专利摘要:
通信端末(400)において相手側との通話中にエコーをキャンセルする方法及び装置。通信端末(400)は、通信端末(400)のマイクロホンから入力した受信音声信号のエコー情報の推定値を生成し、相手側に送信する前に推定値を受信マイクロホン信号から減算するエコーキャンセルユニット(416, 600)を含む。推定値は、ダウンサンプリングされた受信マイクロホン信号及びダウンサンプリングされた相手側からの受信音声信号に基づいて生成される。ダウンサンプリングされた相手側からの音声信号は、デジタルフィルタ(606)においてフィルタリングされ、フィルタ(606)からの出力信号は、推定値を形成するためにアップサンプリングされる。ダウンサンプリングされた相手側からの音声信号及びダウンサンプリングされたマイクロホン信号に基づいてエコーキャンセルを実行するために必要とされる通信端末の処理能力を低減しつつ、十分に高い品質のエコーキャンセルが得られる。
公开号:JP2011508990A
申请号:JP2010535907
申请日:2007-11-29
公开日:2011-03-17
发明作者:アンデシュ エリクソン,;ペル オーグレン,
申请人:テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル);
IPC主号:H04B3-23
专利说明:

[0001] 本発明は、一般に2つ以上の端末が通信している状況においてデジタル転送される音声通信におけるエコーキャンセルに関する。本発明は、特に、移動電話を介して二者間で音声を通信する場合に使用されうる。]
背景技術

[0002] デジタル音声通信システムにおいて、音声は、通信リンクを介して話者及び受話者の端末間で転送される。本明細書において、移動端末は移動通信システムにおいて互いに通信している。それらの端末は、マイクロホン及びスピーカを用いてデジタル転送される音声通信を行う、任意の種類の端末でありうる。更に音声通信システムは、デジタル符号化音声信号を転送することにより二者以上の間で音声を通信する任意の種類のシステム、例えば無線又は有線電話技術システム、電話会議システム、構内インターフォンシステム、携帯用無線電話であってもよい。]
[0003] 図1aを参照すると、互いに話している2人のユーザ100及び108は、それぞれ端末102及び106を使用し、通信リンク104を介して音声信号をデジタル送信している。各端末は、マイクロホン及びスピーカを有する。ユーザ100が端末102のマイクロホンに話している場合、そのユーザの音声は、通信リンク104を介して転送され、端末106のスピーカから発せられる。スピーカから発せられた音声は、ユーザ108の音声と共に端末106のマイクロホンにより受信され、その結果、相手側の端末102に対する合成信号が得られる。この合成信号は、通信リンク104を介して端末102に転送され、ユーザ100はその信号を自身のスピーカで聞く。] 図1a
[0004] この処理において、端末102のマイクロホンにより受信される音声は、端末102においてデジタル信号に変換され、端末106のスピーカにより音声として発せられる前に端末106においてアナログ信号に再度変換される。同様に、端末106のマイクロホンにより受信される音声は、端末106においてデジタル信号に変換され、その信号は端末102のスピーカにより音声として発せられる前に端末102においてアナログ信号に再度変換される。]
[0005] 端末102のマイクロホンから端末106のスピーカへの転送の間、端末102及び106の双方、及び通信リンク104に存在する任意の中間ルータ、ゲートウェイ等における信号のデジタル処理のため、並びに伝播経路遅延のために、音声は遅延する。そのような処理は、例えばアナログ−デジタル変換(A/D)又はデジタル−アナログ変換(D/A)、音声符号化、音声バッファリング又は音声通信に関係する任意の他のデジタル処理である。端末102のスピーカから再生される音声信号は、上述の変換、処理及び伝播のために遅延する。図1bは、端末102のスピーカにより発せられるまでの端末102のマイクロホンに入る音声の合計の遅延DTotalが図1aにも示される以下の7つの部分、すなわち端末102におけるA/D変換及び信号処理により生じるD1、通信リンク104における信号処理及び伝播経路遅延により生じるD2、端末106におけるD/A変換及び信号処理により生じるD3、端末106のスピーカから端末106のマイクロホンへの音声伝播により生じるD4、端末106におけるA/D変換及び信号処理により生じるD5、通信リンク104における信号処理及び伝播経路遅延により生じるD6、及び端末102におけるD/A変換及び信号処理により生じるD7をどのように含むかを示す。その結果、端末102を使用するユーザ100は遅延エコーとして自身の音声を聞くことになる。当然、その遅延エコーは外乱として知覚される。一般に、知覚されるエコーの遅延DTotalは、30〜500msの範囲内である。] 図1a 図1b
[0006] 現在、デジタル音声通信システムにおいてエコーを低減するためには、エコー抑圧、及び、線形フィルタリングに基づくエコーキャンセルと呼ばれる2つの方法が一般に適用される。]
[0007] (エコーサプレッサ)
エコーサプレッサは、一般に端末102及び106等の移動端末において使用され、エコーが存在することが検出された場合に通信リンク104に対する出力信号の周波数を一時的に阻止する。共通のエコーサプレッサは、非線形プロセッサNLPである。いつエコーが存在するか及びどの周波数に対してエコーが存在するかを判定するために、端末106におけるNLPは通信リンク104において入力信号の周波数に関する情報を受信する。NLPは、端末106のマイクロホン信号の周波数に関する情報を更に受信する。端末(例えば、102及び106)は、現在音声送出側であるか又は音声受信側であるかを判定する。端末106は、自身が音声受信側であると判定した場合、端末106のマイクロホン信号及び通信リンク104上の入力信号において同一である周波数が通信リンク104を介して相手側端末102に送信されるのを一時的に阻止する。同様に、端末102は、自身が受信者であると判定する場合、端末102のマイクロホン信号及び通信リンク104を介して入力した信号において同一である周波数が通信リンク104を介して相手側端末106に送信されるのを一時的に阻止する。]
[0008] あるいは、端末のNLPは、エコーが端末のユーザの音声に著しく影響を及ぼす時期を検出し、それらの周波数を阻止するように設計される。]
[0009] エコーサプレッサの利点は、阻止された周波数に対してエコーがほぼ残らないことである。しかし、いくつかの欠点が存在する。すなわち、背景音の周波数が一時的に阻止され、その結果、自然さがなくなる。ダブルトークにおいて、2人のユーザが同時に話した場合、一方の音声の周波数が一時的に阻止される。これは、他方の発せられた音声にも影響を及ぼす。]
[0010] (線形フィルタリングに基づくエコーキャンセラ)
一般に、線形フィルタリングに基づくエコーキャンセラは、端末102及び106等の移動端末において使用される。端末106の線形フィルタリングに基づくエコーキャンセラは、端末106のスピーカにより発せられたユーザ100の音声から生じる端末106のマイクロホン信号の一部を推定し、それを端末102に送信される信号から減算する。音声のエコーを推定するために、デジタルフィルタが使用される。線形フィルタリングに基づくエコーキャンセラの利点は、エコーキャンセラが背景音又は他の話者からの周波数を阻止しないため、音声の自然さが維持されることである。しかし、線形フィルタリングに基づくエコーキャンセラはいくつかの欠点も有する。すなわち、エコーキャンセラは、デジタルフィルタによってエコーが完全にはモデル化されないために顕著な残留エコーが残る可能性があり、十分なエコー低減を達成するために大きい容量の処理能力が必要とされる可能性がある。]
[0011] 必要とされる処理能力の推定値を提供するために、以下の例が与えられる。]
[0012] 計算速度Cは、サンプリング周波数fとフィルタ長lとの積、すなわちC=f×lである。フィルタ長lは、サンプリング周波数fとエコー遅延tとの積、l=f×tである。すなわち、C=f2×tである。エコー遅延tが100ms、サンプリング周波数fが8kHzである場合、計算速度Cは8,0002 Hz×0.1 s=6.4 MOPS(million operations per second)である。16kHzの場合、25.6MOPSが必要である。32kHzの場合は102.4MOPSが必要とされ、48kHzの場合は230.4MOPSが必要とされる。]
[0013] (組合せ)
エコーサプレッサと線形フィルタリングに基づくエコーキャンセラとは、双方ともいくつかの欠点と関連付けられるため、殆どの場合、利点を組み合わせ、かつ、欠点を回避するように設計される双方の技術を使用する組合せが使用される。以下において、「エコーキャンセラ」という用語は、エコーサプレッサを含むか又はエコーサプレッサを含まない線形フィルタリングに基づくエコーキャンセラの任意の組合せを示す。]
[0014] 次に、図2を参照して、エコーキャンセラの一般的な設計の一例を簡単に説明する。エコーキャンセラは、相手側端末(不図示)との通話中にユーザ210により使用される端末200に配置される。通信リンク202を介して入力された信号は、D/A変換器204によりアナログ音声信号に変換され、端末200のスピーカ206により発せられる。端末200のマイクロホン212は、ユーザ210の音声と、スピーカ206から発せられ端末200の環境208により影響を受けた相手側端末からの音声との双方を受信する。A/D変換器214は、マイクロホン212からの信号を入力として取得し、マイクロホン信号を表すデジタル信号を減算器218に出力する。] 図2
[0015] エコーキャンセラは、相手側端末からの入力信号を通信リンク202から受信する適応デジタルフィルタ216を含み、フィルタ216は、減算器218からの出力信号を更に受信し且つ出力信号を生成する。エコーキャンセラからの出力信号は、入力信号として減算器218に供給される。フィルタ216からの出力信号は、減算器218においてA/D変換信号から減算される。従って、減算器218からの出力信号は、A/D変換されたマイクロホン信号とフィルタ216からの出力信号との差分を表す。フィルタ216のフィルタ係数は、端末200のA/D変換されたマイクロホン信号に基づいて動的に決定される(適応される)。すなわち、フィルタ係数は継続的に更新される。端末200の環境208が変化するため、継続的な更新が必要である。フィルタ216は、通信リンク202を介して受信される信号を処理する。従って、フィルタ216からの出力信号は、A/D変換器214からの出力信号のうち端末200のスピーカ206から発せられた一部分の推定値を表す。これらの推定された信号は、減算器218によりA/D変換器214からの出力信号から減算され、十分なエコーキャンセルを達成する。減算器218からの出力信号は、最終的に非線形プロセッサ(NLP)220により処理され、相手側端末(不図示)に転送される前に残留エコーを抑圧する。]
[0016] 図3を参照して、エコーキャンセラの別の周知の設計について説明する。このエコーキャンセラは、ユーザ310により操作される端末300に配置される。基本的に、入力通信リンク302の信号は、コンポジット信号に合成される前に個別に処理される複数の周波数帯域に分割される。] 図3
[0017] 通信リンク302の信号及びマイクロホン312からの信号の双方は、それぞれ複数のフィルタ304a、304b、…、304nと、フィルタ314a、314b、…、314nにより複数の周波数帯域1、2、…、Nに分割される。通信リンク302の信号がスピーカにより発せられる前に、それらの信号は、D/A変換器(不図示)によりアナログ音声信号に変換され、発せられた音がマイクロホン312により受信された後、その音はA/D変換器(不図示)により変換される。ユーザ310は、スピーカ306により発せられる音声を聞き、その音声は、端末300の環境308により影響を受け、マイクロホン312により受信される。]
[0018] フィルタ対304a/314a、304b/314b、…、304n/314nの各々によりフィルタリングされる帯域毎に、エコー制御ユニット316は各帯域において上述したようにエコーキャンセルを実行する。各周波数帯域は、上述したように各フィルタ318a、318b、…、318nによりフィルタリングされ、NLP320によりエコーが抑圧される。最後に、フィルタリングされエコーが抑圧された周波数帯域は、相手側端末(不図示)に転送される前にNLP320においてコンポジット信号に合成される。]
[0019] 上述のエコーキャンセラの利点は、エコーキャンセルされる信号を別個の周波数帯域に分割する際にサンプリングレートを低くできるため、要求される処理能力が低減することである。サンプリングレートが低下すると、要求される処理能力は、サンプリングレートの低下分の2乗だけ低減する。以下の例は、上述のエコーキャンセラに対する計算速度Cがどのように低下するかを示す。]
[0020] 上述したように、計算速度に対する式は、C=f×lで定義される。サンプリング周波数f=20kHz、エコー遅延t=100msの場合、計算速度Cは20,0002 Hz x 0.1 s = 40 MOPSである。各々がサンプリング周波数5kHzを有する4つの別個の周波数帯域に信号を分割する場合には、各周波数帯域に対する計算速度Cは5,0002 Hz x 0.1 s = 2.5 MOPSである。4つの周波数帯域に対して、合計した計算速度Ctotは4×2.5 MOPS=10.0 MOPSである。従って、エコーキャンセルされる信号を4つの帯域に分割することにより、計算速度は40MOPSから10MOPSに低下する。すなわち、合計の計算速度は1/4に低下する。]
[0021] エコーキャンセラの別の利点は、帯域毎に異なる線形フィルタリングに基づくエコーキャンセラが使用可能であることである。例えば、低い周波数範囲に殆どのエコーが存在し、高い周波数範囲においてはエコーが少ない場合、小さな残留エコーを与える複雑なエコーキャンセラを低い周波数範囲に対して使用し、演算量の少ないエコーキャンセラを高い周波数範囲に対して使用することができる。しかし、説明したエコーキャンセラの欠点は、帯域を合成して許容できるコンポジット信号を生成する処理の演算量が相対的に多いことである。]
発明が解決しようとする課題

[0022] 従って、上記で概略を説明した既存の解決策に関連する特定の問題が存在する。エコーサプレッサ及び線形フィルタリングに基づくエコーキャンセラの組合せを使用する場合、端末の制限された処理能力を考慮すると、得られる音声信号の自然さを失うことなく、線形フィルタリングに基づくエコーキャンセラで生じる残留エコーを、エコーサプレッサで抑圧できるような十分に小さい値に抑えるように装置を設計するには問題がある。]
[0023] 別の問題は、帯域分割エコーキャンセラを使用する場合、帯域に対する概要機能の設計が非常に複雑なことである。これは、例えば帯域に対するフィルタ特性が実際には理想的ではなく、また、複数の異なるエコー制御ユニットが各帯域に対して使用されるためである。]
[0024] 本発明の目的は、上記で概略を説明した問題の少なくとも一部に対処することである。更に本発明の目的は、通信リンクを介した音声通信中、通信端末に要求される処理能力を低減しつつ、効果的なエコーキャンセルを可能にする解決策を提供することである。]
課題を解決するための手段

[0025] これらの目的及び他の目的は、添付の独立請求項に係る方法及び装置により達成することができる。]
[0026] 一側面によれば、通信端末において相手側と通話中にエコーをキャンセルする方法が提供される。通信端末は、スピーカ、マイクロホン及びエコーキャンセルユニットを含む。エコーをキャンセルする時、エコーキャンセルユニットは、相手側からの音声信号及びマイクロホンからの音声信号を受信する。マイクロホン信号は、第1のブランチ及び第2のブランチに供給され、第1のブランチにおいては、受信した相手側からの音声信号及び受信したマイクロホン信号に基づいて、マイクロホン信号のエコー情報の第1の推定値が生成される。その推定値は、第2のブランチに供給された信号から減算され、その結果、相手側に送信されるエコーキャンセルされた音声信号が得られる。第1の推定値を生成する際、第1のブランチにおいて、受信したマイクロホン信号は、ダウンサンプリング係数iによりダウンサンプリングされ、受信した相手側からの音声信号は、同一のダウンサンプリング係数iによりダウンサンプリングされる。ダウンサンプリングされた相手側からの音声信号は、デジタルフィルタによりフィルタリングされ、結果として第2の推定値が得られる。第2の推定値は、ダウンサンプリング係数iと等しいアップサンプリング係数iによりアップサンプリングされ、第1の推定値を形成する。]
[0027] 別の側面によれば、相手側と通話中にエコーをキャンセルするための、通信端末における装置が提供される。通信端末は、スピーカ、マイクロホン、及びエコーキャンセルユニットを含む。エコーキャンセルユニットは、相手側からの音声信号及びマイクロホンからの音声信号を受信する。エコーキャンセルユニットは、第1のブランチ及び第2のブランチを含み、第1のブランチは、マイクロホン信号を受信し、受信した相手側からの音声信号及び受信したマイクロホン信号に基づいてマイクロホン信号のエコー情報の推定値を生成する。第2のブランチは、マイクロホン信号を受信し、減算器は、第2のブランチにおける信号から生成された推定値を減算する。エコーキャンセルユニットは、第1のブランチにおいて、受信したマイクロホン信号をダウンサンプリング係数iによりダウンサンプリングする第1のダウンサンプラと、相手側からの受信した音声信号を同一のダウンサンプリング係数iによりダウンサンプリングする第2のダウンサンプラとを含む。また、エコーキャンセルユニットは、ダウンサンプリングされた相手側からの音声信号をフィルタリングして第2の推定値を生成するデジタルフィルタと、ダウンサンプリング係数iと等しい係数iで第2の推定値をアップサンプリングし、これにより第1の推定値を生成するアップサンプラとを含む。ダウンサンプリングされた相手側からの音声信号及びダウンサンプリングされたマイクロホン信号に基づいてエコーキャンセルを実行するために、要求される通信端末の処理能力は相対的に小さな量となり、かつ、十分に高い品質のエコーキャンセルを得ることができる。]
[0028] 更に別の側面によれば、相手側との通話中に通信端末におけるエコーをキャンセルする方法が提供される。通信端末は、スピーカ、マイクロホン、及びエコーキャンセルユニットを含む。エコーをキャンセルする時、エコーキャンセルユニットは、現在利用可能な通信端末の処理能力に関する情報を受信し、現在利用可能な処理能力に基づいて適切なエコーキャンセル・プロシージャを選択し、選択したエコーキャンセル・プロシージャを適用する。エコーキャンセル・プロシージャは、エコーキャンセルユニットにおいて複数の選択可能なエコーキャンセル・プロシージャから選択される。更に、エコーキャンセル・プロシージャは、通信リンクを介して入力した音声信号をダウンサンプリングするステップと、適応フィルタにおいて前記ダウンサンプリングされた信号をフィルタリングするステップと、フィルタリングされた信号をアップサンプリングするステップと、アップサンプリングされた信号をマイクロホンから入力した音声信号から減算するステップとを含む。]
[0029] 更に別の側面によれば、相手側との通話中にエコーをキャンセルするための通信端末における装置が提供される。通信端末は、現在利用可能な通信端末の処理能力を指示する能力インジケータと、現在利用可能な処理能力に基づいて1つの利用可能なエコーキャンセル・プロシージャを選択する制御ユニットと、選択されたエコーキャンセル・プロシージャを適用するエコーキャンセルユニットとを含む。また、エコーキャンセル・プロシージャは、通信リンクを介して入力した音声信号をダウンサンプリングするステップと、適応フィルタにおいて前記ダウンサンプリングされた信号をフィルタリングするステップと、フィルタリングされた信号をアップサンプリングするステップと、アップサンプリングされた信号をマイクロホンから入力された音声信号から減算するステップとを含む。現在利用可能な通信端末の処理能力によってエコーキャンセル・プロシージャを変更することにより、通信端末の処理能力を柔軟かつ効率的に使用することができる。]
[0030] 上記の通信端末における方法及び装置の種々の実施形態が可能である。例えば、エコーキャンセルユニットは複数の値からダウンサンプリング及びアップサンプリング係数iを選択してもよい。各値は、別個の利用可能なエコーキャンセル・プロシージャを表す。エコーキャンセル・プロシージャは、利用可能な通信端末の処理能力に基づいて選択されうる。第2のブランチに供給された信号は、その信号から第1の推定値が減算される前に、第1の推定値の生成において生じた時間遅延と等しい時間tだけ遅延されるようにしてもよい。デジタルフィルタは適応的であってもよく、フィルタを適応させるためにダウンサンプリングされたマイクロホン信号が使用されてもよい。エコーキャンセルユニットからの残留エコーを抑圧するために、エコーサプレッサを設けることもできる。]
[0031] 本発明の更なる特徴及び利点は、詳細な説明から明らかとなるであろう。]
図面の簡単な説明

[0032] 以下、実施形態を例示して本発明を詳細に説明するが、その際、以下の内容の添付図面を参照する。
2人のユーザがデジタル通信リンクを介して端末間で通話している例を示す基本的な概略図。
デジタル通信において一般的に発生するエコーの種々の時間遅延部分を示す図。
従来技術におけるエコーキャンセラ及びエコーサプレッサの組合せを示すブロック図。
従来技術における帯域分割エコーキャンセラ及びエコーサプレッサの組合せを示すブロック図。
実施形態におけるエコーキャンセラ及びエコーサプレッサの組合せを示すブロック図。
別の実施形態におけるエコーキャンセラを制御する方法を示すフローチャート。
更に別の実施形態におけるエコーキャンセルユニットを示すブロック図。]
実施例

[0033] 簡単に説明すると、本発明は、相手側端末との音声通信中に音声通信端末が相手側端末に信号を送信する前に、小さい処理能力で済む効果的なマイクロホン信号のエコーキャンセルを達成できる解決策を提供する。多くのエコー情報を含むマイクロホン信号の一部の推定値は、相手側端末からの通信リンク上の入力音声信号をダウンサンプリングし、適応フィルタにおいてダウンサンプリングされた信号をフィルタリングし、適応フィルタからの出力信号をアップサンプリングすることにより生成される。最後に、エコー推定値は、マイクロホン信号から減算される。]
[0034] 本発明は、相手側端末との音声通信中に音声通信端末が現在利用可能な自身の処理能力を検出でき、検出された処理能力に依存して自身のエコーキャンセル・プロシージャを適切なものに調整できる解決策を更に提供する。端末は、利用可能な処理能力を検出し、その能力に基づいて適切なエコーキャンセル・プロシージャを決定する。その後、端末は、現在使用されているプロシージャが判定したプロシージャと同一であるかをチェックする。プロシージャが同一でない場合、端末はプロシージャを決定したプロシージャで置換し、現在利用可能な処理能力に関する情報を受信し続ける。一方、プロシージャが同一である場合、プロシージャを置換する必要はなく、端末は現在利用可能な処理能力に関する情報を受信し続ける。]
[0035] あるいは、利用可能な端末の処理能力に関係なく、すなわち現在使用されている処理能力に基づいてエコーキャンセル・プロシージャを調整することなく、上述のエコーキャンセル方法を使用してもよい。]
[0036] 本明細書において、「音声(speech)」という用語は任意の形式の音声を示す。「エコーキャンセラ」は、エコーサプレッサを含むか又はエコーサプレッサを含まない線形フィルタリングに基づくエコーキャンセラの任意の組合せであってもよい。「マイクロホン信号のエコー情報」という用語は、スピーカから発信される受信マイクロホン信号の一部である。以下の例において、FIR−NLMS(有限インパルス応答−正規化最小平均二乗)は、推定のためのフィルタリング方法として使用されると仮定する。しかし、フィルタは、NLMS(正規化最小平均二乗)、RLS(再帰最小二乗)、LS(最小二乗)等の任意の他の適切な適応又は非適応的方法を使用できる。]
[0037] 次に図4を参照して、エコーキャンセルのための装置の一実施形態について説明する。端末400は、相手側端末(不図示)との通話中にユーザ410により使用される。通信リンク402に到来する入力デジタル音声信号は、D/A変換器404によりアナログ音声信号に変換され、端末400のスピーカ406により発せられる。端末400のマイクロホン412は、ユーザ410の音声と、スピーカ406から発せられ端末400の環境408により影響を受けた相手側端末からの音声との双方を受信する。マイクロホン412からのマイクロホン信号は、A/D変換器414によりデジタル信号に変換される。端末は、相手側端末からの通信リンク402からの信号及び端末400のマイクロホン412からのA/D変換された信号を入力として取得し、出力信号を生成する。処理された出力信号は、最終的に非線形プロセッサ(NLP)422により更に処理され、例えば相手側端末(不図示)に転送される前に任意の残留エコーを抑圧する。エコーキャンセルユニット416は、複数の選択可能なエコーキャンセル・プロシージャ416a、416b、...のうちの1つを適用でき、これは、現在利用可能な端末400の処理能力に依存して選択される。エコーキャンセル・プロシージャ416a、416b、...はそれぞれ異なる量の利用可能な処理能力を要求する。] 図4
[0038] 例えば、検出した現在利用可能な処理能力が大きい場合、大きい処理能力を必要とする厳密なエコーキャンセル・プロシージャが使用される。一方、検出された現在利用可能な処理能力が小さい場合、必要とする処理能力が少なくて済むラフなエコーキャンセル・プロシージャが使用される。]
[0039] 能力インジケータ418は、現在利用可能な端末400の処理能力を示し、この値を入力として制御ユニット420に提供する。端末における種々の実行中の処理によって利用可能な処理能力は変動する。能力インジケータ418は、端末410の1つ以上のプロセッサ(不図示)をモニタし、現在利用可能な処理能力の情報を受信する。]
[0040] 制御ユニット420は、それに従って適切なエコーキャンセル・プロシージャ416a、416b、...を選択し、選択したエコーキャンセル・プロシージャ416a、416b、...に関する情報をNLP422に提供する。NLP422は、選択したエコーキャンセル・プロシージャ416a、416b、...に依存してそのアルゴリズムを調整する。本発明の利点は、現在利用可能な処理能力によってエコーキャンセル・プロシージャが調整されることである。換言すると、端末400における他の処理に使用される処理能力が小さい場合、端末400における大きい処理能力をエコーキャンセルに使用可能であり、その結果、より適切なエコーキャンセルが行われる。一方、端末400における大きい処理能力が他の処理に必要とされる場合、小さい処理能力しか必要としないプロシージャが使用され、そのプロシージャは結果として十分なエコーキャンセルを行う。このように、音声品質は、端末400における他の動作の処理要件を損なわずに最適化される。要求される処理能力が小さく済むにも関わらず十分なエコーキャンセルを行うそのようなプロシージャの一例について、図6に従って以下に説明する。実際には、NLPは、エコーキャンセルユニット416からの出力信号における任意の残留エコーを抑圧するために使用される。しかし、潜在的な残留エコーをキャンセルするために他の回路も使用可能である。僅かな残留エコーのみを生成するエコーキャンセルユニットの場合、NLPは除外されてもよい。従って、NLPはオプションであり、本発明に不可欠なものではない。] 図6
[0041] ユーザにより動作される通信端末において実行されるステップを含むフローチャートを示す図5を参照して、別の実施形態に従ってエコーキャンセル方法を選択する処理について説明する。端末は、現在利用可能な能力に従って種々のエコーキャンセル・プロシージャを使用できる。最初のステップ500において、利用可能な処理能力の指示が能力インジケータ等からある程度継続的に受信される。次のステップ502において、適切なエコーキャンセル・プロシージャが利用可能な処理能力に依存して選択される。次のステップ504において、現在適用されているエコーキャンセル・プロシージャ及びステップ502で選択されたエコーキャンセル・プロシージャが同一であるか否かに依存して、プロシージャが更新されるべきか否かが決定される。選択されたエコーキャンセル・プロシージャが現在適用されている場合、エコーキャンセル・プロシージャを更新する必要はなく、ステップ500に戻り、利用可能な端末の処理能力の指示を受信し続ける。選択されたエコーキャンセル・プロシージャが現在適用されていない場合、ステップ504においてエコーキャンセル・プロシージャを更新することが決定される。その後ステップ506において、現在適用されているエコーキャンセル・プロシージャは、選択されたエコーキャンセル・プロシージャにより置換される。オプションの次のステップ508において、NLPのアルゴリズムは、使用される場合にはそれに従って更新されてもよい。最後に、ステップ500に戻り、利用可能な端末の処理能力の指示を受信し続ける。] 図5
[0042] 次に、図6を参照し且つ図4を更に参照して、エコーキャンセルユニットの一実施形態について説明する。エコーキャンセルユニット600(図4においては416で示される)は、複数の選択可能なエコーキャンセル・プロシージャ416a、416b、...を適用することができる。特定のエコーキャンセル・プロシージャを適用する時、エコーキャンセルユニット600は以下のように動作する。エコーキャンセルユニットは、入力通信リンク402からの音声信号を入力602として取得し、A/D変換器414からの出力信号を入力612として取得する。エコーキャンセルユニット600は、自身の出力624の信号をNLP422への入力として供給する。入力612の入力信号は、2つのブランチ、すなわち推定ブランチ608及び音声ブランチ610に供給される。] 図4 図6
[0043] 入力602及び612の入力信号はそれぞれ、ダウンサンプラ604及び614により係数iでダウンサンプリングされる。ダウンサンプリング係数iは、整数値(2、3、4、...n)であってもよい。例えば、24kHz〜12kHzの場合はダウンサンプリング係数2であり、24kHz〜8kHzの場合はダウンサンプリング係数3である。しかし、ダウンサンプリング係数iは、例えば10進数である任意の他の適切な値であってもよい。ダウンサンプリング係数iに対する各値は、別個のエコーキャンセル・プロシージャを表す。]
[0044] エコーキャンセルユニット600は、ダウンサンプラ604からの出力信号を入力として取得しダウンサンプリングされたエコー推定値を生成するデジタルフィルタ606を有する。デジタルフィルタは、ダウンサンプラ614からのダウンサンプリングされた出力信号が入力として供給される減算器616からの出力に基づいて適応される。端末400の変化する環境のために、フィルタ606におけるフィルタ係数は、入力から動的に決定され継続的に更新される。フィルタは、ダウンサンプラ604から入力信号を処理し、その結果、端末400のスピーカ406から発信され端末400の環境により影響を受けた入力612の信号の一部の推定値が得られ、ダウンサンプリング係数によりダウンサンプリングされる。これらのダウンサンプリングされた推定値信号は、入力信号として減算器616に供給され、更にアップサンプラ618にも供給される。アップサンプラ618は、ダウンサンプリングが実行された時に使用された係数と同一の係数iにより入力信号をアップサンプリングする。アップサンプラ618からの出力信号は、端末400のスピーカ406から発信される入力612におけるマイクロホン信号の一部の推定値である。これらのマイクロホン信号は、端末400の環境に影響を受けたものである。]
[0045] エコーキャンセルに対して要求される処理能力は、利用可能な端末400の処理能力のためにダウンサンプリング係数iを変更することにより調整される。ダウンサンプリング動作及びアップサンプリング動作は、この係数iにより実行される。ダウンサンプリング係数iが大きい場合、必要とされる処理能力は相対的に小さく済み、サンプリングレートが低い場合、必要とされる処理能力は相対的により大きくなる。]
[0046] しかし、推定ブランチ608における入力612の信号を処理した結果、ダウンサンプリング及びアップサンプリング、並びにエコーを推定する処理において生じる可能性のある遅延のために遅延が起こる。従って、音声ブランチ610において、遅延回路620は、入力612の信号を入力として取得し推定ブランチ608と同等の遅延を発生させるように構成される。アップサンプラ618からの出力信号は、第1の入力として減算器622に供給され、遅延回路620からの出力信号は、第2の入力として減算器622に供給される。減算器622は、自身の第1の入力の信号を自身の第2の入力の信号から減算する。すなわち、推定ブランチ608の出力信号を音声ブランチ610の出力信号から減算する。その結果、減算器の出力においてエコーが低減された信号624が得られる。最後に、これらのエコーが低減された信号は、NLP422への入力として供給される。]
[0047] 他の選択可能なエコーキャンセルユニットは、任意の適切なエコーキャンセルユニットとすることができるが、本明細書においては詳細には規定されない。]
[0048] 本発明により、エコーキャンセルのための融通性のある方法が達成され、端末における他の動作の処理要件を損なわずに音声品質が最適化される。エコーキャンセルは、上述の解決策を使用して、多くのエコーが存在する相対的に低い周波数範囲に対して実行される。更に、周波数範囲をコンポジット信号に合成する必要はない。コンポジット信号に合成することは複雑であり、大きい容量の処理能力を必要とする。]
[0049] 特定の例示的な実施形態を参照して本発明を説明したが、その説明は一般に本発明の概念を示すことのみを意図し、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。上記実施形態を説明する際に移動端末又は移動電話が使用されたが、デジタル通信リンクを介して音声通信するための任意の他の端末が上述のように使用されてもよい。FIR−NLMS法が本明細書の実施形態において使用されたが、マイクロホン信号のエコーを推定するために任意の他の適切な適応又は非適応的フィルタリング方法も使用可能である。]
[0050] 本発明は、一般には以下の独立請求項によって定義される。]
权利要求:

請求項1
スピーカ及びマイクロホンを備える通信端末(400)において相手側と通話中にエコーをキャンセルするために、前記通信端末(400)のエコーキャンセルユニット(416, 600)によって実行される方法であって、a)エコーキャンセルユニット(600)の第1の入力(612)を介して前記マイクロホンからの音声信号を受信するステップと、b)前記受信したマイクロホン信号を第1のブランチ(608)及び第2のブランチ(610)に供給するステップと、c)前記エコーキャンセルユニット(600)の第2の入力(602)を介して前記相手側からの音声信号を受信するステップと、d)前記第1のブランチ(608)において、前記受信したマイクロホン信号及び前記受信した相手側からの音声信号に基づいて、前記マイクロホン信号のエコー情報の第1の推定値を生成するステップと、e)前記生成された第1の推定値が前記第2のブランチ(610)に供給された前記マイクロホン信号から減算される減算を実行するステップと、f)前記エコーキャンセルユニット(416, 600)から前記減算の結果を出力するステップと、を有し、前記第1の推定値を生成するステップは、・前記第1のブランチ(608)において、前記受信したマイクロホン信号をダウンサンプリング係数iによりダウンサンプリングするステップと、・前記相手側からの前記受信した音声信号を前記ダウンサンプリング係数iによりダウンサンプリングするステップと、・デジタルフィルタ(606)において前記ダウンサンプリングされた前記相手側からの音声信号をフィルタリングすることにより、前記マイクロホン信号の前記エコー情報のダウンサンプリングされた第2の推定値を生成するステップと、・前記第2の推定値を前記ダウンサンプリング係数iと等しいアップサンプリング係数iによりアップサンプリングすることにより前記第1の推定値を生成するステップと、を含むことを特徴とする方法。
請求項2
前記ダウンサンプリング係数i及び前記アップサンプリング係数iは、各々が別個の利用可能なエコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)を表す複数の値から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項3
前記利用可能なエコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)は、前記通信端末(400)の処理能力の必要量がそれぞれ異なるものであり、現在利用可能な前記通信端末(400)の処理能力に基づいて、前記エコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)が選択されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
請求項4
前記エコーキャンセル・プロシージャを選択するステップは、現在使用されているエコーキャンセル・プロシージャが前記選択されたエコーキャンセル・プロシージャと同一でない場合、前記現在使用されているエコーキャンセル・プロシージャを前記選択されたエコーキャンセル・プロシージャで置換するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
請求項5
前記第2のブランチ(610)に供給された前記マイクロホン信号は、ステップe)における前記減算の前に、前記第1の推定値の生成において生じた時間遅延と等しい時間tだけ遅延されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
請求項6
前記デジタルフィルタ(606)は適応可能であり、該デジタルフィルタ(606)を適応させるために、前記ダウンサンプリングされたマイクロホン信号と前記第2の推定値との差分が使用されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
請求項7
前記エコーキャンセルユニット(416, 600)からの出力信号における残留エコーが、エコーサプレッサ(422)によって抑圧されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
請求項8
相手側に音声信号を転送する前に前記相手側と通話中にエコーをキャンセルするための、通信端末(400)における装置であって、エコーキャンセルユニット(416, 600)を備え、前記エコーキャンセルユニット(416, 600)は、a)前記通信端末(400)のマイクロホン(406)からの音声信号を受信する第1の入力(612)と、b)前記相手側からの音声信号を受信する第2の入力(602)と、c)前記第1の入力(612)を介して前記マイクロホン信号を受信し、前記受信したマイクロホン信号及び前記受信した相手側からの音声信号に基づいて前記マイクロホン信号のエコー情報の第1の推定値を生成する第1のブランチ(608)と、d)前記第1の入力(612)を介して前記マイクロホン信号を受信する第2のブランチ(610)と、e)前記エコーキャンセルユニット(416, 600)から出力される前に、前記第2のブランチ(610)に供給された前記マイクロホン信号から前記第1のブランチ(608)において生成された前記第1の推定値が減算される減算を実行する減算器(622)と、を有し、前記エコーキャンセルユニット(416, 600)は、・前記第1のブランチ(608)において、前記受信したマイクロホン信号をダウンサンプリング係数iによりダウンサンプリングする第1のダウンサンプラ(614)と、・前記相手側からの前記受信した音声信号を前記ダウンサンプリング係数iによりダウンサンプリングする第2のダウンサンプラ(604)と、・前記ダウンサンプリングされた前記相手側からの音声信号をフィルタリングすることにより、前記マイクロホン信号の前記エコー情報の第2の推定値を生成するデジタルフィルタ(606)と、・前記第2の推定値を前記ダウンサンプリング係数iと等しいアップサンプリング係数iによりアップサンプリングすることにより前記第1の推定値を生成するアップサンプラ(618)と、を含むことを特徴とする装置。
請求項9
前記ダウンサンプリング係数iは、各々が別個の利用可能なエコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)を表す複数の値から選択可能であることを特徴とする請求項8に記載の装置。
請求項10
現在利用可能な前記通信端末(400)の処理能力を指示する能力インジケータ(418)と、前記通信端末(400)の処理能力の必要量がそれぞれ異なる前記利用可能なエコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)のうちの1つを、前記指示された現在利用可能な処理能力に基づいて選択する制御ユニット(420)と、を更に有することを特徴とする請求項9に記載の装置。
請求項11
前記制御ユニット(420)は、更に、現在使用されているエコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)が前記選択されたエコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)と同一でない場合、前記現在使用されているエコーキャンセル・プロシージャを前記選択されたエコーキャンセル・プロシージャで置換することを特徴とする請求項10に記載の装置。
請求項12
前記受信したマイクロホン信号を、前記減算の前に、前記第1の推定値の生成において生じた時間遅延と等しい時間tだけ遅延させる、前記第2のブランチ(610)における遅延回路(620)を更に有することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の装置。
請求項13
前記デジタルフィルタ(606)は、前記ダウンサンプリングされたマイクロホン信号と前記第2の推定値との差分に基づいて適応可能であることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の装置。
請求項14
前記エコーキャンセルユニット(416, 600)からの出力信号における残留エコーを抑圧するエコーサプレッサ(422)を更に有することを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項に記載の装置。
請求項15
スピーカ及びマイクロホンを備える通信端末(400)において相手側と通話中にエコーをキャンセルするために、前記通信端末(400)のエコーキャンセルユニット(416)によって実行される方法であって、a)前記通信端末(400)において現在利用可能な処理能力に関する情報を受信するステップと、b)前記現在利用可能な処理能力に基づいて適切なエコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)を選択するステップと、c)前記選択したエコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)を適用するステップと,を有し、前記エコーキャンセル・プロシージャは、異なるエコーキャンセル・プロシージャを使用するように構成された前記エコーキャンセルユニット(416)における複数の選択可能なエコーキャンセル・プロシージャから選択され、前記エコーキャンセル・プロシージャは、・通信リンクを介して入力した音声信号をダウンサンプリングするステップと、・適応フィルタにおいて前記ダウンサンプリングされた信号をフィルタリングするステップと、・前記適応フィルタによりフィルタリングされた前記信号をアップサンプリングするステップと、・前記マイクロホンから入力した音声信号から前記アップサンプリングされた信号を減算するステップと、を含むことを特徴とする方法。
請求項16
ステップb)は、現在使用されているエコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)が前記選択されたエコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)と同一でない場合、前記現在使用されているエコーキャンセル・プロシージャを前記選択されたエコーキャンセル・プロシージャで置換するステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
請求項17
前記選択されたエコーキャンセル・プロシージャは、a)前記エコーキャンセルユニット(600)の第1の入力(612)を介して前記マイクロホンからの音声信号を受信するステップと、b)前記受信したマイクロホン信号を第1のブランチ(608)及び第2のブランチ(610)に供給するステップと、c)前記エコーキャンセルユニット(600)の第2の入力(602)を介して前記相手側からの音声信号を受信するステップと、d)前記第1のブランチ(608)において、前記受信したマイクロホン信号及び前記受信した相手側からの音声信号に基づいて、前記マイクロホン信号のエコー情報の第1の推定値を生成するステップと、e)前記生成された第1の推定値が前記第2のブランチ(610)に供給された前記マイクロホン信号から減算される減算を実行するステップと、f)前記エコーキャンセルユニットから前記減算の結果を出力するステップと、を有することを特徴とする請求項15又は16に記載の方法。
請求項18
前記第2のブランチ(610)に供給された前記マイクロホン信号は、前記減算の前に、前記第1の推定値を生成するのにかかる時間と同じ長さの時間tだけ遅延されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
請求項19
前記第1の推定値を生成するステップは、・前記第1のブランチ(608)において、前記受信したマイクロホン信号を係数iによりダウンサンプリングするステップと、・前記相手側からの前記受信した信号を前記係数iによりダウンサンプリングするステップと、・デジタルフィルタ(606)において前記ダウンサンプリングされた前記相手側からの音声信号をフィルタリングすることにより、前記マイクロホン信号の前記エコー情報のダウンサンプリングされた第2の推定値を生成するステップと、・前記第2の推定値をアップサンプリングすることにより前記第1の推定値を生成するステップと、を含むことを特徴とする請求項17又は18に記載の方法。
請求項20
前記デジタルフィルタ(606)は適応可能であり、該デジタルフィルタ(606)を適応させるために、前記ダウンサンプリングされたマイクロホン信号と前記第2の推定値との差分が使用されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
請求項21
相手側と通話中にエコーをキャンセルするための、通信端末(400)における装置であって、a)現在利用可能な前記通信端末(400)の処理能力を指示する能力インジケータ(418)と、b)前記現在利用可能な処理能力に基づいて1つの利用可能なエコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)を選択する制御ユニット(420)と、c)複数の選択可能なエコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)を含み、前記選択されたエコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)を適用するエコーキャンセルユニット(416, 600)と、を有し、前記エコーキャンセル・プロシージャは、・通信リンクを介して入力した音声信号をダウンサンプリングするステップと、・適応フィルタにおいて前記ダウンサンプリングされた信号をフィルタリングするステップと、・前記適応フィルタによりフィルタリングされた前記信号をアップサンプリングするステップと、・前記マイクロホンから入力した音声信号から前記アップサンプリングされた信号を減算するステップと、を含むことを特徴とする装置。
請求項22
前記制御ユニット(420)は、更に、現在使用されているエコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)が前記選択されたエコーキャンセル・プロシージャ(416a, b, ..., n)と同一でない場合、前記現在使用されているエコーキャンセル・プロシージャを前記選択されたエコーキャンセル・プロシージャで置換することを特徴とする請求項21に記載の装置。
請求項23
前記エコーキャンセルユニット(416)は、a)前記通信端末(400)のマイクロホン(406)から信号を受信する第1の入力(612)と、b)前記相手側から音声信号を受信する第2の入力(602)と、c)前記第1の入力(612)を介して前記マイクロホン信号を受信し、前記受信したマイクロホン信号及び前記受信した相手側からの音声信号に基づいて前記マイクロホン信号のエコー情報の第1の推定値を生成する第1のブランチ(608)と、d)前記第1の入力(612)を介して前記マイクロホン信号を受信する第2のブランチ(610)と、e)前記エコーキャンセルユニット(600)から出力される前に、前記第2のブランチ(610)に供給された前記マイクロホン信号から前記第1のブランチ(608)において生成された前記第1の推定値が減算される減算を実行する減算器(622)と、を有することを特徴とする請求項21又は22に記載の装置。
請求項24
前記受信したマイクロホン信号を、前記減算の前に、前記第1の推定値を生成するのにかかる時間と同じ長さの時間tだけ遅延させる、前記第2のブランチ(610)における遅延回路(620)を更に有することを特徴とする請求項23に記載の装置。
請求項25
前記エコーキャンセルユニットは、・前記第1のブランチ(608)において、前記受信したマイクロホン信号をダウンサンプリング係数iによりダウンサンプリングする第1のダウンサンプラ(614)と、・前記相手側からの前記受信した音声信号を前記ダウンサンプリング係数iによりダウンサンプリングする第2のダウンサンプリング手段(604)と、・前記ダウンサンプリングされた前記相手側からの音声信号をフィルタリングすることにより、前記マイクロホン信号の前記エコー情報の第2の推定値を生成するデジタルフィルタ(606)と、・前記第2の推定値を前記ダウンサンプリング係数iと等しいアップサンプリング係数iによりアップサンプリングすることにより前記第1の推定値を生成するアップサンプラ(618)と、を含むことを特徴とする請求項23又は24に記載の装置。
請求項26
前記デジタルフィルタ(606)は、前記ダウンサンプリングされたマイクロホン信号と前記第2の推定値との差分に基づいて適応可能であることを特徴とする請求項25に記載の装置。
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