专利摘要:
本発明は、新規のキナゾリン誘導体、それらの誘導体、およびそれらの医薬的に許容される塩に関する。本発明は、本発明の化合物を含む組成物、および細胞表面受容体チロシンキナーゼを阻害することで有利に治療される疾患および疾病を治療する方法におけるかかる組成物の用途についても提供する。
公开号:JP2011510079A
申请号:JP2010544356
申请日:2009-01-22
公开日:2011-03-31
发明作者:タン,ロジャー
申请人:コンサート ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド;
IPC主号:C07D239-94
专利说明:

[0001] (関連出願の相互参照)
本願は、2008年1月22日出願の米国特許仮出願第61/022,806号、および2008年12月22日出願の米国特許仮出願第61/140,073号の利益を主張するものであり、これらの出願の全教示内容は、参照することで本明細書に組み入れられる。]
[0002] 本発明は、新規のキナゾリン誘導体、それらの誘導体、およびそれらの医薬的に許容される塩に関する。本発明は、本発明の化合物を含む組成物、および細胞表面受容体チロシンキナーゼを阻害することで有利に治療される疾患および疾病を治療する方法におけるかかる組成物の用途についても提供する。]
背景技術

[0003] (3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−[7−メトキシ−6−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−キナゾリン−4−イル]−アミン;4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンとしても知られるゲフィチニブ;ならびにIressa(登録商標)は、EGF型受容体チロシンキナーゼ(EGFR−TK)を調節する(米国特許第5,770,599号を参照)。]
[0004] ゲフィチニブは、現在、米国および日本で非小細胞肺癌の治療用として認可されている。卵巣癌、膀胱癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、脳癌、内分泌癌、前立腺癌、肉腫、骨髄性白血病、固形腫瘍、小細胞肺癌、星細胞腫、乳癌、扁平上皮細胞癌、膵臓癌、多形性膠芽腫、腎臓癌、胃癌、部位不明/体組織の癌、および肝臓癌を含む様々な他の癌に対する単一薬剤もしくは併用療法の一部として臨床試験中でもある。]
[0005] ゲフィチニブは、承認された用法用量において、下痢および発疹を高い頻度で引き起こすことが知られている。ゲフィチニブは、少数の割合の患者において肺毒性にも関連している(FDAlabel−http://www.astrazeneca−us.com/pi/iressa.pdfを参照)。]
[0006] ゲフィチニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤は、喫煙者ではより急速な代謝が起こるため、非喫煙者とは反対に効果が低いことも知られている。Lynch TJら、N Engl J Med 2004,350:2129−2139;Pao Wら、Proc Natl Acad Sci USA 2004,101:13306−13311;Marchetti Aら、J Clin Oncol 2005,23:857−865;Shigematsu Hら、J Natl Cancer Inst 2005,97:339−346;およびPham Dら、J Clin Oncol 2006,24:1700−1704。]
[0007] ゲフィチニブの有益な活性にも関わらず、上述の疾患および疾病を治療するための新規化合物への継続的必要性がある。]
図面の簡単な説明

[0008] ゲフィチニブと比較した、化合物101、102、および104のin vitroでのt1/2データを示す。(定義)]
[0009] 「改善する」および「治療する」という用語は、区別なく使用され、治療的治療および予防的治療(発生の可能性を減らす)を含む。両方の用語は、疾患(例えば、本明細書で使用する疾患または疾病)の発生または進行を減少する、抑制する、弱毒化する、軽減する、阻む、または安定化すること、疾患の重症度を低くすること、あるいは、疾患に関連する症状を改善することを意味する。]
[0010] 「疾患」とは、細胞、組織、または器官の正常機能を損なうまたは妨げるあらゆる症状または疾病のことを意味する。]
[0011] 合成に用いられる化学物質の由来に応じて、天然同位体存在度におけるいくつかのばらつきが合成化合物で起こることが分かるであろう。従って、ゲフィチニブ製剤は、少量の重水素化された同位体置換体を本質的に含む。天然に豊富で安定な水素同位体の濃度は、このばらつきに関わらず、少濃度であり、本発明の化合物の安定同位体置換の程度に対して微々たるものである。例えば、Wada,Eら、Seikagaku,1994,66:15;Ganes,LZら、Comp Biochem Physiol Mol Integr Physiol,1998,119:725を参照されたい。]
[0012] 本発明の化合物は、本発明で用いる「化合物」という用語が、式(I)の化合物において重水素と指定される位置に存在する各重水素原子で少なくとも3000(45%重水素結合)の最小の同位体濃縮係数を有する物質の組成物のことを言う意味において、天然に存在するマイナー形態と区別される。]
[0013] 本発明の化合物において、特定の同位体として特に指定されない任意の原子は、特に明記しない限り、その原子の任意の安定同位体を表わすことを意味する。特に明記しない限り、位置が「H」または「水素」と具体的に指定される場合、その位置は、その天然存在度の同位体組成で水素を有すると理解される。また、特に明記しない限り、位置が「D」または「重水素」と具体的に指定される場合、その位置は、重水素の天然存在度である0.015%の少なくとも3000倍(即ち、少なくとも45%重水素結合)豊富に重水素を有すると理解される。]
[0014] 本明細書で使用する「同位体濃縮係数」という用語は、特定同位体の同位体存在度と天然存在度の間の比率を意味する。]
[0015] 他の実施形態において、本発明の化合物は、化合物上の重水素化のポテンシャル部位として指定された部位に存在する各重水素に対して、少なくとも3500(52.5%の重水素結合)、少なくとも4000(60%重水素結合)、少なくとも4500(67.5%重水素結合)、少なくとも5000(75%重水素結合)、少なくとも5500(82.5%重水素結合)、少なくとも6000(90%重水素結合)、少なくとも6333.3(95%重水素結合)、少なくとも6466.7(97%重水素結合)、少なくとも6600(99%重水素結合)、または少なくとも6633.3(99.5%重水素結合)の同位体濃縮係数を有する。]
[0016] 本明細書に記載の構造式は、ある位置の原子が同位体濃縮されているかどうか示してもよいし、示さなくてもよい。最も一般的な実施形態において、特定の位置が同位体濃縮されているかどうかについて構造式が記していない場合、特定の位置の安定同位体が天然存在度で存在する、あるいは、特定の位置が1つ以上の天然安定同位体で同位体濃縮されていると理解されたい。より詳細な実施形態において、安定同位体は、同位体濃縮されていると具体的に指定されない化合物の全ての位置において、天然存在度で存在する。]
[0017] 「同位体置換体」という用語は、その同位体組成においてのみ本発明の特定化合物とは異なる種のことを言う。同位体置換体は、1つ以上の位置における同位体濃縮レベル、および/または、同位体濃縮の位置(単数または複数)が異なり得る。]
[0018] 「化合物」という用語は、本発明の化合物のことを言う場合、分子の構成原子間において同位体変化があり得る以外は同一の化学構造を有する分子の集合体のことを言う。従って、示された重水素原子を含む特定の化学構造によって表わされる化合物は、その構造における1つ以上の指定された重水素位置に水素原子を有するより少量の同位体置換体を含むことが当業者には明らかであろう。本発明の化合物におけるかかる同位体置換体の相対量は、化合物を作るのに用いる重水素化試薬の同位体純度や、化合物の調製に用いる種々の合成工程における重水素を取り込む効率を含む多くの要因による。しかしながら、上述のように、かかる同位体置換体のin totoの相対量は、化合物の55%未満である。他の実施形態において、かかる同位体置換体のin totoの相対量は、化合物の50%未満、47.5%未満、40%未満、32.5%未満、25%未満、17.5%未満、10%未満、5%未満、3%未満、1%未満、または0.5%未満である。]
[0019] 本発明は、本発明の化合物の塩も提供する。]
[0020] 本発明の化合物の塩は、酸と、アミノ官能基などの化合物の塩基性基との間で形成されるか、あるいは、塩基と、カルボキシル官能基などの化合物の酸性基との間で形成される。別の実施形態によれば、化合物は、医薬的に許容される酸付加塩である。]
[0021] 本明細書で使用する「医薬的に許容される」という用語は、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等がなくヒトや他の哺乳類の組織に接触させて用いるのに適切であり、なおかつ、妥当な便益/リスク比に相応した成分のことを言う。「医薬的に許容される塩」とは、受容体への投与時に、本発明の化合物を直接的または間接的に提供することができる任意の非毒性塩のことを意味する。「医薬的に許容される対イオン」とは、受容体への投与時に塩から放出された際に、毒性のない塩のイオン部分のことである。]
[0022] 医薬的に許容される塩を形成するのに一般的に用いられる酸としては、二硫化水素、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸のみならず、パラ—トルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、二酒石酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ベシル酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、ギ酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、乳酸、シュウ酸、パラ—ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、および酢酸などの有機酸、ならびに関連の無機酸および有機酸が挙げられる。従って、かかる医薬的に許容される塩としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ぎ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン—l,4—ジオエート、ヘキシン—l,6—ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、β—ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン—1—スルホン酸塩、ナフタレン—2—スルホン酸塩、マンデル酸塩、および他の塩が挙げられる。一実施形態において、医薬的に許容される酸付加塩としては、塩酸および臭化水素酸などの鉱酸で形成されたもの、特に、マレイン酸などの有機酸で形成されたものが挙げられる。]
[0023] 本発明の化合物(例えば、式Iの化合物)は、例えば、重水素置換またはその他の方法の結果として、不斉炭素原子を含み得る。このように、本発明の化合物は、個々の鏡像異性体としても存在し、これら2つの鏡像異性体の混合物としても存在することができる。従って、本発明の化合物は、両方のラセミ混合物だけでなく、他の立体異性体を実質的に含まない個々それぞれの立体異性体も含む。本明細書で使用する「他の立体異性体を実質的に含まない」という用語は、他の立体異性体を25%未満、好ましくは他の立体異性体を10%未満、より好ましくは他の立体異性体を5%未満、最も好ましくは他の立体異性体を2%未満、または他の立体異性体を「X」%未満(ここで、Xは0以上100以下の数)含むことを意味する。所与の化合物に対する個々の鏡像異性体を得るまたは合成する方法は、当該技術分野では周知であり、最終化合物または出発材料あるいは中間体に実用可能なものとして適用することができる。]
[0024] 本明細書で使用する「安定化合物」という用語は、製造するのに十分な安定性を有し、本明細書で詳述した目的に有用な十分な期間にわたって化合物の完全性を維持する化合物のことを言う(例えば、治療薬に反応する疾患または疾病を治療するための治療薬、治療化合物の製造に使用する中間体、単離可能または保存可能な中間体化合物への製剤)。]
[0025] 「D」とは、重水素のことを言う。「立体異性体」とは、鏡像異性体およびジアステレオマーのことを言う。]
[0026] 本明細書で使用する「喫煙者」という用語は、パックイヤーが15年よりも長い喫煙歴を有し、かつ、過去25年にわたって喫煙しているヒトのことを意味する。本明細書で使用する「非喫煙者」という用語は、パックイヤー15年以下の喫煙歴を有するか、あるいは、過去25年にわたって喫煙していないヒトのことを意味する。「パックイヤー」は、1日の喫煙本数に喫煙年数を掛け、その積を20で割ることで算出される(http://www.cancer.gov/Templates/db_alpha.aspx?CdrID=306510を参照されたい)。]
[0027] 本明細書を通じて、変数は、概括的(例えば、「各R」)なことを言ってもよく、あるいは、具体的(例えば、R1、R2、R3等)なことを言ってもよい。特に明記しない限り、変数が概括的なことを言う場合、特定の変数の具体的な実施形態を全て含むことを意味する。
(治療化合物)]
[0028] 本発明は、式Aの化合物:



またはその医薬的に許容される塩を提供し、式中:
R1は、H、CH3、CH2D、CHD2、およびCD3から選択され;
R2は、n−プロピレンであり、式中、1〜6個の水素原子は、必要に応じて、重水素原子で置換されていてもよく;
R3は、F、Cl、Br、H、OH、F、OCD3、またはOCH3から選択され;
各Y(即ち、Y1−Y8の各々)は、水素および重水素から独立に選択され;
R1がHまたはCH3であり、R2が−(CH2)3−である場合、少なくとも1個のYは重水素である。]
[0029] 本発明は、式Iの化合物:



またはその医薬的に許容される塩も提供し、式中:
R1は、H、CH3、CH2D、CHD2、およびCD3から選択され;
R2は、n−プロピレンであり、式中、1〜6個の水素原子は、必要に応じて、重水素原子で置換されていてもよく;
各Y(即ち、Y1−Y8の各々)は、水素および重水素から独立に選択され;
R1がHまたはCH3であり、R2が−(CH2)3−である場合、少なくとも1個のYは重水素である。]
[0030] 式Aまたは式Iの化合物の一実施形態において、
R1は、H、CH3、およびCD3から選択され;
R2は、−(CH2)3−、−CD2−CH2−CD2−、−CD2−CH2−CH2−、−CD2−CD2−CH2−、−CH2−CD2−CH2−、−CH2−CD2−CD2−、−CH2−CH2−CD2−、および−(CD2)3から選択され;
Y1、Y2、Y7、およびY8は同一であり;Y3、Y4、Y5、およびY6は同一である。]
[0031] 式Aまたは式Iの化合物の別の実施形態において、
R1は、CH3およびCD3から選択され;
R2は、−(CH2)3−および−(CD2)3から選択され;
Y1−Y8は同一である。]
[0032] 式Aまたは式Iのある実施形態において、
a)R1は、H、CH3、およびCD3から選択され;
b)R2は、−(CH2)3−、−CD2−CH2−CD2−、−CD2−CH2−CH2−、−CD2−CD2−CH2−、−CH2−CD2−CH2−、−CH2−CD2−CD2−、−CH2−CH2−CD2−、および−(CD2)3から選択され;または、
c)Y1、Y2、Y7、およびY8は同一であり;Y3、Y4、Y5、およびY6は同一である。]
[0033] より詳細な実施形態において、式Aまたは式Iの化合物は、上記のa)乃至c)の2つ以上の特徴を有する。]
[0034] 式Aまたは式Iの他の詳細な実施形態において、
a1)R1は、CH3およびCD3から選択され;
b1)R2は、−(CH2)3−および−(CD2)3から選択され;または、
c1)各Yは同一である。]
[0035] より詳細な実施形態において、式Aまたは式Iの化合物は、a1)乃至c1)の2つ以上の特徴を有する。別のより詳細な実施形態において、式Aまたは式Iの化合物は、a)またはa1)、b)またはb1)、c)またはc1)の2つ以上の特徴を有する。]
[0036] さらに別の実施形態において、化合物は、下記の表1に記載の化合物のいずれか1つから選択される。]
[0037] 別の実施形態において、上述の実施形態のいずれかにおいて重水素として指定されない任意の原子は、その天然同位体存在度で存在する。]
[0038] 式Iの化合物の合成は、合成化学の分野における当業者により容易に行うことができる。関連手順および中間体は、例えば、
PCT出願刊行物国際公開第96/33980号パンフレット、PCT出願刊行物国際公開第2005/023783号パンフレット、PCT出願刊行物国際公開第2005/070909号パンフレット、PCT出願刊行物国際公開第2005/013998号パンフレット;およびBruno,SMら、Molecules,2006,11:286−297に開示されている。]
[0039] かかる方法は、重水素化され、必要に応じて、他の同位体を含有する試薬、および/または、本明細書に記載の化合物を合成するための中間体を利用して、あるいは、同位体原子を化学構造に導入するため当該技術分野で周知の標準的な合成プロトコルを使用することで行うことができる。
(合成例)]
[0040] スキーム1 式Aの化合物の合成。]
[0041] 式Aの化合物を合成するための便利な方法について上述のスキーム1に示す。従って、DMF中の炭酸カリウムの存在下、10(Harris,CSら、Tet Lett,2005,46:1835−1837に従って合成)をR1Iと反応させることで11を得る。酸を用いて11を脱メチル化し、12を得る。12をアセチル化して13を得、これを、アミン塩基の存在下、塩化りんを用いてクロロ化合物14に変換する。14を脱アセチル化してフェノール15を得、これを、適当な重水素化モルホリン16とカップリングさせ、17を得る。17をアニリン18と反応させ、式Aの化合物を得る。]
[0042] スキーム2a。16−d14の合成。]
[0043] スキーム2b スキーム2a。16−d6の合成。]
[0044] 適当に重水素化された1−クロロプロピルモルホリン16−d14および16−d6の合成について上述のスキーム2aおよび2bに示す。市販の3−ブロモ−1−プロパノール−1,1,2,2,3,3−d6である30をN−クロロスクシンイミド(NCS)およびトリフェニルホスフィンで処理し、James Gら、J Labelled Comp Radiopharm 1988,25:263−275に記載の対応する塩化物31を得る。次いで、Syn Comm,2006,36:347−354の手順を用いて、塩化物31をトルエン中の市販のモルホリン−2,2,3,3,5,5,6,6−d8である32で処理して16−d14を得、あるいは、Syn Comm,2006,36:347−354の手順を用いて、塩化物31をトルエン中の市販のモルホリン33で処理して16−d6を得る。]
[0045] 前述の具体的な手法および化合物は、限定的なものではない。本明細書のスキームにおける化学構造は、同一の変数名(即ち、R1、R2、R3等)によって識別されるか否かについて、本明細書の式の化合物における対応位置の化学基定義(部分、原子等)により整合的に定義される変数のことを示す。別の化合物の合成に用いるある化合物構造における化学基の適合性は、当業者の知識の範囲内である。]
[0046] 式Iの化合物およびこれら合成前駆体の別の合成方法は、本明細書のスキームに明示的に示していない経路内のものを含み、当業者である化学者の通常の技術の範囲内である。適用可能な化合物の合成に有用な合成化学変換および保護基方法論(保護および脱保護)は、当該技術分野で周知であり、例えば、Larock R,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);Greene TWら、Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,John Wiley and Sons(1999);Fieser Lら、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);and Paquette L,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)、およびその後の版に記載されているものが挙げられる。]
[0047] 本発明により想定された置換基および変数の組合せは、安定化合物の形成をもたらすもののみである。
(組成物)]
[0048] 本発明はまた、有効量の、式Aまたは式Iの化合物(例えば、本明細書のいずれの式を含む)、または前記化合物の医薬的に許容される塩と;医薬的に許容される担体とを含むピロゲンフリー組成物を提供する。本発明の組成物は、医薬用途(「医薬組成物」)用に調合されるのが好ましく、ここで、担体は医薬的に許容される担体である。担体(単数または複数)は、製剤の他の成分と相溶性があるという意味において「許容される」ものでなければならず、医薬的に許容される担体の場合、薬剤に使用される量でその受容体に無害なものでなければならない。]
[0049] 医薬的に許容される担体としては、本発明の医薬組成物に使用され得るアジュバントおよびビヒクルが挙げられる。医薬的に許容される担体としては、塩、電解液、可溶化剤、溶剤、緩衝液、乳化剤、着香剤、着色剤、甘味剤、充填剤、平滑剤、希釈剤、懸濁化剤、増粘剤、分散剤、湿潤剤、バイオアベイラビリティー増強剤、および吸収促進剤の1つ以上が挙げられる。特定の医薬的に許容される担体としては、1,3−ブタンジオール、2−オクチルドデカノール、アカシア、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、蜜蝋、ベンジルアルコール、リン酸塩、セルロース系物質、セテアリルアルコール、セチルエステルワックス、ココアバター、コロイド状シリカ、コーンスターチ、リン酸水素二ナトリウム、乳化ワックス、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、ゼラチン、グリセリン、グリシン、ヒト血清アルブミン、イオン交換体、等張食塩水、ラクトース、レシチン、液化石油、長鎖アルコール、LUTROL(登録商標)、ステアリン酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、マンニトール、鉱油、オレイン酸およびそのグリセリド誘導体、オリーブ油またはヒマシ油(特に、それらのポリオキシエチル化バージョン)、植物由来の飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、PLURONIC(登録商標)、ポリアクリレート、ポリエチレン・グリコール、ポリエチレン‐ポリオキシプロピレン・ブロック共重合体、ポリソルベート60、ポリビニル・ピロリドン、リン酸水素カリウム、ソルビン酸カリウム、プロピレングリコール、硫酸プロタミン、リンゲル溶液、血清タンパク質、カルボキシメチルセルロースナトリウム、塩化ナトリウム、ソルビン酸、ソルビタンモノステアレート、スクロース、トラガカント、ツイーン80、水、ワックス、白色石油、羊毛脂、および亜鉛塩が挙げられるが、これらに限定されない。]
[0050] 本発明の医薬組成物としては、経口、直腸、鼻腔、局所(口腔および舌下を含む)、膣内、非経口(皮下、筋肉内、静脈内、および皮内を含む)、および経皮投与に適するものが挙げられる。各タイプの組成物と併用するのに適当な医薬的に許容される担体の選択は当該技術分野で周知である。同様に、有効成分(単数または複数)と担体とを一緒にして、種々の本発明の医薬組成物の単位投与剤形を生成する方法についても当該技術分野で周知である。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Philadelphia,PA(17th ed.1985)を参照されたい。]
[0051] 別の実施形態において、本発明の組成物は、第2の治療薬をさらに含む。第2の治療薬は、ゲフィチニブと同じ作用機序を有する化合物とともに投与した場合に、有益な特性を有することが知られている、あるいは、該特性が実証されている任意の化合物または治療薬から選択してもよい。かかる薬剤としては、癌に苦しんでいるあるいは癌に罹患しやすい患者の治療に有用なものが挙げられる。]
[0052] 一実施形態において、第2の治療薬は、アナストロゾール、アリミデックス、セディラニブ(AZD−2171)、ベキサロテン、カルシトリオール、カペシタビン、カルボプラチン、セフィキシム、セレコキシブ、カネルチニブ(CI−1033)、シスプラチン、デキサメタゾン、ドセタキセル、エルビタックス、エトポシド、エベロリムス、エベロリムス、ファスロデックス、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲムシタビン、イリノテカン、ロイコボリン、ロペラミド、オキサリプラチン、パクリタキセル、PEG−インターフェロンα、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、シンバスタチン、シロリムス、スニチニブ(SU11248)、タモキシフェン、テモゾロマイド、トポテカン、トラスツズマブ、およびビノレルビンから選択される。]
[0053] 別の実施形態において、本発明は、本発明の化合物と、上述の第2の治療薬のいずれかの1つ以上との別々の剤形を提供し、ここで、化合物と第2の治療薬とは互いに会合している。本明細書で使用する「互いに会合している」という用語は、別々の剤形を一緒に販売し、投与すること(連続的または同時に互いに24時間未満内)を意図することが容易に明らかとなるように、別々の剤形が一緒に包装されている、あるいは、互いに取り付けられていることを意味する。]
[0054] 本発明の医薬組成物では、本発明の化合物は、有効量で存在する。本明細書で使用する「有効量」という用語は、適切な投与計画で投与する場合、治療している疾患の重篤度、期間、または進行を軽減または改善する、治療している疾患の促進を予防する、治療している疾患を退行させる、あるいは、別の治療の予防または治療効果(単数または複数)を高めるまたは向上させるのに十分な量のことを言う。]
[0055] 動物とヒトに対する用量の相互関係(体表面1平方メートル当たりのミリグラムに基づく)は、Freireichら、(1966)Cancer Chemother.Rep50:219に記載されている。体表面積は、患者の身長および体重からおおよそ決定することができる。例えば、Scientific Tables,Geigy Pharmaceuticals,Ardsley,N.Y.,1970,537を参照されたい。]
[0056] 一実施形態において、本発明の化合物の有効量は、10〜1000mg/日の範囲にわたることができる。いくつかの実施形態において、有効量は、100〜500mg/日の範囲である。他の実施形態において、有効量は、50〜250mg/日の範囲である。さらに他の実施形態において、有効量は、約250mg/日である。]
[0057] 有効量は、当業者により認識されるように、治療する疾患、疾患の重篤度、投与経路、患者の性別、年齢、および一般的健康状態、賦形剤の使用、他の治療処置に伴う、例えば、他の薬剤の使用との併用の可能性、および治療医の判断に応じて変化させてもよい。例えば、有効量を選択するためのガイダンスは、ゲフィチニブの処方情報を参照することで決めることができる。]
[0058] 第2の治療薬を含む医薬組成物において、第2の治療薬の有効量は、その薬剤のみを用いる単剤療法レジメンで通常使用される投与量の約20%〜100%の間である。有効量は、標準の単剤治療量の約70%〜100%の間であるのが好ましい。これら第2の治療薬の標準の単剤治療量は、当該技術分野で周知である。例えば、Wellsら、eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd Edition,Appleton and Lange,Stamford,Conn.(2000);PDRPharmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia2000,Deluxe Edition,Tarascon Publishing,Loma Linda,Calif.(2000)を参照されたい。これら参照文献の各々は、参照により本明細書に完全に引用したものとする。]
[0059] 上記で参照した第2の治療薬のいくつかは、本発明の化合物と相乗的に作用すると考えられる。このような場合、第2の治療薬および/または本発明の化合物の有効薬量を単剤療法で必要な量より減らすことができる。これは、第2の治療薬または本発明の化合物いずれかの毒性の副作用の軽減、効果の相乗的な改善、投与または使用し易さの改善、および/または、化合物の調製または製剤の総費用の削減という利点を有する。
(治療方法)]
[0060] 別の実施形態において、本発明は、本明細書の式Aまたは式Iの化合物の1つ以上を細胞に接触させることを含む、細胞における上皮成長因子受容体チロシンキナーゼの活性を調節する方法を提供する。]
[0061] 別の実施形態によれば、本発明は、癌に苦しんでいるあるいは癌に罹患しやすい患者の治療方法を提供する。]
[0062] ある特定の実施形態において、本発明の方法は、非小細胞肺癌、膀胱癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、食道癌、転移性腎臓癌、転移性膵臓癌、前立腺癌、唾液腺癌、皮膚癌、甲状腺癌、副腎皮質癌、多形性膠芽腫、神経膠腫、急性骨髄性白血病、滑膜肉腫、転移性乳癌、および固形腫瘍癌から選択される疾患または疾病に苦しんでいるあるいは罹患しやすい患者の治療に用いる。]
[0063] さらに別の実施形態において、上述の疾患または疾病のいずれかに苦しんでいるあるいは罹患しやすい患者は、喫煙者である。さらに別の実施形態において、上述の疾患または疾病のいずれかに苦しんでいるあるいは罹患しやすい患者は、非喫煙者である。]
[0064] 別の特定の実施形態において、本発明の方法は、非小細胞肺癌に苦しんでいるあるいは罹患しやすい患者の治療に用いる。]
[0065] 本明細書に記載の方法としては、患者が特定の治療の必要があると見なされているものも含む。かかる治療が必要である患者の同定は、患者または医療専門家の判断であってよく、主観的(例えば、意見)または客観的(例えば、試験または診断法により測定可能)であってもよい。]
[0066] 別の実施形態において、上記の治療方法のいずれかは、患者に1つ以上の第2の治療薬を同時投与する工程をさらに含む。第2の治療薬の選択は、ゲフィチニブとの同時投与に有用であると知られている任意の第2の治療薬から行ってよい。第2の治療薬の選択は、治療する特定の疾患または疾病にもよる。本発明の方法で用いてもよい第2の治療薬の例は、本発明の化合物と第2の治療薬とを含む配合組成物に用いる上述のものである。]
[0067] 特に、本発明の併用療法としては、以下の疾患(該疾患の次に示す括弧内に特定の第2の治療薬を一緒に示した)を治療するために式Aまたは式Iの化合物と第2の治療薬とを同時投与することが挙げられる。疾患(該疾患に対する特定の第2の治療薬)としては、膀胱癌(シスプラチン、ゲムシタビン);乳癌(トラスツズマブ、タモキシフェン、アナストロゾール、アリミデックス、CI−1033、ドセタキセル、ファスロデックス、フルベストラント);結腸直腸癌(ラルチトレキセド、オキサリプラチン、ロイコボリン、イリノテカン、フルオロウラシル、カペシタビン);食道癌(パクリタキセル、オキサリプラチン、イリノテカン、フルオロウラシル、シスプラチン);胃癌(ロイコボリン、フルオロウラシル);神経膠腫(テモゾロマイド);頭頸部癌(カルボプラチン、シスプラチン、ドセタキセル、フルオロウラシル);腎臓癌(PEG−インターフェロンα);肺腺癌(カルボプラチン、パクリタキセル);鼻咽腔癌(セレコキシブ);神経芽細胞腫(ロペラミド);非小細胞肺癌(AZD2171、ベキサロテン、カルボプラチン、セレコキシブ、シスプラチン、ドセタキセル、エルビタックス、エベロリムス、フルベストラント、ゲムシタビン、パクリタキセル、ペメトレキセド、シンバスタチン、シロリムス、ビノレルビン);卵巣癌(アナストロゾール、トポテカン);膵臓癌(ドセタキセル、ゲムシタビン);前立腺癌(ドセタキセル、エトポシド、エベロリムス);腎細胞癌(SU011248);皮膚癌(PEG−インターフェロンα);固形腫瘍(カルシトリオール、カペシタビン、セフィキシム、デキサメタゾン、イリノテカン、オキサリプラチン);尿路上皮癌(ドセタキセル)である。]
[0068] 本明細書で使用する「同時投与する」という用語は、単一剤形(例えば、本発明の化合物と、上述の第2の治療薬とを含む本発明の組成物)の一部として、あるいは、別個の複数剤形として、第2の治療薬を本発明の化合物とともに投与することを意味する。あるいは、本発明の化合物の投与前、投与に続いて、または投与後に、追加の薬剤を投与してもよい。かかる併用療法による治療では、本発明の化合物と第2の治療薬(単数または複数)の両方を従来の方法で投与する。本発明の化合物と第2の治療薬との両方を含む本発明の組成物を患者に投与することは、治療期間中に別時で、同一治療薬、任意の他の第2の治療薬、または本発明の任意の化合物を前記患者に個別投与することを妨げるものではない。]
[0069] これら第2の治療薬の有効量は、当業者に公知であり、投与ガイダンスは、本明細書に引用した特許および特許出願公開のみならず、Wellsら、eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd Edition,Appleton and Lange,Stamford,Conn.(2000);PDRPharmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000,Deluxe Edition,Tarascon Publishing,Loma Linda,Calif.(2000)、および他の医療テキストに見ることができる。しかしながら、第2の治療薬の最適な有効量の範囲を判断するのは当業者の十分な範囲内である。]
[0070] 本発明の一実施形態において、第2の治療薬を対象に投与する場合、本発明の化合物の有効量は、第2の治療薬を投与しない場合におけるその有効量未満である。別の実施形態において、第2の治療薬の有効量は、本発明の化合物を投与しない場合におけるその有効量未満である。これにより、高用量のいずれの薬剤に伴う望ましくない副作用を最小限にすることができる。他の潜在的利点(限定的ではないが、投与計画の向上、および/または、薬剤費の削減を含む)は、当業者に明らかになるであろう。]
[0071] さらに別の態様において、本発明は、患者の上述の病気、疾患、または症状を治療または予防するため、単一組成物または別々の剤形として、薬剤の製造において式Aまたは式Iの化合物のみを使用、または、1つ以上の上述の第2の治療薬とともに式Aまたは式Iの化合物を使用することを提供する。本発明の別の態様は、患者の本明細書に記載の病気、疾患、または症状を治療または予防に使用する式Aまたは式Iの化合物である。]
[0072] さらに別の態様において、本発明は、非小細胞肺癌、膀胱癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、食道癌、転移性腎臓癌、転移性膵臓癌、前立腺癌、唾液腺癌、皮膚癌、甲状腺癌、副腎皮質癌、多形性膠芽腫、神経膠腫、急性骨髄性白血病、滑膜肉腫、転移性乳癌、および固形腫瘍癌から選択される疾患または疾病の治療に用いる、式Aまたは式Iの化合物と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物である。一つの特定態様において、本発明は、非小細胞肺癌の治療に用いる、式Aまたは式Iの化合物と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。ある実施形態において、医薬組成物は、アナストロゾール、アリミデックス、セディラニブ(AZD−2171)、ベキサロテン、カルシトリオール、カペシタビン、カルボプラチン、セフィキシム、セレコキシブ、カネルチニブ(CI−1033)、シスプラチン、デキサメタゾン、ドセタキセル、エルビタックス、エトポシド、エベロリムス、エベロリムス、ファスロデックス、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲムシタビン、イリノテカン、ロイコボリン、ロペラミド、オキサリプラチン、パクリタキセル、PEG−インターフェロンα、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、シンバスタチン、シロリムス、スニチニブ(SU11248)、タモキシフェン、テモゾロマイド、トポテカン、トラスツズマブ、およびビノレルビンから選択される1つ以上の第2の治療薬をさらに含む。ある態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、喫煙者における上述の疾患の一つの治療に用いる。他の態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、非喫煙者における上述の疾患の一つの治療に用いる。
(診断方法およびキット)]
[0073] 本発明は、非小細胞肺癌、膀胱癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、食道癌、転移性腎臓癌、転移性膵臓癌、前立腺癌、唾液腺癌、皮膚癌、甲状腺癌、副腎皮質癌、多形性膠芽腫、神経膠腫、急性骨髄性白血病、滑膜肉腫、転移性乳癌、および固形腫瘍癌の治療に用いるキットも提供する。これらのキットは、a)式Aまたは式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を含む、入れ物に入った医薬組成物と;b)対応する癌を治療するための医薬組成物の使用方法を記載した説明書と、を含む。]
[0074] 入れ物は、前記医薬組成物を保持できる任意の容器あるいは他の密閉されたまたは密閉可能な装置であってよい。例としては、ボトル、アンプル、分割型ボトル、またはマルチチャンバ式ホルダボトル(各区分またはチャンバは単回投与の前記組成物を含む)、分割型ホイルパケット(各区分は単回投与の前記組成物を含む)、または単回投与の前記組成物を分注するディスペンサが挙げられる。入れ物は、医薬的に許容される材料、例えば、紙または段ボール箱、ガラスまたはプラスチックボトルあるいは瓶(jar)、ジッパー付バッグ(例えば、異なる入れ物に配置するための「詰め替え」用錠剤を保持)、または治療スケジュールに従ってパックから押し出す個別用量を備えたブリスターパックからなる当該技術分野で周知の任意の従来の形状または型であってよい。用いる入れ物は、関連する正確な剤形に左右される。例えば、従来の段ボール箱は、液体懸濁液を保持するのには一般に使用されないであろう。単一剤形を販売するため単一包装に複数の入れ物を一緒に使用することも可能である。例えば、錠剤は、ボトルに収容し、次いで、ボックス内に収容してもよい。一実施形態において、入れ物はブリスターパックである。]
[0075] 本発明のキットは、単回投与の医薬組成物を投与するまたは測り分ける機器をさらに含んでいてもよい。かかる機器としては、前記組成物が吸入可能組成物である場合は吸入器;前記組成物が注射用組成物である場合は注射器および針;前記組成物が口腔液体組成物である場合は容量マーキング付または無しの注射器、匙、ポンプ、または容器;あるいは、キット内に存在する組成物の投与製剤に適切な任意の他の計測機器または送達機器が挙げられる。]
[0076] ある実施形態において、本発明のキットは、別の容器の入れ物に、本発明の化合物と同時投与するのに用いる上記で列挙したものなどの第2の治療薬を含む医薬組成物を含んでもよい。
(実施例)]
[0077] 実施例1.3−(モルホリノ−d8)プロピル−d6メタンスルホン酸塩(43)の合成
以下のスキーム3に概説されるように中間体43を調製した。合成の詳細は以下の通りである。]
[0078] スキーム3.中間体43の調製]
[0079] 3−(モルホリノ−d8)プロパン−d6−1−オール(42)の合成
トルエン(15mL)中の3−ブロモプロパノール−d6 40(1.5g、10.3mmol)の攪拌溶液にモルホリン−d8 41(1.96g、20.7mmol)を滴下した。混合物を80℃に加熱し、4時間(h)攪拌した。得られた懸濁液を濾過し、濾液を減圧下濃縮し、生成物42(1.5g、93%)を得た。MS(M+H):160.2。]
[0080] 3−(モルホリノ−d8)プロピル−d6メタンスルホン酸塩(43)の合成
ジクロロメタン(20ml)中の42(1.6g、10.0mmol)の攪拌溶液にトリエチルアミン(2.7ml、19.8mmol)および塩化メタンスルホニル(1.6ml、19.8mmol)を滴下した。反応混合物を飽和NaHCO3溶液(10mL)に加え、得られた混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、生成物43(2.00g、86%)を得た。MS(M+H):238。]
[0081] 実施例2.3−モルホリノ(プロピル−d6)メタンスルホン酸塩(44)の合成
適当に重水素化された出発材料を用いて、スキーム3に概説されるように中間体44を調製した。合成の詳細は以下の通りである。]
[0082] 3−モルホリノ(プロパン−d6)−1−オールの合成
トルエン(25mL)中の3−ブロモプロパノール−d6 40(2.50g、17.2mmol)の攪拌溶液にモルホリン(3.00g、34.5mmol)を滴下した。混合物を80℃に加熱し、4時間(h)攪拌した。得られた懸濁液を濾過し、濾液を減圧下濃縮し、生成物(1.50g、57%)を得た。MS(M+H):152。]
[0083] 3−モルホリノ(プロピル−d6)メタンスルホン酸塩(44)の合成
ジクロロメタン(20ml)中の3−モルホリノ(プロパン−d6)−1−オール(2g、13.2mmol)の攪拌溶液にトリエチルアミン(2.7ml、19.8mmol)および塩化メタンスルホニル(1.6ml、19.8mmol)を滴下した。反応混合物を飽和NaHCO3溶液(10mL)に加え、得られた混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、生成物44(2.40g、80%)を得た。MS(M+H):230.1。]
[0084] 実施例3.4−(3−クロロプロピル)モルホリン(45)の合成
以下のスキーム4に概説されるように中間体45を調製した。合成の詳細は以下の通りである。]
[0085] スキーム4.中間体45の調製]
[0086] 4−(3−クロロプロピル)モルホリン(45)の合成
トルエン(100mL)中の1−ブロモ−3−クロロプロパン(10.0g、63.5mmol)の溶液にモルホリン(11.0mL、127mmol)を加えた。混合物を還流条件下で2時間攪拌した後、濾過した。濾液を水で洗浄し、有機層を乾燥させ、in vacuoで濃縮した後、蒸留し、45(10.0g、96%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6):δ 3.70〜3.80(m、4H)、3.60(t、2H)、2.40〜2.60(m、6H)、1.90(m、2H)。MS(M+H):164。]
[0087] 実施例4.N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(メトキシ−d3)−6−(3−(モルホリノ−d8)プロポキシ−d6)キナゾリン−4−アミン(101)の合成
下記のスキーム5に概説されるように化合物101を調製した。合成の詳細は以下の通りである。]
[0088] スキーム5.化合物101の調製]
[0089] 3−メトキシ−4−(メトキシ−d3)安息香酸メチル(47)の合成
THF(250mL)中の3,4−ジメトキシ安息香酸メチル46(25.0g、137.2mmol)の溶液にトリフェニルホスフィン(43.1g、164.6mmol)およびメタノール−d4(11.2mL、274.4mmol)を加えた。得られた混合物をアルゴン雰囲気下で室温にて攪拌後、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(33mL、164.6mmol)を滴下し、反応混合物を2時間攪拌した。THFを蒸留により除去し、得られた混合物を水と酢酸エチルとの間に分配した。有機層をNa2SO4により乾燥させ、in vacuoで濃縮し、生成物47(23.0g、91%)を得た。MS(M+H):200.1。]
[0090] 4−(メトキシ−d3)−5−メトキシ−2−ニトロ安息香酸メチル(48)の合成
酢酸(102mL)中の47(30.0g、150.6mmol)の溶液に硝酸(32mL、70%)を0〜5℃で滴下した後、室温で12時間攪拌した。得られた黄色固体を氷水で洗浄し、濾過し、48(35.0g、95%)を得た。MS(M+H):245。]
[0091] 2−アミノ−4−(メトキシ−d3)−5−メトキシ安息香酸メチル(49)の合成
ジクロロメタン(400mL)およびメタノール(100mL)中の48(36.0g、147.4mmol)の溶液に塩化ニッケル(II)六水和物(10.3g、44.2mmol)を加えた。水素化ホウ素ナトリウム(18.3g、486.4mmol)を30分(min)間にわたり0〜5℃で部分的に加えた。混合物をさらに1時間攪拌した後、in vacuoで濃縮した。冷却2N HCl(500mL)を残渣に加え、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄後し、乾燥(Na2SO4)した後、有機層をin vacuoで濃縮し、生成物49(25.0g、79%)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ:7.31(s、1H)、6.17(s、1H)、3.86(s、3H)、3.84(s、3H)。MS(M+H):215.1]
[0092] 6−メトキシ−7−(メトキシ−d3)キナゾリン−4(3H)−オン(50)の合成
ホルムアミド(170mL)中の49(17.0g、79.3mmol)の溶液を還流条件下で12時間攪拌した。得られた沈殿物を水で洗浄し、濾過し、50(13.5g、81%)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ:7.97(s、1H)、7.42(s、1H)、7.11(s、1H)、3.85(s、3H)。MS(M+H):210。]
[0093] 6−ヒドロキシ−7−(メトキシ−d3)キナゾリン−4(3H)−オン(51)の合成
50(7.00g、33.4mmol)およびL−メチオニン(5.60g、35.4mmol)の混合物をメタンスルホン酸(50mL)に溶解させ、環流加熱し、4時間攪拌した。砕いた氷/水を混合物に加えた後、NaOH(40%水溶液)をゆっくりと加え(pH〜7)、白色沈殿物を得た。固体を焼結ガラス漏斗により濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥させた。得られた非晶質固体をMeOHから結晶化させ、51(2.10g、32%)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ:11.94(s、1H)、9.81(s、1H)、7.90(s、IH)、7.36(s、1H)、7.07(s、1H)。MS(M+H):196。]
[0094] 7−(メトキシ−d3)−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−イル酢酸塩(52)の合成
無水酢酸(16.8mL)中の51(2.10g、10.7mmol)、ピリジン(2.2mL)、およびDMAP(触媒量)の懸濁液を100℃に加熱し、アルゴン雰囲気下で6時間攪拌した。砕いた氷/水を加え、得られた白色沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させ、生成物52(2.00g、80%)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ:12.0(s、1H)、8.07(s、1H)、7.63(s、1H)、7.26(s、1H)、2.28(s、3H)。]
[0095] 4−クロロ−7−(メトキシ−d3)キナゾリン−6−イル酢酸塩(53)の合成
CHCl3(20mL)中の52(2.00g、8.4mmol)の溶液に触媒量のDMFを加えた。得られた混合物をアルゴン雰囲気下で0℃にて攪拌した。塩化オキサリル(2.1ml)を滴下し、混合物を60℃に加熱し、5時間攪拌した。反応物に飽和NaHCO3溶液を加えて急冷させた。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、in vacuoで濃縮し、53(2.00g、95%)を得た。MS(M+H):256。]
[0096] 4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(メトキシ−d3)キナゾリン−6−イル酢酸エステル塩酸塩(54)の合成
i−prOH(20mL)中の53(2.00g、7.8mmol)および3−クロロ−4−フルオロフェニルアミン(1.10g、7.8mmol)の溶液をアルゴン雰囲気下で5時間攪拌し、90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、沈殿物を焼結ガラス漏斗により濾過し、真空下で乾燥させ、白色粉末(3.00g、96%)として54を得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ:10.7(bs、1H)、8.8(s、1H)、8.5(s、1H)、8.1(m、1H)、7.8(m、1H)、7.55(m、1H)、7.4(m、1H)、2.4(s、3H)。MS(M+H):365。]
[0097] 4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシキナゾリン−6−オール(55)の合成
NH3/MeOH(3mL/50ml)中の54(3.00g、7.4mmol)の溶液を室温で24時間攪拌した。得られた白色沈殿物を濾過し、水で洗浄し、50℃で乾燥させ、白色固体(2.00g、83%)として55を得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ:9.7(s、1H)、9.5(s、1H)、8.5(s、1H)、8.1(m、1H)、7.9(m、1H)、7.8(m、1H)、7.4(m、1H)、7.2(m、1H)。MS(M+H):323。]
[0098] N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(メトキシ−d3)−6−(3−(モルホリノ−d8)プロポキシ−d6)キナゾリン−4−アミン(101)の合成
DMF(10mL)中の55(0.50g、1.54mmol)、炭酸カリウム(0.42g、3.08mmol)、およびKI(0.10g)の溶液を40℃で20分間攪拌した後、43(1.10g、4.64mmol)を加えた。この混合物を80℃に加熱し、アルゴン雰囲気下で6時間攪拌した。DMFをin vacuoで除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(4:1のジクロロメタンとメタノール)により粗混合物を精製し、101(0.25g、35%)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ:9.51(s、1H)、8.48(s、1H)、8.08〜8.13(m、1H)、7.45〜7.82(m、2H)、7.35〜7.45(m、1H)、7.19(s、1H)。MS(M+H):464.2。]
[0099] 実施例5.N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(メトキシ−d3)−6−(3−モルホリノ(プロポキシ−d6))キナゾリン−4−アミン(102)の合成
中間体43を中間体44に置き換えたことを除いては、上記のスキーム5に概説されるように化合物102を調製した。合成の詳細は以下の通りである。]
[0100] N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(メトキシ−d3)−6−(3−モルホリノ(プロポキシ−d6))キナゾリン−4−アミン(102)の合成
DMF(10mL)中の55(0.50g、1.55mmol)、炭酸カリウム(0.43g、3.1mmol)、およびKI(0.10g)の溶液を40℃で20分間攪拌した後、44(1.00g、4.65mmol)を加えた。得られた混合物を80℃に加熱し、アルゴン雰囲気下で6時間攪拌した。DMFをin vacuoで除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(4:1の酢酸エチルとメタノール)により粗混合物を精製し、102(0.36g、51%)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ:9.60(s、1H)、8.60(s、1H)、8.10(m、1H)、7.86(s、1H)、7.76〜7.80(m、1H)、7.44(t、1H)、7.23(s、1H)、4.00〜4.20(m、2H)、3.50〜3.80(m、4H)、3.00〜3.45(m、2H)。MS(M+H):456。]
[0101] 実施例6.N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(メトキシ−d3)−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(104)の合成
中間体43を中間体45に置き換え、上記のスキーム5に概説されるように化合物104を調製した。合成の詳細は以下の通りである。]
[0102] N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(メトキシ−d3)−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(104)の合成
DMF(10mL)中の55(0.40g、1.24mmol)および炭酸カリウム(0.92g、6.6mmol)の溶液を40℃で20分間攪拌した後、45(0.20g、1.39 mmol)を加えた。得られた混合物を80℃に加熱し、アルゴン雰囲気下で6時間攪拌した。DMFをin vacuoで除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(4:1の酢酸エチルとメタノール)により粗混合物を精製し、104(0.32g、58%)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ:9.60(s、1H)、8.60(s、1H)、8.20(m、1H)、7.80(m、2H)、7.40(t、1H)、7.30(s、1H)、4.20(t、2H)、3.50〜3.80(m、4H)、2.45(m、4H)、1.93〜2.00(m、2H)。MS(M+H):450。
(代謝的安定性の評価)]
[0103] 代謝的安定性の評価
あるin vitroの肝臓代謝研究は、以下の参照文献:Obach,RS,Drug Metab Disp,1999,27:1350;Houston,JBら、Drug Metab Rev,1997,29:891;Houston,JB,Biochem Pharmacol,1994,47:1469;Iwatsubo,Tら、Pharmacol Ther,1997,73:147;およびLave,Tら、Pharm Res,1997,14:152に前述されており、それぞれを参照によりその全体を本明細書に組み込んだものとする。]
[0104] ミクロソームアッセイ:XenoTech,LLC(Lenexa,KS))からヒト肝ミクロソーム(20mg/mL)を入手した。Sigma−Aldrichからβ−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、還元型(NADPH)、塩化マグネシウム(MgCl2)、およびジメチル・スルホキシド(DMSO)を購入した。インキュベーション混合物を表2に従って調製した:
表2.ヒト肝ミクロソーム研究用の反応混合組成物]
[0105] 代謝的安定性の判定:この反応混合物の2つアリコートを本発明の化合物に対して用いた。これら2つのアリコートを、振動している水浴中で37℃にて3分間インキュベートした。次いで、試験化合物を各アリコートに加え、最終濃度を0.5μMにした。補因子(NADPH)を一方のアリコートに加えることで、反応を開始させた(他方のアリコートにはNADPHが無く、陰性対照として機能した)。両方のアリコートを、振動している水浴中で37℃でインキュベートした。50マイクロリットル(50μL)のインキュベーション混合物を0分、5分、10分、20分、および30分で各アリコートから三通りに吸引し、氷冷したアセトニトリル50μLと組み合わせ、反応を終了させた。陽性対照である、ゲフィチニブおよび7−エトキシクマリンに対しても同様の手順を行った。試験は三通りで行った。]
[0106] データ分析:試験化合物のin vitro半減期(t1/2s)は、以下の式を用いて、%親残存(parent remaining)(ln)対インキュベーション時間の関係を持つ線形回帰の傾きから算出した。
in vitro t1/2=0.693/k、ここで、k=−[%親残存(ln)対インキュベーション時間の線形回帰の傾き]
データ分析は、マイクロソフトエクセルソフトウェアを用いて行った。]
[0107] 式Aまたは式Iの化合物の代謝的安定性について、プール肝臓のミクロソームインキュベーションを用いて試験した。次に、フルスキャンLC−MS分析を行い、主要な代謝産物を検出した。プールヒト肝ミクロソームに曝された試験化合物の試料をHPLC−MS(またはMS/MS)検出を用いて分析した。代謝的安定性の判定では、多反応モニタリング(MRM)を用いて試験化合物の消失を測定した。代謝産物検出では、Q1フルスキャンをサーベイスキャンとして用い、主要な代謝産物を検出した。]
[0108] 表3および図1にデータを示す。
表3.101、102、および104のIn vitroでのt1/2] 図1
[0109] さらに説明することなく、当業者は、前述の説明および例示実施例を用いて、本発明の化合物を作り、利用し、請求項に記載の方法を実行することができると考えられる。上述の議論および実施例は、特定の好適な実施形態の詳細な説明を単に述べたにすぎないこと理解すべきである。当業者には、本発明の精神および範囲から逸脱せずにさまざまな変更物および同等物の作成が可能であることが明らかであろう。上で論じたまたは引用した特許、学術論文、および他の文献は全て参照することで本明細書に組み入れられる。]
权利要求:

請求項1
式Aの化合物:またはその医薬的に許容される塩であって、式中:R1が、H、CH3、CH2D、CHD2、およびCD3から選択され;R2が、n−プロピレンであり、式中、1〜6個の水素原子は、必要に応じて、重水素原子で置換されていてもよく;R3が、F、Cl、Br、H、OH、OCD3、またはOCH3から選択され;各Y(即ち、Y1−Y8の各々)が、水素および重水素から独立に選択され;R1がHまたはCH3であり、かつ、R2が−(CH2)3−である場合、少なくとも1個のYが重水素である。
請求項2
式I:を有する請求項1に記載の化合物。
請求項3
R1が、H、CH3、およびCD3から選択される請求項1または請求項2に記載の化合物。
請求項4
R1が、CH3、およびCD3から選択される請求項3に記載の化合物。
請求項5
R2が、−(CH2)3−、−CD2−CH2−CD2−、−CD2−CH2−CH2−、−CD2−CD2−CH2−、−CH2−CD2−CH2−、−CH2−CD2−CD2−、−CH2−CH2−CD2−、および−(CD2)3から選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
請求項6
R2が、−(CH2)3−、および−(CD2)3から選択される請求項5に記載の化合物。
請求項7
Y1、Y2、Y7、およびY8が同一であり;Y3、Y4、Y5、およびY6が同一である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
請求項8
各Yが同一である請求項7に記載の化合物。
請求項9
前記化合物が、以下の表に示す化合物のいずれか1つから選択される請求項1に記載の化合物。表
請求項10
重水素として指定されない任意の原子が、その天然同位体存在度で存在する請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
請求項11
請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物と;医薬的に許容される担体と、を含むピロゲンフリー医薬組成物。
請求項12
癌に苦しんでいるあるいは癌に罹患しやすい患者の治療に有用な第2の治療薬をさらに含む請求項11に記載の組成物。
請求項13
前記第2の治療薬が、アナストロゾール、アリミデックス、セディラニブ、ベキサロテン、カルシトリオール、カペシタビン、カルボプラチン、セフィキシム、セレコキシブ、カネルチニブ、シスプラチン、デキサメタゾン、ドセタキセル、エルビタックス、エトポシド、エベロリムス、エベロリムス、ファスロデックス、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲムシタビン、イリノテカン、ロイコボリン、ロペラミド、オキサリプラチン、パクリタキセル、PEG−インターフェロンα、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、シンバスタチン、シロリムス、スニチニブ、タモキシフェン、テモゾロマイド、トポテカン、トラスツズマブ、およびビノレルビンから選択される請求項12に記載の組成物。
請求項14
請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物に細胞を接触させる工程を含む、前記細胞における上皮成長因子受容体チロシンキナーゼの活性を阻害する方法。
請求項15
癌の治療に用いる請求項11〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
請求項16
前記癌が、非小細胞肺癌、膀胱癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、食道癌、転移性腎臓癌、転移性膵臓癌、前立腺癌、唾液腺癌、皮膚癌、甲状腺癌、副腎皮質癌、多形性膠芽腫、神経膠腫、急性骨髄性白血病、滑膜肉腫、転移性乳癌、および固形腫瘍癌から選択される請求項15に記載の医薬組成物。
請求項17
前記癌が、非小細胞肺癌である請求項16に記載の医薬組成物。
請求項18
前記組成物を喫煙者に対して用いる請求項15〜17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
請求項19
前記組成物を非喫煙者に対して用いる請求項15〜17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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