专利摘要:
本発明はデキストラン繊維、好ましくは静電紡糸繊維及びかかる繊維から構成されたデバイスに関する。特に、かかるデバイスは静電紡糸繊維に関連する、例えば治癒力のある材料を含む。静電紡糸繊維は液体に直ちに溶け、液体内に供給される。上記デバイスとしては、例えば静電紡糸デキストラン繊維とトロンビン及びフィブリノーゲンのような関連する止血を促進する材料から形成された包帯を含む。
公开号:JP2011516751A
申请号:JP2011504198
申请日:2009-04-10
公开日:2011-05-26
发明作者:ダビド,;ジー. シンプソン,;ジャメス,;アール. ボウマン,;ガリー,;エル. ボウリン,;ステフェン,;ダブリュ. ロスウェル,
申请人:ヴァージニア コモンウェルス ユニバーシティ;ザ ヘンリー エム.ジャクソン ファンデーション フォー ザ アドバンスメント オブ ミリタリー メディシン, インコーポレーテッドThe Henry M.Jackson Foundation For The Advancement Of Military Medicine,Inc;
IPC主号:D01F9-00
专利说明:

[0001] 本発明はデキストラン繊維、好ましくは静電紡糸デキストラン繊維及びこから作成したデバイスに関する。特に、上記デバイスは静電紡糸繊維を溶かす液体にふれたとき液体内に放出される静電紡糸繊維に関連する治療剤を含む包帯である。]
背景技術

[0002] 傷からの出血を止める人体の自然な反応は凝固カスケードとして知られる複雑なプロセスによる凝血の開始である。このカスケードは、フィブリノーゲンを繊維素に変える触媒である酵素トロンビンを最終的に作成する2つの手段を含む。繊維素は架橋して固まりを形成し、止血剤となる。人体は傷からの過剰な出血を阻止するようになる。然しながら傷が深い場合や個別的に凝血機能が損なわれている場合には、凝固カスケードに役立つ成分、特にトロンビンとフィブリノーゲンが傷に対して直接作用する止血剤となる。傷の出血部分に包帯を巻いて保護することは通常なされるが、出血を止めるため傷に圧力を加えることもなされる。]
[0003] これらの手段は軽い外傷や“制御”された傷の場合には有効に成されるが、これらを適用するのが困難場合もある。例えばアクシデントの結果生じた予想できない、または、戦争で受けた傷の場合である。このような場合には傷を受けた者の生存は、傷からの出血を抑え、傷を受けてから数分間で止血できるか否かに依存する。然しながら、このような傷を受けた場合、これに直ちに医学的に対処できる手段は得られていない。]
[0004] 特に、銃弾や榴散弾による傷のような貫通傷は問題である。人体の皮下深くに形成され、従来の技術ではアクセスできないような傷部分には包帯及びまたは治療剤を入れることが困難である。]
[0005] ジアン(Jiang)等は静電紡糸デキストラン繊維を提案している。(例えばBSAリゾチーム)繊維に関連する材料は繊維に直接静電紡糸できる。この繊維にはデキストランを有する他の静電紡糸ポリマ類が含まれる。]
[0006] ジアン等は外皮としてのε−カプロラクトンとコアとしてのデキストランの合成である静電紡糸繊維を提案している。この繊維は、繊維に静電紡糸される、放散の遅い材料(うし血清BSA)を作る。]
[0007] 米国特許第6,753,454は、親水性ポリマと少なくとも弱い疎水性ポリマとの均質混合物より成る、包帯と成し得る静電紡糸繊維を提案している。この包帯は例えばデキストランの活性剤より成る。然しながら、この繊維は液体には溶けにくい。]
[0008] 米国特許第6,762,336は、2つのフィブリノーゲン層の間にトロンビン層がある止血多層包帯を示している。この包帯はポリマ類及びコポリマ類をベースとするグリコール酸または乳酸のような他の再吸収され得る材料を含む。静電紡糸繊維とデキストラン繊維は強固な包帯成分である。]
[0009] 米国特許第6,821,479は、静電紡糸繊維のような繊維より成る乾燥保護マトリクス内に生物原料を保存する方法を示している。この繊維の一成分はデキストランであるが、均質デキストラン繊維は示されていない。]
[0010] 米国特許第7,101,862は、出血を制御するための止血剤と止血方法を示している。この止血剤は多糖類がイオン的に架橋されたセルロース含有材(例えばガーゼ)より成る。この架橋された多糖類はデキストランである。然しながら、この止血剤は静電紡糸繊維ではなく、また外因性凝固剤は含まれていない。]
[0011] 米国特許出願第2004/0018226は、静電紡糸のような静電処理技術で作成した繊維を示している。繊維成分としてデキストランは示されていない。]
[0012] 米国特許出願第2007/0160653は、(例えばトロンビン、フィブリノーゲン)の止血因子を有する止血織布は示しているが、繊維は静電紡糸ガラスと、(例えば絹、セラミック、竹、綿、レーヨン等)の第2の繊維によって構成されている。]
[0013] 米国特許出願第2008/0020015は、種々の生物学的に分解できるポリマ類とこのポリマ類に放散されたアロゲニック(allogenic)または自己抗体(autologous)前駆(precursor)細胞(例えば幹細胞)を有するヒドロゲルで傷の手当をすることを示している。このポリマ類は静電紡糸によって作成でき、1つのポリマ成分はデキストランである。然しながらこのポリマ類は液体に直ちに溶けず、このポリマ類が結局細菌作用によって分解されるとしても細胞供給のための足場を作る必要がある。]
[0014] 米国特許出願第2008/0265469は、デキストランから成る静電紡糸ナノ繊維を示している。然しながら、このナノ繊維は容易に溶けるものとしては記載されていない。]
[0015] 米国特許出願第2009/0053288は、約65%のガラス繊維と約35%の竹繊維より成る止血繊維織布を示している。ガラス繊維成分は静電紡糸繊維であり、トロンビンのような止血因子を、例えば材料をトロンビンの溶液内に浸すことによって関連せしめている。デキストランが吸湿剤として加えられる。]
[0016] 失血を停止しまたは少なくとも遅くするよう傷内に凝血を作るための改良された方法を提供する必要がある。特に、医療行為を直ちに行なうことができないか、制限される場合においても幾つかの傷の止血を容易になし得ることが必要とされる。]
発明が解決しようとする課題

[0017] 本発明は、失血をを停止しまたは少なくとも遅くするよう傷内に凝血を作るための改良された手段と方法を提供することを目的とする。]
課題を解決するための手段

[0018] 静電紡糸デキストラン繊維(EDF)は、所望の位置に所望の1つまたは1つ以上の関連する材料を移動するための一時的“足場”として有益である。液体溶剤を所望の位置に存在せしめ、これを一時的足場として静電紡糸デキストラン繊維を液体に接して溶かし、所望の関連する物質を液体内に放出する。本発明の一実施例においては、EDFを通常生物学的活性剤である治療に有益な活性剤を含む包帯にする。例えば、包帯はトロンビンとフィブリノーゲンのような止血を促進する物質を含む。この実施例においては、トロンビンとフィブリノーゲンを血液のような液体に接して活性化する形で包帯内に設ける。この包帯を傷の出血に適用すれば、デキストラン繊維が血液内に溶け活性トロンビンとフィブリノーゲンが傷内に直接放出される。活性トロンビンはフィブリノーゲンを急速にフィブリンに変換する触媒となりフィブリンにより凝血を生じ、止血がなされる。]
[0019] 所望の液体に所望の材料を供給するため静電紡糸デキストランを用いれば種々の利益が得られる。例えば、静電紡糸デキストランは極端に軽く、且つ可撓性(展性)を有し、静電紡糸デキストラン繊維から作成したデバイスは極めて小さなフートプリントを有する。これは多くの場合重要なことである。例えば、本発明の包帯は、例えば兵士によって運ばれる装具内に容易に入れることができ、これによって重くなったり、かさ張ることはない。更に、液体に接したとき、静電紡糸デキストランは直ちに完全に溶ける。従って出血する傷に重ねられたとき包帯内の薬剤が傷に直接、急速に放出され、凝血を作る。包帯のデキストラン成分は溶けるのでこれを除去する必要はなく、凝血をこわすことはない。この人命救助技術では熟練した作業や高レベルのトレーニングは必要とされず、初心者によっても行なうことができる。例えば負傷した兵士は他人による治療を受ける迄の間に傷から出血を止めるためデキストラン包帯を自身で用いることができる。]
[0020] 或る実施例においては、静電紡糸デキストラン繊維のデバイスに、“綿のような”静電紡糸繊維に付加的安定性を与える非溶性又は難溶性支持材料を有せしめる。この支持材料は、圧縮静電紡糸デキストラン、または他の静電紡糸繊維のような静電紡糸材料から、または、他の型の材料から作成できる。圧縮静電紡糸デキストラン繊維を用いた場合には、フルサイズの包帯は一般に5〜10グラムのデキストランを含み、幅及び長さが約2.5〜約4インチ、高さ(深さ)約2インチのものを深さや約0.5インチに圧縮して支持材料を形成する。例えばこの支持材料を含むデバイスはより強固であり(パッケージや処理等)に耐えることができる。デバイスが包帯の場合には支持材料を有していればデキストラン繊維及び活性剤が血液に接し直ちに溶けるとき包帯を介して傷に圧力を加えることができる。]
[0021] 本発明の目的は所望の1つまたは1つ以上の薬剤(agent)を所望の位置に供給する方法を得るにある。この方法は、1)液体に接して溶ける静電紡糸デキストラン繊維と、2)上記静電紡糸デキストラン繊維に関連する1つまたは1つ以上の所望の薬剤とを含むデバイスを所望の場所に適用する工程を含む。上記静電紡糸デキストラン繊維が上記所望の場所の液体に溶け、上記1つまたは1つ以上の所望の薬剤が上記液体内に供給される。上記静電紡糸デキストラン繊維は0.75ミクロンから1.00ミクロンの直径のものである。或る実施例においては、上記所望の場所が体の一部であり、上記液体が体液である。更に、上記1つまたは1つ以上の所望の薬剤は生物学的活性剤である。本発明の包帯は、液体に接して溶ける0.75ミクロンから1.25ミクロンの直径の静電紡糸デキストラン繊維と、上記静電紡糸デキストラン繊維に関連するトロンビン及びフィブリノーゲンの少なくとも1つとより成る。本発明の実施例においては上記トロンビン及びフィブリノーゲンが微粒子状のサーモントロンビン及びサーモンフィブリノーゲンである。上記トロンビン及びフィブリノーゲンは静電紡糸滴内に存在する。上記トロンビン及びフィブリノーゲンが上記静電紡糸デキストラン繊維に関連する。本発明の他の実施例においては1つまたは1つ以上の更なる生物学的活性剤を含む。本発明の他の実施例においては更に支持材料を有する。また、上記支持材料は、ガーゼ、圧縮静電紡糸デキストラン、ポリグリコール酸ポリマ類、ポリアクリル酸ポリマ類、カプロラクタンポリマ類及び帯電ナイロンから成る。本発明の傷の止血方法は、1)液体に接して溶ける0.75ミクロンから1.25ミクロンの直径の静電紡糸デキストラン繊維と、2)上記静電紡糸デキストラン繊維に関連するトロンビン及びフィブリノーゲンの少なくとも1つとより成る止血用包帯を傷に当てる工程とより成り、上記傷内の血液内に上記静電紡糸繊維が溶け、上記トロンビンとフィブリノーゲンの少なくとも1つが上記傷内の血液内に供給され、上記傷の止血がなされる。本発明の実施例においては、上記トロンビンとフィブリノーゲンの両方が上記静電紡糸繊維に関連する。]
図面の簡単な説明

[0022] 図1は静電紡糸装置の説明図である。
図2Aはデキストランプロセスをベースとするエアブラシの説明図である。
図2Bは静電エアロゾルプロセスによって作ったデキストラン繊維の説明図である。
図3は静電紡糸デキストラン繊維の走査型電子顕微鏡写真である。個々の繊維の直径は1ミクロンである。
図4Aは非通気性支持体で裏打ちした、静電紡糸繊維から作った包帯の説明図である。
図4Bは網状支持体で裏打ちした包帯の説明図である。
図4Cは非通気性支持体と網状支持体で裏打ちした包帯の説明図である。
図4Dは深い傷を治療するための包帯(デバイス)の説明図である。
図4Eは深い傷を治療するための他のデバイスの説明図である。
図5Aはサーモンフィブリノーゲン/トロンビン包帯にふれた動物のサイトカイニンレベルの変化を示す。
図5Bはサーモンフィブリノーゲン/トロンビン包帯にふれた動物のサイトカイニンレベルの変化を示す。
図6Aはウエスタンブロット法によってサーモン蛋白質に応じてブタによって作られた免疫グロビリンの品質評価を示す図である。
図6Bはウエスタンブロット法によってサーモン蛋白質に応じてブタによって作られた免疫グロビリンの品質評価を示す図である。
図6Cはウエスタンブロット法によってサーモン蛋白質に応じてブタによって作られた免疫グロビリンの品質評価を示す図である。
図6Dはウエスタンブロット法によってサーモン蛋白質に応じてブタによって作られた免疫グロビリンの品質評価を示す図である。
図6Eはウエスタンブロット法によってサーモン蛋白質に応じてブタによって作られた免疫グロビリンの品質評価を示す図である。
図6Fはウエスタンブロット法によってサーモン蛋白質に応じてブタによって作られた免疫グロビリンの品質評価を示す図である。
図7Aは、皮膚パッチプロトコールによってサーモンフィブリノーゲン包帯にふれた動物の抗体発生時間のグラフを示す。
図7Bは、皮膚パッチ プロトコールによってサーモントロンビン包帯にふれた動物の抗体発生時間のグラフを示す。
図7Cは、皮膚パッチ プロトコールによってヒューマンフィブリノーゲン包帯にふれた動物の抗体発生時間のグラフを示す。
図7Dは、皮膚パッチ プロトコールによってヒューマントロンビン包帯にふれた動物の抗体発生時間のグラフを示す。
図8Aは、腹部パッチプロトコールによってサーモンフィブリノーゲン包帯にふれた動物の抗体発生時間のグラフを示す。
図8Bは、腹部パッチ プロトコールによってサーモントロンビン包帯にふれた動物の抗体発生時間のグラフを示す。
図8Cは、腹部パッチ プロトコールによってヒューマンフィブリノーゲン包帯にふれた動物の抗体発生時間のグラフを示す。
図8Dは、腹部パッチ プロトコールによってヒューマントロンビン包帯にふれた動物の抗体発生時間のグラフを示す。
図9Aは、厚さ全体に亘り傷ついた皮膚の7日後の治療説明図である。
図9Bは、厚さ全体に亘り傷ついた皮膚をサーモン包帯で7日間処置した場合の治療説明図である。
図9Cは、厚さ全体に亘り傷ついた皮膚の28日後の治療説明図である。
図9Dは、厚さ全体に亘り傷ついた皮膚をサーモン包帯で28日間処置した場合の治療説明図である。
図10は、血液凝固の段階説明図である。] 図1 図10 図2A 図2B 図3 図4A 図4B 図4C 図4D 図4E
[0023] 本発明においてはデキストラン繊維、特に、静電紡糸デキストラン繊維(EDF)を作る。この静電紡糸デキストラン繊維は、種々の目的のための種々のデバイスに作られる。一般に1つ以上の材料(薬剤)がこのデバイス内のEDFに関連し、この材料が所望の液体内に放散される。液体に接することによってEDFは直ちに液体内に溶け、液体内に放散される。]
[0024] 本発明の一実施例においては、EDFは包帯に形成される。この包帯には、使用すべき場所、例えば傷に供給されるEDFに関連する活性剤を有せしめる。上記場所としては液体を含み、この部分に包帯を当てたとき包帯のEDFが液体内に放散される。本発明の一実施例においては、上記場所は傷部分であり、包帯から供給される活性剤はトロンビン及びフィブリノーゲンのような凝血カスケード内に作用する薬剤である。傷に包帯のEDFを当てれば、傷部分の血液内にデキストラン繊維が溶け、傷内に活性剤が供給される。包帯に関連するトロンビン及びフィブリノーゲンは、血液に接したとき生物学的活性を示す。従って、溶けたときトロンビンはフィブリノーゲンに作用し、これをフィブリンに変え、傷内に血の固まりを形成し、出血を止める。本発明の或る実施例においては紡糸したデキストラン繊維を用いるのみで良く、傷部分には包帯成分は残らないため血の固まりが形成された後に包帯成分を除去して血の固まりをこわすようになる恐れはない。更に他の実施例においては後述するように包帯には支持体や裏打ち材のような他の材料が用いられているが、これらは包帯の迅速な初期適用の後除去され、従来の方法によって傷の処置がなされる。]
[0025] 静電紡糸は非機械的処理によるものであり、商業的プロセスの必要性に合致する多くの量を作るのに用い得る。静電紡糸の1つのタイプを図1に示す。このプロセスではポリマ溶液を放出しアンバランスにチャージせしめる。チャージされた溶液を接地ターゲット(図1では接地マンドレル)近くに位置せしめる。臨界電圧で、アンバランスなチャージがポリマ表面の表面張力に打ち勝ち、電気的にチャージされたジェット流を形成する。電界内においてジェットは接地ターゲットに指向され、キャリア溶剤が蒸発される。図1に示すように反応条件及び使用されたポリマ類に応じて静電紡糸を用いて微細なエアロゾル材料または繊維材料の連続不織マットを作ることができる。多くのポリマ類に対して、静電紡糸プロセスの機能が得られる繊維の直径を高度に制御する。静電紡糸溶液内に存在するポリマ類の初期濃度を調節することによってミクロンからナノスケールの直径のものを選択的に得ることができる。溶液源に対する接地ターゲットの運動を制御することによって繊維は不規則なマトリックスまたは所定の軸に沿って配向された列状に形成される。] 図1
[0026] 図1に示すように静電紡糸システムの基本素子には高電圧源と、ポリマのためのリザーバと、及び接地マンドレルが含まれる。このシステムは筒状ターゲットマンドレルを用いるが、より複雑な形を作るため静電紡糸システムを用いることができる。1つまたは複数のポリマ類を独立にまたは同時に、1つまたは1つ以上のリザーバから電界に供給できる。積層された構造を作るため一時的シーケンスで、分かれている源からの異なる及びユニークな静電紡糸ポリマ類を用いることができる。] 図1
[0027] 求める材料の量は約2つの包帯のために十分な量とする。材料のロットに注目すべきである。マンドレルにデキストランを指向せしめるため電界を用いた。]
[0028] 図2Aは静電紡糸装置の第2の実施例説明図である。静電紡糸システムの基本素子には高電圧源と、ポリマのためのリザーバと、及び接地マンドレルターゲットを含む。このシステムは筒状ターゲットマンドレルを用いるが、より複雑な形を作るため静電紡糸システムを用いることができる。1つまたは複数のポリマ類を独立にまたは同時に、1つまたは1つ以上のリザーバから電界に供給できる。積層された構造を作るため一時的シーケンスで、分かれている源からの異なる及びユニークなポリマ類を用いることができる。後に実施例1で詳細に述べるように図2Bは静電紡糸によって筒状ターゲットマンドレル上に形成された脱イオン水に溶解した約10gのデキストランを示す。図3は静電紡糸デキストラン繊維の走査型電子顕微鏡写真である。個々の繊維の直径は約1ミクロンであった。] 図2A 図2B 図3
[0029] 図5AにおけるレベルIL−1β、IL−6、TNF−α、IFN−γ、IL−4及びIL−10は、血管口を植え込むための初めの手術で引き出された血液で定めたサイトカイニン(cytokine)レベルを、次の露出のピークレベルに比較した対数比を示し、前−炎症反応(IL−1β、IL−6、TNF−α、IFN−γ)及び体液反応(IL−4、IL10)に変化がみられた。] 図5A
[0030] 図5Bに示すように個々の動物のサイトカイニンレベルの変化が初期露出(最初の矢印)で見られ、更に次の蛋白質の静脈注射(2番目の矢印)で見られ、この反応は次の吸引血液で得たサンプル内で検出できた。] 図5B
[0031] 図6Aはサーモン(Sal)、ヒューマン(Hu)、及びぶた(Sw)フィブリノーゲン調合を示す。図6Bと図6Cは2種の動物の血清を用いた対応するウエスタンブロットを示す。露出前及び死後の血液からの血清は図6Bと図6Cに示されている。血清中に存在するIgG副基準が特定のHRP対ぶたIgG第2抗体によって可視でき、ゲルサンプル中の蛋白質に対する結合体として検出される。図に示される矢印は、第2抗体によって示されるぶた蛋白質レーン中の重い及び軽いチェーン成分の IgGの位置を示す。分子量は左側 (kDal ×10-3)に示す。図6Dはサーモン(Sal)、ヒューマン(Hu)、及びぶた(Sw)トロンビン調合を示す。図6Cと図6Dは同一の動物からの血清を用いた対応するウエスタンブロットを示す。これらの動物内には図6Eに示すようにトロンビンは認められなかったが、図6Fの矢印で示すようにサーモン蛋白質レーンにはかすかな反応が認められた。検出システムのカメラは図6Fに白い幅で示す膜状の重いぶたトロンビン蛋白質を検出した。] 図6A 図6B 図6C 図6D 図6E 図6F
[0032] 図7A〜図7Dに示すように対IgG試薬を用いてELISAを行なった。ELISA内のターゲットとして図7Aではサーモンフィブリノーゲン、図7Bではサーモントロンビン、図7Cではヒューマンフィブリノーゲン、図7Dではヒューマントロンビンの抗原を用いた。図7A〜図7Cのサンプルパネルで観察された吸光度の増加が後のサーモン蛋白質の静脈注射で生じた。各カーブは異なる動物からのデータを示す。] 図7A 図7B 図7C 図7D
[0033] 図8A〜図8Dに示すように対IgG試薬を用いてELISAを行なった。ELISA内のターゲットとして図8Aではサーモンフィブリノーゲン、図8Bではサーモントロンビン、図8Cではヒューマンフィブリノーゲン、図8Dではヒューマントロンビンの抗原を用いた。] 図8A 図8B 図8C 図8D
[0034] 図9Bでは傷の治療により傷の穴が凝固繊維で満たされ、表皮細胞が傷の中心に延びている(H&E損傷、100μmバー)。図9Cの処置から28日後サーモン包帯で処置した傷は図9Dに示すように増殖性及び角化性ケラチン表皮によって完全な再皮膚化がなされている(H&E損傷、100μmバー)。] 図9B 図9C 図9D
[0035] デキストラン繊維は静電紡糸によってのみ作られるものではないことは当業者にとって既知である。このような繊維はエアロゾルによる他の方法でも作り得る。然しながら、繊維の効率的な作成には電界を用いるのが良く、より均一な繊維の作成には静電紡糸が好ましい。静電紡糸デキストラン繊維の作成には他の技術、例えば米国特許第7067444号、米国特許第6116880号、米国特許第5447423号に記載のものを用い得る。特に、“綿菓子製造機”と呼ばれるものは静電力を加えても加えなくてもデキストラン繊維の作成に用いるのに好ましい。デキストラン繊維の形成方法の詳細は実施例2に示す。他の方法としては2枚の板または平面間でデキストラン溶液を圧縮し、次いでこの板または面を互いに引き離すことを繰り返す方法がある。デキストラン繊維は2枚の面間で形成される。]
[0036] 或る実施例においては、特に、綿菓子製造機を用いるときは本発明のデバイスに用いるための繊維を形成するためデキストラン以外の物質を用いる。この物質の例はブドウ糖や蔗糖等の砂糖であるがこれに限定されない。]
[0037] 本発明の静電紡糸繊維を作るために用いる市販のデキストランは、或る乳酸バクテリアの細胞表面上の酵素によって蔗糖から合成した、既知のロイコンストックメセントロイズ 及びスプレトココスミュータンス(Leuconostoc mesenteroides and Streptococcus mutans.)である。デキストランは(例えば10〜200キロダルトン)に変化する長さのチェーンから構成された複雑なブランチドグルカン(多くのd−グルコース分子から作られた多糖類)である。直鎖はグルコース分子間のα−1.6グリコシド結合より成り、一方ブランチはα−1、4結合(或る例では更にα−1、2及びα−1、3結合)である。デキストランは、例えば約10キロダルトン(kDa)〜約200kDaの広い範囲の分子量のものが市販されている。通常より狭い分子量範囲で変る分子量のデキストランの混合物が市販されている。例えば“低”または“高”分子量デキストランが得られる。例えば“デキストラン40”は40kDaの平均分子量を有し、“デキストラン75”は75kDa等の平均分子量を有する。本発明の実施例では、当業者にとって既知のように静電紡糸のために用いるデキストランは一般に約10〜約200kDa、約25〜約200kDa、約50〜約200kDa、または約75〜約200kDa、そして通常は約60〜90kDa、または約100〜約200kDaの範囲の分子量のものである。更に当業者にとって自明なようにデキストラン調合においてデキストラン分子量が中間サイズのものであれば、特別なロット内で中間分子量が高ければ所望の量の繊維を形成するためより少ないデキストランで良いという効果が得られる。]
[0038] 一般に静電紡糸デキストランのための条件は、雰囲気温度が約60〜約75°F、相対温度が約30%〜約40%、特に、少なくとも約20%である。得られた繊維の直径はナノメータまたはミリメータの範囲であり、通常約0.75ミクロン〜約1.25ミクロンである。静電紡糸繊維は“ドライ”であり、早まった溶解を防ぐため湿気から保護すべきである。然しながら、或る程度の水分は繊維に関連しており、繊維の組織は約7〜8%の水分を含有できるが、繊維をX線で消毒するときは水分は約5%以下でなければならない。]
[0039] 本発明のデバイスは本質的に均質紡糸デキストランによって形成する。デバイス毎のデキストランの量は作られるデバイスのサイズに応じて広く変えることができ、代表的なデバイスでは約5〜10グラムのデキストラン(通常100,000〜200,000Mr)をデバイス毎に用いる。然しながら、この範囲は広く変えることができ、例えば小さなデバイスに対しては約0.5グラムまたはそれ以下であり、大きなデバイスに対しては100グラムまたはそれ以上である。本発明のある実施例においては、デバイスによって供給されるより少ない量の活性剤を濃縮するため(例えば約0.1〜0.5グラムの)より少ない量のデキストランをデバイス毎に用いるのが好ましい。繊維を作る溶液内のデキストランの濃度は高いことが望ましい。一般に静電紡糸のためのデキストラン溶液の濃度は溶剤の1ミリリットル当り約0.1〜約10グラム、または約0.5〜約5グラムの範囲であり、通常1ミリリットル当り約1グラム±約0.15ミリグラムである。好ましい範囲は、紡糸される溶液のミリリットル当り約0.9〜約1.1グラムである。デキストラン調合における分子量範囲の可変性、及び調合目的で市販で得られるバッチからバッチの特定の分子量範囲の固有の可変性のため、静電紡糸特性に関連するデキストランの各バッチをテストすることが一般的に必要であることは当業者にとって既知であり、このようなテストは当業者にとって良く知られており、通常例えば熱、湿気等に対する安定性、均一性、直径等の繊維特性等を最適にするための濃度を得るため好ましい溶剤中に溶解したデキストランの濃度範囲を静電紡糸で定めることを含む。デキストランの新しいバッチを試すとき、成功の監界的指標が明らかであることは当業者にとって既知である。紡糸溶液内のデキストランが極めて少ないときは、ニードルから“スピッテング”が形成され、デキストランがあまり多ければ乾いた滴が作られ、または、紡糸に失敗する。同様にして湿度が極めて低いときは同様のことが起り、即ち、繊維が形成されず、或る場合には接地に対して効率良く指向しないようになる。当業者にとっては既知の方法によってこれらの特性を定めることができ、これには視覚的観察、繊維の強度及び可撓性のテスト、電子顕微鏡による観察、溶解度テスト、熱及びまたは放射線に対する抵抗、色、及び変色の度合等を含むがこれに制限されない。当業者にとって了解されるようにこれら総べてのテストは、熱、湿度等の異なる条件のもとでなされる。フォーメーションは動物テストにより定める。]
[0040] 本発明のデバイスの面積(長さ及び幅)は広く変え得ると共に、紡糸パラメータを調節することによって調節できる。更に、デキストラン繊維のマットは紡糸の後所望のサイズにカットできる。一般にデバイスは、長さ及びまたは幅が約0.5cm〜約30cmであるがそれ以上または以下も考えられる。デバイスの高さまたは厚さは、例えば0.5cm以下(例えば約0.1、0.2、0.3または0.4cm)、例えば約1〜約30cm、または、約1〜約20cm、または約1〜約10cm、場合によっては約1〜約5cmの広い範囲と成し得る。デバイスの厚さは通常約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10cmとする。デバイスの厚さは(量に関連するが)液体に接するデキストランの溶解速度に影響を与える。(例えば約2cm以下、または約1cm以下、または約0.5cm以下、例えば0.4、0.3、0.2または0.1cm)の薄いデバイスまたは薄いシートは厚いデバイスよりもより急速に溶解し、繊維のロットに比較できるようになる。多くの実施例ではデキストラン繊維の溶解は極端に速く、例えば液体に接した後約5分以下で、または約4分以下で、または約3分以下で、または約2分以下で、または約1分以下であり、代表的なデバイスは数秒で溶解する(例えば約1〜60秒、例えば約1〜45秒、例えば約1〜30秒、例えば約1〜20、15、10または5秒以下で溶解する。)この急速な溶解は“瞬間” または“直後” 溶解として示す。静電紡糸デキストランマットを圧縮して溶解速度を調節でき、圧縮レベルを大きくすれば溶解速度が小さくなり、即ち、一般に圧縮度が大きくなれば溶解速度が遅くなる。溶解速度が速くなれば、特に傷のような適用区域に生物学的活性剤(例えば止血剤)を適用したとき有利になる。キャリアデキストラン繊維の急速溶解により傷に対し止血剤が極端に速く与えられるようになる。]
[0041] 当業者にとって過多の液体溶剤がデキストランを溶解せしめることは既知である。然しながら、溶剤が水であり、特に、脱イオン化された、または蒸留された、または脱イオン化蒸留水(ddH2 O)、または他の比較的に純粋な水の場合には静電紡糸デキストランのより好ましいものが得られる。更に、水を用いることによって環境へのインパクトがより小さくなる。一般に溶剤内の高濃度の塩分は除去すべきであることが判明した。或る静電紡糸ポリマ類紡糸には塩分がしばしば用いられるがこれはデキストランには適用すべきではない。紡糸溶液内の塩分濃度はデキストラン繊維を良く作るためには最小にすべきである。]
[0042] 包帯のデキストラン繊維に関連する1つ以上の活性剤は、EDFデバイスを使用すべき場所に供給するのが好ましい。本発明の一実施例においては、EDFデバイスは包帯であり、例えば傷に対して有益な薬剤を供給するために用いる。このような傷には人体の破裂口や外傷(例えばアクシデントによる外傷、銃やナイフによるような外傷)による皮膚組織の傷、同様にして手術による切り傷、刺し傷等の傷を含む。一般にこの薬剤は、傷の治療に有益な生物学的活性剤である。本発明の一実施例においては、傷には出血を止めまたは少なくするため血液凝固を形成する必要がある。この実施例における治療材には例えばトロンビン及びフィブリノーゲンを含むが、キャプシアン(capscian)に限定されない止血を促進する他の活性剤も用い得る。更に、静電紡糸または非静電紡糸コラーゲン、水分を吸収する薬剤、例えば血液に接したとき流体を吸収する種々の乾燥塩;人工トロンビンまたはトロンビン類似物;人工 フィブリノーゲン;血管痙攣を引き起こす薬剤(バソスパズム)(例えばADP、5−ヒドロキシトリプタミン、5−HT及びトロンボキサン)、出血血管を縮めシールーするための(TXA−2)等の薬剤を含む。更に、包帯に凝血カスケードの他の成分、例えば通常損傷した細胞表面にのみ表れる、正常な凝血カスケードをスタートせしめる組織因子;血小板の凝集を高め血管収縮を促進せしめるセロトニンが加えられ;及び血友病における凝血カスケードの欠除構成因子を交換するために用いる他の薬剤、例えば7因子(外側凝固カスケードと呼ばれる活性剤)及び血小板の粗抽出液が加えられる。これらの薬剤は、図10に示すように反応ネットワークを更に下げるカスケードを開始することによって“ジャンプスタート”凝血に対して本質的に働く。図10における種々の因子(及びその選択された学術用語及びまたは特性及びまたは活動性)は以下の通りである。] 図10
[0043] 因子XII (ハーゲマン因子):セリンプロテアーゼ、プラズマ蛋白質結合コラーゲン;]
[0044] 因子XI (プラズマトロンボプラステインアンテセデント):セリンプロテアーゼ、プラズマ蛋白質;]
[0045] 因子IX (クリスマスイブ因子):セリンプロテアーゼ;]
[0046] 因子VIII:内皮及び肝臓によって作られた糖蛋白質結合vWF;]
[0047] 因子VII (プロコンバーテン):セリンプロテアーゼ、肝臓内の合成に依存するビタミンK;]
[0048] 因子X(スチュアート−プロウラー因子、凝血因子X):セリンエンドペプチダーゼ、トロンビンに対するプロトロンビン変換;及び]
[0049] 因子XIII (繊維素安定酵素):血小板及びモノサイトリナージ内に存在する繊維素ポリマ、プラズマ蛋白質の安定剤。]
[0050] 図10は凝固の活性化プロセスと非活性化プロセスにおけるトロンビンの抑制と主要な機能を示し、] 図10
[0051] V1は、プロトロンビンからトロンビンに対する変換におけるXaのための余因数であり、]
[0052] APCは、活性化蛋白質Cであり、細胞外信号分子であって(プロトロンビンからトロンビンに対する変換におけるXAの余因数(cafactor)FVaに等価な)FVI及びFVIIIaを蛋白質分解イベントを介して抑制する。]
[0053] TAF1は、血塊溶解素子剤であるトロンビン活性可能なフィブリノリシス阻止剤である。]
[0054] 更に、傷治療を促進するように機能する薬剤には例えば細胞移動と整形を容易にするものを有せしめる。コラーゲンはかかる薬剤の1例である。]
[0055] 本発明においてはこのような薬剤の1つまたは1つ以上を用いる。治癒力のある薬剤は乾燥可能でなければならず、液体は繊維を溶かすため静電デキストラン繊維も乾燥状態としなければならい。例えば、薬剤はからからに乾燥せしめ、または、凍結乾燥せしめ、または、他の手段によって水分を除去せしめる。一般に、EDFに関連せしめる薬剤中に存在する水分は約5%以下、好ましくは約2%以下とする。これらの薬剤は例えば血液中では再水和化され完全にまたは部分的に活性化される。本発明のデバイスに関連する治療剤は液体に接すれば、当業者にとって既知である標準の検査によって得た乾燥前の活性度の約25%以下、約50%、約75%〜100%となる。]
[0056] 幾つかの実施例においては、包帯にトロンビンまたはフィブリノーゲンまたはその双方を関連せしめる。或る実施例においてはトロンビンとフィブリノーゲンはサーモントロンビン及びサーモンフィブリノーゲンである。これらの材料源としてこれに限定されないがサーモンを用いたときは、人間及び他の動物(例えば牛)をトロンビンまたはフィブリノーゲンの源として用いたときに発生する例えばウイルス等の病原菌の伝染がないので好ましい。後述する実施例に示すように、サーモントロンビン及びフィブリノーゲンは極めて効きめがあり、人間に比較される動物モデルとしてのぶたに用いたとき有害な結果は認められていない。包帯に加えられた特別なフィブリノーゲンの量は包帯毎に約1〜約3グラム、通常約1.5〜約2グラムとする。トロンビンの量は、包帯毎に約100〜10000単位、一般に約4000〜6000単位とする。]
[0057] 或る実施例においては、治療剤は(デキストランと同一の溶液に溶解し、紡糸した)デキストランと共に、または、(デキストランを含有しない分離した溶液に溶解し、紡糸した)ものから分離してそれ自体が静電紡糸される。或る実施例においては、活性剤が滴、ビーズ等の他の形に静電紡糸される。また、或る実施例ではトロンビン等の活性剤がトロンビンを安定化し、包帯に供給するため所望の他の物質を“トラップ”できる砂糖滴を作るため蔗糖と共に静電紡糸される。]
[0058] 特に、静電紡糸はその活性度を減ずるようにするため、好ましい実施例においてはトロンビンとフィブリノーゲンまたは他の活性剤を、例えば微細な粉末、またはちり等の微細な分散乾燥粒状体の静電紡糸デキストラン繊維に加える。換言すれば、活性剤はそれ自体またはデキストランと共に静電紡糸されない。微細な粉末材料は、流体に接したとき溶解のための接触面積が大きい。一般に、このような粒子は平均直径が約1〜約10000ミクロン、通常約10〜約1000ミクロンの範囲である。このような乾燥固体粒子は、これに限定されないが研磨、粉砕等によって形成する。然しながら、例えば薄片、膜、シート、糸等の形の活性剤を包帯に含め得ることは当業者にとって自明である。更に、或る実施例においては、トロンビンとフィブリノーゲンはEDFに関連せしめるときは静電紡糸滴の形とする。]
[0059] 所望の材料をEDFに関連せしめる多くの好ましい技術は当業者にとって既知であり、材料の正確な形に一部依存する。例えば、粉末状トロンビン及びフィブリノーゲンのためにはEDFの層上に活性剤を散布、振動または吹き付ける。繊維マットの密度に応じて所望の材料は繊維の織布マット上全体に比較的に平均に分散され、または繊維マットの最上区域に多量に閉じ込められる。裏打ち材が無い場合には上記実施例は、所望の材料がマット外に向かうのを阻止するのに好ましい。例えば厚さを調節する、及びまたはマットを押圧して繊維を互いに近づけることによって繊維密度を調節し、例えば増加せしめることができる。例えば、乾燥した、液体に可溶なシートまたは紐状の材料を静電紡糸デキストラン層上またはその層間に配置し、分離した層として、または分離しない層等として加られた材料を静電紡糸する。他の技術を用い得る。本発明のデバイスを作る技術は手動操作で、または、機械的に、またはその組み合わせでなされる。特に5000単位のトロンビンは極めて小量の粉末である。従って、包帯内に活性剤をより完全に配置するため不活性キャリアまたはかさ張る活性剤、例えばブドウ糖を加える。]
[0060] EDFに対する所望の材料の付加は多くの異なる構成によって行なわれる。例えば、EDFの第1の層が形成され、1つまたは1つ以上の材料がこの第1の層に加えられる。EDFの他の第2の層が所望の材料の頂部に形成され、同様の、または他の所望の材料が第2の層に加えられる。所望の材料が下層から移動するのを阻止するためEDFの最終の、または最上の層が加えられる。本発明のデバイス内に用いられるEDFの多くの層の数が、デバイスの所望の特性に応じて僅か1〜2から数ダースまたは数100に広く変えられる。一般に、デバイスは約1〜2から約5〜10層迄有する。包帯の表面上に材料の粒子をとらえ、とどめるため、形成された包帯に極めて僅かな量の湿気を有せしめる。]
[0061] 本発明の実施例においては、EDFデバイス内には1つまたは1つ以上の支持体または支持材料を有せしめる。例えば、デバイスに裏打ちを設ける。この裏打ちは、ポリグリコール酸(PGA)、ポリラクテン酸(PLA)及びそのコポリマ類(PLGA)等の種々の静電紡糸材料;荷電ナイロンから作る。本発明の一実施例では支持材料は圧縮された静電紡糸デキストラン繊維である。“圧縮EDF”はEDFを一体に加圧圧縮したものを示す。例えば圧縮EDFは、(例えば万力の)2枚の板間で圧縮し、高さ(厚さ)約3インチの繊維のマットを、高さ約0.5インチまたはこれ以下(例えば約0.1〜約0.4インチ)のシートとする。或る実施例においてはEDFを前もって静電紡糸した支持材料上に直接紡糸し、他の実施例においては支持材料とEDFとを夫々静電紡糸した後に関連せしめ、例えば夫々の1つまたは1つ以上の層を結合せしめる。]
[0062] 他の実施例においては、支持材料は静電紡糸材料ではなくその上にEDFを形成でき、または静電紡糸後に関連せしめる他の材料(通常軽量)である。かかる材料の例はこれに限定されないが種々のプラスチック、ハイドロゲル及び他の、血液を吸収し、凝固せしめることができる吸収剤である。]
[0063] 支持材料は、液体に可溶または不溶であり、または、ゆっくりと溶けるものであり、また、液体に浸透可能または不可である。ゆっくりと溶ける材料には、吸収され得るまたは溶解する(分解される)縫い糸を形成するPGA、ポリラクテン酸、及びカプロラクタンポリマ類を含む。このような支持材料は一般に使用される材料に応じて約10日〜8週間で溶解し、或る例では包帯を除去することがなく凝血をこわす恐れがないという利益がある。然しながら、いかなる場合にも支持材料は、EDFの急速な溶解を阻止することがなく、EDFを溶解する液体内に関連する活性剤を供給するものとする。従って、支持材料はEDFデバイスの1側にのみにあり、例えば、このデバイスが包帯であり、傷に適用されたとき、EDFが傷内の血液に直接接し、支持材料は包帯の“頂部”または最上面となって血液に接しないようになる。例えば図4Aに示すようにEDF10は非通気性で液体に不溶な支持材料20上に堆積される。傷に包帯を適用したとき、EDFは傷に接する面となり、非通気性支持材料20は傷から離れた面となる。この例では、支持材料を介して傷に圧力が加わり、出血が止められる。他の実施例では支持材料にデバイスのEDFが液体に接することを許容するための気孔、開口または隙間を有せしめる。例えば支持材料は可溶性(またはゆっくりと溶ける)材料のネットまたは織物とし、また液体がデバイスのEDF及び関連する所望の材料に自由に接することができるようにする。この実施例では図4Bに部分的には仮想線で示すようにネット40上に(または下側に、または織物を介して)EDF10を配置する。他の実施例においては、“裏打ち”または“頂部” 支持材料及び第2の織物状支持材料をデバイスに設ける。この実施例を図4Cに示すが、EDF10は非通気性支持材料50上に形成し、ネット状材料60によって覆い、即ち、EDF10を非通気性支持材料50とネット状材料60の間に“挟む”ようにする。] 図4A 図4B 図4C
[0064] 特別なシナリオにおいて利益をもたらすEDF層の形状と支持材料の他の組合せは当業者にとって既知である。例えば、EDFを繊維または紐のような細長い支持体によって包むか巻いてデバイスを銃弾によるような穴等に容易に挿入できる特別な形とすることができる。貫入した傷部分における重要な問題は、傷の組織に近づけないことである。例えば銃創(例えば脚または太もも)からの出血の多くは表面からではなく(例えば銃弾、ナイフ、剣、銃剣等)によって形成された穴内の深い部分から生じ、単に傷の外側区域に拡がる包帯によっては容易に処置することができない。本発明の目的は多量の出血があるという貫通傷に関連する問題を解決することにあり、デキストラン包帯が高溶融性であるという利益を用い得る。この種の傷部分における複雑な因子は高い溶融性を有する止血剤を供給する能力があるか否かに関することにある。傷の入口では出血その他の流体が見られ、このようなう表面に対して包帯を当てれば、表面で包帯が完全に溶解するようになり、傷の穴内の出血の下側に活性剤を供給できなくなる。本発明においては傷内深くに活性剤を供給することによって上記の減少を阻止する。従来の包帯ではこの目的を達成することができない。]
[0065] 本発明は上記のような傷に適用できる形のデバイスによって上記の問題を解決したものである。例えば、紡糸デキストランより成る、特別な粉末トロンビンとフィブリノーゲンの一方または双有し、更に支持材料を有する細長い筒状の“タバコ形”デバイスを形成する。このデバイスは保護カバーやパッケージまたは管内に貯蔵する。この管は包帯(デバイス)を周囲の環境から保護する。この包帯及び管は好ましくは殺菌し、例えば消毒を維持するすため紙、ポリマ、ブリスタパック、その他によって包んだ、使い捨ての注射器のようにするのが好ましい。使用に際しては、外側の包みを開き、包帯を含む管を取り出す。或る実施例においては管の一端を除去し、近づき得る傷の最外部に当てる。この管には、使用者が管から傷内に包帯を吐出するために使用する“プランジャ”を有せしめ、傷内に包帯を“注入”できるようにする。例えばタンポン(即ち、筒内のシリンダー)を用いて包帯を押し出すことができる。このデバイスは傷に沿って傷内に深く導入でき、デバイス内の治療剤を、最も必要とする場所、即ち、傷の内側に供給する。他の実施例においては、プランジャの代りに両端を開いた管を用い、管内に少なくとも一部を挿入した指や棒等を用いて管の開いた他端から圧力を加えて管の一方の開放端から傷内に例えば本発明における紡糸デキストランデバイスを押し出すようにする。当業者にとって自明であるように紡糸デキストランは高い展性を有するため、デバイスを傷内に挿入するときの可撓性を少なくするためデバイスの紡糸デキストラン内またはその周りに支持材料(例えば生物学的に使用できる細菌作用によって分解されるネット、棒等)を設け得る。更に、傷内に管からデバイスを注入するためデバイスの最外端に(例えばプランジャ)によって圧力を加え、支持材によって補強したデバイスを管から放出できるようにする。]
[0066] 図4Dに示す本発明の実施例においては、デバイス100は紡糸デキストラン繊維110と、支持材120と、第1端130と第2端140とを有し、これらは管200内に包まれている。管200は使用前キャップ(図示せず)によって閉じられている開口210と220を有し、これら全体は殺菌パッケージ400によって包まれている。殺菌パッケージ400は使用前に除去される。使用に際しては管200の開口210と220を開く。デバイス100を貫通傷に供給するためプランジャ300を管の開口210内に挿入する。プランジャ300がデバイス端部130に接したときデバイス100に圧力を加え、デバイス100を開口220を介して管200より(矢印方向に)押し出し、貫通傷(図示せず)内に入れる。図4Eは本発明の第2実施例を示す。この実施例では支持材を有せず、関連する治療剤を有する乾燥した殺菌包帯材料(例えばデキストラン繊維)を、小さなシールされたシリンダー内に入れており、シリンダーの一端はキャップによりシールされ、他端にはプランジャが挿入されている。使用に際してはキャップを外し、シリンダーの開放端を傷口に当て傷内に挿入し、プランジャを押し下げて包帯材料を傷内に深く注入せしめる。本発明のデバイスを、例えば鼻孔、耳管、膣、肛門等のオリフィス、血管内に注入するために用い得る。用いられるデキストラン繊維の長さは約1〜6インチ、直径は約1/4インチから1インチであり、このサイズは傷の外側開口を介して傷内に深く導くために好ましいものである。] 図4D 図4E
[0067] ここに示した構成、形、EDF層と支持体の例は本発明の範囲のものである。]
[0068] 本発明のデバイスは使用前に電磁波例えばX線、ガンマ線、紫外線等によって殺菌する。デバイス内にトロンビンが含まれている場合には殺菌の間トロンビン活性を維持するためデバイス(例えば包帯)の水分を5%以下に減ずる必要がある。これは真空下で、または水分を減少せしめるための方法を用いて包帯を乾燥せしめることによって達成できる。例えば本発明のEDFデバイスは約5キログレイ(kGray)のX線を用いて殺菌する。本発明のデバイスを殺菌するためデキストラン繊維またはこれに関連する活性剤を破損しない限り任意の方法を用い得る。]
[0069] 本発明のデバイスが包帯のとき、包帯の繊維に加える所望の材料にはトロンビンとフィブリノーゲンを含み、包帯は血流阻止のために用いられる。然しながら、包帯の特殊な使用によって活性剤の範囲が変化する。例えば、デキストランのみまたはトロンビンのみより成る包帯では小さな傷のために使用できるだけとなる。更に、包帯に関連する他の治療剤には、これに限定されないが、抗生物質、鎮痛剤、生長剤、(例えば血管痙攣の原因となる)血管活性材料、興奮を抑えるステロイド等が含まれる。本発明のデバイスの他の実施例においては凝血を促進する薬剤は全く不要である。本発明のデバイスは、多くの所望の材料を所望の液体部分に供給するために極めて好ましいことは当業者にとって既知である。例えば、デバイスは、EDFを溶かし、活性剤を放出するのに十分な液体があり、デキストランの溶解に問題を生じさせない体の湿った部分に治療に有益な材料を供給できるように作る。この実施例では、これに限定されないが、耐微生物剤、鎮痛剤、栄養剤等の材料を口、鼻、気管、肛門、肺、膣へ供給することを含む。口に対する適用は、例えば抗生物質、鎮痛剤、ホワイトニング剤等の歯の処理に有効な材料の供給を含む。更に、本発明のデバイスを、(ビタミン、アミノ酸、砂糖)等の栄養補助剤を胃腸に急速に放出するために飲み込むことができる。供給される部分には通常体液が存在し、この液体内にデキストラン繊維が溶け、所望のまたは関連する活性剤が釈放または供給される。上記体液には通常例えば血液、汗、涙、(鼻汁、痰を含む)粘液、胸膜液、うみや傷からの滲出液、唾液、膣分泌物等が含まれる。然しながら、或る実施例においては、体液が無い(または十分な量でない)場合があるが、例えばスプレによって、または湿気を加える(例えばデバイスをスポンジのような湿ったものに当てる)、またはデバイスを例えば液体等に埋めることによって湿気を与えて“活性化”し、デキストラン繊維に関連する所望の材料を放出することができる。本発明の実施例は例えば液体に接したときのみ活性化することを望むとき、所望の区域において材料を放出するため特に有効である。この実施例では、これに制限されないが、デキストラン繊維のシートを用いるプラントまたは草に栄養、肥料等を供給すること、化粧品の適用等を含む。所望の材料は、使用する迄乾燥状態に維持し、または貯蔵される(良性で)無害なものであるか、または、使用する迄乾燥状態にし人から隔離すべき危険な、または有毒な材料である。本発明のデバイスは従って治療のみに限定されない。EDFが(所望の場所に配置される前に)速く溶解しないよう十分に乾燥でき、所望の場所に供給されたとき再水和作用によって活性を維持する所望の材料を本発明の方法とデバイスによって供給できる。]
[0070] 本発明のデバイスは、フットプリントが小さく軽量であるという特性のため、供給体のスペースと重量がプレミアム付きである場合に好ましい。このような場合とは、これに限定されないが、兵士の用具の重量とサイズが問題となる軍事行動を含み、また、(例えば宇宙飛行、キャンプ等の)移動の間の緊急事態対処のための応急手当キットを含む。然しながら、このような事態は常に生ずる訳ではない。本発明のデバイスは種々の事態で用いられ、スペースと重量が重要でない場合の種々の目的のためにも用いられる。例えば、本発明の包帯は、従来の外科手術による傷の治療にトロンビンとフィブリノーゲンを用いる好ましい手段を提供する。本発明のデバイスは、それが包装され、1つまたは1つ以上の乾燥材料として放出されるのが望ましいときのみならず、例えばその量が極端に少ないか、その材料が有毒で処理するのが好ましくない場合でも用いるのに好ましい。このような場合には、本発明のEDFデバイスは、使用する迄、即ち液体に接し、EDFが溶け、液体内に材料を放出する迄維持し、貯蔵し、及びまたは移送する“足場材料”またはキャリアとして機能する。このような材料には、例えば酵素またはその前駆体(例えば酵素前駆体または酵素原)及びその基質、蛋白質または酵素を活性化する物質(例えばプロテアーゼ、コフアクタ等)を含む。]
[0071] (例1)包帯の作成]
[0072] 約5グラムのデキストラン(100,000〜200,000Mr)に2グラムの粉状フィブリノーゲンを加えて合計約7グラムの包帯を作成した。約5グラムのデキストランを蒸留水中に入れて1.0グラム/mlの濃度とした。この溶液を一晩中毎分1〜5回転するロータによって攪拌せしめた。デキストランを完全に溶解するためこれらの条件を用いた。このデキストラン溶液を、先端がとがっていない針で塞いだ注射器内に入れ、包帯毎に約5mlを紡糸プロセスで用いた。静電紡糸のため、電界に3〜5ml/時で溶液を供給するために設定された注射器駆動手段に注射器を取り付けた。この注射器駆動手段は、電界に供給する材料の量を定めるために用いられるが、電界が注射器からデキストランを引き出す速度に紡糸速度を正確に対応せしめる必要はない。]
[0073] シーランホールディング(イーブリンサーヤ、フリーポートME)から供給された1.5〜2.0グラムのフィブリノーゲンを包帯毎に用いた。シーランホールディング(イーブリン サーヤ、フリーポートME)から供給された、4500単位の活性サーモントロンビンを包帯毎に用いた。サーモン フィブリノーゲンをシーランホールディングから乾燥粉末として供給された。原材料が除去され、モルタルを有する極めて微細な粉末に処理された。約1.5〜2.0グラムのフィブリノーゲンを包帯毎に用いた。シーランホールディングからのサーモン トロンビンを同様の物理的状態(乾燥粉末)にした。このトロンビンをフィブリノーゲンに加え、微細な粉末に処理した。よく混合した、乾燥フィブリノーゲン及び乾燥トロンビン混合物を塩振り掛け器や他の揺動装置内に入れた。]
[0074] 静電紡糸のため、2つの分離した高電圧供給源を用いデキストランを紡糸マトリクスにした。1つの電源の正極を、アリゲータクリップを用いてデキストランを入れた注射器リザーバに取り付けた。また第2の電源の負極を接地ターゲットに取り付けた。5インチ×5インチの平らな鋼板シートをターゲットとして代表的に用いた。ターゲット上に紙片を載せ、静電紡糸の間この紙片上に直径1ミクロンのデキストラン繊維を堆積せしめた。最終製品は紙片から容易に取り外すことができた。電源の極性を交換できることは静電紡糸に関する当業者にとって自明なことである。]
[0075] 静電紡糸のため電源をセットし、デキストラン溶液を有する注射器に+20〜+25kVの電圧を加え、接地ターゲットに−20〜−25kVの電圧を加えた。12インチから24インチ迄変化できる空隙を介して静電紡糸を行ない、デキストランを電界に3〜5ml/時の割合で供給するよう注射器にドライバーをセットした。紡糸を開始し、1ml(または約1グラム)のデキストランをターゲットに供給し、平らにされた小さな円板として回収した。電界を接地ターゲットで零とし、フィブリノーゲンとトロンビンを形成デキストラン繊維上に振り落した。]
[0076] フィブリノーゲン/トロンビン混合物が新しいデキストラン繊維によってカバーされる迄静電紡糸を再び行なった。このプロセスは包帯が完成される迄繰り返した。包帯全体に活性成分を分布するため、小量のフィブリノーゲンを用いた。デキストランの層によって活性成分を分離するため、フィブリノーゲンとトロンビンの層を包帯内に分離して形成することが可能である。最終製品はその外観及び感触が絹の球に極めて近い。]
[0077] (例2)静電紡糸のスケーリング]
[0078] 静電紡糸は小径の、ナノ〜ミクロンスケールの繊維より成る繊維マトリクスを作る方法である。このプロセスは少なくとも3種類の方法で達成できる。]
[0079] 複数ジェット]
[0080] 複数ジェットを用いて製造プロセスを単純ならしめる。図1に示すように静電紡糸の紡糸デキストランの量を増すため複数のジェットを用いることが可能である。これはデキストランを用いて行なうがプロセスを行なう環境の湿度レベルは制御しなければならず、湿度が大きいと得られる材料の量が制限され、スプレしぶきの小滴がデキストランを溶かすようになる。湿気のレベルは約30%〜約40%に制御し、好ましくは少なくとも約20%とする。一実施例においては、複数のジェットをコンベアベルト上に並べる。各ジェットより所定量のデキストランを供給し、このプロセスを止め、ベルトを前方に移動し、例えば各デキストランの堆積にフィブリノーゲン及びまたはトロンビンが加えられるようにし、ベルトを再び移動し、静電紡糸を再開せしめる。] 図1
[0081] 静電エアロゾル]
[0082] ペイントスプレヤ及びまたはエアブラシから加圧下でデキストランを静電紡糸エアロゾルとすることができる。デキストランとガスをエアブラシに加圧下で供給する。デキストラン溶液を、エアブラシの端部でニードルを横切る空気流内に押し出し、材料のジェットを電界内に吹き出す。反応を促進するために用いたガスに圧力を加えることによってこのプロセスを大きく促進する。包帯のための材料を作るため約10分間作業を行なう。この方法は多量の材料を極めて速く作るために効果的である。空気流を用いるこのプロセスでは室温によっては静電紡糸ジェットの先端が乾燥し、スプレ装置が詰まるようになる。これはエアロゾルを促進するため用いたガス内の湿気を制御することによって管理できる。デキストランを処理するためこの方法を用いるとき繊維を形成するための電界は必ずしも必要ではない。繊維はエアロゾルジェット内で形成され、このジェットは十分乾燥されており、多量の材料を速やかに集めることができる。然しながら、電界はジェットを特定のターゲットに向けるためのものである。例えば、コンベアベルトをデキストラン繊維のシートを集めるために用いる。液とベルトに荷電してデキストランを所望の場所に効果的に集め得るようにする。例えば、コンベアベルトの下側に接地ターゲットを配置できる。デキストランは直接接地せしめなくても良い。複数のジェットを用いることができる。エアロゾルの複数のジェットを移動するコンベアベルト上で作動せしめることによってフィブリノーゲン及びトロンビンが“ふるい”によって散布されるようになり、粉末状材料の層が包帯に順次に形成される。]
[0083] 静電プロセス]
[0084] デキストラン繊維を“綿菓子製造機”を用いて繊維とする。綿菓子製造機は静電紡糸装置とエアロゾル状デバイス間を横切って設ける。形成された繊維内の水分は、繊維を形成する室に供給される空気の温度と(及び量)を制御することによって制御できる。この型の装置を用いれば繊維内で単純なシュガーを処理できるという付加的利益がある。]
[0085] (例3)裏打ちとして用いる静電紡糸デキストラン]
[0086] 裏打ち材の強度を得るためPGA及びPLA(2合成生物学的共用可能なポリマ類)を用いる。PGA/PLA混合物にフィブリノーゲンを加え組成物の蛋白質素子を作る。ヘキサフルオロイソプロパノール(HFP)の90:10混合物を、塩化カルシウム溶液(カルシウムは凝血カスケードまたは他の塩を作ることを助ける)で飽和した(水、培養メディア、PBS等)による水性溶剤に加えた。この溶液にPGA/PLAポリマ類とフィブリノーゲンを加えた。代表的な条件は、(99:1.0のPGA/PLAと1.0:99のPGA/PLAの比の)PGA/PLA混合物100ミリグラムと、静電紡糸溶液のミリリッター当り10−50ミリグラムのフィブリノーゲンである。溶液から静電紡糸により繊維マットを作る。合成ポリマ類は、強度を与え、フィブリノーゲン成分は、凝血形成の間反応する活性成分のための架橋を可能ならしめる。活性成分が包帯から放出されたとき凝血が傷部分に形成され、この凝血が傷部分に付着し組織と包帯の裏打ちを取り囲むのが好ましい。裏打ちは傷部分を安定にするために必要な支持体となる。]
[0087] 裏打ちと、包帯の残りと、凝血は、患者が安定になり及びまたは、移送された後は外科的に除去する。]
[0088] (例4)サーモントロンビン及びサーモンフィブリノーゲンに対する免疫反応と炎症反応の決定]
[0089] サーモントロンビン及びサーモンフィブリノーゲンに対する有害な免疫反応と炎症反応を起こすか否かを細胞ベースで試した。ぶたの凝血活性が変ったか否かサーモン成分に対する抗体の生成を調べて定めた。分離された縁を形成する傷を作るぶたの皮膚摘出手術の後に傷内でサーモン包帯に応答する組織の特徴を病理組織学的に定め、細胞分裂増殖及びデキストラン分泌物を含むリンパ球応答を見出した。然しながら治療は正常になされ、傷部分における包帯に対する有害な免疫反応は見られなかった。]
[0090] (方法)]
[0091] サーモンフィブリノーゲン及びサーモントロンビンの精製]
[0092] 上述したようにサーモン血液からサーモン蛋白質を精製した。]
[0093] 即ち、2〜5kgのサーモンからサーモン血液を取り出し遠心分離してプラズマを得た。このプラズマは10mMのベンズアミデン(benzamidin)と、2g/dlのCaPO4 と、3g/dlのエプシロン−アミノカプロン酸で作られた。このプラズマをゼラチン−セハローズ柱上(sepharose cloumn)で検討(passed over)し、フィブリノーゲンを除去した。フィブリノーゲンはモシャーとブロートの方法を変形した方法で硫酸アンモニウムにより2回沈殿せしめた塩であった。サーモントロンビンは、ミカウド他の方法によってCaPO4 のペレットから精製した。このペレットは20mMトリス/HCl、PH7.5、0.15M NaCl、1mM EGTA及び0.1MEDTAに対して5時間、次いでEDTAなしで同一のバッファに対して一晩透析した。得られた蛋白質溶液を始めは35%、2度目は70%の硫酸アンモニウムに沈殿せしめた。プロトロンビンを含む得られたペレットは20mM トリス/HCl、1mM EGTAに対して5時間、次いで20mM トリス/HCl、1mM EGTA及び0.1M NaClに沈殿せしめた。最後に、この溶液を12、000xgで遠心分離し、不純粒子を除去した。フィブリノーゲンは19,4mg/cm2 (合計2000mg)の濃度で用い、トロンビンは50U/cm2(合計5200U)で用いた。]
[0094] 電気詠動、ウエスタンブロッティング及びELISA]
[0095] 免疫学的再活性化がウエスタンブロッティング及びELISAによって定められた。電気詠動のため蛋白質を(インビトロゲンコーポレーション)の4xサンプルバッファに溶かし、80℃に加熱し、インビトロゲン(invitrogen)NuPAGE 4−12%トリス−ビスゲルで45分間200Vで分離した。蛋白質をゲルからPVDF膜に変え、この膜を5%の乾燥ミルクを有するトリス−サリン内で1時間ブロック(blocked)した。ブロックに続き、トリス−サリンバッファ内で1/10に薄めたぶたの血清と4%のうしの血清アルブミンで膜を培養した。第二アンチ−ぶたホースラディッシュ過酸化−共役抗体(HRP−swAB)で培養し、ミリポア化学発光試薬キットを用いて処理した後に抗体反応が見られた。]
[0096] ミリポア化学発光試薬キット]
[0097] 基体としてのトロンビンまたはフィブリノーゲンでELISAが行なわれた。免疫B1板を1μgの蛋白質/ウエルで被覆し、このウエルをブロックし、次いで1/10に薄めたぶたの血清で培養した。1/5000に薄める迄の滴定曲線を作成した。サーモン蛋白質に対する抗体束縛をホースラディッシュ過酸化−共役抗体(HRP−swAB)とミリポア基体での培養によって特定し、分子デバイス板リーダによってOD450で読み取った。]
[0098] IL1、IL2、IL4、IL6、IL8、IL10、IL12p40、IFNγ及びTNFαのためのサイトカイニンレベルを、市販のサービス、サーチライト、サイトカインカスタムマルチプレックスアレイによって分析した。サーモン蛋白質に対しぶたを露出することによって生ずる抗体を作るため5種類の動物からの血清を分別するために、インビトローゲンコーポレーションから得られる5000 プロテンアレイを解析した。この分析では、通常の凝血通路内には含まれておらず、従って標準の分析によっては検出できない抗生物質認識蛋白質を検出した。血管アクセス口(VAP)を植え込む手術の際に出た血液からの血清を、サーモン蛋白質に露出した後の動物の死後に得た血清と比較した。]
[0099] 動物の外科的手術準備]
[0100] 外科的手術のため(25〜28Kg)の雌のヨークシャぶたを準備し、上述の処理の間観察した。血管アクセス口(VAP)カテーテルラインを、改良したセルデンガー技術を用いて頚動脈内に挿入し血液サンプルを取り出した。16〜18ゲージ、2.5〜3インチの導入針を、次いでj−ワイヤを皮下に挿入した。拡張カテーテルをj−ワイヤに沿って皮膚を通して頚動脈に挿入した。j−ワイヤを頚動脈に残したまま、拡張カテーテルを除去し、j−ワイヤに沿って頚動脈内に中心点滴カテーテルを送り込んだ。カテーテルを皮下組織に固定し、カテーテルをクエン酸塩対凝固液で洗い頚動脈内への配置を確かめ、クエン酸塩ロックを作った。次いでカテーテルを肩の皮下ポケット内に埋め込まれた口に取り付けた。]
[0101] サーモン蛋白質に対する露出は複数の手段で行なった。第1の手段では血管アクセス口を介してトロンビンとフィブリノーゲンを点滴により注入した。第2の手段では4頭のぶたに背骨を中心とした背面の左右の皮膚に手術で一対の同一の傷を作り、7日間観察した。4頭のぶたの第2のグループの皮膚に同一の一対の傷を作り、28日間観察した。各回に評価する傷の合計数は8個であった。7日間観察した動物グループに対しては背中右側の皮膚の2×2cmの傷に、回転マンドレル上に蛋白質を静電紡糸することによって作った凍結真空乾燥したフィブリノーゲンを有する包帯を巻いた。左側の皮膚の傷は市販の非止血用包帯で包んだ。28日観察の動物グループに対しては左側の傷に、(500mg)のフィブリノーゲンと(400IU)のトロンビンを含む静電紡糸包帯を当てた。28日観察の動物グループには(60IU)のトロンビンと(200μg)のフィブリノーゲンを1日7回注射した。この期間の終りで各グループの動物は死にその死骸は解剖のため提供された。]
[0102] 第3の手段では、腹部中心を切間し腹膜内にフィブリノーゲン包帯を挿入した。傷は縫合され、動物は回復した。動物は2週間そのままとされ、抗体発生を解析するため血液が採取された。]
[0103] 組織検査のための組織準備]
[0104] 死骸解剖において、各ぶたは横向きにされ皮膚の傷が測定され傷全体を確認し、記録し、写真に撮った。組織のサーモンフィブリノーゲン/トロンビン処理と、非止血包帯で処理した傷、股動脈、リンパ節、腸管リンパ節及び脾臓を病理組織学的評価のため採取した。]
[0105] 10%のナチュラル緩衝ホルマリン内で組織サンプルを固定し、整理し、処理し、区分し、着色するためパラフィンワックス中に埋めた。病理組織学的評価が、光学顕微鏡を用いて非ブラインド方式でなされた。皮膚区域における評価パラメータには、サーモンフィブリノーゲンン/トロンビン包帯で処置した傷の中心と傷の縁における炎症、再皮膚組織、粉状化組織、繊維組織炎、上皮形成及び壊死の状態の非止血包帯処置の場合との比較を含めた。表面及び深い部分の炎症のための皮膚サンプルの準量的スコアが、標準H&E着色組織区域に表れる炎症反応の量をベースとして作られた。このスケールは(1)最小、(2)マイルド、(3)適度、及び(4)著しい(データは図示せず)であった。各動物からの腸間膜リンパ節、前一大腿部リンパ節及び脾臓が病理組織学的に更に評価された。]
[0106] 統計的解析]
[0107] 等しい変化を想定した2つのテールド(tailed)T−テストを用いてグループ間の相違を解析した。数値は平均±標準エラーとして示された。各測定にはN値とP値を含む。]
[0108] 結果]
[0109] 7日間グループにおける損傷皮膚の炎症及び再皮膚組織]
[0110] 動物に一対の皮膚損傷を形成し、傷の一方をサーモンフィブリノーゲンで処置し、他方を非フィブリノーゲンで標準的に処置した。7日後、動物(7日グループ)は死に、解剖された。4頭全部のぶたの左右両側の傷の中心には、上皮細胞の先端と、壊死細胞破片、ニュートロフィリス(neutrophils)、繊維素、好血性細菌及び浮腫(edema)より成る凝固物によって満たされた表面の傷が現れていた。]
[0111] 炎症細胞、粉状化組織及び浮腫が繊維素凝固の下側の左右両側の上皮に拡がっていた。病理組織学的に、粉状化組織は、肥大した内皮によって列とされ皮膚の表面に垂直に配向された多くの小径血管で形成されていた。上記浮腫は、皮膚コラーゲンの束と繊維芽細胞を分離せしめていた。繊細形成の証拠は、皮膚のつぎ目からパニキュラス(paniculus)脂肪組織に深く延びた数的に多い(plump)大量のコラーゲンの堆積を有する活性繊細芽細胞によって特徴づけられた。この繊細芽細胞は、4頭総べてのぶたの左右の側に適度に分布されていた。]
[0112] 8個の総べての傷の表面の炎症は柔げられており、一次ニュートロフィリス(neutrophils)と、より少ないマイクロファージと、繊維素のかさぶたの土台となっているまれな多核炎症性巨大細胞より構成されていた。サーモンフィブリノーゲン/トロンビン処理された1つの傷に深い炎症が見られ、残っている右側の傷は和らげられていた。非止血処置された傷内では深い炎症が2つの例で見られ、2つの例で和らげられていた。]
[0113] 傷の縁上の皮膚再生が7日間処置の8個の総べての傷に認められた。これら縁には上皮形成、表皮肥厚(acanthosis)、海綿状化、深い縁及び皮膚ペッグ(peg)、不全角化症、角質繊維及び再生組織細胞の傷の中心からの突出が認められた。]
[0114] 7日間観察した動物グループでは、総べての傷は凝固繊維素によって満たされていた。処置した及び処置されない各傷に粉状化組織が現れていた。ここには多くのニュートロフィリス、より少ないマイクロファージ及び多量の出血があった。炎症が皮下深く延びこれはリンパ細胞、プラズマ細胞及びマイクロファージにより形成されていた。8個の傷の総てに縁における皮膚組織再生と、適度な繊維素形状が見られた。炎症を低減し、治療を促進するため生長因子やコラーゲンのような他の活性材料を加えることができる。]
[0115] 28日間処置した動物のグループにおける皮膚の炎症と皮膚組織の再生]
[0116] 治療プロセスの完全な調査のため動物の第2のセットに皮膚損傷を繰り返し、少なくとも28日間治療した(“28日グループ”)。この28日グループにおいては8個の傷のうちの7個が、皮膚再生と角質繊維によって特徴づけられる完全な再皮膚組織と、7日グループの細胞組成に等しい表面凝固を示した。これら7個の傷においては、表面の炎症は最小でマイルドであった。28日グループ内の非止血包帯で処置した1つの傷では、再皮膚組織は不完全であり、傷欠陥が表面炎症に沿って凝固繊維素によって満たされていた。この例の傷の縁には7日グループのような表皮細胞の増殖性変化が現れていた。8個の傷の総べてには、マイルドな量の粉状化組織と、血管周囲(perivascular)リンパ液とマクロファージから成る深い傷が現れていた。繊維素とコラーゲン堆積が7日グループとの比較において見られた。この変化は8個の傷内において皮膚の接合部から皮下脂肪に延びていた。]
[0117] 表面炎症が非止血包帯で処理した4個の傷が最小からマイルドにされており、少ないリンパ細胞と、プラズマ細胞と、マクロファージとにより構成されていた。サーモンフィブリノーゲン/トロンビン包帯で処置した傷では表面炎症が1つの例では最小から、2つの例でマイルドに、1つの例では著しく変化した。最小からマイルドとなる細胞浸透は非止血包帯処置した傷の場合と同様であった。然しながら、サーモンフィブリノーゲン/トロンビン包帯処置の1つの傷の炎症の著しい1つの例では少ない皮膚マイクロファージと、リンパ細胞と、プラズマ細胞及び好酸性(eosinophils)を有する多くのニュートロフィリスによって構成されていた。ニュートロフィリスは例外的に表皮濃疱(epidermal pustule)を形成していた。更に傷内に出血、繊維素及び壊死を有する浮腫が見られた。]
[0118] 非止血包帯で処置した深い炎症は3つの例で最小からマイルドに変り、1つの例で適度であった。この悪急性(subocute)の炎症は、血管の回りに多く集まっていた。サーモンフィブリノーゲン/トロンビン包帯での処置により深い炎症は2つの例で最小であり、2つの例で適度であった。]
[0119] 要約するに、28日間処理のグループでは、7つの傷でフィブリノーゲンのかさぶたで覆われた完全な皮膚組織が皮膚表面に見られた。炎症は単核細胞によって主として形成されていた。繊維素が豊富であった。サーモンフィブリノーゲン/トロンビン包帯で治療した1つの傷には不完全な皮膚組織形成と著しい炎症を含む、7日間処理したグループのような病理組織損傷と同様のものが示されていた。]
[0120] 免疫器官関連]
[0121] リンパ小胞形成とリンパ球の活性化を示すためリンパ節と脾臓が病理組織学的に検査された。各タイムポイントにおける4頭のぶたの腸間膜リンパ節と脾臓が同様に病理組織学的に検査された。脾臓に含まれているホワイトパルプ(TとBリンパ球を含むリンパ球組織)の量が、7日サンプルに比べて28日サンプルにおいて僅かに増加した。]
[0122] 7日と28日間グループ間で腸間膜リンパ節の差が小さいとしても、皮膚の傷の同じ側の(ipsilateral)エリアを処置(drain)した前−大腿部リンパ節を7日間タイムポイントで試したとき差異を示した。非止血包帯で処置した傷を乾燥する節ではより少なく且つより小さいリンパ小胞を示し、サーモンフィブリノーゲン/トロンビンで処置した傷の前−大腿部リンパ節よりもリンパ小胞のターンオーバー(turn over)の減少が一般に示された。28日間タイムポイントによって両側のリンパ節は発芽中心(germinal center)の等価なサイズとリンパ球の量を示した。]
[0123] サイトカイニンレベルによって定められるような免疫状態における組織的変化]
[0124] リンパ節及び脾臓内に認められる形態学的変化が免疫変調または炎症シグナル分子の組織的循環内で反映されていたか否かを定めるため、サイトカイニンのパネルのレベルが、皮膚の傷が露出されてから2週間後、可溶サーモン蛋白質を静脈注射された動物のグループで測定された。血管口を植え込むための初めの手術で引き出した血液で定めた、サイトカイニンレベルの、続く露出でのレベルとの対数比を図5AでレベルIL−Iβ、IL−6、TNF−α、IFN−γ、IL−4及びIL−10として示した。応答は個々の動物間で変化した。前炎症反応(IL−Iβ、IL−6、TNF−α、IFN−γ)と体液反応(IL−4及びIL−10)の双方に変化が見られた。図5Bに示すように最初の露出と、次の蛋白質注射後に引き出された血液から得たサンプル内で個々の動物内のサイトカイニンの変化を検出できた。] 図5A 図5B
[0125] トロンビン及びフィブリノーゲンで処置した動物内で作られた抗体の特徴]
[0126] サーモントロンビン及びフィブリノーゲンに露出された動物(n=24)から引き出された血液をウエスタンブロッテング及びELISAを用いて抗体形成のため解析した。皮膚プロトコールによってサーモン蛋白質に露出された動物の傷部の血清が図6A〜図6Fに示すように抗体形成のため評価された。検出できる抗体(+)と、検出できない抗体(−)及び分析されない血清(NA)を有する血清を表1に示す。表1中“Abd”は解剖腹部を示す。抗体がフィブリノーゲンサブユニットまたはトロンビンまたはプロトロンビンに対するバインダーとして検出可能なものであれば、この血清は正としてカウントされた。サーモン蛋白質に露出された動物(94%、表1)の大部分で、サーモンフィブリノーゲン(図6)で認められた抗体を発生し、動物の66%でヒューマンフィブリノーゲンに反応した抗体が作られた。対照において、トロンビン抗体は1回の露出後低下しまたは検出不可であったが、2回の露出(図6)後幾つかの動物(4/24)内で低い繊度(1/10)で検出可能であった。これらの抗体は、プロトロンビンの形に変化したが、一方他のものは分裂(cleaved)したトロンビン分子であった。孤立型IgMとIgGが両抗体として検出された。然しながらIgA抗体はウエスタンブロッティングまたはELISAの何れかによっても検出されなっかった。] 図6A 図6B 図6C 図6D 図6E 図6F
[0127] 表1はウエスタンブロッティングによってアクセスされたサーモンフィブリノーゲン/トロンビン包帯に露出されたぶたの抗体反応を示す。]
[0128] ]
[0129] 抗体形成のタイムコースは皮膚損傷を包帯にさらした1頭と、解剖腹部に貼布したパッチを包帯にさらした1頭から成る2頭のぶたから得た順次の血液サンプルのELISAによって定められた。この結果は、光学的密度対血液収集時間としてVAPのインプラントにおいて収集された血液から始めて実験が終る迄プロットされた。損傷皮膚を包帯にさらした動物(図7A〜図7C)は、解剖腹部に貼布したパッチを包帯に露出した動物(図8A〜図8D)に比較して僅かに異なった反応を示した。腹部パッチグループの動物は、ヒューマンフィブリノーゲンに対しては極めてにぶい応答を示し、サーモントロンビンとヒューマントロンビンの双方に対してはにぶい反応を示した。蛋白質に対する極めて低いレベルの応答を検出するためしみ(blot)が一般により感度良く検出された。然しながらELISAによって各動物における炎症反応及び抗体作成を容易に知ることができた。] 図7A 図7B 図7C 図8A 図8B 図8C 図8D
[0130] サーモン蛋白質に露出したぶたの血清内のヒューマン相互反応抗体の確認]
[0131] インビトロゲンコーポレーションによるプロトアレイヒューマンプロテインマイクロアレイサービスが、皮膚と腹部の何れかによってサーモン蛋白質に露出したぶたに生じた、ヒューマン蛋白質に対して反応する抗体の存在のためサーモン蛋白質に露出された5頭の動物からの血清を選別するために用いられた。これら蛋白質は、(1)干渉抗体によってその機能が抑制される凝固カスケードの一部である蛋白質と、(2)露出の間に生ずる抗体に反応するが凝固プロセスには関係しない蛋白質の2つのカテゴリーに分類された。ウエスタンブロッティングによって分析されないヒューマン蛋白質を認識する抗体が処置されたぶたに生じたか否かを定めるため、5000蛋白質を示すマイクロアレイに対する反応のため試験管内での培養によって動物からの血清が分析された。表2に示すようにこのアレイは、凝固カスケードの一部である4蛋白質と、トランスグルタミナーゼ(因子XIII)活性または凝固関連の5蛋白質を有していた。テストした5種類の動物全部がヒューマン トランス グルタミナーゼ2に対して強い初期反応を示したが、続く露出で増加するものはなく、(以下に示す)凝固反応が悪くなる動物は見られなかった。凝固蛋白質に対する多くの抗体は、分析システム内における前−後露出では大きな変化を示すことはなかった。蛋白質の第2のグループもまた表2に示す。これら蛋白質ではサーモン蛋白質に対する動物の次の露出において抗体反応に大きな増加が見られたが、これは凝固プロセスには関連していない。15の非凝固蛋白質は、サーモン蛋白質に対する次の露出で抗体の活性が増加した。このクラスのP−値しきい値(初期対最終値)は<0.05であった。]
[0132] 表2はインビトロゲンプロトアレイ5000蛋白質マイクロアレイによるヒューマン蛋白質−ぶた抗体相互作用の選別を示す。]
[0133] ]
[0134] 検討]
[0135] サーモンフィブリノーゲン/トロンビン包帯で処置した動物の傷の治療]
[0136] サーモンの血液から得られたフォーリン(foreign)蛋白質を傷につけたとき、傷の治療プロセスが妨害されたが反免疫反応の開始によって凝固が誘発された。これらの可能性を調べるため厚さ全部にわたる傷をフィブリノーゲン/トロンビン包帯によって処置し、傷の治療の進行をリンパ節と脾臓の活性化の状態で比較した。]
[0137] 8頭のぶたの皮膚を外科的に切除し、異なる2種の包帯を当て、外科手術から7日または28日後の2つの時点でモニタした。7日及び28日後の時点で分離した縁と非外科的に生じた皮膚の傷に対し良く知られている治療モデルを実験した。傷を閉じる複雑なプロセスによって皮膚の傷を治療した。このタイプの傷では局部的な炎症反応により、大量の粉状化組織を形成し、瘢痕組織が薄い表皮で覆われていた。28日グループでは8個のうち7個の傷で完全な再皮膚組織が現れ、この後、これらの傷は更なる月日の進行によって収縮した。]
[0138] 7日後の時点で注目すべき病理組織学的差異が増加し、非止血処置されたリンパ節に比べサーモンフィブリノーゲン/トロンビン包帯で処置した前−大腿部リンパ節の活性化が増大した。サーモン蛋白質包帯にさらした側の免疫活性の程度がより大きくなることは予期されないことではなかった。これはフィブリノーゲン/トロンビン包帯処置の結果初めの傷が生じた時点における凝固反応の増加によるものと予期できた。]
[0139] サーモンフィブリノーゲン/トロンビン包帯にさらしたぶたの免疫反応]
[0140] サーモンフィブリノーゲン/トロンビン包帯にさらした動物の、健康状態がモニタされ、サーモン蛋白質に対する免疫反応を定めるため血液が採取された。反応の状態を良く示すためサイトカイニンレベルが測定された。炎症サイトカイニン(IL−1、IL−6、TNF−α及びINF−γ)でしばしば外科的操作がモニタされ、一方抗体力価(titer)の変化と共に体液信号(IL−4及びIL−10)が一貫して増加した。上記の結果は、IgMとIgGの例で予期されたように動物はフィブリノーゲンに対する免疫グロビリンを規定通りに作った。更に、サーモン、ぶた、及びヒューマンフィブリノーゲンについて分析がなされ、多くの動物においてこれらの抗体は、3つのフィブリノーゲン抗原の総てに認められた。他方、トロンビンは、フィブリノーゲンの場合と異なり、ユニバーサル応答としては誘起されず、6頭の動物のみがトロンビン応答を作り、4頭の動物のみがぶたトロンビンを認識した抗体を作った。総べての抗体の力価が低く、ウエスタンブロットが高濃度の血清(1/10に薄めた)について蛋白質バンドを示すためなされた。プロトロンビンのサンプルに対する割合は比較的に小さかったとしても、トロンビンではなくプロトロンビンのみが認められる抗体の幾つかによって認識される抗原内に幾つかの相違点があった。]
[0141] 抗体が凝固プロセスを妨害するか否かを定めるため凝固パラメータの測定がなされた。然しながら測定値の総べては正常範囲にあった。ぶたプラズマ凝固時間の測定においては検出されなかったヒューマン凝固に対する隠された効果を説明するためぶたプラズマとヒューマンプラズマとを共に混合した。この実験において、通常の凝固レベルを測定した。上述のように動物の健康の全体の評価と生化学的分析から抗体が不都合な応答の原因となるとは思われなかった。]
[0142] 臨床セッティングにおける凝固因子抑制]
[0143] 得られた凝固は少ないが、凝固の通常の機能を認識し干渉する抗体が患者に発生したとき重大な混乱を生ずる。抗体が凝固蛋白質の範囲を認識し、制限するという報告がなされている。フォンウィルブランドの病変はより広く受け継がれる血液病変であり、VWF機能の表現レベルは低い。然しながらフォンウィルブランドポリペプペチド自体またはプロテアーゼDAMTS−13に干渉できる抗体の不適当な形成がある。これら自己抗体形成の基礎は患者内における免疫機能障害によるか、または自己免疫反応を促す健康の危機の引き金であるが外科手術での止血剤としての凝固剤の使用は、ポリペプチドを処理する抗体を阻止する原因となる。極めて希であるが因子VIII またはIXに対する自己抗体は血友病症候群を導くことになる。牛トロンビンは手術の総べての型において2006年内で100万回を越えるほど広く使用された。これら止血剤の使用に続いてトロンビン、プロトロンビン、因子V及びカルジオリピン(cardiolipin)に対する抗体発生の結果に対する悪影響が報告されている。得られた凝固の多くの他の例では、牛トロンビンをこれらの処置で用いていたか否かの特別な例を示す迄もなく手術で用いられている。免疫システムとリタンキシマブ薬(rituximab)、CD20で示されているモノクロナル(monoclonal)抗体を抑制するための1つの試みは自己免疫応答に対する戦であることは多くの処置例で効率的に証明されている。この処置の欠点は、ホスト防衛システムが害されたとき生ずる白血病や他のがんになるリスクを増加せしめることである。自己免疫発生と続く望まれる凝固のリスクが小さいということを証明するため蛋白質ベースのプロ−凝固治療剤が必要である。サーモン蛋白質と抗体形成を認識できる一方、ぶたの免疫システムが凝固を導き、短い期間であるが動物を健康にすることの報告がなされていることが明らかにされた。]
[0144] (例5)静電紡糸デキストラン包帯の開発]
[0145] 例4で示したとおり(外科手術のための麻酔、器具)と動物を用意した。腹部大動脈を露出するための中間ラインの切り傷を作った。大動脈を孤立せしめるため大腸と小腸を一方の側に移動し、腹膜を切開した。大動脈に傷(4mmパンチ)を作り、3〜4秒間出血せしめその後4分間包帯を押圧した。圧力を開放し、傷を止血のためチェックし、失血と生理的サインが測定された。この実験は60分で終り、平均動脈血圧は20mmHg以下であった。]
[0146] (結果)]
[0147] 凍結真空乾燥した包帯の形成はなされなかった。例えば、トロンビン及びフィブリノーゲン包帯を凍結真空乾燥したときこの包帯の繊維は少なく、4頭の動物のうち生き残った動物はなかった。脂肪の加わった凍結真空乾燥した包帯は7頭の動物のうち5頭が60分間生きた。少ない量の材料を包帯作成のため用いたとき、6頭の動物のうちの4頭が60分間生きた。]
[0148] 第1のデキストラン包帯を有機溶剤で作った。この包帯の繊維は極めて硬く、良く溶けず、多くの動物(テストした10頭中8頭)が死んだ。60分生存した動物としてリストに乗った動物の生存時間は3時間に延びたが、先の実験ではこれ以上長くはできなかった。重要なことはトロンビン包帯のビトロ(vitro)テストでは酵素は不活性であったことである。]
[0149] 包帯形成を水溶性緩衝体使用に切り替えた後、包帯は大きく改良された。包帯繊維は柔らかく、曲げ易く、折り畳みでき、傷内に合致する形となし得た。トロンビンと凝固強度のビトロ測定では大きな改良が見られた。トロンビンは活性化し、フィブリノーゲン重合がなされた。テストした9頭の動物のうち7頭が生き残った。実験の間、動脈血圧は平均30〜50mmHgに低下し、次いで50〜70mmHgに戻った。脈拍は160〜180bpmから傷が安定化した後、120bpmまたはそれ以下になった。凝固パラメータは3時間以上正常であった。]
[0150] 凝固と治療プロセスにおける包帯の効果は、1週間、4週間及び6ヶ月の3つの異なる期間で試験された。動物は上述のようには傷付けられなかったが、外科的に包帯にさらされた。上記各期間で、総べての凝固値は正常であり、すべての治療も(皮膚の傷としてテストした)正常であった。腹部に植え込んだ包帯は悪影響なしに吸収され、解剖により傷に対する付着が少ないことが判明した。総べての動物がヒューマンフィブリノーゲンに対する抗体を作った。これら抗体はヒューマンフィブリノーゲンに対するものであり、ぶたフィブリノーゲンに対するものではないことが示された。サーモントロンビンに対する抗体の繊度は小さかったがヒューマンまたはぶたトロンビンの何れにもクロス反応はなかった。]
[0151] 図9A〜図9Dは、包帯で処置したときの傷の治療を示す。サーモン蛋白質にさらされたときに抗体が形成され、正常な血液細胞組成または正常な凝固値が変ったか否かを定めるため血液学的(hematological)パラメータが測定された。表3A、表3B及び表4に平均標準偏位及びP値を示す。表4では凝固に干渉できる秘密の因子があるか否かを定めるため露出した2頭の動物からのヒューマンプラズマとぶたプラズマを凝固パラメータのため混合し、分析した。この表から明らかなように本発明の包帯に対する引き続く露出を変えるパラメータはなかった。] 図9A 図9B 図9C 図9D
[0152] 表3A及び表3Bはサーモンフィブリノーゲン/トロンビン/包帯に対する露出前・後の血液学的及び凝固パラメータの変化を示す。]
[0153] ]
[0154] ]
[0155] 表4はヒューマンプラズマの凝固に対する免疫ぶたプラズマの効果を示す。]
[0156] ]
実施例

[0157] 以上本発明の好ましい実施例を示したが、本発明の精神及び範囲内で種々変更できることは当業者にとって自明である。従って本発明は上記実施例に限定されるべきでなく、本発明の精神と範囲内で種々変更できる。]
[0158] 100デバイス
110紡糸デキストラン繊維
120支持材
130 第1端
140 第2端
200 管
210 開口
220 開口
300プランジャ
400 殺菌パッケージ]
权利要求:

請求項1
液体に接して溶ける静電紡糸デキストラン繊維と、上記静電紡糸デキストラン繊維に関連する1つまたは1つ以上の所望の薬剤とを含むデバイスを所望の場所に適用する工程とより成り、上記静電紡糸デキストラン繊維が上記所望の場所の液体に溶け、上記1つまたは1つ以上の所望の薬剤が上記液体内に供給される所望の薬剤の供給方法。
請求項2
上記静電紡糸デキストラン繊維が0.75ミクロンから1.00ミクロンの直径のものである請求項1記載の方法。
請求項3
上記所望の場所が体の一部である請求項1記載の方法。
請求項4
上記液体が体液である請求項3記載の方法。
請求項5
上記1つまたは1つ以上の所望の薬剤が生物学的活性剤である請求項1記載の方法。
請求項6
液体に接して溶ける0.75ミクロンから1.25ミクロンの直径の静電紡糸デキストラン繊維と、上記静電紡糸デキストラン繊維に関連するトロンビン及びフィブリノーゲンの少なくとも1つとより成る包帯。
請求項7
上記トロンビン及びフィブリノーゲンがサーモントロンビン及びサーモンフィブリノーゲンである請求項6記載の包帯。
請求項8
上記トロンビン及びフィブリノーゲンが微粒子状である請求項6記載の包帯。
請求項9
上記トロンビン及びフィブリノーゲンが静電紡糸滴内に存在する請求項6記載の包帯。
請求項10
上記トロンビン及びフィブリノーゲンが上記静電紡糸デキストラン繊維に関連する請求項6記載の包帯。
請求項11
1つまたは1つ以上の更なる生物学的活性剤を含む請求項6記載の包帯。
請求項12
更に支持材料を有する請求項6記載の包帯。
請求項13
上記支持材料が、ガーゼ、圧縮静電紡糸デキストラン、ポリグリコール酸ポリマ類、ポリアクリル酸ポリマ類、カプロラクタンポリマ類及び帯電ナイロンから成る群から選んだ材料を含む請求項12記載の包帯。
請求項14
液体に接して溶ける0.75ミクロンから1.25ミクロンの直径の静電紡糸デキストラン繊維と、上記静電紡糸デキストラン繊維に関連するトロンビン及びフィブリノーゲンの少なくとも1つとより成る止血用包帯を傷に当てる工程とより成り、上記傷内の血液内に上記静電紡糸繊維が溶け、上記トロンビンとフィブリノーゲンの少なくとも1つが上記傷内の血液内に供給され、上記傷の止血がなされる、傷の止血方法。
請求項15
上記トロンビンとフィブリノーゲンの両方が上記静電紡糸繊維に関連する請求項14記載の止血方法。
請求項16
上記傷が貫通傷であり、この貫通傷の空洞内に上記止血用包帯が挿入される工程を含む請求項14記載の方法。
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