![]() 膵島細胞の調製及び移植
专利摘要:
本発明は、移植用の膵島細胞調製のための組成物及び方法を含む。 公开号:JP2011509690A 申请号:JP2010544398 申请日:2009-01-21 公开日:2011-03-31 发明作者:慎一 松本 申请人:ベイラー リサーチ インスティテュートBaylor Research Institute; IPC主号:C12N5-071
专利说明:
[0001] 本発明は、一般的に、膵島(pancreatic islet)移植の分野、より具体的には、膵島細胞の単離、生存率、及び移植を向上させるための新しい組成物及び方法に関する。] 背景技術 [0002] 本発明の範囲を限定することなく、膵島(islet)細胞移植に関連してその背景を記載する。] [0003] 膵島細胞移植を用いて、1型(若年性)糖尿病患者に対してインスリン産生及び血糖コントロールを回復させることができる。現在の結果及び毒性では、幅広い適用は正当化されないが、両方の向上によって、このテクノロジーの(実験的ではなく)臨床適用が生み出され、これが1型糖尿病の好ましく、かつ有力な治療となり得る。] [0004] 1つのそのようなアプローチは、臓器移植前に免疫寛容の状態をあらかじめ誘導する方法についてのHabenerらに発行された米国特許第6,923,959号明細書に見出される。簡単に述べると、インスリン産生β細胞を含む様々な膵島細胞及び肝細胞へ分化する能力がある新しく同定された幹細胞を用いるI型インスリン依存性糖尿病及び他の状態の治療のための組成物及び方法が記載されている。ネスチンは、膵臓幹細胞についての分子マーカーとして同定されているが、サイトケラチン−19は、異なるクラスの膵島管細胞についてのマーカーとしての役割を果たす。ネスチン陽性幹細胞を膵島から単離し、培養して、さらなる幹細胞又は偽島様構造を得ることができる方法が記載されている。膵臓幹細胞のエクスビボ分化のための方法が開示されている。膵臓幹細胞を単離し、増殖し、それを必要としている患者へ同種的、同系的、又は異種的に移植して、喪失した、又は損傷したインスリン分泌細胞又は他の細胞の代替とすることができる方法が記載されている。] [0005] 移植用の組織の生存率を増加させるためのもう1つのアプローチは、Cochrumらに発行された米国特許第5,578,314号明細書に教示されており、その特許は、移植のための生物組織の多層アルギン酸塩コーティングを開示している。簡単に述べると、移植のために生物組織及び生物細胞を多層コーティングする方法が教示され、その方法では、細胞移植片又は組織移植片が精製アルギン酸塩の多数のコーティングでコーティングされる。その方法は、二価カチオンでゲル化され、続いて、ストロンチウム、バリウム、又は他の二価カチオンで任意処理されたアルギン酸ナトリウムの第1コートを塗布するステップ、アルギン酸ナトリウム中に単一コーティングされた液滴を再懸濁し、単一コーティングから周囲の可溶性アルギン酸塩への二価カチオンの交換又は拡散を介して第1コーティングの周りにハロー層を形成するステップ、過剰コーティングを除去するステップ、及び残存する可溶性アルギン酸塩の薄層を二価カチオンでゲル化するステップを含む。コーティングされた移植片は、生物組織又は生物細胞のコアが第1のアルギン酸塩コートで覆われ、それが外側コーティングによって覆われている中間ハロー層によって囲まれている、独特の構造を有する。] [0006] Gotoらによって出願された米国特許出願第20080009061号明細書は、膵島を保存するための方法、膵島を保存するための容器、及び膵島を移植するためのキットを対象とする。簡単に述べると、膵島を保存するための方法は、膵島を効果的に保存するために、膵島を保存するための容器、及び膵島を移植するためのキットを含む。] [0007] Brandらによって出願された米国特許出願第20060189520号明細書は、ガストリン/CCK受容体リガンドを補充する因子群のメンバーを含む、膵島新生療法で提供される組成物及び方法での糖尿病の治療、加えて、徐放性送達及び標的臓器への局所送達のための製剤、装置、及び方法を対象とする。] 先行技術 [0008] 米国特許第6,923,959号明細書 米国特許第5,578,314号明細書 米国特許出願第20080009061号明細書 米国特許出願第20060189520号明細書] 発明が解決しようとする課題 [0009] 本発明は、具体的には、(a)アナキンラ(組換えヒトインターロイキン−1受容体アンタゴニスト、例えば、Kinert(登録商標))の投与により生着期間におけるインターロイキン−1活性化を遮断することにより、炎症由来の膵島破壊からレシピエントを保護すること、(b)ET-Kyoto溶液の管注入によってドナー膵臓から得られる膵島の収量を高めること、及び/又は(c)膵臓消化中トリプシン阻害剤(例えば、ウリナスタチン)でのトリプシン阻害の使用によってドナー膵臓から得られる膵島の収量を高めることにより、膵島同種移植における結果を向上させるために用いられた。] 課題を解決するための手段 [0010] より具体的には、本発明は、移植可能な膵島調製物を調製する組成物及び方法を含み、その方法は、ドナーの膵臓を採取するステップ、膵管にET-Kyoto溶液又はその等価物を注入するステップ、β膵島細胞を単離するステップ、及び膵島移植時にヒトインターロイキン−1アンタゴニストで患者を処置するステップを含む。一実施形態において、β膵島細胞を適切なコラゲナーゼ、例えば、ヒトコラゲナーゼで処理する。1つの特定の例において、膵臓から膵島を抽出した後、かかる膵島をET-Kyoto溶液中で処理する。一態様において、ヒトインターロイキン−1アンタゴニストは、インターロイキン−1β(IL−1β,interleukin-1 beta)遺伝子転写の1又は2以上のモディファイヤー(修飾因子)、IL−1β遺伝子翻訳の1又は2以上のモディファイヤー、IL−1βの発現を標的とする1又は2以上のsiRNA、1又は2以上のIL−1β受容体遮断剤、1又は2以上のインターロイキン−1受容体アンタゴニストタンパク質、1又は2以上のインターロイキン−1受容体アンタゴニストペプチド、IL−1βの放出を変化させる1又は2以上の活性剤、IL−1βを中和する1又は2以上の抗体、IL−1β受容体を遮断する1又は2以上の抗体、1又は2以上の組換え若しくは天然のIL−1β受容体アンタゴニスト、IL−1βの放出を阻害する1又は2以上のアニオン輸送阻害剤、リポキシン及びα−トコフェロール、不活性IL−1β前駆体をその成熟した活性型へ変換するタンパク質分解酵素を阻害する1又は2以上のオピオイド、IL−1βの生物学的機能を中和する1又は2以上の抗体、並びにそれらの混合物及び組合せから選択される。1つの特定の例において、IL−1βアンタゴニストはアナキンラである。その方法は、遺伝子転写の阻害剤、不活性化腫瘍壊死因子、腫瘍壊死因子受容体遮断剤、及び可溶性腫瘍壊死因子受容体から選択される腫瘍壊死因子アンタゴニストを患者に同時に供給するステップをさらに含んでもよい。] [0011] 本発明の別の態様は、移植可能な膵島調製物を調製する方法であって、その方法は、ドナーの膵臓を採取するステップ、膵管にET-Kyoto溶液又はその等価物を注入するステップ、トリプシン阻害剤の存在下で採取された膵臓からβ膵島細胞を単離するステップ、及び膵島移植時にヒトインターロイキン−1アンタゴニストで患者を処置するステップを含む。トリプシン阻害剤の例として、血清α−1アンチトリプシン、ライマメのトリプシン阻害剤、クニッツ阻害剤、オボムコイド阻害剤、又はダイズ阻害剤が挙げられる。] [0012] 本発明のさらに別の実施形態は、ドナーの膵臓を採取すること、トリプシン阻害剤の存在下で採取された膵臓からβ膵島細胞を単離すること、並びに、膵島移植時にヒトインターロイキン−1アンタゴニスト及び腫瘍壊死因子アンタゴニストで患者を処置することによって、移植可能な膵島調製物を調製する方法である。] [0013] 本発明の特徴及び利点をより完全に理解するために、ここで、添付された図と共に本発明の詳細な説明を参照する。] 図面の簡単な説明 [0014] 管注入群(DI)及び標準群(標準)における精製前と後の膵島収量を示す図である。膵島収量は、膵島精製前と後のどちらも、DI群において有意に高かった。 DI群における3人の患者の膵島移植前と後の空腹時血中グルコースレベルを示す図である。全ての患者は、膵島移植後、血糖コントロールが向上した。 DI群における3人の患者の膵島移植前と後の1日当たりのインスリン用量を示す図である。全ての3人の患者は、インスリン非依存性になった。] [0015] 本発明の様々な実施形態の創作及び使用が下記に詳細に論じられているが、本発明は、幅広い種類の特定の状況において具体化することができる多くの適用可能な発明概念を提供していることが理解されるべきである。本明細書に論じられた特定の実施形態は、本発明を創作し、かつ用いるための特定の方法を単に例証するに過ぎず、本発明の範囲を定めるものではない。] [0016] 本発明の理解を促すために、いくつかの用語を下記に定義する。本明細書に定義された用語は、本発明に関連する分野の当業者によって一般的に理解されているような意味を有する。「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、単数の実体のみを指すことを意図されず、特定の例が例証として用いられ得る一般的クラスを含む。本明細書における用語は、本発明の特定の実施形態を記載するために用いられるが、それらの語法は、特許請求の範囲で概要を説明している場合を除いて、本発明を定めるものではない。 略語リスト:] [0017] ] [0018] 1型糖尿病(DM,Diabetes mellitus)は、重大な社会的及び経済的影響をもつ疾患である。米国におけるその疾患の患者数は、19歳以下の個体においては約120,000人であり、全年齢では300,000〜500,000人であり、世界中では1億5千万人である。米国において毎年、30,000人の新しい症例が診断されている。DMは、米国において子どもの最も頻繁に見られる慢性疾患の1つである(LaPorte RE, Matsushima M, Chang YF: Prevalence and Incidence of Insulin-Dependent Diabetes. In: "Diabetes In America," 2nd edition. National Diabetes Data Group, National Institutes of Health, National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases, NIH Publication No. 95-1468, 1995, 37-47)。米国におけるこの疾患の治療及び合併症の費用は年に900億ドルである。] [0019] 本発明の新規な特徴は、(a)膵島細胞移植のレシピエントにおけるインターロイキン−1遮断の使用、(b)保存溶液ET-Kyotoによる臓器獲得時点におけるドナー膵臓の管保存、及び/又は(c)ドナー膵臓消化中のトリプシン阻害の使用を含む。ET-Kyoto溶液及びその改変型は、様々なストレスの多い条件下で細胞膜を安定化させる非還元性二糖としてトレハロースを含む。ET-Kyoto溶液の2つの変型は、35gr/lのトレハロースと共に、異なる電解質内容物、例えば、Na 100mmol/L、K 44mmol/L(いわゆる「細胞外」溶液)、及び「細胞内型」IT-Kyoto溶液、例えば、Na 20mmol/L、K 130mmol/Lを有する。完全溶液は表1に要約されている。] [0020] ] [0021] トリプシン阻害剤の例として、血清α−1アンチトリプシン、ライマメのトリプシン阻害剤、クニッツ阻害剤、オボムコイド阻害剤、又はダイズ阻害剤が挙げられるが、それらに限定されない。] [0022] 今まで、DMを有する患者において血清グルコースレベルに従って注射されるインスリンの用量を効果的に調整することができる機械的装置はない。このことが、完全ではない糖コントロールへと導き、危険であり得る低血糖のエピソードが発現する。] [0023] 膵臓移植の利点。膵臓移植は、1型DMについての十分確立された治療である。それは、腎臓移植と同時に[膵臓と腎臓の同時移植(SPK,Simultaneous pancreas and kidney transplantation)]、腎臓移植後[「腎臓後膵臓」(PAK、Pancreas after kidney)]、又は膵臓移植単独(PTA,pancreas transplant alone)で、行われる。膵臓と腎臓の同時移植は、1999年では、米国における移植された膵臓の75%を占め、腎不全を有する50歳未満の、他の点では健康な1型糖尿病患者の管理にとって、依然として最適な手順となっている(Allen RD, Nankivell BJ, Hawthorne WJ, O'Connell PJ, Chapman JR : Pancreas and islet transplantation: an unfinished journey. Transplant Proc 2001;33(7-8):3485-8)。総数の10%未満を占めるPTAの適応としては、あまり他覚的ではないが、継続的な介護人の存在を必要とする生命に関わる無自覚性低血糖、及び侵襲性糖尿病性神経障害が挙げられる。無自覚性低血糖の軽減は、一生涯の免疫抑制のリスクを受け入れるのに最も納得させる理由である。単離された膵島細胞移植の適切な候補としてもみなされるのは、PTAについて選択されるこの同じ群の患者である。] [0024] 膵臓移植での主な成果は、インスリン非依存性、及びDMに関連した合併症の一部の回避、停止、又は退行である。膵臓移植の成功からの生活様式の恩恵は疑問の余地はなく、長期間の正常血糖を達成することができる(Gruessner RWG, Sutherland DER, Drangstveit MB, Bland BJ, Gruessner AC: Pancreas transplants from living donors: short- and long-term outcome. Transplantation Proc 2001, 33 (1-2): 819-820、Sutherland DE, Gruessner RW, Dunn DL, Matas, AJ, Humar A, Kandaswamy R, MauerSM, Kennedy WR, Goetz FC, Robertson RP, Gruessner AC, Najarian JS: Lessons learned from more than 1,000 pancreas transplants at a single institution. Ann Surg 2001, 233(4): 463-501、Robertson RP, Sutherland DE, Lanz KJ: Normoglycemia and preserved insulin secretory reserve in diabetic patients 10-18 years after pancreas transplantation. Diabetes 1999, 48(9): 1737-1740)。おそらく、糖尿病の二次合併症に関する最も大きな利益は、自律末梢神経障害の改善である;より良い心臓機能は、より良い患者の生存期間をもたらす(Fiorina P, La Rocca E, Astorri E, Lucignani G, Rossetti C, Fazio F, Giudici D, di Carlo V, Cristallo M, Pozza G, Secchi A: Reversal of left ventricular diastolic dysfunction after kidney-pancreas transplantation in type 1 diabetic uremic patients. Diabetes Care 2000, 23(12): 1804-1810)。神経鞘内のニューロン修復を示す、神経伝導速度の改善だけでなく、軸索再生を示す、伝導振幅の改善もある(Allen RD, Al-Harbi IS, MorrisJG, Clouston PD, O'Connell PJ, Chapman JR, Nankivell BJ: Diabetic neuropathy after pancreas transplantation: determinants of recovery. Transplantation 1997, 63(6): 830-838)。しかしながら、患者がその利益を得るためには、重度のセンサーモーター神経障害の発症前に、移植が行われなければならない。通常、糖尿病性網膜症は、SPK患者の90%が移植の時点ですでに永久的な損傷を有するため、移植後、改善されない(ChowVCC, Pai RP, Chapman JR, O'Connell PJ, Allen RDM, Mitchell P, Nankivell BJ: Diabetic retinopathy after combined kidney-pancreas transplantation. Clinical Transplantation 1999, 13(4): 356-362)。] [0025] 膵臓移植罹患及び死亡。膵臓移植は、十分確立された外科手術である。それは、罹患及び死亡を伴う主要な外科手術とみなされている。さらなる罹患及び死亡は、固有の免疫抑制療法に関連づけられる。用いられる技術は、十二指腸ループと共に外分泌部及び内分泌部の両方を含む膵臓器官全体の一括移植を必要とする。] [0026] 外科手術に関連した特定の合併症は、血管性、吻合部漏出、伝染性、及び代謝性である。これらは、死亡、再手術、及び移植片機能損失を生じ得る(Sollinger HW, Odorico JS, Knechtle SJ, D'Alessandro AM, Kalayoglu M, Pirsch JD: Experience with 500 simultaneous pancreas-kidney transplants. Ann Surg 1998, 228(3):284-96)。最新のデータによれば、技術的失敗は、SPKについて約8%、PAKについて13%、PTAについて11%であることが示唆されている。移植片血栓症(典型的には、静脈)は、2〜14%の症例に生じ、その結果として、初期の移植片機能喪失を生じる(Reddy KS, Stratta RJ, Shokouh-AmiriMH, Alloway R, EgidiMF, Gaber AO: Surgical complications after pancreas transplantation with portal-enteric drainage. J Am Coll Surg 1999;189(3): 305-313)。] [0027] 特定の合併症は、同種移植片の腸管ドレナージの型:腸、又は膀胱に関連している。膀胱ドレナージに関して、合併症には、即時性術後血尿、尿漏、尿の逆流膵炎、膵臓外分泌腺による膀胱への体液及び重炭酸塩の分泌からの代謝性アシドーシス及び脱水症、並びに膀胱上皮及び尿道上皮上の膵臓外分泌酵素の効果による無菌性膀胱炎が挙げられる。8%〜23%の症例において、これらの合併症は、腸ドレナージへの外科的転換を必要とする(Gruessner AC, Sutherland DE : Pancreas transplant outcomes for United States (US) cases reported to the United Network for Organ Sharing (UNOS) and non-US cases reported to the International Pancreas Transplant Registry (IPTR) as of October, 2000 . Clinical Transplants 2000, (1): 45-72)。腸ドレナージに関して、主要な合併症は、敗血症、多臓器不全、及び死に至る可能性がある、腹腔内膿腫形成を伴う吻合部腸管漏出である。上記の多数の合併症は、移植された膵臓の外分泌部又は移植された十二指腸ループに関連している。一般的に用いられる強い免疫抑制にも関わらず、膵臓移植後の拒絶率は、約30%であり、10%の移植片機能損失がある。UNOSによって記録されているように、全国的な移植片生着率は、3カ月目で88.5%、1年目で80%、3年目で52.9%、及び5年目で40.7%である。腎臓−膵臓移植に関して、結果はより良い(それぞれ、87.7%、83.8%、77.2%、及び67.5%)。10年間(1991〜2000年)の間で、年間死亡率範囲は、膵臓移植の1000人の患者当たり36.3〜82.3であり、腎臓−膵臓移植を有する1000人の患者当たり31.1〜63.2であった(2001 Annual Report of the U.S. Organ Procurement and Transplantation Network and the Scientific Registry for Transplant Recipients: Transplant Data 1991-2000. Department of Health and Human Services, Health Resources and Services Administration, Office of Special Programs, Division of Transplantation, Rockville, MD; United Network for Organ Sharing, Richmond, VA; University Renal Research and Education Association, Ann Arbor,MI)。] [0028] 臓器全体の膵臓移植に代わるものとしての膵島細胞移植。登場した、臓器全体の膵臓移植の代替法は、膵島細胞移植(ICT,pancreatic islet cell transplantation)である。プロセスは、死体のドナーから獲得された臓器からの膵臓ランゲルハンス島の酵素的単離に基づいている(Linetsky E, Bottino R, Lehmann R, Alejandro R, Inverardi L, Ricordi C: Improved human islet isolation using a new enzyme blend, liberase. Diabetes 1997,46(7):1120-1123、Lakey JRT, Warnock GL, Shapiro AMJ, Korbutt GS, Ao Z, Kneteman NM, RajotteRV: Intraductal collagenase delivery into the human pancreas using syringe loading or controlled perfusion. Cell Transplant 1999, 8(3):285-292、Ricordi C, Lacy PE, ScharpDW: Automated islet isolation from human pancreas. Diabetes 1989, 38 (Suppl. 1): 140-142);得られた膵島は、門脈系の経皮的カテーテル法によってレシピエントの肝臓へ注射される(Shapiro AMJ, Lakey JRT, Ryan EA, Korbutt GS, Toth EL, Warnock GL, KnetemanNN, Rajotte RV: Islet transplantation in seven patients with Type 1 diabetes mellitus using a glucocorticoid-free immunosuppressive regimen. N Engl J Med 343:230-238, 2000)。この手順は、インスリン産生細胞集団の選択的移植を可能にし、開腹手術、加えて十二指腸及び膵外分泌部の移植並びにそれらに関連した罹患を回避する。] [0029] 現在、膵島細胞移植において、即時型及び遅延型の注入アプローチを用いる2つの傾向がある。即時型移植は、膵島単離と膵島注入との間の可能な限り最短の時間の使用に焦点を合わせている。代替方法は、単離後かつ移植前の膵島の短時間培養を意味する。これは、膵島の生存率及び機能に影響しないと同時に、膵島単離物の純度の増加を保証し、その手順が半選択的設定で行われるが、良い結果を生むように思われる(RutzkyLP, Bilinski S, Kloc M, Phan T, Zhang H, KatzSM, Stepkowski SM: Microgravity culture condition reduces immunogenicity and improves function of pancreatic islets. Transplantation 2002 Jul 15, 74(1): 13-21、Gaber AO, FragaDW, Callicutt CS, Gerling IC, Sabek OM, Kotb MY: Improved in vivo pancreatic islet function after prolonged in vitro islet culture. Transplantation 2001, 72(11): 1730-1736)。] [0030] 異なる解剖学的位置に、膵島細胞の移植を試みた(Matarazzo M, Giardina MG, Guardasole V, Davalli AM, HortonES, WeirGC, Sacca L, Napoli R: Islet transplantation under the kidney capsule corrects the defects in glycogen metabolism in both liver and muscle of streptozocin-diabetic rats. Cell Transplant 2002, 11(2): 103-112、Hirshberg B, Montgomery S, Wysoki MG, Xu H, Tadaki D, Lee J, Hines K, Gaglia J, Patterson N, Leconte J, Hale D, Chang R, Kirk AD, HarlanDM: Pancreatic islet transplantation using the nonhuman primate (rhesus) model predicts that the portal vein is superior to the celiac artery as the islet infusion site. Diabetes 2002, 51(7): 2135-2140、Levy MM, Ketchum RJ, Tomaszewski JE, Naji A, Barker CF, Brayman KL: Intrathymic islet transplantation in the canine: I. Histological and functional evidence of autologous intrathymic islet engraftment and survival in pancreatectomized recipients. Transplantation 2002, 73(6): 842-852)。現在、門脈は、相対的なアクセスの容易さ、肝臓の二重循環系(動脈及び門脈)での高い静脈還流を考えると、好ましい注入部位である。肝臓は、良い再生能を有し、主要なインスリン作用部位の1つである。肝臓部位はまた、膵島にいくらかの免疫学的特権を与えるように思われる。臓器全体の膵臓移植と比較した場合、ICTは、手術危険度を低下させ、より迅速で、費用がより少なく、外来処置として行われ、それゆえに、患者の快い承諾が得られる。] [0031] ICTでの最初の試みは、わずかな結果だけであった。免疫抑制レジメンは、高用量のステロイドとカルシニューリン阻害剤(どちらも糖尿病誘発効果を有する薬剤)に基づいた、固形臓器移植に用いられるものと類似していた(Drachenberg CB, Klassen DK, WeirMR, Wiland A, Fink JC, Bartlett ST, Cangro CB, Blahut S, Papadimitriou JC: Islet cell damage associated with tacrolimus and cyclosporine: morphological features in pancreas allograft biopsies and clinical correlation. Transplantation 1999, 68(3): 396-402)。カナダのエドモントンのUniversity of Albertaの治験担当医師グループによって開始された、膵島の操作の変更(Linetsky E, Bottino R, Lehmann R, Alejandro R, Inverardi L, Ricordi C: Improved human islet isolation using a new enzyme blend, liberase. Diabetes 1997,46(7):1120-1123、Ricordi C, Lacy PE, ScharpDW: Automated islet isolation from human pancreas. Diabetes 1989, 38 (Suppl. 1): 140-142)、及びより高い用量のステロイドを回避し、シロリムス、タクロリムス、及びダクリズマブを用いる免疫抑制の変更によって、結果は顕著に向上した。一般的に、彼らのプロトコールは、インスリン非依存性を達成するのに必要な臨界細胞集団を得るために2回の膵島細胞注入を要求する。治療の変更は、「エドモントンプロトコール」として採用され、それは、世界中のいくつかの移植センターで用いられている(Shapiro AMJ, Lakey JRT, Ryan EA, Korbutt GS, Toth EL, Warnock GL, KnetemanNN, RajotteRV: Islet transplantation in seven patients with Type 1 diabetes mellitus using a glucocorticoid-free immunosuppressive regimen. N Engl J Med 343:230-238, 2000、Ricordi C, Strom, TB: Clinical islet transplantation: Advances and immunological challenges. Nat Rev Immunol. 2004 Apr;4(4):259-68)。エドモントングループからの近年の報告により、このセンターで65人の患者が膵島移植を受けており、44人の患者がインスリン非依存性になったことが示された(Ryan EA, Paty BW, Senior PA, Bigam D, Alfadhli E, Kneteman NM, Lakey JRT, Shapiro AMJ. Five-year follow-up after clinical islet transplantation. Diabetes 2005 54:2060-2069)。5年のフォローアップにおいて、約80%が、機能する移植膵島を示す、C−ペプチドの存在を示したが、約10%だけがインスリンフリーであり続けた。類似の結果が、米国内の他のセンターから報告されている(Froud T, Ricordi C, Baidal DA, HafizMH, Ponte G, Cure P, Pileggi A, Poggioli R, Ichii H, Khan A, Ferreiraa JV, Pugliese A, Esquenazi VV, Kenyon NS, Alejandro R. Islet transplantation in type 1 diabetes mellitus using cultured islets and steriod-free immunosuppression: Miami experience. Am J Transplantation 2005 5(8):2037-2046)。この分野におけるもう1つの近年の進歩において、ミネソタグループが、単一のドナー膵臓から単離された膵島細胞の限界用量が、重度に冒されたI型糖尿病患者でインスリン非依存性を達成するのに十分であることを示している(Hering BJ, Kandaswamy R, Ansite JD, Eckman PM, Nakano M, Sawada T, Matsumoto I, Ihm S-H, Zhang H-J, Parkey J, Hunter DW, Sutherland DER. Single-donor, marginal-dose islet transplantation in patients with type 1 diabetes JAMA 2005 293(7):830-835)。] [0032] その手順に関連した罹患として、肝臓穿刺、門脈カニューレ挿入に関連した合併症、及び肝機能検査(LFT,liver function test)の上昇が挙げられる。肝臓穿刺に関連した合併症は、被膜下出血又は実質内出血、腹腔内出血(累積度数:4%、輸血を必要とする)、胆嚢穿刺(2%)、胆汁漏出(1%)である。気胸及び/又は血胸は、極めてまれである。肝臓における脂肪斑の形成(脂肪肝)が報告されている(Markmann JF, Rosen M, SigelmanES, Soulen MC, Deng S, Barker CF, Naji A. Magnetic resonance-defined periportal steatosis following intraportal islet transplantation: a functional footprint of islet graft survival? Diabetes 2003 52(7):1591-1594)。これらの合併症の発生率は、門脈にアクセスするためのより小さいカテーテルの使用、並びに超音波ガイダンスの使用(Ryan EA, Paty BW, Senior PA, Bigam D, Alfadhli E, Kneteman NM, Lakey JRT, Shapiro AMJ. Five-year follow-up after clinical islet transplantation. Diabetes 2005 54:2060-2069)、及び肝臓における穿刺の穴を閉じるためのフィブリン糊の使用によって低下する可能性が高い。門脈カニューレ挿入及び注入の合併症として、門脈分枝血栓症(2%)及び部分的軽症門脈血栓症(2%)が挙げられる。報告されたシリーズにおいて、これらのいずれも手術又は別の侵襲的手順を必要としなかった。] [0033] LFTの一過性上昇は、よくあることであり(93%の症例)、最高46%の患者で有意な上昇(ベースラインの2倍以上のAST)が示されるが、一般的に、そのレベルは移植の2週間内に正常に戻る(Ryan EA, Lakey JR, Rajotte,RV, Korbutt GS, Kin T, Imes S, Rabinovitch A, Elliott JF, Bigam D: Kneteman NM, Warnock GL, Larsen I, Shapiro AM: Clinical outcomes and insulin secretion after islet transplantation with the Edmonton protocol. Diabetes 2001, 50(4): 710-719)。痛みは、手順中に、主に肋間部アクセス及び門脈圧の上昇により、生じる。痛みは、手順後はめったに見られない(Owen, RJT, Ryan, EA, O'Kelly, K, Lakey, JRT, McCarthy, MC, Paty, BW, Bigam, DL, Kneteman, NM, Korbutt, GS, Rajotte, RV, Shapiro, AMJ: Percutaneous transhepatic pancreatic islet cell transplantation in type 1 diabets mellitus: Radiologic aspects. Radiology 2003, 229: 165-170)。] [0034] ドナー因子として、年齢、既存の膵島損傷の外傷、未認識のDM、アミロイド、脂肪浸潤、長期ICU滞在、血行動態安定性、及び変力薬の必要性が挙げられる。臓器獲得の品質は重要であり、それらには、温虚血及び膵臓莢膜傷害の回避が挙げられる。] [0035] 冷虚血時間(ドナーのクロスクランピングと単離開始との間)は、通常の輸送媒体を用いて8時間を超えるべきではない。これは、University of Wisconsin(UW)溶液に浸漬しながらのドナー膵臓の輸送及び貯蔵を含む。臓器保存の新規なアプローチは2層保存技術を用いる(Matsumoto S, Qualley SA, Goel S, Hagman DK, Sweet IR, Poitout V, StrongDM, Robertson RP, Reems JA: Effect of the two-layer (University of Wisconsin solution-perfluorochemical plus O2) method of pancreas preservation on human islet isolation, as assessed by the Edmonton Isolation Protocol. Transplantation 2002, 74(10): 1414-1419)。これは、University of Wisconsin(UW)溶液及びペルフルオロデカリンの2つの溶液の使用を含む。ペルフルオロデカリンは、酸素を貯蔵し、それを貯蔵された臓器にゆっくり送達する能力を有し、それにしたがって、臓器貯蔵に関して細胞生存率にとって重要である細胞性ATP含有量を保存するペルフルオロカーボンである。2層技術は、より長い冷虚血時間を可能にし、UW溶液における6〜8時間の貯蔵を2層方法での最高24時間の貯蔵と比較した場合、同等の結果である(Matsumoto S, Qualley SA, Goel S, Hagman DK, Sweet IR, Poitout V, Strong DM, Robertson RP, Reems JA: Effect of the two-layer (University of Wisconsin solution-perfluorochemical plus O2) method of pancreas preservation on human islet isolation, as assessed by the Edmonton Isolation Protocol. Transplantation 2002, 74(10): 1414-1419)。臨床グレードの膵島の単離に影響を及ぼす因子として、最適な酵素バッチ(Ricordi C, Lacy PE, ScharpDW: Automated islet isolation from human pancreas. Diabetes 1989, 38 (Suppl. 1): 140-142)、プロセス中の温度管理、試薬の品質、及び膵島培養が挙げられる。以前、本発明者らは、ウリナスタチンを含むM-Kyoto溶液で保存された膵管(Matsumoto S, Okitsu T, Iwanaga Y, Noguchi H, Nagata H, Yonekawa Y, Yamada Y, Fukuda K, Shibata T, Kasai Y, Maekawa T, Wada H, Nakamura T, Tanaka K. Successful islet transplantation from nonheartbeating donor pancreata using modified Ricordi islet isolation method. Transplantation 2006 82(4):460-5)が、コラゲナーゼ送達に必須である膵管完全性を向上させたことを示している。この技術を用いて、臨床グレードの膵島を、心臓が鼓動していないドナーから単離することに成功した(Matsumoto S, Okitsu T, Iwanaga Y, Noguchi H, Nagata H, Yonekawa Y, Yamada Y, Fukuda K, Shibata T, Kasai Y, Maekawa T, Wada H, Nakamura T, Tanaka K. Successful islet transplantation from nonheartbeating donor pancreata using modified Ricordi islet isolation method. Transplantation 2006 82(4):460-5)。したがって、本発明者らは、本研究において、心臓が鼓動しているドナーから移植可能な膵島を得ることができるはずであると期待する。] [0036] 臨床グレードの膵島回収は、用いられた膵臓の18〜35%で達成される。膵島細胞注入は、正常細胞集団の40〜85%を送達するが、生着は25〜50%と推定される(Owen, RJT, Ryan, EA, O'Kelly, K, Lakey, JRT, McCarthy, MC, Paty, BW, Bigam, DL, Kneteman, NM, Korbutt, GS, Rajotte,RV, Shapiro, AMJ: Percutaneous transhepatic pancreatic islet cell transplantation in type 1 diabets mellitus: Radiologic aspects. Radiology 2003, 229: 165-170)。したがって、インスリン非依存性を達成するために殆どの場合、2回目の膵島細胞注入が必要である。移植される膵島の総数は、インスリン非依存性の達成に影響を及ぼす。最新の単離技術及び保存技術を用いて、合計9,000個より多い膵島当量/kgの注入が良い移植片結果に結びついている(Reddy KS, Stratta RJ, Shokouh-AmiriMH, Alloway R, EgidiMF, Gaber AO: Surgical complications after pancreas transplantation with portal-enteric drainage. J Am Coll Surg 1999;189(3): 305-313);これは典型的には、2つのドナー膵臓の使用で達成される。] [0037] レシピエント因子としては、抗凝固、及びサイトカイン活性化の回避、並びに膵島細胞毒性又はインスリン抵抗性を避ける免疫抑制が挙げられる。] [0038] 移植のための膵島単離のプロセスは、たいていのセンターでは、FDAの厳しい監督の下、確立されたプロトコールを用いて汚染されていない環境で特別に設計された施設で実施される。新しい施設の設立は、重要な材料投資、続いて適当な検証プロセスを要求され、熟練した人材を必要とする(Rastellini C, Braun M,Cicalese L, Benedetti E: Construction of an optimal facility for clinical pancreatic islet isolation. Transplant Proc 2001, 33(7-8): 3524)。] [0039] 膵島細胞移植(ICT)における研究の焦点は、移植レシピエントの生活の質に悪影響を及ぼす副作用を最小限にしながら、拒絶反応に対して安全かつ効果的な予防を提供する理想的な免疫抑制レジメンと共に、究極的には外科的膵臓移植に取って代わるであろう安全かつ効果的な手順の開発に集中している。] [0040] 免疫抑制剤としての副腎皮質ステロイド及び高用量のカルシニューリン阻害剤は、移植された膵島の不全及びインスリン治療への逆戻りに関連していた。初期及び後期の拒絶エピソードを防ぐのに十分な免疫抑制を提供し、かつ免疫抑制剤としてのステロイド使用及び高用量のカルシニューリン阻害剤を最小限にするレジメンを用いることが、大いに望ましい。] [0041] この研究は、本発明者らの機関で、ICTについてのエドモントンプロトコールの改変として行われることになっている。以下のことを除き、エドモントンプロトコールに従う:a)炎症による膵島の機能喪失を最小限にし、それが膵島生着の向上をもたらすように、移植の初期相中にエタネルセプト及びアナキンラを投与してもよい;b)ダクリズマブの代わりに誘導のためにサイモグロブリンを投与してもよい;c)膵島移植片機能を増強するためにシタグリプチン(Januvia)を用いてもよい。この様式でのエタネルセプト及びアナキンラの使用は、文献に記載されておらず、本発明者らの知る限りでは、現在、この国のいかなる膵島細胞プロトコールにも適用されていない。しかしながら、予想される副作用毒性は低く、かなりの免疫学的優位性をこのアプローチから得ることができる可能性がある:すなわち、ラパマイシン又はタクロリムスの用量を、これらの2つの薬剤由来の毒性がある場合には、減少させることができる。このエタネルセプト及びアナキンラの使用は、本発明者らのプロトコールがエドモントンから改変されている主な点の1つである。] [0042] 加えて、本発明者らは、日本において心臓が鼓動していないドナーの膵臓について最初に開発された新しい膵島単離プロトコールを導入するつもりである。特に、膵臓獲得時点での膵管保存、膵臓消化中のトリプシン阻害、及び膵島に優しい精製溶液は、膵島の質及び量を向上させるはずである。] [0043] 本発明者らはまた、患者のコンプライアンスを向上させ得る因子を同定するという目的で、生活の質の質問表(投与される患者)を充実させているところである。] [0044] 膵島培養。一部の膵島細胞移植センターがなお、最高72時間、移植前に細胞を培養することを試みている一方で、エドモントンにおけるものを含め、合意に基づく膵島細胞移植実施は、単離が完了し、生成物リリース試験が満足に完了するとすぐに細胞を移植するという「ジャストインタイム」パターンになお従っている。本発明のプロトコールは、必要条件としてこれを削除し、単離及び生成物リリース試験後可能な限りすぐに、移植を実施することを目指す。] [0045] しかしながら、細胞の培養がレシピエント準備を可能にするのに必要とされる場合、又は予期せぬ事象(例えば、陽性の交差適合)によって、調製された細胞について代わりのレシピエントを用いることを余儀なくさせられる場合があり得る。これらの状況において、細胞の培養は、単離された細胞を廃棄することを防ぐであろう。一般的に当分野が「培養」膵島の利点対「新鮮な」膵島の利点をなお論争中であることを考えると、本発明者らの研究集団が移植までの時間において有する、特に結果に相関しているようないかなる違いも留意すべきであろう。] [0046] 研究計画。非盲検の前向き単一施設研究を、1型糖尿病を有する患者において膵島細胞移植の安全性及び効力を評価するために計画した。] [0047] 研究期間。患者参加は、最終移植後2年間(24カ月間)続き、登録期間は、約18カ月間であってもよい。患者登録は、2007年の後半に開始されると予想される。研究は、最後の患者が最終移植を受けた後24カ月間の間に終了してもよい。] [0048] 被験者参加の期間。研究への被験者参加は、最終移植後24カ月間となっている。さらに、研究から離脱した患者を、研究の24カ月の全期間、フォローし続けるであろう。] [0049] 研究集団:サンプルサイズ。この治験に含まれる患者は、1型糖尿病について膵島細胞移植の候補であり得る。15人の患者を単一施設における研究に登録することができる。] [0050] レシピエントの組み入れ及び除外基準。膵島細胞移植の適格性は、臓器全体の膵臓移植候補と同様に、Baylor Regional Transplant Instituteにおける腎臓膵臓移植選択委員会(Kidney and Pancreas Transplant Selection Committee)によって決定される。臓器全体の膵臓移植に適格ではない患者は、ICTに適格ではないであろう。移植の評価プロセスは、研究への登録前に実施される。] [0051] 組み入れ基準。患者は十分に情報を与えられており、IRB認可のインフォームドコンセントにサインしており、全24カ月間、研究手順に従う意思及び能力がある。 5年より長い期間の1型糖尿病 18〜65歳の年齢 以下に定義されているように、移植について考慮する前に、少なくとも6カ月間、糖尿病学ケアチームによる専門的管理にも関わらず、不安定な糖尿病コントロール: 過去6カ月の間(又は集中的糖尿病ケア期間の間):50mg/dL未満のグルコースレベルを認識することができないことによって定義される無自覚性低血糖の任意のエピソード;又は認知機能の喪失のエピソード;又は症候性低血糖の頻繁なエピソード;又は低血糖若しくは高血糖についての入院;及び b)6.5を超えるHbA1c 治験担当医師の意見において、心因的に順守することができる 出産可能な女性患者は、入院の際、又は登録前の7日以内に、尿又は血清妊娠検査が陰性でなければならず、研究の間中、及び研究終了後6週間の間、効果的な受胎調節を利用することに同意している。] [0052] 除外基準 患者は、臓器移植又は骨髄移植を以前受けている、又は受けているところである。 患者は、タクロリムス、シロリムス、又はCellCept(登録商標)に対する既知の過敏症を有する。 患者は、妊娠している、又は授乳中である(効果的な避妊方法を提供しなければならない)。 患者は、登録の3カ月以内に、盲検治験に参加したことがある、又は非市場(治験)薬を含む治験に参加したことがある。 患者は、治験の開始の30日以内に、市販薬又は注入装置を含む治験に参加したことがある。 患者は、以下の臨床基準のいずれか1つを示す: --60mL/分未満のGlofil --常に1.6mg/dLを超える血清クレアチニン --28を超える肥満度指数 --BCC及びSCC以外の悪性腫瘍 --肺感染のエビデンスとなるX線像 --AST、ALT、Alk、Phos.、又はT.biliについて2X ULNを超えることによって証明されるような肝疾患のエビデンス --活動性感染症 --凝固性亢進状態(血栓形成傾向と定義される再発性静脈血栓症の病歴) --出血/血液凝固異常 --0.3ng/mLを超える基底C−ペプチド --12%を超えるHbA1c --1 IU/kg/日を超えるインスリン必要量 --HIV、HBV、HCV、HTLV−1の血清陽性 --異常なパップスメア、活動性婦人科感染症 --運動負荷試験又は化学物質耐性試験の陽性 --現在、5mg/日を超えるプレドニゾンの用量でのステロイドの慢性使用を必要とする医学的状態についての治療中の患者は除外される可能性がある。 --薬物/アルコール乱用 --未治療の増殖性糖尿病性網膜症 --INHなしのPPD陽転又はPPD陽性 --プライマリケア医師がいない、又は6カ月未満のプライマリケア医師 --過去6カ月間の喫煙 --12g/dL未満の異常なCBC/ヘモグロビン --300mg/24時間を超えるマクロアルブミン尿 --未治療の高脂血症−200mg/dLを超えるTC、200mg/dLを超えるTGC、130mg/dLを超えるLDL --未治療の低ナトリウム血症、低カリウム血症、高カルシウム血症、低カルシウム血症 --ヨード造影剤アレルギー --4を超えるPSA --20%を超えるPRA --活動性消化性潰瘍疾患/胆石症/血管腫 --異常な乳房X線像 --患者は、セクション6.8に列挙された禁止された薬物のいずれかを受けている。] [0053] 移植前評価:試験及び検査。全ての患者は、許容性の予備評価を受ける。評価後、患者ファイルは、彼らの膵島移植プログラムに対する適合性を決定するために腎臓膵臓移植選択委員会に提出されることになっている。] [0054] 医師及び他のヘルスケア専門家の訪問 --糖尿病専門医 --移植腎臓専門医 --心臓専門医 --移植外科医 --ソーシャルワーカー --移植栄養士 --他のコンサルタントが臨床的適応に従って手配される] [0055] 検査室検査 --CBC、CMP、アミラーゼ、PT、PTT、INR、甲状腺機能検査(T4、TSH、FT4) --ABO血液型 --PRA --HbA1c、C−ペプチド --脂質パネル --検尿、尿中薬物スクリーニング、尿培養 --HBsAg、HCV抗体、CMVIgM及びIgG、EBV、HIV、HTLV−I、VZV IgG及びIgM --グアヤク検便 --24時間尿中微量アルブミン --Glofil --PSA(45歳以降の男性患者) --PPD] [0056] 画像診断及び他の検査 --胸部X線、PA及び側面 --EKG、2−D心エコー及び負荷心エコー検査 --肝臓のドップラー超音波検査図 --下肢動脈ドップラー研究 --大腸内視鏡検査−50歳以降及び/又はグアヤク検便陽性の患者 --マンモグラム(40歳以降の女性)、パップスメア --糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連した眼疾患を評価するための眼科医による眼の検査] [0057] 手順。臓器獲得及び輸送。膵島単離のための膵臓の獲得は、全国にわたって配置された全米臓器配分ネットワーク(UNOS,United Network for Organ Sharing)ガイドラインに従って標準臓器獲得の一部として死体ドナーから行われる。臓器獲得は、地方の臓器獲得組織(OPO,Organ Procurement Organization)と協力して資格のある移植手術グループによって行われる。外科医及びOPOは、膵島細胞単離のための膵臓を採取し、輸送することに精通していなければならない。加えて、彼らは、冷虚血時間をより長くするために適した装置及び輸送材を有していなければならない。] [0058] ドナー膵臓は、標準ドナー膵臓についてのUNOS規定に従って処理施設へ輸送される。それは、University of Wisconsin(UW)溶液単独の中で、又は酸素化ペルフルオロカーボン(PFC)溶液若しくは適当な輸送媒体を加えた中で、輸送の間、貯蔵される。膵管もまた、ウリナスタチン32を含むM-Kyoto溶液又は適当な保存溶液で保存される。] [0059] ありとあらゆる場合において、検査室チーム及び医療ディレクターによって膵島細胞の用意ができたと判断されるとすぐに、それらを移植するようにあらゆる努力を払うことができる。研究被験者に、この研究のステップ(獲得、単離、レシピエント準備、膵島注入)のそれぞれについて異なるスケジュールを割り当てることはないであろう。しかしながら、ドナー手術時点での、又は膵島を分離するための実験室での作業における、又は放射線科室のスケジューリングにおける、又はレシピエントの準備における物流的遅延が生じる可能性が高い。細胞の廃棄を防ぐために、単離前の貯蔵は、University of Wisconsin溶液へのペルフルオロカーボンの添加で延長することができ、単離後であるが、移植前の貯蔵は、インキュベーター内での膵島の培養で延長することができる。これらのスケジュールは患者によって若干、異なり得るため、患者間の時間の点における違いに注意して、血糖コントロールを確立することの成功又は失敗に相関させることができる。同様に、ペルフルオロカーボン溶液の使用及び/又は膵島培養の使用は、患者間で相関させることができる。] [0060] 膵島細胞移植のためのドナー選択基準:膵島細胞移植−ドナー特異的組み入れ基準:多臓器ドナー;適切なインサイチュー低温灌流;上記条件における最高18時間の冷虚血;最少15歳〜70歳まで。] [0061] 膵島細胞移植−ドナー特異的除外基準 既存疾患: --糖尿病1型又は2型 --原発性脳腫瘍以外の悪性腫瘍 --敗血症] [0062] 一般的なドナー排除/除外。以下は、頻繁に遭遇する疾患状態又は他の状態であり、可能性のあるドナーの拒否についての絶対的根拠であり得る。加えて、可能性のあるドナーは、治験担当医師によって必要であると判断されるかどうかのいかなる理由があるにせよ、除外することができる。 臨床性又は活動性ウイルス性肝炎(A型、B型、又はC型) 後天性免疫不全症候群(AIDS,Acquired Immunodeficiency Syndrome) HIV血清陽性(HIV−I又はHIV−II) HTLV−I又はII 梅毒 活動性ウイルス性脳炎又は起源不明の脳炎 クロイツフェルト−ヤコブ病 狂犬病 治療済又は活動性結核 敗血症 認知症 下垂体成長ホルモン(pit−hGH,pituitary growth hormone)を受けたことがある個体 原発性脳腫瘍を除く悪性腫瘍 未知の病因の重篤な疾病] [0063] ドナー行動−病歴除外基準: 過去5年間に別の男性と性的交渉をもったことがある男性 過去5年間に非医療的な薬物の静脈内注射、筋肉内注射、又は皮下注射を報告している人 ヒト由来凝固因子濃縮物を受けたことがある血友病又は関連の凝固障害をもつ人 過去5年間に売春に携わったことがある男性及び女性 上記の人の性交渉の相手 事故による針刺しを通して、又は開放創、無傷ではない皮膚、若しくは粘膜との接触を通して、既知又は疑わしいHIV感染血液に、その前の12カ月の間に曝されたことがある人 組織提供に先立つ12カ月以内に入れ墨、耳ピアス、及び/若しくはボディピアス、又は鍼を受けたことがある人 矯正システムの入院患者] [0064] ドナーの検査及び他の医療除外基準 拒否、不適切な血液試料(例えば、偽陰性検査を生じ得る血液希釈)、又は任意の他の理由のためにHIV感染について検査することができない人 追加のアッセイの結果に関わらず、HIV−I又はHIV−II抗体についての繰り返し反応性スクリーニングアッセイを受けた人 AIDSの診断、原因不明の体重減少、寝汗、カポジ肉腫に典型的な皮膚若しくは粘膜における青色又は紫色の斑点、1カ月を超えて続いている原因不明のリンパ節症、10日間を超える原因不明の100.5°F(38.6℃)を超える体温、原因不明の持続性の咳及び息切れ、日和見感染症、原因不明の持続性の下痢、男性間の性的接触、性感染症、又は非経口薬物乱用の針の跡若しくは他の印などの病歴、健康診断、医療記録、又は解剖所見によって、HIV感染又は高リスク行動の他のエビデンスが明らかにされている人] [0065] 膵島単離。ドナー膵臓からの膵島の単離は、Ricordiらによって記載された改変「自動化方法」を用いてBaylor University Medical Center Islet Cell Processing Laboratory(ICPL)で行う(Ricordi C, Lacy PE, ScharpDW: Automated islet isolation from human pancreas. Diabetes 1989, 38 (Suppl. 1): 140-142)。ICPLは、膵島を処理するためのクラス10,000クリーン室、生成物リリース試験を行うためのQA/QC検査室、並びに試料及び試薬を貯蔵するためのフリーザー室を含む。ICPLは、これまで、検証のために29回の膵島単離を行っている。さらに、その研究所は、リモートサイト単離膵島生成物の安全性及び効力を検査するFDA認可プロトコール11731A下、移植のために5つの膵島生成物を処理している。リモートサイト検証プロトコールは、フロリダ州のマイアミのDiabetes Research Instituteと協力して同時に行っている。近年、ICPLは、8回の膵島単離を行い、臨床グレード膵臓及び5つの単離された膵島を、4人の1型糖尿病患者へ移植するのに成功した。つい最近には、本発明者らは、SERVA由来のコラゲナーゼ酵素を用いる検証のために3回の追加の膵島単離を行った。全ての3回の単離の膵島収量及び品質は、このプロトコールによる移植にとって適格であったと考えられる。] [0066] ヒト死体ドナー膵臓は、ICPLへ受け入れられ、膵島は、その研究所によって以前検証された方法に従って単離することができる。臓器、膵島、及び膵島細胞生成物の全操作は、クラス10,000クリーン室に含まれるクラス100BioSafetyキャビネット内で行われる。] [0067] これらの方法は以下の通りである:膵臓は、臓器獲得組織(OPO)を通して入手され、輸送媒体中で輸送される。好ましくは、膵管もまた、ウリナスタチンを含むM-Kyoto溶液又は適切な保存溶液で保存される。媒体は、どのOPOが臓器を獲得するかによって異なる。この様々な媒体/輸送は慎重に検討することができる。 その後、臓器は、BUMC ICPLへ輸送される。冷虚血時間は記録することができ、臓器獲得方法に依存して異なる。 検査室の訓練を受けた職員が膵臓をクラス10,000クリーンルームへと受け入れ、無菌で輸送媒体から臓器を取り出す。 膵臓は、必要ならば、クラス10,000クリーン室内のクラス100BioSafetyキャビネット内でクリーニングされる。クリーニングは、脂肪及び非内分泌組織の除去からなる。クリーニングが完了した後、臓器は、獲得プロセスからのいかなる可能性のある汚染の蔓延をも防ぐために一連の溶液へ浸漬される。クリーニングされた臓器は、ベタジンの溶液中へ入れられ、続いて、ゲンタマイシン、アンホテリシンB、及びセファゾリンの混合物を含む抗生物質溶液へ浸漬される。最後に、臓器は、無菌ハンクス緩衝液中に入れられる。 その後、クリーニングされた膵臓は、膵臓組織の消化を開始する無菌コラゲナーゼ酵素で灌流される。 灌流が完了するとすぐに、膵臓はより小さい小片へと切断される。酵素溶液と共の小片は、加熱コイル及び収集リザーバと回路内で接続された無菌「Ricordiチャンバー」へ置かれる(Ricordi C, Lacy PE, ScharpDW: Automated islet isolation from human pancreas. Diabetes 1989, 38 (Suppl. 1): 140-142)。チャンバーは、膵臓組織の機械的破壊のために用いられる無菌大理石を含む。チャンバーは手動でゆっくり振盪され、酵素溶液の温度は、膵島を放出させるために37℃まで高められ、膵臓消化は、定期的に、「遊離」膵島の出現をモニターされる。 適当な時点で、酵素作用は、膵臓消化物の冷緩衝液での希釈及びヒト血清アルブミンでの処理によって停止される。消化された組織は、無菌使い捨てエルレンマイヤーフラスコへ収集される。 膵島は、COBE2991血液細胞処理装置で勾配遠心分離を用いて腺房組織から分離される。 その後、精製された膵島は、ヒト血清アルブミンを含む無血清CMRL 1066に基づいた培地中に入れられる。 膵島は、すぐに移植され、又は5%CO2の雰囲気下で最高72時間、培養される。] [0068] 検証手順−膵島注入前のリリース試験。各膵島調製最終生成物の試験として、膵島細胞数、純度、生存率、無菌性、内毒素、及び効力が挙げられる。膵島細胞数、純度、生存率、及び内毒素の結果は注入前に入手可能であり、アッセイロットリリース基準を満たさなければならない。無菌試験及び効力試験の最終結果は、注入後まで入手できない。これらの結果がリリース基準を満たさない場合には、その結果が知られるとすぐに、補正のステップがとられる。加えて、膵島単離の生成物は、最終的な処分を決定する前に試験される。暫定試験がリリース基準に合格しない場合には、細胞は移植されないであろう。] [0069] 注入のための膵島調製物のリリース基準。 --ドナーとレシピエントとの間のABO適合性及び陰性の交差適合 --追加の注入が医療ディレクターによって必要であると決定されない限り、4000IE/kg以上の膵島質量 --移植の日までの陰性グラム染色及び培養 --レシピエント体重1kg当たり5EU/kg以下の内毒素負荷 --70%以上の生存率 --30%以上の純度] [0070] 移植後試験 --グルコース刺激インスリン放出試験が移植後に行われ、インスリン放出刺激指標は1より大きくあるべきである。 --無菌培養の最終結果は、移植後のみ入手でき、陰性であるべきである。] [0071] 膵島細胞注入:位置。膵島細胞注入は、インターベンショナルラジオロジストによってBaylor University Medical Center又はBaylor All Saints Medical Centerにおけるインターベンショナルラジオロジー室内で行われる。手順は、必要ならば全身麻酔を利用可能な、無菌技術を用いる侵襲的手順のために設計された室内で行われる。] [0072] 調製及び麻酔。患者は、手順のために入院し、準備する。手順についてインフォームドコンセントを取得する。] [0073] 右側胸部の下部、右側腹部の上部、及び上腹部は、ヨードをベースにした調製物を用いて無菌で用意される。静脈内鎮静法での局所麻酔で通常、十分である。局所麻酔は、インターベンショナルラジオロジストによって決定される最適な麻酔を用いて行われ、その領域の肋間神経が遮断される。] [0074] 門脈のカニューレ挿入。門脈カニューレ挿入のガイダンスは、3.5MHz探査機を用いるリアルタイム超音波検査で得られる。] [0075] 穿刺部位。手順は、肝臓の経皮直接穿刺によって行われる。門脈の右分枝又は左分枝がカニューレ挿入のために選択することができ、穿刺部位は、それに沿ってインターベンショナルラジオロジストによって選択される。] [0076] 技術。22G Chiba針が門脈へのアクセスに用いられ、続いて、Seldinger技術を用いてガイドワイヤーを通しての門脈のカテーテル挿入が行われる。4−5Frカテーテルが門脈に導入される。針及びカテーテルのサイズは、手順を行うインターベンショナルラジオロジストの裁量で変化し得る。] [0077] 門脈造影像。門脈造影図は、解剖学的形態及び流れを評価するために、カテーテルを通して、低浸透圧ヨード造影剤の手動注射することで得られる。最小コントラスト使用が推奨される。] [0078] 膵島細胞注入、バッグシステム。膵島細胞注入バッグシステムは、200mLの容積をもつ膵島懸濁液を含む600mLの注入バッグで構成される。膵島細胞の注入は、1つ又は2つのバッグシステムを用いる。注入のための膵島容積が5mLを超える場合、1つより多いバッグが必要とされる。膵島を含む各バッグは、35IU/kgのヘパリンが添加されている。注入におけるヘパリンの最大用量は70IU/kgである。注入が時期尚早に終了した場合には、ヘパリン用量の残りは、合計35IU/kgに達するように計算されるべきであり、門脈へ与えられ、続いて生理食塩水フラッシュが行われるべきである。] [0079] バッグの内容物は、重力を用いてレシピエントの門脈系へのみ注入される。その後、バッグは、50mLの移植媒体でフラッシュされ、そのフラッシュはバッグから門脈系へ注入される。その後、手順は、膵島を含むその残りの(1又は複数の)バッグで繰り返される。] [0080] 注入の完了。注入が完了した後、注入カテーテル及びバッグは、追加の移植媒体ですすがれ、バッグの口又は3方活栓に少しの膵島も閉じ込められていないことを確かめる。門脈造影図は、膵島毒性を避けるために注入後繰り返されない。] [0081] 門脈圧評価。門脈圧は、三路コネクターを介する直接測定インラインによって得られる。測定値は、システムの適切なゼロ化後、心血管モニター上で読み取られる。] [0082] 門脈測定のタイミング。門脈(PV)圧は、手順前、各膵島細胞バッグ注入中の途中、及び洗浄液でのバッグの各洗浄の終わりに得ることができる。最終門脈圧も、同様に記録される。] [0083] 門脈圧における変化の管理。門脈圧は、膵島細胞注入中、上昇すると予想される。以下の状況は治療の調整を必要とする:手順の前に20mmHgより上の門脈圧であることは、膵島細胞注入の禁忌である。] [0084] 注入中のいかなる時点においても、PV圧がベースライン値の2倍を超えるが、18mmHg未満である場合には、注入を10分間保持し、圧力をもう一度、測定することができる。圧力がベースラインの2倍未満であり、かつ18mmHg未満である場合には、注入を再開してもよい。そうでない場合には、10分後にもう1回測定する。] [0085] PV圧はベースラインの2倍を超えるが、18mmHg未満である場合には、手順を続けてもよい。いかなる時点でもPV圧が22mmHgを超える場合には、圧力が18mmHgより下へ降下するまで注入は保持される。PV圧は、10分間より長く22mmHgより上であり、又は20分間より長く18mmHgより上である場合には、手順は終結される。] [0086] 門脈カテーテルの除去。門脈カテーテルは除去され、その後、誘導針シースが、その先端が実質中にあるまで、引き出される。ラジオロジストの選択の止血剤が、ヨード充填注射器の先端に置かれ、シースの外部末端へ注射される。止血剤をさらに、ラジオロジストによって選択されたスチフナー/トロカール/ワイヤーを用いてシースの内部末端へ前進させる。その後、シースはプラグを通して引き出される。プラグは、この点において肝実質内で容易に可視化されるはずである。可能ならば、第2のプラグを置く。] [0087] 回復。手順後、医師によって必要であると決定される限り、患者は、インターベンショナルラジオロジー回復エリアにおいて観察され、その後、1泊の滞在のために移植サービス(Transplant Service)へ移される。肝臓機能検査及び肝臓のドップラー超音波検査図は、手順が終わった翌日に得られる。] [0088] 入院。回復後、患者を、1〜2日間の観察のために移植サービスに入院させられる。在室日数は、患者が0日目で初回量のサイモグロブリンにどれくらい耐えるのかによって決定することができる。患者は、移植後2日目、4日目、及び6日目にサイモグロブリンの引き続きの投与を受けるために病院に戻る。退院の基準には以下が挙げられる:排他的ではないが、ヘモグロビン及びヘマトクリットレベルを含む、出血を示していない検査室検査結果、許容限界内(正常の上限の2倍未満)のLFT、並びに膵島細胞注入の翌日に実施されたドップラー超音波検査図による有意な出血又は堆積物をもたない開通性の主PV、左PV及び右PV。] [0089] 繰り返しの膵島細胞注入。最初の膵島細胞移植の中間結果が、計画された手順に従って評価することができる(セクション7参照)。たいていの患者において2回目の注入が必要である可能性が高いが、強制ではない。その後の注入について、最初の手順に関連した全ステップ(5.1〜5.7)が繰り返されるべきである。患者は、2回目の注入、及び必要ならば、3回目の注入のために、1日目に戻るであろう。投与は、7日目から始まり、記載された手順に従う。引き続きの膵島細胞注入の必要性は、治療の失敗とはみなされない。患者は、必要ならば、合計3回の膵島注入を受けてもよい。] [0090] その後の移植をいつ始めるかを決定するために以下の基準を用いることができる:(1)患者が、体重1kg当たり10,000膵島当量以上の最適用量に満たない用量を受け、及び/又は以前の(1回又は複数回の)移植に基づいてインスリン非依存性を達成していないとき;並びに(2)患者が、以前の移植又は免疫抑制に関連したいかなる未解決の重篤な(1又は複数の)有害事象を有しないとき。] [0091] 研究薬物。インスリンコントロール及び血糖コントロール。インスリン用量は、膵島機能が向上するにつれて徐々に減少させてもよく、レシピエントが、7%未満のHbA1c及び陽性C−ペプチドレベルを有し、良好なグルコースコントロール(血清グルコース範囲:80〜120mg/dL)を達成したとき、中止してもよい。] [0092] グルコースモニタリング。患者は、FDA認可測定装置であるLifeScan OneTouch Ultraキャピラリー血液グルコース計器での測定を受け、その計器は、治験責任医師又は被指名人によって操作されるコンピュータとワイヤレスで通信する治験用通信装置であるGLUCOMON(商標)に接続された、患者にリアルタイムのグルコース測定値を示す。] [0093] 血糖不安定性の指数である、血糖可動域の平均振幅(MAGE,mean amplitude of glycemic excursion)の決定は、連続した2日間、1日当たり8回のキャピラリーグルコース計器読み取りを用いて行うことができる。検査は、空腹時、食後2時間目、午後10時、及び午前3時(任意)に実施してもよい。MAGEは、移植前(移植前評価を参照)、最初の膵島細胞移植後21日目、及び移植後月1回、決定してもよい。] [0094] 被験者は、静脈内注射グルコース負荷試験(IVGTT,intravenous glucose tolerance test)を受ける。IVGTTは、移植後28日目及び6カ月目に実施することができる。夜間絶食後、静脈ラインが挿入される。グルコースレベル及びC−ペプチドレベルについてベースライン試料が静脈切開術によって引き出され、その後、50%デキストロース(300mg/kg)が1分間にわたって静脈内に与えられる。0時点が注入の開始として定義され、0分目、3分目、5分目、10分目、20分目、及び30分目におけるグルコース決定のために、次の30分間にわたり、手掌での採血によって試料が採取される。試料はまた、注入後30分目に、グルコース及びC−ペプチドについて静脈切開術によって引き出される。] [0095] ヘモグロビンA1c。血糖コントロールのための薬物。シタグリプチン(JANUVIA(登録商標))を、移植後すぐに開始し、1日1回、100mg経口投与してもよく、被験者は、無期限に薬物を継続するであろう。投薬量は、血糖コントロール及び薬物副作用に基づき医師によって調整することができる。] [0096] 膵島移植後の最初の1カ月間の集中的インスリン療法。膵島移植後の集中的インスリン療法は、移植された膵島の生着を向上させるであろう。この目的のために、本発明者らは、少なくとも1カ月、集中的インスリン療法を継続するつもりである。デフォルトとして、膵島移植の候補は、彼らの糖尿病を管理するために集中的インスリン療法を用いる。] [0097] 集中的インスリン療法は、1日当たり3回より多い血中グルコース測定、続いて、1日当たり3回より多いインスリン注射(皮下)、又は連続インスリン注射のためのインスリンポンプ使用として定義される。複数回のインスリン注射について、典型的には、持続型インスリン(例えば、Glargine/Levemir)及び速効型インスリン(例えば、Lispro/Aspart)が用いられる。注射時間は、典型的には、持続型インスリンについては夕食前又は睡眠前、速効型インスリンについては毎食事前である。患者がポンプを用いる場合、基礎インスリンは、持続型インスリンと等価であり、ボーラスインスリンは速効型インスリンと等価である。(患者はポンプにおいてインスリンの1つの型のみを用いることができる。)彼らが別の型のインスリンのボーラスを採用する場合には、それらの用量を、皮下投与しなければならないであろう。] [0098] 膵島移植後、経口の食物摂取を最低限8時間停止し、静脈内注射インスリン療法を用いることができる。経口食物摂取が開始されたとき、患者は、集中的インスリン療法を再開する。インスリン量は、必要に応じて減少してもよい。] [0099] POD0:静脈内注射インスリン療法は、現在のBaylor Health Care System標準プロトコールの通り、行うことができる。] [0100] 免疫抑制:エタネルセプト(ENBREL(登録商標))。移植直前の期間内に50mgの開始用量で静脈内投与される。その後の用量については、移植後3日目、7日目、及び10日目に25mgの用量で皮下に与えられる。] [0101] タクロリムス(PROGRAF(登録商標))。経口で開始される−移植直前の期間内に始まって、12時間ごとに経口による1mgの開始用量。投与用量は、初回投与の72時間以内に3〜6ng/mLの全血トラフ濃度を達成し、この範囲を維持するように変更することができる。] [0102] シロリムス(RAPAMUNE(登録商標))。移植前に0.2mg/kgの負荷量の経口単回投与で開始される。その後、用量は経口による0.1mg/kg/日まで低下させて、処置の最初の3カ月の間、12〜15ng/mLの薬物濃度レベルを維持するように調整することができる。3カ月の処置の後、用量は、7〜10ng/mLの薬物濃度レベルを維持するように調整することができる。] [0103] 抗胸腺細胞グロブリン(ウサギ)(THYMOGLOBULIN(登録商標))。静脈内投与される−移植前後期間に体重1kg当たり1.5mgの開始用量が与えられる。その後の用量については、移植後2日目、4日目、及び6日目に1.5mg/kgの用量で静脈内に与えてもよい。前投薬は、最高500mgの静脈内メチルプレドニゾロンの投与、650mgのアセトアミノフェン、及び25〜50mgのジフェンヒドラミンを含む。サイモグロブリンの投与は、結果として、血小板減少及び白血球減少を生じる可能性があるため、計算されるサイモグロブリン用量は、血小板数が50,000〜100,000細胞/mm3である場合、又は白血球数が2000〜3000細胞/mm3である場合には、50%低減することができる。サイモグロブリン投与は、血小板数が50000細胞/mm3未満である場合、又は白血球数が2000細胞/mm3未満である場合には保持される。] [0104] ミコフェノール酸モフェチル(CELLCEPT(登録商標))。毒性が存在する場合には、他の薬物の代替として用いることができる:初回投与として(2つの同じ用量へ分割された)初回量について、及び研究期間の間、2〜3gm/日を経口投与する。静脈内投与してもよいし、カプセル製剤によって投与してもよい。用量は、有害事象のために変更されることがある。] [0105] ミコフェノール酸遅延放出錠(Myfortic)。毒性が存在する場合には、他の薬物の代替として用いることができる:初回投与として(2つの同じ用量へ分割された)初回量について、及び研究期間の間、1440mg/日を経口投与する。用量は、有害事象のために変更されることがある。] [0106] アナキンラ(KINERET(登録商標))。皮下投与される−100mgの開始用量が、移植直前の期間内に与えられる。その後の用量については、PODの1日目〜7日目に、100mgの用量で皮下に与えられる。] [0107] 抗凝固。膵島細胞注入は注入液にヘパリンを含む。低分子量のヘパリンである、エノキサパリン(LOVENOX(登録商標))を、移植後4時間を超えるが、12時間未満に開始し、12時間ごとに14日間、皮下へ30mgを用いる。] [0108] 有害事象の管理。膵島細胞注入後の合併症。術後出血は、綿密な血行動態モニタリングを必要とし、必要に応じて、集中治療室内で行われる。輸血の抗凝固の逆転、及び侵襲的手順の必要性は、患者の世話をする外科チームによって決定される。] [0109] 門脈血栓症が発症した場合には、エノキサパリンを用いる抗凝固は3カ月間、延長され、指示があれば、フォローアップ画像診断が準備される。部分的又は完全な門脈血栓症は、繰り返しの膵島注入の禁忌である。] [0110] 肝臓酵素の上昇。LFT異常は、よく起こることであり(患者の93%)、移植後3〜4日目にピーク上昇がある。] [0111] 有害事象の理由によるシロリムス(SIR)及びPROGRAF(登録商標)(TAC)の用量調整。シロリムス(SIR)又はPROGRAF(登録商標)(TAC)用量は、容認できない毒性又は拒絶反応の非存在下で目標とされた全血液中濃度を達成するために、増加又は減少されるべきである。有害事象が生じた場合、毒性はまず、SIR/TACレベルが所望の目標範囲の下端にあるように、SIR及びTAC用量を低減することによって管理されるべきである。毒性が持続し、処置されなければならない場合には、より低い目標レベルを用いてもよい。] [0112] 白血球減少の理由によるCELLCEPT(登録商標)(MMF)の用量調整。CELLCEPT(登録商標)(MMF)用量を、白血球減少を有する患者について必要に応じて、減少させてもよい。] [0113] 胃腸毒性の理由によるシロリムス(SIR)、PROGRAF(登録商標)(TAC)、及びCELLCEPT(登録商標)(MMF)の用量調整。悪心、嘔吐、下痢、及び腹痛を含む胃腸毒性の症状は、SIR、TAC、及び/又はMMF投与を変更するかどうかの決定を必要とする。決定は、毒性の性質及び重症度、並びにTACレベルを含むいくつかの因子に基づくべきである。] [0114] 下痢は以下の通り治療することができる: 感染原因(クロストリジウムディフィシル及び腸管病原体)を排除し、必要ならば、治療する。 (好ましくは2時間離れた)異なる時点においてSIR、TAC、及びMMFを別々に投与する。 TACレベルを決定し、所望の目標範囲の下位レベル近くに維持するように用量を調整する。 SIRレベル及びTACレベルが所望の治療域の下端に近く、かつ下痢の感染原因が排除されている場合には、免疫抑制剤投与を維持することができるように下痢を減少させるためにロモチル又はアヘンのチンキ剤などの薬剤を投与する。 下痢が持続する場合には、最終的には、250〜500mg/日ずつ、CELLCEPT(登録商標)用量を減少させ、さらなる治療管理について治験責任医師に相談する。CELLCEPTの代用品としてMyforticの使用を検討する。] [0115] 患者の免疫抑制レジメンが有害事象を管理するために変更された場合には、患者を、有害事象が解決したならすぐに、その以前のベースライン免疫抑制レジメンに戻すべきである。免疫抑制薬物の全ての用量調整は、患者の症例報告書に記録されなければならない。] [0116] 薬物供給、説明責任、貯蔵、再構成/希釈、及び投与。研究プロトコールの一部である薬物は、テキサス州のダラスにあるBaylor University Medical Center、又はテキサス州のフォートワースにあるBaylor All Saints Medical Centerの薬局によって供給される。調合は薬局標準によって行われる。薬物投与、及び入院患者が看護スタッフの指図に適切に従っていることの記録。看護スタッフ及び治験担当医師は、患者が退院する前に、薬物に関する正しい患者教育が伝えられたことを確実にする。] [0117] 治療のコンプライアンス。コンプライアンスは、患者が入院している間に、免疫抑制薬物が治験担当医師及び/又は指名されたスタッフメンバーの指導の下で投与されることによって保証することができる。各患者通院時のトラフレベルのモニタリングによってコンプライアンスをモニターすることができる。TACの全血液中レベルによって、患者が、処方されたレジメンを維持していることが検証されるであろう。] [0118] 併用薬物及び併用療法。サイトメガロウイルス予防。将来的なリンパ球増殖性障害又は移植片機能損失から保護するために、ドナー及びレシピエントのサイトメガロウイルス血清学的状態に関係なく、最低14週間、経口バルガンシクロビルを投与する。バルガンシクロビルが有効ではない場合は、任意のFDA認可の代替療法を利用してもよい。] [0119] ニューモシスチスカリニ肺炎予防。機関プロトコールによる標準ニューモシスチスカリニ肺炎予防レジメンは、研究期間の間、全ての治療群へ一律に与えられるべきである。] [0120] 細菌予防法。手術前の細菌予防法は、以下を用いて与えられるべきである: --移植前のバンコマイシン500mg静脈内注射、及び12時間ごとに24時間、もう2回投与; --移植前のメルレム500mg静脈内注射、及び引き続き、8時間ごとに24時間、3回投与。] [0121] その他 移植後7日目に開始される腸溶性アスピリン(1日当たり81mg)。予定された任意のその後の注入のためにアスピリンを中止し、移植後、7日目に再び、再開する。ビタミンA(1日当たり25,000IU)、ビタミンB6(1日当たり100mg)、及びビタミンE(1日当たり800IU)を1カ月間、経口投与する。潰瘍予防法もまた施され(1日当たり40mg)、移植後1日目に開始されるであろう。] [0122] 禁止される薬物、以下の薬物はプロトコールにおいて許可されない: バシリキシマブ(SIMULECT(登録商標)) 副腎皮質ステロイド シクロスポリン テルフェナジン、アステミゾール、ピモジド、ケトコナゾール−ラパマイシンが開始される前に中止されなければならない セントジョーンズワート フルコナゾールは、口腔カンジダ症の予防としては禁止されている。それは、SIRレベル及びTACレベルを綿密にモニタリングしながら、最高2週間、カンジダ感染症の治療のために用いることができる チトクロムP−450誘発剤又は阻害剤の使用は、治験担当医師によって必須の治療であるとは判断されず、かつ治験責任医師によって認可されない限り、避けるべきである。] [0123] 補助研究手順のスケジュール及び説明。スクリーニング手順。膵島細胞移植に関して同定されている患者を、組み入れ/除外基準についてスクリーニングすることができる。患者の適格性は、適格症例報告書に記述される。以下のベースライン評価は、研究登録の前に完了していなければならない: 署名され、かつ日付を記入されたインフォームドコンセントを入手する。 医師が診察を行う B型及びC型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV,Human Immunodeficiency Virus)、並びにヒトTリンパ球向性ウイルス1(HTLV−1,Human T-Cell Lymphotropic virus 1)についてのドナー及びレシピエントの血清学的状態を記録する。 サイトメガロウイルス(CMV,Cytomegalovirus)及びエプスタインバーウイルスについてのドナー及びレシピエントの血清学的状態を記録する。 出産可能性のある女性に関して尿又は血清妊娠検査を(入院する時点で)行う。 移植前に病歴を入手する。移植についての診断、二次的診断、併用薬物、及び移植の7日前までに採用される研究前薬物を含める。 身長及び体重を入手する。 インスリン必要量(製品及び用量)、血中グルコースレベル、有害事象、及び低血糖エピソードを記録する。 以下の検査室評価を行う: CBC(ヘモグロビン、ヘマトクリット、WBC分類、及び血小板数) 凝固試験:PT、INR、PTT 血清化学的性質:血清クレアチニン、BUN、Mg、リン、Na、K、アルブミン、カルシウム、及びグルコース 血清アミラーゼ及びリパーゼ 甲状腺ホルモン特性(T4、TSH、及び遊離T4) 肝臓特性:総ビリルビン量、AST、ALT、及びアルカリホスファターゼ 脂質特性 ヘモグロビンA1c及びC−ペプチド 検尿及び尿培養 微量アルブミンについての24時間尿 Glofil DNAマイクロアレイ、自己抗体、Epimax、ImmuKnow MAGE決定] [0124] 移植の1日前(−1日目) 移植の1日前(−1日目)に、スクリーニングされた(セクション7.1参照)患者を、研究の適格性の継続を保証するために、以下について再び検査することができる。署名され、かつ日付を記入されたインフォームドコンセントを入手する。 CMV及びEBVについてのドナーの血清学的状態を記録する 組み入れ基準及び除外基準を確認する 医師が診察を行う 出産可能性のある女性に関して尿又は血清妊娠検査を(入院する時点で)行う。 移植前に病歴を入手する。移植についての診断、二次的診断、併用薬物、及び移植の7日前までに採用される研究前薬物を含める。 身長及び体重を入手する。 インスリン必要量(製品及び用量)、血中グルコースレベル、有害事象、及び低血糖エピソードを記録する。 セクション6に記載されているような薬物を投与する 検査室評価を行う: CBC(ヘモグロビン、ヘマトクリット、WBC分類、及び血小板数) 凝固試験:PT、INR、PTT 血清化学的性質:血清クレアチニン、BUN、Mg、リン、Na、K、アルブミン、カルシウム、及びグルコース 血清アミラーゼ及びリパーゼ 甲状腺ホルモン特性(T4、TSH、及び遊離T4) 肝臓特性:総ビリルビン量、AST、ALT、及びアルカリホスファターゼ 脂質特性 ヘモグロビンA1c及びC−ペプチド 検尿及び尿培養 PRA DNAマイクロアレイ、自己抗体、Epimax、ImmuKnow] [0125] 治療中の研究手順 以下の手順が実施され、以下の日に記載されているようにデータが記録される。移植の日:同意しており、組み入れ/除外基準を満たしており、膵島細胞移植を受けている患者について、0日目(移植の日)手順を実施することができる: (手順内で)門脈圧を測定及び記録する セクション6に記載されているような薬物を投与する 移植の日付及び冷虚血時間を含む移植情報を入手する レシピエントの年齢、性別、及び人種を記録する ドナーの年齢、性別、及び人種を記録する 特定されたインスリン必要量(製品及び用量)、血中グルコースレベル、低血糖エピソード、免疫抑制薬用量、併用薬物、有害事象、及び体重を記録する。 以下の検査室評価を行う: CBC(ヘモグロビン、ヘマトクリット、WBC分類、及び血小板数)、移植後8時間ごとに24時間 PT、INR、PTT 血清化学的性質:クレアチニン、BUN、Mg、Na、K、リン、アルブミン、カルシウム、及びグルコース 肝臓特性:総ビリルビン量、AST、ALT、及びアルカリホスファターゼ、移植後8時間ごとに24時間 C−ペプチド アミラーゼ、移植後8時間ごとに24時間 リパーゼ アナキンラ:移植直前に100mg皮下注射 エタネルセプト:移植直前に50mg静脈内注射] [0126] 移植後1日目: 免疫抑制薬用量、併用薬物、有害事象、低血糖エピソード、及び日和見感染を記録する。 インスリン必要量(製品及び用量)、及び血中グルコースレベルを記録する。 移植片生着についての臨床評価を行う。 医師が体重を含む患者の診察を行う。 以下の検査室評価を行う: CBC(ヘモグロビン、ヘマトクリット、WBC分類、及び血小板数)、移植後8時間ごとに24時間 PT、INR、PTT 血清化学的性質:クレアチニン、BUN、Mg、Na、K、アルブミン、リン、カルシウム、及びグルコース 肝臓特性:総ビリルビン量、AST、ALT、及びアルカリホスファターゼ、移植後8時間ごとに24時間 アミラーゼ、移植後8時間ごとに24時間 リパーゼ C−ペプチド DNAマイクロアレイ、自己抗体 タクロリムス:経口投与の10〜12時間後に得られるトラフレベル ラパマイシントラフレベル 肝臓のドップラー超音波検査図 アナキンラ:100mgの皮下注射] [0127] 移植後2日目及び4日目: 免疫抑制薬用量、併用薬物、有害事象、低血糖エピソード、及び日和見感染を記録する。 サイモグロブリンを1.5mg/kgの用量で静脈内に与えてもよい。 インスリン必要量(製品及び用量)、及び血中グルコースレベルを記録する。 移植片生着についての臨床評価を行う 以下の検査室評価を行う: CBC(ヘモグロビン、ヘマトクリット、WBC分類、及び血小板数) 血清化学的性質:クレアチニン、BUN、Mg、Na、K、アルブミン、リン、カルシウム、及びグルコース 肝臓特性:総ビリルビン量、AST、ALT、及びアルカリホスファターゼ C−ペプチド DNAマイクロアレイ、ImmuKnow アナキンラ:100mgの皮下注射 タクロリムス:経口投与の10〜12時間後に得られるトラフレベル ラパマイシントラフレベル] [0128] 移植後3日目及び5日目: 免疫抑制薬用量、併用薬物、有害事象、低血糖エピソード、及び日和見感染を記録する。情報は患者から電話又はe−メールを通して入手してもよい。 インスリン必要量(製品及び用量)、及び血中グルコースレベルを記録する。情報は、患者からGlucoMONを通して入手してもよい。患者は、バックアップとして書面の運行記録を有することを要求される。 エタネルセプト:25mgの皮下注射(3日目) アナキンラ:100mgの皮下注射] [0129] 移植後6日目: 免疫抑制薬用量、併用薬物、有害事象、低血糖エピソード、及び日和見感染を記録する。 サイモグロブリンを1.5mg/kgの用量で静脈内に与えてもよい。 インスリン必要量(製品及び用量)、及び血中グルコースレベルを記録する。 移植片生着についての臨床評価を行う 医師が体重を含む患者の診察を行う。 以下の検査室評価を行う: CBC(ヘモグロビン、ヘマトクリット、WBC分類、及び血小板数) 血清化学的性質:クレアチニン、BUN、Mg、Na、K、アルブミン、リン、カルシウム、及びグルコース 肝臓特性:総ビリルビン量、AST、ALT、及びアルカリホスファターゼ C−ペプチド DNAマイクロアレイ、自己抗体、ImmuKnow アナキンラ:100mgの皮下注射 エタネルセプト:25mgの皮下注射(7日目) タクロリムス:経口投与の10〜12時間後に得られるトラフレベル ラパマイシントラフレベル] [0130] 移植後10日目: エタネルセプト:25mgの皮下注射 サイモグロブリン] [0131] 移植後14日目: 免疫抑制薬用量、併用薬物、有害事象、低血糖エピソード、及び日和見感染を記録する。 インスリン必要量(製品及び用量)、及び血中グルコースレベルを記録する。 移植片生着についての臨床評価を行う 医師が体重を含む患者の診察を行う。 以下の検査室評価を行う: CBC(ヘモグロビン、ヘマトクリット、WBC分類、及び血小板数) 血清化学的性質:クレアチニン、BUN、Mg、Na、K、アルブミン、リン、カルシウム、及びグルコース C−ペプチド DNAマイクロアレイ、自己抗体、ImmuKnow タクロリムス:経口投与の10〜12時間後に得られるトラフレベル ラパマイシントラフレベル] [0132] 移植後21日目: 免疫抑制薬用量、併用薬物、有害事象、低血糖エピソード、及び日和見感染を記録する。 インスリン必要量(製品及び用量)、及び血中グルコースレベルを記録する。 移植片生着についての臨床評価を行う 医師が体重を含む患者の診察を行う。 以下の検査室評価を行う: CBC(ヘモグロビン、ヘマトクリット、WBC分類、及び血小板数) 血清化学的性質:クレアチニン、BUN、Mg、Na、K、アルブミン、リン、カルシウム、及びグルコース 肝臓特性:総ビリルビン量、AST、ALT、及びアルカリホスファターゼ C−ペプチド HbA1c 検尿 DNAマイクロアレイ、自己抗体、ImmuKnow タクロリムス:経口投与の10〜12時間後に得られるトラフレベル ラパマイシントラフレベル 肝臓のドップラー超音波検査図 Ensure(登録商標)チャレンジ MAGE決定] [0133] 移植後28日目: 免疫抑制薬用量、併用薬物、有害事象、低血糖エピソード、及び日和見感染を記録する。 インスリン必要量(製品及び用量)、及び血中グルコースレベルを記録する。 移植片生着についての臨床評価を行う。 医師が体重を含む患者の診察を行う IVGTT 以下の検査室評価を行う: CBC(ヘモグロビン、ヘマトクリット、WBC分類、及び血小板数) 血清化学的性質:クレアチニン、BUN、Mg、Na、K、アルブミン、リン、カルシウム、及びグルコース C−ペプチド 脂質特性 DNAマイクロアレイ、自己抗体、ImmuKnow タクロリムス:経口投与の10〜12時間後に得られるトラフレベル ラパマイシントラフレベル PRA] [0134] 2カ月目の間は2週間ごと、及びその後、研究の終わりまでは毎月: 免疫抑制薬用量、併用薬物、有害事象、低血糖エピソード、及び日和見感染を記録する。 インスリン必要量(製品及び用量)、及び血中グルコースレベルを記録する。 移植片生着についての臨床評価を行う 医師が体重を含む患者の診察を行う。 以下の検査室評価を行う: CBC(ヘモグロビン、ヘマトクリット、WBC分類、及び血小板数) 血清化学的性質:クレアチニン、BUN、Mg、Na、K、アルブミン、リン、カルシウム、及びグルコース HbA1c(毎月) C−ペプチド 脂質特性(最初の移植から最初の6カ月間は毎月、6カ月後は1カ月おき、1年目以降は、3カ月ごと) PRA(毎月) DNAマイクロアレイ、自己抗体、ImmuKnow タクロリムス:経口投与の10〜12時間後に得られるトラフレベル ラパマイシントラフレベル MAGE決定、2カ月目] [0135] 移植の3カ月後から移植の2年後まで毎月: 免疫抑制薬用量、併用薬物、有害事象、低血糖エピソード、及び日和見感染を記録する。 インスリン必要量(製品及び用量)、及び血中グルコースレベルを記録する。 移植片生着についての臨床評価を行う 以下の検査室評価を行う: CBC(ヘモグロビン、ヘマトクリット、WBC分類、及び血小板数) 血清化学的性質:クレアチニン、BUN、Mg、Na、K、アルブミン、リン、カルシウム、及びグルコース HbA1c(毎月) C−ペプチド PRA(毎月) DNAマイクロアレイ、自己抗体、ImmuKnow タクロリムス:経口投与の10〜12時間後に得られるトラフレベル ラパマイシントラフレベル MAGE決定] [0136] 移植後3カ月目、6カ月目、9カ月目、12カ月目、18カ月目、24カ月目: 免疫抑制薬用量、併用薬物、有害事象、低血糖エピソード、及び日和見感染を記録する。 インスリン必要量(製品及び用量)、及び血中グルコースレベルを記録する。 移植片生着についての臨床評価を行う 医師が体重を含む患者の診察を行う(3カ月ごと) 以下の検査室評価を行う: CBC(ヘモグロビン、ヘマトクリット、WBC分類、及び血小板数) 血清化学的性質:クレアチニン、BUN、Mg、Na、K、アルブミン、リン、カルシウム、及びグルコース C−ペプチド 肝臓特性:総ビリルビン量、AST、ALT、及びアルカリホスファターゼ(3カ月ごと) HbA1c(毎月) 脂質特性(最初の移植から最初の6カ月間は毎月、6カ月後は1カ月おき、1年目以降は、3カ月ごと) 検尿(3カ月ごと) 微量アルブミンについて24時間尿収集(12カ月目及び24カ月目) Glo-fil(3カ月目、6カ月目、及び18カ月目) IVGTT(6カ月目) PRA(毎月) DNAマイクロアレイ、自己抗体、ImmuKnow Epimax(3カ月目及び9カ月目) タクロリムス:経口投与の10〜12時間後に得られるトラフレベル ラパマイシントラフレベル 肝臓のドップラー超音波検査図 MAGE決定 患者は、自己管理した「生活の質」質問表を完成する 一次及び二次の効力パラメーターの評価 Ensureチャレンジ(3カ月目、12カ月目、18カ月目、及び24カ月目) 糖尿病性網膜症などの糖尿病によって引き起こされる眼異常について評価する眼の検査(6カ月目、12カ月目、18カ月目、及び24カ月目)。検査は外部の眼科医によって行われてもよい。] [0137] 他の予定された通院。2回目の膵島細胞注入が行われる場合、予定される手順は、最初の移植で行われたものと同様でもよい。2回目の移植から4週間後、患者は、最初の時間枠に従った最初のスケジュールに再び入る。] [0138] 予定されていない追加の通院。患者が予定の通院と通院の間に治療を必要とする場合には、治療に関連した全データを患者ファイルに加える。] [0139] 評価及びエンドポイントの定義及び詳細な説明 安全性。安全性の評価は、有害事象、日和見感染、悪性度、及び検査室値又は画像診断研究における医学的に有意な変化に基づき得る。患者が有害事象を経験する場合、治験担当医師に、研究手順及び/又は研究薬物との因果関係を評価するよう求めて、治療に関連した(1又は複数の)事象は、有害事象症例報告書に記録されるべきである。] [0140] 有害事象。定義。有害事象(AE,adverse event)は、手順(膵島細胞移植)、又は手順に関連した薬物若しくは治療に関連して、一時的ではあるが、必ずしも因果的とは限らない任意の反応、副作用、又は他の有害な医学的発生である。この研究の目的にとって、以下の追加の有害事象を一定の報告として定義することができる。] [0141] 出血。腹部画像診断(超音波検査又はコンピュータ断層撮影スキャン)による出血のエビデンスを有する、手順後の2g/dLを超えるHbの急降下と相関する任意のエピソードは記録され、グレード3有害事象として扱うことができる。輸血を必要とする出血はSAEを表す。] [0142] 門脈血栓症。ドップラー超音波検査によって実証されるような門脈又はその分枝の1つにおける血餅の形成(閉塞性又は非閉塞性)は、その静脈構造の血栓症として記録することができる。門脈の分枝において若干の流れ制限を示すが、正常な方向性の流れは保存されている、部分的に閉塞した血栓症は、グレード2有害事象として記録することができる。結果として流れの逆転を生じる門脈枝の部分的又は全体的な血栓は、グレード3有害事象として記録することができる。主門脈の血栓は、それが結果として流れの逆転を生じたかどうかに関わらず、グレード3有害事象として記録することができる。] [0143] 細菌感染、ウイルス感染、及び真菌感染。細菌感染、ウイルス感染、及び真菌感染、並びに他の日和見感染を記録することができる。感染は、入院、及び抗菌剤、抗ウイルス剤、又は抗真菌剤での治療(予防ではない)を必要とする以下のいずれかとして定義することができる: 通常無菌部位由来の陽性培養物。 微生物性物質の病理的同定。 臨床症状に関連した有意な血清学的変化。 治験担当医師又は適切なコンサルタントによって記述された疾患/感染の典型的な臨床症状。 これらの患者において合理的に予想されるものを超える感染の数及び/又は重症度の増加は、グレード3有害事象として扱うことができる。] [0144] 肝毒性。肝毒性の診断は、生化学的変化が組織学的に確認され、かつ全ての他の診断(すなわち、門脈血栓症、肝臓の血腫、ウイルス性肝炎など)が除外された場合のみ、みなされる。肝毒性は、生検によって診断され、拒絶反応、ウイルス性肝炎などから区別されなければならない。肝毒性が生検によって確認された場合には、治験責任医師は、それが免疫抑制剤に関連しているかどうかを決定しなければならない。治験責任医師に、(1又は複数の)薬の中止に関する相談のために連絡を取るべきである。肝毒性の全症例において、TACトラフレベル及びシロリムスレベルを引き出して、分析のために送信するべきである。] [0145] 他の有害事象:以下を含む他の有害事象を記録することになっている: 3,000/μL未満のWBCとして定義される白血球減少 9mg/dL未満のヘモグロビンとして定義される貧血 50,000/μL未満の血小板数として定義される血小板減少 好中球減少(500/uL未満のANC) 悪性腫瘍、リンパ腫、及びリンパ球増殖性疾患。研究期間中に生じる任意の移植後悪性腫瘍の発生については、730日目(同日を含む)までに評価する。 遅延性であり、正常な移植後回復の一部としては見られない他の有害事象。] [0146] 有害事象の報告。患者のインタビューによって確認されようと、健康診断によって確認されようと、検査室所見によって確認されようと、又は他の手段によって確認されようと、全ての有害事象は、記録されなければならない。研究手順又は研究薬物との関連が認められる場合がある。各有害事象は、有害事象症例報告書に記録されなければならない。治験担当医師は、発生及び消散の日付、重症度、研究手順/薬との関連性、採られた(1又は複数の)措置、免疫抑制剤投与又は付随的な薬物の変更、並びに結果を提供する。最終通院時に継続中の有害事象は、患者の安全性を適切に評価するのに必要である限り、又はその事象が安定化するまで、フォローアップされる。その事象が研究期間中、又はフォローアップ期間の間に消散した場合には、消散日付を症例報告書に記録されるべきである。いったん有害事象が消散したならば、患者を彼らのベースライン治療へ戻す試みをするべきである。] [0147] 停止規則。有害事象は、軽度(グレード1)、中等度(グレード2)、重度(グレード3)、又は生命を脅かす程度(グレード4)としてグレード付けされる。患者の基礎疾患のため、低血糖毒性及び高血糖毒性は、停止規則に含まれない;しかしながら、それらはなお、研究報告には含まれる。1又は複数の肝臓酵素の上昇については、単一の有害事象としてグレード付けしてもよい。(上記のように)以下の有害事象は、グレード3有害事象として扱うことができる:出血、門脈血栓症、並びに日和見感染の数及び/又は重症度の増加。] [0148] 任意の単一のグレード3有害事象は、製造チーム及び臨床膵島移植チームと議論することができる。その事象が、臨床有意性がほとんどない自己限定的である場合には、治験を継続してもよい。しかしながら、任意の単一のグレード4有害事象、又は2つ以上のグレード3有害事象は、さらなる移植の即座の中止、及びFDAとIRBの両方の通告ということになる。治験は、再開の認可がFDAから得られるまで停止したままになる。全ての有害事象の完全な報告は、FDAとIRBの両方に年ベースで行ってもよい。] [0149] 重篤な有害事象。定義。重篤な有害事象(SAE,serious adverse event)は、以下の結果のいずれかを生じる、発生した任意の有害事象(AE)である: 1.死 2.生命を脅かすAE 3.手順又は免疫抑制治療に関連した、入院患者の入院又は現在の入院の延長 4.持続性又は有意な身体障害又は無能 5.先天性異常又は出生時欠損 6.項目1〜5のいずれかを生じる可能性がある重要な医学的事象] [0150] 生命を脅かすとは、治験担当医師の意見によれば、研究参加者(被験者/患者)が、反応が起こった場合、その反応による死の緊急のリスクにあったことを意味する。重要な医学的事象とは、上記の結果の1つを生じない可能性があるが、研究参加者(被験者/患者)の健康を危うくし、又はSAEの上記定義に列挙された結果の1つを防ぐために医学的若しくは外科的介入を必要とする可能性がある、任意の医学的事象である。治験担当医師によって重篤であると考えられたいかなる他の事象もまた報告されるべきである。] [0151] 用語「重度」は、強度をグレード付けするために用いられ、用語「重篤な」と同義ではない。] [0152] 移植又はその付随した治療に関連していない待機的手術手順についての入院又は入院の延長は、記録する必要はない。] [0153] 報告。死を含むSAEの場合、治験担当医師(又はコーディネーター)は、治験責任医師及びINDスポンサーにすぐに(すなわち、治験担当医師又はコーディネーターによる事象の認識の24時間以内に)電話で連絡を取らなければならない。重篤な有害事象ワークシートは、書面によるSAE情報を送るために用いられるべきである。] [0154] 必要に応じて7日以内に治験責任医師に提供される事象についてのフォローアップ情報。全ての妊娠は、SAEと同じようにIRB/FDAに報告されなければならない。INDスポンサーは、事象を認識してから暦日の15日間(致死性又は生命を脅かす事象については7日間)以内にFDA、及び必要に応じて他の監督官庁へIND安全報告を提出し、そのような規制報告を治験担当医師に通知する。治験担当医師は、治験審査委員会(IRB,Institutional Review Board)による要求に応じて、安全報告書を提出しなければならない。IRBへの提出及びIRBによる受理の文書は、保管されるべきである。MedWatch又は相当する報告書は、必要に応じて提出してもよい。] [0155] 治験担当医師は、研究参加者(被験者/患者)の安全性、福祉、又は権利に関連したいかなる他の問題についても治験責任医師に連絡することができる。] [0156] 妊娠。有害事象ではないが、胎児の結果へ本研究が関わる可能性を考慮すれば、妊娠は、重篤な有害事象と同じように報告される。妊娠に関する全ての報告は、妊娠及び分娩の経過、加えて、乳児の状態に関する情報についてフォローされなければならない。妊娠及び分娩の経過、加えて、乳児の状態に関するフォローアップ情報は、タイムリーな方法で治験責任医師に提供されるべきである。] [0157] エンドポイントの定義。外因性インスリン有り又は無しでの正常血糖の維持。2カ月間インスリンの使用なしで7%未満のHbA1c及び0.5ng/dLを超えるC−ペプチドレベルを有するグルコースコントロール(血清グルコース範囲:80〜120mg/dL)の達成。] [0158] 無自覚性低血糖。50mg/dL未満の血清グルコースという状況における認識喪失の臨床像。] [0159] インスリン必要量の低下。移植前のインスリン必要性と比較した、1日当たり50%のインスリン必要量の任意の低下。] [0160] 移植片機能及び移植片機能損失。移植片機能は、移植前レベルより上の検出可能な誘導血清C−ペプチドレベルがあるかどうかを評価される。誘導血清C−ペプチドレベルのベースライン又はゼロへの戻りは、移植片機能損失を示す。] [0161] 効力。膵島細胞移植手順の効力の評価は、以下のパラメーターに基づくことができる: 主要エンドポイント。膵島移植の安全性を評価すること、並びに膵島細胞移植を受けた患者において最終移植の12カ月後及び24カ月のエンドポイントを評価すること。エンドポイントは、外因性インスリン無し又はインスリン用量低減での正常血糖の維持の回復からなる。 これらの基準を満たさない患者は、安全性評価及び二次的エンドポイントについて研究期間の間、フォローし続ける。 二次的エンドポイント。以下により定義される無自覚性低血糖の非存在:50mg/dL未満の血清グルコースという状況における認識喪失の臨床像。 追加評価、データを収集し、分析して、以下を評価することができる: 低血糖エピソードの発生率。 インスリン非依存性にならなかった患者におけるインスリン必要量。 外因性インスリン有り又は無しで正常血糖の維持を達成するために必要とされる総膵島質量。 外因性インスリン有り又は無しで正常血糖の維持を達成するために必要とされる膵島細胞注入の数。 2層保存方法を用いる輸送、リモートサイト処理、及び膵島培養後に得られる、膵島細胞質量、それの生存率及び機能。 腎機能。 免疫抑制レジメンに関連した罹患。 膵島細胞注入に関連した罹患。 レシピエントの生活の質。] [0162] 上記データを、輸送方法、輸送媒体、冷虚血時間、膵島用量、及び細胞培養時間/温度と関連させて、分析し、膵島細胞移植の理想的な基準を決定することができる。] [0163] HYPOスコア。低血糖は、毎年、膵島移植の前と後に、Ryanらにより記載されたHYPOスコアによって評価することができる(Ryan EA, Shandro T, Green K, Paty BW, Senior PA, Bigam D, Shapiro AM, Vantyghem MC. Assessment of the severity of hypoglycemia and glycemic lability in type 1 diabetic subjects undergoing islet transplantation. Diabetes. 2004 Apr;53(4):955-62)。このスコアは、経験された無自覚性低血糖の程度の測定値である。低スコアは、存在しないかそれに近い無自覚性低血糖を反映する。このスコアを用いることで、無自覚性低血糖を低減/除去することにおける膵島細胞移植の効力を評価するのが助けられるであろう。] [0164] m値。m値は、血中グルコースレベルの安定性を評価するために用いることができる。] [0165] 6つの血中グルコース測定値(朝食前と後、昼食前と後、及び夕食前と後)の平均を用いることができる。個々のm値の式は=│(10×log10[血中グルコース(mg/dl)/100])3│であり、6つの測定値の平均は、1日当たりのm値として用いることができる。] [0166] 免疫検査。膵島移植前と後の免疫学的特性に関する研究は、限られていた。この研究において、本発明者らは、DNAマイクロアレイを用いる全ゲノム発現、及びEpimax技術を用いるサイトカイン特性分析を実施するつもりであり、それらのどちらも、Baylor Institute of Immunology Researchで開発された。自己抗体アッセイについて、GAD 65、IA−2、インスリン、及びZnt8は、University of Colorado Health Science Center(実験責任者、George Eisenbarth博士)で測定することができる。免疫機能アッセイについて、本発明者らは、Cylex免疫細胞機能アッセイを用いるつもりである。] [0167] マイクロアレイについて、下記に示されているように、膵島移植前と後に3mlの血液を収集する。血液を、1型糖尿病、膵島移植、及び免疫抑制薬レジメンによる遺伝子のパターン変化を分析するためにマイクロアレイで試験する。これは、移植拒絶反応と連関した免疫学的事象を同定し、免疫抑制レジメンを調整するための評価指標を提供するであろう。] [0168] Epimaxについて、30mlの血液を、膵島移植前(最初のスクリーニング及びリストへの登録時点)と後(手術後30日目及び90日目)、したがって、合計4時点において、収集する。血液を、1型糖尿病及び膵島移植によるサイトカインのパターン変化を分析するためにEpimax技術を用いて試験することができる。] [0169] 自己抗体アッセイについて、付録Aに示されているように、1ccの血液を膵島移植前と後に収集する。血液をスピンさせて、300マイクロLの血清を収集し、輸送までフリーザーに保管しておく。血清は、University of Colorado Health Science Centerに送られる。近年、本発明者らは、可能性のある自己免疫疾患再発による不良転帰と相関する複数の陽性自己抗体を見出した。したがって、患者が自己抗体を有するかどうかを知ることは重要である。] [0170] Cylex免疫細胞機能アッセイ(ImmuKnowアッセイ)は、免疫抑制された集団における細胞性免疫の検出についてFDAの認可を得られた。近年、本発明者らは、拒絶反応又は感染を同定するために肝臓移植後、Cylex免疫細胞機能アッセイを用いて、優秀な臨床成績を得た。Cylex免疫細胞機能アッセイは、生検が拒絶反応又は感染の検出についてほとんど不可能であるため、特に、膵島移植後に有用であるはずである。付録Aに示されているように、Cylex免疫細胞機能について3ccの血液試料を膵島移植前と後に収集する。] [0171] 研究中止基準。以下の理由により患者を研究から撤退させることができる: 患者が同意を撤回する。 安全性又は効力の問題により、患者の利益の最優先において、もはや研究にとどまれないと治験担当医師が考える。 患者が妊娠する。 患者が、フォローアップすることができない。 患者が、研究レジメンによって禁止されている免疫抑制治療を必要とする。] [0172] 研究から撤退させる患者は、研究の全24カ月間、フォローされ続けることになっている。フォローアップすることができない被験者を見出すための無理のない試みを行う。] [0173] 研究の終了。治験責任医師は、彼の裁量でこの研究を終了する権利を有し、IRB及びFDAへ書面による通知を行う。] [0174] 研究の終了についての可能性のある理由として、以下が挙げられるが、それらに限定されない: 量又は質に関して不満足な登録。 治験手順での処置によって引き起こされた可能性のある健康ハザードを示す、研究における有害事象の発生率及び/又は重症度。] [0175] 全ての事象において、終了時点においてまだ研究中にある各被験者について、及び任意の理由で時期尚早に終了しているいかなる患者についても、最終試験が実施されなければならない。治験担当医師は、できるだけ完全に症例報告書にその日付を入れる。その後、研究の終わりにおいて、治験責任医師は、全ての研究材料を収集する。] [0176] 全ての患者は、少なくとも24カ月間、研究の終了後の安全性評価についてフォローされ続けることになっている。] [0177] 研究の完了後のケア。最終膵島移植の2年後、患者は、Baylorで継続のフォローアップを受ける。移植された膵島は、機能において劣化している可能性がある。そのような場合、本発明者らは、追加の膵島移植を計画する。研究のリスク及び利益。研究に関与した患者についての可能性のあるリスクは、膵島細胞注入及び/又は付随する治療に関連している。膵島細胞注入のリスク。注入手順のリスク。膵島細胞注入手順は、静脈内鎮静法下で、放射線学的ガイダンスを用いて経皮的に門脈に挿入されたカテーテルを通して行われる。] [0178] 手順の最も一般的な合併症は、腹腔内でも肝臓内でも、被膜下でも実質内でも、穿刺部位からの出血である。微量出血エピソードは頻繁にあるが、14%の症例において臨床的に顕著であり、2%が輸血を必要とする。止血のための手術は、世界中で5つ未満の症例で報告された。他の合併症として、胆嚢穿刺(2%)、胆道出血(1%)、胆汁漏出(1%)が挙げられる。門脈枝の血栓症は、2%の症例に起こり得る。これのフォローアップは、罹患静脈の再開通を示し、血栓症からの永久的な損傷の報告はなかった。主門脈の血栓症のリスクは、0.5%未満である。それは、肝臓と膵島の複合移植において報告されているが、膵島細胞移植手順においては報告されていない。] [0179] 血胸又は気胸は、極めてまれである。肝膿瘍形成は、理論的には可能性があるが、今までのところ、報告されていない。疼痛は、直接、手順が原因で、又は門脈圧の上昇が原因で、手順中ではよくある。手順が終わった後は、疼痛は珍しい。手順と共に用いられる意識下鎮静法は、呼吸抑制又は呼吸停止のリスクを伴い得、患者は放射線室内で綿密にモニターされ、必要に応じて処置され得る。] [0180] 移植手順は、カテーテル配置及び門脈造影法からの放射線被曝を伴う。臨床的に指示された場合の胸部X線撮影などのいくつかの標準検査からの放射線被曝もまたあり得る。2年間のプロトコールについての総放射線量は、放射線を扱う仕事をする専門家についての最大の1年間放射線被曝より少ないと予想される。この量は、1年当たりのバックグラウンド放射線被曝の10〜15倍である。] [0181] 注入の他のリスク。肝臓機能検査の一時的上昇はよくあることであり(症例の最高93%)、それらのうちの最高46%が有意である。これは、通常、移植の2週間以内に正常に戻り、肝臓機能に長期間、影響を及ぼさない。] [0182] 膵島移植のもう1つの可能性のあるリスクは、膵島と共に感染が導入されることである。これは、感染についてのドナーの適切なスクリーニング、レシピエントに投与される予防的抗生物質により、及び細菌の存在について膵島調製物の顕微鏡検査により、実質的に低減されるはずである。膵島調製物を培養によって評価することができるが、結果は、通常、移植が完了するまで入手できないであろう。しかしながら、この情報は、必要であれば、処置を指示するのに重要であり得る。] [0183] 膵島細胞調製物は、B型又はC型肝炎、HIV、HTLV、及びCMVなどのウイルス感染を伝染させ得る。伝染のリスクは、ドナー選択プロセス及び上記のウイルスが膵島細胞によって運ばれることは知られていないという事実を考えれば、極めて低い。] [0184] 膵島を含む同種組織の移植は、成功であろうと不成功であろうと、レシピエントに免疫応答を誘発し得、ドナーHLA抗原に対して細胞傷害性抗体を生じ得る。これは、固形臓器移植についても同様に起こり、それは、被験者が将来の移植を必要とする場合において、問題になり得る。] [0185] 免疫抑制薬物のリスク。慢性免疫抑制は、日和見感染の一般的なリスク、及び悪性腫瘍の発生についての小さいが認められるリスクを有する。固形臓器において、レシピエント登録データにより、以下の3つの癌型の発生率が一般集団のそれより増加していることが同定されている:外陰癌、非黒色腫皮膚癌、及びリンパ腫。膵島細胞レシピエントは、悪性腫瘍を発生したとは報告されていない。] [0186] リンパ腫のリスクは、成人固形臓器移植レシピエントにおいて0.5%〜1%と推定されるが、エドモントンプロトコール又はその誘導体のいずれによっても500を超える膵島移植患者においてリンパ腫の症例は報告されていない。] [0187] 膵島細胞の移植レシピエントは、固形臓器のレシピエントと同様に、一般的に、一般集団より感染の発生のリスクが高く、かつ一般集団においてよりこれらの感染が重症になるリスクが高い。そのようなよく起こる感染症の例として、細菌性、ウイルス性、又は真菌性肺炎、細菌性又は真菌性尿路感染症、サイトメガロウイルス感染症、ニューモシスチスカリニ感染症、及び普通感冒などのありふれたウイルスが挙げられる。今まで、膵島細胞レシピエントの誰も、感染で死亡していない。いくつかのリスクのある感染、特に、CMV及びニューモシスチスは、特異的に予防されており、これらの患者においては報告されていない。1型糖尿病もまた一般集団より感染のリスクが高いことを考えれば、膵島患者についての感染のリスクの増加は、非糖尿病患者(一般集団)が被るであろうリスクの増加より小さい可能性が高い。]
权利要求:
請求項1 移植可能な膵島調製物を調製する方法であって、ドナーの膵臓を採取するステップと、膵管にET-Kyoto溶液又はその等価物を注入するステップと、β膵島細胞を単離するステップと、膵島移植時にヒトインターロイキン−1アンタゴニストで患者を処置するステップとを含む、方法。 請求項2 β膵島細胞を単離するステップがコラゲナーゼを用いて行われる、請求項1に記載の方法。 請求項3 コラゲナーゼがヒトコラゲナーゼを含む、請求項2に記載の方法。 請求項4 膵臓から膵島を抽出した後、前記膵島をET-Kyoto溶液中で処理する、請求項1に記載の方法。 請求項5 β膵島細胞を単離するステップがトリプシン阻害剤の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。 請求項6 ヒトインターロイキン−1アンタゴニストが、インターロイキン−1β(IL−1β)遺伝子転写の1又は2以上のモディファイヤー、IL−1β遺伝子翻訳の1又は2以上のモディファイヤー、IL−1βの発現を標的とする1又は2以上のsiRNA、1又は2以上のIL−1β受容体遮断剤、1又は2以上のインターロイキン−1受容体アンタゴニストタンパク質、1又は2以上のインターロイキン−1受容体アンタゴニストペプチド、IL−1βの放出を変化させる1又は2以上の活性剤、IL−1βを中和する1又は2以上の抗体、IL−1β受容体を遮断する1又は2以上の抗体、1又は2以上の組換え若しくは天然のIL−1受容体アンタゴニスト、IL−1βの放出を阻害する1又は2以上のアニオン輸送阻害剤、リポキシン及びα−トコフェロール、不活性IL−1β前駆体をその成熟した活性型へ変換するタンパク質分解酵素を阻害する1又は2以上のオピオイド、IL−1βの生物学的機能を中和する1又は2以上の抗体、並びにそれらの混合物及び組合せから選択される、請求項1に記載の方法。 請求項7 遺伝子転写の阻害剤、不活性化腫瘍壊死因子、腫瘍壊死因子受容体遮断剤、及び可溶性腫瘍壊死因子受容体から選択される腫瘍壊死因子アンタゴニストを患者に供給するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。 請求項8 移植可能な膵島調製物を調製する方法であって、ドナーの膵臓を採取するステップと、膵管にET-Kyoto溶液又はその等価物を注入するステップと、採取された膵臓から、トリプシン阻害剤の存在下でβ膵島細胞を単離するステップと、膵島移植時にヒトインターロイキン−1アンタゴニストで患者を処置するステップとを含む、方法。 請求項9 トリプシン阻害剤が、血清α−1アンチトリプシン、ライマメのトリプシン阻害剤、クニッツ阻害剤、オボムコイド阻害剤、又はダイズ阻害剤から選択される、請求項8に記載の方法。 請求項10 膵臓から膵島を抽出した後、前記膵島をET-Kyoto溶液中で処理する、請求項8に記載の方法。 請求項11 膵島がコラゲナーゼで処理される、請求項8に記載の方法。 請求項12 コラゲナーゼがヒトコラゲナーゼを含む、請求項11に記載の方法。 請求項13 ヒトインターロイキン−1アンタゴニストが、インターロイキン−1β(IL−1β)遺伝子転写の1又は2以上のモディファイヤー、IL−1β遺伝子翻訳の1又は2以上のモディファイヤー、IL−1βの発現を標的とする1又は2以上のsiRNA、1又は2以上のIL−1β受容体遮断剤、1又は2以上のインターロイキン−1受容体アンタゴニストタンパク質、1又は2以上のインターロイキン−1受容体アンタゴニストペプチド、IL−1βの放出を変化させる1又は2以上の活性剤、IL−1βを中和する1又は2以上の抗体、IL−1β受容体を遮断する1又は2以上の抗体、1又は2以上の組換え若しくは天然のIL−1受容体アンタゴニスト、IL−1βの放出を阻害する1又は2以上のアニオン輸送阻害剤、リポキシン及びα−トコフェロール、不活性IL−1β前駆体をその成熟した活性型へ変換するタンパク質分解酵素を阻害する1又は2以上のオピオイド、IL−1βの生物学的機能を中和する1又は2以上の抗体、並びにそれらの混合物及び組合せから選択される、請求項8に記載の方法。 請求項14 遺伝子転写の阻害剤、不活性化腫瘍壊死因子、腫瘍壊死因子受容体遮断剤、及び可溶性腫瘍壊死因子受容体から選択される腫瘍壊死因子アンタゴニストを患者に供給するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。 請求項15 移植可能な膵島調製物を調製する方法であって、ドナーの膵臓を採取するステップと、採取された膵臓から、トリプシン阻害剤の存在下でβ膵島細胞を単離するステップと、膵島移植時にヒトインターロイキン−1アンタゴニスト及び腫瘍壊死因子アンタゴニストで患者を処置するステップとを含む、方法。 請求項16 抽出が、ET-Kyoto溶液中で、適切なコラゲナーゼを用いて行われる、請求項15に記載の方法。 請求項17 膵臓から膵島を抽出した後、前記膵島をET-Kyoto溶液中で処理する、請求項15に記載の方法。 請求項18 トリプシン阻害剤が、血清α−1アンチトリプシン、ライマメのトリプシン阻害剤、クニッツ阻害剤、オボムコイド阻害剤、又はダイズ阻害剤から選択される、請求項15に記載の方法。 請求項19 コラゲナーゼがヒトコラゲナーゼを含む、請求項15に記載の方法。 請求項20 遺伝子転写の阻害剤、不活性化腫瘍壊死因子、腫瘍壊死因子受容体遮断剤、及び可溶性腫瘍壊死因子受容体から選択される腫瘍壊死因子アンタゴニストを患者に供給するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
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