ベルト
专利摘要:
エラストマー材料の主ベルト本体部と、前記本体部内部に配置される、例えばカーボン繊維心線のような抗張補強材と、前記主本体部と一体であるシーブ接触部とを有する動力伝達ベルト。エラストマー材料は、ポリイソシアナートプレポリマー組成物と連鎖延長剤との反応生成物を含む。ポリイソシアナートプレポリマー組成物は、ジイソシアナートと、約150℃未満で実質的に酸化性である部分がないポリオールと、ポリオールと同じ群から選択される少なくとも1つのトリオールとを反応することにより作製される。プレポリマーの反応前又は後のいずれかにおいて、例えばポリエチレングリコールジ-アルキルエステルのように、アルキル-エーテルジ-アルキルエステルから成る群から選択される可塑剤がそこに加えられる。連鎖延長剤は、芳香族シンメトリック第1又は第2ジアミン連鎖延長剤である。 公开号:JP2011516796A 申请号:JP2010549671 申请日:2009-03-05 公开日:2011-05-26 发明作者:ディー. ヴィッサー,ハリー;ウー,ウィリアム;アール. スタンプ,ジェームス;アール. デューク,ジョセフ 申请人:ザ ゲイツ コーポレイション; IPC主号:F16G5-06
专利说明:
[0001] 本発明は概ね、動的用途のための繊維補強されたエラストマーポリウレタン製品に関し、特に、可塑化されたポリウレタン/ウレアエラストマー及びカーボン繊維抗張心線を有する動力伝達ベルトに関し、具体的には、ポリウレタンベルトにおける、カーボン繊維抗張心線の耐屈曲疲労性を改良した改良ポリウレタン/ウレアエラストマー組成物に関する。] 背景技術 [0002] 一般的に、可塑剤又は希釈剤として知られた所定の添加剤が、ポリウレタンプレポリマーに添加されるとき、これらプレポリマーの粘度を減少させることが知られている。残念なことに、これら添加剤の同時に生じる効果は、硬さ、引張モジュラス及び引裂強さのようなポリウレタンエラストマーの所定の硬化特性を顕著に減少させることである。] [0003] 米国特許第5,907,014号明細書は、物理的性能を犠牲にすることなく、改良された濡れ性を有するポリウレタンプレポリマーを開示する。二塩基エステルを有するプレポリマー、好ましくはアルキル基がC1からC7であって、ジアミン又はポリオール硬化の脂肪族ジアルキルエステルは、1以上の布プライに取り付けられ、次いで適切な温度と時間で硬化され、最終製品すなわちコンベヤベルトを作製する。] [0004] 米国特許第6,964,626号明細書は、これによりその内容の全体がここに組み込まれ、約140〜150℃の高温安定性、及び約−35〜−40℃における低温度柔軟性を有する、動的用途に使用されるための改良ポリウレタン/ウレアエラストマーを開示する。これらエラストマーは、ベルト用途、具体的には、自動推進乗物におけるタイミングすなわち同期ベルト、Vベルト、マルチVリブドすなわちマイクロリブドベルト、平ベルト類及び同等物に有用である。ポリウレタン/ウレアエラストマーは、ポリイソシアナートプレポリマーが、シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤;シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤及び第2ジアミン連鎖延長剤の混合物;又はシンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤及び非酸化性ポリオールの混合物に、反応することにより作製され、これらは、標準的な成型工程において触媒の必要性をなくし、かつ相分離性を改良するように、全てが選択される。ポリイソシアナートプレポリマーは、ポリカルボナートポリオール、ポリエステルポリオール又はこれらの混合物のように、高温下で非酸化性であるポリオールと、例えばp−フェニレンジイソシアナート、1,5−ナフタレンジイソシアナート及び2,6−トルエンジイソシアナートのようなコンパクトなシンメトリック芳香族である、又は、例えばトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアナート及びトランストランス−4,4’−ジシクロへキシルメチルジイソシアナートのようなトランス若しくはトランストランス幾何学構造を有し脂肪族である有機ポリイソシアナートとの反応生成物である。] 発明が解決しようとする課題 [0005] 本発明は、改良された室温・高温耐屈曲疲労性及び改良された動的荷重性能を提供する、ポリウレタン/ウレアエラストマー、動力伝達ベルト、及び方法を対象とする。] 課題を解決するための手段 [0006] 本発明は、エラストマー材料の主ベルト本体部、前記本体部内部に配置される抗張補強材、及び前記主本体部に一体であるシーブ接触部を有する動力伝達ベルトを対象とする。エラストマー材料は、ポリイソシアナートプレポリマー組成物と連鎖延長剤の反応生成物を含む。ポリイソシアナートプレポリマー組成物は、(i)(a)p−フェニレンジイソシアナート、(b)2,6−トルエンジイソシアナート、及び(c)トランス又はトランストランス幾何学構造を有する環状脂肪族ジイソシアナートから成る群から選択されるジイソシアナート;(ii)約150℃未満で実質的に酸化性である部分がなく(free of moieties oxidative)、かつ(a)ポリカルボナートポリオール、(b)ポリエステルポリオール、及び(c)前記ポリカルボナートポリオールと前記ポリエステルポリオールの混合物から成る群から選択されるポリオール;及び(iii)上記ポリオールの群から選択される少なくとも1つのトリオール架橋剤が反応することによって作製される。ポリイソシアナートプレポリマー組成物を反応させる前又は後のいずれかにおいて、そこにはアルキル-エーテルジ-アルキルエステル(alkyl-ether di-alkylesters)、ポリアルキル-エーテルジ-アルキルエステル(polyalkyl-ether di-alkylesters)、及びポリエチレングリコールジ-アルキルエステル(polyethylene glycol di-alkylesters)から成る群から選択される可塑剤が加えられる。連鎖延長剤は、芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤、前記芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤と芳香族第2ジアミン連鎖延長剤の混合物、及び、1以上の前記芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤と上記プレポリマーを生成するために使用されるものから選択される1以上のポリオールとの混合物から成る群から選択される。] [0007] 種々の実施形態において、抗張補強材は、カーボン繊維抗張心線であって良い。補強材は、繊維布を含んでいて良く、それはベルトの表面を被覆して良く、そしてポリマーフィルムを有する布ラミネートであって良い。] [0008] 種々の実施形態において、プレポリマーにおけるトリオール含有量は、非常に高くて良く、合計ポリオール基準で2重量%〜100重量%、好ましくは5重量%〜35重量%又は約15重量%〜25重量%である。プレポリマーにおける可塑剤含有量は、合計プレポリマー重量基準で、約5重量%〜約30重量%又は5重量%〜約15重量%であって良い。可塑剤は、ポリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエート(polyethylene glycol di-2-ethylhexoate)であって良く、かつ300〜約700の範囲の分子量を有して良い。] [0009] 種々の実施形態において、ポリオールは、分子量約500〜約4000又は1500〜2500のポリカプロラクトンジオールと、分子量約500若しくは1000〜約4000、又は2500〜3500のポリカプロラクトントリオールとの混合物であって良い。] [0010] 本発明は、さらに上記したポリウレタンエラストマーを作製し、かつ、ベルト、ベルト類、可撓性カップリングスリーブ及びホースから成る群から選択される、使用中に動的荷重が作用される製品を成型するとともに、成型前又は成型中に、ウレタンが少なくともいくつかの間隙に浸透されるように、その繊維間に間隙を有する繊維補強材を、前記製品内部又は表面上に埋設する方法を対象とする。] [0011] 本発明の実施形態における優位点は、ポリウレタンの改良されたポットライフ、成型充填率及び工程特性、ベルト屈曲試験における改良された抗張心線強度残存率、改良された加熱荷重及び屈曲性能、並びに改良されたベルト耐久性を含む。] [0012] 下記の発明の詳細な説明によってさらに良く理解させるために、前記は、本発明の特徴及び技術的な優位点をむしろ広く概説したものである。本発明の特許請求の範囲の主題を形成する本発明の付加的な特徴及び優位点は、この後述べられる。開示される概念及び特定の実施形態は、本発明と同じ目的を達成するために、他の構造を改変又は設計する根拠として直ちに使用されて良いことを、当分野の当業者によって理解されるべきである。斯様な等価の構成は、添付の特許請求の範囲に記載された発明の精神及び範囲から逸脱しないことを、当業者によって直ちに理解されるべきである。構成及び操作方法の両方に関し、更なる目的及び優位点とともに、本発明の特徴であると信じられる新規の特徴は、添付図面との関係が考慮されたとき、下記の説明からより良好に理解される。しかしながら、各図面は、単に説示及び説明を目的として提供されるものであって、本発明の限定を定義するものとして意図されたものでないことは、明らかに理解される。] 図面の簡単な説明 [0013] 添付図面は、明細書に組み入れられかつその一部を形成し、同等の符号が同等の部材を示し、かつ本記載とともに本発明の実施形態を示し、本発明の本質を説明するために提供される。図面において:] [0014] 本発明の一実施形態に従って構成されたタイミングベルトについての一部断面とした部分斜視図である。] [0015] 本発明の一実施形態に従って構成されたVベルトについての一部断面とした部分斜視図である。] [0016] 本発明の一実施形態に従って構成されたマルチVリブドベルトについての一部断面とした部分斜視図である。] [0017] 本発明の実施形態に従ったポリウレタン/ウレアエラストマー組成物、及び比較組成物についての応力−歪みデータのグラフである。] [0018] 本発明のベルト実施形態の特性を評価するために使用されたRTFF試験リグの概略図である。] [0019] 本発明のベルト実施形態の特性を評価するために使用されたHTFF試験リグの概略図である。] 実施例 [0020] 本発明は、エラストマー材料の主ベルト本体部、前記本体部内部に配置される抗張補強材、及び前記主本体部に一体的なシーブ接触部を有する動力伝達ベルトを対象とする。本発明に従うと、エラストマー材料は、可塑化されたポリイソシアナートプレポリマー組成物と連鎖延長剤の反応生成物を含む。ポリイソシアナートプレポリマー組成物は、(i)(a)p−フェニレンジイソシアナート、(b)2,6−トルエンジイソシアナート、及び(c)トランス又はトランストランス幾何学構造を有する環状脂肪族ジイソシアナートから成る群から選択されるジイソシアナート;(ii)約150℃未満で実質的に酸化性である部分がなく、かつ(a)ポリカルボナートポリオール、(b)ポリエステルポリオール、及び(c)前記ポリカルボナートポリオールと前記ポリエステルポリオールの混合物から成る群から選択されるポリオール;及び(iii)上記ポリオールの群から選択される少なくとも1つのトリオール架橋剤が反応することによって作製される。ポリイソシアナートプレポリマー組成物を反応させる前又は後のいずれかにおいて、そこにはアルキル-エーテルジ-アルキルエステル、ポリアルキル-エーテルジ-アルキルエステル、及びポリエチレングリコールジ-アルキルエステルから成る群から選択される可塑剤が加えられる。連鎖延長剤は、芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤、前記芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤と芳香族第2ジアミン連鎖延長剤との混合物、及び1以上の前記芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤と上記プレポリマーを生成するために使用されるものから選択される1以上のポリオールとの混合物から成る群から選択される。] [0021] 図1を参照すると、典型的なタイミングベルト10が図示される。ベルト10は、エラストマー主本体部12と、主本体部12の内周に沿って配置されるシーブ接触部14を含む。この特定のシーブ接触部14は、横断溝プーリ又はスプロケットに噛み合うように設計された、横断歯16とランド部18とが交互にある形状である。抗張層20は、ベルト10に支持と強度を提供するために、主本体部12内部に配置される。図示された形状では、抗張層20は、複数の心線22が、主本体部12の長手に沿って長手方向に整列された形状である。一般的に、当分野で知られたいかなる種類の抗張層20が使用されても良いことが、理解されるべきである。さらに、綿、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、アラミド、スチール、カーボン、PBO、及び低荷重負荷能力のための配向された均一不連続繊維のような、いかなる所望の材料が抗張部材として使用されても良い。図1の好ましい実施形態では、抗張層20は、好ましくは連続カーボンフィラメントの撚りヤーンであって良い、カーボン繊維から形成された、図示の抗張心線22の形状である。] 図1 [0022] 補強布24が使用されて良く、交互にある歯16と交互にあるランド部18に沿って、密着一致させられ、シーブ接触部の面被覆又は歯被覆を形成する。この布は、例えばいかなる所望の角度にある経糸及び緯糸から成る従来の織布のように、いかなる所望の構造であっても良く、又は間隔が開けられたピックコードによって共に保持された経糸、又は編み若しくは編組構造、又は不織布、及び同等物から成っても良い。1プライより多い布、若しくは異なる布種類の組み合わせが、用いられても良い。所望により、布24は、ストランドがベルト横断方向に対して角度を成すように、バイアスで切断されても良い。綿、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、アラミド、ポリケトン、ポリアリーレンサルファイド、麻、ジュート、ガラス繊維、及び、これらのブレンド又は組み合わせを含む種々の他の天然及び合成繊維を使用した、従来の布が用いられて良い。本発明の好ましい実施形態において布層24は、少なくとも経糸及び緯糸の一方がナイロンから形成される伸張性耐摩耗性布から成る。好ましい形状において布層24は、ナイロン66伸縮性布から形成され、駆動シーブに協同して係合するための非エラストマー(非ポリウレタン/ウレア)表面を提供する。非エラストマー表面は、布にラミネートされた重合体フィルムを含んでも良い。] [0023] 図2を参照すると、ここでは標準的なノッチドVベルト26が図示される。Vベルト26は、図1のものと同様のエラストマー本体部12と、同じく図1に示されるものと同様の心線22形状である抗張補強部材20を含む。Vベルト26のエラストマー本体12及び心線22は、図1において上述された材料と同一のものから構成される。] 図1 図2 [0024] Vベルト26も、図1の動力伝達ベルトのようにシーブ接触部14を含む。しかしながら、本実施形態では、シーブ接触部14は、Vシーブに楔入れられるように設計された、ベルトの2つの並列された側面である。Vベルト26の底面は、ノッチ窪み表面、すなわち凹部28と突出部30が交互にある形状である。これら交互にあるノッチド窪み表面28と突出部30は、好ましくは図示されるように、シーブ接触部14がプーリ及びシーブ周りを通るときに、屈曲応力を分配して最小化する正弦曲線の経路に概ね沿っている。しかしながら、凹部28及び突出部30は、選択的である。] 図1 [0025] 図3を参照すると、マルチVリブドベルト32が図示される。マルチVリブドベルト32は、図1及び2のベルトのように主エラストマー本体部12を含むとともに、同じく前述したように好ましくは心線22形状にある、抗張補強部材20も含む。長手方向に溝切りされたシーブ接触部14は、ベルト32の駆動表面34を定義する反対を向く側面を有する、複数の起立エリア又は錐部36が、複数の凹エリア38と交互にある形状にある。図1〜3のこれら例のそれぞれにおいて、シーブ接触部14は、主本体部12と一体であって、より詳細は後述される、同一のエラストマー材料から形成される。本発明は、図1〜3に示される実施形態を参照して図示されるが、本発明はこれら特定の実施形態に限定されず、あるいは、図示されるように形成されるが、むしろ下記で定義される特許請求の範囲内のいかなるベルト構造に適用可能であることが理解されるべきである。] 図1 図2 図3 [0026] 本発明のポリウレタン/ウレアエラストマーは、標準的な成型工程による、可塑化されたポリイソシアナートプレポリマーとジアミン連鎖延長剤との反応生成物である。ポリイソシアナートプレポリマーは、例えばポリカルボナートポリオール又はポリエステルポリオールのように、150℃まで非酸化性であって少なくとも1つのトリオールを含むポリオールの混合物と、例えばPPDIのように、シンメトリックでコンパクトな芳香族ジイソシアナート、又は例えばトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアナート(t−CHDI)のように、トランス若しくはトランストランス幾何学形状にある脂肪族ジイソシアナートとの反応生成物である。トリオールがあることにより、ポリウレタン/ウレアエラストマーにおいて、分岐及び/又は架橋がもたらされる。斯様な架橋は、プレポリマーの粘度を増加させて、工程における問題を生じさせる点において不利である。プレポリマーへの可塑剤の添加は、その粘度を低下させる。可塑剤の添加は、プレポリマー製造中、又はその後においてなされる。結果物としての架橋されかつ可塑化された、本発明のポリウレタン/ウレアエラストマーは、約140〜150℃までの熱安定性を改善し、かつ約−35〜−40℃における低温度柔軟性を維持する。タイミングすなわち同期エンドレスベルト又はベルト類、Vベルト、マルチVリブドベルト、マイクロリブドベルト、平ベルト又はベルト類、及び同等物を含む本発明の熱安定性ベルトは、それらの主本体部として、本発明のポリウレタン/ウレアエラストマーを使用し、かつ確立されたベルト製造方法を使用して製造される。可塑化及び/又は架橋は、一定の低下した物理的性能をもたらすにもかかわらず、本発明のベルトは予想外なことに、可塑化されておらず及び/又は架橋されていないポリウレタン/ウレアのベルトと比べて、優れた耐屈曲疲労性及び複合物一体性(composite integrity)を示す。] [0027] 本発明は、ポリウレタン/ウレアエラストマーを作製するために、標準的な成型工程によって、2ステップ(プレポリマー)アプローチを使用する。第1ステップでは、ポリオール混合物とポリイソシアナートが反応して、ポリイソシアナートプレポリマーを得る。第2ステップでは、ポリイソシアナートプレポリマーと連鎖延長剤が反応して、最終的なポリウレタン/ウレアエラストマーを生成する。可塑剤は、プレポリマーを反応させる前又は反応後にプレポリマーに加えられて良い。プレポリマー組成物における可塑剤の量は、合計プレポリマー組成物重量基準で、約5重量%〜約30重量%であって良く、好ましくは5重量%〜約15重量%である。] [0028] 本発明のための可塑剤は、ジアルキル-エーテルジ-アルキルエステル(dialkyl-ether di-alkylesters)、及び例えばジ-又はポリ-エチレングリコールジ-アルキルエステル(di- or poly-ethylene glycol di-alkylesters)のようなポリアルキレン-エーテルジ-アルキルエステル(polyalkylene-ether di-alkylesters)から成る群から選択されて良い。ジアルキル-エーテルジエステル(dialkyl-ether diesters)は、C1〜C4のエーテル-又はポリエーテル-ジカルボン酸のC4〜C12のエステルを含む。斯様な可塑剤の例は、カプリン酸エステル、カプリル酸エステル、ヘキサン酸エステル、ヘプタン酸エステル、ペラルゴン酸エステル、2−エチルヘキソエート(2-ethylhexoate)、及び同等物を含んで良い。斯様な可塑剤の例は、約800までの分子量を有する、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びポリエチレングリコールのようなエーテルのジ-アルキルエステル(di-alkylesters)を含んで良い。好ましい可塑剤は、分子量約300〜約700のポリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエートである。具体的な可塑剤は、分子量662を有し、かつホールスター社(The HallStar Company)によって商標名TegMeR(登録商標)809で販売されるPEG400ジ−2−エチルヘキソエートである。PEG400は、分子量約400のポリエチレングリコール、又は平均エチレンオキサイド単位数約8若しくは9のPEGに言及する。] [0029] 本発明で使用されるポリイソシアナートプレポリマーに適した有機ポリイソシアナートは、下記の特性を有する:結果物としてのエラストマーの改善された相分離性、及び、処方中の触媒の必要性をなくさせるようにアミン基に対する高い反応性のための、さもなくば結果物としてのエラストマーの高温下における復帰(reversion)を促進する、芳香族化合物ではコンパクトなシンメトリック構造、又は脂肪族化合物ではトランス若しくはトランストランス幾何学構造。限定されるわけではないが、ポリイソシアナートプレポリマーを作製するための出発成分として有用なポリイソシアナートは、限定されるわけではないがPPDI、1,5−ナフタレンジイソシアナート(NDI)、及び2,6−トルエンジイソシアナート(2,6−TDI)を含む、コンパクトなシンメトリック芳香族ジイソシアナートを含む。ポリイソシアナートプレポリマーを用意するための出発成分として有用なポリイソシアナートは、さらに、トランス又はトランストランス幾何学構造を有する環状脂肪族ジイソシアナートを含む。これらアイソマーは、概ね純粋であって、それらはシス構造のアイソマーが実質的にない状態で存在し、これにより、硬化すると良好な相分離性を促進する。これらは限定されるわけではないが、t−CHDI、及びトランストランス−4,4’−ジシクロへキシルメチルジイソシアナート(t,t−HMDI)を含む。] [0030] ポリイソシアナートプレポリマーに有用なポリオールは、150℃まで非酸化性であって、限定されるわけではないが、ポリエステルポリオール及びポリカルボナートポリオールを含む。ポリエーテルポリオールは、150℃で非常に酸化しやすいため、本発明に適していない。ポリチオエーテルポリオールは、エラストマーをマクロラジカル結合しやすくして、それゆえ150℃で脆くなるため、本発明に適していない。これは、硫黄原子に隣接するメチレンプロトンが存在するためで、150℃で大量の水素引き抜きを起こして、2つのポリチオエーテルソフトセグメント間での結合を引き起こす。] [0031] 本発明において使用されるポリエステルポリオールは、限定されるわけではないが、多価アルコール、好ましくはいくらかの三価アルコールを添加した二価アルコール、及び/又は、多塩基性カルボン酸、好ましくはいくらかの三塩基性カルボン酸を添加した二塩基性カルボン酸の反応生成物を含む。対応するポリカルボン酸無水物、又はより低級であるアルコールの対応するポリカルボン酸エステル、又はこれらの混合物は、それらのフリーポリカルボン酸対応物よりも、ポリエステルを作製するために好ましい。カルボン酸は本質上、脂肪族、環状脂肪族、及び/又は芳香族である。以下は非限定的な例として示される:コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、トリメリト酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸、フマル酸、二量体又は三量体の脂肪酸、選択的に単量体の脂肪酸、ジメチルテレフタレート、及びテルフタル酸−ビス−グリコールエステルが混合される。斯様なポリエステルを生成するために使用される適当な多価アルコールは、限定されるわけではないが以下を含む:エチレングリコール、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、1,4−及び2,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール若しくは1,4−ビス−ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセロール、トリメチロプロパン(“TMP”)、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、及びこれらの混合物。ε−カプロラクトンのようなラクトンのポリエステル、及びω−ヒドロキシカプロン酸のようなヒドロキシカルボン酸も使用されて良い。] [0032] 適当なポリカルボナートポリオールは公知であるとともに、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、又はテトラエチレングリコール、及びこれらの混合物のようなジオールが、ジアリールカルボナート、例えばジフェニルカルボナート、ジアルキルカルボナート、例えばジエチルカルボナート、又はホスゲンに、反応することによって作製されて良い。] [0033] 好ましいポリオールは、分子量約500〜約4000又は5000のポリカルボナートポリオール及びポリエステルポリオール、又はこれらの混合物である。より好ましいポリオールは、分子量約300若しくは500〜約4000若しくは5000を有する、ポリ(ヘキサメチレンカルボナート)(“PCB”)ジオール及び/又はトリオール、ポリカプロラクトン(“PCL”)ジオール及び/又はトリオール、並びに、ポリ(ヘキサメチレンアジパート)ジオール及び/又はトリオールである。最も好ましいポリオールは、ポリ(ヘキサメチレンカルボナート)ジオール及び/若しくはトリオール、ポリカプロラクトン(“PCL”)ジオール及び/若しくはトリオール、並びに/又は、ポリ(ヘキサメチレンアジパート)ジオール及び/若しくはトリオールである。ジオールにとって最も好ましい分子量は、約1500〜約2500の範囲であるとともに、トリオールにとっては約1000〜約4000又は約2500〜約3500である。ポリオールは、ジイソシアナートに反応して、本発明に有用なポリイソシアナートプレポリマーに形成される前に、約0.03重量%未満の水分レベル、より好ましくは約0.0150重量%のレベルまで乾燥される。プレポリマーを用意するために使用されるポリオールは、上記ポリオールから選択される少なくとも1つのトリオールと、1以上の他のポリオール、好ましくはジオールとの混合物である。最も好ましいジオール及びトリオールは、上記で列記された最も好ましいポリオールである。ポリオール混合物中のトリオール架橋剤の量は、約2%から100%までの範囲のいずれでも使用可能であって、特に限定されない。それでもなお、好ましい実施形態では、ポリオール混合物中のトリオールの量は好ましくは、プレポリマーにおける合計ポリオール成分の5重量%から約35重量%までであって、より好ましくは約15%〜約25%である。ポリオール混合物の残りは、ジオールであって良い。多すぎるトリオールは、プレポリマーにおける粘度上昇、及び/又はポリウレタンによる繊維補強材の濡れ性や浸透性の欠如、及び/又は混合物の化学的不安定性により、工程又は混合の問題をもたらす一方、少なすぎるトリオールは、架橋を不十分にし、高温性能の改善を全く又は殆どもたらさない。] [0034] 本発明の実施形態では、プレポリマーは、ジオールベースのプレポリマーがトリオールベースのプレポリマーに混合されることにより作製されて良い。しかしながら、トリオールベースのプレポリマーの増加された粘度は、これを困難にする。それゆえ、好ましい実施形態は、混合されたジオール及びトリオールから作製されたプレポリマーである。] [0035] ジアミン連鎖延長剤の使用は、それらのより高い融点により、ジオール連鎖延長剤よりも典型的には工程をより困難にする一方、それらのウレタン対応物よりも安定的であるウレア結合によって、より高い熱安定性をもたらす。本発明で有用な好ましいジアミン連鎖延長剤は、以下の3つの特性を有する:結果物としてのエラストマーにおける改良された相分離性のためのシンメトリック構造;ハードセグメントの結晶性及び結果物としてのエラストマーにおける全体的な相分離が阻害されないために、芳香族環上に、斯様な基がある場合、非嵩高(non-bulky)置換基がある;及び、処方において触媒の必要性を無くすためのイソシアナート基との適切な反応性。第1ジアミン連鎖延長剤は、適切な反応性のために使用される。] [0036] 本発明に有用なシンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤は、触媒を必要とせずに、ポリイソシアナートプレポリマーと直ちに反応できるものである。加えて、これら連鎖延長剤は、本発明における結果物としてのエラストマーの優れた動的性能を比類なくもたらすに違いない。本発明に有用な連鎖延長剤のシンメトリーは、改良された相分離性を提供し、それゆえ、動的用途における最終ポリウレタン/ウレアエラストマーの熱安定性を増加させる。適当な第1ジアミン連鎖延長剤は、限定されるわけではないが、分子量約90〜約500のシンメトリック芳香族アミン、及びそれらの混合物を含む。具体例は:1,4−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、1,5−ナフタレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1−メチル−3,5−ビス−(メチルチオ)−2,6−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(“MCDEA”)、4,4’−メチレン−ビス−(o−クロロアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)、トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾアート、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(2−メチル−6−イソプロピルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、及び同等物を含む。] [0037] シンメトリック芳香族第1ジアミン連鎖延長剤は、例えば硬さのようなエラストマー特性を変化させるために、選択的に約25%までの第2ジアミン連鎖延長剤が組み合わされて良い。芳香族第2ジアミン連鎖延長剤の適当な例は、約150〜約500の分子量を有し、かつ限定されるわけではないが、N,N’−ジ−sec−ブチル−アミノベンゼン及びN,N’−ジ−sec−ブチル−アミノ−ジフェニルメタンを含む。] [0038] シンメトリック芳香族第1ジアミン連鎖延長剤は、混合比、工程温度及び柔軟性等のような工程又は製品特性を改変するために、上記されかつプレポリマーに含有される1以上のポリオールに組み合わされても良い。これら長鎖ポリオールは、連鎖延長剤として機能しないが、エラストマーにおけるハードセグメント量を減少させ、それゆえその硬さを減少させる。これは、いくつかの用途では望ましいかもしれない。ポリオールのシンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤に対する適当な重量比は、約30:70〜約60:40であって良く、より好ましくは約40:60〜約50:50である。] [0039] 脂肪族及び芳香族のいずれの短鎖ヒドロキシル化合物も、結果物としてのエラストマーの高温下におけるウレタン結合の不安定性、及び高温下用途における不十分な動的性能のために、本発明の連鎖延長剤として適当ではない。] [0040] ポリイソシアナートとポリオール又はポリオール混合物との反応によって、ポリイソシアナートプレポリマーを作製することは、当分野で周知である。添加順を選択する一般的な基準は、オリゴマー量を最小化することにあり、さもなければ高プレポリマー粘度の形で、工程における問題を引き起こす。ポリイソシアナートプレポリマーが作製されるための添加順が選択される際、他の要因も考慮されるに違いない。例えば、ポリオール成分が液体PPDIに、その融点95℃を超える温度で添加される場合、高い割合でPPDIの二量化及び昇華が起こることが知られている。下記の実施例では、PPDIがポリオールに加えられたPPDIベースのプレポリマー合成を除いて、全てのポリオールがポリイソシアナートに加えられた。要求があれば、ベンゾイルクロライドのような少量の安定剤が、ポリイソシアナートプレポリマーに、その作製段階で加えられて良い。NCO/OHの化学量論比として表されるポリイソシアナートのポリオールに対する好ましい混合比は、約1.8:1〜約2.4:1であって、PPDIをベースとするプレポリマーでは、より好ましくは約2:1であるとともに、t,t−HMDIをベースとするプレポリマーでは、より好ましくは約2.2:1である。ジイソシアナートとポリオールの反応は、好ましくは約3時間〜約10時間、より好ましくは約5〜約6時間で行われる。本発明に有用なポリイソシアナートプレポリマーは、およそ2〜12重量%NCOのイソシアナート基含有量、より好ましくは3〜7重量%NCO、最も好ましくは3.4〜4.0重量%NCO含んでいる。] [0041] 可塑剤の添加は、たとえプレポリマーにトリオール架橋剤があったとしても、結果物としてのポリウレタンを顕著に軟化させるかもしれないから、補償するために、%NCOは約6重量%までを限度として有益に増加させられる。] [0042] 本発明のポリイソシアナートプレポリマーは、ポリウレタン/ウレア技術で知られるように、標準的な成型工程によって連鎖延長剤と反応されて良い。本発明のポリウレタン/ウレアエラストマーは、イソシアナートをアミン又はアミン/ヒドロキシルに対して、当量比約0.95:1〜約1.2:1、さらに好ましくは約1.05:1〜約1.1:1で使用する。] [0043] 本発明のポリウレタン/ウレアエラストマーは、ベルト作製の適当な段階で、例えば顔料、着色剤、帯電防止剤等のような添加剤と混合されて良い。] [0044] 本発明の実施形態に従う実施例(“Ex.”)が、比較例(“Comp. Ex.”)に対する本発明の利益を示すために作製された。ベース処方は表1に示される。表において、PCLはポリカプロラクトン、PCBはポリカルボナートである。表1は、ポリウレタン処方から作られた実施例及び比較例ベルトの他の成分も示す。ベルト実施形態は、カーボン繊維の抗張心線、及び、外部歯表面にポリエチレンフィルムがラミネートされたナイロン66織布の歯布を含んでいた。] [0045] ] [0046] 表1は、実施例及び比較例エラストマー処方のいくつかの工程性能をさらに示す。LV#5スピンドル、100rpm、65℃でブルックフィールド(“BF”)粘度計によって測定されるプレポリマー粘度は、可塑剤を添加することにより低下する。アミン滴定法によって測定される%NCOも、可塑剤を添加することにより低下する。例えば、比較例1,2の比較は、プレポリマー基準でPCLに13.1%の可塑剤を加えることで、%NCOが3.8%から3.5%に、粘度が26.9から11.5ポアズに低下したことを示す。比較例1、3の比較は、直鎖PCLジオールに分岐PCLトリオールを加えることで、プレポリマーの粘度が26.9から32ポアズに増加したことを示す。比較例3、実施例4及び実施例5の比較は、PCLジオール及びトリオールのブレンドに増加した量の可塑剤を加えることで、粘度及び%NCOの両方が低くなることを示す。より低い%NCOは、比較例3、実施例4及び実施例5それぞれにおいて、ポットライフの70から80、90秒への増加をもたす。] [0047] トリオール又は可塑剤のいずれか一方のみのプレポリマーへの添加は、表2及び図4のデータによって示されるように、それらから形成されたエラストマーにおいて、物理的性能を大きく低下させた。例えば密度は、比較例1、2において1.15から1.14g/ccに、比較例3、実施例4及び実施例5において1.15から1.13g/ccに低下させられた。密度低下は、可塑剤が存在するソフトセグメントに対する、材料に強度及び剛性を与えるハードセグメントの割合が低下したことを示す。それゆえ、150℃の引張試験で測定される引張強さは、可塑剤を添加したことにより低下した。ジオールにトリオール架橋剤を添加することにより、150℃の破断伸びの低下を伴って、150℃の極限引張強さの低下も引き起こした。プレポリマーに可塑剤を添加することにより、ジオール及びジオール・トリオール混合エラストマーの両方のモジュラスを僅かに低下させた。これらのエラストマーの応力−歪み挙動における悪影響は、図4の応力−歪み曲線において理解可能である。この引張強さ及びモジュラスの減少、並びに破断伸びの増加は、一般的に知られており、かつ可塑化されたポリウレタン、具体的には実施例4、5で観察され、トリオール架橋剤による破断伸びの劇的な低下と組み合わされ、本発明の可塑化された処方は、要求される動的に荷重される屈曲条件では、良好に機能しないであろうことを示唆した。加えて、いくつかの可塑剤、例えばエクソンモービル社によって参照名Jayflex TINTMで販売されるベンゼントリカルボン酸トリイソノニルは、反応混合物から分離され、すなわちエラストマー表面にブルームすると評価された。種々のフタル酸エステル可塑剤のように評価された他の可塑剤は、エラストマー試験片を、150℃の強制空中オーブンにおいて、加熱空中老化している間に、非常に急速に揮発した。本発明の実施形態における好ましい可塑剤、Tegmer 809は、反応混合物から分離せず、すなわちエラストマー表面にブルームしなかった。Tegmer 809は、150℃の強制空中オーブンで2000時間、エラストマー試験片を加熱空中老化した後、揮発していなかった。それゆえ、Tegmer 809のようなポリエチレングリコールジ-アルキルエステル可塑剤は、ポリウレタン/ウレアエラストマーに可塑剤を添加したことによって観察される物理的性能変化を考慮すると、あまり見込みがないが、本発明のベルト実施形態においてさらに試験する唯一の候補である可塑剤であると考えられた。] 図4 [0048] ] [0049] 表1の実施例のポリウレタン/ウレアエラストマー処方は、本発明の実施形態に従って、歯付き動力伝達ベルトに作製された。比較ベルトは、同様の方法で作製された。溝を有する円筒形マンドレルが、9.525mm歯間隔の所望の数の曲線歯を有する歯付きベルトを形成するために使用された。マンドレルの歯幅(face width)に一致するように切断され、かつ溝付きマンドレル表面の形状に沿うように熱実行された、ラミネートされた布のシートは、マンドレル周りに取り付けられた。次いで、平衡にされた一対のカーボン繊維のS及びZ撚り12kヤーンが、マンドレルに被覆された布の上に巻かれた。次いで、マンドレルはシェル内部に配置され、ポリウレタン処方がマンドレルとシェル間のキャビティに注入され、約300〜400psi(2.07〜2.76MPa)で加圧され硬化させられた。離型された後、結果物としてのスラブは、約100〜150℃で1日間程度後硬化されて良く、次いで、動的試験用の各ベルトに切断された。] [0050] 種々の条件下における本発明の実施形態の性能特性を評価するために、3つの動的ベルト試験が実施された。室温屈曲疲労(“RTFF”)試験が、図5に図示されるプーリ形状を有する、死荷重で引っ張られたモーター駆動リグで実施された。図5を参照すると、RTFF試験50は、44歯の原動プーリ54、19歯の中間プーリ56、及び22歯の従動プーリ52周りに巻き付いていた12.7mm(1/2インチ)幅で120歯のベルト10を含み、それぞれ72mm、28mmである背面アイドラ58、57を有していた。2224Nの死荷重Fが従動プーリ52に作用され、それは7000rpmで駆動された。室温で200時間走行後、試験ベルト10は、全体ベルトの引張強さ試験のために、取り外された。残存引張強さ%が、2以上のベルトの平均として表3に報告され、これにより、ベルト構造における室温耐屈曲疲労性が示される。] 図5 [0051] 高温屈曲疲労(“HTFF”)試験が、図6に図示されるプーリ形状を有する、死荷重で引っ張られたモーター駆動リグで実施された。図6を参照すると、HTFF試験60は、19歯の原動プーリ62、20歯の中間プーリ66、及び38歯の従動プーリ64周りに巻き付いていた19.1mm(3/4インチ)幅で97歯のベルト10を含み、55mmの背面アイドラ68を有していた。490Nの死荷重F’が原動プーリ62に作用された。従動プーリ64は、3500rpmで駆動された。加熱箱が145℃の環境温度に保ち、かつ試験はベルト10が破断したときに停止された。ベルト寿命時間が、2以上のベルトの平均として表3に報告され、これによりベルト構造における高温耐屈曲疲労性が示される。] 図6 [0052] 加熱耐久性(“HD”)試験が、中心固定2点モーター駆動試験リグで実施された。HD試験は、34歯の原動プーリ、及び、2000rpmで駆動されかつ13.5kW(20hp)の荷重が与えられた34歯の従動プーリ周りに巻き付いていた12.7mm(1/2インチ)幅の120歯ベルトを含んでいた。加熱箱は140℃の環境温度に保ち、かつ試験はベルト10が破断したときに停止された。ベルト寿命時間が、2以上のベルトの平均として表3に報告され、これによりベルト構造における高温耐久性又は複合物一体性が示される。] [0053] 表3のベルト試験結果は、表2におけるいくつかのエラストマー性能が比較例に対して低下させられるにもかかわらず、本発明の実施形態が、室温下及び高温下の両方における改良された耐屈曲疲労性、並びに、高温下における改良された耐久性又は複合物一体性を有することを示す。比較例1、3は、RTFF試験リグにおいて200時間後、ベルト引張強さの過半が失われた。対照的に、発明実施例4,5は、それぞれ初期引張強さの92%、82%を残存させた。] [0054] 比較例3対比較例1の結果は、PCLジオールプレポリマーにPCLトリオールを添加すると、比較ベルトにおいて、加熱耐屈曲疲労性、及び加熱耐久性又は複合物一体性を顕著に改良したことを示す。このことは、145℃のHTFF試験、及び140℃のHDテストの結果から理解可能である。しかしながら、本発明の実施形態に従ってPCLトリオールと共に、可塑剤を添加すると、トリオールを単独で添加したものよりもさらに、加熱耐久性を改良した。ウレタンのモジュラス及び強度は、可塑剤を添加したことにより、僅かに低下し、これは、HTFF試験において比較例3よりも僅かに低い結果を導く原因となるかもしれない。発明実施例4、5ベルトは、2つのベルト寿命試験で、比較例1ベルトによって概ね示された剥離よりも好ましい破損モードである、歯せん断破損を主に示したことも注目すべき点である。] [0055] それにより縛られることを望むわけではないが、トリオール架橋剤と可塑剤を添加したことによって、観察されたウレタンベルトの性能改良の機構についてのいくつかの見解は、提案されるかもしれない。2つの機構が協同しているかもしれない:1つの機構は、工程、及びエラストマーと繊維補強材との相互作用を改良しているとともに、他の1つの機構は、所定のエラストマー性能を改良しているかもしれない。本発明の実施形態に従って添加された可塑剤は、より低い粘度とより長いポットライフをもたらし、それはウレタン工程性能が改良されたこと意味する。特に、ベルトモールドが、より速く充填させられることが可能であるとともに、レジンがより長く液体のままとなり、これらはいずれも、液体ウレタンによる補強繊維のより良好な濡れ性をもたらすかもしれない。改良された繊維濡れ性は、RTFF試験においてより良好な心線抗張残存性が導かれるかもしれない。カーボン又はアラミドのような高モジュラス抗張心線は、曲げやクリンプ損傷の影響を受けやすい。心線繊維を改良された濡れ性によってエラストマーで包囲することは、局所的な曲げ力を再分散させることを補助し、かつ抗張心線の寿命を延ばすかもしれない。エラストマー性能に関して本質的に、可塑剤は、プレポリマーで使用されたソフトセグメントポリオールに対して十分に相溶し、かつ、連鎖延長剤のハードセグメント結晶域に相溶しないことがおそらく重要である。すなわち、可塑剤はブルームしないが、ポリウレタンにおいて、物理的に架橋された又は結晶性の領域に対して干渉もしない。同時に、ウレタンエラストマーと複合物の優れた高温一体性のために、ソフトセグメントにおけるトリオール架橋も、おそらく必要である。ソフトセグメント架橋は、応力下で降伏し、かつ再配向又は再形成されたハードセグメントの能力を低下させるかもしれない。架橋されない比較例1、2では、降伏や歪み硬化が存在することを留意すべきである。この挙動は、架橋された改変物である比較例3、実施例4及び実施例5では最小化される。本見解をさらに支持するのは、降伏点に達する応力が、架橋された試験片では、可塑化レベルが同じで架橋されない試験片よりも高いという事実である。すなわち、分子形態でセグメント化されたポリウレタンは、架橋とともに可塑剤によって、微妙に改良されるかもしれない。] [0056] ] [0057] 上記実施例は歯付きベルトに集中しているが、本発明のポリウレタン/ウレアは、例えばVベルト、マルチVリブドベルト、平ベルト、可撓性スリーブカップリング、ホース、及び同等物のような、動的応力が作用される他の繊維補強された製品に使用された場合、同様の利点を提供するかもしれないことが認識されるべきである。] [0058] 本発明及びその優位点が詳細に述べられたが、種々の変更、置換及び代替が、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、ここではなされ得ることが理解されるべきである。さらに本出願の範囲は、明細書で述べられた工程、機械、製法、物の組成物、手段、方法及びステップの特定の実施形態に限定されることが意図されていない。当分野の当業者が本発明の開示から直ちに理解するとき、ここで述べられた実施形態に対応するものと、実質的に同一の機能を果たし、又は実質的に同一の結果を達成する、現在ある又はその後開発される工程、機械、製法、物の組成物、手段、方法又はステップは、本発明に従って使用されても良い。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内における斯様な工程、機械、製法、物の組成物、手段、方法又はステップを含むことが意図されたものである。ここで開示された発明は、ここで具体的に開示されないいかなる要素を欠く場合も、適当に実施されて良い。]
权利要求:
請求項1 エラストマー材料の主ベルト本体部と、前記本体部内部に配置される抗張補強材と、前記主本体部と一体であるシーブ接触部とを備え、前記エラストマー材料が、(A)(i)、(ii)及び(iii)を反応させ、そこに(iv)を加えることによって作製されたポリイソシアナートプレポリマー組成物と、(i)(a)、(b)及び(c)から成る群から選択されたジイソシアナート(a)p−フェニレンジイソシアナート(b)2,6−トルエンジイソシアナート(c)トランス又はトランストランス幾何学構造を有する環状脂肪族ジイソシアナート(ii)約150℃未満で実質的に酸化性である部分がなく、(a)、(b)及び(c)から成る群から選択されたポリオール(a)ポリカルボナートポリオール(b)ポリエステルポリオール(c)前記ポリカルボナートポリオールと前記ポリエステルポリオールの混合物(iii)前記ポリオールから選択されるトリオール架橋剤(iv)アルキル-エーテルジ-アルキルエステル、ポリアルキル-エーテルジ-アルキルエステル、及びポリエチレングリコールジ-アルキルエステルから成る群から選択される可塑剤(B)(a)芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤、(b)前記芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤と芳香族第2ジアミン連鎖延長剤の混合物、及び(c)1以上の前記芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤と前記ポリオールの混合物から成る群から選択される連鎖延長剤との反応生成物を備える動力伝達ベルト。 請求項2 前記抗張補強材は、カーボン繊維を備える請求項1に記載の動力伝達ベルト。 請求項3 前記カーボン繊維は、繊維間間隙を有し、かつベルト材料がその心線間隙の少なくとも一部に浸透したカーボン繊維ヤーンの心線形状である請求項2に記載の動力伝達ベルト。 請求項4 前記本体から形成され、所定のピッチで離れるように間隔が開けられたベルト歯と、前記ベルト歯の周囲面に沿って配置される耐摩耗性布補強材とをさらに備える請求項3に記載の動力伝達ベルト。 請求項5 前記可塑剤は、約300〜約700の分子量を有するポリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエートから成る群から選択される請求項1に記載の動力伝達ベルト。 請求項6 ポリウレタン/ウレアエラストマーの主ベルト本体部と、前記本体部内部に配置されるカーボン繊維を備える抗張補強材と、前記主本体部と一体であるシーブ接触部とを備え、前記ポリウレタン/ウレアエラストマーが、(A)(i)、(ii)及び(iii)を反応させ、そこに(iv)を加えることによって作製されたポリイソシアナートプレポリマー組成物と、(i)(a)p−フェニレンジイソシアナート、(b)2,6−トルエンジイソシアナート、及び(c)トランス又はトランストランス幾何学構造を有する環状脂肪族ジイソシアナートから成る群から選択されたジイソシアナート(ii)約150℃未満で実質的に酸化性である部分がなく、(a)ポリカルボナートポリオール、(b)ポリエステルポリオール、及び(c)前記ポリカルボナートポリオールと前記ポリエステルポリオールの混合物から成る群から選択されたポリオール(iii)前記ポリオールから選択されるトリオール架橋剤(iv)アルキル-エーテルジ-アルキルエステル、ポリアルキル-エーテルジ-アルキルエステル、ポリエチレングリコールジ-アルキルエステルから成る群から選択された可塑剤(B)(a)芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤、(b)前記芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤と芳香族第2ジアミン連鎖延長剤の混合物、及び(c)1以上の前記芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤と前記ポリオールの混合物から成る群から選択される連鎖延長剤との反応生成物を備え、前記ポリウレタン/ウレアエラストマーが、イソシアナートをアミン又はアミン/ヒドロキシルに対して当量比約0.95:1〜約1.20:1で有し、かつ前記ポリイソシアナートプレポリマー組成物が約2重量%〜約12重量%の含有量でイソシアナート基を有する動力伝達ベルト。 請求項7 前記ポリエステルポリオールが、それぞれが約300〜約4000の範囲の分子量を有する、ポリカプロラクトンジオールと、ポリカプロラクトントリオールとの混合物である請求項6に記載の動力伝達ベルト。 請求項8 前記ポリカプロラクトンジオールが、約1500〜約2500の分子量を有するとともに、前記ポリカプロラクトントリオールが約1000〜約4000の分子量を有する請求項7に記載の動力伝達ベルト。 請求項9 前記ポリエステルポリオールが、約500〜約4000の分子量を有するポリ(ヘキサメチレンアジパート)ジオール又はトリオールである請求項6に記載の動力伝達ベルト。 請求項10 前記可塑剤が、約300〜約700の分子量を有するポリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエートである請求項7に記載の動力伝達ベルト。 請求項11 前記トリオールが、前記プレポリマーにおいて、前記ポリオールの5重量%〜約35重量%を構成し、前記可塑剤が前記プレポリマーの5重量%〜約15重量%を構成する請求項6に記載の動力伝達ベルト。 請求項12 ベルト、ベルト類、可撓性カップリングスリーブ、及びホースから成る群から選択され、使用中に動的荷重が作用される製品において、その主エラストマー組成物としてのポリウレタン/ウレアエラストマーと、抗張心線、織布、及び不織布から選択された繊維性の繊維補強材とを備え、前記補強材が、実質的に前記エラストマーで充填された繊維間の間隙を有し、前記エラストマーが、(A)(i)、(ii)及び(iii)を反応させ、そこに(iv)を加えることによって作製されたポリイソシアナートプレポリマー組成物と、(i)(a)、(b)及び(c)から成る群から選択されたジイソシアナート(a)p−フェニレンジイソシアナート(b)2,6−トルエンジイソシアナート(c)トランス又はトランストランス幾何学構造を有する環状脂肪族ジイソシアナート(ii)約150℃未満で実質的に酸化性である部分がなく、(a)、(b)及び(c)から成る群から選択されたポリオール(a)ポリカルボナートポリオール(b)ポリエステルポリオール(c)前記ポリカルボナートポリオールと前記ポリエステルポリオールの混合物(iii)前記ポリオールから選択されるトリオール架橋剤(iv)アルキル-エーテルジ-アルキルエステル、ポリアルキル-エーテルジ-アルキルエステル、及びポリエチレングリコールジ-アルキルエステルから成る群から選択される可塑剤(B)(a)芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤、(b)前記芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤と芳香族第2ジアミン連鎖延長剤の混合物、及び(c)1以上の前記芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤と前記ポリオールの混合物から成る群から選択される連鎖延長剤との反応生成物を備え、前記トリオールが、前記プレポリマーにおいて、前記ポリオールの5重量%〜約35重量%を構成し、前記可塑剤が前記プレポリマーの5重量%〜約15重量%を構成する製品。 請求項13 前記可塑剤は、約300〜約700の分子量を有するポリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエートである請求項12に記載の製品。 請求項14 前記可塑剤は、ポリエチレングリコール400ジ−2−エチルヘキソエートである請求項12に記載の製品。 請求項15 (A)(i)(a)、(b)及び(c)から成る群から選択されたジイソシアナートと、(a)p−フェニレンジイソシアナート(b)2,6−トルエンジイソシアナート(c)トランス又はトランストランス幾何学構造を有する環状脂肪族ジイソシアナート(ii)約150℃未満で実質的に酸化性である部分がなく、(a)、(b)及び(c)から成る群から選択されたポリオールと、(a)ポリカルボナートポリオール(b)ポリエステルポリオール(c)前記ポリカルボナートポリオールと前記ポリエステルポリオールの混合物(iii)前記ポリオールから選択されるトリオール架橋剤とを反応させて、ポリイソシアナートプレポリマー組成物を形成する工程と、(B)前記反応前又は後に、前記プレポリマーに、アルキル-エーテルジ-アルキルエステル、ポリアルキル-エーテルジ-アルキルエステル、及びポリエチレングリコールジ-アルキルエステルから成る群から選択される可塑剤を加える工程と、(C)(a)芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤、(b)前記芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤と芳香族第2ジアミン連鎖延長剤の混合物、及び(c)1以上の前記芳香族シンメトリック第1ジアミン連鎖延長剤と前記ポリオールの混合物から成る群から選択される連鎖延長剤を加え、反応性ウレタンを形成する工程と、(D)ベルト、ベルト類、可撓性カップリングスリーブ及びホースから成る群から選択される、使用中に動的負荷が作用される製品を成型する工程と、(E)前記製品中又は表面上に、その繊維間に間隙を有し、前記成型前又は成型中に、前記反応性ウレタンを前記間隙の少なくともいくつかに浸透させた繊維補強材を埋設させる工程とを備える方法。 請求項16 前記可塑剤が、約300〜約700の分子量を有するポリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエートである請求項15に記載の方法。 請求項17 前記トリオールが、前記プレポリマーにおいて、前記ポリオールの5重量%〜約35重量%を構成し、前記可塑剤が前記プレポリマーの5重量%〜約15重量%を構成する請求項16に記載の方法。 請求項18 前記ポリエステルポリオールが、それぞれが約300〜約4000の範囲の分子量を有する、ポリカプロラクトンジオールと、ポリカプロラクトントリオールとの混合物である請求項17に記載の方法。 請求項19 前記ポリカプロラクトンジオールが、約1500〜約2500の分子量を有するとともに、前記ポリカプロラクトントリオールが約1000〜約4000の分子量を有する請求項18に記載の方法。
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