专利摘要:
ディーゼル粒子状物質の直接触媒及び(半)連続酸化のための高セル密度又は蛇行/乱流フロースルー型モノリス触媒装置が開示される。触媒は、安定した立方晶構造を有するOIC/OS材料に関し、とりわけ、促進されたOIC/OSであって、促進が塩基性(アルカリ性)交換方法を介した合成後の非貴金属の導入により達成されるOIC/OSに関する。触媒は、貴金属の導入により更に促進され得る。
公开号:JP2011515221A
申请号:JP2011502059
申请日:2009-03-26
公开日:2011-05-19
发明作者:ジー.;ヌナン ジョン;ダブリュー.エル.;サウスウォード バリー
申请人:ユミコア・アクチエンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフトUmicore AG & Co.KG;
IPC主号:B01D53-94
专利说明:

[0001] 本出願は、2008年3月27日に出願された仮出願第61/039,879号の利益を主張するものであって、2008年9月29日に出願された出願第12/240,170号並びに両方とも2009年1月30日に出願された出願第12/363,310号及び第12/363,329号の一部継続出願であり、それらの全ては引用され、参考として本明細書で援用される。]
[0002] ここ30年に亘って、ペトロール(ガソリン)内燃エンジン及びディーゼル内燃エンジンの両方からの排出物を規制するためにますます厳しい法的制限が導入されてきた。2007年6月20日の欧州議会及び欧州理事会規則(EC)No 715/2007(Official Journal of the European Union L 171/1)、また、Twigg,Applied Catalysis B,vol.70 p2−25及びR.M.Heck,R.J.Farrauto Applied Catalysis A vol.221,(2001),p443−457並びにそれらの中の参考文献を参照。ディーゼル/圧縮点火エンジンの場合、これは、CO、HC(DOC)及び窒素酸化物(NOx)のガス状排出物に対処するためのディーゼル酸化触媒(DOC)、ディーゼルNOxトラップ/NOx貯蔵触媒(DNT/NSC)及び選択触媒還元(SCR)の実現につながった。しかし、ディーゼル排気流は、ガス状の成分の他に、粒子状物質又はすすと一般に呼ばれる同伴する固体をも含む。この炭素系材料は、不完全燃焼の副生成物であり、シリンダ内の空気燃料混合物の不均質性のため生じ、その制御と環境に優しい生成物への転化とに関する固有で且つ特有の課題を示す。従って、以前はエンジン関連の制御対策のみで微粒子の排気物質についての全ての法的要件を満たすことが可能であったが(SAEPaper 2007−01−0234,Pfeiffer et al.)、例えばユーロ5又はユーロ6(2007年6月20日の欧州議会及び欧州理事会規則(EC)No 715/2007(Official Journal of the European Union L 171/1))に取り入れられた厳しい目標は、すすの特定の改善を可能にするためにディーゼル粒子フィルタ(DPF)(別名「ウォールフロー型フィルタ」)の導入を必要とする。]
[0003] 典型的には、DPFは、装置が必要とする化学作用、例えば、すすの燃焼、(二次的)排出制御、NOxの低減を容易にするために更に活性触媒配合物がウォシュコートされ得る不活性の多孔性セラミック、例えば、炭化ケイ素、コージェライト等のモノリス基材を含む。ウォシュコート配合物自体は、典型的には不均一相触媒であり、1つ又は複数の耐火性酸化物担体;例えばアルミナ上に分散又は安定させた高活性貴金属(PGM)の粒子を含有してよい。DPFは、更に、フィルタの再生機能を高めるために酸素貯蔵(OS)成分を含有してよい。]
[0004] DPFは、フィルタの多孔性壁に排出フローを強制的に通過させることにより達成される物理的濾過の結果として微粒子の高濾過効率を達成する。しかし、これは、時間とともに、フィルタ内で、フィルタケーキと一般に呼ばれる貯蔵材料の集積をもたらし、それは、ますます密になるフローの絞りにガスフローを強制的に通過させることを必要とする作業に起因する更に増大する背圧ペナルティをもたらす。このフローの絞りは、エンジン性能の容認できない低下をもたらすので、最小背圧ペナルティで炭素質微粒子を再度貯蔵することが可能であるようにフィルタをほとんど清潔な状態に「再生する」ためにフィルタケーキを燃焼しなければならない。しかし、現時点で車両についての完全にパッシブで且つ連続的なすす再生技術は示されていないので、フィルタの完全な再生は、「アクティブ式」又は強制的再生戦略を必要とする(例えば、米国特許第7,441,403号;米国特許第7,313,913号参照)。これらのアクティブ式戦略は、フィルタ再生を達成するために排出の全体の反応条件の操作に依存する。故に、上記の微粒子フィルタの再生は、補助装置を用いて達成され得る。例えば、空気燃料ノズル及び点火装置は、必要に応じてトラップされた粒子状物質の均質燃焼に必要とされる温度に排出ガスと微粒子フィルタとを加熱するために使用され、作動され得る。このように、排出ガスの連続フローを可能にするために、トラップされたすすをフィルタ表面から燃焼することができる。或いは、燃焼サイクルを開始するための熱を生成するために電気加熱器を用いることができる(例えば、米国特許第7,469,532号)。しかし、より一般的には、フィルタは、後のシリンダ噴射によるか、排出系統内の専用燃料噴射ユニットを介するかのいずれかで二次燃料が導入されるいわゆる「噴射後」サイクルにより再生され、しかるに排出フロー内に同伴する炭化水素は、DPFの前にある酸化触媒上で燃焼され、環境に優しい生成物(CO2、H2O)へのすすの転化を開始するフィルタ内の一時的な熱「ブルーム」が生成される(例えば、SAEpaper 2008−01−0481及びその中の参考文献参照)。]
[0005] しかし、微粒子の除去における効率性を達成するためのウォールフロー型フィルタの使用は、幾つかの切迫した問題を示す。第1に、濾過のウォールフローメカニズムのため、DPFは、エンジンに対して著しい背圧を導入する。更に、裸のフィルタにウォシュコートを加えることによりこの背圧は増大し、その上、すすをトラップするために用いられるふるい作用により、背圧の更なる且つ連続的な増加が生じる。前述のように、背圧のいかなる増加もエンジンの効率性の代償であり、すすフィルタケーキ、ウォシュコート配合物及びフィルタを通して排出ガスを押し出す消耗作業のため更なる燃料経済性のペナルティの増加につながる。従って、濾過効率性が高いが背圧ペナルティが低下した機械的且つ熱的に堅牢なDPFの開発において、及び、他の点で明白な背圧/燃料経済性の問題を最小限に抑えるための最小ウォシュコート充填で高転化が可能な活性ウォシュコート配合物の開発において、著しい努力が費やされてきた。]
[0006] 更に、DPFにより用いられる再生サイクルに関する未解決の問題が残る。かかる従来の「アクティブ式」サイクルは、全エネルギー集約的であり、実質的で且つ魅力のない燃料ペナルティ;即ち、更なる且つ持続的な作動費用をもたらす。従って、アクティブ式再生サイクルにおける犠牲炭化水素種の使用により、燃料経済性は5%も低下する。更に、アクティブ式排出制御戦略の実現は、不完全な再生及び/又は未処理の排出を回避するために複雑で且つ正確なエンジン管理プロトコルを必要とする;例えば、米国特許第7,412,822号。更に、このように開始されたすす燃焼は、「オイル希釈」として知られている現象をもたらすが、それはエンジン作動に悪影響を与えることと、フィルタ内での灰の堆積(無機塩類)をもたらすこととの両方の可能性があり、それらはフィルタの背圧と、すす容量と、触媒性能とに影響を与える(例えば、米国特許第7,433,776号)。最後に、このように開始されるすす燃焼は、より均質に;即ち非触媒方法で進行し、無制御であり得ることに注意するべきである。次に、これは、極端な温度(T>1000℃)の局所化発熱「ホットスポット」をもたらす可能性があり、それは配合物の触媒効率性を容易に損なう可能性がある(PGM焼結、PGM脱合金、担体酸化物の表面積及び多孔性の崩壊)。最悪のケースシナリオにおいて、すすの破局的で無制御な燃焼は、熱劣化により、又は更にモノリスを溶融させることにより、DPFモノリスを破壊する可能性がある。]
[0007] 故に、アクティブ式再生戦略に関する問題の程度に対処し、それを抑制するために多くの試みがなされてきた。かかる努力は、進歩したOS材料のレドックス化学の使用に基づいたよりパッシブな再生戦略を導入する試みによって例示される(例えば、US2005/0282698A1)。これらの研究において、すす酸化に必要な温度の低下は、レドックス活性ウォシュコートOS材料から誘導される活性酸素種の利用により達成され得ることが示された。DPFにおいて用いられるOS材料は、典型的にはCeO2又は他のレドックス酸化物に基づき、再生又は他の一時的事象の間の空燃比の局所的変化から触媒を「緩衝する」ために用いられる。それらは、酸素が枯渇した一時的現象下で急激で且つ再現可能な方法でそれらの三次元構造から活性酸素を「放出」し、酸素リッチな条件が生じる際に気相からの吸着によりこの失われた酸素を「再生する」ことによりこれを行う。この活性は、2Ce4+→2Ce3++[O2-]の反応によるCeO2のレドックス活性に起因する。酸素のこの高可用性は、一般的な酸化/還元化学作用、例えば、ペトロール(ガソリン)三元触媒のための又はより最近はCDPFにおける粒子状物質(すす)の直接接触酸化のためのCO/NO化学作用の促進に重要である(例えば、US2005/0282698A1、SAE2008−01−0481、及びそれらの中の参考文献)。この作業は、Ce−Zr系OS材料の化学作用、合成、改質及び最適化を検討する多くの研究の内の1つである。例えば、排出制御用途のための低原子価イオンがドープされたセリア−ジルコニア材料の使用は、広範囲に亘って研究されてきた(例えば、US6,468,941、US6,585,944)。これらの研究は、低原子価ドーパントイオン、例えば、希土類金属(例えば、Y、La、Nd、Pr等)、遷移金属(例えば、Fe、Co、Cu等)、アルカリ土類金属(例えば、Sr、Ca、Mg)が、全て、酸素イオン伝導性に対して有益な影響を有する可能性があることを示す。これは、固溶体の好ましい立方晶のフルオライト格子内における酸素空格子点の形成から生じることが提案されるが、それは、結晶バルクから表面までの酸素イオン移動に対するエネルギー障壁を低下させ、それにより典型的なペトロール(ガソリン)三元触媒用途の排気流内で起きる空燃一時的現象を緩衝する固溶体の性能が高まる。]
[0008] 更に、上記のドーパントの具体例の使用は、本明細書で特定の利益を有することが確認されるYにより、セリア−ジルコニア固溶体のための好ましい立方晶のフルオライト格子構造の完全安定化を提供することができることが示された(US6,468,941及びUS6,585,944)。好ましい立方晶のフルオライト結晶の存在は、結晶の表面及びバルクの両方からのCe4+→Ce3+についての最も容易なレドックス化学と相関し、従ってバルクCeO2と比較して酸素貯蔵及び放出容量を劇的に増大させることが分かった。この利益は、典型的な排出環境に存在する水熱の極限のため、材料が結晶成長/焼結を受ける場合に特に顕著である。また、特にY並びにより小さい程度にはLa及びPrの組み込みは、よりCeリッチな立方晶相とよりZrリッチな正方相とから成る複合物への単一立方晶相セリア−ジルコニアの不均化(固溶体のレドックス機能、表面積等の著しい減少をもたらす過程)を限定する又はある場合においては回避することも示された。]
[0009] 最後に、米国特許第6,468,941号、米国特許第6,585,944号、米国特許出願第12/363,310号及び米国特許出願第12/363,329号(両出願は参考として本明細書で援用される)は、卑金属、即ち、特に興味深いことが確認されるFe、Ni、Co、Cu、Ag、Mn、Bi及びこれらの元素の混合物でセリウムのレドックス化学作用を促進するための代替手段としての、固溶体の立方晶のフルオライト格子の中への又はそれを有する非貴金属(Pt、Pd、Rh、Au等)ドーパント金属を用いることの可能性を教示する。故に、典型的な非促進OS材料は、典型的には、約600℃でH2昇温還元(TPR)方法により測定される通りのレドックス最大値を示すが、格子内に卑金属を含有することにより、この温度は、貴金属の使用により負う犠牲の一部で200℃超低下する可能性がある。]
[0010] しかし、これらの卑金属をCeZrOx格子内に有益に組み込むことができ、この組込みにより新しい材料のための低温レドックス機能を著しく促進することができるが、これらの元素の付加は、新しい及びエージングされた相の純度を低下させ、且つ、水熱耐久性を著しく減少させる(結晶の焼結及び材料の高密度化を促進する)可能性もあり、それによりエージングされた性能低下が生じる(更なる卑金属を有さない塩基組成物参照)。更に、従来のエージングサイクルの間、気相とCeZr材料との間に反応が生じる可能性があり、それは立方晶のフルオライト格子からのこれらの更なる卑成分の抽出をもたらす可能性がある。これは、次に、低い固有の触媒活性を有する別々のバルク相、又は、最悪のケースシナリオにおいて、OS又は他の触媒成分と直接相互作用する相の形成をもたらす可能性があり、これは触媒の直接的又は間接的な活性低下をもたらす。故に、最近まで、電気的中性及び相保存の両方を確保すると共に立方晶のフルオライト構造への促進剤のより低い原子価のイオンの組み込みを可能にするために特定の合成上の注意が必要であった。従って、米国特許出願第12/363,310号に示されるように、約40%のCeを有する立方晶のフルオライト構造に「ドープ」された特定の低原子価卑金属促進剤(Ag)を含有するOS材料の合成は、レドックス性能の著しい低下を伴うCeリッチ領域及びCe不十分領域への相不均化をもたらした。これは、DPFに用いるための高活性及び水熱耐久性を有する当量組成を提供することが可能であった新しく開発された塩基交換方法と対照を成した。]
[0011] 不都合にも、車両用途におけるパッシブ式又はアクティブ式の再生方法において進歩したOS材料を用いる多数の試みにもかかわらず、これらが以前収めた成功は限定されたものであった。これらの系内で起きる化学作用の広範囲にわたる研究は、OS系触媒の活性がOS材料とすすとの間の高い「接触効率」に依存することを示した(例えば、Applied Catalysis B.Environmental 8,57,(1996)参照)。SAEpaper 2008−01−0481並びに米国特許出願第12/363,310号及び第12/363,329号に記載されたその後の研究により、OSとすすとの間の接触効率の低下が、ユーロV規制以前のエンジンに典型的な著しいNOエンジン排出物を含む特定の化学作用から生じる可能性があることが現在確認されている。この過程は、OS及びすすの「脱共役」であることが示され、CO+NOを生成する触媒の切迫した環境においてすすを燃焼させるNO2を生成するための酸化PGM上のエンジン出力NOの反応の結果である。この過程のNO副生成物は、更にNO2に「再利用」され、すす燃焼が再開され、直ちに触媒に接触するそのすすのみが除去される。このサイクルは、US4,902,487の基礎であり、以前は、低温すす燃焼/再生を提供する主要な反応であると考えられていた。しかし、このメカニズムは、低濃度のすす及び実際は触媒と直接接触する割合のすすだけの除去にのみ効果的であると思われる。従って、このメカニズムは、触媒及びすすを効果的に「脱共役」し、OS媒介再生方法の有効性を劇的に低下させ、実際、最適なすす排出制御に必要な「真の」OS媒介低温パッシブすす再生反応を効果的に「不活性化」させる反応性の毒であると考えることが可能である。しかし、幸いにも、次世代イオン交換OS材料の設計は、この「脱共役」手順を回避することと、更にOSのレドックス特性の促進との両方に効果的であることが分かり、故に、エンジンダイナモメータにおけるものと、ウォシュコートされたDPFに対する車両試験におけるものとの両方全てについてのすすの再生に関する強力な性能の利益を示した(米国特許出願第12/363,329号参照)。]
[0012] 前述の要件及び課題に基づいて、微粒子の高度に効果的なトラップ及びその後の燃焼を確保するためにウォールフロー型DPFを使用する従来のアプローチは、多くの困難な技術的障害を示すことが明らかである。従って、本技術分野において必要とされるものは、従来のDPF及び従来のアクティブ式再生戦略と比較して任意の再生サイクルの開始及び制御に関する、再生のための燃料ペナルティの低下と更に複雑性の減少との両方を提供すると共に、粒子状物質の制御及び転化のための改善された材料及び/又は方法である。本明細書において、従来のウォールフロー型フィルタに必要なものより著しく低温での保持された粒子状物質の(半)連続的及び(半)パッシブ燃焼のための最小の/著しく低下した背圧ペナルティを有する直列すす燃焼装置及び触媒の使用が提案される。]
[0013] ディーゼル粒子状物質の(半)連続直接触媒酸化のための方法及び装置の開発における著しい進歩は、卑金属改質酸素貯蔵(OS)材料と従来のフロー基材との組み合わせにより実現され得る。基材は、活性ウォシュコートが配置されるセラミック技術又は金属技術の範囲から選択される。かかる基材は、金属部品、セラミック発泡体又は金属発泡体であってよい。基材は、単位面積当たりの多数のチャネル又はセルを示すこと、又は、その内部フローチャネルの構造による乱流フローを導入する性能を更に特徴とする。卑金属改質OS直接すす酸化触媒とフロースルー型モノリスとの特定の組み合わせは、従来のDPFにより導入される背圧ペナルティのない粒子状物質の高転化を可能にする相乗作用を提供する。具体的には、前記相乗作用は、低温ですすを燃焼させる活性OSの性能から生じると考えられ、それは、次に従来の基材の熱量の減少により容易にされるが、後者は、すすの堆積及び反応のための十分な幾何学的表面積を依然として提供する。これは、低温活性の大きな改善を提供するものであり、特にSiC DPFについての基材の大きい熱量がすす燃焼の開始及び特に伝播を阻害する従来のウォールフロー型DPFとは著しく対照的である。従って、この技術の組み合わせは、標準走行サイクルの典型的な条件下での粒子状物質の効果的な転化手段、即ち、高温アクティブ式再生サイクルに頼ることがなく、様々なペナルティ及びそれに関連する他の問題のないすす燃焼を提供する。]
[0014] 本明細書におけるドープされたOS材料は、実質的に相純粋な立方晶のフルオライト構造を含有するZrO2/CeO2固溶体に基づくものであって、卑金属、即ち非貴金属の特定のイオン交換により生成される。適切な材料の範囲及びイオン交換の実施に関する全詳細は、米国特許出願第12/363,310号及び第12/363,329号に記載されている。イオン交換の様式は、化学的に塩基性の条件、即ち、高pH、即ち高OH-/低ヒドロニウム(H3O+)又はプロトン(H+)含有率の条件下での固溶体への活性金属/カチオンの導入を本質的に含む。前述の研究において示されるように、得られた材料は、酸性金属、例えば金属硝酸塩の従来の含浸により実現されるいかなる促進とも対照的に高活性及び水熱耐久性を示すが、ここで結果として生じる非活性化を伴う新しい材料におけるバルク酸化物相の形成及びかかる酸化物相の急激な焼結が基準である。金属イオンによるCe−ZrOx格子内のCe3+不足部位に存在するH+種の提案された交換は、酸化物マトリックス内で高分散での特定の一価イオン、例えばK+、二価イオン、例えばCu2+、三価イオン、例えばFe3+、より高い原子価のイオンの組み込み及び安定化を可能にする。しかるに組み込まれる卑金属の選択は、特に興味深く、触媒的に重要な反応に活性であることが知られている酸化物に基づく。特定の触媒的に重要性のある金属としては、Ag、Cu、Co、Mn、Fe、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、車両排出の従来の操作窓内の条件下でN2のその後の分解及び還元を受け得る安定した硝酸塩を形成することが知られている他の金属又は半金属が挙げられる。「遷移金属」という用語は、元素の周期律表の第3〜12族における38の元素を指す。]
[0015] 排出フロー内の同伴するすす粒子と活性触媒被膜との間の十分な相互作用及び後続反応を提供するために、高セル密度/乱流フロースルー型モノリスの使用も必要とされる。高セル密度という用語は、平方インチにつきフローチャネルの多数(≧600)の個別セルを有する予め形成されたフロースルー型モノリス基材と一致する。この高セル密度は、第1に、モノリスの活性ウォシュコート壁とのすす衝突の可能性を最大にするために吸入口で乱流を導入することが提案される。第2に、高セル密度は、モノリスを通る流路を限定するが、それは活性ウォシュコート上での微粒子の衝突及び保持/反応の可能性を再度増大させるが、従来のDPFに関連する大きな背圧ペナルティを有さない。更に、フロースルー型基材の使用は、総ウォシュコート充填に関する既存の制約を除去するか、又は、特定の機能を有する積層技術、例えば、第1層(オーバーコート)におけるすす燃焼触媒及び第2層(アンダーコート)におけるSCR触媒の使用は、同様に、必要なOS、PGM及びNOxトラップ等の活性成分を全て含有する第2流路が分散され得るAl2O3がリッチなアンダーコートの使用が、固有の触媒機能は低いが高いウォシュコート付着性を提供することを可能にする。この第2の例において、オーバーコートは、通常の条件下でより低い付着性を示し、従来は、結合剤、例えばAl2O3で希釈されるが、結合剤の組み込みは、活性相の希釈のため活性の低下をもたらすので、積層設計が好ましい。この積層は、フロースルー型基材を通過したのですすと相互作用/反応し、活性物質のみから成り、従って触媒作用を最大にする表面被覆を確保する。フロースルー型モノリスを使用する際に高いウォシュコート充填を可能にすることにより、基材上に被覆するより高濃度の活性物質を用いる能力が提供され、これにより、破局的な背圧ペナルティなしで技術の性能及び水熱耐久性が更に高められるが、かかるアプローチは、従来のDPFの使用を示す。故に、フロースルー型基材を用いることにより、ウォシュコート充填は、10g/Lから180g/L以上まで増加させることができ、再度燃焼効率を増加させるすす接触のための触媒のために有効幾何学的表面積を同時に増大させることができた。]
[0016] 更に、フロースルー型モノリスを用いることにより、ウォシュコートの組織的特性、例えば粒径、粗度等が、単に背圧ペナルティを最小限に抑えるためだけでなく活性について最適化され得る。従来のDPF用配合物は、典型的には、背圧ペナルティを最小限に抑えるために、「内壁」被覆、即ち、モノリスの表面上への不連続的なウォシュコート層の形成のない基材の内部孔の被覆を可能にするために5ミクロン以下のD50(50%の粒子の直径)値を目標とする。典型的には、かかる粒度分布は、ウォシュコートに使用される原料の積極的な微粉砕により達成される。しかし、内壁被覆のための非常に小さな粒子を得るためのこの「超微粉砕」の使用は、典型的な配合物に用いられるOS及びアルミナ成分の活性、安定性及び表面積に極めて破壊的であることが分かった。その結果、かかる方法は、放出の速度及びOSの総酸素貯蔵容量に悪影響を与える可能性がある。更に、超微粉砕は、抽出されたカチオンの堆積から生じるあらゆるPGM機能の更なる低下を伴うOSについてのカチオン抽出及び相不均化をもたらす可能性がある。対照的に、高い組織的/粗度特性を有するウォシュコートの使用は、三元用途において有益であることが以前確認されており(例えば、SAE2005−01−1111参照)、初期のフロー乱流を高め、従って触媒がすす接触する可能性を増大させる可能性がある。積極的な微粉砕がないことによる組織の保持により、1次すす部分が効果的にOS材料と接触する可能性が増大すると予想することもできる。密着度は、直接すす燃焼と直接相関することが示された(Applied Catalysis B.Environmental 8,57,1996、米国特許出願第12/363,329号、SAE2008−01−0481参照)。更に、すす物質に存在するHC、CO又はSOF(可溶性有機成分)の燃焼により生成されるエネルギーが、残留するすすの燃焼の開始及び伝播の手段として(マッチ又は雷管を打つことに類似、SAE2008−01−0481参照)確認されたことが示されたことから、相、OS機能又はPGM機能に対する活性配合物の完全性は、特に本明細書において、常に主要な重要性である。]
[0017] 本発明の利益及び特性としては、以下:
a)すすの(半)連続直接触媒酸化のためのディーゼル車両の作動に関連する温度で活性な水熱的に堅牢な直接すす触媒系の提供;
b)DPF基材の要件を有さず、それにより関連の基材コスト、背圧の制約、キャンニング及び空間の要件、及び従来のDPFに関連する補助的系を取り除く微粒子制御系;
c)関連する燃料ペナルティ、フィルタケーキの形成、破局的な無制御の再生の可能性、オイル希釈、灰の堆積、又は従来のDPFと関連する他の問題を伴う複雑な従来のアクティブ式再生サイクルに頼ることなく完全な酸化機能を提供する活性触媒の提供;
d)ウォシュコートの充填、粒径/組織、故に単に背圧制約のみでなく性能及び耐久性要件に基づいてウォシュコートを最適化する性能に関する被覆部分の設計の柔軟性;
e)特定の機能化層による多重積層技術を用いて、単一のモノリスから更なる触媒特性及び機能を提供し、従来のDPFを用いる場合、以前は不可能であった更なる化学的相乗作用及び性能効果を潜在的に達成する性能;
f)すす及び可溶性有機成分の急速酸化を容易にし、それにより「表面目詰まり」(従来の触媒配合物を有する従来の高CPSIモノリスの使用に関連する現象)の可能性を回避するためのアクティブ式ウォシュコートと高セル密度基材との間の相乗的作動、が挙げられる。]
[0018] この戦略は、従来のDPF系で用いられるものと明らかに対照を成す。従来の設計について、触媒機能は、典型的にはより限定される(即ち、1次排出物又は2次排出物(SAEPaper 2007−01−0234,Pfeiffer et al.)、NOxのNH3−SCR(US2008/202107−A)等からのCO、HCの制御)。更に、従来の配合物についての設計制約は、重要であり、濾過効率と最大系背圧との間に必要なプライマリーバランスに典型的に基づく。]
[0019] 触媒及びモノリスのこの相乗的作動の設計目標を満たすために、満たされなければならない幾つかの主要な性能要件がある。第1に、2成分、3成分又は更に4成分Ce−Zr−REOx系で従来得られるものよりも低い温度でのセリア還元性の増加のための要件がある。この還元性は、主要な反応工程であることが提案された触媒からすすまでの低温O−イオン供与を達成するために重要である(SAE2008−01−0481;米国特許出願第12/363,310号及び12/363,329号;Appl.Catal.B vol.17,1998,p205,Appl.Catal.B vol.75,2007 pl89,Catal.Today 121,2007,p237,Appl.Catal.B vol.80,2008,p248)。故に、すす酸化のための酸化物固溶体を含有するCeOx又はCeZrOxの使用の検討は広範囲に亘った。しかし、三元触媒において典型的に用いられる通りの従来のCeZrOx固溶体は、典型的には、約600℃でのH2昇温還元(TPR)方法により測定される通りのレドックス最大値を示す。これは、OS材料が最大「緩衝」又は酸素供与利益を提供するための前記用途における高排出ガス/反応温度のための要件を課す。更に、活性格子酸素に接近するための高温のためのこの要件は、低温の直接すす酸化のためのCeZrOxの実現に対する障壁である。この温度問題に対処するため、OS材料は、典型的には、貴金属(PGM)成分、例えば、Pt、Pd又はRhの付加により「促進」される。しかし、これらの金属による促進は、大きな追加費用を排出制御系の価格に付与する。更に、PGM、特にPtの付加は、US4,902,487に記載されるようにNOx媒介すす酸化の「古典的」化学作用を促進する。しかし、NOx媒介すす酸化は、低濃度のすす及び実際は触媒と直接接触する割合のすすだけの除去にのみ効果的であり、直接OS媒介すす酸化のための効果的な触媒毒であると考えることができることが現在分かっており、明らかに示されている(SAE2008−01−0481、米国特許出願第12/363,310号及び第12/363,329号)。従って、本技術分野において必要とされるものは、費用のかかるPGMを使用することなく、そして触媒のNOx酸化化学作用を増大させる望ましくない帰結なしで、CeOx/CeZrOx系酸化物材料の酸素イオン伝導性を促進する方法である。]
[0020] 第2の限定(現在まで使用されている更に典型的なOS材料)は、それらの総酸素貯蔵容量に関する限定であり、即ち、TPRで測定される通りの有効酸素の量は、OS材料の総Ce IV含有率の考慮から予想されるものよりも典型的には低い。現在まで利用可能な多くのデータは、還元を受けて利用可能な総Ce IVの約50%だけに一致する。この時点で、これが基本的な問題によるものなのか、又は混合Ce IV/Ce III原子価につながるOS材料の製造において用いられる現在の合成方法による限定によるものなのか、或いは更なる化学的、構造的又は組織的な限定の組み合わせが原因であるのかは、不確かである。]
[0021] 最後に、典型的なOS材料は、あるとしても、排出制御系に対するごく限定された更なる相乗作用を提供する。他で記載されるにように、理想的な材料成分は、更に排出制御を高める(例えば、NOxの掃気及びN2への還元)ための更なる一体型化学的メカニズムを提供する。]
[0022] 故に、OS材料は高活性の実現に重要な成分であるが、材料は、より新しく、更により厳しい排出目標に従うために必要とされる次世代の排出触媒の開発に著しい限定を示す。必要なものは、低温活性な新しい種類のOS材料、特に触媒機能を促進するための車両用途の冷間始動部分である。また、これらのOS材料は、多様な、要求の厳しい排出環境におけるそれらの使用を可能にするために、高水熱耐久性をも示すべきであり、可能性のある排出毒に耐性があるべきである。]
[0023] 上記の及び他の特徴は、以下の詳細な説明、図面及び添付の特許請求の範囲から当業者により認められ、且つ理解されるであろう。]
図面の簡単な説明

[0024] SGB反応器の配置を示す図である。
後続のすす燃焼に対する充填中の反応性ガス混合気の影響を示すすす燃焼サイクルについてのCO2生成/O2消費プロファイルを示す図である。
試験サイクルに用いられる反応性ガスマトリックスを示す図である。
すす充填中の背圧応答に対する反応条件の影響を示す図である。
TPOを介する後続のすす燃焼サイクルに対する充填(前の図4)の間の反応条件の影響を示す図である。
TPOの間のO2消費に対する反応条件の影響を示す図である。
すす充填中のB.P.応答に対するモノリスセル密度の影響を示す図である。
保持されたすすの燃焼に対するモノリスセル密度の影響を示す図である。
保持されたすすの燃焼のためのO2消費に対するセル密度の影響を示す図である。
900CPSIフロースルー型モノリスについてのすす充填温度の影響を示す図である。
900CPSIモノリスについてのB.P.及びO2消費への後続のすすバーンアウト効果に対するすす充填温度の影響を示す図である。
900CPSIモノリスの昇温式すす充填を示す図である。
図12に示されるすす充填サイクルの後の900CPSIモノリスの昇温反応を示す図である。
100〜200℃の温度勾配による反応性ガスフローにおけるすす充填サイクルの後の900CPSIモノリスの昇温酸化を示す図である。
900CPSIモノリスの昇温式すす充填を示す図である。
図15のスス充填サイクルの後の900CPSIモノリスの昇温酸化を示す図である。
900CPSI部分についての100〜200℃の同時の勾配による反応性ガスにおけるすす充填中のB.P.、CO2発生及びO2消費に対するGHSVの効果を示す図である。
試料(前の図17)のTPO−B.P.応答及びCO2発生を示す図である。
試料(前の図17)のTPO−NO及びCO2発生及びO2消費を示す図である。] 図12 図15 図17 図4
[0025] 図1は、概念試験が実施された合成ガスベンチ(SGB)反応器の概略図を示す。通常の実験の前に、モノリスコア(平方インチ当たり400又は900セルのCPSIを有するフロースルー型ウォシュコートモノリスを用いる)と石英ウールが詰められた石英スリーブとを、示されるようにステンレス鋼反応器内に配置した。続く実験の間、図1に示されるように配置されたそれぞれのプローブを用いて、反応器の温度、圧力低下、及びO2含有率をモニタした。m/z重複部分の適切な補正と共にオンライン質量分析により気体反応副生成物の代表的試料採取を行った。] 図1
[0026] これらの研究に用いられる試験プロトコルは、典型的には2相から成った。]
[0027] 第1相)すす充填サイクル:実験のこの部分において、流動床系を使用してPrintex Uすす類似体(Evonik Degussaから入手)を反応器に導入する。流動床ユニットはすす材料を含有し、N2のフローは床の基礎を通して基礎が形成されて流体状態を確立し、従ってガスフローと共に懸濁固体材料を同伴する。次いで、N2/すすフローを反応性ガス部分と混合し、反応器を通過させるが、そこでモノリス内のすす堆積が起こり得る。すす送出速度は、典型的な充填条件下で0.2g/時間である。フロースルー型モノリスを通過するあらゆるすすを保持するため、即ちすす「スリップ」又は低濾過効率を決定するため、反応器の排出口位置内に石英ウールの床を詰めた。]
[0028] 第2相)再生:試料を乾燥N2によりパージし、次いでN2/O2(TPO又は昇温酸化として)又は反応性ガス混合気(図3に記載されるように)中で750℃に加熱し、反応器条件、例えば、背圧、O2含有率、温度及びオフガスをモニタする。なお、石英ウール内にトラップされたあらゆるすすは、従来の均質燃焼経路を介して高温のみで再生の間にも燃焼し、このことは、次に、モノリスを通るすす「スリップ」の決定を可能にし、従ってトラップ効率に対するセル密度の影響を決定する。あらゆる性能試験の前に性能/エージングに関して様々なモノリスコアを安定化したが、これは750℃で4時間のin situ熱処理により達成されたという重要事項が本明細書において示される。] 図3
[0029] 実施例1(Ag−OS成分の製造方法)及び2(最終被覆モノリスの製造方法)に記載される活性触媒が被覆された900CPSIモノリスについての再生試験の例は、図2に示される。本明細書において、本発明者らは、触媒及び2次的石英トラップに保持されるすすの後続の燃焼(触媒的対均質)に対するすす充填中のO2の存在の影響を検討する。性能は、概して同様であり、2つの不連続的な燃焼事象(活性ウォシュコートと良好に接触するすすから生じる直接触媒すす燃焼に起因する約250℃での第1事象、及びフィルタケーキ燃焼及び石英ウールフィルタに保持されたすすの燃焼からの600〜700℃の間で2つの特徴を有する第2事象)の存在を示す。この結果は、SAE2008−01−0481におけるものを反映しており、直接酸化が生じる触媒−すす接触の重大な重要性を再確認する。差が、O2センサにより測定されるようにO2の消費において認められるが、それは、充填中のO2の存在がおそらく充填中のすすの表面上のO2化学吸着によりわずかに有益であることを示唆する。] 図2
[0030] 図3は、充填及び再生試験中に用いられた様々なガス組成物を概説するものである。故に、後続の図において、反応性ガスに対するあらゆる参照は、例えば、3行目に示された濃度のN2、O2、CO、NO及びプロペンを含有するガス組成物を指す。] 図3
[0031] 図4は、充填中のガス環境或いは温度及びガス環境のいずれかの関数としての3時間(10800秒)のすす充填サイクル中の400CPSI(1平方インチ当たりのセル)フロースルー型モノリスについての背圧(以下、B.P.)応答を比較したものである。そのデータは、N2/O2下での200℃でのすす充填と反応性ガス混合気との間の明白な差を反映する。前者の場合、系(モノリス+石英ウール濾床)のB.P.応答の連続的増加があり、それはすすの系統的な堆積及び蓄積に一致する。対照的に、反応性ガス下の200℃の充填サイクルは、蓄積サイクル中のB.P.の増加の顕著に低い速度を示す。これは、経時的に系内に蓄積されるすす物質の濃度の大きな減少に一致するが、これより、消費、即ち充填サイクル中のすすの酸化があると推論することができる。充填サイクル中のCO2発生データの比較は、反応性ガス充填について著しく高いCO2を示したが、CO及びプロペンの同時酸化が与えられるにもかかわらず、このデータは部分的確証のみであるとみなされ、後続のTPO(図5)がより明確であると考えられる。B.P.の増加の減少の傾向は、250及び300℃の反応性ガスにおける充填サイクルについて更に一層明白である。従って、250℃では、前記サイクルに亘るB.P.の少しの増加だけがあるが、一方で300℃では、B.P.が初期充填期間後に実際に低下することを認めることができる。また、両試料は、充填中に高いレベルのCO2生成を示したが、これは、すすの連続直接触媒酸化に一致する。] 図4 図5
[0032] 図5に示される後続のTPOは、すす充填の間に認められるB.P.応答の傾向(図4)に一致する。本明細書において、N2/O2における200℃の充填サイクルの後のTPOは、3つの特性(すすの触媒燃焼に起因する250〜350℃の間の小さな酸化特性、並びにフィルタケーキ燃焼による640℃での、及びすす「スリップ」、即ち、モノリスを通過し、反応器の排出口の方への石英ウール「フィルタ」内にトラップされたすすの燃焼に起因する700℃超での2つの大きなCO2特性)を有するCO2発生プロファイルをもたらす。この石英ウールが炉の主要被加熱領域の外部に配置されるので、本明細書においてトラップされたあらゆるすすは、単に高温で燃焼され、故にすす「スリップ」の程度に関する単純な診断を提供する。従って、この場合、低温で、且つ一般的な燃焼化学作用の非存在下で、従来の400CPSI部分を通るすすの大きな「スリップ」があることを認めることができる。このすすが蓄積し、図4において認められる大きなB.P.の増加をもたらす。この応答は、200℃での反応性ガス充填と対照を成す可能性がある。この場合はまた、3つの主要なCO2発生特性(約300℃での触媒燃焼、650℃でのフィルタケーキ燃焼、及び約710℃での「スリップ」燃焼)がある。しかし、総CO2生成は、特に最も高温の「スリップ」事象についてかなりの程度にまで減少するが、これは充填中の連続的なすす酸化の増大に一致する。更に、触媒燃焼によるCO2は著しく増大し、フィルタケーキCO2は減少するが、このことは、シミュレートされた排出条件下での触媒機能の著しい増大を反映する。これらの傾向は、250及び300℃での充填サイクルにおいて更に明白である。両者は、総CO2生成の減少、即ち、すすの保持及び特にすす「スリップ」によるCO2の減少を更に示す。故に、200℃のN2/O2充填に対する300℃の反応性ガス充填の比較は、80%超のCO2の減少を示し、即ち、前記サイクル中に充填されたすすの80%超が連続直接触媒すす酸化過程を介して燃焼される。] 図4 図5
[0033] 図6は、図5に記載されるTPOサイクル中の反応器の排出口でO2濃度を比較するものである。データは、反応性ガスすす充填サイクルについて、及び250及び300℃のすす充填サイクルについて記録されたO2の消費の減少と共に、上記で示した同じ傾向を反映する。後の2つのサイクルについて、いかなる特定のCO2発生特性にも相関しない約475℃での特性の出現もある。このピークは、触媒からのNO/NO2の脱離に起因し、後の図において更に詳細に検討される(図9、11、13、14、15、16及び18b参照)。なお、モノリスの排出口におけるO2センサの位置決めのため、高温すす「スリップ」事象のために記録されるO2の消費はない。] 図5 図6 図9
[0034] 図7に、すす充填中のB.P.応答に対するモノリスセル密度(900CPSI対400CPSI)の影響が記録される。900CPSI部分が充填サイクル中のわずかに高いB.P.増加率を示すものの、200℃での充填サイクルの比較は、2つの基材について一般的な類似性を示し、それは、この基材のより狭いチャネルにおけるすす蓄積の予想される大きな影響に一致する。] 図7
[0035] 図8に、図7の充填サイクルの後の後続のTPO反応の比較が示される。データは、セル密度の関数としての技術の有効性の明らかな変化を示す。故に、400CPSI部分についての以前のデータとは対照的に、900CPSI基材は、フィルタケーキ及び「スリップ」燃焼の両事象について認められる非常に小さいCO2発生特性のみを伴うすす濾過効率の劇的な改善を示す。更に、試料は、直接触媒酸化の特性を伴う効率性の増加をも示すので、ここで直接触媒酸化からのピークのCO2生成は、400CPSIモノリスについて、約300〜310℃に対して約240℃で認められる。従って、高セル密度モノリス及び活性ウォシュコートを用いることにより、400CPSIモノリスに対するT>500℃で総CO2生成に対して95%超の高濾過効率と、更に連続低温直接触媒すす酸化とを達成することが可能である。] 図7 図8
[0036] 図9に、900CPSI対400CPSIモノリスについて、O2の消費に関する性能の同等の差が認められる。前の900CPSI O2消費は、T<300℃について大部分が認められるが、T>600℃での著しいO2消費はない。逆のことが400CPSIについて認められ、主要なO2消費は、フィルタケーキ酸化から約610〜620℃で記録される。興味深いことに、3つ全ての試料は、ウォシュコートからのNOx発生と関連した、図6による約475℃での更なる特性を再度示す。] 図6 図9
[0037] 蓄積されたすすの後続のTPOにおける温度に対する充填の影響は、蓄積されたすすの大きな減少となる900CPSIモノリスの結果である。故に、100℃での充填により約8200カウント/sのピークCO2収率が得られるが、150及び200℃での充填サイクルについては、それぞれわずか6000c/s及び1,000c/sである。更に、150及び200℃での充填サイクルについては、いかなる高温のCO2生成ピークもないことに基づき、フィルタケーキ形成についての証拠はない。実際、400CPSIモノリスにおける200℃のN2/O2サイクルに対する900CPSIモノリスにおける前200サイクルからの総CO2発生の積算は、充填サイクルが直接触媒燃焼を受ける間に導入された全すすの99%超を示し、それにより「実」生活用途における技術の使用の可能性が提供される。]
[0038] 図11は、図10に記載されるTPOサイクルに関連するB.P.応答及びO2消費のトレースを示す。全ての場合において、データセットは、認められたCO2生成プロファイルに一致する。故に、全ての場合において、モノリスチャネルに限定的すす粒子がないので、CO2発生/残留すす燃焼は、O2消費とB.P.の純減少とに関連している。O2消費度は、純CO2生成量に従い、即ち、100>150>200℃である。また、全ての試料は、475℃で2次NOx関連特性を示す。B.P.応答は、200℃サイクルについて最も鮮明であり、次いで150℃、最後に100℃の充填サイクルである「緩和」応答を伴うすす充填の条件を反映するとも思われ、これはまた、各種試験についての残留すす保持とも一致する。] 図10 図11
[0039] 運転条件をより良好に模倣するため、本発明者らは、動的温度変化の条件下ですす充填サイクルを実施した。故に、図12は、900CPSIモノリスを用いた昇温式すす充填の例を示す。この試験において、100℃から200℃への試料の加熱を伴う完全反応性ガス混合気における同時すす充填サイクルがあった。データは、CO2生成及びO2消費トレースについて認められたピーク、次いで減衰において反映されるようにすす燃焼と一致することが再度明らかにされた予想CO(及びプロペン)点火曲線を示す。この実験において、この研究中に行われた全ての試験におけるように、すすの酸化中のCOの生成はなかった(1つがCO及びCO2からのマスフラグメンテーションの背景及び動的寄与の原因であり得る、m/z12での補正した質量分析計のピークの分析により測定される)。また、すすの連続燃焼は、200℃の設定点に対して約245℃であることが明らかにされた床熱電対において認められるオーバーシュートの原因となることをも促進する。] 図12
[0040] 図13は、図12における昇温反応すす充填の後に行われた昇温反応実験を示す。この試験のためのプロトコルは、すす充填サイクルが完了した後、流れるN2においてin situで100℃に試料を冷却することを必要とし、100℃で安定した際、完全反応性ガス混合気を次いで再導入し、標準法により試料を750℃に加熱した。データは、CO、CO2、またO2センサにおける応答により証明されるようにCOの予想点火を示す(プロペンも点火を受けるが、シグナルは、CO、NO及びNO2トレースによる明暸性のために省略される)。興味深いことに、CO2生成のピークが約225℃にもあり、次いで減少するが、この特性は、その部分に保持される残留すすの燃焼に起因する。この燃焼事象中に試料のB.P.の著しい変化はないが、このことは、保持されたすすが、系の背圧へのいかなる有意味な寄与ももたらさないような低レベルにあることを示唆する。最後に、475℃に非常に小さなCO2発生があり、この後者の特性は、以前の試験(図9及び11参照)において示された見かけ上のO2消費事象に一致するが、NOx(NO及びNO2)脱離事象にも一致する。この事象は、SAE2008−01−0481、米国特許出願第12/363,310号及び第12/363,329号に記載されるように、Ag−OS材料の固有のNOx除去及び放出特性に起因する。従って、充填サイクル中、そして後続の昇温反応において、一般に触媒−すす接触の「脱共役」をもたらす生成されたあらゆるNO2は、高分散Ag中央部にトラップされ、認められたプルーム内にそれが放出される高温に保持される。次いで、脱離されたNOxのプルームは、その部分上に残留するどんなに微量のすすとも、特に触媒表面から空間的に離れたいかなる種とも(即ち「不十分」な接触で)反応することができる。] 図12 図13 図9
[0041] 反応性すす充填サイクル中の温度の影響を更に検討するため、更なる試験を行った。図14は、図12による反応性ガス及び温度勾配を伴うすす充填後の900CPSIモノリスについてのTPOの結果を示す。完全な反応性ガス混合気ではなくTPOプロトコルを用いることは、化学作用及び結果のトレースを単純化する。従って、TPOプロトコルにおいて、点火特性はないが、むしろ温度に対する触媒上で起きる様々な現象による一連のピークがある。第1に、残留する保持されたすすの燃焼に起因するCO2生成ピークがある。このピークは300℃に集中しており、それは昇温反応の場合よりも約75℃高い。これは、低温のすす酸化を容易にする際のCO及びHC点火の発熱状態の重要な寄与を反映する。故に、反応性ガス温度の勾配において、CO及びHCが燃焼し始める場合、それらは、すす酸化の開始に対する活性化エネルギー障壁を克服するのに十分なモノリスにより熱ブルームを生成する。次いで、すすの燃焼が開始されると、更なる発熱が生じ、得られた熱「カスケード」は非常に高いすす転化率を得るのに十分であるが、この方法は、US2005/0282698A1に記載される通りの低温のすす酸化のための方法に関連したものである。この場合のすす酸化事象は、非常に小さなB.P.「緩和」に相関する。また、試料は水を脱離することも認められるが、この放出は、HC酸化からの燃焼副産物の脱離に関連する。最後に、475℃でも、Ag−OS除去機能に関連するNOx脱離/見かけ上のO2消費事象が再度認められるが、この場合、不十分な接触における微量のすすの燃焼からのいかなる著しい関連のCO2生成もないと思われる。しかし、明らかなことは、用いられる充填条件下で、900CPSIモノリス上に残留する非常に低いレベルの残留すすが得られる直接すす酸化に対して一貫して高い活性があることであり、これにより、連続直接触媒すす酸化のためのアプローチに対する可能性が確認される。] 図12 図14
[0042] 図15では、昇温式反応性ガスすす充填において、被覆された900CPSIモノリスの性能が検討される。この場合、用いられる最高気温は500℃であった(50℃からの勾配)。この場合、CO(及びHC)点火トレースは、関連するO2消費であるように非常に明らかに表される。また、CO2発生トレースは、約250℃でピークへの増加を示し、その後定常状態値に減少する。これは、保持されたすすの活性触媒燃焼に再度一致する。故に、この点及び他の全ての点において、性能の傾向は、約475℃でのNOx除去/見かけ上のO2消費を含む以前の結果を再現する。] 図15
[0043] 図16は、図15の充填サイクルに続いて行われるTPOを示す。本明細書において、明白で著しい反応や脱離の事象はない。特に、更なるCO2生成はなく、高温すす「スリップ」現象はなく、即ち、データは、充填サイクル中に充填されたあらゆるすすの完全転化に一致しており、これにより、技術の高い有効性が更に確認される。] 図15 図16
[0044] 次に、性能に対する気体時空間速度の影響を検討した。故に、図17は、25000h-1のGHSVに対する(モノリス体積に対する)15000h-1の標準GHSV下で温度傾斜(100〜200℃)で反応性ガス充填サイクルを対照するものである。流動床を通る流速により測定される通りの両試験におけるすす送出速度が両方の場合において一定であり、GHSVの増加が反応ガスマニホールド内の各種ガスの流速を増大させることにより達成されたことは、この点で強調される。両試験からの後続のデータの分析は、気相化学作用に対する応答と同等の応答を示すが、CO(及びHC)点火は、同等のCO2応答により証明されるように影響を受けない。O2センサ値に偏りがあり、これはおそらく高GHSV試験において用いられる総増加フローによるものであるが、再度、動的応答は同一となる。点火の完了後、CO2応答に多少の差があり、低GHSV試験は、より高い純CO2を示す。これに一致して、高GHSV試験のB.P.応答は恒常的な増加を示すが、これは、高い流速のために認められるより高い純静的背圧の組み合わせと、更に試験中の純すす蓄積速度の増加とに起因する。これは、すすの位置に関する問題を提起するが、即ち、すす「スリップ」によるB.P.の増加であるか、又はその部分に依然として保持されたすすであり、更に、用いることができ且つ依然として高連続すす燃焼速度を達成し得るすす堆積の最大有効速度であるものでもある。] 図17
[0045] 図18a/bにおいて、これらの問題が回答される。本明細書において、後続のTPOは、充填サイクルを反復する。データは、約300℃でのピークを伴って、低温でのCO2生成のみを示す。故に、より高いフローの条件下でもすすスリップがなく、即ち、導入された全てのすすがモノリスで保持された。従って、すす酸化速度の減少は、すす燃焼の伝播に重要であると考えられる発熱カスケードの純「希釈」をもたらす充填中に、その部分を通る流速の増加を伴う発熱効果に起因する。しかし、示されるように、この過程により生成された「過剰な」すすは、その部分上で反応せずに単に保持され、従って、後続のTPOにおいて、すす酸化は、低いGHSVの場合と同じプロファイルに従い、単に純CO2生成の増加がある。これは、低いGHSVの下で充填された試料より急激で且つ大きなB.P.「緩和」を示す高GHSV下で充填された試料とのB.P.応答においても反映される。同様に、NOx発生応答は、高GHSV試料についてより大きく、これは試験中により高い質量分率のNOx曝露量を反映する。これにより、次に、O2センサにより記録される通りの見かけ上のO2消費の差が小さくなる。従って、結論としては、活性に対するGHSVの影響はあるが、その影響は破局的ではなく、モノリスは、低温で全てのすすを燃焼又はトラップし、且つ依然として従来の車両の通常の作動窓内の温度でその燃焼を容易にするその性能を保持し、即ち、系は、従来のアクティブ式再生戦略に頼ることなく有効なすす濾過及び燃焼を依然として提供する。] 図18a
[0046] 本発明は、乱流/高セル密度フロースルー型モノリスに関連する卑金属改質酸素貯蔵(OS)材料の組み合わせによるディーゼル粒子状物質の連続/半連続直接触媒酸化のための方法及び装置に関する。フロースルー型モノリスとの卑金属改質OS直接すす酸化触媒の特定の組み合わせは、従来のDPFにより導入される背圧ペナルティのない粒子状物質の高転化を可能にする相乗作用を提供する。前記相乗作用は、従来の系におけるものよりも低温ですすを燃焼させる活性OS材料の性能から生じると考えられ、それは、次に従来の基材の減少した熱量により容易になり、後者は、すす堆積及び反応のための十分な幾何学的表面積を依然として提供する。特にSiC DPFのための基材の大きな熱量がすす燃焼の開始及び特に伝播を阻害する従来のウォールフロー型DPFとは著しく対照的に、低温活性の大きな改善を得ることができる。]
[0047] 本発明は、ディーゼル粒子状物質の(半)連続直接触媒酸化のための方法及び装置の開発における著しい進歩が、従来のフロー基材との卑金属改質酸素貯蔵(OS)材料の組み合わせにより実現され得ることを表す。基材は、活性ウォシュコートが配置されるセラミック技術又は金属技術の範囲から選択される。かかる基材は、金属部品、セラミック発泡体又は金属発泡体であってよい。]
[0048] より詳しくは、更なる一態様において、本発明は、触媒と、低温でのディーゼル粒子状物質の濾過及び連続直接触媒酸化のための基材との相乗的組み合わせに関する。触媒は、触媒活性な貴金属(Pt、Pd、Rh又はそれらの組み合わせ)と、本技術分野において周知であるCeZrOx型の実質的に相純粋な立方晶のフルオライト(X線回折法により測定される通りの)であるホストセリウム系固溶体と、耐火性酸化物担体、例えば、(γ)Al2O3、ZrO2、又は他の公知の酸化物担体とを含む。CeZrOxは、米国特許出願第12/363,310号に開示される通りの活性卑金属、例えば、Ag、Cu等の組み込みにより更に改質される。触媒は、モノリスが、活性触媒配合物/ウォシュコートが配置される不活性のセラミック基材又は金属基材である従来の設計のモノリス基材を更に含む。モノリス基材は、高セル密度、即ち、有効な相乗作用のための単位面積につき多数の活性チャネル(平方インチ当たり600超のセルの値)を更に特徴とする。金属基材の場合、活性ウォシュコートは、穿孔され、打ち抜きされ、型押しされた金属箔(例えば、TS、LS、PE及びMX型系(例えば、米国特許第6,689,327号参照))に有益な効果と共に適用され得る。]
[0049] 組み合わせた活性ウォシュコート及びモノリス系は、ディーゼル(又は低品質の他の燃料)又は可能なガソリン(化学量論組成)用途のための微粒子排出制御触媒の課題に適用され得る。本明細書に記載される特定の実施例は、高セル密度基材とのその相互作用の際のディーゼル粒子状物質の連続直接触媒酸化の領域におけるこれらの材料の適用のためのものである。これらの利益は、高セル密度モノリス及び新世代の改質OS材料から生じる前述の相乗作用により本出願において生じる。後者は、非改質OS材料と比較して、すすの低温の再生/酸化或いは低温での増加した再生効率のいずれかに影響を及ぼす際の利益を有することが以前に示されている(米国特許出願第12/363,310号及び第12/363,329号)。現在、適切な構成の従来のフローモノリスと組み合わせて、完全にパッシブな微粒子制御触媒を実現することが可能になる。]
[0050] 本明細書における「第1」、「第2」等の用語は、いかなる重要性の順序も示すものではなく、むしろある要素を別のものと区別するために用いられ、本明細書における「1つの(a)」及び「1つの(an)」という用語は、量の限定を示すものではなく、むしろ参照されたものの少なくとも1つの存在を示すことに更に注意するべきである。更に、本明細書に開示される全ての範囲は、包括的であり、且つ組み合わせることが可能である(例えば、「最高約25質量パーセント(質量%)、望ましくは約5質量%〜約20質量%、及びより望ましくは約10質量%〜約15質量%」の範囲は、前記範囲の端点及び全ての中間値を含み、例えば「約5質量%〜約25質量%、約5質量%〜約15質量%」等である)。]
[0051] セリウム含有混合酸化物/固溶体材料のための合成、特性評価並びに好ましい組成物、構造、ドーパントレベル等に関する詳細は、12/363,310及び12/363,329に詳述される。好ましくは、固溶体は、標準X線回折法により測定される通りの単相のカチオン性格子を含む。より好ましくは、この単相は立方晶構造であり、立方晶のフルオライト構造が最も好ましい。更に、XRDにより測定される通りの更なるバルク相を形成することなくドーピング方法を行うことができることに注意されたい。様々な実施態様において、OS材料としては、その内容全体が参考として本明細書で援用される米国特許第6,585,944号;第6,468,941号;第6,387,338号及び第6,605,264号に開示されるOS材料を挙げることができる。しかし、その塩基交換の柔軟性は、このように改質され且つ高められる全ての現行の公知のセリウム酸化物及びCe−Zr系固溶体材料の改質を提供する。]
[0052] 上記のように、ドーピング方法により改質されるOS材料は、好ましくは、従来のXRD法により測定される通りの実質的な立方晶のフルオライト構造を特徴とする。交換前及び後の両方の立方晶構造を有するOS材料の割合は、好ましくは約95%超であり、典型的には約99%超であり、本質的には100%の立方晶構造が一般に得られる(即ち、現行の測定技術に基づいて測定不可能な量の正方相)。交換されたOS材料は、例えばH2昇温還元(TPR)方法により測定される通りの容易な酸素貯蔵及び増加した放出容量に関する耐久レドックス活性の大きな改善があることを更に特徴とする。従って、Cu交換固溶体について、例えば、Ce+Cuの還元は、Cuドーパントの非存在下で起きる温度よりも低い約300〜約350℃の温度で起きることが認められる(米国特許出願第12/363,310号参照)。]
[0053] 例示的実施態様において、活性すす酸化触媒は、それらの全てが共に、例えば不活性基材又は担体の上/中に配置される被膜として用いられる貴金属又は金属(Pt、Pd、Rh及びそれらの組み合わせ)と、卑金属をドープしたセリウム酸化物を含有する固溶体と、耐火性酸化物担体とを含み、前記基材又は担体は、単位面積につき多数のチャネル又はセル、或いはその内部フローチャネルの構造により乱流フローを導入するその性能を特徴とする。排ガス処理装置は、排出ガス導管に容易に取り付けることが可能であり、且つ排出ガス処理用基材を含むハウジング部品又はキャニスタ部品を一般に含むことができる。ハウジング部品は、排出導管への簡単な組み立てを可能にする「スノーケル」を含むことができる、漏斗形の「エンドコーン」又は平坦な「エンドプレート」でどちらかの端がキャップされ得る、外側「シェル」を含むことができる。ハウジング部品は、排出ガス処理装置の作動中に生じる温度、腐食及び摩耗に耐えることができるあらゆる材料、例えば、限定されないが、フェラスメタルやフェライト系(terrific)ステンレス鋼(例えば、マルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系ステンレス材料等)から製造され得る。]
[0054] 基材を支持することができる保持材料(「マット」又は「マット素材」)をシェル内に配置することができるが、それによりシェルが基材の高運転温度から断熱され、それに関する圧縮半径方向力を印加することにより基材の保持が得られ、基材が影響から保護される。マット素材は、典型的には、基材/マットサブ組立体を形成する基材の周囲に同心状に配置される。]
[0055] 前記マット素材及び絶縁のために、様々な材料を用いることが可能である。これらの材料は、マット、繊維、プレフォーム等の形態で存在することが可能であり、材料、例えば、限定されないが、膨張性材料(例えば、バーミキュライト成分、即ち加熱時に膨張する成分を含む材料)、非膨張性材料、セラミック材料(例えば、セラミック繊維)、有機結合剤、無機結合剤等、並びに上記材料の少なくとも1種を含む組み合わせを含む。非膨張性材料としては、3M Company(ミネソタ州ミネアポリス)による「NEXTEL」及び「INTERAM1101HT」の商標の下で販売されるもの、Unifrax Co.(ニューヨーク州ナイアガラフォールズ)による「FIBERFRAX」及び「CC−MAX」の商標の下で販売されるもの等の材料が挙げられる。膨張性材料としては、3M Company(ミネソタ州ミネアポリス)による「INTERAM」の商標の下で販売される材料、並びに前述の「FIBERFRAX」の商標の下で販売される膨張性材料が挙げられる。]
[0056] 上記の通りのハウジングは、当業者により周知であり、理解される。]
[0057] 本発明において用いられる基材又は担体は、前に示された高セル密度/乱流フロー要件に加えて以下の特性を有する火花点火又はディーゼルエンジン環境用に設計されたあらゆる材料を含むことができる:(1)排気系内の装置の位置(例えば、載置された、密結合の、又は床下のマニホールド)及び系の種類(例えば、ガソリン又はディーゼル)に応じて、幾つかの用途のための最高約600℃及び〜約l,000℃の温度で作動する能力;(2)炭化水素、窒素酸化物、一酸化炭素、粒子状物質、例えばすす等、CO2及び/又は硫黄への曝露に耐える能力;(3)所望により、触媒を支持するために十分な表面積及び構造的完全性を有すること。これらの材料は、使用の際にそれらに課せられる条件下で不活性であるべきである。幾つかの可能な材料としては、コージェライト、炭化ケイ素、金属、金属酸化物;例えばアルミナ等、ガラス等、上記材料の少なくとも1種を含む混合物が挙げられる。幾つかの適切な不活性セラミック材料としては、NGK−Locke,Inc,Southfield,Michiganから市販されている「Honey Ceram」や、Corning,Inc.(ニューヨーク州コーニング)から市販されている「Celcor」が挙げられる。これらの材料は、箔、プレフォーム、マット、繊維質材料、モノリス、例えば、ハニカム構造等、他の多孔質構造、例えば、多孔質ガラス、スポンジ、発泡体、ペレット、粒子、モレキュラーシーブ等(装置に依存する)、及び上記材料及び形態の少なくとも1種を含む組み合わせ、例えば、金属箔、開気孔アルミナスポンジ及び多孔質超低膨張ガラスの形態であってよい。更に、これらの基材は、酸化物及び/又はヘキサアルミン酸塩で被覆され得る(例えば、ヘキサアルミン酸塩スケールで被覆されたステンレス鋼箔)。]
[0058] 基材は、前に定義された限度の範囲内で、あらゆる大きさ又は形状を有することができるにもかかわらず、大きさ及び形状は、好ましくは、所定の排出ガス排出制御装置設計パラメータにおいて表面積を最適化するように選択される。典型的には、基材は、製造の容易さ及び表面積の増加により好ましい実質的に正方形、三角形、五角形、六角形、七角形又は八角形の、或いは同様の形状を有する、任意の複数面形状又は丸い形状を有するチャネルを通る櫛を有するハニカム形状を有する。]
[0059] 排出ガス処理装置は、様々な方法を利用して組み立てられ得る。かかる3つの方法は、スタッフィング法、クラムシェル法、及び圧迫組立法である。スタッフィング法は、一般に、基材の周囲でマット素材を予め組み立てる工程と、スタッフィングコーンを通してシェル内に組立体を押し出す又は詰める工程とを含む。スタッフィングコーンは、シェルの一端に取り付けることができる組立ツールとしての役割を果たす。取り付けられる場合、シェル及びスタッフィングコーンは同じ断面形状を有し、スタッフィングコーンの長さに沿って、断面形状は徐々に先細りし、そしてより大きな断面形状になる。このより大きな端を通って、基材/マットサブ組立体を進めることが可能であり、それは、組立体がスタッフィングコーンの先細りを通って進み、最終的にはシェル内に押し出されるので、基材の周囲のマット素材を圧縮する。]
[0060] ドープされた固溶体を含む排出ガス処理装置は、活性すす燃焼触媒と更にNOx吸着機能との両方を提供するために排出ガス処理系において用いることが可能であり、従って、具体的には、排出ガス流の中の望ましくない成分の濃度を減少させる。例えば、上で考察されるように、例示的な触媒系は、触媒成分としてドープされたOSを利用して形成され得るが、ここで触媒系は基材上に配置され、それは次いでハウジング内に配置される。排出ガス流への基材の配置により、次いで少なくとも1種のNOx貯蔵機能を提供することができ、その中に含有される少なくとも1種の望ましくない成分の濃度を、望ましくは更に減少させることもできる。]
[0061] 本発明の一実施態様によれば、前記触媒は、CDPF又はディーゼルNOx微粒子トラップの標準構成に適合しないので、交互チャネルを有する多孔質基材を含まない。むしろ、触媒の好ましい構成は、活性触媒ウォシュコートが配置される、単位面積につき高ユニットセル数の従来の「フロースルー型」モノリスとしてのものである。高内部表面積及び乱流堆積メカニズムとの活性ウォシュコートの組み合わせは、ディーゼル/圧縮点火車両の従来の作動温度及びフローの下での保持及び連続微粒子酸化を容易にするのに十分である。]
[0062] ドープされたセリウム含有酸化物及び高セル密度モノリスを用いる活性ウォシュコートにより得られる利益は、はっきりと図4〜18bに明らかであり、ここで適切な基材と組み合わせたドープされたOSの高められたレドックス性能の利益は、車両用途に適切な条件下での直接すす燃焼の高い速度をもたらす。卑金属ドーピングにより得られるレドックス促進がカチオン性ドーパントの範囲とOS組成物の範囲との両方について認められ、2Ag−OSについて本明細書に含まれるデータは単に代表的な例であることが強調されるべきである。] 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図18a 図18b
[0063] 本明細書におけるデータは、連続低温直接触媒すす酸化の所望の目的を達成するために関連すると考えられる様々なパラメータの系統的な研究を反映する。以下の通りの特定の場合のデータを参照して、性能に対するこれらのパラメータの影響を要約する。]
[0064] a)すすの反応性:すす、例えば、可溶性有機断片の反応性は、すすの反応性及びしかるにすす酸化触媒の効果的な性能の決定に大きな役割を果たすことが示されている(Atmos Env,vol.15(1),1981,91−94,SAEpaper 2008−01−0481,App Catal B,vol.75(1−2),2007,p11−16等)。実際、従来のすすTGAの比較は、Printex U(車両から回収される「現実の」ディーゼルすす(SAE 2008−01−0481)参照)について約50℃のTmax(すす燃焼の最大速度のための温度)の増大を示す。従って、この研究において、Printex Uすす類似体は、具体的にはあらゆる考察からのこの変量を取り除くために用いられた。故に、これらの試験中に燃焼した全ての粒子状物質は、反応性が同等であり、従っていずれの所定のデータセットにおいても固有のバイアスを示さないと考えることができる。更に、Printex材料の酸化は、「最悪のケース」シナリオであると考えることができ、即ち、その酸化は、黒鉛含有率が高く、且つSOFが低い非常に「乾燥した」耐火性炭質物の燃焼の代表的なものである。従って、本明細書における有望なデータは、現実の世界的適用に関連する真の性能効果を反映する。]
[0065] b)すす蓄積の間のガス環境:図2、4、5及び6に示される通りの充填サイクル中の両方において触媒性能に対する反応性ガス化学作用の明らかな影響があり、更に、昇温反応バーンアウトプロトコルに対するTPOの対照から明らかなように、ガス雰囲気の性質が再生に影響することを認めることができる(図5、8、10、13、14、16及び18a/b)。この影響は、熱伝達及び触媒活性の組み合わせに起因する。ある熱伝達成分は、反応性ガス混合気内の著しいレベルの燃料成分、主にCO及びHCの燃焼から生じる活性触媒の外部加熱により生じる。このエネルギーは、ウォシュコート内で保持され、それにより、予想床温より熱くなると認められ、従って、触媒すす酸化に対する活性化エネルギー障壁の克服が促進される。第2の複合熱伝達及び触媒活性成分は、CO酸化過程への関与から生じるレドックス酸化物の活性化から生じる。ドープされたセリウム酸化物は、PGMの非存在下でも効果的な酸化触媒であり、低温でのCO酸化を容易にすることができることが示されている(DP−316440)。それを行う際、触媒Oイオン輸送機能が活性化され、CO酸化の活性部位でエネルギーが放出される。枯渇した酸素の後続の再酸化は、すす酸化を開始するためにOSを更に装填する意味でOSの構造物全体に亘って分配される更なる発熱をもたらす。このメカニズムは、より完全な説明が明らかにされ得るUS2005/0282698A1の基礎の部分を形成する。] 図2 図5
[0066] c)すす蓄積の間の静的温度効果:明らかに、熱エネルギー/温度が、触媒すす燃焼のための活性化エネルギー障壁を克服するために必要とされる。故に、入口温度の増加と共に、触媒酸化速度が同時に増大し、故に、全ての他の要素に関係がないモノリス上のすすスリップ及び保持されたすすの質量が減少する(図4〜18b)。] 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図18a 図18b
[0067] d)モノリスのセル密度の役割:これは、単位面積当たりのより高いセル密度/増加したセル数を用いた本発明のための主要因であり、それにより触媒性能の大きな増大が生じる(図7〜9)。従って、400CPSIモノリスの代わりに900CPSIのものを用いるだけで、すす濾過効率の劇的な改善(400CPSIに対して、T>500℃の総CO2に基づいて95%超)、モノリスを通るすす「スリップ」を回避する性能、即ち、モノリスを通過し、石英ウールフィルタで保持されるすすによる高温CO2生成がないこと、更に、すす燃焼に必要な温度の小さな減少(酸化ウォシュコートのより高い有効性に起因する)が起きる。また、セル密度の影響は、400CPSI系よりも高い温度のための900CPSIモノリスについて認められるより大きな純性能の向上を伴う温度との正の相乗作用をも有する。] 図7 図8 図9
[0068] e)触媒の性能に対するNOxの役割:金属をドープしたOS材料の、低温でNOxを除去し、且つ高温で保持された種を放出する性能(図13、14、15及び18b参照)は、特に重要である。この能力は、直接触媒すす酸化に必要な触媒とすすとの間の密接な接触を破壊することが示された(SAEpaper 2008−01−0481、米国特許出願第12/363,329号参照)NO2媒介すす酸化に関連する「脱共役」メカニズムを有効に抑制する。実際、金属をドープしたOS材料を用いることにより、選択された場合において、接触不良の、即ち活性触媒から空間的に不連続的な/除去された微量のトレース粒子状物質を有益に除去するためにNOx脱離プルームを用いることもできると思われる(例えば、図13参照)。しかし、これは、低温で認められる高活性の原因である主要な触媒過程ではなく、むしろ更なる小さな利益であることが強調されなければならない。] 図13
[0069] g)すす蓄積中の動的温度効果:動的温度変化、即ち温度傾斜(図12、13、14及び15)を伴う充填及び再生サイクルに対する静温度すす充填及び再生サイクル(図4、5、7、8及び11)の比較は、その過程によるエネルギーの更なる発現を示す。従って、CO及びHCの特定の発熱関連の点火と組み合わせたすす蓄積過程中の温度の増加は、単純な静温度充填と比較して性能の更なる改善をもたらすことを認めることができる。これは、我々が熱ブルーム伝播と呼んでいる発熱効果の組み合わせに起因しており、それは、US2005/0282698A1に以前記載され、更に詳細に説明される。] 図12 図4
[0070] h)GHSV及び流速の効果:明らかに、モノリス内の粒子状物質の滞留時間は重要な要素である。従って、微粒子がモノリスチャネル内に長く留まるほど、壁上に被覆された活性ウォシュコートとの相互作用の可能性が大きくなり、故に、保持及び反応の可能性が高くなる。更に、微粒子が、フローに同伴する、即ち、より高い流速でブラウン運動による衝突からそれらの運動エネルギーを誘導するので、微粒子の速度はより高い。これにより、モノリス内の滞留時間の減少と、更に、より層状で且つより乱流でない以下のレジームを駆動する力の提供との両方が起こり、それにより、微粒子の壁の相互作用の可能性が低下する。これらの仮説は、図17、18a及び18bのデータと一致する。更に、より高い流速で、モノリスの外部のエネルギー輸送が増大し、即ち、フローチャネルを離れる分子に運動エネルギーを輸送するブラウン運動による増大した衝突により局所的発熱が減弱する。故に、より高いGHSVで、すす酸化速度はいくらか減少し、保持されたすすの種の形成が増加する。しかし、検討される条件下で、増加したフローは、すす「スリップ」をもたらし、広範囲に亘る直接触媒酸化を防止し、又は、実際、後続のバーンアウトサイクルにおける完全な再生を防止するのに十分でなかった。最後に、バーンアウトサイクル中、保持されたすすの質量分率の燃焼に必要な温度は、従来のDPFアクティブ式再生において用いられる600℃超よりも依然として著しく低かったことに注意するべきである。実際、必要な温度は、依然として300〜330℃の程度だけであり、即ち、容易にディーゼル車の通常の作業窓の範囲内の温度である。故に、直接触媒すす酸化の概念は、車両用途に適用可能である。] 図17
[0071] 実施例
試験技術に用いられる100グラムの2%のAg(NH3)2OSの製造手順は、以下の通りである:
1. 100gのOSを秤量し、水分率を補正する(約1.5%の水)。
2. 3.15gの硝酸銀結晶を秤量する。使用する硝酸塩又は溶液中の金属の割合を補償しなければならない。硝酸銀は、63.52%の銀である。
3. 硝酸銀を50gの脱イオン水に溶解する。使用する水の量を、使用する混合酸化物の水吸着容量により決定する。これは、一般に、混合酸化物1グラム当たり0.5〜0.5gの間の水である。
4. 透明な銀ジアミン溶液が得られるまで硝酸銀溶液に濃縮NH4OHaq(約30%のアンモニア)を滴加する。溶液は、最初は黒褐色に変わり、次いで、水酸化アンモニウムの過剰な添加の際に透明になる。
5.混合酸化物粉末に銀ジアミン溶液を添加する。十分に混合して、均質で且つ均一な色の湿性粉末を生成する。
6. 前記粉末を室温で1時間静置する。
7. 約2時間又は乾燥するまで約110℃でオーブン内で乾燥させる。
8. 空気中で4時間、540℃で炉内で仮焼する。
OS=40%CeO2;50%ZrO2/HfO2;5%La2O3;5%Pr6O11
活性ウォシュコートを生成し、この研究において試験した400及び900CPSI部分を生成するための手順は以下の通りである:7ミクロン(±1)のd50、d90=20−25及び100%パス<60ミクロンに、アルミナを微粉砕しながら徐々に添加する。pHを3.0〜3.5に調整し、比重を調整してワンパス被覆を可能にし、次いでモノリスをワンパスで被覆し、540℃以上の温度で1時間以上仮焼する。次に、DI水中で必要な2Ag−OSをスラリー化し、材料の天然pHで、2+/−0.3のd50、10ミクロン未満のd90、及び100パス<30ミクロンに微粉砕する。塩基の添加により、pHが4未満に低下することを防止する。次に、pt硝酸塩及びpd硝酸塩溶液を15分間予備混合する。この混合物に希釈糖液を添加し、少なくとも30分間混合し;最初の混合の60分間以内にAg−OSスラリーに添加して金属の沈殿を回避する。Ag−OSスラリーボルテックスにPGM糖液を滴加する。添加の前は、スラリーは5.5〜6.0のpHでなければならず、金属添加中は、塩基の妥当な使用によりスラリーが4.0未満のpH値になることを防止する。2時間撹拌して完全な化学吸着を可能にする。pH及び比重を調整してワンパス被覆を可能にし、次いでワンパスでモノリスを被覆し、540℃以上の温度で1時間以上仮焼する。]
权利要求:

請求項1
内燃エンジンのオフガス中の粒子状物質の直接触媒酸化用触媒系であって、前記系が、前記粒子状物質の直接低温酸化のための活性酸化触媒配合物が被覆された標準的フロースルー型モノリス装置を含み、前記活性触媒が、その中に配置される活性レドックス酸化物を含有する、触媒系。
請求項2
モノリスが、1平方インチにつき900超のセルを有するフロースルー型モノリスである、請求項1に記載の触媒系。
請求項3
モノリスが、1平方インチにつき600超のセルを有するフロースルー型モノリスである、請求項1に記載の触媒系。
請求項4
モノリスが、1平方インチにつき400超のセルを有するフロースルー型モノリスである、請求項1に記載の触媒系。
請求項5
モノリスが、排気流において乱流フローを導入することが可能な金属モノリスである、請求項1に記載の触媒系。
請求項6
モノリスが、高度に蛇行する性質の流路を示す金属発泡体又はセラミック発泡体である、請求項1に記載の触媒系。
請求項7
触媒系が耐火性酸化物である、請求項1に記載の触媒系。
請求項8
触媒系がセリウムを含有する、請求項1に記載の触媒系。
請求項9
酸化物が、セリウム及びジルコニウム酸化物(Ce−Zr酸化物)の固溶体の形態のセリウム酸化物である、請求項1に記載の触媒系。
請求項10
酸化物が、酸素イオン伝導特性を有する(従来のXRD法により測定される通りの)実質的に相純粋な立方晶のフルオライトの固溶体であり、且つ、a.約95%以下のジルコニウムb.約95%以下のセリウムc.希土類、イットリウム、及びそれらの混合物から成る群から選択される約20%以下の安定剤を含むCe−Zr酸化物の固溶体の形態のセリウム酸化物である、請求項1に記載のレドックス活性酸化物。
請求項11
触媒系が、遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びIIIb族金属から成る群から選択される1種以上の卑金属ドーパント種の導入により更に改質される実質的に相純粋な立方晶のフルオライトの固溶体である、請求項1に記載の触媒系。
請求項12
レドックス酸化物が、高ph/低ヒドロニウムイオン(H3O+)/低プロトン(H+)含有率の条件下で、溶解されたカチオンの前駆体溶液をレドックス活性材料に接触させることにより生成される立方晶のフルオライトの固溶体を含有する、卑金属をドープしたセリウムである、請求項11に記載の触媒系。
請求項13
卑金属が、金属カチオンの水酸化アンモニウム/アンモニア錯体によりレドックス活性酸化物に導入される、請求項12に記載の触媒系。
請求項14
卑金属が、金属カチオンの有機アミン錯体によりレドックス酸化物に導入される、請求項12に記載の触媒系。
請求項15
卑金属が、金属カチオンの水酸化化合物によりレドックス酸化物に導入される、請求項12に記載の触媒系。
請求項16
導入される金属種の濃度が、約0.01質量%〜約10質量%である、請求項12に記載の触媒系。
請求項17
導入される金属種の濃度が、最も好ましくは0.1質量%〜約2.5質量%である、請求項16に記載の触媒系。
請求項18
卑金属をドープした固溶体が、従来のXRD法による相解析が実質的に相純粋な立方晶のフルオライト相(95%超)を保持するように高レベルの分散度で金属を含有し、バルク金属酸化物ドーパント相が5%未満で記録され、線幅の広がり/シェラーの式の方法により測定されるドーパント金属酸化物の粒径が約30A〜約100Aである、請求項12に記載の触媒系。
請求項19
卑金属をドープした前記固溶体が、XRDによる相解析により、促進された材料が1100℃での水熱酸化エージングの後で少なくとも95%の立方晶のフルオライト相を維持することが明らかにされるように高レベルの分散度で金属を含有する、請求項12に記載の触媒系。
請求項20
卑金属をドープした前記固溶体が、XRDによる相解析により、促進された材料が1100℃での水熱酸化エージングの後で少なくとも99%の立方晶のフルオライト相を維持することが明らかにされるように高レベルの分散度で金属を含有する、請求項12に記載の触媒系。
請求項21
請求項1に記載の触媒系とハウジングとを含む、すすの直接触媒酸化用装置であって、すす酸化に必要な温度が約100〜約650℃である前記装置。
請求項22
請求項1に記載の触媒系とハウジングとを含む、すすの直接触媒酸化用装置であって、すす酸化に必要な温度が約200〜約400℃である前記装置。
請求項23
請求項1に記載の触媒系とハウジングとを含む、すすの直接触媒酸化用装置であって、連続的なすす酸化が約100〜約650℃の温度で起きる前記装置。
請求項24
触媒系が白金族金属を含まない、請求項1に記載のすすの直接触媒酸化用触媒系。
請求項25
白金族金属を更に含む、請求項1に記載のすすの直接触媒酸化用触媒系。
請求項26
白金族金属が、白金、パラジウム、ロジウム及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項25に記載のすすの直接触媒酸化用触媒系。
請求項27
更なる担体又は結合剤としてAl2O3、改質Al2O3、SiO2、ZrO2又はそれらの組み合わせ或いは他の適切な耐火性酸化物を更に含有する単層のウォシュコートとして前記モノリス上に配置される触媒活性なウォシュコートを更に含む、請求項25に記載のすすの直接触媒酸化用触媒系。
請求項28
担体又は結合剤として実質的にAl2O3、改質Al2O3、SiO2、ZrO2、それらの組み合わせ或いは他の適切な耐火性酸化物を含有する第1層と、卑金属をドープした混合酸化物を含む活性酸化触媒配合物を含む第2層とを有する2つ以上の層で前記モノリス上に配置される触媒活性なウォシュコートを更に含む、請求項25に記載のすすの直接触媒酸化用触媒系。
請求項29
請求項1に記載の触媒系上に排出ガスを通過させる工程を含む排出ガスの処理方法。
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