骨髄性血液学的増殖性疾患と関連する免疫グロブリンおよび/またはToll様受容体タンパク質ならびにその使用
专利摘要:
本開示は、ヒト造血器がんの診断、予後判定、および処置に有効な方法および組成物に関する。特に、本開示は、他の細胞、例えば正常な幹細胞と比較した場合に、骨髄起源の造血器腫瘍細胞において差次的に発現される免疫グロブリン(Ig)および/またはToll様受容体スーパーファミリーのメンバーをコードする腫瘍関連遺伝子を提供する。 公开号:JP2011515497A 申请号:JP2011502076 申请日:2009-03-26 公开日:2011-05-19 发明作者:オルガー カーサンキー 申请人:セレラント セラピューティクス インコーポレイテッド; IPC主号:C07K16-28
专利说明:
[0001] 本出願は、35USC§119に基づき、参照により全体として本明細書に組み入れられる米国特許出願第61/039,701号(2008年3月26日出願)の優先権の恩典を主張する。] [0002] 1. 技術分野 本開示は一般に、がん幹細胞マーカーを特異的に標的とすることができる作用物質ならびに特に診断および治療処置においてその作用物質を使用する方法に関する。特に、本開示は、細胞外に発現し、本明細書に開示される抗体および他の作用物質によって標的とされる新規ながん幹細胞標的としての、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーまたはToll様受容体(TLR)スーパーファミリーに属するタンパク質を提供する。] 背景技術 [0003] 2.背景 造血系の細胞は、一連の発現プログラムを経て進行して最終的に骨髄系統またはリンパ系統の最終分化細胞を形成する、多能性前駆細胞、すなわち造血幹細胞(HSC)から生じる。造血の初期段階で、HSCは、二つの区別可能な複分化性(oligopotent)かつ発現的に制限された前駆細胞タイプ、すなわちリンパ系共通前駆細胞(CLP)および骨髄系共通前駆細胞(CMP)へと分化の方向が決定される(commit)と考えられている。Tリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞およびリンパ系樹状細胞は、CLPに由来する対応する前駆細胞から発現するが、赤血球系細胞、巨核球、顆粒球、マクロファージおよび骨髄系樹状細胞は、CMPに由来する対応する前駆細胞から発現する。各分化段階における細胞集団は、細胞マーカーの固有セットのプログラム発現に基づいて、造血経路中の他の細胞集団から区別可能である。] [0004] HSCは、自己複製(self renewal)、すなわち、親細胞と同じ特性を有する少なくとも一つの娘細胞を生じさせる細胞分裂が可能であるが、リンパ系統または骨髄系統へと分化の方向が決定された前駆細胞は、自己複製する能力を失う。すなわち、分化の方向が決定された前駆細胞の細胞有糸分裂は、親細胞と同じ増殖および分化能力を有する細胞を生成するのではなく、分化した子孫に至る。この自己複製能力の損失は、前駆細胞を免疫無防備状態の動物に移植したのち、HSCが宿主動物の寿命にわたって造血を完全に再生し、維持することができること(すなわち長期再形成)に比較して、分化の方向が決定された前駆細胞が限られた期間しか造血を維持できないこと(すなわち短期再形成)において認められる。] [0005] しかし、造血系の特定の疾病状態において、細胞調整経路の調節不全が、自己複製する能力を取得する前駆細胞を生じさせることがあることが認められた。例えば、急性骨髄性(myeloid)白血病(AML、急性骨髄性(myelogenous)白血病とも呼ばれる)は、一部には異常な造血細胞による骨髄の浸潤を特徴とする骨髄増殖性疾患である。事実、がんの幹細胞性が初めてAMLにおいて証明された(Lapidot et al., 1994 Nature 17:645-8(非特許文献1))。AMLは、形態学的特徴および細胞化学的染色性に基づいて異なるサブタイプに分類され、AMLの大部分のタイプにおける自己複製特性は、HSCと合致する細胞マーカー表現型を有する白血球に起因するが(Bonnet, D. and Dick, J. E., Nat. Med. 3(7):730-737 (1997)(非特許文献2))、AML M3サブタイプと関連する染色体異常は、骨髄系統のより分化した細胞に特徴的な細胞マーカー表現型を有する細胞集団(CD34-、CD38+)で認められ、M3におけるHSC集団は転座を有しない(Turhan, A.G. et al., Blood 79:2154-2161 (1995)(非特許文献3))。] [0006] 分化の方向が決定された前駆細胞集団における自己複製特性の獲得はまた、9番染色体と22番染色体との間t(9;22)で均衡した転座であるフィラデルフィア染色体と一般に関連する疾病である慢性骨髄性(myeloid)白血病(CML、慢性骨髄性(myelogenous)白血病または慢性顆粒球性白血病とも呼ばれる)においても示唆されている。転座は、bcr遺伝子とc-abl遺伝子との融合を生じさせ、その結果、チロシンキナーゼ活性が増大したキメラタンパク質BCR-ABLを発現させる。CML中のHSC集団は典型的には、染色体異常を含むが、BCR-ABL融合タンパク質は、HSCではなく、主に骨髄単球系統の、分化の方向が決定された細胞の中で発現しており、これは、HSCではなく、骨髄系統中の、分化の方向が決定された細胞が白血病細胞の供給源でありうることを示す。分化の方向が決定された骨髄細胞がCMLにおける白血病クローンの供給源であるというさらなる証拠は、トランスジェニック動物におけるBCR-ABLの制御された発現の研究から来るものである。骨髄系前駆細胞の中で特異的に活性を示して、分化の方向が決定された細胞の中ではBCR-ABLの発現を強要し、HSCの中ではそれを強要しないプロモータの使用が、これらのトランスジェニック動物モデルにおいてCMLの疾病特性を生じさせる(Jaiswal, S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 100:10002-10007 (2003)(非特許文献4))。] [0007] AMLおよびCMLのような骨髄増殖性疾患は典型的には、細胞発生異常と関連するが、細胞発生欠陥のみが増殖性の原因とはいえない。場合によっては、正常な細胞において染色体異常が認められ、それは、疾病状態の完全な出現には、HSCまたは分化の方向が決定された骨髄細胞中でさらなる突然変異の蓄積が必要であることを示唆する。CMLにおいてさえ、疾患は多相経過を示し、慢性相から始まり、それが、3〜5年後および10年までに、AMLに類似した促進または芽細胞相に至る。慢性相(5%未満の芽球または前骨髄球)から芽細胞相(末梢血または骨髄中>30%芽球)までに移行するために要する期間は、慢性相をより攻撃的な芽細胞相に転換する原因である突然変異を蓄積するために必要な時間を反映しうる。しかし、大部分、白血病細胞は、正常な前駆細胞中で検出可能な細胞マーカー表現型を保持すると思われる。] [0008] 増殖性疾患の処置は通常、細胞傷害性または細胞増殖抑制性化学療法剤に対する増殖細胞の感受性に依存する。例えば、二官能アルキル化剤であるブスルファンおよびリボヌクレオシド二リン酸の阻害剤であるヒドロキシ尿素は、DNA合成および安定性に影響して、分裂細胞に対して毒性を生じさせる。類似した活性の他の治療剤は、シトシンアラビノシド(シタラビン)およびダウノルビシンを含む。しかし、これらの作用物質の効果は非差別的であり、その結果、正常な分裂細胞に対する毒性による重大な副作用を有する。] [0009] 血液学的悪性疾患の患者に使用される別の処置は、レシピエントの造血細胞を放射線および/または化学療法(例えばシクロホスファミド)によって除去し、健康な造血幹細胞の移植によって造血系を再構成する骨髄移植(BMT)である。典型的には、移植は、家族(HLA同一)または血清学的に適合した善意あるドナー(MUD)からのHLAの適合した同種異系骨髄細胞を使用する。レシピエントの約<50%が、正確にマッチする組織適合性を有するドナーを見つける。十分にマッチしない市販ドナーを用いる移植は、移植関連の罹患率および死亡率を高める。この治療法は、適当なドナーの利用可能性への依存のせいで、また、処置が、急性または後期段階の患者と比較して疾病の慢性または早期段階の患者の場合により良好な結果を示すため、用途が限られている。] [0010] がんの抗体治療は、抗原発現腫瘍細胞を標的とするために、抗原に対する抗体または抗体フラグメントの使用を含む。抗体治療は、特定の抗原を発現する細胞を標的とするため、正常な細胞との交差反応性の危険性があり、それが有害な結果を招くおそれがある。腫瘍特異的抗原を見いだすことに多大な努力が払われている。腫瘍特異的抗原は、ほぼ排他的に腫瘍上に見いだされる、または腫瘍細胞中で、対応する正常な細胞よりも高いレベルで発現する。したがって、腫瘍特異的抗原は、がんまたは抗原を発現する他の疾病関連細胞の抗体標的化のための標的を提供し、また、例えば増大した発現レベルを識別することにより、診断のためのマーカーを提供する。免疫療法においては、そのような腫瘍特異的抗原に対して特異的な抗体は、細胞傷害性化合物とコンジュゲートされてもよく、または単独で免疫療法に使用されてもよい。] [0011] AMLのような造血器がんに対する処置選択肢としての免疫療法は、腫瘍特異的であり、多様な患者の間で共有される腫瘍関連抗原の欠如によって限られる。骨髄系統中での白血病細胞と正常な細胞集団との間の共通の特性を活用することによる、白血病細胞の発生源を利用した他の治療剤を見いだすことが望ましい。この手法は、骨髄性白血病のための従来の療法を補うことができる、または白血病細胞の幹細胞画分を直接標的とするための代替処置として使用することができる処置を提供すると考えられる。この手法はまた、さらなる診断戦略および予後判定戦略、ならびに治療法の効力をモニタリングするための戦略を提供する。] [0012] 一般に、治療処置は、造血器がんの特定のタイプに特化された場合、より効果的である。処置法の効力を経時的に予測し、判定することもまた、臨床管理の点で価値がある。したがって、AMLのような骨髄性白血病疾患のより効率的かつ正確な診断および予後判定で使用することができる腫瘍特異的マーカーを見いだすことが望ましい。] [0013] タンパク質の免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーのメンバーは、細胞の認識、結合または接着に関与する細胞表面および可溶性タンパク質である。メンバーは、免疫系の細胞表面抗原受容体、共受容体、共刺激分子、リンパ球への抗原提示に関与する分子、細胞接着分子、一部のサイトカイン受容体および細胞内筋タンパク質を含む。] [0014] タンパク質のToll様受容体(TLR)スーパーファミリーに属するタンパク質は一般に、様々な微生物成分を認識し、それらと結合するパターン認識受容体である。病原体関連分子パターン(PAMP)へのTLRの結合は、反応性酸素および窒素中間体の生成、炎症誘発性サイトカインネットワークの開始ならびに免疫系の共刺激分子のアップレギュレーションを誘発する。] 先行技術 [0015] Lapidot et al., 1994 Nature 17:645-8 Bonnet, D. and Dick, J. E., Nat. Med. 3(7):730-737 (1997) Turhan, A.G. et al., Blood 79:2154-2161 (1995) Jaiswal, S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 100:10002-10007 (2003)] [0016] 3.概要 本発明は、骨髄起源のヒト造血器がんの診断および処置に有効な方法および組成物を提供する。本明細書に記載されるように、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーまたはToll様受容体(TLR)スーパーファミリーの以下のマーカー、すなわち、CD84、リンパ球抗原86(Ly86)、CD180(RP105)、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2)、白血球免疫グロブリン様受容体,TMドメインを有するサブファミリーA,メンバー(leukocyte immunoglobulin-like receptor, subfamily A with TM domain, member)1(LILRA1)、白血球免疫グロブリン様受容体, TMドメインを有するサブファミリーA, メンバー2(LILRA2)、神経成長調節因子1(NEGR1)、およびToll様受容体(TLR2)が、骨髄起源の造血器腫瘍細胞(HTC)と関連することがわかった。] [0017] 好ましい態様において、IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバーは、正常なHSCと比較した場合に、骨髄起源のHTCにおいて差次的に発現する。いくつかの態様において、IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバーは、少なくとも約2倍、差次的に発現する。他の態様において、IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーは、少なくとも約3倍、差次的に発現する。他の態様において、IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーは、少なくとも約5倍、差次的に発現する、等々である。本開示は、治療および診断用途における使用が見いだされる、これらのマーカーに特異的に向けられた作用物質を提供する。] [0018] IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの以下のメンバー、すなわち、CD84、CD180(RP105)、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2)、白血球免疫グロブリン様受容体,TMドメインを有するサブファミリーA, メンバー1(LILRA1)、白血球免疫グロブリン様受容体, TMドメインを有するサブファミリーA, メンバー2(LILRA2)、神経成長調節因子1(NEGR1)、およびToll様受容体(TLR2)は、骨髄HTCの表面で過剰発現する。これらのマーカーに特異的に向けられた作用物質は、表面に発現したマーカーへの結合によって、骨髄起源のHTCに特異的に結合することができる。] [0019] 以下の細胞外発現マーカー、すなわちリンパ球抗原86(Ly86)は、他の膜タンパク質への結合によって、骨髄HTCの表面で過剰発現し、見いだされる。開示された骨髄HTCマーカー(例えば、本明細書に開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバー)を特異的に標的として、その発現に干渉するかまたは発現産物に結合する組成物が本明細書に提供され、ならびに同組成物を、そのようなマーカーを特徴とする血液学的増殖性疾患の診断、予後判定および処置に使用する方法が本明細書に提供される。組成物は、骨髄HTCと関連する細胞外発現抗原の一つまたは複数に特異的に結合し、それらの増殖を阻害する、および/またはそれらの破壊を媒介することができる抗体を含む。本発明はさらに、一つまたは複数のそのような抗体を産生する不死細胞株を提供する。] [0020] 一つの局面において、本発明は、骨髄起源のHTCと関連する、CD84、リンパ球抗原86(Ly86)、CD180(RP105)、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2)、白血球免疫グロブリン様受容体,TMドメインを有するサブファミリーA,メンバー1(LILRA1)、白血球免疫グロブリン様受容体, TMドメインを有するサブファミリーA, メンバー2(LILRA2)、神経成長調節因子1(NEGR1)、およびToll様受容体(TLR2)の一つまたは複数に特異的に結合する抗体を提供する。いくつかの態様において、抗体は、モノクロナール抗体、例えば、ハイブリドーマ細胞株から産生される抗体である。好ましい態様において、モノクロナール抗体は、非限定的に慢性骨髄性白血病(CML)芽細胞、急性骨髄性白血病(AML)芽細胞を含む、骨髄起源の造血器腫瘍細胞、ならびにKG-1a、プファイファー、MOLT-3、GA-10、Ramosおよびジャーカット細胞株からの細胞に特異的に結合する。別の態様において、モノクロナール抗体はAML芽細胞に特異的に結合する。] [0021] 好ましい態様において、本発明は、骨髄HTCと関連するIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバーの一つまたは複数に特異的に結合し、それにより、それらの増殖を阻害する、および/またはそれらの破壊を媒介するが、正常な造血幹細胞の破壊を媒介しない抗体を提供する。好ましい態様において、抗体はモノクロナール抗体である。いくつかの態様において、抗体はIgGアイソタイプまたはヒト化抗体である。一つの態様において、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子を含むトランスジェニック動物からの抗体である。] [0022] 別の態様において、本発明は、骨髄起源のHTCと関連するIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバーの一つまたは複数に特異的に結合する少なくとも一つの抗体を有する抗体複合体を提供する。好ましい態様において、抗体複合体は、IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバーの一つに結合するモノクロナール抗体を含む多量体を含む。] [0023] 代替態様において、本発明の抗体は、検出可能な部分、放射性化合物(例えば放射性同位体または放射性核種)または生物活性化合物(例えば薬物または小分子)を含む。いくつかの態様において、生物活性化合物は細胞傷害性物質である。] [0024] 別の態様において、本発明は、本明細書に開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーポリペプチドのメンバーの一つまたは複数に好ましくは特異的に結合する小分子を提供する。好ましい態様において、小分子は、本明細書に開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーに対応するポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストであるとして当技術分野で公知である有機小分子を含む有機小分子である。本明細書に開示される他のHTCマーカーに対応するポリペプチドに結合することが知られた小分子はまた、対象の治療、予後判定および/または診断用途における使用が見いだされうる。] [0025] 場合によっては、小分子は、成長阻害剤または細胞傷害性物質、例えばマイタンシノイドまたはカリチアマイシンン等を含む毒素、抗生物質、放射性同位体、核酸分解(nucleolytic)酵素などとコンジュゲートされる。本発明の治療法における使用が見いだされる小分子は、好ましくは、それらが結合する細胞の死を誘発する。診断目的の場合、小分子は、検出可能に標識されうる、および/または固体支持体に付着されうる。] [0026] IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバーに対する対象作用物質および抗体は顕著な治療および診断有用性を有し、さらなる局面においては、開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーメンバーの一つまたは複数の存在を特徴とする血液学的増殖性疾患、例えば急性骨髄性(myelogenous)白血病、急性骨髄単球性白血病、慢性骨髄性白血病および急性骨髄性(myeloid)白血病を診断し、処置する際に使用するための、対象作用物質および抗体を使用した薬学的組成物、方法およびキットが提供される。] [0027] 一つの局面において、本開示は、抗体を使用してIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバーの一つまたは複数を標的とする方法を提供する。本教示において、抗体は、骨髄起源のHTCが関与する疾患、例えば慢性骨髄性白血病(CML)および急性骨髄性白血病(AML)のような骨髄増殖性疾患を処置する際に免疫療法アプローチのための基礎を提供する。] [0028] 一つの態様において、本発明は、IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバーの一つまたは複数に対する抗体または他の作用物質を含む組成物とHTCとを接触させることにより、骨髄起源のHTCの増殖を阻害する方法を提供する。別の態様において、本発明は、IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバーの一つまたは複数に対する抗体または他の作用物質を含む組成物とHTCとを接触させることにより、骨髄起源のHTCの破壊を媒介する方法を提供する。一つの態様において、抗体は、IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバー上のエピトープまたはその部分に特異的に結合するモノクロナール抗体である。別の態様において、組成物は抗体複合体を含む。] [0029] 別の態様において、それを必要とする対象においてIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバーの一つまたは複数を過剰発現するHTCを除去する方法が提供され、前記対象は、本明細書に記載される抗体または抗体複合体を含む組成物の投与を受ける。さらに別の態様において、本発明は、IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバーの一つまたは複数のHTCにおける過剰発現を特徴とする骨髄性血液学的増殖性疾患の患者を処置する方法が提供され、前記患者は、本明細書に記載される抗体もしくは抗体複合体または他の作用物質を含む組成物の投与を受ける。] [0030] いくつかの態様において、本発明の方法は、骨髄増殖性疾患、例えば慢性骨髄性白血病(CML)および/または急性骨髄性白血病(AML)を含む、骨髄起源の血液学的増殖性疾患を処置するのに適している。] [0031] 別の局面において、本発明は、骨髄起源の血液学的増殖性疾患の診断方法を提供し、ここで、IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバーの一つまたは複数に対応する発現産物のレベルが、検出される。一つの態様において、発現産物は、RNAのような転写産物である。RNAのレベルを検出する方法は、特定のハイブリダイゼーションプローブまたはそのようなプローブのアレイを使用することを含む。別の態様において、発現産物は、本明細書に開示されるHTCと関連するIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの一つまたは複数などの翻訳産物である。抗原のレベルを検出する方法は、本開示の抗体を使用することを含む。RNAまたは抗原レベルは、対照レベル、例えば正常なHSCの試料から得られたレベルと比較することができる。] [0032] 別の態様において、本発明は、骨髄起源の血液学的増殖性疾患を処置する効力を予測するための予後判定方法を提供し、ここで、IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバーの一つまたは複数に対応する発現産物のレベルが検出され、かつ発現産物レベルと処置結果の相関関係が示される。一つの態様において、発現産物はRNAであり、より低い発現レベルは、より好ましい結果と相関している。] [0033] さらに別の態様において、本発明は、骨髄起源の血液学的増殖性疾患を処置する効力をモニタリングする方法を提供し、ここで、IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバーの一つまたは複数に対応する発現産物のレベルが様々な時間点で検出され、かつレベルの変化と処置結果の相関関係が示される。一つの態様において、発現産物はRNAであり、レベルの低下によって、処置に対する正の応答が示される。] [0034] いくつかの態様において、本発明の方法は、骨髄増殖性疾患などの骨髄起源の血液学的増殖性疾患の診断、予後判定およびモニタリングに適している。本発明は、慢性骨髄性白血病(CML)および/または急性骨髄性白血病(AML)の診断、予後判定およびモニタリングの方法を提供する。特に好ましい態様において、血液学的増殖性疾患はAMLであり、RNAまたは抗原のレベルは、AMLHTCを含む試験試料を使用して検出され、これは、正常なHSCの対照試料から得られた対照レベルと比較される。] 図面の簡単な説明 [0035] AMLに罹患していない3個体の動員末梢血(MPB)ドナーから採取された三つの試料からのLin-CD34+CD90+CD45RA-CD38-およびLin-CD34+CD90+CD45RA-CD38+細胞を二重選別した結果を示す。 AMLと診断されている3個体の患者の末梢血から採取された三つの試料からのLin-CD34+CD90+CD45RA-CD38-およびLin-CD34+CD90+CD45RA-CD38+細胞を二重選別した結果を示す。 末梢血細胞を、Ly86に対して特異的な抗体とともにインキュベートした代表的な結果を示す。試料は、AMLと診断されている個体またはAMLに罹患していない動員末梢血(MPB)ドナー個体から採取したものである。 末梢血細胞を、CD84に対して特異的な抗体とともにインキュベートした代表的な結果を示す。試料は、AMLと診断されている個体またはAMLに罹患していない動員末梢血(MPB)ドナー個体から採取したものである。 末梢血細胞を、CD180に対して特異的な抗体とともにインキュベートした代表的な結果を示す。試料は、AMLと診断されている個体またはAMLに罹患していない動員末梢血(MPB)ドナー個体から採取したものである。] [0036] 5. 態様の詳細な説明 5.1 定義 以下の説明に関して、本明細書で使用される技術用語および科学用語は、特に断りない限り、当業者によって一般に理解される意味を有する。したがって、以下の用語は、以下の意味を有するものと解釈される。] [0037] 「がん幹細胞(CSC)マーカー」または「がん幹細胞(CSC)標的」および「造血器腫瘍細胞(HTC)マーカー」または「造血器腫瘍細胞(HTC)標的」という用語は、例えば増大した発現および/または生物学的活性によって、HTCと関連することが見いだされている遺伝子およびその発現産物、例えばmRNAおよびポリペプチドをいう。例えば、本明細書に開示されるCD180マーカーの場合、CD180遺伝子から転写されたCD180 mRNAは、正常なHSCを含む試料と比較して、AML HTCを含む試料中でより高レベルで見いだされる。所与のマーカーと関連付けられたHTCは、本明細書中、「マーカー+HTC」と呼ばれる。] [0038] 「骨髄起源のHTC」とは、特に、単球、マクロファージ、好中球、好塩基球、好酸球、赤血球、巨核球/血小板、樹状細胞などを含む骨髄(非リンパ系)系統の細胞に由来するがん幹細胞をいう。骨髄起源のHTCは、骨髄系統へと分化の方向が決定された前駆細胞が自己複製特性を再び獲得すると考えられる骨髄性白血病、例えばAMLおよびCMLで見られるHTCである。様々なタイプの白血病は、例えば、その起源を、悪性表現型を生じさせる突然変異の組み合わせを取得しているHSCまたは分化の方向が決定された骨髄系前駆細胞の小さな集団に有すると考えられる。「骨髄起源のHTC」および「骨髄HTC」または「骨髄性HTC」は、本明細書中、交換可能に使用される。] [0039] 「造血幹細胞」または「HSC」とは、一般に、B細胞、T細胞、NK細胞、リンパ系樹状細胞、骨髄系樹状細胞、顆粒球、マクロファージ、巨核球および赤血球系細胞を含む造血系のすべての細胞タイプに最終的に分化することができるクローン原性自己複製性多能性細胞をいう。造血系の他の細胞と同じく、HSCは典型的には、細胞マーカーの特徴的なセットの存在によって識別される。] [0040] 「マーカー表現型決定(phenotyping)」とは、その表現型(例えば分化状態および/または細胞タイプ)を決定するための細胞上のマーカーまたは抗原の識別をいう。これは、細胞上に存在する抗原を認識する抗体を使用する免疫表現型決定によって実施することができる。抗体は、モノクロナールであってもまたはポリクロナールであってもよいが、一般には、他の細胞マーカーとで最小限の交差反応性しか有しないように選択される。特定の細胞分化または細胞表面マーカーは、その細胞が由来する動物種に特有であるが、他の細胞マーカーは種と種の間で共通であるということが理解されなければならない。種と種の間で等しい細胞タイプを画定するこれらのマーカーは、構造(例えばアミノ酸配列)における種間の差があるとしても、同じマーカー識別を与えられる。細胞マーカーは、特定の状況においては細胞分化(CD)マーカーとも呼ばれる細胞表面分子および遺伝子発現マーカーを含む。遺伝子発現マーカーは、細胞タイプまたは分化状態を示す、発現した遺伝子のセットである。一部に、遺伝子発現プロファイルは、非細胞表面分子を含むこともあるが細胞表面マーカーを反映すると考えられる。] [0041] 系統マーカーとは、特定の発生系統の細胞の免疫表現型決定のために使用することができる細胞表面抗原である。例えば、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、NK1.1、B220、TER-119、Gr-1を含む「Lin」抗原のセットは、成熟マウス血液細胞を識別するために使用することができる。これらのマーカー抗原を発現しない、または非常に低レベルで発現する細胞は、系統マーカー陰性(Lin-)といわれる。これらの系統マーカーに対するモノクロナール抗体カクテルを使用すると、これらの抗原を発現する細胞をソース組織(例えば骨髄、臍帯血、動員末梢血、胎児肝臓など)から取り出すことができる。この陰性選択手順は、原始造血幹細胞またはこれらのマーカーを(まだ)発現していない非常に早期の前駆細胞または前駆体細胞(例えばKTLS細胞を参照)に関して濃縮された細胞集団を生じさせる。これらの細胞は系統陰性細胞(略してLin-細胞)と呼ばれる。造血幹細胞に関して濃縮された系統陰性細胞のいくつかの亜集団が識別されている。これらは、Lin-CD34+細胞(Krause et al, 1994)、Lin-Sca-1+c-Kit+Thy1low細胞(Fleming et al, 1993)およびヒトCD34+CD38-細胞集団を含む。] [0042] 「作用物質」とは、開示されたHTCマーカーの一つまたは複数に特異的に向けられ、血液学的増殖性疾患においてHTCマーカーの生物学的活性を阻害、妨害および/または抑制する、ならびに/またはHTCの破壊を媒介するように働くことができる任意の分子をいう。作用物質は、HTCマーカー遺伝子および/または発現産物と特異的に相互作用する任意の分子、例えば、HTCマーカーに対応する抗原に特異的に結合してHTC増殖を阻害する、および/またはそれらの破壊を媒介する抗体;HTCマーカーの発現に干渉するアンチセンス分子;または例えばHTCマーカーとそのリガンドとの相互作用を立体的に阻害してがん幹細胞シグナル伝達経路の活性化を妨害すること等によって、HTCマーカーにより媒介される生物学的活性に干渉する分子を含む。分子は、当技術分野で公知の分子、例えば、本明細書に開示されるHTCマーカーの一つまたは複数に向けられた小分子アゴニストまたはアンタゴニストでありうる。本明細書に開示されるHTCマーカーに対応する抗原に特異的に結合する抗体は「マーカー特異的抗体」と呼ばれる。] [0043] 「小分子」、「小分子化合物」または「有機小分子」とは、通常は約2000ダルトン未満、または約1500、約750、約500、約250、または約200ダルトン未満の分子量を有するサイズの分子を指し、そのような分子は、本明細書に開示されるHTCマーカーに対応するポリペプチドに結合する(好ましくは特異的に結合する)ことができることが当技術分野で公知である。] [0044] 標的分子への小分子化合物の結合に関して、特定の産物と「特異的に相互作用する」または特定の産物に「特異的に結合する」または特定の産物に「向けられる」または「対する」という語句は、計測しうる程度に非特異的相互作用とは異なる結合をいう。特異的結合は、例えば、当技術分野で公知の方法によって、例えば標的、例えば過剰量の非標識標的に類似する対照分子を用いた競合アッセイ法を使用して計測することができる。標的に特異的に結合する小分子化合物は、標的に対して少なくとも約10-4M、または少なくとも約10-5M、または少なくとも約10-6M、または少なくとも約10-7M、または少なくとも約10-8M、または少なくとも約10-9M、または少なくとも約10-10M、または少なくとも約10-11M、または少なくとも約10-12Mまたはそれ以上のKdを有することができる。一つの態様において、「特異的結合」という用語は、小分子化合物が、任意の他のポリペプチドまたは高分子に実質的に結合することなく、その特定の標的に結合する結合をいう。] [0045] 「抗体」とは、対応する抗原に特異的に結合し、免疫グロブリンの共通の一般構造を有するタンパク質を含む組成物をいう。「抗体」という用語は、具体的には、所望の生物学的活性を示す限り、ポリクロナール抗体、モノクロナール抗体、二量体、多量体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)および抗体フラグメントを包含する。抗体は、マウス抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体または他の種に由来する抗体でありうる。通常、抗体は、ジスルフィド結合によって相互接続された少なくとも二つの重鎖および二つの軽鎖を含み、これらが合わさって、抗原と相互作用する結合ドメインを形成する。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域(CH)で構成されている。重鎖定常領域は、三つのドメインCH1、CH2およびCH3で構成され、μ、δ、γ、αまたはεアイソタイプでありうる。同様に、軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域(CL)で構成されている。軽鎖定常領域は、κまたはλアイソタイプでありうる一つのドメインCLで構成されている。VHおよびVL領域はさらに、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性領域に細分割することができ、これらの領域の間には、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる、より保存された領域が存在している。各VHおよびVLは、アミノ末端からカルボキシ末端まで以下の順序で配列した三つのCDRおよび四つのFR、すなわちFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で構成されている。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えばエフェクター細胞)および古典的補体系の第一成分(Clq)を含む宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介することができる。重鎖定常領域は、特に細胞受容体、例えばFc受容体(例えばFcγRI、FcγRII、FcγRIIIなど)を介して、宿主組織または宿主因子への免疫グロブリンの結合を媒介する。本明細書で使用される抗体はまた、抗原に結合する能力を保持する免疫グロブリンの抗原結合部分をも含む。これらは、例として、VL、CLおよびVHCH抗体ドメインの一価フラグメントであるF(ab)、およびジスルフィド架橋によってヒンジ領域で結合された二つのFabフラグメントを含む二価フラグメントであるF(ab)2フラグメントを含む。抗体という用語はまた、組換え単鎖Fvフラグメント(scFv)および二重特異性分子、例えばダイアボディ、トリアボディおよびテトラボディをもいう(例えば米国特許第5,844,094号を参照)。] [0046] 抗体は、抗体複合体を含む多くの形態で製造し、使用することができる。本明細書で使用される「抗体複合体」という用語は、一つまたは複数の抗体と別の抗体または抗体フラグメントとの複合体、または二つまたはそれ以上の抗体フラグメントの複合体を意味するために使用される。抗体複合体は、開示されたHTCマーカーに対する抗体の多量体形態、例えば、ホモコンジュゲートおよびヘテロコンジュゲートならびに本明細書に記載される架橋抗体を含む。] [0047] 「抗原」は、広く解釈されるべきであり、抗体に特異的に結合することができる任意の分子、組成物または粒子をいう。抗原は、抗体と相互作用する一つまたは複数のエピトープを有するが、その抗体の産生を必ずしも誘発するわけではない。] [0048] 用語「架橋」およびその語法的等価物は、二つまたはそれ以上の抗体が結合して抗体複合体を形成することをいい、多量体化と呼ぶこともできる。架橋または多量体化は、二つまたはそれ以上の同じ抗体の結合(例えばホモ二量体化)および二つまたはそれ以上の異なる抗体の結合(例えばヘテロ二量体化)を含む。当業者はまた、架橋または多量体化が、抗体ホモコンジュゲートおよび抗体ヘテロコンジュゲートの形成とも呼ばれることを理解すると考えられる。そのようなコンジュゲートは、同じクローン起源の二つまたはそれ以上のモノクロナール抗体の結合(ホモコンジュゲート)または異なるクローン起源の二つまたはそれ以上の抗体の結合(ヘテロコンジュゲートまたは二重特異性とも呼ばれる)を含みうる。抗体は、非共有結合的な結合または共有結合によって架橋させることができる。架橋に適した数多くの技術が当業者によって理解されよう。非共有結合的な結合は、一次抗体種に対して特異的である二次抗体の使用によって達成することができる。例えば、マウスモノクロナール抗体を架橋させるためには、ヤギ抗マウス(GAM)二次抗体を使用することができる。共有結合は、化学架橋剤の使用によって達成することができる。] [0049] 「エピトープ」とは、抗体への特異的結合が可能である決定基をいう。エピトープは、一般に分子の表面に存在し、抗体との相互作用に利用可能である化学的特徴である。典型的な化学的特徴は、三次元構造特性ならびに電荷、親水性および親油性を含む化学的性質を有するアミノ酸および糖部分である。立体配座的エピトープは、分子の空間要素の変化ののち、基礎にある化学構造のいかなる変化もなしに、抗体との反応性の損失によって非立体配座的エピトープから区別される。] [0050] 「ヒト化抗体」とは、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含む免疫グロブリン分子をいう。ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性および能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)、例えばマウス、ラットまたはウサギのCDRからの残基によって置換されているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基が、対応する非ヒト残基によって置換されている。ヒト化抗体はまた、レシピエント抗体中または移入されたCDRもしくはフレームワーク配列中のいずれにも見られない残基を含むこともできる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも一つ、典型的には二つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、ここで、CDR領域のすべてまたは実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、フレームワーク(FR)領域のすべてまたは実質的にすべてがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のフレームワーク領域である。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)、一般にはヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部分を含む免疫グロブリンを包含する(Jones et al., Nature 321:522-525 (1986)、Reichmann et al, Nature 332:323-329 (1988))。] [0051] 「免疫原」とは、免疫応答の生成を刺激する物質、化合物または組成物をいう。] [0052] 「免疫グロブリン座」という用語は、免疫グロブリンペプチドを発現するためにB細胞またはB細胞前駆体によって使用されうる情報を含む遺伝子エレメントまたは結合された遺伝子エレメントのセットをいう。このペプチドは、重鎖ペプチド、軽鎖ペプチドまたは重鎖ペプチドと軽鎖ペプチドとの融合物でありうる。再配列されていない座の場合、遺伝子エレメントは、B細胞前駆体によってアセンブルされて、免疫グロブリンペプチドをコードする遺伝子を形成する。再配列された座の場合、免疫グロブリンペプチドをコードする遺伝子は座内に含まれる。] [0053] 「アイソタイプ」とは、その重鎖定常領域によって画定される抗体クラスをいう。重鎖は一般に、γ、μ、α、δ、εとして分類され、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEと呼ばれる。各アイソタイプ内の変種はサブタイプに分類される。例えば、IgGのサブタイプはIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4に分けられ、IgAはIgA1およびIgA2に分けられる。IgYアイソタイプは鳥類に特異的である。] [0054] 「モノクロナール抗体」または「モノクロナール抗体組成物」とは、単一の分子組成物の抗体分子の調製物をいう。モノクロナール抗体組成物は、特定のエピトープに対して単一の結合特異性および親和性を示す。] [0055] 「ヒトモノクロナール抗体」という用語は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変および/または定常領域(存在するならば)を有する単一の結合特異性を示す抗体をいう。一つの態様において、ヒトモノクロナール抗体は、不死化細胞に融合されたヒト重鎖および軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有するトランスジェニック非ヒト動物、例えばトランスジェニックマウスから得られるB細胞を含むハイブリドーマによって産生される。] [0056] 「単鎖Fv」または「scFv」とは、抗体のVHおよびVL領域を含み、これらのドメインが単一ポリペプチド鎖中に存在する抗体をいう。一般に、scFvはさらに、scFvが抗原結合に所望の構造を形成することを可能にするポリペプチドリンカーをVHおよびVLドメインの間に含む。] [0057] 「特異的に免疫反応性の」または「特異的に結合する」抗体とは、不均一抗原集団中の抗原の存在を決定づける抗体の結合反応をいう。抗体は、特定の抗原に「向けられた」または「対する」ものとして記載されうる。指定されたイムノアッセイ条件下、抗体は、バックグラウンドよりも少なくとも2倍、典型的には10〜1000倍またはそれ以上、抗原に結合する。「特異的に免疫反応性の」または「特異的に結合する抗体」とはまた、表面に結合した抗原を有する細胞を標的とする、または可溶性抗原そのものを標的とするのに有用であるような十分な親和性をもって抗原に結合することができる抗体をいう。そのような態様において、非特異的結合の程度は、バックグラウンドの、またはバックグラウンド以下の結合の量であり、典型的には、例えば蛍光活性化細胞選別(FACS)分析または放射性免疫沈降(RIA)によって測定した場合で約10%未満、好ましくは約5%未満、より好ましくは約1%未満である。] [0058] 「組換え抗体」とは、組換え技術によって調製および発現され、作製または単離されたすべての抗体をいう。これは、免疫グロブリン座に関してトランスジェニックである動物から得られた抗体、組換え発現ベクターから発現された抗体、または任意の免疫グロブリン遺伝子配列を他の核酸配列にスプライシングすることによって作製され、調製され、かつ発現された抗体を含む。] [0059] 例えば造血器腫瘍細胞(HTC)と「関連する」免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーまたはToll様受容体(TLR)スーパーファミリーのメンバーにおけるような「関連する」という語句は、HTCマーカー遺伝子(例えば、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーまたはToll様受容体(TLR)スーパーファミリーの開示されたメンバーの遺伝子)が、HTC中、他の哺乳動物細胞、例えば正常なHSCに対して、差次的に発現する場合をいう。すなわち、遺伝子に対応するRNAなどの転写産物および/またはポリペプチドのような翻訳産物が、HTCを含む一つまたは複数の試料中、他の哺乳動物細胞、例えば正常なHSCを含む一つまたは複数の試料と比較して差次のあるレベルで見いだされている。] [0060] 本明細書で使用される「発現」または「発現する」とは、遺伝子によって指示される転写および翻訳プロセスの両方をいう。すなわち、この用語は、核酸配列(遺伝子)中にコードされた遺伝子情報を遺伝子の転写によってRNA(例えばmRNA、rRNA、tRNA、snRNAなど)に転換する、および/または遺伝子情報をmRNAの翻訳によってタンパク質に転換するプロセスをいう。同様に、本明細書で使用される「発現産物」とは、遺伝子の転写または翻訳産物をいい、例えば、RNA(mRNA、tRNA、rRNA、snRNAなど)およびポリペプチド(細胞内、細胞外または表面発現タンパク質)を含む。] [0061] 本明細書で使用される「差次的な発現」、「差次的に発現された」、「差次のあるレベル」などは、他の哺乳動物細胞、例えば特に正常なHSCと比較した場合の、HTC中のマーカーに対応する発現産物のレベルの差をいう。差は、HTC中の発現産物の発現レベルの、HSC中の同じ発現産物の発現レベルに対する商から得られる、発現比またはシグナル比として表すことができる。「差次的な発現」は一般に、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約5倍、少なくとも約7倍、少なくとも約10倍または少なくとも約15倍の発現レベルの差をいう。特に好ましい態様において、発現レベルの差は、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍または少なくとも約50倍である。さらに好ましい態様において、発現レベルの差は、少なくとも約70倍、少なくとも約100倍、少なくとも約200倍またはほぼ300倍、400倍もしくは500倍である。] [0062] 「細胞外に発現された」とは、発現産物が、細胞の形質膜の完全に外側に存在するのか(分泌された可溶性産物の場合のように)、膜(または表面)に発現している産物の場合のように部分的に細胞の外側に存在するのかにかかわらず、細胞の外にある場合をいう。膜結合タンパク質は、タンパク質の少なくとも一部分が細胞の外側の抗体にとってアクセス可能である限り、細胞膜内にあっても周辺にあってもよい。膜結合という用語は、膜結合受容体への結合によって表面膜と会合する受容体結合産物のみならず、膜発現産物も含む。] [0063] 「対象」または「患者」は、交換可能に使用され、特に記す場合を除き、哺乳動物、例えばヒトおよび非ヒト霊長類ならびにウサギ、ラット、マウス、ヤギ、ブタおよび他の哺乳動物種をいう。] [0064] 「血液学的増殖性疾患」または「造血増殖性疾患」とは、骨髄および/またはリンパ系統の一つまたは複数の造血細胞のクローン性増殖を特徴とする状態をいう。「骨髄系統の血液学的増殖性疾患」とは、リンパ系統ではなく主に骨髄系統の一つまたは複数の造血細胞のクローン性増殖を特徴とする状態をいう。本明細書において、「骨髄起源の」という語句は、形容詞「骨髄の」または「骨髄性の」と交換可能に使用される。骨髄性造血増殖性疾患は、例えば、(a)造血異常性(dysmyelopoietic)疾患、(b)急性骨髄増殖性白血病(acute myeloproliferative leukemia)および(c)慢性骨髄増殖性疾患の一般的なクラスを含む。当技術分野で公知であるように、一般的なクラスの各々は異なるサブタイプにさらに分類される。] [0065] 5.2ハイブリドーマおよびモノクロナール抗体 本開示の教示は、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーまたはToll様受容体(TLR)スーパーファミリーの以下のメンバー、すなわち、CD84、リンパ球抗原86(Ly86)、CD180(RP105)、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2)、白血球免疫グロブリン様受容体,TMドメインを有するサブファミリーA, メンバー1(LILRA1)、白血球免疫グロブリン様受容体, TMドメインを有するサブファミリーA, メンバー2(LILRA2)、神経成長調節因子1(NEGR1)、およびToll様受容体(TLR2)の一つまたは複数に特異的に結合するモノクロナール抗体およびハイブリドーマ細胞株を提供する。] [0066] IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの以下のメンバー、すなわち、CD84、CD180(RP105)、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2)、白血球免疫グロブリン様受容体,TMドメインを有するサブファミリーA, メンバー1(LILRA1)、白血球免疫グロブリン様受容体, TMドメインを有するサブファミリーA, メンバー2(LILRA2)、神経成長調節因子1(NEGR1)、およびToll様受容体(TLR2)は、骨髄起源のHTCの表面で過剰発現している。本発明は、好ましくはヒト化モノクロナール抗体である、抗CD84抗体、抗CD180抗体、抗HAVCR2抗体、抗LILRA1抗体、抗LILRA2抗体、抗NEGR1抗体および抗TLR2抗体を提供する。] [0067] CD84は、IgSLAMスーパーファミリーの膜貫通タンパク質である。一般に成熟B細胞、単球、胸腺細胞、樹状細胞、および血小板、主にCD4+CD45RA+を含むT細胞のサブセット、ならびにCD34+細胞のサブセット上に見られる七つの代替スプライス形態が知られている。ポリペプチドは通常、細胞接着および同種親和性相互作用に関与し、リンパ球からのIFN-γ分泌を高め、血小板産生を誘発するように働く。CD84を介するシグナル伝達はホモタイプ相互作用を介して起こり、リン酸化ならびにSAPおよびEAT-2の動員を伴い、それが、IFN-γ産生およびT細胞活性化につながりうる。CD84はまた、Hly9-β、Ly9B、SLAMF5およびDKFZp781E2378としても知られている。正常に起こるスプライス形態が造血細胞上で広く発現するが、HTC(例えばAML患者からのHTC)は、より制限的に発現される異なるスプライスバージョンを発現しうる。] [0068] 本発明は、CD84抗原、例えば骨髄起源のHTCの表面に露呈したCD84抗原に特異的に結合することができる抗CD84抗体、好ましくはモノクロナール抗体を提供する。好ましい態様において、抗CD84モノクロナール抗体は、健康なCSC試料中において発現されたものよりも、骨髄性HTCによって発現されたCD84スプライス形態(本明細書中、以下、CD84のAML発現アイソフォームと呼ぶ)を特異的に標的とする。以下さらに詳細に説明するように、抗CD84抗体は、好ましくは、そのような骨髄性HTCに結合して、それにより、その増殖を阻害する、および/またはその破壊を媒介する。当業者はさらに、当技術分野で公知の抗体は、本発明で開示される方法における使用が見いだされうることを理解する。例えば、Abcam、AbD Serotec、ABR-Affinity BioReagents、Biolegend、BDBiosciences、eBioscience、GeneTex、Lifespan Biosciences、R&D Systems、Raybiotech、およびSanta Cruz Antibodiesから市販されている一つまたは複数の抗CD84抗体もまた、本明細書で教示される診断および/または治療用途における使用が見いだされうる。] [0069] LY64、LY78、MGC126233、MGC126234およびRP105としても知られるCD180は、分泌されるLy86と物理的に会合するTLRファミリーのタイプI膜貫通分子である(以下に説明する)。CD180は通常、B細胞、単球/マクロファージおよび樹状細胞の細胞表面に部分的に発現し、その細胞質ドメインは、タイプIIL-1受容体とでホモロジーを共有する。CD180は一般に、シグナル伝達分子として機能して、B細胞成長および死滅の調節において重要な役割を演じる。より具体的には、CD180/Ly86複合体は、TLR4とともに機能してB細胞認識およびLPSシグナル伝達を媒介する。例えば、MHR73-11は、B細胞を活性化して、細胞サイズの増大、共刺激分子CD80の発現およびDNA合成を生じさせる。さらには、CD180の連結はB細胞を照射誘発およびデキサメタゾン誘発アポトーシスから保護する。CD180はまた、全身性エリテマトーデス(SLE)において潜在的に役割を演じると考えられている。] [0070] 本発明は、骨髄起源のHTCの表面に露呈したCD180抗原、例えばCD180ポリペプチドに特異的に結合することができる抗CD180抗体、好ましくはモノクロナール抗体を提供する。以下さらに詳細に説明するように、抗CD180抗体は、好ましくは、そのような骨髄性HTCに結合して、それにより、その増殖を阻害する、および/またはその破壊を媒介する。当業者はさらに、当技術分野で公知の抗体は、本発明で開示される方法における使用が見いだされうることを理解する。例えば、Abcam、AbD Serotec、AnaSpec、Atlas Antibodies、Biolegend、BDBiosciences、Cell Sciences、eBioscience、GeneTex、Lifespan Biosciences、Raybiotech、およびProSciから市販されている一つまたは複数の抗CD180抗体もまた、本明細書で教示される診断および/または治療用途における使用が見いだされうる。] [0071] TIM3、KIM-3、TIMD3およびFLJ14428としても知られるHAVCR2は、マクロファージ活性化を調節し、マウスにおいて実験的自己免疫性脳脊髄炎の重篤度を高めるTヘルパー細胞タイプ1特異的細胞表面タンパク質である。本発明は、骨髄起源のHTCの表面に露呈したHAVCR2抗原、例えばHAVCR2ポリペプチドに特異的に結合することができる抗HAVCR2抗体、好ましくはモノクロナール抗体を提供する。以下さらに詳細に説明するように、抗HAVCR2抗体は、好ましくは、そのような骨髄性HTCに結合して、それにより、その増殖を阻害する、および/またはその破壊を媒介する。当業者はさらに、当技術分野で公知の抗体は、本発明で開示される方法における使用が見いだされうることを理解する。例えば、IMGENIX、Novus Biologicals、Lifespan Biosciences、およびAtlas Antibodiesから市販されている一つまたは複数の抗HAVCR2抗体もまた、本明細書で教示される診断および/または治療用途における使用が見いだされうる。] [0072] LILRA1は、CD125、CDw125、HSIL5R3およびMGC26560としても知られている。本発明は、骨髄起源のHTCの表面に露呈したLILRA1抗原、例えばLILRA1ポリペプチドに特異的に結合することができる抗LILRA1抗体、好ましくはモノクロナール抗体を提供する。以下さらに詳細に説明するように、抗LILRA1抗体は、好ましくは、そのような骨髄性HTCに結合して、それにより、その増殖を阻害する、および/またはその破壊を媒介する。当業者はさらに、当技術分野で公知の抗体は、本発明で開示される方法における使用が見いだされうることを理解する。例えば、LifeSpan BioSciencesから市販されている一つまたは複数の抗LILRA1抗体もまた、本明細書で教示される診断および/または治療用途における使用が見いだされうる。] [0073] ILT1、LIR7、CD85HおよびLIR-7としても知られるLILRA2は、主として単球およびB細胞上に発現し、より低いレベルで樹状細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞上にも発現する。サブファミリーAの、すべてではないにしても多くの白血球免疫グロブリン様受容体は、免疫受容体チロシンベースの抑制モチーフ(ITIM)を欠き、刺激カスケードを開始させることがある。] [0074] 本発明は、骨髄起源のHTCの表面に露呈したLILRA2抗原、例えばLILRA2ポリペプチドに特異的に結合することができる抗LILRA2抗体、好ましくはモノクロナール抗体を提供する。以下さらに詳細に説明するように、抗LILRA2抗体は、好ましくは、そのような骨髄性HTCに結合して、それにより、その増殖を阻害する、および/またはその破壊を媒介する。当業者はさらに、当技術分野で公知の抗体は、本発明で開示される方法における使用が見いだされうることを理解する。例えば、eBioscienceおよびNovus Biologicalsから市販されている一つまたは複数の抗LILRA2抗体もまた、本明細書で教示される診断および/または治療用途における使用が見いだされうる。] [0075] NEGR1は、Ntra、KILON、IGLON4、DMML2433およびMGC46680としても知られている。本発明は、骨髄起源のHTCの表面に露呈したNEGR1抗原、例えばNEGR1ポリペプチドに特異的に結合することができる抗NEGR1抗体、好ましくはモノクロナール抗体を提供する。以下さらに詳細に説明するように、抗CD180抗体は、好ましくは、そのような骨髄性HTCに結合して、それにより、その増殖を阻害する、および/またはその破壊を媒介する。当業者はさらに、当技術分野で公知の抗体は、本発明で開示される方法における使用が見いだされうることを理解する。例えば、AbNovaおよびNovus Biologicalsから市販されている一つまたは複数の抗NEGR1抗体もまた、本明細書で教示される診断および/または治療用途における使用が見いだされうる。] [0076] TIL4およびCD282としても知られるTLR2は、Toll様受容体(TLR)ファミリーのメンバーである。それは末梢血白血球中で非常に多く発現し、グラム陽性バクテリアおよび酵母に対する宿主応答をNF-κBによって媒介する。本発明は、骨髄起源のHTCの表面に露呈したTLR2抗原、例えばTLR2ポリペプチドに特異的に結合することができる抗TLR2抗体、好ましくはモノクロナール抗体を提供する。以下さらに詳細に説明するように、抗TLR2抗体は、好ましくは、そのような骨髄性HTCに結合して、それにより、その増殖を阻害する、および/またはその破壊を媒介する。当業者はさらに、当技術分野で公知の抗体は、本発明で開示される方法における使用が見いだされうることを理解する。例えば、AbCam、Abnova、ABR-Affinity Bioreagents/Thermo Scientific BioLegend、LifeSpan BioSciences、およびNovus Biologicalsから市販されている一つまたは複数の抗TLR2抗体もまた、本明細書で教示される診断および/または治療用途における使用が見いだされうる。TLR2アゴニストは多くの微生物分子(リポグリカン、リポ多糖、リポタイコ酸、ペプチドグリカン、ザイモサン)および合成リポタンパク質を含む。] [0077] LY86、DJ80N2.1、MD-1、MD1およびMMD-1としても知られるLy86は、B細胞および単球によって高度に発現される分泌産物である。分泌されたLy86は、CD180(上記)およびTLR4とで複合体を形成して、それにより、膜結合状態になる。そのような結合は一般にLPSシグナル伝達を媒介する。] [0078] 本発明は、CD180(およびTLR4)への結合によって骨髄性HTCの表面に存在するLy86抗原、例えばLy86ポリペプチドに特異的に結合することができる抗Ly86抗体、好ましくはモノクロナール抗体を提供する。以下さらに詳細に説明するように、抗Ly86抗体は、好ましくは、そのような骨髄性HTCに結合して、それにより、その増殖を阻害する、および/またはその破壊を媒介する。当業者はさらに、当技術分野で公知の抗体は、本発明で開示される方法における使用が見いだされうることを理解する。例えば、Abcam、Abgent、Abnova Corporation、ABR-Affinity BioReagents、GeneTex、Lifespan Biosciences、Novus BiologicalsおよびR&D Systemsから市販されている一つまたは複数の抗Ly86抗体もまた、本明細書で教示される診断および/または治療用途における使用が見いだされうる。] [0079] 本開示のモノクロナール抗体は、標的抗原への特異的結合によって骨髄性HTCに特異的に結合する。好ましい態様において、モノクロナール抗体(またはその誘導体)は、造血系の骨髄起源の細胞、例えば顆粒球/マクロファージ前駆細胞(GMP)、KG-1a、K-562、ジャーカット(Jurkat)、CML芽細胞およびAML芽細胞と特異的に免疫反応性である。例えば、いくつかのそのような態様において、本明細書で開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーに起因するHTCへの特異的結合は、骨髄起源の造血器腫瘍細胞の破壊を媒介する。] [0080] 抗体は、当業者によって容易に製造されうる。ハイブリドーマによってモノクロナール抗体を作製する一般的な方法が今や当技術分野で周知である。例えば、M. Schreier et al., Hybridoma Techniques(Cold Spring Harbor Laboratory)、Hammerling et al., Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas(Elsevier Biomedical Press)を参照。上記のように、本開示は、モノクロナール抗体またはその誘導体を製造する方法を提供する。いくつかの態様において、これらの方法は、抗体が産生される適当な条件下で、ハイブリドーマ細胞を培養すること、および細胞および/または細胞培地から抗体および/またはその誘導体を得ることを含む。本発明のモノクロナール抗体を作製する具体例は以下の実施例でも提供される。] [0081] 抗体は、当業者に公知の方法によって精製することができる。精製法は、とりわけ、選択的沈降、液体クロマトグラフィー、HPLC、電気泳動、クロマトフォーカシングおよび様々な親和技術を含む。選択的沈降は、硫酸アンモニウム、エタノール(コーン沈降)、ポリエチレングリコールまたは当技術分野で利用可能な他のものを使用することができる。液体クロマトグラフィー媒体は、とりわけ、イオン交換媒体DEAE、ポリアスパルテート)、ヒドロキシルアパタイト、サイズ排除(架橋アガロース、アクリルアミド、デキストランなどに基づくもの)、疎水性マトリックス(例えばブルーセファロース)を含む。親和技術は典型的には、免疫グロブリンFcドメインと相互作用するタンパク質に依存する。黄色ブドウ球菌からのプロテインAを使用して、ヒトγ1、γ2またはγ4重鎖に基づく抗体を精製することができる(Lindmark et al., J. Immunol. Meth. 62:1-13 (1983))。CおよびG連鎖球菌からのプロテインGは、すべてのマウスアイソタイプおよびヒトγ3に有用である(Guss et al.,EMBO J. 5:15671575 (1986))。κ軽鎖相互作用を介して免疫グロブリン(Ig)に結合するペプトストレプトコッカス・マグヌス(Peptostreptococcus magnus)細胞壁タンパク質であるプロテインL(BD Bioscience/ClonTech. Palo Alto, CA)は、IgサブクラスIgM、IgA、IgD、IgG、IgEおよびIgYの親和精製に有用である。これらのタンパク質の組換え形態もまた市販されている。抗体が金属結合残基、例えばヒスチジンタグを含むように構成されたファージディスプレイ抗体を含むならば、金属親和クロマトグラフィーを使用することもできる。十分な量の特異性細胞集団が利用可能であるならば、細胞によって抗原親和マトリックスを製造して、抗体を精製するための親和方法を提供することができる。] [0082] 本発明は、本明細書に記載される抗体ならびに対応する抗体フラグメントおよび抗原結合部分を提供する。本明細書で使用される本発明の抗体の「抗体フラグメント」または「抗原結合部分」(または単に「抗体部分」)という用語は、抗原に特異的に結合する能力を有する抗体の一つまたは複数のフラグメントをいう。抗体の抗原結合機能は、完全長抗体のフラグメントによって実施することができることが証明されている。抗体の用語「抗体フラグメント」または「抗原結合部分」に包含される結合フラグメントの例は、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価フラグメントであるFabフラグメント、(ii)ジスルフィドブリッジによってヒンジ領域で結合された二つのFabフラグメントを含む二価フラグメントであるF(ab')2フラグメント、(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント、(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFvフラグメント、(v)VHドメインからなるdAbフラグメント(Ward et al., (1989) Nature 341:544-546)、および(vi)単離された相補性決定領域(CDR)および(vii)二重特異性単鎖Fv二量体(PCT/US92/09965)を含む。さらには、Fvフラグメントの二つのドメインVLおよびVHは別々の遺伝子によってコードされるが、組換え法により、VLおよびVH領域が対合して一価分子を形成する単一のタンパク質鎖(単鎖Fv(scFv)として公知。例えば、Bird et al. (1988) Science 242:423-426およびHuston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883を参照)としてそれらを作ることを可能にする合成リンカーによってそれらを連結することもできる。そのような単鎖抗体もまた、抗体の用語「抗原結合部分」に包含されるものと解釈される。これらの抗体フラグメントは、当業者に公知の従来技術を使用して得られ、フラグメントは、無傷の抗体の場合と同じように有用性に関してスクリーニングされる。抗体フラグメントは修飾されていてもよい。例えば、分子は、VHおよびVLドメインを連結するジスルフィドブリッジの組み込みによって安定化させることができる(Reiter et al., 1996, Nature Biotech. 14:1239-1245)。] [0083] 本開示はさらに、本明細書に開示される抗体のフラグメントを提供する。免疫グロブリン分子はフラグメントに開裂させることができる。分子の抗原結合領域は、F(ab')2またはFabフラグメントに分割することができる。F(ab')2フラグメントは二価であり、Fc領域が望ましくない、または必要とされる特徴ではない場合に有用である。Fabフラグメントは一価であり、抗体がその抗原に対して非常に高い結合活性を有する場合に有用である。抗体からFc領域を除去することは、Fc領域とFc受容体担持細胞との間の非特異的結合を低下させる。FabまたはF(ab)2フラグメントを生成するためには、抗体を酵素で消化する。免疫グロブリン分子のヒンジ領域を開裂させるプロテアーゼが、F(ab)ドメインを結合するジスルフィド結合を保存して、開裂後それらが一緒にとどまるようにする。この目的に適したプロテアーゼはペプシンである。F(ab)フラグメントを製造するためには、開裂が、重鎖どうしを連結するジスルフィド結合を含むヒンジ領域の上方で起こるが、重鎖と軽鎖とを連結するジスルフィド結合を無傷に残すようなプロテアーゼを選択する。F(ab)フラグメントを製造するのに適したプロテアーゼはパパインである。フラグメントは、上記方法によって精製されるが、無傷のFc領域を要する親和技術は例外である(例えばプロテインA親和クロマトグラフィー)。] [0084] 抗体フラグメントは、抗体の制限されたタンパク質分解によって製造することができ、タンパク質分解抗体フラグメントと呼ばれる。これらは、非限定的に、F(ab')2フラグメント、Fab'フラグメント、Fab'-SHフラグメントおよびFabフラグメントを含む。「F(ab')2フラグメント」は、タンパク質分解酵素、例えばペプシンまたはフィシンへの抗体の限定的暴露によって抗体から放出される。F(ab')2フラグメントは二つの「アーム」を含み、各アームが、共通の抗体に対し、特異的に結合する可変領域を含む。二つのFab'分子は、重鎖のヒンジ領域における鎖間ジスルフィド結合によって連結される。Fab'分子は、同じ(二価)または異なる(二重特異性)エピトープに向けられうる。「Fab'フラグメント」は、ヒンジ領域を介してFabおよび重鎖のさらなる部分を含む単一の抗結合ドメインを含む。「Fab'-SHフラグメント」は典型的には、F(ab')2フラグメントから生成され、F(ab')2フラグメント中のH鎖の間のジスルフィド結合によって一緒に保持されている。非限定的な例としてβ-メルカプトエチルアミンのような弱い還元剤による処理がジスルフィド結合を切断し、一つのF(ab')2フラグメントから二つのFab'フラグメントが放出される。Fab'-SHフラグメントは一価であり、単一特異性である。「Fabフラグメント」(すなわち、抗原結合ドメインを含み、ジスルフィド結合によって架橋された軽鎖と重鎖の一部とを含む抗体フラグメント)は、無傷の抗体のパパイン消化によって生成される。好都合な方法は、酵素を容易に除去することができ、消化を停止させることができるよう、樹脂上に固定化されたパパインを使用することである。Fabフラグメントは、F(ab')2フラグメント中に存在するH鎖の間のジスルフィド結合を有しない。] [0085] 「単鎖抗体」は、抗体フラグメントの1タイプである。単鎖抗体という用語は、多くの場合、「scFv」または「sFv」と略される。これらの抗体フラグメントは、分子遺伝子学および組換えDNA技術を使用して製造される。単鎖抗体は、相互作用して抗原結合部位を形成するVHおよびVLドメインを含むポリペプチド鎖からなる。VHおよびVLドメインは通常、10〜25のアミノ酸残基のペプチドによって結合されている。] [0086] 「単鎖抗体」という用語はさらに、非限定的に、二つの単鎖抗体(それぞれが異なるエピトープに向けられうる)がジスルフィド結合によって結合されているジスルフィド結合Fv(dsFv)、異なる特異性の二つの別々のscFvがペプチドリンカーと接続している二重特異性sFv、ダイアボディ(第一のsFvのVHドメインが第二のsFvのVLドメインとアセンブルし、第一のsFvのVLドメインが第二のsFvのVHドメインとアセンブルする場合に形成される二量体化sFv。ダイアボディの二つの抗原結合領域は、同じかまたは異なるエピトープに向けられうる)およびトリアボディ(ダイアボディと同様の方法で形成されるが、三つの抗原結合ドメインが一つの複合体中に作製されている三量体化sFv。三つの抗原結合ドメインは、同じかまたは異なるエピトープに向けられうる)を含む。] [0087] 「相補性決定領域ペプチド」または「CDRペプチド」は、抗体フラグメントの別の形態である。CDRペプチド(「最小認識単位」としても知られる)は、単一の相補性決定領域(CDR)に対応するペプチドであり、対象の抗体のCDRをコードする遺伝子を構成することによって調製することができる。そのような遺伝子は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を使用して、抗体産生細胞のRNAから可変領域を合成することによって調製される。例えば、Larrick et al., Methods: A Companion to Methods in Enzymology 2:106, 1991を参照。] [0088] 「システイン修飾抗体」において、システインアミノ酸は、遺伝子操作によって抗体の表面上で挿入または置換され、例えばジスルフィドブリッジを介して抗体を別の分子とコンジュゲートするために使用される。抗体のためのシステイン置換または挿入が記載されている(米国特許第5,219,996号を参照)。抗体の部位特異的コンジュゲーションで使用するためにCys残基をIgG抗体の定常領域に導入する方法がStimmel et al.(J. Biol. Chem 275:330445-30450, 2000)によって記載されている。] [0089] 本開示はさらに、ヒト化および非ヒト化抗体を提供する。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むキメラ抗体である。一般に、ヒト化抗体は、ヒト抗体中に見られる配列と交換された可変ドメインフレームワークを取得した非ヒト抗体である。ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域からの残基が、所望の特異性、親和性および能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)、例えばマウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類の超可変領域からの残基によって置換されているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)でありうる。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基が、対応する非ヒト残基によって置換されている。さらには、ヒト化抗体は、レシピエント抗体中またはドナー抗体中に見られない残基を含むこともできる。これらの修飾は、抗体性能をさらに向上させるために実施される。一般に、ヒト化抗体は、超可変ループのすべてまたは実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリンの超可変ループに対応し、FRのすべてまたは実質的にすべてがヒト免疫グロブリン配列のFRである、少なくとも一つ、典型的には二つの可変ドメインの実質的にすべてを含む。ヒト化抗体はまた、場合によっては、免疫グロブリン定常領域(Fc)、一般的にはヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部分を含む。] [0090] 一般に、ヒト化抗体において、CDRを除く抗体全体は、ヒト起源のポリヌクレオチドによってコードされるか、そのCDR内を除き、そのような抗体と同一である。そのいくらかまたは全部が非ヒト生物に由来する核酸によってコードされるCDRが、ヒト抗体可変領域のβシートフレームワーク中に移植されると、移植されたCDRによって特異性が決まる抗体が作製される。そのような抗体の作製は、例えば、WO92/11018、Jones, 1986, Nature 321:522-525、Verhoeyen et al., 1988, Science 239:1534-1536に記載されている。ヒト化抗体はまた、遺伝子操作された免疫系を有するマウスを使用して産生することもできる。Roque et al., 2004, Biotechnol. Prog. 20:639-654。] [0091] 本開示はさらに、ヒト化および非ヒト化抗体を提供する。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むキメラ抗体である。一般に、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域からの残基が、所望の特異性、親和性および能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)、例えばマウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類の超可変領域からの残基によって置換されているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基が、対応する非ヒト残基によって置換されている。さらには、ヒト化抗体は、レシピエント抗体中またはドナー抗体中に見られない残基を含むこともできる。これらの修飾は、抗体性能をさらに向上させるために実施される。一般に、ヒト化抗体は、超可変ループのすべてまたは実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリンの超可変ループに対応し、FRのすべてまたは実質的にすべてがヒト免疫グロブリン配列のFRである、少なくとも一つ、通常は二つの可変ドメインの実質的にすべてを含む。ヒト化抗体はまた、場合によっては、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部分を含む。] [0092] 例えば、がんを処置する際の抗体の有効性を高めるために、エフェクター機能に関して本発明の抗体を修飾することが好ましいこともある。例えば、システイン残基をFc領域に導入して、それにより、この領域における鎖間ジスルフィド結合形成を可能にすることができる。そのようにして生成されるホモ二量体抗体は、改善された内在化能力および/または増大した補体媒介細胞死滅および抗体依存細胞傷害活性(ADCC)を有することができる。Caron et al., J. Exp Med., 176:1191-1195 (1992)およびShopes, J. Immunol., 148:2918-2922 (1992)を参照。増強された抗腫瘍活性を有するホモ二量体抗体はまた、Wolff et al. Cancer Research, 53:2560-2565 (1993)に記載されているように、ヘテロ二官能性架橋剤を使用して調製することもできる。または、抗体は、二つのFc領域を有し、それにより、増強された補体溶解およびADCC能力を有するように操作することもできる。Stevenson et al., Anti-Cancer Drug Design, 3:219-230 (1989)を参照。] [0093] 好ましい態様において、本明細書に記載される抗体は、造血系の骨髄系統中の前駆細胞集団から生じたHTCの細胞表面上に存在するIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの開示されたメンバーの一つまたは複数に対応する抗原に特異的に結合する。骨髄系統における分化が、とりわけ、巨核球、赤血球、マクロファージ、好塩基球、好酸球、好中球、および骨髄系樹状細胞を含む最終分化細胞の形成をもたらす。これらの細胞は、一連の前駆細胞集団を経て、連続的に制限される分化能力を示しながら分化する造血幹細胞(HSC)に由来する。HSCおよび前駆細胞集団は、差別的特性の中でも特に、特異的な細胞サブセットに分化する能力および細胞集団に対して特異的である細胞マーカーの特定のセットの存在に基づいて互いに識別可能である。いくつかの態様において、本開示のモノクロナール抗体は、マーカー+HTCである骨髄系統の前駆細胞に対するものである。いくつかの態様において、本開示のモノクロナール抗体は、マーカー+HTCである、分化の方向が決定された骨髄系前駆細胞に向けられている。] [0094] 5.2.1修飾抗体 別の局面において、本発明は、本明細書に開示されるHTCマーカーに対応する抗原に特異的に結合する抗体から誘導される修飾抗体を提供する。修飾抗体はまた、本明細書に開示される組換え抗体を含む。] [0095] 数多くのタイプの修飾または組換え抗体が当業者によって理解されよう。適当なタイプの修飾または組換え抗体は、非限定的に、本明細書に記載されるような、操作されたマウスモノクロナール抗体(例えばマウスモノクロナール抗体、キメラモノクロナール抗体、ヒト化モノクロナール抗体)、ドメイン抗体(例えばFab、Fv、VH、scFVおよびdsFvフラグメント)、多価または多重特異性抗体(例えばダイアボディ、ミニボディ、ミニ抗体、(scFV)2、トリボディおよびテトラボディ)および抗体コンジュゲートを含む。] [0096] 一つの局面において、本発明はドメイン抗体を含む。「ドメイン抗体」は、ヒト抗体の重鎖(VH)または軽鎖(LH)の可変領域に対応する抗体の機能性結合ドメインである。ドメイン抗体は、約13kDaの分子量、すなわち完全な抗体の1/10未満のサイズを有することができる。ドメイン抗体は、バクテリア、酵母および哺乳動物細胞システムを含む多様な宿主中に良好に発現する。加えて、ドメイン抗体は、安定性が高く、凍結乾燥および熱変性のような過酷な条件に供された後でも活性を保持する。例えば、米国特許第6,291,158号、第6,582,915号、第6,593,081号、第6,172,197号、米国特許出願公開公報第2004/0110941号、欧州特許第0368684号、米国特許第6,696,245号、WO04/058821、WO04/003019およびWO03/002609を参照。一つの態様において、本発明のドメイン抗体は単一ドメインである。単一ドメイン抗体は、例えば、参照により全体として本明細書に組み入れられる米国特許第6,248,516号に記載されているように調製することができる。いくつかの態様において、本発明は、本明細書に開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーの一つに対応する抗原に特異的に結合する抗体から誘導されるドメイン抗体を提供する。] [0097] 別の局面において、本発明は多重特異性抗体を含む。多重特異性抗体は、二重特異性、三重特異性などの抗体を含む。二重特異性抗体は、組換え手段により、例えばロイシンジッパー部分(すなわち、ヘテロ二量体を優先的に形成するFosおよびJunタンパク質からのもの。Kostelny et al., 1992, J. Immnol. 148:1547)または米国特許第5,582,996号に記載されているような他のロック・キー相互作用ドメイン構造を使用することによって生成することができる。さらなる有用な技術は、米国特許第5,959,083号および米国特許第5,807,706号に記載されているものを含む。一つの態様において、本発明は、本明細書に開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーに対応する抗原に特異的に結合する抗体を含む多重特異性抗体を提供する。別の態様において、多重特異性抗体は二重特異性である。] [0098] 二重特異性抗体は「ダイアボディ」と呼ばれることもある。これは、二つ(またはそれ以上)の異なる抗原に結合する抗体である。同じく当技術分野で公知であるものは、トリアボディ(ダイアボディと同様の方法で形成されるが、単一複合体中に三つの抗原結合ドメインが作製されている三量体化sFv。三つの抗原結合ドメインは、同じかまたは異なるエピトープに向けられうる)またはテトラボディ(単一複合体中に四つの抗原結合ドメインが作製されており、その四つの抗原結合ドメインは、同じかまたは異なるエピトープに向けられうる)などである。ダイアボディ、トリアボディ、およびテトラボディは、当技術分野で公知の多様な方法で製造することができ(Holliger and Winter, 1993, Current Opinion Biotechnol. 4:446-449)、例えば、化学的に、またはハイブリッドハイブリドーマから調製することができる。加えて、そのような抗体およびそのフラグメントは、遺伝子融合から構築することもできる(それぞれが参照により全体として本明細書に組み入れられるTomlinson et. al., 2000, MethodsEnzymol. 326:461-479、WO94/13804、Holliger et al., 1993, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90:6444-6448)。一つの態様において、ダイアボディ、トリアボディまたはテトラボディは、本明細書に開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーに対応する抗原に特異的に結合する抗体から誘導される。好ましい態様において、ダイアボディ、トリアボディまたはテトラボディは、本明細書に開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの異なるメンバーにそれぞれが対応する異なる抗原に特異的に結合する二つまたはそれ以上のモノクロナール抗体から誘導される。] [0099] 別の態様において、本発明は、本明細書に開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーに対応する抗原に特異的に結合する抗体から誘導される、CH3ドメインに連結されたscFvを含む最小化抗体様タンパク質であるミニボディを提供する。ミニボディは、当技術分野で記載されているようにして製造することができる(Hu et al., 1996, Cancer Res. 56:3055-3061)。] [0100] 別の態様において、本発明は、結合ドメインが、本明細書に開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーに対応する抗原に特異的に結合する、結合ドメイン-免疫グロブリン融合タンパク質を提供する。融合タンパク質は、免疫グロブリンヒンジ領域ポリペプチドに融合したマーカー特異的結合ドメインポリペプチドを含み得、これは、免疫グロブリン重鎖CH3定常領域ポリペプチドに融合した免疫グロブリン重鎖CH2定常領域ポリペプチドと融合している。本発明の下、マーカー特異的抗体融合タンパク質は、当業者によって理解される方法によって製造することができる(それぞれが参照により全体として本明細書に組み入れられる米国特許出願公開公報第20050238646号、第20050202534号、第20050202028号、第2005020023号、第2005020212号、第200501866216号、第20050180970号および第20050175614号を参照)。] [0101] 別の態様において、本発明は、マーカー特異的抗体から誘導される重鎖タンパク質(VHH)を提供する。天然の重鎖抗体(例えば、軽鎖を有しないラクダ抗体)を利用して、天然重鎖抗体の構造および機能的性質を典型的に保持する抗体由来治療タンパク質が開発されている。これらは、当技術分野においてはNanobodies(登録商標)として公知である。本発明の下、マーカー特異的重鎖抗体から誘導される重鎖タンパク質(VHH)は、当業者によって理解される方法によって製造することができる(それぞれが参照により全体として本明細書に組み入れられる米国特許出願公開公報第20060246477号、第20060211088号、20060149041号、第20060115470号および第20050214857号を参照)。] [0102] 一つの局面において、本発明は、ヒト抗体である修飾抗体を提供する。一つの態様において、本明細書に記載されるマーカー特異的抗体は完全にヒト抗体である。「完全にヒト抗体」または「完全ヒト抗体」とは、ヒト染色体に由来する抗体の遺伝子配列のみを有するヒト抗体をいう。抗ヒトマーカー特異的完全ヒト抗体は、ヒト抗体の重鎖および軽鎖の遺伝子を含むヒト染色体フラグメントを有するヒト抗体産生マウスを使用する方法(Tomizuka, K. et al., Nature Genetics, 16, p.133-143, 1997、Kuroiwa, Y. et al., Nuc. AcidsRes., 26, p.3447-3448, 1998、Yoshida, H. et al., Animal Cell Technology: Basic and Applied Aspects vol. 10, p.69-73 (Kitagawa, Y., Matuda, T. and Iijima, S. eds.), Kluwer Academic Publishers, 1999、Tomizuka, K. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 97, 722-727, 2000を参照)によって得てもよく、またはヒト抗体ライブラリから選択されるファージディスプレイに由来するヒト抗体を得る方法(Wormstone, I. M. et al., Investigative Ophthalmology & Visual Science. 43(7), p.2301-8, 2002、Carmen, S. et al., Briefings in Functional Genomics and Proteomics, 1 (2), p.189-203, 2002、Siriwardena, D. et al., Ophthalmology, 109(3), p.427-431, 2002を参照)によって得てもよい。] [0103] 一つの局面において、本発明は、「合成抗体」とも呼ばれる、抗体類似物であるマーカー特異的抗体を提供する。例えば、多様な最近の研究は、代替タンパク質足場または移植されたCDRを有する人工足場を使用している。そのような足場は、非限定的に、結合タンパク質の三次元構造を安定化させるために導入される突然変異および例えば生体適合性ポリマーからなる完全合成足場を含む。例えば、Korndorfer et al., 2003, Proteins: Structure, Function, and Bioinformatics, Volume 53, Issue 1 :121-129. Roque et al., 2004, Biotechnol. Prog. 20:639-654を参照。加えて、ペプチド抗体模倣物(「PAM」)およびフィブロネクチン成分を足場として使用する抗体模倣物に基づく加工物を使用することができる。] [0104] 5.2.2架橋抗体 一つの局面において、本発明は、互いに結合して抗体複合体を形成する、本明細書に記載される抗体の二つまたはそれ以上を含む架橋抗体を提供する。架橋抗体は、抗体多量体、ホモコンジュゲートおよびヘテロコンジュゲートとも呼ばれる。当技術分野において、シグナル伝達活性を有しないことが以前に認められた抗体の多量体化が、強力なシグナル伝達活性を有する多量体化抗体を生じさせることができることが認められている。これは、抗腫瘍剤の分野で特に顕著である。例えば、抗CD19、抗CD20、抗CD21、抗CD22および抗Her-2モノクロナール抗体のIgG-IgGホモ二量体化が、そのようなホモ二量体に対して、強力な抗腫瘍能力を付与するということが報告されている(参照により全体として本明細書に組み入れられるGhetie, M. et al. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci, USA, Vol. 94, pp-7509-7514)。加えて、Rituximab(登録商標)のような、抗腫瘍活性を有することが知られるモノクロナール抗体のホモ二量体化は、抗腫瘍剤としての有効性の増大につながりうる(参照により全体として本明細書に組み入れられるGhetie, M. (2001) Blood, Vo. 97;5:1392-1398)。] [0105] いくつかの態様において、本明細書に提供される抗体複合体は、本明細書に開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーの一つまたは複数に対応する抗原の一つまたは複数に対する抗体の多量体形態を含む。例えば、本発明の抗体複合体は、単量体免疫グロブリン分子の抗体二量体、三量体またはより高次の多量体の形態をとることができる。抗体の架橋は、当技術分野で公知の様々な方法によって実施することができる。例えば、抗体の架橋は、抗体の自然な凝集、化学的または組換え結合技術または当技術分野で公知の他の方法によって達成することができる。例えば、精製された抗体調製物は、抗体ホモ二量体および他のより高次の抗体多量体を含むタンパク質凝集物を自発的に形成することができる。一つの態様において、本発明は、本明細書に開示されるHTCマーカーに対応する抗原に特異的に結合するホモ二量体化抗体を提供する。] [0106] 抗体は、当技術分野で公知の結合技術によって架橋させる、または二量体化することができる(例えば上記Ghetie et al. (1997)、上記Ghetie et al. (2001)を参照)。非共有結合的な結合方法を使用することもできる。特定の態様において、抗体の架橋は、二次架橋用抗体の使用によって達成することができる。架橋用抗体は、対象の抗体の動物とは異なる動物に由来することができる。例えば、ヤギ抗マウス抗体(Fab特異性)をマウスモノクロナール抗体に加えてヘテロ二量体を形成することができる。この二価架橋用抗体は、ホモ二量体を形成する対象の二つの抗体のFabまたはFc領域を認識する。] [0107] 本発明の一つの態様において、本明細書に開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーに対応する抗原に特異的に結合する抗体は、ヤギ抗マウス抗体(GAM)を使用して架橋させる。別の態様において、GAM架橋剤は、本明細書に開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの同じかまたは異なるメンバーに対応する同じかまたは二つの異なる抗原にそれぞれが特異的に結合する二つの抗体のFabまたはFc領域を認識する。] [0108] また、共有結合的または化学的な抗体結合方法を使用することができる。化学的架橋剤は、ホモまたはヘテロ二官能性であり得、かつホモ二量体を形成する二つの抗体と共有結合する。架橋剤、例えば周知のホモ-またはヘテロ-二官能性リンカーが当技術分野で周知である(すべて参照により全体として本明細書に組み入れられる2006 Pierce Chemical Company Crosslinking Reagents Technical Handbook、Hermanson, G.T., Bioconjugate Techniques, Academic Press, San Diego, CA (1996)、Aslam M. and DentAH., Bioconjugation: protein coupling techniques for the biomedical sciences, Houndsmills, England: Macmillan Publishers (1999)、Pierce: Applications Handbook & Catalog, Perbio Science, Ermbodegem, Belgium (2003-2004)、Haughland, R.P., Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals Eugene, 9th Ed., Molecular Probes, OR (2003)および米国特許第5,747,641号を参照)。当業者は、架橋を含む修飾に関して、抗体のアミノ酸上の様々な官能基の適性を理解すると考えられる。抗体架橋に使用される化学架橋剤の適当な例は、非限定的に、SMCC[スクシンイミジル4-(マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート]、SATA[N-スクシンイミジルS-アセチルチオ-アセテート]、N-ヒドロキシスクシンイミドのコハク酸半エステル、スルホ-N-ヒドロキシ-スクシンイミド、ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびp-ニトロフェノール、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(ECD)および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドメチヨージド(EDCI)(例えば、参照により完全に本明細書に組み入れられる米国特許第4,526,714号を参照)を含む。他の結合試薬は、グルタチオン、3-(ジエトキシホスホリルオキシ)-1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン(DEPBT)、オニウム塩系カップリング試薬、ポリオキシエチレン系ヘテロ二官能性架橋試薬および他の試薬(Haitao, et al., Organ Lett 1:91-94 (1999)、Albericio et al., J Organic Chemistry 63:9678-9683 (1998)、Arpicco et al., Bioconjugate Chem. 8:327-337 (1997)、Frisch et al., Bioconjugate Chem. 7:180-186 (1996)、Deguchi et al., Bioconjugate Chem. 10:32-37 (1998)、Beyer et al., J. Med. Chem. 41:2701-2708 (1998)、Drouillat et al., J. Pharm. Sci. 87:25-30 (1998)、Trimble et al., Bioconjugate Chem. 8:416-423 (1997))を含む。] [0109] 抗体ホモ二量体の形成のための例示的なプロトコルが、参照により全体として本明細書に組み入れられる米国特許公開公報20060062786および前記Ghetie et al., (1997)に記載されている。好ましい態様において、使用される化学架橋剤はSMCCまたはSATA架橋剤である。] [0110] 加えて、本発明の抗体-抗体コンジュゲートは、当技術分野で公知の技術、例えばヘテロ二官能性架橋試薬GMBS(マレイミドブチリルオキシスクシンイミド)およびSPDP(N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート)の使用により、互いに共有結合させることができる(例えば、それぞれが参照により全体として本明細書に組み入れられるHardy, "Purification And Coupling Of Fluorescent Proteins For Use In Flow Cytometry", Handbook Of Experimental Immunology, Volume 1, Immunochemistry, Weir et al. (eds.), pp. 31.4-31.12 4th Ed., (1986)およびLedbetterらの米国特許第6,010,902号を参照)。] [0111] 加えて、抗体は、参照により全体として本明細書に組み入れられる米国特許公開公報20060216284、米国特許第6,368,596号に記載されているように、チオエーテル架橋を介して結合させることもできる。当業者によって理解されるように、抗体は、Fab領域で架橋させることができる。いくつかの態様において、抗体機能に影響を及ぼすおそれがあるため、化学架橋剤は抗体の抗原結合領域と相互作用しないことが望ましい。] [0112] 5.2.3コンジュゲート抗体 本明細書に開示される抗体は、例として、非限定的に、他のタンパク質、核酸、炭水化物、ステロイドおよび脂質を含む無機または有機化合物とコンジュゲートされうる(例えば、Green, et al., Cancer Treatment Reviews, 26:269-286 (2000)を参照。化合物は生物活性であってもよい。生物活性とは、化合物に暴露されない細胞と比較して、細胞に対して生理学的効果を及ぼす化合物をいう。生理学的効果は、例として、非限定的に、DNA複製および修復、組換え、転写、翻訳、分泌、膜ターンオーバ、細胞接着、シグナル伝達、細胞死などを含む生物学的プロセスの変化である。生物活性化合物は薬学的化合物を含む。] [0113] 一つの局面において、抗体は、検出可能な化合物を担持するようにコンジュゲートまたは修飾される。抗体を検出可能な酵素、蛍光色素またはリガンドとコンジュゲートすることは、標的抗原の視覚化または定量化のためのシグナルを提供する。抗体を様々な酵素で標識すると、基質に作用して有色または化学発光産物を生成することによって標的を視覚化し、シグナルを増幅する高特異性プローブを提供することができる。セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼおよびβ-ガラクトシダーゼが、この目的に一般に使用される酵素である。蛍光色素、例えばフルオレセインイソチオシアネート、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、フィコエリスリンおよびCy5が視覚化および検出のための有色試薬を提供する。適当な蛍光化合物は、Haughland, R. P,, Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals Eugene, 9th Ed., Molecular Probes, OR (2003)に記載されている。] [0114] 別の局面において、コンジュゲート化合物は、キレートリガンドまたは大環状有機キレート化合物、特に、細胞内イオン濃度を画像化するために使用されるか、または医学的画像診断目的で造影剤として使用される金属キレート化合物である。キレートリガンドは、一つより多いドナー原子とともに同じ中心金属イオンに結合することができるリガンドである。キレート剤またはそれらの錯体は、MRI造影剤、放射性薬剤用途および発光プローブとして用途を見いだしている。細胞内イオン濃度を評価するために有用なキレート化合物のコンジュゲートは、電位感受性染料および非電位感受性染料でありうる。細胞内イオンレベルを計測するための例示的な染料分子は、例として、非限定的に、Quin-2、Fluo-3、Fura-Red、Calcium Green、Calcium Orange 550 580、Calcium Crimson、Rhod-2 550 575、SPQ、SPA、MQAE、Fura-2、Mag-Fura-2、Mag-Fura-5、Di-4-ANEPPS、Di-8-ANEPPS、BCECF、SNAFL-1、SBFIおよびSBFIを含む。] [0115] 別の態様において、リガンドは、常磁性、超常磁性または強磁性金属に結合するキレートリガンドである。これらは、医学的画像診断のための造影剤として、また放射性金属を選択された細胞に送達する場合に有用である。金属キレートリガンドは、例として、非限定的に、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ジエチレントリアミン五酢酸ビス(メチルアミド)、大環状テトラアミン、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N',N'',N'''-四酢酸(DOTA)およびポルフィリンを含む(例えば、The Chemistry of Contrast Agents in Medical Magnetic Resonance Imaging, Merbach A.E. and Toth E., Ed., Wiley lnterscience (2001)を参照)。磁気共鳴画像診断によってキレート形態で検出可能である常磁性金属イオンは、例えば、鉄(III)、ガドリニウム(III)、マンガン(IIおよびIII)、クロム(III)、銅(II)、ジスプロシウム(III)、テルビウム(III)、ホルミウム(III)、エルビウム(III)およびユーロピウム(III)を含む。磁気共鳴画像診断造影剤として特に有用な常磁性金属イオンは、鉄(III)およびガドリニウム(III)金属錯体を含む。他の常磁性、超常磁性または強磁性が当業者には周知である。] [0116] 別の態様において、金属キレートは放射性金属を含む。放射性金属は、体の特定部位への少量の放射線の送達に基づく診断のため、または治療として使用することができる。標的金属放射性薬剤、例えば磁気画像診断に使用されるものは、放射性金属イオンを金属キレートリガンドに結合させ、キレート錯体を細胞に送達することによって構築される。例示的な放射性金属キレート化合物はDTPAである(例えば米国特許第6,010,679を参照)。] [0117] さらなる局面において、コンジュゲート化合物は、特にペプチドに対する抗体の使用を通じて、検出の目的に使用されるペプチドタグである。様々なタグポリペプチドおよびそれらそれぞれの抗体が当技術分野で周知である。例は、ポリヒスチジン(poly-his)またはポリヒスチジン-グリシン(poly-his-gly)タグ、fluHAタグポリペプチドおよびその抗体12CA5(Field et al., Mol. Cell. Biol. 8:2159-2165 (1988))、c-mycタグならびにそれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7および9E10抗体(Evan et al., Mol. Cell. Biol. 5:3610-3616 (1985))および単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグおよびその抗体(Paborsky et al., Protein Engineering 3:547-553 (1990))を含む。他のタグポリペプチドは、Flagペプチド(Hopp et al., BioTechnology 6:1204-1210 (1988))、KT3エピトープペプチド(Martin et al., Science 255:192-194 (1992))、チューブリンエピトープペプチド(Skinner et al., J. Biol. Chem. 266:15163-15166 (1991))およびT7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ(Lutz-Freyermuth et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:6393-6397 (1990))を含む。] [0118] 別の態様において、コンジュゲート化合物は、細胞に導入されたとき細胞死を生じさせる、または細胞生存を危うくする毒素を含みうる。適当な毒素はカンピロバクター毒素CDTである(Lara-Tejero, M., Science 290:354-57 (2000))。ヌクレアーゼに対するホモロジーを有するCdtBサブユニットの発現が、細胞周期停止および最終的には細胞死を生じさせる。別の例示的な毒素がジフテリア毒素(および類似したシュードモナス内毒素)であり、これは、細胞中のef-2(伸長因子2)分子をADPリボシル化し、翻訳を阻止することによって機能する。ジフテリア毒素Aサブユニットの侵入は、毒素フラグメントを含む細胞における細胞死を誘発する。他の有用な毒素は、コレラ毒素および百日咳毒素(触媒サブユニットAがGタンパク質調節アデニレートシクラーゼをADPリボシル化する)、哺乳動物におけるアポトーシス誘発因子であるモンシロチョウのピエリシン(pierisin)(Watanabe, M., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96:10608-13 (1999))、リボソーム不活性化毒素(例えば、リシンA鎖、Gluck, A. et al., J. Mol. Biol. 226:411-24 (1992))およびニグリン(nigrin)(Munoz, R. et al., Cancer Lett. 167: 163-69 (2001))を含む。] [0119] 本明細書の組成物によって送達されるのに適した生物活性化合物は、とりわけ、化学療法化合物、例として、非限定的に、ビンブラスチン、ブレオマイシン、タキソール、シスプラチン、アドリアマイシンおよびマイトマイシンを含む。本目的に適した例示的な化学療法剤は、DNA合成および安定性に対して作用する化合物である。例えば、アントラサイクリンクラスの化合物の抗悪性腫瘍剤は、DNA中で鎖の切断を生じさせることによって作用し、がんに対する標準療法として使用される。このクラスの例示的な抗悪性腫瘍剤は、ダウノルビシンおよびドキソルビシンである。抗体を含むタンパク質へのこれらの化合物のカップリングが、Langer, M. et al., J. Med. Chem. 44(9):1341-1348 (2001)およびKing, H. D. et al., Bioconjug. Chem. 10:279-288 (1999))に記載されている。抗悪性腫瘍剤を抗体に付着または連結させることにより、化合物は、高い程度の特異性で骨髄起源のHTCに送達され、標的細胞の死滅を促進する。] [0120] 他のクラスの抗腫瘍剤はエンジインファミリーの抗生物質であり、その代表的メンバーは、カリチアマイシン、ネオカルチノスタチン、エスペラミンシン(esperaminsin)、ダイネミシン(dynemicin)、ケダルシジン(kedarcidin)およびマデュロペプチン(maduropeptin)を含む(例えば、Smith, A. L. and Nicolaou, K.C., J. Med. Chem. 39:2103-2117 (1996)を参照)。ドキソルビシンおよびダウノルビシンと同様に、これらの作用物質の抗腫瘍活性は、細胞DNA中で鎖の切断を生じさせるそれらの能力にある。抗体とのコンジュゲートは、これらの分子を、抗体によって認識される抗原を発現する腫瘍細胞中に送達するために使用され、非コンジュゲート化合物と比較して、望まれない毒性を下げながらも強力な抗腫瘍活性を有することが証明されている(Hinman, L. M. et al., Cancer Res. 53:3336-3342 (1993))。エネジイン化合物を本明細書に記載される組成物とコンジュゲートすることにより、骨髄起源のHTCを標的とする別の方法が提供される。] [0121] 放射性化合物は、シグナル(例えばトレーサ)として有用である、または、標的とされる細胞への送達によって治療効果を提供するために使用され(例えば、放射性薬学的組成物の形態で)、以下に記載される方法によって抗体に付着させることができる。有用な放射性核種は、例として、非限定的に、3H、14C、32P、35S、51Cr、57Co、59Fe、67Ga、82Rb、89Sr、99Tc、111In、123I、125I、129I、131Iおよび186Reを含む。] [0122] 抗体への化合物のコンジュゲーションは当業者には周知であり、典型的には、抗体および化合物上に存在する、または抗体および化合物上に導入される官能基を利用する。官能基は、とりわけ、ヒドロキシル、アミノ、チオ、イミノおよびカルボキシ部分を含む。官能基間の反応は、カップリング試薬および架橋剤によって支援することができる。架橋剤およびリンカーならびに対応するコンジュゲーション法は、すべて参照により本明細書に組み入れられるHermanson, G. T., Bioconjugate Techniques, Academic Press, San Diego, CA (1996)、Aslam M. and DentAH., Bioconjugation: protein coupling techniques for the biomedical sciences, Houndsmills, England: Macmillan Publishers (1999)、Pierce: Applications Handbook & Catalog, Perbio Science, Ermbodegem, Belgium (2003-2004)、Haughland, R. P., Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals Eugene, 9th Ed., Molecular Probes, OR (2003)および米国特許第5,747,641号に記載されている。例示的なカップリング試薬または結合試薬は、例として、非限定的に、N-ヒドロキシスクシンイミドのコハク酸半エステル、スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミド、ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびp-ニトロフェノール、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(ECD)および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドメチヨージド(EDCI)(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第4,526,714号を参照)を含む。他の結合試薬は、グルタチオン、3-(ジエトキシホスホリルオキシ)-1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン(DEPBT)、オニウム塩系カップリング試薬、ポリオキシエチレン系ヘテロ二官能性架橋試薬、ならびに有機薬物およびペプチドおよび他のリガンドへの抗体のカップリングを促進する他の試薬(Haitao, et al., Organ Lett 1:91-94 (1999)、Albericio et al., J Organic Chemistry 63:9678-9683 (1998)、Arpicco et al., Bioconjugate Chem. 8:327-337 (1997)、Frisch et al., Bioconjugate Chem. 7:180-186 (1996)、Deguchi et al., Bioconjugate Chem. 10:32-37 (1998)、Beyer et al., J. Med. Chem. 41:2701-2708 (1998)、Drouillat et al., J. Pharm. Sci. 87:25-30 (1998)、Trimble et al., Bioconjugate Chem. 8:416-423 (1997))を含む。] [0123] また、治療化合物を抗体とコンジュゲートするための技術が、すべて参照により本明細書に組み入れられるArnon et al., "Monoclonal Antibodies for Immunotargeting of Drugs in Cancers Therapy," in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Reisfeld et al., ed., pp243-256, Alan R. Liss, Inc. (1985)、Thorpe, et al. "The Preparation and Cytotoxic Properties of Antibody Toxin Conjugates," Immunol. Rev. 62:119-58 (1982)およびPietersz, G.A., "The linkage of cytotoxic drugs to monoclonal antibodies for the treatment of cancer," Bioconjugate Chemistry 1(2):89-95 (1990)に記載されている。] [0124] 6.アンチセンス分子および小分子化合物 本発明の別の局面は、本明細書に開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーに対応するmRNA(センス)またはDNA(アンチセンス)標的配列に結合することができる一本鎖核酸配列(RNAまたはDNAのいずれか)を含むアンチセンスおよびセンス分子に関する。本発明のアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドは、IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーに対応する遺伝子のDNAのコード領域のフラグメントを含む。そのようなフラグメントは一般に、少なくとも約14のヌクレオチド、好ましくは約14〜約30のヌクレオチドを含む。アンチセンスまたはセンスRNAまたはDNA分子は一般に、少なくとも約5ヌクレオチドの長さ、または少なくとも約15、少なくとも約30、少なくとも約50、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約700、少なくとも約800または少なくとも約1000ヌクレオチドの長さである。所与のタンパク質をコードするcDNA配列に基づいてアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドを誘導できることは、例えば、Stein and Cohen (Cancer Res. 48:2659, 1988) およびvan der Krol et al. (BioTechniques 6:958, 1988)に記載されている。] [0125] アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドを標的核酸配列に結合した結果、二重鎖の分解の増強、転写または翻訳の早期終了を含むいくつかの手段または他の手段の一つによって標的配列の転写または翻訳を阻止する二重鎖が形成される。そのような方法は本発明によって包含される。したがって、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、IgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーに対応するタンパク質の発現を阻止するために使用することができ、これらのマーカータンパク質は、哺乳動物における骨髄性白血病の誘導および/または持続において役割を演じる可能性があるものである。] [0126] アンチセンス結合に好ましい遺伝子内部位は、遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)の翻訳開始(initiation)/開始(start)コドン(5'-AUG/5'-ATG)または終止(termination)/停止(stop)コドン(5'-UAA、5'-UAGおよび5-UGA/5'-TAA、5'-TAGおよび5'-TGA) を組み込む領域を含む。これらの領域は、翻訳開始または終止コドンからいずれかの方向(すなわち5'または3')に約25〜約50の連続するヌクレオチドを包含するmRNAまたは遺伝子の部分をいう。アンチセンス結合のための他の好ましい領域は、以下を含む:イントロン;エキソン;イントロン-エキソン接合部;翻訳開始コドンと翻訳終止コドンとの間の領域であるオープンリーディングフレーム(ORF)または「コード領域」;5'-5'三リン酸結合を介してmRNAのもっとも5'寄りの残基に連結されたN7メチル化グアノシン残基を含み、5'キャップ構造そのものおよびキャップに隣接する最初50のヌクレオチドを含む、mRNAの5'キャップ;5'非翻訳領域(5'UTR)、すなわち翻訳開始コドンから5'方向の、したがって、mRNAの5'キャップ部位と翻訳開始コドンとの間のヌクレオチドまたは遺伝子上の対応するヌクレオチドを含むmRNAの部分;ならびに3'非翻訳領域(3'UTR)、すなわち翻訳終止コドンから3'方向の、したがって、mRNAの翻訳終止コドンと3'末端との間のヌクレオチドまたは遺伝子上の対応するヌクレオチドを含むmRNAの部分。] [0127] アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドはさらに、修飾された糖-ホスホジエステル主鎖(または、WO91/06629に記載されているような他の糖結合)を有し、そのような糖結合が内在性ヌクレアーゼに対して耐性であるオリゴヌクレオチドを含む。耐性の糖結合を有するそのようなオリゴヌクレオチドは、インビボで安定である(すなわち、酵素的分解に耐えることができる)が、標的ヌクレオチド配列に結合するための配列特異性を保持する。修飾された主鎖を有するオリゴヌクレオチドは、主鎖中にリン原子を保持するものおよび主鎖中にリン原子を有しないものを含む。他の態様において、ヌクレオチド単位中の糖およびヌクレオチド間結合、すなわち主鎖は異なる基によって置換されている。さらなる修飾は、2'-ヒドロキシル基が糖環の3'または4'炭素原子に結合して二環式糖部分を形成しているロックされた核酸(LNA)を含む。センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチド分子はまた、核酸塩基(塩基)修飾または置換を含むこともできる。] [0128] 本発明にしたがって使用されるアンチセンスおよびセンス化合物は、周知の固相合成技術によって好都合かつ慣例的に製造することができる。そのような合成のための装備は、例えばApplied Biosystems(FosterCity, Calif.)を含むいくつかの販売者によって販売されている。当技術分野で公知のそのような合成のための任意の他の手段を追加的または代替的に使用することができる。修飾オリゴヌクレオチドを調製するための類似した技術を使用することが周知である。本発明の化合物はまた、取り込み、分散および/または吸収を支援するために、化合物の他の分子、分子構造または混合物、例えばリポソーム、受容体標的分子、経口、直腸、局所または他の製剤と混合、封入、コンジュゲーション、または他の方法で会合させることができる。] [0129] アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドは、任意の遺伝子移入法、例えばCaPO4-媒介DNAトランスフェクション、エレクトロポレーションにより、または遺伝子移入ベクター、例えばエプスタイン・バーウイルスを使用することにより、標的核酸配列を含む細胞に導入することができる。好ましい手順においては、アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドを適当なレトロウイルスベクターに挿入する。標的核酸配列を含む細胞をインビボまたはエクスビボのいずれかで組換えレトロウイルスベクターと接触させる。適当なレトロウイルスベクターとしては、非限定的に、マウスレトロウイルスM-MuLVに由来するもの、N2(M-MuLVに由来するレトロウイルス)またはDCT5A、DCT5BおよびDCT5Cと呼ばれる二重コピー(double copy)ベクター(WO90/13641を参照)が含まれる。] [0130] センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、WO91/04753に記載されているように、リガンド結合分子とのコンジュゲートの形成により、標的ヌクレオチド配列を含む細胞に導入することができる。適当なリガンド結合分子には、非限定的に、細胞表面受容体、成長因子、他のサイトカインまたは細胞表面受容体に結合する他のリガンドが含まれる。好ましくは、リガンド結合分子のコンジュゲーションは、リガンド結合分子の、その対応する分子または受容体に結合する能力、またはセンスもしくはアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはそのコンジュゲートバージョンが細胞に進入するのを阻止する能力に実質的に干渉しない。または、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドは、WO90/10448に記載されているように、オリゴヌクレオチド-脂質複合体の形成により、標的核酸配列を含む細胞に導入することができる。センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチド-脂質複合体は、好ましくは、細胞内で内在性リパーゼによって解離する。] [0131] 別の態様において、本発明は、本明細書に開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの一つまたは複数のメンバーに好ましくは特異的に結合する小分子を提供する。好ましい態様において、小分子は、本明細書に開示されるIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーに対応するポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストであるとして当技術分野で公知である有機小分子を含む有機小分子である。] [0132] いくつかの態様において、小分子は、成長抑制剤または細胞傷害性物質、例えば毒素とコンジュゲートされている。そのような毒素は、例えば、マイタンシノイドまたはカリチアマイシン、抗生物質、放射性同位体、核酸分解酵素などを含む。本発明の治療法における使用が見いだされる小分子は、好ましくは、それが結合する細胞の死滅を誘導する。先に詳述したように、骨髄起源のHTCへの結合は、本明細書に開示される、表面に発現されたマーカーへの結合によって、または、それ自体は骨髄性HTC上のその受容体に結合している、表面に発現されたマーカーへの結合によって、起こりうる。] [0133] 7.薬学的組成物 本明細書における教示に記載される抗体および/またはアンチセンス分子および/または小分子アゴニストもしくはアンタゴニストを含む薬学的組成物の調製においては、当業者には明らかであるように、多様な媒体および賦形剤ならびに投与経路を使用することができる。代表的な製剤化技術が、とりわけ、参照により全体として本明細書に組み入れられるRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA (1995)およびHandbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Ed, Kibbe, A. H. ed., Washington DC, American Pharmaceutical Association (2000)に教示されている。] [0134] 薬学的組成物は一般に、薬学的に許容される担体および薬理学的に有効な量の抗体または抗体の混合物またはその適当な塩を含む。治療薬としての、前駆細胞集団に対して特異的なモノクロナール抗体の混合物の使用が数多くの利点を有する。異常に増殖する細胞は、突然変異を起こす傾向を有し、したがって、単一タイプのモノクロナール抗体によって認識される抗原を失うおそれがある。そのうえ、標的細胞中の単一標的抗原の抗原密度が、免疫系による細胞の破壊に必要なシグナルの誘発が不十分になるような低さであるおそれもある。本開示は、異なるモノクロナール抗体の混合物によって標的とされうる、骨髄起源のHTCと関連する免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーまたはToll様受容体(TLR)スーパーファミリーの多数のメンバーを提供することにより、これらの問題に対処する。] [0135] 公知の小分子アゴニストまたはアンタゴニストの場合、薬学的組成物は、分子の既知の特徴に基づいて同様に調製することができる。] [0136] 薬学的組成物は、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、エアロゾル剤、固形剤、丸剤、錠剤、カプセル剤、ゲル剤、局所クリーム剤、坐剤、経皮パッチ剤または当技術分野で公知の他の剤形として製剤化することができる。] [0137] 本明細書に記載される目的に関して、抗体の薬学的に許容される塩は、有機および無機の酸および/または塩基を含む、任意の当技術分野で認められた薬学的に許容される塩を含むと解釈される。塩の例は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムならびに第一級、第二級および第三級アミン、低級炭化水素、例えばメチル、エチルおよびプロピルのエステルを含む。他の塩は、有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、ピルビン酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、サリチル酸などを含む。] [0138] 本明細書に使用される「薬学的に許容される担体」は、薬学的組成物を製剤化する技術の当業者に公知の標準的な薬学的に許容される担体を含む。したがって、そのものが薬学的に許容される塩として、またはコンジュゲートとして存在するような抗体は、薬学的に許容される希釈剤、例えば生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、水性エタノールまたはグルコース、マンニトール、デキストラン、プロピレングリコール、油(例えば植物油、動物油、合成油など)、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、ゼラチン、ポリソルベート80などの溶液中の製剤として、または適当な賦形剤中の固体製剤として調製することができる。] [0139] 薬学的組成物は、多くの場合、一つまたは複数の緩衝剤(例えば中性緩衝生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水)、炭水化物(例えばグルコース、マンノース、スクロースまたはデキストラン)、マンニトール、タンパク質、ポリペプチドまたはアミノ酸、例えばグリシン、酸化防止剤(例えばアスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソールなど)、静菌剤、キレート剤、例えばEDTAまたはグルタチオン、アジュバント(例えば水酸化アルミニウム)、製剤をレシピエントの血液とで等張性、低張性または弱高張性にする溶質、懸濁剤、増粘剤および/または保存剤をさらに含む。または、本発明の組成物は、凍結乾燥物として製剤化することもできる。] [0140] 当業者に公知の適当な担体を本発明の組成物に使用することができるが、担体のタイプは通常、投与形態に依存して異なると考えられる。抗体組成物は、適切な投与方法、例えば経口、経鼻、粘膜、静脈内、腹腔内、皮内、皮下および筋肉内投与に合わせて製剤化することができる。] [0141] 非経口投与の場合、組成物は、無菌液、例えば無菌パイロジェンフリー水、油、生理食塩水、グリセロール、ポリエチレングリコールまたはエタノールでありうる薬学的担体との、生理学的に許容される希釈剤中の物質の溶液または懸濁液の注射可能な剤形として投与することができる。さらには、補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、界面活性剤、pH緩衝物質などが組成物中に存在することができる。薬学的組成物の他の成分は、石油、動物、植物または合成起源の成分、例えばラッカセイ油、ダイズ油、トウモロコシ油、綿実油、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルの非水溶液である。抗体は、有効成分の徐放を可能にするような方法で製剤化されうるデポー剤注射または埋め込み製剤の形態で投与することができる。例示的な組成物は、50mM L-ヒスチジン、150mM NaClからなり、HClでpH6.0に調整された水性緩衝剤中に製剤化された抗体を5mg/ml含む。] [0142] 典型的に、組成物は、注射液として、溶液または懸濁液のいずれかとして、適当な溶媒、例えば、非限定的に、注射前に無菌パイロジェンフリー水、生理食塩水、緩衝溶液、デキストロース溶液などで再構成される固体または粉末形態として調製される。製剤はまた、以下さらに説明するように、リポソームまたはマイクロ粒子、例えばポリラクチド、ポリグリコリドまたはコポリマー中に乳化または封入されうる(例えば、Langer, Science 249:1527 (1990)およびHanes, Advanced Drug Delivery Rev. 28:97-119 (1997)を参照)。] [0143] さらには、組成物はまた、送達のために、また、エクスビボまたはインビボでの寿命を延ばすために、リポソームの内腔に導入または封入することもできる。当技術分野で公知であるように、リポソームは、様々なタイプ、すなわち多重ラメラ小胞(MLV)、安定複ラメラ小胞(SPLV)、小単ラメラ小胞(SUV)または大単ラメラ小胞(LUV)に分類することができる。リポソームは、ホスファチジルエーテルおよびエステルを含む、合成であっても天然であってもよい様々な脂質化合物、例えばホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ジミリストイルホスファチジルコリン、ステロイド、例えばコレステロール、セレブロシド、スフィンゴミエリン、グリセロ脂質および他の脂質から調製することができる(例えば米国特許第5,833,948号を参照)。] [0144] カチオン性脂質もまた、リポソームを形成するのに適している。一般に、カチオン性脂質は、正味の正電荷を有し、親油性部分、例えばステロールまたはアシルもしくはジアシル側基を有する。好ましくは、先端基は正に帯電している。一般的なカチオン性脂質は、1,2-ジオレイルオキシ-3-(トリメチルアミノ)プロパン、N-[1-(2,3-ジテトラデシクロキシ)プロピル]-N,N-ジメチル-N-N-ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド、N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N-ジメチル-N-ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド、N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド、3-[N-(N',N'-ジメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロールおよびジメチルジオクタデシルアンモニウムを含む。] [0145] リポソームはまた、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,013,556号および第5,395,619号によって提供されるような、インビボでの循環寿命を延ばすために親水性ポリマーによって誘導体化された小胞を含む(Kono, K. et al., J. Controlled Release 68: 225-35 (2000)、Zalipsky, S. et al., Bioconjug. Chem. 6:705-708 (1995)も参照)。リポソームのコーティングまたは誘導体化のための親水性ポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアスパルトアミド(polyaspartamide)、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどを含む。] [0146] リポソームは、当技術分野で周知の方法によって調製される(例えば、Szoka, F. et al., Ann. Rev. Biophys. Bioeng. 9:467-508 (1980)を参照)。一つの典型的な方法は、脂質成分を有機溶媒中で混合したのち、溶媒を蒸発させて脂質膜を形成する脂質膜水和技術である。好ましくは対象抗体を含む水性緩衝溶液中の膜の水和がエマルションを生じさせ、そのエマルションを音波処理または押し出ししてサイズおよび多分散度を低下させる。他の方法は、逆相蒸発(例えば、Pidgeon, C. et al., Biochemistry 26:17-29 (1987)、Duzgunes, N. et al., Biochim. Biophys. Acta. 732:289-99 (1983)を参照)、リン脂質混合物の凍結融解処理およびエーテル温浸法を含む。] [0147] 別の態様において、担体は、生分解性または非生分解性でありうるマイクロ粒子、マイクロカプセル、微小球およびナノ粒子の形態にある(例えば、参照により本明細書に組み入れられる"Microencapsulates: Methodsand Industrial Applications," in Drugs and Pharmaceutical Sciences, Benita, S. ed, Vol 73, Marcel Dekker Inc., New York (1996)を参照)。本明細書に使用される、マイクロ粒子、微小球、マイクロカプセルおよびナノ粒子とは、送達される物質を含む、典型的には固体である粒子をいう。物質は、粒子のコア内部にあるか、粒子のポリマーネットワークに付着している。一般に、マイクロ粒子(またはマイクロカプセルもしくは微小球)とナノ粒子との違いはサイズの違いである。本明細書で使用されるように、マイクロ粒子は、約1〜約>1000ミクロンの粒度範囲を有する。ナノ粒子は、約10〜約1000nmの粒度範囲を有する。] [0148] マイクロ粒子を製造するためには多様な材料が有用である。非生分解性マイクロカプセルおよびマイクロ粒子は、非限定的に、ポリスルホン、ポリ(アクリロニトリル-コ-ビニルクロリド)、エチレン-ビニルアセテート、ヒドロキシエチルメタクリレート-メチルメタクリレートコポリマーでできているものを含む。これらは、封入された組成物がカプセルから拡散する埋め込み目的に有用である。別の局面において、マイクロカプセルおよびマイクロ粒子は、生分解性ポリマー、好ましくは低い毒性を示し、免疫系によって十分に寛容されるものに基づく。これらは、フィブリン、カゼイン、血清アルブミン、コラーゲン、ゼラチン、レシチン、キトサン、アルジネート、またはポリアミノ酸、例えばポリリジンから作られたタンパク質ベースのマイクロカプセルおよびマイクロ粒子を含む。封入のための生分解性合成ポリマーには、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA)、ポリ(カプロラクトン)、ポリジオキサノントリメチレンカーボネート、ポリヒドロキシアルコネート(例えば、ポリ(β-ヒドロキシブチレート)、ポリ(γ-エチルグルタメート)、ポリ(DTHイミノカルボニル(ビスフェノールAイミノカーボネート)、ポリ(オルトエステル)およびポリシアノアクリレートのようなポリマーが含まれうる。溶媒除去法(例えば米国特許第4,389,330号を参照)、乳化および蒸発(Maysinger, D. et al., Exp. Neuro. 141: 47-56 (1996)、Jeffrey, H. et al., Pharm. Res. 10:362-68 (1993))、噴霧乾燥および押し出し法を含む、対象組成物を含むマイクロ粒子を製造するための様々な方法が当技術分野で周知である。] [0149] 別のタイプの担体が、一般に静脈内投与に適しているナノ粒子である。サブミクロンおよびナノ粒子は一般に、当技術分野で公知であるように、両親媒性ジブロック、トリブロックまたはマルチブロックコポリマーから製造される。ナノ粒子を形成するのに有用なポリマーは、非限定的に、ポリ(乳酸)(PLA、Zambaux et al., J. Control Release 60:179-188 (1999)を参照)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)とポリカプロラクトンとのブレンド、ジブロックポリマーポリ(l-ロイシン-ブロック-l-グルタメート)、ジブロックおよびトリブロックポリ(乳酸)(PLA)およびポリ(エチレンオキシド)(PEO)(De Jaeghere, F. et al., Pharm. Dev. Technol. 5:473-83 (2000))、アクリレート、アリールアミド、ポリスチレンなどを含む。マイクロ粒子に関して記載したように、ナノ粒子は、非生分解性または生分解性でありうる。ナノ粒子はまた、ポリ(アルキルシアノアクリレート)、例えばポリ(ブチルシアノアクリレート)から作ることもでき、その場合、治療組成物はナノ粒子上に吸収され、界面活性剤(例えばポリソルベート80)でコートされる。ナノ粒子を製造する方法は、マイクロ粒子を製造する方法に似ており、とりわけ、連続水相中の乳化重合、乳化・蒸発、溶媒置換および乳化・拡散技術(例えば、参照により本明細書に組み入れられるKreuter, J. Nano-particle Preparation and Applications, in Microcapsules and Nanoparticles in Medicine and Pharmacy, pg. 125-148, (M. Donbrow, ed.)CRCPress, Boca Rotan,FL(1991)を参照)を含む。] [0150] 本明細書に記載される薬学的組成物は、単位用量またはマルチ用量容器、例えばシールされたアンプルまたはバイアルに入れて提示されうる。そのような容器は通常、使用するまで製剤の無菌性および安定性を保存するような方法でシールされる。一般に、製剤は、上記のように、油性または水性媒体中の懸濁液、溶液またはエマルションとして貯蔵されてもよい。または、薬学的組成物は、使用の直前に無菌液体担体を添加するだけの凍結乾燥状態で貯蔵されてもよい。]
权利要求:
請求項1 CD84、リンパ球抗原86(Ly86)、CD180(RP105)、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2)、白血球免疫グロブリン様受容体,TMドメインを有するサブファミリーA,メンバー(leukocyte immunoglobulin-like receptor, subfamily A with TM domain, member)1(LILRA1)、白血球免疫グロブリン様受容体, TMドメインを有するサブファミリーA, メンバー2(LILRA2)、神経成長調節因子1(NEGR1)、およびToll様受容体(TLR2)からなる群より選択される免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーまたはToll様受容体スーパーファミリーのタンパク質に特異的に結合する、抗体。 請求項2 CD84、リンパ球抗原86(Ly86)、およびCD180(RP105)からなる群より選択される遺伝子の発現産物に特異的に結合する、請求項1記載の抗体。 請求項3 ヒト化モノクロナール抗体である、請求項2記載の抗体。 請求項4 骨髄起源の造血器腫瘍細胞(HTC)に特異的に結合する、請求項3記載の抗体。 請求項5 前記結合によって、HTCの増殖が阻害される、および/またはHTCの破壊が媒介される、請求項4記載の抗体。 請求項6 請求項2〜5のいずれか一項記載の抗体を含む薬学的組成物。 請求項7 放射性同位体または放射性核種をさらに含む、請求項6記載の薬学的組成物。 請求項8 生物活性化合物をさらに含む、請求項6記載の薬学的組成物。 請求項9 生物活性化合物が細胞傷害性物質である、請求項8記載の薬学的組成物。 請求項10 少なくとも二つの異なる発現産物に特異的に結合する少なくとも二つの抗体を含む、請求項6記載の薬学的組成物。 請求項11 請求項2〜5のいずれか一項記載の抗体を含む組成物とHTCとを接触させる段階を含む、骨髄起源のHTCの破壊を媒介する方法。 請求項12 前記接触によって、HTCの増殖が阻害される、請求項11記載の方法。 請求項13 CD84、リンパ球抗原86(Ly86)、CD180(RP105)、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2)、白血球免疫グロブリン様受容体,TMドメインを有するサブファミリーA,メンバー1(LILRA1)、白血球免疫グロブリン様受容体, TMドメインを有するサブファミリーA, メンバー2(LILRA2)、神経成長調節因子1(NEGR1)、およびToll様受容体(TLR2)からなる群より選択される、HTCと関連するIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの少なくとも一つのメンバーの過剰発現を特徴とする骨髄性血液学的増殖性疾患の患者を処置する方法であって、前記患者が、請求項2〜5のいずれか一項記載の抗体を含む組成物の投与を受ける、方法。 請求項14 前記投与によって、患者におけるHTCが除去される、請求項13記載の方法。 請求項15 血液学的増殖性疾患がAMLである、請求項13記載の方法。 請求項16 患者から試験試料を得る段階、ならびに前記試験試料中の、CD84、リンパ球抗原86(Ly86)、CD180(RP105)、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2)、白血球免疫グロブリン様受容体,TMドメインを有するサブファミリーA,メンバー1(LILRA1)、白血球免疫グロブリン様受容体, TMドメインを有するサブファミリーA, メンバー2(LILRA2)、神経成長調節因子1(NEGR1)、およびToll様受容体(TLR2)からなる群より選択される、HTCと関連するIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーに対応する発現産物のレベルを検出する段階を含む、患者における骨髄性血液学的増殖性疾患を診断する方法であって、対照と比較した前記試料中の前記発現産物のレベルによって、血液学的増殖性疾患が示される、方法。 請求項17 発現産物がmRNAである、請求項16記載の方法。 請求項18 少なくとも二つの異なる発現産物のレベルが検出される、請求項16記載の方法。 請求項19 前記検出にマイクロアレイが使用される、請求項16記載の方法。 請求項20 診断される骨髄性血液学的増殖性疾患がAMLである、請求項16記載の方法。 請求項21 処置中の二つまたはそれ以上の時間点で患者から試験試料を得る段階、および前記試験試料のそれぞれにおける、CD84、リンパ球抗原86(Ly86)、CD180(RP105)、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2)、白血球免疫グロブリン様受容体,TMドメインを有するサブファミリーA,メンバー1(LILRA1)、白血球免疫グロブリン様受容体, TMドメインを有するサブファミリーA, メンバー2(LILRA2)、神経成長調節因子1(NEGR1)、およびToll様受容体(TLR2)からなる群より選択される、HTCと関連するIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーのメンバーに対応する発現産物のレベルを検出する段階を含む、患者における骨髄性血液学的増殖性疾患を処置する効力をモニタリングする方法であって、前記発現産物のレベルの経時的な低下によって、処置に対する正の応答が示される、方法。 請求項22 発現産物がmRNAである、請求項21記載の方法。 請求項23 時間点の二つまたはそれ以上において、少なくとも二つの異なる発現産物のレベルが検出される、請求項21記載の方法。 請求項24 前記検出にマイクロアレイが使用される、請求項21記載の方法。 請求項25 モニタリングされる骨髄性血液学的増殖性疾患がAMLである、請求項21記載の方法。 請求項26 小分子アゴニストまたはアンタゴニストを含む組成物とHTCとを接触させる段階を含む、骨髄起源のHTCの破壊を媒介する方法。 請求項27 CD84、リンパ球抗原86(Ly86)、CD180(RP105)、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2)、白血球免疫グロブリン様受容体,TMドメインを有するサブファミリーA,メンバー1(LILRA1)、白血球免疫グロブリン様受容体, TMドメインを有するサブファミリーA, メンバー2(LILRA2)、神経成長調節因子1(NEGR1)、およびToll様受容体(TLR2)からなる群より選択される、HTCと関連するIgスーパーファミリーまたはTLRスーパーファミリーの少なくとも一つのメンバーの過剰発現を特徴とする血液学的増殖性疾患の患者を処置する方法であって、前記患者が、小分子アゴニストまたはアンタゴニストを含む組成物の投与を受ける、方法。 請求項28 血液学的増殖性疾患がAMLである、請求項27記載の方法。
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