![]() 高沸点ビニルエステルのわずかな含分を有するビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーの製造
专利摘要:
本発明は、ビニルアセテート4.9〜95質量%、1以上の高沸点ビニルエステル4.9〜95質量%、並びに場合により1以上のエチレン系不飽和補助モノマー0.1〜40質量%のラジカル開始重合による、高沸点ビニルエステルのわずかな含分を有するビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーの製造法において、付加的に、ビニルアセテート0.1〜40質量%を重合の変換率65〜99.9%で添加し、その際、上記の質量%での表記はそれぞれモノマーの全質量に関するものであり、かつそれぞれ合計100質量%であることを特徴とする方法に関する。 公开号:JP2011510099A 申请号:JP2010525301 申请日:2008-09-09 公开日:2011-03-31 发明作者:ケーラー トーマス 申请人:ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフトWacker Chemie AG; IPC主号:C08F218-08
专利说明:
[0001] 本発明は、高沸点ビニルエステルのわずかな含分を有するビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーの製造法、並びに、該方法により得られるビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマー及びその使用に関する。] [0002] 固体樹脂の形のビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーは、塊状−又は溶液重合法によるビニルアセテートとビニルエステルとのラジカル開始共重合により入手可能である。しかしながら、特にモノマーの全質量に対して20質量%以上の高沸点ビニルエステルの割合を有する相応する共重合の場合には、非重合高沸点ビニルエステルの高い含分を有するビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーが得られる。しかしながら、このことは、ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーを例えば被覆剤における成分として使用する場合には不利であり、それというのも、非重合高沸点ビニルエステルは付着性の悪化又は被覆の表面欠陥(ピンホール)を引き起こし得るか、又は、被覆の表面へと移動することがあり、これは粘性の表面を招くためである。さらに、高沸点ビニルエステルは揮発性有機物質(VOC物質、volatile organic compounds)であり、該物質は使用製品から周囲へ放出されることができ、このようにして健康並びに環境に負荷をかける。世界保健機関の定義によれば、VOC物質は大気圧で60〜250℃の沸点範囲を有する。VOC物質には、例えば、アルカン、アルケン、芳香族化合物、テルペン、ハロゲン炭化水素、エステル、アルデヒド又はケトンの物質群からの化合物が含まれる。高沸点揮発性ビニルエステルの例は、ビニルラウレート(沸点254℃/1013hPa)又は分枝鎖α−カルボン酸のビニルエステル、例えばVeoVa9(R)(沸点185〜200℃/1013hPa)又はVeoVa10(R)(沸点244〜247℃/1013hPa)(両者ともにHexion社の商品名)である。] [0003] ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマー中の非重合モノマー(残留モノマー)の含分は、例えば、DE−A102007015941に記載されているように残留モノマーを混合ポリマーから留去することにより低減することができる。DE−A10215961では、相応する蒸留を共沸添加剤、例えばイソプロパノール又は水を使用して実施すること(ストリッピング)が推奨されている。それとは異なり、さらなる量の開始剤を添加してビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーを後重合に供し、それにより残留モノマーの含分を低減させることもできる。] [0004] この場合、後重合ないしストリッピングによって、相応するモノマーから出発したビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーの製造のための全時間(サイクル時間)が明らかに延長され、かつそれにもかかわらず、明らかに1000ppmを下回る高沸点残留モノマーの含分を有するビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーを入手できないことが不利である。蒸留又はストリッピングによる残留モノマーの除去は、特に高沸点モノマーが例えば高沸点ビニルエステルである場合は困難であるか又は不可能である。ストリッピングによる残留モノマーの除去のためにも、非重合モノマーのある程度の揮発性が必要である。特に、工業規模でビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーを製造する場合、経済的な様式で蒸留又はストリッピングにより高沸点残留モノマーを十分に分離除去することは不可能である。後重合は、副反応としてビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーの架橋又はグラフトが生じ、それにより生成物の特性、例えばその粘度が損なわれるという欠点を伴う。このような副反応は、特に、複数の後重合を連続して実施した場合に生じる。] [0005] 従って、上記の欠点が生じない、高沸点ビニルエステルのわずかな含分を有するビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーの製造法を提供するという課題が存在していた。] [0006] 本発明の対象は、以下: ビニルアセテート4.9〜95質量%、 1以上の高沸点ビニルエステル4.9〜95質量%、並びに場合により 1以上のエチレン系不飽和補助モノマー0.1〜40質量% のラジカル開始重合による、高沸点ビニルエステルのわずかな含分を有するビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーの製造法において、付加的に、ビニルアセテート0.1〜40質量%を重合の変換率65〜99.9%で添加し、その際、上記の質量%での表記はそれぞれモノマーの全質量に関するものであり、かつそれぞれ合計100質量%であることを特徴とする方法である。] [0007] 高沸点ビニルエステルのわずかな含分とは、ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーが、一般に、1000ppm以下、有利には500ppm以下、特に有利には200ppm以下、極めて特に有利には100ppm以下、最も有利には50ppm以下の高沸点ビニルエステルの含分を有することを意味する。] [0008] 高沸点ビニルエステルは、本発明によれば、有利には1013hPaで150℃以上、特に有利には1013hPaで175℃以上、最も有利には1013hPaで200℃以上の沸点を有する。] [0009] 有利な高沸点ビニルエステルは、5〜20個のC原子を有する直鎖モノカルボン酸のビニルエステル又は5〜20個のC原子を有する分枝鎖α−モノカルボン酸のビニルエステルである。有利な高沸点ビニルエステルの例は、ビニルラウレート、ビニルステアレート、ビニルネオデカノエート、VeoVa9(R)又はVeoVa10(R)(両者ともにHexion社の商品名)である。特に有利な高沸点ビニルエステルは、ビニルラウレート、VeoVa9(R)及びVeoVa10(R)である。] [0010] ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマー中の高沸点ビニルエステル単位の割合は、ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーの全質量に対して有利には20〜80質量%、特に有利には40〜80質量%、最も有利には50〜80質量%である。] [0011] ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマー中のビニルアセテート単位の割合は、ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーの全質量に対して有利には20〜80質量%、特に有利には20〜60質量%、最も有利には20〜50質量%である。] [0012] エチレン系不飽和補助モノマーには、ビニルアセテート及び高沸点ビニルエステルとは異なる、1〜15個のC原子を有するカルボン酸のビニルエステルが含まれる。有利なエチレン系不飽和補助モノマーは、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニル−2−エチルヘキサノエート、1−メチルビニルアセテート及びビニルピバレートである。] [0013] エチレン系不飽和補助モノマーには、1〜15個のC原子を有する非分枝鎖又は分枝鎖アルコールのアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物及びビニルハロゲン化物を含む群からの1以上のモノマーも含まれる。特に好ましいアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、n−、イソ−及びt−ブチルアクリレート、n−、イソ−及びt−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノルボルニルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ステアリルアクリレートである。最も好ましいアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−、イソ−及びt−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及びイソボルニルアクリレートである。ビニル芳香族化合物として、スチレン又はビニルトルエンが共重合されることができる。ビニルハロゲン化物の群からは、通常、塩化ビニル、塩化ビニリデン又はフッ化ビニル、好ましくは塩化ビニルが使用される。] [0014] エチレン系不飽和補助モノマーには、オレフィン及びジエン、例えばエテン及びプロペン;エチレン系不飽和モノ−及びジカルボン酸又はその塩、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸及びマレイン酸;エチレン系不飽和無水物、例えば無水マレイン酸;フマル酸又はマレイン酸のモノ−又はジエステル、例えばそのエチル−又はイソプロピルエステル;エチレン系不飽和エポキシド、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート(GMA)又はアリルグリシジルエーテル;エチレン系不飽和スルホン酸又はその塩、例えばビニルスルホン酸、2−アクリル−アミド−2−メチルプロパンスルホン酸;エチレン系不飽和アルコール、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、又はグリセリン−1−アリルエーテル;エチレン系不飽和1級、2級又は3級アミン、例えば2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−t−ブチルアミノエチルメタクリレート、アリル−N−(2−アミノエチル)カルバメート−ヒドロクロリド、アリル−N−(6−アミノヘキシル)−カルバメート−ヒドロクロリド、アリル−N−(3−アミノプロピル)−ヒドロクロリド、アリルアミン又はビニルピリジン;エチレン系不飽和アミド、例えば3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロリド;ホスホン酸又はその塩、例えばビニルホスホン酸、SIPOMERPAM−100(R)又はSIPOMER200(R)(両者ともにRhodia社の商品名)も含まれる。] [0015] アクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、グリシジルメタクリレート(GMA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート及びヒドロキシプロピルアクリレートも有利なエチレン系不飽和補助モノマーである。] [0016] ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーの製造は、塊状重合法により、及び有利には溶液重合法により行われる。好適な溶剤は、例えば、アルデヒド、例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド及びブチルアルデヒド;ケトン、例えばアセトン又はメチルエチルケトン;エステル、例えばメチルアセテート、エチルアセテート及びブチルアセテート又は1〜6個のC原子を有する一価の脂肪族アルコール、有利にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールである。とりわけ有利なのは、エチルアセテート、メタノール及びイソプロパノールである。] [0017] 重合は一般に還流条件下で一般に40℃〜160℃の重合温度で実施される。これは、常圧、過圧又は減圧で行うことができる。ガス状コモノマー、例えばエチレンの共重合の場合には、より高い圧力で、一般に5〜150バールで運転することもできる。反応を常圧下で実施する場合、系に外部エネルギーを供給することができるように、出来る限り高温及び高変換率を達成することができるように、及び、残留モノマー及び溶剤の留去を出来る限り効率的なものとするために、反応の終了時に反応系にわずかな過圧、有利には0.5〜3バールを加えることが有利である。] [0018] 開始剤として、有機過酸化物又はアゾ化合物が使用される。例えば適しているのは、ジアシルペルオキシド、例えばジラウロイルペルオキシド、ペルオキソエステル、例えばt−ブチルペルオキソピバレート又はt−ブチルペルオキソ−2−エチルヘキサノエート、又はペルオキソジカーボネート、例えばジエチルペルオキソジカーボネートである。一般的に開始剤量は、モノマーの全質量に対して0.01〜5.0質量%である。開始剤は装入しても計量供給してもよい。その際、必要とされる開始剤量の一部を装入し、かつ残分を連続的に反応中に計量供給することが好適であることが判明した。] [0019] ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーの製造のために、バッチ法により作業することができ、その際、重合バッチの全成分をビニルアセテートの後計量供給まで反応器中に装入するか、又は、セミバッチ法により作業することができ、その際、1以上の成分を装入し、かつ残分を計量供給するか、又は、連続的重合を実施することができ、その際、成分を重合の間に計量供給する。該計量供給は、場合によっては別個に(空間的及び時間的に)実施してよい。] [0020] 本発明による方法の実施のために本質的なことは、重合の変換率65〜99.9%で、即ちそれぞれの時点までに添加されたモノマー量の少なくとも65質量%(下限)及び最高で99.9%(上限)が共重合されている時に、使用されたモノマー全体の全質量の0.1〜40質量%に相当する割合のビニルアセテートを後計量供給(ビニルアセテートの後計量供給)することである。ビニルアセテートの後計量供給は、有利には、70%以上、特に有利には80%以上、極めて特に有利には90%以上、最も有利には92%以上の重合の変換率の下限で、かつ、有利には99.5%以下、特に有利には99%以下、さらに有利には97%以下、最も有利には95%以下の上限で行われる。ビニルアセテートの後計量供給量は、使用されるモノマー全体の全質量に対して有利には1〜20質量%、特に有利には1〜10質量%である。ビニルアセテートの後計量供給は非連続的か又は連続的に行われてよい。] [0021] 重合は一般に、使用されるモノマー全体の全質量に対して95〜99.9%の変換率で中断される。重合生成物中の非重合高沸点ビニルエステルの含分は、この時点で有利には10〜10000ppmである。] [0022] 重合の終了後に、残留モノマー及び溶剤を蒸留により除去する。このために、内部温度を100℃〜200℃まで高め、次いで真空にする。] [0023] ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマー中の非重合高沸点ビニルエステル又はその他の残留モノマーの含分を低減するために、後重合を行うことができる。このために、開始剤を場合によりビニルアセテート中か又は1以上のエチレン系不飽和補助モノマー中か又は1以上の溶剤中に溶解させて添加し、40℃〜200℃に加熱する。この場合、上記の開始剤及び溶液重合のために記載した溶剤が好適である。有利には、後重合はビニルアセテートの存在で実施される。引き続き、場合により存在する溶剤ないし残留モノマーを100℃〜200℃で、有利には真空中で留去する。有利には後重合を1〜3回行う。特に有利には後重合を1回行う。後重合の進行中に場合により添加されるビニルアセテート量は、ビニルアセテートの後計量供給量には含まれない。] [0024] ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマー中の非重合高沸点ビニルエステルの含分は、前記措置後に一般に1000ppm以下、有利には500ppm以下、特に有利には200ppm以下、最も有利には50ppm以下である。] [0025] ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマー中の残留モノマーの含分は、1回以上のストリッピングによりさらに低減させることができる。そのために、ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーに1以上の共沸添加剤を添加し、引き続き有利には100℃〜200℃で有利には真空中で留去する。有利な共沸添加剤はイソプロパノール又は水である。ストリッピングにより、主にビニルアセテート又は低沸点残留モノマーを留去する。有利には、ストリッピングを2回までか又は3回まで行う。しかしながら、本発明による方法により高沸点ビニルエステルのわずかな含分を有するビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーを得るためには、ストリッピングは不要である。] [0026] 本発明のもう1つの対象は、以下: ビニルアセテート4.9〜95質量%、 1以上の高沸点ビニルエステル4.9〜95質量%、並びに場合により 1以上のエチレン系不飽和補助モノマー0.1〜40質量% のラジカル開始重合により得られる、高沸点ビニルエステルのわずかな含分を有するビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーにおいて、付加的に、ビニルアセテート0.1〜40質量%が重合の変換率65〜99.9%で添加され、その際、上記の質量%での表記はそれぞれモノマーの全質量に関するものであり、かつそれぞれ合計100質量%であることを特徴とするビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーである。] [0027] 該ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーは、例えば、塗料におけるバインダーとしての使用に、接着剤、特にヒートシール可能な被覆並びに積層剤の製造に好適である。他の応用分野は、仕上剤及びチューインガム材料のための原料としての、並びに、複合構造部材の分野の低収縮剤としての使用である。このために、ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーを、固形で固体樹脂として、又は、有機溶剤中の溶液の形で使用することができる。] [0028] 以下の実施例は、本発明をさらに説明するのに用いられる:] [0029] 比較例1(V1): 撹拌釜中に、イソプロパノール1.7kg、ビニルアセテート11kg、ビニルラウレート16kg及びt−ブチルペルオキソ−2−エチルヘキサノエート10gを装入し、78℃に加熱することにより重合を開始させた。重合の開始後、360分間撹拌し、その間に温度を89℃に高めた。引き続き、撹拌釜を140℃に加熱し、溶剤並びに残留モノマーを真空中で留去した。後重合のために、ジ−t−ブチルペルオキシブタン30gをビニルアセテート0.2kg中に溶解させて添加し、これを140℃で60分間撹拌した。引き続き、揮発性成分を真空中で2時間留去した。後重合の全期間は3時間であった。他の痕跡量の揮発性有機物質を除去するために水1リットルを添加し、次いで真空中で2時間留去した。前記工程をもう1回繰り返した(全部で2回のストリッピング工程)。] [0030] そのようにして得られた溶融物を撹拌釜から厚紙へと排出したところ、−21℃のガラス転移温度Tg、511000g/モルの分子量Mw及び5700ppmの高沸点ビニルエステルビニルラウレートの含分を有する透明な固体樹脂がもたらされた。] [0031] 比較例2(V2): 撹拌釜中に、イソプロパノール1.7kg、ビニルアセテート11kg、ビニルラウレート16kg及びt−ブチルペルオキソ−2−エチルヘキサノエート10gを装入し、78℃に加熱することにより重合を開始させた。重合の開始後、360分間撹拌し、その間に温度を89℃に高めた。引き続き、撹拌釜を140℃に加熱し、溶剤並びに残留モノマーを真空中で留去した。後重合のために、ジ−t−ブチルペルオキシブタン30gをビニルアセテート0.2kg中に溶解させて添加し、140℃で60分間撹拌した。引き続き、揮発性成分を真空中で2時間留去した。後重合の全期間は3時間であった。後重合を全部で3回実施した。他の痕跡量の揮発性有機物質を除去するために水1リットルを添加し、次いで真空中で2時間留去した。前記工程をもう1回繰り返した(全部で2回のストリッピング工程)。] [0032] そのようにして得られた溶融物を撹拌釜から厚紙へと排出したところ、−18℃のガラス転移温度Tg、480000g/モルの分子量Mw及び2150ppmの高沸点ビニルエステルビニルラウレートの含分を有する透明な固体樹脂がもたらされた。] [0033] 実施例3(B3): 撹拌釜中に、イソプロパノール1.7kg、ビニルアセテート9kg、ビニルラウレート16kg及びt−ブチルペルオキソ−2−エチルヘキサノエート10gを装入し、78℃に加熱することにより重合を開始させた。開始から240分後に、80%のモノマー変換率でビニルアセテート2kgを5分間で後重合した。120分間撹拌し、その間に温度を92℃に高めた。引き続き140℃に加熱し、溶剤並びに残留モノマーを真空中で留去した。後重合のために、ジ−t−ブチルペルオキシブタン30gをビニルアセテート0.2kg中に溶解させて添加し、140℃で60分間撹拌した。引き続き、揮発性成分を真空下に2時間留去した。後重合をさらに2回繰り返した。他の痕跡量の揮発性有機物質を除去するために水1リットルを添加し、真空中で2時間留去した。前記工程をもう1回繰り返した(全部で2回のストリッピング工程)。] [0034] そのようにして得られた溶融物を撹拌釜から厚紙へと排出したところ、−18℃のガラス転移温度Tg、481000g/モルの分子量Mw及び26ppmの高沸点ビニルエステルビニルラウレートの含分を有する透明な固体樹脂がもたらされた。] [0035] 実施例4(B4): 撹拌釜中に、イソプロパノール1.7kg、ビニルアセテート9kg、ビニルラウレート16kg及びt−ブチルペルオキソ−2−エチルヘキサノエート10gを装入し、78℃に加熱することにより重合を開始させた。開始から240分後に、80%のモノマー変換率でビニルアセテート2kgを5分間で後重合した。さらに120分間撹拌し、その間に温度を92℃に高めた。引き続き140℃に加熱し、溶剤並びに残留モノマーを真空中で留去した。後重合のために、ジ−t−ブチルペルオキシブタン30gをビニルアセテート0.2kg中に溶解させて添加し、140℃で60分間撹拌した。引き続き、揮発性成分を真空中で2時間留去した。ストリッピングによる他の痕跡量の揮発性有機物質の除去を省略した。] [0036] そのようにして得られた溶融物を撹拌釜から厚紙へと排出したところ、−16℃のガラス転移温度Tg、424000g/モルの分子量Mw及び142ppmの高沸点ビニルエステルビニルラウレートの含分を有する透明な固体樹脂がもたらされた。] [0037] 実施例6(B6)、実施例8(B8)、実施例10〜12(B10〜B12)を実施例3ないし4と同様に実施し、かつ、比較例5(V5)、比較例7(V7)、比較例9(V9)並びに比較例13〜15(V13〜V15)を比較例1ないし2と同様に実施し、その際、第1表中の記載に相応したそれぞれのモノマー組成の割合のモノマー並びに他の方法パラメータを使用した。第1表に記載された重合の場合、それぞれ、高沸点ビニルエステル及びビニルアセテートの量が合計で100質量%となるような量のビニルアセテートを使用した。] [0038] ] [0039] 比較例13〜15は、ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマー中の非重合高沸点ビニルエステルの含分を低減させるためには、ストリッピングよりも後重合の実施がより効果的であることを証明している。] [0040] 比較例1(V1、第1表)から、ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマー中の高沸点ビニルエステルの含分を、後重合及び2回のストリッピングにもかかわらず5700ppmまでしか低減させられなかったことが明らかである。後重合の数を1回(V1、第1表)から3回(V2、第1表)に高めることによって、確かによりわずかな、しかしながら依然として許容不可能な高いビニルラウレートの含分がもたらされるが、該含分は本発明によれば他の処理工程(後重合、ストリッピング)によらなくとも500ppmを下回る値に低下させることができる。従って、高沸点ビニルエステルのわずかな含分を有するビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーは、従来の様式では入手不可能である。] [0041] さらに、V2において、時間のかかる複数回の後重合及び複数回のストリッピングによって、サイクル時間は明らかに高められている。その上さらにV2では、高沸点ビニルエステルの含分の低減にかかった時間は、重合の実施にかかった時間よりも長かった。このことは、ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーの効率的でかつ廉価な製造のためには許容不可能であり、かつ高い製造コストを招く。] [0042] それに対して本発明による方法を用いた場合、高沸点ビニルエステルの含分を例えば26ppmの範囲に低減させることができる(実施例3)。] [0043] 本発明による方法をストリッピングなしでかつ1回の後重合で実施した場合であっても(実施例4)、比較例1及び2に対して極めて低いビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマー中のビニルラウレート含分のみが残留し、これはさらにサイクル時間の著しい短縮を伴う。] [0044] 比較例5及び実施例6ないし比較例7及び実施例8から、本発明による手段において(実施例6ないし8)時間のかかるストリッピングを省略したにもかかわらず、本発明による方法によってビニルラウレートのより低い含分(ポリマーの全質量に対してビニルラウレート40質量%ないし20質量%)を有するビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーを製造する場合にも、ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマー中の非重合ビニルラウレートの含分の相当の低下を達成することができることが明らかである。しかしながら、本発明による効果は高沸点ビニルエステルの高い含分を有するビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーを製造する際に特に劇的である(実施例3ないし4及び比較例1ないし2)。] [0045] 実施例10〜12及び比較例9は、上でビニルラウレートについて述べたことが、ビニルラウレートよりも低い沸点を有するビニルエステルであるVeoVa9(R)及びVeoVa10(R)を使用した場合にも当てはまることを証明している。]
权利要求:
請求項1 以下:ビニルアセテート4.9〜95質量%、1以上の高沸点ビニルエステル4.9〜95質量%、並びに場合により1以上のエチレン系不飽和補助モノマー0.1〜40質量%のラジカル開始重合による、高沸点ビニルエステルのわずかな含分を有するビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーの製造法において、付加的に、ビニルアセテート0.1〜40質量%を重合の変換率65〜99.9%で添加し、その際、上記の質量%での表記はそれぞれモノマーの全質量に関するものであり、かつそれぞれ合計100質量%であることを特徴とする方法。 請求項2 高沸点ビニルエステルの含分が500ppm以下である、請求項1記載の方法。 請求項3 高沸点ビニルエステルが1013hPaで有利には150℃以上の沸点を有する、請求項1又は2記載の方法。 請求項4 高沸点ビニルエステルとして、20個までのC原子を有する直鎖モノカルボン酸のビニルエステル及び/又は5〜20個のC原子を有する分枝鎖α−モノカルボン酸のビニルエステルを使用する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。 請求項5 高沸点ビニルエステルとして、ビニルラウレート、ビニルステアレート、ビニルネオデカノエート、VeoVa9(R)及びVeoVa10(R)を含む群から選択された1以上のモノマーを使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。 請求項6 ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマー中の非重合高沸点ビニルエステルの含分を、後重合により低減させる、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。 請求項7 ビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマー中の残留モノマーの含分を、蒸留又はストリッピングにより低減させる、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。 請求項8 以下:ビニルアセテート4.9〜95質量%、1以上の高沸点ビニルエステル4.9〜95質量%、並びに場合により1以上のエチレン系不飽和補助モノマー0.1〜40質量%のラジカル開始重合により得られる、高沸点ビニルエステルのわずかな含分を有するビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーにおいて、付加的に、ビニルアセテート0.1〜40質量%が重合の変換率65〜99.9%で添加され、その際、上記の質量%での表記はそれぞれモノマーの全質量に関するものであり、かつそれぞれ合計100質量%であることを特徴とするビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマー。 請求項9 塗料用バインダーとしての、接着剤又は積層剤を製造するための、請求項8記載のビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーの使用。 請求項10 仕上剤、チューインガム材料のための原料としての、又は低収縮剤としての、請求項8記載のビニルアセテート−ビニルエステル−混合ポリマーの使用。
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同族专利:
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引用文献:
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