专利摘要:
本発明は、ホスファチジルセリン結合化合物、とりわけアネキシンを、それを必要とする被検体に投与することにより、創傷治癒の間の瘢痕形成を低減する方法に関する。創傷治癒は、皮膚損傷であってもよいが、たとえば心不全に罹患するリスクがあるかまたは心不全から回復している心筋層であってもよい。
公开号:JP2011516469A
申请号:JP2011502881
申请日:2009-04-01
公开日:2011-05-26
发明作者:フェルマイレ、アドリアーン・トーマス;モーネン、ペーテル・ヨゼフ・ヤコブス;レウテリングスペルゲル、クリスティアーン・ペーテル・マリア
申请人:モサメディックス・ビー.ブイ.MosaMedix B.V.;
IPC主号:A61K45-00
专利说明:

[0001] 本発明は、線維芽細胞形成および細胞外マトリクス沈着およびこれによる瘢痕化を低減することにより創傷治癒を改善することを目的とする、組成物および介入に関する。]
発明の背景

[0002] 創傷治癒の間の瘢痕形成は、とりわけ瘢痕が顔および他の体の目立つ部分またはアイデンティティー決定部分に形成された場合、美容的に望ましくないプロセスである。また、瘢痕形成は、健康の含意を有することができる。著名な例として、心筋梗塞後に起こる心筋の瘢痕形成は、心臓のリモデリングを誘導し、心臓の伸展性を低減し、心臓を横切る正常な電気伝導を損なうことにより、心臓機能を低下させる。]
[0003] 我々は、負傷したとき、体は、複雑な救助活動を始める。皮膚の表面のすぐ下に存在する線維芽細胞と呼ばれる分化した細胞は、活動し始め、一時的な創傷マトリクス(血餅)に入り、できるだけ早く創傷を閉じるようにコラーゲンを分泌し始める。このマトリクスは、最初は軟らかく、増殖因子が充填されている。線維芽細胞は、マトリクスの周りを「這い回り」、線維を引っ張って再構成する。マトリクスは、より堅く成長し、ある時点で線維芽細胞は、移動を停止し、強力な収縮細胞に変化し、マトリクスに細胞自体を固定し、創傷の端を一緒に引っ張る。]
[0004] このプロセスは、創傷を素早く治癒するが、線維組織の強化につなげることもできる。生命の維持に重要な器官、たとえば心臓、肺、肝臓および腎臓への外傷の後、熱心な線維芽細胞は、線維性糸を構築し続け、器官の機能を低下させ得る瘢痕組織形成につなげることができる。この状況は、「線維形成(fibrosis)」と呼ばれ、致命的であり得る。線維芽細胞は、移植片により引き起こされる問題における原因物質であり;移植片が過度にスムースな場合、結合組織に適切に組み込まれなくなる。しかし、過度にでこぼこしている場合、瘢痕組織が、その周りで発達し、その組織は適切に機能しない。時々、形成外科手術の後、見苦しい過剰な瘢痕組織が皮膚に発達することもある。このプロセスは、間葉系幹細胞培養の際に問題を引き起こすことができ;培養基板が堅い場合、幹細胞が、所望の細胞タイプではなく時期尚早に線維芽細胞に変化することを防ぐために相当な努力をしなければならない。したがって、細胞培養の厳格性を制御することは重要である。]
[0005] 線維芽細胞は、多くの動物組織の細胞外マトリクスを合成、維持する細胞のタイプである。線維芽細胞は、多くの組織のために構造フレームワーク(支質)を提供し、創傷治癒において重要な役割を果たす。線維芽細胞は、動物において結合組織の最も一般的な細胞である。]
[0006] 線維芽細胞の主な機能は、細胞外マトリクスの前駆体を連続的に分泌することにより、結合組織の構造の完全性を維持することである。線維芽細胞は、細胞外マトリクスの構成要素すべての前駆体、主に基質および種々の線維を分泌する。細胞外マトリクスの組成は、結合組織の物理的特性を決定する。]
[0007] 線維芽細胞は、形態学的に不均一であり、場所および活性に依存して種々の外観をもつ。形態学的に目立たないが、異所に移植された線維芽細胞は、しばしば、少なくとも数世代にわたって、以前に存在していた場所および組織状況の位置記憶を保持することができる。]
[0008] 線維芽細胞は、体の構造を覆う上皮細胞とは異なり、平らな単一層を形成せず、ある状況では基底膜の構成要素に寄与し得るが、一方の側で基底膜への極性結合により制限されない(たとえば、腸における上皮下の筋線維芽細胞は、ラミニンの構成要素を担持するα-2鎖を分泌し得るが、これは、筋線維芽細胞の覆いを欠損する小胞関連上皮の領域に限って存在しない)。また、線維芽細胞は、上皮細胞とは異なり、個々の細胞として、下層の上をゆっくりと移動することができる。上皮細胞は、体の構造の覆いを形成するが、生物の「バルク」を形づくるのは、線維芽細胞および関連の結合組織である。]
[0009] Nakaoと同僚らは、インビトロおよび再上皮化のための外科的創傷アッセイで、正常なヒトのケラチノサイト(NHK)に対するアネキシンA5の効果を研究した(Nakao et al.: A new function of calphobindin I (annexin A5): Promotion of both migration and urokinase-type plasminogen activator activity of normal human keratinocytes; Eur. J. Biochem. (1994) 223: 901-908)。これらのインビトロでの研究は、上皮ケラチノサイトのuPA合成およびその移動(増殖でない)のカルホビンディン(Calphobindin)による促進を示した。ラット皮膚の皮膚創傷に対するカルホビンディン(Calphobindin)の局所適用は、これらの実験で、再上皮化を促進することがみられた。]
[0010] Watanabeと同僚らは、アネキシンA5は、インビトロおよびインビボの両方で、角膜上皮の創傷治癒を促進すること、および角膜上皮細胞からのuPA放出のアップレギュレーションは、アネキシンA5のこの効果に寄与し得ることを報告した(Watanabe et al.; Promotion of Corneal Epithelial Wound Healing In Vitro and In Vivo by Annexin A5; Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 2006 47: 1862-1868)。]
[0011] しかし、これらの著者は、瘢痕形成の状況で、薬学的にアネキシンを使用することを提案していない。]
[0012] 哺乳類被検体の創傷治癒の間に起こる瘢痕形成は、ホスファチジルセリン結合化合物を哺乳類被検体に投与することにより予防または低減できることが本発明により見出された。]
[0013] 瘢痕形成の低減は、美容的治療の一部として行うことができる。あるいは、形成外科手術の一部として、または形成外科手術の後治療の一部として行うことができる。]
[0014] また、瘢痕形成の低減は、心不全の予防のための処置の一部として行うこともできる。]
好ましい態様の詳細な説明

[0015] 第一の側面において、本発明は、哺乳類被検体の皮膚において瘢痕形成を予防、抑制または低減するためのホスファチジルセリン結合化合物の使用に関する。薬学的に適切な調合物は、とりわけ局所または静脈内投与のための調合物、たとえば軟膏剤、クリーム、硬膏剤、および注射可能な液剤または懸濁剤である。]
[0016] 低減した瘢痕形成は、過剰な線維形成が起こり得る状況に関連がある。かかる状況は、皮膚の病的瘢痕化(たとえば過形成性瘢痕化またはケロイド)または内部の瘢痕または線維形成の形態であり得る。あるいは、この状況は、上述の線維性疾患または障害であり得る。治療され得る他の状況は、以下のような皮膚の線維性障害を含む:強皮症(Sclerodemia)、全身性硬化症、クレスト症候群、皮膚斑を伴う結節硬化症、家族性皮膚コラゲノーマ(Familial cutaneous collagenoma)、皮膚の代謝および免疫障害(晩発性皮膚ポルフィリン症、慢性移植片対宿主病)、好酸球性筋膜炎(Eosinophilic facsitis)、円板状エリテマトーデス、皮膚筋炎、混合結合組織病、薬剤誘発性皮膚線維症、ペーロニー病、口腔粘膜下線維症、食事および環境暴露後の薬剤誘発性の他の臓器の線維性障害、たとえば、肺/心臓線維症、肝臓線維症/硬変症、腎臓線維症、GI管線維症、薬剤誘発性線維症(たとえば臓器移植後)、中枢および末梢神経系線維症、脈管系(静脈および動脈)線維症、男性および女性の尿生殖路線維症、および婦人科学的線維症(ファローピウス管線維症、子宮線維腫)。]
[0017] 好ましい態様において、本発明は、心筋の瘢痕形成を予防し、これにより心不全の可能性を低減することに関する。よって、本発明は、哺乳類被検体の心臓における線維形成を予防、抑制または低減するための上述のホスファチジルセリン結合化合物に関する。薬学的に適切な調合物は、とりわけ静脈内および心膜内投与のための調合物、たとえば注射可能な液剤または懸濁剤である。]
[0018] 心臓における線維形成の低減は、心筋梗塞またはその効果に苦しむ哺乳類被検体を治療するプログラムの一部とすることができる。かかるプログラムは、たとえばアネキシンA5投与前の7日間に心筋梗塞を体験した患者に、アネキシンA5またはその誘導体を投与することを含む。アネキシンA5またはその誘導体の量は、0.002 mg/kg〜10 mg/kg体重、より詳細には0.02〜2 mg/kg体重の範囲とすることができる。]
[0019] 択一的または付加的に、ホスファチジルセリン結合化合物は、心不全の発症に対する可能性を低減するための治療の一部として哺乳類被検体に投与することができる。]
[0020] ホスファチジルセリン結合化合物は、負傷した組織および周辺組織における線維芽細胞の充填(load)を抑制または低減し、これにより結合組織の形成を低減するかまたは滑らかにし、瘢痕を低減すると考えられる。]
[0021] 本明細書で記載されるとおり、ホスファチジルセリン結合化合物は、ホスファチジルセリンに結合することができ、特にホスファチジルセリンに対する解離定数Kd<10-6 M、好ましくはKd<10-8 Mを備え、好ましくはホスファチジルコリンに結合せず、ホスファチジルコリンに対する解離定数Kd>10-7、好ましくは>10-6を有する化合物、とりわけタンパク質化合物である。その例は、いわゆるアネキシンファミリーの化合物およびアネキシンの誘導体、たとえばWO 2007/069895に記載されるヒトアネキシン、たとえばアネキシンA4、アネキシンA5およびアネキシンA8などである。とりわけ、ホスファチジルセリン結合化合物は、アネキシンA5またはその誘導体である。]
[0022] 投与されるホスファチジルセリン結合化合物は、治癒中の創傷に存在する細胞の細胞表面に露出したホスファチジルセリンを認識する能力の結果、治癒中の創傷の部位に集中する。]
[0023] アネキシン、たとえばアネキシンA5は、WO 2007/069895の図1の(A5の場合)アミノ酸配列を有する非修飾形態であり得、これは、参照により本明細書に組み込まれる。アネキシンは、そのまま天然のアネキシンであってもよいし、当該技術分野で公知の方法により産生される組換えアネキシンであってもよい。非修飾アネキシンは、N−末端のメチオニン残基または他のリーダー配列を含んでいても含んでいなくてもよい。]
[0024] アネキシンは、一または複数のアミノ酸が置換された修飾形態であってもよい。修飾アネキシンの適切な例は、アネキシンのくぼんだ側に単一のシステイン残基、たとえば、アネキシンA5のアミノ酸配列のN−末端の1〜15位の一つにシステイン残基を有するアネキシンである。かかる修飾は、たとえばWO 2006/003488に記載され、これは、参照により本明細書に組み込まれる。アネキシン化合物のかかる修飾により、細胞外マトリクス形成の低下を助けることができるかまたは別の所望の生物学的機能を果たすことができる生物学的に活性な化合物に当該化合物を共有結合させることが可能である。代わりに、アネキシンは、ナノ粒子に連結してもよく、これは、生物学的に活性な化合物のためのキャリアとして使用され、アネキシン連結の生物学的化合物のペイロード(payload)を増大させることができる。かかる生物学的に活性な化合物の例は、抗感染化合物、たとえば抗生物質(テトラサイクリン、ミノサイクリン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、メトロニダゾール、スルファセタミド、アモキシリン、トリメトロプリム(trimetroprim)、キノン)、抗アポトーシス化合物(カスパーゼ阻害剤、カルパイン阻害剤、カテプシン阻害剤)、抗炎症化合物、たとえばステロイド、抗マトリクスメタロプロテイナーゼ(TIMP-1, 2, 3および4)、とりわけ小さい(MW 150-750)抗-MMP分子、たとえばメチルペンタンアミドの誘導体(マリマスタット(marimastat))、プリノマスタット(prinomastat)(AG-3340)、ペプチドベースの阻害剤(バチマスタット(batimastat)、イロマスタット(ilomastat)(GM6001)、FN-439)、ヒドロキサム酸ベースの阻害剤(RO113-2908)、プラスミン阻害剤(アルファ2−プラスミン阻害剤、ヘビ毒由来のアミノ酸ベースの阻害剤、ペプチドベースの阻害剤)、抗ウイルス化合物を含む。ナノ粒子は、たとえば、慣用的な脂質ナノ粒子技術、およびポリマーエマルジョンに倣って、たとえば、固体、半固体または液体の脂質の性質とすることができる。適切なナノ粒子の例は、リポソームを含む。共有結合は、WO 2006/003488およびWO 2007/069895に記載される方法などの公知の方法を用いて、たとえば、生物学的に活性な化合物またはかかる活性な化合物を担持するナノ粒子にマレイミド活性化リンカーを介してシステイン残基を連結させることにより、行うことができる。]
[0025] ホスファチジルセリン結合化合物は、哺乳類被検体、とりわけヒト被検体に、薬学的に適切な調合物中の効果的な量で投与される。効果的な量は、患者のコンディションおよび全身状態、年齢、体重、投与形態などに従って決定される。たとえば、1日につき患者あたり0.15 mg〜150 mg、またはとりわけ1日につき患者あたり0.5〜50 mg、または更にとりわけ、1日につき患者あたり1〜20 mgとすることができる。局所投与の場合、投薬量は、とりわけ、たとえば1日につき患者あたり0.15〜50 mg、更にとりわけ0.25〜20 mg、最も特別には0.5〜10 mgとすることができる。全身(たとえば静脈内)投与の場合、投薬量は、とりわけ、たとえば1日につき患者あたり0.5〜200 mg、更にとりわけ1〜100 mg、最も特別には5〜50 mgとすることができる。1日につきkg体重あたりのmgで投薬量を表現することが好ましい。よって、投薬量は、たとえば1日につき0.002 mg/kg〜10 mg/kg、またはとりわけ1日につき0.01〜1 mg/kg、または更にとりわけ1日につき0.02〜0.4 mg/kgである。全身投与について、好ましい投薬量は、0.01〜5 mg/kg、より好ましくは0.02〜2.5 mg/kg、最も好ましくは0.05〜1 mg/kgである。]
[0026] 薬学的に適切な調合物は、一般に、全身(すなわち非局所)投与に適した調合物とすることができる。適切な投与形態は、吸入、静脈内注入、心膜内注入、皮内注入、および経皮薬剤パッチを含む。]
[0027] 心膜内投与は、最小限の切開および心膜を通る注入の局所的な視覚制御を利用した内視鏡(胸腔鏡または腹腔鏡)技術を用いて行うことができる。あるいは、心膜内投与は、切開および外部からの視覚制御を行わない注入を利用して行ってもよい。心膜内投与は、たとえばWO 2000/44443に記載される。]
[0028] 注入形態は、ホスファチジルセリン結合化合物を0.1 mg/ml〜50 mg/mlの範囲の濃度で含有する、水性液剤、懸濁剤など、たとえば脂質ナノ粒子懸濁剤を含む。キャリア媒体は、有利には、生理学的な塩および/または糖レベルを含有する等浸透圧(iso-osmolaric)(または等張)溶液である。
静脈内投与を含む全身投与は、連続的投与(点滴)を使用して、あるいは反復もしくは1回の(ボーラス)注入により行うことができる。]
[0029] 全身注入の別の形態は、経皮デバイスパッチによるものであり、皮膚を通って血液循環へ薬剤を通過させる。経皮投与は、適切なパッチにより、局所適用と組み合わせることができる。]
[0030] 薬学的に適切な調合物は、一般に、局所適用に適した調合物とすることもできる。適切な投与形態は、クリーム、軟膏剤、ゲルおよびローションを含む。クリームおよびローションは、水中油のエマルジョンであり、乳化剤を含有する。ホスファチジルセリン結合化合物は、0.1 mg/ml〜50 mg/ml、とりわけ1〜20 mg/mlの範囲の濃度で、クリームおよびローションに配合することができる。エマルジョンは、pH-安定化剤、芳香剤、保存剤、抗酸化剤、および着色添加剤を含有してもよい。ゲルは、親水性ポリマー、たとえばポリサッカリド、アクリルポリマー、オキシエチレン、オキシプロピレンなどのポリマーをベースにする。ホスファチジルセリン結合化合物は、0.1 mg/ml〜50 mg/mlの範囲の濃度でゲルに配合することができる。ゲルは、pH-安定化剤、芳香剤、保存剤、抗酸化剤、および着色添加剤を含有してもよい。]
[0031] また、本発明は、ホスファチジルセリン結合化合物が薬学的に許容可能な賦形剤とともに配合されている薬学的組成物に関する。かかる賦形剤の例は、水、陽イオン、陰イオン、安定化タンパク質、安定化炭水化物、およびキレート剤などを含む。]
[0032] 瘢痕形成の低減は、美容的治療の一部として、とりわけ瘢痕が、露出領域、たとえば顔に存在する場合に行うことができる。あるいは、形成外科手術の一部、または形成外科手術の後治療の一部として、形成外科手術が瘢痕形成という結果につながるかあるいは瘢痕形成という結果につながるリスクがある場合に行うことができる。投与形態および投薬量は、局所投与がしばしば好ましいが、上述のとおり治療的処置に関しては、美容的治療または形成外科手術と同じとすることができる。]
[0033] 実施例:
この実験は、外科用メスでの切開により傷害を負った皮膚における線維芽細胞の浸潤および結合組織の沈着に対するアネキシンA5の効果を研究するためにデザインした。このデザインは、創傷治癒の一般的なモデルであり、たとえば心筋梗塞後の心臓で起こり得るため、創傷治癒の基本的プロセスを表す。]
[0034] マウスは、標準的技術を用いて麻酔をかけた。背部の皮膚の切開は、外科用メスで行った。ミニ浸透圧ポンプを背部および皮下に移植した。ミニ浸透圧ポンプは、アネキシンA5の溶液または食塩溶液の何れかで充填した。投与用量は、1日あたり2.8 mg/kgであった。皮膚の切開は縫合し、マウスを自由に動き回らせ、無制限に飲食をさせた。]
[0035] 二週間後、マウスを屠殺し、皮膚のサンプルを組織化学的分析のために採取した。サンプルをパラホルムアルデヒドで固定し、更に標準的技術に従って処理した。]
[0036] パラフィン包埋サンプルを薄片に切り、切片を標準的技術に従って更に処理した。切片をヘマトキシリン&エオシン(H&E)および標準的な結合組織染色技術で染色した。線維芽細胞を、H&E染色された切片で検出した。]
[0037] 組織化学的分析により、アネキシンA5は、ブランクで処理されたマウスと比較して、切開された後に縫合された皮膚の領域において、浸潤および結合組織の沈着の両方を低減することが明らかにされた。また、この分析は、瘢痕形成が著しく低減されることを示した。低減した瘢痕形成は、線維芽細胞の浸潤の低下および結合組織の沈着の減少の結果としておそらく起こる。]
[0038] この実施例において、アネキシンA5は、アネキシンA5を皮下間質に放出するミニ浸透圧ポンプにより適用された。アネキシンA5は、クリーム、ローションおよびゲルなどのキャリアシステムを用いて局所的に、皮下注入により局所に、および静脈内注入により全身に適用することもできる。]
[0039] [参考文献]
Nakao et al. United States Patent 5,360,789 (November 1, 1994)
Hiroshi Nakao, Masanao Watanabe and Masahiro MA: A new function of calphobindin I (annexin V) Promotion of both migration and urokinase-type plasminogen activator activity of normal human keratinocytes ; Eur. J. Biochem. (1994) vol. 223, pp 901-908.
Masanao Watanabe, Shoichi Kondo, Ken Mizuno, Wataru Yano, Hiroshi Nakao, Yukio Hattori, Kazuhiro Kimura, and Teruo Nishida; Promotion of Corneal Epithelial Wound Healing In Vitro and In Vivo by Annexin A5 Invest. Ophthalmol Vis Sci. 2006; 47:1862-1868.]
权利要求:

請求項1
創傷治癒における瘢痕を低減する際に使用するためのホスファチジルセリン結合化合物。
請求項2
前記ホスファチジルセリン結合化合物が全身に投与される、請求項1に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項3
前記ホスファチジルセリン結合化合物が、静脈内注入により投与される、請求項2に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項4
前記ホスファチジルセリン結合化合物が、クリーム、ゲルまたはローションにより局所的に投与される、請求項1に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項5
前記ホスファチジルセリン結合化合物が、アネキシンまたはその誘導体である、請求項1〜4の何れか1項に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項6
前記ホスファチジルセリン結合化合物が、アネキシンA5またはその誘導体である、請求項5に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項7
前記アネキシンまたはその誘導体が、分子のくぼんだ側に単一のシステイン残基を保持するアネキシンである、請求項5または6に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項8
前記ホスファチジルセリン結合化合物が、ナノ粒子に連結している、請求項7に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項9
前記ナノ粒子がリポソームである、請求項8に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項10
前記アネキシンが、直接またはナノ粒子を介して、抗感染剤、抗炎症剤、抗マトリクスメタロプロテイナーゼ剤、または抗アポトーシス剤に連結している、請求項7〜9の何れか1項に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項11
前記抗感染剤が、抗生物質のクラスに属する、請求項10に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項12
前記抗炎症剤が、ステロイドのクラスに属する、請求項10に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項13
前記抗マトリクスメタロプロテイナーゼ剤が、小さい化合物のクラスに属する、請求項10に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項14
前記ホスファチジルセリン結合化合物が、1日あたり0.002 mg/kg〜10 mg/kg体重患者の範囲内の1日量で投与される、請求項1〜13の何れか1項に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項15
前記創傷治癒が、心臓外傷の治癒である、請求項1に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項16
哺乳類被検体の心臓における線維形成を予防、抑制または低減する際に使用するためのホスファチジルセリン結合化合物。
請求項17
前記ホスファチジルセリン結合化合物が、静脈内注入により投与される、請求項16に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項18
前記ホスファチジルセリン結合化合物が、心膜内注入により投与される、請求項16に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項19
前記化合物が、心筋梗塞に罹患している哺乳類被検体に投与される、請求項16に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項20
前記化合物が、心不全の発症に対する可能性を低減するための治療の一部として哺乳類被検体に投与される、請求項18または19に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項21
心臓血管介入処置の一部として使用するための、請求項1〜18の何れか1項に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
請求項22
効果的な量のホスファチジルセリン結合化合物を、それを必要とする人に投与することを含む、創傷治癒における瘢痕を低減するための美容的方法。
請求項23
形成外科手術の後治療(post-treatment)の一部としての、請求項22に記載の美容的方法。
請求項24
形成外科手術の一部として使用するための、請求項1〜18の何れか1項に記載のホスファチジルセリン結合化合物。
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