![]() 十二ホウ酸塩ラジカルアニオン組成物、並びにその組成物の製造方法及び使用方法
专利摘要:
本開示は、B12FxZ12−x2−塩の化学酸化又は電気化学酸化によって作成できるB12FxZ12−x−アニオンを含む新規の組成物に関する。このアニオンは、ボルタンメトリー実験中に電気化学的に生成できる。又はこのアニオンは、強酸化剤、例えばXeF2又はNO2(+)塩を用いた(2−)アニオンの処理によって、化学的に生成することができる。その新規の組成物は、一電子化学酸化剤として使用することができ、電気化学電池、例えばリチウムイオン電池で使用することができる。ここで、電気化学電池では、上昇した電位でのそれらの形成によって、そのような電池の過充電の間に電圧の上限を制限することができる。 公开号:JP2011508711A 申请号:JP2010536167 申请日:2008-11-26 公开日:2011-03-17 发明作者:ブラデミロビッチ イワノフ,セルゲイ;ジャック,ジュニア キャスティール,ウィリアム;ジャンブナサン,クリシュナクマル;ハンプトン,ザ;サード バイレイ,ウェード 申请人:昭和電工株式会社; IPC主号:C01B35-12
专利说明:
[0001] 本発明は、化合物を得るためのB12FxZ12−x2−塩の化学酸化又は電気化学酸化により形成できる、新規な化合物に関する。その化合物は、下記のように特徴付けられうる: Ma+(B12FxZ12−x−)a ここで、aは1〜4、且つxは十二ホウ酸塩に関して、少なくとも3、又は少なくとも5、又は少なくとも8であり;3≦x≦12;Mは少なくとも一つの電気化学的に安定なカチオンを含む。Zは、H、Cl、Br又はORを表し、ここでR=H、C1〜8、好ましくはC1〜3のアルキル又はフルオロアルキルである。下付き文字xは、4〜12、7〜12、又は7〜11になることができ、そして、複数の塩の混合物は、4〜12、7〜12、又は7〜11のxの値を持つことができる。下付き文字「10−x」及び「12−x」は、それぞれ「10マイナスx」及び「12マイナスx」を意味する。「〜」を有する他の全ての下付き文字は範囲を示し、例えば「1〜3」は1から3までを意味する。] [0002] 本発明は、その化合物を含む組成物、並びにその化合物及び組成物の製造方法及び使用方法にも関する。] 背景技術 [0003] 十ホウ酸及び十二ホウ酸の閉かご構造に基づく二価の塩(すなわち、B10X102−及びB12X122−)が当該分野において知られている。これらの塩の使用が、電池電解質、燃料電池電解質及び他の用途において報告されている。アセトニトリル中でのB10Cl102−の電気化学酸化は、紫に着色した溶液を与える(例えば、非特許文献1に記載)。アセトニトリル中でのTl(CF3COO)3によるB10Cl102−の化学酸化は、紫の生成物を与え、これはUV−可視光分光分析によると、B10Cl102−の電気化学酸化の生成物と同一である。二フッ化キセノンによる化学酸化は、中性のB9Cl9の形成を示した。] [0004] フッ素化B12誘導体、例えばB12FxH12−x2−が、特許文献1〜5に記載されている。B12F122−は、Li+/0に対して4.9V(NHEに対し約1.9〜2.0V)で、準可逆的な酸化を受けたと報告された(非特許文献2)。] [0005] 米国特許出願第10/655,476号(2003年9月4日出願) 米国特許出願第10/924,293号(2004年8月23日出願) 米国特許出願第11/372,907号(2006年3月10日出願) 米国特許出願第11/197,478号(2005年8月5日出願) 米国特許出願第11/710,116号(2007年2月23日出願)] [0006] 「Electrochemical Oxidation of Polyhedral Boron Halide anions」、Bowden、J.Electrochem Soc.;129巻,6号,1249ページ Ivanov et.al.,J.Amer.Chem.Soc.,2003年,125巻,4694] 先行技術 [0007] 当該分野においては、酸化されたラジカルアニオン生成物、例えばB12FxZ12−x−又はB10FxH10−x−に関して需要がある。そのような生成物は、通常の電池の電解質、キャパシタの電解質、若しくは燃料電池の電解質中で生成する場合に、又は化学反応の実行に関して試薬として用いるために作成する場合に、単独で若しくは添加剤として所望の物性を与えることができる。] 課題を解決するための手段 [0008] 本発明は、酸化されたB12FxZ12−x2−塩の少なくとも一つを含む化合物を提供することにより、通常の化合物に関連する問題を解決する。その塩は、下記のように特徴付けられうる: Ma+(B12FxZ12−x−)a ここで、aは1〜4、且つxは十二ホウ酸塩に関して、少なくとも3、又は少なくとも5、又は少なくとも8であり;3≦x≦12;Mは少なくとも一つの電気化学的に安定なカチオンを含む。Zは、H、Cl、Br又はORを表し、ここでR=H、C1〜8、好ましくはC1〜3のアルキル又はフルオロアルキルである。下付き文字xは、4〜12、7〜12、又は7〜11になることができ、そして複数の塩の混合物は、4〜12、7〜12、又は7〜11のxの値を持つことができる。下付き文字「10−x」及び「12−x」は、それぞれ「10マイナスx」及び「12マイナスx」を意味する。「〜」を有する他の全ての下付き文字は、範囲を示し、例えば「1〜3」は1から3までを意味する。] [0009] 本発明の一つの態様は、酸化剤を使用することにより様々な化学酸化を実行するために使用されることができる、酸化された塩の製造方法に関する。その酸化された塩は、これらの用途での使用に関して、固体として又は酸化性溶液の一部として単離されることできる。本発明の他の一態様において、その酸化された塩は、電気化学酸化を用いることにより製造されることができる。さらに、その酸化剤が非水系溶媒の範囲において通常は安定なので、電気化学的電池、例えばリチウムイオン電池又はウルトラキャパシタで充電している間の上昇した電位でのその酸化された塩の生成は、そのような電池中で電圧を制限する能力を提供することができ、それによってその電池が過充電の危険な水準に到達することを防ぐことができる。] [0010] 本発明の他の一態様は、一価の十二ホウ酸塩の製造方法に関する。この方法は、下記の構造の塩: Ma+(B12FxZ12−x2−)a/2 (xは平均すると少なくとも4であるが高くて12までで、且つZは、H、Cl、Br又はORを表し、ここでR=H、C1〜8)を、下記の構造の塩を形成するのに十分な時間及び条件の下で、酸化環境に暴露することを含む: Ma+(B12FxZ12−x−)a (aは1〜4;3≦x≦12;且つMは少なくとも一つ電気化学的に安定なカチオンを含む)] [0011] 本発明の更なる態様は、本発明の塩を含有する電解質及び電気化学機器に関する。] [0012] 本発明の一つの態様は、下記の構造の一価の十二ホウ酸塩を含む一電子酸化剤を有する: Ma+(B12FxZ12−x−)a (化合物1)] [0013] ここで、xは、十ホウ酸に関して、少なくとも1若しくは少なくとも3、又は十二ホウ酸塩に関して、少なくとも5若しくは少なくとも8であり、aは1〜4;3≦x≦12;Mは電気化学的に安定な少なくとも一つのカチオンを含む。Zは、H、Cl、Br又はORを表し、ここでR=H、C1〜8好ましくはC1〜3のアルキル又はフルオロアルキルである。下付き文字xは、4〜12、7〜12、又は7〜11になることができ、そして複数の塩の混合物は、4〜12、7〜12、又は7〜11のxの値を持つことができる。下付き文字「10−x」及び「12−x」は、それぞれ「10マイナスx」及び「12マイナスx」を意味する。「〜」を有する他の全ての下付き文字は範囲を示し、例えば「1〜3」は1から3までを意味する。Mは電気化学的に安定なカチオンから選択され、且つアルカリ金属、アルカリ土類金属、テトラアルキルアンモニウム又はイミダゾリウムからなる群から選択される少なくとも一種を含むことができる。] [0014] 本発明の他の一態様において、化合物1は、下記の構造の化合物を含む二価の十二ホウ酸塩: Ma+(B12FxZ12−x2−)a/2 (化合物2) から、下記を含むプロセスに従う電気化学酸化又は化学酸化により得てもよい: B12FxZ12−x2−→ B12FxZ12−x−+e− 又は B12FxZ12−x2−+Ox→ B12FxZ12−x−+Ox−] [0015] 化学酸化剤の例としては、限定されないが、ニトロシル塩及びニトロソニウム塩、例えばNO+BF4−、NO2+BF4−、フッ素及び酸化的フッ素化剤(oxidative fluorinators)、例えばClF、ClF3、BrF3、XeF2、K2NiF6、CeF4、並びにCe(IV)塩、これらの混合物、他の適切な酸化剤が挙げられる。] [0016] 電気化学酸化を使用して化合物(1)を形成する場合には、化合物(2)は、その溶媒が化合物(1)により実質的に酸化されないという条件で、有機非プロトン性溶媒又は無機溶媒に、約0.1wt%〜約50wt%の範囲の量で溶解されることができる。有機非プロトン性溶媒の例は、ニトリル(アセトニトリル、プロピオニトリル及びグルタロニトリル等);有機カーボネート、及びフッ素化溶媒(例えば、フッ素化有機カーボネート、フッ素化エステル、フッ素化エーテル);これらの混合物、その他を含む。無機溶媒の例は、HF(これはプロトン性だが酸化的に安定である)、フッ化ハロゲン、フッ化硫黄、塩化物、酸塩化物、酸フッ化物;これらの混合物、その他を含む。通常受け入れられる溶媒は、Li/Li+に対して約4.6V超の酸化電位を有するであろう。] [0017] 化学酸化を使用して化合物(1)を形成する場合には、化学酸化は、化合物(2)と少なくとも一つの適切な酸化剤を、その酸化剤と反応しない溶媒又は化合物(2)より遅く酸化剤と反応する溶媒、のどちらか少なくとも一つの溶媒中で反応させて、実行されてもよい。適切な溶媒の例は、数ある中でも特に、HF、アセトニトリル、グルタロニトリル、三フッ化臭素;これらの混合物の少なくとも一つを含む。化学酸化プロセスの一例において、化合物(2)は、溶媒、及び化合物(1)に対して約0.1〜約2のモル等量で添加した酸化剤中で、懸濁又は溶解される。フッ素が酸化剤として用いられる場合、あらゆるB12FxZ12−x2−のフッ素化は、完全にフッ素化されたラジカルアニオンB12F121−を通常生成する。いかなる理論又は説明にも拘束されることを望むものではないが、F2及び同様の酸化剤は、完全にフッ素化されたラジカルアニオンを発生する前に、部分的にフッ素化された塩を完全にフッ素化することができる。] [0018] 本発明の一態様において、本発明の塩は、下記の構造式のリチウムベースの塩と共に用いられる場合があり、又はそれから生じる場合がある: Li2B12FxZ12−x] [0019] ここで、xは、十ホウ酸に関して少なくとも1、若しくは少なくとも3、又は十二ホウ酸塩に関して少なくとも5、若しくは少なくとも8である。Zは、H、Cl、Br又はORを表し、ここでR=H、C1〜8、好ましくはC1〜3のアルキル又はフルオロアルキルである。下付き文字xは、4〜12、7〜12、又は7〜11になることができ、そして、複数の塩の混合物は4〜12、7〜12、又は7〜11のxの値を持つことができる。最も好ましい化合物は、Li2B12F12及びLi2B12FxZ12−x(ここでxは6、7、8、9、10、11及び12、又はxは7、8、9、10及び11)、並びにLi2B12FxZ12−xの混合物(ここでxは6、7、8、9、10、11及び12又はxは7、8、9、10及び11)である。例えば、Li2B12F8H4塩の混合物は、xが主に8で、x=6、7、9、10、11及び12が少ない量であるLi2B12FxH12−xを意味する。下付き文字「10−x」及び「12−x」は、それぞれ「10マイナスx」及び「12マイナスx」を意味する。「〜」を有する他の全ての下付き文字は範囲を示し、例えば「1〜3」は1から3までを意味する。適切なリチウムフルオロホウ酸化合物の特定の例は、Li2B12F8〜12Z0〜4(ここでZはCl、Br又はORで、RはC1〜8、好ましくはC1〜3である)からなる群から選択された一種を含む化合物である。通常は、その塩としては、Li2B10F10、Li2B12F12、Li2B12F10〜12(OH)0〜2、Li2B12F10〜12(Cl)2、Li2B12F8〜10(H)0〜2、Li2B12F8〜12(OCF3)0〜4、Li2B10F8〜10Br0〜2、Li2B12F5H7、Li2B12F6H6、Li2B12F7H5、Li2B12F8H4、Li2B12F9H3、Li2B12F10H2、Li2B12F11H、及びxの平均が5以上、又は9若しくは10となるように変化するxを有する塩の混合物、又はxが10若しくは11のLi2B12FxCl12−x及びLi2B12FxBr12−xが挙げられる。このリチウムベースの塩の追加の詳細、並びに本発明の塩が使用されうる電解質及び電気化学機器の追加の詳細が米国特許出願番号10/924,293(参照としてこの明細書に組み込まれているものとする)に開示されている。] [0020] 本発明の他の一態様において、本発明の塩及びリチウムベースの塩は、少なくとも一つの添加剤と共に、及び電解質及び電気化学機器において、使用されることができる。適切な添加剤の例は、無機塩添加剤及び有機添加剤からなる群の少なくとも一種、例えば、米国特許出願番号11/300287(参照して本明細書に組み込まれているものとする)に開示されているLiBOB、LiBF4、その他を含むことができる。電解質中のそのような添加剤の濃度は、通常は、電解質溶液の全量に基づいて約0.1wt%〜5wt%である。] [0021] 本発明の塩は、あらゆる適切な用途又は最終用途に使用されることができるが、そのような用途の例は、i)安定な一電子酸化剤としての用途、特に、本発明の塩よりも低い酸化電位を有する反応性カチオンを安定にする中性種の酸化剤としての用途、ii)導電性ポリマーの重合における酸化ドーパントとしての用途、並びにiii )電気化学機器、例えば電池、燃料電池、及びウルトラキャパシタでの用途を含む。電気化学的電池、例えば電池又はウルトラキャパシタにおいて、本発明の塩は、化学的不動態化用添加剤として添加されることができ、又はその場(in situ)で生成するならば、電池中の電位を安全な上限で保ち、それにより過充電に対する保護を与えることができる。] [0022] 本発明の酸化塩が、化学酸化又は電気化学酸化により溶液中で生成される場合、約0.001M〜約1M、又は約0.01M〜約1M、又は約0.1〜約0.5Mの範囲の濃度でそれらを作成できる。その酸化塩は、そのような濃度で使用されることができ、又はいくつかある成分のうちで特に適切な溶媒と組み合わせることにより希釈されることができる。] [0023] 本発明の更なる態様において、その酸化化合物及びその化合物を含む電解質は、実質的に水を含有しない。実質的に含有しないとは、その化合物及び電解質が、水及び他の水酸基部分を100ppm未満で、及び通常は水及び他の水酸基部分を50ppm未満で含むことを意味する。] [0024] 本発明のいくつかの態様において、例えば、固体としての及び一連の溶液中での塩の単離、溶液中でのその特性評価、並びに固体及び溶液中でのその定量化は、本明細書に付属した請求項の範囲を決して限定しない以下の実施例により説明される。] [0025] 実施例1 Li2B12F9H3の電気化学酸化 Li2B12F9H3の電気化学酸化に関して、0.07cm2のガラス状炭素作用電極(Bioanalytical Systems Inc.)及びLi金属箔(FMCCorp.)の参照電極及び対電極に基づく電気化学的電池を作成した。定電位装置(CH Instruments,CHI660a)を電源として使用した。0.14mAの電流を、約5mlのエチレンカーボネート/ジエチレンカーボネート(EC/DEC)中のLi2B12F9H3の0.4M溶液に約1時間適用する。赤/オレンジの物質が作用電極の下に形成し、これは徐々にバルク溶液中に拡散した。約0.002Mの一電子酸化剤が電気分解により形成したことが、チオ硫酸塩での滴定により示された。その溶液の一定分量を、0.1mm間隔のサファイア窓を有する、テフロン(登録商標)(商標)のハリック(Harrick)液体光学セル(部品No.DLC2)に入れて、希釈の必要がない状態で吸収の値のフルスケール測定を可能とした。ハリックセル中のその溶液を、Cary model300分光光度計(Varian Inc.)で、UV−可視光分光分析によって測定した。シングルスキャンを200nm〜700nmで、4nm/sのスキャンスピードで1nmの解像度で実施した。二つの新しい吸収ピークを、電気化学酸化後にLi2B12F9H3溶液で350nm及び460nmで観測した。その溶液の色及びこれらの吸収バンドは徐々に減衰し、8〜9時間後に完全に消失した。] [0026] 比較例1 Li2B12F12のUVスペクトル EC/DEC中のLi2B12F12の未処理の0.4M溶液は、透明で且つ無色である。UV−可視光分光分析を、その溶液について実施例1と同様に実行し、これは290nm及び315nmに発生するLi2B12F12のUV吸収ピークを示す。] [0027] 実施例2 Li2B12F12の電気化学酸化 EC/DEC中のLi2B12F12の0.4M溶液を、実施例1に記載した方法によって電気化学酸化した。電気化学酸化を行うと、レモンイエロー色の物質が作用電極の下に観察され、これは徐々にその溶液中に拡散した。UV−可視光分光分析は、290nm及び315nmでのLi2B12F12の元々のUV吸収ピークに加えて、410nmで新しい吸収ピークを示した。その溶液の色は、UV−可視光の新たなピークと共に徐々に減少し、24時間で完全に消失した。5.0Vでの、2時間にわたる溶液の電気分解は、より高濃度のラジカルを示すより濃く着色した溶液を与えたことを除いて、同様の結果を与えた。電気分解の電流は、想定されたように、比較的大きかった。質量磁化率のシフト相関(NMR及び質量磁化率の平衡測定)、及び溶液のヨウ素還元滴定(グローブボックス中でその溶液に無水LiIを添加した後、含水チオ硫酸塩滴定)は、ラジカルへのB12F122−の約10%の転化、又は0.03〜0.04Mのラジカルアニオン濃度を示した。電量分析は、定量試験と良く相関した。同じ副生成物を長期間に渡って観測したが、ラジカルは四日目までに完全に減衰した(UV−可視光)。] [0028] 実施例3 二フッ化キセノンによるK2B12F12の化学酸化 Ar充填乾燥ボックス中で、約500mg(1.1mmol)のK2B12F12を、二つのアームがあるFEP反応器の一つのアームに装填して、約200mgのXeF2(1.2mmol)を、もう一方のアームに装填した。減圧ラインで、3mLの無水フッ化水素を、その反応器の各アームに蒸留して入れて、それによりそれぞれのアームで無色の溶液を形成した。そのXeF2溶液を約0℃でK2B12F12溶液に注いだ。ガスのゆっくりとした発生が観察され、そして徐々にその溶液は黄色になった。1時間後にガスの発生が止まり、そしてその溶液は明るいレモンイエロー色になった。HFを0℃で排出し、薄い黄色の固体が残った。乾燥ボックス中で、この固体をEC/DEC中に溶解し、黄色の溶液を得た。UV−可視光スペクトルは、電気化学的に酸化したLi2B12F12に関して観測したのと同じ位置である410nmで、新しい吸収ピークを示した。] [0029] 実施例4 (H3O)2B12F12の化学酸化 Ar充填乾燥ボックス中で、5g(11mmol)の(H3O)2B12F9H3を、単一アームのバルブ付きFEB反応器に装填した。約20mLの無水HFを反応器中に蒸留して入れて、そして20%F2/80%N2の流れをその溶液に起泡して入れた。約40mmolのF2の添加後の19F−NMRによるその溶液の解析は、B12F9H32−が完全にB12F122−に転化したことを示した。追加の40mmolのF2を、その溶液に添加した。この間に、その溶液は濃い青色に変化した。蒸留による残留フッ素及びHFの除去は、約6gの薄い青色の固体を残した。その固体のサンプルをヨウ化カリウムで処理すると、そしてアセトニトリル中で、酸化剤を示す濃いオレンジの溶液を与えた。Na2S2O3溶液でのこの溶液の逆滴定は、60mol%の一電子酸化剤からなるその固体と一致した。この固体の他の一つのサンプルをアセトニトリルに溶解し、そして薄い青の溶液を形成した。この溶液のUV解析は、B12F122−の電気化学酸化又はXeF2化学酸化に関して観察したピークよりもずっと高い強度で、410nmの吸収ピークを示した。] [0030] 実施例5 飛行時間二次イオン質量分析計(ToF−SIMS)による、酸化されたLi2B12F12溶液の特性評価 実施例3からの黄色の酸化された生成物の溶液を、アセトニトリル中に溶解し、Trirt II TOFMS装置(PHI)で、飛行時間二次イオン質量分析(ToF−SIMS)によって解析した。この実験において、そのサンプルを69Ga液体金属イオン銃を用いてイオン化した。正及び負のイオンをTOFMS(B3 instument file)を通じて解析した。138ps/bin、1.5〜2000ダルトン、5kVの加速電圧、250ミクロンラスタ、1.5pAのイオン銃電流及び1.5〜5分の収集時間で、そのデータを収集した。SIMS条件の下で、2つの現象が共通している:事前に形成した電子を有するイオン及び表面部付近の隣接イオンの再結合、並びにイオンクラスターの崩壊である。加えて、二荷電のイオンクラスターは、めったに維持されない。例えば、中性の二価の塩Li2B12F12は、B12F12−イオン及びLiB12F12−イオンの両方を生じると期待されるであろうが、中性の酸化されたラジカルの一価の塩LiB12F12は、二価の一アニオンLiB12F12−ではなく、主にB12F12−を生じると期待されるであろう。B12F12−のLiB12F12−に対する比率は、二価アニオンB12F122−を含む中性の二価の塩Li2B12F12に関して、1に近くなるはずである。この比率は、ラジカルの一価アニオンB12F12−を含む中性の酸化された塩LiB12F12に関して、1より顕著に高くなると予想される。予想されるように、酸化されていないLi2B12F12についてのSIMSデータは、B12F12−に関して358D及びLiB12F12−に関して365Dを中央とする2つの主なピークの組を示し、これらはおおよそ同じ強度である。Li2B12F12塩を、アセトニトリル溶液中の二フッ化キセノン及びSIMSにより解析された黄色の固体生成混合物で酸化する場合、同じ主なピークの組を観測するが、358Dを中央とするB12F12−ピークは、365Dを中央とするLiB12F12−の2倍近くの強度がある。これは、ラジカルアニオンB12F12−に基づくLiB12F12塩が、Li2B12F12のXeF2酸化の一つの生成物であることを示す。] [0031] 実施例6 酸化されたLi2B12F12の溶液のEPRによる特性評価 7EC/3DEC中のLi2B12F12の0.4M溶液を、Ptワイヤー作用電極、対電極及び疑似参照電極を用いたことを除いて、実施例1に記載した方法で、オプティカルフラットのセル(Wilmad−Labglass、部品No.WG−810−A)中において電気化学酸化した。電気化学酸化を行うと、レモンイエロー色の物質がその作用電極の下に観測され、これは溶液中に徐々に拡散した。その溶液をEPR測定(Bruker,ESP 580 X−band EPR Spectrometer)により解析した。TE102モード共鳴装置を、25℃で100kHz磁場変調の状態で使用した。計20スキャンを収集した。生じるラジカルに関して優れた寿命を促進すると認められるので、Li2B12F12の7:3のEC/DEC中の0.4M溶液を、本実験に関して使用した。電気分解において、約2.0094のg因子における単一の、ブロードな、ダイソニアンシグナルの定常的な成長を観測した。これは、ラジカル種の単一の不対電子と一致する。グローブバッグ中のラジカルアニオンの外部(ex−situ)発生、及びその後の着色した溶液の解析は、同じシグナルを与える。] [0032] 比較例2 EC/DEC中の不活性の支持電解質のEPR 7EC/3DEC中のテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファートの0.4M溶液を、実施例6に記載した方法によって電気化学酸化した。その溶液を実施例6と同様にEPR測定によって解析した。EPRシグナルは観測されなかった。] 実施例 [0033] 本発明はいくつかの側面に関して記載されているが、他の側面及び実施態様は、当業者に明らかであり、且つ請求項の範囲内に含まれる。]
权利要求:
請求項1 下記の構造を有する一価の十二ホウ酸塩を含む組成物: Ma+(B12FxZ12−x−)a(xは、十ホウ酸に関して少なくとも1、若しくは少なくとも3、又は十二ホウ酸塩に関して少なくとも5若しくは少なくとも8であり、且つaは1〜4、且つ3≦x≦12;Mは、少なくとも一つの電気化学的に安定なカチオンを含み、Zは、H、Cl、Br又はORを表し、ここでR=H、C1〜8である)。 請求項2 Mが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、テトラアルキルアンモニウム及びイミダゾリウムからなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項1の組成物 請求項3 下記の構造のリチウム塩をさらに含む、請求項1の組成物: Li2B12FxZ12−x(xは、平均すると4以上12以下で、且つZは、H、Cl、Br又はORを表し、ここでR=H、C1〜8)。 請求項4 有機非プロトン性溶媒又は無機溶媒から選択される少なくとも一種をさらに含む、請求項3の組成物。 請求項5 ニトリル、アセトニトリル、プロピオニトリル及びグルタロニトリル;有機カーボネート、及びフッ素化溶媒、フッ素化有機カーボネート、エステル、エーテル;これらの混合物、及び非プロトン性のゲルポリマーからなる群から選択される少なくとも一種をさらに含む、請求項4の組成物。 請求項6 請求項5の組成物を含む電解質。 請求項7 請求項5の電解質を含む電気化学機器。 請求項8 下記の構造の塩:Ma+(B12FxZ12−x2−)a/2(xは、平均すると少なくとも4以上12以下で、且つZは、H、Cl、Br又はORを表し、ここでR=H、C1〜8)を、下記の構造の塩を形成するのに十分な時間及び条件で: Ma+(B12FxZ12−x−)a(aは1〜4;3≦x≦12;且つMは少なくとも一つ電気化学的に安定なカチオンを有する)酸化環境に暴露することを含む、一価の十二ホウ酸塩の製造方法。 請求項9 上記酸化環境が化学酸化を含む、請求項8の方法。 請求項10 上記酸化環境が電気化学酸化を含む、請求項8の方法。 請求項11 Rが、少なくとも一つのC1〜3のアルキル又はフルオロアルキルを含む、請求項1の組成物。 請求項12 上記組成物が、約400nmより高いUV−可視光分光ピークを有する、請求項1の組成物。 請求項13 上記組成物が、水及び他の水酸基部分を実質的に含有しない、請求項1の組成物。 請求項14 上記溶媒が約4.6Vより高い酸化電位を有する、請求項4の組成物 請求項15 上記一価の塩の量が、約0.001M〜約0.5Mの範囲である、請求項4の組成物。
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