![]() ロータリーピストン型内燃機関
专利摘要:
構造が簡潔で信頼性が高く,エネルギ効率に優れたロータリーピストン型の内燃機関を提案し,従来技術における分離ベーンや,ガスを流すための長いチャネルを不要とする。本発明に係るロータリーピストン型の内燃機関は,主円筒キャビティを有する本体を具え,該本体内にロータリーピストンが同軸的に配置され,該ロータリーピストンがその周面に半径方向突部および半径方向凹部を有し,該半径方向突部および半径方向凹部が前記本体の円筒状内面と協働して複数の区画された閉鎖キャビティを形成し;さらに,燃料噴射ノズルおよび点火プラグが設けられた燃焼室と;前記燃焼室内に配置され,停止位置間で120°の角度だけ離散的に回動可能な三葉の分離ロータと;入口チャネルおよび出口チャネルを有するガス分配装置を具える。本発明の利点は,平滑なトルク特性が実現され,分離ベーンを必要とせずにロータリーピストンの区画キャビティを画成することができ,流体損失を低減できることである。 公开号:JP2011512487A 申请号:JP2010547277 申请日:2009-02-12 公开日:2011-04-21 发明作者:プロコポヴィッチ;ヤロシェンコ ヴィクター 申请人:クリストフ シャラニースChristoph SZARANIEC; IPC主号:F02B53-00
专利说明:
[0001] 本発明は容積型の空気機械,特に内燃機関に関するものである。] 背景技術 [0002] ロータリーエンジンは,通常の4ストローク型内燃機関の代替機関として既知である。通常,ロータリーエンジンにおいては,ロータリーピストンが本体内で回転して空気/燃料混合気を燃焼室内に供給し,その混合気を燃焼室内で燃焼させて,燃焼生成物のエネルギにより燃焼ストロークを創出している。参考文献としては,特に,1962年の米国特許第3,040,530号明細書,1996年の米国特許第3,579,733号明細書(IPC F02B),1996年の米国特許第5,579,733号明細書,2001年の米国特許第6,241,499号明細書及び2003年の米国特許第6,530,357号明細書等が挙げられる。] [0003] 米国特許第3,040,530号明細書 米国特許第3,579,733号明細書 米国特許第5,579,733号明細書 米国特許第6,241,499号明細書 米国特許第6,530,357号明細書] [0004] 特許文献5の米国特許第6,530,357号は,本願発明者であるヴィクター・プロコポヴィッチ・ヤロシェンコに付与されたものであり,主円筒キャビティを有する本体を含むロータリー型の内燃機関を開示している。主円筒キャビティは,内部に同軸的に取り付けられたロータリーピストンを含んでいる。ロータリーピストンは周面に半径方向の突部と半径方向の凹部とを有し,これらが本体内壁と協働して複数の閉じられた区画キャビティを限定する。燃焼室の対が主円筒キャビティの外側に対称的に配置され,各燃焼室は入口チャネル及び出口チャネルよりなるチャネル対を有し,これらチャネルを介して燃焼室を主円筒キャビティに通じさせている。各チャネル対における出口チャネルの主円筒キャビティへの開口部は,そのチャネル対における入口チャネルの主円筒キャビティへの開口部に対して,ロータリーピストンの回転方向においてシフトさせて配置されている。これら開口部の間には,半径方向に可動としたベーンが配置され,そのベーンはロータリーピストンの周面に当接している。入口チャネル及び出口チャネルの両者には,ガス分配機構の制御バルブが設けられている。] [0005] 入口チャネル及び出口チャネルの対の相互間には,それぞれ吸気チャネル及び排気チャネルの対が対称的に配置されている。各対における吸気チャネルの主円筒キャビティへの開口部は,そのチャネル対における排気チャネルの主円筒キャビティへの開口部に対して,ロータリーピストンの回転方向においてシフトさせて配置されている。これら開口部の間には,半径方向に可動とした分離ベーンが配置され,その分離ベーンはロータリーピストンの周面に当接している。] [0006] このような構成の内燃機関において,ロータリーピストンは,その凹凸面と主円筒キャビティの内壁とで限定された各区画キャビティ内で次の行程を行いながらその回転軸線を中心として回転する。ロータリーピストンの突部が入口チャネルの開口部を通過するときに,区画キャビティの容積が増加し,吸気行程が行われる。この吸気行程の間,混合気が入口チャネルを経て区画キャビティに供給される。] [0007] その区画キャビティは,ロータリーピストンにおける次の突部により入口チャネルから遮断され,区画キャビティの内容物は,燃焼室の入口チャネルと,その入口チャネル内における開放状態の入口バルブを経て燃焼室内に押し出される。燃焼室の出口チャネルにおけるバルブが閉鎖状態にあり,混合気の圧縮行程が行われる。その際,隣接する燃焼室内ではより早期に供給された混合気が燃焼され,その燃焼生成物は,当該燃焼室の出口チャネルと,開放状態にある出口バルブを経て,先行する区画キャビティに供給され,かくして燃焼行程が行われる。この時点において,その燃焼室の入口バルブは閉鎖している。] [0008] ロータリーピストンのリッジが入口チャネルおよび出口チャネルの間の分離ベーンを通過すると,燃焼室内の圧縮された混合気が点火され,その燃焼生成物は,出口チャネルと,開放状態にある出口バルブを経て,分離ベーンの後方に位置する区画キャビティに供給され,かくして燃焼行程が行われる。この時点において,その燃焼室の入口バルブは閉鎖している。] [0009] ロータリーピストンのリッジが出口チャネルの開口部を通過すると,その区画キャビティ内の燃焼生成物が後続するリッジにより押し出され,そのリッジは入口チャネルおよび出口チャネルの間の分離ベーン上を走行し,かくして排気行程が行われる。] [0010] すなわち,例えば6個のリッジを有するロータリーピストンと,4対の燃焼室とを具える内燃機関では,ロータリーピストンの1回転の間に24回の燃焼行程が行われ,高度に平滑なトルク特性が担保される。加えて,この内燃機関においては圧縮行程を,燃焼生成物がほぼ完全に掃気され,外気圧(大気圧)とほぼ等しい初期圧が支配する燃焼室内で行われるので,混合気の燃焼生成物のエネルギ利用に基づく高い効率が達成される。] [0011] しかしながら,このような内燃機関は,多数の制御バルブが非直線的に配置されているので,構造が複雑であるのみならず,内燃機関を作動させるために相当の動力が消費される。例えば,4対の燃焼室を有する内燃機関の場合には16個のバルブが必要とされ,その制御のために少なくとも4本のシャフト等の手段を機関本体の周りに配置しなければならない。加えて,空気/燃料混合気の燃焼が,区画されたキャビティへの燃焼生成物の排出と同時に行われるため,混合気の一部が燃焼生成物に捕捉され,最適な燃焼条件化にあるゾーンから遠ざかる方向に搬出されることとなり,結果的に混合気の利用効率が低下する。] [0012] ウクライナ国登録実用新案第25,334.2007号明細書は,主円筒キャビティを有する本体と,本体内部に同軸的に取り付けられたロータリーピストンを含むヤロシェンコ式の改良型内燃機関を開示している。そのロータリーピストンは,周面に半径方向の凹凸部を有している。これらの凹凸部は,本体内壁と協働して,閉鎖した区画キャビティを形成するものである。主円筒キャビティの外側に少なくとも2個の燃焼室が対照的に配置されており,各燃焼室は入口チャネルおよび出口チャネルからなるチャネル対を有し,これらのチャネルを介して燃焼室が主円筒キャビティに連通可能とされている。各チャネル対における出口チャネルの主円筒キャビティへの開口部は,そのチャネル対における入口チャネルの主円筒キャビティへの開口部に対して,ロータリーピストンの回転方向でシフトして配置されている。これらの開口部間に,半径方向に可動とした分離ベーンが設置されており,その分離ベーンはロータリーピストンの周面に対して当接するものである。入口チャネルおよび出口チャネルからなるチャネル対の相互間には,排気チャネルおよび吸気チャネルが対として対称的に配置されている。排気チャネルおよび吸気チャネルからなるチャネル対における吸気チャネルの主円筒キャビティへの開口部は,そのチャネル対における排気チャネルの主円筒キャビティへの開口部に対して,ロータリーピストンの回転方向でシフトして配置されている。これらの開口部間に,半径方向に可動とした分離ベーンが設置されており,その分離ベーンはロータリーピストンの周面に対して当接するものである。各燃焼室は相互に分離された三部分からなり,各燃焼室部分は周期的および離散的に次の行程を行う。すなわち, ・キャビティが入口チャネルに接続されたときに吸気行程を行い, ・ キャビティが閉鎖したときに燃焼行程を行い, ・ キャビティが出口チャネルに接続されたときに排気行程を行うものである。] [0013] このような内燃機関の好適な実施形態においては,燃焼室部分が,分配用円筒キャビティの内面と,分配用ロータのリッジ間における凹面とで形成される。分配用ロータは,周期的に120°の離散的回動を行わせる駆動機構に結合されており,分配用円筒キャビティ内に配置されている。分配用円筒キャビティは,入口チャネルおよび出口チャネルを介して本体内における主円筒キャビティに接続される。この分配用キャビティへの入口チャネルの開口部は,そのキャビティへの出口チャネルの開口部に対して,分配用ロータの回転方向にシフトして配置されている。これらの開口部間には,分配用ロータの静止状態において,分配用ロータの凹部間の隔壁の頂部が配置される。] 先行技術 [0014] 上述した実施形態に係るエンジンの主たる問題点は,ロータリーピストンにおける区画キャビティを区分するために可動の分離ベーンを必要とすることである。これらのベーンをロータリーピストンに対して緊密に当接させるという,かなり困難な問題の解決は,エンジンの複雑化およびコストアップにつながりかねない。別の問題点は,作動時にベーンに大きな側方荷重が作用するにも拘らず,ベーンはポケット内で自由に運動させる必要があり,そのような設計を実現することは追加的な困難性を伴うものである。更に他の問題点は,入口チャネル,出口チャネル,吸気チャネルおよび排気チャネルとして,かなり長いチャネルが必要とされ,これらのチャネルをガスが流れる際に流体損失や,これに起因するエンジンの動力損失が生じることである。] 発明が解決しようとする課題 [0015] 本発明の課題は,構造が簡潔で信頼性が高く,エネルギ効率に優れたロータリーピストン型の内燃機関を提案し,従来技術における分離ベーンや,ガスを流すための長いチャネルを不要とすることである。] 課題を解決するための手段 [0016] この解題を解決するため,本発明に係るロータリーピストン型の内燃機関は,主円筒キャビティを有する本体を具え,該本体内にロータリーピストンが同軸的に配置されている。ロータリーピストンは,その周面に半径方向突部および半径方向凹部を有する。その半径方向突部および半径方向凹部は,本体の円筒状内面と協働して,複数の区画された閉鎖キャビティを形成する。本体は,燃料噴射ノズルおよび点火プラグが設けられた燃焼室を有する。燃焼室内には配置され,停止位置間で120°の角度だけ離散的に回動可能な三葉の分離ロータが配置されている。また燃焼室の相互間には,入口チャネルおよび出口チャネルを有するガス分配装置が配置されている。] [0017] 本発明において,各燃焼室は,主円筒キャビティとの交差部位において主円筒キャビティに開口する形状の不完全円筒キャビティとして形成されている。分離ロータは,主円筒キャビティの内面と等しい曲率半径を有する凹面として側面が形成され,各分離ロータは,その停止位置において一側面が主円筒キャビティの内面の連続的な延長部を形成するように配置されている。各ガス分配装置は不完全円筒キャビティとして形成され,該不完全円筒キャビティは主円筒キャビティとの交差部位において主円筒キャビティに開口する形状とされている。各ガス分配装置は,停止位置間で120°の角度だけ離散的に回動可能な三葉の分配ロータを含んでいる。さらに,これらの分配ロータは,主円筒キャビティの内面と等しい曲率半径を有する凹面として側面が形成され,その停止位置において一側面が主円筒キャビティの内面の連続的な延長部を形成するように配置されている。] 発明の効果 [0018] 本発明に係る上記の構成によれば,分離ロータおよび分配ロータの何れも,その頂部がロータリーピストンの表面上を直接的に摺動して分離ベーンの機能を発揮する。これに加えて,燃焼室およびガス分配装置の凹部が広い開口部を経てロータリーピストンの区画キャビティに通じるため,これらの開口部を通過するガスの流体損失を最小化することが可能である。] 図面の簡単な説明 [0019] 本発明に係るロータリーピストン型の内燃機関を一角度位置で示す線図である。 同内燃機関を他の角度位置で示す線図である。 同内燃機関を更に他の角度位置で示す線図である。] 実施例 [0020] 以下,本発明を図示の実施形態について更に詳述する。] [0021] 本発明に係るロータリーピストン型の内燃機関は,主円筒キャビティを有する本体1を具え,そのキャビティ内にはロータリーピストン2が同軸的に配置されている。ロータリーピストン2は,6個の半径方向突部3〜8と,6個の半径方向凹部9〜14とをその周面に有する。6個の半径方向突部3〜8と,6個の半径方向凹部9〜14とは,本体1の円筒状内壁と協働して,複数の閉鎖した区画キャビティ15〜20を形成する(図1〜3を参照)。] 図1 図2 図3 [0022] 本体1における主円筒キャビティの周囲には,4個の燃焼室21〜24が同軸的に配置されている。燃焼室21〜24は,主円筒キャビティとの交差部位において主円筒キャビティに開口する形状の不完全円筒キャビティとして形成されている。燃焼室21〜24には,燃料噴射ノズル25と,点火プラグ26とが設けられている。燃焼室21〜24内には三葉の分離ロータ27〜30が配置され,同分離ロータ27〜30は,それらを停止位置間で120°の角度だけ回動させるための回動手段に結合されている。分離ロータ27〜30の回動をロータリーピストンの回動に対して適切に同期させることにより,ロータリーピストンの突部が分離ロータの側面上を摺動する際には分離ロータを静止させ,ロータリーピストンの凹部が分離ロータの下側に位置する場合には分離ピストンを回動させてその頂部を,ギャップを生じさせることなくロータリーピストンの凹面上で摺動させる。] [0023] 同様に,本体1における主円筒キャビティの周囲には,燃焼室21〜24の相互間で4個のガス分配装置31〜34が同軸的に配置されている。ガス分配装置31〜34も,主円筒キャビティとの交差部位において主円筒キャビティに開口する形状の不完全円筒キャビティとして形成されている。ガス分配装置31〜34には,出口チャネル35と入口チャネル36とが設けられている。ガス分配装置31〜34内には三葉の分配ロータ37〜40が配置され,同分配ロータ37〜40は,それらを停止位置間で120°の角度だけ回動させるための回動手段に結合されている。分配ロータ37〜40の回動も,分離ロータと同様,ロータリーピストンの回動に対して同期させる。] [0024] 分離ロータ27〜30および分配ロータ37〜40は,何れも,主円筒キャビティの内面と等しい曲率半径を有する凹面として側面が形成されている。各ロータ27〜30, 37〜40は,その停止位置において一側面が本体1における主円筒キャビティの内面の連続的な延長部を形成するように配置されている。ガス分配装置31〜34には,掃気チャネル41〜44を設けることもできる。] [0025] ロータリーピストン2には,動力取り出し軸45が結合されている。] [0026] 作動にあたり,ロータリーピストン2は,本体1における主円筒キャビティ内で回転する。ロータリーピストン2の半径方向突部3〜8は,主円筒キャビティの内周円筒面上を摺動しつつ当該面に緊密に接触することで,区画キャビティ15〜20の相互間におけるガス交換を排除し,または最小化する。] [0027] 各分離ロータ27〜30は複数の停止位置間で回動するものであるが,その回動をロータリーピストン2の回転と適切に同期させることにより,いかなる場合でも分離ロータ27〜30の何れかの頂部,または何れかの側面を,ローターピストン2の表面と緊密に接触させて,当該接触領域におけるガスの流れを防止する。このプロセスを更に詳述すれば,次のとおりである。すなわち,停止状態において各分離ロータ27〜30は,その一側面が,本体1における主円筒キャビティ内面の連続的な延長部を形成し,その延長部上を,ロータリーピストン2における一つの半径方向突部3〜8が摺動する位置を占めている。図1および3における分離ロータ28, 30と,図2における分離ロータ27, 29は,そのような停止位置を占めている。] 図1 図2 [0028] 停止状態において,分離ロータ27〜30は燃焼室キャビティを,ロータリーピストン2の区画キャビティ15〜20から遮断されたキャビティFおよびGに区分する。ロータリーピストン2の区画キャビティ15〜20は,本体1における主円筒キャビティの内壁,分離ロータ27〜30の側面,および分配ロータ37〜40の側面と協働して,閉鎖キャビティMを形成する。] [0029] 分離ロータ27〜30の側面上を摺動するロータリーピストン2の突部がその側面を通過し終わった時点で,分離ロータ(図1,3の分離ロータ27, 29と,図2の分離ロータ28, 30)が回動を開始し,その回動の間に分離ロータの頂部が,ギャップを生じない緊密接触下でロータリーピストン2の凹面上を摺動する。分離ロータは120°の回動を経た停止位置で停止し,その時点ではロータリーピストン2における後続の突部の先端縁が燃焼室に到達しており,その突部が分離ロータの側面上を摺動する。分離ロータの上記回動の間,分離ロータは燃焼室の壁と協働して,容積の増加するチャンバHと,遮断されたチャンバKと,容積の減少するチャンバLとを形成する。] 図1 図2 [0030] これと同時に,ロータリーピストン2,分離ロータおよび本体における主円筒キャビティの隣接表面間で,容積の増加するチャンバPと,容積の減少するチャンバNとが形成される。] [0031] 同様に,各分配ロータ37〜40は複数の停止位置間で回動するものであるが,その回動をロータリーピストン2の回転と適切に同期させることにより,いかなる場合でも分配ロータ37〜40の何れかの頂部,または何れかの側面を,ローターピストン2の表面と緊密に接触させて,当該接触領域におけるガスの流れを防止する。このプロセスを更に詳述すれば,次のとおりである。すなわち,停止状態において各分配ロータ37〜40は,その一側面が,本体1における主円筒キャビティ内面の連続的な延長部を形成し,その延長部上を,ロータリーピストン2における一つの半径方向突部3〜8が摺動する位置を占めている。図1における分配ロータ37, 39と,図2における分配ロータ37, 39と,図3における分配ロータ38, 40は,そのような停止位置を占めている。] 図1 図2 図3 [0032] 停止状態において,分配ロータ37〜40はガス分配装置のチャンバキャビティを,ロータリーピストン2の区画キャビティ15〜20から遮断されたキャビティAおよびBに区分する。] [0033] 分配ロータ37〜40の側面上を摺動するロータリーピストン2の突部がその側面を通過し終わった時点で,分配ロータ(図1の分配ロータ40, 37と,図3の分配ロータ37, 39)が回動を開始し,その回動の間に分配ロータの頂部が,ギャップを生じない緊密接触下でロータリーピストン2の凹面上を摺動する。分配ロータは120°の回動を経た停止位置で停止し,その時点ではロータリーピストン2における後続の突部の先端縁が,当該分配ロータの配置された凹所に到達している。その突部は分配ロータの側面上を摺動する。分配ロータの上記回動の間,分配ロータはガス分配装置のチャンバ壁と協働して,容積の増加するチャンバCと,遮断されたチャンバDと,容積の減少するチャンバEとを形成する。] 図1 図3 [0034] 図1〜3に示したエンジンは,対称的な構造を有している。したがって,直径方向で対向する部材についても,実質的に同一のプロセスが実行される。例えば,ガス分配装置32, 34内におけるロータの位置や,その内部で行われるプロセスは,常に実質的に同一である。このことは,ガス分配装置31, 33の第2の対,燃焼室21, 23の対,および燃焼室24, 26の対においても当てはまる。このような複数の対のうち,代表的な対についてプロセスを説明すれば,本発明に係るエンジン全体の作動は当業者にとって十分に理解可能である。] 図1 図2 図3 [0035] 図1を参照すれば,燃焼室24における分離ロータ30は停止状態にあり,ロータリーピストン2の突部8がその側面上を摺動している。燃焼室24は二つのキャビティFおよびGに区分されている。キャビティFは新鮮空気で満たされており,これに燃料をノズル25から噴射して空気/燃料混合気を生成する。他方,キャビティGは,空気/燃料混合気の燃焼生成物で満たされた高圧下にある。] 図1 [0036] 燃焼室24の後方には,分配ロータ40を有するガス分配装置34が配置されている。図1は,分配ロータ40が120°の回動の初期段階にあり,その一つの頂部が凹面14上での摺動を開始した状態を示す。ガス分配装置34における出口チャネル35,入口チャネル36および掃気チャネル42は,何れも開放している。容積の増加するキャビティD内で掃気および新鮮空気の供給が行われ,容積の減少するキャビティEは新鮮空気で満たされ,その新鮮空気は区画キャビティ14における容積の増加するキャビティP内への流入を開始する。区画キャビティ14における容積の減少するキャビティNは廃棄すべき燃焼生成物で満たされており,その生成物はガス分配装置34における容積の増加するキャビティCに押し出される。] 図1 [0037] 図1における分配ロータ27は回動を行い,その一頂部が半径方向凹部9の表面上を摺動してそれをキャビティNおよびPに区分する。燃焼室21のキャビティは,分配ロータ27により,容積の増加するキャビティHと,遮断されたキャビティKと,容積の減少するキャビティLとに区分される。キャビティNおよびHは互いに連通しており,次回燃焼用の空気/燃料混合気を生成すべく,空気が満たされている。キャビティK内では空気/燃料混合気の燃焼が点火プラグ26により開始しており,その燃焼の間にキャビティK内は高圧の燃焼生成物で満たされる。キャビティLおよびPも,その燃焼室における空気/燃料混合気の前回の燃焼に由来する高圧の燃焼生成物で満たされている。キャビティPを画成する半径方向凹部9の表面に作用する燃焼生成物の圧力が,ロータリーピストンの中心軸線からシフトした方向に向かう力Rを発生させる。その結果,ロータリーピストンを回動させるトルクが発生する。すなわち,燃焼行程が行われるのである。直径方向で対向する燃焼室29でも実質的に同一のプロセスが行われるので,トルクは倍増される。] 図1 [0038] 燃焼室21の後方には,ガス分配装置31が配置されている。図1において分配ロータ37は不動であり,キャビティAおよびBを形成している。キャビティAは燃焼生成物が掃気され,新鮮空気の受け入れが可能である。その時点で,キャビティBには新鮮空気が噴射される。] 図1 [0039] 図2は,ロータリーピストンが約23°だけ前進回転した状態におけるエンジン各部の位置を示す。燃焼室26内の分配ロータ30は回動している。キャビティLからの高圧の燃焼生成物は,区画キャビティ19におけるキャビティPに流入し,上述した態様で燃焼行程を実行する。容積の減少するキャビティNからの新鮮空気は,燃焼室における容積の増加するキャビティHに押し出される。キャビティK内では空気/燃料混合気の燃焼が点火プラグ26により開始しており,その燃焼の間にキャビティK内は高圧の燃焼生成物で満たされる。] 図2 [0040] 図2におけるガス分配装置34の分配ロータ40は,120°の回動を終えている。キャビティCからの燃焼生成物の排出・掃気が終了し,キャビティDへの新鮮空気の供給が開始する。区画キャビティ20におけるキャビティPが最大容積をほぼ達成し,新鮮空気で満たされている。このキャビティは,新鮮空気による掃気に引き続き,排気プロセスの終了時に清浄な空気で満たされる。] 図2 [0041] 燃焼室21における分離ロータ27は,静止状態にある。ノズル25からキャビティFに燃料が噴射され,その間にキャビティGは高圧の燃焼生成物で満たされる。] [0042] 図2におけるガス分配装置の分配ロータ37は,静止状態にあり,キャビティAおよびBを形成している。キャビティAには燃焼性生物が存在せず,新鮮空気を受け入れ可能である。そのキャビティに対する新鮮空気の噴射は,その時点で既に終了しており,または終了途上にある。] 図2 [0043] 図3は,ロータリーピストンが更に約24°だけ前進回転した状態におけるエンジン各部の位置を示す。燃焼室26内の分配ロータ30は静止状態にある。キャビティFは新鮮空気で満たされており,ノズル25から燃料が噴射されている。区画キャビティ20は燃焼生成物で満たされており,この生成物は次の排出に備えてガス分配装置34まで搬送される。] 図3 [0044] 図3におけるガス分配装置34の分配ロータ40は,静止状態にある。ガス分配装置34におけるキャビティAには燃焼性生物が存在せず,キャビティBに対する新鮮空気の噴射は終了している。] 図3 [0045] 燃焼室21における分離ロータ27は,120°の回動途上にある。区画キャビティ15における,容積の増加するキャビティHに対して,容積の減少するキャビティNから新鮮空気が供給され,その間にキャビティK内では空気/燃料混合気の燃焼と,そのキャビティに対する高圧の燃焼生成物の重点が完了しようとしている。区画キャビティ15における,容積の減少するキャビティL内に存在していた燃焼生成物は,容積の増加するキャビティPに流入して,前述した態様で燃焼行程を行う。] [0046] 図3におけるガス分配装置31の分配ロータ37は,120°の回動の最終段階にある。区画キャビティ16における,容積の減少するキャビティNからの燃焼生成物はガス分配装置31における容積の増加するキャビティCに流入し,このキャビティから排出される。キャビティDには燃焼性生物が存在せず,容積の減少するキャビティEからの新鮮空気は,区画キャビティ16における容積の増加するキャビティPに流入する。] 図3 [0047] ロータリーピストンが更に回転すると,上記のプロセスが周期的に繰り返される。ロータリーピストンの一回転の間,12対の燃焼行程が時間的に等間隔で行われ,これによりトルク特性の高度の平滑性を実現する。燃焼室および分配装置における各ロータが,種々の問題を有していた分離ベーンを使用することなく,ロータリーピストンの区画キャビティを区分可能としている。最後に,エンジンにおける各機能要素間のガス交換が,短くて広い開口部を通して行われ,流体損失を最小化している。] [0048] 上記の記載は本発明を特定の実施形態に限定する趣旨ではなく,逆に,各種の変形形態を包含することを意図するものである。例えば,燃焼室やガス分配装置の数を異ならせたり,異なる数の凹凸部を有するロータリーピストンを採用することも可能である。本発明に係るエンジンには,掃気ガス分配装置チャンバ要の通常の手段を設けたり,空気/燃料混合気の改質手段や空気/燃料混合気の燃焼最適化手段等を設けることも可能である。] [0049] 1 本体 2ロータリーピストン 3〜8半径方向突部 9〜14 半径方向凹部 15〜20区画キャビティ 21〜24燃焼室 25燃料噴射ノズル 26点火プラグ 27〜30分離ロータ 31〜34ガス分配装置 35出口チャネル 36入口チャネル 37〜40分配ロータ 41〜44掃気チャネル 45 動力取り出し軸]
权利要求:
請求項1 ロータリーピストン型の内燃機関であって,主円筒キャビティを有する本体を具え,該本体内にロータリーピストンが同軸的に配置され,該ロータリーピストンがその周面に半径方向突部および半径方向凹部を有し,該半径方向突部および半径方向凹部が前記本体の円筒状内面と協働して複数の区画された閉鎖キャビティを形成し;さらに,燃料噴射ノズルおよび点火プラグが設けられた燃焼室と;前記燃焼室内に配置され,停止位置間で120°の角度だけ離散的に回動可能な三葉の分離ロータと;入口チャネルおよび出口チャネルを有するガス分配装置と;を具える内燃機関において:各燃焼室が不完全円筒キャビティとして形成され,該不完全円筒キャビティは主円筒キャビティとの交差部位において主円筒キャビティに開口する形状とされ;前記分離ロータは,主円筒キャビティの内面と等しい曲率半径を有する凹面として側面が形成され,各分離ロータは,その停止位置において一側面が主円筒キャビティの内面の連続的な延長部を形成するように配置され;各ガス分配装置が不完全円筒キャビティとして形成され,該不完全円筒キャビティは主円筒キャビティとの交差部位において主円筒キャビティに開口する形状とされ;各ガス分配装置は,停止位置間で120°の角度だけ離散的に回動可能な三葉の分配ロータを含み;該分配ロータは,主円筒キャビティの内面と等しい曲率半径を有する凹面として側面が形成され,各分配ロータは,その停止位置において一側面が主円筒キャビティの内面の連続的な延長部を形成するように配置されている,ことを特徴とする内燃機関。
类似技术:
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同族专利:
公开号 | 公开日 CN102007272A|2011-04-06| EP2310630B1|2012-02-01| AT543982T|2012-02-15| UA89251C2|2010-01-11| US20100326398A1|2010-12-30| WO2009104111A1|2009-08-27| EP2310630A1|2011-04-20| CA2716373A1|2009-08-27|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2012-05-01| A300| Withdrawal of application because of no request for examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120501 |
优先权:
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