专利摘要:
本開示は、親水性ゲル材料(例えば、成形親水性ゲル材料又は親水性ゲル材料のコーティング)が配置された基材を含む、医療物品などの物品、及びかかる物品の製造方法を記載する。極性溶媒及び該極性溶媒と混和性がある重合性材料を含有する前駆体組成物から親水性ゲル材料を製造する方法が提供される。
公开号:JP2011507995A
申请号:JP2010538176
申请日:2008-12-12
公开日:2011-03-10
发明作者:エム. イリタロ,キャロライン;エル. ウォルター,リチャード;エー. エイブナー,ウィリアム;イー. クランペ,スティーブン;ティー. ショルツ,マシュー;エイチ. トキエ,ジェフリー;イー. ライト,ロビン
申请人:スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー;
IPC主号:C08J5-00
专利说明:

[0001] 本発明は、2007年12月12日に出願された米国仮出願第61/013,300号、2007年12月21日に出願された米国仮出願第61/016,312号、及び2007年12月13日に出願された米国仮出願第61/013,617号に対して優先権を主張し、これらの各々は、その全てが参照として本明細書に組み込まれる。]
背景技術

[0002] 親水性ゲル材料には、工業的使用、医学的使用、及び生物学的使用などの多くの商業的使用がある。親水性ゲル材料の用途における範囲は、増加し、広がり続けている。例えば、生物学的使用、医学的使用、及び工業的使用において規定の形状を有する親水性ゲル材料が、多くの用途で利用可能である。また、例えば、規定の形状を有するものなどの特有の物理的特性、化学的特性、及び多機能性を備える親水性ゲル材料が必要とされ続けている。]
発明が解決しようとする課題

[0003] 規定の形状を有するものなどの親水性ゲル材料を製造する多くの方法が知られている。例えば、規定の形状を備える親水性ゲル材料を形成するための金型が知られている。親水性ゲル材料及び親水性ゲル材料の製造プロセスにおいて、常に改善が望まれている。特に、創傷ケア物品(例えば、包帯及び創傷包帯)のような、医学的用途及び生物学的用途に好適な基材上における新規の親水性ゲル材料が必要とされており、これは、治癒過程中の環境条件から傷を保護する様々な設計のものが利用可能である。例えば、基材上に、抗菌剤のような1つ以上の生物活性物質を含有する親水性ゲル材料をコーティングすることが、感染を防止又は治療するための創傷ケア物品において必要とされ得る。また、多くの用途で使用するために、顕微鏡レベルで規定の形状を有する親水性ゲル材料を形成する必要がある。]
課題を解決するための手段

[0004] 本開示は、親水性ゲル含有物品及びかかる物品の製造方法を記載する。]
[0005] 1つの実施形態では、本発明は、基材及び該基材上に配置される(好ましくは、基材に接着される)親水性ゲル材料を含む物品の製造方法を提供し、該方法が、(a)前駆体組成物の総重量の少なくとも10重量パーセントの極性溶媒、及び(b)フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.2であり、極性溶媒と混和性がある重合性材料、を含む前駆体組成物を提供する工程と、少なくとも2つの個別のウェルを有する金型を提供する工程と、前駆体組成物を金型に加え、前駆体組成物を少なくとも2つの個別のウェルの少なくとも一部分中に配置する工程と、基材を提供し、その基材を前駆体組成物と少なくとも一部分に接触するように配置する工程と、ウェル内で前駆体組成物を放射線に曝露し、重合性材料を少なくとも部分的に重合し、第1の膨潤形状の親水性ゲル材料を基材上に形成する(好ましくは、接着する)工程と、を含む。]
[0006] 他の実施形態では、本発明は、基材及び該基材上に配置される(好ましくは、基材に接着される)親水性ゲル材料を含む物品の製造方法を提供し、該方法が、(a)前駆体組成物の総重量の少なくとも5重量パーセントの極性溶媒、及び(b)フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が1.0を超え、極性溶媒と混和性がある重合性材料、を含む前駆体組成物を提供する工程と、少なくとも2つの個別のウェルを形成する方法で、接触する基材を有する金型を提供する工程と、前駆体組成物を金型に加え、前駆体組成物を少なくとも2つの個別のウェルの少なくとも一部分中に配置する工程と、ウェル内で前駆体組成物を放射線に曝露し、重合性材料を少なくとも部分的に重合し、第1の膨潤形状の親水性ゲル材料を基材上に形成する(好ましくは、接着する)工程と、を含む。]
[0007] 他の実施形態では、本発明は、基材及び該基材上に配置される(好ましくは、基材に接着される)親水性ゲル材料を含む物品の製造方法を提供し、該方法が、(a)前駆体組成物の総重量の少なくとも5重量パーセントの極性溶媒、及び(b)フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が1.0を超え、極性溶媒と混和性がある重合性材料、を含む前駆体組成物を提供する工程と、前駆体組成物を基材の少なくとも1つの表面の少なくとも一部分にコーティングする工程と、前駆体組成物を放射線に曝露して重合性材料を少なくとも部分的に重合し、基材上に(好ましくは接着する)第1の膨潤した親水性ゲル材料のコーティングを提供する工程と、を含む。]
[0008] 本発明はまた、基材及び該基材上に配置される(好ましくは、基材に接着される)成形親水性ゲル材料を含み、本明細書に記載される方法の1つによって製造される物品を提供する。]
[0009] 本発明はまた、基材及び該基材上に配置される(好ましくは、基材に接着される)親水性ゲル材料のコーティングを含み、本明細書に記載される方法の1つによって製造される物品を提供する。]
[0010] 1つの実施形態では、本発明は、表面に成形親水性ゲル材料が配置される(好ましくは、基材に接着される)基材を含む物品を提供し、該成形親水性ゲル材料は、(基材に接触する際に)少なくとも部分的に重合し、少なくとも2つの個別のウェルを有する金型で成形される前駆体組成物から調製され、該前駆体組成物は、(a)水を含む、前駆体組成物の総重量の少なくとも10重量パーセントの極性溶媒、及び(b)前記前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下であり、フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.2であり、前記極性溶媒と単相を形成し、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有し、少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む、重合性材料を含む。]
[0011] 他の実施形態では、本発明は、表面に成形親水性ゲル材料が配置される(好ましくは、接着される)基材を含む物品を提供し、該成形親水性ゲル材料は、(基材に接触する際に)少なくとも部分的に重合し、少なくとも2つの個別のウェルを有する金型で成形される前駆体組成物から調製され、該前駆体組成物は、(a)前駆体組成物の総重量の少なくとも10重量パーセントの極性溶媒、及び(b)前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下であって、フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.2である重合性材料であり、極性溶媒と単相を形成し、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有し、少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有し、2,000g/モル未満の重量平均分子量を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む、重合性材料を含む。]
[0012] 他の実施形態では、本発明は、表面に親水性ゲル材料のコーティングが配置される(好ましくは、接着される)基材を含む物品を提供し、該親水性ゲル材料は、(基材に接触する際に)少なくとも部分的に重合される前駆体組成物から調製され、該前駆体組成物は、(a)前駆体組成物の総重量の少なくとも5重量パーセントの極性溶媒、及び(b)フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が1.0を超え、極性溶媒と混和性がある重合性材料を含む。]
[0013] 本発明の物品は、親水性ゲル材料中に活性物質(好ましくは生物活性剤)を含み得る。これは、前駆体組成物中に加えられるか、又は最初に、(第1の膨潤した)親水性ゲル材料から極性溶媒の少なくとも一部を取り除いて乾燥した親水性ゲル材料を形成し、次に、乾燥した成形親水性ゲル材料がソルベートの少なくとも一部を収着するのに十分な時間、乾燥した親水性ゲル材料とソルベートとを接触させることで加えられてよく、ここで、ソルベートは少なくとも1つの活性物質を含む。]
[0014] 本発明の物品は、層状構成で親水性ゲル材料を含む医療物品であることができる。所望であれば、親水性ゲルは、創傷表面及び/又は皮膚表面と直接接触し得る。]
[0015] 特定の実施形態では、かかる医療物品は、創傷包帯であることができる。かかる創傷包帯は、親水性ゲル層が結合した流体透過性の表側層及び/又は水蒸気透過性の裏側層を含むことができる。好ましくは、裏側層は、水蒸気透過性かつ液体不透過性である。所望であれば、親水性ゲルは、創傷表面及び/又は皮膚表面と直接接触し得る。]
[0016] 本明細書で使用するとき、「親水性ゲル」又は「ヒドロゲル」とは、極性溶媒で膨潤しているか又は膨潤可能である親水性高分子材料を指す。高分子材料は、典型的に、極性溶媒と接触すると膨潤するが溶解はしない。すなわちヒドロゲルは、極性溶媒には不溶である。]
[0017] 本明細書において、「前駆体組成物」は、放射線に曝露される反応混合物を指す。すなわち、前駆体組成物とは、重合前の反応混合物を表す。前駆体組成物は、極性溶媒及び該極性溶媒と混和性がある重合性材料を含有する。前駆体組成物は、処理剤、活性物質、又はこれらの混合物のような他の任意の添加物を含むこともできる。]
[0018] 本明細書で使用するとき、親水性ゲル層及び裏側層に対して使用される用語「前側表面」及び「裏側表面」とは、使用する際、それぞれ創傷表面と向かい合うか、又は創傷表面から見て外に向くことが指示された層の主表面を指す。]
[0019] 端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包括される全ての数が含まれる(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.8、4、及び5を含む)。本明細書で使用するとき、「最大」値には、その値が「含まれる」。]
[0020] 本明細書及び添付の特許請求の範囲に含まれるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば「化合物」を含有する組成物への言及は、2つ以上の化合物の混合物を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、用語「又は」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、一般的に「及び/又は」を含む意味で用いられる。]
[0021] 特に指示がない限り、明細書及び特許請求の範囲に使用されている量又は成分量、性質の測定値などを表す全ての数は、全ての例において、用語「約」により修飾されていることを理解されたい。したがって、別途指示がない限り、先行の本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の数値的パラメータは、本開示の教示を利用して当業者により得ることが求められる所望の性質に応じて変化し得る近似値である。最低でも、各数値的パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、通常の丸め技法の適用によって少なくとも解釈されるべきである。本開示の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。しかし、いずれの数値もそれらの試験測定値それぞれにおいて見られる標準偏差から必然的に生じる誤差を本来含有する。]
[0022] 本開示は、本明細書に、特定の実施形態に関して記載されているが、本発明の趣旨から逸脱することなく、様々な修正、再構成、及び置換を行えることは、当業者には極めて明白であろう。したがって、本発明の範囲は本明細書に添付される特許請求の範囲によってのみ制限される。]
図面の簡単な説明

[0023] 本発明による代表的な物品の断面図。
本発明による別の代表的な物品の断面図。
少なくとも2つのウェルを有する金型の光学顕微鏡写真。
基材上に親水性ゲル材料を製造するプロセス及び装置の代表的な実施形態の概略図。
成形親水性ゲル材料を形成するのに使用される金属工具の光学顕微鏡写真。
成形親水性ゲル材料の断面の光学顕微鏡写真。
インクジェット印刷によって基材上にコーティングされる親水性ゲル材料の顕微鏡写真。
インクジェット印刷によって基材上にコーティングされる親水性ゲル材料の顕微鏡写真。]
[0024] 本発明は、表面に親水性ゲル材料が配置された基材を含む医療物品などの物品、及びかかる物品を前駆体組成物から製造する方法を提供する。特定の実施形態では、親水性ゲル材料は成形される。特定の他の実施形態では、親水性ゲル材料は、基材上に、不連続コーティングなどのコーティングを形成する。典型的には、不連続コーティングの形成において、親水性ゲル材料は、非接触堆積によって基材上に配置される。]
[0025] 親水性ゲル材料を製造するのに有用な前駆体組成物は、極性溶媒及び重合性材料を含む。ほとんどの実施形態では、重合性材料は、極性溶媒と単相を形成する。すなわち、重合性材料は、極性溶媒と混和性がある。本明細書で使用するとき、用語「混和性」とは、重合性材料が、単相が形成されるほど極性溶媒中に大部分が溶解するか、又は極性溶媒と混合可能であることを意味する。]
[0026] 重合性材料は、放射線に曝露される際、少なくとも部分的に重合することができるエチレン性不飽和基を有する。重合性材料は、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が、少なくとも1.0であり、1.0を超え、及びより好ましくは少なくとも1.2であり、フリーラジカル重合が可能である。本明細書において、「重合性材料」には、極性溶媒を含まない。]
[0027] 基材上に成形親水性ゲル材料が配置された物品を調製するために、前駆体組成物は、少なくとも2つの個別のウェルを有する金型に加えられ、次に、放射線に曝露されて、少なくとも部分的に重合性材料が重合され、膨潤形状の高分子材料(すなわち、膨潤形状の親水性ゲル材料(例えば、架橋ヒドロゲル))が形成される。本実施形態では、膨潤形状の高分子材料は、金型のウェルと同じ形状及び寸法を有する。基材は、金型に加えられた後に前駆体組成物と接触するように配置されることができるが、金型のウェルは、かかるウェルを形成する方法で、基材を金型上に配置した後に加えられる基材及び前駆体組成物を使用して、形成されることができる。このような金型は、典型的には側壁のみを有し、各ウェルの底部は基材によって形成されているであろう。]
[0028] 基材上に親水性ゲル材料がコーティングされた物品を調製するために、様々な技術を使用して、前駆体組成物を基材上にコーティングすることができる。特に、基材上への前駆体組成物の非接触堆積によって、親水性ゲル材料の不連続コーティングを基材上にコーティングすることができる。基材上への前駆体組成物のコーティング後、前駆体組成物は、前駆体組成物を放射線に直接曝露するか、基材を通して曝露するか、又はその両方によって、少なくとも部分的に固化し得る。放射線によって、重合性材料は少なくとも部分的に重合し、基材表面上に第1の膨潤した親水性ゲル材料のコーティング(例えば、不連続コーティング)を備える基材が形成される。重合性材料は、フリーラジカル重合プロセスによって重合する。]
[0029] したがって、本発明は、いくつかの方法を提供する。1つの代表的な方法では、前駆体組成物は、前駆体組成物の総重量の少なくとも10重量パーセントの極性溶媒、及び前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下の重合性材料を含んで提供される。極性溶媒は、水を含む。重合性材料は、極性溶媒と単相を形成し、フリーラジカル重合が可能である。重合性材料の1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数は、少なくとも1.0であり、好ましくは1.0を超え、より好ましくは少なくとも1.2である。重合性材料は、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基及び少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む。方法は、少なくとも2つの個別のウェルを有する金型を提供する工程を更に含む。前駆体組成物は、金型に加えられ、少なくとも2つの個別のウェルの少なくとも一部分中に配置される。方法は、基材を提供する工程、及び該基材を前駆体組成物に少なくとも部分的に接触するように配置する工程を更に含む。ウェル内において、前駆体組成物を放射線に曝露して重合性材料を少なくとも部分的に重合し、第1の膨潤形状の高分子材料が形成される。]
[0030] 他の代表的な方法では、(a)前駆体組成物の総重量の少なくとも10重量パーセントであって、水を含む極性溶媒;及び(b)前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下の重合性材料;を含む前駆体組成物が提供され、重合性材料は、フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.0であり、好ましくは1.0を超え、より好ましくは少なくとも1.2であり、極性溶媒と単相を形成し、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有し、少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む。方法は、少なくとも2つの個別のウェルを形成する方法で、基材が接触した金型を提供する工程と、前駆体組成物を金型に加える工程であって、この前駆体組成物は、少なくとも2つの個別のウェルの少なくとも一部分中に配置される工程と、ウェル内の前駆体組成物を放射線に曝露し、重合性材料を少なくとも部分的に重合し、第1の膨潤形状の親水性ゲル材料を基材上に形成する工程とを更に含む。]
[0031] 更に他の代表的な方法では、前駆体組成物は、前駆体組成物の総重量の少なくとも10重量パーセント及び好ましくは10重量パーセントを超える極性溶媒、及び重合性材料(好ましくは、前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下)を含んで提供される。重合性材料は、極性溶媒と単相を形成し、フリーラジカル重合が可能である。重合性材料の1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数は、少なくとも1.0であり、好ましくは1.0を超え、及びより好ましくは少なくとも1.2である。特定の実施形態では、重合性材料は、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基及び少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む。ポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)の平均分子量は、2,000g/モル未満である。方法は、少なくとも2つの個別のウェルを有する金型を提供する工程を更に含む。前駆体組成物は、金型に加えられ、少なくとも2つの個別のウェルの少なくとも一部分中に配置される。方法は、基材を提供する工程と、基材を前駆体組成物に接触するように配置する工程を更に含む。ウェル内において、前駆体組成物は(例えば、基材及び/又は金型を通して)放射線に曝露され、重合性材料が少なくとも部分的に重合し、第1の膨潤形状の高分子材料が形成される。]
[0032] 更に他の代表的な方法では、前駆体組成物は、(a)前駆体組成物の総重量の少なくとも5重量パーセント(特定の実施形態では、少なくとも10重量パーセント)の極性溶媒、及び(b)フリーラジカル重合が可能な重合性材料(好ましくは、前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下)、を含んで提供される。重合性材料の1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数は、少なくとも1.0であり、好ましくは1.0を超え、及びより好ましくは少なくとも1.2である。特定の実施形態では、重合性材料は、極性溶媒と単相を形成し(又は極性溶媒と混和性があり)、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有し、少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有し、2,000g/モル未満の重量平均分子量を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む。方法は更に、少なくとも2つの個別のウェルを形成する方法で、基材が接触した金型を提供する工程と、前駆体組成物を金型に加える工程であって、この前駆体組成物は、少なくとも2つの個別のウェルの少なくとも一部分中に配置される工程と、ウェル内の前駆体組成物を(例えば、基材及び/又は金型を通して)放射線に曝露し、重合性材料を少なくとも部分的に重合し、第1の膨潤形状の親水性ゲル材料を基材上に形成する工程とを含む。]
[0033] 他の代表的な実施形態では、親水性ゲル材料のコーティング(好ましくは不連続コーティング)を備える基材の製造方法は、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基及び少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有し、平均分子量が2,000g/モル未満であるようなポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含有する重合性材料、及び極性溶媒を有する前駆体組成物を提供する工程を含む。重合性材料は、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.0であり、及びより好ましくは1.2であり、フリーラジカル重合が可能である。]
[0034] 極性溶媒は、必ずしも水を含まなくてよい。親水性ゲル材料のコーティングを備える基材の製造方法は、基材上に前駆体組成物がコーティングされた基材を提供する工程を含む。典型的には、不連続コーティングにおいて、これは非接触堆積によって行われる。不連続コーティングであっても連続コーティングであっても、基材上への前駆体組成物のコーティングは、放射線に直接曝露されるか、基材を通して曝露されるか、又はその両方で曝露されて重合性材料が少なくとも部分的に重合し、第1の膨潤した親水性ゲル材料のコーティングを含有する基材が形成される。]
[0035] 膨潤した親水性ゲル材料は、一般的にはヒドロゲルと呼ばれる。ヒドロゲルは親水性材料であり、極性溶媒(例えば、水)で膨潤することが可能であるか、又は膨潤する能力を有する。ヒドロゲルは、水以外の極性溶媒で膨潤することが可能である。ヒドロゲルは、典型的には、極性溶媒と接触する際に溶解しないが膨潤する。ヒドロゲルは、乾燥させて極性溶媒の少なくともいくらかを取り除き、乾燥したヒドロゲルを形成することができる。]
[0036] 膨潤した親水性ゲル材料は、通常、架橋ヒドロゲルと呼ばれる。本明細書において、親水性ゲル材料は、不連続であっても連続であっても、成形材料とコーティングとの両方を含む。]
[0037] 成形親水性ゲル材料は、例えば、成形高分子材料、ヒドロゲル成形高分子材料、溶媒で膨潤した成形高分子材料、高分子成形親水性ゲル材料、乾燥した成形親水性ゲル材料、又は乾燥した成形高分子材料として記載され得る。これら全ての用語は、乾燥しているか膨潤しているかの条件に応じて、本明細書で使用され得る。]
[0038] 親水性ゲル材料のコーティングは、親水性ゲル材料の膨潤したコーティング又は親水性ゲル材料のヒドロゲルコーティングとして記載され得る。親水性ゲル材料の不連続コーティングは、親水性ゲル材料の膨潤した不連続コーティング又は親水性ゲル材料の不連続ヒドロゲルコーティングとして記載され得る。]
[0039] 膨潤した親水性ゲル材料中の高分子材料は、一般的に架橋され得るが、未反応の重合性基又は反応基をいくらか含有し得る。未反応の重合性基としては、典型的に、更にフリーラジカル反応可能なエチレン性不飽和基が挙げられる。縮合反応又は求核置換反応が可能な他の種類の重合性基、例えば、ヒドロキシル基又はアミノ基が存在する可能性もある。]
[0040] 本明細書で使用される親水性ゲル材料の基本ポリマー成分の性質に関わらず、かかる材料は架橋されるのが好ましいであろう。架橋によって、本発明で使用される親水性ゲル材料は実質的に非水溶性とされるため、架橋によって形成される親水性ゲル材料のゲルボリューム及び抽出可能なポリマーの特性がある程度決定される。本発明に使用される、架橋されたヒドロゲル形成性ポリマーゲル化剤は、部分的に中和された形態で用いられ得る。好適な塩形成カチオンとしては、アルカリ金属、アンモニウム、置換アンモニウム及びアミンが挙げられるが、これらに限定されない。総モノマーのうち中和された酸性基を含有するモノマーに使用される割合は、本明細書において「中和度」と呼ばれる。]
[0041] 所望により、本発明の親水性ゲル材料に活性物質を含ませてよい。いくつかの代表的な膨潤した親水性ゲル材料は、親水性ゲル材料の総重量の90重量パーセント以下の高分子材料、少なくとも10重量パーセントの極性溶媒、及び0〜30重量パーセントの活性物質を含有してよい。]
[0042] 極性溶媒及び高分子材料を含む高分子マトリックスは、通常、膨潤した親水性ゲル材料中で単相として存在し、溶媒と高分子材料との間に識別できる境界は存在しない。しかしながら、活性物質が存在する場合、該活性物質は、親水性ゲル材料全体に均質に分散されていても、されていなくてもよい。更に活性物質は、高分子マトリックスとは分離相中に存在していてもよい。]
[0043] 一般的に、親水性ゲル材料の均質物(すなわち、活性物質を含まない)は、最大50倍の倍率の環境制御型走査型電子顕微鏡などの顕微鏡で観察した際に、識別できる孔隙又は空隙がないことを特徴とする。親水性ゲル材料は、多くの場合、最大50,000倍の倍率の電界放射線型走査電子顕微鏡で観察した際に、識別できる孔隙又は空隙がない。]
[0044] 光を散乱し得る不透明な成分を使用せずに調製される膨潤した親水性ゲル材料は、不透明度又は混濁がほとんどないか全くない無色又は透明であることができる。いくつかの実施形態では、無色の膨潤した親水性ゲル材料が好ましい。他の実施形態では、透明性は必須ではなく、親水性ゲル材料の外観に影響を及ぼし得る様々な成分を加えることができる。]
[0045] 親水性ゲル材料に関して使用される用語「透明」とは、親水性ゲル材料が、視覚的に検出され得る量の可視光線の顕著な散乱を示さないことを意味する。いくつかの実施形態では、空気又は他の気体が親水性ゲル材料中に入り込んでいる場合があり、それが相境界で不透明部分を形成する可能性があるが、これは、極性溶媒中での高分子材料の相分離ではない。親水性ゲル材料は、平滑又は平坦な平行面(すなわち、パターンがない)を含み、250マイクロメートルの厚さを有する、無色で実質上空隙のない硬化フィルムが、550ナノメートルの波長で少なくとも85パーセントの透過率を有する場合、透明であると判断される。いくつかの実施形態では、波長が550ナノメートルの光のうちの少なくとも88パーセント、少なくとも90パーセント、少なくとも95パーセントが親水性ゲル材料を透過する。]
[0046] ヘイズ又は不透明度は、広帯域光源を有するヘイズメーター、例えば、BYK−Gardner Hazegard Plusヘイズメーターを用いて特性評価することができる。親水性ゲル材料の透過性は、少なくとも85パーセント、少なくとも88パーセント、少なくとも90パーセント、又は少なくとも95パーセントであって、ヘイズは、10パーセント未満、8パーセント未満、5パーセント未満、又は3パーセント未満であり得る。]
[0047] 前駆体組成物
本発明の材料を製造するための前駆体組成物(例えば、成形親水性ゲル材料)は、極性溶媒及び重合性材料を含む。特定の実施形態では、前駆体組成物は、前駆体組成物の総重量の少なくとも5重量パーセント(wt%)、5重量パーセントを超える、少なくとも10重量パーセント、又は10重量パーセントを超える極性溶媒を含む。特定の実施形態では、前駆体組成物は、前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下の重合性材料を含む。重合性材料は、放射線に曝露される際に、フリーラジカル重合が可能である。重合性材料の1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数は、少なくとも1.0であり、好ましくは1.0を超え、より好ましくは少なくとも1.2である。特定の実施形態では、重合性材料は、極性溶媒と単相を形成する(又は、極性溶媒と混和性がある)。特定の実施形態では、重合性材料は、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基及び少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む。いくつかの実施形態では、極性溶媒は水を含む。他の実施形態では、極性溶媒は水を含まなくてよい。]
[0048] 1つの態様では、前駆体組成物は、水を含む極性溶媒及び重合性材料を含有する。]
[0049] 第2の態様では、前駆体組成物は、極性溶媒と、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基及び少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有し、2,000g/モル未満の重量平均分子量を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含有する重合性材料とを含む。極性溶媒は、必ずしも水を含まなくてよい。]
[0050] 前駆体組成物の極性溶媒は、水、水混和性の有機溶媒、又はこれらの混合物を含んでよい。極性溶媒は、典型的には、生じた親水性ゲル材料を極性溶媒が膨潤させるように、一般的に前駆体組成物中では反応性を持たない。場合によっては、極性溶媒は、連鎖移動反応に関わり得る。重合性材料は、極性溶媒の存在下で少なくとも部分的に重合され、極性溶媒で膨潤した親水性ゲル材料が生じる。膨潤した親水性ゲル材料は、一般的に、前駆体組成物の極性溶媒を少なくともいくらかは含有する。]
[0051] 極性溶媒は、水道水、井戸水、脱イオン水、温泉水、蒸留水、滅菌水、海水、無機緩衝水溶液、有機緩衝水溶液、又は他の好適な種類の水であることができる。水混和性の有機溶媒とは、典型的には、23℃で水と混合されたときに水素結合が可能であり単相溶液を形成する有機溶媒を指す。水混和性の有機溶媒は、多くの場合はヒドロキシル基又はオキシ基を含有し、アルコール、重量平均分子量が300g/モル以下のポリオール、エーテル、及び重量平均分子量が300g/モル以下のポリエーテルが挙げられる。水混和性溶媒のいくつかの例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムコポリマー及びブロックコポリマー、ジメトキシテトラグリコール、ブトキシトリグリコール、トリメチレングリコールトリメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレンカーボネート、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、尿素、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。溶媒は、液体、又は23℃以上で溶解する固体であることができる。]
[0052] いくつかの前駆体組成物では、極性溶媒は、前駆体組成物の総重量の少なくとも5重量パーセント、又は5重量パーセントを超えて前駆体組成物中に存在する。いくつかの前駆体組成物では、極性溶媒は、前駆体組成物の総重量の少なくとも10重量パーセント、又は10重量パーセントを超えて前駆体組成物中に存在する。いくつかの前駆体組成物では、極性溶媒は、前駆体組成物の総重量の、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、又は少なくとも50重量パーセントで前駆体組成物中に存在することができる。極性溶媒は、前駆体組成物の総重量の、最大で90重量パーセント、最大で85重量パーセント、最大で80重量パーセント、最大で65重量パーセント、又は最大で60重量パーセントの量で前駆体組成物中に存在する(「含まれる」)ことができる。極性溶媒は、前駆体組成物の総重量の10〜90重量パーセントの範囲内、10〜85重量パーセント、15〜80重量パーセント、又は20〜65パーセントの範囲内で前駆体組成物中に存在することができる。]
[0053] 極性溶媒に加えて、前駆体組成物は、極性溶媒と混和性がある重合性材料を含む。重合性材料とは、一般的に、モノマー、オリゴマー、又はモノマー及び/又はオリゴマーの混合物を指す。用語「モノマー」と「モノマー分子」とは互換的に用いて、フリーラジカル重合が可能な少なくとも1つの重合性基を含有する化合物を指す。重合性基は通常、エチレン性不飽和基である。]
[0054] 重合性材料は、単一の化学構造のモノマー及び/又はオリゴマーを含むか、複数の異なるモノマー及び/又はオリゴマー(すなわち、異なる化学構造を有するモノマー及び/又はオリゴマーの混合物)を含んでもよい。重合性材料が1つのモノマー/オリゴマーを含むかモノマー/オリゴマーの混合物を含むかに関わらず、重合性材料の1分子当たりの重合性基(例えば、エチレン性不飽和基)の平均数は、少なくとも1.0であり、好ましくは1.0を超え、及びより好ましくは少なくとも1.2である。重合性材料には、例えば、2つ以上の重合性基を有する単一種のモノマーを含むことができる。あるいは、重合性材料は、重合性材料の1分子当たりの重合性基の平均数が少なくとも1.0であり、好ましくは1.0を超え、より好ましくは少なくとも1.2であるような複数の異なる種類のモノマーを含むことができる。いくつかの実施形態においては、重合性材料の(モノマー又はオリゴマー)1分子当たりの重合性基の平均数は、少なくとも1.3、少なくとも1.4、少なくとも1.5、少なくとも1.6、少なくとも1.7、少なくとも1.8、少なくとも1.9、少なくとも2.0、少なくとも2.1、少なくとも2.2、少なくとも2.3、少なくとも2.4、少なくとも2.5、少なくとも2.6、少なくとも2.7、少なくとも2.8、少なくとも2.9、又は少なくとも3.0である。]
[0055] 1分子当たりの重合性基の平均数は、各モノマー分子の相対モル濃度とその官能性(重合性基の数)とを計算することで決定される。例えば、n個の重合性基を有するXモル・パーセントの第1のモノマーとm個の重合性基を有する(100−X)モル・パーセントの第2のモノマーとを含有する重合性材料の、1分子当たりの重合性基の平均数は、[n(X)+m(100−X)]/100である。別の例では、n個の重合性基を有するXモル・パーセントの第1のモノマーと、m個の重合性基を有するYモル・パーセントの第2のモノマーと、q個の重合性基を有する(100−X−Y)モル・パーセントの第3のモノマーとを含有する重合性材料の1分子当たりの重合性基の平均数は、[n(X)+m(Y)+q(100−X−Y)]/100である。]
[0056] 前駆体組成物の重合性材料は、フリーラジカル重合が可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーを含む。重合性材料は、極性溶媒と単相を形成し、23℃で極性溶媒から相分離しない。重合性材料が極性溶媒中に大部分が溶解するか、又は極性溶媒と混合可能である場合、重合性材料は極性溶媒と混和性があると判断される。550nmの波長で少なくとも85パーセント以上の光透過率を有する前駆体組成物から形成される250マイクロメートル厚の硬化フィルムの可視分光法での測定により、単相は実質的に透明である。時々、極性溶媒中に若干量の溶解しない重合性材料がある場合がある。例えば、重合性材料が、極性溶媒に溶解しない不純物を有する場合がある。好ましくは、重合性材料の少なくとも95重量パーセント、少なくとも97重量パーセント、少なくとも98重量パーセント、少なくとも99重量パーセント、少なくとも99.5重量パーセント、少なくとも99.8重量パーセント、又は少なくとも99.9重量パーセントが極性溶媒に溶解する。]
[0057] 重合性材料には、2つ以上の重合性基を有する少なくとも1つのモノマーが含まれる。同様に、1分子当たりの重合性基の平均数が少なくとも1.0であり、好ましくは1.0を超え、及びより好ましくは少なくとも1.2である混合物を含有するという条件で、3つ以上の重合性基を有する第1のモノマーを、1つの重合性基を有する第2のモノマー、2つの重合性基を有する第2のモノマー、又はそれらの混合物と混合することができる。多くの場合、公称上で3つ以上の重合性基を有するモノマーは、2つの重合性基、1つの重合性基、又はそれらの混合物を有する、モノマー不純物を含有する。]
[0058] 重合性材料には、多くの場合、1つ以上の(メタ)アクリレートが含まれる。本明細書で使用するとき、用語「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレート、アクリレート、又はそれらの混合物を指す。(メタ)アクリレートには、(メタ)アクリロイル基が含有される。用語「(メタ)アクリロイル」とは、式H2C=CRb−(CO)−で表される1価基を指し、式中、Rbは水素又はメチルであり、及び(CO)は、炭素が酸素と二重結合によって結合していることを示す。(メタ)アクリロイル基は、フリーラジカル重合が可能な(メタ)アクリレートの重合性基(すなわち、エチレン性不飽和基)である。全ての重合性材料は、(メタ)アクリレートであることもできるし、重合性材料に1つ以上の(メタ)アクリレートを、エチレン性不飽和基を有する他のモノマーと組み合わせて含めることもできる。]
[0059] 前駆体組成物の重合性材料は、ポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む。用語ポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)と、ポリ(アルキレングリコール(メタ)アクリレート)と、アルコキシル化(メタ)アクリレートと、アルコキシル化ポリ(メタ)アクリレートとは、2つ以上のアルキレンオキシド残留単位(アルキレンオキシド単位とも称される)を含有する少なくとも1つの基を有する(メタ)アクリレートを指すために、互換的に用いることができる。多くの場合、少なくとも5つのアルキレンオキシド残留単位が存在する。アルキレンオキシド単位は、式−OR−で表される2価の基であり、式中、Rは、最大で10個の炭素原子、最大で8つの炭素原子、最大で6つの炭素原子、又は最大で4つの炭素原子を有するアルキレンである。アルキレンオキシド単位は、多くの場合、エチレンオキシド単位、プロピレンオキシド単位、ブチレンオキシド単位、又はそれらの混合物から選択される。]
[0060] いくつかの実施形態では、重合性材料は、1分子当たり少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む。ポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)は、単独で使用するか、又は他のモノマー/オリゴマーと組み合わせて使用することが可能であり、1分子当たり、少なくとも1.0、好ましくは1.0を超え、及びより好ましくは少なくとも1.2のエチレン性不飽和基の平均数がもたらされる。アルコキシル化部分(すなわち、ポリ(アルキレンオキシド)部分)は、多くの場合、エチレンオキシド単位、プロピレンオキシド単位、ブチレンオキシド単位、又はそれらの組み合わせから選択される少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有している。すなわち、ポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)1モル毎には、少なくとも5モルのアルキレンオキシド単位が含有される。これら複数のアルキレンオキシド単位によって、極性溶媒中でのポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)の溶解が促進される。いくつかの代表的なポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)には、少なくとも6つのアルキレンオキシド単位、少なくとも8つのアルキレンオキシド単位、少なくとも10個のアルキレンオキシド単位、少なくとも12個のアルキレンオキシド単位、少なくとも15個のアルキレンオキシド単位、少なくとも20個のアルキレンオキシド単位、少なくとも30個のアルキレンオキシド単位、又は少なくとも50個のアルキレンオキシド単位が含有される。ポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)は、ホモポリマー鎖、ブロックコポリマー鎖、ランダムコポリマー鎖、又はそれらの混合物である、ポリ(アルキレンオキシド)鎖を含有することもできる。いくつかの実施形態では、ポリ(アルキレンオキシド)鎖はポリ(エチレンオキシド)鎖である。]
[0061] 親水性ゲル材料(例えば、成形親水性ゲル材料)が前駆体組成物から形成されることが可能であるならば、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有する任意の分子量のポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)が使用され得る。ポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)の重量平均分子量は、多くの場合、2,000g/モル以下であるか、又は多くの場合、2,000g/モル未満であるか、1,800g/モル未満であるか、1,600g/モル未満であるか、1,400g/モル未満であるか、1,200g/モル未満であるか、若しくは1,000g/モル未満である。]
[0062] 複数の(メタ)アクリロイル基を有する、いくつかの代表的なポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)の調製物は、米国特許第7,005,143号(Abuelyamanら)、及び米国特許出願公開第2005/0215752(A1)号(Poppら)、同第2006/0212011(A1)号(Poppら)、及び同第2006/0235141(A1)号(Riegelら)に記載される。1分子当たりの(メタ)アクリロイル官能基の平均が少なくとも2つであるとともに、少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有する好適なポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)は、例えば、Sartomer(Exton,PA)から、商品名「SR9035」(エトキシル化(15)トリメチロールプロパントリアクリレート)、「SR499」(エトキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート)、「SR502」(エトキシル化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート)、「SR415」(エトキシル化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート)、並びに「CD501」(プロポキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート)及び「CD9038」(エトキシル化(30)ビス−フェノールAジアクリレート)で市販されている。括弧内の数は、1分子当たりのアルキレンオキシド単位の平均数を指す。他の好適なポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)としては、ポリアルコキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、例えば、BASF(Ludwigshafen,Germany)から商品名「LAROMER」として市販されている、少なくとも30個のアルキレンオキシド単位を有するものが挙げられる。]
[0063] いくつかの実施形態では、前駆体組成物には、ポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)であって、1分子当たり少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有し、少なくとも5つのエチレンオキシド単位を有し、かつ重量平均分子量が2,000g/モル未満であるものが含有される。この重合性材料は、前駆体組成物中の唯一の重合性材料であることもできるし、極性溶媒とともに単相を形成する他のモノマーと組み合わせることもできる。ポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)が前駆体組成物中の唯一の重合性材料であるか、又は、他のモノマーと組み合わせられるかに関わらず、1(モノマー又はオリゴマー)分子当たりの重合性材料の平均官能基数は、少なくとも1.0、好ましくは1.0を超え、及びより好ましくは少なくとも1.2である。]
[0064] より特定の前駆体組成物には、1分子当たり少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有し、少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有し、好ましくは、重量平均分子量が2,000g/モル以下、又は2,000g/モル未満である、ポリ(エチレンオキシド)(メタ)アクリレートが含有される。更により特定の代表的な前駆体組成物は、重量平均分子量が2,000g/モル以下、又は2,000g/モル未満であるエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートを含むことができる。多くの場合、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートには、1つの(メタ)アクリロイル基を有する不純物、2つの(メタ)アクリロイル基を有する不純物、又はそれらの混合物が含有される。例えば、市販の「SR415」(エトキシル化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート)は多くの場合に、1分子当たりの平均官能基数は3未満である(分析の際の1分子当たりの平均官能基数は2.5であった)。不純物が存在していたとしても、前駆体組成物中の1分子当たりの平均官能基数は少なくとも1.0であり、好ましくは1.0を超え、及びより好ましくは少なくとも1.2である。]
[0065] 1分子当たりのエチレン性不飽和基(例えば、(メタ)アクリロイル基))の平均数が、少なくとも1.0であり、好ましくは1.0を超え、及びより好ましくは少なくとも1.2であるならば、重合性材料は、単一の(メタ)アクリレート(すなわち、ポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)又は(メタ)アクリレートの混合物を含むことができる。1分子当たりの(メタ)アクリロイル基の平均数を、少なくとも1.0であり、好ましくは1.0を超え、及びより好ましくは少なくとも1.2とするために、重合性材料中に存在する(メタ)アクリレートの少なくともいくらかは、1分子当たり2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する。例えば、重合性材料には、1分子当たり2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートを含有でき、又は、混合物として、1分子当たり2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートと、1分子当たり1つの(メタ)アクリロイル基を有する1つ以上の(メタ)アクリレートとを組み合わせたものを含有できる。他の例では、重合性材料は、1分子当たり2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート、及び1分子当たり3つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートを含有することができるか、又は重合性材料は、1分子当たり2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートと、1分子当たり3つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとの混合物を、1分子当たり1つの(メタ)アクリロイル基、1分子当たり2つの(メタ)アクリロイル基、又はこれらの混合物を有する1つ以上の(メタ)アクリレートと組み合わせて含有することができる。]
[0066] 1分子当たり1つのエチレン性不飽和基を有する好適な重合性材料の特定の例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)(例えば、ポリ(エチレンオキシド(メタ)アクリレート)、ポリ(プロピレンオキシド(メタ)アクリレート)、及びポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド(メタ)アクリレート))、アルコキシポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド)、及びN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド)が挙げられるが、これらに限定されない。]
[0067] 1分子当たり2つのエチレン性不飽和基を有する好適な重合性材料には、例えば、アルコキシジ(メタ)アクリレートが挙げられる。アルコキシル化ジ(メタ)アクリレートの例としては、ポリ(アルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート)、例えば、ポリ(エチレンオキシドジ(メタ)アクリレート)及びポリ(プロピレンオキシドジ(メタ)アクリレート);アルコキシル化ジオールジ(メタ)アクリレート、例えば、エトキシル化ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシル化ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、及びエトキシル化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート;アルコキシル化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、例えば、エトキシル化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート及びプロポキシル化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート;及びアルコキシル化ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、例えば、エトキシル化ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート及びプロポキシル化ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。]
[0068] 1分子当たり3つのエチレン性不飽和基を有する好適な重合性材料の例としては、例えば、アルコキシル化トリ(メタ)アクリレートが挙げられる。アルコキシル化トリ(メタ)アクリレートの例としては、アルコキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、例えば、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマートリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートと、アルコキシル化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、例えば、エトキシル化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとが挙げられるが、これらに限定されない。]
[0069] モノマー1つ当たり少なくとも4つのエチレン性不飽和基を有する好適な重合性材料としては、例えば、アルコキシル化テトラ(メタ)アクリレート及びアルコキシル化ペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。アルコキシル化テトラ(メタ)アクリレートの例としては、アルコキシル化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、例えば、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。]
[0070] 1分子当たり少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含有する前駆体組成物に加えて、前駆体組成物には、親水性ゲル材料(例えば、成形高分子材料)に特定の特性を付与するために、他のモノマーを加えることができる。場合によっては、前駆体組成物は、アニオン性モノマーを含有することもできる。本明細書で使用するとき、用語「アニオン性モノマー」とは、カルボン酸(すなわち、カルボキシ)基(−COOH)又はその塩、スルホン酸基(−SO3H)又はその塩、硫酸基(−SO4H)又はその塩、ホスホン酸基(−PO3H2)又はその塩、リン酸基(−OPO3H)又はその塩、又はそれらの混合物から選択される酸性基に加えて、エチレン性不飽和基を含有するモノマーを指す。前駆体組成物のpHに応じて、アニオン性モノマーは、中性状態(酸性型)又は塩の形態(アニオン型)であり得る。アニオン型の対イオンは、多くの場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムイオン、又は種々のアルキル基で置換されたアンモニウムイオン、例えばテトラアルキルアンモニウムイオンから選択される。]
[0071] カルボキシ基を有する好適なアニオン性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、及び種々のカルボキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、2−カルボキシエチルアクリレート、2−カルボキシエチルメタクリレート、3−カルボキシプロピルアクリレート、及び3−カルボキシプロピルメタクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。カルボキシ基を備える他の好適なアニオン性モノマーとしては、米国特許第4,157,418号(Heilmannら)に記載されるもののような(メタ)アクリロイルアミノ酸が挙げられる。代表的な(メタ)アクリロイルアミノ酸には、N−アクリロイルグリシン、N−アクリロイルアスパラギン酸、N−アクリロイル−β−アラニン、及び2−アクリルアミドグリコール酸が挙げられるが、これらに限定されない。スルホン酸基を有する好適なアニオン性モノマーとしては、種々の(メタ)アクリルアミドスルホン酸、例えば、N−アクリルアミドメタンスルホン酸、2−アクリルアミドエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及び2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されない。リン酸基を有する好適なアニオン性モノマーとしては、(メタ)アクリルアミドアルキルリン酸、例えば、2−アクリルアミドエチルリン酸及び3−メタクリルアミドプロピルリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。リン酸基を有するいくつかの好適なアニオン性モノマーとしては、アルキレングリコール(メタ)アクリレートのリン酸塩、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレートのリン酸塩、及びプロピレングリコール(メタ)アクリレートのリン酸塩が挙げられる。これらの酸性モノマーのうちのいずれかの塩を用いることもできる。]
[0072] 前駆体組成物中に存在する場合、アニオン性モノマーは、親水性ゲル材料(例えば、成形高分子材料)の膨潤におけるアニオン性モノマーの度合い、比率、又はそれらの組み合わせに影響を及ぼし得る。すなわち、膨潤の度合いは、多くの場合、アニオン性モノマーの量並びに前駆体組成物中の他の親水性モノマーの量を変えることによって変更することができる。膨潤の度合いは通常、親水性ゲル材料が収着可能な極性溶媒の総量に比例する。アニオン性モノマーの量は、重合性材料の1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が、少なくとも1.0であり、好ましくは1.0を超え、及びより好ましくは1.2となるように調整される。アニオン性モノマーは、重合性材料の総重量の0〜50重量パーセント未満の範囲の量で存在し得る。重合性材料は、少なくとも0重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも3重量パーセント、又は少なくとも5重量パーセントのアニオン性モノマーを含有し得る。重合性材料は、最大で50重量パーセント、最大で25重量パーセント、最大で15重量パーセント、又は最大で10重量パーセントのアニオン性モノマーを含有し得る。重合性材料は、0〜50重量パーセント、0〜25重量パーセント、0〜15重量パーセント、又は0〜10重量パーセントのアニオン性モノマーを含有し得る。いくつかの重合性材料は、アニオン性モノマーを含有しない。アニオン性モノマーの濃度が低いか、又は完全に存在しないことが、特定の生物学的に活性な薬剤を含有する前駆体組成物中で見られ得る。例えば、特定のカチオン性抗菌剤は、アニオン性モノマーの存在下では、親水性ゲル材料内で強く結合し過ぎてしまうため、所望の通りに溶出又は拡散できない。]
[0073] いくつかの実施形態においては、前駆体組成物はカチオン性モノマーを含有し得る。本明細書で使用するとき、用語「カチオン性モノマー」とは、エチレン性不飽和基に加えて、アミノ基、アミノ基の塩、又はそれらの混合物を有するモノマーを指す。例えば、カチオン性モノマーは、アミノ(メタ)アクリレート又はアミノ(メタ)アクリルアミドであり得る。アミノ基は、第1級アミノ基若しくはその塩、二級アミノ基若しくはその塩、三級アミノ基若しくはその塩、又は四級の塩であり得る。カチオン性モノマーには多くの場合に、三級アミノ基若しくはその塩、又は四級アミノ塩が含まれる。前駆体組成物のpHに応じて、一部のカチオン性モノマーは、中性状態(塩基性型)又は塩の形態(カチオン型)であることができる。カチオン型の対イオンは、多くの場合、ハロゲン化物(例えば、臭化物又は塩化物)、硫酸塩、アルキル硫酸塩(例えば、メトサルフェート又はエトサルフェート)、並びに種々のカルボン酸塩アニオン(例えば、酢酸塩)から選択される。]
[0074] アミノ(メタ)アクリレートのいくつかの例には、以下のものが挙げられる。すなわち、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート及びN−アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−アクリル酸ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N−tert−ブチルアミノプロピルメタクリレート、及びN−tert−ブチルアミノプロピルアクリレートなどである。]
[0075] 代表的なアミノ(メタ)アクリルアミドとしては、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド、N−(3−アミノプロピル)アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−(3−イミダゾリルプロピル)メタクリルアミド、N−(3−イミダゾリルプロピル)アクリルアミド、N−(2−イミダゾリルエチル)メタクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−3イミダゾリルプロピル)メタクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−3−イミダゾリルプロピル)アクリルアミド、N−(3−ベンゾイミダゾリルプロピル)アクリルアミド、及びN−(3−ベンゾイミダゾリルプロピル)メタクリルアミドが挙げられる。]
[0076] 代表的なモノマーの四級塩には、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。すなわち、(メタ)アクリルアミドアルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド及び3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)及び(メタ)アクリロキシアルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリロキシ−2ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−アクリロキシ−2ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、及び2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムメチル硫酸塩)である。]
[0077] 他の代表的なモノマーの四級アミノ塩には、ジメチルアルキルアンモニウム基として、アルキル基が2〜22個の炭素原子又は2〜20個の炭素原子を有するものが挙げられる。すなわち、モノマーには、式−N(CH3)2(CnH2+1)+の基が含まれ、式中、nは、2〜22までの値の整数である。代表的なモノマーとしては、以下の式のモノマーが挙げられるが、これらに限定されない。]
[0078] ]
[0079] ここで、nは、2〜22までの範囲の整数である。これらのモノマー類の合成は、米国特許第5,437,932号(Aliら)に記載されている。]
[0080] いくつかのカチオン性モノマー、例えば、四級アミノ基を有するものは、親水性ゲル材料に抗菌特性を付与することができる。カチオン性モノマーは、多くの場合、重合性材料の総重量の0〜50重量パーセントの範囲の量で存在する。重合性材料は、少なくとも0重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、又は少なくとも5重量パーセントのカチオン性モノマーを含有し得る。重合性材料は、最大で50重量パーセント、最大で30重量パーセント、最大で20重量パーセント、最大で15重量パーセント、又は最大で10重量パーセントのカチオン性モノマーを含有し得る。重合性材料は、0〜50重量パーセント、1〜30重量パーセント、2〜20重量パーセント、又は5〜10重量パーセントのカチオン性モノマーを含有し得る。いくつかの重合性材料は、カチオン性モノマーを含有しない。いくつかの代表的な重合性材料は、非イオン性モノマーのみを含有している。]
[0081] すなわち、重合性材料は、アニオン性モノマーとカチオン性モノマーの両方を実質的に有さない。アニオン性又はカチオン性モノマーに関連して本明細書で用いる場合、「実質的に含まない」とは、重合性材料が、重合性材料の総重量の1重量パーセント未満、0.5重量パーセント未満、0.2重量パーセント未満、又は0.1重量パーセント未満のアニオン性モノマー又はカチオン性モノマーを含有することを意味する。]
[0082] 前駆体組成物は一般的に、前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下の重合性材料を含有する。例えば、前駆体組成物には、少なくとも10重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、又は少なくとも50重量パーセントの重合性材料が含有される。前駆体組成物は、90重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、又は60重量パーセント以下の重合性材料を含有する。いくつかの前駆体組成物では、重合性材料の量は、前駆体組成物の総重量の10〜90重量パーセント以下、20〜90重量パーセント以下、30〜90重量パーセント以下、又は50〜80重量パーセント以下の範囲である。]
[0083] 極性溶媒及び重合性材料に加えて、前駆体組成物は、1つ以上の任意の添加剤、例えば処理剤、活性物質、又はそれらの混合物を含み得る。これらの任意の添加剤の全ては、前駆体組成物中に溶解させるか又は分散させることができる。]
[0084] 用語「処理剤」とは、主に前駆体組成物又は親水性ゲル材料(例えば、成形高分子材料)のいずれかの物理的又は化学的な特性を変えるために添加される化合物又は化合物の混合物を指す。すなわち処理剤は、前駆体組成物の性質を変えるためか、又は親水性ゲル材料の形成を助長するために添加される。添加する場合、処理剤は、典型的には、前駆体組成物に添加される。これら処理剤は、典型的には、活性物質とはみなされない。]
[0085] 好適な処理剤としては、レオロジー変性剤、例えば、高分子増粘剤(例えば、ゴム、セルロース、ペクチンなど)又は無機増粘剤(例えば、粘土、シリカゲルなど)、表面張力を変更する界面活性剤、前駆体組成物を安定化させる乳化剤、極性溶媒への重合性材料の溶解度を高める可溶化剤、重合性材料の重合を促進する開始剤、連鎖移動剤又は連鎖遅延剤、バインダ、分散剤、定着剤、発泡剤、流動助剤、気泡安定剤、発泡促進剤、ゲル化剤、艶出し剤、噴射剤、ワックス、前駆体組成物の凝固点を下げるため及び/又はその沸点を上げるための化合物、並びに可塑剤が挙げられるが、これらに限定されない。]
[0086] 任意の処理剤は、前駆体組成物の総重量の20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、4重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、又は0.5重量パーセント以下の量で存在することができる。]
[0087] 開始剤は、フリーラジカル重合反応において、ほとんどの前駆体組成物において見られる処理剤である。開始剤は、光開始剤、熱開始剤、又はレドックス対であり得る。開始剤は、前駆体組成物に可溶であるか、又は前駆体組成物中に分散可能である。]
[0088] 好適な可溶性の光開始剤の例は、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2メチル−1−プロパノンであって、CibaSpecialty Chemicals(Tarrytown,NY)から商品名「IRGACURE 2959」として市販されている。好適な分散型光開始剤の例は、α、α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンであって、Ciba Specialty Chemicalsから商品名「IRGACURE 651」として市販されている。他の好適な光開始剤は、米国特許第5,506,279号(Babuら)に記載されているアクリルアミドアセチル光開始剤であって、これには、重合性基のみならず、開始剤として機能し得る基も含有される。この開始剤は通常、一部の重合性組成物中で使用されるような、当該技術分野において既知のレドックス開始剤ではない。このような開始剤は、存在する場合、生物活性剤と反応する可能性がある。]
[0089] 好適な熱開始剤としては、例えば、アゾ化合物、過酸化物若しくはヒドロペルオキシド、又は過硫酸塩などが挙げられる。代表的なアゾ化合物としては、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、及び4,4’−アゾビス−(4−シアノペンタン酸)が挙げられる。市販の熱アゾ化合物開始剤としては、商品名「VAZO」(「VAZO 44」、「VAZO 56」、「VAZO 68」など)でDuPont Specialty Chemical(Wilmington,DE)から入手可能な材料が挙げられる。好適なペルオキシド及びヒドロペルオキシドとしては、アセチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、及びペルオキシ酢酸が挙げられる。好適な過硫酸塩としては、例えば、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸アンモニウムが挙げられる。]
[0090] 他の例では、フリーラジカル重合開始剤は、レドックス対であって、例えば過硫酸アンモニウム又は過硫酸ナトリウムとN,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−ジアミノエタン、過硫酸アンモニウム又は過硫酸ナトリウムと硫酸第一鉄アンモニウム、過酸化水素と硫酸第一鉄アンモニウム、及びクメンヒドロペルオキシドとN,N−ジメチルアニリン、などである。]
[0091] いくつかの実施形態では、前駆体組成物は、重合性材料、極性溶媒、及び光開始剤などの開始剤のみを含む。ほとんどの実施形態において、開始剤は、前駆体組成物中の重合性材料の総重量の4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、又は0.5重量パーセント以下の量で存在する。]
[0092] 任意の活性物質
本発明の前駆体組成物及び/又は親水性ゲル材料は、1つ以上の任意の活性物質を含むことができる。活性物質は、親水性ゲル材料(例えば、成形高分子材料)に、いくつかの機能性を加える。親水性ゲル材料は、活性物質におけるキャリアとして機能する。存在する場合、活性物質は通常、前駆体組成物の総重量の30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、又は5重量パーセント以下の量で存在する。]
[0093] いくつかの実施形態では、活性物質は、親水性ゲル材料(例えば、成形高分子材料)の内外を移動することができる。他の実施形態では、活性物質は、親水性ゲル材料内で動かずに残存する傾向にある。例えば、活性物質の分子寸法によって、活性物質が親水性ゲル材料の外へ溶出又は拡散することが防止される場合がある。他の実施形態では、活性物質は、共有結合又はイオン結合によって、親水性ゲル材料と結合し得る。活性物質は、所望により、他のエチレン性不飽和基と反応し、重合性材料の一部になるか、又は親水性ゲル材料の高分子材料と結合することになり得る、1つ以上のエチレン性不飽和基を有することもできる。]
[0094] いくつかの活性物質は、生物学的に活性な薬剤である。本明細書で用いる場合、用語「生物学的に活性な薬剤」、「生物活性物質」及び「生物活性剤」は、交換可能に用いられ、生物系(例えば、バクテリア又は他の微生物、植物、魚、昆虫、又は哺乳動物など)に対するいくつかの知られた効果を有する化合物又は化合物の混合物を指す。生物活性剤は、生物系の代謝へ影響を及ぼすように、生物系に影響を及ぼす目的で添加される。]
[0095] 生物活性剤の例としては、薬剤、除草剤、殺虫剤、抗菌剤、消毒剤及び防腐剤、局所麻酔剤、収れん剤、抗真菌剤、抗菌剤、成長因子、ビタミン、ハーブ抽出物、酸化防止剤、ステロイド又は他の抗炎症剤、創傷治療を助長する化合物、血管拡張薬、剥離剤(例えば、α−ヒドロキシ酸又はβ−ヒドロキシ酸)、酵素、栄養素、タンパク質、及び炭水化物が挙げられるが、これらに限定されない。更に他の生物活性剤としては、人工的な日焼け剤、日焼け促進剤、皮膚鎮静剤、皮膚引き締め剤、しわ抑制剤、皮膚回復剤、皮脂抑制剤、皮脂刺激物質、プロテアーゼ阻害剤、かゆみ止め成分、発毛抑制剤、発毛促進剤、皮膚感覚剤、抗にきび治療剤、脱毛剤、除毛剤、魚の目除去剤、タコ除去剤、イボ除去剤、日焼け止剤、防虫剤、脱臭剤及び制汗剤、染毛剤、脱色剤、及び抗ふけ剤が挙げられる。当該技術分野において既知のあらゆる他の好適な生物活性剤を使用することができる。]
[0096] 好適な生物活性剤の例としては、金属含有化合物(例えば、銀含有化合物、亜鉛含有化合物、銅含有化合物、金含有化合物、及び白金含有化合物)、脂肪酸モノエステル、ポリへキサメチレンビグアニド、クロルヘキサジン、トリクロサン、ペルオキシド、ヨウ素及びこれらの複合体(例えば、ヨードフォア)、これらの誘導体、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。本発明とともに使用するのに好適な追加の生物活性物質は、米国特許出願公開第2003/0054025(A1)号(Cantorら)に開示される医薬成分を含む。]
[0097] 米国特許出願公開第2006/0035039号及び同第2006/034899号に記載されるように、生物活性剤に好適な銀含有化合物には、水性溶媒に溶解する化合物(例えば、硝酸銀)及び難溶性銀含有(SSSC)化合物が挙げられる。生物活性剤に好適な銀含有化合物は、創傷床のような湿潤環境と接触した際、親水性ゲル材料から銀イオンを持続して放出することで、抗菌活性をもたらす。好適な銀含有化合物の例としては、酸化銀、硫酸銀、酢酸銀、塩化銀、乳酸銀、リン酸銀、ステアリン酸銀、チオシアン酸銀、蛋白銀、炭酸銀、硝酸銀、スルファジアジン銀、アルギン酸銀、及びこれらの組合せが挙げられる。特に好適な銀含有化合物の例としては、酸化銀、炭酸銀、及び酢酸銀が挙げられる。銀含有化合物の好適な濃度の例としては、前駆体組成物の総重量の0.1重量%〜15.0重量%に及ぶ。]
[0098] 生物活性物質に好適な脂肪酸モノエステルは、米国食品医薬品局(FDA)によって、食品等級と定められ、安全であると認められている(GRAS)ことが望ましい。このような脂肪酸モノエステルは、カプリル酸、カプリン酸、及びラウリン酸のグリセロールモノエステル;カプリル酸、カプリン酸、及びラウリン酸のプロピレングリコールモノエステル;脂肪酸;並びにこれらの組み合わせのような、C8〜C12脂肪酸から生じ得る。好適な脂肪酸モノエステルの例としては、グリセロールモノラウレート(商品名「LAURICIDIN」でMed−Chem Laboratories,East Lansing,MIから市販される);モノカプリル酸グリセロール(商品名「POEMM−100」でRiken Vitamin Ltd.,Tokyo,Japanから市販される);グリセロールモノカプレート(商品名「POEM M−200」でRiken Vitamin Ltd.から市販される);プロピレングリコールモノラウレート、モノカプリル酸プロピレングリコール、及びプロピレングリコールモノカプレート、(すべて、Uniquema International,Chicago,ILから市販される);並びにこれらの混合物が挙げられる。前駆体組成物中の脂肪酸モノエステルの好適な濃度の例は、前駆体組成物の総重量の1.0重量%〜30.0重量%に及ぶ。]
[0099] 生物活性剤において好適なクロルヘキシジン材料の例としては、クロルヘキシジン、ジグルコン酸クロルヘキシジン(典型的には、グルコン酸クロルヘキシジン又はCHGと呼ばれる)及び酢酸クロルヘキシジンなどのクロルヘキシジン塩誘導体、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。前駆体組成物中のクロルヘキシジン材料の好適な濃度の例は、前駆体組成物の総重量の1.0重量%〜40.0重量%に及ぶ。前駆体組成物中のクロルヘキシジン材料の特に好適な濃度の例は、前駆体組成物の総重量の5.0重量%〜20.0重量%に及ぶ。]
[0100] 特定の生物活性物質(例えば、脂肪酸モノエステル、脂肪酸、及びトリクロサンなどのハロゲン化フェノール化合物)の生物活性を高めるために、エンハンサを使用してよい。好適なエンハンサの例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びこれらの塩などのキレート剤;乳酸、酒石酸、アジピン酸、コハク酸、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、マンデル酸、酢酸、ソルビン酸、安息香酸、サリチル酸などの有機酸;エタノール、イソプロパノール、並びにオクチルアルコール及びデシルアルコールなどの長鎖アルコールなどのアルコール類;及びこれらの組み合わせが挙げられる。流体溶液中のエンハンサの好適な濃度の例は、前駆体組成物の総重量の1.0重量%〜20.0重量%に及ぶ。]
[0101] 前駆体組成物中の生物活性剤の濃度は、生物活性剤の濃度が治療的に有効であるのが望ましい。このように、前駆体組成物中の生物活性剤の濃度は、使用される生物活性物質の種類、物品の設計、処理条件、物品が使用されるであろう時間などの様々な要因に応じて変化するであろう。一般的に、前駆体組成物中の生物活性剤の濃度は、前駆体組成物の総重量の0.01重量%〜50.0重量%に及ぶ。]
[0102] 本発明に使用するのに好適な他の活性物質には、生物学的な活性はない。これらの活性物質は、親水性ゲル材料にいくつかの非生物学的な機能性をもたらすために加えられる。すなわち、これらの活性物質は、生物系の代謝へ影響を及ぼすように、生物系に影響を及ぼす目的のために加えられるのではない。例えば、好適な活性物質を、親水性ゲル材料の臭い、電荷、色、密度、pH、浸透圧モル濃度、水分活性、イオン強度、又は屈折率を変えるために選択することができる。活性物質は更に、反応性基又は化合物を生じさせるように選択することもできる。生物学的活性ではない薬剤の例としては、乳化剤又は界面活性剤(アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせなど)、顔料、無機酸化物(二酸化ケイ素、チタニア、アルミナ、及びジルコニアなど)、芳香療法剤及び香料などの芳香剤、臭い吸収剤、湿潤剤、潤滑剤、染料、漂白剤又は着色剤、調味料、装飾剤たとえば光沢剤、皮膚軟化剤、酸、塩基、緩衝剤、指示薬、可溶性塩、キレート化剤などが挙げられる。使用量において、室温で液体であって、水と混和性があるいくつかの湿潤剤(例えば、グリコール及び他のポリオール)は、膨潤した親水性ゲル材料又は乾燥した親水性ゲル材料における前駆体組成物を計算する際に、極性溶媒の一部であるとみなされる。]
[0103] いくつかの実施形態では、活性物質は指示薬である。指示薬には、あらゆる好適な化学反応が利用可能である。指示薬は例えば、特定のpH範囲、又は特定種の化合物の存在を検出することができる。いくつかの特定種の化合物が存在することによって、色変化を生じさせることができる。ニンヒドリンは、例えば、タンパク質又はアミノ基の存在を検出するために利用することができる。指示薬は更に、典型的なpH指示薬、例えば、メチルブルー又はフェノールフタレインでもあり得る。]
[0104] 親水性ゲル材料の屈折率を高めるために、無機酸化物ナノ粒子を親水性ゲル材料に加えることができる。例えば、親水性ゲル材料は、ジルコニアナノ粒子又はチタニアナノ粒子を担持することができる。ジルコニアナノ粒子は、例えば、米国特許第6,376,590号(Kolbら)及び米国特許出願公開第2006/0148950(A1)号(Davidsonら)に記載の方法を使用して調製され得る。]
[0105] いかなる活性物質も重合性基を有してよい。活性物質での重合性基の利用は、活性物質が親水性ゲル材料から外へ移動するのを防止するために用いることができる。エチレン性不飽和基並びに四級アミノ基を有するカチオン性モノマーは、抗菌剤として機能する場合があり、及び前駆体組成物の重合性材料中に含むこともできる。カチオン性モノマーは、多くの場合、四級アミノ基を有する(メタ)アクリレートである。]
[0106] 親水性ゲル材料(例えば、成形高分子材料)は、典型的には、未反応の重合性基を有するため、親水性ゲル材料は、形成後に、重合性基を有する活性物質と反応することができる。例えば、エチレン性不飽和基及び四級アミノ基を有するカチオン性モノマーは、未反応のエチレン性不飽和基を有する親水性ゲル材料と反応することができる。重合性材料、カチオン性モノマー、及び光開始剤を含有する混合物を化学線に曝露して、カチオン性モノマーのエチレン性不飽和基と重合性材料の未反応のエチレン性不飽和基とを反応させることができる。反応生成物は、四級アミノ基が結合した親水性ゲル材料である。]
[0107] 活性物質は、膨潤した親水性ゲル材料を調製するのに使用される前駆体組成物中に存在することができる。あるいは、膨潤した親水性ゲル材料を乾燥し、ソルベートで2度目に膨潤させることができる。すなわち、乾燥した親水性ゲル材料は、ソルベートを収着することが可能であり、第2の膨潤した親水性ゲル材料(例えば、第2の膨潤形状の高分子材料)を形成する。多くの場合、ソルベートには活性物質が含まれている。活性物質は、生物学的に活性な薬剤、生物学的に活性ではない薬剤、又はそれらの混合物であり得る。好適な活性物質が本明細書に記載される。]
[0108] 前駆体組成物に含まれる場合、活性物質は、好ましくは、材料を重合させるために使用される放射線に対して安定である及び/又は耐性がある。また、硬化前に前駆体組成物に加える際、活性物質が劣化するのを防ぐために放射線量及び曝露の長さを調節し得る。あるいは、放射線に対して不安定であるか抵抗性がない活性物質は、親水性ゲル材料(例えば、乾燥し、活性物質を含むソルベートに曝露することが可能である成形高分子材料)の形成後に加えられる方がよい。多くの場合、前駆体組成物若しくは親水性ゲル材料(例えば、成形高分子材料)の形成後のいずれかに加えられる活性物質とは異なって、処理剤は、典型的には硬化前の前駆体組成物に含まれる。]
[0109] 活性物質の量は、膨潤した親水性ゲル材料の重量の0〜70重量パーセント以下の範囲内であることができる。いくつかの代表的な膨潤した親水性ゲル材料では、活性物質の量は、膨潤した親水性ゲル材料の50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2.5重量%以下、又は1重量%以下である。]
[0110] 成形材料
図1及び図2は、本発明により形成された膨潤形状の親水性ゲル材料を示す。膨潤形状の高分子材料は、少なくとも2つの個別のウェル(図3に表されるものなど)を有する金型の逆トポグラフィーを含有する。] 図1 図2 図3
[0111] 図1は、本発明の親水性ゲル層における1つの実施形態の断面図である。物品10は、親水性ゲル材料12及び裏側層14を含む。親水性ゲル材料12は、過充填した金型において硬化され、型材16の一体型連続層を形成する。親水性ゲル材料12の連続層は、層を一緒に積層するか、又は接着層(図示せず)によるような任意の好適な手段によって、裏側層14と結合する。] 図1
[0112] 図2は、本発明の親水性物品の代替の実施形態を示す。物品20は、裏側層24上の非連続コーティングで裏側層24に結合する型材26を形成する親水性ゲル材料22を含む。型材26は、金型及び硬化プロセスの一部分として裏側層24に積層されてもよいし、又は型材26は、個別の型材26として形成され、接着剤などの任意の好適な取り付け具で裏側層24に取り付けられてもよい。金型のウェルが前駆体組成物で過充填されていない場合に、この実施形態となる。] 図2
[0113] 成形親水性ゲル材料は、剛性又は弾性であり、容易に破砕されても破砕されなくても(例えば、砕けやすくても)よい。高分子材料の含有量が高くなると、成形高分子材料の弾性率及び圧潰強度が増加する傾向がある。平均官能基数が高い前駆体組成物を使用することで達成される架橋量が増えると、成形親水性ゲル材料の弾性率及び圧潰強度もまた増加する傾向がある。平均官能基数とは、1分子当たりの重合性基(エチレン性不飽和基)の平均数を指す。]
[0114] 成形親水性ゲル材料は、様々な寸法を有することができる。成形親水性ゲル材料の寸法は、放射線硬化前に前駆体組成物の形状を作製するのに使用される金型内の少なくとも2つの個別のウェル(ウェル表面上の特徴を含む)に応じて変化し、1マイクロメートル未満〜数千マイクロメートルに及び得る。成形親水性ゲル材料の高さ又は深さなどの特に好適な寸法は、0.5〜5000マイクロメートルの範囲内、1〜1000マイクロメートルの範囲内、10〜1000マイクロメートルの範囲内、又は100〜1000マイクロメートルの範囲内である。成形親水性ゲル材料の長さ又は幅は、0.5〜5000マイクロメートルの範囲内、1〜1000マイクロメートルの範囲内、又は100〜1000マイクロメートルの範囲内である。]
[0115] 前駆体組成物を放射線に曝露させた後、重合性材料は、少なくとも部分的に重合し、第1の膨潤形状の親水性ゲル材料を形成する。第1の膨潤形状の親水性ゲル材料(基材上に配置される)は、金型から取り除くことができる。膨潤形状の高分子材料は、一般的には金型のウェルの寸法を有する。従来、成形親水性ゲル材料(基材上に配置される)は、重力、振動技術によるか、又は付着した成形ヒドロゲル材料を備える基材を金型の外側に単純に引っ張ることで、金型から取り除くことができる。]
[0116] 一般的に、膨潤形状の親水性ゲル材料は、均質であって、金型で認識できる特徴以外に認識できる特徴を含まない。ウェル内の表面構造によって、膨潤形状の親水性ゲル材料におけるチャネル又は特徴が開発される。]
[0117] 特定の実施形態では、前駆体組成物は、ウェル容積の100%未満に充填され得るか、ウェル容積の100%を超えて充填され得る。次に、前駆体組成物は、本明細書に記載されるように前駆体組成物を放射線に曝露することで、少なくとも部分的に固化し得る。放射線への曝露は、少なくとも部分的に、基材を通して起こり得る。かかる曝露の後、生じた物品は、金型から取り除かれ、更に放射線に曝露され得る。所望により、部分的に固化した成形親水性ゲル材料は、放射線への曝露後に、例えば、接着剤の使用などの様々な手段によって基材に結合され得る。]
[0118] 金型及び成形材料の製造方法
成形高分子材料は、少なくとも2つのウェルを有する金型において形成され得る。成形高分子材料の寸法及び形状を画定する金型が提供される。金型のウェル内に前駆体組成物を加えて、保持する。次に、前駆体組成物を放射線に曝露し、重合性材料を少なくとも部分的に重合する。ウェル内で部分的に重合した材料は、第1の膨潤形状の親水性ゲル材料を形成する。]
[0119] 前駆体組成物などの流動性材料又は部分的に流動性である材料が適用され得る金型は、フィルム、シート、ウェブ、ベルト、ローラー、ドラム、リボン、離散粒子、又は他の3次元形状若しくは構造、又はこれらの組み合わせであってよい。金型は、高分子材料、金属材料、セラミックス材料、又はこれらの組み合わせから形成することができる。金型に選択される材料は、一般的に、特定の用途に好適な特性を有する。金型を形成する上で考慮されるいくつかの特性としては、物理的特性、化学的特性、光学的特性、電気的特性、放出特性、及び熱的特性が挙げられる。]
[0120] 金型は、前駆体組成物が金型を通して少なくとも部分的に重合することができるように、前駆体組成物を重合するのに使用される放射線に対して透過性であり得る。他の実施形態では、金型は、前駆体組成物を重合するのに使用される放射線に対して不透過性であることができる。かかる実施形態では、前駆体組成物の放射線への曝露は、基材を通して行われ得る。特定の実施形態では、「透過性の」金型及び基材において、前駆体組成物の放射線への曝露は、金型及び基材のいずれか又はその両方を通して行われ得る。]
[0121] 金型は、重合した親水性ゲル材料を容易に放出させることが可能な材料から製造することができる。例えば、熱可塑性樹脂から製造する事で、金型は、高分子ゲルから良好に放出されることが可能な低エネルギー表面を有することができる。金型表面と高分子ゲル表面との間の表面エネルギーに著しい差があり、高分子ゲル表面の表面エネルギーが、典型的には40〜41ダイン/cmである場合に、放出性が優れていると判断される。ポリプロピレン及びポリエチレンの各表面エネルギーは、30〜31ダイン/cmであるため、これらは、高分子ゲルを容易に分離することができる。ポリ(塩化ビニル)及び酢酸酪酸セルロースなどの特定の金型材料は、剥離剤の使用を必要とし得る。ポリオレフィンは、ポリ(塩化ビニル)及び酢酸酪酸セルロースよりも紫外線に対して透過性かつ安定である。]
[0122] 金型は、金型表面上に特徴部を有して形成することができる。これらの特徴部は、金型から該金型上に塗布又はコーティングされる流動性材料又は部分的に流動性の材料に移ることができる。金型表面は、平滑であるか、部分的に平滑であるか、非平滑であるか、又はこれらの組み合わせであり得る。ナノ複製、ミクロ複製、及びマクロ複製された特徴部及びパターンを含む非平滑化表面又は構造化表面の例が、米国特許第6,649,249号(Engleら)及び米国特許第7,105,809号(Woodら)に記載される。金型は、表面全体にわたって空間的に配置される規則的又は不規則な特徴部を有する構造化表面を更に含む。]
[0123] 金型は、ウェルとして一般的に既知である特徴部を更に備える。ウェルは、空洞、区域、窪み、隆起、チャネルなどと呼ばれてよい。ウェルは、流動性材料又は部分的に流動性の材料を保持するための部位を表面上に提供する。一般的に、ウェルは、直径、半径、高さ、幅、及び長さなどの寸法を備える容積を有する。ウェル中の材料は、金型上又は金型内に位置する壁及び/又は他の特徴部によって保持され得る。1つの実施形態では、ウェルは、金型の構造化表面内に配置され得る。金型のウェルは、ウェルを分離するランド(例えば、区域)を備え、互いに離れて配置され得る。]
[0124] ウェルは、異なる形状を有してよい。ウェルの形状の例としては、円錐形、立方体、三角形、矩形、角錐形、及び材料の容積を保持するのに好適な他の形状が挙げられる。ウェルの底部とは、一般的にはウェルの頂部から距離をあけたウェル内の部位を指す。ウェルの頂部とは、互いに個別のウェルを識別するランド又は表面を指し得る。少なくとも2つのウェルを有する金型において、第1のウェルは第2のウェルと同じ形状を有してよい。他の金型では、第1のウェルは、第2のウェルと異なる形状を有してよい。]
[0125] 同様に、ウェルは、ウェルの壁上、ランド領域上、及びウェル内に、不規則又は正確な間隔で配置される特徴部を有することができる。これらの特徴部のうちのいくつかは、突出部及び凹部を含んでよい。これらの特徴部は、一般的に、トポグラフィー特徴部と呼ばれる。]
[0126] ウェルのトポグラフィー特徴部のいくつかの例は、平行垂直な平面壁を有する立方体のウェルの極限値から半球形のウェルの極限値までであって、これらの極限間で任意の可能な固体幾何学構造に及ぶ。トポグラフィー又はトポグラフィー特徴部の他の例としては、角度のある平面壁を備える円錐形のウェル、角度のある平面壁を備える切頭角錘形のウェル、及び立方体の角部形状のウェルが挙げられる。]
[0127] ウェルにおけるトポグラフィー特徴部のいくつか、又はウェル自体の形状の画定は、ナノスケール、ミクロスケール、又はマクロスケールで形成され得る。同様に、トポグラフィー特徴部のいくつかは、金型上又は少なくともウェル間のランド領域上で見ることができる。これらの特徴部の寸法は、特徴部を製造する工具又は装置に制限され得る。一般的に、例えば、ミクロ構造化表面を有する金型は、少なくとも1つの表面上に所望のトポグラフィーを有し得る。これらのミクロ構造は、特徴部の少なくとも2つの寸法が微細であるような特徴部の構成を備える。微細な特徴部は、形状を判定するために裸眼には視覚的な補助器を必要とするほどに十分に小さい。トポグラフィー特徴部の寸法は、少なくとも2次元又は可能であれば3次元で200マイクロメートル以下(金型の平面の内外、及び金型の平面の各次元に沿って)に及ぶ。トポグラフィー特徴部は、所望の特性寸法(任意の次元に沿って測定される長さなど)及び特徴部密度(金型表面の各領域当たりの特徴部)を有する。前述のように、特徴部は、平坦な平面表面から離れるか逸れることを示すものであれば、いかなるものであってもよい。いくつかの特徴部としては、突出しているもの(瘤、杭、塊、隆起)、又は陥凹しているもの(穴(hoes)、くぼみ、亀裂、割れ目)が挙げられる。ミクロ構造化表面は、突出した特徴部及び陥凹した特徴部の組み合わせ(例えば、角錐状に突出及び陥凹した溝及び隆起)を有してもよい。隆起、溝、又は交差平面の場合、特徴部は、かかる隆起、溝、又は平面において角部又は直線交差であってよい。]
[0128] 特徴部は、その特徴的長さが3次元全て(すなわち、フィルム平面から内及び外、並びにフィルム平面に沿ってそれぞれが直交する方向)において同じであってよい。反対に、特徴部は、特徴的長さが、1つ以上の方向において他の方向よりも若干長いか、更にはかなり長くてよい(すなわち、隆起又は溝などの特徴部の場合)。]
[0129] いくつかの実施形態では、ミクロ構造化特徴部には、1つ以上の方向において200マイクロメートルの最大特徴的長さを有するものが含まれる。いくつかの実施形態では、最大特徴的長さは50マイクロメートルであって、他の実施形態では、特徴的長さは10マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態では、1つ以上の方向における最小特徴的長さは、1ナノメートルである。他では、最小特徴的長さは、10ナノメートルであって、他の実施形態では、最小特徴的長さは、100ナノメートルである。また、いくつかの実施形態では、金型中のミクロ構造化特徴部の密度は、平方ミリメートル(mm2)当たり特徴部100個以上の範囲であることができる。いくつかの実施形態では、金型は、平方ミリメートル(mm)当たり特徴部1,000個を超える密度を有し、他の実施形態では、平方mm当たり特徴部10,000個を超える密度である。図3は、少なくとも2つの個別のウェルを有する金型、及びウェル内に配置される特徴部を示す。] 図3
[0130] いくつかの特徴部は、規則的に繰り返す基準で存在するか、不規則に存在してよい。特徴部は、金型の全領域にわたって存在するか、ウェル又は任意でランド領域などの領域においてのみ存在してよい、その領域中で流動性又は部分的に流動性の材料が堆積される。]
[0131] いくつかの実施形態では、ウェルは、金型に対向して配置される基材と一緒に形成される。十分に多孔性である材料であるか、あるいは、金型が画定されたウェルから構成されない(例えば、スクリムなど)場合に、基材がその金型に対向して配置されるウェルを形成することが可能となるような構造形状を保持することができる材料である限り、基材として任意好適な材料を使用することができる。]
[0132] 1つの実施形態では、多孔性基材(又は膜)は、前駆体組成物を受容するウェルを形成する金型に配置される基材として使用することができる。好適な多孔性基材は、コーティングが可能であり、開口部及び孔を含む任意のものから選択され得る。好適な多孔性基材としては、多孔性膜、多孔性不織布ウェブ及び多孔性繊維が挙げられるが、これらに限定されない。多孔性基材は、高分子膜、プラスチックメッシュ、繊維ガラスマット又は金属スクリーンなどの様々な材料から形成されてよく、例えば、以下の「基材」という題目の項に記載される。]
[0133] 1つの実施形態では、多孔性基材の平均孔径は、10マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態では、多孔性基材の平均孔径は、10ナノメートルを超える。好適な多孔性基材としては、ナノ多孔性膜、微多孔性膜、微多孔性不織布ウェブ及び微多孔性繊維が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、多孔性基材は、異なる孔径(例えば、微小孔及びナノ細孔)の組み合わせを有してよい。]
[0134] いくつかの実施形態では、多孔性基材は親水性であり、以下の「基材」という題目の項に記載される1つ以上の高分子材料を含む。]
[0135] いくつかの実施形態では、多孔性基材は、熱誘導相分離(TIPS)膜のような親水性多孔性膜である。TIPS膜は、熱可塑性物質とその熱可塑性物質の融点を超える第2の物質との溶液を形成させることによって、作製される場合が多い。冷却すると、熱可塑性物質は結晶化し、第2の物質から相分離する。結晶化した材料は、多くの場合、伸長される第2の物質は、所望に応じて、伸張前又は伸張後に取り除く。TIPS膜は、米国特許第1,529,256号(Kelley);同第4,726,989号(Mrozinski);同第4,867,881号(Kinzer);同第5,120,594号(Mrozinski);同第5,260,360号(Mrozinski);及び5,962,544号(Waller,Jr.)に記載される。いくつかの実施形態では、TIPS膜は、ポリ(フッ化ビニリデン)(すなわち、PVDF)、ポリ(エチレン)又はポリ(プロピレン)などのポリオレフィン、ビニル含有ポリマー又はエチレン−ビニルアルコールコポリマーなどのビニル含有コポリマー、及びブタジエン含有ポリマー又はコポリマー、及びアクリレート含有ポリマー又はコポリマーなどの高分子材料を含む。PVDFを含むTIPS膜は、更に、米国特許出願公開第2005/0058821号(Smithら)に記載される。]
[0136] いくつかの実施形態では、多孔性基材は不織布ウェブである。平均孔径は、典型的には25マイクロメートルを超える。Wente,V.A.,「Superfine Thermoplastic Fibers」;Industrial Engineering Chemistry,48,1342〜1346(1956)、及びWente,V.A.,「Manufacture of Super Fine Organic Fibers」;Naval Research Laboratories(Report No.4364),May 25,1954によるものと同様の方法及び装置を使用するメルトブロー超極細繊維不織布ウェブが記載される。例えば、米国特許第5,962,544号(Waller,Jr.)に記載されるように、不織布ウェブは、エチレンビニルアルコールコポリマーから調製することができる。1つの実施形態では、不織布ウェブは、ナイロンから調製することができる。]
[0137] 好適な多孔性基材には、Millipore Corporation of Billerica,MAから入手可能な商品名DURAPORE及びMILLIPORE EXPRESSMEMBRANEとして既知の親水性及び疎水性多孔性膜のような市販の材料が挙げられる。他の好適な市販の多孔性膜は、NYLAFLO及びSUPORの商品名で既知であり、Pall Corporation of East Hills,NYから入手可能である。]
[0138] 1つの実施形態では、不織布スクリムを基材として使用することができる。不織布スクリムは、フィルムのような表面と対向して配置されてよく、不織布スクリムは、前駆体組成物を浸透させてもよい。次に、本明細書に記載するように、前駆体組成物を少なくとも部分的に硬化し得る。]
[0139] 好ましい医療物品において、成形親水性ゲルの形状は、活性物質の送達性、表面の吸着性の上昇、及び/又は水和の際のゲル層の一体性の向上のような医療物品における所望の特性に役立つように、金型によって付与される任意の形状であってよい。このような実施形態において、形状は、隆起、チャネル、山、峰、半球、角錐、円柱、円錐、ブロック、及び切頭型変形並びにそれらの組み合わせが挙げられ、これらに限定されない。]
[0140] 金型における少なくとも2つの個別のウェルは、前駆体組成物のような流動性又は部分的に流動性の材料を保持するのに使用することができる。前駆体組成物は、一般的に、金型と接触している間に硬化する、硬化性、重合性又は架橋性分子からなる液体組成物である。前駆体組成物は、一般的に、金型の少なくとも2つの個別のウェルに前駆体組成物を流入及び付加するのに十分な粘度を有する。]
[0141] 好ましくは、前駆体組成物は、一般的には5,000センチポアズ(cps)未満の粘度を有する。その範囲を超えると、気泡が発生し、前駆体が金型のパターンに完全に充填されない可能性がある。しかしながら、金型のパターンの複写が不正確であることは、通常容認されており、親水性ゲル層において小さな欠陥、気泡の発生又は破断があってもなお有用であるであろう。]
[0142] 前駆体組成物は、異なる方法によって、金型の少なくとも2つの個別のウェルの少なくとも一部分中に配置されることができる。配置方法又は付加方法のいくつかとしては、重力充填法、圧力充填法、又は真空充填法が挙げられるが、これらに限定されない。一例としては、前駆体組成物は、毛管現象によって、ウェルの少なくとも一部分中に配置され得る。前駆体組成物は、前駆体組成物が少なくとも2つの個別のウェルの容積の少なくとも5パーセントで配置されるように、ウェルの少なくとも一部分中に配置され得る。いくつかの実施形態では、前駆体組成物は、少なくとも2つの個別のウェルの容積の少なくとも15パーセント、少なくとも25パーセント、又は少なくとも35パーセントで配置され得る。前駆体組成物は、少なくとも2つの個別のウェルの容積の最大で100パーセント、最大で90パーセント、最大で80パーセント、又は最大で70パーセントで配置され得る。前駆体組成物は、少なくとも2つの個別のウェルの容積の5〜100パーセント、15〜90パーセント、25〜80パーセント、又は35〜70パーセントの範囲で少なくとも2つの個別のウェルの少なくとも一部分中に配置され得る。]
[0143] いくつかの実施形態では、前駆体組成物は、少なくとも2つの個別のウェルの容積の100パーセントを超えて充填するように配置され得る。この容積において、前駆体組成物は、2つの個別のウェル間を連結させるために、ウェル間のランド領域を占有し得る。成形高分子材料は、フィルム又はシートに結合されるウェルの重合性材料を有するフィルム又はシートの形状をとってよく、更に、基材上に配置されてよい。]
[0144] 特に好ましい実施形態であって、特に医療物品では、成形親水性ゲル層が、単層及び多層の両方の形式において、10〜90%の空隙容積、及び好ましくは15〜80%の空隙容積を有することが好ましい。特定のゲル吸収性層のキャリパー厚さを知ることで、空隙を構成する見かけ容積の割合を容易に計算することができる。ゲルのキャリパーは、対向する一組の足部がそれぞれ、親水性ゲル層の平滑な表面と、表面から突出した形状の最高地点に対する接平面において表面から突出した成形ヒドロゲル最高地点のいくつかとに接触する、従来の厚さゲージによって測定され得る。ゲル層の単位領域の見かけ容積は、領域の生成物及びキャリパー厚さとして計算される。ゲル層のキャリパー厚さは、無論、同容積のポリマーを有するが2つの平滑な平行面を備えるゲル層の厚さよりも厚い。]
[0145] 前駆体組成物を金型のウェル中に配置した後、前駆体組成物を2つの個別のウェル内で放射線に曝露することで、前駆体組成物は、少なくとも部分的に固化される。放射線は、重合性材料を少なくとも部分的に重合し、この重合性材料は、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が、少なくとも1.0であり、好ましくは1.0を超え、及びより好ましくは少なくとも1.2である。重合性材料は、フリーラジカル重合プロセスによって重合する。]
[0146] 重合した材料は、金型の2つの個別のウェル内で形状及び特徴部を呈する。金型のウェル内又は金型のミクロ構造化表面上の特徴部のほとんどは、成形高分子材料で設計又は示されるものの陰画である。例えば、金型の表面上にウェルを有する隆起は、成形高分子材料の表面上にチャネルとして現れるであろう。]
[0147] 代表的な実施形態では、前駆体組成物は、図5に示すように、60マイクロメートル間隔で90°で隆起した角柱のパターンを有する金属工具に注入され得る。基材は、前駆体組成物及び金属工具表面にわたって配置され、接触する。重合性材料を少なくとも部分的に重合した後、ヒドロゲルの複合構造物は、基材に対向する表面上で複製されるウェルの逆形状を有するヒドロゲルを形成する金属工具から取り除かれる。成形ヒドロゲル材料は、ウェルが過充填される場合に、ランドと隣接することができる。図6は、互いにランド領域に連結し、隣接する成形親水性ゲル材料の形成を示し、基材上に配置される(基材は図6に示さず)。] 図5 図6
[0148] 非接触堆積法及び他のコーティング法
前駆体組成物は、様々な方法を使用して基材上にコーティングとして塗布され得る。このような方法としては、例えば、ロールコーティング、ナイフコーティング、グラビアコーティング、パターンコーティング、オフセットグラビアコーティング、巻線ロッドコーティング、キスコーティングのような接触法、及びインクジェット印刷、スプレー噴霧堆積、静電堆積、マイクロディスペンス、凝集堆積、蒸発堆積、カーテンコーティング、メソスケール堆積のような非接触堆積法の両方、及び当該技術分野で既知のコーティング法が挙げられる。接触コーティング法又は非接触コーティング法のどちらが使用されるかに関わらず、コーティングは、連続又は非連続であることができる。特定の実施形態では、非接触堆積法は、非連続コーティングを形成するために使用される。]
[0149] 前駆体組成物は、非接触堆積によって基材に非連続コーティングで塗布されることができる。図4は、親水性ゲル材料の非連続コーティングを備える基材を製造する1つの代表的な非接触堆積プロセスの略図である。プロセス420には、供給システム430と硬化システム440とが含まれている。前駆体組成物450は、供給システム430を通過し、任意でポンプ436を通過し、超音波アトマイザーのような非接触堆積装置438によって堆積される。非接触堆積装置438からのアウトプット410は、基材405上で堆積される。硬化システム40は、基材405上のアウトプット410が放射線に曝露され、重合反応を経て硬化材料を形成するように、放射線を提供する。] 図4
[0150] プロセス420の供給システム430及び硬化システム440にはそれぞれ、種々の要素を含めることができる。供給システム430には、出口434を有するリザーバ432が含まれている。リザーバ432は、ポット、容器、ホッパー、ホース、漏斗、又は他の要素など、その中に前駆体組成物450のある量を注ぐことができるか、そうでなければ加えることができるものであり得る。リザーバ432は、金属、プラスチック、ガラス、又は任意の他の好適な材料であってよく、好ましくは前駆体組成物450は、リザーバ432と相互作用しない。出口434は、リザーバ432における開口部又は孔のように単純であっても良いし、個別の要素であっても良い。図4に示す実施形態では、出口434は、単にリザーバ432における開口部である。] 図4
[0151] 硬化システム440は、放射線源及びシールド装置を備え得る。シールド装置は多くの場合、供給源から出た放射線を所望の場所へ導いて、極めて接近している場合がある、人又は機器を保護するために存在する。シールド装置はまた、硬化プロセスにおいて環境制御をもたらす。]
[0152] 図4に示されるように、本発明の方法には、1つ以上の生物活性剤を任意で含有し得る前駆体組成物450を提供する工程が含まれる。前駆体組成物450は、非接触堆積法によって基材405に塗布され、放射線に曝露され、重合性材料を少なくとも部分的に重合する。前駆体組成物が生物活性剤を含有する場合、塗布及び硬化の方法は、基材405の表面上又は近くで生物活性物質が活性を保持するようなものである。所望により、生物活性物質は、硬化後に、乾燥した親水性ゲル材料に生物活性物質を吸収させることで加えられてよい。] 図4
[0153] 本発明の前駆体組成物450は、抗菌剤、抗生物質、抗カビ剤、抗ウィルス剤、及び防腐剤のような様々な異なる生物活性物質(以下で更に詳しく述べられる)を含み得る。親水性ゲル材料は、以下に記載される阻害ゾーン試験によって測定されるように、有効な抗菌活性レベルを示しつつ、低濃度の生物活性物質を組み込み得る。]
[0154] 本発明に好適な非接触堆積技術は、一般的に、コーティングされる表面とは無関係である。このように、非接触堆積機構は、コーティングされる表面405に対し横断方向で移動されてよく、一方で、表面405に横方向の力を実質的に加えない。接触コーティング技術と対照的に、非接触堆積は、同一の処理装置が製剤又はプロセスパラメータの変化を必要とせずに、様々な異なる表面をコーティングするために使用されるのを可能にする。好適な非接触堆積技術の例としては、インクジェット印刷、スプレー噴霧堆積、静電堆積、マイクロディスペンス、凝集堆積、蒸発堆積、カーテンコーティング、及びメソスケール堆積が挙げられる。特に好適な非接触堆積技術としては、インクジェット印刷及びスプレー噴霧堆積が挙げられる。]
[0155] インクジェット印刷は、流体液滴の制御パターンにある基材405(図4)に前駆体組成物を噴出させることで稼動する。好適なインクジェット印刷方法の例としては、熱インクジェット、連続インクジェット、圧電インクジェット、気泡インクジェット、ドロップ・オン・デマンドインクジェット、及び音響インクジェットが挙げられる。こうした印刷方法のためのプリントヘッドは、Hewlett−Packard Corporation,Palo Alto,CA及びLexmark International,Lexington,KY(熱インクジェット);Domino Printing Sciences,Cambridge,UK(連続インクジェット);並びにTrident International,Brookfield,CT、Epson,Torrance,CA、Hitachi Data Systems Corporation,Santa Clara,CA、XaarPLC,Cambridge,UK、Spectra,Lebanon,NH及びIdanit Technologies,Ltd.,Rishon Le Zion,Israel(圧電インクジェット)から市販されている。] 図4
[0156] 好適なインクジェットプリントヘッドモデルの例としては、Spectra Inc.から市販されているNOVA−QプリントヘッドのようなNOVAシリーズ、及びXaarPLCから市販されているXJ128−200プリントヘッドのようなXJ128シリーズが挙げられる。XJ128−200プリントヘッドを使用するとき、印刷解像度300×300ドット/インチ(dpi)を有するプリントヘッドを1.25キロヘルツ(kHz)及び35ボルト(V)で圧電駆動することにより、前駆体組成物450が基材405上にコーティングされ得る。これによって、公称体積70ピコリットル(pL)の滴が生成される。]
[0157] 印刷解像度に基づいて、表面の被覆割合(すなわち、ピクセル被覆)、及び生物活性物質が前駆体組成物中に存在するかどうか、硬化前に基材に塗布される前駆体組成物中の生物活性物質の濃度(濃度B.A.)は、以下で決定され得る:]
[0158] ]
[0159] (滴数/インチ2)は、6.45cm2(平方インチ)の基材における印刷ピクセルの数であり、選択される印刷解像度をもとに基づいており、(被覆%/100)は、印刷される表面の一部である。例えば、印刷解像度が300×300dpiであり、表面の表面被覆率が100%であると、合計で90,000滴の前駆体組成物が、6.45cm2(平方インチ)の基材に堆積される。この定義によると、被覆率は100%を超えることがあるが、この場合、ピクセルの一部は、プリントヘッドが物品上を複数回にわたって通過するように二重印刷がなされている。例えば、印刷解像度が300×300dpiであり、表面の表面被覆率が200%であると、基材6.45cm2(平方インチ)当たり、合計で180,000滴の前駆体組成物が堆積され、ここで、90,000滴がプリントヘッドの第1回目の通過において堆積され、90,000滴が第2回目の通過において第1回目の滴のセット上に堆積される。]
[0160] (体積/滴)は、選択されたプリントヘッド(例えば、70pLは、XJ128−200プリントヘッドによって典型的に生成される滴の体積である)によって生成される滴の呼び体積である。(密度F.S.)は、前駆体組成物の平均密度であって、(重量%B.A./100)は、インクジェット印刷前の前駆体組成物中の生物活性物質の重量パーセント濃度である。]
[0161] 表面上にインクジェット印刷される前駆体組成物の表面被覆率は、要求される個々の必要性によって変化し得る。要求される割合は、一般的に、生物活性物質、選択される生物活性物質の活性レベル、及び所望とする生物活性物質のレベルなどの、前駆体組成物の組成によって決まる。表面にインクジェット印刷される前駆体組成物の好適な表面被覆率の例は、1%〜500%に及ぶ。]
[0162] インクジェット印刷は、基材表面上にしるし及び図形を作製することも可能である。このように、前駆体組成物が表面上にインクジェット印刷されるパターンはまた、テキスト及び図形メッセージを伝えてもよい。1つの実施形態では、メッセージは、前駆体組成物に含有される顔料又は染料を使用することで視覚的に観察され得る。しかしながら、好ましくは、生物活性物質自体が基材上のメッセージに着色をもたらすものである。例えば、酸化銀のような多くの銀含有化合物は、流体溶液中においては透明であるが、乾燥すると濃茶色になる。これは、追加の着色剤がインクジェット印刷パターンを視覚的に観察可能にする必要性を排除する。好適なメッセージの例としては、会社のロゴ、物品の使用の説明、ブランド名、及び審美的外見のデザインが挙げられる。]
[0163] スプレー噴霧堆積は、前駆体組成物450(図4)を、空気衝突ノズル又はエア・ストリッピングノズルによって放出することで稼動し、前駆体組成物をある程度まで噴霧する。次に、噴霧された前駆体組成物410は基材405上に向かう。前駆体組成物の液滴が、基材上で一般的には均一なパターンに配置され得る(典型的には、インクジェット印刷で)一方で、スプレー噴霧堆積は、一般的にはより不均一なパターンの液滴を提供する。] 図4
[0164] 好適なスプレー噴霧堆積システムの例としては、Spraying Systems Co.,Wheaton,ILからのもののような、市販のスプレーヘッド及びボディが挙げられる。またスプレーヘッドは、一次噴霧供給源を広げるために、楕円形パターンを作製するためのファンスプレー適応を含んでよい。好適な稼働状態としては、前駆体組成物を基材405の表面上に、体積流量5ミリリットル/分(mL/分)、ウェブ速度4.6メートル/分(15フィート/分)、アトマイザノズル設定159キロパスカル(kpa)(23ポンド/インチ2(psi))、及びファンノズル設定138kPa(20psi)で噴霧することが含まれる。]
[0165] スプレーヘッドは、2マイクロメートル〜20マイクロメートルの範囲の直径を有する液滴を生成する。前駆体組成物405の乾燥後、基材405(図4)上に残った乾燥した液滴は、液滴が凝集することで、最大で30マイクロメートルにわたる直径を示す。硬化前に前駆体組成物中に存在する場合、基材405に噴霧される前駆体組成物中の生物活性物質の濃度(濃度B.A.)は、以下のように決定される:] 図4
[0166] ]
[0167] 前駆体組成物の表面積率(表面積%F.S.)は、基材405(図4)の表面の表面積に対する前駆体組成物の液滴の総表面積の比であり、デジタル顕微鏡法で物理的に観察される。前駆体組成物の液滴は、透明な背景上に濃色の滴としてデジタル式に示される。このようにして、濃色領域の全面積と透明領域の全面積とが比較され、比率が提供される。] 図4
[0168] (体積/面積)は、前駆体組成物の液滴の表面積の、前駆体組成物の液滴の体積への変換である。(密度F.S.)は、前駆体組成物の平均密度であり、(重量%B.A./100)は、噴霧前の前駆体組成物中の生物活性物質の重量パーセント濃度である。]
[0169] 前駆体組成物450(図4)は、複数のインクジェット印刷システムのような個別の非接触堆積システムによって基材405上に堆積され得る。例えば、第1インクジェット印刷システムは、第1生物活性物質を含有する第1前駆体組成物を印刷してよく、それと同時かそれに続いて、第2インクジェット印刷システムは、第2生物活性物質を含有する第2前駆体組成物を印刷してよい。これは、同一表面上に複数の生物活性物質をコーティングするのに特に有用であり、ここで、生物活性物質は、単一の前駆体組成物に不溶性である。非接触堆積によって得られる前駆体組成物の滴の寸法が小さいことで、第1生物活性物質と第2生物活性物質との間に有害な相互作用をもたらす危険性が削減される。] 図4
[0170] 前駆体組成物は、非接触堆積システムの複数回の通過に伴う濃度勾配において、非接触堆積によって堆積され得る。例えば、1回目の通過には高濃度の生物活性物質が含有されることが可能であり、続く通過には、低濃度の同じか又は異なる生物活性物質が含有されることが可能である。これは、生物活性物質の送達を制御するのに有益である。更には、前駆体組成物は、生物活性物質が表面の特定の領域で濃縮されるように堆積され得る。例えば、生物活性物質の濃度は、基材405の中央領域で高く、その周辺で低いことが可能である。これによって、使用される高額な生物活性物質の濃度を低くすることができる。]
[0171] 前駆体組成物450(図4)は、望ましくは、非接触堆積によりコーティングされるのに十分な低粘度を示す。所望の粘度は、一般的に、使用される非接触堆積技術に依存するであろう。例えば、インクジェット印刷において、前駆体組成物は望ましくは、所望のインクジェット温度(典型的には、25℃〜65℃)で、30センチポアズ(すなわち、30ミリパスカル秒)未満、好ましくは25センチポアズ未満、及びより好ましくは20センチポアズ未満の粘度を示す。しかしながら、前駆体組成物の最適粘度特徴は、主にインクジェット温度及び使用されるインクジェットシステムの種類によって決まるであろう。圧電式インクジェット利用において、好適な粘度は、25℃〜65℃にわたる温度において、3〜30センチポアズ、好ましくは10〜16センチポアズにわたる。] 図4
[0172] 基材
前駆体組成物は、例えば、非接触堆積などによって、基材上にコーティングすることができる。あるいは、前駆体組成物は、基材に接触する金型中に載置されることができる。次に、前駆体組成物は、基材に接触する際に、放射線に曝露され、前駆体組成物の重合性材料が少なくとも部分的に重合する。したがって、本明細書に記載の親水性ゲル材料のコーティング又は成形親水性ゲル材料は、基材上に配置されるか、又は基材と接触して載置され、次に、複合構造として硬化されて基材に接着する親水性ゲル材料となる。]
[0173] 親水性ゲル材料と基材との間の接着量は、前駆体組成物と処理表面とが接触する前の基材の表面の少なくとも一部の表面処理によって変更することが可能である。表面処理は、化学結合層又はプライマーの使用(例えば、米国特許公開第2003/0021961号に開示されるような)などの化学的手段によって行われることが可能であり、又はコロナ処理(例えば、酸素又は窒素)、プラズマ処理、又は火炎処理のような物理的な方法であることもできる。かかる方法は、通常は、基材へのコーティングの接着性を向上するために使用され、当業者には周知である。例えば、アクリル酸系接着剤のような接着剤コーティングも使用することができる。]
[0174] 標準的な取扱い条件において、親水性ゲル材料が基材に接着性を残す場合、親水性ゲル材料は、基材に「接着する」。いくつかの場合において、上述のように、より強力な接着が望ましく、接着レベルを高める好適な化学的手段又は物理的手段が必要とされ得る。例えば、本発明の親水性ゲル材料に接着せず、好適な基材とは見なされないフィルムは、3M Dyneon of St.Paul,MNから入手可能なTHV200フッ素化コポリマーフィルムのようなフッ素化フィルムである。かかるフィルムは、典型的には、本発明のヒドロゲルにおいて剥離ライナーとして使用される。]
[0175] 本発明において、親水性ゲル材料は、基材自体又は基材の少なくとも1つの表面の少なくとも一部分に塗布されるコーティング(例えば、バインダ層)のいずれかの内部に埋め込まれるのではなく、基材の表面上又は基材の少なくとも1つの表面の少なくとも一部分に塗布されるコーティング(例えば、接着剤コーティング)の表面上に配置される。したがって、例えば、好ましくは、本明細書に記載の方法及びそれにより得られる物品は、典型的には、基材に接触する前に完全に重合する親水性ゲル材料を使用しない。例えば、本発明は、個別のバインダと組み合わされ、次に、基材にコーティングされた個々の成形親水性ゲル材料を含まない(しかし、かかる材料を前駆体組成物と混合し、本発明に従って使用することが可能である)。表面コーティングは、表面上に配置される親水性ゲル材料の有効表面積がより大きいことは、例えば、親水性ゲル材料から親水性ゲル材料と接触する第2表面(例えば、皮膚)に送達される活性物質の接近性及び有効性が向上し、並びに活性物質を低量とすることが可能となるという利点がある。]
[0176] 好適な基材材料としては、例えば、布地、不織布繊維ウェブ、織布繊維ウェブ、ニット、高分子フィルム、発泡体などが挙げられる。このような基材は、多孔性であっても非多孔性であってもよい。非多孔性基材の例は、上述されている。好適な基材は、例えば、綿、レーヨン、羊毛、麻布、黄麻、アルギネート、繊維ガラス、セラミック繊維、天然ゴム、エラストマーポリマー、熱可塑性ポリマー、他の周知の裏材材料、及びこれらの組み合わせなどの天然繊維又は合成繊維から作製されることができる。かかる材料は、様々な従来の医療製品において裏基材として典型的に使用される。]
[0177] 好適な高分子材料としては、ポリオレフィン、ポリ(イソプレン)、ポリ(イソブチレン)、ポリ(ブタジエン)、フッ素化ポリマー、塩素化ポリマー、ポリエステル、ポリアミド(例えば、ナイロン)、ポリイミド、ポリエーテル、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(スルホン)、ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ビニル(ポリ(塩化ビニル)、エチレン−酢酸ビニル、ポリ(酢酸ビニル)、酢酸ビニルのコポリマー、ポリ(ビニルエステル)、ポリ(ビニルエステル)、ポリ(ビニルアルコール)など)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(カーボネート)、ポリウレタン(ポリウレタン発泡体など)、ポリアセテート、ポリアクリル酸、及びエチレン−プロピレン−ジエンゴムが挙げられるが、これらに限定されない。好適なポリオレフィンとしては、ポリ(エチレン)、ポリ(プロピレン)、ポリ(1−ブテン)、エチレンとプロピレンのコポリマー、エチレンとブチレンのコポリマー、α−オレフィンコポリマー(1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、及び1−デセンのコポリマーなど)、ポリ(エチレン−コ−1−ブテン)、及びポリ(エチレン−コ−1−ブテン−コ−1−ヘキセン)が挙げられるが、これらに限定されない。好適なフッ素化ポリマーとしては、ポリ(フッ化ビニル)、ポリ(フッ化ビニリデン)、フッ化ビニリデンのコポリマー(ポリ(フッ化ビニリデン−コ−ヘキサフルオロプロピレン)など)、及びクロロトリフルオロエチレンのコポリマー(ポリ(エチレン−コ−クロロトリフルオロエチレン)など)が挙げられるが、これらに限定されない。好適なポリアミドとしては、ポリ(イミノ(1−オキソヘキサメチレン))、ポリ(イミノアジポイルイミノヘキサメチレン)、ポリ(イミノアジポイルイミノデカメチレン)、及びポリカプロラクタムが挙げられるが、これらに限定されない。好適なポリイミドとしては、ポリ(ピロメリットイミド)が挙げられるが、これに限定されない。好適なポリ(エーテルスルホン)としては、ポリ(ジフェニルエーテルスルホン)及びポリ(ジフェニルスルホン−コ−ジフェニレンオキシドスルホン)が挙げられるが、これらに限定されない。好適なビニルアセテートのコポリマーとしては、ポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)、及びアセテート基の少なくとも一部が加水分解されていて、種々のポリ(ビニルアルコール)を与えるコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。]
[0178] 好適な基材(後述するように、医療物品の裏側層又は表側層を形成することができる)は、半透明又は透明な高分子弾性フィルムであることができる。基材は、放射線透過材料(例えば、熱可塑性材料)から作製され得る。もしそうであれば、親水性ゲル前駆体は、基材を通して放射線を浴びることで少なくとも部分的に重合することができる。]
[0179] 好適な基材(後述するように、医療物品の裏側層又は表側層を形成することができる)は、水蒸気透過性の高いフィルムであることができる。]
[0180] 基材は、感圧性接着剤(PSA)を含んでもよい。好適なPSAの例としては、アクリレート系のもの、ポリウレタン系のもの、シリコーン系のもの、ゴム系接着剤(天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、及びブチルゴムなど)、及びこれらの組合せが挙げられる。好適なアクリレートの例としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メタクリル酸n−ブチル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ−オクチルアクリレート、イソ−ノニルアクリレート、2−エチル−アクリル酸ヘキシル、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、n−ブチルアクリレート、アクリル酸ヘキシル、及びそれらの混合物のような、アルキルアクリレートモノマーのポリマーが挙げられる。特に好適なPSAとしては、シリコーン系接着剤が挙げられ、これは、創傷ケア用途において使用される従来のPSAにおいて、いくつかの有益な特性を示す。例えば、シリコーン系接着剤は、良好な皮膚接着特徴を提供するため、優れた適合性を提供するため、及び皮膚と創傷部位からの穏やかな剥離を提供するために、処方されてよい。典型的には、シリコーン系接着剤は、2部系としてポリシロキサンゴムと樹脂との反応から、早過ぎる反応を防ぐために一部ヒンダード系から、更にはホットメルト系として、形成される。好適なシリコーン系接着剤の例としては、ポリジオルガノシロキサン系接着剤;Dow Corning Corp.,Midland,MIから商品名「SILASTIC 7−6860」(生物医学等級接着剤)として、市販されている接着剤;米国特許第6,407,195号(Shermanら)に開示される接着剤;及びこれらの組合せが挙げられる。]
[0181] 放射線
重合性材料を少なくとも部分的に重合するのに使用する放射線は、化学線(例えば、スペクトルの紫外線領域又は可視領域において波長を有する放射線)、加速粒子(例えば、電子ビーム照射)、熱線(例えば、熱又は赤外線)などと呼ぶことができる。放射線は、化学線又は加速粒子であることが多い。なぜならば、これらのエネルギー源が、重合の開始や重合速度を良好に制御する傾向があるためである。加えて、化学線及び加速粒子は、比較的低い温度の硬化にも使用できる。このことにより、熱線を用いて重合反応を開始するためには避けることのできない比較的高い温度に対して反応し易い構成成分を劣化させないようにする。あるいは、放射線は、活性物質のような熱及び/又は光に反応し易い構成成分を劣化させないように、放射線レベルを最小化すること及び/又はより長い曝露時間により制御することができる。]
[0182] コーティングされた物品の実施形態において、重合性材料の放射線への曝露は、例えば、基材に直接及び/又は基材を通して行うことができる。基材上の成形ヒドロゲルにおいて、重合性材料の放射線への曝露は、例えば、基材及び/又は金型のウェルを通して行うことができる。]
[0183] 所望の電磁スペクトル領域のエネルギーを生成することができる、任意好適な化学線源を用いることができる。代表的な化学線源としては、高圧、中圧、低圧を含む水銀ランプ、キセノンランプ、キセノン/水銀ランプ、カーボアークランプ、タングステンフィラメントランプ、エキシマランプ、レーザー、太陽光、発光素子(LED)などが挙げられる。複数の単一源種又は2つ以上の源種の組み合わせが使用され得る。好適な源は、化学線の連続供給源であるか、又はパルス状の供給源であり得る。更には、フィルターは、活性成分などの、前駆体組成物中に存在する構成成分の劣化をもたらす危険性のある1つ以上の供給源から有害な波長を排除するのに使用することができる。]
[0184] 放射線源は、単一の放射線源であっても、又は同一の若しくは異なる複数種の放射線源であってもよい。放射線源は、赤外線、可視光、紫外線、電子ビーム放射線、マイクロ波放射線、又は高周波放射線などのエネルギーをもたらす。使用される特定のエネルギー源は、特定の前駆体組成物によって決まるであろう。好適な非イオン化放射線源には、連続したパルス状の供給源が挙げられ、及び広帯域供給源であっても、単色光源などの狭帯域供給源であってもよい。代表的な非イオン化放射線源としては、水銀ランプ(例えば、低圧型、中圧型、及び高圧型、並びにそれらの付加型又はドープ型)、蛍光灯、殺菌灯、ハロゲン化金属ランプ、ハロゲンランプ、発光ダイオード、レーザー、エキシマランプ、パルス化キセノンランプ、タングステンランプ、及び白熱灯が挙げられるが、これらに限定されない。赤外線源及びマイクロ波放射線源のみならず、電子線などのイオン化放射線源を利用してもよい。更には、これら放射線源の組み合わせを利用してもよい。]
[0185] いくつかの代表的な方法では、100〜1000ナノメートル、100〜800ナノメートル、又は100〜700ナノメートルの範囲の波長を有する電磁放射線を用いることができる。いくつかの方法では、100〜400ナノメートル又は200〜400ナノメートルの範囲の波長を有する紫外線を用いることができる。例えば、エキシマ源からの200nm未満の波長の紫外線を用いることができる。いくつかの実施形態では、放射線源は、高発光の紫外線源、例えば、少なくとも40W/cm(100W/インチ)の中圧水銀ランプである。殺菌灯などの低圧水銀ランプを含む低発光ランプを用いることも可能である。]
[0186] 前駆体組成物は、一般的に、30秒以下、15秒以下、10秒以下、5秒以下、3秒以下、2秒以下、1秒以下、又は0.5秒以下の時間、放射線に曝露され得る。放射線への曝露の際、重合性材料は少なくとも部分的に重合し、膨潤した親水性ゲル材料(例えば、成形高分子材料)を形成することができる。放射線への曝露中、重合性材料は架橋してもよく、又はポリマー鎖は拡大してもよい。]
[0187] 親水性ゲル材料は、前駆体組成物を放射線に曝露することで重合性材料のフリーラジカル重合を引き起こすことにより、形成される。例えば、成形親水性ゲル材料は、ウェル内で前駆体組成物を放射線に曝露することで重合性材料のフリーラジカル重合を引き起こすことにより、形成される。この実施形態では、重合した高分子材料は、金型のウェルの形状であると推測される。前駆体組成物には、重合性材料に加えて極性溶媒も含まれるため、親水性ゲル材料を極性溶媒で膨潤することができる。]
[0188] 乾燥した材料、並びに膨潤した材料及び乾燥した材料の使用
親水性ゲル材料及び親水性ゲル材料の製造方法のいくつかの実施形態では、極性溶媒の少なくとも一部を、第1の膨潤した親水性ゲル材料から取り除き、乾燥した親水性ゲル材料を形成することができる。次に、乾燥した親水性ゲル材料を、乾燥した親水性ゲル材料がソルベートの少なくとも一部を収着するのに十分な時間、ソルベートと接触させることができる。つまり、第1の膨潤した親水性ゲル材料は、続けてソルベートと接触して第2の膨潤形状の親水性ゲル材料を形成することができる乾燥した高分子親水性ゲル材料を形成するために乾燥させることができる。ソルベートには、少なくとも1つの活性物質を含有することができる。活性物質に加えて、ソルベートは、流体、例えば、液体又は超臨界流体を含むこともできる。一部の代表的なソルベートには、活性物質に加えて極性溶媒が含まれる。]
[0189] 本明細書で使用するとき、用語「収着する」とは、吸着する、吸収する、又はそれらの組み合わせを指す。同様に、用語「収着」は、吸着、吸収、又はそれらの組み合わせを指す。収着は、化学プロセス(すなわち、化学反応が生じるもの)であるか、物理プロセス(すなわち、化学反応が生じないもの)であるか、又はそれら両方であることも可能である。用語「ソルベート」とは、乾燥した親水性ゲル材料のような親水性ゲル材料によって収着されることができる組成物を指す。]
[0190] より具体的には、活性物質を含む親水性ゲル材料の製造方法を提供する。本方法は、(a)極性溶媒、及び(b)極性溶媒とともに単相を形成する重合性材料、を含有する前駆体組成物を形成する工程を含む。重合性材料は、フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が、少なくとも1.0であり、好ましくは1.0を超え、及びより好ましくは少なくとも1.2である。]
[0191] いくつかの実施形態では、方法は、前駆体組成物の一部を少なくとも2つのウェルを有する金型に付加する工程を更に含み、ここで、前駆体組成物はウェル内で保持される。金型のウェルは、前駆体組成物をウェルに付加する前に、基材と金型(例えば、側壁のみを備えるスクリーン型金型)とを接触させることで形成され得るか、又は前駆体組成物を金型のウェルに付加した後に、基材を前駆体組成物に接触するように配置してもよい。前駆体組成物は、2つの個別のウェルの少なくとも一部分中に配置される。ウェル内の前駆体組成物は、重合性材料を少なくとも部分的に重合し、第1の膨潤形状の高分子材料を形成するのに十分な時間、放射線に曝露される。方法は、第1の膨潤形状の高分子材料から極性溶媒の少なくとも一部を取り除いて乾燥した成形高分子材料を形成する工程を更に含む。次に、乾燥した成形高分子材料は、乾燥した成形高分子材料がソルベートの少なくとも一部を収着するのに十分な時間、ソルベートと接触し、第2の膨潤形状の高分子材料が形成される。ソルベートは典型的に活性物質を含有している。活性物質は、生物学的に活性な薬剤、生物学的に活性ではない薬剤、又はそれらの混合物であり得る。]
[0192] 他の実施形態では、方法は、非接触堆積によって、前駆体組成物のコーティングで基材をコーティングする工程を更に含む。基材にコーティングされた前駆体組成物を、重合性材料が少なくとも部分的に重合するのに十分な時間、放射線に曝露し、第1の親水性ゲル材料の膨潤したコーティングが形成される。方法は、第1の親水性ゲル材料の膨潤したコーティングから極性溶媒の少なくとも一部を取り除いて、基材上にコーティングされた親水性ゲル材料の乾燥したコーティングを形成する工程を更に含む。次に、親水性ゲル材料の乾燥したコーティングは、親水性ゲル材料の乾燥したコーティングがソルベートの少なくとも一部を収着するのに十分な時間、ソルベートと接触し、基材上にコーティングされた第2の親水性ゲル材料の膨潤したコーティングが形成される。ソルベートは、活性物質を含有することができる。活性物質は、生物学的に活性な薬剤、生物学的に活性ではない薬剤、又はそれらの混合物であり得る。]
[0193] 乾燥した高分子材料を形成するために、第1の膨潤した親水性ゲル材料から取り除かれる極性溶媒の量は、元の前駆体組成物における存在量を最大として、所望する任意量であることができる。乾燥した高分子材料には、多くの場合、高分子材料中に残る少なくとも少量の極性溶媒が含有される。更に、高分子材料をソルベートと接触させて活性物質を高分子親水性ゲル材料内又は高分子親水性ゲル材料上に収着させる場合、乾燥した高分子材料中に存在する極性溶媒の量は、一般的に、乾燥した親水性ゲル材料の重量の25重量パーセント以下である。乾燥した親水性ゲル材料中の極性溶媒の量は、乾燥した親水性ゲル材料の重量の20重量パーセント未満、15重量パーセント未満、10重量パーセント未満、5重量パーセント未満、2重量パーセント未満、又は1重量パーセント未満であり得る。一般的に、第1の膨潤した親水性ゲル材料からより多くの溶媒が取り除かれると、乾燥した親水性ゲル材料に収着されることができるソルベートの量が多くなる。]
权利要求:

請求項1
基材と該基材に接着する親水性ゲル材料とを含む物品の製造方法であって、前記方法が、(a)前駆体組成物の総重量の少なくとも10重量パーセントの極性溶媒、及び(b)フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.2であり、前記極性溶媒と混和性がある重合性材料;を含む前記前駆体組成物を提供する工程と、少なくとも2つの個別のウェルを有する金型を提供する工程と、前記前駆体組成物を前記金型に加え、前記前駆体組成物を少なくとも2つの個別のウェルの少なくとも一部分中に配置する工程と、基材を提供し、該基材を前記前駆体組成物の少なくとも一部分に接触するように配置する工程と、前記ウェル内で前記前駆体組成物を放射線に曝露し、前記重合性材料を少なくとも部分的に重合し、前記基材に接着した第1の膨潤形状の親水性ゲル材料を形成する工程と、を含む、方法。
請求項2
前記極性溶媒が水を含み、前記前駆体組成物が、該前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下の重合性材料を含み、前記重合性材料が、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有し、少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む、請求項1に記載の方法。
請求項3
基材と該基材に接着する親水性ゲル材料とを含む物品の製造方法であって、前記方法が、(a)前駆体組成物の総重量の少なくとも5重量パーセントの極性溶媒;及び(b)フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が1.0を超え、前記極性溶媒と混和性がある重合性材料;を含む前記前駆体組成物を提供する工程と、少なくとも2つの個別のウェルを形成する方法で、接触する基材を有する金型を提供する工程と、前記前駆体組成物を前記金型に加え、前記前駆体組成物を少なくとも2つの個別のウェルの少なくとも一部分中に配置する工程と、前記ウェル内で前記前駆体組成物を放射線に曝露し、前記重合性材料を少なくとも部分的に重合し、前記基材に接着した第1の膨潤形状の親水性ゲル材料を形成する工程と、を含む、方法。
請求項4
前記前駆体組成物が、(a)水を含む、前記前駆体組成物の総重量の少なくとも10重量パーセントである極性溶媒;及び(b)前記前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下であり、フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.2であり、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有し、少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む重合性材料;を含む、請求項3に記載の方法。
請求項5
基材と該基材に接着する親水性ゲル材料とを含む物品の製造方法であって、前記方法が、(a)前駆体組成物の総重量の少なくとも5重量パーセントの極性溶媒;及び(b)フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が1.0を超え、前記極性溶媒と混和性がある重合性材料;を含む前記前駆体組成物を提供する工程と、前記前駆体組成物を基材の少なくとも1つの表面の少なくとも一部分にコーティングする工程と、前記前駆体組成物を放射線に曝露して前記重合性材料を少なくとも部分的に重合し、前記基材に接着した第1の膨潤した親水性ゲル材料のコーティングを提供する工程と、を含む、方法。
請求項6
前記前駆体組成物が、(a)前記前駆体組成物の総重量の10重量パーセントを超える極性溶媒;及び(b)フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.2である重合性材料;を含む、請求項5に記載の方法。
請求項7
前記前駆体組成物が、(a)水を含む、前記前駆体組成物の総重量の少なくとも10重量パーセントである極性溶媒;及び(b)前記前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下であり、フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.2であり、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有し、少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む重合性材料;を含む、請求項5に記載の方法。
請求項8
前記前駆体組成物が、(a)前記前駆体組成物の総重量の少なくとも10重量パーセントの極性溶媒;及び(b)前記前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下であって、フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.2である重合性材料であり、前記極性溶媒と単相を形成し、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有し、少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有し、2,000g/モル未満の重量平均分子量を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む、重合性材料;を含む、請求項5に記載の方法。
請求項9
前記前駆体組成物が、(a)前記前駆体組成物の総重量の10重量パーセントを超える極性溶媒;及び(b)前記前駆体組成物の総重量の90重量パーセント未満であって、フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.2であり、前記極性溶媒と混和性がある重合性材料;を含み、前記重合性材料が、i)少なくとも2つの(メタ)アクリロイル官能基及び少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート;及びii)前記前駆体組成物中の重合性材料の総重量の0〜20重量パーセント未満であり、酸性基、酸性基の塩又はそれらの混合物に加えてエチレン性不飽和基を含むアニオン性モノマー;を含む、請求項5に記載の方法。
請求項10
非接触推積技術を使用する工程を含む、前記前駆体組成物をコーティングする工程と、前記前駆体組成物を放射線に曝露して、前記重合性材料を少なくとも部分的に重合し、基材上に第1の膨潤した親水性ゲル材料のコーティングを提供する工程が、基材の少なくとも1つの表面の少なくとも一部分上に、第1の膨潤した親水性ゲル材料の非連続コーティングを形成する工程を含む、請求項5〜9のいずれか一項に記載の方法。
請求項11
前記非接触推積が、インクジェット印刷を含む、請求項10に記載の方法。
請求項12
前記非接着推積が、スプレー噴霧推積を含む、請求項10に記載の方法。
請求項13
前記前駆体組成物が活性物質を更に含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
請求項14
請求項1〜4及び請求項1〜4に従属する請求項13のいずれか一項に記載の方法によって製造され、基材と該基材に接着する成形親水性ゲル材料とを含む物品。
請求項15
請求項5〜12及び請求項5〜12に従属する請求項13のいずれか一項に記載の方法によって製造され、基材と該基材に接着する親水性ゲル材料のコーティングとを含む物品。
請求項16
成形親水性ゲル材料が接着した基材を含む物品であって、前記成形親水性ゲル材料が、前記基材に接触する際に、少なくとも部分的に重合し、少なくとも2つの個別のウェルを有する金型で成形される前駆体組成物から調製され、前記前駆体組成物は、(a)水を含み、前記前駆体組成物の総重量の少なくとも10重量パーセントの極性溶媒;及び(b)前記前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下であり、フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.2であり、前記極性溶媒と単相を形成し、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有し、少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む、重合性材料;を含む、物品。
請求項17
成形親水性ゲル材料が接着した基材を含む物品であって、前記成形親水性ゲル材料が、前記基材に接触する際に、少なくとも部分的に重合し、少なくとも2つの個別のウェルを有する金型で成形される前駆体組成物から調製され、前記前駆体組成物は、(a)前記前駆体組成物の総重量の少なくとも10重量パーセントの極性溶媒;及び(b)前記前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下であって、フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.2である重合性材料であり、前記極性溶媒と単相を形成し、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有し、少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有し、2,000g/モル未満の重量平均分子量を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む、重合性材料;を含む。物品。
請求項18
親水性ゲル材料のコーティングが接着した基材を含む物品であって、前記親水性ゲル材料が、前記基材と接触する際に、少なくとも部分的に重合される前駆体組成物から調製され、前記前駆体組成物が、(a)前記前駆体組成物の総重量の少なくとも5重量パーセントの極性溶媒;及び(b)フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が1.0を超え、前記極性溶媒と混和性がある重合性材料;を含む、物品。
請求項19
前記前駆体組成物が、(a)前記前駆体組成物の総重量の10重量パーセントを超える極性溶媒;及び(b)フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.2である重合性材料;を含む、請求項18に記載の物品。
請求項20
前記前駆体組成物が、(a)水を含む、前記前駆体組成物の総重量の少なくとも10重量パーセントである極性溶媒;及び(b)前記前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下であり、フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.2であり、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有し、少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む重合性材料;を含む、請求項19に記載の物品。
請求項21
前記前駆体組成物が、(a)前記前駆体組成物の総重量の少なくとも10重量パーセントの極性溶媒;及び(b)前記前駆体組成物の総重量の90重量パーセント以下であって、フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.2である重合性材料であり、前記極性溶媒と単相を形成し、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基及び少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有し、2,000g/モル未満の重量平均分子量を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート)を含む、重合性材料;を含む、請求項19に記載の物品。
請求項22
前記前駆体組成物が、(a)前記前駆体組成物の総重量の10重量パーセントを超える極性溶媒;及び(b)前記前駆体組成物の総重量の90重量パーセント未満であって、フリーラジカル重合が可能であって、1分子当たりのエチレン性不飽和基の平均数が少なくとも1.2であり、前記極性溶媒と混和性がある、重合性材料;を含み、該重合性材料は、i)少なくとも2つの(メタ)アクリロイル官能基及び少なくとも5つのアルキレンオキシド単位を有するポリ(アルキレンオキシド(メタ)アクリレート);及びii)前記前駆体組成物中の重合性材料の総重量の0〜20重量パーセント未満であって、酸性基、酸性基の塩又はそれらの混合物に加えてエチレン性不飽和基を含むアニオン性モノマー;を含む、請求項19に記載の物品。
請求項23
前記コーティングが非連続コーティングである、請求項18〜22のいずれか一項に記載の物品。
請求項24
層状構成の前記親水性ゲル材料を含む医療物品である、請求項14〜23のいずれか一項に記載の物品。
請求項25
創傷包帯である、請求項24に記載の物品。
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