专利摘要:
ジイソシアネート末端マクロマー又はその混合物、及び酸化セルロースを含む、医学的に許容される製剤。
公开号:JP2011512950A
申请号:JP2010548831
申请日:2009-02-25
公开日:2011-04-28
发明作者:バイレ・エリザベス;バン・ホルテン・ロバート・ダブリュ;ベトレシン・ロバート・ビー
申请人:エシコン・インコーポレイテッドEthicon, Incorporated;
IPC主号:A61L24-00
专利说明:

[0001] (関連出願の相互参照)
本出願は、2008年2月29日に出願された、米国特許出願第12/040,211号の出願の利益の優先権を主張する。前述の関連米国特許出願の開示全体は、全ての目的のために参照することにより本明細書に組み込まれる。]
[0002] (関連出願)
本出願は、2007年7月2日に出願された、米国特許出願第11/772401号、2006年1月17日に出願された、米国特許出願第11/333057号、及び2005年1月10日に出願された、米国特許出願第11/032332号の一部継続である、2006年6月28日に出願された、米国特許出願第11/476512号に関する。]
[0003] (発明の分野)
新規ポリイソシアネートマクロマー又はこれらの混合物、及び心臓血管、末梢血管、心胸郭、婦人科、神経及び一般腹腔手術に使用するための内部接着剤又は封止剤を形成するためのこれらの使用を本明細書に説明する。より具体的には、マクロマー若しくはこれらの混合物、又は、これらの製剤は、ヒトの体内で重合され、生体適合性であり、非毒性及び生体適合性である産物へと分解する弾性ゲルを形成する。更に、分解産物は、水溶性であり、分解産物がヒトの体内から老廃物として排出されることを可能にする。]
背景技術

[0004] 一般的に、組織接着剤の重要要件とは、
(1)使用中、接着剤は、非損傷組織の機械的性能を模倣しなければならない、
(2)接着剤は、「一次」固定のための十分な粘着に、強力に凝結する前の操作及び再整合の機会を提供するべきである、
(3)接着剤の硬化に伴ういかなる発熱プロセスも、周辺組織を損傷するべきではない、
(4)接着剤は、周辺の健康な組織によっていかなる毒性反応も惹起してはならず、可能であれば新組織の再生を促進しなければならない、
(5)接着剤は、有害な分解産物を遊離させるべきではない、
(6)接着剤は、分解するべきであり、分解しているときに、最小限の瘢痕でもって新組織によって置換されるべきであり、かつ
(7)いかなる生体分解産物も、体内に蓄積するべきではないが、排泄又は自然の生化学的サイクルへの取り込みのいずれかによって、自然に排出されるべきである。
[「Polymeric Biomaterials」、2ndEd.,Marcel Dekker Inc.,(2002)pp.716]]
[0005] ジイソシアネートモノマーを使用して、ポリマー接着剤を形成し得ることは、当該技術分野において公知である。しかしながら、市販されるジイソシアネートモノマーの多くは、毒性及び感作の危険性を示し、重合して、毒性分解産物、例えば、芳香族アミンを有する産物を形成する、小分子のジイソシアネートモノマーである。したがって、市販される小分子ジイソシアネートモノマーは、内部接着剤又は封止剤としてのヒトへの使用に好適ではない。]
[0006] 代謝的に許容されるポリイソシアネートモノマーは、米国特許第4,829,099号に説明されている。より具体的には、この参考文献は、「好ましい」式「I」のグリコール酸残基及びポリエチレングリコール残基を有する、芳香族ベンゾイルイソシアネート末端モノマーを説明する。この参考文献は、得られたポリマーが最終的にp−アミノ安息香酸、ポリエチレングリコール、及びグリコール酸を含む代謝的に許容される産物にまで分解することを示す。得られたポリマーは、主に、前述の化合物に分解し得るが、グリコール酸残基のみが生体内で加水分解し、水溶性及び非水溶性断片の混合物をもたらすと考えられている。水溶性断片は、体からの排泄によって、自然に排出され得る。しかしながら、非水溶性断片は、自然に排出されず、体内に望ましくない非水溶性断片の蓄積をもたらす。]
[0007] 市販の小分子ジイソシアネート、つまり、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、及びヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)から調製されるポリエステル−ウレタン−尿素ブロックコポリマーが、米国特許第6,210,441号に説明されている。しかしながら、コポリマーは、既に重合化されている、つまり、既に硬化されており、操作及び再整合の十分な機会を提供しないため、これらのコポリマーは、手術用接着剤又は封止剤としての使用に好適ではない。その上、そのようなコポリマーは、非損傷組織の機械的性能を模倣しないと考えられている。]
発明が解決しようとする課題

[0008] したがって、操作及び再整合の機会を提供するために、生体内で重合して、内部接着剤又は封止剤を形成することが可能なモノマーベースの内部接着剤又は封止剤製剤を有することが望ましい。具体的に、接着剤又は封止剤製剤は、硬化又は凝結前に、内部空洞及び空隙を充填し、組織の間隙及び孔を貫通し、適合することが望ましい。]
[0009] 更に、モノマー、その製剤、及び得られたポリマーが生体適合性である、生体内で重合するモノマーベースの内部接着剤又は封止剤製剤を有することが望ましい。また、得られたポリマーも、生体適合性でなければならない。]
[0010] 最後に、分解産物が老廃物としてヒトの体内から完全に排出されるように、得られたポリマーの分解産物は、生体適合性及び水溶性の両方であることが望ましい。]
課題を解決するための手段

[0011] 少なくとも1つのハードセグメントの尿素基、及びベンゾイルイソシアネート部分のカルボニル基に隣接する80〜10,000の範囲の分子量を有し、したがって、マクロマーの少なくとも2つのエステル結合を形成する、ソフトセグメントの水溶性ポリマーの少なくとも2つの残基を含む、ベンゾイルイソシアネート末端部分を有する、新規マクロマー又はこれらの混合物を本明細書に説明する。]
[0012] 定義
特に記載がない限り、本明細書に使用するすべての技術的及び科学的用語は、本発明が属する当業者に一般的に理解される意味と同様の意味を有する。本明細書に記載するすべての特許及び出版物は、参照することにより組み込まれる。]
[0013] 本明細書に使用するとき、「生体適合性」は、創傷治癒及び/又は組織再生を有意に妨げず、いかなる有意な代謝障害ももたらさない材料を指す。]
[0014] 本明細書に使用するとき、「生体分解性」及び「生体吸収性は、自然に、及び/又は哺乳類の体によって、成分に分解される材料を指し、それは、損傷治癒及び/又は組織再生を有意に妨げず、いかなる有意な代謝障害ももたらさない方法で摂取又は排出される。]
[0015] 本明細書に使用するとき、「水溶性ポリマー」は、水中で溶解し、周囲条件下(例えば、体温)で透明な溶液を形成するポリマーを指す。]
[0016] 本明細書に使用するとき、「ポリイソシアネート」は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物を指す。]
[0017] 本明細書に使用するとき、「ウレタン結合」は、ウレタン部分から派生し、カルボニル炭素がエーテル酸素及びアミン窒素の両方に結合するカルボニル含有官能基を有する、残基を指す:



[「Organic Chemistry」,J.McMurry,2nd ed.,Brooks/Cole Publishing Company,(1988),pp 1129]。]
[0018] 本明細書に使用するとき、「尿素結合」は、カルボニル炭素がアミン窒素の同一単位に結合するカルボニル含有官能基を有する部分から派生する残基を指す:



[「Nomenclature of Organic Chemistry」,Pergamon Press,Oxford,(1979)]。]
[0019] 本明細書に使用するとき、「ハードセグメント」は、ポリマーに、引張り強度及び剛性を付与する反復単位の部分を指す。]
[0020] 本明細書に使用するとき、「ソフトセグメント」は、弾性、柔軟性、及びポリマーと同様の特性を制御するように典型的に修飾される、反復単位の部分を指す。]
図面の簡単な説明

[0021] 「ハード」及び「ソフト」セグメントを有するポリウレタン構造を示す図。
式Iaとして、線状マクロマーの実施例を示す図。
式Ibとして、分岐状マクロマーの実施例を示す図。
本発明の製剤で達成される改善したバースト強度を図示する図。]
[0022] 上述のとおり、生体内で重合して、内部接着剤又は封止剤を形成することが可能なモノマーベースの内部接着剤又は封止剤製剤は、硬化又は凝結前に、組織の間隙及び孔を貫通し、適合して、それが塗布される組織を湿らせなければならない。更に、モノマー、これらの製剤、及び得られたポリマーは、生体適合性でなければならない。]
[0023] モノマー、これらの製剤、又は得られたポリマーのいずれも、ヒトの体内で代謝され、毒性産物を形成しないため、本明細書に説明するモノマー及びこれらの製剤は、内部塗布に好適である。]
[0024] 更に、モノマー及びこれらの製剤は、水又は体液と接触すると、重合して、生体適合性ポリマーを形成する。次いで、生体適合性ポリマーは、生体内で分解して、生体適合性及び水溶性の両方である分解産物を形成し、次いで、それらは、老廃物としてヒトの体内から排出される。]
[0025] モノマー及びこれらの製剤には、複数の医療用途があり、心臓血管、末梢血管、心胸郭、婦人科、神経及び一般腹腔手術を含むが、これらに限定されない、多くの種類の手術に使用し得る。]
[0026] 例えば、モノマー及びこれらの製剤は、前十字靭帯修復、半月板披裂修復(又は、半月板交換のためのヒドロゲルとして)、後嚢復元、腱板修復などの整形外科手順における内部外科用接着剤として、及び骨接着剤として使用し得る。それは、肺容量減少、パッチ固定、皮下組織修復、及び大動脈解離のための接着剤として使用することもできる。特に、それは、胃容量減少のための胃接着剤として使用することができ、ヘルニア修復、ドレイン固定、バルブ装着、接着防止フィルム付着、組織と組織の付着(例えば、合成又は生物組織の組織、バイオ組織から組織への足場)、組織からデバイス(例えば、メッシュ、クリップ、フィルム)及びデバイスからデバイスのための接着剤として使用することが可能である。]
[0027] 第2に、モノマー及びこれらの製剤は、皮下組織修復のために、並びに乳房切除、乳房再生、&豊胸、再建的又は美容上の腹壁形成及び脂肪吸引、美顔手術、帝王切開、肥満患者の子宮摘出、大腿領域の整形術、切開性ヘルニア修復、脂肪腫切除、外傷性損傷、ろう孔治療、グラフト固定、並びに神経修復等の処置における漿液腫防止のために使用し得る。]
[0028] 第3に、モノマー及びこれらの製剤は、二重パッチ製品、胆管、肝臓ベッド内の胆汁漏れ、膀胱漏れ、骨移植、火傷移植包帯及び液体閉鎖性包帯を付着させ、封止するための封止剤として使用し得る。封止剤として、組織、デバイス、及び組織−デバイス界面上で被覆することができ、二重頭部封止剤、二重脊柱封止剤、心臓/末梢血管封止剤、Gl封止剤(例えば、食道、腸、大型臓器、膵臓、胃、及び胃潰瘍)、肺封止剤、軟臓器封止剤(例えば、肝臓、脾臓、膵臓)、骨ろう代用品、腫瘍封止剤、止め金/のりの組み合わせ、封止剤/止血剤の組み合わせ、尿道封止剤として使用することが可能である。それは、胃バイパス、実質性臓器切除、気管開口、潰瘍性大腸炎憩室症、根治的前立腺摘出術、洞再生、胸骨切開、総胆管十二指腸吻合、及び胆嚢(肝臓)ベッド封止剤、並びに胆嚢摘出を含むが、これらに限定されない、処置に使用することが可能である。]
[0029] 第4に、モノマー及びこれらの製剤は、充填剤又は尿道周囲のバルク剤として、再建及び美容手術における死腔除去(例えば、プラスチック/美容上/再建、顔/顔面欠損、又は空洞充填)、尿失禁及び他の婦人科治療、肛門裂傷/ろう孔、うっ血性心不全を治療するための心筋へのカテ−テル挿入、核豊胸、膵臓/肝嚢胞/ろう孔除去、並びに小児食道ろう孔を含むが、これらに限定されない処置に使用し得る。]
[0030] 第5に、モノマー及びこれらの製剤は、組織工学(例えば、組織の足場)用マトリックス、細胞の送達マトリックス、近接照射療法(放射線治療)剤のための送達マトリックス、成長因子の送達マトリックス、空細胞足場をその場で形成するための注入マトリックス、幹細胞送達のための足場のための注入マトリックス、細胞可溶化物、又は他の生物学的製剤、生物活性物質、薬剤、及び栄養補助食品、化学療法のための局所マトリックス、並びに造影剤のための局所マトリックスとして使用し得る。]
[0031] 第6に、モノマー及びこれらの製剤は、心臓、開胸、一般手術、産科及び婦人科手術、整形外科手術、並びに脊椎(例えば、人工椎間板)などの処置において、付着防止バリアとして使用し得る。]
[0032] 第7に、モノマー及びこれらの製剤は、塞栓のための閉塞材料(例えば、Gl瘻孔、頭部/血管閉塞脳動脈瘤、卵管閉塞、及び静脈瘤閉塞)として使用し得る。]
[0033] マクロマー
ポリウレタン化学では、ハードセグメントは、出発ポリイソシアネートからの硬化ポリウレタン鎖の寄与を説明するために使用する用語であり、ソフトセグメントは、ポリオール、ポリアミド等からの硬化ポリウレタン鎖の寄与を説明するために使用する用語である。ソフトセグメントは、反復単位のこの部分が、弾性、柔軟性、及びポリマーと同様の特性を制御するために、典型的に修飾されるため、そのように命名される。ハードセグメントは、典型的に、ポリマーに引張り強度及び剛性を付与する反復単位の部分である。ポリマーの反復単位への、いずれかのセグメントの重量%の寄与を増加又は減少させることは、フィルムの可撓性、強度等の最終特性に影響を及ぼす。ポリウレタンの強度を修飾するための制限されない例は、ポリオールに対するモル過剰のポリイソシアネートを有する製剤である。硬化するとき、図1に示すとおり、ポリウレタンは、反復尿素基のハードセグメントを含む。] 図1
[0034] 本明細書に説明するモノマーは、ベンゾイルイソシアネートで末端し、構造式Iを有する、生体適合性のポリイソシアネートマクロマーであり、



式中、R1は、「a」の値が、1以上、好ましくは、1〜5であるときに、R2に結合するウレタン結合を含む、有機残基である。fの値は、マクロマー上の末端基の数を示す。f=2のとき、式(図2)は、線状マクロマーを示し、fが3以上のとき、式Ib(図3)は、分岐状マクロマーを示す。] 図2 図3
[0035] 「a」が1以上のときのR1の例を以下に示す。



式中、dは、イソシアネートマクロマー内の反復する「ハード」セグメントの平均数であり、0≦d≦5であり、R1のエチレンオキシド部分は、線状又は分岐状であり得、cは、1〜100、好ましくは、1〜10の範囲であり得る。尿素基の数は、dで示される。dの増加は、尿素基の数の増加に関連し、それは、ポリウレタンのより強力な強度及び剛性をもたらす。(I)においてマクロマー末端基の数が2以上である場合では、dが分数になることが可能である。dを決定する方程式を方程式1に示す。



R1’は、R1の鏡像である。dが整数ではない場合の制限されない例を以下の式(II)に示す。



d=d’+d’’+d’’’=1+0+0=1及びf=3である、この構造(II)では、dの平均値=f数の基当たり0.3333である。]
[0036] 式IにおけるR2の一般構造は、以下のとおりである:



式中、式IのR2は、生体内で生体分解可能な加水分解性エステル結合を有し、R3は、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリヒドロキシメチルメタクリレート、ポリアクリル酸ポリマー及びコポリマー、ポリオキサゾリン、ポリホスファジン、ポリアクリルアミド、ポリペプチド、又は、上述のうちのいずれかの水溶性誘導体の残基を含むが、これらに限定されない、水溶性ポリマーの残基であり得、それは、「a」が1以上であるときに、R4とともにエステル結合を形成し、R1とともにウレタン結合を形成することが可能である。更に、R3は、線状又は分岐状であり得る。R3がポリエチレングリコール残基であり、



「a」が1以上であるとき、nは、分解産物IV(以下に示す)を水溶性にレンダリングするのに十分大きくなくてはならない。例えば、nは、2〜250、好ましくは、5〜100、より好ましくは、5〜25の範囲であり得る。R3の分子量は、80〜10,000、好ましくは、200〜6000、より好ましくは、200〜4000の範囲であり得る。以下により詳細に説明するとおり、水溶性ポリマーのこれらの残基は、R3位置のマクロマー内に結合されなければならず、それらは、分解産物の溶解度に重要である。]
[0037] R4は、2<X<6である、「X」個のカルボキシレート末端基を有することが可能な有機残基であり得る。例えば、R4は、ジグリコール酸、マロン酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、又はカルボン酸末端の、ポリアルキレングリコールジカルボキシレート等のポリアルキレングリコール等の線状二塩基酸から派生し得る。]
[0038] R4が脂肪族ジカルボキシレートである場合、



mは、1〜10の範囲であり得る。mの選択は、分解産物の生体適合性及び溶解度の2つの要因に基づく。mが0である場合、マクロマーの二塩基酸加水分解産物は、酸性になり過ぎ、したがって、組成物の生体適合性に有害である。mが大きすぎる場合、二塩基酸分解産物は、もはや水溶性ではなくなる。]
[0039] あるいは、R4は、トリカリバリル酸、クエン酸、又は酒石酸、若しくはこれらのグルタル酸無水誘導体等の分岐状の酸から誘導し得る。代わりに、R4は、前述の酸、カルボン酸末端ポリアルキレングリコール、又はグルタミン酸無水誘導体のいずれかから誘導し得、カルボキシレート末端基を有する化合物をもたらす。R4の更なる例を以下に示す。]
[0040] 代わりに、R2は、合成経路(エステル交換、酸ハロゲン化物−アルコール濃縮、酸−アルコール凝縮を含むが、これらに限定されない)を介して、いかなるカルボニル含有部分からも形成され得、R3へのエステル結合をもたらす。]
[0041] R2の例は、ポリエチレングリコールの重縮合から作製されるPEG−エステルの残基、及び複数のカルボキシル基を有する化合物を含むが、これらに限定されず、カルボキシル基含有化合物は、ジグリコール酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、酒石酸、及びカルボン酸末端ポリアルキレングリコールを含むが、これらに限定されない。]
[0042] R2 PEG−エステル型残基の例は、以下を含むが、これらに限定されない:



Mw 900のPEGでは、nが20であり、二塩基酸がジグリコール酸である場合



Mw 900のPEGでは、nが20であり、二塩基酸がコハク酸である場合



Mw 900のPEGでは、nが20であり、二塩基酸がグルタル酸である場合



Mw 900のPEGでは、nが20であり、二塩基酸がアジピン酸である場合]
[0043] 他の例には、以下に示す分岐型R2残基が含まれる。]
[0044] マクロマーのR2残基部分の分子量は、約80〜20,000g/molの範囲であり得る。線状マクロマーの実施例を式Ia(図2)に示す。分岐状マクロマーの実施例を式Ib(図3)に示す。] 図2 図3
[0045] R2が高収率で派生し得るポリエステルポリオールの産生は、スズ等の遷移金属の触媒を必要とする(II)。スズ塩は、エステル化のための触媒として公知である。それらは、加水分解に安定であり、活性を損なうことなく、エステル化中に発生する水分に耐えることが可能である。これらの材料は、特に高温でエーテル開裂並びに酸化を促進するため、それらは、p−トルエンスルホン酸又は鉱酸等の酸触媒よりもこれらの材料を使用するのが更に望ましい。ポリオール及びポリ酸のエステル化中の典型的な温度は、160〜220℃の範囲である。これは、マクロマーの性能に影響を及ぼすため、できるだけ少ない酸化副産物を含む、ポリエステルポリオールを得ることが望ましい。また、スズ触媒は、反応時間をも有意に減少させる。所望のポリマー分子量及びに酸含有量に達するまでの典型的な時間は、12〜18時間の範囲である。触媒を用いずに同様の産物を得るには、60時間以上が必要であろう。しかしながら、スズ金属は、毒性であり、エステル化が完了した時点でポリオールから除去されなければならない。]
[0046] 反応が完了した後にスズ触媒を除去することは、通常の触媒を除去する方法がポリエステルポリオールではそれほど効果的ではないため、独特の問題を惹起する。一般的な方法は、ろ過することが可能な不溶性スズオキシドに、少量の過酸化水素を使用してスズを酸化することである。これは、ポリエチレングリコール含有材料をペルオキシドで処理することが望ましくない不純物であるカルボニル基及びペルオキシド基の形成を加速するため、望ましくない。材料自体が親水性であり、スズは、容易に水和されないため、材料を水で洗浄することも有効ではない。鉱酸を添加してスズを中和することは、ポリマー内のエステル結合も加水分解するため、望ましくない。したがって、スズを選択的に除去する、中程度の吸着剤を見出すことが望ましい。]
[0047] クエン酸を使用して、スズ触媒をキレート化し、続いて、スズキレート錯体を吸着するためにシリカを処理することが可能である。好ましくは、クエン酸及びシリカの混合物を使用する。より好ましくは、イネオスシリカ社(Ineos Silicas)からソルビシル(Sorbsil R)(登録商標)の商標で販売される、クエン酸で処理されたシリカヒドロゲルを食用油産業で使用して、金属及び他の極性不純物を解明する。材料をクエン酸で処理するシリカヒドロゲルとして説明する。クエン酸は、既知のキレート剤であり、シリカに共有結合するときに、容易に水和されないスズ化合物等のキレート金属の有効性を増加する。また、ポリマー内の700ppmほど高い濃度のスズは、透明で、沈降物がない(それは、典型的ではない)ため、ポリエステルポリオールは、スズ触媒に高親和性を有する。0.01〜1.00重量%の量の油を使用して、油中の望ましくない不純物を効果的に除去することが可能である。このシリカ/クエン酸混合物は、スズII&IVの除去に好適であり、これらの両方は、エステル化に使用する一般的な触媒である。ポリエステルポリオールを触媒させる粗スズをシリカ/クエン酸で処理することによって、スズは、無金属ポリオールを残して吸着され、ろ過することが可能である。シリカ/クエン酸/スズ錯体は、ポリエステルポリオール中で部分的に可溶性であるため、トルエン等の有機溶媒は、ろ過を助けるのに必要である。シリカ/クエン酸混合物は、親水性であるため、ポリエステルポリオールを可溶させ、シリカ−クエン酸ヒドロゲルを沈殿させる、疎水性溶媒を添加することが必要である。疎水性溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、及びクロロホルムを含むが、これらに限定されない。溶媒の添加は、ろ過を促進する錯体を沈殿させる。処理中に炭粉末及び珪藻土等の他の材料を添加して、色及びろ過時間を改善することが可能である。このスズ除去方法の使用は、加水分解の兆候である、有意な酸含有量の増加を有さないポリエステルポリオールフリーのスズをもたらす。この方法で作られた典型的なポリマーは、5ppm未満のスズ(処理前、600ppm)、酸基のエステル基への〜99.5%の転換(処理前、〜99.8%変換)を含み、プロトンNMRによって分析されたときに、カルボニル基の有力な証拠を含まなかった。]
[0048] 例えば、粗ポリエステルポリオールは、1〜10重量%のケイ酸塩、0.05〜1.00重量%の炭素、及び0〜1重量%の珪藻土で処理される。スラリーを、60〜85℃で、不活性雰囲気下で、30〜90分間、攪拌する。ポリマーを、好適な有機溶媒を使用して、40〜60重量%まで希釈し、次いで、ろ過する。溶媒を蒸発させて、低スズを含む所望のポリエステルポリオールを得る。]
[0049] 代替的な種類の分岐状マクロマー式IIIとして以下に示す。これらは、R6に示すとおり、式Iの線状イソシアネート末端マクロマー過剰を、ヒドロキシ末端化合物等の多機能性活性水素末端化合物と結合させることによって調製される:



式中、中間体ポリオールは、g+1ヒドロキシル末端基を有する。]
[0050] マクロマーの分子量及び分岐の程度は、弾性、接着及び粘着強度、粘度、吸着、並びに水分吸収(膨張)等の生体力学的特性を決定する上で重要な要因である。



2接着強度は、接着/封止材料の生物学的組織に接着する能力を数値化する。それは、流体バースト圧力試験ASTM2392−04によって測定する−バースト圧力試験は、基質(心膜、硬膜、又はコラーゲン)内の0.5cmの線状切開部を切除し、試験装置に基質を定置することによって実行される。封止剤を切開部に塗布して、硬化させる。増大した圧力を、流体で充填されたシリンジポンプを使用して、基質の横軸側に印加する。封止剤が破裂するときに、最大圧力を記録する。
粘着強度1、3は、接着/封止材料の張力に耐える固有の能力を指す。粘着強度及び弾性は、伸張及び弾性率によって測定され、硬化した封止剤の引張試料は、フィルムとして鋳造することによって調製される。試料を、破損するまで、0.000423m/秒(1インチ/分)の張力で試験する。破損時の最大荷重及び伸長を記録する。]
[0051] 本明細書に説明するマクロマー分子量の範囲は、約500〜20,000g/mol、好ましくは、約500〜約4000g/molであり得る。]
[0052] マクロマー含有製剤
医学的に許容される製剤は、ポリイソシアネートマクロマー、溶媒、触媒、界面活性剤、安定剤若しくは酸化防止剤、及び着色添加剤を含み得る。]
[0053] 典型的に、溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、ジメトキシPEG、グリセリン、トゥイーン(Tween)80、ジメチルイソソルビド、プロピレンカルボネート、及び1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)を含むが、これらに限定されない、親水性溶媒である。乳酸エチル、トリアセチン、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、種々のエステル溶媒(クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリ−n−ブチル、クエン酸アセチルトリ−n−ブチル、クエン酸エチル等)等の親水性の少ない溶媒も考慮し得る。例えば、溶媒及びマクロマーの総重量に基づき、最大約50重量%の量の溶媒を使用し得る。]
[0054] 溶媒は、マクロマー製剤において、以下の種々の役割を担う:(1)粘度制御、(2)気泡/発泡形成、及び気泡漏れの制御、(3)組織貫通を強化する、(4)改善した組織の湿潤を提供する。製剤の粘度は、10〜100Pa・s(100,000cp)、好ましくは、0.5〜500〜50Pa・s(50,000cp)の範囲である。]
[0055] 更に、ポリイソシアネートマクロマーの重合で形成される、得られたポリマーの接着強度を改善するために、酸化再生セルロース等の約10〜20重量%の吸収性乾燥剤をマクロマー含有製剤に組み込むことが望ましい。吸収性乾燥剤のマクロマー含有製剤の適用の簡便性への影響を低減するために、乾燥剤粒子/繊維の大きさを、0.1〜1.3mmの範囲に可能な限り小さく維持することが推奨される。酸化再生セルロースは、吸収性接着バリアであるInterceed(登録商標)、吸収性止血剤であるSurgicel(登録商標)、吸収性止血剤であるNu−Knit(登録商標)、及び吸収性止血剤であるSurgicel(登録商標)Fibrillarを含むが、これらに限定されず、それぞれは、Johnson & Johnson Wound Management Worldwide又はGynecare Worldwideから入手可能であり、それぞれは、ニュージャージー州サマービルにあるEthicon,Inc.の事業部である。具体的に、吸収性乾燥剤は、得られたポリマーがその接着強度を改善するのに役立つと考えられている。]
[0056] 界面活性剤、当該技術分野において周知の中でもとりわけトゥイーン(Tween)、ブリジ(Brij)及びシロキサン等の非イオン界面活性剤、並びにレシチン(ホスファチジルコリン)、ドデシル硫酸ナトリウム等のイオン界面活性剤も、製剤に添加して、発泡を制御し得る。]
[0057] トリエチレンジアミン(DABCO)、ピリジン、エチル−2−ピリジルアセタート、及びオクトエートスズ等の触媒も製剤に添加して、反応速度を増加し得る。]
[0058] マクロマー製剤に使用し得る着色添加剤は、メチレンブルー、FD&Cブルー#1又は#2、及び縫合等の吸収性医療デバイスに使用される従来の着色添加剤を含むが、これらに限定されない。]
[0059] ブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)等の酸化防止剤は、製品の貯蔵安定性を向上するために、マクロマー製剤に存在し得る。]
[0060] 接着システム
接着システムの一例は、マクロマー及び溶媒が使用準備が整うまで、個別に保管されるシステムを含むが、これに限定されない。例えば、マクロマーは、二重バレルシリンジの1つのバレル内で保管し得る一方、溶媒は、他方のバレル内で保管される。更に、マクロマー及び溶媒を、任意の従来の手段によって、使用前に混合し得る。]
[0061] 生体適合性の弾性ゲル
マクロマーの生体内重合後に得られたポリマーは、生体分解可能な弾性ゲルであり、分解産物は、老廃物として、ヒトの体内から完全に排出されるように、これらの分解産物は、生体適合性及び水溶性の両方でなければならない。]
[0062] 具体的に、マクロマー又はこれらの製剤は、以下の反応スキームを介して、水又は体液と接触した時点で、重合され生体適合性の弾性ゲルを形成する:



式中、Xは、2つの末端官能基との間の構造成分を示し、Xは、使用されるマクロマーの種類に応じる。上記の反応は、ジカルバメートのジアミン及び二酸化炭素への自然分解をもたらす身体状態下で容易に発生する。]
[0063] その後の反応では、新たに形成されたジアミンは、以下の反応スキームを介して、イソシアネート基と反応して、弾性ゲルを形成する。]
[0064] 分解生成物
本明細書に説明するマクロマーから形成された弾性ゲルは、生体分解可能であり、生体内加水分解によって分解して、生体分解可性及び水溶性の両方である、芳香族分解産物を含む分解産物を形成する。いかなる芳香族分解産物の水溶性も保障するために、弾性ゲルは、芳香族分解産物上の末端基が水溶性ポリマーの残基である方法で開裂するように設計される。例えば、マクロマー接着剤又は封止剤製剤が体内で重合した後に、得られる弾性ゲルは、式IVに示すとおり、以下の反復単位を有する。]
[0065] 形成される生体適合性の弾性ゲル(IV)は、脂肪族及び芳香族エステル結合、ウレタン結合、及び尿素結合を含むが、これらに限定されない、種々の加水分解性結合を含む。弾性ゲル内の脂肪族エステル結合は、他種の結合よりも生体内で分解する傾向がより高く、したがって、初期の芳香族分解産物Vを残留する。]
[0066] 加水分解を起こしやすい芳香族分解産物Vフラグメント(例えば、ウレタン及び芳香族エステル)では他の結合があるが、すべての実践的目的では、これらは、芳香族分解産物が体内から排出される前に、生体内でいかなる有意な程度にも分解しない。例えば、無限になるまでに、弾性ゲル内のR3とR4との間の急速に加水分解可能な脂肪族エステル結合は、0〜6ヶ月以内に分解し、芳香族分解産物内のより遅い加水分解が可能な芳香族エステル結合は、4〜24ヶ月以内に分解し、芳香族分解産物内のウレタン結合は、4〜24ヶ月以内に分解し、芳香族分解産物内の非常に遅い加水分解が可能な尿素結合は、24ヶ月以内に分解する。マクロマー接着剤又は封止剤製剤の注入から、体内からの芳香族分解産物Vの排泄までの時間中、香族分解産物V内の芳香族エステルの分解、ウレタン及び尿素結合は、いかなる有意な程度にも発生しない。]
[0067] この組成物は、複数の医療用途を有する。例えば、内部の外科的接着として、接着剤は、組織と組織、組織と医療デバイス、及び医療デバイスと医療デバイスを固着することが可能である。封止剤として、組成物は、組織上、若しくは医療デバイス上、又は医療デバイスの境界面上を組織で被覆して、漏れを防止することができる。組成物を使用して、その場でフィルムを形成することが可能であり、それは、外科的接着の防止用等の用途を有し得る。組成物を使用して、充填剤(例えば、死腔除去、再建手術及び美容手術)、バルク剤、組織工学(例えば、足場)材料、並びに発泡体及びスポンジが有用なその他の等の用途を有し得る、発泡体をその場で形成することが可能である。組成物が注入可能で、かつ組織に局部的及び接着するゲルをその場で形成するために使用され、それらが注入される部位に残留するように、組成物を調剤することが可能である。これらは、細胞及び他の生物学的製剤用の送達マトリックス、生物活性剤及び医薬品若しくは栄養補給剤として、及び塞栓剤として、並びに対照的な薬剤を局限する手段等の用途を有し得る。組成物も使用して、医療デバイス(例えば、メッシュ、クリップ、又はフィルム)を組織に付着し得る。この組成物は、心臓血管、末梢血管、心胸郭、婦人科、神経及び一般腹腔手術を含むが、これらに限定されない、多種の手術において内部で使用することが可能である。]
[0068] 外科的封止剤/接着剤として、それを止め金、縫合糸等の主要な創傷縫合デバイスの付属として使用して、潜在的なガス、液体又は固体の漏れを封止することが可能である。より具体的には、外科的接着剤/封止剤を、外科的手順の一部として、例えば、液体、粉末、フィルム、スポンジ若しくは発泡体、含浸布、含浸スポンジ若しくは発泡体、又はスプレー等の種々の形態で組織に塗布し得る。]
[0069] 充填剤として、マクロマー若しくはこれらの製剤は、顔用、欠陥、又は間隙充填剤として使用し得る。例えば、製剤は、ポリマーが内部空洞及び空隙を充填し、組織の間隙及び孔を貫通し、適合するように、内部空隙の間隙に適用し、かつ、その中で重合を可能にし得る。定型的乳房切除術(つまり、癌治療のための乳房及び所属リンパ節除去)、乳房再生及び豊胸処理、再建的又は美容上の腹壁形成及び脂肪吸引、美顔手術、帝王切開及び肥満患者の子宮摘出、大腿領域の整形術、切開性ヘルニア修復、脂肪腫切除、及び外傷性損傷(つまり、閉鎖性外傷)を含むが、これらに限定されない、死腔形成の潜在的な危険性を有する多くの処理後に、製剤を使用し得る。]
[0070] 以下の実施例は本発明の特定の実施形態を示すが、それらは本発明の範囲を限定するものとしてではなく、発明を十分に説明するのに寄与するものとして解釈すべきである。]
[0071] (実施例1)
パートA:イソシアネートマクロマーIdの調製(図1)
窒素入口、温度プローブ及びディーンスタークトラップを装着する、清潔で、乾燥した250mLの三口フラスコに、8.72g(0.0947モル)のグリセリンUSPを荷電した。内容物を窒素下で攪拌しながら、120℃に加熱した。温度に到達した時点で、真空を2時間適用した。真空を開放し、32.46g(0.2845モル)のグルタル酸無水物を添加した。IRが無水物が存在しないことを示すまで、溶液を窒素下で120℃で2時間攪拌した。溶液を冷却し、167.09g(0.2784モル)のPEG600NF及び0.20g(0.0009モル)のシュウ酸スズ(II)を添加した。フラスコを180℃に加熱し、窒素スパージ下で2時間放置した。酸含有量に基づき、酸のエステル基への変換が99.98%になった後に、真空を更に17時間適用した。ポリオールを80℃に冷却し、6.13gのシリカ−クエン酸及び2.38gの珪藻土を添加した。スラリーを窒素雰囲気生成装置下で1時間80℃で攪拌した。スラリーをトルエン中で50%のw/vまで希釈し、更に15分間攪拌し、2マイクロメートルのセルロース紙を通してろ過した。溶媒を蒸発させ、淡黄色の粘稠な液体を残留させた。収率=91%、エステル変換=99.73%、スズ含有量=5ppm未満。] 図1
[0072] パートB:マクロマーIcの調製(図2)
機械的攪拌器、窒素入口、温度プローブ及びディーンスタークトラップを装着する、清潔で乾燥した1Lの四口フラスコに、149.79g(0.3744モル)のPEG 400 NFを荷電した。内容物を窒素下で攪拌しながら、120℃に加熱した。温度に到達した時点で、真空を1.5時間適用した。真空を開放し、85.56g(0.7499モル)のグルタル酸無水物を添加した。IRが無水物が存在しないことを示すまで、溶液を窒素下で120℃で2.5時間攪拌した。溶液を冷却し、436.06g(0.7268モル)のPEG 600 NF及び0.67g(0.0032モル)のシュウ酸スズ(II)を添加した。フラスコを180℃に加熱し、窒素スパージ下で2時間放置した。酸含有量に基づき、酸のエステル基への変換が99.96%になった後に、真空を更に16時間適用した。ポリオールを80℃に冷却し、6.97gのシリカ−クエン酸、7.11gの珪藻土、及び3.39gの活性炭を添加した。スラリーを窒素雰囲気生成装置下で1時間80℃で攪拌した。スラリーをトルエン中で50%のw/vまで希釈し、更に15分間攪拌し、2マイクロメートルのセルロース紙を通してろ過した。溶媒を蒸発させ、淡黄色の粘稠な液体を残留させた。収率=95%、エステル変換=99.88%、スズ含有量=5ppm未満。] 図2
[0073] パートC:Ic及びIdのマクロマー混合物の調製(1:1の比率)
機械的攪拌器を装着された、清潔で、乾燥した250mLの二口フラスコに、実施例1Bで説明する28.18g(0.0154モル)のポリエステルポリオール及び実施例1Aで説明する33.90g(0.0152モル)のポリエステルポリオールを荷電した。ポリオール混合物を8時間攪拌しながら、120℃の油浴で真空下で乾燥した。乾燥したポリオールを冷却し、59.38g(0.01224モル)の実施例2のプレポリマーB1を窒素雰囲気下で添加した。混合物を窒素下で70℃で20時間攪拌した。プレポリマーを冷却し、アセトン中で75%の固体まで希釈し、〜12,000cst(25℃)の粘度を有する粘稠な琥珀色の液体を得た。]
[0074] (実施例2)
15重量%の吸収性止血剤であるSURGICEL*Fibrillarを、未反応マクロマー混合物内の吸収性乾燥剤を攪拌することによって、パートCに説明するマクロマー混合物と混合した。この製剤を、遊離水がある状態、及びない状態で、水和コラーゲンに適用した(10μLの生理食塩水の添加)。平均バースト圧力は、それぞれ、0.0247MPa(185mmHg)及び0.0301MPa(226mmHg)であった。比較すると、パートCに説明するマクロマー混合物を、単独で、遊離水がある状態、及びない状態で、水和コラーゲン基質に適用し(10μLの生理食塩水の添加)、平均バースト圧力は、それぞれ、0.00493MPa(37mmHg)及び0.0372MPa(279mmHg)であった。吸収性乾燥剤は、手術部位において過剰遊離水が接着剤の有効性を制限するときに、基質へのポリマーの接着を向上させる働きをすると考えられている。]
実施例

[0075] 〔実施の態様〕
(1) (i)次式のポリイソシアネートマクロマー又はマクロマーの混合物、及び(ii)酸化セルロースを含む、医学的に許容される製剤であって、



式中、fが、2以上であり、「a」が、1〜5であり、R1は、



であり、
式中、R1のエチレンオキシド部分は、線状又は分岐状であり得、dが、0〜5の範囲の実数であり、cが、1〜100の範囲であり得、R2が、以下であり、



式中、R3が、「a」が1以上のときに、R4へのエステル結合、及びR1へのウレタン結合を形成することが可能な水溶性ポリマーの線状又は分岐状の残基であり、R4が、2≦x≦6である「x」カルボキシレート末端基を有することが可能な線状又は分枝状の有機残基である、製剤。
(2) fが、2であり、前記マクロマーが、次式:



によって示される、実施態様1に記載の医学的に許容される製剤。
(3) R1’が、次式:



によって示される、実施態様2に記載の医学的に許容される製剤。
(4) R2が、









からなる群から選択され、
nが、2〜250であり、mが、1〜10である、実施態様1に記載の医学的に許容される製剤。
(5) R3が、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリヒドロキシメチルメタクリレート、ポリアクリル酸ポリマー及びコポリマー、ポリオキサゾリン、ポリホスファジン、ポリアクリルアミド、ポリペプチド、及びこれらの水溶性誘導体からなる群から選択される化合物の残基であり、R4は、ジグリコール酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、トリカルバリル酸、グリセロールトリグルタラート(glycerol triglutarate)、ペンタエリスリトールテトラグルタラート(pentaerithritol tetra glutarate)、並びにエリスリトールからなる群から選択される化合物の残基である、実施態様1に記載の医学的に許容される製剤。
(6)吸収性乾燥剤が、酸化再生セルロースである、実施態様1に記載の医学的に許容される製剤。]
权利要求:

請求項1
(i)次式のポリイソシアネートマクロマー又はマクロマーの混合物、及び(ii)酸化セルロースを含む、医学的に許容される製剤であって、式中、fが、2以上であり、「a」が、1〜5であり、R1は、であり、式中、R1のエチレンオキシド部分は、線状又は分岐状であり得、dが、0〜5の範囲の実数であり、cが、1〜100の範囲であり得、R2が、以下であり、式中、R3が、「a」が1以上のときに、R4へのエステル結合、及びR1へのウレタン結合を形成することが可能な水溶性ポリマーの線状又は分岐状の残基であり、R4が、2≦x≦6である「x」カルボキシレート末端基を有することが可能な線状又は分枝状の有機残基である、製剤。
請求項2
fが、2であり、前記マクロマーが、次式:によって示される、請求項1に記載の医学的に許容される製剤。
請求項3
R1’が、次式:によって示される、請求項2に記載の医学的に許容される製剤。
請求項4
R2が、からなる群から選択され、nが、2〜250であり、mが、1〜10である、請求項1に記載の医学的に許容される製剤。
請求項5
R3が、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリヒドロキシメチルメタクリレート、ポリアクリル酸ポリマー及びコポリマー、ポリオキサゾリン、ポリホスファジン、ポリアクリルアミド、ポリペプチド、及びこれらの水溶性誘導体からなる群から選択される化合物の残基であり、R4は、ジグリコール酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、トリカルバリル酸、グリセロールトリグルタラート、ペンタエリスリトールテトラグルタラート、並びにエリスリトールからなる群から選択される化合物の残基である、請求項1に記載の医学的に許容される製剤。
請求項6
吸収性乾燥剤が、酸化再生セルロースである、請求項1に記載の医学的に許容される製剤。
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