![]() 生理学的に許容されるポリマー分子を特異的に検出するための方法および組成物
专利摘要:
本発明は、タンパク質に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の量を決定するための方法、生理学的に許容されるポリマー分子に特異的に結合することができる抗体または他の組成物、および前記抗体または組成物を含むキットに関する。一実施形態において、ポリマー−タンパク質結合体中のタンパク質またはタンパク質複合体に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の数を決定するための方法が提供され、この方法は(i)該タンパク質に結合した1つ以上のポリマーを有するポリマー:タンパク質結合体と(ii)該ポリマーに特異的に結合する抗体であって、該抗体は、該ポリマー:タンパク質結合体に結合している場合に検出可能である、抗体との間での結合を検出する工程を包含する。 公开号:JP2011508884A 申请号:JP2010540858 申请日:2008-12-23 公开日:2011-03-17 发明作者:アルフレッド ウェイバー,;ヘルベルト グリッシュ,;ユルゲン シークマン,;ペーター タレセク,;カタリン ファラディ,;スザンヌ フェイダ, 申请人:バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッドBaxter International Incorp0Rated;バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニムBaxter Healthcare S.A.; IPC主号:G01N33-53
专利说明:
[0001] この出願は、2007年12月27日に出願された米国仮特許出願第61/009,327号(これは、参考として本明細書に援用される)の優先権の利益を主張する。] [0002] 発明の分野 本発明は、タンパク質に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の量を決定するための方法、生理学的に許容されるポリマー分子に特異的に結合することができる抗体、および上記抗体を含むキットに関する。] 背景技術 [0003] 発明の背景 タンパク質のインビボでの機能は、それを生理学的に許容されるポリマー分子に結合させることによって改善される。特に、生理学的に許容されるポリマー分子に対する生理学的に活性なタンパク質の結合は、そのインビボでの半減期を実質的に長くすることが明らかにされている。例えば、特許文献1には、生理学的に許容されるポリマー分子の第VIII因子に対する結合により、トロンビンによって活性化させることができ、そして実質的に低下した抗原性および免疫反応性と、哺乳動物の血流の中での実質的に延長したインビボでの消失時間とを持つ第VIII因子タンパク質が生じることが記載されている。] [0004] 特許文献1には、ポリマー分子(デキストラン)の第VIII因子(FVIII)への結合により、トロンビンによって活性化させることができ、そして、実質的に低下した抗原性および免疫反応性と、哺乳動物の血流の中での実質的に延長したインビボでの保持時間とを持つFVIIIタンパク質が生じることが記載されている。特許文献2には、第VIII因子の生理学的に許容されるポリマー分子への結合により、(i)インビボでの加水分解に対するその耐性が増大し、したがって投与後のその活性が長く持続することによって、(ii)未修飾のタンパク質よりもインビボでのその循環寿命が有意に長くなることによって、および(iii)血流へのその吸収時間が長くなることによって、第VIII因子のインビボでの機能が改善されることが記載されている。特許文献3には、FVIIIと第IX因子(FIX)との結合体が記載されており、ここでは、このタンパク質は、タンパク質中にあるカルボニル基を介してポリ(アルキレンオキサイド)に共有結合させられている。さらに、生理学的に許容されるポリマー分子(特に、ポリ(エチレングリコール)(「PEG」))に第IX因子を結合させることによる第IX因子のインビボ機能の改善は、特許文献4に記載されている。特異的活性を保持しているPEG化FVIIIは、特許文献5に開示されている。生理学的に許容されるポリマーの活性物質(例えば、タンパク質)への結合は、安定なポリマー−タンパク質結合体、あるいは生理学的に許容されるポリマーが放出することができる共有結合(プロドラッグの概念)、すなわち、加水分解することができるかまたは放出することができるリンカーを介してタンパク質に結合させられたポリマー−タンパク質結合体を調製することによって行われる。例えば、放出することができるPEG部分が、2つのPEG鎖を含む9−フルオレンメトキシカルボニル(FMOC)結合システム(Nektar Inc.,Huntsville AL)を使用して開発されている。加えて、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS)基(これは、タンパク質のリジン残基の化学修飾に有用である)をメトキシカルボニル基を介してフルオレン環システムに連結させて、放出することができるPEG部分を作製することができる。特許文献6(引用により本明細書中に組み入れられる)には、放出することができるPEGの概念に基づくPEG化された組み換え体FVIII変異体のシリーズが記載されている。] [0005] しかし、現在のところ、タンパク質またはナノ粒子に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の定量のための信頼できる方法は、感度の低い比色法を除いて存在しない(非特許文献1)。比色法は、生理学的に許容されるポリマー分子の含有量を予測ができるにすぎない。さらに、PEG濃度の決定のためのモノクローナル抗体が開示されている(特許文献7)が、今までのところ、タンパク質に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の量の信頼できる決定に利用できるシステムはない。] [0006] 米国特許第4,970,300号明細書 国際公開第94/15625号 米国特許第6,037,452号明細書 国際公開第94/29370号 国際公開第2007/126808号 国際公開第2008/082669号 米国特許第6,617,118号明細書] 先行技術 [0007] Nagら、Anal Biochem(1997)250:35−43] 発明が解決しようとする課題 [0008] したがって、タンパク質(特に、生理学的に活性なタンパク質)に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子(特に、PEG)の量を決定するための新規のシステムが必要とされている。] 課題を解決するための手段 [0009] 本発明は、タンパク質に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の量を決定するための方法に関する。さらに、生理学的に許容されるポリマー分子に特異的に結合することができる抗体(ここでは、例えば、上記ポリマー分子は、タンパク質に結合させられた状態で存在する)が本発明にしたがって提供される。さらに、本発明は、タンパク質に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の量を決定するための上記抗体の使用に関する。] [0010] 1つの態様では、本発明により、タンパク質に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の量を決定するための方法が提供される。この方法には以下の工程が含まれる:(a)少なくとも1つの生理学的に許容されるポリマー分子に結合させられた少なくとも1つのタンパク質を提供する工程;(b)上記生理学的に許容されるポリマー分子に特異的に結合することができる少なくとも1つの抗体を提供する工程;(c)上記タンパク質に結合させられた少なくとも1つのポリマー分子に対する上記抗体の結合に適している条件下で、工程(b)の抗体を工程(a)のタンパク質と接触させる工程;および(d)抗体と生理学的に許容されるポリマー分子との間での複合体の形成を検出する工程。] [0011] 1つの実施形態では、工程(a)において、少なくとも1つの生理学的に許容されるポリマー分子に結合させられたタンパク質は、基体(substrate)または担体マトリックス上に固定される。] [0012] 1つのさらなる実施形態では、抗体は、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体からなる群より選択される。] [0013] 別の実施形態では、タンパク質は、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)またはその誘導体である。1つのさらなる実施形態では、タンパク質は、第VIII因子またはその誘導体である。] [0014] いくつかの実施形態では、生理学的に許容されるポリマー分子は、以下からなる群より選択される:ポリ(アルキレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファスファゼン(polyphosphasphazene)、ポリオキサゾリン、およびポリ(N−アクリロイルモルホリン)。関連する実施形態では、生理学的に許容されるポリマー分子は、ポリ(エチレングリコール)(PEG)またはその誘導体である。] [0015] 別の態様では、本発明により、生理学的に許容されるポリマー分子に特異的に結合することができる抗体が意図される。1つの実施形態では、抗体はポリクローナル抗体である。] [0016] 関連する実施形態では、生理学的に許容されるポリマー分子がタンパク質に結合させられる。1つのさらなる実施形態では、タンパク質は、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)またはその誘導体である。別の実施形態では、生理学的に許容されるポリマー分子は、以下からなる群より選択される:ポリ(アルキレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(□−ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファスファゼン、ポリオキサゾリン、およびポリ(N−アクリロイルモルホリン)。関連する実施形態では、生理学的に許容されるポリマー分子は、ポリ(エチレングリコール)(PEG)またはその誘導体である。] [0017] さらなる態様では、本発明により、タンパク質に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の量を決定するためのキットが提供され、これには、本明細書中に記載されるような抗体が含まれる。] [0018] 別の態様では、本発明により、ポリマー−タンパク質結合体中のタンパク質またはタンパク質複合体に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の数を決定するための方法が提供される。この方法には、(i)該タンパク質に結合した1つ以上のポリマーを有するポリマー:タンパク質結合体と(ii)上記ポリマーに特異的に結合する抗体との間での結合を検出する工程が含まれる。上記抗体は、上記ポリマー:タンパク質結合体に結合していると検出することができ、ここでは、ポリマー:タンパク質結合体中のポリマーの数は、既知の対照と比較した、ポリマー:タンパク質結合体に結合した検出される抗体のレベルと相関関係がある。] [0019] 1つの実施形態では、抗体には検出可能な標識が含まれる。関連する実施形態では、検出可能な標識は、酵素、放射性標識、フルオロフォア、電子密度試薬、ビオチン、ジゴキシゲニン、ハプテン、およびこれらの標識のいずれかの付加によって検出可能になるタンパク質からなる群より選択される。] [0020] 1つのさらなる実施形態では、ポリマー:タンパク質結合体は、抗体との結合の前に担体マトリックスに結合させられる。特定の実施形態では、担体マトリックスは、マイクロキャリア、粒子、メンブレン、細片、紙、薄膜、ビーズ、またはプレートからなる群より選択される。関連する実施形態では、ポリマー:タンパク質結合体は、ドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動(SDS−PAGE)を使用して単離され、そして検出の前にメンブレンに移される。1つのさらなる実施形態では、ポリマー−タンパク質複合体の分子量は、ポリマー分子を含むタンパク質サブユニットと相関関係がある。] [0021] なお別の実施形態では、検出される抗体のレベルは、検出可能な標識の吸光度として測定される。関連する実施形態では、ポリマー:タンパク質結合体中のポリマーの数は、既知の対照と比較したタンパク質−ポリマー結合体の分子量に基づいて計算される。既知の対照についてポリマー分子を測定するための例示的な方法としては、サイズ排除クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、および質量スペクトル法が挙げられるが、これらに限定されない。] [0022] 本発明の1つの実施形態では、タンパク質またはタンパク質複合体は、血液凝固因子または血液凝固因子複合体である。関連する実施形態では、血液凝固因子または血液凝固因子複合体はヒトのものである。なおさらなる実施形態では、血液凝固因子は、第II因子、第V因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子、フォン・ヴィレブランド因子、プロテインC、アンチトロンビンIII、およびそれらの活性化形態からなる群より選択される。別の実施形態では、血液凝固因子複合体は、第VIII因子:VWFである。] [0023] 特定の実施形態では、ポリマーは放出することができる。関連する実施形態では、ポリマーは加水分解することができる。1つの実施形態では、生理学的に許容される分子は、リンカーを介してタンパク質またはタンパク質複合体に結合させられる。] [0024] 1つの実施形態では、ポリマーは、以下からなる群より選択される:ポリ(アルキレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(ヒドロキシ酸)(例えば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)およびポリ(β−ヒドロキシ酸))、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファスファゼン、ポリオキサゾリン、ならびにポリ(N−アクリロイルモルホリン)。] [0025] 関連する実施形態では、ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)またはその誘導体である。別の実施形態では、PEGは、約3kDa〜約200kDaである。1つのさらなる実施形態では、PEGは、約5kDa〜約60kDaの範囲の分子量を持つ。別の実施形態では、PEGは、約5kDa〜約40kDaの範囲の分子量を持つ。なお別の実施形態では、PEGは、約5kDa〜約15kDaの範囲の分子量を持つ。そして、なおさらなる実施形態では、PEGは、約5kDa〜約10kDaの範囲の分子量を持つ。本明細書中で使用が意図されるさらなるPEG組成物としては、約5kDa〜約150kDa、約5kDa〜約120kDa、約10kDa〜約100kDa、約20kDa〜約50kDa、および約5kDa〜約25kDaの範囲にあるPEG、ならびに、約5kDa、約10kDa、約15kDa、約20kDa、約25kDa、約30kDa、約35kDa、約40kDa、約45kDa、約50kDa、約55kDa、約60kDa、約65kDa、約70kDa、約75kDa、約80kDa、約85kDa、約90kDa、約95kDa、約100kDa、約110kDa、約120kDa、約130kDa、約140kDa、約150kDa、約160kDa、約170kDa、約180kDa、約190kDa、または約200kDaの分子量を持つPEGが挙げられるがこれらに限定されない。] [0026] 別の態様では、本発明により、タンパク質もしくはタンパク質複合体に結合させられたか、または溶液中に遊離している生理学的に許容されるポリマー分子の数を決定するための方法が提供される。この方法には、上記ポリマーを上記ポリマーに特異的に結合する抗体と接触させる工程が含まれ、上記抗体は、上記ポリマーに結合すると検出可能であり、ここでは、抗体が結合したポリマーの数は、既知の対照と比較した、結合した検出される抗体のレベルと相関関係がある。] [0027] 関連する態様では、本発明により、タンパク質またはタンパク質複合体に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の数を決定するための方法が意図される。この方法には、上記タンパク質またはタンパク質複合体を、上記タンパク質またはタンパク質複合体に特異的に結合する抗体と接触させる工程が含まれ、上記抗体は、上記タンパク質またはタンパク質複合体に結合すると検出可能であり、ここでは、抗体が結合したポリマーの数は、既知の対照と比較した、結合した検出される抗体のレベルと相関関係がある。] [0028] 関連する実施形態では、本発明の方法はELISA技術を使用して行われる。ELISA試薬が以下のように使用されることが意図され、ここでは、列挙される第1の抗体は、基体に結合させられた抗体であり、第2の抗体は検出可能な抗体に結合させられる。タンパク質またはタンパク質複合体に結合させられたポリマーの数を検出するために有用な例示的なアッセイとしては、抗ポリマー−抗タンパク質検出法、抗タンパク質−抗ポリマー検出法、または抗ポリマー−抗ポリマー検出法が挙げられる。ここでは、抗ポリマー抗体は、それぞれの結合工程について同じ抗体であるか、またはそれぞれの工程について異なるポリマー特異的抗体である。関連する実施形態では、アッセイは、抗ポリマー特異的抗体または抗タンパク質特異的抗体だけを使用して行われる。] 図面の簡単な説明 [0029] 図1は、抗原HSAP−2−SS(PEG化ヒト血清アルブミン(hSA))についての直接の酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を示す。ウサギに、約380μg/mlのタンパク質と250μg/mlのPEG濃度を持つ抗原HSAP−2−h−SSの調製物を接種した。全ての動物の血清試料を、開始前と開始後3週間および4週間で採取し、続いて、抗原HSAP−2−h−SSに対する検出可能な抗体の形成について試験した。抗原HSAP−2−h−SSを、0.1Mの炭酸塩(pH9.6)中で、1μg/mlで表面上にコーティングした。試料をPBS−ゼラチン緩衝液中に希釈し、ウェルとともに、続いてヤギ抗ウサギIgG−HRP抗体とともに、Single Incubation Multilayer Immune Technique(SIMIT)を使用してインキュベートした。光学密度(OD)(縦軸)を、それぞれの試料の対数希釈率(横軸)について示す:黒塗りの三角、SPF(正常なウサギ血清);黒塗りの菱形、0週でのプール(4匹の動物、実験前);黒塗りの四角、3週でのプール(4匹の動物);黒塗りの丸、4週でのプール(4匹の動物)。 図2は、PEGによる抗原HSAP−2−SSについての直接のELISAの阻害を示す。ウサギを抗原HSAP−2−SSで免疫化し、血清試料を図1に記載するように調製した。抗原HSAP−2−h−SSを、0.1Mの炭酸塩(pH9.6)中で、1μg/mlで表面上にコーティングした。試料を、PBS−ゼラチン緩衝液またはPBS−ゼラチン−1%のPEG 5000緩衝液(+1%のPEG)中に希釈し、そしてウェルとともに、続いてヤギ抗ウサギIgG−HRP抗体(SIMIT)とともにインキュベートした。光学密度(OD)(縦軸)を、それぞれの試料の対数希釈率(横軸)について示す:白抜きの四角、3週+1%のPEG;黒塗りの四角、3週;白抜きの丸、4週+1%のPEG;黒塗りの丸、4週。 図2は、PEGによる抗原HSAP−2−SSについての直接のELISAの阻害を示す。ウサギを抗原HSAP−2−SSで免疫化し、血清試料を図1に記載するように調製した。抗原HSAP−2−h−SSを、0.1Mの炭酸塩(pH9.6)中で、1μg/mlで表面上にコーティングした。試料を、PBS−ゼラチン緩衝液またはPBS−ゼラチン−1%のPEG 5000緩衝液(+1%のPEG)中に希釈し、そしてウェルとともに、続いてヤギ抗ウサギIgG−HRP抗体(SIMIT)とともにインキュベートした。光学密度(OD)(縦軸)を、それぞれの試料の対数希釈率(横軸)について示す:白抜きの四角、3週+1%のPEG;黒塗りの四角、3週;白抜きの丸、4週+1%のPEG;黒塗りの丸、4週。 図3は、PEG修飾プレート上での直接のELISAを示す。ウサギを抗原HSAP−2−SSで免疫化し、血清試料を図1に記載するように調製した。基体(NUNCMaxisorp F96)を15mMのHEPES中の1mg/mlのmPEG−NPC 5000で、室温で2時間コーティングし、その後、PBS−ゼラチン(5mg/ml)でブロックした。試料をPBS−ゼラチン緩衝液中に希釈し、ウェルとともに、続いてヤギ抗ウサギIgG−HRP抗体(SIMIT)とともにインキュベートした。光学密度(OD)(縦軸)を、それぞれの試料の対数希釈率(横軸)について示す。光学密度(OD)(縦軸)を、それぞれの試料の対数希釈率(横軸)について示す:黒塗りの丸、3週でのプール;黒塗りの四角、プールSPF(正常なウサギ血清)。 図4は、VWFおよびPEG−VWFについての直接のELISAを示す。ウサギを抗原HSAP−2−SSで免疫化し、血清試料を図1に記載するように調製した。1つの基体を0.1Mの炭酸塩(pH9.6)中のPEG化VWF(PEG−VWF)でコーティングし、別の基体を0.1Mの炭酸塩(pH9.6)中の組み換え体VWF(rVWF−12)でコーティングした。試料をPBS−ゼラチン緩衝液中に希釈し、そしてウェルとともに、続いてヤギ抗ウサギIgG−HRP抗体(SIMIT)とともにインキュベートした。光学密度(OD)(縦軸)を、それぞれの試料の対数希釈率(横軸)について示す:黒塗りの丸、3週でのプール(コーティング:PEG−VWF);黒塗りの四角、3週でのプール(コーティング:rVWF−12)。 図5は、VWF−PEG化の検出のためのELISAを示す。基体(NUNC Maxisorp F96)を抗VWF抗体でコーティングし、漸減量のPEG化VWFとともにインキュベートし、続いて抗PEGペルオキシダーゼ結合体とともにインキュベーションした。結合したペルオキシダーゼをSureBlueを用いた比色反応によって検出し、シグナル強度は、希釈物中のPEG化VWFの濃度と相関関係がある。光学密度(OD)(縦軸)を、それぞれの試料の抗VWF抗体のmU数/ml対数希釈率(横軸)について示す:黒塗りの四角、wP−005−l−SS a(A);黒塗りの三角、wP−005−l−SS e(E);白抜きの菱形、wP−005−l−SS f(F);黒塗りの丸、wP−005−l−SS g(G)。試料Aは修飾前の天然のrVWFを示し、一方、調製物E、F、およびGは、1mM、2.5mM、および7.5mMのモル濃度のPEG化試薬PEG−SS−5Kを使用して調製した。 図5は、VWF−PEG化の検出のためのELISAを示す。基体(NUNC Maxisorp F96)を抗VWF抗体でコーティングし、漸減量のPEG化VWFとともにインキュベートし、続いて抗PEGペルオキシダーゼ結合体とともにインキュベーションした。結合したペルオキシダーゼをSureBlueを用いた比色反応によって検出し、シグナル強度は、希釈物中のPEG化VWFの濃度と相関関係がある。光学密度(OD)(縦軸)を、それぞれの試料の抗VWF抗体のmU数/ml対数希釈率(横軸)について示す:黒塗りの四角、wP−005−l−SS a(A);黒塗りの三角、wP−005−l−SS e(E);白抜きの菱形、wP−005−l−SS f(F);黒塗りの丸、wP−005−l−SS g(G)。試料Aは修飾前の天然のrVWFを示し、一方、調製物E、F、およびGは、1mM、2.5mM、および7.5mMのモル濃度のPEG化試薬PEG−SS−5Kを使用して調製した。 図6は、遊離のPEG 5000を培養物に添加した場合のrVWF−PEGの検出の阻害を示す。 図7は、PEG−PEG ELlSAの用量応答曲線を示す。 図8は、PEG−PEG ELISAの特異性を説明する。 図9は、安定なPEG化rVWFを用いて示した、PEG−タンパク質ELISAを使用したPEGタンパク質の強い検出を示す。 図10は、放出することができるPEG化rVWFを用いて示した、PEG−タンパク質ELISAを使用したPEG化タンパク質の強い検出を説明する。 図11は、PEG化rVWFを用いて示した、タンパク質を結合させたPEGについてのPEG−タンパク質ELISAの特異性を説明する。 図12は、PEG−rFVIII ELISAの特異性を示す。 図13は、PEG−FVIII ELISAアッセイにおける様々な抗FVIIIペルオキシダーゼ結合体の検出の比較である。 図14は、FVIII欠損マウスの血漿中、およびラットの血漿中でのPEG−rFVIII ELISAの検出を示す。 図15は、PEG化の程度が異なるPEG化rFVIII調製物の検出におけるELISAアッセイの比較である。 図16は、PEG−rFVIII ELISAに対する遊離のPEGの影響を示す。 図17は、放出することができるPEG化rFVIII調製物からのPEGの放出を測定するPEG−rFVIII ELISAアッセイの能力を示し、そしてELISAによってPEG化の程度が異なるPEG化FVIII分子を区別できることを明らかにしている。 図18は、PEG化タンパク質を、用いた全ての濃度で高感度ECL法を使用して検出できたことを示している。 図19は、緩衝液中に(図2A)またはヒト血漿中に(図2B)希釈したPEG化タンパク質の検出のレベルの比較である。 図20は、この方法により、PEG化rFVIIaのPEG化の程度の変化を経時的に検出することを説明している。 図21は、この方法によってPEG化の程度を区別できることを示している(図4A、PD=3.7、図4B、PD=6)。ここでは、PEG化の程度が高いほど強いシグナルが生じた。] 図1 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図18 [0030] 発明の詳細な説明 本発明は、タンパク質に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の量を決定するための方法に関する。] [0031] 他の場所で明確に定義されない限りは、本明細書中で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって通常理解されているものと同じ意味を有する。以下の参考文献によって本発明で使用される多くの用語の一般的な定義が当業者に提供されている:Singletonら、DICTIONARY OFMICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY(第2版、1994);THECAMBRIDGE DICTIONARY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY(Walker編、1988);THE GLOSSARY OF GENETICS,第5版、R.Rieger,ら(編)、Springer Verlag(1991);およびHale and Marham,THEHARPERCOLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY(1991)。] [0032] 本明細書中で引用される個々の刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、本開示と矛盾しない程度で、その全体が引用により本発明に組み込まれる。] [0033] 本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合は、単数形「a」、「an」および「the」には、文脈によって明確に示されている場合を除き、複数についての言及も含まれる。] [0034] 本明細書中で使用される場合は、以下の用語は、他の場所で明確に示されていない限りは、それらについて記載されている意味を有する。] [0035] 用語「試料」は、本明細書中で使用される場合は、少なくとも1つの生理学的に許容されるポリマー分子に結合させられた少なくとも1つのタンパク質を含む任意の試料、例えば、薬学的産物を調製するためのプロセスによって生じる任意の流体または溶液をいう。] [0036] 用語「タンパク質」は、本明細書中で使用される場合は、任意のタンパク質、タンパク質複合体、またはポリぺプチドをいい、これには、組み換え体タンパク質、タンパク質複合体、およびペプチド結合によって連結させられたアミノ酸残基からなるポリペプチドが含まれる。タンパク質は、インビボからのタンパク質の単離によって得ることができ、合成方法によって得ることができ、また、組み換えDNA技術によって得ることもできる。合成ポリペプチドは、例えば、自動ポリペプチド合成装置を使用して合成される。本発明にしたがって使用される組み換え体タンパク質は、本明細書中で以下に記載されるように、当該分野で公知の任意の方法によって生成させることができる。1つの実施形態では、タンパク質は生理学的に活性なタンパク質であり、これには、治療用タンパク質または生物学的活性のあるその誘導体が含まれる。用語「生物学的活性のある誘導体」は、もとのタンパク質と実質的に同じ機能的および/または生物学的特性を有しているタンパク質の修飾体をいう。用語「タンパク質」は、通常は、大きなポリペプチドをいう。用語「ペプチド」は、通常は、短いポリペプチドをいう。本明細書中で使用される場合は、ポリペプチド、タンパク質、およびペプチドは互換的に使用される。「タンパク質複合体」は、少なくとも1つの他のタンパク質に結合させられた少なくとも1つのタンパク質からなる1つの分子をいう。タンパク質複合体の例としては、補因子またはシャペロンタンパク質に結合させられたタンパク質、リガンド−受容体複合体、および多量体タンパク質(例えば、インテグリン)、ならびに複数のタンパク質サブユニットからなる他の細胞表面受容体が挙げられるが、これらに限定されない。] [0037] 本明細書中で使用される場合は、ポリペプチドの「断片」は、全長のポリペプチドまたはタンパク質発現産物よりも小さい、ポリペプチドの任意の部分をいう。断片は、通常は、全長のポリペプチドの欠失アナログであり、ここでは、1つ以上のアミノ酸残基が、全長のポリペプチドのアミノ末端および/またはカルボキシ末端から除去されている。したがって、「断片」は、以下に記載される欠失アナログの1つのサブセットである。] [0038] 本明細書中で使用される場合は、「アナログ」または「誘導体」(これらは互換的に使用される場合がある)は、構造が実質的に類似しており、同じ生物学的活性を有しているポリペプチドをいうが、特定の場合には、自然界に存在している分子とは異なる程度の活性を有する。アナログは、以下を含む1つ以上の突然変異に基づいて、そのアナログが誘導された自然界に存在しているポリペプチドと比較してそれらのアミノ酸配列の組成が異なる:(i)ポリペプチドの1つ以上の末端および/または自然界に存在しているポリペプチド配列の1つ以上の内部領域での1つ以上のアミノ酸残基の欠失、(ii)ポリペプチドの1つ以上の末端での1つ以上のアミノ酸の挿入もしくは付加(通常は、「付加」アナログ)、および/または自然界に存在しているポリペプチド配列の1つ以上の内部領域での1つ以上のアミノ酸の挿入もしくは付加(通常は、「挿入」アナログ)、あるいは、(iii)自然界に存在しているポリペプチド配列中の他のアミノ酸での1つ以上のアミノ酸の置換。置換は、置き換えられるアミノ酸とそれに置き換わるアミノ酸との物理化学的または機能的関係性に基づいて、保存的であるかまたは非保存的である。] [0039] 1つの態様では、アナログは、特定の化合物(例えば、ペプチド)と、約70%の配列類似性、しかし100%未満の配列類似性を示す。そのようなアナログまたは誘導体には、1つの態様では、自然界には存在しないアミノ酸残基(これには限定ではないが、例えば、ホモアルギニン、オルニチン、ペニシラミン、およびノルバリンが含まれる)、ならびに自然界に存在しているアミノ酸残基が含まれる。そのようなアナログまたは誘導体には、別の態様では、1つまたは複数のD−アミノ酸残基が含まれるか、あるいは、2つ以上のアミノ酸残基の間での非ペプチド相互結合が含まれる。用語「〜に由来する」は、本明細書中で使用される場合は、野生型または自然界に存在しているポリペプチドもしくはペプチド配列の修飾体(アミノ酸の置換または欠失を含む)であり、そして誘導体の配列が野生型または自然界に存在している配列に対して約70%であるが100%未満の配列類似性を持つように1つ以上のアミノ酸の置換、付加、または欠失を有するポリペプチドあるいはペプチド配列をいう。1つの実施形態では、誘導体はポリペプチドの1つの断片であり得、ここでは、断片は、野生型ポリペプチドの少なくとも5個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、または50個のアミノ酸の長さにわたって実質的に相同である(すなわち、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%相同である)。] [0040] 配列比較のためには、通常は、1つの配列が参照配列とされ、それに対して試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムが使用される場合は、試験配列と参照配列がコンピューターに入力され、続いて必要に応じて、座標が設計され、そして配列アルゴリズムプログラムのパラメーターが設計される。その後、配列比較アルゴリズムによって、参照配列に対する試験配列(単数または複数)についての配列同一性の割合(%)が、設計されたプログラムのパラメーターに基づいて計算される。] [0041] 比較のための最適な配列アラインメントは、特定の実施形態では、Smith & Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所相同性アルゴリズムによって、Needleman & Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性アラインメントアルゴリズムによって、Pearson & Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似性方法のための検索によって、これらのアルゴリズムのコンピューターでの実行(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WIのGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)によって、または目視検査によって行われる。有用なアルゴリズムの一例はPILEUPであり、これは、Feng & Doolittle,J.Mol Evol.35:351−360(1987)の進行性アラインメント法(progressive alignment method)の簡素化手法を使用し、Higgins & Sharp,CABIOS 5:151−153(1989)によって記載されている方法と類似している。配列の複数のアラインメントを作製するために有用な別のアルゴリズムは、Clustal W(Thompsonら、Nucleic AcidsResearch 22:4673−4680(1994))である。配列同一性および配列類似性の割合(%)を決定するために適しているアルゴリズムの一例は、BLASTアルゴリズム(Altschulら、J.Mol.Biol.215:403−410(1990);Henikoff & Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915(1989);Karlin & Altschul,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5787(1993))である。BLAST分析を実施するためのソフトウェアはNational Center for Biotechnology Informationを通じて公に入手することができる。] [0042] 置換は、置き換えられるアミノ酸とそれに置き換わるアミノ酸の物理化学的または機能的関係性に基づいて、保存的であるかまたは非保存的である。このタイプの置換は当該分野で周知である。あるいは、本発明には、非保存的でもある置換も含まれる。例示的な保存的置換はLehninger,[Biochemistry,第2版;Worth Publishers,Inc.,New York(1975),pp.71−77]に記載されており、以下に示される。] [0043] あるいは、例示的な保存的置換がすぐ下に示される。] [0044] 本明細書中で使用される場合は、「変異体」は、通常はその分子の一部ではないさらなる化学的部分を含むように修飾されているタンパク質またはアナログをいう。そのような部分は、様々な態様において、分子の溶解度、吸収、生物学的半減期などを改善する。あるいは、これらの部分は、分子の毒性を下げ、そしてその分子についての任意の望ましくない副作用を排除するかまたは弱めるなどである。そのような作用を媒介することができる部分は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(1980)に開示されている。そのような部分を分子に結合させるための手順は当該分野で周知である。特定の態様では、限定ではないが、変異体は、グリコシル化、PEG化、またはポリシアル化によって修飾されたポリぺプチドである。] [0045] 本明細書中で使用される場合は、「自然界に存在している」は、タンパク質またはポリペプチドに適用される場合は、自然界でみられるタンパク質をいう。例えば、自然界の供給源から単離された生物体(ウイルスを含む)の中に存在し、そして実験室において人によって意図的に修飾されていないポリペプチドまたはポリヌクオチド配列が、自然界に存在しているものである。用語「自然界に存在している」および「野生型」は、本明細書全体を通じて互換的に使用される。] [0046] 本明細書中で使用される場合は、「血漿由来」は、タンパク質またはポリペプチドに適用される場合は、被検体の血漿または血清中でみられる自然界に存在しているポリペプチドあるいはそれらの断片をいう。] [0047] 用語「生理学的に許容されるポリマー分子」は、本明細書中で使用される場合は、水溶液中に実質的に可溶であるかまたは懸濁液の形態で存在し得、そして薬学的有効量でポリマー−タンパク質結合体が投与された際に、哺乳動物に対して実質的に悪影響がなく、生体適合性とみなされるポリマー分子をいう。1つの実施形態では、生理学的に許容される分子には、2〜約1000、または約2〜約300の繰り返し単位が含まれる。例示的な生理学的に許容されるポリマーとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ポリ(アルキレングリコール)、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(「PPG」)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマーなど、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファスファゼン、ポリオキサゾリン、ポリ(N−アクリロイルモルホリン)、ポリ(アルキレンオキサイド)ポリマー、ポリ(マレイン酸)、ポリ(DL−アラニン)、ポリサッカライド、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ヒアルロン酸およびキチン、ポリ(メタ)アクリレート、ならびに上記の任意の組み合わせ。] [0048] 生理学的に許容されるポリマー分子は特定の構造に限定されず、特定の態様では、直鎖状(例えば、アルコキシPEGもしくは二官能性PEG)、分岐状、または複数のアームを持つ(例えば、フォーク型PEGもしくはポリオールコアに結合させられたPEG)、樹状であるか、あるいは分解することができる結合を持つ。さらに、なお他の態様では、ポリマー分子の内部構造はあらゆるパターンで構成され、以下からなる群より選択されるが、これらに限定されない:ホモポリマー、交互コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互トリポリマー(alternating tripolymer)、ランダムトリポリマー(random tripolymer)、およびブロックトリポリマー。] [0049] 用語「リンカー」は、生物学的に活性な分子に対して生理学的に許容されるポリマーを連結する分子の断片をいう。この断片は、通常は、別のリンカーもしくは生物学的に活性な求核基に結合させることができるか、または別のリンカーもしくは生物学的に活性な求核基と直接反応するように活性化させることができる2つの官能基を持つ。一例として、ω−アミノアルカン酸(例えば、リジン)が一般的に使用される。本発明では、リンカーには、安定なリンカー、放出することができるリンカー、および加水分解することができるリンカーが含まれる。] [0050] 表現「少なくとも1つの生理学的に許容されるポリマー分子に結合させられたタンパク質」には、本明細書中で使用される場合は、相互作用(例えば、イオン性、疎水性、親和性、生体親和性相互作用)によって、1つ以上のポリマー分子に共有結合させられたかまたは共有以外の結合によって結合させられたタンパク質が含まれる。様々な実施形態では、ポリマー分子は、二官能性試薬の使用によって、そしてスペーサーアームを介してタンパク質に結合させられる。加えて、ポリマー分子は、親和性相互作用によってタンパク質に結合させられる。例えば、特定の実施形態では、タンパク質はビオチニル化され、ポリマー分子に結合させられたアビジンまたはストレプトアビジンがタンパク質に結合させられ得る。さらに、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体ならびにそれらの断片がポリマー分子に結合させられ、その後、この複合体がタンパク質に結合させられ得る。ポリマー分子はまた、例えば、ポリグリコシルトランスフェラーゼを用いたサッカライドの転移(US6,379,933)またはグリコペグ化(US2004 0132640)のような酵素的方法によってもタンパク質に結合させられる。別のアプローチは、例えば、VWFタンパク質のA1ドメインおよびA3ドメインに対するPEG化コラーゲンまたはコラーゲン断片の結合のような、それらの生物学的機能に基づくタンパク質に対するポリマー分子の結合である。この目的のためには、いくつかの実施形態では、例えば、ヒトの胎盤に由来する、VWFと強い相互作用を示すI型およびIII型由来のコラーゲンが使用される。特定の実施形態では、ポリマー分子の結合は、タンパク質のインビボでの適用後の生理学的条件下で可逆的であるか、または不可逆的である。] [0051] 用語「PEG化」は、本明細書中で使用される場合は、1つ以上のPEG部分に結合させられたタンパク質、タンパク質複合体、またはポリペプチドをいう。用語「PEG化」は、本明細書中で使用される場合は、タンパク質に対して1つ以上のPEGを結合させるプロセスをいう。1つの実施形態では、上記PEGの分子量は、3kDa〜200kDa、5kDa〜120kDa、10kDa〜100kDa、20kDa〜50kDa、5kDa〜60kDA、5kDa〜40kDa、5kDa〜25kDa、5kDa〜15kDa、または5kDa〜10kDaの範囲内である。] [0052] 用語生理学的に許容されるポリマー「に特異的に結合する」または生理学的に許容されるポリマーに「特異的」であるは、生理学的に許容されるポリマーを認識し、結合するが、他の化合物(または他の抗原)は認識せず、結合しない結合試薬の能力をいう。例えば、その同種抗原に「特異的」な抗体は、抗体の可変領域が検出することができる優先性を持つ目的の化合物を認識し、結合する(すなわち、抗体がポリペプチドに特異的である場合には、化合物間に局所的な配列同一性または相同性、あるいは類似性が存在する可能性があるにもかかわらず、目的の化合物を類似する構造または組成の他の公知の化合物と、結合親和性についての測定可能な差によって区別することができる)ことを示す。特異的抗体はまた、抗体の可変領域の外側にある(特に、分子の定常領域の中の)配列との相互作用を通じて他のタンパク質(例えば、S.aureusプロテインAまたはELISA技術における他の抗体)とも相互作用する場合があることが理解されるであろう。本発明の方法で使用される抗体の結合特異性を決定するためのスクリーニングアッセイは当該分野で周知であり、日常的に行われている。そのようなアッセイの包括的な議論については、Harlowら(編),Antibodies A Laboratory Manual;Cold Spring Harbor Laboratory;Cold Spring Harbor,NY(1988),第6章を参照のこと。本発明で使用される抗体は、当該分野で公知の任意の方法を使用して生産することができる。] [0053] 「検出可能な標識」または「検出可能な部分」は、分光学的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、化学的手段、または他の物理的手段によって検出することができる組成物である。例えば、本発明での使用に適している標識としては、例えば、放射性標識(例えば、32P)、フルオロフォア(例えば、フルオレセイン)、電子密度試薬、(例えば、ELISAにおいて一般的に使用されているような)酵素、ビオチン、ジゴキシゲニン、またはハプテン、および(例えば、ハプテンもしくはペプチドの中に放射性標識を取り込ませることによって)検出できるようになるか、またはハプテンもしくはペプチドと特異的に反応する抗体を検出するために使用されるタンパク質が挙げられる。] [0054] 用語「基体」または「担体マトリックス」は、何らかの具体的な限定を意味するものではなく、例えば、不溶性のポリマー材料をいう。これは、有機ポリマー(例えば、ポリアミドまたはビニルポリマー(例えば、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、およびポリビニルアルコール、またはそれらの誘導体))、天然のポリマー(例えば、セルロース、デキストラン、アガロース、キチン、およびポリアミノ酸)、あるいは無機ポリマー(例えば、ガラスまたは金属水酸化物)であり得る。特定の実施形態では、基体は、マイクロキャリア、粒子、メンブレン、細片、紙、薄膜、パール(pearl)、ビーズ、またはプレート(例えば、マイクロタイタープレート)の形態である。1つの態様では、少なくとも1つの生理学的に許容されるポリマー分子に結合させられたタンパク質は、共有結合によって直接、または担体(例えば、リンカー分子)を介して基体上に固定されるか、あるいは、基体上に固定された抗体である。] [0055] 「薬学的組成物」は、ヒトおよび哺乳動物を含む被験動物での薬学的使用に適している組成物をいう。薬学的組成物には、薬理学的有効量のポリマー−ポリペプチド結合体が含まれ、そしてまた、薬学的に許容される担体も含まれる。薬学的組成物には、有効成分(単数または複数)と、担体を構成する不活性な成分(単数または複数)、ならびに任意の2種類以上の成分の組み合わせ、複合体形成、もしくは凝集によって、または1種類以上の成分の解離によって、または1種類以上の成分の他のタイプの反応もしくは相互作用によって、直接あるいは間接的に生じる任意の産物を含む組成物が含まれる。したがって、本発明の薬学的組成物には、本発明の化合物または結合体と薬学的に許容される担体とを混合することによって生成される任意の組成物が含まれる。] [0056] 「薬学的に許容される担体」は、任意の標準的な薬学的担体、緩衝液、および賦形剤、例えば、リン酸緩衝化生理食塩溶液、5%のデキストロース水溶液、およびエマルジョン(例えば、油/水エマルジョンもしくは水/油エマルジョン)、ならびに様々なタイプの湿潤剤および/またはアジュバントをいう。適切な薬学的担体および処方物は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第19版(Mack Publishing Co.,Easton,1995)に記載されている。好ましい薬学的担体は、活性物質についての意図される投与様式に応じて様々である。典型的な投与様式としては、腸(例えば、経口)または非経口(例えば、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射、もしくは腹腔内注射;または局所投与、経皮投与、もしくは経粘膜投与)が挙げられる。「薬学的に許容される塩」は、薬学的に使用される化合物または結合体になるように処方される塩であり、これには例えば、金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩など)およびアンモニアまたは有機アミンの塩が含まれる。] [0057] 「薬学的に許容される」は、生物学的に望ましくないものではないか、または別な意味で望ましくないものではない物質をいう。すなわち、これらの物質は、望ましくない生物学的作用を引き起こすことも、また、その中に含まれる組成物の成分のいずれとも有害な方法で相互作用することもなく、個体に投与することができる。] [0058] 本発明の1つの態様は、タンパク質に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の量を決定するための方法に関する。この方法には以下の工程が含まれる: (a)少なくとも1つの生理学的に許容されるポリマー分子に結合させられた少なくとも1つのタンパク質を提供する工程; (b)上記生理学的に許容されるポリマー分子に特異的に結合することができる少なくとも1つの抗体を提供する工程; (c)上記タンパク質に結合させられた少なくとも1つのポリマー分子に対する上記抗体の結合に適している条件下で、工程(b)の抗体を工程(a)のタンパク質と接触させる工程;および (d)抗体と生理学的に許容されるポリマー分子との間での複合体の形成を検出する工程。] [0059] 抗体とポリマー分子との間での複合体は、当該分野で周知の方法によって検出される。上記複合体の検出のための例としては、生理学的に許容されるポリマー分子に特異的に結合することができる抗体に対して特異的な標識された抗体の使用が挙げられるがこれに限定されないか、または、生理学的に許容されるポリマー分子に特異的に結合することができる抗体は、当該分野で公知の任意の適切な検出可能な標識である、検出可能な標識に共有結合させられる。検出可能な標識を測定するための検出方法は、例えば、酵素アッセイ、発色アッセイ、発光アッセイ、蛍光アッセイ、および放射免疫アッセイからなる群より選択されるが、これらに限定されない。検出可能な標識の検出を行うための反応条件は、選択される検出方法に応じて様々である。使用されるそれぞれの検出システムについての最適なパラメーター(例えば、緩衝液システム、温度、およびpH)を選択することは、当業者の能力の範囲内である。] [0060] タンパク質に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の量の決定を生じる検出可能な標識の定量は、標準的な方法によって行われる。例えば、1つの態様では、生理学的に許容されるポリマー分子に特異的に結合することができる抗体は、酵素(例えば、ペルオキシダーゼ)に結合させられ、そして検出のために酵素基質反応が行われる。生理学的に許容されるポリマー分子の量は、規定量の生理学的に許容されるポリマー分子に結合させられた目的のタンパク質によって得られた検量線から計算される。目的のタンパク質に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の量は、例えば、SDS−ゲル電気泳動によるデータを評価し、そして生理学的に許容されるポリマー分子の結合後の質量の増大を決定することによって得ることができる。] [0061] 1つの態様では、本発明の抗体は、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、従来のハイブリドーマ技術によって導かれたモノクローナル抗体、および組み換え技術(例えば、ファージディスプレイまたはリボソーマルディスプレイ)によって得られた抗体または抗体断片からなる群より選択される。本発明の1つの実施形態では、抗体は、ポリクローナル抗体である。] [0062] 本発明によると、用語「タンパク質」は具体的な限定をなすものではなく、これには、任意のタンパク質、タンパク質複合体、またはポリペプチド(これには、組み換えDNA技術によって得られた組み換え体タンパク質、タンパク質複合体、およびポリペプチドが含まれる)が含まれ得る。本発明にしたがって使用される組み換え体タンパク質は、当該分野で公知の任意の方法によって生産することができる。これには、(i)遺伝子操作による(例えば、RNAの逆転写および/またはDNAの増幅による)組み換え体DNAの生産、(ii)トランスフェクションによる(例えば、エレクトロポレーションまたはマイクロインジェクションによる)原核生物細胞または真核生物細胞への組み換え体DNAの導入、(iii)上記の形質転換された細胞の(例えば、連続様式または回分様式での)培養、(iv)タンパク質の(例えば、構成的または誘導の際の)発現、ならびに、(v)例えば、培養培地からまたはトランスフェクトされた細胞を回収することによる、タンパク質の単離、それにより(vi)(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィーまたはアフィニティークロマトグラフィーによって)精製された組み換え体タンパク質を得るための任意の当該分野で公知の方法が含まれ得る。] [0063] タンパク質およびタンパク質複合体 組成物中での使用が意図されるタンパク質としては、被検体への投与に有用な生理学的に活性なタンパク質が挙げられる。1つの実施形態では、生理学的に活性なタンパク質は治療用タンパク質である。生理学的に活性なタンパク質は、1つの態様では、タンパク質の治療的活性もしくは生物学的活性の一部、実質的に全て、または全てをなおも保持しているタンパク質あるいは任意の断片である。いくつかの実施形態では、タンパク質は、発現されないかもしくは生産されない場合、または発現もしくは生産が実質的に低下している場合に、疾患を引き起こす可能性があるタンパク質である。好ましくは、タンパク質は哺乳動物に由来するかまたは哺乳動物から得られるものである。] [0064] 本発明の様々な実施形態では、生理学的に許容されるポリマーに結合させられた生理学的に活性なタンパク質がタンパク質であるか、またはそのタンパク質の生物学的活性を持つその断片である場合には、生理学的に活性なタンパク質は、結合させられていないヒトまたは哺乳動物のタンパク質の対応している部分のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する。他の実施形態では、結合体の生理学的に活性なタンパク質は、ヒトまたは哺乳動物の種にとって天然のものであるタンパク質である。他の実施形態では、タンパク質またはその断片は、対応するヒトまたは哺乳動物のタンパク質の天然の配列に対して実質的に相同である(すなわち、活性物質の少なくとも10個、25個、50個、100個、150個、もしくは200個のアミノ酸の長さ、または全長にわたり、アミノ酸配列において少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である)。] [0065] タンパク質の作製方法 組み換え体タンパク質を作製するための方法は当該分野で周知である。組み換え体タンパク質をコードするDNAまたはRNAを発現する細胞(哺乳動物細胞を含む)の生成方法は、米国特許第6,048,729号、同第5,994,129号、および同第6,063,630号に記載されている。これらの出願のそれぞれの教示は、それらの全体が引用により本明細書中に組み入れられる。] [0066] 1つの実施形態では、ポリペプチドまたはその断片もしくはアナログを発現させるために使用される核酸構築物は、トランスフェクトされた哺乳動物細胞中で染色体外で(エピソームとして)発現されるもの、またはレシピエント細胞のゲノムの中に、無作為に組み込まれるかもしくは相同組み換えによって予め選択された標的化部位に組み込まれるかのいずれかであるものである。染色体外で発現される構築物には、ポリペプチドをコードする配列に加えて、細胞中でのタンパク質の発現のため、そして状況によっては構築物の複製のために十分な配列が含まれる。これには、通常、プロモーター、ポリペプチドをコードするDNA配列、およびポリアデニル化部位が含まれる。タンパク質をコードするDNAは、その発現がプロモーターの制御下で行われるように構築物の中に配置される。状況に応じて、この構築物には、以下の1つ以上のようなさらなる成分が含まれる場合がある:スプライシング部位、エンハンサー配列、適切なプロモーターの制御下にある選択マーカー遺伝子、および適切なプロモーターの制御下にある増幅可能なマーカー遺伝子。] [0067] DNA構築物が細胞のゲノムに組み込まれるこれらの実施形態では、これには、ポリペプチドをコードする核酸配列が含まれる。状況に応じて、これには、プロモーター配列およびエンハンサー配列、ポリアデニル化部位(単数または複数)、スプライシング部位(単数または複数)、選択マーカー(単数または複数)をコードする核酸配列、増幅可能なマーカーをコードする核酸配列、および/またはゲノム中の選択された部位へのDNAの組み込みを標的化するためのレシピエント細胞中のゲノムDNAと相同なDNA(標的化DNAまたはDNA配列)が含まれ得る。] [0068] 宿主細胞 組み換え体タンパク質を生産させるために使用される宿主細胞は、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、哺乳動物以外の脊椎動物の細胞、または哺乳動物細胞である。哺乳動物細胞としては、ハムスター、サル、チンパンジー、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、およびヒトの細胞が挙げられるがこれらに限定されない。宿主細胞としては、不死化細胞(細胞株)または非不死化(初代もしくは二次)細胞が挙げられ、これには、任意の多種多様な細胞のタイプ(例えば、線維芽細胞、ケラチン生成細胞、上皮細胞(例えば、乳房上皮細胞、腸上皮細胞)、卵巣細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞、すなわちCHO細胞)、内皮細胞、グリア細胞、神経細胞、血液の構成成分(例えば、リンパ球、骨髄細胞)、筋細胞、肝細胞、およびこれらの体細胞タイプの前駆体であるが、これらに限定されない)が含まれる。] [0069] 一般的に使用されている宿主細胞としては、以下が挙げられる:原核生物細胞(例えば、グラム陰性細菌またはグラム陽性細菌、すなわち、E.coli、Bacillus、Streptomyces、Saccharomyces、Salmonellaなどの任意の株);真核生物細胞(例えば、CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞);ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞;ヒト腎臓293細胞;COS−7細胞;昆虫細胞(例えば、D.Mel−2、Sf4、Sf5、Sf9、およびSf2l、ならびにHigh5);植物細胞、ならびに様々な酵母細胞(例えば、SaccharomycesおよびPichia)。] [0070] ポリペプチドをコードするDNAまたはRNAを含む宿主細胞は、細胞増殖、およびDNAまたはRNAの発現に適している条件下で培養される。ポリペプチドを発現するこれらの細胞は公知の方法を使用して同定され、組み換え体タンパク質が公知の方法を使用して、ポリペプチド産物の増幅を行って、またはポリペプチド産物の増幅を行わずにのいずれかで、単離、精製される。同定は、例えば、タンパク質をコードするDNAまたはRNAの存在の指標となる表現形を示す遺伝子修飾された哺乳動物細胞のスクリーニング(例えば、PCRスクリーニング)、サザンブロット分析によるスクリーニング、あるいは、タンパク質の発現についてのスクリーニングによって行われるが、これらに限定されない。タンパク質をコードするDNAが取り込まれている細胞の選択は、DNA構築物の中に選択マーカーを含めること、そして選択マーカー遺伝子を発現する細胞だけが生存できる適切な条件下で選択マーカー遺伝子を含むトランスフェクトされたかまたは感染させられた細胞を培養することによって行われ得る。導入されたDNA構築物のさらなる増幅は、特定の態様では、遺伝子修飾された細胞を増幅に適している条件下で培養すること(例えば、多コピーの増幅可能なマーカー遺伝子を含む細胞だけが生存できる薬物濃度の存在下で、増幅可能なマーカー遺伝子を含む遺伝子修飾された細胞を培養すること)によって行われる。] [0071] 本発明の1つの例では、タンパク質は、生理学的に活性なタンパク質、タンパク質複合体、またはポリペプチド、特に、治療用タンパク質または生物学的活性のあるその誘導体である。本明細書中で使用される場合は、用語「生物学的活性のある誘導体」には、タンパク質、タンパク質複合体、もしくはポリペプチドと実質的に同じ機能的および/または生物学的特性(例えば、結合特性)、ならびに/あるいは、同じ構造的基礎(例えば、ペプチド骨格または基本的なポリマー単位)を有している、上記タンパク質、タンパク質複合体、もしくはポリペプチドの任意の誘導体が含まれる。] [0072] 生理学的に活性なタンパク質または治療用タンパク質である組み換え体タンパク質としては、サイトカイン、成長因子、治療用の凝固タンパク質、または血液凝固因子、酵素、ケモカイン、可溶性の細胞表面受容体、細胞接着分子、抗体、ホルモン、細胞骨格タンパク質、マトリックスタンパク質、シャペロンタンパク質、構造タンパク質、代謝タンパク質、ならびに当業者に公知の他の治療用タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。治療薬として使用される例示的な組み換え体タンパク質としては、第VIIl因子、第VIII因子:C、抗血友病因子、第VII因子、第IX因子、およびフォン・ヴィレブランド因子、エリスロポエチン、インターフェロン、インシュリン、CTLA4−Ig、α−グルコセレブロシダーゼ、α−グルコシダーゼ、卵胞刺激ホルモン、抗CD20抗体、抗HER2抗体、抗CD52抗体、TNF受容体、および当該分野で公知の他のものが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Physicians Desk Reference,第62版,2008,Thomson Healthcare,Montvale,NJを参照のこと。] [0073] 1つの実施形態では、タンパク質は、治療用の凝固因子または血液(凝固)因子であり、これには、第II因子、第V因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子、フォン・ヴィレブランド因子,プロテインC、アンチトロンビンIII、およびこれらのタンパク質のうちの任意のものの活性化形態が含まれるが、これらに限定されない。関連する実施形態では、タンパク質複合体には、1つ以上の血液因子が含まれる。例示的な血液因子のタンパク質複合体としては、FVIIIとVWFとの間での複合体が挙げられる。] [0074] 血液因子 本発明の1つの特異的な例においては、タンパク質は、血漿由来(細胞質)および/または組み換え体フォン・ヴィレブランド因子(VWF)、あるいは生物学的活性のあるそれらの誘導体である。用語「血漿由来VWF(pVWF)」には、哺乳動物から得られる成熟VWFが含まれる。上記pVWFの1つの生物学的活性のある誘導体はpro−VWFであり、これには、プロ−ペプチドが含まれる。本発明の1つの例においては、タンパク質は、内皮細胞および巨核球によって合成される前駆体VWF分子(プレ−プロ−VWF)、VWFプロペプチド(プロ−VWF)を含む未成熟VWF、ならびに、前駆体分子のそれぞれシグナルペプチドおよびプロ−ペプチドの切断によって得られる成熟血漿由来VWFからなる群より選択される。細胞質VWFの生物学的活性のある誘導体のさらなる例としては、生物学的に活性な形態になるようにプロセシングされるかまたはそのような形態に変換されるプロドラッグ、あるいは、生物学的に活性なプロドラッグ(例えば、短縮型、欠失を含む形態、置換を含む形態、プロ形態ではない付加を持つ形態、成熟形態の断片、キメラ形態、および天然の形態と比較して翻訳後修飾を持つ形態)が挙げられる。用語「組み換え体VWF(rVWF)」には、組み換えDNA技術によって得られた、状況に応じて薬理学的に許容されるグリコシル化パターンを持つVWFが含まれる。その特別な例としては、A2ドメインを持たず、それにより、タンパク質分解に耐性であるVWF(Lankhofら、Thromb Haemost.;77:1008−1013,1997)および糖タンパク質Ib結合ドメインとコラーゲンおよびヘパリンの結合部位を含むVal449〜Asn730のVWF断片(Pietuら、Biochem Biophys Res Commun.;164:1339−1347,1989)が挙げられる。] [0075] フォン・ヴィレブランド因子は、1×106ダルトン〜20×106ダルトンの分子量の1つのシリーズの多量体の形態で血漿中に存在する。VWF(Genbank登録番号NP_000543)は、哺乳動物の内皮細胞の中で主に形成され、続いて循環へと分泌される糖タンパク質である。これに関連して、およそ220kDの分子量を持つポリペプチド鎖から始めて、550kDの分子量を持つVWF二量体が、いくつかの硫黄結合の形成によって細胞の中で生産される。2000万ダルトンまでの漸増する分子量を持つ複数のVWFのさらなるポリマーが、VWF二量体の連結によって形成させられる。特に、高分子量VWF多量体が血液の凝固において不可欠な重要性を持つと推測される。] [0076] VWF症候群は、VWFの低生産または過剰生産のいずれかがある場合に臨床的に現れる。VWFの過剰生産は、血栓形成の増加(血管内での血餅または血栓の形成、血流を塞ぐ)を引き起こし、一方、高分子量のVWF形態のレベルの低下または高分子量のVWF形態が存在しないことによっては、血小板の凝集および創縫合の阻害が原因である出血量の増加および出血時間の延長が起こる。] [0077] VWF欠損はまた、VWFが機能性の第VIII因子の必須構成成分であるので、血友病Aの表現型を引き起こす場合がある。これらの場合には、第VIII因子の半減期は、血液の凝固カスケードにおけるその機能が損なわれる程に短くなる。フォン・ヴィレブランド病(VWD)またはVWF症候群に罹患している患者は、第VIII因子欠損を示す場合が頻繁にある。これらの患者においては、第VIII因子活性の低下は、X番染色体遺伝子の欠損の結果ではなく、血漿中のVWFの量的および質的変化の間接的な結果である。血友病AとvWDの区別は、通常は、VWF抗原を測定することによって、またはリストセチン−補因子活性を決定することによって行われ得る。VWF抗原含有量とリストセチン補因子活性の両方が、ほとんどのvWD患者においては低いが、これらは血友病A患者においては正常である。VWF症候群の処置のためのVWF製品としては、HUMATE−P;ならびに、IMMUNATE(登録商標)、INNOBRAND(登録商標)、および8Y(登録商標)(血漿由来のFVIII/VWF濃縮物を含む治療薬)が挙げられるが、これらに限定されない。] [0078] 関連する実施形態では、タンパク質は第VIII因子である。第VIII因子(FVIII)は、哺乳動物の肝臓の中で生産される約260kDaの分子量の血漿糖タンパク質である。(Genbank登録番号NP_000123)。これは、血液の凝固を導く凝固反応のカスケードの重要な成分である。このカスケードには、第IXa因子がFVIIIとともに第X因子(Genbank登録番号NP_000495)を活性化形態である第Xa因子に変換させる工程がある。FVIIIは、この工程において補因子として働き、第IXa因子の活性にはカルシウムイオンとリン脂質が必要である。これらの2つの最も一般的な血友病は、機能性のFVIIIの欠損(血友病A、全ての症例の約80%)または機能性の第IXa因子の欠損(血友病Bもしくはクリスマス因子病)によって引き起こされる。FVIIIは、極めて低い濃度で血漿中を循環し、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)に非共有的に結合する。止血の間に、FVIIIはVWFから分離され、カルシウムおよびリン脂質または細胞膜の存在下での活性化速度を増大させることによって、活性化第IX因子(FΙXa)に媒介される第X因子(FX)の活性化のための補因子として働く。] [0079] FVIIIは、ドメイン構造A1−A2−B−A3−C1−C2を持つおよそ270kD〜330kDの単鎖前駆体として合成される。血漿から精製された場合には、FVIIIは、重鎖(A1−A2−B)と軽鎖(A3−C1−C2)から構成される。軽鎖の分子量は80kDであるが、Bドメイン内でのタンパク質分解が原因で、重鎖は90kD〜220kDの範囲である。] [0080] FVIIIはまた、出血性疾患における治療的使用のために組み換え体タンパク質としても合成される。治療薬としての組み換え体FVIII(rFVIII)の潜在的有効性を決定するための様々なインビトロアッセイが考案されている。これらのアッセイは、内因性のFVIIIのインビボでの作用を模倣する。FVIIIのインビトロでのトロンビンでの処理によっては、インビトロアッセイによって測定されるような、その凝固促進活性の迅速な増大とそれに続く低下が生じる。この活性化と不活化は、重鎖と軽鎖の両方の特異的な限定されたタンパク質分解と合致し、これにより、FVIIIの様々な結合エピトープの利用できる度合いが変化する。例えば、FVIIIがVWFから解離できるようになり、リン脂質表面に結合するか、または、特定のモノクローナル抗体に対する結合能力が変化する。] [0081] 最近まで、血友病Aの標準的な処置には、ヒトドナーの血漿に由来するFVIII濃縮物の調製物の頻繁な注入が含まれていた。この補充療法は一般的には有効であるが、そのような治療法は、患者を、肝炎およびAIDSのようなウイルス伝染性疾患のリスクにさらす。このリスクはモノクローナル抗体を使用する免疫精製による、および有機溶媒もしくは熱のいずれかでの処理によってウイルスを不活化させることによる、血漿由来のFVIIIのさらなる精製によって低下させられているが、そのような調製物についての処理コストが大幅に増大し、また、リスクもないわけではない。これらの理由から、患者は予防的ではなく、発症時に処置されている。さらに厄介な問題は、患者のうちの約15%が血漿由来FVIIIに対する抑制抗体を生じることである。FVIIIレベルが1%に満たない重症の血友病A患者には、通常、次の投与まで1%を上回るFVIIIを維持する目的のために、予防的治療が行われる。循環の中にある様々なFVIII産物の平均半減期を考慮して、これは通常は、1週間に2回から3回FVIIIを投与することによって行うことができる。] [0082] 血友病Aの処置における重要な進展は、ヒトFVIIIの完全な2,351アミノ酸の配列をコードするcDNAクローンの単離(Woodら、Nature,312:330(1984)および米国特許第4,757,006号を参照のこと)と、ヒトFVIII遺伝子のDNA配列およびその生産のための組み換え方法の提供であった。血友病の処置のためのFVIII製品としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:ADVATE(登録商標)(抗血友病因子(組み換え体)、血漿/アルブミンを含まない方法、rAHF−PFM)、組み換え体である抗血友病因子(BIOCLATE(商標)、GENARC(登録商標)、HELIXATEFS(登録商標)、KOATE(登録商標)、KOGENATE FS(登録商標)、RECOMBINATE(登録商標)):MONOCLATE−P(登録商標)、第VIII因子:Cの精製された調製物、抗血友病因子/フォン・ヴィレブランド因子複合体(ヒト)HUMATE−P(登録商標)およびALPHANATE(登録商標)、抗血友病因子/フォン・ヴィレブランド因子複合体(ヒト);ならびにHYATE C(登録商標)、精製されたブタ第VIII因子。ADVATE(登録商標)は、CHO細胞中で生産され、Baxter Healthcare Corporationによって製造されている。ヒトのものではないか、または動物のものではない血漿タンパク質またはアルブミンが、細胞培養プロセス、精製、または最終的なADVATE(登録商標)の処方物に添加される。] [0083] セリンプロテアーゼ酵素である第VII因子(プロコンベルチン)は、血液凝固カスケードの中心的なタンパク質のうちの1つである(Genbank登録番号NP_000122)。第VII因子(FVII)の主要な役割は、組織因子(TF)と協働して凝固プロセスを開始することである。血管が損傷すると、TFは血液と循環している第VII因子に曝される。TFに結合すると、FVIIは様々なプロテアーゼ(中でも特に、トロンビン(第IIa因子))によって活性化させられてFVIIaとなり、第X因子とFVIIa−TF複合体自体を活性化させる。組み換え体であるヒト第VIIa因子(NOVOSEVEN(登録商標))は、補充凝固因子に対して阻害剤を生じた血友病患者の制御できない出血において使用されるために導入されている。] [0084] 第IX因子(FIX、クリスマス因子)(Genbank登録番号NP_000124)は、(組織因子経路の)第XIa因子または第VIIa因子によって活性化されない限りは不活性であるセリンプロテアーゼである。活性化されて第IXa因子になると、これは、第X因子中のアルギニン−イソロイシン結合を加水分解することによって作用し、第Xa因子を形成させる。第VIII因子は、FIXプロテアーゼ活性に必要な補因子である(LoweGD,Br.J.Haematol.115:507−13,2002)。第IX因子の欠損は血友病Bまたはクリスマス病を引き起こす。] [0085] さらに別の血液因子としては以下が挙げられる:第II因子(トロンビン)(Genbank登録番号NP_000497)(この欠損によっては、血栓症およびプロトロンビン異常症が生じる);第V因子(Genbank登録番号NP_000121)(この欠損によっては、出血性素因または血栓性素因の1つの形態(これは、活性化プロテインC耐性として知られている)が生じる)、第XI因子(Genbank登録番号NP_000119)(この欠損によっては、ローゼンタール症候群(血友病C)が生じる)、ならびに、第XIII因子サブユニットA(Genbank登録番号NP_000120)およびサブユニットB(Genbank登録番号NP_001985)(この欠損は、I型欠損(サブユニットAとサブユニットBの両方の欠損)およびII型欠損(サブユニットAだけの欠損)として特性決定され、このいずれもが生まれたときからの出血の傾向、創傷の治癒の障害、および習慣流産を生じ得る);第XII因子(Genbank登録番号NP_000496);プロテインC(Genbank登録番号NP_000303);アンチトロンビンIII(Genbank登録番号NP_000479)、およびそれらの活性化形態。] [0086] ポリペプチド変異体およびアナログ 本発明の方法は、試料中の組み換え体タンパク質、ならびに、上記組み換え体タンパク質の断片、アナログ、または変異体を迅速に検出するために有用であり、さらに、断片または対立遺伝子変異体として存在し得る自然界に存在しているタンパク質をインビボで検出する(ここでは、グリコシル化の差異が検出される)ために有用であり得る。] [0087] ポリペプチド断片、アナログ、または変異体を調製するための方法は当該分野で周知である。ポリペプチドの断片は、酵素(例えば、トリプシン、キモトリプシン)による切断を含む当該分野で周知の方法を使用して調製され、また、特異的なアミノ酸配列を有しているポリペプチド断片を作製するための組み換え手段を使用して調製される。断片は、リガンド結合ドメイン、受容体結合ドメイン、二量体化または多量体化ドメイン、あるいは当該分野で公知の任意の他の同定可能なドメインを含むように作製することができる。] [0088] ポリペプチドアナログの作製方法もまた周知である。アナログは、特定の態様では、アナログが由来する自然界に存在しているポリペプチドと実質的に相同であるかまたは実質的に同じであり、本発明によって意図されるアナログは、自然界に存在しているポリペプチドの生物学的活性の少なくとも一部を保持しているものである。] [0089] 置換アナログは、通常は、タンパク質の中の1つ以上の部位で野生型の1つのアミノ酸が別のアミノ酸に交換されており、特定の態様では、他の機能もしくは特性を失うことなくポリペプチドの1つ以上の特性(例えば、タンパク質分解的切断に対する安定性)を調節するように設計される。この種の置換は一般的には保存的である。「保存的アミノ酸置換」によっては、類似する化学的特性の側鎖を持つアミノ酸での1つのアミノ酸の置換が意味される。保存的置換を作製するための類似するアミノ酸としては、以下が挙げられる:酸性側鎖を持つアミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸);塩基性側鎖を持つアミノ酸(アルギニン、リジン、ヒスチジン);極性アミド側鎖を持つアミノ酸(グルタミン、アスパラギン);疎水性脂肪族側鎖を持つアミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリン、アラニン、グリシン);芳香族側鎖を持つアミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン);小さい側鎖を持つアミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、メチオニン);または脂肪族ヒドロキシル側鎖を持つアミノ酸(セリン、スレオニン)。] [0090] 自然界に存在している分子と同じまたは類似する生物学的活性を持つ、自然界に存在している分子の生物学的活性のある断片、変異体、または突然変異体をコードするポリヌクオチドアナログおよび断片は、当業者によって容易に作製され得る。日常的に行われている方法としては、PCR技術、タンパク質分子をコードするDNAの酵素による消化、および異種ポリヌクレオチド配列への連結などが挙げられる。例えば、PCRおよび当該分野で周知の他の技術を使用する点突然変異は、どのアミノ酸残基がタンパク質活性と関係がある特定の活性に重要であるかを、特殊性をもって同定するために使用され得る。したがって、当業者は、コドンの変更およびミッセンス変異を生じるようにDNA鎖の中に1つの塩基変化を作製することができるであろう。] [0091] タンパク質またはポリペプチドが、ポリペプチドである第2の化学物質を含む融合タンパク質であるアナログが作製されるように修飾されることが、さらに意図される。1つの実施形態では、ポリペプチドである第2の化学物質は、酵素、成長因子、サイトカイン、ケモカイン、細胞表面受容体、細胞表面受容体の細胞外ドメイン、細胞接着分子、あるいは上記タンパク質もしくは当該分野で公知の任意の他のタイプのタンパク質の断片または活性ドメインである。関連する実施形態では、第2の化学物質は、血液凝固因子、例えば、第II因子、第V因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子、フォン・ヴィレブランド因子、プロテインC、アンチトロンビンIII、およびそれらの活性化形態である。意図される融合タンパク質は、当該分野で周知の化学的技術または組み換え技術によって作製される。] [0092] 意図されるタンパク質変異体としては、ユビキチン化、グリコシル化、治療薬または診断薬への結合、(例えば、放射性核種または様々な酵素での)標識化、PEG化(ポリエチレングリコールでの誘導)のようなポリマーの共有結合、加水分解不可能な結合の導入、および(ヒトタンパク質の中には通常は存在しない)オルニチンのようなアミノ酸の化学合成による挿入または置換のような技術によって化学修飾されたポリペプチドが挙げられる。変異体は、本発明の修飾されていない分子の結合特性を保持している。] [0093] 本発明の方法において有用なさらに別のポリペプチド変異体としては、ポリシアル酸(PSA)部分を含むポリペプチドが挙げられる。ポリシアル化ポリペプチドを調製するための方法は、米国特許公開番号20060160948およびSaenkoら、Haemophilia 12:42−51,2006に記載されている。] [0094] 生理学的に許容されるポリマー 1つの実施形態では、本発明により、タンパク質またはポリペプチドの生産、生存性に有利な影響を与える化学的部分に連結させられた、化学修飾されたタンパク質またはポリペプチドが意図される。例えば、免疫原性、腎クリアランスを潜在的に下げること、および/またはプロテアーゼ耐性を改善することによって半減期を改善するための、ポリペプチドに対する生理学的に許容されるポリマーの非特異的結合または部位特異的結合は当該分野で公知である。] [0095] 生理学的に許容されるポリマー分子としては、例えば、水溶液中で実質的に可溶であるか、または懸濁液の形態で存在し得、そして薬学的有効量でポリマー分子−タンパク質結合体が投与されると、哺乳動物に対して副作用のようなネガティブな影響を実質的に与えない、そして生体適合性とみなされるポリマー分子が挙げられる。本発明にしたがって使用される生理学的に許容されるポリマー分子に関して具体的な制限はない。] [0096] ポリマー分子は、通常は、例えば、約2個〜約1000個の繰り返し単位、または約2個〜約300個の繰り返し単位を持つとして特性決定される。そのようなポリマー分子の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ポリ(アルキレングリコール)(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(「PPG」)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマーなど)、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファスファゼン、ポリオキサゾリン、ポリ(N−アクリロイルモルホリン)、ポリ(アルキレンオキサイド)ポリマー、ポリ(マレイン酸)、ポリ(DL−アラニン)、ポリサッカライド(例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ヒアルロン酸、およびキチン)、ポリ(メタ)アクリレート、ならびに上記の任意の組み合わせ。] [0097] 例えば、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(エチレンオキサイド)(PEO)、ポリオキシエチレン(POE)、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、またはデキストランを含むがこれらに限定されない水溶性ポリマーは、一般的には、タンパク質もしくはペプチドの安定性または大きさなどを増大させるために、タンパク質あるいはペプチドに結合させられる。] [0098] PEG、PEO、またはPOEは、エチレンオキサイドのオリゴマーまたはポリマーをいう。PEGおよびPEOには、分子量の分布を持つ、すなわち、多分散性の分子が含まれる。大きさの分布は、その重量平均分子量(Mw)とその数平均分子量(Mn)によって統計学的に特性決定され、それらの比は多分散性指数(Mw/Mn)と呼ばれる。特定の態様では、MwとMnが質量スペクトル分析によって測定される。PEG−タンパク質結合体のほとんど(特に、1KDを超えるPEGに結合させられたもの)は、もとのPEG分子の多分散性の性質が原因で、分子量の範囲を示す。例えば、mPEG2K(Sunbright ME−020HS,NOF)の場合には、実際の分子量は1.5KD〜3.0KDの範囲に分布し、1.036の多分散性指数を持つ。例外はMS(PEG)n(N=4、8、12、または24、例えば、PEO4、PEO12)をベースとする試薬(Pierce)に結合させられたタンパク質であり、これらは、個別の鎖の長さと定義された分子量を持つ単分散性の混合物として特別に調製される。] [0099] 生理学的に許容されるポリマー分子は、特定の構造には限定されず、様々な態様において、直鎖状(例えば、アルコキシPEGもしくは二官能性PEG)、分岐状、または複数のアームを持つ(例えば、フォーク型PEGもしくはポリオールコアに結合させられたPEG)、樹状であるか、あるいは分解することができる結合を持つ。さらに、ポリマー分子の内部構造はあらゆるパターンで構成され、以下からなる群より選択される:ホモポリマー、交互コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互トリポリマー、ランダムトリポリマー、およびブロックトリポリマー。] [0100] 本発明の1つの特異的な例においては、生理学的に許容されるポリマー分子は、PEGおよびその誘導体である。本発明にしたがって使用されるPEGについては具体的な制限はない。例えば、PEG−タンパク質結合体としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:直鎖状または分岐状の結合体、NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)をベースとするか、もしくはアルデヒドをベースとする化学によって結合させられたポリマー:タンパク質、PEG鎖と結合部位との間に様々な化学結合を持つ変異体、および長さが異なる変異体。PEGの平均分子量は、約3キロダルトン(「kDa」)〜約200kDa、約5kDa〜約120kDa、約10kDa〜約100kDa、約20kDa〜約50kDa、約5kDa〜約60kDa、約5kDa〜約40kDa、約3kDa〜約30kDa、約5kDa〜約25kDa、約5kDa〜約15kDa、または約5kDa〜約10kDaの範囲であろう。特定の実施形態では、PEGは、約5kDa、約10kDa、約15kDa、約20kDa、約25kDa、約30kDa、約35kDa、約40kDa、約45kDa、約50kDa、約55kDa、約60kDa、約65kDa、約70kDa、約75kDa、約80kDa、約85kDa、約90kDa、約95kDa、約100kDa、約110kDa、約120kDa、約130kDa、約140kDa、約150kDa、約160kDa、約170kDa、約180kDa、約190kDa、または約200kDaである。] [0101] 本発明により、以下からなる群より選択されるPEG−タンパク質結合体が意図される:直鎖状PEG−タンパク質結合体(これは、NHSに結合させられており、−(CH2−CH2−O)n−(式中、n=1〜2000)の長さの範囲である)、直鎖状PEG−タンパク質結合体(これは、アルデヒドに結合させられており、−(CH2−CH2−O)n−(式中、n=1〜2000)の長さの範囲である)、2つのアームを持つ分岐状PEG−タンパク質結合体(これは、NHSに結合させられており、長さに範囲があり、3kDa〜100kDaの質量の範囲である)、および3つのアームを持つ分岐状PEG−タンパク質結合体(これは、NHSに結合させられている)。本発明によってはまた、様々な化学結合(−CO(CH2)n−、および−(CH2)n−(式中、n=1〜5))をその結合部位とPEG鎖との間に含む、PEG−タンパク質結合体が意図される。本発明によってはさらに、腎クリアランスを低下させるための、電荷を持つ陰イオン性PEG−タンパク質結合体が意図され、これには、カルボキシル化化合物、硫酸化化合物、およびリン酸化化合物(陰イオン性)が含まれるが、これらに限定されない(Caliceti & Veronese,Adv Drug Deliv Rev 2003 55(10):1261−77;Perlmanら、J Clin Endo Metab 2003 88(7):3227−35;Pitkinら、Antimicrob Agents Chemother1986 29(3):440−44;Vehaskariら、Kidney Intl 1982 22 127−135)。1つのさらなる実施形態では、ペプチドは、状況に応じて、ビスホスホネート、水溶性ポリマー(例えば、PEGまたはPEO)、炭水化物、脂肪酸、またはさらなるアミノ酸を含む部分に結合させられる。] [0102] マクロ分子の化学修飾は、1つの態様では、非特異的様式で(修飾された種の混合物が導かれる)、または部位特異的様式で(野生型のマクロ分子反応性を狙った修飾、および/または部位特異的突然変異誘発と化学修飾との組み合わせを使用する部位選択的修飾に基づく)、あるいは、発現させられたタンパク質の連結方法を使用して(Curr Opin Biotechnol.13(4):297−303(2002))行われる。] [0103] ペプチドのインビボでの治療的半減期がPEG化によって恩恵を受けるかどうかを明らかにするために、多種多様なPEG−タンパク質結合体が合成され、薬物動態についてインビトロおよびインビボで特性決定される。PEG化の潜在的効果を両方最適化するために、設計ストラテジーが使用され、ここでは、PEGのポリマーの長さ、立体構造、および電荷が変化させられる。] [0104] 本発明のPEG化タンパク質を調製するための方法には、一般的には、以下の工程が含まれる:(a)目的のタンパク質をポリエチレングリコールと、PEGが上記タンパク質のN末端/C末端に結合する条件下で反応させる工程、および(b)反応産物(単数または複数)を得る工程。タンパク質をPEG化させることによりタンパク質の固有の活性が有意に変わる可能性があるので、様々なタイプのPEGが調査される。タンパク質のPEG化に使用される化学としては、メトキシ−PEG(O−[(N−スクシンイミジルオキシカルボニル)−メチル]−O’−メチルポリエチレングリコール)のNHSエステルを使用するタンパク質の第1級アミンのアシル化が挙げられるが、これに限定されない。メトキシ−PEG−NHSまたはメトキシ−PEG−SPAでのアシル化によっては、もとの第1級アミン(また、C末端についてはBoc−PEG)から電荷を排除するアミド結合が生じる。リボソームタンパク質の合成とは異なり、合成ペプチドの合成はC末端からN末端方向に進む。したがって、Boc−PEGは、ペプチドのC末端にPEGを結合させるための1つの方法である(すなわち、tert−ブチルオキシカルボニル(tert−(B)utyl(o)xy(c)arbonyl)(Boc、t−Boc)合成)(R.B.Merrifield(1963).「Solid Phase Peptide Synthesis.I.The Synthesis of a Tetrapeptide」,J.Am.Chem.Soc.85(14):2149−2154)を使用する。フルオレニルメトキシカルボニル((F)luorenyl−(m)eth(o)xy−(c)arbonyl)(FMOC)化学(Atherton,E.;Sheppard,R.C.(1989).Solid Phase peptide synthesis:a practical approach.Oxford,England:IRL Press.)が好ましい。なぜなら、これには、側鎖保護基を除去するための有害なフッ化水素酸の使用は必要ないからである。本発明の方法により、ポリマー:タンパク質結合体の実質的に均質な混合物が提供される。「実質的に均質な」は、本明細書中で使用される場合は、ポリマー:タンパク質結合体分子だけが観察されることを意味する。ポリマー:タンパク質結合体は生物学的活性を持ち、本発明の「実質的に均質な」PEG化タンパク質調製物は、均質な調製物の利点(例えば、ロット間での薬物動態の予測可能性における臨床的適用の容易さ)を示すために十分に均質な調製物である。] [0105] 目的のポリペプチドに対する生理学的に許容されるポリマーの結合を容易にすることができる例示的な安定なリンカーとしては以下が挙げられるが、これらに限定されない:アミド、アミン、エーテル、カルバメート、チオウレア、尿素、チオカルバメート、チオカルボネート、チオエーテル、チオエステル、およびジチオカルバメート結合(例えば、ω,ω−アミノアルカン、N−カルボキシアルキルマレイミド、もしくはアミノアルカン酸)、マレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル、グルタルアルデヒド、または無水コハク酸、N−カルボキシメチルマレイミドN,N’−ジスクシンイミジルオキサレート、および1,1’−ビス[6−(トリフルオロメチル)ベンゾ−トリアゾリル]オキサレート。] [0106] 他の実施形態では、生理学的に許容されるポリマーは、放出することができるリンカーを使用してポリペプチドに結合させられる。1つの実施形態では、放出することができるリンカーは加水分解することができるリンカーである。加水分解することができるかまたは分解することができる結合は、生理学的条件下で水と反応する(すなわち、加水分解される)比較的弱い結合である。水中で加水分解される結合の傾向は、2つの中心原子をつないでいる連結の一般的なタイプだけではなく、これらの中心原子に結合させられた置換基にも依存するであろう。加水分解することができるリンカーを持つ水溶性ポリマーを含む結合体を作製する方法は、米国特許第7,259,224号(Nektar Therapeutics)および同第7,267,941号(Nektar Therapeutics and National Institutes of Health)に記載されている。例えば、加水分解されるポリマー骨格中にエステル結合を持つPEGを調製することができる。この加水分解により、より小さい分子量の断片へのポリマーの切断が生じる。適している加水分解に対して不安定であるかまたは弱い結合としては、カルボン酸エステル、リン酸エステル、無水物、アセタール、ケタール、アシルオキシアルキルエーテル、イミン、オルトエステル、ペプチドおよびオリゴヌクレオチド、チオエステル、チオールエステル、および炭酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。ポリマー骨格に含まれ得る加水分解によって分解することができる結合としては、カルバミン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、およびアシルオキシアルキルエーテル結合;例えば、アミンとアルデヒドとの反応によって生じるイミン結合(例えば、Ouchiら、Polymer Preprints,38(l):582−3(1997)を参照のこと);カルバミン酸塩、リン酸エステル、ヒドラゾン、アセタール、ケタール、またはオルトエステル結合(アセトン−ビス−(N−マレイミドエチル)ケタールリンカー(MK)を含む)が挙げられる。] [0107] 1つのさらなる実施形態では、本明細書中に記載されるPEG化アプローチでの使用が意図されるポリマー分子は、特に、水溶性ポリマーまたはそれらの混合物から選択される。ポリマーは、1つの反応基(例えば、アシル化のための活性エステルまたはアルキル化のためのアルデヒド)を有し得、その結果、重合の程度が制御され得る。水溶性ポリマーまたはその混合物は、所望される場合には、例えば、以下からなる群より選択され得る:PEG、モノメトキシ−PEG、PEO、デキストラン、ポリ−(N−ビニルピロリドン)、プロピレングリコールホモポリマー、脂肪酸、ポリプロピレンオキサイド/エチレンオキサイドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、HPMA、FLEXIMAR(商標)、およびポリビニルアルコール、モノ−(Cl−C10)アルコキシ−PEG、アリールオキシ−PEG、トレシルモノメトキシPEG、PEGプロピオンアルデヒド、ビス−スクシンイミジルカルボネートPEG、セルロース、他の炭水化物をベースとするポリマー、またはそれらの混合物。特定の実施形態では、選択されるポリマーは、それに結合させられるタンパク質が水性の環境(例えば、生理学的環境)で沈殿しないように、水溶性である。ポリマーは、様々な態様では、分岐状であるかまたは分岐していない。1つの実施形態では、最終的な調製産物の治療的使用のためには、ポリマーは薬学的に許容されるものである。PEG部分を含むペプチドを作製するための方法は当該分野で周知である。例えば、米国特許第5,824,784号を参照のこと。] [0108] 1つの実施形態では、反応性アルデヒドは、PEG−プロピオンアルデヒド(これは水安定性である)またはモノ−C1−C10アルコキシもしくはそのアリールオキシ誘導体である(米国特許第5,252,714号を参照のこと)。本明細書中で使用される場合は、PEGは、モノ−(C1−C10)アルコキシ−またはアリールオキシ−ポリエチレングリコールのような他のタンパク質を誘導するために使用されているPEGの任意の形態を含むように意味される。いくつかの実施形態では、ポリマーは分岐状であるか、または分岐していない。1つの実施形態では、最終的な調製産物の治療的使用のためには、ポリマーは薬学的に許容されるものである。] [0109] 少なくとも1つの生理学的に許容されるポリマー分子に結合させられたタンパク質には、イオン性、疎水性、親和性、生体親和性相互作用のような相互作用によって、1つ以上のポリマー分子に共有結合させられたかまたは共有結合以外の結合によって結合させられたタンパク質が含まれる。1つの実施形態では、ポリマー分子は、二官能性試薬の使用によって、およびスペーサーアームを介してタンパク質に結合させられる。関連する実施形態では、ポリマー分子は、親和性相互作用によってタンパク質に結合させられる。例えば、タンパク質はビオチニル化され、ポリマー分子に結合させられたアビジンまたはストレプトアビジンがタンパク質に結合させられる。さらに、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体ならびにそれらの断片がポリマー分子に結合させられ、その後、この複合体がタンパク質に結合させられる。ポリマー分子は、例えば、ポリグリコシルトランスフェラーゼを用いたサッカライドの転移(US6,379,933)またはグリコペグ化(US2004 0132640)のような酵素的方法によってもまたタンパク質に結合させられる。別のアプローチは、例えば、VWFタンパク質のA1ドメインおよびA3ドメインに対するPEG化コラーゲンまたはコラーゲン断片の結合のような、それらの生物学的機能に基づくタンパク質に対するポリマー分子の結合である。この目的のためには、特定の態様では、例えば、ヒトの胎盤に由来する、VWFと強い相互作用を示すI型およびIII型由来のコラーゲンが使用される。ポリマー分子の結合は、タンパク質のインビボでの適用後の生理学的条件下で可逆的であるか、または不可逆的である。] [0110] 本発明の1つの例においては、工程(a)において、少なくとも1つの生理学的に許容されるポリマー分子に結合させられたタンパク質が、基体または担体マトリックス上に、例えば、上記タンパク質に特異的に結合することができる抗体によって固定される。] [0111] 基体または担体マトリックスは、何らかの具体的な限定を意味するものではなく、例えば、不溶性のポリマー材料をいう。これは、有機ポリマー(例えば、ポリアミドまたはビニルポリマー(例えば、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、およびポリビニルアルコール、またはそれらの誘導体))、天然のポリマー(例えば、セルロース、デキストラン、アガロース、キチン、およびポリアミノ酸)、あるいは無機ポリマー(例えば、ガラスまたは金属水酸化物)であり得る。特定の実施形態では、基体は、マイクロキャリア、粒子、メンブレン、細片、紙、薄膜、パール、ビーズ、またはプレート(例えば、マイクロタイタープレート)の形態である。1つの態様では、少なくとも1つの生理学的に許容されるポリマー分子に結合させられたタンパク質は、共有結合によって直接、または担体(例えば、リンカー分子)を介して基体上に固定されるか、あるいは、基体上に固定された抗体である。] [0112] 検出可能な標識 いくつかの実施形態では、本発明の方法に有用なタンパク質またはポリマーは、その検出を容易にするために標識される。「標識」または「検出可能な部分」は、分光学的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、化学的手段、または他の物理的手段によって検出することができる組成物である。] [0113] 使用されるスクリーニングアッセイに応じて、タンパク質またはその断片、あるいはポリマーまたはその断片が標識される。使用される特定の標識または検出可能な基は、これが結合体の生物学的活性を有意に妨害しない限りは、本発明の重要な局面ではない。検出可能な基は、検出可能な物理的または化学的特性を有している任意の物質である。したがって、標識は、分光学的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、電気的手段、光学的手段、または化学的手段によって検出することができる任意の組成物である。] [0114] 本発明での使用に適している標識の例としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:フルオレセイン色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、テキサスレッド、ローダミンなど)、放射性標識(例えば、3H、125I、35S、14C、または32P)、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、およびELISAにおいて一般的に使用されている他のもの)、ならびに比色標識(例えば、コロイド金または着色ガラスもしくはプラスチックビーズ(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)。] [0115] 標識は、当該分野で周知の方法にしたがって、所望されるアッセイの成分に対して直接または間接的に結合させられ得る。好ましくは、標識は、1つの実施形態では、本発明の活性物質を結合させるためのイソシアネート試薬を使用して、生体ポリマーに共有結合させられる。本発明の1つの態様では、本発明の二官能性イソシアネート試薬が、生体ポリマーに対して標識を結合させて、それに活性物質が結合させられていない標識生体ポリマー結合体を形成させるために使用される。標識生体ポリマー結合体は、本発明の標識された結合体の合成のための中間体として使用することができ、また、生体ポリマー結合体を検出するためにも使用することができる。上記で示されるように、多種多様な標識が、必要な感度、アッセイの所望される成分との結合の容易さ、必要な安定性、利用できる機器、および廃棄設備に応じた標識の選択とともに使用され得る。非放射性標識は多くの場合、間接的手法によって結合させられる。一般的には、リガンド分子(例えば、ビオチン)が分子に共有結合させられる。リガンドは別の分子(例えば、ストレプトアビジン)分子に結合し、これは、それ自体を検出することができるか、または検出可能な酵素、蛍光化合物、または化学発光化合物のようなシグナルシステムに共有結合させられるかのいずれかである。] [0116] 特定の態様では、結合体は、例えば、酵素またはフルオロフォアとの結合によって、シグナルを生じる化合物に直接結合させられる。標識としての使用に適している酵素としては、ヒドロラーゼ(特に、ホスファターゼ、エステラーゼ、およびグリコシダーゼ)またはオキシドターゼ(oxidotase)(特に、ペルオキシダーゼ)が挙げられるが、これらに限定されない。標識としての使用に適している蛍光化合物(すなわち、フルオロフォア)としては、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロンなどが挙げられるが、これらに限定されない。適しているフルオロフォアのさらなる例としては、エオシン、TRITC−アミン、キニン、フルオレセインW、アクリジンイエロー、リサミンローダミン、Bスルホニルクロライドエリスロセイン(B sulfonyl chloride erythroscein)、ルテニウム(トリス、ビピリジニウム)、テキサスレッド、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチドなどが挙げられるが、これらに限定されない。標識としての使用に適している化学発光化合物としては、ルシフェリン、および2,3−ジヒドロフタラジンジオン、例えば、ルミノールが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の方法において使用される様々な標識またはシグナル産生システムの概要については、米国特許第4,391,904号を参照のこと。] [0117] 標識を検出する手段は当業者に周知である。従って、例えば、標識が放射性である場合は、検出手段には、オートラジオグラフィーにおけるような、シンチレーション・カウンター(例えば、ラジオイムノアッセイ、シンチレーション近接アッセイ)(Pitasら、Drug Metab Dispos.34:906−12,2006)または写真用フィルムが含まれる。標識が蛍光標識である場合は、これは、光の適切な波長でフルオロフォアを励起させること、および得られた蛍光を検出することによって検出され得る(例えば、ELISA、免疫ブロット、フローサイトメトリー、または当該分野で公知の他の方法)。蛍光は、電化結合素子(CCDs)または光電子増倍管などのような電子検出器の使用によって視覚的に検出され得る。同様に、酵素標識は、酵素に適切な基質を提供すること、および得られた反応産物を検出することにより検出され得る。比色分析または化学発光による標識は、標識に付随する色を観察することにより簡単に検出することができる。本発明の方法での使用に適している他の標識および検出システムは、当業者に容易に明らかとなるであろう。] [0118] 標識の1つの実施形態では、その方法での使用が意図されるタンパク質:ポリマー結合体またはポリマー:タンパク質複合結合体は、基体または担体マトリックスのような固体支持体(フィルター、マイクロキャリア、粒子、メンブレン、細片、紙、薄膜、ビーズ、もしくはプレート、または当該分野で公知の任意の他の担体マトリックスを含むがこれらに限定されない)に連結させられる。] [0119] 標識された化合物が溶液中で標識され得、そして相互作用させられ得ることがさらに意図される。例えば、捕捉抗体が蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)ドナー分子で標識され得、標的分子はFRETアクセプター分子で標識され、その結果、これらの分子は結合が起こると接近して存在する。あるいは、標的分子がFRETドナーで標識され得、抗体分子がFRETアクセプターで標識され得る。別の可能性は、標的と抗体がハイブリダイズしている場合に抗体または標的上に両方が存在する、消光性の分子と蛍光分子を分離することである。標的分子は、それが試薬と相互作用している場合にだけ、その標識を発光させるために十分に接近する。これは、分子が試薬(直接モニタリングされる)と相互作用した場合にのみ発光するシステムを生じる。1つの実施形態では、フィルターを通過した狭いバンドが、分子の標識の波長を除くすべての波長をブロックするために使用される。FRET分子対は当該分野で市販されており(例えば、Invitrogen,Carlsbad,CAから)、そして製造業者のプロトコールにしたがって使用され得る。FRETの発光は、光学的画像化技術(例えば、CCDカメラ)を使用して検出される。] [0120] 抗体−抗原相互作用を検出する別の方法は、電子ドナーでそれを標識することである。このドナー標識は、それに対して試薬が結合させられる電気接点に電子を提供する(例えば、Ghindilis,A.(Biochem Soc Trans.28:84−9,2000)およびDaiら(Cancer Detect Prev.29:233−40,2005)(ここでは、電気免疫アッセイに有用な酵素とそのための方法が記載されている)を参照のこと)。電気接点は、その後、AD(アナログからデジタルへの)変換器によって読み取られ、定量される。電子係数が高いほど、より多くの相互作用が起こる。] [0121] 単一分子の検出が可能な標識の1つの実施形態は、引用により本明細書中に組み入れられる、Schultzら、Proc.Nat’l Acad.Sci.,97:996−1001(2000)に記載されているような、光学的レポーターとしてのプラズモン共鳴粒子(PRP)の使用である。PRPは、典型的には、40nm〜100nmの直径の金属ナノ粒子である、これは、金属の内部での伝導電子の集団共鳴(すなわち、表面プラズモン共鳴)が原因で、並はずれた効率で弾性的に光を散乱させる。ナノ粒子に伴うプラズモン共鳴の大きさ、ピーク波長、およびスペクトル幅は、ナノ粒子の大きさ、形状、および物質の組成、ならびに局所環境に依存する。調製の際にこれらのパラメーターに影響を与えることにより、スペクトルの可視範囲に散乱ピークを持つPRPが形成される。球形のPRPについては、ピークの散乱波長と散乱効率の両方が半径が大きくなるに伴って増大し、それにより、異なる色に着色された標識を生じさせるための手段が提供される。例えば、調製の際に球の最終半径を調節することによって、それについてのピークの散乱波長が目的とされた波長の数ナノメートル以内にある銀色の球の集団が、再現可能な方法で調製される。PRPは明るく、なおもナノサイズであるので、これらは、単一分子の検出の指標として使用される。すなわち、視野の中に結合したPRPが存在することは、1つの結合事象を示し得る。] [0122] アッセイおよび検出が、タンパク質またはタンパク質複合体に結合したポリマーの数を決定するため、あるいは、溶液(例えば、血清または血漿)中の遊離のポリマーの程度を決定するために有用であることが意図される。この方法において観察される検出可能なシグナルは、既知の量のポリマーを含む標準物と比較した、タンパク質またはタンパク質複合体に結合させられた、あるいは、溶液中に遊離しているポリマーの数と相関関係がある。] [0123] したがって、1つの実施形態では、本発明により、溶液中の、タンパク質またはタンパク質複合体に結合させられたか、あるいは遊離の、生理学的に許容されるポリマー分子の数を決定するための方法が提供される。この方法には、上記ポリマーを上記ポリマーに特異的に結合する抗体と接触させる工程が含まれる。ここでは、抗体が結合したポリマーの数は、既知の対照と比較した、結合した検出される抗体のレベルと相関関係がある。] [0124] 別の実施形態では、本発明により、タンパク質またはタンパク質複合体に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の数を決定するための方法が意図される。この方法には、上記タンパク質またはタンパク質複合体を、上記タンパク質またはタンパク質複合体に特異的に結合する抗体と接触させる工程が含まれる。ここでは、抗体が結合したポリマーの数は、既知の対照と比較した、結合した検出される抗体のレベルと相関関係がある。] [0125] 関連する実施形態では、本発明の方法は、他の検出レジュメを使用して行われる。例えば、ここでは、タンパク質とポリマー特異的抗体が、以下のように任意の順序で使用される。ここでは、列挙される第1の抗体は担体マトリックスに結合させられた抗体であり、第2の抗体は検出可能な抗体に結合させられる。タンパク質またはタンパク質複合体に結合させられたポリマーの数を検出するために有用な例示的なアッセイとしては、抗ポリマー−抗タンパク質検出法、抗タンパク質−抗ポリマー検出法、または抗ポリマー−抗ポリマー検出法が挙げられる。ここでは、抗ポリマー抗体は、それぞれの結合工程について同じ抗体であるか、またはそれぞれの工程について異なるポリマー特異的抗体である。関連する実施形態では、アッセイは、抗ポリマー特異的抗体または抗タンパク質特異的抗体だけを使用して行われる。] [0126] キット さらなる態様として、本発明には、本発明の方法を実施するためのそれらの使用を容易にする方法でパッケージされた1種類以上の化合物または組成物を含むキットが含まれる。 1つの実施形態では、そのようなキットには、容器(例えば、密閉された瓶もしくは器)の中にパッケージされた、生理学的に許容されるポリマーに結合させられたタンパク質またはタンパク質複合体(例えば、PEG化第VIII因子)と、タンパク質上の水溶性ポリマーを特異的に検出する抗体または他の分子とを含む組成物が、この方法を実施する際の化合物または組成物の使用を記載している容器に貼られたかまたはパッケージ中に含まれるラベルとともに含まれる。関連する実施形態では、結合因子は、可溶性受容体、リガンド、補因子、またはタンパク質、タンパク質複合体、もしくはポリマーに特異的に結合する別の化学物質である。キットには、状況に応じて、ポリマー−タンパク質複合体の検出のための試料の調製のための試薬と緩衝液が含まれ得る。好ましくは、化合物または組成物は、単位投薬形態でパッケージされる。キットにはさらに、特定の投与経路にしたがって組成物を投与するために適しているデバイスが含まれ得る。好ましくは、キットには、修飾された血液因子組成物の使用を記載しているラベルが含まれる。] [0127] 本発明の1つの実施形態では、この方法には、以下の工程を含む酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)が含まれる: (i)ELISAプレートに対して、少なくとも1つの生理学的に許容されるポリマー分子に結合させられたタンパク質に特異的に結合することができる抗体を固定する工程; (ii)固定された抗体に対して目的のタンパク質を結合させる工程;および (iii)目的の上記タンパク質に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子に特異的に結合することができる抗体によってタンパク質に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の量を検出する工程。] [0128] 本発明は、以下の実施例においてさらに説明されるが、これらに限定されない。] [0129] 実施例1 抗原HSAP−2−SS(PEG化ヒト血清アルブミン(hSA))に対する直接の酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA) 動物に注射したPEG化抗原を使用してPEGに対するポリクローナル抗体が生じるかどうかを決定するために、ヒト血清アルブミン(hSA)をPEGに連結させ、タンパク質結合体をウサギに注射した。その後、抗PEG抗体の量を測定した。] [0130] 簡単に説明すると、ポリクローナル抗体を、ヒト血清アルブミン(HSA)に共有結合させたPEGでのウサギの免疫化によって作製した(Richter AWら、1983;Int Arch Allergy Appl Immunol 70:124−31)。ウサギに約380μg/mlのタンパク質と250μg/mlのPEG濃度を持つ抗原HSAP−2−h−SSの調製物を接種した。全ての動物の血清試料を、開始前と開始後3週間および4週間で採取し、続いて、抗原HSAP−2−h−SSに対する検出可能な抗体の形成を試験した。抗原HSAP−2−h−SS(PEG化hSA)を、0.1Mの炭酸塩(pH9.6)中で1μg/mlでコーティングした。試料をPBS−ゼラチン緩衝液中に希釈し、ウェルとともに、続いて、ヤギ抗ウサギIgG−HRP抗体とともに、Single Incubation Multilayer Immune Technique(SIMIT)(Naser,W.,J Immunol Methods.129:151−7,1990)を使用してインキュベートした。SIMITにおいては、リガンド(例えば、抗体)とリガンド結合試薬(例えば、抗体に対する抗体(anti−antibody))を、1回のインキュベーション工程の間に、免疫反応物の複数の層が形成され、それによってアッセイ感度の増大が生じるように、同時にインキュベートした。抗原HSAP−2−h−SSに対する抗体の形成を検出することができた。この抗原はプレート上に直接コーティングすることができ、免疫化時間に伴って力価が増大した(図1A)。] 図1A [0131] さらに具体的には、PEG化hSAを、Abuchowskiら(J Biol Chem 252:3578−81,1977)にしたがって調製した。PEG化hSAは、高速サイズ排除クロマトグラフィーおよびSDS−PAGEによって示されるように、より大きな分子量を有していた。全ての動物の血清試料を、開始前と開始後3週間および4週間で採取し、プールした。これらのプールした試料を、続いて、直接のELISAによって免疫化抗原に対する抗体の形成について試験した。簡単に説明すると、PEG化hSAを、0.1Mの炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)中で1μg/mLの濃度で、96ウェルポリスチレンマイクロプレート(Nunc Maxisorp F96)にコーティングした。プールしたウサギ血清試料を、1mg/mLのゼラチンを含むリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中に希釈し、ウェルとともに、続いてヤギ抗ウサギIgG−HRP抗体とともにインキュベートした。免疫化抗原に対する抗体の形成を検出することができた。加えて、免疫化時間とともに力価が増大した(図1B)。同じ方法を、別の免疫化実験で得られた試料中の抗体力価を測定するために使用した。表1は、開始時と、開始後36日目および50日目に採取した試料の、ブランクによって補正した光学密度(OD)を示す。この場合にもまた、希釈率1/50および1/100の試料についての結果は、免疫化抗原に対するIgGの形成が時間に伴って増加したことを示していた。] 図1B [0132] ] [0133] これらの結果は、PEGが結合したhSAタンパク質が、被検動物からのポリクローナル抗体の生産を誘導したことを示している。] [0134] 実施例2 PEGによる抗原HSAP−2−SSについての直接のELISAの阻害 抗PEG抗体の結合がPEGに特異的であったかどうかを決定するために、抗体の結合を妨害する遊離のPEGの能力を評価した。] [0135] 簡単に説明すると、ウサギを抗原HSAP−2−SSで免疫化し、血清試料を上記のように調製した(実施例1)。抗原HSAP−2−h−SSを表面上に、0.1Mの炭酸塩(pH9.6)中で1μg/mlでコーティングした。試料をPBS−ゼラチン緩衝液またはPBS−ゼラチン−1%のPEG 5000緩衝液(+1%のPEG)中に希釈し、ウェルとともに、続いてヤギ抗ウサギIgG−HRP抗体(SIMIT)とともにインキュベートした。ウサギの免疫化によって得られた抗原(=PEG化hSA)に対する抗体の結合を、試料希釈緩衝液にPEG 5000を添加することによって阻害することができた(図2A)。] [0136] さらに具体的には、PEG化hSAでの免疫化によって得られた抗血清の抗PEG特異性を、阻害実験を用いてチェックした。プレート(実施例1)を、免疫化抗原であるPEG化hSAで、10μg/mLの濃度でコーティングした。免疫化の開始後3週間および4週間で採取したプールしたウサギの血清試料をPBS−ゼラチン中に希釈して、1/100〜1/100,000の範囲の希釈系列を得た。PEG 5000を、PEG化hSAの結合を阻害するために、10mg/mLの濃度で添加した。結合したウサギIgGを、ヤギ抗ウサギIgG−ペルオキシダーゼ結合体とペルオキシダーゼ基質であるSureblueを使用することによって検出した。ポリエチレングリコール(PEG)5000は、プレートに固定したPEG化hSAに対するウサギIgGの結合を減少させた(図2B)。] [0137] これらの結果は、ウサギ血清中に含まれるIgGがPEGを特異的に認識し、これに結合することを示している。PEGの存在下に残っているウサギIgGの結合は、hSAに対する抗体によって生じた。これらの非PEG特異的IgGを、固定したhSA上にアフィニティークロマトグラフィーによって吸着させた。] [0138] 実施例3 PEG修飾プレートについての直接のELISA 抗PEG抗体がプラスチックに直接結合させられたPEGに結合するかどうかを決定するために、直接のPEG ELISAを開発した。] [0139] 簡単に説明すると、ウサギを抗原HSAP−2−SSで免疫化し、血清試料を上記のように調製した(実施例1)。基体(NUNCMaxisorp F96)を、15mMHEPES中の1mg/mlのmPEG−NPC 5000で室温で2時間コーティングし、その後、PBS−ゼラチン(5mg/ml)でブロックした。試料をPBS−ゼラチン緩衝液中に希釈し、ウェルとともに、続いてヤギ抗ウサギIgG−HRP抗体(SIMIT)とともにインキュベートした。PEG修飾プレート(NUNC Maxisorp F96)に対する血清試料中に存在する抗体の結合を検出した(図3)。] 図3 [0140] さらに具体的には、ウサギをPEG化hSAで免疫化し、血清試料を上記のように調製した(実施例1)。プレート(実施例1)を、15mMのHEPES中の1mg/mlのmPEG−p−ニトロフェニルカルボネート(NPC;SunBio,Korea)5000で、室温で2時間コーティングし、次いで、PBS−ゼラチン(5mg/ml)でブロックした。血清試料をPBS−ゼラチン緩衝液で希釈し、ウェルとともに、続いてヤギ抗ウサギIgG−ペルオキシダーゼとともにインキュベートした。PEG修飾プレートに対するウサギ血清試料中に存在するIgGの明らかな結合が検出された(図3)。同じ手順をポリリジン活性化プレートおよびNH2活性化プレート(Costar)を用いて行った場合には、反応は観察できなかった。] 図3 [0141] これらの結果は、ウサギの血清試料中に含まれる抗PEGIgGがPEGを認識し、これに結合したことを示している。] [0142] 実施例4 VWFおよびPEG−VWFについての直接のELISA 抗PEG抗体が免疫化抗原以外のPEG化タンパク質に結合するかどうかを決定するために、抗PEG抗体を、PEG化フォン・ヴィレブランド因子とともにELISAにおいて使用した。] [0143] 簡単に説明すると、ウサギを抗原HSAP−2−SSで免疫化し、血清試料を上記のように調製した(実施例1)。1つの基体を0.1Mの炭酸塩(pH9.6)中のPEG化VWF(PEG−VWF)でコーティングし、別の基体を0.1Mの炭酸塩(pH9.6)中の組み換え体VWF(rVWF−12)でコーティングした。試料をPBS−ゼラチン緩衝液中に希釈し、ウェルとともに、続いてヤギ抗ウサギIgG−HRP抗体(SIMIT)とともにインキュベートした。VWFのPEG化を、SDS−PAGEによって確認した分子量の増大として決定した。PEG化組み換え体VWF(rVWF)に対する血清試料中に存在する抗体の結合を検出した。血清試料中に存在する抗体のrVWFに対する結合は観察されなかった(図4A)。] 図4A [0144] さらに具体的には、ウサギの血清試料(実施例1を参照のこと)を、プレートに固定したrVWFおよびPEG化rVWFと反応させた。PEG化rVWFは、Kozlowskiら(BioDrug 5:419−29,2001)に記載されているようにPEG化試薬を使用することによって調製した。両方のタンパク質をポリスチレンプレートにコーティングした(実施例1)。免疫化の前および3週間後に採取したウサギの血清試料をPBS−ゼラチン緩衝液中に希釈し、ウェルとともに、続いてヤギ抗ウサギIgG−HRP抗体とともにインキュベートした。ウサギをPEG化hSAで免疫化したにもかかわらず、プレートに固定したPEG化rVWFに対するウサギの血清試料中に存在するIgGの結合が検出された。rVWFに対するウサギの血清試料中に存在するIgGの結合は観察されなかった(図4B)。] 図4B [0145] これらの実験は、抗PEG抗体が非PEG化タンパク質に非特異的には結合しないことを示している。] [0146] 実施例5 VWF−PEG化の検出のためのELISA PEG化タンパク質(例えば、PEG化VWF)を検出する抗PEG抗体の能力を決定するために、VWF−PEG ELISAを開発した。] [0147] 簡単に説明すると、基体(NUNCMaxisorp F96)を抗VWF抗体でコーティングし、漸減量のPEG化VWFとともにインキュベーションし、続いて、抗PEGペルオキシダーゼ結合体とともにインキュベーションした。結合したペルオキシダーゼをSureBlueを用いた比色反応によって検出し、シグナル強度は希釈物中のPEG化VWFと相関関係があった(図5)。] [0148] さらに具体的に、以下の実施例に、タンパク質特異的抗体(好ましくはウサギ由来)を酵素を結合させた抗PEGIgG(好ましくはウサギ由来)と組み合わせて、PEG化タンパク質の検出および測定のために使用する、タンパク質−PEGELISAを記載する。基本的には、PEG化タンパク質を、プレートに固定した抗タンパク質抗体によって捕捉し、その後、抗PEG IgG−ペルオキシダーゼ結合体と反応させた。ウサギ抗ヒトVWF(DakoCytomation A−0082)を、炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)中に1/500に希釈し、ポリスチレンプレートにコーティングした(実施例1)。代わりに、任意のモノクローナル抗体を適切な希釈率で使用することができる。PBSで洗浄を行い、希釈緩衝液にゼラチンを5mg/mLで含めた。rVWF(試料A)と様々なPEG化rVWF調製物(試料E、F、G)を希釈緩衝液で希釈して、0.85mU/mLのVWF:Ag濃度とした。試料Aは、修飾前の天然のrVWFを示し、一方、調製物E、F、およびGは、1mM、2.5mM、および7.5mMのモル濃度のPEG化試薬であるPEG−SS−5Kを使用して調製した。さらに5種類の1+1希釈物を調製し、プレートに固定した抗VWF IgGとともにインキュベートした。結合したPEG化rVWFを、抗PEG IgGペルオキシダーゼ結合体とペルオキシダーゼ基質であるSureBlueを用いた反応によって検出した。表2は、測定した様々な調製物の用量応答曲線の傾きと回帰係数を示す。明らかに、非PEG化rVWF(試料A)は応答を示さず、一方、3種類のPEG化rVWF試料E、F、およびGの直線的な用量応答曲線は明らかに異なる傾きを有していた。] [0149] 3種類のPEG化rVWF調製物は、非PEG化rVWFと比較して、SDS−PAGE上で大きい分子量を示した(図5)。加えて、PEG化に利用した、rVWFに対するPEGの比が大きいほど、大きな分子量のPEG化rVWF調製物と、より急勾配の用量応答曲線が生じた。したがって、記載した設計によっては、タンパク質に結合させられたPEGが特異的に検出されるだけではなく、PEG化の程度が異なる調製物を区別することもまた可能であった。] [0150] 実施例6 PEGを用いた阻害によって示されるrVWF−PEGELISAの特異性 PEGアッセイの特異性を評価するために、阻害実験を行った。] [0151] アッセイは上記のように(実施例5を参照のこと)、高いPEG化の程度を持つPEG化rVWF調製物を用いて行った。希釈したPEG化rVWF試料(0.85mU/mL)を、プレートに固定した抗VWF抗体とともに、続いて、PEG 5000(50mg/mL〜0.024mg/mL)の存在下で抗PEGIgG−ペルオキシダーゼ結合体とともにインキュベートした。PEG 5000は、明らかな用量依存性の阻害を生じ(図6)、0.18μg/mLのIC50を有していた。] 図6 [0152] 実施例7 PEG−PEGELISAの詳細 本実施例では、PEG化タンパク質または遊離のPEGを捕捉し、検出するためにポリクローナルウサギ抗PEGIgGを使用する、PEG−PEG ELISAを記載する。] [0153] 抗アルブミン枯渇ウサギ抗PEGIgGを、0.1Mの炭酸ナトリウム(pH9.6)中で一晩、ポリスチレンプレートにコーティングした(実施例1)。プレートのブロックは、2%の脱脂粉乳と2mMのベンズアミジンを含むPBS(pH6.1)を用いて、37℃で3時間行った。Tween 20または他のポリエトキシ含有界面活性剤は、アッセイ全体について使用しなかった。ブロッキング緩衝液を使用して、以下の試料について希釈系列を調製した:mPEG2−20K−NHS(Kozlowskiら[Biodrug 2001;5:419−29]によって記載されているような、安定な20K PEG化試薬)およびこの試薬を使用して調製した安定なPEG化rVWF(1IUのVWF:Agあたり9.8μgの結合したPEG);20K−PEG2−FMOC−NHS(US2008/0234193に記載されているような、分岐状の「放出することができる」20KPEG試薬)およびこの試薬を使用して調製した放出することができる20K−PEG化rVWF(1IUのVWF:Agあたり8.2μgの結合したPEG)。PEG試薬を蒸留水中に10mg/mLの濃度で溶解させ、室温で一晩維持して活性なN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)基を加水分解させた。これらの試料の希釈物を、プレートに固定した抗PEG抗体に、室温で1時間結合させた。その後、プレートを洗浄し、抗PEG IgGペルオキシダーゼを添加した。最後に、結合したペルオキシダーゼ活性を測定した。全ての試料が直線的な用量応答曲線を示したが(図7)、感度は様々であった。PEG化rVWF調製物は、低いng範囲の結合したPEGで測定することができた。結合していない遊離のPEG試薬は、加水分解後もまた、このアッセイの設計を用いて測定することができたが、直線的な用量応答関係にはより高いPEG濃度が必要であった。] 図7 [0154] これらの知見は、5K PEG化hSAでのウサギの免疫化によって得られた抗PEGIgGが、(i)免疫化に使用した5k PEGだけに結合するのではなく、(ii)PEG鎖上に提示される反復エピトープにも結合し、タンパク質−PEG連結領域には結合しないことを示している。タンパク質が結合させられたPEGの除去のための前処理を使用することにより、このアッセイの設計は、遊離の結合していないPEGの測定に有用である。なぜなら、遊離の結合していないPEGは、例えば、PEG化後に反応混合物中に残っているからである。加えて、このアッセイはまた、精製されたPEG−タンパク質結合体中の結合していないPEGの量を測定するためにも有用である。]
权利要求:
請求項1 ポリマー−タンパク質結合体中のタンパク質またはタンパク質複合体に結合させられた生理学的に許容されるポリマー分子の数を決定するための方法であって、該方法は:(i)該タンパク質に結合した1つ以上のポリマーを有するポリマー:タンパク質結合体と(ii)該ポリマーに特異的に結合する抗体であって、該抗体は、該ポリマー:タンパク質結合体に結合している場合に検出可能である、抗体と、の間での結合を検出する工程を包含し、ここで、該ポリマー:タンパク質結合体中のポリマーの数は、既知の対照と比較したとき、該ポリマー:タンパク質結合体に結合した検出される抗体のレベルと相関関係がある、方法。 請求項2 前記抗体が検出可能な標識を含む、請求項1に記載の方法。 請求項3 前記検出可能な標識が、酵素、放射性標識、フルオロフォア、電子密度試薬、ビオチン、ジゴキシゲニン、ハプテン、およびこれらの標識のいずれかの付加によって検出可能になるタンパク質からなる群より選択される、請求項2に記載の方法。 請求項4 前記ポリマー:タンパク質結合体が前記抗体との結合の前に担体マトリックスに結合させられる、請求項1に記載の方法。 請求項5 基体が、マイクロキャリア、粒子、メンブレン、細片、紙、薄膜、ビーズ、またはプレートからなる群より選択される、請求項4に記載の方法。 請求項6 検出される抗体のレベルが前記検出可能な標識の吸光度として測定される、請求項4に記載の方法。 請求項7 前記ポリマー:タンパク質結合体が、ドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動(SDS−PAGE)を使用して単離され、そして前記検出する工程の前にメンブレンに移される、請求項1に記載の方法。 請求項8 前記ポリマー:タンパク質結合体中のポリマーの数が、既知の対照と比較した、該タンパク質−ポリマー結合体の分子量に基づいて計算される、請求項7に記載の方法。 請求項9 前記ポリマー−タンパク質複合体の分子量が、該ポリマー分子を含む該タンパク質サブユニットと相関関係がある、請求項7に記載の方法。 請求項10 前記タンパク質またはタンパク質複合体が血液凝固因子または血液凝固因子複合体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。 請求項11 前記血液凝固因子または血液凝固因子複合体がヒトのものである、請求項10に記載の方法。 請求項12 前記血液凝固因子が、第II因子、第III因子、第V因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子、フォン・ヴィレブランド因子、プロテインC、およびアンチトロンビンIIIからなる群より選択される、請求項10に記載の方法。 請求項13 前記血液凝固因子複合体が第VIII因子:VWFである、請求項11に記載の方法。 請求項14 前記ポリマーが放出可能である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。 請求項15 前記ポリマーが加水分解可能である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。 請求項16 前記ポリマーが以下からなる群より選択される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法:ポリ(アルキレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファスファゼン、ポリオキサゾリン、およびポリ(N−アクリロイルモルホリン)。 請求項17 前記ポリマーがポリエチレングリコール(PEG)またはその誘導体である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。 請求項18 前記PEGが3kDa〜100kDaである、請求項17に記載の方法。 請求項19 前記PEGが約5kDa〜約60kDaの範囲の分子量を持つ、請求項18に記載の方法。 請求項20 前記PEGが約5kDa〜約40kDaの範囲の分子量を持つ、請求項18に記載の方法。 請求項21 前記PEGが約5kDa〜約15kDaの範囲の分子量を持つ、請求項18に記載の方法。 請求項22 前記PEGが約5kDa〜約10kDaの範囲の分子量を持つ、請求項18に記載の方法。 請求項23 タンパク質またはタンパク質複合体に結合させられたか、または溶液中に遊離している状態である、生理学的に許容されるポリマー分子の数を決定するための方法であって、該方法は:該ポリマーを該ポリマーに特異的に結合する抗体と接触させる工程であって、該抗体は、該ポリマーに結合している場合に検出可能である、工程を包含し、ここで、該抗体が結合したポリマーの数は、既知の対照と比較したとき、結合した検出される抗体のレベルと相関関係がある、方法。 請求項24 前記抗体がポリクローナル抗体である、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。 請求項25 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题 JP2019506843A|2019-03-14|抗原特異的cd8+t細胞の産生におけるインターロイキン−10及びその使用方法 JP2017141305A|2017-08-17|延長されたinvivo半減期を有する第VIIa因子−(ポリ)シアル酸結合体 US20190099487A1|2019-04-04|Methods of using interleukin-10 for treating diseases and disorders US10370430B2|2019-08-06|Recombinant factor VIII proteins CN101163506B|2012-09-26|聚合物-von Willebrand因子偶联物 EP2348049B1|2013-10-02|Application of aimp1 polypeptide US20160120994A1|2016-05-05|Blood coagulation protein conjugates US7683158B2|2010-03-23|Pegylated factor VIII Hajjar1991|The endothelial cell tissue plasminogen activator receptor. Specific interaction with plasminogen. AU2004222822B2|2007-01-25|A factor VIII-polypeptide with factor VIII:C-activity JP4542545B2|2010-09-15|抗フォン・ビルビラント因子切断プロテアーゼ(adamts13)抗体のための診断アッセイ US6423826B1|2002-07-23|High molecular weight derivatives of vitamin K-dependent polypeptides EP1624307A2|2006-02-08|Assay for detecting glycated or glycosylated haemoglobin | CN101678119B|2014-02-12|具有可释放的键合的血管性血友病因子-和因子ⅷ-聚合物轭合物 AU2016203387B2|2018-01-25|Modification-Dependent Activity Assays US20160375101A1|2016-12-29|Methods of Using Interleukin-10 for Treating Diseases and Disorders Pipe et al.1999|Mild hemophilia A caused by increased rate of factor VIII A2 subunit dissociation: evidence for nonproteolytic inactivation of factor VIIIa in vivo KR102025442B1|2019-09-25|단백질에 수용성 지방산 유도체를 접합하기 위한 물질 및 방법 AU2009322607B2|2015-05-14|Methods and compositions for detection of complement fixing antibodies AU2014281828B2|2019-05-09|Method for assessing protein identity and stability JP5061194B2|2012-10-31|Gp73特異的自己抗体を検出するための方法およびアッセイ Budde et al.2001|von Willebrand Factorandvon Willebrand Disease CN102971013B|2015-01-07|缀合的凝血因子VIIa CN104897910B|2017-09-29|测定血管性血友病因子活性的方法及检测试剂盒 KR20110005812A|2011-01-19|항-글리피칸-3 항체를 사용하여 간암 세포를 검출하는 방법
同族专利:
公开号 | 公开日 DK2245456T3|2013-03-04| EP2245456B1|2013-02-13| AU2008345183B2|2014-08-21| NZ586317A|2012-10-26| US20170227557A1|2017-08-10| KR20100109938A|2010-10-11| ES2428774T3|2013-11-11| CA2710518A1|2009-07-09| EP2416157B1|2014-07-30| US8557534B2|2013-10-15| KR20160012252A|2016-02-02| US20140051094A1|2014-02-20| EP2245456A2|2010-11-03| DK2416157T3|2014-08-18| CA2710518C|2018-07-17| WO2009086356A2|2009-07-09| EP2416157A3|2012-03-28| WO2009086356A3|2009-08-27| BRPI0821700A2|2015-06-16| EP2416157A2|2012-02-08| KR20170072365A|2017-06-26| AU2008345183A1|2009-07-09| JP5806816B2|2015-11-10| US20090220993A1|2009-09-03| ES2515365T3|2014-10-29| US9547016B2|2017-01-17|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2011-12-03| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111202 | 2012-11-22| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121121 | 2013-05-23| A977| Report on retrieval|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130522 | 2013-05-24| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130523 | 2013-08-24| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130823 | 2014-05-19| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140516 | 2014-08-15| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20140814 | 2014-08-22| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20140821 | 2014-08-27| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140826 | 2014-09-12| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20140826 | 2015-02-05| A02| Decision of refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150204 | 2015-06-04| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150604 | 2015-07-22| A911| Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20150721 | 2015-08-07| TRDD| Decision of grant or rejection written| 2015-08-13| A01| Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150812 | 2015-09-10| A61| First payment of annual fees (during grant procedure)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150907 | 2015-09-11| R150| Certificate of patent or registration of utility model|Ref document number: 5806816 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 | 2016-06-03| S111| Request for change of ownership or part of ownership|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 | 2016-06-13| R350| Written notification of registration of transfer|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 | 2017-02-07| RD02| Notification of acceptance of power of attorney|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02 | 2018-08-16| S531| Written request for registration of change of domicile|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 | 2018-08-24| R350| Written notification of registration of transfer|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 | 2018-09-04| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2019-09-11| LAPS| Cancellation because of no payment of annual fees|
优先权:
[返回顶部]
申请号 | 申请日 | 专利标题 相关专利
Sulfonates, polymers, resist compositions and patterning process
Washing machine
Washing machine
Device for fixture finishing and tension adjusting of membrane
Structure for Equipping Band in a Plane Cathode Ray Tube
Process for preparation of 7 alpha-carboxyl 9, 11-epoxy steroids and intermediates useful therein an
国家/地区
|