专利摘要:
窒素含有硬化部位と、−CF3、−CF2H、−CFH2、及び/又は−CH3によって表される末端基と、を有するペルフルオロエラストマーゴムを有し、かつ低カルボニル含有末端基率を有し、改善された保持封止力を有する硬化フルオロエラストマー及びそれから生じる物品を産出する、組成物及びそれらを作製する方法。
公开号:JP2011514414A
申请号:JP2010548778
申请日:2009-02-02
公开日:2011-05-06
发明作者:グルータエルト,ワーナー,エム.,エー.;ヘルムート ロッチハス,カイ
申请人:スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー;
IPC主号:C08L27-12
专利说明:

[0001] 本発明は、窒素含有硬化部位と、メチル末端基と、を有するペルフルオロエラストマーゴムを有し、低比率のカルボニル含有末端基を有する、フルオロポリマーを作製する組成物及び方法に関し、これは、改善された保持封止力を有する硬化フルオロエラストマー及びそれから生じる物品を産出する。]
背景技術

[0002] エラストマーは、封止用途において使用することができるため、エラストマーが圧縮下で良好に機能することが重要である。圧縮封止は、容易に圧縮され、かつ接合表面上で押し戻す合力を発達させるエラストマーの能力に基づく。この合力を広域な環境条件に及ぶ時間に応じて維持する材料の能力は、長期安定性にとって重要である。熱膨張、応力緩和、及び熱エージングの結果、初期封止力は、時間と共に減衰するであろう。保持封止力を決定することによって、エラストマー材料を、それらの封止力保持について広域な条件下で評価することができる。]
発明が解決しようとする課題

[0003] 硬化フルオロエラストマー(FKM又はフッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンを含有するフルオロカーボンエラストマーとしても既知)は、自動車、化学処理、半導体、航空宇宙、及び石油産業の用途等において、高温及び/又は腐食材料に曝露されるシステム内のシール、ガスケット、及び鋳型部分として、特に有用である。究極条件に対する抵抗を必要とする封止用途では、硬化ペルフルオロエラストマーが使用される。しかしながら、硬化ペルフルオロエラストマー(FFKM又は硬化ペルフルオロカーボンエラストマーとしても既知)は、これまで、従来のFKM又はFKM化合物と比較して、不十分な保持封止力を示している。]
課題を解決するための手段

[0004] いくつかの実施形態では、良好な保持封止力を有するペルフルオロエラストマー組成物を提供することが望ましい。]
[0005] 簡潔に述べると、一実施形態では、本開示は、窒素含有硬化部位と、−CF3、−CF2H、−CFH2、及び/又は−CH3によって表される末端基と、を有するペルフルオロエラストマーゴムを含む組成物を提供し、ペルフルオロエラストマーゴムのカルボニル含有末端基の積分吸光度比は0.08未満である。]
[0006] 別の実施形態では、本開示は、窒素含有硬化部位と、−CF3、−CF2H、−CFH2、及び/又は−CH3によって表される末端基と、を有するペルフルオロエラストマーゴムの硬化組成物を含む物品を提供し、ペルフルオロエラストマーゴムのカルボニル含有末端基の積分吸光度比は0.08未満である。]
[0007] 更に別の実施形態では、本開示は、好適な開始剤と、任意に、塩素アニオン、シアン酸アニオン、チオシアン酸アニオン、又はこれらの組み合わせから選択されるアニオンとの存在下で、少なくとも1つの完全フッ素化モノマー及び窒素含有硬化部位モノマーを重合することによるフルオロポリマーの作製方法を開示する。]
[0008] 上記要約は、各実施形態を説明することを意図するものではない。本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、以下の明細書でも記載する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、明細書及び特許請求の範囲から明白であろう。]
[0009] 本開示の組成物としては、−CF3、−CF2H、−CFH2、及び−CH3のうちの少なくとも1つによって表される末端基と、低比率のカルボニル末端基と、を有するペルフルオロエラストマーゴムを含むポリマーが挙げられる。カルボニル含有末端基とは、カルボキシル基、カルボキシレート基、カルボキサミド基、又はこれらの混合物を意味する。本開示上、カルボニル含有官能基としては、エステル、アルデヒド、又はケトン基は含まれない。本開示上、末端基とは、重合が開始又は終了するポリマーの部分を意味する。低比率とは、ペルフルオロエラストマーゴム内のカルボニル含有末端基の量が0.08未満、0.05未満、又は更には0.01未満であることを意味する。本開示上、ペルフルオロエラストマーは、完全フッ素化モノマー(つまり、95モル%超が完全フッ素化される)から本質的に作製される材料と考えられる。ポリマー化ペルフルオロエラストマーは、末端基が、使用される開始剤系又は連鎖移動剤によって左右されるため、ペルフルオル化されない末端基を有してもよい。本開示では、完全フッ素化、部分的フッ素化、及び非フッ素化された開始剤系及び連鎖移動剤が考えられる。]
[0010] 本開示のポリマーは、ペルフルオロエラストマーゴム、及び硬化ペルフルオロエラストマーを含む。本明細書に使用されるとき、「ペルフルオロエラストマー」及び「ペルフルオロエラストマーゴム」という用語は、同じ意味で使用され、また、架橋されることが可能であり、それによって、ペルフルオロカーボンエラストマーを生成する非晶質ペルフルオロカーボンポリマーを指す。架橋ペルフルオロエラストマーゴムは、本明細書において、同じ意味で「硬化ペルフルオロエラストマー」又は「硬化組成物」と呼ばれる。]
[0011] 本開示は、−CF3、−CF2H、−CFH2、及び/又は−CH3によって表される末端基と、低比率のカルボニル含有末端基と、を有するペルフルオロエラストマーゴムを含むポリマー組成物を対象とする。ペルフルオロエラストマーゴムは、窒素含有硬化部位も含む。該組成物は、充填剤、添加剤、及び硬化剤等の1つ以上の従来の補助剤を含んでもよい。]
[0012] 硬化ペルフルオロエラストマーが、破断点引張強度及び弾性率等の優れた特定の物理的特性を有する一方、不十分な保持封止力等の特定の重大な物理的特性も有することは、一般的に周知である。理論に束縛されるものではないが、高温で熱エージングされると、硬化ペルフルオロエラストマー内のカルボキシレート末端基は、脱炭酸化によりフッ化水素及び/又はフッ化物イオン源であると考えられている。フッ化水素及び/又はフッ化物イオンは、トリアジン、ベンゾキサゾール、又はベンゾイミダゾール架橋等の特定の架橋タイプを分解し、増大した圧縮永久歪み及び低い保持封止力等の不十分な熱エージングされた特性をもたらすと考えられている。]
[0013] 現在開示されている完全フッ素化ゴムは、−CF3、−CF2H、−CFH2、及び/又は−CH3によって表される末端基及び低比率のカルボニル含有末端基を有する。これらの硬化組成物は、これらの完全フッ素化ゴムから派生する最終物品が保持封止力及び圧縮永久歪み等の優れた物理的特性を見せるため、予想外の結果を呈する。]
[0014] 代表的なペルフルオロエラストマーゴムとしては、ペルフルオロオレフィン、ペルフルオロ(アルキニルビニル)エーテル及びペルフルオロ(アルコキシビニル)エーテルから成る群から選択されるペルフルオロビニルエーテル、並びにこれらの混合物の共重合単位が挙げられる。代表的な完全フッ素化オレフィンとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)が挙げられる。]
[0015] 好適なペルフルオロビニルエーテルは、式:
CF2=CFO(Rf”O)n(Rf’O)mRf
のものであり、式中、Rf”及びRf’は、独立して、2〜6個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキレン基であり、m及びnは、独立して、0〜10であり、Rfは、1〜6個の炭素原子のペルフルオロアルキル基である。]
[0016] ペルフルオロ(アルキルビニル)エーテルの好ましい部類としては、式:
CF2=CFO(CF2CFXO)nRf
の組成物が挙げられ、式中、Xは、F又はCF3であり、nは、0〜5であり、Rfは、1〜6個の炭素原子のペルフルオロアルキル基である。好ましいペルフルオロ(アルキルビニル)エーテルは、nが0又は1であり、Rfが1〜3個の炭素原子を含有するものである。そのような完全フッ素化エーテルの例としては、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル、ペルフルオロ(エチルビニル)エーテル、及びペルフルオロ(プロピルビニル)エーテルが挙げられる。他の有用なモノマーとしては、式:
CF2=CFO[(CF2)mCF2CFZO]nRf
の化合物が挙げられ、式中、Rfは、1〜6個の炭素原子のペルフルオロアルキル基であり、m=0又は1であり、n=0〜5であり、Z=F又はCF3である。この部類の好ましい成員は、RfがC3F7であり、m=0であり、n=1のものである。有用なペルフルオロ(アルキルビニル)エーテルの他の例としては、
CF2=CFO[(CF2CFCF3O)n(CF2CF2CF2O)m(CF2)p]CxF2x+1
が挙げられ、式中、m及びn=1〜10であり、p=0〜3であり、x=1〜5である。この部類の好ましい成員としては、n=0〜1であり、m=0〜1であり、x=1である化合物が挙げられる。]
[0017] ペルフルオロ(アルコキシビニル)エーテルを使用してもよい。有用なペルフルオロ(アルコキシビニル)エーテルの例としては、
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2O)mCnF2n+1
が挙げられ、式中、n=1〜5であり、m=1〜3であり、好ましくは、n=1である。]
[0018] 有用なペルフルオロ(アルキルビニル)エーテルの具体例としては、CF2=CFOCF3、CF2=CFOCF2CF2CF2OCF3、CF2=CFOCF2OCF2CF2CF3、CF2=CFOCF2CF3、CF3CF2OCF2OCF=CF2、CF2=CFOCF2CF2OCF3、及びこれらの組み合わせが挙げられる。]
[0019] ペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル及びペルフルオロ(アルコキシビニル)エーテルの混合物を使用してもよい。]
[0020] 好ましいポリマーは、主要モノマー単位として、TFE及び少なくとも1つのペルフルオロ(アルキルビニル)エーテルから成る。そのようなポリマーでは、共重合完全フッ素化エーテル単位は、ポリマー内の総モノマー単位の約1〜50モルパーセントから構成される。好適な主要モノマーの例としては、ペルフルオロオレフィン(例えば、TFE及びHFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ペルフルオロビニルエーテル(例えば、ペルフルオロアルキルビニルエーテル及びペルフルオロアルコキシビニルエーテル)、及び、任意に、少量(つまり、硬化部位モノマーと同じような量)のペルフルオロアルキルビスオレフィン(例えば、CH2(CF2)6CHCH2))、2H−ペンタフルオロプロペン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニルデン、又はオレフィン(例えば、エチレン、プロピレン)及びVDF等のその他の水素含有モノマーが挙げられる。]
[0021] いくつかの実施形態では、フルオロポリマーは、TFE、CTFE、並びに/又は、式:CF2=CF−Rf1、CF2=CF−O−Rf2、及びCH2=CR32で表される1つ以上のエチレン性不飽和モノマーから派生するブロックコポリマー若しくは不規則に共重合(つまり、インターポリマー化)されたモノマー単位を含み、式中、Rf1は、ペルフルオロアルキルであり、Rf2は、ペルフルオロアルキル又はペルフルオロアルコキシであり、各R3は、独立して、H、F、Cl、Br、I、又は脂肪族基から選択される。いくつかの実施形態では、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、及び脂肪族基は、F、Br、I、及び/又はCl置換基を有する。]
[0022] いくつかの実施形態では、フルオロポリマーは、それぞれ、TFE、及び完全フッ素化アルキルビニルエーテル、完全フッ素化アルコキシアルキルビニルエーテル、完全フッ素化アルケニルビニルエーテル、又は完全フッ素化アルコキシアルケニルビニルエーテルのうちの少なくとも1つから派生する、少なくとも2つのインターポリマー化モノマー単位を含む。]
[0023] 連鎖移動剤は、分子量を制御するために、重合中にペルフルオロエラストマーモノマーに添加してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、エタン及びn−ペンタン等のアルカン、ジメチルエーテル等のジアルキルエーテル、メチル第3ブチルエーテル、チオール、又は、式RfBrxを有する化合物を挙げることができ、式中、Rfは、任意に塩素原子を含むx原子価の(ペル)フルオロアルキルラジカルC1〜C12であり、xは、1又は2である。連鎖移動剤として、ペルフルオロアルキル−塩化物、臭化物、又はヨウ化物も挙げることができる。好適な連鎖移動剤の例としては、CF2Br2、Br(CF2)2Br、Br(CF2)4Br、CF2ClBr、CF3CFBrCF2Br等が挙げられる。好適な連鎖移動剤の更なる例としては、CH2Br2及び米国特許第4,000,356号に開示されるものが挙げられる。別の好適な連鎖移動剤は、CH2I2、CF2I2、ICF2CF2CF2CF2I、CF3I、CH3I等のヨウ素含有連鎖移動剤である。]
[0024] ポリマーは、バルク、溶液、不活性溶媒、水性懸濁液、又は水性乳剤のいずれかのフリーラジカル生成開始剤の存在下において適切なペルフルオロエラストマーモノマー混合物の重合によって調製することができる。そのような重合は、通常、圧力下のモノマーを攪拌反応器内に注ぎ、重合を開始することによって、水性媒体内で実行される。重合系は、緩衝剤、及び必要に応じて、錯体形成剤又は連鎖移動剤等の助剤を含んでもよい。重合温度は、10℃〜180℃、典型的には、30℃〜100℃であってよい。重合圧力は、0.1〜4MPa(1〜40バール)、典型的には、0.3〜3MPa(3〜30バール)であってよい。]
[0025] フリーラジカル重合を開始するために使用してもよい開始剤系としては、例えば、酸化剤及び還元剤の組み合わせ(例えば、ペルフルオロアルキルスルフィン酸塩、及びペルフルオロアルキルスルフィン酸塩をペルフルオロアルキルスルホニルラジカルに酸化させ、その後、ペルフルオロアルキルラジカルを生成することが可能な好適な酸化剤)等のレドックス反応を介してフリーラジカルを生成する開始剤系が挙げられる。この目的のための好適な酸化剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、及び過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩が挙げられる。米国特許第5,639,837号に説明される臭素酸塩、塩素酸塩、及び次亜塩素酸塩等の他の酸化剤も使用することができる。還元剤の特に有用な部類は、ペルフルオロアルキルスルフィン酸塩であるが、亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム)、メタ重亜硫酸塩(例えば、亜硫酸水素ナトリウム又はカリウム)、ピロ亜硫酸塩、及びチオ硫酸塩等の他の還元剤も存在してよい。更に、Na2S2O5、並びに銅、鉄、及び銀等の金属イオンを使用してもよい。]
[0026] ハロゲン化物及び擬似ハロゲン化物を開始剤系に添加して、カルボニル含有末端基の積分吸光度比を更に減少させてもよい。これらは、例えば、米国特許第6,812,310号、及び米国特許第6,825,300号に説明されている。]
[0027] フッ素化及び炭素水素有機過酸化物も、開始剤として使用してよい。]
[0028] 用いられる開始剤の量は、典型的に、重合混合物の総重量に基づき、0.03重量%〜2重量%、好ましくは、0.05重量%〜1重量%である。開始剤の全量は、重合の開始時に添加してもよいし、又は開始剤は、重合中に連続方式で重合に添加することができる。好ましくは、開始剤は、ポリマーへのモノマーの転化が70%〜80%達成されるまで添加される。開始剤の一部を開始時に添加することもでき、残りを重合中に一度に又は別々の追加部分で添加することができる。]
[0029] 重合は、溶媒重合又は乳化重合であってよい。溶媒重合は、典型的には、非テロゲン(non-telogenic)有機溶媒、例えばハロペルフルオロ又はペルフルオロ液体中で行われる。任意の可溶性ラジカル開始剤、例えば、ビス(ペルフルオロアシル)過酸化物を使用することができる。重合は、典型的には、25〜80℃の範囲の温度及び0.3〜5.0MPa(2〜50バール)の範囲の圧力で行われる。]
[0030] 水性乳化重合は、連続的に行われることができ、例えば、得られる乳剤又は懸濁液を連続的に除去しながら、モノマー、水、任意に更なる乳化剤、緩衝剤、及び触媒が、最適な圧力及び温度条件下で攪拌反応器に連続的に注がれる。代替技術は、成分を攪拌反応器に注ぎ、それらを設定温度で一定時間反応させるか、又は所望量のポリマーが形成されるまで、一定圧力を維持するように、成分を反応器内に装入し、モノマーを反応器に注ぐことを特徴とする、バッチ又は半バッチ(半連続的)重合である。重合は、ガス状フッ素化モノマーの乳化重合のために使用される標準容器又は従来型容器内で実施することができる。]
[0031] 乳化重合を実施する場合、無乳化剤重合に加えて、完全フッ素化、部分的フッ素化、及び炭化水素乳化剤を使用してよい。一般的に、これらの乳化剤は、ポリマーに対して約0.02重量%〜約3重量%を含む。]
[0032] フッ素化及び部分的フッ素化乳化剤としては、フッ素含有モノマーの乳化重合において一般に使用されるようなものが挙げられる。そのような乳化剤の例としては、6〜20個の炭素原子、好ましくは6〜12個の炭素原子を有するフルオロアルキルカルボン酸及びそれらの塩が挙げられる。塩としては、アルキル鎖内に4〜11個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキル含有カルボン酸及びスルホン酸のリチウム−、ナトリウム−、又はアンモニウム塩を挙げることができる。具体例としては、ペルフルオロオクタン酸アンモニウム(APFO)、(米国特許第2,567,011号に説明)、Bayer AGから市販されているC8F17SO3Li、C4F9SO3Li及びC4F9SO3K(米国特許第2,732,398号に説明)が挙げられる。ペルフルオロアルキル含有カルボン酸塩の更なる例は、C8F17SO2N(C2H5)CH2COOKである(例えば、米国特許第2,809,990号を参照)。]
[0033] かかる乳化剤の更なる例としては、式:[Rf−O−L−COO−]iXi+を有する、完全フッ素化及び部分的フッ素化乳化剤も挙げられ、式中、Lは直鎖の、部分的に若しくは完全にフッ素化されたアルキレン基又は脂肪族炭化水素基を表し、Rf基は直鎖の、部分的に若しくは完全にフッ素化された脂肪族基又は1つ以上の酸素原子によって中断された直鎖の、部分的に若しくは完全にフッ素化された脂肪族基を表し、Xi+は価数iを有するカチオンを表し、iは1、2又は3である(例えば米国特許第2007/0015864号を参照)。一例としては、CF3O(CF2)3OCFHCF2COONH4が挙げられる。]
[0034] そのような乳化剤の更なる例としては、式(I)又は(II)の完全フッ素化ポリエーテル乳化剤もまた挙げられ、CF3−(OCF2)m−O−CF2−X(I)において、mは、1〜6の値を有し、Xはカルボン酸基又はその塩を表し、CF3−O−(CF2)3−(OCF(CF3)−CF2)z−O−L−Y(II)において、zは0、1、2又は3の値を有し、Lは−CF(CF3)−、−CF2−及び−CF2CF2−から選択される二価連結基を表し、Yはカルボン酸基又はその塩を表す(例えば米国特許公開第2007/0015865号を参照)。一例としては、CF3O(CF2)3OCF2COONH4が挙げられる。]
[0035] そのような乳化剤の更なる例としては、式:Rf−O(CF2CF2O)mCF2COOAを有する完全フッ素化ポリエーテル乳化剤が挙げられ、式中、Rfは、n=1〜4のCnF(2n+1)であり、Aは、水素原子、アルカリ金属又はNH4であり、mは、1〜3の整数である(例えば米国特許第2006/0199898号を参照)。かかる乳化剤の更なる例としては、式:F(CF2)nO(CF2CF2O)mCF2COOAを有する完全フッ素化乳化剤もまた挙げられ、式中、Aは水素原子、アルカリ金属又はNH4であり、nは3〜10の整数であり、mは0又は1〜3の整数である(例えば米国特許公開第2007/0117915号を参照)。]
[0036] かかる乳化剤の更なる例としては、米国特許第6,429,258号に記載されているようなフッ素化ポリエーテル乳化剤、並びに完全フッ素化された又は部分的フッ素化されたアルコキシ酸及びそれらの塩(ここで、ペルフルオロアルコキシのペルフルオロアルキル成分は4〜12個の炭素原子、好ましくは7〜12個の炭素原子を有する)が挙げられる(例えば米国特許第4,621,116号を参照)。]
[0037] 他の代表的乳化剤としては、式:[Rf−(O)t−CHF−(CF2)n−COO−]iXi+を有する、部分的フッ素化ポリエーテル乳化剤が挙げられ、式中、Rfは部分的に又は完全にフッ素化された脂肪族基(所望により、1つ以上の酸素原子によって中断されている)を表し、tは0又は1であり、nは0又は1であり、Xi+は価数iを有するカチオンを表し、iは1、2、又は3である(例えば米国特許公開第2007/0142541号を参照)。]
[0038] 更なる代表的乳化剤としては、米国特許公開第2006/0223924号、同第2007/0060699号、同第2007/0142513号及び同第2006/0281946号に説明されている完全フッ素化された又は部分的フッ素化されたエーテル含有乳化剤が挙げられる。]
[0039] 完全フッ素化、部分的フッ素化及び/又は無APFO乳化剤は、米国特許第5,442,097号、同第6,613,941号、同第6,794,550号、同第6,706,193号及び同第7,018,541号に説明されるとおり、フルオロポリマーラテックスから除去することもできるし又は再利用することもできる。]
[0040] 一態様では、本開示のペルフルオロエラストマーは、−CF3、−CF2H、−CFH2、−CH3、及びこれらの組み合わせによって表される末端基を含む。いくつかの実施形態では、CF3、−CF2H、−CFH2、及び−CH3は、ペルフルオロエラストマーゴムの末端基の50%超、ペルフルオロエラストマーゴムの末端基の75%超を含むか、又はペルフルオロエラストマーゴムの検出可能な末端基のみであってよい。]
[0041] −CF3、−CF2H、−CFH2、及び−CH3によって表される末端基を有するペルフルオロエラストマーは、ペルフルオロ脂肪族スルフィン酸及び特定の酸化剤の存在下で、フルオロポリマーを重合することによって得ることができる。本明細書において、ペルフルオロ脂肪族とは、スルフィン酸塩基に結合する1つ又は2つの自由原子価を有するアルキル、アルキレン、アルケニル、又はアルケニレン基を意味する。ペルフルオロ脂肪族基は、酸素又はへテロ原子等の1つ以上の官能基で置換されてもよく、これは、1つ以上のエーテル基等のように重合を阻害しない。ペルフルオロ脂肪族基は、1〜20個の炭素原子を含んでよい。好適なペルフルオロ脂肪族基としては、ペルフルオロ−n−アルキル、例えば1〜10個の炭素原子を含むペルフルオロ−n−アルキル、ペルフルオロアルキル、ω−ヒドロペルフルオロ−n−アルキル、CF2=CFOCF(CF3)CF2OCF2CF2−、及びペルフルオロ−n−アルケニルが挙げられる。少量の水素原子は、ペルフルオロアルキル基、例えば、CF3CH2OCF2CHFOCF2CF(CF3)OCF2CF2−、H2FC(CF2)xCF2−、及びH(CF2)xCF2−内に存在してもよく、式中、xは、2〜10である。]
[0042] ペルフルオロ脂肪族スルフィン酸塩は、式[(R1SO2)n]qMrを有してもよく、式中、R1は、ペルフルオロ脂肪族であり、Mは、電荷sのカチオンであり、sは、1又は2であり、nは、1又は2の整数であり、かつR1の自由原子価の数に一致し、r及びqは、1又は2である。等式q・n=r・sが満たされる(つまり、この化合物が電気的に中性である)限り、n、q、r、及びsのうちのいずれか、いくつか、又はすべてが1であることが好ましい。Mが金属又はアンモニウムの場合、化合物はペルフルオロ脂肪族スルフィン酸塩であり、Mが水素の場合、化合物はペルフルオロ脂肪族スルフィン酸である。Mは、ナトリウム又はアンモニウム等のアルカリ金属であってよい。]
[0043] ペルフルオロ脂肪族スルフィン酸塩又はスルフィン酸のための特定の酸化剤は、過硫酸塩、又はアルカリ金属若しくはアンモニウムカチオンを有する臭素酸塩、塩素酸塩、若しくは次亜塩素酸塩から生成される、硫酸ラジカルアニオンである。酸化剤は、指定化合物として添加してもよく、又は重合プロセス中にその場で形成されてもよい(例えば、米国特許第5,639,837号を参照)。]
[0044] 更に、重合中、塩素アニオン、シアン酸アニオン、チオシアン酸アニオン、又はこれらの組み合わせから選択されるアニオンを任意に添加してもよい。]
[0045] 本開示のペルフルオロエラストマーゴムは、低比率のカルボニル含有末端基を有する。
熱処理を使用して、イオン化又はイオン性カルボニル含有末端基を実質的に含まないペルフルオロエラストマーゴムを得ることは、当該技術分野において既知である。例えば、過硫酸フリーラジカル開始剤の存在下で完全フッ素化モノマー及び硬化部位モノマーの重合に続き、ペルフルオロエラストマーを少なくとも部分的に脱炭酸するための熱処理を説明する、米国特許第5,936,060号(Schmiegel)を参照されたい。]
[0046] 対照的に、本開示のペルフルオロエラストマーゴムは、重合プロセスにより低比率のカルボニル含有末端基を有する。その後のカルボニル含有末端基を還元するための熱処理は、不必要である場合がある。例えば、カルボニル含有末端基の量は、好適な完全フッ素化スルフィン酸塩及び好適な酸化剤、例えば、過硫酸アンモニウム及びペルフルオロアルキルスルフィン酸アンモニウムが使用される場合に減少される。しかしながら、低レベルのカルボニル含有末端基は、硫酸ラジカルアニオンによる開始の完全フッ素化モノマー、例えば、テトラフルオロエチレンとの競合の結果として、得られるペルフルオロエラストマーゴム上に依然として存在し得る。]
[0047] Logothetis,Progress in Polymer Science,Vol.14、251〜296(1989)に説明されるとおり、過硫酸塩開始剤を使用する熱開始において、硫酸ラジカルアニオンは、フルオロモノマーの存在下で開始剤として機能し、得られる末端基は、水の加水分解から得られるカルボン酸基である。レドックス開始系では、開始は、硫酸塩又は亜硫酸塩ラジカルのいずれかで行うことができ、主にカルボン酸塩及びスルホン酸塩である末端基がもたらされる。]
[0048] 本開示のペルフルオロエラストマーゴムは、−CF3、−CF2H、−CFH2、−CH3、及びこれらの組み合わせによって表される末端基を有する。これらの末端基は、Schmiegelに説明される複数のカルボン酸塩末端基を有する完全フッ素化ポリマーの典型的な熱分解では得られない。Schmiegelにより説明されるプロセスは、これらのカルボン酸塩末端基を非イオン末端基であり得る酸フッ化物末端基に一時的に変換するが、これらの酸フッ化物末端基は、環境の周囲水によってゆっくりと加水分解され、それは、カルボキシル末端基に変換し戻される。カルボン酸塩末端基の酸フッ化物末端基への高温転換は、Pianca,et al.,Journal of Fluorine Chemistry,Vol.95,71〜84,(1999)に説明されている。
いくつかの実施形態では、ペルフルオロエラストマーゴムは、以下の臭素、塩素、ヨウ素、及びニトリル末端基のうちの少なくとも1つから選択される末端基を含む。]
[0049] いくつかの実施形態では、ペルフルオロエラストマーゴムは、a)カルボニル含有末端基を有するもの以外のイオン性又はイオン化末端基、b)臭素、塩素、ヨウ素、及びニトリル末端基、並びにc)COF末端基、から選択される末端基を実質的に含まない。グループa)イオン性又はイオン化末端基を実質的に含まないということに関しては、存在するポリマー末端基の5%未満がイオン化又はイオン性であることを意味する。イオン化又はイオン性末端基とは、酸末端基及び酸の塩である末端基を意味する。臭素、塩素、及びヨウ素末端基を実質的に含まないとは、0.01重量%未満の臭素、塩素、及びヨウ素がポリマー末端基内に存在することを意味する。ニトリル末端基を実質的に含まないとは、0.01重量%未満のニトリルがポリマー末端基内に存在することを意味する。グループc)COF末端基を実質的に含まないということに関しては、FTIR分光法によって検出可能なCOF基が1%未満であることを意味する。]
[0050] COF末端基は、カルボキシル末端基の熱分解によって、又は重合反応によって得ることができる(例えば、Pianca,et al.,Journal of Fluorine Chemistry,Vol.95,71〜84,(1999)を参照)。]
[0051] 本開示の組成物は、低カルボニル含有末端基を有するペルフルオロエラストマーゴムである。ペルフルオロエラストマーのカルボニル含有量は、フーリエ変換赤外分光分析(FTIR)に基づく積分吸光度比法によって決定することができる。具体的には、ポリマー内のカルボキシル、カルボン酸塩、及びカルボキサミド基の総含有量は、FTIR分光計を使用して薄いポリマーフィルムの積分カルボニル吸光度(つまり、1620〜1840cm−1の領域内の全ピークの総面積)を測定することによって決定される。異なるポリマー試料内のカルボニルレベルを比較するために、積分吸光度を、ポリマーフィルムの厚さにおける差異のために、カルボニル積分吸光度比を取って厚みバンド積分吸光度に正規化する。厚みバンド積分吸光度は、2200〜2740cm−1の領域内の全ピークの総面積である。後者の領域内のピークの積分吸光度は、ポリマーフィルムの厚さに比例する。本開示に有用なポリマーは0.08未満、0.05未満、又は更には0.01未満の積分吸光度比を有する。]
[0052] ピーク高吸光度方法を使用して、カルボキシル、カルボン酸塩、及びカルボキサミド基を決定することもできる。この試験は、ペルフルオロエラストマーの圧縮フィルムのFT−IRスペクトルにおける突出したピーク下の積分吸光度に補正されたベースラインに依存する。特に、約1620cm−1〜1840cm−1の最も突出したピークの積分吸光度を測定する。これらのピークは、ポリマー内に存在するカルボニル部分に起因する吸光度と一致する。1620cm−1〜1840cm−1の範囲内の最も強いピーク下の積分吸光度に補正されたこのベースラインは、2220cm−1〜2740cm−1のC−F高次倍音の積分吸光度に補正されたベースラインによって分割され、これは、試料の厚さを示す。これは、ポリマーのカルボキシル、カルボン酸塩、及びカルボキサミド含有量を特徴付けるカルボニル吸光度比を与える。]
[0053] 別の実施形態では、本開示のポリマーは、低レベルのカルボニルフッ化物末端基を有するペルフルオロエラストマーを有する。低レベルとは、FTIR(1830〜1900cm−1)で分析されたときに、ペルフルオロエラストマーゴム内のカルボニルフッ化物基の量が10%未満、5%未満、又は更には1%未満であることを意味する。別の実施形態では、ペルフルオロエラストマーは、カルボニルフッ化物末端基を実質的に含まず、これは、FTIRで分析されたときに、ペルフルオロエラストマーゴム内のカルボニルフッ化物基の量が0.5%未満であることを意味する。カルボニルフッ化物末端基は、最も突出したカルボニルフッ化物のピークが約1848cm−1及び1884cm−1で生じることを除き、上述のFTIR方法を使用して決定することができ、これは、当該技術分野において周知のとおり、高次カルボニルフッ化物に対応する。]
[0054] 別の実施形態では、本開示のペルフルオロエラストマーは熱処理されず(つまり、ペルフルオロエラストマーゴムを脱炭酸するのに熱を使用しない)、FT−IR(1830〜1900cm−1)によって測定される際にCOF末端基も含まない。本開示上、非熱処理とは、ペルフルオロエラストマーが150℃以上、175℃以上、200℃以上、225℃以上、又は更には250℃以上の温度に供されないことを意味する。]
[0055] 窒素含有硬化部位の構成成分は、ペルフルオロエラストマーゴムを硬化させて本開示の硬化フルオロエラストマーの形成を可能にする。窒素含有硬化部位を含むフルオロポリマーを調製するのに有用な窒素含有基を含むモノマーの例としては、フリーラジカル重合可能なニトリル、イミダート、アミジン、アミド、イミド、及びアミンオキシドが挙げられる。]
[0056] 窒素含有硬化部位を有する有用な完全フッ素化ビニルエーテルとしては、例えば、ペルフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)、CF2=CFO(CF2)LCN(式中、Lは、2〜12の整数である)、CF2=CFO(CF2)uOCF(CF3)CN(式中、uは、2〜6の整数である)、CF2=CFO[CF2CF(CF3)O]q(CF2O)yCF(CF3)CN(式中、qは、0〜4の整数であり、rは、0〜6の整数である)、又はCF2=CF[OCF2CF(CF3)]rO(CF2)tCN(式中、rは、1又は2であり、tは、1〜4の整数である)、並びに前述の誘導体及び組み合わせが挙げられる。]
[0057] ペルフルオロエラストマーは、架橋反応に対して硬化部位として機能することができる十分な量の窒素官能基を含有していなくてはならない。一実施形態では、窒素含有官能基は、ニトリル含有基である。ニトリル基は、ニトリル含有硬化部位モノマーの使用によって導入することができる、つまり、ニトリル基は、重合中にポリマーに導入される。しかしながら、他の導入方法も本開示で考慮する。ニトリル含有硬化部位モノマーの例としては、CF2=CFOCF2(CF2)3CF2CN、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CN、又はこれらの組み合わせが挙げられる。]
[0058] フルオロポリマーの側鎖位置における窒素含有硬化部位の量は、一般的に、約0.05〜約5モル%、又は更には0.1〜2モル%である。]
[0059] フルオロエラストマーゴムは、過酸化物硬化反応に関与することが可能なハロゲン含有材料も含んでよい。一般に、ハロゲンは臭素又はヨウ素である。好適な硬化部位の構成成分としては、ブロモジフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、及びイオドトリフルオロエチレン、並びに4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1等の2〜4個の炭素原子の末端不飽和のモノオレフィンが挙げられる。他の好適な硬化部位構成成分の例としては、CF2=CFOCF2CF2Br、CF2=CFOCF2CF2CF2Br、及びCF2=CFOCF2CF2CF2OCF2CF2Brが挙げられる。好ましくは、全て又は本質的に全てのこれらの構成成分は、エチレン性不飽和モノマーである。]
[0060] 硬化剤をペルフルオロエラストマーゴムに添加してフルオロポリマーを架橋する。一般に、1つ以上の組成物を含み得る硬化剤の有効量は、重量基準で硬化性組成物100部当たり少なくとも約0.1部の硬化剤、より典型的には、硬化性組成物100部当たり少なくとも約0.5部の硬化剤である。重量基準で、硬化剤の有効量は、典型的に、硬化性組成物100部当たり約10部未満の硬化剤、より典型的には、硬化性組成物100部当たり約5部未満の硬化剤であるが、より多い及びより少ない量の硬化剤を使用してもよい。]
[0061] 硬化剤(Curing agents)は、硬化剤(curatives)及び硬化触媒を含むことができる。硬化剤には、とりわけ、過酸化物、トリアジン形成硬化剤、ベンゾイミダゾール形成硬化剤、ベンゾキサゾール形成硬化剤、アジピン酸塩、及びアセタート等を含む、当該技術分野において既知のものを挙げることができる。これらの硬化剤は、それ自体で、又は別の硬化剤若しくは複数の硬化剤と組み合わせて使用することができる。]
[0062] 過酸化物は、硬化剤としても使用することができる。有用な過酸化物は、硬化温度でフリーラジカルを生成するものである。50℃を超える温度で分解するジアルキル過酸化物又はビス(ジアルキル過酸化物)が特に好ましい。多くの場合、ペルオキシ酸素に結合した三級炭素原子を有するジ−第3ブチルペルオキシドを使用することが好ましい。選択される過酸化物には、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルペルオキシ)3−へキシン、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルペルオキシ)ヘキサン、過酸化ジクミル、過酸化ジベンゾイル、第3ブチルペルベンゾアート、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン)、並びにジ[1,3−ジメチル−3−(t−ブチルペルオキシ)−ブチル]炭酸塩を挙げることができる。一般に、ペルフルオロエラストマー100部当たり約1〜3部の過酸化物が使用される。]
[0063] 一実施形態では、硬化剤は、トリアジン形成硬化ネットワークから選択することができる。そのような硬化剤としては、有機スズ化合物(プロパルギル−、トリフェニル−及びアレニル、テトラアルキル−、並びにテトラアリールスズ硬化剤等)、アンモニア生成化合物(例えば、米国特許第6,281,296号を参照)、ペルフルオロオクサン酸アンモニウム(例えば、米国特許第5,565,512号を参照)及びアミジン(例えば、米国特許第6,846,880号を参照)等のアンモニウム塩、イミダート(例えば、米国特許第6,657,013号を参照)、金属アミン錯体(例えば、米国特許第6,657,012号を参照)、並びに塩酸塩(例えば、米国特許第6,794,457号を参照)が挙げられる。]
[0064] 別の実施形態では、フルオロエラストマー組成物は、アンモニア生成触媒と共に1つ以上の過酸化物硬化剤を使用して硬化することができる。硬化触媒は、例えば、第1の構成成分及び第2の構成成分を含むことができ、第1の構成成分は、R’C(CF2R)O−Q+(式中、Q+は、非妨害有機ホスホニウム、有機スルホニウム、又は有機アンモニウムカチオンであり、各Rは、独立して、H、ハロゲン、ヒドロカルビル基、又はハロゲン化ヒドロカルビル基を表し、ヒドロカルビル基の少なくとも1つの炭素原子は、N、O、及びSから選択される1つ以上のへテロ原子で更に置換されてもよく、R’は、H、ヒドロカルビル基、又はハロゲン化ヒドロカルビル基を表し、ヒドロカルビル基の少なくとも1つの炭素原子は、N、O、及びSから選択される1つ以上のへテロ原子で更に置換されてもよいか、又はR若しくはR’のうちの任意の2つは、共に、二価ヒドロカルビレン基を形成してもよく、ヒドロカルビレン基の少なくとも1つの炭素原子は、N、O、及びSから選択される1つ以上のへテロ原子で更に置換されてもよい)によって表され、第2の構成成分は、[N≡CCFR”]bZ(式中、各R’’は、独立して、F又はCF3を表し、bは、任意の正整数を表し、zは、妨害基を含まないb−原子価有機部分を表す)によって表される。例えば、米国特許第7,294,677号を参照のこと。例としては、CF3OCF2CF2CN及びテトラブチルホスホニウム2−(p−トルイル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシドの反応生成物、CF3OCF2CF2CN及びテトラブチルアンモニウム2−(p−トルイル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシドの反応生成物、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。]
[0065] 1つ以上のアンモニア生成化合物を含む触媒を使用して硬化をもたらしてもよい。アンモニア生成化合物は、周囲条件で固体又は液体であるが、硬化条件下でアンモニアを生成する化合物を含む。そのような化合物としては、例えば、ヘキサメチレンテトラアミン(ウロトロピン)、ジシアンジアミド、及び式Aw+(NH3)vYw−の金属含有化合物が挙げられ、式中、Aw+は、Cu2+、Co2+、Co3+、Cu+、Ni2+等の金属カチオンであり、wは、金属カチオンの価数に等しく、Yw−は、対イオンであり、典型的には、ハロゲン化物、サルフェート、ニトレート、アセテート等であり、vは、1〜約7の整数である。]
[0066] 次式を有するものなどの置換及び非置換トリアジン誘導体もまたアンモニア生成化合物として有用である。



式中、Rは、水素又は1〜約20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル、アリール、若しくはアラルキル基である。特定の有用なトリアジン誘導体としては、ヘキサヒドロ−1,2,5−s−トリアジン及びアセトアルデヒドアンモニア3量体が挙げられる。]
[0067] 一実施形態では、硬化剤は、以下から選択することができる。







式中、Aは、SO2、O、CO、1〜6個の炭素原子のアルキル、1〜10個の炭素原子のペルフルオロアルキル、又は米国特許第6,114,452号に開示されるもの等の2つの芳香環を連結する炭素−炭素結合である。例えば、有用な硬化剤には、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン等のビス(アミノフェノール)、4,4’−スルホニルビス(2−アミノフェノール)等のビス(アミノチオフェノール)、3,3’ジアミノベンジジン等のテトラアミン、及び4,4’−テトラアミノベンゾフェノンを挙げることができる。]
[0068] ビスアミドラゾン化合物、例えば、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンビスアミドラゾン、並びにビスアミドラゾン及びビスアミドオキシムも、硬化剤として使用してよい。]
[0069] 別の実施形態では、次式の硬化剤(又はその前駆体)を使用してもよい:
{R(A)n}(−n){QR’k(+)}n
(式中、Rは、C1〜C20アルキル若しくはアルケニル、C3〜C20シクロアルキル若しくはシクロアルケニル、又はC6〜C20アリール若しくはアラルキルであり、それは、非フッ素化、部分的フッ素化、若しくは完全フッ素化、又は水素であり得る)。Rは、少なくとも1つのヘテロ原子、つまり、O、P、S、又はN等の非炭素原子を含むことができる。Rは、置換することもでき、基の1つ以上の水素原子がCl、Br、又はIで置換される。{R(A)n}(−n)は、酸アニオン又は酸誘導体アニオンであり、nは、アニオン内のA基の数である。Aは、酸アニオン又は酸誘導体アニオンであり、例えば、Aは、COOアニオン、SO3アニオン、SO2アニオン、SO2NHアニオン、PO3アニオン、CH2OPO3アニオン、(CH2O)2PO2アニオン、C6H4Oアニオン、OSO3アニオン、Oアニオン(Rが水素、アリール、又はアルキルアリールである場合)、




であってよい。R’は、R(上記)として定義され、R’の特定の選択は、Aに付着したRと同一であっても異なっていてもよく、1つ以上のA基はRに付着してもよい。Qは、リン、イオウ、窒素、ヒ素、又はアンチモンであり、kは、Qの原子価である。Qが窒素であり、組成物内のフルオロポリマーのみが、本質的に、テトラフルオロエチレンのターポリマー、ペルフルオロビニルエーテル、及びニトリル基を含むペルフルオロビニルエーテル硬化部位モノマーから成るときは、R’のすべてが、Hというわけではなく、kは、Qの原子価よりも大きいものである。(例えば、米国特許第6,890,995号及び米国特許第6,844,388号を参照。)例としては、ビステトラブチルホスホニウムペルフルオロアジピン酸塩、テトラブチルホスホニウムアセテート、及びテトラブチルホスホニウム安息香酸塩を挙げることができる。]
[0070] 他の硬化剤には、ビス−アミノフェノール(例えば、米国特許第5,767,204号及び第5,700,879号を参照)、有機金属化合物(米国特許第4,281,092号を参照)、ビス−アミドオキシム(米国特許第5,621,145号を参照)、芳香族アミノ化合物、ビスアミドラゾン、ビスアミドオキシム、及びテトラフェニルスズを挙げることができる。]
[0071] 存在する硬化部位構成成分によって、二段硬化系を使用することも可能である。例えば、ニトリル含有硬化部位モノマーの共重合単位を有するペルフルオロエラストマーは、有機スズ硬化剤及び共剤と組み合わせた過酸化物の混合物を含む硬化剤を使用して硬化させることができる。]
[0072] 共剤(時折、共硬化剤と称される)は、過酸化物と連携して有用な硬化を提供することが可能なポリ不飽和化合物から成ることができる。これらの共剤は、0.1〜10phr(ゴム100部当たりの部)、又は更には1〜5phrと同等量で添加することができる。共剤は、以下の化合物のうちの1つ以上であってよい:トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリ(メチルアリル)イソシアヌレート、トリ(ジアリルアミン)−s−トリアジン、トリアリルホスフェート、N,N−ジアリルアクリルアミド、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、及びトリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレート。トリアリルイソシアヌレートが特に有用である。]
[0073] 他の有用な共剤としては、ビスオレフィンが挙げられる。(例えば、欧州特許第EP0 661 304 A1号、第EP0 784 064号、及び第EP0 769 521号を参照。)]
[0074] カーボンブラック等の添加剤、安定剤、可塑剤、潤滑剤、シリカ及びフルオロポリマー充填剤(例えば、PTFE及び/又はPFA(ペルフルオロアルコキシ)充填剤)を含む充填剤、並びにペルフルオロエラストマーの配合に通常使用される加工助剤は、それらが意図される使用条件に対して適切な安定性を有する限り、本開示の組成物に組み込まれてもよい。特に、低温性能は、ペルフルオロポリエーテルの組み込みにより強化することができる。(例えば、米国特許第5,268,405号を参照。)]
[0075] カーボンブラック充填剤は、組成物の弾性率、引張り強度、伸長、硬度、磨耗耐性、伝導度、及び加工性を調整するための手段として、エラストマーに使用される。硬化ペルフルオロエラストマー組成物では、小粒径で高表面積のカーボンブラックが、最適な充填剤とされてきた。好適な例としては、MTブラック(メディアム・サーマル・ブラック)(名称:N−991、N−660、N−908、及びN−907)、及び大粒径ファーネスブラックが挙げられる。使用されるとき、1〜70phr(ゴム100部当たりの部)の大粒径ブラックが、通常十分である。]
[0076] また、フルオロポリマー充填剤も、組成物内に存在してよい。一般的に、1〜50phrのフルオロポリマー充填剤が使用され、好ましくは、少なくとも約5phrのフルオロポリマー充填剤が存在する。フルオロポリマー充填剤は、ペルフルオロエラストマー組成物の製造及び硬化に使用される最高温度で固体である、任意の超微粒子状で容易に分散されるプラスチック性フルオロポリマーであってよい。固体とは、部分的に結晶化している場合、フルオロプラスチックがペルフルオロエラストマーの処理温度より高い結晶融解温度を有することを意味する。そのような超微粒子状で容易に分散されるフルオロプラスチックは、一般に微粉末又はフルオロ添加剤と称される。微粉末は、通常、部分的に結晶性のポリマーである。]
[0077] 本開示の組成物に使用することができる微粉末としては、TFEポリマーと称されるポリマーの群に基づくベースのものを挙げることができるが、これらに限定されない。この群としては、樹脂が非溶解で製造可能のままである、そのような少濃度の少なくとも1つの共重合可能な変性モノマー(変性PTFE)を有する、TFE(PTFE)のホモポリマー及びTFEのコポリマーが挙げられる。変性モノマーは、例えば、HFP、ペルフルオロ(プロピルビニル)エーテル、ペルフルオロブチルエチレン、クロロトリフルオロエチレン、又はポリマー分子内に側基を導入する別のモノマーであってよい。ポリマー内のそのような共重合調整剤の濃度は、通常5モル%未満である。本発明に使用することができるPTFE及び変性PTFE樹脂としては、懸濁液重合及び乳化重合から派生するものの両方が挙げられる。]
[0078] フルオロポリマー類のブレンドが所望される場合、1つの有用な導入経路は、典型的に、フルオロポリマーラテックス類を選択された比率でブレンドしその後凝析及び乾燥させることによるものである。]
[0079] 硬化性組成物は典型的には、1つ以上のフルオロポリマー(類)、触媒、いずれかの選択された添加剤又は添加剤類、いずれかの追加の硬化剤類(所望される場合)、及びいずれかの他の補助剤類(所望される場合)を、従来のゴム加工装置中で混合することによって調製できる。所望量の配合成分及び他の従来の補助剤又は成分を硬化性組成物に添加し、内部ミキサー(例えば、バンベリーミキサー(Banbury mixers))、ロールミル、又はいずれかの他の従来の混合装置等の通常のゴム混合装置のいずれかを利用することにより、密に混合するか、又はそれらと配合することができる。混合プロセス中の混合物の温度は、典型的には、組成物の硬化温度よりも低く安全に保たれる。したがって、温度は、典型的に、約120℃を超えて上昇してはならない。混合中、構成成分及び補助剤をゴム全体に均一に分配することが一般に望ましい。]
[0080] フルオロエラストマーゴム混合物は、当業者に既知のいずれかの方法によって硬化してもよく、一般的に、フルオロエラストマーゴムを硬化することができるように硬化剤が含まれる。硬化組成物は、典型的に、フルオロポリマー鎖を互いに連結させ、それによって三次元ネットワークを形成する、1つ以上の構成成分を含む。そのような構成成分には、触媒、硬化剤(curatives)、共剤、又はこれらの組み合わせ等の硬化剤を挙げることができる。]
[0081] ペルフルオロエラストマーゴム混合物の鋳型成形又はプレス硬化は、典型的に、好適な圧力下で、混合物を硬化するのに十分な温度で所望の時間だけ実行される。一般的に、これは、1分〜15時間、又は5分〜30分の時間、95℃〜230℃、又は150℃〜205℃である。700kPa〜21,000kPaの圧力が通常鋳型内の混合物に印加される。]
[0082] 鋳型成形された混合物又はプレス硬化された物品は、次いで、任意で、硬化を完結させるのに十分な温度及び時間、通常、150℃〜300℃又は230℃で、2時間〜50時間以上の間、後硬化され(例えば、オーブン内で)、通常、物品の断面の厚さと共に増大される。厚みのある部分では、後硬化中の温度は通常、前記範囲の下限から所望の最高温度まで次第に上昇される。最高使用温度は、好ましくは約300℃であり、この値を約4時間以上保持する。この後硬化工程は通常、架橋を完成させるが、硬化した組成物から残留揮発物を放出させることもできる。最後に、プレス硬化された物品は、オーブンを切ること等により周囲温度に戻される。]
[0083] ポリマーの封止特性は、圧縮応力緩和(CSR)として既知の技術を使用して決定することができる。CSRは、規定の構造(筒形であることが多い)の試料が軸方向に一定量圧縮される試験方法であり、その全高の割合として定義され、圧縮又は歪み%と注記される。これが行われてから、試料によってもたらされる対抗力を、初期及び異なる環境条件に曝露された後に経時的に室温で測定する。エラストマーは、それらが最初に圧縮されるときに、粘弾性反応を示すため、それがもたらす初期力は、時間と共に均衡安定値まで減退する。このため、初期指数には、試料が圧縮された後、一定時間を要する。この場合では、試料が圧縮された1時間後の規定の時間で行われる。初期封止力が決定されたら、試料を、高温等の規定の制御条件に曝露するか、又は特定時間の間、油若しくは他の流体に曝露することができる。これらの条件に曝露した後、試料を室温まで冷却し、次いで、封止力について再度確認する。曝露後に決定された封止力を初期の封止力と比較して比率を決定し、それは、%の保持封止力(%RSF)として報告される。封止目的において、環境曝露後に最大の%RSFを維持することが望ましい。同一条件及び同期間で曝露後に、異なる材料をこの反応に対して比較する。]
[0084] CSRジグ内で圧縮された試料の荷重−たわみ反応を使用して封止力を決定する。試料を、2つの剛体平面であるが、浮動性くさび間のCSR固定具内で圧縮する。ジグ内のキャップネジは、作業領域を画定する基板に対する固定位置で取付板を保持する。取付板を通る孔によって、圧子ピンが上部くさび上に取り付けられ、圧縮試料に荷重を印加することが可能になる。自在の試験機械を使用して、荷重を、1.3mm/分(0.05インチ/分)の遅速度で圧子ピンを通して上部くさびに印加し、かつ0.1mm(0.004インチ)偏向させて、荷重対たわみ曲線を形成する。この曲線により、試料によってもたらされた封止力を決定することが可能になる。試料によってもたらされた抵抗力に打ち勝つように圧子ピン及び上部くさびを通って力が印加されると、荷重たわみ反応が測定される。この印加された力が試料によってもたらされる力を超過するときに、上部くさびは取付板から分離し、試料は更なる圧縮を開始する。これは、反応勾配における変化をもたらし、それは、曲線の変曲点として考えることができる。この遷移が完全に明確ではない場合があるため、遷移の前後に曲線の直線部分に沿って接線を形成し、封止力を画定するために使用されるこれらの2つの線の交点のy値を決定することによって、変曲点を決定することができる。]
[0085] 封止力は、荷重たわみ反応曲線の2つの直線部分に接線を形成することによって、図式的に決定することができる。これらの線の交点を使用して、この試験の封止力を決定する。これは、荷重フレームソフトウエアでの自動方法で、又は曲線を印刷し、接線を図式的に形成することによって手動で行うことができる。対象値は、封止力(2つの線の交点における荷重値(y軸))、初期の線の勾配(システムの剛性)、及び線の第2の部分の勾配(試料の剛性)、並びに2つの値の比率(剛性比=システムの剛性/試料の剛性)である。%RSF値を、次いで、時間に対してプロットし、異なる材料を比較するために使用する。圧縮応力緩和方法及び比較についての更なる情報は、SAETechnical Papers 2000−01−0752、2001−01−0742、及び2003−01−0946で確認することができる。]
[0086] 驚くべきことに、本開示に記載の硬化組成物は、典型的に、より高いレベルのカルボニル含有末端基を有する硬化組成物と比較して、RSFを強化したことが発見された。]
[0087] 強化されたRSFは、本開示の硬化性ペルフルオロエラストマー組成物において特に重要であり、それは、ガスケット、チューブ、及びシールの生産に使用することができる。そのような物品は、圧力下で、硬化性ペルフルオロエラストマーゴムの化合物製剤をさまざまな添加剤で鋳型成形し、物品を硬化させ、次いで、それに後硬化サイクルを受けさせることによって生産することができる。本開示の硬化組成物は、優れた熱安定性及び耐化学性を有する。硬化組成物は、自動車、化学処理、半導体、航空宇宙、及び石油産業の用途に使用するためのシール及びガスケットとして特に有用である。]
[0088] 本発明の利点及び実施形態は、以下の実施例により更に例示されるが、これらの実施例に列挙したその特定の材料及び量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を過度に限定すると解釈されるべきではない。他に言及されるか、明らかでない限り、全材料は市販であるか、又は当業者に知られている。]
[0089] 本開示のフルオロポリマー組成物の調製を以下の実施例に更に説明する。これらの実施例において列挙されるその特定の材料及び量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を過度に制限しないと解釈されるべきである。これらの実施例では、全ての百分率、比率、及び比は、特に断らない限り重量による。]
[0090] 試験方法
FTIR
カルボニル含有量は、上述の一般方法を使用してフルオロポリマーゴムのFTIRスペクトルの積分吸光度比によって実施した。分析は、OMNICソフトウエア(ThermoFisher Scientific,Waltham,MA)を使用するFa Nicolet DX510FTIR分光計を使用して実施した。]
[0091] NMR分析
NMR分析をポリマーゴム上で行い、それらの組成物を決定した。試料を以下のとおりに調製した:約130mgのポリマーを約1mLのヘキサフルオロベンゼン溶媒中に溶解した。次いで、溶液に2〜3滴のCFCl3を混ぜた。溶液をNMR管に移し、376MHz 19F−NMRスペクトルがVarian UNITYで得られ、400 FT−NMR分光計(Varian Medical Systems,Palo Alto,CA)を75℃のプローブ温度で使用した。]
[0092] ムーニー粘度
ムーニー粘度値を、121℃で、大きな回転子(ML1+10)を使用して、MV2000装置(Alpha Technologies,Ohioから入手可能)によりASTMD 1646−06 Type Aと同様の方法で測定した。結果はムーニー単位で報告されている。]
[0093] VDA圧縮永久歪み
Oリングをステンレス鋼性固定具に設置し、25%の変形で、100時間、150℃で圧縮し、次いで、圧縮を解放せずに、室温で一晩放置した。Oリングをステンレス鋼性固定具から除去し、圧縮永久歪みを測定した。3つのOリングの圧縮永久歪みの平均%を図1に示す。]
[0094] 保持封止力
RSFを、圧縮応力緩和(CSR)ジグ内で圧縮された試料の荷重−たわみ反応を監視して決定した。各ポリマー例に対して3つの試料を試験した。ポリマー試料をCSRセンタリングジグ(社内製造、DyneonLLC,Oakdale,MN)内で圧縮した。ポリマー試料を、2つの剛体平面であるが浮動性のくさび間のジグ内で圧縮した。第1のくさびをジグの中心に横付け、3つのセンタリングウェッジをジグに使用して、取付板が締められている間に試料が中心に残ったままになるように、第1のくさびを並べた。少量のシリコーンオイルを試料の上部及び下部に塗布し、ペーパータオルで油を拭き取って、試験試料を潤滑化した。試料を第1のくさび上に設置し、センタリングウェッジで中央にした。第1のくさび及び試料の厚さに基づき、25%の圧縮を達成するように第2のくさびの厚さを選択した。第2のくさびを試料の上部に設置し、試料及び第1のくさびと並べた。ジグが毎回同じように組み立てられるような位置にジグの上部を設置した。次いで、ジグを締めた。]
[0095] 試験前に、ジグの温度及び室温を測定した。ジグ内に含まれる試料の温度を、熱電対をジグ基板上の点検口内に設置して測定した。試料がオーブン内でエージングされた場合、試料及びジグを分析前に室温まで冷却させた。MTSTestWorks 4ソフトウエア(MTS Systems Corp.,Eden Prairie,MN)で変更されたインストロン1125張力計を使用して、荷重たわみ曲線を実行した。荷重セルを検量し、ジグを荷重フレーム内の中央にした。1.3mm/分(0.05インチ/分)の速度で圧子ピンを介して荷重を上部くさびに印加し、0.1mm(0.004インチ)で偏向した。各偏向の間に少なくとも10秒おいてから、3つの偏向を試料毎に行った。荷重対たわみの曲線をプロットし、荷重たわみ反応曲線の2つの直線部分に接線を形成してポリマー試料によってもたらされたRSF(ニュートン)を図式的に決定した。これらの線の交点を使用してRSFを決定した。]
[0096] 試料をCSRジグに設置し圧縮した後、試料が安定するように、試料を室温で1時間放置した。次いで、初期の封止力を得るために試料を試験した。次いで、ポリマー試料をジグ内に残し、200℃(392°F)のオーブン内でエージングした。保持封止力を1時間、24時間、及び72時間で測定した。次いで、エージング結果を初期の保持封止力と比較して保持封止力%を決定した。3つのOリングの平均保持封止力をニュートン(N)で表1に示す。%保持封止力+/−%標準偏差を丸括弧内に示す。3つのボタンの平均保持封止力をNで表2に示す。%保持封止力+/−%標準偏差を丸括弧内に示す。]
[0097] C4F9SO2NH4調製
温度計、還流凝縮液器、添加漏斗、及び攪拌棒を備える3Lのガラスフラスコを脱イオン水(331mL)、亜硫酸ナトリウム(88.9g)、重炭酸ナトリウム(104.8g)、及び微量のペルフルオロブチルスルフィン酸カリウム(1g、ペルフルオロブタンスルフィン酸を水酸化カリウムで中和して調製)を装入した。攪拌下で、フラスコを60℃に加熱し、反応器を窒素で浄化し、窒素ブランケット下で保持した。]
[0098] ガス放出及び穏やかな還流から明らかな反応が開始するまで、少量のペルフルオロブチルスルホニルフッ化物(54g)を反応器内にゆっくりと滴下した。反応が開始したら、残りのペルフルオロブチルスルホニルフッ化物(163.7g)を約4時間にわたって添加した。60℃のバッチ温度での穏やかな還流及びしっかりした攪拌下で一晩反応を継続させた。]
[0099] 次いで、バッチを室温まで冷却し、冷却下で、バッチを確実に30〜40℃の温度を維持させながら、濃縮硫酸(340g)を添加した。全ての硫酸が装入された後に、攪拌を停止し、バッチを分相するために約1時間放置した。フッ素性化学物質の下位相を収集し、脱イオン水(272g)及び濃縮硫酸(167.8g)で2度洗浄した。収集したフッ素性化学物質の下位相は、主にペルフルオロブチルスルフィン酸及び水から成る、透明でわずかに黄色い液体であった。このスルフィン酸をその場で水酸化アンモニウムで中和して、ペルフルオロブチルスルフィン酸アンモニウムを調製した。]
[0100] ビステトラブチルホスホニウムペルフルオロアジピン酸塩の調製
2Lの丸底フラスコには、磁気攪拌、温度プローブ、及び窒素バブラーへの接続が備わっていた。フラスコに188g(0.65モル)のペルフルオロアジピン酸(SynQuest Laboratories,Inc.,Alachua,FLから入手可能なオクタフルオロアジポイルフッ化物から作製)及び488gの蒸留水を装入した。攪拌しながら、898g(1.3モル)の40重量%のテトラブチルホスホニウム水酸化物(Aldrichから入手可能)の水溶液を1時間にわたって添加した。わずかな発熱反応が認められた。混合物を更に1時間室温(約23℃)で攪拌した。水を除去するためにフラスコを2kPa(15トール)の減圧下で65℃に加熱して、(C4H9)4POCO(CF2)4COOP(C4H9)4を得た。]
[0101] ポリマーゴムA
無酸素条件下で、150リットル(L)のケトルに105Lの脱イオン水を装入した。ケトルに、520gのC7F15COONH4(APFO)、及び240gのC4F9SO2NH4を添加した。73℃に加熱した後、1220gのテトラフルオロエテン(TFE)及び3570gのペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)を添加した。CF2=CFOCF2(CF2)3CF2CN(122gのMV5CN)を予備乳化物として添加した(米国特許公開第2004/0024134号に記載)。1100mLの脱イオン水に溶解した180gのペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)の添加により、反応を開始させた。1MPa(10バール)圧力及び73℃で、24.5kgのTFE、20.4kgのPMVE、及び1.7kgのMV5CN(予備乳化物として)を300分間にわたってケトルに注入した。得られたラテックスは、31%の固形分を有し、450gのMgCl2で凝固させた。ポリマーを115℃で乾燥させた。]
[0102] ゴムは、0.096のカルボニル含有末端基に対する積分吸光度比を有した。ムーニー粘度(1+10’、121℃)は、86であった。NMR分析は、以下の組成を示した:66.2モル%のTFE、32.5モル%のPMVE、1.05モル%のMV5CN、及び0.24モル%のCF3末端基。]
[0103] ポリマーゴムB
無酸素条件下で、150Lのケトルに、105Lの脱イオン水を装入した。ケトルに、520gのC7F15COONH4(APFO)、203gのC4F9SO2NH4、及び73gのNH4Clを添加した。64℃に加熱した後、2000gのTFE及び5820gのPMVEを添加した。MV5CN(140g)を予備乳化物として添加した(米国特許公開第2004/0024134号に記載)。1400mLの脱イオン水に溶解した155gのAPSの添加により反応を開始させた。1.4MPa(14バール)圧力及び65℃で、24.5kgのTFE、20.4kgのPMVE、及び1.7kgのMV5CN(予備乳化物として)を310分間にわたって入れた。得られたラテックスは、32%の固体分を有し、450gのMgCl2で凝固させた。ポリマーを115℃で乾燥させた。]
[0104] ポリマーゴムは、0.055のカルボニル含有末端基に対する積分吸光度比を有した。ムーニー粘度(1+10’、121℃)は、90であった。NMR分析は、以下の組成を示した:65.1モル%のTFE、33.6モル%のPMVE、1.06モル%のMV5CN、及び0.15モル%のCF3末端基。]
[0105] ポリマーゴムC
無酸素条件下で、150Lのケトルに、105Lの脱イオン水を装入した。ケトルに、620gのCF3O(CF2)3OCFHCF2COONH4、203gのC4F9SO2NH4及び73gのNH4Clを添加した。65℃に加熱した後、2.2kgのTFE及び5.6kgのPMVEを添加した。MV5CN(180g)を予備乳化物として添加した(米国特許公開第2004/0024134号に記載)。1400mLの脱イオン水に溶解した155gのAPSの添加により反応を開始させた。1.4MPa(14バール)圧力及び65℃で、24.4kgのTFE、20.4kgのPMVE、及び1.7kgのMV5CN(予備乳化物として)を310分間にわたってケトルに入れた。得られたラテックスは、30%の固体分を有し、450gのMgCl2で凝固させた。ポリマーを115℃で乾燥させた。]
[0106] ポリマーゴムは、0.075のカルボニル含有末端基に対する積分吸光度比を有した。ムーニー粘度(1+10’、121℃)は、61であった。NMR分析は、以下の組成を示した:65.7モル%のTFE、33.0モル%のPMVE、1.10モル%のMV5CN、及び0.17モル%のCF3末端基。]
[0107] 比較例
「AEROSIL」の商品名(R972級、Evonik Industries AG,Essen,Germany)で得た15部のカーボンブラック(N550)及び1.5部のヒュームドシリカの添加により100部のポリマーゴムAを2つのロールミルで配合した。メタノール中のビステトラブチルホスホニウムペルフルオロアジピン酸塩の50%溶液も3部添加した。配合された混合物を12.7mm(0.5インチ)の直径を有する6.4mm(0.25インチ)の厚さの全Oリングに鋳型成形した。Oリングを、10分間188℃でプレス硬化させ、続いて16時間250℃で空気中で後硬化させた。VDA圧縮永久歪み抵抗及びRSFを上述のとおり試験し、要約した結果を表1に示す。]
[0108] (実施例1)
15部のカーボンブラック(N550)及び1.5部のヒュームドシリカR972の添加により100部のポリマーゴムCを2つのロールミル上で配合した。メタノール中のビステトラブチルホスホニウムペルフルオロアジピン酸塩の50%溶液も3部添加した。配合された混合物を12.7mm(0.5インチ)の直径を有する6.4mm(0.25インチ)の厚さの全Oリングに鋳型成形した。Oリングを、10分間188℃でプレス硬化させ、続いて16時間250℃で空気中で後硬化させた。VDA圧縮永久歪み抵抗及びRSFを上述のとおり試験し、要約した結果を表1に示す。]
[0109] 表1に示すとおり、0.08未満のカルボニル含有末端基に対する積分吸光度比を有するポリマーゴムを使用した実施例1は、硬化後の比較例に対して、VDA圧縮永久歪み(24時間の冷却下)における向上を示した。0.08未満のカルボニル含有末端基に対する積分吸光度比を有するポリマーゴムを使用して生成され、かつ、1時間、24時間、及び72時間の熱エージング後の保持封止力を向上させた実施例1も表1に示す。]
[0110] (実施例2)
米国特許第7,294,677号に記載される方法と同様の方法で、1:1モル比のCF3OCF2CF2CN及びテトラブチルホスホニウム2−(p−トルイル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシドの反応生成物によって生成された触媒の添加によりポリマーゴムを2つのロールミル上で配合した。配合された混合物を、12.7mm(0.5インチ)の直径を有する6.4mm(0.25インチ)の厚さのボタンに鋳型成形した。ボタンを10分間177℃でプレス硬化させ、続いて窒素で段階的後硬化させた。後硬化手順は以下のとおりであった:45分間で室温〜200℃のランプ、200℃で2時間保持、30分間で200℃〜250℃のランプ、250℃で2時間保持、30分間で250℃〜300℃でランプ、300℃で4時間保持。RSFを上述のとおり3つのボタンで試験し、要約した結果を表2に示す。]
[0111] (実施例3)
ビステトラブチルホスホニウムペルフルオロアジピン酸塩の添加によりポリマーゴムBを2つのミルロール上で配合した(上述のとおり調製)。得られたポリマーを12.7mm(0.5インチ)の直径を有する6.4mm(0.25インチ)の厚さのボタンに鋳型成形した。ボタンを188℃で10分間プレス硬化させ、250℃で16時間周囲気圧で後硬化させた。RSFを上述のとおり3つのボタンで試験し、要約した結果を表2に示す。]
[0112] (実施例4)
1:1モル比のCF3OCF2CF2CN及びテトラブチルアンモニウム2−(p−トルイル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシドの反応生成物によって生成された触媒の添加によりポリマーゴムCを2つのロールミル上で配合した。(反応生成物は、米国特許第7,294,677号に記載の方法と同様の方法で生成された。簡潔に述べると、テトラブチルアンモニウム2−(p−トルイル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシドを、攪拌棒及びドライアイス凝縮器を備える丸底フラスコ内に装入した。フラスコを5℃まで冷却し、次いで、CF3OCF2CF2CNを添加した。反応が生じ、生成物を室温まで温めながら、凝縮器を−78℃に維持し、その後室温まで温めた。)得られた配合された混合物を、12.7mm(0.5インチ)の直径を有する6.4mm(0.25インチ)の厚さのボタンに鋳型成形した。ボタンを、実施例2に記載のとおり、プレス硬化させ、かつ後硬化させた。RSFを上述のとおり3つのボタンで試験し、要約した結果を表2に示す。]
[0113] (実施例5)
米国特許第7,294,677号に記載のとおり、1:1モル比のCF3OCF2CF2CN及びテトラブチルホスホニウム2−(p−トルイル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシドの反応生成物によって生成された触媒の添加によりポリマーゴムCを2つのロールミル上で配合した。配合された混合物を12.7mm(0.5インチ)の直径を有する6.4mm(0.25インチ)の厚さのボタンに鋳型成形した。実施例2に記載のとおり、ボタンをプレス硬化させ、かつ後硬化させた。RSFを上述のとおり3つのボタンで試験し、要約した結果を表2に示す。]
実施例

[0114] 表2は、0.08未満のカルボニル含有末端基に対する積分吸光度比を有するポリマーゴムが1時間、24時間、72時間での熱エージング後に24N〜59Nの保持封止力を有したことを示す。
本発明の範囲及び趣旨から外れることなく、本発明の予測可能な修正及び変更が当業者には自明であろう。本発明は、例証の目的のために本出願において説明された実施形態に限定されるべきではない。]
权利要求:

請求項1
(a)窒素含有硬化部位と、(b)−CF3、−CF2H、−CFH2、及び−CH3のうちの少なくとも1つによって表される末端基と、を有するペルフルオロエラストマーゴムを含む組成物であって、前記ペルフルオロエラストマーゴムのカルボニル含有末端基の積分吸光度比が0.08未満である、組成物。
請求項2
前記ペルフルオロエラストマーゴムが、テトラフルオロエチレン及び1つ以上のペルフルオロ(アルキルビニル)エーテルのコポリマーである、請求項1に記載の組成物。
請求項3
前記ペルフルオロ(アルキルビニル)エーテルが、CF3OCF2CF2CF2OCF=CF2、CF3OCF=CF2、CF3CF2OCF2OCF=CF2、CF3CF2CF2OCF2OCF=CF2、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項2に記載の組成物。
請求項4
前記窒素含有硬化部位がニトリル含有硬化部位モノマーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
請求項5
前記ニトリル含有硬化部位モノマーが、CF2=CFOCF2(CF2)3CF2CN、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CN、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項4に記載の組成物。
請求項6
硬化剤を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
請求項7
前記硬化剤が、トリアジン形成硬化剤、ベンゾオキシゾール形成硬化剤、ベンゾイミダゾール形成硬化剤、又はこれらの組み合わせである、請求項6に記載の組成物。
請求項8
前記硬化剤が、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−スルホニルビス(2−アミノフェノール)、3,3’−ジアミノベンジジン、テトラフェニルスズ、ビステトラブチルホスホニウムペルフルオロアジピン酸塩、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項7に記載の組成物。
請求項9
前記硬化剤が、式:(式中、Q+は、非妨害有機ホスホニウム、有機スルホニウム、又は有機アンモニウムカチオンであり、各Rは、独立して、H、ハロゲン、ヒドロカルビル基、又はハロゲン化ヒドロカルビル基を表し、前記ヒドロカルビル基の少なくとも1つの炭素原子は、N、O、及びSから選択される1つ以上のへテロ原子で更に置換されてもよく、R’は、H、ヒドロカルビル基、又はハロゲン化ヒドロカルビル基を表し、該ヒドロカルビル基の少なくとも1つの炭素原子は、N、O、及びSから選択される1つ以上のへテロ原子で更に置換されてもよいか、又はR若しくはR’のうちの任意の2つは、共に、二価ヒドロカルビレン基を形成してもよく、前記ヒドロカルビレン基の少なくとも1つの炭素原子は、N、O、及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子によって更に置換されてもよい)によって表される第1の成分と、式[N≡CCFR”]bZ(式中、各R”は、独立して、F又はCF3を表し、bは、任意の正整数を表し、Zは、妨害基を含まないb−原子価有機部分を表す)によって表される第2の成分と、の反応生成物から選択される、請求項6に記載の組成物。
請求項10
前記硬化剤が、CF3OCF2CF2CN及びテトラブチルホスホニウム2−(p−トルイル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシド、CF3OCF2CF2CN及びテトラブチルアンモニウム2−(p−トルイル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシド、又はこれらの組み合わせの反応生成物である、請求項9に記載の組成物。
請求項11
前記ペルフルオロエラストマーゴムのカルボニル含有末端基の前記積分吸光度比が0.05未満である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
請求項12
前記ペルフルオロエラストマーゴムのカルボニル含有末端基の前記積分吸光度比が0.01未満である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
請求項13
前記ペルフルオロエラストマーゴムが、a)カルボニル含有末端基を有するもの以外のイオン性又はイオン化末端基、b)臭素、塩素、ヨウ素、及びニトリル末端基、並びにc)COF末端基、のうちの少なくとも1つを実質的に含まない、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
請求項14
前記末端基が、前記ペルフルオロエラストマーゴムの末端基の50%超を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
請求項15
前記ペルフルオロエラストマーゴムが、臭素末端基、塩素末端基、ヨウ素末端基、ニトリル末端基、又はこれらの組み合わせを更に含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
請求項16
請求項1に記載の硬化組成物を含む、物品。
請求項17
ガスケット、シール、又はシートである、請求項16に記載の物品。
請求項18
請求項1に記載のフルオロポリマーの作製方法であって、好適な開始剤と、任意に、塩素アニオン、シアン酸アニオン、チオシアン酸アニオン、又はこれらの組み合わせから選択されるアニオンとの存在下で、少なくとも1つの完全フッ素化モノマー及び前記窒素含有硬化部位モノマーを重合させる工程を含む、方法。
請求項19
前記開始剤が、ペルフルオロアルキルスルフィン酸塩、及び該ペルフルオロアルキルスルフィン酸塩を、ペルフルオロアルキルスルホニルラジカルに酸化させ、その後ペルフルオロアルキルラジカルを生成することが可能な好適な酸化剤、又は有機ペルオキシドである、請求項18に記載の作製方法。
請求項20
前記フルオロポリマーを硬化させる工程を更に含む、請求項19に記載の作製方法。
請求項21
前記酸化剤が、過硫酸塩、臭素酸塩、塩素酸塩、次亜塩素酸塩、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項20に記載の方法。
請求項22
(a)窒素含有硬化部位と、(b)−CF3、−CF2H、−CFH2、及び−CH3のうちの少なくとも1つによって表される末端基と、を有するペルフルオロエラストマーゴムを有する組成物であって、前記ペルフルオロエラストマーゴムのカルボニル含有末端基の積分吸光度比が0.08未満である、組成物。
請求項23
前記ペルフルオロエラストマーゴムが、テトラフルオロエチレン及び1つ以上のペルフルオロ(アルキルビニル)エーテルのコポリマーである、請求項22に記載の組成物。
請求項24
前記ペルフルオロ(アルキルビニル)エーテルが、CF3OCF2CF2CF2OCF=CF2、CF3OCF=CF2、CF3CF2OCF2OCF=CF2、CF3CF2CF2OCF2OCF=CF2、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項23に記載の組成物。
請求項25
前記窒素含有硬化部位がニトリル含有硬化部位モノマーである、請求項22に記載の組成物。
請求項26
前記ニトリル含有硬化部位モノマーが、CF2=CFOCF2(CF2)3CF2CN、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CN、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項25に記載の組成物。
請求項27
硬化剤を更に含む、請求項22に記載の組成物。
請求項28
前記硬化剤が、トリアジン形成硬化剤、ベンゾオキシゾール形成硬化剤、ベンゾイミダゾール形成硬化剤、又はこれらの組み合わせである、請求項27に記載の組成物。
請求項29
前記硬化剤が、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−スルホニルビス(2−アミノフェノール)、3,3’−ジアミノベンジジン、テトラフェニルスズ、ビステトラブチルホスホニウムペルフルオロアジピン酸塩、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項27に記載の組成物。
請求項30
前記硬化剤が、式:(式中、Q+は、非妨害有機ホスホニウム、有機スルホニウム、又は有機アンモニウムカチオンであり、各Rは、独立して、H、ハロゲン、ヒドロカルビル基、又はハロゲン化ヒドロカルビル基を表し、前記ヒドロカルビル基の少なくとも1つの炭素原子は、N、O、及びSから選択される1つ以上のへテロ原子で更に置換されてもよく、R’は、H、ヒドロカルビル基、又はハロゲン化ヒドロカルビル基を表し、該ヒドロカルビル基の少なくとも1つの炭素原子は、N、O、及びSから選択される1つ以上のへテロ原子で更に置換されてもよいか、又はR若しくはR’のうちの任意の2つは、共に、二価ヒドロカルビレン基を形成してもよく、前記ヒドロカルビレン基の少なくとも1つの炭素原子は、N、O、及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子によって更に置換されてもよい)によって表される第1の成分と、式[N≡CCFR”]bZ(式中、各R”は、独立して、F又はCF3を表し、bは、任意の正整数を表し、Zは、妨害基を含まないb−原子価有機部分を表す)によって表される第2の成分と、の反応生成物から選択される、請求項27に記載の組成物。
請求項31
前記硬化剤が、CF3OCF2CF2CN及びテトラブチルホスホニウム2−(p−トルイル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシド、CF3OCF2CF2CN及びテトラブチルアンモニウム2−(p−トルイル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシド、又はこれらの組み合わせの反応生成物である、請求項30に記載の組成物。
請求項32
前記ペルフルオロエラストマーゴムのカルボニル含有末端基の前記積分吸光度比が0.05未満である、請求項22に記載の組成物。
請求項33
前記ペルフルオロエラストマーゴムのカルボニル含有末端基の前記積分吸光度比が0.01未満である、請求項22に記載の組成物。
請求項34
前記ペルフルオロエラストマーゴムが、a)カルボニル含有末端基を有するもの以外のイオン性又はイオン化末端基、b)臭素、塩素、ヨウ素、及びニトリル末端基、並びにc)COF末端基、のうちの少なくとも1つを実質的に含まない、請求項22に記載の組成物。
請求項35
前記末端基が、前記ペルフルオロエラストマーゴムの末端基の50%以上を含む、請求項22に記載の組成物。
請求項36
前記ペルフルオロエラストマーゴムが、臭素末端基、塩素末端基、ヨウ素末端基、ニトリル末端基、又はこれらの組み合わせを更に含む、請求項22に記載の組成物。
請求項37
請求項22に記載の硬化組成物を含む、物品。
請求項38
ガスケット、シール、又はシートである、請求項37に記載の物品。
請求項39
請求項22に記載のフルオロポリマーの作製方法であって、好適な開始剤と、任意に、塩素アニオン、シアン酸アニオン、チオシアン酸アニオン、又はこれらの組み合わせから選択されるアニオンとの存在下で、少なくとも1つの完全フッ素化モノマー及び前記窒素含有硬化部位モノマーを重合させる工程を含む、方法。
請求項40
前記開始剤が、ペルフルオロアルキルスルフィン酸塩、及び該ペルフルオロアルキルスルフィン酸塩を、ペルフルオロアルキルスルホニルラジカルに酸化させ、その後ペルフルオロアルキルラジカルを生成することが可能な好適な酸化剤、又は有機ペルオキシドである、請求項39に記載の作製方法。
請求項41
前記フルオロポリマーを硬化させる工程を更に含む、請求項39に記載の作製方法。
請求項42
前記酸化剤が、過硫酸塩、臭素酸塩、塩素酸塩、次亜塩素酸塩、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項40に記載の方法。
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