![]() 高度にリン酸化された活性なヒトリソソームスルファターゼ酵素の製造およびそれの使用
专利摘要:
本発明は、高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素の組成物、それらの薬学的組成物、そのようなリソソームスルファターゼ酵素および組成物を生産ならびに精製する方法、ならびに疾患および病状(特に、リソソームスルファターゼ酵素における欠乏によって引き起こされるか、またはそれに関連付けられる、リソソーム蓄積症を含む)の診断、予防、または処置におけるそれらの使用を提供する。一実施形態において、END3相補群CHO細胞またはそれの誘導体において生産される、組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体が提供され、ここで、該END3相補群CHO細胞またはそれの誘導体は、組換え型ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)を発現する。 公开号:JP2011509674A 申请号:JP2010543278 申请日:2009-01-16 公开日:2011-03-31 发明作者:ビッシュ コッパカ,;メリタ ドヴォラク−イーウェル,;エルノ パンゴール,;ミシェル;クラウド ベラード,;チャールズ ホーグ, 申请人:バイオマリン ファーマシューティカル インコーポレイテッド; IPC主号:C12N9-16
专利说明:
[0001] この出願は、2008年1月18日に出願された米国仮特許出願第61/022,179号、2008年9月23日に出願された米国仮特許出願第61/099,373号、および2008年10月31日に出願された米国仮特許出願第61/110,246号の優先権の利益を主張し、これらの明細書は参照によって本明細書に援用される。] [0002] (本発明の分野) 本発明は、細胞のおよび分子の生物学ならびに医学の技術分野、特に高度にリン酸化された活性なヒトリソソームスルファターゼ酵素の製造、およびリソソームスルファターゼ酵素の欠乏に関連づけられるリソソーム蓄積症の管理におけるそれらの使用に関連する。特に、本発明は、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)の製造ならびにムコ多糖体症IVa(MPS IVaまたはモルキオA症候群)およびGALNSの欠乏に関連づけられる他のリソソーム蓄積症の管理におけるそれの使用に関連する。] 背景技術 [0003] (本発明の背景) リソソーム蓄積症(LSD)は、リソソーム内での細胞性廃棄物の分解のために不可欠である、細胞内の特定のリソソーム酵素の欠乏から結果として生じる。そのようなリソソーム酵素の欠乏は、リソソーム中に分解されない「蓄積物質」の蓄積を導き、これは、リソソームの腫脹および機能不全ならびに最終的には細胞および組織の損傷を引き起こす。多数のリソソーム酵素は同定され、そしてそれらに関連する疾患と関連付けがされている。一旦、欠けている(missing)酵素が同定されれば、処置は、患者の冒された組織へ、置換(replacement)酵素を効果的に送達するという唯一の問題に低減され得る。] [0004] リソソーム蓄積症を処置するための一つの方法は、静脈内酵素置換療法(ERT)による(非特許文献1)。ERTは、酵素を単一の投与の部位から大部分の組織へ輸送するために脈管構造を利用する。一旦、酵素は広範囲にわたって供給されると、それは細胞中に取込まれるに違いない。細胞中への取込みのための基本原理は、リソソーム酵素の特有の特徴において見い出だされる。リソソーム酵素は、末端のマンノース残基の6位置におけるホスフェートによって定義される、糖タンパク質の個々別々のクラスを構成する。マンノース−6−リン酸は、大多数の細胞の表面上で見られる受容体によって、高い親和性および特異性で結合される(非特許文献2;非特許文献3)。マンノース−6−リン酸受容体(MPR)(これは、ポリペプチド鎖当たり二個のマンノース−6−リン酸結合部位を有する(非特許文献4))は、血液から組織への酵素の取込みを指示し、そしてその後、リソソームへ細胞内で配送することを媒介する。] [0005] リソソーム酵素の大規模生産は、哺乳動物細胞株においての発現を含む。目標は、収集および下流を処理するための、取り囲んでいる増殖培地中への組換え型酵素の顕著な分泌である。リソソーム酵素の大規模生産のための理想的なシステムにおいて、酵素は効果的にリン酸化され得、そしてその後、主としてリソソームへではなく、主として細胞表面の方へ向けられる(すなわち、分泌のため)。上で記載されるように、リン酸化されたリソソーム酵素のこの区分は、正常な細胞内で起きていることのまさに正反対である。リソソーム酵素生産のために使用される生産細胞株は、酵素のモル当たりのマンノース−6−リン酸のレベルを最大にすることに焦点を合わせているが、これは低い比生産性(low specific productivity)によって特徴付けられる。高いレベルのマンノース−6−リン酸部分を含むリソソーム酵素を生産することにおけるインビトロでの試みは、結果として雑多な(mixed)成功を生じた(Canfieldら,特許文献1)。このインビトロの酵素は、高いレベルのマンノース−6−リン酸ならびに高いレベルの修飾されていない末端のマンノースを示す。リソソーム酵素についてのマンノース−6−リン酸とマンノース受容体との間の競合は、有効性のために酵素の高い用量の必要性を結果として生じ、そして処置される被験体の損傷に対するより高い免疫抗原性を導き得る。] [0006] スルファターゼは、リソソーム酵素の特有のサブクラスを構成する。スルファターゼは種々の基質(例えば、ステロイド、炭水化物、プロテオグリカンおよび糖脂質を含む)から硫酸エステルを切断する。全ての既知の真核細胞のスルファターゼは、それらの触媒部位においてシステイン残基を含む。スルファターゼ活性は、このシステイン残基のCα−ホルミルグリシン(FGly)への翻訳後修飾を必要とする。システインからFGlyへの翻訳後の酵素活性化は、リソソームへのスルファターゼのターゲッティング(targeting)の前に、小胞体内で翻訳後直ちに折りたたまれていない(unfolded)スルファターゼ上で起きる(非特許文献5)。この反応を触媒するホルミルグリシン生成酵素は、スルファターゼ調節因子(modifying factor)1(SUMF1)である。この特有な翻訳後修飾の重要性を強調するのはSUMF1における変異(これはリソソームスルファターゼ酵素における損なわれたFGly形成を結果として生じる)がヒトにおいて多発性スルファターゼ欠損症(MSD)を引き起こすという事実である(非特許文献6)。] [0007] したがって、リソソームスルファターゼ酵素調製物の治療の効果は、その調製物中のマンノース−6−リン酸のレベルおよび活性な酵素の存在に依存する。] [0008] 米国特許第6,537,785号明細書] 先行技術 [0009] Kakkis,Expert Opin.Investig.Drugs 2002 11(5):675−685 Munier−Lehmannら,Biochem.Soc.Trans.1996 24(1):133−136 Marnellら,J.Cell.Biol.1984 99(6):1907−1916 Tongら,J.Biol.Chem.1989 264:7962−7969 Dierksら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA1997 94:11963−11968 Diez−Ruizら,Annu.Rev.Genomics Hum.Genet.2005 6:355−379] 発明が解決しようとする課題 [0010] それゆえ、そのようなリソソームスルファターゼ酵素の欠乏によって引き起こされるまたは関連付けられるリソソーム蓄積症の管理のため、治療上有効であり、高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素の大規模製造のための効率がよくかつ生産的なシステムに対し、当該分野において必要性が存在する。] 課題を解決するための手段 [0011] (発明の概要) 本発明は、エンドソームの酸性化に欠損があるCHO−K1細胞株誘導体(G71と示される)が組換え型ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)を発現するように操作される場合、上記修飾されたG71細胞は、一部、生産細胞株のリソソーム区画への物質の損失を防ぐことによって、高度にリン酸化された活性な組換え型リソソームスルファターゼ酵素の高い収量を生産するという発見に関連する。一つの実施形態において、本発明は、組換え型ヒトSUMF1および組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)を共発現(co−express)するEND3相補群細胞株を提供し、これは高度にリン酸化された活性な酵素の高い収量を結果として生じる。例示的な細胞株は、G71、G71S、およびそれらの誘導体であり、これらはG71の所望の特性(すなわち、高度にリン酸化された活性である組換え型リソソームスルファターゼ酵素の高い収量を生産するための能力)を保持している。END3相補群が修飾された、組換え型ヒトSUMF1および組換え型リソソームスルファターゼ酵素を共発現するCHO−K1細胞株のこの適用は、酵素置換療法(ERT)によるリソソーム蓄積症の管理のために用いられる、高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素の製造のために特に有用であり得る。] [0012] 第一の局面において、本発明は、END3相補群CHO細胞もしくはそれの誘導体中で、治療上の使用を可能にする量において、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を生産する新規な方法を特徴とする。広い実施形態において、本方法は:(a)CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体を培養する工程;(b)CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体において、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を発現することができる第一の哺乳動物発現ベクターを調製する工程;(c)CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体において、組換え型ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を発現することができる第二の哺乳動物発現ベクターを調製する工程;(d)第一のおよび第二の発現ベクターを用いてCHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体をトランスフェクトする工程;(e)高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を発現する、CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体のトランスフェクタント(transfectant)の選択およびクローニングをする工程;ならびに(f)高度にリン酸化された組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を製造するための細胞培養作業方法を最適化する工程を含む。組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素は、アリールスルファターゼA(ARSA)、アリールスルファターゼB(ARSB)、イズロン酸−2−スルファターゼ(IDS)、スルファミダーゼ(sulfamidase)/ヘパリン−N−スルファターゼ(SGSH)、N−アセチルグルコサミン−スルファターゼ(G6S)およびN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)からなる群より選択される。] [0013] 方法は、リソソームスルファターゼ酵素の全てまたは一部をコードしているcDNAおよびヒトSUMF1の全てまたは一部をコードしているcDNAを、CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体中にトランスフェクトする工程を含む。いくつかの実施形態において、第一のおよび第二の発現ベクター(これらは、それぞれ、コードしている高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素およびヒトSUMF1を発現することができる)は、CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体中に同時にトランスフェクトされる。いくつかの実施形態において、第一のおよび第二の発現ベクターは、CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体中に、連続してトランスフェクトされる。いくつかの実施形態において、全長ヒトリソソームスルファターゼ酵素をコードしているcDNAが使用され、一方他の実施形態において、それの生物学的に活性な断片、変異体、改変体または誘導体をコードしているcDNAが使用される。いくつかの実施形態において、全長ヒトSUMF1をコードしているcDNAが使用され、一方他の実施形態において、それの生物学的に活性な断片、変異体、改変体または誘導体をコードしているcDNAが使用される。いくつかの実施形態において、多数の発現ベクターは、ヒトリソソームスルファターゼ酵素のcDNAおよびヒトSUMF1のcDNAを、同時にまたは連続して、CHOに由来するEND3相補群細胞もしくはそれの誘導体中に移入するために使用される。いくつかの実施形態において、単一の発現ベクターは、ヒトリソソームスルファターゼ酵素のcDNAおよびヒトSUMF1のcDNAを同時に、CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体中に移入するために使用される。好ましい実施形態において、CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体は、G71細胞株、G71S細胞株、またはG71もしくはG71S誘導体である。] [0014] 好ましい実施形態において、方法は、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素(例えば、アリールスルファターゼA(ARSA)、アリールスルファターゼB(ARSB)、イズロン酸−2−スルファターゼ(IDS)、スルファミダーゼ/ヘパリン−N−スルファターゼ(SGSH)、N−アセチルグルコサミン−スルファターゼ(G6S)またはN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS))を、END3相補群CHO細胞株またはそれの誘導体から生産することを含む。特に好ましい実施形態において、方法は、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)をEND3相補群CHO細胞株またはそれの誘導体から生産することを含む。END3相補群細胞株は、エンドソーム酸性化欠損などの、END3相補群細胞株の特性を保持しているあらゆる修飾されたCHO細胞株である。好ましい実施形態において、CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体は、G71細胞株、G71S細胞株、またはG71もしくはG71S誘導体である。] [0015] 第二の局面において、本発明は、リソソームスルファターゼ酵素の使用を治療的に可能にする量において、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素を生産するその能力によって特徴付けられる、エンドソーム酸性化が欠損している哺乳動物細胞株を提供する。好ましい実施形態において、本発明は、CHO−K1に由来するEND3相補群細胞株(G71、G71S、またはそれの誘導体と示される)を提供し、これは高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素の高い収量を生産することができ、それによってそのような治療用のリソソームスルファターゼ酵素の大規模生産を可能にする。より好ましい実施形態において、細胞株は、組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素を、少なくとも約0.5、好ましくは少なくとも約0.75、より好ましくは少なくとも約1.0、およびさらにより好ましくは少なくとも約1.25ピコグラム/細胞/日の量で発現ならびに分泌する。] [0016] END3相補群細胞株は、エンドソーム酸性化欠損などの、END3相補群細胞株の特性を保持している、あらゆる修飾されたCHO細胞株である。一つの実施形態において、END3相補群CHO細胞株は、G71またはそれの誘導体に由来し、かつ(a)組換え型ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)のための発現ベクターおよび(b)組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素のための発現ベクターを含み、ここで、上記組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素は、アリールスルファターゼA(ARSA)、アリールスルファターゼB(ARSB)、イズロン酸−2−スルファターゼ(IDS)、スルファミダーゼ/ヘパリン−N−スルファターゼ(SGSH)、N−アセチルグルコサミン−スルファターゼ(G6S)およびN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)からなる群より選択される。好ましい実施形態において、END3相補群CHO細胞株は、組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)のための発現ベクターを含む。より好ましい実施形態において、END3相補群CHO細胞株は、組換え型ヒトGALNSを発現および分泌する。別の好ましい実施形態において、END3相補群CHO細胞株は、クローン4、クローン5、クローンC6、クローンC2、クローンC5、クローンC7、クローンC10、クローンC11およびクローンC30からなる群より選択される。より好ましい実施形態において、END3相補群CHO細胞株はクローンC2である。別の好ましい実施形態において、END3相補群CHO細胞株は、懸濁物中での増殖に適合させられている。] [0017] 第三の局面において、本発明は、本発明の方法に従って生産され、そしてそれによって治療的にリソソームスルファターゼ酵素を使用することを可能にする量において存在する、組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素を提供する。リソソームスルファターゼ酵素は、全長タンパク質、またはそれの断片、変異体、改変体もしくは誘導体であり得る。いくつかの実施形態において、本発明に従って、リソソームスルファターゼ酵素またはそれの断片、変異体、改変体もしくは誘導体は、その安定性または薬物動態学の特性を高めるために、所望のように、修飾され得る(例えば、ペグ化(PEGylation)、変異誘発、融合、結合体化)。好ましい実施形態において、酵素はヒトリソソームスルファターゼ酵素、天然のスルファターゼ酵素の生物学的な活性を有するヒトリソソームスルファターゼ酵素の断片、またはヒトリソソームスルファターゼ酵素と実質的なアミノ酸配列の相同性を有するポリペプチドである。いくつかの実施形態において、リソソームスルファターゼ酵素は、ヒトまたは哺乳動物の配列のオリジン(origin)もしくは誘導物(derivation)のタンパク質である。他の実施形態において、リソソームスルファターゼ酵素はその欠乏が、異染性(Metachromic)白質萎縮症またはMLD(すなわち、アリールスルファターゼA(ARSA))、マロトー−ラミー症候群またはMPS VI(すなわち、アリールスルファターゼB(ARSB))、ハンター症候群またはMPS II(すなわち、イズロン酸−2−スルファターゼ(IDS))、サンフィリポA症候群またはMPS IIIa(すなわち、スルファミダーゼ/ヘパリン−N−スルファターゼ(SGSH))、サンフィリポD症候群またはMPS IIId(すなわち、N−アセチルグルコサミン−スルファターゼ(G6S))およびモルキオA症候群またはMPS IVa(すなわち、N−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS))などのヒトの疾患を引き起こすようなものである。特に好ましい実施形態において、リソソームスルファターゼ酵素はその欠乏が、モルキオA症候群またはMPS IVa(すなわち、N−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS))を引き起こすようなものである。別の特に好ましい実施形態において、リソソームスルファターゼ酵素はその欠乏が、多発性スルファターゼ欠損症またはMSD(すなわち、N−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS))などのヒトの疾患と関連付けられるようなものである。] [0018] リソソームスルファターゼ酵素はまた、ヒトまたは哺乳動物の配列のオリジンもしくは誘導物であり得る。本発明のなお他の実施形態における、本発明の局面のそれぞれにおいて、リソソームスルファターゼ酵素は、ヒトまたは哺乳動物のリソソームスルファターゼ酵素のアミノ酸配列の対応する部分に、アミノ酸配列において、同一である。他の実施形態において、ポリペプチド部分は、ヒトまたは哺乳動物由来の天然のリソソームスルファターゼ酵素である。他の実施形態において、リソソームスルファターゼ酵素のポリペプチドは、ヒトまたは哺乳動物の酵素の、天然のリソソームスルファターゼ酵素のアミノ酸配列に対して、少なくとも約25、50、100、150、もしくは200アミノ酸の長さにわたって、またはそのポリペプチドの全長にわたって、実質的に相同(すなわち、アミノ酸配列において、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一)である。他の実施形態において、リソソームスルファターゼ酵素が投与される被験体はヒトである。] [0019] 好ましい実施形態において、リソソームスルファターゼ酵素は、エンドソーム酸性化欠損細胞株(例えば、CHOに由来するEND3相補群細胞株)によって生産される、高度にリン酸化された組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素である。END3相補群細胞株は、エンドソーム酸性化の欠損などの、END3相補群細胞株の特性を保持している、任意の修飾されたCHO細胞株である。好ましい実施形態において、CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体は、G71細胞株、G71S細胞株またはG71もしくはG71S誘導体である。] [0020] より好ましい実施形態において、組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素は、リン酸化されたオリゴ糖の高いレベル(すなわち、タンパク質鎖当たり約0.25より多くの、好ましくは0.5より多くの、およびより好ましくは約0.75より多くの、ビスリン酸化された(bis−phosphorylated)オリゴマンノース鎖)を有する。さらにより好ましい実施形態において、酵素は高度にリン酸化された組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)である。] [0021] より好ましい実施形態において、組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素は、活性部位のシステイン残基のCα−ホルミルグリシン(FGly)への変換の高いパーセンテージ(すなわち、少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約90%、さらにより好ましくは少なくとも約95%)を有する。さらにより好ましい実施形態において、酵素は、活性な組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)である。] [0022] より特に好ましい実施形態において、組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素は、リン酸化されたオリゴ糖の高いレベル(すなわち、タンパク質鎖当たり約0.25より多くの、好ましくは0.5より多くの、およびより好ましくは約0.75より多くの、ビスリン酸化されたオリゴマンノース鎖)および、活性部位のシステイン残基のCα−ホルミルグリシン(FGly)への変換の高いパーセンテージ(すなわち、少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約90%、さらにより好ましくは少なくとも約95%)を有する。最も特に好ましい(referred)実施形態において、酵素は、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)である。] [0023] 第四の局面において、本発明は、本発明の方法によって生産される、組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素を精製するための方法を提供する。好ましい実施形態において、リソソームスルファターゼ酵素は、2カラムプロセス(2−column process)(色素−リガンドクロマトグラフィ、例えば、Blue−Sepharose、および陰イオン交換クロマトグラフィ、例えば、SE Hi−Cap)を用いて精製され、これは、少なくとも5つの精製工程:(1)収集物(すなわち、ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)および組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素を発現する、END3相補群CHO細胞株またはそれの誘導体由来の培地)を濾過する工程;(2)濾過された収集物をpH4.5にpH調節する工程(混入している(contaminating)タンパク質の沈殿を引き起こすため);(3)pH調節され濾過された収集物を色素−リガンドカラム(例えば、Blue−Sepharoseカラム)に充填し、カラムを洗浄しそしてカラムからリソソームスルファターゼ酵素を溶出する工程;(4)色素−リガンドカラムからの溶出液を陰イオン交換カラム(例えば、SE Hi−Capカラム)に充填し、カラムを洗浄しそしてカラムからリソソームスルファターゼ酵素を溶出する工程;ならびに(5)陰イオン交換からの溶出液を限外濾過および透析濾過(diafiltrating)する工程を含む。必要に応じて、工程(1)において濾過された収集物は、pHを調節する前に限外濾過によって、10〜20倍、濃縮される。必要に応じて、工程(5)において限外濾過および透析濾過されたリソソームスルファターゼ酵素は、処方(formulation)緩衝液中に処方される。特に好ましい実施形態において、リソソーム酵素は、組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)である。] [0024] 別の好ましい実施形態において、リソソームスルファターゼ酵素は、3カラムプロセス(キャプチャー(capture)クロマトグラフィ、例えば、陰イオン交換SE Hi−Cap;中間(intermediate)クロマトグラフィ、例えば、色素−リガンドCaptoBlueZinc、Chelating SepharoseFFまたはCapto Adhere;およびポリッシング(polishing)クロマトグラフィ、例えば、ToyoPearl Butyl 650M、Phenyl Sepharose Hi−SubまたはPhenyl Sepharose Low−Sub)を用いて精製され、これは少なくとも5つの精製工程:(1)例えば、Sartoon Cassettes(10kDa、Hydrosart)によって、収集物(すなわち、ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)および組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素を発現する、END3相補群CHO細胞株またはそれの誘導体由来の培地)を限外濾過する工程;(2)濾過された収集物をpH4.5にpH調節する工程(混入しているタンパク質の沈殿を引き起こすため);(3)pH調節され濾過された収集物をキャプチャーカラム(例えば、FractogelEMD SE Hi−CAP(M)陰イオン交換)に充填し、カラムを洗浄しそしてカラムからリソソームスルファターゼ酵素を溶出する工程;(4)キャプチャーカラムからの溶出液を中間カラム(例えば、色素−リガンドCapto BlueZinc、Chelating Sepharose FFまたはCapto Adhere)に充填し、カラムを洗浄しそしてカラムからリソソームスルファターゼ酵素を溶出する工程;ならびに(5)ポリッシングカラム(例えば、ToyoPearl Butyl 650M、Phenyl Sepharose Hi−SubまたはPhenyl Sepharose Low−Sub)に溶出液を充填し、カラムを洗浄しそしてカラムからリソソーム酵素を溶出する工程を含む。工程(5)由来の溶出されたリソソーム酵素は、処方緩衝液中に処方される。必要に応じて、工程(5)由来の溶出されたリソソームスルファターゼ酵素は、限外濾過され、そしてその後、処方緩衝液中に処方される。必要に応じて、工程(4)におけるカラムからのリソソームスルファターゼ酵素は、工程(5)においてポリッシングカラムに充填する前に、低pHウイルス不活性化のためにpH3.5にさらされる。特に好ましい実施形態において、リソソーム酵素は、組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)である。] [0025] 第五の局面において、本発明は、GALNS酵素における欠乏によって引き起こされるリソソーム蓄積症(例えば、ムコ多糖体症IVa型(MPS IVa)もしくはモルキオA症候群)またはGALNS酵素における欠乏に関連付けられるリソソーム蓄積症(例えば、多発性スルファターゼ欠損症(MSD))に罹患した被験体を処置するために有用である、精製された、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)またはそれの生物学的に活性な変異体、改変体もしくは誘導体を提供する。好ましい実施形態において、精製された、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトGALNSは:(a)非還元条件下でSDS−PAGEにかけられた場合、Coomassie Blue染色によって決定されるとき、少なくとも約90%の純度を有し;(b)Cα−ホルミルグリシン(FGly)への、位置53のシステイン残基の少なくとも約90%の変換を有し;かつ(c)位置178および397のアスパラギン残基がN結合型グリコシル化され、ここで、位置178のアスパラギン残基に付加されたオリゴマンノース鎖の少なくとも約50%がビスリン酸化される。精製された、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトGALNSは、還元条件下でSDS−PAGEにかけられた場合、約55〜60kDaの主要なバンド(すなわち、目に見えるタンパク質の少なくとも約75%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、およびさらにより好ましくは少なくとも約95%である、前駆体ヒトGALNS)ならびに約39kDaおよび約19kDaでの主要ではないバンド(すなわち、目に見えるタンパク質の約25%未満、好ましくは約15%未満、より好ましくは約10%未満、およびさらにより好ましくは約5%未満である、成熟したまたはプロセシングされた(processed)ヒトGALNS)からなる。特に好ましい実施形態において、精製された、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトGALNSは、還元条件下でSDS−PAGEにかけられた場合、約55〜60kDaの単一のバンド(すなわち、前駆体ヒトGALNS)から本質的になる。一つの実施形態において、精製された、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトGALNSは、MPS IVaまたはモルキオA症候群を処置するため有用である。一つの実施形態において、精製された、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトGALNSは、MSDを処置するために有用である。] [0026] 第六の局面において、本発明は、もっぱらまたは一部、リソソームスルファターゼ酵素の欠乏によって引き起こされる疾患、またはリソソームスルファターゼ酵素の欠乏に関連付けられる疾患を処置する方法を提供する。方法は、本発明の方法によって生産される治療用の組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素を投与することを含み、ここで、リソソームスルファターゼ酵素は、MPR受容体に結合し、そして細胞膜を横切って輸送され、細胞に入り、そして細胞内でリソソームに送達される。] [0027] 一つの実施形態において、方法は、リソソームスルファターゼ酵素の欠乏を有する被験体を処置することを含み、この方法は、処置を必要としている被験体に、上記リソソームスルファターゼ酵素の治療上有効な量を投与することを含み、ここで、上記リソソームスルファターゼ酵素は、CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体によって生産される、組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体である。いくつかの実施形態において、方法は、治療用の組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素、またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を、単独でまたは薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤もしくは賦形剤と組み合わせて、投与することを含む。好ましい実施形態は、リソソームスルファターゼ酵素の欠乏を最も効果的に改善するために、投与量を、処置される被験体(好ましくは哺乳動物および最も好ましくはヒト)の必要性に対して最適化することを含む。] [0028] そのような治療用のリソソームスルファターゼ酵素は、例えば、異染性白質萎縮症またはMLD、ムコ多糖体症VI型(MPS VI)またはマロトー−ラミー症候群、ムコ多糖体症II型(MPS II)またはハンター症候群、ムコ多糖体症IIIa型(MPS IIIa)またはサンフィリポA症候群、ムコ多糖体症IIId型(MPS IIId)またはサンフィリポD症候群、およびムコ多糖体症IVa型(MPS IVa)またはモルキオA症候群に罹患した患者など、リソソームスルファターゼ酵素の欠乏によって引き起こされる、リソソーム蓄積症に罹患した患者の処置において特に有用である。特に好ましい実施形態において、リソソーム蓄積症は、MPS IVaまたはモルキオA症候群であり、かつリソソームスルファターゼ酵素は組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)である。なお他の実施形態において、本発明はまた、リソソーム蓄積症を引き起こす、欠損(deficient)リソソームスルファターゼ酵素および薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤を含む、薬学的組成物を提供する。] [0029] 別の実施形態において、方法は、一つまたはそれより多いリソソームスルファターゼ酵素における欠乏と関連付けられるリソソーム蓄積症に罹患した被験体を処置することを含み、これは、処置を必要としている被験体にリソソームスルファターゼ酵素の治療上有効な量を投与することを含み、ここで、上記リソソームスルファターゼ酵素は、CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体によって産生される、組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体である。いくつかの実施形態において、方法は、治療用の組換え型ヒトGALNS酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を、単独でまたは薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤もしくは賦形剤と組み合わせて、投与することを含む。特に好ましい実施形態において、リソソーム蓄積症は多発性スルファターゼ欠損症(MSD)である。] [0030] 特に好ましい実施形態において、CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体は、G71細胞株、G71S細胞株またはそれのG71もしくG71S誘導体である。] [0031] なお別の実施形態において、本発明は、リソソームスルファターゼ酵素の治療上有効な量を、酵素置換療法を必要としている被験体に投与することによる、酵素置換療法の方法を提供し、ここで、患者の細胞は、細胞への損傷を防ぐまたは低減するためには不十分な量のリソソームスルファターゼ酵素を含むリソソームを有し、この方法によって、リソソームスルファターゼ酵素の十分な量がリソソームに入り、細胞への損傷を防ぐまたは低減する。細胞は、CNSの範囲内またはCNS範囲外かもしれず、または、毛細血管壁によって血液から仕切られる(set off)必要がないかもしれず、毛細血管壁の内皮細胞は接着結合によって、活性な薬剤の拡散に対し、厳密に密封される。] [0032] 特定の実施形態において、本発明は活性な組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素を含む組成物および薬学的組成物を提供し、この酵素は、標的リソソームにおいて低減された、欠損したまたは存在しない生物学的活性を有し、かつ、この酵素は被験体に投与される。好ましい活性なヒトリソソームスルファターゼ酵素としては、アリールスルファターゼA、アリールファターゼB、イズロン酸−2−スルファターゼ、スルファミダーゼ/ヘパリン−N−スルファターゼ、N−アセチルグルコサミン−6−スルファターゼ、およびN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼが挙げられるが、これらに制限されない。好ましい実施形態において、N−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼは、活性な組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素である。] [0033] 好ましい実施形態において、本発明は、被験体に組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)の治療上有効な量を投与することによって、MPS IVaもしくはモルキオA症候群、またはMSDに罹患した被験体を処置する方法を提供し、ここで、組換え型ヒトGALNSは、Cα−ホルミルグリシン(FGly)への、活性部位のシステイン残基の変換の高いレベル(すなわち、少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約90%、さらにより好ましくは少なくとも約95%の変換)かつリン酸化の高いレベル(すなわち、タンパク質鎖当たり約0.25より多くの、好ましくは0.5より多くの、およびより好ましくは約0.75より多くの、ビスリン酸化されたオリゴマンノース鎖)を有する。] [0034] より好ましい実施形態において、本発明は、被験体にEND3相補群細胞によって生産される組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)の治療上有効な量を投与することによって、MPS IVaもしくはモルキオA症候群,またはMSDに罹患した被験体を処置する方法を提供し、ここで、組換え型ヒトGALNSは、Cα−ホルミルグリシン(FGly)への、活性部位のシステイン残基の変換の高いレベル(すなわち、少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約90%、さらにより好ましくは少なくとも約95%の変換)かつリン酸化の高いレベル(すなわち、タンパク質鎖当たり約0.25より多くの、好ましくは0.5より多くの、およびより好ましくは約0.75より多くの、ビスリン酸化されたオリゴマンノース鎖)を有する。] [0035] 特に好ましい実施形態において、本発明は、MPS IVaもしくはモルキオA症候群、またはMSDに罹患した被験体を処置する方法を提供し、この方法は、被験体に、(a)非還元条件下でSDS−PAGEにかけられた場合、Coomassie Blue染色によって決定されるとき、少なくとも約90%の純度を有し;(b)Cα−ホルミルグリシン(FGly)への、位置53のシステイン残基の少なくとも約90%の変換を有し;かつ(c)位置178および397のアスパラギン残基がN結合型グリコシル化された、精製された、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトGALNSの治療上有効な量を投与することにより、ここで、位置178のアスパラギン残基に付加されたオリゴマンノース鎖の少なくとも約50%がビスリン酸化される。精製された、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトGALNSは、還元条件下でSDS−PAGEにかけられた場合、約55〜60kDaの主要なバンド(すなわち、目に見えるタンパク質の少なくとも約75%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、およびさらにより好ましくは少なくとも約95%である、前駆体ヒトGALNS)ならびに約39kDaおよび約19kDaでの主要ではないバンド(すなわち、目に見えるタンパク質の約25%未満、好ましくは約15%未満、より好ましくは約10%未満、およびさらにより好ましくは約5%未満である、成熟したまたはプロセシングされたヒトGALNS)からなる。より特に好ましい実施形態において、精製された、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトGALNSは、還元条件下でSDS−PAGEにかけられた場合、約55〜60kDaの単一のバンド(すなわち、前駆体ヒトGALNS)から本質的になる。] [0036] いくつかの実施形態において、被験体は、MPS IVaまたはモルキオA症候群に罹患している。いくつかの実施形態において、被験体はMSDに罹患している。] [0037] 上に記載されたリソソーム蓄積症の処置のための医薬の調製において、本発明の高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素(これは、本発明の方法によって好ましくは生産される)の類似の使用もまた、意図される。] [0038] 第七の局面において、本発明は、上に記載されたように、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素(これは、そのようなリソソームスルファターゼ酵素における欠乏によって、もっぱらもしくは一部、引き起こされるかまたはそれに関連付けられる疾患を処置するために有用である)ならびに一つもしくはそれより多い薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤を含む薬学的組成物を提供しする。好ましい実施形態において、薬学的組成物は、本発明の方法によって生産される、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体および一つもしくはそれより多い薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤を含む。そのような薬学的組成物は、鞘内投与、非経口投与、局所的投与、鼻内投与、吸入投与または経口投与などのいくつかの経路による投与に適切であり得る。好ましい実施形態において、薬学的組成物は、非経口投与に適切である。全長リソソームスルファターゼ酵素またはそれの断片、変異体、改変体もしくは誘導体をコードしている核酸配列を特色としている実施形態は本局面の範囲内であり、これは、リソソーム酵素の欠乏に冒された細胞にインビボで投与され得る。] [0039] 別の局面において、本発明は、リソソームスルファターゼ酵素の活性を検出するための方法を提供し、これは、(a)軟骨細胞の分化の維持を促進する条件下で、リソソームスルファターゼ酵素欠乏を患っている患者(例えば、モルキオ症候群に罹患した患者)由来の軟骨細胞を培養すること;(b)軟骨細胞を、ケラタン硫酸を分解する(degrade)リソソームスルファターゼ酵素と接触させること;および(c)細胞中のケラタン硫酸のレベルを検出することを含み、ここで、リソソームスルファターゼ酵素と接触させられていない細胞と比較して、リソソームスルファターゼ酵素と接触させられた細胞中の低減したケラタン硫酸レベルは、リソソームスルファターゼ酵素活性を示す。いくつかの実施形態において、リソソームスルファターゼ酵素はN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)である。いくつかの実施形態において、培養は、インスリン増殖因子1(IGF1)、トランスホーミング増殖因子β(TGF−β)、トランスフェリン、インスリンおよびアスコルビン酸を含む培地中で行われる。いくつかの実施形態において、ケラタン硫酸は、共焦点顕微鏡によって、または抗ケラタン硫酸抗体への結合を介して検出される。方法は、任意のリソソームスルファターゼ酵素を用いて行われ得、リソソームスルファターゼ酵素は、天然に存在しているまたは組換え型ヒト酵素、またはそれらの断片もしくは改変体を含み、前駆体ヒト酵素と少なくとも80%、85%、90%、95%または100%同一であるアミノ酸配列を含みシグナル配列を含まない改変体、またはそれの成熟した形態と少なくとも80%、85%、90%、95%または100%同一であるアミノ酸配列を含む改変体を含む。] [0040] なお別の局面において、本発明は、天然の基質を分解する、組換え型ヒトリソソーム酵素の活性を測定するための細胞ベースの(cell−based)アッセイを提供する。方法は、(a)リソソーム酵素に対する天然の基質が蓄積する条件下で、リソソーム酵素が不足している、単離されたヒト細胞を培養すること;(b)細胞をリソソーム酵素と接触させること;(c)細胞を溶解すること;(d)細胞溶解産物に、(i)天然の基質に対し特異的であり、かつ(ii)天然の基質から低分子(small)オリゴ糖を切断する酵素を添加すること;(e)検出可能部分で低分子オリゴ糖を標識すること;(f)標識された低分子オリゴ糖を必要に応じて分離すること;(g)標識された低分子オリゴ糖を検出すること;ならびに(h)(i)リソソーム酵素と接触させられた細胞由来の標識された低分子オリゴ糖の量と(ii)リソソーム酵素と接触させられていない細胞由来の標識された低分子オリゴ糖の量とを比較することによって、天然の基質を分解するリソソーム酵素の活性を決定することを含み、ここで、(h)(ii)と比較したときの(h)(i)における減少は、天然の基質を分解するリソソーム酵素の活性を示す。一つの実施形態において、低分子オリゴ糖は、単糖類、二糖類、または三糖類である。関連する実施形態において、低分子オリゴ糖は、二糖類である。いくつかの実施形態において、リソソーム酵素は、アリールスルファターゼB(ARSB)、イズロン酸−2−スルファターゼ(IDS)、スルファミダーゼ/ヘパリン−N−スルファターゼ(SGSH)、N−アセチルグルコサミン−スルファターゼ(G6S)およびN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、リソソーム酵素は、α−L−イズロニダーゼ(IDU)である。いくつかの実施形態において、リソソーム酵素は、酸性α−グルコシダーゼ(GAA)である。いくつかの実施形態において、リソソーム酵素は、β−グルクロニダーゼ(glucoronidase)(GUSB)である。いくつかの実施形態において、リソソーム酵素はβ−ガラクトシダーゼ(GLB1)である。] [0041] 細胞ベースのアッセイにおいて用いられ得る適切なヒト細胞としては、試験されるリソソーム酵素が不足し、その結果として、リソソーム酵素に対する天然の基質が蓄積し得る、あらゆるヒト細胞が挙げられる。例えば、活性における完全な(100%)または部分的な欠乏(例えば、活性における30%、50%、70%、80%、90%、95%もしくはそれより大きい減少)を天然で示す細胞が用いられ得る。減少させられた活性を有する変異体酵素を発現している細胞、またはリソソーム蓄積症(例えば、ムコ多糖体症)に罹患した患者由来の細胞が用いられ得る。例えば、変異を、コードしている遺伝子またはそれのプロモーターもしくは他の調節領域に導入することにより、リソソーム酵素活性をノックアウトまたは低減するために組換えで変更された細胞が使用され得る。リソソーム酵素活性を低減するために処理された細胞、例えば、酵素発現を低減するためにアンチセンスまたはRNAiを用いて処理された細胞が使用され得る。] [0042] 炭水化物から低分子オリゴ糖を切断(消化)し、かつリソソーム酵素の天然の基質に「特異的」である(すなわち、主に消化する)適切な酵素は、当業者によって選択され得る。例えば、GALNSまたはGLB1(ケラタン硫酸を分解する酵素)の活性の検出のため、工程(d)の酵素は、ケラタナーゼIIまたはケラタン硫酸に主として作用するあらゆる酵素であり得る。別の実施例として、IDU、ARSB、IDSまたはGUSB(デルマタン硫酸を分解する酵素)の検出のため、工程(d)の酵素は、コンドロイチナーゼABCまたはデルマタン硫酸に主として作用するあらゆる酵素であり得る。別の実施例として、IDU、IDS、SGHS、G6SまたはGUSB(硫酸ヘパリンを分解する酵素)の検出のため、工程(d)の酵素は、へパラナーゼIまたはへパラナーゼII、または両方であり得る。なお別の実施例として、GAA(グリコゲンを分解する酵素)の検出のため、工程(d)の酵素は、α−アミラーゼまたはグリコゲンに主として作用するあらゆる酵素であり得る。] [0043] この細胞ベースの方法は、リソソーム酵素活性の検出において、高い感度を可能にする。いくつかの実施形態において、リソソーム酵素の濃度が、約10nM、または約5nM、または約1nM、または約0.75nM、または約0.5nM、または約0.25nM、または約0.1nM、または約0.05nM、または約0.01nM、または約0.005nM、または約1pM、または約0.5pM程度の低さである場合、リソソーム酵素の活性は検出可能である。] [0044] 本発明の他の特徴および利点は、下記の詳細な説明から明白になる。しかしながら、本発明の精神および範囲内での種々の変更ならびに修飾は、この詳細な説明から当業者に対し明白になるため、詳細な説明および具体的な実施例(これは、本発明の好ましい実施形態を示しているが)は、単に例示の目的で示されることが、理解されるべきである。] 図面の簡単な説明 [0045] 図1は、ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)のヌクレオチド配列(配列番号:1)を記載する。 図2は、ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)のアミノ酸配列(配列番号:2)を記載する。 図3は、ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)のヌクレオチド配列(配列番号:3)を記載する。 図4は、ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)のアミノ酸配列(配列番号:4)を記載する。N末端の26アミノ酸のシグナルぺプチドは、プロセシングされたGALNSにおいて存在しない。 図5は、プロセシングされたヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)(配列番号:5)の構造および特性を描写する。 図6は、ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)発現ベクターおよびヒトGALNS発現ベクターで共トランスフェクト(co−transfect)されたG71S細胞由来のヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)の発現を示す。(A)96ウェル中での、活性なGALNSについてのG71Sクローンの選別。(B)ピコグラム/細胞/日における、G71SクローンのGALNSの生産性。 図7は、ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)およびそれの改変体を発現するG71S細胞の大規模生産のために使用されるWAVEバイオリアクターコントローラー(バイオリアクター controller)の概略図を示す。 図8は、4℃(ひし形)または−70℃(三角形)で保管した際の、精製されたヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)酵素の活性の安定性を示す。 図9は、(A)Blue Sepharose 6 Fast Flowクロマトグラフィ、その後の(B)Fractogel SE Hi−CAPクロマトグラフィによるヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)の精製を示す。純度は、SDS−PAGEのCoomassie Blue染色によって(左)および抗GALNS(IVA)抗体を用いたウェスタンブロッティングによって(右)決定される。 図10は、限外濾過/透析濾過(UF/DF)、Fractogel SE Hi−Capクロマトグラフィ、ZnキレートSepharoseクロマトグラフィおよびToyoPearl Butyl 650MクロマトグラフィによるヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)の精製を示す。純度は、SDS−PAGEのCoomassie Blue染色によって(上部左)ならびに抗GALNS抗体(上部右)、抗CathepsinL抗体(下部左)および抗CHOP(Chinese Hamster Ovary細胞タンパク質)(下部右)を用いたウェスタンブロッティングによって決定される。 図11は、デルマタン硫酸基質の量における用量依存的な減少が、IDUで処理されたGM01391細胞において観察されたことを示す。 図12は、デルマタン硫酸基質の量における用量依存的な減少が、ARSBで処理されたGM00519細胞において観察されたことを示す。 図13は、培養された滑膜細胞(synoviocyte)による、標識されていないヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)(丸)またはA488が結合体化されたGALNS(四角)またはA555が結合体化されたGALNS(三角形)のいずれかの取込みを示す。] 図1 図10 図11 図12 図13 図2 図3 図4 図5 図6 [0046] (本発明の詳細な説明) 本発明は、リソソームのターゲッティングにおいて効率がよく、およびそれゆえ治療的に有効である、高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素産物の要求を伴なう、組換え型リソソームスルファターゼ酵素の大規模製造への必要性を満足させる方法の発見に関連する。] [0047] リソソーム酵素調製物の治療上の有効性は、その調製物中のマンノース−6−リン酸のレベルに依存する。ホスフェートは、小胞体および初期ゴルジにおいて、翻訳後修飾によって標的糖タンパク質に添加される。折りたたまれたリソソーム酵素は、オリゴ糖修飾酵素によって認識される、特有の三次(tertiary)決定基を表す。この決定基は、一組の特異的に間隔があけられたリジンから構成され、そして一次配列の相同性が存在しないのにもかかわらず、たいていのリソソーム酵素上で見出せる。修飾酵素、UDP−GlcNAcホスホトランスフェラーゼは、タンパク質決定基に結合し、そして結合部位に最も近いオリゴ糖の末端マンノース残基の6位にGlcNAc−1−リン酸を添加する;第二の酵素、ホスホジエステルα−GlcNAcaseは、その後GlcNAc−リン酸結合を切断し、マンノース−6−リン酸末端オリゴ糖を生み出す(Canfieldら、米国特許第6,537,785号)。マンノース−6−リン酸修飾の目的は、細胞内での分泌経路からリソソーム経路へ、リソソーム酵素を方向転換することである。マンノース−6−リン酸を含む酵素は、トランスゴルジ内でMPRによって結合され、そして、細胞表面ではなくリソソームに配送される。] [0048] リソソーム酵素のオリゴ糖上のマンノース−6−リン酸マーカーの存在に加えて、酵素のリソソーム配送はトランスゴルジスタック(stack)の末端から発生する輸送エンドソームの酸性化に依存する。拡散性塩基性分子を有するこれらのエンドソーム内の、酸性環境の化学的消失は、細胞外環境へのリソソーム酵素を含む小胞の内容物の吐き出し(disgorgement)を結果として生じる(Braulkeら、Eur.J.Cell Biol.43(3):316−321,1987)。酸性化はエンドソームの膜内に埋め込まれた特異的液胞型ATPaseを必要とする(Nishiら、Nat.Rev.Mol.Cell Biol.3(2):94−103,2002)。このATPaseの不足は、リソソーム配送を犠牲にして、リソソーム酵素の分泌を高めることが予期される。液胞型ATPaseにおける欠損を含む製造細胞株は、細胞内リソソーム区画への、リン酸化された組換え型酵素の非生産的な転換を防ぐことが予期され得る。] [0049] 1984年、エンドソーム酸性化に特異的に欠損があるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞変異体が作製され、そして特徴付けられた(Parkら、Somat.Cell Mol.Genet.17(2):137−150,1991)。CHO−K1細胞は、化学的に変異誘発(mutagenize)され、そして、毒素存在下での高い温度における生存に対して選択された。これらの毒素は、致死性(lethality)の完全な発現のために、エンドソームの酸性化を必要とする(Marnellら、J.Cell.Biol.99(6):1907−1916,1984)。先の研究において、異なる作用のメカニズムを有する二種の毒素のカクテルが、毒素特異的抵抗性の選択を避けるために選ばれた。原理は、一つの特定の毒素への抵抗性を結果として生じる偶発性変異の確率はわずかであるが、二種の全く異なる毒素に特異的である二種の同時の偶発性変異の確率は存在しないということである。選択は、温度感受性変異を可能にするために、高い温度で行われた。この遺伝学的スクリーニングは、結果として2種の変異体を生じ、それらの一つは、G.7.1(G71)と示され、これは高い温度において毒素に対し抵抗性であった。G71における機能障害は、二種の毒素の取込みまたは作用のメカニズムのためではなく、そのクローンが高い温度でエンドソームを酸性化することができないことから結果として生じた。この酸性化ができないことはまた、より少ない程度ではあったが、許容温度(34℃)においても明らかであった。G71細胞はまた、培地からのトランスフェリンの取込みが正常であるにもかかわらず、高い温度において、鉄に対する栄養素要求株であることが見出された(Timchakら、J.Biol.Chem.261(30):14154−14159,1986)。鉄は、低pHにおいてのみ、トランスフェリンから放出されたため、正常なトランスフェリン取込みにもかかわらず、鉄に対し栄養素要求であったことは、エンドソーム酸性化における不全を示した。別の研究は、酸性化の欠損はリソソームではなく、エンドソーム内で主として現れたことを実証した(Stoneら、J.Biol.Chem.262(20):9883−9886,1987)。G71におけるデータは、変異がエンドソーム酸性化を担う液胞型ATPaseの不安定化を結果として生じたという結論と一致した。不安定化は、高い温度(39.5℃)において最も明白であったが、低い温度(34℃)においてさえも部分的に表された。G71細胞における2種の内因性のリソソーム酵素、カテプシンDおよびα−グルコシダーゼの輸送の研究(Parkら、Somat.Cell Mol.Genet.17(2):137−150,1991)は、両方の酵素は、高い温度で、定量的に(quantitatively)分泌されたこと、そしてこれらの酵素のグリコシル化は影響を受けなかったことを示した。リン酸化された酸性αグルコシダーゼの分泌は、非許容温度で有意に高められた。] [0050] リソソームスルファターゼ酵素調製物の治療の有効性は、マンノース−6−リン酸のレベルに依存するだけでなく、その調製物中の活性な酵素の存在にも依存する。全ての既知のスルファターゼは、それらの触媒部位においてシステイン残基を含み;このシステイン残基は、この酵素を活性化するために、Cα−ホルミルグリシン(FGly)へと翻訳後修飾される。このシステインからFGlyへの翻訳後の酵素活性化(これは、スルファターゼ調節因子1(SUMF1)によって触媒される)は、リソソームへのスルファターゼのターゲッティングの前に、小胞体内で翻訳後直ちに、折りたたまれていないスルファターゼ上で起こる(Dierksら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:11963−11968,1997)。この特有な翻訳後修飾の重要性は、SUMF1における変異(これはリソソームスルファターゼ酵素におけるFGly形成の減損を結果として生じる)がヒトにおいて多発性スルファターゼ欠損症(MSD)を引き起こすという事実によって、強調される(Diez−Ruizら、Annu.Rev.Genomics Hum.Genet.6:355−379,2005)。] [0051] したがって、組換え型ヒトスルファターゼ調節酵素(SUMF1)およびヒトリソソームスルファターゼ酵素を共発現するG71細胞(エンドソーム酸性化に欠損がある変異体CHO細胞)の能力は、そのようなリソソームスルファターゼ酵素の欠乏によって引き起こされるまたは関連付けられるリソソーム蓄積症の管理のために有用である、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素の大規模生産のためのメカニズムを提供する。] [0052] (I.定義) 異なる定義がなされない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野における当業者によって、一般に理解されるのと同じ意味を有する。以下の参考文献は、当業者に、本発明において使用される多くの用語の一般的定義を提供する:Singletonら、DICTIONARY OFMICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY(2d ed.1994);THECAMBRIDGE DICTIONARY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY(Walker ed.,1988);THE GLOSSARY OF GENETICS,5TH ED.,R.Riegerら(eds.),Springer Verlag(1991);およびHale&Marham,THEHARPERCOLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY(1991)。] [0053] 本明細書に引用された各出版物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全容が、本開示と矛盾しない程度に、参照によって援用される。] [0054] 本明細書および添付された特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに異なった指示をしているのでなければ、複数形への言及を含むことが、本明細書で注意されるべきである。] [0055] 本明細書で使用される場合、以下の用語は、異なる明記がなされない限り、それらにあると考えられる意味を有する。] [0056] 「対立遺伝子改変体」とは、同じ遺伝子座を占める遺伝子の二つまたはそれより多い多型形態のいずれかをいう。対立遺伝子の変動は、突然変異を通じて自然に生じ、そして集団内に表現型の多型性を結果として生じ得る。遺伝子変異は、サイレント(すなわち、コードされたポリペプチド中に変化なし)であり得、または変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードし得る。「対立遺伝子改変体」とはまた、遺伝的対立遺伝子改変体のmRNA転写産物由来のcDNA、ならびにそれらによってコードされるタンパク質をいう。] [0057] 「増幅」とは、例えば、逆転写、ポリメラーゼ連鎖反応、およびリガーゼ連鎖反応などによって、ポリヌクレオチド配列をコピーし、そして多数のポリヌクレオチド分子に拡大する、あらゆる手段をいう。] [0058] 配列が第一配列であるポリヌクレオチドが、配列が第二配列であるポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズする場合、第一配列は、第二配列に関して「アンチセンス配列」である。] [0059] 「cDNA」とは、一本鎖形態もしくは二本鎖形態のいずれかにおけるmRNAに対して、相補的または同一であるDNAをいう。] [0060] 従来の表記が、ポリヌクレオチド配列を記載するために、本明細書で使用される:一本鎖ポリヌクレオチド配列の左手末端は、5’末端である;二本鎖ポリヌクレオチド配列の左手方向は、5’方向といわれる。新生RNA転写産物に対するヌクレオチドの5’から3’への付加の方向が、転写方向といわれる。mRNAと同じ配列を有するDNA鎖は、「コード鎖」といわれ;DNAから転写されるmRNAと同じ配列を有するDNA鎖上の配列であり、かつそのRNA転写産物の5’末端に対して、5’に位置される配列は、「上流配列」といわれ;そのRNAと同じ配列を有するDNA鎖上の配列であり、かつコードRNA転写産物の3’末端に対して、3’である配列は、「下流配列」といわれる。] [0061] 「相補的」とは、2種のポリヌクレオチドの相互作用表面の位相的な適合性または互いがマッチすること(matching)をいう。したがって、この二つの分子は、相補的と記載され得、そしてさらに、接触表面の特徴は、互いに相補的である。第一のポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、第二のポリヌクレオチドのポリヌクレオチド結合パートナーのヌクレオチド配列と同一である場合、第一のポリヌクレオチドは第二のポリヌクレオチドに対して相補的である。したがって、配列5’−TATAC−3’であるポリヌクレオチドは、配列が5’−GTATA−3’であるポリヌクレオチドに対して相補的である。対象ヌクレオチド(subject nucleotide)配列に対し相補的な配列が、参照ヌクレオチド(reference nucleotide)配列に対して実質的に同一である場合、そのヌクレオチド配列は、参照ヌクレオチド配列に対して「実質的に相補的」である。] [0062] 「保存的置換」とは、機能的に類似したアミノ酸を用いた、アミノ酸のポリペプチドにおける置換をいう。以下の6群は、それぞれ、お互いに保存的置換となるアミノ酸を含む: 1)アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T); 2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E); 3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q); 4)アルギニン(R)、リジン(K) 5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);および 6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)。] [0063] ポリペプチドに関して使用される場合、用語「断片」とは、タンパク質のN末端もしくはC末端のいずれか、または両方におけるトランケーション(truncation)の理由で、および/あるいは、タンパク質の内部の部分または領域の欠失によって、全長ポリペプチドより短いポリペプチドをいう。ポリペプチドの断片は、当該分野で公知の方法によって、作製され得る。] [0064] ポリペプチドに関して使用される場合、用語「変異体」とは、タンパク質の一つまたはそれより多いアミノ酸が、異なるアミノ酸によって置換されている、ポリペプチドをいう。アミノ酸置換は、上で定義された、保存的置換であり得、または、非保存的置換であり得る。変異体ポリペプチドは、当該分野で公知の方法によって、作製され得る。] [0065] ポリペプチドに関して使用される場合、用語「誘導体」とは、(例としてかつ制限のためではなく)ユビキチン化(ubiquitination)、標識(例えば、放射性核種または種々の酵素を用いて)、ペグ化などの共有結合のポリマーの付着(すなわち、ポリエチレングリコールを用いた誘導体化(derivatization))および、ヒトタンパク質において通常に生じないオルニチンなどの、アミノ酸の化学的合成による挿入または置換といった技術によって、化学的に修飾されたポリペプチドをいう。誘導体ポリペプチドは、当該分野で公知の方法によって、作製され得る。] [0066] 細胞株に関して使用される場合、用語「誘導体」とは、親細胞株の子孫である細胞株をいい;例えば、この用語は、親細胞から継代されたまたはサブクローニングされかつ所望の特性を保持している細胞、変異させられそして所望の特性の保持について選択された親細胞株の子孫、および異なる発現ベクターまたは異なる外因性の添加された核酸を含むように変えられた親細胞株の子孫を含む。] [0067] 「検出する」とは、サンプル中に分析物が存在するか、存在しないかを決定すること、またはサンプル中の分析物の量を決定することをいい、そして、サンプル中の分析物の量、またはサンプル中の細胞当たりの分析物の量を定量化することを含み得る。] [0068] 「検出可能部分」または「標識」とは、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的方法によって検出可能な組成物をいう。例えば、有用な標識としては32P、35S、蛍光色素、高電子密度(electron−dense)試薬、(例えば、ELISAにおいて一般に使用される)酵素、ビオチン−ストレプトアビジン、ジゴキシゲニン(dioxigenin)、ハプテン(hapten)および抗血清もしくはモノクローナル抗体が入手可能であるタンパク質、または標的に相補的な配列を有する核酸分子が挙げられる。検出可能部分はしばしば、放射性のシグナル、色素のシグナル、または蛍光のシグナルなどの測定可能シグナル(これはサンプル中の結合した検出可能部分の量を定量化するために使用され得る)を発生させる。検出可能部分は、共有結合で、またはイオン結合、ファンデルワールス結合もしくは水素結合を通じてのいずれかで、プライマーもしくはプローブに組み入れられまたは結合させられ得る(例えば、放射性のヌクレオチド、またはストレプトアビジンによって認識されるビオチン化されたヌクレオチドの取り込み)。検出可能部分は、直接的にまたは間接的に検出可能であり得る。間接的検出は、検出可能部分への、第二の直接的または間接的検出可能部分の結合を含み得る。例えば、検出可能部分は、ストレプトアビジンの結合パートナーであるビオチン、または相補配列の結合パートナーであり、特異的にハイブリダイズし得るヌクレオチド配列などの、結合パートナーのリガンドであり得る。結合パートナーはそれ自身直接的に検出可能であり得、例えば、抗体は、蛍光分子を用いてそれ自身標識され得る。結合パートナーはまた、間接的に検出可能であり得、例えば、相補的ヌクレオチド配列を有する核酸は、他の標識された核酸分子とのハイブリダイゼーションを通して、次に検出可能となる枝分かれDNA分子の一部であり得る(例えば、Fahrlanderら、Bio/Technology 6:1165,1988を参照のこと)。シグナルの定量は例えば、シンチレーション計数、デンシトメトリー、またはフローサイトメトリーによって達成される。] [0069] 「診断」は、病的状態の存在または性質を同定することを意味する。診断方法は、特異性および選択性において異なる。特定の診断方法は、状態の最終的な診断を提供しないかもしれないが、この方法が診断において援助するような建設的な指示を提供する場合、十分である。] [0070] 用語「有効量」は、被験体の健康状態、病状、および疾患に所望の結果をもたらすために、または診断の目的のために、十分である投与量を意味する。所望の結果は、その投与量のレシピエントにおける、主観的または客観的改善を含み得る。「治療上有効な量」とは、健康に対する、意図される有益な効果をもたらすために有効である薬剤の量をいう。] [0071] 「コードしている」とは、ヌクレオチドの定義された配列(すなわち、rRNA、tRNAおよびmRNA)またはアミノ酸の定義された配列のいずれかを有する、生物学的プロセスにおける、他のポリマーおよび高分子の合成のための鋳型として役に立つ、遺伝子、cDNA、またはmRNAなどのポリヌクレオチドにおける、ヌクレオチドの特異的配列の固有の特性、ならびにそれからの結果として生じる生物学的特性をいう。したがって、転写および遺伝子によって生産されるmRNAの翻訳が、細胞内または他の生物学的システム内でタンパク質を生産する場合、その遺伝子はそのタンパク質をコードする。遺伝子またはcDNAのコード鎖(これらのヌクレオチド配列は、mRNA配列に同一であり、かつ配列表に通例提供される)および非コード鎖(転写産物のための鋳型として使用される)の両方は、その遺伝子またはcDNAのタンパク質もしくは他の産物をコードしていると、いわれ得る。別のものが特定されない限り、「アミノ酸配列をコードしているヌクレオチド配列」は、互いの縮重型であり、かつ同じアミノ酸配列をコードする全てのヌクレオチド配列を含む。タンパク質およびRNAをコードするヌクレオチド配列は、イントロンを含み得る。] [0072] 「等量用量」とは、同量の活性な薬剤を含む、用量をいう。] [0073] 「発現制御配列」とは、これに対して作動可能に連結されたヌクレオチド配列の発現(転写および/または翻訳)を調節する、ポリヌクレオチドにおけるヌクレオチド配列をいう。「作動可能に連結された」とは、一つの部分の活性(例えば、転写を調節する能力)が、他の部分における作用(例えば、配列の転写)を結果として生じる、2つの部分の間の機能的な関係をいう。発現制御配列としては、例としてかつ制限することなく、プロモーターの配列(例えば、誘導的または構成的)、エンハンサー、転写ターミネーター、開始コドン(すなわち、ATG)、イントロンに対するスプライシングシグナル、および終止コドンが挙げられ得る。] [0074] 「発現ベクター」とは、組換え型ポリヌクレオチドを含むベクターをいい、組換え型ポリヌクレオチドは、発現されるヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を含む。発現ベクターは、発現のための十分なシス作用エレメント(cis−acting element)を含み;発現のための他のエレメントは、宿主細胞またはインビトロ発現システムから提供され得る。発現ベクターとしては、コスミド、プラスミド(例えば、裸のまたはリポソーム中に含まれる)、および組換え型ポリヌクレオチドを組み入れているウイルスなどの、当該分野で公知のあらゆる発現ベクターが挙げられる。] [0075] 「高度にリン酸化された」、「高レベルのリン酸化」および「高レベルにリン酸化されたオリゴ糖」とは、リソソームスルファターゼ酵素の少なくとも50%が、リン酸化されたオリゴ糖によって、陽イオン非依存的マンノース−6−リン酸受容体に結合する、リソソームスルファターゼ酵素の調製物をいう。結合は、マンノース−6−リン酸との競合に対する感受性によって、さらに特徴付けられる。高度にリン酸化されたリソソームスルファターゼ酵素はまた、タンパク質鎖当たり少なくとも0.25、好ましくは少なくとも0.5、およびより好ましくは少なくとも0.75の、ビスリン酸化されたオリゴマンノース鎖を有するリソソームスルファターゼ酵素をいい得る。] [0076] 本明細書で使用される場合、「ビスリン酸化されたオリゴマンノース鎖」とは、リソソームスルファターゼ酵素中のアスパラギン残基に対してN結合されており、かつ、二つのマンノース−6−リン酸残基を含む、マンノースを含むオリゴ糖鎖をいう。一般に、ビスリン酸化されたオリゴマンノース鎖は、7個のマンノース残基を有し(すなわち、ビス−リン酸マンノース7(BPM7))、これは2個のGlcNAc残基に連結され、今度はリソソームスルファターゼ酵素中のアスパラギン残基に連結される。] [0077] 「活性な」、「活性化された」および「高レベルの活性化」とは、タンパク質の活性部位のシステイン残基の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも90%、およびさらにより好ましくは少なくとも95%が、Cα−ホルミルグリシン(FGly)へ、翻訳後修飾されたリソソームスルファターゼ酵素の調製物をいう。] [0078] 「高度にリン酸化された活性な」とは、タンパク質の活性部位のシステイン残基の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも90%、およびさらにより好ましくは少なくとも95%が、Cα−ホルミルグリシン(FGly)へ、翻訳後修飾され、かつ、タンパク質鎖当たり少なくとも0.25、好ましくは少なくとも0.5、およびより好ましくは少なくとも0.75のビスリン酸化されたオリゴマンノース鎖を有する、リソソームスルファターゼ酵素の調製物をいう。] [0079] 用語「生物学的に活性な」とは、全長ポリペプチド(すなわち、酵素)の一つまたはそれより多い生物学的な活性の、少なくとも実質的な量(例えば、少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約70%、およびより好ましくは少なくとも約90%)を保持している、ポリペプチドのポリペプチド断片、変異体、改変体または誘導体をいう。リソソームスルファターゼ酵素に関して使用される場合、それの生物学的に活性な断片、変異体、改変体または誘導体は、スルファターゼ活性(すなわち、その標的基質からの硫酸のエステルの切断)の少なくとも実質的な量を保持する。スルファターゼ調節因子1(SUMF1)に関して使用される場合、それの生物学的に活性な断片、変異体、改変体または誘導体は、ホルミルグリシン生成活性(すなわち、Cα−ホルミルグリシン(FGly)への、リソソームスルファターゼ酵素の活性部位のシステイン残基の修飾)の少なくとも実質的な量を保持する。] [0080] ポリペプチドに関して使用される場合、用語「純度」または「純粋」とは、特定の方法を用いて検出され得る任意の混入物質との比較において分析される、ポリペプチドの量をいう。本発明の組換え型リソソームスルファターゼ酵素に関して、「純度」は、スルファターゼ酵素調製物を、還元条件もしくは非還元条件下でのSDS−PAGEによる電気泳動分離にかけることと、その後のCoomassie Blueもしくは銀を用いる染色によって、またはHPLCによるクロマトグラフ分離(例えば、C4逆相(RP))によって、もしくは任意の他のクロマトグラフ分離(例えば、サイズ排除(size exclucion)(SEC)など)によって決定され得る。これらの方法を用いる、本発明の精製された組換え型リソソームスルファターゼ酵素は、少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%、およびさらにより好ましくは少なくとも約98%または99%の純度を有する。] [0081] 用語「前駆体」または「前駆形態」とは、哺乳動物細胞から分泌される組換え型リソソームスルファターゼ酵素の形態(すなわち、シグナル配列は無いが、特定の修飾(例えば、タンパク質の内部の切断、これはリソソームにおいてふつうはおこる)を欠いている)をいう。用語「成熟した」、「成熟した形態」、「プロセシングされた」または「プロセシングされた形態」とは、リソソームにおいてふつうに存在する組換え型リソソームスルファターゼ酵素の形態をいう。本発明の組換え型リソソームスルファターゼ酵素に関して、「前駆体」または「前駆形態」および「成熟した」、「成熟した形態」、「プロセシングされた」または「プロセシングされた形態」の相対的存在度は、スルファターゼ酵素調製物を、還元条件下でのSDS−PAGEによる電気泳動分離にかけることと、その後のCoomassie Blueもしくは銀を用いる染色によって、またはHPLCによるクロマトグラフ分離(例えば、C4逆相(RP))によって、もしくは任意の他のクロマトグラフ分離(例えば、サイズ排除(SEC)など)によって決定され得る。これらの方法を用いる、本発明の精製された組換え型リソソームスルファターゼ酵素は、少なくとも約75%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、およびさらにより好ましくは少なくとも約95%の「前駆体」または「前駆形態」からなる。あるいは、これらの方法を用いる、本発明の精製された組換え型リソソームスルファターゼ酵素は、約25%未満、好ましくは約15%未満、より好ましくは約10%未満、およびさらにより好ましくは約5%未満の「成熟した」、「成熟した形態」、「プロセシングされた」または「プロセシングされた形態」からなる。いくつかの実施形態において、「前駆体」または「前駆形態」のみ検出される(すなわち、スルファターゼ酵素調製物は、還元条件下でSDS−PAGEにかけられた場合、単一の検出可能なバンドから本質的になり、またはHPLCによって分析された場合、単一のピークから本質的になる)。] [0082] 二つもしくはそれより多いポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の関連において、用語「同一」またはパーセント「同一性」とは、下記の配列比較アルゴリズムの一つを用いてまたは視覚による検査によって測定される場合、最大の一致を求めて比較および並べられるとき、同一である、または同一であるヌクレオチドもしくはアミノ酸残基の具体的に明記されたパーセンテージを有する、二つもしくはそれより多い配列またはサブ配列(subsequence)をいう。] [0083] 「リンカー」とは、共有結合で、またはイオン結合、ファンデルワールス結合もしくは水素結合を通じてのいずれかで、二つの異なる分子をつなぐ分子(例えば、5’末端で一つの相補的配列とハイブリダイズし、かつ、3’末端で別の相補的配列とハイブリダイズし、それゆえ二つの非相補的配列をつなぐ核酸分子)をいう。] [0084] 「低レベルのリン酸化」または「低いリン酸化」とは、線維芽細胞への取込みが10nMを超える最大半量濃度を有する、またはマンノース−6−リン酸受容体カラムに結合するリソソームスルファターゼ酵素の画分が約25%未満である、リソソームスルファターゼ酵素の調製物をいう。] [0085] 対象に適用されるとき、「天然に存在している」とは、その対象が天然において見出され得るという事実をいう。例えば、天然の供給源から単離され得、かつ研究室内のヒトによって故意に修飾されていない生物(ウイルスを含む)中に存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は、天然に存在している。] [0086] 「薬学的組成物」とは、被験体の動物(ヒトおよび哺乳動物を含む)における薬学的使用に適している組成物をいう。薬学的組成物は、治療用のリソソームスルファターゼ酵素の薬理学的有効量を含み、かつ、一つもしくはそれより多い薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤もまた含む。薬学的組成物は、活性な成分、およびキャリア、希釈剤または賦形剤を構成する不活性な成分、ならびに、任意の二つもしくはそれより多い成分の組み合わせ、錯化または凝集から、あるいは一つもしくはそれより多い成分の分離から、あるいは一つもしくはそれより多い成分の他の型の反応または相互作用から、直接的または間接的に、結果として生じるあらゆる産物を含む組成物を含む。したがって、本発明の薬学的組成物は、本発明のリソソームスルファターゼ酵素と一つもしくはそれより多い薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを混合することによって作製されるあらゆる組成物を含む。] [0087] 「薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤」とは、(例としてかつ制限のためではなく)リン酸緩衝生理食塩水、デキストロースの5%水溶液、およびエマルジョン(油/水もしくは水/油エマルジョンなど)ならびに種々の型の加湿薬および/またはアジュバントなどの、あらゆる標準的な薬学的キャリア、希釈剤、緩衝剤、および賦形剤をいう。適切な薬学的キャリア、希釈剤または賦形剤および処方物は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,19th Ed.(Mack Publishing Co.,Easton,1995)に記載される。好ましい薬学的キャリア、希釈剤または賦形剤は、活性な薬剤の意図される投与の様式に依存する。代表的な投与の様式としては、(例として、かつ制限のためではなく)腸内(例えば、経口)または非経口(例えば、皮下、筋肉内、静脈内もしくは腹腔内)注入;あるいは局所的、経皮(transdermal)、または経粘膜的(transmucosal)投与が挙げられる。] [0088] 「薬学的に受容可能な塩」は、薬学的使用のためにリソソームスルファターゼ酵素に処方され得る塩であり、例えば、金属塩(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)およびアンモニアまたは有機アミンの塩を含む。] [0089] 「ポリヌクレオチド」とは、ヌクレオチド単位からなるポリマーをいう。ポリヌクレオチドはデオキシリボ核酸(「DNA」)およびリボ核酸(「RNA」)などの天然に存在している核酸ならびに核酸アナログを含む。核酸アナログは、天然に存在しているホスホジエステル結合以外で他のヌクレオチドとの結合に従事している天然に存在していない塩基、ヌクレオチドを含む核酸アナログ、またはホスホジエステル結合以外の結合を介して結合された塩基を含む核酸アナログを含む。したがって、ヌクレオチドアナログとしては、(例として、かつ制限のためではなく)ホスホロチオエート(phosphorothioate)、ホスホロジチオエート(phosphorodithioate)、ホスホロトリエステル(phosphorotriester)、ホスホルアミデート(phosphoramidate)、ボラノホスフェート(boranophosphate)、メチルホスホネート(methylphosphonate)、キラル−メチルホスホネート(phosphonate)、2−O−メチルリボヌクレオチド、ぺプチド−核酸(PNA)などが挙げられる。そのようなポリヌクレオチドは、例えば,オートメーション化されたDNAシンセサイザーを用いて、合成され得る。用語「核酸」とは、大きなポリヌクレオチドを一般的にいう。用語「オリゴヌクレオチド」とは、概して約50ヌクレオチドを超えない、短いポリヌクレオチドを一般的にいう。ヌクレオチド配列が、DNA配列(すなわち、A、T、G、C)によって表される場合、これは、「U」が「T」に取って代わっているRNA配列(すなわち、A、U、G、C)もまた含むことが、理解される。] [0090] 「ポリペプチド」とは、アミノ酸残基から構成されるポリマー、関連する天然に存在している構造上の改変体、および(ぺプチド結合によって連結された)それの天然に存在していない合成のアナログ、関連する天然に存在している構造上の改変体、およびそれの天然に存在していない合成のアナログをいう。合成のポリペプチドは、例えば、オートメーション化されたポリペプチドシンセサイザーを用いて、合成され得る。用語「タンパク質」とは、大きなポリペプチドを一般的にいう。用語「ぺプチド」とは、短いポリペプチドを一般的にいう。従来の表記が、ポリペプチド配列を表現するために本明細書で使用され:ポリペプチド配列の左手末端がアミノ末端であり;ポリペプチド配列の右手末端がカルボキシル末端である。] [0091] 「プライマー」とは、指定されたポリヌクレオチドの鋳型に特異的にハイブリダイズし、かつ相補的ポリヌクレオチドの合成のための開始の地点を提供することができる、ポリヌクレオチドをいう。そのような合成は、ポリヌクレオチドプライマーが合成が誘導される条件下(すなわち、ヌクレオチド、相補的なポリヌクレオチド鋳型、およびDNAポリメラーゼなどの重合のための作用物質の存在下)に置かれた場合に起こる。プライマーは、一般に一本鎖であるが、二本鎖であり得る。プライマーは、一般にデオキシリボ核酸であるが、幅広くいろいろな、合成のおよび天然に存在しているプライマーが、多くの適用のために有用である。プライマーは、鋳型に対して相補的であり、合成の開始のための部位として役立つように、鋳型とハイブリダイズするように設計されるが、鋳型の正確な配列を反映する必要はない。そのような場合において、鋳型に対するプライマーの特異的ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに依存する。プライマーは例えば、色素部分、放射性部分、または蛍光部分を用いて標識され得、そして検出可能部分として使用される。] [0092] ポリヌクレオチドに関して使用される場合、「プローブ」とは、別のポリヌクレオチドの指定された配列に対して特異的にハイブリダイズできるポリヌクレオチドをいう。プローブは、標的の相補的ポリヌクレオチドに対し特異的にハイブリダイズするが、鋳型の正確な相補的配列を反映する必要はない。そのような場合において、標的へのプローブの特異的ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに依存する。プローブは、例えば、色素部分、放射性部分、または蛍光部分を用いて標識され得、そして検出可能部分として使用される。] [0093] 「予防」処置は、疾患の徴候を示していない被験体または初期の徴候のみを示す被験体に対し、病状の発病のリスクを低減する目的のために、施される処置である。本発明の化合物は、病状が発病する可能性を減少させるための、または発病した場合、病状の重症度を最小にするための予防処置として与えられ得る。] [0094] 「組換え型ポリヌクレオチド」とは、天然には一緒に結合されない配列を有するポリヌクレオチドをいう。増幅されたまたは組み立てられた組換え型ポリヌクレオチドは、適切なベクター内に含まれ得、そしてそのベクターは、適切な宿主細胞を形質転換するために使用され得る。組換え型ポリヌクレオチドを含む宿主細胞は、「組換え型宿主細胞」といわれる。遺伝子は、その後、例えば、「組換え型ポリペプチド」を生産するために、組換え型宿主細胞中で発現される。組換え型ポリヌクレオチドは、なおその上、非コード機能(例えば、プロモーター、複製の起点、リボソーム結合部位など)を供給し得る。] [0095] 「特異的にハイブリダイズする」、「特異的ハイブリダイゼーション」または「選択的にハイブリダイズする」とは、配列が、複合混合物(例えば、全細胞内)DNAまたはRNA中に存在する場合、ストリンジェント条件下で、特定のヌクレオチド配列に対し選択的に、核酸分子が結合すること、二本鎖になること(duplexing)、またはハイブリダイズすることをいう。] [0096] 用語「ストリンジェント条件」とは、プローブが、その標的サブ配列と選択的にハイブリダイズし、かつ、他の配列とはより少ない程度でハイブリダイズする、または全くハイブリダイズしない条件をいう。サザンおよびノザンハイブリダイゼーションなどの、核酸ハイブリダイゼーション実験の関連において、「ストリンジェントハイブリダイゼーション」および「ストリンジェントハイブリダイゼーション洗浄条件」は、配列依存性であり、かつ、種々の環境パラメーター下において異なる。核酸ハイブリダイゼーションのための広範な指針は、Tijssen(1993)Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−−Hybridization with Nucleic Acid Probes part I chapter 2“Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays”,Elsevier,New York中に見出される。一般的に、高ストリンジェントハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、規定されたイオン強度およびpHにおいて、特定の配列に対する融解温度(thermal melting point)(Tm)よりも約5℃低くなるよう選択される。Tmは、(規定されたイオン強度およびpHの下で)標的配列の50%が、完全にマッチされたプローブとハイブリダイズする温度である。非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブに対するTmと等しいように選択される。] [0097] サザンまたはノザンブロットにおけるフィルター上での、100より多い相補的残基を有する相補的核酸のハイブリダイゼーションのための、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件の例は、ハイブリダイゼーションが一晩中行われるとき、42℃で、ヘパリン1mgを含む50%ホルマリンである。高ストリンジェント洗浄条件の例は、0.15MのNaCl、72℃で約15分間である。ストリンジェント洗浄条件の例は、0.2×SSC洗浄、65℃で15分間である(SSC緩衝液の説明については、Sambrookらを参照のこと)。しばしば、高ストリンジェンシーの洗浄は、バックグラウンドのプローブシグナルを除去するために、低ストリンジェンシーの洗浄によって先行される。例えば100ヌクレオチドより多い二本鎖に対する中程度のストリンジェンシーの洗浄の例は、1×SSC、45℃で15分間である。例えば100ヌクレオチドより多い2本鎖に対する低ストリンジェンシーの洗浄の例は、4〜6×SSC、40℃で15分間である。一般に、特定のハイブリダイゼーションアッセイにおいて、無関係のプローブについて観察されるシグナル対ノイズ比よりも2×(またはそれより高い)のシグナル対ノイズ比は、特異的なハイブリダイゼーションの検出を示す。] [0098] 診断または治療の「被験体」は、ヒト、または哺乳動物もしくは霊長類を含むヒトではない動物である。] [0099] 2つの核酸またはポリペプチドの関連において、語句「実質的に相同」または「実質的に同一」は、下記の配列比較アルゴリズムの一つを用いてまたは視覚による検査によって測定される場合、最大の一致を求めて比較および並べられるとき、一般的に、少なくとも40%、60%、80%、90%、95%、96%、97%、98%または99%のヌクレオチドもしくはアミノ酸残基の同一性を有する、二つまたはそれより多い配列もしくはサブ配列をいう。好ましくは、実質的な同一性は、少なくとも長さ約50残基である配列の領域にわたって、より好ましくは少なくとも約100残基の領域にわたって存在し、そして最も好ましくは、配列は、少なくとも約150残基にわたって実質的に同一である。最も好ましい実施形態において、配列は、比較の生体高分子のいずれかまたは両方の全体の長さにわたって、実質的に同一である。] [0100] 配列比較のために、一般に、一つの配列が、参照配列としての役目を務め、試験配列はこれと比較される。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験配列および参照配列は、コンピューターにインプットされ、必要であれば、サブ配列の座標が指定され、そして配列アルゴリズムプログラムのパラメーターが指定される。配列比較アルゴリズムは、その後、指定されたプログラムのパラメーターに基づいて、参照配列と比較して、試験配列についてのパーセント配列同一性を計算する。] [0101] 比較のための配列の最適なアライメントは、例えば、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.2:482,1981の局地的(local)相同アルゴリズムによって、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol.48:443,1970の相同性アライメントアルゴリズムによって、Pearson&Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:2444,1988の類似性検索法によって、これらのアルゴリズムのコンピュータ化された実行(GAP,BESTFIT,FASTA,およびTFASTA(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WI))によって、または視覚による検査によって、行われ得る。] [0102] 有用なアルゴリズムの一つの例は、PILEUPである。PILEUPは、関連性およびパーセント配列同一性を示すため、プログレッシブ(progressive)アライメント、ペアワイズ(pairwise)アライメントを用いて、関連する配列の群からマルチプル配列アライメントを生み出す。これはまた、アライメントを生み出すために使用されるクラスタリング関係を示す系図(tree)または樹状図(dendogram)をプロットする。PILEUPは、Feng&Doolittle,J.Mol.Evol.35:351−360,1987のプログレッシブアライメント法の単純化を使用する。使用される方法は、Higgins&Sharp,CABIOS 5:151−153,1989によって記載された方法と類似する。このプログラムは、各最長5,000ヌクレオチドまたはアミノ酸を、300配列まで並べ得る。マルチプルアライメントの手順は、2つの最も類似する配列のペアワイズアライメントから始める(これは2つの並べられた配列のクラスターを生じる)。このクラスターは、その後、次に最も関連する配列または(並べられた配列の)クラスターと並べられる。配列の2つのクラスターは、2つの個々の配列のペアワイズアライメントの単純な拡張によって、並べられる。最終的なアライメントは、一連の、プログレッシブアライメント、ペアワイズアライメントで達成される。このプログラムは、特定の配列、および配列比較領域に対するそれらのアミノ酸またはヌクレオチドの座標を指定することにより、ならびにプログラムのパラメーターを指定することにより実行される。例えば、参照配列は、以下のパラメーター(デフォルトギャップウェイト(default gap weight)(3.00)、デフォルトギャップ長ウェイト(default gap length weight)(0.10)、および荷重されたエンドギャップ(weighted end gaps))を用いて、配列同一性関連性(sequence identity relationship)のパーセントを決定するために、他の試験配列と比較され得る。配列のマルチプルアライメントを生み出すために有用である別のアルゴリズムは、Clustal W(Thompsonら、Nucleic AcidsResearch 22:4673−4680,1994)である。] [0103] 配列同一性、および配列類似性のパーセントを決定するために適切であるアルゴリズムの他の例は、BLASTアルゴリズムであり、これは、Altschulら、J.Mol.Biol.215:403−410,1990に記載される。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationを通じて公的に入手できる。このアルゴリズムは、クエリー(query)配列内の、長さWの短いワード(short words)(これは、データベース配列中の同じ長さのワードと並べた場合、ある正の値の閾値スコアTにマッチするまたは閾値スコアTを満たすかのいずれかである)を同定することによって、高スコアである配列ペア(HSP)を最初に同定することを含む。Tは、近傍のワードスコアの閾値といわれる(Altschulら、J.Mol.Biol.215:403−410,1990)。これらの初期(initial)近傍ワードのヒットは、それらを含む、より長いHSPを発見するために、探索を開始するための種(seed)として働く。その後、このワードのヒットは、累積アライメントスコアが増加され得る限り、各配列に沿って両方の方向に拡張される。累積スコアは、ヌクレオチド配列に対しては、パラメーターM(一対のマッチする残基に対するリワード(reward)スコア;常に>0)、およびN(ミスマッチ残基に対するペナルティ(penalty)スコア;常に<0)を使用して計算される。アミノ酸配列については、スコアリング(scoring)マトリクスが、累積スコアを計算するために使用される。各方向におけるワードヒットの拡張は、累積アライメントスコアが、その達成された最大値から量Xだけ減少する場合;一つまたはそれより多くの負のスコアの残基アライメントの蓄積によって、累積スコアが、ゼロまたはそれより下に至る場合;またはいずれかの配列の末端に到達する場合、停止される。BLASTアルゴリズムのパラメーターである、W、T、およびXはアライメントの感度および速度を決定する。(ヌクレオチド配列のための)BLASTNプログラムは、11のワード長(W)、10の期待値(E)、M=5、N=−4、および、両方の鎖の比較をデフォルトして使用する。アミノ酸配列に対して、BLASTPプログラムは、3のワード長(W)、10の期待値(E)、およびBLOSUM62スコアリングマトリクスをデフォルトとして使用する(Henikoff&Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915,1989を参照のこと)。] [0104] 配列同一性のパーセントを計算することに加えて、BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間の類似性の統計分析も行う(例として、Karlin&Altschul,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5787,1993を参照のこと)。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の一つの測定値は、最小合計確率(smallest sum probability)(P(N))であって、これは、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間のマッチが偶然生じ得る確率の指標を提供する。例えば、参照核酸に対する試験核酸の比較における最小合計確率が、約0.1未満、さらに好ましくは約0.01未満、および最も好ましくは約0.001未満である場合、その核酸は参照配列と類似していると考えられる。] [0105] 二つの核酸配列またはポリペプチドが実質的に同一であることのさらなる指標は、第一の核酸によってコードされるポリペプチドが、以下に記載されるように、第二の核酸によってコードされるポリペプチドと免疫学的に交差反応性であることである。したがって、例えば、二つのペプチドが保存的置換によってのみ異なるとき、ポリペプチドは、第二のポリペプチドに対して、一般に、実質的に同一である。二つの核酸配列が実質的に同一であることの別の指標は、その二つの分子が、本明細書に記載のようなストリンジェント条件の下、お互いにハイブリダイズすることである。] [0106] 「実質的に純粋」または「単離された」は、対象の種が、現在の優勢な種である(すなわち、モル濃度の基準において、組成物中の他のあらゆる個々の高分子の種よりも豊富である)ことを意味し、そして実質的に精製された画分は、対象の種が、存在する全ての高分子の種の少なくとも約50%(モル濃度の基準において)を構成している組成物である。一般的に、実質的に純粋な組成物は、組成物中に存在する高分子の種の約80%から90%またはそれより多くが、精製された目的の種であることを意味する。組成物が単一の高分子の種から本質的になる場合、対象の種は、本質的な均質性まで精製される(混入している種は、通常の検出方法によって、組成物中に検出され得ない)。溶媒の種、小分子(<500ダルトン)、安定薬(例えばBSA)、および元素イオン種は、この定義の意図にかなう高分子種とはみなされない。いくつかの実施形態において、本発明のリソソームスルファターゼ酵素は、実質的に純粋であるか、または単離される。いくつかの実施形態において、本発明のリソソームスルファターゼ酵素は、それらの合成において使用される高分子出発物質に関して、実質的に純粋であるか、または単離される。いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、一つもしくはそれより多い薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤と混合された、実質的に精製または単離された治療用のリソソームスルファターゼ酵素を含む。] [0107] 「治療の」処置は、病理学の徴候または症状を示す被験体に、それらの徴候もしくは症状を低減させるまたは除く目的のために、施される処置である。徴候または症状は、生化学的、細胞性、組織学的、機能的、主観的または客観的であり得る。本発明のリソソームスルファターゼ酵素は、治療の処置としてまたは診断のために与えられ得る。] [0108] 「治療指数」とは、最小治療量を超え、かつ受容できない有毒量を下回る用量範囲(量および/またはタイミング)をいう。] [0109] 「処置」とは、予防処置または治療処置または診断処置をいう。] [0110] 本明細書で使用される場合、用語「単位投薬形態」とは、ヒトおよび動物被験体に対する単一の投薬として適している物理的に別々な単位をいい、各単位は、一つもしくはそれより多い薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤と共に、所望の効果を生じさせるために十分な量において計算された本発明のリソソームスルファターゼ酵素の所定の 量を含む。本発明の新規の単位投薬形態の詳細は、使用される特定のリソソームスルファターゼ酵素、および達成される効果、および宿主内の各リソソームスルファターゼ酵素に関連する薬力学に依存する。] [0111] (II.リソソームスルファターゼ酵素の生産) 一つの局面において、本発明は、高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素の治療上の使用を可能にする量において、そのような酵素を生産する新規な方法を特徴とする。一般に、この方法は、ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)をコードしているcDNAまたはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体、および全長リソソームスルファターゼ酵素をコードしているcDNAまたはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を用いた、適切な細胞株の形質転換を特徴とする。当業者は、発現構築物でトランスフェクトされた適切な細胞株における、そのようなリソソームスルファターゼ酵素の最適な生産のために、本明細書で明示的に記載されたもの以外の発現構築物を調製し得る。さらに、当業者は、天然に存在する全長酵素と同一または類似の生物学的な活性を有する、天然に存在するSUMF1またはリソソームスルファターゼ酵素の生物学的に活性な断片、改変体、変異体もしくは誘導体をコードしているcDNAの断片を容易に設計し得る。] [0112] (宿主細胞) 組換え型リソソームスルファターゼ酵素を生産するために用いられる宿主細胞は、酵素の治療的な使用を可能にする量において、そのようなリソソームスルファターゼ酵素を生産する能力によって特徴付けられる、エンドソーム酸性化が不足している細胞株である。本発明は、CHO−K1に由来するEND3相補群細胞株(G71と示される)を提供する。本発明はまた、血清を含まない懸濁培養液における増殖に適合させられたG71細胞株(G71Sと示される)を提供する。本発明はまた、さらにサブクローニングされたまたは異なる発現プラスミドを含む、G71およびG71S細胞株の誘導体を提供する。] [0113] 組換え型タンパク質をコードしているDNAまたはRNAを含みそして発現する細胞は、本明細書で、遺伝学的に改変された細胞といわれる。組換え型タンパク質をコードしているDNAまたはRNAを含みそして発現する哺乳動物細胞は、遺伝学的に改変された哺乳動物細胞といわれる。細胞へのDNAまたはRNAの導入は、(例としてかつ制限のためではなく)電気穿孔法、微量注入、微粒子銃(microprojectile bombardment)、リン酸カルシウム沈殿、改変されたリン酸カルシウム沈殿、陽イオン脂質(cationic lipid)処理、フォトポレーション(photoporation)、融合(fusion)方法論、受容体が媒介する移入(transfer)、またはポリブレン(polybrene)沈殿などの公知のトランスフェクション法による。あるいは、DNAまたはRNAは、ウイルスベクターを用いた感染によって導入され得る。組換え型タンパク質をコードしているDNAまたはRNAを発現する細胞(哺乳動物細胞を含む)を生産する方法は、同時係属中の特許出願である、表題「In Vivo Protein Production and Delivery System for Gene Therapy」(Richard F Selden,Douglas A.TrecoおよびMichael W.Heartleinによる)の、米国出願番号08/334,797(1994年11月4日出願);表題「In Vivo Production and Delivery of Erythropoietin or Insulinotropin for Gene Therapy」(Richard F Selden,Douglas A.Treco および Michael W.Heartleinによる)の、米国出願番号08/334,455(1994年11月4日出願)ならびに、表題「Targeted Introduction of DNA Into Primary or Secondary Cells and Their Use for Gene Therapy」(Douglas A.Treco,Michael W.HeartleinおよびRichard F Seldenによる)の、米国出願番号08/231,439(1994年4月20日出願)に記載される。これらの各出願の教示は、その全容において、参照によって、本細書に明示的に援用される。] [0114] 好ましい実施形態において、組換え型リソソームスルファターゼ酵素を生産するために使用される宿主細胞は、その酵素の使用を治療的に可能にする量において、そのようなリソソームスルファターゼ酵素を生産するその能力によって特徴付けられる、エンドソーム酸性化が不足している細胞株である。好ましい実施形態において、本発明は、CHO−K1に由来するEND3相補群細胞株(G71Sと示される)、および血清を含まない懸濁培養液における増殖に適合させられたG71細胞株(G71Sと示される)を提供し、これらは、ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)および組換え型リソソームスルファターゼ酵素を共発現し、したがって、「定義」において明記されたように、高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素の高い収量を生産することができ、これによって、治療用のリソソームスルファターゼ酵素の大規模生産を可能にする。最も好ましい実施形態において、G71もしくはG71S細胞株、またはそれらの誘導体は、少なくとも約0.5、好ましくは少なくとも約0.75、より好ましくは少なくとも約1.0、およびさらにより好ましくは少なくとも約1.25ピコグラム/細胞/日の量において、組換え型リソソームスルファターゼ酵素を発現および分泌する。] [0115] (ベクターおよび核酸構築物) 組換え型タンパク質(ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)もしくはリソソームスルファターゼ酵素のいずれかまたは両方)を発現するために使用される核酸構築物は、トランスフェクトされた哺乳動物細胞において染色体外で(extrachromosomally)(エピゾーム的に(episomally))発現されるものであり得、またはレシピエント細胞のゲノム中に、無作為にもしくは相同組換えを通してあらかじめ選択された標的部位に、組込まれるものであり得る。染色体外で発現される構築物は、組換え型タンパク質をコードしている配列に加えて、その細胞中でのそのタンパク質の発現のために十分である配列、および、必要に応じて、その構築物の複製のための配列を含む。染色体外で発現される構築物は、一般的には、プロモーター、組換え型タンパク質をコードしているDNAおよびポリアデニル化部位を含む。組換え型タンパク質をコードしているDNAは、その発現がプロモーターの制御下にあるような様式で、構築物中に配置される。必要に応じて、この構築物は、一つまたはそれより多い以下のような追加成分を含み得る:スプライス部位、エンハンサー配列、適切なプロモーターの制御下にある選択可能マーカー遺伝子、適切なプロモーターの制御下にある増幅可能マーカー遺伝子、およびマトリックス付着領域(MAR)または挿入された領域の発現を高める当該分野で公知の他のエレメント。] [0116] DNA構築物が細胞のゲノム中に組み込まれる実施形態において、DNA構築物は、組換え型タンパク質をコードしている核酸配列のみを含むことを必要とする。必要に応じて、DNA構築物は、プロモーターおよびエンハンサー配列、一つもしくは複数のポリアデニル化部位、一つもしくは複数のスプライス部位、一つもしくは複数の選択可能マーカーをコードする核酸配列、増幅可能マーカーをコードする核酸配列、マトリックス付着領域(MAR)もしくはそれが挿入された領域の発現を高める当該分野で公知の他のエレメント、ならびに/またはゲノム中の選択した部位へのDNAの組込みを標的とするため(DNAもしくはDNA配列を標的とするため)、レシピエント細胞中のゲノムDNAに相同であるDNAを含み得る。] [0117] (細胞培養の方法) 組換え型タンパク質をコードしているDNAまたはRNAを含む哺乳動物細胞は、その細胞の増殖およびDNAまたはRNAの発現に適した条件下で培養される。組換え型タンパク質を発現する細胞は、公知の方法および本明細書に記載の方法を用いて同定され得、そして、組換え型タンパク質は、組換え型タンパク質生産の拡大を伴ないまたは伴なわず、公知の方法および本明細書にも記載の方法を用いて単離ならびに精製され得る。同定は、例えば、組換え型タンパク質をコードしているDNAまたはRNAの存在の指標となる表現型を表す遺伝学的に修飾された哺乳動物細胞のスクリーニング(PCRスクリーニング、サザンブロット分析によるスクリーニング、または組換え型タンパク質の発現についてのスクリーニングなど)を通して行われ得る。組み入れられた組換え型タンパク質をコードしているDNAを含む細胞の選択は、DNA構築物中に選択可能マーカーを含めることと、その後の、その選択可能マーカー遺伝子を発現している細胞のみの生存に適切である条件下で、選択可能マーカー遺伝子を含むトランスフェクトされたまたは感染した細胞を培養することによって達成され得る。導入されたDNA構築物のさらなる増幅は、適切な条件下で、遺伝学的に修飾された哺乳動物細胞を培養すること(例えば、増幅可能マーカー遺伝子の多数のコピーを含む細胞のみ生き残ることができる薬物の濃度の存在下で、増幅可能マーカー遺伝子を含む遺伝学的に修飾された哺乳動物細胞を培養すること)によって、達成され得る。] [0118] 組換え型タンパク質を発現している遺伝学的に修飾された哺乳動物細胞は、本明細書に記載されているように、発現産物の検出によって同定され得る。例えば、高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素を発現している哺乳動物細胞は、サンドイッチ酵素免疫法によって同定され得る。抗体は、活性な作用物質部分に対し、向けられ得る。] [0119] (リソソームスルファターゼ酵素の改変体) 特定の実施形態において、高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素の変異体または改変体が調製され得、そしてそれらは高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素が使用され得るいろいろな適用において有用である。ポリペプチドのアミノ酸配列の変異体または改変体は、置換の、挿入のもしくは欠失の変異体または改変体であり得る。欠失変異体または改変体は、機能または免疫抗原性の活性に不可欠ではない、天然のタンパク質の一つまたはそれより多い残基を欠いている。欠失変異体または改変体の一般的な型は、分泌シグナル配列を欠いているもの、またはタンパク質を細胞の特定の部分へ結合させるように指示するシグナル配列を欠いているものである。挿入変異体または改変体は、一般的に、ポリペプチドの末端ではない地点での、物質の付加を含む。これは、免疫反応性エピトープまたは単に単一の残基の挿入を含み得る。末端への付加(これはまた、融合タンパク質と呼ばれる)は、以下で議論される。] [0120] 改変体は、上で述べられたような修飾されていないリソソームスルファターゼ酵素と、実質的に相同または実質的に同一であり得る。好ましい改変体は、リソソームスルファターゼ酵素の少なくとも一部の生物学的な活性(例えば、スルファターゼ活性)を保持している、高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素ポリペプチドの改変体である。他の好ましい改変体としては、ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼのスルファターゼ活性の少なくとも一部を保持している、ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼポリペプチドの改変体が挙げられる。] [0121] 置換変異体または改変体は、一般に、タンパク質内の一つもしくはそれより多い部位で、野生型ポリペプチドのあるアミノ酸を別のものに交換し、そしてポリペプチドの一つもしくはそれより多い特性(例としてかつ制限のためではなく、タンパク質の分解性の切断に対する安定性など)を、他の機能または特性の喪失を伴なわずに調節するために設計され得る。この種の置換は、好ましくは保存的であり、すなわち、アミノ酸は類似した形および電荷のものと取って代わられる。保存的置換は、当該分野で周知であり、そして、例として:アラニンからセリンへの;アルギニンからリジンへの;アスパラギンからグルタミンまたはヒスチジンへの;アスパラギン酸からグルタミン酸への;システインからセリンへの;グルタミンからアスパラギンへの;グルタミン酸からアスパラギン酸への;グリシンからプロリンへの;ヒスチジンからアスパラギンまたはグルタミンへの;イソロイシンからロイシンまたはバリンへの;ロイシンからバリンまたはイソロイシンへの;リジンからアルギニンへの;メチオニンからロイシンまたはイソロイシンへの;フェニルアラニンからチロシン、ロイシンまたはメチオニンへの;セリンからスレオニンへの;スレオニンからセリンへの;トリプトファンからチロシンへの;チロシンからトリプトファンまたはフェニルアラニンへの;およびバリンからイソロイシンまたはロイシンへの変化が挙げられる。] [0122] 本発明の一つの局面は、リソソームスルファターゼ酵素のO結合型またはN結合型グリコシル化部位が変異させられた、グリコシル化部位の変異体または改変体を作製することを意図する。そのような変異体または改変体は、高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素の生物学的な活性、物理的構造および基質結合可能性に関連する、重要な情報をもたらす。特定の局面において、生物学的な活性を保持しているが、増大または減少した基質結合活性を有する、高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素ポリペプチドの他の変異体または改変体が作製され得ることが意図される。そのようなものとして、活性部位または触媒領域の変異は、変更された基質結合活性を有するタンパク質の変異体または改変体を作製するために、特に意図される。そのような実施形態において、高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素の配列は、他の関連する酵素の配列と比較され、そして選択された残基は、特に変異させられる。] [0123] 有用であり得る例示的な変異としては、例えば、潜在的なグリコシル化アスパラギンの全てまたは一部の置換が挙げられ、潜在的なグリコシル化アスパラギンは、(アミノ酸番号1として、推定上のアミノ末端から成熟したタンパク質のアミノ酸に番号をつけるとき)組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)の位置178および397を含む(図5を参照のこと)。] 図5 [0124] 基質結合は、リソソームスルファターゼ酵素の活性部位における/活性部位の近くの変異によって変更され得る。そのような変異は例示的であることを考慮に入れ、当業者は、この酵素配列の他の変異が、このタンパク質およびその活性についてのさらなる構造的ならびに機能的情報を提供するために作製され得ることを認識する。] [0125] 上に記載されたような、変異体または改変体を構築するために、当業者は周知の標準的技術を使用し得る。特に意図されるのは、N末端欠失、C末端欠失、内部欠失、ならびに無作為および点変異誘発である。] [0126] N末端およびC末端欠失は、例えば、CまたはN末端領域の末端近くの適切な単一の制限酵素認識部位の存在を利用する、欠失変異誘発の形態である。DNAは、上記部位で切断され、そしてその切断末端は、BAL31、エキソヌクレアーゼIII、DNase I、およびS1ヌクレアーゼなどのヌクレアーゼによって分解される。2つの末端を再結合することは、その制限酵素認識部位の周囲における様々な大きさの欠失を有する、一連のDNAを生産する。そのような変異体から発現されるタンパク質は、当該分野で標準的な技術を用いて、適切な生物学的機能(例えば、酵素の活性)について評価され得、そして本明細書中に記載され得る。二つの適切に配置された制限酵素認識部位を使用し、それによって正確に定義される欠失を作製し、上記のように末端を再連結(religate)させることによる、類似の技術が内部欠失変異体のために使用され得る。] [0127] 部分的消化変異体もまた意図される。そのような例において、当業者は、反応時間の長さに依存して数多くの場所でDNAを切断する「フリークエントカッター(frequent cutter)」を使用する。このように、反応条件を変えることにより、さまざまな大きさの一連の変異体を作製することが可能であり、これらは、その後、活性についてスクリーニングされ得る。] [0128] 無作為な挿入変異はまた、例えば、DNase Iを用いてDNA配列を切断すること、そして3、6、9、12個などのアミノ酸をコードするヌクレオチドのストレッチ(stretch)を挿入すること、そして末端を再連結することによって行われ得る。一旦、そのような変異が作製されると、その変異体は、野生型タンパク質より示される種々の活性について、スクリーニングされ得る。] [0129] 点変異誘発はまた、詳細に、どのアミノ酸残基が、リソソームスルファターゼ酵素の生物学的活性に関連する特定の活性において重要であるかを同定するために使用され得る。このように、当業者は、変更されたコドンおよびミスセンス変異を結果として生じるために、DNA鎖中の一塩基変化を生み出すことができる。] [0130] 特定のタンパク質のアミノ酸は、等価な、またはさらに改良された第二世代の分子を生み出すために変化させられ得る。そのような変更は、例えば、抗体の抗原結合領域または基質分子もしくは受容体上の結合部位などの構造との、相互作用の結合能力の容易に感知できる喪失を伴なわない、タンパク質の特定のアミノ酸の置換を意図する。タンパク質の生物学的機能の活性を定義するのは、そのタンパク質の相互作用の能力および性質であるため、特定のアミノ酸置換が、タンパク質配列およびその基礎をなすDNAコード配列中において生じさせられ得、そして、それにもかかわらず、特定のアミノ酸置換は類似の性質を有するタンパク質を取得させ得る。このように、種々の変化が、以下で論じられるように、それらの生物学的有用性または活性の容易に感知できる喪失を伴なわずに、遺伝子のDNA配列中に生じさせられ得る。] [0131] そのような変化を生じさせる上で、アミノ酸の疎水性親水性指標(hydropathic index)が考慮され得る。アミノ酸の相対的な疎水性親水性の特性は、結果として生じるタンパク質の二次構造に寄与すること、そして今度は、タンパク質の二次構造が、例えば、酵素、基質、受容体、DNA、抗体、抗原などの他の分子と、このタンパク質との相互作用を規定することが理解される。各アミノ酸は、疎水性、および電荷の特性に基づき、疎水性親水性指数が割り当てられている(Kyte&Doolittle,J.Mol.Biol.,157(1):105−132,1982、参照によって本明細書に援用される)。一般的に、アミノ酸は、類似の疎水性親水性指数またはスコアを有する他のアミノ酸により置換され得、そして類似の生物学的活性を有するタンパク質を依然として、結果として生じる(すなわち、生物学的機能上等価であるタンパク質を依然として得る)。] [0132] 加えて、同様のアミノ酸の置換は、親水性の基準に基づいて効果的に行われ得る。米国特許第4,554,101号(参照によって本明細書に援用される)は、タンパク質の最も大きな局所平均親水性は、(隣接アミノ酸の親水性によって左右されるが)タンパク質の生物学的特性と関連があると述べている。このように、アミノ酸は、類似した親水性の値を有する別のものと置換され得、そして生物学的に等価および免疫学的に等価なタンパク質を依然として得る。] [0133] 本発明との関連において使用され得る例示的なアミノ酸置換としては、アルギニンとリジン;グルタミン酸とアスパラギン酸;セリンとスレオニン;グルタミンとアスパラギン;ならびにバリンとロイシンとイソロイシンを交換することが挙げられるが、これらに制限されない。タンパク質の二次構造を変更するが、生物学的活性の一部または全てを保持することへの必要性を考慮している、他の置換は当業者に周知である。] [0134] 本発明に関連するポリペプチドの調製のために意図される別の種類の改変体は、ペプチド模倣物(peptide mimetic)の使用である。模倣物は、タンパク質二次構造の要素を模倣するペプチド含有分子である。例えば、Johnsonら,BIOTECHNOLOGY ANDPHARMACYにおける「Peptide Turn Mimetics」,Pezzutoら.,Eds.,Chapman and Hall,New York(1993)を参照のこと。ペプチド模倣物の使用の背後にある基本的な理論的根拠は、タンパク質のペプチドバックボーンが、分子の相互作用(抗体および抗原の相互作用など)を促進するように、アミノ酸側鎖を配向するために、主として存在することである。ペプチド模倣物は、天然の分子と類似する分子間相互作用を可能にすることが期待される。上に記載された原理と併せて、これらの原理は、リソソームスルファターゼ酵素の天然の特性の多くを有するが、変更されそしてさらに改良された特徴を有する第二世代分子を設計するために使用され得る。] [0135] (リソソームスルファターゼ酵素の修飾されたグリコシル化) 高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素の改変体はまた、親のポリペプチドと比較して修飾されたグリコシル化パターン(例えば、一つもしくはそれより多い炭水化物部分の欠失、および/または天然のポリペプチド中には存在しない一つもしくはそれより多いグリコシル化部位の付加)を有するように生産され得る。] [0136] グリコシル化は、一般的にN結合型またはO結合型のいずれかである。N結合型は、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の付加をいう。トリペプチド配列、アスパラギン−X−セリンおよびアスパラギン−X−スレオニン(ここで、Xはプロリンを除く任意のアミノ酸である)は、アスパラギン側鎖への炭水化物部分の酵素的な付加のための認識配列である。ポリペプチド中のこれらのトリペプチド配列のいずれかの存在は、潜在的なグリコシル化部位を生み出す。したがって、N結合型グリコシル化部位は、一つまたはそれより多いこれらのトリペプチド配列を含むようにアミノ酸配列を変更することによって、ポリペプチドに付加され得る。O結合型グリコシル化は、糖類のN−アセチルガラクトサミン、ガラクトース、またはキシロースのうちの一つが、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリンまたはスレオニン(5−ヒドロキシプロリンまたは5−ヒドロキシリジンもまた使用され得るが)に付加することをいう。O結合型グリコシル化部位は、本来のポリペプチドの配列中へ、一つもしくはそれより多いセリンまたはスレオニン残基を挿入すること、あるいは一つもしくはそれより多いセリンまたはスレオニン残基に置換することによって付加され得る。] [0137] (ドメインスイッチング) リソソームスルファターゼ酵素タンパク質の種々の部分は、相当量の配列相同性を有する。機能を変更し得る変異が、リソソームスルファターゼ酵素ポリペプチド中で同定され得る。これらの研究は、少なくとも2つの理由で、潜在的に重要である。第一に、これらの研究は、この遺伝子のさらに他の相同体、対立遺伝子改変体、および変異体が、関連する種(ラット、ウサギ、サル、テナガザル、チンパンジー、猿人類、ヒヒ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジおよびネコなど)において存在し得るという、もっともな期待を提供する。これらの相同体、改変体、および変異体の単離に際し、そして他の分析と併せて、特定の活性なドメインまたは機能的ドメインが同定され得る。第二に、これは、上に記載されたような分子のさらなる変異分析についての出発点を提供する。この情報が引き出され(exploit)得る一つの方法は、「ドメインスイッチング」である。] [0138] ドメインスイッチングは、異なっているが関連するポリペプチドを使用した組換え型分子の作製を含む。例えば、リソソームスルファターゼ酵素(例えば、N−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ)の配列と、別の供給源由来の類似のリソソームスルファターゼ酵素の配列ならびにこれらのポリペプチドの変異体および対立遺伝子改変体とを比較することによって、これらの分子の機能的に重要な領域について予想し得る。その後、酵素機能に対するこれらの領域の臨界(criticality)、およびリソソーム蓄積症における効果を決定するための作業において、これらの分子の関連ドメインを変更することが可能である。これらの分子は、これらの「キメラ」が、(もしかすると同様のまたはさらに高められた機能を提供するかもしれないが)天然の分子と区別され得る点において、さらなる価値を有し得る。] [0139] 現在同定されている多くのリソソームスルファターゼ酵素に基づいた、変異および二次構造におけるそれらの予測される影響のさらなる分析は、この理解の一助となる。リソソームスルファターゼ酵素間でドメインを変更する変異体は、それらの分子間の構造的/機能的関係についての有用な情報およびそれらと相互作用するポリペプチドについての有用な情報を提供することが予想される。 (融合タンパク質) 上に記載された変異に加えて、本発明は、特殊な種類の挿入改変体(融合タンパク質として公知である)の作製をさらに意図する。この分子は一般的に、N末端またはC末端において、第二のポリペプチドの全てもしくは部分が連結された、天然分子の全ての部分または実質的な部分を有する。例えば、融合は、一般に、異種の宿主におけるタンパク質の組換え発現を可能とするために、他の種由来のリーダー配列を使用する。別の有用な融合としては、融合タンパク質の精製を容易にするための、免疫学的に活性なドメイン(抗体のエピトープなど)の付加が挙げられる。融合接合部におけるまたは融合接合部の近くでの切断部位の含有は、精製後の、外来のポリペプチドの除去を容易にする。他の有用な融合としては、酵素由来の活性部位、グリコシル化ドメイン、細胞性のターゲッティングシグナルまたは膜貫通領域などの、機能的ドメインの連結を含む。] [0140] 本発明において使用され得る、種々の商業的に入手可能な融合タンパク質発現システムがある。特に有用なシステムとしては、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)システム(Pharmacia,Piscataway,NJ)、マルトース結合タンパク質システム(NEB,Beverley,MA)、FLAGシステム(IBI,New Haven,CT),6×Hisシステム(Qiagen,Chatsworth,CA)が挙げられるが、これらに制限されない。これらのシステムは、ほんの少数の追加アミノ酸しか有さない組換え型ポリペプチドを生産することが可能であり、少数の追加アミノ酸は、組換え型ポリペプチドの抗原性能力に影響する可能性が低い。例えば、FLAGシステムおよび6×Hisシステムの両者は、短い配列しか付加せず、それらの両者は、抗原性が乏しいことが公知であり、かつ本来のコンフォメーションへのポリペプチドのフォールディングに悪影響を与えない。有用であると予想される別のN末端融合は、タンパク質またはペプチドのN末端領域でのMet−Lysジペプチドの融合である。そのような融合は、タンパク質の発現または活性における、有益な上昇を引き起こし得る。] [0141] 特に有用な融合構築物は、リソソームスルファターゼ酵素融合構築物の免疫抗原性を高めるため、高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素ポリペプチドまたはそれの断片がハプテンと融合されるものであり得る。これは、高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素の検出を可能にする、このタンパク質(高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素)に対する抗体の生産において有用であり得る。他の実施形態において、融合構築物は、特定の部位または細胞への、リソソームスルファターゼ酵素に関連する組成物のターゲッティングを高めるように作製され得る。] [0142] 他の融合構築物は、所望の特性(例えば、リソソームスルファターゼ酵素を特定の器官、組織、または細胞の種類にターゲッティングさせるためのモチーフ)を有する異種のぺプチドを含む。好ましい実施形態において、リソソームスルファターゼ酵素に融合された骨組織ターゲッティングぺプチド(例えば、6つのアスパラギン酸残基(6×Aspまたは6D))を含む融合構築物は、酵素を骨組織における特定の部位にターゲッティングさせ得る。] [0143] 所望の特性を有する異種ポリペプチド(例えば、血清半減期を延長するためのIg定常領域またはターゲッティングのための抗体もしくはそれらの断片)を含む他の融合構築物もまた意図される。他の融合システムは、所望のポリペプチドから融合パートナーを切除することが望ましいポリペプチドハイブリッドを生産する。一つの実施形態において、融合パートナーは、プロテアーゼのための特定の認識配列を含むペプチド配列によって、組換え型の高度にリン酸化された活性なリソソームスルファターゼ酵素ポリペプチドに連結される。適切な配列の例は、Tobacco Etch Virusプロテアーゼ(Life Technologies,Gaithersburg,MD)、またはXa因子(New England Biolabs,Beverley,MA)によって認識されるものである。] [0144] (誘導体) 上で述べられたように、誘導体とは、(例としてかつ制限のためではなく)ユビキチン化、標識(例えば、放射性核種または種々の酵素を用いて)、ペグ化などの共有結合のポリマーの付着(ポリエチレングリコールを用いた誘導体化)および、オルニチンなどの、アミノ酸の化学的合成による挿入または置換といった技術によって、化学的に修飾されたポリペプチドをいう。リソソームスルファターゼ酵素の誘導体はまた、治療薬として有用であり、かつ本発明の方法によって生産され得る。]
权利要求:
請求項1 END3相補群CHO細胞またはそれの誘導体において生産される、組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体であって、ここで、該END3相補群CHO細胞またはそれの誘導体は、組換え型ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)を発現し、そしてここで、該組換え型リソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体は、高レベルの活性化および高レベルのリン酸化を有する、組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体。 請求項2 前記組換え型リソソームスルファターゼ酵素が、アリールスルファターゼA(ARSA)、アリールスルファターゼB(ARSB)、イズロン酸−2−スルファターゼ(IDS)、スルファミダーゼ/ヘパリン−N−スルファターゼ(SGSH)、N−アセチルグルコサミン−スルファターゼ(G6S)およびN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)からなる群より選択される、請求項1に記載の組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体。 請求項3 END3相補群CHO細胞またはそれの誘導体によって生産される、組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体であって、ここで、該END3相補群CHO細胞またはそれの誘導体は、組換え型ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)を発現し、そしてここで、該組換え型ヒトGALNSは、高レベルの活性化および高レベルのリン酸化を有する、組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体。 請求項4 前記END3相補群CHO細胞またはそれの誘導体は、G71細胞株またはG71誘導体である、請求項1から3の何れか一項に記載の酵素。 請求項5 高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を生産するための方法であって、該方法は:(a)チャイニーズハムスター卵巣(CHO)に由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体を培養する工程;(b)該END3相補群細胞またはそれの誘導体において、該高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を発現することができる第一の哺乳動物発現ベクターを調製する工程;(c)該END3相補群細胞またはそれの誘導体において、組換え型ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を発現することができる第二の哺乳動物発現ベクターを調製する工程;(d)該第一のおよび第二の発現ベクターを用いて該END3相補群細胞またはそれの誘導体をトランスフェクトする工程;(e)該高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を発現する、該END3相補群細胞またはそれの誘導体のトランスフェクタントの選択およびクローニングをする工程;ならびに(f)該高度にリン酸化された組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を製造するための細胞培養の作業方法を最適化する工程、を包含し、ここで該組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素は、アリールスルファターゼA(ARSA)、アリールスルファターゼB(ARSB)、イズロン酸−2−スルファターゼ(IDS)、スルファミダーゼ/ヘパリン−N−スルファターゼ(SGSH)、N−アセチルグルコサミン−スルファターゼ(G6S)およびN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)からなる群より選択される、方法。 請求項6 前記第一のおよび第二の発現ベクターは、前記END3相補群細胞またはそれの誘導体中に、工程(d)において同時にトランスフェクトされる、請求項5に記載の方法。 請求項7 前記第一のおよび第二の発現ベクターは、前記END3相補群細胞またはそれの誘導体中に、工程(d)において連続してトランスフェクトされる、請求項5に記載の方法。 請求項8 前記END3相補群CHO細胞またはそれの誘導体は、G71細胞株またはG71誘導体である、請求項5から7の何れか一項に記載の方法。 請求項9 請求項5から8の何れか一項に記載の方法によって生産される、高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体。 請求項10 請求項9に記載のリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体、および、一つもしくはそれより多い薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤を含む、薬学的組成物。 請求項11 高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体またはそれの改変体を生産するための方法であって、該方法は:(a)チャイニーズハムスター卵巣(CHO)に由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体を培養する工程;(b)該END3相補群細胞またはそれの誘導体に適した、該高度にリン酸化された活性な組換え型GALNSまたはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を発現することができる第一の哺乳動物発現ベクターを調製する工程;(c)該END3相補群細胞またはそれの誘導体に適した、組換え型ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を発現することができる第二の哺乳動物発現ベクターを調製する工程;(d)該第一のおよび第二の発現ベクターを用いて該END3相補群細胞またはそれの誘導体をトランスフェクトする工程;(e)該高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトGALNSまたはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を発現する、該END3相補群細胞またはそれの誘導体のトランスフェクタントの選択およびクローニングをする工程;ならびに(f)該高度にリン酸化された活性な組換え型ヒトGALNSまたはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体を製造するための細胞培養の作業方法を最適化する工程、を包含する、方法。 請求項12 前記第一のおよび第二の発現ベクターは、前記END3相補群細胞またはそれの誘導体中に、工程(d)において同時にトランスフェクトされる、請求項11に記載の方法。 請求項13 前記第一のおよび第二の発現ベクターは、前記END3相補群細胞またはそれの誘導体中に、工程(d)において連続してトランスフェクトされる、請求項11に記載の方法。 請求項14 前記END3相補群CHO細胞またはそれの誘導体は、G71細胞株またはG71誘導体である、請求項11から13の何れか一項に記載の方法。 請求項15 請求項11から14の何れか一項に記載の方法によって生産される、高度にリン酸化された高度に活性な組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体。 請求項16 請求項15に記載の組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体、および、一つもしくは薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤を含む、薬学的組成物。 請求項17 N−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)における欠乏によって引き起こされるか、またはそれに関連付けられるリソソーム蓄積症に罹患した被験体を処置するために有用である、組換え型ヒトGALNS酵素またはそれの生物学的に活性な変異体、改変体もしくは誘導体であって、ここで該GALNS酵素またはそれの生物学的に活性な変異体、改変体もしくは誘導体は:(a)非還元条件下でSDS−PAGEにかけられた場合、CoomassieBlue染色によって決定されるとき、少なくとも約90%の純度を有し;(b)Cα−ホルミルグリシン(FGly)への、位置53のシステイン残基の少なくとも約90%の変換を有し;かつ(c)位置178および397のアスパラギン残基がN結合型グリコシル化され、ここで、位置178の該アスパラギン残基に付加されたオリゴマンノース鎖の少なくとも約50%がビスリン酸化される、組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)酵素またはそれの生物学的に活性な変異体、改変体もしくは誘導体。 請求項18 前記リソソーム蓄積症は、ムコ多糖体症IVa型(MPSIVa)またはモルキオA症候群である、請求項17に記載のGALNS酵素。 請求項19 前記リソソーム蓄積症は、多発性スルファターゼ欠損症である、請求項17に記載のGALNS酵素。 請求項20 前記GALNS酵素は、還元条件下でSDS−PAGEにかけられた場合、CoomassieBlue染色によって決定されるとき、目に見えるタンパク質の少なくとも約75%である、約55〜60kDaの主要なバンドからなる、請求項17に記載のGALNS酵素。 請求項21 前記GALNS酵素は、還元条件下でSDS−PAGEにかけられた場合、CoomassieBlue染色によって決定されるとき、約55〜60kDaの単一のバンドから本質的になる、請求項17に記載のGALNS酵素。 請求項22 リソソームスルファターゼ酵素の欠乏を有する被験体を処置する方法であって、該方法は、該リソソームスルファターゼ酵素を必要としている該被験体に、該リソソームスルファターゼ酵素の治療上有効な量を投与することを包含し、ここで、該リソソームスルファターゼ酵素は、CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体によって生産される、組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体である、方法。 請求項23 前記リソソームスルファターゼ酵素欠乏は、異染性白質萎縮症(MLD)、ムコ多糖体症VI型(MPSVI)またはマロトー−ラミー症候群、ムコ多糖体症II型(MPSII)またはハンター症候群、ムコ多糖体症IIIa型(MPSIIIa)またはサンフィリポA症候群、ムコ多糖体症IIId型(MPSIIId)またはサンフィリポD症候群、およびムコ多糖体症IVa型(MPSIVa)またはモルキオA症候群からなる群より選択される、請求項22に記載の方法。 請求項24 前記リソソームスルファターゼ酵素欠乏は、MPSIVaまたはモルキオA症候群である、請求項23に記載の方法。 請求項25 一つまたはそれより多いリソソームスルファターゼ酵素における欠乏と関連付けられるリソソーム蓄積症を処置する方法であって、該方法は、該一つまたはそれより多いリソソームスルファターゼ酵素における欠乏を有する被験体に、CHOに由来するEND3相補群細胞またはそれの誘導体によって産生される、組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)酵素またはそれの生物学的に活性な断片、変異体、改変体もしくは誘導体の治療上有効な量を投与することを包含する、方法。 請求項26 前記リソソーム蓄積症は、多発性スルファターゼ欠損症(MSD)である、請求項25に記載の方法。 請求項27 前記END3相補群CHO細胞またはそれの誘導体は、G71細胞株またはG71誘導体である、請求項22から26の何れか一項に記載の方法。 請求項28 ムコ多糖体症IVa型(MPSIVa)もしくはモルキオA症候群、または多発性スルファターゼ欠損症(MSD)に罹患した被験体を処置する方法であって、該方法は、該被験体に、精製された、組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)酵素またはそれの生物学的に活性な変異体、改変体もしくは誘導体の治療上有効な量を投与することを包含し、ここで、該GALNSまたはそれの生物学的に活性な変異体、改変体もしくは誘導体は:(a)非還元条件下でSDS−PAGEにかけられた場合、CoomassieBlue染色によって決定されるとき、少なくとも約90%の純度を有し;(b)Cα−ホルミルグリシン(FGly)への、位置53のシステイン残基の少なくとも約90%の変換を有し;かつ(c)位置178および397のアスパラギン残基がN結合型グリコシル化され、ここで、位置178の該アスパラギン残基に付加されたオリゴマンノース鎖の少なくとも約50%がビスリン酸化される、方法。 請求項29 前記被験体は、MPSIVaまたはモルキオA症候群に罹患している、請求項28に記載の方法。 請求項30 前記被験体は、MSDに罹患している、請求項28に記載の方法。 請求項31 前記GALNS酵素は、還元条件下でSDS−PAGEにかけられた場合、CoomassieBlue染色によって決定されるとき、目に見えるタンパク質の少なくとも約75%である、約55〜60kDaの主要なバンドからなる、請求項28に記載の方法。 請求項32 前記GALNS酵素は、還元条件下でSDS−PAGEにかけられた場合、CoomassieBlue染色によって決定されるとき、約55〜60kDaの単一のバンドから本質的になる、請求項28に記載の方法。 請求項33 G71またはそれの誘導体に由来するEND3相補群CHO細胞株であって、ここで、該END3相補群CHO細胞株は:(a)組換え型ヒトスルファターゼ調節因子1(SUMF1)のための発現ベクター;および(b)組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素のための発現ベクターを含み、ここで、該組換え型ヒトリソソームスルファターゼ酵素は、アリールスルファターゼA(ARSA)、アリールスルファターゼB(ARSB)、イズロン酸−2−スルファターゼ(IDS)、スルファミダーゼ/ヘパリン−N−スルファターゼ(SGSH)、N−アセチルグルコサミン−スルファターゼ(G6S)およびN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)からなる群より選択される、G71またはそれの誘導体に由来するEND3相補群CHO細胞株。 請求項34 前記END3相補群CHO細胞株は、組換え型ヒトN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)のための前記発現ベクターを含む、請求項33に記載のEND3相補群CHO細胞株。 請求項35 前記END3相補群CHO細胞株は、組換え型ヒトGALNSを発現および分泌する、請求項34に記載のEND3相補群CHO細胞株。 請求項36 前記END3相補群CHO細胞株は、クローン4、クローン5、クローンC6、クローンC2、クローンC5、クローンC7、クローンC10、クローンC11およびクローンC30からなる群より選択される、請求項34に記載のEND3相補群CHO細胞株。 請求項37 前記END3相補群CHO細胞株は、クローンC2である、請求項34に記載のEND3相補群CHO細胞株。 請求項38 前記END3相補群CHO細胞株は、懸濁物中での増殖に適合させられている、請求項34に記載のEND3相補群CHO細胞株。 請求項39 天然の基質を分解する、組換え型ヒトリソソーム酵素の活性を測定するための方法であって、該方法は:(a)該リソソーム酵素に対する天然の基質が蓄積する条件下で、該リソソーム酵素が不足している、単離されたヒト細胞を培養すること;(b)該細胞を該リソソーム酵素と接触させること;(c)該細胞を溶解すること;(d)該細胞溶解産物に、(i)天然の基質に対し特異的であり、かつ(ii)該天然の基質から低分子オリゴ糖を切断する酵素を添加すること;(e)検出可能部分で該低分子オリゴ糖を標識すること;(f)該標識された低分子オリゴ糖を必要に応じて分離すること;(g)該標識された低分子オリゴ糖を検出すること;および(h)(i)該リソソーム酵素と接触させられた細胞由来の標識された低分子オリゴ糖の量と(ii)該リソソーム酵素と接触させられていない細胞由来の標識された低分子オリゴ糖の量とを比較することによって、天然の基質を分解する該リソソーム酵素の活性を決定すること、を包含し、ここで、(h)(ii)と比較したときの(h)(i)における減少は、天然の基質を分解する該リソソーム酵素の活性を示す、方法。 請求項40 前記リソソーム酵素は、アリールスルファターゼB(ARSB)、イズロン酸−2−スルファターゼ(IDS)、スルファミダーゼ/ヘパリン−N−スルファターゼ(SGSH)、N−アセチルグルコサミン−スルファターゼ(G6S)およびN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNS)からなる群より選択されるリソソームスルファターゼ酵素である、請求項39に記載の方法。 請求項41 前記リソソームスルファターゼ酵素は、GALNSである、請求項40に記載の方法。 請求項42 前記リソソーム酵素は、α−L−イズロニダーゼ(IDU)である、請求項39に記載の方法。
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