专利摘要:
デフィブロチドの効果を模倣する、種々の規定されたサイズのホスホジエステルオリゴヌクレオチドの組成物が作られた。該組成物は、40mer〜65merのNmerを含む合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチドの混合物から本質的になる。該ホスホジエステルオリゴヌクレオチドは好ましくは、それぞれの位置でA、G、C及びTのいずれかから構成されるヘテロポリマーであるが、ホモポリマー、すなわち該オリゴヌクレオチドのそれぞれの位置で同じ塩基が存在しうる、であってもよい。これらの混合物は、ガン及び他の疾患の処置において有効である。なし
公开号:JP2011515357A
申请号:JP2011500164
申请日:2009-03-13
公开日:2011-05-19
发明作者:イアコベッリ,マッシモ;サイ ステイン,アーロン
申请人:ゲンチウム エスピーエー;
IPC主号:A61K31-7088
专利说明:

[0001] 発明の分野
本発明は、40塩基長〜65塩基長の、N塩基長(Nmers)と呼ばれる合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチドの混合物に関し、特には、ガンを含む疾患を処置する為にこれらのオリゴヌクレオチドを使用することに関する。該ホスホジエステルオリゴヌクレオチドは好ましくはそれぞれの位置でA、G、C及びTのいずれかから構成されたヘテロポリマーであるが、ホモポリマー、すなわち同じ塩基が該オリゴヌクレオチドのそれぞれの位置で存在しうる、でもありうる。]
背景技術

[0002] 発明の背景
語「デフィブロチド」は、動物の及び/又は植物の組織からの及び特にはブタ又はウシの腸からの抽出により得られた一本鎖オリゴヌクレオチド(15〜80mer、平均45mer)の複合混合物をいう(米国特許第3,770,720号明細書及び米国特許第3,899,481号明細書)。デフィブロチド、これは16.5±2.5kDaの平均分子量を有する、は通常は、アルカリ金属、一般的にはナトリウムの塩の形で用いられる。それは主に、その抗血栓活性について用いられるが(米国特許第3,829,567号明細書)、それは種々の用途、例えば急性腎不全の処置(米国特許第4,694,134号明細書)及び急性心筋虚血の処置(米国特許第4,693,995号明細書)など、において用いられうる。デフィブロチドについての追加の文献が以下に引用される。]
[0003] 米国特許第5,801,109号明細書は、進行期(III及びIV期)の末梢動脈疾患を処置する為のデフィブロチドの使用を開示する。]
[0004] 米国特許第5,116,617号明細書は、デフィブロチド含有組成物を局所的に施与することを含む、ヒトにおける毛細血管を強化する方法を開示する。]
[0005] 米国特許第5,977,083号明細書は、正常マーカー、疾患マーカー及びリペアマーカーにおける観察された変動(例えば、増加、減少、出現、消失)に応答してデフィブロチドの用量を修正することにより、種々の疾患状態が処置されうることを開示する。]
[0006] 米国特許第6,046,172号明細書は、4000〜10000ダルトンの分子量を有する、動物由来のオリゴデオキシリボヌクレオチドを開示し、これはポリデオキシリボヌクレオチドの分画により又は高分子量のデオキシリボ核酸の化学的又は酵素的脱重合により得られうる。]
[0007] 米国特許第6,699,985号明細書及び米国特許第5,624,912号明細書は、HIV感染を含む種々の疾患状態を処置する為にデフィブロチドを使用する方法を開示する。]
[0008] 米国特許第7,338,777号明細書は、デフィブロチドの生物学的活性を決定する方法を開示する。]
[0009] 欧州特許出願公開第1276497号明細書は、造血性前駆細胞を結集する能力を有する少なくとも一つの造血性因子(例えばG−CSFなど)と一緒に又は時間的近傍にデフィブロチドを投与することにより、哺乳類の末梢血中の幹細胞及び前駆細胞の量を増加する方法を開示する。]
[0010] 国際公開第2005/023273号パンフレットは、デフィブロチドの抗腫瘍作用を開示する。]
[0011] 国際公開第2006/094916号パンフレットは、血管新生依存腫瘍を処置する為にデフィブロチドを使用する方法を記載する。]
[0012] 加えて、Kornblumらによる総説「Defibrotide,a Polydisperse Mixture of Single Stranded Phosphodiester Oligonucleotides with Lifesaving Activity in Severe Hepatic Veno−occlusive Disease: Clinical Outcomes and Potential Mechanisms of Action,」(Oligonucleotides,16:105−114(2006))は、デフィブロチド及び、静脈閉塞疾患(VOD)の処置におけるその使用を議論する。]
[0013] 1998年に、ボストン、マサチューセッツのDana−Farber Cancer InstituteのPaul Richardson博士が、骨髄移植後の重度の肝臓VODのための処置としてデフィブロチドの使用を開始した。該薬剤は、ほとんど毒性を伴わず、静脈内に投与され、そしてこれまでは症例の95%において致死であった疾患において、患者の約45%〜50%を治した。続く、米国及び欧州における複数施設試験は、その作用機構は未知であるが、デフィブロチドの有効性を確認した。]
[0014] 米国特許第4,985,552号明細書及び米国特許第5,223,609号明細書は、デフィブロチドの製造方法を記載し、これは、一定の且つ明確な物理化学的特徴を有し且つ望ましくない副作用のいずれもが無い製品を得られることを可能にする。]
[0015] 欧州特許出願公開第1325162号明細書は、デフィブロチドの生物学的活性を決定する為の方法を開示する。]
発明が解決しようとする課題

[0016] 数十年間、ホスホジエステルオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ消化の故に薬剤として用いられ得ないという定説があったが、この考え方は、それらの低い毒性の故にそれらが患者に投与されうる大きな量を無視している。デフィブロチドによる臨床的経験は明らかに、これらの種類の分子が、治療的有効性とともに与えられうることを示す。しかしながら、デフィブロチドが、それが天然産物であるので、同じく再生産されうるかどうかについていくつか疑問がある。それ故に、デフィブロチドと同じ効果を有するが、同一に再生産されることができるであろう組成物を開発することの当技術分野におけるニーズがある。]
課題を解決するための手段

[0017] 本発明は、約40塩基〜約65塩基、好ましくは約40塩基〜約60塩基、さらにより好ましくは約45塩基〜約60塩基、約45塩基〜約55塩基又は約50塩基〜約55塩基の長さを有する合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチドの混合物を投与することを含む、疾患又は状態を処置する方法に向けられる。]
発明の効果

[0018] 本発明は、上記で説明されたとおりの平均の長さを有する合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチドと医薬的キャリア(と任意的に医薬的に許容できる賦形剤及び/又はアジュバント)とから本質的になり、且つ、該合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチドの活性に実質的に影響する他の成分を含まない医薬組成物も包含する。]
[0019] 本発明の方法において、該オリゴヌクレオチドは、一本鎖でありうる;該オリゴヌクレオチドの配列はDNA配列及び/又はRNA配列でありうる;該オリゴヌクレオチドの配列はランダム配列でもありうる。]
[0020] 本発明の方法において、該オリゴヌクレオチドのプリン塩基はグアニン、アデニン、キサンチン及びヒポキサンチンから選ばれてよく、及び、ピリミジン塩基は、シトシン、チミン、メチルシトシン及びウラシル選ばれてよい;該オリゴヌクレオチドの糖はリボース及びデオキシリボースから選ばれうる。]
[0021] 本発明の方法において、該疾患及び状態は、静脈閉塞性疾患、血栓性血小板減少性紫斑病、腫瘍、血管新生依存性腫瘍、又は、血液抗凝固剤の使用から利益を享受する疾患又は状態でありうる;該ホスホジエステルオリゴヌクレオチドが造血前駆細胞を結集する能力を有する少なくとも一つの造血性因子と一緒に又は時間的近傍に投与されるときに、該方法は哺乳類の末梢血中において幹細胞及び前駆細胞の量を増加する為にも用いられうる。]
[0022] 本発明のこれらの局面及び他の局面は、以下の詳細な説明及び添付された図面を参照して明らかになるであろう。本明細書内の上記又は下記において引用された全ての刊行物、特許、特許出願は、それら全体を引用することにより、本明細書内に組み込まれる。]
図面の簡単な説明

[0023] C1RNH32P−OdT18のbFGFへの結合についての、デフィブロチド及びデフィブロチド分子量画分による競合を示すバンド強度を示す図である。
標準化されたバンド強度対、デフィブロチド又はデフィブロチド分子量画分濃度のlogのプロットを示す図である。
bFGFへ結合するC1RNH32P−OdT18のデフィブロチド及びデフィブロチド分子量画分およびNmer競合物についてのKc値の比較を示すチャート及び表である。
[図3A]は、オリゴデオキシヌクレオチド、C1RNH32P−OdT18、をアルキル化することによるPDGF BBの修飾を示すバンド強度を示す図である。[図3B]は、相対的バンド強度対反応性オリゴデオキシヌクレオチド濃度のプロットを示す図である。[図3C]は、図3Bにおけるデータの二重逆数プロットを示す図である。
bFGFへ結合するC1RNH32P−OdT18のデフィブロチド、デフィブロチド分子量画分およびNmer競合物についてのKc値の比較を示すチャート及び表である。
VEGFへ結合するC1RNH32P−OdT18のNmer競合物及びTmer競合物についてのKc値の比較を示すチャート及び表である。
ラミニンへ結合するC1RNH32P−OdT18のNmer競合物及びTmer競合物についてのKc値の比較を示すチャート及び表である。
ラミニンへ結合するC1RNH32P−OdT18のNmer競合物及びTmer競合物のKc値の比較を示すチャート及び表である。
bFGFにより媒介されたHMEC−1増殖のデフィブロチドによる抑制のチャートである。
bFGFの不在下における細胞増殖に対するデフィブロチドの抑制効果のチャートである。
[図9A]はbFGFにより媒介されたHMEC−1増殖のNmerによる抑制のチャートである。[図9B]は、bFGFの不在下における細胞増殖に対するNmerの抑制効果のチャートである。
部分トロンボプラスチン時間(PTT)に対するデフィブロチド及びNmerの効果を示すチャートである。
[図11A]は、HMEC−1細胞の増加する濃度のデフィブロチドへの24時間の曝露による、馴化培地へのTFPIの用量依存的放出を示すチャートである。[図11B]は、5μMデフィブロチドにより誘発された、馴化培地へのTFPI放出の時間経過を示すチャートである。[図11C]は、HMEC−1細胞の増加する濃度のデフィブロチドへの30分間の曝露による、馴化培地へのTFPIの用量依存的放出を示すチャートである。
[図12A]は、HMEC−1細胞の増加する濃度のデフィブロチド分子量画分への曝露による、馴化培地へのTFPIの用量依存的放出を示すチャートである。[図12B]は、5μMデフィブロチドにより誘発された馴化培地へのTFPI放出の時間経過を示すチャートである。
FGFR2をトランスフェクトされたC11細胞の、bFGF+ヘパリンにより刺激された増殖における、ヘパリンの代わりをするデフィブロチド及びNmerの能力を示すチャートである。] 図11A 図11B 図11C 図12A 図12B 図3A 図3B 図3C 図9A 図9B
[0024] 定義
以下の定義が、本発明のより良い理解の為に与えられる。]
[0025] ヌクレオチドは、3つの部分からなる化学的化合物である:複素環塩基、糖、及び1又は複数のホスフェート基。最も一般的なヌクレオチドにおいて、該塩基はプリン又はピリミジンの誘導体であり、そして、該糖はペントース(五炭糖)デオキシリボース又はリボースである。ヌクレオチドは、核酸のモノマー、例えばDNA又はRNAなどである。]
[0026] オリゴヌクレオチドはヌクレオチドの短い配列であり、典型的には20又はそれより少ない塩基を有する。自動化された合成装置が、最大で160〜200塩基のオリゴヌクレオチドの合成を許す。合成された塩基の長さは通常は、「mer」(ギリシャ語meros(部分)から)により表示される。例えば、25塩基のフラグメントは、25merと呼ばれるであろう。]
[0027] ホスホジエステル結合は、ホスフェート基中のリン原子と2つのエステル結合上の2つの他の分子との間の一群の強力な共有結合である。ホスホジエステル結合は、DNA及びRNAの鎖の骨格を構成する。]
[0028] DNA及びRNAは、ホスホジエステル結合により連結された糖とホスフェート基とからなる骨格を有する、ヌクレオチドと呼ばれる単純な単位の長いポリマーである。塩基と呼ばれる分子の4種類の一つが、それぞれの糖に付けられている。DNA及びRNAにおいて、該ホスホジエステル結合は、リボース糖の3’炭素原子と5’炭素の間の連結である。]
[0029] DNAはしばしば二本鎖であり、そして、通常は、2種類のプリン塩基、グアニン及びアデニン、並びに2種類のピリミジン塩基、シトシン及びチアミン、を含む。或る場合に、プリン及びピリミジン塩基は、それらの変異した形によりそれぞれ置き換えられうる:グアニン及びアデニンは、キサンチン及びヒポキサンチンにより置き換えられうる一方で、シトシンはメチルシトシンにより置き換えられうる。RNAは、DNAに非常に類似しているが、少しの重要な構造的詳細において異なる:RNAは典型的には一本鎖であり、一方でDNAは典型的には二本鎖である。また、RNAヌクレオチドはリボース糖を含む一方で、DNAはデオキシリボースを含む;さらに、RNAはDNA中に存在するチアミンの代わりにウラシルを含む。]
[0030] ランダムヌクレオチド配列は、2つの異なるプリン塩基及び2つの異なるピリミジン塩基の等しい混合物を本質的に含むヌクレオチド配列であり、ここで該配列のそれぞれの位置で、それぞれのプリン又はピリミジン塩基は、25%±5の存在確率、好ましくは25%±2の存在確率、より好ましくは25%±1の存在確率を有する。]
[0031] 本明細書において用いられるときに、語「単離された」は、言及されている物質が、それが天然に見つけられる環境から取り除かれ、及びそれが特定の試料中に存在することを確立するのに十分な程度に特徴付けられていることを意味する。そのような特徴付けは、任意の標準的技術、例えばシークエンシング、ハイブリダイゼーション、イムノアッセイ、機能的アッセイ、発現、サイズ決定又は同様のものにより達成されうる。すなわち、生物学的物質は、もしそれが細胞成分、すなわち、該物質が天然に見つけられ又は生成される細胞の成分を含まないならば、「単離された」となりうる。]
[0032] 単離されたオルガネラ、細胞、又は組織は、原料生物中に見られる解剖学的部位(細胞、組織又は生物)から取り除かれたものである。単離された物質は、精製されていてもよく又は精製されていなくてもよい。語「精製された」は、本明細書において用いられるときに、他の混入物質の存在を検出可能な程度に減少し又は排除する条件下で単離された物質(例えば、核酸分子又はタンパク質)をいう。混入物質は、該精製された物質が得られた天然物質を含んでもよく又は含まなくてもよい。精製された物質は好ましくは、約90重量%より少ない、約75重量%より少ない、約50重量%より少ない、約25重量%より少ない、約10重量%より少ない、約5重量%より少ない、又は約2重量%より少ない、それが当初に伴った他の成分を含む。]
[0033] 特に反対に示されない限り、本発明の実施は、当技術分野の技術範囲内の分子生物学、細胞生物学およびタンパク質化学の慣用の方法を採用するであろう。この多くが、説明の為に以下に記載される。そのような技術は、該文献中に十分に説明される。例えば、Sambrook, et al., “Molecular Cloning: A Laboratory Manual” (2nd Edition, 1989); “DNA Cloning: A Practical Approach, vol. I & II”;(D. Glover, ed.); “Oligonucleotide Synthesis”(N. Gait, ed., 1984); “Nucleic Acid Hybridization”(B. Hames & S. Higgins, eds., 1985); Perbal, “A Practical Guide to Molecular Cloning” (1984); Ausubel et al., “Current protocols in Molecular Biology”(New York, John Wiley and Sons, 1987); 及び Bonifacino et al., “Current Protocols in Cell Biology” (New York, John Wiley & Sons, 1999)を参照されたい。]
[0034] 語「約」は、当技術分野の当業者により決定されたときに、特定の値についての許容可能な誤差範囲内であることを意味し、これは、該値がどのように測定され又は決定されるかに、すなわち測定システムの限界に、部分的に依存するであろう。例えば、「約」は、当技術分野における実施につき、許容可能な標準偏差内を意味しうる。あるいは、「約」は、或る値の最大で±20%、好ましくは最大で±10%、より好ましくは最大で±5%、そしてより好ましくはなお最大で±1%の範囲を意味しうる。あるいは、特には生物学的システム又はプロセスに関して、該語は、値の桁の範囲内、好ましくは値の2倍の範囲内(within 2-fold)を意味しうる。特定の値が本願および請求項内において記載されるところで、他に言及されない限り、語「約」が、暗に示されており、そして、本文脈において、該特定の値についての許容可能な誤差範囲内を意味する。]
[0035] 本発明の文脈において、本明細書内において述べられる疾病状態のいずれかに関する限り、語「処置する」、「処置」及び同様のものは、そのような状態に付随する少なくとも1つの症状を防ぎ又は軽減し又は緩和することを意味し、又はそのような状態の進行を遅らせ又は逆戻りさせることを意味する。例えば、本発明の意味内において、語「処置する」は、発病(onset)を止め、遅らせる(すなわち、疾患の臨床的顕在化の前の期間)こと及び/又は疾患が発達し又は悪化するリスクを減ずることも意味する。語「守る」は、本明細書内において、対象における疾患の発達又は継続又は悪化を、必要に応じて、防ぎ、遅らせ若しくは処置し又は全てをすることを意味する。]
[0036] 句「医薬的に許容できる」は、本発明の組成物との関係で用いられるときに、哺乳類(例えばヒト)などの動物に投与されたときに、生理学的に許容でき且つ典型的には有害な反応を生成しないような組成物の分子実体及び他の成分をいう。好ましくは、本明細書において用いられるときに、語「医薬的に許容できる」は、連邦政府又は州政府の監督官庁により承認されていること、又は米国薬局方において又は哺乳類及びより特にはヒトにおける使用についての他の一般的に認められた薬局方において掲げられていることを意味する。]
[0037] 本明細書において用いられるときに、表現「合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチドの混合物」は、同じ及び/又は異なる配列を有しうる合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチドの混合物を意味する。第一の実施態様に従い、該混合物は、同じ配列を有するオリゴヌクレオチドと異なる配列を有するオリゴヌクレオチドとの両方を含んでよく、それらの場合について、異なる配列を有するそのようなオリゴヌクレオチドは同じ又は異なる長さを有しうる。第二の実施態様に従い、該混合物は、異なる配列を有するが同じ長さを有するオリゴヌクレオチドから構成されうる。]
[0038] 語「投与すること」又は「投与」は、化合物をそれが意図された作用部位に直接的に及び間接的に届けることについての全ての手段を包含することが意図される。]
[0039] 語「動物」は、哺乳類を含む任意の動物を意味し、そして特にはヒトを意味する。]
[0040] 添付された図面は、いかなる様式であっても本発明を限定することなく、本発明の好ましい実施態様をもっぱら説明する為に含まれている。]
[0041] 発明の詳細な説明]
[0042] オリゴヌクレオチド、例えばデフィブロチドなど、はヘパリンに結合するタンパク質に結合することができる。本明細書内において用いられるときに、語「ヘパリン」は、低親和性ヘパリンを意味する。天然の産物と同等の活性又は天然の産物よりも高い活性を有する合成デフィブロチドアナログが作成されることができ、そしてこれらのアナログは、ヘパリン結合性成長因子に結合するそれらの能力の故に、抗ガン活性を有する。ガン細胞に対する大きな重要性を有する3つのヘパリン結合性タンパク質は、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、血管内皮成長因子(VEGF)及びラミニンを含む;本発明の組成物は、これらのタンパク質に、ナノモルの親和性で結合することができ、しかしこの結合は配列特異的でない。]
[0043] 本組成物は、約40merから約65merの長さを有する合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチドの混合物が、デフィブロチドの特性を再現し(recapitulate)、そして、すなわち、そのような活性成分の合成代替物として用いられうるとの驚くべき発見に基づく。本発明の該オリゴヌクレオチドは好ましくは、約40〜60mer、好ましくは約45〜60merの長さを有しうる;本発明のより良い実施態様に従い、それらは約45〜55merの長さ、好ましくは約50〜55merの長さを有しうる。]
[0044] 本発明のオリゴヌクレオチドのプリン塩基は好ましくは、グアニン、アデニン、キサンチン及びヒポキサンチンから選ばれ、そして、ピリミジン塩基は、シトシン、チミン、メチルシトシン及びウラシルから選ばれる。1つの実施態様に従い、配列は、該オリゴヌクレオチド中のそれぞれの位置でそれぞれの遺伝的塩基(A、G、C及びT)の混合物から構成されるだろう;好ましくは、それらはランダム配列だろう。他の実施態様に従い、配列は、該オリゴヌクレオチドのそれぞれの位置で同じ塩基(例えばチミジン、すなわちTx)からなるだろう。さらなる実施態様に従い、本オリゴヌクレオチドの糖はリボース及びデオキシリボースから選ばれる。]
[0045] 他の実施態様に従い、本発明のオリゴヌクレオチドは、DNA配列及び/又はRNA配列から構成される。]
[0046] 好ましい実施態様に従い、本発明のオリゴヌクレオチドは一本鎖である。]
[0047] 実験の部から明らかになるであろうとおり、本発明者らは驚くべきことに、低分子量を有するデフィブロチドの画分及び、特には、40kDaより低い分子量を有するそれらが、ヘパリン結合性成長因子に結合するより低い能力を有するものであることを発見した。そのような発見はすなわち、容易に且つ同等に再現されることができ且つデフィブロチドの効果を模倣することができるオリゴヌクレオチドのはっきり定義された(well-defined)混合物の選択を許した。]
[0048] 本発明の混合物はすなわち、デフィブロチドを投与することにより処置されるだろう疾患、例えばVOD、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、腫瘍、血管新生依存性腫瘍(例えば多発性骨髄腫又は乳ガンなど)など、に苦しむ哺乳類の患者、好ましくはヒト、を処置する為に用いられうる;それらの混合物は、造血前駆細胞を動員する能力を有する少なくとも1つの造血因子と一緒に又は時間的近傍で投与されたときに、血液抗凝固剤として又は哺乳類の末梢血中の幹細胞及び前駆細胞の量を増加する為にも用いられうる。]
[0049] 本発明のオリゴヌクレオチドの混合物は、デフィブロチドと同じように投与されうる;好ましくはそれらは、水性溶液によって、注射により、好ましくは静脈注射により、投与されるだろう。そのような水性溶液は、5〜60マイクロモル/リットル、好ましくは10〜50マイクロモル/リットルのオリゴヌクレオチド濃度を有しうる。]
[0050] 本発明は、以下の非限定的な実施例を参照することにより、より良く理解されるであろう。]
[0051] 材料及び方法]
[0052] 合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチドの生成
Nmerのシリーズを作る為に、DNAシークエンシングマシーン(例えばABI又はMilliporeにより市場で一般に入手可能)が用いられた。それぞれの塩基(アデニン、シトシン、グアニン及びチミン)の等しい量(モル濃度により測定されたとき)が、該シークエンシング反応において用いられた。該マシーンは、25塩基〜200塩基のサイズの、ランダムな長さの一本鎖DNAを作ることがプログラムされ、そしてそれぞれの塩基は4つの遺伝的塩基からランダムに選ばれた。]
[0053] 細胞培養
SV40により形質転換されたHMEC−1細胞が、ジョージア州アトランタのCDCから得られた。それらは、10%熱不活性化ウシ胎仔血清(FBS)、10ng/mlのEGF、1μg/mlのヒドロコルチゾン、100U/mlのペニシリンGナトリウム及び100μg/mlのストレプトマイシンサルフェートを補われたMCDB131培地中で増殖された。マイコプラズマフリーのヒトメラノーマ細胞株518A2が、オーストリアのウィーン大学のVolker Wacheck博士から得られた。細胞は、10%の熱不活化FBS及び100U/mlのペニシリンGナトリウム及び100μg/mlのストレプトマイシンサルフェートを補われたDMEM中で増殖させられた。LX2ヒト肝星細胞株がSV40T抗原自然発生的不死化により低い血清条件下で作られ、そしてニューヨークのthe Mount Sinai School of MedicineのScott L.Friedman博士により提供された。LX2細胞は、1%の熱不活化FBS及び100U/mlのペニシリンGナトリウム及び100μg/mlのストレプトマイシンサルフェートを補われたDMEM中で増殖させられた。ストックカルチャーは、加湿された5%CO2インキュベータ中で37℃で維持された。]
[0054] デフィブロチド、デフィブロチド分子量画分、及び合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチドの生成
デフィブロチド、一本鎖ホスホジエステルポリデオキシリボヌクレオチド(分子量は16.5±2.25kDa)から構成された非常に複雑な多分散系物質、がブタの腸組織から抽出されたDNAの、制御された脱重合により調製され、そしてGentium(Como、イタリア)により用意された。デフィブロチド分子量画分、これはブタ腸組織から単離されそして次に分画されたデフィブロチドである(分子量9,353;12,258;16,761;21,840;及び26,190ダルトンをそれぞれ有するA2、E2、G2、I2、L2)、もまたGentiumにより供給された。Nmer(種々の明確な長さの、一連の合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチド)及びTmer(明確な長さの、チミジンの一連のホスホジエステルホモポリマー)が合成され、上記で詳述された手順により精製され、そして、Trilink Biotechnologies(サンディエゴ、カリフォルニア州)により供給された。]
[0055] 組換えタンパク質及び細胞培養物質
組換えヒトbFGF及びVEGF165、血小板由来成長因子−BB(PDGF BB)及びヘパリン結合性上皮成長因子様成長因子(HB−EGF)が、R&D Systems(ミネアポリス、ミネソタ州)から購入された。ラミニンが、Sigma−Aldrich(セントルイス、ミズーリ州)から入手された。DMEM、MCDB 131、M199培地、及びFBSが、Invitrogen(カールスバッド、カリフォルニア州)から入手された。フィブロネクチンにより覆われたプレート及びMatrigelが、BD Bioscience(ベッドフォード、MA)から購入された。IMUBIND Total TFPIELISAkitが、American Diagnostica(スタンフォード、コネティカット州)から入手された。]
[0056] アルキル化(alkylating)オリゴデオキシヌクレオチドプローブC1RNH32p−OdT18の合成
10ODUのOdT18が、5’−ポリヌクレオチドキナーゼとの反応によって、[32P]ホスフェートにより5’標識された。過剰のATPが、該反応産物から、0.1Mリチウムパークロレート中で、Sephadex G25クロマトグラフィーにより分離された。次に、該オリゴヌクレオチドが、2% LiClO4/アセトンの添加により沈殿させられ、そして、200OD U/μlの濃度で水中に溶解された。次に、該オリゴヌクレオチドは、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド溶液の8%水性溶液の添加により沈殿させられ、そして乾燥された。次に、20μlのジメチルホルムアミド中の6.5mgのp−(ベンジルアミノ)−N−クロロエチル−N−メチルアミン(ClRNH2)、続いて8mgのジピリジルジスルフィド及び9.5mgのトリフェニルホスフィンが、該乾燥したオリゴヌクレオチドに添加された。2時間後、該オリゴヌクレオチドが、2%のLiClO4/アセトンの添加により沈殿され、1MのNaClの25μl中に溶解させられ、エタノールにより沈殿させられ、そして乾燥させられた。最終産物は、水中に再度溶解され、そして−80℃で保蔵された。]
[0057] C1RNH32P−OdT18によるヘパリン結合性タンパク質の修飾
C1RNH32P−OdT18によるヘパリン結合性タンパク質の修飾が、Yakubov et al. (Oligonucleotides interact with recombinant CD4 at multiple sites. J. Biol. Chem. 1993 268:19918-18823)の方法により達成された。最初に、bFGF(50nM濃度)、PDGF BB(500nM)、VEGF(150nM)、ラミニン(50nM)又はHB−EGF(400nM)が、0.1MのTris−HCl、pH7.4、10〜20μMのC1RNH32P−OdT18を有する、の中でインキュベートされた。デフィブロチド、デフィブロチド分子量画分、Tmer又はNmerが、増加する濃度で、該プローブホスホジエステルオリゴヌクレオチドの該タンパク質への結合の競合物として用いられた。37℃での1時間後、10%のグリセロール、4%の2−メルカプトエタノール、4%のSDS及び0.2%のブロモフェノールブルーを有する1体積のバッファーが添加され、そしてSDS−PAGEが実施された。ゲルが乾燥され、そして、バンドが可視化されるまでKodakX線フィルムに曝露された。該フィルムが現像され、そしてバンド密度がレーザー密度測定により定量された。]
[0058] 増殖アッセイ
コンフルエントなHMEC−1細胞が、それらの場所で、24時間、2.5%FBSを有するM199培地中で処理され、そして次にフィブロネクチンにより覆われた96ウェルプレート中に(2.5%FBSを補われたM199培地中に)まかれた。続いて、該培地は次に、20ng/mLのbFGF単独、bFGFと一緒の又はbFGFを伴わないデフィブロチド又はNmerのいずれかを有する新鮮培地により置き換えられた。37℃での3日の処理後、細胞増殖がスルホローダミンB染色により評価された。全ての実験は4重に実施された。]
[0059] 組織因子経路インヒビター(TFPI)放出の測定
HMEC−1細胞が、24ウェルプレート中に、2.5%FBSを有するM199培地中に10×104細胞/ウェルの密度でまかれた。該細胞は、デフィブロチド又はデフィブロチド分子量画分、又はNmerにより、種々の時間間隔の間処理された。次に、該馴化細胞培地が集められ、10,000gで10分間遠心されて、細胞デブリを除去し、そして該培地中の組織因子経路インヒビター(Tissue Factor Pathway Inhibitor(TFPI))の濃度が、ELISAアッセイを用いて、製造者により記載されたとおりに、測定された。]
[0060] 結果]
[0061] デフィブロチド分子量画分及びNmerはヘパリン結合性タンパク質と同様に相互作用する
デフィブロチド、デフィブロチド分子量画分及びNmerは、腫瘍増殖、生存能力、血管新生、及び遊走において重要であるヘパリン結合性タンパク質と相互作用する。ヘパリン結合性タンパク質へ結合する為の、デフィブロチド、デフィブロチド分子量画分及びNmerの能力の評価が、競合アッセイを介して実行された。最初のステップにおいて、チミジンのアルキル化32P標識されたホスホジエステル18merホモポリマー(C1RNH32P−OdT18)が合成された。この分子が、10〜20μMの標識されたプローブを有する0.1MのTris−HCl、pH7.4、中でインキュベートされたbFGF、PDGF BB、BB、VEGF、ラミニン又はHB−EGFと混合され、及び、増加する濃度のデフィブロチド、デフィブロチド分子量画分又はNmerと混合された。該混合物が次に、ゲル電気泳動により分離されそしてオートラジオグラフされた。デフィブロチド、デフィブロチド分子量画分及びNmerは、C1RNH32p−OdT18の結合の競合物であり及びすなわち放射性活性的に標識されたオリゴオリゴヌクレオチドによるタンパク質のアルキル化(alkylation)の競合物であった。これらのタンパク質のそれぞれについてのC1RNH32P−OdT18についてのKdの値はあらかじめ決定された:bFGFについての平均Kdは0.5μMであり(Guvakova, et al., "Phosphorothioate oligodeoxynucleotides bind tobasicfibroblast growth factor, inhibit its binding to cell surface receptors, and remove it from low affinity binding sites on extracellular matrix", J. Biol. Chem., 1995, (270) 2620-2627)、そして、ラミニンについての平均Kdは14μMである(Khaled, et al. Multiple mechanisms may contribute to the cellular antiadhesive effects of phosphorothioate oligodeoxynucleotides", Nucl. AcidsRes., 1996, (24) 737-745)。VEGF165についてのKdを決定する為に、C1RNH32P−OdT18によるVEGFの修飾濃度依存性が試験された(図3A)。これらの結果は図3Bに示されており、オリゴデオキシヌクレオチドを修飾する濃度が、ゲルバンド強度の関数としてプロットされる。VEGFの該修飾するオリゴデオキシヌクレオチドとの結合は、おおよそ飽和結合を示し、そして、ミカエリス−メンテンタイプのシングル部位の結合の等式(single-site binding equation)により記載されうる。図3Cは、図3Bにおけるデータの二重逆数再プロットを示す。これらのデータは線形であり(R2=0.98)、そして該線は、33.9μMの見かけKd値に対応する横座標を交差する。同様の実験が、PDGF BB及びHB−EGFについて実施された。Kdはそれぞれ、4.5及び8.7μMである。] 図3A 図3B 図3C
[0062] Kcは、Cheng及びPrusoffにより記載されたとおりの等式I

から計算された。
図1Aにおいて、bFGFへの結合についての競合が示される。等式1のとおり、ゲルバンドの標準化された強度対競合物濃度のプロットは線形であった(図1B)。IC50が調査により決定された。種々の競合物の関心のある全てのタンパク質への結合についての同様の競合も決定された。同一の様式で決定されたKcの値が、図2、4、5、6及び7の表中にまとめられている。] 図1A 図1B 図2
[0063] Nmer、長さ依存性様式にある、及びデフィブロチドはヘパリン結合性成長因子の能力を阻害して、組織培養においてSV40形質転換されたHMEC−1細胞の増殖を最大に刺激する
サイトカインにより刺激された細胞増殖が、スルホローダミンB(SRB)を用いることにより決定された。これらの実験は、増殖がbFGFにより刺激された、SV40形質転換されたHMEC−1細胞において実施された。該細胞は、bFGF細胞表面受容体を上方制御する為に2.5%FBS含有M199培地中でbFGFにより処理される前に24時間0%血清中にあり、そして次に、20ng/mLのbFGFを含有する培地中で、増加する濃度のデフィブロチド又はNmerと一緒に又は無しで、3日間インキュベートされた。図8及び9に示されるとおり、Nmer、長さ依存性様式(約45ヌクレオチドの長さ及びそれより長いものが効果を有する)で、及びデフィブロチドの両方が、最大のbFGF誘発された細胞増殖における小さな(及びNmerの場合、長さ依存的)減少を引き起こす。HMEC−1細胞の増殖速度は、刺激されていない集団と比較して、bFGF対照と比較して、bFGF処置後に60〜70%だけ増加した。bFGFの1時間前に添加されたときに、デフィブロチドの抑制効果は、同時に添加されたときに観察されたものと有意に異ならなかった(データは示されていない)。]
[0064] デフィブロチド及びNmerの毒性の評価
デフィブロチド及びNmerの主な毒性、凝血障害及び出血、が、凝固カスケードのヘパリン結合性メンバーへの該オリゴヌクレオチドの結合及びそれらの機能の抑制からもたらされる。この抗凝固効果は、部分トロンボプラスチン時間(PTT)により評価された。健康なボランティアからの血漿が、種々の濃度のデフィブロチド又はNmerと混合され、そして標準的PTTアッセイが実施された。図10において示されるとおり、デフィブロチド及びNmerはPTTの有意な上昇を引き起こさない。高濃度のデフィブロチドでだけ、N50又はN60(〜100μM)、観察されたPTTの(対照と比較して1.5〜1.7倍)延長があった(図10)。より長いNmer、N80、について、この効果は、25μM濃度でさえ見られた。] 図10
[0065] デフィブロチド、デフィブロチド分子量画分及びNmerは、HMEC−1細胞からの組織因子経路インヒビター(TFPI)の合成及び放出を増加する
HMEC−1細胞からのTFPI(これは凝血障害を減少するタンパク質である)の急な及び長期間の放出にデフィブロチドがどれだけ影響するかを調べる為に、濃度及び時間経過の両方の研究が実施された。HMEC−1細胞からの馴化培地が、選択された時間間隔で集められ、そしてTFPIレベルが、製造者により記載されたとおりのELISAアッセイを用いて決定された。図11Aにおいて示されるとおり、12.5μMのデフィブロチドが、20〜30分後に放出された相当な量で、該培地へのTFPIの時間依存性増加を引き起こした(対照細胞と比較して5〜6倍の増加)。急性期(30分)の間、増加する濃度のデフィブロチドによるHMEC−1の刺激は、TFPI放出の濃度依存的増加を引き起こし、これは12.5μMのデフィブロチド濃度でプラトーに達した(図11C)。該細胞と12.5μMデフィブロチド分子量画分又はNmerとの24時間インキュベーションは、刺激されていない細胞と比較して、該培地中におけるTFPIにおける7〜8倍の増加を引き起こした。] 図11A 図11C
[0066] C11細胞における分裂促進の決定
C11クローンは、線維芽細胞成長因子受容体1(FGFR−1、これにbFGFが高い(pM)親和性で結合する)を過剰発現する為に操作されたBAF3マウスリンパ系細胞である。これらの細胞が、D.Ornitz(ワシントン大学、セントルイス)から得られた。これらの細胞は、増殖の為に、bFGFについての絶対的な要件を有する;さらに、ヘパリンはbFGFの活性のためにも要求されると長く知られている。DF及びNmerが、bFGFを細胞外マトリックス上のその低親和性(nM)結合性部位から除去できることが以前に実証された(Guvakova, et al., "Phosphorothioate oligodeoxynucleotides bind tobasicfibroblast growth factor, inhibit its binding to cell surface receptors, and remove it from low affinity binding sites on extracellular matrix", J. Biol. Chem., 1995, (270) 2620-2627)。本発明者らは今、DF及びNmerが、bFGFのその高親和性結合性部位への結合を干渉することができるかどうかを決定したかった。従って、C11細胞がIL−3を欠くRPMI培地により2回洗浄された。2.2×104細胞が、48ウェルプレート中に、ウェル毎にプレートされた。bFGF(最終濃度1nM)及びDF又はNmer(最終濃度10μM)又はヘパリン(1μg/mL)が、合計体積200μLで添加された。該細胞(それぞれの実験についてn=3)が次に、2〜3日間インキュベートされ、そしてスルホローダミンブルー(SRB)により染色された。細胞数は、対照(bFGF、ヘパリン又はオリゴヌクレオチドのいずれか不在下における増殖)に対して標準化された。図13において見られるとおり、bFGF又はヘパリンそれら自体は、3日後の細胞増殖に対して影響を有さず又はほとんど有さなかった。bFGFの活性は、ヘパリン及びDFの両方により高められ、これはDFがヘパリンの代わりをすることができることを実証する。しかしながら、DFは、bFGFのその高親和性結合部位への結合に影響しない。長さ依存性様式にあるNmerもまた、DF又はヘパリンの代わりをすることができるが、それらの活性は、約80merの長さに至るまでは、DFと同じほど大きくない。] 図13
[0067] 結論]
[0068] 本発明の合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチド(Nmer)はデフィブロチドの特性を実質上再現する(recapitulate)ことができる。]
[0069] Nmer及びデフィブロチドが、ヘパリン結合性タンパク質(bFGF、PDGF BB、VEGF165、ラミニン、及びHB−EGFを含む)へ結合する能力、及びHMEC−1細胞からのTFPI放出を引き起こすそれらの能力に関して評価されそして比較された。Nmerは、静脈内点滴を介して、標準的生理食塩水中において又は水中の5%デキストロースにおいて、ガン又はVOD(又はデフィブロチドを投与することにより処置されるだろう他の疾患)を患う患者へと、一日当たり体重の10mg/kg〜60mg/kgの用量で、単回投与又は分割投与で、約14日間投与されうる。該用量は、特定の治療経過への個々の患者の応答に依存して調節されうる。]
[0070] bFGF及びPDGF並びに種々の長さのNmerについてのKcの値(図2、4、5、6、7)は、少なくとも約40merのNmer長が、最大のNmer活性にとって十分であることを実証する。そのようなKc値はまた、より長いNmerが、全体のヘパリン結合性タンパク質親和性にほとんど追加しないことも実証する;結果として、それらのより高い体重/用量比及びそれらを合成することの困難性の両方に基づき、約65mer超の長さを有するNmerが、デフィブロチドの代わりとして有用でないとみえる。] 図2
[0071] すなわち、約40mer〜約65merの長さを有する合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチドは、デフィブロチドの代替物として用いられることができそして特に、それらは「発明の背景」と表題を付けられた章において上記で記載された治療的用途の全て(これは引用することにより全てそっくりそのまま本明細書内に組み込まれる)において用いられることができる。]
[0072] 本発明の利点の一つは、関連する医薬組成物の投与量は、生物学的活性の関係におけるよりもむしろ、合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチドの濃度の関係で決定されうる。なぜなら、それは現在のところ抽出起源のオリゴヌクレオチド混合物について偶然に生じるからである。]
[0073] さらなる利点は、本発明が、活性配列だけの投与を提供するという事実により表される;すなわち、もしたとえば抽出起源のオリゴヌクレオチド混合物と比較したならば、有効性、安全性及び副作用の点における明白な利点とともに、投与量当たりのより少ないオリゴヌクレオチドの投与を提供する。]
実施例

[0074] 本発明を説明してきたが、今、多くの変更及び修正が、本発明の精神及び範囲から離れることなく、上記記載された実施態様になされうることが明らかであろう。]
权利要求:

請求項1
約40塩基〜約65塩基の長さを有する合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチドの混合物。
請求項2
該オリゴヌクレオチドが約40塩基〜約60塩基の長さを有する、請求項1の混合物。
請求項3
該オリゴヌクレオチドが約45塩基〜約60塩基の長さを有する、請求項1の混合物。
請求項4
該オリゴヌクレオチドが約45塩基〜約55塩基の長さを有する、請求項1の混合物。
請求項5
該オリゴヌクレオチドが約50塩基〜約55塩基の長さを有する、請求項1の混合物。
請求項6
該オリゴヌクレオチドが一本鎖である、請求項1の混合物。
請求項7
該オリゴヌクレオチドの配列がDNA及び/又はRNA配列である、請求項1の混合物。
請求項8
該オリゴヌクレオチドの配列がランダム配列である、請求項1の混合物。
請求項9
該オリゴヌクレオチドのプリン塩基が、グアニン、アデニン、キサンチン及びヒポキサンチンから選ばれ、及びピリミジン塩基がシトシン、チミン、メチルシトシン及びウラシルから選ばれる、請求項1の混合物。
請求項10
該オリゴヌクレオチドの糖がリボース及びデオキシリボースから選ばれる、請求項1の混合物。
請求項11
医薬としての使用の為の、請求項1〜10のいずれか1項の混合物。
請求項12
静脈閉塞疾患の処置及び/又は予防における使用の為の、請求項1〜10のいずれか1項の混合物。
請求項13
血栓性血小板減少性紫斑病の処置及び/又は予防における使用の為の、請求項1〜10のいずれか1項の混合物。
請求項14
腫瘍の処置における使用の為の、請求項1〜10のいずれか1項の混合物。
請求項15
血管新生依存性腫瘍の処置における使用の為の、請求項1〜10のいずれか1項の混合物。
請求項16
造血性前駆細胞を動員する能力を有する少なくとも1つの造血性因子と一緒に又は時間的近傍で投与されたときに、哺乳類の末梢血中の幹細胞及び前駆細胞の量を増加することにおける使用の為の、請求項1〜10のいずれか1項の混合物。
請求項17
血液抗凝固剤としての使用の為の、請求項1〜10のいずれか1項の混合物。
請求項18
請求項1〜10のいずれか1項の混合物を含む医薬組成物。
請求項19
水性溶液であることを特徴とする、請求項18に記載の医薬組成物。
請求項20
静脈内に投与されることを特徴とする、請求項18に記載の医薬組成物。
請求項21
哺乳類に投与されることを特徴とする、請求項18に記載の医薬組成物。
請求項22
該哺乳類がヒトであることを特徴とする、請求項21に記載の医薬組成物。
請求項23
5〜60マイクロモル/リットルのオリゴヌクレオチド濃度を有することにより特徴付けられる、請求項19に記載の水性溶液。
請求項24
10〜50マイクロモル/リットルのオリゴヌクレオチド濃度を有することにより特徴付けられる、請求項23に記載の水性溶液。
請求項25
約40塩基〜約65塩基の長さを有する合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチドの混合物を投与することを含む、疾患又は状態を処置する方法。
請求項26
該オリゴヌクレオチドが約40塩基〜約60塩基の長さを有する、請求項25の方法。
請求項27
該オリゴヌクレオチドが約45塩基〜約60塩基の長さを有する、請求項25の方法。
請求項28
該オリゴヌクレオチドが約45塩基〜約55塩基の長さを有する、請求項25の方法。
請求項29
該オリゴヌクレオチドが約50塩基〜約55塩基の長さを有する、請求項25の方法。
請求項30
該オリゴヌクレオチドが一本鎖である、請求項25の方法。
請求項31
該オリゴヌクレオチドの配列がDNA配列及び/又はRNA配列である、請求項25の方法。
請求項32
該オリゴヌクレオチドの配列がランダム配列である、請求項25の方法。
請求項33
該オリゴヌクレオチドのプリン塩基が、グアニン、アデニン、キサンチン及びヒポキサンチンから選ばれ、及びピリミジン塩基がシトシン、チミン、メチルシトシン及びウラシルから選ばれる、請求項25の方法。
請求項34
該オリゴヌクレオチドの糖がリボース及びデオキシリボースから選ばれる、請求項25の方法。
請求項35
該疾患又は状態が静脈閉塞疾患である、請求項25の方法。
請求項36
該疾患又は状態が血栓性血小板減少性紫斑病である、請求項25の方法。
請求項37
該疾患又は状態が腫瘍である、請求項25の方法。
請求項38
該疾患又は状態が血管新生依存性腫瘍である、請求項25の方法。
請求項39
該疾患又は状態が血液抗凝固剤の使用から利益を得るものである、請求項25の方法。
請求項40
哺乳類の末梢血中の幹細胞及び前駆細胞の量を増加する為の方法であって、造血性前駆細胞を動員する能力を有する少なくとも1つの造血性因子と一緒に又は時間的近傍で、約40塩基〜約65塩基の長さを有する合成ホスホジエステルオリゴヌクレオチドの混合物を投与することを含む、前記方法。
請求項41
該オリゴヌクレオチドが約40塩基〜約65塩基の長さを有する、請求項40の方法。
請求項42
該オリゴヌクレオチドが約45塩基〜約60塩基の長さを有する、請求項40の方法。
請求項43
該オリゴヌクレオチドが約45塩基〜約55塩基の長さを有する、請求項40の方法。
請求項44
該オリゴヌクレオチドが約50塩基〜約55塩基の長さを有する、請求項40の方法。
請求項45
該オリゴヌクレオチドが一本鎖である、請求項40の方法。
請求項46
該オリゴヌクレオチドの配列がDNA配列及び/又はRNA配列である、請求項40の方法。
請求項47
該オリゴヌクレオチドの配列がランダム配列である、請求項40の方法。
請求項48
該オリゴヌクレオチドのプリン塩基が、グアニン、アデニン、キサンチン及びヒポキサンチンから選ばれ、及びピリミジン塩基がシトシン、チミン、メチルシトシン及びウラシルから選ばれる、請求項40の方法。
請求項49
該オリゴヌクレオチドの糖がリボース及びデオキシリボースから選ばれる、請求項40の方法。
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