专利摘要:
本発明は、皮膚炎を含む皮膚状態又は皮膚疾患の症状を治療する、又は軽減するための、トウガラシ属の植物、又はその一部、又はその抽出物の使用に関する。また、本発明は、湿疹又は皮膚炎の症状を治療する、又は軽減する方法とともに、そのような使用のための、それらと同じものを含む組成物に関する。 なし
公开号:JP2011509984A
申请号:JP2010542680
申请日:2009-01-16
公开日:2011-03-31
发明作者:レザイ‐フアルド アリ
申请人:レザイ‐フアルド アリ;
IPC主号:A61K36-81
专利说明:

[0001] 本発明は、皮膚状態又は皮膚疾患、特に湿疹又は皮膚炎を治療するための組成物に関する。より具体的には、本発明は、皮膚炎若しくは湿疹の症状を治療する又は軽減するための、トウガラシ属の植物の全部若しくは一部又はその抽出物の使用、又はそれらと同じものを含む組成物、特に医薬組成物の使用に関する。また、治療することができる皮膚状態又は皮膚疾患の他の例は、乾癬、ざ瘡、頭部粃糠疹、及び表皮水疱症(EB)である。]
背景技術

[0002] 乾癬は、皮膚及び関節を侵す非伝染性の疾患である。一般に、それは、皮膚上に赤い鱗状の斑点を発生させる。乾癬プラークと呼ばれる、乾癬に起因する該鱗状の斑点は、炎症及び過剰な皮膚産生の領域である。これらの部位に皮膚が急速に蓄積し、銀白色の外観を呈する。
乾癬の原因は、十分には分かっていない。該疾患の発症において、生じるプロセスについては、2つの主な仮説がある。第1は、乾癬は主に皮膚細胞の過剰な成長及び再生の疾患であると考えている。第2の仮説では、該疾患を、皮膚細胞の過剰な再生が、免疫系によって生み出される要因に対して二次的である、免疫介在性の疾患であると見なしている。]
[0003] 尋常性ざ瘡(一般にざ瘡と呼ばれる。)は、毛嚢脂腺部(毛包及びその結合した皮脂腺からなる皮膚構造)の変化に起因する皮膚疾患である。重度のざ瘡は、炎症性であるが、ざ瘡は、非炎症性形態でも現れ得る。一般に、ざ瘡病変は、面皰、シミ、斑点、ニキビ(zit)、又はざ瘡と呼ばれる。
頭部粃糠疹は、脂漏性湿疹と密接に関係する(かつ時には脂漏性湿疹とさえ呼ばれるほど)状態である。頭部粃糠疹は、死んだ皮膚細胞が頭皮から過剰に脱落することに起因し、かつ脂漏性湿疹の非炎症形態である。]
[0004] 表皮水疱症(EB)は、極度に脆い皮膚及び再発性の水疱形成の存在を特徴とする希な遺伝性疾患であり、わずかな機械的摩擦又は外傷で生じる。また、後天性表皮水疱症として公知のEBの後天性型もあり、それは自己免疫疾患に分類される。
皮膚の状態として皮膚炎は、その意味をギリシャ語から得ており、皮膚の炎症を意味ずる。湿疹は、多くの内因性及び外因性の媒介物に対する反応として生じるそう痒性の丘疹小水疱性の皮膚炎である。]
[0005] かつて、「皮膚炎」という用語は、身体外部の要因に起因する皮膚の炎症を説明するのに用いられ、時には、「接触又は刺激性」皮膚炎とも呼ばれたが、一方で、「湿疹」は、明らかな外因がない皮膚の炎症を説明するのに使用された。しかし、今日では、当該分野において、それぞれの用語にもはや区別はないとされており、現在それらは、同一のものを意味することと受け入れられ、したがって、互換的に使用される。結果的に、本明細書中で用いられる用語「皮膚炎」及び「湿疹」は、同じ状態を包含し、かつ代替可能である。]
[0006] 皮膚炎又は湿疹は、男女の両方で等しく罹患する。一般に、成人の約10%及び小児の20%がこの疾患に罹患している。典型的に、該疾患は、5歳になる前に始まり、成人期まで継続し得る。しかし、該疾患が後年に初めて現れることも珍しいことではない。
湿疹の発症機構は、十分には解明されていないが、それは自己免疫疾患に分類されている。湿疹の原因は多数あり、かつ疾患の特定の形態によって変化する。これに関して、最も一般的な3種の形態は、アトピー性湿疹、刺激性湿疹、及びアレルギー性湿疹である。]
[0007] アトピー性の湿疹又は皮膚炎は、遺伝性疾患であり、通常、喘息、アレルギー性鼻炎、及び/又は花粉症と関連がある。
刺激性接触皮膚炎としても公知の刺激性湿疹は、天然の油脂を皮膚から奪う媒介物に起因することが分かっている。そのような媒介物の例を挙げると、セッケン、界面活性剤、及び様々な殺菌剤がある。
アレルギー性接触皮膚炎としても公知のアレルギー性湿疹は、皮膚と接触している物質に対する免疫反応に起因することが分かっている。一般的なアレルゲンを挙げると、ニッケル、クロム、様々な植物、化粧品、及び毛髪染料がある。]
[0008] 非アトピー性皮膚炎の他の形態を挙げると、乳児脂漏性皮膚炎(幼児期皮膚炎)、成人脂漏性皮膚炎、静脈瘤皮膚炎、及び貨幣状皮膚炎がある。
異汗性湿疹(汗疱又は小水疱性皮疹とも呼ばれる。)は、通常、手を侵すが、それは足にも発症し得る。小さな痒い隆起(bump)(「タピオカ様」)が、指上に現れる。次いで、該隆起が発疹になる。異汗性湿疹は、肉体的又は情緒的ストレスによって悪化し、かつ家族内発症する。]
[0009] 汗疱性湿疹は、手の掌及び/又は足の裏を侵す大小の水疱と関連した、極度に痒い種類の湿疹である。多くの場合、それは突然発生するが、アトピー性又は接触性湿疹とも関連がある。ニッケルに対するアトピー性接触湿疹は、汗疱反応(痒い水疱)として現れ得る。
ナプキン湿疹(napkin eczema)は、乳児及び幼児において、皮膚と尿との長期の接触によって発生する、刺激性及び/又はアレルギー性接触湿疹の形態である。結果的に、接触湿疹は、アンモニア、糞便、及び腸バクテリアの影響に起因する。ナプキン湿疹は、赤い発疹であり、オムツ領域でのその分布、及びオムツが皮膚と接触していない皮膚のシワ内での不在によって容易に診断される。]
[0010] 軽度の形態において、一般に、皮膚炎は、炎症性の、刺激性の、赤色の、乾燥性の、熱い、落屑性の、病変性の、腫脹性の、及び常に痒い(そう痒症の)皮膚によって特徴付けられる。重度の形態においては、皮膚が損傷し、出血し得る。これは、細菌感染症及び真菌感染症を招き得る。更に、該疾患の症状は、不安、ストレス、及びうつ状態によって悪化し得ることが、広く理解されている。]
[0011] いくつかの皮膚炎の症状を挙げると、下記の皮膚の状態がある:
苔癬化:継続的に引っ掻くこと及び擦ることに起因する厚く、革状の皮膚;
丘疹:引っ掻いたときに開口し得る、小さく盛りあがった隆起。それらは、皮殻質化しかつ感染し得る;
魚鱗癬:皮膚の乾燥、矩形な鱗屑;
毛孔性角化症:一般に、顔、上腕、及び大腿上の小さく荒い隆起;
ハイパーリニア(Hyperlinear)手掌:手掌における皮膚のシワの数の増加;
じん麻疹:じん麻疹(hives)(赤く盛りあがった隆起)。多くの場合、発赤し始め時に、又は運動若しくは熱い風呂の後に、アレルゲンに曝露後、生じる;
口唇炎:唇上及び周囲の皮膚の炎症;
アトピー性プリーツ(デニー・モーガンひだ):目の下で発生する余分な皮膚のひだ;
色素過剰の眼瞼:炎症から色が暗くなった瞼;がある。]
[0012] 理解されるように、皮膚炎は、患者の生活の質における耐え難い関わりとなり得る。例えば、該状態に起因するそう痒は、睡眠パターンを妨げる。加えて、該状態を増悪させない又は悪化させない特別な衣服及び寝具が必要となり得る。]
[0013] 該状態を治療する目的で、副腎皮質ステロイドのクリーム剤及び軟膏剤を使用することが公知である。そのようなクリーム剤及び軟膏剤の使用に関連した不都合な点の1つは、特定の種類の公知の副腎皮質ステロイドのクリーム剤及び軟膏剤の基剤成分が、刺激物として作用し得る点である。加えて、局所的な副腎皮質ステロイドの反復の又は長期間の使用による、他の既知の副作用を挙げると、皮膚の菲薄化、感染症、色素沈着、成長抑制(乳児における)、及び皮膚のストレッチマークがある。更に、乳児における、強力な副腎皮質ステロイドのクリーム剤及び軟膏剤の長期間の使用は、副腎抑制を招き得ることが知られている。]
[0014] 局所的な治療が効果的ではない場合、全身的に副腎皮質ステロイドを使用して該状態を治療することも知られている。典型的に、これらの薬物療法は、急性の症例にだけ使用され、短期間だけ投与される。全身的な副腎皮質ステロイドを使用することと関連した不都合な副作用を挙げると、皮膚損傷、骨の菲薄化又は脆弱化、高血圧、高血糖、及び白内障がある。加えて、高用量は、大腿骨頭の無血管性壊死と関係している。更に、そのような治療は、妄想性障害及びうつ病を含む精神障害と関連している。更に、副腎皮質ステロイドの高用量は、満月様顔貌、線条、及びざ瘡をともなうクッシング症候群を引き起し得る。]
[0015] また、抗ヒスタミン剤を使用して皮膚炎を治療することが知られている;しかし、それらは、鎮静性及び抗コリン性である場合が多い。
非常に広範囲にわたる、扱いにくい、又は障害を引き起こす症例について、免疫調節性剤及び免疫抑制、例えば、シクロスポリン、タクロリムス、インターフェロンγ及び光線療法の実験的な治療も使用されている。しかし、それは、免疫系に支障をきたすことが実証された。]
[0016] 従来の治療に加えて、主に中国起源のいくつかの薬草療法が有益であることが見出されている。しかし、それらも欠点に悩まされる。例えば、そのような治療薬の大部分は、身体に有害な高濃度のステロイドを含有することが見出されているが、一方で、他のものは、強力な免疫抑制剤特性を有するか、又は危険な毒素を含有する。これらの製剤の使用は、それらの有効性が厳密な臨床試験によって確実に示されていないという事実によって、更に困難になる。]
[0017] 理解されるように、皮膚状態及び皮膚疾患の症状、特に皮膚炎又は湿疹を治療又は軽減できる、新規の製品、組成物、又は作用薬を提供する必要があり、これらは、少なくとも、上記で特定した公知の製品、組成物、又は作用薬に関連したいくつかの問題に対処したものである。
該状態の性質、及び多くの場合、たびたび痛む皮膚に定期的に局所用薬剤を適用することに関連した不快感を考慮して、これらの皮膚状態のための、効果的な経口投与による治療を提供することが、本発明の特定の目的である。]
[0018] また、新規の製品、組成物、又は作用薬を提供することも本発明の目的であり、これらを使用して、他の関連する皮膚状態、例えば、乾癬、ざ瘡、頭部粃糠疹、及び表皮水疱症(EB)の症状を治療する、又は軽減することができる。そのような製品、組成物、又は作用薬を提供することが、本発明の目的である。]
[0019] (発明の概要)
本発明の第1の態様において、皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するのに使用する薬剤の製造のための、トウガラシ属の植物、又はその一部、又はその抽出物の使用を提供し、ここで該薬剤は、経口、経鼻、又は直腸内投与に適したものである。
本発明の第2の態様において、皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するのに使用する薬剤の製造のための、少なくとも1つのトウガラシ属の植物の種子、又はその抽出物の使用を提供し、ここで該薬剤は、経口、経鼻、又は直腸内投与に適したものである。]
[0020] 本発明の第3の態様において、皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するのに使用する薬剤の製造のための、トウガラシ属の植物、又はその一部、又はその抽出物の使用を提供し、ここで該薬剤は、実質的にカプサイシン又は他のカプサイシノイドを含まない。
本発明の第4の態様において、皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するのに使用する薬剤の製造のための、少なくとも1つのトウガラシ属の植物の種子、又はその抽出物の使用を提供し、ここで該薬剤は、実質的にカプサイシン又は他のカプサイシノイドを含まない。]
[0021] 本発明の第5の態様において、皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するのに使用する薬剤の製造のための、トウガラシ属のサポニン、又はその類似体、模倣体、若しくは誘導体の使用を提供し、ここで該薬剤は、経口、経鼻、又は直腸内投与に適したものである。
本発明の第6の態様において、皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するのに使用する薬剤の製造のための、トウガラシ属の植物から抽出したサポニン、又はその類似体、模倣体、若しくは誘導体の使用を提供し、ここで該薬剤は、実質的にカプサイシン又は他のカプサイシノイドを含まない。]
[0022] 本発明の第7の態様において、皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するのに使用する薬剤の製造のための、トウガラシ属の植物から抽出したトリテルペン若しくはトリテルペノイド、又はその類似体、模倣体、若しくは誘導体の使用を提供し、ここで該薬剤は、実質的にカプサイシン又は他のカプサイシノイドを含まない。
本発明の第8の態様において、皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するのに使用する薬剤の製造のための、トウガラシ属のトリテルペン若しくはトリテルペノイド、又はその類似体、模倣体、若しくは誘導体の使用を提供し、ここで該薬剤は、経口、経鼻、又は直腸内投与に適したものである。]
[0023] 本発明の第9の態様において、皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するための使用に適した、少なくとも1つのトウガラシ属の植物の種子を含む組成物を提供し、ここで該薬剤は、経口、経鼻、又は直腸内投与に適したものである。
本発明の第10の態様において、皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するための使用に適した、少なくとも1つのトウガラシ属の植物の種子を含む組成物を提供し、ここで該薬剤は、実質的にカプサイシン又は他のカプサイシノイドを含まない。]
[0024] 本発明の第11の態様において、皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するための使用に適した、トウガラシ属の植物の抽出物、及び少なくとも1つの医薬として許容し得る賦形剤を含む医薬組成物を提供し、ここで該薬剤は、経口、経鼻、又は直腸内投与に適したものである。
本発明の第12の態様において、皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するための使用に適した、トウガラシ属の植物の抽出物、及び少なくとも1つの医薬として許容し得る賦形剤を含む医薬組成物を提供し、ここで該薬剤は、実質的にカプサイシン又は他のカプサイシノイドを含まない。]
[0025] (発明の詳細な説明)
トウガラシ属の植物は、多くの種子を含む、食用のさく果の果実を有する。この属のメンバーを挙げると、カイエン、ハバネロ、ハラペニョ、パプリカ、及びタバスコチリペッパーがある。この属は、ナス科の一員であり、そのような科を挙げると、トマト、タバコ、及びペチュニアがある。該属の植物、特に、その果実は、主に食物源として使用されるが;該属の特定のメンバー、特に、その抽出物は、医薬用に使用されている。例えば、チリペッパーの胎座、すなわち、種子を保持する白色の繊維状物質に見出されるカプサイシンは、疼痛を治療するのに使用されている。]
[0026] WO93/23061には、主に微生物に起因した皮膚状態、特に真菌感染症を治療するための、辛味の食物(トウガラシ属を含む。)からの植物抽出物を含む局所用薬剤の使用が開示されている。この文書に記載された実施例は、水虫及び白癬の治療に対する、そのような局所用製剤の有効性を示している。該文書には、これらの局所用製剤が、湿疹及び頭部粃糠疹を含む、多くの他の皮膚状態の治療に有効であろうことが示唆されている。また、この文書は、これらの食物の辛味の成分であるカプサイシノイド、特に、カプサイシンにある治療効果を教示している。]
[0027] カプサイシンは、トウガラシ属の植物の辛味の主要な活性成分である。この植物属に見出される他のカプサイシノイド化合物は、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、及びノニバミドである。カプサイシンは、トウガラシ属の植物に存在する主要なカプサイシノイドであり、典型的には、存在するカプサイシノイドの70重量%に対応する。
WO93/23061には、トウガラシ属含有組成物の局所的治療、及び注射による全身投与のみが開示されている。該文書は、経口投与を開示していないが、代わりに、消化による分解が、これらの植物含有組成物の治療活性を妨げることを教示している。]
[0028] 驚くべきことに、長期の湿疹の患者である本発明者は、チリペッパー(C.アンヌウム(C. annuum)及びC.フルテセンス(C.frutescens)に属する)を食すことによって、彼の湿疹が根絶されたことを発見した。使用する好ましいチリペッパーは、グリーンカイエンチリペッパー(C.アンヌウム)、並びにグリーン及びレッドバーズアイチリペッパー(C.アンヌウム及びC.フルテセンスの両方に属する。)であった。更に、本発明者は、該治療効果がチリペッパーに存在するカプサイシンによるものではないことを発見した。]
[0029] 本発明に使用されるチリペッパーは、通常のスーパーマーケット及び食料品店で購入した。それらは、細チリ(thin chillies)、細インディアンチリ(thin Indian chillies)、タイチリ(Thai chillies)、及びフィンガーチリ(finger chillies)などの表示で販売されている。該チリの色は、本発明にとって重要ではない。]
[0030] 数種の共通種のチリペッパーだけが存在している(多くの品種が存在するが)。これらの種の例は、以下である。
カプシカム・アンヌウム(Capsicum annuum)−パプリカ、カイエン、及びハラペニョなど多くの共通の品種を含む。
カプシカム・フルテセンス(Capsicum frutescens)−タバスコペッパー及びタイチリを含む。
カプシカム・キネンセ(Capsicum chinense)−ナガ、ハバネロ、ダティル、及びスコッチ・ボンネットなど最も辛いペッパーを含む。
カプシカム・パブセンス(Capsicum pubescens)−南米ロコトペッパーを含む。
カプシカム・バッカツム(Capsicum baccatum)−南米アヒペッパーを含む。]
[0031] 本発明の理解を助けるために、本発明への到達をもたらした本発明者の観察及び考察の説明を後述する。下記の説明が、本出願によって与えられる保護の範囲に関して制限するものと解釈すべきではないことが理解されよう。]
[0032] 本発明の発明者は、幼児期から皮膚炎又は湿疹に罹患している。該疾病又は状態によって侵された、本発明者の身体の部位を挙げると、補助的領域(auxiliary region)、指、顔、眼瞼、及び彼の足の裏である。
一般に、本発明者は、局所的なステロイド製剤が概して不満足であり、該利益は一時的なものであることを見出している。]
[0033] 全くの偶然で、発明者は、トウガラシ属の植物のチリペッパーを食すことによって、彼の状態に起因する症状が消失したことを見出した。更なる解釈を経て、本発明者は、本発明者がそれを使用しているあらゆる後の場面において、この天然物が、等しく有効であることを見出した。現在まで約8年間これを使用している。更に、それは彼の状態を治療するのに特に有効であったので、この製品を使うことの利益を発見してから、本発明者は、いかなる他の薬物療法も使用していない。数週間の間、チリペッパーを摂取することを含む各エピソードについて、大量のチリペッパーを事前に入手し、冷蔵庫に保存した。]
[0034] 本発明者がチリペッパーを食したことと、彼の湿疹の症状が根絶されたこととの間に関連性があることを確かめるために、本発明者は、彼の状態の症状を悪化させることが分かっているチョコレート及び他の食料品を食した。]
[0035] 彼の湿疹の症状が戻ると、彼は通常の大きさ及び形状のチリペッパーの果実を5〜10個、1日に2回摂取することを含む投与計画に着手した。彼は、そのような治療を開始して約14日以内に、彼の症状がほとんど完全に消失し、かつそのような治療を開始して21日以内に、該症状が根絶されたことを見出した。また、彼は5〜10個のチリペッパーの果実の摂取を、1日に2回、3ヵ月間実行することによって、彼の症状が最大12ヵ月もの間根絶されたことを見出した。
該症状が消滅すると、本発明者は、第2の治療コースが、同様に有効であることを観察した。]
[0036] 本発明者は、カプシカム科(Capsicum family)のメンバーの辛味の形態に関して試験を行っているだけだったので、該有益な効果に関与する媒介物が、それらを辛味にさせる成分、すなわち、カプサイシンと何らかの形で関係しているのかどうかを明らかにするために、彼は更なる検討を行った。これに関して、文献には、カプサイシンは、天然で種子内に存在しなかったと示されているが、時間とともに、それは種子の表面を汚染することができた。結果として、まず、チリペッパーの種子を除去し、残りの液果又は果実又はさやを手作業で分離する(すなわち、カプサイシンによる種子の汚染を最小化するために)。ついで、該種子の表面に存在し得るすべてのカプサイシンを除去するために、該種子を処理した。カプサイシンは冷水にはほぼ不溶性であるが、温水及び熱水には溶解するので、この目的を達成するために、該種子を「触れると熱い(hot-to-the-touch)」(およそ50℃)の水で繰返し、十分に洗浄した。該種子を試験によって、辛味のカプサイシンの存在を定性的に調べ、それがないことを見出した。]
[0037] どんなに微量のカプサイシン及び他のカプサイシノイドも除去するように種子を処理するために、該種子を洗浄するのに使用する水の温度は、30〜100℃、好ましくは、40〜80℃、最も好ましくは、50〜60℃とすることができる。
次いで、経口摂取するための種子の量を、およそ400〜500個の種子に統一し、1日に2回食事とともに摂取した。治療計画を開始して21日以内に、本発明者の指、眼瞼、顔に現れていた皮膚炎の症状は、完全に消失した。]
[0038] この知見を確認して、彼の症状を元に戻すのに必要な処置をとった後に、上記方法を繰り返した。再び、21日以内に、本発明者の症状は完全に消失した。
したがって、これまでの本発明者の調査に基づいて、観察された有益な効果に関与する、又は原因となっている、媒介物又は成分が、チリペッパーの種子に位置する、又は見出されることが明らかであろう。]
[0039] したがって、更に、摂取した本発明の種子、抽出物、及び組成物は、それらの治療活性にカプサイシノイドの存在を必要としない。本発明の薬剤及び組成物は、カプサイシン及び他のカプサイシノイドを、全体的に含まない、又は少なくとも実質的に含まなくともよい。
実質的にカプサイシン又は他のカプサイシノイドを含まないとは、該組成物及び薬剤におけるこれらの化合物のレベルが、温水で種子を洗浄することによって達成できるレベル以下であることを意味する。]
[0040] 好ましくは、本発明の薬剤又は組成物は、該薬剤を製造するのに使用される植物又は種子の抽出物中に、0.5重量%未満、好ましくは、0.1重量%未満、好ましくは、0.05重量%未満、好ましくは、0.01重量%未満、好ましくは、0.005重量%未満、及び最も好ましくは、0.001重量%未満のカプサイシノイドを含む。
可能であれば、通常の化学分析技術、例えば、HPLC又はGCを用いて分析する場合に、検出できないレベルのカプサイシノイド化合物が、本発明の薬剤又は組成物中に存在する。]
[0041] (保管)
本発明者はまた、彼の調査の間、摂取前に、チリペッパー又はそれらの種子を、0〜10℃の低温環境に保管した場合に、該種子の有益な効果が、より活性濃度で存在する可能性があることを見出した。この保管は、わずか48時間後に有益な結果を与える。しかし、2日〜26週間、好ましくは、3日〜16週間、より好ましくは、4日〜12週間、より好ましくは、5日〜8週間、より好ましくは、1週間〜3週間の間保持した場合、低温での保管の効果は改善された。]
[0042] したがって、これまでの本発明者の調査に基づいて、該果実又は種子が、0〜10℃で少なくとも2日であるが、最も好ましくは、1〜3週間の間で保管される場合に、観察される有益な効果に関与する、又はその原因となる、媒介物又は成分が、必要なレベル、すなわち、十分に高い濃度で、チリペッパーの種子に位置する、又は見出されることが、明らかであろう。
該種子内に存在する成分に関しては、どんな理論にも制約されることを望まないが、それは、トウガラシ属の植物の種子の中に存在することが知られている、カプシシジン(capsicidin)として公知のサポニンの1つであるという可能性がある。]
[0043] また、本発明者の状態を治療するのに関与した、トウガラシ属の植物の種子内に存在する成分は、トリテルペン又はトリテルペノイドである可能性がある。
理解されるように、本発明の製品は、局所的に、経口、鼻腔内及び直腸を含む経腸的に、非経口的に(注射及び注入)、並びに他の全身的な方法で投与できることが理解されよう。これに関して、そのような製剤の製品は、当該分野で周知であるので、そのような製剤の製造についての更なる情報を本明細書中に提供する必要はないと考える。]
[0044] 本出願の文脈内で、上記及び下記で用いられる次の用語は、後述で提供される意味に帰属される。
カプシカム(Capsicum)は、トウガラシ属のすべての植物種を包含していると理解される。一般に、該群のメンバーは、多くの種子を含む食用のさく果の果実を有する。メンバーを挙げると、限定はされないが、C.アンヌウム(C. annuum)、C.フルテセンス(C. frutescens)、C.キネンセ(C. chinense)、C.ペンデュラム(C. pendulum)、C.パブセンス(C. pubescens)、C.ミニマム(C. minimum)、C.バッカツム(C. baccatum)、C.アブレビアツム(C. abbreviatum)、C.アノマルム(C. anomalum)、C.ブレビフロルム(C. breviflorum)、C.ブホルム(C. buforum)、C.ブラシリアヌム(C. brasilianum)、C.カンピロポジウム(C. campylopodium)、C.カルデナシー(C. cardenasii)、C.チャコエンセ(C. chacoense)、C.シリアレ(C. ciliare)、C.シリアツム(C. ciliatum)、C.クロロクラジウム(C. chlorocladium)、C.コッシネウム(coccineum)、C.コルディフォルム(C. cordiforme)、C.コルヌツム(C. cornutum)、C.ジモルフム(C. dimorphum)、C.デュセニー(C. dusenii)、C.エキシレ(C. exile)、C.エキシミウム(C. eximium)、C.ファシクラツム(C. fasciculatum)、C.ファスティギアツム(C. fastigiatum)、C.フレクスオスム(C. flexuosum)、C.ガラパゴエンシス(C. galapagoensis)、C.ゲミニホルム(C. geminifolum)、C.フッケリアヌム(C. hookerianum)、C.ランセオラツム(C. lanceolatum)、C.レプトポズム(C. leptopodum)、C.ルテウム(C. luteum)、C.ミクロカルプム(C. microcarpum)、C.ミヌチフロルム(C. minutiflorum)、C.ミラビレ(C. mirabile)、C.パルビホリウム(C. parvifolium)、C.プラエテルミスム(C. praetermissum)、C.スコッチアヌム(C. schottianum)、C.スコルニキアヌム(C. scolnikianum)、C.ストラモニホリウム(C. stramonifolium)、C.テトラゴナム(C. tetragonum)、C.トバリー(C. tovarii)、C.ビロースム(C. villosum)、C.ビオラシウム(C. violaceum)がある。また、本発明は、トウガラシ属の植物の全部又は任意の部分、例えば、その果実、種子、葉、又は根;それから得られる任意の成分、誘導体、又は抽出物、並びにそのような植物又はその一部から得られる任意の成分、誘導体、若しくは抽出物の合成型を包含することが理解されよう。]
[0045] また、配糖体であるサポニンは、ステロイド配糖体サポニン及びステロイドアルカロイドサポニンを含む、ステロイドの誘導体である天然のサポニンのみならず、トリテルペンサポニン及びトリテルペノイドサポニンを含む、酸性サポニンも包含することが理解されよう。そのような用語を挙げると、限定はされないが、カプシコシドA〜Gを含む、カプシシジン(capsicidin)(カプシシジン(capsicidine)しても知られる。)として公知のサポニンの群があることも理解されよう。また、限定はされないが、ソラソジン、ソラニジン及びソラニン、並びにフロスタノール型のサポニンも挙げられることが理解されよう。また、本発明は、トウガラシ属の植物又はその一部から抽出したサポニン、又は合成的に生成したサポニンの使用を包含することが理解されよう。本発明はまた、トウガラシ属のサポニンの類似体、模倣体、及び誘導体の使用も包含することが理解されよう。]
[0046] また、本発明は、トウガラシ属の植物又はその一部から抽出したトリテルペン若しくはトリテルペノイド、又は合成的に生成したトリテルペン若しくはトリテルペノイドの使用を包含することが理解されよう。本発明はまた、トウガラシ属のトリテルペン、トリテルペノイドの類似体、模倣体、及び誘導体の使用も包含することが理解されよう。]
[0047] また、サポニン、トリテルペン、及びトリテルペノイドに加えて、該有益な効果に関与し得る、トウガラシ属の植物の種子からの他の抽出物を挙げると、限定はされないが、下記のものであることが理解されよう。該抽出物は、24-(R)-エチル-ロフェノール、24-メチレン-シクロアルタノール、24-メチル-ラノスト9(11)-エン-3-β-オール、24-メチル-ロフェノール、31-ノルシクロアルタノール、31-ノル-ラノスト8-エン-3-β-オール、31-ノル-ラノスト-9(11)-エン-3-β-オール、31-ノル-ラノステロール、4-α-14-α-24-トリメチル-コレスタ-8(24)-ジエン-3-β-オール、4-α-24-ジメチル-コレスタ-7,24-ジエン-3-β-オール、4-α-メチル-5-α-コレスト-8(14)-エン-3-β-オール、β-アミリン、シトロスタジエノール、シクロアルタノール、シクロアルテノール、シクロオイカレノール、グラミステロール、ラノスト-8-エン-3-β-オール、ラノステロール、ロフェノール、ルペオール、及びオブツシホリオールである。]
[0048] また、本発明は、皮膚炎又は湿疹の症状を治療する、又は軽減する方法にも関することが理解されよう。該方法は、任意のトウガラシ属の植物、又はその一部、又はその抽出物、又はそれらと同じものを含む組成物を、対象、特にヒト対象に投与することを含む。好ましくは、そのような投与は、経口によって達成される。]
[0049] (活性物質の抽出)
トウガラシ属の植物、又はその一部から(特に、種子から)の活性物質の抽出は、当該分野で公知の任意の方法によって行うことができる。例えば、様々な異なる有機溶媒又は水溶液を用いて、粉砕した種子を溶媒抽出して、活性化合物を得ることができた。これらの溶媒に抽出された任意の化合物を、HPLCなどの標準的な実験技術を用いて単離し、かつ同定できる。更に、これらの単離化合物の試験することで、該活性種の特定が可能になる。]
[0050] 同定されると、次いで、該化合物を合成により製造することもできる。これは、当該分野で周知の、標準的な有機合成技術を用いて達成できる。
本発明の医薬組成物は、天然の抽出物、及び合成的に誘導した等価物の両方から製造できる。]
[0051] (投薬)
トウガラシ属の植物の果実、種子、又は有効成分、特に種子は、皮膚炎又は湿疹の症状を軽減する、又は予防するのに有効な量で適切に投与される。適当な用量は、1日あたり、体重1kgあたり、約0.1〜約30個の種子、例えば、1日あたり、体重1kgあたり、約1〜約20個の種子(又は同量の果実全体、又は同量の種子から抽出された有効成分)である。]
[0052] したがって、皮膚状態を治療するのに有効な、トウガラシ属の果実の用量は、投与量あたり、1〜100個、好ましくは、2〜75個、好ましくは、3〜50個、好ましくは、5〜30個、及び最も好ましくは、10〜20個のトウガラシ属の果実である。
したがって、皮膚状態を治療するのに有効な、トウガラシ属の種子の用量は、投与量あたり、10〜2000個、好ましくは、50〜1750個、好ましくは、100〜1000個、好ましくは、200〜750個、及び最も好ましくは、400〜500のトウガラシ属の種子である。]
[0053] 投与は、1日あたり1〜8回行うことができる。より好ましくは、1日あたり2〜4回である。投与は、食事時に、通常の食物摂取とともに行うか、又は他の食物がなくても行うことができる。
皮膚状態に必要な限り、投与を行うことができる。これには、数日、数週間、又は数ヶ月もの投与が要求され得る。該症状が消失すると、該投与を停止することができる。後日、症状が再び現れた場合、該投与を再開することが必要な場合がある。いくつかの症例においては、症状のない状態を維持するために、該投与を継続することが要求され得る。]
[0054] (医薬組成物)
トウガラシ属の植物からの食物抽出物、及び医薬として許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物を製造して、皮膚疾患を治療することができる。賦形剤は、1つ以上の抗付着剤、結合剤、コーティング剤、崩壊剤、充填剤/希釈剤、香味料、着色料、流動促進剤(glidant)、潤滑剤、保存剤、吸着剤、及び甘味料を含むことができる。
好ましくは、該医薬組成物は、トウガラシ属の植物の種子からの抽出物を用いて製造される。該活性物質は、2つ以上の化合物が存在することが見出され得る。該活性物質は、サポニン、トリテルペン、トリテルペノイド、又はそれらの誘導体とすることができる。]
[0055] 該抽出物は、植物材料から単離された特定の活性物質(又は活性物質の群)とすることができる。これは、当該分野で知られる、任意、既知の化学抽出によって達成できる。
好ましくは、該活性物質は、トウガラシ属の植物の種子から抽出される。あるいは、該組成物は、単に、種子全体を粉砕した形態を用いて得ることができる。]
[0056] 一度同定された抽出物は、合成によって製造されて、医薬組成物に使用することができる。また、該抽出物は、活性抽出物の類似体、模倣体、及び医薬として許容し得る誘導体を含むことができる。
該医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、エアロゾル剤、ガス剤、浣腸、坐薬、液剤、又は散剤の形態で、患者に送達することができる。本発明の医薬組成物は、当該分野で公知の任意の方法で、患者の身体に送達できる。これを挙げると、吸入、経口、非経口、腟内、及び直腸内剤形がある。]
[0057] しかし、最も好ましいのは、該医薬組成物を、経口的に身体へ送達することであり、したがって、カプセル剤又は錠剤の形態をとることである。
医薬製剤分野の当業者は、他の投与方法(経鼻など)に適した、実施例のそれとは別の製剤を提供することができるであろう。]
[0058] 有効成分から形成される場合、該医薬組成物は、上記の果実及び種子を含む治療に適応した活性物質の重量に等しい、投与量あたりの活性物質の量を含むであろう。
あるいは、該有効成分の用量は、投与量あたり、1〜500mgs、好ましくは、5〜400mgs、好ましくは、10〜300mgs、好ましくは、25〜250mgs、好ましくは、50〜200mgs、及びより好ましくは、100〜150mgsの有効成分とすることができる。]
[0059] (更なる状態の治療)
湿疹は、自己免疫疾患であると考えられている。自己免疫疾患は、身体に通常存在する物質及び組織に対する、身体の過剰な免疫応答に起因する。言い換えれば、身体が自身の細胞を攻撃することである。
湿疹及び皮膚炎の治療において、トウガラシ属の果実、及び特に種子からの抽出物に基づいて、本発明の薬剤の有効性が得られ、これらの治療及び組成物は、他の自己免疫疾患の患者に、治療効果を提供する可能性もある。]
[0060] 他の自己免疫疾患例には、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、アジソン病、円形脱毛症、抗リン脂質抗体症候群(APS)、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、水疱性類天疱瘡、セリアック病、クローン病、グッドパスチャー症候群、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、多発性硬化症、悪性貧血、関節リウマチ、及び潰瘍性大腸炎がある。
したがって、本発明者は、トウガラシ属の植物、又はその一部、又はその抽出物を、自己免疫疾患、特に限定はされないが、上記のものの症状を治療する、又は軽減するための薬剤の製造に使用できると考える。]
[0061] 好ましくは、使用する場合、植物の一部は、種子であり、かつ使用する場合、その抽出物は、該種子から取得される。好ましくは、該薬剤は、経口投与に適している。
湿疹及び皮膚炎の主要な症状の1つは、激しい痒みである。本発明の薬剤は、湿疹、皮膚炎、及び乾癬に起因するそう痒の症状を軽減する。]
[0062] 本発明者は、本発明の薬剤及び組成物が、そう痒を引き起こす、他の病状の有効な治療になると考える。他の状態の例を挙げると、アレルギー反応、水痘、真菌感染症、咬虫症及び刺虫症がある。
したがって、トウガラシ属の植物、又はその一部、又はその抽出物を、そう痒の症状を治療する、又は軽減するための薬剤の製造に使用することができる。該そう痒は、アレルギー反応、水痘、真菌感染症、咬虫症及び刺虫症によって引き起こされ得る。]
[0063] 必要に応じて、その特定の形態で、あるいは開示の機能を実行する手段、又は開示の結果を達成するための方法若しくは過程に関して表された、前記の説明、又は下記の請求項、又は添付の図面に説明した特徴を、単独に、又はそのような特徴の任意の組合せで利用して、その多様な形態で発明を実現することができる。
下記の実施例に本発明を例示する。]
[0064] (実施例1)
(錠剤)
単離した活性化合物、又は粉砕した種子、又は粉末化した種子の形態の、5〜15重量%のトウガラシ属の食物抽出物。
最大70重量%のラクトース粉末、結晶セルロース、デンプン、スクロース、又はそれらの混合物などの充填剤。
最大25重量%の崩壊剤、着色料、潤滑剤、及び香味料などの任意の成分。
また、該錠剤に、コーティングを施すこともできる。これによって、安定性を改善する、風味を隠す、又は身体への吸収場所を制御する。]
実施例

[0065] (実施例2又は3)
(カプセル剤)
ゼラチンカプセルを、トウガラシ属の植物の全種子で、又は挽いた種子から形成した粉末から充填することができる。
あるいは、ゼラチンカプセルは、水及びグリセリンなどの適当な液体賦形剤環境中の活性抽出物の液剤(「ソフトゲル」形態)とともに提供することができる。]
权利要求:

請求項1
皮膚状態の症状を治療する、又軽減するための薬剤の製造における、トウガラシ属の植物、又はその一部、又はその抽出物の使用であって、該薬剤が経口、経鼻、又は直腸内投与に適したものである、前記使用。
請求項2
皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するための薬剤の製造における、少なくとも1つのトウガラシ属の植物の種子、又はその抽出物の使用であって、該薬剤が経口、経鼻、又は直腸内投与に適したものである、前記使用。
請求項3
皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するための薬剤の製造における、トウガラシ属の植物、又はその一部、又はその抽出物の使用であって、該薬剤が実質的にカプサイシン又は他のカプサイシノイドを含まない、前記使用。
請求項4
皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するための薬剤の製造における、少なくとも1つのトウガラシ属の植物の種子、又はその抽出物の使用であって、該薬剤が実質的にカプサイシン又は他のカプサイシノイドを含まない、前記使用。
請求項5
前記皮膚状態が乾癬、ざ瘡、頭部粃糠疹、及び表皮水疱症から選択される1つ以上の状態、及び皮膚炎を含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の使用。
請求項6
前記トウガラシ属の植物が、C.アンヌウム、C.フルテセンス、C.キネンセ、C.ペンデュラム、C.パブセンス、C.ミニマム、C.バッカツム、C.アブレビアツム、C.アノマルム、C.ブレビフロルム、C.ブホルム、C.ブラシリアヌム、C.カンピロポジウム、C.カルデナシー、C.チャコエンセ、C.シリアレ、C.シリアツム、C.クロロクラジウム、C.コッシネウム、C.コルディフォルム、C.コルヌツム、C.ジモルフム、C.デュセニー、C.エキシレ、C.エキシミウム、C.ファシクラツム、C.ファスティギアツム、C.フレクスオスム、C.ガラパゴエンシス、C.ゲミニホルム、C.フッケリアヌム、C.ランセオラツム、C.レプトポズム、C.ルテウム、C.ミクロカルプム、C.ミヌチフロルム、C.ミラビレ、C.パルビホリウム、C.プラエテルミスム、C.スコッチアヌム、C.スコルニキアヌム、C.ストラモニホリウム、C.テトラゴナム、C.トバリー、C.ビロースム、C.ビオラシウム、及びそれらの交配種からなる群から選択される、請求項1又は5のいずれか一項記載の使用。
請求項7
前記植物がC.アンヌウムである、請求項6記載の使用。
請求項8
前記植物がC.フルテセンスである、請求項6記載の使用。
請求項9
皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するのに使用する薬剤の製造のための、前記トウガラシ属の植物から抽出したサポニン、又はその類似体、模倣体、若しくは誘導体の使用であって、該薬剤が経口、経鼻、又は直腸内投与に適したものである、前記使用。
請求項10
皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するのに使用する薬剤の製造のための、前記トウガラシ属の植物から抽出したサポニン、又はその類似体、模倣体、若しくは誘導体の使用であって、該薬剤が実質的にカプサイシン又は他のカプサイシノイドを含まない、前記使用。
請求項11
前記サポニンが、カプシコシドA、カプシコシドB、カプシコシドC、カプシコシドD、カプシコシドE、カプシコシドF、カプシコシドG又はソラソジン、ソラニジン及びソラニンからなる群から選択されるカプシシジンである、請求項9又は10記載の使用。
請求項12
皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するのに使用する薬剤の製造のための、前記トウガラシ属の植物から抽出したトリテルペン若しくはトリテルペノイド、又はその類似体、模倣体、若しくは誘導体の使用であって、該薬剤が経口、経鼻、又は直腸内投与に適したものである、前記使用。
請求項13
皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するのに使用する薬剤の製造のための、前記トウガラシ属の植物から抽出したトリテルペン若しくはトリテルペノイド、又はその類似体、模倣体、若しくは誘導体の使用であって、該薬剤が実質的にカプサイシン又は他のカプサイシノイドを含まない、前記使用。
請求項14
前記皮膚状態が乾癬、ざ瘡、頭部粃糠疹、及び表皮水疱症から選択される1つ以上の状態、及び皮膚炎を含む、請求項9〜13のいずれか一項記載の使用。
請求項15
皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するための使用に適した、少なくとも1つのトウガラシ属の植物の種子を含む組成物であって、該薬剤が経口、経鼻、又は直腸内投与に適したものである、前記組成物。
請求項16
皮膚状態の症状を治療する、又は軽減するための使用に適した、少なくとも1つのトウガラシ属の植物の種子を含む組成物であって、該薬剤が実質的にカプサイシン又は他のカプサイシノイドを含まない、前記組成物。
請求項17
前記皮膚状態が乾癬、ざ瘡、頭部粃糠疹、及び表皮水疱症から選択される1つ以上の状態、及び皮膚炎を含む、請求項15又は16記載の組成物。
請求項18
トウガラシ属の植物の抽出物、及び少なくとも1つの医薬として許容し得る賦形剤を含む、皮膚状態を治療するのに適した医薬組成物であって、該薬剤が経口、経鼻、又は直腸内投与に適したものである、前記医薬組成物。
請求項19
トウガラシ属の植物の抽出物、及び少なくとも1つの医薬として許容し得る賦形剤を含む、皮膚状態を治療するのに適した医薬組成物であって、該薬剤が実質的にカプサイシン又は他のカプサイシノイドを含まない、前記医薬組成物。
請求項20
前記植物の抽出物が、前記植物の種子又は種子の抽出物を含む、請求項18又は19記載の医薬組成物。
請求項21
前記種子の抽出物が、サポニン、又はトリテルペン若しくはトリテルペノイド、又はそれらの組合せを含む、請求項20記載の医薬組成物。
請求項22
前記皮膚状態が乾癬、ざ瘡、頭部粃糠疹、及び表皮水疱症から選択される1つ以上の状態、及び皮膚炎を含む、請求項18〜21のいずれか一項記載の医薬組成物。
請求項23
前記トウガラシ属の植物が、C.アンヌウム、C.フルテセンス、C.キネンセ、C.ペンデュラム、C.パブセンス、C.ミニマム、C.バッカツム、C.アブレビアツム、C.アノマルム、C.ブレビフロルム、C.ブホルム、C.ブラシリアヌム、C.カンピロポジウム、C.カルデナシー、C.チャコエンセ、C.シリアレ、C.シリアツム、C.クロロクラジウム、C.コッシネウム、C.コルディフォルム、C.コルヌツム、C.ジモルフム、C.デュセニー、C.エキシレ、C.エキシミウム、C.ファシクラツム、C.ファスティギアツム、C.フレクスオスム、C.ガラパゴエンシス、C.ゲミニホルム、C.フッケリアヌム、C.ランセオラツム、C.レプトポズム、C.ルテウム、C.ミクロカルプム、C.ミヌチフロルム、C.ミラビレ、C.パルビホリウム、C.プラエテルミスム、C.スコッチアヌム、C.スコルニキアヌム、C.ストラモニホリウム、C.テトラゴナム、C.トバリー、C.ビロースム、C.ビオラシウム、及びそれらの交配種からなる群から選択される、請求項15〜22のいずれか一項記載の組成物。
請求項24
前記植物がC.アンヌウムである、請求項15〜22のいずれか一項記載の組成物。
請求項25
前記植物がC.フルテセンスである、請求項15〜22のいずれか一項記載の組成物。
請求項26
前記植物種がカイエンチリペッパーである、請求項24記載の組成物。
請求項27
前記植物種がバーズアイチリペッパーである、請求項24又は25記載の組成物。
請求項28
前記組成物又は薬剤が、0〜10℃で、少なくとも2日であるが、好ましくは1〜3週間で保管された前記トウガラシ属の果実又は種子を含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の使用、又は請求項15〜27のいずれか一項記載の組成物。
請求項29
前記組成物又は薬剤が、カプサイシン又は他のカプサイシノイドを含まない、請求項1〜2、5〜9、11〜12、14若しくは28のいずれか一項記載の使用、又は請求項15、17、18若しくは20〜28のいずれか一項記載の組成物。
請求項30
前記種子が、実質的にカプサイシン又は他のサプサイシノイドを除去するように処理さている、請求項2、4、5、6、7若しくは8、若しくは28のいずれか一項記載の使用、又は請求項15、16、17若しくは20〜28のいずれか一項記載の組成物。
請求項31
前記種子への処理が、40〜80℃の温度の温水で該種子を洗浄することを含む、請求項30記載の使用、又は組成物。
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