![]() VEGFxxxbの新規な使用
专利摘要:
神経障害及び神経変性障害を治療又は予防するために使用されるか、生体内又は生体外において神経保護剤又は神経再生剤として使用されるVEGFxxxb、被投与者の細胞内又は生体外においてVEGFxxxに優先してVEGFxxxbの発現を選択的に促進する物質、宿主生物内においてVEGFxxxbの発現を引き起こす発現ベクター系を提供する。VEGFxxxbは好ましくはVEGF165bである。 公开号:JP2011513290A 申请号:JP2010548181 申请日:2009-02-27 公开日:2011-04-28 发明作者:ワ ジン;ジェームズ;ハーパー スティーブン;ベイツ デイビット;ドナルドソン ルーシー 申请人:ザ ユニバーシティ オブ ブリストル; IPC主号:A61K38-00
专利说明:
[0001] 本発明は、VEGFxxxbの新規な使用、特に神経保護剤又は神経再生剤としての使用に関する。] [0002] また、本発明は、VEGF遺伝子の選択的スプライシングにより、神経保護又は神経再生を必要とする被投与者におけるVEGFxxxbの内因性発現を促進する物質の対応する使用に関する。] 背景技術 [0003] 血管内皮成長因子(VEGF)の選択的スプライシング変異体ファミリーが最近特定されている(国際公開第WO03/012105号;Bates et al,Cancer Res.62,4123−4131(2002);Bates et al,Clinical Science 110,575−585(2006))。] [0004] これらの変異体は、エクソン7からのVEGFmRNAの3’UTRへのスプライシングによって形成され、他のタンパク質と同じ長さを有するが、C末端アミノ酸配列が異なるタンパク質を形成する。このスプライシング変異体ファミリーはVEGFxxxb(xxxはアミノ酸の数である(例えば、VEGF165bでは165個))と呼ばれている。VEGF165b、VEGF189b、VEGF145b、VEGF183b、VEGF121bタンパク質が特定されている(O. Konopatskaya,Molecular Vision.2006;12:626−632)。] [0005] 興味深いことに、VEGFR2(VEGF受容体2)及びNP−1(ニューロピリン(neuropilin)−1)結合ドメインと二量化ドメインはこれらの新たに特定されたアイソフォームにおいて完全であるが、C末側配列はNP−1結合部位に隣接し、NP−1結合と干渉するように思われる(Cebe Suarez 2006;Cell Mol Life Sci.2006 Sep;63(17):2067−77)。] [0006] VEGF165bは、VEGF165の内皮増殖性、移動性及び血管拡張作用を阻害し、ウサギ角膜、マウス網膜及び皮下組織並びにラット腸間膜において抗血管新成活性を示し、マウスの異種移植腫瘍における腫瘍成長を阻害する(O.Konopatskaya,Molecular Vision.2006;12:626−632)(Cebe Suarez 2006;Cell Mol Life Sci.2006 Sep;63(17):2067−77)(Woolard J,.Cancer Res 64:7822−7835,2004)。] [0007] 受容体(VEGFR2)を介して作用するVEGFは、生理的及び病理学的血管新生における血管成長の原因となる主要な物質である(Carmeliet P.Nat Med.2003 Jun;9(6):653−60.Review)。VEGFは、治癒反応の一部として損傷を受けた組織の回復に必要であり(BatesDOInt J Low Extreme Wounds.2003 Jun;2(2):107−20)、癌(Ferrara N.Nat Rev Cancer.2002 Oct;2(10):795−803)、糖尿病(Chou ECirculation 2002 Jan 22;105(3):373−9)及びアテローム性動脈硬化(CellettiFLNat Med.2001 Apr;7(4):425−9)を含む多くの病変の進行にも必要である。近年、VEGFの作用は血管系に限定されず、VEGFは神経細胞保護機構の主要な成分であることが明らかになっている(Jin KL et al.Neuroscience.2000;99(3):577−85)(Jin KL et al.Proc Natl Acad Sci USA.2000 Aug 29;97(18):10242−7)(Oosthuyse et al.Nat Genet.,2001 Jun;28(2):131−8)。これは、運動神経細胞死を妨げることによって運動神経疾患や筋萎縮性側索硬化症の進行を阻害するVEGFの役割を通じて最初に特定された(Oosthuyse et al.,Nat Genet.,2001 Jun;28(2):131−8)。また、VEGFが感覚性ニューロパシーに関与することを示唆する一連の証拠もある。] [0008] VEGFは、通常の条件において成人の後根神経節(DRG)において低濃度で発現するが、神経細胞、主に小さな(直径:30μm未満)DRG神経細胞の最大35%において検出可能である(ただし、感覚神経細胞の種類に関する報告はない)。通常、VEGFR2はDRGにおいて発現する(DRG神経細胞の10%未満)。VEGFR2を発現する神経細胞サブセットは明らかになっていないが、VEGFR2はVEGFと同時に発現しないと考えられている(Sondell M.Neuroreport.2001 Jan 22;12(1):105−8)。] [0009] 神経栄養因子は、神経障害及び神経変性症状の治療と管理並びに脳機能を改善させるための健常者における非医療用途の認知刺激剤として貴重な役割を果たす可能性がある。] [0010] 本発明は、VEGFxxxbが神経保護及び神経再生作用を有し、様々な神経障害及び神経変性症状並びに脳機能を改善させるための健常者における非医療用途の認知刺激剤として有用であるという予期せぬ知見に基づくものである。この知見は、VEGFxxxbの公知の抗血管新生作用及びVEGFxxxbはNP−1と結合しないということを考慮すると思いがけぬものである。] [0011] 英国特許出願第0704678.2号に基づいて優先権を主張する国際公開第WO2008/110777号は、被投与者の細胞内又は生体外においてVEGFxxxに優先してVEGFxxxbの発現を選択的に促進する物質を開示している。国際公開第WO2008/110777号の開示内容は、この参照によって本願明細書に援用する。] [0012] 本発明の第1の態様によれば、神経の生存/再生によって直接又は関連又は支持細胞(グリア細胞等)の細胞保護によって神経障害及び神経変性障害を治療又は予防するために使用されるか、生体内又は生体外(ex vivoを含む)において神経保護剤又は神経再生剤として使用されるVEGFxxxbが提供される。] [0013] 本発明の第2の態様によれば、神経障害及び神経変性障害を治療又は予防するか、生体内又は生体外(ex vivoを含む)において神経保護又は神経再生を行う方法であって、生体内又は生体外(ex vivoを含む)において有効量のVEGFxxxbを神経細胞に投与することを含む方法が提供される。] [0014] 本発明の第3の態様によれば、神経障害及び神経変性障害を治療又は予防するか、生体内又は生体外(ex vivoを含む)において神経保護又は神経再生を行うための組成物(例えば、医薬組成物、食品、サプリメント食品、飲料又はサプリメント飲料)の製造におけるVEGFxxxbの使用が提供される。] [0015] また、本発明は、国際公開第WO2008/110777号に開示された物質等の、被投与者の細胞内又は生体外においてVEGFxxxに優先してVEGFxxxbの発現を選択的に促進する物質の使用を含む。そのような物質の使用は、本発明の別の態様を構成する。特に、VEGF遺伝子のC末端エクソン8から転写されたVEGFmRNA前駆体のプロセッシング時に遠位スプライシング部位(DSS)スプライシングに有利に作用する物質が挙げられる。そのような物質は、必要に応じて、VEGF遺伝子のC末端エクソン8から転写されたVEGF mRNA前駆体のプロセッシング時に近位スプライシング部位(PSS)スプライシングを抑制又は阻害する1種以上の制御剤と共に使用することができる(国際公開第WO2008/110777号を参照)。] [0016] VEGFxxxb及び被投与者の細胞内においてVEGFxxxに優先してVEGFxxxbの内因性発現を促進する物質は、本願明細書において使用する「活性物質」及び「VEGFxxxb活性物質」という用語に含まれる。] [0017] 本発明に使用するVEGFxxxbは、任意の適当な手段によって調製することができる。細胞内においてVEGFxxxに優先してVEGFxxxbの内因性発現を促進するように細胞に作用する物質は、本発明に使用するVEGFxxxbを調製する手段の1つである。そのような物質の詳細については国際公開第WO2008/110777号を参照されたい。] [0018] 生体内における神経保護及び神経再生又は神経障害及び神経変性障害を治療又は予防する作用は、ヒト又は動物、例えば、ヒト又はヒト以外の哺乳動物、最も好ましくはヒトである被投与者において得られる。本願明細書では、「被投与者」という用語は上述した意味で使用する。] [0019] 神経保護及び神経再生は、神経障害又は神経変性障害あるいは被投与者が罹患している症状又は被投与者が罹患しやすい症状の治療に関連して得られる場合がある。あるいは、神経保護及び神経再生は、例えば認知又は行動を調節するための正常な被投与者(特にヒト)の非治療的処置に関連して得られる場合がある。] [0020] 本願明細書において使用する「VEGFxxxb」という用語は、宿主生物(好適には治療対象の被投与者)内においてVEGFxxxbの発現を引き起こす発現ベクター系をその範囲に含む。そのような発現ベクター系は、好適には、VEGFxxxbをコードするヌクレオチド配列に関連するプロモーターヌクレオチド配列を含み、適当なトランスフェクション及び培養条件下において宿主生物内においてVEGFxxxbを発現させることができる。詳細については、「遺伝子療法」の節を参照されたい。] [0021] 例えば、VEGFxxxbは、VEGF165b、VEGF189b、VEGF145b、VEGF183b及びVEGF121bの1以上を含むことができる。VEGFxxxbは、好適には、組換え型VEGFxxxb、好ましくは組替え型ヒトVEGFxxxb(rhVEGFxxxb)を含む。] [0022] VEGFxxxbは、好ましくは、VEGF165b、例えば組換え型VEGF165b(組替え型ヒトVEGF165b(rhVEGF165b)等)を含む。] [0023] 例えば、VEGFxxxbは、VEGF165b、例えば組換え型VEGF165b(組替え型ヒトVEGF165b(rhVEGF165b)等)から実質的になることができる。例えば、VEGFxxxbは、VEGF165b、例えば組換え型VEGF165b(組替え型ヒトVEGF165b(rhVEGF165b)等)からなることができる。] [0024] VEGF165bの有意な神経保護作用とは対照的に、VEGF121bは対照と比較して網膜神経節細胞に対する有意な神経保護作用を有していないという証拠がある(後述する実施例4を参照)。しかしながら、統計的に有意ではないか、VEGF165bほど大きくはないが、図5CはVEGF121bによる治療における生存神経細胞の割合の増加を示している。当面のところ、VEGFxxxbファミリーの抗血管新生作用と予期していなかった神経保護及び神経再生作用の見かけの相関に基づいて、VEGF121bを本発明に係る神経保護及び神経再生活性を有するVEGFxxxb物質に含めたが、網膜神経節細胞に関連する見かけの活性低下については上述した通りである。VEGF121bについての研究も行っていく。] 図5C 図面の簡単な説明 [0025] 発育中及び成人したヒトの神経細胞組織におけるVEGF165bの発現を示す。 神経損傷ラットモデルのDRG神経細胞におけるVEGF165b発現の変化を示す。 神経細胞の生存に対するVEGF165bの作用を示す。 DRG神経突起成長に対するVEGF165bの作用を示す。 生体内における網膜神経節細胞に対するVEGF165bの神経保護作用を示す。 DRG神経細胞における(a)機械的及び(b)熱的疼痛閾値を低下させるVEGF阻害作用を示す。] [0026] 図面及び実施例を参照して本発明についてさらに説明する。] [0027] 被投与者の細胞内又は生体外においてVEGFxxxに優先してVEGFxxxbの発現を選択的に促進する物質 被投与者の細胞内又は生体外においてVEGFxxxに優先してVEGFxxxbの発現を選択的に促進する物質は、国際公開第WO2008/110777号の6頁22行〜8頁9行に開示されており、国際公開第WO2008/110777号の残りの部分では、PSSスプライシングと比較してDSSスプライシングに有利に作用する点が詳述されている。以下の説明においては、国際公開第WO2008/110777号の該当部分も参照されたい。] [0028] 特に、形質転換成長因子(TGF)−β1、TGF−βR1、SRPK1特異的阻害剤(例えば、SRPIN340)、T細胞細胞内抗原−1(TIA−1)、MKK3/MKK6−活性化MAPキナーゼ(例えば、p38MAPK)、Cdc20様(Clk)ファミリーキナーゼClk1/sty、Clk2、Clk3、Clk4、SRスプライシング因子SRp55、それらの生体内活性剤、アップレギュレータ、増強剤、一次活性又はその作用の制御に有用な二次機能を有する上記物質の修飾体、上記物質を生体内において発現させるための発現ベクター、mRNA前駆体のエクソン8aのPSS及び/又はスプライシング調節タンパク質が結合するmRNA前駆体の領域に結合して近位スプライシングを阻害する転写/翻訳遮断剤(例えば、モルフォリノ又はその他の合成遮断剤、共役ペプチド、RNA結合タンパク質、RNA干渉(RNAi)ポリ及びオリゴヌクレオチド遮断剤(例えば、dsRNA、microRNA(miRNA)、siRNA))、ペプチド核酸(PNA)、タンパク質キナーゼC(PKC)阻害剤(例えば、ビスインドリルマレイミド(BIM)、その他の機構的に類似するPKC阻害剤、特にPKC触媒領域で結合する阻害剤)又はそれらの組み合わせが挙げられる。] [0029] そのような発現ベクター系は、好適には、VEGFxxxに優先してVEGFxxxbの発現を促進する物質をコードするヌクレオチド配列に関連するプロモーターヌクレオチド配列を含み、適当なトランスフェクション及び培養条件下において宿主生物(好適には治療対象の被投与者)内においてVEGFxxxに優先してVEGFxxxbの発現を促進する物質を発現させることができる。詳細については、「遺伝子療法」の節を参照されたい。] [0030] 治療対象の症状及び障害 本発明によって治療又は予防する神経障害としては、神経因性疼痛並びに糖尿病性神経障害及びその他の神経障害が挙げられる。] [0031] 本発明によって治療又は予防する神経変性障害としては、認知性及び非認知性神経変性、神経筋変性、運動−知覚性神経変性、眼球神経変性が挙げられる。 VEGFxxxbファミリーのタンパク質の活性は、症状及び障害を予防及び好転させると予測される。] [0032] また、軽度の認知機能障害は、高齢者、ストレスを感じている人、疲労している人といったある種の健常者において正常な状態において生じるため、本発明は、認知機能及び思考力、記憶力、学習力、集中力及び論理的思考力を含む行動を調節又は正常化するための健常者に対する非治療的処置に適用することができる。] [0033] また、神経再生は、認識される精神症状の1以上として診断可能であるか否かにかかわらず、精神医学的又は行動性異常を有する被投与者の脳神経回路網の正常化を促進するため、本発明は、認知及び行動を正常状態に調節するための精神障害を有する人の治療並びに身体的な健常者の非治療的処置に適用することができる。] [0034] 例えば、本発明により、痛み(例えば、神経因性疼痛)、認知症、加齢に伴う認知機能障害、アルツハイマー病、老人性痴呆(アルツハイマー型の老人性痴呆(SDAT)を含む)、レビー小体痴呆、血管性認知症、パーキンソン病、脳炎後パーキンソン症候群、鬱病、分裂病、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSH),デュッセン(Duchenne)型筋ジストロフィー,ベッカー(Becker)型筋ジストロフィー、ブルース型(Bruce)筋ジストロフィーを含む筋ジストロフィー、フューチ型(Fuchs)ジストロフィー、筋強直性ジストロフィー、角膜変性症、反射性交感神経性萎縮症(RSDSA)、神経血管ジストロフィー、重症筋無力症、ランバート−イートン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、起立性低血圧、発作又は事故後の外傷性の神経変性(例えば、外傷性の頭部傷害又は脊損)、バッテン病、コケーン症候群、ダウン症候群、皮質基底神経節変性、多系統萎縮、大脳萎縮、オリーブ橋小脳萎縮症、歯状赤核小脳萎縮、球脊髄性筋萎縮症、視神経炎、汎脳炎(SSPE)、注意欠陥障害、支柱ウイルス性脳炎、支柱脊髄灰白質炎症候群、Fahr症候群、ジュベール症候群慢性疲労症候群、ギラン・バレー症候群、滑脳症、モヤモヤ病、神経細胞移動障害、自閉症候群、ポリグルタミン病、ニーマン・ピック病、進行性多病巣性白質脳障害、偽脳腫瘍、Refsum病、Zellweger症候群、核上性麻痺、Friedreich失調症、脊髄小脳失調2型、レット症候群、シャイ・ドレーガー症候群、結節硬化症、ピック病、慢性疲労症候群、遺伝性ニューロパシー、糖尿病性ニューロパシー、分裂ニューロパシーを含む神経障害、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病、新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病、牛海綿状脳症(BSE)、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、致死性家族性不眠症(FFI)、クールー病、Alper症候群を含むプリオンが病因となる神経変性(prion−based neurodegeneration)、Joseph病、急性散在性脳脊髄炎、クモ膜炎、中枢神経の血管障害(vascular lesions of the central nervous system)、神経細胞機能の重度喪失(loss of extremity neuronal function)、Charcot−Marie−Tooth病、クラッベ病、白色変性症、心不全への罹患性、喘息、てんかん、聴力神経変性、黄斑変性、色素性網膜炎、緑内障誘発視神経変性を治療又は予防することができる。] [0035] 通常、行動又は思考が個体に対して著しい苦痛を引き起こしたり、日常的な機能を混乱させない限り、精神障害と診断されない。従って、診断可能な障害と、重症度又は混乱性が低く、処置が非治療的であるとみなされる同様な心理学的機能との境界が存在する(以下を参照)。] [0036] 本発明の対象となる精神障害の例としては、不安障害(例えば、急性ストレス障害、パニック障害、広場恐怖症、社会恐怖症、特定恐怖症、強迫神経症、性的不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、全般性不安障害)、小児期障害(例えば、注意欠陥多動性障害(ADHD)、アスペルガー障害、自閉症性障害、行動障害、反抗挑戦性障害、分離不安障害、トゥレット病)、摂食障害(例えば、神経性無食欲症、神経性大食症)、気分障害(例えば、抑鬱症、大鬱病性障害、双極性障害(躁鬱病)、季節性感情障害(SAD)、気分循環性障害、気分変調性障害)、睡眠障害、認知精神障害(例えば、せん妄、健忘障害)、人格障害(例えば、妄想性人格障害、分裂病質人格障害、分裂病型人格障害、反社会性人格障害、境界性人格障害、演技性人格障害、自己愛性人格障害、回避的人格障害、依存性人格障害、強迫性人格障害)、精神病性障害(例えば、統合失調症、妄想性障害、短期精神病性障害、分裂病様障害、統合失調性感情障害、共有精神病性障害)、物質関連障害(例えば、アルコール依存症、覚醒剤依存症、大麻依存症、コカイン依存症、幻覚剤依存症、吸入剤依存症、ニコチン依存症、オピオイド依存症、フェンサイクリジン依存症、鎮静剤依存症)が挙げられる。] [0037] VEGFxxxb活性物質は、必要に応じて、1種以上の他の活性物質、例えば、コリンエステラーゼ阻害剤、ドーパミン作動薬(エルドーパ等)、COMT阻害剤、MAO−B阻害剤、抗コリン薬、アセチルコリン作動薬、セロトニン作動薬、AMPA受容体作動薬、GABA受容体作動薬、NMDA受容体作動薬、β−アドレナリン受容体作動薬、ジゴキシン、ドブタミン、抗炎症剤、神経栄養因子、スタチン、アデノシンA2a受容体作動薬、アルドースレダクターゼ阻害剤、免疫調整剤、カンナビノイド作動薬、インターフェロン、三環系抗鬱薬から選択される1種以上の物質と共に投与することができる。本願明細書において使用する「活性物質」という用語は、1種以上の別の活性物質と任意に共投与される、1種又は2種以上のVEGFxxxbファミリータンパク質の置換体を含む。] [0038] 上記症状又は障害は、様々な症状が様々な相対的重症度において存在する「スペクトル」症状又は障害として存在する。各症状の重症度並びに症状の特定の組み合わせは、各個人及び障害の病期に応じて異なる。例えば、パーキンソン病、重症筋無力症、Lambert−Eaton症候群、起立性低血圧及び慢性疲労症候群の場合には、認知機能障害は主要な症状ではない場合が多く、特により進行した場合には、考えられ得る多くの二次的症状の1つとして存在し得る。本発明は、特定の対象症状がスペクトル症状である場合に、そのような症状及び障害の治療を含む。] [0039] 本発明は、認知機能障害の症状が存在するか、存在しない場合あるいは治療対象の被投与者の認知機能障害の症状が、非認知性神経変性、非認知性神経筋変性又は運動−知覚性神経変性の症状に対して二次的又は付随的である場合に、神経変性疾患及び障害、神経筋疾患及び障害、運動−知覚性疾患及び障害を治療するために使用することができる。] [0040] 組成物と投与 活性物質は、活性物質と適当なその他の成分を含む組成物として投与することができる。組成物は、例えば、薬剤組成物(薬剤)、食品、サプリメント食品、飲料又はサプリメント飲料であってもよい。] [0041] 本発明の別の態様によれば、神経障害及び神経変性障害を治療又は予防するために使用されるか、生体内又は生体外(ex vivoを含む)において神経保護剤又は神経再生剤として使用されるVEGFxxxb活性物質を有効量で含む組成物が提供される。] [0042] 本発明に係る活性物質は、活性物質と適当なその他の成分を含む組成物として投与することができる。組成物は、例えば、非経口投与(例えば、注射、埋込又は注入)に適した医薬組成物(薬剤)であってもよい。あるいは、組成物は、例えば、食品、サプリメント食品、飲料又はサプリメント飲料であってもよい。] [0043] 本発明に関連して使用する「医薬組成物」又は「薬剤」という用語は、活性物質と、1種以上の製薬学的に許容し得る担体と、を含む組成物を意味する。組成物は、投与形態に応じて、希釈剤、助剤、賦形剤、保存剤、充填剤、分解剤、保湿剤、乳化剤、懸濁剤、甘味料、調味料、香料、抗菌剤、抗黴剤、潤滑剤、調合剤から選択される成分をさらに含むことができる。組成物は、例えば、錠剤、糖剤、粉末、エリキシル剤、シロップ、懸濁液、噴霧剤、吸入剤、錠剤、トローチ、エマルション、溶液、カシェ剤、顆粒、カプセル、坐剤を含む液状製剤、リポソーム製剤を含む注射用液状製剤であってもよい。製薬方法及び処方は、Remington,The Science and Practice of Pharmacy,Mack Publishing Co.,Easton,PA,最新版に記載されている。] [0044] 液体製剤は、溶液、懸濁液、エマルションを含む。例えば、水又は非経口注入用の水−プロピレングリコール溶液が挙げられる。また、液状製剤はポリエチレングリコール水溶液中の溶液であってもよい。] [0045] また、使用直前に経口投与又は非経口投与のために液体製剤とする固体製剤も挙げられる。そのような液体製剤は、溶液、懸濁液、エマルションを含む。これらの固体製剤は単位用量で用意し、一回の液体単位用量となるように使用される。あるいは、液体化した後に、注射器、ティースプーン又はその他の容器または装置を使用して所定量の液体製剤を測定することによって複数回分の液体単位用量を得るように十分な量の固体製剤とすることもできる。液体化する固体製剤は、活物物質に加えて、香味剤、着色剤、安定化剤、緩衝剤、人工又は天然甘味剤、分散剤、増粘剤、溶解剤等を含むことができる。液体製剤を調製するために使用する液体は、水、等張水、無水エタノール、グリセリン、プロピレングリコール等又はそれらの混合物であってもよい。使用する液体は、投与経路を考慮して選択する(例えば、大量のエタノールを含有する液状製剤は非経口投与には適していない)。] [0046] 本願明細書で使用する「食品」、「サプリメント食品」、「飲料」、「サプリメント飲料」という用語は、これらの用語の通常の意味を有し、薬剤に限定されるものではない。また、その他の形態の組成物も本発明の範囲に含まれる。例えば、純粋又は実質的に純粋な化合物、水和可能な粉末等の食品前駆体、水、牛乳又はその他の液体に分散可能な粉末等の飲料前駆体が挙げられる。] [0047] 用量は、患者の状態、治療する症状の重症度、使用する化合物に応じて変更することができる。特定の状況のための適切な投与量は、従来の方法によって決定することができる。通常は、化合物の最適な量よりも少ない用量で治療を開始する。次に、最適な効果が得られるまで用量を少しずつ増加させる。必要に応じて、1日の用量を分割して投与することができる。] [0048] 遺伝子療法 本発明は、遺伝子療法を使用して実施することもできる。遺伝子療法は当技術分野において知られており、本発明はそのような公知の方法で好適に実施することができる。以下に概要を説明する。] [0049] 遺伝子療法は、生体内療法及び生体外療法に大きく分類される。生体内遺伝子療法は、治療遺伝子を体内に直接導入することを含み、生体外遺伝子療法は、生体外で標的細胞を培養し、遺伝子を細胞に導入し、遺伝子組み換え細胞を体内に導入することを含む。] [0050] 遺伝子導入技術は、ウイルスを担体として使用するウイルスベクター導入法、合成リン脂質又は合成カチオン性ポリマーを使用する非ウイルス導入法、エレクトロポレーション又は一時的な電気刺激を細胞膜に与えることによって遺伝子を導入する物理的な方法に大別される。] [0051] これらの遺伝子導入技術のうち、ウイルスベクター導入法が遺伝子療法に好ましいと考えられる。これは、複製能の一部又は全てを失った治療遺伝子を置換した遺伝子を有するベクターを使用して遺伝因子を効率的に導入することができるためである。ウイルス担体又はベクターとして使用されるウイルスの例としては、RNAウイルスベクター(レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター等)及びDNAウイルスベクター(アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター等)が挙げられる。また、単純ヘルペスウイルスベクター、アルファウイルスベクター等も例として挙げられる。これらのうち、レトロウイルス及びアデノウイルスベクターが盛んに研究されている。] [0052] 宿主細胞のゲノムに組み込まれるレトロウイルスは、人体に無害であるが、組み込みによって正常細胞の機能を阻害することができる。また、レトロウイルスは様々な細胞を感染させ、迅速に増殖し、外来遺伝子の約1〜7kbを受容することができ、複製欠乏性ウイルスを製造することができる。しかし、レトロウイルスは、有糸核分裂後に細胞を感染させにくく、生体内で遺伝子を導入することが難しく、体細胞組織を常に生体内で増殖させることが必要であるという欠点を有する。また、レトロウイルスはプロトオンコジーンに組み込むことができるため、突然変異のリスクを有し、細胞壊死を引き起こす場合がある。] [0053] 一方、アデノウイルスはクローニングベクターとして使用するための様々な利点がある。すなわち、アデノウイルスは適度な大きさを有し、細胞核内で複製でき、臨床的に無毒である。また、アデノウイルスは外来遺伝子が導入されても安定であり、遺伝子の再編成又は損失を引き起こさず、真核生物を形質転換させることができ、宿主細胞の染色体に組み込まれた場合でも非常に安定して発現する。アデノウイルスに適した宿主細胞は、ヒトの血液生成、リンパ腫、骨髄腫を引き起こす細胞である。しかし、これらの細胞は直鎖DNAであるため、増殖は困難である。また、感染したウイルスを回収することは容易ではないと共にこれらの細胞は低いウイルス感染率を有する。また、導入された遺伝子の発現は1〜2週間後に最も高くなり、いくつかの細胞では発現は約3〜4週間しか維持されない。さらに、免疫抗原性が高いという問題がある。] [0054] アデノ随伴ウイルス(AAV)は上述した問題を克服することができると共に遺伝子治療薬として使用する場合に多くの利点を有し、最近は好ましいと考えられている。AAV(一本鎖プロウイルス)は複製のためにアシスタントウイルスを必要とし、AAVゲノムは、4680bpのサイズを有し、被感染細胞の第19染色体のあらゆる部位に挿入することができる。形質転換遺伝子は、2つの逆方向末端反復配列(ITR)及びシグナル配列のそれぞれの145bpに連結されたプラスミドDNAに挿入される。この遺伝子は、AAV rep及びcap遺伝子を発現させる別のプラスミドDNAによって感染させ、アデノウイルスをアシスタントウイルスとして添加する。AAVは、遺伝子を導入する宿主細胞の範囲は広く、繰り返し投与による免疫副作用がほとんどなく、遺伝子発現時間が長いという利点を有する。また、AAVゲノムが宿主細胞の染色体に導入されても安定であり、宿主細胞中での遺伝子発現の変化又は改変を引き起こさない。CFTR遺伝子を含むAAVベクターは、1994年に嚢胞性繊維症の治療のためにNIHによって承認されて以来、様々な病気の臨床治療に使用されている。血液凝固因子であるIX因子の遺伝子を含むAAVベクターは血友病Bの治療に使用されており、AAVベクターを有する血友病治療薬の開発が現在行われている。また、様々な抗ガン性遺伝子を含むAAVベクターは腫瘍ワクチンとして認可されている。] [0055] 遺伝子の導入と発現によって病気を治療する方法である遺伝子療法は、薬物療法とは異なり、ある遺伝子を調節するために使用される。遺伝子療法の目的は、生きた遺伝子を組み換えることによって有用な治療効果を得ることである。遺伝子療法は、病気部位への遺伝因子の正確な導入、生体内での遺伝因子の完全な分解、毒性と免疫抗原性がない、遺伝因子の長期間にわたって安定な発現という利点を有しているため、本発明に関連して潜在的に好適な治療経路として注目した。] [0056] 本願明細書において、特定の化合物群の1つ、例えば、VEGFxxxbの存在という場合には、そのような化合物の2種以上の混合物の存在をその範囲に含む。] [0057] 「治療又は予防」 本願明細書において使用する「治療又は予防」という表現並びに類似する用語は、医学的及び精神医学的診療において利用可能な試験のいずれかに従って判断される予防、治癒及び緩和治療を含む、障害を除去又は回避あるいは症状を軽減することを意図するあらゆる形態の健康管理を意味する。合理的な期待の下に特定の結果を得ることを目的とするが、必ずしも特定の結果が得られるわけではない治療介入も、「治療又は予防」という表現の範囲に含まれる。障害の進行を成功裏に遅らせるか、停止させる治療介入は、「治療又は予防」という表現の範囲に含まれる。] [0058] ある種の神経障害及び精神障害は、個体が発現し得る症状の複数又は全てを示すか、軽度の障害のみを示す「スペクトル」症状であるとみなされる。また、多くの神経学的症状及び精神医学的症状は進行性であり、比較的軽度の異常症状から、より重度の異常症状に進行する。本発明は、あらゆる種類及び病期の神経学的症状及び精神医学的症状の治療及び予防を含む。] [0059] 「罹患しやすい」 本願明細書において使用する「罹患しやすい」という表現並びに類似する用語は、特に、個体又は障害の公知のリスク因子を使用して評価した場合に、医学的障害又は精神医学的障害あるいは人格変化を発症するリスクが通常よりも高い個体を意味する。例えば、そのような個体は、薬物の処方及び/又は特別な食事、ライフスタイル等の推奨がなされる範囲において、1以上の特定の障害又は人格変化を発症する高いリスクを有していると分類される。] [0060] 「非治療的方法」 本願明細書において使用する「非治療的方法」という表現は、特に、神経学的又は心理学的な機能を正常化、増進又は向上させるために、神経学的又は心理学的に正常な範囲にある個体に対して行われる治療介入を意味する。非治療的に好適に処置することができる神経学的機能としては、例えば、認知力(思考力、論理的思考力、記憶力、想像力、学習力を含む)、集中力、注意力(特に軽度の症状)、軽度の異常行動又は人格特性が挙げられる。非治療的に好適に処置することができる心理学的機能としては、例えば、ヒトの行動、気分、人格、社会的機能(悲嘆、不安、鬱、ふさぎこみ、不機嫌、若年性気分変動、睡眠パターンの混乱、鮮明な白日夢、魔夢、睡眠時遊行症等)が挙げられる。] [0061] 診断可能な神経障害及び精神障害と、正常範囲内の(診断不可能な)神経学的機能及び心理学的機能との境界が存在する。従って、本発明の非治療的方法によって処置することができる上述した神経学的機能及び心理学的機能の例に加えて、関連する行動又は思考が個体に対して著しい苦痛を引き起こさないか、日常的な機能を混乱させないために診断不可能な軽度の神経障害及び精神障害も、本発明によって非治療的に処置することができる症状とみなされる。] [0062] 「正常化」 本願明細書において使用する「正常化」という表現は、特に、症状が正常な状態に実際に達するか否かにかかわらず、正常な神経学的又は精神医学的健康状態への生理学的な調節を意味する。] [0063] 「哺乳動物」 本発明はヒトの治療に有用だが、本発明は、神経学的及び心理学的/精神医学的症状に冒された様々な哺乳動物にも有用である。そのような哺乳動物の例としては、(動物園等の)非ヒト霊長動物(類人猿、サル、キツネザル等)、ネコやイヌ等のコンパニオン・アニマル、イヌ、ウマ、ポニー等の使役・狩猟用動物、ブタ、ヒツジ、ヤギ、シカ、去勢牛、畜牛等の家畜動物、齧歯動物(ウサギ、ラット、ネズミ、ハムスター、アレチネズミ、モルモット等)等の実験動物が挙げられる。] [0064] 治療対象の障害又は機能がヒトに特有のものである場合には、治療対象の哺乳動物はヒトである。治療対象の障害又は機能がある哺乳動物種に特有のものである場合には、治療対象の哺乳動物は当該哺乳動物種である。] [0065] 実施例1:発育中及び成人したヒトの神経細胞組織におけるVEGF165bの発現 VEGF165bはヒト神経系において内因的に発現する。] [0066] VEGF165bが神経系において発現するか否かを調べるために、ヒト胚性組織及び成体組織を、VEGFxxxb特異的抗体MAB3045(R&D Systems(英国)製)又は十分に特性分析され、ヒトVEGFxxxbアイソフォームを検出するが、VEGFxxxアイソフォームは検出しないビオチン化クローン264610/10(R&D Systems(英国)製)(Varey et al.,Br J Cancer.In press,2008)を使用して染色した。ヒトタンパク質のELISA及びウェスタンブロッティングを公知の方法(Woolard J,.Cancer Res 64:7822−7835,2004)で行った。VEGF ELISAは、市販のR&D Quantikine VEGF ELISAキット(R&D Systems(英国)製)を使用して行った。] [0067] 地域の倫理委員会の承認(Leiden)を得た上で、妊娠後10週間及び12週間目の3人のヒト胎児(女性)を入手した。] [0068] 地域の倫理委員会の承認(North Bristol Ethics Committee)を得た上で、Frenchay病院(英国ブリストル)のヒト脳バンクからヒト脳試料を入手した。] [0069] ラットDRGにおけるVEGFの発現は、市販のR&D抗体クローン264610/1(R&D Systems(英国)製)を使用して免疫組織化学法によって調べた。ウェスタンブロッティングは、ヒトタンパク質と同様な方法で行った。] [0070] 図1Aは、10週間目のヒト胎児の発育中の脳及び脊髄が強く染色されていることを示している。特に、前角及び後根神経節では、神経細胞体が強く染色され、神経線維路は薄く染色されていた。陰性対照の対応アイソタイプIgGは染色されていなかった。] 図1A [0071] 成人の脳及び脊髄でも発現が観察されるか否かを調べるために、正常な脳組織の断面を染色した。層II〜VIにおいて皮質神経細胞の強く明確な染色が観察され、観察した皮質の全ての断面において層Iでは発現が少なかった(頭頂の側頭葉及び前頭葉)。皮質下層では、神経線維路における弱い発現が見られた。また、視床下部の特定の神経細胞で発現が見られた(図1B)。] 図1B [0072] 後根神経節における発現を調べるために、DRGタンパク質のウェスタンブロッティング及びELISAを行った。ウェスタンブロッティングでは、組替え型ヒトVEGF165b(21kDa、質量分光分析法によって測定)がVEGF165b抗体によって検出されたが、VEGF165は検出されなかった。ヒトDRGでは、内因性完全グリコシル化VEGF165bの推定サイズである23kDaでバンドが観察された(図1C)。] 図1C [0073] また、ELISAでは、VEGF165bの発現はDRGに存在するVEGFのかなりの割合(全VEGFの71%)を占めた(図1D)。] 図1D [0074] 神経損傷時にVEGF165bの発現が感覚神経内において変化するか否かを調べるために、以下の実験を行った。ラットのDRG神経細胞を神経損傷のモデルとして使用した。] [0075] ラットの坐骨神経を採取して切断し、ラットを24時間にわたって回復させた。その後、ラットを殺し、坐骨神経によって支配されたL4 DRGを切除し、ウェスタンブロッティング又は免疫組織化学分析のために処理した。] [0076] 図2A(ウェスタンブロッティング)は、対側及び正常(未処理)DRGと比較して同側DRGにおけるVEGF165bの高い発現を示している。図2Bは、DRGの中心を通る断面を示し、DRG神経細胞が明確に染色されている(矢印)。] 図2A 図2B [0077] ウェスタンブロッティングによれば、対側発現及び未処理のラットDRGに対するDRG同側におけるVEGF165bのアップレギュレーションが見られた。上述した発現の変化の位置を調べるために、免疫組織化学分析を行った。VEGF165bの発現は、DRGの細胞体のサブセットで見られた(図2B)。神経面積を測定すると、VEGF165bについて染色された小さな(200μm2未満)神経細胞(おそらくは侵害受容器)の数が有意に減少していた(p<0.05)。一方、中型以上の大きさの神経細胞では神経損傷後にVEGF165bの発現が増加した(図2C)。その結果、ラットの対側部位(p<0.01)及び未処理のラット(p<0.001、図2D)と比較して、損傷した神経におけるVEGF165bを発現する神経の平均面積が増加した。] 図2B 図2C 図2D [0078] 実施例2:神経細胞死に対するVEGF165bの作用 生体内における神経細胞の生存因子としてのVEGF165b VEGF165bが生存因子として神経細胞に直接作用することができるか否かを調べるために、海馬神経細胞の細胞毒性に対するVEGF165bの作用を調べた。] [0079] 殺した直後の新生児期マウスから脳を採取した。海馬のスライスを処理室に配置し、神経細胞毒性物質であるグルタメート(3mM)を含む生理的食塩水、100nMガラニン(Gal)陽性対照又は10nMVEGF165bで処理した。] [0080] 次に、細胞を固定し、ヨウ化プロピジウムで染色した。死滅細胞を蛍光顕微鏡分析によってカウントした。] [0081] 10nMVEGF165bで処理した場合には、100nMガラニンほど有意ではなかったが、CA1神経細胞(図3A)及びCA3神経細胞(図3B)は細胞毒性の阻害を示した。10nM VEGF165bにより、CA1神経細胞及びCA3神経細胞においてグルタメート誘発細胞毒性はそれぞれ50%及び27%減少した。] 図3A 図3B [0082] 実施例3:神経突起成長に対するVEGF165bの作用 VEGF165bによって脳神経細胞におけるグルタメート誘発細胞毒性が減少 VEGF165bがDRGからの神経突起成長を引き起こすように作用するか否かを調べるために、ラットDRG培養物を用意し、1nM VEGF165b又は対照培地で処理した。神経細胞は8時間培養した。次に、細胞を1nM VEGF165bで24時間処理し、神経突起成長を光学顕微鏡法によって測定した。] [0083] 結果を図4に示す。1nMVEGF165bと培養した場合には、神経突起成長は有意に長くなった。ただし、対照培養物との間に細胞数の差はなかった。] 図4 [0084] 実施例4:神経保護に対するVEGF165bの作用 VEGF165bが生体内において神経保護作用を有するか否かを調べるために、損傷後の神経節細胞に局所的に適用した(眼球神経細胞虚血モデル)。ラットの内尿道(supracollicular)領域に蛍光逆行性トレーサーを注入し、眼圧上昇によって虚血を引き起こし、VEGF165b又は対照溶液(HBSS)で治療した。次に、網膜を切除して固定し、生存神経細胞をカウントした。図5Aは、蛍光標識された神経細胞の数が虚血によって減少したが、VEGF165bによる治療によって蛍光標識の数が増加したことを示している。] 図5A [0085] 網膜神経節細胞は、公知の方法(Selles−Navarro et al,Invest Ophthalmol Vis.Sci.1996 Sep;37(10):2002−14)を使用して、Fluor−Gold(4%PBS、Fluorchrome Inc.(コロラド州デンバー))で逆行性標識を行った。35匹のウィスターラットを研究に使用した。定位固定装置で麻酔・固定したラットの露出させた頭蓋骨に6つの穴をドリルで形成した。30G針を使用してFluor−Goldを上丘に両側注入した(4.2mmの深さで0.6μl、4.7mmの深さで0.7μl)。注入から60秒が経過した時に針を抜き、皮膚を縫合した。色素はRGCの軸索末端によって捕捉され、両側輸送された。その結果、RGCの細胞体は逆行性標識され、少なくとも3週間にわたって有意な退色又は漏洩を示すことなくマーカーを保持した。] [0086] RGCの標識から7日後、ラットの左眼に10ngのrhVEGF165b(HBSS、250fmol、R&D Systems(英国))、7ngのrhVEGF121b(250fmol、R&D Systems(英国))又はHBSSを硝子体内注射し、右眼は未処置のままとした。左眼の前眼房に0.9%NaClを注入して網膜虚血を生じさせた。5%フェニレフリン−HCl及び5%トロピカミド点眼薬で瞳孔を広げた。外科用顕微鏡定位固定装置(S5、Zeiss)を使用して30G針を角膜縁を介して前眼房に挿入し、140〜150mmHg(19.95kPa)の生理食塩水点滴液に接続した。網膜の血流の停止を眼底検査によって視覚的に監視した。虚血から60分後、針を抜くと再潅流が生じた。] [0087] 虚血−再灌流損傷の13日後に、ラットを殺し、眼を4%PFAに4℃で4時間固定し、PBSで一晩洗浄し、解剖した。網膜を放射状に切断して抗退色培地(Fluor Mount,DAKO)に平坦に固定し、4等分した。デジタルカメラを備えた蛍光顕微鏡(Zeiss,Axion)を使用して標本を調べた。網膜の各等分部分において、視神経円板を中心とする中心領域で像をランダムに撮影した(周辺領域及び中間領域)。図5Aは、(i)対側(非虚血性)の眼、(ii)HBSSを注入した対照眼、(iii)VEGF165bを注入した眼における網膜細胞の蛍光像を示す。訓練された観察者が、単盲検により陽性標識された神経節細胞の数をカウントした。] 図5A [0088] 虚血期が終了してから24時間後に各群の4匹のラットを殺した。眼を除去し、4%パラホルムアルデヒド(PFA)内に4℃で一晩浸漬した。その後、角膜とレンズを除去し、30%の蔗糖を含む0.5mMリン酸緩衝液で眼杯を4℃で一晩洗浄した。そして、眼杯をOCTコンパウンド(optimum temperature compound)(Leica)に包埋し、使用するまで−80℃で保存した。免疫蛍光染色のために6μmの断片を作成した。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で断片を再水和した後、一次抗体をPBS−T(0.5% TritonX 100、0.25%BSA)内において正常な血清と共に培養した(室温の湿度室内で一晩又は1時間)。一次抗体としては、交差性を有するポリクローナルウサギ抗マウス活性型カスパーゼ3(1:2000、R&D Systems)、ポリクローナルウサギ抗GFAP(1:200、NeoMarker)、ビチオン化イソレクチンB4(1:100、Vector Laboratories)を使用した。PBS−T内において二次抗体と共に培養する前に、断片をPBSで二回洗浄した。ヤギ抗ウサギIgG又はストレプトアビジン結合Alexa Fluor488及び594(Molecular Probes)を使用した。洗浄後、断片を抗退色培地(Fluor Mount,DAKO)に固定した。デジタルカメラを備えた蛍光顕微鏡(Zeiss,Axion)を使用して標本を調べた。画像はAdobe Photoshopで処理した。] [0089] 図5B及び図5Cは、切除した網膜に対する蛍光顕微鏡検査の結果を示す。] 図5B 図5C [0090] 網膜神経節細胞数は、非虚血群と比較して虚血群において有意に少なかった。一方、VEGF121bではなく、VEGF165bを網膜に注入した場合には、さらに多くの網膜神経節細胞が生存していた(P<0.001、ANOVABoneferroni Post−hoc検定)(図5B)。非虚血対側眼に対する虚血眼の1視野あたりの網膜神経節細胞の比を計算した。対照(HBSS)治療眼は、VEGF165b治療眼よりも有意に低い生存細胞比を有していた。VEGF121bは対照と比較して有意な生存細胞比の増加を示さなかった(*=P<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001(VEGF165bと比較)、++=p0.01(HBSSと比較)、NS=HBSSと有意な差はない)(図5C)。活性型カスパーゼ3染色により、網膜神経節細胞層(図5Dにおいて赤血球が少ない)のアポトーシスを起こした細胞の減少が明らかになり、VEGF165bが網膜神経細胞においてアポプトーシスを阻害したことが示された。] 図5B 図5C 図5D [0091] 実施例5:痛覚閾値に対するVEGF165bの作用 痛覚閾値に対するVEGF165bの作用を調べるために、6μg/gの抗マウスVEGF抗体を含む生理的食塩水をC57BI6マウス(雄)の後根神経節(DRG)の神経細胞に腹腔内注射した(主要な発現VEGFアイソフォームはVEGF165b)。機械的及び熱的侵害受容閾値を、刺激後の引き込み時間として注射の3時間後(機械的)及び6時間後(熱的)に測定し、対照(=注射前)の百分率として示した。] [0092] 結果を図6A(機械的引き込み閾値−異痛)及び図6B(熱的引き込み時間−痛覚過敏)に示す。] 図6A 図6B [0093] 抗VEGF抗体はVEGFを阻害し、ベースライン及び賦形剤と比較して機械的異痛の減少(図6A:*=p<0.05)及び熱的痛覚過敏の増加(図6B;**=p<0.01)が得られ、(Kruskal−Wallis+Dunn)。] 図6A 図6B 実施例 [0094] データは、DRG神経細胞内の全てのVEGFを除去することにより、賦形剤のみと比較して疼痛感受性が上昇(すなわち、痛覚閾値が低下)することを示している。組織におけるVEGFの大部分がVEGFxxxb(VEGF165b)であるため、VEGF165bは疼痛感受性を減少させる(痛覚閾値を上昇させる)ように作用するように思われる。図6Bは、賦形剤(生理的食塩水)のみの場合は熱的引き込み時間が増加するが、有意ではなく、学習の程度によるものであるかもしれないことを示している。] 図6B [0095] 本発明は、例えば、CNS、末梢及び運動−感覚神経細胞における神経障害及び神経変性に対して使用するための活性物質の新たなファミリーを提供する。] [0096] VEGFxxxbファミリータンパク質、特にVEGF165bの神経保護及び神経再生活性は、これらのタンパク質の公知の特性から予期されるものではない。] [0097] この知見は、様々な神経障害及び神経変性症状及び障害に罹患したヒト及び動物の多くの新たな治療及び非治療処置の可能性を開くものである。]
权利要求:
請求項1 神経障害及び神経変性障害を治療又は予防するために使用されるか、生体内又は生体外において神経保護剤又は神経再生剤として使用されるVEGFxxxb。 請求項2 神経障害及び神経変性障害を治療又は予防するか、生体内又は生体外において神経保護又は神経再生を行う方法であって、生体内又は生体外において有効量のVEGFxxxbを神経細胞に投与することを含む方法。 請求項3 神経障害及び神経変性障害を治療又は予防するか、生体内又は生体外において神経保護又は神経再生を行うための組成物の製造におけるVEGFxxxbの使用。 請求項4 神経障害及び神経変性障害を治療又は予防するために使用されるか、生体内又は生体外において神経保護剤又は神経再生剤として使用される、被投与者の細胞内又は生体外においてVEGFxxxに優先してVEGFxxxbの発現を選択的に促進する物質。 請求項5 神経障害及び神経変性障害を治療又は予防するか、生体内又は生体外において神経保護又は神経再生を行う方法であって、生体内又は生体外において、被投与者の細胞内又は生体外においてVEGFxxxに優先してVEGFxxxbの発現を選択的に促進する物質を有効量で神経細胞に投与することを含む方法。 請求項6 神経障害及び神経変性障害を治療又は予防するか、生体内又は生体外において神経保護又は神経再生を行うための組成物の製造における、被投与者の細胞内又は生体外においてVEGFxxxに優先してVEGFxxxbの発現を選択的に促進する物質の使用。 請求項7 神経障害及び神経変性障害を治療又は予防するために使用されるか、生体内又は生体外において神経保護剤又は神経再生剤として使用される、宿主生物内においてVEGFxxxbの発現を引き起こす発現ベクター系。 請求項8 神経障害及び神経変性障害を治療又は予防するか、生体内又は生体外において神経保護又は神経再生を行う方法であって、生体内又は生体外において、宿主生物内においてVEGFxxxbの発現を引き起こす発現ベクター系を有効量で神経細胞に投与することを含む方法。 請求項9 宿主生物内においてVEGFxxxbの発現を引き起こす発現ベクター系の、神経障害及び神経変性障害を治療又は予防するか、生体内又は生体外において神経保護又は神経再生を行うための組成物の製造における使用。 請求項10 前記VEGFxxxbが、VEGF165b、VEGF189b、VEGF145b、VEGF183b及びVEGF121bの1以上、好ましくはVEGF165bを含む、請求項1に記載のVEGFxxxb又は請求項4に記載の物質又は請求項7に記載の発現ベクター系。 請求項11 前記VEGFxxxbが、VEGF165b、VEGF189b、VEGF145b、VEGF183b及びVEGF121bの1以上、好ましくはVEGF165bを含む、請求項2、5及び8のいずれか1項に記載の方法。 請求項12 前記VEGFxxxbが、VEGF165b、VEGF189b、VEGF145b、VEGF183b及びVEGF121bの1以上、好ましくはVEGF165bを含む、請求項3、6及び9のいずれか1項に記載の使用。 請求項13 神経障害及び神経変性障害を治療又は予防するために使用されるか、生体内又は生体外において神経保護剤又は神経再生剤として使用される、実施例を参照して本願明細書に実質的に開示したVEGFxxxb又は物質又は発現ベクター系。
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同族专利:
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引用文献:
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