专利摘要:
本発明は、医用物品、特に、耐久性のある親水性キトサンコーティングを有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法に関する。キトサンコーティングは、シールしたパッケージ中で、オートクレーブ処理中に、キトサンと医療用デバイス表面のカルボキシル基との間で直接に架橋反応を行うことにより、医療用デバイスに共有結合される。本発明の方法により得られるコーティングされた医用物品は、基材への付着性、耐久性、親水性、湿潤性、生体適合性および透過性について望ましい特性を有し、したがって肉眼用デバイスの分野で特に有用である。
公开号:JP2011510350A
申请号:JP2010543484
申请日:2009-01-21
公开日:2011-03-31
发明作者:クヌート,モニカ;ツォッツェル,イェンス;パスターナック,ラルフ;ミュラー,アヒム;ライフ,クリスティーネ
申请人:ノバルティス アーゲー;
IPC主号:G02C7-04
专利说明:

[0001] 本発明は、少なくとも部分的にキトサンでコーティングされている、コーティングされた物品の製造方法に関し、この物品がシリコーンヒドロゲルを含み、例えば生物医学用物品、特にコンタクトレンズであるところの製造方法に関する。]
背景技術

[0002] キトサンは、グルコサミン単位を5000より多く含むポリカチオンポリマーである。それは、エビおよびカニの殻のキチンから、アルカリ脱アセチル化により工業的に得ることができるが、商品サンプルでは、N−脱アセチル化の程度はほとんど完結してない。キトサンは、菌類、バクテリア、およびウィルスに対する抗菌剤としての用途を見出されている(レビュー、Rabeaら, Biomacromolecules 4(6), 1457-1465, 2003を参照)。]
[0003] 医療用デバイス上、特にコンタクトレンズ上へのキトサンコーティングが提案されている。例えば、WO 94/006485には、コンタクトレンズバルク材料へのキトサンの共有結合が開示されている。キトサンを含むポリイオンのコーティングが、例えば、WO 03/057270に開示されている。米国特許第5,409,731号には、水非吸収性のコンタクトレンズに、親水性を付与するための方法が記載されているが、それは、コンタクトレンズを、水溶性アミノ基を含有するポリマーおよび架橋剤を含有する水溶液に浸漬することを含んでいる。]
発明が解決しようとする課題

[0004] シリコーンヒドロゲルは、コンタクトレンズの製造用に好ましいバルク材料である。シリコーンヒドロゲルとは、少なくとも1種のシリコーン含有モノマー、少なくとも1種のシリコーン含有マクロマー、および/または少なくとも1種のシリコーン含有プレポリマーを含む重合性混合物の共重合から得られるポリマー材料を指す。シリコーンヒドロゲルは、完全に水和した場合の含水量が少なくとも10重量%である。シリコーンヒドロゲルは、その高い酸素透過性、十分な含水量、および望ましい弾性率のために、長期装着コンタクトレンズを製造するのによく適している。しかし、未コーティングのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、疎水性レンズ表面を有し、そしてその湿潤性が低いために、眼に適合性がない。したがって、表面を親水性層でコーティングする必要がある。現在の技術水準のコーティングとして通常、重合後の表面処理、例えば、プラズマコーティングおよびレイヤーバイレイヤーコーティング、プラズマ酸化、またはコロナ処理;並びに重合に先立つ表面処理、例えば、コンタクトレンズ製造用型の成形面を親水性にすること、またはコンタクトレンズ製造用レンズ配合物中への内部湿潤剤の組み込みが挙げられるが、これらに限定されない。しかし、これらの方法の多くは、耐久性のある親水性表面を生成することができないか、費用がかかるか、あるいはいくつかの大規模な処理工程を必要とする。これらの理由で、例えばEP-A-969956またはEP-A-1047542に記載されているように、既存の方法はどれも、短いサイクル時間の完全に自動化された、大量生産プロセスへの統合に理想的に適していない。]
[0005] コンタクトレンズは、装着、保存および取り扱い中に、1種以上の微生物にさらされることが多い。それらは、その上に微生物が付着し、その後増殖してコロニーを形成するおそれのある表面を与える可能性がある。コンタクトレンズへの微生物の付着およびコロニー化は、微生物が増殖し、眼の表面に長期間保持されることを可能にし、これにより、そのレンズが使用される肉眼の健康に、感染または他の有害な作用を及ぼすおそれがある。したがって、コンタクトレンズへの微生物付着およびコロニー化の危険性を最小限にしかつ/またはなくすために様々な努力をすることが望まれる。]
[0006] したがって、シリコーン含有医用物品を抗菌特性のある親水性成分でコーティングするための製造コストを低減する有効な方法を提供する必要があるが、それは大量製造プロセスに容易に統合することができ、そして耐久性が改良され装着者が快適な物品を提供する。]
課題を解決するための手段

[0007] シリコーンヒドロゲルにおいては、たとえヒドロゲルが親水性コモノマーおよび/または負に荷電したコモノマーを含む重合性混合物から誘導されたとしても、表面は疎水性シロキサン単位により支配される。負に荷電したコモノマーは、親水性で正に荷電したキトサンの付着に、ほとんどまたは全く影響を及ぼさないことが分かっている。驚くべきことには、C2〜C4−アルコール中での短期のインキュベーションが、カルボン酸基を含有するシリコーンヒドロゲル医療用デバイスの表面上へのキトサンの非共有結合コーティングを可能にすることが今や見出された。]
[0008] 本発明の別の態様は、シリコーンヒドロゲル医療用デバイス上のキトサンコーティングが、架橋剤および場合によりキトサンを含む医療用デバイスパッケージ溶液を含有する医療用デバイスパッケージ中、インシトゥで、直接に、架橋剤を介して共有結合されることである。結果として得られる医療用デバイスは、約80°以下の平均水接触角によって特徴づけられる親水性を有する。]
[0009] 製造およびパッケージ工程中の水和した医療用デバイスの滅菌は、通常オートクレーブ処理により行われる。このオートクレーブ処理プロセスは、医療用デバイスのパッケージを加熱することを含む。本明細書で用いる「インシトゥコーティングプロセス」とは、顧客に供給される医療用デバイスパッケージ中で、キトサンコーティングが、医療用デバイスに、直接に共有結合されるプロセスを表そうとしている。当業者公知の任意の医療用デバイスパッケージを、本発明に使用できる。]
[0010] 本発明の医用物品は、例えば肉眼用デバイス、好ましくはソフトコンタクトレンズ、眼内レンズまたは角膜アンレー(corneal onlay)、または眼の上もしくは眼の周囲または眼の付近で用いられる別の種類の肉眼用デバイスである。本発明の方法によりコーティングする医用物品の好ましい群は、それ自体親水性でないコンタクトレンズ、特に長期装着用コンタクトレンズである。]
[0011] したがって、本発明は、一つの態様では、手順IまたはIIにより医用物品をコーティングする方法であって、手順Iが、
(a)未コーティングのコンタクトレンズを用意し、前記物品がカルボン酸基を含有するシリコーンヒドロゲル製の疎水性バルク材料を含み;
(b)前記コンタクトレンズをC2〜C4アルコールと所定期間接触させ;
(c)工程(b)で処理したコンタクトレンズを、キトサンを含む溶液と接触させて、前記コンタクトレンズ上にキトサンの非共有結合コーティングを形成する;
(d)前記キトサンコーティングを備える前記コンタクトレンズを、脂肪族のC2〜C10−ジアルデヒド、ホルムアルデヒドおよびゲニピン(genipin)よりなる群から選択される架橋剤を含むパッケージ溶液を含有するレンズパッケージ中で接触させる;そして
(e)前記コンタクトレンズと前記パッキング溶液とをその中に有する該パッケージを、オートクレーブ処理する
工程を含み、前記コンタクトレンズをコーティングするキトサンは、架橋剤を介して、レンズ表面上のカルボン酸基に共有結合され、前記結果として得られるコンタクトレンズは、約80°以下の平均水接触角で特徴づけられる親水性を有し、
手順IIが、
(i)未コーティングのコンタクトレンズを用意し、前記物品がカルボン酸基を含有するシリコーンヒドロゲル製の疎水性バルク材料を含み;
(ii)前記コンタクトレンズをC2〜C4アルコールと所定期間接触させ;
(iii)場合により、工程(ii)で処理した前記コンタクトレンズを、キトサンを含む溶液と接触させて、前記コンタクトレンズ上にキトサンの非共有結合コーティングを形成し;
(iv)工程(ii)または工程(ii)および(iii)で処理した前記コンタクトレンズを、キトサンと脂肪族のC2〜C10−ジアルデヒド、ホルムアルデヒドおよびゲニピンよりなる群から選択される架橋剤とを含むパッケージ溶液を含有するレンズパッケージ中で接触させる;そして
(v)前記コンタクトレンズ前記パッキング溶液とをその中に有する該パッケージを、オートクレーブ処理する
工程を含み、これにより、前記架橋剤の存在下で、キトサンと前記コンタクトレンズ表面上のカルボン酸基との反応から得られた共有結合されたコーティングが形成し、前記結果として得られるコンタクトレンズは、約80°以下の平均水接触角で特徴づけられる親水性を有する、医用物品をコーティングする方法に関する。]
[0012] 本発明の工程(a)および(i)で用いる適切なシリコーンヒドロゲルの例は、例えば、長期装着用コンタクトレンズの製造に現在用いるもの、例えば(i)例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキシカルボニル−L−アラニン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイソプロピルアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルカプロラクタム、アクリル酸またはメタクリル酸の群から選択される親水性モノマー1種以上;並びに(ii)シロキサン結合またはシラン基、例えばトリメチルシリル基を含むモノマーおよび/またはマクロモノマーのコポリマーである。後者の基の例は、トリス−トリメチルシリルオキシ−シリル−プロピルメタクリレート(トリス)またはトリス−トリメチルシリルオキシ−シリル−プロピルビニルカルバメート(トリス−VC)、C−C二重結合を一つの末端に有するポリジメチルシロキサン、または両末端にC−C二重結合か懸垂したC−C二重結合2個以上を有する、例えば、以下の式(2)に記載のポリジメチルシロキサン架橋剤である。適切な市販されているシリコーンヒドロゲルの例は、Balafilcon A、Galyfilcon A、Lotrafilcon A、Lotrafilcon BまたはSenofilcon Aである。]
[0013] 好ましいシリコーンヒドロゲルの別の群は、結合または橋員を介して結合される少なくとも1種の疎水性シリコーンまたはペルフルオロアルキルポリエーテルセグメント、および少なくとも1種の親水性セグメントを含む、両親媒性のセグメント化されたコポリマーである。該シリコーンヒドロゲルの例は、例えばPCT出願WO 96/31792およびWO 97/49740(参照により本明細書に組み入れられる)に開示されている。特に好ましい両親媒性のセグメント化されたコポリマーは、ポリシロキサン、ペルフルオロアルキルポリエーテルおよび混合ポリシロキサン/ペルフルオロアルキルポリエーテルセグメントよりなる群から選択される疎水性セグメント少なくとも1種、並びにポリオキサゾリン、ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリビニルピロリドンおよびポリエチレンオキシドセグメントよりなる群から選択される親水性セグメント少なくとも1種を含む。]
[0014] 好ましいシリコーンヒドロゲルのさらに別の群は、架橋性または重合性のプレポリマーを架橋することにより得られるものであって、このプレポリマーは、
(a)1個のエチレン性不飽和二重結合を有する親水性モノマー少なくとも1種と、2個以上のエチレン性不飽和二重結合を含むシリコーン架橋剤少なくとも1種とを、官能基を有する連鎖移動剤の存在下で共重合し;次いで
(b)得られたコポリマーの1種以上の官能基を、エチレン性不飽和基を有する有機化合物と反応させること
により得られる。このタイプのシリコーンヒドロゲルは、例えばWO 01/71392(参照により本明細書に組み入れられる)に開示されている。]
[0015] 特に好ましいシリコーンヒドロゲルは、プレポリマーの架橋によって得られ、このプレポリマーは、
(i)式:




(式中、R1は、水素またはメチルであり、そしてR2は、−COO−(CH2)2−OH、−CONH2、−CON(CH3)2、または




である)の第一親水性モノマーを、好ましくは1種以上の別の親水性モノマーとの混合状態で;式:




(式中、d1は、整数10〜500、好ましくは10〜300、より好ましくは20〜200、特に25〜150であり、(alk)は、直鎖状もしくは分岐状C2〜C4アルキレンまたは基−(CH2)1-3−O−(CH2)1-3−であり、Xは、−O−または−NH−であり、そしてQは、式:




の基である)に対応するポリシロキサン架橋剤と;官能基を有する連鎖移動剤、特に2−メルカプトエタノールまたは特に2−アミノエタンチオール(システアミン)の存在下で共重合し;次いで
(b)得られたコポリマーを、エチレン性不飽和基を有する有機化合物と、例えば2−イソシアネートエチルメタクリレート(IEM)、2−ビニル−アズラクトン、2−ビニル−4,4−ジメチル−アズラクトン、アクリロイルまたは塩化メタクリロイル、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシメタクリレート(HEMA)、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレート、特にIEMまたは塩化アクリロイルと反応させること
により得られる。]
[0016] 本発明の方法によりコーティングするシリコーンヒドロゲルは、共重合された酸性の基、特に共重合されたアクリル酸部分を含むのが好ましい。共重合されたアクリル酸部分を含むシリコーンヒドロゲルは、上述の工程(i)において、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA、第一親水性モノマー)およびアクリル酸(AA;別の親水性モノマー)を共重合すれば得ることができる。]
[0017] 本発明によれば、パッケージ溶液は眼に安全である水溶液でよい。コンタクトレンズを滅菌および保存する水溶液に関して、用語「眼に安全である」とは、その溶液に保存されたコンタクトレンズをすすがないで肉眼に直接装着することに対して安全であることを意味し、すなわち、その溶液が、コンタクトレンズを介する眼との毎日の接触に対して安全かつ十分に快適であることである。眼に安全な溶液は、肉眼と適合する張度およびpHを有し、国際ISO規格および米国FDA規制にしたがって、細胞に有毒でない材料およびその量を含む。]
[0018] 用語「眼と適合する」とは、肉眼に有意な損傷を与えることなく、かつ使用者の有意な不快を伴わずに、長期間、肉眼とじかに接触することができる溶液を意味する。]
[0019] 「平均接触角」とは、少なくとも3個の個々のコンタクトレンズの測定値を平均することによって得られる、水の接触角(Sessile Drop法により測定)を指す。]
[0020] コンタクトレンズの保存には、例えば、バイアル、ブリスターパッケージまたは均等物を含む、様々なパッケージを用いることができる。特に、いわゆるブリスターパッケージは、コンタクトレンズの保存および小分けに広く用いられる。通常、コンタクトレンズの保存および小分け用ブリスターパッケージは、キャビティの縁の周囲の突き出した平面フランジにより囲まれた、成形されたキャビティを組み入れた射出成形または熱成形されたプラスチックベース部分を含む。プラスチックベース部分は、プラスチック材料製である。軟質のカバーシートをフランジの表面に接着して、通常液密状態にキャビティをシールまたは密閉する。ベース部分のキャビティ内で、コンタクトレンズを、滅菌水溶液、例えば等張生理食塩水溶液に浸漬する。]
[0021] 本発明によれば、パッケージ溶液は、種々の方法で製造することができる。パッケージ溶液は、好ましくは、コーティング材料(例えば、架橋剤および場合によりキトサン)を溶解することにより形成することができる。溶液中のコーティング材料の濃度は、通常、使用する特定の材料、所望のコーティング厚さ、および他の多数の要因に応じて変えることができる。コーティング材料の比較的希薄な水溶液を配合するのが一般的であろう。例えば、コーティング材料の濃度は、約0.0001〜約0.25重量%、約0.005〜約0.10重量%、または約0.01〜約0.05重量%とすることができる。]
[0022] コーティングの種々の特性、例えば厚さを変えるために、コーティング材料の分子量を変えることができる。具体的には、分子量が増大するにつれて、コーティング厚さは通常厚くなる。]
[0023] パッケージ溶液は、緩衝剤を含有するのが好ましい。緩衝剤は、pHを、好ましくは、所望の範囲、例えば、生理学的に許容される範囲である約6.3〜約7.8、好ましくは6.5〜7.6、さらに好ましくは6.8〜7.4に維持する。任意の、生理学的に適合性のある公知の緩衝剤を用いることができる。本発明によるパッケージ溶液の成分として適切な緩衝剤は、当業者に公知である。例として、ホウ酸、ホウ酸塩、例えばホウ酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸塩、例えばクエン酸カリウム、重炭酸塩、例えば重炭酸ナトリウム、リン酸緩衝液(例えばNa2HPO4、NaH2PO4、Na2HPO4、およびKH2PO4、TRIS(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、2−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、ビス−アミノポリオール、トリエタノールアミン、ACES(N−(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸)、BES(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸)、HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)、MES(2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸)、MOPS(3−[N−モルホリノ]−プロパンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸))、TES(N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−2−アミノエタンスルホン酸)、およびそれらの塩がある。各緩衝剤の量は、所望のpHを達成するのに有効な必要量である。典型的には、0.001〜2%、好ましくは0.01〜1%、最も好ましくは約0.05〜約0.30重量%の量で含まれる。]
[0024] パッケージ溶液は、それらが涙液と等張であるように配合される。涙液と等張である溶液とは、一般に、その濃度が0.9%の塩化ナトリウム溶液の濃度に相当する溶液であると理解される。]
[0025] 涙液との等張性、またはさらに別の望ましい張度は、張度に影響を及ぼす有機または無機物質を添加することにより調節することができる。肉眼に許容できる適切な張度調節剤として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)(分子量約400ダルトン以下)、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。溶液の張度は、典型的には、約200〜約450ミリオスモル(mOsm)、好ましくは約200〜450mOsm、好ましくは約250〜350mOsmの範囲であるように調節する。]
[0026] 短いサイクル時間の要件に適合するために、本発明の工程(bおよびii)による生物医学用物品とC2〜C4−アルコールとの接触は、好ましくは、5分以下、好ましくは1分以下、より好ましくは30秒以下の処理期間を用いて行う。しかし、悪影響を伴わずに、より長い処理期間を利用できる。適切なC2〜C4−アルコールは、例えば、エタノール、1−または2−プロパノール、特にエタノールである。上述のC2〜C4−アルコール2種以上の混合物を用いることもできる。生物医学用物品とC2〜C4−アルコールとの接触は、用いる溶剤および特定のシリコーンヒドロゲルに応じて、環境条件下または高温で、適切に行う。例えば、温度10〜90℃、好ましくは15℃〜75℃を用いる。特に好ましくは、エタノールを、温度15℃〜30℃で1分以下の期間にわたって用いるか、または2−プロパノールを、温度60℃〜75℃で、10分以下、特に1分以下の期間にわたって用いる。]
[0027] 本発明の工程(cおよびiii)のキトサン溶液は、好ましくは、pH値が5.5〜6.5、特に5.8〜6.3の範囲にある水溶液である。脱アセチル化および純度の程度が様々なキトサンを用いることができる。]
[0028] 本発明の工程(dおよびiv)における架橋剤として、天然架橋剤、例えばゲニピン(genipin)、または2個以上のアルデヒド基を有する多価アルデヒド(multialdehyde)またはホルムアルデヒドを使用することができる。好ましい多価アルデヒドは、ジアルデヒド、特に脂肪族C2〜C10−ジアルデヒドである。特に好ましいC2〜C10−ジアルデヒドは、例えば、グリオキサール、マロンジアルデヒドおよびグルタルジアルデヒド(glutardialdhyde)である。特に好ましい架橋剤は、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒドおよびゲニピンである。最も好ましい架橋剤は、グルタルジアルデヒドまたはホルムアルデヒドである。]
[0029] ゲニピンは、果実(クチナシ(Gardenia jasmindides Ellis))に含まれるイリドイド配糖体である。これは、他の所に記載されているように、天然源から単離することができる親化合物ゲニポシド(geniposide)から得ることができる。ゲニポシドのアグリコン(aglycone)であるゲニピンは、ゲニポシドから、酸化の後、還元および加水分解または酵素加水分解により製造することができる。あるいはまた、ラセミゲニピンを合成により製造することができる。ゲニピンの天然の立体配置、任意のゲニピンの立体異性体または立体異性体の混合物を、本発明による架橋試薬として用いることができる。]
[0030] 本発明の手順Iにおける工程(b)〜(d)または手順IIにおける(ii)〜(iii)での「接触」は、それ自体公知の方法により行うことができる。例えば、生物医学用物品を処理溶液に浸漬するか、あるいは処理溶液を、例えば浸漬、噴霧、印刷、塗布、流し込み、ローリングまたはスピンコーティングにより、生物医学用物品表面に付着する、噴霧または特に浸漬が好ましい。処理溶液は、生物医学用物品用パッケージ溶液とすることができる。]
[0031] 本発明の方法の手順Iにおける工程(e)または手順IIにおける(v)のオートクレーブ処理プロセスは、100℃以上の温度で約15分〜約5時間の期間行うのが好ましい。110〜130℃で、約15分〜約3時間オートクレーブ処理することにより架橋することを達成するのが特に好ましい。]
[0032] したがって、1態様では、本発明は、手順IまたはIIにより医療用物品をコーティングする方法であって、手順Iが、
(a)未コーティングの医療用物品を用意し、前記物品がカルボン酸基を含有するシリコーンヒドロゲル製の疎水性バルク材料を含む;
(b)前記医療用物品を、エタノール、1−プロパノールおよび2−プロパノールよりなる群から選択されるC2〜C4アルコールと、温度15℃〜75℃で5分以下の期間接触させる;
(c)工程(b)で処理した前記医療用物品を、pH値が5.8〜6.3の範囲にあるキトサンを含む溶液と接触させて、前記医療用物品上にキトサンの非共有結合コーティングを形成し;
(d)前記キトサンコーティングを備える前記医療用物品を、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒドおよびゲニピンよりなる群から選択される架橋剤を含むパッケージ溶液を含有するレンズパッケージ中で接触させる;そして
(e)前記医療用物品と前記パッキング溶液とをその中に有する該パッケージを、オートクレーブ処理する
工程を含み、前記医療用物品をコーティングする前記キトサンは、前記架橋剤を介して、前記医療用物品表面上のカルボン酸基に共有結合され、前記結果として得られる医療用物品は、約80°以下の平均水接触角で特徴づけられる親水性を有し、
手順IIが、
(i)未コーティングの医療用物品を用意し、前記物品が、カルボン酸基を含有するシリコーンヒドロゲル製の疎水性バルク材料を含み;
(ii)前記医療用物品を、エタノール、1−プロパノールおよび2−プロパノールよりなる群から選択されるC2〜C4アルコールと、温度15℃〜75℃で5分以下の期間接触させ;
(iii)場合により、工程(ii)で処理した前記医療用物品を、pH値が5.8〜6.3の範囲にあるキトサンを含む溶液と接触させて、前記医療用物品上にキトサンの非共有結合コーティングを形成し;
(iv)工程(ii)または工程(ii)および(iii)で処理した前記コンタクトレンズを、キトサンとグルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒドおよびゲニピンよりなる群から選択される架橋剤を含むパッケージ溶液とを含有するレンズパッケージ中で接触させる;そして
(v)前記医療用物品とパッキング溶液とをその中に有する該パッケージを、オートクレーブ処理する
工程を含み、これにより、前記架橋剤の存在下で前記キトサンと前記医療用物品表面上のカルボン酸基との反応から得られた共有結合されたコーティングが形成し、前記結果として得られる医療用物品は、約80°以下の平均水接触角で特徴づけられる親水性を有する、医療用物品をコーティングする方法に関する。]
[0033] 本発明の方法によれば、従来技術の利点を越える予期せざる様々な利点を有する生物医学用物品、特に肉眼用物品が得られるので、その物品を、例えば長期装着用コンタクトレンズとしての実用的な目的にとって、非常に適したものにする。例えば、それらは高い表面湿潤性および減摩性を有している。これは、例えば、非常に滑りやすい物品表面を示す指先試験(finger tip test)により;または目視検査により;または適切な接触角の測定により示すことができる。例えば、コーティングされたおよび未コーティングのレンズの静滴法による静的接触角(sessile drop static contact angle)を、Kruess製DSA10 drop shape analysis system(Kruess GmbH, hamburg, Germany)を用いて測定する。未コーティングのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、一般に90〜100°以上の水の接触角を有するが、本発明の方法による処理は、この値を有意に低減する。本発明の方法により得ることができる表面コーティングの優れた品質を評価するための別のツールは、実施例の項で後述するようなSudan Black染料吸収試験である。]
[0034] 本発明による表面処理が通常、下側の有機バルク材料の特性に影響を及ぼさないことは、特に驚きである。従来技術のコーティングプロセスは、多くの場合、物品特性、例えば透明度、イオン透過性、酸素透過性、含水量またはデバイス形状(例えば、コンタクトレンズの直径)に影響を及ぼすが、これらのパラメータは、本発明の方法により影響を受けないか、少なくとも有意な影響を受けない。]
[0035] 前述の開示は、当業者が本発明を実施できるようにするであろう。読者が具体的な態様およびその利点をより理解することができるように、以下の実施例を参照することを勧める。]
[0036] 実施例
実施例1:レンズバルク材料に共重合されたアクリル酸(acrylc acid)部分を含むソフトシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造
(a)PDMS架橋剤Iの製造
4Lのビーカー中、Na2CO3 24.13g、NaCl 80g、および脱イオン水1.52kgを混合して溶解した。別の4Lのビーカー中、ビス−3−アミノプロピル−ポリジメチルシロキサン(Shin-Etsu、MW約11500)700gを、ヘキサン1000gに溶解した。4Lの反応器に、タービン攪拌器付きの上部攪拌装置、およびミクロフローコントローラ付きの250mLの添加漏斗を備え付けた。次に、2種の溶液をこの反応器に入れ、激しく攪拌しながら15分混合してエマルションを得た。塩化アクリロイル14.5gをヘキサン100mLに溶解し、添加漏斗に入れた。激しく攪拌しながら、塩化アクリロイル溶液をエマルションに1時間かけて滴下した。滴下が完了したら、エマルションを30分攪拌し、次に攪拌を止め、相を一晩分離させておいた。水性相を傾斜法(デカンテーション)に付し、有機相を、水に溶解した2.5%NaClの混合物2.0kgで2回洗浄した。次に、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過(1.0μm除外)し、ロータリーエバポレータで濃縮した。得られた油状物を、恒量まで高真空乾燥することによりさらに精製した。得られた生成物の滴定による分析から、C=C二重結合0.175mEq/gであることが分かった。]
[0037] (b)PDMS架橋剤IIの製造
4Lのビーカー中、Na2CO3 61.73g、NaCl 80g、および脱イオン水1.52kgを混合して溶解した。別の4Lのビーカー中、ビス−3−アミノプロピル−ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloaxane)(Shin-Etsu、MW約4500)700gを、ヘキサン1000gに溶解した。4Lの反応器に、タービン攪拌器付きの上部攪拌装置、およびミクロフローコントローラ付きの250mLの添加漏斗を備え付けた。次に2種の溶液を、この反応器に入れ、激しく攪拌しながら15分混合してエマルションを得た。塩化アクリロイル36.6gをヘキサン100mLに溶解し、添加漏斗に入れた。激しく攪拌しながら、塩化アクリロイル溶液をエマルションに1時間かけて滴下した。滴下が完了したら、エマルションを30分攪拌し、次に攪拌を止め、相を一晩分離させておいた。水性相をデカンテーションし、有機相を、水に溶解した2.5%NaClの混合物2.0kgで2回洗浄した。次に、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過(1.0μm除外)し、ロータリーエバポレータで濃縮した。得られた油状物を、恒量まで高真空乾燥することにより、さらに精製した。得られた生成物の滴定による分析から、C=C二重結合0.435mEq/gであることが分かった。]
[0038] (c)架橋性コポリマーの製造
2Lのジャケット付き反応器に、加熱/冷却ループ、セプタム入口アダプター、N2入口アダプター付きの還流冷却器、および上部攪拌装置を備え付けた。セクション(a)に記載した手順で製造したPDMS架橋剤I 48.76g、およびセクション(b)に記載した手順で製造したPDMS架橋剤II 17.71gを、1−プロパノール150gに溶かすことにより、溶液を作製した。この溶液を反応器に入れ、8℃に冷却した。この溶液を、5mBar未満に排気し、15分間真空に保ち、次に乾燥窒素で再加圧することにより脱ガスした。この脱ガス操作を合計5回繰り返した。]
[0039] 電磁攪拌装置、およびバルブ付きの真空入口アダプターを備えた500mLの別のフラスコ中、システアミン塩酸塩1.93gを1−プロパノール300mLに溶解した。電磁攪拌装置、およびバルブ付きの真空入口アダプターを備えた別の500mLのフラスコ中、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)36.63gおよびアクリル酸(AA)2.14gの溶液を、1−プロパノール300mLに溶解した。同様に装備された第3のフラスコ中、AIBN(0.35g)を1−プロパノール15Ogに溶解した。3種の溶液を全て、60mBarまで排気し、5分間真空に保ち、次に窒素で再加圧することにより2回脱ガスした。]
[0040] 窒素の正の流れの下、反応器を開けて、システアミン塩酸塩、HEA/AA、およびAIBN溶液を反応器に入れた。反応器を、やはり8℃に維持し、5mBar未満に排気して5分間維持し、次に窒素で再加圧することにより脱ガスした。合計4回の脱ガスサイクルを行った。次に、反応器を68℃に加熱し、この温度で窒素下攪拌しながら、16時間保持した。次に、反応混合物をフラスコに移し、ロータリーエバポレータで、40℃/100mBarで真空除去して、1−プロパノールを除いた。まず、1−プロパノール500gを除去した後、水500gを攪拌しながらゆっくり加えて、エマルションを作製した。次に、留出物200gがたまるまで、エマルションから1−プロパノールをさらに取り去った。水200gをエマルションに再び戻し、溶剤交換を続けて最終留出物200gがためられた。次に得られたエマルションを2.0kgに希釈した。]
[0041] 次に、このエマルションを、上部攪拌装置、冷却ループ、温度計、およびPHメーター、並びにMetrohm Model 718 STATTitrinoのディスペンシンングチップを備えた2Lの反応器に入れた。次に、反応混合物を1℃に冷却した。NaHCO3 1.5gをエマルションに入れ、攪拌して溶かした。Titrinoを、15%の水酸化ナトリウム溶液の断続的な添加により、pHを9.5に維持するように設定した。次に、塩化アクリロイル6.2mLを、注射器ポンプを用いて1時間かけて加えた。エマルションをさらに1時間攪拌し、そしてTitrinoを、塩酸の15%溶液を添加することにより、反応混合物を中和した。次に、エマルションを反応器から排出し、3.5Lに希釈し、ろ過(16μm除外)した。エマルションを、ダイアフィルトレーション(公称カットオフ分子量、10,000D)により脱イオン水を用いて、透過電導度(permeate conductance)が2.5μS/cm未満になるまで精製し、ポリマーを凍結乾燥により単離した。]
[0042] (d)コンタクトレンズの製造
工程Aからのポリマー15.73gを1−プロパノール約320mLに溶解し、次に硫酸マグネシウム1.5gで乾燥し、ガラスろ過器を用いてろ過(17μm除外)した。溶液312.25gを固形分4.61%で回収した。2−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエチル−2−メチルプロピオフェノン(IRGACURE(登録商標)-2959、Ciba Specialty Chemicals)の1%溶液3.61gを加え、次にこの溶液を最終重量20.57g(固形分70%)まで濃縮した。]
[0043] 上の配合物を用いて、次のようにレンズを注型した。配合物200mgをポリ(プロピレン)型に添加し、その鋳型を閉じた。次に型に強度2.01mW/cm2の紫外線光源を18秒照射した。]
[0044] 次に鋳型を開け、レンズが付着した型半を、80%イソプロパノール、20%水(v/v)の混合物に一晩浸漬した。この溶剤混合物を用いて、レンズを型から洗い出し、次に、イソプロパノール/水混合物の未使用部分(アリコート)中で、各2時間、2回すすいだ。レンズの水気を切り、次に脱イオン水に浸漬することにより水和した。次に、これらを純水(3.0mL/レンズ)中で、2時間、3回すすいだ。]
[0045] 実施例2:レンズバルク材料中に共重合されたカルボン酸部分のないソフトシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造
(a)架橋性コポリマーの製造
2Lのジャケット付き反応器に、加熱/冷却ループ、還流冷却器、N2注入/真空アダプター、供給管アダプター、および上部機械攪拌装置を備え付けた。実施例1(a)にしたがって製造したPDMS架橋剤I 90.00g、および実施例1(b)にしたがって製造したPDMS架橋剤II 30.00gを1−プロパノール480gに溶かすことにより、溶液を作製した。この溶液を反応器に入れ、8℃に冷却した。この溶液を、15mBar未満に排気し、15分間真空に保ち、次に乾燥窒素で再加圧することにより脱ガスした。この脱ガス操作を合計3回繰り返した。反応器を乾燥窒素のシール下に保持した。]
[0046] 別のフラスコ中、システアミン塩酸塩1.50g、AIBN 0.3g、DMA55.275g、HEA 18.43g、および1−プロパノール364.5gを混合することにより、モノマー溶液を調製した。この溶液を、Waterman 540濾紙でろ過し、次に、脱ガスユニットおよびHPLCポンプを通して、流量3.0mL/分で反応器に加えた。次に、反応温度を加熱ランプ約1時間で68℃に上げた。]
[0047] もう一つのフラスコ中、システアミン塩酸塩4.5gおよび1−プロパノール395.5gを混合し、次にWaterman 540濾紙でろ過することにより供給溶液を調製した。反応器温度が68℃に達したとき、この溶液を反応器に、脱ガス装置/HPLポンプを介して、3時間かけてゆっくり添加した。次に、反応を68℃でさらに3時間続け、その直後に反応をやめ、反応器を室温に放冷した。]
[0048] 反応混合物をフラスコに移し、ロータリーエバポレータで、サンプル1000gが残るまで、溶剤を真空下40℃で除去した。次に、溶液を、高速で攪拌しながら、脱イオン水2000gとゆっくり混合した。さらに、追加溶剤をサンプル約2000gが残るまで除去した。この除去プロセスの間、溶液は徐々にエマルション化した。得られた材料を、限外ろ過により10kD分子量カットオフ膜で、透過電導度が2.5μS/cm未満になるまで精製した。]
[0049] 次に、このエマルションを、上部攪拌装置、冷却ループ、温度計、およびPHメーター、並びにMetrohm Model 718 STATTitrinoのディスペンシンングチップを備えた2Lの反応器に入れた。次に、反応混合物を1℃に冷却した。NaHCO3 7.99gをエマルションに入れ、攪拌して溶かした。Titrinoを、15%の水酸化ナトリウム溶液の断続的な添加により、pH9.5に維持するように設定した。次に、塩化アクリロイル11.59mLを、注射器ポンプを用いて1時間かけて加えた。エマルションをさらに1時間攪拌し、そしてTitrinoを、塩酸の15%溶液を添加することにより、反応混合物を中和するように設定した。生成物を、10kD分子量カットオフ膜を用いる限外ろ過により、透過電導度が2.5μS/cm未満になるまで再び精製した。最終マクロモノマーを、凍結乾燥により単離した。]
[0050] (b)コンタクトレンズの製造
工程(a)により得られたポリマー18.83gを1−プロパノール約200mLに溶解し、約70gの合計溶液重量まで濃縮し、ろ過(0.45μm除外)した。溶液67.94gを固形分26.53%で回収した。2−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエチル−2−メチルプロピオフェノン(IRGACURE(登録商標)-2959、Ciba Specialty Chemicals)の1%溶液4.503gを加え、次に溶液を固形分60%の最終配合物に濃縮した。]
[0051] この配合物200mgをポリ(プロピレン)コンタクトレンズ型に添加し、鋳型を閉じた。次に、鋳型に強度2.18mW/cm2の紫外線光源を15秒照射した。次に鋳型を開け、コンタクトレンズを型半から取り出した。]
[0052] 実施例3:表面に架橋キトサンコーティングが結合されたソフトシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造
実施例1(d)にしたがって製造した、レンズバルク材料中に共重合されたアクリル酸を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを、イソプロパノールに75℃で10分間浸漬し、次にカニ殻からの85%の脱アセチル化キトサン(Sigma-Aldrich)のpH6.3の0.04%水溶液に直接移した。5.8%グルタルジアルデヒド溶液100μlを直接加え、レンズを121℃、1barで30分オートクレーブ処理した。コーティングされたレンズを、目視による湿潤性および親水性試験(表面のラビング有りおよび無し)、並びに接触角測定およびSudan Black汚染試験により調べた。結果を実施例7、表1にまとめる。]
[0053] 実施例4:(比較)イソプロパノール中での前処理を伴わないコーティング手順
イソプロパノール中での浸漬工程を省いたほかは、実施例3によるコーティング手順を繰り返した。結果を実施例7、表1にまとめる。]
[0054] 実施例5:表面に架橋キトサンコーティングが結合されたソフトシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造
実施例2の方法により製造したバルク材料中にイオン基が全くないシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを、エタノール中、室温で1分間インキュベートし、次に85%の脱アセチル化キトサン(HydagenHCMF, Fa. Cognis)のpH6の0.04%溶液に直接移した。リン酸緩衝生理食塩水中のホルムアルデヒド2%溶液100μlを直接に加え、レンズを121℃、1barで30分オートクレーブ処理した。
結果を実施例7、表1にまとめる。]
[0055] 実施例6:表面に架橋キトサンコーティングが結合されたソフトシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造
実施例2の方法により製造したバルク材料中にイオン基が全くないシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを、エタノール中、室温で1分間インキュベートし、次に85%の脱アセチル化キトサン(HydagenHCMF, Fa. Cognis)のpH6の0.04%溶液に直接移した。リン酸緩衝生理食塩水中のグルタルジアルデヒド5.6%溶液100μlを直接に加え、レンズを121℃、1barで30分オートクレーブ処理した。
結果を実施例7、表1にまとめる。]
[0056] 実施例7:表面特性決定
(i)湿潤性
コンタクトレンズの目視検査による定性的評価。順位付けは、保存バイアルからピンセットを用いてレンズを取り出した後に、どれだけ速くオートクレーブ処理したコンタクトレンズの表面上の保存溶液のフィルムが消えるかの観測に基づいている。
0=ぬれなし、すなわち表面上のフィルムなし、せいぜい液滴
1=ぬれ僅かまたは部分的;フィルムは存在するが、ほぼ即座に(5秒未満)破れる
2=ぬれ良好;表面上のフィルムが存在しやや安定である(フィルム破れ5秒超え)]
[0057] (ii)減摩性
レンズ表面を指先と接触させることによる定性的評価。
0=粘着性表面または摩擦面
1=粘着性/減摩性に関して普通の表面
2=滑りやすい表面]
[0058] (iii)水の接触角
測定を、静滴法により、DSA10 drop shape analysis system(Kruess GmbH, Germany製)を用いて、純水(Fluka、表面張力72.5mN/M、20℃)で行った。測定するために、ピンセットを用いて保存溶液からコンタクトレンズを取り出し、静かに振って過剰な保存溶液を除いた。コンタクトレンズをコンタクトレンズ型のオス部分上に置き、乾いたきれいな布で静かに拭き取った。次に、水滴(約1μl)をレンズ頂点に添加し、この水滴の接触角の経時的な変化[WCA(t)、サークルフィッティングモード(circle fitting mode)]を追跡した;WCAは、グラフWCA(t)をt=0に外挿することにより算出した。]
[0059] (iv)Sudan Black染料吸収試験
Sudan Black B(Aldrich)0.5gをビタミンE油100gに、攪拌しながら一晩溶かすことにより、0.5%(w/w)Sudan Black染料溶液を調製した。測定するために、表面処理したレンズをまず第1に、ガラス瓶中、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.2)2mL中で、オートクレーブ処理した(30分、121℃)。次に、ピンセットを用いてコンタクトレンズを溶液から取り出し、表面の水のほとんどが取り除かれるように静かに振った。次に、レンズを、上で調製したSudan Black染料溶液中に5分間入れた。その後レンズを染料浴から取り出し、過剰な染料溶液を温水を用いて洗い流した。レンズを空気乾燥し、その汚染の度合いにより評価した。
2=汚染が無いかまたはほとんど無い
1=わずかな汚染
0=かなりの汚染]
[0060] 実施例2〜6でコーティングされたコンタクトレンズ、および対応する未コーティングのコンタクトレンズ(対照)を用いて得た値を、次の表1にまとめる。]
実施例

[0061] ]
权利要求:

請求項1
手順IまたはIIにより医療用物品をコーティングする方法であって、手順Iが、(a)未コーティングの医療用物品を用意し、前記物品がカルボン酸基を含有するシリコーンヒドロゲル製の疎水性バルク材料を含み;(b)前記医療用物品をC2〜C4アルコールと所定期間接触させる;(c)工程(b)で処理した前記医療用物品を、キトサンを含む溶液と接触させて、前記医療用物品上にキトサンの非共有結合コーティングを形成する;(d)前記キトサンコーティングを備える前記医療用物品を、脂肪族のC2〜C10−ジアルデヒド、ホルムアルデヒドおよびゲニピン(genipin)よりなる群から選択される架橋剤を含むパッケージ溶液を含有するレンズパッケージ中で接触させる;そして(e)前記医療用物品とパッキング溶液とをその中に有する該パッケージを、オートクレーブ処理する工程を含み、前記医療用物品をコーティングするキトサンは、架橋剤を介して、前記医療用物品表面上のカルボン酸基に共有結合され、前記結果として得られる医療用物品は、約80°以下の平均水接触角で特徴づけられる親水性を有し、手順IIが、(i)未コーティングの医療用物品を用意し、前記物品がカルボン酸基を含有するシリコーンヒドロゲル製の疎水性バルク材料を含み;(ii)前記医療用物品をC2〜C4アルコールと所定期間接触させる;(iii)場合により、工程(ii)で処理した前記医療用物品を、キトサンを含む溶液と接触させて、前記医療用物品上にキトサンの非共有結合コーティングを形成する;(iv)工程(ii)または工程(ii)および(iii)で処理した前記コンタクトレンズを、キトサンと脂肪族のC2〜C10−ジアルデヒド、ホルムアルデヒドおよびゲニピンよりなる群から選択される架橋剤とを含むパッケージ溶液を含有するレンズパッケージ中で接触させる;そして(v)前記医療用物品と前記パッキング溶液とをその中に有する該パッケージを、オートクレーブ処理する工程を含み、これにより、前記架橋剤の存在下で、キトサンと前記医療用物品表面上のカルボン酸基との反応から得られた共有結合されたコーティングが形成し、前記結果として得られる医療用物品は、約80°以下の平均水接触角で特徴づけられる親水性を有する、医療用物品をコーティングする方法。
請求項2
前記工程(b)が、温度15℃〜75℃で、5分以下の期間行われ、前記C2〜C4アルコールが、エタノール、1−プロパノールおよび2−プロパノールよりなる群から選択され、前記キトサン溶液が5.8〜6.3の範囲のpH値を有し、前記架橋剤が、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒドおよびゲニピンよりなる群から選択される、手順Iを含む請求項1の方法。
請求項3
前記工程(ii)が、温度15℃〜75℃で、5分以下の期間行われ、前記C2〜C4アルコールが、エタノール、1−プロパノールおよび2−プロパノールよりなる群から選択され;前記キトサン溶液が5.8〜6.3の範囲のpH値を有し;前記架橋剤が、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒドおよびゲニピンよりなる群から選択される手順IIを含む、請求項1の方法。
請求項4
前記医療用物品が、ソフトコンタクトレンズである、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
請求項5
前記シリコーンヒドロゲルが、共重合されたアクリル酸部分を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
請求項6
前記架橋剤が、グルタルジアルデヒド(glutardialdhyde)である、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
請求項7
前記物品を2−プロパノールと、温度6O℃〜75℃で、1分以下の期間にわたって接触させる、請求項6記載の方法。
請求項8
前記架橋剤がホルムアルデヒドである、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
請求項9
前記物品をエタノールと、温度15℃〜30℃で、1分以下の期間にわたって接触させる、請求項8記載の方法。
請求項10
前記架橋剤がゲニピンである、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
請求項11
請求項1〜10のいずれか1項記載の方法により得られる物品。
請求項12
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである、請求項11の物品。
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