貴金属合金物体の製造方法
专利摘要:
本発明は、貴金属合金物体の製造方法を提供する。第1の局面によれば、合金元素の溶融および生体適合性貴金属合金の鋳造は、あらかじめ定められた組成の処理ガスが供給された処理室(11)内で実施される。炭化水素含有ガスの燃焼炎(19)が低い酸素および水含有量を提供する。第2の局面によれば、貴金属合金の後処理は生体適合性金属合金を形成するための処理ガスによって提供された雰囲気中で実施される。本発明に従った製造された生体適合性貴金属合金物体は人体と接触する時感作を発生させる低い確率を有する。a 公开号:JP2011516734A 申请号:JP2011503937 申请日:2009-03-26 公开日:2011-05-26 发明作者:カールソン,ボー 申请人:バイオピーエム、アクティエボラーグ; IPC主号:C22F1-14
专利说明:
[0001] 本発明は、貴金属合金物体と、その製造方法に関する。特に、本発明は、装身具類や、貴金属を含む他の物体、例えば、歯科インプラントや装飾用品のような貴金属合金物体であって、人体に接触することが意図されるものに関する。] 背景技術 [0002] 貴金属は一般に、人体に接触することが意図される装身具類や他の物体に用いられる。これは、貴金属は多くの元素と比較して反応性に乏しいためである。また、経済的な価値が高いためでもある。さらに、貴金属はたいてい、魅力的な光沢と高い延性を有する。最もよく知られている貴金属は金と銀であるが、白金やパラジウムといった他の貴金属も、同様の目的で一般的に用いられる。] [0003] 人体に着用される貴金属物体は摩耗し、損傷される。貴金属の延性は、破損の危険性が低いため長所である。しかし貴金属は相対的に硬度が低く、摩耗の影響を受けやすい。貴金属をより硬くするために、そして貴金属が高価であるために、貴金属は他の元素と合金にされて装身具類、インプラント等に用いられている。貴金属はまた、貴金属の特徴を改善するため、例えば、ある種の光沢や色を得たり、加工性を改良したりするためにも合金にされる。] [0004] 過敏性やアレルギーのために装身具類や装飾用品を身につけることができない人々がいることが知られている。これらは皮膚炎やアレルギー反応を引き起こす。アレルギーの潜在性は元素が異なれば異なり、一般的に貴金属の潜在性は最も低い。金に対して一般に用いられる合金元素の中では、ニッケルは、最も高いアレルギー潜在性を有するものであることが確認されている。従って、合成汗溶液中へのニッケルの放出は、ニッケルを含む材料のアレルゲン性の測定として確立されている。それよりも低ければ非アレルギー性であると考えられるというしきい値(0.2μg/cm2/週)がヨーロッパ連合の「ニッケル検査(94/27/EC)」によって定義されている。他の合金元素について同様のしきい値は確立されていないが、他の合金元素、銀、銅、金であっても、過敏性を引き起こし得るようである。アレルギー反応等は、貴金属や金属合金の不純物によってもまた引き起こされ得る。この不純物は、使用される原料の不純物によるものや、合金の製造によるものである。例えば、キャスト工程の後、キャストされた物体上に成形される酸化物を除去する工程において貴金属または金属合金が酸とともに取り扱われる場合に、不純物が加えられ得る。過敏性の原因に関係なく、過敏性を引き起こす可能性が所定の値よりも低い場合には、貴金属物体は生体適合性であると考えられ得る。] [0005] 1つの共通認識として、貴金属の純粋な合金元素だけが用いられる場合にはアレルギー反応は起きない。従来の製造方法の使用は必ずしも、非アレルギー性であって、より重要なことには、半完成品や完成品が例えば要求される硬度、加工性、色、等を有する貴金属合金を生産しない。上述のように、貴金属や金属合金の硬度は、耐摩耗性を与えるために重要である。一例として、合金化された金、銀、銅を含む金合金は一般的に、原料を形作るために、合金元素をるつぼ中で融かして、型に鋳造して製造される。引き続いて、原料は、最終目的物を成形するために、さらなる処理を受ける。貴金属合金物体の製造においては、原料は代表的には、冷間加工または熱間加工されて、最終目標物において特定の材料特性を得るために欠かせない熱処理および/または冷却工程を受け得る。この工程は決して簡単ではない。原料の冷間加工における例えばひずみ硬化による例えば硬度の増加は、加工性の減少によって困難さを生じ、反対に、原料の熱間加工は、最終目標物を成形することを困難にして、合金の加工性を有意に減少させる。また、合金は原料の鋳造後に脆化し得るので、付加的な焼鈍工程が必要とされる。] [0006] 先行技術には、生体適合性であって、高い硬度やよい加工性といった所望の材料特性を有する貴金属合金物体を提供することが可能であるということに関して欠点がある。] [0007] 本発明の目的は、先行技術の欠点を克服することである。これは、独立請求項において定義される生体適合性貴金属合金物体とその製造方法によって達成される。] [0008] 本発明に従った生体適合性貴金属合金物体の製造方法は、生体適合性貴金属合金物体を処理室で成形する工程を備える。この方法はさらに、予め定められた組成の処理気体を供給する工程を含む。処理気体は、1kgあたり0.005kgより少ない水と、5%より少ない酸素とを含む。処理気体は、少なくとも生体適合性貴金属合金物体の成形の間に、処理室に供給される。] [0009] 本発明の第1の局面に従えば、生体適合性貴金属合金物体の成形工程は、貴金属合金を成形するために合金元素をともに融解させる工程と、融解した貴金属合金の合金元素を鋳造する工程とを含む。] [0010] 本発明の第2の局面に従えば、生体適合性貴金属合金物体の成形工程は、生体適合性貴金属合金物体を成形するために処理室で貴金属合金、すなわち、原料を、後処理する工程を含む。好ましくは、原料は本発明に従って製造される。後処理は、例えばハンダ付け、および/または、溶接を含む。] [0011] 本発明の1つの実施形態に従えば、ハンダ合金は、貴金属合金原料または物体の上記のハンダ付けに用いられるために適するものであり、第1の局面に従った生体適合性貴金属合金物体の製造方法に従って製造される。] [0012] 本発明の1つの実施形態では、処理気体の含有率と、そしてそれによる処理室内の環境は、炭化水素含有ガスとともに供給される炎を燃やすことによって制御される。従って処理室内の酸素は燃焼される。] [0013] 本発明の方法に従って製造されるバルクの生体適合性貴金属合金物体は、酸素を5μg/gより少なく、好ましくは3μg/gより少なく、さらに好ましくは1μg/gより少なく含み;水素を0.05μg/gより少なく、好ましくは0.01μgより少なく、さらに好ましくは0.005μg/gより少なく含む。] [0014] 本発明に従った生体適合性貴金属合金物体は、好ましくは2%の銀を含む。より好ましくは、14カラットより大きい金合金または銀合金を含む。] [0015] 本発明によって、人体に接触しているときにおそらく感作を引き起こさない生体適合性貴金属合金物体を提供することが可能である。] [0016] 例えば硬度や加工性に関して要求どおりの性質を有する貴金属合金物体を提供することは、本発明のさらなる利益である。このような物体は、高い硬度や高い破壊靭性のような適切な材料特性を有する最終的な貴金属合金物体を成形するために後処理を受ける原料として使用され得る。] [0017] 好ましくは本発明の方法に従って製造された生体適合性貴金属合金原料の要求される材料特性を十分に保つために、専用ワークステーション内で生体適合性貴金属合金原料の後処理を提供することは、またさらに本発明の利益である。] [0018] 本発明の実施形態は従属請求項に基づいて定義される。本発明の他の目的、利益と新しい特徴は、図面と請求項を参照して、以下に述べる本発明の詳細な説明から明らかになるであろう。] 図面の簡単な説明 [0019] 本発明に従った貴金属合金物体の製造方法の実施形態を模式的に示す図である。 本発明に従った貴金属合金物体の製造方法の実施形態を模式的に示す図である。 本発明に従った貴金属合金物体の製造方法の実施形態を模式的に示す図である。 本発明に従った貴金属合金物体の製造方法の実施形態を模式的に示す図である。 本発明に従った処理室の模式図である。 本発明に従った処理室の模式図である。 本発明に従った中間予熱室とともに鋳型上に配置される、るつぼの模式図である。 本発明に従った、鋳型の排気工程を備える貴金属合金物体の製造方法を模式的に示す図である。 本発明に従った後処理工程に適する処理室の模式図である。] 実施例 [0020] 本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて以下に説明する。] [0021] 貴金属合金物体の製造中、合金元素は通常、融解され、引き続き、貴金属合金物体、いわゆる原料を成形するために鋳造される。原料は引き続き、例えば鍛造、溶接、ハンダ付け、鋳造、研削、研磨、または、絞りといった後処理がされ、装身具類のような貴金属合金物体が成形される。本発明の一つの目的は、生体適合性であって、人体に接触した状態で装着されても感作を引き起こさない貴金属物体の製造方法を提供することである。このような物体の例としては、上記の原料の他、装身具類(ピアス用の装身具類)、他の種類の装飾用品、歯科インプラント、等がある。本発明に従った貴金属合金組成は、一般に、例えば装身具類、歯科インプラント、装飾用品に用いられる貴金属合金組成を備える。しかしながら、これらに限らず、金(22K、18K、14K、等)や純銀もそのような例である。本発明に従って製造された金合金はある程度のカラットであるであろうが、主たる合金元素(金、銀、銅)の含有率においてわずかに異なり得る。また、追加された合金元素の含有率または組成は、例えば、特定の光沢を得るために、異なり得る。さらに、合金という用語が用いられるけれども、本発明は2またはそれ以上の材料を含む合金に限られない。純粋な貴金属であっても、本発明の方法を用いて製造され得る。] [0022] 図1のa〜dに示すように、本発明に従った貴金属合金によって作られる生体適合性貴金属合金物体の製造方法は、 −処理室内で生体適合性貴金属合金物体を成形する工程100と、 − 少なくとも前記成形の間に、予め定められた組成の処理気体を処理室11内に供給する工程101とを備え、処理気体は、処理気体1kgあたり0.005kgより少ない水と、5%より少ない酸素とを含む。] [0023] 本発明の一つの実施形態においては、成形工程は、貴金属合金を成形するために合金元素を共に融解する工程102と、貴金属合金の融解した合金元素の鋳造103をさらに備える。融解と鋳造の工程は、処理気体を含む制御された雰囲気下で、処理室11内において実行される。] [0024] 本発明の他の実施形態においては、成形工程は、生体適合性貴金属合金物体を成形するために、貴金属合金を処理室111内で後処理する工程111を備える。後処理工程は、好ましくは、上述の融解と鋳造の工程に従って製造された貴金属合金原料に対して行われる。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、他の方法に従って製造された適切な原料が用いられ得る。後処理は、原料の製造と同様に同じ処理室11内でなされ得、または、専用ワークステーション室のような別の処理室内でなされ得る。] [0025] 本発明の一つの実施形態においては、処理気体を供給する工程は、さらに、処理室11の酸素を、炭化水素含有気体により供給される炎19を用いて燃焼する工程104を備える。] [0026] 図2のa〜bに示すように、処理室11は好ましくは、周囲空気から分離されて制御される雰囲気が処理室11に供給されるように設計される。本発明の一つの実施形態においては、処理気体を供給する工程は、処理室11内から外部への気体の正味の流れを得るために、例えば逆止弁またはポンプを用いて処理室11内に過圧を生じさせる工程を備える。適切な過圧もまた、エアロック機構28の扉を通した正味の流れを有することによって維持され得る。このことは、自動的に、制御された雰囲気をエアロック機構内に提供する。] [0027] 図2aは、本発明の一つの実施形態に従った処理室11を模式的に示す図である。予め定められた組成の処理気体が、好ましくは合金の融解と鋳造の前と最中に処理室11内に、炭化水素含有気体とともに処理室内に供給される燃焼炎19を燃焼させることによって供給される。燃焼工程は、処理室11の酸素の含有率を少なくとも5%よりも低くさせ、好ましくは2%より低くさせ、さらに好ましくは1%よりも低くする。さらに、脱水手段21が使用され得る。これは、処理気体の水の含有率を少なくとも空気1kgあたり0.01kgのH2O、好ましくは空気1kgあたり0.005kgのH2O、最も好ましくは空気1kgあたり0.001kgのH2Oに制限する。処理室11は、鋳型15上に配置されるるつぼ13をさらに備え得る。鋳型15は、例えば、内側に石膏コンパウンドを備えた、いわゆる鋳型枠と呼ばれるもので、当業者に知られているものである。合金元素はるつぼ13中に供給されて融解される。鋳型15は少なくとも部分的に、融解した合金元素によって満たされ、融解した合金元素が凝固した後、貴金属合金物体が鋳型15中で成形される。] 図2a [0028] 図2bは、本発明の一つの実施形態に従った融解と鋳造に適する処理室11を模式的に示す図である。処理室内11の予め定められた組成の処理気体は炭化水素含有気体を燃焼炎19に供給することによって達成される。炭化水素含有気体の例としては、酸素とアセチレン、すなわち溶接炎の混合物であって、酸素/アセチレンの比は還元炎を与えるように(過濃混合気)調整されている。燃焼工程は、処理室11の酸素含有率を、少なくとも5%より低く、好ましくは2%より低く、さらに好ましくは1%よりも低くさせる。さらに、脱水手段21は水の含有率を、少なくとも、空気1kgあたり0.01kgのH2Oより少なく、より好ましくは空気1kgあたり0.005kgのH2Oより少なく制限するために用いられる。処理室11は、さらに鋳型15上に配置されるるつぼ13を備える。鋳型15は、石膏コンパウンドを含むいわゆる鋳型枠であり得る。合金元素はるつぼ13内に供給される。誘導加熱器25による誘導加熱が合金元素を融解するために用いられ得る。合金元素は、例えばるつぼ13の底部の開閉可能な開口を通して、融解物として鋳型15に引き続き供給される。融解物の凝固後、貴金属合金物体が鋳型15中に成形される。] 図2b [0029] 本発明の一つの実施形態においては、前記第1の処理気体を供給する工程は、窒素、アルゴン等の保護気体を処理室11に供給する工程をさらに備える。この保護気体は、周囲気体を処理室から取り除く手段として使用され得、また、融解と鋳造の間、不活性ガスとして機能する。] [0030] 本発明の一つの実施形態においては、前記第1の処理気体を供給する工程は、脱水手段21を用いて、予め定められた組成の第1の処理気体を乾燥させる工程106を含む。これは、例えば、第1の処理気体中の水蒸気を冷たい表面上で濃縮させて排水することによって達成され得る。] [0031] 本発明の一つの実施形態においては、方法は、融解した合金元素の鋳造に先立って鋳型15から気体を、例えば真空ポンプを鋳型15の一方端に接続することによって、排気する工程をさらに備える。] [0032] 本発明に従った方法の一つの実施形態においては、排気工程はさらに、不活性ガスの乾燥と、場合により、不活性ガスの予熱を含み、鋳造の前に、鋳型を通して、場合により予熱された不活性ガス流を提供することとを含む。不活性ガスは、予め定められた組成の処理気体から供給され得る。一つの代替案は、別の組成の不活性ガスを供給することである。この出願の目的のための不活性ガスは、空気1kgあたり0.005kgより少ないH2Oと、5%より少ない酸素を含む気体であると解釈される。] [0033] 本発明の一つの実施形態においては、不活性ガスの乾燥は、例えば、冷却乾燥器の形で、脱水手段21を用いることによって得られる。処理室11からの気体は、気体中の水蒸気が濃縮され、気体から取り除かれる冷却乾燥器内にポンプされる。乾燥された気体は、処理室11に戻され得る。] [0034] 図3に示すように、本発明の方法の一つの実施において、鋳型15は、例えば別個のオーブンで約350〜400℃に予熱される。その後、予熱室17、鋳型15とるつぼ13は、鋳型15をるつぼ13の下方にして組み立てられる。合金元素はるつぼ13内に供給される。加熱器手段、例えば誘導加熱器25は、合金元素を融解するために十分な温度までるつぼ13を加熱するために用いられる。温度は、合金元素の組成に依存するが、約900℃であり得る。予熱室は、るつぼ13から移動した熱によって加熱され得る。予熱室17の温度は、約600℃であり得る。例えば真空ポンプを鋳型15の一方端、すなわち、排出口に適用することによって、圧力勾配が鋳型15上に与えられる。このようにすることにより、処理室11の処理気体は予熱室17内に吸引され、鋳型15に流入する前に加熱される。このことで、少なくとも予熱後に得られる温度を維持するために十分なだけ、鋳型15が予熱される。鋳型を通して気体の流れを与えるために、鋳型に、鋳型の導入口を通して、制御された組成の気体を供給することによって、生体適合性物体の鋳造状態が向上される。鋳型に閉じ込められて残った酸素と水は、鋳型の外に強制的に出され得る。例として、るつぼは底部に脱気孔を有し得る。脱気孔は、最初は棒状体を用いて密閉され得る。合金元素が融解し、所望の温度に到達したとき、棒状体は除去されて、予熱された鋳型15に融解物が注がれる。本発明の方法は、結果として、実質的に酸化物層を有しない貴金属物体を生じる。このことによる一つの利点は、酸浴中の後処理(先行技術で一般的に用いられている)が必要とされないことである。このような酸浴における処理は、酸浴で処理された原料で製造された貴金属合金物体を身につける人に感作を与え得る不純物の一つの源であると考えられる。] 図3 [0035] 図4に示すように、本発明の一つの実施形態においては、合金元素はるつぼ13中で融解され、生体適合性貴金属合金物体が予め定められた組成の処理気体雰囲気を有する処理室11内の鋳型15中で鋳造される。この実施形態は以下の工程を備える: − 場合により、上記の鋳型15中で鋳造する前に鋳型15を予熱する107、−不活性ガスを鋳型15とるつぼ13との間に配置される予熱室16内で予熱する108と、そして、 − 鋳型15の一端から不活性ガスを排気することによって、鋳型15を通して不活性ガスを流通させる109] 図4 [0036] 本発明に従った予熱室は、処理室雰囲気から、融解した合金元素が鋳型に供給されるように開口している貫通孔の内部に気体を流入させる孔を周壁面に沿って有する円筒形本体を備え得る。したがって、気体は側面から予熱室に入り、鋳型中に吸引される。] [0037] 上述のように、鋳造工程は、鋳型15内において融解した合金元素の固化を含む。本発明の方法の一つの実施形態においては、融解した合金元素の固化によって生じた、固化した貴金属合金物体の冷却は、処理室内で、予め定められた組成の処理気体雰囲気のような、制御された環境で行われる。冷却は、例えば、処理室内、または、周囲空気に曝すことなく鋳型を処理室から移すことが可能な隣接室内で行われ得る。] [0038] 本発明の方法の一つの実施形態においては、貴金属合金物体が固化させられた鋳型は、アルコールを含む5℃より低温の水浴中で急冷される。] [0039] 本発明の方法に従って製造されたバルクの貴金属合金物体は、5μg/gより少ない含有率の酸素、好ましくは3μg/gより少なく、より好ましくは1μg/gより少ない含有率の酸素を有する。さらに、本発明の方法に従って製造されたバルクの貴金属合金物体は、0.005μg/gの含有率の水素、好ましくは0.01μg/gより少なく、より好ましくは0.005μg/gより少ない含有率の水素を有する。同じ貴金属合金物体の表面層は、30μg/gより少ない含有率の酸素、好ましくは20μg/gより少なく、より好ましくは10μg/gより少ない含有率の酸素と、3μg/gの含有率より少ない水素、好ましくは3μg/gより少ない含有率の水素、好ましくは2μg/gより少なく、より好ましくは1μg/gより少ない水素を有する。貴金属合金物体の酸素と水素の含有率は、機械的性質に対して、特に鋳造貴金属合金物体が、金工によって例えば装身具類を成形するために作業される原料であるならば重要である。高い水素含有率は、例えば、金工によって容易に後処理されにくい、硬く脆性の合金を与え得る。この現象は、冶金学の分野では水素脆性として知られている。表面層に含まれる水素と酸素を試験する方法は、貴金属合金物体の融点近くではあるが融点よりも低い温度まで貴金属合金物体を加熱し、その後、残留気体を測定することを含む。この温度では、もともと合金物体の表面に捕えられていた気体のみが放出される。バルクの値も同様の方法で得られるが、合金物体を融点よりも十分に高い温度で加熱することによって、もともとバルクの合金物体内に捕えられていた気体が放出される。] [0040] 本発明の一つの実施形態では、貴金属合金物体は少なくとも2%の銀(Ag)を含む。このような貴金属合金の例は、18カラット金、14カラット金、純銀、等がある。] [0041] 図5に示すように、本発明の貴金属合金物体の長所は、例えば貴金属合金の装身具類を成形するための、本発明に従って製造された原料の後処理における金工の不適切な処置によって減失され得る。したがって、本発明の一つの実施形態においては、本発明に従った貴金属合金物体の後処理の専用ワークステーション室である処理室が備えられる。貴金属合金は好ましくは本発明の方法によって製造されるが、この実施形態はこれに限られない。本発明の一つの実施形態においては、ワークステーション室はグローブボックス、すなわち、室内に伸びる2つのグローブを有する、閉鎖された室である。] 図5 [0042] 通常貴金属合金物体物体に実施されるのどのような種類の機械加工も、ワークステーション室内で実行されることによって利益を受ける。特に、もし本発明の方法を用いて生体適合性貴金属合金が成形されるのであれば、合金の特性はこのワークステーションを使用することによって保持される。従来の技術を使用することには、長所が滅失されるという圧倒的な危険がある。実行され得る機械加工の例は、冷間加工、熱間加工、ハンダ付け、絞り加工、鍛造、研磨加工、等である。] [0043] 本発明の一つの実施形態においては、方法はさらに貴金属合金物体のハンダ付けおよび/または溶接の工程を備える。貴金属合金物体は本発明の方法に従って、処理室または専用のワークステーション室の処理気体中で融解され、鋳造されていることが好ましい。本発明の貴金属合金物体のハンダ付けの典型的なハンダは、貴金属合金それ自体である。好ましくは、ハンダは本発明の貴金属合金物体と同じ方法で、予め定められた組成、すなわち、処理気体1kgあたり0.005kgよりも少ない水と、5%よりも少ない含有率の酸素を有する処理気体を有する処理室の中で製造される。] [0044] 生体適合性貴金属合金物体の製造方法は、ハンダを製造するためにも使用され得る。本発明に従ったハンダの製造方法は、予め定められた組成の処理気体を処理室に供給する工程を備え、処理気体は、空気1kgあたり0.005kgのH2Oより少ない含有率の水と、5%より少ない含有率の酸素を含み;ハンダ元素を融解し;ハンダを成形するために融解したハンダ元素を一例として棒またはブロック形状に鋳造し、融解と鋳造の工程は、処理室内で実行される。好ましくは、工程はさらに、炭化水素含有気体とともに供給される炎を用いて処理室の酸素を燃焼する工程を備える。例として、炭化水素含有気体は酸素とアセチレンとの混合物、すなわち、溶接炎であり得、酸素/アセチレン比は還元炎を与えるように調整される。燃焼工程は、処理室内の酸素含有率を低くする。処理気体中の水の含有率を制限するために脱水手段が使用され得る。ハンダ合金の製造方法の一つの具体例は、処理室は、鋳型上に配置されるるつぼを備える。ハンダ元素はるつぼ内に供給される。加熱は、例えば誘導加熱器によって行われ、合金元素の融解に用いられる。これは、引き続き、例えばるつぼの開口を通して鋳型に供給される。融解物が固化した後、ハンダ合金が鋳型内に成形される。任意の工程としては、さらに、窒素、アルゴン、等の保護気体を処理室に供給する工程を含む。この保護気体は周囲気体を処理室から取り除くための手段として用いられ得、また融解と鋳造の間、不活性ガスとして働き得る。] [0045] 以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。]
权利要求:
請求項1 貴金属合金によって作られた生体適合性貴金属合金の製造方法であって、当該方法は、生体適合性貴金属合金物体を処理室(11)で成形する工程(100)を含み、そして、少なくとも前記成形(101)の間に予め定められた組成の処理気体を処理室(11)に供給することをさらに含むことを特徴とし、ここで、処理気体は、処理気体1kgあたり0.005kgより少ない水と、5%より少ない酸素とを含む、生体適合性貴金属合金の製造方法。 請求項2 前記成形工程は、貴金属合金を生成するために合金元素をともに融解させる工程(102)と、融解した貴金属合金の合金元素を鋳造する工程(103)とを含む、請求項1に記載の方法。 請求項3 前記成形工程は、生体適合性貴金属合金物体を成形するために処理室(11)で貴金属合金を後処理する工程(111)を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。 請求項4 処理気体を供給する工程は、炭化水素含有ガスが供給される炎(19)を用いて、処理室(11)内に存在する酸素を燃焼させる工程(104)を含む、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の方法。 請求項5 処理気体を供給する工程は、脱水手段(21)を用いて処理気体を乾燥させる工程を含む、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の方法。 請求項6 鋳型(15)から脱気する工程をさらに含み、前記鋳造する工程は、鋳型(15)を少なくとも部分的に溶融合金元素で満たす工程を含む、請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の方法。 請求項7 鋳型(15)を通して不活性ガスを流す工程をさらに含む、請求項6に記載の方法。 請求項8 不活性ガス(8)は処理室(11)から抽出された処理気体を含む、請求項7に記載の方法。 請求項9 合金元素を融解するるつぼ(13)と鋳型(15)との間に配置される予熱室(17)内で不活性ガス(8)を予熱する工程をさらに含む、請求項7または請求項8に記載の方法。 請求項10 前記鋳造する工程は、鋳造された貴金属合金を、周囲空気に曝すことなく処理気体中において冷却する工程を含む、請求項2から請求項9までのいずれか1項に記載の方法。 請求項11 前記後処理工程は、貴金属合金をハンダ付けおよび/または溶接する工程を含む、請求項3から請求項10までのいずれか1項に記載の方法。 請求項12 前記ハンダ付けは、処理室の処理気体中で製造されるハンダ合金を用いて実施される、請求項11に記載の方法。 請求項13 請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の方法によって製造される生体適合性貴金属合金物体であって、バルクの前記生体適合性貴金属合金物体は酸素を5μg/gより少なく、好ましくは3μg/gより少なく、さらに好ましくは1μg/gより少なく含み;水素を0.05μg/gより少なく、好ましくは0.01μgより少なく、さらに好ましくは0.005μg/gより少なく含むことによって特徴づけられる、生体適合性金属合金物体。 請求項14 少なくとも2%の銀を含む、請求項17に記載の生体適合性貴金属合金物体。 請求項15 14カラットより大きい金合金である、請求項13または請求項14に記載の生体適合性貴金属合金物体。 請求項16 銀合金である、請求項13または請求項14に記載の生体適合性貴金属合金物体。 請求項17 生体適合性貴金属合金物体の表面層は酸素を30μg/gより少なく、好ましくは20μg/gより少なく、さらに好ましくは10μg/gより少なく含み;水素を3μg/gより少なく、好ましくは2μg/gより少なく、さらに好ましくは1μg/gより少なく含む、請求項13から請求項16までのいずれか1項に記載の生体適合性貴金属合金物体。
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