专利摘要:
消費者製品にて使用する泡操作安定化組成物は、少なくとも1種の界面活性剤と組み合わされた複数の表面改質粒子を含む。粒子は、100nm超〜約50μm以下の平均粒径及び接触角測定で約20度〜140度の疎水性を有する。粒子対界面活性剤の比は、約1:20〜約20:1であってよい。表面改質は、pH又は温度で切り替わる官能基を粒子又は組成物(粒子上にコーティングされたポリマーなど)が含まれてもよい。リンス溶液中の泡の量を減らす方法もまた記載される。
公开号:JP2011516673A
申请号:JP2011503250
申请日:2009-04-07
公开日:2011-05-26
发明作者:ウラジミール、ガートスタイン;セルジー、ミンコ;ファイズ、シャーマン;ミハイル、モトルノフ;ロバート、ルピツキー;浩 黄
申请人:ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー;
IPC主号:C11D17-00
专利说明:

[0001] 本発明は、泡操作組成物に関する。一態様においては、本発明は、安定化組成物に関し、より詳しくは、製品の消費者に所望されている性質を損なうことなく、泡生成消費者製品において界面活性剤濃度を下げるという要求における微粒子及び界面活性剤の相乗効果に関するものである。別の態様では、本発明は、好ましくは消費者が使用するための、すすぎ洗い条件下にて泡を崩壊させる脱泡組成物に関する。]
背景技術

[0002] 洗濯洗剤、手洗い用食器洗浄液、硬質表面洗浄剤、毛髪及び体用シャンプー、洗顔クレンザー、シェービング準備ジェル、並びに歯磨剤などの種々の個人用及び洗浄用用途において、消費者は泡生成製品を好む。泡系洗浄製品は量がより少なく、かつ泡系パーソナルケア製品は好ましい感触を有する。消費者は、特に、高くて厚い泡、素早い起泡、長続きする泡、及び感触がなめらかで、贅沢感があり、クリーム状の泡を好む。これらの望ましい効果を得るために、多くの洗浄及びパーソナルケア製品には界面活性剤が追加される。界面活性剤は、液体−空気界面の動的表面張力を低下させて、液体表面の真下に気泡を形成又は導入させることによって、泡生成製品において主要な役割を演じる。界面活性剤は更に、一旦形成された泡を安定させる。しかしながら、界面活性剤には欠点が無い訳ではない。]
[0003] 界面活性剤を追加することで、最終製品のコストが上昇する。更に、幾つかの界面活性剤を頻繁に使用することに伴う環境への懸念がある。したがって、界面活性剤が提供する有益な発泡性を損なうことなく、泡生成製品中の界面活性剤の量を減らすことが望ましい。]
[0004] 文献中にて報告されるように、泡立てた製品における粒子の影響には整合性が無い。微粒子は、界面活性剤がない状態で、おそらくは気泡をコーティングし、それによって界面流体エネルギーを最小化することによって泡を生成することが知られている。しかしながら、約200〜300nmの凝集形態の疎水性ヒュームドシリカなどの幾つかの粒子は、脱泡剤として機能することが報告されている。]
[0005] 米国特許第6,586,483号は、約100nm未満の粒径を有し、賦形剤(例えば、水又は有機液体)中に、界面活性剤と共に又はそれ無しで配置された、表面改質され、非凝集の無機ナノ粒子(例えば、シリカ及びチタニア)を含む発泡組成物について記載する。]
[0006] 皮膚洗浄にて使用する発泡組成物については、米国特許第6,894,012号に記載されている。組成物は、少なくとも1種の非イオン性、アニオン性、両性又は双性イオン性の発泡界面活性剤、1%以上の、約3〜50nmのシリカ粒子、オキシアルキレン化(oxyalkylenated)化合物及び1種以上のカチオン性又は両性ポリマーを含有する。]
先行技術

[0007] 米国特許第6,586,483号
米国特許第6,894,012号]
発明が解決しようとする課題

[0008] 高くて厚い泡が望ましいけれども、従来は、過剰量の水又は他のすすぎ洗い液を使用することなく、それらを洗い流すことは困難であった。良好な泡収率を備えた発泡製品に対する要望と、泡を効果的に洗い流し、水の浪費を回避する必要性との間には緊張関係がある。世界の幾つかの領域及び年間を通じた様々な時点で、水保全は最重要である。]
[0009] 泡生成及び安定性における、界面活性剤系システム内の微粒子の影響は、文献では十分に解明されていない。泡生成プロセス中に、微細固体粒子が界面活性剤と如何に相互作用するかについて、いかなる一般的な意味解釈もあるようには見受けられない。]
課題を解決するための手段

[0010] 本発明は、泡操作組成物の生成を可能にする微粒子技術を提供し、これは、一態様においては、泡体積及び厚さなどの、泡製品から得られる望ましい利点を損なうことなく、泡形成を促進しかつ泡を安定させることができ、別の態様では、すすぎ洗い条件下にて泡の量を素早く減らすことができる。泡操作組成物を含む消費者製品組成物が提供される。泡操作組成物は、少なくとも1種の界面活性剤と組み合わされた複数の表面改質粒子を含む。粒子は、100nm超〜約50μm未満の平均粒径及び接触角測定で約25度〜140度の疎水性を有する。粒子対界面活性剤の比は、約20:1〜約1:20、好ましくは1:10であってよい。]
[0011] 一実施形態では、泡操作組成物は泡安定化組成物であって、粒子は100nm超〜約600nm以下、好ましくは約200nm〜約540nmの平均粒径を有するシリカナノ粒子である。別の実施形態では、粒子は、100nm超〜約10μm以下の平均寸法を有するチタニア微粒子である。]
[0012] 組成物は、接触角測定で20度超、好ましくは28度超、より好ましくは約25度〜140度の範囲内、最も好ましくは28度〜100度又は40度〜80度の範囲内の疎水性を有してもよい。一実施例では、特に優れた泡生成及び安定化の結果が得られたが、ここで、疎水性は、約58度〜62度の接触角によって表された。]
[0013] 一実施形態では、粒子は、金属酸化物、シリカ、チタニア、粘土、雲母、合成ポリマー粒子、不織布ポリマー、デンプン、セルロース、タンパク質、及びデンプン誘導体、セルロース誘導体、及びタンパク質誘導体、並びに有機及び無機粒子の組み合わせ並びにこれらの組み合わせからなる基から選択される固体粒子である。]
[0014] 界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性界面活性剤並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される1種であってよい。]
[0015] 泡操作組成物の別の態様では、組成物は、粒子表面に結合した切り替え可能な官能基を有する微粒子構成成分を含む。切り替え可能な官能基は、pH及び温度の一方又は両方における所定の変化にさらした際に、切り替え可能である。切り替え可能な官能基は、pH及び温度変化の一方又は両方に対して敏感であり、かつ容易にプロトン化又は脱プロトン化される。切り替え可能な官能基は、粒子表面上のブレンステッド酸又は塩基であってよい。あるいは、カルボキシル又はアミノ基などの切り替え可能な官能基は、粒子表面へとグラフト化させたポリマーなどの組成物であってよい。]
[0016] リンス溶液中の泡の量を減らす方法が提供される。泡立てた製品が、本明細書の各種実施形態にて記載されているように、少なくとも1種の界面活性剤と組み合わされた粒子を含む場合、粒子表面は、切り替え可能な官能基を含むように改質される。上述のとおり、切り替え可能な官能基は、pH及び温度の一方又は両方における所定の変化にさらした際に、切り替え可能である。リンス溶液中の泡の量を減らす方法は、(1)界面活性剤に対して粒子濃度を増加させかつ溶液のpH又は温度の1つを低下させること、及び(2)粒子の凝集によって粒子寸法を増大させること、(3)少なくとも1種の界面活性剤がアニオン性界面活性剤であり、かつ工程が、錯体の1種を形成することによって、利用可能なアニオン性界面活性剤を減らすことを含むこと、及び(4)少なくとも1種の界面活性剤がアニオン性界面活性剤であり、かつ工程が、リンス溶液のpH又は温度の1つを低下させることにより正に帯電した粒子とのコアセルベートを形成することによって、利用可能なアニオン性界面活性剤を減らすことを含むこと、から選択される工程の1つ以上によって溶液を脱泡することを含む。]
[0017] 界面活性剤に対する粒子濃度を高めることによる脱泡は、シリカ粉末などの微粒子粉末を製品へ添加することによって実施してよい。界面活性剤に対する粒子濃度を高めることによる脱泡は、粉砕しかつ表面改質した疎水性雲母(例えば、ポリジメチルシロキサンをグラフトさせた雲母)などの疎水性粒子を、製品へと、塩基性pH(例えば、pH10)にて添加することによって実施してよい。]
[0018] 粒子寸法を増大させることによる脱泡は、繊維及び小板などの高アスペクト比を有する粒子を添加することによって実施してよい。例えば、すすぎ洗い条件下にて、pHを低下させることによる脱泡が生じるが、ここで、リンス溶液のpHは、洗浄液のpHよりも小さい。これは、特に、洗濯洗剤、食器洗浄浄化剤、又は練り歯磨きの、液体及び粒状形態の両方に対して適用可能であるが、ここで、ポリ酸官能基は、粒子へとグラフト化される。洗浄液は、通常は7超のpHを有するアルカリ性である。通常、リンス溶液は、約7以下の水道水のpHなど、より低いpHを有する。例えば、7よりも小さいpKaを有するポリアクリル酸を、リンス溶液中にてより小さいpHにさらすことによりグラフト化させることによる官能基のプロトン化は、粒子の疎水性を劇的に増大させ、これにより消泡性凝集が形成される。]
[0019] 所定の温度変化にさらした際に切り替え可能な、切り替え可能な官能基として使用可能なポリマーの例は、例えば、加熱によって不溶化(換言すれば、疎水性)し、いわゆる下限臨界溶液温度(LCST)を有するポリマーであってよい。加熱によって可溶化する(換言すれば、親水性)ポリマーは、上限臨界溶液温度(UCST)を有する。典型的LCSTポリマーは、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)、N,N−ジエチルアクリルアミド(DEAM)、メチルビニルエーテル(MVE)、及びN−ビニルカプロラクタム(NVCI)をベースとしている。典型的なUCSTシステムは、アクリルアミド(AAm)及びアクリル酸(AAc)、並びにPEO−b−PPO、PEO−b−PPO−b−PEO及びPEG−b−PLGA−b−PEGブロックコポリマーの組み合わせをベースにしている。例えば、ポリ(NiPAAM)水溶液は、32℃(LCST)超にて沈殿し(即ち、疎水性となる)、かつ遷移は非常に急峻である。]
図面の簡単な説明

[0020] 発明を実施するための形態に記述されている各種実施形態は、以下の非限定的図面を参照することでよりよく理解されよう。
実施例2において、(A)振盪直後、(B)4日後の、改質シリカ粒子により生成された泡の量を示す図。
実施例2において、(A)振盪直後、(B)4日後の、改質シリカ粒子により生成された泡の量を示す図。
実施例3において、(A)振盪直後、(B)5時間後の、親水性粒子の存在下でアニオン性界面活性剤により生成された泡の量を示す図。
実施例3において、(A)振盪直後、(B)5時間後の、親水性粒子の存在下でアニオン性界面活性剤により生成された泡の量を示す図。
実施例4において、(A)振盪直後、(B)16時間後の、一体化された界面活性剤/粒子システム(バイアル瓶1)、界面活性剤単独(バイアル瓶2)、及び粒子単独(バイアル瓶3)によって生成された泡の量を示す図。
実施例4において、(A)振盪直後、(B)16時間後の、一体化された界面活性剤/粒子システム(バイアル瓶1)、界面活性剤単独(バイアル瓶2)、及び粒子単独(バイアル瓶3)によって生成された泡の量を示す図。
実施例5の3種の組成物(A)、(B)及び(C)において、一体化された界面活性剤/粒子システム(バイアル瓶1)、界面活性剤単独(バイアル瓶2)、及び粒子単独(バイアル瓶3)によって生成された泡の量を示す図。
実施例5の3種の組成物(A)、(B)及び(C)において、一体化された界面活性剤/粒子システム(バイアル瓶1)、界面活性剤単独(バイアル瓶2)、及び粒子単独(バイアル瓶3)によって生成された泡の量を示す図。
実施例5の3種の組成物(A)、(B)及び(C)において、一体化された界面活性剤/粒子システム(バイアル瓶1)、界面活性剤単独(バイアル瓶2)、及び粒子単独(バイアル瓶3)によって生成された泡の量を示す図。
実施例6において、(A)振盪直後、(B)5時間後の、濃度が、シリカ1000ppm対界面活性剤30ppm(バイアル瓶1)及びシリカ1000ppm対界面活性剤100ppm(バイアル瓶2)である、一体化された界面活性剤/粒子システムによって生成された泡の量を示す図。
実施例6において、(A)振盪直後、(B)5時間後の、濃度が、シリカ1000ppm対界面活性剤30ppm(バイアル瓶1)及びシリカ1000ppm対界面活性剤100ppm(バイアル瓶2)である、一体化された界面活性剤/粒子システムによって生成された泡の量を示す図。
実施例7において、(A)振盪直後、(B)4時間後の、親水性粒子の存在下でカチオン性界面活性剤により生成された泡の量を示す図。
実施例7において、(A)振盪直後、(B)4時間後の、親水性粒子の存在下でカチオン性界面活性剤により生成された泡の量を示す図。
実施例1に示すように、SDS(500ppm)の存在下でpH 6.4にて、合成粒子の濃度が(a)100ppm、(b)50ppm、(c)30ppm、(d)はpH 10にて粒子濃度が30ppmである、水3cm3から生成された泡高さ対時間(振盪後)を比較したグラフ。
実施例1に示すように、SDS(500ppm)の存在下でpH 6.4にて、合成粒子の濃度が(a)100ppm、(b)50ppm、(c)30ppm、(d)はpH 10にて粒子濃度が30ppmである、水3cm3から生成された泡高さ対時間(振盪後)を比較したグラフ。
実施例1に示すように、SDS(500ppm)の存在下でpH 6.4にて、合成粒子の濃度が(a)100ppm、(b)50ppm、(c)30ppm、(d)はpH 10にて粒子濃度が30ppmである、水3cm3から生成された泡高さ対時間(振盪後)を比較したグラフ。
実施例1に示すように、SDS(500ppm)の存在下でpH 6.4にて、合成粒子の濃度が(a)100ppm、(b)50ppm、(c)30ppm、(d)はpH 10にて粒子濃度が30ppmである、水3cm3から生成された泡高さ対時間(振盪後)を比較したグラフ。
pH10にて、合成粒子の濃度が(a)30ppm、(b)45ppm、(c)100ppmである、一体化された界面活性剤/粒子システムにより生成された攪拌後の、時間の経過に伴う泡高さを示すグラフ。
pH10にて、合成粒子の濃度が(a)30ppm、(b)45ppm、(c)100ppmである、一体化された界面活性剤/粒子システムにより生成された攪拌後の、時間の経過に伴う泡高さを示すグラフ。
pH10にて、合成粒子の濃度が(a)30ppm、(b)45ppm、(c)100ppmである、一体化された界面活性剤/粒子システムにより生成された攪拌後の、時間の経過に伴う泡高さを示すグラフ。
pH 6にて、合成粒子の濃度が(a)30ppm、(b)45ppm、(c)100ppmである、一体化された界面活性剤/粒子システム内での攪拌後の、時間の経過に伴う泡高さを示すグラフ。
pH 6にて、合成粒子の濃度が(a)30ppm、(b)45ppm、(c)100ppmである、一体化された界面活性剤/粒子システム内での攪拌後の、時間の経過に伴う泡高さを示すグラフ。
pH 6にて、合成粒子の濃度が(a)30ppm、(b)45ppm、(c)100ppmである、一体化された界面活性剤/粒子システム内での攪拌後の、時間の経過に伴う泡高さを示すグラフ。
粉砕した雲母の光学像を示す図。
粉砕した雲母の光学像を示す図。
雲母フレークのAMFトポグラフィー画像及び断面図を示す図。
雲母フレークのAMFトポグラフィー画像及び断面図を示す図。
pH 10において、左から右へ、雲母が300ppm、100ppm、60ppm、及び0ppmである、界面活性剤としてのLASを300ppm含有するサンプル振盪後の初期泡体積を示す図。
泡に加えてサンプル振盪後に得られる初期液体体積を示す、図12のサンプルの棒グラフ。] 図12
[0021] A.定義
本明細書で使用するとき、「含む(comprising)」との用語は、本開示の組成物の調製において共に使用される種々の構成成分を意味する。したがって、用語「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」は用語「含む(comprising)」に包含される。]
[0022] 本発明で使用する場合、全ての百分率、部及び比率は、特に指定がない限り、総組成物の重量を基準とする。列記された成分に関するとき、このような重量は全て、活性物質の量に基づくものであり、したがって特に指定がない限り、市販材料に含まれる場合のある溶媒又は副生成物を含まない。]
[0023] 本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されられるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。このように、記述される範囲の上下でのわずかな変化を使用して、範囲内の値として実質的に同一の結果を得ることができる。また、これらの範囲の開示は、最低値と最大値との間のあらゆる値を含む連続的な範囲として意図されている。]
[0024] 本発明で使用する場合、「低濃度界面活性剤」とは、濃度が1%〜45%である手洗い用食器洗剤及びコンパクト洗剤を除く、1%〜20%の界面活性剤濃度を意味する。]
[0025] 本明細書で使用する時、「消費者製品」とは、消費者がパーソナルケア並びに家庭内又は自動車内の衣服、食器及び表面をクリーニングすることを含むホームクリーニングに使用するために製造された製品を意味すべきである。代表的消費者製品としては、粒状及び液体洗濯洗剤、液体手洗い用食器洗剤、液体硬質表面洗浄剤、毛髪及び体用シャンプー、シェービング準備ジェル、洗顔クレンザー、並びに歯磨剤が挙げられる。]
[0026] 本明細書で使用する時、疎水性に関する「接触角」とは、粒子/空気/液体界面にて、Paunov(Langmuir,2003,Vol.19,pp.7970〜7976)に記載のゲルトラッピング法を使用して、又は接触角を測定するための市販のゴニオメーター(Rame−Hart,Inc.Model:250−00−115)を用いて測定した接触角を意味する。シリカ粒子の疎水化度は、シリコンウエハ上にキャストしたナノ粒子層を用いて液滴接触角の観点から特性決定した。シリコンウエハは、まず洗浄溶液(30%過酸化水素、30%水酸化アンモニウム、及び水を1:1:1の比にて)にて、1時間60℃にて処理した。シリコンウエハ上に疎水化ナノ粒子の水性分散液を2〜3滴置き、オーブン内にて50〜60℃で乾燥させた。次に、幾つかの異なる場所及び異なる並列サンプル上にて固着性水滴の接触角を測定した。]
[0027] 本明細書で使用する時、「高アスペクト比」とは、長さbの二乗と面積Sとにおいて、アスペクト比=b2/Sが大きくなるような場合を意味すべきである。棒状分子は、高アスペクト比を有する。2次元形状のアスペクト比は、そのより長い寸法対そのより短い寸法の比である。それは、3次元対象体の2つの特徴的寸法にもまた適用され、特に、最長及び最短軸、又は2つの寸法(例えば、長さ及び直径)のみによって記述される対称性対象物(例えば、ロッド)に適用される。]
[0028] 本明細書で使用する時、「疎水性」とは、撥水性である、つまり水をはじきかつ水を吸収しない傾向があるという性質を意味すべきである。疎水性は、接触角の増加と共に増大する。]
[0029] 本明細書で使用する時、「泡操作」とは、所望の条件下、例えば、洗浄条件下の泡生成製品にて泡を発生させるか又は安定化させること、及び所望の条件下、例えば、すすぎ洗い条件下での泡の破壊又は脱泡のうち1つ以上を意味すべきである。]
[0030] 本明細書で使用する時、「切り替え官能基」とは、pH又は温度変化のいずれか一方又はその両方に対して敏感であり、かつ容易にプロトン化又は脱プロトン化される任意の官能基を意味すべきである。切り替え可能な官能基は、ブレンステッド酸又は塩基として機能し、かつ粒子表面へとグラフト化させられ、あるいはポリマーなどの組成物上にあって、粒子表面上にグラフトさせられるか又はコーティングされてよい任意の官能基であってもよい。切り替え可能な官能基の例としては、カルボキシル又はアミノ基が挙げられるが、これらに限定されない。]
[0031] B.本発明の様々な実施形態の説明
I.改良された発泡
泡を生成及び安定化するための、界面活性剤系システムにて使用する表面活性コーティング粒子の合成及び評価について記述する。本明細書で記載される組成物は、低濃度界面活性剤並びに望ましい濃度の泡生成及び時間の経過に伴う泡安定性の予想外の改善を提供する粒径、疎水性、及び材料の粒子を含有する。組成物は、各種泡生成製品のための配合物と共に使用するのに適している。特定製品にて使用する配合物は、最終用途に応じて、ポリマー、ビルダー、酵素、芳香剤、白色剤、増白剤、抗菌剤及び柔軟剤も更に含んでよい。消費者製品としては、例えば、高起泡性顆粒物、高起泡性液体洗濯洗剤、液体手洗い用食器洗剤、液体硬質表面洗浄剤、毛髪及び体用シャンプー、シェービング準備ジェル、洗顔クレンザー、及び歯磨剤が挙げられる。]
[0032] 低濃度界面活性剤を使用しつつ、泡特性の維持又は改善のために特に有用であることが判明した粒子は、100nm超〜約50μm未満の平均粒径及び接触角測定で25度〜140度の範囲である疎水性を有する表面改質粒子である。疎水性は、接触角の増加と共に増大する。一実施形態では、平均粒径は、10μm未満であり、好ましくは約2.1μm未満である。粒子は、金属酸化物、シリカ、チタニア、粘土、雲母、合成ポリマー粒子、不織布ポリマー、デンプン、セルロース、タンパク質、及びデンプン誘導体、セルロース誘導体、及びタンパク質誘導体、並びに有機及び無機粒子の組み合わせ並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される固体粒子である。通常、粒子は、それらを疎水性若しくは両親媒性にし、又はそれらをある程度親水性にするために、本明細書中に記載されているような処理をされる親水性粒子である。特に有用な粒子は、疎水変性シリカ及びチタニアである。しかしながら、不織布ポリマーなどの疎水性粒子もまた表面処理して、疎水性の程度を変更することができ、例えば、25度〜140度の範囲の所望の接触角を得るように、疎水性をより小さくすることができる。このため、粒子は疎水性であってもよく、かつそこへ疎水性又は親水性の層を共有結合させることによって、表面改質してよい。疎水性付着粒子の例としては、ポリジメチルシロキサン及びジメチルシランが挙げられる。親水性付着粒子の例としては、ポリエチレンイミン及びポリアクリル酸が挙げられる。]
[0033] 界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又はこれらの組み合わせであってもよい。]
[0034] アニオン性界面活性剤は、アルキル及びアルキルエーテルサルフェート、並びにアルキルベンゼンスルホネートからなる群から選択されてよい。アルキルエーテルサルフェートは、典型的にはエチレンオキシドと約8〜約24個の炭素原子を有する一価アルコール類との縮合生成物として製造される。製品のクレンジング相中で使用してもよいアルキルエーテルサルフェートの具体例は、ココナッツアルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート、タローアルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート、及びタローアルキルヘキサオキシエチレンサルフェートの、ナトリウム及びアンモニウム塩である。非常に好ましいアルキルエーテルサルフェートは、個々の化合物の混合物を含むものであり、前記混合物は約10個〜約16個の炭素原子の平均アルキル鎖長、及び約1〜約4モルのエチレンオキシドの平均エトキシル化の程度を有する。その他の好適なアニオン性界面活性剤としては、一般式R1−SO3−Mの有機硫酸反応生成物の水溶性塩が挙げられるが、式中、R1は炭素原子が約8〜約24個、好ましくは約10〜約18個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪族及び/又は芳香族炭化水素ラジカルからなる群から選択され、かつMはカチオンである。好適な例は、約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約10〜約18個の炭素原子を有する、イソ−、ネオ−、メソ−及びn−パラフィン、及びアルキルベンゼンを包含するメタン系の炭化水素と、漂白及び加水分解を包含する公知のスルホン化法によって得られるスルホン化剤、例えば、SO3、H2SO4、発煙硫酸との、有機硫酸反応生成物の塩類である。スルホン化C10〜18n−パラフィンのアルカリ金属及びアンモニウムが好ましい。]
[0035] その他の好適な界面活性剤は、McCutcheon’s,Emulsifiers and Detergents 1989 Annual,published by M.C.Publishing Co.、及び米国特許第3,929,678号に記載されている。]
[0036] クレンジング相で使用するのに好ましいアニオン性界面活性剤には、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ココイル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。]
[0037] 一部の実施形態では、例えばトリデシル硫酸ナトリウムのような分枝状アルキル鎖を有するアニオン性界面活性剤が好ましい。一部の実施形態では、アニオン性界面活性剤の混合物を使用してもよい。]
[0038] カチオン性界面活性剤は、テトラブチルアンモニウムブロミド(TMAB)から選択されてよい。]
[0039] 好適な非イオン性界面活性剤としては、アルキレンオキシド基(本質的に親水性)と有機疎水性化合物との縮合生成物が挙げられ、これは、本質的に脂肪族又はアルキル芳香族であってもよい。]
[0040] 洗浄相で使用するのに好適な両性界面活性剤には、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体として広く記述されるものであって、その脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝状であることができ、その脂肪族置換基のうちの1つが約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つがアニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートを含有するものが挙げられる。この定義に該当する化合物の例は、3−ドデシル−アミノプロピオン酸(3-dodecyl-aminopropionaie)ナトリウム、3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示にしたがってドデシルアミンとイセチオン酸ナトリウムとを反応させることにより調製されるもののようなN−アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号の教示にしたがって製造されるもののようなN−高級アルキルアスパラギン酸、及び米国特許第2,528,378号に記載の生成物である。]
[0041] 洗濯洗剤にて使用する典型的配合物は、1%〜50%の界面活性剤、0.02%〜10%の粒子、0.02%〜10%のポリマー、及び1%〜30%のビルダー及びその他の洗濯補助剤を含んでよい。表面洗浄剤にて使用する配合物は、1%〜20%の界面活性剤及び0.02%〜5%の粒子、更には公知の洗浄活性構成成分及び補助剤を含んでよい。毛髪及び体用シャンプーにて使用する配合物は、1%〜50%の界面活性剤及び0.02%〜5%の粒子、更には公知のシャンプー又はボディウォッシュ活性成分及び補助剤を含んでよい。歯磨剤にて使用する配合物は、1%〜20%の界面活性剤及び0.02%〜5%の粒子を、公知の量の活性成分及び補助剤と共に含んでよい。]
[0042] いかなる理論にも束縛されるものではないが、低濃度界面活性剤系発泡システムへ微粒子を添加するメカニズムは、(1)空気/水境界面間の動的表面張力を減少させること;(2)弾性界面活性剤膜の泡の壁へのマイグレーションにより、フィルム安定性を増大させること;並びに(3)(a)気泡間のゲル化、(b)境界的な及び/又はバルク粘度を増加させること、並びに(c)立体反発によって、水切れをゆっくりと行なうこと、によって泡を発生させかつ安定化させるように見受けられる。]
[0043] 実験
発泡界面活性剤系システムに対する粒子の影響を評価するために、一連の実験を実施した。実験の最初のセットでは、シリカ粒子を改質して、表面疎水性の程度が異なるサンプルを得た。粒子の泡安定化性は、界面活性剤を存在させないで特性決定した。これらの実験では、たとえ低粒子濃度であっても、泡形成及び泡安定性を向上させることができる不均質粒子を合成した。]
[0044] 材料及び設備
材料
シリカ粒子:W.Stoeber et al.,Journal of Colloid Interface Science,Vol.26,No.62(1968)に記載されている方法によって、直径150〜420nmのシリカ球状物を合成した。]
[0045] シリカ粒子:Degusaより購入したAerosil 200(200nm)
DCDS:ジクロロジメチルシラン(Aldrichより購入)
追加のシリカヒュームドナノ粒子は、Sigmaから購入した(S5505、シリカ、ヒュームド)、粒径0.014μm、表面積:200±25m2/g。]
[0046] (3−グリシドオキシプロピル)−トリメトキシシラン(GPS)及びポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)、アミノプロピルで末端処理(DMS−A32)、Mw 30000をGelest,Inc.から購入した。]
[0047] ポリエチレンイミン(PEI)、水分なし、Mn 25000(GPCによる)をAldrichから購入した。]
[0048] ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)はJ.T Baker Inc.から購入した。]
[0049] メチルエチルケトン(MEK)は、Aldrichから購入した。]
[0050] 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)はThe Procter & Gamble Companyにより製造された。]
[0051] 実験では、以下の装置が使用された。]
[0052] 粒径分析器(Brookhaven、型式−90プラス);
原子間力顕微鏡(AFM)(Veeco、型式−ディメンション3000);
ゴニオメーター(Rame−Hart,Inc);及び
接触角(CA)測定のための画像システム(型式250−00−115)]
[0053] 実施例1:コーティングされたシリカ粒子の製造:PDMS及びPEIのグラフト化
グラフト化のために、水−トルエンエマルション中のPDMS(疎水性非極性)及びPEI(親水性及び極性)を使用した。生成された界面活性ナノ粒子をコーティングする粒子組成。]
[0054] A1.合成
合成手順は、シリカ表面のシラノール基とGPSのSi−OCH3基との間の反応による共有結合によりGPSをシリカ表面にグラフト化させることで開始される。粒子コーティングの親水性−疎水性バランスは、PDMS及びPEIをそれぞれ第2及び第3工程でグラフト化することにより調整した。サンプルの範囲は、グラフト化時間により調整した異なる組成の粒子コーティングにより調整した。粒子の表面組成は、定量的には評価されなかった。]
[0055] シリカナノ粒子(粒径:0.014μm、表面積:200±25m2/g)を真空オーブン内120℃にて12時間乾燥させ、次に直ちにシラン処理のために使用した(下記参照)。1グラムのシリカ粒子を超音波浴内の200mLのトルエン中に2時間分散させた。2mLのGPS(3−(グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン)を分散体に添加し、混合物を12時間室温で攪拌した。その後、粒子をシラン処理混合物から遠心分離法により分離し、トルエン中に再分散させ、再度遠心分離にかけた。トルエンを用いてこの洗浄プロセスをもう一度繰り返した。最終遠心分離後、粒子濃度1%にて粒子をメチルエチルケトン(MEK)中に再分散させた。次工程にて、GPS改質粒子(MEK中1%分散体、40mL)を10%ポリ(ジメチルシロキサン)(アミノプロピルで末端処理、Mw30000)と混合した。混合物は、水浴にて70℃で6時間、激しく攪拌しながら加熱した。その後、前述した遠心分離プロセスにより、分散体から未反応ポリマーを洗い落とした(washed of)。PDMSグラフト粒子分散体(MEK中1%)を4部に分けた。各部は、10重量%の濃度にて水分を含まないPEI(Mw 25000)と混合した。混合物は、種々の時間で激しく攪拌しながら水浴にて70℃で加熱し、異なるPEI層グラフト密度を得た。前述した遠心分離プロセスにより、粒子から未反応PEIを洗い落とし(washed of)、次に、Millipore Corporationから入手した、1重量%の固体を含有する脱イオン水中へと分散させた。]
[0056] A2.合成粒子のキャラクタライゼイション
ポリマー改質粒子は、動的光散乱法(DLS)及び水の接触角(CA)にて特性決定した。合成粒子の特性を表1に示す。]
[0057] DLS測定から分かるように、全てのサンプルは、疎水性相互作用による、水分散液中でのわずかな粒子凝集を示している。]
[0058] サンプルを空気中でキャスティング及び乾燥することにより、粒子の水分散液からシリコンウエハ上コーティングを調製した。コーティングの水接触角を表1に示す。サンプルA1、A2、B1及びB2により、疎水性コーティングが得られた。ヒュームドシリカをベースにしたサンプルB3からは、中程度の疎水性のコーティングが得られた。データから分かるように、粒子は異なる疎水性を有し、したがって、それらは極性対無極性構成成分の異なる比率を有する。]
[0059] B.粒子安定化泡の調製及び調査:発泡挙動及び発泡体安定性
粒子−界面活性剤安定化泡は、500ppmSDS水溶液の3cm3を添加粒子懸濁液と均質化させることによって形成した。SDS溶液中の粒子濃度は、固体がpH6.4にて100ppm、50ppm及び30ppmであった。実際の洗浄配合物をモデリングするために、30ppm粒子懸濁液のpHは、NaOHを添加することによりpH10.0に調節した。手で2分間振盪することによって試験管(内径:1.5cm、高さ12cm)内に泡を調製した。振盪後23分間、泡の高さを測定することによって発泡を評価した。泡安定性の比較を図7に示す。]
[0060] 粒子が存在しない場合の参照実験と比較して、全ての粒子サンプルが泡生成及び泡安定性を向上させることをデータは示している。サンプルB2及びB3にて最高の結果が得られた。例えば、サンプルB2(450nmのシリカ球状物)は、30ppmの粒子濃度から、高さ9.7cmの安定した泡を生成した。これは、参照用SDS水溶液と比較して、約32%の泡体積の増大に相当する。中程度の疎水性の粒子(サンプルB3)によってもまた、泡形成及び泡安定性が向上した。]
[0061] 実験の第2セットでは、幾つかの界面活性剤を使用して、粒径、タイプ、表面改質、及び濃度の影響を研究した。界面活性剤のタイプ及び濃度の影響、並びに粒子対界面活性剤比もまた調査した。]
[0062] 改質シリカナノ粒子(界面活性剤なし)の泡安定化能力のキャラクタライゼイション
実施例2:これらの実験では、サンプル10mLを入れたバイアル瓶(容量20mL)を10秒間手で激しく振盪させることによって泡を生成した。サンプルの各セットは、同時に振盪させて、泡生成のための同等条件を提供した。泡の量及びその安定性は、目視で評価した。]
[0063] (1)7〜10度、(2)16〜20度、(3)28〜32度、(4)40〜45度、及び(5)58〜62度の異なる程度の疎水性のシリカ粒子を含有する、5つのサンプル調製した(下表2及び図1を参照のこと)。60分間超音波処理することにより、シリカ粒子を1重量%にてMEK中に分散させた。次に、DCDSを添加し(1容量%)、下表2に記述されている時間及び温度にて分散体を攪拌した。]
[0064] 撹拌後、7500rpmにて20分間、粒子を遠心分離にかけ、同量のMEK中に再分散させた。全体で遠心分離−再分散は3サイクルであった。第3サイクル中、脱イオン(DI)水中に粒子を再分散させた。粒子の疎水性の程度が増大するに伴い、水中の再分散の間の超音波処理時間が増大し、粒子を完全に再分散するためには最大で2日が必要となり得る。より大きな疎水性を持つ粒子は、凝集する傾向が大きい。この場合、サンプル調製前に2〜3分間、分散体を振盪又は超音波処理しなければならない。水性媒体中に分散させられた粒子の疎水性が時間の経過とともに減少することもまた観察された。より小さい粒子の表面、特に100nm以下の平均直径を有するような粒子の表面を改質することは困難であるということもまた判明した。粒径が平均直径200nmまで増大した場合、表面改質が良好に機能した。]
[0065] 300ppmのLAS(6)を含有する界面活性剤溶液を基準として使用した。手で振盪して生じさせた泡の量は、シリカ粒子の疎水性の程度と相互に関連付けた(correlated with)。図1aに示すように、泡の最大量は、最も疎水性の粒子によるサンプルにより生じた。泡安定性は、疎水性の程度とも同様に関連付けた(correlated with)。最初の2つのサンプルにより生成した疎水性の小さい泡は、2〜3時間で消失した。他方では、より疎水性の粒子により生じた泡は、図1bに示すように4日後でも残存した。]
[0066] 界面活性剤の存在下での、泡生成及び安定性に対する微粒子の影響
A.アニオン性界面活性剤を備えた親水性粒子
実施例3:アニオン性界面活性剤、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)の存在下での、異なる寸法の親水性シリカ粒子の発泡に対する効果は、前述した様に、手で振盪する実験を使用して評価した。粒径範囲は、平均直径20nm〜200nmであり、シリカは1.75μmであり、チタニアは平均直径2.1μmであった。サンプルは、それぞれ1、2、3及び4とマークされたバイアル瓶内にて、図2に示す。界面活性剤、LASの100ppmの溶液を基準として使用し、図2にバイアル瓶5として示す。バイアル瓶1〜4の粒子濃度は、1000ppmであった。]
[0067] 粒子を含有する全てのサンプルは、概ね同量の泡(LAS単独で生じた泡の量よりもわずかに多い)を生じた(図2aを参照)。5時間後、図2bに示すように、差異はより一層顕著となり、粒子の存在が、アニオン性界面活性剤により生成された泡の安定性を改善することを示した。小さなシリカ粒子(20nm)及びチタニア粒子(2.1μm)は、200nm及び1.75μmシリカ粒子よりも安定した泡を生成したが、粒子を備えた全てのサンプルはいくらかの泡を維持した。]
[0068] B.アニオン性界面活性剤を備えた疎水化粒子
実施例4:接触角測定で58〜62度の疎水性を有するシリカサンプルを使用して、疎水化粒子の影響を研究した。界面活性剤、LASを備えた粒子の発泡を、粒子単独の発泡及びLASのみを備えた粒子の発泡と比較した。粒子濃度は1000ppmであり、LAS濃度は30ppmであった。振盪後、一体化された界面活性剤/粒子システムにより生成された泡の量は、粒子単独で又は界面活性剤単独で生成されたものより大幅に多かった。このことは、一体化されたシステムでは、界面活性剤及び粒子の両方が泡安定化に関与し得ることを示唆している。16時間後、界面活性剤によって生成された泡は消失し、一体化されたシステムによって生成された泡は85%〜90%減少し、粒子単独によって生成された泡の量はわずかに減少しただけであった。この観測結果は、一体化された界面活性剤/疎水性粒子システムによって生成された泡が、界面活性剤単独で生成された泡よりも安定しているが、疎水化粒子単独で生成された泡よりも安定性が劣ることを示している。]
[0069] 実施例5:この実験では、界面活性剤及び粒子濃度並びに粒子対界面活性剤比の影響が研究された。比較は、図4に示されている。構成成分の濃度が異なる3種の一体化システムについて研究した:A)LAS 30ppm、シリカ100ppm;B)LAS 100ppm、シリカ1000ppm;C)LAS 100ppm、シリカ300ppm(図4のバイアル瓶)。各一体化システムを、一体化された界面活性剤/粒子システムと同一濃度にて、界面活性剤のみを含有する溶液(図4のバイアル瓶2)及び粒子のみを含有する溶液(図4のバイアル瓶3)と比較した。各ケースにて生成された泡の量は、一体化されたシステムを用いた場合により多かったが、界面活性剤及び粒子の組み合わせにより得られた相乗効果は、粒子対界面活性剤比が最も大きく10:1であるシステムBにて最も顕著であった。]
[0070] 実施例6:この実験では、一体化された界面活性剤/粒子システムにおける泡安定性に対する界面活性剤濃度の影響が研究された。2つのサンプルを比較したが、ここでシリカ粒子の濃度は同一であり(1000ppm)、LASの濃度は30ppm(サンプル1、図5)及び100ppm(サンプル2、図5)であった。振盪直後、界面活性剤濃度が大幅に高かったことにより、サンプル2の泡の量はわずかに多かった。しかしながら、驚くべきことに、5時間後、サンプル2の泡はほとんど消失し、これに対して、サンプル1では約40%の泡が残存した。この結果は、一体化された界面活性剤/疎水化粒子システムによって生成された泡の安定性が、界面活性剤濃度の増加と共に減少することを示す。理論に束縛されるものではないが、この結果についての1つの考えられる理由は、空気/水境界面での吸着において、界面活性剤が粒子と競合したということである。]
[0071] C.カチオン性界面活性剤を備えた親水性粒子
実施例7:カチオン性界面活性剤、テトラメチルアンモニウムブロミド(TMAB)の存在下での、異なる寸法の親水性シリカ粒子(20nm、200nm、及び1.75μm)及び2.1μm寸法のチタニア粒子(それぞれ、図6のバイアル瓶1、2、3、及び4を参照)の発泡に対する影響を、前述したのと同一の手による振盪実験を使用して評価した。TMABの濃度は100ppmであり、粒子濃度は1000ppmであった。TMAB100ppmの溶液を基準として使用した(図6、バイアル瓶5参照)。粒子を含有する全てのサンプルは、TMABのみを含有するサンプルよりも明らかに大量の泡を生じる。理論に束縛されるものではないが、カチオン性界面活性剤が、負に帯電した粒子の表面上に吸着し、これによりそれらをより疎水性にすると考えられている。有益な結果は、生成された泡の量の増加及びこのように生成された泡の安定性である。図6に示すように、200nmシリカ及び2.1μmチタニア粒子を備えたサンプルは、それぞれ20nm及び1.75μmシリカよりも多くの泡を生じた。驚くべきことに、カチオン性界面活性剤を備えた粒子により生成された泡の安定性は、界面活性剤単独により生成されたものより著しく高いことが見出された。4時間後に、カチオン性界面活性剤単独による泡は消失したが、粒子を含有する全てのサンプルの泡は残存した。20nmシリカ粒子が、合着率が最も低く最も安定した泡を生成し、1.75μmシリカ粒子は最も安定性の低い泡を生成した。これらは、表面改質されていない親水性粒子である。試験条件に示すように、泡を生じさせる(boosting)には、高濃度(1000ppm)粒子が必要である。]
[0072] 上記実施例は、不均一にコーティングされた粒子の合成及び粒子−界面活性剤で安定化させた泡の調査について記載する。合成不均質粒子は、低粒子濃度の場合であっても、泡形成及びナトリウムドデシルサルフェート(SDS)を含む配合物の泡安定性を改良した。]
[0073] 上記実施例7及び下記実施例8は、5:1超〜10:1に近い界面活性剤/粒子比が得られることを示す。]
[0074] 前述の実験に基づいて、下記観察を行なうことができた。粒子及び泡生成製品中に通常見出されるものよりも低い濃度の界面活性剤の組み合わせは、界面活性剤単独よりも長く持続する泡を生成した。親水性ナノ粒子及びアニオン性界面活性剤を備えたシステムの場合、親水性粒子は、弱い発泡及びアニオン性界面活性剤によって生成された泡に対する弱い安定化効果を示し、ほとんどの場合、より小さい寸法の粒子は、優れた性能を示し、チタニア粒子は、同一寸法のシリカよりも効果的である。]
[0075] 疎水化ナノ粒子及びアニオン性界面活性剤を備えたシステムの場合、好適な粒子対界面活性剤比(1:10)の穏やかな疎水性シリカ粒子は、泡の量及び泡の安定性を大幅に増大させ、一体化された粒子/界面活性剤システムによって生成された泡は、界面活性剤単独により生成された泡よりも安定しているが、粒子単独により生成された泡よりも不安定であり、一体化された界面活性剤粒子システムでは、泡の安定性は、粒子対界面活性剤比の増加と共に増大する。]
[0076] 親水性ナノ粒子及びカチオン性界面活性剤を備えたシステムの場合、カチオン性界面活性剤を備えた親水性シリカ粒子は、泡の量及び泡の安定性の両方を大幅に増大し、粒子寸法が減少すると共に粒子の効果が増大し、チタニア粒子は、同一寸法のシリカ粒子よりも効果的である。]
[0077] 以下の実施例は、粒子−界面活性剤配合物中の泡形成及び泡安定性の調査に起因した。使用した界面活性剤は、The Procter & Gamble Companyにより提供されたp−アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)であった。]
[0078] 合成及び粒子特性は、上記実施例に記載された。要約すると、合成粒子(150nmシリカ球状物をベースにしたサンプルA1及びB1;420nmシリカ球状物をベースにしたA2及びB2、並びにヒュームドシリカ粒子をベースにしたB3)は、粒子表面へのパターンに応じて異なる疎水性−親水性バランスを有し、したがって、粒子は極性対無極性構成成分の異なる比率を有する。その効果を用いて、水性発泡体を安定させた。]
[0079] 実施例8:pH10での粒子−界面活性剤配合物
粒子−界面活性剤安定化泡は、300ppm濃度のLAS水溶液の2cm3を添加粒子懸濁液と均質化させることによって形成した。LAS溶液中の粒子濃度は、固体がpH 10(NaOHにて調節)にて30ppm、45ppm及び100ppmであった。手で2分間振盪することによって試験管(内径:1.5cm、高さ:12cm)内に泡を調製した。均質化後20分間、泡の高さを測定することによって発泡を評価し、pH10にて300ppm及び500ppmで参照LAS溶液と比較した。図8は、pH 10にて粒子濃度が30ppm、45ppm、及び100ppmでのLAS粒子配合物の発泡挙動及び泡安定性のデータを表す。]
[0080] 図8に示されたデータにあるように、全ての粒子は、界面活性剤−粒子配合物中、100ppmの濃度にて、攪拌後直ちに、泡を速やかに安定化させた(図8c)。サンプルB2及びB3(これは、水接触角の値がそれぞれ44.4度及び133.6度である、ヒュームドシリカ及び420nmシリカ球状物に相当する)は、500ppmの参照LASサンプルと同様に、最良の泡安定化を示した。サンプルB2はまた、泡濃度30ppm及び45ppmにて、泡形成を十分に改良した。サンプルの泡高さの値は、参照の500ppmサンプルのものに近かった(図8a、b)。このように、サンプルは、pH10にて粒子−界面活性剤配合物中で、泡形成の向上を示した。いかなる理論にも束縛されるものではないが、結果は、適切な粒子の化学的表面組成、並びに気相液相界面での粒子吸着のために必要であるように見受けられる、処理された(developed)粒子表面及び形状(ヒュームドシリカ)に起因し得る。]
[0081] II.改良された脱泡
実施例9:pH 6での粒子−界面活性剤配合物
上述と同様に、実験を実施した。図9は、pH 6にて粒子濃度が30ppm、45ppm、及び100ppmでのLAS粒子配合物の発泡挙動及び泡安定性のデータを表す。]
[0082] 図9に示す結果は、pH6にて30ppmの低粒子濃度で、粒子が配合物中の泡形成を引き起こしていることを示す(図9a)。しかし、45ppm及び100ppmのより高い粒子濃度にて、ほとんど全てのサンプルの脱泡への寄与の増大が観察された(図9b、c)。より高い粒子濃度での泡安定化へのサンプルB1の寄与は、かなり大きいままである。これらの研究結果は、粒子発泡−脱泡特性が界面活性剤配合物中のpH及び粒子濃度に強く依存することを示す。粒子殻は、グラフト化非極性PDSM及び極性PEIから構成される。PEIは、弱塩基性高分子電解質(pKa=8.8)であり、したがってその表面活性及びイオン化度は、pHに強く依存する。一般的に、泡形成においては、低粒子濃度で懸濁液のpHを低下させることによって、PEI上に正電荷を増大させることが好ましいが(図9b、c)、これに対して、脱泡するには粒子濃度を増大させることが好ましい。再言すると、理論に束縛されるものではないが、このような傾向は、pHの減少が、粒子表面活性の増大をもたらし、それらを気相液相界面に吸着させ、泡を安定化させることを可能にするという事実によって説明され得る。同時に、正に帯電した粒子は、粒子界面活性剤懸濁液中にて負に帯電したLASと相互作用し、したがって、粒子濃度の増大が、フリーの(粒子表面に吸着されていない)界面活性剤の濃度を不可避的に減少させ、これにより泡の量が少なくなる。粒子のプロトン化もまた、拡散又は「ブリッジング−ディウェッティング」機構によりラメラを破壊することによって消泡の役割を果たす、より大きな寸法の粒子凝集をもたらす。]
[0083] したがって、低pHにて粒子脱泡特性を向上させるために、多塩基(PEI)に代えて、ポリ酸を使用しなければならない。所定のpKa、好ましくはpKa3〜11を備えた特定のポリマーシステムを選択することによって、特定用途に基づく脱泡特性を最適化することができると理解されている。推定pKa値は、粒子上にコーティングされた粒子又は組成物上の官能基のpKaに基づいており、A.Albert and E.P.Seargent,「The Determination of Ionisation Constants−A laboratory Manual,」3rd Ed.,Chapman and Hill(1984)に開示されているような周知のpH滴定法を使用して測定することができる。洗濯用途には、例示的ターゲットpKaは約8である。手洗い用食器洗剤用途には、ターゲットpKaは約7〜11である。毛髪及び体用シャンプー、歯磨剤、硬質表面洗浄、洗顔クレンザー及びシェービング準備品のためには、ターゲットpKaは約6〜11である。]
[0084] 所定の温度変化にさらした際に切り替え可能な、切り替え可能な官能基として使用可能なポリマーの例は、例えば、加熱によって不溶化(換言すれば、疎水性)し、いわゆる下限臨界溶液温度(LCST)を有するポリマーであってよい。加熱によって可溶化する(換言すれば、親水性)ポリマーは、上限臨界溶液温度(UCST)を有する。典型的なLCSTポリマーは、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)、N,N−ジエチルアクリルアミド(DEAM)、メチルビニルエーテル(MVE)、及びN−ビニルカプロラクタム(NVCI)をベースとしている。典型的なUCSTシステムは、アクリルアミド(AAm)及びアクリル酸(AAc)、並びにPEO−b−PPO、PEO−b−PPO−b−PEO及びPEG−b−PLGA−b−PEGブロックコポリマーの組み合わせをベースにしている。例えば、ポリ(NiPAAM)水溶液は、32℃(LCST)超にて沈殿し(即ち、疎水性となる)、かつ遷移は非常に急峻である。]
[0085] これらの実施例は、pH10にて粒子−LAS配合物中で、低粒子濃度の場合であっても合成不均質粒子が泡を安定化させることができることを示す。]
[0086] 直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)をベースにしたシステムのための脱泡剤の開発
実施例10:シリカ粒子上にグラフト化させた2元PDMS−PAAシステムの脱泡効果の調査
材料
サンプルDF2(グラフトさせた2元PDMS−PAAブラシを備えた600nmシリカ粒子;本サンプルの合成は、上記実施例1に記載された。)
直鎖アルキルベンゼンスルホネート、酸形態(LAS)
2mLの溶液を2分間、内径1.5cmの15mL遠心分離管内で振盪することにより、脱泡実験を行った。振盪振動数は、毎秒約2回であった。記録された泡体積は、液体に泡を加えた総体積である。振盪試験の結果を表3に示す。]
[0087] 20分間の時間間隔において、泡体積は同じままであった。]
[0088] 上記結果より、界面活性剤としてLASを備えたシステム内では、改質シリカ粒子の影響は小さいが、これはLASがSDSよりも活性な界面活性剤であるためであろうと理解され得る。粒子の脱泡効果は、疎水性、寸法を増加させることにより、又は高アスペクト比の粒子(繊維又は小板など)を使用することにより増大させることができる。]
[0089] 高疎水性を備えた粒子として、Gelest Inc.から入手した高疎水性非晶質シリカを使用した。粉砕した雲母をより大きな寸法及びより大きなアスペクト比の粒子として使用した。]
[0090] 実施例11:疎水性非晶質シリカの脱泡効果の調査
材料
1.非晶質シリカ、オクタメチルシクロテトラシロキサン処理済、SI 56961.0、Gelest Inc.平均直径200nm。]
[0091] 2.LAS
実験手順:脱泡実験のために2つの方法を使用した。]
[0092] 方法1.シリカ粒子は、8時間の超音波処理によりまず1%LAS溶液中に分散させた。LAS溶液と混合するために、本分散体を使用した。]
[0093] 方法2.シリカ粒子を粉末として界面活性剤溶液へ添加し、次に溶液を振盪させた。シリカは、水中に分散させなかった。振盪試験の結果は、表4にまとめられている。]
[0094] 20分間の時間間隔において、泡体積は同じままであった。]
[0095] 表4の結果から分かるように、疎水性非晶質シリカは、振盪試験前に水中に分散しない場合、脱泡剤としてより効果的である。理論に束縛されるものではないが、この結果は、長時間水性媒体へさらした粒子の疎水性が減少したことによる可能性がある。]
[0096] 実施例12:疎水化雲母粒子の脱泡効果の調査
平均1〜30マイクロメートルの範囲の広い粒度分布、及び400〜1200nmの範囲の厚み(AFMによる推定、図10及び11)を有する粉砕した雲母フレークを使用した。]
[0097] 材料:
粉砕した雲母、Sky Chemical Co Ltd.
(エポキシシクロヘキシルエチル)−メチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー(ECMS−924)、Gelest
メチルエチルケトン、(MEK)
直鎖アルキルベンゼンスルホネート、酸形態(HLAS)
雲母粒子の疎水化は、エポキシ基を側鎖に備えたモノマー単位を8〜10%含有するPDMSコポリマーを使用して1段階で実施した。エポキシ基は、雲母表面上に存在するヒドロキシル基と反応する。]
[0098] 疎水化手順:
サンプルDFM1
100mgの粉砕した雲母を、超音波処理で1時間クロロホルム中にて洗浄し、あらゆる有機不純物を除去した。その後、雲母を10mLのMEK中に分散させ、50mLの丸底フラスコに移した。更に、0.5gのECMS−924を添加し、ポリマーが溶解するまで分散体を手動で攪拌した。次に、真空ロータリーエバポレーターを使用して、溶媒を蒸発させた。フラスコは、オーブン内に125℃にて真空下に16時間置いた。次に、15mLのMEKを添加し、粒子が分散し、グラフト化していないポリマーが溶解するまで、フラスコを攪拌した。遠心分離及び新鮮なMEK中に再分散することを3回行なうことによって、粒子をグラフト化していないポリマーから洗浄した。次に、分散体を再度遠心分離にかけ、溶媒をデカントし、オーブン内で60℃にて3時間、粒子を乾燥させた。]
[0099] 粒子により形成されたキャスト層の接触角:115〜120度
実施例13:脱泡実験
乾燥疎水化雲母粒子は、LAS水溶液中に容易に分散した。界面活性剤(LAS)の濃度は、300ppmであった。pHを10に調節した。図12及び13は、サンプル振盪直後の泡体積を示す。] 図12
[0100] 図13から、疎水化雲母粒子はLASの発泡を効果的に減らすことができるのに対して、元の未改質雲母は発泡に対していかなる効果も生じないことが理解できる。したがって、疎水化粉砕雲母が最も効果的な脱泡剤であると見受けられると結論付けることができる。] 図13
[0101] 「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲では、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。]
実施例

[0102] 本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。]
权利要求:

請求項1
100nm超〜約50μmの平均粒径及び接触角測定で20度超の疎水性を有する複数の表面改質粒子と、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性界面活性剤並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤とを含む泡操作組成物であって、前記粒子と前記少なくとも1種の界面活性剤とが、粒子対界面活性剤で1:20〜20:1の比で存在する、泡操作組成物。
請求項2
前記粒子対界面活性剤の比が1:10〜10:1である、請求項1に記載の組成物。
請求項3
前記粒子が、接触角測定で25度〜140度、好ましくは28度〜100度の範囲の疎水性を有する、請求項1に記載の組成物。
請求項4
前記粒子が、金属酸化物、シリカ、チタニア、粘土、雲母、合成ポリマー粒子、不織布ポリマー、デンプン、セルロース、タンパク質、及びデンプン誘導体、セルロース誘導体、及びタンパク質誘導体、並びに有機及び無機粒子の組み合わせ並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される固体粒子である、請求項1に記載の組成物。
請求項5
前記粒子が、疎水性でありかつそこへの疎水性層及び親水性層の一方又は両方の共有結合によって表面改質されている、請求項1に記載の組成物。
請求項6
前記粒子が、親水性でありかつそこへの疎水性層及び親水性層の一方又は両方の共有結合によって表面改質されている、請求項1に記載の組成物。
請求項7
前記粒子が、切り替え可能な官能基をその表面へ結合させることによって改質され、かつ前記官能基が、pH及び温度のうち少なくとも1つの変化にさらされた際に切り替え可能である、請求項1に記載の組成物。
請求項8
前記切り替え可能な官能基が、前記粒子表面上のブレンステッド酸又は塩基を含む、請求項7に記載の組成物。
請求項9
前記切り替え可能な官能基が、前記粒子表面へグラフト化されたポリマー上に存在する、請求項7に記載の組成物。
請求項10
粒状及び液体洗濯洗剤、液体手洗い用食器洗剤、毛髪及び体用シャンプー、シェービング準備ジェル、洗顔クレンザー、歯磨剤、硬質表面洗浄剤並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される消費者製品へ適用するための補助剤を更に含み、前記補助剤が、ポリマー、ビルダー、酵素、香料、白色剤、増白剤、抗菌剤及び柔軟剤からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
請求項11
泡立てた消費者製品を含有する溶液中の泡の量を減少させる方法であって、少なくとも1種の界面活性剤と組み合わされた複数の粒子を有する泡操作組成物によって生成された泡を含む溶液中で、粒子表面は切り替え可能な官能基を含むように改質されており、前記切り替え可能な官能基は、pH及び温度の1つ以上における所定の変化にさらされた際に切り替え可能であって、(1)前記界面活性剤に対して粒子濃度を増加させかつ溶前記液のpH又は温度の1つを低下させること、及び(2)粒子の凝集によって粒子寸法を増大させること、(3)前記少なくとも1種の界面活性剤がアニオン性界面活性剤であり、かつ該工程が、錯体の1種を形成することによって、利用可能なアニオン性界面活性剤を減らすことを含むこと、及び(4)前記少なくとも1種の界面活性剤がアニオン性界面活性剤であり、かつ該工程が、リンス溶液のpH又は温度の1つを低下させることにより正に帯電した粒子とのコアセルベートを形成することによって、利用可能なアニオン性界面活性剤を減らすことを含むこと、から選択される工程の1つ以上によって溶液を脱泡することを含む、方法。
請求項12
前記界面活性剤に対する粒子濃度を高めることによる脱泡が、前記泡操作組成物へ微粒子粉末を添加することを含み、前記微粒子粉末がヒュームドシリカ粉末である、請求項11に記載の方法。
請求項13
前記界面活性剤に対する粒子濃度を高めることによる脱泡が、前記泡操作組成物へ疎水性粒子を添加することを含み、前記疎水性粒子が、粉砕した雲母、粘土、及び有機材料を含む、請求項11に記載の方法。
請求項14
前記溶液のpHを低下させることによる脱泡が、7超から7以下へとpHを低下させることを含む、請求項11に記載の方法。
請求項15
前記粒子寸法を増大させることによる脱泡が、前記泡操作組成物へ高アスペクト比を有する粒子を添加することを含み、前記高アスペクト比の粒子が、繊維及び小板を含む、請求項11に記載の方法。
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同族专利:
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