专利摘要:
有機半導体の薄層を製造するために都合の良い方法であって、有機半導体を含有する半導体材料の粒子を適した基板上に適用または堆積させ、且つそれらの粒子を基板上で圧力および随意に高められた温度を適用することによって半導体層へ変換することを含む方法。
公开号:JP2011508410A
申请号:JP2010537390
申请日:2008-12-05
公开日:2011-03-10
发明作者:ブラッドリー ゴードン;ビーネヴァルト フランク;ビュアギ ルーカス
申请人:ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se;
IPC主号:H01L21-368
专利说明:

[0001] 本発明は圧力および随意に温度処理による半導体層の製造方法、並びにこの本方法によって得られる構成物および素子に関する。]
[0002] 無機半導体の使用に起因する、より複雑な層堆積技術を置き換えるために、特に電子素子の大規模生産のための、塗布技術による有機半導体層の製造が議論されている。それらの技術は通常、半導体材料の溶液を例えばスピンコーティング、インクジェット印刷または他の塗布技術によって適用することを必要とする。]
[0003] 優れたTFT特性を表す有機半導体薄膜を得るために、有機半導体膜内で分子が非常に規則的に配列している結晶構造が存在することが非常に重要であると考えられている。しかしながら、ほとんどの有機半導体材料、例えばポリアセン化合物は、有機溶剤中に溶けにくいか、あるいは全く溶解しないので、その加工は、実現可能であったとしても、一般には低い性能がもたらされる。]
[0004] 今回、半導体材料の分離された粒子を適した基板上に、例えば表面を粒子の分散液で塗布し、そして随意に乾燥させる工程によって適用し、且つ、それらの粒子を引き続き基板上で圧力および随意に温度処理によって所望の層に変換した場合、費用のかかる堆積技術、例えば蒸着を用いる必要なく、半導体層の質を大幅に改善できることが見出された。好ましい方法は、高圧および高められた温度を使用して有機半導体層の結晶のモフォロジーを改善する。]
[0005] 従って本発明は、電子素子の製造方法において、有機半導体を含有する半導体材料の粒子を適した基板上に適用または堆積し、且つそれらの粒子を基板上で圧力および随意に高められた温度を適用することによって半導体層へ変換することを含む方法に関する。]
[0006] さらなる態様において本発明は、電子素子の製造方法において、有機半導体を含有する半導体材料を適した表面上に適用することによって基板上に半導体層を形成し、且つ該半導体材料を12000〜100000kPa、特に12000〜50000kPaの範囲の圧力、および随意に高められた温度に供することを含む方法に関する。]
[0007] 電子素子の製造は、適した表面上に有機半導体を含有する半導体材料を適用することによって半導体層を基板上に形成し、且つ、該半導体材料を動圧、または方向性のある圧力、および随意に高められた温度に供する、本発明による工程を含んでよい。]
[0008] 粒子の形態以外の半導体材料を基板上に適用する場合、その材料を通常、固体の薄層の形態に適用した後、高圧および高められた温度に供する。]
[0009] 本発明の方法において、適用される半導体材料は、1つまたはそれより多くの有機半導体化合物を含み、それは随意に1つまたはそれより多くのさらなる成分または添加物、例えば分散剤、高融点結晶成長促進剤、可塑剤、移動度向上剤、ディウェッティング剤、ドーパント、結合剤と組み合わせられていてもよい。それらの類の成分は有機エレクトロニクスの分野において、または塗布技術および/またはプラスチック加工の分野においてよく知られている。]
[0010] 随意の分散剤は分散された半導体材料が凝析、凝集、または沈殿しないように安定化させ、且つ、それによって該分散液を微細に分離された状態に維持するためにはたらく。非イオン性(例えば、エトキシ化長鎖アルコール、グリセリルステアレート、およびアルカノールアミド)、アニオン性(例えばラウリル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホネート、および脂肪族に基づくリン酸エステル)、カチオン性(例えばトリメチルセチルアンモニウムクロリド、オレインイミダゾリンおよびエトキシ化脂肪アミン)、および両性(例えばレシチンおよびポリグリコールエーテル誘導体)の界面活性物質を含む、多種の分散剤が公知であり、それらはモノマー、オリゴマーまたはポリマーであってよい。]
[0011] ディウェッティング剤またはさらなる分散剤は、しばしば、広く知られる界面活性剤または適した特性の界面活性物質から選択されることがある(下記の分散剤の節も参照のこと)。適した溶剤、時に高沸点のもの、例えば7〜18個の炭素の、例えば炭化水素、ケトンまたはアルコールがしばしば結晶成長促進剤として使用されることがある。]
[0012] 例えば有機半導体複合物を形成する、カーボンナノチューブ、フラーレン、または関連する構造物は、有用な移動度向上剤の例である(松下電器、サムソン)。]
[0013] 原則として、結合剤は工業において通例の任意の結合剤、例えばウルマン工業化学事典、第五版、A18巻、368〜426ページ、VCH、Weinheim 1991内に記載されるものであってよい。一般に、それは熱可塑性または熱硬化性樹脂に基づく、主に熱硬化性樹脂に基づく膜形成結合剤である。それらの例は、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂およびポリウレタン樹脂およびそれらの混合物である。結合剤樹脂のより特定の例は、オリゴマーおよびポリマー、例えばポリ(ビニルブチラール)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(塩化ビニル)、ポリアクリレートおよびメタクリレート、塩化ビニルおよび酢酸ビニルのコポリマー、フェノキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、およびその種のものを含む。]
[0014] 特定の用途において、結合剤材料は半導体粒子のために、特に高められた温度(例えば40〜150℃)での粒子分散液の堆積の場合、分散剤として機能するか、または非永続性溶剤(non−permanent solvent)と組み合わせて分散剤として使用されてよい。]
[0015] ドーパント:有機半導体中で、ドーパントは特定の位置に限定されず、且つ、材料内部を自由に拡散できる。かかる拡散はチャネル領域内の電気伝導性を増加させる。多数の刊行物(Infineon)は、
・ 有機半導体中に固定された不可逆性のドーパント
・活性化されたナノ粒子をコンタクト領域付近に埋め込むこと
・有機半導体層の領域−選択的にコンタクト領域をドープする、反応性の中間層を適用すること
によってこの拡散問題に取り組んでいる。]
[0016] さらなる有用なドーパントは、酸性の官能基を含む有機オリゴマーを含み、それは半導体材料と第一の電気伝導性領域との間の界面帯域における適用のために設計されている(Plastic Logic)。]
[0017] 有機半導体層中の他の添加物は、電子キャリアとして動作するためにペンタセン層内での使用が提案されている(IBM)、ナノ粒子またはナノワイヤを含む。]
[0018] 高められた温度が適用される場合、有機半導体はしばしば初めに圧力工程に、そしてその後、高圧を維持して、または維持しないで、高められた温度に供されてもよく、あるいは高圧および高められた温度が同時に適用される。高められた温度、さらに高圧または常圧を用いた、圧縮された有機半導体層の処理は、有機層をアニールすることを可能にする。これはより良好な半導体特性、特に電荷のキャリア移動度をもたらす。従って、例えば1〜3000秒の時間のアニール工程が後に続くことがある。特定の産業上の用途においては、圧力処理が熱適用工程の後に続く工程が有利であることがある。]
[0019] 高圧および随意に高められた温度に供される前、有機半導体粒子はしばしば粉末、分散された粉末および/またはペレットの形態である。半導体材料の粒子は通常、5〜5000nm、特に10〜1000nmの大きさの範囲である。該粒子は凝集物、均質な単独の粒子、またはそれらの混合物であってよい。凝集物が通常、より上のほうの範囲、例えば300〜3000nmの寸法である一方、均質な粒子、またはさらに単独の結晶の寸法は通常、より下のほうの範囲、例えば10〜500nmである。]
[0020] 本発明を実施する1つの方法において、半導体材料を粉末、または粒子の、揮発性液体、特に常圧で30〜200℃の範囲内で沸騰する有機液体、または水、または有機液体と水との混合物中の分散液として適用する。該分散液は、分散された、または好ましくは溶解された形態でのさらなる成分、例えば界面活性物質または分散剤を含んでよい。層の堆積を、スピンコーティング、ブレードコーティング、ロッドコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、スタンピング等を含む公知の方法によって実施してよい。粒子を基板表面、またはスタンピングまたは印刷ツールの表面に直接的に適用してよい。]
[0021] 本発明を使用する高速"印刷"方法は、以下の通りに想定される:
・有機半導体の均質な分散液を古典的な印刷方法を使用して印刷し、
・高圧(場合によっては高められた温度も)を有機半導体の印刷物に、短い持続時間の間、適用して印刷物を圧縮し、且つ
・ 圧縮された印刷物を、(例えば赤外線ヒーターを含有する)長い加熱トンネルを使用して、高められた温度で"アフターアニール"する。]
[0022] 有利に適用される圧力は、120〜100000kPaの範囲、好ましくは150〜50000kPaの範囲である。圧力は通常、動圧の形態で適用される。圧力を適用する時間は、しばしば0.01〜3000秒の範囲から選択される。]
[0023] 適用される場合、高められた温度は、使用される材料に依存して、しばしば室温より上〜約300℃、例えば40〜250℃の範囲から選択される。アニール温度を同一の範囲から、しばしば約50〜200℃から選択してよい。]
[0024] 用いられる半導体は通常、有機半導体化合物から選択される。無機半導体の粒子を混合してもよい; もし存在する場合、それらの化合物は有利には、用いられる半導体材料全体(粒子の形態、または本発明による圧力処置の後の圧縮された粒子または層として)の5質量%までの量で含有される。半導体材料、特にそれらの粒子は、1つの単独の有機半導体または1つより多くの有機半導体を含有してよい。該有機半導体は通常、粒子材料の60〜100質量%、しばしば粒子材料の少なくとも90質量%を構成する。特定の産業上興味深い粒子材料は、本質的に(例えば90質量%またはそれより多く)1つの有機半導体化合物からなるものである。有機半導体を、低分子量化合物、特に180〜2000g/mol、例えば180〜800g/molの範囲、または高分子量化合物、例えばポリマー、特に分子量範囲1000〜300000g/molのものから選択してよい。半導体材料は、有機半導体の混合物、例えば低分子量の化合物とポリマー種との混合物を含んでよい。]
[0025] 本発明の方法によって得られる半導体層は通常、10000nm未満の厚さを有している。意図されている用途および選択された材料に依存して、その厚さは例えば10〜300nmの範囲内、または100〜1000nmの範囲内であってよい。好ましくは、有機半導体層の厚さは約5〜約200nmの範囲である。]
[0026] 半導体
半導体材料に適した材料は、n型半導体材料(導電性が負電荷のキャリアによって制御される)、およびp型半導体材料(導電性が正電荷のキャリアによって制御される)を含む。]
[0027] 化学的分類
A.低分子量化合物
少なくとも8つの共役結合を含有し、且つ約2000以下の分子量を有するポリ共役有機化合物。]
[0028] p型
・アントラセン、ナフタレン、テトラセン、ペンタセン、およびペンタセン誘導体を含むアセン
・キノイドジへテロアセン
・フタロシアニン(US 6150191号: Lucent)
・置換されたインドールカルバゾール(US20060124921号、Xerox)
・ポルフィリン骨格を有する化合物
・ビス−(2−アセニル)アセチレン(US7109519号: 3M)
・ アセン−チオフェン(US6998068号: 3M)
・シアニン染料
・アルファ、アルファ’−ビス−4(n−ヘキシル)フェニルビチオフェン(bitiophene)
・チエノチオフェン誘導体(US6818260号: Merck)。]
[0029] n型
・芳香族テトラカルボン酸ジイミド、例えばN,N’−ジアリールナフタレン−1,4,5,8−ビス(ジカルボキシイミド)化合物(US6861664号: Xerox)
・ペリレンテトラカルボン酸ジイミド化合物(US7026643号: IBM)
・ 過フッ素化銅フタロシアニン
・テトラシアノナフトキノ−ジメタン(TCNNQD)
・ジオキサボリン(US20030234396号: Infineon)。]
[0030] B.共役ポリマー
p型
・ポリアセチレン誘導体
・チオフェン環を有するポリチオフェン誘導体(US006051779号: Samsung)
・ポリ(3−アルキルチオフェン)誘導体
・ ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)誘導体
・ ポリチエニレン−ビニレン誘導体
・ベンゼン環を有するポリフェニレン誘導体
・ポリフェニレンビニレン誘導体
・窒素原子を有するポリピリジン誘導体
・ポリピロール誘導体
・ポリアニリン誘導体
・ポリキノリン誘導体
・オリゴマー、例えばジメチルセキシチオフェン、およびクアテルチオフェン。]
[0031] n型
・アルファ,オメガ−ジペルフルオロヘキシルセキシチオフェン(US6608323号 Northwestern University)
・フッ素化ポリチオフェン(US6960643号: Xerox US6676857: Merck)
・ペルフルオロエーテルアシルオリゴチオフェン化合物(US7211679号: 3M)]
[0032] C.液晶有機半導体材料
・アルキル基、または前記のチオフェン骨格内に対称に導入されたアセチレン骨格(US20070045613号: 大日本印刷)。]
[0033] D.自己組織化ポリマー
・ 例えばUS7005672号、Xerox。]
[0034] E.有機半導体の前駆体
・ US6963080号: IBM
・ US2006166409号: Philips。]
[0035] F.無機半導体
公知の成分、特に公知の形態のシリコン(好ましくはアモルファス)、例えば、有機半導体層内で分散できて電気特性を改善するシリコン粒子またはクラスタの形態から選択されてよい。]
[0036] 本発明における使用のための有機半導体化合物は通常、膜形成が可能なものから選択される(好ましくは非常に均質な層の形態)。当該の有機半導体化合物を、下記から選択してよい:
多環式芳香族炭化水素; それらの複素環式類似物、例えば相応するアザ化合物; 相応するキノイド系、特に相応する炭化水素のアザおよび/またはオキサ類似物を含むもの; 任意のそれらの置換された誘導体、例えばハロゲン、例えばフルオロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、シアノ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルシリル、トリアリールシリル、ジアルキルアリールシリル、ジアリールアルキルシリル、ケト、ジシアノメチル、C1〜C24−アルキル、C2〜C24−アルケニル、C2〜C24−アルキニル、5〜30個の炭素原子からのアリール、置換されたアリール、少なくとも1つの窒素原子、または少なくとも1つの酸素原子、または少なくとも1つの硫黄原子、または少なくとも1つのホウ素原子、または少なくとも1つのリン原子、または少なくとも1つのシリコン原子を含有する複素環、または任意のそれらの組み合わせによって置換された変異物; または縮環されたベンゾ−、ナフト−、アントラ−、フェナントロ−、フルオランテノ−、ピレノ−、トリフェニレノ−、またはペロレノ−置換基を形成する任意の2つの隣接する置換基、またはそのアルキルまたはアリール置換された誘導体; または1,2−ベンゾ、1,2−ナフト、2,3−ナフト、1,8−ナフト、1,2−アントラセノ、2,3−アントラセノ、2,2’−BP、4,5−PhAn、1,12−TriP、1,12−Per、9,10−PhAn、1,9−An、1,10−PhAn、2,3−PhAn、1,2−PhAn、1,10−Pyr、1,2−Pyr、2,3−Per、3,4−FlAn、2,3−FlAn、1,2−FlAn、3,4−Per、7,8−FlAn、8,9−FlAn、2,3−TriP、1,2−TriP、アセ(ace)、またはインデノ置換基を形成する任意の2つの置換基、またはそれらのアルキルまたはアリール置換された誘導体; 前記の化合物は当該技術分野でよく知られている; 例は、とりわけUS2004/0076853号の段落[0168]〜[1382]、[1385]〜[1475]、[1498]〜[1513]、[1522]〜[1629]内に列挙され、その相応する段落はここで参照をもって開示されるものとする。]
[0037] より特定の興味深い半導体化合物は、WO06/120143号、特に3ページ(式I)および7〜8ページ(構造IIおよびIII)において定義されるものを含む:



[式中、
A1、A2、A3およびA4は互いに独立して、それらが結合している炭素原子と共に、非置換または置換された芳香族炭素環式6員環またはN−および/またはS−複素環式5員環を完成する架橋員(bridge member)であり、
R7は独立してH、あるいは非置換または置換されたアルキル、非置換または置換されたアルケニル、非置換または置換されたアルキニル、非置換または置換されたアリールであり、且つ、
XはO、S、NR8であり、
R8はH、C1〜C12−アルキルまたはC3〜C12−アルケニルであり、前記は非置換あるいはハロゲンまたはOHまたはNR10R10によって置換されている、
前記R10はH、C1〜C12−アルキル、C4〜C12−シクロアルキルである]。]
[0038] 式IIの好ましい化合物において、R7は式Iの好ましい化合物に対して上記で定義された通りである; Xは最も好ましくはOである;



[式中、
Rは独立してH、ハロゲン、OH、非置換または置換されたアルキル、非置換または置換されたアルコキシ、非置換または置換されたアルキルチオ、非置換または置換されたアリールであり、且つ
R7は独立してH、アルキル、アルケニル、またはアルキニル、特にアルキルである];
WO07/068618号、特に式



[式中、
Bで示される環は、単環式または多環式、好ましくは単環式、二環式、または三環式の不飽和環または環構造、または下記の副式I(i)のフェロセノベンゾ(ferrocenobenzo)である



[式中、点線の結合は、式I中の中心の環Aにアニールされるベンゾ環の側を示す]
環AおよびCで示される環にアニールされる個々は単環式または多環式、好ましくは単環式、二環式、または三環式の不飽和環、または環構造、または上で示された副式I(i)のフェロセノベンゾであり、環Aにアニールされる個々、環または環構造BおよびCの個々は、基=S、=O、または=C(NQ2)2もまた有してよく(その結合している二重結合手は環の二重結合と共役である)、それぞれの場合、"不飽和"と述べられるものは、共役二重結合の最大可能数を有していることを意味し、且つ、その際、直接的に環Aにアニールされている第一の環の個々(環または環構造BおよびCを形成している、またはその一部を形成している)が6つの環原子を有する場合、少なくとも1つの環または環構造BおよびCにおいて、少なくとも1つの環原子はP、Se、または好ましくはN、NQ、OおよびSから選択されるヘテロ原子である;
Qは独立して水素および(好ましくは)非置換または置換されたヒドロカルビル、非置換または置換されたヒドロカルビルカルボニル、および非置換または置換されたヘテロアリールから選択される;
2つ以下の置換基X、YおよびZは置換されたエチニルであり、その際、置換基は40個までの炭素原子を有する非置換または置換されたヒドロカルビル、40個までの炭素原子を有する非置換または置換されたヒドロカルビルオキシ、40個までの炭素原子を有するヒドロカルビルチオ、非置換または置換されたヘテロアリール、非置換または置換されたヘテロアリールオキシ、非置換または置換されたヘテロアリールチオ、シアノ、カルバモイル、(その際、Halはハロゲン原子を表す)、置換されたアミノ、ハロ−C1〜C8−アルキル、例えばトリフルオロメチル、ハロ、および置換されたシリルからなる群から選択される;
残りのX、Yおよび/またはZが水素、非置換または置換されたC1〜C20−アルキル、例えばハロ−C1〜C20−アルキル、非置換または置換されたC2〜C20−アルケニル、非置換または置換されたC2〜C20−アルキニル、非置換または置換されたC6〜C14−アリール、特にフェニルまたはナチフル、非置換または置換された、5〜14個の環原子を有するヘテロアリール、非置換または置換されたC6〜C14−アリール−C1〜C20−アルキル、特にフェニル−またはナチフル−C1〜C20−アルキル、例えばベンジル、非置換または置換されたヘテロアリール−C1〜C20−アルキル(前記のヘテロアリールは5〜14個の環原子を有する)、非置換または置換されたフェロセニル、非置換または置換されたC1〜C20−アルカノイル、例えば非置換または過フッ素化C2〜C12−アルカノイル、ハロ、非置換または置換されたC1〜C20−アルコキシ、C2〜C20−アルケニルオキシ、C2〜C20−アルキニルオキシ、非置換または置換されたC1〜C20−アルキルチオ、C2〜C20−アルケニルチオ、C2〜C20−アルキニルチオ、カルボキシ、非置換または置換されたC1〜C20−アルコキシ−カルボニル、非置換または置換されたフェニル−C1〜C20−アルコキシ−カルボニル、アミノ、N−モノ−またはN,N−ジ−(C1〜C20−アルキル、C1〜C20−アルカノイルおよび/またはフェニル−C1〜C20−アルキル)−アミノ、シアノ、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C1〜C20−アルキル、C1〜C20−アルカノイルおよび/またはフェニル−C1〜C20−アルキル)−カルバモイルおよびスルファモイルからなる群から選択される一方、個々のnおよびpは0〜4である;
Y*およびY**は独立して、上記で定義された置換されたエチニルから選択される;
D、EおよびGの個々は、O、NQまたはSからなる群から独立して選択されるヘテロ原子である];
WO07/118799号のキノイド半導体、例えば下記の式のもの:



[式中、
XはO、SまたはNR’を表す、
R’は非置換または置換されたC1〜C18−アルキル、非置換または置換されたC2〜C18−アルケニル、非置換または置換されたC2〜C18−アルキニル、非置換または置換されたC4〜C18−アリールから選択される;
R5、R6、R17、R8の個々は独立してH; 非置換または置換されたC1〜C22−アルキルまたはC2〜C22−アルケニル(前記の個々はO、S、COO、OCNR10、OCOO、OCONR10、NR10CNR10、またはNR10によって中断されていてよい); 置換されたC2〜C18−アルキニル; 非置換または置換されたC4〜C18−アリール; ハロゲン; シリルXR12から選択される;
R9、R9’、R9’’、R9’’’は独立してR5に対して定義された通りであるか、あるいは隣接するR9とR9’および/または隣接するR9’’とR9’’’、またはR5とR9’’’、および/またはR7とR9’とが一緒になってアニールされた環を形成する;
R10はH、C1〜C12−アルキル、C4〜C12−シクロアルキルである;
個々のシリルはSiH(R11)2、またはSi(R11)3であり、前記R11はC1〜C20−アルキルまたはアルコキシである;
R12はシリル、アシル、非置換または置換されたC1〜C22−アルキル、非置換または置換されたC4〜C18−アリールである;
個々のアリールはC4〜C18−芳香族部分から選択され、前記は環構造の一部として、O、NおよびSから選択される1つまたは2つのヘテロ原子を含有してよく、好ましいアリールは、フェニル、ナチフル、ピリジル、テトラヒドロナフチル、フリル、チエニル、ピリル、キノリル、イソキノリル、アントラキニル、アントラシル、フェナントリル、ピレニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチエニルから選択される;
アニールされた環は、存在する場合、炭素環またはN−複素環、置換されたまたは非置換の6員環である; 且つ
置換基は、存在する場合、炭素原子に結合し、且つ、C1〜C22−アルコキシ、C1〜C22−アルキル、C4〜C12−シクロアルコキシ、C4〜C12−シクロアルキル、OH、ハロゲン、フェニル、ナフチルから選択される; 一方、飽和炭素はオキソ(=O)によって置換されてよい; 2つの隣接する置換基が一緒に結合して例えばラクトン、無水物、イミドまたは環状炭素を形成してよく、その際、好ましい化合物は下記の構造に合致する



[式中、
X’はSまたはNRを表す、
XおよびX’’はO、SまたはNRを表す、
および全ての他の記号および好ましい意味は上記で定義された通りであり、例は下記の構造である



]]。]
[0039] ポリマー化合物についての例は、上記の化合物の繰り返し単位を含有するポリチオフェンまたはポリマー、特にポリマーの大部分で共役系を含むもの、または上記の化合物からなるものさえも含む(形式的には、かかる化合物上の2つの水素原子を引き抜き、且つ、それらの水素原子を次の繰り返し単位への結合で置き換えることによって形成される)。]
[0040] アルキルは任意の非環式の飽和一価ヒドロカルビル基を表す;アルケニルはかかる基を指すが、しかし少なくとも1つの炭素−炭素の二重結合を(例えばアリルにおいて)含有する; 同様に、アルキニルはかかる基を指すが、しかし少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を(例えばプロパルギルにおいて)含有する。アルケニルまたはアルキニル基が1つより多くの二重結合を含有する場合、それらの結合は通常、まとまっているのではなく、交互の順序で、例えば−[CH=CH−]nまたは−[CH=C(CH3)−]n (前記nは例えば2〜25の範囲であってよい)で配置されてよい。好ましいアルキルは1〜22個の炭素原子を含有する; 好ましいアルケニルおよびアルキニルはそれぞれ2〜22個の炭素原子、特に3〜22個の炭素原子を含有する。]
[0041] 炭素原子が1つより多い、特に2つより多い任意のアルキル部分、または他の部分の一部であるアルキルまたはアルキレン部分は、異なる官能基、例えばO、S、COO、OCNR10、OCOO、OCONR10、NR10CNR10、またはNR10 (前記R10はH、C1〜C12−アルキル、C3〜C12−シクロアルキル、フェニルである)によって中断されていてよい。それらは1つまたはそれより多くのそれらのスペーサー基によって中断されていることがあり、それぞれの場合、1つの基が一般に1つの炭素−炭素結合内に差し込まれ、ヘテロ−ヘテロ結合、例えばO−O、S−S、NH−NH等は生じない; 中断されたアルキルが追加的に置換される場合、その置換基は一般にヘテロ原子についてのαではない。2つまたはそれより多くの、−O−、−NR10−、−S−型の中断基が1つの基の中に生じる場合、それらはしばしば同一である。]
[0042] 従って、用語アルキルは、どこで使用されても、主に、特に中断されず、且つ適宜置換されたC1〜C22−アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシルを含む。アルコキシはアルキル−O−である;アルキルチオはアルキル−S−である。]
[0043] 従って、用語アルケニルは、どこで使用されても、主に、特に中断されず、且つ適宜置換されたC2〜C22−アルキル、例えばビニル、アリル等を含む。]
[0044] アリール(例えばC1〜C14−アリール)が使用されるところでは、これは好ましくは、最大可能数の二重結合を有する単環または多環構造、例えば好ましくはフェニル、ナフチル、アントラキニル、アントラセニルまたはフルオレニルを含む。用語アリールは主に、C1〜C18−芳香族成分を含み、前記は環構造の一部にO、NおよびSから主に選択される1つまたはそれより多くのヘテロ原子を含有する複素環(ヘテロアリールとしても示される)であってよい;炭化水素アリールの例は、主に、フェニル、ナフチル、アントラキニル、アントラセニル、フルオレニルを含むC6〜C18−である; 複素環(C1〜C18)の例は以下の表のもの






並びにアザナフチル、フェナントリル、トリアジニル、テトラヒドロナフチル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、



を含む。C4〜C18−アリール、例えばフェニル、ナフチル、ピリジル、テトラヒドロナフチル、フリル、チエニル、ピリル、キノリル、イソキノリル、アントラキニル、アントラセニル、フェナントリル、ピレニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチエニルから選択されるものが好ましく、フェニル、ナフチル、チエニルが最も好ましい。]
[0045] アシルは、通常1〜30個の炭素原子の有機酸の脂肪族または芳香族残基−CO−R’を表し、前記R’はアリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルを含み、その個々は置換されていても非置換であっても、および/または他の場所に記載された通りに、とりわけアルキル残基に関して中断されていてもよく、またはR’はHであってよい(即ち、COR’はホルミルである)。従って、好ましいのはアリール、アルキル等に関して記載されたものである; より好ましいアシル残基は置換されたまたは非置換のベンゾイル、置換されたまたは非置換のC1〜C17−アルカノイルまたはアルケノイル、例えばアセチルまたはプロピオニルまたはブタノイルまたはペンタノイルまたはヘキサノイル、置換されたまたは非置換のC5〜C12−シクロアルキルカルボニル、例えばシクロヘキシルカルボニルである。]
[0046] ハロゲンは、I、Br、Cl、F、好ましくはCl、F、特にFを指す。同様に、特定の技術的興味は、過ハロゲン化残基、例えば1〜12個の炭素原子の例えばペルフルオロアルキル、例えばCF3である。]
[0047] 置換されたシリルは好ましくはSiが、上記で定義された非置換または置換されたヒドロカルビルまたはヒドロカルビルオキシから選択される、2つまたは好ましくは3つの部分によって置換された(その際、置換基は好ましくは置換されたシリル以外である)、あるいは非置換または置換されたヘテロアリールによって置換されている。Siが2つの置換基のみを有する場合、そのシリル基は−SiH(R2)型(前記R2は好ましくはヒドロカルビルまたはヒドロカルビルオキシである)のシリル基である。より好ましくは、3つのC1〜C20−アルキルまたはアルコキシ置換基である、即ち、置換されたシリルはそのときSi(R11)3であり、前記R11はC1〜C20−アルキルまたはアルコキシ、特に3つのC1〜C8−アルキル置換基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチルまたはイソブチルである。]
[0048] それぞれの場合において、"不飽和"と述べられているところでは、好ましくは共役二重結合の最大可能数を有することを意味する。]
[0049] 好ましいアルキニル残基は、置換されたエチニルであり、即ちエチニル(−C≡C−H)において水素が上述の1つの置換基によって置換されており、一般的な表現は好ましくは下記のより詳細な定義によって置き換えられる。]
[0050] シクロアルキル、例えばC3〜C12−シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルを含む; それらの残基の中で好ましいのは、C3〜C6−シクロアルキル並びにシクロドデシル、特にシクロヘキシルである。]
[0051] 置換されたエチニルの際、非置換または置換されたC1〜C20−アルキル(前記は一級、二級または三級であってよい)、非置換または置換されたフェニル、非置換または置換された(例えば1−または2−)ナフチル、非置換または置換された(例えば1−または2−)アントラセニル、以下の表内に示されるものから選択される非置換または置換されたヘテロアリール(heteraryl)部分または置換されたシリル部分によって置換されたエチニル (それぞれの部分は適切な任意の環原子を介して、好ましくは星印で示されたものの1つによって、置換されていないエチニル中の水素の代わりにエチニル部分に結合できる)が特に好ましい:
置換されたエチニルのために好ましいいくつかの置換基の表(上述の通り、置換される、または好ましくは置換されない):]
[0052] 前記の表において、Qは式Iの化合物のために上記で定義された通りであり、特にハロゲン、アリール、特にC6〜C14−アリール、アリールアルキル、特にフェニルまたはナフチルC1〜C20−アルキル、ヘテロアリール、特に14個までの環原子を有するもの、およびアルキル、特にC1〜C20−アルキルから選択される。]
[0053] 粒子分散液
当該技術分他、特に顔料技術分野でよく知られた方法に従って、例えば粒子表面処理および/または分散剤の添加によって、半導体材料を粒子に変換してよい。有機半導体および前記式の他の成分を、装置、例えば塗料振とう器、ボールミル、サンドミル、および磨砕機内で混合および/または粉砕することによって分散液を製造できる。通常の粉砕媒体、例えばガラスビーズ、鋼球またはセラミックビーズをかかる装置内で使用してよい。溶剤の例は、ケトン、アルコール、エステル、エーテル、芳香族炭化水素、ハロゲン化脂肪族および芳香族炭化水素、およびその種のもの、およびそれらの混合物を含む。該粒子を、例えばより良好な分散性のために、顔料技術において同様に公知の通り、前処理してよい。有機半導体粒子は、水および有機溶剤中で顔料を分散させるために開発されたノウハウを活用できる。通常の方法は、微細な粒子を液体媒体中に分散させることを含み、その際、その粒子が可能な限り細かく且つ可能な限り素早く液体媒体中に分散し、且つ、長期にわたって最適な結果で安定した微細な分散液のままであることが望ましい。液体中の微細な粒子の分散液はしばしば不安定であるので、粒子が基板上で不均一な分布を引き起こす凝集または凝析する傾向がある。凝集または凝析の影響を最小化するために、粒子を例えば下記に記載の方法と類似して表面処理してよい:
US6878799号 (酸官能性ポリマー分散剤)
US6918958号 (酸分散剤および粒子調製物)
US6849679号 (変性されたブロックコポリマー分散剤を有する組成物)。]
[0054] 分散剤(例えば水、有機溶剤またはそれらの混合物)の種類および極性に依存して、様々な構造のポリマーが選択される。環境上の要求の観点において、水性の分散液、並びに高い固体含有率を有する有機溶剤に基づく分散液の使用が特に好ましい。]
[0055] 水性の系において、疎水性および親水性のポリマー、または親水性および疎水性のポリマーブロックを含有するブロックコポリマー、いわゆるA−Bブロックコポリマーの混合物が存在する。疎水性の"A"ブロック(メタクリレートモノマーのホモポリマーまたはコポリマー)と、顔料またはエマルションポリマー表面のいずれか、あるいは両方とを組み合わせる。親水性の"B"ブロック(中和された酸またはアミン含有ポリマー)を用いて、それらのコポリマーが下記の水ベースの顔料分散液を製造するのに有用である:
US6736892号 (スチレン化および硫酸化フェノールアルコキシレートを含有する分散液)
US6689731号 (乳化剤および分散剤としてのリン酸エステル)
US6509409号 (ポリウレタン分散剤)
US6506899号 (イソシアネートとポリ(エチレングリコール)アルキルエステル、ポリエステルまたはポリエステルまたはポリアクリレートおよびジアミンとの反応によって形成される分散剤)
US6852156号 (自己分散粒子およびその製造方法およびその使用)
US6410619号:有機顔料を制御する方法。]
[0056] 従って、本方法において使用するために適した半導体粒子の分散液は例えば
(a)下記
(1) 1つまたはそれより多くの半導体原料、特に有機半導体化合物;
(2) (1)に対して少なくとも約0.1質量%の1つまたはそれより多くのアクリルコポリマー分散剤; および
(3)半導体が本質的に不溶性である、(1)に対して0〜100質量部の粉砕液体
を含む混合物を粉砕すること; および
(b)粉砕された半導体材料を単離すること
によって得られる。]
[0057] 米国特許第5859113号および5219945号、並びに米国特許第4293475号、4597794号、4734137号、5530043号、および5629367号内に記載される、被膜および他の材料中の調節された有機顔料と類似して、アクリルコポリマーを使用して半導体粒子を分散させ、且つ分散された状態に維持してよい。]
[0058] 一般に、結合剤および/またはドーパントまたはその種のものが本発明による半導体素子中に存在してもよいが、しかしながら例えば薄膜トランジスタ内の薄膜中で好ましくは5%未満の量であり、それらは以下により詳細に記載される。可能な結合剤は例えば、WO2005/055248号内に記載され、ここで参照をもって開示されるものとする。]
[0059] 半導体素子
本発明において記載される方法を、半導体素子内の半導体層の製造のために使用できる。多数の種類の半導体素子がある。共通するのは、1つまたはそれより多くの半導体材料の存在である。半導体素子は例えばS.M.SzeによってPhysics of Semiconductor Devices、第二版、John Wiley and Sons、New York (1981)内に記載されている。かかる素子は整流器、トランジスタ(p−n−p、n−p−nおよび薄膜トランジスタを含む多くの種類がある)、発光半導体素子(例えば有機発光ダイオード)、光伝導体、電流制限器、サーミスタ、p−n接合、電界効果ダイオード、ショットキーダイオード、およびその他を含む。それぞれの半導体素子において、半導体材料は1つまたはそれより多くの金属または絶縁体と組み合わされて素子を形成する。半導体素子を公知の手段、例えばPeter Van ZantによってMicrochipFabrication、第四版、McGraw−Hill、New York (2000)内に記載されるものによって製造または生産できる。特に有用な種類のトランジスタ素子、薄膜トランジスタ(TFT)は一般に、ゲート電極、ゲート電極上のゲート誘電体、ゲート誘電体に隣接するソース電極およびドレイン電極、およびゲート誘電体に隣接し且つソース電極およびドレイン電極に隣接する半導体層を含む(例えばS.M.Sze、Physics of Semiconductor Devices、第二版、John Wiley and Sons、492ページ、New York (1981)を参照)。それらの成分を様々な配置で組み立てることができる。より特定には、有機薄膜トランジスタ(OTFT)は有機半導体層を有する。図2は2つの一般的な有機トランジスタのデザインを示す。] 図2
[0060] 有機ショットキーダイオード:かかる半導体ダイオードは低い順方向電圧降下および非常に速いスイッチング動作を有する。典型的な用途は、鉛蓄電池に接続されている太陽電池用の放電保護、およびスイッチモード電源におけるものを含み、両方の場合において低い順方向電圧が向上した効率をみちびく。ショットキーダイオードの最も明らかな限界は、比較的低い逆方向電圧定格、50V以下、および比較的高い逆方向電流である。逆方向リーク電流は温度と共に増加し、熱不安定性の問題をみちびく。図8は有機ショットキーダイオードの模式図である:
基板=12
オーミックコンタクト=14
ドープされたバッファ層=16
有機半導体層=18
ショットキーコンタクト=20] 図8
[0061] 有機太陽電池:素子は以下の機能を有する有機ヘテロ接合に基づく:
・ 光の吸収
・励起子散乱
・電荷移動
・電荷収集]
[0062] 図9は有機太陽電池ショットキーダイオードの模式図である; OS=有機半導体。] 図9
[0063] 有機機能性材料を含有する半導体素子、例えば有機TFTの性能、および特にキャリア移動度は、有機膜の構造秩序に高く依存し、前記はその形成方法と次の加工工程との両方によって決定される。]
[0064] "完全な"単結晶で構成される有機半導体は、トランジスタ用途において、最高の輸送移動度を生じる。しかしながら、単結晶は製造するのが困難で且つ費用がかかり、従ってそれらの技術的な利用は厳しく制限される。]
[0065] F.SchreiberはPhysics of Organic Semiconductors (Chapter 2,W.Bruetting編集; Wiley−VCH)内に、下記:
1. 界面の定義(相互拡散および粗さの程度)
(a)有機−有機(例えば有機ダイオード内)
(b) 有機−金属(例えば電気コンタクト)
(c) 有機−絶縁体(例えばトランジスタ内(ゲートと半導体との間の絶縁層))
2.有機半導体の結晶構造
(a) 構造/多構造形態の種類
(b)共存する構造の潜在的な存在
(c) 構造の配向(エピタキシー)
(d) 構造が歪んでいるかどうか?(エピタキシー)
3.有機半導体層の結晶の質/欠陥構造
(a) モザイシティ(xy平面とz方向/法線ベクトルとの間の質の対比)
(b) 所定の膜内での均質性(ドメイン境界の密度など)
(c)電気特性に影響する欠陥密度(およびそれらの性質)
を含む、薄膜内で有機半導体の性能を決定する様々なパラメータを記載している。]
[0066] 基板
典型的には、製造、試験および/または使用の間、基板がOTFTを支えている。随意に、基板はOTFTに対する電気的な機能を提供できる。有用な基板材料は有機および無機材料を含む。例えば、基板は無機ガラス、石英、セラミック箔、ドープされていないまたはドープされたシリコン、ポリマー材料(例えば、アクリル、エポキシ、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリケトン、ポリ(オキシ−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレン) (時として、ポリ(エーテルエーテルケトン)またはPEEKとして示される)、ポリノルボルネン、ポリフェニレンオキシド、ポリ(エチレンナフタレンジカルボキシレート) (PEN)、ポリ(エチレンテレフタレート) (PET)、ポリ(フェニレンスルフィド) (PPS))、充填されたポリマー材料(例えば、繊維強化プラスチック(FRP))、および被覆された金属箔を含んでよい。]
[0067] フレキシブル基板が本発明のいくつかの実施態様において好ましい。これは、ロール工程を可能にし、前記は連続的であることができ、平面および/または硬い基板を上回る、規模の経済性および製造の経済性を提供する。]
[0068] 電極
ゲート電極は任意の有用な導電性材料、例えば良好な電荷注入特性(低い注入障壁)を提供する材料であってよい。例えばゲート電極は、ドープされたシリコン、または金属、例えばアルミニウム、クロム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金、タンタル、およびチタンを含んでよい。導電性ポリマー、例えばポリアニリンまたはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)もまた使用できる。さらには、それらの材料の合金、組み合わせ、および多層を使用できる。いくつかのOTFTにおいて、いくつかの材料はゲート電極機能を提供でき、且つ、基板の支持機能も提供できる。例えば、ドープされたシリコンはゲート電極として機能でき、且つOTFTを支持することができる。]
[0069] ゲート電極は、薄い金属膜、導電性ポリマー膜、導電性のインクまたはペーストから製造された導電膜であってよく、または基板自身がゲート電極であってよく、例えばヘビードープのシリコンである。]
[0070] ゲート電極材料のさらなる例は、限定されずに、アルミニウム、金、クロム、インジウムスズ酸化物、導電性ポリマー、例えばドープされたポリアニリン、ポリスチレンスルホネートをドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PSS−PEDOT)、カーボンブラック/グラファイトを含む導電性インク/ペースト、またはポリマー結合剤中のコロイド状銀分散液を含む。]
[0071] ゲート電極層を、金属または導電性金属酸化物の真空蒸着、スパッタ、導電性ポリマー溶液または導電性インクからのスピンコート、キャスティングまたは印刷による塗布によって製造できる。ゲート電極層の厚さは、金属膜については例えば約10〜200ナノメートルにわたり、且つ、ポリマー導電体については約1〜約10マイクロメートルの範囲である。]
[0072] ソース電極およびドレイン電極は任意の有用な導電性材料であってよい。それらを、半導体層に対して、低い抵抗のオーミックコンタクトを提供する材料から製造できる。ソース電極およびドレイン電極として使用するために適した典型的な材料は、ゲート電極のもの、例えば金、ニッケル、アルミニウム、白金、導電性ポリマーおよび導電性インクを含む。ソース電極およびドレイン電極の典型的な厚さは、例えば約40ナノメートルから約10マイクロメートルであり、より特定の厚さは約100〜約400ナノメートルである。]
[0073] ソース電極およびドレイン電極を任意の有用な手段、例えば物理気相成長(例えば熱蒸着、スパッタ)、めっき、またはインクジェット印刷によって製造できる。それらの電極のパターニングを、公知の方法、例えばシャドーマスク、アディティブ法によるフォトリソグラフィー、サブトラクティブ法によるフォトリソグラフィー、印刷、マイクロ接触印刷、転写印刷、およびパターン塗布によって達成できる。]
[0074] ソース/ドレイン電極と半導体層との間の界面特性はコンタクト抵抗を生じることがある。半導体と電極との間のコンタクト抵抗はTFT素子の輸送特性を左右する。]
[0075] 電極に近い領域(または"コンタクト領域")で半導体の導電性を増加させることによる電極と半導体層との間のコンタクト抵抗の低減。これは、コンタクト領域を適切なドーパントまたはドーパント前駆体でドープすることによって実現できる。]
[0076] ドーパントまたはドーパント前駆体安定化金属ナノ粒子、例えば酸安定化金属ナノ粒子を、ドーパントまたは化学的に反応したドーパントを半導体層のコンタクト領域に運ぶために使用する。]
[0077] ソース電極およびドレイン電極はゲート電極からゲート誘電体によって分離される一方、有機半導体層はソース電極およびドレイン電極の上または下であってよい。ソース電極およびドレイン電極は任意の有用な導電性材料であってよい。有用な材料は、ゲート電極についての上述のほとんどの材料、例えばアルミニウム、バリウム、カルシウム、クロム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金、チタン、ポリアニリン、PEDOT:PSS、他の導電性ポリマー、それらの合金、それらの組み合わせ、およびそれらの多層を含む。当該技術分野で公知の通り、それらの材料のいくつかはn型半導体材料と共に使用するために適しており、且つ、他はp型半導体材料と共に使用するために適している。]
[0078] 薄膜電極(即ち、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極)を任意の有用な手段、例えば物理気相成長(例えば熱蒸着またはスパッタ)、またはインクジェット印刷またはラミネーションによって提供できる。それらの電極のパターニングを、公知の方法、例えばシャドーマスク、アディティブ法によるフォトリソグラフィー、サブトラクティブ法によるフォトリソグラフィー、印刷、マイクロ接触印刷、およびパターン塗布および/またはレーザー誘起熱写真法によって達成できる(LITI)。]
[0079] 絶縁層または誘電体層
誘電体層は薄膜トランジスタにおけるゲート誘電体としてはたらく。該層は、
i)ピンホールがなく、滑らかで均質である
ii) 薄膜トランジスタをより低い電圧で稼働させることを可能にするために、高い誘電率を有する
iii)トランジスタの性能に対する悪影響を有さない
べきである。]
[0080] プラスチック基板上のフレキシブルな集積回路のためには、誘電体層をプラスチック基板の寸法安定性に悪影響しない温度、即ち一般には約200℃未満、好ましくは約150℃未満で製造するべきである。]
[0081] 誘電体層は有機または無機材料で構成されてよい。]
[0082] 無機物:ストロンチウム酸塩(strontiate)、タンタル酸塩、チタン酸塩、ジルコン酸塩、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物、タンタル酸化物、チタン酸化物、シリコン窒化物、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、セレン化亜鉛、および硫化亜鉛、シロキシ/金属酸化物混成物。さらには、それらの合金、組み合わせ、および多層をゲート誘電体用に使用できる。]
[0083] 有機物: 様々なホモポリマー、コポリマー、および機能性コポリマー、例えばポリアミド、ポリ(ビニルフェノール)ポリ(メチルメタクリレート)、ポリビニルアルコール、ポリ(ペルフルオロエチレン(perfuoroethylene)−co−ブテニルビニルエーテル)およびベンゾシクロブテン。]
[0084] ほとんどの有機またはポリマーの誘電体材料は一般に低い誘電率を有し、従って低電圧の電子素子を可能にできない。]
[0085] しかしながら、溶液処理可能な誘電体材料組成物を提供し、且つ、該組成物は薄膜トランジスタのゲート誘電体層の製造において使用され得ることが望ましい。]
[0086] プラスチック基板材料と適合性のある温度で加工できる薄膜トランジスタ用の誘電体層を製造するための材料を提供して、プラスチック膜またはシート上にフレキシブルな薄膜トランジスタ回路を製造できるようにすることもまた望ましい。]
[0087] ゲート誘電体は一般にゲート電極上に提供される。このゲート誘電体は、ゲート電極をOTFT素子の残りの部分から電気的に絶縁する。ゲート誘電体のために有用な材料は、例えば無機の電気絶縁体材料を含むことができる。]
[0088] ゲート誘電体のために有用な材料の特定の例は、ストロンチウム酸塩、タンタル酸塩、チタン酸塩、ジルコン酸塩、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物、タンタル酸化物、チタン酸化物、シリコン窒化物、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、セレン化亜鉛、および硫化亜鉛を含む。さらには、それらの材料の合金、組み合わせ、および多層をゲート誘電体のために使用できる。有機ポリマー、例えばポリ(アリーレンエーテル)、ビスベンゾシクロブテン、フッ素化ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、パリレン、ポリキノリン等もまたゲート誘電体のために有用である。]
[0089] 誘電体/有機半導体界面
有機電子素子において懸念される1つの分野は、有機半導体と他の素子の層との間に形成される界面の質である。ゲート誘電体と有機半導体層との間に挟まれる自己組織化単分子層(SAM)が、より適合性のある界面を作るために使用されている。SAMを使用する初期の例は、シリコン酸化物表面上でのシラザンまたはシランカップリング剤の使用を含む。他の方法は誘電体と半導体層との間にポリマー中間層を含む。]
[0090] 本発明はさらに薄膜トランジスタ素子において、
基板上に配置された複数の電気伝導性ゲート電極;
前記の電気伝導性ゲート電極の上に配置されたゲート絶縁層;
前記の絶縁層上で本質的に前記のゲート電極と重なり合って配置された有機半導体層; および
前記の有機半導体層上に配置された電気伝導性ソース電極およびドレイン電極の複数の対(前記の対のそれぞれは前記のゲート電極のそれぞれと位置合わせをして配置されている);
を含み、その際、前記の有機半導体層は上述の通り、圧力および随意に温度処理を使用して製造される、薄膜トランジスタ素子を提供する。]
[0091] 本発明はさらに、薄膜トランジスタ素子の製造方法において、
複数の電気伝導性ゲート電極を基板上に堆積させる工程;
前記の電気伝導性ゲート電極の上にゲート絶縁層を堆積させる工程;
上述の通り、半導体材料、特に有機半導体化合物を含有する半導体材料を堆積させた後、上述の通り、圧力および随意に温度を適用し、それによって本質的に前記のゲート電極と重なり合っている半導体層を得る工程;
電気伝導性ソース電極およびドレイン電極の複数の対を前記の層の上に、前記の対のそれぞれが前記のゲート電極のそれぞれと位置合わせされるように堆積させ、従って薄膜トランジスタ素子を製造する工程
を含む方法を提供する。]
[0092] 任意の適した基板を、本発明の薄膜半導体層を製造するために使用できる。好ましくは、上記の薄膜を製造するために使用される基板は金属、シリコン、プラスチック、紙、被膜紙、織物、ガラスまたは被膜ガラスである。]
[0093] ゲート電極は、基板上のパターン形成された金属ゲート電極または導電性材料、例えば導電性ポリマーであってよく、それをその後、パターン形成されたゲート電極上に、溶液塗布によって、または真空堆積のいずれかによって適用される絶縁体で被覆する。絶縁体は、例えば酸化物、窒化物であるか、あるいはそれは限定されずにPbZrxTi1-xO3(PZT)、Bi4Ti3O12、BaMgF4、Ba(Zr1-xTix)O3(BZT)を含む強誘電性の絶縁体の群から選択される材料であるか、あるいは有機ポリマー絶縁体の材料であってよい。]
[0094] 任意の適した溶剤を、形成される半導体層用の前駆体材料を分散させるために使用できるが、但し、それは不活性で且つ基板から従来の乾燥手段(例えば熱、減圧、気流等の適用)によって除去される。本発明の半導体の処理のために適した有機溶剤は、限定されずに芳香族、または脂肪族炭化水素、ハロゲン化、例えば塩素化炭化水素、エステル、エーテルアミド、例えばクロロホルム、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジクロロベンゼン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、および特にアルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン)、水、およびそれらの混合物を含む。その液体をその後、例えばスピンコーティング、ディップコーティング、スクリーン印刷、マイクロ接触印刷、ドクターブレードの方法、または当該技術分野で公知の他の溶液適用技術によって基板上に適用する。]
[0095] 本方法を、特に印刷分野において公知の、基板材料上に圧力を適用するための従来の素子を使用して実施してよい(例えばグラビアまたはオフセット)。]
[0096] 本方法において特に有用な半導体材料の例は、以下の化合物に基づくものを含む:]
[0097] 有機薄膜トランジスタは、論理回路用途のための、ダイオード、リングオシレータ、整流器、インバータ等を製造するために使用される。かかる有機回路は、高容積のマイクロエレクトロニクス用途、および使い捨て製品、例えば非接触読取り識別タグ(例えば一回使用のバーコード、スマートカード)、および高周波識別タグ(RFIDタグ)のために使用される。]
[0098] OTFTの加工特性および実証された性能は、それらが広範な適用範囲、構造上の柔軟性、低温加工、および特に低コストが要求される既存または新規の薄膜トランジスタ用途について競合し得ることもまた示唆している。かかる用途は、液晶画素に基づく、アクティブマトリックス方式のフラットパネルディスプレイ、電気泳動粒子、および有機発光ダイオードのためのスイッチング素子を含む。]
[0099] 従って、本発明によって包含されるさらなる課題は、本発明による方法によって得られる電子素子、並びに上述の方法によって製造される半導体層を含み、好ましくはかかる有機トランジスタ、フォトダイオード、センサ、太陽電池に使用するための構成物または素子である。本発明によって製造される有機半導体層の商業上の用途は、ディスプレイ素子の駆動回路(例えば電子ペーパー、デジタルペーパー、有機EL部品、電気泳動型ディスプレイ部品、または液晶部品)、論理回路、メモリ/記憶素子、および電子タグ内で使用されるメモリ部品、スマートカード、センサ、太陽電池を含む。]
[0100] 以下の実施例は例示的な目的のためだけであり、且つ、本発明をいかなるようにも制限するとは解釈されないものとする。室温/周囲温度は、20〜25℃の範囲の温度を表す;終夜は12〜16時間の範囲の期間を示す。パーセントは特段示されない限り質量に対するものである。
実施例またはその他で使用される省略形:
M 1リットルあたりのモル濃度
n−BuLin−ブチルリチウム
OTSオクタデシルトリクロロシラン
MS質量分析
μ 非接触校正飽和電界効果移動度[cm2/Vs]
SEM走査型電子顕微鏡
Vonオンセット電圧
Vt閾値電圧
Ioffオフ電流[A]
Ion/Ioffオン−オフ電流比。]
[0101] 比較1: 単結晶電界効果型トランジスタ
単結晶を、水平オーブン内での不活性キャリアガス(アルゴン)中の物理気相輸送によって成長させる。295℃での7,14−ジフェニル−クロメノ[2,3−b]キサンテン(1)の蒸発、および270℃〜240℃での結晶化をもたらす温度勾配が存在する。結晶は薄い赤茶色の平板として得られる。]
[0102] ヘビードープされたシリコンウェハ、300nmの熱成長SiO2およびシャドーマスクを通して堆積された18nm厚の金のコンタクト部からなる、予め製造された基板上に結晶を置く。SiO2表面を、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)を用いて、真空中でOTS蒸気に120℃で1時間、曝すことによって処理する。]
[0103] そのFETを、HP4155A(登録商標)半導体パラメータ分析器を使用して、ゲート電圧VGを掃引し、且つドレイン電圧VDを一定に保つことによって、且つ、逆の場合も同様に評価する(図1参照)。両方の出力および輸送特性は小さなヒステリシスのみを含有する。この試料に関するデータは、移動度μsat=μlin=0.16cm2/Vs、Vt=1V、S=1.5V/dec、およびIon/Ioff=105である。] 図1
[0104] 比較2:真空堆積によって得られる薄膜
300nmの熱成長SiO2を有する高ドープSiウェハを切断し、そして熱いアセトンおよび熱いイソプロパノールを用いて洗浄する。該試料をピラニア溶液(70%の硫酸中に30%の過酸化水素)中に10分間浸し、そして超純水(18.2MΩcm)を用いて完全に洗浄する。引き続きSiO2表面を、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)を用いて気相プライム法によって処理する。この方法のために、試料および〜0.3mlのOTSを真空中で3時間、125℃に加熱する。シャドーマスクを通して、高真空(ベース圧力2×10-6mbar)中で化合物(1)を試料上に蒸着させる。堆積の間、基板を75℃の温度に保つ。堆積速度および膜厚を、水冷された石英結晶を用いてチャンバー内で測定する。50nmの(1)を0.5Å/秒の速度で堆積させる。形成された薄膜上に、別のチャンバー内で金のコンタクト部を真空蒸着して、チャネル長100μmおよびチャネル幅500μmを有する多層薄膜トランジスタの試験構造を試料上にもたらす。]
[0105] 素子の特性を乾燥したHe雰囲気中で、HP4155A半導体パラメータ分析器を使用して測定する。輸送特性のために、ゲート電圧Vgを−60Vに掃引し、そして0.5V刻みで戻す一方、ドレイン電圧をVd=−50Vに保つ。輸送特性を、非接触校正飽和電界効果移動度、オンセット電圧、閾値電圧、オフ電流およびオン−オフ比に関して分析する。さらに、同一の素子の出力特性を測定する。]
[0106] 移動度はμ=1.7×10-3cm2/Vsである。該素子のオンセット電圧は小さく、且つ負であり(Von=−1.3V)、且つ、閾値電圧はVt=−2.5Vである。オフ電流Ioffは〜1×10-11Aであり、且つ、オンーオフ電流比Ion/Ioffは1×104である。]
[0107] 比較3:基板温度がTFTに及ぼす影響
薄膜トランジスタを上述の(1)から製造する。薄膜の堆積の間、基板を様々な基板温度に保つ。近似的に、3つの素子をそれぞれの試料上で評価する。]
[0108] 表1はそれぞれの試料についてのトランジスタパラメータの平均を要約し、且つ、堆積工程の間、より低い温度に保たれた試料に関して移動度がより高いことを示す。平均電界効果移動度1.3×10-2cm2/Vsが、T=0℃で堆積された(1)の薄膜において可能である。]
[0109] ]
[0110] 比較4: OTS表面処理の効果
上述の通り、(1)から薄膜トランジスタを、OTSを有する試料上、および参照試料上に製造する。それらの参照試料はいくつかのウェハから採取し、そして通常の試料と共に洗浄する。洗浄後、参照試料はOTSを用いた表面処理に供さない。参照試料を堆積チャンバー内で、OTSを有する試料の近くに設置し、そして固定された基板温度T=0℃で両方の試料上に同一の堆積フローで化合物(1)を蒸着する。]
[0111] その表面処理は素子の質においてより大きな利益をもたらす。表は両方の素子からのトランジスタパラメータを含有する。OTSを有するほうの移動度は1.0×10-2cm2/Vsであり、且つ、参照資料からの移動度は2.0×10-5cm2/Vsである(表2参照)、即ち、500倍だけ低い。]
[0112] ]
図面の簡単な説明

[0113] 図1は、カバーガラススライドと被覆されたトランジスタ基板との間の半導体材料のプレス前の配置(上)、および圧力および温度処理の模式図を示す。
図2は、有機トランジスタの典型的なデザインを示す。
図3は、250barおよび180℃で30分間プレスされた、30μmのチャネル長のトランジスタについての輸送特性(ゲート電流に対するドレイン電流)の例を示す。
図4は、相応する出力特性を示す。
図5は、工程温度が電荷キャリア移動度に及ぼす影響を示す。
図6は、工程圧力が電荷キャリア移動度に及ぼす影響を示す。
図7は、図6の半導体粒子層(160℃で、右:62.5bar、左:375barで圧力処理)のSEM断面を示す。
図8は、有機ショットキーダイオードの模式図である(基板12;オーミックコンタクト=14; ドープされたバッファ層=16;有機半導体層=18;ショットキーコンタクト=20)。
図9は、有機太陽電池の模式図である(OS=有機半導体)。] 図1 図2 図3 図4 図5 図6 図7 図8 図9
[0114] 本発明の実施例
実施例1
以下の工程によって有機トランジスタが実現される。キノイドヘテロアセン(1)をチャネル材料として使用する。合成された粉末をn−ブタノール中で、1μmより小さい平均粒径にボールミルで粉砕する。それらの粒子をn−ブタノール中、濃度2(質量)%で分散させる。トランジスタ基板は、比抵抗5Ωcmを有する、n型ドープされたシリコンウェハである。容量32.6nF/cm2の、100nmの熱酸化SiO2をゲート絶縁体として供する。100nm厚の金の層をSiO2表面の上に蒸着し、そしてソース−ドレインコンタクトが噛み合わされた形のアレイにパターン形成する。SiO2層の上の金の層の密着を、熱蒸着された10nm厚のチタン密着層によって強化する。ソース−ドレイン電極によって定義されるチャネル幅は1cmである。チャネル長を4、8、15、または30μmに設定する。念入りに洗浄されたSiO2表面をオクチルトリクロロシランOTS(Aldrich)で被覆し、それはトランジスタ性能を改善することが公知である。トランジスタ基板の上に、約2.5μm厚の(1)の分散液の層をドロップキャスティングによって空気中で堆積させる。このために、100μlの分散液をピペットを用いて基板上に分配し、そしてラボ雰囲気中で乾燥させておく。その層を、高められた電荷キャリア移動度を有する結晶質の相にもたらすために、乾燥した層をGraseby Specac press (T−40 Autopress)内でホットプレスする。このために、被覆されたトランジスタ基板の上にカバーガラススライドを図1に示される通りに置く。該スライドを約10nm厚のTeflon剥離塗料を用いて、スパッタで被覆する。初めに、プレスの上部ポンチを下げることによって所望の圧力を印加する。その後、上部と下部との両方のポンチを所望の温度に加熱し、そしてその後、この温度で30分間保持する。次に、ポンチのヒーターのスイッチをオフにし、そしてその系を冷却させておく。温度が80℃に下がったら、圧力を緩和する。圧力および温度の上下の傾斜を図1に模式的に示す。] 図1
[0115] さらなる層を同一の方法で製造するが、しかしスライド上でペルフルオロ−シラン被膜を使用する。]
[0116] 温度範囲25〜250℃、および圧力範囲60〜500barを調査する一連の試験を実施する。図3は、250barおよび180℃で30分間プレスされた、30μmのチャネル長のトランジスタについての輸送特性(ゲート電流に対するドレイン電流)の例を示す。全ての測定をN2雰囲気下で実施する。電界効果移動度はドレイン電流の平方根の傾きから導出される。このトランジスタの電界効果移動度は4.7 10-3cm2/Vsである。相応する出力特性を図4に示す。工程温度が電荷キャリア移動度に及ぼす影響を図5に表す。この系列の全ての試料は、室温試料を除いて、250barでプレスされている。後者は(1)の初期の状態の層(圧力工程なし)のために得られ、且つ、参照として供される。電界効果移動度の劇的な増加が120℃〜160℃の温度で生じることが明らかである。200℃より高いと、減少が観察される。従って、250barで、最適な電界効果移動度のためのプレス温度は約160℃である。] 図3 図4 図5
[0117] この温度でプレスされた試料の視覚的な外観は、処理されていない層とは著しく異なる。圧力の影響を図6および7に示す。この系列の全ての試料は、40℃、250barでプレスされている1つの試料を除いて、160℃の温度でプレスされている。移動度対圧力曲線のピークは、約250barで生じる。この圧力より低いと、移動度は急速に減少する。160℃での熱処理は、層の均質性において、40℃で処理された試料を上回る明確な改善を示す。] 図6
[0118] この方法によって達成された移動度は、現在、0.01cm2/Vsであり、それは(1)単結晶(従って完全に規則正しい)電界効果型トランジスタで測定された値よりも20倍低いだけである。]
权利要求:

請求項1
電子素子の製造方法において、本質的に、粒子材料の例えば60〜100質量%の量の有機半導体からなる半導体材料の粒子を適切な基板上に適用または堆積させ、且つそれらの粒子を基板上で圧力および随意に高められた温度を適用することによって半導体層へ変換することを含む方法。
請求項2
電子素子の製造方法において、本質的に有機半導体からなる半導体材料を適した表面上に適用することによって基板上に半導体層を形成し、且つ前記の半導体材料を12000〜100000kPa、特に12000〜50000kPaの範囲の圧力、例えば動圧、または方向性のある圧力、および随意に高められた温度に供することを含む方法。
請求項3
半導体材料が、随意に、分散剤、高融点結晶成長促進剤、可塑剤、移動度向上剤、ディウェッティング剤、ドーパント、結合剤から選択される1つまたはそれより多くの他の成分と混合された、1つまたはそれより多くの有機半導体化合物を含む、請求項1または2に記載の方法。
請求項4
有機半導体を、初めに圧力に供し、その後、その高圧を維持してまたは維持しないで、高められた温度に供する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
請求項5
有機半導体を、高圧および高められた温度に同時に供する、および/または高圧処理に先だって高められた温度を適用する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
請求項6
有機半導体を、高圧および高められた温度に初めに供した後、ある時間にわたって、アニール温度、例えば40〜250℃の範囲の温度で保持する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
請求項7
高圧および/または高められた温度に供される前、半導体材料が粉末および/またはペレットの形態である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
請求項8
高められた温度が、40〜250℃の範囲であり、且つ、圧力の適用時間が0.01〜3000秒である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
請求項9
単独の有機半導体化合物を使用し、それが好ましくは少なくとも90質量%の粒子材料から構成されている、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
請求項10
使用される有機半導体が、180〜2000g/molの低分子量化合物、および/または分子量範囲1000〜300000g/molのポリマーである、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
請求項11
半導体材料を、粉末、または粒子の、揮発性液体、特に30〜200℃の範囲内にて常圧で沸騰する有機液体、または水、または有機液体と水との混合物中の分散液として適用し、その際、半導体材料の平均粒径は好ましくは5〜5000nmの範囲内である、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
請求項12
分散液が、分散された、または好ましくは溶解された形態でのさらなる成分、例えば界面活性物質または分散剤を含む、請求項11に記載の方法。
請求項13
請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法によって製造される半導体層を含む構成物または素子であって、好ましくは有機トランジスタ、フォトダイオード、センサ、太陽電池において用途が見出される素子。
請求項14
請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法によって得られる電子素子であって、好ましくは有機トランジスタ、フォトダイオード、センサ、太陽電池である素子。
請求項15
本質的に有機半導体からなり、特に有機ポリマーを基板、特に有機基板上での膜形成剤として含む、有機半導体の固体粒子材料の使用。
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
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