专利摘要:
本発明は、三塩化リン(PCl3)を、1種又はそれ以上の有機溶媒の溶液中の芳香族ジオールと、ホスホロモノクロリダイトを製造するために充分な反応条件下で、接触させることによる高収率でのホスホロモノクロリダイトの製造プロセスに関する。この反応は、第一の有機溶媒中に溶解された芳香族ジオールを含有する供給溶液を、PCl3及び任意的に1種又はそれ以上の第二の有機溶媒を含有する反応ゾーンの中に添加することによって実施し、前記添加は、実質的に等温のプロセス条件を維持するように実施する。この反応溶液は、5モル%よりも少ない窒素塩基を含有する。(式I、II)
公开号:JP2011515465A
申请号:JP2011501768
申请日:2008-03-28
公开日:2011-05-19
发明作者:ビリッグ,エルンスト;ベイヤー,グレッチェン;エー. ミラー,グレン
申请人:ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー;
IPC主号:C07F9-146
专利说明:

[0001] 本発明は、一般的に、有機ポリ亜リン酸エステル(オルガノポリホスファイト)(organopolyphosphite)の合成用の中間体である、ホスホロモノクロリダイト(phosphoromonochloridite)の製造プロセスに関する。]
背景技術

[0002] 亜リン酸エステルは、均質(homogeneous)触媒のリガンドとして、並びに可塑剤、難燃剤、UV安定剤及び酸化防止剤の成分として、有用である、有機リン化合物の種々の種類を表す。亜リン酸エステルは、有機モノ亜リン酸エステル(organomonophosphite)及び有機ポリ亜リン酸エステルとして更に分類することができる。有機ポリ亜リン酸エステルは、或る種の均質触媒のために特に有用である。例えば特許文献1は、一般的に、有機ポリ亜リン酸エステルの合成及びヒドロホルミル化プロセスに於けるリガンドとしてのその使用に関する。]
[0003] ホスホロモノクロリダイトは、有機ポリ亜リン酸エステルを合成するための中間体である。例えば特許文献2、特許文献3及び特許文献1を参照されたい。ホスホロモノクロリダイトは、典型的には、三塩化リン(PCl3)を、1モル当量のジアルコール又は2モル当量のモノアルコールと、出発アルコール及び得られるホスホロモノクロリダイトの反応性に依存する反応条件下で接触させることによる縮合反応に於いて合成される。生成されるホスホロモノクロリダイトのそれぞれの分子について、この縮合反応は、2分子の塩化水素(HCl)を生成する。例えば90%よりも高いアルコールの転化率を達成するための縮合反応のために、反応溶液からHClを除去する必要がある。]
[0004] 縮合反応からのHCl除去のための一つのアプローチは、生成されるべきHClの理論量に対して化学量論的量で又は理論量よりも過剰で、窒素塩基を使用してHClを中和することである。例えば特許文献4、特許文献2、特許文献5、特許文献6及び非特許文献1を参照されたい。しかしながら、窒素塩基を使用するとき、得られる窒素塩基−HCl塩を、濾過手順によって反応混合物から除去しなくてはならず、この手順は、塩化物及び窒素含有廃液を生じ、その結果コストを増加する。]
[0005] PCl3−アルコール縮合反応からのHCl除去のための別のアプローチは、アルコール及び大過剰量のPCl3の混合物を、PCl3(沸点(bp):74〜78℃)を還流するために充分に高い温度で加熱すること(これによって、HClが追い出される)を含む。窒素塩基は、このアプローチに於いて必要ではない。例えば特許文献1には、2,2’−ビフェノールと3.7モル当量(2.7当量過剰)のPCl3との混合物を還流することによる、1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイルホスホロモノクロリダイトの製造手順が開示されている。生成物、1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル ホスホロモノクロリダイトは、減圧下での蒸留によって、使用される2,2’−ビフェノールのモル基準で、72モル%収率で単離されることが開示されている。非特許文献2及び非特許文献3に於いて参照されるような別の手順は、1,1’−ビ−2−ナフトール及び11.5モル当量のPCl3の混合物を、75〜80℃で加熱することによって、4−クロロジナフト[2,1−d:1’,2’−f][1,3,2]ジオキサホスフェピンを合成する。上記のアプローチの一つの望ましくない構成は、それが、水分と発熱的に反応し、典型的に追加の安全考慮を含む大過剰量のPCl3を除去し、取り扱う必要性を含むことである。プロセスに於いて使用されるべきPCl3の過剰量を減少させることが望ましいであろう。]
[0006] 上記の観点で、ホスホロモノクロリダイトを製造するための一層効率的なプロセスについての、当該技術分野に於けるニーズが存在する。]
[0007] 米国特許第4,769,498号明細書
米国特許第6,031,120号明細書
米国特許第5,663,369号明細書
米国特許第5,235,113号明細書
米国特許第7,196,230号明細書
米国特許出願公開第2007/0112219A1号明細書]
先行技術

[0008] Journal of Molecular Catalysis A:Chemical 164(2000)125−130
Korostyler等、Tetrahedron:Asymmetry,14(2003)1905−1909
Cramer等、Organometallics、第25巻第9号(2006年)第2284−2291頁]
課題を解決するための手段

[0009] 本発明は、式I:]
[0010] ]
[0011] (式中、mは、ゼロ、1又は2であり、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン及び一価のC1〜C10置換又は非置換のヒドロカルビル部分から選択され、
ここで、任意的に、R2はR3に結合して、5員若しくは6員環を形成するように、置換若しくは非置換のヒドロカルビレン部分を形成することができ及び/又は
任意的に、R4はR5に結合して、5員若しくは6員環を形成するように、置換若しくは非置換のヒドロカルビレン部分を形成することができる)
によって表される芳香族ジオールを、三塩化リン(PCl3)と、反応ゾーン内の反応溶液(この反応溶液は、芳香族ジオールのモル基準で計算して5モル%よりも少ない窒素塩基を含有する)中で、式II:]
[0012] ]
[0013] (式中、R1〜R8は上記の定義を有する)
によって表されるホスホロモノクロリダイトを製造するために充分で且つ反応の間に生成されるHClを追い出すために充分な温度で接触させることを含む、ホスホロモノクロリダイトを製造する新規な合成プロセスであって、芳香族ジオールの供給溶液を、PCl3からなる反応ゾーンに添加して、反応溶液を形成することによって、前記接触を実施し、前記添加が、反応温度が実質的に等温のままであるような速度であり、前記供給溶液が、第一の有機溶媒中に溶解された芳香族ジオールの本質的に全部を含むプロセスを提供する。]
実施例

[0014] 以下、簡単に「本プロセス」として参照される本発明のプロセスでは、芳香族ジオール、三塩化リン(PCl3)及び芳香族ジオールを溶解して供給溶液を作るための第一の有機溶媒を使用する。好ましくは、このプロセスでは、PCl3を希釈するための第二の有機溶媒も使用する。]
[0015] 本発明を説明する際に、ここに定義される、或る種の句、用語及び語を使用する。句、用語又は語の意味を解釈するとき、特別の使用のために、本明細書中の他の部分で異なった意味が記載されていない限り又はその句、用語若しくは語の使用の文脈が、ここに示された定義とは異なった意味が意図されることを明らかに示していない限り、その定義が支配する。]
[0016] 冠詞(“a”及び“the”)は、冠詞によって修飾されているものの単数形又は複数形を指す。2個又はそれ以上の員のリストの最初の員の前で使用されるとき、冠詞は、独立に、そのリスト内のそれぞれの員を指す。本明細書中に使用されるとき、冠詞(“a”,“an”,“the”)、「少なくとも一つの」(“at least one”)及び「一つ又はそれ以上の」(“one or more”)は、互換的に使用される。用語「を含んでなる」(“comprise”)及びその変形は、これらの用語が説明及び特許請求の範囲中に現れる場合、限定する意味を有しない。従って、例えば「1種」の芳香族ジオールを含んでなる反応剤混合物は、当該芳香族ジオールが1種又はそれ以上の芳香族ジオールを含むことを意味するとして解釈することができる。用語「又は」(“or”)は、リスト中の単独又は任意の組合せの構成員を指す。]
[0017] 「窒素塩基」は、HClを中和して、本プロセスに於いて使用される有機溶媒中に本質的に不溶性である塩を形成することができる、窒素含有有機化合物として定義される。]
[0018] 用語「有機溶媒」は、環境温度及び圧力で液体であり、別の物質(溶質)を溶解して、分子又はイオンレベルで均一に分散された混合物(溶液)を形成することができる物質を指す、その通常の意味を有する。]
[0019] 本発明の目的のために、用語「環境温度」は、22℃±2℃として解釈する。]
[0020] 用語「非プロトン性」はプロトンを供与しない有機溶媒を指す。]
[0021] 「極性非プロトン性有機溶媒」は約6よりも大きい誘電定数を有し、上記定義されたような窒素塩基ではない非プロトン性有機溶媒として定義される。]
[0022] 「ヒドロカルビル」部分(moiety)は、1個の炭素原子から1個の水素原子の除去によって、炭化水素から誘導される一価の単位として定義される。]
[0023] 「ヒドロカルビレン」部分は、2個の炭素原子から2個の水素原子の除去によって、炭化水素から誘導される二価の部分として定義される。]
[0024] 「置換ヒドロカルビル」又は「置換ヒドロカルビレン」部分は、ヒドロカルビル又はヒドロカルビレン中の1個又はそれ以上のH又はC原子が、1個若しくはそれ以上のヘテロ原子又は1個若しくはそれ以上のヘテロ原子(これは、これらに限定されないが、窒素、酸素、硫黄、リン、ホウ素、塩素、臭素及びヨウ素を含む)を含有する1個若しくはそれ以上の官能基によって置換されていることを意味する。置換ヒドロカルビル部分は、RO−(式中、Rは、上に定義したようなヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル部分である)の一般式を有する「ヒドロカルビルオキシ」部分であってよい。]
[0025] 有機溶媒を参照して、用語「沸点」は、その蒸気圧が、1気圧(101kPa)の定義された圧力に本質的に等しい液体の温度として定義される。]
[0026] 本プロセスは、式I:]
[0027] ]
[0028] (式中、m、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、「課題を解決するための手段」に於いて定義した通りである)
によって表される芳香族ジオールを使用する。好ましくは、mはゼロ又は1であり、R7及びR8は、それぞれ、水素である。更に好ましくは、mはゼロ又は1であり、R1、R6、R7及びR8は、それぞれ、水素である。]
[0029] 本プロセスに於いて使用することができる芳香族ジオールの例には、これらに限定されないが、2,2’−ビフェノール、5,5’−ジメチル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジクロロ−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジブロモ−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジヨード−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジエチル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−n−プロピル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−イソプロピル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−n−ブチル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−sec−ブチル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−イソブチル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−n−アミル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ビス(1,1−ジメチルプロピル)−2,2’−ビフェノール、5,5’−ビス(2,2−ジメチルプロピル)−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−n−ヘキシル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−2−ヘキシル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−3−ヘキシル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−n−ヘプチル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−2−ヘプチル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−3−ヘプチル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−4−ヘプチル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−n−オクチル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−2−オクチル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−3−オクチル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−4−オクチル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−2,2’−ビフェノール、5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジフェニル−2,2’−ビフェノール、5,5’−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジメトキシ−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジエトキシ−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−n−プロポキシ−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−イソプロポキシ−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−n−ブトキシ−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−sec−ブトキシ−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−イソ−ブトキシ−2,2’−ビフェノール、5,5’−ジ−tert−ブトキシ−2,2’−ビフェノール、1,1’−ビ−2−ナフトール、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)及び2,2’−メチレンビス(4−tert−ブチル−フェノール)が含まれる。一つの好ましい芳香族ジオールは2,2’−ビフェノールである。]
[0030] 一方に於いて、芳香族ジオールの合計モルに対して、低過剰のモル量のPCl3(例えば1.0/1よりも大きく3.5/1までのモル比)が本プロセスに於いて望ましく使用される。それは、この低過剰が、ホスホロモノクロリダイト生成物溶液を得るために、縮合反応溶液から除去すべき未転化のPCl3の量を減少させるからである。他方に於いて、芳香族ジオールのモルに対して、高過剰のモル量のPCl3(例えば4/1よりも大きいモル比)が、芳香族ジオールとホスホロモノクロリダイトとの副反応を最小にするために、縮合反応溶液中に望ましく使用される。例えば2,2’−ビフェノールは、その反応生成物、1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイルホスホロモノクロリダイトと反応して、2’−(ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イルオキシ)ビフェニル−2−オール(式III)及び2,2’−ビス(ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イルオキシ)ビフェニル(式IV)を生成することができる。]
[0031] ]
[0032] これらの副生物反応は、望ましくは回避する。]
[0033] 本発明に於いて、芳香族ジオールに対するPCl3のより高い及びより低い過剰量の両方の利点は、芳香族ジオールが供給溶液中に溶解され、この供給溶液が、得られる反応溶液中に芳香族ジオールが本質的に蓄積しないように、制御された速度で反応ゾーンの中に添加すると、同時に達成することができる。これらの条件下で、縮合反応の速度は、芳香族ジオールの添加の速度に実質的に適合するか又は芳香族ジオールの添加の速度よりも速い。従って、PCl3の反応溶液中に溶解された芳香族ジオールに対するモル比は、PCl3の本プロセスに於いて使用される合計芳香族ジオールに対するモル比よりも遙かに高く、それによって、より僅かな副反応になる。例示目的のために、PCl3の芳香族ジオールの合計モルに対するモル比は、僅かに2.5/1であってよいが、任意の所定の時間で、PCl3の反応溶液中に溶解された芳香族ジオールのモルに対するモル比は、10/1よりも大きく、50/1以上又はそれより大きい。従って、本発明に従って、本プロセスに於いて幾らか過剰のPCl3が使用されるという条件で、PCl3の合計芳香族ジオールに対するモル比は、先行技術のプロセスに対して比較したとき、望ましく減少させることができ、それによって、本プロセスが完結したとき、より大量のPCl3を除去する問題点を、ある程度まで緩和することができる。]
[0034] 従って、本プロセスに於いて使用されるPCl3の全芳香族ジオールに対するモル比は、有利には約1.0よりも大きく、好ましくは約1.1よりも大きく、更に好ましくは約1.2よりも大きい。本プロセスに於いて使用するPCl3の全芳香族ジオールに対するモル比は、有利には3.5よりも小さく、好ましくは3.3よりも小さく、更に好ましくは3.1よりも小さく、なお更に好ましくは約2.9よりも小さく、なお更に好ましくは約2.7よりも小さく、なお更に好ましくは約2.5よりも小さく、なお更に好ましくは約2.3よりも小さく、なお更に好ましくは約2.1よりも小さく、なお更に好ましくは約1.9よりも小さい。]
[0035] 本プロセスに於ける第一の有機溶媒の望まれる機能には、これらに限定されないが、a)芳香族ジオールを溶解し、希釈して、供給溶液を製造すること及び任意的に、b)反応生成物である、式IIのホスホロモノクロリダイトを可溶化することが含まれる。]
[0036] 上記の機能の少なくとも1個を実施するために、本プロセスのための第一の有機溶媒は、芳香族ジオールを実質的に完全に溶解して、供給溶液を得ることができる溶媒から選択される。第一の有機溶媒として適切に使用される溶媒を、以下説明する。供給溶液の重量基準での重量による芳香族ジオールの濃度は、有利には、約5%よりも高く、好ましくは約10%よりも高く、更に好ましくは約15%よりも高い。供給溶液の重量基準での重量による芳香族ジオールの濃度は、有利には、約50%よりも低く、好ましくは約45%よりも低く、更に好ましくは約40%よりも低い。これらの濃度範囲は、他の方法で記載されない限り、以下に記載するこのプロセスのそれぞれの態様に於いて適用可能である。第一の有機溶媒中の芳香族ジオールの溶解度によって、供給溶液を、環境温度で又は上記の範囲内の芳香族ジオールの濃度を得るための上昇した温度で製造することができる。]
[0037] 有機溶媒中の芳香族ジオールの溶解度は、公知の手順を使用することによって測定することができる。例えば特定の温度での有機溶媒中の芳香族ジオールの溶解度は、過剰量の芳香族ジオールを、有機溶媒中で、この特定の温度で、平衡が達成されるまでの充分な時間撹拌することによって得られる、芳香族ジオールの飽和溶液を使用する、平衡溶解度方法によって決定することができる。その後、得られる液相飽和溶液、得られる固相又は液相及び固相の両方を、有機溶媒中の芳香族ジオールの溶解度に到達する任意の一般的な分析方法によって分析する。]
[0038] この供給溶液を、有利には生(neat)のPCl3を含有する、好ましくはPCl3及び第二の有機溶媒を含有する反応ゾーンの中に添加する。本プロセスに於いて使用する場合、第二の有機溶媒の望まれる機能には、これらに限定されないが、a)使用されるPCl3及びこのプロセスに於いて製造されるホスホロモノクロリダイトの両方を希釈することによって、副生物の生成を更に最小にすること、b)縮合反応から熱を消散させること、c)縮合反応溶液からのHClの放出を容易にすること、d)特に、このプロセスに於いて早期に、効率的な撹拌を可能にすること並びにe)PCl3の任意の過剰量及び第一の有機溶媒の一部又は全部の除去により、第二の有機溶媒中の溶液としてのホスホロモノクロリダイトの単離を単純化することが含まれる。上記の機能の少なくとも1個を実施するために、このプロセスのための第二の有機溶媒は、有利には、一般的な炭化水素溶媒及び塩素化炭化水素溶媒から選択される。好ましくは、第二の有機溶媒は、約90℃よりも高い、更に好ましくは約95℃よりも高い、なお更に好ましくは約100℃よりも高いが、典型的には約250℃よりも低い沸点を有し、そうして、このプロセスに於いて使用される任意の過剰のPCl3が、例えば蒸留によって、反応溶液から優先的に除去され、ホスホロモノクロリダイトからなる生成物溶液を得ることができるようになる。更に好ましくは、第二の有機溶媒は、HClに対して安定であり(即ち非反応性である)、低いHCl溶解度(これは、20℃及び760mmHg(101kPa)の全圧で、溶媒1モル当たり約0.2モルよりも少ないHClとして定義される)を有する。]
[0039] 有機溶媒中のHCl溶解度を決定するための手順は公知である。例えばバブラー(bubbler)手順が、多数の有機溶媒中のHCl溶解度を測定するために、Gerrard等(Chem.Rev.、1959,59,1105)及びAhmed等、(J.Appl.Chem.、1970年、第20巻、4月、第109−116頁)によって使用された。Gerrard等及びAhmed等によって報告された有機溶媒中のHCl溶解度の例を、表1に示す。]
[0040] ]
[0041] トルエン、クロロベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、ヘプタン、オクタン及びこれらの混合物は、第二の有機溶媒として選択することができる有機溶媒の限定されない例である。]
[0042] 使用されるとき、第二の有機溶媒の体積は、有利には、PCl3の体積の約1倍よりも大きく、好ましくは約2倍よりも大きく、更に好ましくは約3倍よりも大きい。使用されるとき、第二の有機溶媒の体積は、有利には、PCl3の体積の約15倍よりも小さく、好ましくは約13倍よりも小さく、更に好ましくは約11倍よりも小さい。使用されるとき、第二の有機溶媒のこれらの体積範囲は、他の方法で記載されない限り、以下に記載するそれぞれの態様に適用可能である。]
[0043] この反応ゾーンは、有利には、還流凝縮器が取り付けられている反応器からなり、還流凝縮器の頂部は、次いで、取り付けられた水酸化ナトリウム(NaOH)スクラバーを通過する不活性ガス、例えば窒素の流れでパージされている。この反応器には、有利には、効率的な撹拌のための手段、例えば機械式攪拌機が取り付けられている。好ましくは、第二の有機溶媒中のPCl3の溶液中で与えられるPCl3は、有利には、反応器内で所望の反応温度まで加熱され、芳香族ジオールを含有する供給溶液が添加されるとき、その温度で維持される。この反応温度は、有利には、ホスホロモノクロリダイトを製造するために充分であり、そして縮合共生成物である、塩化水素(HCl)を追い出すために充分であり、この塩化水素は、凝縮器を通って反応器から除去され、水酸化ナトリウムスクラバー内で捕捉される。この反応温度は、有利には、約40℃よりも高く、好ましくは約45℃よりも高く、更に好ましくは約50℃よりも高く、有利には約115℃よりも低く、好ましくは約110℃よりも低く、更に好ましくは約105℃よりも低い。これらの温度範囲は、他の方法で記載されない限り、以下に記載するそれぞれの態様に於いて適用可能である。]
[0044] 反応ゾーンの中への供給溶液の添加は、有利には、添加の過程の間に、反応温度が実質的に等温のままであるような速度で実施される。用語「実質的に等温」は、温度が、±5℃内で選択された反応温度(「目標温度」)(この目標温度は、前記の範囲内である)で維持されることを意味する。反応溶液の温度は、反応溶液中に配置された、温度プローブを含む、任意の一般的な温度感知手段、例えば較正されたサーモカップルによって測定される。]
[0045] 一般的に、このプロセスは、約1気圧(101kPa)として解釈される環境圧力で実施されるが、所望により、より高い圧力又はより低い圧力を使用することができる。好ましくは、この反応は、不活性雰囲気、例えば窒素、アルゴン又はヘリウムのブランケット下で実施される。]
[0046] 反応ゾーンへの供給溶液の添加は、有利には約3時間以上で、好ましくは約4時間以上で、更に好ましくは約5時間以上で、有利には約60時間以内で、好ましくは約55時間以内で、更に好ましくは約50時間以内で完結する。これらの時間範囲は、他の方法で記載されない限り、供給溶液の添加を完結するために、以下に記載するそれぞれの態様に於いて適用可能である。]
[0047] 供給溶液の添加が完結した後、この反応溶液を、有利には、芳香族ジオールの実質的に全部が、反応中に転化されるまで、追加の時間撹拌する。この追加の時間は、有利には約5時間以下、好ましくは約4時間以下、更に好ましくは約3時間以下であるが、典型的には約30分間以上である。縮合反応の進行は、1H、13C及び/又は31P核磁気共鳴分析(NMR)(PCl3及び/若しくは芳香族ジオールの消失並びに/又はホスホロモノクロリダイトの出現)のための反応溶液のアリコートを採ることによって便利にモニターすることができる。このプロセスの共生成物として生成されるHClの量は、反応ゾーンからの排気流を分析することによって、測定することができる。(a)スクラバー溶液の滴定、(b)ウェイセル(weigh cell)の使用及び(c)温度感知手段、例えばサーモカップルの使用によるスクラバー内の中和熱の測定を含む、一般的な分析方法を使用することができる。]
[0048] このプロセスの第一の態様に於いて、第一の有機溶媒は、有利には、第二の有機溶媒に関連して上に記載したものと同一である炭化水素溶媒及び塩素化炭化水素溶媒から選択される。従って、この第一の態様に於いて、第一の有機溶媒は、好ましくは約90℃よりも高い、更に好ましくは約95℃よりも高い、なお更に好ましくは約100℃よりも高いが、典型的には約250℃よりも低い沸点を有し、そして、このプロセスに於いて使用される任意の過剰のPCl3が、反応溶液から優先的に除去され、ホスホロモノクロリダイトからなる生成溶液を得ることができるようになる。所望により、このプロセスのこの態様は、第二の有機溶媒を使用することなく実施することができる。しかしながら、好ましくは、このプロセスは、第一の有機溶媒とは異なる炭化水素溶媒若しくは塩素化炭化水素溶媒であってよい又は好ましくは、第一の有機溶媒と同じものである第二の有機溶媒を使用する。]
[0049] この第一の態様に於いて、一般的に、芳香族ジオールは、第一の有機溶媒中の低い溶解度を有する。例えば2,2’−ビフェノールは、それぞれ19℃及び40℃で、溶液の重量基準で約2.7重量%及び7.3重量%の、トルエン中の溶解度を有する。従って、この態様は、一般的に、a)芳香族ジオールの本質的に全部を可溶化するために大量の第一の有機溶媒並びに/又はb)供給溶液中のこのジオールの溶解度を増加させ、維持するために、上昇した温度での供給溶液の製造及び保全を必要とする。従って、優先的に、トルエン及び2,2’−ビフェノールからなる供給溶液は、有利には約40℃よりも高い、好ましくは約45℃よりも高い、更に好ましくは約50℃よりも高い、そして有利には約80℃よりも低い、好ましくは約75℃よりも低い、更に好ましくは約70℃よりも低い温度で製造される。有利には、供給溶液温度は、このプロセスの反応温度よりも低い。しかしながら、この態様に於いて、供給溶液は、有利には、芳香族ジオールの沈殿を防止するために、それが製造される温度と実質的に同じ温度又はそれが製造される温度よりも僅かに高い温度で保持される。好ましくは、供給溶液は、それが製造された直後に使用される。供給パイプ内の芳香族ジオールの沈殿を防止するために、反応ゾーンの中への供給溶液の添加の間に、供給溶液の温度を維持するための手段も、必要である。供給パイプ内の沈殿は、操作問題を起こし得る。例えば断熱パイプ及び加熱パイプを使用する、供給パイプの上昇した温度を維持するための、当該技術分野で公知の任意の手段を使用することができる。]
[0050] 本プロセスのこの態様に於いて使用すべき第一の有機溶媒の量は、供給溶液が製造される温度での芳香族ジオールの溶解度に依存し、供給溶液中の芳香族ジオールの所望の濃度に依存する。その量が、前記の範囲内の芳香族ジオールの所望の濃度を有する供給溶液を作るための芳香族ジオールの本質的に全部を溶解するために充分である限り、第一の有機溶媒の任意の量を使用することができる。用語「本質的に全部」は、芳香族ジオールの、約98重量%よりも多く、好ましくは99重量%よりも多く、更に好ましくは100%が、第一の有機溶媒中に溶解されることを意味する。一般的に、式IIのホスホロモノクロリダイトは、第一の有機溶媒中で、その出発芳香族ジオールよりも可溶性である。従って、供給物溶液を製造するために使用される第一の有機溶媒の量は、有利なことに、使用される反応温度で、本プロセスに於いて製造されるホスホロモノクロリダイトを可溶化するために充分である。]
[0051] 本プロセスのこの第一の態様に於いて、第一の有機溶媒及び第二の有機溶媒の両方は、使用される場合、前記のように、低いHCl溶解度を有し、HClに対して安定である。本プロセスは、有利には、所望されるように、反応溶液を還流させるために充分に高い又は反応溶液の還流温度よりも低い反応温度で実施することができる。反応温度及び供給溶液添加の速度は、有利には、前記のように、反応の温度が実質的に等温のままであるようなものである。これらの条件が適合するとき、芳香族ジオールは反応溶液内に本質的に蓄積せず、HCl発生の速度は、水酸化ナトリウムスクラバーの容量内に制御され、スクラバー内の圧力増加及び過剰の熱発生が回避されるであろう。]
[0052] このプロセスの第二の態様に於いて、第一の有機溶媒は、有利には、約6よりも大きい誘電定数(DC)を有する極性非プロトン性有機溶媒から選択される。更に、この極性非プロトン性有機溶媒は、前記の範囲内の芳香族ジオールの濃度を有する供給溶液中で、ほぼ環境温度で芳香族ジオールの本質的に全部を可溶化することができるであろう。用語「本質的に全部」は、芳香族ジオールの、約98重量%よりも多く、好ましくは99重量%よりも多く、更に好ましくは100%が、第一の有機溶媒中に溶解されることを意味する。前記の第二の有機溶媒が、有利には、本プロセスのこの態様に於いて使用される。]
[0053] 好ましくは、この極性非プロトン性有機溶媒は、第二の有機溶媒と混和性であり、第二の有機溶媒のものよりも低い沸点(bp)を有する。更に好ましくは、この極性非プロトン性有機溶媒の沸点は、第二の有機溶媒のものよりも10℃よりも低く、そして、極性非プロトン性有機溶媒を、反応生成物溶液から優先的に除去することができる。なお更に好ましくは、この極性非プロトン性有機溶媒の沸点は、PCl3の沸点よりも少なくとも10℃低い。テトラヒドロフラン(THF、DC:20℃で7.1)、ジクロロメタン(DC:20℃で9.1)及びジクロロエタン(DC:25℃で10.7)は、第一の有機溶媒として使用することができる極性非プロトン性有機溶媒の限定されない例である。THFが、更に好ましい第一の有機溶媒である。]
[0054] この第二の態様に於いて、反応温度は、有利には、第一の及び第二の有機溶媒を含有する反応溶液を還流させるために充分である。この反応温度は、前記の範囲から選択することができる。反応ゾーンの中への供給溶液の添加は、有利には、添加の過程の間に、反応溶液の還流を維持するために、反応温度が実質的に等温のままであるような速度で実施される。このような還流温度で、縮合反応は速く、還流は、溶液相からHClを迅速に追い出し、そしてHCl発生速度は、供給物溶液添加の速度によって制御されるようになる。HCl発生の速度は、有利には、スクラバー内の圧力増加及び過剰の熱発生を回避するために使用される水酸化ナトリウムスクラバーの容量内であるように制御される。]
[0055] 本プロセスの第三の態様に於いて、縮合反応は、溶媒の混合物を含む第一の有機溶媒で実施し、一方、第二の有機溶媒は使用してもよく、使用しなくてもよい。好ましくは、第二の有機溶媒を使用する。第一の有機溶媒は、有利には、極性非プロトン性有機溶媒、例えば前記のうち任意のもの及び炭化水素溶媒又は塩素化炭化水素溶媒、例えば前記のうち任意のものの混合物を含む。好ましい極性非プロトン性有機溶媒はTHFである。このプロセスのこの第三の態様に於いて使用されるべき、極性非プロトン性有機溶媒及び炭化水素又は塩素化炭化水素溶媒の量は、前記の範囲内の濃度を有する供給溶液を作るために、環境温度に於いて芳香族ジオールの本質的に全部を溶解するのに充分である。これに関連して、用語「本質的に全部」は、再び、芳香族ジオールの、約98重量%よりも多く、好ましくは99重量%よりも多く、更に好ましくは100%が、第一の有機溶媒中に溶解されることを意味する。溶媒混合物が、環境温度で芳香族ジオールを本質的に完全に可溶化できる限り、極性非プロトン性有機溶媒の炭化水素又は塩素化炭化水素溶媒に対する任意の重量比が、適切に使用される。極性非プロトン性有機溶媒の炭化水素溶媒又は塩素化炭化水素溶媒に対する重量比は、有利には約1/10よりも大きく、好ましくは約1/5よりも大きく、有利には約10/1よりも小さく、好ましくは約5/1よりも小さい。本プロセスに於いて第二の有機溶媒を使用しないとき、供給混合物中に使用される炭化水素又は塩素化炭化水素溶媒の量は、極性非プロトン性有機溶媒及び過剰のPCl3を、反応溶液から除去した後に、ホスホロモノクロリダイト生成物を可溶化するために充分である。好ましくは、このプロセスに於いて第二の有機溶媒を使用するとき、第二の有機溶媒として及び第一の有機溶媒の混合物中の両方で使用される炭化水素及び塩素化炭化水素溶媒の合計量は、極性非プロトン性有機溶媒及び過剰のPCl3を、反応溶液から除去した後に、反応生成物を可溶化するために充分である。]
[0056] 第一の有機溶媒又はその一部として、テトラヒドロフランは、それらの沸点及びそれらの中の芳香族ジオールの有利な溶解度を含む、多くの望ましい特性を有する。第一の有機溶媒として、THF及び炭化水素又は塩素化炭化水素溶媒の混合物を使用することによって、有利に、供給物溶液を形成するために、環境温度で本質的に全ての芳香族ジオールを可溶化するために必要な炭化水素又は塩素化炭化水素溶媒の量が減少する。しかしながら、1モルのテトラヒドロフランは、10℃及び760mmHg(101kPa)の全圧で1.38モルの塩化水素を吸収/溶解することが可能である。HClの溶解度は、より高い温度で、より低い。テトラヒドロフランは、HClとも反応して、一定の条件、例えばHClの高い濃度及び高い温度で、4−クロロブタノールを生成することができる。例えば、Barry等、Journal of Organic Chemistry(1981)、46(16)、3361−4を参照されたい。従って、反応溶液中のHClの濃度を低下させ、THFとHClとの間の任意の可能性のある反応を最小にするように、供給溶液中のTHFの量を、芳香族ジオールを可溶化するために必要なだけ低く保持することが有利である。]
[0057] このプロセスの第三の態様に於いて、PCl3、好ましくは第二の有機溶媒中のPCl3の溶液を、最初に、反応ゾーン内で、還流温度、例えば約90℃よりも高い、好ましくは約95℃よりも高いが、典型的には約110℃よりも低い温度にまで加熱する。このような高い還流温度で、縮合反応は速く、還流は、溶液相からHClを迅速に追い出し、そしてHCl発生速度は、供給溶液添加の速度によって、制御されるようになる。HCl発生の速度は、有利には、スクラバー内の圧力増加及び過剰の熱発生を回避するために使用される水酸化ナトリウムスクラバーの容量内であるように制御される。次いで、供給溶液が、添加の過程の間に、還流温度が実質的に等温で維持されるような速度で添加する。この態様に於いて、供給溶液を含有する供給パイプが、前記の第一の態様に於けるように高い温度で維持されることを必要としないことが注目される。むしろ、極性非プロトン性有機溶媒は環境温度での芳香族ジオールの必要な可溶化をもたらす。]
[0058] 本プロセスの好ましい態様に於いて、芳香族ジオールは2,2’−ビフェノールであり、第一の有機溶媒は、テトラヒドロフラン及びトルエンの混合物であり、そして第二の有機溶媒はトルエンである。供給溶液は、2,2’−ビフェノールを、テトラヒドロフラン及びトルエンの混合物中に、有利にはほぼ環境温度で、好ましくは約40℃よりも上で、有利には約65℃よりも下で、好ましくは約60℃よりも下で溶解させることによって製造する。供給溶液は、供給溶液の重量基準で、有利には約10重量%よりも多い、好ましくは約20重量%よりも多い、有利には約50重量%よりも少ない、好ましくは約40重量%よりも少ない2,2’−ビフェノールを含む。供給溶液は、直ちに使用することができ又は任意的に環境温度まで冷却することができる。溶媒混合物が、環境温度で芳香族ジオールを本質的に完全に可溶化することができる限り、テトラヒドロフラン対トルエンの任意の重量比を使用することができる。テトラヒドロフラン対トルエンの重量比は、有利には約1/10よりも大きく、好ましくは約1/5よりも大きく、有利には約10/1よりも小さく、好ましくは約5/1よりも小さい。好ましい態様に於いて、縮合反応は、有利には、還流凝縮器(その頂部は、次いで、水酸化ナトリウムスクラバーを通過する不活性ガス、例えば窒素の流れでパージされている)が取り付けられている反応器内で実施される。トルエン及び次いでPCl3が、有利には環境温度で反応器の中に装入される。反応器の中に装入されるトルエンの体積は、PCl3の体積の、有利には約1倍よりも大きく、好ましくは約2倍よりも大きく、更に好ましくは3倍よりも大きく、そして有利には約15倍よりも小さく、好ましくは約13倍よりも小さく、更に好ましくは11倍よりも小さい。反応器の中に装入されるPCl3の、供給物溶液中の2,2’−ビフェノールに対するモル比は、有利には約1.0よりも大きく、好ましくは約1.2よりも大きく、そして有利には3.5よりも小さく、好ましくは3.3よりも小さく、更に好ましくは3.1よりも小さく、なお更に好ましくは約2.9よりも小さく、なお更に好ましくは約2.7よりも小さく、なお更に好ましくは約2.5よりも小さく、なお更に好ましくは約2.3よりも小さく、なお更に好ましくは約2.1よりも小さく、なお更に好ましくは約1.9よりも小さい。]
[0059] 縮合反応は、トルエン/PCl3溶液を、反応器内で、約90℃よりも高い、好ましくは約98℃であるが約110℃よりも低い反応温度で還流するまで最初に加熱し、次いで、供給溶液は、反応器の中に、供給溶液の添加の間に還流が維持され、反応温度が実質的に等温のままであるような速度で添加することによって実施する。本明細書中に記載された他の態様に於けるように、縮合反応は速く、還流はHClを迅速に追い出し、そしてHCl発生速度は、供給溶液添加の速度によって制御されるようになる。更に、HCl発生の速度は、有利には、水酸化ナトリウムスクラバーの容量内であるように制御する。このような反応条件は、それが、溶液相中のHClの濃度を低下させ、その結果HClとテトラヒドロフランとの反応を最小にするので、好ましい。]
[0060] 本発明のプロセスに於いて、ホスホロモノクロリダイトの収率は、このプロセスに於いて使用された芳香族ジオールのモル基準で、約70モル%から約98モル%まで変化する。この収率に於ける変動は、芳香族ジオール中の微量の同定されていない不純物のレベル(同定されていない不純物のレベルは、芳香族ジオールの源泉及び/又は特定のバッチによって変化する)による。この収率範囲内の高端部で一貫しているホスホロモノクロリダイト収率を得ることができることが望ましい。]
[0061] 驚くべきことに、ホスホロモノクロリダイトの一貫して高い収率は、この縮合反応を、微量の塩基、好ましくは窒素塩基の存在下で実施することによって達成できた。従って、本プロセスでは、有利には、微量の塩基、好ましくは窒素塩基を使用する。微量の窒素塩基は、本プロセスに於いて使用される芳香族ジオールのモル基準で、有利には5モル%よりも少ない、好ましくは約3モル%よりも少ないが、典型的には約0.01モル%よりも多い。窒素塩基の限定されない例は、ピリジン、トリアルキルアミン及びN,N−ジアルキルアニリンである。微量の塩基を使用すると、ホスホロモノクロリダイトの収率は、本プロセスに於いて使用される芳香族ジオールのモル基準で、有利には約85モル%よりも高い、好ましくは約90モル%よりも高い、更に好ましくは約95モル%よりも高い。]
[0062] 窒素塩基は、HClを中和することができるが、窒素塩基は、使用されるとき、縮合反応中に生成されるHClを中和することを意図していない。それは、使用される微量の塩基は、生成されるHClの合計モルの2.5モル%よりも少ないからである。それに反して、先行技術のプロセスに於いては、例えば特許文献4、特許文献2、特許文献5、特許文献6及び非特許文献1に於けるように、ホスホロモノクロリダイト合成プロセスに於いて、HClを中和するために窒素塩基が使用されるとき、この窒素塩基は、一般的に、生成されるHClの1モル当量当たり1モル当量よりも多く使用される。]
[0063] このプロセスのそれぞれの態様に於いて製造されたホスホロモノクロリダイトは、有利には、減圧下での蒸発により又は大気圧若しくは減圧下での蒸留により、過剰のPCl3を除去することによって、1種又はそれ以上の前記の有機溶媒の溶液として単離される。有機溶媒(群)の幾らかは、過剰のPCl3の除去の前、間又は後に除去することができる。例えば好ましい態様に於いて、1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイルホスホロモノクロリダイトは、有利には、反応生成物溶液から、過剰のPCl3及びテトラヒドロフランを蒸留することによって、トルエン溶液として単離される。生のホスホロモノクロリダイトは、所望により、蒸留によって得ることができる。ホスホロモノクロリダイトの単離された収率は、使用された芳香族ジオールのモル基準で、有利には約85モル%よりも高い、好ましくは約90モル%よりも高い、更に好ましくは約95モル%よりも高い。]
[0064] 反応溶液から回収された過剰の未転化量のPCl3は、有利には、本プロセスに循環させることができる。過剰量のPCl3が、極性非プロトン性有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン(これは、第一の有機溶媒又はその成分として使用される)を含む混合物として回収される場合、この極性非プロトン性有機溶媒は、好ましくは、回収されたPCl3が再使用される前に、混合物から除去される。]
[0065] 前記のように、このプロセスから単離されたホスホロモノクロリダイトは、更に精製することなく、ホスホロモノクロリダイトを有機ポリ−ヒドロキシ化合物と縮合させることにより有機ポリ亜リン酸エステルを製造するのに使用することができる。ホスホロモノクロリダイトは、1種又はそれ以上の前記の有機溶媒の溶液として、又は生の形で、続く有機ポリ亜リン酸エステル合成に於いて使用することができる。ホスホロモノクロリダイト合成溶液から持ち越された、任意の不純物及び/又は微量のHCl−窒素塩基塩は、有機ポリ亜リン酸エステルの単離の間に除去することができる。有機ポリ亜リン酸エステルを製造し、単離する手順は、当該技術分野で公知である。例えば特許文献2、特許文献3及び特許文献1を参照されたい。]
[0066] 前記の本発明のプロセスは、a)反応速度を制御するために芳香族ジオールの供給溶液を使用すること−それによって、より高いホスホロモノクロリダイト収率及びより少ない副生物になる、b)PCl3の使用される芳香族ジオールに対する、より低いモル比を使用すること−それによって、PCl3の過剰量を減少させる並びにc)窒素塩基−HCl塩を殆ど又は全く生成しないこと−それによってコストを低下させるを含む、利点の1個又はそれ以上を有する。]
[0067] 本発明の具体的態様
以下の実施例は、本発明の例示であり、本発明を限定すると見なされるべきではない。反応条件、例えば反応剤、温度及び溶媒に於ける変形は、本明細書中に含まれる説明及び実施例に基づいて、当業者に明らかであろう。本明細書で参照された全ての部、パーセント及び比率は、他の方法で示されない限り、重量基準で示される。]
[0068] 実施例1
微量のピリジンの存在下での、1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイルホスホロモノクロリダイトの製造
2,2’−ビフェノール(283キログラム(kg)、1521モル)を、テトラヒドロフラン508kg、トルエン151kg及びピリジン3.2kg(4.0モル)中に、約50℃まで加熱することによって溶解し、次いで、環境温度(20〜25℃)まで冷却して、供給溶液を作る。次いで、この供給溶液を、24時間かけて、トルエン(1636kg)中のPCl3(318kg、2317モル)の攪拌し、還流させた溶液に、98℃の反応温度を維持するのに充分な添加速度で添加する。この攪拌を、31P NMRのためのアリコートを採ることによって決定したとき、2,2’−ビフェノールの98パーセントよりも多くが反応するまで続ける。追加の反応時間は、約2時間である。31PNMRスペクトルは、1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル ホスホロモノクロリダイトの収率が、使用した2,2’−ビフェノールのモル基準で、97モル%であり、残りが副生物であることを示す。過剰のPCl3及びテトラヒドロフランは、環境圧力での蒸留によって除去される。生成物1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル ホスホロモノクロリダイトを含有する、得られるトルエン溶液は、更に精製することなく、続くビス亜リン酸エステル(bisphosphite)製造に使用する。]
[0069] 実施例2
塩基を添加しない1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイルホスホロモノクロリダイトの製造
ピリジン塩基を使用しない以外は、実施例1を繰り返す。この実施例は、実施例1に於いて使用した同じバッチからの2,2’−ビフェノールを使用して実施する。試薬の量及び反応条件は、記載したように、塩基を使用しない以外は、実施例1に於いて使用したものと同一である。31PNMRスペクトルは、副生物である残りと共に、使用した2,2’−ビフェノールのモル基準で、85モル%の1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル ホスホロモノクロリダイト生成物収率を示す。この1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル ホスホロモノクロリダイト生成物が単離され、実施例1に記載したようにして使用する。]
[0070] 実施例3
塩基を添加しない1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイルホスホロモノクロリダイトの製造
このプロセスは、1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル ホスホロモノクロリダイトを製造するために使用する。塩基は使用せず、2,2’−ビフェノールは、実施例1及び2に於いて使用されたものとは異なるバッチに由来する。2,2’−ビフェノール(283キログラム(kg)、1521モル)を、THF(268kg)及びトルエン(268kg)中に、約2時間50℃まで加熱することによって溶解し、次いで、環境温度(20〜25℃)まで冷却して、供給溶液を作る。次いで、この供給溶液を、7時間かけて、トルエン(1636kg)中のPCl3(318kg、2317モル)の攪拌し、還流させた溶液に、98℃の反応温度を維持するために充分な添加速度で添加する。この攪拌を、31P NMRのためのアリコートを採ることによって決定したとき、2,2’−ビフェノールの98パーセントよりも多くが反応するまで、更に2時間続ける。31PNMRスペクトルは、1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル ホスホロモノクロリダイトの収率が、2,2’−ビフェノールのモル基準で、95モル%であり、残りが副生物であることを示す。過剰のPCl3及びテトラヒドロフランは、環境圧力での蒸留によって除去される。生成物1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル ホスホロモノクロリダイトを含有する、得られるトルエン溶液は、更に精製することなく、続くビス亜リン酸エステル(ビスホスファイト)の製造に於いて使用する。]
权利要求:

請求項1
下記の式:(式中、mは、ゼロ、1又は2であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン及びC1〜C10の置換又は非置換のヒドロカルビル部分から選択され、任意的に、R2はR3に結合して、5員若しくは6員環を形成するように、置換若しくは非置換のヒドロカルビレンを形成することができ、そして/又は任意的に、R4はR5に結合して、5員若しくは6員環を形成するように、置換若しくは非置換のヒドロカルビレンを形成することができる)によって表される芳香族ジオールを、三塩化リン(PCl3)と、反応ゾーン内の反応溶液(この反応は、使用される芳香族ジオールのモル基準で計算して、5モル%よりも少ない窒素塩基を含有する)中で、下記の式:(式中、R1〜R8は上記の定義を有する)によって表されるホスホロモノクロリダイトを製造するのに充分で且つ反応溶液から生成されるHClを追い出すのに充分な温度で接触させることを含んでなる、ホスホロモノクロリダイトの製造プロセスであって、この接触を、芳香族ジオールの供給溶液を、PCl3を含む反応ゾーンに添加することによって実施して、反応溶液を形成し、前記添加が、反応温度が実質的に等温のままであるような速度であり、前記供給溶液が、第一の有機溶媒中に溶解された芳香族ジオールの本質的に全部を含むプロセス。
請求項2
mがゼロ又は1である請求項1に記載のプロセス。
請求項3
R1、R6、R7及びR8が、それぞれ、水素である請求項1又は2に記載のプロセス。
請求項4
前記芳香族ジオールが2,2’−ビフェノールである請求項1に記載のプロセス。
請求項5
前記第一の有機溶媒が約90℃よりも高く、約250℃よりも低い沸点を有する、炭化水素又は塩素化炭化水素化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロセス。
請求項6
前記第一の有機溶媒が極性非プロトン性有機溶媒である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロセス。
請求項7
前記第一の有機溶媒が、極性非プロトン性有機溶媒と、約90℃よりも高く、約250℃よりも低い沸点を有する、炭化水素又は塩素化炭化水素化合物との混合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロセス。
請求項8
前記極性有機溶媒がテトラヒドロフランである請求項6又は7に記載のプロセス。
請求項9
前記反応ゾーンが、PCl3の体積の約1倍〜約15倍の体積である第二の有機溶媒を更に含む請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロセス。
請求項10
前記第二の有機溶媒が、約90℃よりも高く、約250℃よりも低い沸点を有する、炭化水素又は塩素化炭化水素化合物である請求項9に記載のプロセス。
請求項11
前記炭化水素又は塩素化炭化水素化合物が、トルエン、クロロベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、ヘプタン、オクタン及びこれらの混合物からなる群から選択される請求項5、7又は10のいずれか1項に記載のプロセス。
請求項12
前記供給溶液が、供給溶液の重量基準で約5重量%〜約50重量%の芳香族ジオールを含む請求項1〜11のいずれか1項に記載のプロセス。
請求項13
PCl3の芳香族ジオールに対するモル比が約1.0〜3.5である請求項1〜12のいずれか1項に記載のプロセス。
請求項14
前記接触を、約40℃〜約115℃の反応温度で、実施する請求項1〜13のいずれか1項に記載のプロセス。
請求項15
前記供給溶液を、約3時間〜約60時間の時間内に、反応ゾーンの中に添加する請求項14に記載のプロセス。
請求項16
前記プロセスが、未反応のPCl3を除去して、ホスホロモノクロリダイトの溶液を得ることを更に含む請求項1〜15のいずれか1項に記載のプロセス。
請求項17
1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイルホスホロモノクロリダイトの製造プロセスであって、前記プロセスが、2,2’−ビフェノールをPCl3と、反応ゾーン内の反応溶液(この反応溶液は、2,2’−ビフェノールのモル基準で計算して5モルパーセントよりも少ない窒素塩基を含有する)中で、1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイルホスホロモノクロリダイトを製造するために充分で且つ共生成物として生成される塩化水素を追い出すために反応溶液を還流させるために充分な温度で接触させることからなり、テトラヒドロフラン及びトルエンの混合物中に本質的に全部溶解された2,2’−ビフェノールからなる供給溶液を、トルエン中に希釈されたPCl3からなる反応ゾーンの中に添加することによってこの接触を実施して、反応溶液を形成し、この添加が、反応温度が実質的に等温のままであるような速度であるプロセス。
請求項18
2,2’−ビフェノールのPCl3に対するモル比が、約1.0超から3.5未満である請求項17に記載のプロセス。
請求項19
前記反応温度が約98℃±5℃であり、供給物溶液の添加が、約3時間超から約60時間未満を要する請求項17又は18に記載のプロセス。
請求項20
テトラヒドロフランのトルエンに対する重量比が、約1/10よりも大きく、約10/1よりも小さい、請求項17〜19のいずれか1項に記載のプロセス。
請求項21
前記供給溶液が、供給溶液の重量基準で約10重量%超から約50重量%未満の2,2’−ビフェノールを含む請求項17〜20のいずれか1項に記載のプロセス。
請求項22
PCl3を希釈するために使用されるトルエンの体積が、PCl3の体積の約3倍超から約11倍未満である、請求項17〜21のいずれか1項に記載のプロセス。
請求項23
前記反応溶液が、使用される芳香族ジオールのモル基準で計算された、約0.01モル%超から5モル%未満の窒素塩基を含む請求項1〜22のいずれか1項に記載のプロセス。
請求項24
前記窒素塩基がピリジン、トリアルキルアミン及びN,N−ジアルキルアニリンからなる群から選択される請求項23に記載のプロセス。
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同族专利:
公开号 | 公开日
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