专利摘要:
本発明の実施形態は、光学流体顕微鏡(OFM)装置を改良するための技術に関連する。使用され得る1つの技術は、光検出器の層を覆う開口層を排除する。他の技術は、光が光検出器まで流路を通過する前に開口層を通過するように、光源および光検出器の相対的位置を反転する、開口層を維持する。別の技術は、流路を通って移動する対象物の移動を制御するための光ピンセットを加える。別の技術は、光透過領域から離れた光検出器まで光を中継するための光ファイバー束を加える。別の技術は、回転を抑制させながら流路を通って対象物を移動させ得る電場を生成するために流路の端部に2つの電極を加える。これらの技術は、OFM装置の性能を改良するために、別々または組み合わせて利用されてもよい。
公开号:JP2011513794A
申请号:JP2010549853
申请日:2009-03-04
公开日:2011-04-28
发明作者:シークアン クイ;シン ヘン;チャンフエイ ヤン;ラップ;マン リー
申请人:カリフォルニア インスティテュート オブ テクノロジー;
IPC主号:G02B21-00
专利说明:

[0001] (関連出願に対する相互参照)
本出願は、2008年3月4日に出願された「Optofluidic Microscope」という発明の名称の米国仮特許出願第61/068,131号の出願日の利益を主張する正規の特許出願である。その仮出願は全ての目的のためにその全体が参照として本明細書に援用される。]
[0002] この正規の出願は、以下の同時係属および同一出願人による特許出願に関連し、それらは全ての目的のためにその全体が参照として本明細書に援用される。
・2005年5月9日に出願された「Optofluidic Microscope Device」という発明の名称の米国特許出願第11/125,718号。
・2007年3月14日に出願された「Optofluidic Microscope Device」という発明の名称の米国特許出願第11/686,095号。
・2007年5月2日に出願された「On−chip Microscope/Beam Profiler based on Differential Interference Contrast and/or Surface Plasmon Assisted Interference」という発明の名称の米国特許出願第11/743,581号。]
[0003] 以下の正規の特許出願が同日に出願され、全ての目的のためにその全体が参照として本明細書に援用される:「Methodsof Using Optofluidic Microscope Devices」という発明の名称の米国特許出願(代理人整理番号020859−011110US)。]
[0004] (連邦政府による支援の研究または開発の下でなされた本発明に対する権利に関する声明)
米国政府は、国立衛生研究所によって与えられた認可番号EB005666およびDARPAによって与えられた認可番号HR0011−04−1−0032に従って本発明において特定の権利を有する。]
[0005] (技術分野)
本発明の実施形態は概して、光学流体顕微鏡装置に関する。より具体的には、特定の実施形態は、光学流体顕微鏡(OFM)装置を改良するための技術に関する。]
背景技術

[0006] 顕微鏡および他の光学顕微鏡装置は、現代の生体臨床医学および生命科学の全ての態様において広範に使用される。典型的に、従来の顕微鏡は、対物レンズ、対象物を支持するためのプラットフォーム、および画像の焦点を合わせるための接眼レンズを備える。これらの従来の顕微鏡の設計は大きな光学機械のレンズを有し、高価で、小型化することが難しいことが判明している。]
[0007] 光学顕微鏡におけるいくらかの進歩により、より小型化したシステムを提供することが望まれるが、重大な技術的障壁が示されている。例えば、近接場走査型光学顕微鏡(NSOM)は、対象物上の特定の位置を光学的に探査するためにNSOMプローブチップの末端で強く増強され、かつ厳密に制限された光場(近接場)を使用する。NSOMは、約50nmの空間解像度で構造物を光学的に分解する。さらに、NSOM画像化法は非破壊的であり、緩衝媒体中に浸される対象物を画像化するために使用できる。しかしながら、NSOMは近接場において光を検出するために制限される。さらに、NSOMはハイスループット率(すなわち、多くの数の対象物が単位時間あたりに画像化される)で画像化を実施することが困難である。]
[0008] いくつかの顕微鏡システムはレンズを完全に除去している。図1(a)は、レンズのない顕微鏡システムの上面図の概略図である。このシステムにおいて、画像化される対象物10は、光検出素子の二次元アレイを有する光検出器11(例えば、相補型対称金属酸化膜半導体(CMOS)光検出器)上に直接配置される。光検出器11は、対象物10のスナップショット画像32を撮る。スナップショット画像102の解像度は一般に、各光検出素子のサイズ(例えばピクセルサイズ)によって限定される。] 図1
[0009] 図1(b)は、別のレンズのない顕微鏡システムの上面図の概略図である。このシステムにおける光検出器11は、小さな開口部(穴)を有する開口層14(例えば薄い金属層)によって覆われる。開口部は、光検出器における各々の別個の光検出素子の中心に対応する位置で開口層14に形成される。各々の光検出素子は概して、その上の開口部を通って移動する光に感受性があるだけである。その装置は小さく、かつピクセル幅の間隔が比較的広く空いているので、開口部を通して移動する光は、開口層14まで移動する光のまばらなサンプリングである。開口層14の上に対象物10を配置することによって、対象物10のまばらにサンプリングされた画像34が生成され得る。まばらにサンプリングされた画像34は、図1(a)に示されたシステムによって生成された画像より良好な解像度を有し得る。しかしながら、画像解像度は、光検出器11の光検出素子のピクセルサイズによって制限される。] 図1
[0010] 図1(c)は図1(b)のシステムの上面図の概略図であり、時間変動データをとるためにラスター走査が使用されて、埋め込まれた画像(filled−in image)36を生成する。埋め込まれた画像36は、開口層14の上で対象物10をラスター走査すること(または対象物10の上で開口層14をラスター走査すること)によって生成され得、開口部を通る光検出素子によって検出される光の時間的に変化する移動を合成する。時間変動データが使用されるため、埋め込み画像36の解像度は、x方向において改良される。しかしながら、解像度は、各々の光検出素子のサイズ(例えば、ピクセルサイズ)によってy方向において制限される。] 図1
課題を解決するための手段

[0011] 本発明の実施形態は、OFM装置を改良するための技術に関連する。使用され得る1つの技術は、光検出器の層を覆う開口層を除去する。他の技術は、光が光検出器まで流路を通過する前に開口層を通過するように、光源および光検出器の相対的位置を反転する、開口層を維持する。別の技術は、光透過領域(例えば開口)から離れた光検出器まで光を中継するための光ファイバー束を加える。この技術は、光検出器を光透過領域から分離させる。]
[0012] さらなる技術が、流路を通る流体の流れおよび/または対象物を制御するために使用されてもよい。使用され得る1つの技術は、表面に対象物を引き付けるために流路の表面の外側に1つ以上の電極を加える。別の技術は、回転を抑制しながら流路を通って対象物を移動させ得る電場を生成するために流路の端部に2つの電極を加える。別の技術は、対象物を流路に導入するための射出装置および流路中に対象物を適切に配置するために流体の流れを利用する2つの絞り込み装置を加える。別の技術は、流路を通って移動する対象物の移動を制御するためのレーザー(光ピンセット)を加える。]
[0013] 他の技術は、OFM装置の性能を改良するためにフィルターおよび/または蛍光の使用を加える。以下に具体的に記載する他の技術と一緒に、OFM装置の性能を改良するために上記の技術が別々または組み合わせて利用されてもよい。]
[0014] 一実施形態は、長手方向軸を有する流路を規定する本体を含むOFM装置に関する。本体は流路に近接する表面層を含む。OFM装置はまた、表面層内に配置される光検出素子の一次元アレイを含む。光検出素子は流路を通過する光を受け、対象部が流路を通過する場合、受けた光に関連する時間変動データを生成するように構成される。光検出素子の一次元アレイは、流路の第1の側面から第2の側面まで実質的に延在する。]
[0015] 別の実施形態は、流路を通して対象物を移動させる工程と、対象物を流路を通して移動させながら照明光源を用いて流路に光を与える工程と、を含む方法に関する。その方法はまた、OFM装置の本体の表面層に配置される光検出素子のアレイを有する流路を通過する照明光源からの光を受ける工程を含む。表面層は流路に近接する。光検出素子の一次元アレイは、流路の第1の側面から第2の側面まで実質的に延在する。その方法はまた、光検出素子のアレイによって受けた光に関連するデータを生成する工程と、光検出素子のアレイによって生成されるデータに基づいてプロセッサを用いてライン走査を生成する工程と、対象物の画像を生成するためにプロセッサを用いてライン走査をアセンブルする工程と、を含む。]
[0016] 一実施形態は、流路を規定し、光透過領域を有する本体を含むOFM装置に関する。OFM装置はまた、光透過領域を通して照明光源からの光を受け、受けた光に関連するデータを生成するように構成される光検出素子の第1の一次元アレイおよび光検出素子の第1の一次元アレイに実質的に平行な光検出素子の第2の一次元アレイを含む。第2の一次元アレイにおける光検出素子は、光透過領域を通る光を受け、光に関連する追加データを生成するように構成される。]
[0017] 一実施形態は、流路を規定する本体を含むOFM装置に関する。本体は、流路に近接し、流路の第1の側にある開口表面層と、第1の側に対向する流路の第2の側にあるさらなる層とを備える。OFM装置はまた、開口表面層における光透過領域を通して流路に照明を与えるように構成される照明光源と、さらなる層に配置される光検出素子の一次元アレイを備える。光検出素子は、流路から光を受け、受けた光に関連する時間変動データを生成するように構成される。]
[0018] 一実施形態は、流路を規定する本体、本体における光透過領域、光検出器、および光ファイバー束を備えるOFM装置に関する。光ファイバー束は、流路と光通信し、光透過領域を通して照明光源からの光を受けるように構成される第1の端部と、光検出器と光通信する第2の端部とを有する。]
[0019] 一実施形態は、流路を規定する本体を備えるOFM装置に関する。その本体は、流路に近接する表面層を備える。OFM装置はまた、流路から光を受け、受けた光に関連するデータを生成するように構成される本体における光検出素子のアレイと、表面層の外側で本体に配置される電極とを備える。その電極は、流路を通って表面層まで移動する対象物を引き付けるための正電荷を生成するように構成される。]
[0020] 一実施形態は、長手方向軸を有する流路を規定する本体と、その本体における光検出素子のアレイとを備えるOFM装置に関する。光検出素子のアレイは、流路を通る照明光源からの光を受け、受けた光に関連するデータを生成するように構成される。OFM装置はまた、流路の長手方向軸に沿った異なる位置に第1の電極および第2の電極を備える。第1の電極および第2の電極は、対象物の回転を実質的に防ぎながら、流路の長手方向軸に平行な方向において流路を通して対象物を移動させる電場を生成するように構成される。]
[0021] 一実施形態は、流路を規定する本体と、本体における光検出素子のアレイとを備えるOFM装置に関する。光検出素子のアレイは、流路から光を受け、受けた光に関連するデータを生成するように構成される。OFM装置はまた、対象物を流路に導入するように構成される射出装置と、その対象物を流路の一部に移動させるための流体の流れを生成するように構成される第1の絞り込み装置および第2の絞り込み装置とを備える。]
[0022] 一実施形態は、流路を規定する本体と、流路から光を受け、受けた光に関連するデータを生成するように構成される本体における光検出素子のアレイと、流路を通って移動する1つ以上の対象物の移動を制御するためのレーザーと、を備えるOFM装置に関する。]
[0023] 一実施形態は、流路を規定する本体を備えるOFM装置に関する。その本体は流路に近接する表面層を備える。OFM装置はまた、表面層における光透過領域と、その表面層の外側に配置される第1のフィルターとを備え、その第1のフィルターは、流路を通って移動する対象物におけるフルオロフォアから再放射される波長の光を通過させるように構成される。OFM装置はまた、第1のフィルターの外側に配置され、その第1のフィルターを通過する光を受けるように構成される光検出素子の一次元アレイを備える。]
[0024] 一実施形態は、流路を規定する本体を備えるOFM装置に関する。その本体は流路に近接する表面層を備える。OFM装置はまた、表面層に複数のスリットを備える。そのスリットは、流路の長手方向軸に対して異なる方向を有する。OFM装置はまた、本体において、スリットを通して光を受け、受けた光に関連する時間変動データを生成するように構成される光検出素子を備える。]
[0025] 一実施形態は、サンプルを受容するための流入部と、表面層を有する本体と、複数のOFM装置とを備えるOFM装置に関する。各々のOFM装置は、本体によって規定され、流入部からサンプルの一部を受けるように適合される流路を備える。本体の表面層は流路に近接する。OFM装置はまた、表面層内に配置される光検出素子の一次元アレイを備える。光検出素子は、流路を通過する光を受け、サンプルが流路を通過する場合、受けた光に関連する時間変動データを生成するように構成される。光検出素子の一次元アレイは、流路の第1の側面から第2の側面まで実質的に延在する。]
[0026] 本発明のこれらおよび他の実施形態は以下にさらに詳細に記載される。]
図面の簡単な説明

[0027] 図1(a)はレンズのない顕微鏡システムの上面図の概略図である。図1(b)は別のレンズのない顕微鏡システムの上面図の概略図である。図1(c)は図1(b)のシステムの上面図の概略図であり、ラスター走査が時間変動データをとるために使用されて、埋め込まれた画像を生成する。
図2(a)は、本発明の実施形態に係る、開口層を有するOFM装置の構成要素を示す、対角線に沿って得られた断面図である。図2(b)は、本発明の実施形態に係る、開口層を備えないOFM装置の構成要素の側面図の概略図である。
図3(a)は、本発明の実施形態に係る、第1の構成におけるOFM装置の構成要素の斜視図の概略図である。図3(b)は、本発明の実施形態に係る、OFM装置の構成要素の上面図の概略図である。図3(c)は、本発明の実施形態に係る、OFM装置の構成要素の上面図の概略図である。
図4は、本発明の実施形態に係る、スリットの形態で光透過領域を備えるOFM装置の構成要素の概略図である。
図5は、本発明の実施形態に係る、x軸からαの角度で方向付けられた二次元アレイの形態で光透過領域を有するOFM装置の構成要素の上面図の概略図である。
図6は、本発明の実施形態に係る、第2の構成におけるOFM装置の構成要素の斜視図の概略図である。
図7は、本発明の実施形態に係る、図6に示されるOFM装置における流路の上面図の概略図である。
図8は、本発明の実施形態に係る、第3の構成におけるOFM装置の構成要素の側面図の概略図である。
図9(a)は、本発明の実施形態に係る、光ファイバー束を備えるOFM装置の構成要素の側面図の概略図である。図9(b)は、本発明の実施形態に係る、図9(a)の光ファイバー束を備えるOFM装置を用いて生成された画像である。
図10は、本発明の実施形態に係る、複数のOFM装置を有するOFMシステムの概略図である。
図11(a)は、本発明の実施形態に係る、OFM装置の構成要素の上面図の概略図である。図11(b)は、本発明の実施形態に係る、OFM装置を用いて生成された対象物の2つの画像を相互相関するための方法のフローチャートである。
図12(a)は、本発明の実施形態に係る、対象物の一部を画像化するために蛍光を使用するOFM装置の構成要素の部分的な断面図の概略図である。図12(b)は、本発明の実施形態に係る、対象物の一部を画像化するために蛍光を使用するOFM装置の部分的な断面図の概略図である。
図13(a)は、本発明の実施形態に係る、連続する3つのOFM装置を備えるOFMシステムの上面図の概略図である。図13(b)は、本発明の実施形態に係る、2×2の二次元アレイにおいて整列された4つのOFM装置を有するOFMシステムの上面図の概略図である。
図14は、本発明の実施形態に係る、重力駆動流を利用するOFM装置の構成要素の模式的な斜視図である。
図15(a)は、本発明の実施形態に係る、放物線速度プロファイルでの流路を有するOFM装置の構成要素の上面図の概略図である。図15(b)は、本発明の実施形態に係る、一定の速度プロファイルでの流路を有するOFM装置の構成要素の上面図の概略図である。
図16は、本発明の実施形態に係る、流体力学的絞り込み装置を備えるOFM装置の構成要素の上面図の概略図である。
図17は、本発明の実施形態に係る、不均一の電場に供されるOFM装置の構成要素の側面図の概略図である。
図18は、本発明の実施形態に係る、対象物の動きを制御するために光ピンセットを利用するOFM装置の構成要素の斜視図の概略図である。] 図1 図10 図11 図14 図15 図16 図17 図18 図2 図3
実施例

[0028] 本発明の実施形態は添付の図面を参照して以下に記載される。一実施形態は、以前は光検出器層の上に位置していた開口層を除去することによって、OFM装置を改良するための技術を含む。この実施形態のOFM装置は、上面および下面を有する流路を規定する本体を有する。OFM装置の本体は、流路の下面と一致する表面層を有する。照明光源は流路の上面の上に位置し、流路を通って流れとともに移動する対象物(例えば、細胞または微生物)の上に適切な波長の光を提供する。]
[0029] 光検出器は本体の表面層にあり、照明光源から対象物を通過する光および/または対象物におけるフルオロフォアから再放射される光を受ける。光検出器は、流路にわたって対角線上に延在する一次元アレイの形態において個々の光検出素子(例えば、ピクセル)を備える。一次元アレイは対角線上に位置するため、流路にわたる光検出素子の間の間隔は、光検出素子のサイズ(すなわち、ピクセルサイズ)より小さくてもよい。この対角線の配置に関して、y方向における解像度はピクセルサイズから独立しており、光学流体顕微鏡は、ピクセルサイズより非常に高い解像度で対象物を画像化できる。]
[0030] 一次元アレイにおける光検出素子は、対象物が流路を通って移動する場合、それらが受ける光の時間による変動を読み取る。これらの時間による変動の読み取りはライン走査を生成するために使用され得る。時間による変動の読み取りはまた、対象物の回転および速度を決定するために使用される。OFM装置は、対象物の画像を構築するために対象物の回転および速度を考慮しながら、ライン走査を使用する。]
[0031] この実施形態のOFM装置は、光透過領域(開口部)を有する開口層を除去しているので、他のOFM装置より簡単な設計を有する。このより簡単な設計により、製造に対する費用がより低くなり得る。さらに、開口層を除去することにより、図2(a)および図2(b)に関して以下に記載するようにOFM装置によって生成される画像の質が改良され得る。] 図2
[0032] 図2(a)は、本発明の実施形態に係る、開口層14を有するOFM装置100の構成要素を示す対角線に沿った断面図である。幅「a」を有する3つの光透過領域14(a)(例えば、穴)を示す。例示するように、光透過領域14(a)は、光透過領域14(a)の入口で照明光源12からの光の散乱17を生じ得る。この光の散乱は、光透過領域14(a)のもう一方の側にある光検出器11によって受ける光の強度を減少させることができる。散乱に起因して、光検出器11によって検出される光の強度は、照明光源12起源である照明強度の100%未満である。光検出器11による検出は、ピクセル中の影付きの領域によって表される。画像の質は、検出される光の強度が比較的低い場合、迷光(ノイズ)による影響をより受け得る。] 図2
[0033] 開口層14を除去することにより、信号対ノイズ比および画像の質を改良することができる光透過領域に起因する光の散乱が回避される。図2(b)は、本発明の実施形態に係る、開口層14を備えないOFM装置10の構成要素の対角線に沿った断面図を示す概略図である。この例示した実施形態において、照明光源12からの光は、光検出素子11(a)(ピクセル)に到達する前に、実質的に妨げられない。この場合において、検出される光の強度は、照明光源12からの照明強度の約100%である。この検出は、完全に影を付けた光検出素子11(a)によって表される。この実施形態におけるOFM装置は開口層14を除去し、同じ照明強度の下で開口層14を有するOFM装置より良い信号対ノイズ比で画像を提供することができる。] 図2
[0034] 一般に、本発明の実施形態のOFM装置は、従来の顕微鏡と比べて、安く、小型でレンズがないため、利点を提供する。数十または数百もの個々のOFM装置が単一の小型の装置上に配置されてもよい。単一の小型の装置上で多数の顕微鏡を使用する能力は、多数の細胞または微生物の並行画像化を可能にする。並行画像化はハイスループット率を可能にする。これにより、本発明の実施形態のOFM装置は種々の臨床用途に非常に適するようになる。さらに、OFM装置は、安く、使い捨てでもよい。臨床的環境において、OFM装置を処分する能力は、試料間の二次汚染の危険性の可能性を減少させることができる。さらに、本発明の実施形態は、マラリアなどの疾患を診断することなどの特定の用途のために設計されてもよい。第三世界の環境において、マラリアの診断に適切な低いコストで小型の顕微鏡システムは、しばしば、医療施設に行くことを制限され、村から村へ移動する必要がある医療従事者にとって利点があり得る。]
[0035] I.OFM(光学流体顕微鏡)装置の構成
OFM装置100の3つの構成を以下に記載する。第1の構成は、光検出器11における光検出素子11(a)を覆う開口層14および対象物10の上に照明光源を有するOFM装置100を備える。第2の構成は開口層14を除去している。第3の構成は流路の下に照明光源を配置し、流路の上に光検出器11を配置する。]
[0036] A.第1の構成
図3(a)は、本発明の実施形態に係る、第1の構成におけるOFM装置100の構成要素の斜視図の概略図である。] 図3
[0037] OFM装置100は、流路22を規定するか、または備える本体16を備える。流路22は、その流路22の反対側に第1の表面22(a)および第2の表面22(b)を備える。第1の表面22(a)は、流路22の底部で内部面に対応し得、第2の表面22(b)は、流路22の上部で内部面に対応し得る。流路22はまた、2つの対向する側面22(c)および22(d)を備える。]
[0038] 本体16は、多層構造または単一のモノリシック構造であってもよい。例示した実施形態において、本体16は、第1の表面22(a)を有する流路22の内面層である不透明または半不透明の開口層14を有する多層構造である。透明または半透明の開口層14は、その中に光透過領域14(a)を有する。透明または半透明の開口層14は、一部の場合において薄い金属層であってもよい。本体16は必要に応じて、OFM装置100の流路22を通って移動する流体および対象物10から透明または半透明の開口層14を分離するために、透明または半透明の開口層14を覆う透明な保護層(図示せず)を備えてもよい。]
[0039] 流路22は任意の適切な寸法を有してもよい。例えば、流路22の幅および/または高さは、各々、約10、5または1ミクロン未満であってもよい。一部の実施形態において、流路22は、OFM装置100によって画像化される対象物10のサイズに基づいたサイズであってもよい。例えば、流路22の高さは10ミクロンであってもよく、画像化される対象物10は、その対象物10を透明または半透明の開口層14にとどめておくために8ミクロンであり、画像の質を改良するのに役立ち得る。ほとんどの実施形態において、流路22における流体の流れは通常、x軸の方向である。]
[0040] OFM装置100はまた、透明または半透明の開口層14の外側に光検出器11を備える。照明光源12は流路22の第2の表面22(b)を通して光を与える。流体が流路22を通って流れる場合、流体中の対象物10は照明光源12の下を通過する。対象物10は光透過領域14(a)に通る光を変化させる(例えば、遮断する、強度を減少させる、および/または波長を変化させる)。光検出素子11(a)は、光透過領域14(a)を通して移動する光を検出する。]
[0041] OFM装置100はまた、流路22に近接する光検出器11の内部面の平面にあるx軸およびy軸を備える。x軸は流路22の長手方向軸に沿って存在する。y軸は光検出器11の内部面の平面においてx軸に直交する。]
[0042] 透明または半透明の開口層14における光透過領域14(a)は、任意の適切な形状および任意の適切な寸法であってもよい。例示した実施形態において、光透過領域14(a)は穴である。穴は、例えば、透明または半透明の開口層14(例えば、薄い金属層)の中にエッチングされてもよい。別の実施形態において、光透過領域14(a)は1つ以上のスリットの形態であってもよい。スリットは狭い長方形などの細長い開口部のことを指す場合がある。各スリットは任意の適切な寸法を有してもよい。スリットは均一な寸法を有してもよいか、または可変の寸法を有してもよい。スリットは、任意の適切な角度または流路22のx軸に対する角度で配置されてもよい。]
[0043] 図4は、本発明の実施形態に係る、スリットの形態において光透過領域14(a)を備えるOFM装置100の構成要素の上面図の概略図である。スリットは複数の方向で流路22に沿って配置される。他の例において、スリットは単一の方向で配置されてもよいか、または流路22にわたって延在してもよい。スリットを有することの1つの利点は、スリットが穴より製造に対して安価であり得ることである。別の利点は、スリットを通過する光の強度が穴のセットを通過するよりも強いことである。光透過率がより高い場合、信号対ノイズ比はより高くなり得、OFM装置100の性能を向上することができる。スリットを有する開口層の例は、Nozokido,Tatsuo,Mizuno,Koji,Scanning Near−Field Millimeter−Wave Microscopy Using a Metal Slit as a Scanning Probe,IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques,Vol.49,No.3,(2001年,3月)に見出され得、これは全ての目的のためにその全体が参照として本明細書に援用される。] 図4
[0044] 光透過領域14(a)は任意の適切な形態で配置されてもよい。適切な形態の一部の例としては、一次元アレイ、二次元アレイ、ならびに多数の一次元アレイおよび/または二次元アレイが含まれる。アレイは任意の適切な方向または方向の組み合わせを有してもよい。]
[0045] 図3(a)において、光透過領域14(a)は、流路22の一方の側面22(c)から流路22のもう一方の側面22(d)まで対角線上に延在する単一の一次元アレイの形態で存在する。一次元アレイはx軸に対してαの角度で配置される。αは任意の適切な角度であり得る。] 図3
[0046] 二次元アレイの例を図5に見ることができ、この図5は、本発明の実施形態に係る、x軸からαの角度で方向付けられている二次元アレイの形態において光透過領域14(a)を有するOFM装置100の構成要素の上面図の概略図である。この例において、二次元アレイは、非常に長い一次元アレイと置き換えている。二次元アレイは、図3に示す非常に長い一次元アレイの4つの部分を表し得る。アレイの長さを減少させることによって、光検出素子11(a)によって情報を読み取るための収集時間を減少させることができ、これによりスループット率を向上させることができる。収集時間を減少させることはまた、照明光源12に対する対象物10の曝露も減少させることができ、これにより、対象物10を焦がす危険性を減少させることができる。収集時間を減少させることにより、収集の間の回転および形状の変化に対する対象物10の脆弱性も減少させることができる。これらの変化を回避することによって、画像の質を改良することができ、処理も減少させることができる。さらに、アレイの長さを減少させることにより、より小型のOFM装置100が可能となる。] 図3 図5
[0047] 光検出器11(例えば、フォトセンサー)とは、光を検出し、強度、波長、および/または検出される光についての他の情報についてのデータを有する信号を生成できる任意の適切な装置を指す。信号は光電効果から生じる電流の形態で存在してもよい。適切な光検出器11の一部の例としては、光透過領域14(a)に対応する電荷結合素子(CCD)またはフォトダイオード(例えばアバランシェフォトダイオード(APD))の線形もしくは二次元アレイが挙げられる。光検出器11はまた、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)または光電子増倍管(PMT)であってもよい。他の適切な光検出器11は商業的に利用可能である。]
[0048] 光検出器11の光検出素子11(a)は、任意の適切なサイズ(例えば1〜4ミクロン)および任意の適切な形状(例えば円形または正方形)であってもよい。光検出素子11(a)は、一次元アレイ、二次元アレイ、ならびに複数の一次元アレイおよび/または二次元アレイなどの任意の適切な形態で配置されてもよい。一部の場合において、光検出素子11(a)は光透過領域14(a)と同じ形態で配置されてもよい。アレイは任意の適切な方向または方向の組み合わせを有してもよい。図3の例示した例において、光検出素子11(a)は、光透過領域14(a)の一次元アレイと対応する一次元アレイの形態で存在する。] 図3
[0049] 照明光源12はOFM装置100の構成要素であってもよいか、またはOFM装置100とは別であってもよい。照明光源12は、任意の適切な装置または間接照明などの他の光源によって与えられてもよい。任意の適切な波長および光の強度が使用されてもよい。例えば、照明光源12は対象物10におけるフルオロフォアの活性化を生じる波長を有する光を与えることができる。照明光源12は、流路22を通過する対象物10および光透過領域14(a)を通過できる光を与えるために任意の適切な位置に配置されてもよい。照明光源12によって与えられる光は時間とともに調節されてもよい。適切な照明光源は自然のものであり、商業的に利用可能である。]
[0050] OFM装置100はまた、光検出器11に通信可能に接続されるホストコンピューター50を備える。ホストコンピューター50は、コンピューター可読媒体54(CRM)に接続されるプロセッサ52(例えばマイクロプロセッサ)を備える。あるいは、ホストコンピューター50は別の装置であってもよい。]
[0051] プロセッサ50は、光検出素子11(a)によって受信される光と関連する光検出器11の光検出素子11(a)からの時間変動データを有する信号を受信する。データは、光の強度、光の波長、および/または光検出素子11(a)によって受信される光についての他の情報を含んでもよい。プロセッサ50は、光検出器11からの時間変動データを解釈すること、時間変動データからライン走査を生成すること、およびライン走査から流路22を移動する対象物10の画像を構築することなどのOFM装置100の機能の一部を実行するために、CRM54に保存されるコードを実行する。]
[0052] CRM(例えばメモリ)は、OFM装置100の一部の機能を実行するためのコードを保存する。そのコードはプロセッサにより実行可能である。一実施形態において、CRMは、a)異なる生物学的実体間を識別するためのコード、b)データを用いて対象物10の回転および速度を決定するためのコード、c)光検出素子11(a)から受信されるデータを用いて対象物10の形状の変化を決定するためのコード、d)光検出素子11(a)から受信される時間変動データを解釈するためのコード、e)相互相関および蛍光適用などの適切なアプリケーションを実行するためのコード、f)光検出素子11(a)から受信される時間変動データからライン走査を生成するためのコード、g)ライン走査および/または対象物10の回転もしくは形状の変化などの他のデータから1つ以上の画像を構築するためのコード、h)画像を表示するためのコード、ならびにi)画像処理のための任意の他の適切なコードを含む。CRMはまた、当業者によって作製され得る信号処理または他のソフトウェア関連機能のいずれかを実行するためのコードを含んでもよい。そのコードは、C、C++、Pascalなどを含む、任意の適切なプログラム言語であってもよい。]
[0053] 示されないが、OFM装置100はまた、プロセッサに通信可能に接続されるディスプレイを備えてもよい。任意の適切なディスプレイが使用されてもよい。一実施形態において、ディスプレイはOFM装置100の一部分であってもよい。ディスプレイは、対象物10の画像などの情報をOFM装置100のユーザーに提供してもよい。]
[0054] 対象物10は多くの実施形態において細胞として示されるが、任意の適切な対象物14がOFM装置100によって画像化されてもよい。適切な対象物10は生物学的実体または無生物実態であってもよい。生物学的実体の例としては、全細胞、細胞要素、細菌またはウイルスなどの微生物、タンパク質などの細胞要素が挙げられる。無生物実体もまた、本発明の実施形態により画像化され得る。]
[0055] 操作の間、流体(その中に対象物10が懸濁される)は流路22を通って流れる。流体の流れおよび/または対象物10の移動を制御する任意の適切な様式(複数も含む)が利用されてもよい。マイクロポンプ、DC動電学的装置、誘電泳動電極、および/または流体力学的焦点チャネルなどの任意の適切な装置が、流路22を通る流体の流れおよび/または対象物10の移動を制御するために使用されてもよい。制御の種々の様式はVの項に詳細に記載されている。]
[0056] 流体が流路22を通って流れる場合、対象物10は光透過領域14(a)を通過する。照明光源12からの光は流路22を通過し、対象物10によって変化される(例えば、遮断される、強度が減少される、および/または波長が変化される)。変化された光は、光透過領域14(a)を通過する。対象物10と相互作用しない光は、光透過領域14(a)まで流路22の表面22(a)を通過し、散乱が除かれて実質的に変化しないままである。]
[0057] 対象物10が流路22を通過する場合、光検出器11における光検出素子は、時間とともに光のデータ(例えば強度および波長の読み取り)をとる。この時間変動データは対象物10を画像化するために使用されてもよい。例示した実施形態において、各々の光透過領域14(a)および光透過領域14(a)を通過する光の透過率は、単一の光検出素子11(a)に独自にマッピングされる。光検出器11における各々の別個の光検出素子11(a)は、y軸に沿った位置に関連するライン走査を生成するために使用され得る時間変動データを生成する。時間変動データは信号の形態で通信される。光検出素子11(a)からの時間変動データは、対象物のプロファイルおよびその光学特性に依存する。例えば、所定の時間、所定の位置における光の低い強度に対応する時間変動データは、流路22のy軸に沿った特定の位置における対象物の長さに関するデータを提供することができる。光検出素子からの時間変動データは、ライン走査、および必要に応じて他のデータを用いて対象物10の画像を構築するためにプロセッサを用いて処理されてもよい。一例において、対象物10は、流路22および光検出器11における光検出素子11(a)上および光透過領域14(a)上を通過する場合、直線に移動することが仮定される。他の例において、特定のデータは、対象物10が流路22に沿って流れる場合、その対象物10の回転および速度を決定するために使用されてもよい。次いで、各々の光検出素子についての時間変動データは、対象物10の回転および/または速度からなる対象物10の画像を形成するためにプロセッサを用いて処理されてもよい。]
[0058] 一部の実施形態において、プロセッサは、流路22の長手方向軸の方向において対象物10の速度からなる対象物10の画像を生成する。流路20の長手方向軸に直交する方向における速度は、多くの実施形態において0と仮定される。]
[0059] 図3(a)に示す例示した実施形態に関して、流路22のy軸の方向(すなわちy方向)における達成可能な分解、ryは、このy方向において隣接する光透過領域14(a)の間隔に基づく。ユニット幅あたりの開口層14における十分な光透過領域14(a)、より高い達成可能な画像解像度は以下の式(1)に定義される。



式中、nhは光透過領域14(a)の数に等しく、wは路幅である。例えば、路幅が40μmである場合、流路22の全幅にわたって延在する40個の等しい間隔を開けた光透過領域14(a)が存在すると、y方向の画像解像度は1ミクロンである。つまり、y軸の方向における隣接する光透過領域14(a)の間の間隔は、y方向における達成可能な画像解像度に近づく。] 図3
[0060] 流路22のx軸の方向(すなわちx方向)において、達成可能な画像解像度は、式(2)に定義されるように、光検出器11によるデータの収集率および対象物10の正味の速度によって決定される(すなわち、x方向における解像度は対象物の移動速度u×ピクセル収集時間Δtと等しい)。]
[0061] 例えば、標的物の流速が毎秒100ミクロンである場合、光検出器の読み取り速度は1KHzであり、x方向における最大画像解像度は約0.1ミクロンに等しい。]
[0062] 図3(b)は、本発明の実施形態に係る、OFM装置100の構成要素の上面図の概略図である。OFM装置100は、光検出器11を覆う開口層14を備える(図3(a)に示す)。開口層14は、流路22の長手方向軸に対する角度θで方向付けられる光透過領域14(a)の二次元アレイを有する。例示した例において、光透過領域14(a)は開口層14の形態であるので、二次元アレイは、開口層14の長手方向軸に配置される。開口層14は角度θによって回転され、次いで光検出器11の上に配置される。他の実施形態において、光透過領域14(a)は、開口層14の長手方向軸に対する角度θで開口層14内に形成されてもよい。] 図3
[0063] 図3(c)は、本発明の実施形態に係る、OFM装置100の構成要素の上面図の概略図である。OFM装置100は光検出器11の上に開口層14を備える(図3(a)に示す)。開口層14は、x軸から角度(θ)で方向付けられる一次元アレイ(直線)の形態で光透過領域14(a)を備える。OFM装置100はまた、流体(その流体内に対象物10が懸濁される)を有する流路22を備える。光透過領域14(a)は流路22にわたって延在する。光検出器11における光検出素子11(a)は、対象物11が流路12を通って流れる流体とともに移動する場合、対象物11を通過する(または対象物におけるフルオロフォアにより生成される)光の時間変動移動データをとる。画像40は、光検出素子11(a)によって生成される時間変動データを用いて光学流体顕微鏡装置100によって生成され得る。] 図3
[0064] B.第2の構成
図6は、本発明の実施形態に係る、第2の構成におけるOFM装置100の構成要素の斜視図の概略図である。] 図6
[0065] OFM装置100は、流路22を規定するか、または備える本体16を備え、光検出器11は光検出素子11(a)を含む。流路22は、流路22の対向側に第1の表面22(a)および第2の表面22(b)を備える。第1の表面22(a)は流路22の底部で内部面に対応し得、第2の表面22(b)は流路22の上部で内部面に対応し得る。流路22はまた、2つの対向する側面22(c)および22(d)を備える。本体16は多層構造または単一のモノリシック構造であってもよい。例示した実施形態において、本体16は、流路22の第1の表面22(a)を有する表面層16(a)を有する多層構造である。光検出器11の光検出素子11(a)は、本体16の表面層16(a)上または表面層16(a)内に配置される。一部の場合において、表面層16(a)は、光検出素子11(a)を組み込んでいる透明または半透明の層から構成され得る。流路22は任意の適切な寸法を有してもよい。]
[0066] 照明光源12は、流路22の第1の表面22(a)の外側から流路22に光を与える。他の実施形態において、照明光源12は流体22の内側から光を与えてもよい。流体が流路22を通って流れる場合、対象物10は、いくつかの方法で光を変化させる(例えば、遮断する、強度を減少させる、および/または波長を変化させる)ことができる光検出素子11(a)を通過する。光検出素子11(a)は遮断されない光を検出する。]
[0067] 照明光源12はOFM装置100の構成要素であってもよいか、またはOFM装置100から分離されてもよい。任意の適切な光の波長、光の強度、または調節パラメーターが使用されてもよい。]
[0068] 光検出器11は任意の適切な数およびサイズの光検出素子11(a)を備える。一実施形態において、光検出素子11(a)は直径1ミクロン以下である。光検出素子11(a)は円形、正方形などの任意の適切な形状であってもよい。]
[0069] 光検出素子11(a)は、一次元アレイ、二次元アレイ、2つ以上の一次元アレイ、異なる種類のアレイの組み合わせ、または他の適切な形態などの任意の適切な形態で配置されてもよい。複数のアレイの形態である場合、そのアレイは、任意の適切な方向または方向の組み合わせを有してもよい。]
[0070] 図6に示す例示した実施形態において、光検出器11は、一次元アレイの光検出器11(a)を備える。他の実施形態において、光検出素子11(a)は、二次元アレイの光検出素子11(a)または複数のアレイ(一次元および/または二次)の光検出素子11(a)の形態であってもよい。2つの一次元アレイの形態における光検出素子11(a)の実施形態を図11(a)に示す。複数のアレイにおける光検出素子11(a)から得たデータは、対象物10の速度、流速、対象物10の回転、対象物10の形状変化を測定するために使用できる。そのデータはまた、異なるアレイにおける光検出素子11(a)に由来するデータを相互相関させるために使用されてもよい。] 図11 図6
[0071] 操作の間、流体(その中に対象物10が懸濁される)は流路22を通って流れる。流体の流れおよび/または対象物10の移動を制御する任意の適切な方法(複数も含む)が利用されてもよい。]
[0072] 流体が流路22を通って流れる場合、対象物10は光検出器11の光検出素子11(a)を通過する。照明光源12からの光は流路22を通過し、対象物10によって変化される(例えば、遮断される、強度が減少される、および/または波長が変化される)。変化された(例えば、強度が減少された、波長が変化されたなど)光は、光検出素子11(a)に移動する。同様に、対象物10と相互作用しない光は、光透過領域14(a)に移動する。]
[0073] 図7は、本発明の実施形態に係る、図6のOFM装置100の構成要素の上面図の概略図である。示すように、光検出素子11(a)の一次元アレイは、流路22の一方の側面から流路22のもう一方の側面まで延在する。一次元アレイは、x軸に対して角度αで方向付けられる。光検出素子11(a)の間のy方向の間隔、Δy60は角度αに依存する。] 図6 図7
[0074] 例示した実施形態において、隣接する光検出素子11(a)は重複、ΔO 60を有する。アレイにおける隣接する光検出素子11(a)は、重複、ΔO 60内の同じy位置に関連する時間変動データを与える。重複、ΔO 60においてy方向で隣接する光検出素子11(a)によって重複する範囲が存在する。重複、ΔO 60における隣接する光検出素子11(a)からのこの重複する時間変動データは、OFM装置100によって生成された対象物10の画像の質を改良するために使用されることができる。]
[0075] 対象物10が流路22を通過する場合、光検出素子は受信した光についての時間変動データを送信する。時間変動データはプロセッサを用いて処理されて、光検出素子のy方向に関連するライン走査を生成する。光検出素子11(a)からの時間変動データは、対象物10のプロファイルおよびその光学特性に依存する。プロセッサは、ライン走査および必要に応じて対象物の回転、速度、対象物の形状の変化などの他のデータを用いて対象物10の画像を構築する。]
[0076] 図5および図6に示す例示した実施形態に関して、流路22のy軸方向(すなわちy方向)において成され得る回転、ryは、y方向における隣接する光検出素子11(a)の間隔に基づく。ユニット幅あたりの光検出素子11(a)が多くなるほど、以下の式(3)によって定義される達成可能な画像解像度がより高くなる。



式中、nhは光検出素子11(a)の数と等しく、wは路幅である。例えば、路幅が40μmである場合、流路22の全幅にわたって延在する40個の等しい間隔の光検出素子11(a)があると、y方向の画像解像度は1ミクロンである。すなわち、y軸方向における隣接する光検出素子11(a)の間の間隔は、y方向における達成可能な画像解像度に近づく。] 図5 図6
[0077] 流路22のx軸の方向(すなわちx方向)において、達成可能な画像解像度は、式(4)



によって定義される光検出器11によるデータの収集率および対象物10の正味の速度(すなわち、x方向における解像度は対象物の移動速度μ×ピクセル収集時間Δtに等しい)によって決定される。例えば、標的物の流速が毎秒100ミクロンであり、かつ、光検出器の読み取り速度が1kHzである場合、x方向における最大画像解像度は約0.1ミクロンに等しい。]
[0078] OFM装置100の構成要素の第2の構成により、技術的利点を与えることができる。開口層14(図3に示す)を除去することによって、OFM装置100は単純化され、製造に対する費用が低くなる。さらに、開口層を除去することにより、OFM装置によって生成される画像の質を改良することができる。開口層は、光検出素子11(a)に受信された光の強度を減少させる光の散乱を引き起こす場合がある。画像の質は、検出された光強度が比較的低い場合、ノイズ光(迷光)によって、より影響を受ける。開口層14を除去することにより、シグナル対ノイズ比および画像の質を改良することができる光の散乱のリスクが減少する。] 図3
[0079] C.第3の構成
図8は、本発明の実施形態に係る、第3の構成におけるOFM装置100の構成要素の側面図の概略図である。] 図8
[0080] OFM装置100は、流路22を規定するか、または備える本体16を備える。流路22は、流路22の対向側に第1の表面22(a)および第2の表面22(b)を備える。第1の表面22(a)は流路22の底部で内部面と対応し得、第2の表面22(b)は流路22の上部で内部面と対応し得る。流路22はまた、2つの対向する側面22(c)および22(d)を備える。本体16は任意の適切な材料から構成され得、流路22は任意の適切な寸法を有し得る。]
[0081] 本体16は、多層構造または単一のモノリシック構造であってもよい。例示した実施形態において、本体16は、透明または半透明の開口層14を有する多層構造である。流路22の内面層である透明または半透明の開口層14は、第1の表面22(a)を有する。透明または半透明の開口層14は、光透過領域14(a)をその中に有する。透明または半透明の開口層14は、一部の場合において薄い金属層であってもよい。本体16は、必要に応じて、透明または半透明の開口層14を、OFM装置100の流路22を通って移動する流体および対象物10から分離するために、透明または半透明の開口層14を覆う透明な保護層(示さず)を備えてもよい。]
[0082] 透明または半透明の開口層14は、光透過領域14(a)をその中に有する。光透過領域14(a)は、任意の適切な形状かつ任意の適切な寸法である。例示した実施形態において、光透過領域14(a)は開口(穴)である。穴は薄い金属層にエッチングされてもよい。他の実施形態において、光透過領域14(a)は、1つ以上のスリットの形態であってもよい。光透過領域14(a)は任意の適切な形状で配置されてもよい。適切な形状の一部の例には、一次元アレイ、二次元アレイ、一連の一次元アレイ、またはそれらの任意の適切な組み合わせが含まれる。アレイは、任意の適切な方向または方向の組み合わせを有してもよい。1つの例示的な実施形態において、光透過領域14(a)は、x軸に対する角度またはx軸に垂直な角度で流路22にわたって対角線に延在する一次元アレイの形状である。]
[0083] 光透過領域11(例えば、フォトセンサー)とは、光を検出し、強度、波長および/または検出される光についての他の情報についてのデータを有する信号を生成できる任意の適切な装置をいう。信号は、光電効果から生じる電流の形態であってもよい。光検出器11は、任意の数または構成の光検出素子11(a)を備える。一例において、各々の光検出素子11(a)は、単一の光透過領域14(a)に対応し得る。各々の光検出素子11(a)は、任意の適切なサイズおよび任意の適切な形状であってもよい。]
[0084] 照明光源12は、流路22に対して、透明または半透明の開口層14の外側に配置される。照明光源12は、透明または半透明の開口層14の外側表面から任意の適切な距離に配置されてもよい。照明光源12は、光透過領域14(a)を通過する光を生成する。光が光透過領域14(a)を通過する場合、その光は、光透過領域14(a)から点照射光源に変換される。点照射光源からの光は、一般に、光透過領域14(a)から流路22に円錐状の分布で広がる。]
[0085] 流体が流路22を通って流れる場合、対象物10は光透過領域14(a)から点照射光源を通過する。点照射光源からの光は流路22を通過し、対象物10によって変化される(例えば、遮断される、強度が減少される、および/または波長が変化される)。変化された光は光検出素子11(a)を通過する。また、対象物10と相互作用しない光は、光検出素子11(a)に移動する。]
[0086] 対象物10が流路22を通過する場合、光検出素子11(a)は、受信された光についての時間変動データを送信する。時間変動データは処理されて、光検出素子のy位置に関連するライン走査を生成する。光検出素子11(a)からの時間変動データは、対象物のプロファイルおよびその光学特性に依存する。プロセッサはライン走査および必要に応じて対象物の回転、速度、対象物の形状の変化など他のデータを用いて対象物10の画像を構築する。]
[0087] 第3の構成により技術的利点を与えることができる。この構成において、対象物10は、その対象物10が流路22を通って移動する場合、点照射光源によってまばらに照射される。対象物10はまばらに照射されるため、画像収集の間、光をほとんど受けず、対象物10の損傷(例えば燃焼)のリスクを減少させる。さらに、この構成における光検出素子11(a)は、流路22の他の側にある光透過領域14(a)からの円錐形状の分布からの光を収集するために比較的大きくてもよい。大きな光検出素子11(a)は、一般に、性能を向上する、より高い光検出効果を有する。]
[0088] II.OFM装置の他の構成要素
A.画像処理の構成要素
本発明の実施形態のOFM装置100は、画像処理の構成要素を備えてもよい。画像処理の構成要素は、コンピューター可読媒体(CRM)および他の適切な装置に接続されるプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)を備えてもよい。あるいはまたはさらに、OFM装置100は、CRMに接続されるプロセッサを有するコンピューターに通信可能に接続されてもよい。コンピューターは、OFM装置100から通信されるデータを処理できる。]
[0089] プロセッサは、光検出器11と一体化してもよく、または分離されてもよい。プロセッサは、光検出素子11(a)によって受信される信号に関する光検出器11の光検出素子11(a)から時間変動データを有する信号を受信する。データは、光の強度、光の波長、および/または光検出素子11(a)によって受信される光についての他の情報を含んでもよい。プロセッサは、OFM装置100の機能の一部を実施するためのコードを実行する。]
[0090] CRM(例えばメモリ)はOFM装置100の機能を実施するためのコードを保存する。コードはプロセッサによって実行可能である。一実施形態において、CRMは、a)異なる生物学的実体間を識別するためのコード、b)データを用いて対象物10の回転および速度を決定するためのコード、c)光検出素子11(a)から受信されるデータを用いて対象物10の形状の変化を決定するためのコード、d)光検出素子11(a)から受信される時間変動データを解釈するためのコード、e)相互相関および蛍光適用などの適切なアプリケーションを実施するためのコード、f)光検出素子11(a)から受信される時間変動データからライン走査を生成するためのコード、g)ライン走査および/または対象物10の回転もしくは形状の変化などの他のデータから1つ以上の画像を構築するためのコード、h)画像を表示するためのコード、およびi)画像処理のための任意の他の適切なコードを含む。CRMはまた、当業者により作製され得る信号処理または他のソフトウェア関連機能のいずれかを実施するためのコードを含んでもよい。そのコードは、C、C++、Pascalなどを含む、任意の適切なプログラミング言語であってもよい。]
[0091] 画像の構成要素はまた、プロセッサと通信可能に接続されるディスプレイを備えてもよい。任意の適切なディスプレイが使用されてもよい。一実施形態において、ディスプレイはOFM装置100の一部であってもよい。ディスプレイは、対象物10の画像などの情報をOFM装置100のユーザーに提供してもよい。「撮像装置」とは、1つ以上の画像処理の構成要素を指す場合もある。例えば、撮像装置は、適切なコードを有するCRMに通信可能に接続されるプロセッサであってもよい。]
[0092] B.中継構成要素
本発明の一部の実施形態は、光透過領域14(a)からOFM装置100の他の構成要素に光を通信するための1つ以上の中継構成要素を含む。適切な中継構成要素の例は光ファイバー束である。]
[0093] 図9(a)は、本発明の実施形態に係る、光ファイバー束200を備えるOFM装置100の構成要素の側面図の概略図である。OFM装置100は、光透過領域14(a)および光ファイバー200(a)を有する光ファイバー束200を備える。各光透過領域14(a)は光ファイバー200(a)の遠位端に付随する。光ファイバー200(a)の近位端は光検出器11に向いている。各光ファイバー200(a)は、光を単一の光透過領域14(a)から光検出器11における光検出素子11(a)に伝えることができる。このシステムは検出器11からの装置の分離を可能にする。図9(b)は、図9(a)のOFM装置100を用いて生成した画像である。] 図9
[0094] ファイバー束200を備えるOFM装置の例は、A.Chovin,P.Garrigue,I.Manek−Honninger,N.Sojic,Fabrication,Characterization,and Far−Field Optical Properties of an Ordered Array of Nanoapertures,Nano Letters4,1965(2004年,10月)に見出され得、それは本明細書に全ての目的のためにその全体が参照として援用される。]
[0095] III.複数のOFM(光学流体顕微鏡)装置を備えるシステム
複数のOFM装置100は、一部の実施形態において単一の装置上に配置されてもよい。これらの実施形態のOFM装置100は、並行、連続して、またはそれらの任意の適切な組み合わせで配置されてもよい。複数のOFM装置100は、1つ以上の対象物10を自動かつ並行して画像化する能力を提供してもよい。]
[0096] 図10は、本発明の実施形態に係る、複数のOFM装置100を有するOFMシステム300の概略図である。例示した実施形態において、OFM装置100は単一の装置に並行して配置される。] 図10
[0097] 各OFM装置100の構成要素は第1の構成に従って配置されるが、他の構成が使用されてもよい。各OFM装置100は、流路22にわたって対角線上に延在する一次元アレイの形態で光検出素子11(a)を覆う光透過領域14(a)を備える開口層14を有する。他の実施形態において、光検出素子11(a)は他の形態で配置されてもよい。OFMシステム300のOFM装置100は、ケーシングなどの単一の本体内に配置されてもよい。本体の完全なサイズの寸法(例えば、幅、長さおよび/または高さ)は任意の適切なサイズであってもよい。一部の実施形態において、本体の完全なサイズの寸法(例えば、幅、長さおよび/または高さ)は20mm〜2cmの範囲内であってもよい。]
[0098] OFMシステム300は流体流入部200および流体流出部210を備える。流体流入部200は、OFM装置100(a)〜100(n)に供給されるN個の流路22に分岐する。システム300について、n個のOFM装置100(a)〜100(n)の出口は流体流出部210に合流する。作動中、流体および対象物10を含むサンプルは流体流入部200に導入され得る。次いで、流体および対象物10はN個の流路22に流れて、流体流出部210を通って出る。OFMシステム300において、複数の対象物10が、n個のOFM装置100を用いて並行に解析され、画像化され得る。]
[0099] IV.OFMのアプリケーション
種々のアプリケーションが、本発明の実施形態のOFM装置100を用いて実施され得る。OFM装置100の構成要素の特定の構成を、以下のアプリケーションの例示した実施形態に示すが、他の構成が使用されてもよい。]
[0100] A.相互相関
本発明の実施形態は、相互相関およびその相互相関からの結果に基づいたその後の解析を実施するために使用されてもよい。相互相関は、光検出素子11(a)の2つ以上のセット(例えばアレイ)からの対応するデータまたは光検出素子11(a)の2つ以上のセットからのデータから生成される画像を指してもよい。光検出素子11(a)のセットは、単一のOFM装置100であってもよいか、または複数のOFM装置100であってもよい。データ/画像が相関する場合、相関データ/画像に関連するデータを用いて対象物10の寸法の測定などの他の解析が実施されてもよい。]
[0101] 図11(a)は、本発明の実施形態に係る、OFM装置100の構成要素の概略図である。OFM装置100は、光検出素子11(a)1および11(a)1の2つの平行な一次元アレイで流路22および光検出器11を有する。光検出器11は角度θで回転され、その結果、光検出素子11(a)のアレイは、流路22のx軸から角度θで流路22にわたって対角線上に延在する。] 図11
[0102] 図11(a)の図は、光検出素子11(a)の間の相対寸法を示すために5個の光検出素子11(a)の平行なアレイの拡大図を含む。この例において、ピクセルサイズは1μmであり、アレイ軸に沿った光検出素子11(a)の間の距離Lは9.9μmであり、x軸とアレイ軸との間の角度はθである。y方向の間隔δYは500nmであり、x方向の間隔はΔXである。] 図11
[0103] 光検出素子11(a)(1)および11(a)(2)の2つの平行な一次元アレイによって生成されるデータは、データ収集の間の対象物10の速度および回転、対象物10の形状変化、ならびに/または流速の変化を決定するために使用されてもよい。例えば、速度は、x軸に沿った2つのアレイ間の距離、および対象物10が第1のアレイの光検出素子11(a)1の第1の光検出素子を通過した時間と、対象物10が第1のアレイの光検出素子11(a)(2)の第1の光検出素子を通過した時間との時間差から決定され得る。アレイ軸に沿った2つのアレイ間の距離D1は、第1の要素間のピクセルの数×ピクセルサイズである。この場合において、D1=13ピクセル×1μm=13μmである。x軸に沿った2つのアレイ間の距離D=D1×cosθである。]
[0104] さらに、2つの画像が、光検出素子11(a)(1)および11(a)(1)の2つの一次元アレイ由来の2セットのデータから構築され得る。画像間の差が、データ収集の間、対象物10の形状の変化、流速の変化、および/または対象物10の回転を決定するために解析されてもよい。]
[0105] 2セットのデータから構築された2つの画像もまた、2セットのデータが正確であるか否かを決定するために相互相関されてもよい。相互相関は、不正確なデータ/画像をスクリーンアウトするために、および/またはデータ/画像が、対象物10の長さの自動測定などの計算の使用に正確であることを決定するために使用されてもよい。]
[0106] 図11(b)は、本発明の実施形態に係る、OFM装置100を用いて生成された対象物10の2つの画像を相互相関するための方法のフローチャートである。この方法は、光検出素子11(a)(1)および11(a)(1)の2つの平行な一次元アレイに由来する時間変動データから画像を構築することで開始する(工程302)。画像が生成された後、2つの構築された画像間の類似性が決定され得る(工程304)。一部の場合において、2つの平行な一次元アレイの各々の間の対応する光検出素子11(a)の各ピクセル対からのデータが比較される。例えば、第1のアレイにおける第1の光検出素子からのデータが、第2のアレイにおける第1の光検出素子からのデータと比較されてもよい。所定の基準に基づいて、画像は、その画像が50%以下の類似性または50%より高い類似性であるか否かを決定するために相互相関される(工程306)。画像が50%以下の類似性である場合、その画像はスクリーンアウトされる(工程308)。画像が50%より高い類似性である場合、画像の1つまたは両方が、自動測定(工程310)に使用されて、この方法が終了する(工程320)。] 図11
[0107] B.蛍光適用
本発明の実施形態のOFM装置100はフィルターを有し、対象物10の一部を画像化するために蛍光を使用する。蛍光を用いることにより、対象物10の一部の、より感受性があり、かつ定量的な検出の利点が提供される。蛍光は、特に生物学者および化学者にとって顕微鏡の重要な機能性である。]
[0108] 図12(a)は、本発明の実施形態に係る、対象物10の一部を画像化するために蛍光を使用するOFM装置100の構成要素の側断面図の概略図である。]
[0109] OFM装置100は流路22を規定するか、または含む本体16を備える。流路22は、その流路22の対向側に第1の表面22(a)および第2の表面22(b)を備える。第1の表面22(a)は流路22の底部で内部面に対応し得、第2の表面22(b)は流路22の上部で内部面に対応し得る。本体16は多層構造または単一のモノリシック構造であってもよい。例示した実施形態において、本体16は、第1の表面22(a)を有する流路22の内面層である透明または半透明の開口層14を有する多層構造である。透明または半透明の開口層14は、その中に光透過領域14(a)を有する。本体16はまた、透明の層16(c)を含む。]
[0110] 照明光源12は、本体16の透明の層16(c)を照射する。照明光源12はOFM装置100に一体化されてもよいし、または別個の構成要素(例えば外層)であってもよい。照明光源12からの光は任意の適切な波長であってもよい。例示的な実施形態において、照明光源12からの光は、対象物10中の標識されたフルオロフォアを励起する特定の波長(例えば青色の光)である。フルオロフォアは、分子を蛍光にさせる分子の成分のことを指す。フルオロフォアは特定の波長のエネルギーを吸収することができ、異なる(しかし同様に特異的な)波長でエネルギーを再放射することができる。]
[0111] OFM装置100は、透明または半透明の開口層14の片側にフィルター402およびフィルター402の片側に光検出器11を備える。フィルター402は、特定の波長の光を通過させて、他の波長の光を反射させる任意の適切な装置を指し得る。一部の適切な装置は、光学フィルター(例えば干渉フィルター)、誘電体フィルターなどを備える。1つの例示的な実施形態において、フィルター402は、色(例えば緑色)に関連する狭い範囲の波長の光を許容する光学カラーフィルター(例えば緑色のフィルター)であり、他の色に関連する他の波長を取り除く。例えば、照明光源12は、対象物10の一部において特定のフルオロフォアを励起するために励起光として青色の光を放射できる。フルオロフォアは、青色の励起光によって活性化されるのに応答して緑色の光を再放射できる。フィルター402は、照明光源12から青色の光をスクリーンアウトする緑色のフィルターであってもよく、対象物10におけるフルオロフォアから再放射される緑色の光が、光検出器11を通過することを可能にする。例示した実施形態は単一のフィルター402を備えるが、他のフィルターが他の実施形態において使用されてもよい。例えば、別のフィルターが、フルオロフォアを活性化させるのに関連する波長の光が通過し、他の波長の光を取り除くことができる透明な層16(c)の表面上に配置されてもよい。]
[0112] 光検出器11(例えばフォトセンサー)は光検出素子11(a)を備える。光検出素子11(a)は、一次元アレイ、二次元アレイ、複数の一次元アレイまたは二次元アレイあるいはそれらの組み合わせなどの任意の適切な形態であってもよい。任意の適切な光検出素子が使用されてもよい。]
[0113] 一つの例示的なプロセスにおいて、試薬は1つ以上の対象物10を含む試料と混合される。その試薬は、フルオロフォアで対象物10の一部(例えば細胞核の分子)を標識(マーク)できる任意の適切な化学物質であってもよい。得られる流体はOFM装置100の流路22に導入される。流体が流路22を通って対象物10とともに流れる場合、照明光源12は、フルオロフォアを活性化するのに関連する波長(例えば青色)の励起光を与える。励起光は、透明な層16(c)から流路22、表面22(a)そして対象物10の表面へと通過する。流体が流路22を通って流れる場合、対象物10は、その対象物10におけるフルオロフォアを活性化する励起下で通過する。対象物10は、光を遮断でき、また光(例えば緑色の光)が、対象物10の一部におけるフルオロフォアから再放射され得る光透過領域14(a)を通過する。励起光およびフルオロフォアから再放射される光は、光透過領域14(a)を通過する。フィルター402は励起光を反射し、フルオロフォアから再放射される光が光検出素子11(a)まで通過することを可能にする。光検出素子11(a)は光の強度の時間変動データを取得する。次いで、そのデータを使用して、フルオロフォアに関連する対象物10および対象物10の一部の画像を生成する。]
[0114] 図12(b)は、本発明の実施形態に係る、対象物10の一部を画像化するためにフルオロフォアを使用するOFM装置100の構成要素の側断面図の概略図である。]
[0115] OFM装置100は、流路22を規定するか、または備える本体16を備える。流路22は、その流路22の対向側に第1の表面22(a)および第2の表面22(b)を備える。第1の表面22(a)は流路22の底部で内部面と対応し得、第2の表面22(b)は流路22の上部で内部面と対応し得る。]
[0116] 本体16は多層構造または単一のモノリシック構造であってもよい。例示した例において、本体16は、第2の表面22(b)を備える流路22の内面層である透明または半透明の開口層14を有する多層構造である。透明または半透明の開口層14は、その中に光透過領域14(a)を有する。本体16はまた、透明または半透明の開口層14のように流路22の同じ側に透明な層16(c)を備える。第1のフィルター404は、透明または半透明の開口層14と透明な層16(c)との間に配置される。本体16はまた、第1の表面22(a)を有する流路22の内面層上に第2のフィルター406を備える。光検出器11は第2のフィルター406の外側に配置される。流体(示さず)は流路22を通って対象物10とともに流れる。]
[0117] 照明光源12は本体16の透明な層16(c)を照射する。照明光源12はOFM装置100に一体化されてもよいか、または別の構成要素(例えば外部のレーザー)であってもよい。照明光源12からの光は任意の適切な波長であってもよい。]
[0118] 第1のフィルター404および第2のフィルター406は、特定の波長の光が通過し、他の波長の光を反射(または吸収)できる任意の適切な装置(例えば光学フィルター)を指し得る。一つの例示的な実施形態において、第1のフィルター404は、対象物10におけるフルオロフォアを励起することに関連する色(例えば青色)に関連する狭い範囲の波長の光を許容し、他の波長を除去する光学カラーフィルター(例えば青色のフィルター)である。この例において、照明光源12は広域スペクトルの光を放射でき、フィルター404は、通過させるためにフルオロフォア(例えば青色の光)を励起する光のみを許容する。フルオロフォアは、応答して特定の波長の光(例えば緑色の光)を再放射できる。第2のフィルター406は、フルオロフォアから再放射される光を通過させ、他の波長の光を除去できる光学フィルター(例えば緑色のフィルター)であってもよい。より多くの小さいフィルターが他の実施形態で使用されてもよい。例えば、照明光源によって与えられる光が、対象物10におけるフルオロフォアを励起するための波長の光である場合、フィルター404は取り除かれてもよい。]
[0119] 光検出器11(例えばフォトセンサー)は光検出素子11(a)を備える。光検出素子11(a)は、一次元アレイ、二次元アレイ、複数の一次元または二次元アレイ、あるいはそれらの組み合わせなどの任意の適切な形態であってもよい。任意の適切な光検出素子が使用されてもよい。]
[0120] 一つの例示的なプロセスにおいて、試薬は1つ以上の対象物10を含む試料と混合される。その試薬は、フルオロフォアで対象物10の一部(例えば細胞核の分子)を標識できる任意の適切な化学物質であってもよい。得られる流体はOFM装置100の流路22に導入される。流体が流路22を通って対象物10とともに流れる場合、照明光源12は透明な層16(c)を通過する光を与える。フィルター404は、フルオロフォアを励起するための波長の光を通過させ、他の波長の光を反射することができる。例えば、フィルター404は、青色の励起光を通過させ、他の波長の光を反射できる青色のフィルターであってもよい。その励起光は光透過領域14(a)を通過して、点照明光源を生成する。点照明光源からの励起光は、表面22(a)および対象物10の表面を照射する。流体が流れる場合、対象物10は、その対象物10の一部におけるフルオロフォアを励起し、一部の光を遮断する励起光の点照明光源の下を通過する。励起光およびフルオロフォアから再放射される光は表面22(a)に移動する。フィルター406は励起光を反射し、フルオロフォアから再放射される光を光検出素子11(a)に通過させる。例えば、フィルター406は青色の励起光を反射する緑色のフィルターであってもよく、フルオロフォアによって再放射される緑色の光を通過させる。光検出素子11(a)は光の強度の時間変動データを取得する。次いで、そのデータは、対象物10およびフルオロフォアに関連する対象物10の一部の画像を生成するために使用される。]
[0121] 本発明の一部の実施形態は、対象物10の一部を画像化するためにフルオロフォアを使用するための異なるフィルターを有する複数のOFM装置100を含む。]
[0122] 図13(a)は、本発明の実施形態に係る、連続して配置される3つのOFM装置100(a)、100(b)、および100(c)を有するOFMシステム300の上面図の概略図である。OFM装置100(a)、100(b)および100(c)の各々は、異なるフィルターを有する。OFM装置100(a)は波長λ1を有する光を通過させるフィルター410を有する。OFM装置100(b)は、波長λ2を有する光を通過させるフィルター412を有する。OFM装置100(c)は、波長λ3を有する光を通過させるフィルター414を有する。OFM装置は、波長λ1、λ2、λ3およびλ4の光から画像を生成するために使用され得る。一部の場合において、対象物10における異なる構造は異なる波長の光を再放射できる。これらの場合において、各々のOFM装置は、特定の構造に関連するフィルターを有してもよい。各々のOFM装置100によって生成される画像は、波長に関連する異なる構造を識別できる。]
[0123] 図13(b)は、本発明の実施形態に係る、2×2の二次元アレイに配置された4つのOFM装置100(a)、100(b)、100(c)および100(d)を有するOFMシステム300の上面図の概略図である。OFM装置100(a)、100(b)、100(c)および100(d)の各々は異なるフィルターを有する。OFM装置100(a)は波長λ1を有する光を通過させるフィルター410を有する。OFM装置100(b)は波長λ2を有する光を通過させるフィルター412を有する。OFM装置100(c)は波長λ3を有する光を通過させるフィルター414を有する。OFM装置100(d)は波長λ4を有する光を通過させるフィルター416を有する。]
[0124] V.流体の流れおよび微粒子輸送
ミクロおよびナノスケールで、流路22を通る流体の流れおよび微粒子輸送は多数の異なる技術を用いて達成され得る。最も使用される技術には、従来の圧力駆動流、動電学的輸送、エレクトロウェッティングまたはサーモキャピラリティ(thermocapillarity)技術による別の液滴移動(droplet translocation)が含まれる。一部の他の技術としては、重力駆動流、流体力学的絞り込み(hydrodynamic focusing)、誘電泳動電極、および光ピンセットが含まれる。これらの技術の一部は以下に記載されている。OFM装置100の特定の配置構成は以下の技術の例示した実施形態において示されるが、他の配置構成が使用されてもよい。]
[0125] A.重力駆動流
図14は、本発明の実施形態に係る、重力駆動流を利用するOFM装置100の構成要素の概略的な斜視図である。OFM装置100は、表面22(a)、x軸およびy軸を有する流路22を形成するか、または備える本体16を有する。本体16は光透過領域14(a)を有する透明または半透明の開口層14を備える。] 図14
[0126] OFM装置100は、流路22のx軸が実質的に重力(下方)の方向であるように配置される。操作中、対象物10を含む試料溶液は、入り口への漏斗またはシリンジなどの任意の適切な手段によってOFM装置100の上部450に導入されてもよい。試料溶液は流路22を湿らせ、対象物10は重力によって流路22に連続的に引き入れられる。この実施形態の1つの利点は、大きいポンプの必要性を排除できる重力を用いることである。]
[0127] B.DC動電学
多くの実施形態において、対象物10の質の良い画像を生成するには、対象物10が画像収集プロセスの間に形状または方向を変化しないことを必要とする。一定の方向で対象物10を維持するための1つの技術は、DC動電学駆動(ポンプ)を使用することである。OFM装置100にDC動電学駆動(ポンプ)を導入することにより、流速を制御するため、および対象物10(例えば生物学的サンプル)が画像収集プロセスの間に一定の方向を維持することを確保するためのコンパクトな手段を提供することができる。DC動電学駆動を使用することにより、球形および楕円形の生物学的実体をより容易に画像化するOFM装置100の能力を改良できる。]
[0128] 流路22を通る流体の流れは、通常、圧力差により駆動される。流路22の側壁上に存在するスリップしない境界条件により、放物線である層流速度プロファイルを有する流れが生じ、これはポアイズユ流れ(Poiseulle flow)として公知である。放物線速度プロファイルは、流路22を通って移動する対象物10上のけん引力の不均一な分布を生じ、対象物10を回転させ得る。]
[0129] 図15(a)は、本発明の実施形態に係る、放物線速度プロファイル500で流路22を有するOFM装置100の構成要素の上面図の概略図である。OFM装置100は、x、u軸およびy、v軸を有する流路22を有する。対象物10(a)はt=0でy方向の移動を開始する。対象物10(a)は、放物線速度プロファイル500によって表される不均一な速度分布に供される。t=t’にて、不均一な速度分布により対象物10(b)が回転する。] 図15
[0130] DC動電学は、OFM装置100における対象物10の動きを制御し、対象物の回転を抑制するための簡単かつ直接的な方法を提供できる。DC動電学駆動は、流路22の反対端に位置する2つの電極を用いて流路22に不均一な電場を与える。この電場は対象物10において双極子を誘導し、電気方向の影響に起因する電場ラインに沿って対象物10を整列させる。同時に、典型的に正味の負電荷を保有する対象物10は、流路22を通って対象物10を移動させることができる電気泳動力に供される。速度依存性の粘性ストークス抵抗は、この力と最終的に平衡を保ち、流路22を通る対象物10の一定の回転自由並進運動を生じる。]
[0131] 流路22の側壁は荷電された表面のようである。電気二重層(EDL)を形成する、チャネル壁に隣接して増加する対イオンの蓄積が存在する。外部の電場の適用はまた、荷電されたチャネル壁の表面で電気二重層(EDL)の並進移動を引き起こす。この現象は電気浸透として知られている。薄いEDLの仮定の下で、電気浸透プラグ様の一定の速度プロファイルは、対象物10上に対称剪断応力分布および一定の正味の力を与える。安定状態の状況において、生じる移動はまた、非回転である。]
[0132] 図15(b)は、本発明の実施形態に係る、一定の速度プロファイル510で流路を有するOFM装置100の構成要素の上面図の概略図である。OFM装置100は、x、u軸およびy、v軸を有する流路22を有する。OFM装置100はまた、流路22の反対端に第1の電極550(a)および第2の電極550(b)を有する。第1の電極550(a)および第2の電極550(b)は流路22において均一な電場510を与え、一定の速度プロファイル510を生じ、対象物10上に一定の正味の力を引き起こす。対象物10(a)はt=0で開始して流路22を通って移動するので、対処物10(a)は、回転せずに純粋な並進移動を引き起こす一定の速度プロファイル510の下である。t=t’にて、対象物10(b)は、回転せずに一定の速度プロファイル510の下で新しい位置まで並進移動する。] 図15
[0133] C.流体力学的絞り込み
流体力学的絞り込みはスループット率を向上でき、そして画像収集の間の流路22における対象物10の移動を制御できる。]
[0134] 図16は、本発明の実施形態に係る、流体力学的絞り込み装置600を備えるOFM装置100の構成要素の上面図の概略図である。流体力学的絞り込み装置600は、対象物10を含む試料懸濁液を流体力学的絞り込み装置600に導入する射出装置610を備える。流体力学的絞り込み装置600はまた、対象物10を中央(中心線)または流路22の別の適切な位置に移動するためのシース(鞘)の流れを生じる第1の絞り込み装置520および第2の絞り込み装置530を備える。対象物10は、その対象物10がOFM領域550内で回転せずに並進移動するために安定できる絞り込み領域540を通って移動する。OFM領域550において、対象物10は流路22における光検出素子11(a)を通過する。他の実施形態において、光透過領域14(a)を有する開口層14が光検出素子11(a)を覆ってもよい。] 図16
[0135] 流体力学的絞り込み装置600を備えるOFM装置100のスループット率は、第1の絞り込み装置520および第2の絞り込み装置530の流速、第1の絞り込み装置520および第2の絞り込み装置530および射出装置510の前の圧力差、試料懸濁液の速度によって決定される。一部の実施形態において、スループット率は毎分500〜1000個の対象物の範囲であってもよい。]
[0136] D.表面に近接する対象物を維持するための誘電泳動(DEP)の流れ
一部の実施形態において、OFM装置100によって画像化される画像解像度は改良でき、対象物10が、光透過領域14(a)を有する開口層14上の表面22(a)の真上の平面において並進移動することを確実にすることにより最大化できる可能性がある。]
[0137] 一実施形態において、対象物10は、流路22の形状に起因して表面22(a)上のこの平面に物理的に限定され得る。対象物10を平面に限定することは、画像化される対象物10のオーダーである流路22のサイズを必要とし、このため、より小さい対象物(0.5ミクロン未満)は、数百ナノメートルのオーダーでのチャネルサイズを意味し得る。さらに、流路22の形状を用いる物理的閉じ込めは、非常に異なるサイズの対象物10を含む試料に効果的でない場合がある。]
[0138] 誘電泳動は、対象物が不均一な電場に供される場合に力がその対象物に与えられる現象である。誘電泳動力は対象物10を不均一な電場の上または下のいずれかに移動させることができる。この力は、対象物10が荷電されていることを必要としない。しかしながら、力の強度は対象物10の電荷に依存する。力の強度はまた、対象物の形状およびサイズ、ならびに電場の周波数に依存する。特定の周波数の電場を用いることで、対象物10は、それらの電荷および形状に基づいて選択的に操作され得る。]
[0139] 図17は、本発明の実施形態に係る、不均一の電場に供されるOFM装置100の構成要素の側面図の概略図である。OFM装置100は、x、u軸およびy、v軸を有する流路22を有する。流路22は、放物線速度プロファイル560によって表される不均一の速度分布に供される。流路22は光透過領域14(a)を有する開口層14を備える。流路22はまた、不均一の電場を生じる電極570(a)を備える電極層570を有する。対象物10(a)および10(b)は流路22に存在する。対象物10(a)は対象物10(b)より小さなサイズである。サイズが異なるため、不均一の電場からの力および/または不均一の速度分布からの力は異なる。より小さい対象物10(a)上のFelectricおよびFdragの力は、対象物10(b)上のFelectricおよびFdragの力と比較してより小さい。] 図17
[0140] 生物学的細胞などの多くの対象物10は、正または負のいずれかの電荷を有する。光透過領域14(a)を有する本体16の表面22(a)上に反対の電荷を与えることによって、対象物10は表面22(a)に引き付けられ得、表面22(a)の真上で並進移動するために閉じ込められ得る。電荷は、表面22(a)上に電荷ポリマーの薄層をコーティングすること、または電極を用いることなどの任意の適切な方法を用いて与えられ得る。]
[0141] E.光ピンセット
光ピンセットは、対象物10の並進移動および回転を制御することを含む、対象物10を操作するための高精度の方法を与えることができる。光ピンセットを用いる例示的なOFM装置100は、X.Heng,E.Hsiao,D.Psaltis,C.Yang,An optical tweezer actuated,nanoaperture−grid based Optofluidic Microscope implementation method,Optics Express 15,16367(2007)に見出され得、これはその全体が全ての目的のために本明細書に参照として援用される。]
[0142] 図18は、本発明の実施形態に係る、対象物10の移動を制御するために光ピンセット600を利用するOFM装置100の構成要素の概略的な斜視図である。OFM装置100は光透過領域14(a)を有する透明または半透明の開口層14を備える。OFM装置100はまた、透明または半透明の開口層14の外側に光検出器11を備える。光ピンセット60は、X.Heng,E.Hsiao,D.Psaltis,C.Yang,An optical tweezer actuated,nanoaperture−grid based Optofluidic Microscope implementation method,Optics Express 15,16367(2007)に概説されるように、対象物10を引き付ける集光レーザービームを生成するためにレーザー610を使用する。集光レーザービームを移動させることによって、対象物10は光透過領域14(a)にわたって移動することができる。対象物10が光ピンセット600によって並進移動する間、対象物10は回転しない。光ピンセット60は対象物10の並進移動および回転移動を制御する能力を与える。集光レーザービームの移動を制御することによって、対象物10の速度もまた制御され得る。] 図18
[0143] 上記のように本発明は、モジュール式または一体化された形式においてコンピューターソフトウェアを用いて制御ロジックの形態で実施できることが理解されるべきである。ハードウェアおよびハードウェアとソフトウェアの組み合わせを用いて本発明を実施するための他の手段および/または方法も使用されてもよい。]
[0144] 本明細書に記載される任意のソフトウェアの構成要素または機能は、例えば、従来またはオブジェクト指向の技術を用いる、例えば、Java(登録商標)、C++またはPerlなどの任意の適切なコンピューター言語を用いてプロセッサによって実行されるソフトウェアコードとして実施されてもよい。ソフトウェアコードは、一連の命令またはランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)などのコンピューター可読媒体、ハードドライブもしくはフロッピー(登録商標)ディスクなどの磁気メディア、またはCD−ROMなどの光学媒体でのコマンドとして保存されてもよい。任意のこのようなコンピューター可読媒体は、単一の計算装置に備わってもよいか、その中にあってもよく、システムまたはネットワーク内で異なる計算装置に存在してもよいか、その中にあってもよい。]
[0145] 「1つの(a)」、「1つの(an)」または「その(the)」は、反対に具体的に示されない限り、「1つ以上」を意味することを意図する。]
[0146] 上記の説明は例示であり、限定されない。多くのバリエーションの開示が、本開示を考慮して当業者に明らかとなるだろう。従って、本開示の範囲は上記の説明を参照して決定されるのではなく、その代わりに、それらの全範囲または等価物とともに係属中の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。]
[0147] いずれかの実施形態からの1つ以上の特徴が、本開示の範囲から逸脱せずに任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わされてもよい。さらに、変更、付加または省略が、本開示の範囲から逸脱せずにいずれかの実施形態に対してなされてもよい。いずれかの実施形態の構成は、本開示の範囲から逸脱せずに、特定の必要性に従って、一体化されても、別々にされてもよい。]
权利要求:

請求項1
長手方向軸を有する流路を規定する本体であって、前記本体は前記流路に近接する表面層を備える本体と、前記表面層内に配置される光検出素子の一次元アレイであって、前記光検出素子は、前記流路を通過する光を受け、対象物が前記流路を通過する場合、受けた光に関連する時間変動データを生成するように構成され、前記光検出素子の一次元アレイは、前記流路の第1の側面から第2の側面まで実質的に延在する、光検出素子の一次元アレイと、を備える、光学流体顕微鏡装置。
請求項2
前記流路の前記長手方向軸に直交する第1の方向における前記光検出素子間の間隔は、実質的に前記光検出素子のサイズより小さい、請求項1に記載の光学流体顕微鏡装置。
請求項3
前記本体は、前記流路と前記表面層との間に透明な層をさらに備える、請求項1に記載の光学流体顕微鏡装置。
請求項4
前記光検出素子の一次元アレイと電気通信し、前記データに基づいたライン走査を生成し、前記流路を通って移動する対象物の画像を生成するために前記ライン走査をアセンブルするように構成されるプロセッサをさらに備える、請求項1に記載の光学流体顕微鏡装置。
請求項5
対象物を流路を通って移動させる工程と、前記対象物が前記流路を通って移動している間、照明光源を用いて前記流路に光を与える工程と、光学流体顕微鏡装置の本体の表面層に配置される光検出素子のアレイを有する前記流路を通過する前記照明光源からの光を受ける工程であって、前記表面層は前記流路に近接し、前記光検出素子の一次元アレイは、前記流路の第1の側面から第2の側面まで実質的に延在する工程と、前記光検出素子のアレイによって受けた光に関連するデータを生成する工程と、前記光検出素子のアレイによって生成された前記データに基づいてプロセッサを用いてライン走査を生成する工程と、前記対象物の画像を生成するために前記プロセッサを用いて前記ライン走査をアセンブルする工程と、を含む方法。
請求項6
流路を規定し、光透過領域を有する本体と、前記光透過領域を通して照明光源からの光を受け、受けた光に関連するデータを生成するように構成される光検出素子の第1の一次元アレイと、前記光検出素子の第1の一次元アレイと実質的に平行な光検出素子の第2の一次元アレイであって、前記第2の一次元アレイにおける前記光検出素子は、前記光透過領域を通して光を受け、前記光に関連するさらなるデータを生成するように構成される、光学流体顕微鏡装置。
請求項7
前記光検出素子の第1の一次元アレイおよび前記光検出素子の第2の一次元アレイと電気通信するプロセッサであって、前記プロセッサは、前記データおよび追加データから、前記流路を通って移動する対象物の速度および回転を決定するように構成され、前記速度は前記流路の長手方向軸の方向である、プロセッサをさらに備える、請求項6に記載の光学流体顕微鏡装置。
請求項8
前記データおよび前記追加データのうちの少なくとも1つは時間により変動する、請求項6に記載の光学流体顕微鏡装置。
請求項9
流路を規定する本体であって、前記本体は、前記流路に近接し、前記流路の第1の側にある開口表面層と、前記第1の側に対向する前記流路の第2の側にあるさらなる層とを備える本体と、前記開口表面層における光透過領域を通して前記流路に照明を与えるように構成される照明光源と、前記さらなる層に配置される光検出素子の一次元アレイであって、前記光検出素子は、前記流路から光を受け、受けた光に関連する時間変動データを生成するように構成される、光検出素子の一次元アレイと、を備える、光学流体顕微鏡装置。
請求項10
流路を規定する本体と、前記本体における光透過領域と、光検出器と、前記流路と光通信し、前記光透過領域を通して照明光源からの光を受けるように構成される第1の端部と、前記光検出器と光通信する第2の端部を有する、光ファイバー束と、を備える、光学流体顕微鏡装置。
請求項11
前記光検出器と電気通信し、前記光検出器から受けたデータに基づいてライン走査を生成し、前記流路を通って移動する対象物の画像を生成するために前記ライン走査をアセンブルするように構成されるプロセッサをさらに備える、請求項10に記載の光学流体顕微鏡装置。
請求項12
前記光透過領域は前記流路の第1の側上の表面層に配置され、前記光ファイバー束は前記第1の側に対向する前記流路の第2の側上にある、請求項10に記載の光学流体顕微鏡装置。
請求項13
前記光透過領域および前記光ファイバー束は、前記流路の1つの側上の表面層に配置される、請求項10に記載の光学流体顕微鏡装置。
請求項14
流路を規定する本体であって、前記本体は前記流路に近接する表面層を備える本体と、前記流路から光を受け、受けた光に関連するデータを生成するように構成される前記本体における光検出素子のアレイと、前記表面層の外側で前記本体に配置される電極であって、前記電極は、前記流路を通って前記表面層まで移動する対象物を引き付けるための正電荷を生成するように構成される電極と、を備える、光学流体顕微鏡装置。
請求項15
長手方向軸を有する流路を規定する本体と、前記本体における光検出素子のアレイであって、前記流路を通して照明光源から光を受け、受けた光に関連するデータを生成するように構成される光検出素子のアレイと、前記流路の長手方向軸に沿った異なる位置における第1の電極および第2の電極であって、前記第1の電極および前記第2の電極は、対象物の回転を実質的に防ぎながら、前記流路の長手方向軸に平行な方向において前記流路を通して前記対象物を移動させる電場を生成するように構成される、第1の電極および第2の電極と、を備える、光学流体顕微鏡装置。
請求項16
流路を規定する本体と、前記本体における光検出素子のアレイであって、前記流路から光を受け、受けた光に関連するデータを生成するように構成される、光検出素子のアレイと、対象物を前記流路に導入するように構成される射出装置と、前記対象物を前記流路の一部まで移動させるための流体の流れを生成するように構成される第1の絞り込み装置および第2の絞り込み装置と、を備える、光学流体顕微鏡装置。
請求項17
流路を規定する本体と、前記本体における光検出素子のアレイであって、前記流路から光を受け、受けた光に関連するデータを生成するように構成される、光検出素子のアレイと、前記流路を通って移動する1つ以上の対象物の移動を制御するためのレーザーと、を備える、光学流体顕微鏡装置。
請求項18
流路を規定する本体であって、前記本体は前記流路に近接する表面層を備える本体と、前記表面層における光透過領域と、前記表面層の外側に配置される第1のフィルターであって、前記第1のフィルターは、前記流路を通って移動する対象物におけるフルオロフォアから再放射される波長の光を通過させるように構成される、第1のフィルターと、前記第1のフィルターの外側に配置され、前記第1のフィルターを通過する光を受けるように構成される、光検出素子の一次元アレイと、を備える、光学流体顕微鏡装置。
請求項19
前記流路と照明光源との間にある第2のフィルターであって、前記第2のフィルターは、前記流路を通って移動する前記対象物における前記フルオロフォアを励起するための波長で光を通過させるように構成される、第2のフィルターをさらに備える、請求項18に記載の光学流体顕微鏡装置。
請求項20
流路を規定する本体であって、前記本体は前記流路に近接する表面層を備える、本体と、前記表面層における複数のスリットであって、前記スリットは、前記流路の長手方向軸に対して異なる方向を有する、スリットと、前記本体における光検出素子であって、前記スリットを通して光を受け、受けた光に関連する時間変動データを生成するように構成される、光検出素子と、を備える、光学流体顕微鏡装置。
請求項21
サンプルを受容するための流入部と、表面層を有する本体と、複数の光学流体顕微鏡装置であって、各々の光学流体顕微鏡装置は、前記本体によって規定され、前記流入部から前記サンプルの一部を受けるように適合された流路であって、前記本体の前記表面層は前記流路に近接する、流路と、前記表面層内に配置される光検出素子の一次元アレイであって、前記光検出素子は、前記流路を通過する光を受け、前記サンプルが前記流路を通過する場合、受けた光に関連する時間変動データを生成するように構成され、前記光検出素子の一次元アレイは、前記流路の第1の側面から第2の側面まで実質的に延在する、光検出素子の一次元アレイと、を備える、光学流体顕微鏡装置システム。
請求項22
前記本体は2cmより小さいサイズを有する、請求項21に記載の光学流体顕微鏡装置。
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引用文献:
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