专利摘要:
本発明は、細胞を機械的に変形させる装置に関し、前記装置は、細胞保持領域において細胞32を保持する細胞保持要素33と、保持された細胞32に力を加えるマイクロアクチュエータ31であって、電気的に、熱的に、光学的に又は磁気的に作動され、非作動状態又は作動状態において細胞32に前記力を加える前記マイクロアクチュエータ31と、前記マイクロアクチュエータ31を電気的に、熱的に、光学的に又は磁気的に作動する刺激ユニット35とを有する。
公开号:JP2011516060A
申请号:JP2011502481
申请日:2009-03-31
公开日:2011-05-26
发明作者:ムレイ;エフ ギリース;トーンデル;ヤコブ;エム;ジェイ デン
申请人:コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ;
IPC主号:C12M1-00
专利说明:

[0001] 本発明は、細胞を機械的に変形させる装置及び対応する方法に関する。]
背景技術

[0002] 過去10年間は、どのように細胞及び細胞内構造の生化学的及び生物物理学的特性の変化が人間の疾患の発病及び進行に影響を与え、影響を受けるかの研究において大きな成長が見られた。特に、細胞の機械的特性が癌及び冠動脈疾患を含む多くの疾患、すなわち、西洋世界において多数の死亡者の原因となる疾患に関連していることがわかった。世界保健機構によると、世界で760万人が2005年に癌で死亡し、米国において800万人が心筋梗塞を起こした。細胞の機械的特性に影響を与えることが示された他の疾患は、マラリア、心筋症及び筋ジストロフィーである。]
[0003] 疾患による機械的特性の変化は、重要であることができる。癌細胞の弾性係数は、健康な細胞のものより一桁小さいことがある。]
[0004] これは、細胞の機械的特性、特に剛性が、疾患の範囲の初期段階でさえも進行及び/又は存在に対する高感度のマーカであることを示す。細胞の剛性を測定することにより、単独の悪性細胞及び前癌状態細胞を検出することが原理的に可能であり、悪性形質転換した細胞は変形しやすく、これは、例えば、浸潤前から浸潤性への癌の進行をモニタする可能性を開く。同様の議論は、前述した他の疾患に対しても当てはまる。]
[0005] 複数のアプローチが、細胞の機械的特性を測定するのに使用されている。これらの技術の一部は、例えば、マイクロピペット吸引、細胞圧入(cell indentation)及び原子間力顕微鏡法により、細胞の局所的変形特性を調べ、他の技術は、例えば、完全マイクロピペット吸引(full micropipette aspiration)、磁性ビーズねじり(magnetic bead twisting)及び細胞圧迫試験(cell compression testing)により細胞を全体として調べる。これらの測定方法は、様々な不利点を持つ。]
[0006] 第一に、局所的な方法に対して、応答は、正確な調査場所に著しく依存し、したがって大きな細胞間のばらつきを示しうる。第二に、ほとんどの方法は、退屈で時間がかかり、したがって、迅速な臨床的診断において使用するのに適していない。第三に、他の方法は、細胞に損傷を与え(例えば光学ストレッチャ(optical stretchers))、不完全な測定を引き起こす固有のリスクを持つ。最終的に、多くの方法において、試験されるべき細胞の周りに適切な環境を作ることは不可能であり、かなり人工的かつ無関係な結果を引き起こす。]
発明が解決しようとする課題

[0007] 本発明の目的は、上記の不利点を防ぎ、好ましくは単独の細胞及び同時に多くの細胞の機械的特性をモニタすることを可能にする、細胞を機械的に変形させる装置及び対応する方法を提供することである。]
課題を解決するための手段

[0008] 本発明の第1の態様において、細胞を機械的に変形させる装置が提示され、前記装置は、
細胞保持領域において細胞を保持する細胞保持要素と、
前記保持された細胞に力を加えるマイクロアクチュエータであって、電気的に、熱的に、光学的に又は磁気的に作動されることができ、非作動状態又は作動状態において前記細胞に前記力を加える前記マイクロアクチュエータと、
前記マイクロアクチュエータを電気的に、熱的に、光学的に又は磁気的に作動する刺激ユニットと、
を有する。]
[0009] 本発明の他の態様において、対応する方法が提示され、前記方法は、
細胞保持領域において細胞を保持するステップと、
前記保持された細胞に力を加えるマイクロアクチュエータを電気的に、熱的に、光学的に又は磁気的に作動するステップであって、前記マイクロアクチュエータが、電気的に、熱的に、光学的に又は磁気的に作動されることができ、前記マイクロアクチュエータが、非作動状態又は作動状態において前記細胞に前記力を加える、前記作動するステップと、
を有する。]
[0010] 本発明の好適な実施例は、従属請求項において規定される。請求された装置及び請求された方法が、従属請求項において規定される同様の及び/又は同一の好適な実施例を持つと理解されるべきである。]
[0011] 本発明は、1つの(又は複数の)細胞保持位置において1つの(又は複数の)細胞を保持し、1つの(又は複数の)マイクロアクチュエータの使用により機械的力を加えることにより前記1つの(又は複数の)細胞を変形させ、例えば前記細胞の機械的特性を調べるというアイデアに基づく。この目的に対し、異なるタイプのマイクロアクチュエータ、例えばマイクロ流体装置における流体の操作(輸送、混合、ルート設定)に対するWO2006/087655A1及びWO2008/020374A2に記載された高分子アクチュエータが使用されることができる。]
[0012] 好適な実施例によると、前記マイクロアクチュエータは、例えば上述の先行技術文献に開示されるように、非作動状態又は作動状態の一方においてカールされ(curled)、他方の状態においてカールされない(non-curled)ストライプの形を取る。一実施例において、前記マイクロアクチュエータがカールされた状態から伸ばされた状態に作動される場合に、前記力が前記細胞に加えられ、他の実施例においては、前記マイクロアクチュエータが前記作動(伸ばされた(rolled out))状態から前記カールされた状態に解放される場合に前記力が前記細胞に加えられる。他の実施例において、前記マイクロアクチュエータは、前記カールされた状態が前記作動状態であり、前記伸ばされた状態が前記非作動状態であるように適合されることもできる。]
[0013] 他の実施例によると、前記マイクロアクチュエータは、高分子薄膜層、特にアクリレート薄膜、及び導電性薄膜層を含む二重層を有し、前記刺激ユニットは、刺激電極、及び前記刺激電極と前記導電性薄膜層との間に電圧を印加する電圧源を有する。特に、WO2008/020374A2に記載された高分子MEMS(微小電気機械システム)アクチュエータ(PMA)は、本実施例によって採用され、これは、電圧、例えば高いAC電圧の印加により容易に制御される。]
[0014] 代替的な実施例によると、前記マイクロアクチュエータは、磁性材料を有し、前記刺激ユニットは、前記細胞保持領域を通る磁場を生成する磁場ユニットを有する。この実施例において、前記マイクロアクチュエータは、好ましくは、複合構造、特に分散された磁性粒子を持つ高分子薄膜又は非磁性薄膜及び磁性薄膜のスタックを有する。電気的刺激及び検出に対する磁気的刺激及び検出の利点は、磁場が、装置内に存在する生物学的材料とより少ない相互作用を示すことである。したがって、電気分解のような電気化学的効果が容易に避けられ、前記検出は、背景ノイズにより受ける影響が少ない。]
[0015] 細胞の機械的特性のモニタリングを可能にするために、前記マイクロアクチュエータにより前記細胞に力が加えられる場合に前記細胞の変形を感知する感知要素が、前記細胞保持領域に隣接して設けられる。したがって、前記マイクロアクチュエータにより加えられる力により誘導され、前記細胞の剛性により妨害される前記細胞の前記変形(特に、量、場所、持続時間等)が検出され、前記細胞に関する重要な情報を得ることを可能にする。]
[0016] 好適な実施例によると、前記感知要素は、光学的、磁気的又は電気的感知要素、特にカメラ、GMRセンサ又は感知電極である。したがって、異なるオプションが、前記変形の検出に対して存在する。光学的感知は、細胞イメージングに対する直接的な一般に使用されるアプローチである利点を持つ。電気的感知は、前記装置内の一体化を可能にする利点を持つ。]
[0017] 更に他の感知要素は、好ましくは、感知電極及び前記感知電極と前記マイクロアクチュエータの前記導電性薄膜層との間の容量を測定する容量測定要素を有する。特に静電アクチュエーションを使用する実施例において、前記容量測定は好ましく、前記容量は、前記感知電極と前記アクチュエータ電極(前記アクチュエータの導電性薄膜層)との間の距離に対する尺度である。]
[0018] 本発明の装置及び方法の他の応用は、細胞の溶解(lysing)である。この目的に対し、一実施例によると、前記刺激ユニットは、前記マイクロアクチュエータが前記細胞に力を加えて前記細胞に溶解させるほど大きな刺激信号を加えるように適合される。これは、細胞を溶解する単純かつ効果的な可能性を提供する。]
[0019] 前記細胞が単一のアクチュエータからの力の印加により前記細胞保持位置から押し出されることを防ぐために、他の実施例によると、2以上のマイクロアクチュエータが、前記細胞保持要素の異なる側に配置され、異なる方向から同じ細胞に力を加えることが提案される。]
[0020] 他の実施例において、マイクロアクチュエータのアレイ及び関連した細胞保持要素は、複数の細胞を同時に変形させるように設けられる。このようにして、多数の細胞の機械的特性の統計データが、迅速に得られることができる。この目的に対し、例えばWO2008/020374A2に記載されるような、LTPS(低温多結晶Si)プラットフォームが使用されることができ、これによって、複数のマイクロアクチュエータが、二次元マトリクスアレイに配置される。]
[0021] 好ましくは、本発明は、マイクロ流体システムに使用され、前記マイクロアクチュエータ、前記細胞保持要素、前記刺激ユニット及び前記細胞を含む緩衝溶液、特に糖溶液を含むマイクロ流体チャンバを有する。このようなマイクロ流体システムは、一般に、WO2006/087655A1及びWO2008/020374A2にも記載されている。]
[0022] 本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施例を参照して説明され、明らかになる。]
図面の簡単な説明

[0023] 本発明により使用されるマイクロアクチュエータの様々な実施例を示す。
本発明により使用されるマイクロアクチュエータの様々な実施例を示す。
本発明により使用されるマイクロアクチュエータの様々な実施例を示す。
本発明により使用されるマイクロアクチュエータの様々な実施例を示す。
本発明により使用されるマイクロアクチュエータの様々な実施例を示す。
本発明による装置の一実施例の全体的なレイアウトを示す。
本発明による装置の第1の実施例を示す。
本発明による装置の第1の実施例を示す。
本発明による装置の第2の実施例を示す。
本発明による装置の第2の実施例を示す。
本発明による装置の第3の実施例を示す。
マイクロアクチュエータのアレイの全体的なレイアウトを示す。]
実施例

[0024] 図1は、マイクロアクチュエータの幾つかの実施例を示す。図1aは、高分子薄膜2(例えばアクリレート)及び導電性薄膜3(例えばクロム)を有するマイクロアクチュエータ1の二重層複合構造を示す。加工は、前記構造が、一端において付着され、上向きにカールするように調整される。電圧差が、アクチュエータ1の下に配置され、他の絶縁層5(例えばアクリレート層)により導電性薄膜3から絶縁された電極4と導電性薄膜3との間に印加される場合、静電力が、基板6に向かってアクチュエータ1を引っ張る。結果的に、これは、伸ばされ、基板6上で平らになる。前記電圧が取り除かれる場合、スラブは、弾性回復により元のカールされた形状に戻る。作動効果は、双安定であり、前記アクチュエータ先端の位置は、前記印加される電圧の関数である。特定のPMA設計に対して、"展開(unroll)"電圧Vunは11Vであり、"弾性回復"電圧Verは5Vである。これらの値は、典型的にはアクチュエータ1の寸法及び機械的特性に依存して1Vないし100Vの間で調整されることができる。図1bは、この場合、100μmの長さ、20μmの幅及び1μmの厚さで作成された実際の構造のSEM画像を示す。アクチュエータのこのような実施例は、WO2008/020374A2(図1参照)により詳細に記載されている。] 図1a 図1b
[0025] 図1a及び1bに示される幾何構成に対する多くの代替例が考えられる。カールされたストリップの代わりに、これらは、垂直ビーム及び円柱ロッド等であってもよい。ストリップ7、8の初期の向きは、図1cに示されるように、表面に対して平行(ストリップ7)又は垂直(ストリップ8)でありうる。] 図1a 図1c
[0026] 電場以外の他の"刺激"が、前記構造を作動するのに使用されてもよい。アクチュエータストリップ10を持つ磁気刺激アクチュエータ9が、図1dに描かれている。アクチュエータストリップ10は、複合材料からなり、前記複合材料の1つの成分は磁性を持つ。1つの例は、分散された磁性粒子を持つ高分子薄膜である。前記磁性粒子は、常磁性又は強磁性でありうる。他の例は、非磁性(例えば高分子)薄膜及び磁性(例えばニッケル)薄膜のスタックからなる構造である。このような磁気アクチュエータは、電流線11がストリップ10の近くで磁場を誘導する図1dに示されるように、コイル(の組み合わせ)のような外的手段により、又は一体化された電流線又はコイルにより生成された磁場により動かされることができ、これは、作用する磁気的力によって移動する。アクチュエータのこのような実施例は、WO2006/087655A1(図13参照)により詳細に記載されている。] 図1d
[0027] 更に他の可能性は、光又は温度に応答するアクチュエータである。変形により温度の変化に応答する幾つかの高分子材料が既知である。概観及び幾らかの背景は、Broer et al. [Dirk J. Broer, Henk van Houten, Martin Ouwerkerk, Jaap M.J. den Toonder, Paul van der Sluis, Stephen I. Klink, Rifat A.M. Hikmet, Ruud Balkenende. Smart Materials. Chapter 4 in True Visions: Tales on the Realization of Ambient Intelligence, ed. By Emile Aarts and Jose Encarnacao, Springer Verlag, 2005]において見つけられることができる。例えば、エラストマネットワークにLC(液晶)材料を組み込むことにより、特定の温度まで熱するとエラストマ分子のバックボーンにおいて遷移を受け、長さを変化させる材料が作られることができる。加工条件の注意深い制御により[D.J. Broer et al, accepted for pub. in Adv. Funct. Mater., (2005)]、前記薄膜の一方の側が収縮し、他方が拡張するように前記薄膜の厚さに対するLC分子の向きの勾配を得ることが可能である。これは、特定の温度における前記薄膜の可逆の巻き上げを作る。図1eは、様々な温度におけるこのような薄膜の断面写真を示す。] 図1e
[0028] 光アクチュエーション又は光アドレシングは、フォトクロミズムを引き起こす発色団を含む光応答材料を使用して達成されることができる。フォトクロミズムは、異なる吸収スペクトルを持つ2つの形の間の化学種の可逆の光転移として定義される。光異性化の間に、屈折率、誘電率及び幾何構造のような他の特性も変化しうる。これらの材料の特定の非限定的な例は、アゾベンゼン、スピロベンゾピラン、スチルベン、α‐ヒドラゾノ‐β‐ケトエステル及びケイ皮酸エステルを含む。]
[0029] 高分子ベースのアクチュエータは、マイクロ流体システムに一体化されることができ、例えば、アレイ化された配置のチャネル又はマイクロ流体チャンバの床を覆う。静電、磁気又は温度アクチュエーションの場合、電極パターンは、前記マイクロアクチュエータ又はこれらのグループが個別にアドレスされることができるように設計及び製造されることができる。]
[0030] 本発明の応用例によると、単一のマイクロアクチュエータ又はマイクロアクチュエータのアレイは、マイクロ流体システムに一体化され、(例えば診断分析に対して)生物学的細胞の機械的特性、特に剛性を測定する。鍵は、前記マイクロアクチュエータの上又はこれらの間に細胞をトラップ/拘束し、前記マイクロアクチュエータを作動することにより前記細胞に力を加え、電場又は磁場のような刺激により誘導されるとともに付着された/接触している前記細胞の剛性により妨害される前記マイクロアクチュエータの変形を検出することである。本発明による装置の実施例20の全体的なレイアウトは、図2に示される。緩衝溶液22に懸濁された細胞21は、供給チャネル23を通って診断チャンバ24内に供給される。チャンバ24は、細胞トラップサイト及び対応する高分子アクチュエータ(図2には両方とも図示されていない)を含む。細胞21は、前記アクチュエータを使用して変形され、変形のレベルが感知される。マイクロアクチュエータのアレイを使用するこのような診断チャンバ24において、多くの細胞21が、同時に試験されることができる。] 図2
[0031] 以下、いくつかの特定の実施例が、本発明をより詳細に解説するために図示され、説明される。]
[0032] 本発明の1つの主要な応用は、作動されるマイクロアクチュエータによる細胞圧迫を使用する細胞剛性測定である。このような応用に対する装置30の第1の実施例は、図3に示される。この実施例は、細胞保持要素33により細胞保持位置に保持される単一の細胞32を別々に変形させる2つのマイクロアクチュエータ31を有する。細胞保持要素33の下に、感知ユニット34、例えば感知電極34は、それぞれのマイクロアクチュエータ31により細胞32に力が加えられる場合に感知電極34上の細胞32の変形を測定するために設けられる。更に、作動電極35は、マイクロアクチュエータ31の各々の下に設けられ、絶縁層36により(導電性)マイクロアクチュエータ31から絶縁される。全ての要素は、基板37上に設けられる。]
[0033] マイクロアクチュエータ31は、図1a、1bに示されるものと同様である。これらは、静電的に作動される又は磁気的に作動される構造であることができる。図3aに示される非作動状態において、マイクロアクチュエータ31は、基板37から(上方に)カールされる。細胞32は、例えば、細胞接着タンパク質(インテグリン)により形成される前記細胞保持要素により細胞接着スポットにおいてアクチュエータ31の間にトラップされる。代替的には、BD Cell-TakTMのような組織接着剤が、細胞保持要素33として前記細胞保持位置に配置されることができる。] 図1a 図3a
[0034] アクチュエータ31のサイズ及び間隔は、細胞のサイズに調整されるべきである。典型的な生物学的細胞サイズは、10ないし20μmであるので、アクチュエータ31のサイズ及び間隔は、数十μmであるべきであり、これは、現在の技術を用いて容易に達成可能である。]
[0035] 好ましくは、高周波AC電圧が、作動電極35に印加され、図3bに示されるようにマイクロアクチュエータ31のフラップを伸ばす。同じ信号は、覆っているフラップのインピーダンスを調べるのにも使用されることができ、したがって、前記フラップの位置を感知し、トラップされた細胞32の存在及び最終的なサイズを推定するのに使用されることができる。] 図3b
[0036] 細胞32は、感知電極34の直上に位置すべきであり、好ましくは、作動電極35が、細胞32が位置する媒体と直接的に接触するように絶縁体36にギャップが存在すべきである。これは、細胞32を通る力線を集中させ、電気的測定の感度を増大させる。]
[0037] わずかに変更された実施例において、前記マイクロアクチュエータのサイズは、各フラップの下に複数の感知電極34を持つことが可能であるようにする。]
[0038] 作動される場合、マイクロアクチュエータ31は、基板37に向かって引き付けられ、細胞32は"圧迫"される。細胞32の結果として生じる変形及びアクチュエータ31の対応する形状変化は、細胞剛性により決定される。前記変形は、様々な形で観測されることができる。
i)光学的に、例えばCCDを用いる直接撮像による。
ii)磁気的に、すなわち、アクチュエータ31が磁気的である場合に、基板37に一体化された(感知要素34としての)磁気検出器、例えばGMRセンサは、アクチュエータ31の移動及び全体的な形状を検出することができる。
iii)(特に静電アクチュエーションに対する)容量測定から、すなわち、アクチュエータ31に一体化された電極と基板37に一体化された作動電極35との間の容量が、これらの間の距離に依存し、この容量の測定が、したがって、細胞31の圧迫の程度に関する情報を与える。実際に、恐らく、アクチュエータ伸ばしを誘導するように第一に電圧を印加することに最も関心がある。伸ばし直後の容量は、前記フラップの下にトラップされた細胞31の体積の尺度である。前記電圧、したがって加えられた前記力は、この場合、傾斜されることができ、測定された容量であることができる。これは、力曲線の関数として変形を与える。]
[0039] 前記細胞を著しく変形させるのに必要である力は、1nNのオーダであり、これらの値は、提案された静電又は磁気アクチュエータを用いて容易に達成されることができる。]
[0040] 本発明による装置40の代替的な実施例は、図4に示される。この実施例において、2つのマイクロアクチュエータ31a、31bが、細胞保持位置ごとに設けられ、細胞保持要素33の反対側に配置される。図4aは、再び、非作動状態を示し、図4bは、作動状態を示す。図4bからわかるように、細胞32は、2つの側から圧迫され、変形される代わりに細胞接着スポットから押し出される可能性を減少させる。もちろん、2より多いマイクロアクチュエータ31a、31bが、この利点を更に増大させるために単一の細胞接着スポットの周りに配置されることができる。] 図4a 図4b
[0041] 他の実施例において、電気的に活性の基板が使用される。この場合、前記細胞を所要の場所に配置する前記基板上の電極幾何構成を設計することも可能である。これは、前記作動電極の孔又は低電場トラップの形であることができ、前記細胞を保持するか又はインテグリンと結合する正しい場所まで操作するかのいずれかのために使用されることができる。]
[0042] 前記細胞に対する保持機構は、マイクロ流体由来であることもでき、小さな孔が2つの体積の間に作成される。前記体積間の圧力差は、前記細胞を前記孔に吸い込み、前記細胞を調査のために保持する。]
[0043] 作動に対して、一実施例において、前記細胞を砂糖(スクロース又はマンニトール)水緩衝溶液内に配置することが提案される。この媒体は、低い導電率を持ち、したがって、電場のイオン遮蔽を防ぐ。]
[0044] 本発明の他の主要な応用は、クリーンな機械的溶解である。前記細胞が前記接着スポット上で堅く保持される場合に、作動電圧は、意図的に非常に高くセットされることができる。これは、前記フラップが巨大な力で作動される結果となり、前記トラップされた細胞の溶解に帰着することができる。これは、細胞膜がこの後に前記基板に結合され、前記細胞の中身が前記溶液内に自由に拡散するので、関心がある。これは、単一細胞PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)又は下流DNA抽出が実行されなければならない一体化されたバイオ装置に対して望ましい。]
[0045] 本発明は、磁気アクチュエーション及び検出とともに使用されることもできる。図1dに示されるように、電流線が、前記基板に一体化される。前記電流線に電流を走らせることは、表面に向かって前記アクチュエータを引き付ける同心磁場を生成する。] 図1d
[0046] 他の可能性は、前記装置の周りに電磁石又は磁気コイル、例えば図5に示されるマイクロ流体装置50の対称レイアウトにおいて4つの磁気コイル51ないし54を配置することである。磁気コイル51ないし54は、個別にアドレスされることができる。時間及び強度が変化する磁場を生成することが可能であり、これによりアクチュエータ55(高分子マイクロアクチュエータ)が刺激される。] 図5
[0047] マイクロアクチュエータのアレイの全体的なレイアウトは、図6に示される。マイクロアクチュエータ1の電極3、4のアレイは、外部電圧ドライバ60、61に接続されることができる。このパッシブマトリクスレイアウトを実現するために、前記作動電極及び薄膜電極の両方が、互いに対してある角度に向けられた線の形で構成されることが必要である。図6の例において、前記作動電極は、列の形に構成され、薄膜電極3は、行の形に構成されている。パッシブマトリクスシステムがうまく動作するために、マイクロアクチュエータ1が電圧閾値を示すことが要求される。約Vurの電圧が、薄膜3を広げるのに必要とされ、これにより約Vtの電圧では、展開を開始するのに不十分である。] 図6
[0048] 各行及び各列は、個別に電圧源に取り付けられることができる。例えば、行電極(薄膜電極3)は、選択ドライバ61、例えば0VないしVtで切り換えることができるAMLCDに対するゲートドライバと同様の標準的なシフトレジスタに接続されることができる。列電極(アクチュエータ電極4)は、この場合、アクチュエーションドライバ60に接続される。アクチュエーションドライバ60は、0Vレベル又は(Vur-Vt)レベルのいずれかを持ちうる出力を持つ、例えばパッシブ又はアクティブマトリクス液晶ディスプレイ(LCD)に対して使用される標準的な電圧データドライブであることができる。]
[0049] このアレイの動作及び本発明によって概して採用されることができるマイクロアクチュエータのアレイの他の実施例は、WO2008/020374A2の図2ないし6に示され、その記載は参照によりここに組み込まれる。] 図2
[0050] したがって、本発明によると、信号が個別のアクチュエータ毎に読み出されることができるので、測定される細胞特性の統計データを得ることが可能である。例えばWO2008/020374A2に記載されたLTPSプラットフォームの使用は、これを可能にする。代替的には、前記アクチュエータは、母集団に対して1つの平均値を与えるように一緒にグループ化されることもできる。]
[0051] 更に、前記アクチュエーションは、細胞の時間に依存する機械的特性を調べるために動的に時間変化する形で行われることができる。この方法は、細胞ソーティング方法と組み合わされることもできる。更に、前記細胞の"環境"(化学的、温度)は、特別な又は最適な条件のいずれかを作るように制御されることができる。]
[0052] 本発明の異なる応用分野、すなわち、
‐一般に細胞の機械的特徴付け、
‐細胞の機械的溶解、
‐癌、マラリア、心筋症、筋ジストロフィー又は細胞の機械的特性に作用する他の疾患に対する診断用マイクロ流体装置、これらの疾患の存在又は進行の検出、
‐例えば多くの正常な細胞の中の少数の癌細胞を見つけようと試みる場合の、病的細胞に対する大量の細胞のスクリーニング、
‐調合薬の効果に対するスクリーニング、
‐マイクロ流体システムに一体化されたマイクロアクチュエータを使用する(多数の)細胞の機械的特性の(同時)測定、この方法は、例えばLTPSプラットフォームを使用して、読み出しが原理的にはアクチュエータ毎に行われることができるので、関心の特性の統計データを得ることを可能にする、
‐この原理に基づく医療診断装置、
‐静電/磁気/光学的検出と組み合わせた静電/磁気/光学/熱的アクチュエーション、
が存在する。]
[0053] 結論として、本発明の目的は、マイクロ流体装置に一体化されたマイクロアクチュエータを使用して生物学的細胞を変形することにより生物学的細胞の機械的特性を決定する装置及び方法を提供することである。前記方法は、多くの細胞が同時に分析されることができるようにする。前記細胞の機械的特性は、癌及び冠動脈疾患を含む多くの疾患に関連するので、提案されたマイクロ流体装置は、これらの疾患の存在又は進行を検出する高速かつ高感度の診断ツールとして使用されることができる。更に、細胞の溶解が可能である。]
[0054] 本発明は、図面及び先行する記載において詳細に図示及び記載されているが、このような図示及び記載は、説明的又は典型的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、本発明は、開示された実施例に限定されない。前記開示された実施例に対する他の変形例は、図面、開示及び添付の請求項の検討から、請求された発明を実施する当業者により理解及び達成されることができる。]
[0055] 請求項において、単語"有する"は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞"1つの"("a"又は"an")は、複数を除外しない。単一の要素又は他のユニットが、請求項に記載された複数のアイテムの機能を満たしてもよい。特定の方策が相互に異なる従属請求項に記載されるという単なる事実は、これらの方策の組み合わせが有利に使用されることができないことを示さない。]
[0056] 請求項内の参照符号は、範囲を限定すると解釈されるべきでない。]
权利要求:

請求項1
細胞を機械的に変形させる装置において、細胞保持領域において細胞を保持する細胞保持要素と、前記保持された細胞に力を加えるマイクロアクチュエータであって、電気的に、熱的に、光学的に又は磁気的に作動され、非作動状態又は作動状態において前記細胞に前記力を加える当該マイクロアクチュエータと、前記マイクロアクチュエータを電気的に、熱的に、光学的に又は磁気的に作動する刺激ユニットと、を有する装置。
請求項2
前記マイクロアクチュエータが、非作動状態又は作動状態の一方においてカールされ、他方の状態においてカールされないストライプの形を持つ、請求項1に記載の装置。
請求項3
前記マイクロアクチュエータが、高分子薄膜層、特にアクリレート薄膜と、導電性薄膜層とを含む二重層を有し、前記刺激ユニットが、刺激電極及び前記刺激電極と前記導電性薄膜層との間に電圧を印加する電圧源を有する、請求項1に記載の装置。
請求項4
前記マイクロアクチュエータが、磁性材料を有し、前記刺激ユニットが、前記細胞保持領域を通る磁場を生成する磁場ユニットを有する、請求項1に記載の装置。
請求項5
前記マイクロアクチュエータが、複合構造、特に分散された磁性粒子を持つ高分子薄膜又は非磁性薄膜及び磁性薄膜のスタックを有する、請求項4に記載の装置。
請求項6
前記細胞保持領域に隣接し、前記マイクロアクチュエータにより前記細胞に力が加えられる場合に前記細胞の変形を感知する感知要素を更に有する、請求項1に記載の装置。
請求項7
前記感知要素が、光学的、磁気的又は電気的感知要素、特にカメラ、GMRセンサ又は感知電極である、請求項6に記載の装置。
請求項8
前記感知要素が、感知電極及び前記感知電極と前記マイクロアクチュエータの前記導電性薄膜層との間の容量を測定する容量測定要素を有する、請求項3及び6に記載の装置。
請求項9
前記刺激ユニットは、前記マイクロアクチュエータが前記細胞に力を加えて前記細胞に溶解させるほど大きな刺激信号を印加する、請求項1に記載の装置。
請求項10
前記細胞保持要素の異なる側に配置され、異なる方向から同じ細胞に力を加える2以上のマイクロアクチュエータを有する、請求項1に記載の装置。
請求項11
複数の細胞を同時に変形させるマイクロアクチュエータのアレイ及び関連した細胞保持要素を有する、請求項1に記載の装置。
請求項12
前記マイクロアクチュエータ、前記細胞保持要素、前記刺激ユニット及び前記細胞を含む緩衝溶液、特に糖溶液を含むマイクロ流体チャンバを有する、請求項1に記載の装置。
請求項13
細胞を機械的に変形させる方法において、細胞保持領域において細胞を保持するステップと、前記保持された細胞に力を加えるようにマイクロアクチュエータを電気的に、熱的に、光学的に又は磁気的に作動するステップであって、前記マイクロアクチュエータが、電気的に、熱的に、光学的に又は磁気的に作動されることができ、前記マイクロアクチュエータが、非作動状態又は作動状態において前記細胞に前記力を加える、当該作動するステップと、を有する方法。
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同族专利:
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WO2009122359A1|2009-10-08|
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