专利摘要:
本発明は、インフルエンザA型ウイルスに対する中和分子を同定、産生、および操作するための方法および手段、ならびに産生された中和分子に関する。特に、本発明は、種々のインフルエンザA型ウイルス亜型に対する中和分子(H5および/またはH3および/またはH1(例えば、H1、H3、およびH5亜型の全てなど)に対する中和抗体が含まれる)およびかかる分子の作製方法および手段に関する。1つの態様では、本発明は、インフルエンザウイルスの少なくとも1つの亜型および/またはインフルエンザウイルスの少なくとも1つの分離株を中和することができる分子に関する。1つの実施形態では、分子は、(i)インフルエンザA型ウイルスの1つを超える亜型および/または1つを超える分離株を中和し、(ii)ウイルスの血球凝集素(HA)抗原に結合し、かつ(iii)血球凝集を阻害しない、抗体または抗体様分子である。
公开号:JP2011516423A
申请号:JP2011502108
申请日:2009-03-27
公开日:2011-05-26
发明作者:アラン;ケー. カシャップ,;ラメシュ;アール. バート,;ローレンス ホロウィッツ,
申请人:シー レーン バイオテクノロジーズ, エルエルシー;
IPC主号:C07K16-10
专利说明:

[0001] 発明の分野
本発明は、ウイルス抗原(インフルエンザA型ウイルスが含まれる)に対する中和分子を同定、産生、および操作するための方法および手段ならびに産生された中和分子に関する。本発明は、さらに、産生された分子の種々の使用(標的ウイルス抗原(インフルエンザA型ウイルスなど)上の本発明の中和分子の結合部位を使用したワクチンのデザインおよび産生が含まれる)に関する。]
背景技術

[0002] ウイルスは、重病(世界的な公衆衛生の主な脅威(インフルエンザ、AIDS、および肝炎など)が含まれる)を引き起こし得る感染性病原体である。多数の癌も環境因子と併せてウイルスに関連している。典型的なウイルスは、キャプシドとして公知の殻にパッケージングされたDNAまたはRNAを有するμm以下の粒子である。ウイルス抗原は、キャプシドから突出し、しばしば、宿主細胞へのドッキング、融合、およびウイルスDNA/RNAの注入における重要な機能を果たしている。抗体ベースの免疫応答は、ウイルス感染からの宿主の防御の最前線を形成するが、多くの場合、有効なウイルス排除にはT細胞およびNK細胞によって媒介される力強い細胞性免疫応答が必要である。細胞性免疫がウイルスを排除できない場合、感染は慢性化するようになり、疾患診断の第1の指標としてウイルス病原体に対する血清抗体を使用する。抗体および抗体様分子は、かかるウイルス疾患の受動免疫化または処置のための有益なツールであろう。]
[0003] ウイルス疾患の1つであるインフルエンザは、インフルエンザウイルスに起因する接触伝染性の呼吸器疾患である。インフルエンザは軽度から重度の疾患を引き起こし、時には死に至り得る。米国において年間人口の5〜20%がインフルエンザを罹患し、約200,000人が入院し、約36,000人が死亡する。]
[0004] インフルエンザウイルスは咳およびくしゃみによって呼吸器中の液滴に広がり、通常は人から人へ伝播する。インフルエンザ表面抗原(特に、血球凝集素)に対する免疫は、感染の可能性、および感染した場合の疾患の重症度を軽減する。インフルエンザワクチンを利用できるが、あるインフルエンザウイルスの型または亜型に対するワクチンは別のインフルエンザの型または亜型をわずかにまたは全く防御しないので、毎年インフルエンザワクチン中に1つまたは複数の新規の株を組み合せる必要がある。]
[0005] インフルエンザウイルスは負鎖RNAウイルスに分類され、オルトミクスウイルス科に属する。インフルエンザA型ウイルスは、9個の構造タンパク質からなり、調節機能を有する1つの非構造NS1タンパク質をさらにコードする。非構造NS1タンパク質は、再生サイクル中に大量に合成され、感染細胞のサイトゾルおよび核内に局在している。ウイルスゲノムの分割性により、細胞の異なるウイルス株との混合感染中に遺伝子再集合(ゲノムセグメントの交換)機構が起こる。インフルエンザA型ウイルスを、その表面上にディスプレイされる異なる血球凝集素(HA)およびノイラミニダーゼ(NA)ウイルスタンパク質に応じて種々の亜型にさらに分類することができる。インフルエンザA型ウイルス亜型は、2つのウイルス表面糖タンパク質である、血球凝集素(HAまたはH)およびノイラミニダーゼ(NAまたはN)によって同定される。各インフルエンザウイルス亜型は、HおよびNタンパク質のその組み合せによって同定される。16種のHA亜型および9種のNA亜型が公知である。インフルエンザA型ウイルスは、ヒト、トリ、ブタ、ウマ、および他の動物に感染し得るが、野鳥がこれらのウイルスの天然の宿主である。いくつかのインフルエンザA型亜型(すなわち、H1N1、H1N2、およびH3N2)のみが、現在ヒト間伝染で認められているが、16種のH亜型と9種のNA亜型との全ての組み合せが鳥類、特に、水鳥および浜に生息する鳥で同定されている。さらに、H5およびH7インフルエンザウイルスもヒト疾病を引き起こし得るという証拠が増加しつつある。]
[0006] インフルエンザA型ウイルスのHAは、2つの構造的に異なる領域(すなわち、球状頭部領域(globular head region)およびステム領域(stem region))を含む。球状頭部領域は、標的細胞へのウイルス付着を担い、且つHAの血球凝集活性に関与する受容体結合部位を含む。ステム領域は、ウイルスエンベロープと細胞のエンドソーム膜との間の細胞融合に必要であり、したがって融合活性に関連する融合ペプチドを含む(非特許文献1)。]
[0007] パンデミック(世界的流行病)は、世界的な疾患の発生である。インフルエンザパンデミックは、新規のインフルエンザA型ウイルスが、(1)ヒト集団においてほとんどまたは全く免疫が存在しないものとして出現した場合、(2)重篤な疾病を引き起こし始め、次いで、(3)世界規模で人から人へ容易に伝播する場合に起こる。20世紀には、かかるインフルエンザパンデミックが3回起こっている。第1に、1918年に、「スペイン風邪」インフルエンザパンデミックにより、米国で少なくとも500,000人が死亡し、世界で4000万人までが死亡した。このパンデミックは、インフルエンザA型H1N1亜型に起因していた。第2に、1957年に、インフルエンザA型H2N2亜型に起因する「アジア風邪」インフルエンザパンデミックにより、米国で少なくとも70,000人が死亡し、世界で100〜200万人が死亡する結果となった。最も最近では、1968年に、インフルエンザA型H3N2亜型に起因する「ホンコン風邪」インフルエンザパンデミックにより、米国で約34,000人が死亡し、世界で700,000人が死亡する結果となった。]
[0008] 1997年に、最初のインフルエンザA型H5N1の症例が香港で報告された。これは、このトリウイルス型のヒトへの最初の直接感染であるが、ヒトからヒトへの感染が認められなかったので、パンデミックという結果にならなかった。]
[0009] 非特許文献2(doi:10.1186/1465−992−7−43)は、不活化H5N1ウイルスを接種したウマ由来の抗H5N1IgGおよびH5N1特異的F(ab’)2フラグメントの調製を報告しており、これらは、H5N1ウイルスを感染させたBALB/cマウスを防御すると説明されていた。]
[0010] 非特許文献3(doi:10.1186/1465−9921−7−126)は、マウスの受動免疫化のためのインフルエンザA型ウイルスH5血球凝集素に特異的なキメラモノクローナル抗体の使用を記載している。]
[0011] インフルエンザウイルスに対する中和抗体は、2008年1月17日公開の特許文献1に開示されている。]
[0012] 一定のインフルエンザA型ウイルスに起因する呼吸器疾患の重症度および潜在的パンデミックの脅威を考慮して、有効な防止方法および処置方法が非常に必要とされている。本発明は、ウイルスの種々のH亜型(インフルエンザA型ウイルスのH1亜型、H3亜型、およびH5亜型が含まれるが、これらに限定されない)に対するインフルエンザA型中和分子を提供することによってこの必要性に取り組んでいる。本発明は、さらに、インフルエンザA型ウイルスの所与の亜型の1つを超える、好ましくは全ての分離株(株)(種々のヒトおよび非ヒト種から得た分離株ならびに種々のインフルエンザのエピデミックおよび/またはパンデミックの犠牲者および/または生存者由来の分離株が含まれるが、これらに限定されない)を中和することができる分子を提供する。]
[0013] かかる中和分子を、インフルエンザウイルス感染の防止および/または処置(感染集団またはエピデミックもしくはパンデミックの場合のリスク集団の受動免疫化が含まれる)のために使用することができる。]
[0014] 米国特許出願公開第2008/0014205号明細書]
先行技術

[0015] Wileyら、Ann.Rev.Biochem.(1987)56:365−394
Luら、Resp.Res.(2006)7:43
Hansonら、Resp.Res.7:126]
課題を解決するための手段

[0016] 発明の概要
1つの態様では、本発明は、インフルエンザウイルスの少なくとも1つの亜型および/またはインフルエンザウイルスの少なくとも1つの分離株を中和することができる分子に関する。1つの実施形態では、分子は、(i)インフルエンザA型ウイルスの1つを超える亜型および/または1つを超える分離株を中和し、(ii)ウイルスの血球凝集素(HA)抗原に結合し、かつ(iii)血球凝集を阻害しない、抗体または抗体様分子である。別の実施形態では、分子は、VpreB配列および/またはλ5配列を含むポリペプチドである。1つの他の実施形態では、分子は、λ5配列に融合したVpreB配列を含むポリペプチドである。別の実施形態では、分子は、Vκ様配列および/またはJCκ配列を含むκ様代替軽鎖(SLC)構築物である。1つの実施形態では、分子は抗体である。別の実施形態では、分子は、H1、H2、H3、H5、H6、H7、H8、およびH9からなる群より選択される少なくとも2つのHA抗原と交差反応する。さらに別の実施形態では、分子は、H1、H2、H3、H5、およびH9からなる群より選択される少なくとも2つのHA抗原と交差反応する。]
[0017] すべての実施形態では、分子は抗体または抗体様分子である。]
[0018] すべての実施形態では、分子は抗体フラグメントである。]
[0019] 1つの態様では、本発明は、インフルエンザA型ウイルス亜型を中和する中和分子に関する。1つの実施形態では、分子は、(i)インフルエンザA型ウイルスの1つを超える亜型および/または1つを超える分離株を中和し、(ii)ウイルスの血球凝集素(HA)抗原に結合し、かつ(iii)血球凝集を阻害しない、抗体または抗体様分子である。他の実施形態では、分子は、インフルエンザA型ウイルスの球状頭部が細胞表面に結合するのを阻害しない。別の実施形態では、細胞は、感染される細胞である。別の実施形態では、分子は、インフルエンザA型ウイルスが細胞に付着するのを阻止しない。]
[0020] 1つの実施形態では、分子は、HA抗原のH5亜型;HA抗原のH1亜型;またはHA抗原のH3亜型のエピトープに結合する。1つの他の実施形態では、H5、H3、またはH1エピトープは、インフルエンザA型ウイルスの表面上に提示される。別の実施形態では、H5亜型はH5N1亜型である。1つの他の実施形態では、H1亜型はH1N1亜型である。別の実施形態では、分子は、インフルエンザA型ウイルスH5および/またはH3および/またはH1亜型の1つを超える分離株を中和する。別の実施形態では、分子は、インフルエンザA型ウイルスのH5N1および/またはH3N1および/またはH1N1亜型の1つを超える分離株を中和する。1つの実施形態では、分子は、インフルエンザA型ウイルスのH5および/またはH3および/またはH1亜型の全ての分離株を中和する。]
[0021] すべての実施形態では、中和されるインフルエンザA型ウイルス亜型を、ノイラミニダーゼ(N)糖タンパク質(N1およびN2が含まれるが、これらに限定されない)によってさらに特徴づけることができる。]
[0022] 1つの他の実施形態では、分子は、インフルエンザA型ウイルスの少なくとも1つのH5および/またはH3および/またはH1亜型を中和する。]
[0023] 別の実施形態では、分子は、インフルエンザA型ウイルスの全てのH5および/またはH3および/またはH1亜型を中和する。]
[0024] 別の実施形態では、分子は、インフルエンザA型ウイルス亜型の1つを超えるH5および/またはH3および/またはH1分離株を中和する。]
[0025] さらに別の実施形態では、分子は、インフルエンザA型ウイルス亜型の全てのH5および/またはH3および/またはH1分離株を中和する。]
[0026] 別の実施形態では、分子は、インフルエンザA型ウイルス亜型の全てのH5および/またはH3および/またはH1分離株(分離株はヒトに感染することができる)を中和する。]
[0027] すべての実施形態では、H5亜型はH5抗原を含むことができ、そして/またはH1亜型はH1抗原を含むことができる。]
[0028] 1つの他の実施形態では、本発明は、配列番号4、配列番号45、配列番号9、または配列番号61として示したアミノ酸配列;または前記アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列またはそのフラグメントを含む重鎖ポリペプチドを有する分子のエピトープと本質的に同一のエピトープに結合する分子を提供する。別の実施形態では、分子は、配列番号71、配列番号140、配列番号81、配列番号158、配列番号159、または配列番号160として示したアミノ酸配列;または前記アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列を含む軽鎖ポリペプチドを含む分子のエピトープと本質的に同一のエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、本発明は、配列番号4、配列番号45、配列番号9、または配列番号61、または前記アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列またはそのフラグメントを含む重鎖ポリペプチドを含む分子を提供する。他の実施形態では、分子は、さらに、配列番号71、配列番号140、配列番号81、配列番号158、配列番号159、または配列番号160、または前記アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列またはそのフラグメントを含む軽鎖ポリペプチドを含む。]
[0029] 1つの実施形態では、分子は、式:X1−X2−Q−L−V−Q−S−G−X3−E−V−X4−K−P−G−X5−S−V−X6−X7−S−C−K−X8−S−G−G−X9−F−S−S−Y−A−X10−X11−W−V−R−Q−A−P−G−Q−G−L−E−W−M−G−X12−G−I−I−X13−X14−F−G−T−T−X15−N−Y−A−Q−K−F−Q−G−R−X16−T−X17−T−A−D−X18−X19−T−S−T−A−Y−M−E−L−S−S−L−R−S−X20−D−T−A−V−Y−Y−C−A−R−G−S−Y−Y−Y−E−X21−X22−L−D−Y−W−G−X23−G−T−X24(配列番号161)を有するアミノ酸配列、または前記アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列(式中、X1はQまたはEであり、X2はVまたはMであり、X3はAまたはTであり、X4はKまたはQであり、X5はSまたはAであり、X6はKまたはRであり、X7はVまたはLであり、X8はA、T、またはVであり、X9はT、S、またはAであり、X10はIまたはVであり、X11はSまたはTであり、X12はGまたはAであり、X13はPまたはGであり、X14はIまたはMであり、X15はAまたはTであり、X16はVまたはLであり、X17はI、L、またはMであり、X18はKまたはEであり、X19はS、L、またはMであり、X20はEまたはDであり、X21はS、T、またはNであり、X22はSまたはTであり、X23はQ、K、G、またはRであり、X24はL、T、またはMである)を含む重鎖ポリペプチドを含む分子と本質的に同一のエピトープに結合する。1つの実施形態では、配列番号161として示したアミノ酸配列は、さらに、X24の後のC末端に−V−T−V−S−Sまたは−V−R−V−S−Sを含む。]
[0030] さらに別の実施形態では、分子は、配列番号71、配列番号140、配列番号81、配列番号158、配列番号159、または配列番号160として示したアミノ酸配列、または前記アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列を含む軽鎖ポリペプチドを含む分子と本質的に同一のエピトープに結合する。]
[0031] いくつかの実施形態では、本発明は、式:X1−X2−Q−L−V−Q−S−G−X3−E−V−X4−K−P−G−X5−S−V−X6−X7−S−C−K−X8−S−G−G−X9−F−S−S−Y−A−X10−X11−W−V−R−Q−A−P−G−Q−G−L−E−W−M−G−X12−G−I−I−X13−X14−F−G−T−T−X15−N−Y−A−Q−K−F−Q−G−R−X16−T−X17−T−A−D−X18−X19−T−S−T−A−Y−M−E−L−S−S−L−R−S−X20−D−T−A−V−Y−Y−C−A−R−G−S−Y−Y−Y−E−X21−X22−L−D−Y−W−G−X23−G−T−X24(配列番号161)を有するアミノ酸配列、または前記アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列(式中、X1はQまたはEであり、X2はVまたはMであり、X3はAまたはTであり、X4はKまたはQであり、X5はSまたはAであり、X6はKまたはRであり、X7はVまたはLであり、X8はA、T、またはVであり、X9はT、S、またはAであり、X10はIまたはVであり、X11はSまたはTであり、X12はGまたはAであり、X13はPまたはGであり、X14はIまたはMであり、X15はAまたはTであり、X16はVまたはLであり、X17はI、L、またはMであり、X18はKまたはEであり、X19はS、L、またはMであり、X20はEまたはDであり、X21はS、T、またはNであり、X22はSまたはTであり、X23はQ、K、G、またはRであり、X24はL、T、またはMである)を含む重鎖ポリペプチドを含む重鎖ポリペプチドを含む分子を提供する。1つの実施形態では、配列番号161として示したアミノ酸配列は、さらに、X24の後のC末端に−V−T−V−S−Sまたは−V−R−V−S−Sを含む。]
[0032] 他の実施形態では、分子は、さらに、配列番号71、配列番号140、配列番号81、配列番号158、配列番号159、または配列番号160として示したアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含む。]
[0033] すべての実施形態では、分子は抗体または抗体様分子である。]
[0034] 1つの実施形態では、抗体または抗体様分子は、(i)インフルエンザA型ウイルスの1つを超える亜型および/または1つを超える分離株を中和し、(ii)ウイルスの血球凝集素(HA)抗原に結合し、かつ(iii)血球凝集を阻害しない。]
[0035] 別の実施形態では、本明細書中に記載の分子によって中和される少なくとも1つのウイルス亜型および/または分離株は、ヒトに感染する能力を有する。]
[0036] 他の実施形態では、少なくとも1つの前記分離株をヒト被験体から得た。別の実施形態では、ヒト被験体は、分離株を得た時点でインフルエンザウイルス疾患に罹患しているか罹患していた。他の実施形態では、ヒト被験体は、インフルエンザA型ウイルス感染から回復していた。別の実施形態では、インフルエンザA型ウイルスは、インフルエンザA型ウイルスのH5亜型および/またはH1亜型である。]
[0037] 1つの実施形態では、少なくとも1つの前記分離株を非ヒト動物から得た。別の実施形態では、少なくとも1つの分離株は、トリ(野鳥およびニワトリが含まれるが、これらに限定されない)に由来する。]
[0038] 1つの実施形態では、分子はH5亜型およびH1亜型を中和する。]
[0039] 別の実施形態では、本発明の中和分子はH5および/またはH1タンパク質に結合する。1つの実施形態では、H5タンパク質はH5HAタンパク質である。好ましくは、分子は、H5タンパク質の1つを超える改変体、さらにより好ましくは、H5タンパク質の実質的に全ての改変体に結合する。]
[0040] 別の実施形態では、分子はまた、少なくとも1つのさらなるHA抗原に結合する。1つの他の実施形態では、さらなるHA抗原はH1HA抗原である。1つの他の実施形態では、分子は、H1HAタンパク質の実質的に全ての改変体に結合する。1つの実施形態では、少なくとも1つのさらなるHA抗原は、H2、H3、H5、H6、H7、H8、およびH9からなる群より選択される。別の実施形態では、少なくとも1つのさらなるHA抗原はまた、HA抗原のH5、HA抗原のH3およびH9、またはHA抗原のH3、H5、およびH9に結合する。]
[0041] 他の実施形態では、本明細書中に記載の分子は、H5タンパク質および少なくとも1つのさらなるHタンパク質(H1タンパク質など)に結合する。]
[0042] 異なる態様では、本発明は、本明細書中に記載の中和分子を含む組成物に関する。1つの実施形態では、組成物は、本明細書中に記載の抗体または抗体様分子を含む。]
[0043] さらなる態様では、本発明は、単一のインフルエンザA型ウイルス亜型または複数のインフルエンザA型ウイルス亜型の1つを超える分離株を中和することができる分子の同定方法に関する。本方法は、抗体ライブラリー中のインフルエンザA型ウイルス亜型の第1および第2の分離株またはインフルエンザA型ウイルスの第1および第2の亜型の両方と反応する分子(例えば、抗体、抗体フラグメント、または抗体様分子)を同定する工程、および第1および第2の分離株または第1および第2の亜型に結合するそれらの能力に基づいて、同定された分子を連続的な交互の選択ラウンドに供する工程を含む。1つの実施形態では、本方法は、さらに、同定した抗体を単離する工程を含む。]
[0044] 別の実施形態では、第1および第2のインフルエンザA型ウイルス亜型分離株の両方に反応する分子を、それぞれ第1および第2の分離株と反応する分子の少なくとも2ラウンドの個別の富化および同定された分子の組換えによって同定した。]
[0045] 別の態様では、本発明は、インフルエンザA型ウイルスH5分離株および/またはインフルエンザA型ウイルスH1分離株またはインフルエンザA型ウイルスH5亜型および/またはインフルエンザA型ウイルスH1亜型を中和することができる抗体を同定する方法を提供する。1つの実施形態では、本方法は、抗体ライブラリー中のH5分離株および/またはH1分離株またはH5亜型および/またはH1亜型の両方と反応する抗体を同定する工程、および前記H5および/またはH1分離株またはHAタンパク質または前記H5および/またはH1亜型またはHAタンパク質に結合するそれらの能力に基づいて、同定された前記抗体を連続的な交互の選択ラウンドに供する工程を含む。別の実施形態では、本方法は、少なくとも2ラウンドの選択を含む。1つの実施形態では、本方法は、さらに、同定された抗体を単離する工程を含む。別の実施形態では、H5分離株はインフルエンザA型ウイルスまたはHAのH5亜型であり、そして/またはH1分離株は前記インフルエンザA型ウイルスまたはHAのH1亜型である。さらに別の実施形態では、第1および第2のインフルエンザA型ウイルス亜型の分離株またはHAの両方に反応する抗体を、それぞれ第1の分離株またはHAおよび第2の分離株またはHAに反応する抗体の少なくとも2ラウンドの個別の富化および同定された抗体の組換えによって同定した。1つの他の実施形態では、前記インフルエンザA型のH5およびH1亜型の分離株またはHAの両方に反応することができる抗体を変異誘発に供し、その後、前記H5および第2のH1亜型の分離株またはHAに結合するそれらの能力に基づいて連続的な交互の選択ラウンドに供する。1つの他の実施形態では、インフルエンザA型ウイルス亜型はH5亜型またはHAであり、前記インフルエンザA型ウイルス亜型はH1亜型またはHAである。別の実施形態では、H5亜型またはHAはH5ウイルスの2006年トルコ分離株に由来するか;H5亜型またはHAはH5ウイルスの2003/2004年ベトナム分離株に由来するか;H5亜型またはHAは、H5ウイルスの1997年香港分離株に由来するか;H1亜型またはHAはH1ウイルスのニューカレドニア/20/99分離株に由来するか、;H5および/または前記H1亜型またはHAは異なる種を起源とするか;その任意の組み合せである。1つの他の実施形態では、前記種の少なくとも1つはヒトであるか、前記種の少なくとも1つはトリである。別の実施形態では、前記H5および/またはH1分離株に結合することができる抗体を、1つを超えるインフルエンザA型亜型に結合する能力に基づいてさらに選択する。]
[0046] 別の実施形態では、分子ライブラリーはファージ提示ライブラリーである。1つの実施形態では、バイオパニングによって選択する。]
[0047] 別の実施形態では、第1および第2のインフルエンザA型亜型の分離株の両方と反応することができる分子を変異誘発に供し、その後、第1および第2の分離株に結合するそれらの能力に基づいて連続的な交互の選択ラウンドに供する。必要に応じて、第1および第2の分離株に結合することができる分子を、1つを超えるインフルエンザA型亜型に結合する能力に基づいてさらに選択する。]
[0048] かかる富化技術を、一般に、結合する標的と無関係に、分子に同様に適用することができる。かかる一般的な富化/選択方法は、明確に本発明の一部として含まれる。]
[0049] 別の実施形態では、本発明は、本発明の中和分子によって共有され、且つ本明細書中に記載の方法によって同定される配列のコレクションに関する。1つの他の実施形態では、配列のコレクションは、表2に示す1つまたは複数の固有の重鎖および/または軽鎖配列または前記配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列を含む。別の実施形態では、本発明は、本明細書中に記載の方法によって同定された中和抗体またはそのフラグメントを提供する。]
[0050] なおさらなる態様では、本発明は、有効量の本明細書中の中和分子または分子組成物を被験体に投与する工程を含む、被験体におけるインフルエンザA型感染の処置方法に関する。]
[0051] 別の態様では、本発明は、有効量の本明細書中の中和分子または分子組成物をインフルエンザA型感染症の発症リスクのある被験体に投与する工程を含む、インフルエンザA型感染の防止方法に関する。1つの実施形態では、中和分子は、中和抗体、抗体フラグメント、または抗体様分子である。]
[0052] すべての実施形態では、被験体はヒト患者である。すべての実施形態では、被験体は、インフルエンザA型感染症の発症リスクのある被験体である。]
[0053] 異なる態様では、本発明は、(a)少なくとも2つの機能的に異なる分子(例えば、抗体、抗体フラグメント、または抗体様分子)のCDR配列をアラインメントする工程、(b)アラインメントしたCDR配列間で保存されたアミノ酸残基を同定する工程、および(c)少なくとも機能的に異なる分子中に存在するアミノ酸残基をコードする縮重オリゴヌクレオチドプローブを使用して、少なくとも1つのアラインメントしたCDR配列中の複数の非保存アミノ酸残基の変異誘発を行い、変異誘発された非保存位置に、アラインメントしたCDR配列の複数の改変体を産生する工程、および、必要に応じて、1つまたは複数の改変体を使用して分子コレクションが所望の多様度および/またはサイズに到達するまで工程(b)および(c)を繰り返す工程を含む、多様な多機能分子コレクションの産生方法に関する。]
[0054] 特定の実施形態では、アラインメントしたCDR配列は同一の長さである。]
[0055] 別の実施形態では、保存されたアミノ酸残基は、少なくとも2つのアラインメントしたCDR配列中で保持されている。]
[0056] さらなる態様では、本発明は、相互に少なくとも1つの性質が互いに異なる複数の中和分子(例えば、抗体、抗体フラグメント、または抗体様分子)を含む分子コレクションに関する。]
[0057] 本発明は、さらに、コレクション中の核酸を固有に同定する方法であって、かかるコレクション中に存在する核酸配列に連結しているか組み込まれた固有のバーコードを使用して核酸を標識する工程を含む方法に関する。]
[0058] 本発明は、さらに、本発明の分子に結合した中和エピトープを機能的に模倣するペプチドまたはポリペプチドを含む、インフルエンザA型ウイルスに有効なワクチンに関する。1つの実施形態では、ワクチンは合成ワクチンである。別の実施形態では、ワクチンは弱毒化インフルエンザA型ウイルスまたはその一部を含む。1つの他の実施形態では、ワクチンは死滅させたインフルエンザA型ウイルスまたはその一部を含む。別の実施形態では、中和エピトープに結合する分子は、以下のうちの1つである:
(a)(i)インフルエンザA型ウイルスの1つを超える亜型および/または1つを超える分離株を中和し、(ii)ウイルスの血球凝集素(HA)抗原に結合し、かつ(iii)血球凝集を阻害しない、分子;
(b)配列番号4、配列番号45、配列番号9、および配列番号61からなる群より選択されるアミノ酸配列、または前記アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列またはそのフラグメントを含む重鎖ポリペプチドを含む分子のエピトープと本質的に同一のエピトープに結合する分子;
(c)式:X1−X2−Q−L−V−Q−S−G−X3−E−V−X4−K−P−G−X5−S−V−X6−X7−S−C−K−X8−S−G−G−X9−F−S−S−Y−A−X10−X11−W−V−R−Q−A−P−G−Q−G−L−E−W−M−G−X12−G−I−I−X13−X14−F−G−T−T−X15−N−Y−A−Q−K−F−Q−G−R−X16−T−X17−T−A−D−X18−X19−T−S−T−A−Y−M−E−L−S−S−L−R−S−X20−D−T−A−V−Y−Y−C−A−R−G−S−Y−Y−Y−E−X21−X22−L−D−Y−W−G−X23−G−T−X24(配列番号161)を有するアミノ酸配列、または前記アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列またはそのフラグメント(式中、X1はQまたはEであり、X2はVまたはMであり、X3はAまたはTであり、X4はKまたはQであり、X5はSまたはAであり、X6はKまたはRであり、X7はVまたはLであり、X8はA、T、またはVであり、X9はT、S、またはAであり、X10はIまたはVであり、X11はSまたはTであり、X12はGまたはAであり、X13はPまたはGであり、X14はIまたはMであり、X15はAまたはTであり、X16はVまたはLであり、X17はI、L、またはMであり、X18はKまたはEであり、X19はS、L、またはMであり、X20はEまたはDであり、X21はS、T、またはNであり、X22はSまたはTであり、X23はQ、K、G、またはRであり、X24はL、T、またはMである)を含む重鎖ポリペプチドを含む分子のエピトープと本質的に同一のエピトープに結合する分子;
(d)配列番号4、配列番号45、配列番号9、および配列番号61からなる群より選択されるアミノ酸配列、または前記アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列またはそのフラグメントを含む重鎖ポリペプチドを含む分子;または
(e)式:X1−X2−Q−L−V−Q−S−G−X3−E−V−X4−K−P−G−X5−S−V−X6−X7−S−C−K−X8−S−G−G−X9−F−S−S−Y−A−X10−X11−W−V−R−Q−A−P−G−Q−G−L−E−W−M−G−X12−G−I−I−X13−X14−F−G−T−T−X15−N−Y−A−Q−K−F−Q−G−R−X16−T−X17−T−A−D−X18−X19−T−S−T−A−Y−M−E−L−S−S−L−R−S−X20−D−T−A−V−Y−Y−C−A−R−G−S−Y−Y−Y−E−X21−X22−L−D−Y−W−G−X23−G−T−X24(配列番号161)を有するアミノ酸配列、または前記アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列またはそのフラグメント(式中、X1はQまたはEであり、X2はVまたはMであり、X3はAまたはTであり、X4はKまたはQであり、X5はSまたはAであり、X6はKまたはRであり、X7はVまたはLであり、X8はA、T、またはVであり、X9はT、S、またはAであり、X10はIまたはVであり、X11はSまたはTであり、X12はGまたはAであり、X13はPまたはGであり、X14はIまたはMであり、X15はAまたはTであり、X16はVまたはLであり、X17はI、L、またはMであり、X18はKまたはEであり、X19はS、L、またはMであり、X20はEまたはDであり、X21はS、T、またはNであり、X22はSまたはTであり、X23はQ、K、G、またはRであり、X24はL、T、またはMである)を含む重鎖ポリペプチドを含む分子。]
[0059] 1つの実施形態では、配列番号161として示したアミノ酸配列は、さらに、X24の後のC末端に−V−T−V−S−Sまたは−V−R−V−S−Sを含む。]
[0060] 別の実施形態では、ワクチンはHA抗原に結合する分子に基づく。いくつかの他の実施形態では、HA抗原はH5亜型またはH1亜型である。1つの他の実施形態では、抗原は、インフルエンザA型ウイルスの表面上に提示される。さらに別の実施形態では、ペプチドまたはポリペプチドは、中和分子(例えば、抗体)を惹起する抗原決定基を含む。]
[0061] すべての実施形態では、本発明は、本明細書中に記載の分子を含む組成物を提供する。すべての実施形態では、分子は、抗体、抗体フラグメント、または抗体様分子である。]
[0062] 1つの態様では、本発明は、本明細書中に記載の方法によって同定された中和抗体を提供する。1つの実施形態では、中和抗体は抗体または抗体フラグメントである。別の実施形態では、中和抗体または抗体フラグメントは、トリまたは哺乳動物被験体にインフルエンザA型ウイルス感染に対する受動免疫を付与することができる。別の実施形態では、哺乳動物被験体はヒトである。1つの他の実施形態では、インフルエンザA型ウイルス感染はH5亜型および/またはH1亜型に起因する。]
[0063] 別の態様では、本発明は、ウイルス抗原に結合してそれを中和することができる分子を提供する。1つの実施形態では、分子は、Kabatアミノ酸ナンバリングに従ってアミノ酸52A位、53位、73位、および74位と決定される、表面に露出したクラスター中に少なくとも1つの置換を含む抗体重鎖可変ドメインを含み、前記分子はウイルス抗原に結合してそれを中和することができる。別の実施形態では、分子は、アミノ酸52A位、53位、73位、および74位の少なくとも1つに置換を含む。別の実施形態では、分子は、アミノ酸52A位、53位、73位、および74位の全てに置換を含む。別の実施形態では、分子は、アミノ酸57位に置換をさらに含む。別の実施形態では、分子は、P52G置換、I53M置換、L73E置換、およびS74L/M置換をさらに含む。別の実施形態では、分子は、A57T置換をさらに含む。別の実施形態では、分子はまた、アミノ酸24位、34位、35位、および50位の少なくとも1つに置換をさらに含む。別の実施形態では、分子は、アミノ酸24位、34位、35位、および50位の全てに置換を含む。別の実施形態では、分子は、V24T置換、W34V置換、G35T置換、およびS50A置換を含む。]
[0064] 1つの態様では、本発明の分子は、生殖系列重鎖由来の重鎖可変ドメイン配列を含む。1つの実施形態では、生殖系列重鎖はVH1eまたはVH1−69生殖系列重鎖である。別の実施形態では、重鎖可変ドメイン配列の残部は生殖系列重鎖の配列を保持している。別の実施形態では、生殖系列の重鎖可変ドメインは少なくとも1つのさらなる保存的置換を含む。]
[0065] 1つの実施形態では、分子は軽鎖配列をさらに含む。別の実施形態では、軽鎖配列は抗体のλまたはκ軽鎖配列である。1つの実施形態では、軽鎖配列は代替軽鎖配列である。1つの他の実施形態では、代替軽鎖配列はVpreB配列および/またはλ5配列を含む。さらに別の実施形態では、代替軽鎖配列はλ5配列に融合したVpreB配列を含む。別の実施形態では、代替軽鎖配列はVκ様配列および/またはJCκ配列を含むκ様代替軽鎖(SLC)構築物である。]
[0066] 1つの実施形態では、分子によって中和されるウイルス抗原は、インフルエンザウイルス、HIV−1、HIV−2、HTLV−Iおよび−IIウイルス、SARSコロナウイルス、単純ヘルペスウイルス、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、肝炎ウイルス(HCV、HAV、HBV、HDV、HEV)、トキソプラスマウイルス(toxoplasma gondii virus)、梅毒トレポネーマウイルス(treponema pallidium virus)、ヒトTリンパ球向性ウイルス(human T−lymphotrophic virus)、脳炎ウイルス、ウエストナイルウイルス、デングウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、麻疹、ムンプス、および風疹由来のウイルス抗原からなる群より選択される。]
[0067] 別の実施形態では、ウイルス抗原は、インフルエンザウイルスまたはHIV−1もしくはHIV−2ウイルスに由来する。]
[0068] 1つの他の態様では、本発明は、インフルエンザA型ウイルスに有効なワクチンを提供する。1つの実施形態では、ワクチンは、本明細書中に記載の分子の中和エピトープを機能的に模倣するペプチドまたはポリペプチドを含む。別の実施形態では、ウイルス抗原に有効なワクチンは、本明細書中に記載の分子の中和エピトープを機能的に模倣するペプチドまたはポリペプチドを含む。1つの実施形態では、ウイルス抗原は、インフルエンザウイルスまたはHIV−1もしくはHIV−2ウイルスに由来する。]
[0069] 別の実施形態では、ワクチンは、本明細書中に記載の分子の中和エピトープを機能的に模倣するペプチドまたはポリペプチドを含む、インフルエンザA型ウイルスに有効なワクチンである。1つの実施形態では、分子は抗体である。別の実施形態では、抗体はHA抗原に結合する。1つの他の実施形態では、HA抗原はH5亜型である。1つの他の実施形態では、HA抗原はH1亜型である。1つの他の実施形態では、抗原は、インフルエンザA型ウイルスの表面上に提示される。1つの他の実施形態では、ペプチドまたはポリペプチドは、中和抗体を惹起する抗原決定基を含む。]
[0070] 1つの実施形態では、ワクチンは合成ワクチンである。別の実施形態では、ワクチンは弱毒化インフルエンザA型ウイルスまたはその一部を含む。1つの他の実施形態では、ワクチンは死滅させたインフルエンザA型ウイルスまたはその一部を含む。]
[0071] 他の実施形態では、ワクチンは、経口投与、非経口投与、経皮送達、または経粘膜送達に適切である。1つの実施形態では、経粘膜送達は鼻腔内投与である。1つの他の実施形態では、ワクチンは小児期免疫化用ワクチンである。]
図面の簡単な説明

[0072] 図1は、2つの異なる標的AおよびBに対する反応強度の増加についての典型的なパニング富化スキームを示す。各富化ラウンドにより、各標的に対するプールの反応強度が増加する。
図2は、標的AおよびBとの交差反応性を示すクローンの選択ストラテジーを示す。連続した各ラウンドにより、両標的に対する得られたプールの反応強度が強化される。
図3は、交差反応性を生じる/増加させるための並行した発見プールの組換えによる、2つの異なる標的(標的AおよびB)に対する反応強度を増加するためのストラテジーを示す。組換え抗体ライブラリーの各選択ラウンドにより、両標的に対する得られたプールの反応強度が強化される。
図4は、標的Bに対する交差反応性を増加させる一方で、標的Aに対する反応性を維持するストラテジーを示す。第1に、標的Aに反応性を示すクローンを選択し、次いで、標的Aに反応性を示すクローンの変異誘発ライブラリーを調製し、示すように選択が行われ、標的Aおよび標的Bの両方と強い反応性を示す1つまたは複数の抗体を得る。
図5は、「目的変異誘発」法によって多様な多機能抗体コレクションを生成するための代表的な変異誘発法を示す。
図6は、異なるインフルエンザA型亜型由来の血球凝集素への抗体結合の分析を示す。
図7は、Fab47eの結晶構造上の必要なH5血球凝集素結合群1の位置および優性変異の位置を示す。
図8は、H5N1ベトナム1203/04血球凝集素タンパク質に対するトルコ人のトリインフルエンザ生存者の交差反応力価を示す。
図9は、注釈つきレパートリーのクローニングおよびバーコーディングを示す。] 図1 図2 図3 図4 図5 図6 図7 図8 図9
[0073] 詳細な説明
A.定義
ほかで定義されない限り、本明細書中で使用される技術用語および科学用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般に理解される意味と同様の意味を有する。Singletonら、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology、第2版、J.Wiley & Sons(New York,NY 1994)は、本出願で使用した多数の用語に対する一般的な指針を当業者に提供している。]
[0074] 当業者は、本発明の実施の際に使用することができる本明細書中に記載のものと類似または等価の多数の方法および材料を認識するであろう。実際、本発明は、記載の方法および材料に決して制限されない。本発明の目的のために、以下の用語を下記のように定義する。]
[0075] 用語「インフルエンザA型亜型」または「インフルエンザA型ウイルス亜型」は交換可能に使用され、これらは、血球凝集素(H)ウイルス表面タンパク質によって特徴づけられ、それにより、H番号(例えば、H1、H3、およびH5など)によって分類されるインフルエンザA型ウイルス改変体を表す。さらに、亜型を、N番号(例えば、N1およびN2など)によって示したノイラミニダーゼ(N)ウイルス表面タンパク質によってさらに特徴づけることができる。そのようなものとして、亜型を、H番号およびN番号の両方によって表すことができる(例えば、H1N1、H5N1、H5N2など)。本用語には、具体的には、通常は変異に起因し、異なる病理学的プロフィールを示す各亜型内の全ての株(絶滅した株が含まれる)が含まれる。かかる株はまた、ウイルス亜型の種々の「分離株」(過去、現在、および未来の分離株の全てが含まれる)と表されるであろう。したがって、本文脈中で、用語「株」および「分離株」は交換可能に使用される。亜型は、インフルエンザA型ウイルスに基づいた抗原を含む。抗原は血球凝集素ウイルス表面タンパク質に基づくことができ、この抗原を「HA抗原」と指定することができる。いくつかの例では、かかる抗原は特定の亜型(例えば、H1亜型およびH5亜型など)のタンパク質に基づき、それぞれH1抗原およびH5抗原と指定することができる。]
[0076] 用語「インフルエンザ」を、インフルエンザウイルスに起因する接触伝染病を表すために使用する。]
[0077] 本発明の文脈において、用語「抗体」(Ab)は最も広い意味で使用され、抗体には、特定の抗原に対して結合特異性を示すポリペプチドが含まれる。]
[0078] 「未変性の抗体」は、通常、2つの同一の軽(L)鎖および2つの同一の重(H)鎖から構成される約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は、共有結合性のジスルフィド結合によって重鎖に連結されている一方で、ジスルフィド結合数は異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で異なる。各重鎖および軽鎖はまた、規則的間隔の鎖間ジスルフィド架橋を有する。各重鎖は、一方の末端に可変ドメイン(VH)を有し、その後に多数の定常ドメインを有する。各軽鎖は、一方の末端に可変ドメイン(VL)を有し、その他方の末端に定常ドメインを有する。軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインと並列し、軽鎖可変ドメインは重鎖の可変ドメインと並列している。特定のアミノ酸残基は、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間に境界を形成すると考えられている(Chothiaら、J.Mol.Biol.186:651(1985);NovotnyおよびHaber、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.82:4592(1985))。]
[0079] 抗体鎖に関する用語「可変」を、抗体間の配列が非常に異なり、且つ特定の各抗体のその特定の抗原に対する結合および特異性が関連する抗体鎖部分を表すために使用する。かかる可変性は、両軽鎖および重鎖可変ドメイン中の超可変領域と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存されている部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。未変性の重鎖および軽鎖の可変ドメインは、それぞれ4つのFR(それぞれ、FR1、FR2、FR3、およびFR4)を含み、FRはそのほとんどが3つの超可変領域と連結したβシート配置の形態をとり、それにより、超可変領域はβシート構造に連結してループを形成し、いくつかの場合βシート構造の一部を形成する。各鎖中の超可変領域は、FRによって他の鎖由来の超可変領域とごく接近して相互に保持され、これが抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda,Md.(1991)、647−669頁を参照のこと)。定常ドメインは抗原への抗体の結合に直接は関与しないが、種々のエフェクター機能(抗体依存性細胞傷害性における抗体の関与など)を示す。]
[0080] 用語「超可変領域」は、本明細書中で抗原結合を担う抗体のアミノ酸残基を表す。超可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」由来のアミノ酸残基(すなわち、軽鎖可変ドメイン中の残基30〜36(L1)、46〜55(L2)、および86〜96(L3)ならびに重鎖可変ドメイン中の30〜35(H1)、47〜58(H2)、および93〜101(H3))を含む(MacCallumら、J Mol Biol.1996)。「フレームワーク」または「FR」残基は、本明細書中に定義の超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。]
[0081] その重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、抗体を異なるクラスに割り当てることができる。5つの主な抗体クラス(IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgM)が存在し、これらのうちのいくつかをサブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、およびIgA2)にさらに分類することができる。]
[0082] 異なる免疫グロブリンクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、およびμと呼ばれる。]
[0083] 任意の脊椎動物種由来の抗体の「軽鎖」を、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)およびラムダ(λ)と呼ばれる2つの明確に異なる型の1つに割り当てることができる。]
[0084] 用語「抗体フラグメント」は、全長抗体の一部、一般に、その抗原結合ドメインまたは可変ドメインである。抗体フラグメントの例には、Fab、Fab’、F(ab’)2、およびFvフラグメント、線状抗体、一本鎖抗体分子、ディアボディ、ならびに抗体フラグメントから形成された多重特異性抗体が含まれるが、これらに限定されない。抗体フラグメントのさらなる例には、scFv、(scFv)2、dAb(単一ドメイン抗体)、および相補性決定領域(CDR)フラグメント、およびミニボディ(その2つのループが組み合せ変異誘発の影響を受けやすい最小化可変ドメインである)が含まれるが、これらに限定されない。]
[0085] 用語「モノクローナル抗体」を、B細胞の単一クローンによって合成される抗体分子を表すために使用する。修飾語「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体集団から得られた抗体の特徴を示し、任意の特定の方法によって抗体産生が必要であると解釈されるべきではない。したがって、モノクローナル抗体を、KohlerおよびMilstein、Nature 256:495(1975);Eur.J.Immunol.6:511(1976)に最初に記載されたハイブリドーマ法、組換えDNA技術によって作製することができるか、ファージ抗体ライブラリーから単離することもできる。]
[0086] 用語「ポリクローナル抗体」を、B細胞集団によって合成された抗体分子集団を表すために使用する。]
[0087] 「単鎖Fv」または「sFv」抗体フラグメントは、抗体のVHドメインおよびVLドメインを含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖中に存在する。一般に、Fvポリペプチドは、さらに、VHドメインとVLドメインとの間にポリペプチドリンカーを含み、それにより、sFvが抗原結合に望ましい構造を形成することができる。sFvの概説については、Plueckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies、第113巻、RosenburgおよびMoore編、Springer−Verlag,New York、269−315頁(1994)を参照のこと。単鎖抗体は、例えば、WO88/06630号およびWO92/01047号に開示されている。]
[0088] 用語「ディアボディ」は、2つの抗原結合部位を有する小さな抗体フラグメントを表し、このフラグメントは同一ポリペプチド鎖中に軽鎖可変ドメイン(VL)に連結した重鎖可変ドメイン(VH)を含む(VH−VL)。短すぎて同一鎖上の2ドメイン間で対合が不可能なリンカーの使用により、ドメインは別の鎖の相補ドメインと強制的に対合して2つの抗原結合部位が作製される。ディアボディは、例えば、欧州特許第404,097号;WO93/11161号;およびHollingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448(1993)中により完全に記載されている。]
[0089] 用語「ミニボディ」を、自己アセンブリして80kDaの2価の二量体(scFv−CH3)2を形成するscFv−CH3融合タンパク質を表すために使用する。]
[0090] 用語「アプタマー」を、高い特異性および親和性を有するタンパク質標的に結合する合成核酸リガンドを表すために本明細書中で使用する。アプタマーは、タンパク質機能の有力なインヒビターとして公知である。]
[0091] dAbフラグメント(Wardら、Nature 341:544 546(1989))は、VHドメインまたはVLドメインからなる。]
[0092] 本明細書中で使用する場合、用語「抗体結合領域」は、抗原に結合することができる免疫グロブリンまたは抗体可変領域の1つまたは複数の部分を表す。典型的には、抗体結合領域は、例えば、抗体軽鎖(VL)(またはその可変領域)、抗体重鎖(VH)(またはその可変領域)、重鎖Fd領域、抗体軽鎖と重鎖(またはその可変領域)との組み合せ(Fab、F(ab’)2など)、単一ドメイン、または一本鎖抗体(scFv)、または全長抗体(例えば、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4亜型)、IgA1、IgA2、IgD、IgE、またはIgM抗体)である。]
[0093] 用語「二重特異性抗体」は、2つの異なる抗原型に特異性を示す抗体を表す。この用語には、本明細書中で具体的に使用する場合、標的抗原および特定の組織への送達を容易にする別の抗原に対して結合特異性を示す抗体が含まれるが、これらに限定されない。同様に、多重特異性抗体は、2つ以上の結合特異性を有する。]
[0094] 表現「線状抗体」を、抗原結合領域対を形成するタンデムFdセグメント対(VH−CH1−VH−CH1)を含むことを表す。線状抗体は二重特異性または単一特性であり得、例えば、Zapataら、Protein Eng.8(10):1057−1062(1995)に記載されている。]
[0095] 本発明の目的のために、用語「抗体様分子」には、ウイルス抗原に結合してそれを中和することができる上記定義の抗体フラグメント以外の任意の分子が含まれる。本用語には、具体的には、代替軽鎖(SLC)エレメントを含む「サロボディ」と呼ばれるpre−B細胞受容体(pre−BCR)様構造(例えば、2008年10月2日公開のPCT公開番号WO2008/118970号およびXuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、105(31):10756−61(2008)に記載)が含まれるが、これらに限定されない。SLCは、非共有結合したVpre−Bおよびλ5タンパク質から構成される非分散型のヘテロ二量体である。それぞれ、VpreB鎖はVλIgドメインに相同であり、λ5鎖は基準抗体のCλドメインに相同である。ヘテロ二量体SLCは、pre−BCR HCのCλドメインと第1の定常ドメインとの間のジスルフィド結合によってpre−BCR複合体中の重鎖と共有結合している。SLCの固有の特徴は、VpreB1およびλ5ドメインの非基準ペプチドがそれぞれ伸長していることである。VpreB1はそのC末端にさらなる21残基を有し、λ5はそのN末端上に50アミノ酸長のテールを有する(例えば、Vettermannら、Semin.Immunol.18:44−55(2006)を参照のこと)。サロボディ構造には、具体的には、pre−BCRの未変性三量体pre−BCR様機能単位、VpreB1とλ5との融合物、およびλ5のN末端50アミノ酸、VpreB1のC末端21アミノ酸、または両方のペプチド伸長物のいずれかが排除された三量体が含まれるが、これらに限定されない。さらに、古典的抗体軽鎖の定常成分を使用したキメラ構築物は、サロボディの定義内に明確に含まれる。]
[0096] 他の代表的な「抗体様分子」は、本明細書中に定義されるように、抗体代替κ軽鎖配列を含む類似の構造であり、このκ軽鎖配列は別のポリペプチド(例えば、抗体重鎖および/または軽鎖ドメイン配列など)と任意選択的にパートナーを組む。κ様B細胞受容体(κ様BCR)はκ様代替軽鎖(κ様SLC)を使用して同定されている(Francesら、EMBO J 13:5937−43(1994);Thompsonら、Immunogenetics 48:305−11(1998);Rangelら、J Biol Chem 280:17807−14(2005))。Rangelら、J Biol Chem 280(18):17807−17814(2005)は、非再配列Vκ遺伝子の産物であるVκ様タンパク質の同定および分子の特徴づけを報告しており、これは、Thompsonら、Immunogenetics 48:305−311(1998)によって以前に報告されたcDNA配列と同一であることが判明した。それに対して、Francesら、EMBO J 13:5937−43(1994)は、B細胞前駆体表面でμ重鎖と会合する能力を有し、それにより、B細胞成長のためのλ5経路の代替物が得られる再配列生殖系列JCkの同定および特徴づけを報告していた。κ様およびλ様pre−BCRが協力して軽鎖の再配列を促進するように作用し、B細胞前駆体の成熟を確実にすることが示唆されている。概説については、McKeller and Martinez−Valdez Seminars in Immunology 18:4043(2006)を参照のこと。]
[0097] 用語「λ5」は本明細書中で最も広い意味で使用され、λ5は任意の未変性配列または改変体λ5ポリペプチドを表し、具体的には、未変性配列のヒトおよび他の哺乳動物のλ5ポリペプチド、翻訳後修飾によって形成された改変体、ならびにかかる未変性配列のポリペプチドの改変体が含まれるが、これらに限定されない。]
[0098] 用語「改変体VpreBポリペプチド」および「VpreBポリペプチドの改変体」は交換可能に使用され、これらは、本明細書中で、アミノ酸修飾の結果として1つまたは複数のアミノ酸位置で未変性配列のVpreBポリペプチドと異なるポリペプチドであると定義する。「改変体VpreBポリペプチド」は、本明細書中に定義されるように、未変性の抗体λまたはK軽鎖配列またはそのフラグメントと異なるであろう。「改変体VpreBポリペプチド」は、好ましくは、未変性配列のVpreBポリペプチドと少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%の配列同一性を保持するであろう。別の好ましい実施形態では、「改変体VpreBポリペプチド」は、未変性抗体のλまたはK軽鎖配列とそのアミノ酸配列が95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、または60%未満同一であろう。改変体VpreBポリペプチドには、具体的には、VpreB配列のC末端の非lg様の固有のテールが部分的または完全に除去されたVpreBポリペプチドが含まれるが、これらに限定されない。用語「改変体λ5ポリペプチド」および「λ5ポリペプチドの改変体」は交換可能に使用され、アミノ酸修飾の結果として、1つまたは複数のアミノ酸位置における未変性配列のλ5ポリペプチドと異なるポリペプチドであると本明細書中で定義する。「改変体λ5ポリペプチド」は、本明細書中に定義されるように、未変性抗体のλまたはK軽鎖配列またはそのフラグメントと異なるであろう。「改変体λ5ポリペプチド」は、好ましくは、未変性配列のλ5ポリペプチドと少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%の配列同一性を保持するであろう。別の好ましい実施形態では、「改変体λ5ポリペプチド」は、未変性の抗体のλまたはκ軽鎖配列とそのアミノ酸配列が95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、または60%未満同一であろう。改変体λ5ポリペプチドは、具体的には、λ5配列のN末端の固有のテールが部分的または完全に除去されたλ5ポリペプチドが含まれるが、これらに限定されない。]
[0099] 用語「VpreB配列」を、上記定義の「VpreB」の配列またはそのフラグメントを表すために本明細書中で使用する。]
[0100] 用語「λ5配列」を、上記定義の「λ5」またはそのフラグメントを表すために本明細書中で使用する。]
[0101] 用語「代替軽鎖配列」は、本明細書中に定義されるように、上記定義の「VpreB配列」および/または「λ5配列」を含む任意のポリペプチドを意味する。]
[0102] 用語「κ様代替軽鎖可変ドメイン」、「Vκ様SLC」、および「Vκ様」は交換可能に使用され、これらは、非再配列Vκ遺伝子およびその改変体の産物である任意の未変性配列のポリペプチドを表す。1つの実施形態では、未変性配列のVκ様ポリペプチドの改変体は、抗体κ軽鎖配列に関連するC末端伸長(テール)をいう。特定の実施形態では、未変性配列のVκ様ポリペプチドの改変体は、Vκ様ポリペプチドと対応する抗体κ軽鎖とを区別する固有のC末端伸長(テール)の少なくとも一部、好ましくは全てを保持する。別の実施形態では、改変体Vκ様ポリペプチドのC末端テールは、残りの配列と天然には関連しない配列である。後者の実施形態では、未変性Vκ様配列中に天然に存在するC末端テールと改変体配列との相違は、1つまたは複数のアミノ酸の変化(置換、挿入、欠失、および/または付加)に起因し得るか、C末端テールは異なるVκ様タンパク質中に天然に存在するテールと同一であり得る。Vκ様ポリペプチドは、1つまたは複数の抗体κ軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列に対応する領域中にアミノ酸の変化を含み得る。全ての例では、改変体は、未変性の抗体のκ軽鎖可変領域配列と比較して少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、または少なくとも10個のアミノ酸、好ましくは4〜100個、4〜90個、4〜80個、4〜70個、4〜60個、4〜50個、4〜45個、4〜40個、4〜35個、4〜30個、4〜25個、4〜20個、4〜15、または4〜10個のアミノ酸残基のC末端伸長を含むことができるか、好ましくは含む。本明細書中に定義されるように、Vκ様ポリペプチド改変体は、未変性の抗体のκまたはλ軽鎖配列またはそのフラグメントと異なり、好ましくは、未変性配列のVκポリペプチドと少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%の配列同一性を保持するであろう。別の好ましい実施形態では、Vκ様ポリペプチド改変体は、未変性の抗体のλまたはκ軽鎖配列とそのアミノ酸配列が95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、または40%未満同一であろう。他の実施形態では、配列同一性は、約40%と約95%との間、約45%と約90%との間、約50%と約85%との間、約55%と約80%との間、約60%と約75%との間、約60%と約80%との間、約65%と約85%との間、約65%と約90%との間、または約65%と約95%との間である。すべての実施形態では、好ましくは、Vκ様ポリペプチドは標的に結合することができる。]
[0103] 用語「JCκ」および「JCκ様」は交換可能に使用され、これらは、未変性配列のκJ定常(C)領域セグメントおよび固有のN末端伸長(テール)、ならびにその改変体と同一の部分を含む未変性配列のポリペプチドを表す。1つの実施形態では、未変性配列のJCκ様ポリペプチドの改変体は、抗体JCセグメントと区別されるN末端伸長(テール)を含む。特定の実施形態では、未変性配列のJCκ様ポリペプチドの改変体は、JCκ様ポリペプチドを対応する抗体κ軽鎖JCセグメントと区別する固有のN末端伸長(テール)の少なくとも一部、好ましくは全てを保持する。別の実施形態では、改変体JCκ様ポリペプチドのN末端テールは、残りの配列と天然には関連しない配列である。後者の実施形態では、未変性JCκ様配列中に天然に存在するN末端テールと改変体配列との相違は、1つまたは複数のアミノ酸の変化(置換、挿入、欠失、および/または付加)に起因し得るか、N末端テールは異なるJCκ様タンパク質中に天然に存在するテールと同一であり得る。未変性配列のJCκ様ポリペプチドの改変体は、未変性の抗体のκ可変ドメインJC配列と同一の配列の一部に1つまたは複数のアミノ酸の変化を含み得る。全ての場合、改変体は、未変性の抗体のκ軽鎖JC配列と比較して少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、または少なくとも10個のアミノ酸、好ましくは4〜100個、または4〜90個、または4〜80個、または4〜70個、または4〜60個、または4〜50個、または4〜45個、または4〜40個、または4〜35個、または4〜30個、または4〜25個、または4〜20個、または4〜15、または4〜10個のアミノ酸残基のN末端伸長(固有のN末端)を含むことができるか、好ましくは含む。JCκ様ポリペプチド改変体は、本明細書中に定義されるように、未変性の抗体のλまたはκ軽鎖JC配列またはそのフラグメントと異なり、好ましくは、未変性配列のJCポリペプチドと少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%の配列同一性を保持するであろう。別の好ましい実施形態では、JCκ様ポリペプチド改変体は、未変性の抗体のλまたはκ軽鎖JC配列とそのアミノ酸配列が95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、または60%未満同一であろう。他の実施形態では、配列同一性は、約40%と約95%との間、約45%と約90%との間、約50%と約85%との間、約55%と約80%との間、約60%と約75%との間、約60%と約80%との間、約65%と約85%との間、約65%と約90%との間、または約65%と約95%との間である。]
[0104] アミノ酸配列同一率を、配列比較プログラムNCBI−BLAST2を使用して決定することができる(Altschulら、Nucleic AcidsRes.25:3389−3402(1997))。NCBI−BLAST2配列比較プログラムを、http://www.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードすることができるか、そうでなければ、National Institute of Health、Bethesda,MDから入手することができる。NCBI−BLAST2はいくつかの検索パラメーターを使用し、これらの検索パラメーターの全てをデフォルト値(例えば、アンマスク=イエス、鎖=全て、予想される発生数=10、最小低複雑性長=15/5、マルチパスe値=0.01、マルチパス定数=25、最終ギャップアラインメントのドロップオフ=25、およびスコアリング行列=BLOSUM62が含まれる)に設定する。]
[0105] 用語「抱合体」、「抱合した」、および「抱合」は、任意のおよび全ての共有結合または非共有結合の形態を表し、直接的な遺伝子融合または化学的融合、リンカーまたは架橋剤によるカップリング、および、例えば、ファンデルワールス力またはロイシンジッパーの使用による非共有結合が含まれるが、これらに限定されない。]
[0106] 用語「融合」を、そのヌクレオチドコード配列のインフレームでの組み合せによる1つのポリペプチド鎖中の異なる起源のアミノ酸の組み合せを表すために本明細書中で使用する。用語「融合」は、その末端の1つへの融合に加えて、内部融合、すなわち、ポリペプチド鎖内の異なる起源の配列の挿入を明確に含む。]
[0107] 本明細書中で使用する場合、用語「ペプチド」、「ポリペプチド」、および「タンパク質」は、全て、共有結合性の「ペプチド結合」によって連結されたアミノ酸の一次配列を表す。一般に、ペプチドは、少数のアミノ酸、典型的には、約2〜約50個のアミノ酸からなり、タンパク質より短い。用語「ポリペプチド」は、本明細書中に定義されるように、ペプチドおよびタンパク質を含む。]
[0108] 用語「アミノ酸」または「アミノ酸残基」は、典型的には、その分野で認識された定義を有するアミノ酸(アラニン(Ala);アルギニン(Arg);アスパラギン(Asn);アスパラギン酸(Asp);システイン(Cys);グルタミン(Gln);グルタミン酸(Glu);グリシン(Gly);ヒスチジン(His);イソロイシン(Ile):ロイシン(Leu);リジン(Lys);メチオニン(Met);フェニルアラニン(Phe);プロリン(Pro);セリン(Ser);トレオニン(Thr);トリプトファン(Trp);チロシン(Tyr);およびバリン(Val)からなる群より選択されるアミノ酸など)を表すが、必要に応じて、修飾アミノ酸、合成アミノ酸、または稀なアミノ酸を使用することができる。したがって、連邦規則集第37巻1.822(b)(4)に列挙した修飾アミノ酸および通常でないアミノ酸は、本定義内に明確に含まれ、明確に本明細書中で参考として援用される。アミノ酸を、種々の亜群に分類することができる。したがって、アミノ酸を、非極性側鎖(例えば、Ala、Cys、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Val);負電荷の側鎖(例えば、Asp、Glu);正電荷の側鎖(例えば、Arg、His、Lys);または無電荷極性側鎖(例えば、Asn、Cys、Gln、Gly、His、Met、Phe、Ser、Thr、Trp、およびTyr)を有するアミノ酸に分類することができる。アミノ酸を、小アミノ酸(Gly、Ala)、求核性アミノ酸(Ser、His、Thr、Cys)、疎水性アミノ酸(Val、Leu、Ile、Met、Pro)、芳香族アミノ酸(Phe、Tyr、Trp、Asp、Glu)、アミド(Asp、Glu)、および塩基性アミノ酸(Lys、Arg)に分類することもできる。]
[0109] 用語「ポリヌクレオチド」は、核酸(DNA分子およびRNA分子など)およびそのアナログ(例えば、ヌクレオチドアナログまたは核酸化学を使用して生成したDNAまたはRNA)を表す。必要に応じて、ポリヌクレオチドを、例えば、当該分野で認識された核酸化学を使用して合成的に作製するか、例えば、ポリメラーゼを使用して酵素的に作製するか、必要に応じて、修飾することができる。典型的な修飾には、メチル化、ビオチン化、および他の当該分野で公知の修飾が含まれる。さらに、核酸分子は、必要に応じて検出可能な部分に連結した一本鎖または二本鎖であり得る。]
[0110] 基準ポリペプチドに関する用語「改変体」は、未変性ポリペプチドと比較して少なくとも1つのアミノ酸の変異または修飾(すなわち、変化)を保有するポリペプチドを表す。「アミノ酸修飾」によって生成された改変体を、例えば、未変性アミノ酸配列中の少なくとも1つのアミノ酸の置換、欠失、挿入、および/または化学修飾によって産生することができる。]
[0111] 「アミノ酸修飾」は、所定のアミノ酸配列のアミノ酸配列の変化を表す。例示的な修飾には、アミノ酸の置換、挿入、および/または欠失が含まれる。]
[0112] 「特定の部位のアミノ酸修飾」は、特定の残基の置換もしくは欠失または特定の残基に隣接する少なくとも1つのアミノ酸残基の挿入を表す。「隣接する」特定の残基の挿入は、その1〜2個の残基内の挿入を意味する。挿入は、特定の残基のN末端またはC末端であり得る。]
[0113] 「アミノ酸置換」は、所定のアミノ酸配列中の少なくとも1つの既存のアミノ酸残基の別の異なる「置換」アミノ酸残基との置換を表す。置換残基は、「天然に存在するアミノ酸残基」(すなわち、遺伝暗号によってコードされる)であり、アラニン(Ala);アルギニン(Arg);アスパラギン(Asn);アスパラギン酸(Asp);システイン(Cys);グルタミン(Gln);グルタミン酸(Glu);グリシン(Gly);ヒスチジン(His);イソロイシン(Ile):ロイシン(Leu);リジン(Lys);メチオニン(Met);フェニルアラニン(Phe);プロリン(Pro);セリン(Ser);トレオニン(Thr);トリプトファン(Trp);チロシン(Tyr);およびバリン(Val)からなる群より選択され得る。1つまたは複数の天然に存在しないアミノ酸残基との置換はまた、本明細書中のアミノ酸置換の定義に含まれる。]
[0114] 「天然に存在しないアミノ酸残基」は、ポリペプチド鎖中の隣接アミノ酸残基に共有結合することができる上記列挙の天然に存在するアミノ酸残基以外の残基を表す。天然に存在しないアミノ酸残基の例には、ノルロイシン、オルニチン、ノルバリン、ホモセリン、および他のアミノ酸残基アナログ(Ellmanら、Meth.Enzym.202:301 336(1991)に記載のものなど)が含まれる。かかる天然に存在しないアミノ酸残基を生成するために、Norenら、Science 244:182(1989)およびEllmanら、前出の手順を使用することができる。簡潔に述べれば、これらの手順は、天然に存在しないアミノ酸残基での抑制性tRNAの化学的活性化およびその後のRNAのインビトロ転写および翻訳を含む。]
[0115] 「アミノ酸挿入」は、所定のアミノ酸配列への少なくとも1つのアミノ酸の組み込みを表す。挿入は通常1つまたは2つのアミノ酸残基の挿入からなる一方で、本出願はより巨大な「ペプチド挿入」(例えば、約3〜約5個、またはさらに約10個までのアミノ酸残基の挿入)を意図する。挿入される残基は、上記開示の天然に存在する残基または天然に存在しない残基であり得る。]
[0116] 「アミノ酸欠失」は、所定のアミノ酸配列からの少なくとも1つのアミノ酸残基の除去を表す。]
[0117] 用語「変異誘発」は、他で特定しない限り、任意の当該分野で認識されたポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列を変化させる技術を表す。好ましい変異誘発型には、エラー多発性PCR変異誘発、飽和変異誘発、または他の部位特異的変異誘発が含まれる。]
[0118] 「部位特異的変異誘発」は、当該分野で標準的な技術であり、少数のミスマッチを除いて所望の変異を示す変異誘発すべき一本鎖ファージDNAに相補的な合成オリゴヌクレオチドプライマーを使用して行う。簡潔に述べれば、合成オリゴヌクレオチドを、一本鎖ファージDNAに相補的な鎖の合成を指示するためのプライマーとして使用し、得られた二本鎖DNAを、ファージ支持宿主細菌に形質転換する。形質転換細菌の培養物を上層寒天にプレートし、ファージを保有する単一の細胞からプラークを形成させる。理論的には、新規のプラークの50%が一本鎖として変異形態を有するファージを含み、50%が元の配列を有するであろう。目的のプラークを、正確に適合するハイブリッド形成が可能であるが、元の鎖とのミスマッチがハイブリッド形成の防止に十分である温度でのキナーゼ化合成プライマーとのハイブリッド形成によって選択する。次いで、プローブとハイブリッド形成するプラークを選択し、配列決定し、培養し、DNAを回収する。]
[0119] 用語「中和分子」は本明細書中でその最も広い意味で使用され、これは、中和を行う機構と無関係にウイルスが標的細胞に複製的に感染するのを阻害する任意の分子を表す。中和分子は、好ましくは、上記定義の抗体または抗体様分子である。中和を、例えば、細胞表面へのウイルスの付着または接着の阻害(例えば、ウイルスの付着または接着を担う部位に直接結合するか隣接部位に結合する分子(抗体または抗体様分子など)の操作)によって行うことができる。中和を、ビリオン表面に指向してビリオンを凝集させる分子(抗体または抗体様分子など)によって行うこともできる。中和は、標的細胞へのウイルスの付着後のウイルス膜と細胞膜との融合の阻害、エンドサイトーシスの阻害、および感染細胞由来の子孫ウイルスの阻害などによってさらに生じ得る。本発明の中和分子(抗体または抗体様分子など)は、中和機構に制限されない。]
[0120] 用語「抗体レパートリー」は、本明細書中で最も広い意味で使用され、これは、特定の性質(結合能力、結合特異性、胃腸管輸送能力、安定性、および親和性など)をスクリーニングするために使用することができる抗体または抗体フラグメントの集団を表す。本用語には、具体的には、抗体ライブラリーが含まれる。この抗体ライブラリーには、組み合せライブラリーの全ての型(例えば、抗体ファージ提示ライブラリーなど)が含まれる。この抗体ファージ提示ライブラリーには、任意の供給源由来の単鎖Fv(scFv)およびFab抗体ファージ提示ライブラリー(ナイーブライブラリー、合成ライブラリー、および半合成ライブラリーが含まれる)が含まれるが、これらに限定されない。]
[0121] 同様に、「抗体様分子のレパートリー」は、(上記定義のように)特定の性質(結合能力、結合特異性、胃腸管輸送能力、安定性、および親和性など)をスクリーニングするために使用することができるかかる分子の集団を表す。本用語には、具体的には、サロボディライブラリーおよびκ様軽鎖構築物のライブラリー(上記定義)が含まれる。これらのライブラリーには、組み合せライブラリーの全ての型(例えば、抗体ファージ提示ライブラリーなど)が含まれる。組み合せサロボディライブラリーは、例えば、Xuら、(2008)、前出に開示されている。]
[0122] 「ファージ提示ライブラリー」は、ファージコートタンパク質との融合物としてのクローン化タンパク質配列集団を発現するタンパク質発現ライブラリーである。したがって、句「ファージ提示ライブラリー」は、本明細書中で、ファージ(例えば、繊維状ファージ)のコレクションを表し、このファージは外部(典型的には、異種)タンパク質を発現する。外部タンパク質は、ファージが接触する他の部分と自由に相互作用する(または結合する)。外部タンパク質を提示する各ファージは、ファージ提示ライブラリーの「メンバー」である。]
[0123] 「抗体ファージ提示ライブラリー」は、抗体または抗体フラグメントを提示するファージ提示ライブラリーを表す。抗体ライブラリーには、ファージ集団、かかるファージ集団をコードするベクター集団、またはかかるファージ集団またはベクター集団を保有する細胞が含まれる。ライブラリーは、ファージ粒子あたり平均して1つの一本鎖抗体または抗体フラグメントを提示する1価であり得るか、ウイルス粒子あたり平均して2つ以上の抗体または抗体フラグメントを提示する2価であり得る。用語「抗体フラグメント」には、単鎖Fv(scFv)フラグメントおよびFabフラグメントが含まれるが、これらに限定されない。好ましい抗体ライブラリーは、平均して106個超、107個超、108個超、または109個超の異なるメンバーを含む。]
[0124] 用語「繊維状ファージ」は、その表面上に異種ポリペプチドを提示することができるウイルス粒子を表し、繊維状ファージには、f1、fd、Pf1、およびM13が含まれるが、これらに限定されない。繊維状ファージは、テトラサイクリン(例えば、「fd−tet」)などの選択マーカーを含むことができる。種々の繊維状ファージ提示系が当業者に周知である(例えば、Zacherら、Gene 9:127−140(1980)、Smithら、Science 228:1315−1317(1985);およびParmleyおよびSmith、Gene 73:305−318(1988)を参照のこと)。]
[0125] 用語「パニング」を、標的に対して高い親和性および特異性を有する抗体などの化合物を保有するファージの同定および単離における複数ラウンドのスクリーニング過程を表すために使用する。]
[0126] 本明細書中で使用する場合、用語「非ヒト動物」には、哺乳動物(例えば、非ヒト霊長類など)、げっ歯類(例えば、マウスおよびラット)、および非げっ歯類動物(例えば、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ブタ、ウマ、およびロバなど)が含まれるが、これらに限定されない。鳥類(例えば、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、およびガチョウなど)も含まれる。本明細書中で使用する場合、用語「非霊長類動物」は、霊長類以外の哺乳動物(特に上記列挙の哺乳動物が含まれるが、これらに限定されない)を表す。]
[0127] 句「機能的に異なる抗体」およびその文法上の異形を、少なくとも1つの性質(結合特異性、結合親和性、および任意の免疫学的機能または生物学的機能(例えば、標的を中和する能力、生物学的活性の範囲または質など)が含まれるが、これらに限定されない)が相互に異なる抗体を表すために使用する。]
[0128] 句「保存アミノ酸残基」を、相互にアラインメントされた2つ以上のアミノ酸配列間で同一のアミノ酸残基を表すために使用する。]
[0129] 本明細書中で使用する場合、用語「エピトープ」は、少なくとも約3〜5個、好ましくは少なくとも約5〜10個、または少なくとも約5〜15個のアミノ酸、典型的には、せいぜい500個または約1,000個のアミノ酸の配列を表し、それ自体またはより大きな配列の一部としてかかる配列に応答して生成される抗体に結合する配列を定義する。エピトープは、由来する親タンパク質の一部と同一の配列を有するポリペプチドに制限されない。実際、ウイルスゲノムは、その状態が絶えず変化し、分離株間で比較的高い変異性を示す。したがって、用語「エピトープ」は、未変性配列と同一の配列および未変性配列の修飾物(欠失、置換および/または挿入など)を含む。一般に、かかる修飾物は事実上保存されるが、非保存的修飾も意図される。この用語には、具体的には、「ミモトープ」(すなわち、連続的な線状の未変性配列と同一でないか、必ずしも未変性タンパク質中に生じないが、未変性タンパク質上のエピトープを機能的に模倣する配列)が含まれる。用語「エピトープ」には、具体的には、線状および高次構造エピトープが含まれる。]
[0130] B.一般的技術
本発明の方法を実施するための技術は当該分野で周知であり、標準的な実験テキスト(例えば、Ausubelら、Current Protocols of Molecular Biology、John Wiley and Sons(1997);Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第3版、J.SambrookおよびD.W.Russell編、Cold Spring Harbor,New York,USA、Cold Spring Harbor Laboratory Press、2001;Antibody Phage Display:Methodsand Protocols、P.M.O’BrianおよびR.Aitken編、Humana Press、In:Methods in Molecular Biology、第178巻;Phage Display:A Laboratory Manual、C.F.Barbas IIIら編、Cold Spring Harbor,New York,USA、Cold Spring Harbor Laboratory Press、2001;およびAntibodies、G.Subramanian編、Kluwer Academic、2004が含まれる)に記載されている。変異誘発を、例えば、部位特異的変異誘発(Kunkelら、Proc.Natl.Acad.Sci USA 82:488−492(1985))を使用して行うことができる。]
[0131] 1つの態様では、本発明のウイルス抗原中和分子は、典型的には抗体ライブラリーを使用して選択される抗体である。以下の記載では、本発明を、一定の抗体ライブラリー型を参照して例示しているが、本発明は、任意の特定の抗体ライブラリー型の使用に制限されない。組換えモノクローナル抗体ライブラリーは、免疫フラグメントまたはナイーブフラグメントに基づき得る。免疫抗体ライブラリー由来の抗体は、典型的には、無作為な組み合せライブラリーを産生するために元のB細胞から発現に適切なベクターにクローン化されるVHおよびVL遺伝子プールを使用して構築し、その後に抗体を選択および/またはスクリーニングすることができる。他のライブラリー型は、抗原に結合するクローンに明確に偏っていない遺伝子供給源由来の抗体フラグメントから構成され得る。したがって、ナイーブ抗体ライブラリーは、天然で免疫化されていない再配列V遺伝子に由来する。合成抗体ライブラリーを、インビトロ法(1つまたは複数のV遺伝子のCDRへの完全または適合した縮重領域の導入)によって完全に構築するする。半合成ライブラリーは、天然の多様性と合成の多様性が組み合わされており、しばしば、天然の多様性が増加する一方で、所望のレベルの機能的多様性が保持されるように作製される。したがって、かかるライブラリーを、例えば、天然CDR領域のシャフリング(Soderlindら、Nat.Biotechnol.18:852−856(2000))またはヒトB細胞由来の天然に再配列されたCDR配列と合成CDR1およびCDR2多様性との組み合せ(Hoetら、Nat.Biotechnol.23:455−38(2005))によって作製することができる。本発明は、ナイーブ抗体ライブラリー、合成抗体ライブラリー、および半合成抗体ライブラリー、またはその任意の組み合せの使用を含む。]
[0132] 同様に、本発明の方法は、抗体の提示のために使用されるいかなる特定のテクノロジーにも制限されない。本発明はファージ提示を参照して例示されているが、本発明の抗体を、他の提示および富化テクノロジーによって同定することもできる。抗体フラグメントは、抗体遺伝子をコードする繊維状ファージの表面に提示されている(HoogenboomおよびWinter、J.Mol.Biol.、222:381 388(1992);McCaffertyら、Nature 348(6301):552 554(1990);Griffithsら、EMBO J.、13(14):3245−3260(1994))。抗体ライブラリーの選択およびスクリーニング技術の概説については、例えば、Hoogenboom、Nature Biotechnol.23(9):1105−1116(2005)を参照のこと。さらに、Escherichia coli(Agterbergら、Gene 88:37−45(1990);Charbitら、Gene 70:181−189(1988);Franciscoら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:2713−2717(1992))および酵母(Saccharomyces cerevisiaeなど)(BoderおよびWittrup、Nat.Biotechnol.15:553−557(1997);Kiekeら、Protein Eng.10:1303−1310(1997))の表面上の異種タンパク質およびフラグメントの提示について当該分野で公知の系が存在する。他の公知の提示技術には、リボゾームまたはmRNA提示(Mattheakisら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:9022−9026(1994);HanesおよびPluckthun、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:4937−4942(1997))、DNA提示(Yonezawaら、Nucl.Acid Res.31(19):e118(2003));微生物細胞提示(細菌提示など)(Georgiouら、Nature Biotech.15:29−34(1997))、哺乳動物細胞上の提示、胞子提示(Isticatoら、J.Bacteriol.183:6294−6301(2001);Chengら、Appl.Environ.Microbiol.71:3337−3341(2005)および2006年11月13日出願の同時継続仮出願番号60/865,574号))、ウイルス提示(レトロウイルス提示など)(Urbanら、Nucleic AcidsRes.33:e35(2005))、タンパク質−DNA結合に基づいた提示(Odegripら、Proc.Acad.Natl.Sci.USA 101:2806−2810(2004);Reiersenら、Nucleic Acids Res.33:e10(2005))、およびマイクロビーズ提示(Seppら、FEBSLett.532:455−458(2002))が含まれる。]
[0133] C.好ましい実施形態の詳細な説明
1つの態様では、本発明は、インフルエンザA型ウイルスの1つを超える亜型および/または1つを超える分離株を中和し、ウイルスの血球凝集素(HA)抗原に結合するが、血球凝集を阻害しないモノクローナル抗体および抗体様分子の選択、産生、および使用に関する。]
[0134] インフルエンザA型ウイルスのビリオンは、8セグメントの線状の負のセンス一本鎖RNAを含む。総ゲノム長は13600ヌクレオチドであり、8セグメントは、それぞれ、2350ヌクレオチド長、2350ヌクレオチド長、2250ヌクレオチド長、1780ヌクレオチド長、1575ヌクレオチド長、1420ヌクレオチド長、1050ヌクレオチド長、および900ヌクレオチド長である。インフルエンザA型ウイルスの宿主特異性および弱毒化は、ウイルス血球凝集素(H、HA)、核タンパク質(NP)、マトリックス(M)、および非構造(NS)遺伝子にそれぞれまたはウイルス遺伝子の組み合せで寄与している(例えば、Rogersら、Virology 127:361−373(1983);Scholtissekら、Virology 147:287−294(1985);Snyderら、J.Clin.Microbiol.24:467−469(1986);Tianら、J.Virol.53:771−775(1985);Treanorら、Virology 171:1−9(1989)を参照のこと)。]
[0135] インフルエンザA型ウイルスおよびその表面タンパク質(血球凝集素およびノイラミニダーゼタンパク質が含まれる)のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、GenBankおよび他の配列データベース(例えば、Theoretical Biology and Biophysics Group of Los Alamos National Laboratoryが保持しているインフルエンザ配列データベースなど)から利用可能である。インフルエンザA型ウイルス血球凝集素の15種の公知のH亜型(H1〜H15)のアミノ酸配列は、2008年1月17日公開の米国特許出願公開第20080014205号(その全体が本明細書中で参考として援用される)に示されている。さらなるインフルエンザA型ウイルス血球凝集素亜型(H16)が、最近スウェーデンにてユリカモメから単離され、Fouchierら、J.Virol.79(5):2814−22(2005)によって報告された。各H亜型の非常に多様な株も公知である。例えば、H5 A/ホンコン/156/97と指定されたHAタンパク質配列は1997年5月にホンコンでヒトから単離されたインフルエンザA型H5N1ウイルスから決定され、Suarezら、J.Virol.72:6678−6688(1998)に他の関連H5N1分離株から得たいくつかのさらなる株の配列と比較して示されている。]
[0136] インフルエンザウイルスノイラミニダーゼの触媒部位および抗原部位の構造はColmanら、Nature 303:41−4(1983)によって公開されており、ノイラミニダーゼ配列はGenBankおよび他の配列データベースから利用可能である。]
[0137] 感染個体の免疫応答に起因するウイルス特異的抗体が典型的にはウイルス血球凝集素との相互作用を介してウイルスを中和することが公知である(Adaら、Curr.Top.Microbiol.Immunol.128:1−54(1986);Couchら、Annu.Rev.Micobiol.37:529−549(1983))。インフルエンザウイルス血球凝集素の三次元構造およびインフルエンザウイルス血球凝集素と中和抗体との複合体の結晶構造も決定され、公開されている(例えば、Wilsonら、Nature 289:366−73(1981);Ruigrokら、J.Gen.Virol.69(Pt 11):2785−95(1988);Wrigleyら、Virology 131(2):308−14(1983);Danielsら、EMBO J.6:1459−1465(1987);およびBizebardら、Nature 376:92−94(2002)を参照のこと)。]
[0138] 本発明によれば、所望の性質を有する抗体を1つまたは複数の抗体ライブラリーから同定し、この抗体は、種々の供給源に由来し、異なる型であり得る。]
[0139] 包括的ヒトインフルエンザ抗体ライブラリー
包括的ヒトインフルエンザ抗体ライブラリーを、種々の以前のインフルエンザ、季節性の大流行、エピデミック、およびパンデミック(1968年のホンコン風邪(H3N2)、1957年のアジア風邪(H2N2)、1918年のスペイン風邪(H1N1)、および2004/2005年のトリインフルエンザ(H5N1)が含まれる)の回復期患者から得た抗体から作製することができる。例えば、2008年1月17日公開の米国特許出願公開第20080014205号(その全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。かかるライブラリーを調製するために、血液または骨髄のサンプルを、インフルエンザウイルスに感染していることが知られているか疑いのある個体から採取する。特に地理的に離れた供給源由来の末梢血サンプルを、輸送および使用前に安定化することが必要であり得る。この目的のためのキットは周知且つ市販されており、例えば、BD Vacutainer(登録商標)CPT(商標)細胞調製管などをリンパ球の遠心精製のために使用することができ、グアニジウム、トリゾール、またはRNAlaterをサンプル安定化のために使用した。安定化リンパ球または全骨髄の受取りの際、当該分野で公知の免疫グロブリンオリゴプライマーを使用してRT−PCRを行い、重鎖および軽鎖レパートリーをレスキューする。当該分野で公知の手順に従って、PCRレパートリー産物をリンカーオリゴと組み合わせてscFvライブラリーを生成し、m13 pIIIタンパク質を使用してインフレームで直接クローン化する。]
[0140] 典型的なプロトコールでは、ヒト血清中の抗体を、周知の血清学的アッセイ(例えば、周知の血球凝集素阻害(HAI)アッセイ(Kendal,A.P.、M.S.PereiraおよびJ.J.Skehel.1982.Concepts and procedures for laboratory−based influenza surveillance.、米国保健社会福祉省、公衆衛生局、疾病対策センター、Atlanta,Georgia)またはマイクロ中和アッセイ(Harmonら、J.Clin.Microbiol.26:333−337(1988))が含まれる)によって検出することができる。血清サンプルがインフルエンザ中和抗体を含むと既に確認されている場合、この検出工程は必要ないかもしれない。全血由来のリンパ球または骨髄中に存在するリンパ球を、次に、当該分野で公知の方法によって処理する。新鮮な組織またはRNAlaterで安定化した組織由来の全RNAをTriBD試薬(Sigma)によって抽出した。その後、単離したドナー総RNAを、Oligotex精製(Qiagen)を使用してmRNAにさらに精製する。次に、AccuScript逆転写酵素(Stratagene)のプロトコールに従ったランダム九量体オリゴヌクレオチドおよび/またはオリゴ(dT)18プライマーの使用によって第1のcDNA鎖を合成する。簡潔に述べれば、100ngのmRNA、0.5mMのdNTP、および300ngのランダム九量体および/または500ngのオリゴ(dT)18プライマーを含むAccuscriptRT緩衝液(Stratagene)を65℃で5分間インキュベートし、その後に4℃に急冷する。次いで、100mMのDTT、Accuscript RT、およびRNAseBlockを各反応物に添加し、42℃で1時間インキュベートし、逆転写酵素を70℃で15分間の加熱によって不活化する。得られたcDNAを抗体重鎖および軽鎖V遺伝子のRT−PCR増幅のテンプレートとして使用することができ、次いで、ベクターにクローン化することができるか、ファージ提示ライブラリーを意図する場合、ファージベクターにクローン化することができる。この手順により、抗体重鎖および軽鎖可変領域クローンのレパートリー(VHおよびVLライブラリー)が得られ、これを分離したままにするか、スクリーニングのために組み合せることができる。]
[0141] 先のエピデミックおよびパンデミック(1918年のスペイン風邪など)の生存者の末梢リンパ球由来の免疫グロブリンレパートリーを、上記に類似の様式で回収し、安定化し、レスキューすることができる。さらなるH1およびH3ライブラリーレパートリーを、適切にタイミングを合わせてワクチン接種を行った局所起源のドナーから回収することができる。さらなる選択肢として、市販の骨髄総RNAまたはmRNAを商業的供給源から購入し、H2抗体スクリーニングにも適切なドナーのバックグラウンドに応じてH1およびH3に適切なライブラリーを産生することができる。]
[0142] 合成ヒト様レパートリー
本発明の方法では、合成ヒト抗体レパートリーを、合成抗体ライブラリーによって示すことができ、このレパートリーを、当該分野で公知の方法によって作製することができるか、商業的供給源から入手することができる。したがって、例えば、完全に合成のヒトレパートリーは、2007年9月28日出願の米国特許出願第11/864,525号(その開示全体が本明細書中で参考として援用される)に記載されている。簡潔に述べれば、この特許出願は、所定のアミノ酸が目的の免疫グロブリンの1つまたは複数の相補性決定領域に組み合わせて導入された免疫グロブリンのライブラリーを記載している。さらに、例えば、免疫グロブリンユニバーサルライブラリー(かかるライブラリーのサブセットが含まれる)は、2003年12月11日公開の米国特許出願公開第20030228302号(その開示全体が本明細書中で参考として援用される)に記載されている。]
[0143] 種々の変異を有する抗体重鎖および軽鎖の特定のサブライブラリーを組み合わせて本発明の抗体のフレームワーク構築物を得て、その後に重鎖および軽鎖の両方のCDRに多様性を導入することができる。この多様性を、当該分野で公知の方法(例えば、Kunkel変異誘発など)によって達成することができ、これを数回繰り返して多様性をさらに増大させることができる。したがって、例えば、複数のKunkel変異誘発ラウンドによって重鎖および軽鎖CDR1およびCD2領域に多様性を個別または同時に導入することができる。必要に応じて、種々のKunkelクローンをCDRの長さによって分離することができ、そして/またはターゲティングしたCDR(例えば、CDR1またはCDR3)中に多様性を欠くクローンを、例えば、テンプレート特異的制限酵素での消化によって除去することができる。これらの工程の完了の際、ライブラリーのサイズは、約109メンバーを超えるべきであるが、より少数のメンバーを有するライブラリーも有用である。]
[0144] 特定の実施形態では、免疫化抗体ライブラリーおよび合成抗体ライブラリーの両方を、本発明の中和抗体の同定のために使用する。2つのライブラリー型は基本的に異なる。合成抗体ライブラリーは抗原に結合する能力が予想されるヒト抗体集団を合成する一方で、免疫化レパートリーはトリH5血球凝集素、および/またはH1、H2、またはH3血球凝集素(場合による)を特異的に認識するための配列を含むであろう。したがって、免疫化レパートリーは、理論的には、ターゲティングされたインフルエンザ亜型の重要成分を認識するように至適化される。これらの相違の結果として、2つの方法によって異なる抗体組が産生され、したがって、所望の中和抗体を同定するためのより有効なアプローチが得られる。]
[0145] 高免疫化非ヒト霊長類抗体ライブラリー
本方法では、抗体ライブラリーを高免疫化非ヒト霊長類(例えば、マカクまたはヒヒなど)からレスキューする。具体的には、非ヒト霊長類を、インフルエンザA型ウイルスの種々の亜型または種々の血球凝集素(H)タンパク質で免疫化する。動物が免疫化されるインフルエンザA型ウイルス亜型または血球凝集素を認識する抗体の力価を生じる動物を屠殺し、その脾臓を採取する。上の包括的インフルエンザ抗体ライブラリーについて記載のように、免疫化した動物の血液または骨髄を採取し、産生された抗体を回収し、増幅する。]
[0146] 本発明の中和抗体の単離のためのストラテジー
使用した抗体ライブラリーの型と無関係に、二重特異性(例えば、2つの異なるインフルエンザA型亜型および/または同一亜型の2つの株(分離株)、および/またはヒトおよび非ヒト分離株との反応など)を有する抗体を、調節された交差反応選択および/または定方向組み合せおよび/または変異誘発操作によって発見および至適化することができる。]
[0147] 図1に示す典型的な富化スキームでは、標的AおよびBと指定した2つの標的に交差反応性を示す抗体を含むライブラリーを、複数の富化ラウンドに供する(2008年1月17日公開の米国特許出願公開第20080014205号(その全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。富化が標的Aとの反応性に基づく場合、各富化ラウンドにより、標的Aに対してプールの反応強度が増加するであろう。同様に、富化が標的Bとの反応性に基づく場合、各富化ラウンドにより、標的Bに対してプールの反応強度が増加するであろう。このアプローチがパニング(ファージ提示ライブラリーをスクリーニングする場合に使用される選択方法である)(以下を参照のこと)を表すにもかかわらず、アプローチは、上記で考察した任意のライブラリー型、当該分野で公知の他の型、および任意の提示技術型に等しく適用可能である。標的AおよびBには、抗体が結合する任意の標的(インフルエンザウイルスの種々の分離株、型、および亜型が含まれるが、これらに限定されない)が含まれる。] 図1
[0148] 本発明の目的が複数の特異性を有する中和抗体を同定することであるので、交差反応発見選択スキームを作製した。簡潔にするために、このスキームを、図2に例示する。図2は、二重特異性を有する抗体の選択を示す。この場合、2つの標的である標的AおよびBと反応性を示す抗体を含む抗体ライブラリーを、一方の標的(例えば、標的A)との反応性について最初に選択し、その後に他方の標的(例えば、標的B)との反応性について選択する。それぞれの連続的な選択ラウンドにより、両標的に対する得られたプールの反応強度が強化される(2008年1月17日公開の米国特許出願公開第20080014205号(その全体が本明細書中で参考として援用される)も参照のこと)。したがって、本方法は、二重特異性を有する抗体の同定に特に有用である。勿論、本方法を、さらなる標的に対するさらなる富化ラウンドを含めることによって、さらなる標的に対する反応性を示す抗体の同定に拡大することができる。また、スクリーニングされるライブラリーがファージ提示ライブラリーである場合、交差反応パニングによって選択するが、他のライブラリーおよび他の選択方法も使用することができる。] 図2
[0149] 上記で考察した2つの方法の組み合せは、上記のように、それぞれ標的Aおよび標的Bに対する反応性についての2つの個別の富化ラウンド、得られた2つのプールの組換え、およびその後の交差反応選択ラウンドを含む(2008年1月17日公開の米国特許出願公開第20080014205号(その全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。このアプローチを、図3に示す。純粋な交差反応と同様に、組換えられたライブラリーの各選択ラウンドにより、両標的に対する得られたプールの反応強度が増加する。] 図3
[0150] 図4に例示するさらなる実施形態では、第1に、標的Aと強い反応性を示し、且つ標的Bと検出可能な交差反応性を有するクローンを同定する。このクローンに基づいて、変異誘発ライブラリーを調製し、次いで、交互のラウンドにおいてそれぞれ標的Bおよび標的Aとの反応性について選択する。このスキームにより、標的Aとの強い反応性を保持し、且つ標的Bとの反応性が増加した抗体が得られるであろう。(2008年1月17日公開の米国特許出願公開第20080014205号(その全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。これまでと同様に、スクリーニングされるライブラリーがファージ提示ライブラリーである場合、パニングによって選択するが、同一のストラテジーに従って、他のライブラリー、他の提示技術、および他の選択方法も使用することができる。] 図4
[0151] 上記で考察するように、標的AおよびBは、例えば、インフルエンザA型ウイルスの2つの異なる亜型、同一のインフルエンザA型ウイルスの2つの異なる株(分離株)、2つの異なる種(一方の種は好ましくはヒトである)由来の亜型または分離株であり得る。従って、例えば、標的Aは2004年のH5N1ウイルスのベトナム分離株であり得、標的Bは1997年のH5N1ウイルスのホンコン分離株であり得る。これらの例は例示のみを目的とし、任意の2つまたは複数の標的に対する二重および複数の特異性を有する抗体を類似の様式で同定、選択、および至適化することができることを強調しておく。]
[0152] あるいは、個別のフレームワークおよびCDRの長さを分離することが可能な抗体ライブラリー(UALなど)を使用して標的Aに対する抗体を見出す場合、抗原Bをスクリーニングし、ライブラリーを類似のパラメーターの多様な集団に制限することができる。一旦抗原Bに対する抗体が見出された場合、各A抗体およびB抗体に基づいたキメラ抗体または変異誘発抗体を使用して二重特異性集団を操作することができる。]
[0153] ファージ提示
特定の実施形態では、本発明は、複数の(二重が含まれる)特異性を有するモノクローナル中和抗体を機能的に発見するためにファージ提示抗体ライブラリーを使用する。かかる抗体は、例えば、1つを超えるインフルエンザA型ウイルス亜型(H5、H7および/またはH9亜型(H5およびH1;H5およびH2;H5およびH3;H5、H1、およびH2;H5、H1、およびH3;H5、H2、およびH3;H1、H2およびH3などの亜型)が含まれる)および/または同一亜型の1つを超える株(分離株)を中和することができるモノクローナル抗体であり得る。]
[0154] ファージ抗体ライブラリーを生成するために、任意の供給源から得たcDNAライブラリー(上記考察のライブラリーが含まれる)をファージベクターにクローン化する。]
[0155] したがって、例えば、上記のようにRT−PCRによってリンパ球または骨髄からレスキューした抗体重鎖および軽鎖レパートリー集団を、m13 pIIIタンパク質に融合したscFvライブラリーとして再アセンブリする。組み合せライブラリーは、約106超、107超、108超、または109超の異なるメンバーを含み、107以上の異なるメンバーが好ましい。品質管理のために、ランダムクローンを配列決定して、全体的なレパートリーの複雑さを評価する。]
[0156] 同様に、ナイーブ、免疫化ヒト、または高免疫化非ヒト霊長類の抗体ライブラリー由来の重鎖および軽鎖可変領域の最初のPCRレスキュー後、PCR産物をリンカーオリゴと組み合わせて、M13 pIIIコートタンパク質を使用してインフレームで直接クローン化するためのscFvライブラリーを生成する。このライブラリーは、約106超、107超、108超、または109超の異なるメンバーを含み、107以上の異なるメンバーが好ましい。品質管理のために、ランダムクローンを配列決定して、全体的なレパートリーのサイズおよび複雑さを評価する。]
[0157] 抗体ファージ提示ライブラリーは、種々の形式(単鎖Fv(scFv)形式またはFab形式など)の抗体を含むことができる。概説については、例えば、Hoogenboom、MethodsMol.Biol.178:1−37(2002)を参照のこと
スクリーニング
所望の中和特性を有する抗体を同定するためのスクリーニング方法は上に記載している。所望の血球凝集素タンパク質への直接結合に基づいて反応性を評価することができる。]
[0158] 血球凝集素(HA)タンパク質の産生
血球凝集素(HA)タンパク質を、組換えDNAテクノロジーによって産生することができる。この方法では、HA遺伝子を、適切なベクター、好ましくは、バキュロウイルス感染昆虫細胞(Spodoptera frugiperda(Sf9)細胞など)における発現のためのバキュロウイルス発現ベクター)にクローン化する。]
[0159] HAタンパク質をコードする核酸を、C末端エピトープタグ(ポリ−his(ヘキサヒスチジンタグ)など)を使用するか使用しないでバキュロウイルス発現ベクター(Bac−to−Bac(Invitrogen)など)に挿入する。ポリ−hisタグにより、ニッケルキレートクロマトグラフィによって容易に精製される。]
[0160] 一般に、クローニングは、アセンブリPCRによって個別に合成されたオリゴから基準cDNAを作製する工程を含む。対応する分離株の改変体HAタンパク質を、さらなるアセンブリPCRへの適切な変異オリゴの置換または変異誘発技術(Kunkel変異誘発など)のいずれかによって作製する。H5について2つのHAタンパク質配列クラスターが存在する(1997年および2004年の亜型分離株)。したがって、各クラスターについて単一の基準タンパク質を作製する。同様に、1918年スペイン風邪(H1)、1958年アジア風邪(H2)、1968年ホンコン風邪(H3)、および現在のH1、H2、H3分離株についての基準タンパク質を生成する。]
[0161] 組換えバキュロウイルスを、リポフェクチン(Gibco−BRLから市販されている)を使用した上記バクミドのSf9細胞(ATCCCRL 1711)へのトランスフェクションによって生成する。28℃での4〜5日間のインキュベーション後、放出されたウイルスを回収し、さらなる増幅のために使用する。ウイルス感染およびタンパク質発現を、O’Reilleyら、Baculovirus Expression Vectors:A Laboratory Manual(Oxford:Oxford University Press、1994)に記載のように行う。]
[0162] 次いで、発現したポリ−Hisタグ化HAポリペプチドを、例えば、以下のようにNi2+−キレートアフィニティクロマトグラフィによって精製することができる。Rupertら、Nature 362:175−179(1993)に記載のように、組換えウイルス感染Sf9細胞から上清を回収する。総容積5mLのNi2+−NTAアガロースカラム(Qiagenから市販されている)を調製し、25mLの水で洗浄し、25mLのローディング緩衝液で平衡化する。濾過した細胞抽出物を、0.5mL/分でカラムにロードする。カラムをローディング緩衝液でベースラインA280まで洗浄し、その時点で画分回収を開始する。次に、カラムを二次洗浄緩衝液(50mMリン酸塩;300mM NaCl、10%グリセロール(pH6.0))で洗浄し、非特異的結合タンパク質を溶離する。A280ベースラインに再度到達した後、カラムを、二次洗浄緩衝液を含む0〜500mMイミダゾール勾配を使用して展開する。1mLの画分を回収し、SDS−PAGEおよび銀染色またはアルカリホスファターゼ抱合Ni2+−NTA(Qiagen)を使用したウェスタンブロットによって分析する。溶離したHis10タグ化HAポリペプチドを含む画分をプールし、ローディング緩衝液に対して透析する。]
[0163] あるいは、IgGタグ化(またはFcタグ化)HAポリペプチドの精製を、公知のクロマトグラフィ技術(例えば、プロテインAまたはプロテインGカラムクロマトグラフィが含まれる)を使用して行うことができる。]
[0164] Sf9細胞の代替物として、HAタンパク質を、他の組換え宿主細胞、原核生物、酵母、または高等真核細胞中で産生することもできる。適切な原核生物には、グラム陰性生物またはグラム陽性生物などの真正細菌(例えば、Enterobacteriaceae(Escherichia(例えば、E.coli)、Enterobacter、Erwinia、Klebsiella、Proteus、Salmonella(例えば、Salmonella typhimurium)、Serratia(例えば、Serratia marcescans)、およびShigellaなど)、ならびにBacilli(B.subtilisおよびB.licheniformis(例えば、1989年4月12日公開のDD266,710号に開示のB.licheniformis 41P)など)、Pseudomonas(P.aeruginosaなど)、およびStreptomyces)が含まれるが、これらに限定されない。種々のE.coli株(E.coli K12 MM294株(ATCC31,446);E.coli X1776(ATCC 31,537);E.coli W3110株(ATCC 27,325);およびK5 772(ATCC 53,635)など)を公的に利用可能である。]
[0165] 原核生物に加えて、真核微生物(糸状菌または酵母など)は、HAポリペプチドをコードする核酸を含むベクターの適切なクローニング宿主または発現宿主である。Saccharomyces cerevisiaeは、一般的に使用されている下等真核宿主微生物である。しかし、多数の他の属、種、および株(Schizosaccharomyces pombe(BeachおよびNurse、Nature 290:140(1981);1985年5月2日公開の欧州特許第139,383号);Kluyveromyces宿主(米国特許第4,943,529号;Fleerら、Bio/Technology 9:968−975(1991))(例えば、K.lactis(MW98−8C、CBS683、CBS4574;Louvencourtら、J.Bacteriol.737(1983))、K.fragilis(ATCC12,424)、K.bulgaricus(ATCC 16,045)、K.wickeramii(ATCC 24,178)、K.waltii(ATCC 56,500)、K.drosophilarum(ATCC 36,906;Van den Bergら、Bio/Technology 8:135(1990))、K .thermotolerans、およびK.marxianusなど);yarrowia(欧州特許第402,226号);Pichia pastoris(欧州特許第183,070号;Sreekrishnaら、J.Basic Microbiol.28:265−278(1988));Candida;Trichoderma reesia(欧州特許第244,234号);Neurospora crassa(Caseら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:5259−5263(1979));Schwanniomyces(Schwanniomyces occidentalis(1990年10月31日公開の欧州特許第394,538号)など);および糸状菌(例えば、Neurospora、Penicillium、Tolypocladium(1991年1月10日公開のWO91/00357号)など)、およびAspergillus宿主(A.nidulansなど(Ballanceら、Biochem.Biophys.Res.Commun.112:284−289(1983);Tilburnら、Gene 26:205−221(1983);Yeltonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:1470−1474(1984))およびA.niger(KellyおよびHynes、EMBO J.4:475−479(1985))など)など)を本明細書中一般的に利用可能であり、且つ有用である。メチロトロープ酵母が本明細書中で適切であり、メタノール中で成長することができる酵母(Hansenula、Candida、Kloeckera、Pichia、Saccharomyces、Torulopsis、およびRhodotorulaからなる属から選択される)が含まれるが、これらに限定されない。この酵母クラスの例である特定の種のリストを、C.Anthony、The Biochemistry of Methylotrophs 269(1982)中に見出すことができる。]
[0166] HAタンパク質発現に適切な宿主細胞には、多細胞生物細胞が含まれる。無脊椎動物細胞の例には、上記昆虫細胞(DrosophilaS2およびSpodoptera Sf9など)および植物細胞が含まれる。有用な哺乳動物宿主細胞株の例には、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞およびCOS細胞が含まれる。より具体的な例には、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS−7,ATCCCRL 1651);ヒト胚腎臓株(HEK293または懸濁培養での成長についてサブクローン化されたHEK293細胞(Grahamら、J.Gen Virol.36:59(1977)));チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO、UrlaubおよびChasin、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980));マウスセルトリ細胞(TM4、Mather、Biol.Reprod.23:243−251(1980));ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75);ヒト肝臓細胞(Hep G2、HB 8065);およびマウス乳腺腫瘍(MMT060562、ATCC CCL51)が含まれる。適切な宿主細胞の選択は、当業者の範囲内と見なされる。]
[0167] 血球凝集素(HA)タンパク質パニング
HAタンパク質を、マイクロタイターウェルまたは磁性ビーズの表面上に固定して、上記ライブラリーをパニングする。特定の実施形態では、各ライブラリーをH5タンパク質に4℃で2時間結合させ、次いで、冷PBSで強く洗浄し、その後に0.2Mグリシン−HCl緩衝液(pH2.5)を使用してHA特異的結合クローンを溶離する。回収したファージを中性pHにし、感受性宿主E.coliの感染によって増幅させる。その後、陽性クローン富化を繰り返すためにファージミド産生を誘導し、その後に選別のためにクローンを単離することができる。十分な富化の際に、全プールを感染によって非アンバー抑制性E.coli株(HB2151など)に導入して可溶性scFvタンパク質を発現させる。あるいは、下記のように、プールを単量体scFv発現ベクター(pBADなど)にサブクローン化することができ、組換え可溶性scFvタンパク質をインビトロでの分析および特徴づけのために発現させる。]
[0168] 特徴づけ
H5クローンを、上記のように産生したH5タンパク質への結合親和性について最初に試験する。特定の例では、2004年H5タンパク質(Refseq AAS65618、分離株;A/タイ/2(SP−33)/2004(H5N1))への結合を試験し、1997年H5タンパク質(Refseq AAF74331、分離株;A/ホンコン/486/97(H5N1))への結合を並行して試験するが、他の分離株も単独または任意の組み合せで使用することができる。2004年および1997年H5タンパク質を使用して得た陽性クローンは、以下の2つの広いカテゴリーに分類されるであろう:2004年の選択性および2004/1997年の非選択性。中和についての典型的な機能試験は、赤血球への全ウイルス結合を使用した血球凝集阻害アッセイを含む。安全性を考慮して、組換えタンパク質および赤血球を使用した代替的な血球凝集アッセイが好ましい。全血の必要性を排除するために、気道上皮細胞に対して血球凝集素結合阻害アッセイを行うことができる。結合アッセイを、任意の形態(任意のフローサイトメトリーまたは細胞ELISA(cELISA)ベースのアッセイが含まれるが、これらに限定されない)で行うことができる。高価なフローサイトメトリー装置を使用する必要がなく、クローン評価がより自動化され、より多数のデータを収集することができるという点で、cELISAの使用は有利である。他方では、フローサイトメトリーは、より優れた感度、一貫性、および速度が可能である。]
[0169] H1クローンを、任意のH1タンパク質への結合(現在の2004年H1への結合が含まれる)について試験し、並行して、1918年および1976年タンパク質への結合を試験することができる。陽性クローンは以下の2つの広いカテゴリーに分類されるであろう:2004年の選択性および2004年の非選択性。再度、上記と類似の方法を使用して、中和について試験することが重要である。]
[0170] 他のHAタンパク質(H2、H3、H5、H6、H7、H8、およびH9など)を、類似の様式で特徴づけることができる。]
[0171] 1つの態様では、本発明の抗体は、H2、H3、H5、H6、H7、H8、もしくはH9HAを含有するインフルエンザウイルスまたはH1HAを含有するインフルエンザウイルス(例えば、H1/H3、H1/H5など)に結合親和性を有する。本発明の抗体の結合親和性を、当業者に公知の方法(例えば、Munsonら、Anal.Biochem.、107:220(1980)のスキャッチャード分析)によって決定することができる。1つの実施形態では、抗体の結合親和性は、約1×10−7〜約1×10−13M、約1×10−8〜約1×10−12M、または約1×10−9〜約1×10−11Mである。他の実施形態では、抗体の結合親和性は、約1×10−7M、約1×10−8M、約1×10−9M、約1×10−1×10M、約1×10−11M、約1×10−12M、または約1×10−13Mである。例えば、本発明の抗体は、H5HA(ベトナム/1203/04)を含有するインフルエンザウイルスに対する結合親和性が13pMであることが証明された(以下の実施例の生存者2由来の抗体を参照のこと)。別の抗体は、H5HA(ベトナム/1203/04)を含有するインフルエンザウイルスに対する結合親和性が一桁のnMであることが証明された(以下の実施例の生存者5由来の抗体を参照のこと)。]
[0172] 至適化
インフルエンザエピデミックおよびパンデミック(トリ(H5)ウイルスに起因するヒト感染に関連する潜在的パンデミックが含まれる)の有効な管理のために、Hタンパク質(H5タンパク質など)の現在の分離株および未来の変異体を有効に中和する抗体が必要である。この目的を達成するために、ターゲティングした血球凝集素亜型の全ての公知の分離株に結合する多様なH(例えば、H5)中和クローンを単離する必要がある。]
[0173] 必要に応じて、当該分野で公知の方法(例えば、2005年6月23日公開の米国特許出願公開第20050136428号(その開示全体が本明細書中で参考として明確に援用される)に記載のルックスルー変異誘発(LTM)など)によって交差反応性をさらに改善することができる。]
[0174] ルックスルー変異誘発(LTM)は、選択したアミノ酸の組み合せ変異を同時に評価および至適化する多次元的な変異誘発法である。本過程は、1つまたは複数の相補性決定領域(CDR)ドメイン内の正確な分布に注目し、アミノ酸側鎖化学の相乗的な寄与を調査する。LTMにより、CDR内に位置的な一連の単一変異が得られ、これは、各野生型残基が多数の選択されたアミノ酸のうちの1つに体系的に置換されている。変異されたCDRを組み合わせて、全改変体の定量的提示が不可能になることなく複雑さおよびサイズが増加した組み合せ単鎖可変フラグメント(scFv)ライブラリーを生成する。ポジティブ選択後、性質が改善されたクローンを配列決定し、有利な変異をマッピングする。HA結合性の改善について相乗的変異を同定するために、全ての有利な置換を発現する組み合せライブラリー(有利な組み合せ変異、CBM)を、ポジティブ選択された混合DNAプローブによって産生し、これらを分析して一連の至適化scFv候補を同定することができる。Fvおよび他の抗体ライブラリーを使用して同一の様式でこの手順を行うことができる。]
[0175] 変異誘発を、上記のようにウォークスルー変異誘発(WTM)によって行うこともできる。]
[0176] 1つを超えるインフルエンザA型亜型および/または同一亜型の1つを超える分離株との本明細書中の抗体の交差反応性を意図的にデザインするための別の有用な変異誘発法を、本明細書中で「目的」変異誘発と表す。目的変異誘発を使用して、好ましくは反応性の異なる1つまたは複数の抗体クローンに基づいて抗体のコレクションを合理的に操作することができる。本発明の文脈では、目的変異誘発を使用して、類似の配列(抗体の個別のCDR中の配列など)上の類似の位置によって同定された単一または複数の残基をコードする。この場合、これらの集団を、類似の位置に見出される残基の範囲を捕捉するためのオリゴ縮重を使用して生成する。このコレクション内で、親クローンの特異性の間またはそれを超えて一連の特異性が存在すると予想される。目的変異誘発の目的は、2つ以上の個別の物質またはコレクションの間に多様な多機能抗体コレクションまたはライブラリーを生成することである。インフルエンザの場合、本方法を、2つの異なるエピトープ、分離株、または亜型を認識する2つの抗体を使用し、両機能的質を単一の抗体に変えるために利用ことができる。例として、第1のインフルエンザA型抗体はH5亜型のベトナム分離株に特異性を示し得、第2の抗体はインフルエンザA型ウイルスのH5亜型のタイまたはトルコ分離株に特異性を示す。目的変異誘発ライブラリーを作製するために、両抗体についてのCDR配列を最初に獲得し、アラインメントする。次に、同一性が保存された全ての位置を、適合した残基に単一コドンを使用して固定する。非保存位置で、両残基をコードするために縮重コドンを組み込む。いくつかの例では、縮重コドンは、この位置で2つの親残基のみをコードするであろう。しかし、いくつかの例では、さらなる副産物が産生される。副産物の産生レベルを、副産物産生を強制するように調節するか、サイズの限度または目的に応じてこの産生を排除することができる。]
[0177] したがって、例えば、2つの抗体の第1の位置がそれぞれトレオニンおよびアラニンである場合、第1の2つの位置中にA/G−C−を有する縮重コドンは、第3の位置中の塩基と無関係にトレオニンまたはアラニンのみをコードするであろう。例えば、次の位置の残基がリジンおよびアルギニンである場合、縮重コドンA−A/G−A/Gはリジンまたはアルギニンのみをコードするであろう。しかし、縮重コドンA/C−A/G−A/G/C/Tを使用した場合、アスパラギン、ヒスチジン、グルタミン、およびセリン副産物が同様に生成されるであろう。]
[0178] 便宜上、適合したCDR長を有する抗体のみを使用することがより簡潔である。これを強制するための1つの方法は、最初に発見された抗体によって与えられたCDRの長さおよび潜在的なさらなるフレームワーク制限に基づいて、第2の抗原についてサイズが制限されたライブラリーをスクリーニングすることである。しかし、同じ長さのCDRの使用は単に便利であるが、必用条件ではないことを付け加えておく。この方法がインフルエンザA型ウイルスの中和抗体の機能的に多様な巨大ライブラリーを作製するのに有用である一方で、その適用性は遥かにより広いことが明白である。この変異誘発技術を使用して、任意の抗体の機能的に多様なライブラリーまたはコレクションを産生することができる(2008年1月17日公開の米国特許出願公開第20080014205号(その全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。したがって、図5は、変異誘発された親配列としてTNF−α抗体およびCD11a抗体のCDRを使用した目的変異誘発法の使用を例示するために本明細書中に含まれる。] 図5
[0179] 他の例示的な変異誘発法には、標的化ランダム変異誘発、飽和変異誘発、およびエラー多発性PCRが含まれる。]
[0180] 曖昧に合成されたオリゴヌクレオチドを使用した標的化ランダム変異誘発(MatteuchiおよびHeyneker、Nucleic AcidsResearch 11:3113−3121(1983))は、意図するコドンおよび全ての可能なコドンを相互に関して特定の比で指定の位置に生成する技術である。曖昧に合成されたオリゴヌクレオチドにより、指定の場所への非「野生型」塩基(または、コドン)の特異的付加によるヌクレオチド付加の正確さが低下する。これを、典型的には、オリゴヌクレオチド合成機における野生型塩基と非野生型塩基との比の固定および合成時の2つの試薬の混合物の指定によって行う。]
[0181] 飽和変異誘発(Hayashiら、Biotechniques 17:310−315(1994))は、タンパク質中の特定の位置の20種全てのアミノ酸を置換し、各改変体に対応するクローンを特定の表現型についてアッセイする技術である(米国特許第6,171,820号、同第6,358,709号、および同第6,361,974も参照のこと)。]
[0182] エラー多発性PCR(Leungら、Technique 1:11−15(1989);CadwellおよびJoyce、PCR Method Applic.2:28−33(1992))は、クローン化した遺伝子にランダム点変異を導入する修正ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術である。得られたPCR産物をクローン化してランダム変異ライブラリーを産生することができるか、T7プロモーターが適切なPCRプライマー内に組み込まれる場合に直接転写することができる。]
[0183] 他の変異誘発技術も当該分野で周知であり、例えば、In Vitro Mutagenesis Protocols、J.Braman編、Humana Press、2001に記載されている。]
[0184] この場合、主な目的の1つは、現在のH5(またはH7もしくはH9)分離株ならびに将来の変異体を有効に処置するために抗体(または複数の抗体)を操作することである。新規の分離株中の変異を認識することができる寛容を有する抗体を操作するために、種々のH5分離株(例えば、最近の2004年分離株および以前の1997年分離株の両方が含まれる)に結合するH5中和クローンを同定すべきである。2004年分離株に対してクローンを選択する場合、より低いレベルで1997年分離株に結合/中和すると予想される。この場合、目的は、2004年分離株結合の改善(または少なくとも維持)という状況において1997年の認識を劇的に改善することである。したがって、1997年の基準タンパク質の改善のために最初に選択し、その後に2004年タンパク質を選択する。それにより、新規の株に対してより高い選択圧が得られる一方で、第2のパラメーターに対する選択圧が維持される。]
权利要求:

請求項1
抗体または抗体様分子である分子であって、該分子は、(i)インフルエンザA型ウイルスの1つを超える亜型および/または1つを超える分離株を中和し、(ii)該ウイルスの血球凝集素(HA)抗原に結合し、かつ(iii)血球凝集を阻害しない、分子。
請求項2
VpreB配列および/またはλ5配列を含むポリペプチドである、請求項1に記載の分子。
請求項3
λ5配列に融合したVpreB配列を含むポリペプチドである、請求項1に記載の分子。
請求項4
Vκ様配列および/またはJCκ配列を含むκ様代替軽鎖(SLC)構築物である、請求項1に記載の分子。
請求項5
抗体である、請求項1に記載の分子。
請求項6
H1、H2、H3、H5、H6、H7、H8、およびH9からなる群より選択される少なくとも2つのHA抗原と交差反応する、請求項1に記載の分子。
請求項7
H1、H2、H3、H5、およびH9からなる群より選択される少なくとも2つのHA抗原と交差反応する、請求項1に記載の分子。
請求項8
前記HA抗原のH1亜型のエピトープに結合する、請求項1に記載の分子。
請求項9
前記HA抗原のH5亜型のエピトープに結合する、請求項1に記載の分子。
請求項10
前記HA抗原のH3亜型のエピトープに結合する、請求項1に記載の分子。
請求項11
前記エピトープはインフルエンザA型ウイルスの表面上に提示されている、請求項8、9、または10に記載の分子。
請求項12
インフルエンザA型ウイルスH5、H3、およびH1亜型の少なくとも1つを中和する、請求項8、9、または10に記載の分子。
請求項13
インフルエンザA型ウイルスH5および/またはH3および/またはH1亜型の1つを超える分離株を中和する、請求項8、9、または10に記載の分子。
請求項14
前記インフルエンザA型ウイルスの球状頭部が細胞表面に結合するのを阻止しない、請求項1に記載の分子。
請求項15
前記ウイルスの少なくとも1つがヒトに感染する能力を有する、請求項1に記載の分子。
請求項16
前記分離株の少なくとも1つがヒト被験体から得たものである、請求項1に記載の分子。
請求項17
前記分離株の少なくとも1つが非ヒト動物から得たものである、請求項1に記載の分子。
請求項18
前記非ヒト動物がトリである、請求項17に記載の分子。
請求項19
前記トリが野鳥またはニワトリである、請求項18に記載の分子。
請求項20
H1HA抗原に結合する、請求項1に記載の分子。
請求項21
少なくとも1つのさらなるHA抗原に結合する、請求項20に記載の分子。
請求項22
前記さらなるHA抗原が、H2、H3、H5、H6、H7、H8、およびH9からなる群より選択される、請求項21に記載の分子。
請求項23
HA抗原のH5にさらに結合する、請求項21に記載の分子。
請求項24
HA抗原のH3およびH9にさらに結合する、請求項21に記載の分子。
請求項25
HA抗原のH3、H5、およびH9にさらに結合する、請求項21に記載の分子。
請求項26
配列番号4、配列番号45、配列番号9、および配列番号61からなる群より選択されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列を含む重鎖ポリペプチドを含む抗体または抗体様分子のエピトープと本質的に同一のエピトープに結合する、抗体または抗体様分子。
請求項27
配列番号71、配列番号140、配列番号81、配列番号158、配列番号159、および配列番号160からなる群より選択されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列を含む軽鎖ポリペプチドを含む抗体または抗体様分子のエピトープと本質的に同一のエピトープに結合する、請求項26に記載の抗体または抗体様分子。
請求項28
式:X1−X2−Q−L−V−Q−S−G−X3−E−V−X4−K−P−G−X5−S−V−X6−X7−S−C−K−X8−S−G−G−X9−F−S−S−Y−A−X10−X11−W−V−R−Q−A−P−G−Q−G−L−E−W−M−G−X12−G−I−I−X13−X14−F−G−T−T−X15−N−Y−A−Q−K−F−Q−G−R−X16−T−X17−T−A−D−X18−X19−T−S−T−A−Y−M−E−L−S−S−L−R−S−X20−D−T−A−V−Y−Y−C−A−R−G−S−Y−Y−Y−E−X21−X22−L−D−Y−W−G−X23−G−T−X24を有するアミノ酸配列、または該アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列またはそのフラグメントを含む重鎖ポリペプチドを含む抗体または抗体様分子のエピトープと本質的に同一のエピトープに結合する、抗体または抗体様分子であって、式中、X1はQまたはEであり、X2はVまたはMであり、X3はAまたはTであり、X4はKまたはQであり、X5はSまたはAであり、X6はKまたはRであり、X7はVまたはLであり、X8はA、T、またはVであり、X9はT、S、またはAであり、X10はIまたはVであり、X11はSまたはTであり、X12はGまたはAであり、X13はPまたはGであり、X14はIまたはMであり、X15はAまたはTであり、X16はVまたはLであり、X17はI、L、またはMであり、X18はKまたはEであり、X19はS、L、またはMであり、X20はEまたはDであり、X21はS、T、またはNであり、X22はSまたはTであり、X23はQ、K、G、またはRであり、X24はL、T、またはMである、抗体または抗体様分子。
請求項29
配列番号71、配列番号140、配列番号81、配列番号158、配列番号159、および配列番号160からなる群より選択されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列を含む軽鎖ポリペプチドを含む抗体または抗体様分子のエピトープと本質的に同一のエピトープに結合する、請求項28に記載の抗体または抗体様分子。
請求項30
配列番号4、配列番号45、配列番号9、および配列番号61からなる群より選択されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列を含む重鎖ポリペプチドを含む、抗体または抗体様分子。
請求項31
配列番号71、配列番号140、配列番号81、配列番号158、配列番号159、および配列番号160からなる群より選択されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列を含む軽鎖ポリペプチドをさらに含む、請求項30に記載の抗体または抗体様分子。
請求項32
式:X1−X2−Q−L−V−Q−S−G−X3−E−V−X4−K−P−G−X5−S−V−X6−X7−S−C−K−X8−S−G−G−X9−F−S−S−Y−A−X10−X11−W−V−R−Q−A−P−G−Q−G−L−E−W−M−G−X12−G−I−I−X13−X14−F−G−T−T−X15−N−Y−A−Q−K−F−Q−G−R−X16−T−X17−T−A−D−X18−X19−T−S−T−A−Y−M−E−L−S−S−L−R−S−X20−D−T−A−V−Y−Y−C−A−R−G−S−Y−Y−Y−E−X21−X22−L−D−Y−W−G−X23−G−T−X24を有するアミノ酸配列、または該アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列またはそのフラグメントを含む重鎖ポリペプチドを含む、抗体または抗体様分子であって、式中、X1はQまたはEであり、X2はVまたはMであり、X3はAまたはTであり、X4はKまたはQであり、X5はSまたはAであり、X6はKまたはRであり、X7はVまたはLであり、X8はA、T、またはVであり、X9はT、S、またはAであり、X10はIまたはVであり、X11はSまたはTであり、X12はGまたはAであり、X13はPまたはGであり、X14はIまたはMであり、X15はAまたはTであり、X16はVまたはLであり、X17はI、L、またはMであり、X18はKまたはEであり、X19はS、L、またはMであり、X20はEまたはDであり、X21はS、T、またはNであり、X22はSまたはTであり、X23はQ、K、G、またはRであり、X24はL、T、またはMである、抗体または抗体様分子。
請求項33
配列番号71、配列番号140、配列番号81、配列番号158、配列番号159、および配列番号160からなる群より選択されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列を含む軽鎖ポリペプチドをさらに含む、請求項32に記載の抗体または抗体様分子。
請求項34
(i)インフルエンザA型ウイルスの1つを超える亜型および/または1つを超える分離株を中和し、(ii)該ウイルスの血球凝集素(HA)抗原に結合し、かつ(iii)血球凝集を阻害しない、請求項26から33のいずれか1項に記載の抗体または抗体様分子。
請求項35
請求項1から25のいずれか1項に記載の分子を含む組成物。
請求項36
請求項26から34のいずれか1項に記載の抗体または抗体様分子を含む組成物。
請求項37
Kabatアミノ酸ナンバリングに従ってアミノ酸52A位、53位、73位、および74位と決定される、表面に露出したクラスター中に少なくとも1つの置換を含む抗体重鎖可変ドメインを含む分子であって、該分子がウイルス抗原に結合してそれを中和することができる、分子。
請求項38
アミノ酸52A位、53位、73位、および74位の少なくとも1つに置換を含む、請求項37に記載の分子。
請求項39
アミノ酸52A位、53位、73位、および74位の全てに置換を含む、請求項37に記載の分子。
請求項40
アミノ酸57位に置換をさらに含む、請求項39に記載の分子。
請求項41
P52G置換、I53M置換、L73E置換、およびS74L/M置換を含む、請求項39に記載の分子。
請求項42
A57T置換をさらに含む、請求項41に記載の分子。
請求項43
アミノ酸24位、34位、35位、および50位の少なくとも1つに置換をさらに含む、請求項42に記載の分子。
請求項44
アミノ酸24位、34位、35位、および50位の全てに置換を含む、請求項43に記載の分子。
請求項45
V24T置換、W34V置換、G35T置換、およびS50A置換を含む、請求項44に記載の分子。
請求項46
前記重鎖可変ドメイン配列が、VH1e生殖系列重鎖に由来する、請求項37から45のいずれか1項に記載の分子。
請求項47
前記重鎖可変ドメイン配列の残部が、VH1e生殖系列重鎖の配列を保持している、請求項46に記載の分子。
請求項48
前記VH1e生殖系列の重鎖可変ドメインが、少なくとも1つのさらなる保存的置換を含む、請求項46に記載の分子。
請求項49
軽鎖配列をさらに含む、請求項38から48のいずれか1項に記載の分子。
請求項50
前記軽鎖配列が抗体のλまたはκ軽鎖配列である、請求項49に記載の分子。
請求項51
前記軽鎖配列が代替軽鎖配列である、請求項49に記載の分子。
請求項52
前記代替軽鎖配列が、VpreB配列および/またはλ5配列を含む、請求項51に記載の分子。
請求項53
前記代替軽鎖配列が、λ5配列に融合したVpreB配列を含む、請求項52に記載の分子。
請求項54
前記代替軽鎖配列が、Vκ様配列および/またはJCκ配列を含むκ様代替軽鎖(SLC)構築物である、請求項51に記載の分子。
請求項55
前記ウイルス抗原が、インフルエンザウイルス、HIV−1、HIV−2、HTLV−Iおよび−IIウイルス、SARSコロナウイルス、単純ヘルペスウイルス、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、HCV、HAV、HBV、HDV、HEV、トキソプラスマウイルス、梅毒トレポネーマウイルス、ヒトTリンパ球向性ウイルス、脳炎ウイルス、ウエストナイルウイルス、デングウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、麻疹、ムンプス、および風疹由来のウイルス抗原からなる群より選択される、請求項37から54のいずれか1項に記載の分子。
請求項56
前記ウイルス抗原が、インフルエンザウイルスまたはHIV−1もしくはHIV−2ウイルスに由来する、請求項55に記載の分子。
請求項57
請求項1から36のいずれか1項に記載の分子の中和エピトープを機能的に模倣するペプチドまたはポリペプチドを含む、インフルエンザA型ウイルスに有効なワクチン。
請求項58
請求項37から57のいずれか1項に記載の分子の中和エピトープを機能的に模倣するペプチドまたはポリペプチドを含む、ウイルス抗原に有効なワクチン。
請求項59
インフルエンザA型ウイルスH5分離株および/もしくはインフルエンザA型ウイルスH1分離株、またはインフルエンザA型ウイルスH5亜型および/もしくはインフルエンザA型ウイルスH1亜型を中和することができる抗体を同定する方法であって、抗体ライブラリー中のH5分離株および/もしくはH1分離株またはH5亜型および/もしくはH1亜型の両方と反応する抗体を同定する工程、ならびに該H5および/もしくはH1分離株またはHAタンパク質または該H5および/もしくはH1亜型またはHAタンパク質に結合するそれらの能力に基づいて、同定された該抗体を連続的な交互の選択ラウンドに供する工程を包含する、方法。
請求項60
請求項59に記載の方法によって同定された中和抗体によって共有される、配列のコレクション。
請求項61
1つまたは複数の表2に示す固有の重鎖および/もしくは軽鎖配列または該配列に基づいたコンセンサス配列もしくは改変体配列を含む配列のコレクション。
請求項62
請求項59に記載の方法によって同定され得る中和抗体またはそのフラグメント。
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