专利摘要:
白血病関連疾患、特に急性骨髄性白血病の診断、予後および/または治療のため、miRNAシグネチャーを利用する方法および組成物を開示する。
公开号:JP2011516033A
申请号:JP2010548907
申请日:2009-02-27
公开日:2011-05-26
发明作者:ガーゾン,ラミロ;クロース,カーロ・エム
申请人:ジ・オハイオ・ステイト・ユニバーシティ・リサーチ・ファウンデイション;
IPC主号:C12Q1-68
专利说明:

[0001] 関連出願に対するクロスリファレンス
[00001]本出願は、その全開示が本明細書に明確に援用される、2008年2月28日出願の米国仮出願第61/067,419号の優先権を請求する。]
[0002] 連邦が支援する研究に関する言及
[00002]本発明は、NCI助成金番号CA76259およびCA8134の元で政府の援助を受けて行われた。米国政府は本発明に特定の権利を有する。]
[0003] 本発明の技術分野および産業上の利用可能性
[00003]本発明は、一般的に、分子生物学の分野に関する。本発明の特定の側面には、白血病関連障害の診断、療法、および予後における適用が含まれる。]
背景技術

[0004] [00004]本セクションに開示される背景技術が法的に先行技術を構成することは承認されない。
[00005]急性骨髄性白血病(AML)は、細胞遺伝学的および分子的に不均一な障害であり、クローン性骨髄前駆体の分化抑止および悪性増殖によって特徴付けられる(1)。中程度および劣ったリスクの細胞遺伝学を伴う患者が、AMLの大部分に相当する;化学療法に基づく措置では、これらの患者の大部分を治癒させることができず、そして幹細胞移植がしばしば選択される治療である(2、3)。同種幹細胞移植は、多様な理由のために白血病リスクが高い多くの患者の選択肢にはならないため、これらの白血病の生物学の理解を改善して新規療法を開発する決定的に重要な必要性がある。]
[0005] [00006]マイクロRNA(miRNA)は、長さ19〜25ヌクレオチドのノンコーディングRNAであり、部分的にまたは完全に相補的な部位への塩基対形成を通じて、そのターゲットmRNAの翻訳阻害および切断を誘導することによって、遺伝子発現を制御する(4)。miRNAは、発生、細胞分化、ストレス応答、アポトーシス、および増殖を含む、決定的な生物学的プロセスに関与する(4)。最近、miRNA発現は、造血および癌に結びつけられてきている(5〜11)。マウスにおいて、造血前駆細胞におけるmiR−181の異所発現は、B細胞区画における増殖を導いた(5)。同様に、ヒト顆粒球、赤血球、および巨核球分化中、miRNAには重要な役割があることが見出されてきている(6〜8)。miRNAおよび癌を結びつける最初の報告は、慢性リンパ球性白血病(CLL)に関するものであった(9)。2つのmiRNAのクラスター、miR−15aおよびmiR−16−1は、13q14の欠失の最小限の領域(〜30kb)中に位置しており、そしてCLL試料のおよそ60%で欠失されるかまたは下方制御されていることが見出された(9)。さらなる研究によって、癌においてmiRNAが広範囲に関与していることが確認された(10、11)。しかし、AMLにおけるmiRNA発現に関してはほとんど知られていない。]
発明が解決しようとする課題

[0006] [00007]これらの疾患を治療する療法に関して、かなりの研究がなされているにも関わらず、これらは有効に診断および治療するのが困難なままであり、そして患者において観察される死亡率は、該疾患の診断、治療および予防において改善が必要であることを示す。]
課題を解決するための手段

[0007] [00008]第一の広い側面において、本明細書において、記載される。
[00009]・・・・・・・・・・・・・・・
[00010]請求項が最終決定されたならば、本発明者らは、請求項の要約をここに挿入する。]
[0008] [00011]・・・・・・・・・・・・・・・
[00012]本発明の多様な目的および利点は、付随する図を踏まえて読むと、好ましい態様の以下の詳細な説明から、当業者には明らかとなるであろう。]
[0009] [00013]特許または出願ファイルは、カラーおよび/または1以上の写真で作成される1以上の図を含有してもよい。カラーの図(単数または複数)および/または写真(単数または複数)を含む本特許または特許出願刊行物のコピーは、要望があり、そして必要な料金の支払いがあれば、特許庁によって提供されるであろう。]
図面の簡単な説明

[0010] [00014]図1: CD34+細胞ならびに成熟および造血前駆体に対して、AML試料において下方制御されるmiRNA。[00015]図1A、図1B:本発明者らは、SAMスコアおよび倍変化にしたがって最も差別化されたmiRNAを選択し、そして6人のAML患者、および健康なドナーから得た4つのCD34試料のランダムな群において、定量的RT−PCRによって測定した。let−7iでの標準化および2ΔCt変換後、1人の健康なドナー由来のCD34+発現に関するAML試料中のmiRNA発現の倍変化として、結果を提示する(18)(細いバーは標準偏差を示す)。4つのCD34および6人のAML患者すべての間のmiRNA発現の相違は、miR−135(P=.38)を除いて、t検定によって統計的に有意であった: miR−106a(P=.001)、miR125a(P=.001)、miR−126(P=.001)、miR−93(P=.001)、miR−130a(P=.006)、miR−146(P=.001)。
図1: CD34+細胞ならびに成熟および造血前駆体に対して、AML試料において下方制御されるmiRNA。[00015]図1A、図1B:本発明者らは、SAMスコアおよび倍変化にしたがって最も差別化されたmiRNAを選択し、そして6人のAML患者、および健康なドナーから得た4つのCD34試料のランダムな群において、定量的RT−PCRによって測定した。let−7iでの標準化および2ΔCt変換後、1人の健康なドナー由来のCD34+発現に関するAML試料中のmiRNA発現の倍変化として、結果を提示する(18)(細いバーは標準偏差を示す)。4つのCD34および6人のAML患者すべての間のmiRNA発現の相違は、miR−135(P=.38)を除いて、t検定によって統計的に有意であった: miR−106a(P=.001)、miR125a(P=.001)、miR−126(P=.001)、miR−93(P=.001)、miR−130a(P=.006)、miR−146(P=.001)。
図1: CD34+細胞ならびに成熟および造血前駆体に対して、AML試料において下方制御されるmiRNA。[00016]図1C:標準化および2ΔCt変換後、CD34+細胞のものに比較した、末梢血成熟顆粒球および単球、および骨髄関連(bone marrow committed)(赤血球および巨核球)前駆体(4人の異なる健康なドナー由来)ならびに6人のAML患者の平均miRNA発現。CD34+細胞、平均miRNA発現に対する倍変化として結果を提示する。CD34細胞に対する成熟末梢血細胞および関連前駆体におけるmiRNA発現の下方制御は、t検定によって統計的に有意であった(P<.05)。
[00017]図2:FLT3−ITD突然変異を伴うAMLにおけるmiR−155発現。定量的RT−PCRによって測定した、FLT3−WT(n=12)およびFLT3−ITD陽性突然変異(n=4)を含むAML患者における平均miR−155発現。t検定を用いて、異なる群間のmiRNA発現を比較した(SPSS)。
[00018]図3A〜3B: AMLであると新規に診断された患者における、全生存と関連するmiRNA。定量的RT−PCRによって検出されるmiR−191(図3A)およびmiR−199a(図3B)の高発現または低発現を伴う、60人のAML患者に関する全生存のKaplan−Meier概算。log−rank検定を用いて、生存曲線間の相違を比較した。
[00019]図4:表1−新規に診断されたAML患者の臨床的および細胞遺伝学的特性。未分化型AMLのカテゴリー(χ2、P=.03)以外、t検定およびχ2によって、2つの患者セット間で、統計的に有意な相違は観察されなかった(マイクロアレイ対定量的RT−PCR)。すべての値は頻度(%)を示す。*これらのAML症例は、先に記載される下位群の1つに包含されるための基準を満たしていない。†別の方式でWHO分類においてカテゴリー分けされない他の細胞遺伝学群。マイクロアレイコホート由来の122人の患者のうち総数116人、および定量的RT−PCRコホート由来の60人の患者のうち59人が、慣用的な核型によって分析される少なくとも20以上の中期を有した。複雑な核型は、3以上の染色体異常と定義される。‡すべての患者のFLT3を分析したのではなかった。示すパーセンテージは、FLT3突然変異研究を行った患者の総数に関する。§122人のAML患者中、生存患者に関する追跡調査中央値は100週(範囲、1〜586週)であり、そして60人のAMLコホートにおいては124週(範囲、7〜278週)である。
[00020]図5:表2− 10人の健康なドナーから得たCD34+細胞に対して、122人の新規に診断されたAML患者において下方制御されたmiRNA。
[00021]図6:表3−転帰予測のための臨床的多変量モデルに対するmiRNAの影響。
[00022]図7:表S1。マイクロアレイデータの標準化において用いたハウスキーピング遺伝子プローブ(PDF、15.2KB)。
[00023]図8:表S2。WBC数、ならびに末梢および骨髄芽球のパーセンテージと関連するマイクロRNA(PDF、27.5KB)。すべてのmiRNAは上方制御され、そしてWBC数、ならびにPBおよびBM芽球のパーセンテージと正の相関を有する。定量的SAM分析を用いることによって、これらの結果を得た。黄色で強調したmiRNAは、少なくとも2つのシグネチャーにおいて共有される。
[00023]図8:表S2。WBC数、ならびに末梢および骨髄芽球のパーセンテージと関連するマイクロRNA(PDF、27.5KB)。すべてのmiRNAは上方制御され、そしてWBC数、ならびにPBおよびBM芽球のパーセンテージと正の相関を有する。定量的SAM分析を用いることによって、これらの結果を得た。黄色で強調したmiRNAは、少なくとも2つのシグネチャーにおいて共有される。
[00024]図9:表S3。正常核型を含む、他の細胞遺伝学的異常を伴う他のAML患者と比較した、t(11q23)を伴う患者において示差的に発現されるマイクロRNA(PDF、19.3KB)。赤で示すmiRNAは上方制御され、緑は下方制御されている。miR−196a、miR−372およびmiR−193を除いて、他の細胞遺伝学的異常(44)に対してt(11q23)を伴う治療患者の独立のセットにおいて、同じシグネチャーが観察された。
[00025]図10:表S4− t(6;11)n=4対t(9;11)5を伴う患者間で示差的に発現されるマイクロRNA(PDF、17.3KB)。
[00026]図11:表S5−他のAML細胞遺伝学的下位群と比較した、単独トリソミー8を伴う患者において示差的に発現されるマイクロRNA(PDF、28.4KB)。この分析のため、本発明者らは、単独トリソミー8を伴う試料のみを含めた。これらの試料を、二次的細胞遺伝学的異常としてトリソミー8を伴う試料を除いた、既知の細胞遺伝学を伴う他のAML患者と比較した。すべてのmiRNAは上方制御される。
[00027]図12:表S6−異常核型AMLと比較した正常核型AML患者において示差的に発現されるマイクロRNA(PDF、19.6KB)。miR−368、miR−191およびmiR−192を除くすべてのmiRNAは、異常核型を伴う治療AML患者(38)と比較して、正常核型を伴う治療AML患者(10)でも示差的に発現されることが見出された。赤で示すmiRNAは上方制御され、緑は下方制御されている。
[00028]図13:表S7− 54人の治療AML患者試料の臨床的特性(再発n=34または原発性不応性n=20)(PDF、68.9KB)。□−これらのAML症例は、先に記載される下位群の1つに包含されるための基準を満たしていない。†−別の方式でWHO分類においてカテゴリー分けされない他の細胞遺伝学群。マイクロアレイコホート由来の122人の患者のうち116人、およびqRT−PCRコホート由来の60人の患者のうち59人が、慣用的な核型によって分析される少なくとも20以上の中期を有した。‡複雑な核型は:・3つの染色体異常と定義される。*−すべての患者のFLT3を分析したのではなかった。示すパーセンテージは、FLT3突然変異研究を行った患者の総数に関する(n=30)。
[00029]図14:表S8− 正常核型を含む、他の細胞遺伝学的異常を伴う他の治療AML患者と比較した、t(11q23)を伴う治療患者において示差的に発現されるマイクロRNA(PDF、28.2KB)。上方制御、赤(太字)、下方制御、緑(通常の活字)。
[00030]図15−表S9− 異常核型治療AML患者と比較した、正常核型治療AML患者において示差的に発現されるマイクロRNA(PDF、29.3KB)。*これらのmiRNAはFDR>5を有した。しかし、これらは未治療患者で観察されるシグネチャーと比較する目的のため、ここに示される。
[00031]図16:表S10− FLT3−wtに対して、FLT3−ITD突然変異を伴う治療AML患者において上方制御されるマイクロRNA(PDF、13.7KB)。
[00032]図17:qRT−PCRによるマイクロアレイデータの検証(JPG、33.8KB)。各試料に関する、miRNAマイクロアレイ発現値、および2ΔCt変換後の標準化qRT−PCR間の正の相関を示すスキャッタープロット。ピンクの実線は、予測されるYを示し、一方、青い点は患者試料である。pRT−PCR(ΔCt値)が低いほど、miRNA発現レベルが低い。
[00033]図18A〜18B: t(9;11)を伴う患者における、選択したmiRNAに関するマイクロアレイ結果の検証(JPG、28.3KB)。qRT−PCRによって測定した、t(9;11)(n=3)および非11q23 AML(n=10)を伴う、新規に診断されたAML患者における平均miR−326(図18A)、ならびにmiR−29a、miR−29bおよびmiR−29c(図18B)発現。t検定を用いて、異なる群間のmiRNA発現を比較した(SPSS)。
[00034]図19A〜19B:正常核型を伴う患者における、選択したmiRNAに関するマイクロアレイ結果の検証(JPG、31.1KB)。qRT−PCRによって測定した、正常核型(n=12)および異常核型(n=22)を伴う、新規に診断されたAML患者における平均miR−10a(図19A)、miR−126(図19B)、およびmiR−30c(図19C)発現。t検定を用いて、異なる群間のmiRNA発現を比較した(SPSS)。
図19A〜19B:正常核型を伴う患者における、選択したmiRNAに関するマイクロアレイ結果の検証(JPG、31.1KB)。qRT−PCRによって測定した、正常核型(n=12)および異常核型(n=22)を伴う、新規に診断されたAML患者における平均miR−10a(図19A)、miR−126(図19B)、およびmiR−30c(図19C)発現。t検定を用いて、異なる群間のmiRNA発現を比較した(SPSS)。
図19A〜19B:正常核型を伴う患者における、選択したmiRNAに関するマイクロアレイ結果の検証(JPG、31.1KB)。qRT−PCRによって測定した、正常核型(n=12)および異常核型(n=22)を伴う、新規に診断されたAML患者における平均miR−10a(図19A)、miR−126(図19B)、およびmiR−30c(図19C)発現。t検定を用いて、異なる群間のmiRNA発現を比較した(SPSS)。] 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図18A 図18B
[0011] [00035]本開示全体で、同定する引用によって、多様な刊行物、特許および公開特許明細書に言及する。これらの刊行物、特許および公開特許明細書の開示は、本発明が属する技術分野の到達水準をより詳細に記載するため、本開示内に援用される。]
[0012] [00036]miRNAマイクロアレイを用いて、主に中程度および劣った予後を伴うAML患者の大規模なセットを分析して、miRNA発現が臨床的特徴、細胞遺伝学的異常、および転帰に関連するかどうかを調べた。]
[0013] [00037]本発明は、以下の実施例においてさらに説明され、ここで、別に言及しない限り、すべての部分およびパーセンテージは重量であり、そして度は摂氏である。これらの実施例は、本発明の好ましい態様を示すが、例示目的のためのみに提供されることを理解しなければならない。上記議論およびこれらの実施例から、当業者は、本発明の本質的な特徴を確認可能であり、そして本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の多様な変化および修飾を作製して、多様な使用および条件に適応させることが可能である。本明細書において言及される特許および非特許文献を含むすべての刊行物は、本明細書に完全に援用される。]
[0014] [00038]実施例I
[00039]患者および細胞試料
[00040]新規に診断されたAMLの182人の患者由来の治療前骨髄および血液試料を、M.D. Anderson Cancer Center(MDACC;(n=172)およびThomas Jefferson University(n=10)から得た。総数122のAML試料を用い、マイクロアレイプラットホームを用いて、miRNA発現を分析する一方、60の未治療AML試料を用い、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を用いて、転帰シグネチャーを検証した(図4−表1)。] 図4
[0015] [00041]MDACCから得た再発(n=34)または不応性(n=20)疾患の54人のAML患者の第二のコホートを用いて、新規に診断されたAML患者および再発/原発性不応性AML患者の間のmiRNA発現の相違を決定した(図13−表S7)。ヘルシンキ宣言にしたがって、患者からインフォームドコンセントを得て、施設指針にしたがって、将来研究するために、細胞を入手しそして預けた。Ficoll−Hypaque(Sigma−Aldrich、ミズーリ州セントルイス)勾配遠心分離によって患者試料を調製し、CD3/CD19枯渇(MACS;Miltenyi Biotec、カリフォルニア州オーバーン)によって白血球を濃縮し、そして凍結保存した(12)。直接法およびGバンド染色法を伴いまたは伴わず、未刺激短期(24時間、48時間、および72時間)培養を用いて、診断時または再発時に、試料の細胞遺伝学的分析を行った。細胞遺伝学的クローンを記載するのに用いた基準および核型の説明は、International System for Human Cytogenetic Nomenclatureの推奨にしたがった(13)。正常の核型を有すると指定された、少なくとも20の骨髄中期細胞を分析した。タンデム重複中(ITD)のFLT3および活性化ループD835突然変異は、先に記載されるように、大部分の試料で行われた(14)。収集期間中、MDACCで公開された、施設倫理委員会が承認した多様なプロトコル内で、122人のAMLの第一のコホートが治療され、これらには、2つの異なるシタラビン併用を伴うイダルビシン(n=53;プロトコル91004および10193)、高用量ARA−C(n=20)含有措置(プロトコル330139および202074)、DCTER(n=5;プロトコル202089)、ならびに治験薬、例えばPKC412およびインターロイキン−11(n=24;プロトコル201591および20202)が含まれた。急性前骨髄球性白血病の4人の患者すべてには、オールトランスレチノイン酸を含有する措置が行われた。検証コホートの60人の患者の大部分(78%)は、同じイダルビシンおよびシタラビン措置(n=47;プロトコル91003)、高用量ARA−C含有措置(n=5;プロトコル330139および202074)、ならびに他の治験薬、例えばPKC412およびインターロイキン−11(n=6;プロトコル201591および20202)で治療された。4人の健康なドナー由来の血液成熟顆粒球および単球ならびに骨髄CD71+選択赤血球前駆体を、Allcells(カリフォルニア州エメリービル)より購入した。10人の健康なドナー由来の骨髄CD34+前駆体をAllcellsより購入した。in vitro分化巨核球を先に記載されるように得た(8)。] 図13
[0016] [00042]RNA抽出およびmiRNAマイクロアレイ実験
[00043]先に記載されるように、RNA抽出およびmiRNAマイクロチップ実験を行った(15)。miRNAマイクロアレイは1チャネル系に基づく(15)。チップは、接触技術によってスポットされ、そしてポリマーマトリックスに共有結合した遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブを含有する(本明細書の実施例II miRNAオリゴヌクレオチドプローブ配列のためのEBIのArrayExpressデータベース)。]
[0017] [00044]miRNAのリアルタイム定量化
[00045]先に記載されるように(16)、PCR9700 ThermocyclerABIPrism 7900HTおよび配列検出系(Applied Biosystems、カリフォルニア州フォスターシティー)を用い、単一試験管TaqMan miRNAアッセイを用いて、成熟miRNAを検出し、そして定量化した。let−7−iを用いて標準化を行った。let−7−iはマイクロアレイ患者データセット中で最低の発現変動を有するため選択された。非テンプレート対照を含め、比較リアルタイムPCRを3つ組で行った。比較Ct法を用いて、相対発現を計算した(17)。]
[0018] [00046]データ分析
[00047]GENEPIX PROを用いて、マイクロアレイ画像を分析した。各miRNAの複製スポットの平均値からバックグラウンドを減じ;log2変換し、そしてハウスキーピング遺伝子セット(表S1)およびBRBアレイツール(linus.nci.nih.gov/BRB−ArrayTools.html)を用いて標準化した。非存在(absent)コールは、統計分析前の閾値から22(log2スケールでは4.5)であった。このレベルは、miRNAチップ実験において、バックグラウンドを越えて検出される平均最小強度レベルである。2クラス比較(例えばCD34対AML)において、マイクロアレイの有意性分析(Significance Analysis of Microarrays)(SAM)内の調整t検定法を用いて、示差的に発現されるmiRNAを同定した(18)。ここで用いられるSAM Excelプラグインは、すべての測定値の標準偏差に対して、発現変化に基づく各遺伝子に関するスコアを計算した。これは多重検定であるため、偽発見率(false discovery rate)またはq値を計算するため、並べ替えを行った。5%より低いFDRおよび2より大きい倍変化を持つmiRNAをさらなる分析のために考慮した。定量的変数(例えば白血球数)と相関するmiRNAを調べるため、本発明者らはSAM内の定量的回帰分析を用いた。マイクロアレイデータセットをArrayExpress(ebi.ac.uk/arrayexpress)、アレイ受け入れ番号E−TABM−405に寄託した。]
[0019] [00048]生存分析および定義
[00049]診断時から死亡日(最後の追跡調査時点で生存していた患者に関しては打ち切り)までの全生存(OS)、および診断時から再発または死亡(最後の追跡調査時点で生存していた患者に関しては打ち切り)までの無症候生存(EFS)を計算した。122人のAML患者の最初のコホートにおいて、本発明者らは、修飾Cox比例ハザード最大尤度スコアを伴うSAM法を用いて、その発現が生存期間と有意に相関しているmiRNAセットを同定した。次に、本発明者らは、定量的RT−PCRを用いて、60人の新規に診断されたAML患者(図4−表1)の独立のコホートにおいて、これらのmiRNAを検証した。] 図4
[0020] [00050]60人の患者のこの検証セットにおいて一変量Cox比例ハザード法を用いて、OSおよびEFSと関連するmiRNAを同定した。次いで、多変量比例ハザード分析を用いて、miRNAが、R 2.4.0ソフトウェアを用いて、他の要因(例えば細胞遺伝学およびFLT−ITD+)とは独立に転帰を予測可能であるかどうかを評価した。多変量モデルすべての中で最適のものを選択するため、赤池情報量基準を用いた。Kaplan−Meierプロットを用いて、転帰とmiRNAの関連を示した。Kaplan−Meierプロットを生成するため、試料を2つのクラス(試料全セット中の発現中央値にしたがった、高発現および低発現)に分けることによって、定量的RT−PCRによって測定したmiRNAレベルを、離散変数に変換した。各群に関する生存曲線を得て、そしてlog−rank検定を用いて比較した。]
[0021] [00051]統計分析
[00052]フィッシャーの直接確率検定、t検定およびχ2を用いて、ベースライン特性、および患者群間の平均miRNA発現を比較した。11の報告されるP値は両側であり、そしてSPSSソフトウェアパッケージ(SPSS 15.0 Windows(登録商標)用)を用いて得られた。]
[0022] [00053]結果
[00054]AML患者は、正常CD34+前駆体細胞と比較して、miRNA発現の特徴的なスペクトルを示す
[00055]本発明者らは、先に記載されそして検証されたmiRNAマイクロアレイプラットホーム(15)を用い、示差的miRNA発現に関して、122の新規に診断されたAML試料(図4−表1)と、10人の正常ドナー由来のCD34+細胞を比較した。CD34+正常細胞と比較して、AML試料中に、26の下方制御されたmiRNAが同定され、そして上方制御されたものはまったく同定されなかった(図5−表2)。] 図4 図5
[0023] [00056]これらの結果を検証するため、本発明者らは、ランダムに選択したAML試料のサブセット、および異なるドナーから得た4つのCD34+試料を用いて、下方制御されたmiRNAのうち7つ(miR−126、miR−130a、miR−135、miR−93、miR−146、miR−106b、およびmiR−125a)に関して定量的PCRを行った。図1A、図1Bに示すように、本発明者らは、miR−135を除いて、骨髄CD34+前駆体に対して、AML試料中で、上記miRNAの下方制御を確認した。] 図1A 図1B
[0024] [00057]さらに、マイクロアレイプラットホームの結果を検証するため、本発明者らは、12のランダムに選択したAML試料において、チップ上での発現が高い、中程度、および低い42のmiRNAに関して、定量的RT−PCRを行った。図17に示すように、マイクロアレイによって測定したmiRNAレベルおよび定量的RT−PCRによって測定したレベルは、非常に相関しており(r=0.92、P<.001)、それによって、マイクロアレイプラットホームはmiRNA発現を測定する分析ツールとして有効であることが立証された。] 図17
[0025] [00058]miRNAのサブセットは、特定の造血細胞系譜と関連する
[00059]miRNA発現は、造血発生細胞系譜および腫瘍の分化段階に関する情報を与えることが示されてきている(11)。AML試料およびCD34+細胞間で最も示差的に発現されるmiRNAレベルが、異なる造血細胞系譜にどのように関連づけられるかを決定するため、本発明者らは、成熟顆粒球、単球、ならびに赤血球および巨核球前駆体を含む一団のヒト造血細胞において、26のmiRNAのうち5つ(SAMスコアにしたがって選択)の発現レベルを、定量的RT−PCRによって評価した。]
[0026] [00060]正常CD34+細胞と比較して、AML中で下方制御されるmiRNAのうち、miR−126、miR−130a、miR−93、miR−125a、およびmiR−146はまた、成熟および前駆体造血細胞においても有意に下方制御された(図1C)。] 図1C
[0027] [00061]miRNA−181aは多系列異形成を伴うAMLで下方制御される
[00062]多系列異形成(MLD)を伴うAMLは、高齢の患者で最も頻繁に生じ、そしてしばしば、好ましくない細胞遺伝学的プロファイルおよび療法への好ましくない反応と関連する(19)。この群が特徴的なmiRNAプロファイルを有するかどうかを調べるため、本発明者らは、AMLのWHO分類によって定義されるようなMLDを伴うAML患者(n=29)に対して、「新規(de novo)」または原発性AMLの未治療AML患者(n=79)を比較した(19)。SAMを用いると、MLDを伴うAMLにおいて、miR−181aの下方制御しか同定されなかった(FDR 0%、FC>2、−1.68のSAMスコア)。次いで、本発明者らは、治療関連AMLを伴う未治療患者(n=12)と未治療新規試料(n=79)を比較し、そして治療関連AML患者において3つの上方制御されるmiRNAを同定した(miR−190、miR−9、およびmiR−188、すべて0%のFDR、FC>1.8、>1.8のSAMスコア)。本発明者らは、MLDを伴うAMLおよび治療関連AMLの間のmiRNA発現にいかなる有意な相違も検出しなかった。]
[0028] [00063]miRNAは白血球および芽球数に正に相関する
[00064]本発明者らは、miRNAが年齢、性別、白血球(WBC)数、骨髄、または末梢血芽球パーセンテージなどの治療前患者特性と関連するかどうかを、本明細書に記載するようなSAM定量的分析を用いて調べた。本発明者らは、いくつかのmiRNAの正の相関を検出し(すべて0%のFDRおよび>2の高いSAM定量的スコアを伴う)、これにはWBC、末梢および骨髄芽球パーセンテージに関するmiR−155およびmiR−181b、WBCおよび骨髄芽球パーセンテージに関するmiR−30bおよびmiR−30c、ならびに循環芽球パーセンテージに関するmiR−25が含まれた(図8−表S2)。]
[0029] [00065]定義される細胞遺伝学的下位群に関連するmiRNAシグネチャー
[00066]AMLにおける既知の細胞遺伝学的異常と関連するmiRNAを同定するため、本発明者らは、既知の核型を伴う116の治療前AML試料を研究した。SAMを用いて、正常核型を含む他の核型に対して、定義される細胞遺伝学群間で示差的に発現されるmiRNAを検出した。いくつかの細胞遺伝学下位群は、主に、1つのバッチ中でハイブリダイズされたため(例えばt(11q23)および正常核型)、本発明者らは、定量的RT−PCRを用いてシグネチャーを検証した。]
[0030] [00067]11q23平衡転座
[00068]本発明者らは、すべての他のAML患者に対して、t(11q23)を伴う患者(n=9)において、上方制御された8つのmiRNA(miR−326、miR−219、miR−194、miR−301、miR−324、miR−339、miR−99b、miR−328)および下方制御された14(miR−34b、miR−15a、miR−29a、miR−29c、miR−372、miR−30a、miR−29b、miR−30e、miR−196a、let−7f、miR−102、miR−331、miR−299、miR−193)を同定した(図9−表S3)。] 図9
[0031] [00069]本発明者らは、定量的RT−PCRによって、転帰検証シグネチャーコホート(非t(11q23)、n=10;およびt(9;11)、n=3)由来の患者試料を用いて、選択されるmiRNA(より高いSAMスコアによって選択)に関するマイクロアレイ結果を検証した(図18A〜18B)。]
[0032] [00070]平衡11q23転座患者において下方制御されるmiRNAのうち、多くは非常に重要な癌遺伝子をターゲットとする腫瘍抑制因子miRNAであり、すなわち、miR−34b(CDK4およびCCNE2)(20)、miR−15a(BCL−2)(21)、let−7ファミリー(RAS)(22)、miR−29ファミリー(MCL−1およびTCL−1)(23、24)、miR−372(LATS2)(25)、およびmiR−196(HOX−A7、HOX−A8、HOX−D8、HOX−B8)(26)であった。本発明者らは次に、miRNA発現が、t(6;11)(n=4)およびt(9;11)(n=5)を伴う患者間で異なるかどうかを調べた。16のmiRNAがt(6;11)を伴う患者において上方制御されており(図10−表S4)、これには、腫瘍抑制因子PTEN(27)をターゲットとする抗アポトーシスmiR−21、ならびにTGFb1制御因子SMAD1をターゲットとするmiR−26aおよびbが含まれた(28)。SMAD1の下方制御は、発癌と関連するTGFb1の調節解除に関与することが示唆されてきている(29)。] 図10
[0033] [00071]トリソミー8
[00072]二次的トリソミー8の患者を除いた後、他の核型を伴うすべての他のAML患者(n=5)と比較して、単独トリソミー8を伴う患者試料(n=5)において、SAMを用いて得られたシグネチャーは、42の上方制御miRNAで構成され、そして下方制御miRNAは含まれなかった(図11−表S5)。] 図11
[0034] [00073]上方制御miRNAのうち、miR−124aおよびmiR−30dは、それぞれ、8p21および8q23に位置し、遺伝子量効果が上方制御に役割を果たしうることが示される。興味深いことに、miR−124aは骨髄転写因子CEBPAをターゲットとする。]
[0035] [00074]正常核型を伴うAML
[00075]本発明者らは、まず、異常な核型を伴うAML患者に、正常核型AML(NK−AML)患者を比較した。本発明者らは、10の上方制御されるmiRNA(miR−10a、miR−10b、miR−26a、miR−30c、let−7a−2、miR−16−2、miR−21、miR−181b、miR−368、およびmiR−192)および13の下方制御されるmiRNAs(miR−126、miR−203、miR−200c、miR−182、miR−204、miR−196b、miR−193、miR−191、miR−199a、miR−194、miR−183、miR−299、およびmiR−145)で構成される、NK−AML中のシグネチャーを同定した(図12−表S6)。このシグネチャーは、NK−AMLを予測するものではなく、これはおそらくこの下位群の分子不均一性のためであった(データ未提示)。本発明者らは、転帰検証シグネチャーコホート由来の患者試料を用いて、選択したmiRNAに関するマイクロアレイ結果を検証した(NK−AML、n=12;および異常な核型AML、n=22、定量的RT−PCRによる;図19A〜19C)。] 図12 図19A 図19B 図19C
[0036] [00076]AML患者における、FLT3−ITD突然変異において、miR−155が過剰発現される
[00077]AMLにおける、FLT3−ITD突然変異(FLT3−ITD+)の存在と関連するmiRNAを同定するため、本発明者らはまず、SAMを用いて、FLT3−D835突然変異(n=2)を除いて、FLT3−wt(n=73)に対して、FLT3−ITD+(n=17)を伴う未治療AML患者を比較した。本発明者らは、FLT3−ITD+において、上方制御される3つのmiRNA、miR−155(3.1倍)、miR−10a(2.5倍)、およびmiR−10b(2.27倍)を見出し、これらはすべて0のFDRおよび2より大きいSAMスコアを有した。]
[0037] [00078]FLT3−D835突然変異を伴う患者数(n=2)は統計的評価を行うのに十分ではなかった。本発明者らは、定量的RT−PCRを用いて、独立のAML患者セット(転帰シグネチャー検証群由来の16人の患者)において、これらの結果を検証した。FLT3−ITD+を伴うAML患者(n=4)は、やはり、FLT3−wt患者(n=12)より高いmiR−155発現を有した(P=.007、t検定;図2)。] 図2
[0038] [00079]再発および原発性不応性AML患者におけるmiRNA発現
[00080]本発明者らのmiRNAプラットホームを用いることによって、本発明者らは、再発(n=34)または原発性不応性AML(n=20)を伴う54人の患者のmiRNAプロファイルをさらに調べた(図13−表S7)。] 図13
[0039] [00081]最初の122人のコホートとは異なる患者から、治療患者試料のこの独立のコホートを得た。未治療(n=122)および治療患者(n=54)の間に大きな相違は検出されなかった(データ未提示)。54人の治療患者のこのセットを用いて、本発明者らは、SAMを用いて、異なる細胞遺伝学および分子下位群間のmiRNA発現を分析した(例えば、t(11q23)を伴うAML対他の核型を伴うもの、FLT3−ITD+対FLT3−wtなど)。未治療患者のものと類似のmiRNAシグネチャーが得られ(図14−表S8、図15−表9、図16−表S10)、それによって、miRNA発現が主に細胞遺伝学によって駆動されていることが示された。] 図14 図15 図16
[0040] [00082]転帰と関連するmiRNA
[00083]本発明者らは、新規に診断された122人のAML患者において、生存およびmiRNA発現を調べた。ここで、本発明者らは、1%より低いFDRおよび2より高いSAM生存スコア(Cox回帰)を伴う少数のmiRNAを同定した。同定された遺伝子、miR−199a、miR−199b、miR−191、miR−25、およびmiR−20aはすべて、過剰発現されると、OSに不都合に影響を及ぼした。]
[0041] [00084]この予後miRNAシグネチャーを検証するため、本発明者らは、60の新規に診断されたAML患者の独立の群において、異なる技術(定量的RT−PCR)を用いて、miR−199a、miR−191、miR−25、およびmiR−20aを測定した(図4−表1)。] 図4
[0042] [00085]一変量Cox比例ハザード分析を行って、OSおよびEFSに対する各miRNAの関連を決定した。本発明者らは、OS(miR−199a、P=.001; miR−191、P=.03)およびEFS(miR−199a、P=.002; miR−191、P=.02)に対するmiR−199aおよびmiR−191の有意な関連を確認した。本発明者らは、OS(miR−20、P=.92; miR−25、P=.07)およびEFS(miR−20、P=.8; miR−25、P=.07)に対するmiR−20およびmiR−25の関連を検証することができなかった。これらのmiRNAと転帰の関連をさらにグラフで確認しそして示すため、試料を2つのクラス(60試料の全セット中の発現中央値にしたがった、高発現および低発現)に分けることによって、定量的RT−PCRによって測定したmiRNA発現レベルを、離散変数に変換し、そしてKaplan−Meier生存プロットを生成した。高発現のmiR−199aおよびmiR−191を伴う患者は、有意により短いOS(図3)およびEFS(miR−199a、P=.002;およびmiR−191、P=.02、log−rank検定)を有することが見出された。] 図3
[0043] [00086]癌および白血病B群基準によって定義される(31)、診断時の不都合な細胞遺伝学は、一変量Cox分析によって、OSおよびEFSと関連した(どちらもP<.001)。年齢(P=.48)、白血球(P=.92)、およびFLT3−ITD+(P=.2)などの他の特性は、60人のAML患者のこの独立のセットにおいては、OSともまたEFSとも有意に関連しなかった(データ未提示)。FLT3−ITD突然変異および新規に診断された患者の本発明者らのコホートの間に生存関連がないのは、何人かの患者のデータが失われている(すなわちFLT3試験がされていない、n=8)ため、および研究集団がかなり高齢である(中央値=59歳)ためである可能性もある。若いAML患者とは対照的に、FLT3−ITD突然変異は、AMLの高齢患者においては、劣った転帰と関連することが見出されてきていない(32)。]
[0044] [00087]miRNAが他の要因(例えば細胞遺伝学)とは独立に転帰を予測可能であるかどうかを評価するため、本発明者らはまず、Cox比例ハザードモデルを用いて、OSおよびEFSを予測する純粋に臨床的なモデルを構築し、ありうるいかなる臨床的共変数も可能にした(WBC、FLT3状態、細胞遺伝学、および年齢)。赤池情報量基準を適用して、モデルから重複する項目を排除した後、細胞遺伝学は、OS(ハザード比=3.87; 95%信頼区間、1.83−83.1、P<.001)およびEFS(ハザード比=3; 95%信頼区間、1.47−6.10、P=.002)に関する最適な予測因子を提供した。次いで、最適臨床モデルに対して、二分miRNA変数(全試料セットにおける発現中央値にしたがった、高または低miRNA発現)として、4つのmiRNA(miR−20a、miR−25、miR−191、およびmiR−199)を添加した。最適モデルは、OSおよびEFS両方に関して、miR−191、miR−199、および細胞遺伝学を維持する(図6−表3)。] 図6
[0045] [00088]考察
[00089]本発明者らは、マイクロアレイプラットホームを用いて、AML試料および正常前駆体CD34+細胞のゲノム全体のmiRNome分析を行った。大部分のmiRNAは、CD34+細胞に対して、AML患者において下方制御されていた。2つの最近の研究によって、CD34+細胞がいくつかの細胞系譜にin vitro分化する間、広範囲にmiRNA下方制御が起こることが示唆されてきている(8、33)。本発明者らのデータによって、CD34+細胞に対して、AML中で最も下方制御されているmiRNAはまた、健康な前駆体および成熟末梢血液骨髄細胞においてもまた下方制御されており、白血病中のmiRNAのサブセットが、正常造血におけるmiRNA発現の差別化パターンを緊密に追うことを示す。]
[0046] [00090]本明細書において、本発明者らは、いくつかの細胞遺伝群と関連する分子シグネチャーを同定した。2つの最強のシグネチャーは、平衡11q23転座および単独トリソミー8と関連するものであった。]
[0047] [00091]11q23転座を宿す患者において、HOX遺伝子(26)を制御することが知られるmiR−196の下方制御は、これらの患者におけるいくつかのHOX遺伝子の上方制御を説明する新規機構を示す。]
[0048] [00092]マイクロアレイプラットホームを用いて、本発明者らは、t(6;11)およびt(9;11)間を区別することが可能であった。t(6;11)中の上方制御されたmiRNAの中で、miR−21は、多くの固形腫瘍で過剰発現されることが見出されてきている(10)。別の研究によって、miR−21は、重要な腫瘍抑制因子であるPTENをターゲットとし(27)、そしてmiR−21のアンチセンス阻害は、in vitroで腫瘍細胞のアポトーシスを誘導し、そして異種移植マウスモデルにおいて、腫瘍増殖を抑制することが示された(34)。miR−21およびmiR−26などのoncomiRの異常な発現は、現在、この患者下位群のより劣った予後を説明すると考えられている(31)。]
[0049] [00093]対照的に、平衡11q23転座中で下方調節されているmiR−29ファミリーメンバーは、多様な化学療法剤に耐性である細胞において上方制御されることが見出された非常に重要なアポトーシス制御因子である、癌遺伝子TCL1(24)およびMCL1(24)をターゲットとする(35)。さらに、他のmiR−29ファミリーメンバーは、高リスクCLL(25)および肺癌(37)において下方制御される。]
[0050] [00094]興味深いことに、miR−155は、高い白血球数およびFLT3−ITD突然変異を伴うAML患者において、上方制御されることが見出された。このmiRNAは最近、in vitroヒト骨髄コロニー形成を遮断し(38)、巨核球形成を停止し(38)、そしてマウスにおいてB細胞リンパ腫および白血病を誘導する(39)ことが記載されてきている。]
[0051] [00095]inv(16)[4]およびt(15;17)[4]などの好ましい細胞遺伝学を伴う患者はほとんどいなかった。本発明者らは、AML患者のこれらの2群において、いかなる特徴的なmiRNAシグネチャーを同定することもできなかった。相関の欠如は、群内の不均一性の結果である可能性もあり、そして/または試料サイズが小さいためである可能性もある。]
[0052] [00096]本発明者らは、OSおよびEFSに有意に関連するmiRNAシグネチャーを記載する。いくつかの観察が本発明者らの結果を強化する。これらのmiRNAサブセットは、AMLにおいて明らかに調節解除されており、そして細胞遺伝学群および転帰と関連する。]
[0053] [00097]本発明者らは、まず、転帰の相違を立証することが困難でありうるような、ここで研究した患者の全般的に劣った予後および短い生存期間にもかかわらず、生存と関連するmiRNAを同定した。次に、miR−199aおよびmiR−191の高発現はまた、劣った転帰と関連する、AMLの下位群である単独トリソミー8を伴う患者においても同定された。第三に、転帰シグネチャーは、6つの固形腫瘍に共有されるシグネチャーと共通の上方制御miRNAで構成される(例えば、miR−20、miR−25、miR−199a、およびmiR−191)(1)。]
[0054] [00098]実施例II
[00099]マイクロRNA(miRNA)マイクロアレイ
[000100]miRNAマイクロアレイチップ上のハイブリダイゼーションのため、250のヒト成熟および前駆体miRNA(2005年11月、miRBase(microrna.sanger.ac.uk)に記載されるようなもの)に対するプローブとともに、四つ組で、総RNA 5マイクログラムを用いた。1μgの3’−(N)8−(A)12−ビオチン−(A)12−ビオチン−5’ランダムオリゴヌクレオチドプライマーを含有する最終体積12μl中、反応混合物に総RNAを別個に添加した。混合物を70℃で10分間インキュベーションし、そして氷上で冷却した。混合物を氷上に置いたまま、4μlの5x第一鎖緩衝液、2μlの0.1M DTT、1μlの10mM dNTP混合物、および1μlのSuperscript IIRNアーゼH−逆転写酵素(200単位/μl)を最終体積20μlに添加し、そして混合物を37℃水槽中で90分間インキュベーションした。第一鎖cDNA合成のためにインキュベーションした後、3.5μlの0.5M NaOH/50mMEDTAを20μlの第一鎖反応混合物に添加し、そして65℃で15分間インキュベーションして、RNA/DNAハイブリッドを変性し、そしてRNAテンプレートを分解した。次いで、5μlの1M Tris・HCl(pH7.6、Sigma)を添加して反応混合物を中和し、そして標識したターゲットをハイブリダイゼーションまで−80℃で保存した。マイクロアレイを6xSSPE(0.9M塩化ナトリウム/60mMリン酸ナトリウム/8mM EDTA、pH7.4)/30%ホルムアミド中、25℃で18時間ハイブリダイズし、0.75xTNT(Tris・HCl/塩化ナトリウム/Tween20)中、37℃で40分間洗浄し、そしてストレプトアビジン−Alexa647コンジュゲートによるビオチン含有転写物の直接検出を用いることによってプロセシングした。レーザーを635nmにセットし、800のPMT設定に固定し、そしてスキャン解像度10mmで、GenePix Axon 4000Bマイクロアレイスキャナーを用いて、プロセシングしたスライドをスキャンした。miRNAプローブに加えて、類似の設計基準を用いることによって、8つのヒトTRNAおよび3つのsnRNAに対するオリゴヌクレオチドを含めた(図7−表S1)。] 図7
[0055] [000101]データ分析
[000102]GenePix Proを用いてスライド画像を得た後、各miRNAの複製スポットの平均値からバックグラウンドを減じ、標準化し、そしてさらなる分析に供した。GenePix Pro品質管理にしたがって、非存在または異常値とフラグ付けされたスポットは、分析には含めなかった。標準化には、BRBアレイツールを用いた。単一チャネル実験として、アレイを参照アレイに対して標準化し、アレイおよび参照アレイ間の対数強度相違がハウスキーピング遺伝子セットのものに渡って0の中央値を有するようにした。参照アレイは、自動的に、中央値アレイとして選択された(対数強度値中央値が、アレイの全セットのすべての対数強度値中央値に渡る中央値であるアレイ)。各アレイおよび参照アレイ間の遺伝子ごとの相違を計算し、そしてそのアレイの対数強度から、ハウスキーピング遺伝子に渡る相違中央値を減じることによって、ハウスキーピング遺伝子標準化を行った。「ハウスキーピング」ノンコーディング遺伝子は、miRNA遺伝子としてノンコーディングであるため、該遺伝子を選択した(図7−表S1)。] 図7
[0056] [000103]本発明者らは、バージョン1tRNA遺伝子を拡張し、U2、U4、U6低分子量ノンコーディングRNA遺伝子およびGAPDHmRNAを含めた。U6はノーザンブロットの標準化のため、異なる研究室のmiRNA論文中で広範囲に用いられる。AMLの不均一性のため、試料の少なくとも20%に存在する場合、miRNAを保持した。非存在コールは、統計分析前の閾値から22(log2スケールでは4.5)であった。このレベルは、miRNAチップ実験において、バックグラウンドを越えて検出される平均最小強度レベルである。miRNA命名は、Sanger Center1のmiRNAデータベースにしたがった。マイクロアレイの有意性分析(SAM)2内で、調整t検定法を用いることによって、示差的に発現されるmiRNAを同定した。発現の閾値相違を2にセットし、s0パーセンタイルを0.05にセットし(デフォルト)、そして並べ替え数を100にセットした(デフォルト)SAM 2.0アプリケーション。ここで用いられるSAM Excelプラグインは、すべての測定値の標準偏差に対して、発現変化に基づいて、各遺伝子に関するスコアを計算する。これは多重検定であるため、偽発見率(FDR)またはq値を計算するため、並べ替えを行った。5%より低いFDRおよび2より大きい倍変化を持つmiRNAをさらなる分析のために考慮した。マイクロアレイデータセットをArrayExpress(ebi.ac.uk/arrayexpress)に寄託する。]
[0057] [000104]miRNA qRT−PCR検証
[000105]製造者の指示(Applied Biosystems、カリフォルニア州フォスターシティー)にしたがって、Applied BiosystemsリアルタイムPCR装置上、単一試験管TaqMan miRNAアッセイを用いて、成熟miRNAを検出しそして定量化した。不変のlet−7i(Applied Biosystems)を用いて標準化を行った。テンプレート不含対照およびRT除去対照を含むすべてのRT反応を、GeneAmp PCR 9700 Thermocycler(Applied Biosystems)中で行った。ABIPrism 7900HT配列検出系(Applied Biosystems)を用いて、遺伝子発現レベルを定量化した。テンプレート不含対照を含めて、3つ組で比較リアルタイムPCRを行った。比較Ct法3を用いて、相対的発現を計算した。マイクロアレイデータを検証するため、本発明者らは、12人の患者における42のmiRNA測定値を用い、Pearson相関および線形回帰分析(SPSSパッケージ)を用いた。これらの関数は、測定の各対(一方はチップ由来、そして他方はqRT−PCR由来)を調べて、2つの変数が一緒に動く傾向があるかどうか、すなわち、チップ由来のより多い値(高発現)は、qRT−PCR(2ΔCt)由来のより高い値と関連するかどうかを決定する。]
[0058] [000106]使用例およびその定義
[000107]本発明の実施は、別に示さない限り、当該技術分野の技術範囲内の薬理学、化学、生化学、組換えDNA技術および免疫学の慣用的方法を使用するであろう。こうした技術は、文献に完全に説明される。例えば、Handbook of Experimental Immunology, 第I〜IV巻(D.M. WeirおよびC.C. Blackwell監修, Blackwell Scientific Publications); A.L. Lehninger, Biochemistry(Worth Publishers, Inc.,現行版); Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual(第2版, 1989); MethodsIn Enzymology(S. ColowickおよびN. Kaplan監修, Academic Press, Inc.)を参照されたい。]
[0059] [000108]こうしたものとして、本明細書の定義は、さらなる説明のために提供され、そして限定と見なされないものとする。
[000109]冠詞「a」および「an」は、本明細書において、1つまたは1より多い(すなわち少なくとも1つの)その冠詞の文法的対象を指す。例えば、「要素(an element)」は、1つの要素または1より多い要素を意味する。]
[0060] [000110]「マーカー」および「バイオマーカー」は、遺伝子および/またはタンパク質および/またはその機能的変異体であって、正常のまたは健康な組織または細胞における発現レベルから改変された組織または細胞中の発現レベルが、障害および/または疾患状態と関連している、前記遺伝子および/またはタンパク質および/またはその機能的変異体である。]
[0061] [000111]マーカー発現の「正常」レベルは、障害および/または疾患状態に罹患していないヒト被験体または患者の細胞におけるマーカーの発現レベルである。
[000112]マーカーの「過剰発現」または「発現の有意により高いレベル」は、発現を評価するのに使用されるアッセイの標準誤差より大きい試験試料中の発現レベルを指し、そして特定の態様において、対照試料(例えばマーカーに関連する障害および/または疾患状態を持たない健康な被験体由来の試料)中のマーカーの発現レベル、そして特定の態様において、いくつかの対照試料中のマーカーの平均発現レベルの少なくとも2倍、そして他の態様において、3倍、4倍、5倍または10倍である。]
[0062] [000113]マーカーの「発現の有意により低いレベル」は、対照試料(例えばマーカーに関連する障害および/または疾患状態を持たない健康な被験体由来の試料)中のマーカーの発現レベル、そして特定の態様において、いくつかの対照試料中のマーカーの平均発現レベルの少なくとも2倍、そして特定の態様において、3倍、4倍、5倍または10倍低い試験試料中の発現レベルを指す。]
[0063] [000114]キットは、マーカーの発現を特異的に検出するための少なくとも1つの試薬、例えばプローブを含む、任意の製品(例えばパッケージまたは容器)である。キットを、本発明の方法を実行するための単位として、販売促進し、流通させ、または販売してもよい。]
[0064] [000115]「タンパク質」は、マーカータンパク質およびその断片;変異体マーカータンパク質およびその断片;マーカーまたは変異体マーカータンパク質の少なくとも15のアミノ酸セグメントを含むペプチドおよびポリペプチド;ならびにマーカーまたは変異体マーカータンパク質、あるいはマーカーまたは変異体マーカータンパク質の少なくとも15のアミノ酸セグメントを含む融合タンパク質を含む。]
[0065] [000116]本明細書記載の組成物、キットおよび方法は、以下の限定されない使用、とりわけ:
被験体が障害および/または疾患状態に罹患しているかどうかの評価;
被験体における障害および/または疾患状態の病期の評価;
被験体における障害および/または疾患状態の悪性度の評価;
被験体における障害および/または疾患状態の性質の評価;
被験体において障害および/または疾患状態を発展させる潜在的可能性の評価;
被験体における障害および/または疾患状態と関連する細胞の組織学的タイプの評価;
被験体における障害および/または疾患状態を治療するのに有用な、抗体、抗体断片、または抗体誘導体の作製;
被験体の細胞における障害および/または疾患状態の存在の評価;
被験体における障害および/または疾患状態を阻害するための1以上の試験化合物の有効性の評価;
被験体における障害および/または疾患状態を阻害するための療法の有効性の評価;
被験体における障害および/または疾患状態の進行の監視;
被験体における障害および/または疾患状態を阻害するための組成物または療法の選択;
障害および/または疾患状態に罹患した被験体の治療;
被験体における障害および/または疾患状態の阻害;
試験化合物の潜在的有害性の評価;ならびに
リスクがある被験体における障害および/または疾患状態の開始の予防
を有する。]
[0066] [000117]スクリーニング法
[000118]動物モデルを生成して、被験体における障害および/または疾患状態を治療するかまたは予防するのに有用な療法剤のスクリーニングを可能にしてもよい。したがって、方法は、被験体において、障害および/または疾患状態を治療するかまたは予防するための療法剤を同定するのに有用である。方法は、本明細書記載の方法によって作製された動物モデルに候補剤を投与し、そして候補剤を投与していない対照動物モデルに比較した際の、動物モデルにおける少なくとも1つの反応を評価する工程を含む。少なくとも1つの反応の症状が減少しているか、またはその開始が遅延している場合、候補剤は、疾患を治療するかまたは予防するための剤である。]
[0067] [000119]候補剤は、当該技術分野にすでに知られている薬理学的剤であってもよいし、またはいかなる薬理学的活性を有することも以前は知られていなかった剤であってもよい。剤は、天然に生じてもよいし、または実験室で設計されてもよい。剤を微生物、動物または植物から単離してもよいし、あるいは組換え的に産生してもよいし、あるいは任意の適切な化学的方法によって合成してもよい。剤は、小分子、核酸、タンパク質、ペプチドまたはペプチド模倣体であってもよい。特定の態様において、候補剤は、50ダルトンより大きく、そして約2,500ダルトン未満の分子量を有する、小有機化合物である。候補剤は、タンパク質との構造的相互作用に必要な官能基を含む。候補剤はまた、限定されるわけではないが:ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造的類似体またはその組み合わせを含む生体分子の中にも見出される。]
[0068] [000120]候補剤は、合成または天然化合物のライブラリーを含む非常に多様な供給源から得られる。例えば、非常に多様な有機化合物および生体分子のランダムおよび有向(directed)合成のために利用可能な多くの手段があり、これには、ランダム化オリゴヌクレオチドおよびオリゴペプチドの発現が含まれる。あるいは、細菌、真菌、植物および動物抽出物の形の天然化合物ライブラリーが入手可能であるか、または容易に産生される。さらに、天然のまたは合成的に産生されるライブラリーおよび化合物は、慣用的な化学的、物理的および生化学的手段によって容易に修飾され、そしてこれを用いてコンビナトリアルライブラリーを産生することも可能である。特定の態様において、コンビナトリアルライブラリー法の技術分野における多くのアプローチのいずれを用いて候補剤を得てもよく、限定されない例として:生物学的ライブラリー;空間的にアドレス可能な平行固相または液相ライブラリー;デコンボリューションを要する合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー法;およびアフィニティクロマトグラフィ選択を用いる合成ライブラリー法が含まれる。]
[0069] [000121]特定のさらなる態様において、特定の薬理学的剤を、アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化(amidification)等の、有向またランダム化学修飾に供して、構造的類似体を産生してもよい。]
[0070] [000122]また、被験体における障害および/または疾患状態を治療するための療法剤を同定するのと同じ方法を用いて、in vitro研究から生じたリード化合物/剤を検証してもよい。]
[0071] [000123]候補剤は、被験体反応経路において、1以上の障害および/または疾患状態を上方制御するかまたは下方制御する剤であってもよい。特定の態様において、候補剤は、こうした経路に影響を及ぼすアンタゴニストであってもよい。]
[0072] [000124]障害および/または疾患状態を治療するための方法
[000125]本明細書において、障害および/または疾患状態反応を治療するか、阻害するか、軽減させるかまたは逆転させるための方法を提供する。本明細書記載の方法において、シグナル伝達カスケードに干渉する剤を、限定されるわけではないが、こうした合併症がまだ明らかでない被験体、および少なくとも1つのこうした反応をすでに有する被験体などの、必要がある個体に投与する。]
[0073] [000126]前者の場合、こうした治療は、こうした反応の発生を予防し、そして/またはそれらが起こる度合いを減少させるのに有用である。後者の場合、こうした治療は、こうした反応が起こる度合いを減少させるか、反応のさらなる発展を予防するか、または反応を逆転させるのに有用である。]
[0074] [000127]特定の態様において、反応カスケードに干渉する剤は、こうした反応に特異的な抗体であってもよい。
[000128]バイオマーカー(単数または複数)の発現
[000129]マーカーの発現を多くの方式で阻害してもよく、限定されるわけではないが、例えば、マーカー(単数または複数)の転写、翻訳、または両方を阻害するために、アンチセンスオリゴヌクレオチドを疾患細胞に提供してもよい。あるいは、タンパク質の機能または活性を阻害するであろう細胞内抗体を生成するために、マーカータンパク質に特異的に結合し、そして適切なプロモーター/制御因子領域に機能可能であるように連結された、抗体、抗体誘導体、または抗体断片をコードするポリヌクレオチドを、細胞に提供してもよい。また、マーカータンパク質に特異的に結合する抗体、抗体誘導体または抗体断片で疾患細胞を治療することによって、マーカーの発現および/または機能を阻害してもよい。本明細書記載の方法を用いて、マーカーの発現を阻害するか、またはマーカータンパク質の機能を阻害する分子を同定するため、多様な分子、特に細胞膜を横断可能なほど十分に小さい分子を含む分子をスクリーニングしてもよい。被験体の疾患細胞を阻害するために、こうして同定された化合物を被験体に提供してもよい。]
[0075] [000130]任意のマーカーまたはマーカーの組み合わせ、ならびにマーカーと組み合わせた任意の特定のマーカーを、本明細書に記載する組成物、キットおよび方法で用いてもよい。一般的に、疾患細胞中のマーカーの発現レベルおよび正常結腸系細胞における同じマーカーの発現レベルの間の相違が可能な限り大きいマーカーを使用することが望ましい。この相違は、マーカーの発現を評価するための方法の検出限界と同程度に小さくてもよいが、少なくとも、評価法の標準誤差より大きいことが望ましく、そして特定の態様において、正常組織中の同じマーカーの発現レベルより、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、100、500、1000倍またはそれより大きい相違が望ましい。]
[0076] [000131]特定のマーカータンパク質は、細胞を取り巻く細胞外空間に分泌されることが認識されている。組織生検試料よりもヒト被験体からより容易に収集されうる体液試料中で、こうしたマーカータンパク質が検出可能であるという事実から、これらのマーカーを組成物、キットおよび方法の特定の態様で用いる。さらに、マーカータンパク質の検出のためのin vivo技術には、該タンパク質に対して向けられる標識抗体を被験体内に導入する工程が含まれる。例えば、被験体における存在および位置を標準的画像技術によって検出可能である放射性マーカーで、抗体を標識してもよい。]
[0077] [000132]任意の特定のマーカータンパク質が分泌タンパク質であるかどうかを決定するため、マーカータンパク質を、例えば、哺乳動物細胞、例えばヒト細胞株で発現し、細胞外液を収集し、そして細胞外液中のタンパク質の存在または非存在を評価する(例えばタンパク質に特異的に結合する標識抗体を用いる)。]
[0078] [000133]こうした細胞を含有する被験体試料を本明細書記載の方法で用いてもよいことが認識されるであろう。これらの態様において、試料中のマーカーの量(例えば絶対量または濃度)を評価することによって、マーカーの発現レベルを評価してもよい。細胞試料は、もちろん、試料中のマーカー量を評価する前に、多様な収集後調製および保存技術(例えば核酸および/またはタンパク質抽出、固定、保存、凍結、限外ろ過、濃度、蒸発、遠心分離等)に供してもよい。]
[0079] [000134]マーカーが細胞から、例えば呼吸器系、消化器系、血流および/または間質空間内に脱落してもよいこともまた認識されるであろう。脱落したマーカーを、例えば、痰、BAL、血清、血漿、尿、糞便等を調べることによって、試験してもよい。]
[0080] [000135]組成物、キットおよび方法を用いて、発現される細胞表面上にディスプレイされる少なくとも1つの部分を有するマーカータンパク質の発現を検出してもよい。例えば、免疫学的方法を用いて、細胞全体の上のこうしたタンパク質を検出してもよいし、またはコンピュータに基づく配列分析法を用いて、少なくとも1つの細胞外ドメインの存在を予測してもよい(すなわち、分泌タンパク質および少なくとも1つの細胞表面ドメインを有するタンパク質の両方を含む)。必ずしも細胞を溶解することなく(例えばタンパク質の細胞表面ドメインと特異的に結合する標識抗体を用いて)、発現される細胞の表面上にディスプレイされる少なくとも1つの部分を有するマーカータンパク質の発現を検出することも可能である。]
[0081] [000136]転写された核酸またはタンパク質の発現を検出するための非常に多様な方法のいずれによって、マーカー発現を評価してもよい。こうした方法の限定されない例には、分泌、細胞表面、細胞質または核タンパク質の検出のための免疫学的方法、タンパク質精製法、タンパク質機能または活性アッセイ、核酸ハイブリダイゼーション法、核酸逆転写法および核酸増幅法が含まれる。]
[0082] [000137]特定の態様において、通常の翻訳後修飾のすべてまたは一部を経たマーカータンパク質を含むマーカータンパク質またはその断片と特異的に結合する、抗体(例えば放射標識、発色団標識、蛍光体標識または酵素標識抗体)、抗体誘導体(例えば基質と、あるいはタンパク質−リガンド対のタンパク質またはリガンドとコンジュゲート化された抗体)、または抗体断片(例えば一本鎖抗体、単離抗体超可変ドメインなど)を用いて、マーカーの発現を評価する。]
[0083] [000138]別の特定の態様において、被験体試料中の細胞からmRNA/cDNA(すなわち転写されたポリヌクレオチド)を調製することによって、そしてマーカー核酸の相補体またはその断片である参照ポリヌクレオチドとmRNA/cDNAをハイブリダイズさせることによって、マーカーの発現を評価する。場合によって、参照ポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーション前に、多様なポリメラーゼ連鎖反応法のいずれかを用いて、cDNAを増幅させてもよく;好ましくは増幅されない。定量的PCRを用いて、1以上のマーカーの発現を同様に検出して、マーカー(単数または複数)の発現レベルを評価してもよい。あるいは、マーカーの突然変異または変異体(例えば一塩基多型、欠失等)を検出する多くの方法のいずれを用いて、被験体におけるマーカーの存在を検出してもよい。]
[0084] [000139]関連する態様において、試料から得られる転写ポリヌクレオチドの混合物を、マーカー核酸の少なくとも部分(例えば、少なくとも7、10、15、20、25、30、40、50、100、500、またはそれより多いヌクレオチド残基)と相補的なまたは相同なポリヌクレオチドが固定された支持体と接触させる。相補的なまたは相同なポリヌクレオチドが、支持体上で示差的に検出可能であれば(例えば、異なる発色団または蛍光体を用いて検出可能であるか、あるいは選択された異なる位置に固定されている)、単一の支持体(例えば選択された位置で固定されたポリヌクレオチドの「遺伝子チップ」マイクロアレイ)を用いて、複数のマーカーの発現レベルを同時に評価することも可能である。1つの核酸と別の核酸のハイブリダイゼーションを伴うマーカー発現を評価する方法を用いる場合、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイゼーションを行うことが望ましい。]
[0085] [000140]特定の態様において、質量分析または表面プラスモン共鳴を用いて、バイオマーカーアッセイを行ってもよい。多様な態様において、被験体における障害および/または疾患状態に対して活性である剤を同定する方法には:a)1以上のマーカーまたはその誘導体を含有する細胞の試料を提供する工程;b)こうした細胞から抽出物を調製する工程;c)抽出物を、マーカー結合部位を含有する標識核酸プローブと混合する工程;およびd)試験剤の存在下または非存在下で、マーカーおよび核酸プローブ間の複合体の形成を決定する工程の1以上が含まれてもよい。決定工程には、前記抽出物/核酸プローブ混合物を、電気泳動移動度シフトアッセイに供する工程が含まれてもよい。]
[0086] [000141]特定の態様において、決定工程は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、蛍光に基づくアッセイおよび超ハイスループットアッセイ、例えば表面プラスモン共鳴(SPR)または蛍光相関分光法(FCS)アッセイから選択されるアッセイを含む。こうした態様において、SPRは、金属誘電体表面でわずかな屈折率の変化に感受性であるため、SPRセンサーは、生体分子相互作用の直接リアルタイム観察に有用である。SPRは、およそ200nmのSPRセンサー/試料界面内で、105〜10−6の屈折率(RI)単位の変化に感受性である、表面技術である。したがって、SPR分光法は、センシング層に沈着する薄い有機フィルムの増殖を監視するのに有用である。]
[0087] [000142]組成物、キット、および方法は、1以上のマーカーの発現レベルの相違の検出に頼るため、マーカーの発現レベルが、正常細胞および結腸癌罹患細胞の少なくとも1つにおいて、発現を評価するのに用いる方法の最小検出限界より有意により大きいことが望ましい。]
[0088] [000143]1以上のマーカーを用いた、さらなる被験体試料のルーチンのスクリーニングによって、特定のマーカーが、被験体において、特定の障害および/または疾患状態を含む、多様なタイプの細胞において過剰発現されることが認識されるであろうことが理解される。]
[0089] [000144]さらに、より多くの被験体試料を、マーカーの発現に関して評価し、そして試料を得た個々の被験体の転帰を相関させるにつれて、特定のマーカーの改変された発現が、被験体における障害および/または疾患状態に強く相関し、そして他のマーカーの改変された発現が、他の疾患と強く相関することもまた確認されるであろう。したがって、組成物、キット、および方法は、被験体における障害および/または疾患状態の病期、悪性度、組織学的タイプ、および性質の1以上を特徴付けるのに有用である。]
[0090] [000145]被験体における障害および/または疾患状態の病期、悪性度、組織学的タイプ、および性質の1以上を特徴付けるために組成物、キットおよび方法を用いる場合、対応する病期、悪性度、組織学的タイプ、または性質の障害および/または疾患状態に罹患した被験体の少なくとも約20%で、そして特定の態様において、少なくとも約40%、60%、または80%で、そして実質的にすべてで、陽性結果が得られるように、マーカーまたは一団のマーカーを選択することが望ましい。約10%より大きい陽性の予測値が一般集団で得られるように、本発明のマーカーまたは一団のマーカーを選択してもよい(限定されない例において、80%を越えるアッセイ特異性と組み合わされる)。]
[0091] [000146]複数のマーカーを、組成物、キットおよび方法で用いる場合、被験体試料中の各マーカーの発現レベルを、単一反応混合物(すなわち各マーカーに関する異なる蛍光プローブなどの試薬を用いて)または1以上のマーカーに対応する個々の反応混合物中のいずれかで、同じ種類の非障害および/または非疾患試料中の複数のマーカー各々の発現の正常レベルと比較してもよい。1つの態様において、対応する正常レベルと比較した、試料中の複数のマーカーの1より多くの発現レベルが有意に増加していると、被験体が障害および/または疾患状態に罹患している指標となる。複数のマーカーを用いる場合、2、3、4、5、8、10、12、15、20、30、または50またはそれより多い個々のマーカーを用いてもよく;特定の態様において、より少ないマーカーの使用が望ましい可能性もある。]
[0092] [000147]組成物、キット、および方法の感受性を最大にするため(すなわち被験体細胞中の系起源の細胞に起因しうる干渉による)、そこで用いるマーカーが、限定された組織分布を有する、例えば非系組織で通常は発現されないことが望ましい。]
[0093] [000148]組成物、キットおよび方法が、被験体において障害および/または疾患状態を発展させるリスクが増進している被験体、およびその医学的アドバイザーに特に有用であろうことが認識される。障害および/または疾患を発展させるリスクが増進していると認識される被験体には、例えば、こうした障害または疾患の家族歴を有する被験体が含まれる。]
[0094] [000149]正常ヒト系組織におけるマーカー発現レベルを多様な方式で評価してもよい。1つの態様において、正常であるように見える系細胞部分におけるマーカーの発現レベルを評価し、そして異常であると推測される系細胞部分における発現レベルと、この正常発現レベルを比較することによって、この正常発現レベルを評価する。あるいは、そして特に、本明細書に記載する方法のルーチンの実行の結果として、さらなる情報が入手可能になるにつれて、マーカーの正常発現に関する集団平均値を用いてもよい。他の態様において、マーカーの「正常」発現レベルは、非罹患被験体から、被験体における障害および/または疾患状態の開始が推測される前の被験体から得た被験体試料から、保存された被験体試料から得た被験体試料などの中のマーカーの発現を評価することによって、決定してもよい。]
[0095] [000150]本明細書において、試料(例えば保存された組織試料または被験体から得た試料)中の障害および/または疾患状態細胞の存在を評価するための組成物、キット、および方法も提供する。これらの組成物、キット、および方法は、必要な場合、組成物、キット、および方法を、被験体試料以外の試料で使用するために適応させることを除いて、上述のものと実質的に同じである。例えば、用いようとする試料がパラフィン包埋された保存ヒト組織試料である場合、試料中のマーカー発現のレベルを評価するのに用いる組成物、キット、または方法において、組成物中の化合物の比を調整することが必要でありうる。]
[0096] [000151]キットおよび試薬
[000152]キットは、疾患細胞の存在を評価するのに有用である(例えば被験体試料などの試料中)。キットは、複数の試薬を含み、その各々がマーカー核酸またはタンパク質と特異的に結合可能である。マーカータンパク質に結合するのに適した試薬には、抗体、抗体誘導体、抗体断片等が含まれる。マーカー核酸(例えばゲノムDNA、MRNA、スプライシングMRNA、cDNA等)に結合するのに適した試薬には、相補核酸が含まれる。例えば、核酸試薬には、支持体に固定されたオリゴヌクレオチド(標識または非標識)、支持体に結合していない標識オリゴヌクレオチド、PCRプライマー対、分子ビーコンプローブ等が含まれてもよい。]
[0097] [000153]キットは、場合によって、本明細書記載の方法を実行するのに有用なさらなる構成要素を含んでもよい。例えば、キットは、相補核酸がアニーリングするのに、または抗体に特異的に結合するタンパク質と抗体が結合するのに適した液体(例えばSSC緩衝液)、1以上の試料区画、方法の実行を記載する取扱説明資料、正常結腸系細胞の試料、結腸癌関連疾患細胞の試料等を含んでもよい。]
[0098] [000154]抗体を産生する方法
[000155]本明細書において、被験体が障害および/または疾患状態に罹患しているかどうかを評価するのに有用な抗体を産生する単離ハイブリドーマを作製する方法もまた提供する。この方法において、マーカータンパク質の全体またはセグメントを含むタンパク質またはペプチドを合成するかまたは単離する(例えば発現される細胞からの精製によって、あるいはin vivoまたはin vitroでタンパク質またはペプチドをコードする核酸の転写または翻訳によって)。タンパク質またはペプチドを用いて、脊椎動物、例えば哺乳動物、例えばマウス、ラット、ウサギ、またはヒツジを、免疫する。場合によって(そして好ましくは)、脊椎動物を、該タンパク質またはペプチドで少なくともさらに1回免疫して、こうして脊椎動物が該タンパク質またはペプチドに頑強な免疫反応を示すようにしてもよい。多様な方法のいずれかを用いて、免疫した脊椎動物から脾臓細胞を単離し、そして不死化細胞株と融合させてハイブリドーマを形成する。次いで、この方式で形成されたハイブリドーマを、標準法を用いてスクリーニングして、マーカータンパク質またはその断片に特異的に結合する抗体を産生する、1以上のハイブリドーマを同定する。この方法によって作製されるハイブリドーマおよびこうしたハイブリドーマを用いて作製される抗体もまた、本明細書に提供する。]
[0099] [000156]有効性を評価する方法
[000157]疾患細胞を阻害するための試験化合物の有効性を評価する方法もまた、本明細書に提供する。上述のように、マーカーの発現レベルの相違は、被験体細胞の異常な状態と相関する。特定のマーカーの発現レベルの変化は、おそらく、こうした細胞の異常な状態を生じるようであることが認識されるが、他のマーカーの発現レベルの変化が、これらの細胞の異常な状態を誘導し、維持し、そして促進することが同様に認識される。したがって、被験体において、障害および/または疾患状態を阻害する化合物は、1以上のマーカーの発現レベルを、そのマーカーの発現の正常レベル(すなわち正常細胞におけるマーカーの発現レベル)により近いレベルに変化させるであろう。]
[0100] [000158]本方法は、したがって、第一の細胞試料中にあり、そして試験化合物の存在下で維持されるマーカーの発現、および第二の結腸細胞試料中にあり、そして試験化合物の非存在下で維持されるマーカーの発現を比較する工程を含む。試験化合物の存在下で、マーカーの発現が有意に減少していると、試験化合物が関連疾患を阻害する指標となる。細胞試料は、例えば、被験体から得られる正常細胞の単一試料のアリコット、被験体から得られる正常細胞のプールした試料、正常細胞株の細胞、被験体から得られる関連疾患細胞の単一試料のアリコット、被験体から得られる関連疾患細胞のプールした試料、関連疾患細胞株の細胞等であってもよい。]
[0101] [000159]1つの態様において、試料は、被験体から得られる癌関連疾患細胞であり、そして被験体において癌関連疾患を最適に阻害するようである化合物を同定するために、多様な癌関連疾患を阻害するのに有効であると考えられる複数の化合物を試験する。]
[0102] [000160]本方法を同様に用いて、被験体における関連疾患を阻害するための療法の有効性を評価してもよい。本方法において、試料対(一方は療法に供し、他方は療法に供さない)中の1以上のマーカーの発現レベルを評価する。試験化合物の有効性を評価する方法と同様、療法がマーカー発現の有意により低いレベルを誘導する場合、療法は、癌関連疾患を阻害するのに有効である。上述のように、選択した被験体由来の試料を本方法で用いる場合、被験体において、癌関連疾患を阻害するのに有効である可能性が最も高い療法を選択するために、in vitroで代替療法を評価してもよい。]
[0103] [000161]本明細書に記載するように、ヒト細胞の異常な状態は、マーカーの発現レベルの変化に相関する。試験化合物の有害な潜在能力を評価するための方法もまた提供する。この方法は、試験化合物の存在下および非存在下で、ヒト細胞の別個のアリコットを維持する工程を含む。各アリコット中のマーカーの発現を比較する。試験化合物の存在下で維持されるアリコット中のマーカーの発現レベルが有意により高い場合(試験化合物の非存在下で維持されるアリコットに比較して)、試験化合物が有害な潜在能力を所持する指標となる。適切なマーカーの発現レベルの増進または阻害の度合いを比較することによって、発現レベルが増進しているかまたは阻害されているマーカーの数を比較することによって、または両方を比較することによって、多様な試験化合物の相対的な有害な潜在能力を評価してもよい。以下のサブセクション中に、さらに詳細に、多様な側面を記載する。]
[0104] [000162]単離タンパク質および抗体
[000163]1つの側面は、単離マーカータンパク質およびその生物学的活性部分、ならびにマーカータンパク質またはその断片に対して向けられる抗体を作製するための免疫原として使用するのに適したポリペプチド断片に関する。1つの態様において、標準的タンパク質精製技術を用いた、適切な精製スキームによって、細胞または組織供給源から、天然マーカータンパク質を単離してもよい。別の態様において、組換えDNA技術によって、マーカータンパク質の全体またはセグメントを含むタンパク質またはペプチドを産生する。組換え発現の代替法として、標準的ペプチド合成技術を用いて、こうしたタンパク質またはペプチドを化学的に合成してもよい。]
[0105] [000164]「単離」または「精製」タンパク質またはその生物学的活性部分は、タンパク質が由来する細胞または組織供給源由来の細胞成分または他の混入タンパク質を実質的に含まず、あるいは化学的に合成した場合、化学的前駆体または他の化学薬品を実質的に含まない。用語「細胞成分を実質的に含まない」には、タンパク質が単離されるかまたは組換え的に産生された細胞の細胞構成要素からタンパク質が分離されている、タンパク質調製物が含まれる。したがって、細胞成分を実質的に含まないタンパク質には、約30%、20%、10%、または5%(乾燥重量)の異種タンパク質(本明細書において、「混入タンパク質」とも称される)を有するタンパク質調製物が含まれる。]
[0106] [000165]タンパク質またはその生物学的活性部分を組換え的に産生する場合、該タンパク質は、好ましくは、培地を実質的に含まず、すなわち培地は、タンパク質調製物体積の約20%、10%、または5%未満に相当する。タンパク質を化学的合成によって産生する場合、タンパク質は、好ましくは、化学的前駆体または他の化学薬品を実質的に含まず、すなわち、化学的前駆体またはタンパク質合成に関与する他の化学薬品から分離されている。したがって、タンパク質のこうした調製物は、約30%、20%、10%、5%(乾燥重量)未満の目的のポリペプチド以外の化学的前駆体または化合物を有する。]
[0107] [000166]マーカータンパク質の生物学的活性部分には、マーカータンパク質のアミノ酸配列に十分に同一であるか、またはこうした配列に由来するアミノ酸配列を含むポリペプチドが含まれ、全長タンパク質より少ないアミノ酸を含み、そして対応する全長タンパク質の少なくとも1つの活性を示す。典型的には、生物学的活性部分は、対応する全長タンパク質の少なくとも1つの活性を持つドメインまたはモチーフを含む。マーカータンパク質の生物学的活性部分は、例えば、長さ10、25、50、100またはそれより多いアミノ酸であるポリペプチドであってもよい。さらに、組換え技術によって、マーカータンパク質の他の領域が欠失している他の生物学的活性部分を調製して、そしてマーカータンパク質の天然型の機能的活性の1以上に関して評価してもよい。特定の態様において、有用なタンパク質は、これらの配列の1つに実質的に同一(例えば少なくとも約40%、そして特定の態様において、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%)であり、そして対応する天然存在マーカータンパク質の機能的活性を保持しながらも、天然アレル変動または突然変異誘発のため、アミノ酸配列が異なる。]
[0108] [000167]さらに、マーカータンパク質セグメントのライブラリーを用いて、変異体マーカータンパク質またはそのセグメントのスクリーニングおよびそれに続く選択のため、ポリペプチドの変化に富んだ集団を生成してもよい。]
[0109] [000168]予測医学
[000169]本明細書において、診断アッセイ、予後アッセイ、薬理ゲノミクス、および監視臨床試験を、予後(予測)目的のために用いて、それによって個体を予防的に治療する、予測医学の分野における、動物モデルおよびマーカーの使用も提供する。したがって、本明細書において、個体が特定の障害および/または疾患を発展させるリスクがあるかどうかを決定するため、1以上のマーカータンパク質または核酸の発現レベルを決定するための診断アッセイも提供する。こうしたアッセイを、予後または予測目的のために用いて、それによって、障害および/または疾患の開始前に個体を予防的に治療してもよい。]
[0110] [000170]別の側面において、同じ個体を少なくとも定期的にスクリーニングして、個体がその発現パターンを変化させる化学薬品または毒素に曝露されたかどうかを見る方法が有用である。]
[0111] [000171]さらに別の側面は、障害および/または疾患を阻害するか、あるいは任意の他の障害を治療するかまたは防止するために(例えばこうした治療が有しうるいかなる系の影響も理解するために)投与した剤(例えば薬剤または他の化合物)が、臨床試験においてマーカーの発現または活性に対して及ぼす影響を監視することに関する。]
[0112] [000172]薬学的組成物
[000173]化合物は、適切な薬学的キャリアー中の、局所、局部または全身投与するための配合物中にあってもよい。E.W. Martin(Mark Publishing Company, 1975)によるRemington’s Pharmaceutical Sciences, 第15版は、典型的なキャリアーおよび調製法を開示する。細胞をターゲティングするための生物分解性または非生物分解性ポリマーまたはタンパク質またはリポソームで形成された、適切な生物適合微小カプセル、微小粒子または微小球体中に、化合物を被包してもよい。こうした系は、当業者に周知であり、そして適切な核酸とともに使用するために最適化してもよい。]
[0113] [000174]核酸送達のための多様な方法が、例えばSambrookら, 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory,ニューヨーク;およびAusubelら, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, ニューヨークに記載される。こうした核酸送達系は、例えば、そして限定ではなく、「裸の」核酸としての「裸の」型であるか、または送達に適したビヒクル中、例えば陽イオン性分子またはリポソーム形成脂質を含む複合体中で配合されるか、あるいはベクターの構成要素、または薬学的組成物の構成要素として、所望の核酸を含む。核酸送達系を細胞に、直接、例えば細胞と系を接触させることによって、または間接的に、例えば任意の生物学的プロセスの作用を通じて、提供してもよい。]
[0114] [000175]局所投与の配合物には、軟膏、ローション、クリーム、ジェル、ドロップ、座薬、スプレー、液体および粉末が含まれてもよい。慣用的な薬学的キャリアー、水性、粉末または油性基剤、あるいは増粘剤を望ましいように用いてもよい。]
[0115] [000176]例えば、関節内(関節中)、静脈内、筋内、皮内、腹腔内、および皮下経路による、非経口投与に適した配合物には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および意図されるレシピエントの血液と配合物を等張にする溶質を含有してもよい、水性および非水性の等調性無菌注射溶液、ならびに懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、分散剤、安定化剤、および保存剤を含んでもよい、水性および非水性無菌懸濁物、溶液またはエマルジョンが含まれる。注射用配合物を単位投薬型で、例えば保存剤を添加したアンプル中または多用量容器中で、提示してもよい。当業者は、過剰な実験に頼ることなく、組成物を調製しそして配合するための多様なパラメーターを容易に決定可能である。化合物を単独で、または他の適切な構成要素と組み合わせて用いてもよい。]
[0116] [000177]一般的に、核酸を含む化合物を投与する方法は、当該技術分野に周知である。特に、現在使用されている配合物を伴う、核酸療法のためにすでに使用されている投与経路は、投与の好ましい経路を提供し、そして選択される核酸の配合物は、もちろん、特定の配合物、治療される被験体の状態の重症度、および療法的有効性に必要な投薬量に応じるであろう。本明細書に一般的に用いられるように、「有効量」は、化合物を投与されていないマッチした被験体に比較した際、配合物を投与された被験体において、障害の1以上の症状を治療するか、障害の1以上の症状の進行を逆転させるか、障害の1以上の症状の進行を停止するか、または障害の1以上の症状の発生を防止することが可能な量である。化合物の実際の有効量は、利用する特定の化合物またはその組み合わせ、配合される特定の組成物、投与様式、および個体の年齢、体重、状態、ならびに治療中の症状または状態の重症度によって多様でありうる。]
[0117] [000178]一般の当業者に知られる任意の許容されうる方法を用いて、被験体に配合物を投与してもよい。投与は、治療する状態に応じて、局在化していても(すなわち、特定の領域、生理学的系、組織、臓器、または細胞種に)、または全身性でもよい。]
[0118] [000179]薬理ゲノミクス
[000180]マーカーはまた、薬理ゲノミクスマーカーとしても有用である。本明細書において、「薬理ゲノミクスマーカー」は、その発現レベルが被験体において特定の臨床薬剤反応または感受性と相関する、客観的な生化学的マーカーである。薬理ゲノミクスマーカー発現の存在または量は、特定の薬剤または薬剤クラスでの療法に対する、被験体の予期される反応、そしてより詳細には、被験体の腫瘍の反応に関連する。被験体における1以上の薬理ゲノミクスマーカーの発現の存在または量を評価することによって、被験体に最も適しているか、またはより大きい度合いの成功を有すると予測される薬剤療法を選択可能である。]
[0119] [000181]臨床試験の監視
[000182]マーカーの発現レベルに対する剤(例えば薬剤化合物)の影響の監視は、基本的薬剤スクリーニングにおいてだけでなく、臨床試験においても適用可能である。例えば、剤がマーカー発現に影響を及ぼす有効性を、結腸癌関連疾患のための治療を受けている被験体の臨床試験において監視してもよい。]
[0120] [000183]1つの限定されない態様において、本発明は、以下の工程を含む、剤(例えばアゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣体、タンパク質、ペプチド、核酸、小分子、または他の薬剤候補)での被験体の治療の有効性を監視するための方法を提供する:
剤の投与前に、被験体から投与前試料を得て;
投与前試料における1以上の選択されるマーカーの発現レベルを検出し;
被験体から1以上の投与後試料を得て;
投与後試料におけるマーカー(単数または複数)の発現レベルを検出し;
単数または複数の投与後試料におけるマーカー(単数または複数)の発現レベルと、投与前試料におけるマーカー(単数または複数)の発現レベルを比較し;そして
被験体への剤の投与を適宜、改変する
工程。]
[0121] [000184]例えば、治療経過中のマーカー遺伝子(単数または複数)の発現が増加していれば、投薬量が無効であり、そして投薬量を増加させることが望ましいことが示されうる。逆に、マーカー遺伝子(単数または複数)の発現が減少していれば、治療が有効であり、そして投薬量を変化させる必要がないことが示されうる。]
[0122] [000185]電子装置読み取り可能媒体、系、アレイ、およびこれらを用いる方法
[000186]本明細書において、「電子装置読み取り可能媒体」は、電子装置によって直接読み取り、そしてアクセスすることも可能である、データまたは情報を記憶するか、保持するかまたは含有する、任意の適切な媒体を指す。こうした媒体には、限定されるわけではないが:磁気記憶媒体、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク記憶媒体、および磁気テープ;光学記憶媒体、例えばコンパクトディスク;電子記憶媒体、例えばRAM、ROM、EPROM、EEPROM等;ならびに一般的なハードディスクおよび磁気/光学記憶媒体などのこれらのカテゴリーのハイブリッドが含まれうる。本明細書に記載するようなマーカーを記録するように、媒体を適応させ、または構成してもよい。]
[0123] [000187]本明細書において、用語「電子装置」は、任意の適切な計算またはプロセシング装置、あるいはデータまたは情報を記憶するよう構成されるかまたは適応された他のデバイスを含むよう意図される。本発明で使用するのに適した電子装置の例には、独立型計算装置;ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)インターネット、イントラネット、およびエクストラネットを含むネットワーク;携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ポケットベル等などの電子アプライアンス;ならびに局所および分布したプロセシング系が含まれる。]
[0124] [000188]本明細書において、「記録」は、電子装置読み取り可能媒体上に情報を記憶させるかまたはコード化するためのプロセスを指す。当業者は、媒体上に情報を記録するための任意の方法を容易に採用して、本明細書に記載するマーカーを含む資料を生成することも可能である。]
[0125] [000189]多様なソフトウェアプログラムおよびフォーマットを用いて、本発明のマーカー情報を電子装置読み取り可能媒体上に記憶させてもよい。マーカーを記録した媒体を得るかまたは生成するために、任意の数のデータプロセッサ構造フォーマット(例えばテキストファイルまたはデータベース)を使用してもよい。マーカーを読み取り可能形式で提供することによって、多様な目的のため、ルーチンにマーカー配列情報にアクセス可能である。例えば、当業者は、読み取り可能形式にあるヌクレオチドまたはアミノ酸配列を用いて、ターゲット配列またはターゲット構造モチーフを、データ記憶手段内に記憶された配列情報と比較することも可能である。検索手段を用いて、特定のターゲット配列またはターゲットモチーフとマッチする配列の断片または領域を同定する。]
[0126] [000190]したがって、被験体が癌関連疾患または癌関連疾患の傾向を有するかどうかを決定するための方法であって、マーカーの存在または非存在を決定し、そしてマーカーの存在または非存在に基づいて、被験体が癌関連疾患または癌関連疾患の傾向を有するかどうかを決定し、そして/または癌関連疾患または前癌関連疾患状態のための特定の治療を推奨する工程を含む、前記方法を実行するための指示を保持するための媒体もまた提供する。]
[0127] [000191]本明細書において、電子系および/またはネットワークにおいて、被験体がマーカーと関連した癌関連疾患または癌関連疾患の傾向を有するかどうかを決定するための方法であって、マーカーの存在または非存在を決定し、そしてマーカーの存在または非存在に基づいて、被験体が特定の障害および/または疾患あるいはこうした障害および/または疾患の傾向を有するかどうかを決定し、そして/またはこうした疾患または疾患および/またはこうした前癌関連疾患状態のための特定の治療を推奨する工程を含む、前記方法もまた提供する。方法はさらに、被験体に関連する表現型情報を受け取り、そして/またはネットワークから被験体に関連する表現型情報を獲得する工程を含んでもよい。]
[0128] [000192]本明細書にやはり提供するのは、ネットワークにおいて、被験体が、マーカーに関連する障害および/または疾患、あるいは障害および/または疾患の傾向を有するかどうかを決定するための方法であって、マーカーに関連する情報を受け取り、被験体に関連する表現型情報を受け取り、マーカーおよび/または障害および/または疾患に対応する情報をネットワークから獲得し、そして表現型情報、マーカー、および獲得した情報の1以上に基づいて、被験体が障害および/または疾患あるいはその傾向を有するかどうかを決定する工程を含む、前記方法である。該方法は、障害および/または疾患あるいはその傾向のために特定の治療を推奨する工程をさらに含んでもよい。]
[0129] [000193]被験体が障害および/または疾患あるいはその傾向を有するかどうかを決定するためのビジネス方法であって、マーカーと関連する情報を受け取り、被験体に関連する表現型情報を受け取り、マーカーおよび/または障害および/または疾患に対応する情報をネットワークから獲得し、そして表現型情報、マーカー、および獲得した情報の1以上に基づいて、被験体が障害および/または疾患あるいはその傾向を有するかどうかを決定する工程を含む、前記方法もまた本明細書に提供する。該方法は、そのために特定の治療を推奨する工程をさらに含んでもよい。]
[0130] [000194]アレイ中の1以上の遺伝子の発現をアッセイするのに使用可能なアレイもまた本明細書に提供する。1つの態様において、アレイを用いて、組織における遺伝子発現をアッセイして、アレイ中の遺伝子の組織特異性を解明してもよい。この方式で、最大約7000以上の遺伝子を、発現に関して同時にアッセイすることも可能である。これによって、1以上の組織中で特異的に発現される一連の遺伝子を示すプロファイルを発展させることが可能になる。]
[0131] [000195]こうした定性的決定に加えて、本明細書において、遺伝子発現の定量化を提供する。したがって、組織特異性だけでなく、組織中の一連の遺伝子の発現レベルが解明可能である。したがって、それ自体の組織発現およびその組織における発現レベルに基づいて、遺伝子をグループ分け可能である。これは、例えば、組織間または組織中の遺伝子発現の関連を解明する際に有用である。したがって、1つの組織を攪乱し、そして第二の組織中の遺伝子発現に対する影響を決定してもよい。これに関連して、生物学的刺激に反応した、別の細胞種に対する1つの細胞種の影響を決定可能である。]
[0132] [000196]こうした決定は例えば、遺伝子発現のレベルでの細胞−細胞相互作用の影響を知るのに有用である。1つの細胞種を治療するために剤を療法的に投与するが、別の細胞種に対して望ましくない影響がある場合、該方法は、望ましくない影響の分子的基礎を決定するアッセイを提供し、そしてしたがって、相殺する剤を同時投与するかまたは別の方式で望ましくない影響を治療する機会を提供する。同様に、単一細胞種内であっても、望ましくない生物学的影響を分子レベルで決定可能である。したがって、ターゲット遺伝子以外の発現に対する剤の影響を解明しそして相殺することも可能である。]
[0133] [000197]別の態様において、アレイを用いて、アレイ中の1以上の遺伝子の発現の時間経過を監視してもよい。これは、本明細書に開示するように、多様な生物学的背景、例えば障害および/または疾患の発展、その進行、ならびにプロセス、例えばそれに関連する細胞性トランスフォーメーションで起こりうる。]
[0134] [000198]アレイはまた、同じ細胞または異なる細胞において、遺伝子の発現または他の遺伝子の発現の影響を解明するためにも有用である。これは、例えば、最終的なまたは下流のターゲットが制御不能である場合、療法的介入のための代替分子ターゲットの選択を提供する。]
[0135] [000199]アレイはまた、正常細胞および異常な細胞における1以上の遺伝子の示差発現パターンを解明するのにも有用である。これは、診断または療法的介入のための分子ターゲットとして働きうる一連の遺伝子を提供する。]
[0136] [000200]代理マーカー
[000201]マーカーは、1以上の障害または疾患状態、あるいはそれにつながる状態のための代理マーカーとして働きうる。本明細書において、「代理マーカー」は、疾患または障害の非存在または存在と、あるいは疾患または障害の進行と相関する客観的生化学的マーカーである。こうしたマーカーの存在または量は、疾患とは独立である。したがって、これらのマーカーは、特定の治療経過が、疾患状態または障害を和らげるのに有効であるかどうかを示すように働きうる。代理マーカーは、疾患状態または障害の存在または度合いを、標準的な方法論を通じて評価するのが困難である場合、あるいは潜在的に危険な臨床的終点に達する前に、疾患進行を評価することが望ましい場合に、特に有用である。]
[0137] [000202]マーカーはまた、薬理ダイナミクスマーカーとしても有用である。本明細書において、「薬理ダイナミクスマーカー」は、薬剤効果と特異的に相関する客観的生化学的マーカーである。薬理ダイナミクスマーカーの存在または量は、薬剤が投与されている疾患状態または障害に関連せず;したがって、マーカーの存在または量は、被験体における薬剤の存在または活性の指標である。例えば、薬理ダイナミクスマーカーは、生物学的組織中の薬剤濃度の指標であってもよく、ここでマーカーは、薬剤レベルに関連して、その組織中で発現されるかまたは転写されるか、あるいは発現されないかまたは転写されないかいずれかである。この方式で、薬理ダイナミクスマーカーによって、薬剤の分布または取り込みを監視してもよい。同様に、薬理ダイナミクスマーカーの存在または量は、マーカーの存在または量が、in vivoでの薬剤の相対的分解速度の指標となるように、薬剤の代謝産物の存在または量に関連する可能性もある。]
[0138] [000203]薬理ダイナミクスマーカーは、薬剤効果の検出感度を増加させる際、特に、薬剤を低用量で投与する際に特に有用である。少量の薬剤であっても、多数周期のマーカー転写または発現を活性化するのに十分でありうるため、増幅されるマーカーは、薬剤自体よりもより容易に検出されうる量でありうる。また、マーカーは、マーカー自体の性質のため、より容易に検出されうる;例えば、本明細書記載の方法を用いて、タンパク質マーカーに関する免疫に基づく検出系で抗体を使用してもよいし、またはマーカー特異的放射標識プローブを用いて、mRNAマーカーを検出してもよい。さらに、薬理ダイナミクスマーカーの使用は、ありうる直接観察の範囲を超えて、薬剤治療によるリスクの、機構に基づく予測を提供しうる。]
[0139] [000204]試験のためのプロトコル
[000205]障害および/または疾患に関する試験法は、例えば、長期に渡って、被験体由来の生物学的試料中の各マーカー遺伝子の発現レベルを測定し、そしてそのレベルを、対照生物学的試料中のマーカー遺伝子のものと比較する工程を含んでもよい。]
[0140] [000206]マーカー遺伝子が、本明細書記載の遺伝子の1つであり、そして発現レベルが示差的に発現されている場合(例えば対照のものよりより高いかまたはより低い)、被験体は障害および/または疾患に罹患していると判断される。マーカー遺伝子の発現レベルが、許容されうる範囲内にある場合、被験体がこれに罹患している可能性は低い。]
[0141] [000207]発現レベルを比較するために、対照におけるマーカー遺伝子の発現レベルを測定することによって、対照に関する標準値をあらかじめ決定してもよい。例えば、対照中の上述のマーカー遺伝子の発現レベルに基づいて、標準値を決定してもよい。例えば、特定の態様において、許容されうる範囲は、標準値に基づいて、±2S.D.と解釈される。標準値を決定したら、被験体由来の生物学的試料中の発現レベルのみを測定し、そして対照に関して決定した標準値と値を比較することによって、試験法を実行してもよい。]
[0142] [000208]マーカー遺伝子の発現レベルには、mRNAへのマーカー遺伝子の転写、およびタンパク質への翻訳が含まれる。したがって、マーカー遺伝子に対応するmRNAの発現強度、またはマーカー遺伝子にコードされるタンパク質の発現レベルの比較に基づいて、障害および/または疾患に関して試験する1つの方法を行う。]
[0143] [000209]障害および/または疾患に関して試験する際のマーカー遺伝子の発現レベルの測定は、多様な遺伝子分析法にしたがって実行可能である。特に、例えば、これらの遺伝子にプローブとしてハイブリダイズする核酸を用いたハイブリダイゼーション技術、またはマーカー遺伝子にプライマーとしてハイブリダイズするDNAを用いた遺伝子増幅技術を使用してもよい。]
[0144] [000210]マーカー遺伝子のヌクレオチド配列に基づいて、試験に用いるプローブまたはプライマーを設計してもよい。それぞれのマーカー遺伝子のヌクレオチド配列に関する同定番号を本明細書に記載する。]
[0145] [000211]さらに、より高次の動物の遺伝子は、一般的に、高頻度で多型を伴うことが理解されるものとする。スプライシングプロセス中に、相互に異なるアミノ酸配列を含むアイソフォームを生じる多くの分子もまたある。マーカー遺伝子のものと類似の活性を有する、結腸癌関連疾患と関連する任意の遺伝子は、多型であるかまたはアイソフォームであるためにヌクレオチド配列相違を有する場合であってさえ、マーカー遺伝子中に含まれる。]
[0146] [000212]マーカー遺伝子には、ヒトに加えて他の種の相同体が含まれてもよいこともまた理解されるものとする。したがって、別に明記しない限り、表現「マーカー遺伝子」は、種にユニークなマーカー遺伝子の相同体、または個体に導入されている外来の(foreign)マーカー遺伝子を指す。]
[0147] [000213]また、「マーカー遺伝子の相同体」は、ストリンジェントな条件下で、プローブとしてのヒトマーカー遺伝子にハイブリダイズ可能な、ヒト以外の種に由来する遺伝子を指す。こうしたストリンジェントな条件は当業者に知られ、当業者は、実験的または経験的に、適切な条件を選択して、同等のストリンジェンシーを生じることも可能である。]
[0148] [000214]マーカー遺伝子のヌクレオチド配列、またはマーカー遺伝子のヌクレオチド配列の相補鎖に相補的なヌクレオチド配列を含み、そして少なくとも15ヌクレオチドを有するポリヌクレオチドを、プライマーまたはプローブとして用いてもよい。したがって、「相補鎖」は、他方の鎖に関して二本鎖DNAの一方の鎖を意味し、そしてA:T(RNAではU)およびG:C塩基対で構成される。]
[0149] [000215]さらに、「相補的」は、少なくとも15の連続ヌクレオチドの領域に完全に相補的なものだけでなく、特定の例では少なくとも40%、特定の例では50%、特定の例では60%、特定の例では70%、特定の例では80%、特定の例では90%、そして特定の例では95%またはそれより高い、ヌクレオチド配列相同性を有するものも意味する。ヌクレオチド配列間の相同性の度合いを、アルゴリズム、BLASTなどによって、決定してもよい。]
[0150] [000216]こうしたポリヌクレオチドは、マーカー遺伝子を検出するプローブとして、またはマーカー遺伝子を増幅するプライマーとして有用である。プライマーとして用いる場合、ポリヌクレオチドは、通常、15bp〜100bpであり、そして特定の態様において、ヌクレオチドの15bp〜35bpである。プローブとして用いる場合、DNAは、マーカー遺伝子の全ヌクレオチド配列(またはその相補鎖)、または少なくとも15bpヌクレオチドを有する部分的配列を含む。プライマーとして用いる場合、3’領域は、マーカー遺伝子に相補的でなければならず、一方、5’領域は、制限酵素認識配列またはタグに連結されていてもよい。]
[0151] [000217]「ポリヌクレオチド」は、DNAまたはRNAのいずれであってもよい。これらのポリヌクレオチドは、合成または天然存在のいずれであってもよい。また、ハイブリダイゼーションのためのプローブとして用いるDNAは、通常標識されている。当業者は、こうした標識法を容易に理解する。本明細書において、用語「オリゴヌクレオチド」は、比較的低い度合いの重合を伴うポリヌクレオチドを意味する。オリゴヌクレオチドはポリヌクレオチドに含まれる。]
[0152] [000218]例えば、ノーザンハイブリダイゼーション、ドットブロットハイブリダイゼーション、またはDNAマイクロアレイ技術を用いて、ハイブリダイゼーション技術を用いた障害および/または疾患に関する試験を行ってもよい。さらに、RT−PCR法などの遺伝子増幅技術を用いてもよい。RT−PCRにおける遺伝子増幅工程中に、PCR増幅監視法を用いることによって、マーカー遺伝子発現のより定量的な分析を達成することも可能である。]
[0153] [000219]PCR遺伝子増幅監視法において、検出ターゲット(DNA、またはRNAの逆転写物)を、蛍光色素、および蛍光を吸収する消光剤で標識されたプローブにハイブリダイズさせる。PCRが進行し、そしてTaqポリメラーゼが5’−3’エキソヌクレアーゼ活性でプローブを分解すると、蛍光色素および消光剤が互いに引き離され、そして蛍光が検出される。蛍光はリアルタイムで検出される。ターゲットのコピー数が知られている標準試料を同時に測定することによって、PCR増幅が線形であるサイクル数で、被験体試料中のターゲットのコピー数を決定することが可能である。また、当業者は、PCR増幅監視法が任意の適切な方法で実行可能であることを認識する。]
[0154] [000220]また、マーカー遺伝子によってコードされるタンパク質を検出することによって、結腸癌関連疾患に関して試験する方法を実行してもよい。以下、マーカー遺伝子にコードされるタンパク質を「マーカータンパク質」として記載する。こうした試験法に関して、各マーカータンパク質に結合する抗体を用いる、例えば、ウェスタンブロッティング法、免疫沈降法、およびELISA法を使用してもよい。]
[0155] [000221]マーカータンパク質に結合する、検出で用いる抗体は、任意の適切な技術によって産生可能である。また、マーカータンパク質を検出するため、こうした抗体を適切に標識してもよい。あるいは、抗体を標識する代わりに、抗体に特異的に結合する物質、例えばプロテインAまたはプロテインGを標識して、マーカータンパク質を間接的に検出してもよい。より具体的には、こうした検出法には、ELISA法が含まれてもよい。]
[0156] [000222]例えば、マーカー遺伝子またはその一部を発現ベクター内に挿入し、構築物を適切な宿主細胞内に導入して、形質転換体を産生し、形質転換体を培養して、組換えタンパク質を発現させ、そして発現された組換えタンパク質を、培養または培養上清から精製する工程によって、抗原として用いるタンパク質または部分的ペプチドを得てもよい。あるいは、遺伝子にコードされるアミノ酸配列、または全長cDNAにコードされるアミノ酸配列の一部を含むオリゴペプチドを化学的に合成して、免疫原として用いる。]
[0157] [000223]さらに、生物学的試料中のマーカー遺伝子の発現レベルだけでなく、マーカータンパク質の活性を、指標として用いて、結腸癌関連疾患に関する試験を行ってもよい。マーカータンパク質の活性は、タンパク質に生得的な生物学的活性を意味する。各タンパク質の活性を測定するため、多様な方法を用いてもよい。]
[0158] [000224]これらの疾患を示唆する症状があるにもかかわらず、ルーチンの試験では、被験体が障害および/または疾患に罹患しているとは診断されない場合であっても、本明細書記載の方法にしたがって試験を実行することによって、こうした被験体が障害および/または疾患に罹患しているかどうかを容易に決定可能である。]
[0159] [000225]より具体的には、特定の態様において、マーカー遺伝子が本明細書記載の遺伝子の1つである場合、症状が、障害および/または疾患に対する感受性を少なくとも示唆する被験体において、マーカー遺伝子の発現レベルの増加または減少は、症状がそれによって一次的に引き起こされている指標となる。]
[0160] [000226]さらに、障害および/または疾患が被験体において改善されているかどうかを決定する試験が有用である。言い換えると、本明細書に記載する方法を用いて、治療の療法的効果を判断することも可能である。さらに、マーカー遺伝子が本明細書記載の遺伝子の1つである場合、罹患していると診断されている被験体において、マーカー遺伝子の発現レベルの増加または減少は、疾患がより進行していることを暗示する。]
[0161] [000227]障害および/または疾患の重症度および/またはこれに対する感受性もまた、発現レベルの相違に基づいて決定可能である。例えば、マーカー遺伝子が本明細書記載の遺伝子の1つである場合、マーカー遺伝子の発現レベルの増加の度合いは、障害および/または疾患の存在および/または重症度と相関する。]
[0162] [000228]動物モデル
[000229]1以上のマーカー遺伝子またはマーカー遺伝子と機能的に同等な遺伝子の発現レベルが動物モデルにおいて上昇しているような、障害および/または疾患のための動物モデルもまた作製してもよい。「機能的に同等な遺伝子」は、本明細書において、一般的に、マーカー遺伝子にコードされるタンパク質の既知の活性と類似の活性を有するタンパク質をコードする遺伝子である。機能的に同等な遺伝子の代表的な例には、動物に生得的な、被験体動物のマーカー遺伝子の対応物が含まれる。]
[0163] [000230]動物モデルは、障害および/または疾患による生理学的変化を検出するのに有用である。特定の態様において、動物モデルは、マーカー遺伝子のさらなる機能を明らかにし、そしてそのターゲットがマーカー遺伝子である薬剤を評価するのに有用である。]
[0164] [000231]対応物遺伝子の発現レベルを調節するかまたは対応物遺伝子を投与することによって、動物モデルを生成することも可能である。該方法には、本明細書記載の遺伝子群より選択される遺伝子の発現レベルを調節することによって、動物モデルを生成する工程が含まれてもよい。別の態様において、該方法には、本明細書記載の遺伝子によってコードされるタンパク質を投与するか、または該タンパク質に対する抗体を投与することによって、動物モデルを生成する工程が含まれてもよい。特定の他の態様において、マーカーが次いで、適切な方法を用いて測定可能であるように、マーカーを過剰発現させてもよいこともまた理解されるものとする。別の態様において、こうした遺伝子群から選択される遺伝子を導入することによって、またはこうした遺伝子によってコードされるタンパク質を投与することによって、動物モデルを生成してもよい。別の態様において、こうした遺伝子群から選択される遺伝子の発現またはこうした遺伝子によってコードされるタンパク質の活性を抑制することによって、障害および/または疾患を誘導してもよい。アンチセンス核酸、リボザイム、またはRNAiを用いて、発現を抑制してもよい。活性を阻害する物質、例えば抗体を投与することによって、タンパク質活性を有効に調節することも可能である。]
[0165] [000232]動物モデルは、障害および/または疾患の根底にある機構を解明し、そしてまたスクリーニングによって得られた化合物の安全性を試験するのに有用である。例えば、動物モデルが、特定の障害および/または疾患の症状を発展させる場合、あるいは特定の障害および/または疾患に関与する測定値が動物において変化している場合、スクリーニング系を構築して、疾患を軽減させる活性を有する化合物を探索してもよい。]
[0166] [000233]本明細書において、表現「発現レベルの増加」は、以下のいずれか1つを指す:外来遺伝子として導入されたマーカー遺伝子が、人工的に発現される場合;被験体動物に生得的なマーカー遺伝子の転写、およびタンパク質へのその翻訳が増進している場合;または翻訳産物であるタンパク質の加水分解が抑制されている場合。]
[0167] [000234]本明細書において、表現「発現レベルの減少」は、被験体動物のマーカー遺伝子の転写、およびタンパク質へのその翻訳が阻害されている状態、または翻訳産物であるタンパク質の加水分解が増進している状態のいずれかを指す。例えばDNAチップ上のシグナル強度の相違によって、遺伝子の発現レベルを決定してもよい。さらに、正常状態のものと比較することによって、翻訳産物−−タンパク質−−の活性を決定してもよい。]
[0168] [000235]動物モデルには、例えばマーカー遺伝子が導入され、そして人工的に発現されている動物;マーカー遺伝子ノックアウト動物;および別の遺伝子がマーカー遺伝子を置換しているノックイン動物を含む、トランスジェニック動物が含まれてもよい。マーカー遺伝子のアンチセンス核酸、リボザイム、RNAi効果を有するポリヌクレオチド、またはデコイ核酸として機能するDNAなどが導入されているトランスジェニック動物を、トランスジェニック動物として用いてもよい。こうしたトランスジェニック動物にはまた、例えば、遺伝子のコード領域内に突然変異(単数または複数)を導入することによって、マーカータンパク質の活性が増進しているかまたは抑制されている動物、あるいは加水分解に耐性または感受性になるようにアミノ酸配列が修飾されている動物もまた含まれる。アミノ酸配列中の突然変異には、置換、欠失、挿入、および付加が含まれる。]
[0169] [000236]発現例
[000237]さらに、遺伝子の転写制御領域内に突然変異(単数または複数)を導入することによって、マーカー遺伝子の発現自体を調節してもよい。当業者は、こうしたアミノ酸置換を理解する。また、活性が維持される限り、突然変異されるアミノ酸の数は、特に制限されない。通常、これは50アミノ酸以内であり、特定の限定されない態様において、30アミノ酸以内、10アミノ酸以内、または3アミノ酸以内である。活性が維持される限り、突然変異の部位は、任意の部位であってもよい。]
[0170] [000238]さらに別の側面において、本明細書において、特定の障害および/または疾患を治療する療法剤のための候補化合物に関するスクリーニング法を提供する。1以上のマーカー遺伝子を本明細書記載の遺伝子群から選択する。マーカー遺伝子(単数または複数)の発現レベルを増加させるかまたは減少させることが可能な化合物を選択することによって、結腸癌関連疾患のための療法剤を得てもよい。]
[0171] [000239]表現「遺伝子の発現レベルを増加させる化合物」は、遺伝子転写、遺伝子翻訳、またはタンパク質活性の発現の工程のいずれか1つを促進する化合物を指す。一方、表現「遺伝子の発現レベルを減少させる化合物」は、本明細書において、これらの工程のいずれか1つを阻害する化合物を指す。]
[0172] [000240]特定の側面において、障害および/または疾患のための療法剤に関してスクリーニングする方法を、in vivoまたはin vitroのいずれで行ってもよい。このスクリーニング法は、例えば、以下の工程によって実行可能である:
動物被験体に候補化合物を投与する工程;
動物被験体由来の生物学的試料において、マーカー遺伝子(単数または複数)の発現レベルを測定する工程;あるいは
候補化合物が接触していない対照におけるものと比較した際、マーカー遺伝子(単数または複数)の発現レベルを増加させるかまたは減少させる化合物を選択する工程。]
[0173] [000241]さらに別の側面において、動物被験体を候補化合物と接触させ、そして動物被験体由来の生物学的試料中のマーカー遺伝子(単数または複数)の発現レベルに対する化合物の効果を監視することによって、マーカー遺伝子(単数または複数)の発現レベルに対する薬学的剤のための候補化合物の有効性を評価する方法を提供する。上述の試験法において使用するのと同じ技術を用いて、動物被験体由来の生物学的試料中のマーカー遺伝子(単数または複数)の発現レベルにおける変動を監視してもよい。さらに、評価に基づいて、スクリーニングによって、薬学的剤のための候補化合物を選択してもよい。]
[0174] [000242]本明細書に引用するすべての特許、特許出願および参考文献は、本明細書に完全に援用される。本発明は、本発明を作製し、そして使用する当業者のために十分に詳細に記載されそして例示されているが、本発明の精神および範囲から逸脱しない、多様な代替法、修飾および改善が、当業者には明らかであろう。当業者は、目的を実行するために、そして言及するものとともに本明細書に生得的な目標および利点を得るために、本発明がよく適応することを容易に認識する。]
[0175] [000243]特定の核酸塩基配列
[000244]本明細書記載の成熟miRNAおよびその対応するステム−ループ配列の核酸塩基配列は、http://microrna.sanger.ac.uk/に見られるmiRNA配列および注釈のオンライン検索可能データベースであるmiRBaseに見られる配列である。miRBase配列データベース中のエントリーは、成熟miRNA配列の位置および配列に関する情報を含む、miRNA転写物(ステム−ループ)の予測されるヘアピン部分に相当する。データベース中のmiRNAステム−ループ配列は、厳密には前駆体miRNA(プレmiRNA)ではなく、そしていくつかの場合、プレmiRNAおよび推測される一次転写物由来のいくつかの隣接配列を含んでもよい。本明細書記載のmiRNA核酸塩基配列は、任意のバージョンのmiRNAを含み、miRBase配列データベースのRelease 10.0に記載される配列およびmiRBase配列データベースの任意の以前のReleaseに記載される配列が含まれる。配列データベースリリースは特定のmiRNAの改名を生じうる。配列データベースリリースは、成熟miRNA配列の変動を生じうる。こうした修飾オリゴヌクレオチドを含んでもよい化合物は、本明細書記載のmiRNAの任意の核酸塩基配列型に相補的であってもよい。]
[0176] [000245]本明細書に示す任意の核酸塩基配列は、糖部分、ヌクレオシド間連結、または核酸塩基に対するいかなる修飾からも独立である。Uを含む核酸塩基配列はまた、「U」を有する1以上の位で、「U」が「T」に交換されている同じ核酸塩基配列も含むことがさらに理解される。逆に、Tを含む核酸塩基配列もまた、「T」を有する1以上の位で、「T」が「U」に交換されている同じ核酸塩基配列も含むことが理解される。]
[0177] [000246]特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miRNAまたはその前駆体に相補的な核酸塩基配列を有し、すなわち、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100またはそれより多い核酸塩基の領域に渡って、miRNAまたはその前駆体の相補体に、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%同一であるか、あるいは2つの配列は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする。したがって、特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、そのターゲットmiRNAまたはターゲットmiRNA前駆体配列に関して、1以上のミスマッチ塩基対を有することも可能であるし、そしてターゲット配列にハイブリダイズ可能である。特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miRNAまたはその前駆体に100%相補的である核酸塩基配列を有する。特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、miRNAに全長相補的である。]
[0178] [000247]miRNA(miR)療法
[000248]いくつかの態様において、本発明は、被験体における1以上の遺伝子の発現を阻害するマイクロRNAを提供する。マイクロRNA発現プロファイルは、新規クラスの癌バイオマーカーとして働きうる。]
[0179] [000249]1以上のMiRを用いて遺伝子発現および/または活性を阻害する方法が本明細書に含まれる。いくつかの態様において、miR(単数または複数)は、タンパク質発現を阻害する。他の態様において、miRNA(単数または複数)は、遺伝子活性(例えば細胞侵襲活性)を阻害する。]
权利要求:

請求項1
他の要因とは独立に、急性骨髄性白血病(AML)を患う患者の転帰を予測するためのmiRNAシグネチャーであって:正常CD34+前駆体細胞と比較したmiRNA発現の特徴的なシグネチャーを含み、該シグネチャーが図5−表2に列挙されるmiR:hsa−miR−126、hsa−miR−130a、hsa−miR−135、hsa−miR−93、hsa−miR−146、hsa−miR−106b、hsa−miR−224、hsa−miR−125a、hsa−miR−92、hsa−miR−106a、hsa−miR−95、hsa−miR−155、hsa−miR−25、hsa−miR−96、hsa−miR−124a、hsa−miR−18、hsa−miR−20、hsa−let−7d、hsa−miR−26a、hsa−miR−222、hsa−miR−101、hsa−miR−338、hsa−miR−371、hsa−miR−199b、hsa−miR−29b、およびhsa−miR−301より選択される、CD34+正常細胞と比較して、AML試料において下方制御されるmiRNAの1以上を含み、そして上方制御されるものを含まない、前記シグネチャー。
請求項2
miRが:miR−126、miR−130a、miR−93、miR−146、miR−106b、およびmiR−125aの1以上を含む、請求項1のmiRNAシグネチャー。
請求項3
多系列異形成を有する患者を同定するためのmiRNAシグネチャーであって、同定が、多系列異形成を伴うAMLにおいて下方制御されているmiR−181aに関してスクリーニングする工程を含む、前記miRNAシグネチャー。
請求項4
被験体がAMLを有するかまたは発展させるかどうかの診断を決定するためのmiRNAシグネチャーであって、決定が、被験体由来の試料を調べ、そして図8−表S2に示すような:hsa−miR−155、hsa−miR−30e、hsa−miR−23b、hsa−miR−181b、hsa−miR−221、hsa−miR−29b、hsa−miR−95、hsa−miR−128b、hsa−miR−27a、hsa−miR−181c、hsa−miR−92l、hsa−miR−181a、hsa−miR−23a、hsa−miR−214、hsa−miR−30b、hsa−miR−30c、hsa−miR−26b、hsa−miR−21、およびhsa−miR−222の1以上を含むmiR発現と、高白血球数の正の相関があるかどうかを決定する工程を含む、前記miRNAシグネチャー。
請求項5
被験体がAMLを有するかまたは発展させるかどうかの診断を決定するためのmiRNAシグネチャーであって、決定が、被験体由来の試料を調べ、そして図8−表S2に示すような:hsa−miR−30b、hsa−miR−30c、hsa−miR−192、hsa−miR−181a、hsa−miR−155、hsa−let−7a−2、hsa−miR−181b、hsa−miR−181c、hsa−miR−219、hsa−miR−214、およびhsa−miR−26aの1以上を含むmiR発現と、高骨髄(BM)芽球数の正の相関があるかどうかを決定する工程を含む、前記miRNAシグネチャー。
請求項6
被験体がAMLを有するかまたは発展させるかどうかの診断を決定するためのmiRNAシグネチャーであって、決定が、被験体由来の試料を調べ、そして図8−表S2に示すような:hsa−miR−133b、hsa−miR−214、hsa−miR−25、hsa−miR−181a、hsa−miR−181b、hsa−miR−220、hsa−miR−92、hsa−miR−184、hsa−miR−92、hsa−miR−124a、hsa−miR−100、hsa−miR−181b、hsa−miR−135、hsa−miR−155、hsa−miR−222、およびhsa−miR−181cの1以上を含むmiR発現と、高骨髄(BM)芽球数の正の相関があるかどうかを決定する工程を含む、前記miRNAシグネチャー。
請求項7
被験体がAMLを有するかまたは発展させるかどうかの診断を決定するための方法であって、被験体由来の試料を調べ、そして:miR−155およびmiR−181bと被験体の白血球数(WBCに関する)、末梢および骨髄芽球パーセンテージ;miR−30bおよびmiR−30cと被験体の白血球数(WBCに関する)および骨髄芽球パーセンテージ、ならびにmiR−25と被験体の白血球数、循環芽球パーセンテージの1以上を含めて、図8−表S2に列挙する1以上のmiRとの正の相関があるかどうかを決定する工程を含む、前記方法。
請求項8
11q23平衡転座の定義される細胞遺伝学的下位群と関連するmiRNAシグネチャーであって;図9−表S3に列挙するmiR:miR−326、miR−219、miR−194、miR−301、miR−324、miR−339、miR−99b、およびmiR−328の群由来の1以上のmiR、ならびに:miR−34b、miR−15a、miR−29a、miR−29c、miR−372、miR−30a、miR−29b、miR−30e、miR−196a、let−7f、miR−102、miR−331、miR−299、およびmiR−193の群より選択される1以上の下方制御miRを含む、前記miRNAシグネチャー。
請求項9
t(6;11)11q23平衡転座の定義される細胞遺伝学的下位群と関連するmiRNAシグネチャーであって;図10−表S4に列挙するmiR:hsa−miR−21、hsa−miR−26a、hsa−miR−128b、hsa−miR−130b、hsa−miR−27a、hsa−miR−99、hsa−miR−26b、hsa−miR−23a、hsa−miR−23b、hsa−miR−130a、hsa−miR−24、hsa−miR−30c、hsa−miR−103、hsa−miR−192、hsa−miR−1、およびhsa−miR−221の群由来の1以上のmiRを含む、前記miRNAシグネチャー。
請求項10
トリソミー8の定義される細胞遺伝学的下位群と関連するmiRNAシグネチャーであって;図11−表S5に列挙するmiR:hsa−miR−337、hsa−miR−184、hsa−miR−302b、hsa−miR−105、hsa−let−7d、hsa−miR−153、hsa−miR−124a*、hsa−miR−215、hsa−miR−1、hsa−miR−194、hsa−miR−29c、hsa−miR−208、hsa−miR−199a、hsa−miR−24−1、hsa−miR−302c、hsa−miR−367、hsa−miR−200a、hsa−miR−183、hsa−miR−199b、hsa−miR−143、hsa−miR−96、hsa−miR−29b、hsa−miR−202、hsa−miR−340、hsa−miR−102、hsa−miR−191、hsa−let−7i、hsa−miR−30d*、hsa−miR−9−3、hsa−miR−203、hsa−miR−302a、hsa−miR−199a、hsa−miR−206、hsa−miR−197、hsa−miR−198、hsa−miR−372、hsa−miR−182、hsa−miR−193、hsa−miR−325、hsa−miR−192、hsa−miR−204、およびhsa−miR−299の群由来の1以上のmiRを含む、前記miRNAシグネチャー。
請求項11
上方制御miRNA(miR−10a、miR−10b、miR−26a、miR−30c、let−7a−2、miR−16−2、miR−21、miR−181b、miR−368、およびmiR−192)、および下方制御miRNA(miR−126、miR−203、miR−200c、miR−182、miR−204、miR−196b、miR−193、miR−191、miR−199a、miR−194、miR−183、miR−299、およびmiR−145)を含む、図12−表S6に列挙するmiRで構成される、NK−AML中のシグネチャー。
請求項12
AML患者におけるFLT3−ITD突然変異の定義される細胞遺伝学的下位群と関連するmiRNAシグネチャーであって:AML患者中のFLT3−ITD突然変異において過剰発現されるmiR−155:miR−155、miR−10a、およびmiR−10bの群由来の1以上のmiRを含む、前記miRNAシグネチャー。
請求項13
新規に診断されたAML患者において、転帰、全生存(OS)および/または無症候生存(EFS)と関連するmiRNAシグネチャーであって:miR−199a、miR−199b、miR−191、miR−25、およびmiR−20aの群由来の1以上のmiRを含み、こうした過剰発現が不都合なOSの指標となる、前記miRNAシグネチャー。
請求項14
miR−199aおよびmiR−191がOSおよび/またはEFSと相関する、請求項13のシグネチャ−。
請求項15
正常核型を含む他の細胞遺伝学的異常を伴う他の治療AML患者と比較して、t(11q23)を伴う治療患者において、示差的に発現されるmiRのmiRNAシグネチャーであって、図14−表S8に示すmiRを1以上含む、前記miRNAシグネチャー。
請求項16
上方制御されている、図14−表S8に示すmiR:hsa−miR−326、hsa−miR−330、hsa−miR−99b、hsa−miR−194、hsa−miR−133b、hsa−miR−339、hsa−miR−138、hsa−miR−128a、hsa−miR−219、hsa−miR−129−2、hsa−miR−138、hsa−miR−210、hsa−miR−301、hsa−miR−200b、hsa−miR−328、およびhsa−miR−324の1以上を含む、請求項15のシグネチャー。
請求項17
下方制御されている、図14−表S8に示すmiR:hsa−miR−29c、hsa−miR−30a−3p、hsa−miR−15a、hsa−miR−29a、hsa−miR−133a、hsa−let−7d、hsa−miR−21、hsa−miR−29b、hsa−miR−370、hsa−miR−34b、hsa−miR−102、hsa−miR−142−5p、hsa−miR−195、hsa−let−7f、hsa−miR−203−prec、hsa−miR−181c、hsa−miR−19b、hsa−miR−194−1、hsa−miR−331−prec、hsa−miR−182*、hsa−miR−183−prec、hsa−miR−16、hsa−miR−302c*、hsa−miR−299−3p、およびhsa−miR−30eの1以上を含む、請求項15のシグネチャー。
請求項18
異常核型治療AML患者に比較して、正常核型治療AML患者において、示差的に発現されるmiRのmiRNAシグネチャーであって、図15−表S9に示すmiRを1以上含む、前記miRNAシグネチャー。
請求項19
上方制御されている、図15−表S9に示すmiR:hsa−miR−21、hsa−let−7d、hsa−miR−30c、hsa−miR−15b、hsa−miR−219、hsa−miR−302b*、hsa−miR−15a、hsa−miR−34b、hsa−miR−16−1、hsa−miR−16−2、hsa−miR−30e−5p、hsa−miR−140、hsa−miR−15a、hsa−let−7a−2、hsa−miR−30b、hsa−miR−222、hsa−miR−10b、hsa−miR−26a、hsa−miR−10a、hsa−miR−195、hsa−let−7a、およびhsa−miR−181bの1以上を含む、請求項18のシグネチャー。
請求項20
下方制御されている、図15−表S9に示すmiR:hsa−miR−193a、hsa−miR−204、hsa−miR−196a、hsa−miR−205、hsa−miR−200b、hsa−miR−198、hsa−miR−212、hsa−miR−188、hsa−miR−200c、hsa−miR−194、hsa−miR−206、hsa−miR−203、hsa−miR−204−prec、hsa−miR−126、hsa−miR−182*、hsa−miR−199a、hsa−miR−183、hsa−miR−30b、hsa−miR−145、hsa−miR−187、hsa−miR−299−3p、hsa−miR−128a、およびhsa−miR−143の1以上を含む、請求項18のシグネチャー。
請求項21
FLT3−wtに対してFLT3−ITD突然変異を伴う治療AML患者において示差的に発現されるmiRのmiRNAシグネチャーであって、図16−表S10に示すmiR:has−miR−19a、has−miR−155、has−miR−10a、has−miR−99b、およびhas−miR−192bの1以上を含む、前記miRNAシグネチャー。
請求項22
AMLを有するかまたは発展させうる被験体の診断、治療、または予後の決定の1以上において、先行する請求項いずれかのシグネチャーを用いる方法。
請求項23
他の要因からは独立に、急性骨髄性白血病(AML)に罹患した患者の転帰を予測するための方法であって:正常細胞に比較したmiRNA発現の特徴的なシグネチャーを決定する工程を含み、該シグネチャーが、先行する請求項いずれかのmiRNAシグネチャーの1以上を含む、前記方法。
請求項24
i)被験体が急性骨髄性白血病(AML)を有するかまたは該疾患を発展させるリスクがあるかどうかを診断し、ii)こうした被験体の予後を決定し、そして/またはiii)こうした被験体を治療する方法であって:被験体由来の試験試料において、少なくとも1つのバイオマーカーのレベルを測定する工程を含み、ここでバイオマーカーは、先行する請求項のAMLシグネチャーの1以上から選択され、そして対照試料中の対応するバイオマーカーのレベルに比較して、試験試料中のバイオマーカーのレベルが改変されていると、被験体が該障害を有するかまたは該障害を発展させるリスクを有するかいずれかの指標となる、前記方法。
請求項25
試験試料中の少なくとも1つのバイオマーカーのレベルが、対照試料中の対応するバイオマーカーのレベル未満である、請求項24の方法。
請求項26
試験試料中の少なくとも1つのバイオマーカーのレベルが、対照試料中の対応するバイオマーカーのレベルよりも高い、請求項24の方法。
請求項27
白血病におけるターゲットmRNAの転写物量および/またはタンパク質発現に影響を及ぼすための方法であって、その必要がある被験体において、1以上のマイクロRNAを調節解除する工程を含む、前記方法。
請求項28
癌関連遺伝子のタンパク質発現を阻害する工程を含む、請求項27の方法。
請求項29
ヒト白血病で生じるマイクロRNA機能の改変を同定するための、マイクロRNAおよびタンパク質をコードするRNAの両方の大規模遺伝子発現プロファイリングの使用。
請求項30
急性骨髄性白血病(AML)を有する被験体の予後を決定する方法であって、被験体由来の試験試料において、少なくとも1つのバイオマーカーのレベルを測定する工程を含み:該バイオマーカーがこうした癌における予後不良と関連しており;そして対照試料中の対応するバイオマーカーのレベルに比較して、試験試料中の少なくとも1つのバイオマーカーのレベルが改変されていると、予後不良の指標となる前記方法。
請求項31
被験体が急性骨髄性白血病(AML)を有するかまたは該疾患を発展させるリスクがあるかどうかを診断することを含む、AMLを有する被験体の予後を決定する方法であって:被験体から得た試験試料から、RNAを逆転写して、ターゲットオリゴデオキシヌクレオチドセットを提供し;miRNA特異的プローブオリゴヌクレオチドを含むマイクロアレイに、ターゲットオリゴデオキシヌクレオチドをハイブリダイズさせて、試験試料に関するハイブリダイゼーションプロファイルを提供し;そして対照試料から生成したハイブリダイゼーションプロファイルに、試験試料ハイブリダイゼーションプロファイルを比較する工程を含み、少なくとも1つのmiRNAのシグナルの改変が、被験体がこうしたAMLを有するかまたは発展させるリスクがあるかいずれかである指標となる前記方法。
請求項32
対照試料から生じたシグナルに比較して、少なくとも1つのmiRNAのシグナルが下方制御されており、そして/または対照試料から生じたシグナルに比較して、少なくとも1つのmiRNAのシグナルが上方制御されている、請求項31の方法。
請求項33
図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRより選択される少なくとも1つのバイオマーカーのシグナルにおける改変が、被験体が予後不良を伴うAML癌を有するかまたは発展させるリスクがあるかいずれかである指標となる、請求項32の方法。
請求項34
白血病細胞においてタンパク質発現を制御するための方法であって:白血病細胞において、図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRの1以上の発現を調節する工程を含む、前記方法。
請求項35
白血病細胞において1以上のタンパク質レベルの発現を調節するための組成物であって:図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体の1以上を含む、前記組成物。
請求項36
白血病細胞においてタンパク質レベルを増加させる必要がある被験体において、白血病細胞においてタンパク質レベルを増加させるのに有用な、図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRの1以上のアンチセンスmiRを含む、組成物。
請求項37
少なくとも1つのバイオマーカーが、対照細胞に比較して被験体の癌細胞において下方制御されているかまたは上方制御されている、白血病を有する被験体において、白血病を治療する方法であって:少なくとも1つのバイオマーカーが癌細胞において下方制御されている場合、被験体において癌細胞の増殖が阻害されるように、被験体に、少なくとも1つの単離されたバイオマーカー、または単離されたその変異体もしくは生物学的活性断片の有効量を投与するか;あるいは少なくとも1つのバイオマーカーが癌細胞において上方制御されている場合、被験体において癌細胞の増殖が阻害されるように、被験体に、少なくとも1つのバイオマーカーの発現を阻害するための少なくとも1つの化合物の有効量を投与する工程を含む、前記方法。
請求項38
被験体において白血病を治療する方法であって:対照細胞に比較して、白血病細胞における少なくとも1つのバイオマーカーの量を決定し;ここで、バイオマーカーは:図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体の1以上より選択され、そして癌細胞で発現されるバイオマーカーの量が、対照細胞で発現されるバイオマーカーの量より少ない場合、被験体に、少なくとも1つの単離されたバイオマーカーの有効量を投与するか;あるいは癌細胞で発現されるバイオマーカーの量が、対照細胞で発現されるバイオマーカーの量より多い場合、被験体に、少なくとも1つのバイオマーカーの発現を阻害するための少なくとも1つの化合物の有効量を投与することによって、白血病細胞で発現されるバイオマーカーの量を改変する工程を含む、前記方法。
請求項39
図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体の1以上より選択される少なくとも1つの単離されたバイオマーカー、および薬学的に許容されうるキャリアーを含む、白血病を治療するための薬学的組成物。
請求項40
少なくとも1つのmiR発現阻害剤化合物および薬学的に許容されうるキャリアーを含む、先行する請求項の薬学的組成物。
請求項41
抗白血病剤を同定する方法であって、細胞に試験剤を提供し、そして白血病細胞における発現レベル減少と関連する少なくとも1つのバイオマーカーのレベルを測定する工程を含み、バイオマーカーが:図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体の1以上より選択され、対照細胞に比較して、細胞におけるバイオマーカーのレベルが増加していると、試験剤が抗白血病剤である指標となる前記方法。
請求項42
抗白血病剤を同定する方法であって、試験剤を細胞に提供し、そして白血病細胞における発現レベル増加と関連する少なくとも1つのバイオマーカーのレベルを測定する工程を含み、対照細胞に比較して、細胞におけるバイオマーカーのレベルが減少していると、試験剤が抗癌剤である指標となり、バイオマーカーが:図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体の1以上より選択される前記方法。
請求項43
白血病関連疾患を予防し、診断し、そして/または治療するための療法の有効性を評価する方法であって:有効性を評価しようとする療法を、動物に供し、そして少なくとも1つのバイオマーカーを評価することによって、疾患を治療するかまたは予防する際、試験中の治療の有効性のレベルを決定する工程を含み、バイオマーカーが:図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体の1以上より選択される前記方法。
請求項44
候補療法剤が:薬学的組成物、栄養補助食品組成物、およびホメオパシー組成物の1以上を含む、先行する請求項の方法。
請求項45
評価している療法が、ヒト被験体で使用するためのものである、先行する請求項の方法。
請求項46
少なくとも1つのバイオマーカーを含む白血病関連疾患のマーカーに結合する少なくとも1つの捕捉試薬を含む製品であって、バイオマーカーが:図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体の1以上より選択される前記製品。
請求項47
白血病関連疾患を治療するための療法剤のための候補化合物に関してスクリーニングするためのキットであって:少なくとも1つのバイオマーカーの試薬の1以上、および少なくとも1つのバイオマーカーを発現する細胞を含み、バイオマーカーが:図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体の1以上より選択される前記キット。
請求項48
少なくとも1つのバイオマーカーと特異的に結合する抗体または抗体断片を含む試薬を用いて、バイオマーカーの存在を検出する、先行する請求項のキット。
請求項49
個体における合併症を治療するか、予防するか、逆転させるか、またはその重症度を制限するための薬剤を製造するための、白血病関連疾患反応シグナル伝達経路に干渉する剤の使用であって、剤が少なくとも1つのバイオマーカーを含み、バイオマーカーが:図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体の1以上より選択される前記使用。
請求項50
白血病関連合併症を治療するか、予防するか、逆転させるか、またはその重症度を制限する必要がある個体において、白血病関連合併症を治療するか、予防するか、逆転させるか、またはその重症度を制限する方法であって:少なくとも白血病関連疾患反応カスケードに干渉する剤を、個体に投与する工程を含み、剤が少なくとも1つのバイオマーカーを含み、バイオマーカーが:図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体の1以上より選択される前記方法。
請求項51
個体において、白血病関連合併症を治療するか、予防するか、逆転させるか、またはその重症度を制限するための薬剤を製造するための、少なくとも白血病関連疾患反応カスケードに干渉する剤の使用であって、剤が少なくとも1つのバイオマーカーを含み、バイオマーカーが:図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体の1以上より選択される前記使用。
請求項52
図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体の1以上のアンチセンス阻害剤を含む、組成物。
請求項53
急性骨髄性白血病(AML)を治療する必要がある被験体において、該疾患を治療する方法であって、被験体に、先行する請求項の組成物の療法的有効量を投与する工程を含む、前記方法。
請求項54
組成物を予防的に投与する、先行する請求項の方法。
請求項55
組成物の投与が、AMLの1以上の症状の開始を遅延させる、先行する請求項の方法。
請求項56
組成物の投与がAMLの発展を阻害する、先行する請求項の方法。
請求項57
組成物の投与がAMLを阻害する、先行する請求項の方法。
請求項58
生物学的試料における白血病の存在を検出するための方法であって:白血病を含有すると推測される生物学的試料を、バイオマーカーに曝露し;ここでバイオマーカーは:図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体の1以上より選択され、そしてあるとすれば、試料中のマーカーの存在または非存在を検出する工程を含む、前記方法。
請求項59
バイオマーカーが検出可能標識を含む、先行する請求項の方法。
請求項60
被験体由来の生物学的試料中のバイオマーカーの量を、正常被験体由来の対応する生物学的試料中のバイオマーカーの量に比較する工程をさらに含む、先行する請求項の方法。
請求項61
異なる時点で、被験体から複数の生物学的試料を収集し、そして各生物学的試料中のマーカーの量を比較して、被験体において、マーカーの量が時間とともに増加しているかまたは減少しているかを決定する工程をさらに含む、先行する請求項の方法。
請求項62
被験体において、急性骨髄性白血病(AML)を治療するための方法であって:白血病受容体アゴニストを含む、前記方法。
請求項63
受容体アゴニストが:図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体の1以上のアンチセンス阻害剤である、先行する請求項の方法。
請求項64
図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体、それに由来する配列、こうしたmiR由来の相補配列、およびこうした相補配列由来の配列の中から選択される核酸分子で構成される、急性骨髄性白血病の治療のための薬剤を製造するための使用。
請求項65
薬剤が:図5−表2、図8−表S2、図9−表S3、図10−表S4、図11−表S5、図12−表S6、図14−表S8、図15−表S9および図16−表S10に列挙するmiRまたはその機能的変異体、こうしたmiRに由来する配列、こうしたmiRの相補配列、およびこうした相補配列由来の配列の1以上の中から選択される配列を提示する核酸分子を含む、先行する請求項記載の使用。
請求項66
急性骨髄性白血病(AML)細胞の分化を誘導するのに有効な療法剤または療法剤の組み合わせを同定する、invitro法であって:AML細胞由来の細胞を培養し、細胞株の培地に少なくとも1つの化合物を添加し、工程(i)および(ii)の間で少なくとも1つのmiRの発現レベルの進化(evolution)を分析し、そして工程(i)および(ii)の間のmiRの発現レベルの変化を誘導する化合物または化合物の組み合わせを同定する工程を含む、前記方法。
請求項67
工程(iii)が少なくとも1つのmiRの発現レベルの分析を含む、先行する請求項の方法。
請求項68
工程(iv)が少なくとも1つのmiRの発現レベルを調節する化合物または化合物の組み合わせの同定を含む、先行する請求項の方法。
請求項69
工程(iv)が少なくとも1つのmiRの発現レベルを減少させる化合物または化合物の組み合わせの同定を含む、先行する請求項の方法。
請求項70
化合物が癌の治療のための療法剤である、先行する請求項の方法。
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