专利摘要:
組成物中に過剰量のY2O3を含む合成の焼結YPO4複合材料、およびこれら材料の製造方法。Y2O3を改質した焼結YPO4複合材料は、化学量論のYPO4材料と比較して、改善された機械的特性を示す。改質したYPO4材料は、例えばアイソパイプなど、ガラス製造工程に使用するさまざまな部品を生産するのに用いることができる。
公开号:JP2011513172A
申请号:JP2010548702
申请日:2009-02-24
公开日:2011-04-28
发明作者:ダブリュ タナー,キャメロン
申请人:コーニング インコーポレイテッド;
IPC主号:C04B35-50
专利说明:

[0001] 本願は、参照することにより本明細書に援用される、2008年2月27日出願の米国特許出願第12/072,630号の優先権の利益を主張する。]
技術分野

[0002] 本発明は、合成のYPO4材料、これら材料の製造方法、およびこれら材料を含む物品に関する。特に、本発明は、イットリアを含む、組成的および構造的に改質したYPO4材料、これら材料を含む高温用途のための物品、およびこれら物品を製造する方法に関する。本発明は、例えば、フュージョンドロー・ガラスの製造法のためのアイソパイプの製造に有用である。]
背景技術

[0003] 液晶ディスプレイ(LCD)は、優れた画質を提供し、占有スペースが小さく、CRTよりもエネルギー効率が良く、経済的に製造することができる。このため、LCDの市場は急速に拡大している。新製品に関しては、他のディスプレイ技術に対し、より効率的に競争するため、より広い活動地域にディスプレイを紹介することが継続的な傾向となっている。さらに、より大きいディスプレイを生産可能な方法は、同時に、より小さい多くのディスプレイの製造に使用することができ、それによって、スケールメリットを活用し、すべての生産コストを軽減する。]
[0004] LCDガラスシートを製造するためのアプローチの1つに、溶融工程が含まれる。溶融工程における重要な構成要素は、アイソパイプである。現在、より幅の広いLCDガラスシートの生産の需要が存在している。フュージョンドロー機械(FDM)で生産可能な板ガラスの最大幅は、アイソパイプの長さによって制限される。したがって、より幅の広いガラスシートを生産するため、より長いアイソパイプが必要とされている。]
[0005] LCDガラスシートの生産に現在使用されている特定のアイソパイプは、ジルコン耐火物でできている。アイソパイプの高温のクリープは、動作寿命を制限すると考えられる。過度のクリープを有する、アイソパイプでドローされたディスプレイガラスは、均一の厚さのシートを生産できない。クリープ変形は、ガラス流動の不均等分布を生じさせる。よって、アイソパイプの製造に用いる耐火物材料の固有クリープ速度の低下は、結果的に、より幅の広いアイソパイプの使用をもたらし、フュージョンドロー法をより高温のガラスにまで拡大し、現行の方法におけるアイソパイプの耐用年数を延長し、工程の停止時間および取替原価を最小限に抑えることができる。]
[0006] アイソパイプの場合には、クリープ速度は、材料自体、ならびに、アイソパイプの長さおよび高さの関数である。より長いアイソパイプは、クリープに起因して、より故障する傾向にある。アイソパイプの故障は、ガラスの生産を中断し、製造プロセスの長期にわたる望ましくない停止時間を発生させうる。]
[0007] アイソパイプなどの多結晶のセラミック体のクリープ速度は、微細構造的(例えば孔隙率、粒径、粒形、および2次相の配置)または化学的(化学量論および不純物の濃度など)に分類できる因子の影響を受ける。セラミック体の微細構造および化学組成は、それ自体、粉末の最初の粒径、焼結温度、および汚染物質を含めた加工履歴に左右される。これらの同一の因子は、アイソパイプの材料の他の要求を満たす能力、例えば強度などに影響を与える。]
発明が解決しようとする課題

[0008] よって、耐火物材料の微細構造特性および化学組成を改質して、クリープ速度を低減し、かつ、他の特性を満たしたまま維持することが望ましいであろう。最終的には、耐火物材料は、アイソパイプおよびガラスの製造方法に用いられる他の構成要素の生産に用いられるであろう。本明細書に記載される方法および組成物は、この必要性に対処するものである。]
課題を解決するための手段

[0009] したがって、本発明の第1の態様は、複数の粒子を含み、(Y2O3)m・(P2O5)nを含む組成物およびY2O3に対するP2O5のDe(P)の欠如量を有する、焼結YPO4複合材料に関し、ここで、mおよびnはそれぞれ、複合材料におけるY2O3およびP2O5のモル分率であり、De(P)=((m−n)/n)×100%、および0<De(P)≦0.5%である。ある実施の形態では、De(P)≧0.10%であり、ある他の実施の形態ではDe(P)≧0.15%である。]
[0010] 本発明の第1の態様のある実施の形態では、焼結YPO4複合材料は、モルパーセントで、少なくとも95%(ある実施の形態では少なくとも96%、ある実施の形態では少なくとも97%、ある実施の形態では少なくとも98%、ある実施の形態では少なくとも99%、ある実施の形態では少なくとも99.5%)の(Y2O3)m・(P2O5)nを含む。]
[0011] 本発明の第1の態様のある実施の形態では、焼結YPO4複合材料は10%未満の幾何学的孔隙率を有し、ある実施の形態では9%未満であり、ある他の実施の形態では8%未満であり、ある他の実施の形態では7%未満であり、ある他の実施の形態では5%未満である。ある実施の形態では、焼結YPO4材料において、少なくとも90%(ある実施の形態では少なくとも95%、ある実施の形態では少なくとも98%)の孔隙が閉塞している。]
[0012] 本発明の第1の態様のある実施の形態では、焼結YPO4複合材料は300μm未満の平均粒径を有し、ある実施の形態では100μm未満であり、ある他の実施の形態では40μm未満である。ある実施の形態では、焼結YPO4材料は、少なくとも10μmの平均粒径を有する。]
[0013] 本発明の第1の態様のある実施の形態では、焼結YPO4複合材料は、1180℃における200ppb/時間未満のクリープ速度を有する。ある実施の形態では、焼結した複合材料は、1250℃における600ppb/時間未満のクリープ速度を有する。]
[0014] 本発明の第1の態様のある実施の形態では、焼結YPO4複合材料は、1200℃において、少なくとも60MPaのワイブル応力を有し、ある実施の形態では少なくとも100MPaであり、ある他の実施の形態では少なくとも120MPaである。]
[0015] 本発明の第2の態様は、先に概説し、以下に詳述する本発明の第1の態様に従った焼結YPO4複合材料を含む、1000℃を超える温度で動作可能な物品に関する。本発明の第2の態様のある実施の形態では、物品は、ガラス物品を製造するためのフュージョンドロー法のためのアイソパイプである。]
[0016] 本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様に従った物品を含めた、ガラスを製造するための装置である。]
[0017] 本発明の第4の態様は、焼結YPO4複合材料を含む物品を製造する方法であって、
(I)P2O5源材料およびY2O3源材料を混合して化学量論のYPO4を形成するのに必要とされるよりも多いY2O3源材料を含む混合物を生成し;
(II)前記混合物を加熱して反応性材料を得て;
(III)前記反応性材料の粒子を生成し;
(IV)前記粒子をプリフォームへと成形し;
(V)前記プリフォームを焼結して、複数の粒子を含み、(Y2O3)m・(P2O5)nを含む組成物およびY2O3に対するP2O5のDe(P)の過剰量を有する、焼結YPO4複合材料を含む物品を得る、
各工程を有してなり、
ここで、mおよびnはそれぞれ、複合材料におけるY2O3およびP2O5のモル分率であり、De(P)=((m−n)/n)×100%、および0<De(P)≦0.5%である。]
[0018] 本発明の第4の態様のある実施の形態では、工程(I)において、前記P2O5源材料はP2O5を含み、前記Y2O3源材料はY2O3を含む。]
[0019] 本発明の第4の態様のある実施の形態では、工程(III)において、形成された前記粒子は0.1〜100μmの平均粒径を有し、ある実施の形態では0.1〜45μmであり、ある他の実施の形態では0.1〜30μmであり、ある他の実施の形態では0.1〜15μmである。]
[0020] 本発明の第4の態様のある実施の形態では、工程(IV)は、粒子を等方プレスすることを含む。]
[0021] 本発明の第4の態様のある実施の形態では、工程(V)は、前記プリフォームを、1000℃〜1475℃の温度で少なくとも3時間、加熱する工程を含む。]
[0022] 本発明の第4の態様のある実施の形態では、工程(V)は、前記プリフォームを、1600℃〜1775℃の温度で24時間〜1000時間の間、加熱する工程を含む。]
[0023] 本発明の第4の態様のある実施の形態では、工程(I)におけるP2O5源材料およびY2O3源材料の量は、工程(V)で得られる焼結YPO4複合材料において、0.10%≦De(P)≦0.50%になるように選択され、ある実施の形態では、0.15%≦De(P)≦0.50%になるように選択される。]
[0024] 本発明の第4の態様のある実施の形態では、工程(V)において、焼結YPO4複合材料は10%未満の幾何学的孔隙率を有し、ある実施の形態では9%未満であり、ある他の実施の形態では8%未満であり、ある他の実施の形態では7%未満である。ある実施の形態では、工程(V)において、焼結YPO4複合材料における孔隙は、実質的に閉塞している(数に基づいて、少なくとも90%であり、ある実施の形態では少なくとも95%であり、ある他の実施の形態では少なくとも98%であり、ある実施の形態では、少なくとも99%である)。]
[0025] 本発明の第4の態様のある実施の形態では、工程(V)において得られた焼結YPO4複合材料は300μm未満の平均粒径を有し、ある実施の形態では100μm未満であり、ある他の実施の形態では40μm未満である。]
[0026] 本発明の第4の態様のある実施の形態では、工程(V)において得られた焼結YPO4複合材料は、少なくとも10μmの平均粒径を有する。ある実施の形態では、工程(V)において得られた焼結YPO4複合材料は1180℃における200ppb/時間未満のクリープ速度を有する。ある実施の形態では、工程(V)において得られた焼結複合材料は1250℃における600ppb/時間未満のクリープ速度を有する。]
[0027] 本発明の特定の実施の形態の1つは、次の利点の1つ以上を有する:材料およびアイソパイプは、高い動作温度であっても、長期間、高い強度および低いクリープ速度を有しうる。]
[0028] 本明細書に取り込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、以下に説明する幾つかの実施の形態を例証する。]
図面の簡単な説明

[0029] P2O5の欠如の関数としての一連の合成焼結YPO4材料のサンプルの幾何学的孔隙率のプロット。
一連の合成の焼結YPO4材料サンプルの焼結時間の関数としての幾何学的孔隙率のプロット。
1,750℃で96時間焼結した、一連の、研磨し、熱的にエッチングした合成の焼結YPO4材料サンプルの光学顕微鏡写真。
1,600℃で1000時間焼結した、一連の、研磨し、熱的にエッチングした合成の焼結YPO4材料サンプルの光学顕微鏡写真。
一連の合成の焼結YPO4材料サンプルの焼結時間の関数としての粒径のプロット。
それぞれ、1,750℃で4時間および96時間焼結した、幾つかのサンプルのP2O5の欠如の関数としての粒径のプロット。
それぞれ、1,600℃で48時間、240時間、および1000時間焼結した、一連の合成の焼結YPO4材料サンプルのP2O5の欠如の関数としての粒径のプロット。
それぞれ、1,750℃で4時間および100時間焼結した、一連の合成の焼結YPO4材料サンプルのP2O5の欠如の関数としての1,180℃および1,250におけるクリープ速度。]
[0030] 本明細書に記載される材料、化合物、組成物、物品、装置、および方法は、以下に開示される対象の特定の実施の形態の詳細な説明およびそこに含まれる実施例および図を参照することにより、さらに容易に理解されよう。]
[0031] 本発明にかかる材料、化合物、組成物、物品、装置、および方法を開示し、説明する前に、下記の実施の形態は、特定の合成方法または特定の試薬に限定されず、当然ながら、変化しうるものと解されるべきである。本明細書で使用する専門用語は、単に特定の実施の形態を説明する目的であって、限定されることは意図していないこともまた、理解されるべきである。]
[0032] また、本明細書全体を通じて、さまざまな文献が参照される。開示対象である最新技術をさらに十分に説明することを目的として、これらの文献の開示は、その全体が、参照することにより本願に援用される。開示される参考文献はまた、参考文献が信頼される文章中に述べられる、それらに含まれる材料について参照することにより、個別にかつ明確に本明細書に援用される。]
[0033] 本明細書の説明および特許請求の範囲全体を通じて、「含む」という語句およびその語句の他の形態、例えば「含み」および「含めて」などは、それらを含むがそれらに限定されないことを意味し、例えば、他の添加剤、構成要素、整数、または工程を排除することは意図していない。]
[0034] 「随意的な」または「随意的に」は、その後に記載する事象または環境が生じても生じなくてもよく、その事象または環境が生じる場合および生じない場合にかかわらず、その説明が事例を含むことを意味する。]
[0035] 本明細書に開示されるある材料、化合物、組成物、および構成要素は、商業的に入手することができ、または当業者に一般に知られている技術を用いて容易に合成することができる。例えば、開示される化合物および組成物の調製に使用する出発材料および試薬は、商業的な供給元から入手するか、あるいは、当業者に周知の方法によって調製される。]
[0036] 開示する材料、化合物、組成物、物品、および方法の特定の実施の形態について詳細に述べるが、それらの例は、添付の実施例および図において例証されている。]
[0037] 過剰量のイットリアを含む、合成の焼結YPO4複合材料を本明細書に開示する。複合材料は、複数の粒子を含み、(Y2O3)m・(P2O5)nを含む組成物、およびY2O3に対するP2O5のDe(P)の欠如量を有し、ここで、mおよびnは、それぞれ、複合材料におけるY2O3およびP2O5のモル分率であり、De(P)=((m−n)/n)×100%、および0<De(P)≦0.5%である。焼結YPO4複合材料のある実施の形態では、0.10%≦De(P)≦0.5%であり、ある実施の形態では0.15%≦De(P)≦0.5%である。本願の目的では、P2O5の欠如量とは、複合材料中のY2O3の過剰量と等しい。De(P)は、本願では、時折、「P2O5の欠如」または「P2O5における欠如」とも称される。]
[0038] 一般式Y2O3・P2O5で表すことができる、化学量論のYPO4材料と比較して、焼結YPO4複合材料は、改質した微細構造特性を有する。したがって、記載の便宜のため、本発明の焼結YPO4複合材料は、本願では時折「改質したYPO4材料」と称される。本明細書に定義される「微細構造特性」という用語は、改質したYPO4材料で構成される物品の性能全体に影響を与える、顕微鏡レベルにおける複合材料の特性または特徴である(例えば機械的特性)。例えば、1つ以上の微細構造特性を改質することにより、本明細書に記載される方法を用いて、強度が増強された物品を生産することができる。]
[0039] 一般に、本方法は、
(I)P2O5源材料およびY2O3源材料を混合して混合物を調製し;
(II)前記混合物を加熱して反応性材料を得て;
(III)前記反応性材料の粒子を生成し;
(IV)前記粒子をプリフォームへと成形し;
(V)前記プリフォームを焼結して、複数の粒子を含み、(Y2O3)m・(P2O5)nを含む組成物およびY2O3に対するP2O5のDe(P)の過剰量を有する、焼結YPO4複合材料を含む物品を得る、
各工程を有してなり、
ここで、mおよびnはそれぞれ、複合材料におけるY2O3およびP2O5のモル分率であり、De(P)=((m−n)/n)×100%、および0<De(P)≦0.5%である。ある実施の形態では、工程(I)において、P2O5源材料およびY2O3源材料の量は、化学量論のYPO4を生成するのに必要とされるよりも過剰量のY2O3が提供されるように、選択される。特定の他の実施の形態では、工程(I)におけるP2O5源材料およびY2O3源材料の量は、工程(II)において本質的に化学量論のYPO4が生じ、工程(IV)においてプリフォーム内に追加のY2O3源材料が含まれるように、選択される。]
[0040] 本明細書で称される「化学量論のゼノタイム」または「化学量論のYPO4」とは、式1に表すように、化学量論の量のY2O3およびP2O5から生じるYPO4材料である:
Y2O3 + P2O5 → 2 YPO4 (1)
したがって、化学量論のYPO4材料中には、過剰のY2O3またはP2O5は存在しない。改質したYPO4材料中に存在するY2O3の量を、改質した微細構造特性に関して以下に論じる。]
[0041] 最初の工程は、P2O5源とY2O3源を混合し、混合物を生成することを含む。P2O5源およびY2O3源は、加熱工程の後に過剰のイットリウム酸化物が残留するのに十分な量である。P2O5源およびY2O3源は、当技術分野で既知の技術を使用して混合することができる。例えば、P2O5源およびY2O3源は、乾燥粉末としてタービュラ混合することができる。あるいは、P2O5源および/またはY2O3源は、溶液であってもよく、互いに混合することができる。]
[0042] 本願では「リン酸化物源」および「P2O5源」という用語は、同義的に用いられる。「P2O5源」は、反応にリンを供給してYPO4を形成することが可能な任意の材料である。例えば、1つの実施の形態では、リン元素は、YPO4または改質したYPO4材料の生成において、P2O5源として使用することができる。別の例では、HPO3、H3PO4は、さまざまな濃度において、YPO4および改質したYPO4材料の製造のためのP2O5源として使用されうる。別の例では、P2O5源は、空気中、高温において、P2O5に容易に転換することができる塩であってもよい。あるいは、P2O5源はP2O5である。同様に、本願における「イットリウム酸化物源」および「Y2O3源」という用語は、本願では同義的に用いられる。「Y2O3源」は、反応にイットリウムを供給してYPO4を形成することができる、任意の材料である。例えば、Y2O3源はY2O3自体でありうる。あるいは、Y2O3源は、空気中、高温においてY2O3に容易に転換されうる、塩(例えば硝酸塩、ハロゲン化物など)でありうる。1つの実施の形態では、P2O5源およびY2O3源は、乾燥形態で混合される。]
[0043] 別の実施の形態では、P2O5源はリン酸を含み、Y2O3源はモル過剰のY2O3源(例えばY2O3)を含む。混合物を高温に加熱すると、起源材料間の反応および、本明細書に定義される改質したYPO4材料の生成が起こる。]
[0044] 改質したYPO4材料を生成するさらなる方法を以下に記載する。1つの実施の形態では、Y2O3源(Y2O3自体、または上述のイットリウム塩など)を、あらかじめ調製した化学量論のYPO4材料と混合することができる。この実施の形態では、Y2O3源材料を化学量論のYPO4中に分散して、本発明の改質したYPO4を得る。別の実施の形態では、イットリウム酸化物は、イットリウム塩(例えば水酸化イットリウムまたはシュウ酸塩)を酸化物にインサイチュ(in situ)で転換することにより、液体含有分散物(例えば懸濁液)中に化学量論のYPO4を沈殿させることができる。]
[0045] P2O5源およびY2O3源を混合した後、混合物を十分な時間および十分な温度で加熱し、改質したYPO4材料を生成する。加熱時間および温度は、用いるP2O5源の量に対するY2O3源の量、出発材料の粒径および分布、および、改質したYPO4材料の所望の微細構造および機械的特性に応じて変化しうる。例えば、改質したYPO4材料の微細構造および機械的特性を異なる時間および温度についてモニターし、所望の特性を最適化することができる(実施例を参照)。1つの実施の形態では、混合物を、最初に、1,000℃〜1,475℃、1,100℃〜1,475℃、または1,200℃〜1,475℃の温度で加熱する。最初の加熱工程の後、混合物を、1,600℃〜1,775℃の温度で24時間〜1000時間、焼結する。ある実施の形態では、加熱工程は、P2O5源および/またはY2O3源を逃がさず、改質したYPO4材料の最終的な組成物に転換することができるように、閉じた容器またはコンパートメント内で行うことが望ましい。]
[0046] 加熱工程の後、得られた材料は、過剰のY2O3およびYPO4を反応生成物として含む。改質したYPO4材料は、0.5%未満の過剰量のY2O3を含む。他の実施の形態では、改質したYPO4材料は、0.01%〜0.5%未満、0.05%〜0.5%未満、0.1%〜0.5%未満、0.15%〜0.5%未満、0.15%〜0.45%、0.15%〜0.40%、または0.20%〜0.40%の過剰量のY2O3(De(P))を含む。]
[0047] 最終的な改質したYPO4材料に存在する過剰のY2O3は、最終的な製品の1つ以上の微細構造特性を改質する働きをする。本明細書で用いられる「改質」という用語は、過剰ではないY2O3を含む化学量論のYPO4に対し、改質したYPO4材料の微細構造特性の値を変化させることを含む。したがって、微細構造特性の値の増加および低下が意図されている。上述のように、例えばクリープ速度などの機械的特性は、材料の微細構造特性に影響を与えうる。本明細書に記載される方法を使用して改質することができる微細構造特性の例として、限定はしないが、孔隙率、線収縮、粒径、および粒形が挙げられる。各微細構造特性を、改質したYPO4材料の機械的特性を変化させることに関して、以下に述べる。]
[0048] 一般に、低い孔隙率レベルは、焼結収縮の増大と関連する傾向にある。加えて、収縮の度合いは、P2O5源およびY2O3源の最初の粒径分布、形成条件、および焼結時間および温度などの処理条件に応じて決まる。改質したYPO4材料の線収縮および孔隙率は、共に低いことが望ましい。容認できない亀裂および歪曲は、セラミック物品が焼結の際に10%を超える線収縮を被る場合に生じうる。これらの問題は、特に大きい物品(例えばアイソパイプ)について深刻である。Y2O3の過剰量と共に、先に提供した焼結時間および温度を変化させることにより、10%未満、9%未満、または8%未満の孔隙率を有する改質したYPO4材料を達成することができる。別の実施の形態では、孔隙率は7〜9%である。他の実施の形態では、改質したYPO4材料は、1,600℃を超える温度で焼結した後、少なくとも24時間後、10%未満の線収縮を有する。]
[0049] 本明細書に記載の方法を使用して改質することができる別の微細構造特性は、粒径および粒形を含む。多結晶のセラミック材料のクリープ速度は、一般に、粒径に逆比例する。大きい粒径を有するセラミック体はクリープに対して最も抵抗性であるが、細かい粒状の材料と比較して、供給温度において脆弱であろう。過度に大きい粒径は、粒径が閾値を超える場合には、微小亀裂も生じうる。]
[0050] 理論に縛られることは望まないが、改質されたYPO4材料における過剰のY2O3の存在は、粒成長を遅延させることによる、焼結工程の間の孔隙の排除を補助すると考えられる。Y2O3相は、粒界の移動を低減し、これが、焼結の際に、より大きい粒子の形成を妨げる。粒成長の遅い速度は、焼結の際に、孔隙を除去するためのさらなる時間を提供する。過剰のY2O3はまた、粒径を調節することができ、それによって、孔隙率は最小限に抑えられるが、小さい粒子が形成されることから、クリープ速度は悪影響を受けない。1つの実施の形態では、改質したYPO4材料は1つ以上の粒子を含み、ここで、粒子の大きさは、ある実施の形態では300μm未満であり、ある他の実施の形態では100μm未満粒子であり、または、ある他の実施の形態では40μm未満である。別の実施の形態では、改質したYPO4材料は、1,180℃において200ppb/時間未満、または1,250℃で600ppb/時間未満のクリープ速度を有する。]
[0051] 粒径を調節することによって、改質したYPO4材料は、良好な機械的強度を有することができる。一般に、大きい粒径の存在は機械的強度を低下させうる。1つの実施の形態では、改質したYPO4材料は、1,200℃において、少なくとも60MPaのワイブル応力を有し、ある実施の形態では100MPa〜140MPaであり、ある実施の形態では110MPa〜140MPaであり、ある他の実施の形態では120MPa〜140MPaである。]
[0052] 改質したYPO4材料中に存在する過剰のY2O3はまた、シリカおよびアルミナなどの一般的な不純物を封鎖するためのスカベンジャーとして作用することができる。理論に縛られることは望まないが、不純物は、Y2O3によって敏感な粒界から隔離され、これがクリープを低減するが、改質したYPO4材料の強度を危険に晒すことはないと考えられる。]
[0053] 本明細書で生成する改質したYPO4材料は、ガラスまたはガラスセラミック材料を生産するための装置に使用することができる。一般に、改質したYPO4材料は、ガラスまたはガラスセラミックの製造システムに用いられる装置全体、または装置の一部のパーツを形成するために使用することができる。例えば、装置、例えばアイソパイプは、コアおよびコーティングを有していて差し支えなく、ここで、改質したYPO4材料がコアのすべてまたは一部および/またはコーティングのすべてまたは一部を形成することができる場合には、コーティングはコアのすべてまたは一部を覆い、溶融ガラスと接触する。改質したYPO4材料がコーティングとして用いられる場合には、コアは第2の耐火物材料でありうる。これらコアの適切な材料の例としては、制限されずに、アルミナ、マグネシウム酸化物、スピネル、チタニウム酸化物、イットリウム酸化物、またはそれらの組合せが挙げられる。コアに用いることができる他の耐火物材料としては、ジルコン、炭化ケイ素、およびジルコニアが挙げられる。コーティングは、フレーム溶射またはプラズマ溶射など、セラミックコーティングに適用される標準的な方法によって施用することができる。]
[0054] 改質したYPO4材料をコアとして使用する場合には、コーティングは、耐火物金属、スピネル、ジルコン、アルミナ、またはそれらの組合せなどの第2の耐火物材料を含みうる。適切な耐火物金属の例としては、白金、モリブデン、ロジウム、レニウム、イリジウム、オスミウム、タンタル、タングステン、およびそれらの合金が挙げられる。]
[0055] LCDガラスシートの生産に用いられるアイソパイプは、製造および維持に非常にコストがかかる。ある実施の形態では、改質したYPO4材料を用いてアイソパイプを生産する場合、孔隙率の低下によりアイソパイプの耐用年数を延長することができる。例えば、アイソパイプが高い孔隙率を有する材料、特に開放孔隙を有する材料でできている場合、溶融ガラスは開放孔隙を浸透しうる。これは、経時におけるアイソパイプの特性における根本的な変更を生じうる。したがって、ある実施の形態では、本発明の焼結YPO4複合材料は、10%以下の幾何学的孔隙率を有し、ある実施の形態では8%以下であり、ある他の実施の形態では7%以下であり、ある実施の形態では5%以下である。ある実施の形態では、孔隙の少なくとも90%(93%、95%、97%、98%、99%など)が閉塞していることが望ましい。]
[0056] アイソパイプにおけるそれらの利用に加えて、改質したYPO4材料は、典型的な用途では、溶融ガラスまたは溶融ガラスセラミックと接触することになるガラスまたはガラスセラミックの製造装置の次に挙げる構成要素のすべてまたは一部を形成するために用いることができる:パイプ、容器、チャネル、ワイヤ、ベル、攪拌器、レンガ、ブロック、ゲート、壁、ボウル、ひしゃく、針、スリーブ、プラグ、鋳型、リング、プランジャ、ツイール(tweels)など。]
[0057] 下記実施例は、開示される対象に従った方法および結果を例証するために記載される。これらの実施例は本明細書に開示される対象のすべての実施の形態を含めることは意図されておらず、代表的な方法および結果を例証することが意図されている。これらの実施例は、当業者にとって明白な本発明の等価物および変形を排除することは意図されていない。]
[0058] 数値(例えば量、温度など)に関しては正確性を確保するための努力をしているが、ある程度の誤差および偏差を計算に入れるべきである。そうでないことが示唆されない限り、部は重量部であり、温度は℃または周囲温度であり、圧力は大気圧であるか、それに近い。例えば成分濃度、温度、圧力、および、記載の方法から得られる製品純度および収量を最適化することができる他の反応範囲および条件などの反応条件には、多くのバリエーションおよび組み合わせが存在する。これらの工程条件の最適化には、適度な日常的な実験のみが必要とされるであろう。]
[0059] I.実験手順
バッチ組成物
粉末のイットリウム酸化物および無水リン酸化物を60分間タービュラ混合し、るつぼ内で、190℃で24時間反応させ、1,200℃で再び24時間、2回目の反応を行った。焼結挙動、粒成長、およびクリープにおける化学量論の影響を、7種類の焼結YPO4複合材料について試験した(サンプル1〜7)。バッチおよび組成物の情報を表1に記載する。次の例外を除いて、すべての反応に白金るつぼを使用した;サンプル7はシリカのるつぼ内で反応させた。対照として、サンプル8は、サンプル3と組成的に等しい。]
[0060] 粉末の合成および処理
反応材料を乾式粉砕し、−325メッシュで篩にかけた。篩の後、各バッチの半分を−15μmに空気分級した。−325メッシュのサンプル8の材料の粒径は、その技術が広範なサイズ分布を測定するのにより適していることから、光散乱によって測定した。サンプル2の粉末にはコールター粒子カウンタを使用した。325メッシュの篩をかけた後のサンプル8および、空気分級後のサンプル2の−325メッシュ/+15μmおよび−15μmの画分の両方についての粒径分布(PSD)を決定した。]
[0061] −325メッシュの篩にかけた合成粉末を粉末X線回折(XRD)で分析し、YPO4を形成する反応および相集合における化学量論の影響をモニターした。]
[0062] 微細構造
孔隙率および粒径における焼成時間および温度の影響の実験のための錠剤を、一軸加圧および冷間静水圧プレス(CIP)の組合せによって成形した。−325メッシュの篩にかけ、−15μmの粉末に空気分級したYPO4粉末を、円筒形のダイで20690kPa(3,000psi)の圧力まで一軸加圧した。次に、錠剤をグローブ内に真空封止し、124100kPa(18,000psi)でCIPした。各組成物錠剤のおよびPSDを1,600℃で48時間、240時間、および1000時間、および1,750℃で100時間焼成した。孔隙率の結果を表2に示す。収縮および孔隙率を測定するため、工程の各段階でサンプルの寸法をモニターした。焼成した錠剤の微細構造は、最初に研磨し、その後、1,500℃で2時間、熱的エッチングすることにより明らかにした。エッチングしたサンプルを検査し、光学顕微鏡の下で写真撮影した。画像の手分析によって平均粒径を得た。線形交差法によって粒径を決定した(表3)。形態、分布、および化学組成を調べるために、電子顕微鏡分析(EPMA)を使用した。]
[0063] クリープ試験
機械クリープサンプルを生成するために使用したビレットは、〜50mmの直径および180mmの長さの円筒型のゴム枠(Trexler Rubber社製)内で、−325メッシュの粉末を124100kPa(18,000psi)の圧力で冷間静水圧プレス(CIP)することによって形成した。各組成物について2つのビレットを加圧し、1つは1,750℃で4時間、もう1つは1,600℃で48時間焼成した。各事例には、100℃/時間の加熱および冷却速度を用いた。鋳型充填、プレス、および焼成からビレットの寸法を追跡し、幾何学的密度/孔隙率における収縮および変化をモニターした。〜3×5×155mmの標準的な大きさのクリープのサンプルを、線鋸によってビレットから切断した。過度の孔隙率のため、1,600℃まで焼成した材料にはクリープ試験は行わなかった。1,750℃で焼成された各組成物について2つのクリープバーを、同一の加熱および冷却速度を用いて再び1,750℃でさらに96時間、再焼成した。したがって、1,750℃で4時間および100時間の累積焼成時間に供した焼結YPO4複合材料について、クリープ試験を行った。]
[0064] CIPしたビレットから〜80mmの直径で切断し、1,750℃で8時間焼成したサンプル8の従来のクリープバーを、比較の目的で試験母体に含めた。サンプル8の2つのクリープバーも同様に、1,750℃で96時間、再焼成した。]
[0065] 曲げクリープ速度を3点曲げ配置で測定した。試験装置は150mmのサポート範囲を提供する。クリープ速度は、6895kPa(1,000psi)の負荷応力下、各サンプルについて、1,180℃、次いで1,250℃で測定した。クリープ速度は中央範囲のサンプルの偏差の曲線の経時的分析によって決定した。表4の値は2次的または定常状態のクリープに対応する。]
[0066] 強度
温度に伴う標準の焼結YPO4複合材料の強度における変化を理解するため、およびリン酸化物の欠如における変化が高温の強度に与える影響を決定するため、4点技術によって破壊係数(MOR)を測定した。4点試験に使用した曲げ加工バーは、単に改質したクリープサンプルであった。変更点は、サンプルを〜77mmの長さに半分に切断したこと、および引張り縁を面取りしたことであった。クリープサンプルを半分に切断し、試験装置内に適合させ、より多くの測定結果を提供し、それによって統計的信頼を高めた。サンプル断面は約3×5mmであった。すべての試験において、50.8mmのサポート範囲および19.05mmの負荷範囲を用いた。歪み速度は17.8μm/秒であり、各試験の全持続時間は典型的には20〜40秒であった。]
[0067] II.改質したYPO4材料の特性評価
焼結および微細構造
YPO4を形成するための1,200℃におけるイットリアおよびリン酸化物の反応および過剰のイットリアの存在は、粉末X線回折のトレースから明らかである。サンプル1は、YPO4であることがほぼ排他的に認定できる回折ピークを有する。追加のピークは、過剰のイットリアを含むバッチで2θの27〜34°に出現する。ピーク強度は、1つの例外、すなわちサンプル4を除き、表1に記載するバッチの過剰のイットリアのレベルの増大と共に大きくなる。]
[0068] すべてのYPO4のビレットおよび錠剤についての線収縮および幾何学的孔隙率を特性化した。低レベルの孔隙率(<10%)は、より大きい焼結収縮(>10%)と関連する傾向にある。その逆もまた当てはまる。線収縮および孔隙率の両方が低い場合に最適の状態が生じる。焼結の際にセラミック物品が10%を超える線収縮を被ると、許容できない亀裂および歪曲が生じる。これらの問題は、アイソパイプなどの大きい物品にとって特に深刻である。焼結したアイソパイプの孔隙率は高すぎないようにすべきである。機械的強度およびクリープは孔隙率によって降下する。さらに、ガラスは開放孔隙に浸透しうる。毛管力による、アイソパイプのバルク内へのガラスの浸透は、経時によるその特性の急激な変化を生じうる。孔隙率は、10%未満、好ましくは8%未満に維持して孔隙の閉塞を確実にしなければならない。]
[0069] −15μmまで空気分級した粉末を、低孔隙率ではあるが、許容できない大きい収縮を示さないように焼結する。−325メッシュの粉末は、空隙を満たし、冷間静水圧プレスの後に−15μmの粉末よりも効率的に充填する。形成された未焼成体は、より高い密度を有し、図3に示すように、焼結の間のより低い収縮の許容量を有する。本明細書には示していないが、−325メッシュの粉末は、より高いタップ密度を有し、さらに効率的に鋳型を満たすことから、冷却静水圧プレス成形の際の収縮が少ない。−15μmに空気分級した粉末など、タップ密度の低い粉末には、所望の最終的な大きさの本体を作り出すために、より大きい鋳型が必要とされうる。また、鋳型は、プレスの間の粉末部分の収縮を調節するために引き伸ばす必要がある。引き伸ばした鋳型により、形成部分の上に応力が働き、圧縮が過度の場合には、形状の歪曲を生じ、または未焼成体に亀裂を生じさせうる。] 図3
[0070] 図1は、一連の焼結YPO4複合材料サンプルの孔隙率における過剰のイットリアの影響を示す。この図における参照番号は次を表す:
101:1600℃で48時間焼結した、−15μmの粉末でできたサンプル;
102:1600℃で240時間焼結した、−15μmの粉末でできたサンプル;
103:1600℃で1000時間焼結した、−15μmの粉末でできたサンプル;
104:1750℃で1000時間焼結した、325メッシュの粉末でできたサンプル;
105:傾向を示すための101のデータの線形の当てはめ;
106:傾向を示すための102のデータの線形の当てはめ;
107:傾向を示すための103のデータの線形の当てはめ;
108:傾向を示すための104のデータの線形の当てはめ] 図1
[0071] その他の点では同一の焼結温度および時間で、過剰のイットリアが存在する場合、孔隙率はより高くなる。例えば、孔隙率は、図に四角で示すように、1,600℃で240時間焼結した、−15μmに空気分級した粉末から調製された錠剤についてのイットリアの過剰につれて、次第に増大する。−15μmの粉末でできたサンプルの孔隙率を、図2に時間の関数としてプロットする。プロットは、過剰のイットリアは焼結速度を遅延させるが、化学量論のバッチとは異なる低い制限を孔隙率に与える必要はないことを示している。この図における参照番号は次を表す:
201:1600℃で焼結したサンプル番号1;
202:1600℃で焼結したサンプル番号2;
203:1600℃で焼結したサンプル番号3;
204:1600℃で焼結したサンプル番号4;
205:1600℃で焼結したサンプル番号5;
206:1600℃で焼結したサンプル番号6;
207:傾向を示すための201のデータの対数適合;
208:傾向を示すための202のデータの対数適合;
209:傾向を示すための203のデータの対数適合;
210:傾向を示すための204のデータの対数適合;
211:傾向を示すための205のデータの対数適合;
212:傾向を示すための206のデータの対数適合;
213:−15μmの粉末についてのCIP後の孔隙率;
214:P2O5の欠如の増大の傾向] 図2
[0072] YPO4材料を生産するための過剰のイットリアのバッチへの添加は、粒状構造に強い影響を与える。制御されていない(自形の)粒成長は、化学量論のYPO4粉末において観察されている。同様の挙動が、化学量論のサンプル1の組成物において観察された。粒径は、領域によって著しく変化する。過剰のイットリアのバッチへの添加は、粒成長を遅延し、粒径を制限し、それによって、さらに均質の微細構造を有する焼結YPO4材料が生成することが確認された。この試験で調べた、1,750℃で96時間および1600℃で1000時間焼結した、全種類のイットリア過剰についてのYPO4複合材料サンプルの微細構造のパネルを、それぞれ図3および図4に示す(「S」は図3および図4における「サンプル番号」を表す)。粒子の大きさは、バッチにおける過剰のイットリアレベルが増大すると、次第に低下する。粒径の測定により、効果の定量化を試みた。表3に、線型切片(linear intercept)技術によって測定した平均粒径の概要を示す。平均粒径は、図5では焼結時間の関数として、図6および7ではイットリア過剰の関数として、それぞれ1,750℃および1,600℃の焼結温度において、プロットする。] 図3 図4 図5 図6
[0073] 図5では、参照番号は次を示す:
501:1600℃で焼結したサンプル番号1;
502:1600℃で焼結したサンプル番号2;
503:1600℃で焼結したサンプル番号3;
504:1600℃で焼結したサンプル番号4;
505:1600℃で焼結したサンプル番号5;
506:1600℃で焼結したサンプル番号6;
507:傾向を示すための501のデータの線形の当てはめ;
508:傾向を示すための502のデータの対数適合;
509:傾向を示すための503のデータの対数適合;
510:傾向を示すための504のデータの線形の当てはめ;
511:傾向を示すための505のデータの線形の当てはめ;
512:傾向を示すための506のデータの線形の当てはめ(511と重なる);
513:最初の粉末d50;
514:P2O5の欠如の増大傾向] 図5
[0074] 図6では、参照番号は次を示す:
601:4時間焼結した−15μmの粉末でできたサンプル;
602:96時間焼結した−15μmの粉末でできたサンプル;
603:4時間焼結した−325メッシュの粉末でできたサンプル;
604:96時間焼結した−325メッシュの粉末でできたサンプル;
605:最初の粉末d50] 図6
[0075] 図7では、参照番号は次を示す:
701:1000時間焼結した−15μmの粉末でできたサンプル;
702:1000時間焼結した−325メッシュの粉末でできたサンプル;
703:最初の粉末d50] 図7
[0076] 図8では、参照番号は次を示す:
801:4時間焼結し、1180℃で試験したサンプル;
802:4時間焼結し、1250℃で試験したサンプル;
803:100時間焼結し、1180℃で試験したサンプル;
804:100時間焼結し、1250℃で試験したサンプル] 図8
[0077] −325メッシュおよび−15μmの粉末の最初の平均粒径を、粒成長の度合いを判定するための基準点としてプロットに示す。約1.0〜1.5%の過剰のイットリアをバッチに添加した場合、元の粒径と比較して、平均粒径における変化は生じていない。本実験は、焼結YPO4複合材料の粒径が、最初のPSDの選択および適量の過剰のイットリアのバッチへの添加によって制御できることを実証している。]
[0078] クリープおよび破壊係数
さまざまな範囲の化学量論の焼結YPO4複合材料についての、6895kPa(1,000psi)の負荷の下で1,180℃および1,250℃で測定した曲げクリープの速度を表4にまとめ、図8にプロットした。クリープサンプルの幾何学的特性も表に含めた。幾何学的孔隙率(P(g))は次のように計算する:] 図8
[0079] ここでρmは実際の材料の測定密度であり、ρtは圧縮材料の理論密度である。すべてのサンプルの理論密度は、特定の組成にかかわらず、4.22g・cm-3であると仮定する。]
[0080] 一般に、焼結YPO4複合材料などの多結晶のセラミックのクリープは、粒径の低下および孔隙率の増加と共に増大する。クリープの指数を通じて機構を確立し、孔隙率の影響を計算に入れるため、クリープのデータを当てはめることを試みた。クリープの結果には、ある傾向がみられたが、顕著な散乱も存在した。それにもかかわらず、プロットは、1,180℃におけるクリープ速度が過剰のイットリアの増大と共に増加すること、および焼結時間の増加と共に増加することを示している。粒径は、焼結YPO4複合材料内の過剰のイットリアの量の増加に従って降下し、粒径は、焼結時間が短いと小さくなる。焼結YPO4複合材料のクリープ挙動は、多結晶のセラミックにおけるクリープの理論予測と少なくとも定性的に一致する。この傾向の別の解釈として、クリープ速度は、粒径の影響は受けないが、2次相の量の影響を受けている可能性がある。区別するためには、さまざまな範囲の粒径を有するが、2次相および孔隙率は一定水準にある、焼結YPO4複合材料の調製が必要であろう。1,250℃で収集したデータからは、同様の傾向は見られない。]
[0081] 1750℃で4時間焼結した、表1に記載の過剰のイットリアレベルを有する焼結YPO4複合材料について、MOR試験を行った。アイソパイプの供給温度に近いことから、1200℃でMOR試験を行った。測定データから得られたワイブル母数および応力を表5に示す。材料の強度の指標であるワイブル応力は、過剰のイットリアの実験範囲にわたり、120〜140MPaの範囲である。ワイブル応力は、化学量論の組成物からサンプル2のわずかに過剰のイットリアに移動すると、わずかに増大する。ワイブル応力は、サンプル3についても増大する。その後、ワイブル応力は、より高濃度の過剰のイットリアにおいて、降下し始めた。わずかに過剰のイットリアの添加によって得られる効果の増強は、粒径の低下に関係しうる(表3および図6参照)。過剰のイットリアのさらなる増大は、粒径を著しく低下させないが、緻密化を妨げ始める。これは、表4に記載の孔隙率の検査において見ることができる。この実験内では、粒径は、化学量論の組成物(サンプル1)から最大量の過剰のイットリアを含む材料(サンプル6)へと、2倍に変化する。] 図6
[0082] エッジ効果
破断応力の分析から得られるワイブル応力およびパラメータを表5に示す。エッジ近傍に由来するサンプルとバルク由来のサンプルのワイブル応力における差異は5%未満であった。しかしながら、ワイブル係数は、互いに顕著に異なり、無作為のサンプルとも異なった。エッジ由来、バルク由来、および無作為の位置のワイブル係数は、それぞれ、11、15.8、および22.6であった。エッジ由来およびバルク位置のワイブル係数は、無作為のサンプル由来よりも低い。これは、選択したエッジおよびバルクのサンプルが、試験前に、粗雑に扱われていた可能性があることを示唆している。]
[0083] 本願全体を通して、さまざまな刊行物が参照されている。本明細書に記載される化合物、組成物、および方法をさらに十分に説明するため、これら刊行物の開示全体は、参照することにより本願に援用される。]
実施例

[0084] 本明細書に記載される材料、方法、および物品には、さまざまな変更およびバリエーションがなされうる。本明細書に記載される材料、方法、および物品の他の実施の形態は、明細書の考慮および本明細書に開示される材料、方法、および物品の実施から、明らかになるであろう。明細書および実施例は典型例と見なされることが意図されている。]
权利要求:

請求項1
焼結YPO4複合材料であって、複数の粒子を含み、(Y2O3)m・(P2O5)nを含む組成物を有し、ここで、mおよびnはそれぞれ、複合材料におけるY2O3およびP2O5のモル分率であり、0<De(P)=((m−n)/n)×100%≦0.5%である、複合材料。
請求項2
前記焼結YPO4複合材料が10%未満の幾何学的孔隙率を有することを特徴とする請求項1記載の複合材料。
請求項3
前記焼結YPO4複合材料が300μm未満の平均粒径を有することを特徴とする請求項1または2記載の複合材料。
請求項4
前記焼結YPO4複合材料が、1180℃において200ppb/時間未満のクリープ速度を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の複合材料。
請求項5
請求項1〜4いずれか1項記載の複合材料を含む、1000℃よりも高い温度で動作可能な物品。
請求項6
焼結YPO4複合材料を含む物品を製造する方法であって、(I)P2O5源材料およびY2O3源材料を混合し、化学量論のYPO4を形成するのに必要とされるよりも多いY2O3源材料を含む混合物を生成し、(II)前記混合物を加熱して反応性材料を得て、(III)前記反応性材料の粒子を生成し、(IV)前記粒子をプリフォームへと成形し、(V)前記プリフォームを焼結して、複数の粒子を含み、かつ、(Y2O3)m・(P2O5)nを含む組成物およびY2O3に対するP2O5のDe(P)の欠如量を有する、焼結YPO4複合材料を含む物品を得る、各工程を有してなり、ここで、mおよびnはそれぞれ、複合材料におけるY2O3およびP2O5のモル分率であり、De(P)=((m−n)/n)×100%、および0<De(P)≦0.5%である、方法。
請求項7
工程(I)において、前記P2O5源材料がP2O5を含み、前記Y2O3源材料がY2O3を含むことを特徴とする請求項6記載の方法。
請求項8
工程(III)において、形成された前記粒子が0.1〜100μmの平均粒径を有することを特徴とする請求項7記載の方法。
請求項9
工程(V)が、前記プリフォームを、1000℃〜1475℃の温度で少なくとも3時間、加熱する工程を含むことを特徴とする請求項6〜8いずれか1項記載の方法。
請求項10
工程(V)が、前記プリフォームを、1600℃〜1775℃の温度で24時間〜1000時間、加熱する工程を含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
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