絶縁された高電圧直流ケーブルまたは高電圧直流終端部または接続部を設けるための方法
专利摘要:
絶縁された高電圧直流ケーブルまたは高電圧直流終端部または接続部を設けるための方法であって、以下の工程を有している:複合ポリマー組成(12)を有するポリマー・ベースの絶縁系を設ける(21);それに続いて、前記ポリマー・ベースの絶縁系の外側表面が、前記ポリマー・ベースの絶縁系の中に不均一な分布状態で存在する物質に対して不透過性の被覆により被覆された(24)状態で、前記ポリマー・ベースの絶縁系に熱処理を行い(25)、それにより、前記ポリマー・ベースの絶縁系の中の当該物質の濃度を均等化させる。 公开号:JP2011515791A 申请号:JP2010547145 申请日:2009-02-10 公开日:2011-05-19 发明作者:オルッソン、カルル−オロフ 申请人:アーベーベー・リサーチ・リミテッドAbb Research Ltd.; IPC主号:H01B13-00
专利说明:
[0001] 本発明は、広く高電圧電力設備に係る。特に、本発明は、絶縁された高電圧直流ケーブルまたは高電圧直流終端部または接続部を設けるための方法に係る。] 背景技術 [0002] ポリエチレン、または架橋されたポリエチレン(XLPE)系の押出しによる固体絶縁部材が、これまで約40年の間、交流の伝送及び分配のケーブル絶縁部材に対して使用されて来た。] [0003] それ故に、直流ケーブル絶縁部材に対してXLPEを使用することの可能性について、長年に亘って調べられて来ている。そのような絶縁部材を備えたケーブルは、塊で含浸されたケーブルと同様な利点を有していて、それは、直流伝送のために回路の長さについての制約が無く、且つ、より高い温度で使用される潜在的可能性をも有し、その結果、伝送負荷を増大させる可能性をもたらすと言うことである。] [0004] しかしながら、これらの材料の十分な潜在的可能性を、フルサイズのケーブルに対して実現することは、可能でなかった。その主なる理由の内の一つは、直流電場に置かれたときの、誘電体の中での空間電荷の形成及び蓄積にあると考えられている。そのような空間電荷は、ストレス分布を歪曲させ、且つ、ポリマーの高い電気抵抗のために、長期間に亘って残留する。絶縁部材体の中の空間電荷は、直流電場の作用を受けたときに、キャパシタと同様な分極されたパターンが形成されるように、蓄積される。] [0005] 空間電荷蓄積のパターンには、二つの基本的なタイプがあって、それらは、空間電荷蓄積の極性において異なっている。空間電荷蓄積は、絶縁部材の幾何学的寸法及び誘電特性を考慮したときに予期される電場と比べて、特定のポイントにおける実際の電場の局部的な増大をもたらす。実際の電場で顕著な増大は、予期される電場の5倍更には10倍になることもある。] [0006] このようにして、ケーブル絶縁部材のための設計の場は、このかなり高い電場を考慮に入れた安全率を含んでいなければならず、その結果、ケーブル絶縁部材において、より厚いおよび/またはより高価な材料の使用をもたらすことになる。空間電荷の蓄積は、遅いプロセスであって、それ故に、ケーブルの極性が同一極性で長い時間に亘り使用された後に逆転された時に、その問題が重大なものになる。極性の反転の結果として、容量場が、空間電荷蓄積からもたらされる電場に重ね合わせられ、最大の電場ストレスのポイントが界面から絶縁部材の中に移動される。このような状況を改善すべく、添加物を使用することにより、他の性質に重大な影響を及ぼすことなく、絶縁抵抗を減少させる試みがなされて来た。] [0007] 交流ケーブル絶縁部材のための押出材の樹脂組成は、典型的に、ベース・ポリマーとして、ポリエチレン樹脂を有していて、このベース・ポリマーは、過酸化物架橋剤、スコーチ防止剤及び抗酸化剤または坑酸化剤の系などのような様々な添加物で補足される。押出しによる絶縁部材の場合には、半導体のシールドもまた、典型的に押出しにより形成され、そして、ベース・ポリマー及び導電体または半導体のフィラーに加えて、本質的に同一のタイプの添加物を有する樹脂組成を有している。絶縁されたケーブルの中の、様々な押出材のレイヤは、一般的に、しばしば、ポリエチレン樹脂系の材料である。ポリエチレン樹脂とは、一般的に及びこの明細書において、ポリエチレン、またはエチレンの共重合体系の樹脂であって、エチレン・モノマーが体積の中の主要な部分を構成するものを意味している。] [0008] このようにして、ポリエチレン樹脂は、エチレン、及びエチレンと共重合可能な一以上のモノマーから構成されても良い。低密度ポリエチレン(LDPE)は、今日、交流ケーブルのための主要な絶縁性のベース材料である。そのようなケーブルの、製造、出荷、敷設及び使用の際に優勢な条件の影響の下での、押出しによる絶縁部材の物理的な性質及びその劣化及び分解に耐える能力を改善するために、ポリエチレン・ベースの組成は、典型的に、以下のような添加物を有している:安定化用添加物、例えば、坑酸化剤、酸化、照射その他に起因する分解に抗するための電子スカベンジャーなど;プロセス能力増大させるための潤滑用の添加物、例えば、ステアリン酸;電気的な応力に耐える能力を増大されるための添加物、例えば、増大された耐水性、例えば、ポリエチレン・グリコール、シリコーン、その他;及び、過酸化物などのような架橋剤。これらの架橋剤は、加熱されたときに分解してフリー・ラジカルを生じ、ポリエチレン樹脂の架橋を開始させるものであって、時折、架橋密度を高める能力を有する不飽和コンパウンド、早期の架橋を防止するためのスコーチ防止剤、との組み合わせで使用される。] [0009] 様々な添加物の数は多く、且つ、その可能な組み合わせは、本質的に無限である。添加剤または組み合わせまたは添加物のグループを選択するとき、その狙いは、一以上の性質が改善され、それと同時に、その他の性質が維持され、または、もし可能である場合には、改善されると言うことにある。しかしながら、現実には、添加物の系の変化による副作用の可能性の全てを予測することは、常に、不可能に近い。他の場合において、捜し求められる改良は、幾つかのマイナーな負の影響を容認せざるを得ない程に重要であるが、それであっても、そのような負の影響を最小に抑える狙いは、常に存在する。] [0010] XLPE組成の使用に関して、幾つかの弱点が、既に長期間に亘って知られているが、その優位性(例えば、そのスコーチ防止能力、即ち、早期の架橋防止能力)は、これらの欠点に優るものである。更にまた、このタイプのXLPE組成が、直流電場の下で空間電荷を形成する強い傾向を示すと言うことが良く知られており、そのために、直流ケーブルのための絶縁系において、XLPE組成を使用することができない。しかしながら、長時間に亘る脱ガス、即ち、架橋されたケーブル絶縁部材を長時間に亘り高い温度に暴露することが、直流電圧応力の下での空間電荷蓄積の傾向を減少させると言う結果もたらすと言うことも知られている。] [0011] 熱処理は、絶縁部材から過酸化物分解生成物(例えばアセトフェノン及びクミル・アルコール(cumyl alcohol)など)を取り除き、その結果、空間電荷蓄積が減少されると言うことが一般的に知られている。脱ガスは、紙絶縁の含浸と比べて、時間が掛かるバッチ・プロセスであって、そのために、コストが掛かる。それ故に、もし、脱ガスの必要が無くなるとすれば好ましい。交流ケーブルにおいて押出しによる絶縁部材として使用されている架橋されたポリエチレン組成の内、最も良く知られたものは、空間電荷蓄積の傾向を示し、それが、直流ケーブルのための絶縁系における使用に対して、それらを不適切なものにしている。] [0012] このようにして、電力の直流伝送及び分配のためのネットワーク及び設備の中での、伝送及び分配ケーブルとしての使用に対して適した、押出しによるポリマー系の電気的な絶縁系を備えた絶縁された直流ケーブルの製造のためのプロセスを提供することは、望ましい。押出しによる絶縁材系の適用及び加工のためのプロセスは、ケーブル絶縁部材の安定した且つ一定の誘電的特性及び高く且つ一定した電気的な強度を確保するために、ケーブルの長い時間が掛かるバッチ処理(例えば、熱処理)の必要が無いようなやり方で、好ましくは、実施されるべきである。その結果得られるケーブル絶縁部材は、更に、空間電荷蓄積に対する低い傾向、高い直流ブレークダウン強度、高い衝撃強さ、及び高い絶縁抵抗を示すべきである。] [0013] そのようなプロセスの採用は、従来技術方法に対して、技術的な進歩及び経済的な進歩の両方をもたらすであろう。それは、製造時間及び製造コストが減少されることが可能になり、且つ、ケーブル絶縁系の適用及び加工のための、本質的に連続的なまたは少なくとも半連続的なプロセスに対する可能性が提供されるからである。更なるプロセスは、含浸された紙ベースの絶縁部材を有する従来の直流ケーブルの信頼性、メインテナンスに対する低い要求、及び長い稼動寿命が維持されまたは改善されると言うことを確保するべきである。] [0014] 本発明の目的は、先に規定されているような絶縁された高電圧直流ケーブルを設けるための方法を提供することにある。本発明の目的はまた、同様な性質を有する高電圧直流終端部または接続部を提供することにもある。] [0015] 本発明によれば、この目的は特に、添付された請求項に記載された方法により実現される。] [0016] 一つの本発明のアスペクトによれば、絶縁された高電圧直流ケーブルまたは高電圧直流終端部または接続部を設けるための方法が提供される。] [0017] この方法は、以下の工程を有している: 複合ポリマー組成、好ましくは複合ポリエチレン組成を有するポリマー・ベースの絶縁系を設ける; オプションとして、このポリマー組成を架橋させる; 最終的に、前記ポリマー・ベースの絶縁系の外側表面が、前記ポリマー・ベースの絶縁系の中に不均一な分布状態で存在する少なくとも一つの物質に対して不透過性の被覆により被覆された状態で、前記ポリマー・ベースの絶縁系に熱処理を行い、それにより、前記ポリマー・ベースの絶縁系の中の前記少なくとも一つの物質の濃度を均等化させる。 前記少なくとも一つの物質は、典型的に、架橋生成物、及び以上において論じたような異なる種類添加物を有していて、それらの物質は、導電性を典型的に増大させる。] [0018] そのような方法を準備することにより、前記少なくとも一つの物質の濃度、従って、前記ポリマー・ベースの絶縁系の界面(即ち内側表面及び外側表面)での導電性が、増大されることが可能になり、それにより、これらの界面での電場及び空間電荷を減少させる。] [0019] 一つの実施形態において、上記の熱処理は、前記ポリマー・ベースの絶縁系から、例えばメタンを取り除くための熱処理の後に実施される。この先行の熱処理の結果として、濃度プロファイルが、放物線形状から、前記ポリマー・ベースの絶縁系の外側表面の方に向って単調減少する濃度プロファイルに変化する。このようにして、好ましくは、不透過性の被覆を有する後続の熱処理が実施され、それにより、前記ポリマー・ベースの絶縁系の外側表面に隣接する部分での、前記少なくとも一つの物質の濃度を増大させることになる。] [0020] 一つの実施形態において、この方法は、絶縁された高電圧直流ケーブルの製造のための方法であって、ポリマー・ベースの絶縁系を設ける前記工程は、導電体の周りに前記ポリマー・ベースの絶縁系を押し出すことを含んでいる。] [0021] 前記少なくとも一つの物質に対して不透過性の被覆は、ドラムの上にまたはベッセルの中に巻かれたような、押出しによる直流ケーブルのロールの周りに巻かれた被覆であっても良い。その代わりに、このレイヤが、押出しによる絶縁材系の中に存在する前記少なくとも一つの物質に対して不透過性である場合には、後続の熱処理が、鉛シート、金属積層板および/または外側の被覆またはシースによる押出しによる直流ケーブルの被覆に続いて、行われる。] [0022] 本発明の更なる特徴及びその優位性は、本発明の実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。] 図面の簡単な説明 [0023] 図1は、本発明の実施形態に基づく、絶縁された高電圧直流ケーブルを製造するための方法のフロー図である。 図2は、図1のフロー図に基づいて製造された高電圧直流ケーブルを概略的に示す斜視図である。 図3aは、前記ポリマー・ベースの絶縁系からメタンを除去するための熱処理プロセスの前における、図2の高電圧直流ケーブルのポリマー・ベースの絶縁系の中での濃度、電場及び空間電荷を、径方向の距離の関数として表した図である。 図3bは、前記ポリマー・ベースの絶縁系からメタンを除去するための熱処理プロセスの前における、図2の高電圧直流ケーブルのポリマー・ベースの絶縁系の中での濃度、電場及び空間電荷を、径方向の距離の関数として表した図である。 図3cは、前記ポリマー・ベースの絶縁系からメタンを除去するための熱処理プロセスの前における、図2の高電圧直流ケーブルのポリマー・ベースの絶縁系の中での濃度、電場及び空間電荷を、径方向の距離の関数として表した図である。 図4aは、前記ポリマー・ベースの絶縁系メタンを除去するための熱処理プロセスの後における、図2の高電圧直流ケーブルのポリマー・ベースの絶縁系の中での濃度、電場及び空間電荷を、径方向の距離の関数として表した図である。 図4bは、前記ポリマー・ベースの絶縁系メタンを除去するための熱処理プロセスの後における、図2の高電圧直流ケーブルのポリマー・ベースの絶縁系の中での濃度、電場及び空間電荷を、径方向の距離の関数として表した図である。 図4cは、前記ポリマー・ベースの絶縁系メタンを除去するための熱処理プロセスの後における、図2の高電圧直流ケーブルのポリマー・ベースの絶縁系の中での濃度、電場及び空間電荷を、径方向の距離の関数として表した図である。] 図1 図2 図3a 図3b 図3c 図4a 図4b 図4c 実施例 [0024] 次に、本発明の実施形態に基づく、絶縁された高電圧直流ケーブルを製造するための方法が、図1及び2を参照しながら説明される。 第2図は、絶縁された高電圧直流ケーブルを、断面図で示している。この直流ケーブルは、中心から外側に向って:撚り合わされたマルチ・ワイヤ導電体10;導電体10の周り且つその外側に配置された第一の押出しによる半導体のシールド11;以下において更に説明されるように、押出しによる架橋された組成を備えた押出しによるポリエチレン・ベースの導電体絶縁部材12;導電体絶縁部材12の外側に配置された第二の押出しによる半導体のシールド13;金属製のスクリーン14;及び、金属製のスクリーン14の外側に配置された外側の被覆またはシース15;を有している。] 図1 [0025] この直流ケーブルは、もし適切である場合には、様々な機能レイヤまたは他の特徴を用いて、様々なやり方で更に補足されることが可能である。例えば、外側の押出しによるシールド13の外側の金属製のワイヤの形態の補強材、金属/ポリマー界面の中に導入されたシーリング・コンパウンドまたは水膨潤パウダー、または、例えば、耐腐食性金属ポリエチレン積層板、及び、水膨潤材料により実現される長手方向の水シーリング(例えば、シース15の下側のテープまたはパウダー)により実現される系で、補足されることが可能である。導電体が、撚り合わされている必要はないが、撚り合わされたマルチ・ワイヤ導電体、固体導電体、またはセグメントからなる導電体などのような、所望の形状及び構成であることが可能である。] [0026] 絶縁された高電圧直流ケーブルを製造するためのこの方法によれば、ポリマー・ベースの絶縁系が、工程21において、導電体10の周りに押出され、ここで、前記ポリマー・ベースの絶縁系は、半導体のシールド11、ポリエチレン・ベースの導電体絶縁部材12、及び第二の半導体のシールド13を有している。代替的な実施形態において、ポリエチレン・ベースの導電体絶縁部材12は、他のポリマー・ベースの導電体絶縁部材と交換される。] [0027] 以下は、押出しを実施するための方法の一つの実施例の短い説明である。当業者は、本発明が使用されることが可能である他の押出し技術があることを理解するであろう。] [0028] 方法の実施例において、導電体は、押出設備及び他の加工及び調整装置を通って、導電体送り出し装置から供給され、最終的に、ケーブル・コア巻取り装置に巻き取られる。導電体の送り出し及びケーブル・コアの巻取りは、個別の長さのために適切なリールまたはドラムであっても良いが、提供される導電体及び製造されるケーブルの本質的に連続的な取り扱いのための装置を含む適切なタイプであることが可能である。導電体は、導電体プレヒータを通って、第一のホイールに運ばれ、ここで、この導電体は、絶縁系が押出しにより付けられる前に、適切な温度に予備加熱される。このプロセスは、三重ヘッド押出し機(triple head extruder)が使用される真正三重押出し(true triple extrusion)のために適切である。内側及び外側の半導体のレイヤは、二つの別個の押出機を用いて付けられ、そして、更なる第三の押出機が、主なる絶縁部材のために使用される。] [0029] 押出しの作業の後で、押出しによるポリエチレン・ベースの導電体絶縁部材12は、好ましくは、工程22において、架橋される。この目的のために、絶縁された直流ケーブルは、加圧された硬化及び冷却室の中を通され、ここで、条件が、押出しによる絶縁材系のこの制御された調整及び冷却により影響されることが可能である所望の架橋の程度及び他の構造的な特徴を確保するために制御される。典型的に、押出しによるポリエチレン・ベースの導電体絶縁部材12は、多くの添加物を含んでいて、その中でも特に、ジクミルペルオキシド(dicumyl peroxide)及び添加物を含んでいる。その後に、ケーブルは、引き取りキャタピラーを通って、第二のホイールの上を運ばれ、その後、更なる加工が開始される。] [0030] 上記のアプローチは、押出しによる絶縁材系の適用及び加工のための、本質的に連続的または半連続的なプロセスの可能性をもたらす。] [0031] しかしながら、このプロセスの結果として、メタンが、架橋されたポリエチレン・ベースの導電体絶縁部材12の中で発生することがある。メタンは、工程23において、メタンが流れ出ることを可能にするために、押出しによるポリマー・ベースの絶縁系の外側表面が被覆から引き離されて維持された状態で、押出しによる直流ケーブルに熱処理を行うことにより、除去されることが可能である。] [0032] 次に、工程24において、押出しによるポリマー・ベースの絶縁系の外側表面が、押出しによる絶縁材系の中に不均一な分布状態で存在する一以上の物質に対して不透過性の被覆により被覆される。] [0033] 一以上の物質は、好ましくは、架橋からの一以上の残留物または副生成物、および/または、一以上の添加物を含んでいる。上記の残りの生成物は、典型的に、アセトフェノン及びクミル・アルコール(cumyl alcohol)などのような、過酸化物分解生成物を含んでいて、上記の添加物は、典型的に、一以上の坑酸化剤及びスコーチ防止剤を含んでいる。しかしながら、他の添加物が、同等のまた更にはより高い重要性を有する場合もある。] [0034] 押出しによる直流ケーブルは、ドラムの上にまたはベッセルの中に巻かれても良く、そして、押出しによる直流ケーブルの全ロールが、前記一以上の物質に対して不透過性の被覆により被覆されることが可能である。好ましくは、薄い金属箔などが、直流ケーブルのロールの周りに巻かれる。] [0035] その代わりに、前記一以上の物質に対して不透過性の被覆は、金属製のスクリーン14の外側に配置された金属製のスクリーン14または外側の被覆またはシース15であることが可能である。この金属製のスクリーン14は、鉛シートまたは金属積層板であっても良い。] [0036] 次いで、押出しによる直流ケーブルを不透過性の被覆で被覆した後、押出しによる直流ケーブルは、工程25において、押出しによる絶縁材系の中の前記一以上の物質の濃度を均等化させるために、特に、押出しによる絶縁材系の外側表面に隣接する部分で均等化させるために、熱処理が行われる。特に、メタンの除去のための第一の熱処理は、濃度プロファイルが、放物線形状から、押出しによる絶縁材系の内側の表面から見たときに単調減少する濃度プロファイルへのシフトを典型的に引き起こすので、不透過性の被覆を用いた第二の熱処理は、前記一以上の物質の濃度が、押出しによる絶縁材系の外側表面に隣接する部分で増大させることになる。] [0037] この熱処理は、特定の用途及び使用される特定の架橋添加物に依存して、実施されても良い。しかしながら、今日用いられている共通の添加物に対して典型的に使用されている温度及び処理時間が、以下に示されている。] [0038] 熱処理は、好ましくは、50℃と120℃の間の温度で、より好ましくは、70℃と90℃の間の温度で、実施され、且つ温度が高くなるに従い次第に短くなる時間の間、好ましくは、温度が80℃のとき24時間と72時間の間の時間で、実施される。] [0039] もし、不透過性の被覆として既に設けられていない場合には、最終的に、金属製のスクリーン14及び外側の被覆またはシース15が設けられる。] [0040] 図3a〜cは、押出しによる絶縁材系からのメタンの除去のための熱処理プロセスの前の、図2の高電圧直流ケーブルの押出しによる絶縁材系の中での、濃度、電場及び空間電荷を、径方向の距離の関数として表した図であって、単純化されたモデルにより計算されたものである。図の左手側は、押出しによる絶縁材系の内側の表面での位置に対応し、右手側は、押出しによる絶縁材系の外側表面での位置に対応している。この図から分かるように、濃度プロファイルは、放物線形状を有している(図3a)。] 図2 図3a 図3b 図3c 図4a 図4b 図4c [0041] もし、電場が前記一以上の物質の濃度プロファイルに依存しない場合には、単調減少する電場が、得られるであろう(図3b)。しかしながら、もし、電場が前記一以上の物質に依存する場合には、押出しによる絶縁材系の内側及び外側表面で、そこでのより高い比抵抗のために、高い電場レベルを備えた電場プロファイルが得られる(図3b)。空間電荷は、押出しによる絶縁材系の外側表面の方に向かって増大する分布を有している(図3c)。] 図3b 図3c [0042] 図4a〜cは、押出しによる絶縁材系からのメタンの除去のための熱処理プロセスの後の、図2の高電圧直流ケーブルのポリマー・ベースの絶縁系の中での、濃度、電場及び空間電荷の図を、径方向の距離の関数として表した図であって、単純化されたモデルにより計算されたものである。図の左手側は、前と同様に、押出しによる絶縁材系の内側の表面での位置に対応し、右手側は、押出しによる絶縁材系の外側表面での位置に対応している。ここで、濃度プロファイルは、押出しによる絶縁材系の外側表面の方へ向って単調減少する(図4a)。] 図2 図4a 図4b 図4c [0043] 前と同様に、もし、電場が、前記一以上の物質の濃度プロファイルに依存しない場合には、単調減少する電場が得られるであろう(図4b)。しかしながら、もし、電場が、前記一以上の物質に依存する場合には、押出しによる絶縁材系の外側表面の方に向かって増大する電場分布が得られる(図4b)。空間電荷は、押出しによる絶縁材系の外側表面の方へ向って僅かに増大する分布を有している(図4c)。] 図4b 図4c [0044] 図3及び4の図は、温度分布が均一であると仮定し、且つ、導電性の電場依存性を無視することにより、作成されている。現実の状況においては、温度勾配、及び界面での電荷注入及び絶縁材料の中での解離などのようなプロセスが存在する場合があり、それらが、電場分布に影響を与えることになる。] [0045] しかしながら、本発明は、押出しによる絶縁材系の内側及び外側表面に隣接する部分で架橋生成物の大きな勾配を取り除くと同時に、架橋生成物の平均濃度には余り影響を与えることがなく、押出しによる絶縁材系の中での電場及び空間電荷分布を改善すると言うことが非常に明確である。換言すれば、濃度プロファイルを制御することは、電場及び空間電荷分布をコントロールするために最も重要性が低いことが示されている。] [0046] ここで留意すべきことは、本発明は、必ずしも押出しにより作られていない高電圧直流終端部および/または接続部に対しても、等しく適用可能であると言うことである。] [0047] 終端部および/または接続部は、ポリマー・ベースの絶縁系を成形(molding)することにより形成されても良い。] [0048] 一つの実施形態において、前記ポリマー・ベースの絶縁系が予め成形され、次いで、本発明の熱処理が行われる。そのような物として、成形された終端部および/または接続部が市販されても良い。取り付けの間に、成形された終端部および/または接続部が電気的な導電体の周りに設けられる。] [0049] 代替的な実施形態において、前記ポリマー・ベースの絶縁系に熱処理を行う工程に先立って、成形されたポリマー・ベースの絶縁系が、好ましくは、押出し成形(extrusion molding)またはテープ成形(tape molding)を介して、導電体の周りに成形される。]
权利要求:
請求項1 絶縁された高電圧直流ケーブルまたは高電圧直流終端部または接続部を設けるための方法であって:−複合ポリマー組成(12)を有するポリマー・ベースの絶縁系を設け(21);−前記ポリマー・ベースの絶縁系の外側表面が、前記ポリマー・ベースの絶縁系の中に不均一な分布状態で存在する少なくとも一つの物質に対して不透過性の被覆により被覆された(24)状態で、前記ポリマー・ベースの絶縁系に熱処理を行い(25)、それにより、前記ポリマー・ベースの絶縁系の中の前記少なくとも一つの物質の濃度を均等化させること;を特徴とする方法。 請求項2 下記特徴を有する請求項1に記載の方法:当該方法は、絶縁された高電圧直流ケーブルを製造するための方法であって、ポリマー・ベースの絶縁系を設ける(21)前記工程は、導電体(10)の周りに、前記ポリマー・ベースの絶縁系を押し出すことを含んでいる。 請求項3 下記特徴を有する請求項2に記載の方法:前記押出しによる直流ケーブルは、ドラムの上にまたはベッセルの中に巻かれ、押出しによる直流ケーブルのロールは、前記少なくとも一つの物質に対して不透過性の被覆で、好ましくは薄い金属箔で、被覆されている。 請求項4 下記特徴を有する請求項2または3に記載の方法:前記押出しによる直流ケーブルは、鉛シートの、金属積層板(14)および/または外側の被覆またはシース(15)により被覆され、前記直流ケーブルの熱処理(25)が、それに続いて実施される。 請求項5 下記特徴を有する請求項2から4の何れか1項に記載の方法:−前記押出しによるポリマー・ベースの絶縁系の外側表面が前記不透過性の被覆により被覆されていない(23)状態で、前記押出しによる直流ケーブルに熱処理が行われ、それによって、架橋の後に前記ポリマー・ベースの絶縁系の中に存在する第二の物質を取り除き;−前記第二の物質を取り除いた後に、前記押出しによるポリマー・ベースの絶縁系の外側表面が前記被覆により被覆された状態で、前記押出しによるポリマー・ベースの絶縁系の前記熱処理(25)が実施され、それにより、前記押出しによるポリマー・ベースの絶縁系の外側表面の隣接する部分での、前記少なくとも一つの物質の濃度を増大させる。 請求項6 下記特徴を有する請求項5に記載の方法:前記第二の物質は、メタンである。 請求項7 下記特徴を有する請求項1に記載の方法:当該方法は、高電圧直流終端部または接続部を設けるための方法であって、ポリマー・ベースの絶縁系を設ける前記工程は、前記ポリマー・ベースの絶縁系を成形することを含んでいる。 請求項8 下記特徴を有する請求項7に記載の方法:前記ポリマー・ベースの絶縁系に熱処理を行う工程に続いて、前記成形されたポリマー・ベースの絶縁系が導電体(10)の周りに設けられる。 請求項9 下記特徴を有する請求項7に記載の方法:前記ポリマー・ベースの絶縁系に熱処理を行う工程に先立って、前記成形されたポリマー・ベースの絶縁系が導電体(10)の周りに成形され、好ましくは、押出し成形またはテープ成形により成形される。 請求項10 下記特徴を有する請求項1から9の何れか1項に記載の方法:前記複合ポリマー組成は、複合ポリエチレン組成(12)である。 請求項11 下記特徴を有する請求項1から10の何れか1項に記載の方法:前記少なくとも一つの物質の濃度は、前記押出しによるポリマー・ベースの絶縁系の外側表面に隣接する部分で、均等化される。 請求項12 下記特徴を有する請求項1から11の何れか1項に記載の方法:前記ポリマー・ベースの絶縁系に熱処理を行う前記工程の前に、前記複合ポリマー組成が架橋される(22)。 請求項13 下記特徴を有する請求項12に記載の方法:前記少なくとも一つの物質は、架橋からの残留物または副生成物を、好ましくは過酸化物分解生成物を、含んでいる。 請求項14 下記特徴を有する請求項1から13の何れか1項に記載の方法:前記少なくとも一つの物質は、添加剤を含んでいる。 請求項15 下記特徴を有する請求項14に記載の方法:前記添加剤は、坑酸化剤である。 請求項16 下記特徴を有する請求項1から15の何れか1項に記載の方法:前記熱処理は、50℃と120℃の間の温度で実施され、最も好ましくは、70℃と90℃の間の温度で実施される。 請求項17 下記特徴を有する請求項1から16の何れか1項に記載の方法:前記熱処理は、前記熱処理が実施される温度に依存する時間の間、実施される。
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