专利摘要:
航空機用のスラット展開機構は、第1枢動点でスラットに連結された第1駆動部材と、前記第1枢動点からオフセットされた第2枢動点で前記スラットに連結された第2駆動部材とを具備する。第1ラックが第1駆動部材上に設けられ、且つ第1ピニオンが駆動軸に保持される。第1ピニオンは、第1ラックを介して機械的動力を駆動軸から第1駆動部材へ伝達すべく配置される。第2ラックが第2駆動部材上に設けられ、且つ第2ピニオンが駆動軸に保持される。第2ピニオンは、第1ピニオンとは異なる半径を有する。第2ピニオンは、第2駆動部材が第1駆動部材とは異なる速度で動作するように、第2ラックを介して機械的動力を駆動軸から第2駆動部材へ伝達すべく配置される。
公开号:JP2011515277A
申请号:JP2011501295
申请日:2009-03-12
公开日:2011-05-19
发明作者:マン,アラン
申请人:エアバス オペレーションズ リミティド;
IPC主号:B64C9-24
专利说明:

[0001] 本発明は、航空機用のスラットを展開するための機構及び斯かる機構を使用して航空機用のスラットを展開する方法に関する。]
背景技術

[0002] 前縁スラットは、一般的に使用され且つよく理解されている。前縁スラットは、一般的に円弧状トラック機構で駆動される。]
[0003] 単純な円弧状トラックは、離着陸時のスラットの設定を最適化するとき、設計の自由度を制限する。非円弧状トラックは、荷重及び運動力学的な複雑さから一般的に使用されていない。トラックの展開によって提供される以上にスラットに追加的回転を与えることが、設計の自由度をより高めることを可能とする。例えば、これによって抗力特性が重要である離陸時には隙間のない設定を可能にし、且つ揚力係数の最大値が設計要因である着陸時には隙間のある設定を可能にする。]
[0004] トラックは、一般的に長く且つ格納時には翼前方構造のスパーを介して後方に延在する。このことは、燃料タンクを密封すべく各スラットトラックにスラットトラック「カン」が搭載されることを必要とするので、燃料容積を減少させ且つ翼の製造時間及び製造コストを増加させる。複数の穴部を加えることは、特に複合材ウイングスパーにとって非効率的である。その結果、高リフト機構による翼スパー内の前方スパーへの侵入を防止することへの強い要請が存在することになる。再度スラットに追加的回転を与えることは、同様のスラットの最大展開角度を得つつ、より短いトラックが使用されることを可能とする。]
[0005] スラットの後端部回りの追加的回転を得る複動式スラット機構が存在する。最も一般的な形態は、スラットがトラックによって展開されると、相補的なレールを通して案内される従動アームの追加を通して追加的回転を発生させる。一例が米国特許第3272458号明細書に記載される。トラックが、ガイドローラー内に設置され、且つラックアンドピニオン機構によって駆動される。スラットの回転は、トラックに保持されたベルクランクによって駆動されるプッシュプルロッドによって行われる。ベルクランクの一つのアームは、カムトラック内に配置されたカム従動部を保持する。]
[0006] 本発明の第1の態様では、第1枢動点でスラットに連結された第1駆動部材と、第1枢動点からオフセットされた第2枢動点でスラットに連結された第2駆動部材と、駆動軸と、第1駆動部材上の第1ラックと、駆動軸に保持された第1ピニオンであって、第1ラックを介して機械的動力を駆動軸から第1駆動部材へ伝達すべく配置される第1ピニオンと、第2駆動部材上の第2ラックと、駆動軸に保持され且つ第1ピニオンとは異なる半径を有する第2ピニオンであって、第2駆動部材が第1駆動部材とは異なる速度で動作するように第2ラックを介して機械的動力を駆動軸から第2駆動部材へ伝達すべく配置される第2ピニオンとを具備する、航空機用のスラット展開機構が提供される。]
[0007] 本発明は、駆動軸から一対の平行伝達機構を使用することによって、単一(ラックアンドピニオン)の伝達機構のみが設けられた米国特許第3272458号明細書の機構よりも二つの駆動部材が正確に駆動されることを可能とする。また、二つのラックアンドピニオン式伝達機構間で力を分けることによって、リダンダンシー(redundancy)を有する要素が機構内に構築され得る。また、本機構は、米国特許第3272458号明細書の機構よりも小型に作られ得る。]
[0008] 第1駆動部材および第2駆動部材は湾曲したトラックを具備し得る。或いは、第1駆動部材および/または第2駆動部材は、固定されたガイド、駆動ロッド、またはその他の適切な駆動部材に沿って駆動される湾曲していないキャリッジを具備してもよい。]
[0009] 典型的には、本機構は、第1湾曲軌道に沿って第1駆動部材を案内すべく配置される第1軸受と、第2湾曲軌道に沿って第2駆動部材を案内すべく配置される第2軸受とを更に具備する。軸受は、回転要素付きの軸受(円筒状、球状、またはその他の適切な形状の回転要素を使用し得る)、または回転要素無しのすべり軸受を具備してもよい。]
[0010] 第1軸受及び第2軸受は、両方とも主翼要素に保持され得る。或いは、第2軸受が両駆動部材間の内部軸受を具備してもよい。この場合、第2駆動部材は第1駆動部材によって画成される溝内に少なくとも部分的に嵌め込まれ得る。]
[0011] 本発明の第2の形態では、第1枢動点でスラットに連結された第1駆動部材と、第1枢動点からオフセットされた第2枢動点でスラットに連結された第2駆動部材とを用いた、航空機用スラットの展開方法において、第1駆動部材上の第1ラックと駆動軸に保持された第1ピニオンとによって、機械的動力を駆動軸から第1駆動部材へ伝達することと、第2駆動部材上の第2ラックと駆動軸に保持された第2ピニオンとによって、機械的動力を駆動軸から第2駆動部材へ伝達することとを含み、第2駆動部材が第1駆動部材とは異なる速度で動作し且つ第1枢動点回りでスラットを回転させるように、第2ピニオンが第1ピニオンと異なる半径を有する、方法が提供される。]
図面の簡単な説明

[0012] 図1は、スラットがその完全な収縮位置にあるときのスラットを示す、第1スラット展開機構の概略側面図である。
図2は、中間位置における第1スラット展開機構の図である。
図3は、完全な展開位置における第1スラット展開機構の図である。
図4は、トラック及びピニオンを通る断面図である。
図5は、スラットがその完全な収縮位置にあるときの第2スラット展開機構の概略側面図である。
図6は、スラットが中間位置にあるときの第2スラット展開機構の図である。
図7は、スラットが完全な展開位置にあるときの第2スラット展開機構の図である。
図8は、第3スラット展開機構の概略側面図である。
図9は、中間位置にあるスラットを示す。
図10は、完全な展開位置にあるスラットを示す。] 図1 図10 図2 図3 図4 図5 図6 図7 図8 図9
実施例

[0013] 以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係るスラット展開機構1の概略側面図であり、展開機構1はスラット2と主翼要素3との間で作用する。機構1は、第1枢動点5でスラット2の後端部に連結される湾曲した主トラック4と、枢動駆動リンク8によって第2枢動点7でスラット2に連結される湾曲した副トラック6とを具備する。枢動駆動リンク8は、第3枢動点9で副トラック6の末端に枢動可能に連結される。] 図1
[0014] 翼に沿って翼長方向に延びる駆動軸10が、第1ピニオン11及び第2ピニオン12を保持する。図1の側面図からは明らかではないが、図4でより明瞭に示されるように、ピニオン11、12は駆動軸10に沿って軸線方向に離間される。第1ピニオン11は、第2ピニオン12よりも小さい半径を有する。第1ピニオン11は主トラック4上の歯付きラックに連結され、且つ第2ピニオン12は副トラック6上の第2歯付きラックに連結される。] 図1 図4
[0015] 主トラック4は、一組のローラー13によって画成される主軸受によって、湾曲した軌道15に沿って案内される。ローラー13は、主翼要素3の一部を形成する、スラットトラックの支持リブ(図示せず)に保持される。ピニオン11が回転すると、主トラック4は湾曲した軌道15に沿って駆動される。両トラック4、6及び軌道15は、図3に16で近似的に指示される点を円の中心とするほぼ同心の円弧状に形成される。] 図3
[0016] 図4を参照すると、副トラック6は主トラック4の溝内に嵌め込まれ、且つ主トラック4はピニオン12を収容するために主トラック4の低い側で開いている。具体的には、主トラック4は、断面において、副トラック6を受容する溝を画成する一対の離間された壁20、21を備えるU字状である。一組のローラー22が、トラック4、6間の内部軸受として作用する。斯かるローラー22のうちの三つが図4の断面図に示され、且つ更なるローラー(図示せず)がトラックの長さに沿って分配される。ローラー22は、副トラック6または主トラック4に保持されてもよく、または両トラック4、6間の空間内で移動すべく自由であってもよい。] 図4
[0017] 副トラック6は、副トラック6の低い側から延在する一連の歯を具備するラックを有し、これら歯23の一つが図4に示されており、歯の底部と頂部との間の中間地点が破線24で指示されている。ピニオン12は、副トラック6の湾曲した軌道に沿って副トラック6を駆動するように、副トラック6のラックと係合する一組の歯を有する。同様に、小さい方のピニオン11は、主トラック4の低い側でラックと係合する一組の歯を有し、ラックの歯の一つが図4に25で指示される。] 図4
[0018] ピニオン12のより大きい半径は、図2及び図3に示される合成運動を与える両トラック4、6間の異なる速度をもたらす。図2に示される中間位置において、副トラック6のより高い速度は、枢動点5回りでのスラット2の反時計回りの小さい回転をもたらす。この回転によるスラットの位置は図2に実線で示され、且つ斯かる差動運動のない場合にスラットが取るであろう位置が破線30によって示される。] 図2 図3
[0019] スラットの完全な展開位置が図3に示される。同様に、(両トラック間の差動運動を織り込んだ)スラットの本来の位置が実線で示され、且つ破線31がこの差動回転のない場合にスラットが取るであろう位置を示す。] 図3
[0020] 図5〜図7は、図1のスラット展開機構が、展開中に異なる運動を与えるべく、どのように調整され得るかを示す。分かりやすくするために、両トラック4、6の末端のみが示されている。また、分かりやすくするために、図5〜図7で両トラック4、6は概略的に直線であるものとして示されるが、実際には両トラック4、6は、図1〜図3で示されるように湾曲しているであろう。] 図1 図2 図3 図5 図6 図7
[0021] 図5の収縮位置においてリンク8は副トラック6と整列され、且つスラットが図7の展開位置へ回転すると、図示されるようにリンク8は副トラック6に対して回転する。] 図5 図7
[0022] 図8〜図10の別の配置の場合、図8の収縮位置において、リンク8は、枢軸9が枢軸7の後方に配置された状態で、副トラック6に対して所定の角度をなす。その結果、図9の中間設定において、スラット2は主翼要素から離れるように移動しており、且つ矢印32によって指示されるように枢動点5回りで時計回りに僅かに回転している。スラットが図10の展開位置に移動すると、枢軸9は枢軸7の前方に移動し、且つスラットは矢印33によって指示されるように反時計回りに回転する。] 図10 図8 図9
[0023] 図4に示される嵌込み式配置において、主トラック4がローラー13によって案内される湾曲した軌道15に沿って駆動されると、トラック6は、内部軸受22によって案内されたピニオン12によって主トラック4に沿って駆動される駆動部材として機能する。両トラック4、6は同じ翼長方向の位置にあり、且つ一組のローラー13によって主翼要素に設置される。別の実施形態(図示せず)では、トラック6は、トラック4に沿って駆動される代わりに、各スラットトラックの支持リブ上で各組のガイドローラーによって各トラックが保持された状態で、翼長方向にトラック4から離間されてもよい。この場合、スラットは三つのトラックに保持されてもよく、三つのトラックのうちの一つ(通常は真ん中の一つ)は副トラック6に対応し且つ残りの二つは主トラック4に対応する。] 図4
[0024] この非嵌込み式配置は入れ子式伸縮運動の複雑さを低減し、且つ図4の嵌込み式配置では必要とされる内部軸受22を必要としない。また、このことは、両トラックが異なる曲率半径を有することを可能にし、その結果、更なる設計自由度を提供する。] 図4
[0025] 図1〜図10に記載された例において、副トラック6は、枢軸7と枢軸9との間の距離を変化させるために追加のリンク8を必要とする。この変化は小さいであろうから、枢動リンク8を使用する代わりに、枢軸9をスラット構造内の短い垂直スロット内に嵌合することによって、枢軸9が代わりに収容されてもよい。或いは、展開軌跡の観点から、トラック6が斯かる改良の必要性を回避すべく設計されてもよい。] 図1 図10 図2 図3 図4 図5 図6 図7 図8 図9
[0026] 要するに、図1〜図10で示される実施形態は、異なる半径の二つの円弧状トラックの差動展開を通して非円弧状のスラット展開を実現する。二つの異なる半径のピニオンが二つのトラックを駆動する。その結果、両トラックは、僅かに異なる程度に駆動され、両トラックがスラットの後端部にヒンジによって連結される最端部で回転を発生させる。有用な量のスラットの追加的回転を提供するのに少量の差動運動のみが必要とされる。この機構は、より短いトラックでのスラットの追加的回転を可能とし、よって本機構による前方スパーへの侵入がなくなる。] 図1 図10 図2 図3 図4 図5 図6 図7 図8 図9
[0027] 二つのピニオン11、12は、同一の駆動軸及びギアボックスから離れて駆動され、且つその結果、平行な伝達経路によって機械的動力を駆動軸から二つのトラック4、6へ伝達する。ピニオン12のより大きな半径は、トラック6がトラック4よりも高い速度で動作することを確実なものとする。]
[0028] 本発明が、一つ以上の好ましい実施形態に関して上述されたが、添付の特許請求の範囲において定義された発明の範囲を逸脱することなく種々の変更または修正がなされ得ることが理解されるであろう。]
权利要求:

請求項1
第1枢動点でスラットに連結された第1駆動部材と、前記第1枢動点からオフセットされた第2枢動点で前記スラットに連結された第2駆動部材と、駆動軸と、前記第1駆動部材上の第1ラックと、前記駆動軸に保持された第1ピニオンであって、前記第1ラックを介して機械的動力を前記駆動軸から前記第1駆動部材へ伝達すべく配置される第1ピニオンと、前記第2駆動部材上の第2ラックと、前記駆動軸に保持され且つ前記第1ピニオンとは異なる半径を有する第2ピニオンであって、前記第2駆動部材が前記第1駆動部材とは異なる速度で動作するように、前記第2ラックを介して機械的動力を前記駆動軸から前記第2駆動部材へ伝達すべく配置される第2ピニオンとを具備する、航空機用のスラット展開機構。
請求項2
前記第1駆動部材および/または前記第2駆動部材が湾曲したトラックを具備する、請求項1に記載の機構。
請求項3
第1湾曲軌道に沿って前記第1駆動部材を案内すべく配置された第1軸受と、第2湾曲軌道に沿って前記第2駆動部材を案内すべく配置された第2軸受とを更に具備する、請求項1または2に記載の機構。
請求項4
前記第1軸受および/または前記第2軸受が一以上の回転要素を具備する、請求項3に記載の機構。
請求項5
主翼要素を更に具備し、前記第1軸受および前記第2軸受が両方とも前記主翼要素に保持される、請求項3または4に記載の機構。
請求項6
前記第1駆動部材および前記第2駆動部材が翼長方向に互いに離間された、請求項1〜5のいずれか1項に記載の機構。
請求項7
前記第2軸受が前記両駆動部材間の内部軸受を具備する、請求項3に記載の機構。
請求項8
前記第2駆動部材が、前記第1駆動部材によって画成される溝内に少なくとも部分的に嵌め込まれる、請求項7に記載の機構。
請求項9
前記第1軸受および/または前記第2軸受が一以上の回転要素を具備する、請求項3に記載の機構。
請求項10
前記第2駆動部材が枢動リンクによって前記スラットに連結される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の機構。
請求項11
第1枢動点でスラットに連結された第1駆動部材と、前記第1枢動点からオフセットされた第2枢動点で前記スラットに連結された第2駆動部材とを用いた、航空機用スラットの展開方法において、前記第1駆動部材上の第1ラックと駆動軸に保持された第1ピニオンとによって、機械的動力を前記駆動軸から前記第1駆動部材へ伝達することと、前記第2駆動部材上の第2ラックと前記駆動軸に保持された第2ピニオンとによって、機械的動力を前記駆動軸から前記第2駆動部材へ伝達することとを含み、前記第2駆動部材が前記第1駆動部材とは異なる速度で動作し且つ前記第1枢動点回りで前記スラットを回転させるように、前記第2ピニオンが前記第1ピニオンと異なる半径を有する、方法。
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