专利摘要:
水性眼科用組成物が開示される。上記組成物は、約0.001から約1%までの量のシクロスポリン、グリセリン及び精製水を含んでよく、NaCl及び重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを実質的に含まない。上記組成物は、眼の状態の治療に有用である。
公开号:JP2011508776A
申请号:JP2010541459
申请日:2008-11-17
公开日:2011-03-17
发明作者:フランシス ストリンガー、ウィリアム
申请人:アルコン ファーマシューティカルズ リミテッド;
IPC主号:A61K38-00
专利说明:

[0001] 本特許文書は、2008年1月4日に出願された米国仮特許出願第61/019,088号の、米国特許法第119条(e)下での出願日の利益を主張する。当該の米国仮特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。]
[0002] 本発明は、眼科用医薬組成物を使用する種々の眼の状態の治療のための、シクロスポリンの水溶液を含む眼科用医薬組成物に関する。]
背景技術

[0003] シクロスポリンは、免疫抑制性、抗炎症性及び抗寄生虫性を有する無極性環状オリゴペプチドの一群である。シクロスポリン−A(CsA)は、乾癬、リンパ腫、骨髄異形成症候群、シェーグレン症候群、角膜移植術及びドライアイ症候群などの用途に、免疫抑制剤として使用されている。ヒトにおいて、CsAは、2%から、約0.01%から約0.05%などのより低い濃度までの範囲の濃度で、局所製剤として使用されている。]
[0004] 一般に、CsAの眼への局所適用は、結膜腺及び涙腺における活性リンパ球の数を有意に減少させると考えられている。したがって、CsAは、主涙腺及び副涙腺による涙の分泌を刺激し、リンパ球によって誘導される腺房細胞のアポトーシスを回避するため、CsAはドライアイ症候群のための治療を提供する可能性がある。]
[0005] しかし、シクロスポリンAなどのシクロスポリンの有用性及び有効性は、眼の疾患及び状態を治療する際に、眼に対して許容される組成物、例えば、点眼薬などがないことによって制限されている。有効な患者のコンプライアンスについては、患者の不快感を最小限に抑え、都合の良い投与レジメンを提供するシクロスポリンの点眼薬が必要とされている。]
[0006] しかし、シクロスポリンの水への不溶性が、これらの化合物の製剤における進行中の問題である。このために、水性ベースの点眼薬からシクロスポリンが析出してしまうことが多く、その結果、眼の強い刺激を引き起こす。水性ベースの点眼薬中のシクロスポリンの安定性も、これらの化合物の室温での適切な貯蔵期間を提供するために重要である。]
[0007] 植物油などの油にシクロスポリンを溶解させることによって、これらの困難を克服する努力がなされている。しかし、含油溶液中のシクロスポリンは、典型的には眼中で十分に分散されないため、有効な臨床治療には高濃度(≧2%)のシクロスポリンを必要とする。さらに、これらの含油溶液は、典型的には眼に不快感を引き起こし、このことが患者のコンプライアンスの悪さという問題につながる。[長い期間にわたって油が角膜表面を損傷するという報告も公表されている]]
[0008] シクロスポリンの油への不溶性を克服する他の努力が、結果として水中油エマルジョンにつながったが、実際問題として、これらは低い有効用量のシクロスポリン製剤だけを生み出す結果となった。]
[0009] これらの問題を解決するために、水中での溶解度が低い医薬物質を調剤するのに現在使用されている種々の界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80)及びポリオキシエチレン水添ヒマシ油を用いて行った研究が、(例えば、米国特許第5,951,971号に)開示されている。]
[0010] 共に譲渡されたメキシコPCT出願WO2004/096261は、眼科用液剤Sophisen(登録商標)が、(米国特許第6,071,958号に開示されているように)、シクロスポリン−Aの溶解度を高めることができることを開示している。開示されている溶液は、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムなどの界面活性、乳化、抗菌性及び抗酸化性の構成成分並びにイオン性等張化剤を含有する。後の2つの成分は、中性又は酸性pHレベルで乳化剤と組み合わせて、典型的には眼の刺痛及び灼熱痛を来たす。さらに、これらの溶液は、その中に用いられている抗菌性保存剤に関して最適化されていない可能性がある。]
課題を解決するための手段

[0011] 本出願人は、本明細書において開示されているように、前述の困難のいくつか又はすべてが、シクロスポリン、グリセリン及び水を含み、約0.3%未満の塩化ナトリウム及び約0.04%未満の重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを含有する組成物を用いて克服され得ることを、思いがけなく発見した。]
[0012] 一態様では、組成物は、約0.001%から約1%までの量のシクロスポリン、約0.1%と5%との間の量のグリセリン及び精製水を含む。組成物はまた、約0.3%未満の塩化ナトリウム及び約0.04%未満の重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを含有する。]
[0013] この態様の特徴では、組成物は、塩化ナトリウム及び重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを実質的に含まない。組成物は、3%と8%との間の総量のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルをさらに含んでよい。]
[0014] 別の態様では、水性眼科用組成物は、約0.001%から約0.5%までの量のシクロスポリン、3%と8%との間の総量のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルエーテル、約0.1%から約5%までの量のグリセリン、約0.2%から約0.5%までの量のエタノール、約0.1%から約0.5%までの量のソルビン酸並びに精製水を含む。組成物のpHは、6.0と7.5との間であってよく、組成物は、約0.3%未満の塩化ナトリウム及び約0.04%未満の重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを含む。]
[0015] 追加として、眼の状態を治療する方法が開示される。方法は、約0.001%から約1%までの量のシクロスポリン、約0.1%と約5%との間の量のグリセリン及び精製水を含む水性組成物と眼組織を接触させることを含む。組成物は、約0.3%未満の塩化ナトリウム及び約0.04%未満の重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを含む。]
[0016] 改良された安定性を有し、増大した快適性を提供することができる水性眼科用組成物が開示される。組成物は、約0.001%から約1%までの量のシクロスポリン、約0.1%と約5%との間の量のグリセリン及び精製水を含む。組成物は、約0.3%未満の塩化ナトリウム及び約0.04%未満の重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを含有する。好ましくは、組成物は、約6.0から7.5の間のpH範囲である。]
[0017] 本明細書において使用される場合、他に特に規定がなければ、組成物の構成成分又は成分の濃度は、組成物の総体積当たりの構成成分又は成分の質量(すなわち、g/mL)で表され、典型的には百分率として表される。例えば、1%の濃度は、組成物100mLにつき1gを意味する。]
[0018] 用語「シクロスポリン(cyclosporin)」及び「シクロスポリン(ciclosporin)」は、本明細書において同義的に使用され、シクロスポリンA、B、C、D及びGなどの天然に存在する真菌代謝物、並びに合成及び半合成のシクロスポリン、例えば、ジヒドロ−シクロスポリン及びイソ−シクロスポリン、[(D)−Ser]8−シクロスポリン、[0−アセチル,(D)−Ser]8−シクロスポリン、[β−フルオロ−(D)Ala]8−シクロスポリン、[Val]2−[(D)メチルチオ−Sar]3−シクロスポリン及び[ジヒドロ−MeBmt]1−[Val]2−[(D)メチルチオ−Sar]3−シクロスポリン、[0−(2−ヒドロキシエチル)−(D)Ser]8−シクロスポリン及び[3’−デスヒドロキシ−3’−ケト−MeBmt]1−[Val]2−シクロスポリンを含む。好ましいシクロスポリンは、シクロスポリンA(CsA)である。少なくとも2つの異なるシクロスポリンの混合物が使用され得る。シクロスポリンは、有利には、有効量のシクロスポリンを含む、水中油型に乳化されていない水性眼科用滴剤として局所投与される。約0.01から1%、好ましくは約0.05から0.5%までの濃度のシクロスポリンが使用され得る。シクロスポリンは、眼の状態の改善又は消失をもたらすために必要な任意の量で局所投与され得る。例えば、約0.01から1%まで、好ましくは約0.05から約0.5%までのシクロスポリンなどの、有効量のシクロスポリンを含む5マイクロリットルから1ミリリットルまでの溶液が有用である。]
[0019] これまでに言及されているように、眼組織の治療における活性成分としてシクロスポリンを使用する際の困難は、シクロスポリンを眼組織に刺激なしで送達することによって克服されつつある。既知の眼科用液剤Sophisen(登録商標)が、シクロスポリンを眼に送達するのに使用されているとはいえ、この製剤は、眼に刺激を与え、その中に使用されている構成成分のいくつかに関して、最適な安定性を決して有していないという欠点を有する。現在開示されている組成物は、構成成分の改良された安定性を提供し、増大した快適性を提供することができるという点において、これまでに知られている眼科用組成物に関する改良物を提供する。具体的に言えば、本組成物の抗菌性保存剤の有効性が改良されている。ソルビン酸は、ある特定のpH値で、眼科用液剤のための有効な抗菌剤であることが見出された。ソルビン酸の有効性は、ソルビン酸のpKa、すなわち4.67で最適であることが予想されている。驚いたことに、本溶液において、ソルビン酸の安定性のためにはpH6.0から6.5までが最適であるが、それでもなお抗菌有効性をもたらす。さらに、本溶液は、改良された快適性を提供すると同時に、上記の改良された安定性も提供すると考えられる。具体的に言えば、正しい割合のグリセリンは、張性をもたらすが、安定性に有害な影響を及ぼさない。さらに、改良は、安定性を維持しながら、すべてではないにしても、ほとんどの又は実質的にすべての塩化ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム及びメタ重亜硫酸ナトリウムを除去することを含む。要するに、溶液pHをソルビン酸のpKaから離すことが、本水性眼科用液剤において、ソルビン酸の抗菌有効性を維持すると同時にソルビン酸の安定性をもたらすということは予想されていなかった。改良された抗菌有効性及び安定性に加えて、そのような溶液が、その上改良された快適性をもたらす潜在的な可能性があるということは予想されていない。上記の特徴のすべてが組み合わされて、独特に安定な水性眼科用液剤を提供する。]
[0020] 本明細書において使用される場合、用語「眼の快適性」とは、対象の眼組織に組成物を接触させた時に、眼科用組成物が使用者にもたらす効果を指す。眼の快適性は、対象の眼の中に数滴の組成物を導入して、これに反応する対象によって決定され得る。例として、反応は、1から10までの数値評定で等級分けすることができ、1はほとんど不快を表し、10はほとんど快適を表し、又は反応は、眼の快適性が許容されるか若しくは許容されないかの指標であり得る。追加として、眼の快適性は、ウサギなどの動物を対象とする適切な研究によって決定することができ、ここでは、動物の観察によって刺激の有無を決定することができる。好ましくは、本明細書において開示されている眼科用組成物は、より高量のメタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム及び/又は塩化ナトリウムを含む眼科用組成物の等級値に比べて少なくとも1段階高い値を有する。より好ましくは、その値は、少なくとも2段階高い。]
[0021] 追加として、本明細書において使用される場合、「眼組織」とは、眼に隣接した又は眼と連絡を取っている任意の組織を指す。例えば、眼組織には、眼瞼、強膜、角膜、眼球及び前述のいずれかを支える構造/組織が含まれる。]
[0022] 本組成物において、眼の快適性を改良することができる1つの方法は、塩化ナトリウム(NaCl)に比べて眼への刺激が少ない非イオン性等張化剤を使用することによる。塩化ナトリウムは、知られている等張化剤であり、製剤を涙に等張させるために、眼科用医薬製剤に昔から使用されている。本明細書において開示されている眼科用組成物は、正常な涙液の浸透圧に近づけるために、非イオン性等張化剤を用いて調節することができ、この浸透圧は、米国特許第6,274,626号に記載されているように、グリセリンの2.5%溶液に等しい。浸透圧は、オスモル濃度として測定され、一般に、従来の眼科用液剤については約225から400mOsm/kgである。本組成物において、適した非イオン性等張化調節剤は、グリセリン並びにグルコース、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールなどの多価アルコールを含むことができるが、これらに限定されない。好ましい等張化調節剤には、グリセリン及びプロピレングリコールが含まれる。本明細書において開示されている眼科用組成物は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムなどのイオン性等張化剤を実質的に含まない。組成物が、約200から約700mOsm/kgまで、好ましくは約200から約400mOsm/kgまでのオスモル濃度を有するように、非イオン性等張化剤として、約0.1%から約5%まで、好ましくは約1%から約3%まで、より好ましくは約1.15%の濃度のグリセリンがより好ましい。]
[0023] 本明細書において使用される場合、フレーズ「含まない又は実質的に含まない」とは、特定の化学物質若しくは化合物が本質的に存在しない組成物、又は特定の化学物質若しくは化合物の量が、眼の不快感を引き起こすか若しくは組成物の安定化を引き起こすのに必要な量未満である組成物を指す。例えば、「塩化ナトリウムを実質的に含まない」とは、約0.2%未満の塩化ナトリウムを含む組成物を指す。好ましくは、「塩化ナトリウムを実質的に含まない」とは、約0.03%未満の塩化ナトリウムを含む組成物を指す。より好ましくは、「塩化ナトリウムを実質的に含まない」とは、約0.003%未満の塩化ナトリウムを含む組成物を指す。最も好ましくは、塩化ナトリウムが組成物には存在しない。]
[0024] 本組成物において、快適性を改良するために、組成物は、重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを実質的に含まない。重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムは、知られている酸素捕捉剤であり、安定化剤として医薬製剤中に使用され得る。本出願人は、本明細書において記載されているように、シクロスポリン、グリセリン及び水を含み、約0.04%未満の重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを含む水性眼科用組成物が、重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを実質的に含まないにもかかわらず安定であることを思いがけなく見出した。有利には、組成物は、重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムが低濃度であるか又は溶液が重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを実質的に含まない場合に、より快適になると考えられる。]
[0025] 塩化ナトリウムと同様に、フレーズ「重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを実質的に含まない」とは、約0.04%未満の重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを含む組成物を指す。好ましくは、「重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを実質的に含まない」とは、約0.004%未満の重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを含む組成物を指す。より好ましくは、「重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを実質的に含まない」とは、約0.0004%未満の重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを含む組成物を指す。最も好ましくは、重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムが組成物には存在しない。]
[0026] 組成物は、眼組織の治療に安心して使用することができる界面活性剤をさらに含む。界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体又はその組合せを含むことができる。本明細書において使用される場合、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、エチレンオキシドと共重合したソルビトールの脂肪酸エステルに基づく。例として、約15の親水性−親油性バランス(HLB)値、約2の酸価、約65〜80のヒドロキシル価及び約45〜55の鹸化価を有するポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80)が挙げられる。水性眼科用組成物中のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80)とシクロスポリンとの重量比は、約1:1から約10:1までであってよい。好ましくは、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80)とシクロスポリンとの重量比は、約4:1から約7:1までである。]
[0027] 本明細書において使用される場合、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルは、好ましくは置換基を全く含まず、鎖長14から22個の炭素原子、好ましくは16から18個の炭素原子を有する飽和脂肪酸に基づく。例示的なポリオキシエチレン脂肪酸エステルには、ポリオキシエチレンステアレートが含まれる。好ましくは、ポリオキシエチレンステアレートエステルは、モノエステルである。好ましくは、ポリオキシエチレン部分の重合数は、約20から約60までである。例として、約16.9のHLB値、1未満の酸価、約27〜40のヒドロキシル価及び約25〜35の鹸化価を有するポリオキシエチレン40モノステアレート(ポリオキシル40ステアレート)が挙げられる。水性眼科用組成物中のポリオキシエチレン40モノステアレート(ポリオキシル40ステアレート)とシクロスポリンとの重量比は、約25:1から約100:1までであってよい。好ましくは、ポリオキシエチレン40モノステアレート(ポリオキシル40ステアレート)とシクロスポリンとの重量比は、約50:1から約75:1までである。]
[0028] 本明細書において使用される場合、ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、例えば、xが約12〜18までであり、yが約10〜60である構造式CH3(CH2)x(OCH2CH2)yOHを有する脂肪アルコールに基づく。例として、約16.9のHLB値、5未満の酸価、約40から60のヒドロキシル価及び約1.05の密度を有するポリオキシラウリルエーテルが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルとシクロスポリンとの重量比は、約25:1から約100:1までであってよい。好ましくは、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとシクロスポリンとの重量比は、約40:1から約75:1までである。ポリオキシラウリルエーテルの好ましい例は、Brij35(ラウレス−23としても知られている)である。]
[0029] 一実施形態では、組み合わせて使用される場合、水性眼科用組成物中に存在するポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルの総量は、約3%と約8%との間であってよい。水性眼科用組成物中に存在するポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルの好ましい総量は、約4%と約8%との間、より好ましくは約5%と約8%との間である。例えば、水性眼科用組成物中に存在するポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルの濃度は、それぞれ、約0.50%と約0.55%との間及び約7%であり得る。]
[0030] 別の実施形態では、組み合わせて使用される場合、水性眼科用組成物中に存在するポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルエーテルの総濃度は、約5%と約8%との間であってよい。例えば、水性眼科用組成物中に存在するポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルエーテルの濃度は、それぞれ、約0.50と約0.55%との間及び約5%であり得る。水性眼科用組成物中に存在するポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルエーテルの濃度は、それぞれ、約0.50と約0.55%との間及び約7%であり得る。]
[0031] ポリオキシエチレン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンアルキルエーテルが、眼科用組成物中に、約3%を超える量で、イオン性等張化剤及び/又は重亜硫酸ナトリウム若しくはメタ重亜硫酸ナトリウムと一緒に、約7のpH値で使用される場合、刺痛及び刺激を来たす恐れがある。シクロスポリン、グリセリン及び水を含み、約0.3%未満の塩化ナトリウム及び約0.04%未満の重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを含有する水性眼科用組成物が、それぞれ4%以上の量のポリオキシエチレン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンアルキルエーテルとともに使用される場合、眼科用組成物は許容される眼の快適性及び長期の安定性を有することが思いがけなく見出された。好ましくは、シクロスポリン、グリセリン及び水を含み、約0.3%未満の塩化ナトリウム及び約0.04%未満の重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを、約4%以上の量のポリオキシエチレン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンアルキルエーテルとともに含有する水性眼科用組成物のpHは、約6.0と約7.5との間である。より好ましくは、pHは約6.5である。]
[0032] 眼科用組成物はまた、ソルビン酸、塩化ベンザルコニウム、ポリヘキサニド及び/又は第4級アンモニウム化合物などの適した抗菌性保存剤も含有し得る。抗菌性保存剤は、眼科用調製物中に使用されることが多い。実際に、これらの保存剤は、最終使用者による汚染及び感染を最小限に抑えるために、多回眼科用調製物において必要とされている。抗菌性保存剤は、製品の貯蔵期間中にわたって安定であるべきであり、すなわち分解するべきではない。眼科用組成物は、約0.1から約0.5%までの量のソルビン酸を含んでよい。ソルビン酸が抗菌性保存剤として使用される場合、pHは約6.5に調節され得る。]
[0033] 抗菌性保存剤が眼科用組成物中に存在する場合、組成物は、確立された手段、例えば、USP抗菌効力試験法によって測定されるような適した抗菌有効性を所有することが好ましい。水性組成物がソルビン酸のpKa(4.67)に近いpHを有する場合、ソルビン酸の抗菌有効性は高まると従来より考えられている。]
[0034] 本出願人は、本明細書に記載されているような、シクロスポリン、グリセリン、ソルビン酸及び水を含み、約0.3%未満の塩化ナトリウム及び約0.04%未満の重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを含有する水性眼科用組成物において、pH6.0未満では、ソルビン酸の分解がソルビン酸の有効性を低下させることを見出した。思いがけなく、ソルビン酸のpKaから離れているpH6.0と7.5との間では、ソルビン酸の濃度が、安定な溶液中での抗菌有効性を提供する。抗菌剤として有効に機能するためには、ソルビン酸が安定であり続けることが重要である。抗菌剤がより安定であるほど、それだけ組成物がより長い貯蔵期間を有する。眼の快適性に関しては、6.0から7.5までの範囲のpHを有する組成物は、より低いpHを有する組成物に比べて、眼組織にはより快適であり得る。したがって、有利には、好ましいpH範囲での本組成物は、より安定であり、より優れた眼の快適性を提供することができる。]
[0035] 本明細書において使用される場合、用語「分解」とは、一般に、活性剤又は保存剤の薬学的又は薬理学的特性が低減又は消失するほどに、化学的に変化した活性剤又は保存剤を指す。或いは、溶解度、安定性又は物理的外観などの物理的特性が変化する。活性剤又は保存剤の分解の量並びに初期の活性剤又は保存剤の濃度及び時間間隔が経過した後で残存する濃度を決定する方法は、一般に知られている。例えば、活性剤の濃度を決定するために一般に使用される検出方法によって検出可能な活性剤は、活性剤の濃度が、その初期の調剤濃度に比べて減少したかどうかを決定するのに使用され得る。検出方法は、活性成分の濃度を測定するだけの場合もあれば、又は分解を測定する目的のために、知られている分解生成物などの、組成物の他の任意の構成成分を特性決定する場合もある。組成物の溶液の物理的外観の目視検査も、安定性の定性的指標を与え得る。]
[0036] 本明細書において開示されている眼科用組成物は、金属キレート剤をさらに含んでよい。例えば、眼科用組成物は、約0.01%から約1%までの量のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含むことができる。]
[0037] さらにpHに関しては、典型的には、ほんの少量の酸又は塩基のみが、溶液の初期のpHを調節するのに必要である。例として、pHを調節するのに適した酸及び塩基は、塩酸、水酸化ナトリウム、フマル酸及びフマル酸/フマル酸ナトリウムである。シクロスポリン、グリセリンなどの非イオン性等張化剤及び水を含む眼科用組成物は、組成物のpHを維持するための緩衝系を場合によって含むことができる。好ましくは、溶液pHは、塩の形成を避けるために、酸及び塩基の両方を使用することなく調節される。眼科用組成物は、約0.01%から約0.2%までの量のホウ酸及び/又は約0.01から約0.5%までの量のホウ酸ナトリウムを含むことができる。追加の範囲のホウ酸及び/又はホウ酸ナトリウムが使用され得る。]
[0038] 眼科用組成物は、典型的には、pH4から7.5まで、好ましくは約6.0から約7.0まで、最も好ましくは約6.5を有する。緩衝剤(例えば、クエン酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、重炭酸塩などを含む緩衝剤;又はホウ酸ナトリウム/ホウ酸緩衝剤などの固有の抗菌特性を有する緩衝剤)も、組成物の所望のpHを達成(及び維持)するのに使用することができる。]
[0039] 眼科用組成物はまた、抗ヒスタミン剤及び/又は肥満細胞安定化剤も含有し得る。例えば、抗ヒスタミン剤/肥満細胞安定化剤は、ケトチフェン、ノルケトチフェン、10−ヒドロキシ−デトチフェン若しくは10−ヒドロキシ−ノルケトチフェン又はこれらの化合物の眼科的に許容される塩及び/又は光学異性体であってよい。抗ヒスタミン剤及び/又は肥満細胞安定化剤は、組成物中に任意の有効濃度で存在することができる。好ましくは、濃度は、約0.01%から約0.5%まで、より好ましくは約0.02%から約0.4%まで、最も好ましくは約0.03%から約0.15%までである。]
[0040] 眼科用組成物はまた、ステロイド系抗炎症薬も含有し得る。好ましいステロイド系抗炎症薬は、コルチコステロイドである。好ましいコルチコステロイドには、アルクロメタゾン、アムシノニド、ベタメタゾン、ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、クロベタゾール、クロコルトロン、コルチゾール、コルチゾン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルプレドネート、フルメタゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオロメトロン、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、フルランドレノロンアセトニド、フルチカゾン、ハルシノニド、ハロベタゾール、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン及びその混合物が含まれる。]
[0041] ステロイド系抗炎症薬は、組成物中に任意の有効濃度で存在することができる。好ましくは、濃度は、約0.01%から約5%まで、好ましくは約0.02%から約3%まで、より好ましくは約0.1%から約2%までである。]
[0042] 眼科用組成物はまた、眼組織への局所適用に適した非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)も含有し得る。例えば、NSAIDは、ブロムフェナク(シーブロム(Xibrom))、ケトロラック(アキュラー(Acular))、ジクロフェナク(ボルタレン(Voltaren))又はフルルビプロフェン(オキュフェン(Ocufen))を含むことができる。非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は、組成物中に任意の有効濃度で存在することができる。好ましくは、濃度は、約0.01%から約5%まで、好ましくは約0.02%から約3%まで、より好ましくは約0.1%から約2%までである。]
[0043] 本明細書において開示されている、シクロスポリン、グリセリン及び水を含む組成物は、組成物が塩化ナトリウム及び/又は重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを含まない又は実質的に含まない場合、思いがけなく安定である。そのような組成物において、約10%以下のシクロスポリン及び約20%以下のソルビン酸が、55℃及び40%RHにて、少なくとも4週間で分解する。シクロスポリンの眼科用組成物の安定化は、約10%以下のシクロスポリンが、25℃及び40%RHにて、少なくとも4週間で分解するというようなものであり得る。上記安定性は、さらに長い期間、例えば、2、3、4、5、6又は12カ月間に延長することができる。シクロスポリン、グリセリン及び水を含み、約0.3%未満の塩化ナトリウム及び約0.04%未満の重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを含有する水性眼科用組成物の安定性は、結果としてシクロスポリンの約20%未満の分解をもたらす。好ましくは、約15%未満、より好ましくは約10%未満、最も好ましくは約5%未満の重量のシクロスポリンが分解される。]
[0044] 本明細書において開示されている組成物は、キトサン;ヒアルロン酸化合物などの線状多糖化合物;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー並びにアクリル酸ホモポリマー及びアクリル酸コポリマーなどの生体適合性ポリマー/増粘剤を含むポリマー;及び/又はシクロスポリン以外の活性剤を含まない又は実質的に含まないものであり得る。]
[0045] 本明細書において開示されているような眼科用組成物はまた、炎症性ドライアイ状態を含むドライアイ状態の治療に有用である可能性がある。眼科用組成物は、保存剤を使用して又は使用せずに、単回又は多回投与単位として調剤することができ、種々の成分を混合することによって製造され得る。組成物は、単回又は多回剤形に、ガラス又はプラスチックなどの材料から作られている、密閉式のボトル、管、バイアル又は他の容器などにパッケージされ得る。]
[0046] 本明細書において開示されているような眼科用組成物は、水中油エマルジョンを本質的に含まないことが好ましい。さらに、組成物は、局所組成物であることが好ましい。例えば、局所組成物は、点眼薬の形であってよい。本明細書において開示されているような眼科用組成物は、化合物のそのような組合せを含有しないか又はそうでなければ水中油エマルジョンである類似の組成物に比べて、シクロスポリンの著しく優れた角膜浸透を示すことができる。]
[0047] 本明細書において開示されている眼科用組成物は、眼の状態の治療に使用することができる。眼の状態には、例えば、炎症性ドライアイ疾患を含むドライアイ疾患、アレルギー、アレルギー性結膜炎、角結膜炎、伝染性角結膜炎、眼の痒み又はその組合せが含まれる。眼の状態を治療する方法は、ドライアイ疾患に罹患しているヒト対象に、本明細書において記載されている眼科用組成物の有効量を投与することを含む。有効量は、眼の状態の病因又は総合的症状を軽減又は消失させる任意の量である。本明細書において開示されている組成物は、滴剤として投与することができ、1滴の組成物が、アレルギー性結膜炎に罹患しているか又はそれに感受性がある対象の眼に、1日2回適用されるが、特定の組成物の構成及び対象によって提示される症状を含む複数の因子に応じて、より多いか又はより少ない組成物が、より多いか又はより少ない頻度の用量で使用され得る。]
[0048] 眼科用組成物は、例えば、眼の痒み及び眼の発赤を含むアレルギー性結膜炎の徴候及び症状の治療及び一時的な予防に使用され得る。アレルギー性結膜炎を治療する方法は、アレルギー性結膜炎に罹患しているか又はそれに感受性があるヒト対象に、本明細書において記載されている眼科用組成物の有効量を投与することを含む。]
[0049] 本明細書において開示されている組成物は、例えば、ドライアイ及び/又はアレルギーに起因する状態を治療、改善又は軽減するのに使用され得る。例えば、本発明の組成物は、伝染性角結膜炎、眼の痒み又はその組合せなどの、ドライアイ若しくはその症状、アレルギー性結膜炎若しくはその症状の重症度を治療、改善又は軽減するために局所適用することができる。]
[0050] 本明細書において開示されている眼科用組成物は、単回又は多回投与単位として調剤することができ、複数の成分を混合することによって製造され得る。組成物は、単回又は多回剤形に、ガラス又はプラスチックなどの材料から作られている、密閉式のボトル、管、バイアル又は他の容器などにパッケージされ得る。]
[0051] 以下の例は、本発明の実施形態を例証するものであり、限定又は制限するものとして解釈されるべきではない。本発明の広い範囲を説明する数値範囲及びパラメータは近似値であるにもかかわらず、具体的な例で説明される数値は、できるだけ正確に報告されている。しかし、いかなる数値も、そのそれぞれの測定値(例えば、pH)に見られる標準偏差によって表されるように、生得的にある特定の不確かさを含み、そういった点で、そのような標準偏差が決定又は推定され得る。例として、pH値は、+/−0.2の範囲内であると見なされるべきである。以下に記載されている例を、表1及び2に示す。]
[0052] (例1)
対照
水170.04gを70℃に熱し、これに14.01gのポリオキシエチレン40ステアレートを加え、得られた溶液を55℃に冷却した。この溶液に、0.2032gのEDTA二水和物、0.6008gの塩化ナトリウム、0.1912gのホウ酸及びソルビン酸0.4404gを加え、溶解するまで撹拌した。溶液を室温に冷却し、重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウム0.0802gを加えた。得られた溶液をフェーズI対照と名付けた。]
[0053] エタノール0.7852gに0.2015gのシクロスポリンを加えた。シクロスポリンが完全に溶解するまで混合した。ポリソルベート80(1.0755g)をこの溶液に加え、溶解するまで撹拌した。得られた溶液をフェーズII対照と名付けた。]
[0054] フェーズII対照溶液をフェーズI対照溶液に、定量的に加えた。一晩混合することにより、シクロスポリンを完全に溶解させた。得られた溶液をフェーズIII対照溶液と名付けた。フェーズIII対照溶液を希釈し、最終重量を200.03gにした。]
[0055] 代替の対照溶液の作成は、以下のように改変し、原則的にはフェーズI対照溶液に関する上記のように行った。ポリオキシエチレン40ステアレート、EDTA二水和物、塩化ナトリウム、ホウ酸及びソルビン酸の水溶液を55℃の温度で30分間維持し、その後室温に冷却した。次いで、重亜硫酸ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムを加えた。代替のフェーズII及びフェーズIII対照溶液を、以上のように調製した。これらの各対照溶液の内容物を、対照としてまとめて表1に示す。]
[0056] サンプルA
水163.09gを70℃に熱し、これに14.04gのポリオキシエチレン40ステアレートを加え、溶液を55℃に冷却した。この溶液に、0.2014gのEDTA二水和物、2.33gのグリセリン、0.1913gのホウ酸及びソルビン酸0.4413gを加え、溶解するまで撹拌した。溶液を55℃の温度で30分間維持し、次いで、室温に冷却した。この溶液をフェーズIAと名付けた。]
[0057] エタノール0.7933gに0.2019gのシクロスポリンを加えた。シクロスポリンが完全に溶解するまで混合した。ポリソルベート80(1.0741g)を溶液に加え、溶解するまで撹拌した。この溶液をフェーズIIAと名付けた。]
[0058] フェーズIIA溶液をフェーズIA溶液に、定量的に加えた。一晩混合することにより、シクロスポリンを完全に溶解させた。この溶液を希釈し、最終重量を200.02gにし、サンプルAと名付けた。]
[0059] サンプルB
水164.64gを70℃に熱し、これに13.99gのBrij35を加え、次いで、溶液を55℃に冷却した。この溶液に、0.2001gのEDTA二水和物、2.33gのグリセリン、0.1911gのホウ酸及びソルビン酸0.4413gを加え、溶解するまで撹拌した。得られた溶液を55℃の温度で30分間維持し、次いで、室温に冷却した。この溶液をフェーズIBと名付けた。]
[0060] エタノール0.7975gに0.2002gのシクロスポリンを加え、シクロスポリンが完全に溶解するまで混合した。次いで、ポリソルベート80(1.0789g)を溶液に加え、溶解するまで撹拌した。この溶液をフェーズIIBと名付けた。]
[0061] フェーズIIB溶液をフェーズIB溶液に、定量的に加えた。一晩混合することにより、シクロスポリンを完全に溶解させた。溶液を希釈し、最終重量を200.03gにし、サンプルBと名付けた。]
[0062] サンプルC
水160.16gを70℃に熱し、これに11.98gのBrij35を加え、次いで、溶液を55℃に冷却した。この溶液に、0.1999gのEDTA二水和物、2.33gのグリセリン、0.1899gのホウ酸及びソルビン酸0.1112gを加え、溶解するまで撹拌した。溶液を55℃の温度で30分間維持し、次いで、室温に冷却した。この溶液をフェーズICと名付けた。]
[0063] エタノール0.7912gに0.2009gのシクロスポリンを加え、シクロスポリンが完全に溶解するまで混合した。次いで、ポリソルベート80(1.0796g)を溶液に加え、溶解するまで撹拌した。この溶液をフェーズIICと名付けた。]
[0064] フェーズIIC溶液をフェーズIC溶液に、定量的に加えた。一晩混合することにより、シクロスポリンを完全に溶解させた。溶液を希釈し、最終重量を200.02gにし、サンプルCと名付けた。]
[0065] サンプルD
水163.62gを70℃に熱し、これに10.05gのBrij35を加え、次いで、溶液を55℃に冷却した。この溶液に、0.2007gのEDTA二水和物、2.31gのグリセリン、0.1892gのホウ酸及びソルビン酸0.4412gを加え、溶解するまで撹拌した。溶液を55℃の温度で30分間維持した。溶液を室温に冷却した。この溶液をフェーズIDと名付けた。]
[0066] エタノール0.7985gに0.2012gのシクロスポリンを加え、シクロスポリンが完全に溶解するまで混合した。次いで、ポリソルベート80(1.0742g)を溶液に加え、溶解するまで撹拌した。この溶液をフェーズIIDと名付けた。]
[0067] フェーズIID溶液をフェーズID溶液に、定量的に加えた。一晩混合することにより、シクロスポリンを完全に溶解させた。溶液を希釈し、最終重量を200.02gにし、サンプルDと名付けた。]
[0068] サンプルE
水160.81gを70℃に熱し、これに14.01gのBrij35を加え、溶液を55℃に冷却した。この溶液に、0.1997gのEDTA二水和物、2.32gのグリセリン、0.1917gのホウ酸及びソルビン酸0.4405gを加え、溶解するまで撹拌した。溶液を55℃の温度で30分間維持し、次いで、室温に冷却した。この溶液をフェーズIEと名付けた。]
[0069] エタノール0.7982gに0.4024gのシクロスポリンを加え、シクロスポリンが完全に溶解するまで混合した。次いで、ポリソルベート80(1.0765g)を溶液に加え、溶解するまで撹拌した。この溶液をフェーズIIEと名付けた。]
[0070] フェーズIIE溶液をフェーズIE溶液に、定量的に加えた。一晩混合することにより、シクロスポリンを完全に溶解させた。溶液を希釈し、最終重量を200.03gにし、サンプルEと名付けた。]
[0071] サンプルF
水163.99gを70℃に熱し、これに13.99gのBrij35を加え、次いで、溶液を55℃に冷却した。この溶液に、0.0695gのフマル酸ノルケトチフェン、0.2009gのEDTA二水和物、2.39gのグリセリン、0.1904gのホウ酸及びソルビン酸0.4403gを加え、溶解するまで撹拌した。溶液を55℃の温度で30分間維持し、次いで、室温に冷却した。この溶液をフェーズIFと名付けた。]
[0072] エタノール0.7935gに0.2001gのシクロスポリンを加え、シクロスポリンが完全に溶解するまで混合した。次いで、ポリソルベート80(1.0769g)を溶液に加え、溶解するまで撹拌した。この溶液をフェーズIIFと名付けた。]
[0073] フェーズIIF溶液をフェーズIF溶液に、定量的に加えた。一晩混合することにより、シクロスポリンを完全に溶解させた。溶液を希釈し、最終重量を200.03gにし、サンプルFと名付けた。




表1.代表的な製剤(量は%w/vである。)




表2.シクロスポリン及びシクロスポリン配合物の代表的な製剤(量は%w/vである。)]
[0074] シクロスポリンを含み、塩化ナトリウム及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含まない又は実質的に含まない製剤を調製し(サンプルA、B、E及びF)、初期のpH値を約5.5に調節した。シクロスポリンを含み、塩化ナトリウム及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む対照(対照)も調製した。製剤サンプル及び対照サンプルを、それらの安定性について、種々の温度及び相対湿度(RH)で試験した。製剤中の活性成分の分解分析は、HPLCを使用し、対照サンプルを使用して、シクロスポリン及びノルケトチフェンについて行った。組成物の安定性データを、表3にまとめる。表3のデータは、メタ重亜硫酸ナトリウムを実質的に含まない組成物が、メタ重亜硫酸ナトリウムを含む対照サンプルと比較して、同程度の安定性を有することを示す。




表3.シクロスポリン組成物の安定性データ。
*シクロスポリン/ノルケトチフェン組成物におけるノルケトチフェンの安定性データ。]
[0075] (例2)
表4に示す組成物及びpH値を有するサンプルを調製した。サンプルを、25℃で3カ月間貯蔵した後、安定性について試験した。表を見るとわかるように、約6.0から6.5までのpHを有する組成物において、ソルビン酸濃度がより高く、したがってソルビン酸はより安定であった。




表4.シクロスポリン組成物の安定性データ]
実施例

[0076] 本発明を、詳細に及びその具体的な実施形態を参照して記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の変更及び改変がなされ得ることは、当業者には明らかである。]
权利要求:

請求項1
(a)約0.001%から約1%までの量のシクロスポリン;(b)約0.1%と約5%との間の量のグリセリン;及び(c)精製水;を含む水性眼科用組成物であって、(d)約0.3%未満の塩化ナトリウム及び約0.04%未満のメタ重亜硫酸ナトリウムを含有する上記組成物。
請求項2
pHが約6.0と約7.5との間である、請求項1に記載の水性眼科用組成物。
請求項3
pHが約6.5である、請求項1に記載の水性眼科用組成物。
請求項4
塩化ナトリウムを実質的に含まない、請求項1に記載の水性眼科用組成物。
請求項5
メタ重亜硫酸ナトリウムを実質的に含まない、請求項1に記載の水性眼科用組成物。
請求項6
塩化ナトリウム及びメタ重亜硫酸ナトリウムを実質的に含まず、安定である、請求項1に記載の水性眼科用組成物。
請求項7
約7%と約8%との間の総量のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルをさらに含む、請求項1に記載の水性眼科用組成物。
請求項8
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルが、それぞれ約15から約17までの間のHLB数を有する、請求項7に記載の水性眼科用組成物。
請求項9
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、約0.50%と約0.55%との間の量で存在し、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルが、約7%の量で存在する、請求項7に記載の水性眼科用組成物。
請求項10
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエートである、請求項7に記載の水性眼科用組成物。
請求項11
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルが、ポリオキシエチレン40モノステアレートである、請求項7に記載の水性眼科用組成物。
請求項12
約0.2%から約0.5%までの量のエタノールをさらに含む、請求項1に記載の水性眼科用組成物。
請求項13
約0.01%から約0.2%までの量のホウ酸をさらに含む、請求項1に記載の水性眼科用組成物。
請求項14
約0.01から約0.5%までの量のソルビン酸をさらに含む、請求項1に記載の水性眼科用組成物。
請求項15
ソルビン酸が約0.2から約0.3%までの量であり、安定である、請求項14に記載の水性眼科用組成物。
請求項16
約0.01%から約1%までの量のエチレンジアミン四酢酸をさらに含む、請求項1に記載の水性眼科用組成物。
請求項17
治療有効量の、抗ヒスタミン剤、肥満細胞安定化剤、ステロイド系抗炎症薬、非ステロイド系抗炎症薬及びこれらの混合物からなる群から選択されるメンバーをさらに含む、請求項1に記載の水性眼科用組成物。
請求項18
(a)約0.001%から約1%までの量のシクロスポリン;(b)約0.1%から約5%までの間の量のグリセリン;及び(c)精製水;を含む水性組成物であって、(d)約0.3%未満の塩化ナトリウム及び約0.04%未満のメタ重亜硫酸ナトリウムを含有する水性組成物と眼組織を接触させることを含む、眼の状態を治療する方法。
請求項19
前記組成物が、約0.01から約0.5%までの量のソルビン酸をさらに含み、前記組成物が安定である、請求項18に記載の方法。
請求項20
(a)0.1%の量のシクロスポリン;(b)1.15%の量のグリセリン;(c)7%の量のポリオキシ40ステアレート;(d)0.1%の量のEDTA;(e)0.095%の量のホウ酸;(f)0.22%の量のソルビン酸;(g)0.537%の量のポリソルベート80;及び(h)0.395%の量のエチルアルコールを含む水性眼科用組成物であって、(i)約0.3%未満の塩化ナトリウム及び約0.04%未満のメタ重亜硫酸ナトリウムを含有する上記組成物。
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