![]() 多層構造のアクリル系位相差フィルムおよびその製造方法
专利摘要:
本発明は、a)第1アクリル系樹脂層、およびb)前記a)第1アクリル系樹脂層の少なくとも1面に積層され、アクリル系樹脂および前記アクリル系樹脂100重量部に対しゴム成分1〜20重量部を含有した第2アクリル系樹脂層を含む位相差フィルムを提供する。本発明に係る位相差フィルムは、光学的透明性、ヘイズ、脆性、機械的強度、耐熱性などの耐久性に優れる。なし 公开号:JP2011508257A 申请号:JP2010539303 申请日:2008-12-19 公开日:2011-03-10 发明作者:イ、ミン−ヒ;オム、チュン−グン;カク、サン−ミン;キム、キュン−シク;チェ、ジョン−ミン;ホン、ユ−ソン 申请人:エルジー・ケム・リミテッド; IPC主号:G02B5-30
专利说明:
[0001] 本発明は、光学的透明性と耐久性に優れた多層構造の位相差フィルムとその製造方法、およびこれを含む画像表示装置に関する。] [0002] 本出願は2007年12月20日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2007−0133993号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。] 背景技術 [0003] 近来、光学技術の発展に伴い、従来のブラウン管を代替するプラズマディスプレイパネル(plasma display panel、PDP)、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)などの色々な方式を利用したディスプレイ技術が提案、市販されており、このようなディスプレイのためのポリマー素材はその要求特性がより一層高度化している。例えば、液晶ディスプレイの場合、薄膜化、軽量化、画面の大型化が進められることにより、広視野角化、高コントラスト化、視野角に応じた画像色調変化の抑制、および画面表示の均一化が特に重要な問題となった。これにより、偏光フィルム、位相差フィルム、プラスチック基板、導光板などに色々なポリマーフィルムが用いられており、特に広視野角化のための位相差フィルムを提供するために様々な種類のポリマーを延長して位相差機能を付与したフィルムが提案されてきた。このような位相差フィルムは単層構造だけでなく多層構造も提案されてきた。] [0004] 例えば、環状ポリオレフィン樹脂(cyclic olefin polymer、COP)を用いた方法が提案されている(日本特開2001−350017号公報(特許文献1)、特開2004−51928号公報(特許文献2))。しかし、環状ポリオレフィン樹脂は、他のフィルムなどの基材との接着性が落ちる問題点があり、延長による位相差変化率が小さいために位相差フィルムとして十分な位相差が発生しない問題点がある。] [0005] したがって、日本特許第2886893号(特許文献3)においては、メチルメタクリレート(methyl methacrylate、MMA)を主成分とし、スチレン(styrene)と無水マレイン酸(maleic anhydride)共重合体樹脂を延長して位相差板として用いている。前記特許文献で明らかにしたように、アクリル系樹脂を用いれば、透明で、ヘイズもなく、延伸によって位相差の発達も適切な位相差板を製作することができた。] [0006] しかし、前記特許文献で提案した通りに位相差フィルムを製造する場合、アクリル系樹脂組成物の特性により、フィルムが脆い(brittle)問題点が発生してフィルム加工時にロールにおける不安定性が発生し、偏光子との接合が難しくなるなど、加工工程が困難になる恐れがあるので位相差フィルムとしては用い難い問題点があった。] [0007] また、このようなアクリル系フィルムを積層して多層構造の位相差フィルムを提案したものとしては日本特開2006−192637号(特許文献4)が挙げられる。前記特許文献においては、スチレン系樹脂を中間層として用い、その両面にアクリル系樹脂を積層して用いている。] [0008] しかし、前記特許文献で提案した通りに中間層にスチレン−無水マレイン酸系共重合樹脂を用い、両面にアクリル系ゴムを含有したアクリル系樹脂を用いれば、2層の間のガラス転移温度(Tg)の差によって耐熱性に問題点があった。] 先行技術 [0009] 特開2001−350017号公報 特開2004−51928号公報 特許第2886893号明細書 特開2006−192637号公報] 発明が解決しようとする課題 [0010] 本発明は前記課題を解決するために導き出されたものであり、その目的は、面内位相差や厚さ方向位相差などの光学的特性に優れると同時に光学的透明性に優れ、脆いというアクリル系フィルムの短所を解消し、加工性にも優れ、耐熱性などの耐久性にも優れた多層構造の位相差フィルムを高生産性で提供することにある。] 課題を解決するための手段 [0011] 本発明は、 a)第1アクリル系樹脂層、および b)前記a)第1アクリル系樹脂層の少なくとも1面に積層され、アクリル系樹脂および前記アクリル系樹脂100重量部に対しゴム成分1〜20重量部を含有した第2アクリル系樹脂層 を含む位相差フィルムを提供する。] [0012] また、本発明は、 1)a)第1アクリル系樹脂層を含み、前記a)第1アクリル系樹脂層の少なくとも1面にb)アクリル系樹脂および前記アクリル系樹脂100重量部に対しゴム成分1〜20重量部を含有した第2アクリル系樹脂層が積層されたフィルムを製造するステップ、および 2)前記フィルムを延伸するステップ を含む位相差フィルムの製造方法を提供する。] [0013] また、本発明は、前記位相差フィルムを含む画像表示装置を提供する。] 発明の効果 [0014] 本発明により、耐熱性、光学的透明性に優れ、ヘイズも少なく、脆性に優れ、機械的強度に優れ、耐久性にも優れた多層構造のアクリル系位相差フィルムを高生産性で提供することができる。] [0015] 以下、本発明をより詳細に説明すれば次の通りである。] [0016] 本発明に係る位相差フィルムは、a)第1アクリル系樹脂層、およびb)前記a)第1アクリル系樹脂層の少なくとも1面に積層され、アクリル系樹脂および前記アクリル系樹脂100重量部に対しゴム成分1〜20重量部を含有した第2アクリル系樹脂層を含む。] [0017] 本発明によれば、面内位相差や厚さ方向位相差などの光学的特性に優れると同時に光学的透明性にも優れ、アクリル系フィルムの短所である脆いという問題を解決することができ、引張強度などの機械的強度にも優れるだけでなく、耐熱性にも優れた位相差フィルムを加工性良く高生産性で提供することができる。また、ガラス転移温度が類似するフィルムを積層して作った多層構造の光学フィルムは高温にも安定しているので優れた耐熱性を示す位相差フィルムを提供することができる。] [0018] 本発明に係る多層構造のフィルムは、単層構造のフィルムと比較した時、光学的物性が損なわれることなく、脆いというアクリル系フィルムの短所を補完する別途の層を有することにより、高い機械的強度を有する位相差フィルムを提供することができる。] [0019] 本明細書において、“アクリル系樹脂層”とは、アクリル系樹脂を40重量%以上含む樹脂層と定義する。] [0020] 以下、好ましい実施形態について詳細に説明するが、本発明をこのような実施形態に限定しない。] [0021] 本発明に係る位相差フィルムにおいて、前記a)第1アクリル系樹脂層およびb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層はアクリル系樹脂を含む。] [0022] 前記a)第1アクリル系樹脂層およびb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層のガラス転移温度(Tg)は100〜250℃であることが好ましく、110〜250℃であることがより好ましい。ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であるアクリル系樹脂層を含む位相差フィルムは優れた耐久性を有する。] [0023] 前記a)第1アクリル系樹脂層のガラス転移温度(Tg)およびb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層のガラス転移温度(Tg)の温度差は0〜30℃であることが好ましく、0〜20℃であることがより好ましい。前記温度差が30℃を超過する場合には、2層間の熱安定性の差によって耐熱性が低下する問題が発生する。] [0024] 前記位相差フィルムのa)第1アクリル系樹脂層およびb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層のうちのアクリル系樹脂の含有量は各々40〜99重量%であることが好ましく、50〜98重量%であることがより好ましく、60〜97重量%であることがさらに好ましい。前記アクリル系樹脂の含量が40重量%未満である場合には、アクリル系樹脂が本来有する高耐熱性、高透明性が十分に発現されず、アクリル系樹脂の含量が99重量%を超過する場合には、機械的強度が落ちる問題がある。] [0025] 本発明に係る位相差フィルムにおいて、前記a)第1アクリル系樹脂層およびb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層のうちのアクリル系樹脂を形成できるアクリル系単量体としては次のようなものがある。メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、ブトキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、およびこれらのオリゴマーなどがその例である。] [0026] 前記a)第1アクリル系樹脂層およびb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層には、主成分であるアクリル系樹脂内にまたは別個の成分として他の成分が含まれ得る。アクリル系樹脂の機械的強度を高めるために、高いガラス転移温度(Tg)を有する樹脂、例えば、スチレン系単量体、無水マレイン酸系単量体、マレイミド系単量体などを前記アクリル系単量体以外に追加の共単量体として含むことができ、スチレン−無水マレイン酸共重合体であるSMAなどを添加してブレンドすることができる。前記組成物の成分が3個以上である場合には多元共重合体として製造することもできる。] [0027] 本発明に係る位相差フィルムにおいて、アクリル系樹脂内に含まれてもよい他の成分のうちのアクリル系共重合体内のスチレン系単量体の含有量は1〜60重量%であることが好ましく、5重量%超過30重量%以下であることがより好ましい。また、アクリル系共重合体内の無水マレイン酸系またはマレイミド系単量体の含有量は3〜30重量%であることが好ましく、3〜15重量%であることがより好ましい。] [0028] また、前記a)第1アクリル系樹脂層およびb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層にはUV吸収剤、可塑剤などの添加剤を追加することもできる。] [0029] 前記UV吸収剤は1種だけを用いることもでき、2種以上を共に用いることもでき、各層において、中間層には含ませ、外郭層には含ませなかったり、全てを含ませたりすることもできる。前記UV吸収剤の例としては、トリアジン系UV吸収剤、トリアゾール系UV吸収剤、HALS系UV吸収剤などが挙げられる。] [0030] 前記可塑剤の例としては、リン酸エステル系可塑剤、カルボン酸エステル系可塑剤などが挙げられる。前記リン酸エステル系可塑剤としてはトリフェニルリン酸塩、トリブチルリン酸塩などを用いることができ、前記カルボン酸エステル系可塑剤としてはジエチルフタレート、ジフェニルフタレートなどを用いることができる。] [0031] 前記UV吸収剤および可塑剤の他に位相差フィルムの位相差調節のためにリタデーション上昇剤をドープに添加することもできる。前記リタデーション上昇剤としては芳香環を有する物質が主に用いられるが、芳香環の数は大きく制限されるものではないが、好ましくは2〜6個程度が適当である。例えば、トランス−スチルベン、ジフェニルアセチレン、トランス,トランス−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、ビフェニル、フッ素、ジベンゾフラン、2,7−ジブロモフルオレン、カルバゾール、N−ビニルカルバゾールなどがアクリル系樹脂100重量部に対し10重量部まで用いられる。] [0032] 本発明に係る位相差フィルムにおいて、前記a)第1アクリル系樹脂層の厚さは2〜100μmであることが好ましいが、これだけに限定されるものではない。] [0033] 本発明に係る位相差フィルムにおいて、前記a)第1アクリル系樹脂層の少なくとも1面に積層されるb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層はアクリル系樹脂を主成分とし、前記アクリル系樹脂100重量部に対しゴム成分1〜20重量部を含有する樹脂層である。] [0034] 前記b)第2アクリル系樹脂層に含まれるゴム成分の含量はアクリル系樹脂100重量部に対し1〜20重量部であることが好ましく、1〜15重量部であることがより好ましく、1〜10重量部であることがさらに好ましい。前記ゴム成分の含量が1重量部未満である場合には、優れた機械的強度の発現が難しく、フィルムが脆いので加工工程上の問題点が発生し、光学性能が十分に発現されない。その反面、前記ゴム成分の含量が20重量部を超過する場合には、アクリル系樹脂が本来有する高耐熱性、高透明性が十分に発現されない問題があり、延伸工程でヘイズが発生するなどの加工上の問題が発生する。] [0035] アクリル系樹脂とゴム成分の屈折率が類似する場合に透明性に優れた熱可塑性樹脂組成物を得ることができるため、前記ゴム成分はアクリル系樹脂と屈折率が類似する1.480〜1.550であるゴムまたはゴム−アクリル系グラフト型コア−シェル(core−shell)ポリマーなどのゴム成分であれば特に限定されない。例えば、ブチルアクリレートまたは2−エチルヘキシルアクリレートのようなアルキルアクリレートを用いることができ、ジメチルシロキサン、フェニルメチルシロキサンなどのシリコン系、ブタジエン、イソプレンなどのジエン系なども用いることができる。ゴム−アクリル系グラフト型コア−シェルポリマーとしてブタジエンまたはブチルアクリレート−スチレン共重合体基盤のゴムをコアとし、ポリメチルメタクリレートまたはポリスチレンをシェルとする大きさ50〜400nmの粒子なども用いることができる。] [0036] 本発明に係る位相差フィルムにおいて、前記b)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層の厚さは2〜50μmであることが好ましく、位相差フィルムの総厚さは4〜200μmであることが好ましいが、これだけに限定されるものではない。] [0037] 本発明に係る位相差フィルムは、面内位相差(Rin)が50〜250nmであり、厚さ方向位相差(Rth)が50〜250nmであることが好ましい。前記面内位相差(Rin)および厚さ方向位相差(Rth)の定義は下記の通りである。] [0038] [数学式1] Rin=(Nx−Ny)×d [数学式2] Rth=(Nz−Ny)×d 前記数学式1および数学式2において、Nxは延長方向の面内屈折率であり、Nyは延長方向に対して垂直な方向の面内屈折率であり、Nzは厚さ方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さである 本発明に係る位相差フィルムは、a)第1アクリル系樹脂層、および前記a)第1アクリル系樹脂層の少なくとも1面にb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層が積層された多層構造の形態を有する。前記位相差フィルムは、a)第1アクリル系樹脂層およびb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層が各々1層ずつ積層されてもよく、a)第1アクリル系樹脂層およびb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層のうちの少なくとも1層が2層以上積層されてもよい。複数のa)第1アクリル系樹脂層およびb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層が積層される場合には、位相差フィルムの外郭層はb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層であることが好ましい。] [0039] 本発明に係る位相差フィルムは、a)第1アクリル系樹脂層の両面にb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層が積層される3層構造の位相差フィルムであることがより好ましい。] [0040] また、本発明に係る位相差フィルムの製造方法は、 1)a)第1アクリル系樹脂層を含み、前記第1アクリル系樹脂層の少なくとも1面にアクリル系樹脂および前記アクリル系樹脂100重量部に対しゴム成分1〜20重量部を含有した第2アクリル系樹脂層が積層されたフィルムを製造するステップ、および 2)前記フィルムを延伸するステップ を含む。] [0041] 本発明に係る多層構造の位相差フィルムの製造方法において、前記アクリル系樹脂、ゴム成分などを形成する物質は前述した通りである。] [0042] 本発明に係る位相差フィルムの製造方法において、前記1)ステップのアクリル系樹脂層の製造方法、アクリル系樹脂層を積層する方法などは特に制限されるものではなく、当技術分野で知られた一般的な方法を適用することができる。] [0043] 前記位相差フィルムの製造方法として具体的な一実施例は押出成形法などが挙げられるが、これだけに限定されるものではない。] [0044] 押出成形法によるフィルムは次のように製造することができる。樹脂を真空乾燥してゴム成分やその他添加剤を追加し、高温の押出機で溶融して原料ペレットを得、得られた原料ペレットを押出機で溶融、コートハンガータイプのT−ダイ(T−die)に通過させ、クロムメッキキャスティングロールおよび乾燥ロールなどを経てフィルムを製造することができる。] [0045] また、アクリル系樹脂層を積層する方法は、それぞれのアクリル系樹脂層が押出された直後に貼り合わせてもよく、それぞれのアクリル系樹脂層を製造した後、別途にアクリル系樹脂層を貼り合わせるステップを経てもよく、例えば前記貼り合わせは加熱および/または加圧の条件で2個の対向するモールドの間に通過させる方法を利用してもよいが、これらだけに限定されるものではない。] [0046] 本発明に係る位相差フィルムは、前記2)ステップの延伸処理を通じて所望の位相差を得ることができる。延伸工程は、縦方向(MD)延長、横方向(TD)延伸を各々行ってもよく、全てを行ってもよい。縦方向と横方向の全てを延伸する場合には、いずれか一方を先に延伸した後に他の方向に延伸してもよく、2つの方向を同時に延伸してもよい。延伸は、1段階で延伸してもよく、多段階にかけて延伸してもよい。前記延伸工程における延伸温度は用いる樹脂の組成によって異なるが、通常、80〜250℃、好ましくは100〜200℃、特に好ましくは120〜180℃である。] [0047] 前記延伸工程において、延伸倍率は、縦方向は1〜5倍、好ましくは1〜3倍、特に好ましくは1〜2倍である。横方向は1〜5倍、好ましくは1〜3倍、特に好ましくは1〜2倍である。このような延伸を通じ、面内位相差50〜250nm、厚さ方向位相差50〜250nmの位相差フィルムを得ることができる。] [0048] また、本発明は、前記位相差フィルムを含む画像表示装置を提供する。] [0049] 本発明に係る多層構造の位相差フィルムは光学特性および耐久性に優れるという点で光学用のフィルムに用いられ、具体的には、液晶ディスプレイ(liquid crystal display)、フラットパネルディスプレイ(flat panel display)、プラズマディスプレイ(plasma display)の透明な光学フィルムとして用いられ、特に優れた複屈折率、位相差機能を有するため、液晶ディスプレイの位相差フィルムの用途として好ましく用いられる。] [0050] 以下、本発明を下記実施例によって詳細に説明する。但し、下記実施例は本発明を例示するだけであって、本発明の内容が下記実施例に限定されるものではない。また、本発明の測定値は以下の分析法によって評価されたものである。] [0051] (ガラス転移温度) ガラス転移温度は、Mettler Toledo社のDSC(Differential scanning calorimeter、model DSC 8230)を利用して10℃/分の速度で250℃までに昇温して測定した。] [0052] (耐熱性) 位相差フィルムの耐熱性は、80℃のオーブンで100時間経過後のフィルムの外観状態を確認した。] [0053] (位相差) フィルムの位相差は、AxoScanTM(Axometrics社)を利用して延長方向とその垂直方向に−50°から+50°まで10°間隔で測定した。面内位相差および厚さ方向位相差は、各々、前記数学式1および数学式2のRin(面内位相差)およびRth(厚さ方向位相差)と定義される。] [0054] (透過度) 透過度、フィルムを幅、長さ、各々、40mmに切断して、N&K Analyzer(model 1280、N&K Technology社)を利用して測定した。200nmから900nmまで測定した後、400nmから800nmまでの平均値を記録した。] [0055] (ヘイズ) ヘイズは、Murakami Color Research Laboratory社のヘイズメータ(model HR−100)を利用して波長555nmにおいて測定した。] [0056] (引張強度) 引張強度は、Zwick/Roell社のUTM(Universal testing machine、model Z010)を利用し、室温、相対湿度50%において測定した。試片は幅10mmで製作し、引張速度100mm/分で測定した。] [0057] <実施例1> メチルメタクリレート74重量%、無水マレイン酸11重量%、スチレン15重量%であるアクリル系樹脂を押出成形して第1層の60μmのフィルムを製造し、メチルメタクリレート75重量%、無水マレイン酸11重量%、スチレン14重量%であるアクリル系樹脂100重量部に対し、ブチルアクリレート−メチルメタクリレート樹脂グラフト型コア−シェルポリマー10重量部を添加して厚さ20μmのフィルムを製造し、これを第2、3層とし、2−1−3層からなる多層フィルムを製作した。この多層フィルムを120℃で100%延伸して厚さ60μmの位相差フィルムを製作した。この位相差フィルムの面内位相差は145nm、厚さ方向位相差は150nmであり、80℃で100時間耐熱性評価を経た時に外観上に別に問題点は見られなかった。] [0058] <実施例2> メチルメタクリレート80重量%、無水マレイン酸8重量%、スチレン12重量%であるアクリル系樹脂を押出成形して第1層の40μmのフィルムを製造し、メチルメタクリレート90重量%、無水マレイン酸3重量%、スチレン7重量%であるアクリル系樹脂100重量部に対し、ブチルアクリレート−メチルメタクリレート樹脂グラフト型コア−シェルポリマー15重量部を添加して厚さ20μmのフィルムを製造し、これを第2、3層とし、2−1−3層からなる多層フィルムを製作した。この多層フィルムを110℃で100%延伸して厚さ50μmの位相差フィルムを製作した。この位相差フィルムの面内位相差は110nm、厚さ方向位相差は120nmであり、80℃で100時間耐熱性評価を経た時に外観上に別に問題点は見られなかった。] [0059] <実施例3> メチルメタクリレート74重量%、無水マレイン酸11重量%、スチレン15重量%であるアクリル系樹脂を押出成形して第1層の60μmのフィルムを製造し、メチルメタクリレート74重量%、無水マレイン酸11重量%、スチレン15重量%であるアクリル系樹脂100重量部に対し、ブタジエン−メチルメタクリレート樹脂グラフト型コアーシェルポリマー10重量部を添加して厚さ20μmのフィルムを製造し、これを第2、3層とし、2−1−3層からなる多層フィルムを製作した。この多層フィルムを120℃で100%延伸して厚さ55μmの位相差フィルムを製作した。この位相差フィルムの面内位相差は135nm、厚さ方向位相差は140nmであり、80℃で100時間耐熱性評価を経た時に外観上に別に問題点は見られなかった。] [0060] <実施例4> ヒドロキシエチルメタクリレート80重量%、無水マレイン酸8重量%、スチレン12重量%であるアクリル系樹脂を押出成形して第1層の40μmのフィルムを製造し、ヒドロキシエチルメタクリレート90重量%、無水マレイン酸3重量%、スチレン7重量%であるアクリル系樹脂100重量部に対し、ブチルアクリレート−メチルメタクリレート樹脂グラフト型コア−シェルポリマー15重量部を添加して厚さ20μmのフィルムを製造し、これを第2、3層とし、2−1−3層からなる多層フィルムを製作した。この多層フィルムを110℃で100%延伸して厚さ52μmの位相差フィルムを製作した。この位相差フィルムの面内位相差は105nm、厚さ方向位相差は115nmであり、80℃で100時間耐熱性評価を経た時に外観上に別に問題点は見られなかった。] [0061] <比較例1> メチルメタクリレート30重量%、無水マレイン酸10重量%、スチレン60重量%であるアクリル系樹脂を押出成形して単層で100μmのフィルムを製造し、140℃で100%延伸して厚さ60μmの位相差フィルムを製作した。延伸する時にクラック(crack)が発生し、ひび割れる現象が発生した。この位相差フィルムの面内位相差は120nm、厚さ方向位相差は130nmであり、80℃で100時間耐熱性評価を経た時、発生したクラック(crack)とひび割れ現象がより悪化した。] [0062] <比較例2> メチルメタクリレート30重量%、無水マレイン酸10重量%、スチレン60重量%であるアクリル系樹脂を押出成形して第1層の50μmのフィルムを製造し、25μm厚さのメチルメタクリレートフィルムを第2、3層とする多層フィルムを製作し、2−1−3層からなる多層フィルムを製造した。この多層フィルムを130℃で100%延伸して厚さ50μmの位相差フィルムを製作した。延伸する時、クラック(crack)、シワが発生し、ヘイズも増加した。この位相差フィルムの面内位相差は130nm、厚さ方向位相差は130nmであり、80℃で100時間耐熱性評価を経た時に、フィルムが曲げられ、つぶれ現象も発生した。] [0063] <比較例3> スチレン樹脂を押出成形して第1層の50μmのフィルムを製造し、メチルメタクリレート75重量%、無水マレイン酸10重量%、スチレン15重量%であるアクリル系樹脂100重量部に対し、ブチルアクリレート−メチルメタクリレート樹脂グラフト型コア−シェルポリマー15重量部を添加して厚さ15μmのフィルムを製造し、これを第2、3層とし、2−1−3層からなる多層フィルムを製作した。この多層フィルムを130℃で100%延伸して厚さ40μmの位相差フィルムを製作した。延伸したフィルムの外観は良好であった。この位相差フィルムの面内位相差は140nm、厚さ方向位相差は140nmであり、80℃で100時間耐熱性評価を経た時、フィルムが捩じられ、曲げ現象が多く発生した。] [0064] 前記実施例1〜4の実験結果は下記表1に示し、比較例1〜3の実験結果は下記表2に示す。] [0065] ] [0066] ] [0067] MMA:メチルメタクリレート(Methyl methacrylate)、 HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート(Hydroxyethyl methacrylate) MAH:無水マレイン酸(Maleic anhydride)、 ST:スチレン(Styrene)、 BA:ブチルアクリレート(Butyl acrylate)。] 実施例 [0068] BU:ブタジエン(Butadiene) 前記表1の結果から、本願発明による多層構造のアクリル系位相差フィルムは耐熱性、光学的透明性に優れ、ヘイズも少なく、脆性に優れ、機械的強度に優れ、耐久性にも優れることが分かる。]
权利要求:
請求項1 a)第1アクリル系樹脂層、およびb)前記a)第1アクリル系樹脂層の少なくとも1面に積層され、アクリル系樹脂および前記アクリル系樹脂100重量部に対しゴム成分1〜20重量部を含有した第2アクリル系樹脂層を含む位相差フィルム。 請求項2 前記a)第1アクリル系樹脂層およびb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層のガラス転移温度(Tg)は100〜250℃であることを特徴とする、請求項1に記載の位相差フィルム。 請求項3 前記a)第1アクリル系樹脂層のガラス転移温度(Tg)およびb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層のガラス転移温度(Tg)の温度差は0〜30℃であることを特徴とする、請求項1に記載の位相差フィルム。 請求項4 前記a)第1アクリル系樹脂層およびb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層のうちのアクリル系樹脂の含有量は各々40〜99重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の位相差フィルム。 請求項5 前記a)第1アクリル系樹脂層およびb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層のうちのアクリル系樹脂を形成するアクリル系単量体は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、ブトキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートおよびこれらのオリゴマーからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の位相差フィルム。 請求項6 前記a)第1アクリル系樹脂層またはb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層は、アクリル系単量体を含み、かつスチレン系単量体、無水マレイン酸系単量体およびマレイミド系単量体からなる群から選択された1種以上を共単量体として含むアクリル系共重合体を含むことを特徴とする、請求項1に記載の位相差フィルム。 請求項7 前記アクリル系共重合体内のスチレン系単量体の含有量は1〜60重量%であることを特徴とする、請求項6に記載の位相差フィルム。 請求項8 前記アクリル系共重合体内の無水マレイン酸系単量体またはマレイミド系単量体の含有量は3〜30重量%であることを特徴とする、請求項6に記載の位相差フィルム。 請求項9 前記a)第1アクリル系樹脂層またはb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層は、UV吸収剤、可塑剤、およびリタデーション上昇剤からなる群から選択された少なくとも1種の添加剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の位相差フィルム。 請求項10 前記UV吸収剤は、トリアジン系UV吸収剤、トリアゾール系UV吸収剤、およびHALS系UV吸収剤からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の位相差フィルム。 請求項11 前記可塑剤は、リン酸エステル系可塑剤またはカルボン酸エステル系可塑剤であることを特徴とする、請求項9に記載の位相差フィルム。 請求項12 前記リタデーション上昇剤は、トランス−スチルベン、ジフェニルアセチレン、トランス,トランス−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、ビフェニル、フッ素、ジベンゾフラン、2,7−ジブロモフルオレン、カルバゾール、およびN−ビニルカルバゾールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の位相差フィルム。 請求項13 前記a)第1アクリル系樹脂層の厚さは2〜100μmであることを特徴とする、請求項1に記載の位相差フィルム。 請求項14 前記b)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層のゴム成分は、屈折率が1.480〜1.550であるゴムまたはゴム−アクリル系グラフト型コア−シェル(core−shell)ポリマーであることを特徴とする、請求項1に記載の位相差フィルム。 請求項15 前記ゴム成分は、アルキルアクリレート、シリコン系、およびジエン系からなる群から選択されることを特徴とする、請求項14に記載の位相差フィルム。 請求項16 前記ゴム−アクリル系グラフト型コア−シェルポリマーは、ブタジエンまたはブチルアクリレート−スチレン共重合体基盤のゴムをコアとし、ポリメチルメタクリレートまたはポリスチレンをシェルとする粒子であることを特徴とする、請求項14に記載の位相差フィルム。 請求項17 前記b)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層の厚さは2〜50μmであることを特徴とする、請求項1に記載の位相差フィルム。 請求項18 前記位相差フィルムの合計厚さは4〜200μmであることを特徴とする、請求項1に記載の位相差フィルム。 請求項19 前記位相差フィルムの下記数学式1で示される面内位相差(Rin)は50〜250nmであり、下記数学式2で示される厚さ方向位相差(Rth)は50〜250nmであることを特徴とする、請求項1に記載の位相差フィルム:[数学式1]Rin=(Nx−Ny)×d[数学式2]Rth=(Nz−Ny)×d前記数学式1および数学式2において、Nxは延長方向の面内屈折率であり、Nyは延長方向に対して垂直な方向の面内屈折率であり、Nzは厚さ方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さである。 請求項20 前記位相差フィルムは、a)第1アクリル系樹脂層の両面にb)ゴム成分を含有した第2アクリル系樹脂層が積層される3層構造の位相差フィルムであることを特徴とする、請求項1に記載の位相差フィルム。 請求項21 1)a)第1アクリル系樹脂層を含み、前記a)第1アクリル系樹脂層の少なくとも1面にb)アクリル系樹脂および前記アクリル系樹脂100重量部に対しゴム成分1〜20重量部を含有した第2アクリル系樹脂層が積層されたフィルムを製造するステップ、および2)前記フィルムを延伸するステップを含む位相差フィルムの製造方法。 請求項22 前記1)ステップのフィルムは押出成形法により製造されることを特徴とする、請求項21に記載の位相差フィルムの製造方法。 請求項23 前記2)ステップの延伸時の延伸温度は80〜250℃であることを特徴とする、請求項21に記載の位相差フィルムの製造方法。 請求項24 請求項1の位相差フィルムを含む画像表示装置。 請求項25 前記画像表示装置は、液晶ディスプレイ(liquidcrystaldisplay)、フラットパネルディスプレイ(flatpaneldisplay)、およびプラズマディスプレイ(plasmadisplay)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項24に記載の画像表示装置。
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