ガスセンサー
专利摘要:
被験者の呼吸機能を決定する方法が開示され、該方法は、被験者によって吐き出されたガス流における水蒸気濃度を測定し、測定された水蒸気濃度から被験者の呼吸機能を決定することを備える。吐き出されたガス流における気体成分濃度の測定から得られたデータを分析するための数学技法、及び被験者の肺機能の決定におけるそれらの使用も開示される。 公开号:JP2011516190A 申请号:JP2011503501 申请日:2009-04-09 公开日:2011-05-26 发明作者:デリック・ジョン・ピーター・ウィリアムス;マーク・シンクレア・バーニー;マイケル・ガレット 申请人:アナクシス・テクノロジー・リミテッドAnaxsys Technology Ltd; IPC主号:A61B5-08
专利说明:
[0001] 本発明は、ガス状物質検出用のセンサ、特に患者又は被験者によって吐き出されたガス流における物質の存在を検出するためのセンサに関する。センサは、これに限定されないが、特にガス流の二酸化炭素及び/又は水分の含有量の分析に適している。センサは、人又は動物の呼気における例えば二酸化炭素のようなガスの濃度を検出及び測定するためのカプノグラフのセンサとして特定の使用を見つけ、それにより、患者又は被験者の呼吸器状態の指示を提供し、呼吸器の疾患又は病気の識別及び診断を助ける。特に好ましい実施態様において、センサは、被験者によって吐き出されたガス流の水蒸気量の決定、及び被験者の肺機能を示す水蒸気量の決定に用いられる。] 背景技術 [0002] 人又は動物の呼気の二酸化炭素量の分析は、被験者の健康の評価において価値のあるツールである。特に、二酸化炭素濃度の測定は、様々な肺及び/又は呼吸器病、特に喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)における範囲及び/又は進行の推定を可能にする。] [0003] 二酸化炭素は、様々な解析技法及び機器を用いて検出することができる。最も実用的で広く使用される分析器は、検出方法として、赤外線吸収分光を用いるが、ガスはまた質量分析法、ガスクロマトグラフィー、熱伝導率、他を用いて検出可能である。二酸化炭素測定用のほとんどの分析機器、技術、及びセンサは、ガスの物理化学的性質に基づくが、電気化学を利用した新しい技術が開発されており、電気化学の方法の分類が提案されている。しかしながら、電気化学技術を用いて、二酸化炭素(CO2)ガスを直接測定することは可能ではなかった。電解質のpHの当然の変化とともに電解質へのガスの溶解に基づいて、間接法が考案された。他の電気化学の方法は、二酸化炭素の高温触媒還元を用いる。しかしながら、それらの方法は、一般的に非常に高価であり、扱いにくく、しばしば非常に低感度で、遅い応答時間を示す。これらの欠点は、呼吸サンプルの分析、特に1回の呼吸(tidal breathing)の分析に不適切である。] [0004] ごく最近の応用技術は、電解質における特定の化学反応をモニターすることであり、上記電解質は、炭酸ガスの溶解によって引き起こされたpH変化に続いて化学的に相互作用する適切な有機金属リガンドを含んでいる。その後、pH変化は一連の反応を阻害し、雰囲気中の二酸化炭素濃度は、酸塩基の化学における変化により間接的に測定される。] [0005] 二酸化炭素は酸性ガスで、水及び他の(プロトン性の)溶媒と相互に作用する。例えば、二酸化炭素は、以下の反応により水溶液に溶ける。 CO2+H2O ←→ H2CO3 (1) H2CO3 ←→ HCO3−+H+ (2) HCO3− ←→ CO32−+H+ (3) 当然ながら、より多くの二酸化炭素が溶けたとき、水素イオン(H+)の濃度が増加する。] [0006] 二酸化炭素を検出するためのこの技術の使用は、気相中でガス分析用に使用される場合、液体電解質は半透膜によって境界を設けねばならないという欠点を有する。この膜は、水に不浸透性であるが、二酸化炭素を含む様々なガスに対して浸透性である。膜は、炭酸ガスの浸透をひどく妨げることなく内部電解質の蒸発を減じなければならない。この構成の結果は、短時間で良好に作動する電極であるが、長い応答時間を有し、電解質を頻繁に更新する必要がある。] [0007] WO 04/001407は、浸透性膜によって保持された液体電解質を備えたセンサを開示し、これは、それらの欠点のうちのいくつかを克服する。しかしながら、液体電解質の存在及びメンテナンスに依存しないセンサを提供することは非常に望ましいだろう。] [0008] US 4,772,863は、酸素及び炭酸ガス用のセンサを開示し、このセンサは、アルミナ基板、アニオンの基準電極源、アニオンの基準源に連結されたプラチナの下部電気基準電極、タングステンを含み下部基準電極に連結された固体電解質、固体電解質へのプラチナイオンの流れを防ぐバッファ層、及び触媒プラチナの上部電極を備えた複数層を有する。] [0009] GB 2,287,543 Aは、固体電解質一酸化炭素センサを開示し、該センサは、基板に形成された第1空胴で、一酸化炭素吸着剤が位置する第2空胴と通じる第1空洞を有する。電極は、一酸化炭素吸着剤における酸素の分圧を検出する。GB 2,287,543のセンサは、卓越した温度(prevailing temperature)に非常に敏感であり、いずれの感度でも低温で一酸化炭素の低濃度を唯一測定可能である。センサの完全な飽和を避けねばならない場合、より高い一酸化炭素濃度を測定するために、高温が必要である。このことは、センサが広範囲の濃度にわたりガス成分を測定するには非実用的である。] [0010] GB 2,316,178 Aは、電解質中の空胴内に基準電極を取り付けた固体電解質ガスセンサーを開示する。ガス感知電極は、固体電解質の外側に設けられる。センサは、二酸化炭素及び二酸化硫黄の検出に有用であるように言われている。しかしながら、センサの動作には、少なくとも200℃、より好ましくは300から400℃の温度への加熱が必要である。このことは、センサの実際の応用例において主な欠点を意味する。] [0011] 熱処理工程においてガス成分をモニターするのに使用されるセンサがGB 2,184,549 Aに開示される。しかしながら、GB 2,316,178のセンサと同様に、高温(600℃までの)での操作が開示され、要求されるように見える。] [0012] 従って、液相における電解質の存在、又は高温触媒方法に依存しない、即ち、簡単な構造で、かつ周囲条件でガス成分をモニターすることが容易に適用可能であるセンサの必要性がある。] [0013] EP 0 293 230は、酸性ガス、例えば二酸化炭素を検出するためのセンサを開示する。このセンサは、電解質本体内に、検出電極と対電極を備える。電解質は、酸性のガスによって置換可能であるリガンドを有する固体の複合体である。同様のセンサ配置は、US 6,454,923に開示されている。] [0014] 特に有効なセンサは、係属中の国際出願PCT/GB2005/003196に開示されている。このセンサは、ガス流にさらされるべく配置され作用電極を含む検出エレメント、対電極、及び作用電極と対電極との間でこれらに接して延在する固体電解質前駆体を備える。それによって、作用電極及び対電極との電気的な接触において電解質を形成するために、ガス流における水蒸気が少なくとも部分的に前駆体を水和するように、ガス流が固体電解質前駆体に作用可能である。] [0015] 同時にセンサの精度を維持しながら、既知のセンサの応答速度を増すことができれば、有利であろう。この点で、特に患者及び被験者の呼気の分析において、特に好ましい目的の分子である二酸化炭素は比較的大きな分子であり、その結果、検出装置の検出エレメント品へ低速で物質輸送されることが注目される。] [0016] 人又は動物により吐き出されたガス流は、二酸化炭素及び水蒸気を含む広範な成分を含んでいる。吐き出されたガス流の水蒸気含有量と、ガス流の二酸化炭素含有量との間に、強い関係が存在することが分かった。] 先行技術 [0017] WO 04/001407 US 4,772,863 GB 2,287,543 A GB 2,316,178 A GB 2,184,549 A EP 0 293 230] 課題を解決するための手段 [0018] 従って、第1の態様において、本発明は、吐き出されたガス流の二酸化炭素含有量の決定方法を提供する。該方法は、 吐き出されたガス流の水蒸気含有量を測定すること;及び 測定された水蒸気含有量から、吐き出されたガス流の二酸化炭素濃度を決定すること、を備える。] [0019] 上で注目したように、ヒト又は動物の気道における呼吸作用の結果として、吐き出されたガス流中に存在する二酸化炭素の濃度は、所定温度で、水の濃度と密接に関係があることが分かった。一般的には、ヒトによって吐き出されたガス流は、体積で、およそ79%の窒素、15%の酸素、5%の二酸化炭素、及び2%の水蒸気を含んでいる。よって、吐き出されたガスにおける二酸化炭素の水蒸気に対する比率は、一般的に2.5:1である。] [0020] 水蒸気含有量の検出及び測定から、吐き出されたガス流の二酸化炭素濃度を決定する能力には、多くの長所がある。最初に、吐き出されたガス流を構成する個々の成分のうち、水は、唯一の、決定的に重要ではないガス成分であり、センサにおいて容易に凝縮可能である。さらに、水分子は二酸化炭素分子よりも著しく小さいので、その拡散及び物質移動は、相応に速く、高速応答時間を有するセンサを提供する可能性を与える。このことは、呼吸器疾患を検出したい患者、例えば喘息の発作の発症を特定したい喘息患者のような、被験者によって定期的に用いられるセンサを設計するときに重要である。] [0021] 吐き出されたガス流内の水蒸気の濃度を測定するために用いられるセンサは、水蒸気のみを感知可能であってもよい。あるいは、センサは、水蒸気及び二酸化炭素の両方を感知するものであってもよく、二酸化炭素濃度を決定するためにセンサの出力を処理するときに、その値が取られる。] [0022] ヒト又は動物の呼吸器系において、ガスは、鼻の中あるいは口のいずれかを通して吸い込まれ、吐き出すことができる。鼻の通路は、通路するガス流と熱交換及び水分交換するためのメカニズムを設け、この機能は、口の構造では同程度まで行われない。異なった構造及びそれらの異なった機能のため、口を通って吐き出されたガスの成分は、鼻を通り吐き出されたガス流のそれとは異なるであろう。本発明では、被験者の呼吸機能の評価に使用する結果を提供するために、二酸化炭素濃度の決定方法は、口を通り吐き出されたガス流において実行されることが好ましい。] [0023] その方法は、吐き出されたガス流の水分含有量を決定する適切ないかなる技術も使用することができる。適切な方法は、当業者に知られるだろう。吐き出されたガス流の絶対湿度の測定技術の一つは、P.Spanel及びD.Smithによって、「On-line measurement of the absolute humidity of air, breath and liquid headspace samples by selected ion flow tube mass spectrometry」, Rapid Communications in Mass Spectrometry, 2001, 15, P563 〜 569 に開示されるような、選択イオン流管質量分析法(SIFT−MS)である。] [0024] 更なる態様において、本発明は、吐き出されたガス流内の二酸化炭素の濃度を決定するためのセンサを提供する。このセンサは、 吐き出されたガス流内の水蒸気の濃度を決定する手段と、及び 測定された水蒸気濃度から、吐き出されたガス流内の二酸化炭素の濃度を計算する手段と、を備える。] [0025] 上で注目したように、センサは、吐き出されたガス流内の水蒸気の濃度を決定するためのいかなる適切な技術も使用可能である。好ましい実施態様において、本発明は、電気化学センサを使用する。適切な電気化学センサは、当該分野で既知であり、上で説明した先行技術書類に開示されたセンサを含んでいる。一つの実施態様において、電気化学センサは、 ガス流にさらされるように配置された検出エレメントを備え、該検出エレメントは、 作用電極と、 対電極と、を備える。] [0026] 電極は、被覆されず、ガス流へ直接に露出可能である。あるいは、水蒸気がガス流中に存在する場合に、電極間に電気化学的導通通路を提供するために、電極は、適切な材料で被覆されてもよい。] [0027] 一つの好ましいセンサにおいて、電極は、作用電極と対電極との間で延在するイオン交換物質の層で覆われる。それによって、ガス流とイオン交換層との接触は、作用電極と対電極との間の電気的接触を形成する。] [0028] 本明細書では、イオン交換物質への言及は、ガス流の成分との接触が電極間の層の導電率の変化に帰着するように、イオン交換特性を有する物質への言及である。イオン交換物質は、電極間に、水和したイオン層の形成を可能にするように、電気伝導が発生するために支持媒体として作用する。イオン交換物質の層は、電気伝導が発生するために適切な媒体を提供するために高度に制御可能で均一に水和する媒体を提供する。] [0029] 本発明のセンサで使用される適切なイオン交換物質は、高いプロトン伝導性、良好な化学安定性、及び十分な機械的完全性を保持する能力があるものである。イオン交換物質は、分析されているガス流中に存在する種に関して、特に被験者又は患者の呼気中に存在する様々な成分に関して、高い親和力を持つべきである。] [0030] 適切なイオン交換物質は、当該技術分野で知られており、市販の製品である。] [0031] 特に好ましいイオン交換物質は、イオノマー、イオン特性を有する合成高分子の類、である。イオノマーの特に好ましい群は、スルホン化されたテトラフルオロエチレン共重合体である。この群からの特に好ましいイオノマーは、デュポンから市販されているNafion(登録商標)である。スルホン化されたテトラフルオロエチレン共重合体は、それらのプロトン伝導性能力により、優れた伝導性特性を有する。スルホン化されたテトラフルオロエチレン共重合体は、様々なカチオン伝導率を有して製造可能である。またそれらは、優れた熱及び機械的安定性を示し、生体適合性があり、それにより、制御された電極被膜に使用する適切な物質になる。] [0032] 他の適切なイオン交換物質は、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ポリ(アリレンエーテルスルホン)(PSU)、PVDFグラフトスチレン、酸ドープしたポリベンズイミダゾール(acid doped polybenimidazoles)(PBI)、ポリホスファゼンを含んでいる。] [0033] イオン交換物質は、乾燥状態にてセンサ内に存在可能であり、この場合、物質は、例えばガス流中に存在する水蒸気のような水の追加を必要とするだろう。これは、センサがヒト又は動物の呼気を分析するために用いられる場合であり、ここでは水蒸気量は変化する。あるいは、イオン交換物質は、飽和したあるいは部分的に飽和した状態の水と存在可能であり、この場合、乾燥したガス流が分析可能である。このような場合には、水内に溶解したイオンが存在するため、センサの出力は、イオン交換物質の伝導性の変化に応じて変化するであろう。] [0034] イオン交換物質の厚さは、イオン交換層に接するガス流の成分の変化に対するセンサの応答を決定するだろう。センサ内の内部抵抗を最小限にするために、非常に薄いイオン交換層を使用するのが好ましい。] [0035] イオン交換層は、センサの特定の応用例に依存して、単一のイオン交換物質あるいは2つ以上のかかる物質の混合物を備えることができる。] [0036] イオン交換層は、その物質が化学的及び機械的安定性、及びセンサの可使時間に関する健全性の要求レベルを示す場合において、イオン交換物質から成るかもしれない。あるいは、イオン交換層は、イオン交換物質に関する不活性な支持体を備えることができる。適切な支持体は、酸化物を含み、特に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム及びそれらの混合物を含む金属酸化物を含む。他の適切な支持体は、シリコン、及び様々な天然及び合成の粘土の酸化物を含んでいる。] [0037] 第2の好ましい実施態様において、センサの電極は、作用電極と対電極との間で延在するメソ多孔性物質の層で被覆されており、それにより、ガス流とメソ多孔性層との接触は、作用電極と対電極との間の電気的接触を形成する。] [0038] 本明細書において、メソ多孔性物質への言及は、1〜75nmの範囲、より好ましくは2〜50nmの範囲の孔を有する物質への言及である。それが仮の水和されたイオン層に電極を横切る形成を可能にするので、メソ多孔性物質は、電気的導通を発生するための支持媒体として作用する。メソ多孔性物質の層は、導通が発生するための適切な媒体を提供するために、高度に制御可能で一様に水和する媒体を提供する。] [0039] 本発明のセンサで使用される適切なメソ多孔性物質は、金属酸化物を含み、特に、元素周期表のIV族からの金属酸化物、特にチタン又はジルコニウムの酸化物を含む。特に好ましい金属酸化物は、チタン酸塩を含む酸化チタンである。あるいは、使用されるメソ多孔性物質は合成粘土であり、粘土の本来の層状の性質のため特に好ましい。Laponiteは、天然の粘土鉱物、ヘクトナイトのと似ている構造を有する合成の階層状のケイ酸塩である。撹拌とともに水に加えられたとき、それはナノ粒子へ迅速に分散されるであろう。それは、費用効果が高く、熱安定性であり、チキソトロピックであり、水和のレベルを保存することができる。Laponiteは、その単一イオン導電性質のため、特に興味があり、ここでは、濃度分極は最小限にすることができる。ハイドロタルサイト様化合物もまた、層状複水酸化物又は陰イオン性粘土として知られている。これらの化合物は、プラスに帯電した水酸化物層と、アニオン及び水分子を含む中間層とからなる層状の結晶構造を有する。それらの化合物は、陰イオン交換特性を示し、再水和作用の間に層状の結晶構造を回復することができる。] [0040] メソ多孔性物質は、センサ内に乾燥状態で存在可能であり、この場合、その物質は、例えばガス流中にある水蒸気のような水の追加を必要とするだろう。あるいは、メソ多孔性物質は、飽和したあるいは部分的に飽和した状態で水とともに存在してもよい。] [0041] メソ多孔性物質の厚さは、メソ多孔性な層に接するガス流の成分の変化に対するセンサの応答を決定するだろう。センサ内の内部抵抗を最小限にするために、超薄メソ多孔性層を使用するのが好ましい。] [0042] メソ多孔性物質は、バインダー、特に導電性(イオン交換物質タイプ)バインダーを備えることができる。適切な伝導性バインダーは、イオノマー、イオン特性を有する合成高分子の類、を含んでいる。イオノマーの特に好ましい群は、スルホン化されたテトラフルオロエチレン共重合体である。この類からの特に好ましいイオノマーは、デュポンから市販されているNafion(登録商標)である。スルホン化されたテトラフルオロエチレン共重合体は、それらのプロトン伝導性能力により、優れた伝導性特性を有する。メソ多孔性物質における孔は、カチオンの移動を可能にするが、膜はアニオン又は電子を伝導しない。スルホン化されたテトラフルオロエチレン共重合体は、様々なカチオン伝導率を有して製造可能である。またそれらは、優れた熱及び機械的安定性を示し、生体適合性があり、それにより、制御された電極被膜に使用する適切な物質になる。] [0043] 一つの好ましい実施態様において、電極間に延在する層は、イオン交換物質、選択的に不活性充填剤、及びメソ多孔性物質を備える。この点で、メソ多孔性物質への言及は、上で注目したように、1〜75nmの範囲、より好ましくは2〜50nmの範囲の孔を有する物質への言及である。メソ多孔性物質は、電気的導通を発生するための適切な媒体を提供するため、高度に制御可能で一様に水和する媒体を提供する。] [0044] 本発明の特に好ましいセンサで使用される適切なメソ多孔性物質は、上述したように、当該技術分野で知られており市販されており、ゼオライトを含んでいる。ゼオライトは、本発明のセンサにおいてイオン交換層における含有物に関する特に好ましい成分である。一つの好ましいゼオライトは、ゼオライト13Xである。あるいは、使用するためのメソ多孔性物質は、ゼオライト4A又はゼオライトPである。イオン交換層は、ゼオライト物質の一つあるいは組み合わせを含むことができる。] [0045] メソ多孔性物質の粒度及び厚みは、イオン交換層に接するガス流の成分の変化に対するセンサの応答を決定するだろう。センサ内の内部抵抗を最小限にするために、メソ多孔性物質を含む超薄層を使用するのが好ましい。] [0046] メソ多孔性物質は、好ましくはイオン交換層内に分散され、最も好ましくは微細分散されるのがよい。メソ多孔性物質は、0.5から20μm、より好ましくは1から10μmの範囲の粒子サイズを有する粒子として分散されるのが好ましい。メソ多孔性物質の粒子は、隣接する粒子が大まかに少なくとも1粒子の直径分離れて存在するように、より好ましくは大まかに少なくとも3〜5粒子の直径分離れて存在するように、イオン交換層内に微細に分散されるのが好ましい。より高度に分散された配置も使用可能であり、必要ならば、例えば10個の直径分まで離れた粒子の状態でもよい。] [0047] まばらなメソ多孔性物質を有するイオン交換物質層を備えたセンサは、いずれの適切な技術を使用して準備することができる。一つの好ましい方法において、イオン交換/メソ多孔性物質層は、2段プロセスで適用される。この方法において、例えば、被覆されるべきセンサを、アルコールのような適切な溶媒内に所望の分散をしたメソ多孔性粒子の懸濁液に接触させることで、メソ多孔性物質の粒子が最初に適用される。例えば蒸発により、分散されたメソ多孔性粒子を残して溶媒は除去される。センサの表面上に微粒子のメソ多孔性物質を堆積する他の技術も使用可能である。他の技術の例は、乾燥エアロゾル沈着、噴霧熱分解、及びスクリーン印刷を含む。現場(in-situ)結晶成長、水熱成長、スパッタリング、オートクレーブ、等のような、より複雑な技術も使用可能である。] [0048] その後、イオン交換物質層は、要求される厚さまで適用可能である。これは、分散したメソ多孔性物質層に、適切な溶媒におけるイオン交換物質の所望量を分配することにより達成可能である。そして溶媒は、高度に分散された配置において、そこに保存されたメソ多孔性粒子を含むイオン交換物質の必要な層を残して、蒸発することを許される。] [0049] 要約すると、一つの実施態様において、メソ多孔性物質は、電極を覆って粒子の微細な分散を残すために溶媒が蒸発可能な状態で、適切な溶媒における粒子の懸濁液として電極に適用される。その後、イオン交換物質がメソ多孔性分散を覆って適用される。メソ多孔性物質は、電極アッセンブリが一若しくは複数回その中に漬けられる10mlの溶媒における均一の懸濁液として、0.01〜1.0gの濃度で好ましくは適用される。より好ましくは、メソ多孔性物質は、10mlの溶媒当たり0.05〜0.5gの濃度で、特に、10mlの溶媒当たり約0.lgの濃度で適用される。メソ多孔性物質の応用例において使用される適切な溶媒は、当該技術分野で知られており、アルコールを含み、特にメタノール、エタノール、及びより高級脂肪族アルコールを含む。センサ素子でのメソ多孔性粒子の分散は、粒子の懸濁液の濃度を変化させることにより、及び、懸濁液とセンサ素子との間の接触の数及び種類により制御可能である。] [0050] (連続的な)イオン交換膜内のメソ多孔性粒子のまばらな集団が、ガス流における、特に水蒸気における目的の種の検出に最も高い識別をするということがわかった。特に、そこに分散されたゼオライト粒子を備えるイオン交換物質層を有するセンサが、上述したように、ガス流中の水蒸気濃度の変化に特に敏感であることが分かった。このように、センサは、水蒸気の検出及び水蒸気濃度の測定に非常に高い特異性とともに使用可能である。好ましい配置の走査電子顕微鏡(SEM)下の試験は、各粒子が、最も近い隣接粒子から、平均で、数体の直径分、特に1から5体の直径分、より好ましくは1から3体分、離れて遠ざけられるような、メソ多孔性粒子の密度を明らかにする。] [0051] メソ多孔性物質の厚い連続的な被覆がそうであるように、イオン交換物質の厚い膜は、センサの動作を下げることがまた分かった。言い換えれば、最良に動作するのは、薄いイオン交換層とメソ多孔性粒子のまばらな集団との組み合わせである。] [0052] 更なるセンサの実施態様は、作用電極と対電極との間で、作用電極及び対電極に接して延在する固体電解質前駆体を備える。これにより、作用電極及び対電極との電気的接触において電解質を形成するために、ガス流中の水蒸気が少なくとも部分的に前駆体を水和するように、ガス流は、固体電解質前駆体への作用を引き起こすことができる。] [0053] 本発明の文脈において、用語「固体電解質前駆体」は、センサの使用中に有効である条件下で固相であり作用電極と対電極との間に電流が流れるのを可能にし含水の電解質を再構成するようにガス流中の水蒸気と反応可能(あるいは水蒸気により水和可能)である物質である。] [0054] 固体電解質前駆体は、リガンド、好ましくは有機リガンド(以後「L」として表示)を備え、これは、有機金属の複合体を形成するために金属イオン(以後「M」として表示)を有する複合体を形成することができる。電解質内では、有機リガンドは、次式による解離が可能である。] [0055] LH2 ←→ LH−+H+ LH− ←→ L2−+H+] [0056] 広範囲のリガンド及び金属イオンは、固体電解質前駆体の有機金属複合体で使用可能である。リガンドとして使用される好ましい有機化合物は、アミンであり、特に、ジアミノプロパン及びカルボン酸、特にジカルボン酸のようなジアミンである。金属イオンは、好ましくは、元素周期表(Chemistry and Physics, 62版、1981-1982, Chemical Rubber 社のハンドブックにて提供されるような)のVIII属のイオンである。適切な金属は、銅、鉛、及びカドミウムを含む。] [0057] 固体電解質前駆体は、好ましくはまた塩を含む。金属ハロゲン化物塩類が好ましく、特にナトリウム及びカリウム・ハロゲン化物、特に塩化物が好ましい。] [0058] 金属イオン及び有機リガンドの特定の選択及び組み合わせは、平衡(スペシエーション)化学の原理を用いて理論的に計算されるかもしれない。原理決定因子は、リガンドが低pKbを有するべきということである。上で注意したように、リガンドの好ましいクラスは、ジアミン、例えばプロパンジアミン、エチレンジアミン、様々な置換ジアミンである。センサの能力は、金属/リガンド対の選択及び濃度に依存し、最適な前駆体の構成は、日常の実験により見つかるかもしれない。] [0059] 固体電解質前駆体に関する特に好ましい構成は、銅、プロパンジアミン、及び塩化カリウムを備える。一つの好ましい構成は、以下の量にて存在する成分を有する。即ち、ベース電解質として、4mMの銅、10mMのプロパンジアミン、及び0.1Mの塩化カリウムである。] [0060] 他の金属、リガンド、及びベース電解質のかなりの範囲及び組み合わせが存在することは、当業者によって十分に理解されるだろう。] [0061] 固体電解質前駆体は、適切な溶媒における構成成分の溶液から準備可能である。水は最も便利な溶媒である。溶媒は、固体電解質前駆体を残すために乾燥及び蒸発により取り除かれる。溶媒の蒸発は、乾燥する前駆体の表面を横切って空気又は窒素のようなガス流を吹くことにより援助可能である。] [0062] 本発明は、特にコンパクトで非常にシンプルな構造のセンサを提供する。さらに、センサは、分析されているガスにおける目的物質の濃度の正確な測定を同時に行いながら、加熱又は冷却の必要無しに、周囲温度条件で使用可能である。] [0063] センサは、電極を囲み保護するためにハウジングあるいは他の保護体を好ましくは備える。センサは、電極にガス流を直接に導くために通路あるいは導管を備えることができる。非常に単純な配置では、センサは、導管又はチューブを通路するガス流により直接に接触するように2つの電極が延在する導管又はチューブを備える。センサが患者の呼吸の分析に使用される場合、導管は、患者がその中へ吐き出すことのできる口金を備えることができる。あるいは、センサは、多量のガス流を直接測定するため、ハウジング上あるいはハウジング内の露出位置に電極を有するように形成可能である。ハウジング、通路、あるいは導管の正確な形状は、センサの動作又は性能に重要なものではなく、所望のいずれの形状を採ることができる。センサのボディあるいはハウジングは、適切なプラスチックのような非導電性物質から製造されるのが好ましい。] [0064] 電極は、いかなる適切な形状及び構成も有することができる。電極の適切な形態は、点、線、円、及び平らな表面を含む。センサの有効性は、電極の特定の配置に依存可能であり、隣接する電極間の非常に小さな経路を有することにより、ある実施態様において向上可能である。このことは、例えば、複数の電極部分を備えた作用及び対電極の各々を、交互に、絡み合うパターンで配列させる、つまり互いにかみあった電極部分のアレイの形態において、特に同心状のパターンで配列させることにより、達成可能である。] [0065] 電極は、好ましくは、製造技術の解決内で、互いにできるだけ近接して配向される。作用電極と対電極とは、10〜1000ミクロンの幅の間、好ましくは50から500ミクロンまでの間にあることができる。作用電極と対電極との間の隙間は、20ミクロンと1000ミクロンとの間、より好ましくは50〜500ミクロンであることができる。最適なトラック間隔距離(track-gap distances)は、考慮中の特定の電極物質、配置、形状、及び基板のための日常の実験により見つけられる。好ましい実施態様において、最適の作用電極トラック幅は、50〜250ミクロンであり、好ましくは約100ミクロンであり、対電極トラック幅は、50〜750ミクロンであり、好ましくは約500ミクロンである。作用電極と対電極との間の隙間は、好ましくは約100ミクロンである。] [0066] 対電極と作用電極とは等しいサイズであってもよい。しかしながら、一つの好ましい実施態様において、電流伝達の制限を回避するため、対電極の表面積は、作用電極のそれよりも大きい。好ましくは、対電極は、作用電極の少なくとも2倍の表面積を有する。対電極と作用電極との表面積のより高い比率、例えば少なくとも3:1、好ましくは少なくとも5:1、及び10:1までが使用可能である。電極の厚みは、製造技術によって決定されるが、電気化学に直接影響を持っていない。得られる電気化学信号の大きさは、主に露光表面の面積により、つまりガス流に直接に露出し接触する電極の表面積により、決定される。一般的に、電極の表面積の増大は、より高い信号に帰着するだろうが、ノイズ及び電気的干渉に対して影響を受けることも増加することになる。しかしながら、より小さな電極からの信号は、検出するのがより難しいかもしれない。] [0067] 電極は、基板に支持されてもよい。支持基板に適した材料は、いずれの不活性なもの、非導電物質、例えばセラミック、プラスチック、ガラスである。基板は、電極の支援を行い、また、それらを適切な配向でそれらを維持する役目をする。従って、基板は、いずれの適切な支持媒体であってもよい。基板は非導電性であり、つまり電気的に絶縁したもの、即ち十分に高い誘電係数のものであることが重要である。] [0068] イオン交換物質の層が電極及び基板表面を覆って延在した状態で、電極は、基板表面に配置可能である。あるいは、電極がイオン交換層の表面に配置された状態で、イオン交換物質は、基板に直接適用可能である。このことは、機械的強度の提供、及び経路長のより大きな制御を与えるベースの薄層を提供するという長所を有するだろう。] [0069] イオン交換物質は、適切な溶媒における懸濁液又は溶液からの蒸発によって基板の表面に都合良く適用される。例えば、スルホン化されたテトラフルオロエチレン共重合体の場合には、適切な溶媒はメタノールである。一つがイオン交換層に存在する場合、イオン交換物質の懸濁液又は溶液は、また不活性な支持体あるいはその前駆体を備えることができる。] [0070] 電極の電気的絶縁を改善するために、ガス流に接触するように配置されない電極の部分(即ち、電極の非動作部分)は、誘電材料で被覆され、電極の活性部分を露出させるような方法でパターン化可能である。] [0071] 上述したように、センサは2つの電極で良好に作動するが、例えば第3のつまり基準電極を含む、2つを超える電極での配列は、当該技術分野において良く知られている。基準電極の使用は、対電極と作用電極との間の「iRドロップ」がかなりである場合に、印加電圧のより良い定電位制御を、あるいは電流の定電流制御を提供する。2重の2−電極及び3−電極セルも使用可能である。] [0072] 対電極と作用電極との間で配置された更なる電極も使用してもよい。ガス流の温度は、電極の端から端までの抵抗を測定することにより計算可能である。そのような技術は、当該技術分野において知られている。] [0073] 電極は、電極が電解質あるいはガス流中に存在するいずれの物質と反応しないという条件で、いかなる適切な金属あるいは金属の合金を備えることができる。元素周期表(Chemistry and Physics, 62版、1981-1982, Chemical Rubber 社のハンドブックにて提供されるような)のVIII属における金属が選好される。VIII属の好ましい金属は、レニウム、パラジウム、及び白金である。他の適切な金属は、銀と金を含んでいる。好ましくは、各電極は、金又は白金から製造されている。炭素あるいは炭素を含む材料も電極を形成するために用いられてもよい。] [0074] 本発明のセンサの電極は、基板上に厚膜スクリーン印刷インキの形態にて電極物質を印刷することにより形成可能である。インクは、4つの成分、即ち機能成分、バインダー、 展色剤、一つ以上の重合調整剤から成る。本発明の場合、機能成分は、電極の導電性成分を形成し、電極を形成するのに使用される上述の一以上の金属の粉末を備える。] [0075] バインダーは、基板にインクを保持し、高温焼成法の間に基板と結合する。展色剤は、粉末用のキャリアーとして作用し、溶媒のような揮発性成分、及びポリマーのような非揮発性成分の両方を備える。これらの物質は、それぞれ乾燥及び焼成の初期段階の間に蒸発する。重合調整剤は、少量の添加剤を備え、これは加工前後にインクの挙動を制御することに作用する。] [0076] スクリーン印刷は、周囲温度のような環境面とともに、インクにおける展色剤成分及び粉末の量のようなレオロジー特性により決定される限定内で制御されるべきインク粘度を要する。] [0077] 印刷スクリーンは、高張力を維持しながら、スクリーン・フレームを横切ってステンレス鋼線メッシュ布を伸ばすことにより製造可能である。そのメッシュの全ての開口領域を充填して、エマルジョンがメッシュ全体にわたり塗布される。一般的な方法は、過度のエマルジョンをメッシュに加えることである。スクリーン印刷される領域は、所望の電極デザイン・テンプレートを用いてスクリーンにパターン化される。] [0078] スキージがスクリーン上にインクを広げるために用いられる。スキージの剪断作用は、パターン化された領域を基板へインクが通過することを可能にして、インクの粘度の低減に帰着する。スキージが通過するとともに、スクリーンははがされる。インクの粘度は、元の状態に回復し、明確に定義された印刷となる。所望の厚膜印刷厚みを決定し、その結果完成した電極の厚みを決定するとき、スクリーン・メッシュは重大である。] [0079] スキージの下方移動への機械的な限界(ダウンストップ)は、印刷ストロークの限界が基板表面より下に75〜125μmであることを可能にするように設定すべきである。このことは、過剰な圧力による歪み及び考えられる塑性変形から同時にスクリーン・メッシュを保護しながら、基板を横切って一貫した印刷厚が達成されることを可能にするだろう。] [0080] 印刷厚を決定するために、次の式を用いることができる。] [0081] Tw=(Tm × Ao)+Te ここで、Tw=湿った厚み(μm); Tm=メッシュ織り厚(μm); Ao=%開口領域; Te=エマルジョン厚(μm)。] [0082] 印刷プロセスの後、焼成の前にセンサ素子を水平にする必要がある。このレベリングは、メッシュ・マークが充満することを可能にし、より多くの揮発性溶媒のうちのいくつかが室温でゆっくり蒸発することを可能にする。溶媒のすべてがこの乾燥工程で除去されない場合には、残量はセンサ素子を囲む雰囲気を汚染することにより焼成工程における問題をもたらすかもしれない。厚膜技術にて用いられるほとんどの溶媒は、そこに10分間保持されるとき、150℃のオーブン内で完全に取り除くことができる。] [0083] 焼成は、ベルト炉内で一般的に達成される。焼成温度は、インクの化学的性質によって変わる。最も商業的に利用可能なシステムは、10分間、850℃のピークで焼成する。合計の炉時間は、炉を加熱する、及び室温に冷却するのに要する時間を含めて、30〜45分である。焼成雰囲気の純度は、成功する工程に重大である。空気は、微粒子、炭化水素、ハロゲン含有蒸気、及び水蒸気が無いとすべきである。] [0084] 電極を準備しそれらを基板に設けるための別の技術は、存在するならば、スピン/スパッタ・被覆、及び可視/紫外線/レーザーフォトリトグラフィーを含む。センサの電気化学性能を変更する不純物が電極に存在するのを回避するために、電極は、電気化学めっきによって準備されてもよい。特に、下部層が印刷等の上述した技術の一つを用いて準備され、及び、最上層つまり外層又は複数の外層が純粋な金属のような純粋な電極物質を用いた電気化学めっきにより適用された状態で、異なる技術により適用された複数の層を、各電極が備えることができる。] [0085] 使用において、センサは、広範囲の温度にわたり作動することができる。] [0086] 更なる態様において、本発明は、水蒸気を備える吐き出されたガス流の二酸化炭素含有量を決定する方法を提供する。この方法は、 作用電極及び対電極を備えた検出エレメントにガス流を作用させること; 作用電極と対電極とに電位を印加すること; 印加された電位の結果として作用電極と対電極との間に流れる電流を測定すること; 測定された電流から、ガス流内の水蒸気の濃度の指示を決定すること;及び 測定された水蒸気濃度から、吐き出されたガス流内の二酸化炭素の濃度を決定すること、を備える。] [0087] 動作中、対電極と作用電極との間のインピーダンスは、相対的な湿度、及び、測定される場合には、様々な技術によって電子的に測定可能なガス流の目的の物質含有量を示す。] [0088] 本発明の方法は、上述したようなセンサを用いて実行可能である。] [0089] 方法は、電極に電位が印加されることを必要とする。一つの単純な構成において、作用電極が地面に接続(アースされ)されながら、対電極に電圧が印加される。この最も単純な形態において、方法は、作用及び対電極に単一の定電位差を印加する。あるいは、電位差が、時間に対して変化される、例えば一連の電位間でパルス化又は掃引されてもよい。一つの実施態様において、電位は、反応が起こらない、いわゆる「休止」電位と反応電位との間でパルス化される。] [0090] 動作では、線形の電位走査、複数の電圧ステップ、あるいは一つの不連続な電位パルスが作用電極に印加される。また、電極間の水における目的の分子の分解の直接的役割として、合成ファラデー還元電流がモニターされる。] [0091] センサ素子において測定される電流は通常小さい。電流は、抵抗Rを用いて電圧に変換される。小さな電流の結果、電子的設計及び細部への細心の注意が必要である。特に、特別の「保護(guarding)する」技術が使用されるかもしれない。システムにおいて、接地ループを回避する必要がある。これは、当該技術分野において既知の技術を用いて達成可能である。] [0092] 対電極と作用電極との間を通過する電流は電圧に変換され、ガス流における二酸化炭素濃度の関数として記録される。センサは、2つの電圧間の電位をパルス化する、「矩形波ボルタンメトリー」として当該技術分野にて既知の技術、ことにより、より速く応答する。パルス間に応答を数回測定することは、センサのインピーダンスを評価するために用いることができる。] [0093] 過渡応答の形状は、単純な電子抵抗及びキャパシタンス素子に関してセンサの電気的特性(インピーダンス)と簡単に関連することができる。その形状の注意深い分析によって、抵抗及びキャパシタンスの個々の貢献が計算可能である。かかる数学的技法は、当該技術分野において良く知られている。キャパシタンスは、充電などのような電子的影響に起因する望まないノイズ成分である。容量性信号は、センサにおいて電極の設計及び配置の選択によって減少することができる。電極の表面積の増加、及び電極間の距離の増加は、結果として起こるキャパシタンスに影響する2つの主なパラメーターである。電極間の反応による電流通路に起因する所望のファラデー信号は、実験によって、最適化可能である。パルス内の増加した期間での応答の測定は、例えば容量性及びファラデー成分間で優先的に選択することができる一つの技術である。このような実際的な技術は、当該技術分野において良く知られている。] [0094] センサ素子の電極に印加される電位差は、上で注意したように、休止電位(rest potential)と反応電位との間で交互にあるいは周期的にパルス化される。図1は、印加可能な電圧波形の例を示している。図1aは、休止電位V0と反応電位VRとの間で交互のパルス化された電圧信号の表示である。電圧は、一般的にサブヘルツ周波数から、つまり0.1Hzから10kHzまでの周波数範囲でパルス化可能である。好ましいパルス周波数は、1から500Hzまでの範囲にある。あるいは、対電極に印加される電位波形は、図1bに示すように、「掃引された」一連の周波数から成るかもしれない。図1cに示されるさらに別の波形は、いわゆる「ホワイトノイズ」の一連の周波数である。このような波形から得られた複雑な周波数応答は、フーリエ変換解析のような技術を用いた信号収集後に、デコンボリュートされねばならないだろう。再度、そのような技術は、当該技術分野において既知である。] 図1 図1a 図1b 図1c [0095] 一つの好ましい電圧の型は、0V(「休止」電位)、250mV(「反応」電位)、及び20Hzのパルス周波数である。] [0096] 電気化学反応電位がおよそ+0.2ボルトであり、このことは、金属イオンの減少及び酸素の分解のような測定を妨げるであろう競争反応の可能性の、全てではないが多くを回避するということが、本発明の利点である。] [0097] 本発明の方法は、人又は動物の呼気の分析で使用するのに特に適している。この分析の結果から、患者の呼吸器官の状態の目安を得ることができる。] [0098] 本発明のセンサ及び方法は、患者又は被験者の肺機能の監視及び決定に使用される。方法及びセンサは、様々な呼吸器官の状態を診断あるいは監視するために、人又は動物の呼気における二酸化炭素の終末濃度(tidal concentrations)を分析するのに特に適している。センサは、例えば1回の呼吸(tidal breathing)の個人的呼吸器官監視(カプノグラフィー)のような、高速な応答時間を要する応用例に特に有用である。カプノグラフ測定は、呼吸器官の薬、気道疾患、拘束性及び閉塞性の両方、気道疾患管理、及び気道炎症の分野に一般的に適用可能である。本発明は、カプノグラフィー及び喘息の診断、監視、及び管理の分野における特定の応用例を見つけ、ここでは、カプノグラムの形状は、その疾病の範囲の関数として変化する。特に、本発明のセンサ及び方法を使用して達成可能な高速応答により、その結果は、喘息患者における喘息の発作の発症へ初期に警告を提供するのに使用可能である。] [0099] 上で注意したように、被験者によって吐き出されたガス流における二酸化炭素濃度と水蒸気濃度とは密接に関連し、その結果、二酸化炭素濃度の変化は、水蒸気濃度の変化の測定によりモニターすることができるということが分かった。上述したように、被験者の呼気における二酸化炭素濃度の情報は、被験者の健康について、一般に呼吸器系、特に肺の状態及び能力について、非常に価値のある情報を提供することができる。しかしながら、一般に被験者の呼吸器系の、特に被験者の肺の状態及び能力は、被験者により吐き出されたガス流の水蒸気含有量の測定及び監視から直接に容易に決定することができるということがさらに分かった。] [0100] 従って、更なる態様において、本発明は、被験者の呼吸器官の機能を決定する方法を提供する。この方法は、: 被験者によって吐き出されたガス流における水蒸気濃度を測定すること;及び 測定された水蒸気濃度から、被験者の呼吸器官機能を決定すること、 を備える。] [0101] その方法は、被験者の呼吸器官全体の機能の決定を提供するために使用可能であるが、しかし被験者の肺の機能を決定するのに特に適している。] [0102] 吐き出されたガス流の水蒸気含有量の測定は、被験者の鼻及び/又は口を通り吐き出されたガスに適用可能である。好ましい実施態様において、測定は、被験者の口を通って吐き出されたガス流の水蒸気含有量でなされる。] [0103] さらに、被験者によって吐き出されたガス流に存在する水蒸気は、被験者の体内で発生する代謝過程によって作製される。従って、吐き出されたガス流の水蒸気含有量の測定は、被験者の多くの代謝過程の性質及び能力を直接に示すこと、及び/又は被験者の代謝作用の全体を示すことを提供するのに使用可能である。このことは、病気の特定の状況に関する情報が被験者により経験されるのと同様に、結果として、被験者の一般的な状態に関する重要な情報を導き出すために使用可能である。] [0104] 被験者の吐き出されたガス流における二酸化炭素濃度と同様に、呼気における水蒸気濃度は、呼吸期間中変化する。特に、水蒸気濃度の図式的な出力を得ることができ、これは、吐き出されたガス流における二酸化炭素濃度から得られたカプノグラムに全体形状において類似する。得られた水蒸気濃度の図式的な出力は、カプノグラムに関して既知の分析に類似した分析を受けることができる。カプノグラムと同様に、水蒸気トレースの分析に関する特定の技術は、以下に記述され、本発明のもう一つの態様を形成する。] [0105] 呼気の水蒸気含有量の測定は、呼気の間の一部、より好ましくは呼気の全期間にわたり実行可能である。より好ましくは、水蒸気濃度の変化は、吸気及び呼気のいくつかの周期にわたり測定される。つまり、水蒸気濃度の測定は、1回の呼吸(tidal breathing)の間に得られる。] [0106] いずれかの適切な装置が、被験者の吐き出されたガス流における水蒸気濃度を測定するために使用可能である。その装置は、好ましくは電気化学のセンサであり、それは水蒸気濃度の測定における使用に特に便利であることが分かった。電気化学のセンサの特に好ましい形態は、一般的な用語で既に述べられ、以下に詳細に述べる。] [0107] 注意したように、被験者の呼気におけるガス種の濃度は測定可能であり、呼気時間にわたるそれらの変化が決定される。得られた測定値は、カプノグラムのように二酸化炭素の場合に既知である、トレースの形態で図式的に示されるかもしれない。二酸化炭素及び水蒸気に関するトレースは類似し、一般的に矩形形態を有し、呼気の初期期間で濃度が急に上昇し、ほぼ平坦なつまりプラトー領域に達し、そして呼気の最終段階で下降する。典型的なトレースは図10に示される。ここでは、時間にわたって吐き出されたガス流における二酸化炭素濃度の変化は、単一の呼気に関してプロットされている。] 図10 [0108] 被験者の、特に通常の1回の呼吸において、吐き出されたガス流における成分濃度の変化をモニターすることは、非侵襲性であり、一般に容易に実行される。特に、被験者は、他の技術と同様に、吐き出すときに、いかなる追加の努力を行うことを必要とされない。呼気の時間にわたる濃度変化のトレースは、被験者の肺の容積変化及び生理学的変化の両方を反映する。トレースの形状の分析は、価値のある情報を、並びに、一般的な肺機能の目安を、及び肺の広範囲な状態及び苦悩の目安を提供可能である。本発明は、被験者の吐き出されたガス流の成分に関する濃度対時間のトレースを分析する2つの特別な方法を提供する。] [0109] 図10を参照して、吐き出されたガス流におけるガス成分の濃度の時間によるトレースが示され、特定の例において詳細に以下に論じられている。しかしながら、一般論では、トレースは、被験者が息を吐いたとき、濃度が時間とともに急速に増加する、上昇段階を備えるように見ることができる。濃度変化が上昇段階よりもかなり低いプラトー段階が続く。最後に、呼吸の終わりに向けて、濃度は、下降段階において急速に落ちる。上昇段階及びプラトー段階は、被験者の換気(V)(ventilation)及びかん流(Q)(perfusion)における変化により特に影響される。第1の特定方法において、上昇段階及び/又はプラトー段階の傾斜は、肺機能を決定するために用いられる。] 図10 [0110] 従って、被験者の肺機能を決定する方法がさらに本発明によって提供される。この方法は、 被験者の吐き出されたガス流のガス成分濃度の変化を測定すること; 経時的な濃度の変化のプロファイルを得るために、吐き出されたガス流に関する時間の関数としての濃度における変化を決定すること; そのプロファイルの上昇段階の傾斜を測定すること;及び、 被験者の肺機能の決定をする上昇段階の傾斜を用いること、 を備える。] [0111] X軸への上昇段階の角度あるいは上昇段階の傾斜は、肺機能及び状態における変化とともに変化する。このことは、上昇段階の角度あるいは傾斜を測定可能とし、被験者の肺機能の決定を可能とする。被験者に関する肺機能の目安は、例えば、与えられたトレースにおける上昇段階の角度を、同じ被験者に関して得られた他のトレースにおける対応段階の角度と比較することにより、得ることができる。このような方法で、時間にわたって被験者の肺機能の変化は、例えば、特定の状態、例えば喘息、COPD、等の発症の初期兆候を提供するように、モニター可能である。] [0112] さらに、一旦特定の状態が確認されあるいは診断されたならば、被験者の吐き出されたガス流の水蒸気含有量の測定から得られるトレースの変化又は傾向は、特に有用である。特に、本発明の方法及び装置は、時間にわたって変化及び傾向を識別することにより、被験者の状態における変化をモニターすることを可能にする。このような方法で、例えば、特定の治療への被験者の応答が評価可能であり、状態が悪化している、あるいは期待したように改善されていない場合には、適切な処置を取ることができる。] [0113] その方法は、単独で上昇段階の傾斜を測定可能であり、肺機能の決定にこれを用いることができる。しかしながら、その方法は、経時的な濃度のトレースのプラトー段階の傾斜を用いることもできる。この段階の間、ガス成分の濃度は、一般に上昇段階におけるほど著しく変わらないが、濃度は、上昇段階の終わりと下降段階の初めとの間で時間とともに変化するであろう。上で注意したように、プラトー段階の角度又は傾斜もまた、被験者の肺機能の変化によって影響を受けることができる。したがって、肺機能の決定は、また、トレースのプラトー段階の角度又は傾斜の使用を可能にする。特に、上昇段階及びプラトー段階の傾斜の割合は、計算可能である。この割合は、肺機能の目安、特に、肺における喘息、COPD、等のような、ある状態の発症の可能性を示す割合における変化を提供するのに使用可能であることが分かった。] [0114] その方法は、吐き出されたガス流のガス成分の一つ以上を、最も好ましくは二酸化炭素あるいは水蒸気を使用して測定することにより実行可能である。] [0115] さらに、又は、代替手段として、トレースの傾斜の使用に、上昇段階からプラトー段階への遷移を取り巻くトレースの領域は、被験者の肺機能に関する非常に価値のある兆候を提供可能であることがまた分かった。] [0116] 従って、更なる態様において、本発明は、被験者の肺機能を決定する方法を提供し、この方法は、 被験者の吐き出したガス流のガス成分の濃度変化を測定すること; 経時的な濃度変化のプロファイルを得るため、吐き出されたガス流に関する時間の関数として濃度変化を決定すること; 上昇段階からプラトー段階までの遷移領域におけるプロファイル部分を分析すること;及び、 その分析結果を使用して、被験者の肺機能の決定をなすこと、 を備える。] [0117] その方法は、濃度の領域、つまり上昇段階とプラトー段階との間の遷移を取り囲む時間トレース、の分析を使用する。適切な分析技術は、変換データにより最良適合のラインを計算するために回帰法を含む、数学的な変換である。最良適合の係数は、肺機能、特に、被験者が経験している息切れのレベルの目安を提供する。最良適合は、いかなる適切な数学的技法、例えば最小自乗法、中央値フィット(median fit)等を使用して計算可能である。データを変換する他の技術もまた使用可能であり、多項式、スプライン、等を含むことができる。] [0118] トレースからのデータ点のいかなる範囲も、それらが上昇段階からプラトー段階まで遷移を補っているならば使用可能である。少なくとも上昇段階の中間点及びプラトー段階の終わりからのデータを用いるのが好ましい。] [0119] 再度、その方法は、吐き出されたガス流の一つ以上のガスの成分、最も好ましくは二酸化炭素あるいは水蒸気、の測定を使用可能である。] [0120] 分析方法の特定の例は、以下の例示に挙げられる。] [0121] 上で注意したように、被験者の呼吸器系、特に肺機能、の状態をモニターするための一つの技術は、被験者によって吐き出されたガス流のガス成分の濃度変化を測定し、時間に対して濃度のトレース又はカーブを決定することである。トレースの形状は、被験者の肺機能の変化、例えば与えられた状態で始まり悪化するか改善するか、として、変化するであろう。このことは、結果として被験者の肺機能をモニターするための技術を提供する。] [0122] 従って、本発明は、また被験者の肺機能をモニターする方法も提供する。この方法は、 被験者の吐き出したガス流のガス成分の濃度変化を測定すること; 経時的な濃度変化のプロファイルを得るため、吐き出されたガス流に関する時間の関数としての濃度変化を決定すること; 得られたプロファイルを、予め存在するプロファイルと比較すること;及び その比較を使用して、被験者の肺機能の決定をなすこと、 を備える。] [0123] また、被験者の肺機能をモニターするための装置が提供される。その方法は、 被験者の吐き出したガス流のガス成分濃度の変化を測定する手段; 経時的な濃度変化のプロファイルを得るため、吐き出されたガス流の時間の関数として濃度変化を決定する手段; 複数のプロファイルを格納する手段;及び、 得られたプロファイルを、格納手段から読み出した予め存在するプロファイルと比較する手段、 を備える。] [0124] 吐き出されたガス流のガス成分濃度の分析から得られたプロファイルは、既存のプロファイルと比較される。既存のプロファイルは、健康な被験者のプロファイルあるいは代表のものであってもよい。このようにして、被験者の肺機能の目安は、正常あるいは健康なプロファイルとの直接の比較によって得ることができる。あるいは、注意したように、既存のプロファイルは、初期に同じ被験者から得たプロファイルであってもよい。このようにして、被験者の進行又は変化は、例えば、喘息、COPD、又はそのようなものの特定の状態の発症、悪化又は改善の目安を提供するためにモニター可能である。] [0125] 方法は、一つの既存のプロファイルあるいはトレースを使用可能である。あるいは、例えば長期間にわたり肺機能のパターンを提供するために、複数の既存のプロファイルが使用されてもよい。そのような場合、プロファイルを格納する手段は、既存プロファイルのライブラリーを格納することができる。] [0126] プロファイルの比較は、2以上のプロファイルの画像が表示されるディスプレイを提供するのと同じくらい単純かもしれない。あるいは、その比較は、トレースデータを分析する一つ以上の技術、例えば上述した特定の技術、を使用可能である。] [0127] 再度、方法及び装置は、吐き出されたガス流の1以上のガス成分に関して、最も好ましくは二酸化炭素あるいは水蒸気に関して使用可能である。] [0128] 本発明の方法は、その種々の態様において、上で注意したように、被験者、特にヒトの被験者の肺の状態及び機能の目安の範囲を提供する、及び、被験者の肺の健康の目安を提供するのに使用可能である。特に、方法は、喘息、COPD、結核(TB)、及び肺癌のような肺の疾患に関連する情報を提供するために使用可能である。さらに、方法は、被験者の肺と間接的に関連する疾患及び有害な状態、例えば癌、女性被験者における卵巣癌のような癌で、被験者の体の肺等の他の領域に転移するかもしれない、に関する情報を提供するのに使用可能である。肺の外側で起こるが、肺系統における兆候となる他の状態は、関節リウマチ及び心不全を含んでいる。] [0129] 更なる実施態様において、方法は、他の肺機能テストを用いて、例えば、努力下で1秒に吐き出された容量が測定される努力呼気肺活量テスト(FEVl)、及び努力肺活量テスト(FVC)を被験者に受けさせて、得られたデータとの比較を提供するのに用いることができる。本発明の方法によって生成されたデータは、他の肺機能テストによって生成されたデータを裏付けあるいは確認するために、又は被験者の診断を補助するために更なるデータセットを提供するために、使用されてもよい。] 図面の簡単な説明 [0130] 図1aは、上で説明したように、本発明の方法における電極に印加可能な考えられる電圧波形を電圧対時間で示したものである。 図1bは、上で説明したように、本発明の方法における電極に印加可能な考えられる電圧波形を電圧対時間で示したものである。 図1cは、上で説明したように、本発明の方法における電極に印加可能な考えられる電圧波形を電圧対時間で示したものである。 図2は、本発明のセンサの一つの実施形態の横断面の表示である。 図3は、本発明によるセンサ素子の一つの実施形態の面の等大の模式図である。 図4は、本発明のセンサのセンサ素子の別の実施形態の等大の模式図である。 図5は、センサ素子の電極を励起するために使用可能なポテンシオスタット電子回路の模式図である。 図6は、電極を励起するために使用可能なガルバノスタット電子回路の模式図である。 図7は、本発明のセンサで使用される呼吸チューブ・アダプターの模式的な図である。 図8は、本発明の実施形態のセンサ素子の相互接続、及び適切な計測器へのそれらの接続の概観を提供するフロー図である。 図9は、呼気の水及び二酸化炭素の含有量を測定する実験からの出力のグラフである。 図10は、時間に対してプロットされた、吐き出されたガス流における二酸化炭素又は水蒸気の濃度の典型的なトレースのグラフである。 図11は、図10の一般的なタイプの3つの異なるトレースのグラフである。 図12は、係数「a」を決定するため、図10のトレースの最良適合分析のグラフである。 図13は、本発明の好ましい実施形態によるセンサ素子の一部における模式的な断面図である。 図14は、図13のセンサのイオン交換物質層におけるメソ多孔性粒子の分布の図である。 図15は、図13及び14に示されるセンサの電気インピーダンスを表す概念的な電気回路の図である。 図16は、本発明の好ましい実施形態によるセンサの電極表面の走査電子顕微鏡(SEM)画像であり、センサ素子へメソ多孔性物質の粒子の堆積後、イオン交換物質層の適用前の画像である。 図17は、図16に示されるセンサを用いて測定された、被験者によって吐き出されたガス流の時間に対してプロットされた水蒸気濃度のトレースである。] 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図1a 図1b 実施例 [0131] 本発明の実施形態について、図を参照しながら、単に例示の目的で、以下に説明する。 図2を参照して、本発明によればセンサが示されている。センサは、呼気の二酸化炭素含有量及び湿度を分析する。センサは、2として大まかに示され、呼気の流れが通過可能な導管4を備える。導管4は、患者が呼吸できる口金6を備える。] 図2 [0132] 検出エレメントは、8として大まかに示され、導管4内にあり、その結果、口金6からの導管を通過するガス流が検出エレメント8に作用する。検出エレメント8は、作用電極12及び基準電極14が装着される不活性物質の支持基板10を備える。作用電極12及び基準電極14は、各々、作用電極12及び基準電極14の隣接部分間で距離を最小にする織り合わされたパターンを提供するように、同心円に配列された複数の電極部分12a、14aを備える。このようにして、2つの電極間の電流通路が最小に維持される。] [0133] 絶縁又は誘電物質の層16は、作動及び対電極12、14の両方の一部上に延在し、各電極の一部12a、14aを、導管4を通過するガス流に接触させる。支持体、電極12、14、及び電極に塗布された被覆の配置は、図3及び図4に、より詳細に示されている。] 図3 図4 [0134] 図3を参照して、40として大まかに示され、基板層42を備えるセンサ素子の分解図が示されている。作用電極44は、一連の細長い電極部分44aが延在する基板層42に取り付けられる。同様に、基準電極46は、一連の電極部分46aが延在する基板層42に取り付けられる。図3で見られるように、作用電極部分44a及び基準電極部分46aは、作用及び基準電極の隣接部分間で最小の分離を有する露出した電極の大きな表面積を提供しながら、密接な互いに入り込んだアレイで、他のものの間に一つが延在する。被覆物質の層48は、例えばイオン交換物質、電解質前駆体、ゼオライト、メソ多孔性粘土であり、作動及び基準電極44、46に重なる。] 図3 [0135] 被覆物質48は、適切な溶媒における被覆物質の懸濁液又はスラリーで繰り返し漬すことで塗布される。センサ素子は、各浸漬後で次の浸漬前に、溶媒を蒸発させるために乾燥される。他の物質は、追加の溶液あるいは懸濁液における後の浸漬により被覆内へ組み込むことができる。浸漬の回数は、被覆の所望厚により決定され、化学成分は、センサが漬けられる追加の溶液の数及び種類によって決定される。] [0136] パッド、噴霧、スクリーン、及び印刷の他の機械的方法のように、多くの他の手段があり、それにより被覆の厚さ及び成分は同様に達成可能であることは明らかであろう。そのような技術は、当該技術分野で良く知られている。] [0137] 別の電極配置が図4に示され、ここでは、図3のセンサ素子に共通の成分は同じ参照符号を付している。作用電極部分44a及び基準電極部分46aは、密接な円形のアレイで配列されることが注目されるだろう。図3に関して上述したように、電極及び基板は被覆される。] 図3 図4 [0138] 特に好ましい実施形態のセンサ素子の一部を通る拡大した断面図が図13に示される。60で大まかに示されるセンサ素子は、上述した例えばスクリーン印刷技術を用いて作動及び対電極64、66が上に堆積される不活性な基板62を備える。イオン交換物質68の層は、不活性基板62、及び電極64、66の表面を覆い延在する。図13では、電極、それらの間隔、及びイオン交換層の厚さの相対的な大きさが示されている。特に、トラック幅(T)70を有する電極は、隙間(G)72によって分離される。イオン交換物質74の層の厚み(W)は、電極間の隙間72とほぼ同じサイズである。] 図13 [0139] 図14を参照して、図13のセンサ素子のイオン交換層68内のメソ多孔性物質の粒子の大まかな分布が平面図で表わされている。このように、作用電極及び対電極64、66は、隙間72によって分離されている。メソ多孔性物質76の粒子は、イオン交換物質の層内でまばらに分散して示されている。図14は、好ましいセンサ素子の一般的なタイプの図表示であり、その実際の例が図16に示され、これは、イオン交換物質の層で被覆される前の、電極の表面に分散されたメソ多孔性物質の粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて得られた画像である。図16の画像は、以下の実施例3で、より詳細に説明する。] 図13 図14 図16 [0140] 被覆が誘電体層のようになると考える場合、図13及び図14に示されるセンサの限定要因は比誘電率であろう。それはゼオライトに関して約23である(ポリイミドに関する3、及び水に関する80と比較して)。水の吸着は、同時に比誘電率を増加させ、それは応答速度を改善するだろう。言い換えれば、イオン交換物質層の厚さが減少すると応答速度は増加し、最も薄い被覆で最も速くなる。薄い被覆のイオン交換物質の多くの場合、層は、最初の数ミリ秒において十分な水を吸着し、信号測定を容易にするであろう。初期の化学吸着を越えた、水の更なる(及び継続した)吸着は、信号を著しく増加させないだろう。] 図13 図14 [0141] センサのインピーダンスが抵抗性か容量性かにかかわらず、センサ応答時間は、イオン交換物質の層からの水の吸収/脱着の速度によって常に制限され、数秒から数分の範囲である。したがって、基板の形状及び構成は、センサ能力を最適化するために重要である。イオン交換物質のより薄い被覆の使用は、劇的に吸着時間を減少させる。即ち、特有の拡散時間は、フィルム厚の二乗に比例して変化する。多くの先行技術装置は、より少ない水分を吸着するポリマー基材を用いることにより脱着時間を最小限にすることを試みている。このことは、応答を促進するが、また、感度を減少させる。非常に薄層でイオン交換物質を、特にゼオライトで、表面積も増加させる、(粒状の)メソ多孔性物質の微細な分散と組み合わせることにより、従来の装置における反応時間よりも一桁分小さい反応時間を達成することが可能である。] [0142] 電極のトラック間隔距離、及びイオン交換物質の被覆厚さは、センサ全体の能力、特に応答速度を規定する。ほとんどの場合、電気化学的センサは、古典的な抵抗−コンデンサーの組み合わせとして表わすことができる(電気的な等価物において)。しかしながら、メソ多孔性物質を微細に分散したイオン交換物質の層を用いた、本発明の好ましい実施形態のセンサは、より複雑である。抵抗及びコンデンサーを集めたものとして表わされる、2つの電極セルとしてセンサを解釈することは可能である。典型的な図示は、図15に示される。図15では、暗黙の連結インピーダンス(RcとCc)が表わされ、各成分は各電極で対称である(同等のもの)と仮定される。Rsは、吸着水層の液抵抗である。電極間容量項、Ci、は溶質(拡散層の外側)の誘電特性を説明するために含まれている。最後に、電荷移動抵抗及びWarburgインピーダンスの両方を含む、周波数依存の誘導電流(Faradaic)インピーダンス(Zf)は、各電極に関して含まれている。] 図15 [0143] 図13及び図14に示されるようなセンサから得られた実験のインピーダンスデータの分析は、センサが抵抗及びコンデンサーに関してモデル化可能であることを示す。被覆の抵抗及びキャパシタンスの両方は、湿度の関数として変化する。抵抗は、単にセンサを流れる電流の大きさを制限する。キャパシタンスの変更は、出力信号の位相(加えられた波形に関連して)を変更する。高いキャパシタンスは、電極間に流れる電流をフィルタリングすることにより、応答速度を減じる。抵抗及びコンデンサーの値は、トラック幅と空隙距離、及びトラックと隙間との間の比率の関数である。キャパシタンスは、主に被覆厚さの関数である。] 図13 図14 [0144] 全体として、上で注意したように、モニターされているガス流中の水蒸気濃度の変化に対するセンサの反応速度、及び水蒸気へのセンサの特異性は、メソ多孔性物質の粒子、特にゼオライト、の微細分散を有するイオン交換物質の層、特にNafion(登録商標)、で被覆され、かつ、メソ多孔性物質の粒子の微細分散を有するイオン交換物質の層が特に薄い、センサ素子の使用によって著しく向上される。] [0145] 図5を参照して、本発明のセンサの作動電極及び基準電極の両端に印加される電圧を提供するために使用可能なポテンシオスタット電子回路が示される。100として大まかに示される回路は、外部から印加された電圧信号Vinを受け入れる制御増幅器として作動する、「OpAmp1」として識別されるアンプ102を備える。OpAmplからの出力は、制御(対電極)電極104に印加される。「OpAmp2」として識別される第2のアンプ106は、対電極104から作用電極108への電流の通路を測定可能な電圧(Vout)に変換する。抵抗Rl、R2及びR3は、入力電圧と測定された電流とによって選択される。] 図5 [0146] センサの電極を励起するための、代わりのガルバノスタット回路が図6に示されている。制御及び作用電極104、108は、「OpAmpl」として示される単一のアンプ112の入出力間に接続される。再度、抵抗Rlは、所望の電流によって選択される。] 図6 [0147] 図7に移り、患者の呼吸をモニターするためのアダプターが示されている。センサ素子は、アダプター内に取り付けられ、図2に示されるもの、及び上述の説明に類似した方法で、アダプターを通って流れる気流へ直接配向される。図7に示された好ましい実施形態はアダプターを備え、このアダプターは、200として大まかに示され、一端にオス型(押し込み型)の円錐状カップリングを、他端にメス型(押し込み型)の円錐状カップリングを有する円筒状ハウジング202を有する。側面入口208は、円筒状ハウジング202においてオリフィスの形態で設けられ、以下の実施例2にてより詳細に記載されるように、患者の1回の呼吸(tidal breathing)の監視にアダプターを使用可能とする。側面入口208は、装置を通した患者による吸引の間に、センサ素子にガスを導く。1回の呼吸の監視は、ハウジング202の出口に一方向弁を設けることで改善されてもよい。] 図2 図7 [0148] 図8に関して、本発明によるセンサシステムの一般的なレイアウトが模式的な形態で示されている。400として大まかに示されたシステムは、対電極402及び作用電極404を有するセンサ素子を備える。対電極402には、例えば図5に示される形態で上述した制御ポテンシオスタット406によって電圧が供給される。制御ポテンシオスタット406用の入力信号は、それ自身がマイクロコントローラ410からのデジタル入力信号を供給されるD−A変換器(D/A)408によって供給される。検出エレメントによって生成された出力信号は、作用電極404では電流の形態であり、電流から電圧への変換器412に供給され、その出力は、次にA−D変換器(A/D)414に供給される。マイクロコントローラ410は、A/Dコンバーター414の出力を受け入れ、モニターされているガス流における目的の物質の濃度を示す表示を発生するために使用される。その表示(明瞭さの理由で図8に示されない)は、いずれかの適切な表示形態、例えば聴覚ディスプレイあるいは画像表示であってもよい。好ましい実施形態において、マイクロコントローラ410は、目的物質の濃度の連続表示を生成する。この配置は、患者の1回の呼吸(tidal breathing)の監視に特に有用である。] 図5 図8 [0149] 本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるだろう。] [0150] 実施例 実施例1 被験者の呼気の水及び二酸化炭素含有量の分析は、以下のように得られた。] [0151] 被験者による呼気は、既知の技術及びOxicapモデル4700質量分析計(市販の装置で、Datex-Ohmeda、Louisville、コロラド)を用いて、赤外線質量分光技術によって、その二酸化炭素含有量に関して分析された。分析結果は、図9にグラフで表わされる。] 図9 [0152] 同じ被験者の同じ呼吸は、上述のようなセンサを使用して水分量に関して分析され、添付の図に示されている。上述のように、センサは、ゼオライト及びnafionを含む被覆を有する2つの電極を備える。呼吸の分析は、上述の構造の電気化学のセンサが装着された、図7に示すような口金内へ被験者の呼吸をいれることにより行なわれた。センサの出力は、図9にグラフで示されている。] 図7 図9 [0153] 図9を参照して、被験者の単一の呼気に関する分析の結果は、グラフで示されている。二酸化炭素含有量に関するデータ点は白丸で示され、一方、水分量に関するものは黒丸で示される。データ点のスケールは、2つのトレースの最良の重なりを達成するために調節された。図は、全呼気にわたり、呼吸の水分量と二酸化炭素濃度との間に非常に厳密な相関があることを示している。呼気の全体にわたる二酸化炭素含有量の変化を測定するときに期待されるように、トレースのプロファイルは、典型的なカプノグラムの形状を有する。水分濃度に関するトレースのプロファイルは、全呼吸にわたって二酸化炭素に関するトレースのプロファイルにほとんど正確に従うことが理解可能である。] 図9 [0154] 2つのトレースのプロファイルの幅が異なること、つまり水に関するトレースは、二酸化炭素のそれよりもわずかに広いことが注目されるだろう。この差異は、関係するセンサ装置に呼気を案内するために用いられる導管の配置によって説明される。上述のように、被験者は、図7に示すような口金及び導管を通して息を吐く。よって、電気化学センサは、呼気の主流中に置かれる。質量分析計への分析用の流れを提供するために、呼気の試料は、副流として取られ、分析計の入口へポンプで送られる。] 図7 [0155] 被験者の呼気における二酸化炭素あるいは水の一つの濃度についての知識、及び図9に示すように、それら2つの間の相関の詳細は、別の成分の濃度を容易に決定可能にすることは当然であろう。このことは、重要な発見を表わし、被験者による呼気の組成を測定し分析するのに利用できる技術において重要な改善を提示する。このことは、その結果として広範な呼吸器疾患の診断において開業医を大いに援助するだろう。] 図9 [0156] 実施例2 図10を参照して、呼気の期間を通して吐き出されたガス流における二酸化炭素濃度の測定から得られた、時間に対してプロットされた二酸化炭素濃度のグラフが示されている。このグラフの形態は、「カプノグラム」として当該技術分野において知られている。同様のトレースは、吐き出されたガス流における他のガス成分、最も著しいのが水蒸気、とともに得られる。以下の分析技術は、二酸化炭素以外の成分とともに得られる類似のトレースに等しく良好に適用可能である。] 図10 [0157] 図10におけるトレースは、点A、B、C、D及びEとして示され、一般的にトレースの4つの段階を分離する屈曲点を有するように特徴付けることができる。段階Iは、被験者による呼気の非常に初期にて生成され、二酸化炭素のないガスの体積である。段階IIは、二酸化炭素濃度の急速な増加にて特徴付けられる上昇段階であり、二酸化炭素なしのガスから肺の初期に空になる部分までの移行(transition)を表わす。段階IIIは、(肺胞)プラトー段階であり、肺の後で空になる部分に相当し、ここでは、二酸化炭素の濃度は時間とともにゆっくり上昇し続ける。点Dは、一般的に二酸化炭素(PetCO2)の呼気終末の濃度になることを示す。トレースの段階IVは、最終段階であり、ここでは、二酸化炭素濃度は、周囲ガス組成の濃度に急速に落ちる。] 図10 [0158] 2つの中点、つまり点Bと点Cとの間のBC50、及び点Dと点Eとの間のDE50を特定することができる。これらの中点は、形状分析内のデータ点を規定するのに使用される。] [0159] 図10に示す傾斜1は、上昇段階、段階II間のトレースの勾配である。その傾斜は、いずれかの適切な方法、例えば中点BC50での曲線の接線方向で、計算可能である。] 図10 [0160] 図10に示す傾斜2は、プラトー段階、段階IIIの勾配である。] 図10 [0161] 最後に、傾斜3は、下降段階、段階IVの勾配である。再度、これは、いずれかの適切な技術を用いて計算可能であり、例えば中点DE50の接線として取得することができる。] [0162] 点Cまわりのトレースの領域は、一般的に「肩部」を備え、一般的な式1を用いて数学的に表すことができる。] [0163] ここで、Yは二酸化炭素濃度であり、Xは時間である。] [0164] 式1における係数「a」は、曲線の形状を決定し、トレースがカーブする範囲を表現するために使用可能である。肩部の曲率は、被験者の肺機能によって変化する。特に、正常な肺機能に関するトレースは、a=1の値が提供される。aの値の増加は、肺機能の低下を示し、特に被験者の息切れにおいて増加を示す。従って、係数aは、被験者の息切れの範囲の数字目盛を提供するために用いることができる。係数aの値を変化(a=1、a=20、a=100)させたトレースの例が図11に示されている。] 図11 [0165] 式1の逆数は、以下のように式2によって与えられる。] [0166] ] [0167] 式2は、トレースデータを直線的に変換するために使用可能であり、その結果、ガス濃度の測定にて発生したデータによって最良適合のラインを提供し、かつ最良適合のラインの係数を決定するために、標準の回帰法が適用可能である。特に、時間(X)に対するY’をプロットしたグラフは、ラインの勾配が係数aである直線によって表わされ、及び最良適合分析は、得られた測定データに最良適合の直線を決定する、よって係数aの最良値を決定するために使用可能である。時間(X)に対するY’の代表的なグラフが図12に示されている。] 図12 [0168] 図12のラインからの実データ点における変化量は、取得データへの係数の適切な確かさを評価するために、及び/又はデータにおけるノイズのレベルを示すために、用いることができる。] 図12 [0169] 他の技術は、取得データを分析するために使用可能である。特に、式1の代替案を表現する、以下のものが使用可能である。] [0170] 及び、] [0171] ] [0172] 実施例3 図2及び図3に示される一般的な構成を有するセンサが準備される。電極は、市販の、スルホン化されたテトラフルオロエチレン共重合体(Nafion(登録商標)、元デュポン)及びゼオライト4Aを備えたイオン交換層で覆われている。被覆は以下のように製造された。] 図2 図3 [0173] ゼオライト物質の懸濁液は、10mlのメタノールの中で懸濁された。ゼオライトは、約1ミクロンの粒径の、均一な範囲の粒サイズを有する。] [0174] その懸濁液は、溶液内でゼオライトが均一に分散するのを確実にするために、10分間超音波で分解された。超音波のバス又はプローブも使用可能である。その後、コーティングされる電極は、溶液内へ浸漬され、引き出される前、2秒間保持された。電極は、平らに置かれ、溶媒は自然蒸発された。必要ならば、強制的な空気対流も溶媒の蒸発を促進するために用いられてもよい。] [0175] 電極は、電極の全域でゼオライト粒子の分布を測定するため、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて検査された。その結果は、図16に示されている。図示するように、ゼオライト粒子は、粒子間の隙間が大まかに少なくとも一つの粒子径である状態で、電極表面全域に微細に分散されている。] 図16 [0176] 依然として水平位置にセンサーがある状態で、注射器を用いてセンサの表面に微小量のNafionポリマーが分配され、液体を分配するのに使用される注射針のエッジを使用してセンサの全表面を横切り広げられた。溶媒は、再び自然に蒸発された。体積は、センサ表面積の完全な被覆を確実にし、かつ得られる膜厚ができるだけ小さいことを保証するようなものである。典型的な体積は、1cm2の面積を被覆するために、1〜10μlの範囲であり、好ましくは2μlである。残りの層(溶媒の蒸発後)の得られた厚みは、目的とする応用例に一致して、適度に薄くあるべきである。実際に、この方法を用いて、10〜1000nmの層厚を達成することができる。好ましくは100nmである。] [0177] センサは、図2のアッセンブリを通して患者が息を吸い込み吐き出すことで、患者によって吐き出された息の組成、特に呼気の水蒸気含有量を分析するために用いられた。時間に対してプロットされた水蒸気濃度の得られたトレースは、図17に示され、この図から、センサは、呼気における水分濃度の変化の非常に正確なトレースを時間とともに生成したことが理解可能である。] 図17 図2 [0178] この実施形態のセンサは、センサ素子に接触するガス流における水蒸気濃度の変化への非常に速い応答を提供し、同時に、水蒸気濃度の変化の特に正確な決定を可能にする出力信号を提供することがわかる。これは、結果として水蒸気のその検出においてセンサを非常に特別なものとし、それにより、被験者の吐き出されたガス流の水蒸気含有量の変化を、短期、中期、及び長期にわたり正確に追随するための手段を提供する。]
权利要求:
請求項1 被験者の呼吸器官の機能を決定するための方法であって、被験者によって吐き出されたガス流における水蒸気濃度を測定すること;及び測定された水蒸気濃度から、被験者の呼吸器官の機能を決定すること、を備えた方法。 請求項2 水蒸気濃度は、少なくとも1回の完全な呼気の間測定される、請求項1に記載の方法。 請求項3 水蒸気濃度は、被験者による1回の呼吸の間に測定される、請求項2に記載の方法。 請求項4 吐き出されたガス流は、被験者の口から吐き出される、請求項1に記載の方法。 請求項5 水蒸気含有量は、電気化学センサを用いて測定される、請求項1に記載の方法。 請求項6 作用電極と対電極を備える検出エレメントにガス流を作用させること;作用電極と対電極に電位を印加すること;印加した電位の結果として作用電極と対電極との間に流れる電流を測定すること;及び測定された電流から、ガス流における水蒸気濃度の表示を決定すること、を備える、請求項5に記載の方法。 請求項7 一定の電圧が作用電極と対電極との両端に印加される、請求項6に記載の方法。 請求項8 可変電圧が作用電極と対電極との両端に印加される、請求項6に記載の方法。 請求項9 可変電圧は、休止電位と、反応しきい電位を超える電位との間で交番する、請求項8に記載の方法。 請求項10 電圧は、0.1Hzから20kHzの周波数でパルス化される、請求項9に記載の方法。 請求項11 電気化学センサは、複数の電極、及び電極間に延在するイオン交換物質層を備え、その層はそこに分散されたメソ多孔性物質の粒子を備える、請求項5に記載の方法。 請求項12 メソ多孔性物質の分散は微細分散である、請求項11に記載の方法。 請求項13 被験者の肺機能を決定する方法であって、被験者の吐き出したガス流のガス成分の濃度の変化を測定すること;経時的な濃度変化のプロファイルを得るために吐き出されたガス流に関する時間の関数として濃度変化を決定すること;プロファイルの上昇段階の傾斜を測定すること;及び上昇段階の傾斜を用いて被験者の肺機能の決定をなすこと、を備えた方法。 請求項14 ガスの成分は、二酸化炭素及び水蒸気から成る群から選択される、請求項13に記載の方法。 請求項15 プロファイルのプラトー段階の傾斜を測定することをさらに備える、請求項13に記載の方法。 請求項16 上昇段階及びプラトー段階の傾斜の比率が決定される、請求項15に記載の方法。 請求項17 被験者の肺機能を決定する方法であって、被験者の吐き出したガス流のガスの成分の濃度の変化を測定すること;経時的な濃度変化のプロファイルを得るために吐き出されたガス流に関する時間の関数として濃度変化を決定すること;上昇段階からプラトー段階までの変化の領域においてプロファイルの部分を分析すること;及び、分析結果を使用して、被験者の肺機能の決定をなすこと、を備えた方法。 請求項18 分析は、プロファイルのデータに回帰法を適用することを備える、請求項17に記載の方法。 請求項19 分析は、プロファイルのデータに最良適合技術を適用することを備える、請求項17に記載の方法。 請求項20 分析は、式1により、上昇段階からプラトー段階までの遷移領域におけるプロファイルの部分を表すことを備える、請求項17に記載の方法:Y=1/(1+aX2)(1)ここで、Yは二酸化炭素の濃度、Xは時間である。 請求項21 最良適合分析は、時間対Y’のプロットに適用され、ここでY’は、式2で定義され、Y’=(1/(Y−1))1/2(2)そのように得られたラインの傾斜は、式1における係数aに関する値を提供するために決定される、請求項20に記載の方法。 請求項22 係数aの値は、肺機能の表示を提供するために使用される、請求項21に記載の方法。 請求項23 ガス成分は、二酸化炭素及び水蒸気から成る群から選択される、請求項17に記載の方法。 請求項24 被験者の肺機能をモニターする方法であって、被験者の吐き出したガス流のガス成分の濃度の変化を測定すること;経時的な濃度変化のプロファイルを得るために吐き出されたガス流に関する時間の関数としての濃度変化を決定すること;そのように得られたプロファイルを既存のプロファイルと比較すること;及び比較を用いて、被験者の決定をなすこと、を備えた方法。 請求項25 得られたプロファイルは、時間にわたる肺機能の変化パターンを提供するために、複数の既存のプロファイルと比較される、請求項24に記載の方法。 請求項26 既存のプロファイルは、被験者から得られたプロファイルである、請求項24に記載の方法。 請求項27 既存のプロファイルは、正常な肺機能を表わすプロファイルである、請求項24に記載の方法。 請求項28 ガス成分は、二酸化炭素及び水から成る群から選択される、請求項24に記載の方法。 請求項29 被験者の肺機能をモニターするための装置であって、被験者の吐き出したガス流のガス成分の濃度の変化を測定するための手段と;経時的な濃度変化プロファイルを得るために、吐き出されたガス流に関する時間の関数としての濃度変化を決定するための手段と;複数のプロファイルを格納するための手段と;及びそのように得られたプロファイルを格納手段から抽出した既存のプロファイルと比較するための手段と、を備えた装置。 請求項30 複数のプロファイルを格納する手段は、複数の既存のプロファイルを格納するように適用される、請求項29に記載の装置。 請求項31 プロファイルを比較するための手段は、ユーザーによる視覚比較のために複数のプロファイルを表示するための表示手段を備える、請求項29に記載の装置。 請求項32 プロファイルを比較するための手段は、プロファイルの数学的分析を行なうための手段を備える、請求項29に記載の装置。 請求項33 吐き出されたガス流の二酸化炭素含有量の決定のための方法であって、吐き出されたガス流の水蒸気含有量を測定すること;及び測定された水蒸気含有量から、吐き出されたガス流の二酸化炭素の濃度を決定すること、を備えた方法。 請求項34 吐き出されたガス流は、被験者の口から吐き出される、請求項33に記載の方法。 請求項35 水蒸気含有量は、電気化学センサを用いて測定される、請求項33に記載の方法。 請求項36 作用電極及び対電極を備えた検出エレメントにガス流を作用させること;作用電極及び対電極に電位を印加すること;電位を印加した結果として作用電極と対電極との間に流れる電流を測定すること;及び測定された電流から、ガス流の水蒸気の濃度の表示を決定すること、を備える請求項35に記載の方法。 請求項37 一定の電圧が作用電極及び対電極に印加される、請求項36に記載の方法。 請求項38 可変電圧が作用電極及び対電極に印加される、請求項36に記載の方法。 請求項39 可変電圧は、休止電位と反応しきい電位を超える電位との間で交番する、請求項38に記載の方法。 請求項40 電圧は、0.1Hzから20kHzまでの周波数でパルス化される、請求項39に記載の方法。 請求項41 吐き出されたガス流の二酸化炭素の濃度を決定するためのセンサであって、吐き出されたガス流の水蒸気濃度を決定するための手段;及び測定された水蒸気濃度から、吐き出されたガス流の二酸化炭素の濃度を計算するための手段、を備えるセンサ。 請求項42 ガス流にさらされるように配置された検出エレメントで、この検出エレメントは、作用電極と対電極とを備える、請求項40に記載のセンサ。 請求項43 検出エレメントに作用するようにガス流が導かれ通過する導管をさらに備える、請求項42に記載のセンサ。 請求項44 導管は、患者が息を吐き出すことのできる口金を備える、請求項43に記載のセンサ。 請求項45 作用電極及び対電極は、点、線、リング、及び平らな表面から選択された形態である、請求項42に記載のセンサ。 請求項46 作用電極及び対電極の一つ又は両方は、複数の電極部分を備える、請求項42に記載のセンサ。 請求項47 作用電極及び対電極の両方は、互いに接続するパターンで配列された複数の電極部分を備える、請求項46に記載のセンサ。 請求項48 電極部分は、同心パターンで配列される、請求項47に記載のセンサ。 請求項49 対電極の表面積は、作用電極の表面積よりも大きい、請求項42に記載のセンサー。 請求項50 作用電極に対する対電極の表面積の比率は、少なくとも2:1であり、より好ましくは少なくとも5:1である、請求項49に記載のセンサー。 請求項51 電極は、不活性な基板で支持される、請求項42に記載のセンサ。 請求項52 各電極は、元素周期表のVIII属から選択された金属、銅、銀、金、好ましくは金又は白金を備える、請求項42に記載のセンサ。 請求項53 各電極の一部を覆い配置された絶縁物質層をさらに備え、その絶縁層は、ガス流と接触するために各電極の一部を露出させるように形成された、請求項42に記載のセンサ。 請求項54 基準電極をさらに備える、請求項42に記載のセンサ。 請求項55 電極は、基板上に取り付けられ、電極は、厚膜スクリーン印刷、スピン/スパッタコーティング、あるいは可視/紫外線/レーザー・フォトリトグラフィーによって基板に適用される、請求項42に記載のセンサ。 請求項56 一つ以上の電極は、複数層を備え、外側層は電気化学めっきによって適用された純金属層である、請求項42に記載のセンサ。 請求項57 ガス流の組成をモニターするためのシステムであって、請求項41に記載のセンサ;センサからの出力を受け入れるマイクロコントローラ;及びディスプレイ;を備え、マイクロコントローラは、ディスプレイで分析されているガス流の二酸化炭素濃度の連続的な画像を生成するようにプログラムされる、システム。 請求項58 被験者の肺機能の目安を提供する、請求項1〜28、あるいは33〜40のいずれかによる方法の使用。 請求項59 目安は、喘息、COPD、結核(TB)、あるいは肺癌を含む肺疾患の存在に関する、請求項58に記載の使用。 請求項60 目安は、肺と間接的な関連性を有する被験者の疾患あるいは悪条件に関する、請求項58に記載の使用。 請求項61 方法は、一つ以上の他の肺機能テストと比較して使用される、請求項58から60のいずれかの使用。 請求項62 他の肺機能テストはFEVl及びFVCを含む、請求項61に記載の使用。
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2012-03-07| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120306 | 2012-12-04| A761| Written withdrawal of application|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20121203 |
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