专利摘要:
本発明は、鎮痛薬と組み合わせて1種または複数のリン酸カルシウム化合物を含む、骨代替物として有用な組成物に関する。本発明はまた、前記組成物の調製方法、前記組成物を含む薬剤組合せデバイスの調製方法、こうして得られた薬剤組合せデバイス、前記組成物を備えるキット、ならびに、腸骨稜において自己移植骨を収集したことに起因する骨欠損部を充填するのに有用な薬剤組合せデバイスを調製するための、組織工学向けの足場としての、また歯科用もしくは骨性インプラントを作るための前記組成物の使用にも関する。
公开号:JP2011508643A
申请号:JP2010541071
申请日:2009-01-06
公开日:2011-03-17
发明作者:イブラヒム・カイロウン;エリーズ・ヴェロン;エルヴェ・ルグエン;オリヴィエ・ゴティエ;ジャン−ミシェル・ブレ;パスカル・ジャンヴィエ;レミ・カヴァニャ
申请人:エコール・ナショナル・ヴェトリネール・ドゥ・ナント;グラフティス;ユニヴェルシテ・ドゥ・ナント;
IPC主号:A61L27-00
专利说明:

[0001] 本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2008年1月7日出願の米国仮出願第61/019,446号の利益を主張する。]
[0002] 本発明は、とりわけ自己移植骨(auto-graft bone)の収集に関連した整形外科手術に付随する疼痛を軽減することが可能である、骨代替物として特に有用な、鎮痛性状を有する生体再吸収性リン酸カルシウム組成物に関する。]
背景技術

[0003] 骨の神経支配は、豊富でありかつ複雑である。したがって、整形外科手術はしばしば強い痛みを伴っている。]
[0004] 重い整形外科手術に続く疼痛は、術後期に観察される最も強烈な痛みの1つである。当面安静の間に、運動すると疼痛が顕著に生じる。手術に続く48〜72時間の間は、疼痛は中位〜重篤であり、その後急速に鎮静する。したがって、疼痛は、早期の再訓練の重要な障壁を構成している。]
[0005] 術後骨痛は、過剰な痛覚(末梢神経性骨および関節受容体)による強痛のモデルである。すなわち手術介入が、複雑な炎症過程、事実、末梢神経受容体の定常的な刺激の一因となると思われる炎症液の発端である。]
[0006] 今日まで、このような疼痛を治療または予防する様々な取組みが展開されている。]
[0007] 一般的経路(静脈内または経口)で麻酔薬を投与できる。この取組みでは、通常の麻酔薬(パラセタモール、トラマドール、コデイン、ネフォパム---)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、AINS(ケトプロフェン、インドメタシン)またはモルヒネ由来製品が一般に使用される。]
[0008] しかし、一般的経路による投与は、しばしば大量の投与を意味し、したがって副作用を伴い易い。さらに、幾人かの患者は、使用される製品への、胃潰瘍または慢性呼吸不全などの禁忌を示すので、このような治療に適格ではない恐れがある。]
[0009] 1つの選択肢として、ボーラスとして(en bolus)またはカテーテルによる局所麻酔薬の局所投与に基づく技術も開発されている。]
[0010] 実際に、手術部位に非常に近い局所麻酔薬の連続的かつ制御された投与は、末梢神経において痛覚導入を遮断することにより、それらの軽減を可能にすることができた取組みである。]
[0011] 口腔外科において、いくつかの研究は、歯科治療のため骨への局所麻酔薬の投与を解析し(6)、興味ある結果および革新的な投与様式を有している(7)。]
[0012] 2002年に、Bordeaux、フランス、の大学病院のチームは、経皮的脊椎形成術の間に、リドカイン(lidocaine)骨内注射対ナルブフィンとパラセタモールとを含む鎮痛プロトコルの有効性を比較した。彼らは、はるかに毒性レベル未満にある血清レベルのリドカインの同様な有効性を示した(8)。]
[0013] 一体化技術では、リン酸カルシウムセメント(CPC)も、局所麻酔薬(リドカインまたはブピバカイン(bupivacaine))も特性の損失が避けられない。]
[0014] 局所麻酔薬を直接、関節内に導入すること(9)(10)が試みられている。全膝関節形成術の終わりに一定流のもとでカテーテルを外科的に関節内に挿入した。この試験では、効率が悪く、おそらく出血も、また流失の存在も関連していた。]
[0015] しかし、別の、鎮痛薬の局所投与(関節内カテーテル)では、さらなる感染の危険を伴っている(敗血症性関節炎)。]
[0016] 米国仮出願第61/019,446号]
先行技術

[0017] LeGerosら、1982年、「Apatitic Calcium Phosphates: Possible Restorative Materials」、J Dent Res. 61(Spec Iss):343頁
LeGerosら、(1973年)「Amorphous calcium phosphates: synthetic and biological」]
発明が解決しようとする課題

[0018] 本発明の目的は、副作用および感染の危険が限定された、整形外科もしくは歯科手術に関連した疼痛を軽減する手段を提供することであった。]
課題を解決するための手段

[0019] 本発明により、骨もしくは歯代替物として使用可能な、リン酸カルシウムをベースとする生体再吸収性組成物であって、その場で(in situ)放出されるのに適した形態における鎮痛薬を含む組成物が提供される。]
[0020] したがって、本発明の第1の目的は、鎮痛薬と組み合わせて1種または複数のリン酸カルシウム化合物を含む、骨代替物として有用な組成物に関する。]
[0021] 本発明の第2の目的は、本発明による組成物の調製方法であって、
(a)リン酸カルシウム粉末、液体および鎮痛薬を用意する段階と、
(b)成分を混合して、懸濁物を得る段階と、
(c)懸濁物から液体を除去して、固体を得る段階と、
(d)場合によって圧縮する段階、および得られた固体を粉砕して、鎮痛薬を加えたリン酸カルシウム粉末とする段階と
を含む方法に関する。]
[0022] 本発明の第3の目的は、本発明の方法により得ることが可能な組成物に関する。]
[0023] 本発明の第4の目的は、薬剤組合せデバイス(drug-combined device)の調製方法であって、
(i)本発明による組成物を、適当な量の水性媒質と混合する段階と、
(ii)この混合物を、適切な形態に成形する段階と、
(iii)この混合物を、固体の薬剤組合せデバイスとする段階と
を含む方法に関する。]
[0024] 本発明の第5の目的は、本発明による組成物を含む薬剤組合せデバイスに関する。]
[0025] 本発明の第6の目的は、本発明の組成物と、水性媒質と、場合によって1種または複数のリン酸カルシウム化合物とを備えるキットに関する。]
[0026] 本発明の第7の目的は、腸骨稜(iliac crest)において自己移植骨を収集したことに起因する骨欠損部を充填するのに有用な薬剤組合せデバイスを調製するための、本発明による組成物の使用に関する。]
[0027] 本発明の第8の目的は、鎮痛性骨セメントとしての、本発明による組成物の使用である。]
[0028] 本発明の第9の目的は、組織工学(tissue engineering)向けの足場(scaffold)としての、本発明による組成物のin vitroまたはex vivoの使用に関する。]
[0029] 本発明の第10の目的は、歯科用もしくは骨性インプラントを作るための、本発明による組成物のin vitroまたはex vivoの使用に関する。]
[0030] 本発明の第11の目的は、歯科もしくは骨性欠損部への、本発明による注入可能な組成物の注入を含む治療方法である。]
[0031] 記述された組成物により、特に整形外科および歯科手術後の疼痛を軽減するため、鎮痛薬のその場投与が可能になる。]
[0032] 本組成物により、低用量の鎮痛薬の投与、したがって副作用の危険の低減が可能になる。この鎮痛薬は、術後痛の期間に釣り合う期間にわたって、制御された形で、本組成物からその場所で放出される。]
[0033] 本組成物は、種々の鎮痛剤と適合性があり、多くの患者の治療に向けることができると考えられる。]
[0034] したがって、本組成物はさらに、なんら別の処置を行わずに術後痛の治療が可能になり、こうして感染の危険を減らし、患者の快適さを増す骨代替物などの薬剤組合せデバイスを提供する。]
実施例

[0035] 定義
本明細書において使用される「生体再吸収性(bioresorbable)」は、その分解生成物が、インビボで代謝される、または天然の通路を介して体から排出されることを意味する。]
[0036] 「バイオセラミック」は、骨再建手術および歯科インプラントに使用できる、生分解性および好ましくは骨成長刺激性のセラミック材料である。]
[0037] 「セメント」は、微粉固体相と水性媒質との混練りから得られるダウ(dough)であり、硬化した材料は、凝結後に得られる。]
[0038] セメントの「凝結(setting)」は、固体相と水性媒質との混練りから得られたペーストが、室温もしくは体温で手に付かない程度に自己硬化することを意味する。]
[0039] 「注入可能なセメント」または「注入されるのに適した形態のセメント」は、数ミリメートル、好ましくは1mmと5mmの間の直径を有する針を通って流れるのに十分な流動性を有するセメントペーストを意味する。]
[0040] 「リン酸カルシウム化合物」は、カルシウムイオン、およびオルト-リン酸塩(PO43-)、メタリン酸塩またはピロリン酸塩(P2O74-)基、場合によって水および時には少量の他のイオン、例えば水素および水酸化物などを含有する化合物である。このようなリン酸カルシウム化合物には、ヒドロキシアパタイト(HA)、Ca10(PO4)6(OH)2;非晶質リン酸カルシウム(ACP)、Cax(PO4)y・H2O;リン酸一カルシウム一水和物(MCPH)、CaH4(PO4)2・H2O;リン酸二カルシウム二水和物(DCPD)、CaHPO4・2H2O、ブルッシャイト(brushite)とも呼ばれる;無水リン酸二カルシウム(DCPA)、CaHPO4;沈降性もしくはカルシウム欠損性アパタイト(CDA)、(Ca,Na)10(PO4,HPO4)6(OH)2; α-もしくはβ-リン酸三カルシウム(α-TCP、β-TCP)、Ca3(PO4)2; およびリン酸四カルシウム(TTCP)、Ca4P2O9が含まれる。]
[0041] 「アパタイト質(apatitic)」リン酸カルシウムは、六方晶系として結晶化し、式Ca10-x(PO4)6-x(OH,Cl,F,(CO3)1/2)2-x、但しx≧1、を有する。]
[0042] 固体は、結晶構造を有しない場合、「非晶質(amorphous)」と言われる。]
[0043] 「圧縮強度」は、破壊の際に試料によって支持される最大圧縮応力であり、MPaで表される。]
[0044] 「微小粒子(microparticle)」は、1mm未満の、好ましくは100nmと300μmの間の、好ましくは1μmと250μmの間の、より好ましくは40μmと80μmの間の直径を有する。]
[0045] 「インプラント」は、体内に導入されて、生物学的構造、例えば歯、関節、骨または軟骨などを一部もしくは全部置き換える医学的デバイスである。]
[0046] 「最小侵襲手術(minimally invasive surgery)」は、最大の切開を要しないが、数センチメートルの切開、好ましくは≦5cmの切開を要する手術技法を意味する。]
[0047] デンドリマーは、少なくとも3つの反応部位を有する分子から反復法により生成された大サイズの分枝(樹枝状)ポリマーである。]
[0048] 多糖は、グリコシド結合により連結された、いくつかの単糖からなるデンプンおよびセルロースなどの炭水化物の1種である。]
[0049] 組成物
最も一般的な定義により、本発明は、鎮痛薬と組み合わせて少なくとも1種のリン酸カルシウム化合物を含む組成物を対象とする。]
[0050] 可能性のある修復材料としてのリン酸カルシウムセメント(CPC)の構想および可能な利点は、LeGerosらにより1982年に導入された(「Apatitic Calcium Phosphates: Possible Restorative Materials」、J Dent Res. 61(Spec Iss):343頁)。]
[0051] CPCは、次の利点:欠陥部位に適応しかつ成形することを可能にする展性を有する。注入可能なリン酸カルシウムセメントの導入は、セメントの取扱いおよび送達性を大きく改良し、CPCの新たな適用領域を開いた。]
[0052] CPC系は、粉末と、液体成分としての水性媒質とからなる。粉末成分は、通常、1種または複数の、追加的カルシウム塩を含むもしくは含まないリン酸カルシウム化合物から構成される。他の添加剤が、凝結時間を調節し、注入性を増し、凝集もしくは膨潤時間を短縮し、かつ/またはマクロ気孔性を導入するため、少量含まれる。]
[0053] 液体成分は、1種もしくは複数の下記:生理的食塩水、脱イオン水、希リン酸、希釈有機酸(酢酸、クエン酸、コハク酸)、リン酸ナトリウム(アルカリ性もしくは中性)、炭酸もしくは重炭酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムおよび/もしくは硫酸コンドロイチンナトリウムを含む、もしくは、これらからなることができる。]
[0054] 本発明による第1の目的は、鎮痛薬と組み合わせて1種もしくは複数のリン酸カルシウム化合物を含む、もしくはこれらからなる、骨セメントとして有用な組成物に関する。]
[0055] 本発明による組成物は、好ましくは約0.2μmと100μmの間の平均直径を有する粉末の形態とすることができ; 好ましくは約1mmと5mmの間の平均直径を有する顆粒の形態とすることもできる。]
[0056] 使用の際、この組成物は一般に液体と混練りされてダウを形成し、それを適切な形とし、その後、凝結させて、上述の固体とすることができる。]
[0057] ACPは、多くのCPCで使用されるリン酸カルシウム化合物の群の中で最も可溶性である。ACPは、その中に組み込まれるイオンに応じて多少安定とする(すなわち、多少可溶性もしくは多少他のリン酸カルシウムに変態し易くする)ことができる(LeGerosら、(1973年)「Amorphous calcium phosphates: synthetic and biological」)。]
[0058] 本発明による組成物のためのリン酸カルシウム化合物は、ACP、MCPH、DCPD、DCPA、CDA、TTCP、α-TCPおよびこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。]
[0059] 特に、本発明による組成物は、CDA、DCPD、DCPA、α-TCPまたはこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種の上記において定義したリン酸カルシウム化合物を含む。]
[0060] 好ましい実施形態において、本発明による組成物のリン酸カルシウム化合物は、約500m2・kg-1と300000m2・kg-1の間、好ましくは約1000m2・kg-1と100000m2・kg-1の間、より好ましくは約5000m2・kg-1と50000m2・kg-1の間の、Brunnauer Emmet Teller方法(11)により測定したBET比面積を有する。]
[0061] 好ましい実施形態において、本発明による組成物は、少なくとも約40重量%、好ましくは約50重量%、より好ましくは約60重量%、より一層好ましくは約70重量%、最も好ましくは約80重量%のα-TCPを含む。]
[0062] 本発明による組成物はさらに、鎮痛薬、特にモルヒネ関連物質を含有する。]
[0063] この鎮痛薬は局所麻酔薬であることが好ましい。局所麻酔薬(LA)は、アノード(anonal)膜のレベルでナトリウム管を遮断することによって、神経伝達を停止させる(1)。]
[0064] 局所麻酔薬は、ニューロン細胞膜におけるナトリウム特異性イオンチャネル、特に、いわゆる電位作動型ナトリウムチャネルを通るナトリウム流入を阻害することにより、主として作用する。ナトリウム流入が妨げられると、作動電位が上昇できず、シグナル伝導が阻害される。受容体部位は、ナトリウムチャネルの細胞質(内側)部分に位置していると考えられる。局所麻酔薬は、「開口(open)」ナトリウムチャネルに、より結合し易く、したがってニューロン遮断の始まりが、急速に興奮されるニューロンにおいてより速い。これを状態依存性遮断と呼ぶ。]
[0065] 局所麻酔薬は、弱塩基であり(pKa:7.6と8.9の間)、通常、それらを水溶性とするため塩酸塩として製剤される。生理的pHにおいて、分子のプロトン化および非プロトン化形態が平衡して存在するが、非プロトン化分子だけが、細胞膜を越えて容易に拡散する。一度細胞の内側に入ると、局所麻酔薬は平衡して、プロトン化物を形成し、それは細胞から容易に戻って出ることはない。これを「イオン-トラッピング」と呼ぶ。プロトン化形態において、この分子が、細胞質末端付近のイオンチャネルの内側で局所麻酔薬結合部位に結合する。]
[0066] 臨床局所麻酔薬は、2つの分類:アミノアミドおよびアミノエステル中の1つに属する。]
[0067] 合成局所麻酔薬は、構造的にコカインに関連している。これらは、主として乱用の恐れがなく、また交感神経アドレナリン作動系に作用しない、すなわちこれらは、弱い血管収縮を生じるロピバカインおよびメピバカインを除いて、緊張亢進(高血圧)または局所的血管収縮を生じない点でコカインと異なる。]
[0068] 臨床使用における局所麻酔薬には、アミノエステル例えばベンゾカイン、クロロプロカイン、コカイン、プロカインおよびテトラカインなど、ならびにアミノアミド例えばブピバカイン、キロカイン(chirocaine)、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイン、ロピバカイン、アルチカインおよびトリメカインなどが含まれる。]
[0069] 不斉炭素原子のため、いくつかのこれらの分子は、左旋性および右旋性形態のブピバカインおよびロピバカインで存在する。左旋性形態が一般に毒性がより少ない異性体である。]
[0070] 局所麻酔薬の他の効果は、あまりよく知られていない:]
[0071] 局所麻酔薬は、骨髄のレベルにおけるその受容体上で、物質Pの固定を阻害する(2)。]
[0072] 局所麻酔薬は、白血球機能(leucocyties fonctions)上に直接抗炎症性性状を提供する。それらは、毒性の危険があるにも拘らず、静脈内投与により鎮痛性状を有する; 連続的に静脈内投与されたリドカインにより、術後モルヒネ摂取量の減少、および早期の術後リハビリテーションが可能になる(3)。]
[0073] リドカインは、しばしば抗不整脈薬として使用され、広範に研究されている。しかし、他の局所麻酔薬の効果は、リドカインの効果とおそらく同様である。]
[0074] 鎮痛薬は、単に混合され、鉱物成分の表面に吸着され、または鉱物成分の多孔性構造内に吸収され得る。鎮痛薬は、少なくとも一部吸収されることが好ましい。これにより、長期間にわたる本組成物からの鎮痛薬の制御放出(除放)に拍車がかかるからである。]
[0075] 本発明による組成物中に含有される鎮痛薬の割合は、用途に応じて大きく異なる可能性がある。]
[0076] 一般的に言うと、本発明による組成物は、0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の鎮痛薬を含有する。]
[0077] 本組成物には、バイオセラミックスおよびポリマーなどの他の成分が、さらに含まれ得る。]
[0078] 好ましい実施形態において、本発明による組成物は、バイオセラミックスをさらに含む。前記バイオセラミックスは、ヒドロキシアパタイト(HA)、アルファ-およびベータ-リン酸三カルシウム(α-TCP、β-TCP)および二相性リン酸カルシウム(BCP)またはこれらの混合物からなる群から選択される、1種または複数の焼結リン酸カルシウム化合物であることが好ましい。]
[0079] リン酸カルシウムバイオセラミックスを調製するのに使用される最も一般的な方法は、出発化学物質の水溶液から調製される粉末の使用を伴う。これらの粉末は、高圧(50MPaと500MPaの間)下で圧縮され、次いで1000℃と1300℃の間で焼結される(Jarcho、1986年を参照)。二相性リン酸カルシウム(BCP)は、カルシウム欠損性生物学的または合成アパタイトを、700℃以上で焼結すると得られる。アパタイトは、Ca/P比が、純粋なカルシウムヒドロキシアパタイトの化学量論的値1.67未満である場合にカルシウム欠損性とみなされる。ヒドロキシアパタイトの沈殿は、Ca(NO3)2およびNaH2PO4の水溶液から作ることができる。1つの方法は、濾過され、乾燥されて、微粒子粉末を生成する沈殿を使用する。900℃で3時間か焼した後、この粉末を加圧して最終形態とし、約1050℃〜1200℃で3時間焼結される。]
[0080] 本発明によるバイオセラミックスは、顆粒または集塊とした顆粒の形態が好ましい。それらを、3Dインプラント向けに意図する場合、バイオセラミックスは、錐体、円柱および棒の形態で存在できることが好ましい。]
[0081] 本発明による組成物には、1種または複数の生体適合性および生体再吸収性ポリマーがさらに含まれ得る。本発明による組成物の無機成分により、天然の骨との緊密な結合および骨形成性性状が可能になる。有機成分により、鉱物マトリックス内で相互結合され、かつセメントの凝集性、弾性、レオロジー性および注入性を向上させるマクロ多孔性が可能になる。]
[0082] 本発明において有用な生体適合性および生体再吸収性ポリマーには、例えば、線状ポリエステル系列からのポリマー、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸またはポリ(ε)カプロラクトン、およびそれらの関連コポリマー、例えば全てのラクチド対グリコーリド比におけるポリ(ラクチド-co-グリコーリド)およびL-ラクチドもしくはD,L-ラクチドの両方など;ポリホスファゼン、デンドリマーおよび多糖;ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリジオキサノン、ヒアルロン酸およびポリヒドロキシブチレートならびにそれらの塩、ならびにそれらの混合物が含まれる。]
[0083] 本セメントの有機成分として、ポリホスファゼン、デンドリマー、多糖、ポリ(ε)カプロラクトンおよびそれらの塩、ならびにそれらの混合物が好ましい。それらの物理的性質および良好な圧縮強度のほかに、それらは、適当な再吸収速度、親水性状および溶解性をもって生成させることができる。すると、これにより、それらの再吸収性の制御、および本発明による組成物の、指示された再吸収-置換が可能になる。]
[0084] ポリホスファゼンは、ポリ(エチルオキシベンゾエート)ホスファゼン(PN-EOB)、ポリ(プロピルオキシベンゾエート)ホスファゼン(PN-POB)、ポリ[ビス(ナトリウムカルボキシラトフェノキシ)ホスファゼン](Na-PCPP)、ポリ[ビス(カリウムカルボキシラトフェノキシ)ホスファゼン](K-PCPP)、ポリ[ビス(エチルアラナト)ホスファゼン](PAlaP)、ポリ[ビス(カルボキシラトフェノキシ)ホスファゼン](酸性-PCPP)、およびそれらの塩ならびにそれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。]
[0085] 多糖およびそれらの塩ならびにそれらの混合物は、本セメントの有機成分において使用されるより好ましいポリマーである。セルロースエーテルおよびそれらの塩ならびにそれらの混合物は、本セメントの有機成分において使用される好ましい多糖であり、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)からなる群から選択されることがより好ましい。]
[0086] 生体適合性および生体再吸収性ポリマーは、微粉末、繊維または微小粒子として使用することができる。ポリマー微小粒子は、ミクロスフェアもしくはマイクロカプセル、好ましくはカプセル化したもの、またはいくつかの賦形剤、例えばサッカロース、グルコース、水、空気などの気体など、あるいは1種もしくはいくつかの医薬として活性な物質、例えば抗生物質、抗炎症薬、抗癌剤、抗骨粗鬆症薬、成長因子またはこれらの混合物などとすることができる。カプセル化方法は、当業者によく知られている。]
[0087] 有機成分は、本発明による組成物の全量の0.1〜30重量%の間で変動する。]
[0088] エーテルセルロース量は、本発明による組成物の全量の0.1〜5、好ましくは1〜3重量%、より好ましくは1〜2重量%の間で変動することが好ましい。]
[0089] 最も好ましいセメントは、有機成分であり、HPMCもしくはCMCもしくはポリ(ε)カプロラクトンまたはこれらの混合物として存在する有機成分を含む。]
[0090] 調製方法
本発明の他の目的は、リン酸カルシウム化合物に鎮痛薬を加え、こうして上述の本発明の組成物を提供するための調製方法に関する。]
[0091] 本発明による調製方法は、
(a)リン酸カルシウム粉末、液体および鎮痛薬を用意する段階と、
(b)成分を混合して、懸濁物を得る段階と、
(c)懸濁物から液体を除去して、固体を得る段階と、
(d)場合によって、好ましくはアイソスタティック方法で圧縮する段階、および得られた固体を粉砕し、鎮痛薬を加えたリン酸カルシウム粉末とする段階と
を含むことが好ましい。]
[0092] この方法は、鎮痛薬を、リン酸カルシウムの多孔性構造内に、好ましくは少なくとも一部吸収により結合させ、それにより、得られた材料からの薬剤の制御された放出をもたらし得ることを可能にする。]
[0093] 好ましい実施形態において、段階(c)は、凍結乾燥によって行われる。]
[0094] 好ましい実施形態において、段階(a)における前記リン酸カルシウム粉末は、約500m2・kg-1と300000m2・kg-1の間、好ましくは約1000m2・kg-1と100000m2・kg-1の間、より好ましくは約5000m2・kg-1と50000m2・kg-1の間のBET比面積を有する。]
[0095] 好ましい実施形態において、段階(a)における前記リン酸カルシウム粉末は、約0.2μmと100μm、好ましくは10μmと90μm、より好ましくは20μmと80μmの間を含んだ平均粒径を有する。]
[0096] 好ましい実施形態において、段階(b)における前記懸濁物は、約0.5〜約20重量%の鎮痛薬、好ましくは約1〜約15重量%の鎮痛薬、より好ましくは約2〜約10重量%の鎮痛薬を含む。]
[0097] 段階(d)における固体の圧縮は、約50MPa〜約500MPaの間、より好ましくは約100MPa〜約200MPaの間の圧力で行われることが好ましい。]
[0098] 好ましい実施形態において、段階(d)において得られる、鎮痛薬を加えたリン酸カルシウム粉末は、約1μmと500μm、好ましくは10μmと400μm、より好ましくは100μmと200μmの間の粒径を有する。]
[0099] 鎮痛薬を組成物に組み込む方法および時期について、いくつかの他の選択肢がある。]
[0100] 特に、薬剤は、使用直前のセメントダウの製造中に、混合に先立って鎮痛剤を固体成分もしくは液体成分に添加することによって、組み込むことができる。]
[0101] この実施形態は、薬剤の安定性が溶解によって影響される場合に好ましい可能性がある。この実施形態において、薬剤は、粉末の形態における本発明による組成物に添加されるのが好ましい。]
[0102] 他の実施形態により、薬剤は、セメントを調製する際に、セメントダウ中に直接導入される。この実施形態は、それが接触時間を短縮するので、薬剤の活性が有機成分との相互作用により影響される恐れがある場合、好ましい可能性がある。]
[0103] 第3の実施形態により、薬剤、固体成分および液体成分は、同時に一緒に混合される。]
[0104] 本発明のさらなる目的は、上述の調製方法によって得ることが可能な組成物に関する。]
[0105] 本組成物を含む薬剤組合せデバイスの調製方法
本発明のさらなる目的は、薬剤組合せデバイスを製造するための本発明による組成物の使用に関する。]
[0106] より具体的には、本発明による薬剤組合せデバイスの調製方法は、
(i)粉末の形態における本発明による組成物を、適当な量の水性媒質と混合する段階と、
(ii)この混合物を、適切な形態にする段階と、
(iii)この混合物を、固体の薬剤組合せデバイスとする段階と
を含む。]
[0107] 段階(i)における混合物は、注入されるのに適した形態にあることが好ましい。このような場合、水性媒質は液体またはゲルとすることができる。注入可能な組成物は、小さくかつ閉じた骨空洞中に注入されるのに有用であり、この場合、組成物は、その場で凝結する。]
[0108] 本発明による組成物は、鎮痛薬と組み合わせたリン酸カルシウムセメント(CPC)として特に有用である。]
[0109] 使用に際して、本発明による組成物は、適当な量の水性媒質と混合され、水硬性凝結により硬化する。]
[0110] 調製したての混合物は、注入されるのに適した形態にあることが好ましい。]
[0111] 適当な水性媒質には、1種または複数の下記:生理的食塩水、脱イオン水、希リン酸、希釈有機酸(酢酸、クエン酸、コハク酸)、リン酸ナトリウム、炭酸もしくは重炭酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、硫酸コンドロイチンナトリウム、Na2HPO4水溶液および/またはNa2HPO4/NaH2PO4水溶液が含まれる。]
[0112] 水、Na2HPO4/NaH2PO4水溶液、Na2HPO4水溶液、NaCl水溶液またはクエン酸ナトリウム溶液が好ましい。例えば、蒸留水中の2〜3重量%のNa2HPO4の溶液、または0.9重量%NaCl溶液を使用することができる。]
[0113] 水性媒質のpHは、5〜10、好ましくは5〜9、最も好ましくは5〜7とすべきである。]
[0114] 液相/固相(L/S)比は、約0.25と約0.7ml/gの間、より好ましくは約0.3と約0.6ml/gの間、最も好ましくは約0.4ml/gまたは約0.5ml/gであるのが好ましい。]
[0115] 一般に約10〜約60分、好ましくは約10〜約30分の範囲にある凝結時間は、粉末および液体成分の組成、粉末-対-液体比、リン酸カルシウム成分の割合、ならびに粉末成分の粒度によって決まる。セメントの凝結時間は、特にセメントをその場注入により使用しようとする場合、セメントの重要な性質である。凝結時間が短過ぎると、外科医は、それが硬化するまでに、セメントを使用する時間がなくなる。凝結時間が長過ぎると、外科医は、彼/彼女が傷口を閉じることができるまでに、待たなければならない。]
[0116] 好ましい実施形態において、成分の少なくとも一方が、凝結調節剤、凝結促進剤もしくは凝結遅延剤またはその両方を含む。]
[0117] 凝結時間(setting time)を早める非常に効率的な方法は、混合溶液中に高濃度のリン酸塩イオンを有することである。このことは、次の2つの方法によって起こり得る: (i)セメント配合物中に粉末として可溶性リン酸塩を添加する。混合溶液と接触すると、このリン酸塩が溶解し、こうして化学反応を促進してリン酸塩を使いきる(ルシャテリエの原理); (ii)混合する液相中に可溶性リン酸塩を前溶解する。可溶性リン酸塩の例は、Na2HPO4、NaH2PO4、K2HPO4、KH2PO4、NH4H2PO4である。混合する液相における典型的な濃度は、0.05〜1.00Mの範囲にある。凝結反応を促進する他の方法は、核生成段階の凝結反応が律速因子なので、アパタイト結晶成長のための種を添加することである。典型的には、アパタイト結晶、好ましくはカルシウム欠損性ヒドロキシアパタイトもしくはヒドロキシアパタイト粉末を使用することができる。凝結時間を劇的に短縮するのに、少量(2、3重量パーセント)で十分である。]
[0118] 凝結時間が短過ぎる場合、種々の凝結添加剤を添加して、凝結時間を長くすることができる。典型的な例は、アパタイト結晶の核生成および/または成長を抑制する化合物である。一般的な例は、ピロリン酸塩、クエン酸塩もしくはマグネシウムイオンである。1つの特に興味深い化合物は炭酸カルシウムである。当業者は、日常的試験により適当な凝結時間を得ることができる。]
[0119] 骨周囲の組織中への何らかのセメントの溢出を追跡するため、セメントを目に見えるようにすることが非常に重要である。最も容易な方法は、例えば造影剤によって、セメントの放射線不透明度を増すことである。例えば、タンタル、チタンまたはタングステンの金属粉末を使用することができる。一部が生体再吸収性のセメントには、ヨウ素化合物例えばイオパミドール、イオヘキソールおよびイオトロランなどの液剤を使用することが好ましいであろう。硫酸バリウムを使用することが好ましい。]
[0120] 本発明によるさらなる目的は、本発明による組成物を含む薬剤組合せデバイス、特に、歯科用もしくは骨性インプラントまたはインプラントコーティングである。]
[0121] キット
本発明の他の目的は、少なくとも1種の本発明の組成物と、ヒドロゲル(特にセルロース質もしくはデンプン由来ヒドロゲル)などの水性媒質と、場合によって1種もしくは複数のリン酸カルシウム化合物とを備えるキットである。]
[0122] 注入可能なリン酸カルシウムセメント組成物は、アクセスし難い体の部分に入れることができ、また最小侵襲手術処置に適し、それにより損傷および痛みを軽減する一方、機能回復を早める。この治療方法は、骨の欠損部もしくは骨折内に、針を通って適切なリン酸カルシウムセメントを導入することを含む。]
[0123] 使用方法
本発明の他の目的は、骨の修復、増強、再建、再生および骨粗鬆症治療に関連した歯科および医学的用途への、かつまた薬剤送達用、ならびに組織工学向けの足場としての、本発明による組成物のインビボ、in vitroまたはex vivoの使用である。]
[0124] 本発明による組成物は、歯科用もしくは骨性インプラントを作るためにインビボ、in vitroまたはex vivoで使用することもできる。]
[0125] 本発明の特に好ましい目的は、本発明による組成物の成形によって得られる歯科用もしくは骨性インプラントである。]
[0126] 主な歯科用用途は:歯周部欠陥の修復、空洞部増強、顎顔面再建、覆髄法材料、口蓋裂修復、および歯科用インプラントへのアジュバントとしてのものである。]
[0127] さらなる医学的用途には、大きな骨欠損部の修復、骨折の修復;脊椎固定、手術の見直し、骨の増強のため、および癌療法に関連した骨再構成のためのものが含まれる。]
[0128] 特に、本組成物は、整形外科手術、例えば膝関節手術; 全膝関節補綴; 膝関節形成; 特に腸骨自己移植骨収集に関連した骨切断;前十字靭帯再建、椎骨骨折再建、足部手術、外反母趾関節固定術、肩部置換術などの肩部手術などにおいて役立つことができる。]
[0129] 本発明の特有の目的は、腸骨稜において自己移植骨組成物を収集したことに起因する骨欠損部を充填するのに有用な薬剤組合せデバイスを調製するための、好ましくは注入可能な本発明による組成物の使用である。]
[0130] 腸骨稜移植は、必要により指示される前方もしくは後方腸骨稜について行うことができる。患者が仰臥位である全ての場合に、前方稜が使用される。例えば、脛骨の偽関節症の治療、または前方頚部関節固定術において、移植骨は前方腸骨稜から、前方腸骨棘の後方少なくとも指2本幅が収集される。次いで、皮下切開部は、筋肉が、最小退縮で骨周囲に引っ張られる。移植物は、狭い刃を有する骨シアー(せん断器)または振動鋸で収集される。従来、このものは、腸骨の前方、後方および上方皮質性骨を包含する皮質/3-皮質海綿状骨移植物である。残った空洞は、定型的であるが、ここで床部と前方および後方壁とを有するに過ぎない。純粋な海綿状骨を採取するいくつかの例では、腸骨の上端に沿って小孔が作られ、キューレットにより海綿状骨が採取される。したがって、空洞は3つの側面が不浸透性である。]
[0131] 大量の骨が必要とされる脊髄手術では、特に後方腸骨稜が使用される。患者は腹臥位にあり; 骨は、一方もしくは両方の後方稜部から、仙腸関節の外側少なくとも指2本幅が収集される。一般に、この採取には、骨シアーを使用して、連続的に微細な骨剃落とし物を取り出す「チップ」方法を伴う。しかし、前方稜について記述した方法も使用できる。]
[0132] 骨移植物収集に起因する腸骨稜欠損部に、本発明による組成物を適用する技術は、空洞の形状、その連続性および体積に依存する。欠損部が小さく(1〜5cm3)、壁が連続している場合、この欠損部に本発明による組成物を導入し、湿った圧迫ガーゼ(compress)で表面を平滑にし、柔らかな組織(縫合できる場合、骨膜が好ましい)を閉じる。大きな欠損部(5cm3を超える)または不連続な空洞の場合、吸収性ポリマー製の貼合材(patch)を使用して、腸骨稜の形状を再構成することができる。この貼合材が、硬化しながら所望の形状を付与する。次に、新たに作られた不浸透性空洞にセメントを入れる。必要な場合、吸収性ポリマー製のねじにより、骨への貼合材の固定を助けることができる。]
[0133] 腸骨稜からの骨収集の罹病率が広く記述されている。主な不利益には、しばしば激しい術後痛、採取部位における血腫、また長期における美容上の結果または、多少大きい採取による腹部内蔵の脱出(hernias)さえもある。しかし、(前方もしくは後方)腸骨稜は、真性の自生的骨バンクを構成しており、その骨伝導性および骨形成性品質は、他のタイプの移植物または代替物を使用した場合に、これと匹敵するものとなるのが、依然として困難なものである。腸骨稜における自己移植物収集に起因する骨性欠損部を、本発明による組成物で充填すると、移植による罹病率が抑えられ、また収集により作られた欠損部の局所止血、鎮痛および骨再構成が可能になる。]
[0134] 腸骨稜の移植は常に、骨部の出血を伴い、これが疼痛のある術後血腫となる可能性があり、いくつかの場合、排膿の目的で再処置を必要とする。移植物収集部位に適用された本発明による組成物は、セメントの凝集特性に結びついた局所止血を確保するものである。]
[0135] 移植物収集部位における疼痛は、本発明による組成物に含有されている鎮痛薬の放出により治療される。この放出は、処置後96時間まで、すなわち移植物採取の最も疼痛の激しい時期の間、有効である。]
[0136] 本発明による組成物の適用はまた、2つの重要な目標: 失った骨物質の即時再構成、および骨資産の中期的補充を達成することを助ける。即時再構成は、骨物質の損失によるある種のいくつかの痛みのある合併症(ベルト着用の困難)を予防するのを助け、また骨折の危険(極端な場合、後方では仙骨関節、前面では上前腸骨棘、下方では寛骨臼(acetabulum)の蓋部まで広がる恐れ)を伴う稜部の脆弱化を予防するのを助ける。骨資産の中期的補充は基本的な点であり、本発明による組成物は、それが吸収されたときに、使用可能な骨原料を再資産化することを助け、必要な場合、中期的に同一の部位から他の移植物を収集することが可能になるからである。]
[0137] 下記の図面および実施例は、本発明の特定の態様および好ましい実施形態を例証および記述するため示される。]
図面の簡単な説明

[0138] 270nmにおけるブピバカインの検定範囲
CDAからのブピバカインおよびリドカインの放出動力学
術後回復率: Von Freyモノフィラメント
術後回復率:神経学的得点(neurological score)
術後回復率:炎症過程
CDA結合/放出後の溶出ブピバカインのMSスペクトル(Cl+)
ブピバカイン添加リン酸カルシウムセメントの押出し曲線
ブピバカイン添加リン酸カルシウムセメントの圧縮強度(MPa)
リン酸カルシウムセメントからのブピバカイン放出動力学]
[0139] (実施例1)
CDA-ブピバカインおよびCDA-リドカインの結合
1種のリドカイン用量: 5重量/重量%を試験した。
3種のブピバカイン用量: 1重量/重量%、4重量/重量%および16重量/重量%、すなわちインプラント25mgについてブピバカイン0.25mg、1mgおよび4mgを試験した。]
[0140] 活性成分ブピバカインは、最初エタノール中に希釈した。この活性成分の適当な量を、CDA粉末(参考文献12により合成し、粒度40〜80μm)に添加する。次いで、この混合物を、Stuart Scientific社の回転装置ドライブSTR4を使用し、速度50rpmで、室温において1時間混練りした。混練り後、適当な装置(Bioblock Scientific社のChrist alpha 1-4)を使用し、凍結乾燥によってエタノールを除去した。]
[0141] こうして得られた粉末を、コールドアイソスタティック成形機(NovaSwiss社のFF558)でアイソスタティック圧縮140MPaにより5分間圧縮した。この生成物を「圧縮なしのCDA-ブピバカイン」と呼ぶ。]
[0142] 得られた塊の一部を、その後アルミナ製乳鉢で、およそ平均粒径200nmまで砕いた。得られた生成物を、下記において、それぞれ「CDA-ブピバカイン」および「CDA-リドカイン」と呼ぶ。]
[0143] (実施例2)
鎮痛薬放出動力学
検定方法:
最初に、ブピバカイン放出を検定する方法を開発した。放出されるブピバカインは、UV分光光度法により検定される。いくつかの波長を試験した。短波長(200nm)では、検定はより感度が良い(約1μg/mL)が、かかる結果はCDAにより放出されるリン酸イオンの存在により影響される恐れがある。これに反して、長波長(262〜270nm)では、リン酸イオンの吸光度は、ブピバカインの吸光度に干渉しない。したがって、ブピバカインは、こうして270nmで検定した(図1参照)。]
[0144] 同一の方法を適用して、リドカイン放出を測定した。第1の検定により、組成物内のブピバカインは、4℃で3か月間安定であることが確かめられた。]
[0145] 放出動力学:
実施例1において調製した200mgのCDA粉末を、混合しながら37℃で蒸留水(15mL)に導入した。インキュベーション時間30分、2時間30分、5時間、24時間、48時間、5日後に、2mLの液体を取り出し、濾過し、かつUV分光光度法により検定した。取り出した液体は、2mLの蒸留水で置き換えた。]
[0146] これらの結果は、図2に示される。これらは、CDA-ブピバカインおよびCDA-リドカインが、同様の放出動力学を有することを示す。しかし、リドカインはブピバカインよりも速く放出される。ブピバカインの26%に対して、リドカインの53%が最初の30分間に放出される。リドカインおよびブピバカインは、両方とも48時間以内に全量が放出される。ブピバカインの85.6重量%が、「圧縮なしのCDA-ブピバカイン」から2時間30分以内に放出される。]
[0147] (実施例3)
ラットにおけるCDA-ブピバカイン膝インプラントの術後鎮痛効果
動物
動物施設に到着の際、体重250〜270gの間であった50匹の雄ウィスターラットを使用した。研究者の存在に馴らすためのハンドリング後、動物は2つの群により、防塵の木かんな屑敷料(Safe)付きで、水および食物フリーアクセスのポリカーボネート製透明F1型ケージに入れ、動物室では制御された温度(21℃±1℃)、湿度(45%±10%)および昼夜サイクル(昼7時〜19時)であった。]
[0148] 調製期5日の後、手術を行った。それぞれの動物は、尾に識別番号のタグを付けた。手術は、Nimes、フランス、の医学校の動物施設手術ブロックで行った。]
[0149] モデル用の基準物質
実施例1において得られたCDA-ブピバカイン粉末を使用して、直径3mmおよび長さ5mmを有する円筒形のラット膝欠損部に充填する。無菌トウモロコシを使用し、粉末を直接、欠損部内部に落下させた。]
[0150] 鎮痛性測定
Von Frey社モノフィラメント(電子バージョン)を使用して、足の弓状部(arch)に機械的圧力を掛けた場合の、覚醒動物の鎮痛性閾値を測定することができる。この圧力は研究者によって加えられ、グラムで表される脚の退縮閾値が、鎮痛性閾値に対応する。スライドカリパス(sliding caliper)で測定した、インプラントした膝の中外側距離(mediolateral distance)を使用して、手術領域の炎症および腫脹に直接関連する定量的情報を得ることができる。]
[0151] 動物鎮痛状態の評価を得るために、研究者により種々の定性的観察について得点化された:
- 関節の動き;
- 脚上を掴む;
- 脚の位置(背中側(dorsal)対下側(plantar));
- 脚の位置(回旋対平行);および
-インプラント部位における傷の状況。]
[0152] それぞれのパラメータは、下記により0から2まで得点化される:
-0:動物の最大の不快、
-1: 動物の部分的不快、
-2: 不快なし。]
[0153] したがって合計得点は、0(重い障害)と12(正常な歩行運動)の間に含まれる。]
[0154] 実験手順
それぞれラット10匹の5つの群が、試験に含まれていた:
- 群1:対照ロット(手術用対照)
- 群2:手術有(positive)の対照ロット(「薬剤のない(naked)」インプラント)
- 群3:ブピバカイン1mgのインプラントロット
- 群4: ブピバカイン4mgのインプラントロット
- 群5: ブピバカイン16mgのインプラントロット]
[0155] 手順
Von Freyモノフィラメント:手術日J0に4回(動物を回復させた後30、60、120および240分)、次いで手術後1日に1回3日間J1、J2およびJ3で、機械による痛覚過敏性の、左右対称的定量化を行った。]
[0156] インプラントした膝の中外側距離:手術日J0に初回(手術後240分)、次いで手術後1日に1回3日間J1、J2およびJ3で、手術した膝の中外側距離の測定を行った。]
[0157] 神経学的得点: Von Freyモノフィラメント試験と同時に、すなわち手術日J0の動物を回復させた後30、60、120および240分で、次いで手術後1日に1回3日間J1、J2およびJ3で、それぞれの動物(手術をしない脚および手術した脚)について神経学的得点化が為された。]
[0158] 結果
動物の遂行性の計算を行い、以下の通りそれぞれの実験群について示した:]
[0159] Von Freyモノフィラメント:グラムで表した鎮痛性閾値(平均±S.E.M)(カットオフは150gに固定)。手術をしない脚の平均値に対する手術した脚の回復の百分率(百分率±S.E.M)。]
[0160] インプラントした膝の中外側距離: mmで表した膝の中外側距離(平均±S.E.M)。手術をしない膝の距離の平均値に対し計算した距離変化の百分率(百分率±S.E.M)。]
[0161] 神経学的得点: 得点単位で表した得点(平均±S.E.M)。手術をしない脚の得点の平均値に対し計算した得点変化の百分率(百分率±S.E.M)。]
[0162] 同一の実験群の全ての動物についてデータを平均すると直ぐに、統計プログラムによる分散分析(ANOVA)を使用して、観察された効果(異なる群間または異なる治療間)の有意性を試験した。分析は、異なる動物群の比較を包含する。全体的ANOVAが有意な場合、十分な群間比較のためダネット多重比較(Dunnett post-hoc)テストを用いる。有意性の閾値は95%(p<0.05)または99%(p<0.01)に設定した(図3〜5および下記のTable 1(表1)を参照)。]
[0163] ]
[0164] 死後解析:
手術した大腿骨を試験のため収集し、組織学的解析のためNantesの獣医学校に送った。ラットにおいて、再吸収性インプラント上に吸着されたブピバカインは、ブピバカインを含まないインプラントを受容した動物と比較して、有意に用量依存性の鎮痛薬効果を誘発する。この効果は、手術後J+1で消失し、また機械過敏性に関してより強いので、一過性のものである。]
[0165] (実施例4)
CDAの結合および放出後のブピバカインの質量分析(MS)および高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用した解析
ブピバカイン添加CDA(400mg)を、5mlの水中において37℃で3日間撹拌した。この水溶液を、細孔径0.22μmを有する微小濾過膜を通過させた。この溶液のいくつかの分取物を、HPLCにおける動作濃度まで希釈した。この溶液の分取物(1ml)を、1mlのジクロロメタンにより抽出した(HPLC用HiPerSolv、VWR-BDH)。有機相を、さらなるMS試験のためNa2SO4上で乾燥した。HPLC HP 1100(C18カラム、Inertsil 5ODS-3)、流量: 0.5ml分-1、溶媒:アセトニトリル/水[80/20]、注入体積: 10μl、検知: 230nm。液相は、HPLC傾斜等級用アセトニトリル(VWR-BDH-Prolabo)を純水と混合することにより調製した。データ収集および処理のため、化学的イオン化(CI)による、直接試料プローブまたはGCを取り付けたthermo Electron Corporation DSQ IIベンチトップ四重極質量分析計を使用した。]
[0166] HPLC分析から、保持時間5.5分の1種の生成物だけが検知された(ブピバカイン-基準物質-[5.5分])。さらなるMS分析により、ブピバカイン添加CDAからの分解生成物の不在が確認された。GCまたは直接試料プローブモードおよび正化学的イオン化においてブピバカインだけが観察され(図6)、アンモニア性[M+H]+=289.3を有した。観察された主なフラグメントイオンはm/z=140.1においてであり、-COリーケージに対応し、1-ブチルピペリジンカチオンを示す。NISTデータベースによる、スペクトル(電子衝撃モード)からの粗データの解析により、本発明者らの先の観察が確認された。]
[0167] ブピバカインは、コールドアイソスタティック圧縮を使用したCDA顆粒との結合後、変化せずに残った。このことは、CDAから放出されたブピバカインのHPLCおよびMSスペクトルを、溶液中の天然の分子と比較することにより証明された。]
[0168] (実施例5)
本発明によるブピバカイン添加アパタイト質リン酸カルシウムセメントの調製
試料2gについて、3種のブピバカイン用量:4重量/重量%、16重量/重量%および25重量/重量%を試験した。]
[0169] セメントの無機成分は、α-TCP(78重量/重量%)、DCPD(5重量/重量%)、MCPD(5重量/重量%)、CDA(10重量/重量%)からなる。セメントの有機成分は、HPMC(2重量/重量%)からなる。20gのバッチを調製した。]
[0170] 活性成分ブピバカインは、最初エタノール中に希釈し、この活性成分の適当な量を、無機成分に添加する。次いで、この混合物を、1時間混練りし[回転装置ドライブSTR4、Stuart Scientific社](速度50rpm)、凍結乾燥[Christ alpha 1-4、Bioblock Scientific社]によってエタノールを除去する。]
[0171] そのようにして得られた粉末を、アイソスタティック圧縮140MPaにより5分間圧縮し[コールドアイソスタティック成形機FF558、NovaSwiss社]、そのようにして得られた塊を、アルミナ製乳鉢で、有機成分と一緒に砕いて、およそ平均粒径1μmとする。液相としてNa2HPO4水溶液(5%)を使用する。]
[0172] 液体粉末比(L/P)=0.5を有するペースト試料2gを調製しておき、直ちに3mL注射器に入れた。次いで、押出し試験のため、注射器をテクスチャーアナライザー(textural analyser)(TATX2)内に固定する。得られた曲線を図7に引いた。凝結時間は、押出し時間とともに短縮され、押出し時間は、セメント中のブピバカインの含量が増加すると短縮される。]
[0173] (実施例6)
本発明によるブピバカイン添加アパタイト質リン酸カルシウムセメントの調製
試料500mgについて、4種のブピバカイン用量:0.1重量/重量%、0.4重量/重量%、1.6重量/重量%および2.5重量/重量%を試験した。実施例1により、CDAにブピバカインを添加した。無機および有機粉末成分の両方に、CDA(10重量/重量%)を添加した(実施例4参照)。液相としてNa2HPO4水溶液(5%)を使用する。]
[0174] 液体粉末比(L/P)=0.5を有する異なるセメント試料を調製している。無機および有機成分を、液相と混合し、この混合物を円筒形の型に入れる。15分後、この型を37℃の0.9%NaCl溶液中に入れる。これらの条件は、in vivo条件を模している。インキュベーション時間は、2時間(放出試験用)または48時間(機械的試験用)である。インキュベーション期の後、型から円筒を取り出し、試験した。]
[0175] テクスチャーアナライザーを使用して、圧縮強度を測定した(図8参照)。実施例2により、インキュベーションした円筒からのブピバカイン放出プロフィルを試験した(図9参照)。
[参考文献]]
权利要求:

請求項1
鎮痛薬と組み合わせて1種または複数のリン酸カルシウム化合物を含み、少なくとも50重量%のα-TCPを含む、骨代替物として有用な組成物。
請求項2
粉末の形態にある、請求項1に記載の組成物。
請求項3
約1000m2・kg-1と約300000m2・kg-1の間のBET比面積を有する、請求項1または2に記載の組成物。
請求項4
少なくとも1種のリン酸カルシウム化合物が、CDA、DCPA、DCPD、TTCP、またはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
請求項5
HA、β-TCPおよびBCPからなる群から選択される、焼結されたリン酸カルシウム化合物をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
請求項6
少なくとも80重量%のα-TCPを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
請求項7
前記鎮痛薬が、モルヒネ関連物質である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
請求項8
前記鎮痛薬が、局所麻酔薬である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
請求項9
前記局所麻酔薬が、アミノアミドまたはアミノエステルである、請求項8に記載の組成物。
請求項10
前記アミノエステルが、ベンゾカイン、クロロプロカイン、コカイン、プロカインまたはテトラカインから選択される、請求項9に記載の組成物。
請求項11
前記アミノアミドが、ブピバカイン、キロカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイン、ロピバカイン、アルチカインまたはトリメカインから選択される、請求項9に記載の組成物。
請求項12
請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物の調製方法であって、以下の段階:(a)リン酸カルシウム粉末、液体および鎮痛薬を用意する段階と、(b)前記成分を混合して、懸濁物を得る段階と、(c)前記懸濁物から前記液体を除去して、固体を得る段階と、(d)場合によって圧縮する段階、および得られた固体を粉砕して、前記鎮痛薬を加えたリン酸カルシウム粉末とする段階とを含む方法。
請求項13
段階(c)が、凍結乾燥によって行われる、請求項12に記載の方法。
請求項14
段階(d)が、約50MPa〜約500MPaの間の圧力における固体の圧縮を含む、請求項12または13に記載の方法。
請求項15
前記液体が非水性である、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
請求項16
段階(a)における前記リン酸カルシウム粉末が、約0.2μmと約100μmの間に含まれる平均粒径を有する、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
請求項17
段階(b)における前記懸濁物が、約0.5〜約20重量%の鎮痛薬を含む、請求項12から16のいずれか一項に記載の方法。
請求項18
段階(d)において得られる、前記鎮痛薬を加えたリン酸カルシウム粉末が、約1μmと約500μmの間の平均粒径を有する、請求項12から17のいずれか一項に記載の方法。
請求項19
請求項12から18のいずれか一項に記載の方法により得ることが可能な組成物。
請求項20
薬剤組合せデバイスの調製方法であって、以下の段階:(i)請求項1から11および19のいずれか一項に記載の組成物を、適当な量の水性媒質と混合する段階と、(ii)前記混合物を、適切な形態にする段階と、(iii)前記混合物を、固体の薬剤組合せデバイスとする段階とを含む方法。
請求項21
段階(i)における前記混合物が、注入されるのに適した形態である、請求項20に記載の方法。
請求項22
請求項1から11および19のいずれか一項に記載の組成物を含む薬剤組合せデバイス。
請求項23
歯科用もしくは骨性インプラント、またはインプラントコーティングである、請求項1から22に記載の薬剤組合せデバイス。
請求項24
請求項1から11および19のいずれか一項に記載の組成物と、水性媒質と、場合によってさらに1種または複数のリン酸カルシウム化合物とを備えるキット。
請求項25
前記水性媒質がヒドロゲルである、請求項24に記載のキット。
請求項26
腸骨稜において自己移植骨を収集したことに起因する骨欠損部を充填するのに有用な薬剤組合せデバイスを調製するための、請求項1から11および19のいずれか一項に記載の組成物の使用。
請求項27
組織工学用の足場としての、請求項1から11および19のいずれか一項に記載の組成物の、in vitroまたはex vivoの使用。
請求項28
歯科用もしくは骨性インプラントを作るための、請求項1から11および19のいずれか一項に記載の組成物の、in vitroまたはex vivoの使用。
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