下を測定するのにACNを使用したが、これは、カラムの機械的安定性および透過性を表すのにも使用できた。3種類のモノリシックカラム(7、10(OH−l)およびOF−1)では、比透過性K0はそれぞれ2.23×10−12m2、4.60×10−14m2、1.33×10−12m2であった。モノリシックカラムは高い透過性値を有しており、それは3μm粒子充填キャピラリーカラムよりも少なくとも2桁大きかった。この高い透過性は、主にモノリスの大きな全孔隙率によるものであり、これにより、液体は低圧下においてカラム中を流れることが可能になった。モノリシックカラム7、OH−1およびOF−1に関して、加えた圧力に対して100%ACNの容積流量をプロットしたものを図16に示す。デッドタイムマーカー(dead time marker)としてチオ尿素を使用した。各測定カラムに関して、溶媒の流量に対する逆圧の依存性は、直線であり、相関係数Rが0.999よりも良い。この相関係数は、モノリスの透過性および機械的安定性がどちらも良好であることを示した。] 図16 [0133] カラムのクロマトグラフィー特性。3種類のモノリシックカラムの最大の効率も評価した。異なる電圧下での分離性能を調べるために、移動相の線速度の関数として段高さを測定した。移動相の流速の関数としてタンパク質の平均段高さを示すVan Deemterプロットを図17に示す。カラムOH−1では分離効率が高くなった。また、0.5〜4.0mm/秒の範囲内の0.3mm/秒の流速においては0.7μmという低い段高さになりうるし、段高さの変動は少しである。カラムOF−1の場合、8mm/秒の流量では、最低の段高さはおよそ4μmであった。したがって、モノリシックカラムは、特に充填キャピラリーカラムと比較した場合、分離効率を大きく犠牲にすることなく、高速分離を達成できた。] 図17 [0134] 安定性および再現性。クロマトグラフィーの安定性を評価するために、OF−1およびOH−1の重合混合物で作られたモノリシックカラムを利用して、連続3日間にわたって1日に連続して5回の注入を行った(すなわち、各カラムで合計15回の注入)。カラムOF−1およびOH−1に関して、保持時間のRSD値および段数を表14に示す。カラムOF−1の場合、保持時間の日間精度(inter-day precision)は0.20%から0.53%の間の範囲であり、段数のRSDは4.15%〜7.24%の範囲であり、3日間の平均としての保持時間の日内(intra-day)精度は0.38%から0.75%の間の範囲であり、段数のRSDは6.31%〜8.59%の範囲であることが見出された。カラムOH−1の場合、保持時間の日間精度は0.44%〜0.76%の間の範囲であり、段数のRSDは4.23%〜8.26%の範囲であり、3日間の平均としての保持時間の日内精度は0.56%〜0.87%の間の範囲であり、段数のRSDは6.57%〜9.00%の範囲内であることが見出された。したがって、モノリスのクロマトグラフィー性能の安定性は許容できるものであった。] [0135] ] [0136] バッチ間のカラム再現性を調査するため、カラムの3つのバッチを調製し、各バッチについて同じ重合混合物を用いて3つのカラムを作った。したがって、調製の再現性を調査するために3つのバッチで9つのカラムを作ったことになる。表15に示す結果から、カラムOF−1の場合、保持時間のすべてのRSD値が1.76%未満であり、カラムOH−1の場合、保持時間のすべておRSD値が2.04%未満であることが見出された。これらは、モノリスの調製が再現可能なものであることを証明した。] [0137] ] [0138] 結論。重合混合物の評価(架橋剤、モノマーおよびポロゲンの濃度)は、混合物の実験計画を用いて行った。モノリス形成に一番影響する調べられた2つの因子は、1,4−ブタンジオールおよび水の濃度である。高速分離カラムおよび高分解度カラム用の重合混合物は、実験計画にしたがって処理した。ディザイラビリティ関数から予測されるこうした重合条件を検定した。実験データは予測結果と十分に一致していた。効率、分解度、および保持時間に関して予測値と実験値との間の差が6%未満であるので、提案されたアプローチが実際的であることが確かに確証された。OF−1およびOH−1のカラムを使用すると、2.5分間のうちにタンパク質の高速分離を完了でき、またミオグロビンのトリプシン消化物分離が高分解度カラムでうまく実施された。これらのカラムに関して、タンパク質およびタンパク質消化物を用いてさらに確認した。これらの結果により、この実験計画法が、所望の重合条件を得るための非常に見込みのあるアプローチであり、これによりモノリシック固定相をうまく開発できることが示された。カラムにより、ポリマーベースモノリス形態、優れた透過性、および良好な機械的安定性が提供された。さらに、モノリシックカラムは、カラム製造に関して良好な日間および日内再現性ならびに優れたバッチ間およびバッチ内再現性があることを実証した。] 実施例 [0139] 前記の事柄は特定の態様に関係しており、以下の請求項によって定義される本開示の範囲から逸脱しない範囲で、多数の変更をそれに加えうることを理解すべきである。]
权利要求:
請求項1 少なくとも1種の界面活性剤モノマーと、少なくとも1種の架橋剤と、少なくとも1種の開始剤と、少なくとも1種のポロゲンとを含む混合物を提供する工程;および前記混合物を重合させて界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムを形成する工程を含む、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムの製造方法。 請求項2 前記少なくとも1種の界面活性剤モノマーが、約6〜約20の範囲の炭素鎖長を有する炭化水素モノマー、官能性頭部基、および共役末尾基を含む、請求項1に記載の方法。 請求項3 前記官能性頭部基がアミノ酸基を含む、請求項2に記載の方法。 請求項4 前記少なくとも1種の界面活性剤モノマーが、疎水性炭素鎖と帯電基とを有する炭化水素モノマーを含む、請求項1に記載の方法。 請求項5 前記少なくとも1種の界面活性剤モノマーが、11−アクリルアミドウンデカン酸、6−アクリルアミド−ヘキサン酸、7−アクリルアミド−ヘプタン酸、17−アクリルアミド−ヘプタデカン酸、18−アクリルアミド−オクタデカン酸、19−アクリルアミド−ノナデカン酸、20−アクリルアミド−エイコサン酸、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。 請求項6 前記少なくとも1種の界面活性剤モノマーが11−アクリルアミドウンデカン酸を含み、前記少なくとも1種の架橋剤がエチレンジメタクリレートを含み、前記少なくとも1種の開始剤がアゾイソブチロニトリルを含み、さらに前記少なくとも1種のポロゲンが水、1,4−ブタンジオール、および1−プロパノールを含む、請求項1に記載の方法。 請求項7 前記提供および重合の工程を毛細管中で実施する、請求項1に記載の方法。 請求項8 前記提供および重合の工程の前に前記毛細管をビニル化する工程をさらに含む、請求項7に記載の方法。 請求項9 前記混合物が少なくとも1種のコポリマーモノマーをさらに含み、前記重合工程が前記少なくとも1種の界面活性剤モノマーと前記少なくとも1種のコポリマーモノマーとを共重合させることを含む、請求項1に記載の方法。 請求項10 前記少なくとも1種の界面活性剤モノマーが、約0.5%(w/w)〜約7%(w/w)の範囲の量で前記混合物中に存在する、請求項1に記載の方法。 請求項11 前記少なくとも1種のポロゲンが、水、1,4−ブタンジオール、および1−プロパノールを含み、前記水が約2%(w/w)〜約12%(w/w)の範囲の量で範囲の量で前記混合物中に存在し、前記1,4−ブタンジオールが約0%(w/w)〜約12%(w/w)の範囲の量で前記重合混合物中に存在し、前記1−プロパノールが約60%(w/w)〜約74%(w/w)の範囲の量で前記重合混合物中に存在する、請求項1に記載の方法。 請求項12 界面活性剤をベースとしたポリマーモノリスを含む、界面活性剤をベースとしたモノリシックカラム。 請求項13 請求項12に記載の界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムを含む、分離装置。 請求項14 前記分離装置がクロマトグラフィーカラムである、請求項13に記載の分離装置。 請求項15 前記界面活性剤をベースとしたポリマーモノリスが疎水性部分と帯電部分とを含む、請求項12に記載の界面活性剤をベースとしたモノリシックカラム。 請求項16 前記帯電部分がアミノ酸基を含む、請求項12に記載の界面活性剤をベースとしたモノリシックカラム。 請求項17 前記界面活性剤をベースとしたポリマーモノリスが11−アクリルアミドウンデカン酸ポリマーを含む、請求項12に記載の界面活性剤をベースとしたモノリシックカラム。 請求項18 界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムを提供する工程;複数種の分子と移動相との混合物を提供する工程:および前記混合物を前記界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムに通す工程を含む、複数種の分子を互いに分離する方法。 請求項19 キャピラリー電気泳動クロマトグラフィーを含む、請求項18に記載の方法。 請求項20 高速液体クロマトグラフィーを含む、請求項18に記載の方法。 請求項21 前記複数種の分子が複数種の極性分子を含む、請求項18に記載の方法。 請求項22 前記複数種の分子が複数種の無極性分子を含む、請求項18に記載の方法。 請求項23 前記複数種の分子が複数種の生体分子を含む、請求項18に記載の方法。 請求項24 前記界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムが疎水性部分および帯電部分を含む、請求項18に記載の方法。 請求項25 前記帯電部分がアミノ酸基を含む、請求項24に記載の方法。 請求項26 前記界面活性剤をベースとしたモノリシックカラムが11−アクリルアミドウンデカン酸ポリマーモノリスを含む、請求項18に記載の方法。 請求項27 約6〜約20の範囲の炭素鎖長および末尾基を有するカルボン酸を提供する工程であって、前記末尾基がNH2またはOHを含む工程;前記カルボン酸を塩化アクリロイルと反応させて第1生成物を形成する工程;前記第1生成物を1−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオンと反応させて第2生成物を形成する工程;および前記第2生成物をアミノ酸と反応させて、アミノ酸官能基を含む界面活性剤モノマーを形成する工程を含む、界面活性剤モノマーの製造方法。 請求項28 前記アミノ酸が、バリン、ノルバリン、ロイシン、イソロイシン、tert−ロイシン、ノルロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン、チロシン、システイン、トレオニン、セリン、プロリン、またはグリシンである、請求項27に記載の方法。 請求項29 前記界面活性剤モノマーが重合可能である、請求項27に記載の方法。
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