专利摘要:
本発明は、酵素を安定な補酵素の存在下で保管することにより該酵素を安定化する方法に関する。さらには、本発明は、安定な補酵素を使用することにより安定化された酵素、および分析物の検出のためのテストエレメントにおけるその使用に関する。
公开号:JP2011514153A
申请号:JP2010547110
申请日:2009-02-19
公开日:2011-05-06
发明作者:ゲッスラー−ディーチェ、クラウディア;ハインドル、ディーター;ヘーネス、ヨーアヒム;ホルン、カリーナ
申请人:エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト;
IPC主号:C12N9-96
专利说明:

[0001] 本発明は、安定な補酵素の存在下で酵素を保管することによる酵素を安定化する方法に関する。本発明は、さらに、安定な補酵素により安定化された酵素、および分析物を検出するためのテストエレメントにおけるその使用に関する。]
背景技術

[0002] 生化学的測定システムは、臨床的に意義のある分析方法の重要な構成要素である。ここで優先されるのは、たとえば代謝物や基質などの分析物の測定であって、直接的にまたは間接的に酵素の助けをかりて測定される。このケースでは分析物は、酵素−補酵素複合体の助けをかりて変換され、ついで定量される。これは、測定されるべき分析物を適切な酵素および補酵素と接触させることを伴い、酵素は通常触媒量で用いられる。補酵素は、酵素反応により酸化型または還元型などに変えられる。このプロセスは直接的に、またはメディエーターを通して電気化学的もしくは光化学的に検出することができる。較正により、測定値と測定されるべき分析物の濃度との直接的な関係が提供される。]
[0003] 補酵素は、有機分子であり、共有結合でまたは非共有結合で酵素に結合し、分析物の変換により変化させられる。補酵素の良く知られた例は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)であり、それぞれNADHおよびNADPHが反応により生成される。]
[0004] 先行技術において既知の測定システムは、限られた期間、およびこの安定性を達成するための冷却または乾燥保管などの環境の特別な要件に関して安定であることで有名である。したがって、たとえば、血糖値の自己モニタリングなどの最終ユーザー自身により実施されるテストなどの特別な応用に関して、間違った、気付かない間違った保管を通して、誤った結果を生じる可能性がある。とりわけ最初のパッケージングが開けられてから長くなり過ぎることによる乾燥剤の消尽が、誤った測定値を導き得、それはいくつかのシステムではユーザーによってほとんど同定することができない。]
[0005] 生化学的測定システムの安定性を増加させるために採用されている1つの既知の手段は、安定な酵素の使用、たとえば好熱性生物由来の酵素の使用である。さらなる可能性は、架橋などの化学的修飾や突然変異誘発により酵素を安定化することである。加えて、トレハロース、ポリビニルピロリドンおよび血清アルブミンなどの酵素安定剤も添加することができ、または酵素をポリマーネットワーク中に光重合により包み込むことができる。]
[0006] 安定なメディエーターを用いることによる生化学的測定システムの安定性を改善するための試みもなされている。これにより、できるだけ低い酸化還元電位を有するメディエーターの使用を通して、テストの特異性が高められ、反応中の妨害が排除される。しかしながら、酵素/補酵素複合体の酸化還元電位は、メディエーターの酸化還元電位の下限を形成する。これらの電位以下では、メディエーターとの反応は低下、または停止することさえある。]
[0007] 別の可能性は、たとえば、補酵素NADHなどの補酵素の直接的な検出がなされる、メディエーターを用いない生化学的測定システムを使用することである。しかし、そのような測定システムの1つの欠点は、NADやNADPなどの補酵素が不安定であるということである。]
[0008] NADおよびNADPは、塩基に不安定な分子であり、その分解経路は文献に記載されている(N.J. Oppenheimer in The Pyridine Nucleotide Coenzymes, Academic Press New York, London 1982, editors J. Everese, B. Anderson, K. You, 第3章、56〜65頁)。NADおよびNADPの分解はそれぞれ、リボースとピリジン単位との間のグリコシル結合の切断により、本質的には結果ADP−リボースを生じる。その一方で、還元型のNADHおよびNADPHは、酸に不安定であり、たとえばエピマー化が既知の分解経路の1つである。両方の場合において、NAD/NADPおよびNADH/NADPHの不安定性は、リボース単位とピリジン単位との間のグリコシル結合の不安定性に由来する。しかしながら、たとえば、水溶液中といった激烈ではない条件下さえ、補酵素NADおよびNADPはそれぞれ、周囲の水分のみで加水分解される。この不安定性が、分析物の測定に誤りをもたらし得る。]
[0009] 多数のNAD/NADP誘導体が、たとえばB.M. Anderson in The Pyridine Nucleotide Coenzymes, Academic Press New York, London 1982, editors J. Everese, B. Anderson, K. You, 第4章に記載されている。しかしながら、これらのほとんどの誘導体は酵素によってあまり受け入れられていない。したがって、これまでに診断テストに用いられているただ1つの誘導体は、3−アセチルピリジンアデニンジヌクレオチド(アセチルNAD)であり、1956年に最初に記載された(N.O. Kaplan, J. Biol. Chem. (1956), 221, 823)。また、この補酵素は酵素による乏しい受け入れおよび酸化還元電位の変化しか示していない。]
[0010] 国際公開第01/94370号パンフレットは、修飾されたピリジンン基を有するさらなるNAD誘導体の使用を記載している。しかしながら、ニコチンアミド基の修飾は、一般に触媒反応に直接的な影響がある。ほとんどの場合、この影響は否定的なものである。]
[0011] 安定化のためのさらなる着想においては、リボース単位が変えられ、それによりグリコシル結合の安定性に影響を与える。このやり方は、直接的にニコチンアミド基の触媒反応を妨害するものではない。しかしながら、酵素がリボース単位への強く特異的な結合を示すと間接的な影響があるかもしれない。Kaufmannらは、これに関連して国際公開第98/33936号パンフレットおよび米国特許第5,801,006号明細書、ならびに国際公開第01/49247号パンフレットにそれぞれ、多数のチオリボース−NAD誘導体を開示している。しかし、ニコチンアミド−リボース単位の修飾と誘導体の酵素反応における活性との関連はこれまで示されていない。]
[0012] グリコシル結合をもたない誘導体であるカルバNADは、1988年に最初に記載された(J.T. Slama, Biochemistry 1989, 27,183およびBiochemistry 1989, 28, 7688)。そこではリボースは炭素環糖単位により置換されている。カルバNADは脱水素酵素の基質として記載されているが、その活性はこれまで生化学的検出方法において臨床的に証明されていない。]
[0013] 後に、G. M. BlackburnがChem. Comm.(1996年)、2765頁に、天然のピロホスフェートの代わりに、メチレンビスホスホネート化合物を用いてカルバNADを製造する同様の試みについて記述している。メチレンビスホスホネートはホスファターゼに対しより高い安定性を示し、ADP−リボシルシクラーゼの阻害剤として使用された。その目的は、加水分解に対して安定性を向上させることではなかった(J. T. Slama、G. M. Blackburn)。]
[0014] 国際公開第2007/012494号パンフレットおよび米国特許出願11/460,366号明細書には、安定なNAD/NADHおよびNADP/NADPH誘導体がそれぞれ開示されており、これらの誘導体の酵素複合体、およびそれらの生化学的検出方法における使用、および試薬キットが開示されている。]
発明が解決しようとする課題

[0015] 本発明の目的は、酵素を安定化する方法、特には酵素の長期安定化のための方法を提供することであった。]
課題を解決するための手段

[0016] この目的は、酵素を安定化する方法であって、該酵素が安定な補酵素の存在下に保管される方法により達成される。驚くべきことに、高い相対湿度でまたは液相中でさえ、また高温で、数週間または数ヶ月間という長期間の安定化が、安定な補酵素の助けにより可能であるということが見出された。この知見は、酵素は天然の補酵素の存在下では数時間という短期間では安定性の増加を示すが(Bertoldiら、Biochem. J. 389, (2005), 885-898;van den Heuvelら、J. Biol. Chem. 280 (2005), 32115-32121;およびPanら、J. Chin. Biochem. Soc. Vol.3 (1974), pp 1-8)、より長期間については安定性の低下を示すということが知られているため驚くべきことである(Nutrition Reviews 36 (1978), 251-254)。]
発明の効果

[0017] 先行技術との関連でこれらの知見と比較すると、酵素が安定な補酵素の存在下において、天然の補酵素の存在下における酵素の安定性より明らかに増加された長期安定性を有するということは、とりわけ安定な補酵素が天然の補酵素よりも酵素との低い結合定数を有するため、驚くべきことである。]
図面の簡単な説明

[0018] 安定な補酵素カルバ−NAD(cNAD)の図である。
安定な補酵素ピロリジニル−NADの図である。
NADの存在下およびcNADの存在下でのそれぞれ保管前後のグルコース脱水素酵素の反応速度の結果の図である。NAD存在下1日後のGlucDHの反応速度。
NADの存在下およびcNADの存在下でのそれぞれ保管前後のグルコース脱水素酵素の反応速度の結果の図である。cNAD存在下1日後のGlucDHの反応速度。
NADの存在下およびcNADの存在下でのそれぞれ保管前後のグルコース脱水素酵素の反応速度の結果の図である。NAD存在下で32℃および85%の相対湿度で5週間保管した後のGlucDHの反応速度。
NADの存在下およびcNADの存在下でのそれぞれ保管前後のグルコース脱水素酵素の反応速度の結果の図である。cNAD存在下で32℃および85%の相対湿度で5週間保管した後のGlucDHの反応速度。
32℃および湿度85%で5週間までの期間にわたりNADの存在下におけるグルコース脱水素酵素およびcNADの存在下におけるGlucDHのそれぞれ空試験値との比較。
32℃および湿度85%でNADの存在下グルコース脱水素酵素の保管後のグルコース脱水素酵素の様々な関数プロットの図である。保管期間は1日と5週間の間で変化された。
32℃および湿度85%でcNADの存在下グルコース脱水素酵素の保管後のグルコース脱水素酵素の様々な関数プロットの図である。保管期間は1日と5週間の間で変化された。
32℃および湿度85%でcNADの存在下グルコース脱水素酵素の保管後のグルコース脱水素酵素の様々な関数プロットの図である。保管期間は1日と24週間の間で変化された。
32℃および湿度85%で24週間それぞれNADおよびcNADの存在下グルコース脱水素酵素の保管後のNADおよびcNADの残存含量の図である。
32℃および湿度85%で5週間それぞれNADおよびcNADの存在下グルコース脱水素酵素の保管後のGlucDH活性の図である。
32℃および湿度85%で24週間それぞれNADおよびcNADの存在下グルコース脱水素酵素の保管後のGlucDH活性の図である。
32℃および83%の相対湿度で25週間の期間にわたる、それぞれNADおよびcNADの存在下、グルコース脱水素酵素(GlucDH−wt)、二重突然変異体GlucDH_E96G_E170K(GlucDH−Mut1)および二重突然変異体GlucDH_E170K_K252L(GlucDH−Mut2)の保管後のGlucDH活性の図である。
それぞれNADおよびcNADの存在下で保管後のゲル電気泳動によるグルコース脱水素酵素の分析。テスト条件:MW、10〜220kDaマーカー;1:GlucDH/NAD、6℃で5週間;2:GlucDH/NAD、32℃/相対湿度85%で5週間;3:GlucDH/cNAD、6℃で5週間;4:GlucDH/cNAD、32℃/相対湿度85%で5週間。
それぞれNADおよびcNADの存在下50℃で保管後のゲル電気泳動によるグルコース脱水素酵素の分析。テスト条件:MW、10〜220kDaマーカー;1:GlucDH 8.5mg/ml、NAD、0時間;2:GlucDH 8.5mg/ml、NAD、22時間;3:GlucDH 8.5mg/ml、NAD、96時間;4:GlucDH 8.5mg/ml、NAD、118時間;5:GlucDH 8.5mg/ml、NAD、140時間;6:GlucDH 8.5mg/ml、NAD、188時間;7:GlucDH 8.5mg/ml、NAD、476時間;8:GlucDH 8.5mg/ml、cNAD、0時間;9:GlucDH 8.5mg/ml、cNAD、188時間;10:GlucDH 8.5mg/ml、cNAD、476時間。
液相中50℃で4日間にわたり、それぞれNADおよびcNADの存在下のグルコース脱水素酵素の安定性の図である。テスト条件:GlucDH 10mg/ml;NADおよびcNADそれぞれ12mg/ml;緩衝液:0.1Mトリス、1.2M NaCl、pH8.5;温度50℃。
液相中50℃で14日間にわたり、それぞれNADおよびcNADの存在下のグルコース脱水素酵素の安定性の図である。テスト条件:GlucDH 10mg/ml;NADおよびcNADそれぞれ12mg/ml;緩衝液:0.1Mトリス、1.2M NaCl、pH8.5;温度50℃。
それぞれNADおよびcNADの存在下で保管後のゲル電気泳動による酵母由来のアルコール脱水素酵素の分析。テスト条件:MW、10〜220kDaマーカー;1:ADH、6℃で65時間;2:ADH/cNAD、6℃で65時間;3:ADH/NAD、6℃で65時間;4:ADH、35℃で65時間;5:ADH/cNAD、35℃で65時間;6:ADH/NAD、35℃で65時間。
それぞれNADおよびcNADの存在下35℃で保管後のゲル電気泳動による酵母由来のアルコール脱水素酵素の分析。テスト条件:MW、10〜220kDaマーカー;1:ADH/NAD、0日;2:ADH/NAD、1日;3:ADH/NAD、2日;4:ADH/NAD、3日;5:ADH/NAD、5日;6:ADH/cNAD、0日;7:ADH/cNAD、1日;8:ADH/cNAD、2日;9:ADH/cNAD、3日;10:ADH/cNAD、6日。
液相中35℃で65時間にわたり、それぞれNADおよびcNADの存在下の酵母由来のアルコール脱水素酵素の安定性の図である。テスト条件:ADH 5mg/ml;NADおよびcNADそれぞれ50mg/ml;緩衝液:75mM Na4P2O7、グリシン、pH9.0;温度35℃。
室温でNADおよび種々のメディエーターの存在下で11週間保管後のグルコース脱水素酵素の様々な関数プロットの図である。
種々のグルコース濃度で、NADおよび1−(3−カルボキシプロポキシ)−5−エチルフェナジニウムトリフルオロメタンスルホネートの存在下でのグルコース脱水素酵素反応速度の結果の図である。
酵素としてGlucDHを用い、メディエーターとしてジアホラーゼを用いるグルコース検出の図である。
それぞれピロロキノリンキノン(PQQ)およびメディエーターとして[(4−ニトロソフェニル)イミノ]ジメタノール塩酸塩の存在下でのグルコース色素酸化還元酵素(GlucDOR)の関数プロット、およびNADおよびメディエーターとしてジアホラーゼ/[(4−ニトロソフェニル)イミノ]ジメタノール塩酸塩の存在下でのグルコース脱水素酵素の関数プロットの図である。
種々のグルコース濃度で、NADおよびジアホラーゼの存在下でのグルコース脱水素酵素反応速度の結果の図である。
それぞれNADおよびcNADの存在下でグルコース脱水素酵素を用いたグルコースの電気化学測定においてグルコース濃度の関数として測定された電流の図である。テスト条件:NADおよびcNAD それぞれ25mM;遅延時間2.5秒;測定時間5秒。
二重突然変異体GlucDH_E96G_E170KおよびGlucDH_E170K_K252Lグルコース脱水素酵素のアミノ酸配列の図である。]
[0019] 本発明の方法により安定化される酵素は補酵素依存性酵素である。好適な酵素の例は、グルコース脱水素酵素(E.C.1.1.1.47)、乳酸脱水素酵素(E.C.1.1.1.27、1.1.1.28)、リンゴ酸脱水素酵素(E.C.1.1.1.37)、グリセロール脱水素酵素(E.C.1.1.1.6)、アルコール脱水素酵素(E.C.1.1.1.1)、α−ヒドロキシ酪酸脱水素酵素、ソルビトール脱水素酵素またはたとえばL−アミノ酸脱水素酵素(E.C.1.4.1.5)などのアミノ酸脱水素酵素から選択される脱水素酵素である。さらに好適な酵素は、たとえばグルコース酸化酵素(E.C.1.1.3.4)またはコレステロール酸化酵素(E.C.1.1.3.6)などの酸化酵素、およびたとえばアスパラギン酸もしくはアラニンアミノ基転移酵素などのアミノ基転移酵素、5’−ヌクレオチダーゼまたはクレアチンキナーゼである。酵素は好ましくはグルコース脱水素酵素である。]
[0020] 本発明の方法に照らして、突然変異されたグルコース脱水素酵素を使用することが特に好ましいことが判った。本願において使用される場合、用語「突然変異体(mutant)」は、天然の酵素の遺伝的に改変された変異体を意味し、アミノ酸数は同じであるが野生型酵素と比較して改変されたアミノ酸配列、すなわち野生型酵素由来のアミノ酸の少なくとも1つが異なるアミノ酸配列を有する。突然変異の導入は、部位特異的に、または非部位特異的に行われ、好ましくはこの分野で既知であり、特別な要件および条件にふさわしい、天然の酵素のアミノ酸配列内で少なくとも1つのアミノ酸の交換が生じる組換え法を用いて部位特異的に行われる。突然変異体は、特に好ましくは野生型酵素と比較して増加された熱安定性または加水分解安定性を有する。]
[0021] 突然変異されたグルコース脱水素酵素は、概して対応する野生型グルコース脱水素酵素と比較してそのアミノ酸配列の任意の位置で改変されたアミノ酸を含むことができる。突然変異されたグルコース脱水素酵素は、好ましくは野生型グルコース脱水素酵素のアミノ酸配列の96位、170位および252位の少なくとも1ヵ所に変異を含み、96位および170位に変異を含む突然変異体および170位と252位に変異を含む突然変異体が特に好ましい。突然変異されたグルコース脱水素酵素にとって、これらの変異の上にさらに変異を含まないことが有益であることが判っている
96位、170位および252位での変異は、概して野生型酵素の安定化、たとえば熱安定性または加水分解安定性の増加をもたらす任意のアミノ酸の交換を含む。96位での変異は、好ましくはグルタミン酸からグリシンへのアミノ酸交換を含み、一方170位については、グルタミン酸からアルギニンまたはリジンへのアミノ酸交換、特にグルタミン酸からリジンへのアミノ酸交換が好ましい。252位の変異については、リジンからロイシンへのアミノ酸交換が好ましく含まれる。]
[0022] 突然変異されたグルコース脱水素酵素は、あらゆる生物学的源由来の野生型グルコース脱水素酵素の突然変異により得ることができる。ここで、用語「生物学的源」とは、本発明の文脈において、たとえば細菌などの原核生物ならびに哺乳類および他の動物などの真核生物の両方を含む。野生型グルコース脱水素酵素は、好ましくは細菌由来であり、特に好ましくは、バチルスメガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルスズブチルス(Bacillus subtilis)またはバチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来のグルコース脱水素酵素が好ましく、バチルス ズブチルス(Bacillus subtilis)由来のグルコース脱水素酵素が特に好ましい。]
[0023] 本発明の特に好ましい態様において、突然変異されたグルコース脱水素酵素は、バチルスズブチルス(Bacillus subtilis)由来の野生型グルコース脱水素酵素の突然変異により得られるグルコース脱水素酵素であり、配列番号1に示すアミノ酸配列(GlucDH_E96G_E170K)、または配列番号2に示すアミノ酸配列(GlucDH_E170K_K252L)を有する。]
[0024] 安定な補酵素は、天然の補酵素と比較して化学的に修飾されている補酵素であり、天然の補酵素よりも高い安定性(たとえば加水分解安定性)を有する。安定な補酵素は、好ましくはテスト条件下で加水分解に安定である。天然の補酵素と比較して、安定な補酵素は、酵素に対する結合定数が低下しており、たとえば2倍またはそれ以上減少した結合定数を有する。]
[0025] 安定な補酵素の好ましい例は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD/NADH)またはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP/NADPH)の安定な誘導体、またはたとえばAMP部分のない、または疎水性残基などの非ヌクレオシド残基を有する切断されたNAD誘導体である。同様に、本発明の文脈において安定な補酵素として好ましいのは、式(I)の化合物である。]
[0026] NAD/NADHおよびNADP/NADPHの好ましい安定な誘導体は、前述の参考文献に記述されており、その開示は、本明細書に参照として明確に組み込まれる。特に好ましい安定化された補酵素は、国際公開第2007/012494号パンフレットおよび米国特許出願11/460366号明細書にそれぞれ記載されており、その開示は、本明細書に参照として明確に組み込まれる。安定な補酵素は、特に好ましくは一般式(II)を有する化合物



式中、
A=アデニンまたはその類似体、
T=それぞれ独立してO、S、
U=それぞれ独立してOH、SH、BH3-、BCNH2-、
V=それぞれ独立してOHまたはリン酸基、または2つの基が環状リン酸エステル基を形成する、
W=COOR、CON(R)2、COR、CSN(R)2、R=それぞれ独立してHまたはC1〜C2−アルキル、
X1、X2=それぞれ独立してO、CH2、CHCH3、C(CH3)2、NH、NCH3、
Y=NH、S、O、CH2、
Z=直鎖状または環状有機基(ただしZおよびピリジン残基は、グリコシル結合により連結されない)
またはその塩、もしくは必要に応じて還元型
から選択される。]
[0027] 式(II)の化合物においてZは、好ましくは4〜6個のC原子、好ましくは4C原子を有する直鎖状基であって、1個または2個のC原子が任意に、O、SおよびNから選択される1つまたはそれ以上のヘテロ原子で置換されている直鎖状基、または5個または6個のC原子を含み、任意にはO、SおよびNから選択されるヘテロ原子および任意には1つまたはそれ以上の置換基を含む環状基、ならびにCR42基(CR42は環状基およびX2に結合され、R4はそれぞれ独立してH、F、Cl、CH3である)を含む基である。]
[0028] Zは特に好ましくは、飽和または不飽和の炭素5員環または複素5員環、とりわけ一般式(III)の化合物



式中、単結合または二重結合がR5'およびR5''との間に存在でき、
R4=それぞれ独立してH、F、Cl、CH3、
R5=CR42、
式中、R5'およびR5''との間が単結合である場合、R5'=O、S、NH、NC1〜C2−アルキル基、CR42、CHOH、CHOCH3、および
R5''=CR42、CHOH、CHOCH3、および
式中、R5'およびR5''との間が二重結合である場合、R5'=R5''=CR4、および
R6、R6'=それぞれ独立してCHまたはCCH3
が好ましい。]
[0029] 好ましい実施態様において、本発明の化合物は、アデニンまたはたとえばC8−およびN6−置換アデニンなどのアデニン類似体、7−デアザなどのデアザ変異体、8−アザなどのアザ変異体、または7−デアザもしくは8−アザなどの組合せ、またはホルモマイシンなどの炭素環類似体を含み、7−デアザ変異体はハロゲン、C1〜C6−アルキニル、C1〜C6−アルケニルまたはC1〜C6−アルキルによって7位が置換され得る。]
[0030] また別の好ましい実施形態の1つでは、当該化合物は、リボースの代わりに、たとえば2−メトキシデオキシリボース、2’−フルオロデオキシリボース、ヘキシトール、アルトリトール、またはビシクロ糖、LNA糖およびトリシクロ糖などの多環類似体を含むアデノシン類似体を含む。]
[0031] 特に、式(II)の化合物においても、(ジ)ホスフェート酸素は等電子数的に、たとえばO-をそれぞれS-およびBH3-によって、OをそれぞれNH、NCH3およびCH2によって、ならびに=Oを=Sによって置換することができる。]
[0032] 本発明の式(II)の化合物において、Wは好ましくはCONH2またはCOCH3である。]
[0033] 式(III)の基において、R5は好ましくはCH2である。さらにR5'はCH2、CHOHおよびNHから選択されることが好ましい。特に好ましい実施態様では、R5'およびR5''は互いにCHOHである。なおさらに好ましい実施態様では、R5'がNHかつR5''がCH2である。好ましい安定化された補酵素の具体的な例は、図1Aおよび1Bに示す。] 図1A
[0034] 最も好ましい実施態様において、安定な補酵素は、カルバNADである。]
[0035] 本発明の方法は、特に酵素の長期間の安定化に適している。これは、安定な補酵素により安定化された酵素が、たとえば乾燥物として、たとえば少なくとも2週間、好ましくは少なくとも4週間、そして特に好ましくは少なくとも8週間にわたって保管された場合、当初の酵素活性に対して好ましくは50%未満、特に好ましくは30%未満、そして最も好ましくは20%未満の酵素活性の低下を示すということを意味する。]
[0036] 本発明の方法は、さらに安定な補酵素により安定化された酵素の高温、たとえば少なくとも20℃、好ましくは少なくとも25℃、そして特に好ましくは少なくとも30℃での保管も含む。この場合、酵素活性は、その当初レベルに対して好ましくは50%未満、特に好ましくは30%そして最も好ましくは20%未満低下する。]
[0037] 本発明の安定化により、安定な補酵素により安定化された酵素を、乾燥剤なしでさえ、上述したような長期間および/または上述したような高温で保管することが可能である。さらに、安定化された酵素はまた、高い相対湿度、たとえば少なくとも50%の相対湿度でも保管することができる。このような場合、酵素活性は、その当初レベルに対して好ましくは50%未満、特に好ましくは30%そして最も好ましくは20%未満低下する。]
[0038] 安定な補酵素により安定化された酵素の保管は、一方では乾燥物として、そして他方では液相中で行うことができる。安定化された酵素の保管は、好ましくは分析物を測定するために適したテストエレメント上またはテストエレメント内で行われる。安定な補酵素で安定化された酵素は、この場合、好ましくは検出試薬の成分であり、検出試薬は必要に応じてさらに、たとえば塩、緩衝液などの成分も含み得る。検出試薬は、この場合、好ましくはメディエーターを含まない。]
[0039] 安定な補酵素により安定化された酵素は、分析物、たとえば血液、血清、血漿または尿などの体液中または廃水試料中もしくは食品中のパラメータを検出するために使用することができる。]
[0040] たとえば補酵素依存性酵素の基質または補酵素依存性酵素自体といった、酸化還元反応によって検出できる生物学的または化学的物質であればいずれも分析物として測定することができる。分析物の好ましい例としては、グルコース、乳酸、りんご酸、グリセロール、アルコール、コレステロール、トリグリセリド、アスコルビン酸、システイン、グルタチオン、ペプチド、尿素、アンモニウム、サリチル酸塩、ピルビン酸塩、5’−ヌクレオチダーゼ、クレアチンキナーゼ(CK)、乳酸塩脱水素酵素(LDH)、二酸化炭素などがある。分析物としてはグルコースが好ましい。]
[0041] 本発明の別の実施態様は、本発明の化合物または本発明にしたがい安定な補酵素により安定化された酵素の、酵素反応による試料中の分析物の検出のための使用に関する。これに関しては、グルコース脱水素酵素(GlucDH)の助けによるグルコースの検出が特に好ましい。]
[0042] 分析物との反応による安定な補酵素における変化は、原則として任意の方法で検出することができる。それには、原則として、先行技術から公知のあらゆる酵素反応検出法が使用できる。しかし、補酵素の変化は光学的方法による検出が好ましい。光学的検出法には、たとえば吸光、蛍光、円偏光二色性(CD)、旋光分散(ORD)の測定、屈折率測定などが含まれる。]
[0043] 本願に照らして好ましく使用される光学的検出法は、測光法である。しかしながら、分析物との反応の結果生じる補酵素の変化の光度測定には、還元された補酵素の反応性を増加させ、電子が好適な光学的指示薬または光学的指示薬系に移動できるようにさせる少なくとも1つのメディエーターの付加的な存在が必要とされる。]
[0044] 本発明のこの目的に適切なメディエーターとしては、とりわけ、たとえば[(4−ニトロソフェニル)イミノ]ジメタノール塩酸塩などのニトロソアニリン、たとえばフェナントレンキノン、フェナントロリンキノンまたはベンゾ[h]キノリンキノンなどのキノン、たとえば1−(3−カルボキシプロポキシ)−5−エチルフェナジニウムトリフルオロメタンスルホネートなどのフェナジン、または/およびジアホラーゼ(E.C.1.6.99.2)がある。フェナントロリンキノンの好ましい例には、1,10−フェナントロリン−5,6−キノン、1,7−フェナントロリン−5,6−キノン、4,7−フェナントロリン−5,6−キノン、およびそれらのN−アルキル化またはN,N’−ジアルキル化塩が含まれ、N−アルキル化またはN,N’−ジアルキル化塩それぞれの場合のカウンターイオンとしては、溶解性を増加させるハロゲン化物、トリフルオロメタンスルホン酸または他のアニオンが好ましい。]
[0045] 光学指示薬または光学指示薬系としては、還元可能であり、還元した場合、たとえば色、蛍光、反射率、透過率、偏光または/および屈折率などのその光学的性質が検出可能に変化するあらゆる物質を使用することができる。試料中の分析物の存在または/および量の測定は、裸眼で、または/および当業者にふさわしいことが明らかな測光法を用いた検出装置により行うことができる。]
[0046] ヘテロポリ酸、とりわけ2,18−リンモリブデン酸は、光学的指示薬として好ましく使用され、対応するヘテロポリブルーに還元される。]
[0047] 補酵素の変化は、蛍光を測定することにより特に好ましく検出される。蛍光測定は高感度であり、小型システム内での低濃度の分析物でさえ検出可能である。]
[0048] たとえば電気化学的テストストラップなどの適切なテストエレメントを使用し補酵素の電気化学的変化を検出することもまた別の可能性である。これに関する前提条件は、前述と同じ、還元された補酵素により、電子の移動により還元型に変換されることができる適切なメディエーターの使用である。分析物は、還元されたメディエーターを再酸化するために必要とされ、試料中の分析物の濃度と相関する電流を測定することにより測定される。電気化学的測定に使用することができるメディエーターの例としては、特に光度測定のために使用される前述のメディエーターが挙げられる。]
[0049] 分析物を検出するために液体テストを使用することも可能である。この場合、試薬はたとえば、水性または非水性液体の溶液または懸濁液の形態で、または粉末もしくは凍結乾燥物の形態である。しかしながら、乾式テストを使用することも可能である。この場合、試薬は支持体、テストストラップに塗布されている。支持体としては、たとえば、調査されるべき液体試料により湿潤される吸収材料および/または膨潤性材料を含むテストストラップなどが挙げられる。]
[0050] 特に好ましいテスト形式には、グルコースを検出するための安定なNAD誘導体を伴う酵素グルコース脱水素酵素の使用が含まれる。この場合、還元された補酵素NADHの誘導体が形成される。NADHは光学的な方法、たとえばUV励起後の光度測定または蛍光測定により検出される。特に好ましいテスト系は米国特許出願2005/0214891号明細書に記載されており、本明細書に明確に参照として述べられる。]
[0051] 本発明はさらに、安定な補酵素により安定化された酵素であって、好ましくは少なくとも2週間、特に好ましくは少なくとも4週間そして最も好ましくは少なくとも8週間、好ましくは少なくとも20℃、特に好ましくは少なくとも25℃そして最も好ましくは少なくとも30℃、必要に応じて高い湿度でかつ乾燥剤なしでの保管において、当初のレベルと比較して50%未満、好ましくは30%未満そして最も好ましくは20%未満の酵素活性の低下を示す安定化された酵素にも関する。]
[0052] 本発明はさらに、分析物を検出するための検出試薬であって、前述のとおり安定な補酵素により安定化された酵素を含む検出試薬にも関する。本発明はまた、本発明にしたがい安定化された酵素および本発明による検出試薬それぞれを含むテストエレメントに関する。検出試薬およびテストエレメントはそれぞれ、乾式テストまたは液体テストを実施するのに適している。テストエレメントは、好ましくは分析物の蛍光または光度検出用のテストストリップである。このようなテストストリップは、安定な補酵素により安定化され、たとえばセルロース、プラスチックなどの吸収材料および/または膨潤性材料上に固定された酵素を含む。]
[0053] 本発明は以下の図面および実施例によってより詳細に説明される。]
[0054] 実施例1
カルバ−NAD(図1A)またはNADをグルコース特異的GlucDHに添加した。これらの処方を、いずれの場合もPokalon film(Lonza)に塗布し、乾燥後、温かく湿気のある条件下(32℃、相対湿度85%)で保管した。その後、反応速度および関数プロット(function plot)を定期的に測定した。平行して、各測定時間でcNAD/NAD分析および酵素の残存活性の測定を行った。] 図1A
[0055] 第1日目に測定されたNAD(図2A)およびcNAD(図2B)に関する反応速度プロットが比較され、良く似たグルコース依存的上昇を示す。しかしながら、反応速度プロットにおける目立った相違が5週間後に明らかとなる。NADに関する反応速度(図2C)は、それらの動力学が大いに減少するのに対し、cNADにより安定化された酵素の反応速度は事実上変化しないままである(図2D)。] 図2A 図2B 図2C 図2D
[0056] 図3から明らかなように、空試験値(血液試料の適用前の乾燥空試験値)に目立った変化がある。NADに関する乾燥空試験値の上昇は蛍光粒子の形成に寄与する(Oppenheimer (1982)、前出)。驚くべきことに、これはcNADでは生じていない。] 図3
[0057] NADおよびcNADそれぞれの存在下におけるグルコース脱水素酵素の異なる安定性も図4および5の比較から明らかである。5週間後、cNADにより安定化された酵素に関する関数プロットは、なお一連の先の測定値(図5A)にあり、一方、NADにより処理した酵素に対するプロット(図4)は、より高い濃度で低下が見られる。この低下は、酵素/補酵素の量が低すぎるという典型的なしるしである。図5Bは、24週間の期間にわたるcNADにより安定化されたグルコース脱水素酵素の様々な関数プロットを示す。これに関しては、酵素の機能は、期間を通して高いグルコース濃度で僅かに変化するのみであり、24週間後が5週間後に得られた値におおよそ相当することが明らかである。] 図4 図5A 図5B
[0058] 補酵素の構造と所定の期間にわたるその安定性との関係は図6から明らかである。これによると、24週間保管(32℃および相対湿度85%)後のグルコース検出試薬中のcNADの残存含量は、なお当初のレベルの約80%であり、一方NADにより安定化されたグルコース検出試薬中のNADの含有量は、たった5週間後には当初のレベルの約35%に低下し、外挿により約17週間後にはゼロに減少した。] 図6
[0059] 32℃および相対湿度85%で5週間後の活性なGlucDH酵素の残存活性の測定結果(図7A)は、全く驚くべきものである。NADにより安定化された酵素はここで極めて低い酵素活性(0.5%)しか示さず、一方cNADにより安定化された酵素は、70%の残存活性をなお有する(いずれの場合でも、乾燥剤と一緒に冷蔵庫に保管した試料と比べて)。32℃および相対湿度85%で24週間後(図7B)、cNADによる安定化の場合、酵素の残存活性はなお約25%である。] 図7A 図7B
[0060] 野生型酵素(バチルスズブチルス由来)の代わりに突然変異体が使用される場合、残存GlucDH活性はさらにもっと上昇させることができる。cNADの存在下で32℃および相対湿度85%での24週間の保管後、野生型酵素の96位でグルタミン酸→グリシンおよび170位でグルタミン酸 →リジンというアミノ酸置換を有するGlucDH_E96G_E170K突然変異体(GlucDH−Mut1)の残存活性は約70%であり、一方、170位でグルタミン酸 → リジンおよび252位でリジン →ロイシンというアミノ酸置換を有するGlucDH_E170K_K252L突然変異体(GlucDH−Mut2)の残存活性は約50%である(図8)。] 図8
[0061] SDSゲルにおけるゲル電気泳動によるグルコース脱水素酵素の分析(図9および10)も、NADおよびcNADそれぞれの存在下での保管の間の相違を明確に示す。酵素はなお、cNADの存在下で32℃および相対湿度85%で5週間保管後、予期される移動度を有するバンドとして識別できるが、NADの存在下で保管された酵素は完全に消失した(図9)。同時に、図10から、NADにより安定化され50℃で保管された酵素のバンドが保管時間の増加と共に弱くなり、476時間後に事実上消失する一方、cNADの存在下で保管された酵素の対応するバンドは、実験の開始時に検出されたバンドと比較して僅かな変化しか示さないことが明らかである。] 図10 図9
[0062] この結果は、液相中での保管の場合も確認することができる(図11および11B)。50℃で95時間後、天然の補酵素NADの存在下でのグルコース脱水素酵素の残存活性は≒5%であり、一方、人工の補酵素cNADの存在下でのGlucDHの残存活性は75%である(図11A)。50℃で336時間保管後、NADで安定化された酵素の残存活性はもはや約1%のみであり;cNADの存在下で保管された酵素の残存活性はなお約70%であることが観察される。対応するSDSゲルも天然の補酵素NADの存在下でのGlucDHバンドの変化を同様に示し、新しいバンドがより高い分子量に現れ、30kDaバンドシフトする。] 図11A
[0063] 結局、まさに酵素のより良い結合の協同効果を通してではなく、補因子の安定化が同時に酵素の安定化をもたらすということは非常に驚くべき結果である。補因子NADの分解は、酵素GlucDHの安定性に負に作用し、実際その不活性化の速度が速まる。天然のNADを人工の類似体に換えることにより、GlucDHはストレスのある条件下(たとえば高温下)でその補因子の存在下いっそう保管可能となる。]
[0064] そのような系で、かなり改善された安定性を有する血中グルコーステストストリップを製造することができ、そのため乾燥剤なしの提示が可能である。]
[0065] 実施例2
cNADまたはNADがアルコール検出溶液に添加された。これらの混合物を35℃で保管した。ついで酵素の安定性を定期的に調べ、酵素の残存活性を測定した。]
[0066] もう一度、SDSゲルにおけるゲル電気泳動による分析(図12および13)は、NADおよびcNADの存在下における保管の間の違いを示す。よって、cNADにより安定化されたアルコール脱水素酵素のバンドは、6℃および35℃のそれぞれで65時間保管した後僅かに相違し、人口の補酵素による酵素の安定化を示す。対して、NADの存在下35℃で保管された酵素のバンドは、完全に消失する(図12)。] 図12
[0067] さらに、図13からNADにより安定化され、35℃で保管された酵素のバンドは、保管期間が増加するにつれて弱くなり、5日後にほぼ完全に消失する。35℃で6日間保管された後に検出されたcNADにより安定化された酵素のバンドは、明確に酵素の分解をほとんど示さず、つまり安定性の増加を示す。] 図13
[0068] この結果は、液相中での保管の場合も確認することができる(図14)。35℃で65時間後、天然の補酵素NADの存在下でのアルコール脱水素酵素の残存活性は約6%であり、一方、人工の補酵素cNADの存在下でのその酵素の残存活性はなお約60%である。] 図14
[0069] 実施例3
グルコースを測定するために、各ケースにグルコース脱水素酵素、NAD、メディエーターおよび、必要に応じ光学的指示薬を含んだ種々のテスト系が、光学的および電気化学的に測定された。]
[0070] 光学的測定については、最初に、各ケースとも室温で11週間保管され、グルコース脱水素酵素、NADおよびメディエーターに加えて2,18−リンモリブデン酸を含む4つのテストエレメントが種々のグルコース濃度で調べられた。]
[0071] 図15から明らかなように、グルコース濃度の増加と共に使用された4つのメディエーター、すなわち、[(4−ニトロソフェニル)イミノ]ジメタノール塩酸塩(Med A)、1−メチル−5,6−ジオキソ−5,6−ジヒドロ−1,10−フェナントロリニウムトリフルオロメタンスルホネート(Med B)、7−メチル−5,6−ジオキソ−5,6−ジヒドロ−1,7−フェナントロリニウムトリフルオロメタンスルホネート(Med F)および1−(3−カルボキシプロポキシ)−5−エチルフェナンジニウムトリフルオロメタンスルホネート(Med G)の全てについて反射率の下落が観察された。したがって、前記メディエーターは、原則的に光学測定によるグルコースの測定に適している。] 図15
[0072] 800mg/dl領域の高いグルコース濃度で、[(4−ニトロソフェニル)イミノ]ジメタノール塩酸塩および1−(3−カルボキシプロポキシ)−5−エチルフェナンジニウムトリフルオロメタンスルホネートのそれぞれを使用した場合の測定試料の反射率は、なお約20%あり、これら2つのメディエーターが、グルコース脱水素酵素/NAD系を用いる光度測定に特に適していること、したがってグルコース脱水素酵素/cNAD系にも適していることを示している。グルコース濃度0〜800mg/dlの範囲で、グルコース脱水素酵素、NAD、1−(3−カルボキシプロポキシ)−5−エチルフェナンジニウムトリフルオロメタンスルホネートおよび2,18−リンモリブデン酸系を用いるグルコースの変換の反応速度は、図16に示される。] 図16
[0073] 図17の図から明確なように、グルコースの光学的な測定は、中継メディエーターとしてのジアホラーゼの使用(追加として)でも行われた。図18は、グルコース脱水素酵素、NAD、ジアホラーゼ、[(4−ニトロソフェニル)イミノ]ジメタノール塩酸塩および2,18−リンモリブデン酸系(系1)、における反射率の濃度依存的減少を示す。比較として供される系は、グルコース色素オキシドリダクターゼ、ピロロキノリンキノン、[(4−ニトロソフェニル)イミノ]ジメタノール塩酸塩および2,18−リンモリブデン酸(系2)であり、同様に反射率の濃度依存的減少を生じるが、グルコース色素オキシドリダクターゼの低い特異性という不利益を有する。0〜800mg/dlの範囲のグルコース濃度で系1を用いるグルコース変換の反応速度は、図19に示される。] 図17 図18 図19
[0074] 光学測定の代替法として、分析物の測定の目的で電気化学的測定法を採用することもできる。したがって、還元されたメディエーターを再酸化するために必要な電流は、グルコース脱水素酵素に加え、補酵素としてNADそしてメディエーターとして1−(3−カルボキシプロポキシ)−5−エチルフェナンジニウムトリフルオロメタンスルホネートを含有するテストエレメントと、対応するNADの代わりに安定化された補酵素cNADを含む系とのいずれにおいてもグルコース濃度に直線的に依存する(図20)ことが見出された。] 図20
実施例

[0075] したがって、脱水素酵素/安定な補酵素系を用いる分析物の測定は、電気化学的検出および補酵素とは独立している別の波長での評価によっても可能である。全ての処方は、安定な酵素/補酵素対の使用によりさらに安定化されるべきでもある。]
权利要求:

請求項1
酵素を安定化する方法であって、該酵素を安定な補酵素の存在下で保管することを特徴とする方法。
請求項2
前記酵素が脱水素酵素から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
請求項3
前記酵素が、グルコース脱水素酵素(E.C.1.1.1.47)、乳酸脱水素酵素(E.C.1.1.1.27、1.1.1.28)、リンゴ酸脱水素酵素(E.C.1.1.1.37)、グリセロール脱水素酵素(E.C.1.1.1.6)、アルコール脱水素酵素(E.C.1.1.1.1)、α−ヒドロキシ酪酸脱水素酵素、ソルビトール脱水素酵素またはたとえばL−アミノ酸脱水素酵素(E.C.1.4.1.5)などのアミノ酸脱水素酵素から選択される脱水素酵素であることを特徴とする請求項2記載の方法。
請求項4
グルコース脱水素酵素が酵素として使用されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
請求項5
安定な補酵素が、安定なニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD/NADH)化合物およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP/NADPH)化合物および式(I)の化合物から選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
請求項6
安定な補酵素が一般式(II)を有する化合物(式中、A=アデニンまたはその類似体、T=それぞれ独立してO、S、U=それぞれ独立してOH、SH、BH3-、BCNH2-、V=それぞれ独立してOHまたはリン酸基、または2つの基が環状リン酸エステル基を形成する、W=COOR、CON(R)2、COR、CSN(R)2、R=それぞれ独立してHまたはC1〜C2−アルキル、X1、X2=それぞれ独立してO、CH2、CHCH3、C(CH3)2、NH、NCH3、Y=NH、S、O、CH2、Z=直鎖状または環状有機基、ただしZおよびピリジン残基は、グリコシル結合により連結されない)またはその塩、もしくは必要に応じて還元型から選択されることを特徴とする請求項5記載の方法。
請求項7
Zが、(i)4〜6個のC原子、好ましくは4C原子を有し、1つまたは2つの原子が任意には1つまたはそれ以上のO、SおよびNから選択されるヘテロ原子により置換されている直鎖状基、および(ii)5または6C原子を有する環状基を含み、任意にはO、SおよびNから選択されるヘテロ原子を、そして任意には1つまたはそれ以上の置換基およびCR42基(CR42は環状基およびX2に結合し、R4=それぞれ独立してH、F、Cl、CH3)を含む基から選択される請求項6記載の方法。
請求項8
Zが、飽和または不飽和の炭素5員環または複素5員環、特に一般式(III)の化合物式中、単結合または二重結合がR5'およびR5''との間に存在でき、R4=それぞれ独立してH、F、Cl、CH3、R5=CR42、式中、R5'およびR5''との間が単結合である場合、R5'=O、S、NH、NC1〜C2−アルキル基、CR42、CHOH、CHOCH3、およびR5''=CR42、CHOH、CHOCH3、および式中、R5'およびR5''との間が二重結合である場合、R5'=R5''=CR4、およびR6、R6'=それぞれ独立してCHまたはCCH3である請求項7記載の方法。
請求項9
W=CONH2またはCOCH3である請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
請求項10
R5がCH2である請求項8または9記載の方法。
請求項11
R5'がCH2、CHOHおよびNHから選択される請求項8〜10のいずれかに記載の方法。
請求項12
R5'およびR5''がそれぞれCHOHである請求項8〜11のいずれかに記載の方法。
請求項13
R5'がNHであり、かつR5''がCH2である請求項8〜11のいずれかに記載の方法。
請求項14
安定な補酵素がカルバNADであることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
請求項15
安定な補酵素により安定化される酵素が、少なくとも2週間、好ましくは少なくとも4週間、そして特に好ましくは少なくとも8週間保管されることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
請求項16
安定な補酵素により安定化される酵素が、少なくとも20℃、好ましくは少なくとも25℃、そして特に好ましくは少なくとも30℃の温度で保管されることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
請求項17
安定な補酵素により安定化される酵素が乾燥剤なしで保管されることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
請求項18
安定な補酵素により安定化される酵素が、少なくとも50%の相対湿度で保管されることを特徴とする方法。
請求項19
安定な補酵素により安定化される酵素の保管が乾燥物として行われることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
請求項20
安定な補酵素により安定化される酵素の保管が液相において行われることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
請求項21
安定な補酵素により安定化される酵素の保管が、テストエレメントにおいて行われることを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
請求項22
安定な補酵素により安定化された酵素であって、好ましくは少なくとも2週間、特に好ましくは少なくとも4週間そして最も好ましくは少なくとも8週間、好ましくは少なくとも20℃、特に好ましくは少なくとも25℃そして最も好ましくは少なくとも30℃、必要に応じて高い湿度でかつ乾燥剤なしでの保管において、当初のレベルと比較して50%未満、好ましくは30%未満そして最も好ましくは20%未満の酵素活性の低下を示す安定化された酵素。
請求項23
請求項22記載の安定化された酵素を含む、分析物を測定するための検出試薬。
請求項24
請求項22記載の安定化された酵素または請求項23記載の検出試薬を含むことを特徴とするテストエレメント。
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