![]() 熱分解法二酸化チタンからチタン酸バリウム粉末を製造する方法
专利摘要:
BET表面積10〜25m2/gを有するチタン酸バリウム粉末を製造するための方法において、BET表面積20〜50m2/gを有する炭酸バリウム粉末とBET表面積40〜150m2/gを有する熱分解法酸化チタン粉末とを、粉末混合物を形成するための割合で混合し、粉末混合物を微粉砕し、当該粉末混合物を700〜800℃の温度範囲でか焼することを含む、前記方法。 公开号:JP2011516380A 申请号:JP2011502315 申请日:2009-03-05 公开日:2011-05-26 发明作者:メンツェル フランク;フォルンベルク ラインハルト 申请人:エボニック デグサ ゲーエムベーハーEvonik Degussa GmbH; IPC主号:C01G23-00
专利说明:
[0001] 本発明は、熱分解法二酸化チタンから、チタン酸バリウムを製造する方法に関する。] [0002] チタン酸バリウム、BaTiO3は、電子工業において最も広範囲に使用されるセラミック材料である。その高い相対的誘電率及び低い損失によって、多層セラミックキャパシタ(MLCCs)の製造のためのキャパシタ産業における誘電体としての拡大した適用が見出されている。近年のMLCC産業における最も重要な技術革新は、高価な貴金属電極(パラジウム−銀合金)から、制御された酸素部分圧下での新規か焼技術によって可能となった卑金属電極(ニッケル及び銅)に変更した点である。] [0003] MLCCs技術の発展は、2つの主な方向付けによっておこなわれた;より小さいサイズの装置の製造(小型化)及びキャパシタンスの増加。] [0004] 誘電層の数及び誘電層の厚さに関する最近の傾向は、1μm未満の層厚であり、かつ1000を超える層の数を有するキャパシタが、近い将来において入手可能であることを示す。] [0005] テープキャスト法によるこれらの薄い誘電層の製造は、精密かつ高度に分散された粉末を要求する。大きい凝集物の存在は、未加工のテープにおける欠陥及び廃棄装置数の増加を生じうる。] [0006] 現在において、キャパシタ産業のためのBaTiO3粉末は、3つの異なる経路によって製造される: (1)BaCO3とTiO2との間の固相反応; (2)シュウ酸を金属塩化物又は金属硝酸塩の溶液に添加することによって得られる、シュウ酸バリウムチタニルの熱分解; (3)バリウム前駆体としての水性Ba(OH)2又はBaCl2及びチタン源としてのTiO2又はTiCl4並びにTiアルコキシドを使用する水熱合成。] [0007] 固相プロセスは、BaTiO3粉末製造のために使用された最初のプロセスである。主な欠点は、粗くかつ凝集された粉末を生じさせる高いか焼温度(1100℃)である。] [0008] 固相経路の利点は、最終粉末におけるBa/Ti比の良好な制御(Ba/Ti比は、親酸化物を注意深く計量することによってのみ、0.1%の大きさの精度で制御することができる)、低コスト、粒子の高密度化及び正方晶度(tetragonality)である。] [0009] にもかかわらず、固相反応プロセスによって製造された粉末は、高品質の水熱合成プロセスによる粉末と競合するものではない。] [0010] したがって、本発明の課題は、公知の固相プロセスの欠点を克服し、高品質の粉末を生じさせるBaTiO3粉末を製造するための固相プロセスを提供することである。] [0011] 本発明は、10〜25m2/gのBET表面積を有するチタン酸バリウム粉末を製造するための方法を提供し、この場合、この方法は、 −20〜50m2/gのBET表面積を有する炭酸バリウム粉末と、50〜120m2/gのBET表面積を有する熱分解法酸化チタン粉末を、粉末混合物を形成するための比で混合し、 −当該粉末混合物を微粉砕し、 −700℃〜800℃の温度範囲で、当該粉末混合物をか焼すること、を含む。] [0012] 熱分解法とは、火炎酸化プロセス又は火炎加水分解プロセスを含むものと理解される。火炎酸化において、二酸化チタン前駆体、例えば四塩化チタンは、反応式1aにしたがって酸素で酸化される。] [0013] 火炎加水分解において、二酸化チタンの形成は、二酸化チタン前駆体の加水分解によって実施され、その際、加水分解のために必要な水は、燃料ガス、例えば水素及び酸素の燃焼に由来するものである(反応式1b)。 TiCl4+O2−>TiO2+2Cl2(反応式1a) TiCl4+2H2O−>TiO2+4HCl(反応式1b)] [0014] 特別な実施態様において、熱分解法二酸化チタン粉末の一次粒子の粒度分布は、 HW[nm]=a×BETf [式中、a=670×10−9m3/gであり、かつ、−1.3≦f≦−1.0である] の半値幅HW(nm)を有する。] [0015] 本発明の内容において、用語「一次粒子」とは、反応において最初に形成され、かつ、さらなる反応の過程において合着して凝集体を形成してもよい、二酸化チタン粒子を意味するものと理解される。] [0016] 本発明の範囲内における用語「凝集体」は、一緒に合着する同一構造及び大きさの一次粒子を示すものと理解され、かつ、その表面は、別々に分離した一次粒子の合計よりも小さいものである。いくつかの凝集体またはさらに別個の一次粒子は一緒になって、さらに凝塊を形成してもよい。したがって、凝集体又は一次粒子は、ポイントオブジェクトの形で互いに隣り合って存在する。その合着の程度に依存して、凝塊はエネルギーの適用によって破壊することができる。] [0017] 一次粒子の粒度分布(個数分布)の平均半値幅HWは、TEM写真の画像分析によって得られる。平均半値幅は、係数fを有するBET表面積の関数であり、その際、−1.3<f<−1.0である。好ましくは、半値幅は、−1.2<f<−1.1である。] [0018] BET表面積40〜60m2/gを有する熱分解法二酸化チタン粉末に関して、一次粒子径の個数分布の90%分布は、10〜100nmであってもよい。一般に、一次粒子径の個数分布の90%分布は、10〜40nmである。] [0019] さらに、このような熱分解法二酸化チタン粉末の凝集体の円相当径(ECD)は、80nm未満であってもよい。] [0020] BET表面積40〜60m2/gを有する熱分解法二酸化チタン粉末の平均凝集体面積は6500nm2未満であってもよく、かつ、平均凝集体円周は、450nm未満であってもよい。] [0021] さらに、熱分解法二酸化チタン粉末のBET表面積は80〜120m2/gであってもよい。85〜95m2/gの範囲は、特に好ましい。] [0022] BET表面積80〜120m2/gを有する熱分解法二酸化チタンに関して、一次粒子径の個数分布の90%分布は、4〜25nmの値であってもよい。さらに、このような二酸化チタン粉末は、70nm未満の凝集体の円相当径(EDC)を有するものであってもよい。] [0023] BET表面積80〜120m2/gを有する熱分解法二酸化チタン粉末の平均凝集体面積は6000nm2未満であってもよく、かつ平均凝集体円周は400nm未満であってもよい。] [0024] 45μmを上廻る直径を有する二酸化チタン粉末の凝集体及び/又は凝塊の割合は、0.0001〜0.05質量%の範囲であってもよい。0.001〜0.01質量%の範囲が好ましく、かつ、0.002〜0.005質量%の範囲が特に好ましいものであってもよい。] [0025] 高いBET表面積において、一次粒子の粒度分布の狭い分布及び45μmを上廻る直径を有する凝集体の低い割合は、チタン酸バリウムを製造するための熱分解法二酸化チタン粉末の肯定的な性質に相当する。] [0026] 他の実施態様において、熱分解法二酸化チタンは、水性分散液の一部である。] [0027] この分散液は、好ましくは、 −水中に、熱分解法二酸化ケイ素粉末、少なくとも1種のアミノアルコール及び少なくとも1種のカルボン酸を装入し、この場合、このカルボン酸は、二塩基性カルボン酸及び/又はヒドロキシカルボン酸を含む群からのものであり、 −200kJ/m3未満の量でエネルギーを導入することによって予分散液を製造し、かつその後に、少なくとも500バールの圧力で高エネルギーミルを用いて予分散液を粉砕することによって分散液を製造し、その際、分散液中で、熱分解法二酸化チタン粉末は、150nm未満の体積基準平均凝集体径を有する、 ことによって得ることが可能である。] [0028] 熱分解法二酸化チタンの量は、好ましくは少なくとも20質量%の二酸化チタンであり、アミノアルコールは、分散液中に、好ましくは2.5〜7.0μモル/m2比表面積TiO2の量で存在し、かつカルボン酸は、1.0〜3.5μモル/m2比表面積TiO2の量で存在する。] [0029] 体積基準平均凝集体径が100nm未満であり、かつ、本発明による分散液中で200nmを上廻る粒子が、分散液中で粒度分布を測定するための光散乱の通常の方法によっての検出されない場合には、特に有利であってもよく、例えばこの方法は、動的光散乱法(例えば、マルバーンゼータサイザー)又はランダム光散乱法(例えば、horiba LA-910)である。] [0030] 本発明による分散液中のアミノアルコールは、好ましくは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ−イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール及び/又は2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールから成る群から選択され、特に好ましくは2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールである。] [0031] 本発明による分散液中のカルボン酸は、好ましくは、二塩基性カルボン酸又はヒドロキシカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸及び/又はクエン酸から成る群から選択され、その際、クエン酸が特に好ましい。] [0032] 本発明による分散液中で、アミノアルコール及び少なくとも二塩基性のカルボン酸又はヒドロキシカルボン酸の含量は、アルノアルコールに関して2.5〜7.0μモル/m2比表面積TiO2であり、かつ、カルボン酸に関して1.0〜3.5μモル/m2比表面積TiO2である。好ましい実施態様において、アミノアルコール及び少なくとも二塩基性のカルボン酸又はヒドロキシカルボン酸の含量は、アミノアルコールに関して3.3〜5.0μモル/m2比表面積TiO2であり、かつ、カルボン酸に関して1.5〜2.5μモル/m2比表面積TiO2である。] [0033] 本発明による分散液は、好ましくは、25〜50質量%の分散液の形で二酸化チタン粉末の含量を有するものであってもよい。] [0034] 本発明の他の対象は、本発明による方法によって得られたチタン酸バリウムを含有するキャパシタである。] 図面の簡単な説明 [0035] BaCO3−TiO2混合物のTG及びDTA曲線を示す図 種々の温度でか焼されたBaCO3−TiO2混合物のXRDパターン(Co Kα照射)を示す図 質量損失測定から定められたBaCO3−TiO2反応の等温反応動態を示す図 粉末BT1及び(b)粉末BT2Aの焼結挙動を示す図] [0036] 試験 −ナノ結晶TiO2(AEROXIDE(登録商標)グレード、TiO2 P25及びVP TiO2 P90、Evonik Degussa GmbH, Hanau, Germany)、 −微粒子BaCO3(BC1、Solvay Bario e Derivati, Massa, Italy)及び −極微粒子BaCO3(BC2、Solvay Bario e Derivati, Massa, Italy) の化学量論量を、ポリエチレンタンク及びジルコニア媒体を用いて水性懸濁液中で24時間に亘って激しく混合した。] [0037] アンモニウムポリアクリレートの溶液を、ポリアクリル酸(Acros Chimica, Milan, Italy, MN2000)の水性溶液をpH10まで滴定することによって製造し、かつ分散剤として添加した。ポリマー濃度は、粒子表面上で単層の形成に要求される濃度である。] [0038] チタン粉末は、分枝のオープン型の凝集体を形成する、等軸の単晶ナノ粒子から構成される。これらの凝集体は、粉砕によって簡単に破壊することができる。] [0039] 炭酸バリウムは、針晶ナノ結晶(BC1)又は細長い粒子(BC2)から成る。] [0040] 材料の性質は、第1表に示す。 −BT1(AEROXIDE(登録商標)TiO2 P25+BC1) −BT2A(VP TiO2 P90+BC1) −BT2B(VP TiO2 P90+BC2) として示す3個の異なる混合物を製造した。] [0041] ] [0042] 粉末の湿式混合後に、凍結乾燥し、かつふるいかけした。] [0043] 混合物の均一性は、未加工物(冷間等方加工プレスによって得られたもの)のフラクチャー表面上で、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて評価した。] [0044] BaCO3及びTiO2は、後方散乱(BS)電子様式中で、かなり異なるグレーコンコントラストを有しており、かつ、1〜2μmを上回る大きさの凝塊を容易に区別することができる。混合レベルは、前記方法の制限の範囲内で、すべての混合物に対して良好である。] [0045] TiO2とBaCO3との非等温動態は、熱重量及び示差熱同時分析(TG/DTA, Setaram LabSys, Caluire, France)を用いて試験した。混合物は、5℃/分で、1300℃まで加熱した。] [0046] 等温TG測定は、3個の異なる温度600、650及び700℃で実施した。試料を、反応温度で迅速に加熱し(20℃/分)、かつその後に、24時間に亘って一定温度を維持した。] [0047] 双方のTG測定を、0.1L/分の流の乾燥空気下で、100kPa(1アトム)の圧力で実施した。このガスはそれぞれの操作開始前において、30分に亘って、装置中に流すことが可能であった。] [0048] 有機分散剤の燃焼除去(Burn-out)は、4時間に亘って、300又は400℃で4時間に亘っての等温保持によって実施した。] [0049] BaTiO3の形成はさらに、5℃/分の加熱速度を用いて、ボックス炉中で実施し、かつ、種々の温度(400〜800℃)及び時間(1〜8時間)で等温保持した。] [0050] か焼粉末の相組成は、X線回折法(XRD, Co Kα radiation. Philips PW1710, Philips, Eindhoven, The Netherlands)によって試験した。結晶構造のリートフェルト改良及び格子パラメータの算定は、ソフトウェアGSAS-EXPGUIを用いて実施した。] [0051] BaTiO3か焼粉末の結晶径dXRDは、ケイ素スタンダードを用いての装置的幅の拡がりに関するケイ素を用いての修正後に、Scherrer反応式を用いて、111ピークの拡がりから算定した。] [0052] 原料及び最終的なか焼粉末の形態は、走査型電子顕微鏡(SEM,LEO 1450VP, LEO Electron Microscopy Ltd., Cambridge, UK)を用いて特徴付けした。] [0053] 比表面積SBETは、BET法による窒素吸着により測定した(Micromeritics ASAP25 2010, Micromeritics, Norcross, GA)。粉末の密度 は、ヘリウムピコメトリー(Micromeritics Accupyc 1330)によって測定した。BET相当径、dBETは、 として算定した。] [0054] 単相BaTiO3の焼結挙動を、膨張計(Setaram SetSys, Caluire, France)により、加熱セラミック圧縮物(冷間等方加工プレス)を1450℃まで、5℃/分での乾燥空気の流れにおいて試験した。最終的な単相粉末を、1150℃の空気中で、1時間に亘って、5℃/分の加熱速度を用いて焼結した。未加工物を、冷間等方加工プレスによって100MPaで製造した。結合剤又は焼結助剤のいずれも添加しなかった。得られたセラミックの密度はアルキメデス法によって求められ、結晶粒度(grain size)は、フラクチャー表面上で測定された平均修正差長として測定した。] [0055] 非等温TG及びDTA分析: BT1、BT2及びBT2B混合物の一定の加熱速度(5℃/分)のDTG及びDTA曲線を、図1に示した。] 図1 [0056] 図1はBaCO3−TiO2混合物のTG及びDTA曲線を示す。 5℃/分の加熱速度: (a)BT1;dBET(BaCO3):54nm、dBET(TiO2):28nm、 (b)BT2A;dBET(BaCO3):54nm、dBET(TiO2):16nm、 (c)BT2B;dBET(BaCO3):482nm、dBET(TiO2):16nm。] 図1 [0057] DTG曲線は、質量損失曲線の一次微分に相当する。したがって、DTG記録上の1以上のピークの存在は、異なる質量損失段階を示す。DTGピークの位置は、DTAピークの位置と良好に一致する。すべての混合物に関して、反応は500℃前後で開始する。しかしながら、BT1及びBT2Aの挙動は、重要な差異を示す。BT1に関しては、特異なDTGピークが存在し:(i)第一の主要ピークは656℃に集中し、(ii)第二の副次的ピークは769℃である。] [0058] 対照的にBT2Aに関しては、実際に660℃で単一の反応段階が生じ、それというのも、第二のピークは存在しないためである。] [0059] 前記結果は、粒子径が結晶の大きさを下廻って減少する場合において、チタン酸バリウムの非等温的形成が、単一の反応段階によって生じうることを示す。この結晶の大きさは、15〜20nmの程度である。] [0060] さらに、BaCO3の粒子径は、最も重要である。図1cに示したように、P90(dBET:16nm)と粗い炭酸塩BC2(dBET:0.48μm)とから製造された混合物BT2B中のBaTiO3の形成は、最も重要になる749℃で第2のDTGピークによって示されたように、BT1及びBT2Aとの比較において主に高い温度及び低い速度を生じる。しかしながら、660℃でのピークが依然として存在し、かつ低い温度で多少の反応性を示す。] 図1c [0061] 等温動態:400〜800℃の異なる温度でか焼されたBT1及びBT2A粉末のXRDパターンを、図2に示す。] 図2 [0062] 図2は、種々の温度で、か焼されたBaCO3−TiO2混合物のXRDパターン(Co Kα照射)を示す。 (a)BT1;dBET(BaCO3):54nm、dBET(TiO2):28nm、 (b)BT2A;dBET(BaCO3):54nm、dBET(TiO2):16nm BT:BaTiO3、BC:BaCO3、A:アナターゼTiO2。] 図2 [0063] 25〜38゜2θの角度範囲が選択されるが、それというのも、BaTiO3、BaCO3、Ba2TiO4及びポリチタネートの最も強い反射がこの範囲にあたるためである。BT2Aに関して、BaTiO3の形成はすでに500℃で開始され(1時間後の31%変換率及び2時間後の63%変換率)及び約90%の変換率が、600℃で2時間のか焼後に観察される。] [0064] しかしながら、残留BaCO3及びTiO2の変換率は、700℃で少なくとも8時間又は800℃で2時間のか焼において要求される。機械的活性化のない700℃と低い温度での単相BaTiO3の固相合成は、これまで報告されていない。] [0065] 混合物BT1(図2a)からの単相BaTiO3の形成は、800℃でのか焼を必要とする。上記結果は、反応の最終段階における反応速度がむしろ低く、かつTiO2粒子径に強く依存することを示す。] 図2a [0066] XRDの制限の範囲内において、BaTiO3以外の三元酸化物(Ba2TiO4、BaTi2O5、Ba6Ti17O40等)の形成が観察されなかったことは、なんら問題ではない。] [0067] BaTiO3の形成が>400℃で開始されるので(400℃で4時間のか焼後の混合物BT2AのXRDパターンのみが、TiO2及びBaCO3のピークを示す、図2b)、400℃で4時間の等温保持後の試料の質量w0は、参考例とみなされる(すなわち、もはや吸着湿分及び有機添加剤を含有しない等モルのBaCO3−TiO2混合物の質量に相当する)。反応率α、この場合、これは、1モルのBaCO3及び1モルのTiO2から形成されたBaTiO3のモルとして定義されるもの(反応1及び2)は、質量損失Δw(CO2発生)から算定されたα=Δw/Δwt(式中、Δwtは質量w0のBaCO3−TiO2混合物に関して予想される理論的質量損失)として算定した。] 図2b [0068] 混合物BT1及びBT2Aの反応率は、時間の関数として、図3中に示した。] 図3 [0069] 図3は、質量損失測定から定められたBaCO3−TiO2反応の等温反応動態を示す。 (a)BT1;dBET(BaCO3):54nm、dBET(TiO2):28nm (b)BT2A;dBET(BaCO3):54nm、dBET(TiO2):16nm 負の時間に位置する曲線の部分は、存在する温度に対する混合物の加熱に伴う非等温反応型に相当する。] 図3 [0070] 等温処理の期間が24時間であり、5時間までの動態データのみが示されているが、それというのも反応は、最初の時間において、最も生じるためである。] [0071] 動態曲線の試験は、短い時間で早い反応を示す一方で、反応速度は、より長い時間で急速に減少し、この場合、これは、図2に示すXRD結果と一致する。BT2Aに関しては、8時間の反応後に、変換率が700℃で99%、650℃で97%及び600℃で93%であった。BT1に関しては8時間の反応後に、変換率が700℃で96%であり、650℃で84%であり、かつ600℃で67%である。] 図2 [0072] αのわずかな増加のみが最初の時間の後に観察されるので、BT2Aに関して得られるより高い最終的変換率は、主に、最初の期間におけるこの混合物のより高い反応性に帰因するものである。] [0073] 粉末特性及び粒子形態: 固相反応により製造された、単相チタン酸バリウム粉末の特性は、第2表に示す。] [0074] ] [0075] 粉末BT1及びBT2Aの比表面積は、11.9〜14.9m2/gの範囲であり、かつ相当粒子径は70〜85nmである。これらの値は、固相プロセスによる粉末のものよりもむしろ極めて微細な水熱プロセスによる粉末の典型的なものである。] [0076] 構造の改良は、粉末が約1.005の正方晶度c/aを有する正方晶構造を有することを示す(c及びaは格子パラメータ)。参考値1.01よりも低い値が固相プロセスによる粗い粉末(粒子径>10μm)及び単結晶上で測定されるが、本発明の粉末の正方晶度は高く、すなわち、粒子径は<100nmであり、かつ結晶の大きさは30nmの程度である。] [0077] 密度は、理論的密度の96.5〜98.3%の範囲であり、値は、より低いSBET(6〜10m2/gの大きさ)を有する、すなわち、粒子径>100nmである、固相プロセスによる粉末の密度に匹敵するか、あるいは、これよりも良好である。10〜12m2/gのSBETを有する水熱プロセスによる粉末は、88〜97%の密度を示す。] [0078] 粉末の形態は、SBETから算定された相当粒子径に匹敵する平均直径を有する、等軸結晶粒子に相当する。約2倍の体積増加(この場合、これは、約1.25倍の直径の増加に相当する)を考慮しても、BaTiO3粒子の大きさは、最初のTiO2粒子の大きさよりもかなり大きい。dBET及びdXRD値の比較(第3表)は、BaTiO3粒子が多結晶であり、かつ、ほぼ30nmの大きさに等しいナノ結晶の密な凝集体からなることを示す。] [0079] 焼結:800℃で2時間に亘ってか焼された粉末BT1及び700℃で8時間に亘ってか焼された粉末BT2Aの収縮及び収縮率は、図4に示す。] 図4 [0080] 図4は、(a)粉末BT1及び(b)粉末BT2Aの焼結挙動を示す。左及び右のy−軸は、それぞれ収縮率及び収縮速度を示す。] 図4 [0081] 2個の焼結工程、かつ結果として、収縮率曲線中の2個の最小値が観察された。最初の最小値はBT1に関して1020℃及びBT2Aに関して990℃であり、次の最小値はBT1に関して1210℃及びBT2Aに関して1308℃である。双方の粉末に関して、焼結は、約1300℃で終了する。すべての粉末は、BT1に関して96%、BT2Aに関して93%の相対的密度で、1150℃での1時間の等温焼結後に、良好な高密度化を示す。最終的なセラミックのマイクロ構造は、ほぼ1μmに等しい平均結晶粒度を有するかなり均質な構造である。] [0082] 最終的なセラミックは、高品質のチタン酸バリウムの誘電特性を示す。キュリー温度が123〜126℃であり、キュリーワイス温度が106〜108℃であり、かつ、キュリー定数が1.4〜1.6K×105Kである。] [0083] 誘電正接は、すべての試料に関して、室温で約0.02であり、かつ160〜170℃まで<0.05である。]
权利要求:
請求項1 BET表面積10〜25m2/gを有するチタン酸バリウム粉末を製造するための方法において、−BET表面積20〜50m2/gを有する炭酸バリウム粉末とBET表面積40〜150m2/gを有する熱分解法酸化チタン粉末とを、粉末混合物を形成するための割合で混合し、−粉末混合物を粉砕し、−当該粉末混合物を700〜800℃の温度範囲でか焼することを含む、前記方法。 請求項2 一次粒子の粒度分布において、熱分解法二酸化チタン粉末がHW[nm]=a・BETf[式中、a=670・10−9m3/g及び−1.3≦f≦−1.0である]のナノメーターで示される半値幅を有する、請求項1に記載の方法。 請求項3 熱分解法二酸化チタン粉末のBET表面積が40〜60m2/gの範囲である、請求項1又は2に記載の方法。 請求項4 熱分解法二酸化チタンのBET表面積が80〜120m2/gの範囲である、請求項1又は2に記載の方法。 請求項5 熱分解法二酸化チタン粉末の水性分散液を使用する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。 請求項6 請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法によって得られるチタン酸バリウムを含むキャパシタ。
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