专利摘要:
多孔質セラミック基質は、第1の相のマイクロクラックのあるコーディエライトセラミック材料と、コーディエライトセラミックに分散した第2の相の非コーディエライト金属酸化物粒子とを含み、第1と第2の相の間の界面の少なくとも一部がガラスにより濡れており、第2の相の粒子が、約0.01〜約10μmの範囲のサイズを有する。多孔質マイクロクラックのあるコーディエライトセラミックを強化する方法は、コーディエライトバッチ組成物を提供する工程と、コーディエライトバッチ組成物を、少なくとも1つの非コーディエライト形成金属酸化物または金属酸化物前駆体に添加する工程と、バッチ組成物を、ポア形成剤、バインダーおよび水と混合してペーストにする工程と、ペーストをグリーン体へと成形する工程と、グリーン体を焼成する工程と、焼成したグリーン体を焼成温度より低い温度でアニールして、コーディエライトセラミック内に分散された第2の相の結晶化非コーディエライト粒子を有し、第1と第2の相の間の界面の少なくとも一部がガラスにより濡れている、強化コーディエライトセラミックハニカムを形成する工程とを含む。
公开号:JP2011514875A
申请号:JP2010548709
申请日:2009-02-26
公开日:2011-05-12
发明作者:アール グローズ,クリストファー;バックハオス−リクルト,モニカ
申请人:コーニング インコーポレイテッド;
IPC主号:C04B38-00
专利说明:

[0001] 本出願は、2008年2月29日出願の米国特許出願第12/072948号の優先権の利益を主張する。]
技術分野

[0002] 本発明は、ハニカム等のフィルタおよび基質用の高多孔質コーディエライト系セラミック物品に関する。特に、本発明は、分散物により強化されたコーディエライトハニカム材料を作製するための方法およびバッチ組成物に関する。]
背景技術

[0003] 典型的に、ハニカム体の形態にあるコーディエライトおよびアルミニウムチタネート系基質は、ディーゼル微粒子排ガス規制のための触媒基質およびフィルタ等の様々な用途に用いられてきた。軽量および大型車両についてのますます厳しくなる排ガス基準に対応するために、基質材料は、エンジン出力を制限することなく、壁を通してガスを流すことができるよう、極めて多孔質でなければならず、かつ、圧力降下を最少にしつつ、高い微粒子ろ過効率を示すものでなければならない。かかる基質はまた、腐食環境に耐え、急速加熱および冷却中、熱衝撃に耐え得るものでもなければならない。コーディエライトは、低熱膨張であるため、耐高熱衝撃性が必要とされる用途に好適である。コーディエライト結晶は、結晶c軸においては負の熱膨張率で、そのa軸およびb軸については正の熱膨張で、熱膨張において異方性を示し、熱サイクル中、多結晶コーディエライト材料で局所応力が上昇する。十分に大きな粒またはドメインサイズ、例えば、同様の配向の結晶の凝集物については、これらの応力は、冷却中のマイクロクラッキングにつながる。微細構造におけるいくつかの特徴、すなわち、テクスチャ、例えば、粒/ドメインサイズおよび局所誤配向は、コーディエライトセラミックスにおいてマイクロクラッキングにつながる応力の原因となっており、a/c結晶方向における誤配向傾きに、あるいは、異なる膨張をする第2の相の粒間ガラスフィルムまたは沈殿物の存在に大きく影響される。市販の処理したままのコーディエライトハニカム基質のマイクロクラックネットワーク密度は、広い範囲に及ぶ。]
[0004] マイクロクラッキングは、冷却中、形成されて開き、加熱中は再び閉じる。熱サイクル中、マイクロクラックは、周期的に、形成され、開閉する。材料の微細構造へと発展しないのが理想的である。しかしながら、実際には、多くのコーディエライトセラミックスは、熱サイクル数が増えるにつれて、その微細構造、特にマイクロクラック密度が変化する。熱衝撃は、可逆的なマイクロクラックを形成して開くばかりでなく、既存のマイクロクラックの成長にもつながり得る。車内での操作中、フィルタが通常経験するような、温度が十分に高くなく、温度の保持時間が、クラックを直すほど十分長くない場合は特に、加熱中に大きなマイクロクラックを完全に閉じるのはますます困難になっている。このように、マイクロクラックネットワークの成長は、熱サイクル中に生じ得る。操作中のハニカム部品の破損は、マイクロクラックの形成および部品を通したその伝播の結果である。マイクロクラックのあるセラミックスについては、かかるマイクロクラックは、マイクロクラックの相互接続および成長から恐らく形成される。このように、ハニカム基質または熱サイクルに繰り返し露出されたフィルタの操作中の耐久性は、サイクル中のマイクロクラックネットワークの不安定性により制限される可能性があり、その拡大によって、部品の歪み耐性が下がり、最終的には、部品の破断および破損につながる。]
[0005] マイクロクラッキングは、コーディエライトセラミックの熱膨張を下げる、典型的には、マイクロクラックのない多孔質コーディエライトのCTE=17×10−7K−1を、1〜5×10−7K−1の範囲に下げるのを促すばかりでなく、セラミックの強度も下げる。マイクロクラックのあるコーディエライト系材料の初期熱衝撃抵抗は、材料の歪み耐性およびその熱膨張から、TS=500+σ/E−mod*CTE500℃−900℃(σは強度、E−modは弾性またはヤング率、CTE500℃−900℃は500℃〜900℃の平均熱膨張率である)と定義されるファクターTSを用いることにより、評価されることが多い。TSファクターは、ハニカム部品が耐えられると予測される、℃での熱衝撃温度の指標である。多くのコーディエライトハニカム材料について、このファクターは、TS=900℃〜TS=1100℃であり、これらの材料でできたフィルタが、約900℃〜1100℃までの熱衝撃に耐えるものでなければならないことを示唆している。しかしながら、(ベア)ハニカム部品の熱サイクル実験では、処理済み材料のTSファクターの予測に必ずしも従わない。]
[0006] 車両での熱サイクルまたはフィルタ操作中、材料に応じてマイクロクラック密度が発生する可能性がある。この発生は、セラミック材料に強く依存している。そのマイクロクラックネットワーク密度があまり大幅な発生を示さない材料もあれば、拡大熱サイクル中、大きな増大を示す材料もある。低い初期マイクロクラック密度は、良好な長期性能を必ずしも保証するものではない。非常に低い初期マイクロクラック密度および高い初期歪み耐性を備えた材料は、拡大マイクロクラック形成および成長のために、熱サイクル中、その熱機械性能が大きく損なわれ得る。一方、初期は高いマイクロクラック密度を備えた材料は、安定したマイクロクラックネットワークを有し、厳しいサイクル中、その初期耐熱衝撃性を維持する。これらの例は、材料の初期熱機械性能が、熱サイクル中、低下し得、熱サイクル下での長期性能の十分な指標でないことを示すものである。熱サイクル適用中のフィルタの高耐久性のためには、高破壊靭性の材料が必要である。高破壊靭性は、熱機械応力下でのクラック形成およびマイクロクラックの伝播を制限し(または、最良の場合には、阻害さえし)、致命的なマイクロクラック成長を防止し、初期の熱機械フィルタ性能を持続するのに役立つ。]
[0007] 熱サイクル中のマイクロクラックネットワークの安定性は、自動車排気用途におけるセラミックフィルタおよび基質の耐久性にとって非常に重要であるが、基質およびフィルタ材料開発において、破壊靭性を中心に取り組まれることは稀である。]
[0008] 原点に戻ると、マイクロクラックのあるアルミニウムチタネート系およびコーディエライト系セラミックスにおけるマイクロクラックネットワークの特殊性およびかかるセラミックスの繰り返しの熱サイクル中の破壊靭性における結果として生じる制限は、これまでじっくりと取り組まれてこなかった。このような制限を打開する対処としての具体的な材料工学にはまだ足りないものがある。]
[0009] 主要な所望のフィルタ特性、すなわち、高初期耐熱衝撃性、高ろ過効率および低圧力降下を満たし、破壊靭性の改善によりさらに高い耐久性を提供する新たな製品が必要とされており、これにより、高熱衝撃耐性を備え、寿命の改善された製品の製造が可能となる。]
発明が解決しようとする課題

[0010] 当該技術分野においては、熱サイクル中に改善された耐久性を有する好適な分散物により強化されたマイクロクラックのあるセラミックスがない。本発明は、当該技術分野におけるこれらおよびその他欠陥を打開することに関する。]
課題を解決するための手段

[0011] 本発明は、ガラス湿潤の分散された第2の相の粒子が、ハニカム中のマイクロクラックと相互作用して、巨視的クラックへのその伝播を抑制する分散物により強化された多孔質セラミックコーディエライトハニカムに関する。マイクロクラックと分散した第2の相間の相互作用の結果、ハニカムは、サイクル中、かなり安定したマイクロクラック密度を維持し、高破壊靭性および熱サイクル適用中改善された耐久性も示す。]
[0012] 特に、製品は、第1の相のマイクロクラックのあるコーディエライトと、コーディエライトセラミックに分散した第2の相の結晶非コーディエライト金属酸化物粒子とを含み、第1と第2の相の間の界面の少なくとも一部がガラスにより濡れており、第2の相の粒子が、約0.01〜約10μmの範囲のサイズを有する多孔質セラミックハニカムに関する。]
[0013] 本発明は、ガラス形成要素をバッチに添加し、焼成中、ガラス状ポケットを形成し、これらのポケットを部分的または完全に、第2の相の分散物へと結晶化することにより、分散物により強化されたハニカムフィルタまたは基質材料を製造する方法にさらに関する。]
[0014] 特に、本方法は、コーディエライトバッチ組成物を提供し、コーディエライトバッチ組成物を、少なくとも1つの非コーディエライト形成金属酸化物または金属酸化物前駆体に添加し、バッチ組成物を、ポア形成剤、バインダーおよび水と混合してペーストにし、ペーストをグリーン体へと成形し、グリーン体を焼成し、焼成したグリーン体を焼成温度より低い温度でアニールして、コーディエライトセラミック内に分散された第2の相の結晶化非コーディエライト粒子を有し、第1と第2の相の間の界面の少なくとも一部がガラスにより濡れている、強化コーディエライトセラミックハニカムを形成することにより、多孔質マイクロクラックのあるコーディエライトハニカムを強化することに関する。]
図面の簡単な説明

[0015] 第2の相の粒子の全くない異なる結晶配向の粒を有する比較例のマイクロクラックのあるセラミックを示す一組の概略図である(左側/右側:熱サイクルまたは熱機械応力適用前後)。
連続相互接続ガラス−フィルムネットワークを形成する連続ガラス状フィルムにより分離された、異なる結晶配向の粒を有する比較例のマイクロクラックのあるセラミックを示す一組の概略図である(左側/右側:熱サイクルまたは熱機械応力適用前後)。
低弾性率界面を有する本発明の分散物により強化されたマイクロクラックのあるセラミックの一組の概略図である。
第1の相のマトリックスにおける単一沈殿物と低弾性率ガラスフィルムとの界面領域を示す一組の概略図である。
分散物により強化されたマイクロクラックのあるセラミックの応力に対する応答を示す一組の概略図である。
マイクロクラッキング沈殿物の分散物により強化された本発明のマイクロクラックのあるセラミックを示す一組の概略図である(左側/右側:熱サイクルまたは熱機械応力適用前後)。
塑性変形可能な軟性沈殿物の分散物による本発明のマイクロクラックのあるセラミックの強化を示す一組の概略図である(左側/右側:熱サイクルまたは熱機械応力適用前後)。
体積増大下にある応力誘導相変態した沈殿物の分散物による本発明のマイクロクラックのあるセラミックの強化を示す一組の概略図である(左側/右側:熱サイクルまたは熱機械応力適用前後)。
本発明のコーディエライトの焼成サイクル(主焼成が20で、アニールが22)の概略を示すグラフである。
ガラス状相(数100、Y−ガラス)のアニール前と、ガラス状相(数102、結晶Y2Si2O7)のアニール後の両方の添加剤を入れたコーディエライトの微細構造の一組のSEM顕微鏡写真である。
初期焼成、アニールおよびさらなるサイクル後の比較例の材料処方A0および本発明の材料処方A1−A4の壁強度のプロットである。
加熱の様々な段階での比較例の材料処方(参照材料A0)の一組のSEM顕微鏡写真であり、上の図は焼成したままの状態の壁表面(110)であり、下の図は研磨した壁部分(112)である。
加熱の様々な段階での比較例の材料の処方についての弾性率のプロットである。
加熱の様々な段階での比較例の材料の処方についての熱膨張のプロットである。
加熱の様々な段階での本発明の材料処方A1の、付番された一組のSEM顕微鏡写真である。
加熱の様々な段階での本発明の材料処方A1についての弾性率のプロットである。
加熱の様々な段階での本発明の材料処方A1についての熱膨張のプロットである。
加熱の様々な段階での本発明の材料処方A2の一組のSEM顕微鏡写真である。
加熱の様々な段階での本発明の材料処方A2についての弾性率のプロットである。
加熱の様々な段階での本発明の材料処方A2についての熱膨張のプロットである。
加熱の様々な段階での本発明の材料処方A3の一組のSEM顕微鏡写真である。
加熱の様々な段階での本発明の材料処方A3についての弾性率のプロットである。
加熱の様々な段階での本発明の材料処方A3についての熱膨張のプロットである。
加熱の様々な段階での本発明の材料処方A4の一組のSEM顕微鏡写真である。
加熱の様々な段階での本発明の材料処方A4についての弾性率のプロットである。
加熱の様々な段階での本発明の材料処方A4についての熱膨張のプロットである。
加熱の様々な段階での表2の3%Y2O3のタイプBのコーディエライト処方の弾性率のプロットである。
加熱の様々な段階での表2の3%Y2O3のタイプBのコーディエライト処方の熱膨張のプロットである。
加熱の様々な段階での表2のタイプBのコーディエライトの様々な処方(3%La2O3、3%Y2O3、1%Y2O3+2%Al2O3、3%ZrO2または1%Y2O3+2%SiO2)の熱膨張のプロットである。
比較材料A0における直線マイクロクラックパスを示すSEM画像である。
本発明の分散物により強化されたタイプA材料において分散した沈殿物のあるクラックの相互作用を示す一組のSEM画像である。
初期焼成、アニールおよびサイクル後の比較材料A0および本発明の材料A1、A2、A3およびA4についてのマイクロクラックパラメータMCPのプロットである。
比較材料A0および本発明の材料A1、A2、A3およびA4についてのマイクロクラックパラメータに応じた壁強度のプロットである。
比較材料A0についてのマイクロクラック密度に応じた歪み耐性のプロットである。]
実施例

[0016] 本明細書および図面において、数110および112は、様々なコーディエライトセラミック材料についての焼成したままの状態の壁表面および研磨した壁表面をそれぞれ指すのに用いる。]
[0017] 本発明は、分散物により強化されたコーディエライト系材料の製造に関する。本明細書に開示されたコーディエライトとは、材料組成2MgO2Al2O35SiO2を指す。これらの分散物により強化されたコーディエライト材料の改善された特性は、マイクロクラックと沈殿分散物間の相互作用の結果である。これらの材料から作製されたフィルタおよび基質を含むハニカムは、改善された抵抗性を繰り返しの熱衝撃応力(高破壊靭性)と組み合わせ、かつ、高気孔率、低CTEでの高強度および狭い分布の好適な平均細孔径という従来でのフィルタ/基質特性も有している。このように、本発明の材料から作製された製品は、従来の低圧力降下での高ろ過効率を保証するばかりでなく、これらの特別な微細構造により、さらに、高い耐久性および改善された耐熱衝撃性も提供する。]
[0018] 従来、低熱膨張セラミックに第2の相が存在することは、CTEが結果的に増大して、破壊靭性に有利な影響が調べられてこなかったため、望ましくないことと考えられることが多かった。本発明においては、マイクロクラックのあるコーディエライトセラミックは、工学的に分散した第2の相の粒子の組み込みにより強化されている。これら粒子は、マイクロクラックと相互作用して、制御されないマイクロクラックの成長を制限して、高温および多数の熱サイクルに対して、セラミックスの耐熱衝撃性を拡大する。典型的に、本発明の好適な第2の相の粒子は、コーディエライトよりも熱膨張する。]
[0019] 図1A−Fで示した一連の図に、マイクロクラックのあるセラミックの様々な強化原理を示す。写真は、分散物で強化していないコーディエライトと、分散物で強化したコーディエライトのいくつかの例であり、典型的な初期微細構造(左側)と、熱サイクルまたは熱機械応力適用後に発生した微細構造(右側)とが示されている。] 図1A
[0020] 図1Aは、第2の相の粒子の全くない異なる結晶配向による粒を備えた(グレーの様々な色合い)比較の従来技術のマイクロクラックのあるセラミック(分散物で強化していない)の概略図であり、左側の画像に、マイクロクラックのある(白色実線)初期微細構造の概略図を、右側に熱サイクルまたは熱機械応力適用後に発生した微細構造を示す。初期マイクロクラックネットワーク(白色実線)ばかりでなく、いくつかの追加の拡大されたクラック(白色点線クラックセグメントによる既存の白色実線クラックから拡大されたもの)もあり、時間が経つと、いくつかのクラックに関連して、マイクロクラックの形成により最終的な不具合につながる恐れがある。] 図1A
[0021] 図1Bは、相互接続ガラスネットワークの一部である連続したガラス状粒界フィルム(粒を囲む暗い線として画像に示されている)により分離された、異なる配向(異なるグレーレベル)の粒のある例示の比較のマイクロクラックのあるセラミックの概略図である。左側には、マイクロクラックのある初期のセラミックが示されており(白色実線)、右側には、濡れた粒界に沿った脆弱なガラス相を通して初期のクラックが容易に伝播することにより形成され、クラック成長が拡大した、追加のクラック(白色点線)のある熱サイクルまたは熱機械応力適用後のセラミックが示されている。この構成だと、図1Aに示す比較のマイクロクラックのあるセラミックよりも破壊靭性が小さい。] 図1A 図1B
[0022] 図1Cは、低弾性率界面を有する分散物で強化されたマイクロクラックのあるセラミックの本発明の概略図である。低弾性率界面を有する分散物で強化されたセラミックは、第1の相のマトリックスで構成され、第2の相の分散した沈殿物を含有している。マトリックスの第1の相と沈殿物の第2の相は、低弾性率ガラスにより部分的に濡れた界面領域により分離されている。第2の相(沈殿物)は、第1のマトリックス相より熱膨張が大きい。] 図1C
[0023] 図1C−i〜図1C−iiiに、第1の相(10)のマトリックス中の1つの単一の第2の相の沈殿物(20)と低弾性率ガラスフィルム(30)の界面領域(30)を拡大したものを示す。例示の目的で、沈殿物は球状沈殿物として図示されている。実際の分散物により強化されたコーディエライト材料においては、沈殿物は、ファセットおよび丸い界面部分を有する複雑な3次元形状を有しており、第1の相、第2の相および界面の正確な結晶に依存しているこれらの界面部分は、異なる程度、低弾性率ガラスにより濡れている。図1C−iは、アニール後の沈殿物によるマトリックスを示す。アニール温度で、セラミックは弛緩され、応力がなくなる。図1C−iiは、アニール温度より低い温度でアニールされたセラミック(アニール温度で弛緩)を示す。界面領域、および、特に、低弾性率界面ガラスフィルムは歪む(ある程度の引張り歪みについては+で示し、高い引張り歪みについては++で示す)。沈殿物およびガラスは、両者共、高い熱膨張率のために、冷却中、マトリックスよりも収縮するからである。図1C−iiiにセラミックのクラック伝播を示す。恐らく、これは、アニール温度より低い温度についてのセラミックへの熱サイクルまたは熱機械応力適用の結果である。クラックは、沈殿物の囲む引張り歪み領域と相互作用して、歪んだ界面領域へと伝播して、その領域の歪みを弛緩する。クラックは、エネルギーの消失した低弾性率ガラスフィルム内で、分岐および界面剥離により伝播する。蛇行したクラックパスのために、消失したエネルギーは、マトリックス材料のみでクラックが伝播する場合よりも高くなる。このように、第1の相のマトリックス中のクラックの長距離伝播は防止される。図1C−ivに、界面ガラスフィルムでの分散物により強化されたセラミックのより広範囲の図を示し、クラック伝播中のその界面領域で分散物が果たす役割と、それが、伝播クラックをどのように停止し得るかを示す。] 図1C
[0024] 図1C−ivにおいて、第1の相の粒はライトグレーで示され、第2の相の分散粒子はダークグレーで示されている。第1の相と第2の相の分散物間の界面は、残渣ガラスにより部分的または完全に濡れている。セラミックにはマイクロクラックがあり、マイクロクラックは、白色ラインとして現れる。初期のセラミックの初期のマイクロクラックは、白色実線として示されている。応力を加えると、熱サイクルまたは機械応力適用の結果、マイクロクラックが成長する傾向がある。それらは、分散した沈殿物の歪んだ界面領域(マトリックスより脆弱、または、低弾性率の界面ガラスフィルムによりさらに脆弱化した)と相互作用して、その脆弱領域へ浸透して、分散した第2の相の沈殿物を囲む脆弱界面から剥離し、分岐して、偏向する。その結果、クラックパスは、白色点線で右側に示すとおり、蛇行する。クラックと分散粒子の界面との相互作用によるエネルギー消失により、クラック成長およびクラック相互接続が遅くなり、マイクロクラックの形成が抑制され、これが、沈殿物強化の1つの形態である。] 図1C
[0025] 図1Dは、マイクロクラッキング沈殿物の分散による、例示のマイクロクラックのあるセラミックの強化を示す概略図である。左側の画像は、初期のマイクロクラック(白色実線)および第2の相の粒子(ダークグレー粒)のある初期のマイクロクラックのあるセラミック(第1の相の粒はライトグレーで示されている)の概略図を示し、右側の画像は、マイクロクラックネットワークの生成された、熱サイクルまたは熱機械応力適用後の微細構造を示す。第2の相の分散粒子はダークグレーで示されている。分散した第2の相の粒子は、第1のセラミック相よりマイクロクラッキングエネルギーがはるかに低い。応力をかけると、マイクロクラックは成長する傾向がある。図1Dに示すとおり、成長中、それらは、分散沈殿物と相互作用し、分散相は、第1の相よりはるかに脆弱で、白色点線で示されるとおり、拡大マイクロクラッキングとなる。その結果、第2の相の粒子のマイクロクラッキングによりエネルギー消失が生じ、第2の相のマイクロクラッキングにより、クラック成長およびクラック相互接続が遅くなり、マイクロクラックの形成が抑制される。] 図1D
[0026] 図1Eは、塑性変形可能な軟性沈殿物の分散による例示のマイクロクラックのあるセラミックの強化を示す概略図である。左右の画像は、それぞれ、熱サイクルまたは熱機械応力適用前後のマイクロクラックのあるセラミックを示している。第1の相の粒はライトグレーで示し、第2の相の分散軟性粒子はダークグレーで示す。分散した第2の相の粒子は軟性で、応力下で塑性変形する。セラミックにはマイクロクラックが発生し、マイクロクラックは白色線で示されている。応力下で、成長しているマイクロクラックが、軟性分散沈殿物と相互作用すると、第2の相が、塑性変形のためにエネルギーを吸収する(転移

により画像中に示されている)。その結果、クラック成長およびクラックの相互接続は遅くなり、マイクロクラックの形成およびマイクロクラックのあるセラミックの不具合が抑制される。] 図1E
[0027] 図1Fは、体積増大下にある応力誘導相変態した沈殿物の分散物による例示のマイクロクラックのあるセラミックの強化を示す概略図である。左右画像は、熱サイクルまたは熱機械応力適用前後のマイクロクラックのあるセラミックを示す。第1の相の粒はライトグレーで示され、第2の相の分散した軟性粒子はダークグレーで示されている。分散した第2の相の粒子は、応力下で相変態する。セラミックにはマイクロクラックが発生しており、マイクロクラックは白色線で示されている。マイクロクラックが、第2の相の粒子へ浸透すると、クラック先端での応力場によって、第2の相の粒子の相変態が誘導される(変態した第2の相の粒子は白色領域として示されている)。相変態が、分散した第2の相の体積増大下で生じる場合、クラックの伝播が停止する。熱サイクルまたはその他機械的外力(solicitation)中のエネルギー消失は、分散した第2の相の粒子の相変態に用いられる。このように、クラック成長およびクラックの相互接続は遅くなり、マイクロクラックの形成が抑制される。] 図1F
[0028] 図2は、コーディエライトとガラス形成の主焼成工程20による本発明の焼成サイクルに続いて、ガラスから第2の相の沈殿分散物を形成するためのアニール工程22の概略を示すものである。] 図2
[0029] 図3は、ガラス状相のセラミング(ceraming)前後両方の添加剤の入ったコーディエライト材料微細構造の一連の写真である。具体的には、図3は、初期焼成後(左)およびアニール後(右)の添加剤として3%のY2O3を含むB型コーディエライトが示されている。] 図3
[0030] 図4は、初期焼成(1)、アニール(2)およびさらなるサイクル(3)後の比較材料A0および本発明の材料A1、A2、A3およびA4の壁強度のプロットである。プロットによれば、添加剤誘導材料は、焼成したままの状態、アニールおよびサイクルした状態において、添加剤を含まない参照材料A0よりも強度が大きいことが分かる。安定したマイクロクラックネットワークを有するアニールした材料の強度は非常に大きく、いくつかの例においては、参照材料の3分の1より大きい。データは、寸法1”(200/16)のタイプAで調べたコーディエライト系材料のハニカムから誘導された。] 図4
[0031] 図5a−cに、微細構造を含むタイプAの参照材料についての特性の詳細、アニールした弾性率曲線およびCTE曲線への展開を示す。図5aに、A0、添加剤を添加しなかった参照Aタイプコーディエライト材料のSEM顕微鏡写真を示す。A0−(1)は、1415℃まで初期焼成した後のA1材料について、A0−(2)は、1200℃で4時間アニールした後のA1材料についてである。図5bは、A0、Aタイプコーディエライトの参照材料の加熱および冷却中の温度(℃)に応じた弾性率(psi)のプロットである。A0−(1)は、1415℃まで初期焼成した後のA0材料について、A0−(2)は、1415℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールした後のA0材料について、A0−(3)は、1415℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールし、室温から1200℃までのさらに4つの温度サイクル後のA0材料についてである。図5cは、A0、Aタイプコーディエライトの参照材料の加熱および冷却中の熱膨張(ppmでのdl/l)対温度(℃)のプロットである。A0−(1)は、1415℃まで初期焼成した後のA0材料について、A0−(2)は、1415℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールした後のA0材料について、A0−(3)は、1415℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールし、室温から1200℃までのさらに4つの温度サイクル後のA0材料についてである。] 図5a 図5b 図5c
[0032] 図6a−cに、微細構造を含む、2%チタニアを添加したタイプA材料について特性の詳細、アニールした弾性率曲線およびCTE曲線への展開を示す。図6aに、A1、2%チタニアを添加したAタイプコーディエライト材料のSEM顕微鏡写真を示す。A1−(1)は、1385℃まで初期焼成した後のA1材料について、A1−(2)は、1385℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールした後のA1材料についてである。図6bは、A1、2%チタニアを添加したAタイプコーディエライトの材料の加熱および冷却中の温度(℃)に応じた弾性率(psi)のプロットである。A1−(1)は、1385℃まで初期焼成した後のA1材料について、A1−(2)は、1385℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールした後のA1材料について、A1−(3)は、1385℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールし、室温から1200℃までのさらに4つの温度サイクル後のA1材料についてである。図6cは、A1、2%チタニアを添加したAタイプコーディエライトの材料の加熱および冷却中の熱膨張(ppmでのdl/l)対温度(℃)のプロットである。A1−(1)は、1385℃まで初期焼成した後のA1材料について、A1−(2)は、1385℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールした後のA1材料について、A1−(3)は、1385℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールし、室温から1200℃までのさらに4つの温度サイクル後のA1材料についてである。] 図6a 図6b 図6c
[0033] 図7a−cに、微細構造を含む、2%(チタニア+アルミナ)を添加したタイプA材料について特性の詳細、アニールした弾性率曲線およびCTE曲線への展開を示す。図7aに、A2、2%チタニアおよび酸化鉄を添加したAタイプコーディエライト材料のSEM顕微鏡写真を示す。A2−(1)は、1395℃まで初期焼成した後のA2材料について、A2−(2)は、1395℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールした後のA2材料についてである。図7bは、A2、2%チタニアおよび酸化鉄を添加したAタイプコーディエライトの材料の加熱および冷却中の温度(℃)に応じた弾性率(psi)のプロットである。A2−(1)は、1395℃まで初期焼成した後のA2材料について、A2−(2)は、1395℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールした後のA2材料について、A2−(3)は、1395℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールし、室温から1200℃までのさらに4つの温度サイクル後のA2材料についてである。図7cは、A2、2%チタニアおよび酸化鉄を添加したAタイプコーディエライトの材料の加熱および冷却中の熱膨張(ppmでのdl/l)対温度(℃)のプロットである。A2−(1)は、1395℃まで初期焼成した後のA2材料について、A2−(2)は、1395℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールした後のA2材料について、A2−(3)は、1395℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールし、室温から1200℃までのさらに4つの温度サイクル後のA2材料についてである。] 図7a 図7b 図7c
[0034] 図8a−cに、微細構造を含む、2%(イットリアおよびシリカ)を添加したタイプA材料について特性の詳細、アニールした弾性率曲線およびCTE曲線への展開を示す。図8aに、A3、2%イットリアおよびシリカを添加したAタイプコーディエライト材料のSEM顕微鏡写真を示す。A3−(1)は、1390℃まで初期焼成した後のA3材料について、A3−(2)は、1200℃で4時間アニールした後のA3材料についてである。図8bは、A3、2%イットリアおよびシリカを添加したAタイプコーディエライトの材料の加熱および冷却中の温度(℃)に応じた弾性率(psi)のプロットである。A3−(1)は、1390℃まで初期焼成した後のA3材料について、A3−(2)は、1390℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールした後のA3材料について、A3−(3)は、1390℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールし、室温から1200℃までのさらに4つの温度サイクル後のA3材料についてである。図8cは、A3、2%イットリアおよびシリカを添加したAタイプコーディエライトの材料の加熱および冷却中の熱膨張(ppmでのdl/l)対温度(℃)のプロットである。A3−(1)は、1390℃まで初期焼成した後のA3材料について、A3−(2)は、1390℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールした後のA3材料について、A3−(3)は、1390℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールし、室温から1200℃までのさらに4つの温度サイクル後のA3材料についてである。] 図8a 図8b 図8c
[0035] 図9a−cに、微細構造を含む、2%(イットリアおよびアルミナ)を添加したタイプA材料について特性の詳細、アニールした弾性率曲線およびCTE曲線への展開を示す。図9aに、A4、2%イットリアおよびアルミナを添加したAタイプコーディエライト材料のSEM顕微鏡写真を示す。A4−(1)は、1395℃まで初期焼成した後のA4材料について、A4−(2)は、1395℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールした後のA4材料についてである。図9bは、A4、2%イットリアおよびアルミナを添加したAタイプコーディエライトの材料の加熱および冷却中の温度(℃)に応じた弾性率(psi)のプロットである。A4−(1)は、1395℃まで初期焼成した後のA4材料について、A4−(2)は、1395℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールした後のA4材料について、A4−(3)は、1395℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールし、室温から1200℃までのさらに4つの温度サイクル後のA4材料についてである。図9cは、A4、2%イットリアおよびアルミナを添加したAタイプコーディエライトの材料の加熱および冷却中の熱膨張(ppmでのdl/l)対温度(℃)のプロットである。A4−(1)は、1395℃まで初期焼成した後のA4材料について、A4−(2)は、1395℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールした後のA4材料について、A4−(3)は、1395℃まで初期焼成し、1200℃で4時間アニールし、室温から1200℃までのさらに4つの温度サイクル後のA4材料についてである。] 図9a 図9b 図9c
[0036] 図10に、1420℃で20時間の初期焼成後、800℃、1000℃、1100℃および1200℃での4時間のアニール後の3%Y2O3を添加したタイプBのコーディエライト材料の弾性率を示す。図10に、異なる温度での初期焼成およびアニール後の3%のイットリアを添加したBタイプのバッチの加熱および冷却中の弾性率への展開を示す。初期焼成後、800、900および1000℃でのアニールについて、加熱および冷却曲線の形状は同様である。1100および1200℃でのアニールについては変化しており、このことは、これより高い温度でアニールした材料においては拡大マイクロクラックが生じるという大きなヒステリシスにより示される。] 図10
[0037] 図11に、1420℃で20時間の初期焼成後、1100℃での1時間、2時間、3時間および4時間のアニール後の3%Y2O3を添加したタイプBのコーディエライトのCTEを示す。図11は、1100℃で15時間、3%イットリアを添加した材料Bのアニール後、さらに、1、2または3回、1100℃までサイクルするときに、熱膨張曲線にはさらなる展開はないことを示すプロットである。熱膨張曲線の変化がないことは、安定したマイクロクラックネットワークについての指標である。] 図11
[0038] 図12に、1420℃で20時間の初期焼成後、異なる温度でのアニール後の様々に添加した(3%La2O3、3%Y2O3、1%Y2O3+2%Al2O3、3%ZrO2または1%Y2O3+2%SiO2)タイプBのコーディエライトのCTEを示す。図12は、>1400℃での初期焼成後および1300℃、1200℃、1100℃または1000℃でアニールした後の、示した添加剤および量のBタイプ材料についての室温から800℃までの熱膨張率のプロットである。] 図12
[0039] 図13は、タイプAの参照材料における直線マイクロクラックパスを示すSEM画像である。] 図13
[0040] 図14は、分散物で強化したタイプAの材料における分散沈殿物とのクラックの相互作用を示すSEM画像である。] 図14
[0041] 図15は、初期焼成、アニールおよびサイクル後のマイクロクラックパラメータMCPの比較材料A0および本発明の材料A1、A2、A3およびA4についてのプロットである。MCPは、マイクロクラックネットワーク密度の指標である。プロットによれば、アニール後の沈殿物の存在により、マイクロクラック密度が安定し、温度サイクル中、マイクロクラック密度が一定に保たれることが分かる。参照材料A0のマイクロクラック密度は、焼成したままの状態からサイクル状態へと、かなり増えるが、非常に僅かな「自然」添加物レベルのこの材料でも、アニールにより安定化させることができることが分かる。図面から、異なるマイクロクラックレベルが、添加剤およびアニールの選択により安定化できることがさらに分かる。] 図15
[0042] 図16は、マイクロクラックパラメータに応じた壁強度のプロットであり、予測通り、低マイクロクラック密度だと、より高い壁強度を与え、本発明の実施例で提供されるように、安定した低マイクロクラック密度の材料が得られることが望ましいという傾向を示している。] 図16
[0043] 図17は、マイクロクラックパラメータに応じた歪み耐性のプロットである。] 図17
[0044] 本発明の一実施形態において、アニール中、主なコーディエライト形成焼成工程においてコーディエライトと共に形成されるガラスは部分的にセラミック化し、残渣ガラスは、第1のマトリックス相と沈殿した第2の相間の界面の少なくとも一部を濡らす。分散した沈殿物の界面ガラスフィルムは、連続ガラスネットワークへと相互接続しない。アニール温度で、微細構造は、応力のない、または低応力状態となる。アニール温度から室温までの冷却中、沈殿物は、コーディエライトマトリックスよりも大きく収縮する。その結果、沈殿物を囲む残渣ガラスフィルムが歪み、沈殿物および/または界面領域が歪む。好ましい実施形態において、歪みは、ガラスフィルムまたは界面領域にクラックが形成されないような十分に小さいものである。室温まで冷やした後のアニールされたセラミックにおける残留応力レベルは、沈殿物を濡らす残りのガラスのアニール温度または弾性率(ガラス組成)、または沈殿物自体(沈殿物化学組成による)の弾性率により調整することができる。ろ過操作中、一部を、アニール温度より低い温度と室温の間で温度サイクルを行う。かかる熱サイクル中、沈殿物および周りのガラスフィルムには引張り歪みがかかる。マイクロクラックが、熱サイクル中に、コーディエライトセラミックに形成または伝播される場合、これらの伝播するマイクロクラックは、分散した沈殿物の歪んだ領域とそれらを囲むガラス層と、優先的に相互作用し、歪んだ沈殿物−ガラス−第1のマトリックス界面領域内に伝播し、界面剥離およびクラック偏向によりセラミックを強化して、極めて蛇行したクラックパスが形成される。]
[0045] 本発明は、第1の相のマイクロクラックのあるコーディエライト材料と、コーディエライトセラミックに分散した第2の相の非コーディエライト金属酸化物粒子とを含む多孔質セラミックハニカムに関する。第1の相と第2の相の間の界面の少なくとも一部が、低弾性率ガラスフィルムにより濡れている。多孔質セラミック基質の第2の相は、ハニカム材料の約0.2〜約20重量%、好ましくは約0.5〜約5重量%、より好ましくは、約1〜約3重量%の量で存在している。]
[0046] 分散物により強化されたコーディエライトは、コーディエライトセラミックに分散したコーディエライト粒子のないコーディエライトと定義される。粒子は、熱サイクルおよび熱機械応力により、マイクロクラックが伝播するのを防ぐ、または最小にする役割を果たす。コーディエライトセラミックハニカムの壁強度が、第2の相の分散物により、少なくとも10%、好ましくは40%、より好ましくは60%、最も好ましくは100%を超えて、改善される。分散物により強化されたコーディエライトセラミックハニカムは、さらなる熱サイクル中、いくつかの初期サイクル後に、その歪み耐性を維持し、好ましくは、少なくとも0.05%の歪み耐性を有する。分散物により強化されたコーディエライトセラミックハニカムは、分散物のない材料と少なくとも同じ歪み耐性を有し、より好ましくは、少なくとも20%良好、最も好ましくは、少なくとも30%良好である。]
[0047] 分散物により強化されたコーディエライト材料は、高強度、低弾性率、低熱膨張材料、高ろ過効率および低圧力降下を含む所望のフィルタ特性を満たし、さらに、破壊靭性の改善によりさらに高い耐久性を提供する。分散相の結晶化の後、セラミックハニカムは、約20℃〜約800℃の温度範囲で、20×10−7K−1未満、好ましくは、12×10−7K−1未満、より好ましくは、8×10−7K−1未満の平均CTE値を有する。]
[0048] 本発明による分散物により強化されたコーディエライト材料により、現在入手可能なコーディエライト系製品の熱衝撃耐性に等しい、またはそれ以上の耐熱衝撃性を有する製品が得られる。好ましくは、本発明のセラミックハニカムは、比較例の分散物により強化されていないコーディエライトセラミックと同等に良好な初期耐熱衝撃性を有しており、拡大熱サイクル中に、マイクロクラックネットワークの成長を20%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満に制限する改善された破壊靭性を示す。熱サイクル中、セラミックハニカムは、高歪み耐性および低熱膨張を維持するのが好ましい。本発明の分散物により強化されたコーディエライトハニカム材料は、フィルタと基質用途の両方に用いることができる。]
[0049] 本発明の処方においてガラス形成添加剤を用いるとまた、焼成温度を下げ、かつ/または焼成時間を短くするという商業的な利点も得られる。]
[0050] アニール中、ガラスは部分的に結晶化して、第1の相のマトリックスと第2の相の分散物で構成されたセラミックが得られる。第1の相のマトリックスと第2の相の沈殿物は、界面により分離される。第2の相の分散物(粒子)は、好ましくは、部分的または完全に、残渣ガラスにより濡れる。ガラスの層が界面の少なくとも一部に存在する場合に、界面がガラスにより濡れると考えられる。好ましくは、界面は、約0.3nm〜約0.3μmの範囲の層厚さのガラスにより濡れる。第2の層およびガラスは、典型的に、第1のマトリックス相より高い熱膨張を有する。好ましくは、ガラスは、第1および第2の相より低い弾性率を有する。これは、本明細書に開示された添加剤の場合である。第1の相のマトリックスと、結晶の第2の相間の界面は、ガラスが完全にセラミック化していないときは、結晶の第2の相の少なくとも一部を濡らすガラス薄膜を含んでいる。濡れは、エネルギーが最小化する結果である。等方性系において、その構成が、ガラスのない界面とマトリックス中にガラスポケットを含む構成に比べてエネルギーの利点を与える場合には、マトリックス−沈殿物界面は、残渣ガラスにより濡れる。本発明で考えられる異方性系における濡れの熱力学的考察によれば、特定の結晶配向および界面の構造およびその界面エネルギーに応じて、かかる系における界面の特定の部分が濡れ、他の部分は濡れないことが予測される。結果として、本発明の第2の相の分散物を有するセラミックは、界面のファセットに応じて、厚さの異なるガラスフィルムにより完全または部分的(その表面の一部)に濡れる沈殿物を含有することが予測される。]
[0051] 本発明のセラミックハニカムは、高耐久性を有する製品へと形成することができ、何回かの初期冷却/加熱サイクル後に確立されるマイクロクラック密度は、追加の冷却/加熱サイクルを行っても実質的に増大しない。本発明のコーディエライト材料は、マイクロクラックパラメータMCPにより説明されるマイクロクラックネットワーク密度を有する。好ましくは、MCPは、約1.2〜約2.2の範囲内である。]
[0052] セラミックハニカム材料は、好ましくは、約10〜約20μmの範囲の中央細孔径を有する。細孔径分布は狭く、好ましくは、約0.3〜約0.5の範囲のd−ファクターを有する。d−ファクターは、d−ファクター=(d50−d10)/d50と定義される。本発明のセラミック基質は、少なくとも約45%の気孔率を有する。]
[0053] 本発明のプロセスによれば、コーディエライトハニカムセラミックの耐熱衝撃性が、分散物による強化により改善される。多孔質のマイクロクラックのあるコーディエライトハニカムは、第1の相として、コーディエライト組成物を形成し、コーディエライト組成物に、第2の分散した相の形成に寄与する、少なくとも1つの非コーディエライト形成金属酸化物または金属酸化物前駆体を添加することを含むプロセスにより強化することができる。分散物により強化されたコーディエライトは、従来のコーディエライト製品と同じやり方で処理して、ハニカム形状へと押出すことができる。強化する第2の相の粒子の均一な分布を促すために、生素地における分散物形成添加剤の均一な分布が、溶融塩、ゲルまたは懸濁液として、添加剤をバッチ水に添加することにより達成されるのが好ましい。好ましい添加剤はガラス形成剤である。]
[0054] 組成物を混合し、グリーン体へと成形または形成する。グリーン体を焼成する。反応焼結中、添加剤によって、コーディエライト粒間にガラスの形成がなされる。焼結には、コーディエライトとガラス相が形成される約1350℃〜約1430℃の最大温度まで保持する初期焼成が含まれるのが好ましい。初期焼成後、材料はアニールおよび冷却されて、コーディエライトセラミックに分散した非コーディエライト粒子の第2の相を有する強化コーディエライトセラミックが形成される。焼成されたグリーン体は、焼成温度より低い温度でアニールされて、コーディエライトの第1の相内で、コーディエライトマトリックスと第2の相間の界面の少なくとも一部において、ガラスフィルムにより濡れた、分散した第2の相の結晶粒子を有する強化コーディエライトセラミックハニカムが形成される。アニール工程を用いて、ガラスポケットを、セラミック小粒子の分散物へと部分的に結晶化する。ここで、残渣ガラスが、コーディエライト−第2の相の界面を部分的または完全に濡らす。好ましくは、アニール工程は、約900℃〜約1250℃の範囲の温度で実施される。その温度範囲での好ましいアニール時間は、少なくとも1時間、より好ましくは、7時間である。アニールは、焼成したグリーン体を、アニール温度より低い温度、例えば、室温まで冷却してから、グリーン体を、アニール温度まで加熱して、非コーディエライトの第2の相の粒子を結晶化することにより行うことができる。あるいは、アニールは、焼成したグリーン体をアニール温度まで冷却し、その温度に保持して、非コーディエライトの第2の相の粒子を結晶化することにより行うことができる。さらに他の変形例としては、試料を、アニール温度から室温まで非常に緩慢に冷却するものがある。]
[0055] 最適な沈殿分散物は、できる限り均一に作製されるのが好ましく、沈殿物サイズは、サブマイクロメートルから数マイクロメートルの範囲である。第2の相の粒子は、約0.1〜約10μm、より好ましくは、約0.3〜約3μm、最も好ましくは、約0.5〜約1μmの範囲のサイズを有するのが好ましい。]
[0056] 第2の相の粒子として好適な材料としては、コーディエライトと適合性のある材料、およびコーディエライト構成成分と、約1200℃〜約1430℃の温度でガラスを形成し、分散沈殿物へと結晶化する添加剤が挙げられる。典型的に、強化する分散相に好適な材料は、第1の相のコーディエライト材料のCTEとは異なるCTEを有し、低弾性率を有する、または低弾性率の界面層を有する。異なるタイプの材料を強化に用いることもできる。好適な材料としては、塑性変形のエネルギーを吸収する非常に軟性の材料、例えば、金属銅、金または銀が挙げられる。好適な材料としてはまた、マイクロクラッキング、クラック分岐および偏向についてのエネルギー消失により、マトリックス内でのクラック伝播を止める材料、例えば、チタン酸アルミニウム、チタン酸鉄または酸化タングステン、クリストバライトフィルム、シートシリケートおよびその他の材料も挙げられる。さらに好適な材料としては、体積膨張下で相変態する材料、例えば、部分安定化ジルコニアが挙げられる。相互接続ガラスネットワークを維持する材料は、クラック伝播に連続した容易なパスを与えるため、好適でない。]
[0057] 好ましくは、第2の相は、非コーディエライト金属酸化物粒子で構成されている。好適な金属酸化物としては、(RE)2Si2O7が挙げられ、REは希土類金属を表わす。より好ましくは、REは、Y、Yb、Sm、Er、LaおよびLuの混合物である。好適な金属酸化物としてはまた、チタネートが挙げられ、遷移金属、好ましくは、Fe、Ni、CoまたはMnおよびアルカリ土類金属、好ましくは、Al、Mg、Sr、Si、CaおよびBa、ジルコンおよび混合金属酸化物またはシリケートの固溶体を含む。第2の相は、非コーディエライト金属酸化物粒子から実質的になっていてよいが、概して、Mg、Ni、Al、Si、FeおよびCa等の元素を含むコーディエライトバッチ材料からの少量の酸化物ドーパントも含有していてよい。]
[0058] 図1において、熱機械応力適用前後の沈殿物により強化されたものと比較例の強化されていないマイクロクラックのあるセラミックの概略の微細構造が示されており、応力下での本発明と比較例の微細構造の展開が示されている。]
[0059] 強化のための第2の相の粒子の全くない比較例のマイクロクラックのあるセラミック(図1A)は、熱サイクルまたは適用された機械応力応答して、規則的なクラック再開放およびある程度のクラック成長を示す。これは、時間が経つと、いくつかのクラックに関連して、マイクロクラックによる最終的な不具合につながる恐れがある。] 図1A
[0060] 連続ガラス状粒境界フィルムを備えた(第2の相の分散物のない)比較例のマイクロクラックのあるセラミック(図1B)は、連続した脆弱なガラス相を通して、ガラスで濡れたコーディエライト粒境界に沿って、クラック伝播の増大を示し、拡大クラック成長をする。この構成は望ましくなく、マイクロクラックのあるセラミック(図1A)よりさらに破壊靭性が低いため、避けなければならない。] 図1A 図1B
[0061] 本発明のマイクロクラックのあるセラミック(図1C)は、第2の相の分散した沈殿物を囲む脆弱な界面の剥離による強化を示す。第2の相粒子の界面は、アニール温度で応力緩和され、熱サイクル中の適用で歪む。引張り歪みは、コーディエライト相と第2の相間の界面で最大である。界面ガラスフィルムにより濡れた第2の相の粒子は、最も弱い界面領域を示し、界面領域における引張り歪みのために、周りのセラミックの残りよりも、伝播するマイクロクラックとより強く相互作用して、それらを引き付ける。エネルギー消失は、歪んだ界面フィルムに沿って、界面ガラスフィルムを優先的に通して、分散粒子の界面を剥離することにより生じる。このように、クラック成長およびクラックの相互接続は遅くなり、マイクロクラックの形成が抑制される。] 図1C
[0062] 本発明のマイクロクラックのあるセラミック(図1D)は、分散した第2の相の沈殿物を非常に容易にマイクロクラッキングすることによる、マイクロクラックのあるセラミックの強化を示す。第2の相のマイクロクラッキングエネルギーは、コーディエライトよりはるかに低い。] 図1D
[0063] 本発明のマイクロクラックのあるセラミック(図1E)は、塑性変形のためのエネルギーを吸収する第2の相の軟性分散沈殿物によるマイクロクラックのあるセラミックの強化を示す。熱サイクルまたはその他機械的応力露出中のエネルギー消失は、分散物粒子の塑性変形を優先的に誘導する。このように、クラック成長およびクラックの相互接続が遅くなり、マイクロクラックの形成が抑制される。] 図1E
[0064] 本発明のマイクロクラックのあるセラミック(図1F)は、相変態および分散した第2の相の沈殿物の関連した体積増大による、マイクロクラックのあるセラミックの強化を示す。熱サイクルまたはその他機械的応力中のエネルギー消失は、分散した第2の相の粒子の相変態により生じる。相変態が体積増大に関連する場合には、クラックの伝播は停止する。このように、クラック成長およびクラックの相互接続が遅くなり、マイクロクラックの形成が抑制される。] 図1F
[0065] 以下は、(Y、Al)2Si2O7と(Fe、Al、Mg)−チタネートおよびジルコンの分散物によるコーディエライトの例である。以下に示した例は例示であり、本発明の一般的な原理を限定しようとするものではない。]
[0066] 表2の添加剤を、酸化物粉末の形態で、タイプBのコーディエライトのバッチ混合物に乾燥混合中に添加した。タイプAのコーディエライトのバッチについては、添加剤を表1に挙げた形態で、バッチ水に、すり潰している間に添加した。]
[0067] 乾燥成分をすり潰しパンに添加した。パンをすり潰し機に入れ電源を入れた。テクスチャが、当業者であれば分かるであろう押出しに好適なペーストのテクスチャとなるまで、ゆっくりとバッチ水溶液を混和した混合物に添加した。]
[0068] バッチ材料の均一性および可塑性を改善するために、RAM押出し機を用いて、1回および2回の実施で、ペーストをスパゲッティ状に押出した。次に、ペーストを、適切なサイズのハニカムダイおよびシムにより、ハニカム形に押出した。]
[0069] 押出し後、生素地を、空気中70〜90℃の温度で乾燥した。]
[0070] 部品を、炉において、空気中、120℃/時の加熱速度を用いて、1390℃から1410℃に焼成し、15時間保持し、120℃/時で冷やした。アニール工程において、部品を120℃/時のランプ速度で900〜1250℃まで加熱し、2〜15時間保持し、同じ冷却速度で冷やした。図2に、コーディエライトとガラスの形成のための主焼成およびガラスが部分的または完全に沈殿するアニールに用いる例示の焼成サイクルを示す。例では、実線により示される焼成サイクルを用い、アニール前、試料を室温まで冷やした。] 図2
[0071] ガラス状相のセラミング前後の添加剤を入れたコーディエライトの材料微細構造を図3に示す。イットリオ−シリケートのガラス状ポケットの大部分の初期焼成後の添加剤としてイットリアにより得られたコーディエライト系セラミックの微細構造を示す。トリプルポケットと粒界の大部分の結晶化および部分/完全脱水は、アニールにより達成される。アニールされたセラミックは、残渣ガラスで囲まれた結晶Y2Si2O7沈殿物を含有する。Y2Si2O7および残渣ガラスは、コーディエライトより大きな熱膨張を有する。Y2Si2O7は、コーディエライトより硬く、ガラスは低い弾性率を有する。図3に、1420℃での初期焼成後の、イットリウムシリケートガラスのポケットを備えた、3%のイットリアを添加したタイプBのコーディエライトバッチの微細構造を示す(左側の写真)。右側の写真では、SEM画像に、1200℃で4時間アニールした後の、Y2Si2O7と少量の残渣ガラスの微細分散物を有する材料の微細構造が示されている。結晶化相の正確な組成が、イットリアおよびシリカを上乗せ添加として添加することにより、バッチ組成と適合し、アニール条件が最適化されると、より複雑な失透が達成される。] 図3
[0072] 以下の相を、アニール後のX線回折により特定した。チタニアまたはチタニアおよびアルミナおよび/または酸化鉄添加のバッチでの(Mg、Al、Fe)−チタネート、イットリアまたはイットリアおよびシリカまたはイットリアおよびアルミナ添加のバッチでの(Y、Al)2Si2O7、沈殿物を囲むジルコニアまたはジルコニアおよびシリカの添加のバッチでのZr2SiO4。]
[0073] 分散物により強化されたセラミックスの特性を、分散物で強化するプロセスでなく製造された対応のセラミックと比べた。コーディエライトの分散物による強化を示すために、タイプAバッチとタイプBバッチの2つの異なるコーディエライトフィルタ組成を選択した。組成、処理および焼成の詳細は、上述してある。焼成温度および時間のある程度限定された最適化による初期焼成後、およびアニール後に、材料の特性を評価した。一組の初期実験において、アニール温度および時間を変えて、安定した微細構造のための最良のアニール条件を判断した。1200℃で4時間のアニール条件で、全ての調べた組成物に、完全なセラミック化および安定した微細構造が与えられた。]
[0074] コーディエライト(およびガラス)形成焼成サイクル後(1)、アニール後(2)およびアニールしたセラミックスを、室温から1200℃までの4つのさらなる温度サイクルに露出した後(3)に、本発明のセラミックスの微細構造を調べた。標準の走査電子顕微鏡SEMによる特定を、研磨したハニカム断面(ハニカムチャネルに対して垂直に切断し、エポキシを浸透させ、スライスして研磨したもの)で行った。異なる相および元素分布の化学組成が、SEMでのエネルギー分散X線分光法および定量マイクロプローブ分析により得られた。]
[0075] 本発明および例示のハニカム材料の細孔径分布を、水銀圧入ポロシメータで求めた。Autopore IV9500ポロシメータを水銀圧入ポロシメータに用いた。この方法では、非湿潤液体および円柱ポアを備えたキャピラリーローを用いる。典型的に、ウォッシュバーンの式D=−(1/P)4ycosφで表わされ、式中、Dは細孔径、Pは加えた圧力、yは表面張力、φは接触角である。水銀の容積は、圧力に正比例する。ソフトウェアはMicromeritics製であった。データ整理には、差およびログ差を用いて、細孔径の計算されたログ直径の関数として、累積比貫入容積の一次導関数を計算する。表には、中央粒径d50を示したが、細孔径分布の他の特性、例えば、di(i=1、2、5、10、25、75、90、95、98、99)も示してある。表にはまた、細孔径分布(d90−d10)/d50、同じく(d50−d10)/d50の特性幅も示してある。]
[0076] 熱膨張を、寸法0.25”×0.25”×2”(約0.625cm×0.625cm×5cm)のバー形試料について、室温から1200℃まで、4K/分の速度での加熱および室温までの後の冷却中に測定した。特性表に記録したデータについて、試験バーの長軸は、ハニカムチャネルの方向に配向しており、ハニカム部品の軸方向に熱膨張した。様々な温度範囲の平均熱膨張率を、特性表に記録してある。室温から800℃までの温度範囲における平均熱膨張係数としてL(800℃)−L(25℃)/775Kで定義されたK−1でのCTE25−800、室温から800℃までの平均熱膨張率、500℃から800℃までの温度範囲における平均熱膨張係数としてL(900℃)−L(500℃)/400Kで定義されたK−1でのCTE500−900、500から900℃までの平均熱膨張率。CTE500−900は、自動車における排気後処理においてハニカム部品の適用にとって特に重要である。そこでは、ハニカム部品が、厳しい急激な温度変化を受け、500〜900℃の温度範囲は、頻繁に直面する操作温度範囲に適合することとなる。]
[0077] ハニカムの形状の特性は、表には1平方インチ(2.54平方センチメートル)当たりのセル数で示されているセル密度および表にはミル(1ミル=0.001インチ(0.00254センチメートル))で示されている壁厚さである。ハニカムの閉じた前領域CFAは、合計ハニカム断面からポアチャネルの面積を引いたものに相当し、試験バーのサイズ、単位面積当たりのハニカムセルの数およびハニカム壁厚さから、ある試験バーまたはハニカム試料について導くことができる。]
[0078] 横方向曲げ技術を用いて、セラミック強度を試験した。ここで、三点曲げか四点曲げのいずれかを用いて、破断するまで試験試料に荷重した。破断する前の最大応力は破壊係数すなわちMORである。強度値(四点曲げMOR)は、下限(L)が2インチ(5.08センチメートル)、上限が0.75インチ(1.905センチメートル)である四点曲げを用いて測定した。特性表に、長さ2.5インチ(6.35センチメートル)、幅0.5インチ(1.27センチメートル)、厚さ0.25インチ(0.635センチメートル)の寸法の試料での四点曲げにより測定されたMORをpsiで記録してある。用いた力測定システムは、最大力の読み取り器および較正ロードセルを備えていた。MOR値は、周知の曲げ強度式MOR(四点曲げ)=[3/4・P・L/(b・d2)]を用いて計算された。式中、Pは最大力、Lは下限長さ、bは試験バー幅、dは試験バーの厚さである。]
[0079] MOR(四点曲げ)では、長さ方向にチャネルのある四角形セル試料(ハニカム)については説明されない。mが幅方向のセルの数、nが厚さ方向のセルの数、tが壁厚さ、pがセルピッチの場合には、実際の材料長さ、壁強度は、セル構造を説明することにより、壁強度σwall=[P・L・d/(16・lt)として導き出され(参考文献J.E.Webb,S.Widjaja,J.D.Helfinstine,“Strength Size Effects in Cellular Ceramic Structures,” Ceramic Engineering and Science Proceedings−Mechanical Properties and Performance of Engineering Ceramics II, Volume 27, Issue 2(Nov.2006),pp.521−531)による)、ltは次のとおりである。]
[0080] 寸法5”×0.5”×0.25”および長軸がハニカムチャネルの方向に配向されたバー形試料を用いて、屈曲共振周波数により弾性率を測定した。試料を1200℃まで加熱し、室温まで冷やして戻した。各温度について、弾性率は、共振周波数から直接導かれ、ASTMC1198−01を参照することにより、試料寸法および重量について正規化された。]
[0081] マイクロクラックのあるセラミックの弾性率は、対応のマイクロクラックのないセラミックより小さい。マイクロクラックのあるセラミックスについての加熱および冷却サイクルで得られた弾性率は、拡大ヒステリシスを示し、これは、約700℃を超える温度まで加熱中に、材料中のマイクロクラックが閉じ始め、約700℃〜1200℃の温度範囲での加熱中の弾性率の増大となるという事実に関係している。約1200℃で、マイクロクラックは、典型的に、たいていのコーディエライト材料で閉じ、マイクロクラックのないセラミックが得られる。1200℃〜室温までの冷却サイクルにおいて、弾性率曲線は、マイクロクラックのないセラミックのものに最初は従い、やや負の傾きの直線を特徴とし、その傾斜は、第2の相が寄与するコーディエライトセラミックの固有の弾性率により決まる。冷却中に臨界局部応力に達すると、さらなる冷却中にマイクロクラックが形成し始める。冷却中のマイクロクラッキングの開始は、500℃未満の温度の弾性率冷却曲線で観察される。すると、マイクロクラッキングの増大を反映して、温度の減少と共に弾性率は下がる。室温で、冷却曲線の弾性率は、最終的に、マイクロクラックのあるセラミックの室温弾性率EmcRTである加熱曲線の元の出発値に達する。室温でのマイクロクラックのないセラミックの仮想の弾性率EnmcRTは、室温までの直線を外挿することにより、600℃〜1000℃の温度範囲における冷却曲線の直線部分から導くことができる。EnmcRT=E1000C−975・(E1000C−E600C)/400。加熱と冷却弾性率曲線間のヒステリシスの程度は、室温で材料のマイクロクラック密度を反映する。マイクロクラック密度は、マイクロクラックのある材料の弾性率EmcRTと対応のマイクロクラックのない材料の(仮想の)弾性率EnmcRTの比に比例する。MCD=EnmcRT/EmcRTと定義されるパラメータMCDを、マイクロクラックネットワーク密度の尺度として用いる。マイクロクラックのないセラミックについては、MCD=1であり、MCDは、低マイクロクラック密度(典型的に、MCD<1.5)のコーディエライトについては小さく、MCD>2はマイクロクラックの多いセラミックスである。データの表に、異なる材料についてのMCD値を示す。]
[0082] かなりのレベルの第2のガラス相を含むコーディエライトセラミックスについては、弾性率の減少が、ガラスが塑性変形し始める温度まで加熱すると観察される。かかる塑性変形によって、加熱曲線の出発点と冷却曲線の終点は一致しない。これは、>1100℃の図5−9bの曲線Ai−(1)で見ることができる。図8bでイットリアを添加した元々はマイクロクラックのないコーディエライトセラミックスのように、マイクロクラック密度の増大が、熱サイクル中に生じる場合には、加熱の出発点と冷却曲線の終点は一致しない。] 図8b
[0083] 歪み耐性は、材料の強度およびその弾性率から導くことができる。この歪み耐性は、歪みを処理する材料の能力を表わすものである。歪み耐性が高ければ高いほど、材料は破断し難い。特性表に、歪み耐性STRT=σwallRT/EmcRT(STは無次元である)を挙げておく。]
[0084] 耐熱衝撃性は、自動車排気後処理にとって、ハニカム部品の重要なパラメータである。その部品は、急速な加熱および冷却中、厳しい熱サイクルを受けるからである。ハニカムの耐熱衝撃性によって、その材料の高強度、低弾性率および低熱膨張という改善が見込まれる。本発明において、沈殿分散物は、部品の高靭性を与え、クラックの伝播およびマイクロクラックの形成を減じるのに役立つ。]
[0085] 実施例1:添加剤を入れたタイプAのコーディエライト組成物
200セル/1平方インチ(2.54平方センチメートル)および16ミルの壁厚さ(200/16)のセル形状の1”ハニカム押出し部品の特性についての結果を、表3に示す。表3に示されるとおり、合計で2%のY2O3+SiO2、Y2O3+Al2O3、Fe2O3+TiO2、TiO2を上乗せ添加した初期焼成(黒色)およびアニールしたタイプAコーディエライトをタイプAの参照材料の特性と比べてある。添加剤を入れた材料の初期焼成に必要な温度は、タイプAの参照のものより低い。主な結果を以下にまとめてある。上述した上乗せ添加した材料は焼成に必要な温度が低い。上乗せ添加したタイプAバッチの中間体強度は、400〜800℃の温度範囲での生素地の焼成中、少なくとも同じ(Y+Si添加=1:1)、高い(Y+Al)または略倍(Ti添加の場合)である。完全に焼成した上乗せ添加材料は、全て同様の気孔率(約50%)および平均細孔径(14〜19マイクロメートル)に達し、小さなd−ファクターdfを示す。タイプAの参照材料は、df=0.51を示し、最良の本発明のタイプA材料が、イットリア添加のバッチから得られ、d−ファクターdf=0.3を示している。]
[0086] 添加剤を入れたタイプAの材料の熱膨張曲線を図5〜9に示す。1410℃で焼成したタイプA参照材料についての室温から800℃までの平均熱膨張率CTERT−800Cは、6.1×10−7K−1である。同様に、低CTEがイットリアとアルミナの添加でも得られる。ガラス状の第2の相を有する初期焼成材料のCTEは、6.3×10−7K−1であり、アニール後、参照の3.1×10−7K−1よりも低いCTEに達している。イットリアおよび過剰のシリカを添加したタイプA材料は、初期焼成後、マイクロクラックのないコーディエライトの15.8×10−7K−1というかなり高いCTEとなり、Y2Si2O7の結晶後、CTEは、タイプA参照の5.7×10−7K−1に近づく。チタニアまたはチタニアと酸化鉄の添加により得られた材料は、初期焼成後、およびアニール後、参照材料に比べて高いCTEを示す。]
[0087] マイクロクラック密度は、弾性率加熱および冷却曲線図5〜9から導かれた。初期焼成後、タイプAの参照材料は、マイクロクラックパラメータMCP=1.72により特徴付けられるマイクロクラックネットワークを有する。アニール処理中のマイクロクラックネットワークは、MCP=1.95まで成長する。]
[0088] CTEにより既に示されるとおり、材料の中には低いマイクロクラックネットワーク密度を有するものがある。イットリアおよびシリカを添加したタイプAの材料は、初期焼成後、マイクロクラックがない。アニールした際のみマイクロクラックが発生し、MCP=2.1の安定したマイクロクラックネットワークに達する。チタニアを添加した材料のマイクロクラック密度は低い。チタニアを添加したタイプA材料は、焼成後はMCP=1.24のマイクロクラックパラメータ、アニールおよび温度サイクル後はMCP=1.5を示す。チタニアおよび酸化鉄を入れたタイプA材料は、焼成後はMCP=1.66、アニールおよび温度サイクル後はMCP=1.8を示す。イットリアとアルミナの添加により、焼成後のマイクロクラックパラメータMCP=1.8、アニール後は2.0となる。図15は、初期焼成、アニールおよびサイクル後の材料A0、A1、A2、A3、A4のマイクロクラックパラメータMCPのプロットである。MCPはマイクロクラックネットワーク密度の指標である。プロットから、アニール後の沈殿物の存在により、マイクロクラック密度が安定化し、熱サイクル中それが一定に保たれることが分かる。参照材料A0のマイクロクラック密度は、焼成したままの状態からサイクルした状態へと大幅に増大することが見てとれるが、非常にわずかな「自然」添加剤レベルのこの材料でも、アニールにより安定化させることができる。図には、異なるマイクロクラックレベルを、添加剤の選択およびアニールにより安定化させることができることがさらに示されている。] 図15
[0089] 焼成、アニールおよびサイクルした材料の壁強度を図4に示す。焼成後は約843psi(5.812MPa)、1200℃までのサイクル後は750psi(5.171MPa)の壁強度を有するタイプAに比べて、分散物により強化されたAタイプコーディエライトにおいては、強度の大幅な改善が得られた。イットリアおよびシリカを添加したマイクロクラックのない材料で、初期焼成後、最大の強度が得られた。この材料には、アニール中、マイクロクラックが発生し、最初の有利な高強度の部分は失われ、800−1000psi(5.516〜6.895MPa)となった。安定したマイクロクラック密度および>1050psi(>7.240MPa)の安定した強度が、チタニアまたはアルミナとのその組み合わせの添加により、全ての材料について、焼成、アニールおよびサイクル後、得られた。図16は、マイクロクラックパラメータに応じた壁強度のプロットであり、低マイクロクラック密度で、高い壁強度が与えられ、安定した低マイクロクラック密度の材料が得られ望ましいことが分かる。このプロットにはまた、本発明の分散物により強化された材料が、強化されていない材料A0に比べて有利であることも分かる。] 図16 図4
[0090] 図17は、マイクロクラックパラメータに応じた歪み耐性のプロットであり、直接相関がないこと、必ずしも、低マイクロクラックネットワーク密度が、高歪み耐性の必要条件ではないことが分かる。] 図17
[0091] 熱衝撃ファクターTSFは、タイプAのアニールした参照のものに比べて、分散物により強化されたアニール材料について、同様またはやや改善された値を示す。]
[0092] マイクロクラック密度の結果によれば、第2の相の分散物の性質と濃度を用いて、所望のマイクロクラック密度が確立できること、かかる例ではMPS=1.5〜MPS=2.1に及ぶ安定したマイクロクラック密度が、非常に異なるマイクロクラック密度レベルで得られることが分かる。分散物で強化された材料の強度は、タイプA参照のものより大きく、最良の場合で2倍である。]
[0093] 実施例2:添加剤を入れたタイプBのコーディエライト
表2に示す様々な添加剤を入れたタイプBコーディエライトバッチを焼成およびアニールし、特性を求めた。イットリアを添加したタイプBコーディエライトはまた、初期焼成において、マイクロクラックのないコーディエライトが得られ、100℃より高い温度でのアニール中のみ、Y2Si2O7の結晶化によりマイクロクラッキングとなるという特異な挙動を示した。図10および11の弾性率およびCTE曲線を参照のこと。加熱および冷却中の弾性率のヒステリシスは、1000℃〜1100℃でのアニール間の大きな変化を反映するものであり、前のマイクロクラックのないセラミックのマイクロクラッキングに関連する。初期焼成中、ガラス状Yシリケートポケットのあるマイクロクラックのないセラミックが得られる。>1000℃での数時間のアニールにより、ガラスが結晶化され、これに関連した体積の変化によってもマイクロクラッキングが誘導される。このように、マイクロクラックのない初期セラミックは、マイクロクラックのあるセラミックへと変態する。同様のアニール条件後のCTE曲線が、その挙動を裏付けている。] 図10
[0094] CTEは、アニール温度により最適化することができる。調べた大半の添加剤について、最適なものは1100または1200℃でのアニールにより達成された。CTEの観察された減少は大幅である。図12を参照のこと。1×10−7K−1の最低CTEは、3%のイットリアを添加し、1100℃でアニールすることにより達成された。] 図12
[0095] タイプB材料は全て、非常に似た気孔率50%、狭いd−ファクターを示し、平均細孔径は20マイクロメートル以上である。表4を参照のこと。]
[0096] 材料微細構造は、マイクロクラックと沈殿分散物間の相互作用を示す。強化されていないタイプAセラミックは、大きく、長い直線のクラックの典型的なマイクロクラックパターンを示す。例を図13に示す。これは、統計を欠くため、SEM画像で確認されていないが、これらのクラックは熱サイクル中に平均して成長する。初期焼成のみで、さらなる結晶化をしていない添加剤を入れた材料では、クラックが材料のガラス状ポケットに直線に延びることが分かる。] 図13
[0097] 分散物により強化されたセラミックスにおいて、アニール後、クラックと沈殿物間に強固な相互作用があることが分かる。最大の相互作用は、チタニアを添加した材料で見られた。図14に示す材料では、クラックパスがより蛇行し、沈殿物界面に沿った侵入および拡大クラック分岐が見られる。] 図14
[0098] 好ましい実施形態を図示し、詳細に説明してきたが、本発明の趣旨から逸脱することなく、様々な修正、追加、置き換え等が行えることは、当業者であれば、明白であるため、これらは、以下の添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内になるものと考えられる。]
权利要求:

請求項1
第1の相のマイクロクラックのあるコーディエライトセラミックと、前記コーディエライトセラミックに分散した第2の相の結晶非コーディエライト金属酸化物粒子とを含み、前記第1と第2の相の間の界面の少なくとも一部がガラスにより濡れており、前記第2の相の粒子が、約0.01〜約10μmの範囲のサイズを有することを特徴とする多孔質セラミックハニカム。
請求項2
前記第2の相の粒子が、約0.03〜約3μmの範囲のサイズを有することを特徴とする請求項1に記載の多孔質セラミックハニカム。
請求項3
前記第2の相が、(RE)2Si2O7と、少なくとも1つの遷移金属、アルカリ土類金属元素、アルミニウム、ケイ素、ジルコン、混合酸化物および混合シリケートのうち少なくとも1つを含有するチタネートとから実質的になる群から選択され、REは希土類金属であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質セラミックハニカム。
請求項4
前記チタネートが、Al、Mg、Fe、Ni、CoおよびMnのうち少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項3に記載の多孔質セラミックハニカム。
請求項5
REが、Y、Yb、Sm、Er、LaまたはLuであることを特徴とする請求項3に記載の多孔質セラミックハニカム。
請求項6
前記第2の相が、ハニカム材料の約0.2〜約20重量%の量で存在することを特徴とする請求項1に記載の多孔質セラミックハニカム。
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