专利摘要:
本発明は、生物活性の高い、二本鎖PEGでシングルサイトに修飾された成長ホルモンの製造方法、調製物、及び、治療に成長ホルモンを必要とする医薬品分野への使用を提供する。本発明の著しい特徴は、優れている反応条件と単離方法で、PEGでシングルサイトに修飾された細胞学的活性の低い成長ホルモンの含有量を顕著に減少させたことであって、細胞学的活性の低い成長ホルモンは、適当な濃度の単離ゲルで細胞学的活性の高いシングルサイト修飾成長ホルモンから完全に分離して二つのバンドを呈し、その見かけ分子量は細胞学的活性の高いシングルサイト修飾成長ホルモンよりも大きい。組み換えヒト成長ホルモンに比べて、二本鎖PEGでシングルサイトに修飾された細胞学的活性の高い成長ホルモンは、体内生物活性を上昇させ、薬理学的な長期性という特徴を有し、薬物代謝半減期を延長した。なし
公开号:JP2011516429A
申请号:JP2011502208
申请日:2008-04-03
公开日:2011-05-26
发明作者:シーイェ シェン,;リー スン,;デファン ツァン,;ピン ツァン,;リンツォン ツァン,;ウェイドン ツォウ,;リーシャン ヤン,;シャオジン リャオ,;ホイファン リン,;チンソン ルー,
申请人:バイオスティード ジーン エクスプレッション テック. カンパニー リミテッド;
IPC主号:C07K14-61
专利说明:

[0001] 本発明は生物製剤の技術分野に属する。具体的に、生物活性の高い二本鎖ポリエチレングリコール化成長ホルモンおよびにその製造方法、ならびに得られたポリエチレングリコール化成長ホルモンの医薬品分野への使用に関する。]
背景技術

[0002] ヒト成長ホルモン(HuGH)はヒト脳下垂体前葉から分泌されるタンパク質ホルモンである。その先駆体は217個のアミノ酸残基からなり、第1〜26個目のアミノ酸残基がシグナルペプチドを構成し、そのほかの191個のアミノ酸残基が成熟分子となる。2組の分子内ジスルフィド結合(Cys79とCys191,Cys208とCys215)を有し、糖化されてなく、分子量が22kDであり、その配列を配列番号SEQID NO:1に示す(NCBI :P01241,AAA72260;Denoto F M, et al. Human growth hormone DNA sequence andmRNAstructure: possible alternative splicing. Nucleic AcidsRes., 9: 3719−3730, 1981; Roskam W, et al.Molecular cloning and nucleotide sequence of the human growth hormone structural gene. Nucleic Acids Res., 7: 305−320, 1979; Martial J A, et al. Human growth hormone : Complementary DNA cloning and expression in bacteria. Science, 205: 602−607, 1979; Chen E Y,et al.The human growth hormone locus: nucleiotide sequence, biology and evolution. Genomics, 4: 479−497, 1989)。ヒト成長ホルモンは主に細胞、器官および骨格の成長を促進する作用を有し、生体の合成代謝に深く関わっている(Iglesias P, et al. Recombinant human growth hormone therapy in malnourished dialysis patients: a randomized controlled study. Am. J. Kidney Dis.,32(3): 454−463,1998;Neely E K,Use and abuse of human growth hormone. Annu.Rev.Med.,45:407−410, 1994)。DNA組み換え技術を利用して製造した組み換えヒト成長ホルモン(rHuGH)は、二十年程度の臨床的応用を経て、もう臨床的な有効性と安全性が証明されている。]
[0003] 多くの研究結果から、rHuGHは低身長症、火傷、創傷、骨折、出血性潰瘍、腎不全、AIDS、合成代謝障害、内因性成長ホルモン分泌不全性低身長症、Turner症候群および成人成長ホルモン分泌不全などに治療作用を有し、老化防止の治療にも著しい効果を示すことが明らかとなった。現在、rHuGHは低身長症を治療するための唯一、有効的な薬物である。2001年3月までに、米国FDAに承認されたrHuGHの臨床研究に進められる適応症は、重篤火傷の窒素保持集中治療、短小腸症候群(単独投与あるいはグルタミンとの併用)、AIDS関連の成長抑制などである。現在までにrHuGHの販売{はんばいしょうにん}承認された適応症は、主に未成年者の内因性成長ホルモン分泌不全性低身長症、Turner症候群、未成年者の自発性あるいは器官型成長ホルモン分泌不全性低身長症、Prader−Willi症候群、若年性成長障害(premature growth disorder)、AIDS関連の分解代謝障害、慢性腎不全関連の成長抑制および成人成長ホルモン分泌不全などである。]
[0004] ポリエチレングリコール(PEG)は不活性で、非毒性で、生分解性有機ポリマーであり、バイオテクノロジーおよび医薬品分野に広く使われている。PEG修飾技術とは、共有結合によりPEGを活性タンパク質に結合することである。タンパク質薬物は、PEG化されて、その性質が大幅に改善される。具体的には、薬物代謝半減期が延長され、免疫原性が低下され、安全性が向上され、治療効果が著しくなり、投与頻度が少なくなり、薬物の溶解性と水溶性が改善され、タンパク酵素分解耐性が強くなり、薬の放出制御が容易になるなどである(Inada et al. J. Bioact. and Compatible Polymers, 5, 343, 1990;Delgado et al. Critical Reviews in therapeutic Drug Carrier Systems, 9, 249, 1992;Kater. Advanced Drug Delivery Systerms, 10, 91, 1993、および米国特許UP4179337に参照)。米国特許第4179337号には、PEGが酵素またはインシュリンと連結すると、該タンパク質の免疫原性が低下されるとともに、該タンパク質の細胞学活性も顕著に低下されるが、元のタンパク質の活性も一定の割合{いってい すう}保持されることが記載されている。このような効果はG−CSF(Satake−Ishikawa et al., Cell Structure and Function, 17, 157−160, 1992)、IL−2(Katre et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, 1487, 1987)、TNF−α(Tsutsumi et al., Jpn. J. Cancer Res., 85, 9, 1994)、IL−6(Inoue et al., J. Lab. Clin. Med., 124, 529, 1994)およびCD4−IgG(Chamow et al., Bioconj. Chem., 5, 133, 1994)においても見出される。]
[0005] 米国特許第5824784号には、末端にホルミル基の付いたPEG修飾剤を採用して固定サイト(タンパク質N−末端アミノ基)にシングル修飾したPEG−G−CSFを得たことが記載されている。N−ヒドロキシスクシンイミド活性化法によって合成したPEG−NHS修飾剤はG−CSFにおけるリシンのε‐アミノ基とアミド結合を形成することができる。PEG−NHSの化学活性は高いが、選択性は低いので、固定サイトにおけるシングルPEG修飾産物を得がたい。シングルPEG修飾産物はマルチPEG修飾産物より均一であり、単離、精製に便利であり、且つ量産する際の品質制御やバッチ間の安定性制御が保証される。]
[0006] 今まで多種のPEG化治療用タンパク質薬物が臨床に使用されてきた。例えばPEG化アデノシンデアミナーゼ(Adagen.RTM,Enzon Pharmaceuticals)、PEG化L−アスパラギナーゼ(Oncapspar.RTM,Enzon Pharmaceuticals)、PEG化インターフェロンα2b(PEG−Intron.RTM,Schering−Plough)およびPEG化インターフェロンα2a(Pegasys,Roche)、PEG化顆粒球コロニー刺激因子(Neulasta.RTM,Amgen)が挙げられる。薬物中のPEG部分(あるいはPEG自体)の体内においての代謝はすでにかなり明瞭に理解されており、安全で、副作用のない優れた薬物修飾子と認められた。]
[0007] 通常、PEGは誘導体化され、PEG両端の一方又は両方の末端基が化学活性化され、適当な官能基を形成し、タンパク質薬物と結合できるものとなる。この官能基は、結合する薬物における少なくとも一つの官能基に対する活性を有し、互いに安定な共用結合を形成できる。例えば、PEG分子は、タンパク質ペプチド鎖におけるリジンのε‐アミノ基に連結でき、あるいはタンパク質ペプチド鎖のN末端のα‐アミノ基に連結できる。タンパク質の修飾に用いられるPEGは通常三つの形式を含んでいる。即ち、直鎖分子型(EP 0593868;Yu−Sen Wang et al.Advanced Drug Delivery Reviews,54:547−570,2002; Yu−Sen Wang et al. Biochemistry,39,10634−10640,2000.)、U型分岐の分子型(EP 0809996)およびY型分岐の分子型(CN1243779、EP1496076)である。欧州特許EP0809996にはIFN−αのPEG化方法が報告された。]
[0008] 通常、本分野において、PEGで修飾された後、多くのタンパク質の性質は、1.免疫原性および抗原性が低下されること、2.循環半減期が延長されること、3.水溶性が改善されること、4.タンパク質分解耐性が強くなること、5.生物学的利用率が高まること、6.毒性が弱くなること、7.熱安定性と機械的安定性が改善されること、8.等電点、電気泳動、動力学的性質などが変わるとの変化が起きると認められる。さらに、最も重要なのは、PEGで修飾されたタンパク質の細胞学的活性が降下されることにある。それは、最終産物に導入された官能基、PEG及びPEGと修飾タンパク質との結合の原因であり、カップリング条件および副生物などにも関わる。Doris Bruggerら(US Patent,Pub.No.:US 2004/0223950 A1)は、二本鎖UPEGで、インターフェロンα2aの異なる修飾サイトのうちのシングルサイトに修飾された産物は、in vitroの抗ウイルス活性に顕著な差があると報告した。その内、UPEGで、Lys121サイトに単一修飾された産物の比活性が一番低いのに対し、UPEGで、Lys31サイトに単一修飾された産物の比活性が一番高く、両者の比活性には5倍ほどの差があった。]
[0009] 李偉華ら(中国特許公開号:CN 1477126A)はポリエチレングリコール化成長ホルモンの製造方法を報告した。その方法によると、pH 6.5〜7.0で分岐型PEG(mPEGn−NHS)によって成長ホルモンの修飾反応をすることが好ましく、分岐型PEGによってシングルサイトに単一修飾された精製成長ホルモンは、除脳下垂体ラット法によりその生物活性が測定された。その結果から明らかなように、ポリエチレングリコール化成長ホルモン(PEGは二本鎖PEG−NHS、分子量が40kD)は、毎日等量の成長ホルモンを注射することに匹敵する体重増加効果がある。]
[0010] 本発明は二本鎖ポリエチレングリコール化成長ホルモンを製造する方法を提供し、具体的には、以下のa)〜c)工程を含む方法を提供する。
a)pHが6.0以上、好ましくは7.0以上、好ましくは8.0以上、好ましくは9.0以上、好ましくは9.5以上、最も好ましくは10.5の溶液中、U型またはY型分岐の二本鎖ポリエチレングリコールを成長ホルモン、好ましくはヒト成長ホルモンと、好ましくは約1:2のモル比(前記成長ホルモン:二本鎖ポリエチレングリコール)で接触させる工程、
b)工程a)で得られた、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物を、適当な濃度のSDS−PAGE、好ましくは12%のSDS−PAGEで、検出する工程であって、前記修飾産物は、二つのバンドであるか、または、見かけ分子量が小さい方のバンドを主とするものである工程、及び、
c)ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された、前記二つのバンドにおける見かけ分子量の小さい方の産物を単離し、収集する工程。]
[0011] 該製造方法は任意に精製工程をさらに含んでもよい。好ましくは、ゲルクロマトグラフィーを利用する。ゲルクロマトグラフィーとしては、例えばQ SepharoseFFクロマトグラフィー、DEAESepharose FFクロマトグラフィー又はMacroCap SPクロマトグラフィーが挙げられる。]
[0012] 好ましい態様において、本発明は、二本鎖ポリエチレングリコールが、以下に示す構造式(I)を有するY型ポリエチレングリコールである、二本鎖ポリエチレングリコール化成長ホルモンを製造する方法を提供する。




ここで、PaおよびPbは同一または異なるポリエチレングリコールである。jは1〜12の整数である。RiはH、置換若しくは無置換のC1〜12のアルキル基、置換アリール基、アラルキル基またはヘテロアルキル基である。X1およびX2はそれぞれ独立して連結基であり、X1は(CH2)nであり、X2は(CH2)n、(CH2)nOCO、(CH2)nNHCO、(CH2)nCOからなる群から選ばれる基であり、nは1〜10の整数である。Fは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、アシルクロライド、ヒドラジド、マレイミド、ピリジンジスルフィドからなる群から選ばれる末端基であり、治療剤あるいは基質にあるアミノ基、ヒドロキシル基またはメルカプト基と反応して共有結合を形成することができる。]
[0013] 好ましい態様において、本発明は、前記Y型ポリエチレングリコールが下式(II)に示す構造式を有する、二本鎖ポリエチレングリコール化成長ホルモンを製造する方法を提供する。




ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。mおよびm’は重合度を表し、任意の整数である。m+m’は好ましくは600〜1500である。jは1〜12の整数である。RiはH、置換若しくは無置換のC1〜12のアルキル基、置換アリール基、アラルキル基またはヘテロアルキル基である。Fは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、アシルクロライド、ヒドラジド、マレイミド、ピリジンジスルフィドからなる群から選ばれる末端基であり、治療剤あるいは基質にあるアミノ基、ヒドロキシル基またはメルカプト基と反応して共有結合を形成することができる。]
[0014] 好ましい態様において、本発明は、前記Y型ポリエチレングリコールが下式(III)に示す構造式を有する、二本鎖ポリエチレングリコール化成長ホルモンを製造する方法を提供する。




ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。mおよびm’は重合度を表し、任意の整数である。m+m’は好ましくは600〜1500であり、最も好ましくは910である。ポリエチレングリコールの総平均分子量は約26kD〜60kDであり、好ましくは40kDである。jは1〜12の整数である。]
[0015] 好ましい態様において、本発明は、前記二本鎖ポリエチレングリコールが、下式(IV)に示す構造式を有するU型ポリエチレングリコールである、二本鎖ポリエチレングリコール化成長ホルモンを製造する方法を提供する。




ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基である。nおよびn’は重合度を表し、任意の整数であり、n+n’は600〜1500であり、最も好ましくは910である。前記U型ポリエチレングリコールの平均分子量は約26KD〜66KDであり、最も好ましくは40kDである。]
[0016] 好ましい態様において、本発明は、二本鎖ポリエチレングリコール化成長ホルモンを製造する方法を提供し、具体的には以下のa)〜c)工程を含む方法を提供する。
a)pHが9.0又は10.5の溶液中、下式(III)に示すポリエチレングリコールをヒト成長ホルモンと約1:2のモル比(前記ヒト成長ホルモン:二本鎖ポリエチレングリコール)で接触させる工程、




(ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。m+m’は910であり、jは1〜12の整数であり、ポリエチレングリコールの総平均分子量は約40kDである。)
b) a)で得られた、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物を、12%のSDS−PAGEで検出する工程であって、前記産物は二つのバンドを示す工程、及び、
c)ゲルクロマトグラフィーにより、シングルサイトに修飾された、見かけ分子量の小さい方の前記産物を精製し、単離し、収集する工程であって、前記ゲルクロマトグラフィーは、Q SepharoseFFクロマトグラフィー、DEAESepharose FFクロマトグラフィー又はMacroCap SPクロマトグラフィーからなる群から選ばれる工程。]
[0017] 本発明は、上記の方法により製造されたポリエチレングリコール化成長ホルモンを提供し、前記成長ホルモンは、天然物から抽出され、または組み換えバイオテクノロジーによって得られたものであり、好ましくは配列番号SEQID NO:1に示す配列を有する。]
[0018] 好ましい態様において、本発明は、前記ポリエチレングリコール化成長ホルモンは、分子量が62kDであり、その構造式が下式(VII)に示される上記の方法により製造されたポリエチレングリコール化成長ホルモンを提供する。




ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。m+m’は910である。jは1〜12の整数である。]
[0019] 本発明は、ポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物を製造する方法を提供し、具体的には以下のa)〜c)工程を含む方法を提供する。
a)pHが8.0以上、好ましくは9.0以上、好ましくは9.5以上、好ましくは10.0以上、最も好ましくは10.5の溶液中、U型またはY型分岐の二本鎖ポリエチレングリコールを、成長ホルモン、好ましくはヒト成長ホルモンと、好ましくは約1:2のモル比(前記成長ホルモン:二本鎖ポリエチレングリコール)で接触させる工程、
b) a)で得られた、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物を、適当な濃度のSDS−PAGE、好ましくは12%のSDS−PAGEで、検出する工程であって、前記産物は二つのバンドを示す工程、及び、
c)前記ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された前記産物を、単離し、収集する工程。]
[0020] 前記収集した産物は、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された、見かけ分子量の低い産物を主として含む混合物であり、その内、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された、見かけ分子量の低い産物の含有量は、SDS−PAGEで検出され、70%以上、好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上である。]
[0021] 前記方法は、精製工程を任意に含んでもよい。ゲルクロマトグラフィー、例えばQ SepharoseFFクロマトグラフィー、DEAESepharose FFクロマトグラフィー又はMacroCap SPクロマトグラフィーを好ましくは利用する。]
[0022] 好ましい態様において、本発明は、前記二本鎖ポリエチレングリコールが以下に示す構造式(I)を有するY型ポリエチレングリコールである、ポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物を製造する方法を提供する。




ここで、PaおよびPbは同一または異なるポリエチレングリコールである。jは1〜12の整数である。RiはH、置換若しくは無置換のC1〜12のアルキル基、置換アリール基、アラルキル基またはヘテロアルキル基である。X1およびX2はそれぞれ独立して連結基であり、X1は(CH2)nであり、X2は(CH2)n、(CH2)nOCO、(CH2)nNHCO、(CH2)nCOからなる群から選ばれる基であり、nは1〜10の整数である。Fは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、アシルクロライド、ヒドラジド、マレイミド、ピリジンジスルフィドからなる群から選ばれる末端基であり、治療剤あるいは基質にあるアミノ基、ヒドロキシル基またはメルカプト基と反応して共有結合を形成することができる。]
[0023] 好ましい態様において、本発明は、前記Y型ポリエチレングリコールが下式(II)に示す構造式を有する、ポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物を製造する方法を提供する。




ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。mおよびm’は重合度を表し、任意の整数であり、m+m’は好ましくは600〜1500であり、最も好ましくは910である。jは1〜12の整数である。RiはH、置換あるいは無置換のC1〜12のアルキル基、置換アリール基、アラルキル基またはヘテロアルキル基である。Fは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、アシルクロライド、ヒドラジド、マレイミド、ピリジンジスルフィドからなる群から選ばれる末端基であり、治療剤あるいは基質にあるアミノ基、ヒドロキシル基またはメルカプト基と反応して共有結合を形成することができる。]
[0024] 好ましい態様において、本発明は、前記Y型ポリエチレングリコールが下式(III)に示す構造式を有する、ポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物を製造する方法を提供する。




ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。mおよびm’は重合度を表し、任意の整数であり、m+m’は好ましくは600〜1500であり、最も好ましくは910である。jは1〜12の整数である。ポリエチレングリコールの総平均分子量は好ましくは約26kD〜60kDであり、より好ましくは40kDである。]
[0025] 好ましい態様において、本発明は、前記二本鎖ポリエチレングリコールが以下に示す構造式(IV)を有するU型ポリエチレングリコールである、ポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物を製造する方法を提供する。




ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基である。nおよびn’は重合度を表し、任意の整数であり、n+n’は600〜1500であり、最も好ましくは910である。前記U型ポリエチレングリコールの平均分子量は約26kD〜66kDであり、最も好ましくは約40kDである。]
[0026] 好ましい態様において、本発明はポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物を製造する方法を提供し、具体的には以下のa)〜c)の工程を含む方法を提供する。
a)pHが9.0又は10.5の溶液中、下式(III)に示すポリエチレングリコールをヒト成長ホルモンと約1:2のモル比(前記ヒト成長ホルモン:二本鎖ポリエチレングリコール)で接触させる工程、




(ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基である。m+m’は910であり、jは1〜12の整数である。ポリエチレングリコールの総平均分子量は約40kDである。)
b)12%のSDS−PAGEで、a)で得られたポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物を検出する工程、及び、
c)ゲルクロマトグラフィーにより、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物を単離し、収集する工程であって、前記ゲルクロマトグラフィーは、Q SepharoseFFクロマトグラフィー、DEAESepharose FFクロマトグラフィー又はMacroCap SPクロマトグラフィーからなる群から選ばれ、そして、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された、前記見かけ分子量のより低い産物のSDS−PAGE含有量は70%以上、好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上である工程。]
[0027] また、本発明は、前記成長ホルモンが、天然物から抽出され、または組み換えバイオテクノロジーによって得られたものであり、好ましくは配列番号SEQID NO:1に示す配列を有するホルモンである、上記の方法により製造されたポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物を提供する。前記ポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物において、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物は、好ましくは、下式(VII)に示される。




ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。m+m’は910である。jは1〜12の整数である。前記ポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物における、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された、見かけ分子量の低い産物のSDS−PAGE含有量は70%以上、好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上である。]
[0028] 本発明の好ましい態様において、前記組み換えヒト成長ホルモンは人工的に合成されたもの、又は以下の発現系の一つで発現されたものである:原核生物発現系(例えば大腸菌)、真核酵母発現系(例えばピキア)、昆虫細胞系、及び哺乳類細胞系(例えばCHO細胞)。]
[0029] 本発明は薬学的に有効な量の前記ポリエチレングリコール化成長ホルモン又はポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物と、薬学的に許容できるキャリアまたは賦形剤とを含む組成物を提供し、前記キャリアまたは賦形剤はマンニトール、アミノ酸、塩化ナトリウム、酢酸または酢酸ナトリウムを含み、前記アミノ酸は好ましくはアスパラギン酸、アスパラギン、リシンおよびグリシンからなる群から好ましくは選ばれる。]
[0030] また、本発明は、成長ホルモンでの治療が必要な疾患の治療のための又は老化防止のための、治療剤の製造における前記ポリエチレングリコール化成長ホルモン又はポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物若しくは組成物の使用を提供する。好ましくは、前記成長ホルモンでの治療が必要な疾患は低身長症、火傷、創傷、骨折、出血性潰瘍、腎不全、AIDS、内因性成長ホルモン分泌不全性低身長症、Turner症候群および成人成長ホルモン分泌不全、合成代謝障害からなる群から選ばれる。]
[0031] また、本発明は、患者に、治療に有効な量のポリエチレングリコール化成長ホルモン又はポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物若しくは組成物を投与することを含む、成長ホルモンでの治療を必要とする疾患の患者を治療する方法または老化防止のための方法を提供する。好ましくは、前記成長ホルモンでの治療が必要な疾患は低身長症、火傷、創傷、骨折、出血性潰瘍、腎不全、AIDS、内因性成長ホルモン分泌不全性低身長症、Turner症候群、合成代謝障害および成人成長ホルモン分泌不全からなる群から選ばれる。]
[0032] [発明の詳細な説明]
本発明は、生物活性の高い二本鎖ポリエチレングリコール化成長ホルモンならびその製造方法を提供する。本発明の著しい特徴は、反応条件および単離方法を改善することにより、成長ホルモンの、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物における細胞学的活性の低い成分の含有量を顕著に減少することにある。二本鎖ポリエチレングリコールの分子量が40kDである実施例において、細胞学的活性の低いシングルサイト修飾産物の特徴は、12% SDS−PAGE単離ゲルにおいて、この産物と細胞学的活性の高いシングルサイト修飾産物とは、二つのバンドに完全に分離{ぶんり}することにある。細胞学的活性の低いシングルサイト修飾産物は、細胞学的活性の高いシングルサイト修飾産物より見かけ分子量が高い。除脳下垂体ラットを動物モデルとし、組み換えヒト成長ホルモンを陽性対照とし、『中華人民共和国薬局方』2005年版改正付録XII P「成長ホルモン生物測定法」に準じて最終的に製造された細胞学的活性の高いシングルサイト修飾産物の体内生物活性を測定した。細胞学的活性の高いシングルサイト修飾産物は、普通の成長ホルモンより生物活性が有意に高く、普通の成長ホルモンの1.5倍以上である。カニクイザルの薬物動態学の研究から明らかなように、平均血清薬物代謝半減期は普通の成長ホルモンより20倍以上延長され、長期作用を有する。]
[0033] 本発明の好ましい態様においては、pH8.0の条件で、成長ホルモンの二本鎖PEG−NHS修飾反応をさせ、SDS−PAGE電気泳動により反応調製物を検出し、銀染色法を利用する。驚いたことに、成長ホルモンの、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物は、二つのバンドを呈し、以前の報告(Ross Clark,Kenneth Olson,et al. Long−acting growth hormones produced by conjugation with polyethylene glycol. J. Biol.Chem.,271: 21969−21977, 1996.李偉華、董建ら,長期効果成長ホルモンならび薬物組成物.中国特許公開号:CN 1477126A)と相違する。さらなる実験において、pH6.0〜10.5範囲内で、成長ホルモンの二本鎖PEG−NHSでの修飾の状況を調べた。SDS−PAGEで検出するとき、シングルサイト修飾産物はいずれも二つの主バンドを呈し、反応におけるpHの上昇にしたがって、見かけ分子量の小さいバンドの含有量が高まり、pH≧10.0では、シングルサイト修飾産物はほとんど見かけ分子量の小さいバンドに変わる。]
[0034] 本発明の好ましい態様においては、適当なゲルクロマトグラフィー精製技術によって、pH10.5およびpH6.0の条件でポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された組み換えヒト成長ホルモンの精製物が、それぞれ製造される。分離ゲルの濃度が12%であるSDS−PAGEを採用して検出し、銀染色法を利用する。pH6.0の条件で、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された組み換えヒト成長ホルモンの精製物は、二つのバンドをはっきりと呈し、pH10.5の条件で、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された組み換えヒト成長ホルモンの精製物は、見かけ分子量の小さいバンドを主とし、そのSDS−PAGE含有量が80%以上であった。いずれの条件でも微量の基質タンパクだけが検出された(0.5%を超えない)。MALDI−TOF MSでの検出から確認されたように、この二つのpH条件での調製物はいずれも成長ホルモンのポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物であった。細胞学的活性の検出から、pH10.5の条件でのシングルサイト修飾産物は、pH6.0の条件でのシングルサイト修飾産物より生物学的活性が有意に高く、前者の細胞学比活性が後者の約2倍に当たった。]
[0035] 本発明の好ましい態様においては、Q SepharoseFFクロマトグラフィーおよびMacroCap SPクロマトグラフィーなどの精製工程によって、pH6.0の条件でポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾され、見かけ分子量の大きい、組み換えヒト成長ホルモンの修飾産物の精製物が製造される。MALDI−TOF MS検出から、この組み換えヒト成長ホルモンのポリエチレングリコールで修飾された産物は、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物であることが確認される。細胞学的活性の検出から、その細胞学的比活性について、pH10.5の条件でポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された組み換えヒト成長ホルモンの産物(見かけ分子量が小さい)の精製物より有意に低かった。後者の細胞学比活性が前者の3倍にまでなる。]
[0036] 本発明の好ましい態様においては、『中華人民共和国薬局方』2005年版改正付録XII P「成長ホルモン生物測定法」に準じて、組み換えヒト成長ホルモンを陽性対照とし、除脳下垂体ラット法により、pH10.5の条件で40kDのPEG−NHSによってシングルサイトに修飾された組み換えヒト成長ホルモンの修飾産物のin vivo生物学活性を検出した。一日一回組み換えヒト成長ホルモンを全部で6回投与する。ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された組み換えヒト成長ホルモンの産物を、組み換えヒト成長ホルモンの6回の総投与量と同じ量で単回投与する。ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された組み換えヒト成長ホルモンの産物は、組み換えヒト成長ホルモンより生物学的活性が有意に高く、後者の生物学比活性の1.5倍以上であり、薬理学的に長期間の効果を有する。カニクイザルの薬物動態学の研究によると、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された組み換えヒト成長ホルモンの薬物代謝半減期は、普通の組み換えヒト成長ホルモンより20倍以上延長されていた。]
[0037] 本発明は分岐型(U型分岐またはY型分岐)PEG誘導体を採用して成長ホルモンを修飾する。本発明において使われるY型分岐PEG誘導体は新規の分岐PEG誘導体であって、その構造は直鎖のPEG及びU型分岐のPEGと異なっている。前記PEG誘導体とU型分岐のPEGの最大の差異は、本発明で用いるY型PEG誘導体は2本のPEG分岐鎖がN原子により連結したものであるのに対し、U型PEG誘導体は2本のPEG分岐鎖がC原子により連結したものであることである。本発明におけるY型若しくはU型PEGでの修飾は主に、タンパク質若しくはペプチドN末端の遊離α‐アミノ基、又は、リジン残基の側鎖のε‐アミノ基において起こる。Y型PEG誘導体の分子構造を下式(I)に示す。




ここで、PaおよびPbは同一または異なるポリエチレングリコールである。jは1〜12の整数である。RiはH、置換あるいは無置換のC1〜12のアルキル基、置換アリール基、アラルキル基またはヘテロアルキル基である。X1およびX2はそれぞれ独立して連結基であり、X1は(CH2)nであり、X2は(CH2)n、(CH2)nOCO、(CH2)nNHCO、(CH2)nCOからなる群から選ばれる基であり、nは1〜10の整数である。Fは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、アシルクロライド、ヒドラジド、マレイミド、ピリジンジスルフィドからなる群から選ばれる末端基であり、治療剤あるいは基質にあるアミノ基、ヒドロキシル基またはメルカプト基と反応して共有結合を形成することができる。]
[0038] 本発明の好ましい態様において、前記Y型PEG誘導体の構造式におけるPaおよびPbは同一または異なるポリエチレングリコールであって、下式(II)に示される。




ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。mおよびm’は重合度を表し、任意の整数であり、m+m’は好ましくは600〜1500であり、最も好ましくは910である。RiはH、置換あるいは無置換のC1〜12のアルキル基、置換アリール基、アラルキル基またはヘテロアルキル基である。jは1〜12の整数である。Fは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、アシルクロライド、ヒドラジド、マレイミド、ピリジンジスルフィドからなる群から選ばれる末端基であり、治療剤あるいは基質にあるアミノ基、ヒドロキシル基またはメルカプト基と反応して共有結合を形成することができる。好ましくは、ポリエチレングリコールの総平均分子量は約26kD〜60kDであり、最も好ましくは約40kDである。]
[0039] 好ましい態様において、本発明は以下に示す構造式(VI)を有するポリエチレングリコール化成長ホルモンを提供する。




ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。jは1〜12の整数である。mおよびm’は重合度を表し、任意の整数であり、m+m’は好ましくは600〜1500である。RiはH、置換あるいは無置換のC1〜12アルキル基、置換アリール基、アラルキル基またはヘテロアルキル基である。Fは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、アシルクロライド、ヒドラジド、マレイミド、ピリジンジスルフィドからなる群から選ばれる末端基であり、治療剤あるいは基質にあるアミノ基、ヒドロキシル基またはメルカプト基と反応して共有結合を形成することができる。本発明の好ましい態様において、一種のY型PEG誘導体分子(YPEG−NHS)の構造式は下式(III)に示される。




ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。jは1〜12の整数である。mおよびm’は重合度を表し、任意の整数であり、m+m’は好ましくは600〜1500であり、最も好ましくは約910である。]
[0040] 本発明の好ましい態様において、一種のU型PEG誘導体分子(UPEG−NHS)の構造式は下式(IV)に示される。




ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基である。nおよびn’は重合度を表し、任意の整数であり、n+n’は好ましくは600〜1500であり、最も好ましくは910である。ポリエチレングリコールの総平均分子量は約26kD−66kD、最も好ましくは約40kDである。]
[0041] YPEGあるいはUPEGで修飾されたGHを得るために、本発明の好ましい態様において、まずYPEGおよびUPEGの活性化された誘導体、例えばポリエチレングリコールスクシンイミジルエステル(PEG−NHS)を、求核置換反応によって、PEG部分を共有結合でタンパク質のアミノ基(−NH2)と連結する。ここで、前記アミノ基は、タンパク質N末端のα‐アミノ基およびリジン残基のε‐アミノ基を含む。GHとYPEG−NHSとを反応させ、YPEG−GHを生成する反応方程式を以下に示す。




GHとUPEG−NHSとを反応させ、UPEG−GHを生成する反応方程式を以下に示す。]
[0042] 好ましくは、ポリエチレングリコールの総平均分子量は約26kD−60kD、最も好ましくは40kDである。]
[0043] さらに好ましい態様において、本発明のポリエチレングリコール化成長ホルモンの構造式を下式(VII)に示す。




ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。jは1〜12の整数である。mおよびm’は重合度を表し、任意の整数であり、m+m’は好ましくは600〜1500である。この構造の中で、Y分岐PEGがシングルサイトで成長ホルモン(GH)分子に結合する。mおよびm’は同じあるいは異なる整数である。上式の中で、YPEG−GHの分子量は主に重合度のmおよびm’によって決まる。m+m’は好ましくは600〜1500であり、対応するYPEGの平均分子量が約26kD〜66kDである。m+m’は好ましくは795〜1030であり、対応するYPEGの平均分子量が約35kD〜45kDである。m+m’は好ましくは885〜1030であり、対応するYPEGの平均分子量が約39kD〜45kDである。m+m’は最も好ましくは910であり、対応するYPEGの平均分子量が約40kDである。mおよびm’の比例範囲は0.5〜1.5であり、好ましくは0.8〜1.2である。]
[0044] 本発明における成長ホルモンは天然物から抽出され、または組み換えバイオテクノロジーによって得られたものである。好ましくは、前記成長ホルモンは天然物から抽出され、または組み換えバイオテクノロジーによって得られ、配列番号:SEQID NO:1に示す配列を有するヒト成長ホルモンである。さらに好ましくは、前記成長ホルモンは組み換えヒト成長ホルモンである。成長ホルモンは人工的に合成されたものであってよく、原核生物発現系、例えば大腸菌(E.coli)で発現されたものであってもよく、真核酵母発現系、例えばピキア(Pichia pastoris)で発現されたものであってもよく、ほかの昆虫細胞系あるいは哺乳類細胞系、例えばCHOで発現されたものであってもよい。天然あるいは組み換え成長ホルモンを製造する方法および成長ホルモンとそのPEG修飾産物の活性検出方法は当該技術分野において既存の技術である。]
[0045] 本発明に記載されたYPEG−GHおよびUPEG−GHはGHと臨床応用が同じであり、いずれも低身長症、火傷、創傷、骨折、出血性潰瘍、腎不全、AIDS、合成代謝障害、成人成長ホルモン分泌不全などの疾患の治療及び老化防止に使用される。本発明のYPEG−GHおよびUPEG−GHは組成物として患者に投与してもよい。前記組成物の中には薬学的に有効な量のYPEG−GH又はUPEG−GHと薬学的に許容できるキャリアまたは賦形剤を含む。したがって、別の局面において、本発明は、組成物を提供する。該組成物は、薬学的に有効な量の本発明のYPEG−GH又はUPEG−GHと、薬学的に許容できるキャリアまたは賦形剤を含む。本発明に使用される薬学的に許容できるキャリアは、使用される量および濃度で、接触する細胞又は哺乳動物に対して非毒性である、薬用に許容できるキャリア、賦形剤または安定剤を含む。通常、生理学的に許容できるキャリアは水を含むpH緩衝溶液である。生理学的に許容できるキャリアの例としては、例えばリン酸塩、クエン酸塩若しくはほかの有機酸を含む緩衝溶液、アスコルビン酸を含む抗酸化剤、低分子量(10個の残基を超えない)のペプチド、血清アルブミン、ゼラチン若しくは免疫グロブリンなどのタンパク質、ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン若しくはリシンなどのアミノ酸、ブドウ糖、マンノースなど単糖、二糖若しくはデキストリンなどの他の糖類、EDTAなどのキレート剤、マンニトール若しくはソルビトールなどの糖アルコール、ナトリウムなどのカウンターイオンを形成する塩、及び/又は、TWEEN、ポリエチレングリコール、PLURONICSなどの非イオン型界面活性剤が挙げられる。賦形剤は好ましくは無菌で、一般的に有害物質を含まない。これらの組成物は常用の滅菌技術で滅菌される。本発明の好ましい態様において、前記組成物はさらにマンニトール、グリシン、塩化ナトリウム、酢酸または酢酸ナトリウムを含み、前記アミノ酸はリシン、アスパラギン酸、アスパラギンまたはグリシンからなる群から選ばれる。]
[0046] 別の局面において、本発明は、本発明のポリエチレングリコール化成長ホルモン又は本発明のポリエチレングリコール化成長ホルモンを含む組成物の、成長ホルモンでの治療が必要な疾患の治療のための薬剤及び老化防止治療のための薬剤の製造における使用を提供する。好ましくは、前記成長ホルモンでの治療が必要な疾患は低身長症、火傷、創傷、骨折、出血性潰瘍、腎不全、AIDS、内因性成長ホルモン分泌不全性低身長症、Turner症候群、合成代謝障害および成人成長ホルモン分泌不全からなる群から選ばれる。]
図面の簡単な説明

[0047] 図1は、pH8.0の条件での、YPEG−NHS 40kD又はUPEG−NHS 40kDにより修飾反応されたrHuGHのサンプルの非還元型SDS−PAGE電気泳動の結果である。分離ゲル濃度が12%、銀染色法が利用される。レーン1:マーカー,LMW,GE Healthcare;レーン2:rHuGHのYPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH8.0、サンプル量が2μgである。;レーン3:rHuGHのYPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH8.0、サンプル量が5μgである。;レーン4:rHuGHのUPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH8.0、サンプル量が5μgである。] 図1
[0048] 図2は、異なるpH条件での、YPEG−NHS 40kDにより修飾反応されたrHuGHのサンプルの非還元型SDS−PAGE電気泳動の結果である。分離ゲル濃度が12%、銀染色法が利用される。レーン1:rHuGHのYPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH6.0である。;レーン2:rHuGHのYPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH7.0である。;レーン3:rHuGHのYPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH8.0である。;レーン4:rHuGHのYPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH9.0である。;レーン5:rHuGHのYPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH9.5である。;レーン6:rHuGHのYPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH10.0である。;レーン7:rHuGHのYPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH10.5である。;レーン8:マーカー,LMW,GE Healthcare。各サンプルの量はすべて5μgである。] 図2
[0049] 図3は、異なるpH条件での、UPEG−NHSにより修飾反応されたrHuGHのサンプルの非還元型SDS−PAGE電気泳動の結果である。分離ゲル濃度が12%、銀染色法が利用される。レーン1:rHuGHのUPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH6.0である。;レーン2:rHuGHのUPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH7.0である。;レーン3:rHuGHのUPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH8.0である。;レーン4:rHuGHのUPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH9.0である。;レーン5:rHuGHのUPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH9.5である。;レーン6:rHuGHのUPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH10.0である。;レーン7:rHuGHのUPEG−NHS修飾反応サンプルで、反応pH10.5である。;レーン8:マーカー,LMW,GE Healthcare。各サンプルの量はすべて5μgである。] 図3
[0050] 図4は、pH6.0またはpH10.5の条件でYPEG−NHS 40kDあるいはUPEG−NHS 40kDによってシングルサイトに修飾されたrHuGH修飾産物の精製物の非還元型SDS−PAGE電気泳動の結果である。分離ゲル濃度が12%、銀染色法が利用される。レーン1:UPEG−rHuGH U10.5,サンプル量10μg;レーン2:UPEG−rHuGH U10.5,サンプル量2μg;レーン3:UPEG−rHuGH U6.0,サンプル量10μg;レーン4:UPEG−rHuGH U6.0,サンプル量2μg;レーン5:マーカー,LMW,GE Healthcar;レーン6:YPEG−rHuGH Y10.5,サンプル量10μg;レーン7:YPEG−rHuGH Y10.5,サンプル量2μg;レーン8:YPEG−rHuGH Y6.0,サンプル量10μg;レーン9:YPEG−rHuGH Y6.0,サンプル量2μg;レーン10:rHuGH,サンプル量100ng;レーン11:rHuGH,サンプル量50ng。] 図4
[0051] 図5は、pH6.0またはpH10.5の条件で、UPEG−NHS 40kDでシングルサイトに修飾されたrHuGHの修飾産物の精製物の細胞学的活性の検出結果、2連プレートである。] 図5
[0052] 図6は、pH6.0またはpH10.5の条件で、YPEG−NHS 40kDでシングルサイトに修飾されたrHuGHの修飾産物の精製物の細胞学的活性を検出した結果、2連プレートである。] 図6
[0053] 図7aは、pH6.0、pH9.0またはpH10.5の条件で、rHuGHのYPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物およびUPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物のMALDI−TOF MS分子量を検出した結果である。a:YPEG−rHuGH,Y6;b:YPEG−rHuGH,Y9;c:YPEG−rHuGH,Y10.5;d:YPEG−rHuGH,Y6−1;e:UPEG−rHuGH,U6;f:UPEG−rHuGH,U9;g:UPEG−rHuGH,U10.5;h:UPEG−rHuGH,U6−1;i:YPEG−NHS,40kD;j:UPEG−NHS,40kD;k:Protein Calibrate Standard II,BRUKER;l:rHuGH;m:Protein Calibrate Standard I,BRUKER。
図7bは、pH6.0、pH9.0またはpH10.5の条件で、rHuGHのYPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物およびUPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物のMALDI−TOF MS分子量を検出した結果である。a:YPEG−rHuGH,Y6;b:YPEG−rHuGH,Y9;c:YPEG−rHuGH,Y10.5;d:YPEG−rHuGH,Y6−1;e:UPEG−rHuGH,U6;f:UPEG−rHuGH,U9;g:UPEG−rHuGH,U10.5;h:UPEG−rHuGH,U6−1;i:YPEG−NHS,40kD;j:UPEG−NHS,40kD;k:Protein Calibrate Standard II,BRUKER;l:rHuGH;m:Protein Calibrate Standard I,BRUKER。
図7cは、pH6.0、pH9.0またはpH10.5の条件で、rHuGHのYPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物およびUPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物のMALDI−TOF MS分子量を検出した結果である。a:YPEG−rHuGH,Y6;b:YPEG−rHuGH,Y9;c:YPEG−rHuGH,Y10.5;d:YPEG−rHuGH,Y6−1;e:UPEG−rHuGH,U6;f:UPEG−rHuGH,U9;g:UPEG−rHuGH,U10.5;h:UPEG−rHuGH,U6−1;i:YPEG−NHS,40kD;j:UPEG−NHS,40kD;k:Protein Calibrate Standard II,BRUKER;l:rHuGH;m:Protein Calibrate Standard I,BRUKER。
図7dは、pH6.0、pH9.0またはpH10.5の条件で、rHuGHのYPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物およびUPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物のMALDI−TOF MS分子量を検出した結果である。a:YPEG−rHuGH,Y6;b:YPEG−rHuGH,Y9;c:YPEG−rHuGH,Y10.5;d:YPEG−rHuGH,Y6−1;e:UPEG−rHuGH,U6;f:UPEG−rHuGH,U9;g:UPEG−rHuGH,U10.5;h:UPEG−rHuGH,U6−1;i:YPEG−NHS,40kD;j:UPEG−NHS,40kD;k:Protein Calibrate Standard II,BRUKER;l:rHuGH;m:Protein Calibrate Standard I,BRUKER。
図7eは、pH6.0、pH9.0またはpH10.5の条件で、rHuGHのYPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物およびUPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物のMALDI−TOF MS分子量を検出した結果である。a:YPEG−rHuGH,Y6;b:YPEG−rHuGH,Y9;c:YPEG−rHuGH,Y10.5;d:YPEG−rHuGH,Y6−1;e:UPEG−rHuGH,U6;f:UPEG−rHuGH,U9;g:UPEG−rHuGH,U10.5;h:UPEG−rHuGH,U6−1;i:YPEG−NHS,40kD;j:UPEG−NHS,40kD;k:Protein Calibrate Standard II,BRUKER;l:rHuGH;m:Protein Calibrate Standard I,BRUKER。
図7fは、pH6.0、pH9.0またはpH10.5の条件で、rHuGHのYPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物およびUPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物のMALDI−TOF MS分子量を検出した結果である。a:YPEG−rHuGH,Y6;b:YPEG−rHuGH,Y9;c:YPEG−rHuGH,Y10.5;d:YPEG−rHuGH,Y6−1;e:UPEG−rHuGH,U6;f:UPEG−rHuGH,U9;g:UPEG−rHuGH,U10.5;h:UPEG−rHuGH,U6−1;i:YPEG−NHS,40kD;j:UPEG−NHS,40kD;k:Protein Calibrate Standard II,BRUKER;l:rHuGH;m:Protein Calibrate Standard I,BRUKER。
図7gは、pH6.0、pH9.0またはpH10.5の条件で、rHuGHのYPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物およびUPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物のMALDI−TOF MS分子量を検出した結果である。a:YPEG−rHuGH,Y6;b:YPEG−rHuGH,Y9;c:YPEG−rHuGH,Y10.5;d:YPEG−rHuGH,Y6−1;e:UPEG−rHuGH,U6;f:UPEG−rHuGH,U9;g:UPEG−rHuGH,U10.5;h:UPEG−rHuGH,U6−1;i:YPEG−NHS,40kD;j:UPEG−NHS,40kD;k:Protein Calibrate Standard II,BRUKER;l:rHuGH;m:Protein Calibrate Standard I,BRUKER。
図7hは、pH6.0、pH9.0またはpH10.5の条件で、rHuGHのYPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物およびUPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物のMALDI−TOF MS分子量を検出した結果である。a:YPEG−rHuGH,Y6;b:YPEG−rHuGH,Y9;c:YPEG−rHuGH,Y10.5;d:YPEG−rHuGH,Y6−1;e:UPEG−rHuGH,U6;f:UPEG−rHuGH,U9;g:UPEG−rHuGH,U10.5;h:UPEG−rHuGH,U6−1;i:YPEG−NHS,40kD;j:UPEG−NHS,40kD;k:Protein Calibrate Standard II,BRUKER;l:rHuGH;m:Protein Calibrate Standard I,BRUKER。
図7iは、pH6.0、pH9.0またはpH10.5の条件で、rHuGHのYPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物およびUPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物のMALDI−TOF MS分子量を検出した結果である。a:YPEG−rHuGH,Y6;b:YPEG−rHuGH,Y9;c:YPEG−rHuGH,Y10.5;d:YPEG−rHuGH,Y6−1;e:UPEG−rHuGH,U6;f:UPEG−rHuGH,U9;g:UPEG−rHuGH,U10.5;h:UPEG−rHuGH,U6−1;i:YPEG−NHS,40kD;j:UPEG−NHS,40kD;k:Protein Calibrate Standard II,BRUKER;l:rHuGH;m:Protein Calibrate Standard I,BRUKER。
図7jは、pH6.0、pH9.0またはpH10.5の条件で、rHuGHのYPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物およびUPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物のMALDI−TOF MS分子量を検出した結果である。a:YPEG−rHuGH,Y6;b:YPEG−rHuGH,Y9;c:YPEG−rHuGH,Y10.5;d:YPEG−rHuGH,Y6−1;e:UPEG−rHuGH,U6;f:UPEG−rHuGH,U9;g:UPEG−rHuGH,U10.5;h:UPEG−rHuGH,U6−1;i:YPEG−NHS,40kD;j:UPEG−NHS,40kD;k:Protein Calibrate Standard II,BRUKER;l:rHuGH;m:Protein Calibrate Standard I,BRUKER。
図7kは、pH6.0、pH9.0またはpH10.5の条件で、rHuGHのYPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物およびUPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物のMALDI−TOF MS分子量を検出した結果である。a:YPEG−rHuGH,Y6;b:YPEG−rHuGH,Y9;c:YPEG−rHuGH,Y10.5;d:YPEG−rHuGH,Y6−1;e:UPEG−rHuGH,U6;f:UPEG−rHuGH,U9;g:UPEG−rHuGH,U10.5;h:UPEG−rHuGH,U6−1;i:YPEG−NHS,40kD;j:UPEG−NHS,40kD;k:Protein Calibrate Standard II,BRUKER;l:rHuGH;m:Protein Calibrate Standard I,BRUKER。
図7lは、pH6.0、pH9.0またはpH10.5の条件で、rHuGHのYPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物およびUPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物のMALDI−TOF MS分子量を検出した結果である。a:YPEG−rHuGH,Y6;b:YPEG−rHuGH,Y9;c:YPEG−rHuGH,Y10.5;d:YPEG−rHuGH,Y6−1;e:UPEG−rHuGH,U6;f:UPEG−rHuGH,U9;g:UPEG−rHuGH,U10.5;h:UPEG−rHuGH,U6−1;i:YPEG−NHS,40kD;j:UPEG−NHS,40kD;k:Protein Calibrate Standard II,BRUKER;l:rHuGH;m:Protein Calibrate Standard I,BRUKER。
図7mは、pH6.0、pH9.0またはpH10.5の条件で、rHuGHのYPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物およびUPEG−NHS 40kDシングルサイト修飾産物の精製物のMALDI−TOF MS分子量を検出した結果である。a:YPEG−rHuGH,Y6;b:YPEG−rHuGH,Y9;c:YPEG−rHuGH,Y10.5;d:YPEG−rHuGH,Y6−1;e:UPEG−rHuGH,U6;f:UPEG−rHuGH,U9;g:UPEG−rHuGH,U10.5;h:UPEG−rHuGH,U6−1;i:YPEG−NHS,40kD;j:UPEG−NHS,40kD;k:Protein Calibrate Standard II,BRUKER;l:rHuGH;m:Protein Calibrate Standard I,BRUKER。] 図7a 図7b 図7c 図7d 図7e 図7f 図7g 図7h 図7i 図7j
[0054] 図8は、pH6.0の条件でPEG−NHS 40kDでシングルサイトに修飾された見かけ分子量の大きいrHuGH修飾産物の精製物と、pH10.5の条件でPEG−NHS 40kDでシングルサイトに修飾されたrHuGH修飾産物の精製物との非還元型SDS−PAGE電気泳動の結果である。単離ゲル濃度が12%、銀染色法が利用される。レーン1:YPEG−rHuGH Y10.5,サンプル量2μg;レーン2:YPEG−rHuGH Y6.0−1,サンプル量2μg;レーン3:UPEG−rHuGH U10.5,サンプル量2μg;レーン4:UPEG−rHuGH U6.0−1,サンプル量2μg;レーン5: rHuGH,サンプル量50ng;レーン6: rHuGH,サンプル量100ng;レーン7:マーカー,LMW,GE Healthcare;レーン8:YPEG−rHuGH Y10.5,サンプル量10μg;レーン9:YPEG−rHuGH Y6.0−1,サンプル量10μg;レーン10:UPEG−rHuGH U10.5,サンプル量10μg;レーン11:UPEG−rHuGH U6.0−1,サンプル量10μg。] 図8
[0055] 図9は、pH6.0の条件でPEG−NHS 40kDでシングルサイトに修飾された見かけ分子量の大きいrHuGH修飾産物の精製物(Y6−1、U6−1)と、pH10.5の条件でPEG−NHS 40kDでシングルサイトに修飾されたrHuGH修飾産物の精製物(Y10.5、U10.5)との、還元型SDS−PAGEで検出した見かけ分子量である。レーン1:YPEG−rHuGH Y6−1+YPEG−rHuGH Y10.5,それぞれ25ng;レーン2:YPEG−rHuGH Y6−1,50ng;レーン3:YPEG−rHuGH Y10.5,50ng;レーン4,6:ブランク;レーン5:marker,HMW,GE Healthcare;レーン7:UPEG−rHuGH U6−1+UPEG−rHuGH U10.5,それぞれ25ng;レーン8:UPEG−rHuGH U6−1,50ng;レーン9:UPEG−rHuGH U10.5,50ng。] 図9
[0056] 図10は、カニクイザルに300μg・kg−1rHuGHおよびYPEG−rHuGH(Y10.5)をそれぞれ単剤皮下注射した際の、平均血清薬物濃度−時間曲線である。] 図10
[0057] [発明を実施するための形態]
本発明を下記実施例によりさらに説明するが、任意の実施例又はそれらの組合せは、本発明の範囲あるいは態様を限定するものではない。本発明の範囲は添付の請求の範囲に限定され、本明細書および当該技術分野の一般的な常識を組み合わせて、当業者は、請求の範囲により限定される範囲を明確に理解することができる。]
[0058] [実施例1]
組み換えヒト成長ホルモンのU型およびY型分岐PEGによる修飾
200mgのUPEG−NHSまたはYPEG−NHS(平均分子量40KD、均等アーム型、ロットナンバーそれぞれZZ004P182、ZZ004P167)( Beijing JenKem Technology Co., Ltd.)をそれぞれ取り、別々に2ml 2mM HCl(広東光華化学株式会社)、別々に50mgのrHuGH(厦門特宝生物工程株式会社)および50mMホウ酸−ホウ砂緩衝溶液(pH8.0)(中国医薬集団上海化学試薬公司)を加え、反応系の全体積を10mlにした。この反応系において、rHuGH反応最終濃度は5mg/mlであり、rHuGHとPEG−NHSとの反応モル比は1:2であった。振動しながら<10℃の湯浴に2h放置し、氷酢酸(汕頭市西隆化工場)を加え、pH<4.0まで調節し反応を終止した。サンプリングして、SDS−PAGE電気泳動を行ない、銀染色法を利用する。SDS−PAGE電気泳動の結果が図1に示す。図1の電気泳動結果によると、pH8.0の条件で修飾産物は主に二つのバンドを呈し、UPEG−NHSおよびYPEG−NHS修飾反応サンプルのSDS−PAGE電気泳動行為は同じである。] 図1
[0059] [実施例2]
異なるpH条件で組み換えヒト成長ホルモンのU型およびY型分岐PEGでの修飾
200mgのUPEG−NHSまたはYPEG−NHS(平均分子量40KD、均等アーム型、ロットナンバーそれぞれZZ004P182、ZZ004P167)(Beijing JenKem Technology Co., Ltd.)をそれぞれ量り、それぞれ2mM HCl(広東光華化学株式会社)2mlに溶解した。50mgのrHuGH(厦門特宝生物工程株式会社)および対応する緩衝溶液をそれぞれ加え、反応系の全体積を10mlにした。対応するpHの10mM PBNa緩衝溶液(中国医薬集団上海化学試薬公司)を用いて反応pHを6.0、7.0または8.0にし、対応するpHの50mMホウ砂緩衝溶液(中国医薬集団上海化学試薬公司)を用いて反応pHを9.0、9.5、10.0または10.5にした。この反応系において、rHuGH反応最終濃度は5mg/mlであり、rHuGHとPEG−NHSとの反応モル比は1:2であった。振とうしながら<10℃の水浴に2h放置し、氷酢酸(汕頭市西隆化工場)を加え、pH<4.0に調節し反応を終止した。サンプリングして、SDS−PAGE電気泳動を行ない、銀染色法を利用した。ゲルドキュメンテーションシステム(タイプ:FR−200、上海複日科技株式会社)によって電気泳動の結果を分析した。SDS−PAGE電気泳動の結果を図2、図3に示す。ゲルドキュメンテーションシステムの分析結果を表1に示す。電気泳動の結果によると、pH6.0−9.5の条件における修飾産物の主バンドはすべてはっきりと二つのバンドを呈し、反応pHの上昇に従って、見かけ分子量の小さい主バンドの含有量が相応的に増加する。pH10.0及び10.5の条件において修飾産物はだいたい見かけ分子量の小さい主バンドを主とする。UPEG−NHSおよびYPEG−NHS修飾反応サンプルは同じSDS−PAGE電気泳動の特徴を示す。] 図2 図3
[0060] [実施例3]
pH6.0、pH9.0または10.5のpH条件でU型およびY型分岐PEGでシングルサイトに修飾された組み換えヒト成長ホルモンの製造、並びに、細胞学的活性及び分子量の測定
1、修飾反応
1200mgのUPEG−NHSまたはYPEG−NHS(平均分子量40KD、均等アーム型、ロットナンバーそれぞれZZ004P182、ZZ004P167)(Beijing JenKem Technology Co., Ltd.)を3組取り、それぞれ2mM HCl(広東光華化学株式会社)12mlに溶解した。それぞれ300mgのrHuGH(厦門特宝生物工程株式会社)と50mMホウ砂緩衝溶液(pH10.5)若しくは50mMホウ酸/ホウ砂緩衝溶液(pH9.0)若しくは10mM PBNa(pH6.0)(中国医薬集団上海化学試薬公司)を加え、反応系の全体積を60mlにした。この反応系において、rHuGHの反応最終濃度は5mg/mlであり、rHuGHとPEG−NHSとの反応モル比は約1:2であり、反応pHはそれぞれ10.5、9.0または6.0である。振とうしながら<10℃の湯浴に2h放置し、氷酢酸(汕頭市西隆化工場)を加えpH<4.0に調節し、反応を終止した。サンプリングして、SDS−PAGE電気泳動を行ない、銀染色法を利用した。SDS−PAGE電気泳動の結果が図1に示す。図1の電気泳動結果によると、pH8.0の条件で修飾産物は主に二つのバンドを呈し、UPEG−NHSおよびYPEG−NHS修飾反応サンプルのSDS−PAGE電気泳動行為は同じである。] 図1
[0061] 2、精製
2.1 Q SepharoseFFクロマトグラフィー精製
rHuGHのPEG修飾反応サンプルを超純水で3倍希釈し、希釈サンプルのpHをNaOHあるいはHClで9.0に調節した。]
[0062] 2.1.1 rHuGHのPEG修飾反応サンプル(pH6.0)のQ SepharoseFFクロマトグラフィー精製
カラム(上海錦華クロマトグラフィー設備工場)の規格がФ18mm×400mm、Q Sepharose FF充填物(GE Healthcare)の充填規格がФ18mm×240mm、カラム体積(CV)が61mlである。Q Sepharose FFクロマトグラフィーカラムを0.5M NaOH 5ml/min×30minで定置洗浄し、3CVのddH2O 5ml/minで溶離し、3CVの1M NaCl 5ml/minで再生し、5CVの20mMホウ砂/ホウ酸−17mM NaCl(pH9.0、A液)5ml/minで溶離した。PEG修飾rHuGHの超純水希釈サンプルを3ml/minの流速でロードし、溶出液の検出波長を280nm(AKTA Basic100,GE Healthcare)に設定した。A液の5ml/minで一番目のピークが完全に検出されるまで溶出し、20mMホウ砂/ホウ酸−100mM NaCl(pH9.0、B液)に変えて5ml/minで二番目のピークが完全に出るまで溶出し、20mMホウ砂/ホウ酸−200mM NaCl(pH9.0、C液)に変えて5ml/minで三番目のピークが完全に出るまで溶出した。集めた二番目のピークが目的サンプルである。目的サンプルの緩衝系を5K限界ろ過フィルタ(Millipore,ポリエーテルスルフォン材料)で20mMホウ砂/ホウ酸(pH 9.0)に変えた。]
[0063] 2.1.2 rHuGHのPEG修飾反応サンプル(pH9.0または10.5)のQ SepharoseFFクロマトグラフィー精製
カラム(上海錦華クロマトグラフィー設備工場)の規格がФ18mm×400mm、Q Sepharose FF充填物(GE Healthcare)の充填規格がФ18mm×240mm,カラム体積(CV)が61mlである。Q Sepharose FFクロマトグラフィーカラムを0.5M NaOH 5ml/min×30minで定置洗浄し、3CVのddH2O 5ml/minで溶離し、3CVの1M NaCl 5ml/minで再生し、5CVの20mMホウ砂/ホウ酸−17mM NaCl(pH9.0、A液)5ml/minで溶離した。PEG修飾rHuGHの超純水希釈サンプルを3ml/minの流速でロードし、溶出液の検出波長を280nm(AKTA Basic100,GE Healthcare)に設定した。A液を5ml/minで一番目のピークが完全に検出されるまで溶出し、20mMホウ砂/ホウ酸−40mM NaCl (pH9.0、B液)に変えて5ml/minで二番目のピークが完全に出るまで溶出し、20mMホウ砂/ホウ酸−100mM NaCl(pH9.0、C液)に変えて5ml/minで三番目のピークが完全に出るまで溶出し、20mMホウ砂/ホウ酸−200mM NaCl(pH9.0、D液)に変えて5ml/minで四番目のピークが完全に出るまで溶出した。集めた三番目のピークが目的サンプルである。目的サンプルの緩衝系を5K限界ろ過フィルタ(Millipore,ポリエーテルスルフォン材料)で20mMホウ砂/ホウ酸(pH 9.0)に変えた。]
[0064] 2.2DEAESepharoseFFクロマトグラフィー精製
カラム(上海錦華クロマトグラフィー設備工場)の規格がФ18mm×400mm、DEAE Sepharose FF充填物(GE Healthcare)の充填規格がФ18mm×235mm、1CV=60ml。]
[0065] DEAESepharoseFFクロマトグラフィーカラムを0.5M NaOH 5ml/min×30minで定置洗浄し、3CVのddH2O 5ml/minで溶離し、3CVの1M NaCl 5ml/minで再生し、3CVの20mMホウ砂/ホウ酸−17mM NaCl(pH9.0、A液)5ml/minで溶離した。Q Sepharose FF精製PEG−rHuGHサンプルを3ml/minの流速でロードし、3CVのA液5ml/minで溶出し、6CVの20mMホウ砂/ホウ酸−30mM NaCl(pH9.0、B液)5ml/minで溶出し、20mMホウ砂/ホウ酸−100mM NaCl(pH9.0、C液)に変え、一番目、二番目のピークが完全に出るまで5ml/minで溶出した。溶出液の検出波長を280nm(AKTA Basic100,GE Healthcare)に設定した。集めた二番目のピークが目的サンプルである。目的タンパクサンプルの緩衝系を5mM PBNa(pH 8.5)に変え、5K限界ろ過フィルタ(Millipore,ポリエーテルスルフォン材料)で適宜濃縮した。]
[0066] 2.3 Q SepharoseFFクロマトグラフィー精製
カラム(上海錦華クロマトグラフィー設備工場)の規格がФ25mm×400mm、Q Sepharose FF充填物(GE Healthcare)の充填規格がФ25mm×200mm,1CV=98ml。]
[0067] Q SepharoseFFクロマトグラフィーカラムを0.5M NaOH 10ml/min×30minで定置洗浄し、3CVのddH2O 10ml/minで溶離し、3CVの1M NaCl 10ml/minで再生し、3CVの5mMPBNa(pH 8.5,A液)10ml/minで溶離した。PEG−rHuGHのDEAESepharose FF精製サンプルを6ml/minの流速でロードし、3CVのA液10ml/minで溶出し、5mM PBNa−90mM NaCl(pH 8.5,B液)に変えて10ml/minで一番目のピークが完全に出るまで溶出した。5mM PBNa−300mM NaCl(pH 8.5,C液)に変えて10ml/minで二番目のピークが完全に出るまで溶出した。溶出液の検出波長を280nm(AKTA Basic100,GE Healthcare)に設定した。集めた一番目のピークが目的サンプルである。目的サンプルの緩衝系を5K限界ろ過フィルタ(Millipore,ポリエーテルスルフォン材料)で3mM NaAc/HAc−7mM NaCl−5mM Lys(pH 5.0)に変え、最終濃度が45mg/mlになるまでマンニトールを追加した。0.2μmろ過で除菌し、サンプリングして、SDS−PAGE電気泳動を行ない、銀染色法を利用した。残ったサンプルを−70℃において保存した。pH6.0修飾反応産物をY6あるいはU6と命名し、見かけ分子量の大きいバンドはY6−1あるいはU6−1と命名し、見かけ分子量の小さいバンドはY6−2あるいはU6−2と命名した。pH9.0修飾反応産物をY9あるいはU9と命名し、pH10.5修飾反応産物をY10.5あるいはU10.5と命名した。]
[0068] SDS−PAGE電気泳動の結果を図4に示す。電気泳動の結果によると、pH6.0修飾産物ははっきりと二つのバンドを呈し、pH10.5修飾産物は主に見かけ分子量の小さいバンドであり、SDS−PAGE含有量が80%以上である。] 図4
[0069] 3.細胞学的活性検出
GH国家標準品を対照とし、HuGH依存性ラットリンパ腫細胞株Nb2−11を採用し、PEG−rHuGH各サンプルの細胞学的活性を分析した。]
[0070] 最終濃度が5×104cell/mlになるまでNb2−11細胞を希釈した。GH国家標準品(ロットナンバー:35−20002、1mg/ml/本、3IU/本、中国薬品生物制品検定所)を100ng/ml(0.0003IU/ml)に予備希釈し、PEG−rHuGH各検出用サンプルを予備実験の結果によって0.0003IU/mlに予備希釈した。予備希釈に基づいて、各サンプルを1.5倍に希釈してから検出した。サンプル活性の計算式を下式に示す。




ここで、C1が検出用サンプルの、標準品の半数有効量に相当する希釈倍数
C2が標準品の半数有効量の希釈倍数
D1が検出用サンプルの予備希釈倍数
D2が標準品の予備希釈倍数
検出方法:
(1)対数増殖期の細胞を採用し、繰り返しピペッティングし、遠心洗浄をし、希釈液に細胞を再懸濁し、細胞濃度を5×104cell/mlに調節した。
(2)検出用サンプルの予備希釈物をそれぞれセルプレート(96ウェルプレート、Corning)で、二倍希釈を行い、全部で10個の希釈液を作製した。各希釈液をダブルウェル、50μl/ウェルずつ作製した。陽性対照も同じ方法で8個の希釈液をした。希釈液を陰性対照として使った。
(3)細胞を100μl/ウェルの濃度で加え、二酸化炭素ガスインキュベーターに置き37℃で70時間培養した。AlamarBlueTM溶液(BioSource)を30μl/ウェル加え、1分間振り混ぜ、二酸化炭素ガスインキュベーターに置き37℃で5時間培養した。室温で5分間振り混ぜ、プレートを読んだ(励起波長530nm、発光波長590nm)。
(4)4パラメーター回帰法で標準品の曲線または検出用サンプルの曲線を描いた。標準品の曲線または検出用サンプルの曲線の方程式で各検出用サンプルの力価を測定した。]
[0071] 細胞学的活性の検出結果を表2または図5、図6に示す。各サンプルについて2つのサンプルを検出した。rHuGHのYPEG−NHS pH6.0修飾産物(Y6)の細胞学的比活性は1.08×10−1IU/mgで、pH9.0修飾産物(Y9)の細胞学的比活性は1.66×10−1IU/mgで、pH10.5修飾産物(Y10.5)の細胞学的比活性は2.09×10−1IU/mgで、Y10.5の細胞学的比活性はY6の約2倍に当たった。rHuGHのUPEG−NHS pH6.0修飾産物(U6)の細胞学的比活性は8.85×10−2IU/mgで、pH9.0修飾産物(U9)の細胞学的比活性は1.42×10−1IU/mgであった。pH10.5修飾産物(U10.5)細胞学的比活性は1.82×10−1IU/mgで、U10.5の細胞学的比活性はU6の約2倍に当たった。修飾反応pHの上昇にしたがって、PEGでシングルサイトに修飾された産物(二つの主バンド)の細胞学比活性は相応的に強くなる。] 図5 図6
[0072] 4、MALDI−TOF MSで分子量の測定
ドイツBRUKER社のAutoflex III TOF/TOFシステムでMALDI−TOFMS法に準じてPEG−rHuGH各サンプルの分子量を測定した。シナピン酸(SA,C11H12O5,MW 224.22;ロット2006 236870 002、BRUKER)を基質として使用し、タンパク分子量標準物質はBRUKER社のProtein Calibration Standard I(Part No. 206355)およびProtein Calibration StandardII(Part No.207234)を用い、分析ソフトはflexAnalysis Ver.3.0.54.0であった。結果を図7に示す。]
[0073] rHuGHのYPEG−NHS pH6.0修飾産物(Y6)、pH9.0修飾産物(Y9)およびpH10.5修飾産物(Y10.5)のMS分子量はすべて62012ダルトン±10%の範囲にあり、YPEGシングルサイト修飾rHuGHの理論分子量と一致し(YPEG−NHSの分子量が40kD±10%)、Y6、Y9およびY10.5がrHuGHのYPEGシングルサイト修飾産物であることが示された。rHuGHのUPEG−NHS pH6.0修飾産物(U6)、pH9.0修飾産物(U9)およびpH10.5修飾産物(U10.5)のMS分子量はすべて62012ダルトン±10%の範囲にあり、U PEGシングルサイト修飾rHuGHの理論分子量と一致し(UPEG−NHSの分子量が40kD±10%)、U6、U9およびU10.5はrHuGHのUPEGシングルサイト修飾産物であることが示された。]
[0074] [実施例4]
pH6.0条件でU型およびY型分岐PEGでシングルサイトに修飾された組み換えヒト成長ホルモンの見かけ分子量の大きい修飾産物(Y6−1、U6−1)の製造ならび分子量および細胞学的活性の分析
1、修飾反応
1200mgのUPEG−NHSまたはYPEG−NHS(平均分子量40KD、均等アーム型、ロットナンバーそれぞれZZ004P182、ZZ004P167)(Beijing JenKem Technology Co., Ltd.)を2組取り、それぞれ2mM HCl(広東光華化学株式会社)12mlに溶解した。それぞれ300mgのrHuGH(厦門特宝生物工程株式会社)および、50mMホウ砂緩衝溶液(pH10.5)あるいは50mMホウ酸/ホウ砂緩衝溶液(pH9.0)あるいは10mM PBNa(pH6.0)(中国医薬集団上海化学試薬公司)を加え、反応系の全体積を60mlにした。この反応系において、rHuGH反応最終濃度は5mg/mlであり、rHuGHとPEG−NHSとの反応モル比は約1:2であり、反応pHが6.0である。振とうしながら<10℃の湯浴に2h放置し、氷酢酸(汕頭市西隆化工場)を加え、pH<4.0まで調節し反応を終止した。]
[0075] 2、見かけ分子量の大きいPEGシングルサイト修飾産物(Y6−1、U6−1)の精製
2.1 Q SepharoseFFクロマトグラフィー精製
rHuGHのPEG修飾反応サンプル(反応pH6.0)を超純水で3倍希釈し、それぞれNaOHでpH9.0に調整した。]
[0076] カラム(上海錦華クロマトグラフィー設備工場)の規格がФ25mm×500mm、Q SepharoseFF充填物(GE Healthcare)の充填規格がФ25mm×310mm,1CV=152mlである。Q Sepharose FFクロマトグラフィーカラムを0.5M NaOH 10ml/min×30min定置洗浄し、3CVのddH2O 10ml/minで溶離し、3CVの1M NaCl 10ml/minで再生し、5CVの20mMホウ砂/ホウ酸−17mM NaCl(pH9.0、A液)10ml/minで溶離した。PEG修飾rHuGHの超純水希釈サンプルを6ml/minの流速でロードし、A液を10ml/minで一番目のピークが完全に出るまで溶出し、20mMホウ砂/ホウ酸−100mM NaCl(pH9.0、B液)に変えて10ml/minで二番目のピークが完全に出るまで溶出し、20mMホウ砂/ホウ酸−200mM NaCl(pH9.0、C液)に変えて10ml/minで三番目のピークが完全に出るまで溶出した。溶出液の検出波長を280nm(AKTA Basic100,GE Healthcare)に設定した。集めた二番目のピークが目的サンプルである。5K限界ろ過フィルタ(Millipore,ポリエーテルスルフォン材料)で目的サンプルの緩衝系を5mM NaAc/HAc(pH 4.5)に変えた。]
[0077] 2.2 MacroCap SPクロマトグラフィー精製
カラム(上海錦華クロマトグラフィー設備工場)の規格がФ12mm×300mm、MacroCap SP充填物(GE Healthcare)の充填規格がФ12mm×180mm、1CV=20mlである。MacroCap SPクロマトグラフィーカラムを0.5M NaOH 1ml/min×30minで定置洗浄し、3CVのddH2O 1ml/minで溶離し、3CVの1M NaCl 1ml/minで再生し、5CVの5mM NaAc/HAc(pH 4.5、A液)1ml/minで溶離した。Q SepharoseFF精製PEG−rHuGHサンプルを1ml/minの流速でロードし、3CVのA液1ml/minで溶離し、5mM NaAc/HAc−100mM NaCl(pH 4.5、B液)を用いて、5CVのB液0%−30%の勾配で1ml/minで溶離し、10CVのB液30%−45%の勾配で溶離し、5mM NaAc/HAc−1M NaCl(pH 4.5、C液)に変えて1ml/minで、一番目と二番目のピークが完全に出るまで溶出した。溶出液の検出波長を280nm(AKTA Basic100,GE Healthcare)に設定した。30%−45%B勾配溶離の第5から第8のCVの溶出サンプルが目的サンプルである。5K限界ろ過フィルタ(Millipore,ポリエーテルサルフォン基質)を用いた限外ろ過で目的サンプルの緩衝系を3mM NaAc/HAc−7mM NaCl−5mM Lys(pH5.0)に変え、最終濃度が45mg/mlになるまでマンニトールを追加した。0.2μmろ過で除菌し、サンプリングして、SDS−PAGE電気泳動を行ない、銀染色法を利用した。残ったサンプルを−70℃において保存した。サンプル番号:U6−1、Y6−1。SDS−PAGE電気泳動検出の結果を図8に示し、SDS−PAGE電気泳動の見かけの分子量の検出結果を図9に示した。] 図8 図9
[0078] 各PEG−rHuGHサンプルの10μgのローディングでは、検出されたマルチサイト修飾産物は全て少量で、各サンプルの基質タンパク質(rHuGH)の含有量はすべて0.5%以下であって(図8)、主バンドの含有量はすべて80%以上であった。SDS−PAGE電気泳動により各PEG−rHuGHサンプルの見かけ分子量を検出した結果はすべて一本のバンドを呈し、Y6−1の見かけ分子量はY10.5より顕著に大きく、U6−1の見かけ分子量はU10.5より顕著に大きい(図9)。] 図8 図9
[0079] 3、MALDI−TOF MSによる分子量の測定
ドイツBRUKER社のautoflex TOF/TOFシステムを用いて、MALDI−TOFMS法に準じてPEG−rHuGHY各サンプルの分子量を測定した。検出方法は実施例3と同じであった。結果を図7に示す。]
[0080] Y6−1及びU6−1のMS分子量はどちらも62012ダルトン±10%の範囲にあり、PEGシングルサイト修飾rHuGHの理論分子量と一致し(YPEG−NHSまたはUPEG−NHSの分子量が40kD±10%)、どちらもPEGのシングルサイト修飾産物であることが示された。]
[0081] 4.細胞学的活性の分析
GH国家標準品を対照とし、HuGH依存性ラットリンパ腫細胞株Nb2−11を採用し、PEG−rHuGH各サンプルの細胞学的活性を分析し、Y6−1とY10.5、U6−1とU10.5の細胞学的活性の差別を比べた。検出方法は実施例3と同じであった。検出結果を表3に示す。一つのサンプルにおいて三回測定した。]
[0082] Y10.5の平均細胞学的比活性が2.08×10−1IU/mg、Y6−1の平均細胞学的比活性が5.50×10−2IU/mg、U10.5の平均細胞学的比活性が2.28×10−1IU/mg,U6−1の平均細胞学的比活性が5.00×10−2IU/mgである。Y10.5/U10.5の平均細胞学的比活性はY6−1/U6−1より顕著に高く、後者の3倍となった。]
[0083] 実施例5
YPEG−rHuGH(Y10.5)およびUPEG−rHuGH(U10.5)の体内生物学的活性の分析]
[0084] 除脳下垂体ラットを動物モデルとして、『中華人民共和国薬局方』2005年改正付録XII P成長ホルモン生物測定法に準じて、YPEG−rHuGH(Y10.5)およびUPEG−rHuGH(U10.5)の体内における動物成長を促進する生物学的活性を検出した。すなわち単回投与した一週間後に除脳下垂体ラット(内因性成長ホルモンなし)の成長発育に対する影響を検討した。]
[0085] Wistarラット、SPF化、雄、出生して26−28d、体重60−80gで、中国薬品生物製品検定所実験動物センター提供、動物合格証ナンバー:SCXK(京)2005−0004号を用いた。実験の2−3週前に無菌条件で手術によって脳下垂体を除去し、二級実験室で回復するまで正常に飼った。合格した除脳下垂体ラットが選ばれ、体重によって10匹ずつ10群に分けた。具体的には、陰性対照(ブランク溶媒)群、陽性対照rHuGH(GH国家標準品で、中国薬品生物製品検定所製、3IU/本)投与群、低(2.7IU・kg−1)投与群、中(5.3IU・kg−1)投与群、高(10.7IU・kg−1)投与群であり、6回投与で、一日に一回、6日間連続投与した。サンプルY10.5の低(2.7IU・kg−1)、中(5.3IU・kg−1)および高(10.7IU・kg−1)投与群、サンプルU10.5の低(2.7IU・kg−1)、中(5.3IU・kg−1)および高(10.7IU・kg−1)投与群は、標準品投与の第一日に同時に単回投与した。Y10.5およびU10.5は推定力価の3IU/mgに調製された。動物頚部に皮下注射し、投与量は0.5mlであった。陰性対照群には溶媒だけを投与し、一日に一回、6日間投与した。最後の投与から24時間後陽性対照群のラットを殺し、体重および脛骨の骨端軟骨板の幅を測った。『中華人民共和国薬局方』2005年改正付録XII P成長ホルモン生物測定法およびに付録XIV生物検定統計法に準じて、データを処理した。]
[0086] YPEG−rHuGH(Y10.5)の生物力価は5.0IU・mg−1で、UPEG−rHuGH(U10.5)の生物力価は5.2IU・mg−1で、普通のrHuGHの1.5倍以上であった。動物成長における生物活性または長期的な薬理作用に関してYPEG−rHuGH(Y10.5)およびUPEG−rHuGH(U10.5)の単回投与は、rHuGHの毎日の注射投与より強い。]
[0087] [実施例6]
カニクイザルにおけるYPEG−rHuGH(Y10.5)の血清薬物代謝半減期の測定
カニクイザル6匹を選んだ。雌3匹、雄3匹、体重が3.24−5.48kg(広西北海市玉埼実験動物科学技術株式会社、合格証番号:SCXK(桂)2005−0005)。3匹ずつカニクイザルを2群に分けて実験を行った。1つの群にはYPEG−rHuGH(Y10.5)を300mg・kg−1で単回皮下注射し(♂2匹,♀1匹)、もう一つの群にはrHuGH(Saizen,思真;スイスセロノ薬品株式会社)を300mg・kg−1で単回皮下注射した(♂1匹,♀2匹)。投与後、定時に投与部位の反対側の後肢静脈から採血し、血清を分離した。R&D社のHuman Growth HormoneELISAキットを使用し、ELISA法に準じて薬物血中濃度を測定し、薬物血中濃度変化の曲線を描き、薬物代謝半減期を計算した。その結果を図10に示した。] 図10
[0088] カニクイザルへの、300μg・kg−1投与量でのYPEG−rHuGH(Y10.5)の単回皮下注射後の、血清薬物濃度ピーク到達時間は8−24hであった。薬物の消失が緩やかであった。平均血清薬物代謝半減期は41.33hであった。カニクイザルへの、300μg・kg−1投与量でのrHuGH(思真)の皮下注射後の、血清薬物濃度ピーク到達時間は1−2hで、24h後、薬物濃度が投与前のレベルに下がった。消失はYPEG−rHuGH(Y10.5)より顕著に速かった。平均血清薬物代謝半減期は1.80hである。YPEG−rHuGH(Y10.5)の平均血清薬物代謝半減期はrHuGHの20倍以上であった。]
权利要求:

請求項1
ポリエチレングリコール化成長ホルモンを製造する方法であって、a)pHが6.0以上、好ましくは7.0以上、好ましくは8.0以上、好ましくは9.0以上、好ましくは9.5以上、好ましくは10.0以上、最も好ましくは10.5の溶液中、U型またはY型分岐の二本鎖ポリエチレングリコールを成長ホルモン、好ましくはヒト成長ホルモンと、好ましくは約1:2(前記成長ホルモン:二本鎖ポリエチレングリコール)のモル比で接触させる工程と、b)工程a)で得られた、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物を、適当な濃度のSDS−PAGE、好ましくは12%のSDS−PAGEで検出する工程であって、前記産物は二つのバンドを示す工程と、c)前記二つのバンド中の見かけ分子量の小さい、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物を単離し収集する工程と、を含み、さらに、ゲルクロマトグラフィー、例えばQSepharoseFFクロマトグラフィー、DEAESepharoseFFクロマトグラフィー又はMacroCapSPクロマトグラフィーを利用する精製工程を任意に含む、ポリエチレングリコール化成長ホルモンを製造する方法。
請求項2
前記二本鎖ポリエチレングリコールは以下の構造式(I)を有するY型ポリエチレングリコールである請求項1に記載の方法。(ここで、PaおよびPbは同一または異なるポリエチレングリコールである。jは1〜12の整数である。RiはH、置換あるいは無置換のC1〜12のアルキル基、置換アリール基、アラルキル基、またはヘテロアルキル基である。X1およびX2はそれぞれ独立して連結基であり、X1は(CH2)nであり、X2は(CH2)n、(CH2)nOCO、(CH2)nNHCO、(CH2)nCOからなる群から選ばれる基であり、nは1〜10の整数である。Fは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、アシルクロライド、ヒドラジド、マレイミド、ピリジンジスルフィドからなる群から選ばれる末端基であり、治療剤あるいは基質にあるアミノ基、ヒドロキシル基またはメルカプト基と反応して共有結合を形成することができる。)
請求項3
前記Y型ポリエチレングリコールは、以下の構造式(II)を有する請求項2に記載の方法。(ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。mおよびm’は重合度を表し、任意の整数である。m+m’は好ましくは600〜1500であり、最も好ましくは910である。)
請求項4
前記Y型ポリエチレングリコールは、以下の構造式(III)を有する請求項3に記載の方法。(ここで、ポリエチレングリコールの総平均分子量は好ましくは約26kD〜60kDであり、より好ましくは40kDである。)
請求項5
前記二本鎖ポリエチレングリコールは以下の構造式(IV)を有するU型ポリエチレングリコールである請求項4に記載の方法。(ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基である。nおよびn’は重合度を表し、任意の整数である。n+n’は600〜1500であり、最も好ましくは910である。前記U型ポリエチレングリコールの平均分子量は約26kD〜66kDであり、最も好ましくは約40kDである。)
請求項6
a)pHが9.0または10.5の溶液中、下式(III)に示すポリエチレングリコールをヒト成長ホルモンと、約1:2のモル比率で、接触させる工程と、(ここで、m+m’は910であり、ポリエチレングリコールの総平均分子量は約40kDである。)b)工程a)で得られたポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物を12%のSDS−PAGEで検出する工程であって、前記産物は見かけ分子量の低いバンドを主とする工程と、c)QSepharoseFFクロマトグラフィー、DEAESepharoseFFクロマトグラフィー及びMacroCapSPクロマトグラフィーからなる群から選ばれるゲルクロマトグラフィーにより、前記ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された見かけ分子量の小さい産物を単離し、収集する工程と、を含む請求項4に記載の方法。
請求項7
請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法で製造されたポリエチレングリコール化成長ホルモンであって、前記成長ホルモンは、天然物から抽出され、または組み換えバイオテクノロジーによって得られたものであり、好ましくは配列番号SEQIDNO:1に示す配列を有する、ポリエチレングリコール化成長ホルモン。
請求項8
分子量が62kDであり、以下の構造式(VII)を有する請求項7に記載のポリエチレングリコール化成長ホルモン。(ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。m+m’は910である。jは1〜12の整数である。)
請求項9
ポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物を製造する方法であって、a)pHが8.0以上、好ましくは9.0以上、好ましくは9.5以上、好ましくは10.0以上、最も好ましくは10.5の溶液中、U型またはY型分岐の二本鎖ポリエチレングリコールを成長ホルモン、好ましくはヒト成長ホルモンと、好ましくは二本鎖ポリエチレングリコールに対する成長ホルモンが約1:2のモル比率で、接触させる工程と、b)工程a)で得られた、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物を、適当な濃度のSDS−PAGE、好ましくは12%のSDS−PAGEで検出する工程であって、前記産物は二つのバンドを示す工程と、c)前記ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物を単離、収集する工程であって、前記収集した産物は、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された、見かけ分子量の低い産物を主とする混合物であり、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された見かけ分子量の低い産物のSDS−PAGE含有量は、70%以上、好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上である工程と、さらに、ゲルクロマトグラフィー、例えばQSepharoseFFクロマトグラフィー、DEAESepharoseFFクロマトグラフィー又はMacroCapSPクロマトグラフィーを好ましく利用する精製工程を任意に含む、ポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物を製造する方法。
請求項10
前記二本鎖ポリエチレングリコールは以下の構造式(I)を有するY型ポリエチレングリコールである請求項9に記載の方法。(ここで、PaおよびPbは同一または異なるポリエチレングリコールである。jは1〜12の整数である。RiはH、置換あるいは無置換のC1〜12のアルキル基、置換アリール基、アラルキル基またはヘテロアルキル基である。X1およびX2はそれぞれ独立して連結基であり、X1は(CH2)nであり、X2は(CH2)n、(CH2)nOCO、(CH2)nNHCO、(CH2)nCOからなる群から選ばれる基であり、nは1〜10の整数である。Fは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、アシルクロライド、ヒドラジド、マレイミド、ピリジンジスルフィドからなる群から選ばれる末端基であり、治療剤あるいは基質にあるアミノ基、ヒドロキシル基またはメルカプト基と反応して共有結合を形成することができる。)
請求項11
前記Y型ポリエチレングリコールは、以下の構造式(II)を有する請求項10に記載の方法。(ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。mおよびm’は重合度を表し、任意の整数である。m+m’は好ましくは600〜1500であり、最も好ましくは910である。)
請求項12
前記Y型ポリエチレングリコールは、以下の構造式(III)を有する請求項11に記載の方法。(ここで、ポリエチレングリコールの総平均分子量は好ましくは約26kD〜60kDであり、好ましくは40kDである。)
請求項13
前記二本鎖ポリエチレングリコールは以下の構造式(IV)を有するU型ポリエチレングリコールである請求項9に記載の方法。(ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基である。nおよびn’は重合度を表し、任意の整数である。n+n’は600〜1500であり、最も好ましくは910である。前記U型ポリエチレングリコールの平均分子量は約26kD〜66kDであり、最も好ましくは約40kDである。)
請求項14
a)pHが9.0または10.5の溶液中、下式(III)に示すポリエチレングリコールをヒト成長ホルモンと約1:2のモル比率(前記ヒト成長ホルモン:二本鎖ポリエチレングリコール)で接触させる工程と、(ここで、m+m’は910であり、ポリエチレングリコールの総平均分子量は約40kDである。)b)工程a)で得られたポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物を、12%のSDS−PAGEで検出する工程と、c)QSepharoseFFクロマトグラフィー、DEAESepharoseFFクロマトグラフィー及びMacroCapSPクロマトグラフィーからなる群から選ばれるゲルクロマトグラフィーにより、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物を単離し、収集する工程と、を含み、前記収集した産物中の、ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された見かけ分子量の低い産物のSDS−PAGE含有量は70%以上、好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上である、請求項12に記載の方法。
請求項15
請求項9〜14のいずれか一項に記載の方法で製造されたポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物であって、前記成長ホルモンは天然物から抽出され、または組み換えバイオテクノロジーによって得られたものであり、好ましくは、配列番号SEQIDNO:1に示す配列を有する、ポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物。
請求項16
前記ポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された調製物は、以下の構造式(VII)で示される請求項15に記載のポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物。(ここで、RおよびR’はそれぞれ独立して低分子量のアルキル基、好ましくはC1〜C4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。m+m’は910である。jは1〜12の整数である。前記ポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物中の見かけ分子量の低いポリエチレングリコールでシングルサイトに修飾された産物のSDS−PAGE含有量は、70%以上、好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上である。)
請求項17
前記組み換え成長ホルモンは、人工的に合成されたものであるか、または、大腸菌のような原核生物発現系、ピキアのような真核酵母発現系、昆虫細胞系、及びCHO細胞のような哺乳類細胞系からなる群から選ばれる一つの発現系で発現されたものである、請求項7または8に記載のポリエチレングリコール化成長ホルモン、あるいは、請求項15または16に記載のポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物。
請求項18
組成物であって、薬学的に有効な量の請求項7、8、15〜17のいずれか一項に記載のポリエチレングリコール化成長ホルモン若しくはポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物と、薬学的に許容できるキャリアまたは賦形剤とを含有する組成物であって、前記キャリアまたは賦形剤は、好ましくは、マンニトール;アミノ酸;塩化ナトリウム;酢酸および酢酸ナトリウム;を含み、前記アミノ酸は、好ましくは、アスパラギン酸、アスパラギン、リシンおよびグリシンからなる群から選択される、組成物。
請求項19
請求項7、8、15〜17のいずれか一項に記載のポリエチレングリコール化成長ホルモン若しくはポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物または請求項18に記載の組成物の、成長ホルモンでの治療が必要な疾患を治療するための治療剤または老化防止剤の製造における使用であって、前記成長ホルモンの治療が必要な疾患は、低身長症、火傷、創傷、骨折、出血性潰瘍、腎不全、AIDS、内因性成長ホルモン分泌不全性低身長症、Turner症候群、合成代謝障害および成人成長ホルモン分泌不全からなる群から好ましくは選ばれる、使用。
請求項20
成長ホルモンでの治療が必要な疾患を治療する又は老化防止する方法であって、患者に、請求項7、8、15〜17のいずれか一項に記載のポリエチレングリコール化成長ホルモン若しくはポリエチレングリコール化成長ホルモン調製物または請求項18に記載の組成物を治療に有効な量で投与することを含み、前記成長ホルモンでの治療が必要な疾患は低身長症、火傷、創傷、骨折、出血性潰瘍、腎不全、AIDS、内因性成長ホルモン分泌不全性低身長症、Turner症候群、合成代謝障害、および成人成長ホルモン分泌不全からなる群から好ましくは選ばれる、方法。
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