专利摘要:
本発明は、式(VI)の化合物、ビス−チアゾリウムの塩またはこれらの前駆体およびアルテミシニンまたはこれらの誘導体を含む会合に関する。本発明は、少なくとも1種類の式(VI)の化合物、ビス−チアゾリウムの塩またはこれらの前駆体およびアルテミシニンまたはこれらの誘導体を含む医薬組成物にも関する。本発明は、さらに、急性マラリアを治療または予防するための薬物の調製へのこの組み合わせの使用に関する。最後に、本発明は、急性マラリアを治療または予防するためのキットに関する。
公开号:JP2011514319A
申请号:JP2010545524
申请日:2009-02-05
公开日:2011-05-06
发明作者:ビアル,アンリ;フレス,ローラン;ワン,シヤロン・オーロル
申请人:サノフイ−アベンテイス;サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィーク(セーエヌエールエス);ユニベルシテ・モンペリエ・ドウー;
IPC主号:C07D277-24
专利说明:

[0001] 本発明は、マラリアの治療および/または予防において役立つ、坑マラリア活性成分、即ち、ビスチアゾリウム塩またはこれらの前駆体およびアルテミシニンまたはこれらの誘導体の新規組み合わせ並びに、またこのような組み合わせを含む医薬組成物に関する。]
背景技術

[0002] マラリアは世界中の死者の主要感染性原因の1つであり、毎年5億を上回る個人が患い、これらのうち150から300万人が毎年死亡する。この災厄は主としてサハラ以南のアフリカ、東南アジアおよびラテンアメリカを襲う。]
[0003] ハマダラカ(Anopheles mosquitoes)によって運ばれるプラスモジウム(Plasmodium)属の寄生生物4タイプ(P.ファルシパルム(P.falciparum)、P.マラリエ(P.malariae)、P.ビバクス(P.vivax)およびP.オバレ(P.ovale))がマラリアを広める。アフリカにおいて蔓延するプラスモジウム・ファルシパルムが最も感染力の高い寄生生物であり、この疾患の致死型の大部分の原因である。]
[0004] 過去数年にわたって観察されるこの疾患の著しい急増は幾つかの要因によるものであり、この中には、クロロキン、メフロキン、アモジアキン、さもなければ、ピリメタミンおよびスルファドキシンのような坑葉酸剤および坑フォリン酸剤(antifolinics)のような、現在用いられている医薬に対するプラスモジウム・ファルシパルムの多くの株の耐性がある。]
[0005] マラリアを患う多くの個人は、僅かな貧血および脾臓の体積の増加(脾腫)以外にはわずかな生理学的徴候しか伴わないで、急性感染を示す。これらの症状はマラリアの種類に依存する。それにもかかわらず、一般的な臨床所見は:優れない気分、異常高熱(発熱)、頭痛、悪心、嘔吐および/または腹痛のような消化系の問題、下痢、無力、筋肉痛、関節痛(関節痛)並びに、特に、黄疸である。]
[0006] 治療は、一般には、血中の寄生生物の改善および消失が得られるまで(通常、3から5日)、クロロキン(または、クロロキンに対する耐性の場合には、塩基性塩酸キニン)を投与することによって行う。その後、患者は、一般には、スルファドキシン1.5グラムおよびピリメタミン75mgで構成される単一薬剤を摂取する。]
[0007] 坑葉酸剤および坑フォリン酸剤に基づくか、またはその代わりにマラロンに基づく他の治療も用いられる。]
[0008] プラスモジウム・ファルシパルムによって生じる重症マラリアは脳性マラリアであり、これは実質的な高熱(40℃)および、治療にもかかわらず予後の悪い、昏睡状態を合わせたものであり、この死亡率は成人で20%、子供で15%まで時折上昇する。重症マラリアの出現は徐々にであるか、または突然のいずれかである。これは1以上の筋肉の瞬間的および一時的な痙攣の後に始まり、これに脱収縮(decontraction)が続く。これらは局所性であるか、または身体全体にわたる全身性である。このマラリアの多様性には、時折は首の堅さおよび反射の乱れによる、眼振(左右への眼の絶え間ない跳躍)が伴う。重症マラリアには網膜出血、低血糖、肺水腫、腎臓障害、貧血および/または吐血(損傷器官に由来する血液の反射であり、嚥下された後に嘔吐を伴う出血の形態で再度現れる。)も伴うことがある。]
[0009] プラスモジウム・ファルシパルムが起こす合併マラリアまたは脳性マラリアおよび、その上、他の重症の徴候の場合、この疾患に対して未だに免役されていない個人において赤血球(赤血球)1%以上が寄生されるときは医学的緊急事態である。]
[0010] 重症マラリアの場合、治療の優先事項は、致死的な予後を排除するため、寄生虫血を大規模に、および迅速に(治療の開始後24から48時間以内)減少させることである。ひとたび寄生虫血が制御され、生命予後が確認されると、例えば、クロロキンまたは塩基性塩酸キニンのようなさらなる通常の坑マラリア治療を施すことができる。]
[0011] 重症マラリアの治療は、患者が相当の下痢を伴う嘔吐をしばしば患うため、経口または直腸投与することが困難である。]
[0012] 1972年に植物アルテミシア・アヌア(Artemisia annua)(キングハオス(quinghaosu))から単離され、中国において数世紀にわたって用いられているアルテミシニンは、強力な坑マラリア活性を有する。アルテメテル、アルテエテルおよびアルテスネートのような改善された薬理学的特性を有する誘導体も商業的に入手可能である。]
[0013] アルテミシニンおよびこれらの誘導体、特に、アルテスネートは、今日、プラスモジウム・ファルシパルムに対して最も有効である活性成分の一部である。しかしながら、完全な回復を生じることはこれらの化合物にとって困難であり、多くの急増が指摘される。従って、単剤療法におけるアルテミシンまたはこれらの誘導体の使用は耐性寄生生物株の選択における原因要素であり得る。]
[0014] 科学界では、現在、活性成分の組み合わせ、特に、アルテミシンまたはこれらの誘導体と他の坑マラリア活性成分との組み合わせの使用が推奨されている。ACT(アルテミシニン誘導体多剤併用療法(artemisinin−based combination therapies))として公知であるこれらの多剤療法は、世界保険機構(WHO)によって2002年から推奨されている。これらは複数の利点を提供する:耐性株に対する改善された治療効力、耐性の出現に対する2種類の活性成分の相互保護、疾患伝搬および耐性蔓延の減少。]
[0015] このタイプの幾つかの組み合わせが公知である。]
[0016] 例えば、Coartem(登録商標)の名称で販売されるアルテメテルおよびルメファントリンの組み合わせが、アルテスネートおよびアモジアキンの組み合わせ(Arsucam(登録商標))がそうであるように、提唱されている。]
[0017] フェロキンとアルテミシニン誘導体との組み合わせは文書WO 2006/111647に記載される。]
先行技術

[0018] 国際公開第2006/111647号]
発明が解決しようとする課題

[0019] しかしながら、ACT多剤療法の有益効果は明らかでも予測可能でもない。例えば、C.Snyderらによる刊行物、Experimental Parasitology,115(2007),296−300は、ピペラキンと化合物OZ277の組み合わせがピペラキンとアルテメテルのようなアルテミシニン誘導体との組み合わせよりも有望であるものと思われることを開示する。]
[0020] 同様に、クロロキンおよびアルテスネートの組み合わせは満足のいく効力レベルを達成してはおらず(Am.J.Trop.Med.Hyg.,2003,69(1),19−25およびTransactions of the Royal Society of Tropical Medicine and Hygiene,2003,97,429−433)、耐性株の選択、特に、クロロキンに対する耐性を生じ得る。]
[0021] 従って、WHOによってACT戦略が推奨されてはいるものの、それでもやはり坑マラリア活性成分の新規組み合わせの探索は容易なものではなく、継続されるべきである。]
課題を解決するための手段

[0022] 本発明は、式(VI)の化合物であるビスチアゾリウム塩または以下で定義されるこれらの前駆体およびアルテミシンまたはこれらの誘導体の組み合わせに関する。本発明において役立つアルテミシニン誘導体のうち、例えば、アルテスネート、アルテメテル、アルテエテル、ヒドロアルテミシニンまたはジヒドロアルテミシニンを挙げることができる。]
発明の効果

[0023] このような組み合わせは有利で予測し得ない相乗作用を示し、従って、マラリア、特に、重症マラリアの予防および/または治療において役立つ。]
図面の簡単な説明

[0024] アルテスネート(AS)でのip処置の間およびその後4日の寄生虫血の変化を示す。
T3でのip処置の間およびその後4日の寄生虫血の変化を示す。
T3 0.2mg/kg/日およびアルテスネート(AS)2.5mg/kg/日でのip処置の間およびその後4日の寄生虫血の変化を示す。
T3 0.5mg/kg/日およびアルテスネート(AS)2.5mg/kg/日でのip処置の間およびその後4日の寄生虫血の変化を示す。
T3 1mg/kg/日およびアルテスネート(AS)2.5mg/kg/日でのip処置の間およびその後4日の寄生虫血の変化を示す。]
実施例

[0025] 本発明のための式(VI)の化合物および、その上、これらの前駆体は、番号EP 1 196 371で公開される特許に記載される。本発明のための式(VI)のビスチアゾリウム塩の前駆体はEP 1 196 371の式(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)に相当する。実際、この特許は、これらがビス四級アンモニウム塩を生成することが可能である生成物であり、並びにこれらが下記一般式(I)およびこれらの医薬的に許容される塩に相当することを特徴とする、坑マラリア効果を有する薬物の前駆体を記載する:]
[0026] (式中、
AおよびA’は同一であるか、もしくは互いに異なり、並びに:
それぞれ、式:]
[0027] の基AおよびA’を表し、ここでnは2から4の整数であり;R’1は、水素原子、アリール基(特に、フェニル基)で任意に置換されるC1からC5アルキル基、ヒドロキシル、アルキル基が1から5個の炭素原子を含有するアルコキシもしくはアリールオキシ(特に、フェノキシ)を表し;
並びにWは、塩素、臭素もしくはヨウ素から選択されるハロゲン原子または、トシル基CH3−C6H4−SO3、メシチル基CH3−SO3、CF3−SO3基もしくはNO2−C6H4−SO3基のような、離核性基を表し、
またはホルミル基CHOもしくはアセチル基CO−CH3を表す基A2のいずれかを表し、
BおよびB’は同一であるか、もしくは互いに異なり、並びに:
AおよびA’がそれぞれA1およびA’1を表す場合、それぞれ、基B1およびB’1を表し、B1およびB’1は上記R’1と同じ定義を有するが水素原子ではあり得ない基R1を表し、
または、AおよびA’がA2を表す場合、それぞれ、基B2およびB’2を表し、B2もしくはB’2は上で定義される基R1もしくは式:]
[0028] の基であり、ここで、−RaはRS−もしくはRCO−基を表し、Rは、必要に応じて1以上のヒドロキシル、アルコキシもしくはアリールオキシ基、またはアミノ基および/または−COOHもしくはCOOM基で置換され、MはC1からC3アルキルである、直鎖、分岐もしくは環状C1からC6、特にC1からC5、アルキル基;フェニルもしくはベンジル基(フェニル基は、必要に応じて、少なくとも1つのC1からC5アルキルもしくはアルコキシ基で置換され、前記基はアミノ基、または窒素含有もしくは酸化複素環、−COOH基もしくは−COOM基で任意に置換される。);または、複素環が5もしくは6元素を有し、並びに窒素を含み、および/もしくは酸化される、基−CH2−複素環であり;
R2は、水素原子、C1からC5アルキル基もしくは−CH2−COO(C1からC5)アルキル基を表し;
並びにR3は、水素原子;必要に応じて−OH、ホスフェート基、アルキル基がC1からC3であるアルコキシ基もしくはアリールオキシで置換される、C1からC5アルキルもしくはアルケニル基;またはアルキル(もしくはアリール)カルボニルオキシ基を表し;
さもなければ、R2およびR3は5もしくは6個の炭素原子を含有する環を共に形成し;RおよびR3は5から7個の原子(炭素、酸素、イオウ)を含有する環が形成されるように結合することができ;
αは:
AおよびA’がA1およびA’1を表すとき:もしくはAおよびA’がA2、即ち、−CHOもしくは−COCH3基を表し、並びにB2およびB’2が:]
[0029] を表すとき、単結合を表し、
または、AおよびA’がA2を表し、並びにB2およびB’2がR1を表すとき、式:]
[0030] の基もしくは式:]
[0031] の基を表し、ここで、(a)はZに向かう結合を表し、および(b)は窒素原子に向かう結合を表し、
Zは、必要に応じて1以上の多重結合、並びに/または1以上のヘテロ原子Oおよび/もしくはS、並びに/または1以上の芳香族環の挿入を有する、C6からC21、特にC12もしくはC13からC21、アルキル基並びにこれらの化合物の医薬的に許容される塩を表し、
ただし、n=3もしくは4であるとき、R’1がHまたはC1もしくはC2アルキル基を表すことはなく、R1はC1からC4アルキル基を表し、およびZはC6からC10アルキル基を表す。)。]
[0032] EP 1 196 371は、一般式(II):]
[0033] (式中、R1、R’1、W、nおよびZは上で定義される通りである。)
に相当する、上述の前駆体化合物の下位群をも記載する。]
[0034] EP 1 196 371は、ZがC13からC21アルキル基を表す上述の前駆体で構成される、前駆体化合物の別の下位群をも記載する。]
[0035] EP 1 196 371は、Zが−(CH2)16−基を表す、上記下位群において記載される前駆体で構成される前駆体化合物の下位群をも記載する。]
[0036] EP 1 196 371は、特に、二塩酸N,N’−ジメチル−N,N’−(5−クロロペンチル)−1,16−ヘキサデカンジアミンまたは二塩酸N,N’−ジメチル−N,N’−(4−クロロペンチル)−1,16−ヘキサデカンジアミンから選択される前駆体を記載する。]
[0037] 加えて、EP 1 196 371は、一般式(III):]
[0038] または一般式(IV):]
[0039] または一般式(V):]
[0040] (式中、Ra、R1、R2、R3およびZは上で定義される通りである。)
に相当する前駆体の群を記載する。]
[0041] EP 1 196 371は、特に:
N,N’−ジホルミル−N,N’−ジ[1−メチル−2−S−チオベンゾイル−4−メトキシブタ−1−エニル]−1,12−ジアミノ−ドデカン(TE4c)、
N,N’−ジホルミル−N,N’−ジ[1−メチル−2−S−(p−ジエチルアミノメチルフェニルカルボキシ)チオ−4−メトキシブタ−1−エニル]−1,12−ジアミノドデカン(TE4f)、
N,N’−ジホルミル−N,N’−ジ[1−メチル−2−S−(p−モルホリノメチルフェニルカルボキシ)−チオ−4−メトキシ−ブタ−1−エニル]−1,12−ジアミノドデカン(TE4g)、
N,N’−ジホルミル−N,N’−ジ[1−メチル−2−S−チオベンゾイル−4−メトキシブタ−1−エニル]−1,16−ジアミノヘキサデカン(TE8)、
N,N’−ジホルミル−N,N’−ジ[1(2−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサチアン−4−イリデン)エチル]1,12−ジアミノ−ドデカン(TE3);
さもなければ:
N,N’−ジホルミル−N,N’−ジ[1−メチル−2−テトラヒドロフルフリルメチルジチオ−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−1,12−ジアミノドデカン(TS3a)、
N,N’−ジホルミル−N,N’−ジ[1−メチル−2−プロピルジチオ−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−1,12−ジアミノ−ドデカン(TS3b)、
N,N’−ジホルミル−N,N’−ジ[1−メチル−2−ベンジルジチオ−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−1,12−ジアミノ−ドデカン(TS3c)、
N,N’−ジホルミル−N,N’−ジ[1−メチル−2−(2−ヒドロキシエチル)ジチオ−4−ヒドロキシブタ−1−エニル]−1,12−ジアミノドデカン(TS3d)、
N,N’−ジホルミル−N,N’−ジ[1−メチル−2−プロピルジチオ−4−メトキシブタ−1−エニル]−1,12−ジアミノ−ドデカン(TS3d)、および
N,N’−ジホルミル−N,N’−ジ[1−メチル−2−プロピルジチオエテニル]−1,12−ジアミノドデカン(TS6b)、
さもなければ:
2,17−(N,N’−ジホルミル−N,N’−ジメチル)ジアミノ−3,16−S−チオ−p−メトキシベンゾイル−6,13−ジオキサオクタデカ−2,16−ジエン(TE9)、
2,17−(N,N’−ジホルミル−N,N’−ジベンジル)ジアミノ−3,16−S−チオ−p−メトキシベンゾイル−6,13−ジオキサオクタデカ−2,16−ジエン(TE10)、
エチル3,18−(N,N’−ジホルミル−N,N’−ジメチルジアミノ−4,17−S−チオベンゾイルエイコサ−3,17−ジエンジオエート(TE12)、
エチル3,18−(N,N’−ジホルミル−N,N’−ジベンジル)ジアミノ−4,17−S−チオベンゾイルエイコサ−3,17−ジエンジオエート(TE13)、
または最後に:
2,15−(N,N’−ジホルミル−N,N’−ジメチル)ジアミノ−1,16−S−チオベンゾイルヘキサデカ−1,15−ジエン(TE15)、
2,15−(N,N’−ジホルミル−N,N’−ジベンジル)ジアミノ−1,16−S−チオベンゾイルヘキサデカ−1,15−ジエン(TE16)、
から選択される、上述の式(III)、(IV)および(V)の前駆体化合物を記載する。]
[0042] さらに、EP 1 196 371は、良好な坑マラリア活性を有し、および下記一般式(VI)に相当する、チアゾリウム塩の前駆体から生成される環状誘導体を記載する:]
[0043] (式中、
RbはR1またはTを表し、Tは式:]
[0044] の基を表し、ただし、Rc、Rd、R2およびR3がメチル基を表すとき、または一方でRcおよびRdが、他方でR2およびR3が6個の炭素原子を含有する芳香族環を共に形成するとき、ZがC6からC8アルキル基を表すことはなく、
RdはR2またはPを表し、Pは式:]
[0045] の基を表し、
ReはR3またはUを表し、Uは式:]
[0046] の基を表し、
R1、R2、R3およびZは上で定義される通りであり、
Rc=R3およびRd=R2である場合、Rb=T;Rc=R3およびRb=R1である場合、Rd=P;並びにRb=R1およびRd=R2である場合、Rc=Uであることは理解される。)]
[0047] 本発明によると、式(VI)の化合物は遊離塩基、塩、水和物または溶媒和物の形態にあり得る。]
[0048] 特に、EP 1 196 371は、上述の環状誘導体のうち:
二臭化1,12−ドデカメチレンビス[4−メチル−5−(2−ヒドロキシエチル)チアゾリウム](T3);
二ヨウ化1,12−ドデカメチレンビス[4−メチル−5−(2−メトキシエチル)チアゾリウム](T4);
二ヨウ化1,12−ドデカメチレンビス(4−メチルチアゾリウム)(T6);
二ヨウ化1,16−ヘキサデカメチレンビス[4−メチル−5−(2−メトキシエチル)チアゾリウム](T8);
二ヨウ化3,10−ジオキサドデカメチレンビス[5−(1,4−ジメチル)チアゾリウム](T9);
二臭化3,10−ジオキサドデカメチレンビス[5−(1−ベンジル−4−メチル)チアゾリウム](T10);
二ヨウ化ドデカメチレンビス[5−(1−メチル−4−エトキシカルボニルエチル)チアゾリウム](T12);
二臭化ドデカメチレンビス[5−(1−メチル−4−エトキシカルボニルエチル)チアゾリウム](T13);
二ヨウ化ドデカメチレンビス[4−(1−メチル)チアゾリウム](T15);
二臭化ドデカメチレンビス[4−(1−ベンゾイル)チアゾリウム](T16)、
から選択される誘導体を挙げている。]
[0049] 最後に、EP 1 196 371は、上述のビスチアゾリウム塩およびビスチアゾリウム前駆体を得るための方法、特に、T3、T4、T6、T8、T9、T10、T12、T13、T15およびT16のような式(VI)の化合物の合成を記載する。特に、T3の合成がEP 1 196 371の第18頁に記述される。同様に、T3化合物の坑マラリア活性がこの同じ文書の第28頁、表3に記述される。]
[0050] 従って、本発明は、上述の式(VI)の化合物またはこれらの前駆体であるビスチアゾリウム塩およびアルテミシニンまたはこれらの誘導体を活性成分として含む組み合わせに関する。]
[0051] 第2主題によると、本発明は、上述の式(VI)の化合物またはこれらの前駆体であるビスチアゾリウム塩およびアルテスネートの組み合わせに関する。]
[0052] 第3主題によると、本発明は:
二臭化1,12−ドデカメチレンビス[4−メチル−5−(2−ヒドロキシエチル)チアゾリウム](T3);
二ヨウ化1,12−ドデカメチレンビス[4−メチル−5−(2−メトキシエチル)チアゾリウム](T4);
二ヨウ化1,12−ドデカメチレンビス(4−メチルチアゾリウム)(T6);
二ヨウ化1,16−ヘキサデカメチレンビス[4−メチル−5−(2−メトキシエチル)チアゾリウム](T8);
二ヨウ化3,10−ジオキサドデカメチレンビス[5−(1,4−ジメチル)チアゾリウム](T9);
二臭化3,10−ジオキサドデカメチレンビス[5−(1−ベンジル−4−メチル)チアゾリウム](T10);
二ヨウ化ドデカメチレンビス[5−(1−メチル−4−エトキシカルボニルエチル)チアゾリウム](T12);
二臭化ドデカメチレンビス[5−(1−メチル−4−エトキシカルボニルエチル)チアゾリウム](T13);
二ヨウ化ドデカメチレンビス[4−(1−メチル)チアゾリウム](T15);
二臭化ドデカメチレンビス[4−(1−ベンジル)チアゾリウム](T16);
から選択される式(VI)の化合物であるビスチアゾリウム塩およびアルテスネートの組み合わせに関する。]
[0053] 第4主題によると、本発明は、二臭化1,12−ドデカメチレンビス[4−メチル−5−(2−ヒドロキシエチル)−チアゾリウム(T3)である式(VI)のビスチアゾリウム塩およびアルテスネートの組み合わせに関する。]
[0054] これらの主題において、活性成分の各々は、感染の治癒においてこれらそれぞれの効力を反映する濃度で用いられる。これらの組み合わせの各々において、化合物のそれぞれの量はこれらの活性用量に依存する。]
[0055] 本発明による組み合わせ中に存在する二臭化1,12−ドデカメチレンビス[4−メチル−5−(2−ヒドロキシエチル)チアゾリウム](T3)は以下の構造を有する:]
[0056] 本発明による組み合わせ中に存在するアルテスネートは式:]
[0057] を有する。]
[0058] 本発明の主題は、上で定義される、式(VI)のビスチアゾリウム塩またはこれらの前駆体、特に、T3およびアルテミシニンまたはこれらの誘導体、特に、アルテスネートの組み合わせを活性成分として含む医薬組成物でもある。]
[0059] このような医薬組成物は、式(VI)の化合物またはこれらの前駆体であるビスチアゾリウム塩およびアルテミシニンまたはこれらの誘導体の治療上有効な用量を含有し、並びに少なくとも1種類の医薬的に許容される賦形剤をも含有する。前記賦形剤は、当業者に公知である通常の賦形剤から、望ましい医薬形態および投与方法に従って選択される。化合物の各々の割合の範囲は、単剤療法において坑マラリア活性を発揮し、および感染の治癒においてこれらそれぞれの効力を反映する、これらの用量に従って定義される。]
[0060] 適切な単位投与形態には、錠剤、ソフトまたはハードゲルカプセル、粉末、顆粒および経口溶液または懸濁液のような経口形態、舌下、頬、気管内、眼内または鼻内投与形態、吸入によって投与するための形態、局所、経皮、皮下、筋肉内または静脈内(ボーラスまたは潅流)投与形態、直腸投与形態並びにインプラントが含まれる。局所塗布には、本発明による化合物をクリーム、ゲル、軟膏またはローション中に用いることができる。]
[0061] 想定される投与経路は経口、直腸および非経口経路、特に、筋肉、直腸内および静脈内経路、特に、点滴によるものである。]
[0062] 非経口投与には、プロピレングリコールまたはブチレングリコールのような薬理学的に適合する分散剤および/または湿潤剤を含有する、水性懸濁液、等張性生理食塩水または無菌注射用溶液が用いられる。これらの懸濁液は、必要であれば、酸化防止補助剤をも含有することができ、または本発明による活性成分を、次に点滴によって投与するため、グルコースもしくはNaClのような適切な溶液で希釈することができる。]
[0063] 非経口投与、特に、点滴によるものでは、本発明による組み合わせの2種類の活性成分の各々の1日用量は上に示される通りである:
式(VI)のビスチアゾリウム塩、特に、T3:0.01から3mg/kg;
アルテミシニンまたはこれらの誘導体、特に、アルテスネート:1から5mg/kg。]
[0064] より多くの、またはより少ない用量が適切である特有の場合が存在し得る;このような投薬量が本発明の脈絡から逸脱することはない。通常の実務によると、各々の患者に適する投薬量は、医師により、投与方法並びに前記患者の体重および応答に従って決定される。]
[0065] 本発明による組み合わせは、2種類の活性成分の各々の1回以上の1日摂取、好ましくは、1日あたり1から3回の摂取(経口または直腸)またはボーラスを行いながら、1から4連続日間投与することが意図される。好ましくは4日以下に制限されるこの治療時間は、寄生虫血を大規模に、および迅速に減少させ、並びに致死的予後が回避されている患者をマラリア自体に対して次に治療するのに特に有利である。この次の治療は、アルテミシニン誘導体での単剤療法によって行うことも、マラリアのあらゆる他の公知治療によって行うこともできるが、本発明による組み合わせの投与によって行うこともできる。]
[0066] 投薬量および投与方法の一例は、重症マラリアを示す患者の治療の最初の24時間(D1)にアルテスネート2.4mg/kg/日およびT3 1mg/kg/日、次いで次の48時間(D2およびD3)にアルテスネート1.2mg/kg/日およびT3 0.8mg/kg/日であり得、アルテスネートおよびT3は、D1には単一点滴バッグにおいて、D2およびD3には別の点滴バッグにおいて、点滴によって投与する。]
[0067] 2種類の活性成分の各々の投与は、同時に、さもなければ別々に、または経時的に広げて(連続投与)行うことができる。]
[0068] 投与を同時に行うとき、2種類の活性成分を、経口投与に適する錠剤またはゲルカプセルのような単一の医薬形態(固定組み合わせ)内で、または同じ点滴バグ内で、または直腸内投与に適する配合物内で合わせることができる。]
[0069] 本発明による組み合わせの2種類の活性成分は、これらの投与が同時であろうと同時ではなかろうと、別の医薬形態中に存在させることもできる。これを達成するため、本発明による組み合わせは、一方では式(VI)の化合物またはこれらの前駆体、特に、T3または塩、水和物もしくは溶媒を、他方ではアルテミシニンまたはこれらの誘導体、特に、アルテスネートを収容し、T3のような式(VI)の前記化合物およびアルテスネートは異なる区画にあり、並びに同時に、別々に、または経時的に広がった様式(連続投与)で投与しようとするものである、キットの形態にあってもよい。]
[0070] 例として、錠剤形態にあるT3の単位投与形態は以下の成分を含むことができる:
T3 6mg
マンニトール224mg
ナトリウムクロスカルメロース6mg
トウモロコシデンプン15mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2mg
ステアリン酸マグネシウム3mg
同様に、例として、錠剤形態にあるアルテスネートの単位投与形態は、アルテスネート50または100mg並びに、ラクトース、クロスカルメロース、無水コロイド状シリカ、微結晶性セルロースおよびステアリン酸マグネシウムのような、慣例的な賦形剤を含むことができる。]
[0071] 同様に、例として、アルテスネートおよびT3の組み合わせを含む単位投与形態は、T3 1.5mgおよびアルテスネート50mg並びに、その上、上に挙げられるもののような慣例的な賦形剤を含むことができ、成人の1日用量は1錠の4回摂取または4錠の1回摂取で達成される。]
[0072] T3、アルテスネートまたはT3およびアルテスネートの組み合わせの同じ投薬量が、当業者に公知の賦形剤と共に、直腸投与用の単位形態に用いられる。]
[0073] 非経口注射による投与方法では、T3の単位投与形態はバイアル内にT3 1mgを含み、およびグリセロールおよびリン酸バッファのような当業者に周知の慣例的な賦形剤をも含むことができ、このバイアルは体重10kgについて設計される。]
[0074] 同様に、例として、バイアル内のアルテスネートおよびT3の単位投与形態はアルテスネート24mgおよびT3 1mg並びに、その上、上に挙げられるもののような慣例的な賦形剤を含むことができ、このバイアルは体重10kgあたり1バイアルの割合で投与される。]
[0075] 本発明の主題は、マラリアを治療および/または予防する方法であって、式(VI)の化合物またはこれらの前駆体、特に、T3である少なくとも1種類のチアゾリウム塩の有効治療用量およびアルテミシニンまたはこれらの誘導体、特に、アルテスネートの有効治療用量を患者に投与することを含み、前記用量は、前述のように、同時に、さもなければ連続的に前記患者に投与される方法でもある。]
[0076] 本発明は、マラリア、特に、重症マラリアを治療および/または予防するための、上に定義される方法にも関する。]
[0077] 本発明の主題は、マラリア、特に、重症マラリアの治療または予防において用いるための医薬の調製への、上述の式(VI)の化合物またはこれらの前駆体であるビスチアゾリウム塩およびアルテミシニンまたはこれらの誘導体、特に、アルテスネートを活性成分として含む組み合わせの使用でもある。]
[0078] 最後に、本発明の主題は、
マラリアを治療または予防するためのキットであって、一方では、式(VI)の化合物またはこれらの前駆体である少なくとも1種類のビスチアゾリウム塩を、および、他方では、少なくとも1種類のアルテミシニンまたはこれらの誘導体、特に、アルテスネートを含み、前記式(VI)の化合物/前駆体およびアルテミシニン/誘導体は異なる点滴バッグまたは区画内にあり、および同時に、または連続的に投与しようとするものであるキット、並びに
一方では、少なくとも二臭化1,12−ドデカメチレンビス[4−メチル−5−(2−ヒドロキシエチル)チアゾリウム]を含み、および、他方では、少なくともアルテスネートを含むことを特徴とする、上で定義されるキット、
である。]
[0079] 本発明による組み合わせは、マラリアの治療に対するこの効力およびこれがもたらす相乗作用を示すことを可能にする、プラスモジウム・ファルシパルム型の変形体(プラスモジウム・ビンケイ・ペテリ(Plasmodium vinckei petteri)株)に感染させたマウスにおけるイン・ビボでの薬理学的および生化学的試験の対象であった。]
[0080] 二臭化1,12−ドデカメチレンビス[4−メチル−5−(2−ヒドロキシエチル)チアゾリウム](T3)とアルテスネートとの組み合わせの、プラスモジウム・ビンケイ・ペテリに感染させたマウスにおける坑マラリア活性のイン・ビボ測定
この試験において用いられる用語の定義:
ED50=感染マウスにおいて観察される、寄生虫血症の50%減少を生じるmg/kg/日での用量、
ED90=感染マウスにおいて観察される、寄生虫血症の90%減少を生じるmg/kg/日での用量、
ip=腹腔内投与、
iv=静脈内投与、
ir=直腸内投与。]
[0081] 1.用いられるイン・ビボ試験の説明
マウスの感染
第0日(D0)に、メス「Swiss」マウス(OF1、22から26g)(Charles River Laboratories France、59 rue de la Paix、76410 Saint−Aubin−les−Elbeuf)に、尾静脈におけるiv注射により、NaCl(0.9%)200μlに懸濁させた108寄生赤血球を接種する。用いる寄生生物はプラスモジウム・ビンケイ・ペテリ型のものである(フランス、パリのDr.I Landauによって供給される279BY株)。]
[0082] これらのマウスを予め2週間馴化させる。これらには食物および飲料を自由に摂取させる。]
[0083] 108寄生赤血球の注射は、第1日(D1)に、5%から10%(7.2%±0.2%)の寄生虫血症レベルを生じる。リン酸緩衝生理食塩水(0.9%)に懸濁させた107から108寄生赤血球でのマウスの毎週感染(腹腔内投与による感染)によりプラスモジウム・ビンケイ・ペテリ株を維持する。]
[0084] T3およびアルテスネートの溶液の調製
生成物を0.3Mリン酸バッファ(pH=8.1)に溶解する。T3溶液の最終濃度は、用量に依存して、40から200mg/lである。アルテスネート溶液の最終濃度は、用量に依存して、100から500mg/lである。]
[0085] 生成物はip投与する。投与体積は100μlのオーダーであるが、マウスの体重に依存する。]
[0086] 処置
1日に1回、4日間、第D1、D2、D3およびD4にマウスを処置する(Peters,W.,J.H.Portus,and B.L.Robinson.1975.The chemotherapy of rodent malaria.XXII.The value of drug−resistant strains of P.berghei in screening for blood schizonticidal activity.Ann.Trop.Med.Parasitol.69:155−171;および:Ancelin ML,Calas M.,Bonhoure A.,Herbute S.and Vial H.,In vivo antimalarial activity of mono and bis quaternary ammonium salts interfering with Plasmodium phospholipid metabolism.Antimicrob.Agents Chemother.,2003,47,2598−2605)。用量あたり4匹のマウスを用いる。]
[0087] 動物に、ip投与により、場合に応じて、T3、アルテスネートまたは可溶化されたこれら2種類の活性成分の混合物を投与する。]
[0088] 寄生虫血症の測定
第5日に、FACS(蛍光標示式細胞分取器)によって寄生虫血を決定し、および血液塗抹を行うため、マウスの尾から血液数滴を採取する。まず、20000細胞に対するFACSによって寄生虫血を決定する。FACSのために採取した赤血球をグルタルアルデヒドで固定した後、DNAを標識し、従って、寄生細胞のみを標識する蛍光色素(YOYO1(登録商標))で標識する(Barkan,D.,Ginsburg,H.,and Golenser,J.2000.Optimisation of flow cytometric measurement of parasitaemia in plasmodium−infected mice.Int.J.Parasitol.30:649−653)。次に、15%未満の寄生虫血を塗抹で再計数する。塗抹をメタノールで固定した後、ギムザ染色で染色する。寄生赤血球の数を顕微鏡下で計数する。寄生虫血は、2000細胞のサンプルで、検体中に存在する感染赤血球のパーセンテージとして表す。ED50およびED90値はD5に決定する。寄生虫血は処置の第1日から第10日、次いで第15日、第22日および第47日に決定する。]
[0089] D5の塗抹で寄生生物の痕跡がないことが明らかとなったマウスは、寄生生物のあらゆる可能性のある急増を検出するため、処置の終了後の少なくとも1ヶ月間、再度チェックする。1ヶ月後に動物の処理バッチ全体の生存を保証する生成物の用量が治癒用量である。]
[0090] ED50値の決定
0%阻害は非処置感染マウスにおいて観察される寄生虫血の平均に相当する。100%阻害は非常に弱いか、または0.01%未満のゼロ寄生虫血に相当する。ED50値は濃度の対数で表される用量−応答曲線の線形補間によって決定する。]
[0091] 2.イン・ビボでのプラスモジウム・ビンケイ・ペテリ寄生生物株に対するT3およびアルテスネートの坑マラリア活性の測定
2つの化合物の間の相乗作用を示すには、これらのED50に近い用量でこれらを組み合わせるため、これらが単独で投与されるときのこれらの活性を知ることが重要である。これらの非経口投与の場合が重症マラリアの臨床状況に相当する。この場合、治療の第1日にわたって寄生虫血を迅速に減少させることが重要である。試験した用量では、単独で投与したアルテスネートは第1日に寄生虫血を減少させることがなく、後日も同様である(図1)。T3は治療の4日後に1mg/kg/dの用量で寄生虫血を有効に減少させるが、治療の第1日の後に寄生虫血の増加を防止することがない(図2)。] 図1 図2
[0092] 得られるED50値を以下の表Iに示す:]
[0093] ED50が小さいほど活性は良好である。従って、T3単独はアルテスネート単独(>2.5mg/kg/日)よりも寄生虫血に対する良好な活性を示す(0.55mg/kg/日)。さらに、0.5mg/kg/日の用量でのT3単独は1ヶ月後の完全な回復を可能とし(結果は示さず)、これに対して2.5mg/kg/日の用量でのアルテスネート単独ではそうならない。]
[0094] 3.イン・ビボでのプラスモジウム・ビンケイ・ペテリ寄生生物株に対するT3/アルテスネートの組み合わせの坑マラリア活性の測定
この組み合わせ研究には、アルテスネート2.5mg/kg/dの用量(ED50より僅かに小さいが、これに近い。)を選択した。0.5mg/kg/dの用量は4日で寄生虫血に対して完全に不活性である。T3を、組み合わせにおいて、ED50より小さい用量、これに近い用量またはこれを上回る用量,即ち、0.2、0.5および1mg/kg/dで評価した。]
[0095] 驚くべきことに、図3、4および5に示されるように、(上記用量のすべての)T3を2.5mg/kg/日の用量で存在するアルテスネートと共に含む組み合わせは、T3単独またはアルテスネート単独の別々の投与との比較で、寄生虫血のレベルを有意に低下させることを可能にする。特に、最初の投与の24時間後(第2日)に、投与されるT3の用量がいずれであっても、マウスの寄生虫血の減少が観察され、これに対して、この時点で、個別に投与される生成物は不活性であることに注意することが重要である。表II(並びに図3、4および5)はこの第2日に記録される寄生虫血の平均を示す(用量あたり4動物)。2.5mg/kgの用量のアルテスネートと組み合わされた0.2、0.5および1mg/kgの用量のT3について、最初の投与の24時間後(第2日)に統計的な相乗作用が存在することに注意するべきである。処置の第1日の後のこの非常に有意の相乗作用は、致死的予後を回避するために臨床医が患者の寄生虫血の大規模で迅速な減少をまさに求める、重症マラリアの治療の場合に特に重要である。] 図3
[0096] 2.5mg/kg/日アルテスネートと組み合わせた0.5mg/kg/日のT3用量から開始することで、寄生虫血は処置の持続期間を通して処置前のこの初期値で維持され、これに対して生成物の個別投与はこれを可能にはしない(表II、図3、4および5)。] 図3
[0097] T3化合物は1ヶ月後のマウスの完全回復に対する主要効果の原因である。2.5mg/kg/日用量でのアルテスネートの同時投与がT3単独で得られる治癒用量を改善することはない。]
[0098] 表IIIは上で論じられる結果をまとめたものである。]
[0099] 従って、これら2つの活性成分を組み合わせて投与するとき、処置の最初の4日の間、寄生虫血が有意に減少する。この効果は、個別に採用されるこれら2つの活性成分の各々の投与で決定されるものに匹敵するか、またはこれさえも下回る用量で、非常に高いものである。]
[0100] 特に、T3をアルテスネートとの組み合わせで投与し、アルテスネートが少なくとも2.5mg/kg/日の用量で存在するとき、寄生虫血の減少に対する有益な効果が観察される。従って、これら2つの活性成分の組み合わせがある窓内で特に有効であり、この窓が化合物の一方の最小用量および、この窓内の、化合物の一方の他方に対する比によって規定されることが理解される。]
[0101] P.ビンケイ・ペテリに感染したマウスにおいてイン・ビボで得られるこれらの結果は、アルテミシニンまたはこれらの誘導体(特に、アルテスネート)および式(VI)の化合物であるビスチアゾリウム塩、特に、T3の本発明による組み合わせが、マラリア、特に、重症マラリアの治療に有利であることを立証する。]
权利要求:

請求項1
重症マラリアを治療および/または予防するための組み合わせであって、活性成分として、遊離塩基、塩、水和物または溶媒和物の形態にある、式(VI)の化合物:(式中、Rbは:これ自体が水素原子、アリール基(特に、フェニル基)で任意に置換されるC1からC5アルキル基、ヒドロキシル、アルキル基が1から5個の炭素原子を含有するアルコキシまたはアリールオキシ(特に、フェノキシ)を表す基R1、さもなければ基T、を表し、Tは式:の基を表し、ここで、R2は水素原子、C1からC5アルキル基または−CH2−COO−(C1からC5)アルキル基を表し;R3は水素原子、必要に応じて−OH、ホスフェート基、アルキル基がC1からC3であるアルコキシ基、もしくはアリールオキシで置換されるC1からC5アルキルもしくはアルケニル基;またはアルキル(もしくはアリール)カルボニルオキシ基を表し;さもなければ、R2およびR3は5または6個の炭素原子を含有する環を共に形成し;R2およびR3は、1個以上のヘテロ原子Oおよび/またはSを任意に含む、5から7員を含有する環または複素環が形成されるように結合することができ;Zは、必要に応じて1以上の多重結合、並びに/または1個以上のヘテロ原子Oおよび/もしくはS、並びに/または1以上の芳香族環の挿入を有する、C6からC21、特にC12もしくはC13からC21、アルキル基、並びにこれらの化合物の医薬的に許容される塩を表し、ただし、Rc、Rd、R2およびR3がメチル基を表すとき、または一方でRcおよびRdが、他方でR2およびR3が、6個の炭素原子を含有する芳香族環を共に形成するとき、ZがC6からC8アルキル基を表すことはなく;Rdは上で定義されるR2またはPを表し、Pは式:の基を表し、Reは上で定義されるR3またはUを表し、Uは式:の基を表し、Rc=R3およびRd=R2である場合、Rb=T;Rc=R3およびRb=R1である場合、Rd=P;並びにRb=R1およびRd=R2である場合、Rc=Uであることは理解される。)であるビスチアゾリウム塩またはこれらの前駆体、およびアルテミシニンまたはこれらの誘導体、を含む、組み合わせ。
請求項2
アルテミシニン誘導体がアルテスネート、アルテメテル、アルテエテル、ヒドロアルテミシニンまたはジヒドロアルテミシニンから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組み合わせ。
請求項3
式(VI)の化合物であるビスチアゾリウム塩が:二臭化1,12−ドデカメチレンビス[4−メチル−5−(2−ヒドロキシエチル)チアゾリウム];二ヨウ化1,12−ドデカメチレンビス[4−メチル−5−(2−メトキシエチル)チアゾリウム];二ヨウ化1,12−ドデカメチレンビス(4−メチルチアゾリウム);二ヨウ化1,16−ヘキサデカメチレンビス[4−メチル−5−(2−メトキシエチル)チアゾリウム];二ヨウ化3,10−ジオキサドデカメチレンビス[5−(1,4−ジメチル)チアゾリウム];二臭化3,10−ジオキサドデカメチレンビス[5−(1−ベンジル−4−メチル)チアゾリウム];二ヨウ化ドデカメチレンビス[5−(1−メチル−4−エトキシカルボニルエチル)チアゾリウム];二臭化ドデカメチレンビス[5−(1−メチル−4−エトキシカルボニルエチル)チアゾリウム];二ヨウ化ドデカメチレンビス[4−(1−メチル)チアゾリウム];二臭化ドデカメチレンビス[4−(1−ベンジル)チアゾリウム];から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の組み合わせ
請求項4
活性成分の各々が同時に、または連続的に投与しようとするものであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組み合わせ。
請求項5
重症マラリアを治療および/または予防するための医薬組成物であって、治療上有効な用量の、アルテミシニンまたはこれらの誘導体および式(VI)の化合物である少なくとも1種類のビスチアゾリウム塩またはこれらの前駆体、並びにまた少なくとも1種類の医薬的に許容される賦形剤をも含む、医薬組成物。
請求項6
式(VI)の化合物であるビスチアゾリウム塩が二臭化1,12−ドデカメチレンビス[4−メチル−5−(2−ヒドロキシエチル)チアゾリウム]であることを特徴とする、請求項5に記載の医薬組成物。
請求項7
アルテミシニン誘導体がアルテスネートであることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の医薬組成物。
請求項8
経口、直腸または注射投与に適し、および好ましくは静脈内注射に適し、特に点滴の形態にあることを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
請求項9
重症マラリアの治療または予防において用いるための医薬の調製への、請求項1から4のいずれか一項に記載の組み合わせの使用。
請求項10
重症マラリアを治療または予防するためのキットであって、一方で、式(VI)の化合物である少なくとも1種類のビスチアゾリウム塩またはこれらの前駆体および、他方で、少なくとも1種類のアルテミシニンまたはこれらの誘導体を含み、前記式(VI)の化合物またはこれらの前駆体およびアルテミシニンまたはこれらの誘導体は異なる区画内にあり、並びに同時に、または連続的に投与しようとするものである、キット。
請求項11
一方で少なくとも二臭化1,12−ドデカメチレンビス[4−メチル−5−(2−ヒドロキシエチル)チアゾリウム]を含み、他方で少なくともアルテスネートをを含むことを特徴とする、請求項11に記載のキット。
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