专利摘要:
カルボン酸のエステルを使用して炭化水素供給原料から金属を除去する方法、及び、そのための添加剤が提供されており、カルシウム及びナフテン酸カルシウム等、金属及びその塩を含有する原油等の炭化水素流が、効果的な金属除去量の非沈殿及び汚れのない添加剤の水抽出液と混ぜ合わされ、前記添加剤は、マレイン酸、無水マレイン酸、若しくは、フマル酸等、3種類のカルボン酸のうちいずれかのメチル、エチル、プロピル、若しくは、イソプロピルのモノ及び/又はジエステル、該エステルの適切な組合せ、又は、前記3種類の酸のいずれかと前記エステルのうちいずれかとの適切な組合せから成る群から選択される化学化合物を含み、炭化水素相及び金属イオンを含有する水性相の形成を可能にし、さらに、水性相を分離している。
公开号:JP2011510151A
申请号:JP2010543631
申请日:2009-01-23
公开日:2011-03-31
发明作者:マヘッシ,サブラマニヤム
申请人:ドルフ ケタール ケミカルズ(I) プライベート リミテッド;
IPC主号:C10G21-16
专利说明:

[0001] 本発明は、一般に、炭化水素産業の分野に関し、特に、炭化水素供給原料からの金属の除去に関し、とりわけ、炭化水素供給原料からのカルシウムの除去に関する。]
背景技術

[0002] 原油の価格上昇を考慮すると、精油業者は、DOBA等のオポチュニティ原油(opportunity crude)を競争力のあるものになるよう処理するように強制される。しかし、これらのオポチュニティ原油は、熱交換器の汚れ、廃水処理の難しさ、特定の金属塩による触媒の中毒、及び、その他の問題等、多くの問題を引き起こす。]
[0003] 金属の間で、カルシウムは、最新の精油装置での処理を使用して取り組むことができない非常に深刻な問題を引き起こす。カルシウムは、以下にナフテン酸カルシウムと呼ばれるナフテン酸のカルシウム複合体として原油に存在する。ナフテン酸カルシウムは、通常の脱塩処理の間、原油から除去されない。多量のナフテン酸カルシウムを含有する原油の種類の例は、Shengli No.2等の中国からの原油;西アフリカからのDOBA;北海からのGryphon and Harding crude oil;及び、アメリカ合衆国の西海岸からのSJV;である。]
[0004] 石油精製所では、原油の脱塩が何年もの間実行されてきた。原油は、通常、カルシウム、亜鉛、珪素、ニッケル、ナトリウム、カリウム、及び、その他の金属を含めた金属を含むいくつかの供給源から汚染される。]
[0005] 脱塩は、これらの化合物及び他の無機材料を除去するためのさらなる処理に先立ち必要であり、さもなければ、下流の熱交換器の機器において汚れ及び堆積を生じ、並びに/又は、原油処理機器に有害な腐食性の塩を形成する。さらに、これらの金属は、下流の精油ユニットに使用される触媒に対する有害物質として作用し得る。効果的な原油の脱塩は、原油ユニット及び下流の作業に対するこれらの汚染物質の影響を最小にするよう寄与することができる。適切な脱塩装置の運転により、精油業者に対して以下の利益:
(a)減少した原油ユニットの腐食
(b)減少した原油予熱システムの汚れ
(c)減少した、蒸留塔へのダメージの可能性
(d)減少したエネルギーコスト
(e)減少した下流の処理及び製品汚染
が提供される。]
[0006] 脱塩は、原油に付随して生じる水の天然乳剤の分解であり、前記水は、混合弁を使用して約5パーセントの関連する洗浄水が前記油内に分散され別の乳剤を生じることにより原油に付随するものである。その乳剤混合物は、並直列の荷電した電極板を含有する脱塩容器内に注がれる。この配置のもと、油と水の乳剤は、印加された電場に曝露される。誘起双極子が、乳剤内の各水滴に形成され、静電引力を生じ、且つ、水滴をより大きな水滴へと併合させる。最終的に、乳剤は、2つの異なる相−油相(上層)及び水相(下層)に分解する。脱塩された原油及び排水の流れは、脱塩器から別々に排出される。]
[0007] 脱塩処理全体が、連続した流れ工程であり、バッチ処理とは反対である。通常、化学添加剤は混合弁の前に注入され、静電併合の使用に加えて、油/水の乳剤を分解するのに寄与する。これらの添加剤は、油/水の界面張力を減らすことによって、小さい水滴がより容易に合体するのを効果的に可能にする。]
[0008] 高い割合の粒状の固形物を含有する原油は、脱塩処理を複雑にし得る。粒状の固形物は、本来、水相への移動を好む。しかし、産出地帯からの原油中の固形物のほとんどが、堅固な油中水型乳剤で存在する。すなわち、原油における高濃度の油により濡れた固形物は、分解するのが困難な、堅固な油と水の乳剤を形成するのに寄与する可能性がある。これらの堅固な乳剤は、「ラグ(rag)」と呼ばれる場合が多くあり、分離された油相と水相との間の層として存在し得る。脱塩容器内部のラグ層は、その一部が不注意に水相と共に排出される程度までになり得る。これは、ラグ層が高い割合の未分解で乳化されたままの油を依然として含有しているため、下水処理場にとって問題である。]
[0009] 原油脱塩中に遭遇する固形物のほとんどが、酸化鉄、硫化鉄、砂、粘土、さらには、リン含有化合物等の粒子状物質として一般的に成り立つ。除去されることが望ましい他の金属には、必ずしもそれだけに限られるわけではないが、カルシウム、亜鉛、珪素、ニッケル、ナトリウム、カリウム等が含まれ、典型的に、いくつかのこれらの金属が存在する。前記物質のうち一部は、可溶性の形状で存在する場合があり、一部は、可溶性になるために、反応又は中和等の反応を介した変更を必要とする場合がある。金属は、無機又は有機形状で存在する場合がある。脱塩器の操作を複雑にすることに加えて、リン及び他の汚染物質は、さらなる下流処理に対する特別の関心事である。これは、コーキング作用を含み、処理された炭化水素に残る鉄及び他の金属が下級のコークス化を生じるためである。炭化水素処理の早い段階で原油から金属を除去することが、最終的に高品質のコークス化を生じるだけでなく、腐食及び汚れの処理問題を制限するためにも望ましい。]
[0010] 全体の汚染レベルを減らすためにいくつかの処理方法が試され、これら全てが、脱塩ユニットでの汚染物質の除去という点を中心に行われてきた。通常、脱塩器は、塩化ナトリウム又は塩化カリウム等の水溶性無機塩だけを除去する。]
[0011] カルシウム等の塩基性の金属は、原油に存在する場合に、暖房器具及び熱交換器の汚れを生じ、原油処理に使用される触媒の作用を阻害し得る。通常油により封じ込められた水相の中で塩化物等の無機塩として存在する場合、塩は加水分解して腐食性の鉱酸を放出することができる。精油所の脱塩器は、習慣的にそのような塩を除去する。しかし、ナフテナート及びフェノラート等の油溶性金属塩は、従来の脱塩では除去されない。従って、油溶性の塩基性金属が豊富な原油は、低いレベルのそのような金属を有した原油よりも価値が低い。金属イオン除去に対する処理は、そのような原油の価値を上げることを可能にする。]
[0012] 少しではあるがますます重要になる石油原油供給原料、残油、並びに、該石油原油供給原料及び残油由来の脱アスファルトされた油は、従来の精油技術を用いて処理するのを、不可能でないならば、難しくするレベルのカルシウム又は鉄を含有する。特定の問題を引き起こす金属汚染物質は、非ポルフィリンの有機金属的に結合された化合物の形状にある。これらの種は、天然カルシウム複合体、又は、原油に接触する回収水からの可溶化カルシウムによるものとされてきた。特に確認されたカルシウム化合物のうち1つの可能な種類は、それぞれのナフテナート及びその同族列である。これらの有機金属化合物は、通常の脱塩処理では供給原料から分離されず、従来の精油技術においては、水素化処理触媒の超高速の失活を生じ得る。高レベルのカルシウム化合物を不快にも実証する供給原料の例は、Shengli No.2等の中国からの原油;西アフリカからのDOBA;北海からのGryphon and Harding crude oil;及び、アメリカ合衆国の西海岸からのSJV;である。]
[0013] 米国特許出願第0050241996号は、炭化水素供給原料から金属鉄を除去するための、ポリ(アクリル酸)誘導体(すなわちポリマー)のみの使用を記載している。この特許は、16個の典型的な非イオン性の水溶性モノマー、27個の典型的な陰イオンのモノマー、及び、30個の陽イオンのモノマーを列挙し、陰イオンのモノマーのリストはマレイン酸及びフマル酸を含んでいるけれども、これらのモノマーの何れかを個々に又は組み合わせて使用して炭化水素供給原料から金属イオンを除去することができるということは、この特許において全く示唆も教示もされていない。この特許には、この米国特許出願の目的に対する1又は複数の水溶性ポリ(アクリル酸)誘導体のみの水溶液の使用、すなわち、ポリマーの使用に対する主張がある。]
[0014] 触媒を使用して酸のモノマーと反応させ、ポリマーの形状でその誘導体を形成することが必要であるということは当業者には既知である。これは、必要とされる時間、処理に使用される機器及び化学薬品、並びに、他の要因のため、処理の費用を増加させる。]
[0015] さらに、米国特許出願第0050241996号のポリ(アクリル酸)誘導体が使用される(すなわち、ACUMER−1000が使用される)場合に重い沈殿が生じ、処理機器の汚れが生じるということに本発明の発明者は気づいている。これは、本明細書の表6、実験番号1に提供されたデータから明らかである。また、この沈殿を防ぐためには、より多くの添加剤の供与量が要求される。供与量が多くなるに従い、費用は高くなる。沈殿する傾向を有した添加剤を使用することの他の欠点は、原油脱塩装置等の現場の機器において所望のレベルで供与量を制御するのが困難になることであり、従って、添加剤は常に超過量で使用されなければいけないことである。]
[0016] 米国特許出願第2005/0241997 A1号は、精油脱塩処理においてリン化合物の除去を増すのに有用な種々の添加剤を記載している。水溶性のヒドロキシ酸を含有する組成物を使用することによって、解乳化処理において、反応性リン種を除去するか又は炭化水素相から水相まで移すことができる。適した水溶性ヒドロキシ酸は、必ずしもそれだけに限定されないが、グリコール酸、グルコン酸、C2−C4アルファ−ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシカルボン酸、チオグリコール酸、クロロ酢酸、上記のヒドロキシ酸のポリマー形状、ポリ−グリコールエステル、グリコレートエーテル、並びに、これらのヒドロキシ酸のアンモニウム塩及びアルカリ金属塩並びにその混合物を含む。前記組成物は、任意選択で、脱塩装置の洗浄水のpHを減らすために鉱酸を含み得る。溶媒は、任意選択で、前記組成物に含むことができる。この米国特許出願は、水性相内への炭化水素のアンダーキャリー(undercarry)はほぼ又は全くなく、水性相内への反応性リン種の移動を可能にする。前記組成物は、特に、原油乳剤を処理すること、並びに、そこからカルシウム及び他の金属を除去することに有用である。]
[0017] この米国特許出願第2005/0241997 A1号は、炭化水素供給原料からの反応性リン種並びにカルシウム及び他の金属の除去に対する添加化合物としての、グリコール酸等のヒドロキシルモノカルボン酸、及び、グルコン酸のようなそのポリヒドロキシ誘導体のみの使用を教示している。しかし、これらの酸及び誘導体を添加化合物として使用することの欠点は、炭化水素供給原料由来のナフテン酸カルシウムからカルシウムを除去するために本発明者によって実行された実験からわかるように、これらの酸は、カルシウムに対して2:1のモル比で使用されることになるため、添加化合物としてより多くの供与量を要するということである。本発明者によってグルコン酸が添加化合物として使用された場合、同じモル比、すなわち2:1という非常に多いグルコン酸の供与量が要求される。]
[0018] 本発明の発明者は、大規模な実験の後、モノメチルマレエート、モノメチルオキシレート、ジメチルマレエート等の種々のジカルボン酸のエステル、並びに、クエン酸等のトリカルボン酸のエステル、さらに、ポリカルボン酸のエステルのうち何れかを使用することは、炭化水素供給原料からカルシウム及び鉄のような金属を除去することにおいて非常に効果的であることを意外にも発見した。先行技術は、この目的のために前述のエステルの使用に言及したことは今までなかった。カルボン酸のエステル全ての中から数個のエステルのみがカルシウム塩を沈殿しないということが、本発明者によって意外にも発見されている。例えば、マレイン酸のエステルは、いかなる沈殿も生じない。]
[0019] このように、先行技術は、カルボン酸の使用が炭化水素供給原料からのカルシウムの除去において効果的であるということに言及していることがわかるであろう。しかし、本発明の発明者は、カルボン酸のエステルの使用が炭化水素供給原料からのカルシウムの除去において非常に効果的であることを意外にも発見した。]
[0020] 上記のことを考慮すると、原油を含めた炭化水素供給原料からの金属汚染物質、特にカルシウムの効果的な除去に対する新たな方法を開発する必要がある。]
発明が解決しようとする課題

[0021] 従って、本発明における種々の目的及び利点が以下に記述される。]
[0022] 本発明の目的は、使用される化学化合物の供与量がより少ないため効率が上がった、経済的な方法を提供すること、及び、新規の発明、すなわち、カルシウム除去に使用されることになる添加剤を提供することである。]
[0023] 本発明の別の目的は、いくつかのカルボン酸のエステルの使用において、炭化水素相又は水相におけるカルシウム塩の沈殿を防ぐ、効率的な方法を提供すること、及び、新規の発明、すなわち、汚れがなく非腐食性の、カルシウム除去に対する添加剤を提供することである。]
[0024] さらに、本発明のさらなる目的及び利点は、続く発明の詳細な説明から明らかになる。]
課題を解決するための手段

[0025] カルボン酸のエステルを使用して炭化水素供給原料から金属を除去する方法、及び、前記除去に対する添加剤が提供されており、カルシウム及びナフテン酸カルシウム等、金属並びにその塩を含有する原油等の炭化水素流が、効果的な金属除去量の非沈殿及び汚れのない添加剤の水抽出液と混ぜ合わされ、前記添加剤は、マレイン酸、無水マレイン酸、若しくは、フマル酸等、3種類のカルボン酸のうち何れかのメチル、エチル、プロピル、若しくは、イソプロピルのモノ及び/又はジエステル、該エステルの適切な組合せ、又は、前記3種類の酸の何れかと前記エステルのいずれかとの適切な組合せから成る群から選択される化学化合物を含み、炭化水素相及び金属イオンを含有する水性相の形成、並びに、水性相の分離を可能にしている。]
[0026] 付随の図面の簡単な説明が以下に与えられる。]
図面の簡単な説明

[0027] ナフテン酸の代表的なFTIRスペクトルを示している。
反応後の(炉乾燥させた)有機層の代表的なFTIRスペクトルを示している。
反応前の有機層[(炉乾燥させた)トルエン中のナフテン酸Ca]の代表的なFTIRスペクトルを示している。
乾燥させたメタノール及び水中の無水マレイン酸の代表的なFTIRスペクトルを示している。
マレイン酸の代表的なFTIRスペクトルを示している。
乾燥させたメタノール中の無水マレイン酸の代表的なFTIRスペクトルを示している。
ナフテン酸カルシウムの不完全な加水分解の代表的なFTIRスペクトルを示している。
ナフテン酸カルシウムの部分的な加水分解の代表的なFTIRスペクトルを示している。
ナフテン酸カルシウムの実質的な加水分解の代表的なFTIRスペクトルを示している。
ナフテン酸カルシウムのほぼ完全な加水分解の代表的なFTIRスペクトルを示している。]
[0028] 炭化水素供給原料からカルシウムを除去するための本発明の方法では、効果的な金属除去量の非沈殿及び汚れのない水抽出液を含む添加剤が使用され、前記添加剤は、マレイン酸、無水マレイン酸、若しくは、フマル酸等、3種類の酸のうち何れかのメチル、エチル、プロピル、若しくは、イソプロピルのモノ及び/又はジエステル、該エステルの適切な組合せ、又は、前記3種類の酸の何れかと前記エステルのうち何れかとの適切な組合せから成る群から選択される化学化合物を含み、炭化水素相及び金属イオンを含有する水性相の形成を可能にしている。本発明によると、これらのエステルを使用して、炭化水素相から、特に、炭化水素に存在するナフテン酸カルシウムからカルシウムを効果的に除去する。]
[0029] 本発明の最も好ましい実施形態によると、炭化水素供給原料からカルシウムを除去する当該方法は:
(a)原油脱塩装置において、純の形状、水性の形状、又は、溶液での前述のエステル及びその適切な混合物等の化学化合物のうち何れか1つである本発明の添加剤を、炭化水素、ナフテン酸カルシウム等の金属及びその塩を含有する原油等のいかなる炭化水素供給原料の流れとも混ぜ合わせるステップ;
(b)前述の添加剤と炭化水素供給原料とを化学反応させるステップ;
(c)2つの相、すなわち、水性相及び炭化水素相を形成させるステップ;
(d)ステップ(c)の2つの相を分離するか、又は、それらが分離するのを可能にするステップ;
を含む。]
[0030] 例は、本発明のこの実施形態の適用を例示するためだけに含まれており、本発明の範囲を限定するために含まれているわけではない。]
[0031] 本発明の別の実施形態によると、炭化水素供給原料からカルシウムを除去する当該方法は:
(a)原油脱塩装置において、純の形状、水性の形状、又は、溶液での前述のエステル又はその適切な混合物等の化学化合物のうち何れか1つである本発明の添加剤を、炭化水素、ナフテン酸カルシウム等の金属及びその塩を含有する原油等のいかなる炭化水素供給原料の流れとも混ぜ合わせるステップ;
(b)前述の添加剤と炭化水素供給原料とを化学反応させるステップ;
(c)反応させた混合物を前記原油脱塩装置に供給するステップ;
(d)前記原油脱塩装置において、2つの相、すなわち、水性相及び炭化水素相を形成させるステップ;
(e)ステップ(d)の2つの相を分離するか、又は、それらが分離するのを可能にするステップ;
を含む。]
[0032] これら2つの相、すなわち、水性相及び原油又は炭化水素の相は、分離されるか又は分離するのを可能にされる。結果として、金属汚染物質を含有する水性相は除去され、その結果、金属がすでにそこから除去された炭化水素を供給し、従って、いかなる他の炭素系供給材料とも同じ様式で扱うことができ、従来の水素処理技術によって処理することができる。]
[0033] 水素処理される前に石油原油を脱塩するために普通使用される従来の原油脱塩装置において物理的分離処理が通常行われることになるということが、最も好ましい実施形態において意図されている。この分離は、いかなる分離処理によっても行われることになるが、向流抽出も含む。]
[0034] 混合動作中の水抽出液と炭化水素の供給材料との接触時間は重要であり、数秒未満から約6時間まで異なる。好ましい接触時間は、約5秒から約2時間までである。]
[0035] カルシウム抽出処理を、約27℃の室温から160℃まで、より好ましくは100℃から140℃までのいかなる温度でも、又は、いかなる脱塩装置の動作温度でも実行することができる。好ましくは、上記のステップ(a)で言及された化学化合物は、脱塩装置の洗浄水内に、この洗浄水の入ってくる原油との混合に先立ち注入される。この混合物は、次に、水と原油との接触を介して得るために、高剪断弁を通過させられる。この処理は、「脱塩」と呼ばれており、文字通り油から水溶性の塩化物を除去する。塩化物は、入ってくる原油において見つけられる水のため存在する。本質的に、塩濃度は、洗浄水の追加によって希釈される。洗浄水は解乳化剤で処理され、油/水の分離に寄与する。脱塩装置から流れ出た油と共に残ったいかなる水も、低い塩値を有するはずである。脱塩装置内の温度は、一般的に、約93℃から約163℃までに及ぶ。]
[0036] 脱塩装置内のカルシウム等の金属を除去するために、上記のステップ(a)で言及された化学化合物が継続的に洗浄水に添加される。油と水を激しく混ぜ合わせながら、化学化合物の加水分解後に形成された酸はカルシウムをキレート化する。このカルシウムと共に形成された複合体は水溶性であり、従って、カルシウムは水相を介して除去される。]
[0037] 前述の化学化合物及びその組合せのそれぞれの供与量は、一般に、脱塩装置の洗浄水において約0.001から5重量パーセントに及ぶ。本発明は、カルシウム若しくはナフテン酸カルシウム等のその塩等、炭化水素流における金属に対して、モル、サブモル、又は、過度のモル濃度で使用することができる。]
[0038] カルシウム除去において本発明の添加剤を使用することの利点は、以下で詳細に説明される。]
[0039] エステルとしての本来の形状にある本発明の添加剤は液状であるが、対応するエステルが作製されるそれぞれの酸は固体状である。一般に、酸は水において高い溶解度を有さない。水中の酸の溶液が作製される時はいつでも、酸の溶液は寒冷状態において凍るため、高い流動点を有する。その冷凍の形状においては、ポンピングは実行可能ではなく、深刻な処理問題を提起する。多くの場合、加熱設備は貯蔵領域において利用可能ではない。さらに、45℃を超える温度にマレイン酸水溶液が曝露される場合に、水において極度に低い溶解度を有するフマル酸に変えられることが既知であるように、マレイン酸にとって加熱は好ましい選択肢ではない。一般に、100℃を超える温度を有する蒸気が加熱源として使用されるため、貯蔵領域において温度を45℃以下に維持することも困難である。その低い溶解度のため、フマル酸は沈殿され、パイプラインを詰まらせる。]
[0040] 本発明のエステル添加剤は、−27℃の温度まで凍らない。従って、加熱に行くことなく、寒冷の状態で使用することができる。]
[0041] 本発明のエステル添加剤のカルシウム除去の効果は、カルシウムの除去に対して対応する酸を使用することによって得られた結果と比較できる。]
[0042] 本発明のエステル添加剤は、炭化水素供給原料流において溶性であるが、対応する酸は、炭化水素供給原料流において不溶性である。従って、本発明の添加剤は、水溶液において使用する代わりに、炭化水素を有する溶液において使用することができる。この炭化水素を有する溶液は、原油脱塩装置内の炭化水素供給原料流に供給することができる。]
[0043] 本発明のエステル添加剤は炭化水素に溶けるため、添加剤を貯蔵領域において炭化水素供給原料に添加して、炭化水素との添加剤のより長い接触時間という利点を与えることができる。]
[0044] 本発明のエステル添加剤が、貯蔵状態にある炭化水素供給原料に添加され、次に、原油脱塩装置に供給される場合、原油脱塩装置におけるシステムのpHは下がらず、その結果、酸性の状態を防ぎ、従って、機器の腐食を防ぐ。]
[0045] 液状である本発明のエステル添加剤は、いかなる溶媒もなく使用することができ、すなわち、そのまま使用することができ、その結果、輸送のコスト削減に影響を及ぼす。]
[0046] 前記のことは、以下の実施例を参照することによってより理解することができるが、以下の実施例は、例示目的のためだけに示されており、本発明の範囲を限定するよう意図されない。]
[0047] 実施例に関する全般的なポイント
1.以下に与えられる実験のそれぞれに使用される、炭化水素層及び鉱質除去された水において約2247ppmのカルシウム量を有するトルエン中のナフテン酸カルシウム量の詳細は、表1に与えられている。
2.ナフテン酸のナトリウム塩(2モル)と塩化カルシウム(1モル)との反応によって、ナフテン酸カルシウムを調製した。生成物を洗浄して、塩化ナトリウムを除去した。使用したナフテン酸は、約226mgKOH/gmの酸価を有した。結果として生じるナフテン酸カルシウムは、約7.5%のカルシウムを有した。これをトルエンに溶かして、約2247ppmのカルシウムを得た。ナフテン酸及びナフテン酸カルシウムのFTIRスペクトルが、それぞれ図1及び3に示されている。
3.FTIRスペクトルの図は、実施例1に対してのみ与えられている。他の実施例に対しては、観察に基づく結果のみが表2において特定されている。
4.添加剤化合物に対するカルシウムのモル比も、表10乃至14に与えられている。添加剤化合物の実重量も表10乃至14に言及されている。
5.全般的に、各添加剤化合物に対して表10乃至14に与えられている結果は、3つの実験の平均値を表している。
6.表10乃至14に示された結果は、そこで言及されている抽出時間及び温度に対して得られている。
7.全般的に、イオンクロマトグラフィ技術(IC)を使用して水性相のカルシウム含有量を測定した。さらに、炭化水素相に対して、0.1Nの正常なメタノールKOH溶液に対して滴定することによって酸価が決定される。
8.全般的に、以下で与えられる全ての実施例において、ナフテン酸Ca対添加剤のモル比は1:1であり、これらの実施例に使用されるトルエン中のナフテン酸Ca溶液のカルシウム含有量は、約2247ppmである。
9.トルエン中のナフテン酸カルシウム溶液、及び、実験に使用された添加剤を有する水溶液の詳細。] 図1
[0048] トルエン中のナフテン酸カルシウム溶液、及び、本発明者によって実行された実験に使用された添加剤を有する水溶液の詳細が表1に与えられている。]
[0049] 10a.FTIRデータ−I
(a)図1に示された天然の遊離なナフテン酸のFTIRスペクトルは、カルボン酸(COOH)基の存在のため、約1700cm−1にて特徴的なピークを示している。遊離酸の酸価は、約226mg/KOHである。] 図1
[0050] ナフテン酸カルシウム(トルエンフリー)のFTIRスペクトルは、図3に示されているように、1560cm−1から1541cm−1の領域において特徴的なピークを示している。] 図3
[0051] 本発明の添加剤とトルエン中のナフテン酸Ca溶液との反応による転換ステップの完了後、図2に示されているように、トルエンフリーの炭化水素層は、(図1と類似した)遊離なカルボン酸基の存在を示している約1698cm−1での特徴的なピークを示したことを観察した。図1は、遊離なナフテン酸に対するFTIRを示しており、炭化水素相における遊離なナフテン酸等、遊離なカルボン酸基の存在を示している。反応後の(過乾燥させた)有機層に対するFTIRである図2における、前述の領域、すなわち、1560cm−1から1541cm−1までの領域辺りでのナフテン酸カルシウムのピークの完全な欠如は、炭化水素供給材料に存在したナフテン酸カルシウムからカルシウムを水相内へ抽出することにおいて添加剤が非常に効果的であることを示している。乾燥させた炭化水素層の酸価も評価し、表10乃至14に示した。ナフテン酸カルシウムからカルシウムを除去しない添加剤は1698cm−1にていかなるピークも示さず、より低い酸価を示すことにも注目されたい。
10b.本願の発明者によって行われた全実験に対するFTIRデータは、ナフテン酸カルシウムの存在を示した上記の領域、すなわち、約1545cm−1におけるピークの存在という観点から、図1乃至10及び表10乃至14に提供されている。このピークの異なる強度は、遊離なナフテン酸へのナフテン酸カルシウムの転換の程度を実証するために使用されている。これらの異なる強度及び対応する転換の程度は、以下に与えられている。] 図1 図2
[0052] 11.Ca含有量のデータ
本発明の効果は、反応後の水性層におけるカルシウム含有量を測定することによってさらに証明されている。水性層内に移されたカルシウムの規模は、表10乃至14に示されている。カルシウム除去の効率は80%を超えていることを見ることができる。これは、炭化水素供給材料に存在したナフテン酸カルシウム内の結合したカルシウムを完全に除去すること、及び、このカルシウムを水相内に抽出することにおける、本発明の添加剤の高い効果に対する別の証拠である。
12.カルシウム除去に関する効率の計算]
[0053] 13.一番上の有機相の酸価に関する効率の計算]
[0054] ]
[0055] 添加剤の使用に対する試験方法及び結果
手順:本発明の発明者は、カルシウム除去に対して以下の本発明の添加剤を使用した。
1.ジエチルマレエート
2.ジメチルマレエート
3.ジブチルマレエート
4.メチルホルメート
5.エチルホルメート
6.エチルアセテート
7.ジメチルフメレート
8.ジエチルオキサレート
9.蟻酸98%
10.ジオクチルマレエート
11.アクリル酸
12.メチルアクリレート
13.メチルメタクリレート
14.ジメチルスクシネート
15.ジエチルスクシネート
16.無水マレイン酸+メタノール+水
17.無水マレイン酸+メタノール
18.無水マレイン酸+イソプロピルアルコール
19.無水マレイン酸+エタノール
20.無水マレイン酸+水酸化ナトリウム+水
本発明の各添加剤、鉱質除去された水、及び、トルエン中のナフテン酸カルシウムを、ステンレス綱のオートクレーブ内に加え、以下に与えられた異なる反応条件で反応させた。]
[0056] 室温まで冷やし、丸底フラスコの中身を分液漏斗内に注いだ。上の炭化水素層と下の水性層である2つの分離した層を回収し、以下で述べるように分析した。水性層は、イオンクロマトグラフィを使用してカルシウム含有量を分析した。炭化水素層は、トルエンを除去するために乾燥し、上記のようにフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)によって乾燥した試料を分析し、標準KOH溶液に対して滴定することによって酸価も分析した。結果は、以下及び表10乃至14において詳細に与えられる。]
[0057] 本発明の添加剤のメタノール溶液の貯蔵における効果の詳細を示した結果は、表15に与えられており、極度に低い温度での貯蔵による酸価の下落及び凝固の欠如を示している。]
[0058] 本発明の添加剤のメタノール溶液の調製
本発明の添加剤のメタノール溶液の調製において、以下のステップを使用した。
(a)30gmのメタノールを、温度計、攪拌機、及び、窒素用注入口を備えたきれいな四口丸底フラスコに加えた。
(b)合計33gmの無水マレイン酸を6回に分けて前述のフラスコ内に添加した。
(c)透明な溶液を得て、それによって、マレイン酸エステルの形成の完了が示されるまで前記混合物をよく攪拌した。
(d)37gmsの水を透明な溶液に添加した。
(e)約5℃から10℃の発熱量を書き留めた。
(f)混合物をよくかき混ぜた。
(g)混合物を酸価に対して分析し、225mgKOH/gmであることが判った。酸価は混合物の貯蔵に対して下落することを観察した。例えば、17日間貯蔵した後酸価は196mgKOH/gmであり、1年貯蔵した後145mgKOH/gmであった。
(h)乾燥の後得られる最終生成物は、液状であると判る。
(i)エステルの形成は、図4において1725cm−1にてピークの存在を示した、図4に与えられたFTIRによって確証される。純なマレイン酸のFTIRスペクトルである図5は、図4とは異なっていることが判る。] 図4 図5
[0059] 本発明の利点は、上記のステップ(b)で言及された乾燥作用の前に、溶液の流動点は−30℃未満であり、その溶液を−27℃の温度にて20日間維持した後でさえも、材料は−27℃では凍らなかったという事実から判る。1年間の貯蔵後、試料をカルシウム除去効率に対して検査した。結果は、表10乃至14に示されている通りである。1年の貯蔵後の反応塊の酸価は、約145mgKOH/gmであった。]
[0060] この実施例の本発明の添加剤を、添加剤の種々の酸価でのカルシウム除去の効率に対して検査した。一般的に、所与の添加剤の酸価でのカルシウム除去の効率が、表10乃至14にある。]
[0061] 上記のステップ(b)に言及された乾燥作用前の典型的な組成物は、ガスクロマトグラフィによって分析された場合に、遊離なマレイン酸3.5%、ジメチルマレエート18.64%、モノメチルマレエート23%を含んでいるように見え、残りはメタノールと水であった。]
[0062] メタノールと無水マレイン酸との反応]
[0063] 手順:
テフロン(登録商標)ブレードを有した攪拌ロッド、温度計の鞘、水コンデンサ、滴下漏斗、及びストッパーを備えたきれいな250mlの四口RBFに、1モルの無水マレイン酸を加えた。加えた化合物を55℃まで加熱し、次に、1.25モルのメタノールを液滴で添加した。メタノールの添加中に、発熱量を観察した。メタノール添加の完了後、80℃まで温度をゆっくり上げ、2時間維持した。この期間の終了時に、約27℃である室温まで反応塊を冷却した。水酸化カリウムに対して滴定することにより、反応混合物を酸価に対して分析した。また、少量の試料も乾燥し、FTIRによって分析した。FTIRは1735cm−1にてピークの存在を示し、エステルの形成を示した。GC分析によって、反応塊が、ジメチルマレエートと、モノメチルマレエートと、遊離の無水マレイン酸との混合物であることが示された。結果として生じる反応混合物の酸価は、以下に与えられている。
(1)約360.8mgKOH/gmのTAN(合成後初期)
(2)約304.25mgKOH/gmのTAN(27日後)
この試料を、表10の実験番号21乃至表11の実験番号10に示されているように、Ca除去実験のために使用した。]
[0064] イソプロピルアルコールと無水マレイン酸との反応]
[0065] 手順:
テフロン(登録商標)ブレードを有した撹拌ロッド、温度計の鞘、水コンデンサ、滴下漏斗、及びストッパーを備えたきれいな500mlの四口RBFに、1モルの無水マレイン酸を加えた。加えた化合物を60℃まで加熱し、次に、2モルのイソプロピルアルコール(IPA)を液滴で添加した。IPAの添加中に、発熱量を観察した。IPA添加の完了後、100℃まで温度をゆっくり上げ、1時間維持した。この期間の終了時に、約27℃である室温まで反応塊を冷却した。水酸化カリウムに対して滴定することにより、反応混合物を酸価に対して分析した。また、少量の試料も乾燥し、FTIRによって分析した。FTIRは1735cm−1にてピークの存在を示し、エステルの形成を示した。GC分析によって、反応塊が、イソプロピルアルコールのモノエステル及びジエステルと遊離の無水マレイン酸との混合物であることが示された。]
[0066] 反応混合物の酸価は、(合成後初期には)256.68mgKOH/gmであった。25日後の反応混合物の酸価は、255.3mgKOH/gmであった。この試料を、表10の実験番号22乃至表11の実験番号11に示されているように、Ca除去実験のために使用した。]
[0067] メタノールと無水マレイン酸との反応]
[0068] 手順:
テフロン(登録商標)ブレードを有した撹拌ロッド、温度計の鞘、水コンデンサ、及びストッパーを備え、水浴に配置されたきれいな500mlの四口RBFに、6.28モルのメタノールを加え、20℃まで冷やした。次に、1.01モルの無水マレイン酸をRBFに分けて添加した。添加は、反応塊の温度を18から22℃に維持することによって実行した。無水マレイン酸添加の完了後、撹拌を20℃にて2時間続けた。この後、反応塊をTAN及びIR分光分析法に対して分析した。反応塊は、透明で無色であることが判った。この反応塊をGCによっても分析し、モノメチルマレエートと、ジメチルマレエートと、遊離の無水マレイン酸との混合物であることが判った。]
[0069] 前記組成物の酸価は、分析時には219.72mgKOH/gmであった。Ca除去実験に対する、表10の実験番号20、表11の実験番号9、並びに、表13及び14の実験番号3を参照されたい。1年の貯蔵後の酸価は、40mgKOH/gmであった。Ca除去実験に対する、表10の実験番号19、表11の実験番号8、表12の実験番号5、表13の実験番号3、及び、表14の実験番号2を参照されたい。]
[0070] エタノールと無水マレイン酸との反応]
[0071] 手順:
テフロン(登録商標)ブレードを有した撹拌ロッド、温度計の鞘、水コンデンサ、滴下漏斗、及びストッパーを備えたきれいな250mlの四口RBFに、1モルの無水マレイン酸を加え、次に、2モルのエタノールを液滴で添加し、発熱量を観察した。エタノール添加の完了後、40℃まで温度をゆっくり上げ、2時間維持した。この期間の終了時に、約27℃である室温まで反応塊を冷却し、TAN及びIR分光分析法に対して分析した。反応塊は、透明で無色であることが判った。]
[0072] 酸価は、貯蔵の数日後に314.2mgKOH/gmであることが判った。15日後の酸価は、261.75mgKOH/gmであった。この試料を、Ca除去のために使用した。表10の実験番号23及び表11の実験番号12を参照されたい。]
[0073] (本発明の添加剤ではない)
NaOH(水性)と無水マレイン酸との反応]
[0074] 手順:
テフロン(登録商標)ブレードを有した撹拌ロッド、温度計の鞘、水コンデンサ、及びストッパーを備え、水浴に配置されたきれいな250mlの四口RBFにおいて、0.675モルのNaOHを3.72モルの水に溶かし、次に、発熱量を50℃未満に制御しながら、無水マレイン酸を分けて添加した。無水マレイン酸の添加完了後に、質量塊は、固体で薄い黄色であった。全反応塊を500mlのビーカー内に移し、13.5モルの水を添加して透明の溶液にした。表10の実験番号24を参照されたい。これによって、無水マレイン酸の塩は除去には効果的ではないということが証明されている。]
[0075] 無水マレイン酸における汚れ傾向の考察
50gmsの無水マレイン酸33%溶液を、きれいなステンレス綱のオートクレーブに加えた。反応混合物を、次に、撹拌の中130℃まで加熱した。その反応混合物を、この温度で1時間維持した。室温まで冷却すると同時に反応混合物は凝固したことが観察された。類似の実験を、本発明の添加剤を使用することによって実行した。その添加剤は、ジメチルマレエートのみ、並びに、実施例3及び4において与えられた2つの組成物である。冷却後、固形物形成はなかったことが判った。]
[0076] 上記の実験は、水中の無水マレイン酸溶液が極度に不安定であることを明白に証明している。実際の適用において、カルシウムの供与量と添加剤の供与量との比を、常に1:1きっかりに維持することはできない。添加剤の濃度が上がる場合がある。そのような時間には、未反応の無水マレイン酸がシステムを汚す傾向がある。]
[0077] さらに、水中の無水マレイン酸溶液は、非常に乏しい低温貯蔵性を有している。液状で維持するために、水中の無水マレイン酸容器は、蒸気を使用して全般的に加熱されなければならない。蒸気の温度は、100℃から160℃まで異なる。この温度での前記溶液の継続的な曝露の下、材料は凝固されると予想される。従って、添加剤の特質を改善する必要がある。]
[0078] 表10及び11に提供されている結果に関する考察
表10及び11に示された結果から、無水マレイン酸の誘導体の一部、すなわち、ジブチルマレエート及びジオクチルマレエート等のエステル誘導体は、炭化水素供給原料に含有されたナフテン酸カルシウムからカルシウムを抽出することにおいて効果的ではないことが観察される。ジブチルマレエートに対する、表10の実験番号3及び4で観察したこれら2種類のエステルの高いモル比1:2、及び、表11の実験番号4及び5である1:3等、1:1を用いた実験番号11、1:2を用いた実験番号12でも、ジオクチルマレエートのモルは、カルシウム除去において効果がないことも観察される。これは、無水マレイン酸の各誘導体がカルシウム除去において効果的であると請求された場合に、そのような請求は不適切であることを示している。図7に示された、1541cm−1から1560cm−1の領域内の強いピークを示し、乏しいナフテン酸カルシウムからのカルシウムの抽出を示す乾燥した炭化水素層のFTIRスペクトルを参照されたい。FTIRは、未反応のジブチルマレエートのエステル群による約1733cm−1でのピークも示している。] 図7
[0079] 表10の実験番号24に示された結果から、マレイン酸二ナトリウム等の無水マレイン酸のナトリウム塩は、炭化水素供給原料に含有されたナフテン酸カルシウムからカルシウムを抽出することにおいて効果的ではないことが観察される。これは、無水マレイン酸の各塩がカルシウム除去において効果的であると請求された場合に、そのような請求は不適切であることを示している。]
[0080] 表10を参照すると、カルシウム除去に対するジメチルマレエート及びジエチルマレエート等の本発明の添加剤の使用によって非常に高いカルシウム除去の効率が与えられるが、カルシウム除去に対する添加剤としてのコハク酸の使用が効果的に行われたとしても、1:1のモル比でも(実験番号16及び17)、そのメチルエステル及びエチルエステルはカルシウム除去に対して効果的ではないということが、本発明者によって意外にも発見された。同様に、カルシウム除去に対する添加剤としてのシュウ酸又はジエチルオキサレートの使用(実験番号9)が効果的に行われたとしても、ジエチルオキサレートは、沈殿の問題を生じる。]
[0081] マレイン酸エステルは、α、β不飽和エステルとして考慮することができるが、別のα、β不飽和エステル、すなわち、メチルアクリレート(実験番号14、表10)及びメチルメタクリレート(実験番号15、表10)がカルシウム除去において効果的ではないということが本発明者らによって意外にも判った。]
[0082] カルシウム除去に対する組成化合物の使用における実験結果の考察
実施例2の添加剤
(i)表10の実験番号18及び表11の実験番号7に従って、実施例2で調製した、モノメチルマレエートと、ジメチルマレエートと、マレイン酸との組成混合物を生じる無水マレイン酸と、メタノールと、水との反応混合物が、カルシウム除去に対する本発明の添加剤として使用される。その添加剤を1年間貯蔵した後に使用し、検査時には約145.4mgKOH/gmの酸価を示した。表10及び11は、これら2つの実験のそれぞれに対して、それぞれ20及び10分の抽出時間、1:1の添加剤対カルシウムのモル比、さらに、130℃の温度を用いて、酸価によって評価した効率がそれぞれ97.8%及び90.3%であることを示している。このように、モノメチルマレエートと、ジメチルマレエートと、マレイン酸との組成混合物が、炭化水素供給原料からカルシウムを除去することにおいて効果的であることが判る。これは、それぞれ完全な又は実質的なカルシウムの除去を示したナフテン酸カルシウムの小さいピークのみの有無を示した有機層のFTIRスペクトルによってさらに証明される。モル比の評価に対しては、合成に使用される無水マレイン酸の量が使用される。本願のケースに対しては、無水マレイン酸とメタノールと水との反応によって調製した1.118gmsの溶液を使用し、合成には33重量%の無水マレイン酸を使用した。従って、使用される無水マレイン酸の量は、0.368gmsになる。この値は、カルシウムに対するモル比カルシウムに使用される。これは、実施例2乃至実施例8の組成物全てに対して利用可能である。
(ii)表10の実験番号23及び表11の実験番号12に従って、実施例6で調製した、モノエチルマレエートと、ジエチルマレエートと、マレイン酸との組成混合物を生じる無水マレイン酸とエタノールとの反応混合物が、カルシウム除去に対する本発明の添加剤として使用される。表10及び11は、これら2つの実験のそれぞれに対して、それぞれ20及び10分の抽出時間、1:1の添加剤対カルシウムのモル比、さらに、130℃の温度を用いて、酸価によって決定された効率をそれぞれ95.9%及び91.6%として示している。このように、モノエチルマレエートと、ジエチルマレエートと、マレイン酸との組成混合物が、炭化水素供給原料からカルシウムを除去することにおいて効果的であることが判る。これは、それぞれ完全な又は実質的なカルシウムの除去を示したナフテン酸カルシウムの小さいピークのみの有無を示した有機層のFTIRスペクトルによってさらに証明される。
(iii)表10及び11のそれぞれの実験番号22及び11に従って、実施例4で調製した、モノイソプロピルマレエートと、ジイソプロピルマレエートと、無水マレイン酸との組成混合物を生じる無水マレイン酸とイソプロピルアルコールとの反応混合物が、カルシウム除去に対する本発明の添加剤として使用される。表10及び11は、これら2つの実験のそれぞれに対して、それぞれ20及び10分の抽出時間、1:1の添加剤対カルシウムのモル比、さらに、130℃の温度を用いて、酸価によって評価した効率がそれぞれ92.9%及び87.9%であることを示している。このように、モノイソプロピルマレエートとジイソプロピルマレエートとの組成混合物が、炭化水素供給原料からカルシウムを除去することにおいて効果的であることが判る。水性相のCa含有量は、それぞれ94.8及び93.7というCa除去において高い効率を示している。
(iv)表13の実験番号4に従って、モノメチルマレエートと、ジメチルマレエートと、マレイン酸との組成混合物を生じる無水マレイン酸と、メタノールと、水との反応混合物、すなわち実施例2が、カルシウム除去に対する本発明の添加剤として使用される。表13は、この実験に対して、15分の抽出時間、1:1の添加剤対カルシウムのモル比、さらに、115℃の温度を用いて、酸価によって評価した効率が96.1%であることを示している。このように、モノメチルマレエートと、ジメチルマレエートと、マレイン酸との組成混合物が、炭化水素供給原料からカルシウムを除去することにおいて効果的であることが判る。
(v)実験番号3に従って、モノメチルマレエートとジメチルマレエートとの組成混合物を生じる無水マレイン酸とメタノールとの反応混合物、すなわち実施例5が、カルシウム除去に対する本発明の添加剤として使用される。表13は、この実験に対して、15分の抽出時間、1:1の添加剤対カルシウムのモル比、さらに、115℃の温度を用いた、86.9%の効率を示している。このように、モノメチルマレエートとジメチルマレエートとの組成混合物が、炭化水素供給原料からカルシウムを除去することにおいて効果的であることが判る。]
[0083] 1000ppm溶液のpHに関する考察
本発明の添加剤及び先行技術の添加剤の1000ppm(0.1%溶液)のpH値における実験結果の詳細が以下に与えられている。]
[0084] このように、1000ppm濃度の本発明の添加剤に対してさえもpH値は5.6及び5.8であることを観察することができる。従って、この本発明の添加剤は、ほぼ非腐食性として考慮することができる。これは、いかなる腐食抑制剤の使用も回避し、その結果、莫大な経済的利点を生じる。前述の先行技術の添加剤は、3未満であり得るpH値を与え、非常に酸性、従って非常に腐食性であると考慮することができる。]
[0085] 公開特許出願WO2008/062433号に関する考察
本発明者の公開国際特許出願WO2008/062433号を参照すると、本発明の添加剤の発明者が、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、及び、マレイン酸のポリマー形状等、カルシウム除去に対して使用される先行技術の添加剤を使用して実験を行った場合に、炭化水素供給原料の処理に使用される脱塩装置のユニット及び他のユニットにも汚れを生じ得ることを示す相当量の沈殿物を各反応が生じることを観察したことが判る。リンゴ酸は無水マレイン酸のヒドロキシ誘導体であることにここで注目されたい。コハク酸も、無水マレイン酸の水素化誘導体として考慮される。]
[0086] それとして、炭化水素産業に対して、炭化水素供給原料に含有されるナフテン酸カルシウムからのカルシウム除去に使用されることになる、非沈降性、従って汚れのない添加剤、及び、非腐食性の添加剤も有する必要がある。]
[0087] PCT国際公開出願WO2008/007847号に関する考察
以下に文献D1と呼ばれるPCT国際公開WO2008/007847 A1号(国際出願PCT/KR2007/000180号)は、7頁で以下のように述べている。
「本発明によるカルシウムを除去する方法は;
1)親水性の化合物であるMA又はその誘導体を、カルシウムを含有する炭化水素供給源に添加し、従って、均一混合物を調製するステップ;
2)前記均一の相に存在する前記MA又はその誘導体及び前記ナフテン酸カルシウムを金属置換にさらし、従って、ジカルボン酸カルシウムを生成するステップ;並びに
3)前記ジカルボン酸カルシウムを脱塩し、従って、前記ジカルボン酸カルシウムを除去するステップ;
を含む」。]
[0088] D1の発明者は、発明の方法を例示した3つの実施例を与えており、その実施例においては、マレイン酸(MA)のみがカルシウム除去に対する添加剤として使用されている。文献D1は、カルシウム除去に対する、いかなるマレイン酸の誘導体のいかなる適用も、1つの誘導体の適用さえも例示していない。しかし、D1の発明者によって請求された発明の範囲は、「マレイン酸の誘導体」を含んでいる。]
[0089] D1の発明者は、誘導体に対していかなる限定も言及していない、すなわち、一部の誘導体がカルシウム除去において効果的であり、一部の誘導体は効果的ではないということに言及していないため、これは、発明者がD1の明細書及び特許請求の範囲に従ってMAの全ての誘導体がカルシウム除去に効果的であるはずであると仮定していることを明白に意味している。]
[0090] 本願の発明者は、マレイン酸の種々のエステル(すなわち、MAの誘導体)、フマル酸及びシュウ酸の種々のエステルを、ナフテン酸カルシウムを含有する炭化水素供給原料からのカルシウム除去に試みた大規模な実験を実行した。しかし、マレイン酸のブチルエステル、マレイン酸のオクチルエステル、及び、(マレイン酸の誘導体であると言うことができる)ジオクチルマレエートはカルシウム除去において効果的ではないということが、本発明者によって、表10に示されているように、発見された。効果的なカルシウム除去に対してマレイン酸の誘導体全般の使用を含むD1の発明の範囲それ自体、すなわち、発明者に許可された請求項に記載のいかなるMAの誘導体も認められるべきではなく、範囲は、カルシウム除去に対して、(MAの誘導体にではなく)マレイン酸の使用のみに限定されるべきである。]
[0091] しかし、本願の発明者は、大規模な実験の後、マレイン酸の2つの誘導体、例えば、ジメチルマレエート及びジエチルマレエートが、その純粋な形状で使用される場合に、カルシウム除去に対して効率的に作用し、表10に示されているように前記効率は80%及び53%を超えることを発明に関して意外にも発見した。]
[0092] 同様に、本願の発明者は、大規模な実験の後、フマル酸の誘導体、例えば、ジメチルフメレートが、(その純粋な形状で使用される場合に)カルシウム除去に対して効率的に作用し、表10に示されているように前記効率は82%を超えることを発明に関して意外にも発見した。]
[0093] 本願の発明者は、カルシウム除去におけるジメチルマレエート及びジエチルマレエートの高い効率に加えて、これら2つの化合物は、そのカルシウム塩の沈殿物がないために機器の汚れのない、その非常に低い流動点による低温貯蔵能力、並びに、非腐食性範囲内であると考慮される5.6から6の本発明の化合物の0.1%水溶液のpHによる非腐食性のような効果的及び望ましい特性も実証していることも発明に関して意外にも発見した。これは、本発明の化合物の適用中に腐食抑制剤の使用を排除するのに寄与することになる。表9を参照するべきである。これは、無水マレイン酸のpHが3未満であって極度の腐食性の特性を与えていることを考慮する場合に、より有意性を有している。]
[0094] 本願の発明者は、モノメチルマレエート、モノエチルマレエート、モノメチルフマレート、及び、モノエチルフマレート等の4つの化合物のそれぞれも、炭化水素供給原料からの効果的なカルシウム除去を実証していることも発明に関して意外にも発見した。さらに、これら4つの化合物は、そのカルシウム塩の沈殿物がないために機器の汚れのない、及び、その非常に低い流動点による低温貯蔵能力といった特性も実証している(表15)。]
[0095] 本願の発明者は、大規模な実験の後、以下の組成化合物も、表10乃至14に示されているように、カルシウム除去において非常に高い効果を提供することも発明に関して意外にも発見した。
(1)組成化合物A
マレイン酸+メタノール(種々の比のこれら2つの化合物)
(2)組成化合物B
マレイン酸+メタノール+水
(3)組成化合物C
マレイン酸+種々のタイプのアルコール+水
さらに、これら3つの組成化合物、すなわち、A、B、及びCのそれぞれは、そのカルシウム塩の沈殿物がないために機器の汚れのない、及び、その非常に低い流動点による低温貯蔵能力といった特性を実証している(表15)。]
[0096] カルシウム除去に対するジエステルの使用における実験結果の考察
(A)表10において、カルシウム除去に対するジメチルマレエート、ジエチルマレエート、及び、ジブチルマレエートの使用に対して行った実験の結果の詳細が提供されており、以下で考察される。
(i)表10の実験番号2、表11の実験番号2、及び、表12の実験番号1に従って、カルシウム除去に対する本発明の添加剤として使用したジメチルマレエートは、これら3つの実験のそれぞれに対して、それぞれ20、10、及び、1分の時間、1:1の添加剤対カルシウムのモル比、さらに、130℃の温度を用いて、それぞれ92%、76%、及び、55%の効率を示した。このように、ジメチルマレエートは炭化水素供給原料からカルシウムを除去することにおいて効果的であると判る。
(ii)表10の実験番号1及び表11の実験番号1に従って、カルシウム除去に対する添加剤として使用したジエチルマレエートは、これら3つの実験のそれぞれに対して、それぞれ20及び10分の時間、1:1の添加剤対カルシウムのモル比、さらに、130℃の温度を用いて、それぞれ57.5%及び44.1%の効率を示した。このように、ジエチルマレエートは炭化水素供給原料からカルシウムを除去することにおいて効果的であると判る。しかし、表10の実験番号23及び表11の実験番号12における本発明の化合物の実施例6の効率が95.9%及び91.6%であることを参照されたい。このように、モノエチルマレエートとジエチルマレエートとマレイン酸又は無水マレイン酸との組合せによって優れた効率が与えられるということを見ることができる。
(iii)表10の3つの実験番号3乃至4に従って、その純度が98%を超える市販用供給源から得て、カルシウム除去に対する添加剤として使用したジブチルマレエートは、これら2つの実験のそれぞれに対して130℃の温度で、それぞれ1:1及び1:2の添加剤対カルシウムのモル比、並びに、それぞれ20及び1分の時間を用いて、30.0%、26.2%の効率を示した。これは、より高いモル比でさえもジブチルマレエートは効果的ではないということを明白に実証している。]
[0097] さらに、表11の2つの実験番号4及び5に従って、カルシウム除去に対する添加剤として使用したジブチルマレエートは、それぞれ1:2及び1:3の添加剤対カルシウムのモル比を用いて、これら2つの実験のそれぞれが130℃で10分間行われ、それぞれ22.7%及び23.9%の効率を示した。このように、ジブチルマレエート(マレイン酸の誘導体)は、炭化水素供給原料からカルシウムを除去することにおいて効果的ではないと判る。]
[0098] カルシウム除去の効率は、乾燥した有機層の酸価を評価することによって確証される。高い効率のカルシウム除去に対しては、この酸価は、遊離酸の酸価に可能なかぎり近くあるべきである。カルシウム除去の効率は、一番上の有機層のFTIR分光法によってさらに確証され、図1乃至10に示されている。] 図1
[0099] 前述の本発明の説明に与えられた詳細を考慮すると、本発明は基本的に以下のアイテムを含んでいることが当業者には明らかになる。]
[0100] アイテム1
カルボン酸のエステルを使用して炭化水素供給原料から金属を除去する方法であって:
(a)カルシウム及びナフテン酸カルシウム等、金属及びその塩を含有する原油等の炭化水素流を、効果的な金属除去量の非沈降性且つ汚れのない添加剤の水抽出溶液と混ぜるステップであり、前記添加剤は、マレイン酸、無水マレイン酸、若しくは、フマル酸等、3種類のカルボン酸のうちいずれかのメチル、エチル、プロピル、若しくは、イソプロピルのモノ及び/又はジエステル、該エステルの適切な組合せ、又は、前記3種類の酸のいずれかと前記エステルのいずれかとの適切な組合せから成る群から選択される化学化合物を含み、炭化水素相及び金属イオンを含有する水性相の形成を可能にする、ステップ;
(b)前記水性相及び前記5炭化水素相等の2つの相を形成させるステップであり、前記水性相が、前記添加剤のカルシウム塩のイオン水溶性金属−酸複合体を含む、ステップ;
(c)原油脱塩装置において前記2つの相を分離するか、又は、それら自体によって若しくは向流抽出等の従来の分離処理のうちいずれかを使用することによって分離するのを可能にするステップ;
(d)前記金属−酸複合体を含有する、ステップ(c)の分離した水性相を除去するステップ;
(e)下流の炭化水素処理技術によって、ステップ(c)の分離した炭化水素相を処理するステップ;
を含み、
ステップ(a)の混ぜる動作中の前記水抽出溶液と前記炭化水素流との接触時間は、2秒から6時間、好ましくは、5秒から2時間という範囲内にあり、
前記脱塩装置内の温度は、93℃から163℃という範囲内にあり、
前記化学化合物の供与量の重量パーセントは、前記脱塩装置の洗浄水の0.001から5重量に及ぶ、方法。]
[0101] アイテム2
アイテム1に記述された炭化水素供給原料からカルシウムを除去する方法であって、前記脱塩装置の洗浄水に対する前記化学化合物の注入は継続的である、方法。]
[0102] アイテム3
アイテム1に記述された炭化水素供給原料からカルシウムを除去する方法であって、アイテム1に記載の前記ステップ(a)の混ぜるステップは、前記化学化合物がカルシウムをキレート化するのを可能にするために活発に実行される、方法。]
[0103] アイテム4
アイテム1に記述された炭化水素供給原料からカルシウムを除去する方法であって、前記化学化合物は、前記カルシウム又はナフテン酸カルシウム等のカルシウムの塩等、前記炭化水素供給原料における金属に対して、モル、サブモル、又は、過度のモル濃度で使用される、方法。]
[0104] アイテム5
アイテム1に記述された炭化水素供給原料からカルシウムを除去する方法であって、前記添加剤は、純で又は溶液において使用される、方法。]
[0105] アイテム6
アイテム1に記述された炭化水素供給原料からカルシウムを除去する方法であって、前記添加剤は、前記炭化水素流との混合に先立ち、アイテム1に記載の前記水抽出溶液に添加される、方法。]
[0106] アイテム7
カルボン酸のエステルを使用して炭化水素供給原料から金属を除去するための組成物であって、効果的な金属除去量の非沈降性且つ汚れのない添加剤の水抽出溶液を含み、前記添加剤は、マレイン酸、無水マレイン酸、若しくは、フマル酸等、3種類のカルボン酸のうちいずれかのメチル、エチル、プロピル、若しくは、イソプロピルのモノ及び/又はジエステル、該エステルの適切な組合せ、又は、前記3種類の酸のいずれかと前記エステルのいずれかとの適切な組合せから成る群から選択される化学化合物を含み、カルシウム及びナフテン酸カルシウム等、金属及びその塩を含有する原油等の炭化水素流と反応しながら、炭化水素相及び金属イオンを含有する水性相の形成を可能にする、組成物。]
[0107] アイテム8
アイテム7に記述された組成物であって、前記炭化水素供給原料における前記金属及びその塩に対して、モル、サブモル、又は、過度のモル濃度で使用される、組成物。]
[0108] アイテム9
アイテム7に記述された組成物であって、該組成物の酸価は、0mgKOH/gmから400mgKOH/gmである、組成物。]
[0109] アイテム10
アイテム7に記述された組成物であって、該組成物は純で又は溶液において使用され、脱塩装置洗浄水に対する前記組成物の注入は継続的である、組成物。]
[0110] 本発明は特定の好ましい実施形態を参考にして記述されてきたけれども、本発明は、それらの好ましい実施形態に限定されるよう意味しない。記述された好ましい実施形態に対する変更は、本発明の真意から逸脱することなく可能である。しかし、上記の処理及び組成物は、単に例示的であると意図され、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の新規の特徴を他の形状で取り入れることが可能である。]
[0111] ]
[0112] ]
[0113] ]
[0114] ]
[0115] ]
実施例

[0116] ]
权利要求:

請求項1
カルボン酸のエステルを使用して炭化水素供給原料から金属を除去する方法であって:(a)カルシウム及びナフテン酸カルシウム等、金属及びその塩を含有する原油等の炭化水素流を、効果的な金属除去量の非沈降性且つ汚れのない添加剤の水抽出溶液と混ぜるステップであり、前記添加剤は、マレイン酸、無水マレイン酸、若しくは、フマル酸等、3種類のカルボン酸のうちいずれかのメチル、エチル、プロピル、若しくは、イソプロピルのモノ及び/又はジエステル、該エステルの適切な組合せ、又は、前記3種類の酸のいずれかと前記エステルのいずれかとの適切な組合せから成る群から選択される化学化合物を含み、炭化水素相及び金属イオンを含有する水性相の形成を可能にする、ステップ;(b)前記水性相及び前記5炭化水素相等の2つの相を形成させるステップであり、前記水性相が、前記添加剤のカルシウム塩のイオン水溶性金属−酸複合体を含む、ステップ;(c)原油脱塩装置において前記2つの相を分離するか、又は、それら自体によって若しくは向流抽出等の従来の分離処理のうちいずれかを使用することによって分離するのを可能にするステップ;(d)前記金属−酸複合体を含有する、ステップ(c)の分離した水性相を除去するステップ;(e)下流の炭化水素処理技術によって、ステップ(c)の分離した炭化水素相を処理するステップ;を含み、ステップ(a)の混ぜる動作中の前記水抽出溶液と前記炭化水素流との接触時間は、2秒から6時間、好ましくは、5秒から2時間という範囲内にあり、前記脱塩装置内の温度は、93℃から163℃という範囲内にあり、前記化学化合物の供与量の重量パーセントは、前記脱塩装置の洗浄水の0.001から5重量に及ぶ、方法。
請求項2
請求項1に記載の炭化水素供給原料からカルシウムを除去する方法であって、前記脱塩装置の洗浄水に対する前記化学化合物の注入は継続的である、方法。
請求項3
請求項1に記載の炭化水素供給原料からカルシウムを除去する方法であって、請求項1に記載の前記ステップ(a)の混ぜるステップは、前記化学化合物が前記カルシウムをキレート化するのを可能にするために活発に実行される、方法。
請求項4
請求項1に記載の炭化水素供給原料からカルシウムを除去する方法であって、前記化学化合物は、前記カルシウム又はナフテン酸カルシウム等のカルシウムの塩等、前記炭化水素供給原料における金属に対して、モル、サブモル、又は、過度のモル濃度で使用される、方法。
請求項5
請求項1に記載の炭化水素供給原料からカルシウムを除去する方法であって、前記添加剤は、純で又は溶液において使用される、方法。
請求項6
請求項1に記載の炭化水素供給原料からカルシウムを除去する方法であって、前記添加剤は、前記炭化水素流との混合に先立ち、請求項1に記載の前記水抽出溶液に添加される、方法。
請求項7
カルボン酸のエステルを使用して炭化水素供給原料から金属を除去するための組成物であって、効果的な金属除去量の非沈降性且つ汚れのない添加剤の水抽出溶液を含み、前記添加剤は、マレイン酸、無水マレイン酸、若しくは、フマル酸等、3種類の酸のうちいずれかのメチル、エチル、プロピル、若しくは、イソプロピルのモノ及び/又はジエステル、該エステルの適切な組合せ、又は、前記3種類の酸のいずれかと前記エステルのいずれかとの適切な組合せから成る群から選択される化学化合物を含み、カルシウム及びナフテン酸カルシウム等、金属及びその塩を含有する原油等の炭化水素流と反応しながら、炭化水素相及び金属イオンを含有する水性相の形成を可能にする、組成物。
請求項8
請求項7に記載の組成物であって、前記炭化水素供給原料における前記金属及びその塩に対して、モル、サブモル、又は、過度のモル濃度で使用される、組成物。
請求項9
請求項7に記載の組成物であって、当該組成物は純で又は溶液において使用され、脱塩装置の洗浄水に対する当該組成物の注入は継続的である、組成物。
請求項10
本明細書において実質的に記述され、実施例及び付随の図面を用いて例示されている、炭化水素供給原料からカルシウムを除去する方法。
請求項11
請求項7に記載の組成物であって、当該組成物の酸価は、0mgKOH/gmから400mgKOH/gmである、組成物。
請求項12
本明細書において実質的に記述され、実施例及び付随の図面を用いて例示されている、カルボン酸のエステルを使用して炭化水素供給原料から金属を除去するための組成物。
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