![]() 蛍光顕微鏡において単一色素分子の局在化のための方法および装置
专利摘要:
本発明は、少なくとも1種類の蛍光標識で標識した試料のサブ分解能空間情報を得るための方法に関する。該方法では、蛍光局在化顕微鏡法を用いることで局在化画像データを取得される。局在化画像データは、約1kW/cm2から約1MW/cm2の範囲の強度を有する照明光を用いて試料の目的領域を照明し、蛍光標識の複数蛍光分子の少なくとも一部によって照明時に放出された蛍光の少なくとも一部を、情報取得センサによって検出し、その照明と検出とを複数回繰り返し、異なる時間段階で撮られた一連の画像を含む。局在化画像データから、少なくとも1つの空間位置において少なくとも1種類の蛍光標識の蛍光分子の位置についての局在化情報が得られ、各画像において、少なくとも1つの空間方向において、1つまたは複数の蛍光標識の単一蛍光分子から検出された蛍光放出の分布の重心位置が決定される。 公开号:JP2011514532A 申请号:JP2011500085 申请日:2009-03-13 公开日:2011-05-06 发明作者:クレーマー クリストフ;バデリー デイビット;アイペル ハインツ;レマー パウル 申请人:ルプレヒト−カールス−ウニヴェルジテート ハイデルベルクRuprecht−Karls−Universitaet Heidelberg; IPC主号:G01N21-64
专利说明:
[0001] 本発明は、装置(顕微鏡、それぞれ(respectively)顕微鏡システム)、および観察される試料の目的領域における1つまたは複数の対象物に関するサブ分解能空間情報を得るための方法に関する。] [0002] 具体的には、本発明は測定した対象物に標識するために使用される蛍光分子の検出および局在化(位置特定)(localization)に関する。] 背景技術 [0003] 光の波動性のため、光学顕微鏡法における像は回折限界であることが知られている。これは、点状の対象物が、センサ上の像空間でぼやけた円形(エアリーディスク)として登録されることにおいて明らかにされる。このぼけを説明する関数は、点像分布関数(Point-Spread-Function)または略してPSFと呼ばれる。Ernst Abbeによって明らかにされた(1873)顕微鏡の最大分解能と、使用される対物レンズの開口数(NA)と、波長(λ)との関係 d_min=λ/(2×NA) を考慮にいれると、可視領域で最良の対物レンズおよび光を用いるとき、自然分解能として約200nmの最良分解能d_minを得る。多数のプロセスがかなり小さい規模で起こるので、Abbe限界を克服することは、現代の光学顕微鏡において最も困難であるが最も重要な課題の一つである。] [0004] 電離放射線に基づく電子顕微鏡および他の超微細構造画像化の方法には、前例のない分解能の多大な利点があるが、他方「可視」光(すなわち紫外線から近赤外線までの波長範囲内の光)は、他の利点、例えば単一の三次元でインタクトな細胞において、および生体細胞においてさえ、適切に標識した複数種類の分子を識別する等の利点がある。したがって、可視光顕微鏡法を用いて高分解能を実行するための新規のアプローチによって、生物学的ナノ構造の研究のために、電離放射線画像化法の可能性を補完することは、極めて有用である。この潜在用途のいくつかの例としては、細胞膜のナノ構造または細胞核のゲノム構造を調べることにある。] [0005] 例えば、蛍光共鳴エネルギー移動顕微鏡法(FRET)は、励起のための可視光を用いて例えば2種類の分子間の距離測定を数ナノメートルレベルまで可能にする。蛍光相関分光法または光退色後蛍光回復法(FRAP)は、標識、それぞれ(respectively)マーキングした分子の細胞内運動解析もしくは標識解析を可能にする。しかし、機能的な細胞内プロセスを十分に理解するために、さらなる構造情報が必要である。細胞生物学および細胞生物物理学に関するこれらの課題や数多くの他の課題を解決するためには、適切な空間解析が不可欠である。この目標を達成する際の深刻な問題は、従来の光の光学分解能が横方向(laterally)に約200nmおよび軸方向(axially)に600nmに限定されていることであり、これは機能情報を完全に提供すために細胞のナノ構造を適切に分解できないことを意味する。] [0006] 最近導入されたレーザ光「ナノスコピー」の種々のアプローチにより、この課題を克服し、光学分解能の「Abbe/Rayleigh限界」(ここで、元の式によれば対象物面(x,y)において使用する波長の約半分に相当し、かつ光軸(z)の方向に約1波長に相当すると想定される)をはるかに越えて空間解析を拡大することが可能になる。特に蛍光顕微鏡法において、主にこの10年の間に回折限界系の達成可能な分解能を着実に高めることが可能になった。] [0007] したがって、例えば共焦点レーザ走査蛍光4Pi顕微鏡法の概念では、全ての側面(「4Piジオメトリー」)から集光されるレーザ光線によって対象物を走査して、励起される蛍光を「点ごと」に検出する。2つの対向するレーザ光を共同焦点に構成的に集中させるために2つの対向する高開口数レンズを使用することにより、共焦点走査型レーザ4Pi顕微鏡法が、「ナノスコピー」法として確立され、100nm程度までの軸光学分解能が可能になった。これは、従来の蛍光顕微鏡法が達成できる分解能よりも5〜7倍向上した分解能である。] [0008] 多くの画像用途において、所望される構造情報は、Abbe限界よりも大きい距離によって互いに分離されるナノ構造のサイズである。この課題を解決するために、空間解析を向上させる構造化照明を使用するための多くの可能性の1つとして、空間変調照明(SMI)遠視野光学顕微鏡法が開発された。SMI顕微鏡法は、レーザ光線の定在波場を生成することに基づき、高開口数の2つの対向する対物レンズの後焦点面中にコヒーレント光を焦光させることによって等の種々の方法で実現させることができる。蛍光標識した対象物を2つの対物レンズ間に配置し、定在波場を通して少しずつ(例えば20nmまたは40nm)で軸方向に移動させる。少しずつ動かすごとに、放出される蛍光を高感度CCDカメラで登録する。この手順によって、サブ波長サイズの個々の蛍光対象物を数十ナノメートルまでの軸方向径の測定が可能となり、かつ「点状」の蛍光対象物間の軸方向距離(横方向距離ではAbbe限界よりも大きい)を数十ナノメートルの範囲まで、1nmの範囲の精度で決定することが可能となる。いくつかの生物物理用途の例では、転写ファクトリーのサイズの研究および個々の遺伝子領域の研究のためにSMI顕微鏡法が有用であることが示されている。] [0009] 構造化照明および構造化検出を使用することで、遠視野法および共焦点法の分解能が、横方向に約2倍および光軸に沿って(軸方向に)6倍まで増大する。横方向分解能(lateral resolution)を改善するこれらの方法は、既存の顕微鏡に組み込むことまたは新たに導入することが簡単であることが多い。これとは対照的に、軸方向分解能(axial resolution)の最良の改善方法は、技術的に最も複雑な光路を主に使用する。生物系の解析のためには、遠視野法として適用されることが多いこの横方向法は十分な速さである。軸方向分解能の改善のための共焦点方法は主に、走査技法であり、かつそのような測定としては遅すぎるかまたは高い光学的要件を満たしていないかのいずれかである。] [0010] 誘導放出抑制(STED)顕微鏡法は、集光ビーム法であり、この方法では励起した領域のサイズが誘導放出抑制によって大幅に減少する。現在、この技法により、可視光を用いることにより15〜20nm範囲で光学の横方向(x,y)分解能が可能になる。視野を十分に小さく(数ナノメートルの範囲で)できる場合、in vivoで数十フレーム/秒のSTED顕微鏡法が報告されている。] [0011] STED顕微鏡法は、RESOLFT(可逆的飽和性光学蛍光遷移顕微鏡法)の特別な例として見なすことができ、この場合原理的には数nmの範囲での光学分解能が、可視光を用いることで可能になるはずである。] [0012] RESOLFT法は、非線形効果を利用することで、分子レベルまでの理論上任意の高分解能をもたらす。しかし、この方法が成功するかは、マーカーまたは標識で使用する色素の物理的性質および観察される試料、それぞれ(respectively)スライド標本の光学的性質によって限定される。三次元対象物再構成は今まで、構造化照明を使用する非常に複雑な方法に依存しなければならなかった。現在使用されている色素によっては、分解能を横方向および軸方向に改善することは可能であるが、しかしこれらの方法は今まで、活動的なプロセスの画像化には適していなかった。] [0013] 従来の遠視野蛍光光学顕微鏡法の回折限界分解能よりも10倍を超える良精度で、「点状」の蛍光対象物を光学顕微鏡的に局在化することができるという経験に基づき、スペクトル精密距離顕微鏡法(Spectral Precision Distance Microscopy:SPDM)が約10年前に考え出された。] [0014] SPDMは、以下に基づく遠視野光学顕微鏡法である: a)異なるスペクトルシグネチャ(省略のため、カラーとも称する)で近隣の「点状」対象物を標識することと、 b)それらのスペクトルシグネチャに従って、放出された光子を「ソートする」ために、スペクトル的に選択登録することと、 c)高精度位置をモニターすること。] [0015] 本来は、この「異なるスペクトルシグネチャ」は、異なる励起/発光スペクトルによって認識されたが、光物理的な識別を可能にするために、蛍光寿命、光ルミネセンスおよび確率標識スキーム等の他の「光子ソート」方式も含むように考え出された。蛍光寿命測定と組み合わせて、SPDMの概念を単一分子のナノメートル分解能に適用できることが実験的に確認された。具体的には、異なる光安定性のスペクトルシグネチャの蛍光標識と、色ずれのin situ較正を含む手順とを用いることで、30nm未満の横方向(2D)の位置と距離(distance)の分解能ならび50nm未満の三次元(3D)分解能は、標準共焦点走査型レーザ顕微鏡を用いて小分子DNA標的の特別なFISH標識の後に、固定細胞核において達成された。このようにして、SPDMを適用することに成功し、高開口数遠視野蛍光顕微鏡の従来の回折限界光学分解能を大幅に下回る位置および距離の測定によって、インタクトに3D保存された細胞核内のゲノム領域の超分子構造を解析した。このSPDMの概念(「共局在化(colocalization)」とも称される)は、単一分子を含む種々の他の用途においても有用であることが判明した。] [0016] 生物学的ナノ構造の解明に「SPDM」を最初に適用した間に、異なる発光波長を有する蛍光色素分子で対象物を標識し、かつシグナルを同時に取得した。一般的に50nmのバンド幅で選択可能な分子の蛍光発光スペクトルは、比較的広範である。そのようなものとして、蛍光顕微鏡法では、検出可能な波長は約600nmの全領域に限定され、かつわずかに数「色」(発光スペクトルにおける差異の意味で)を同一対象物内で同時に使用できる。] [0017] 最初の論文以来、遠視野蛍光法に概念的に関連するいくつかの方法が提唱されてきた。例えばBLINKING(灯台のように、光源が所定の周波数によって光をパルスで発光することを意味する)、FPALM(fluorescence photoactivation localization microscopy:蛍光光活性化局在化顕微鏡法)、PALM(photoactivation localization microscopy:光活性化局在化顕微鏡法)、PALMIRA(独立画像取得型のPALM)、STORM(確率的光学再構成顕微鏡法)がある。] [0018] 総称として、これらのすべてのアプローチは、「スペクトル割当型局在化顕微鏡法」(Spectrally Assigned Localization Microscopy:SALM)の諸方法と見なすこともでき、ここではある対象物の局在化は、特有のスペクトルシグネチャに割り当てられる。これらの「SPDM/SALM」アプローチの基本原理は、「光学的分離」(空間領域および/または時間領域において)であり、したがって放出される光の特性に基づく任意の光子に起因する個々の「点状」対象物の独立した局在である。これが意味することは、例えば、使用した顕微鏡系の点像分布関数(PSF)の(x,y、z)半値全幅(FWHM)によって限定される所定の回折限界観察値において、所定の時間間隔でおよび所定のスペクトル登録モードに対して、わずかに1つのこのような対象物(例えば単一分子)または一定の条件下でわずかに少数の対象物しか登録されないことである。] [0019] 光活性化の後、単一分子の蛍光バーストを画像化することによって、点像分布関数の半値全幅よりも非常に高い精度で、その分子の位置を決定することができる。換言すれば、これらの顕微鏡法アプローチは、同一の標本、それぞれ(respectively)同一の目的領域についての複数(例えば数千)の画像の登録に基づいており、その結果、時間−空間連続の第4座標を「走査」することによって光学分解能が向上する。] [0020] PALMおよび関連する技法で使用する分子およびタンパク質は、蛍光標識である。これらの蛍光標識は、ほとんどの蛍光分子が、所定の波長λexcでの蛍光励起に対して最初は不活性状態になるように化学修飾(例えば適切な側基を加えることによって)されている。この状態(「暗」スペクトルシグネチャとも称される)は、例えば、蛍光励起の波長とは異なる限定された波長λphot(例えば近紫外内で)の光による照明によって蛍光状態(「明」スペクトルシグネチャ)とも称される)に変えることができる。蛍光マーカーの活性化、すなわち換言すれば「暗」スペクトルシグネチャから「明」スペクトルシグネチャへの移行が、低強度を用いることで確率的に行われる場合、検出器の一取得時間間隔内、それぞれ(respectively)取得時間枠内でわずかに少量の分子だけが活性化され、したがってそれらのシグナルの光学的分離を達成できる。λexcによるそれに続く照明のために、これらの光学的に分離された分子によって放出される蛍光シグナル(「明」スペクトルシグネチャ)は、次いで、これらの分子が不可逆的に退色するまで(すなわち、「暗」スペクトルシグネチャに不可逆的に移行するまで)登録される。これらの蛍光シグナルから、単一分子の位置を高精度で決定できる。良好な光学的条件下で、局在正確度は、数nm範囲で可能になる。この手順を繰り返すことで(例えば約10,000の個々の画像フレームを登録することによって)、個々の分子の相互距離がAbbe/Rayleigh限界よりはるかに下回っていても、これらの分子の位置を得ることができる。読取レーザ(λexc)による分子の自己活性化を用いる場合、λphotでの光活性化プロセスおよび第2レーザ線(λexc)の使用を回避できる。] [0021] スペクトル割当局在化顕微鏡法(SALM)/スペクトル精度距離顕微鏡法(以後、短く局在化顕微鏡法と称す)(独国特許出願公開第10052823.6号明細書、DE59705009.0−08、独国実用新案第29701663.3号明細書、US09/331,6444、独国特許出願公開第19830596.6号明細書、特願2000-502406号、US09462435、国際出願番号PCT/EP02/11343号、国際公開第2006/127692号A2パンフレット、米国特許出願公開第20080032414A1号明細書)の方法は、原理的には、1桁のナノメートル範囲での横方向分解能を可能にする。局在化顕微鏡法は特に、必要とされる光学部品および機械部品に関する要件が比較的低いことを特徴とする。また、装置の調整は、極めてユーザフレンドリーに行える。Abbe限界を克復するために、局在化顕微鏡法は、1つの単一蛍光対象物をほぼ任意に正確に局在化することができるという事実を用いている。上述のように、前提条件は、蛍光対象物に対応する回折限界の円形が空間的に分離されて利用可能である、すなわち、他のシグナルで覆われないまたは重ねられないことである。発光している分子の横方向の位置は通常、回折限界の蛍光円形の中心から決定される。この決定を行うことができる精度は、検出される光子の数および関連するそのシグナル対ノイズ比に依存する。使用されるセンサは通常、二次元センサアレイであるが、第3の空間方向に沿って局在化を行うことも可能である。しかし、この局在化を行うために必要とするのは、検出される多数の光子(>1000)と併せて点像分布関数(PSF)の極めて正確な三次元モデル関数か、または対象物空間で観察される分子の位置についてのさらなる知識のいずれかである。例えば国際公開第2006/127692A2に開示されているように、純粋の局在化顕微鏡法の方法だけを用いるだけでは、この結果を得ることは極めて困難である。軸方向部分と横方向部分で分離され、かつこの関数を収集したデータにフィティングするために分離される三次元点像分布関数を経験的に作成するために非点収差を利用する一方法も知られている。局在化を行うことができる平均精度、それぞれ(respectively)正確度は、約55nm(標準偏差23nm)である。検出される光子の典型的な数のため、およびレンズ−PSFが軸方向において高いぼけまたはスメアリングを示すという事実によって、この値は、これらの方法に対する一種の自然限界を表す。シングルサイクルの単一点再構成法またはマルチサイクルの単一点再構成法(single point-reconstruction method)による純粋の局在化顕微鏡法は、例えば生体細胞のin vivo測定等のアクティブなプロセスの観察に対しては不向きである。したがって、できるだけ小さい1つの期間内で、検出される十分な光子数と実現可能な点密度の間で妥協点を見つけることが、常に必要である。また、顕微鏡の機械的安定性は、検出時間が非常に長いと、局在化精度にさらなる限界をもたらすことになる。] 発明が解決しようとする課題 [0022] 本発明の一目的は、現在までに局在化顕微鏡法(localization microscopy)が確立した局在化の精度、それぞれ正確度の限界を克服することができ、さらに同時にその局在化プロセスを加速させ、最適化する方法および装置を提供することである。] 課題を解決するための手段 [0023] 本発明の一態様によれば、少なくとも1種類の蛍光標識によって標識された試料のサブ分解能空間情報を取得する方法を提供する。前記サブ分解能空間情報は、少なくとも1つの空間方向において、前記少なくとも1種類の蛍光標識の蛍光分子の位置についての局在化情報を含み、該方法は、 −蛍光局在化顕微鏡法を用いることで局在化画像データを取得する取得ステップと、ここで、該局在化画像データが、 −約1kW/cm2から1MW/cm2の範囲の強度を有する照明光を用いて前記試料の目的領域を照明する照明ステップと、 −前記少なくとも1種類の蛍光標識の複数蛍光分子の少なくとも一部によって照明時に放出された蛍光の少なくとも一部を、情報取得センサによって検出する検出ステップであって、それによって前記目的領域の画像を取得する、検出ステップと、 −前記照明ステップと、前記放出された蛍光の検出ステップとを複数回繰り返す繰返しステップであって、それによって、異なる時間段階で撮られた各画像を含む一連の画像を取得する、繰返しステップと、によって取得された一連の画像を含むものであり、 −取得された前記局在化画像データを処理する処理ステップであって、それによって、少なくとも1つの空間位置において前記少なくとも1種類の蛍光標識の蛍光分子の前記位置についての前記局在化情報を得る、処理ステップと、 を含む。前記処理ステップは、検出された前記一連の画像のそれぞれにおいて、少なくとも1つの空間方向において、前記1つまたは複数の蛍光標識の単一蛍光分子から検出された蛍光放出の分布の重心位置を決定する決定ステップを含む。] [0024] 具体的には、一態様によれば、約1kW/cm2から1MW/cm2の範囲の強度を有する照明光の照明によって、蛍光分子の少なくとも一部は、第1状態から第2状態(該第1状態と異なる)に移行し、その際、蛍光を放出する。] [0025] 第1状態は蛍光状態であり得る。ここで、「蛍光状態」とは具体的には、光子の吸収が蛍光光子の即時(ナノ秒範囲のスケール)放出をもたらす、分子の立体構造(conformation)を意味する。] [0026] 第2状態は、半安定状態、または、それぞれ(respectively)半持続的な暗(例えば非蛍光)状態であり得る。具体的には、この第2状態は、可逆的に退色した状態であり得る。] [0027] さらなる態様によれば、照明によって、少なくとも1種類の蛍光標識の蛍光分子の少なくとも一部が、第1状態から第2状態に移行し、次いで第1状態に回復した後に、不活性な第3状態に移行する。] [0028] この第3状態は、持続的な不活性(例えば非蛍光または暗)状態であり得る。具体的には、第3状態は、不可逆的に退色した状態であり得る。本発明の範囲内で使用される用語「蛍光/非蛍光」とは通常、スペクトル的に識別できる任意の状態をいう。具体的には、用語「蛍光/非蛍光」とは、異なるスペクトル領域をいうこともある。本発明の範囲内で、用語「持続的な」とは、数分から数時間の範囲での時間間隔をいい、および用語「半安定の」または「半持続的な」とは、1ミリ秒から1分の範囲の間隔内で安定性を示す状態をいう。] [0029] 照明は、連続的または不連続的のいずれかで行われてもよい。具体的には、所定の回折限界観察体積内でおよび所定の時間で、所定の蛍光標識の種類について統計的にただ1つの蛍光分子が存在するように、約1kW/cm2から約1MW/cm2の範囲の強度を有する照明光を用いて、目的領域において1つまたは複数の対象物を照明することであってもよい。したがって、各時間段階で取得したそれぞれの画像には、少なくとも1種類の蛍光標識の単一蛍光分子から実質的に空間的に分離された複数の蛍光シグナルを含む。単一蛍光分子からのこの蛍光シグナルは、通常、情報取得センサによって蛍光発光分布の形で検出される。さらに、使用した強度範囲により、蛍光分子から単一蛍光シグナルの効率的な時間分離を可能にする。] [0030] 1つまたは複数の蛍光標識の単一蛍光分子の蛍光発光の重心の空間位置について得た情報から、試料内の1つまたは複数の蛍光標識された対象物の空間位置および/または1つまたは複数の該対象物のサイズおよび/または少なくとも1つの空間方向における該対象物間の距離についての情報を取得することができる。] [0031] 本発明の一態様によれば、蛍光局在化顕微鏡法を用いることによって、回折限界分解能(以下に記載のサブ分解能)よりも高い分解能を達成するための新しいアプローチを提案する。使用する用語、蛍光「局在化顕微鏡法」は、具体的には、スペクトル精密距離顕微鏡法/スペクトル位置決定顕微鏡法(Spectral Position Determination microscopy:SPDM)またはスペクトル割当局在化顕微鏡法(SALM)等に関連する顕微鏡的技法を網羅するように意図される。] [0032] 約1kW/cm2から約1MW/cm2の強度範囲は、従来から、蛍光局在化顕微鏡法で測定を行うには不適当であるとみなされていた。具体的には、約1kW/cm2から1MW/cm2の強度領域は、広視野顕微鏡法および共焦点顕微鏡法の双方に対して不利な点だけをもたらすと考えられていた。したがって、広視野顕微鏡法において強度を高めることは、達成可能な分解能に対して何の利点もなく、プローブがかなり速く退色する原因となると考えられていた。共焦点顕微鏡法において、さらに良好なシグナル対ノイズ比を達成するために、強度がさらに必要であると考えられていた。] [0033] 本発明は、従来のこの考えを捨てて、蛍光局在化顕微鏡法の目的のために高強度照明光の使用を提案する。具体的には、1kW/cm2から1MW/cm2の範囲で高強度照明光を使用することで、蛍光分子からシグナルの「光学的分離」(空間的および時間的の両方で)をさらに良好に、それぞれ(respectively)より効率的に達成することが可能になることが、予想外に発見された。] [0034] 照明光の強度が提案される強度範囲内である局在化顕微鏡法を用いることで、さらに、従来の非遺伝子組換えタンパク質および他の非タンパク質をベースにした蛍光標識をサブ分解能測定のために利用することが可能になる。] [0035] さらに、さらなる空間情報、具体的には、局在化顕微鏡法によって観察される対象物面に対して垂直方向でのさらなる空間情報を得るために、局在化顕微鏡測定と他の遠視野測定または広視野測定を効率的に組み合わせることが可能になる。これは、従来の方法と比べると軸方向分解能を30倍増大させることにつながることもある。] [0036] さらなる利点としては、データの検出、それぞれ収集を比較的速く、例えば5分未満内で行うことができる。これは、最高数時間を必要とする代替方法と比べると、2桁までの差を示す。これは、生物系のin vivo観察にとって特に有利である。したがって、厄介で複雑な技術的解決法を回避することが可能になる。これによって、ドリフト問題に対抗するもしくは該問題を軽減することができる、または観察する試料の生命の維持を提供することができる。対照的に、提案する方法を用いると、最小構造に関しても重要なin vivo観察も行うことが可能になる。] [0037] 本出願の範囲内で用語「蛍光」の下で、この用語は、単色吸収だけに基づいては説明することができない同一対象物の照明スペクトル、それぞれ(respectively)励起スペクトルと、発光スペクトルとの間に差がある任意の光子の相互作用であると理解されたい。蛍光には、例えば具体的には、多光子相互作用が含まれ、それによって励起波長が発光波長よりも大きくなることがある。したがって、用語蛍光は、「ルミネセンス」および「光リン光」または短く「リン光」として密接に関連する現象に対して本出願の意味においても使用されることになる。これには、具体的には、より長い蛍光持続時間、例えばミリ秒の範囲での諸例が含まれる。蛍光分子の代わりに光標識するためにリン光を発する光標識を使用すること、それぞれ(respectively)リン光を発する分子を使用することは、これらの分子が長時間にわたり局在化を可能にするので、提案する新方法のin vivo適用性を向上させる点から見て、例えば有利になることがある。] [0038] 本出願の範囲内で用語「蛍光分子」の下で、この用語は、任意の「点状」蛍光要素、すなわち、使用される照明、それぞれ励起光の波長よりもかなり小さいサイズを有し、測定される試料の標識化に適している任意の蛍光要素であると理解されたい。] [0039] 表現「異なる種類の蛍光標識」とは、異なるスペクトルシグネチャを有する蛍光標識をいう。これに関して、「スペクトルシグネチャ」とは、光学的に識別される登録のために使われる例えば蛍光スペクトル、吸収、寿命等の任意の光物理的性質を意味する。] [0040] 局在化顕微鏡法において部分的に循環するプロセスの過程は、以下のよう記述することができる。] [0041] 約1kW/cm2から約1MW/cm2の間隔内で強度を有する照明光を蛍光標識した標本に照射することによって、ほとんど任意の従来の蛍光分子(有機フルオロフォアを含む)の蛍光分子でも、蛍光状態に移行し、次いでその状態から半安定の暗(非蛍光)状態に急速に移行することが発見されたのは、驚くべきことであった。] [0042] この半安定状態から、標識化で使用される色素分子の一部が活性化して、再び蛍光状態に移行することが発見されたのは、さらに驚くべきことであった。蛍光分子は、それによって統計的に、それぞれ(respectively)確率的に活性化され、その結果、活性化分子の密度が、回折限界の検出体積あたり1分子よりも低くなる。この体積は、有効な点像分布関数を活用して十分に説明することができる。例えば、検出体積に属するとして点像分布関数の最高強度の例えば半分よりも高い強度ですべての点を数えるという点において、説明することができる。活性化の後、センサを活用してのシグナルの取得、それに続いて、例えば退色および持続的な不活性状態への移行によって活性分子の非活性化を行う。] [0043] サブ分解能測定の目的で、蛍光状態から半安定状態(例えば可逆的に退色した状態)への移行と、蛍光状態から半安定状態への移行に次いで蛍光状態に回復した後に持続的な不活性状態への移行とを利用すると有利になることもある。退色を示さないまたは低レベルの退色を示すのいずれかの蛍光色素または標識を利用する場合、第1技法(蛍光状態から可逆的に退色した状態への移行)には、さまざまな利点があり得る。この蛍光色素または標識は、材料試験で、または量子ドットを利用するときに、使用されることが多い。蛍光状態と可逆的に退色した状態を切り替える効果は、ALexa488蛍光標識でも観察された。さらに、この第1技法では、単一分子を用いて繰り返し検出することもできる(STORMおよびdSTORM技法と同様である)。] [0044] 画像の検出、それぞれ(respectively)取得に関する上述のステップを複数回繰り返して、異なる時間で撮ったデータの取得バッチまたはスタック(いわゆるタイムスタック)を、コンピュータで実行する再構成プロセスによって再構成する。この目的のために、データのセグメンテーションを最初に実行して、すべての分子を同定することができる。さらなるステップにおいて、点像分布関数で使用した二次元または三次元モデル関数の、同定したシグナルとのフィッティングを行ってもよい。照明は強度が高いため、極めて短い時間内で活性分子を検出して、続いてそれらを非活性化させることが可能になる。これにより、単一蛍光分子から得たシグナルが確かに時間的に分離されることになる。] [0045] このようにして、得た局在化画像データには、異なる時間段階で撮った前述の目的領域に関する一連の画像が含まれ、各画像には、励起した蛍光分子から検出され、かつ実質的に空間的に分離された蛍光シグナルが含まれる。使用される情報取得センサが二次元センサ(例えばCCDチップまたは他の適切な二次元センサ、それぞれ(respectively)センサアレイ)である場合、取得する画像は目的領域の二次元画像である。したがって、二次元で空間情報を得ることができる。一態様において、得られる画像は、対象物面、すなわち使用する局在化顕微鏡の光軸に実質的に平行な(x,y)面での画像であり、ここで、xおよびyは、前述の対象物面において直交座標である。] [0046] 半安定状態が存続する時間に応じて、蛍光シグナルの最適な時間的分離を達成するために、画像取得センサの積分時間および/または照明光の強度を調整してもよい。他方では、情報取得センサの画像取得の速度、それぞれ(respectively)積分時間に応じて、高強度光での照明による蛍光シグナルの光学的分離のために、ミリ秒程度から秒および数の程度までの安定時間で、半安定暗状態を効率的に利用することが可能である。] [0047] またこの方法を、分範囲の時間よりも長い時間に延長することも通常、可能である。この場合、さらなる技法を使用するためには、標識化のために用いる蛍光分子の空間安定性を確実にすることが必要であることもある。] [0048] 少なくとも1つの空間方向において、通常は、少なくとも2つの直交する空間方向で、少なくとも1種類の蛍光標識の蛍光分子の位置についての局在化情報を得るためには、取得した時系列の(二次元)画像は、適切な(三次元)データ構造内に記憶され、かつさらなる処理を受けることができる。具体的には、少なくとも1つの空間方向において、通常は少なくとも対象物面で、使用した1つまたは複数の蛍光標識(以下でフルオロフォアとも呼ぶ)の単一蛍光分子の空間位置についての局在化情報は、得たその連続の二次元画像のそれぞれで、重心すなわち、単一蛍光分子の蛍光発光の重力の中心を決定することによって、得ることができる。異なるコンピュータで実行される様々な方法、例えば適切なモデル関数によるフィッティングをこの範囲まで使用することもできる。] [0049] 局在化画像時系列全体を通して蛍光分子の位置を登録した後、単一蛍光分子の検出したすべての点、それぞれ(respectively)検出したすべての位置を1つの「マージ(merged)」画像、具体的には、目的領域での、および特に対象物面での空間位置についての情報および/または使用した蛍光標識(以下でフルオロフォアとも呼ぶ)の1つまたは複数の蛍光分子間の距離についての情報を含む1つの「マージ」二次元画像に割り当てることができる。] [0050] 1つまたは複数の対象物を標識するために用いる単一蛍光分子の空間位置についての局在化情報から、1つまたは複数の蛍光標識した対象物の1つまたは複数の空間位置、および/または少なくとも1つの空間方向でのそれらのサイズ、それぞれ(respectively)広がり、および/または蛍光標識した対象物間の距離、および/または別の空間情報もしくはトポグラフ情報を極めて高い精度で決定することができる。] [0051] 一態様によれば、第1状態は蛍光状態(活性状態)であり、第2状態は可逆的に退色した状態であり、第3状態は不可逆的に退色した状態である。] [0052] このように、蛍光シグナルの必要とされる光学的分離は、可逆的な光退色効果(「ブリンキング」または「ちらつき」とも称される)を利用することによって達成される。蛍光分子の構造が、非蛍光「暗」スペクトルシグネチャ状態(所定の励起条件で)に向かって不可逆的に修飾されている、PALMまたはFPALMで用いられる通常の退色効果とは異なり、本発明の一態様によって利用される退色効果は、可逆的なものである。] [0053] 具体的には、約1kW/cm2から約1MW/cm2の範囲で、強度光で照明するとき、従来の蛍光標識(タンパク質分子または非タンパク質分子を含む)の大部分は可逆的に退色した状態を示すことを発見したことは驚くべきことであった。通常の蛍光状態は、一般的に数千回の発光サイクルの後に、不可逆的に退色した状態に変化し、この状態は、もはや特徴のある励起には利用できない。しかし、さらに、可逆的に退色した状態をもたらす付加的な反応チャネルは、蛍光標識、それぞれ(respectively)蛍光分子に利用できるようになる。この状態からの自動回復が、通常、msから分の範囲の時間尺度で起こる。この特別な状態への変化、それぞれ(respectively)移行の確率、およびこの特別な状態から再生の確率の双方は、適切な光および/または化学環境(例えばpH値)の変動による照明によって強く影響され、それぞれ(respectively)制御され得る。本発明の一態様によれば、この3つの識別できる状態(可逆的に退色した状態、蛍光状態および不可逆的に退色した状態)間の移行を蛍光局在化顕微鏡法の目的で利用する。別の態様によれば、この2つの状態(蛍光状態および可逆的に退色した状態)間の移行を蛍光局在化顕微鏡法の目的で利用する。] [0054] 効率的に実行するために、可逆的な退色の移行確率を操作、それぞれ(respectively)制御することができ、その結果この移行は、不可逆的に退色した状態への移行よりも大幅により確実なものなる。対象物がその蛍光を消失して(比較的、極めて長寿命の可逆的に退色した状態への移行)、低バックグラウンドが取得される。可逆的に退色した状態に由来する分子は、適切に調整された(通常は高い)レーザ強度で読み取られて、不可逆的に退色した状態に転換され、それぞれ(respectively)変換される。これは、情報取得センサ(通常は、CCDチップ、それぞれ(respectively)カメラ)の一積分時間フレーム内、それぞれ(respectively)時間窓(time-window)内で、回折限界体積あたりの1分子の臨界密度を越えないことを裏付けている。このようにして、単一シグナルの所定時間、それぞれ(respectively)一時的分離を達成することができ、これによって局在化顕微鏡の方法を効率的に適用することが可能になる。] [0055] 可逆的に退色した状態に移行する確率が、不可逆的に退色した状態に移行する確率よりも高くなるように、この方法はさらに、1つまたは複数の対象物を標識するステップを含むこともある。可逆的に退色した状態に移行する確率は、例えば、環境のpH値によって影響されることもある。したがって、1つまたは複数の対象物の標識化は、環境のpH値を制御することを含むこともある。] [0056] 可逆的退色の存在下で、蛍光分子の諸状態を説明する可能な一方法は、以下の通りである。] [0057] ある分子の3つの基本的な状態間の機能的結合は、移行によって説明することができる。 式中、 Mrb1は、分子の可逆的に退色した状態であり、 Mflは、分子の蛍光状態であり、 Miblは、分子の不可逆的に退色した状態である。] [0058] 交差プロセスが一次反応であると想定される場合、該交差プロセスの速度定数は、ki(i=1、2、3)で示す。可逆的退色の確率と不可逆的退色の確率間の比率Prbl/Piblは、その環境のためおよび/または適切な波長を有する照明光のために、分子の生理化学的修飾によって著しく影響されることがある(「生理化学的に修飾されたフルオロフォア」)。] [0059] 蛍光分子(Mfl)を励起光で照明し始めると、一定量(Prblに依存して)が瞬時に退色する。 別の量が可逆的暗状態に移行する。 高強度を有する光での照明による、蛍光状態と可逆的に退色した状態との間の移行を用いて、サブ分解能測定において光学的分離を達成することができる。] [0060] それに加えて、単一蛍光分子の登録(registration)に十分な遅延時間で、蛍光分子の可逆的に退色した状態(Mrbl)からの統計的回復(「明スペクトルシグネチャ」)および「暗」スペクトルシグネチャの不可逆的に退色した状態(Mibl)への移行は、その時間領域で単一分子の光学的分離のさらなる可能性を可能にするであろうと、本発明の著者らは予想した。これは、所定の観察体積内で複数の蛍光分子(同一の種類であっても)の数および位置についての高分解能SPDM/SALM検出への新たなアプローチを提示することになる。] [0061] 効率的なサブ分解能局在化を実現するために、検出器の積分時間内で、「明」スペクトルシグネチャ(Mfl)を有する分子の密度は、統計的に回折限界観察体積あたり1蛍光分子よりも高くないという状態を備えていなければならない。さらに、局在化顕微鏡法において、多数の分子についての高分解SPDM/SALM画像で必要とされることがある最高数千フレームの単一画像のため、取得時間は極めて重要な要素であるので、速い回復速度および退色速度を実現することが望ましい。この点で、約1kW/cm2から約1MW/cm2(蛍光顕微鏡法において以前には使用されていない、それぞれ(respectively)回避されていた強度範囲)の範囲で強度を有する光は、読取時間および退色時間を加速させる。] [0062] 1つまたは複数の蛍光標識は、以下の群から1つまたは複数選択されてもよい。 −緑色蛍光タンパク質(GFP)およびその誘導体および/または修飾体、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、オレンジ蛍光タンパク質(OFP)、高感度緑色蛍光タンパク質(eGFP)、修飾GFP(emGFP)、高感度黄色蛍光タンパク質(eYFP)、 −単量体赤色蛍光タンパク質(mRFP)およびその誘導体および/または修飾誘導体、例えばmCherry、および/または −ローダミン誘導体、例えば、Alexa色素および/またはAtto色素、および/または −クマリン誘導体、および/または −キサンテン誘導体、例えば、フルオレセイン、および/または −シアニン誘導体。] [0063] 具体的には、これらの1つまたは複数の蛍光標識は、蛍光タンパク質およびそれらの誘導体、例えばシアン蛍光タンパク質(CFP)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、高感度オレンジ蛍光タンパク質(OFP)、高感度緑色蛍光タンパク質(eGFP)、修飾緑色蛍光タンパク質(emGFP)、高感度黄色蛍光タンパク質(eYFP)および/または単量体赤色蛍光タンパク質(mRFP)およびその誘導体および/または修飾誘導体、例えばmCherryを含むこともある。] [0064] 局在化顕微鏡法の精度に影響を及ぼすさらに重要な要素は、使用する蛍光標識それ自体である。蛍光タンパク質は、観察すべきタンパク質と共発現する、したがってその構造に直接的に付着するのに対して、他のすべての蛍光分子は、特異的結合分子(例えば抗体または抗原)を介して、または他の化学的手法もしくはプロセスを介してその分子構造に連結または結合しなければならない。観察下の構造に対してシグナルを発光する分子の相対的位置は、多少のぼけまたは不明瞭さによって乱されるので、通常、より大きい距離にわたるこの連結、それぞれ(respectively)結合は、達成可能な局在化精度を大幅に限定することが多い。さらに、所望の領域での結合は、他の位置でよりも単純に起こり得るので、非特異的結合は、重大な問題を起こすこともある。十分に強いシグナルを得るために、実際に必要に応じて著しく多い蛍光分子を、観察下の試料に導入することもできる。観察すべき対象物が、内部構造(例えば細胞内)に関連するとき、処理する必要がある非常に強いバックグラウンドを引き起こす。この問題を克服することは、局在化顕微鏡法の最も重要な目的の1つである。] [0065] 最良の結果を得るために、蛍光タンパク質または他の構造的に近接する分子を標識として使用することができる。基底状態で蛍光を示さない新しい、遺伝子組換えタンパク質は、順次、例えば光化学的に活性化されかつ局在化されることができ、その結果、標識した構造の点ごとの再構成が可能になる。これらの特別に修飾されたタンパク質は、観察されるべき生物に、それぞれ(respectively)対象物に、分子遺伝学的技法を介して導入されなければならない。この技法は、特に真核細胞の場合、厄介で費用のかかる複雑なプロセスになることがある。] [0066] 他方では、遺伝子組換えされていない従来の蛍光タンパク質は、前世紀の60年代以降知られている。このタンパク質は多種多様な利用に成功しており、かつ安定に発現した細胞株で市販されていることが多い。しかし、それらの蛍光特性を局在化顕微鏡法で利用することは、現在まで考えられなかった。] [0067] 約1kW/cm2から1MW/cm2の範囲の強度を有する照明光を利用することで、サブ分解能蛍光局在化顕微鏡法の目的で蛍光標識として、従来の非遺伝子組換え蛍光標識(例えば蛍光タンパク質およびそれらの誘導体、例えばCFP、GFP、YFP、eYFP、mRFP等)の利用が可能になったことは、驚くべきことである。] [0068] これらの蛍光標識は、約1kW/cm2から1MW/cm2の範囲の強度を有する照明光で照明されるとき、可逆的に光退色する能力がある。] [0069] 具体的には、約1kW/cm2から1MW/cm2の範囲の強度を有する照明光で照明されるとき、従来の蛍光標識、それぞれ(respectively)色素(例えば従来の蛍光タンパク質)が可逆的光退色の効果を示すことが発見された。この効果を一態様により局在化顕微鏡法で利用することができる。すでに上述したように、この効果は、pH依存性であり、かつ10から100秒の時間尺度で現れる。このことにより、レーザ照射下で修飾されることが可能である。] [0070] 約1kW/cm2から1MW/cm2の範囲の強度を有する照明光を利用し活用して、従来の蛍光色素および特に従来の蛍光タンパク質を利用することが、それらの特別に修飾された類縁体を最適に活性化することと同様に可能になる。したがって、本発明の一態様によるこの方法を活用して、確立された安定な標識および数千の有用なスライドプレパラートもしくは標本をナノメートルの範囲で解析することができる。さらに、いわゆる「スマートプローブ」等の新しい蛍光マーカーを上述の方法で利用することができる。これらのマーカーは、指定された構造に結合しかつ、構造変化した場合、活性化される。結合せずかつ洗い流されずに残存しているすべての分子は、したがって適用される広視野技法および局在化顕微鏡法の両方の場合に不可視のままである。したがって、従来の方法において存在する邪魔なバックグラウンドを実質的に排除できることが主要な利点である。さらに、細胞構造だけを再構成できる。] [0071] 一態様において、前述の1つまたは複数の蛍光標識は、例えば非タンパク質用のAtto色素を含んでもよい。] [0072] さらに一態様において、前述の1つまたは複数の蛍光標識は、非タンパク質をベースにした蛍光標識、具体的には、ローダミン誘導体、例えばAlexa488、Alexa568および/またはAlexa596等の誘導体を含んでもよい。] [0073] さらにさらなる態様において、前述の1つまたは複数の蛍光標識は、キサンタン誘導体(例えばフルオレセインおよびその誘導体)ならびに/またはシアニン誘導体を含んでもよい。] [0074] 具体的には、可逆的光退色の効果は、非タンパク質ベースの蛍光標識、例えばフルオレセイン誘導体(例えば、Alexa488、Alexa568および/または Alexa596)でも示されることが見出されている。] [0075] 上記に示したように、他のタンパク質または非タンパク質をベースにした蛍光標識も効率的に利用することができる。] [0076] したがって、以下において、励起活性化のこのファミリーのいずれの蛍光標識(すなわちタンパク質ベースおよび非タンパク質ベースの両蛍光標識)においても、可逆的光退色するフルオロフォアを、以下において、物理的に修飾可能なフルオロフォア(PHYMOD−フルオロフォア)と呼ぶこととする。] [0077] 使用する蛍光局在化顕微鏡は、光学的な照明光路の遠視野設定(far field set-up)を有することもあり、具体的には、蛍光局在化顕微鏡は、光学的な照明光路の共焦点設定(confocal set-up)、光学的な照明光路の広視野設定(wide field set-up)、4Pi設定(set-up)、STED設定(set-up)またはSTED−4Pi設定(set-up)を有してもよい。検出経路は、広視野配置または設定を有してもよい。具体的には、情報取得センサは、観察領域の二次元画像を得ることができる二次元センサアレイであってもよい。] [0078] 上述のように、高強度を有する光で蛍光標識した対象物の照明およびそれに続く蛍光の検出の原理は、照明光路の種々の光学設定を使用する顕微鏡観察に適用することもできる。] [0079] 具体的には、わずかな変更を導入することによって、既存する従来の共焦点顕微鏡を、例えばナノメートルの範囲でのサブ分解能測定等のサブ分解能測定に適応させることも可能である。わずかな変更とは、例えば、追加のレンズの導入および/または画像取得のために二次元センサアレイ(例えばCCDカメラ)の使用および/または光線の位置決めおよび/もしくは集光を制御するソフトウェアの些細な変更であってもよい。例えば、目的領域外で観察を行うために、共焦点照明を二光子方法で使用してもよい。] [0080] 光学的な照明光路の共焦点設定による顕微鏡において、約200nm(例えば回折限界の集光の場合等)から約1μm(例えばわずかな脱集光等)の直径を有する小目的領域を、通常、約1kW/cm2から約1MW/cm2の範囲の強度を有する照明光(通常レーザ光線)で照明することもできる。蛍光標識した対象物から放出される蛍光を、二次元画像センサ(例えばCCDカメラ)によって検出することもできる。次いで、例えば以下にさらに詳細に記述するアルゴリズム等の適切な画像処理アルゴリズムを用いることで蛍光発光の中心部を局在化することもできる。所定の目的領域で測定(例えばSPDM測定)を完了した後、その照明光を別の目的領域に向けて照射し、該測定を繰り返すこともできる。対象物全体を走査するまで上記の手順を繰り返してよい。] [0081] 広視野照明と比較すると、光学的な照明光路の共焦点設定を有する顕微鏡において照明される目的領域をかなり小さくすることができる。例えば、共焦点照明設定を有する顕微鏡において、その焦点は、広視野照明設定を有する顕微鏡で通常照明される最高約100×100μm2の面と比較すると、約0.1μm2(すなわち約0.3μm×0.3μm)の面である。このように、光学的な照明光路の共焦点設定を有する顕微鏡において、所要の高強度光で目的領域を照明することが必要な出力レーザパワーは通常、光学的な照明光路の広視野設定を有する顕微鏡の目的領域の照明に必要な出力レーザパワーよりも桁違いに少なくなることが可能である。] [0082] したがって、光学的な照明光路の共焦点設定を有する顕微鏡において、照明のために比較的低い出力レーザを有するレーザを使用することが可能である。さらに、広視野照明下で対象物を蛍光標識するために、容易には励起しない色素を使用することも可能である。さらに、共焦点顕微鏡では選択した小さい面積だけを一度に照明するので、照明光の所定の強度Iで測定される対象物(例えば細胞)によって吸収される総エネルギーEtotは、広視野照明の場合に吸収される総エネルギーに満たない。これは、以下の例によって説明することができる。] [0083] この総エネルギーは、以下の式によって算出することができる。 Etot=k*I*S*t, ここで、k≦1は、定数であり、吸収を表し、 Iは、照明光の強度であり、 Sは、照明される表面積であり、 tは、照明時間である。] [0084] 広視野照明の場合、照明される表面積は、例えば約10×10μm2にすることができる。測定される対象物によって吸収される総エネルギーは、したがって、 Etot≒k*I*100*t=I*t*100エネルギー単位 である。] [0085] 共焦点照明の場合、照明される表面積は約0,1μm2にすることができる。総照明時間に10を掛けるように、選択するクラスターの数を10にしてもよい。測定される対象物によって吸収される総エネルギーは、したがって、 Etot≒I*0.1*10*t=I*t*1エネルギー単位 である。] [0086] 換言すれば、共焦点照明の場合、総吸収エネルギーは、広域照明、それぞれ(respectively)広視野照明の場合よりも大幅に少ない。さらに、エネルギーは長時間にわたり吸収される。これは、光子によって引き起こされる損傷(例えばin vivo測定の場合)を最小限に抑える点から見て重要になることがある。] [0087] 光学的な照明光路の共焦点設定を有する顕微鏡は、例えば、単一細胞内での選択したタンパク質複合体クラスター(膜タンパク質クラスター、核膜孔複合体等)の測定に適用することもできる。この選択は、例えば従来の落射型蛍光顕微鏡法または共焦点走査型レーザ顕微鏡法によって行うことができる。] [0088] 使用する蛍光局在化顕微鏡は、点像分布関数エンジニアリングおよび構造化/パターン化照明スキームの他の種々のモードを有してもよい。この場合、上述の局在化顕微鏡方法との組み(合わせは、検出時間、それぞれ(respectively)記録時間をかなり短縮する結果をもたらすことができる。] [0089] 具体的には、広視野光学的設定の可能な一実現例としては、1つの共通光軸をもつ2つの対物レンズを含んでもよく、該2つの対物レンズは、定在波場が逆方向に進行する2本の平行ビームの干渉によって光軸に沿って形成されるように配置され、該ビームは該2つの対物レンズの後焦点面に集光する。観察すべき試料を定在波場内に配置する。この光学的設定により、構造化照明光、具体的には、以下にさらに詳細に記述する空間的に変調した照明光を使用するさらなる広視野方法との効率的な統合が可能になる。] [0090] 広視野光学設定による二次元情報取得センサは、広視野顕微鏡の光軸に通常、垂直である(x,y)対象物面内の照明される目的領域の二次元画像を各時間段階で取得することができる。したがって、蛍光標識された1つまたは複数の対象物の空間位置についての横方向の空間情報、および/またはそれらのサイズ、および/または(x,y)平面におけるそれら対象物間の距離を得ることができる。] [0091] 使用される照明光、それぞれ(respectively)光学的放射は単色であってもよい。したがって、全測定のプロセス、それぞれ(respectively)解析プロセスのために1つの単一波長を用いることが可能である。それによって局在化顕微鏡法は、約1kW/cm2から1MW/cm2の強度範囲内で行われる。この顕微鏡法は、局在化顕微鏡法だけを使用し、かつ色素分子の活性化、励起および非活性化のために少なくとも2つの波長を使用する従来のシステムに対して経済的および技術的な優位性をもたらすことになる。したがって、変えなければならないパラメータの数は、少なくとも半分に減らすことができる。当然ながら、2つ以上の波長の使用も本発明によるものである。例えば、複数種類の分子の局在化を目標にする場合、これは有利になり得る。] [0092] あるいは、複数の異なる種類の蛍光標識を使用することもでき、かつ蛍光局在化顕微鏡法を使用することによって目的領域内の1つまたは複数の対象物の局在化画像データを取得するステップを、約1kW/cm2から約1MW/cm2の範囲内から選択した光強度を有する照明光を用いることによって、各蛍光標識に対して別々に行うこともできる。] [0093] これによって最良精度の局在化および最大数の局在化蛍光分子を達成することが可能になる。具体的には、約1kW/cm2から1MW/cm2の強度範囲内で分子特異的な光学照明を決定することによって、この局在化精度および局在分子の数、ならびにしたがって再構成を最適化することが可能になる。局在化精度および局在分子の数は、同時には最大化することができないことが多いので、妥協することが必要になることもある。] [0094] いくつかのコンピュータ実行アルゴリズムを利用して、取得した一連の画像から空間データを抽出することもできる。したがって、例えばGaussianモデル関数(任意のバックグラウンド除去法も場合により考慮にいれて)を、得た未加工局在化画像データまたは前処理した局在化画像データにフィッティングすることもできる。別の例としては、分析的に算出した点像分布関数を用いることで、Levenberg Marquardアルゴリズムに基づいて非線形フィッティングを行うことがある。後者の方法によって、さらに局在化精度の推定を得ることができる。] [0095] 一態様によれば、取得した局在化画像データを処理するステップは、下記モデル関数f(x,y)を、時系列の各二次元画像における単一蛍光分子から取得した蛍光発光分布にフィッティングすることを含む。 式中、 xおよびyは、顕微鏡の光軸に垂直な対象物面における直交座標であり、 x0およびy0は、セグメント化されたシグナルの中心として決定される、位置の開始パラメータであり、 Aは、前述の分布の振幅であり、 B0、B1、B2は、線形バックグラウンドを表すパラメータである。] [0096] フィッティングステップを実行する前に、取得した画像の時系列で、各2つの続く画像に分割することによって、蛍光分子からの個々の蛍光シグナルを、取得した一連の画像に沿って検出することができる。これにより、局所強度差の検出が可能になり、かつバックグラウンドノイズの除去を容易にする。次いで、このフィッティングは、バックグラウンド除去を考慮に入れる。] [0097] 局在化画像データの全時系列を通して蛍光分子の位置を登録した後、検出したすべての点を、1つの「マージ」画像に、具体的には1つのマージ二次元画像に割り当てることができる。位置および/または距離の測定は、局在化精度を考慮に入れて、これらの再構成された点間の重心距離から得ることができる。これらの再構成された点は、通常、それぞれの蛍光分子の平均局在化精度に等しい標準偏差でGaussian強度分布によって広がる。] [0098] 別の態様によれば、検出されるシグナル(すなわち検出される画像データ)を、その特性構成成分、それぞれベクトル(例えばフーリエ変換または他の変換を用いて)に分解できる。各構成成分、それぞれ(respectively)ベクトルの寄与を決定するために、画像データは対応するベクトルと相互相関させることができる。次いで、セグメント化ステップのために、有意な振幅を有するサンプリングされたデータ(すなわちピクセル)だけを考慮することが可能である。異なるベクトルの線形結合を用いて、検出されたシグナルの様々な分類を行うことが可能になる。] [0099] さらなる態様によれば、局在化画像データを取得するステップにおいて、目的領域内の1つまたは複数の対象物は、構造化照明光によって照明される。] [0100] 構造化照明光は、適切に空間的に構造化した、それぞれ(respectively)パターン化した照明光、具体的には、(x,y)対象物面(すなわち局在化顕微鏡の光軸に垂直な平面)で、適切に空間的に構造化または変調されている照明光であってもよい。照明の対象物(対象物走査)または位相(位相走査)のいずれかは、検出された2つの画像フレーム間で、すなわち2つの画像取得間で移動させることができる。両技法を組み合わせることも可能である。] [0101] 独国特許出願公開第19830596.6号明細書、特願2000-502406号、US09462435、国際出願番号PCT/EP02/11343号および国際公開第2006/127692号A2パンフレットに開示されるように、構造化照明を局在化顕微鏡法でも使用すれば、局在化精度をさらに上げることが可能である。それによって照明は、シグナルを取得している間に同じ状態を保つことができる。蛍光分子は、むしろ、より高い強度を有する領域に位置されるので、検出された単一分子の潜在的な位置についての追加情報が得られるという事実を利用する。] [0102] 一態様によれば、少なくとも1つの色素分子の励起の間に移動する(空間的に)構造化された、それぞれ変調された照明を用いることができる。この場合、この変調の位相は、蛍光分子から検出されるシグナルで再構成される。これは、少なくとも1つの蛍光基準点と相対的なシグナルと関連する少なくとも1つの分子の位置の決定が、これらの条件下で、最大精度で決定されることを可能にする。] [0103] シグナルを取得している間に構造化照明が移動する一利点は、単一分子がこのような状態下で、最大精度で局在化されることである。それによって利用されるのは、互いに対してまたはさらなる標識化に関して蛍光分子の相対的な位置を、得られる位相情報から決定できるということである。位相を決定することができる精度は、1桁のナノメートル範囲内である。この精度は、このような状態下で従来の達成可能な局在化精度とは約10倍異なる。] [0104] 種々のSPDM/SALM方法において単一分子の、横方向(x,y)(すなわち光軸に垂直な対象物面において)の局在化の実行は成功するが、光軸(z)に沿った局在化は、取り組みがいがあることが判明している。標識した対象物の三次元再構成(すなわち、蛍光標識した分子のx,y,z座標)を得るために、種々のアプローチを用いることが可能である。可能な1つの解決策は、共焦点走査型レーザまたは共焦点走査型レーザ4Pi顕微鏡法を用いて、対象物の三次元位置を得ることである。] [0105] 別の可能性は、横方向に取得したシグナル範囲の三次元情報を用いることである。すべての光を放出する(すなわち蛍光)分子は、「点状」である(すなわち、照明光の波長よりも大幅に小さいサイズを有する)ので、それらの分子すべては同じ方法で画像化される(使用する条件下で、1nm範囲で収差を生成するので、これらの分子の空間定位効果を無視する)ことが想定される。] [0106] 焦点外の対象物はよりぼやけたように見え、かつ点像分布関数(PSF)は光軸に沿って対称的でないという事実を用いて、すべての空間次元において光子を放出する源を局在化することができる。電磁波の伝播路がよく分っている場合、その他の理想的な登録条件下で、軸方向(すなわち、光軸に沿って)のの局在化の精度は、横方向(すなわち、対象物面(x,y))の局在化と同様に、検出される光子数によってのみ規定される。一般的な光活性化可能なフルオロフォアまたは光切替え可能なフルオロフォアを、二平面検出または系統的に変更されたPSFと組み合わせて用いることで、約60から80nmFWHMの三次元局在化精度が達成できる。] [0107] 一態様によれば、空間的構造化照明または空間的変調照明を使用して、局在化顕微鏡法測定が、遠視野顕微鏡測定、それぞれ(respectively)広視野顕微鏡測定と組み合わせられる。] [0108] したがって、一態様においてこの方法は、前記顕微鏡の光軸に沿って(along an optical axis)、空間的に構造化された(structured)、それぞれ変調された(modulated)照明光を用いる広視野蛍光顕微鏡法を使用することによって、前記目的領域の一連の広視野画像を含む追加の広視野画像データを取得するステップをさらに含み、前記取得する追加の広視野画像データが、 −前記目的領域における前記1つまたは複数の対象物を前記構造化照明光で照明するステップと、 −前記1つまたは複数の蛍光標識の前記蛍光分子から放出される前記蛍光の広視野画像を検出するステップと、 −前記対象物および/または前記構造化照明光を前記光軸に沿って別々のステップで(in discrete steps)移動させ、各ステップで前記蛍光分子から放出される前記蛍光の広視野画像を検出し、それによって前記目的領域の前記一連の広視野画像を得るステップと、によって得られ、 前記1つまたは複数の対象物の追加の広視野画像データを取得する前記ステップが、前記局在化画像データを取得する取得ステップの前に実行される。] [0109] この方法は、前記試料中の少なくとも1つの蛍光標識された対象物の光軸に沿った空間的広がりについての情報を含む追加の空間情報、および/または前記単一蛍光分子の前記光軸方向において検出された蛍光発光分布の重心の位置についての追加の空間情報を得るために、前記取得した追加の広視野画像データを処理するステップさらに含むことができる。前記局在化顕微鏡法によって得た前記局在化情報は、構造化照明光を用いる前記広視野蛍光顕微鏡法によって得られた前記追加の空間情報とを組み合わせることができる。] [0110] 上記アプローチの利点の一つは、局在化顕微鏡観察のそれ以外では同じ条件で光軸に沿った局在化精度または精度の限界を克服することが可能であることである。構造照明の技術、それぞれ(respectively)種類に依存して、数ナノメートルまでの精度で、構造化照明において強度の最高値間の距離よりもさらに小さい広がり、それぞれ(respectively)サイズを示す、蛍光標識した対象物の構造のサイズを決定することが可能である。同じことが、標識の中心、それぞれ(respectively)重心位置にもあてはまる。局在化顕微鏡法を用いて、極めて小さい構造体を主に目的とするので、横方向検出およびシグナルの局在化の後に、どの「深度」(標識の重心)に分子が位置しているはずであるか、およびどの精度で分子の位置が決定されたか(対象物の広がり)が直ちに分かる。このようにして、光子収率が極めて低くても、軸方向に40nm未満、および横方向に10nm未満(標準偏差約4nm)の絶対精度(標準偏差なし)で三次元単一分子局在化を行うことが可能になる。] [0111] 別の利点は、常に多数の分子が同時にシグナルに寄与するので、空間的構造化照明光を用いることで、局在化顕微鏡法および広視野蛍光顕微鏡法の両方を使用する組み合わせ法により、標識化で用いる単一蛍光分子の光子系統に依存することが大幅に少なくなることである。本発明の一態様による組み合わせ法は、従来の方法と比較して、軸方向局在化精度を30倍上げることが可能である。] [0112] 照明光は、いくつかの異なる方法で、空間的に構造化されても、それぞれ(respectively)パターン化されてもよい。具体的には、構造化照明光は、使用する(広視野)顕微鏡の少なくとも光軸に沿って空間的に構造化または変調された照明光であってもよい。光軸に沿って空間的に構造化されるこの照明光の例としては、例えば、2つの逆方向に進行するレーザ光の干渉によって形成される定在波場がある。これは、例えば、同じレーザ光源から放出される2本の光線を2つの対向する高開口数対物レンズの後焦点面に集光させることによって達成することができる。定在波場に、それぞれ(respectively)構造化照明面に位置する蛍光標識した対象物、それぞれ(respectively)対象物構造は、それらの位置によって励起される。関連した画像データは、静的構造化照明において対象物を移動させる(対象物走査)ことによって、対象物を静止した状態に保ちつつ構造化照明を移動させる(位相走査)ことによって、またはこれらの両方法を組み合わせることによってのいずれかで得ることができる。試料中の少なくとも1つの蛍光標識した対象物の光軸に沿った空間的広がりおよび/または単一蛍光分子を光軸方向で検出した蛍光発光分布の重心の位置についての付加的な空間情報に関する情報は、光軸に沿った強度プロファイルから得ることができる。] [0113] 一態様によれば、対象物の広視野観察、それぞれ(respectively)測定は、事前に行うことができる。これにより、局在化顕微鏡法で対象物を再構成する前に、対象物自体についてのいくらかの重要な結論または断定を行うことが可能になる。したがって、例えば、標識化がいかに良く行われたかを前もって推定することが可能になる。例えばカレント(current)プロセスまたはフロープロセス等の構造における、生の(crude)変化または比較的大きな変化を、in vivoで測定することができる。] [0114] 一態様によるデータの検出、それぞれ収集は、5分未満で行うことができる。これは、最高数時間を必要とする代替方法と比較すると、最高100倍もの違いを表す。これは、生物系のin vivo観察にとって特に有利である。したがって、要求の多い、複雑な技術的解決法を回避することが可能になる。これによって、ドリフト問題に対抗するもしくは該問題を軽減することができる、または観察する試料の生命の維持を提供することができる。一方、提案する方法を用いると、最小構造に関しても重要なin vivo観察も行うことが可能になる。] [0115] 構造化照明光を用いる広視野測定を、具体的には、顕微鏡システムの光軸に沿って空間的に変調した照明光を、1kW/cm2未満の光強度で照射することによって行うことができる。] [0116] 得られるデータの処理は、以下を含んでもよい。 −前記1つまたは複数の対象物内で検出されるすべてのシグナルのために、共通理論的三次元モデル関数を生成するステップであって、前記三次元モデル関数が光軸に沿って複数の二次元層に分割される、共通理論的三次元モデル関数を生成するステップと、 −前記取得された三次元画像データおよび前記三次元モデル関数の横方向(lateral)相互相関を行うステップであって、前記相関関数の最大値が1つの対象物の識別と1つの三次元局在化とを表す、横方向相互相関を行うステップ。] [0117] 三次元モデル関数は、例えば、点像分布関数の三次元モデルであってもよい。横方向三次元相関(3つの可能な積分のうちの2つだけを行う)は、確立された数学的原理によって行われることができる。ここで、三次元点像分布関数の各層は各画像層である。したがって、例えば、横方向の最大振幅および軸方向の最大振幅を得ることが可能である。これは、蛍光分子、それぞれ蛍光標識した対象物の横方向位置(高振幅を有するピクセル)および軸方向位置(最大振幅を有する層)の両方についての情報をもたらす。] [0118] 三次元モデル関数は、例えば「n」個の二次元層に分割することができる。三次元画像データは、取得した一連の広視野画像から単一の二次元画像の「n」個のコピーを1つの三次元データスタックに組み合わせることによって得られる。同じ操作(すなわち、横方向の相互相関)を、取得した時系列の広視野画像のすべての画像に対して行う。] [0119] 共通二次元モデル関数を作成して、取得した一連の広視野画像からの各二次元画像を用いて、このモデル関数の横方向の相互相関を行うことも可能である。] [0120] 上述の方法は、蛍光局在化顕微鏡法によって得られる画像データにも適用可能である。具体的には、この相互相関法は、構造化照明を用いずに得られる一連の画像にも適用することができる。この場合、点像分布関数についての体積、それぞれ(respectively)三次元情報は、画像データと局所的に「比較される」。したがって、セグメント化プロセスと局在化プロセスを組み合わせることばかりでなく、Levenberg−Marquardtまたは他の改良型最小二乗アルゴリズム等のフィッティングアルゴリズムによるモデル関数の比較的に集中的に計算するフィッティングの手間を省くことが可能になる。具体的には、著しく高い振幅を相互相関の対象物に割り当てる閾値法を適用することによってセグメント化を行ってもよい。各対象物の局在化は、上述のように、セグメント化した領域内の振幅を評価することによって行われる。] [0121] 本発明の本態様による再構成法は、具体的には、該方法が色素分子から検出されるすべてのシグナルが単一の小構造内で放出されるという事実を利用することを特徴とする。この場合、環境、それぞれ(respectively)周囲の屈折率における悩まされる差異を無視することができる。それによって、1つの単一三次元モデル関数が作成され、次いで、例えば上述のように取得したデータバッチ、それぞれ(respectively)データスタックと相互相関する。] [0122] 結果として生じるスタックにおいて、ある特定の層におけるシグナルとモデル関数の類似点を表す、現れる最大値から、単一分子の識別および同時に対象物または画像空間における各分子の位置の識別を直ちに実行することが可能になる。したがって、例えば、対象物または画像空間における位置についての情報は、最大強度の位置を解析することによって得ることができる。] [0123] 閾値法を、得られる相関最大値に適用してもよい。閾値法での蛍光色素分子の対象物識別および三次元局在化を最適化するために、閾値法を用いてもよい。具体的には、閾値解析法を用いて、有意な最大値だけを評価することによって再構成法を最適化することもできる。したがって、再構成の品質管理のためのさらなる方法を得ることができる。] [0124] 相互相関(cross-correlation)の代わりに、ウェーブレット相関または同様な方法を用いてもよい。] [0125] この方法は、少なくとも1つの蛍光基準点を活用して行われる、構造化照明の空間較正のステップをさらに含んでもよい。] [0126] さらなる態様によれば、構造化照明の空間較正は、少なくとも1つの蛍光基準点を活用して行われることができる。較正方法および少なくとも1つの蛍光基準点の使用を用いることによって、それを活用して部位、それぞれ位置および定在波場の強度を直接測定して、方向づけることができ、構造化照明の利用を最適化しおよび/または最大精度を有する構造化照明を表すことが可能になる。基準点として、カバースリップのカバーガラス上の弱い蛍光を発する薄層、それぞれ試料標本(sample preparation)、例えばフォトラッカー、それぞれ(respectively)フォトレジストを使用してもよい。] [0127] 一態様によれば、構造化照明光を用いる広視野蛍光顕微鏡法によって前記1つまたは複数の対象物の追加の画像データを取得するステップの間において、前記少なくとも1つの蛍光標識の前記蛍光分子の少なくとも一部が活性状態に移行して、対応する広視野観察で使用されるのに対して、前記蛍光分子の第2部分が不活性状態のままであるように、前記1つまたは複数の対象物が前記構造化照明光によって照明される。蛍光局在化顕微鏡法を使用することによる局在化画像データを取得する前記取得ステップの間において、前記蛍光分子の第2部分が、光学的放射の照明光強度を前記約1kW/cm2から1MW/cm2の範囲内にある強度に変えることによって活性化され、蛍光局在化顕微鏡法を使用することによる局在化画像データを取得する前記取得ステップが、前記蛍光分子の前記第2部分に基づいて行われる。 上述の活性状態は蛍光状態であり得、および上述の不活性状態は非蛍光状態、例えば可逆的に退色した状態または不可逆的に退色した状態であり得る。具体的には、活性状態において、フルオロフォア(または蛍光分子)は、励起によって、所定のスペクトル範囲(画像化システムが検出できる)で特徴のある放射を放出することができる。不活性状態において、フルオロフォアは、任意の検出可能な放出も示さない。不活性状態は、通常、それらの寿命によって「可逆的」および「不可逆的」に分けることができる。] [0128] したがって、広視野観察の目的で蛍光分子の十分な部分を活性化する場合、広視野測定のために不活性蛍光分子を最初に用いることは可能である。広視野観察の目的で蛍光分子の部分的活性化を、例えば第2照明波長で行うことができる。例えば熱活性化等の様々な活性化方法も使用することができる。色素分子の第2部分は、局在化顕微鏡法で次の局在化のために使用される。また、2種類以上の色素、それぞれ(respectively)色素分子を含む多重標識で対象物を標識化することも可能であり、その結果1種類を局在化顕微鏡法での広視野観察のために用い、それに続く単一分子局在化のために他の種類を用いることが可能となる。] [0129] 本発明のさらなる態様は、少なくとも1種類の蛍光標識によって標識された試料のサブ分解能空間情報を得るための蛍光局在化顕微鏡であって、前記サブ分解能空間情報は、少なくとも1つの空間方向における、前記少なくとも1種類の蛍光標識の蛍光分子の位置についての局在化情報を含み、前記顕微鏡は、 −光学照明光路を形成する照明光学機器であって、目的領域において、1つまたは複数の対象物を照明するために構成された照明光学機器と、 −前記局在化顕微鏡の前記光学照明光路内に位置する少なくとも1つの追加の光学素子であって、照明光の強度を1kW/cm2から1MW/cm2の範囲内にある強度に切替えることを可能にするように、および/または1kW/cm2から1MW/cm2の範囲内の照明光の強度の調整、それぞれ(respectively)制御を可能にするように構成された少なくとも1つの追加の光学素子と、 −光学検出路に位置する少なくとも1つの情報取得センサであって、前記少なくとも1種類の蛍光標識の前記蛍光分子の少なくとも一部によって照明時に放出された蛍光の少なくとも一部を検出するように構成され、それによって、照明された目的領域の画像を得る、少なくとも1つの情報取得センサとを備える。] [0130] すでに上述したように、一態様によれば、1kW/cm2から1MW/cm2の範囲内の強度を有する照明光による照明によって、蛍光分子の少なくとも一部は、第1の(蛍光)状態から第2の半安定状態(例えば可逆的に退色した状態)に移行する。] [0131] さらなる態様によれば、照明によって、少なくとも1種類の蛍光標識の蛍光分子の少なくとも一部は、第1状態から第2状態に移行し、次いで第1状態に回復した後、第3の持続的な不活性状態(例えば不可逆的に退色した状態)に移行する。] [0132] 情報取得センサは、二次元センサ(例えば、CCDチップまたは他の適切な二次元センサ、それぞれセンサアレイ)であってもよく、取得される画像は目的領域の二次元画像である。したがって、空間情報を二次元で得ることができる。一態様において、得られる画像は、使用する局在化顕微鏡の光軸に実質的に平行な(parallel)対象物面、すなわち該対象物面内の直交座標xとyの(x,y)平面内の画像である。] [0133] この顕微鏡は、情報取得センサによって検出された画像を記憶するための記憶手段(例えばメモリ)をさらに含んでもよい。一態様において、この記憶手段は、試料を照明することと、蛍光分子から放出される蛍光を検出することを繰り返すことによる異なる種類のステップで、情報取得センサで検出される複数の、それぞれ一連の画像を記憶するように構成されている。この一連の画像は、適切なデータ構造で、例えば、複数の二次元画像を含む三次元データスタックで記憶してもよい。] [0134] この顕微鏡は、1つまたは複数の照明源、例えば1つまたは複数のレーザをさらに含んでもよい。一態様において、照明光を、少なくとも1つの空間方向において、具体的には、顕微鏡の光軸に沿って適切に空間的に構造化し、それぞれ変調できる。したがって、この顕微鏡は、少なくとも1つの空間方向において、空間的に構造化する、それぞれ変調する手段をさらに含んでもよい。光軸に沿って適切に空間的に構造化された、それぞれ(respectively)変調された光の例としては、逆方向に進行する2本の光線の干渉によって形成される定在波場、それぞれ(respectively)照明場がある。この定在波場は、例えば、同一の光源から発光された2本のビームが高開口数を有する2つの対向する対物レンズの後焦点面に集光することによって形成されることもある。さらに、比較的低価格の構造化照明は、例えば、複数光線の干渉による1つまたは複数の光学格子によって実現可能である。] [0135] 一態様において、極めて低価格のレーザポインタを照明源として使用することもできる。これにより、場合により一部の種類の構造化照明を組み込んだ十分に機能的な広視野局在化顕微鏡装置も比較的低価格で可能になる。高価な特別な対物レンズ、メインフレームまたは大容量コンピュータおよび特別なセンサを使用しなくても、1時間未満の許容できる時間内でのこのシステムの結像能力は、従来得られた顕微鏡システムの結像能力よりも優れていることがある。さらに、最も簡単な場合、ユーザにとって操作(例えばレンズ位置を介しての強度制御)で利用できる唯一の自由度があるという事実は、光学、機械学または電子工学の分野での付加的な知識がなくても、あらゆる人がこの装置を使用できることを保証している。] [0136] 局在化顕微鏡は、光学照明光路の共焦点設定、光学照明光路の広視野設定、4Pi設定、STED設定もしくはSTED−4Pi設定、または点像分布関数工学および構造化/パターン化照明スキームの他のモードを有することができる。検出路は、広視野配置を有してもよい。具体的には、情報取得センサは、観察領域の二次元画像を得る能力がある二次元センサアレイであってもよい。] [0137] 一態様によれば、光学的放射、それぞれ(respectively)照明光の強度を、1kW/cm2から1MW/cm2の強度範囲内にある強度に切替えるおよび/または調整することができるように、従来の広視野照明は、少なくとも1つの適切な光学素子を使用することによって容易に変更することができる。したがって、本発明のいかなる態様による方法も、可能とされ、それぞれ(respectively)容易にされ得る。特定の色素または標識を用いることで、強度間隔またはウインドウを高い値方向にまたは低い値方向に拡張することは有利になり得る。] [0138] 少なくとも1つの追加の光学素子は、以下のうちの1つまたは複数を含んでもよい。 −少なくとも1つのレンズまたはレンズ系、 −少なくとも1つのグレーフィルタまたはグレーフィルタ一式、 −少なくとも1つの偏光フィルタ、 −少なくとも1つの音響光学モジュレータ、および/または −少なくとも1つの電気光学モジュレータ。] [0139] 例えば、単一レンズもしくはレンズ系または単一グレーフィルタもしくはグレーフィルタ一式を顕微鏡に実装することは、特に容易である。偏光光源を有する照明の強度を連続的に調整するまたは制御するために、偏光フィルタもしくは偏光フィルタ一式は、便利な代替手段をもたらすことができる。] [0140] 音響光学モジュレータまたは電気光学モジュレータは、さらに別の代替手段を表す。同様に、上記の素子の組み合わせ、例えば単一レンズとグレーフィルタ一式の組み合わせを実装することが可能である。] [0141] 顕微鏡は、少なくとも1つの追加の光学検出路で使用される少なくとも1つの追加のセンサをさらに含んでもよく、前述の追加のセンサおよび前述の追加の光学検出路は、情報取得センサに達しない蛍光の少なくとも一部を登録(register)するように構成されている。] [0142] 少なくとも1つの第2の追加の光学素子を、少なくとも1つの追加の検出路に配置してもよい。] [0143] 顕微鏡は、少なくとも1種類の蛍光標識で標識した試料のサブ分解能空間情報を得るために、取得した局在化画像データを処理するように構成された処理ユニットをさらに含んでもよく、前述のサブ分解能空間情報は、少なくとも1種類の蛍光標識の蛍光分子の、少なくとも1つの空間方向での位置についての局在化情報を含む。具体的には、処理ユニットは、検出された一連の画像のそれぞれで、少なくとも1つの空間方向において、1つまたは複数の蛍光標識の単一蛍光分子から検出された蛍光発光分布の重心の位置を決定するように構成されることもできる。] [0144] 処理ユニットはさらに、目的領域において1つまたは複数の蛍光標識された対象物に関するサブ分解能空間情報を得るために、少なくとも1種類の蛍光標識の蛍光分子の少なくとも1つの空間方向での位置についての局在化情報を処理するように構成されてもよく、前述のサブ分解能空間情報は、1つまたは複数の対象物の空間位置についておよび/または1つまたは複数の対象物のサイズについておよび/または少なくとも1つの空間方向での対象物間の距離ついての情報を含む。] [0145] 一態様によれば、処理ユニットは、下記モデル関数f(x,y)のフィッティングを、時系列の各二次元画像の単一蛍光分子から取得した蛍光発光分布に対して行うように構成されてもよい。 式中、 xおよびyは、顕微鏡の光軸に垂直な対象物面における直交座標である。 x0およびy0は、セグメント化されたシグナルの中心として決定される、位置の開始パラメータである。 Aは、分布の振幅であり、および B0、B1、B2は、線形バックグラウンドを表すパラメータである。] [0146] さらなる態様によれば、処理ユニットはさらに、少なくともさらなる一方向において、試料中の少なくとも1つの蛍光標識した対象物のさらなる空間方向に沿った空間的広がりについての情報を含むさらなる空間情報および/または単一蛍光分子から検出された蛍光発光分布の重心の位置についてのさらなる空間情報を得るために、構造化照明光による広視野蛍光顕微鏡法を用いることで得たさらなる広視野画像データを処理するように構成されてもよい。少なくとも1つのさらなる方向は、前述の顕微鏡の光軸に沿うものであってもよい。処理ユニットはさらに、構造化照明光を用いる広視野蛍光顕微鏡法によって得られるさらなる空間情報を用いる局在化顕微鏡法によって得られる局在化情報を組み合わせるように構成されてもよい。] [0147] 一態様において、処理ユニットを、 −前記1つまたは複数の対象物内で検出されるすべてのシグナルのために、共通理論的三次元モデル関数を生成するためであって、前記三次元モデル関数が光軸に沿って複数の二次元層に分割される、共通理論的三次元モデル関数を生成するために、および −前記取得された三次元画像データおよび前記三次元モデル関数の横方向相互相関を行うためであって、前記相関関数の最大値が1つの対象物の識別と1つの三次元局在化とを表す、横方向相互相関を行うために、構成できる。] [0148] 処理ユニットはさらに、得られる相関最大値に閾値法を適用するように構成されてもよい。] [0149] 処理ユニットは、適切にプログラミングされた汎用プロセシングチップまたは専用ハードウェアを含んでもよい。処理ユニットは、前述の記憶手段に接続され、かつその記憶手段に記憶したデータを読み取るように構成されてもよい。] [0150] 本発明のいかなる態様による上記の方法および装置(顕微鏡、それぞれ顕微鏡システム)は、対象物の位置についての正確な決定が可能であり、かつ回折理論の前提となる光学分解能限界を回避する可能性を有する。この回折限界をはるかに下回る構造情報を得るための局在化を用いるために、それらの距離が従来の光学分解能限界よりも低い場合でも、構造の「点状」構成要素を個別に検出する必要がある。] [0151] 本発明の一態様によれば、従来のSPDM/SALM概念を、1kW/cm2から1MW/cm2の範囲(蛍光局在化顕微鏡法では以前は回避された範囲)内の強度照明および3つの蛍光状態間の移行を利用することによって拡張した。この移行は、例えば、蛍光分子、具体的には蛍光タンパク質分子を可逆的に光退色させることによって提示される新規のスペクトルシグネチャを使用して実現化できる。1つの利点は、「従来」の蛍光タンパク質、すなわちPALMおよびFPALMの適用で記述した化学修飾なしのタンパク質を、サブ分解能蛍光顕微鏡法の目的でうまく利用できることである。蛍光タンパク質で標識した生物学的標本は最も一般的であるので、そのようなフルオロフォアを使用する本発明の一態様による方法は、in vivo測定の可能性を含む広範囲の適用を有する。別の利点は、特別な光活性化が可能な蛍光タンパク質だけでなく「従来」の蛍光タンパク質に関して単一分子の横方向(x,y)局在化を10nm未満の精度で達成することができることである。] [0152] さらに他の利点は、データ取得時間およびデータ処理時間が短いことである。一例において、90μm×90μmまでの対象物面積を記録でき、100,00を大幅に超える分子を局在化する、標準的なデータ取得速度は約100秒である。分子局在のデータ処理態様は、現在、数分程度かかっている。最新の高速デュアルコアプロセッサを用いることによって画像を取得している間にオンライン計算を行うことが可能になる。したがって、広く用いられているフルオロフォアと可視光を組み合わせて適用する分子光学分解能でのスループット蛍光画像化が実行できるようになる。] [0153] 本発明の別の態様は、軸サイズdzおよび/または平均位置z0の決定のための空間変調照明(SMI)顕微鏡法技法と組み合わせる本技法(すなわち、SPDM/SALM横方向(x,y)局在化顕微鏡法)に関する。この新規の技法は、励起波長の約1/25thから1/10thに相当する、横方向で約20nmおよび軸方向で50nmの単一分子の効果的な3D光学分解能(x,y,z)によってナノ構造、具体的には生物学的ナノ構造の高速三次元(3D)画像化を可能にする。SPDM/SMIを組み合わせた3D画像化アプローチを適用するために、標識対象物についての一部の先験的情報が必要とされることもある。しかし、解析すべき大部分のナノ構造、具体的には大部分の生物学的ナノ構造は、この条件を満たすことができる。] [0154] SPDM/SMIの組み合わせ拡張型技法を適用する一例は、小細胞突出の3D細胞構造を、膜関連タンパク質を用いることによって解明することである。一例において、直径約50nmのこのような突出の棒状3D構造が、広視野蛍光顕微鏡法アプローチを用いることで、最初に解明された。このほぼ超微細構造的な3D分解能は、従来の共焦点走査型レーザ 顕微鏡法で得ることはほとんど不可能である。] [0155] 達成可能な効果的三次元(3D)光学分解能を横方向に約20nmおよび軸方向に50nm上げる(およびより高く)ことができるので、細胞ナノ構造の構造的解明において多数の適用が実行可能になる。この適用の種々の例としては、遺伝学的に活性状態および不活性状態にある個々の遺伝子領域、環境的に誘発されたクロマチンナノ構造の変化、複製ファクトリーおよび修復複合体のサイズおよび核分布、核膜孔複合体分布、ポリリボソームの配置、細胞膜上のイオンチャネルの分布等がある。別の重要な適用は、例えば細胞膜上で単一分子をまたはRNA転写物を数える可能性にある。今までのところSPDM手順は、標識した全分子の一部だけを登録することが可能であるが、得られる数は、最小絶対数である。例えば、20x20y2=800μm2の細胞膜(上側と下側の両方を含む)における100,000個のタンパク質のSPDMカウントは、125個のタンパク質/μm2または90nm×90nmで1個のタンパク質の最小平均絶対値の膜密度になるであろう。さらに、高分子範囲での分解能レベルで、分子分布の均一性を評価することが可能である。「基礎分子生物物理学」から、細胞膜を横切っての医薬化合物輸送の効率まで、この分子計数および分布分析に関して多数の適用が予想することができる。] [0156] 光で変換されることが可能な「暗」および「明」スペクトルシグネチャを有する光安定性の高い蛍光色素を用いる場合、SPDM/SMI顕微鏡法の観点から3D効果的分解能のさらなる向上が達成できる。例えば、5,000から10,000個の光子が単一分子から登録できる場合、理想的な他の条件下で、軸方向の局在化精度の向上は、軸方向(z0)局在化精度約1nmまで達成可能である。また、この光子数で横方向局在化精度の向上を1nmまで達成するために、軸方向の構造化照明に加えて横方向構造化照明を用いてもよい。x,y,z局在化におけるこの向上は、2nm範囲での効果的な光学3D分解能を可能にし、したがって細胞の内部の高分子複合体の構成成分についてでさえ広視野光の光学的構造解析を可能するのに十分である。可能な適用の一部として、以下がある。すなわち、単一遺伝子の領域、細胞DNAの倍増に関与する複製ファクトリー、環境的に誘発されたゲノム変化の修復に関与する修復複合体、ゲノムナノ構造の修飾に関連する発現に関与するクロマチンリモデリング/サイレンシング複合体、遺伝コードの「解読」を可能にする転写ファクトリー、転写したRNAをプロセシングするスプライシングファクトリー、細胞核と細胞の残りの部分との間のトラフィックを制御する核膜孔複合体、RNAをタンパク質に翻訳するリボソーム、タンパク質の分解を制御するプロテアソーム、細胞膜を横切ってイオン輸送を制御するイオンチャネル複合体、組織の形成に関与する細胞間結合複合体。] [0157] したがって、本発明の一態様による拡張型SPDM/SALM方法、具体的には、SMIによる本方法とレーザ光学ナノスコピーにおける新規の開発の組み合わせが、同一の細胞構造がほぼ同様(分子レベルまで)の分解能で撮像され得るような方法で、超微細構造的な方法(すなわちnm分解能)と可視光遠視野顕微鏡法(従来の数百nm分解能)の間の分解能のギャップを最終的に埋めることになることが予想される。この「相関(correlative)顕微鏡法」は、遺伝子の活性化/サイレンシングでのクロマチン繊維の折り畳み構造における変化から、その転写、産生されるmRNAのプロセシング、核膜孔を介する細胞質への輸送、タンパク質への翻訳、高分子複合体の構築と分解、細胞膜でのシグナル伝達まで、および細胞間相互作用までの個々の細胞レベルでの生命の「メカニズム」への直接的洞察に本質的な寄与を提供することができる。細胞の分子生物物理学へのこれらの刺激的な可能性を越えて、レーザ光学ナノスコピー法も、「生体分子機械」(BMM)と単一細胞/単一BMMのレベルでの医薬品の相互作用の解析のためのさらなる有益な手段を提供することになる。本発明の一態様による拡張型SPDM/SALM遠視野蛍光顕微鏡法のアプローチは、バイオサイエンスおよび物理学の分野において生物学的構造に関する測定のみならず材料科学においても適用することができる。例えば、表面ナノ構造を特徴付ける必要がありかつ表面分子の蛍光標識化が実行可能であればどこでも、高速光学解析が可能になり、かつこれは高分解能だけでなく、電子顕微鏡法によるさらに時間のかかる測定も補足する。] [0158] 本発明の詳細ならびにさらなる特徴、適用および利点は、図1から10を参照して、以下の実施形態または実施例で述べる。単独でもしくは相互の任意の組み合わせで開示したまたは示したすべての特徴は、それらの後方参照の特許請求の範囲におけるそれらの組み合わせから独立して、ならびに発明の説明または図面におけるそれらの式もしくは表示から独立して、本発明の主題になり得る。] 図1 図面の簡単な説明 [0159] 構造化広視野照明と、2つの異なる検出光路が実現化するレンズ系とを有する装置の一例を示す。 本発明の一態様による一方法の説明を示す。 本発明の一態様による必要最小数の構成部品を有する装置の第2例を示す。 本発明の一態様による局在化顕微鏡法(SPDM)を使用する顕微鏡構成のさらなる例の模式図である。 推定2D局在化精度の度数分布の一例を示す。 局在した各蛍光タンパク質の最近傍距離の度数分布と、同じ点密度のランダム分布をシミュレートした3通りの同じ解析とを示す。 本発明の一態様による組み合わせ型SPDM/SMI顕微鏡装置のさらに別の例の模式図である。 所定の蛍光標識した対象物の三次元サブ分解能測定の原理を示す。 測定したCal−51細胞の分子あたりの登録光子数の分布についての対応するヒストグラムを示す。 測定したCal−51細胞の分子あたりの登録光子数の分布についての対応するヒストグラムを示す。 測定したCal−51細胞の局在化精度(xおよびy局在化精度の対での平均値)のヒストグラムを示す。] [0160] 本発明の一例による装置(顕微鏡)を図1に示す。この装置は、少なくとも1つの波長による光学的放射の放出に適している光学系光源1を含む。価値対費用比が最良の光学源は、レーザによって提供される。構造化照明光を用いる広視野測定が完了した後、局在化顕微鏡法で用いる強度範囲にわたって変える、それぞれ(respectively)切替えるために可動式レンズ系2を利用する。さらに、この可動式レンズ系を利用して、1kW/cm2から1MW/cm2の強度間隔内で照明光の強度を調整することができる。この目的のために、光学系光源1からの光学的放射は、前述のレンズ系2で用いる細い光線にコリメートされる。] 図1 [0161] この例において、第1対物レンズ9と追加の第2対物レンズ10の間に周期的な構造化照明を作成する。第1対物レンズ9と第2対物レンズ10の間の対象物空間において、試料11をこの構造化照明を通して自由に移動させることができる。これを達成するために、干渉設定は、ビームスプリッタ3を活用して実現される。ミラー4は可動式であり、したがって干渉計の下部アーム長に対して上部アーム長を変えることができるようにする。このように、対象物空間を通して構造化照明を移動させたり、またはシフトさせたりすることが可能になる。第1集光レンズ5および第2集光レンズ6は、それぞれの対物レンズの後焦点に各々集光し、構造化広視野照明の生成をこのようにして可能にする。第1ダイクロイックビームスプリッタ7および第2ダイクロイックビームスプリッタ8は、試料11から来る発光(破線)から光源の励起光(点線)を分離する。] [0162] 試料11は、光軸の両側で光に対して透明である。このように、第1センサ13の方向に試料11から放出された光子は、第1センサ13に到達する。第2センサ14および第2センサ14の方向に放出される光子に対しても同じことが適用される。第1対物レンズ9、第2ダイクロイックビームスプリッタ7および第1センサ13を含む、それぞれ(respectively)それらから形成される第1検出光路15だけを実現化することを所望する場合は、第2ダイクロイックビームスプリッタ8を、追加のミラー26および円柱レンズ12と置き換え、第2センサ14を省略することもできる。] [0163] 第2検出光路16を単独で追加すると、1つの検出光路15だけを使用する検出と比較して、検出される光子の数が増大するために、分子のほぼ等方性放射で約40%、局在精度が向上する。円柱レンズ12を使用することでさらに、横方向局在化精度を減らして、純粋な局在化顕微鏡法によって軸方向局在化精度を向上させることができる。] [0164] 提示した装置、それぞれ(respectively)光学設定(optical set-up)は、さらなる遠視野解析、それぞれ広視野解析を使用することによって純粋な局在化顕微鏡法による局在化精度の限界を克服することができる光学設定の単に一例である。均一的に生成された構造化照明は、同様に、構造化照明の単に一例であり、かつ空間的構造化照明の他の種類によって置き換えられることができる。] [0165] 局在化精度の限界を克服するための方法は、図2に詳細に示す。さらに明瞭化のために、横方向次元の1つ(y)を、もう1つの横方向次元(x)と完全に同等であるために、無視する。] 図2 [0166] 対象物18は、最初に構造化照明17にさらされる。それによって2種類の測定が行われることができる。すなわち、構造化照明17をシフトさせて、それぞれ(respectively)移動させて、対象物18を固定し、あるいは移動させない、いわゆる位相走査、および静的構造化照明17および静的対物レンズに対して対象物18を移動させる、いわゆる対象物走査の2つである。両方法の組み合わせも可能である。] [0167] 両走査方法のいずれかを用いて、目的領域において対象物18全体から放出される光を、センサ(例えば二次元センサ)によって検出し、次いで対応するセンサ画像を適切な記憶手段内に記憶する。位相走査から、各センサ素子に対して結果として生じる変調19を評価することによって、数ナノメートルの精度で各横方向点の相対的なz位相を抽出することが可能になる。この情報から、観察される対象物18の蛍光の重心の位置を得ることができる。対象物走査から、各センサ素子に対して結果として生じる変調21を評価することによって、各横方向点の光軸に沿って、広がりを約数ナノメートルの精度で抽出することが可能になる。光軸に沿って対象物18の広がりは、変調コントラストから1ナノメートルの精度で決定するこができる(1−R1/R2、ここでR1は変調の内側包絡線であり、かつR2は変調の外側包絡線である)。合わせて、光軸2つに沿って対象物18の位置および広がりについての完全な情報が得られる。横方向に局在された各蛍光分子に対して、軸方向位置(実際の距離に変換される相対位相)および局在化精度(対象物18の広がり)が1ナノメートル精度で決定されることが可能である。記述した遠視野測定、それぞれ広視野測定の場合、単一対象物走査または単一位相走査が十分である。最適な結果は、これらの方法が、異なった結果、それぞれ(respectively)情報を得るのに異なって適しているので、図2に示すようにこの2つの走査法を組み合わせで達成することができる。図2において、参照符号20は、発光重心(対象物位置)の軸方向位置についての決定を示し、かつ参照符号22は、z軸に沿って観察される対象物の軸方向の広がりを示す。] 図2 [0168] 本発明の一態様による装置(顕微鏡)のさらなる一例を、図3に示す。本装置は、最小数の光学構成部品および機械的構成部品を用いる。照明光路は、光学的放射1の単一光源、可動式レンズ24、第1ダイクロイックビームスプリッタ7および第1対物レンズ9のみで構成される。1kW/cm2から1MW/cm2の間隔内の強度の切り替えおよび強度の調整が可能になるように、レンズ24の焦点距離が決定される。光源1からの励起光(点線)が試料11を通過して、可動式ミラー25よって反射される。第1対物レンズ9と可動式ミラー25の間に定在波場が形成され、これは上述のように遠視野検査のために用いることができる。構造化照明は、ミラー25の移動によってシフトすることができる。同様に、光学格子または追加の光学素子を用いて構造化照明を実現化することができる。上述の方法および上述の装置を用いて、高精度で高速であり、同時に簡単で経済的であり、低価格な、蛍光顕微鏡法での単一色素分子の局在化を実現化することができる。] 図3 [0169] 図4から図6は、「可逆的な光退色」または「ブリンキング」を示す従来の蛍光色素によるSPDMを使用することによって、ナノメートル分解能規模でのサブ分解能局在化情報のための装置および各方法のさらに別の例に関する。上記ですでに説明したように、「可逆的な光退色」は、高強度光の照明による、いくつかの蛍光タンパク質、例えばeGFP、eYFPもしくはeCFP、またはmRFPにおいての一般挙動として示されている。この効果は、pH依存性(通常10〜100sの時間尺度で起こる)として説明され、それはレーザ露光下で変更可能である。同様に「ブリンキング」機構は、他の非タンパク質をベースにした蛍光色素、例えばAlexa488に存在する。励起活性化型、可逆的に光退色する蛍光色素のこのファミリーの任意の蛍光色素も、頭文字「PHYMOD」蛍光色素(PHYsically MODifiable蛍光色素)と呼ばれることになる。] 図4 図6 [0170] 細胞小構造を、異なるPHYMOD蛍光色素で標識して、励起の適切な集光条件下で、高速連続で画像を取得した。この特別な例において、5nmまでの局在化精度を達成することが可能であり、測定した構造を、10nm範囲の分子レベルまでの効果的な光学分解能で遠視野光ナノスコピーによって視覚化することが可能である。] [0171] 図4において、SPDM顕微鏡の主要な設定を模式図で示す。通例の生物学的調製に従って標準ガラススライド上に調製した標本、それぞれ試料41を用いた。調製した試料41を、コントローラで制御される圧電ステージ44の上に配置する。] 図4 [0172] この試料41は、例えば標準遠視野落射蛍光モードまたは単一分子SPDMナノスケールモードで画像化することができる。PHYMOD蛍光色素で標識した試料41は、第1レーザ31(例えば488nmのAr+レーザ32)または第2レーザ32(例えば568nmのKr+レーザ)で照明される。このレーザは対物レンズ33、例えば100×/NA1.4、oil(Leica)による対物レンズによって集光される。さらにチューブ光学機器を用いて、観察体積内の多くの蛍光分子が、広範囲の目的領域(「臨界未満の集光」)内で、中出力から高出力のレーザ(約1kW/cm2から1MW/cm2)で露光されるような方法で、この集光を変更してもよい。これらの条件下でPHYMOD蛍光色素は、それらの特徴的な可逆的光退色またはブリンキングを示す。これらは、個々の分子の局在化を識別して空間的に割り当てるために用いられる。] [0173] 具体的な一例において、約10,000から100,000個の単一分子が、現在、最高70μm×70μmの目的領域で検出されることが可能である。画像情報取得センサとして、6.45μm×6.45μmの正方形ピクセルサイズを有する高感度画像取得カメラ42(例えばSensiCam qe, PCO)を用いて、時系列の二次元(2D)画像を、約10〜16Hzの繰り返し速度で取得する。2,000画像の典型的なタイムスタックは、通常、約2.5分内で取得される。カメラ42によって取得される二次元画像は、記憶装置、それぞれ(respectively)処理ユニット45の記憶手段に記憶される。処理ユニット45は、さらに圧電ステージを制御するコントローラを含む、それぞれ(respectively)実行してもよい。さらに、空間情報および/または距離情報を得るために、処理ユニット45を、取得した一連の画像を処理するように構成することもできる。処理ユニット45は、例えば、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータ、専用ハードウェア等であってもよい。処理ユニット45はさらに、検出された画像および画像処理の結果の表示を可能にするグラフィカルユーザインターフェース、例えば双方向グラフィカルユーザインターフェースを含んでもよい。] [0174] 図4において、それぞれ、参照符号34および35は、ダイクロイック素子(ダイクロイックミラー)を示し、参照符号36から39は、レンズまたはレンズ系を示し、参照符号40は、照明光をブロックするためのブロッキングフィルタ、それぞれ(respectively)ダイクロイック素子を示す。参照符号は、対物レンズを示し、参照符号46から48は、ミラーを示す。] 図4 [0175] 個々の分子間の局在化および距離の測定のために、処理ユニット45によって実行されるいくつかのコンピュータアルゴリズムを使用することもできる。一例において、一連の取得した画像に沿って、各2つの連続する画像に分割することによってPHYMOD蛍光色素を検出することができる。これによって、出現および消滅する単一分子シグナルに対応する局所強度の変化を検出することができる。所定の画像フレームにおいて、PHYMOD蛍光色素のすべてのシグナルを同時に登録し、次いで元の画像内のそれらの蛍光の重心(すなわち「強度の重力中心」)にモデル関数をフィッティングする。この正確な位置決定は、分析的に算出した点像分布関数を用いるLevenberg Marquardアルゴリズム、またはGaussian分布に基づき、バックグラウンドシグナル近似を考慮に入れて、非線形フィッティングによって行われることができる。この位置は、個々の局在化精度の推定値とともに決定され、取得した各シグナルの光子の数を考慮に入れる推定値と一致する。] [0176] 全画像のタイムスタックを介して個々の分子の位置を登録した後、これらのすべての位置は、1つの「マージ」2D画像に割り当てられる。局在化精度を示すために、それぞれの分子の平均局在化精度に等しい標準偏差で、Gaussian強度分布によってそれらの位置を広げることができる。距離測定は、誤差評価のために局在化精度を考慮に入れて、再構成されたこれらの位置間の重心距離から得ることができる。] [0177] 細胞系において本発明の一態様によるSPDMナノスコピーの可能性を示すために、一例としてSKBr3乳房癌腫細胞を標準条件に従ってカバースライドの上で増殖させ、細胞膜およびその突出を、製造者のプロトコルに従ってPHYMOD条件によるYFPを使用して、Organelle Lights(商標)(Invitrogen)を用いて視覚化した。20時間または48時間、それぞれ(respectively)形質導入後、この細胞をPBS中4%ホルムアルデヒドで固定して、ProLong(登録商標)Gold退色防止試薬(Invitrogen)で包埋した。このように、細胞膜に限定されるタンパク質だけを標識した。] [0178] このようにして調製したヒトSKBr3細胞を、上述の光学設定を用いて測定した。この細胞内の個々のYFP分子は、平均して約14nm、最小限5nmまでの精度推定値で局在化(localized)され得る。] [0179] 図5は、推定された2D関数としてプロットした度数分布(縦座標)を示す。そこでは、測定した12,115個の蛍光分子のnm(横座標)での局在化精度が示され、平均局在化精度は14.8nmである。この画像において500個を超える分子が8nmよりも良好な局在化精度を示す。これらの局在データから間隔を10〜30nm範囲で決定することができる。] 図5 [0180] 図6は、各局在蛍光タンパク質に対して最近傍距離の度数分布(縦座標)をnm(横座標)で示し(線L1)、かつ同じ点密度でシミュレートした3つのランダム分布に関する同じ解析を示す(線L1からL4)。図6において、所定の目的領域内のすべての分子に対する最近傍距離の決定を、同じマーカー密度の3つのランダム分布(均一な拡がり)と比較する。蛍光タンパク質がこの領域でランダムに分布されていることをこの結果は示している。局所密度(local density)ならびに周期性特色または方向性特色等の構造情報は、算出された曲線の形状から得ることができる。] 図6 [0181] このように、細胞膜内の個々の分子を本発明の一態様によるSPDMナノスコピーによって局在化することができた。この結果が示すことは、PHYMOD蛍光色素を用いることで、画像を取得することが可能になり、わずかに変更しただけの標準落射型蛍光顕微鏡設定および従来の標識した標本、それぞれ(respectively)従来の蛍光標識を用いることによって、その画像の10nm範囲の距離が分解されることである。これにより、この技法が容易に、速くかつ経済的に扱えるようになる。数千画像の画像スタックの取得が、わずかに数分で行える。このようにして、生体細胞の画像化に適用することも可能になる。PHYMOD蛍光色素は、黄色蛍光タンパク質だけに限定されない。発明者らは、以下の蛍光色素で標識した細胞標本にもSPDMナノスコピーを適用することに成功した。すなわちeGFP、CFP、Alexa488、Alexa568。低ナノスケールで位置および距離を決定することにより、多数の構造研究の可能性が提示される。これは、相関顕微鏡法(光学顕微鏡法対イオン化画像化技法)にとって新しい展望を開くことになる。本明細書に示す例に関しては、今までのところ2D−SPDMナノスコピーだけに適用している。SPDMナノスコピーをSMI(空間変調照明)顕微鏡法または他の構造化照明の技法と組み合わせることで、数十ナノメートルの範囲で効果的な光学分解能による3D−画像化が、原理的には達成可能になる。高分解能蛍光 ナノスコピーにおけるこれらの発展により、細胞構造および機能の新たな洞察を提供することになる。] [0182] したがって、本発明の一態様は、スペクトル精密距離顕微鏡法(SPDM)と、GFP誘導体のCFP、eGFP、YFPおよびeYFPならびにAlexa488およびAlexa568等のフルオレセイン誘導体等の広く用いられている蛍光色素とを組み合わせる遠視野局在(localization)ナノスコピーの新規の技法に関する。SPDMは、時間内に光学的分離してから対象物を精密に局在化することによって、蛍光遠視野顕微鏡法の伝統的な分解能の限界を超えることができる。この技法の原理に基づいて、インタクトな細胞において極めて向上した分解能によるレーザ光学精密局在化および画像再構成のためのナノスケール設定を実現させた。具体的には、これは、蛍光タンパク質の可逆的な光退色に依存する励起強度および適切な集光条件下での高速連続画像化によって達成されたサブピクセル精度で個々の蛍光分子をナノメートル空間に割り当てることを可能する。この技法の利点は、細胞のナノ構造解析に容易に適用できることである。遺伝的にコードされた黄色蛍光タンパク質を用いることで、5nmまでの局在化精度での可視光によって膜構造を決定することができ、したがって、10〜30nmの範囲で個々の蛍光分子間で距離をナノスケールで分解し、異なる定量的構造解析ツールに適用することを可能にする。] [0183] 図7から図10は、装置(顕微鏡)と、三次元測定、具体的には三次元(3D)単一分子局在化および対応する効果的な3D分解能を光軸に沿って実行するために、SPDM/SALMおよび空間変調照明(SMI)の組み合わせを使用する方法とのさらに別の例に関する。] 図10 図7 [0184] SMI顕微鏡法を使用することで、蛍光標識したナノ構造(所定のx,y位置で)の軸方向の広がり(extension)(すなわち「サイズ」)を数十nmまで決定することが可能になる。例えば、このナノ構造の軸方向(z)の広がりdzが30nmであると決定された場合、これが意味するのは、このナノ構造内の大部分の分子が30nmを超えない軸方向の距離を相互に有していることである。したがって、最小の分解可能な軸方向距離(すなわちz分解能)も約30nmになるはずであり、かなりの数の分子が相互に大きなz距離を有する場合、これは測定されるよりもさらに広い広がり(z)をもたらすことになる。さらに、これらの分子の平均軸方向局在z0は、最大の軸方向SMI強度分布の最大値によって与えられる。] [0185] この概念から、本発明の一態様による以下のアプローチが予想された。初めに、光軸(z)に沿って分子の位置間隔dzを単一の(x,y)ピクセルごとに決定する。標識したナノ構造の軸方向の広がりdzが小さくなればなるほど、それらのマーカー、それぞれ(respectively)標識(蛍光分子)が光軸に沿ってより正確に局在化することができ、したがって、軸方向に効果的な光学分解能が向上することになる(すなわち、検出され得る2つの標識された分子間の最小軸方向距離)。例えば、横方向(x,y)の局在化精度が15nmでありかつ最小測定可能な軸方向(z)の広がりdzが30nmであると想定すると、約35nmと等しいかまたは約35nmより大きい分子間の横方向距離が検出可能になるはずであり、これは結果としてもたらされる軸方向広がりが広がるために検出可能になるはずである。これから、この例の場合、約40nmの全体的な3D分解能が推定できる。]
权利要求:
請求項1 少なくとも1種類の蛍光標識によって標識された試料のサブ分解能空間情報を取得する方法であって、前記サブ分解能空間情報は、少なくとも1つの空間方向において、前記少なくとも1種類の蛍光標識の蛍光分子の位置についての局在化情報を含み、該方法は、−蛍光局在化顕微鏡法を用いることで局在化画像データを取得する取得ステップと、ここで、該局在化画像データが、−約1kW/cm2から約1MW/cm2の範囲の強度を有する照明光を用いて前記試料の目的領域を照明する照明ステップと、−前記少なくとも1種類の蛍光標識の蛍光分子の少なくとも一部によって照明時に放出された蛍光の少なくとも一部を、情報取得センサによって検出する検出ステップであって、それによって前記目的領域の画像を取得する、検出ステップと、−前記照明ステップと、前記放出された蛍光の前記検出ステップとを複数回繰り返す繰返しステップであって、それによって、異なる時間段階で撮られた各画像を含む一連の画像を取得する、繰返しステップと、によって取得された一連の画像を含むものであり、−取得された前記局在化画像データを処理する処理ステップであって、それによって、少なくとも1つの空間位置において前記少なくとも1種類の蛍光標識の蛍光分子の前記位置についての前記局在化情報を得る、処理ステップと、を含み、前記処理ステップは、検出された前記一連の画像のそれぞれにおいて、少なくとも1つの空間方向において、前記1つまたは複数の蛍光標識の単一蛍光分子から検出された蛍光放出分布の重心位置を決定する決定ステップを含む、方法。 請求項2 照明によって、前記蛍光分子の少なくとも一部が、第1蛍光状態から、可逆的に退色した第2状態に移行する、請求項1に記載の方法。 請求項3 照明によって、前記少なくとも1種類の蛍光標識の前記蛍光分子の少なくとも一部が、前記第1蛍光状態から前記第2状態に移行し、前記第1蛍光状態に回復後に、不活性な第3状態に移行する、請求項2に記載の方法。 請求項4 前記第3状態が、非可逆的に退色した状態である、請求項3に記載の方法。 請求項5 前記1つまたは複数の蛍光標識が、蛍光タンパク質、および/またはその誘導体、および/またはその修飾体を含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。 請求項6 前記1つまたは複数の蛍光標識が、非タンパク質に基づく蛍光標識、および/またはその誘導体を含む、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法。 請求項7 前記1つまたは複数の蛍光標識が、緑色蛍光タンパク質(GFP)、および/またはその誘導体、および/またはその修飾体、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、OFP、高感度緑色蛍光タンパク質(eGFP)、emGFP、高感度黄色蛍光タンパク質(eYFP)を含む、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法。 請求項8 前記1つまたは複数の蛍光標識が、モノマー赤色蛍光タンパク質(mRFP)、およびその誘導体、およびその修飾体、例えばmCherryを含む、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。 請求項9 前記1つまたは複数の蛍光標識が、ローダミン誘導体、例えば非タンパク質用のAlexa色素および/またはAtto色素を含む、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。 請求項10 前記1つまたは複数の蛍光標識が、キサンテン誘導体、例えばフルオレセインを含む、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法。 請求項11 前記1つまたは複数の蛍光標識が、ローダミン誘導体、例えばAlexa色素および/またはAtto色素を含む、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法。 請求項12 前記1つまたは複数の蛍光標識が、クマリン誘導体を含む、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の方法。 請求項13 前記1つまたは複数の蛍光標識が、シアニン誘導体を含む、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の方法。 請求項14 前記使用する蛍光局在化顕微鏡が、光学照明光路の共焦点設定、光学照明光路の広視野設定、4Pi設定、STED設定またはSTED−4Pi設定を有する、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の方法。 請求項15 前記使用する照明光が単色である、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の方法。 請求項16 複数の異なる種類の蛍光標識が使用され、且つ、蛍光局在化顕微鏡法を使用することによって目的領域において1つまたは複数の対象物の局在化画像データを取得する前記取得ステップが、前記約1kW/cm2から1MW/cm2の範囲内から選択される光学強度を有する照明光を用いて、蛍光標識ごとに別々に実行される、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の方法。 請求項17 前記取得した局在化画像データを処理する前記処理ステップが、下記モデル関数f(x,y)を、時系列の二次元画像のそれぞれにおける前記単一蛍光分子から取得される前記蛍光発光分布にフィッティングするステップを含む、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の方法。式中、xおよびyは、前記顕微鏡の光軸に垂直な対象物面における直交座標x0およびy0は、セグメント化されたシグナルの中心として決定される、前記位置の開始パラメータAは、分布の振幅B0、B1、B2は、線形バックグラウンドを表すパラメータ 請求項18 前記局在化画像データを取得する前記取得ステップにおいて、前記目的領域における前記1つまたは複数の対象物が構造化照明光によって照明される、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の方法。 請求項19 前記顕微鏡の光軸に沿って、空間的に構造化された、それぞれ変調された照明光を用いる広視野蛍光顕微鏡法を使用することによって、前記目的領域の一連の広視野画像を含む追加の広視野画像データを取得するステップをさらに含み、前記取得する追加の広視野画像データが、−前記目的領域における前記1つまたは複数の対象物を前記構造化照明光で照明するステップと、−前記1つまたは複数の蛍光標識の前記蛍光分子から放出される前記蛍光の広視野画像を検出するステップと、−前記対象物および/または前記構造化照明光を前記光軸に沿って別々のステップで移動させ、各ステップで前記蛍光分子から放出される前記蛍光の広視野画像を検出し、それによって前記目的領域の前記一連の広視野画像を得るステップと、によって得られ、前記1つまたは複数の対象物の追加の広視野画像データを取得する前記ステップが、前記局在化画像データを取得する取得ステップの前に実行される、請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の方法。 請求項20 −前記試料中の少なくとも1つの蛍光標識された対象物の光軸に沿った空間的広がりについての情報を含む追加の空間情報、および/または前記単一蛍光分子の前記光軸方向において検出された蛍光発光分布の重心位置についての追加の空間情報を得るために、前記取得した追加の広視野画像データを処理するステップと、−前記局在化顕微鏡法によって得た前記局在化情報と、構造化照明光を用いる前記広視野蛍光顕微鏡法によって得られた前記追加の空間情報とを組み合わせるステップと、をさらに含む、請求項19に記載の方法。 請求項21 −前記1つまたは複数の対象物内で検出されるすべてのシグナルのために、共通理論的三次元モデル関数を生成するステップであって、前記三次元モデル関数が光軸に沿って複数の二次元層に分割される、共通理論的三次元モデル関数を生成するステップと、−前記取得された三次元画像データおよび前記三次元モデル関数の横方向相互相関を行うステップであって、相関関数の最大値が1つの対象物の識別と1つの三次元局在化とを表す、横方向相互相関を行うステップと、をさらに含む、請求項19または請求項20に記載の方法。 請求項22 閾値法を、得られた相関最大値に適用するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。 請求項23 前記構造化照明の空間較正を行うステップをさらに含み、前記空間較正が、少なくとも1つの蛍光基準点を活用して行われる、請求項19から請求項22のいずれか一項に記載の方法。 請求項24 −構造化照明光を用いる広視野蛍光顕微鏡法によって前記1つまたは複数の対象物の追加の画像データを取得するステップの間において、前記少なくとも1つの蛍光標識の前記蛍光分子の少なくとも一部が活性状態に移行して、対応する遠視野観察で使用されるの対して、前記蛍光分子の第2部分が不活性状態のままであるように、前記1つまたは複数の対象物が前記構造化照明光によって照明され、−蛍光局在化顕微鏡法を使用することによる局在化画像データを取得する前記取得ステップの間において、前記蛍光分子の第2部分が、光学的放射の照明光強度を前記約1kW/cm2から1MW/cm2の範囲内にある強度に変えることによって活性化され、蛍光局在化顕微鏡法を使用することによる局在化画像データを取得する前記取得ステップが、前記蛍光分子の前記第2部分に基づいて行われる、請求項19から請求項23のいずれか一項に記載の方法。 請求項25 少なくとも1種類の蛍光標識によって標識された試料のサブ分解能空間情報を得るための蛍光局在化顕微鏡であって、前記サブ分解能空間情報は、少なくとも1つの空間方向における、前記少なくとも1種類の蛍光標識の蛍光分子の位置についての局在化情報を含み、前記顕微鏡は、−光学照明光路を形成する照明光学機器であって、目的領域において、1つまたは複数の対象物を照明するために構成された照明光学機器と、−前記局在化顕微鏡の前記光学照明光路内に位置する少なくとも1つの追加の光学素子であって、照明光の強度を1kW/cm2から1MW/cm2の範囲内にある強度に切替えることを可能にするように、および/または1kW/cm2から1MW/cm2の範囲内の照明光の強度の調整、それぞれ制御を可能にするように構成された、少なくとも1つの追加の光学素子と、−光学検出路に位置する少なくとも1つの情報取得センサであって、放出された蛍光の少なくとも一部を検出するように構成され、それによって、照明された目的領域の画像を得る、少なくとも1つの情報取得センサと、を備えた蛍光局在化顕微鏡。 請求項26 前記局在化顕微鏡が、前記光学照明光路の共焦点設定、前記光学照明光路の広視野設定、4Pi設定、STED設定、またはSTED−4Pi設定を有する、請求項25に記載の顕微鏡。 請求項27 前記少なくとも1つの追加の光学素子が、1つまたは複数の−少なくとも1つのレンズまたはレンズ系、−少なくとも1つのグレーフィルタまたはグレーフィルタ一式、−少なくとも1つの偏光フィルタ、−少なくとも1つの音響光学モジュレータ、および/または−少なくとも1つの電気光学モジュレータを含む、請求項25または請求項26に記載の顕微鏡。 請求項28 少なくとも1つの追加の光学検出路で使用される少なくとも1つの追加のセンサをさらに備え、前記追加のセンサおよび前記追加の光学検出路が、前記情報取得センサに達しない蛍光の少なくとも一部を登録するように構成されている、請求項25から請求項27のいずれか一項に記載の顕微鏡。 請求項29 前記少なくとも1つの追加の光学検出路に位置する少なくとも1つの第2の追加の光学素子をさらに備える、請求項28に記載の顕微鏡。 請求項30 少なくとも1種類の蛍光標識によって標識された試料のサブ分解能空間情報を得るために、取得した前記局在化画像データを処理するように構成された処理ユニットをさらに備え、前記サブ分解能空間情報が、少なくとも1つの空間方向における、前記少なくとも1種類の蛍光標識の蛍光分子の前記位置についての局在化情報を含む、請求項25から請求項29のいずれか一項に記載の顕微鏡。
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