![]() 固体高分子型燃料電池用の保護層および析出層
专利摘要:
アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間の膜と、この膜とアノード及びカソードのうち少なくとも一方の電極との間の保護層と、を備え、この保護層は、触媒を含むイオノマ物質の層を備えるとともに、0〜10%の孔隙率を有し、イオノマ含有率が50〜80体積%であり、触媒含有率が10〜50体積%であり、触媒粒子間の電気的接続度が35〜75%である、膜・電極アセンブリを提供する。 また、触媒イオンの移動を防止するための保護層を用いた構成を提供する。 公开号:JP2011509506A 申请号:JP2010541445 申请日:2008-01-03 公开日:2011-03-24 发明作者:ガマラ,マリカ;コンディット,デービッド,エー.;チェン,レイ;チポッリーニ,ネッド,イー.;パターソン,ティモシー,ダブリュー.;ブルラツキー,セルゲイ,エフ.;プロトサイロ,レシア,ヴィー.;マッデン,トーマス,エイチ.;モテュパリー,サティヤ 申请人:ユーティーシー パワー コーポレイション; IPC主号:H01M8-02
专利说明:
[0001] 本発明は燃料電池に関し、特に固体高分子型燃料電池および例えば膜やその電極におけるイオノマの劣化の低減に関する。] 背景技術 [0002] 固体高分子型燃料電池では、微量の酸素がカソードからアノードへと膜を通して拡散し、アノード触媒膜の境界面において水素イオンと低電位で反応することにより過酸化物を生成しうる。さらに、一酸化炭素耐性用に燃料に添加した酸素がアノード内で過酸化物を生成しうる。この過酸化物は高反応性の遊離基に解離しうる。また遊離基は、膜内部の触媒表面もしくは電極においてクロスオーバガスから直接生成しうる。これらの遊離基は膜や電極内のイオノマを急速に劣化させるおそれがある。] [0003] 据え置き型および輸送用の固体高分子型燃料電池では、それぞれ、40,000〜70,000時間および5,000〜10,000時間の寿命を達成することが望ましい。遊離基によるイオノマの劣化はこうした目標を達成するための試みを著しく妨げる。] [0004] 酸素、水素および/または過酸化物の多くの供給源がこうした問題の一因となるが、アノードからクロスオーバする水素、カソードからクロスオーバする酸素、燃料流内の酸素、過酸化水素および/または過酸化水素により生成された遊離基が全て取り組むべき課題である。] 先行技術 [0005] 米国特許第7112386号明細書 米国特許第5795668号明細書 米国特許第6485856号明細書 米国特許第6613203号明細書 米国特許出願公開第2005/0196661号明細書 米国特許出願公開第10/795,181号明細書 米国特許出願公開第10/867,305号明細書] 発明が解決しようとする課題 [0006] 本発明の目的はこうした反応性遊離基の発生源によってもたらされる劣化を最小限に抑えることである。] [0007] さらに本発明の目的は膜内における触媒イオンの析出を最小限に抑えることである。こうした触媒は膜内におけるラジカルの発生場所を形成しうる。] [0008] さらに本発明の目的は、クロスオーバガスの低減や、過酸化物および/またはラジカルの分解の強化、および、生成された過酸化物および/または遊離基による劣化の低減により、長寿命の膜・電極アセンブリを提供することである。] [0009] その他の目的および利点については以下に詳述する。] 課題を解決するための手段 [0010] 本明細書により、前述のものが容易に達成される。] [0011] アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間の膜と、この膜とアノード及びカソードのうち少なくとも一方の電極との間の保護層と、を備え、この保護層は、触媒を含むイオノマ物質の層を備えるとともに、0〜10%の孔隙率を有し、イオノマ含有率が50〜80体積%であり、触媒含有率が10〜50体積%であり、触媒粒子間の電気的接続度が35〜75%である、膜・電極アセンブリを提供する。] [0012] また、触媒を含むアノードと、カソードと、アノードとカソードとの間の膜と、この膜とアノード及びカソードのうち少なくとも一方の電極との間の保護層と、を備えた膜・電極アセンブリを提供する。] 図面の簡単な説明 [0013] アノードと膜との間に保護層を有する膜・電極アセンブリを示す図である。 カソードと膜との間に保護層を有する膜・電極アセンブリを示す図である。 アノードと膜との間と、カソードと膜との間にそれぞれ保護層を有する膜・電極アセンブリを示す図である。 基準膜、ならびにカソード側保護層を有する膜・電極アセンブリの予測モデル、およびその実際の試験結果のフッ化物排出率を示す図である。 基準膜、およびアノード側保護層を有する膜・電極アセンブリのフッ化物排出率を示す図である。 基準膜、およびアノード側保護層とカソード側保護層の両方を有する膜・電極アセンブリのフッ化物排出率を示す図である。 種々の下層孔隙率についてのセルの電流密度を関数とした、遮断されたクロスオーバ酸素の割合のモデル計算を示す図である。 特定の触媒層構造を有する実施例を示す図である。 図8の一部の拡大図である。 図10は、本発明の実施例の、特にシール領域における複合カソード構造を示す図であり、図10aは、膜・電極アセンブリの選択領域のみに保護層を用いた本発明の実施例を示す図である。 析出層およびガス透過率層を有する膜・電極アセンブリを示す図である。 析出層のみを有する膜・電極アセンブリを示す図である。] 図10 図10a 図8 実施例 [0014] 本発明は燃料電池、特に固体高分子型(PEM)燃料電池に関し、さらに具体的には、膜と、アノードおよびカソードのいずれか一方または両方と、の間に保護層を配置することにより、カソードおよびアノードから、それぞれ、酸素および水素のクロスオーバが低減され、これらの気体が膜を浸透する前に消費されて、それにより過酸化水素および/または遊離基の生成を防ぐことに関する。] [0015] また本発明はイオン触媒金属を金属形態に転化させてこれらのイオンが膜に移動するのを防ぐ、析出層に関する。] [0016] 本発明によれば、膜・電極アセンブリにおける膜と、アノードもしくはカソードのうちの少なくとも一方と、の間に保護層が配置される。この保護層は、酸素および/または水素のクロスオーバを防ぎ、過酸化物および/または遊離基の生成する確率を低減し、かつ/または過酸化物および/または遊離基の良好な分解をもたらすように有利に役割を果たし、これら全てが、過酸化水素により発生されるラジカルが膜や電極のイオノマを攻撃するのを防ぐことにより、膜・電極アセンブリの耐用寿命を増大させる役割を果たす。] [0017] 本発明の対象である膜・電極アセンブリのような膜・電極アセンブリが、2002年9月4日に出願された同時係属出願の米国特許出願公開第SN10/235,074号明細書、現在の特許文献1に開示されており、本明細書の参考となる。] [0018] 酸素および/または水素のクロスオーバを減らし、生成するあらゆる過酸化物を分解するように、膜と、電極の一方もしくはその双方と、の間に保護層を配置することが可能であり、これにより、膜および電極のイオノマへの攻撃を防ぐことが見出されている。以下、このイオノマ物質への攻撃を膜への攻撃と称し、膜物質、すなわちイオノマへの攻撃、および、電極に存在するイオノマへの攻撃も意味するとして理解されたい。以下に詳述するように保護層はイオン交換ポリマ材料中に分散もしくは埋設された触媒粒子の層でもよい。] [0019] 図1を参照すると、本発明の膜・電極アセンブリ10が図示されるとともに、膜12、カソード14、およびアノード16を含む。膜12がカソード14とアノード16との間に配置されるとともに、当業者に周知のように燃料電池の電解質の機能を備え、酸素と水素とを隔離する役割を果たす。作動中、水素はアノード16を通して膜12へと拡散し、酸素はカソード14を通して膜12へと拡散して、これらの成分のうち大部分はアノードで過酸化物を生成する。また膜内部の触媒面もしくは電極においてクロスオーバガスから遊離基が直接生成される。電流密度で表される水素および酸素の流量は実質的にクロスオーバ電流と同じであり、膜の厚さに応じて一般的に2〜4mA/cm2である。] 図1 [0020] さらに図1を参照すると、この実施例では保護層が層17の形で膜12とアノード16との間に配置されている。層17は、イオン交換体もしくはイオン伝導性材料を含有するマトリックス内に埋設された粒子状触媒物質の層である。] 図1 [0021] 保護層に適した触媒粒子は、Pt,Pd,Ir,C,Ag,Au,Rh,Ru,Sn,Si,Ti,Zr,Al,Hf,Ta,Nb,Ce,Ni,Coおよび適切な酸化物を含むこれらの組み合わせを含み、さらに好ましくは、Pt,Pb,Ir,C,Ag,Au,Rh,Ru,Tiおよびこれらの組み合わせを含むとともに、適切な酸化物を含む。これらの組み合わせは、例えばCoコアとその最上層に白金単分子層を有するコアシェル構造を含む。これらの組み合わせは選択された触媒物質の二元合金および三元合金を含みうる。] [0022] これらの触媒はさらに好ましくは担体上に設けられるとともに、Ru,Sn,Si,Ti,Zr,Al,Hf,Ta,Nb,およびCeの酸化物、ならびにゼオライト、炭素、およびこれらの混合物からなる群から有利に選択される。白金粒子、炭素に担持された白金、炭素自体、および白金−コバルト合金、白金−ニッケル合金等の白金合金が特に望ましい。合金に加え、様々な相分離金属や担体上の金属もまた本発明の範囲内で用いられる。触媒は、過酸化物および/またはラジカル攻撃から膜12を保護するように利用することが可能な、水素酸化反応および酸素還元反応に対する活性を有するように選択される。こうした触媒は一般的に、保護層が隣接する各々の電極内に配置されたものと同じ触媒でもよい。場合によっては、拡張された触媒層を親水性にするように上記の触媒粒子を選択もしくは修正することが望ましい。] [0023] アノードと電気的に接続された第1の部分と、アノードと電気的に接続されていない第2の部分と、を含む触媒粒子を層17中に有することが有利であることが見出されている。粒子の第1の部分は電気的な接続によりアノード16とほぼ同じ電位にある。これらの電気的に接続された粒子はアノード16から層17への水素の横断を遮断するのに適しており、これにより水素が膜に到達し、かつ/または、酸素が膜を通して拡散するのを防ぐ。アノード16に電気的に接続されていない粒子の第2の部分は、層17中のH2濃度が低下するに従い増加するとともに、O2濃度が増加するに従い増加する電位を有する。したがって、電位は、アノード16と層17との間の境界面に近いほうが、層17と膜12との間の境界面に近いほうに比べて低い。適切な電位にある触媒は、過酸化物および/または遊離基の良好な分解に対して活性を有する。層17内に電気的に接続していない粒子を設けることにより、過酸化物および/または遊離基の良好な分解を容易にするように適切な電位および位置に触媒粒子を設け、これにより膜12の寿命を延ばす。] [0024] 図1aは複数の連結した粒子19および非連結の粒子21を含む保護層17の一部を示す。ここで用いられるように、粒子が直接もしくは間接的に電極と接触している場合、粒子は電極と電気的に接続されていると見なされる。これは多くの相互に連結した粒子を通して発生する。ここで用いられるように、粒子が直接もしくは間接的に電極と接触していない場合、粒子は電極と電気的に接続していないと見なされる。非連結の粒子21が例えば集合体すなわち凝集塊として互いに接触していることは全面的に起こりうるが、これらの凝集塊自体は電極とは接続していない。] 図1a [0025] アセンブリ10を含む燃料電池のオン・ロード時には、層17の連結した粒子はその電気的接続によりアノード16と同電位にある。したがって、水素酸化反応が層17への拡散速度で規定されている速度で生じる。イオン交換ポリマの充填による製造時に層17の孔隙率は一般的な燃料電池電極と比較して少なくとも10倍減少する(約50%から5%未満へ)。層17の残りの孔隙はオン・ロード時にカソード14から逆拡散する水により浸水する。これにより保護層17に存在するあらゆる孔隙が実質的に液体で満たされて固液相を呈する。したがって、低流量の水素が層17で示される固液相を通して拡散する。これにより水素が効率的に消費され、従って図1に示す減衰グラフを生じさせる。] 図1 [0026] カソード−膜界面から膜12を通してアノード−膜界面へと拡散する酸素にも減衰グラフが見られる。アノード側保護層−膜界面では、アノード16と電気的に接続された保護層触媒とともにクロスオーバ酸素にほぼゼロに近い電位が生じ、触媒構造、濃度、層17の厚さ、および膜12の厚さに応じて、同様のものが水まで量的に低下するかもしくは水もしくは部分的に水および過酸化物まで低下するかのいずれかを示す。しかしながら、両方の還元反応に必要な低電位は、保護層/膜境界面よりもアノード/保護層境界面に近接してより大幅に発生するため、クロスオーバ酸素が部分的に減少して高い選択性を有する過酸化物を生成する前に、クロスオーバ酸素が層17内に十分拡散しなければならない。] [0027] さらに、この場所すなわちアノード16と層17との境界面に任意の過酸化物/遊離基が形成された場合、特に、層17中の非連結の触媒粒子の電位は層17と膜12との間の境界面の近くで最も高い(すなわち、過酸化物の良好な合成に最も適している)ため、層17の非連結の触媒粒子は過酸化物が膜12に到達する前に、この過酸化物を水と酸素に有利に分解する。] [0028] 図2は、保護層18が膜12とカソード14との間に配置された別の実施例を示す。層18は酸素がカソード14から膜12に向かって拡散するに従い有利に酸素を消費する役割を果たし、これにより、アノードおよび/またはアノード側保護層内部における過酸化物の生成の可能性、もしくは、カソードに直接生じるあるいは膜内の触媒部位における過酸化物の生成の可能性を防ぐ。] 図2 [0029] 図2はカソード14から層18への酸素濃度15を示すと共に、膜12および層18における水素濃度を示す。層18の中心部19は、過酸化物および/または遊離基が分解する場所、および/または生成されない場所と定義される。] 図2 [0030] 層18は幾つかの形態で提供される。好ましい実施例では、層18は、例えば炭素担持白金粒子や、イオン交換ポリマで充填されたガス微小孔などの、触媒の一部を備える。その他の適切な触媒は、白金合金のみならず、炭素自体を含み、望ましくは炭素によって担持された白金−コバルト合金および白金−ニッケル合金を含む。その他の適切な材料は、上記に示すとおりである。] [0031] カソード側保護層に存在する相対的に高い電位においては、水を精製して、過酸化物を生成しないように、主に酸素の四電子還元が行われる。] [0032] カソード側保護層18はこのような酸素を高電位で消費する役割を果たすとともに、層18とカソード14との間の境界面20で最も活発にこの役割を果たす。さらに層18は膜12と層18との間の境界面22で水素を消費する役割を果たす。さらに、過酸化物および/またはラジカルがカソード14で生成された場合、層18は、境界面20および層18の厚さを通して過酸化物および/またはラジカルの良好な分解も行うとともに、過酸化物がアノード16で生成された場合には、境界面22および層18の厚さを通して良好な分解を行う。これらの機能はセル劣化に対する深刻な誘因を低減する役割を有利に果たす。] [0033] 層18は、高電位を確保し、延いては水を生成するためのクロスオーバ酸素の消費を確実にするよう、実質的に導電相を通してカソード14と電気的に有利に接続している。] [0034] さらに望ましくは、層18は、実質的に空隙を有しておらず、固有の相対的に高い酸素還元速度を有する。これにより酸素還元速度の、酸素拡散速度に対する比率が最大化され、その結果、拡張されたカソードから逃げる酸素を最小化するとともにアノードへのクロスオーバ速度を最小化する。] [0035] この点で、層18は有利には約30%未満の孔隙率を有し、好ましくは実質的に無孔である。層18の白金の単位面積あたりの酸素還元活性は、カソードの電気接続性のため有利にはカソードとほぼ同じである。] [0036] 層18を通しての酸素拡散速度を低下させるように、層18のあらゆる孔隙が作動時に例えば水などで有利に満たされる。このため、層18の孔隙には、例えば水などの大量の液体が施されるか、もしくはこうした大量の液体に対する親和性が付与される。] [0037] これらの特性を有する層18の供給により、境界面20および層18を通して酸素が効率的に消費され、その結果、他種の膜・電極アセンブリに比べて膜寿命が延びる。] [0038] 図3は、2つの保護層、すなわちアノード側保護層17およびカソード側保護層18を含む別の実施例を示す。以下に詳述するように、この実施例は、膜を過酸化物媒介性の分解から良好に保護すると共に、これに限定しない一例として、改質燃料を用いて作動するセルに適している。] 図3 [0039] 図3は、膜12、カソード14、アノード16、ならびに、アノード16と膜12との間に配置された層17、およびカソード14と膜12との間に配置された層18を含んだアセンブリ10を示す。この配置では、層18内の非連結の触媒粒子の割合に比べて割合の多い非連結の触媒粒子を層17に設けることが望ましい。これによりアノード側で生成されて膜12に向かって戻るあらゆる過酸化物の流れを有利に最小限に抑える役割を果たす。] 図3 [0040] さらに、以下に示すように、この配置は、水素および酸素の両方のクロスオーバを大幅に減らすとともに、アノード16および/またはカソード14で生成されたあらゆる過酸化物および/またはラジカルを層17および/または層18内で良好に分解することにより、膜12の保護を最大限に発揮させる。] [0041] 注目すべきは本発明の対象が、強化膜(限定せず)を含む様々な膜とともに有利に利用できる点である。強化膜は機械的補強材を有する膜を含み、この例が特許文献2,特許文献3、および特許文献4に開示されている(限定せず)。] [0042] アノード側層17やカソード側層18などの保護層は、約0%〜約30%の孔隙率を有する多孔性で部分的に電気的に接続されたイオン伝導性のある構造として有利に提供される。触媒粒子は、層の体積に基づき約5〜約50体積%の量で存在する。またイオノマは、層の体積に基づき約5〜約95体積%の量で存在する。保護層は、さまざまな材料から選択される粒子、好ましくは炭素粒子、白金粒子、白金合金、およびこれらの組み合わせからなる群から選択された粒子を有するように提供される。] [0043] 燃料電池からのフッ化物排出率は、過酸化物から生成された遊離基、もしくは適切な触媒上で直接生成された遊離基への露出に起因する劣化を含む膜変成を示す。低下したフッ化物排出の測定結果により膜変成からの保護を実証することができる。] [0044] 効果を実証するため、保護層を使用する燃料セルからのフッ化物排出率を、保護層を持たない基準燃料セルと比較して測定した。フッ化物排出率はポリマの化学的侵食率を示すものであり、燃料セルの排出水において濃縮された反応ガスのフッ化物分析によって測定した。] [0045] 図4は、保護層を持たない基準膜、および図2の実施例のカソード側保護層を有する膜のフッ化物排出データを示す。図4は、高い電流密度においては、カソード側層がフッ化物排出の劇的な低下をもたらすことを示し、作動時におけるフッ素含有膜の侵食からの良好な保護を示している。示されたデータは予測モデルを用いて入手し、かつ実際の実験からも入手した。このデータは、例えば、5mA/cm2を上回る高い電流密度、特に350mA/cm2以上の高い電流密度では、カソード側層が膜に対する実質的な保護をもたらすことを明確に示す。また図4に示すように、カソード側層は、膜の変性を早めるものとして知られる燃料電池の過渡運転を意味する「サイクル」状態における、膜の劣化からの保護をもたらす。] 図2 図4 [0046] 図5は、基準燃料セルの実験と、アノード側保護層を有する燃料セル(すなわち、図1に示す実施例)の実験と、から得た結果を示す。このデータはどの電流密度においてもフッ化物の排出が劇的に低下していることを示す。このデータは90°Cの温度、100%の相対湿度、および、水素流、酸素流を含む「湿性崩壊」条件下で収集された。] 図1 図5 [0047] 図6はアノード側保護層およびカソード側保護層の両方を有する装置(すなわち、図3に示す実施例)の測定により得られた再現結果を示す。これはどちらの保護層も含まない基準燃料セルと比較される。この比較では、保護された燃料セルは、基準燃料セルに比べて侵食が助長されるより厳しい条件下で運転されたが、それでも図6は、2つの層で保護された燃料セルが膜の侵食による燃料セルの崩壊を防ぐという点で非常に有効であることを示している。] 図3 図6 [0048] 注目すべきは、本発明が、カソードおよびアノードからの酸素および水素の各々のクロスオーバの問題を、カソードを横断する酸素を還元して水を生成させ、かつ/またはアノードを横断する水素を酸化する、保護層の形態で解決する解決方法に関することである。このことは、こうしたクロスオーバ酸素および/またはクロスオーバ水素が、膜の劣化の原因として知られる過酸化物および/またはラジカルを生成させることなく消費され取り除かれるという点で特に有利である。さらに、燃料電池内に形成される残余の過酸化物および/またはラジカルの効率的かつ良好な分解がもたらされる。] [0049] 先願では、固体高分子型燃料電池膜の寿命を延ばすために有用な保護層構造、または下層のさまざまな実施例の利点について述べている。詳しいメカニズムについてはまだ完全に解明されていないが、これらの保護層はクロスオーバ水素(下層がアノードと膜との間に配置される場合)および/またはクロスオーバ酸素(下層がカソードと膜との間に配置される場合)を除去することにより膜の耐久性を強化する。こうした除去により、過酸化物の生成およびこれに次いで起こる不純物の分解によって間接的に生成されるラジカル、もしくは適切な触媒上での酸素/水素から直接的に生成されるラジカル、もしくはその両方によって生成されるラジカルを除去する。] [0050] 膜劣化を防ぐ効果を備えるために下層すなわち保護層が発揮する必要のある特性が、以下に重要度の高いものから順に記載するように、全部で3つある。] [0051] 特性1は、下層内におけるガス反応の、下層を通してのガス拡散に対する割合を最大化することによりクロスオーバガス(水素もしくは酸素のいずれか)を除去する効果である。] [0052] 特性2は、クロスオーバガス反応物質に対する無害の生成物(水など)の選択性を最大限にするとともに、過酸化水素、ヒドロキシル・ラジカル、もしくはペルオキシルラジカルなどの有害もしくは潜在的に有害な化学種の選択性を最小限に抑える能力である。] [0053] 特性3は、触媒安定性を最大限にする能力であり、これは触媒の溶解による損出を抑えるように下層が「x0プレーン」(すなわち、本願の参照となる特許文献5に記載の、電位の急激に上昇する領域)を含むためである。] [0054] もう一つの層を下層として膜・電極アセンブリに組み込むと、以下に示す2つの望ましくない問題を膜・電極アセンブリに引き起こす。] [0055] 問題1)は、追加の触媒によるコストの上昇である。] [0056] 問題2)は、イオン抵抗の増加による性能損失の追加である。] [0057] 本発明の態様の目的は、上記の特性を最大限にするとともに、上記の問題を最小限に抑えることである。] [0058] 以下の表1に示すパラメータが任意の下層構造について一般的に望ましい。] [0059] ] [0060] 特性1は、パラメータ1に規定されているように、下層の開放気孔率を0〜10%の低い程度に維持することにより部分的に可能となる。図7はさまざまな下層孔隙率におけるセルの電流密度を関数とした遮断されたクロスオーバ酸素の割合のモデル計算を示す。図7を作成する際の前提としては、水で満たされた電極細孔の電極孔隙率が約50%、80%であり、下層および電極の両方の厚さが約15μmのものを含む。電流密度の実用的な範囲でクロスオーバ酸素を効果的に低減するためには、明らかに10%未満の孔隙率が要求される。低コストとパフォーマンスインパクトでより薄い下層を使用するに従い、この孔隙率に対する要求は一層厳しくなる(5μm以下の下層厚さが実用的であると考えられる)。] 図7 [0061] また特性1は、パラメータ3,4により決定される高い気体除去率によって可能となる。パラメータ3は触媒からなる下層の体積分率を規定する。この25%の公称値により、体積分率で60〜70%と見積もられる触媒粒子間の相対的に高い電気的接続度を保障する。触媒およびイオノマの体積分率は、高い接続度(パラメータ4)もしくは低い孔隙率(パラメータ1)を持たせるようにトレードされる。高いイオノマ体積分率と低い触媒体積分率は、孔隙率を減少させるが、互いに非連結の触媒粒子を生じさせる。逆の状況では、高い電気的接続であるが高い孔隙率を生じさせる(むしろ標準的な電極に近い)。本発明の目的はこの兼ね合いを緩和することである。] [0062] (電極への接続を介した)高いガス除去反応率および高い触媒選択性/安定性(特性2,3)にとって高い接続性が望ましい。局所的な高い反応物質濃度に曝された非連結の触媒粒子は直接的なラジカルを形成しやすく、かつ/または触媒を溶解しやすい。高濃度の連結触媒はラジカルを排出し過酸化物を分解することができるため、高体積%の触媒(パラメータ3)を介して特性2が可能となる。] [0063] 先願は、下層で用いられる選択された金属が、炭素担体によって担持された純金属であるか金属粒子であるかについての概略を記している。このような形態の一例は、250m2/g未満の表面積を有するとともに10m2/g未満の活性金属触媒表面積を有する炭素に担持された触媒を含む。このセクションは、例えば、担持白金触媒(60〜80m2/g)に比べて一般的に表面積の小さい、3〜30m2/gの粒子状触媒である、担持されていない白金触媒もしくはブラックなどの非担持触媒の利点を開示している。これらの構造は炭素担持触媒に対して優れた幾つかの利点を有する。表2は白金触媒におけるこれらの利点を要約する。] [0064] ] [0065] 下層については、非担持触媒層もしくはブラック層は膜にスパッター堆積されてもよく、あるいは膜などに被覆されてもよい。この層は望ましくは膜の両側に被覆されるが、特にアノード側に被覆される。この層は白金ブラック触媒およびイオノマからなる。一方、低い白金ブラック充填量では均一なコーティングが得られない場合、高黒鉛化バルカンであるバルサイト(Vulcite)などの超低表面積炭素上に、非常に高い重量パーセントで白金が担持されうる。担持されていない触媒の短所は低い質量活性であり、採算に合わないほど高い触媒充填量が必要となる場合がある。] [0066] また先願は、白金合金の一般的利用についての概略を記しており、Pt−CoおよびPt−Niが優良な組み合わせであることを明記している。選択された二元合金および三元合金は、固体高分子型燃料電池およびリン酸型燃料電池の両方に対して優れた性能および耐久性を与えることを示す。表3は、Pt(Pt/C)を、選択された二元合金(Pt0.75−Co0.25/C)および三元合金(Pt0.50−Ir0.25−Co0.25/C)と比較した、担持触媒の選択された耐久性試験の結果を示す。合金の触媒活性が高いほど水に対する高い酸素還元選択性を示し、この高い合金触媒活性により、低い触媒充填量で、特性1を高め、問題1を軽減するための同等の利点を得ることができる。そしてまた、問題2を軽減するように更に薄い下層を用いることができる。これらの選択された合金の高い安定性により特性3が高められる。] [0067] ] [0068] 二元合金および三元合金は以下のいずれかの形態の下層構造中に組み込まれてもよい。] [0069] 一つの形態は、二元合金PtxY1-xから構成される炭素担持および非担持の両方の触媒を使用し、ここでYは、Co,Ni,V,Cu,Fe,Cr,Pd,Ti,W,Al,Ag,および/またはCuであり、xは0.1〜0.9である。] [0070] 別の形態は、三元合金PtxMyY1-x-yから構成される炭素担持および非担持の両方の触媒を使用し、ここでMは、Ir,Rh,Co,および/またはNiであり、Yは、Co,Ni,V,Cu,Fe,Cr,Pd,Ti,W,Al,Ag,および/またはCuであり、xおよびyは、0.1〜0.9である。] [0071] さらに別の形態は、PtxZ1-xから構成される炭素担持および非担持の両方の触媒を使用し、ここでZは、ルテニウムおよび/またはモリブデンであり、xは、0.1〜0.9である。] [0072] 図8は、横方向の孔隙を与えるように設計された構造52を有する下層50を示す。横方向の孔隙は、想定されるクロスオーバガスに横方向の流れを促し、下層50の、こうしたガスの膜54への到達を防ぐ可能性を向上させるため、望ましい。] 図8 [0073] この横方向の孔隙は、触媒化されたもしくは触媒化されていない血小板形構造、触媒化されたもしくは触媒化されていないナノチューブ構造、純元素(例えばPt)もしくは合金のナノファイバ構造、および貴金属担持炭素粒子を有するこれらの組み合わせを用いて達成される。これらのさまざまな構造は、層50を横切るガスの連続したクロスオーバ流を遮断するように配置される寸法、および/またはその他の流れを変えるための特性を有し、これにより層50を横切るこうしたガス流路の距離が増加し、これらのガスが層50内の触媒によって除去される可能性が向上する。これらの構造が層50中に組み込まれた場合、これらの構造により、層50を直接横断する孔隙よりも多い横方向の孔隙(すなわち横方向のガス透過率)が層50に供給される。表4は、これらの形態の分析表を示す。] [0074] ] [0075] 黒鉛シートによって得られる血小板形構造が図8,9に示される。触媒化されたファイバ構造が面内次元(in−plane dimension)において回転対称であるとすれば、構造およびガス流は図示のとおりである。この開示は前述の開示を拡張して、横方向の孔隙すなわちガス透過率、およびその利点に焦点を当てる。血小板形構造は、触媒化されたもの、もしくは触媒化されていないもの、もしくはこれら2つの適切な量の混合物/組み合わせとして下層中に施される。「触媒化された」とは、こうした構造が固体高分子型燃料電池中の酸化/還元反応を促進する触媒粒子を担持することを意味する(例えば、PtもしくはPt合金)。「血小板形構造」とは、この構造が、実質的に厚みが薄く、もしくは「面内」次元に対して実質的に垂直であるが、「面内」次元においては実質的に同等の寸法を有することを意味する。] 図8 [0076] そのサブナノメートルのサイズにより、カーボンナノチューブ(例えば、シングルウォールナノチューブ(SWNT))は、電気的接続性を維持しながら実質的に面内次元全体に亘って分散するという点で実質的に血小板形構造と同様の効果を得るために用いられる。ここで留意すべき点は、シングルウォールナノチューブは、触媒化されたもの、もしくは触媒化されていないもの、もしくはこれら2つの混合物として提供されてもよく、また従来の担持貴金属触媒を伴っても伴わなくてもよい。特に、炭素担持触媒と混合されたナノチューブもしくはナノファイバの使用は、ナノチューブがこれらの粒子間の高い電気的接続度を促進するという点で特に有利であり、簡単明瞭な組み合わせである。] [0077] 従来の下層構造内にナノチューブもしくはナノファイバの混合物を含有させることにより、触媒と孔隙率との兼ね合いは緩和される。図8,9に示すように、ともすれば電気的に不連続な担持触媒の領域が、介在するナノチューブもしくはナノファイバ構造によって接続される。したがって、触媒充填量の低い、実質的に薄い下層を得るようにこうした構造が用いられる。] 図8 [0078] ここで留意すべき点は、これらのナノ構造、特にシングルウォールナノチューブがガス輸送用の導管を提供することである。これらの構造が実質的に下層の面内次元に配置されるとき、ガスの横方向輸送が高められ、これによりさらに効果的な蛇行性が所望のように達成される。] [0079] 3M社による近年の研究では、純白金および白金合金のナノウィスカ構造が燃料電池カソードに有利に用いられることが示されている。こうした白金もしくは白金合金構造はまた、下層に有利に用いられる。これらの構造の好ましい向きは、触媒化された炭素繊維について図8,9で示したように面内である。これらの合金組成は前述のとおりである。表4の第3行に示すように、これが下層中の触媒の特に好ましい形態を示し、触媒のタイプおよび構造における全ての利点が統合されている。] 図8 [0080] 水和に際して固体高分子膜は寸法が変化し、こうした寸法変化が孔隙率を増加させることにより下層の効果を乱すおそれがあり、特性1に有害な影響を及ぼしうる。下層の寸法変化に対する耐性の改善に役立つ2つの付加的なコンセプト、すなわち、複合カソード構造、および下層の亀裂を最小限に抑える構造的アプローチについての概略を説明する。] [0081] 図10は複合電極70を示し、通常の電極72と、イオノマ絶縁層74と、イオノマで含浸したほぼ無孔の触媒層すなわち下層76と、を含む。またガス拡散層78はこの複合電極70の一部であるとみなされる。この通常の電極は、膜・電極アセンブリの縁で触媒層と電気的に接続されているが、活動領域においては離間されている。触媒層はクロスオーバ反応物除去電極としての役割を果たす。イオノマ層は、セルが周期的な湿度条件に曝されたときの除去層の寸法変化を制限する。さらに、下層(UL)と電極との金属電位が同じである、ほぼ全領域でカソードと接続している下層とは異なり、この実施例ではシール領域78の下側の接続の抵抗を変えることにより効率を高めるように除去層の金属電位を修正することができる。この形態を図10に示す。] 図10 [0082] 内部加湿が利用できず周期的な湿度や負荷が遍在する、固体板を有する輸送用応用例では、下層機能に障害が生じうる。この触媒層の酸素濃度の増加により、増大した酸素透過性や酸素とのじかの接触に起因する、より激しい白金溶解や緩和効果の低下が引き起こされる。したがってこの形態により、ガス除去層の構造が維持され、除去層の酸素濃度が低減され、そして、周期的な運転条件を有し内部加湿のない輸送用応用例における固体高分子型燃料電池の電気化学的ガス除去効率が向上されることが期待される。] [0083] 前述のように図10は、活性領域の下に無孔のイオノマ層74が組み込まれた複合電極70を有する下層・電極アセンブリの好ましい形態を示す。酸素除去層76は非活性領域において、例えば接続部75を通してカソード72に電気的に接続される。このコンセプトは除去層76内の酸素濃度を制限し、それによりこの層の寸法変化を制限する。] 図10 [0084] 本発明の別の態様は、水和時の膜膨張によって生じる、保護下層の亀裂の大きさを最小限に抑える方法を提供する。保護層における多数の小さな亀裂のほうが、総面積は同じでも少数で大きい亀裂に比べてはるかに良い場合が考えられ、また、限界寸法よりも小さい亀裂は保護層の効果に悪影響を及ぼさないことが考えられ、これは例えば、酸素を減少させてクロスオーバを防ぐように設計された下層中の小さな亀裂は、亀裂の側壁に酸素を拡散させてここで反応を生じさせる。] [0085] 亀裂中に含まれる実際の領域は膜の膨張によって一定となる。亀裂の大きさは核のある亀裂の数によって調節される。多数の亀裂が核形成されることにより小さな亀裂サイズとなる。この実施例の核形成は、下層が形成される電極インクに大型の粒子を含有させることよって影響を受ける。例えば、電極は厚さが約10μmである。7μmの僅かな重さの炭素粒子が電極インクに添加された場合、これらの粒子は組み込まれた場所の電極を脆弱にする。これにより電極のその領域に亀裂を生じさせる。したがって、一つの大きな亀裂よりむしろ多数の亀裂が形成される。] [0086] 計算によれば、10μmほどの大きさの複数の亀裂を有する膜を20%膨張させるのに7μmの炭素粒子を1重量%未満充填するだけで十分である。したがって、例えば保護層の厚さの60〜90%、さらに好ましくは厚さの65%〜75%の粒径を有する大型の炭素粒子を含有させることは、こうした膜の膨張に起因する多数の比較的小さな亀裂を下層中に形成させることで膜の膨張に対処させるのに役立つ。] [0087] 大きい粒径の触媒は、好ましくは保護層における触媒の全重量の20%未満を構成し、さらに好ましくは5〜20%、最も好ましくは7〜12%を占める。] [0088] さらに、炭素、テフロンなどの疎水性の材料を用いることによりこうした亀裂に水が充満するのを防ぎ、そして、酸化炭、チタニア、ジルコニア、酸化ニオブ、もしくは固体高分子型の膜環境に対応するその他の材料などの親水性の材料を用いることによりこうした亀裂に水を充填させる。こうした亀裂の水に対する親和性を制御することが本発明の態様であるが、現在の固体高分子膜で用いる下層に関する概念では、後者の状況が最も好ましいことを現時点での理解や目的は示唆している。この概念は、電極、あるいは酸素が充填された層などの、あらゆる脆弱な層の亀裂の大きさの制限を含むように拡張される。] [0089] この概念は、膜の膨張に起因する、脆性電極もしくは下層の亀裂の大きさを制限する。親水性の材料を用いることにより亀裂に水を充填させ、これによりガスの横断を抑制する。] [0090] パラメータ1,2,5(表1)を通して下層が電極と最も明らかに区別される。それぞれ、電極は、高い開放孔隙率(約50体積%)と、たった25体積%のイオノマを有するように設計され、生成水を拒絶し水の充満を避けるように疎水性である。これら全ての特性が電極における反応物の質量輸送損耗を最小限に抑え、実質的には下層構造内で最大化される。] [0091] パラメータ1はパラメータ2,5を通して維持される。パラメータ2は実質的に下層をイオノマで充填することにより低孔隙率を維持する。クロスオーバガスを除去するように下層は触媒を含有しなければならないため、触媒に近接して孔隙が存在する必要がある。パラメータ5として示すように、触媒をできるだけ親水性にすることにより残余の孔隙は優先的に水で満たされる。これにより残余の孔隙が、クロスオーバガス反応で生成された水、あるいは膜を通して輸送されここで保持された水、のいずれかで満たされる。水を通しての拡散係数は開口気孔を通しての拡散係数に比べて数倍遅いため、これにより層を通しての有効ガス拡散率は低減される。] [0092] 前述の下層技術の別の実施例には、高い電気的接続度に例外が存在する。同時係属中の特許文献6に記載されているように層内に所望の電圧降下をもたらすように(対応する電極に関して)、あるいは、同時継続中の特許文献7に記載されているように電気的に接続されている領域および電気的に接続されていない領域の両方が層内に存在するように、各電極に対する下層の電気的接続の程度の低減が実行される。保護層すなわち下層の一部もしくは全てがこれに関連する電極と異なる電位を有する理由は以下のものを含む。] [0093] カソード下層のカソードに対する電気的接続の度合いを変えることにより、カソードよりも低い電位での作用を可能にして、1)酸素還元の反応速度を高め、かつ/または、2)過酸化物分解の反応速度を高め、かつ/または、3)高い電位で生じる触媒の溶解の反応速度を低下させる。] [0094] またこうした異なる電位により、アノード下層がアノードよりも高い電位で作用することを可能にし、過酸化物分解の反応速度を高める。] [0095] さらにこの電位差は、膜攻撃が生じる領域として知られる“x0”領域内部にどちらの下層も配置することにより操作することができる。] [0096] しかしながら、一般的に下層は電極に対して高い電気的接続を維持することが望ましい。] [0097] 汚染もしくは局部的な機械的応力の影響を受けていないセルにおいては、膜の破損は特定の領域に生じる。例えば、図10aは、互いに近接した冷媒出口82と、空気入口84と、を有するセル80を示す。これによりこの領域86の膜が最も高温となり最も高い酸素含有領域と接触することになる。膜は一般的にこの領域から機能しなくなる。セル寿命を向上させるための解決策はこの脆弱な部分86に下層すなわち保護層88を用いることである。例えば、空気入口84の領域を覆うためだけに若干大きくした下層88を用いることにより、連続的な下層に比べて白金充填による全般的な還元がもたらされる。局所的な下層による利点は、追加の層により触媒充填量がより少なくなり性能損失が軽減されることである。] 図10a [0098] したがって、セルの全領域でなくとも一部の領域に下層を配置することが可能であり、アセンブリの製造に必要となる潜在的に高価な材料の数を減らしながら、局所的な保護を提供する。好ましい一例は、セルのある領域が最も高い温度と高い酸素含有量にさらされた場合である。もちろん、選択的に配置された部分的な下層を通じて同様に保護されうるその他の脆弱な領域も存在しうる。] [0099] 限定的な電子伝導率を有する触媒もしくは触媒担体を用いることにより、前述の接続性による効果に加えて、前述の下層内部における電圧降下の利点が達成される。Nb:TiO2などの、還元されドープされた酸化物は材料の一種である。これらの材料の一部は混合イオン伝導体である。混合イオン伝導体は電子伝導率とイオン伝導率の両方を備えた材料である。この場合、主な対象分野はイオンがプロトンである場合である。通常これらの物質は遷移金属酸化物からなり、それらの電子伝導率は酸化物内にある金属の混合原子価状態に由来する。イオン伝導率は、それらの容易に水酸化物を形成する能力に起因する。これらの物質の一部は酸素還元をサポートするが、もし十分活性でないとしても、これらの物質は触媒化される。] [0100] 特定の物質を以下に記載するとともに、これは従来電極触媒担体として試験された混合イオン伝導体を含む。これらは電子伝導率が十分でないため今まで利用されたことはなかったが、下層には有用である。] [0101] 一般的クラスの物質はブロンズである。ナトリウムタングステンブロンズはプロトタイプである。NaxWO3は、0≦x≦0.9で安定である。考察の対象となるものはH2-xWO4、および少なくとも表面上のWO3である。その他のイオンはLi,Cd,U,Thなどである。その他のブロンズはMoO3などを含む。] [0102] LaxTiO3、SrxNbO3などの立方晶酸化物もまた望ましい。] [0103] Nb,Ta,Sb、またはその種の他のものがドープされた、BaTiO3などのペロフスカイトも利用することができる。] [0104] 場合により伝導性のためにドープされた、リンタングステン酸、およびリンジルコン酸(phosphozirconic acid)もまた適切な物質である。] [0105] 純粋な、または混合された、あるいはドープ処理された、ZrO2,CeO2,TiO2などの蛍石構造が用いられうる。] [0106] フタロシアニン、およびFe,Co,またはその他の遷移金属などの金属がドープされたフタロシアニンが、分子状で、あるいは触媒担体上に熱分解されて用いられうる。] [0107] 上記の物質がPt,Auで触媒化されてもよく、あるいは触媒化されなくてもよい。カソードもしくは膜から溶解したイオンに由来する金属白金の析出により、セル内で物質が触媒化しうる。物質はその場で触媒化される。] [0108] PFSAもしくはその他の高分子イオノマと混合イオン伝導体とを混合して下層を形成することにより、下層が通常の方法で製造される。] [0109] 混合イオン、特に混合プロトン伝導体は、下層−イオノマのプロトン伝導性を増大させる利点を有する。これらの物質は親水性であり、低い相対湿度における水分保持に役立つ。これらはまた、プロトン伝導にとってより好適な界面を提供することによりイオノマのイオン伝導率を向上させる。] [0110] したがって、混合イオン伝導体はiRUL(下層の絶縁抵抗)による、もしくは同じiRULの不利点による性能損失をより軽減し、更なる効果のために下層がより厚く形成される。] [0111] 混合プロトン伝導体は酸素還元反応により酸素を消費し、PtイオンをPt金属に還元するための電子流路を提供し、それにより従来の下層のようにO2およびPtの膜への流入を防ぐ。] [0112] これらの半導体材料すなわち抵抗物質は、現行のPt/C材料では可能でなかった利点を提供する。] [0113] 高い伝導性を持つ現在の物質では、下層の金属電位は本質的に一定であり、カソードと同じ電位にある。したがって、下層で酸素を消費するためには、カソード電位は著しくOCV(開回路電圧)を下回らなければならない。これはセルが負荷を受けていなければならないことを意味する(約350mA/cm2)。膜電極アセンブリの性能が向上するに従い、電流もまた向上しなければならない。] [0114] 下層の白金を担持するように抵抗物質を用いると、下層のiRelectronicのために金属電位が低下する。したがって、抵抗物質がカソードから膜へと遠ざかるに従い、下層の金属電位は低下する。結果として、O2の膜への浸透のみならず、ある一定レベルの保護に必要な負荷電流が減少する。] [0115] 混合イオン伝導体の抵抗触媒活性に応じて、アノード下層なしで開回路を保護することが可能である。こうした保護を可能にする膜電力アセンブリ構造は、図10に示す層と同様のアノードと、膜と、カソード側下層と、カソードと、を有する。] 図10 [0116] カソード側下層に抵抗降下(iR drop)を引き起こし、カソードから下層へと浸透する全ての酸素をカソード側下層内にありながら電気的に消費するのに十分大きな電流を、カソード側下層に侵入する水素クロスオーバが要求することができるように、膜は十分薄く形成される。] [0117] カソード側下層は、カソード側下層に十分な金属電位降下をもたらすとともに、カソードからこの層に浸透する全ての酸素をカソード側下層内で消費するのに十分な酸素還元反応活性を有する一つまたは複数の物質から構成される。] [0118] 酸素消費に関してこの状況を確立すると、膜への白金イオン移動の状況は酸素と類似する。白金イオンはカソード側下層内部で還元されて金属となり、カソード側下層の効果を高める。] [0119] 触媒の混合物と、異なるイオノマ材料の層から構成される下層と、段階的な組成(graded composition)と、を用いることにより、混合イオン伝導体とともに更なる利点が実現される。] [0120] 本発明の更なる態様は、膜内における、遊離基を生成する反応に触媒作用を及ぼす特定物質の存在を防ぐことである。] [0121] このような物質の元凶の一つは触媒イオンの移動であり、こうした移動の防止が本発明のさらなる実施態様である。図11は、膜102と、アノード電極層104と、カソード電極層106と、を有する膜・電極アセンブリ100を示し、全て前記の実施例と類似する。この実施例では、保護層108,110は電極層104,106の表面と向かい合った膜102上に配置される。これら保護層108,110は、上述したように適切な低ガス透過率層である。] 図11 [0122] さらに図11を参照すると、一つもしくは複数の析出層112,114が、膜・電極アセンブリ100に組み込まれる。] 図11 [0123] 析出層112,114の機能はイオンPt/触媒金属を金属形態に変換し、膜への金属の溶解やイオンの移動を防ぐことである。さらに、核形成部位の物質を正しく選択することにより、OHラジカルが良好に消滅される。こうした物質の例は炭素もしくは白金を含む。こうした層112,114は、触媒が析出する幾つかの核形成部位を有する。こうした核形成部位を有する物質の例は、白金、炭素、金、テフロンなどのより大きな粒子である。] [0124] 析出は、より大型の粒子上で、低電位においてが望ましい(約5nmより大きい粒径)。したがって、好ましい実施形態は、カソードよりも低い電位を有するように電極から完全にもしくは一部が分離された層である。プロトン抵抗性を最小限に抑えるように、この層は一定量の核形成部位を備えた高いイオノマ含有量を有する。イオノマにおける核形成部位濃度(Cnucl.sites)は、層内における拡散時間が、核形成部位でイオンを捉えて核を形成する時間よりも大きくなるように決定される。換言すれば、] [0125] ] [0126] ここで、DPtはPtイオンの拡散係数であり、LPLは析出層の厚さであり、knuclは核形成定数である。] [0127] 図11では、保護層すなわち下層108,110が、それぞれ、電極104,106と、析出層112,114との間に示されるが、下層が膜と析出層との間に配される逆の配置を利用してもよい。] 図11 [0128] 図12は、膜・電極アセンブリ100aが析出層112,114を有するが、保護層は備えていない別の実施例を示す。この実施例は、燃料電池寿命を延ばすための触媒溶解の防止に依存する。層112,114があらゆる移動イオンを捉え、こうしたイオンの膜への輸送を防ぐ。] 図12 [0129] 析出層112,114は、有利には沈殿剤とイオノマ溶液が分散された層である。沈殿剤は、白金ブラック、カーボンナノファイバ、炭素上の金、炭素上の金/ニッケルなどである。沈殿剤およびイオノマ溶液の混合物は、下層を配置する前に膜上に噴霧される。もちろん、その他の作成方法も利用することができる。] [0130] 析出層112,114は製造時に多くの方法により膜・電極アセンブリ100,100aに配置することができる。一つのアプローチでは、電極を適用する前に、炭素、テフロン、もしくは白金の微細な層が膜上に分散される。このアプローチは場合によっては他のアプローチほど効果的な析出層を提供できないことがある。しかしながら、こうした微細な層は、白金もしくは金属イオンのかなりの部分を捉えることができる。] [0131] 選択的な白金の析出は、H2/N2条件下でセル電位を周期変動させることにより達成され、窒素が見られる膜と電極との間の界面に白金を析出する。層112,114が用いられた場合に生じる、カソード電極界面に近接する膜における選択的な白金析出の結果では、選択的な白金層を持たない実例に比べて3〜4倍のフッ化物排出率(FER)の低下が見られた。これは膜全体への白金の移動を低減する析出層によって、白金イオンの移動が低減されたことを示す。この実施例により、炭素による遊離基の排除(quenching)と、大部分が電極と電気的に接続されていない炭素による溶解した白金の捕集および析出との、双方に基づき膜劣化を低減させる、費用対効果の高い方法を提供する。] [0132] 析出層は、電極に対する電気的接続性のために前述の下層すなわち保護層とは明確に区別される。さらに、この層の機能は、白金イオンを捕捉し、白金析出物をより大きな粒子に成長させ、OHラジカルを消失(quenching)させる部位を提供することである。次いで、結晶成長を容易にするようにこの炭素層に添加剤が添加される。こうした添加剤は白金ブラック、機能性炭素、カーボンナノファイバ、炭素上の金、炭素上のニッケルコアを覆う金シェルなどを含む。] [0133] 炭素に加えて、かつ/または炭素の代わりに別の物質が同様の目的を果たすように析出層112,114に用いられる。これらの物質の例はセラミック、金属、触媒ポリマなどを含む。] [0134] 本発明を特定の実施例に照らして説明したが、当業者にとってその他の代案、修正、変形例が本発明の明細書から明らかとなるであろう。したがって、それらの代案、修正、変形例は、付記の特許請求の範囲に含まれることを意図するものである。]
权利要求:
請求項1 アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間の膜と、前記膜と前記アノード及びカソードのうち少なくとも一方の電極との間の保護層と、を備えた膜・電極アセンブリであって、前記保護層は、触媒を含有するイオノマ物質の層を備えるとともに、この層は、0〜10%の孔隙率を有し、イオノマ含有率が50〜80体積%であり、触媒含有率が10〜50体積%であり、触媒粒子間の電気的接続度が35〜75%であることを特徴とする膜・電極アセンブリ。 請求項2 前記保護層が3%未満の孔隙率を有し、イオノマ含有率が75体積%であり、触媒含有率が25体積%であり、触媒粒子間の電気的接続度が70%であることを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項3 前記層が、実質的に親水性であることを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項4 前記触媒が、担持触媒であることを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項5 前記触媒は、250m2/g未満の表面積を有するとともに10m2/g未満の活性金属触媒表面積を有する炭素に担持されることを特徴とする請求項4に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項6 前記触媒は、3〜30m2/gの活性金属触媒表面積を有する非担持触媒であることを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項7 前記触媒が、白金合金を備えることを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項8 前記触媒が、二元もしくは三元白金合金を備えることを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項9 前記触媒が、化学式PtxY1-xを有し、Yが、Co,Ni,V,Cu,Fe,Cr,Pd,Ti,W,Al,Ag,および/またはCuであり、xが、0.1〜0.9である二元合金、もしくは、化学式PtxMyY1-x-yを有し、Mが、Ir,Rh,Co,および/またはNiであり、Yが、Co,Ni,V,Cu,Fe,Cr,Pd,Ti,W,Al,Ag,および/またはCuであり、xおよびyが、0.1〜0.9である三元合金を備えるとともに、この触媒が、炭素上に担持されることを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項10 前記触媒が、炭素上に担持された白金−コバルト二元合金を備えることを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項11 前記触媒が、炭素上に担持された白金−イリジウム−コバルト三元合金を備えることを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項12 前記触媒が、機能性炭素を備えることを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項13 前記触媒が、ファーネスブラック、アセチレンブラック、活性炭、天然もしくは合成黒鉛、粉末化されたガラス状炭素、炭素繊維、およびこれらの混合物からなる群から選択された炭素を備えることを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項14 前記触媒は、膜を通過するガス透過率よりも大きい横方向のガス透過率を有することを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項15 前記保護層が、導電性の血小板形構造を備えることを特徴とする請求項14に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項16 前記保護層が、導電性のナノチューブ構造を備えることを特徴とする請求項14に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項17 前記触媒が、カーボンであることを特徴とする請求項16に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項18 前記保護層が、導電性のナノファイバ構造を備えることを特徴とする請求項14に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項19 前記触媒が、炭素であることを特徴とする請求項18に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項20 前記触媒もしくは触媒担体が、混合イオン伝導体であることを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項21 前記混合イオン伝導体が、ブロンズ材料であることを特徴とする請求項20に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項22 前記ブロンズ材料が、タングステンブロンズであることを特徴とする請求項21に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項23 前記タングステンブロンズが、ナトリウムタングステンブロンズを備えることを特徴とする請求項22に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項24 前記混合イオン伝導体が、フタロシアニン、金属ドープされたフタロシアニン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項25 前記混合イオン伝導体が、リンタングステン酸、リンジルコン酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項26 前記混合イオン伝導体が、白金、金、もしくはこれらの混合物により触媒化されることを特徴とする請求項20に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項27 前記触媒もしくは触媒担体が、抵抗物質を備えることを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項28 前記抵抗物質が、立方晶酸化物、ペロフスカイト、フタロシアニン、金属ドープされたフタロシアニン、蛍石構造、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項27に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項29 前記抵抗物質が、白金、金、もしくはこれらの混合物により触媒化されることを特徴とする請求項27に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項30 前記少なくとも一つの電極と前記保護層との間にイオノマ絶縁層をさらに備えるとともに、前記電極と前記保護層とが層全体に亘って離散した位置で接続されることを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項31 前記少なくとも一つの電極と、前記絶縁層と、前記保護層と、が組み合わされて複合電極構造を画定することを特徴とする請求項30に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項32 前記少なくとも一つの電極が、カソードであることを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項33 前記保護層が厚さを有するとともに、前記触媒が前記保護層の厚さの60〜90%の粒径を有する大型の粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項34 前記保護層が厚さを有するとともに、前記触媒が前記保護層の厚さの65〜75%の粒径を有する大型の粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項35 前記大型の粒子は、前記保護層に占める前記触媒の全重量の20%未満であることを特徴とする請求項33に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項36 前記大型の粒子は、前記保護層における前記触媒の全重量の5〜20%を占めることを特徴とする請求項33に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項37 前記大型の粒子は、前記保護層における前記触媒の全重量の7〜12%を占めることを特徴とする請求項33に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項38 アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間の膜と、前記膜と前記アノード及びカソードのうち少なくとも一方の電極との間の保護層と、を備えた膜・電極アセンブリであって、前記保護層は、触媒を含有するイオノマ物質の層を備えるとともに、この層は、0〜10%の孔隙率を有し、イオノマ含有率が50〜80体積%であり、触媒含有率が10〜50体積%である膜・電極アセンブリにおいて、前記保護層が、このアセンブリにおける特定の領域に選択的に配置されることを特徴とする膜・電極アセンブリ。 請求項39 アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードの間の膜と、前記膜と前記アノード及びカソードのうち少なくとも一方の電極との間の析出層と、を備えた膜・電極アセンブリ。 請求項40 前記析出層が、この層内に1014/cm3を超える核形成部位を有することを特徴とする請求項39に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項41 前記析出層が、白金、炭素、炭素上の金、TiO2、炭素上の銀、金の外層およびニッケルのコアを有するコア−シェル構造、およびこれらの組み合わせからなる群から選択された物質粒子を備えることを特徴とする請求項39に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項42 前記粒子が、少なくとも5nmの粒径を有することを特徴とする請求項39に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項43 前記析出層は、前記少なくとも一つの電極から少なくとも部分的に分離されており、これにより燃料電池の動作時には、前記析出層が前記少なくとも一つの電極に比べて低い電位を有することを特徴とする請求項39に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項44 前記析出層が、ある核形成部位濃度(Cnucl.sites)と、触媒のイオンの拡散係数(Dcat)と、厚さ(LPL)と、核形成定数(knucl)と、を有するとともに、であることを特徴とする請求項43に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項45 前記析出層と前記少なくとも一つの電極との間に低ガス透過率層をさらに備えることを特徴とする請求項39に記載の膜・電極アセンブリ。 請求項46 追加の析出層をさらに備えるとともに、前記析出層および前記追加の析出層は、それぞれ、前記膜と前記アノードとの間、および前記膜と前記カソードとの間にあることを特徴とする請求項39に記載の膜・電極アセンブリ。
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同族专利:
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2011-11-26| A761| Written withdrawal of application|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20111125 |
优先权:
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