二相冷却剤の生成及びその冷却能力の決定のためのシステム及び方法
专利摘要:
本発明は、氷スラリー等の二相冷却剤を生成するシステム及び装置を提供する。また、二相冷却剤を生成する方法、及び該二相冷却剤を用いて、被験体、システム、物体、装置、又は特定の低温が望まれる用途、において温度を下げる又は低温を維持する方法、が提供される。更に、二相冷却剤の冷却能力を決定するシステムが提供される。 公开号:JP2011516808A 申请号:JP2011500958 申请日:2009-03-19 公开日:2011-05-26 发明作者:ブル,ダイアナ;ビー. ベッカー,ランス;ダブリュ. ランプ,ジョシュア 申请人:ザ・トラスティーズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ペンシルバニア; IPC主号:F25C1-00
专利说明:
[0001] 本発明は、一般に冷凍及び冷却の分野に関する。詳しくは、本発明は、二相冷却剤等の冷却剤を生成するシステム及び二相、液体−固体冷却剤等の冷却剤の冷却能力を測定するシステムに関する。] 背景技術 [0002] 多くの産業が極めて多様な用途で冷却システムを必要としている。多くの場合、冷却剤化学物質又は冷却機械を用いて所望の用途のために低温の空気又は氷が生成される。いろいろな冷却システムが提案されているが、産業界では依然として改良された冷却システムが必要とされている。 関連出願への相互参照] [0003] 本出願は、2008年3月19日に出願された米国特許仮出願No. 61/037,949及び2008年10月20日に出願された国際特許出願No. PCT/US2008/080435の優先権を主張する。それぞれの出願の開示内容は、その全体がすべての目的で参照によって本明細書に組み込まれる。] [0004] ある態様で、本発明は二相冷却剤を生成するシステムを提供する。このシステムは、第一容器、第一容器からの第一流体を受けるように結合されたホモジナイザー、第一容器から該ホモジナイザーへの第一流体の流れを制御するように配置された弁、及び該ホモジナイザーへ第二流体を放出するように結合された第二容器を含む。第一容器は、第一流体を第一流体の大気圧での凍結点よりも低い温度に維持するように構成され、第一流体が第一容器から放出されたとき実質的に瞬時的に第一流体の凍結を生ずるに十分な高い圧力レベルに加圧される。第二容器は、第二流体を第一流体の大気圧での凝固点よりも低い温度に維持するように構成される。ホモジナイザーは生成された冷却剤の放出のための開口を含む。] [0005] 別の態様で、本発明は二相冷却剤等の冷却剤を生成する方法を提供する。この方法は、加圧された容器から大気圧での凍結点より低い温度に冷却された第一流体を、第一流体の大気圧での凍結点より低い温度に冷却されたキャリア流体と共に放出することによって生成される微粒子状の固体と混合することを含む。該容器における圧力は、容器から放出されたときに第一流体の実質的に瞬時的な凍結を生ずるのに十分な高い圧力であることが好ましい。いくつかの態様では、該微粒子状の固体は氷である。第一流体又はキャリア流体は水性又は非極性流体であってよい。水性流体は、生理的に適合する緩衝剤であってもよく、又は一つ以上の塩、糖、生体分子、界面活性剤、又は乳化剤を含んでもよい。] [0006] 本発明はまた、被験体に低体温状態を誘発する方法を提供する。この方法は、被験体に医薬的に受容される微粒子状二相冷却剤を、その被験体に低体温状態を誘発するのに十分な量で投与する工程を含む。被験体はどんな動物であってもよいが、好ましくは人間である。低体温状態は組織的であっても、体の一つ以上の特定器官、組織、場所、空洞部分、スペース、又は領域に局所化されたものであってもよい。] [0007] 本発明は更に、傷みやすい物品を冷却する方法を提供する。この方法は、微粒子状二相冷却剤を生成すること及び傷みやすい物品をその冷却剤に暴露することを含む。傷みやすい物品は、食品又は飲料、化学物質、薬品、又は医薬化合物又は組成物、細胞、組織、生体流体、器官等である。] [0008] 本発明は更に、装置を冷却する方法を提供する。いくつかの好ましい態様で、前記装置は兵器である。この方法は、微粒子状二相冷却剤を生成すること及び装置をその冷却剤に暴露することを含む。兵器の例としては銃、大砲、レーザー兵器等がある。] [0009] 部屋を冷却する方法も提供される。そのような方法は、微粒子状二相冷却剤を生成すること、空気をその冷却剤に暴露すること、及び冷却された空気を少なくとも一つの部屋全体に循環させることを含む。] [0010] 別の態様で、本発明は二相、固体−液体冷却剤の冷却能力を決定するシステムを提供する。既知熱伝達特性を有する所定長の導管が所定流量での二相、固体−液体冷却剤の流れを受ける。前記導管の内部を流れる冷却剤に熱を伝達するように熱源が配置される。冷却剤への熱伝達及び冷却剤の温度を、冷却剤が導管内部を通過する距離の関数として測定するために、少なくとも一つの熱流束センサと少なくとも一つの温度センサが導管に配置される。温度センサと熱流束センサに接続されるエレクトロニクスが導管で測定された冷却剤への熱伝達と冷却剤温度の変化を用いて冷却剤の冷却能力を計算する。] [0011] 別の態様で、本発明は二相、固体−液体冷却剤における固体空隙率及び固体粒子サイズを検出するシステムを提供する。内部と外部を有し入口と出口を有する既知熱伝達特性を有する所定長の導管が所定の体積流量(volumetric flow rate)での二相、固体−液体冷却剤の流れを受ける。前記導管の内部を流れる冷却剤に熱を伝達するように熱源が配置される。導管は、冷却剤が導管を通過する距離の関数として冷却剤への熱伝達を測定するように配置された少なくとも一つの熱流束センサを有する。導管は更に、冷却剤が導管を通過する距離の関数として導管内部の冷却剤温度を測定するように配置された少なくとも一つの温度センサを有する。測定された熱伝達と温度を用いて、温度センサと熱流束センサに結合されたエレクトロニクスが冷却剤の固体空隙率及び固体粒子サイズを決定する。] [0012] 別の態様で、本発明は二相、固体−液体冷却剤の冷却能力を決定する方法を提供する。内部と外部を有し既知熱伝達特性を有する所定長の導管を流れる所定流量の二相、固体−液体冷却剤の流れに熱が伝達される。導管内の冷却剤の流れへの熱伝達と冷却剤温度が、導管を冷却剤が移動する距離の関数として測定される。冷却剤の冷却能力は、測定された熱伝達と冷却剤温度を用いて計算される。] [0013] 別の態様では、二相、固体−液体冷却剤における固体空隙率と固体粒子サイズを検出する方法が提供される。内部と外部を有し既知熱伝達特性を有する所定長の導管を通って流れる所定流量の二相、固体−液体冷却剤に熱が伝達される。導管内の冷却剤の流れへの熱伝達と導管内の冷却剤の温度が、導管を通って冷却剤が移動する距離の関数として測定される。測定された熱伝達と冷却剤温度が冷却剤の固体空隙率と固体粒子サイズに関係し、冷却剤の固体空隙率と固体粒子サイズが計算される。] [0014] 本発明はまた、氷スラリー等の二相冷却剤を生成するシステム及び装置を提供する。ある態様では、氷スラリーを生成するシステムであって、市販されている0.45%, 0.9%, 又は3.0%生理的食塩水等の低濃度の塩水、ドライアイス又は圧縮ガス等の冷却剤、低濃度塩水の凍結温度を制御するように構成された熱交換器、及び塩水が凍結したときに生ずる氷スラリーを加熱するように配置された熱源、を含むシステムが提供される。熱交換器は二つの同心管を含み、内部の管は氷スラリーを生成するように構成され、外部の管は内管を冷却して低濃度塩水の一部が凍結することを可能にする冷却剤を含むように構成され、その結果、液相と固相(凍結した相)の低濃度塩水から成る氷スラリーが得られる。氷スラリーは、約0.001%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれ以上の固相の氷を含む。熱交換器は、環状ヒートパイプ等のヒートパイプを含むものであってよい。] [0015] いくつかの態様では、氷スラリーを生成する装置は、少なくとも一つの冷却剤を含み低濃度塩水等の流体の凍結温度を制御するように構成された熱交換器を含むハウジング、駆動シャフトであってその駆動シャフトに結合した少なくとも一つのスクレイパー・ブレードを回転させて熱交換器の側壁から氷をかき取るように構成された駆動シャフト、熱交換器に結合され駆動シャフトの端にベアリングを保持するように構成された内部ディスク、熱交換器を含むハウジングに連結された混合容器を含むハウジング、及び熱交換器からの氷スラリーを受け、高濃度塩水を受けるように構成され、混合用のブレードを備えた混合容器、を含む。] [0016] 熱交換器は二つの同心管を含んでよく、内管は氷スラリーの形成と流れのために構成され、外管は内管を冷却して低濃度塩水の一部が凍結するように構成され、その結果、液相の塩水と固相の氷から成る低濃度塩水−氷スラリーが得られる。熱交換器は、環状ヒートパイプ等のヒートパイプを含んでよい。低濃度塩水は、0.45%, 0.9%, 又は3.0%生理的食塩水等の市販されている医療用食塩水であってよい。高濃度塩水は、3.0%, 5.0%, 又は7.5%%生理的食塩水等の市販されている医療用食塩水であってよい。] [0017] 装置は更に、ポンプを含むことができる。例えば、装置は、装置の一つ以上の構成要素を介して氷スラリーを輸送するように構成された第一ポンプを含み、熱交換器を介して冷却剤を送るように構成された第二ポンプを含むことができる。ドライアイス、ドライアイス−アルコール・スラリー、圧縮ガス、凝固点降下水、エチレングリコール、又はポリエチレン・グリコール等、任意の適当な冷却剤を用いることができる。] [0018] 本発明はまた、氷スラリーを生成するためのキット、例えば本明細書に記載され例示されるシステム、装置、及び方法を用いて氷スラリーを生成するためのキットを提供する。いくつかの態様で、このキットは低濃度塩水、少なくとも一つの冷却剤、塩水の凍結温度を制御するように構成された熱交換器、及び高濃度塩水を含む。冷却剤はドライアイス、圧縮ガス、等の任意の適当な冷却剤であってよい。低濃度塩水は0.45%, 0.9%, 又は3.0%生理的食塩水等の市販されている医療用食塩水であってよい。高濃度塩水は、3.0%, 5.0%, 又は7.5%%生理的食塩水等の市販されている医療用食塩水であってよい。] [0019] 熱交換器は二つの同心管を含んでよく、内管は氷スラリーの形成と流れのために構成され、外管は内管を冷却して低濃度塩水の一部が凍結することが可能になるように構成され、その結果、液相の塩水と固相の氷から成る低濃度塩水−氷スラリーが得られる。熱交換器は、環状ヒートパイプ等のヒートパイプを含むものであってもよい。] [0020] 本発明はまた、氷スラリーを生成する方法を提供する。この方法は、概ね低濃度塩水と、少なくとも一つの冷却剤を含みその塩水の凍結温度を制御するように構成された熱交換器とを、接触させることを含む。塩水を熱交換器と接触させると、塩水の一部は熱交換器の内部で凍結し、残りの塩水は液体の状態にとどまり氷スラリーを形成する。この方法は、氷スラリーが形成された後、高濃度塩水を氷スラリーと混合する工程を含む。] [0021] 熱交換器は二つの同心管を含んでよく、内管は氷スラリーの形成と流れのために構成され、外管は内管を冷却して低濃度塩水の一部が凍結するように構成され、その結果、液相及び凍結した低濃度塩水から成る氷スラリーが得られる。熱交換器は、環状ヒートパイプ等のヒートパイプを含むものであってもよい。低濃度塩水は、0.45%, 0.9%, 又は3.0%生理的食塩水等の市販されている医療用食塩水であってよい。高濃度塩水は、3.0%, 5.0%, 又は7.5%生理的食塩水等の市販されている医療用食塩水であってよい。氷スラリーは、約0.001%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%以上の固相の塩水を含んでよい。] [0022] 本発明はまた、被験体に低体温状態を誘発する方法を提供する。この方法は、低濃度の塩水を、少なくとも一つの冷却剤を含み該塩水の凍結温度を制御するように構成された熱交換器と接触させ、該塩水の一部が熱交換器内で凍結し残りの塩水が液体状態にとどまることによって生成された医薬的に受容される氷スラリーを有効量で被験体に投与すること、及び高濃度の塩水を氷スラリーと混合させることを含む。被験体はどんな動物であってもよいが、好ましくは人間である。低体温状態は、被験体の体全体にわたる組織的であっても、被験体の特定の器官、組織、場所、空洞部分、スペース、又は領域に局所化されてもよい。] [0023] 本発明は更に、流動可能な氷スラリーを生成する方法であって、液体を過冷却すること、通路を通る安定した流れで過冷却された液体を移動させること、及び過冷却された液体の安定した流れを攪乱して過冷却された液体に氷の核生成を誘発し流動可能な氷スラリーを生成する諸工程を含む方法を提供する。いくつかの態様では、前記移動させる工程は、チューブ又はパイプを通る安定した流れで移動させることを含んでよい。前記移動させる工程は、通路を通る層流で又は通路を通る乱流で過冷却された液体を移動させることを含んでよい。] [0024] いくつかの好ましい態様では、前記過冷却する工程は塩水を過冷却することを含んでよい。これらの方法で生成される流動可能な氷スラリーは、好ましくは約0%から約80%までの氷を含む。流動可能な氷スラリーは、約0%から約60%までの氷、又は約0%から約30%までの氷、を含んでよい。流動可能な氷スラリーは、また、少なくとも約20%の氷を含んでよい。いくつかの態様では、前記方法は更に、氷スラリーから熱を、例えば氷スラリーを熱交換器と接触させることによって、除去する工程を含む。いくつかの態様では、前記方法は更に、安定した流れの自由エネルギーを低下させる工程を含む。] [0025] 前記擾乱する工程は、通路における過冷却された液体の圧力を変動させることを含んでよく、更に前記過冷却された液体の安定した流れに衝突する第二の過冷却された液体のジェットを導入することを含んでよい。第二の過冷却された液体は、選択的に、前記過冷却された液体と異なっても、又はそれと同じであってもよい。前記擾乱する工程は、選択的に、第二の過冷却された液体が前記過冷却された液体と混合される実質的に閉鎖システムで行われるか、又は第二の過冷却された液体が前記過冷却された液体に衝突する部分的に開放されたシステムで行われる。] [0026] いくつかの態様では、前記擾乱する工程は安定した流れを超音波で擾乱することを含む。別の態様では、前記擾乱する工程は安定した流れに渦又は渦巻きを発生させることを含む。別の態様では、前記擾乱する工程は、好ましくは自由エネルギー・バリアを低下させるある接触角で界面を導入することを含む。別の態様では、前記擾乱する工程は、不均質な核生成部位を生み出す種氷片を導入することを含む。更に別の態様では、前記擾乱する工程は、安定した流れを少なくとも一つの淀み点と接触させることを含む。淀み点は、例えば少なくとも一つの氷結晶であってもよい。淀み点はまた少なくとも一つのトリップ(trip)であってもよい。] [0027] 前記トリップは、過冷却された液体の流れの中心近くに配置してもよく、過冷却された液体の流れの周辺近くに配置してもよい。いくつかの態様では、前記トリップは渦又は渦巻きを発生することができる。適当なトリップの好ましい例は、ポスト(post)・デザイン・トリップ、クロスワイヤ・トリップ、歯(tooth)・デザイン・トリップ、中央歯・デザイン・トリップ、粘着性状球体(sticky sphere)・トリップ、ピラミッド型トリップ、表面粗さトリップ、歯形の組合せ(teeth combination)・トリップ、ディンプル付きチューブ・トリップ、及び羽根付き円錐トリップ、又はそれらの組み合わせ、から成る群から選択できる。] [0028] この方法のいくつかの好ましい態様では、前記過冷却する工程は、高濃度の液体を過冷却すること、水を過冷却すること、及び過冷却された高濃度の液体と過冷却された水を混合して流動可能な氷スラリーを生成することを含む。] [0029] 本発明はまた、流動可能な氷スラリーを生成する方法であって、高濃度の液体を過冷却すること、水を過冷却すること又はそれほど高濃度でない液体を過冷却すること、過冷却された高濃度の液体と過冷却された水又はそれほど高濃度でない液体を混合して過冷却された溶液を形成すること、前記過冷却された溶液を安定した流れで通路を通して移動させること、及び前記過冷却された溶液の安定した流れを擾乱して前記過冷却された溶液で氷の核生成を誘発させて流動可能な氷スラリーを生成する諸工程を含む方法を提供する。] [0030] 本発明はまた、氷スラリーを生成するシステムであって、液体溶液を過冷却するように構成された熱交換器、前記熱交換器から過冷却された液体溶液の安定した流れを受けるように結合された通路、及び前記通路における過冷却された液体の安定した流れを擾乱して過冷却された液体における氷の核生成を誘発させ、流動可能な氷スラリーを生成する前記通路と結びついた手段、を含むシステムを提供する。いくつかの態様では、前記擾乱する手段は、前記過冷却された液体溶液に衝突する過冷却された液体を導入するように構成されるジェットを含む。別の態様では、前記擾乱する手段は超音波トランスジューサを含む。別の態様では、前記擾乱する手段は少なくとも一つの渦又は渦巻き放出点を含む。別の態様では、前記擾乱する工程は、好ましくは自由エネルギー・バリアを低下させる接触角の界面を導入することを含む。別の態様では、前記擾乱する工程は、不均質な核生成部位を生み出す種氷片を導入することを含む。更に別の態様では、前記擾乱する手段は、少なくとも一つのトリップ(trip)等の淀み点を含む。] [0031] 前記トリップは、過冷却された液体の流れの中心近くに配置してもよく、過冷却された液体の流れの周辺近くに配置してもよい。いくつかの態様では、前記トリップは渦又は渦巻きを発生することができる。適当なトリップの好ましい例は、ポスト・デザイン・トリップ、クロスワイヤ・トリップ、歯・デザイン・トリップ、中央歯・デザイン・トリップ、粘着性状球体(sticky sphere)・トリップ、ピラミッド型トリップ、表面粗さトリップ、歯形の組合せ・トリップ、ディンプル付きチューブ・トリップ、及び羽根付き円錐トリップ、又はそれらの組み合わせ、から成る群から選択できる。] [0032] システムは、過冷却された液体溶液の表面エネルギーを低下させる少なくとも一つの界面を含むことができる。システムは更に、前記液体溶液と混合する過冷却された液体を導入するように配置された入口を含むことができる。システムは更に、前記擾乱する手段から氷スラリーを受けるように連結され、氷スラリーから熱を除去するように構成された第二の熱交換器を含むことができる。] [0033] 本発明はまた、過冷却された液体に氷の核生成を誘発する装置であって、過冷却された液体源に連結されるように構成され、過冷却された液体の安定した流れを受けるように配置された通路を形成する導管、及び過冷却された液体の安定した流れを擾乱するように配置された前記導管に関連した少なくとも一つの淀み点、少なくとも一つの渦又は渦巻き放出点、又は少なくとも一つの自由エネルギー・バリアを低下させる接触角の界面、を含み、前記少なくとも一つの淀み点、少なくとも一つの渦又は渦巻き放出点、又は少なくとも一つの界面は前記過冷却された液体に氷の核生成を誘発するように構成され、こうして流動可能な氷スラリーを生成する装置を提供する。前記少なくとも一つの淀み点、少なくとも一つの渦又は渦巻き放出点、又は少なくとも一つの界面はトリップを含んでよい。トリップは通路の中心近くに配置することができる。適当なトリップの好ましい例は、ポスト・デザイン・トリップ、クロスワイヤ・トリップ、歯・デザイン・トリップ、中央歯・デザイン・トリップ、粘着性状球体(sticky sphere)・トリップ、ピラミッド型トリップ、表面粗さトリップ、歯形の組合せ・トリップ、ディンプル付きチューブ・トリップ、及び羽根付き円錐トリップ、又はそれらの組み合わせ、から成る群から選択できる。] 図面の簡単な説明 [0034] 二相冷却剤を生成するシステムの代表的な実施形態を示す概略図である。 二相、液体−固体冷却剤の固体空隙率と固体粒子サイズを測定するシステムの代表的な実施形態を示す概略ダイアグラムである。 粒子サイズが熱流束測定に及ぼす影響を示す図式ダイアグラムである。 加圧液体からの氷の生成に適合する二つのノズル実施形態を示す概略ダイアグラムである。影をつけた部分は、内部での氷形成とノズル出口の閉塞を防ぐために加熱される又は非粘着性物質で被膜される表面である。 加圧液体からの氷の生成に適合する二つのノズル実施形態を示す概略ダイアグラムである。影をつけた部分は、内部での氷形成とノズル出口の閉塞を防ぐために加熱される又は非粘着性物質で被膜される表面である。 加圧液体からの氷の生成に適合する二つのノズル実施形態を示す概略ダイアグラムである。 凍結を促進するための電気冷凍と異なり相変化を利用する二相冷却剤生成システムの実施形態を示す概略図である。 二相冷却剤生成装置の実施形態を示す分解図である。 二相冷却剤生成装置の実施形態を示す分解図である。 二相冷却剤生成装置の種々の構成要素のためのハウジングの実施形態を示す図である。 二相冷却剤生成装置の種々の構成要素のためのハウジングの実施形態を示す図である。 図6に示された冷却剤生成組立体に使用できる熱交換器の実施形態を示す図である。 図6に示された冷却剤生成組立体で使用できる駆動シャフトの実施形態を示す図である。 図6に示された冷却剤生成組立体で使用できるスクレイパー・ブレードの実施形態を示す図である。 図6に示された冷却剤生成組立体で使用できる内部ディスクの実施形態を示す図である。 図6に示された冷却剤生成組立体で使用できる内部ディスクの実施形態を示す図である。 図6に示された冷却剤生成組立体で使用できる内部ディスクの実施形態を示す図である。 図6に示された冷却剤生成組立体で使用できる二相冷却剤混合ブレードの実施形態を示す図である。 図6に示された冷却剤生成組立体で使用できる二相冷却剤混合ブレードの実施形態を示す図である。 図6に示された冷却剤生成組立体で使用できる二相冷却剤混合ブレードの実施形態を示す図である。 図6に示された冷却剤生成組立体で使用できる混合容器の実施形態を示す図である。 図6に示された冷却剤生成組立体で使用できる混合容器ハウジングの実施形態を示す図である。 図6に示された冷却剤生成組立体で使用できる環状ヒートパイプを含む熱交換器の実施形態を示す図である。 二相、液体−固体冷却剤の固体空隙率と粒子サイズを測定するための、ヒートパイプを含むシステムの代表的な実施形態を示す概略ダイアグラムである。 熱交換装置からのスラリー生成によって発生する熱の流れと温度プロファイルを示す図である。 熱交換装置からのスラリー生成によって発生する熱の流れと温度プロファイルを示す図である。 冷却剤ラインにおける凍結したプラグがスラリー生成システムの動作に及ぼす影響を示している熱の流れと温度プロファイルを示す図である。 冷却剤ラインにおける凍結したプラグがスラリー生成システムの動作に及ぼす影響を示している熱の流れと温度プロファイルを示す図である。 氷スクレイパー・ブレードの回転速度の変化が氷スラリー生成システムの動作に及ぼす影響を示している熱の流れと温度プロファイルを示す図である。 氷スクレイパー・ブレードの回転速度の変化が氷スラリー生成システムの動作に及ぼす影響を示している熱の流れと温度プロファイルを示す図である。 氷スクレイパー・ブレードの回転速度の変化が氷スラリー生成システムの動作に及ぼす影響を示している熱の流れと温度プロファイルを示す図である。 一次クーラーと二次クーラーを有する擾乱核生成システムのある実施形態を示す概略図である。 二つの擾乱方法によって開始された氷の核生成を示す代表的なデータセットである。 二つの擾乱方法によって開始された氷の核生成を示す代表的なデータセットである。 氷の核生成を誘発するためのいろいろなトリップ実施形態を示す図であり、(A)ポスト;(B)クロスワイヤ;(C)歯;(D)中央歯;(E)粘着性状球体(sticky sphere);(F)ピラミッド型;(G)表面粗さ;(H)歯形の組合せ;(I)ディンプル付きチューブ;及び(J)羽根付き円錐、を含む。 氷核生成チャンバの代表的な実施形態を示す図である。 氷核生成チャンバで使用できるトリップ・ホルダーとスペーサーの実施形態を示す正面図と断面図である。 氷核生成チャンバのある実施形態を示す正面図である。 Oリング対合表面を有する特注ホース取付口の実施形態を示す図である。 氷核生成チャンバの代表的な実施形態を示す断面図である。 氷核生成チャンバの実施形態を示す背面図である。 ポストトリップ・デザインのホルダーの実施形態を示す正面図である。 ポストトリップ・デザインのホルダーの実施形態を示す断面図である。] [0035] 本発明のシステム、方法、及びその他の側面に関して種々の用語がこの明細書と特許請求の範囲の全体にわたって用いられている。それらの用語は、他に明記される場合を除き、当業界における通常の意味に解されるべきである。] [0036] 特許、公開された出願、技術的な論文及び学術論文を含む種々の刊行物が明細書全体にわたって引用されている。引用された各刊行物は、すべての目的でその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。] [0037] 本発明の諸態様によって、凝固点降下を利用して流体を自発凍結させることができ、それを微粒子状にしてキャリア流体と混合して氷スラリーを形成できることが発見された。更に、微粒子のサイズを制御し微調整して特定用途に役立てることができることが発見された。更に、得られたスラリーを制御された環境で維持し輸送して、凍結した粒子の望ましくない融解を防ぎ、凝集を防止し、凍った流体成分とキャリア流体の混合を防ぐことができることが発見された。また、市販されている氷スラリー生成装置における氷結晶の形成後に塩を混合することでスラリーがポンプで送りやすくなることが発見された。] [0038] 従って、本発明は、二相冷却剤を生成するシステムを含む冷却システムを提供する。図は、本発明のシステムの代表的な実施形態を示す。図1に示された代表的な態様では、システムは第一容器10を含む。第一容器は、その容器に第一流体14を導入するための少なくとも一つの開口を含む。第一流体14は、容器10の内部に放出可能に保持される。第一容器10はまた、第一流体14を容器から放出するための少なくとも一つの別の開口16を含む。第一容器10はホモジナイザー18に、第一流体14がホモジナイザー18によって受けられるように結合される。選択的に、第一容器10は第一管20によってホモジナイザー18に結合される。] 図1 [0039] いくつかの態様で、システムは第一容器10からホモジナイザー18への第一流体14の流れを制御するように配置された弁22を含む。選択的に、弁は容器10,第一管20,又はホモジナイザー18に結合することができる。オプションであるガスケット24は、第二開口16で第一容器10に、第一管20に,弁22に、又はホモジナイザー18に結合することができる。システムの構成要素の結合は完全に流体シール、又は気密シールにはなっていないので、ガスケット24を利用して、結合された構成要素間のシールを形成することができる。] [0040] 弁22はノズルであってもよい。噴霧器又はノズルを用いて問題としている流体のミクロン・サイズの液滴を生成することができる。流体は、ノズルから放出されたときに液滴の圧力が大気圧に戻ると液体から固体への相転移を起こすと予期される。] [0041] 図4は、本発明の粒子化された氷の生成を助けるために使用できる代表的なノズル構造を示す概略ダイアグラムである。図4Aは、多数の開口を有するノズルの断面を示す。図4Bは、単一の開口を有するノズルの断面を示す。図4Cは、単一開口ノズルの上面図を示す。例えば、ノズル44は、複数の小さな開口46を有し出てゆく流体から細かいミストを形成することができる。ニードルバルブ48を用いてノズルを通る流体の流れを制限して流量を制御することができる。別の例では、ノズル50は単一の開口52しか有しないが、孔を出てゆく液体が相当大きな回転速度を有し、流れに存在する運動エネルギーを劇的に増加させて、それによって細かいミストを形成するような内部形状を有する。ノズル50はまた、ノズルを通る流体の流れを制御するニードルバルブ54を含むことができる。] 図4A 図4B 図4C [0042] ノズルは流体が出てゆく間、ノズルの内側で相変化、例えば凍結、を開始しないような十分に高い圧力を維持することが好ましい。ノズルの内側で流体が固化すると、ノズルの流体が流れるスペース56の詰まり、又は開口の詰まりを引き起こす可能性がある。流体がノズルから出てゆく前に相変化を起こす可能性を小さくするために、開口46を円錐形にして出口58が最小の直径になるようにすることができる。] [0043] 円錐形がノズルで流体が凍結することを防ぐのに不十分である場合、少なくとも二つの非限定的な対策選択肢を用いて固化とノズルの詰まりを減らす又はなくすことができる。第一の対策は、抵抗加熱要素(図示せず)を用いてノズル壁56の近くの流れに小さな熱境界層を作りだすことである。この境界層は凍結せず、出口を通る流れをスムースに連続させることができる。第二の対策は、ノズルに疎水性のコーティングを施して出てゆく流体とノズル壁の間の付着エネルギーを減らすことである。この疎水性のコーティングはまた、出てゆく流体中に存在するかもしれない他の疎水性要素を引きつけ、出てゆく流体とノズル壁との間の付着エネルギーを更に減らすことに役立つ可能性がある。] [0044] 図1に示されているように、システムはまた第二容器26を含む。第二容器26は、第一容器10から分離していても、それと同心状であっても、又はその他の方法で連結されていてもよい。図1は、二つの容器の分離形態を示す。第二容器は、第二流体30をその容器に導入するための少なくとも一つの開口28を含む。第二流体30は容器26内に放出可能に保持される。第二容器26は、また、第二流体30を容器から放出するための少なくとも一つの別の開口32を含む。第二容器26はホモジナイザー18に、第二流体30がホモジナイザー18に受けられるように結合される。選択的に、第二容器26はホモジナイザー18に第二管34によって連結される。選択的なガスケット(図示せず)は、第二容器に開口28で、第二管34に、又はホモジナイザー18に取り付けることができる。] 図1 [0045] 容器は、プラスチック、ガラス、ゴム、金属、セラミック等、それだけに限定されないが、当分野で好適な任意の材料で作ることができる。容器は、透明、透光性、不透明、又は光を通さないものであってよい。ガスケットは、それだけに限定されないが、例えばシリコン及び炭素をベースとするエラストマー・ポリマー、熱可塑性エラストマー、ニトリルブタジエン・ゴム、ブチル・ゴム、シロキサン、エチレンプロピルジエン・モノマー等のエラストマー等、当分野で適当な任意材料から成るものであってよい。] [0046] ホモジナイザー18は、均一な所望の粒子サイズと所望のスラリー密度、例えば固体粒子物質対流体の比、を生ずるように機能する。ホモジナイザー18は、第一容器10から放出される固化した流体14を受けるための少なくとも一つの開口36と、第二容器26から放出される第二流体30を受けるための少なくとも一つの開口38を含む。いくつかの態様では、単一の開口が容器10から放出される固化した流体14と容器26から放出される第二流体30の両方を受ける。ホモジナイザー18は、ホモジナイザーで生成された二相冷却剤を放出するための少なくとも一つの開口40を含む。選択的に、第三の管42を、開口40を介してホモジナイザー18に結合することができる。第三の管42を用いて冷却剤を特定の場所に、例えば本明細書で記載され例示される場所に、配送することができる。] [0047] 選択的に、システムはポンプ(図示せず)を含むことができる。ポンプは、第一容器10,第二容器26,又はホモジナイザー18に結合することができる。重力等の力、及び容器10から放出される圧力で、固化した第一流体14や第二流体30をホモジナイザー18に輸送することができるが、いくつかの態様では、ポンプを用いて輸送を助けることが好ましい。] [0048] 第一容器に液体を満たすプロセスでは、容器は全容積に満たない少量を充填する。例えば、流体は全容積の約半分まで充填されるが、それより多い量又は少ない量で流体が充填されることもある。その後、容器は封止され、ほぼ必要な圧力で気体シリンダーに取り付けられる。圧力を供給するのに、酸素、二酸化炭素、窒素、又はアルゴン等、任意の適当な気体を用いることができる。次に、気体は第一容器に接続されて必要な圧力を供給する。圧力の大きさは、流体のタイプや揮発性、流体の大気圧での凍結点等の変数に合わせて変えることができる。容器は封止されているので、圧力は長時間にわたって所望のレベルに維持することができる。スプレーを始めるためにノズルが開かれると圧力シールは破られる。] [0049] 第一容器からの圧力を使用してホモジナイザーへの流れのための力を供給し、第二容器からの流体を駆動又は取り込むことができる。容器が同心的である場合、第二流体はノズルから出てゆくスプレーの速度によって取り込まれる。更に、選択的に、スプレーの運動を変化させて低圧の区域を創りだし、そのサイフォン作用で第二タンクから流体を取り込むことができる。第三の選択は、第二タンクの圧力をノズル出口につなぎ、氷と気体の膨張によりノズルの出口で圧力を上昇させる。その圧力を利用して第二容器内の圧力を高めることができる。第二容器からの流れはノズルの下を進み、配送システムへの経路で微粒子状の氷をピックアップすることができる。] [0050] また、本発明の代表的な態様によれば、二相冷却剤を含む冷却剤を生成する方法が提供される。一般に、これらの方法は粒状化された固体をキャリア流体と混合することを含む。粒状化された固体は好ましくは微粒子化され、更に好ましくはナノ粒子化され、加圧された容器から大気圧での凍結点よりも低い温度に冷却された第一流体を放出することによって生成される。第一流体は実質的に瞬時的に凍結して固体になることが好ましい。凍結は、例えば、断熱法により行われる。例えば本明細書に記載され例示されるような当分野において任意の適宜手段を用いて凍結した流体を粒子化することができる。容器内の圧力は凝固点降下を引き起こすレベルに維持される。キャリア流体も第一流体の大気圧での凍結点よりも低い温度に冷却される。この態様に従って、粒状化した凍結した第一流体をキャリア流体と混合すると、スラリー、即ち二相溶液が生成され、それは本明細書に記載され例示されるような適当な用途で冷却剤として用いることができる。いくつかの極めて好ましい態様では、二相溶液はホモジナイズされて均一な粒子サイズ及び/又は均一な固体対流体比になる。] [0051] いくつかの態様では、第一流体及び/又はキャリア流体は水性、又は実質的に水性である。水性流体は、水、アルコール、又は生理的に適合する緩衝剤、例えばHanks液、Ringer液、又は生理的食塩水等、であるが、それに限定されない。第一流体及び/又はキャリア流体は、少なくとも一つの塩、モノサッカリド又はポリサッカリド、又は核酸、ポリペプチド、及び脂質等の生体分子、又は上記のいずれかの類似体、相同体、又は誘導体、を含むことができる。既知の又は研究者の特定のニーズに適する任意の塩、モノサッカリド又はポリサッカリドを用いることができる。] [0052] 第一流体及び/又はキャリア流体は少なくとも一つの乳化剤を含むことができる。既知の又は用途の特定ニーズに適合する任意の乳化剤を用いることができる。USFDAが認可している乳化剤が、とりわけ得られた氷スラリーの治療又は食品ベースの用途に関して、極めて好ましい。そのような乳化剤の非限定例として、グリセロール、大豆油、及び卵レシチンがあげられる。] [0053] 第一流体及び/又はキャリア流体は少なくとも一つの界面活性剤を含むことができる。既知の又は特定の用途ニーズに適する任意の界面活性剤を用いることができる。USFDAが認可している界面活性剤が極めて好ましい。例えば、ポリエチレン・オキシド(PEO)、ポリプロピレン・オキシド(PPO)、又はポリエチレン・グリコール(PEG)、及びポリプロピレン・グリコール(PPG)サブユニットから作られる界面活性剤の系列が特に好ましい。これらの界面活性剤は非毒性であることが示され、一般に安全であると考えられており、また、細胞損傷やマイクロバブル塞栓症の症例で保護的であるということが知られている。二つの系列の界面活性剤:即ち、ポロキサマー界面活性剤(PEG及びPPGコポリマー界面活性剤);及びプルロニック界面活性剤(PEO及びPPOコポリマー界面活性剤)が非常に好ましい。] [0054] いくつかの態様では、第一流体及び/又はキャリア流体は非極性、例えば有機溶媒、である。既知の又は用途の特定ニーズに適する任意の非極性流体を用いることができる。そのような流体の非限定例として、ペルフトラン、及びペルフルオロ-エックス-アネス(perfluoro-x-anes)、例えばペルフルオロデカン及びペルフルオロヘキサン等がある。二相冷却剤は、用途の特定ニーズに適した任意の固体対流体比であってよい。例えば、この比は0.001%固体から99.999%固体まで、それに対応する99.999%流体から0.001%流体までにわたる。流体中で少なくとも約10%の固体空隙率が好ましい。流体中で更に好ましくは少なくとも約15%の固体空隙率、更に好ましくは少なくとも約20%の固体空隙率、更に好ましくは少なくとも約25%の固体空隙率、更に好ましくは少なくとも約30%の固体空隙率、更に好ましくは少なくとも約35%の固体空隙率、更に好ましくは少なくとも約40%の固体空隙率、更に好ましくは少なくとも約45%の固体空隙率、更に好ましくは少なくとも約50%の固体空隙率、更に好ましくは少なくとも約55%の固体空隙率を用いることができる。流体中で少なくとも約60%の固体空隙率が更に好ましく、もっと高いパーセンテージであれば更に好ましい。所与体積で冷却を最大にすることが好ましいので、最終的なスラリーを構成するために選ばれた物質で達成できる限りの最高パーセンテージの固体空隙率を実現することが極めて望ましい。場合によっては、化学的な潤滑剤(乳化剤及び界面活性剤)及び/又は粒子サイズ調整剤を用いて固体空隙率を高めることができる。] [0055] 本発明はまた、本発明のシステム及び方法によって生成される二相冷却剤等の冷却剤を使用する方法を提供する。この冷却剤は、より低い温度又は温度の維持が望ましい用途において、冷却するため又は特定温度を維持するために用いることができる。] [0056] このように、本発明は、被験体に低体温状態を誘発又は維持する方法を提供する。そのような方法は一般に、ここに記載され例示される本発明の方法のいずれかに従って生成される二相冷却剤等の医薬的に受容される冷却剤を必要とする被験体に投与することを含む。冷却剤は被験体に低体温状態を誘発するのに有効量で投与される。有効量はいろいろな因子に依存するが、それらの因子は当分野では既知であると思われる。そのような因子の非限定例として、被験体の種、身長、体重、年齢、等がある。投与は、冷却剤が用いられる特定の用途に適合する任意の手段によって進めることができる。例えば、冷却剤は、静脈内に、筋肉内に、腹腔内に、局所的に、経口で、経鼻的に、肛門から、子宮に、胸腔内に、肺に、体の他のスペース、領域等に投与することができる。静脈内投与が極めて好ましい。] [0057] これらの方法はどんな被験体にも用いることができる。好ましくは、これらの方法はウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、ハムスター、及びマウス等の哺乳類で用いられる。これらの方法は、好ましくは人間に有益に用いられる。] [0058] 低体温状態は組織的であってよい。その意味は、低体温状態は被験体の全身にわたって誘発し且つ/又は維持されるということである。あるいはまた、低体温状態は体の特定の場所(単数又は複数)に、例えば特定の器官、付属器官、空洞、スペース、又は領域に関するものであってよい。] [0059] また、傷みやすい物品を急速に冷却する又は低い温度を維持する方法が提供される。そのような方法は、一般に、本明細書に記載され又は例示される本発明の方法に従って二相冷却剤等の冷却剤を生成すること、及び傷みやすい物品をその冷却剤に暴露することを含む。傷みやすい物品とは、貯蔵寿命が有限な製品、化合物、又は組成物を指す。傷みやすい物品の非限定例として、肉、魚、農産物、ミルク及び乳製品、菓子、飲料、等の食品、医薬品、ビタミン、ミネラル、揮発性化学物質、放射性核種、核酸、ポリペプチド、及び脂質等の生体分子、細胞、組織、器官、及び血液、血清、尿、唾液、汗、乳等の生物学的流体等がある。] [0060] また、武器や大出力エレクトロニクス等の熱を発生する装置を急速に冷却する方法も記載される。この方法は一般に、ここに記載され又は例示される本発明の方法のいずれかに従って二相冷却剤等の冷却剤を生成すること、及びその冷却剤に武器を暴露することを含む。武器又は武器の一部、例えば弾倉、を本発明の方法を用いて冷却することができる。適当な武器の非限定例として、銃、大砲、及び電磁パルス発生器等がある。レーザー兵器も本発明の方法に従って冷却することができる。武器は、手で持つものであっても、飛行機、ヘリコプター、又は車両等の設備に取り付けられるものであってもよい。大出力エレクトロニクスの非限定例として、コンピュータ、電気器具、マイクロエレクトロニクス装置、電力変圧器等がある。] [0061] 本発明はまた、部屋を冷却する方法を記載する。その方法は一般に、ここに記載され又は例示される本発明の方法のいずれかに従って二相冷却剤等の冷却剤を生成すること、空気の温度が低下するようにその冷却剤に空気を暴露すること、及び冷却された空気を部屋全体にわたって循環させることを含む。空気は、当分野で好適な任意の手段によって冷却剤に暴露することができる。同様に、冷却された空気は当分野で好適なファン等の任意の手段によって循環させることができる。本発明は、本発明の方法によって複数の部屋を同時に冷却することができると考える。例えば、適当なダクト工事によって、冷却された空気をある特定の建物のすべての部屋を含む複数の部屋に同時に循環させることができる。] [0062] 本発明はまた、非致死的な群衆規制の方法を記載する。例えば、放水砲からの二相冷却剤の大量かつ高圧のポンプ放水を用いて、二相冷却剤に全身が暴されて生ずる急激な冷却によって厳しい苦痛を与えて暴徒化した群衆を散らすことができる。] [0063] 本発明はまた、火災の制御又は制圧方法を改良する方法を記載する。例えば、消火ホースからの二相冷却剤の大量かつ高圧のポンプ放水によって、環境に優しい二相冷却剤が火災からより多くの熱を吸収することができ、燃焼プロセスのエネルギーを弱め、火災の制御と制圧を容易にする。更に、火災スプリンクラー・システムからの氷スラリーの放出は火災に同様な作用を及ぼすであろう。] [0064] 本発明はまた、極端に高熱のときに構造要素を保護する方法を記載する。極端に高熱の非限定例として、建物の火災、宇宙船の大気再突入、又は金属精錬設備等がある。極端に高熱の状況は、熱が構造部材の限界を超えて建物の崩壊、宇宙船の分解、又は機械システムの故障を誘導する。これらのシステムの部材が大量二相冷却剤生成システムと合わせて設計されて完備した熱伝達導管が設けられていたら、それらの部材は高熱発生時に直接冷却されて構造の崩壊までの時間が長くなるであろう。] [0065] 更に、本発明は個人冷却システムのための方法を記載する。個人冷却は、身体活動時の個人の動作を改善する、又はその他の形で体の過熱を防止するのに役立つであろう。個人冷却システムの非限定例として、個人用ミスト発生器、スポーツチームのためのベンチ用ミスト発生器、体の所望部分を冷却するために他の衣服、装置、ヘルメット、グローブ、シューズ等の下に着用する本体冷却システム、がある。] [0066] 更に、本発明は、有毒気体の除去又は安全な取り扱いのための方法を記載する。液体の温度が下がると、その液体に溶解できる気体の量は増加する。記載された方法を用いて二相の空気洗浄液体を創りだすことができる。この液体を用いて種々の有毒ガスのいずれかに暴された空気を急速に濾過することができる。有毒ガスの非限定例として、一酸化炭素、毒ガス、放射性ガス、放射性粒状物質、アスベスト粒状物質、等がある。同じ装置の別の態様は、そのような気体を含む武器の安全な取り扱いを可能にする。] [0067] 更に本発明は、寒冷痙縮(cryostasis)状態の誘導のための深い低体温状態を急速に誘発する方法を記載する。この方法は、病院における医療上の利益のために用いられ、あるいは長期間の宇宙旅行のために血行静止(stasis)を誘導するために用いられることもある。深い低体温状態を誘導する箇所は二相冷却剤生成システムの異なる実施形態を必要とするであろう。宇宙で用いるように設計されたシステムは、宇宙の真空を一次冷却剤として用いることができる。] [0068] 上述の方法、又は本発明が適合できるその他の方法のいずれにおいても、冷却速度を制御することができる。従って、冷却はゆっくりと又は速やかに、均一な速度で、又は段階的速度で、例えばある期間は速やかに、その後にゆっくりした期間が続くように進行させることができる。冷却速度は、用途の特定のニーズに従って決定し調整することができる。冷却速度は当分野で好適な任意手段によって制御することができる。冷却速度を制御するための適当な方法として、スラリーの配送速度を調整すること、又はスラリーの氷含有率を調整すること等があるが、それだけに限定されない。これらのパラメータを制御するのに用いられる方法は、装置の特定の構成形態に依存するが、ポンピング速度を変えること、又はある弁又はノズルが開いているパーセンテージを変えること、等が含まれる。本発明が提供する冷却システムは、非常に多様なその他の用途で好適に利用できると考えられる。そのような用途の非限定例として、種々の産業における貯蔵、発送、及び空調等がある。別の用途は、例えば、医療産業に見られ、そこでは患者の冷却が外傷、心停止、虚血性傷害、等の結果を改善する治療法として認知されつつある。冷却はまた、装置の構成要素を損傷する過剰な熱が発生する装置にとっても有益である。そのような装置には、コンピュータ、武器、工具、モータ、車両等がある。] [0069] 用途によって、選択的に冷媒用化学物質又は冷凍機が冷たい空気や氷を発生させるために用いられる。しかし、クロロフルオロカーボン等の冷媒用化学物質の多くは有毒であり、環境を損なう恐れがあるので、それらの冷却システムは冷媒用化学物質を使用することなく運転できる本明細書で記載される実施形態に比べて好ましくない。同様に、多くの市販の空調装置や冷凍装置は大量のエネルギーを使用することがあり、ピーク需要のときには電力網に大きな負担になる可能性があるので、大量のエネルギーを使用せずに運転できる本明細書で記載される実施形態に比べて好ましくない。] [0070] 本明細書で記載されるタイプの二相、固体−液体冷却剤は、医療、冷凍、及びHVAC用途、群衆規制、及び消火等、種々の用途で有益に用いることができる。用途によっては、そのような冷却剤の質、即ち冷却能力、をその冷却剤を用いる活動場所で検証することが特に有益である。従って、いろいろな用途で二相冷却剤システムの信頼できる使用を可能にする品質保証システムが望ましい。] [0071] 二相、固体−液体冷却剤の冷却能力は冷却剤固体の空隙率と粒子サイズに関係している。超音波や光散乱を用いる粒子検出装置が、選択的に、冷却能力を決定する測定を行うために用いられる。必要とされる大きな電力と計算能力が利用できない用途、あるいはクリーンで安定した環境が利用できない用途においては、予測できない環境、例えば戦場、緊急事態、又は海上等、でいろいろな用途に合わせて調整できる最小の電力と計算能力しか必要としない品質保証システムがあることが有益である。] [0072] 図2に示されているように、ある好ましい実施形態では、二相、固体−液体冷却剤の冷却能力を決定するための、内部111と外部112を有し,予め定められた長さ、及び既知熱伝達特性を有する導管110を含むシステム100が提供される。導管は、銅、アルミニウム、又はステンレス鋼等の金属から作ることができる。冷却剤が品質測定装置を通って進むときに層流混合が行われるように導管には旋条をつけることができる。旋条をつけた導管装置の内部寸法は、入口管及び出口管と同じ寸法とすることができるが、用途によって異なる。非限定例をあげると、胃腸管配送システムは静脈内配送システムよりも大きな導管である。導管の外径は内径の二倍を超えないことが好ましい。導管110は、更に、入口113と出口114を有し、それらはそれぞれ、導管110の内部111を流れる所定流量の冷却剤を受け、放出するように構成される。熱源120が、導管の内部111を通って流れる冷却剤に熱を伝達するように導管110に対して位置決めされる。装置のための熱源は電流より印加される一連の抵抗加熱装置(RTD)の形で最適に設けることができる。RTDsは導管の壁に埋め込むことも、導管の内部又は外部に取り付けることもできる。一定の温度が維持されるようにRTDsを制御することができる。更に、RTDは熱流束センサと温度センサを内蔵することができる。少なくとも一つの熱流束センサ121と少なくとも一つの温度センサ122が導管110上に位置決めされる。センサ・ワイヤ123がセンサをエレクトロニクス要素130に,普通はコンピュータ又はその他の半導体装置に、結合する。] 図2 [0073] 運転時には、所定流量の二相、固体−液体冷却剤、好ましくは氷の水性スラリー、が冷却剤配送システムの出口から引き出され、導管110の入口113に導かれる。導管110への冷却剤の流れは、冷却剤を使用する点にできるだけ近い源から引き出して、使用する点での冷却剤の冷却能力を決定することが好ましい。熱は、熱源120から導管内部111を流れる冷却剤に伝達される。導管110の外部112は一定温度に維持されることが好ましい。また、冷却剤が導管110を通るときに、冷却剤中の固相の実質的に均一な断面分布が維持されることが好ましい。流体の均一性を確保する混合を誘発するための旋条又は羽根(vane)が導管に存在してもよい。] [0074] 熱伝達と冷却剤温度は、熱流束センサと温度センサ121,122によって、冷却剤が導管内部111を移動する距離の関数として測定される。信号はセンサ121,122からセンサ・ワイヤ123によってコンピュータ等のエレクトロニクス要素130に伝送される。エレクトロニクス要素130は、測定された冷却剤への熱流束と冷却剤温度と冷却剤の諸性質、即ち冷却能力、固体空隙率、及び固体粒子サイズ、と相関関係を有する。熱流束と温度の測定値を用いて、エレクトロニクス要素130は関連する冷却剤の諸性質を計算する。図3に示されているように、固体粒子サイズの減少は測定される熱流束の増加と相関する。] 図3 [0075] また、本発明によって、二相冷却剤のオンデマンド生成のための携帯システム及び方法が記載される。例えば、現場で治療のための低体温状態を誘発する急速冷却を行うとき、一つの障碍は、患者を治療するために利用できる短時間の間に塩水等の液体を冷却して氷を生成するのに十分な電力源が見つけられないことである。更に、治療という情況で、患者の冷却は病院に着く前に始められるのが理想的であること、が電力ニーズを満たすことを難しくしている、即ち、大きな電力源が救急車で利用できる必要があることを意味する。] [0076] 例をあげると、2リットルの塩水を約室温から略0℃の凍結点まで冷却して、2リットルのうち1リットルは凍結して氷にするために必要な全エネルギーは約550キロジュールである。このプロセスを約5分で遂行するために、理想的な条件を仮定しても1.8キロワットを超えるエネルギーが必要である。そのタイプの冷却能力を備えた冷凍ユニットはあるが、一般に特別な220ボルトの配線を必要とし、一般に大きくて重く、数百ポンドという重量になる。更に、多くの場合に条件は理想的ではないので、この電力ニーズの推定値は、実際に必要な電力を著しく過小に推定している。即ち、実際に必要な冷凍ユニットはもっと重く、運転するためにもっと大きな電力を必要とする。サイズ及び必要電力の制限は病院の建物内で緊急事態に二相冷却剤を生成する能力を制約するであろうし、そのような冷却剤を緊急医療事態という制約の下に救急車で生成する能力を、不可能にするとまで言わないとしても、厳しく制約する。] [0077] このような制約を克服するために、可能な一つの方法は二相冷却剤を必要となる前に生成して貯蔵しておくことである。予め調製することにより、冷却剤の流量を著しく減らし、消費電力を減らすことができる。しかし、スラリー等の二相冷却剤は、貯蔵しておくと好ましい氷粒子形状やポンプ輸送特性を喪失して冷却剤の治療価値を低下する。水性の氷スラリーは水の氷形態と液体形態との間で絶えず相変化する状態にある。時間がたつと氷結晶の樹枝状の性質が回復し、スラリーをポンプで送ろうとしても、例えば静脈内管という厳しい制約の下では、もはや動くことができなくなる。] [0078] 本発明によって、例えば圧縮ガスやドライアイスに貯えられた熱力学的エネルギーを制御して、二相冷却剤の移動可能なオンデマンド生成のために利用できることが発見された。しかし、このような冷却液体の熱力学的エネルギーの利用は、塩水の共晶点より低い温度を創りだし、その結果0℃よりずっと低い温度の氷スラリーが生じて、それが患者にとって有害になる可能性がある。この問題は、一つ以上の熱交換器を用いて塩水の凍結温度を制御できるという発見によって解決された。熱交換器の使用はまた、ドライアイスの昇華又は液体の蒸発という形で貯えられた冷却(cooling)を利用することを可能にする。熱交換器の使用の概観が図5に示されている。本発明のシステムの実施形態の詳細について、図6-14を参照して以下で説明する。] 図5 [0079] 熱交換器の圧力低下、熱流量、及び質量流量は、その長さ寸法(linear dimension)を変えることによって変えることができる。熟練した技能者は、この点に関する指針として、例えばJohn E Hesselgreavesの「小型熱交換器:選定、設計、及び運転(Compact Heat Exchangers: Selection, Design and Operation)」(Elsevier ScienceLTD. 2001)を参照することができる。本明細書に記載され又は例示された装置の寸法は、説明のためであって限定ではない。従って、寸法は、個々のユーザー又は研究者の個々のシステム、装置、用途、又はニーズによって異なる。] [0080] ある態様では、二相冷却剤の生成システムは、一般に約0.45%から約7.5%の溶質を含有する医療用食塩水を用いて、患者に低体温状態を誘発するための無菌の氷−食塩水スラリーをオンデマンドで作りだす。例えば、生成される無菌の氷スラリーを用いて、突然死、心臓発作、卒中、熱中症、敗血症性ショック、又は制御されない出血性ショックが問題になるその他の医学的状態の際に、患者保護のために治療的な低体温状態を速やかに誘発できる。] [0081] 図6A−Bに示されているように、二相冷却剤生成システムはいくつかの主要な構成部品を含み、それらはスラリー生成装置200に組み立てられる。適当な組立体形態の一例の分解図が示されている。図6Bは、図6Aに示されている形態を90度回転したものを示している。図は、ハウジング220,熱交換器240,駆動シャフト260,氷スクレイパー・ブレード280,内部ディスク300,混合ブレード320,混合容器340,及び混合容器ハウジング360を含む。組立体は更にガスケットとコネクタ、例えばねじ又はスナップフィット(図示せず)を含むことができる。] 図6A [0082] いくつかの態様では、システムは二相冷却剤生成システムの主要な構成要素を収容するように構成されたハウジング220を含む。ハウジングは、金属、プラスチック、ゴム、シリカ、ポリマー、ガラス、木材、等任意の適当な材料で構成できる。ハウジングは断熱することができる。プラスチックが材料として好ましい。図7に示されているように、ハウジングは二相冷却剤生成システムの構成要素を収容するための管孔222を含むことができる。図7Aは、ハウジングのある代表的な外側形態を示す。図7Bは、ハウジングの切り欠き図を示し、ハウジング内のスラリー生成システムの別の構成要素の形態の一例を示している。この構成要素は当分野で好適な任意の手段によってハウジングに締結することができる。好ましくは、構成要素は定期的にクリーニング及び/又は殺菌することができるように可逆的に組み立てられる。] 図7A [0083] ハウジングはまた、開口を含むことができ、それらは、例えば冷却剤入口226と冷却剤出口224として、並びに、凍結されできる氷スラリーの氷成分に成るべき流体の入口230及び氷スラリーの出口228として用いられる。開口は、選択的に、ハウジングを流体容器、スラリー貯蔵容器、スラリーの送給のための配管、システムのその他の構成要素に結合するように構成されたコネクタを含むことができる。コネクタは、使用目的のために当分野で好適な任意のコネクタであってよい。] [0084] 好ましくは、ハウジングは熱交換器240を含む。熱交換器は長さL、直径がDである(図7B)。いくつかの好ましい態様では、熱交換器は一つ以上の管、好ましくは同心管を含み、それが二相冷却剤を含む流体から冷却剤を分離する。] 図7B [0085] 図8に示されているように、熱交換器は一つの管を含むことができる。管は管孔244を有し、二相冷却剤を含む流体がそれを流れることができ、生成されるスラリーの氷相は管孔の側壁246上に形成される。冷却剤はハウジング220と熱交換器の管240との間を流れる。熱交換器の管は、長さが約1インチから約24インチ(1インチ≒2.54 cm)までの範囲にあるが、もっと短い又はもっと長い管を用いることもできる。好ましくは、管の長さは約1インチから約6インチまでである。内部の管は、直径が約0.25インチから約2インチまでの範囲にある。好ましくは、内管の直径は約0.5インチである。外部の管は、直径が約0.5インチから約2.5インチまでの範囲にある。好ましくは、外部の管の直径は約0.8インチである。単一の熱交換器管のある非限定例では、管の長さLは約6インチであり、直径Dは約0.75インチである。] 図8 [0086] 熱交換器の管は当分野で好適な任意の材料から作ることができ、選ばれる材料はそのシステムを使用する用途による。熱交換器の管はステンレス鋼、プラチナ、又はチタン等の金属から構成できる。好ましくは、熱交換器の材料はステンレス鋼である。内側及び外部の管は同じ材料で構成しても異なる材料で構成してもよい。外部の管は、ステンレス鋼、プラチナ、チタン、ナイロン、ポリカーボネート、Teflon(登録商標)、又はTygon(登録商標)から構成できる。好ましくは、材料はポリカーボネート等、絶縁性であって殺菌できるものである。] [0087] 熱交換器の管はハウジング内に収容され、熱交換器の管の壁にはハウジング管孔を流れる又はその他の形で存在している冷却剤が直接に接触する。管はハウジングに締結されるか、ハウジング内に遊離して浮いている。冷却剤は熱交換器の管を、熱交換器の管の側壁に接触する流体を凍結させるのに十分な温度まで冷却する。更に、流体の冷却は、結果的に熱交換器の管の側壁に直接に接触しないで流体を凍結させることができる。冷却剤は問題としている流体を凍結させるのに当分野で好適などんな冷却剤であってもよい。冷却剤の非限定例として、ドライアイス-アルコール・スラリー、フレオンやアンモニア等の圧縮冷凍ガス、ポリエチレン・グリコール、ポリプロピレン・グリコール、水、塩化ナトリウム塩水又は蟻酸カリウム塩水又はデキストロース溶液等の凝固点降下水、アルコール、等である。] [0088] 好ましくは、熱交換器の管は駆動シャフト260,例えば図9に示されているようなもの、を含む。駆動シャフトは、熱交換器の内管の中で回転する軸262を含む。駆動シャフトは更に、駆動シャフトに一つ以上のスクレイパー・ブレードを可逆的に締結する一つ以上のスクレイパー・ブレード・ホルダー264を含むことができる。駆動シャフトは更に、流体の流れと輸送を助け、且つ形成しつつある氷スラリーが熱交換器を通るために、一つ以上のチャンネル266を含むことができる。チャンネルは、スラリー生成組立体の下流構成要素を通って脈動する流れを生ずるような角度で駆動シャフトの先端に切り込まれてよい。このタイプの冷却剤を生成するときの一つの問題は、氷粒子が凝集して固まる性向があり、スラリーをポンプで送ることができなくなることである。スラリーの流れの経路の大きな障碍は流れの淀み点になり、それが更に氷粒子が凝集する場所になる。脈動する流れによって、樹枝状の氷結晶で生じやすい氷粒子の密集を減らし、ゼロにすることさえできる。更に、駆動シャフトは混合ブレード268を結合するための適当な手段になる。] 図9 [0089] 駆動シャフトは熱交換器に締結してもハウジングに締結してもよい。駆動シャフトは、時計回り、反時計回り、又はそれらの組み合わせで回転してよい。駆動シャフトは、当分野で適当な任意のスピードで回転してよい。駆動シャフトの回転速度は氷をかき取るブレードの数と関係する。例えば、水の凍結プロセスの分析から、氷界面を約1/30秒毎から約1/5秒毎にかき取ることが好ましいということが判明した。いくつかの好ましい態様では、氷界面は1/20秒毎にかき取られる。従って、かき取るブレードが1枚の駆動シャフトは約1200rpmで回転することが好ましい。かき取るブレードが2枚の駆動シャフトは約600rpmで回転することが好ましい。かき取るブレードが3枚の駆動シャフトは約400rpmで回転することが好ましい。かき取るブレードが4枚の駆動シャフトは約300rpmで回転することが好ましい。かき取るブレードの数と駆動シャフトのrpmの間のこの関係は、かき取るブレードのすべての数に続く。更に好ましい態様では、駆動シャフトは約0.0001から約200rpmまでで回転する。回転は、モータの使用を含め、当分野に適当な任意の手段によって実行することができる。いくつかの実施形態では、バッテリー又はAC電力による適当なパワーのモータを駆動シャフト262の基端に取り付けることができる。別の実施形態では、タービン・ブレードを駆動シャフト262の基端に取り付けることができる。この駆動シャフトは、流体を装置にポンプ輸送するために用いるポンプを動力にすることができる。] [0090] 図10に示されているように、駆動シャフトは一つ以上のスクレイパー・ブレードを含むことができる。スクレイパー・ブレードは形成された氷を内管の側壁から除去するように構成される。各スクレイパー・ブレードは、選択的に、一つ以上の開口282を含むことができる。開口はかき取られた氷粒子がスクレイパー・ブレードを自由に通過することを可能にする。開口のサイズは、幅が約1/16インチから約1/2インチ(0.16cm−1.27cm)まで、長さが約1/4インチから約8インチ(0.64cm−20.32cm)までの範囲にある。好ましくは、開口は幅が約1/8インチ(0.07cm)で長さが約3/4インチ(1.91cm)である。] 図10 [0091] スクレイパー・ブレードを通る自由通路は得られるスラリーの均一性を保証するのに役立つ。スクレイパー・ブレードは、金属、プラスチック、ゴム、ガラス、ポリマー、シリカ等の当分野で好適な任意の材料から作ることができる。内管の側壁に形成される氷に接触するスクレイパー・ブレードの端にはテーパーをつけることができる。スクレイパー・ブレードは螺旋きり(auger)の形態にすることができる。螺旋きり形態では、スクレイパー・ブレードは少なくとも二つの目的に役立つ。ある態様では、螺旋きり型スクレイパー・ブレードは熱交換界面から氷をかき取ることに役立ち、装置を通して塩水スラリーを輸送するためにも役立つ。螺旋きり型の実施形態は、必要なポンプの数が少なく、運転するのに必要な電力が少ない利点がある。螺旋きり型スクレイパー・ブレードの数は1から多数まであり得る。ブレードの数は、所望のスラリー流量、螺旋パラメータ(リード、リード角、及び平均螺旋直径)、及びモータの所望RPM等種々の変数によって決定される。] [0092] いくつかの態様では、スラリー生成組立体は、図11A−Cに示されているように内部ディスク300を含む。図A−Cは異なる角度で見た内部ディスクを示す。内部ディスクは駆動シャフトの端の近くにベアリングを保持することができる。内部ディスクは、一つ以上の開口302を有し、生成された氷-塩水スラリーがディスクを通過して装置の次の構成要素へ進むことを可能にする。更に、ディスクは装置を一緒に封止する圧縮力のための二つの面を含み、熱交換器の先端を含み、混合容器の基端を含む。選択的に、熱交換器の先端とディスクとの間、及び混合容器の基端とディスクとの間にガスケットを使用できる。] 図11A [0093] いくつかの態様では、スラリー生成組立体は混合ブレード320を含む。混合ブレードの一つの非限定例が図12A−Cに示されている。図12Aはこの混合ブレードの側面図を示し、図12Bはこの混合ブレードの上面図を示し、図12Cは混合ブレード全体の三次元斜視図を示す。このブレードは熱交換器で生成された氷スラリー(これは樹枝状の氷スラリーになる)と高濃度塩水を混合し且つ/又は細かく均一化するように構成される。ブレードの形はスラリーと高濃度塩水の乱流(無秩序な)混合を創りだすように設計される。いくつかの態様では、混合ブレードはスラリーを径方向に押し出して、代わりに高濃度塩水をもっと中心の区域へ付勢するように構成される。] 図12A 図12B 図12C [0094] 最初に形成されて氷スラリーを構成する氷粒子は、一般に鋭い樹枝状のエッジを含む。形成された氷の形状は、例えば患者への配送のために、スラリーの管へのポンプ輸送を妨げ、不可能にすることさえある。氷粒子の形を滑らかにすることは一次的な氷形成プロセスでも二次的なスムージング・プロセスでも可能であり、それによって樹枝状氷結晶から成る氷スラリーを輸送する問題が解決される。上述の二次的プロセスは多くの市販されている軟氷(slush)生成装置に追加することができ、スラリーをポンプ輸送しやすい又は飲みやすいものにできる。現在市販されている軟氷生成装置の非限定例として:ORS-1075HS HUSH-SLUSH(登録商標)(O. R. Solutions, Inc., Chantilly, VA)システム、SLURPEE(登録商標)マシン(7-Eleven)、スラシー・マシン、凍結アルコール飲料機、二相冷却剤を用いる建物冷房システム等がある。] [0095] 更に、氷粒子の形を滑らかにすることは、スラリーの制御加熱によって、有効量の高濃度の塩水を氷スラリーに加えることによって、又は有効量の凍結していない液体を加えることによって達成できる。スラリーに少量の熱を加えることはスラリーを攪拌しながら熱流束又は液体流束によって行うことができ、滑らかな氷粒子の生成に通じる。必要な加熱量は、例えば所望のスラリー流量によって異なる。熱は、壁の温度をスラリーの平均温度よりも高く維持することによって加えることができる。非限定的な壁の温度は約0℃から約40℃までの範囲にわたり、低い範囲の0-4℃と30-40℃の両方が好ましい。二つの好ましい温度範囲は異なる加熱面積に対応し、大きい方の加熱面積は低い方の壁温度に対応する。] [0096] 高濃度塩水は、市販されている約3.5%, 5%, 及び7.5%医療用食塩水を含み、約1から約10パーセントの溶質を含む。塩水は、以下の非限定的な溶質の一つ以上を含み、それらは好ましくは医薬的に受容される又は生理的な塩又は糖であり、非限定例として、塩化ナトリウム、乳酸ナトリウム、燐酸カリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、燐酸ナトリウム、二燐酸カリウム、蟻酸カリウム、グルコース、及びデキストロース等がある。] [0097] 氷スラリーの制御加熱及び/又は氷スラリーへの高濃度塩水の添加は、スラリー生成組立体のどの構成要素においても実行できる。一つの好適態様では、組立体が氷粒子を滑らかにするための専用の構成要素、例えば混合容器、を含む。混合容器は、当分野に好適な任意の形及びサイズで構成できる。ある極めて好ましい態様では、混合容器は図13に示されているように円錐形である。] 図13 [0098] 混合容器340は、内部ディスクを通過する熱交換器で形成された氷スラリーのための入口342を含む。混合容器はまた、精製されたスラリーの排出、例えば患者に投与される排出、のための出口344を含む。いくつかの態様で、容器は高濃度の塩水を容器管孔に加えることができるようにする一つ又は複数の入口346を含むことができる。混合容器は混合ブレードを含む。いくつかの態様では、容器を加熱して氷粒子を滑らかなものにすることができる。混合容器を加熱する方法の非限定例として、混合容器の壁に抵抗発熱装置を組み込むこと、混合容器の壁の外部のまわりに暖かい流体を流すこと、あるいは混合容器の壁をヒートパイプで構成してスラリー温度より高く設定された壁温度をヒートパイプで実現すること、等がある。容器は、金属、プラスチック、ゴム、シリカ、ポリマー、ガラス等、当分野で好適な任意材料で作ることができ、選択的に断熱される。] [0099] いくつかの実施形態では、スラリー生成組立体は混合容器ハウジング360を含むことができる。混合用円錐形容器を収容するように構成された容器ハウジングの一例が図14に示されている。容器ハウジング構成要素は組立体の諸構成要素を内部ディスクの先端側で保持するように構成され、組立体の主ハウジングに可逆的に締結され、異なる種々のコンパートメントをすべて封止して組立体全体を一緒に保持するための圧縮を与える。いくつかの好ましい態様では、容器ハウジングは一つ以上の開口362を含み、それによって高濃度スラリーが容器ハウジングを通過して混合容器に入ることが可能になる。いくつかの好ましい態様では、容器ハウジングは、スラリー生成組立体から生成されたスラリーの排出のための一つ以上の出口364を含む。いくつかの極めて好適態様では、この出口は、スラリーを患者に投与するための静脈内管等の管に接続するための取付部品366を含む。当分野に好適な任意の取付部品を、例えばIVルアー(luer)・コネクタ等、を使用できる。その他の可能なコネクタの非限定例として、建物冷房、腐敗性物品の冷却、又は消火スプリンクラー・システム、に用いられる標準的な鉛管コネクタ、レーザー、銃、大砲、及び電磁発生器等の武器の冷却に適したコネクタ、消火ホースや放水銃に適合するコネクタ、冷却キャップ、冷却ベスト等の個人冷却システム、又は個人的ミスト発生システム等に適したコネクタ、職員ミスト発生システム(スポーツチーム・ベンチ)に適合するコネクタ、低温痙縮システムに適合するコネクタ、精錬所冷却に適合するコネクタ、火災時のビルディング・フレーム冷却又は損傷した熱シールドで大気再突入するときの宇宙船防護等、極端条件での構造要素の冷却に適合するコネクタ、エアー洗浄システムに適合するコネクタ、改善された有毒気体の収容と輸送に適合するコネクタ、長時間の手術の間に器官保存で用いる最小侵襲外科器具に適合するコネクタ、貯蔵タンク寄託に適合するコネクタ、胃腸管管、肺洗浄用配管、又は鼻咽頭、口腔、耳、肛門、又は膣空洞へのスラリー放出等の局所医療冷却に適合するコネクタ、腹腔内又は胸腔内スペースへのスラリー放出等に適合するコネクタ、又はその他の生理的なスペース又は領域への放出に適合するコネクタ、等がある。] 図14 [0100] いくつかの態様では、ここに記載され例示されるようなスラリー生成システムは4つの容積部を含む。第一容積部は、低濃度塩水を含み、冷却されて氷が塩水中に形成される。いくつかの好適態様では、スラリーは約10から約90%の氷を含むが、それより高い又はそれより低いパーセンテージのものも生成でき、とりわけ研究者の特定ニーズによる。更に好ましくは、スラリーは約20から約80%の氷を含み、更に好ましくは約30から約70%の氷を含み、更に好ましくは約40から約60%の氷を含み、そして更に好ましくは約50から約60%の氷を含む。] [0101] 第二容積部は、第一容積部を囲み、熱交換器の構造によって分離される。この第二容積部は冷却剤が再循環される部分である。好ましくは、冷却剤と塩水は流れの方向が逆で対向流熱交換器を創りだす。冷却剤を相変化冷凍ユニットに循環させて、そこで熱が除去されるようにすることができる。冷凍ユニットは非電気的であることが好ましいが、電気的なユニットであってもよい。] [0102] 第三容積部は、熱交換器から生成された氷スラリーを加熱し、又は高濃度塩水と混合するところである。氷粒子の制御された加熱又は追加の塩との混合は、氷粒子を滑らかにし、スラリーをポンプ輸送できるようにする。混合ブレードが第三容積部にあってもよい。] [0103] 第四容積部は第三容積部を囲み、高濃度塩水が組立体に導入されるところである。この容積部は高濃度塩水が混合容器のすべての表面へ自由に流れることが可能になるように構成される。これは均一な混合を助け、氷スラリーが容器を通って流れるときの抵抗を減らす。完成された氷スラリーは容器の端から出てゆく。いくつかの態様では、スラリーは組立体の一つ以上の構成要素を通ってポンプで送られ、且つ/又は患者に投与するために管を介してポンプで送られる。] [0104] 対向流熱交換器の形態では、冷却剤流量と塩水流量が、氷の望ましい空隙率に基づいて物理的に関係がつけられる。熱交換器の壁の温度が装置を通る距離の関数として変化することで熱伝達方程式は更に複雑になる。更に、冷却剤液体をポンプで送るためにエネルギーが必要になることがある。スラリー生成システムの形態及び動作を最適にするために、円環状ヒートパイプをシステムの熱交換器として用いることができる。従って、いくつかの好適態様では、熱交換器はヒートパイプ、好ましくは円環状ヒートパイプである。] [0105] 代表的な実施形態では、ヒートパイプは本質的に自己完結的な表面張力駆動のヒートパイプである。温度勾配がヒートパイプを横切っている場合、熱はヒートパイプを横切って伝導と対流によって移動し、伝導だけの場合と比べると100倍も大きな熱伝達が可能になる。ヒートパイプ・テクノロジーの別の利点は、製造時の内部圧力を制御することによってヒートパイプが所望の蒸発温度又は凝結温度を持つように調整できるということである。これによって、他の制御やフィードバックなしで設定された一定温度の表面を得ることができる。従って、ヒートパイプは冷却剤をポンプ輸送する必要を減らす又はなくす別の利点があり、更に一定の壁温度の熱交換器表面が得られる利点もある。これによって、もっと小型で移動可能なスラリー生成システム及び装置、並びに必要なポンプが少なく、従って運転するための必要電力が少ないシステム及び装置を製造できる。] [0106] ヒートパイプ熱交換器形態の一例が図15に示されている。これは断面図である。ヒートパイプは好ましくは円環であり、この図では中心軸に沿って半分に切断されている。図示形態では、ヒートパイプ中の液体は冷却剤の側で凝結し、塩水側の方へ運ばれ、そこでは冷却剤が蒸発する。蒸発温度は約0℃から約-20℃の間に保たれる。冷却剤は液体窒素等の圧縮気体であっても、ドライアイスを混合したアルコールであってもよい。ヒートパイプは、冷却剤側に温度勾配があっても、塩水側では均一な温度を与える。冷却剤はヒートパイプを収納する第二の大きな環状体に収容できる。] 図15 [0107] 図16は図2に示されたシステムの変形を示す。図16に示されたシステムの断面図では、ヒートパイプは中心軸に沿って半分に切断された環状体を含む。この形態では、ヒートパイプ400の蒸発側はヒーター402に近くなる。ヒートパイプの凝結側はスラリーの側に近くなる。凝結する液体はスラリーを熱して氷を融かす。上述した測定方法を用いることができる。凝結温度は約0℃から約60℃の範囲になる。] 図16 図2 [0108] 氷スラリー生成は一次熱交換器の外側にある過冷却された塩水から氷を核生成することによって最適化できる。例えば、一般にスラリーが熱交換器の内側で生成される場合、核生成事象は過冷却された溶液で起きるが、この事象は連続的でない。これは、形成される氷は溶液内で連続的に核生成によって生ずる氷からではなく、主として熱交換器の表面からかき取ることによって得る必要があることを意味する。本発明では、過冷却状態が安定化し、氷は擾乱によって核生成する。氷が熱交換器内で生成する場合、熱交換器のメンテナンスがしにくく、効率は低下するので、氷を一次熱交換器の外側で作ることが有利である。即ち、いくつかの態様で、本発明は、過冷却された溶液(溶液の凍結点よりも低い温度に冷却された液体溶液)から、例えば溶液の流れに擾乱を作ることによって氷を生成するシステムを提供する。そのような擾乱は、超音波、粗さの変化、乱流の変化、等を用いて作ることができる。氷の核生成はしばしば既に存在している界面で容易に起こる。これは、表面エネルギーを下げ、自由エネルギー・バリアを低くすることによって表面が粒子の核生成を可能にするからであり、位相間の接触角の変化が表面エネルギーに影響を及ぼす。] [0109] いくつかの態様では、スラリー生成システムは図20に示されるように構成される。例えば、システム500は少なくとも一つの熱交換器を含む。一次クーラー502を用いて溶液504を氷の核生成を誘発することなく過冷却することができる。一次クーラーは、例えば(本明細書に記載され例示されているような)対向流表面かき取り熱交換器、環状ヒートパイプ、又は塩水をその凍結点より低い温度に冷却できる任意の冷凍テクノロジーであってよい。] 図20 [0110] 氷の核生成は、例えば安定した流れを擾乱することによって、過冷却された溶液に誘発できる。安定した流れは、層流であっても乱流であってもよい。流れの擾乱506は、超音波、流れの淀み点、種氷片の導入、泡、渦又は渦巻を発生させる幾何形状(例えばピラミッド形状)の利用、濡れを調整するための物理的物体の角度(接触角)調整、濡れを調整する物理的物体の物質変化、又は流体の流れの運動量変化(流体が流れる直径を変える)、その他の擾乱手段、又は上記の組み合わせ、等の方法によって誘発できる。これらの擾乱は溶液に不均質な核生成を発生させて氷スラリー508を形成することができる。擾乱は、一次クーラーから空間的に分離される、例えば一次クーラーに結合された氷核生成チャンバ510内にある。全氷比率並びに粒子サイズは、核生成の開始後に選択的な二次クーラー512を用いて、スラリーから熱を連続的に除去することによって制御できる。] [0111] いくつかの態様では、流れの擾乱は局所的な圧力の変動、例えば過冷却された流体ジェットの衝突による又は超音波による局所的な圧力の変動である。] [0112] 過冷却流体の流体ベッドに衝突する過冷却された流体ジェットは不均質な核生成を誘発できる。この態様では、流体ベッドにおけるジェット/液滴の衝突による圧力変動が平衡凍結温度に局所的な変動を生じて不均質な核生成に導くと考えられる。] [0113] 衝突するジェットが不均質な氷核生成を誘発する確率は、流体本体の表面に気泡を導入することによって高めることができる。気泡は流体ベッドで安定であることが好ましいが、気泡の特徴的な長さスケールに実際的な限界を与える。この態様では、氷の結晶化は、衝突する過冷却流体ジェットの下に気泡がある間に気泡界面で開始する。更に、衝突するジェットの圧力下の気泡の崩壊が平衡凍結温度の局所的変動を生じ、それが不均質な氷核生成に導く可能性がある。このメカニズムは、超音波を用いる氷結晶の核生成にもあてはまるかもしれない。] [0114] 超音波は、キャビテーションバブルの崩壊によって氷結晶生成を誘発すると考えられている。マイクロバブルが崩壊するとき、局所的な圧力勾配は1 GPaより大きくなることがある。この局所的な高い圧力場は、局所的に高い平衡凍結温度を生じ、氷核生成につながる可能性がある。更に、バブル崩壊後の時期に、相対的な負圧の領域があり、平衡凍結温度の局所的な上昇につながる。浮力によって誘発されるバブルの運動の結果としての二次的な核生成プロセスの証拠もある。しかし、時間スケールが長すぎるので、二次的な氷核生成効果はキャビテーションバブルの崩壊によっては説明されない。一般に、超音波による氷結晶の核生成は液体に溶解している気体の量に強く依存し、絶対温度で約5度の過冷却を必要とする。脱気された液体は、超音波パルスによって氷結晶を形成する性向が顕著に低下する。この見方は、例えば、Zhang et al., “超音波で誘発される気泡を含む水中での氷の核生成”、Ultrasonics Sonochemistry 10(2003) 71-76; 及びOhsaka et al., “単一の安定なキャビテーションバブルによって誘発される氷の動的核生成”、Appl. Phys. Lett. 73, 129 (1998)に記載されている。これらの文献は参照によって本明細書に組み込まれる。] [0115] いくつかの態様では、一つ以上の氷結晶を用いて氷の核生成を誘発することができる。少なくとも二つの方法で氷を用いて、過冷却液体の自発核生成を誘発することができる。第一は、氷塊を用いる淀み点の創出である。淀み点自体は、不均質な核生成を十分に誘発できる。氷塊を形成することは、氷塊が過冷却された液体よりも冷たく、従って氷結晶の構造を保ちながら過冷却液体から熱を吸収できる別の利点がある。更に、氷の種結晶を加えることもできる。不均質な核生成は確率過程であり、従って必要な種結晶の数は過冷却の程度に反比例する。従って、過冷却の程度が高いほど、不均質な核生成を誘発するために必要な氷の種粒子の数は少なくなる。氷塊又は種結晶粒子の結晶構造が過冷却液体の結晶化の土台になることもあり得る。過冷却溶液に安定した氷結晶を埋めることによって、溶液から氷核を創出するために必要な半径条件(radius condition)が緩和される。氷結晶の成長はすでに形成されている表面からスタートできるからである。氷結晶は、ドライアイスを含むいずれの物質からのものであってもよい。] [0116] いくつかの態様では、溶液の流れにおける淀み点、渦又は渦巻の放出、流れの剥離、又は界面の配置、を用いて氷の核生成を助けることができる。例えば、渦又は渦巻の放出、流れの剥離、又ははっきりした接触角の界面は、一つ以上のトリップ(trip)によって発生させることができる。トリップは、図22に示された形態を含み、それに限定されない任意の適当な形態であってよい。] [0117] 図22Aは、ポストのデザイン・トリップ(post design trip)を示している。ポスト・トリップは中心に流体の淀み点を創りだし、利用できる断面を減らすことによって流れの速度を高め、且つ/又は自由エネルギー・バリアを低下させる界面を提供する。ポストは、流れの速度、氷粒子サイズ、氷粒子の形、及び氷スラリーの全生成量に影響を及ぼすのに適した任意の幅又は直径を有してよい。好ましくは、ポストは氷の流れ管の中央に位置し、冷却された溶液と形成された氷スラリーが氷の流れ管の側壁とポストの外面との間で流れることができるようにする。ポストの長さは適当な任意長であってよく、いくつかの好適態様では、一次クーラーからの過冷却された排出液を運ぶ管の全長にわたる。ポスト・トリップの形態は用途のニーズに応じて最適化できる、例えばポストの直径を変えたり、長さの関数としてポストの直径を変えたり(即ち、円錐にする)、ポストを作る材料を変えたり(例えば、プラスチック、金属、発泡体、等)、ポストの表面性質を変えたり(例えば、粗い又は滑らか)、ポストの長さを変えたり(例えば、薄い/ディスク状、又は非常に長い)、先端の特性を変えたり(丸める、平坦、角度をつけてスライス)することによって最適化できる。] 図22A [0118] 図22Bは、クロスワイヤのデザイン・トリップ(cross wire design trip)を示している。クロスワイヤは、小さなものから取るに足りない淀み点によって流れ擾乱を創りだし、渦又は渦巻の放出によって局所的流れの変化を生み出し、且つ/又は界面を設けて自由エネルギー・バリアを低下させることができる。流れの主な変化はすべてのワイヤがクロスする流れの中心で起こる。ここに最大の淀み点があるが、また、すべてのワイヤが交差するために多くの表面と裂け目が生じ、接触角で相互作用が増すために低い表面エネルギーが生じて核生成を助ける。クロスワイヤ・トリップ形態は、用途のニーズに応じて最適化できる、例えばワイヤの数を変えたり、丸いワイヤを用いるか四角のワイヤを用いることにより、ワイヤの直径を変えたり(太いワイヤは淀み点を生ずる)、管の長さにわたって細長く伸ばすことによって、表面の性質(粗い又は滑らか)を変えることにより、ワイヤを作る材料(ステンレス鋼、セラミック、プラスチック、等)を変えることにより、クロス位置を変えることにより(中心でなく周辺に)、又はワイヤでなくエッジが同じようなパターンで配列された羽根を用いることによって、最適化できる。] 図22B [0119] 図22Cは、歯のデザイン・トリップ(tooth disign trip)を示している。複数の歯(teeth)は周辺の淀み点を創りだし、渦又は渦巻の放出によって局所的な流れに変化を生じ、且つ/又は自由エネルギー・バリアを低下させる界面を提供する。歯(teeth)を用いる場合、流れの主な変化は流れの周辺部分で起きる。歯のデザイン・トリップ形態は、用途のニーズに応じて最適化できる、例えば、歯の数を変える、歯のエッジを変え(丸い又は真っ直ぐ)、歯を三次元化して、例えばピラミッド形態にし、歯の角度を変える(流れの方へ又は流れから離れるように曲げることができる)、全体の角度を変える(例えば45度に設定する)、歯の表面性質を変える(粗い又は滑らか)、歯又はトリップ全体を作る材料(ステンレス鋼、セラミック、プラスチック等)を変える、流体が流れる開口の直径を変える、歯の径方向高さを変える、管の長さにわたって細長く伸ばす、又は形を単純にしてポストが管側壁から突き出すように、又は管の側壁の長さにわたって伸びる羽根を備える、等によって最適化できる。] 図22C [0120] 図22Dは、中央歯のデザイン・トリップ(central tooth design trip)を、丸い歯の形態、尖った歯の形態、及び鋸歯状ブレード形態等の可能な設計変更によって示している。中央歯は、ポストと同様に、中心の淀み点を創りだし、渦又は渦巻の放出によって局所的な流れに変化を生じ、且つ/又は自由エネルギー・バリアを低下させる界面を提供する。中央歯・デザインは、基本的ポストのデザインを渦又は渦巻の放出を強めるように変更し、ある意味でクロスワイヤ・デザイン(図22B)とポスト・デザイン(図22A)の融合と考えることができる。中央歯の形態は、用途のニーズに応じて最適化できる、例えば、歯の数を変える、歯のエッジを変える(丸い又は真っ直ぐ)、歯を三次元化して、例えばピラミッド形状に形成する、歯の角度を変える(流れの方へ又は流れから離れるように曲げることができる)、全体の角度を変える(例えば45度に設定する)、歯の表面性質を変える(粗い又は滑らか)、歯又はトリップ全体を作る材料を変える(ステンレス鋼、セラミック、プラスチック等)、トリップの直径を変える、又は細長いプロファイルにして管の長さにわたって伸ばす、又は管を短縮して薄い形状にする、等によって最適化できる。] 図22A 図22B 図22D [0121] 図22Eは、粘着性状球体のトリップ・デザイン(sticky sphere trip design)を示している。粘着性状球体は、渦又は渦巻の放出によって局所的な流れに変化を生じ、且つ/又は自由エネルギー・バリアを低下させる界面を提供する。流れの主な変化は流れの中心で起こる。このトリップ・デザインは、乱流を誘発すると考えられ、クロスワイヤ・トリップ(図22B)の三次元的変形と関連している。粘着性状球体のトリップ形態は、用途のニーズに応じて最適化できる、例えば、球体の直径を変え、球体の形を変え(球、楕円体、立方体、等)、とげの数、長さ、及び直径、とげの先端の性質、とげが付着している本体から突出する角度、とげ及び/又は付着している本体を作る材料(ステンレス鋼、セラミック、プラスチック等)、且つ/又はとげ及び/又はベースの粗さを変えること、等により最適化できる。単純化された粘着性状球体・バージョンはベツレヘムの星の形状を有する。] 図22B 図22E [0122] 図22Fはピラミッド型トリップ・デザインを示している。ピラミッド型トリップは、図22Cに示された歯のデザインと同様に、小さなものから取るに足りない淀み点によって流れの擾乱を創りだし、渦又は渦巻の放出によって局所的な流れに変化を生じ、且つ/又は自由エネルギー・バリアを低下させる界面を提供し、流れ管の長さ及び/又は半径方向に分布する多数の放出点(shed point)によって氷の生成量を増加させることができる。ピラミッド型トリップ形態は、用途のニーズに応じて最適化でき、例えば、ピラミッドの数、ピラミッドの形(例えば、四面体)を変える、エッジを丸いvs.真っ直ぐにする、ピラミッド取付の角度を変える(例えば、流れ方向に向いて、又は流れと反対の方向に)、表面性質を変える(粗い又は滑らか)、ピラミッドを作る材料を変える(ステンレス鋼、セラミック、プラスチック等)、管の長さ方向で又は管の周方向でピラミッドの間隔を変える、又は管のある位置で二つ以上のピラミッドを設ける、等によって最適化できる。] 図22C 図22F [0123] 図22Gは表面粗さのトリップ・デザインを示している。表面粗さトリップは、小さなものから取るに足りない淀み点によって流れの擾乱を創りだし、渦又は渦巻の放出によって局所的な流れに変化を生じ、且つ/又は自由エネルギー・バリアを低下させるミクロ界面を提供する。粗さは、表面に多数の面と裂け目を創りだし、それによって接触角による相互作用の増加によって表面エネルギーの低下を生じて核生成を助ける。表面粗さのトリップ形態は用途のニーズに応じて最適化できる、例えば、粗さのレベルを変える(粗いから細かいまで)、長さの関数として粗さの度合を増加又は減少させる、粗い部分の全長を変える、又は粗い表面を作るのに用いる材料を変える、等によって最適化できる。] 図22G [0124] 図22Hは、歯形の組合せ(teeth combination)によるトリップ形態を示している。歯形の組合せは図22Cと22Dに示された歯のデザインの相乗的な利点を有する。歯形の組合せによるトリップは、流れ管の長さ方向と半径方向に分布した多数の渦又は渦巻放出点を有することによってスラリーの生成量を増加させる。この組合せは、用途のニーズに応じて最適化できる、例えば、上記の各歯のデザインが最適化できる。更に、このトリップは、歯のデザインの異なる組み合わせを用いて、例えば丸い歯と尖った歯の組み合わせ、等を用いて最適化できる。] 図22C 図22H [0125] 図22Iはディンプル付きチューブ(denpled tube)のトリップ形態を示している。ディンプル付きチューブ・トリップは、(図示されているように中空の構造である場合)小さな取るに足りない淀み点によって、又は(図22Aに示されたポストのデザインのように中実(solid)の構造である場合)中心の淀み点によって、流れの擾乱を創りだすことができ、一つ以上のディンプル界面で流れの剥離を生じ(流体を物体の表面から離れさせる)、渦や渦巻を生じ、自由エネルギー・バリアを低下させる界面を提供する。このトリップ・デザインは、用途のニーズに応じて最適化できる、例えば、ディンプルの数及びディンプルの深さを変える、細長いプロファイルにして管の長さにわたって伸ばす、各ディンプルの表面性質を変える(粗い又は滑らか)、且つ/又はトリップを作るのに用いる材料(ステンレス鋼、セラミック、プラスチック等)を変えることによって最適化できる。] 図22A 図22I [0126] 図22Jは羽根付き円錐体のトリップ形態を示している。羽根付き円錐体のトリップは、渦又は渦巻放出によって局所的な流れに変化を生じ、自由エネルギー・バリアを低下させる界面を提供する。流れの主な変化は、流れの中心で起こる。このトリップは、渦又は渦巻放出を強化する上述のポストのデザインの変型である。円錐は用途のニーズに応じて最適化できる、例えば、円錐の長さ、羽根の数、羽根の高さ、羽根の表面性質(粗い又は滑らか)、且つ/又は円錐及び/又は羽根を作るのに用いる材料、等を変えることにより最適化できる。] 図22J [0127] 一次冷却システムの外側で氷の核生成を誘発することにはいくつかの利点がある。氷が形成されるのに応じて表面をかき取る必要を減らす又はなくすことができる。しかし、いくつかの態様では、かき取りを利用し続けることは、着氷が熱伝達率に及ぼす影響を減らすために望ましく、更に、システムの摩耗、システムのコスト、システムの重量、及びシステムのサイズ(モータなし)を減らす。着氷の問題がなくなればシステムの全体的効率が高められる。熱伝達が物理的及び数学的に理解しやすくなるので、冷却システムのモデル化も容易になる。また、これによって静脈内管の直径を有する管で氷を核生成させることが可能になり、患者に投与する前に大きな直径から小さな直径に粒状物質の流れを移行させる困難もなくなる。] [0128] 本発明の別の態様では、氷スラリー生成は二つの溶液を合体させることによって最適化される。ある溶液の濃度は凍結プロセスに関連するエントロピー・ペナルティーによってその凍結点を決定する。凍結点より低い温度に維持されている溶液は過冷却溶液である。より高濃度の溶液は低濃度の溶液に比べて凝固点降下によってより低い温度を達成できる。かき取り表面熱交換器の維持しやすさと効率は氷がその場(in situ)で生成される場合に低くなるので、この装置の外側で氷を生成することが有利になる。] [0129] 即ち、高濃度の過冷却溶液(溶液A)を、例えば冷却された水(又は溶液Aより低濃度の冷却溶液)(溶液B)と混合して所望の濃度の溶液(溶液C)を創りだし温度がその溶液Cの凍結点より低くなるようにする(即ち、既に過冷却の溶液Cにする)ことによって氷スラリーを生成できる。この過冷却生成物、溶液C、に、例えば、二つの流体(溶液Aと溶液B)を合体させる方法によって、又はスラリーを利用する現場の直前の二次かき取り表面熱交換器においてここで記載し例示した方法を用いることによって氷核生成を誘発できる。溶液Cの所望の濃度が、溶液Aと溶液Bを組み合わせる比率を決定し、また生成物の凍結点を決定する。生成物の凍結点が、組み合わせて、生成物である溶液Cを形成する二つの溶液(AとB)に要求される温度を決定する。] [0130] 氷の核生成は、本発明のシステムの特別な核生成領域で起きる。例えば、核生成領域はここで記載し例示したトリップ等、一つ以上の淀み点、一つ以上の渦又は渦巻放出点、又は一つ以上の界面を含む。核生成領域は図23に示されたように構成された核生成チャンバであってよい。] 図23 [0131] 核生成チャンバ600は、プラスチック、金属、セラミック、木材等の適当な任意材料で構成でき、幅又は直径がD'-1の少なくとも一つの管孔602を含み、過冷却塩類溶液がそこを通って流れて氷の核生成とスラリー形成を助ける。チャンバは幅又は直径がD'-3で長さ又は深さがD-2のスペース604を含み、特に一つ以上のトリップ・ホルダー606Aと606B、並びに選択的に、例えば長さ又は深さがD-1のスペーサー618を収容するのに十分である。チャンバは、また、Oリングのためのスペース620を含む。いくつかの態様では、チャンバの背部はドリップ・ショルダー(drip shoulder)616を含むことができ、それはチャンバを通る液体がチャンバの背面を滴下しないようにするオーバーハングを含む。落下するスラリー及び/又は溶液を更に集めることができる。しかし、このドリップ・ショルダーは、スラリー配送システムに接続される別のOリング表面で置換できる。] [0132] いくつかの態様では、チャンバは開口614を含み、その開口を用いて水及び/又はスラリーをチャンバから取り出して濃度、結晶のサイズ及び形を分析することができる。いくつかの態様では、開口はホース取付口の接続部を形成し水の取り出しを真空によって助けることができる。接続部は市販されているホース取付口のねじ溝に適合するねじ溝628を含むことができる。図24に詳しく示されているトリップ・ホルダーは、幅又は直径がD'-2で、一つ以上のトリップに適合する溝610を含み、更に締結具を挿入してトリップ・ホルダーが回転したりずれたりすることを防ぐ一つ以上の開口608を含む。例えば締結具はチャンバ壁又はハウジングの開口612に取り付けることができる。] [0133] 図24は、図23に示されているスペース(604)が含むことができるトリップ・ホルダーやスペーサー等の構成要素を示す別の図である。例えば、図24Aは、トリップ・ホルダー606Aの正面図を示す。この配向は、開口608,トリップを保持する溝610の位置,及び幅又は直径D'-1とD'-3を示す。図24Bは、トリップ・ホルダー606Bと開口608の位置を示す正面図である。図24Cは、幅又は直径がD'-1の“ブランク”を示す正面図であり、ポスト・デザインのトリップを用いる場合、これはトリップ・ホルダー606Aの溝610に嵌合する。図24Dは、(図24Aと24Bに示されている)幅又は直径がD'-3のトリップ・ホルダー606Aと606Bを示す断面図であり、管孔602と開口608、幅又は直径がD'-2の溝610の位置を示す。図24Eは、幅又は直径がD'-3のスペーサー、並びに過冷却溶液が流れる管孔602を示す正面図である。スペーサーは適当な任意材料で作ることができ、いくつかの好ましい態様ではチャンバ・ハウジングを作るのに用いられたものと同じ材料で作られる。] 図23 図24A 図24B 図24C 図24D 図24E [0134] 氷核生成チャンバの正面図が図25に示されている。この図は、過冷却溶液が流れる管孔602,Oリングのスペース620,幅又は直径がD'-3のスペース604,及び開口608の位置を示す。また、図26に示されるようなホース取付口をチャンバ前面に締結する締結具のための開口646が示されている。] 図25 図26 [0135] いくつかの態様では、チャンバは一次クーラーから過冷却された溶液を受けるように構成される。例えば、過冷却溶液は、クーラーから管を通って核生成チャンバへ、取付具、例えば図14に示されるような取付具によって流れることができる。管からの過冷却流体の損失を最小にする又はなくすために、そして核生成チャンバへの滑らかな移行を保証するために、ホース取付口を使用できる。代表的なホース取付口の一つが図26に示されている。ホース取付口640は、管又はホースを可逆的に取り付けることができる先端642、及び過冷却溶液が取付口を通ってチャンバ602の管孔へ流れ込むことを可能にする管孔644を有する。ホース取付口のベース648は、別の表面上にあるOリングに係合することができ、且つチャンバにホース取付口を締結する締結具のための一つ以上の開口646を含む。] 図14 図26 [0136] 氷及び/又はスラリーのサンプルを取り出すためのチャンバ背部の近くの開口614が図27にもっと詳しく示されている。この図は、チャンバのねじ溝628と適合するねじ溝652を有するホース取付口の一例を示す。チャンバ背部の近くの開口は、核生成された氷を溶液から分離するために真空の取付けを可能にするように穿孔されてよい。この開口は溶液濃度の増加から氷の質量比率を決定するために使用できる。] 図27 [0137] チャンバの背部の正面図が図28に示されている。背面は、形成された氷スラリーが通過して核生成チャンバから出てゆくための幅又は直径がD'-1の開口602を有する。更に、締結具を取り付けるための開口654がある。図28は、背壁のある領域が除去されており、液体及び/又はスラリーを核生成チャンバの背面を流れ落ちることなく集めることができることを示している。しかし、この背面は、また、核生成チャンバをスラリー配送装置に接続することができるようにする選択的なOリング・スペースを有してよい。] 図28 [0138] ポスト・デザイン用のホルダーが図29に示されている。図29Aは非ポスト・トリップを使用するときに用いることができる背面形態の正面図を示す。ポスト・デザインのトリップ・ホルダーはポスト・トリップの直径に対応する幅又は直径D'-4を有し、それにポスト・トリップを取り付けることができる開口656を有してよい。D'-4はD'-1より小さくてよい。また、図28に示された開口654と整列する開口654があり、これによって締結具がポスト・デザイン用のトリップ・ホルダーを核生成チャンバに締結することができる。図29Bは、ポスト・トリップを使用する場合に用いることができる背部形態の側面図を示す。ポストの設置のための幅又は直径がD'-4の開口656と核生成チャンバに締結するための開口654が示されている。] 図28 図29A 図29B [0139] 氷スラリーを生成するシステム及び装置は、好ましくは、処理と分析をリアルタイムに又は運転後に完了して故障モードを確認できるモニター計器を備え、種々の故障モードに対応する適当なメカニズムを備えることが好ましい。このシステム及び装置は、計算並びに実験的な校正から定められた性能基準を有し、この基準からのずれを利用して装置の動作を変更又は制御することができる。] [0140] 例えば、熱流の非特徴的な変化があると、それがこのシステムに、温度、回転速度、及びトルク、を系統的に個別且つ/又は次に組み合わせで評価させ、システム故障の原因を確認させる。次に、選択的に、この原因が翻訳されてユーザーに注意が喚起され、故障に対処できるようにする。] [0141] 温度測定装置は、熱電対であってよいが、それに限定されず、その非限定例はK', J, T, 及びEタイプの熱抵抗装置(RTD's)、又は赤外計器である。回転トルクは種々の方法を用いて、例えばモーメントアーム、スリップリング、及び回転トランス法等を用いて測定できる。回転速度センサ、又は角変位センサ等種々の感知方法を利用でき、且つ種々の範囲で使用できる。回転速度と回転トルクを測定する計器は単一センサの形であっても、種々のセンサ範囲を備えたものであってもよい。そのような計器は当分野で既知である。すべての測定結果は、データ取得と分析のためにコンピュータに送ることができる。] [0142] 氷スラリー生成システム及び装置は、好ましくは目標の熱伝達係数を有し、システムの質量流量を変えることによってそれを変えることができる。即ち、最適な氷スラリー生成には目標の熱伝達係数があり、それに合致しない場合、それはシステムの故障を示す。] [0143] 入口、出口、又は両方、又は他の場所で測定される冷却剤と氷スラリー(生成物)の温度の分析によってシステムをモニターすることが可能になり、冷却剤又は生成物の温度が装置の動作範囲又は最適範囲より高く上昇、又は低く下降した場合、このモニタリングによって故障モードが開始される。この故障モードは、冷却剤と生成物の温度を適当な範囲に運ぶシステムの運転の調整を含む。] [0144] 温度変化率も故障モードの指標として役立つ。冷却剤と氷スラリー生成物の温度の変化は熱伝達係数に変化を生ずる。] [0145] スラリー生成システムの運転を最適化するためにモニターされる他のデータ点は、熱交換器から出てくる付着氷である。氷除去の動作の変化は熱伝達係数の変化をもたらす。更に、発生するスラリーは、少なくとも三つの性質に基づいて、個別に又は組み合わせで、モニターすることができる、即ち(1)氷質量濃度;(2)氷粒子サイズ;及び(3)氷粒子の形である。この三つの性質は、スラリーのレオロジー的性質、溶融温度範囲、及び必要なポンプ動力、を決定できる。これらの性質が受容できる最適範囲外に変動したときに、氷スラリーのこれらの性質を受容できる範囲に引き戻すように設計された一連の調整を開始できる。] [0146] 本発明は、また、ここに記載し例示される氷スラリー生成システムを用いて氷スラリーを生成する方法を提供する。いくつかの詳細な態様で、この方法は、低濃度塩水等の流体を熱交換器と、流体の一部が凍結して氷スラリーを形成するのに十分な時間、接触させること、及びその後、高濃度塩水をこの氷スラリーに混合することを含む。熱交換器は二つの同心管を含んでよく、又は環状ヒートパイプ等のヒートパイプであってもよい。高濃度塩水は形成された氷の結晶を滑らかにしてスラリーをポンプで送ることができるようにする。別のある態様では、この方法は、低濃度塩水等の流体を熱交換器と、流体の一部が凍結して氷スラリーを形成するのに十分な時間接触させること、及びその後、この氷スラリーをスラリー中の氷結晶を滑らかなものにするのに十分な時間、熱源と接触させることを含む。これらの方法を用いて、氷スラリーを任意の規模で、小規模又は大規模で、例えば患者に投与するために、又は火災の制圧のため、又は群衆の規制のために、生成することができる。] [0147] 本発明はまた、本発明の氷スラリー生成システム及び装置によって生成された氷スラリー等の二相冷却剤を使用する方法を提供する。氷スラリーは、低温又は温度の維持が望まれる任意の用途で、冷却するために又はある特定温度を維持するために用いることができる。] [0148] 非常に好ましい態様で、本発明は、被験体に低体温状態を誘発又は維持する方法であって、ここに記載され例示された本発明の氷スラリー生成システム及び方法によって生成される氷スラリー等の医薬的に受容される氷スラリーを、必要とする被験体に投与することを含む方法を提供する。この氷スラリーは低体温状態を誘発又は維持するのに有効な量で被験体に投与される。有効量は種々の因子に依存するであろう。そのような因子の非限定例として、被験体の種、身長、体重、年齢、治療しようとする症状等がある。投与は冷却剤を使用する特定の用途に適した任意の手段によって進めることができる。例えば、冷却剤は、静脈内、筋肉内、局所的に、経口で、鼻腔内、肛門、膣、腹腔又は胸腔スペース内に、その他の生理的スペース又は領域内等に投与できる。静脈内投与が極めて好ましい。] [0149] これらの方法はどんな被験体にも用いることができる。好ましくは、これらの方法は、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、ハムスター、及びマウス等の哺乳類に用いられる。これらの方法は、好ましくは人間に有益に用いられる。] [0150] 低体温状態は組織的であってよい、即ち低体温状態は被験体の全身にわたって誘発且つ/又は維持することができる。あるいはまた、低体温状態は体の特定箇所(単数又は複数)に、例えば特定の器官、付属器、空洞、スペース、又は領域に向けることもできる。] [0151] 傷みやすい物品を急速に冷却する又は低温を維持する方法も提供される。そのような方法は、一般に、本明細書に記載され例示された氷スラリー生成システム、装置、及び方法を用いて氷スラリーを生成すること、及び傷みやすい物品をその氷スラリーに暴露することを含む。傷みやすい物品の非限定例として、肉、魚、農産物、ミルク及び乳製品、菓子、飲料、等の食品;医薬品;ビタミン;ミネラル;揮発性化学物質;放射性核種;核酸、ポリペプチド、及び脂質等の生体分子、細胞、組織、器官、及び血液、血清、尿、唾液、汗、乳等の生物学的流体等がある。] [0152] 武器等の熱を発生する装置を急速に冷却する方法も提供される。この方法は、本明細書に記載され例示された氷スラリー生成システム、装置、及び方法を用いて氷スラリーを生成すること、及び武器又はその構成要素をその氷スラリーに暴露することを含む。武器又は武器の一部、例えば弾倉、を本発明の方法を用いて冷却することができる。適当な武器の非限定例として、銃、大砲、及び電磁パルス発生器等がある。レーザー兵器も本発明の方法に従って冷却することができる。武器は、手で持つものであっても、飛行機、ヘリコプター、又は車両等の設備に取り付けられるものであってもよい。] [0153] 以下の実施例は本発明の代表的な態様を詳しく説明するためのものである。それらは例示して説明することを目的としたものであって、本発明を限定することは意図していない。] [0154] 塩水の氷スラリーのオンデマンド生成] [0155] 予言的机上の実施例において、微粒子状二相(固体と流体)冷却剤のオンデマンド生成のための装置が用意される。この装置は、二つの流体容器を含むが、それらは別々であっても、同心的であってもよい。一方の容器は加圧され、他方は加圧されない。この装置は均一且つ均質化された塩水氷スラリーを生成するために用いられる。] [0156] 容器には水が満たされ、水は異なる濃度の塩、界面活性剤、及び/又は乳化剤を含んでよい。容器は、容器から放出されたときに液体の瞬時的な膨張を誘発する十分に高いレベルまで加圧される。加圧された容器は流体で全体的に充満されず、約50%程度の大きな容積が気相のために残される。加圧された容器とその中身は、その流体の大気圧での凍結点より低い温度に冷却される。] [0157] 加圧された容器の端に特殊なノズルを取り付けることができる。流体がその容器から押し出されるとき、ノズルは流体の細かいミストを発生させる。温度が大気圧凍結点よりも低く保たれているので、圧力が解放されると流体は自発的に固体相に変わる(例えば、凍結する)。形成された氷結晶はホモジナイザーで処理され、そこで第二タンクから放出されたキャリア流体と混合される。ホモジナイザーでの均質化は、調整可能氷粒子サイズ、及び化学的平滑さを保証する。] [0158] 第二容器には、所望の氷スラリーを形成するために第一容器からの固化した流体に適合する流体が入れられる。例えば、第二容器は水、塩、界面活性剤、及びその他の乳化剤を含む。上述したように、第二容器とその中身は容器1からの流体の大気圧での凍結点よりも低い温度に冷却される。しかし、第二容器からの流体は圧力が加わらないのでその低温でも流体相にとどまる。] [0159] 第二容器からの冷却された流体は次にポンプでホモジナイザーに送られ、第一容器から生成された氷粒子と混合される。この流体は、このように微粒子状の氷を所望の目的で所望の場所及び用途に配送するためのキャリア流体として用いられる。] [0160] ホモジナイザー出口と第二容器の間に圧力のつながりがあるかもしれない。この場合、凝固点降下を生ずるために用いられた第一容器からの過剰な圧力は、第二容器からの流体をホモジナイザーへポンプで送るために、放出後に使用される。概略図が図1に示されている。] 図1 [0161] 大量又は少量のオンデマンド塩水氷スラリーの低電力生成] [0162] この机上の実施例では、大量又は少量の微粒子状二相(固体と流体)冷却剤のオンデマンド生成のための装置が用意される。この装置は前述した装置の大規模バージョン、並びに大量の一次冷却剤、即ち圧縮気体又はドライアイスを含む。実施例1と実施例2の間の主な相違は電力を必要としないスラリーの供給である。] [0163] 電力が利用できないために前述した二相冷却剤の使用が制約される場合、ここに記載された装置及び方法を用いて電力の制約を克服することができる。図5に示されているこの実施例では、ここに記載されたスラリー生成装置の一つが特定冷却タスクに効果的なサイズにスケール変更されている。更に、適当量の一次冷却剤が利用できる。一次冷却剤は冷却剤熱交換器にポンプで送られ、そこで二次冷却剤が同様の又はわずかに暖かい温度に冷却される。二次冷却剤はスラリー生成装置へポンプで送られる又は運ばれる。このスラリー生成装置では、二次冷却剤が塩水をその凍結点まで冷却する。氷は熱交換器の表面からかき取られ、氷が大量の液体中に核生成する。氷粒子のサイズは氷スクレイパー・ブレードと混合によって制御される。塩水及びスラリーはポンプでスラリー生成装置を通して送られタスクに適した手段で配送される。] 図5 [0164] 二相(固体−液体)冷却剤の品質] [0165] この机上の実施例では、二相(固体-流体)冷却剤配送システムの質を、好ましくは冷却剤用途の現場の直前に、保証するインライン・システムが提案される。このシステムは、スラリーの生成から作用現場までの移動中に固相の溶融によって冷却剤の品質が変化するという問題に対処するためのものである。] [0166] この装置は、既知熱伝達特性を有する管から成り、管の長さに沿って所定位置に一連の熱流束センサと温度センサが埋め込まれる。管の外側の環境は既知温度に保たれる。水性の氷スラリーが所定の体積流量で管を通過し、熱流束と温度が、冷却剤が管を下って移動する距離の関数として測定される。氷空隙率が、冷却剤スラリーに入る熱の総量を測定することによって計算される。氷粒子サイズが、熱を伝達するのに要した時間と関係づけられる。これらの計算は、一連のセンサに接続したコンピュータで行われる。] [0167] 氷空隙率の計算は次のように行われる。管の内部で流体が管の設計の関数として十分混合され、管内部の温度はすべての氷が融けるまで液体の凍結点の非常に近くにとどまる。従って、熱流束は主として氷の溶融に費やされる。いったん氷が融けると、液体の温度が上がり始め、これは温度センサによって検出される。従って、管の流体の最初の温度上昇の場所、管の長さの関数としての測定された熱流束、及び体積流量に基づいて、氷パーセンテージは式1のような関係を用いて推定される: △Qslurry = mslurryC△T + %icemslurryλice ここで、△Qslurryはヒーターから得る熱エネルギー、mslurryはスラリーの質量、Cはスラリーの液体相の熱容量、△Tはスラリーの温度変化、%iceは氷パーセンテージ、そしてλiceは氷から液体への相変化の潜熱である。] [0168] 平均粒子サイズは経験的に導かれる関係から得られる。平均粒子サイズを測定する方法を説明する熱伝達方程式(式2)は次のようになる: Q(・)= hA△T ここで、Q(・)はワット単位でのスラリーに侵入する熱(熱流)、hはW/m2K単位で表された対流熱伝達係数、そして△Tは内部管壁と大量流体の温度の間の温度差である。係数hは流体の体積流量と流体の物理的性質並びにスラリー中の氷粒子のサイズと分布の関数である。hの値は、氷パーセンテージが一定であると平均粒子サイズが減少するにつれて増加すると予期される。粒子サイズが減少するにつれて、粒子の数は増加し、体積が一定であると仮定した場合に固体から液体への相変化に利用できる界面面積と同様である。これらの条件下で予期される測定値の差異の一例が図3に示されている。] 図3 [0169] 熱交換器の構築と氷スラリーの生成] [0170] 一般的装置特性:図6に示されているものと同様の対向流表面かき取り熱交換器が構築され、氷スラリーを生成するために用いられた。この装置は熱交換表面積が0.011m2、環状ギャップが4.94mm、スクレイパー・ブレードは8枚であった。] [0171] 一次冷却剤は70%又は46%蟻酸カリウムであった。一次冷却剤は銅コイルをドライアイス/プロパノール混合物に浸して構成される別の熱交換器ループで冷却された。ドライアイス/プロパノール混合物は均一な-70℃の糟を創出し、蟻酸カリウムがそこを通過する。蟻酸カリウムは生成物の凍結点より低い温度で対向流熱交換装置に進入した。この事例において、生成物は、質量%で10% NaCl (10%食塩水)又は1% NaCl (1%食塩水)である。] [0172] すべての露出管は断熱された。冷却剤及び生成物の質量流量の範囲は(それぞれ)次のようになった:0.011-0.002 [kg/sec] 及び 0.006-0.001 [kg/sec]。一般に、生成物は対向流熱交換器に室温で進入した。中央推進シャフトは100 rpmの一定速度で回転した。] [0173] 何も氷が生成されていないとき、システムの熱流量は次式(式3)を用いて計算された: 熱流束= Q(・) = Cpm(・) (Tout - Tin) ここで、Cpは比熱であり、m(・)は[kg/sec]における質量流量である。冷却剤の温度(TinとTout)と生成物の温度(TinとTout)はKタイプ熱電対で測定されてSper Scientific 4 Channel Datalogging温度計で記録された。事象として氷の生成が含まれている場合、熱流束は次式(式4)を用いて求められた: 熱流束氷考慮 = Q(・) = (Cpm(・) (Tout - Tin))(100 - %ice) +m(・)λ%ice ここで、λは氷から液体への相変化の潜熱である。] [0174] 氷スラリー生成:上述の表面かき取り熱交換器を用いて氷スラリーを生成した。冷却剤は70%蟻酸カリウムで、生成物は10% NaClであった。] [0175] 図17Aは、冷却剤と生成物の両方について式3と式4を用いて得られた熱流量データを示す。図17Bは、時間の関数としての温度プロファイルを示す。温度プロット(図17B)は、生成物が凍結点よりも低い温度に過冷却されていたことを示している。過冷却の度合が、部分的に、自発生成で生じる氷の濃度を決定する。氷粒子の自発生成が起き(図17A−Bで時間的に垂直な線で示される)出てゆく生成物(生成物アウト(out))の温度が上がり、氷を作るために融解熱が放出されたことを示す。図17Aは、生成される氷の濃度によって出てゆく生成物の熱流量が増加することによりこれを示している。出てゆく生成物の温度は生成物の凍結点にとどまり、自発生成事象の後で熱交換器の壁からの氷粒子のかき取りが行われた。] 図17A [0176] 故障モード確認: 装置は処理と分析によって故障モードを確認できるモニタリング装置を有していた。物理装置には計算並びに実験的校正によって設定された性能基準があり、その基準からのずれを用いてユーザーに装置の運転を変更するように警告が発せられる。熱流の非特徴的な変化は、システム故障の原因を確認するために、温度、回転速度、及びトルクの系統的な評価を(個別に及び組み合わせで)行うように促す。] [0177] 図18は、冷却剤ラインの凍結という形で発生する故障について、表面かき取り熱交換器からの代表的なデータセットを示す。冷却剤は46%蟻酸カリウムであり、生成物は1% NaClであった。] [0178] 図18Aのセクション1は、冷却剤と生成物の両方についてシステムの熱流量の大きな変化を示している。この変化に伴って、出てゆく生成物の温度、並びに入ってくる冷却剤(冷却剤イン(in))の温度に劇的な上昇が見られたが、冷却剤糟温度は一定であった(これは糟が冷却剤と熱を交換していなかったことを示す)(図18B)。次にセクション2で見られる冷却剤糟の温度上昇は冷却剤の温度の低下と相関し、冷却剤ラインからの凍結した栓の解放を示した。] 図18A 図18B [0179] 図19A−Cは熱交換器表面からの氷除去の方法の欠陥という形での故障の代表的なデータセットを示す。冷却剤は46%蟻酸カリウムであり、生成物は1% NaClであった。] 図19A [0180] 図19Aは図18A−Bと同様なシステムの熱流量の変化を示す。しかし、それは入ってくる冷却剤の温度の大きな変化と相関しておらず、冷却剤糟の温度は変化し続けた(冷却剤と熱が交換されていたことを示す)。熱流の変化に伴って出てゆく生成物の温度の上昇(図19B)、並びに出てゆく冷却剤の温度の低下が見られた。図19Cは、図19Aに示されている熱流の低下時にスクレーパーの回転速度に何が起こっているかを表す。時間における相関は、熱流量の変化がスクレーパーの回転速度の変化した結果であることを示している。] 図18A 図19A 図19B 図19C [0181] 塩水の過冷却]
权利要求:
請求項1 流動可能な氷スラリーを生成する方法であって、液体を過冷却する工程、過冷却された液体を安定した流れで通路を介して移動させる工程、及び過冷却された液体の安定した流れを擾乱し、それによって過冷却された液体に氷の核生成を誘発して流動可能な氷スラリーを生成する工程、を含む方法。 請求項2 前記移動させる工程は前記過冷却された液体を安定した流れで管又はパイプを介して移動させることを含む、請求項1に記載の方法。 請求項3 前記過冷却する工程は塩水を過冷却することを含む、請求項1に記載の方法。 請求項4 前記擾乱する工程は約0%から約60%までの氷を含む流動可能な氷スラリーを生成することを含む、請求項1に記載の方法。 請求項5 前記擾乱する工程は通路における過冷却された液体の圧力を変動させることを含む、請求項1に記載の方法。 請求項6 前記擾乱する工程は過冷却された液体の安定した流れに第二の過冷却液体による衝突ジェットを導入することを更に含む、請求項5に記載の方法。 請求項7 前記擾乱する工程は、第二の過冷却された液体が先に過冷却された液体と混合される実質的に閉鎖システムで行われるか、又は第二の過冷却液体が先に過冷却された液体の実質的に静的な表面に衝突する少なくとも一部が開放したシステムで行われる、請求項6に記載の方法。 請求項8 前記擾乱する工程は安定した流れを超音波で擾乱することを含む、請求項1に記載の方法。 請求項9 前記擾乱する工程は安定した流れに渦又は渦巻を発生させることを含む、請求項1に記載の方法。 請求項10 前記擾乱する工程は安定した流れに少なくとも一つの淀み点を創りだすことを含む、請求項1に記載の方法。 請求項11 前記擾乱する工程は安定した流れを少なくとも一つの氷結晶と接触させることを含む、請求項10に記載の方法。 請求項12 前記擾乱する工程は安定した流れを少なくとも一つのトリップ(trip)と接触させることを含む、請求項10に記載の方法。 請求項13 前記擾乱する工程は安定した流れを過冷却された液体の流れの中心近くに位置する少なくとも一つのトリップと接触させることを含む、請求項12に記載の方法。 請求項14 前記擾乱する工程は安定した流れを過冷却された液体の流れの周辺近くに位置する少なくとも一つのトリップと接触させることを含む、請求項12に記載の方法。 請求項15 前記トリップは渦又は渦巻を発生させる、請求項12に記載の方法。 請求項16 前記トリップは、ポストのデザインのトリップ(post design trip)、クロスワイヤのトリップ(cross-wire trip)、歯のデザインのトリップ(tooth design trip)、中央歯のデザインのトリップ(central tooth design trip)、粘着性状球体のトリップ(sticky sphere trip)、ピラミッド型トリップ、表面粗さトリップ、歯形の組合せによるトリップ、ディンプル付きチューブのトリップ、及び羽根付き円錐体のトリップ、又はそれらの組み合わせ、から成る群から選択される、請求項10に記載の方法。 請求項17 前記氷スラリーから熱を除去する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。 請求項18 前記熱を除去する工程は氷スラリーを熱交換器と接触させることを含む、請求項17に記載の方法。 請求項19 界面を用いて安定した流れの自由エネルギーを低下させる工程を更に含む、請求項1に記載の方法。 請求項20 過冷却する工程が、高濃度の液体を過冷却すること、水又はそれほど高くない濃度の液体を過冷却すること、及び過冷却された高濃度の液体と過冷却された水又はそれほど高くない濃度の液体とを混合して過冷却された液体を形成すること;を含む、請求項1に記載の方法。 請求項21 前記移動させる工程は過冷却された液体を層流で通路を介して移動させることを含む、請求項1に記載の方法。 請求項22 前記移動させる工程は過冷却された液体を乱流で通路を介して移動させることを含む、請求項1に記載の方法。 請求項23 流動可能な氷スラリーを生成する方法であって、高濃度の液体を過冷却する工程、水又はそれほど高くない濃度の液体を過冷却する工程、及び過冷却された高濃度の液体と過冷却された水又はそれほど高くない濃度の液体を混合して過冷却された溶液を形成する工程、前記過冷却された溶液を安定した流れで通路を介して移動させる工程、及び前記過冷却された溶液の安定した流れを擾乱し、それによって前記過冷却された溶液において氷の核生成を誘発し、流動可能な氷スラリーを生成する工程、を含む方法。 請求項24 前記高濃度の液体が塩水である、請求項23に記載の方法。 請求項25 氷スラリーを生成するシステムであって、液体溶液を過冷却するように構成された熱交換器、前記熱交換器からの過冷却された液体溶液の安定した流れを受けるように結合された通路、及び前記通路における安定した流れを擾乱して前記過冷却された液体溶液に氷の核生成を誘発し流動可能な氷スラリーを生成するために前記通路に連結された手段、を含むシステム。 請求項26 前記擾乱する手段は前記過冷却された液体溶液に衝突する過冷却された液体を導入するように構成されたジェットを含む、請求項25に記載のシステム。 請求項27 前記擾乱する手段は超音波トランスジューサを含む、請求項25に記載のシステム。 請求項28 前記擾乱する手段は少なくとも一つの淀み点を含む、請求項25に記載のシステム。 請求項29 前記淀み点はトリップである、請求項28に記載のシステム。 請求項30 前記トリップは前記過冷却された液体溶液の流れの中心近くに位置している、請求項29に記載のシステム。 請求項31 前記トリップは、ポストのデザインのトリップ(post design trip)、クロスワイヤのトリップ(cross-wire trip)、歯のデザインのトリップ(tooth design trip)、中央歯のデザインのトリップ(central tooth design trip)、粘着性状球体のトリップ(sticky sphere trip)、ピラミッド型トリップ、表面粗さトリップ、歯形の組合せによるトリップ、ディンプル付きチューブのトリップ、及び羽根付き円錐体のトリップ、又はそれらの組み合わせ、から成る群から選択される、請求項29に記載のシステム。 請求項32 前記擾乱する手段は少なくとも一つの渦又は渦巻放出点を含む、請求項25に記載のシステム。 請求項33 前記通路は前記過冷却された液体溶液の自由エネルギーを低下させる少なくとも一つの界面を含む、請求項25に記載のシステム。 請求項34 前記液体溶液と混合する過冷却された水を導入するように位置する入口を更に含む、請求項25に記載のシステム。 請求項35 前記擾乱する手段からの氷スラリーを受けるように結合され前記氷スラリーから熱を除去するように構成された第二の熱交換器を更に含む、請求項25に記載のシステム。 請求項36 過冷却された液体に氷の核生成を誘発する装置であって、過冷却された液体源と結合されるように構成された導管、及び前記導管に連結されて過冷却された液体の安定した流れを擾乱するように位置決めされた少なくとも一つの淀み点を含み、過冷却された液体の安定した流れを受けるように位置決めされた通路を形成し、且つ前記少なくとも一つの淀み点は過冷却された液体に氷の核生成を誘発するように構成され、それによって流動可能な氷スラリーを生成する装置。 請求項37 前記少なくとも一つの淀み点はトリップを含む、請求項36に記載の装置。 請求項38 前記トリップは前記通路の中心近くに位置する、請求項37に記載の装置。 請求項39 前記トリップは、ポストのデザインのトリップ(post design trip)、クロスワイヤのトリップ(cross-wire trip)、歯のデザインのトリップ(tooth design trip)、中央歯のデザインのトリップ(central tooth design trip)、粘着性状球体のトリップ(sticky sphere trip)、ピラミッド型トリップ、表面粗さトリップ、歯形の組合せによるトリップ、ディンプル付きチューブのトリップ、及び羽根付き円錐体のトリップ、又はそれらの組み合わせ、から成る群から選択される、請求項37に記載の装置。 請求項40 前記擾乱は、実質的に安定な不均質な核生成部位となる種氷片を含む、請求項1に記載の方法。 請求項41 第二の過冷却された液体は先に過冷却された液体とは異なる、請求項6に記載の方法。
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