![]() 質量分析法による定量化のための信号対雑音を改善する方法
专利摘要:
質量分析計からの測定の選択性は、データ取得後に、測定のための抽出イオン電流ウインドウを選択することによって改善される。複数の質量スペクトルが、或る時間期間にわたって取得される。第1の抽出イオン電流ウインドウを選択し、前記複数の質量スペクトルから、時間の関数としての第1の強度を、前記第1の抽出イオン電流ウインドウを使用して1つのイオンについて計算する。第2の抽出イオン電流ウインドウを選択し、前記複数の質量スペクトルから、時間の関数としての第2の強度を、前記第2の抽出イオン電流ウインドウを使用して前記イオンについて計算する。前記第1の強度の第1の信号対雑音比を前記第2の強度の第2の信号対雑音比と比較する。前記第2の信号対雑音比が前記第1の信号対雑音比よりも大きい場合に、時間の関数としての前記第2の強度を、測定のために使用する。 公开号:JP2011513708A 申请号:JP2010547727 申请日:2009-02-18 公开日:2011-04-28 发明作者:ブルース;エー. トムソン,;ブラン,;イブ ル 申请人:アプライド バイオシステムズ (カナダ) リミテッド;エムディーエス アナリティカル テクノロジーズ; IPC主号:G01N27-62
专利说明:
[0001] 質量分析法による定量化が、三連四重極質量分析計によって、最良の信号対雑音比(S/N)をもたらすように特定の生成物およびプリカーサーイオンの組み合わせを選択する多重反応モニタリング(MRM)法を使用して、従来から実行されている。生成物およびプリカーサーイオンの組み合わせが、取得の前に選択されなければならない。結果として、マトリクスの干渉が、達成され得るS/Nを制限し得る。] 課題を解決するための手段 [0002] 本発明の1つ以上の実施形態を詳しく説明する前に、本発明の応用が、以下の詳細な説明に記載され、あるいは図面に図示される構成の詳細、構成部品の配置、各工程の並びに限られないことを、当業者であれば理解できるであろう。本発明について、別の実施形態も可能であり、本発明を、さまざまなやり方で実現または実行することが可能である。また、本明細書において使用される表現および用語が、説明を目的とするものであり、それらの表現および用語を、本発明を限定するものとして解釈してはならないことを、理解すべきである。] [0003] 本明細書において使用される各段落の見出しは、あくまでも整理を目的とするものにすぎず、決して、そこに記載される主題を限定するものと解釈してはならない。] [0004] コンピュータにおいて実現されるシステム 図1は、本発明の教示の実施形態を実装することができるコンピュータシステム100を説明するブロック図である。コンピュータシステム100は、情報を通信するためのバス102または他の通信機構と、情報を処理するためにバス102へと接続されたプロセッサ104とを備えている。さらに、コンピュータシステム100は、ベースコールおよびプロセッサ104によって実行されるべき命令を決定するために、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)または他の動的なストレージデバイスであってよいメモリ106を、バス102へと接続して備えている。また、メモリ106を、プロセッサ104によって実行される命令の実行時に、一時的な変数または他の中間情報を保存するために使用することができる。さらに、コンピュータシステム100は、静的な情報およびプロセッサ104への命令を保存するために、読み出し専用メモリ(ROM)108または他の静的なストレージデバイスを、バス102へと接続して備えている。情報および命令を保存するために、磁気ディスクまたは光ディスクなどのストレージデバイス110が設けられ、バス102へと接続される。] 図1 [0005] コンピュータシステム100を、コンピュータのユーザへと情報を表示するために、陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置112へと、バス102を介して接続することができる。英数字および他のキーなどの入力装置114が、情報およびコマンドの選択をプロセッサ104へと伝えるために、バス102へと接続されている。他の種類のユーザ入力装置は、方向の情報およびコマンドの選択をプロセッサ104へと伝えるため、および表示装置112上のカーソルの移動を制御するためのマウス、トラックボール、またはカーソル方向キーなどのカーソル制御部116である。この入力装置は、典型的には、装置によって平面内の位置を指定できるよう、第1の軸(例えば、x)および第2の軸(例えば、y)という2軸における2つの自由度を有している。] [0006] コンピュータシステム100は、本発明の教示を実行することができる。本発明の教示の特定の実施例と一致して、結果が、メモリ106に収容された1つ以上の命令からなる1つ以上のシーケンスを実行するプロセッサ104に応答して、コンピュータシステム100によってもたらされる。そのような命令を、別のコンピュータ可読媒体、例えばストレージデバイス110などからメモリ106へと読み込むことができる。メモリ106に収容された命令のシーケンスを実行することで、プロセッサ104が、本明細書に記載のプロセスを実行する。あるいは、本発明の教示を実行するために、ハードワイヤード回路を、ソフトウェア命令の代わりに使用することができ、あるいはソフトウェア命令と組み合わせて使用することができる。すなわち、本発明の教示の実施は、ハードウェア回路およびソフトウェアのいずれの特定の組み合わせにも限定されない。] [0007] 用語「コンピュータ可読媒体」は、本明細書において使用されるとき、実行のためにプロセッサ104へ命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。そのような媒体は、これらに限られるわけではないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体など、多数の形態をとることができる。不揮発性媒体としては、例えば、ストレージデバイス110などの光または磁気ディスクが挙げられる。揮発性媒体としては、メモリ106などのダイナミックメモリが挙げられる。伝送媒体としては、バス102を含むワイヤなど、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバーが挙げられる。伝送媒体は、電波および赤外線通信において生成されるような音波または光波の形態をとることもできる。] [0008] コンピュータ可読媒体の一般的な形態として、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、CD−ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有している任意の他の物理的な媒体、RAM、PROM、およびEPROM、フラッシュEPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、後述されるような搬送波、あるいはコンピュータが読み出しを行うことができる任意の他の媒体が挙げられる。] [0009] コンピュータ可読媒体の種々の形態は、1つ以上の命令からなる1つ以上のシーケンスを、実行のためにプロセッサ104へと搬送することに関与しうる。例えば、命令を、最初に遠方のコンピュータの磁気ディスク上に保持することができる。遠方のコンピュータが、命令を自身のダイナミックメモリにロードし、モデムを使用して電話回線経由で命令を送信することができる。コンピュータシステム100に位置するモデムが、電話回線上のデータを受信し、赤外線送信機を使用して、データを赤外線信号へと変換することができる。バス102へと接続された赤外線検出器が、赤外線信号にて運ばれるデータを受信し、データをバス102上に配置することができる。バス102がデータをメモリ106へと運び、プロセッサ104がメモリ106から命令を取り出して実行する。メモリ106によって受信された命令を、所望により、プロセッサ104による実行の前または後に、ストレージデバイス110に保存してもよい。] [0010] 種々の実施形態によれば、或る方法を実行すべくプロセッサによって実行されるように構成された命令が、コンピュータ可読媒体に保存される。コンピュータ可読媒体は、デジタル情報を保存する装置であってよい。例えば、コンピュータ可読媒体として、これに限られるわけではないが、ソフトウェアの保存に関して当該分野において公知であるコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)を挙げることができる。コンピュータ可読媒体が、実行されるように構成された命令の実行に適したプロセッサによってアクセスされる。] [0011] 本発明の教示の種々の実施例についての以下の説明は、例示および説明を目的として提示されている。これらの説明は、すべてを述べ尽くすものではなく、本発明の教示をまさに開示された形態そのものに限定するものではない。変更および変形が、上述の教示に照らして可能であり、あるいは変更および変形を、本発明の教示の実行から得ることができる。さらには、説明される実施例は、ソフトウェアを含んでいるが、本発明の教示は、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして実現可能であり、あるいはハードウェア単独で実現可能である。本発明の教示を、オブジェクト指向および非オブジェクト指向のプログラミングシステムにおいて実現することが可能である。] [0012] データ処理の方法 選択性 三連四重極質量分析計は、例えば血漿または尿サンプル中の薬物など、化合物の量または濃度を測定するために広く使用されている。プリカーサーおよび生成物イオンの組み合わせを、三連四重極質量分析計において多重反応モニタリング(MRM)法を使用する場合に、前もって選択しなければならない。さらに、三連四重極において、質量分解能(ピーク幅)を、データの取得に先立って調節および固定しなければならない。三連四重極においてXICウインドウの幅を変更または選択することは、取得の後では不可能である。] [0013] 対照的に、第3の三連四重極を置き換える飛行時間型質量分析計(QqTOF)を備えている三連四重極質量分析計が定量化に使用される場合には、生成物イオンまたは複数の生成物イオンを、サンプルスペクトルの取得後に選択することができる。前もってマトリクスの特徴付けまたは最良のMRMの組み合わせの選択を行う必要がない。QqTOF分析計は、全体の生成物イオンスペクトルを得ることができるため、これらの工程を前もって行う必要がない。] [0014] サンプル中のある量の既知の化合物の濃度の測定が、多くの場合に、例えばサンプルの液体クロマトグラフ(LC)カラムからの溶離の時間期間の間ずっと連続的に質量スペクトルを取得することによって実行されている。あるいは、フローインジェクション分析(FIA)と呼ばれる技法においては、LCカラムを使用せず、流れている液体の流れへと化合物を注入することができる。スペクトルが、数分の継続時間であってよい時間期間の間、通常毎秒1スペクトルの頻度で連続的に取得される。種々の実施形態においては、この時間期間の間に取得された複数のスペクトルが、対象の各々のイオンについて抽出イオン電流(XIC)を計算することによって処理することができるデータセットを形成する。] [0015] また、種々の実施形態においては、各々の生成物イオンについて、質量対電荷の幅、またはXICウインドウの幅を、最良の信号対雑音比(S/N)をもたらすために、複数のサンプルスペクトルの取得後に選択することが可能である。例えば、質量ピークの幅未満に相当する狭いXICウインドウを処理のために選択することが、より広いXICウインドウの選択に比べてS/Nの改善が存在する場合に可能である。選択されるウインドウの中心の位置および幅の両方を、最大の信号対雑音をもたらすように選択することができる。例えば、XICウインドウの中心を、実際の質量値の片側に位置するように選択することが、対象の質量ピークの他方の側に重なる干渉の質量ピークが存在する場合に可能である。測定可能な信号を生成するために、選択されるXICウインドウは、対象の真の質量ピークの位置に、或る程度は重ならなければならない。種々の実施形態において、XICウインドウの幅の選択は、複数のサンプルスペクトルの取得後に選択され、質量分析計を分析の前に特定の質量分解能に合わせて調節する必要がない。] [0016] 図2が、質量分析計からの測定の選択性を改善するための本発明の教示による方法200を示すフロー図である。質量分析計として、これらに限られるわけではないが、飛行時間型質量分析計またはエレクトロスプレーイオン化飛行時間型質量分析計を挙げることができる。測定は、例えば、定量測定であってよい。] 図2 [0017] 方法200のステップ210において、物質の複数の質量スペクトルが、或る時間期間にわたって取得される。複数の質量スペクトルは、例えば、生成物イオンの質量スペクトルであってよい。] [0018] ステップ220において、第1のXICウインドウが選択され、複数の質量スペクトルから、時間の関数としての第1の強度が、第1のXICウインドウを使用してイオンについて計算される。第1のXICウインドウは、例えば第1の幅および第1の中心を含む。イオンは、例えば生成物イオンであってよい。第1のXICウインドウは、例えば複数の質量スペクトルの取得後に選択される。] [0019] ステップ230において、第2のXICウインドウが選択され、複数の質量スペクトルから、時間の関数としての第2の強度が、第2のXICウインドウを使用してイオンについて計算される。第2のXICウインドウは、例えば第2の幅および第2の中心を含む。第2のXICウインドウは、例えば複数の質量スペクトルの取得後に選択される。] [0020] ステップ240において、第1の強度の第1のS/Nが、第2の強度の第2のS/Nと比較される。] [0021] ステップ250において、第2のS/Nが第1のS/Nよりも大きい場合に、時間の関数としての第2の強度が、測定のために使用される。] [0022] 種々の実施形態において、第1の幅は第2の幅よりも大きい。種々の実施形態において、第1の幅および幅は、0.02原子質量単位よりも小さい値を有している。種々の実施形態において、第1の中心および第2の中心は、同じではない。] [0023] 図3は、質量分析計による測定について使用するXICウインドウを決定するための本発明の教示による方法300を示しているフロー図である。質量分析計として、これらに限られるわけではないが、飛行時間型質量分析計またはエレクトロスプレーイオン化飛行時間型質量分析計を挙げることができる。測定は、例えば、定量測定であってよい。] 図3 [0024] 方法300のステップ310において、物質の複数の質量スペクトルが、或る時間期間にわたって取得される。複数の質量スペクトルは、例えば、生成物イオンの質量スペクトルであってよい。] [0025] ステップ320において、初期XICウインドウが選択される。初期XICウインドウを、複数の質量スペクトルの取得後に選択することができる。] [0026] ステップ330において、XICウインドウが、初期XICウインドウに等しく設定され、複数の質量スペクトルから、時間の関数としての強度が、XICウインドウを使用してイオンについて計算される。イオンは、例えば生成物イオンであってよい。] [0027] ステップ340において、XICウインドウのパラメータを或る刻みにて変更するステップ、複数の質量スペクトルから、時間の関数としての次の強度を、XICウインドウの変更後のパラメータを使用してイオンについて計算するステップ、および前記次の強度から次のS/Nを計算するステップが、停止条件に達するまで繰り返される。停止条件は、例えば、前記次のS/Nが、最大S/Nに達することである。次いで、最大S/NにおけるXICウインドウを、測定に使用することができる。] [0028] 種々の実施形態において、停止条件は、前記次のS/Nが、しきい値以上になることである。しきい値は、例えば、3であってよい。XICウインドウのパラメータとして、これらに限られるわけではないが、幅または中心が挙げられる。XICウインドウのパラメータを或る刻みで変更することは、これらに限られるわけではないが、パラメータを前記刻みで減らすこと、またはパラメータを前記刻みで増やすことを含むことができる。刻みは、例えば、0.01原子単位であってよい。] [0029] 図4は、本開示に従う、質量分析計410およびコンピュータシステム420を含む質量分析システム400の概略図である。質量分析計410としては、これらに限られるわけではないが、飛行時間型質量分析計またはエレクトロスプレーイオン化飛行時間型質量分析計を挙げることができる。] 図4 [0030] コンピュータシステム420が、質量分析計410と通信する。コンピュータシステム420は、これに限られるわけではないが、図1に示して上述したコンピュータシステム100であってよい。コンピュータシステム420が、或る時間期間にわたって物質の複数の質量スペクトルを取得し、第1のXICウインドウを選択して、複数の質量スペクトルから、時間の関数としての第1の強度を、第1のXICウインドウを使用してイオンについて計算し、第2のXICウインドウを選択して、複数の質量スペクトルから、時間の関数としての第2の強度を、第2のXICウインドウを使用してイオンについて計算し、第1の強度の第1のS/Nを第2の強度の第2のS/Nと比較し、第2のS/Nが第1のS/Nよりも大きい場合に、時間の関数としての第2の強度を測定のために使用する。コンピュータシステム420は、第1のXICウインドウおよび第2のXICウインドウを、例えば複数の質量スペクトルの取得後に選択することができる。] 図1 図面の簡単な説明 [0031] 当業者であれば、以下で説明される図面が、あくまでも例示を目的としているにすぎないことを理解できるであろう。図面は、出願人の教示の範囲を何ら限定しようとするものではない。 図1は、本発明の教示の実施形態を実装することができるコンピュータシステムを説明するブロック図である。 図2は、質量分析計からの測定の選択性を改善するための本発明の教示による方法を示すフロー図である。 図3は、質量分析計による測定について使用すべき抽出イオン電流(XIC)ウインドウを決定するための本発明の教示による方法を示すフロー図である。 図4は、質量分析計とコンピュータシステムとを備える本発明の教示による質量分析システムの概略図である。 図5は、質量分析計からのデータを用いた定量化のための本発明の教示による方法を示すフロー図である。 図6は、本発明の教示による尿サンプルからの典型的な生成物イオン質量スペクトルである。 図7は、本発明の教示による尿サンプルからの生成物イオン質量スペクトルの典型的な拡大図である。 図8は、本発明の教示による尿サンプルからの生成物イオン質量スペクトルの典型的な拡大図であり、0.5原子質量単位(amu)の幅を有するXICウインドウが示されている。 図9は、約3分の間隔で注入された5つのサンプルについて、本発明の教示に従い、図8に示したXICウインドウを使用したXICの典型的なプロットである。 図10は、本発明の教示による尿サンプルからの生成物イオン質量スペクトルの典型的な拡大図であり、0.01amuの幅を有するXICウインドウが示されている。 図11は、約3分の間隔で注入された5つのサンプルについて、本発明の教示に従い、図10に示したXICウインドウを使用したXICの典型的なプロットである。 図12は、対象の質量ピークおよび干渉の質量ピークの典型的なプロットであり、本発明の教示に従い、中心が対象の質量の真の中心に位置しないXICウインドウの位置を選択することがどのように好都合になりうるのかを示している。 図13は、本発明の教示による典型的な既知の化合物の5つの生成物イオンの較正曲線の線形範囲を示す表である。 図14は、本発明の教示によるサンプル内に見つけられる典型的な公知の化合物の5つの生成物イオンの強度を示している表である。] 図1 図10 図11 図12 図13 図14 図2 図3 図4 図5 [0032] 定量化 第3の四重極を置き換える飛行時間型質量分析計(QqTOF)を備えている三連四重極質量分析計が定量化に使用される場合、全体の生成物イオンスペクトルを得ることが可能である。スペクトルは、或る範囲の生成物イオンを含むことができ、そのいくつかが他者よりも強い。種々の実施形態においては、低濃度での定量化のために最も強い生成物イオンを使用し、より大きい強度のイオンが飽和する高濃度での定量化について、より弱い生成物イオンを使用することによって、広いダイナミックレンジを得ることができる。] [0033] この広いダイナミックレンジは、QqTOF質量分析計において、より弱いイオンの強度がより強いイオンの強度によって影響されることがないために可能である。また、QqTOF質量分析計を使用することで、サンプルスペクトルの取得後に定量化のための生成物イオンまたは複数の生成物イオンを選択することができる。対照的に、多重反応モニタリング(MRM)法を使用する従来からの三連四重極分析計を使用すると、定量化のための生成物イオンまたは複数の生成物イオンを、サンプルの分析に先立って選択する必要がある。さらに、三連四重極においては、質量分解能(ピーク幅)を、データの取得に先立って調節および固定しなければならない。三連四重極においては、取得の後に抽出イオン電流(XIC)ウインドウの幅を変更または選択することが不可能である。] [0034] QqTOF質量分析計を使用して、各々の生成物イオンについて或る線形な応答の範囲を、較正曲線から確立することができ、複数の生成物イオンを、幅広い範囲の濃度にわたって線形な較正曲線を生成するために使用することができる。内部標準を、マトリクスおよびイオン化抑制の作用を補償するために使用することができる。] [0035] 他の質量分析計も、全体の生成物イオンスペクトルおよび広いダイナミックレンジを得るために使用することができる。それらの分析計として、これらに限られるわけではないが、線形イオントラップ質量分析計、Orbitrap質量分析計、フーリエ変換質量分析計、または三次元イオントラップ質量分析計が挙げられる。] [0036] 種々の実施形態において、較正曲線が、同じプリカーサーの2つ以上の生成物イオンについて作成され、サンプルについて取得された生成物イオンスペクトルが処理され、サンプルの濃度が、依然として応答曲線の線形部分にある1つ以上の生成物イオンを選択することによって測定される。複数の生成物イオンを、統計的基準に基づいて信頼度または精度を割り当てるアルゴリズムにおいて測定値を組み合わせることによって、濃度の測定に使用することができる。例えば、2つの生成物イオンを、濃度を測定するために使用することができるが、一方の生成物イオンの信号対雑音比(S/N)が他方よりもはるかに低い場合に、2つの結果を統計関連の方法において組み合わせることが可能である。統計関連の方法として、これに限られるわけではないが、2つの結果をそれらのS/Nに基づいて重み付けすることが挙げられる。] [0037] 種々の実施形態において、未知の濃度の定量測定のために質量分析計を使用する方法は、広い濃度範囲にわたって全体の生成物イオンスペクトルを取得し、該濃度範囲にわたる標準物質からの応答曲線を生成するステップ、異なる応答を有する少なくとも2つの生成物イオンについて応答の線形性を測定するステップ、生成物イオンスペクトルを取得することによって、未知のサンプル濃度への応答を測定するステップ、および応答曲線の線形部分に対応する生成物イオンの強度から、濃度を決定するステップを含むことができる。] [0038] 図5は、質量分析計からのデータを用いた定量化のための方法であって、2つ以上のイオンをそれらの線形範囲において選択することを含んでいる本発明の教示による方法500を示すフロー図である。質量分析計として、これらに限られるわけではないが、飛行時間型質量分析計、線形イオントラップ質量分析計、Orbitrap質量分析計、フーリエ変換質量分析計、または三次元イオントラップ質量分析計を挙げることができる。] 図5 [0039] 方法500のステップ510において、複数の既知の量の物質の各々について、複数の較正イオン質量スペクトルが取得される。複数の較正イオン質量スペクトルは、例えば、複数の生成物イオン質量スペクトルである。] [0040] ステップ520において、複数の較正イオン質量スペクトルから、物質を特定する複数のイオンが決定され、該複数のイオンの各イオンについて、各イオンの強度が量につれて線形に変化する線形範囲と、この線形範囲についての線形関数とが決定される。] [0041] ステップ530において、複数のサンプルイオン質量スペクトルが、未知の量の物質について取得される。サンプルイオン質量スペクトルは、例えば、生成物イオン質量スペクトルである。種々の実施形態において、四重極質量フィルタの分解能を、化合物の2つ以上の同位体を含む質量ウインドウを通すように調節することができる。炭素13を含んでいる同位体が、最初の同位体よりも弱い強度のプリカーサーイオンをもたらすことが、一般的である。プリカーサーイオンの2つ以上の同位体を含む質量ウインドウを選択することで、炭素13同位体を含んでおり、最初の同位体よりも弱い生成物イオンをもたらすことができる。これらのより弱い生成物イオンを、定量化に使用することができる。あるいは、断片化されていないプリカーサーイオンおよびその同位体を、定量化に使用することができる。あるいは、定量化を、或るイオン強度の範囲をもたらすためのプリカーサーイオンおよびその同位体を使用して、飛行時間型質量分析(TOFMS)モードで行うことができる。種々の実施形態において、定量化を、例えばイオン源、デクラスタリング領域、または飛行時間(TOF)の前のイオン光学領域における断片化によって、プリカーサーイオンを選択することなく生成される生成物イオンを使用して、TOFMSシステムにおいて行うことができる。] [0042] ステップ540において、サンプル強度が、サンプルスペクトルから複数のイオンの各イオンについて測定される。] [0043] ステップ550において、サンプルスペクトルの取得後に、複数のイオンからの1つ以上のイオンの選択が、1つ以上のイオンのうちの各選択されたイオンのサンプル強度が、各選択されたイオンの線形範囲にあるように行われる。種々の実施形態においては、1つ以上のイオンが、1つ以上のイオンの各イオンの信号対雑音比がしきい値以上である場合に限って選択される。S/Nしきい値は、例えば、3である。信号対雑音は、当該分野において公知の方法によって決定することができる。例えば、信号対雑音を、選択された時間ウインドウにおいて背景イオン信号の標準偏差に対するピーク高さの比を計算することによって決定することができる。信号対雑音の他の測定値も、使用することが可能である。] [0044] ステップ560において、未知の量が、1つ以上のイオンの1つ以上のサンプル強度および1つ以上のイオンの1つ以上の線形関数から計算される。種々の実施形態においては、1つ以上のイオンが、2つ以上のイオンを含むことができる。種々の実施形態において、未知の量の計算は、2つ以上のイオンの2つ以上の量を平均することを含むことができ、2つ以上の量の各々の量は、2つ以上のイオンのうちの1つのイオンのサンプル強度および線形関数から得られる。種々の実施形態において、未知の量の計算は、2つ以上のイオンの2つ以上の重み付けされた量を合計することを含むことができ、2つ以上の重み付けられた量の各々の重み付けられた量は、2つ以上のイオンのうちの1つのイオンの信号対雑音による重み付け因子、サンプル強度、および線形関数から得られる。] [0045] 種々の実施形態において、サンプル強度は、時間の関数として抽出イオン電流(XIC)を測定し、サンプル化合物に特徴的な時間ウインドウに対応する曲線の下方の面積を決定することによって測定される。例えば、特徴的なウインドウは、化合物が液体クロマトグラフィシステムから溶離する時間ウインドウであってよい。XICは、質量スペクトルの固定の質量対電荷ウインドウにおけるイオン電流の測定値の合計または積分で構成される強度の測定値である。例えば、生成物イオンの質量ピークは、質量分析計の分解能によって決定される特徴的な質量ピーク幅を有する。質量ピークの全体または大部分に対応するXICウインドウ幅を選択し、既知の質量値(質量ピークのピークトップまたは中心(centroid)であってよい)で構成されるXICウインドウの中心値を選択することが、一般的である。いくつかの場合には、XICを、質量スケールの最小幅に対応するただ1つの質量ピーク点で構成することができる。飛行時間型質量分析計におけるこの最小幅は、時間測定の最小の時間分解能またはビンサイズ(bin size)である。最小幅ピークの強度は、質量スペクトルにおけるピーク高さと同じであってもよい。] [0046] また、種々の実施形態において、各々の生成物イオンのXICウインドウの幅を、サンプルスペクトルの取得の後で、最良の信号対雑音比(S/N)をもたらすように選択することができる。例えば、質量ピークの幅未満に相当する狭いXICウインドウを処理のために選択することが、より広いXICウインドウの選択に比べてS/Nの改善が存在する場合に可能である。選択されるウインドウの中心の位置および幅の両方を、最大の信号対雑音をもたらすように選択することができる。例えば、XICウインドウの中心を、実際の質量値の片側に位置するように選択することが、対象の質量ピークの他方の側に重なる干渉の質量ピークが存在する場合に可能である。測定可能な信号を生成するために、選択されるXICウインドウは、対象の真の質量ピークの位置に、或る程度は重ならなければならない。] [0047] 種々の実施形態においては、対象の化合物に関連付けられることが既知であるスペクトル中の各々の質量についてのXICウインドウの幅および位置が、最大のS/Nをもたらすために選択される。XICウインドウの幅は、選択される各々の質量値について異なっていてよい。各々の質量値について、最大のS/Nをもたらすように選択されたXICウインドウ幅を、同じXICウインドウ幅を使用することによって較正サンプルから生成される較正曲線から濃度を計算するために使用することができる。例えば、m/z255.035がサンプルの質量であり、0.015原子質量単位(amu)のXICウインドウ幅が、未知の濃度の特定の既知のサンプルについて最良のS/Nをもたらす場合、濃度を、XICについて0.015amuという同じ幅を使用するm/z255.035についての較正曲線から計算することができる。別のXICウインドウ幅の較正曲線は、未知の濃度のサンプルが処理される前、またはサンプルが処理された後で、コンピュータによって生成することができる。] [0048] また、種々の実施形態において、XICウインドウの位置を、最良のS/Nをもたらすように選択することができる。例えば、サンプルイオンの既知の正確なm/zが、255.035である場合、0.015amuの幅を有するm/z255.035についてのXICウインドウを、コンピュータによって選択することができ、正しい保持時間におけるピークのS/Nを計算することができる。次に、m/z255.045についてのXICウインドウを、0.015amuの幅で計算することができる。正しい保持時間におけるピークのS/Nが、m/z255.045について、m/z255.035についてよりも大きい場合には、このXICウインドウを、較正曲線からサンプルの濃度を測定するために使用することができる。] [0049] 種々の実施形態において、サンプルスペクトルの取得後に、1つ以上のイオンが複数のイオンから選択される。選択された各々のイオンについて、最良のXICウインドウ幅を、或る範囲のXICウインドウ幅についてS/Nを測定することによって決定することができる。選択された各々の質量値について、較正曲線を、較正データから選択されたXICウインドウ幅について生成することができる。1つ以上のイオンの複数のイオンからの選択を、1つ以上のイオンのうちの各選択されたイオンのサンプル強度が、各選択されたイオンの較正曲線の線形範囲にあるように行うことができる。] [0050] 種々の実施形態において、XICウインドウの中心位置を、最良のS/Nをもたらすように選択することができる。] [0051] 種々の実施形態においては、1つ以上のイオンのうちの少なくとも1つについての第1のXICウインドウおよび第2のXICウインドウが選択される。例えば、第1のXICウインドウの第1のXICウインドウ幅は、第2のXICウインドウの第2のXICウインドウ幅と同じではない。種々の実施形態において、第1のXICウインドウの第1のXICウインドウ中心位置は、第2のXICウインドウの第2のXICウインドウ中心位置と同じではない。1つ以上のイオンのうちの少なくとも1つについての第1のサンプル強度が、第1のXICウインドウを使用して計算され、1つ以上のイオンのうちの少なくとも1つについての第2のサンプル強度が、第2のXICウインドウを使用して計算される。第1のサンプル強度の第1のS/Nが計算され、第2のサンプル強度の第2のS/Nが計算される。第2のS/Nが第1のS/Nよりも大きい場合、第2のサンプル強度が、未知の量を計算するために使用される。] [0052] 種々の実施形態においては、1つ以上のイオンのうちの少なくとも1つについての第1のXICウインドウおよび第2のXICウインドウが選択される。例えば、第1のXICウインドウの第1のXICウインドウ幅は、第2のXICウインドウの第2のXICウインドウ幅と同じではない。種々の実施形態において、第1のXICウインドウの第1のXICウインドウ中心位置は、第2のXICウインドウの第2のXICウインドウ中心位置と同じではない。1つ以上のイオンのうちの少なくとも1つについての第1のサンプル強度が、第1のXICウインドウを使用して計算され、1つ以上のイオンのうちの少なくとも1つについての第2のサンプル強度が、第2のXICウインドウを使用して計算される。サンプル中の近接して溶離する化合物について、第1のサンプル強度への第1の相対的寄与が計算され、サンプル中の近接して溶離する化合物について、第2のサンプル強度への第2の相対的寄与が計算される。サンプル中の近接して溶離する化合物のサンプル強度への相対的寄与は、サンプル中の近接して溶離する化合物と化合物中の対象の物質との間の干渉の尺度である。サンプル中の近接して溶離する化合物のサンプル強度への相対的寄与は、例えば、対象の物質に起因するサンプル強度の割合に対する近接して溶離する化合物に起因するサンプル強度の割合である。第2の相対的寄与が、第1の相対的寄与よりも少ない場合、第2のサンプル強度が、未知の量を計算するために使用される。] [0053] 較正曲線の線形範囲は、サンプル中の既知のイオンのそれぞれのサンプル濃度またはサンプル量に関して、較正のために選択されるXICウインドウの幅に依存しない。例えば、m/z255.035のイオンについて、0.02amuのXICウインドウ幅における較正曲線から決定される較正の線形範囲が10フェムトグラム(fg)〜10ピコグラム(pg)である場合、0.01amuのXICウインドウ幅における較正曲線の線形範囲は、依然として10fg〜10pgである。任意のイオン質量について、任意の選択されたXICウインドウ幅における線形範囲は、すべて同じであろう。これは、範囲の上端における非線形性または湾曲(curvature)が、その特定のサンプル濃度において検出器に衝突する質量ピークの全体のイオンの数によって引き起こされるイオン検出器の飽和に起因するからである。したがって、サンプル濃度の線形性の範囲は、質量ピークにおけるイオンの数によって決定される。異なるXICウインドウ幅を選択することで、サンプル濃度に関するイオンのカウント数が変化し、したがって較正曲線の絶対強度値が変化するが、較正曲線の形状は変化しない。] [0054] 種々の実施形態において、XICウインドウ幅を、サンプルの既知のイオンの各々について選択することができる。較正曲線を、既知のイオンの各々について決定することができ、線形範囲を、既知のイオンの各々について決定することができる。未知の各々のサンプルについて、既知の各イオンについての応答を、XICウインドウ幅を使用することによって決定することができる。線形範囲内に応答を有するイオンを、決定することができる。線形な応答範囲にあるイオンについて、最良のXICウインドウ幅を決定するために、XICウインドウの幅および中心値を上述の方法に従って変化させ、選択することができる。該当のイオンの較正曲線に使用されたXICウインドウの幅または中心値とは異なるXICウインドウの幅または中心値が選択される場合、新たな較正曲線を、新たに選択されるXICウインドウの幅を使用することによって計算することができ、サンプルの濃度を、新たな較正曲線に基づいて計算することができる。新たに選択されたXICウインドウから得られるS/Nの改善は、元のXICウインドウ幅から得られるよりも正確なサンプル濃度の測定をもたらすことができる。] [0055] 種々の実施形態において、最良のXICウインドウを、較正の線形範囲が決定される前に選択することができる。各々のイオンについて最良のXICウインドウを発見した後で、較正曲線を、そのXICウインドウを使用して、複数の較正イオン質量スペクトルからのデータを処理することによって生成することができる。各々のイオンおよび選択されたXICウインドウについて、応答の線形範囲および線形関数を決定することができる。未知の量が、1つ以上のイオンの1つ以上のサンプル強度および1つ以上のイオンの1つ以上の線形関数から計算される。] [0056] 種々の実施形態において、質量分析システムは、質量分析計とコンピュータシステムとを備える。質量分析計として、これらに限られるわけではないが、飛行時間型質量分析計、線形イオントラップ質量分析計、Orbitrap質量分析計、フーリエ変換質量分析計、または三次元イオントラップ質量分析計を挙げることができる。] [0057] コンピュータシステムは、質量分析計と通信する。コンピュータシステムは、これに限られるわけではないが、図1に示して上述したコンピュータシステム100であってよい。コンピュータシステムは、複数の既知量の物質の各々について、複数の較正イオン質量スペクトルを取得し、複数の較正イオン質量スペクトルから、物質を特定する複数のイオンを決定し、該複数のイオンの各イオンについて、各イオンの強度が量につれて線形に変化する線形範囲と、この線形範囲についての線形関数とを決定し、未知の量の物質について複数のサンプルイオン質量スペクトルを取得し、サンプル強度をサンプルスペクトルから複数のイオンの各イオンについて測定し、サンプルスペクトルの取得後に、複数のイオンからの1つ以上のイオンの選択を、1つ以上のイオンのうちの各選択されたイオンのサンプル強度が、各選択されたイオンの線形範囲にあるように行い、未知の量を、1つ以上のイオンの1つ以上のサンプル強度および1つ以上のイオンの1つ以上の線形関数から計算する。種々の実施形態においては、XICウインドウの幅および中心位置が、1つ以上のイオンが選択される前に、サンプル強度が較正曲線の線形範囲にあるように、複数のイオンの各々について選択される。] 図1 [0058] 本出願人の教示の態様が、以下の実施例に照らして、さらに理解されるであろう。なお、以下の実施例を、決して本発明の教示の範囲を限定するものと解釈してはならない。] [0059] 選択性 図6は、本発明の教示による尿サンプルからの典型的な生成物イオン質量スペクトル600である。スペクトル600は、質量対電荷比(m/z)が237であるプリカーサーの生成物イオンスペクトルである。多数のピークが存在しているが、少数のみが対象の薬物(カルバマゼピン)に関係するものである。] 図6 [0060] 図7が、本発明の教示による尿サンプルからの生成物イオン質量スペクトル700の典型的な拡大図である。スペクトル700は、m/z192の生成物質量にもいくつかの成分が存在することを示している。しかしながら、192.0929だけが、カルバマゼピンに起因するものである。] 図7 [0061] 図8は、本発明の教示による尿サンプルからの生成物イオン質量スペクトル800の典型的な拡大図であり、0.5原子質量単位(amu)の幅を有する抽出イオン電流(XIC)ウインドウ810が示されている。選択されたXICウインドウ810が、191.799〜192.305ダルトン(Da)まで広がっており、192.052Daに中心を有している。選択されたXICウインドウ810は、m/z192の生成物質量に位置するすべての成分を含んでいる。] 図8 [0062] 図9は、約3分の間隔で注入された5つのサンプルについて、本発明の教示に従い、図8に示したXICウインドウ810を使用したXIC910の典型的なプロット900である。各々のサンプルはわずかに異なり、複数のピークを有している。ただ1つのピークが、カルバマゼピンである。他のピークは、この場合には液体クロマトグラフィ(LC)によって分離されるが、他の場合には分離されないかもしれない潜在的な干渉である。] 図8 図9 [0063] 図10は、本発明の教示による尿サンプルからの生成物イオン質量スペクトル1000の典型的な拡大図であり、0.01原子質量単位(amu)の幅を有するXICウインドウ1010が示されている。図10は、図8に示したデータと同じデータを示しているが、ここではより狭いXICウインドウが使用されている。選択されたXICウインドウ1010が、192.079〜192.089Daまで広がっており、192.084Daに中心を有している。選択されたXICウインドウ1010は、m/z192の生成物質量に位置するすべての成分を含んでいるわけではない。] 図10 図8 [0064] 図11は、約3分の間隔で注入された5つのサンプルについて、本発明の教示に従い、図10に示したXICウインドウを使用したXIC1110の典型的なプロット1100である。図11と図9との比較が、選択されたより狭いXICウインドウ1010(図10に示され、192.084Daに中心を有している)が、選択されたXICウインドウ810(図8に示され、192.052Daに中心を有している)よりも良好なS/Nをもたらすことを示している。図10に示したXICウインドウ1010の幅および中心、ならびに図8に示したXICウインドウ810の幅および中心は、例えば、サンプルデータの取得の後で選択され、各々のXICウインドウがカルバマゼピンの正しい質量値を含み、あるいはカルバマゼピンの正しい質量値の近くであるように選択される。正しい質量値は、例えば標準から公知である。] 図10 図11 図8 図9 [0065] 図12は、対象の質量ピーク1210および干渉の質量ピーク1220の典型的なプロット1200であり、本発明の教示に従い、中心が対象の質量の真の中心に位置しないXICウインドウの位置を選択することがどのように好都合になりうるのかを示している。XICウインドウ1225が選択される場合、XICは、対象の質量ピーク1210および干渉の質量ピーク1220の両方からの有意な寄与を含むことになる。XICウインドウ1215が選択される場合、対象の質量ピーク1210からの信号が少なくなるが、干渉の質量ピーク1220からの信号は、さらに少なくなるため、S/Nが向上する。] 図12 [0066] 定量化 質量分析計からのデータを用いた定量化のための典型的な方法によれば、一連の標準が、或る濃度範囲にわたって実行される。一連の標準から、較正曲線が、濃度の全範囲にわたって各々の生成物イオンについて作成される。各々の較正曲線において、最高の濃度が、線形関数が或るしきい値の範囲内で曲線へと回帰適合(regression fit)するまで破棄される。線形性のしきい値を、決定係数R2>0.995から決定することができ、ここで、Rは、例えば標準および周知の回帰法を使用して決定される変動係数である。種々の実施形態においては、しきい値が、0.995よりも大きくても、小さくてもよい。] [0067] あるいは、他の基準を、較正関数がどこで非線形になるのかを決定するために使用することができる。例えば、或るしきい値を使用し、線形性からの逸脱がこのしきい値未満であれば容認し、線形性から逸脱がこのしきい値を超える場合には、非容認とすることができる。種々の実施形態において、重み付き線形回帰を使用することができる。重み付き線形回帰の一例においては、1/xの重み付け係数が各々のデータ点に適用され、xはサンプル濃度である。重み付き線形回帰は、当該分野において公知である。] [0068] 結果として、特定の濃度範囲をカバーする線形な較正曲線が、各々のイオンについて得られる。これらの較正曲線は、未知のサンプルを流す前に生成および保存される。種々の実施形態においては、較正曲線を、未知のサンプルを流した後、かつ未知のものの濃度を決定するためのデータ処理の前に、得ることができる。種々の実施形態においては、較正曲線を、未知のサンプルの前および未知のサンプルを流した後で実行することができ、2つ以上の較正曲線を、例えば較正曲線を合わせて平均することによって、統計的な妥当なやり方で組み合わせることができる。] [0069] サンプルを流した後で、サンプル内の既知の生成物イオンの各々についての応答が測定される。次いで、サンプル内の各々の生成物イオンの強度が、その較正曲線と比較され、強度が該当の較正曲線の線形範囲にあるか否かが決定される。強度が線形範囲にある場合、生成物イオンを、定量化に使用することが可能である。] [0070] プリカーサーの質量対電荷比(m/z)が287であり、生成物イオンのm/zが59、89、122、231、および269である典型的な既知の化合物を考える。上述の方法を使用し、各々の生成物イオンについての較正曲線の線形範囲を、濃度および強度に関して発見して示すことができる。] [0071] 図13が、本発明の教示に従い、典型的な既知の化合物の5つの生成物イオンの較正曲線の線形範囲を示す表1300である。表1300に示されているデータは、4000イオンを超えると飽和し(あるいは、非線形になり)、10イオンという検出限界を有している質量分析計に一致している。] 図13 [0072] 再度上述の方法を使用して、サンプルを流し、サンプル内の既知の生成物イオンの各々について、応答を測定した。図14が、本発明の教示に従い、サンプル内に見つけられる典型的な公知の化合物の5つの生成物イオンの強度を示している表1400である。表600は、m/zが59、89、および269である生成物イオンが、これらのイオンについての線形な較正範囲から外れていることを示している。したがって、サンプル内の既知の化合物の濃度は、m/zが122(128イオン=128ピコグラム(pg))およびm/zが231(45イオン=135pg)である生成物イオンの濃度から計算される。既知の化合物の濃度を、例えば2つの生成物イオンの濃度から求めることができる。また、既知の化合物の濃度を、2つの生成物イオンの濃度を統計的に有意なやり方で組み合わせることによって求めることもできる。] 図14 [0073] 2つの生成物イオンの濃度を統計的に有意な方法で組み合わせる典型的な方法として、2つの濃度を合わせて平均することが挙げられ、あるいは種々の実施形態において、2つのサンプル強度測定値の相対的な信号対雑音比(S/N)に基づく重み係数を使用することによって2つの濃度を平均することが挙げられる。例えば、m/z122のS/Nが、6であると測定され、m/z231のS/Nが、20であると測定される場合には、計算による濃度は、128に6/26を掛けたものに135に20/26を掛けたものを加え、すなわち133.3pgである。] [0074] 他の典型的な方法においては、公知の化合物が、287というプリカーサーの質量対電荷比(m/z)ならびに59、89、122、231、および269というm/zの生成物イオンを有している。この典型的な既知の化合物は、プリカーサーイオンについて287.135であり、生成物イオンについて59.035、89.088、122.103、231.145、および269.201である既知の正確なm/z値を有している。複雑な生物学的サンプルにおける未知の濃度の既知の化合物の分析が、同じまたはほぼ同様のプリカーサーイオンの質量ならびに同じまたはほぼ同様の生成物イオンの質量を有する干渉性の化合物の存在によって、困難になる可能性がある。例えば、典型的な干渉性の化合物は、287.155というプリカーサーイオンの質量を有しており、複数の生成物イオンのうちの1つが、122.113というm/zの生成物イオンである。干渉のプリカーサーイオンが、四重極質量フィルタを、たとえそのようなフィルタが287.135というm/zのサンプルイオン質量を通すように設定されたとしても、通過することができる。なぜならば、四重極質量フィルタの分解能では、質量が約0.7amuほど相違するイオンしか分離できないからである。半値において10,000の質量分解能を有する飛行時間型質量分析計は、サンプルからの122.103という質量値と干渉性の化合物からの122.113とを、或る程度は分離できるが、完全に分離することができない。干渉性の化合物が、サンプル化合物に時間においてきわめて近接してLCカラムから溶離する場合に、干渉性の化合物が、サンプルの測定を妨げる可能性がある。XICウインドウの中心値が122.103であり、XICウインドウの幅が0.02amuである場合、XICウインドウは、m/z122.093〜122.113の間のイオン信号の積分を含む。干渉性の化合物がLCではほとんど分離されない場合、2つのピークがクロマトグラムにおいて観察され、サンプル濃度の計算が、クロマトグラムの第2のピークゆえに困難になる。干渉性の化合物が、時間において一定の背景イオン信号を含む場合、サンプルイオンのXICは、干渉イオンからの一定の背景信号に上乗せされる信号として現れる。これは、サンプル測定値のS/Nの低下につながる。XICウインドウが0.01amuへと縮小されると、XICは、m/z122.098〜122.108のイオン信号の積分を含むことになり、m/z122.113からの干渉イオン信号のかなりの部分が除去される。これは、S/NならびにLCクロマトグラムにおいてピークの面積を特定する能力を改善する。0.01amuというXICウインドウ幅の選択の後で、公知の化合物についての較正曲線を、較正データについて0.01amuというXICウインドウ幅を使用することによって、較正データから測定することができ、較正曲線の線形範囲を、上述の方法を使用して決定することができる。サンプルの未知の濃度を、選択されたXICウインドウ幅における122ピークの強度によって決定することが、そのような強度が較正曲線の線形範囲にあるのであれば可能である。他の実施形態においては、サンプルスペクトル内の他の生成物イオンについてのXICウインドウ幅を、この方法を使用することによって選択することができ、サンプルの濃度を、上述した統計的方法を使用することによって線形較正曲線からの測定値を組み合わせることで決定することができる。] [0075] 本出願人の教示を、種々の実施形態に連動させて説明したが、本出願人の教示は、そのような実施形態に限定されない。むしろ、本出願人の教示は、当業者であれば理解できるとおりの種々の代案、変更、および均等物を包含する。] [0076] 例えば、既知のイオンについての線形性の範囲を、隣接する同位体のピークの比を決定し、この比が大きい方のピークの飽和を知らせる量だけ変化するときを明らかにすることによって、選択することが可能である。あるいは、所定のイオンのカウントを、それを超えると検出器の応答が線形でなくなるしきい値として選択することができる。種々の実施形態において、XICまたはピーク強度がこのしきい値よりも小さいイオンだけを、定量化のために選択することができる。しきい値を、選択されたXICウインドウ幅に依存するように指定することができる。] 実施例 [0077] さらに、種々の実施形態の説明において、本明細書は、方法および/またはプロセスを、各ステップの特定の順序として提示したかもしれない。しかしながら、本方法またはプロセスが本明細書に記載の各ステップの特定の順序に依存しない限りにおいて、本方法またはプロセスは、記載された各ステップの特定の順序に限られない。当業者であれば理解できるとおり、各工程の他の順序も可能である。したがって、明細書に記載された各工程の特定の順序を、特許請求の範囲を限定するものとして解釈してはならない。さらには、方法および/またはプロセスに向けられた請求項は、それらの各ステップを請求項に記載の順序で実行することに限られず、順序がさまざまであってよく、それでもなお種々の実施形態の技術的思想および技術的範囲に包含されることを、当業者であれば容易に理解できるであろう。]
权利要求:
請求項1 質量分析計からの測定の選択性を改善するための方法であって、前記方法は:或る時間期間にわたって物質の複数の質量スペクトルを取得するステップと;第1の抽出イオン電流ウインドウを選択し、前記複数の質量スペクトルから、時間の関数としての第1の強度を、前記第1の抽出イオン電流ウインドウを使用して1つのイオンについて計算するステップと;第2の抽出イオン電流ウインドウを選択し、前記複数の質量スペクトルから、時間の関数としての第2の強度を、前記第2の抽出イオン電流ウインドウを使用して前記1つのイオンについて計算するステップと;前記第1の強度の第1の信号対雑音比を前記第2の強度の第2の信号対雑音比と比較するステップと;前記第2の信号対雑音比が前記第1の信号対雑音比よりも大きい場合に、前記第2の強度を前記測定のために使用するステップと;を含む、方法。 請求項2 前記複数の質量スペクトルが生成物イオンスペクトルを含み、前記イオンが生成物イオンを含む、請求項1に記載の方法。 請求項3 前記第1の抽出イオン電流ウインドウおよび前記第2の抽出イオン電流ウインドウが、前記複数の質量スペクトルの取得後に選択される、請求項1に記載の方法。 請求項4 前記第1の抽出イオン電流ウインドウが、第1の幅および第1の中心を含み、前記第2の抽出イオン電流ウインドウが、第2の幅および第2の中心を含む、請求項1に記載の方法。 請求項5 前記第1の幅が前記第2の幅よりも大きい、請求項4に記載の方法。 請求項6 前記第1の幅が、0.02原子質量単位よりも小さい値を有している、請求項4に記載の方法。 請求項7 前記第2の幅が、0.02原子質量単位よりも小さい値を有している、請求項4に記載の方法。 請求項8 前記第1の中心は前記第2の中心と同一ではない、請求項4に記載の方法。 請求項9 前記測定が、定量化を含む、請求項1に記載の方法。 請求項10 質量分析計による測定について使用する抽出イオン電流ウインドウを決定するための方法であって、前記方法は:或る時間期間にわたって物質の複数の質量スペクトルを取得するステップと;初期抽出イオン電流ウインドウを選択するステップと;前記抽出イオン電流ウインドウを前記初期抽出イオン電流ウインドウに等しく設定し、前記複数の質量スペクトルから、時間の関数としての強度を前記抽出イオン電流ウインドウを使用して1つのイオンについて計算するステップと;停止条件に達するまで、下記:前記抽出イオン電流ウインドウのパラメータを或る刻みにて変更するステップ、前記複数の質量スペクトルから、時間の関数としての次の強度を、前記パラメータを使用して前記イオンについて計算するステップ、および前記次の強度から次の信号対雑音比を計算するステップ、を繰り返すステップと;を含む、方法。 請求項11 前記停止条件が、最大信号対雑音比に達する前記次の信号対雑音比を含む、請求項10に記載の方法。 請求項12 前記停止条件が、しきい値以上になる前記次の信号対雑音比を含む、請求項10に記載の方法。 請求項13 前記パラメータが幅を含む、請求項10に記載の方法。 請求項14 前記パラメータが中心を含む、請求項10に記載の方法。 請求項15 前記抽出イオン電流ウインドウの前記パラメータを前記或る刻みにて変更するステップが、前記抽出イオン電流ウインドウの前記パラメータを前記或る刻みで減らすことを含む、請求項10に記載の方法。 請求項16 前記抽出イオン電流ウインドウの前記パラメータを前記或る刻みにて変更するステップが、前記抽出イオン電流ウインドウの前記パラメータを前記或る刻みで増やすことを含む、請求項10に記載の方法。 請求項17 前記初期抽出イオン電流ウインドウが、前記複数の質量スペクトルの取得の後で選択される、請求項10に記載の方法。 請求項18 前記或る刻みが0.01原子単位を含む、請求項10に記載の方法。 請求項19 質量分析計;および前記質量分析計と通信するコンピュータシステムを備える、質量分析システムであって、前記質量分析計は:或る時間期間にわたって物質の複数の質量スペクトルを取得し;第1の抽出イオン電流ウインドウを選択し、前記複数の質量スペクトルから、時間の関数としての第1の強度を、前記第1の抽出イオン電流ウインドウを使用して1つのイオンについて計算し;第2の抽出イオン電流ウインドウを選択し、前記複数の質量スペクトルから、時間の関数としての第2の強度を、前記第2の抽出イオン電流ウインドウを使用して前記イオンについて計算し;前記第1の強度の第1の信号対雑音比を前記第2の強度の第2の信号対雑音比と比較し;そして前記第2の信号対雑音比が前記第1の信号対雑音比よりも大きい場合に、測定のために前記第2の強度を使用する、質量分析システム。 請求項20 前記コンピュータシステムが、前記複数の質量スペクトルの取得の後に、前記第1の抽出イオン電流ウインドウおよび前記第2の抽出イオン電流ウインドウを選択する、請求項19に記載の質量分析システム。 請求項21 前記質量分析計が、飛行時間型質量分析計を含む、請求項19に記載の質量分析システム。 請求項22 前記分析計が、エレクトロスプレーイオン化飛行時間型質量分析計を含む、請求項19に記載の質量分析システム。 請求項23 質量分析計からの測定の選択性を改善するための方法をプロセッサに実行させる内容を含むコンピュータ可読媒体であって、前記内容が、或る時間期間にわたって物質の複数の質量スペクトルを取得することと;第1の抽出イオン電流ウインドウを選択し、前記複数の質量スペクトルから、時間の関数としての第1の強度を、前記第1の抽出イオン電流ウインドウを使用して1つのイオンについて計算することと;第2の抽出イオン電流ウインドウを選択し、前記複数の質量スペクトルから、時間の関数としての第2の強度を、前記第2の抽出イオン電流ウインドウを使用して前記1つのイオンについて計算することと;前記第1の強度の第1の信号対雑音比を前記第2の強度の第2の信号対雑音比と比較することと;前記第2の信号対雑音比が前記第1の信号対雑音比よりも大きい場合に、前記第2の強度を前記測定のために使用することと、を含む、コンピュータ可読媒体。 請求項24 前記第1の抽出イオン電流ウインドウおよび前記第2の抽出イオン電流ウインドウが、前記複数の質量スペクトルの取得後に選択される、請求項23に記載のコンピュータ可読媒体。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题 US20190311892A1|2019-10-10|Data Independent Acquisition of Product Ion Spectra and Reference Spectra Library Matching Hird et al.2014|Liquid chromatography-mass spectrometry for the determination of chemical contaminants in food US9053911B2|2015-06-09|Method of processing mass spectral data JP6185975B2|2017-08-23|System and method for using a variable mass selection window width in a tandem mass spectrometer DE19803309C1|1999-10-07|Massenspektrometrisches Verfahren zur genauen Massenbestimmung unbekannter Ionen JP5227026B2|2013-07-03|定性的なおよび定量的な質量スペクトル分析 US8010306B2|2011-08-30|Methods for calibrating mass spectrometry | and other instrument systems and for processing MS and other data Ferrer et al.2005|Multi-residue pesticide analysis in fruits and vegetables by liquid chromatography–time-of-flight mass spectrometry Malyarenko et al.2005|Enhancement of sensitivity and resolution of surface-enhanced laser desorption/ionization time-of-flight mass spectrometric records for serum peptides using time-series analysis techniques US7348553B2|2008-03-25|Aspects of mass spectral calibration EP2322922B1|2015-02-25|Method of improving the resolution of compounds eluted from a chromatography device US9514922B2|2016-12-06|Mass analysis data processing apparatus US8592752B2|2013-11-26|Techniques for performing retention-time matching of precursor and product ions and for constructing precursor and product ion spectra JP5542433B2|2014-07-09|イオン検出およびn次元データのパラメータ推定 CN103548111B|2016-08-31|用于质量分析的方法和设备 US7451052B2|2008-11-11|Application of comprehensive calibration to mass spectral peak analysis and molecular screening JP5704917B2|2015-04-22|質量分析のための自己較正アプローチ US20060255258A1|2006-11-16|Chromatographic and mass spectral date analysis US9818590B2|2017-11-14|Data quality after demultiplexing of overlapped acquisition windows in tandem mass spectrometry US7904253B2|2011-03-08|Determination of chemical composition and isotope distribution with mass spectrometry EP2539919B1|2018-07-11|Pulsed mass calibration in time-of-flight mass spectrometry CN107066789B|2020-08-04|针对滞留时间确定或确认的视窗化质谱分析数据的使用 US6958473B2|2005-10-25|A-priori biomarker knowledge based mass filtering for enhanced biomarker detection US8304719B2|2012-11-06|Precise and thorough background subtraction DE102010019590B4|2019-09-05|Datenabhängiges Erfassungssystem für die Massenspektrometrie und Verfahren für dessen Anwendung
同族专利:
公开号 | 公开日 CA2713085C|2016-10-04| WO2009105491A3|2009-12-30| JP5464711B2|2014-04-09| EP2268384A2|2011-01-05| EP2268384A4|2015-12-09| CA2713085A1|2009-08-27| US20090212205A1|2009-08-27| US8067728B2|2011-11-29| EP2268384B1|2018-08-01| WO2009105491A2|2009-08-27|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2011-11-23| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111122 | 2012-11-10| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121109 | 2013-06-19| A977| Report on retrieval|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130619 | 2013-07-03| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130702 | 2013-09-25| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130924 | 2014-01-14| TRDD| Decision of grant or rejection written| 2014-01-17| A01| Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140116 | 2014-01-30| A61| First payment of annual fees (during grant procedure)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140117 | 2014-01-31| R150| Certificate of patent or registration of utility model|Ref document number: 5464711 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 | 2017-01-17| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2018-01-16| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2019-01-22| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2020-01-08| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2021-01-22| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2021-12-28| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
优先权:
[返回顶部]
申请号 | 申请日 | 专利标题 相关专利
Sulfonates, polymers, resist compositions and patterning process
Washing machine
Washing machine
Device for fixture finishing and tension adjusting of membrane
Structure for Equipping Band in a Plane Cathode Ray Tube
Process for preparation of 7 alpha-carboxyl 9, 11-epoxy steroids and intermediates useful therein an
国家/地区
|