![]() 抗mif抗体を用いる処置方法
专利摘要:
特定の実施形態において、炎症性疾患を処置するための方法が開示されている。幾つかの実施形態において、この方法は、(i)MIFのCXCR2及びCXCR4との結合、及び/又は、(ii)CXCR2及びCXCR4のMIF活性化、(iii)ホモ多量体を形成するMIFの能力、又は、これらの組み合わせを抑制する活性薬剤を投与する工程を備える。a、及び、b 公开号:JP2011515416A 申请号:JP2011501000 申请日:2009-03-20 公开日:2011-05-19 发明作者:クリスティアン ウェーバー;ベネディクト ヴォーラス;ジョシュア;ロバート シュルツ;アルマ ツェルンエッケ;ユルゲン ベルンハーゲン 申请人:カロラス セラピューティクス, インク.; IPC主号:A61K39-395
专利说明:
[0001] 本出願は、米国仮特許出願第61/038,381号(出願日:2008年3月20日)、米国仮特許出願第61/039,371号(出願日:2008年3月25日)、米国仮特許出願第61/045,807号(出願日:2008年4月17日)、及び、米国仮特許出願第61/121,095号(出願日:2008年12月9日)の優先権を主張するものであり、これらの出願は、全体として参照されることによって本明細書に組み込まれる。] 背景技術 [0002] 特定の炎症性疾患は、影響を受けた組織へのリンパ球の移動によって部分的に特徴付けられる。リンパ球の移動は、組織の損傷を誘発するとともに、炎症性疾患を悪化させる。多くのリンパ球は、影響を受けた組織に対するMIFの勾配に従う。一般的に、MIFは、白血球上のCXCR2及びCXCR4受容体と相互に作用することによって、白血球の移動を誘発するとともに維持する。] 課題を解決するための手段 [0003] 特定の実施形態において、本明細書に開示されるMIF媒介性疾患を処置する方法は、処置上効果的な量の抗体を、それを必要とする個体に投与する工程を備え、この抗体は、(i)MIFのCXCR2及び/又はCXCR4との結合、(ii)CXCR2及び/又はCXCR4のMIF活性化、(iii)ホモ多量体を形成するMIFの能力、(iv)MIFのCD74との結合、又は、これらの組み合わせを抑制する。幾つかの実施形態において、抗体は、MIFの偽ELRモチーフの全て又は一部と特異的に結合する。幾つかの実施形態において、抗体は、MIFのN−ループモチーフの全て又は一部と特異的に結合する。幾つかの実施形態において、抗体は、MIFの偽ELRモチーフ及びN−ループモチーフの全て又は一部と特異的に結合する。幾つかの実施形態において、抗体は、抗CXCR2抗体、抗CXCR4抗体、抗MIF抗体、MIFの偽ELRモチーフの全て又は一部と特異的に結合する抗体、MIFのN−ループモチーフの全て又は一部と特異的に結合する抗体、MIFの偽ELRモチーフ及びN−ループモチーフの全て又は一部と特異的に結合する抗体、MIFとCXCR2の結合を抑制する抗体、MIFとCXCR4の結合を抑制する抗体、及び、MIFとJAB−1の結合を抑制する抗体、MIFとCD74の結合を抑制する抗体、以下のペプチド配列、DQLMAFGGSSEPCALCSLの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する抗体、以下のペプチド配列、PRASVPDGFLSELTQQLAQATGKPPQYIAVHVVPDQLMAFGGSSEPCALCSLの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する抗体、以下のペプチド配列、FGGSSEPCALCSLHSIの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する抗体、又は、これらの組み合わせ、から選択される。幾つかの実施形態において、抗体は、抗CXCR4抗体:701、708、716、717、718、12G5、及び、4G10;抗MIF抗体:IID.9、IIID.9、XIF7、I31、IV2.2、XI17、XIV14.3、XII15.6、及びXIV15.4;又は、これらの組み合わせから選択される。幾つかの実施形態において、マクロファージの泡沫細胞への転換は、本明細書に開示される抗体の投与を受けて抑制される。幾つかの実施形態において、心筋細胞のアポトーシスは、本明細書に開示される抗体の投与を受けて抑制される。幾つかの実施形態において、浸潤マクロファージのアポトーシスは、本明細書に開示される抗体の投与を受けて抑制される。幾つかの実施形態において、腹部大動脈瘤の形成は、本明細書に開示される抗体の投与を受けて抑制される。幾つかの実施形態において、腹部大動脈瘤の直径は、本明細書に開示される抗体の投与を受けて減少する。幾つかの実施形態において、動脈瘤中の構造タンパク質は、本明細書に開示される抗体の投与を受けて再発生する。幾つかの実施形態において、この方法は、第2活性薬剤を同時投与する工程をさらに備える。幾つかの実施形態において、この方法は、ナイアシン、フィブラート、スタチン、アポA−Iペプチド模倣薬(例えば、DF−4、ノバルティス社)、アポA−I転写上方制御剤(up-regulator)、ACATインヒビター、CETP修飾剤(CETP modulator)、糖タンパク質(GP)IIb/IIIa受容体アンタゴニスト、P2Y12受容体アンタゴニスト、Lp−PLA2−インヒビター、抗TNF剤、IL−1受容体アンタゴニスト、IL−2受容体アンタゴニスト、細胞毒性薬剤、免疫調節剤、抗生物質、T細胞共刺激遮断薬(co-stimulatory blocker)、障害を改善する(disorder-modifying)抗リウマチ薬、B細胞除去剤、免疫抑制剤、抗リンパ球抗体、アルキル化剤、抗代謝産物、植物性アルカロイド、テルペノイド、トポイソメラーゼインヒビター、抗腫瘍抗生物質、モノクローナル抗体、ホルモン療法、又は、これらの組み合わせを同時投与する工程をさらに備える。幾つかの実施形態において、MIF媒介性疾患は、アテローム性動脈硬化、腹部大動脈瘤、急性散在性脳脊髄炎、もやもや病、高安病、急性冠症候群、心臓同種移植片血管障害(Cardiac-allograft vasculopathy)、肺炎症、急性呼吸促迫症候群、肺線維症、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン質抗体症候群、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、水疱性類天疱瘡、シャーガス病、慢性閉塞性肺疾患、セリアック病、皮膚筋炎、1型糖尿病、2型糖尿病、子宮内膜症、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病;、特発性血小板減少性紫斑病、間質性膀胱炎;、全身性エリテマトーデス(SLE)、メタボリックシンドローム、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋炎、ナルコレプシー、肥満症、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、関節リウマチ、統合失調症、強皮症、シェーグレン症候群、血管炎、白斑、ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性鼻炎、前立腺癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、乳癌、黒色腫、胃癌、結腸直腸癌、脳癌、転移性骨疾患、膵癌、リンパ腫、鼻茸、消化器癌、潰瘍性大腸炎、クローン病、コラーゲン蓄積大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性腸炎、空置大腸炎、ベーチェット病、感染性腸炎、分類不能大腸炎、炎症性肝疾患、エンドトキシン・ショック、敗血症性ショック、リウマチ性脊椎炎、強直性脊椎炎、痛風性関節炎、リウマチ性多発筋痛症、アルツハイマー病、パーキンソン病、てんかん、エイズ認知症、喘息、成人呼吸窮迫症候群、気管支炎、嚢胞性線維症、急性白血球媒介性肺損傷(Acute leukocyte-mediated lung injury)、遠位直腸炎(Distal proctitis)、ウェゲナー肉芽腫症、線維筋痛症、気管支炎、嚢胞性線維症、ブドウ膜炎、結膜炎、乾癬、湿疹、皮膚炎、平滑筋増殖性疾患、髄膜炎、帯状疱疹、脳炎、腎炎、結核、網膜炎、アトピー性皮膚炎、膵炎、歯周歯肉炎(Periodontal gingivitis)、凝固壊死、液化壊死、フィブリノイド壊死、新生内膜過形成、心筋梗塞、脳卒中、移植臓器拒絶反応、又は、これらの組み合わせである。幾つかの実施形態において、疾患は、腹部大動脈瘤である。幾つかの実施形態において、疾患は、アテローム性動脈硬化である。] [0004] 特定の実施形態において、本明細書に開示されるMIF媒介性疾患を処置するための医薬組成物は、抗体を備え、この抗体は、(i)MIFのCXCR2及びCXCR4との結合、 (ii)CXCR2及びCXCR4のMIF活性化、(iii)ホモ多量体を形成するMIFの能力、又は、これらの組み合わせを抑制する。幾つかの実施形態において、抗体は、MIFの偽ELRモチーフの全て又は一部と特異的に結合する。幾つかの実施形態において、抗体は、MIFのN−ループモチーフの全て又は一部と特異的に結合する。幾つかの実施形態において、抗体は、MIFの偽ELRモチーフ及びN−ループモチーフの全て又は一部と特異的に結合する。幾つかの実施形態において、抗体は、抗CXCR2抗体、抗CXCR4抗体、抗MIF抗体、MIFの偽ELRモチーフの全て又は一部と特異的に結合する抗体、MIFのN−ループモチーフの全て又は一部と特異的に結合する抗体、偽ELRモチーフ及びN−ループモチーフの全て又は一部と特異的に結合する抗体、MIFとCXCR2の結合を抑制する抗体、MIFとCXCR4の結合を抑制する抗体、MIFとJAB−1の結合を抑制する抗体、MIFとCD74の結合を抑制する抗体、以下のペプチド配列、DQLMAFGGSSEPCALCSLの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する抗体、以下のペプチド配列、PRASVPDGFLSELTQQLAQATGKPPQYIAVHVVPDQLMAFGGSSEPCALCSLの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する抗体、以下のペプチド配列、FGGSSEPCALCSLHSIの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する抗体、又は、これらの組み合わせ、から選択される。幾つかの実施形態において、抗体は、抗CXCR4抗体701、708、716、717、718、12G5、及び、4G10;抗MIF抗体IID.9、IIID.9、XIF7、I31、IV2.2、XI17、XIV14.3、XII15.6、及び、XIV15.4;又は、これらの組み合わせ、から選択される。幾つかの実施形態において、組成物は、第2活性薬剤をさらに備える。幾つかの実施形態において、組成物は、ナイアシン、フィブラート、スタチン、アポA−Iペプチド模倣薬(例えば、DF−4、ノバルティス社)、アポA−I転写上方制御剤、ACATインヒビター、CETP修飾剤、糖タンパク質(GP)IIb/IIIa受容体アンタゴニスト、P2Y12受容体アンタゴニスト、Lp−PLA2−インヒビター、抗TNF剤、IL−1受容体アンタゴニスト、IL−2受容体アンタゴニスト、細胞毒性薬剤、免疫調節剤、抗生物質、T細胞共刺激遮断薬、障害を改善する抗リウマチ薬、B細胞除去剤、免疫抑制剤、抗リンパ球抗体、アルキル化剤、抗代謝産物、植物性アルカロイド、テルペノイド、トポイソメラーゼインヒビター、抗腫瘍抗生物質、モノクローナル抗体、ホルモン療法、又は、これらの組み合わせをさらに備える。] [0005] 本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲で詳細に説明されている。本発明の特徴及び利点は、典型的な実施形態を説明する以下の詳細な記載を参照することにより、よりよく理解される。これらの実施形態において、本発明の原則が用いられ、添付の図面は以下のとおりである。] 図面の簡単な説明 [0006] MIF誘発性単核細胞の阻止が、CXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。ヒトの大動脈内皮細胞(HAoEC)、ICAM−1(CHO/ICAM−1)を安定して発現するCHO細胞、及び、マウスの微小血管内皮細胞(SVEC)は、図の如く、MIF(MIFに対する抗体、CXCL1及びCXCL8に対する抗体、又は、アイソタイプ対照群とともに)、CXCL8、CXCL10、又は、CXCL12を用いて、又は、用いずに、2時間、プレインキュベートした。単核細胞は、図の如く、CXCR1、CXCR2、β2、CXCR4、CD74、又は、アイソタイプ対照群に対する抗体で30分間事前処理されたか、又は、百日咳毒素(PTX)で2時間事前処理された。(a)HAoECは、主にヒトの単球で灌流された。データは、3−8の独立した実験の平均値±s.d.を示す。 MIF誘発性単核細胞の阻止が、CXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。ヒトの大動脈内皮細胞 (HAoEC)、ICAM−1(CHO/ICAM−1)を安定して発現するCHO細胞、及び、マウスの微小血管内皮細胞(SVEC)は、図の如く、MIF(MIFに対する抗体、CXCL1及びCXCL8に対する抗体、又は、アイソタイプ対照群とともに)、CXCL8、CXCL10、又は、CXCL12を用いて、又は、用いずに、2時間、プレインキュベートした。単核細胞は、図の如く、CXCR1、CXCR2、β2、CXCR4、CD74、又は、アイソタイプ対照群に対する抗体で30分間事前処理されたか、又は、百日咳毒素(PTX)で2時間事前処理された。(b)MIFに対する抗体を用いる免疫蛍光法は、2時間の事前処理後、HAoEC及びCHO/ICAM−1細胞上のMIF(緑色)の表面提示(surface presentation)を明らかにしたが、30分の事前処理後では明らかにしなかった(図示されず)。対照的に、MIFは、バッファ処理された細胞(対照群)にはなかった。スケールバー、100μm。 MIF誘発性単核細胞の阻止が、CXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。ヒトの大動脈内皮細胞 (HAoEC)、ICAM−1(CHO/ICAM−1)を安定して発現するCHO細胞、及び、マウスの微小血管内皮細胞(SVEC)は、図の如く、MIF(MIFに対する抗体、CXCL1及びCXCL8に対する抗体、又は、アイソタイプ対照群とともに)、CXCL8、CXCL10、又は、CXCL12を用いて、又は、用いずに、2時間、プレインキュベートした。単核細胞は、図の如く、CXCR1、CXCR2、β2、CXCR4、CD74、又は、アイソタイプ対照群に対する抗体で30分間事前処理されたか、又は、百日咳毒素(PTX)で2時間事前処理された。(c)CHO/ICAM−1細胞は、MonoMac6細胞で灌流された。ベクタートランスフェクトしたCHO細胞とのバックグラウンド結合は、差し引かれた。データは、3−8の独立した実験の平均値±s.d.を示す。 MIF誘発性単核細胞の阻止が、CXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。ヒトの大動脈内皮細胞 (HAoEC)、ICAM−1(CHO/ICAM−1)を安定して発現するCHO細胞、及び、マウスの微小血管内皮細胞(SVEC)は、図の如く、MIF(MIFに対する抗体、CXCL1及びCXCL8に対する抗体、又は、アイソタイプ対照群とともに)、CXCL8、CXCL10、又は、CXCL12を用いて、又は、用いずに、2時間、プレインキュベートした。単核細胞は、図の如く、CXCR1、CXCR2、β2、CXCR4、CD74、又は、アイソタイプ対照群に対する抗体で30分間事前処理されたか、又は、百日咳毒素(PTX)で2時間事前処理された。(d)CHO/ICAM−1細胞は、MonoMac6細胞で灌流された。ベクタートランスフェクトしたCHO細胞とのバックグラウンド結合は、差し引かれた。データは、3−8の独立した実験の平均値±s.d.を示す。 MIF誘発性単核細胞の阻止が、CXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。ヒトの大動脈内皮細胞 (HAoEC)、ICAM−1(CHO/ICAM−1)を安定して発現するCHO細胞、及び、マウスの微小血管内皮細胞(SVEC)は、図の如く、MIF(MIFに対する抗体、CXCL1及びCXCL8に対する抗体、又は、アイソタイプ対照群とともに)、CXCL8、CXCL10、又は、CXCL12を用いて、又は、用いずに、2時間、プレインキュベートした。単核細胞は、図の如く、CXCR1、CXCR2、β2、CXCR4、CD74、又は、アイソタイプ対照群に対する抗体で30分間事前処理されたか、又は、百日咳毒素(PTX)で2時間事前処理された。(e)HAoECsは、T細胞で灌流された。データは、3−8の独立した実験の平均値±s.d.を示す。 MIF誘発性単核細胞の阻止が、CXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。ヒトの大動脈内皮細胞 (HAoEC)、ICAM−1(CHO/ICAM−1)を安定して発現するCHO細胞、及び、マウスの微小血管内皮細胞(SVEC)は、図の如く、MIF(MIFに対する抗体、CXCL1及びCXCL8に対する抗体、又は、アイソタイプ対照群とともに)、CXCL8、CXCL10、又は、CXCL12を用いて、又は、用いずに、2時間、プレインキュベートした。単核細胞は、図の如く、CXCR1、CXCR2、β2、CXCR4、CD74、又は、アイソタイプ対照群に対する抗体で30分間事前処理されたか、又は、百日咳毒素(PTX)で2時間事前処理された。(f)CHO/ICAM−1細胞は、ジャーカットT細胞で灌流された。ベクタートランスフェクトしたCHO細胞とのバックグラウンド結合は、差し引かれた。データは、3−8の独立した実験の平均値±s.d.を示す。 MIF誘発性単核細胞の阻止が、CXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。ヒトの大動脈内皮細胞 (HAoEC)、ICAM−1(CHO/ICAM−1)を安定して発現するCHO細胞、及び、マウスの微小血管内皮細胞(SVEC)は、図の如く、MIF(MIFに対する抗体、CXCL1及びCXCL8に対する抗体、又は、アイソタイプ対照群とともに)、CXCL8、CXCL10、又は、CXCL12を用いて、又は、用いずに、2時間、プレインキュベートした。単核細胞は、図の如く、CXCR1、CXCR2、β2、CXCR4、CD74、又は、アイソタイプ対照群に対する抗体で30分間事前処理されたか、又は、百日咳毒素(PTX)で2時間事前処理された。(g)CHO/ICAM−1細胞は、ジャーカットCXCR2トランスフェクタント又はベクター対照群で灌流された。ベクタートランスフェクトしたCHO細胞とのバックグラウンド結合は、差し引かれた。データは、3−8の独立した実験の平均値±s.d.を示す。 MIF誘発性単核細胞の阻止が、CXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。ヒトの大動脈内皮細胞 (HAoEC)、ICAM−1(CHO/ICAM−1)を安定して発現するCHO細胞、及び、マウスの微小血管内皮細胞(SVEC)は、図の如く、MIF(MIFに対する抗体、CXCL1及びCXCL8に対する抗体、又は、アイソタイプ対照群とともに)、CXCL8、CXCL10、又は、CXCL12を用いて、又は、用いずに、2時間、プレインキュベートした。単核細胞は、図の如く、CXCR1、CXCR2、β2、CXCR4、CD74、又は、アイソタイプ対照群に対する抗体で30分間事前処理されたか、又は、百日咳毒素(PTX)で2時間事前処理された。(h)マウスのSVECは、CXCR4アンタゴニストAMD3465の存在下で、CXCR1、CXCR2、又は、CXCR3を安定して発現するL1.2トランスフェクタントで、及び、内因性CXCR4のみを発現する対照群で、灌流された。阻止は、細胞/mm2として、又は、対照細胞の接着の割合として、定量化される。データは、4つの実験のうち1つの代表的な実験の結果である。] [0007] MIF誘発性単核細胞の走化性がCXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。主なヒトの単球(a−e)、CD3+T細胞(f)、及び、好中球(g、h)は、MIFの存在下又は不在下で、遊走分析(transmigration analysis)に個々にかけられた。CCL2(a)、CXCL8(a、g、h)及び、CXCL12(f)は、陽性対照群として機能したか、又は、MIF(又は、CXCL8による、h)による脱感作を検査するために用いられた。単球(a)上のMIF、CCL2、及び、CXCL8の走化性効果、又は、好中球(g)上のMIFの効果は、円錐形の用量反応曲線に従った。a、及び、f−hのデータは、走化指数として表現され;cのデータは、対照群のパーセントとして表現され;さらに、b、d、及び、eのデータは、入力のパーセントとして表現される。データは、4−10の独立した実験の平均値±s.d.を示し、2つの独立した実験の平均値である、パネルa、c、及びgと、bの煮沸したMIF、及び、bとeの抗体のみの対照群を除く。 MIF誘発性単核細胞の走化性がCXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。主なヒトの単球(a−e)、CD3+T細胞(f)、及び、好中球(g、h)は、MIFの存在下又は不在下で、遊走分析(transmigration analysis)に個々にかけられた。MIF誘発性の単球の走化は、MIFに対する抗体、煮沸(b)、又は、示された濃度のMIF(上部チャンバー内;c)によって、阻害された。a、及び、f−hのデータは、走化指数として表現され;cのデータは、対照群のパーセントとして表現され;さらに、b、d、及び、eのデータは、入力のパーセントとして表現される。データは、4−10の独立した実験の平均値±s.d.を示し、2つの独立した実験の平均値である、パネルa、c、及びgと、bの煮沸したMIF、及び、bとeの抗体のみの対照群を除く。 MIF誘発性単核細胞の走化性がCXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。主なヒトの単球(a−e)、CD3+T細胞(f)、及び、好中球(g、h)は、MIFの存在下又は不在下で、遊走分析(transmigration analysis)に個々にかけられた。MIF誘発性の単球の走化は、MIFに対する抗体、煮沸(b)、又は、示された濃度のMIF(上部チャンバー内;c)によって、阻害された。a、及び、f−hのデータは、走化指数として表現され;cのデータは、対照群のパーセントとして表現され;さらに、b、d、及び、eのデータは、入力のパーセントとして表現される。データは、4−10の独立した実験の平均値±s.d.を示し、2つの独立した実験の平均値である、パネルa、c、及びgと、bの煮沸したMIF、及び、bとeの抗体のみの対照群を除く。 MIF誘発性単核細胞の走化性がCXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。主なヒトの単球(a−e)、CD3+T細胞(f)、及び、好中球(g、h)は、MIFの存在下又は不在下で、遊走分析(transmigration analysis)に個々にかけられた。(d)MIF誘発性の走化は、百日咳毒素要素A及びB(PTX A+B)、PTX要素Bのみ、又は、Ly294002を用いる処置から分かるように、G□i/ホスホイノシチド−3−キナーゼシグナル伝達によって媒介された。a、及び、f−hのデータは、走化指数として表現され;cのデータは、対照群のパーセントとして表現され;さらに、b、d、及び、eのデータは、入力のパーセントとして表現される。データは、4−10の独立した実験の平均値±s.d.を示し、2つの独立した実験の平均値である、パネルa、c、及びgと、bの煮沸したMIF、及び、bとeの抗体のみの対照群を除く。 MIF誘発性単核細胞の走化性がCXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。主なヒトの単球(a−e)、CD3+T細胞(f)、及び、好中球(g、h)は、MIFの存在下又は不在下で、遊走分析(transmigration analysis)に個々にかけられた。(e)MIF誘発性の単球の走化は、CD74、又は、CXCR1/CXCR2に対する抗体によって遮断された。a、及び、f−hのデータは、走化指数として表現され;cのデータは、対照群のパーセントとして表現され;さらに、b、d、及び、eのデータは、入力のパーセントとして表現される。データは、4−10の独立した実験の平均値±s.d.を示し、2つの独立した実験の平均値である、パネルa、c、及びgと、bの煮沸したMIF、及び、bとeの抗体のみの対照群を除く。 MIF誘発性単核細胞の走化性がCXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。主なヒトの単球(a−e)、CD3+T細胞(f)、及び、好中球(g、h)は、MIFの存在下又は不在下で、遊走分析(transmigration analysis)に個々にかけられた。(f)MIFによって誘発されたT細胞の走化は、MIF及びCXCR4に対する抗体によって遮断された。a、及び、f−hのデータは、走化指数として表現され;cのデータは、対照群のパーセントとして表現され;さらに、b、d、及び、eのデータは、入力のパーセントとして表現される。データは、4−10の独立した実験の平均値±s.d.を示し、2つの独立した実験の平均値である、パネルa、c、及びgと、bの煮沸したMIF、及び、bとeの抗体のみの対照群を除く。 MIF誘発性単核細胞の走化性がCXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。主なヒトの単球(a−e)、CD3+T細胞(f)、及び、好中球(g、h)は、MIFの存在下又は不在下で、遊走分析(transmigration analysis)に個々にかけられた。(g)好中球の走化は、MIFによって誘発された。a、及び、f−hのデータは、走化指数として表現され;cのデータは、対照群のパーセントとして表現され;さらに、b、d、及び、eのデータは、入力のパーセントとして表現される。データは、4−10の独立した実験の平均値±s.d.を示し、2つの独立した実験の平均値である、パネルa、c、及びgと、bの煮沸したMIF、及び、bとeの抗体のみの対照群を除く。 MIF誘発性単核細胞の走化性がCXCR2/CXCR4及びCD74によって媒介されることを示す。主なヒトの単球(a−e)、CD3+T細胞(f)、及び、好中球(g、h)は、MIFの存在下又は不在下で、遊走分析(transmigration analysis)に個々にかけられた。(h)CXCL8−誘発性の好中球走化に対するMIF誘発性の好中球走化、CXCR2又はCXCR1に対する抗体の効果、及び、MIFによるCXCL8の脱感作。a、及び、f−hのデータは、走化指数として表現され;cのデータは、対照群のパーセントとして表現され;さらに、b、d、及び、eのデータは、入力のパーセントとして表現される。データは、4−10の独立した実験の平均値±s.d.を示し、2つの独立した実験の平均値である、パネルa、c、及びgと、bの煮沸したMIF、及び、bとeの抗体のみの対照群を除く。] [0008] MIFが急速なインテグリン活性化及びカルシウムのシグナル伝達を引き起こすということを示す。(a)ヒトの大動脈内皮細胞が、MIF又はTNF−αを用いて2時間刺激された。CXCL1及びCXCL8のmRNAは、リアルタイムPCRによって分析されるとともに、対照群に基準化された。上澄み由来のCXCL8は、ELISA(n=繰り返し行われた3つの独立した実験)によって査定された。 MIFが急速なインテグリン活性化及びカルシウムのシグナル伝達を引き起こすということを示す。(b)MonoMac6細胞は、MIF又はCXCL8を用いて1分間、直接的に刺激され、CHO/ICAM−1細胞上で、5分間(8つの独立した実験平均値±s.d.)灌流された。 MIFが急速なインテグリン活性化及びカルシウムのシグナル伝達を引き起こすということを示す。(c)MonoMac6細胞は、MIFを用いて示された回数刺激された。LFA−1活性化(327c抗体によって検知された)は、FACSAriaによって観察され、平均蛍光強度(MFI)の増加として表現された。c−eの阻止データは、5つの独立した実験の平均値±s.d.である。 MIFが急速なインテグリン活性化及びカルシウムのシグナル伝達を引き起こすということを示す。(d)cのように、主な単球を別にすれば;データは、Mg2+/EGTAによる最大活性化に対して表現される。c−eの阻止データは、5つの独立した実験の平均値±s.d.である。 MIFが急速なインテグリン活性化及びカルシウムのシグナル伝達を引き起こすということを示す。(e)MonoMac6細胞は、α4インテグリン、CD74、又は、CXCR2に対する抗体で事前処理され、MIFで1分間刺激され、VCAM−1.Fc上で5分間灌流された。接着は、対照群のパーセントとして表現される。c−eの阻止データは、5つの独立した実験の平均値±s.d.である。 MIFが急速なインテグリン活性化及びカルシウムのシグナル伝達を引き起こすということを示す。(f)Fluo−4 AM−標識された好中球におけるカルシウムトランジェントは、MIF、CXCL8、又は、CXCL7によって刺激された。カルシウム由来のMFIは、FACSAriaによって、0−240秒、記録された。脱感作のため、複数の刺激が、刺激作用前に120秒間加えられた。図示された跡は、4つの独立した実験を表す。 MIFが急速なインテグリン活性化及びカルシウムのシグナル伝達を引き起こすということを示す。(g)L1.2−CXCR2トランスフェクタントにおいて、示された濃度で、CXCL8、CXCL7、又は、MIFによって引き起こされたカルシウム流入の用量反応曲線。データは、基準値のMFIとピークのMFI(4−8の独立した実験の平均値±s.d.)との差として表現される。] [0009] CXCR2/CXCR4とのMIFの相互作用、及び、CXCR2/CD74複合体の形成を示す。HEK293−CXCR2トランスフェクタント(a)又はCXCR4を有しているジャーカットT細胞(c)は、MIF又は低温の同族リガンド(平均値±s.d.,n=6−10)による[I125]CXCL8(a)又は[I125]CXCL12(c)の競合作用を分析する受容体結合アッセイにかけられた。 CXCR2/CXCR4とのMIFの相互作用、及び、CXCR2/CD74複合体の形成を示す。(b)図のような、HEK293−CXCR2又はRAW264.7−CXCR2トランスフェクタント(挿入図は代表的なヒストグラムを示す)における、MIF−及びCXCL8−誘発性のCXCR2の内在化;表面のCXCR2発現のFACS分析(バッファの割合(Con)、平均値±s.d.,n=5)によって査定される。 CXCR2/CXCR4とのMIFの相互作用、及び、CXCR2/CD74複合体の形成を示す。HEK293−CXCR2トランスフェクタント(a)又はCXCR4を有しているジャーカットT細胞(c)は、MIF又は低温の同族リガンド(平均値±s.d.,n=6−10)による[I125]CXCL8(a)又は[I125]CXCL12(c)の競合作用を分析する受容体結合アッセイにかけられた。 CXCR2/CXCR4とのMIFの相互作用、及び、CXCR2/CD74複合体の形成を示す。(d)b(平均値±s.d.,n=4−6)におけるように、ジャーカットT細胞におけるMIF−及びCXCL12−誘発性CXCR4の内在化。 CXCR2/CXCR4とのMIFの相互作用、及び、CXCR2/CD74複合体の形成を示す。(e)HEK293−CXCR2トランスフェクタント又はFACSにより分析されたベクター対照群に対するフルオレセイン−MIFの結合。挿入図は、ベクター対照群に対して、HEK293−CXCR2トランスフェクタントからストレプトアビジン(SAv)をプルダウン後に、CXCR2に対する抗体を用いて、ウエスタンブロットによって査定されたCXCR2とのビオチン−MIFの結合を示す。データは、3つの独立した実験を示す(e−h)。 CXCR2/CXCR4とのMIFの相互作用、及び、CXCR2/CD74複合体の形成を示す。(f)RAW264.7−CXCR2トランスフェクタントにおける、CXCR2及びCD74(橙黄色の重なり)の共存は、CXCR2、CD74、及び、核(ヘキスト社)に関して着色を行い、蛍光顕微鏡(上部)又は共焦点レーザー走査顕微鏡(下部)によって分析された。スケールバー,10μm。データは、3つの独立した実験を示す(e−h)。 CXCR2/CXCR4とのMIFの相互作用、及び、CXCR2/CD74複合体の形成を示す。(g) Hisタグを付けたCD74を発現するHEK293−CXCR2トランスフェクタントのCHAPSO−抽出物におけるCXCR2/CD74複合体の免疫共沈降。抗His免疫沈降(IP)の後に、抗CXCR2又は抗His−CD74のウエスタンブロット法(WB;上部)が続き、又は、抗CXCR2免疫沈降の後に、抗His−CD74又は抗CXCR2のウェスタンブロット法(下部)が続いた。対照群:免疫沈降を含まない可溶化液、又は、ビーズのみ。データは、3つの独立した実験を示す(e−h)。 CXCR2/CXCR4とのMIFの相互作用、及び、CXCR2/CD74複合体の形成を示す。(h)L1.2−CXCR2トランスフェクタントに関して、gのように。L1.2−CXCR2トランスフェクタントからの抗CXCR2免疫沈降の後に、抗CD74又は抗CXCR2のウェスタンブロット法(上部)が続いた。アイソタイプIgG又はCXCR2−陰性L1.2−細胞(下部)を伴う免疫沈降は、対照群として機能した。データは、3つの独立した実験を示す(e−h)。] [0010] インビボのCXCR2を介した、MIF誘発性のアテローム生成及び微小血管の炎症、及び、MIFの効果が、プラークの退縮を遮断することを示す。(a)インビボの管腔への単球接着、及び、未変性の大動脈基部における病変マクロファージ内容物への単球接着は、固形飼料を食餌として30週間与えたMif+/+Ldlr−/、及び、Mif−/Ldlr/−マウス(n=4)において決定された。代表的な画像が示される。矢印は、管腔表面に接着した単球を示す。スケールバー、100μm。 インビボのCXCR2を介した、MIF誘発性のアテローム生成及び微小血管の炎症、及び、MIFの効果が、プラークの退縮を遮断することを示す。(b、c)MIF誘発性CXCR2−依存性白血球のインビボでの動員への暴露。MIFの以下の陰嚢内注射、精巣挙筋の微小血管系は、生体顕微鏡検査によって、視覚化された。遮断CXCR2抗体による事前処理は、IgG対照群(n=4)と比較して、接着及び遊走を阻害した。 インビボのCXCR2を介した、MIF誘発性のアテローム生成及び微小血管の炎症、及び、MIFの効果が、プラークの退縮を遮断することを示す。(b、c)MIF誘発性CXCR2−依存性白血球のインビボでの動員への暴露。MIFの以下の陰嚢内注射、精巣挙筋の微小血管系は、生体顕微鏡検査によって、視覚化された。遮断CXCR2抗体による事前処理は、IgG対照群(n=4)と比較して、接着及び遊走を阻害した。 インビボのCXCR2を介した、MIF誘発性のアテローム生成及び微小血管の炎症、及び、MIFの効果が、プラークの退縮を遮断することを示す。(d)MIF又は賦形剤の腹腔内注射が、野生型の、ただし、Il8rb−/ではない骨髄で再構成された野生型マウス(n=3)における好中球動員を誘発した。 インビボのCXCR2を介した、MIF誘発性のアテローム生成及び微小血管の炎症、及び、MIFの効果が、プラークの退縮を遮断することを示す。(e−h)CXCL1又はCXCL12ではない遮断MIFは、進行性の動脈硬化性プラークの退縮及び安定化をもたらすことになる。アポe−/マウスは、12週間、高脂肪食を与えられ、その後、MIF、CXCL1、又は、CXCL12に対する抗体、もしくは、ビヒクル(対照群)で、さらに4週間、(n=6−10のマウス)処理された。大動脈基部のプラークは、オイルレッドOを用いて染色された。代表的な画像は、e(スケールバー、500μm)に示される。fのデータは、ベースライン時(12週)及び16週後のプラーク面積を示す。MOMA−2+マクロファージの相対的含量は、gに示され、hのセクションごとのCD3+T細胞の数。データは平均値±s.d.を表す。 インビボのCXCR2を介した、MIF誘発性のアテローム生成及び微小血管の炎症、及び、MIFの効果が、プラークの退縮を遮断することを示す。(e−h)CXCL1又はCXCL12ではない遮断MIFは、進行性の動脈硬化性プラークの退縮及び安定化をもたらすことになる。アポe−/マウスは、12週間、高脂肪食を与えられ、その後、MIF、CXCL1、又は、CXCL12に対する抗体、もしくは、ビヒクル(対照群)で、さらに4週間、(n=6−10のマウス)処理された。大動脈基部のプラークは、オイルレッドOを用いて染色された。代表的な画像は、e(スケールバー、500μm)に示される。fのデータは、ベースライン時(12週)及び16週後のプラーク面積を示す。MOMA−2+ マクロファージの相対的含量は、gに示され、hのセクションごとのCD3+T細胞の数。データは平均値±s.d.を表す。 インビボのCXCR2を介した、MIF誘発性のアテローム生成及び微小血管の炎症、及び、MIFの効果が、プラークの退縮を遮断することを示す。(e−h)CXCL1又はCXCL12ではない遮断MIFは、進行性の動脈硬化性プラークの退縮及び安定化をもたらすことになる。アポe−/マウスは、12週間、高脂肪食を与えられ、その後、MIF、CXCL1、又は、CXCL12に対する抗体、もしくは、ビヒクル(対照群)で、さらに4週間、(n=6−10のマウス)処理された。大動脈基部のプラークは、オイルレッドOを用いて染色された。代表的な画像は、e(スケールバー、500μm)に示される。fのデータは、ベースライン時(12週)及び16週後のプラーク面積を示す。MOMA−2+ マクロファージの相対的含量は、gに示され、hのセクションごとのCD3+T細胞の数。データは平均値±s.d.を表す。 インビボのCXCR2を介した、MIF誘発性のアテローム生成及び微小血管の炎症、及び、MIFの効果が、プラークの退縮を遮断することを示す。(e−h)CXCL1又はCXCL12ではない遮断MIFは、進行性の動脈硬化性プラークの退縮及び安定化をもたらすことになる。アポe−/マウスは、12週間、高脂肪食を与えられ、その後、MIF、CXCL1、又は、CXCL12に対する抗体、もしくは、ビヒクル(対照群)で、さらに4週間、(n=6−10のマウス)処理された。大動脈基部のプラークは、オイルレッドOを用いて染色された。代表的な画像は、e(スケールバー、500μm)に示される。fのデータは、ベースライン時(12週)及び16週後のプラーク面積を示す。MOMA−2+ マクロファージの相対的含量は、gに示され、hのセクションごとのCD3+T細胞の数。データは平均値±s.d.を表す。] [0011] アテローム発生内容物におけるMIFの細胞機構を示す。MIFの発現は、様々なプロアテローム生成性刺激(proatherogenic stimuli)、例えば、酸化LDL(又は、oxLDL)もしくはアンジオテンシンII(ATII)によって、血管壁の細胞及び内膜マクロファージ内で誘発される。その後、MIFは、内皮細胞接着分子(例えば、血管[VCAM−1]及び細胞内[ICAM−1]接着分子)及びケモカイン(例えば、CCL2)を上方制御するとともに、そのヘプタヘリカル(heptahelical)(ケモカイン)受容体CXCR2及びCXCR4を介して結合およびシグナル伝達することによって、それぞれのインテグリン受容体(例えば、LFA−1及びVLA−4)の直接的な活性化を引き起こす。このことは、単核細胞(単球及びT細胞)の動員と、マクロファージの泡沫細胞への転換とを伴い、アポトーシスを抑制するとともにSMCの遊走及び増殖を調節する(例えば、 損なう)。MMP及びカテプシンを誘発することによって、MIFは、エラスチンとコラーゲンの分解を促進し、究極的には、不安定なプラークへの進行を招く。ROSは、活性酸素種;PDGF−BB、血小板由来の成長因子−BBを示す。] [0012] 機能的なMIF受容体複合体を介したシグナル伝達を示す。MIFは、サイトカイン産生を制御することによってその機能を無効化するグルココルチコイドによって誘発されるとともに、そのエンドサイトーシス後に、MAPKシグナル伝達を下方制御し、細胞の酸化還元ホメオスタシスを調節することによって、細胞内タンパク質、すなわち、JAB−1と相互作用可能となる。 幾つかの実施形態において、細胞内MIFは、細胞表面タンパク質CD74(インバリアント鎖Ii)と結合する。CD74は、シグナル伝達細胞内ドメインを欠いているが、プロテオグリカンCD44と相互作用するとともにCD44を介してシグナル伝達を仲介することによって、Src−ファミリーRTK及びMAPK/細胞内シグナル制御キナーゼ(ERK)の活性化を誘発する、PI3K/Akt経路を活性化する、又は、p53−依存性のアポトーシス抑制を開始する。MIFは、同様に、Gタンパク質共役型ケモカイン受容体(CXCR2及びCXCR4)のみを介して結合するとともにシグナルを伝達する。付属結合を可能にする、CD74を用いたCXCR2の複合体形成は、GPCRの活性化、及び、GPCR−RTK様のシグナル伝達複合体の形成を促進することによって、カルシウムの流入と急速なインテグリンの活性化を引き起こす。] [0013] 心筋病変におけるMIFの効果を示す。虚血再灌流の内容物において、敗血症における低酸素、活性酸素種(ROS)、及び、エンドトキシン(例えば、リポ多糖[LPS])は、タンパク質キナーゼC(PKC)依存性機構を介して、心筋細胞からのMIFの分泌を誘発し、心筋細胞のアポトーシスの一因となる細胞内シグナル制御キナーゼ(ERK)の活性化をもたらす。MIFは、生存している心筋細胞、又は、処置上の注入に用いられる内皮前駆細胞(例えば、eEPC)によって発現されるが、幾つかの実施形態において、MIFは、MAPKとPI3Kの活性化を要求して、その受容体CXCR2及びCXCR4を介して血管形成を促進する。] [0014] CXCR2による付随干渉を伴わないCXCR4による干渉が、アテローム性動脈硬化を悪化させることを示す。高脂肪食を与えられるアポe−/−マウスは、12週間(n=各々6)、浸透圧ミニポンプを介して、賦形剤(対照群)又はAMD3465で継続的に処理された。動脈硬化性プラークは、オイルレッドOで染色後、大動脈基部(図14a)、及び、胸腹部大動脈(図14b)で定量化された。好中球の相対数は、指示された時点の末梢血中のフローサイトメトリー分析、又は、標準的なサイトメトリーによって、決定された。 CXCR2による付随干渉を伴わないCXCR4による干渉が、アテローム性動脈硬化を悪化させることを示す。高脂肪食を与えられるアポe−/−マウスは、12週間(n=各々6)、浸透圧ミニポンプを介して、賦形剤(対照群)又はAMD3465で継続的に処理された。動脈硬化性プラークは、オイルレッドOで染色後、大動脈基部(図14a)、及び、胸腹部大動脈(図14b)で定量化された。好中球の相対数は、指示された時点の末梢血中のフローサイトメトリー分析、又は、標準的なサイトメトリーによって、決定された。 CXCR2による付随干渉を伴わないCXCR4による干渉が、アテローム性動脈硬化を悪化させることを示す。高脂肪食を与えられるアポe−/−マウスは、12週間(n=各々6)、浸透圧ミニポンプを介して、賦形剤(対照群)又はAMD3465で継続的に処理された。動脈硬化性プラークは、オイルレッドOで染色後、大動脈基部(図14a)、及び、胸腹部大動脈(図14b)で定量化された。好中球の相対数は、指示された時点の末梢血中のフローサイトメトリー分析、又は、標準的なサイトメトリーによって、決定された。] [0015] MIF三量体の結晶構造を示す。偽のELRドメインは、三量体内に環を形成するが、一方で、N−ループドメインは、偽のELR環から外側に延出する。] [0016] N−ループドメイン及び偽のELRドメインに対応する配列を示すよう注釈を付けた、MIFのヌクレオチド配列を示す。] 実施例 [0017] 特定の実施形態において、CXCR2及びCXCR4を介してシグナル伝達を行うMIFを抑制する方法が、本明細書で開示されている。幾つかの実施形態において、CXCR2及びCXCR4を介するMIFのシグナル伝達は、CXCR2及びCXCR4というMIFの結合ドメインを抗体で占有することによって抑制される。幾つかの実施形態において、CXCR2及びCXCR4を介するMIFのシグナル伝達は、MIF上のドメインを占有、遮蔽、又は、それ以外に破壊することによって抑制される。幾つかの実施形態において、CXCR2及びCXCR4を介するMIFのシグナル伝達は、MIF上のドメインを抗体で占有、遮蔽、又は、それ以外に破壊すること、及び、それによって、CXCR2及び/又はCXCR4のMIFとの結合を破壊することによって抑制される。幾つかの実施形態において、CXCR2及びCXCR4を介するMIFのシグナル伝達は、MIF上のドメインを抗体で占有、遮蔽、又は、それ以外に破壊すること、及び、それによって、MIFの三量体形成を破壊することによって抑制される。] [0018] 従来技術は抗MIF抗体を教示するが、白血球の相互作用に関してMIFの特定の部分が他の部分よりもさらに重要であるという認識を欠いている。本明細書で解決される課題は、白血球走化性に重要なMIFの選択的な部分を結合する抗体の識別と産生である。] [0019] さらに、従来技術は、抗CXCR2及び抗CXCR4抗体を教示する。しかしながら、このような受容体は、同様に、他のリガンド(例えば、IL−8/CXCL8、GRObeta/CXCL2、及び/又は、ストロマ細胞由来因子−1a(SDF−1a)/CXCL12)との相互作用に関与する。このような相互作用が抑制されると、往々にして有害な副作用が生じる。本明細書で解決される課題は、MIFとの相互作用を選択的に抑制する抗CXCR2及び抗CXCR4抗体を設計するという従来技術の失敗である。] [0020] 特定の定義 「個体」、「被検体」、又は、「患者」という用語は、交互に用いられる。本明細書で用いられるように、これらの用語は、任意の哺乳動物(すなわち、分類学的分類動物界内の任意の目、群、及び、属の種:脊索動物:脊椎動物:哺乳類)を意味する。幾つかの実施形態において、哺乳動物は、ヒトである。幾つかの実施形態において、哺乳動物は非ヒトである。幾つかの実施形態において、哺乳動物は、分類学目:霊長目(例えば、キツネザル、ロリス(lorids)、ガラゴ属、メガネザル、猿、類人猿、及び、ヒト);齧歯目(例えば、マウス、ラット、リス、シマリス、及び、ホリネズミ):ウサギ目(例えば、ノウサギ、ウサギ、及び、ナキウサギ);ハリネズミ目(erinaceomorpha)(例えば、ハリネズミ及びジムヌラ(gymnures));トガリネズミ目(例えば、トガリネズミ、モグラ、及び、ソレノドン);翼手目(例えば、コウモリ);クジラ目(例えば、クジラ、イルカ、及び、ネズミイルカ);食肉目(例えば、ネコ、ライオン、及び、他のネコ亜目;イヌ、クマ、イタチ、及び、アザラシ);奇蹄目(例えば、ウマ、シマウマ、バク、及び、サイ);偶蹄目(例えば、ブタ、ラクダ、ウシ、及び、シカ);長鼻目(例えば、ゾウ);海牛目(例えば、マナティー、ジュゴン、及び、海牛);哺乳綱異節上目被甲目(cingulata)(例えば、アルマジロ);有毛目(例えば、アリクイ、及び、ナマケモノ);有袋類オポッサム目(didelphimorphia)(例えば、アメリカオポッサム(american opossums));ケノレステス目(paucituberculata)(例えば、ケノレステス(shrew opossums);ミクロビオテリウム目(例えば、チロエオポッサム(Monito del Monte);フクロモグラ目(notoryctemorphia)(例えば、フクロモグラ);フクロネコ目(dasyuromorphia)(例えば、肉食性有袋類(marsupial carnivores);バンディクート目(例えば、バンディクート、及び、ビルビー);又はカンガルー目(例えば、ウォンバット、コアラ、フクロネズミ、モモンガ(gliders)、カンガルー、ワラルー、及び、ワラビー)の一員である。幾つかの実施形態において、動物は、爬虫類(すなわち、分類学的分類動物界内の任意の目、群、及び、属の種:脊索動物:脊椎動物:爬虫類)である。幾つかの実施形態において、動物は、鳥類(すなわち、動物界:脊索動物:脊椎動物:鳥類)である。いかなる用語も、医療従事者(例えば、医師、正看護師、上級看護師、医師助手、高齢者、又は、ホスピス従事者)による監督によって特徴づけられる状況を必要とせず、又、この状況に限定されない。] [0021] 「抗原」という用語は、抗体の生成を誘発することができる物質のことを言う。幾つかの実施形態において、抗原は、抗体の可変領域と特異的に結合する物質である。] [0022] 「抗体(antibody、及び、antibodies)」という用語は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、二重特異性抗体、多特異的抗体、移植抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、合成抗体、キメラ抗体、ラクダ化抗体(camelized antibody)、1本鎖Fv(scFv)、1本鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、細胞内発現抗体(intrabody)、及び、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、そして、上記のいずれかの抗原結合フラグメントのことを言う。特に、抗体は、免疫グロブリン分子、及び、免疫グロブリン分子の免疫学的に活性のフラグメント、すなわち、抗原結合部位を含む分子を有する。免疫グロブリンは、重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に依存して、異なるクラスに割り当て可能である。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖の定常ドメイン(Fc)は、それぞれ、α、Δ、ε、γ、及び、μと呼ばれる。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造及び三次元配置は、周知である。免疫グロブリン分子は、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、及び、IgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及び、IgA2)、又は、サブクラスのものである。「抗体」及び「免疫グロブリン」という用語は、もっとも広い意味において交互に用いられる。幾つかの実施形態において、抗体は、より大きな分子の一部であり、1以上の他のタンパク質又はペプチドと抗体の共有結合性又は非共有結合性会合によって形成される。] [0023] 抗体に関して、「可変ドメイン」という用語は、 その特定の抗原に関して各々の特定の抗体の結合及び特異性に用いられる抗体の可変ドメインのことを言う。しかしながら、この可変性は、抗体の可変ドメイン全体に等しく分布されるわけではない。むしろ、それは、軽鎖及び重鎖の可変ドメイン内の超可変領域(CDRとしても知られている)と呼ばれる3つのセグメントで濃縮される。可変ドメインのより高度に保存された部分は、「フレームワーク領域」又は「FR」と呼ばれる。無修飾の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、それぞれ4つのFR(FR1、FR2、FR3、及び、FR4)を含み、ループ結合を形成する3つのCDRが散在したβシート配置をしており、幾つかの場合、βシート構造部分の形をしている。各々の鎖のCDRは、FRによってきわめて接近して共に結びついており、他の鎖からのCDRを用いて、抗体の抗原結合部位の形成の一員となる(Kabat et al., Sequences of proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1991), pages 647-669を参照されたい)。] [0024] 「超可変領域」、及び、「CDR」という用語は、本明細書で用いられる際は、抗原結合に関与する抗体のアミノ酸残基のことを言う。CDRは、1つの抗原に補完的に結合する3つの配列領域からのアミノ酸残基を備え、VH及びVL鎖の各々に関してCDR1、CDR2、及び、CDR3として知られている。文献「Kabat et al., Sequences of proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1991))」に従って、軽鎖の可変ドメインにおいて、CDRは、典型的には、およそ残基24−34(CDRL1)、50−56(CDRL2)、及び、89−97(CDRL3)に対応し、及び、重鎖の可変ドメインにおいて、CDRは、典型的には、およそ残基31−35(CDRH1)、50−65(CDRH2)、及び、95−102(CDRH3)に対応する。異なる抗体のCDRは、挿入を含むことが可能であるため、アミノ酸の番号付けが異なることを理解されたい。カバットによる番号付けシステムは、特定の残基(例えば、軽鎖のCDRL1の27A、27B、27C、27D、27E、及び、27F)に付された文字を用いる番号付け体系(a numbering scheme)を用いて上記のような挿入を明らかにすることで、異なる抗体間の番号付けにおける任意の挿入を反映する。あるいは、文献「Chothia and Lesk, J. Mol. Biol., 196: 901-917 (1987)」に従って、軽鎖の可変ドメインにおいて、CDRは、典型的には、およそ残基26−32(CDRL1)、50−52(CDRL2)、及び、91−96(CDRL3)に対応し、重鎖の可変ドメインにおいて、CDRは、典型的には、およそ残基26−32(CDRH1)、53−55(CDRH2)、及び、96−101(CDRH3)に対応する。] [0025] 本明細書で用いられるように、「フレームワーク領域」、又は、「FR」という用語は、抗原結合ポケット又は溝の一部を形成するフレームワークアミノ酸残基のことを言う。幾つかの実施形態において、フレームワーク残基は、抗原結合ポケット又は溝の一部であるループを形成し、ループ内のアミノ酸残基は、抗原に接触する又はしないこともある。フレームワーク領域は、一般的にCDR間に領域を備える。文献「Kabat et al., Sequences of proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethes.d.a, Md. (1991))」に従って、軽鎖の可変ドメインにおいて、FRは、典型的には、およそ残基0−23(FRL1)、35−49(FRL2)、57−88(FRL3)、及び、98−109に対応し、重鎖の可変ドメインにおいて、FRは、典型的には、およそ残基0−30(FRH1)、36−49(FRH2)、66−94(FRH3)、及び、103−133に対応する。軽鎖に対するカバットによる番号付けが先に議論されているように、重鎖も同様に、同じやり方で挿入を明らかにする(例えば、重鎖におけるCDRH1の35A、35B)。あるいは、文献「Chothia and Lesk, J. Mol. Biol., 196: 901-917 (1987))」に従って、軽鎖の可変ドメインにおいて、FRは、典型的には、およそ残基0−25(FRL1)、33−49(FRL2)、53−90(FRL3)、及び、97−109(FRL4)に対応し、重鎖の可変ドメインにおいて、FRは、典型的には、およそ残基0−25(FRH1)、33−52(FRH2)、56−95(FRH3)、及び、102−113(FRH4)に対応する。] [0026] FRのループアミノ酸は、抗体重鎖及び/又は抗体軽鎖の三次元構造を観察することによって、査定及び測定可能である。三次元構造は、溶媒接触可能なアミノ酸の位置に関して分析可能である。これは、上記のような位置が、抗体の可変ドメインで、ループを形成及び/又は抗原接着を提供しやすいためである。溶媒接触可能な位置の幾つかは、アミノ酸配列の多様性を容認可能であり、それ以外の位置(例えば、構造的位置)は、一般的に、それほど多様化しない。抗体の可変ドメインの三次元構造は、結晶構造、又は、タンパク質モデリングに由来することが可能である。] [0027] 抗体の定常ドメイン(Fc)は、抗体の抗原との結合には直接的には関与していないが、むしろ、例えば、Fc受容体(FcR)との相互作用を介した抗体依存性の細胞毒性への抗体の関与といった様々なエフェクター機能を示す。Fcドメインは、同様に、患者への投与を伴う循環における抗体のバイオアベイラビリティを増加させることができる。] [0028] 任意の脊椎動物種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、カッパ又は(“κ”)、及び、ラムダ又は(“λ”)と呼ばれる2つの明らかに異なるタイプの一方に割り当てることができ、これら2つのタイプは、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいている。] [0029] 抗体の文脈における「誘導体」という用語は、アミノ酸残基の置換、欠失、又は、添加の導入により変質したアミノ酸配列を備える抗体のことを言う。「誘導体」という用語は、同様に、任意のタイプの分子の抗体との共役結合によって、修飾された抗体のことを言う。例えば、幾つかの実施形態において、抗体は、例えば、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、基の保護/遮断による誘導体化、タンパク質切断、細胞リガンド及び/又は他のタンパク質との結合などによって、修飾される。幾つかの実施形態において、抗体及びその誘導体は、適切な技術を用いる化学修飾によって生成される。この技術は、特定の化学的開裂、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成などを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、抗体の誘導体は、それが由来した抗体と類似の又は同一の機能を有する。] [0030] 「完全長抗体」、「無傷(intact)抗体」、及び、「全抗体」という用語は、本明細書で交互に用いられ、その実質的に無傷の形状の抗体のことを言い、以下に定義される抗体フラグメントのことではない。このような用語は、特に、Fc領域を含む重鎖を有する抗体のことを言う。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される抗体の変異形は、完全長抗体である。幾つかの実施形態において、完全長抗体は、ヒトであり、ヒト化しており、キメラであり、及び/又は、親和性が成熟している。] [0031] 「親和性成熟」抗体は、その1以上のCDRにおいて1以上の変質を有する抗体であり、この変質は、1以上の変質を有さない親抗体と比較して、抗原に関する抗体の親和性の改善をもたらす。好適な親和性成熟抗体は、標的抗原に対する単量体の親和性又はピコモルの親和性すら有する。親和性成熟抗体は、適切な手順によって生成される。例えば、可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)のドメインシャッフリングによる親和性成熟について記載した文献「Marks et al., (1992) Biotechnology 10:779-783」を参考にされたい。CDR及び/又はフレームワーク残基のランダム変異誘発は、例えば、以下の文献「Barbas, et al. (1994) Proc. Nat. Acad. Sci, USA 91:3809-3813」、「Shier et al., (1995) Gene 169:147-155」、「Yelton et al., 1995, J. Immunol. 155:1994-2004」、「Jackson et al., 1995, J. Immunol. 154(7):3310-9」、及び、「Hawkins et al, (19920, J. Mol. Biol. 226:889-896)」 に記載されている。] [0032] 「結合フラグメント」、「機能フラグメント」、「抗体フラグメント」、又は、「抗原結合フラグメント」との用語は、明細書及び特許請求の範囲で無傷抗体分子の一部又はフラグメントを意味するように本明細書で用いられ、好ましくは、そのフラグメントは、抗原結合機能を維持する。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd(VH及びCH1ドメイン)、Fd’、及び、Fv(抗体の単一アームのVL 及びVH ドメイン)フラグメント、二重特異性抗体、線状抗体(Zapata et al. (1995)タンパク質Eng. 10: 1057)、可変軽鎖(VL)、可変重鎖(VH)、一本鎖抗体分子、一本鎖結合ポリペプチド、scFv、scFv2(鎖における2つのscFv分子の頭尾のタンデム結合)、二価scFv、四価scFv、半抗体、dAbフラグメント、可変NARドメイン、及び、抗体フラグメントから形成された二重特異性抗体又は多特異性抗体(例えば、二重特異性Fab2、及び、三重特異性Fab3など)を含む。] [0033] 「Fab」フラグメントは、典型的には、抗体のパパイン分解によって生成され、この分解は、2つの同一の抗原結合フラグメントの生成をもたらし、各々の抗原結合フラグメントは、単一の抗原結合部位と残基「Fc」フラグメントを有する。ペプシン処置は、抗原と架橋結合可能な2つの抗原結合部位を有するF(ab’)2フラグメントをもたらす。「Fv」は、完全な抗原認識及び結合部位を含む最小の抗体フラグメントである。二本鎖Fv種において、この領域は、密接した非共有結合性会合における重鎖及び軽鎖の可変ドメインの二量体からなる。一本鎖Fv(scFv)種において、重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、軽鎖及び重鎖が二本鎖のFv種のそれと類似した二量体構造において結合するように、可動性のペプチドリンカーによって共役結合している。各々の可変ドメインの3つのCDRがVH−VL二量体の表面上で抗原結合部位を定義するよう相互作用するのは、この配置においてである。集合的に、6つのCDRは、抗体に対して抗原結合特異性を付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は、抗原に特異的な3つのCDRのみを備える半Fv)でさえ、結合部位全体よりも通常は親和性が低いものの、抗原を認識するとともに結合させる能力を有する。] [0034] Fabフラグメントは、同様に、軽鎖の定常ドメインと、重鎖の第1定常ドメイン(CH1)を含む。Fabフラグメントは、抗体ヒンジ領域からの1以上のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端で2、3の残基を加えることによって、Fab’フラグメントと異なる。Fab’−SHは、本明細書では、定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を有するFab’の名称である。F(ab’)2抗体フラグメントは、もともとは、間にヒンジシステインを有するFab’フラグメントのペアとして生成された。抗体フラグメントの他の化学的結合も適切である。モノクローナルAbから様々なフラグメントを生成する方法は、例えば、文献「Plueckthun, 1992, Immunol. Rev. 130:152-188」を含む。] [0035] 「Fv」は、完全な抗原認識及び抗原結合部位を含む抗体フラグメントのことを言う。この領域は、密接した非共有結合性会合における重鎖及び軽鎖の可変ドメインの二量体からなる。各々の可変ドメインの3つのCDRがVH−VL二量体の表面上で抗原結合部位を定義するよう相互作用するのは、この配置においてである。集合的に、各々のVH及びVL鎖からの1以上のCDRの組み合わせは、抗体に対して抗原結合特異性を付与する。例えば、レシピエント抗体又はその抗原結合フラグメントのVH及びVL鎖に伝達される際に、CDRH3及びCDRL3は、抗体に対して抗原結合特異性を付与するに十分な程存在し、このCDRの組み合わせは本明細書に記載の任意の技術を用いて、結合、親和性などについて検査可能であるということを理解されたい。単一の可変ドメイン(又は、抗原に特異的な3つのCDRのみを備える半Fv)でさえ、第2の可変ドメインと組み合わされる際の親和性は低くなりがちではあるものの、抗原を認識するとともに結合させる能力を有する。さらに、Fvフラグメントの2つのドメイン(VL及びVH)は、別々の遺伝子によってコードされるが、VL及びVH領域が一価分子を形成するために対合する一本のタンパク質鎖としてこの2つのドメインを作ることが可能な合成リンカーによる組み換え方法を用いて、この2つのドメインは結合可能である(一本鎖Fv(scFv)として知られている(Bird et al. (1988) Science 242:423-426; Huston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883; and Osbourn et al. (1998) Nat. Biotechnol. 16:778)。このようなscFvは、同様に、抗体の「抗原結合部位」という用語の範囲内に包含されることを意図している。特定のscFvの任意のVH及びVL配列は、完全なIg(例えば、IgG)分子又は他のアイソタイプをコードする発現ベクターを発生させるために、Fc領域のcDNA又はゲノム配列と結合可能である。VH及びVLは、同様に、タンパク質化学又は組み換えDNA技術のいずれかを用いて、IgのFab、Fv、又は、他のフラグメントを発生させる際に使用可能である。] [0036] 「一本鎖Fv」又は「sFv」抗体フラグメントは、抗体のVH及びVLドメインを備え、このようなドメインは、一本鎖ポリペプチド中に存在する。幾つかの実施形態において、Fvポリペプチドは、VH及びVL間にポリペプチドリンカーをさらに備え、このリンカーによって、sFvは抗原結合に好適な構造を形成可能である。sFvの再検討に関しては、 例えば、文献「Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, Vol. 113, Rosenburg and Moore eds. Springer-Verlag, New York, pp. 269-315 (1994)」を参照されたい。] [0037] 「アビマー(Avimer、商標)」という用語は、抗体及び抗体フラグメントとは無関係の、ヒト由来の処置用のタンパク質のクラスのことを言い、A−ドメイン(同様に、クラスAモジュール、補体型繰り返し体(complement type repeat)、又は、LDL−受容体クラスAドメイン)と呼ばれる複数のモジュラー及び再利用可能な結合ドメインからなる。このようなドメインは、インビトロのエキソン・シャッフリング及びファージディスプレイによって、ヒトの細胞内受容体ドメインから生じた(Silverman et al., 2005, Nat. Biotechnol. 23:1493-1494; Silverman et al., 2006, Nat. Biotechnol. 24:220)。結果として生じたタンパク質は、単一のエピトープ結合タンパク質と比較して、改善された親和性(幾つかの場合、サブナノモル)及び特異性を示す多重の独立した結合ドメインを含むことが可能である。例えば、米国公開特許公報第2005/0221384号、第2005/0164301、2005/0053973号、及び、第2005/0089932号、第2005/0048512号、及び、第2004/0175756号を参照されたい。各文献とも本明細書において参照することにより全体として組み込まれるものとする。] [0038] 知られている217ヒトのA−ドメインは、〜35のアミノ酸(〜4kDa)を備え、ドメインは、平均して5つのアミノ酸の長さのリンカーによって分離される。天然のA−ドメインは、主に、カルシウム結合及びジスルフィド形成によって媒介される均一で安定した構造へと迅速かつ効率的に折り畳まれる。わずか12のアミノ酸の保存された骨格モチーフは、この共通構造として必要とされる。最終的な結果は、多重ドメインを含む一本鎖タンパク質であり、このドメインの各々は別々の機能を表す。このタンパク質の各々のドメインは特異的に結合し、各々のドメインのエネルギー的寄与は相加的である。このようなタンパク質は、アビディティー多量体(avidity multimers)からアビマー(Avimer、商標)と呼ばれる。] [0039] 「二重特異性抗体」という用語は、2つの抗原結合部位を有する小さな抗体フラグメントのことを言い、そのフラグメントは、同じポリペプチド鎖(VH−VL)における軽鎖可変ドメイン(VL)と結合した重鎖可変ドメイン(VH)を備える。短すぎるために同じ鎖の2つのドメイン間での対合ができないリンカーを用いることによって、ドメインは、別の鎖の相補的なドメインと対合するとともに2つの抗原結合部位を形成するよう強いられる。二重特異性抗体は、例えば、欧州特許公報第404,097号、国際公開公報第93/11161号、及び、文献「Hollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444 6448 (1993).」にさらに詳細に記載されている。] [0040] 抗原結合ポリペプチドは、同様に、例えば、ラクダ科の動物及びサメからの抗体などの重鎖二量体を含む。ラクダ科の動物及びサメの抗体は、V様及びC様ドメイン(いずれも軽鎖を有していない)の2つの鎖のホモ二量体の組み合わせを備える。ラクダ科の動物における重鎖二量体IgGのVH領域は、軽鎖との疎水的相互作用を行う必要がないため、通常軽鎖と接触する重鎖の領域は、ラクダ科の動物において親水性のアミノ酸残基に変化する。重鎖二量体IgGのVHドメインは、VHHドメインと呼ばれる。サメのIg−NARは、可変ドメイン(V−NARドメインと呼ばれる)のホモ二量体と、5つのC様定常ドメイン(C−NARドメイン)とを備える。ラクダ科の動物において、抗体レパートリーの多様性は、VH又はVHH領域中のCDR1、2、及び、3によって決定される。ラクダのVHH領域におけるCDR3は、平均して16のアミノ酸という比較的長い全長によって特徴づけられる(Muyldermans et al., 1994, Protein Engineering 7(9): 1129)。これは、多くの他の種の抗体のCDR3領域とは対照的である。例えば、マウスのVHのCDR3は、平均して9のアミノ酸を有する。ラクダ科の動物由来の抗体の可変領域のライブラリーは、ラクダ科の動物の可変領域のインビボでの多様性を維持するものであるが、例えば、米国特許公報第20050037421号で開示された方法によって作られることができる。] [0041] 「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に類似する抗体の集団から獲得された抗体のことを言い、すなわち、この集団を備える個別の抗体は、少量存在すると考えられ得る自然発生突然変異を除けば、同一である。幾つかの実施形態において、モノクローナル抗体は、例えば、文献「Koehler and Milstein (1975) Nature 256:495」に最初に記載されたハイブリドーマ法、又は、米国特許第4,816,567号に記載の組み換え方法によって、作られることができる。幾つかの実施形態において、モノクローナル抗体は、文献「Clackson et al., Nature 352:624-628 (1991)」、「Marks et al., J. Mol. Biol. 222:581-597 (1991)」に記載の技術を用いて、ファージ抗体ライブラリーから単離される。] [0042] 本明細書の抗体は、モノクローナル、ポリクローナル、組換え体、キメラ、ヒト化、二重特異性、移植、ヒト、及び、ヒトにおいて任意の手段を用いて免疫原性が低くなるよう変質させた抗体を含む、これらのフラグメントを含む。したがって、例えば、本明細書に記載のモノクローナル抗体及びフラグメントなどは、「キメラ」抗体、及び、「ヒト化」抗体を含む。一般的に、キメラ抗体は、特別な種由来の又は特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一又は類似の重鎖及び/又は軽鎖の一部を備える一方で、鎖の残りの部分は、所望の生物活性を示す限りにおいて、別の種由来の又は別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一又は類似する(米国特許第4,816,567号、文献「Morrison et al. Proc. Natl Acad. Sci. 81:6851-6855 (1984)」)。例えば、幾つかの実施形態において、キメラ抗体は、マウス由来の可変領域、及び、ヒト由来の定常領域を含み、ヒトにおいて、定常領域は、ヒトIgG2及びヒトIgG4の双方と類似する配列を含む。] [0043] 非ヒト(例えば、ネズミの)抗体又はフラグメントの「ヒト化」形状は、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、又は、それらのフラグメント(抗体のFv、Fab、Fab’、F(ab’)2、又は、他の抗原結合配列)であり、これらは、非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含む。ヒト化抗体は、移植抗体又はCDR移植抗体を備え、非ヒト動物由来の1以上の相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列の一部又は全ては、元々の非ヒト抗体の所望の結合特異性及び/又は親和性を維持しながら、ヒト抗体の適切な位置へと移植される。幾つかの実施形態において、対応する非ヒト残基は、ヒトの免疫グロブリンFvフレームワーク残基を置換する。幾つかの実施形態において、ヒト化抗体は、移入されたCDR又はフレームワーク配列内のいずれのレシピエント抗体にも見られない残基を備える。このような修飾は、抗体の能力をさらに改善するとともに最適化するためになされる。幾つかの実施形態において、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインのほぼ全てを備え、この可変領域において、CDR領域の全て又はほぼ全てが非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、FR領域の全て又はほぼ全てが、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のFR領域に対応する。さらに詳細については、例えば、文献「Jones et al., Nature 321: 522-525 (1986)」、「Reichmann et al., Nature 332: 323-329 (1988)」、「Presta, Curr. Op. Struct. Biol. 2: 593-596 (1992)」を参照されたい。] [0044] 本明細書で用いられているように、「親和性」という用語は、2つの薬剤の可逆的結合の平衡定数のことを言い、Kdと表現される。エピトープに対する抗体の親和性などのリガンドとの結合タンパク質の親和性は、例えば、約100ナノモル(nM)から約0.1nM、約100nMから約1ピコモル(pM)、又は、約100nMから約1フェムトモル(fM)であってもよい。本明細書で用いられるように、「アビディティー」という用語は、希釈後の分離に対する2以上の薬剤の複合体の耐性のことを言う。] [0045] 「特異的に結合する」という表現は、抗体又は他の結合分子と、タンパク質又はポリペプチド又はエピトープとの相互作用のことを言い、典型的には、所望の標的を認識するとともに高親和性を以って所望の標的と検出可能な程度に特異的に結合する抗体又は他の結合分子のことを言う。] [0046] 好ましくは、指定された条件下又は生理的条件下で、特異的な抗体又は結合分子は、特別なポリペプチド、タンパク質、又は、エピトープと結合するが、検体中に存在する他の分子とは、莫大な量又は望ましくない量では結合しない。言い換えれば、特定の抗体又は結合分子は、標的でない抗原及び/又はエピトープと好ましくない交差反応を行わない。様々なイムノアッセイ様式(immunoassay formats)は、特別なポリペプチドと免疫活性であるとともに、好ましい特異性を有する抗体又は他の結合分子を選択するために用いられる。例えば、固相ELISAイムノアッセイ、BIAcore(表面プラズモン共鳴)、フローサイトメトリー、及び、ラジオイムノアッセイは、所望の免疫反応性及び特異性を有するモノクローナル抗体を選択するために用いられる。イムノアッセイ様式、及び、免疫反応性と特異性とを測定又は査定するために用いられる条件についての記載については、文献「Harlow, 1988, Antibody, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Publications, New York (以後、“Harlow”とする)」を参照されたい。] [0047] 「選択的結合」、「選択性」などは、それ以外と比較して、1つの分子と相互作用する抗体を優先することを言う。好ましくは、抗体、特に修飾薬とタンパク質との間の相互作用は、特異的であるとともに選択的である。幾つかの実施形態において、抗体は、他の望ましくない標的に結合することなく、2つの特徴的であるが同じ標的を、「特異的に結合」及び「選択的に結合」させるために設計される。] [0048] 「エピトープ」又は「結合部位」は、抗体又はそれらの抗原結合フラグメントによって、「優先的に結合される」、又は、「特異的に結合される」アミノ酸配列又は複数のアミノ酸配列である。エピトープは、線状のペプチド配列(すなわち、「連続的」)、又は、非隣接のアミノ酸配列(すなわち、「高次構造」又は「非連続」)からなり得る。本明細書に記載の抗体、又は、その抗原結合フラグメントによって認識されるエピトープは、当業者に周知のペプチドマッピング及び配列解析技術によって測定可能である。] [0049] 「ポリペプチド」、又は、「ペプチド」、及び、「タンパク質」という用語は、本明細書では交互に用いられ、アミノ酸残基ポリマーのことを言う。この用語は、天然に存在するアミノ酸ポリマーだけでなく、1以上のアミノ酸残基が天然に存在しないアミノ酸、例えば、アミノ酸アナログであるアミノ酸ポリマーにも適用される。この用語は、完全長タンパク質(すなわち、抗原)を含む任意の長さのアミノ酸鎖を包含し、アミノ酸残基は、共役ペプチド結合で結合している。] [0050] 「単離した」及び「精製した」という用語は、実質的に又は本質的に自然環境から取り除かれた又は自然環境で濃縮された物質のことを言う。例えば、単離した核酸は、被検体において、通常隣接する核酸の少なくとも幾つかから、又は、他の核酸又は化合物(タンパク質、脂質など)から分離されたものである。他の例において、ポリペプチドは、実質的に自然環境から取り除かれるか、又は、自然環境で濃縮されると、精製される。核酸及びタンパク質の精製方法及び単離方法は、立証された方法論である。例えば、抗体は、培養上清又は飽和硫酸アンモニウム調製による上記の腹水、オイグロブリン調製方法、カプロン酸方法、カプリル酸方法、イオン交換クロマトグラフィー(DEAE又はDE52)、又は、抗Igカラム又はタンパク質A、G、又はLカラムを用いる親和性クロマトグラフィーから、単離及び精製可能である。「実質的に」の実施形態は、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は、少なくとも99%を含む。] [0051] 「処置(treat)(treating)(treatment)」という用語、及び、本明細書に記載の他の文法上等しい表現は、症状を緩和、抑制、又は、減少すること、疾患又は疾病の重篤な症状を減少または抑制すること、疾患又は疾病の症状の発生率を減少させること、疾患又は疾病の症状の処置の予防的処置、疾患又は疾病の症状の再発生を減少又は抑制すること、疾患又は疾病の症状を予防すること、疾患又は疾病の症状の発現を遅らせること、疾患又は疾病の症状の再発生を遅らせること、疾患又は疾病の症状を和らげること又は改善すること、症状の基礎的な代謝の原因を改善すること、疾患又は疾病を抑制すること、例えば、疾患又は疾病の発症を阻止させること、疾患又は疾病を取り除くこと、疾患又は疾病の退行を引き起こすこと、疾患又は疾病によって引き起こされた状態を取り除くこと、又は、疾患又は疾病症状を止めることを含む。この用語は、処置上の効果を達成することをさらに含む。処置上の効果とは、改善が個体で観察されるような、処置される基礎的障害の根絶又は回復、及び/又は、基礎的障害と関連する1以上の生理学的症状の根絶又は回復を意味する。] [0052] 「予防(prevent)(preventing)(prevention)」という用語、及び、本明細書で用いられる他の文法上等しい表現は、さらなる症状を予防すること、症状の基礎的な代謝の原因を予防すること、疾患又は疾病を抑制すること、例えば、疾患又は疾病の発症を阻止させることを含むとともに、予防法を含むように意図されている。この用語は、予防的効果を達成することをさらに含む。予防的効果のために、組成物は、特別な疾患を発症させるリスクのある個体、疾患の1以上の生理学的症状を報告する個体、又は、その疾患の再発のリスクのある個体に、任意で投与される。] [0053] 本明細書で用いられる「効果的な量」又は「処置上効果的な量」との用語は、所望の結果を達成する、投与される少なくとも1つの薬剤の十分な量のことを言い、この結果とは、例えば、処置される疾患又は疾病の1以上の症状を、ある程度、取り除くことである。特定の例において、結果は、疾患の兆候、症状、又は、原因の減少及び/又は軽減、あるいは、生命システムの任意の他の所望の変質である。特定の例において、結果は、少なくとも1つの異常な増殖細胞、すなわち、癌幹細胞中のアポトーシスの成長、破壊、誘発を減少させることである。特定の例において、処置に用いるための「効果的な量」とは、疾患を臨床的に著しく減少させるのに必要な本明細書に記載の薬剤を含む組成物の量である。任意の個体の場合に適切な「効果的な」量は、用量増加研究などの任意の適切な技術を用いて、測定される。] [0054] 本明細書で用いられる「投与(administer)、(administering)、(administration)」という用語などは、所望の生物学的作用部位への薬剤又は組成物の送達を可能にするために用いられる方法のことを言う。このような方法は、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、血管内、又は、点滴を含む)、局所及び直腸の投与を含むが、これらに限定されない。本明細書に記載の薬剤及び方法を任意で用いる投与技術は、例えば、文献「Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics, current ed.」、「Pergamon;and Remington's, Pharmaceutical Sciences (current edition), Mack Publishing Co., Easton, Pa.」で挙げられているものを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の薬剤及び組成物は、経口投与される。] [0055] 本明細書で用いられる「薬学的に許容可能な」との用語は、本明細書に記載の薬剤の生物学的活性又は特性を無効化しない、比較的毒性のない物質(すなわち、物質の毒性は物質の効果を著しく上回る)のことを言う。幾つかの例において、薬学的に許容可能な物質は、重大な望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく、又は、その物質が含まれる組成物の任意の化合物と有害な方法で著しく相互作用することなく、個体に投与される。] [0056] マクロファージ遊走阻止因子(MIF) 幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、MIFの活動を(部分的又は全て)抑制する。特定の例において、MIFは炎症誘発性サイトカインである。特定の例において、MIFは、感染症、炎症、又は、組織損傷に反応して、活性化免疫細胞(例えば、リンパ球(T細胞))によって分泌される。特定の例において、MIFは、視床下部・下垂体・副腎系が刺激されるとすぐに、脳下垂体前葉から分泌される。特定の例において、MIFは、膵β細胞からインスリンとともに分泌され、インスリンの放出を刺激する自己分泌因子として機能する。特定の例において、MIFは、受容体CXCR2、CXCR4、及び、CD74のリガンドである。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、CXCR2、CXCR4、及び/又は、CD74の活動を(部分的又は全て)抑制する。] [0057] 特定の例において、MIFは、MIFの勾配に沿って、白血球(例えば、リンパ球、顆粒球、単球/マクロファージ、及び、TH−17細胞)のそばで走化性を誘発する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、MIFの勾配に沿って走化性を抑制するか、又は、MIFの勾配に沿って走化性を低下させる。特定の例において、MIFは、感染症、炎症、又は、組織損傷部位に対する白血球(例えば、リンパ球、顆粒球、単球/マクロファージ、及び、TH−17細胞)の走化性を誘発する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、感染症、炎症、又は、組織損傷部位に対する白血球の走化性を抑制又は低下させる。特定の例において、MIFの勾配に沿った白血球 (例えば、リンパ球、顆粒球、単球/マクロファージ、及び、TH−17細胞)の走化性は、感染症、炎症、又は、組織損傷部位における炎症をもたらすことになる。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、感染症、炎症、又は、組織損傷部位における炎症を処置する。特定の例において、ランテスに沿った単球の走化性は、損傷又は炎症部位における単球阻止(arrest)(すなわち、上皮上の単球の蒸着)をもたらすことになる。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、損傷又は炎症部位における単球阻止を抑制又は低下させる。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、リンパ球性疾患を抑制・処置する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、顆粒球媒介性の疾患を処置する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、マクロファージ媒介性の疾患を処置する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、Th−17媒介性の疾患を処置する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、膵β細胞媒介性の疾患を処置する。] [0058] 特定の例において、MIFは、グルココルチコイド、グルココルチコイド療法を必要とする多くの疾患に関連するアテローム性動脈硬化の促進に関与する機構によって、誘導可能である。したがって、幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組成物及び方法は、グルココルチコイドによるMIFの発現の誘発を抑制する。] [0059] 特定の例において、ヒトのMIFポリペプチドは、細胞発生帯22q11.23.の染色体22上に位置するヌクレオチド配列によってコードされる。特定の例において、MIFタンパク質は、12.3kDaタンパク質である。特定の例において、MIFタンパク質は、115のアミノ酸の3つのポリペプチドを備えるホモ三量体である。特定の例において、MIFタンパク質は、ケモカインで見られるELRモチーフを模倣する偽ELRモチーフを備える。特定の例において、偽ELRモチーフは、近接しないが適切に配された2つの残基(Arg12及びAsp45、図11参照)を備える。幾つかの実施形態において、偽ELRモチーフは、アミノ酸12からアミノ酸45(この番号付けは、最初のメチオニン残基を含む)からのアミノ酸配列を備える。これは、最初のメチオニン残基を数に入れられていないアミノ酸11からアミノ酸44の偽ELRモチーフと等しい。(このような例において、偽ELRモチーフはArg11及びAsp44を備える)。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、CXCR2及び/又はCXCR4と偽ELRモチーフとの結合を抑制することによって、MIF媒介性の疾患を処置する。] 図11 [0060] 特定の例において、MIFタンパク質は、10−から20−残基のN末端ループモチーフ(N−ループ)を備える。特定の例において、MIFのN−ループは、CXCR2及び/又はCXCR4受容体との結合を媒介する。特定の例において、MIFのN−ループモチーフは、MIF(すなわち、L47 M48 A49 F50 G51 G52 S53 S54 E55 P56;図11参照)の配列残基(47−56)を備える。特定の例において、MIFのN−ループモチーフは、アミノ酸45−60を備える。特定の例において、MIFのN−ループモチーフは、アミノ酸44−61を備える。特定の例において、MIFのN−ループモチーフは、アミノ酸43−62を備える。特定の例において、MIFのN−ループモチーフは、アミノ酸42−63を備える。特定の例において、MIFのN−ループモチーフは、アミノ酸41−64を備える。特定の例において、MIFのN−ループモチーフは、アミノ酸40−65を備える。特定の例において、MIFのN−ループモチーフは、アミノ酸46−59を備える。特定の例において、MIFのN−ループモチーフは、アミノ酸47−59を備える。特定の例において、MIFのN−ループモチーフは、アミノ酸48−59を備える。特定の例において、MIFのN−ループモチーフは、アミノ酸50−59を備える。特定の例において、MIFのN−ループモチーフは、アミノ酸47−58を備える。特定の例において、MIFのN−ループモチーフは、アミノ酸47−57を備える。特定の例において、MIFのN−ループモチーフは、アミノ酸47−56を備える。特定の例において、MIFのN−ループモチーフは、アミノ酸48−58を備える。幾つかの実施形態において、N−ループモチーフは、アミノ酸48−57を備える。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、N−ループモチーフのCXCR2及び/又はCXCR4との結合を抑制することによって、MIF媒介性の疾患を処置する。] 図11 [0061] 幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、(1)N−ループモチーフのCXCR2及び/又はCXCR4との結合、及び、(2)偽ELRモチーフのCXCR2及び/又は CXCR4との結合を抑制することによって、MIF媒介性の疾患を処置する。] [0062] 特定の例において、CD74は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)を活性化し、CXCR2を活性化し、及び/又は、このような分子と結合してシグナル伝達複合体を形成する。したがって、幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、CD74によりGPCR又はCXCR2の活性を抑制することによって、MIF媒介性の疾患を処置する。] [0063] 特定の例において、MIFは、内皮細胞、SMC、単核細胞、及び/又は、動脈損傷を伴うマクロファージによって発現される。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、内皮細胞、SMC、単核細胞、及び/又は、動脈損傷を伴うマクロファージによるMIFの発現を抑制する。特定の例において、MIFは、内皮細胞、SMC、単核細胞、酸化低密度リポタンパク質(oxLDL)、CD40リガンド、アンジオテンシンII、又はこれらの組み合わせへの暴露を伴うマクロファージ、によって発現される。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、内皮細胞、SMC、単核細胞、及び/又は、酸化低密度リポタンパク質、CD40リガンド、アンジオテンシンII、又はこれらの組み合わせへの暴露を伴うマクロファージ、によるMIFの発現を抑制する。] [0064] 特定の例において、MIFは、内皮細胞中のCCL2、TNF、及び/又は、ICAM−1の発現を誘発する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、内皮細胞中のCCL2、TNF、及び/又は、ICAM−1のMIF誘発性の発現を抑制する。] [0065] 特定の例において、MIFは、SMC中のMMP及びカテプシンの発現を誘発する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、SMC中のMMP及びカテプシンのMIF誘発性の発現を抑制する。] [0066] 特定の例において、MIFは、CXCR2又はCXCR4を介してカルシウム流入を引き起こし、インテグリンの急速な活性化を誘発し、MAPKの活性化を誘発し、及び、単球及びT細胞のGαi−及びインテグリン依存性の阻止及び走化性を媒介する(図2及び3)。したがって、幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、単球及び/又はT細胞へのカルシウム流入を抑制し、MAPKの活性化を抑制し、インテグリンの活性化を抑制し、単球及びT細胞のGαi−及びインテグリン依存性の阻止、又は、これらの組み合わせを抑制する。] [0067] 幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、抗CXCR2抗体;抗CXCR4抗体;抗MIF抗体;又は、これらの組み合わせを備える。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される抗体は、MIFの偽ELRモチーフと結合することによって、MIFのCXCR2及び/又はCXCR4との結合を抑制する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される抗体は、MIFのN−ループモチーフと結合することによって、MIFのCXCR2及び/又はCXCR4との結合を抑制する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される抗体は、MIFのN−ループモチーフと偽ELRモチーフとの双方と同時に結合することによって、MIFのCXCR2及び/又はCXCR4との結合を抑制する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される抗体は、抗MIF抗体である。] [0068] 特定の例において、MIFによって誘発される単球動員は、MIF−結合タンパク質CD74を含む。特定の例において、MIF−結合タンパク質CD74は、カルシウム流入、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)の活性化、又は、Gαi−依存性のインテグリン活性化を誘発する(図7)。幾つかの実施形態において、本発明は、必要としている個体において、MIF媒介性のMAPKキナーゼ活性化を抑制する方法を備える。幾つかの実施形態において、本発明は、必要としている個体において、MIF媒介性のGαi−依存性のインテグリン活性化を抑制する方法を備える。] 図7 [0069] 特定の例において、CD74を介したMIF誘発性のシグナル伝達は、CD44及びSrcキナーゼを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、CD74−媒介性のSrcキナーゼの活性化を抑制する。] [0070] 特定の例において、エンドサイトーシスによって取り込まれたMIFは、JAB−1と直接的に相互作用する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、MIFのエンドサイトーシスを抑制する。] [0071] 特定の例において、アレスチンは、MIFの内在化を媒介するクラスリン被覆小胞に対するGタンパク質共役受容体の動員を促進する。したがって、幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、アレスチンアンタゴニストをさらに備える。GPCRへの結合を抑制する薬剤の例は、カルベジロール、イソプレナリン、イソプロテレノール、ホルモテロール、シマテロール、クレンブテロール、L−エピネフリン、スピノフィリン、及び、サルメテロールを備える。] [0072] 特定の例において、MIFのユビキチン化は、(部分的又は全体的のいずれかで)MIFの急速な内在化とその後の分解をもたらすことになる。したがって、幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、MIFのユビキチン化を抑制する工程をさらに備える。ユビキチン化を抑制する薬剤の例としては、PYR−41、及び、関連するピラゾンを含むが、これらに限定されない。] [0073] 特定の例において、MIFは、クラスリン依存性エンドサイトーシスを用いて細胞内に入る。したがって、幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、MIFのクラスリン依存性エンドサイトーシスを抑制する工程をさらに備える。] [0074] 特定の例において、MIFは、MAPKシグナル伝達を負に制御するか、又は、JAB−1を介する細胞酸化還元ホメオスタシスを制御することによって、細胞の機能を調節する。特定の例において、MIFは、p53の発現を下方制御する。特定の例において、p53の発現のMIFによる下方制御は、マクロファージのアポトーシス及び生存期間の延長を抑制する。したがって、幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、マクロファージのMIF調整された生存を抑制する。] [0075] 特定の例において、MIFは、不安定プラークにおいて、MMP−1及びMMP−9を誘発する。特定の例において、MMP−1及びMMP−9の不安定プラークへの導入は、(部分的又は全体的のいずれかで)コラーゲンの分解、線維性被膜の弱体化、及び、プラークの不安定化をもたらすことになる。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、(部分的又は全体的のいずれかで)コラーゲンの分解、線維性被膜の弱体化、及び、プラークの不安定化を抑制する。] [0076] CXCR2及びCXCR4を介するMIFシグナル伝達のインヒビター 特定の実施形態において、CXCR2及びCXCR4を介するMIFシグナル伝達を抑制する方法が本明細書で開示される。幾つかの実施形態において、CXCR2及びCXCR4を介するMIFシグナル伝達は、CXCR2及びCXCR4のMIF結合ドメイン(すなわち、GPCRアンタゴニスト手法)を抗体で占有することによって抑制される。幾つかの実施形態において、CXCR2及びCXCR4を介するMIFのシグナル伝達は、MIF上のドメインを占有、遮蔽、又は、それ以外に破壊することによって抑制される(すなわち、サイトカインインヒビター手法)。幾つかの実施形態において、CXCR2及びCXCR4を介するMIFのシグナル伝達は、MIF上のドメインを抗体で占有、遮蔽、又は、それ以外に破壊すること、及び、それによって、CXCR2及び/又はCXCR4のMIFとの結合を破壊することによって抑制される。幾つかの実施形態において、CXCR2及びCXCR4を介するMIFのシグナル伝達は、MIF上のドメインを抗体で占有、遮蔽、又は、それ以外に破壊すること、及び、それによって、MIFの三量体形成を破壊することによって抑制される。特定の例において、MIF上のドメインを占有、遮蔽、又は、それ以外に破壊することは、他のアゴニスト/リガンド(例えば、IL−8/CXCL8、GRObeta/CXCL2及び/又はストロマ細胞由来因子−1a(SDF−1a)/CXCL12)によって媒介されるCXCR2及びCXCR4シグナル伝達には影響を与えない。] [0077] MIFドメイン破壊剤 幾つかの実施形態において、CXCR2及びCXCR4を介するMIFのシグナル伝達は、MIF上のドメインを占有、遮蔽、又は、それ以外に破壊することによって抑制される(例えば、N−ループ及び/又は偽ELRモチーフ)。幾つかの実施形態において、CXCR2及びCXCR4を介するMIFのシグナル伝達は、MIF上のドメインを抗体で占有、遮蔽、又は、それ以外に破壊すること、及び、それによって、CXCR2及び/又はCXCR4のMIFとの結合を破壊することによって抑制される。幾つかの実施形態において、抗体は、(i)MIFのCXCR2及びCXCR4との結合、及び/又は、(ii)CXCR2及びCXCR4のMIF活性化、又は、(iii)(i)と(ii)の任意の組み合わせ、を抑制する。特定の例において、MIF上のドメインを占有、遮蔽、又は、それ以外に破壊することは、他のアゴニスト/リガンド(例えば、IL−8/CXCL8、GRObeta/CXCL2及び/又はストロマ細胞由来因子−1a(SDF−1a)/CXCL12)によって媒介されるCXCR2及びCXCR4シグナル伝達には影響を与えない。] [0078] 特定の例において、N末端の細胞内ドメインは、第1及び/又は第2の細胞外ループと同様に、MIFとのリガンド結合のメディエーターである。幾つかの実施形態において、抗体は、MIFの偽ELRモチーフと結合することによって、MIFのCXCR2及び/又はCXCR4との結合を抑制する。幾つかの実施形態において、抗体は、MIFのN−ループモチーフと結合することによって、MIFのCXCR2及び/又はCXCR4との結合を抑制する。幾つかの実施形態において、抗体は、必須残基を調節する、及び/又は、受容体又は基質の相互作用を防止するMIF中の高次構造変化を引き起こす。幾つかの実施形態において、抗体は、CXCR2及び/又はCXCR4の結合及びシグナル伝達について関連のあるモチーフを妨げる。] [0079] MIF三量体形成破壊剤 特定の実施形態において、CXCR2及びCXCR4を介するMIFのシグナル伝達を抑制する方法が本明細書で開示される。幾つかの実施形態において、CXCR2及びCXCR4を介するMIFのシグナル伝達は、MIF上のドメインを占有、遮蔽、又は、それ以外に破壊することによって抑制される。幾つかの実施形態において、CXCR2及びCXCR4を介するMIFのシグナル伝達は、MIF上のドメインを抗体で占有、遮蔽、又は、それ以外に破壊すること、及び、それによって、MIFの三量体形成を破壊することによって抑制される。幾つかの実施形態において、ホモ三量体を形成するMIFペプチドの能力を低下させることは、受容体(例えば、CXCR2、又は、CXCR4)と結合するMIFの能力を(部分的又は全体的に)破壊する。特定の例において、MIF上のドメインを占有、遮蔽、又は、それ以外に破壊することは、他のアゴニスト/リガンド(例えば、IL−8/CXCL8、GRObeta/CXCL2及び/又はストロマ細胞由来因子−1a(SDF−1a)/CXCL12))によって媒介されるCXCR2及びCXCR4シグナル伝達には影響を与えない。] [0080] 特定の例において、MIFは、3つのMIFポリペプチド配列(すなわち、三量体)を備える。特定の例において、各々のMIFポリペプチドの偽ELRモチーフは、三量体の環を形成する。特定の例において、各々のMIFポリペプチドのN−ループモチーフは、偽のELR環から外側に延出する(図10を参照)。特定の例において、三量体を破壊すると、その標的受容体へのMIFの高親和性結合が破壊される。特定の例において、1つのサブユニットの残基38−44(β−2鎖)は、第2のサブユニットの残基48−50(β−3鎖)と相互作用する。特定の例において、1つのサブユニットの残基96−102(β−5鎖)は、第2のサブユニットの残基107−109(β−6鎖)と相互作用する。特定の例において、N73 R74 S77 K78 C81によって形成される1つのサブユニット上のドメインは、第2のサブユニットのN111 S112 T113と相互作用する。] 図10 [0081] 幾つかの実施形態において、抗MIF抗体は、MIFのアミノ酸残基38−44(β−2鎖)のいずれか又は全てに由来するか、及び/又は、MIFのアミノ酸残基38−44(β−2鎖)のいずれか又は全てと特異的に結合する。幾つかの実施形態において、抗MIF抗体は、MIFのアミノ酸残基48−50(β−3鎖)のいずれか又は全てに由来するか、及び/又は、MIFのアミノ酸残基48−50(β−3鎖)のいずれか又は全てと特異的に結合する。幾つかの実施形態において、抗MIF抗体は、MIFのアミノ酸残基96−102(β−5鎖)のいずれか又は全てに由来するか、及び/又は、MIFのアミノ酸残基96−102(β−5鎖)のいずれか又は全てと特異的に結合する。幾つかの実施形態において、抗MIF抗体は、MIFのアミノ酸残基107−109(β−6鎖)のいずれか又は全てに由来するか、及び/又は、MIFのアミノ酸残基107−109(β−6鎖)のいずれか又は全てと特異的に結合する。幾つかの実施形態において、抗MIF抗体は、MIFのアミノ酸残基N73、R74、S77、K78、及び、C81のいずれか又は全てに由来するか、及び/又は、MIFのアミノ酸残基N73、R74、S77、K78、及び、C81のいずれか又は全てと特異的に結合する。幾つかの実施形態において、抗MIF抗体は、MIFのアミノ酸残基N111、S112、及び、T113のいずれか又は全てに由来するか、及び/又は、MIFのアミノ酸残基N111、S112、及び、T113のいずれか又は全てと特異的に結合する。] [0082] 抗体 特定の実施形態において、必要としている個体において、MIF媒介性疾患を処置する方法が本明細書で開示される。幾つかの実施形態において、この方法は、処置上効果的な量の抗CXCR2抗体、抗CXCR4抗体、抗MIF抗体、又は、これらの組み合わせを投与する工程を備える。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、抗CXCR2抗体を備える。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、抗CXCR4抗体を備える。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、抗MIF抗体を備える。] [0083] 幾つかの実施形態において、抗体は、MIFの偽ELRモチーフの全て又は一部と特異的に結合する抗体である。幾つかの実施形態において、抗体が結合するMIFの偽ELRモチーフの一部は、MIF三量体の外側に露出するか、又はMIFの外側にある偽ELRモチーフの一部である。幾つかの実施形態において、抗体は、以下のペプチド配列、 PRASVPDGFLSELTQQLAQATGKPPQYIAVHVVPDQの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する。幾つかの実施形態において、抗体は、アミノ酸11からアミノ酸44(h配列ID No. 1を参照)までのアミノ酸配列の全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する。] [0084] 幾つかの実施形態において、抗体は、MIFのN−ループモチーフの全て又は一部と特異的に結合する抗体である。幾つかの実施形態において、抗体が結合するMIFのN−ループモチーフの一部は、MIF三量体の外側に露出するか、又はMIFの外側にあるN−ループモチーフの一部である。幾つかの実施形態において、抗体は、以下のペプチド配列、DQLMAFGGSSEPCALCSLの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する。幾つかの実施形態において、抗体は、アミノ酸40からアミノ酸65(配列ID No. 1を参照)までのアミノ酸配列の全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する。] [0085] 幾つかの実施形態において、抗体は、MIFの偽ELRモチーフの全て又は一部と、MIFのN−ループモチーフの全て又は一部とに特異的に結合する抗体である。幾つかの実施形態において、抗体によって結合されるMIFのN−ループ及び偽ELRモチーフの一部は、MIF三量体の外側に露出するか、又はMIFの外側にある一部である。幾つかの実施形態において、抗体は、以下のペプチド配列、PRASVPDGFLSELTQQLAQATGKPPQYIAVHVVPDQLMAFGGSSEPCALCSLの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する。幾つかの実施形態において、抗体は、アミノ酸11からアミノ酸65(配列ID No. 1を参照)までのアミノ酸配列の全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する。] [0086] 幾つかの実施形態において、抗体は、MIFのCXCR2結合ドメインと特異的に結合する。] [0087] 幾つかの実施形態において、抗体は、MIFのCXCR4結合ドメインと特異的に結合する。] [0088] 幾つかの実施形態において、抗体は、MIF三量体の形成を抑制する。] [0089] 幾つかの実施形態において、抗体は、抗CD74抗体である。幾つかの実施形態において、抗体は、MIFのCD74との結合を抑制する。幾つかの実施形態において、抗CD74抗体は、M−B741(Pharmingen)であるか、M−B741(Pharmingen)に由来する。] [0090] 幾つかの実施形態において、抗体は、抗Jab−1抗体である。幾つかの実施形態において、抗体は、MIFのJAB−1との結合を抑制する。幾つかの実施形態において、抗体は、アミノ酸50からアミノ酸65(配列ID No. 1を参照)までのアミノ酸配列の全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する。幾つかの実施形態において、抗体は、以下のペプチド配列、FGGSSEPCALCSLHSIの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する。] [0091] 幾つかの実施形態において、抗体は、抗CXCR2抗体である。幾つかの実施形態において、抗体アンタゴニストは、モノクローナル抗体である。幾つかの実施形態において、抗体アンタゴニストは、ポリクローナル抗体である。幾つかの実施形態において、抗体アンタゴニストは、CXCR2抗体、クローン48311.211;CXCR2抗体、クローン5E8/CXCR2;CXCR2抗体、クローン19;又は、これらの誘導体から選択される。] [0092] 幾つかの実施形態において、抗体は、CXCR4抗体、クローン701;CXCR4抗体、クローン708;CXCR4抗体、クローン716;CXCR4抗体、クローン717;CXCR4抗体、クローン718;CXCR4抗体、クローン12G5;CXCR4抗体、クローン4G10;又は、これらの組み合わせから選択される抗CXCR4抗体である。] [0093] 幾つかの実施形態において、抗体は、MIF抗体、クローンIID.9;MIF抗体、クローンIIID.9;MIF抗体、クローンXIF7;MIF抗体、クローンI31;MIF抗体、クローンIV2.2;MIF抗体、クローンXI7;MIF抗体、クローンXII15.6;MIF抗体、クローンXIV15.4;又は、これらの組み合わせから選択される抗MIF抗体である。] [0094] モノクローナル抗体産生 幾つかの実施形態において、本明細書で開示されるペプチドに対するモノクローナル抗体(mAb)は、ハイブリドーマを用いることによって産生される。特定の例において、ハイブリドーマは、不死化抗体産生細胞である。幾つかの実施形態において、実験動物(例えば、マウス又はウサギ)は、抗原を接種される。幾つかの実施形態において、実験動物の脾臓からB細胞が抽出される。幾つかの実施形態において、ハイブリドーマは、(1)抽出されたB細胞を、(2)骨髄腫細胞(すなわち、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ陰性(negative)の不死化骨髄腫細胞)と融合することによって発生する。幾つかの実施形態において、B細胞及び骨髄腫細胞は、一緒に培養されるとともに、細胞膜をより浸透性のあるものにする薬剤(例えば、PEG)に暴露される。] [0095] 幾つかの実施形態において、培養物は、複数のハイブリドーマ、複数の骨髄腫細胞、及び、複数のB細胞を備える。幾つかの実施形態において、細胞は、ハイブリドーマ用に選択する培養条件にさらされる(例えば、HAT培地による培養)。] [0096] 幾つかの実施形態において、個体のハイブリドーマ(すなわち、クローン)は、単離されて培養される。幾つかの実施形態において、ハイブリドーマは実験動物に注入される(例えば、ウサギ又はラット)。幾つかの実施形態において、ハイブリドーマは、細胞培養で培養される。] [0097] 幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、ヒト化モノクローナル抗体を備える。幾つかの実施形態において、ヒト化モノクローナル抗体は、ヒト起源の重鎖及び軽鎖の定常領域と、マウス起源の様々な領域を備える。] [0098] 幾つかの実施形態において、ヒト化抗体を含むヒト化免疫グロブリンは、遺伝子工学によって構築される。幾つかの実施形態において、ヒト化免疫グロブリンは、特定のヒト免疫グロブリン鎖(すなわち、受容体又はレシピエント)のフレームワークと同一のフレームワークと、非ヒト(供与体)免疫グロブリン鎖の3つのCDRとを備える。幾つかの実施形態において、ヒト化免疫グロブリン鎖のフレームワーク内のアミノ酸の限定された数は、受容体内よりも供与体の方の当該配置にあるアミノ酸と同じになるよう同定されるとともに選択される。] [0099] 幾つかの実施形態において、フレームワークは、ヒト化される供与体の免疫グロブリンと相同の特別なヒト免疫グロブリンから用いられる。例えば、データバンク中のヒトの重鎖(又は、軽鎖)の可変領域に対して、マウスの重鎖(又は、軽鎖)の可変領域の配列を比較することによって(例えば、全米国立生物医学研究基金(the National Biomedical Research Foundation)のタンパク質分析リソース、又は、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のタンパク質配列データベース)、様々なヒト領域への相同性は、約40%乃至約60%、約70%、約80%、又はそれ以上、大きく変化することがあることが示された。供与体免疫グロブリンの重鎖可変領域にもっとも相同するヒトの重鎖可変領域のひとつを、受容体免疫グロブリンとして選択することによって、供与体免疫グロブリンからヒト化免疫グロブリンに変化するアミノ酸は少なくなる。供与体免疫グロブリンの軽鎖可変領域ともっとも相同するヒトの軽鎖可変領域のひとつを、受容体免疫グロブリンとして選択することによって、免疫グロブリンからヒト化免疫グロブリンに変化するアミノ酸は少なくなる。] [0100] 幾つかの実施形態において、ヒト化免疫グロブリンは、 同じヒト抗体からの軽鎖及び重鎖を受容体配列として備える。幾つかの実施形態において、ヒト化免疫グロブリンは、異なるヒト抗体生殖系列配列からの軽鎖及び重鎖を受容体配列として備える。すなわち、このような組み合わせが用いられると、VHとVLが所望のエピトープに結合するかどうかを、従来のアッセイ(例えば、ELISA)を用いて容易に測定可能である。幾つかの実施形態において、取り込まれる軽鎖及び重鎖可変領域配列が全体として供与体の軽鎖及び重鎖可変領域配列にもっとも相同するヒト抗体が選択される。幾つかの実施形態において、ヒト化免疫グロブリン鎖のフレームワークにおける少数のアミノ酸を、受容体よりもむしろ供与体の配置におけるアミノ酸と同じものとして選択することによって、高親和性が達成される。] [0101] フレームワーク領域を修正する任意の適切な方法が本明細書で熟慮される。幾つかの実施形態において、変化する関連のフレームワークアミノ酸は、供与体分子と受容体分子との間のアミノ酸フレームワーク残基の違いに基づいて選択される。幾つかの実施形態において、変化するアミノ酸位置は、CDRの高次構造(例えば、標準的なフレームワーク残基は、CDRの高次構造及び/又は構造に重要である)に重要であるか又は関与すると知られている残基である。幾つかの実施形態において、変化する関連のフレームワークアミノ酸は、特別なフレームワーク位置(例えば、サブファミリーの範囲内で他のフレームワーク配列と選択されたフレームワーク配列とを比較することによって、特定の位置又は複数の位置で少ない頻度で発生する残基を明らかにすることが可能である)におけるアミノ酸残基の頻度に基づいて選択される。幾つかの実施形態において、変化する関連のフレームワークアミノ酸は、CDRとの近さに基づいて選択される。幾つかの実施形態において、変化する関連のフレームワーク アミノ酸は、知られている又は予測される抗−CDR界面への近接に基づいて選択されるか、又は、CDR活動を調節することが予測される。幾つかの実施形態において、変化する関連のフレームワークアミノ酸は、重鎖(VH)及び軽鎖(VL)可変領域界面間の接触を形成することが知られている又は予測されるフレームワーク残基である。幾つかの実施形態において、変化する関連のフレームワークアミノ酸は、溶媒に近づきにくいフレームワーク残基である。] [0102] 幾つかの実施形態において、選択された配置の幾つか又は全てにおけるアミノ酸変化は、受容体可変領域フレームワークと供与体CDRに対してコード化核酸に組み込まれる。幾つかの実施形態において、変化したフレームワーク又はCDR配列は、個別に作られて試験されるか、又は、経時的もしくは同時に組み合わされて試験される。] [0103] 幾つかの実施形態において、任意の又は全ての変化した位置における可変性は、全ての20の自然発生アミノ酸又は機能的に等価なもの及びそれらのアナログを含む、数個から複数の異なるアミノ酸残基である。幾つかの実施形態において、非自然発生アミノ酸が検討される。] [0104] 幾つかの実施形態において、ヒト化抗体配列は、ベクターにクローン化される。幾つかの実施形態において、任意の適切なベクターが用いられる。幾つかの実施形態において、ベクターは、プラスミド、必要に応じて、ウィルス、例えば、「ファージ」、又は、「ファージミド」である。詳細については、例えば、文献「Molecular Cloning: a Laboratory Manual: 2nd edition, Sambrook et al., 1989, Cold Spring Harbor Laboratory Press」を参照されたい。例えば、核酸構築物、変異原生、配列決定、DNAの細胞への導入及び遺伝子発現、タンパク質の解析の準備において、核酸の操作に関して知られている多くの技術及びプロトコルは、文献「Short Protocols in Molecular Biology, Second Edition, Ausubel et al. eds., John Wiley & Sons, 1992」に詳細に記載されている。文献「Sambrook et al. and Ausubel et al.」の開示内容は、開示目的として参照することにより本明細書に組み込まれるものとする。] [0105] 幾つかの実施形態において、任意の適切な宿主細胞は、ヒト化抗体配列を発現するベクターによって形質転換する。幾つかの実施形態において、宿主細胞はバクテリア、哺乳動物細胞、酵母、及び、バキュロウィルス系である。大腸菌などの原核細胞における抗体及び抗体フラグメントの発現は、当該技術で十分に確立されている。検討のために、例えば、文献「Plueckthun, A. Bio/Technology 9: 545-551 (1991)」を参照されたい。培養下の真核細胞における発現も、本明細書に記載の抗体及び抗体結合フラグメントの産生のための1つのオプションとして、当業者には利用可能である。最新の検討として、例えば、文献「Raff, M.E. (1993) Curr. Opinion Biotech. 4: 573-576」、「Trill J.J. et al. (1995) Curr. Opinion Biotech 6: 553-560」を参照されたい。夫々の文献は、開示目的として参照されることによって、本明細書に組み込まれるものとする。] [0106] 幾つかの実施形態において、哺乳動物の発現系が用いられる。幾つかの実施形態において、保有動物の発現系は、ジヒドロ葉酸還元酵素(「dhfr−」)チャイニーズハムスター卵巣細胞である。幾つかの実施形態において、dhfr−CHO細胞は、所望のヒト化抗体をコードする遺伝子とともに、機能的DHFR遺伝子を含む発現ベクターでトランスフェクトする。] [0107] 幾つかの実施形態において、DNAは、任意の適切な方法によって形質転換する。真核細胞に関して、任意の技術は、例えば、リン酸カルシウム形質転換、DEAEデキストラン、電気穿孔法、レトロウィルス又は他のウィルス、例えば、ワクシニア、又は、例えば、昆虫細胞用のバキュロウィルスなどを用いるリポソーム媒介性トランスフェクション及び形質導入を含む。バクテリア細胞に関して、適切な技術は、例えば、塩化カルシウムの形質転換、電気穿孔法、及び、バクテリオファージを用いるトランスフェクションを含む。] [0108] 幾つかの実施形態において、抗体又はその抗原結合フラグメントをコードするDNA配列は、クローン化するよりも合成して用意される。幾つかの実施形態において、DNA配列は、抗体又は抗原結合フラグメントアミノ酸配列に適切なコドンで設計される。一般的に、配列が発現に用いられる場合、所望の宿主に対して好適なコドンが選択される。幾つかの実施形態において、完全な配列は、標準的な手法によって用意された重複しているオリゴヌクレオチドから構築され、完全なコード配列を構築する。例えば、文献「Edge, Nature, 292:756 (1981); Nambair et al., Science, 223:129 (1984)」、「Jay et al., J. Biol. Chem., 259:6311 (1984)」を参照されたい。文献の各々は、開示目的で参照されることによって本明細書に組み込まれるものとする。] [0109] 株化細胞 特定の実施形態において、ヒトCD74に加えて、組み換えヒトCXCR4を発現する株化細胞が本明細書で開示される。幾つかの実施形態において、ヒトCD74に加えて、組み換えヒトCXCR4を発現する株化細胞は、ヒト株化細胞である(例えば、HEK293)。幾つかの実施形態において、ヒトCD74に加えて、組み換えヒトCXCR4を発現する株化細胞は、非ヒト株化細胞である(例えば、CHO)。] [0110] 炎症 幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、MIF媒介性疾患を処置する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、炎症を処置する(例えば、急性又は慢性)。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、(部分的又は全体的のいずれかで)感染症に由来する炎症を処置する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、(部分的又は全体的のいずれかで)組織への損傷(例えば、火傷、凍傷、細胞毒性薬への暴露、又は、外傷による)に由来する炎症を処置する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、(部分的又は全体的のいずれかで)自己免疫障害に由来する炎症を処置する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、(部分的又は全体的のいずれかで)異物の存在(例えば、破片)に由来する炎症を処置する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、毒素及び/又は化学性刺激物の暴露に由来する炎症を処置する。] [0111] 本明細書で用いられているように、「急性炎症」とは、数分から数時間のうちに発症することで特徴付けられる炎症のことを言い、ひとたび刺激が取り除かれると治まる(例えば、感染病原体は、免疫応答又は処置薬の投与によって死滅し、異物が免疫応答又は抽出によって取り除かれるか、又は、損傷した組織が治癒した)。短時間の急性炎症は、半減期の短いほとんどの炎症性メディエーターに由来する。] [0112] 特定の例において、急性炎症は、白血球活性化(例えば、樹状細胞、内皮細胞、及び、マスト細胞)から始まる。特定の例において、白血球は炎症性メディエーター(例えば、ヒスタミン、プロテオグリカン、セリンプロテアーゼ、エイコサノイド、及び、サイトカイン)を放出する。特定の例において、炎症性メディエーターは、(部分的又は全体的のいずれかで)炎症に関連する症状をもたらすことになる。例えば、特定の例において、炎症性メディエーターは、後毛細管細静脈を拡張させるとともに、血管透過性を増加させる。特定の例において、血管拡張の後に続く血流の増加は(部分的又は全体的のいずれかで)発赤及び熱をもたらす。特定の例において、血管の増加した透過性は、浮腫の原因となる組織への血漿の滲出をもたらすことになる。特定の例において、後者は、白血球が走化性勾配に沿って炎症刺激物の部位へ遊走することを可能にする。さらに、特定の例において、血管に対する構造的な変化(例えば、毛細管及び細静脈)が起こる。特定の例において、構造変化は、(部分的又は全体的のいずれで)単球及び/又はマクロファージによって誘発される。特定の例において、構造変化は、血管リモデリング、及び、血管形成を含むが、これらに限定されない。特定の例において、血管形成は、増加した白血球の輸送が可能となることによって、慢性的な炎症の維持に関与する。さらに、 特定の例において、ヒスタミン及びブラジキニンは、かゆみ及び/又は疼痛の原因となる神経終末を刺激する。] [0113] 特定の例において、慢性的な炎症は、持続性の刺激物(例えば、持続性の急性炎症、バクテリア感染症(例えば、結核菌による)、化学薬品(例えば、シリカ、又は、タバコの煙)への長期的な暴露、及び、自己免疫反応(例えば、関節リウマチ))の存在に由来する。特定の例において、持続性の刺激物は、絶え間ない炎症(例えば、単球の絶え間ない動員、及び、マクロファージの増殖による)をもたらすことになる。特定の例において、絶え間ない炎症は、さらに組織を損傷し、この組織損傷は単核細胞のさらなる動員をもたらすことで、炎症を維持するとともに悪化させる。特定の例において、炎症に対する生理的反応は、血管形成及び線維症をさらに含む。] [0114] 幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、炎症に関連する疾患(すなわち、炎症性疾患)を処置する。炎症性疾患は、アテローム性動脈硬化;腹部大動脈瘤;急性散在性脳脊髄炎;もやもや病;高安病;急性冠症候群;心臓同種移植片血管障害;肺炎症;急性呼吸促迫症候群;肺線維症;アジソン病;強直性脊椎炎;抗リン脂質抗体症候群;自己免疫性溶血性貧血;自己免疫性肝炎;自己免疫性内耳疾患;水疱性類天疱瘡;シャーガス病;慢性閉塞性肺疾患;セリアック病;皮膚筋炎;1型糖尿病;2型糖尿病;子宮内膜症;グッドパスチャー症候群;グレーブス病;ギラン・バレー症候群;橋本病;特発性血小板減少性紫斑病;間質性膀胱炎;全身性エリテマトーデス(SLE);メタボリックシンドローム;多発性硬化症;重症筋無力症;心筋炎,ナルコレプシー;肥満症;尋常性天疱瘡;悪性貧血;多発性筋炎;原発性胆汁性肝硬変;関節リウマチ;統合失調症;強皮症;シェーグレン症候群;血管炎;白斑;ウェゲナー肉芽腫症;アレルギー性鼻炎;前立腺癌;非小細胞肺癌;卵巣癌;乳癌;黒色腫;胃癌;結腸直腸癌;脳癌;転移性骨疾患;膵癌;リンパ腫;鼻茸;消化器癌;潰瘍性大腸炎;クローン病;コラーゲン蓄積大腸炎;リンパ球性大腸炎;虚血性腸炎;空置大腸炎;ベーチェット病;感染性腸炎;分類不能大腸炎;炎症性肝疾患、エンドトキシン・ショック、敗血症性ショック、リウマチ性脊椎炎、強直性脊椎炎、痛風性関節炎、リウマチ性多発筋痛症、アルツハイマー病、パーキンソン病、てんかん、エイズ認知症、喘息、成人呼吸窮迫症候群、気管支炎、嚢胞性線維症、急性白血球媒介性肺損傷、遠位直腸炎、ウェゲナー肉芽腫症、線維筋痛症、気管支炎、嚢胞性線維症、ブドウ膜炎、結膜炎、乾癬、湿疹、皮膚炎、平滑筋増殖性疾患、髄膜炎、帯状疱疹、脳炎、腎炎、結核、網膜炎、アトピー性皮膚炎、膵炎、歯周歯肉炎、凝固壊死、液化壊死、フィブリノイド壊死、新生内膜過形成、心筋梗塞;脳卒中;移植臓器拒絶反応;又は、これらの組み合わせを含むが、これらに限定されるわけではない。] [0115] アテローム性動脈硬化 幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、アテローム性動脈硬化を処置する。本明細書で用いられるように、「アテローム性動脈硬化」とは、動脈壁の炎症を意味し、アテローム発生(例えば、脂質沈着、内膜中膜厚化(intima-media thickening)、及び、単球による内膜下浸潤(subintimal infiltration))の全段階、及び、全ての動脈硬化病変(例えば、I型病変からVIII型病変まで)を含む。特定の例において、アテローム性動脈硬化は、マクロファージの蓄積に(一部又は全て)由来する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、マクロファージの蓄積を防ぎ、蓄積したマクロファージの数を減らし、及び/又は、マクロファージが蓄積する速度を低下させる。特定の例において、アテローム性動脈硬化は、酸化LDLの存在に(一部又は全て)由来する。特定の例において、酸化LDLは、動脈壁に損傷を与える。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、動脈壁への酸化LDL−誘発性損傷を防ぎ、酸化LDLによって損傷を受ける動脈壁部分を減少させ、動脈壁への損傷の重症度を軽減する、及び/又は、動脈壁が酸化LDLによって損傷を受ける速度を低下させる。特定の例において、単球は、損傷を受けた動脈壁に反応する(すなわち、走化性勾配を伴う)。特定の例において、単球はマクロファージを分化させる。特定の例において、マクロファージは、酸化LDLを取り込む(取り込まれたLDLを有するマクロファージ等の細胞は、「泡沫細胞」と呼ばれる)。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、泡沫細胞の形成を防ぎ、泡沫細胞の数を減少させ、及び/又は、泡沫細胞が形成される速度を低下させる。特定の例において、泡沫細胞は死んだ後に破裂する。特定の例において、泡沫細胞の破裂は、酸化コレステロールを動脈壁へ堆積させる。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、動脈壁へ堆積した酸化コレステロールの沈着を防ぎ、動脈壁へ堆積した酸化コレステロールの数を減少させ、及び/又は、酸化コレステロールが動脈壁に堆積する速度を低下させる。特定の例において、動脈壁には、酸化LDLにより引き起こされた損傷によって炎症が生じる。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、動脈壁の炎症を防ぎ、炎症を起こす動脈壁部分を減少させ、及び/又は、炎症の重症度を軽減する。特定の例において、動脈壁の炎症は、マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)−2、CD40リガンド、及び、腫瘍壊死因子(TNF)−α(一部又は全体のいずれか)の発現をもたらすことになる。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)−2、CD40リガンド、及び、腫瘍壊死因子 (TNF)−αの発現を防ぎ、又は、発現したマトリクスメタロプロテイナーゼ (MMP)−2、CD40リガンド、及び、腫瘍壊死因子 (TNF)−αの量を減少させる。特定の例において、炎症面積上を覆う硬質の覆いを形成する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、硬質の覆いの形成を防ぎ、硬質の覆いによって影響を受ける動脈壁部分を減少させ、及び/又は、硬質の覆いが形成される速度を低下させる。特定の例において、細胞の覆いは動脈を狭窄する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、動脈狭窄を防ぎ、動脈が狭窄する部分を減少させ、狭窄の重症度を軽減し、及び/又は、動脈が狭窄する速度を低下させる。] [0116] 特定の例において、動脈硬化性プラークは、(一部又は全て)狭窄症(すなわち、血管の狭窄)をもたらす。特定の例において、狭窄症は、(一部又は全て)血流の減少をもたらす。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、狭窄症及び/又は再狭窄症を処置する。特定の例において、経皮的インターベンション(例えば、バルーン血管形成術又はステント挿入)による狭窄症の動脈硬化病変の機械的損傷は、新生内膜過形成の発症を誘発する。特定の例において、血管壁の急性損傷は、血管内壁中のSMCのアポトーシスだけでなく、急性の内皮露出及び血小板粘着を誘発する。特定の例において、損傷に反応して内膜層内で表現型の独特なSMCが蓄積することは、動脈血管壁の統合性を回復させるが、その後、血管の進行性狭窄を招くことになる。特定の例において、単球の動員は、さらなる持続性及び慢性の炎症反応を引き起こす。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び組成物は、表現型の独特なSMCの内膜層内での蓄積を抑制する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び組成物は、バルーン血管形成術又はステント挿入によって処置される個体において、表現型の独特なSMCの内膜層内での蓄積を抑制する。] [0117] 特定の例において、動脈硬化性プラークの破裂は、組織に対する梗塞(例えば、心筋梗塞又は脳卒中)を(一部又は全て)もたらす。特定の例において、心筋のMIF発現は、急性の心筋虚血障害の後に、生存している心筋細胞及びマクロファージにおいて上方制御される。特定の例において、低酸素症及び酸化ストレスは、異型タンパク質キナーゼC−依存性排出メカニズムを介して、心筋細胞からMIFの分泌を誘発するとともに、細胞外シグナル制御キナーゼの活性化をもたらす。特定の例において、MIFの血清中濃度の増加は、急性心筋梗塞を有する個体で検知される。特定の例において、MIFは、梗塞領域のマクロファージ蓄積、及び、梗塞の間の筋細胞誘発性損傷の炎症性を促進する役割に関与する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、梗塞を処置する。特定の例において、再灌流傷害は梗塞を伴う。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、再灌流傷害を処置する。] [0118] 幾つかの実施形態において、本明細書で開示される抗体は、動脈硬化性プラークを識別及び/又は位置づけるために投与される。幾つかの実施形態において、抗体は、画像化のために標識される。幾つかの実施形態において、抗体は、医療画像のために標識化される。幾つかの実施形態において、抗体は、放射線画像(radio-imaging)、PET画像、MRI画像、及び、蛍光画像のために標識化される。幾つかの実施形態において、抗体は、高濃度のMIFを伴う循環器系部分に局在化させる。幾つかの実施形態において、高濃度MIFを伴う循環器系部分は、動脈硬化性プラークである。幾つかの実施形態において、標識抗体は、任意の適切な方法(例えば、ガンマカメラ、MRI、PETスキャナー、X線コンピュータ断層撮影(CT)、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)、及び、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)を用いることによって)によって検知される。] [0119] 腹部大動脈瘤 特定の例において、動脈硬化性プラークは、(一部又は全て)動脈瘤の発症をもたらす。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、動脈瘤を処置するために投与される。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、腹部大動脈瘤(「AAA」)を処置するために投与される。本明細書で用いられるように、「腹部大動脈瘤」は、通常の動脈直径よりも少なくとも50%増加していることで特徴付けられる、腹部大動脈の限局性の拡張である。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、腹部大動脈の拡張を減少させる。] [0120] 特定の例において、腹部大動脈瘤は、(一部又は全て)構造タンパク質(例えば、エラスチン及びコラーゲン)の分解に由来する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、一部又は全て、構造タンパク質(例えば、エラスチン及びコラーゲン)の分解を抑制する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、構造タンパク質(例えば、エラスチン及びコラーゲン)の再生を促進する。特定の例において、構造タンパク質の分解は、活性化MMPによって引き起こされる。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、一部又は全て、MMPの活性化を抑制する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される組成物及び/又は方法は、MMP−1、MMP−9、又は、MMP−12の上方制御を抑制する。特定の例において、MMPは、白血球(例えば、マクロファージ及び好中球)による腹部大動脈部分の浸潤を伴って活性化される。] [0121] 幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、白血球の浸潤を低下させる。特定の例において、MIFは初期の腹部大動脈瘤で上方制御される。特定の例において、白血球は、AAA(例えば、動脈硬化性プラーク、感染症、嚢胞性中膜壊死、動脈炎、外傷、偽の動脈瘤を生成する吻合破壊の影響を受けた大動脈部分)の発症に影響を受けやすい腹部大動脈部分へのMIF勾配を伴う。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、一部又は全て、MIFの活動を抑制する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、一部又は全て、マクロファージ及び好中球に対してケモカインとして機能するMIFの能力を抑制する。] [0122] 幾つかの実施形態において、本明細書で開示される抗体は、それを必要としている個体のAAAを同定する及び/又は位置づけるために投与される。幾つかの実施形態において、それを必要としている個体は、AAAを発症させる1以上の危険因子を示している(例えば、年齢が60歳以上;男性;喫煙;高血圧;高血清コレステロール;糖尿病;アテローム性動脈硬化)。幾つかの実施形態において、抗体は、画像化のために標識化される。幾つかの実施形態において、抗体は、医療画像のために標識化される。幾つかの実施形態において、抗体は、放射線画像(radio-imaging)、PET画像、MRI画像、及び、蛍光画像のために標識化される。幾つかの実施形態において、抗体は、高濃度MIFを伴う循環器系部分に局在化する。幾つかの実施形態において、高濃度MIFを伴う循環器系部分は、AAAである。幾つかの実施形態において、標識化された抗体は、任意の適切な方法(例えば、ガンマカメラ、MRI、PETスキャナー、X線コンピュータ断層撮影(CT)、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)、及び、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)を用いることによって)によって検知される。] [0123] 様々な障害 幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、T細胞媒介性自己免疫障害を処置する。特定の例において、T細胞媒介性自己免疫障害は、それ自体に対するT細胞媒介性免疫応答によって特徴づけられる(例えば、天然細胞及び組織)。T細胞媒介性自己免疫障害の例としては、大腸炎、多発性硬化症、関節炎、関節リウマチ、変形性関節症、若年性関節炎、乾癬性関節炎、急性膵炎、慢性膵炎、糖尿病、インスリン依存性糖尿病(IDDM又はI型糖尿病)、膵島炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、自己免疫性溶血性貧血症候群(autoimmune hemolytic syndromes)、自己免疫性肝炎、自己免疫性神経障害、自己免疫性卵巣不全(autoimmune ovarian failure)、自己免疫性精巣炎、自己免疫性血小板減少症、反応性関節炎、強直性脊椎炎、シリコーン・インプラントに関連した自己免疫性疾患、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス(SLE)、血管炎症候群(例えば、巨細胞性動脈炎、ベーチェット病&ウェゲナー肉芽腫症)、白斑、自己免疫性疾患の第2の血液学的兆候(例えば、貧血)、薬物誘発性自己免疫、橋本甲状腺炎、下垂体炎、突発性血小板減少性紫斑病、金属誘発性自己免疫、重症筋無力症、天疱瘡、自己免疫性聴覚消失(例えば、メニエール病)、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、HIV関連性自己免疫症候群、及び、ギラン−バレー症候群が挙げられるが、これらに限定されない。] [0124] 幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、疼痛を処置する。疼痛には、急性疼痛、急性の炎症性疼痛、慢性の炎症性疼痛、及び、神経因性疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。] [0125] 幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、過敏症を処置する。本明細書で用いられるように、「過敏症」とは、好ましくない免疫系反応のことを言う。過敏症は、4つの分類に分けられる。I型過敏症は、アレルギー(例えば、アトピー、アナフィラキシー、又は、喘息)を含む。II型過敏症は、細胞傷害性/抗体媒介性(例えば、自己免疫性溶血性貧血、血小板減少症、胎児赤芽球症、又は、グッドパスチャー症候群)である。III型過敏症は、免疫複合体病(例えば、血清病、アルサス反応、又は、SLE)である。IV型過敏症は、遅発性過敏症(DTH)、細胞性免疫記憶応答、及び、抗体非依存性(例えば、接触性皮膚炎、ツベルクリン反応検査、又は、慢性的な移植拒絶反応)である。] [0126] 本明細書で用いられるように、「アレルギー」とは、IgEによる肥満細胞及び好塩基球の過剰な活性化によって特徴づけられる疾患である。特定の例において、IgEによる肥満細胞及び好塩基球の過剰な活性化は、(部分的又は全体のいずれか)炎症反応をもたらす。特定の例において、この炎症反応は、局所的である。特定の例において、炎症反応は、気道狭窄をもたらす(すなわち、気管支収縮)。特定の例において、炎症反応は、鼻の炎症をもたらす(すなわち、鼻炎)。特定の例において、炎症反応は、全身性である(すなわち、アナフィラキシー)。] [0127] 幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、血管形成を処置する。本明細書で用いられるように、「血管形成」は、新しい血管の形成のことを言う。特定の例において、血管形成は慢性炎症を伴って生じる。特定の例において、血管形成は、単球及び/又はマクロファージによって誘発される。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法及び/又は組成物は、血管形成を抑制する。特定の例において、MIFは、内皮前駆細胞で発現される。特定の例において、MIFは、腫瘍関連の新生脈管構造において発現される。] [0128] 幾つかの実施形態において、本発明は、腫瘍形成を処置する方法を備える。特定の例において、腫瘍細胞は炎症反応を誘発する。特定の例において、腫瘍細胞に対する炎症反応の一部は血管形成である。特定の例において、血管形成は、腫瘍形成の発症を促進する。幾つかの実施形態において、腫瘍形成は、血管肉腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、及び、他の肉腫、乳癌、盲腸癌、結腸癌、肺癌、卵巣癌、咽頭癌、直腸S状部癌、膵癌、腎癌、子宮内膜癌、胃癌、肝癌、頭頸部癌、乳癌、及び、他の癌、ホジキンリンパ腫及び他のリンパ腫、悪性黒色腫又は他の黒色腫、耳下腺腫瘍、慢性リンパ性白血病及び他の白血病、星状細胞腫、神経膠腫、血管腫、網膜芽細胞腫、神経芽細胞腫、聴神経腫瘍、神経線維腫、トラコーマ、及び、化膿性肉芽腫である。] [0129] 幾つかの実施形態において、本明細書で開示される、血管新生を促進する方法は、MIF又はMIFアナログを前記個体に投与する工程を備える。] [0130] 本明細書で用いられるように、「敗血症」とは、全身炎症によって特徴づけられる疾患である。特定の例において、MIFの発現及び活性を抑制することは、敗血症にかかった個体の生存率を高める。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、敗血症を処置する。特定の例において、敗血症は、(部分的又は全体のいずれか)心筋機能不全(例えば、心筋機能不全)をもたらす。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、敗血症由来の心筋機能不全を処置する(例えば、心筋機能不全)。] [0131] 特定の例において、MIFは、心臓におけるキナーゼ活性化及びリン酸化(すなわち、心機能低下の指標)を誘発する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、敗血症由来の心筋機能不全(例えば、心筋機能不全)を処置する。] [0132] 特定の例において、LPSは、MIFの発現を誘発する。特定の例において、MIFは、敗血症の間にエンドトキシンによって誘発され、心筋の炎症反応、心筋細胞のアポトーシス、及び、心機能不全の開始因子として機能する(図8)。] 図8 [0133] 幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、エンドトキシン暴露に由来する心筋の炎症反応を抑制する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、エンドトキシン暴露に由来する心筋細胞のアポトーシスを抑制する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、エンドトキシン暴露に由来する心機能不全を抑制する。] [0134] 特定の例において、MIFの抑制は、(部分的又は全体のいずれか)生存因子(例えば、Bcl−2、Bax、及び、phospho−Akt)の著しい増加をもたらすとともに、心筋細胞の生存及び心筋機能の改善をもたらす。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び組成物は、Bcl−2、Bax、又は、phospho−Aktの発現を増加させる。] [0135] 特定の例において、MIFは、火傷に関連する組織損傷又は主要な組織損傷後の遅発型及び遅延性の心機能低下を媒介する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、火傷後の遅延性の心機能低下を処置する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、主要な組織損傷後の遅延性の心機能低下を処置する。] [0136] 特定の例において、MIFは、敗血症の間、肺から放出される。] [0137] 特定の例において、MIFの抗体中和は、自己免疫性心筋炎の発症を抑制するとともに、自己免疫性心筋炎の重症度を軽減する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び/又は組成物は、自己免疫性心筋炎を処置する。] [0138] 併用 特定の実施形態において、心血管系の疾患を調節するために本明細書で開示される方法及び医薬組成物は、(i)MIFのCXCR2及びCXCR4との結合、及び/又は、(ii)CXCR2及びCXCR4のMIF活性化、(iii)ホモ多量体を形成するMIFの能力、又は、これらの組み合わせを抑制する(a)抗体と、(b)第2の活性薬剤との相乗的な組み合わせを備える。] [0139] 特定の実施形態において、心血管系の疾患を調節するために本明細書で開示される方法及び医薬組成物は、(i)MIFのCXCR2及びCXCR4との結合、及び/又は、(ii)CXCR2及びCXCR4のMIF活性化、(iii)ホモ多量体を形成するMIFの能力、又は、これらの組み合わせを抑制する(a)抗体と、(b)その1つの要素が炎症である疾患を治療する薬剤から選択される第2の活性薬剤との相乗的な組み合わせを備える。] [0140] 特定の実施形態において、心血管系の疾患を調節するために本明細書で開示される方法及び医薬組成物は、(i)MIFのCXCR2及びCXCR4との結合、及び/又は、(ii)CXCR2及びCXCR4のMIF活性化、(iii)ホモ多量体を形成するMIFの能力、又は、これらの組み合わせを抑制する(a)抗体と、(b)その副作用が好ましくない炎症である薬剤から選択される第2の活性薬剤との相乗的な組み合わせを備える。特定の例において、スタチン(例えば、アトルバスタチン、ロバスタチン、及び、シンバスタチン)は炎症を誘発する。特定の例において、スタチンの投与は、(一部又は全て)筋炎をもたらす。] [0141] 本明細書で用いられるように、「医薬組成物」、「追加治療を実施する」、「追加治療薬を投与する」などの用語は、1以上の活性成分の混合又は併用に由来する薬物療法のことを言い、活性成分の定型的な及び非定型的な併用の双方を含む。「定型的な併用」との用語は、本明細書に記載の薬剤の少なくとも1つ、及び、少なくとも1つの助剤(co-agent)の双方が、単一体又は単一容量の形状で同時に個体に投与されることを意味する。「非定型的な併用」とは、本明細書に記載の薬剤の少なくとも1つ、及び、少なくとも1つの助剤(co-agent)の双方が、別々の存在として、同時に、併用して、又は、中断期間をおいて別々に、個体に投与されることを意味し、このような投与は、個体の身体において、効果的なレベルの2つ以上の薬剤を提供する。幾つかの例において、助剤は、一度又は一定期間投与され、その後、薬剤が一度又は一定期間投与される。他の例において、助剤は、一定期間投与され、その後、助剤と薬剤の双方の投与を含む治療が実施される。さらに他の実施形態において、薬剤は、一度又は一定期間投与され、その後、助剤が、一度又は一定期間投与される。このような投与は、同様に、例えば、3つ以上の活性成分の投与などのカクテル療法にも応用される。] [0142] 本明細書で用いられるように、「同時投与」、「併用投与」という用語、及び、文法上等しい言葉は、選択された治療薬の単一個体への投与を包含することを意味するとともに、同一の又は異なる投与経路によって、あるいは、同一の又は異なる時間で、薬剤が投与される処置レジメを含むよう意図されている。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の薬剤は、他の薬剤とともに同時投与される。このような用語は、薬剤及び/又はその代謝物が同時に動物内に存在するように、2つ以上の薬剤の動物への投与を包含する。このような用語は、別々の組成物における同時投与、別々の組成物における異なる時間での投与、及び/又は、両方の薬剤が存在する組成物における投与を含む。したがって、幾つかの実施形態において、本明細書に記載の薬剤、及び、他の薬剤は、単一組成物で投与される。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の薬剤、及び、他の薬剤は、組成物において混合される。] [0143] 併用処置又は予防法が検討される場合、本明細書に記載の薬剤が併用の特別な性質によって限定されることを意図したものではない。例えば、本明細書に記載の薬剤は、化学混成物(chemical hybrids)だけでなく、単一の混合物として併用して任意で投与される。後者の一例は、標的の担体又は活性医薬品(an active pharmaceutical)と共役結合する薬剤である。共役結合は、市販の架橋剤の使用などの多くの手法で達成可能であるが、これに限定されない。さらに、併用処置は、任意で別々に又は同時に実施される。] [0144] 幾つかの実施形態において、(a)本明細書で開示される抗体と、(b)第2の活性薬剤との同時投与により、医療専門家が、炎症性疾患薬の規定の用量を増やすことが(一部又は全て)可能となる。特定の例において、スタチン−誘発性筋炎は、用量依存性である。幾つかの実施形態において、活性薬剤を処方することにより、医療専門家がスタチンの規定の用量を増やすことが(一部又は全て)可能となる。] [0145] 幾つかの実施形態において、(a)抗体と、(b)第2の活性薬剤の同時投与により、(一部又は全て)医療専門家が、第2活性薬剤を処方することが可能となる(すなわち、同時投与が炎症性疾患薬を助ける)。] [0146] 幾つかの実施形態において、第2の活性薬剤は、間接的な手段(例えば、CETP抑制)によってHDLレベルを標的とする活性薬剤である。幾つかの実施形態において、非選択的なHDL療法を、本明細書で開示される抗体、(2)RANTES及び血小板第4因子との間の相互作用の修飾薬、又は、(3)これらの組み合わせ、と併用することによって、間接的な手段によりHDLレベルを標的とする第2の活性薬剤を、さらに効果的な治療へと変換させる。] [0147] 幾つかの実施形態において、第2の活性薬剤は、炎症の修飾薬の前後、又は同時に、投与される。] [0148] 薬物療法 幾つかの実施形態において、第2の活性薬剤は、ナイアシン、フィブラート系薬剤、スタチン、アポA−I模倣ペプチド(例えば、DF−4、ノバルティス社)、アポA−I転写上方制御剤、ACATインヒビター、CETP修飾剤、糖タンパク質(GP)IIb/IIIa受容体アンタゴニスト、P2Y12受容体アンタゴニスト、Lp−PLA2−インヒビター、抗TNF剤、IL−1受容体アンタゴニスト、IL−2受容体アンタゴニスト、細胞毒性薬剤、免疫調節剤、抗生物質、T細胞共刺激遮断薬、障害を改善する抗リウマチ薬、B細胞除去剤、免疫抑制剤、抗リンパ球抗体、アルキル化剤、抗代謝産物、植物性アルカロイド、テルペノイド、トポイソメラーゼインヒビター、抗腫瘍抗生物質、モノクローナル抗体、ホルモン療法(例えば、アロマターゼ阻害薬)、又は、これらの組み合わせである。]
权利要求:
請求項1 MIF媒介性疾患を処置する方法であって、前記方法は、処置上効果的な量の抗体を、それを必要とする個体に投与する工程を備え、前記抗体は、(i)MIFのCXCR2及び/又はCXCR4との結合、(ii)CXCR2及び/又はCXCR4のMIF活性化、(iii)ホモ多量体を形成するMIFの能力、(iv)MIFのCD74との結合、又は、これらの組み合わせを抑制することを特徴とする方法。 請求項2 前記抗体が、MIFのN−ループモチーフの全て又は一部と、特異的に結合するか、又は、競合することを特徴とする請求項1記載の方法。 請求項3 前記抗体が、MIFの偽ELR及びN−ループモチーフの全て又は一部と、特異的に結合することを特徴とする請求項1記載の方法。 請求項4 前記抗体が、抗CXCR2抗体、抗CXCR4抗体、抗MIF抗体、MIFのN−ループモチーフの全て又は一部と特異的に結合する抗体、偽ELRモチーフ及びN−ループモチーフの全て又は一部と特異的に結合する抗体、MIFとCXCR2の結合を抑制する抗体、MIFとCXCR4の結合を抑制する抗体、及び、MIFとJAB−1の結合を抑制する抗体、MIFとCD74の結合を抑制する抗体、以下のペプチド配列、DQLMAFGGSSEPCALCSLの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する抗体、以下のペプチド配列、PRASVPDGFLSELTQQLAQATGKPPQYIAVHVVPDQLMAFGGSSEPCALCSLの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する抗体、以下のペプチド配列、FGGSSEPCALCSLHSIの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する抗体、又は、これらの組み合わせ、から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。 請求項5 前記抗体が、抗CXCR4抗体701、708、716、717、718、12G5、及び、4G10;抗MIF抗体IID.9、IIID.9、XIF7、I31、IV2.2、XI17、XIV14.3、XII15.6、及び、XIV15.4;又は、これらの組み合わせから選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。 請求項6 マクロファージの泡沫細胞への転換が、本明細書に開示される抗体の投与を受けて抑制されることを特徴とする請求項1記載の方法。 請求項7 心筋細胞のアポトーシスが、本明細書に開示される抗体の投与を受けて抑制されることを特徴とする請求項1記載の方法。 請求項8 浸潤マクロファージのアポトーシスが、本明細書に開示される抗体の投与を受けて抑制されることを特徴とする請求項1記載の方法。 請求項9 腹部大動脈瘤の形成が、本明細書に開示される抗体の投与を受けて抑制されることを特徴とする請求項1記載の方法。 請求項10 腹部大動脈瘤の直径が、本明細書に開示される抗体の投与を受けて減少することを特徴とする請求項1記載の方法。 請求項11 動脈瘤中の構造タンパク質が、本明細書に開示される抗体の投与を受けて再発生することを特徴とする請求項1記載の方法。 請求項12 第2の活性薬剤を同時投与する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の方法。 請求項13 ナイアシン、フィブラート、スタチン、アポA−Iペプチド模倣薬(例えば、DF−4、ノバルティス社)、アポA−I転写上方制御剤、ACATインヒビター、CETP修飾剤、糖タンパク質(GP)IIb/IIIa受容体アンタゴニスト、P2Y12受容体アンタゴニスト、Lp−PLA2−インヒビター、抗TNF剤、IL−1受容体アンタゴニスト、IL−2受容体アンタゴニスト、細胞毒性薬剤、免疫調節剤、抗生物質、T細胞共刺激遮断薬、障害を改善する抗リウマチ薬、B細胞除去剤、免疫抑制剤、抗リンパ球抗体、アルキル化剤、抗代謝産物、植物性アルカロイド、テルペノイド、トポイソメラーゼインヒビター、抗腫瘍抗生物質、モノクローナル抗体、ホルモン療法、又は、これらの組み合わせを同時投与する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の方法。 請求項14 前記疾患が、アテローム性動脈硬化、腹部大動脈瘤、急性散在性脳脊髄炎、もやもや病、高安病、急性冠症候群、心臓同種移植片血管障害、肺炎症、急性呼吸促迫症候群、肺線維症、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン質抗体症候群、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、水疱性類天疱瘡、シャーガス病、慢性閉塞性肺疾患、セリアック病、皮膚筋炎、1型糖尿病、2型糖尿病、子宮内膜症、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、間質性膀胱炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、メタボリックシンドローム、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋炎、ナルコレプシー、肥満症、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、関節リウマチ、統合失調症、強皮症、シェーグレン症候群、血管炎、白斑、ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性鼻炎、前立腺癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、乳癌、黒色腫、胃癌、結腸直腸癌、脳癌、転移性骨疾患、膵癌、リンパ腫、鼻茸、消化器癌、潰瘍性大腸炎、クローン病、コラーゲン蓄積大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性大腸炎、空置大腸炎、ベーチェット病、感染性腸炎、分類不能大腸炎、炎症性肝疾患、エンドトキシン・ショック、敗血症性ショック、リウマチ性脊椎炎、強直性脊椎炎、痛風性関節炎、リウマチ性多発筋痛症、アルツハイマー病、パーキンソン病、てんかん、エイズ認知症、喘息、成人呼吸窮迫症候群、気管支炎、嚢胞性線維症、急性白血球媒介性肺損傷、遠位直腸炎、ウェゲナー肉芽腫症、線維筋痛症、気管支炎、ブドウ膜炎、結膜炎、乾癬、湿疹、皮膚炎、平滑筋増殖性疾患、髄膜炎、帯状疱疹、脳炎、腎炎、結核、網膜炎、アトピー性皮膚炎、膵炎、歯周歯肉炎、凝固壊死、液化壊死、フィブリノイド壊死、新生内膜過形成、心筋梗塞、脳卒中、移植臓器拒絶反応、又は、これらの組み合わせであることを特徴とする請求項1記載の方法。 請求項15 MIF媒介性疾患を処置するための医薬組成物であって、前記医薬組成物が、(i)MIFのCXCR2及びCXCR4との結合、及び/又は、(ii)CXCR2及びCXCR4のMIF活性化、(iii)ホモ多量体を形成するMIFの能力、又は、これらの組み合わせを抑制する抗体を備えることを特徴とする医薬組成物。 請求項16 前記抗体が、MIFのN−ループモチーフの全て又は一部と特異的に結合することを特徴とする請求項15記載の組成物。 請求項17 前記抗体が、MIFの偽ELR及びN−ループモチーフの全て又は一部と特異的に結合することを特徴とする請求項15記載の組成物。 請求項18 前記抗体は、抗CXCR2抗体、抗CXCR4抗体、抗MIF抗体、MIFのN−ループモチーフの全て又は一部と特異的に結合する抗体、偽ELR及びN−ループモチーフの全て又は一部と特異的に結合する抗体、MIFとCXCR2の結合を抑制する抗体、MIFとCXCR4の結合を抑制する抗体、MIFとJAB−1の結合を抑制する抗体、MIFとCD74の結合を抑制する抗体、以下のペプチド配列、DQLMAFGGSSEPCALCSLの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する抗体、以下のペプチド配列、PRASVPDGFLSELTQQLAQATGKPPQYIAVHVVPDQLMAFGGSSEPCALCSLの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する抗体、以下のペプチド配列、FGGSSEPCALCSLHSIの全て又は一部と、MIF単量体又はMIF三量体の少なくとも1つの対応する特徴/ドメインとに特異的に結合する抗体、又は、これらの組み合わせ、から選択されることを特徴とする請求項15記載の組成物。 請求項19 前記抗体が、抗CXCR4抗体701、708、716、717、718、12G5、及び、4G10;抗MIF抗体IID.9、IIID.9、XIF7、I31、IV2.2、XI17、XIV14.3、XII15.6、及び、XIV15.4;又は、これらの組み合わせ、から選択されることを特徴とする請求項15記載の組成物。 請求項20 第2の活性薬剤をさらに備えることを特徴とする請求項15記載の組成物。 請求項21 ナイアシン、フィブラート、スタチン、アポA−Iペプチド模倣薬(例えば、DF−4、ノバルティス社)、アポA−I転写上方制御剤、ACATインヒビター、CETP修飾剤、糖タンパク質(GP)IIb/IIIa受容体アンタゴニスト、P2Y12受容体アンタゴニスト、Lp−PLA2−インヒビター、抗TNF剤、IL−1受容体アンタゴニスト、IL−2受容体アンタゴニスト、細胞毒性薬剤、免疫調節剤、抗生物質、T細胞共刺激遮断薬、障害を改善する抗リウマチ薬、B細胞除去剤、免疫抑制剤、抗リンパ球抗体、アルキル化剤、抗代謝産物、植物性アルカロイド、テルペノイド、トポイソメラーゼインヒビター、抗腫瘍抗生物質、モノクローナル抗体、ホルモン療法、又は、これらの組み合わせをさらに備えることを特徴とする請求項15記載の組成物。
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